JP2002503472A - メタロプロテアーゼ‐ディスインテグリンsvph3−13およびsvph3−17のdnaおよびポリペプチド - Google Patents

メタロプロテアーゼ‐ディスインテグリンsvph3−13およびsvph3−17のdnaおよびポリペプチド

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JP2002503472A JP2000531569A JP2000531569A JP2002503472A JP 2002503472 A JP2002503472 A JP 2002503472A JP 2000531569 A JP2000531569 A JP 2000531569A JP 2000531569 A JP2000531569 A JP 2000531569A JP 2002503472 A JP2002503472 A JP 2002503472A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、単離、精製された新規なSVPH3-13またはSVPH3-17ポリペプチド、前記ポリペプチドをコードする核酸、前記ポリペプチドの組換え体の製造方法、前記ポリペプチドに対して生じる抗体、前記ポリペプチドから誘導される断片化ペプチド、および上記のものの使用方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】関連出願の相互参照 本出願は、参照により本明細書に組み入れる1998年2月11日出願の米国仮特許 出願第60/074,310号の利益を請求するものである。発明の背景 (発明の分野) 本発明は、精製され、単離された新規なメタロプロテイナーゼ‐ディスインテ
グリンファミリーのメンバー、特に、SVPH3-13およびSVPH3-17ポリペプチドおよ
びそれらの断片、そのようなポリペプチドをコードする核酸、組換え形態のその
ようなポリペプチドを生産する方法、これらのポリペプチドに対して産生された
抗体、これらのポリペプチドに由来する断片化ペプチド、およびそれらの使用に
関する。 (関連技術) ディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼドメインを含むタンパク質 メタロプロテイナーゼは、金属補欠分子族の存在により特徴付けられるプロテ
イナーゼの一群である。この基本的な類似性にもかかわらず、ヘビ毒からのプロ
テイナーゼ、多数の微生物のプロテイナーゼならびに脊椎動物および細菌のコラ
ゲナーゼを含む該補欠分子族は、プロテイナーゼの表面的には広範で様々な活性
を呈すると考えられる。例えば、ヘビ毒プロテアーゼは、細胞マトリックスの相
互作用に影響を及ぼすメタロプロテイナーゼである。ヘビ毒はまた、「ディスイ
ンテグリン」をも含む。ディスインテグリンは、低分子量のクラスであり、Arg-
Gly-Asp(RGD)を含有するシステインに富むペプチドであり、細胞上に発現するイ
ンテグリン(細胞間接着、細胞‐マトリックス接着、および炎症性応答に関与す
る分子ファミリー)に結合する。
【0001】 メタロプロテイナーゼ、ディスインテグリン様でシステインに富み、および表
皮の増殖因子のドメインからなる多量体分子である、膜に固着されたADAM((A D isintegrin And Metalloproteinase)ディスインテグリンおよびメタロプロテイ
ナーゼ)もまた含まれる。Black, R.A.およびWhite, J.M.,(1998)「ADAM:プロ テアーゼドメインを中心に」(ADAMs: focus on the protease domein), Curr Op
in Cell Biol 10, 654-59(処理中);Wolfsberg, T.G.およびWhite, J.M.(1996
)「受精および発生におけるADAM」(ADAMs in fertilization and development),
Dev Bio 180, 389-401(その全ては参照により本明細書に組み入れられる)を 参照されたい。ADAMファミリーは、ファーチリン‐αおよびメルトリン‐αを含
み、その双方は膜または細胞−細胞融合に関与する。特に、ファーチリン‐αお
よびメルトリン‐αのディスインテグリンドメインは、それぞれ精子/卵融合お
よび筋芽細胞融合に関与する。
【0002】 このファミリーの別のメンバーであるADAM 10/KUZは、神経発生に関与すると して同定された(前掲)。
【0003】 メタロプロテイナーゼ−ディスインテグリンのADAMファミリーはまた、ヘビ毒
プロテアーゼファミリー(SVPH)との相同性を有している。いくつかのヘビ毒プロ
テアーゼメンバーにおいては、ディスインテグリンドメインは血小板凝集を妨害
し、従って抗凝血剤として作用する。ADAMおよびSVMPは、長い触媒部位配列およ
び活性化機構を共有しており、それはProドメインのタンパク溶解的な除去を含 む(前掲)。ADAMおよびSVMPによる細胞外マトリックス分子および細胞表面タンパ
ク質のin vitroにおける開裂が認められた。
【0004】 ADAMファミリーメンバーは、共通のドメイン構造を示し、これらのタンパク質
の潜在的なタンパク質分解、接着、シグナル伝達、および融合の機能に対応して
いる(前掲)。いくつかのADAMはインテグリンと相互作用することが示されたた
め、二方向性のシグナル伝達が可能である(前掲)。ADAMのいくつかは活性なプ
ロテイナーゼである。
【0005】 マトリックス分解、細胞移動、ならびにタンパク質(サイトカインおよび増殖
因子を含む)の局在化した放出におけるADAMの役割が報告されてきた(前掲)。
例えば、腫瘍壊死因子−αは、ADAM17により開裂され、可溶性形態のタンパク質
を放出する(Blackら、Nature 385: 729-733, 1997、およびMossら、Nature 385
: 733-736, 1997)。
【0006】 ADAM1〜6は、受精および/または精子形成に関与してきた(Barker, H.L., Per
ry, A.C., Jones, R.およびHall, L., Biochim Biophys Acta, 1218, 429-31, 1
994; Blobel, C.P., Wolfsberg, T.G., Turck, C.W., Myles, D.G., Primakoff,
P.およびWhite, J.M., Nature, 356, 248-252, 1992; Evans, J.P., Schultz,
R.M.およびKopf, G.S., J. Cell Sci, 108, 3267-3278, 1995; Perry, A.C., Ba
rker, H.L., Jones, R.およびHall., L., Biochim Biophys Acta, 1207, 134-13
7, 1994; Perry, A.C., Gichuhi, P.M., Jones, R.およびHall, L., Biochem J.
, 307, 843-850, 1995; Perry, A.C., Jones, R. およびHall, L., Biochem J.,
312, 239-244, 1995; Wolfsberg, T.G., Bazan, J.F., Blobel, C.P., Mules,
D.G., Primakoff, P.およびWhite, J.M., Proc Natl Acad Sci USA, 90, 10783-
10787, 1993;ならびにWolfsberg, T.G., Straight, P.D., Gerena, R.L., Huovi
la, A.P., Primakoff, P., Myles, D.G.およびWhite, J.M., Dev Biol, 169, 37
8-383, 1995)。
【0007】 ADAMファミリーはまた、TNF‐α変換酵素(TACE)をも含む。Blobel, C.P,(1997
),「メタロ−ディスインテグリン:細胞接着、TNFαの開裂およびノッチとの関 わり」(The Metallo-disintegrins: Links to cell adhesion and cleavage of
TNFa and notch)、Cell 90, 589-592を参照されたい。TACEは、TNFα、p80 TNFR
、p60TNFR、L-セレクチン、II型IL-1R、およびβ−アミロイド前駆体タンパク質
などの膜タンパク質の放出に必要である。
【0008】 膜および細胞−細胞融合、細胞接着、膜タンパク質の放出、抗凝血作用ならび
に神経発生におけるメタロプロテイナーゼの重要な機能を考慮するならば、当技
術分野ではADAMファミリーおよび/またはSVPHファミリーメンバーのさらなるメ
タロプロテイナーゼが必要である(これらのファミリーの中の新規なタンパク質
の発見、同定および役割を含む)。
【0009】 分子量および等電点の測定 別の態様において、未知のタンパク質の一次構造または配列の同定は、実験の
困難なプロセスの頂点に位置する。未知のタンパク質を同定するためには、研究
者は当業者に公知の種々の技法を用いて、該未知のタンパク質と公知のペプチド
との比較に依存することができる。例えば、電気泳動、沈降、クロマトグラフィ
ー、配列決定および質量分析などの技法を用いて、タンパク質を日常的に分析す
ることができる。
【0010】 特に、未知のタンパク質と分子量が分かっているポリペプチドとの比較は、該
未知のタンパク質の見かけ分子量の測定を可能とする(T.D. BrockおよびM.T. M
adigan, Biology of Microorganisms, 76-77 (Prentice Hall, 第6版, 1991)) 。タンパク質分子量標準は市販されていて、未知のタンパク質の分子量の推定を
助ける(New England Biolabs Inc. カタログ:130-131, 1995; J.L. Hartley,米 国特許第5,449,758号)。しかし、分子量標準は見かけ分子量の正確な推定を可 能とするほど十分密接に大きさにおいて未知のタンパク質に対応していない場合
がある。分子量の推定の困難性は、化学的または酵素的手段によって断片化され
、翻訳後修飾またはプロセシングによって修飾され、および/または非共有結合
複合体の中で他のタンパク質と会合しているタンパク質の場合は倍加される。
【0011】 さらに、特定のアミノ酸構成成分に関するタンパク質組成のユニークな性質は
、該タンパク質内の切断部位の位置をユニークなものとする。化学的または酵素
的切断によるタンパク質の特異的断片化はユニークな「ペプチドフィンガープリ
ント」をもたらす(D.W. Clevelandら,J. Biol. Chem. 252:1102-1106, 1977;
M. Brownら,J. Gen. Virol. 50:309-316, 1980)。その結果、特定部位における
切断は、所与のタンパク質を正確な分子量をもつペプチドへと再現可能な断片化
をもたらす。さらに、これらのペプチドは該ペプチドの等電点pHを決定するユニ
ークな電荷特性を有する。これらのユニークな特性は、種々の電気泳動技法およ
び他の技法を用いて利用することができる(T.D. BrockおよびM.T. Madigan, Bi
ology of Microorganisms, 76-77 (Prentice Hall, 第6版, 1991))。
【0012】 タンパク質の断片化は、アミノ酸組成分析およびタンパク質配列決定のために
さらに用いられる(P. Matsudaira, J. Biol. Chem. 262:10035-10038, 1987; C.
Eckerskornら, Electrophoresis 1988, 9:830-838, 1988)。特に、「ブロック された」N末端を有するタンパク質からの断片の製造が用いられる。さらに、断
片化タンパク質は、免疫感作、アフィニティー選択(R.A. Brown, 米国特許第5,1
51,412号)、修飾部位(例えばリン酸化)の確認、活性な生物学的化合物の作製
(T.D. BrockおよびM.T. Madigan, Biology of Microorganisms, 300-301 (Pren
tice Hall, 第6版, 1991))および相同タンパク質の差別化(M. Brownら,J. Gen
. Virol. 50:309-316, 1980)のために用いることができる。
【0013】 さらに、未知のタンパク質のペプチドフィンガープリントが得られた場合は、
それを公知タンパク質のデータベースと比較して、質量分析を用いた該未知のタ
ンパク質の同定を助けることができる(W.J. Henzelら,Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 90:5011-5015, 1993; D. Fenyoら,Electrophoresis 19:998-1005, 1998) 。これらの比較を容易にする種々のコンピュータソフトウエアプログラムにイン
ターネットを通じてアクセスすることができる。例えば、Protein Prospector(
インターネットサイト:prospector.uscf.edu)、MultiIdent(インターネットサ
イト:www.expasy.ch/sprot/multiident.html)、PeptideSearch (インターネッ
トサイト:www.mann.embl-heiedelberg.de...deSearch/FR PeptideSearch Form
.html) およびProFound(インターネットサイト:www.chait-sgi.rockefeller.e
du/cgi-bin/prot-id-frag.html)である。これらのプログラムは、使用者が切断 剤および設定された誤差の範囲内で断片化ペプチドの分子量を特定することを可
能とする。該プログラムは、これらの分子量と、データベースに保存されたタン
パク質の分子量の情報とを比較し、未知のタンパク質の同一性を決定するのを助
ける。正確な同定には、断片化ペプチドの数およびそれらのペプチドの正確な分
子量に関する正確な情報が必要とされる。したがって、断片化ペプチドの数およ
びそれらの分子量の測定における正確さの増大は、未知のタンパク質の同定にお
ける成功の可能性を増大させるに相違ない。
【0014】 さらに、縦列(tandem)質量分析法(MS/MS) を用いて未知のタンパク質のペプチ
ド消化物を配列決定することが可能であり、そして得られた配列をデータベース
で検索することができる(J.K. Engら,J. Am. Soc. Mass Spec. 5:976-989 (199
4); M. MannおよびM. Wilm, Anal. Chem. 66:4390-4399 (1994); J.A. Taylorお
よびR.S. Johnson, Rapid Comm. Mass Spec. 11:1067-1075 (1997))。この過程 で使用することができる検索プログラムはインターネット上に存在する。例えば
、Lutefisk 97(インターネットサイト: HYPERLINK http://www.lsbc.com:70/L
utefisk97.html) www.lsbc.com:70/Lutefisk97.html)ならびに上記のProtein Pr
ospector, Peptide SearchおよびProFoundのプログラムである。したがって、遺
伝子の配列およびその予測されるタンパク質配列およびペプチド断片を配列デー
タベースに加えることは、縦列質量分析法を用いた未知のタンパク質の同定を助
けることができる。
【0015】 したがって、当技術分野ではペプチド断片化研究、分子量測定、および縦列質
量分析を用いたタンパク質配列決定に用いるのに適当なポリペプチドを必要とし
ている。発明の概要 本発明は、メタロプロテイナーゼ−ディスインテグリンファミリーの新規メン
バー、特に、SVPH3-13およびSVPH3-17の核酸およびこれらの核酸によってコード
されるポリペプチドを提供することによって当技術分野における上記の種々の必
要性を満たすことを目的とする。本発明の特定の実施形態は、配列番号1、配列
番号2、または配列番号5のDNA配列を含む単離されたSVPH3-13またはSVPH3-17 核酸分子、および配列番号3、配列番号4、または配列番号6のアミノ酸配列を
コードする単離されたSVPH3-13またはSVPH3-17核酸分子、ならびにこれらの配列
に相補的な核酸分子に関する。本発明はまた、これらの核酸分子の発現を指令す
る組換えベクター、およびこれらのベクターによって安定にまたは一過性に形質
転換またはトランスフェクトされた宿主細胞をも包含する。
【0016】 さらに、本発明は上記の核酸を用いて、プロテイナーゼ活性を有するタンパク
質をコードする核酸を同定する方法;ヒト第2または第7染色体を同定する方法
;ヒト第2または第7染色体上に遺伝子をマップする方法;ヒト第2または第7
染色体と関連する特定の疾患、症候群または他のヒトの病態に関連する遺伝子を
同定する方法を包含する。
【0017】 本発明はまた、SVPH3-13またはSVPH3-17遺伝子によってコードされるポリヌク
レオチドの発現を抑制するための、配列番号1、配列番号2、または配列番号5
の核酸に由来するセンスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を包含す
る。
【0018】 本発明はまた、これらの核酸分子によってコードされる単離されたポリペプチ
ドおよびそれらの断片(配列番号3、配列番号4、または配列番号6の可溶性ポ
リペプチド部分を含む)を包含する。本発明はさらに、発現を促進させる条件下
で宿主細胞を培養し、そして培養培地からポリペプチドを回収することを含む、
これらポリペプチドの製造方法を包含する。特に、細菌、酵母、植物、昆虫およ
び動物細胞におけるこれらポリペプチドの発現が本発明によって包含される。
【0019】 一般に、本発明のポリペプチドは免疫調節、細胞増殖、細胞死、細胞移動、細
胞間相互作用および炎症性応答などの細胞過程を研究するために用いることがで
きる。
【0020】 さらに、本発明はポリペプチド対抗構造(counter-structure)分子に関連する 活性のある潜在的なインヒビターをスクリーニングするための、これらのポリペ
プチドを用いたアッセイ、およびSVPHポリペプチド対抗構造分子によって媒介さ
れる疾患を治療するための治療剤としてこれらのポリペプチドを使用する方法を
含む。さらに、これらのポリペプチドをそのインヒビターの設計に使用する方法
もまた本発明の1態様である。
【0021】 本発明はさらに、タンパク質または断片化タンパク質の分子量の推定を可能と
する分子量マーカーとしてこれらのポリペプチドを使用する方法、ならびに電気
泳動を用いた、本発明の分子量マーカーを可視化する方法を提供する。本発明は
さらに、未知のタンパク質の等電点を測定するためのマーカーとして、またタン
パク質の断片化の程度を確定するための対照として、本発明のポリペプチドを用
いる方法を包含する。
【0022】 さらに、これらの測定を助けるためのキットもまた本発明に包含される。
【0023】 さらに、SVPH3-13またはSVPH3-17核酸配列の使用、上記ポリペプチドまたはそ
の断片の予想されるアミノ酸配列の使用、またはサンプル核酸および/またはタ
ンパク質の同定を助けるための電子データベースの検索における上記ポリペプチ
ドおよびその断片の予想されるアミノ酸配列の組合せの使用もまた本発明に包含
される。
【0024】 SVPH3-13またはSVPH3-17ポリペプチドの精製を助けるためのこれらの抗体の使
用に加えて、これらのポリペプチドに結合する単離されたポリクローナルまたは
モノクローナル抗体もまた、本発明に包含される。発明の説明 ヒトSVPH3-13および3‐17ポリペプチドをコードするcDNAが単離され、配列番号1
および配列番号2に開示される。
【0025】
【0026】 配列番号1および配列番号2は、配列番号3および配列番号4に開示されるSV
PH3-13およびSVPH3-17ポリペプチドをコードする。
【0027】
【0028】 ほぼ完全長のヒトSVPH3-13ポリペプチドをコードするcDNAが単離され、配列番
号5に開示される。
【0029】
【0030】 配列番号5は、配列番号6に開示されるSVPH3-13ポリペプチドをコードする。
【0031】
【0032】 このヒトSVPH3-13および3‐17ポリペプチドをコードするcDNAの発見は、SVPH3
-13または3‐17ポリペプチドをコードする核酸配列を含む発現ベクター、前記発
現ベクターでトランスフェクト又は形質転換した宿主細胞、単離され精製された
タンパク質としての生物学的に活性なヒトSVPH3-13および3‐17プロテイナーゼ 及びSVPH3-13および3‐17分子量マーカー、ならびにSVPH3-13および3‐17ポリペ
プチドと免疫反応性の抗体の作製を可能とするものである。
【0033】 SVPH3-13および3‐17プロテイナーゼは、ヘビ毒プロテアーゼファミリーのメ ンバーである。SVPH3-13ポリペプチド(配列番号3)は、ディスインテグリンド
メインの一部をコードする。SVPH3-13 DNA(配列番号5)は、SVPH3-13ポリペプ
チド(配列番号6)をコードし、アミノ末端シグナル配列の一部を欠損している
【0034】 SVPH3‐17ポリペプチド(配列番号4)は、哺乳動物ADAM中に見られる保存ド メイン構造の全て、すなわちシグナル配列(配列番号4のアミノ酸1-58)、プロ
ドメイン(配列番号4のアミノ酸59-286)、「触媒」ドメイン(配列番号4のア
ミノ酸287-495)、ディスインテグリンドメイン(配列番号4のアミノ酸496-599
)、システインリッチドメイン(配列番号4のアミノ酸600-786)、膜貫通ドメ イン(配列番号4のアミノ酸787-817)および細胞質ドメイン(配列番号4のア ミノ酸818-832)を有している。
【0035】 SVPH3-13ポリペプチド(配列番号6)は、細胞外ドメイン(配列番号6のアミ
ノ酸1‐697)、膜貫通ドメイン(配列番号6のアミノ酸698‐721)、および細胞
内ドメイン(配列番号6のアミノ酸722‐867)を含む。SVPH3-13ポリペプチド(
配列番号6)はまた、哺乳動物アダマリジン(adamalysin;ADAM)中に見られる 以下のドメイン構造も有している:ディスインテグリンドメイン(配列番号6の
アミノ酸400‐499)およびシステインリッチドメイン(配列番号6のアミノ酸50
0‐697)。
【0036】 SVPH3-13およびSVPH3-17は、いくつかのADAMにおいて見られるZn結合モチーフ
を失っている。
【0037】 ノーザンブロット分析によると、SVPH3-13は特に、脳において発現される(実
施例1)。ノーザンブロット分析によると、SVPH3-17は特に、脳および心臓にお
いて発現される(実施例2)。従って、SVPH3-13およびSVPH3-17は、神経発生に
関与している可能性がある。
【0038】 SVPH3-13 DNAは、ヒト染色体の7q21座にマッピングされる。SVPH3-17 DNAは、
ヒト染色体の2q33座にマッピングされる。
【0039】 SVPH3-13およびSVPH3-17ポリペプチドは、TACEタンパク質に相同性である。TA
CEは、膜タンパク質(TNFα、p80 TNFR、p60 TNFR、L-セレクチン、タイプII IL
-1R、およびβ-アミロイド前駆体タンパク質を含む)の放出に必要とされるプロ
テイナーゼであり、また、ファーチリンα(fertilin-α、精子の卵子への結合 に必要);メルトリンα(meltrin-α、筋肉細胞への筋芽細胞の融合に必要);
レプロリシン(reprolysin、ミエリン塩基性タンパク質を切断する);およびク
ズバニアン(kuzbanian、レプロリシンのショウジョウバエ相同体で、神経発生 および軸索伸長に必要)と相同性を示す。従って、SVPH3-13およびSVPH3-17は、
膜タンパク質の放出に関与している可能性がある。
【0040】 本発明のさらに好ましいヌクレオチド配列は、配列番号1、配列番号2、また
は配列番号5のヌクレオチド配列に由来する単離された断片およびオリゴヌクレ
オチドを含む。特に好ましい配列は、配列番号4のアミノ酸配列1-58、59-286、
287-495、496-599、600-786、787-817、および818-832をコードするヌクレオチ ドならびに配列番号6のアミノ酸配列1-697、698-721、722-867、400-499、およ
び500-697をコードするヌクレオチドを含む。本発明はまた、これらの断片およ びオリゴヌクレオチドによりコードされるポリペプチドをも包含する。
【0041】 本発明の核酸の発見は、ポリペプチドをコードする核酸配列を含む発現ベクタ
ーの構築;上記発現ベクターによってトランスフェクトまたは形質転換された宿
主細胞の構築;単離され、精製された生物学的に活性なポリペプチドおよびその
断片の構築;SVPH活性を有するタンパク質をコードする核酸を同定するためのプ
ローブとしての該核酸またはそのオリゴヌクレオチドの使用を可能にする。本発
明はまた、ヒト第2または第7染色体を同定するための該核酸またはそのオリゴ
ヌクレオチドの使用、ヒト第2または第7染色体上に遺伝子をマップするための
該核酸またはそのオリゴヌクレオチドの使用、およびヒト第2または第7染色体
と関連する特定の疾患、症候群または他のヒトの病態に関連する遺伝子を同定す
るための該核酸またはそのオリゴヌクレオチドの使用をも可能にする。第7染色
体に対応する疾患としては、悪性過温症、ツェルヴェーガー(Zellweger)症候群 、新生児の副腎脳白質ジストロフィー、幼児のレフサム(Refsum)病、進行性家族
性肝臓内コルチェスタティス(colchestatis)、VII型ムコ多糖体症、裂手/足奇 形が挙げられる。一方、第2染色体に対応する疾患としては、不整脈惹起性右心
室異形成−4、インスリン依存性糖尿病−12、一過性新生児重症筋無力症、若
年性筋萎縮性側索硬化症、先天性棘状白内障、コポック(Coppock)様白内障、葉 状魚鱗癬、家族性発作性舞踏病アテトーシス、およびフィニッシュ(Finnish)致 死性新生児代謝症候群が挙げられる。本発明はまた、SVPH3-13またはSVPH3-17遺
伝子によってコードされるポリヌクレオチドの発現を抑制するための、本発明の
核酸に由来する1本鎖センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用をも
提供する。最後に、本発明は、上記ポリペプチドおよび断片化ペプチドの分子量
マーカーとしての使用;ペプチド断片化の対照としての上記ポリペプチドおよび
断片化ペプチドの使用およびこれらの試薬を含んでなるキット;ならびに抗体を
作製するための上記ポリペプチドおよびその断片の使用およびSVPH3-13またはSV
PH3-17ポリペプチドを精製するための抗体の使用を可能とする。核酸分子 特定の実施形態において、本発明は汚染性の内因性物質を含まない特定の単離
されたヌクレオチド配列に関する。「ヌクレオチド配列」という用語は、独立し
た断片形態の、またはより大きい核酸構築物の1構成要素としてのポリヌクレオ
チド分子を指す。上記核酸分子は、標準的な生化学的方法(Sambrookら,Molecu
lar Cloning: A Laboratory Manual, 第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,
Cold Spring Harbor, NY (1989)に概略が示されている方法、など)によってそ
れを構成するヌクレオチド配列の同定、操作および回収を可能とする量または濃
度で、実質的に純粋な形態で、少なくとも1度単離されたDNAまたはRNAから誘導
された。そのような配列は、好ましくは、真核生物遺伝子に典型的に存在する内
部非翻訳配列つまりイントロンによって中断されない1つのオープンリーディン
グフレームの形で提供および/または構築される。非翻訳DNA配列はオープンリ ーディングフレームから5’側または3’側に存在することができる。その位置
では、非翻訳配列はコード領域の操作または発現を妨げない。
【0042】 本発明の核酸分子は、1本鎖および2本鎖両形態のDNA、およびそのRNA相補体
を含む。DNAは、例えばcDNA、ゲノムDNA、化学的に合成されたDNA、PCRによって
増幅されたDNA、およびそれらの組合せを含む。ゲノムDNAは通常の技法によって
、例えば、配列番号1、配列番号2、配列番号5のcDNAまたはその適切な断片を
プローブとして用いて単離することができる。
【0043】 本発明のDNA分子は、全長遺伝子ならびにそのポリヌクレオチドおよび断片を 含む。全長遺伝子は、N末端シグナルペプチドを含んでもよい。他の実施形態は
、可溶性形態をコードするDNA、例えば、該シグナルペプチドをもつ、またはも たない、タンパク質の細胞外ドメインをコードするDNAを含む。
【0044】 本発明の核酸は主としてヒト供給源に由来するが、本発明はヒト以外の種に由
来する核酸も包含する。
【0045】 好ましい配列 本発明の特に好ましいヌクレオチド配列は、上記のごとく、配列番号1、配列
番号2および配列番号5である。
【0046】 付加的配列 2個以上のコドンが同一のアミノ酸をコードできるという公知の遺伝子暗号の
縮重によって、DNA配列は配列番号1、配列番号2、および配列番号5に示すも のから変化して、なお配列番号3、配列番号4、または配列番号6のアミノ酸配
列を有するポリペプチドをコードすることができる。そのような変異体DNA配列 は、サイレント突然変異(例えば、PCR増幅の間に起こる)から生じうる。また は、天然の配列の意図的な突然変異誘発の産物でありうる。
【0047】 したがって、本発明は下記の(a) 〜(e) から選択される、本発明のポリペプチ
ドをコードする単離されたSVPH DNA配列を提供する:(a) 配列番号1、配列番号
2、または配列番号5のヌクレオチド配列を含むDNA; (b)配列番号3、配列番号
4、および配列番号6のポリペプチドをコードするDNA; (c)中程度のストリンジ
ェンシー条件下で上記(a) または(b) のDNAにハイブリダイズ可能であり、かつ 本発明のポリペプチドをコードするDNA; (d)高ストリンジェンシー条件下で上記
(a) または(b) のDNAにハイブリダイズ可能であり、かつ本発明のポリペプチド をコードするDNA;および(e) 遺伝暗号の縮重により生じる、上記(a), (b), (c)
または(d) に記載のDNAの縮重物であり、かつ本発明のポリペプチドをコードす
るDNA。当然ながら、そのようなDNA配列によってコードされるポリペプチドは本
発明に包含される。
【0048】 本明細書に用いる中程度のストリンジェンシー条件は、例えばDNAの長さに基 づいて、当業者によって容易に決定することができる。基本的な条件は、Sambro
okら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版,第1巻、pp.1.101-1
04, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)に記述されており、ニトロセ
ルロースフィルター用の前洗浄液5X SSC, 0.5% SDS, 1.0 mM EDTA (pH 8.0)の使
用;約50% ホルムアミド、6X SSCを用いた約42℃のハイブリダイゼーション条件
(または約50% ホルムアミドに溶解した他の類似した溶液、例えばStark 溶液な
どを用いた約42℃でのハイブリダイゼーション);および約60℃で0.5X SSC、0.
1% SDSを用いた洗浄条件を含む。高ストリンジェンシー条件もまた、例えばDNA の長さに基づいて、当業者によって容易に決定することができる。一般に、高ス
トリンジェンシー条件は、上記のハイブリダイゼーション条件と共に約68℃で0.
2X SSC, 0.1% SDSを用いた洗浄と規定される。当業者は、プローブの長さ等の因
子によって、必要であれば温度および洗浄液の塩濃度を調節できることを認める
であろう。
【0049】 後述するような不活性化N-グリコシル化部位、不活性化プロテアーゼプロセシ
ング部位、または保存的なアミノ酸置換を含むポリペプチド断片およびポリペプ
チドをコードするDNAもまた、本発明の実施形態として包含される。
【0050】 他の実施形態においては、本発明の核酸配列はまた、天然の配列と少なくとも
80%同一なヌクレオチド配列を含む。天然の配列と少なくとも90% 同一な、少な くとも95% 同一な、少なくとも98% 同一な、少なくとも99% 同一な、または少な
くとも99.9% 同一な配列を含む核酸分子である実施形態もまた意図される。
【0051】 同一性パーセントは、視覚による検査および数学的計算によって決定すること
ができる。または、2つの核酸配列の同一性パーセントは、Devereuxら(Nucl. A
cids Res. 12:387, 1984) によって記述され、University of Wisconsin Geneti
cs Computer Group (UWGCG) より入手可能な、GAP コンピュータプログラム、バ
ージョン6.0 を用いて、配列情報を比較することによって決定することができる
。GAP プログラムのための好ましいデフォルトパラメーターは、以下のものを含
む:(1) ヌクレオチド用の単一要素からなる比較マトリックス(一致に対して数
値1を、非一致に対して0を含む)、およびSchwartzおよびDayhoff編, Altas o
f Protein Sequence and Structure, National Biomedical Research Foundatio
n, pp. 353-358, 1979 に記述されている、GribskovおよびBurgess, Nucl. Acid
s Res. 14:6745, 1986 の加重比較マトリックス; (2) 各ギャップにつき3.0 の ペナルティー、および各ギャップの各シンボルにつき0.10の付加的ペナルティー
;および(3) 末端ギャップに対してはペナルティーなし。配列比較の技術分野に
おいて当業者に用いられている他のプログラムも用いることができる。
【0052】 本発明はまた、ポリペプチドの製造に有用な単離された核酸を提供する。その
ようなポリペプチドは多数の通常の技法のうち任意のものによって調製すること
ができる。SVPH3-13もしくはSVPH3-17ポリペプチドまたはその所望の断片をコー
ドするDNA配列を、該ポリペプチドまたは断片を製造するための発現ベクター中 にサブクローン化することができる。該DNA配列を適切なリーダーまたはシグナ ルペプチドをコードする配列に融合させると好都合である。または、公知の技法
を用いて所望の断片を化学的に合成することができる。また、DNA断片は、全長 クローン化DNA配列の制限酵素による消化によって作製し、アガロースゲルを用 いた電気泳動によって単離することもできる。必要であれば、5'または3'末端を
所望の点に再構築するオリゴヌクレオチドを、制限酵素による消化によって作製
したDNA断片に連結することができる。そのようなオリゴヌクレオチドは所望の コード配列の上流に1個の制限エンドヌクレアーゼ切断部位をさらに含み、そし
て開始コドン(ATG) を該コード配列のN末端に位置させることができる。
【0053】 所望のタンパク質断片をコードするDNA配列を単離し、増幅するためには、周 知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR) 法もまた用いることができる。DNA断片の所望 の両末端を規定するオリゴヌクレオチドを、5'および3'プライマーとして用いる
。これらのオリゴヌクレオチドは、増幅されたDNA断片の発現ベクターへの挿入 を容易にするために、制限エンドヌクレアーゼの認識部位をさらに含むことがで
きる。PCR技法はSaikiら、Science 239:487 (1988); Recombinant DNA Methodol
ogy, Wuら(編), Academic Press, Inc., San Diego (1989), pp. 189-196; お よびPCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Innisら(編), Ac
ademic Press, Inc. (1990)に記載されている。ポリペプチドおよびその断片 本発明は、天然に存在する形態、または組換えDNA技法を含む方法などの種々 の技法によって作製された形態を含む種々の形態のポリペプチドおよびその断片
を包含する。上記の形態は、誘導体、変異体およびオリゴマー、ならびに融合タ
ンパク質またはその断片を含むが、それらだけに限定されない。
【0054】 ポリペプチドおよびその断片 本発明のポリペプチドは、上述の核酸配列によってコードされる全長タンパク
質を含む。特に好ましいポリペプチドは配列番号3、配列番号4、および配列番
号6のアミノ酸配列を含み、そして特に好ましい断片は配列番号4のアミノ酸1-
58、59-286、287-495、496-599、600-786、787-817、または818-831、および配 列番号6のアミノ酸1-697、698-721、722-867、400-499、または500-697を含む 。
【0055】 本明細書において、用語「SVPH3-13および3‐17ポリペプチド」は、それぞれ 配列番号3のアミノ酸配列1-20または配列番号6のアミノ酸配列1-867および配 列番号4のアミノ酸配列1-832を有するタンパク質、ならびにそのようなアミノ 酸配列と高度な類似性(少なくとも90%の同一性)を有するタンパク質で生物学的 に活性なものを包含するポリペプチドの属である。加えて、SVPH3-13および3‐1
7ポリペプチドは、それぞれ配列番号1のヌクレオチド1-58または配列番号5のヌ
クレオチド1-2601および配列番号2のヌクレオチド1-2499の遺伝子産物である。
【0056】 本発明の単離され精製されたSVPH3‐13(配列番号3および配列番号6)なら びにSVPH3‐17(配列番号4)ポリペプチドは、グリコシル化されていない場合 、それぞれ約2,139または96,450および91,866ダルトンの分子量を有する。SVPH3
-13および3‐17ポリペプチドのアミノ末端及びカルボキシ末端の両方に追加のペ
プチド配列を融合することにより、SVPH3-13および3‐17ポリペプチドの分子量 を変化させ得ることは理解されよう。SVPH3-13および3‐17ポリペプチドのアミ ノ末端及びカルボキシ末端への追加のペプチド配列の融合は、SVPH3-13および3 ‐17ポリペプチドの発現を増加させるため、又は前記タンパク質の精製の助けと
するために用いることができる。
【0057】 当業者であれば、上記ポリペプチドのそのような領域の上記境界はほぼ正確で
あり、膜貫通領域の境界(その目的のために利用可能なコンピュータープログラ
ムを用いて予想され得る)は上記のものと異なる可能性があることを認識できる
であろう。
【0058】 本発明のポリペプチドは膜に結合していてもよいし、または分泌されてもよい
(この場合は可溶性である)。可溶性ポリペプチドは、それが発現された細胞か
ら分泌されることができる。一般に、可溶性ポリペプチドは、所望のポリペプチ
ドを発現する完全な細胞を培養培地から分離し(例えば遠心によって)、所望の
ポリペプチドの存在について培地(上清)をアッセイすることによって同定され
る(および、対応する不溶性膜結合ポリペプチドから区別される)。培地中にお
けるポリペプチドの存在は、該ポリペプチドが細胞から分泌されたこと、したが
って該タンパク質の可溶性形態であることを示す。
【0059】 1つの実施形態においては、上記可溶性ポリペプチドおよびその断片は細胞外
ドメインの全部または一部を含むが、該ポリペプチドを細胞膜上に保持させる膜
貫通領域を欠く。可溶性ポリペプチドは、それが産生された細胞から分泌されさ
えすれば、細胞質ドメインまたはその一部を含んでもよい。
【0060】 可溶性ポリペプチドのさらなる例は、細胞質ドメインおよび膜貫通領域だけで
なく、上記のスペーサー領域の全部または一部をも欠いているポリペプチドであ
る。
【0061】 一般に、可溶性形態の使用は特定の用途にとって好都合である。可溶性ポリペ
プチドは細胞から分泌されるので、組換え宿主細胞からの該ポリペプチドの精製
は容易となる。さらに、可溶性ポリペプチドは一般に静脈内投与により適切であ
る。
【0062】 本発明はまた、所望の生物学的活性を保持する細胞外ドメインのポリペプチド
および断片を提供する。特定の実施形態は、該天然の基質との結合能を保持する
ポリペプチド断片に向けられている。そのような断片は、上記のような可溶性ポ
リペプチドであってよい。別の実施形態においては、本発明のポリペプチドおよ
び断片は上記のADAMファミリー内で保存された領域を好都合に含む。
【0063】 本発明はまた、配列番号3、配列番号4、または配列番号6のアミノ酸配列の
少なくとも20個、または少なくとも30個の連続したアミノ酸を含むポリペプチド
断片を提供する。細胞質ドメインから誘導された断片はシグナル伝達の研究、お
よび生物学的シグナルの伝達に関連した細胞プロセスの調節に有用である。ポリ
ペプチド断片はまた、抗体を作製する際に免疫原として用いることができる。
【0064】 変異体 本発明のポリペプチドおよび断片の天然に存在する変異体および誘導された変
異体を本明細書に提供する。
【0065】 本明細書で用いるSVPH3-13または3‐17ポリペプチドの「変異体」という用語 は、天然のSVPH3-13または3‐17ポリペプチドに実質的に相同であるが、1個以 上の欠失、挿入または置換により天然のSVPH3-13または3‐17ポリペプチド(ヒ ト、マウスまたは他の哺乳動物種)のアミノ酸配列とは異なったアミノ酸配列を
有するポリペプチドを意味する。上記変異体は、天然のSVPH3-13または3‐17ポ リペプチドアミノ酸配列と好ましくは少なくとも80% 、最も好ましくは少なくと
も90% 同一である。ポリペプチドまたは断片が好ましいポリペプチドまたはその
断片と少なくとも90% 、少なくとも95% 、少なくとも98% 、少なくとも99% 、ま
たは少なくとも99.9% 同一なアミノ酸配列を含む実施形態もまた包含される。
【0066】 同一性パーセントは、例えば、Devereuxら(Nucl. Acids Res. 12:387, 1984)
によって記述され、ウィスコンシン大学遺伝学コンピュータグループ(UWGCG) よ
り入手可能な、GAP コンピュータプログラム、バージョン6.0 を用いて、配列情
報を比較することによって決定することができる。GAP プログラムは、Smithお よびWaterman (Adv. Appl. Math. 2:482, 1981)によって改訂された、Needleman
およびWunschのアライメント法(J. Mol. Biol. 48:443, 1970)を利用している。
GAP プログラムのための好ましいデフォルトパラメータは、以下のものを含む:
(1) ヌクレオチド用の単項の(unary)比較マトリックス(一致に対して数値1 を、非一致に対して0を含む)、およびSchwartzおよびDayhoff編,「タンパク質
配列および構造のアトラス」, National Biomedical Research Foundation, pp.
353-358, 1979 に記述されている、GribskovおよびBurgess, Nucl. Acids Res.
14:6745, 1986 の加重(weighted)比較マトリックス; (2) 各ギャップにつき3
.0 のペナルティー、および各ギャップの各記号につき0.10の追加ペナルティー ;および(3) 末端ギャップに対してはペナルティーなし。
【0067】 本発明の変異体は、例えば、mRNAの選択的スプライシング現象またはタンパク
質分解開裂によって生じる変異体を含む。mRNAの選択的スプライシングは、例え
ば、末端を切断されているが生物学的に活性なタンパク質(該タンパク質の天然
に存在する可溶性形態など)を生じうる。タンパク質加水分解に起因する変異は
、例えば、該タンパク質から1つ以上の末端アミノ酸(一般に1〜5末端アミノ
酸)がタンパク質加水分解によって除去されることによる、異なる種類の宿主細
胞における発現後のN末端またはC末端における相違を含む。アミノ酸配列の相
違が遺伝的多型性(該タンパク質を産生する個体間における対立遺伝子変異)に
起因するタンパク質もまた本明細書に包含される。
【0068】 本発明の範囲内にあるさらなる変異体は、他の化学的部分、例えばグリコシル
基、脂質、リン酸、アセチル基などと共有結合または凝集性コンジュゲートを形
成することによってポリペプチドを改変してその誘導体を作製することを含む。
共有結合誘導体は、該化学的部分をアミノ酸側鎖上、またはポリペプチドのN末
端またはC末端の官能基に結合することによって調製することができる。以下に
より詳しく記述するように、本明細書においてコンジュゲートに結合した(検出
可能な)診断剤または治療剤を含むコンジュゲートが考慮されている。
【0069】 他の誘導体は、組換え培養物中のN末端またはC末端融合体としての合成など
による、上記ポリペプチドと他のタンパク質またはポリペプチドとの共有結合ま
たは凝集性コンジュゲートを含む。融合タンパク質の例は、オリゴマーに関連し
て後述する。さらに、融合タンパク質は精製および同定を容易にするために付加
したペプチドを含むことができる。そのようなペプチドは、例えば、ポリ-Hisま
たは米国特許第5,011,912号およびHoppら,Bio/Technology 6:1204, 1988に記述
されている抗原性同定ペプチドを含む。そのようなペプチドの1つは、FLAG(登 録商標)ペプチド Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lysで、これは高度に抗原性で あり、特定のモノクローナル抗体によって可逆的に結合されるエピトープを提供
し、発現された組換えタンパク質の迅速なアッセイおよび容易な精製を可能とす
る。参照により本明細書に組み入れる米国特許第5,011,912号に記述されている ように、4E11と称するマウスハイブリドーマは、特定の二価金属カチオンの存在
下でFLAGペプチドと結合するモノクローナル抗体を産生する。4E11ハイブリドー
マ細胞系は、受託番号 HB 9259のもとにアメリカンタイプカルチャーコレクショ
ン(ATCC)に寄託されている。FLAGペプチドと結合するモノクローナル抗体は、Ea
stman Kodak Co.,科学的画像システム部門, New Haven, Connecticut より入手 可能である。
【0070】 本明細書に提供する変異体ポリペプチドの中には、天然の生物学的活性または
実質的にそれと等価な活性を保持する、天然ポリペプチドの変異体が存在する。
1例を挙げるならば、天然形態と本質的に同一の結合親和性をもって結合する変
異体である。結合親和性は、例えば米国特許第5,512,457号および以下に記述さ れるような通常の方法によって測定することができる。
【0071】 変異体は、天然形態に実質的に相同であるが、1つ以上の欠失、挿入または置
換によって天然形態のアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列を有するポリペプチド
を含む。特定の実施形態は、天然の配列と比較してアミノ酸残基の1から10個の
欠失、挿入または置換を含むポリペプチドを含むが、これらだけに限定されない
【0072】 上述のように、本発明は、組換え体あるいは非組換え体の、単離され精製され
た、即ち均質なSVPH3-13または3-17ポリペプチドを提供する。分子量マーカーと
して使用可能な天然のSVPH3-13または3-17ポリペプチドの変異体及び誘導体は、
天然SVPH3-13または3-17ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を変異させ
ることによって得ることができる。天然のアミノ酸配列の変更は様々な慣用の方
法の何れかによって達成することができる。変異は、天然配列の断片への連結を
可能にする制限部位が隣接した、変異した配列を含むオリゴヌクレオチドを合成
することによって特定の遺伝子座に導入することができる。連結の後、得られた
再構築配列は、所望のアミノ酸の挿入、置換、又は欠失を含む類似体をコードす
る。
【0073】 あるいは、オリゴヌクレオチドを用いる部位特異的突然変異誘発法を利用して
遺伝子の変更を導入し、所定のコドンが置換、欠失、又は挿入によって変化し得
るものとすることができる。上述のような変異を生じさせる方法の例はWalderら
(Gene 42:133, 1986); Bauerら(Gene 37:73, 1985); Craik (BioTechnique, Jan
uary 1985, 12-19); Smithら(Genetic Engineering: Principles and Methods,
Plenum Press, 1981); Kunkel (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488. 1985); K
unkelら(Methods in Enzymol. 154:367, 1987)及び米国特許第4,518,584号及び 第4,737,462号に記載されており、これら全ては引用により本明細書の一部とす る。
【0074】 特定のアミノ酸を、例えば、類似した物理化学的特徴を有する残基と置換する
ことができる。そのような保存的置換の例は、1個の脂肪族残基の別の脂肪族残
基との置換、例えばIle, Val, Leu またはAla などの相互置換;1個の極性残基
の別の極性残基との置換、例えばLys とArg、Glu とAsp、またはGln とAsnの間 の置換;または1個の芳香族残基の別の芳香族残基との置換、例えばPhe, Trpま
たはTyr などの相互置換を含む。他の保存的置換、例えば、類似の疎水性特性を
有する全領域の置換を含むものが周知である。
【0075】 同様に、本発明のDNAは、1つ以上の欠失、挿入または置換のために天然のDNA
配列とは異なるが、生物学的に活性なポリペプチドをコードする変異体を含む。
【0076】 本発明はさらに、関連する天然パターンのグリコシル化を有する、または有し
ない、本発明のポリペプチドを含む。酵母または哺乳動物発現系(例えば、COS-
1 またはCOS-7 細胞)において発現されたポリペプチドは、発現系の選択によっ
て、分子量およびグリコシル化パターンが天然のポリペプチドに類似する場合と
、非常に異なる場合がある。大腸菌(E. coli)などの細菌発現系における本発明 のポリペプチドの発現は、非グリコシル化分子を提供する。さらに、特定の調製
物は、異なるようにグリコシル化された該タンパク質の複数の種を含む場合があ
る。グリコシル基は通常の方法、特にグリコペプチダーゼを利用する方法によっ
て除去することができる。一般に、本発明のグリコシル化ポリペプチドは、モル
過剰のグリコペプチダーゼ(Boehringer Mannheim)と共にインキュベートするこ
とができる。
【0077】 上記に対応して、アミノ酸残基もしくは配列の種々の付加もしくは置換、また
は末端もしくは内部残基もしくは配列の種々の欠失をコードする類似のDNA構築 物が本発明に包含される。例えば、ポリペプチドの細胞外ドメインにあるN-グリ
コシル化部位を改変してあらかじめグリコシル化を排除し、哺乳動物および酵母
発現系における還元された炭水化物類似体の発現を可能とすることができる。真
核生物ポリペプチドのN-グリコシル化部位は、アミノ酸トリプレットAsn-X-Y (
XはPro以外の任意のアミノ酸; YはSerまたはThr)によって特徴付けられる。この
トリプレットをコードするヌクレオチド配列の適切な置換、付加または欠失は、
炭水化物残基のAsn 側鎖への結合を阻止する。例えばAsn が異なるアミノ酸によ
って置換されるように選択された1個のヌクレオチドの変更は、N-グリコシル化
部位を不活性化するのに十分である。または、Ser またはThr を別のアミノ酸、
例えばAla などに置換することができる。タンパク質中のN-グリコシル化部位を
不活性化する公知の方法は、参照により本明細書に組み入れる米国特許第5,071,
972号およびEP 276,846に記述されている方法を含む。
【0078】 変異体の別の例においては、生物学的活性に必須ではないCys 残基をコードす
る配列を変更して、Cys 残基を欠失または他のアミノ酸残基と置換させ、折りた
たみまたは再生後の不正確な細胞内ジスルフィド架橋の形成を阻止することがで
きる。
【0079】 KEX2プロテアーゼ活性が存在する酵母系において発現を増大させるため、隣接
する二塩基性アミノ酸残基を改変することによって他の変異体を調製することが
できる。EP 212,914は、タンパク質のKEX2プロテアーゼプロセシング部位を不活
性化するための部位特異的突然変異誘発の使用を開示している。KEX2プロテアー
ゼプロセシング部位は、残基を欠失、付加または置換してArg-Arg、Arg-Lysおよ
びLys-Arg対を変更し、これらの隣接する塩基性残基の存在を排除することによ って不活性化できる。Lys-Lysという対合はKEX2開裂をかなり受けにくいので、A
rg-LysまたはLys-ArgをLys-Lysに変換することは、KEX2部位を不活性化するため
の伝統的で好ましいアプローチである。
【0080】 オリゴマー SVPH3-13またはSVPH3-17ポリペプチドを含むオリゴマーまたは融合タンパク質
は本発明に包含される。そのようなオリゴマーは、共有結合した、または非共有
結合した多量体(二量体、三量体または高次オリゴマーを含む)の形をとること
ができる。上記のように好ましいポリペプチドは可溶性であるので、したがって
これらのオリゴマーは可溶性ポリペプチドを含んでよい。本発明の1態様におい
ては、オリゴマーはポリペプチド成分の結合能を維持し、それゆえ二価、三価な
どの結合部位を提供する。
【0081】 本発明の1つ実施形態は、ポリペプチドに融合したペプチド部分の間の共有ま
たは非共有相互作用を介して連結された複数のポリペプチドを含むオリゴマーに
向けられている。そのようなペプチドはペプチドリンカー(スペーサー)または
オリゴマー化を促進する特性を有するペプチドであってよい。ペプチドに結合す
るポリペプチドのオリゴマー化を促進できるペプチドの中には、後に詳述するよ
うに、ロイシンジッパーおよび、抗体から誘導されるある種のポリペプチドが存
在する。
【0082】 免疫グロブリンに基づくオリゴマー 他のオリゴマーの1つとして、免疫グロブリンから誘導されたポリペプチドを
用いてオリゴマーが調製される。抗体に由来するポリペプチド(Fcドメインを含
む)の種々の部分に融合したある種の異種ポリペプチドを含む融合タンパク質の
調製は、例えば、Ashkenaziら,(PNAS USA 88:10535, 1991); Byrnら (Nature 3
44:677, 1990);およびHollenbaughおよびAruffo (Current Protocols in Immuno
logy, 増刊号4, 10.19.1-10.19.11 頁, 1992に記載の「免疫グロブリン融合タン
パク質の構築」)によって記述されている。
【0083】 本発明の1つの実施形態は、本発明のポリペプチドを抗体由来のFcポリペプチ
ドに融合させることによって作製された2つの融合タンパク質を含む二量体に向
けられている。本発明のポリペプチド/Fc融合タンパク質をコードする遺伝子融
合体を適切な発現ベクターに挿入する。該ポリペプチド/Fc融合タンパク質は、
組換え発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞中で発現され、そして抗体
分子のように組み立てられる。そこでFc部分の間に鎖間ジスルフィド結合が形成
され、二価の分子を生じる。
【0084】 本明細書に用いる「Fcポリペプチド」という用語は、Fc領域のCHドメインのい
ずれかまたは全部を含む、抗体のFc領域からなるポリペプチドの天然形態および
突然変異形態を含む。二量体化を促進するヒンジ領域を含む、上記ポリペプチド
の末端切断形態もまた包含される。好ましいポリペプチドは、ヒトIgG1抗体由来
のFcポリペプチドを含む。
【0085】 PCT出願WO 93/10151(参照により本明細書に組み入れる)に記述されている適
切なFcポリペプチドの一つは、ヒトIgG1抗体のN末端ヒンジ領域からFc領域の天
然のC末端に伸びている1本鎖ポリペプチドである。別の有用なFcポリペプチド
は、参照により本明細書に組み入れる米国特許第5,457,035号およびBaumら(EMBO
J. 13:3992-4001, 1994)に記述されているFc突然変異タンパク質である。この 突然変異タンパク質のアミノ酸配列は、アミノ酸19がLeuからAlaに、アミノ酸20
がLeuからGluに、およびアミノ酸22がGlyからAlaに変わっている他は、WO 93/10
151に開示されている天然のFc配列のアミノ酸配列と同一である。この突然変異 タンパク質は、Fc受容体に対して減少したアフィニティーを示す。
【0086】 Fc部分を含む上記の融合タンパク質(およびそれから形成されるオリゴマー)
は、プロテインAまたはプロテインGカラム上のアフィニティークロマトグラフ
ィーによる容易な精製という有利さを提供する。
【0087】 他の実施形態においては、本発明のポリペプチドは抗体の重鎖または軽鎖の可
変部分と置換することができる。融合タンパク質が抗体の重鎖および軽鎖の両方
を用いて作製されている場合は、4個ものSVPH3-13またはSVPH3-17細胞外領域を
有するオリゴマーを形成することが可能である。
【0088】 ペプチド-リンカーに基づくオリゴマー 他に、本発明のオリゴマーは、ペプチドリンカー(スペーサーペプチド)を有
する、または有しない、複数のポリペプチドからなる融合タンパク質である。適
切なペプチドリンカーの中に、参照により本明細書に組み入れる米国特許第4,75
1,180号および第4,935,233号に記述されているペプチドリンカーがある。所望の
ペプチドリンカーをコードするDNA配列は、任意の適切な通常の技法を用いて、 本発明のDNA配列の間に、リーディングフレームを合わせて挿入することができ る。例えば、リンカーをコードする化学的に合成されたオリゴヌクレオチドを配
列の間に連結することができる。特定の実施形態においては、融合タンパク質は
ペプチドリンカーによって隔てられている2から4個の可溶性SVPH3-13またはSV
PH3-17ポリペプチドを含む。
【0089】 ロイシン-ジッパー 本発明のオリゴマーを調製する別の方法は、ロイシンジッパーの使用を伴う。
ロイシンジッパードメインとは、該ドメインが見いだされるタンパク質のオリゴ
マー化を促進するペプチドである。ロイシンジッパーは最初いくつかのDNA結合 タンパク質中に同定され (Landschulzら, Science 240:1759, 1988)、その後種 々の異なるタンパク質中に見いだされた。公知のロイシンジッパーの中には、二
量体化または三量体化をおこなう天然に存在するペプチドおよびその誘導体があ
る。
【0090】 ジッパードメイン(本明細書ではオリゴマー化ドメインまたはオリゴマー形成
ドメインとも言う)は、しばしば他のアミノ酸と共に散在した4または5個のロ
イシン残基を有する、反復性7個群(heptad)のリピートを含んでなる。ジッパー
ドメインの例は、酵母転写因子GCN4に見いだされるジッパードメイン、およびラ
ット肝臓に見いだされる熱安定性DNA結合タンパク質である(C/EBP; Landschulz ら, Science 243:1681, 1989)。2つの核トランスフォーミングタンパク質fos およびjun もまた、マウス癌原遺伝子c-mycの遺伝子産物と同様に、ジッパード メインを示す(Landschulzら, Science 240:1759, 1988)。核癌遺伝子fos および
jun の産物は、主としてヘテロ二量体を形成するジッパードメインを含む(O'She
aら,Science 245:646, 1989; TurnerおよびTjian, Science 243:1689, 1989)。
ジッパードメインは、これらのタンパク質における生物学的活性(DNA結合)に とって必要である。
【0091】 パラミクソウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルスおよび多数のレトロウイ
ルスを含む異なるウイルスの融合誘導(fusogenic)タンパク質もまたジッパード メインを有する(BucklandおよびWild, Nature 338:547, 1989; Britton, Nature
353:394, 1991; DelwartおよびMosialos, AIDS Research and Human Retroviru
ses 6:703, 1990)。これらのウイルスの融合誘導タンパク質におけるジッパード
メインは、該タンパク質の膜貫通領域の近くに存在する。ジッパードメインは融
合誘導タンパク質のオリゴマー性構造に寄与しうることが示唆された。ウイルス
の融合誘導タンパク質のオリゴマー化は、融合孔(pore)形成に関与している(Spr
uceら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:3523, 1991)。また、ジッパードメイン
は熱ショックした転写因子のオリゴマー化にもある役割を果たすことが最近報告
されている(Rabindranら,Science 259:230, 1993)。
【0092】 ジッパードメインは短い、平行なより合わせコイル(coiled coil)として折り たたまれている(O'Sheaら,Science 254:539, 1991)。平行なより合わせコイル の全体的構造は、Crick (Acta Crystallogr. 6:689) によって1953年に提案され
た「ノブ(knobs, 突き出している部分)を穴に(knobs-into-holes)」パッキング
を用いてうまく特徴付けられた。ジッパードメインによって形成された二量体は
、McLachlanおよびStewart (J. Mol. Biol.98:293, 1975) の命名にしたがって(
abcdefg)nと称する上述の7個群のリピートによって安定化される。上記リピー
トにおいて、残基aおよびdは一般に疎水性残基で、dはロイシンであり、ロイ
シンはヘリックスの同じ面に並ぶ。反対に荷電された残基が一般にgおよびeの
位置に存在する。したがって、2本のらせん状のジッパードメインから形成され
た平行なより合わせコイルにおいて、第1のヘリックスの疎水性側鎖によって形
成された「ノブ」は、第2のヘリックスの側鎖の間に形成された「穴」に詰め込
まれる。
【0093】 位置dの残基(しばしばロイシン)は、大きな疎水性安定化エネルギーに寄与
し、オリゴマー形成にとって重要である(Krystekら,Int. J. Peptide Res. 38:
229, 1991)。Lovejoyら(Science 259:1288, 1993)は最近、3本鎖αヘリックス の束状構造の合成を報告した。この束状構造の中で、ヘリックスはアップ-アッ プ-ダウン(up-up-down)に走っていた。彼らの研究は、疎水性安定化エネルギー はらせん状単量体からのより合わせコイルの形成に主要な駆動力を提供すること
を確認した。これらの研究はまた、静電的相互作用がより合わせコイルの化学量
論および幾何構造に寄与することを示している。ロイシンジッパーの構造のさら
なる論議はHarburyら(Science 262:1401, 1993年11月26日) に見いだされる。
【0094】 可溶性オリゴマー性タンパク質の作製に適切なロイシンジッパードメインの例
は、PCT出願WO 94/10308 に記述されており、また肺サーファクタントプロテイ ンD(SPD)由来のロイシンジッパーは参照により本明細書に組み入れるHoppeら(
FEBS Letters 344:191, 1994)に記述されている。ロイシンジッパーに融合した 異種タンパク質の安定な三量体化を可能とする改変されたロイシンジッパーの使
用がFanslowら(Semin. Immunol. 6:267-278, 1994) によって記述されている。 ロイシンジッパーペプチドに融合させた可溶性ポリペプチドを含む組換え融合タ
ンパク質を適切な宿主細胞で発現させ、そして形成される可溶性オリゴマーを培
養上清から回収する。
【0095】 ある種のロイシンジッパー部分は主として三量体を形成する。1例としては、
参照により全体をここに組み入れるHoppeら(FEBS Letters 344:191, 1994)およ び米国特許第5,716,805号に記述されている肺サーファクタントタンパク質D(S
PD)由来のロイシンジッパーが挙げられる。この肺SPD由来のロイシンジッパーペ
プチドは、アミノ酸配列 Pro Asp Val Ala Ser Leu Arg Gln Gln Val Glu Ala L
eu Gln Gly Gln Val Gln His Leu Gln Ala Ala Phe Ser Gln Tyrを含む。
【0096】 三量体化を促進するロイシンジッパーの別の例は、米国特許第5,716,805号に 記述されている、アミノ酸配列 Arg Met Lys Gln Ile Glu Asp Lys Ile Glu Glu
Ile Leu Ser Lys Ile Tyr His Ile Glu Asn Glu Ile Ala Arg Ile Lys Lys Leu
Ile Gly Glu Argを含むペプチドである。別の実施形態においては、N末端Asp 残基が付加されている。さらに別の実施形態においては、該ペプチドはN末端Ar
g 残基を欠いている。
【0097】 オリゴマー化を促進する特性を保持している、上記ジッパーペプチドの断片も
用いることができる。そのような断片の例は、上記のアミノ酸配列に示されたN
末端またはC末端残基の1または2個を欠くペプチドを含むが、それらだけに限
定されない。ロイシンジッパーは、天然に存在するロイシンジッパーペプチドか
ら、例えば、オリゴマー化を促進する該ペプチドの能力が保持される、天然のア
ミノ酸配列の保存的置換によって誘導することができる。
【0098】 天然に存在する三量体タンパク質から誘導された他のペプチドを、三量体SVPH
3-13またはSVPH3-17ポリペプチドを調製するために用いることができる。または
、オリゴマー化を促進する合成ペプチドを用いることができる。特定の実施形態
においては、ロイシンジッパー部分のロイシン残基はイソロイシン残基で置換さ
れる。イソロイシンを含むそのようなペプチドはイソロイシンジッパーと呼ぶこ
とができるが、本明細書に用いる「ロイシンジッパー」という用語に包含される
ポリペプチドおよびその断片の製造 本発明のポリペプチドおよび断片の発現、単離および精製は、以下のものを含
むがそれらだけに限定されない、任意の適切な技法によって達成することができ
る。
【0099】 発現系 本発明はまた、DNAを含む組換えクローニングおよび発現ベクター、ならびに 該組換えベクターを含む宿主細胞を供給する。DNAを含む発現ベクターを用いて 、該DNAによってコードされる本発明のポリペプチドまたは断片を調製すること ができる。ポリペプチドの製造方法は、該ポリペプチドをコードする組換え発現
ベクターを用いて形質転換した宿主細胞を該ポリペプチドの発現を促進する条件
下で培養し、次に発現されたポリペプチドを培地から回収することを含む。当業
者は、発現されたポリペプチドを精製する方法が、使用した宿主細胞の種類、該
ポリペプチドが膜に結合しているか、または宿主細胞から分泌される可溶性形態
であるか、などの因子によって異なることを認めるであろう。
【0100】 任意の適切な発現系を用いることができる。上記ベクターは、哺乳動物、微生
物、ウイルスまたは昆虫遺伝子などに由来する適切な転写または翻訳調節ヌクレ
オチド配列に機能しうる形で連結された、本発明のポリペプチドまたは断片をコ
ードするDNAを含む。調節配列の例としては、転写プロモーター、オペレーター 、またはエンハンサー、mRNAリボソーム結合部位、ならびに転写および翻訳の開
始および終止を制御する適切な配列を含む。ヌクレオチド配列は、上記調節配列
が該DNA配列と機能的に関連している場合、機能しうる形で連結されている。し たがって、プロモーターヌクレオチド配列は、この配列がDNA配列の転写を制御 する場合は、該DNA配列に機能しうる形で連結されている。所望の宿主細胞中で 複製する能力を付与する複製起点、および形質転換体を同定する選択遺伝子が一
般に発現ベクターに組み込まれている。
【0101】 さらに、適切なシグナルペプチド(天然または異種の)をコードする配列を発
現ベクターに組み込むことができる。最初にDNAが転写され、次にmRNAがシグナ ルペプチドを含む融合タンパク質に翻訳されるように、シグナルペプチド(分泌
リーダー)のDNA配列をフレームを合わせて本発明の核酸配列に融合させること ができる。意図された宿主細胞中で機能するシグナルペプチドは、ポリペプチド
の細胞外分泌を促進する。このシグナルペプチドは、細胞からポリペプチドを分
泌した後に該ポリペプチドから開裂される。
【0102】 当業者はまた、シグナルペプチドが開裂される位置はコンピュータプログラム
によって予測された位置と異なる場合があること、そして組換えポリペプチドを
発現するのに用いた宿主細胞の種類などの因子によって変わりうること、を認め
るであろう。タンパク質調製物は、2つ以上の部位におけるシグナルペプチドの
開裂から生じた、異なるN末端アミノ酸を有するタンパク質分子の混合物を含む
場合がある。本明細書が提供する成熟タンパク質の特定の実施形態は、N末端ま
たはC末端アミノ酸として配列番号4の59または287位の残基をもつタンパク質 を含むが、それらだけに限定されない。
【0103】 ポリペプチドの発現に適切な宿主細胞は、原核生物、酵母または高等真核細胞
を含む。宿主細胞としての使用には哺乳動物細胞または昆虫細胞が一般に好まし
い。細菌、真菌、酵母および哺乳動物細胞宿主と共に使用する適切なクローニン
グおよび発現ベクターは、例えば、Pouwelsら,「クローニングベクター:研究 室マニュアル」, Elsevier, New York (1985)に記述されている。本明細書に開 示するDNA構築物由来のRNAを用いてポリペプチドを生産するために、無細胞翻訳
系を用いることも可能であろう。
【0104】 原核生物系 原核生物はグラム陰性またはグラム陽性生物を含む。形質転換に適切な原核生
物宿主細胞は、例えば、大腸菌(E. coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、ネズミ
チフス菌(Salmonella typhimurium)およびシュードモナス属(Pseudomonas)、ス トレプトミセス属(Streptmyces) およびスタフィロコッカス属(Staphylococcus)
内の種々の種を含む。大腸菌などの原核宿主細胞を用いる場合は、該原核宿主細
胞中における組換えポリペプチドの発現を容易にするためにポリペプチドはN末
端メチオニン残基を含むことができる。このN末端Met は、発現された組換えポ
リペプチドから開裂することができる。
【0105】 原核宿主細胞中で用いる発現ベクターは、一般に1以上の表現型選択マーカー
遺伝子を含む。表現型選択マーカー遺伝子とは、例えば、抗生物質耐性を付与す
る、または独立栄養要求性を提供するタンパク質をコードする遺伝子である。原
核宿主細胞のための有用な発現ベクターの例は、クローニングベクターpBR322 (
ATCC 37017) などの市販のプラスミドから誘導されたベクターを含む。pBR322は
、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性遺伝子を含み、したがって形質転換
された細胞を同定するための単純な手段を提供する。適切なプロモーターおよび
DNA配列がpBR322ベクターに挿入されている。他の市販のベクターは、例えば、p
KK223-3 (Pharmacia Fine Chemicals, Uppsala, Sweden)およびpGEM1 (Promega
Biotec, Madison, WI, USA)を含む。
【0106】 組換え原核宿主細胞発現ベクターに一般に用いられているプロモーター配列は
、βラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター系(Changら, Na
ture 275:615, 1978; およびGoeddelら,Nature 281:544, 1979)、トリプトファ
ン(trp) プロモーター系(Goeddelら,Nucl. Acids Res. 8:4057, 1980;およびE
P-A-36776) およびtacプロモーター(Maniatis,「分子クローニング:研究室マ ニュアル」, Cold Spring Harbor Laboratory, p.412, 1982)を含む。特に有用 な原核宿主細胞発現系は、ファージλPLプロモーターおよびcI857ts熱不安定性 リプレッサー配列を採用している。λPLプロモーターの誘導体を組み込んだ、ア
メリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から入手可能なプラスミドベク
ターは、プラスミドpHUB2(大腸菌JMB9株、ATCC 37092に内在)およびpPLc28( 大腸菌RR1 株、ATCC 53082に内在)を含む。
【0107】 組換えタンパク質の発現のため、細菌細胞をあらかじめ定めた光学密度に達す
るまで増殖培地で増殖させる。次に、例えば、lacオペレーター/プロモーター を含むプラスミドからのタンパク質の発現を活性化するIPTG(イソプロピル-b-D
-チオガラクトピラノシド)の添加などによって、組換えタンパク質の発現を誘 導する。誘導(典型的には1〜4時間)後、遠心機を用いて例えば5,000 x Gで2
0分間4℃でペレット化することによって細胞を回収する。
【0108】 発現されたタンパク質を回収するため、ペレット化した細胞を10容積の50 mM
Tris-HCl (pH 8)/1 M NaClに再懸濁し、次に2〜3回フレンチプレスに通す。最
も高度に発現された組換えタンパク質は、封入体として知られる不溶性の凝集体
を形成する。封入体は、遠心機を用いて5,000 x Gで20分間4℃でペレット化す ることによって、可溶性タンパク質から精製することができる。封入体ペレット
を50 mM Tris-HCl (pH 8)/1% Triton X-100で洗浄し、次に50 mM Tris-HCl (pH
8)/8 M 尿素/0.1 M DTTfに溶解する。溶解しない物質をすべて遠心(10,000x Gで
20分間、20℃)により除去する。殆どの場合、目的のタンパク質は得られた清澄
化上清の中で最も豊富なタンパク質である。このタンパク質を50 mM Tris-HCl (
pH 8)/5 mM CaCl2/5 mM Zn(OAc)2/1 mM GSSG/0.1 mM GSHに対して透析すること によって、活性なコンホメーションに「再び折りたたむ」ことができる。再折り
たたみ後、イオン交換またはゲル濾過などの種々のクロマトグラフ法によって精
製を実施することができる。いくつかのプロトコルでは、再び折りたたまれる前
に最初の精製を実施してもよい。例としては、ヘキサヒスチジンでタグされた融
合タンパク質を、固定化ニッケル上で部分精製することができる。
【0109】 上記の精製および再折りたたみ方法によって該タンパク質は封入体から最も良
く回収されるものと考えられるが、タンパク質精製の技術分野の当業者は、多く
の組換えタンパク質は細胞溶解物の可溶性画分から最も良く精製されることを理
解するであろう。これらの場合、再折りたたみはしばしば必要とされず、標準的
クロマトグラフ法による精製を直接実施することができる。
【0110】 酵母系 他には、酵母宿主細胞、好ましくはサッカロミセス属(Saccharomyces)(例え
ば、S. cerevisiae)を用いて本発明のポリペプチドを発現させることができる。
酵母の他の属、例えばピキア属(Pichia)またはクルイベロミセス属(Kluyveromyc
es) も用いることができる。酵母ベクターはしばしば2μ酵母プラスミド由来の 複製起点配列、自律複製配列(ARS)、プロモーター領域、ポリアデニル化配列、 転写終止配列、および選択マーカー遺伝子を含む。酵母ベクターのための適切な
プロモーター配列は、とりわけメタロチオネイン、3-ホスホグリセレートキナー
ゼ(Hitzeman ら,J. Biol. Chem. 255:2073, 1980)または他の解糖酵素(Hessら ,J. Adv. Enzyme Reg. 7:149, 1968;およびHollandら,Biochem. 17:4900, 197
8)、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキ ソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコ
ース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナ ーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホ-グルコースイソメラーゼ、及び グルコキナーゼ等のプロモーターを含む。酵母発現に用いるための他の適切はベ
クターおよびプロモーターは、HitzemanのEPA-73,657にさらに記述されている。
別のプロモーターは、Russellら(J. Biol. Chem. 258:2674, 1982)およびBeier ら(Nature 300:724, 1982)に記述されているグルコース抑制ADH2プロモーターで
ある。大腸菌中での選択および複製のためにpBR322由来のDNA配列(Ampr遺伝子 および複製起点)を上記の酵母ベクターに挿入することによって、酵母および大
腸菌の両方で複製可能なシャトルベクターを構築することができる。
【0111】 ポリペプチドの分泌を導くため、酵母α因子リーダー配列を用いることができ
る。α因子リーダー配列はしばしばプロモーター配列と構造遺伝子配列の間に挿
入される。例えば、Kurjanら,Cell 30:933, 1982 およびBitterら,Proc. Natl
. Acad. Sci. USA 81:5330, 1984を参照されたい。酵母宿主からの組換えポリペ
プチドの分泌を容易にするのに適する他のリーダー配列が、当業者に公知である
。リーダー配列は、1つ以上の制限部位を含むようにその配列の3'末端付近で改
変することができる。これはリーダー配列の構造遺伝子との融合を容易にする。
【0112】 酵母の形質転換プロトコルは当業者に公知である。そのようなプロトコルの1
つは、Hinnenら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 75:1929, 1978によって記述され
ている。Hinnenらのプロトコルは選択培地でTrp+ 形質転換体を選択する。この
選択培地は、0.67% 酵母窒素ベース、0.5%カサミノ酸、2%グルコース、10 mg/ml
アデニンおよび20 mg/mlウラシルから成る。
【0113】 ADH2プロモーター配列を含むベクターで形質転換した酵母宿主細胞を、「豊か
な(rich)」培地で発現を誘導するために増殖させることができる。豊かな培地の
例は、80 mg/mlアデニンおよび80 mg/mlウラシルを補充した、1%酵母抽出物、2%
ペプトン、および1%グルコースから成る培地である。この培地からグルコースが
枯渇した時にADH2プロモーターの脱抑制が起こる。
【0114】 哺乳動物または昆虫系 哺乳動物または昆虫を宿主細胞とする培養系も組換えポリペプチドを発現する
のに用いることができる。昆虫細胞中で異種タンパク質を産生するためのバキュ
ロウイルス系がLuckowおよびSummers, Bio/Techonology 6:47 (1988)に総論され
ている。哺乳動物起源の確立された細胞系も用いることができる。適切な哺乳動
物宿主細胞系は、サル腎細胞のCOS-7 細胞系(ATCC CRL 1651)(Gluzman ら,Cell
23:175, 1981)、L細胞、C127細胞、3T3 細胞(ATCC CCL 163)、チャイニーズハ
ムスター卵巣(CHO) 細胞、HeLa細胞およびBHK (ATCC CRL 10)細胞系、ならびにM
cMahanら,(EMBO J. 10:2821, 1991) に記述されているアフリカミドリザル腎細
胞系CV1 (ATCC CCL 70)由来のCV1/EBNA細胞系を含む。
【0115】 DNAを哺乳動物細胞に導入するための確立された方法は記述されている(Kaufma
n, R.J., Large Scale Mammalian Cell Culture, 1990, pp.15-69)。リポフェク
トアミン脂質試薬(Gibco/BRL)またはリポフェクトアミン−プラス脂質試薬など の市販の試薬を用いたさらなるプロトコールを、細胞のトランスフェクションに
用いることができる(Felgnerら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7413-7417, 1
987)。さらに、Sambrookら(「分子クローニング:研究室マニュアル」,第2版,
1-3巻, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記述されているような 通常の方法を用いて哺乳動物細胞をトランスフェクトするのに、エレクトロポレ
ーションを用いることができる。安定な形質転換体の選択は、例えば、細胞傷害
性薬物への耐性などの当技術分野で公知の方法を用いて達成することができる。
Kaufmanら,Meth. in Enzymology 185:487-511, 1990は、ジヒドロ葉酸レダクタ
ーゼ(DHFR)耐性などのいくつかの選択スキームを記述している。DHFR選択に適し
た宿主株は、DHFRを欠くCHO細胞DX-B11株(UrlaubおよびChasin, Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 77:4216-4220, 1980)でありうる。DHFR cDNAを発現するプラスミ ドをDX-B11株に導入することができる。すると、このプラスミドを含む細胞のみ
が適切な選択培地で増殖できる。発現ベクターに組み込むことができる選択マー
カーの他の例は、G418およびハイグロマイシンBなどの抗生物質に対する耐性を
付与するcDNAを含む。該ベクターを有する細胞を、これらの化合物に耐性である
ことに基づいて選択しうる。
【0116】 哺乳動物宿主細胞発現ベクターのための転写および翻訳調節配列は、ウイルス
ゲノムから切り取ることができる。一般に用いられているプロモーター配列およ
びエンハンサー配列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、シミアンウイ
ルス40(SV40)およびヒトサイトメガロウイルスに由来するものである。SV40ウイ
ルスゲノムに由来するDNA配列、例えば、SV40起点、初期および後期プロモータ ー、エンハンサー、スプライスおよびポリアデニル化部位を用いて、哺乳動物宿
主細胞中で構造遺伝子配列を発現するための別の遺伝子エレメントを得ることが
できる。ウイルスの初期および後期プロモーターは、両方ともウイルスゲノムか
ら断片として容易に入手することができるので特に有用であり、それらはウイル
スの複製起点をも含むことができる(Fiersら,Nature 273:113, 1978; Kaufman,
Meth. in Enzymology, 1990)。SV40ウイルスの複製起点部位に位置するHind II
I部位からBgl I部位に向かって伸びている約250 bpの配列が含まれているならば
、SV40のより大きいまたは小さい断片も用いることができる。
【0117】 哺乳動物発現ベクターからの異種遺伝子の発現を向上させることが示されたさ
らなる調節配列は、CHO 細胞に由来する発現増大(augmenting)配列エレメント(E
ASE)(Morrisら,Animal Cell Technology, 1997, pp.529-534およびPCT 出願WO
97/25420)、アデノウイルス2に由来する3部分からなる(tripartite)リーダー(
TPL) およびAV遺伝子RNA (Gingerasら,J. Biol. Chem. 257:13475-13491, 1982
)、などのエレメントを含む。ウイルス起源の内部リボソームエントリー部位(IR
ES)配列は、二シストロン性mRNAを効率よく翻訳させる(OhおよびSarnow, Curren
t Opinion in Genetics and Development 3:295-300, 1993; Rameshら,Nucleic
Acids Research 24:2697-2700, 1996)。二シストロン性mRNAの一部としての異 種cDNAおよびそれに続く選択マーカー遺伝子(例えば、DHFR)の発現は、宿主の トランスフェクト能および異種cDNAの発現を向上させることが示された(Kaufman
, Meth. in Enzymology, 1990)。二シストロン性mRNAを用いた発現ベクターの好
例は、Mosserら,Biotechniques 22:150-161, 1997に記述されているpTR-DC/GFP
、およびMorrisら,Animal Cell Technology, 1997, pp. 529-534に記述されて いるp2A5Iである。
【0118】 有用な高発現ベクターpCAVNOTが、Mosleyら, Cell 59:335-348, 1989 によっ て記述されている。哺乳動物宿主細胞で用いる他の発現ベクターを、Okayamaお よびBerg (Mol. Cell. Biol. 3:280, 1983)が開示するように構築することがで きる。C127マウス乳腺上皮細胞を用いた哺乳動物cDNAの安定な高レベル発現のた
めの有用な系は、実質的にCosmanら(Mol. Immunol. 23:935, 1986)が記述するよ
うに構築することができる。Cosmanら, Nature 312:768, 1984が記述している有
用な高発現ベクターPMLSV N1/N4 は、ATCC 39890として寄託されている。さらな
る有用な哺乳動物発現ベクターは、参照によりここに組み入れるEP-A-0367566お
よびWO 91/18982 に記述されている。さらに別の発現ベクターは、レトロウイル
スから誘導することができる さらなる有用な発現ベクターpFLAGTMおよびpDC311も用いることができる。F
LAGTM技術は、低分子量(1 kD)親水性FLAGTMマーカーペプチドの、FLAGTM 発現ベクターによって発現される組換えタンパク質のN末端への融合に中心を置
いている。pDC311は、CHO 細胞中でタンパク質を発現するのに使用される、別の
特殊化ベクターである。pDC311は、目的の遺伝子およびジヒドロ葉酸レダクター
ゼ(DHFR)遺伝子を含み、DHFR翻訳のための内部リボソーム結合部位をもつ二シス
トロン性配列、発現増大配列エレメント(EASE)、ヒトCMV プロモーター、3部分
からなるリーダー配列、およびポリアデニル化部位によって特徴付けられる。
【0119】 用いることができるシグナルペプチドに関しては、天然のシグナルペプチドを
所望であれば異種シグナルペプチドまたはリーダーと置き換えることができる。
シグナルペプチドまたはリーダー配列の選択は、その中に組換えポリペプチドを
産生させるべき宿主細胞の種類、などの因子に依存する。例示するならば、哺乳
動物宿主細胞中で機能する異種シグナルペプチドの例は、米国特許第4,965,195 号に記述されているインターロイキン7(IL-7)のシグナル配列;Cosmanら,Natu
re 312:768 (1984)に記述されているインターロイキン2受容体のシグナル配列 ;EP 367,566に記述されているインターロイキン4受容体のシグナルペプチド;
米国特許第4,968,607号に記述されているI型インターロイキン1受容体シグナ ルペプチド;およびEP 460,846に記述されているII型インターロイキン1受容体
シグナルペプチドを含む。
【0120】 精製 本発明は、本発明のポリペプチドおよびその断片を単離し、精製する方法をも
含む。
【0121】 単離および精製 本発明に包含される「単離された」ポリペプチドまたはその断片は、それまた
はそれらが天然において見出されうる環境と同一の環境において存在しないポリ
ペプチドまたは断片である。本発明に包含される「精製された」ポリペプチドま
たはその断片は、例えば上述のような組換え発現系の精製産物として、または天
然に存在する細胞および/または組織などの非組換え体起源の精製産物として、
他のタンパク質又はポリペプチドと実質的に会合していない。
【0122】 1つの好ましい実施形態においては、組換えポリペプチドまたは断片の精製は
、精製を容易にするため、本発明のポリペプチドまたは断片を別のポリペプチド
に融合させて達成することができる。このような融合パートナーは、上述のポリ
-Hisまたは他の抗原性同定ペプチド、ならびに先に記述したFc部分を含むことが
できる。
【0123】 当業者に公知のいずれの種類の宿主細胞についても、組換えポリペプチドまた
は断片を精製する方法は、用いた宿主細胞の種類、または該組換えペプチドまた
は断片が培養培地中に分泌されるかどうか、などの因子によって変わる。
【0124】 一般に、組換えポリペプチドまたは断片は、それらが分泌されないならば宿主
細胞から、またそれらが可溶性で分泌される場合は培地または上清から単離する
ことができる。そして後で1つ以上の濃縮、塩析、イオン交換、疎水性相互作用
、アフィニティー精製、またはサイズ排除クロマトグラフィー工程が実施される
。これらの工程を実施する具体的な方法については、市販のタンパク質濃縮フィ
ルター(例えば、AmiconまたはMillipore Pelliconの限外濾過ユニット)を用い
て最初に培養培地を濃縮することができる。この濃縮工程の後で、濃縮物をゲル
濾過媒質などの精製マトリックスにアプライすることができる。または、例えば
ペンダント型のジエチルアミノエチル(DEAE)基を有するマトリックスまたは基質
など、アニオン交換樹脂を用いることができる。上記マトリックスはアクリルア
ミド、アガロース、デキストラン、セルロースまたはタンパク質精製に一般に用
いられている他の種類のマトリックスであってよい。または、カチオン交換工程
を用いることができる。適切なカチオン交換体は、スルホプロピルまたはカルボ
キシメチル基を含む種々の不溶性マトリックスを含む。さらに、クロマトフォー
カシング工程を用いることができる。または、疎水性相互作用クロマトグラフィ
ー工程を用いることができる。適切なマトリックスは樹脂に結合したフェニルま
たはオクチル部分であることができる。さらに、組換えタンパク質に選択的に結
合するマトリックスを用いたアフィニティークロマトグラフィーを用いることが
できる。使用されるそのような樹脂の例は、レクチンカラム、色素カラムおよび
金属キレート性カラムである。最後に、疎水性RP-HPLC 媒質(例えば、シリカゲ
ルまたはペンダント型のメチル、オクチル、オクチルデシルまたは他の脂肪族基
を有するポリマー樹脂)を用いた1以上の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-
HPLC) 工程を用いて、ポリペプチドをさらに精製することができる。様々に組み
合わせた上記精製工程のいくつか、または全部は周知であり、これらを用いて単
離され、精製された組換えタンパク質を提供することができる。
【0125】 本発明のポリペプチド結合タンパク質(例えば、本発明のポリペプチドに対し
て産生されたモノクローナル抗体など)を充填したアフィニティーカラムを用い
て、発現されたポリペプチドをアフィニティー精製することも可能である。これ
らのポリペプチドは通常の技法を用いてアフィニティーカラムから除去すること
ができる。例えば、高塩溶出バッファーを用いて除去し、次に低塩バッファーを
用いて透析することにより、または用いたアフィニティーマトリックスによって
pHまたは他の成分を変えることによって、除去することができる。または、アフ
ィニティー部分の天然に存在する基質(例えば、本発明から誘導されるポリペプ
チド)を用いて競合的にカラムから除去することができる。
【0126】 本発明のこの態様においては、ポリペプチド結合タンパク質(例えば、本発明
の抗ポリペプチド抗体、または本発明のポリペプチドと相互作用できる他のタン
パク質など)を、本発明のポリペプチドを表面上に発現する細胞を同定し、分離
し、または精製するのに適したカラムクロマトグラフィーマトリックスまたは類
似の基質などの固相支持体に結合することができる。本発明のポリペプチド結合
タンパク質の固相接触表面への接着は、任意の手段によって達成することができ
る。例えば、磁気マイクロスフェアを上記ポリペプチド結合タンパク質で被覆し
、インキュベーション容器中に保持して磁場を通過させることができる。細胞混
合物の懸濁物を、上記のようなポリペプチド結合タンパク質を表面に有する固相
に接触させる。表面に本発明のポリペプチドを有する細胞は、固定されたポリペ
プチド結合タンパク質に結合し、次に未結合の細胞は洗い流される。このアフィ
ニティー結合法は、上記のようなポリペプチド発現細胞を溶液から精製し、スク
リーニングし、または分離するのに有用である。陽性に選択された細胞を固相か
ら放出する方法は当技術分野で公知であり、例えば酵素の使用を包含する。この
ような酵素は好ましくは細胞に対して非毒性かつ非傷害性であり、そして好まし
くは細胞表面結合パートナーの開裂に向けられている。
【0127】 または、本発明のポリペプチド発現細胞を含んでいると疑われる細胞混合物を
、最初に本発明のビオチニル化ポリペプチド結合タンパク質と共にインキュベー
トすることができる。インキュベーション時間は、本発明のポリペプチドへの十
分な結合を確実にするため、典型的には少なくとも継続して1時間である。次に
、得られた混合物をアビジン被覆ビーズを充填したカラムに通す。それにより、
アビジンに対するビオチンの高い親和性は、ポリペプチド結合細胞の該ビーズと
の結合をもたらす。アビジン被覆ビーズの使用は当分野で公知である。Berenson
ら,J. Cell. Biochem., 10D:239 (1986)を参照されたい。未結合物質の洗浄お よび結合細胞の放出は通常の方法を用いて達成される。
【0128】 所望の純度の程度は、該タンパク質の意図された使用に依存する。例えば、該
ポリペプチドがin vivo投与される場合には、比較的高程度の純度が望ましい。 そのような場合、該ポリペプチドはSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-P
AGE)によって分析した時に他のタンパク質に対応するタンパク質バンドが全く検
出されないように精製される。当業者は、ディファレンシャルグリコシル化、デ
ィファレンシャル翻訳後プロセシングなどのために、該ポリペプチドに対応する
複数のバンドがSDS-PAGEによって可視化されうることを認めるであろう。最も好
ましくは、本発明のポリペプチドはSDS-PAGEによる分析の結果だだ1本のタンパ
ク質バンドによって示される、実質的な均一性にまで精製される。タンパク質バ
ンドは銀染色法、クーマシーブルー染色法または(該タンパク質が放射能標識さ
れている場合は)オートラジオグラフィーによって可視化することができる。
【0129】 アッセイ 本発明の精製されたポリペプチド(タンパク質、ポリペプチド、断片、変異体
、オリゴマーおよび他の形態を含む)は、SVPHカウンター構造物との結合能に関
して任意の適切なアッセイ、例えば、通常の結合アッセイなどによって試験する
ことができる。説明すると、検出可能な試薬(例えば、放射性核種、発色団、比
色分析反応または蛍光定量反応を触媒する酵素、など)を用いて該ポリペプチド
を標識することができる。標識化ポリペプチドを、SVPHカウンター構造物を発現
する細胞に接触させる。次に該細胞を洗浄して未結合標識化ポリペプチドを除去
し、そして標識の性質にしたがって選択した適切な技法で細胞に結合した標識の
存在を確認する。
【0130】 更に、SVPH3−13またはSVPH3−17によるSVPHカウンター構造物の切断を、通常
のタンパク質分解アッセイにより評価することができる。
【0131】 結合アッセイ法の1例は、以下の通りである。すなわち、SVPHカウンター構造
物を含む組換え発現ベクターを構築する。SVPHカウンター構造物は、N末端細胞 質ドメイン、膜貫通領域、およびC末端細胞外ドメインを含む。この組換え発現 ベクターを用いて10 cmのディッシュにいれたCV1-EBNA-1細胞をトランスフェ クトする。CV-1/EBNA-1細胞 (ATCC CRL 10478)は、CMV前初期エンハンサー/プ ロモーターに導かれてEBV 核抗原1を構成的に発現する。CV1-EBNA-1は、McMaha
nら(EMBO J. 10:2821, 1991) によって記述されているように、アフリカミドリ ザル腎細胞系CV-1 (ATCC CCL 70)から誘導されたものである。
【0132】 前記トランスフェクトした細胞を24時間培養し、次に各ディッシュの細胞を24
ウエルプレートに分注する。さらに48時間培養した後、トランスフェクトした細
胞(約4x104個/ウエル)をBM-NFDM で洗浄する。BM-NFDMは50 mg/ml脱脂粉乳 を加えた結合培地(25 mg/ml ウシ血清アルブミン、2 mg/ml アジ化ナトリウム、
20 mM Hepes pH 7.2を含むRPMI 1640)である。次に、細胞を種々の濃度の、例え
ば上述のように作製した可溶性ポリペプチド/Fc 融合タンパク質と共に1時間37
℃でインキュベートする。次に細胞を洗浄し、そして結合培地中で一定の飽和濃
度の125I-マウス抗ヒトIgG と共に、穏やかに攪拌しながら1時間37℃でイン
キュベートする。よく洗浄した後、トリプシン処理によって細胞を放出させる。
【0133】 上記で用いたマウス抗ヒトIgG は、ヒトIgG のFc領域に向けられたもので、Ja
ckson Immunoresearch Laboratories, Inc., West Grove, PAから入手可能であ る。この抗体は標準的クロラミンT法を用いて放射性ヨウ素化される。この抗体
は上記細胞に結合した任意のポリペプチド/Fcタンパク質のFc部分に結合する。 すべてのアッセイにおいて、Fc融合タンパク質の不在下、ならびにFc融合タンパ
ク質および200倍モル過剰の非標識マウス抗ヒトIgG 抗体の存在下で、125I- 抗体の非特異的結合がアッセイされる。
【0134】 細胞に結合した125I-抗体は、パッカード自動ガンマカウンター(Packard
Autogamma counter)を用いて定量する。親和性の計算値(Scatchard, Ann. N.Y.
Acad. Sci. 51:660, 1949)は、Microvaxコンピュータを用いてRS/1 (BBN Softw
are, Boston, MA) を実行させて作製される。
【0135】 別種の適切な結合アッセイは競合的結合アッセイである。説明すると、SVPHカ
ウンター構造物との結合について、天然のタンパク質と競合する変異体の能力を
アッセイすることによって、該変異体の生物学的活性を測定することができる。
【0136】 競合的結合アッセイは通常の方法によって達成することができる。競合的結合
アッセイに用いることのできる試薬は、放射性標識化SVPH3−13またはSVPH3−17
および細胞表面にSVPHカウンター構造物(内因性または組換え)を発現する完全
な細胞を含む。例えば、放射性標識された可溶性SVPH断片を用いて、細胞表面SV
PHカウンター構造物との結合について可溶性SVPH変異体と競合させることができ
る。完全な細胞の代わりに、プロテインAまたはプロテインG(固相上に存在す
る)とFc部分との相互作用によって固相に結合された可溶性SVPHカウンター構造
物/Fc融合タンパク質を使うことができるであろう。プロテインAおよびプロテ インGを充填したクロマトグラフィーカラムは、Pharmacia Biotech, Inc., Pis
cataway, NJから入手可能なカラムを含む。
【0137】 別種の競合的結合アッセイは、可溶性SVPHカウンター構造物/Fc融合タンパク 質などの放射性標識化可溶性SVPHカウンター構造物、およびSVPH3−13またはSVP
H3−17ポリペプチドを発現する完全な細胞を使用する。定量的結果を出すにはス
キャッチャードプロット(Scatchard, Ann. N.Y. Acad. Sci. 51:660, 1949)を用
いることができるが、競合的オートラジオグラフィープレート結合アッセイによ
ると定性的結果を得ることができる。SVPH3−13またはSVPH3−17核酸またはオリゴヌクレオチドの使用 上述のようにポリペプチドを発現するために用いられるのに加えて、本発明の
核酸(DNAを含む)およびそのオリゴヌクレオチドは下記のように用いることが できる。すなわち: − メタロプロテイナーゼ-ディスインテグリン(disintegrin)活性を有する
タンパク質をコードする核酸を同定するためのプローブとして; − ヒト第2または第7染色体を同定するため; − ヒト第2または第7染色体上の遺伝子をマッピングするため; − ヒト第2または第7染色体に関連する特定の疾患、症候群または他の病態に
関連する遺伝子を同定するため;および − 1本鎖センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドとしてSVPH3−13また
はSVPH3−17遺伝子によってコードされるポリペプチドの発現を抑制するため。
【0138】 プローブ 本発明の核酸の用途の中に、プローブまたはプライマーとしての断片の使用が
ある。そのような断片は一般に、DNA配列の少なくとも約17個の連続したヌクレ オチドを含む。他の実施形態においては、DNA断片は、DNA配列の少なくとも30個
、または少なくとも60個の連続したヌクレオチドを含む。
【0139】 他の哺乳動物種由来の配列番号1、配列番号2および配列番号5の相同体が本
明細書で意図されているので、配列番号1、配列番号2および配列番号5のヒト
のDNA配列に基づくプローブを用いて、通常の交差種(cross-species)ハイブリダ
イゼーション技法により他の哺乳動物種由来のcDNAライブラリーをスクリーニン
グすることができる。
【0140】 遺伝子暗号の知識を上述のアミノ酸配列と組み合わせて用いて、数セットの縮
重オリゴヌクレオチドを調製することができる。このようなオリゴヌクレオチド
は、例えば、DNA断片を単離し増幅するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のプライマー
として有用である。
【0141】 染色体マッピング 配列番号1および配列番号5の核酸の全部または一部は、オリゴヌクレオチド
も含めて、当業者が公知技術を用いてヒト第7染色体およびSVPH3−13ファミリー
メンバーのDNAを含む特定の遺伝子座7q21を同定する場合に用いることができる 。
【0142】 同様に、配列番号2の核酸の全部または一部は、オリゴヌクレオチドも含めて
、当業者が公知技術を用いて、ヒト第2染色体およびSVPH3−13ファミリーメンバ
ーのDNAを含む特定の遺伝子座2q33を同定する場合に用いることができる。
【0143】 有用な技法は以下のものを含むがそれらだけに限定されない。すなわち、オリ
ゴヌクレオチドを含む上記配列またはその一部をプローブとして種々の周知の技
法、例えば放射線ハイブリッドマッピング(高分解能(high resolution))、染色
体散在遺伝子(chromosome spread)とのin situハイブリダイゼーション(中分解
能)、および個々のヒト染色体を含むハイブリッド細胞系とのサザンブロットハ
イブリダイゼーション(低分解能)などに使用する。
【0144】 例えば、染色体を放射線ハイブリダイゼーションによってマッピングすること
ができる。初めに、Whitehead Institute/MIT Center for Genome Researchの93
放射線ハイブリッドのGenebridge4 パネル (http://www-genome.wi.mit.edu/ftp
/distribution/human STS releases/july97/rhmap/genebridge4.html) を用い
てPCRを実施する。目的の遺伝子の推定上のエキソン内に位置する、そしてヒト ゲノムDNAから産物を増幅するがハムスターゲノムDNAは増幅しない、プライマー
を用いる。PCRの結果をデータベクターに変換し、これをインターネット上のWhi
tehead/MIT Radiation Mappingサイト(http://www-seq.wi.mit.edu) に提出する
。このデータはスコアリングされ、そして放射線ハイブリッドマップ上の公知の
配列タグ部位(Sequence Tag Site)(STS) マーカーに対する染色体の帰属および
配置が提供される。下記のウェブサイトは放射線ハイブリッドマッピングに関す
る付加的な情報を提供してくれる: http://www-genome.wi.mit.edu/ftp/distrib
ution/human STS releases/july97/07-97.INTRO.html)。
【0145】 関連する疾患の同定 SVPH3−13(配列番号1および配列番号5)は、放射線ハイブリッドマッピン グによりヒト染色体の7q21領域にマッピングされた(実施例2)。この領域は、
以下のものを含むがそれらだけに限定されない特定の疾患に関連している。すな
わち、悪性過温症、ツェルヴェーガー症候群、新生児副腎脳白質ジストロフィー
、乳児レフサム病、進行性家族性肝臓内コルチェスタティス(colchestatis)、VI
I型ムコ多糖体症、および裂手/足奇形などである。したがって、配列番号1お よび配列番号5の核酸またはその断片は、当業者が公知の技法を用いて第7染色 体にマッピングされる遺伝子に関連する異常を分析する場合に用いることができ
る。これは、このマーカーが転位している、または欠損している病態を区別する
ことを可能とする。さらに、配列番号1および配列番号5の核酸またはその断片
は、位置が知られていない他の遺伝子をマップするための位置マーカーとして用
いることができる。
【0146】 SVPH3−17(配列番号2)は、放射線ハイブリッドマッピングによりヒト染色 体の2q33領域にマッピングされた(実施例2)。この領域は、以下のものを含む
がそれらだけに限定されない特定の疾患に関連している。すなわち、不整脈惹起
性(arrhythymogenic)右心室異形成-4、インシュリン依存性糖尿病-12、一過性 新生児重症筋無力症、若年性筋萎縮性側索硬化症、先天性棘状(aculeiform)白内
障、コポック(Coppock)様白内障、葉状魚鱗癬、家族性発作性舞踏病アテトーシ ス、およびフィニッシュ致死性新生児代謝症候群などである。したがって、配列
番号2の核酸またはその断片は、当業者が公知の技法を用いて第2染色体にマッ ピングされる遺伝子に関連する異常を分析する場合に用いることができる。これ
は、このマーカーが転位している、または欠損している病態を区別することを可
能とする。さらに、配列番号2の核酸またはその断片は、位置が知られていない
他の遺伝子をマップするための位置マーカーとして用いることができる。
【0147】 上記DNAは、本発明の核酸に対応する遺伝子の欠陥または不十分な量によって (直接的または間接的に)媒介される任意の障害の治療法の開発に用いることが
できる。本明細書における天然のヌクレオチド配列の開示は、欠陥遺伝子の検出
、およびそれと正常遺伝子との置換を可能とする。欠陥遺伝子はin vitro診断ア
ッセイによって、および本明細書に開示する天然のヌクレオチド配列と、この遺
伝子に欠陥を有すると疑われるヒトに由来する遺伝子のヌクレオチド配列とを比
較することによって、検出することができる。
【0148】 センス-アンチセンス 他の有用な核酸断片は、標的mRNA(センス)またはDNA(アンチセンス)配列 に結合可能な1本鎖核酸配列(RNAまたはDNA)を含むアンチセンスまたはセンス
オリゴヌクレオチドを含む。本発明によるアンチセンスまたはセンスオリゴヌク
レオチドは、SVPH3−13またはSVPH3−17DNAの断片を含む。そのような断片は一 般に少なくとも約14個のヌクレオチド、好ましくは約14から約30個のヌクレオチ
ドを含む。所与のタンパク質をコードするcDNA配列に基づいてアンチセンスまた
はセンスオリゴヌクレオチドを誘導する能力は、例えば、SteinおよびCohen (Ca
ncer Res. 48:2659, 1988)およびvan der Krolら(BioTechniques 6:958, 1988) に記述されている。
【0149】 アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸配列との結合は、RN
AseHによるmRNAの分解の増大、スプライシングの抑制、転写または翻訳の不完全
終結、または他の手段を含むいくつかの手段のうち1つによって、タンパク質発
現をブロックまたは抑制する二重らせんの形成をもたらす。したがって、アンチ
センスオリゴヌクレオチドはタンパク質の発現をブロックするために用いること
ができる。アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドは、改変された糖-ホ スホジエステル主鎖(またはWO 91/06629 に記述されているような他の糖結合)
を有するオリゴヌクレオチドをさらに含み、そして該オリゴヌクレオチドにおい
てそのような糖結合は内因性ヌクレアーゼに耐性である。耐性糖結合を有するそ
のようなオリゴヌクレオチドはin vivoで安定である(すなわち、酵素的分解に 抵抗することができる)が、標的核酸配列に結合することができる配列特異性を
保持している。
【0150】 センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例は、WO 90/10448 に記
述されているような有機部分、およびオリゴヌクレオチドの標的核酸配列、例え
ばポリ-(L-リシン)などに対する親和性を増大させる他の部分に共有結合したオ
リゴヌクレオチドを含む。さらに、エリプチシン(ellipticine) などの挿入剤、
およびアルキル化剤または金属錯体を、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレ
オチドに結合させ、標的ヌクレオチド配列に対する該アンチセンスまたはセンス
オリゴヌクレオチドの結合特異性を改変することができる。
【0151】 アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、リポフェクション
、CaPO4媒介DNAトランスフェクション、エレクトロポレーションを含む任意の 遺伝子導入法によって、またはエプスタイン-バーウイルス等の遺伝子導入ベク ターを用いて、標的核酸配列を含む細胞中に導入することができる。
【0152】 センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列を含む細胞中
に、WO 91/04753 に記述されているようにリガンド結合分子とのコンジュゲート
を形成させることによって導入することもできる。適切なリガンド結合分子は、
細胞表面受容体、増殖因子、他のサイトカイン、または細胞表面受容体に結合す
る他のリガンドを含むが、これらだけに限定されない。好ましくは、リガンド結
合分子とのコンジュゲート形成は、対応する分子または受容体と結合する該リガ
ンド結合分子の能力を実質的に妨げない。または、センスまたはアンチセンスオ
リゴヌクレオチドまたはそのコンジュゲート形態が細胞に入ることを実質的にブ
ロックしない。
【0153】 または、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列を含
む細胞中に、WO 90/10448 に記述されているようにオリゴヌクレオチド-脂質複 合体を形成させることによって導入することができる。センスまたはアンチセン
スオリゴヌクレオチド-脂質複合体は、好ましくは、細胞内で内因性リパーゼに よって解離される。SVPH3−13および3−17ポリペプチドおよび断片化ポリペプチドの使用 用途は以下のものを含むが、それらだけに限定されない: − タンパク質を精製し、その活性を測定する − 送達剤 − 洗浄添加剤 − 治療薬、研究用試薬 − 分子量および等電点電気泳動マーカー − ペプチド断片化の対照 − 未知のタンパク質の同定 − 抗体の調製 精製試薬 本発明のポリペプチドは、タンパク質精製試薬としての用途を有する。該ポリ
ペプチドをアフィニティークロマトグラフィーによってSVPHカウンター構造タン
パク質を精製するために用いることができる。特定の実施形態においては、ポリ
ペプチド(SVPHカウンター構造物と結合可能な、本明細書に記載する任意の形態
のもの)を通常の方法によって固相支持体に結合させる。1例として、タンパク
質のアミノ酸側鎖上の官能基と反応する官能基を含むクロマトグラフィーカラム
が利用できる(Pharmacia Biotech, Inc., Piscataway, NJ)。別の実施形態にお いては、(上述の)ポリペプチド/Fcタンパク質をFc部分との相互作用によって プロテインAまたはプロテインG含有クロマトグラフィーカラムに結合させる。
【0154】 該ポリペプチドはまた、細胞表面にSVPHカウンター構造物を発現する細胞を精
製または同定するために用いられる。ポリペプチドを、カラムクロマトグラフィ
ーマトリックスまたはこれに類似した適切な基質などの固相に結合させる。例え
ば、磁気微小球体をポリペプチドで被覆して、インキュベーション容器に入れて
磁場を通過させることができる。SVPHカウンター構造物発現細胞を含む細胞混合
物の懸濁物を、表面に上記ポリペプチドを有する固相に接触させる。細胞表面に
SVPHカウンター構造物を発現する細胞は、上記固定化ポリペプチドに結合する。
次に未結合細胞を洗い流す。
【0155】 または、該ポリペプチドを検出可能な部分とコンジュゲートさせ、次にこれを
SVPHカウンター構造物発現について試験すべき細胞と共にインキュベートするこ
とができる。インキュベーション後、未結合の標識化物質を除去し、細胞上の上
記検出可能な部分の存在または不在を確認する。
【0156】 さらに別の実施形態においては、SVPHカウンター構造物細胞を含むことが疑わ
れる細胞混合物を、ビオチニル化ポリペプチドと共にインキュベートする。十分
な結合を確実にするため、インキュベーション時間は、典型的には少なくとも継
続して1時間である。次に、得られた混合物をアビジン被覆したビーズを充填し
たカラムに通す。すると、アビジンに対するビオチンの高い親和性は、所望の細
胞の該ビーズとの結合をもたらす。アビジン被覆したビーズの使用方法は公知で
ある(Berensonら,J. Cell. Biochem., 10D:239, 1986参照)。未結合物質を除
去するための洗浄および結合細胞の放出は通常の方法を用いて実施される。
【0157】 活性測定 ポリペプチドはまた、SVPHカウンター構造タンパク質の生物学的活性をそれら
の結合親和性として測定するのに用途を見いだす。したがって、該ポリペプチド
は「品質保証」試験を実施する人々によって、例えば、異なる条件下におけるタ
ンパク質の貯蔵寿命および安定性をモニターするのに使用されうる。例えば、該
ポリペプチドは結合親和性試験に用いられて、異なる温度で保存された、または
異なる細胞型で産生されたSVPHカウンター構造タンパク質の生物学的活性を測定
することができる。該タンパク質はまた、SVPHカウンター構造タンパク質の改変
(例えば、化学修飾、トランケーション、突然変異、など)後に生物学的活性が
保持されているか否かを確認するために用いることができる。改変されたSVPHカ
ウンター構造タンパク質の結合親和性を、未改変のSVPHカウンター構造タンパク
質のそれと比較し、SVPHカウンター構造物の生物学的活性に及ぼす改変の不都合
な影響を検出する。SVPHカウンター構造タンパク質の生物学的活性は、該分子が
例えば研究試験に用いられる前に、このようにして突き止めることができる。
【0158】 送達剤 本発明のポリペプチドはまた、それらに結合する試薬を、SVPHカウンター構造
物を有する細胞に送達するための担体としての使用も見出されている。従って、
本発明のポリペプチドは、細胞、(またはSVPHカウンター構造物を細胞表面に発
現することが見いだされた細胞型)に診断薬または治療薬を送達するために、in
vitroまたはin vivoの方法で用いることができる。
【0159】 ポリペプチドに結合することができる検出薬(診断薬)および治療薬は、トキ
シン、他の細胞傷害剤、薬物、放射性核種、発色団、比色分析反応または蛍光定
量反応を触媒する酵素などを含むが、それらだけに限定されない。特定の試薬は
意図される使用によって選択される。トキシンの例としては、リシン、アブリン
、ジフテリア毒素、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)外毒素A、リボソーム不活
性化タンパク質、トリコテセンなどのマイコトキシン、ならびにそれらの誘導体
および断片(例えば、1本鎖など)が挙げられる。診断的使用に適切な放射性核
種は、123I、131I、99mTc、111In および76Brを含むが、これら だけに限定されない。治療的用途に適した放射性核種の例は、131I、211A
t、77Br、186Re、188Re、212Pb、212Bi、109Pd、64Cuおよ び67Cuである。
【0160】 このような試薬は任意の適切な通常の方法によってポリペプチドに結合させる
ことができる。該ポリペプチドは、例えば所望の試薬上の官能基と反応させて共
有結合を形成させることができる、アミノ酸側鎖上の官能基を含む。または、上
記タンパク質または試薬を誘導体化して、所望の反応性官能基を生成または結合
させることができる。誘導体化は、種々の分子をタンパク質に結合させるのに利
用できる二官能性カップリング試薬(Pierce Chemical Company, Rockford, Illi
nois)の1つの結合を伴う場合がある。タンパク質を放射能標識する多数の技法 が公知である。放射性核種金属は、例えば適切な二官能性キレート剤を用いてポ
リペプチドに結合させることができる。
【0161】 ポリペプチドおよび適切な診断薬または治療薬(好ましくは共有結合している
)を含むコンジュゲートはこのように調製される。該コンジュゲートは、特定の
使用にとって適切な量で投与または別途使用される。
【0162】 洗浄添加剤 SVPH3-13および3−17のプロテイナーゼは、タンパク質成分を有する染色剤を 除去するための洗浄添加剤として用いることができるが、これは米国特許第5,59
9,400号および米国特許第5,650,315号に記載されたプロテイナーゼの使用と同様
である。洗浄組成物には、他の公知の洗浄剤成分、例えば界面活性剤、発泡促進
剤、充填剤、酵素安定化剤、塩素漂白補集剤、他のタンパク質分解酵素、殺菌剤
、色素、香料、希釈剤、溶媒、および他の従来成分を含めることができる。洗浄
組成物は好ましくは0.001%〜10%のSVPH3-13または3−17プロテイナーゼを含む
。SVPH3-13または3−17プロテイナーゼは洗浄組成物に含有させることもできる し、または添加剤として使用時に他の成分と組み合わせることもできる。洗浄添
加剤は、液体状、粉末状、顆粒状、スラリー状、または洗浄添加剤の他の従来形
態にて配合することができる。
【0163】 治療薬 本発明のポリペプチドを、ポリペプチドの欠陥または不十分量により直接また
は非直接に介在される任意の疾患のための治療薬の開発に用いることができる。
これらのポリペプチドは、このような疾患で苦しむ哺乳動物に投与することがで
きる。
【0164】 前記ポリペプチドはまた、in vitroまたはin vivoの方法において、SVPHカウ ンター構造物の生物学的活性を阻害するのに使用することもできる。例えば、精
製されたポリペプチドを用いて、SVPHカウンター構造物活性を阻害しうる。従っ
て、SVPHカウンター構造物の内因性受容体への結合により生じる生物学的作用は
阻害される。
【0165】 更に、SVPH3−13またはSVPH3−17ポリペプチドを、SVPHカウンター構造物介在
型疾患を治療するために哺乳動物に投与してもよい。このようなSVPHカウンター
構造物介在型疾患には、SVPHカウンター構造物により(直接または非直接に)引
き起こされるかまたは悪化する病状が含まれる。
【0166】 本発明の組成物は、本明細書に記載される任意の形態、例えば、天然タンパク
質、変異体、誘導体、オリゴマーおよび生物学的に活性な断片などの形態のポリ
ペプチドを含みうる。特定の実施形態において、該組成物には、可溶性ポリペプ
チドまたは可溶性SVPH3−13若しくはSVPH3−17ポリペプチドを含むオリゴマーが
含まれる。
【0167】 本発明のポリペプチドの有効量を含む組成物を、生理学的に許容される希釈剤
、担体、または賦形剤などの他の成分と組み合わせて本明細書に示す。該ポリペ
プチドは、医薬上有用な組成物を調製するために用いられる公知の方法によって
製剤化することができる。該ポリペプチドを、単体の活性物質として又は特定の
指示に適切な他の公知の活性物質と共に、医薬上許容される希釈剤(例えば生理 食塩水、Tris-HC1、酢酸塩、リン酸バッファー溶液)、保存剤(例えばチメロサー
ル、ベンジルアルコール、パラベン)、乳化剤、可溶化剤、アジュバント、及び /又は担体と混合して組み合せることができる。医薬組成物の適当な製剤は、Re
mington's Pharmaceutical Sciences, 16th ed. 1980, Mack Publishing Co(Ea
ston, PA)に記載されたものを含む。
【0168】 加えて、そのような組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)、金属イオンと 複合体化する、あるいはポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル、デキストラ
ン等のようなポリマー化合物に組み込む、またはリポソーム、マイクロエマルジ
ョン、ミセル、単膜リポソーム若しくは多重膜ベシクル、赤血球ゴースト若しく
はスフェロプラストに組み込むことができる。そのような組成物は、物理的状態
、溶解度、安定度、in vivoでの放出速度、in vivoでのクリアランス速度に影響
を及ぼし、ゆえに目的とする適用に従って選択しうる。
【0169】 本発明の組成物を、例えば局所的、非経口的、あるいは吸入剤などの任意の適
当な形態で投与しうる。用語「非経口的」には、皮下、静脈内または筋肉内経路
などによる注射が含まれ、また例えば疾患または傷害部位などでの局所化投与が
含まれる。体内移植片からの持続性放出もまた意図される。関連分野の当業者で
あれば、適切な投与量は、治療すべき疾患の特性、患者の体重、年齢および全般
状態、並びに投与経路などの因子に応じて変化するであろうことを認識されよう
。予備的投与量を動物試験に従って決定することができ、ヒトへの投与量のスケ
ーリングは、技術が許容される慣例に従って実施される。
【0170】 生理学的に許容される製剤中に核酸を含む組成物もまた意図される。DNAは例 えば注射用に製剤化しうる。研究試薬 本発明のポリペプチドの別の用途は、異なる細胞型についてSVPH3−13またはS
VPH3−17ポリペプチド/ SVPH3−13またはSVPH3−17ポリペプチドカウンター構造
物の相互作用を阻害することに起因する生物学的作用の研究手段としてである。
ポリペプチドはまた、SVPH3−13若しくはSVPH3−17ポリペプチドまたはSVPHカウ
ンター構造物の検出あるいはその相互作用の検出のためにin vitroアッセイで使
用してもよい。
【0171】 SVPH3−13(または3−17)とそのカウンター構造物との相互作用は、SVPH3−1
3(または3−17)/ SVPH3−13(または3−17)カウンター構造物の会合を妨害し
、SVPH3−13(または3−17)またはそのカウンター構造物の活性を阻害する小分
子のスクリーニングを可能にする。例えばSUNYで開発された酵母2ハイブリッド
系(Fieldsらの米国特許第5,283,173号に記載されている)は、以下のSVPH3−13
(または3−17)のインヒビターのスクリーニングに使用され得る。SVPH3−13(
または3−17)とそのカウンター構造物、またはこれらの相互作用に関与する部 分は、それぞれGal4 DNA結合ドメインとGal4転写活性化ドメインに融合し、ヒス
チジンの欠如したプレート上での増殖についてGal4活性に依存する株に導入しう
る。増殖を妨害する化合物は、SVPHインヒビターを同定するためにスクリーニン
グしてもよい。あるいはスクリーニングを変更してもよく、その結果SVPH3−13 (または3−17)/ SVPH3−13(または3−17)カウンター構造物の相互作用が増 殖を阻害し、その結果相互作用の阻害は増殖が起きることを可能にする。SVPH3 −13(または3−17)阻害のスクリーニングへの別のin vitroのアプローチは、 成分の1つ(SVPH3−13(または3−17)またはそのカウンター構造物)をマイク
ロタイタープレートのウェルに固定化し、容易に検出される指示物を他の成分に
結合することであろう。この相互作用のインヒビターは、ウェル由来の検出可能
な指示物が存在しないことにより同定される。
【0172】 SVPH3−13および3−17 DNA、SVPH3−13および3−17ポリペプチド、並びにSVPH
3−13および3−17ポリペプチドに対する抗体は、多くの研究プロトコールにおい
て試薬として使用することができる。そのような研究プロトコールのサンプルは
、Sambrookら、Molecular Clonig: A Laboratory Manual, 第2版、第1〜3巻 、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)に記載されている。例えばこれ
らの試薬は、RNAまたはタンパク質の細胞特異的または組織特異的発現のマーカ ーとして作用することができる。
【0173】 同様にこれらの試薬は、SVPH3−13または3−17 RNAまたはポリペプチドの構成
性または一過性発現を研究するのに使用することができる。SVPH3−13および3−
17 DNAは、SVPH3−13および3−17 DNAの染色体上の位置の決定、およびこの染色
体位置に関連する遺伝子のマッピングに使用することができる。SVPH3−13およ び3−17 DNAはまた、遺伝子フィンガープリンティングのような技術を使用して 遺伝的不均一性および遺伝を調べ、ならびに遺伝的障害に関連するリスクの確認
に使用することもできる。SVPH3−13および3−17 DNAはさらに、SVPH3−13また は3−17 DNAに関連する追加の遺伝子を同定し、かつ配列の比較に基づき進化系 統樹を樹立するのに使用することができる。SVPH3−13および3−17 DNAおよびポ
リペプチドは、陽性スクリーニング法(例えば、サザンブロッティングおよび免
疫ブロッティング)や陰性スクリーニング法(例えば、サブトラクション)によ
り、SVPH3−13または3−17 DNAまたはポリペプチドに相同的な遺伝子またはタン
パク質を選択するのに使用することができる。
【0174】 SVPH3-13および3−17プロテイナーゼ活性を、他のプロテイナーゼを用いる分 析において試薬として用いて、該プロテイナーゼの基質特異性および活性を比較
しうる。キメラプロテイナーゼを、SVPH3-13または3−17プロテイナーゼの断片 を他のプロテイナーゼと交換することにより生成しうる。このようなキメラプロ
テイナーゼを、改変した活性および特異性に関して分析することができる。
【0175】 SVPH3-13および3−17ポリペプチドを試薬として用いて、(a)SVPH3-13または3 −17ポリペプチドが制御する任意のタンパク質、および(b)SVPH3-13および3−17
ポリペプチドが相互作用しうるほかのタンパク質、を同定することができる。SV
PH3-13または3−17ポリペプチドを、組換えタンパク質をアフィニティーマトリ ックスにカップリングさせることにより、またはそれらを2−ハイブリッド系で おとりとして用いることにより使用することができる。
【0176】 本発明の精製されたSVPH3-13および3−17ポリペプチドにより、SVPH3-13およ び3−17ポリペプチドのインヒビターの発見が容易になる。SVPH3-13または3−17
ポリペプチドのインヒビターである可能性のあるものをスクリーニングする際に
精製されたSVPH3-13または3−17ポリペプチドを使用することは重要であり、こ れによって混入物質による反応妨害の可能性を排除あるいは減少させることがで
きる。
【0177】 さらに、SVPH3-13および3−17ポリペプチドをSVPH3-13および3−17ポリペプチ
ド-インヒビターの構造に基づく設計のために用いることができる。そのような 構造に基づく設計は、「合理的薬剤設計」としても知られている。SVPH3-13およ
び3−17ポリペプチドは、例えば、何れもよく知られた方法であるエックス線結 晶構造解析、核磁気共鳴、又はホモロジーモデリングによって三次元的に分析す
ることができる。インヒビターの設計及びインヒビター−SVPH3-13およびインヒ
ビター−3−17ポリペプチド相互作用を支援するために分子モデリングソフトウ ェアシステムにおいてSVPH3-13および3−17ポリペプチドの構造情報を使用する ことも、本発明に包含される。そのようなコンピュータ支援モデリングおよび薬
剤設計では、例えば化学的立体構造分析、分子の静電ポテンシャル、タンパク質
の折り畳み等のような情報を利用することができる。例えば、金属プロテアーゼ
のクラス特異的インヒビターの設計では、大抵の場合、触媒作用的な亜鉛原子を
キレート化又は結合する試みに焦点が合わせられてきた。通常、合成インヒビタ
ーは、特定のプロテアーゼの特異性ポケットに適合するべく設計された一連の他
の基が結合した、負に荷電した部分を含むように設計される。本発明の特定の方
法では、基質に結合する可能性の高い部位についてSVPH3-13および3−17ポリペ プチドの三次元構造を分析し、予想される反応部位を導入した新たな分子を合成
し、かつその新たな分子を上述のようにアッセイする。分子量、等電点マーカー 本発明のポリペプチドは、化学的および酵素的手段により断片化して小ペプチ
ドにすることができ、こうして産生されたペプチド断片は、他のタンパク質また
はポリペプチドの分析に使用することができる。例えばそのようなペプチド断片
は、ペプチド分子量マーカー、ペプチド等電点マーカーとして、またはペプチド
断片化の程度の分析に使用することができる。すなわち本発明はまた、これらの
ポリペプチドやペプチド断片、ならびに未知タンパク質の見かけの分子量および
等電点の測定を促進するためのキットおよび未知タンパク質の断片化の程度を評
価するためのキットも包含する。
【0178】 断片化のすべての方法は本発明により包含されるが、化学的断片化は好適な実
施形態であり、メチオニン残基で特異的に切断するための中性または酸性条件下
で切断するための臭化シアンの使用を含む(E. Gross, Methods in Enz. 11: 23
8-255, 1967)。これはさらに、システイン残基を非反応種に変換するためのカ ルボキシメチル化工程のような追加の工程を含むことができる。
【0179】 酵素的断片化は、別の好適な実施形態であり、特殊なアミノ酸残基で切断する
ための、従来法の条件下でのアスパラギニルエンドペプチダーゼ、アルギニルエ
ンドペプチダーゼ、AchromobacterプロテアーゼI、トリプシン、黄色ブドウ球 菌(Staphylococcus aureus)V8プロテアーゼ、エンドプロテイナーゼAsp-N、ま
たはエンドプロテイナーゼLys-Cのようなプロテアーゼの使用を包含する。アス パラギニルエンドペプチダーゼは、本発明のポリペプチド内に存在するアスパラ
ギン残基のカルボキシル側で特異的に切断することができる。アルギニルエンド
ペプチダーゼは、これらのポリペプチド内に存在するアルギニン残基のカルボキ
シル側で特異的に切断することができる。AchromobacterプロテアーゼIは、ポ リペプチド内に存在するリシン残基のカルボキシル側で特異的に切断することが
できる(SakiyamaとNakat, 米国特許第5,248,599号;T. Masakiら、Biochim. Bi
ophys. Acta 660: 44-50, 1981;T. Masakiら、Biochim. Biophys. Acta 660:51
-55, 1981)。トリプシンは、本発明のポリペプチド内に存在するアルギニンと リシン残基のカルボキシル側で特異的に切断することができる。酵素的断片化は
また、複数のアミノ酸残基で切断するプロテアーゼでも起きる。例えば、黄色ブ
ドウ球菌(Staphylococcus aureus)V8プロテアーゼは、ポリペプチド内に存在 するアスパラギン酸およびグルタミン酸残基のカルボキシル側で特異的に切断す
ることができる(D. W. Cleveland, J. Biol. Chem. 3: 1102-1106, 1977)。エ
ンドプロテイナーゼAsp-Nは、ポリペプチド内に存在するアスパラギン残基のア ミノ側で特異的に切断することができる。エンドプロテイナーゼLys-Cは、本発 明のポリペプチド内に存在するリシン残基のカルボキシル側で特異的に切断する
ことができる。他の酵素的および化学的処理も同様に、これらのポリペプチドを
ユニークなセットの特殊なペプチドに特異的に断片化するのに使用することがで
きる。
【0180】 もちろん、本発明のペプチドおよびポリペプチドの断片もまた、当該分野で公
知の従来の組換え法および合成法により産生することができる。組換え法に関し
て、本発明が包含するポリペプチドとペプチド断片は、発現される宿主細胞に依
存して種々の分子量をとり得る。種々のタイプの細胞における本発明のポリペプ
チドおよびペプチド断片のグリコシル化により、修飾の程度に依存して、これら
の断片の分子量を変化させることができる。これらの断片のサイズは、ポリペプ
チドの細胞外部分から得られるポリペプチドの断片において最も不均一である。
もっぱらトランスメンブラン領域および細胞質領域から得られるポリペプチドを
使用するか、N-グリカナーゼで前処理してグリコシル化を除去するか、または細
菌宿主中でポリペプチドを発現することにより、一貫したポリペプチドとペプチ
ド断片を得ることができる。
【0181】 また、本発明のポリペプチドのアミノ末端とカルボキシル末端の両方に追加の
ペプチド配列を融合することにより、これらのポリペプチドの分子量も変化させ
ることもできる。本発明のポリペプチドのアミノ末端とカルボキシル末端への追
加のペプチド配列の融合体を使用して、これらのポリペプチドの発現を増強する
かまたはタンパク質の精製を促進することができる。さらに本発明のポリペプチ
ドのアミノ末端とカルボキシル末端への追加のペプチド配列の融合体は、酵素的
または化学的処理により生成したポリペプチドの断片化ペプチドの一部(通常、
すべてではない)を変化させるであろう。もちろん、分子生物学の一般的および
公知の技術を使用して、本発明のポリペプチド中に突然変異を導入することがで
きる。例えば突然変異を設計して、特異的酵素によるタンパク質分解的切断の部
位を排除するか、または特異的な化学的に誘導した断片化法により切断の部位を
排除することができる。特異的酵素または化学的方法を用いて断片化すると、こ
の部位の排除により、本発明のポリペプチドのペプチドフィンガープリントが変
化するであろう。
【0182】 各断片のユニークなアミノ酸配列は分子量を規定するため、次にこれらの断片
は、このような分析法の分子量マーカーとして機能して、未知タンパク質、ポリ
ペプチドまたはこれらの断片の分子量の決定を促進する。本発明の分子量マーカ
ーは、類似の見かけの分子量を有するタンパク質の見かけの分子量の推定ための
分子量マーカーとして特によく機能し、従ってタンパク質の見かけの分子量の決
定における正確度を向上させる。
【0183】 本発明が、断片化ペプチド分子量マーカーの使用に関する時、これらのマーカ
ーは、少なくとも10アミノ酸の大きさであることが好ましい。さらに好ましくは
、これらの断片化ペプチド分子量マーカーは、10〜100アミノ酸の大きさである 。さらに好ましくは、10〜50アミノ酸の大きさ、特に10〜35アミノ酸の大きさの
断片化ペプチド分子量マーカーである。最も好ましくは、10〜20アミノ酸の大き
さの断片化ペプチド分子量マーカーである。
【0184】 分子量の測定方法には、沈降法、ゲル電気泳動、クロマトグラフィー、質量分
析法がある。特に好適な実施形態は、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(U.
K. Laemmli, Nature 227: 680-685, 1970)である。従来法では、ドデシル硫酸 ナトリウムと6〜20%のアクリルアミドを含むゲルの2つの異なるレーンを使用
する。同一条件下でマーカーとサンプルを同時に解析できることは、正確度を向
上させる。もちろん、本発明のポリペプチドを使用して未知タンパク質の分子量
測定のために、多くの異なる方法が使用できること、本実施形態は決して本発明
の範囲を限定するものではないことは理解されるであろう。
【0185】 各非グリコシル化ポリペプチドまたはその断片は、そのユニークなアミノ酸配
列により決定される固有のpIを有する(pIは、当業者が、現在入手できるpI値を
予測するように設計された任意のコンピュータープログラムを使用して算定する
か、公知のアミノ酸pKa表を使用して計算するか、または経験的に測定すること ができる)。従ってこれらのポリペプチドおよびその断片は、特異的マーカーと
して作用し、等電点電気泳動のような技術を使用する未知タンパク質、ポリペプ
チド、または断片化ペプチドの等電点の測定を促進することができる。これらの
ポリペプチドまたは断片化ペプチドマーカーは、本発明のポリペプチドまたは断
片化ペプチドマーカーに近い見かけの等電点を有する未知タンパク質の見かけの
等電点の推定に、特によく機能する。
【0186】 等電点電気泳動の技術をさらにゲル電気泳動のような他の方法と組合せて、分
子量と電荷に基づいてタンパク質を同時に分離することができる。同一条件下で
これらのポリペプチドまたは断片化ペプチドマーカーおよび未知タンパク質を同
時に解析できることは、未知タンパク質の見かけの等電点の測定における正確度
を向上させる。これは、方法の本質から、マーカーを未知タンパク質と同時に分
析することが必要な、2次元電気泳動(T. D. BrockとM. T. Madigan, Biology
of Microorganisms 76-77 (Prentice Hall、第6版、1991))のような技術に おいて特に重要である。さらにこのような方法で、これらのポリペプチドおよび
その断片ペプチドは、未知タンパク質または断片化ペプチドの等電点と分子量の
両方の測定を促進することができる。
【0187】 ポリペプチドと断片化ペプチドは、未知タンパク質と分子量マーカーの区別を
可能にする2つの異なる方法を使用して視覚化することができる。1つの実施形
態において、本発明のポリペプチドおよび断片化ペプチド分子量マーカーは、こ
れらのマーカーに対する抗体と従来の免疫ブロッティング法を使用して視覚化す
ることができる。この検出は、未知タンパク質を検出することができない従来の
条件下で行う。小ペプチドは免疫原性エピトープを含有しないことがあるため、
本発明のすべてのポリペプチド断片に対して抗体を作製することができない場合
があることは理解されよう。さらに、必ずしもすべての抗体がこのアッセイで機
能しないかも知れないが、本発明のポリペプチドおよび断片に結合することがで
きるこれらの抗体は、従来法を使用して容易に測定することができる。
【0188】 未知タンパク質はまた、従来の染色法を使用して視覚化することもできる。本
発明のポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーに対する未知タンパク
質のモル過剰は、従来の染色法では、主に未知タンパク質が検出されるようなも
のである。これらのポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーのレベル
は、従来の染色法によってはこれらのマーカーがほとんどまたは全く検出できな
いものである。本発明のポリペプチド分子量マーカーに対する未知タンパク質の
好適なモル過剰は、2〜100,000倍である。さらに好ましくは、これらのポリペ プチド分子量マーカーに対する未知タンパク質の好適なモル過剰は、10〜10,000
倍、特に100〜1,000倍である。
【0189】 これらのポリペプチド分子量マーカーおよびそのペプチド断片を使用して、未
知タンパク質、ポリペプチドおよびその断片化ペプチドの分子量と等電点の測定
と検出のために、多くの方法を利用することができること、これらの実施形態は
決して本発明の範囲を限定するものではないことはもちろん理解される。
【0190】 別の実施形態において、例えば断片化反応の時間または温度を変化させること
による特異的ペプチドへの本発明のポリペプチドの漸進的断片化の分析(D. W.
Clevelandら、J. Biol. Chem. 252: 1102-1106, 1977)は、未知タンパク質の切
断の程度の対照として使用することができる。例えば同一条件下での同量のポリ
ペプチドと未知タンパク質の切断は、断片化の程度の直接的比較を可能にするこ
とができる。ポリペプチドの完全な断片化を引き起こす条件はまた、未知タンパ
ク質の完全な断片化を引き起こす。
【0191】 従って、本発明の一つの好適な実施形態は、ゲル電気泳動によりサンプルタン
パク質の見かけの分子量を推定するための、分子量マーカーとしてのSVPH3-13お
よび3−17ポリペプチドの使用である。本発明の単離され、精製されたSVPH3-13 ポリペプチド分子量マーカーは、グリコシル化がない場合、約2,139または96,45
0ダルトンの分子量を有する。本発明の単離され、精製されたSVPH3-17ポリペプ チド分子量マーカーは、グリコシル化がない場合、約91,866ダルトンの分子量を
有する。このポリペプチド分子量マーカーを使用することにより、見かけの分子
量が2,139、96,450または91,866ダルトンに近いタンパク質の見かけの分子量の 測定における、正確度の向上が可能になる。SVPH3−13および3−17ポリペプチド
を使用した、サンプルタンパク質の分子量の測定のために、多くの異なる方法を
利用することができ、そしてこの実施形態は決して本発明の範囲を限定するもの
ではないことはもちろん理解されよう。
【0192】 本発明の別の好適な実施形態は、SVPH3−13および3−17ポリペプチドの化学的
断片化により生成するSVPH3−13および3−17断片化ペプチド分子量マーカーの、
ゲル電気泳動によりサンプルタンパク質の見かけの分子量を推定するための分子
量マーカーとしての使用である。臭化シアンを用いるSVPH3−17ポリペプチド( 配列番号4)の処理により生成するSVPH3−17断片化ペプチド分子量マーカーの ユニークなセットは、少なくとも10アミノ酸の大きさの10個の断片化ペプチドを
含む。これらの断片化ペプチドの推定分子量を表1に示す。
【0193】
【表1】
【0194】 従って、臭化シアンを用いる化学的処理によるSVPH3−17ポリペプチドの切断 により、SVPH3−17断片化ペプチド分子量マーカーのユニークなセットが生成す る。SVPH3−17断片化ペプチドのユニークで既知のアミノ酸配列は、これらの断 片化ペプチド分子量マーカーの分子量の決定を可能にする。この具体的な例にお
いて、SVPH3−17断片化ペプチド分子量マーカーの分子量は、約10,745;12,883 ;3,545;3,958;7,401;6,380;4,119;28,284;1,647;および10,287ダルトン
を有する。
【0195】 さらなる実施形態において、サンプルタンパク質とSVPH3−17ポリペプチド内 のメチオニン残基のカルボキシル側での特異的加水分解により、サンプルタンパ
ク質とSVPH3−17ポリペプチドの断片化を引き起こす従来法の条件下で、サンプ ルタンパク質とSVPH3−17ポリペプチドを同時にしかし別々に、臭化シアンで処 理することができる。前記したように、臭化シアンによるSVPH3−17ポリペプチ ドの切断により生成するSVPH3−17断片化ペプチド分子量マーカーは、約10,745 ;12,883;3,545;3,958;7,401;6,380;4,119;28,284;1,647;および10,287
ダルトンを有する。
【0196】 臭化シアンを用いるSVPH3−13ポリペプチド(配列番号6)(単独またはサン プルタンパク質と共に)の処理により生成するSVPH3−13断片化ペプチド分子量 マーカーのユニークなセットは、少なくとも10アミノ酸の大きさの12個の断片化
ペプチドを含む。これらの断片化ペプチドの推定分子量を表2に示す。
【0197】
【表2】
【0198】 従って、臭化シアンを用いる化学的処理によるSVPH3−13ポリペプチドの切断 により、SVPH3−13断片化ペプチド分子量マーカーのユニークなセットが生成す る。SVPH3−13断片化ペプチドのユニークで既知のアミノ酸配列は、これらの断 片化ペプチド分子量マーカーの分子量の決定を可能にする。この具体的な例にお
いて、SVPH3−13断片化ペプチド分子量マーカーの分子量は、約13,587;10,315 ;2,460;2,091;2,727;5,760;3,951;10,437;3,340;14,440;24,009;および
2,562ダルトンを有する。
【0199】 更に他の実施形態において、SVPH3−13および3−17ポリペプチドの断片化の程
度を更にコントロールとして用いて、サンプルタンパク質の完全な断片化に求め
られる条件を決定する。多くの化学物質を用いてSVPH3−13および3−17ポリペプ
チドを断片化しうるが、この実施形態が決して本発明の範囲を限定するものでは
ないということを理解されよう。
【0200】 他の実施形態においては、特定のアミノ酸残基でポリペプチドを切断する酵素
を用いて、SVPH3−13および3−17ポリペプチドからSVPH3−13および3−17の断片
化ペプチド分子量マーカーの特有のセットを生成することができる。SVPH3−13 および3−17ポリペプチドのアミノ酸配列の特有な性質のために、独特のアミノ 酸残基における切断により、断片化ペプチド分子量マーカーの独特のセットを生
成するだろう。
【0201】 例えば、単離および精製されたSVPH3−17ポリペプチドを、従来の条件におい てアクロモバクタープロテアーゼIで処理し、SVPH3−17ポリペプチド中のリシン
残基のカルボキシル側における特異的な加水分解によりSVPH3−17ポリペプチド の断片化を生じさせうる(T. Masakiら、Biochim. Biophys. Acta、660:44-50、
1981;T. Masakiら、Biochim. Biophys. Acta、660:51-55、1981を参照のこと)
。SVPH3−17ポリペプチドの特有なアミノ酸配列のために、アクロモバクタープ ロテアーゼIを用いたSVPH3−17ポリペプチド分子量マーカーの断片化は、SVPH3 −17断片化ペプチド分子量マーカーの特有のセットを生成する。リシン残基の分
布により各ペプチドのアミノ酸数を決定し、各ペプチドの特有なアミノ酸組成に
よりその分子量を決定する。
【0202】 アクロモバクタープロテアーゼIを用いたSVPH3−17ポリペプチドの処理により
生成されたSVPH3−17断片化ペプチド分子量マーカーの特有のセットは、大きさ において少なくとも10個のアミノ酸の断片化ペプチド29個を含む。SVPH3−17ポ リペプチドを該酵素処理して生成した29個の断片化ペプチドは、SVPH3−17ポリ ペプチドを臭化シアン処理して生成した10個の断片化ペプチドと比較して、断片
化ペプチド分子量マーカーの大きさおよび数の双方がSVPH3−17ポリペプチドの 断片化に使用される断片化の処理によって多様であることを明らかに示している
。これらの断片の大きさおよび数はどちらもSVPH3−17ポリペプチドのアミノ酸 配列により指示される。これらの断片化ペプチドの推定分子量を表3に示す。
【0203】
【表3】
【0204】
【0205】 従って、アクロモバクタープロテアーゼIを用いた酵素処理によるSVPH3−17ポ
リペプチドの切断は、SVPH3−17断片化ペプチド分子量マーカーの特有のセット を生成する。これらの断片化ペプチドの特有および既知のアミノ酸配列により、
これらのSVPH3−17断片化ペプチド分子量マーカーの分子量を決定することがで きる。この特定の場合には、これらのSVPH3−17断片化ペプチド分子量マーカー は約7,851; 3,040; 3,093; 1,802; 2,878; 2,265; 3,651; 1,135; 2,490; 1,632
; 1,373; 1,505; 1,235; 2,114; 2,115; 2,021; 5,382; 2,413; 2,743; 3,503;
5,911; 2,149; 1,611; 1,206; 7,880; 1,849; 4,087; 2,923;および1,313ダルト
ンの分子量を有する。
【0206】 他の実施形態において、サンプルタンパク質およびSVPH3−17ポリペプチドを 、従来条件下でアクロモバクタープロテアーゼIを用いて、同時にしかし別々に 処理し、サンプルタンパク質およびSVPH3−17ポリペプチド中のリシン残基のカ ルボキシル側において特異的に加水分解することによって、サンプルタンパク質
およびSVPH3−17ポリペプチドの断片化を生じさせることができる。SVPH3−17ポ
リペプチドの断片化の程度をさらにコントロールとして用いて、サンプルタンパ
ク質の完全な断片化に求められる条件を決定する。多くの酵素をSVPH3−13およ び3−17ポリペプチドの断片化に用いることができ、この実施形態が決して本発 明の範囲を限定するものではない、ということがもちろん理解されよう。
【0207】 最後に、本発明により包含されるキットに関して、このキットの構成要素は多
様であるが、典型的にポリペプチドおよび断片化ペプチド分子量マーカーを含む
。また、このようなキットは、断片化に必要な部位を除去したポリペプチドを含
みうる。さらに、該キットは、化学的若しくは酵素的切断によるポリペプチドお
よび未知のタンパク質の特異的な切断のための試薬を含みうる。該キットは、本
発明のポリペプチドまたはそれらの断片に対する抗体をさらに含みうる。未知タンパク質の同定 上記に説明した通り、ポリペプチドまたはペプチドフィンガープリントを既知
タンパク質のデータベースに加えたり、または該データベースと比較して、質量
分析法を用いた未知タンパク質の同定を補助することができる(W.J. Henzelら 、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、90:5011-5015、1993:D. Fenyoら、Electropho
resis、19:998-1005、1998を参照されたい)。これらの比較を容易にする多様な
コンピュータソフトウエアプログラムはインターネットでアクセス可能であり、
Protein Prospector(インターネットサイト:prospector.uscf.edu)、MultiId
ent(インターネットサイト:www.expasy.ch/sprot/multiident.html)、Peptid
eSearch(インターネットサイト:www.mann.embl-heiedelberg.de…deSearch/FR
#PeptideSearch Form.html)、およびProFound(インターネットサイト:www.ch
ait-sgi.rockefeller.edu/cgi-bin/prot-id-frag.html)などがある。これらの プログラムにより、ユーザーは指示許容度内の断片化ペプチドの分子量および切
断試薬を特定できる。該プログラムは、観察された分子量を配列データベース由
来の推定ペプチド分子量と比較し、未知タンパク質の同定の決定に役立つ。
【0208】 更に、タンデム質量分析法(MS/MS)を用いてポリペプチドまたはペプチド消 化物を配列決定し、得られた配列をデータベースに対して検索しうる(J.K. Eng
ら、J. Am. Soc. Mass Spec.、5:976-989(1994);M. MannおよびM. Wilm、Anal.
Chem.、66:4390-4399(1994);J.A. TaylorおよびR.S. Johnson、Rapid Comm. M
ass Spec.、11:1067-1075(1997)を参照されたい)。この方法に使用されうる検 索プログラムはインターネット上にあり、Lutefisk 97(インターネットサイト :www.lsbc.com:70/Lutefisk97.html)および上述のProtein Prospector、Pepti
de Search、ProFoundプログラムなどがある。
【0209】 従って、遺伝子配列およびその推定タンパク質配列並びにペプチド断片を配列
データベースに加えることにより、質量分析法を用いた未知タンパク質の同定に
役立てることができる。抗体 本発明のポリペプチドに対する免疫応答性を有する抗体を本明細書に示す。本
発明のこの態様においては、本発明のSVPHのアミノ酸配列に基づいたポリペプチ
ドを用いて、SVPHに特異的に結合する抗体を調製することができる。このような
抗体は、抗体の抗原結合部位を介して該ポリペプチドに特異的に(非特異的結合
を阻むように)結合する。従って、上述のように該ポリペプチド、断片、変異体
、融合タンパク質などを免疫原として用いて、それらに対する免疫応答性を有す
る抗体を産生させてもよい。より具体的には、該ポリペプチド、断片、変異体、
融合タンパク質などは、抗体の形成を誘導する抗原性決定基またはエピトープを
含む。
【0210】 それらの抗原決定基またはエピトープは、直線的または立体的(断続的)のど
ちらかであり得る。直線的エピトープは、該ポリペプチドのアミノ酸の単一フラ
グメントで構成されるが、それに対して、立体的または断続的エピトープは、タ
ンパク質の折りたたみに際してぴったりと近接するに至ったポリペプチド鎖の異
なる領域からのアミノ酸フラグメントで構成される(C. A. Janeway, Jr.及びP.
Travers, Immuno Biology 3:9 (Garland Publishing Inc.、第2版、1996))。 折りたたまれたタンパク質は複雑な表面を有しているため、利用できるエピトー
プ数は極めて多い。しかし、タンパク質の高次構造及び立体障害により、実際に
エピトープに結合する抗体数は、利用できるエピトープ数より少ない(C. A. Ja
neway, Jr.及びP. Travers, Immuno Biology 2:14 (Garland Publishing Inc.、
第2版、1996))。当業界で知られている任意の方法により、エピトープを同定す
ることができる。
【0211】 このように、本発明の一態様は、本発明のポリペプチドの抗原性エピトープに
関する。そのようなエピトープは、以下により詳細に記載されるように、抗体、
特にモノクローナル抗体を作るのに有用である。さらに、本発明のポリペプチド
からのエピトープを、アッセイにおいて、研究試薬として用いて、ポリクローナ
ル血清または培養したハイブリドーマからの上清などの材料から特異的に結合す
る抗体を精製することができる。固相合成、ポリペプチドの化学的または酵素的
切断などの、当業界でよく知られた技術を用いて、あるいは組換えDNA技術を用 いて、そのようなエピトープまたはそれらの変異体を製造することができる。
【0212】 本発明のポリペプチドのエピトープにより誘導され得る抗体に関しては、単離
されたエピトープにせよ、ポリペプチドの残余の部分にせよ、ポリクローナル及
びモノクローナル抗体の双方を以下に記述するような従来技術により調製するこ
とができる。
【0213】 用語「抗体」は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、それらのフラグメ
ント(F(ab')2及びFabフラグメントなど)に加えて、任意の組換えにより製造さ
れた結合パートナーを含むことを意味する。抗体は、それらが約107 M-1以上のK
aで結合する場合、特異的に結合するものと定義される。結合パートナーまたは 抗体の親和性を、従来の技術(例えばScatchardら、Ann. N.Y Acad. Sci., 51:6
60 (1949)に記載されたもの)を用いて容易に測定することができる。
【0214】 当業界でよく知られている方法を用いて、様々な供給源(例えば、ウマ、ウシ
、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ニワトリ、ウサギ、マウスまたはラットなど)から、ポ
リクローナル抗体を容易に作製することができる。一般に、精製した本発明のSV
PHは典型的には非経口的注入により宿主動物に投与される。該ポリペプチドの免
疫原性を、アジュバント(例えば、Freundの完全または不完全アジュバント)を
用いることにより増強することができる。追加免疫の後、少量の血清サンプルを
採集し、該ポリペプチドに対する応答性を測定する。そのような測定に有用な様
々なアッセイの例としては、Antibodies: A Laboratory Manual, Harlow及びLan
e(編)、Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988に記載のもの、同じく向流
免疫電気泳動(CIEP)、ラジオイムノアッセイ、放射性免疫沈降法、酵素結合免疫
吸着アッセイ(ELIZA)、ドットブロットアッセイ及びサンドイッチアッセイなど の方法が挙げられる。米国特許第4,376,110号及び第4,486,530号を参照されたい
【0215】 よく知られた方法を用いて、モノクローナル抗体を容易に調製することができ
る。例えば、米国特許第RE32,011号、第4,902,614号、第4,543,439号及び第4,41
1,993号、Monoclonal Antibodies, Hybridomas: A New Dimension in Biologica
l Analyses, Plenum Press, Kennett, McKearn及びBechtol(編)、1980に記載の 方法を参照されたい。手短に述べると、マウスなどの宿主動物に、単離し、精製
したポリペプチドを、場合によってはアジュバントの存在下で、約3週間ごとに 、少なくとも1回、好ましくは少なくとも2回、腹腔内に注入する。次いで、マウ
スの血清を従来のドットブロット法または抗体捕捉法(ABC)によりアッセイし、 どの動物が融合させるのに最適かを決定する。約2〜3週間後、マウスにポリペプ
チドまたはコンジュゲートしたペプチドを静脈内に追加投与する。次いで、マウ
スを殺し、脾臓細胞を、以下の確立されたプロトコルに従って、Ag8.653(ATCC) などの市販の骨髄腫細胞と融合させる。手短に述べると、骨髄腫細胞を培地中で
数回洗浄し、骨髄腫細胞1に対して脾臓細胞が約3の割合でマウス脾臓細胞と融合
させる。融合化剤は、例えばポリエチレングリコール(PEG)などの、当業界で 用いられる任意の適当な剤でよい。融合した細胞を選択的に増殖させ得る培地を
含むプレートで融合物を平板培養する。次いで、融合細胞を約8日間増殖させる ことができる。得られたハイブリドーマからの上清を採集し、ヤギ抗マウスIgで
最初にコーティングしたプレートに添加する。続いて洗浄し、125Iなどで標識し
たポリペプチドを各ウェルに添加してインキュベートする。続いて陽性ウェルを
オートラジオグラフィーにより検出することができる。陽性クローンは大量培養
により増殖させることができ、続いて上清をProtein A カラム(Pharmacia)で精 製する。
【0216】 本発明のモノクローナル抗体を別の技術(Alting-Meesら、「Monoclonal Antib
ody Expression Libraries: A Rapid Alternative to Hybridomas」、Strategies
in Molecular Biology 3:1-9(1990)に記載されている技術など)を用いて製造 することができる。該引用文献は参照により本明細書に組み入れられる。同様に
、特異的に結合する抗体をコードする遺伝子の可変領域を組み入れるために、組
換えDNA技術を用いて、結合パートナーを構築することができる。そのような技 術は、Larrickら、Biotechnology, 7:394(1989)に記載されている。
【0217】 本発明のモノクローナル抗体は、キメラ抗体、例えばヒト化マウスモノクロー
ナル抗体を含む。そのようなヒト化抗体は、公知の技術により調製でき、該抗体
をヒトに投与する際に免疫原性を減じるのに有利である。一実施形態においては
、ヒト化モノクローナル抗体は、マウス抗体の可変領域(またはそれらの抗原結
合部位のみ)及びヒト抗体に由来する定常領域を含む。あるいは、ヒト化抗体フ
ラグメントは、マウスモノクローナル抗体の抗原結合部位及びヒト抗体に由来す
る可変領域フラグメント(抗原結合部位を欠失している)を含んでもよい。キメ
ラ及びさらに加工したモノクローナル抗体の製造方法は、Riechmannら(Nature 3
32:323,1988)、Liuら(PNAS 84:3439,1987)、Larrickら(Bio/Technology 7:934,1
989)及びWinter及びHarris (TIPS 14:139,May,1993)に記載されたものを含む。 トランスジェニック的に抗体を作製する方法は、英国特許第2,272,440号、米国 特許第5,569,825号及び第5,545,806号並びにそこから優先権を主張している関連
特許に見つけることができる。それらの全ては、参照により本明細書に組み入れ
られる。それらの使用 in vitroまたはin vivoで本発明のポリペプチドまたはフラグメントの存在を 検出するためのアッセイにおいて、本発明の抗体を用いることができる。該抗体
は、イムノアフィニティークロマトグラフィーにより本発明のポリペプチドまた
はフラグメントを精製するのにも用いることができる。
【0218】 本発明のポリペプチドがSVPHカウンター構造物に結合するのをさらに阻止でき
るそれらの抗体を用いて、SVPH3−13またはSVPH3−17によるタンパク質分解など
の、該結合により生じた生物学的活性を阻害することができる。SVPH3−13また はSVPH3−17が、SVPHカウンター構造物を発現する特定の細胞に結合するのを阻 害する能力について、抗体を試験することなどの任意の適当なアッセイ法を用い
て、そのような阻止性抗体を同定することができる。また、SVPH3−13またはSVP
H3−17によるタンパク質分解などの、該結合により生じた生物学的作用を阻害す
る能力についてのアッセイにおいて阻止性抗体を同定することができる。
【0219】 そのような抗体は、in vitroでの方法に用いることができ、または抗体を生成
した実体により仲介された生物学的活性を阻害するためにin vivoで投与するこ とができる。従って、SVPH3−13若しくはSVPH3−17またはSVPHカウンター構造物
との相互作用により引き起こされた、または悪化した(直接的にせよ、間接的に
せよ)疾患を治療することができる。治療方法は、SVPHカウンター構造物を介し
た生物学的活性を阻害する有効量の阻止性抗体を哺乳動物にin vivoで投与する ことを含む。そのような治療方法には、モノクローナル抗体を用いるのが一般に
好ましい。一実施形態においては、抗原に結合する抗体フラグメントを用いる。
【0220】 SVPH3−13またはSVPH3−17ポリペプチドに対する抗体、生理上許容される希釈
剤、添加剤、または担体を含む組成物が本明細書で提供される。そのような組成
物の適当な成分は、上記のごとく、SVPH3−13またはSVPH3−17タンパク質を含む
組成物のためのものである。
【0221】 また、該抗体に結合した検出剤(例えば、診断剤)または治療剤を含むコンジ
ュゲートも本明細書で提供される。そのような剤の例は、上記に提示されている
。該コンジュゲートは、in vitro法でもin vivo法でも有用であることがわかる 。
【0222】 本明細書は、その中の引用例の教示に照らして最もよく理解される。引用例は
、参照により本明細書の一部とする。本明細書中の実施形態および実施例は、本
発明の実施形態の一つの実例を提供し、本発明の技術範囲を限定するものと解釈
されるべきではない。当業者であれば、多くの他の実施形態が本発明に包含され
ることを容易に認識できる。以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を更に説
明するために提供するものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるも
のではない。実施例 実施例1:SVPH3−13およびSVPH3−17のRNA発現 ノーザンブロットをClontech(カタログ番号7760−1、7759−01、7755−1およ
び7750−1)より購入した。該ブロットをスタークバッファー(Stark's buffer :50%ホルムアミド、50mM KPO4、5xSSC、1% SDS、5xデンハルト溶液、0.05% サルコシル(sarkosyl)、および300μg/mlサケ精子DNA)中で少なくとも1時間6
3℃でプレハイブリダイズし、その後32Pで標識したSVPH3−13またはSVPH3-17リ ボプローブを用いてスタークバッファー中で一晩63℃でインキュベートした(Co
smanら、1984)。その後ブロットを、連続的に高ストリンジェンシーに洗浄し(
0.1xSSC、0.1% SDS、63℃)、フィルム(X−OMAT AR、Eastman Kodak Co.、Roc
hester、NY)に露光させた。露光したフィルムを自動エックス線フィルム処理装
置で現像した。SVPH3−17(ADAM23)およびSVPH3−13(ADAM22)アンチセンスリ
ボプローブを、(α−32P)UTPを標識ヌクレオチドとして用いる市販のキット(
MAXIscript、Ambion, Inc.、Austin、TX)を使用して、T7 RNAプロモーターから
in vitro転写で調製した。この結果を図1および図2に示す。実施例2:SVPH3−13およびSVPH3−17の放射線ハイブリッドマッピング SVPH3−13およびSVPH3−17の染色体マッピングを、放射線ハイブリッドマッピ
ング(Walterら、1994)により行った。GeneBridge4 放射線ハイブリッドマッピ
ングパネル(Research Genetics、Huntsville、AL)を、SVPH3−13(ADAM22)お
よびSVPH3−17(ADAM23)に特異的なプライマー対を用いてスクリーニングした 。
【0223】 SVPH3−13のPCRスクリーニングに用いたプライマーは: 5'−TATCTTCCTAAAAAGTTCACCCAGTGTAATATTG−3'(センス)(配列番号7)および
5'−TGCTTTCTATTCCCATCAGAATAGCCC−3'(アンチセンス)(配列番号8)である 。これらのプライマーは298塩基対の産物を生成した。
【0224】 SVPH3−17のPCRスクリーニングに用いたプライマーは: 5'−CTTTTTACAGAGAGGAGGTGGAG−3'(センス)(配列番号9)および 5'−GAAACACCAGAGACTGAGAATGC−3'(アンチセンス)(配列番号10)である。 これらのプライマーは263塩基対の産物を生成した。
【0225】 2つの独立したPCRスクリーニングから得たデータを、統計学プログラムRHMAPP
ERを使用して、Genome ResearchのデータベースのWhitehead Institute/MIT Cen
terからのSTSマーカーに対してスコアリングした。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ノーザンブロットによる種々の組織におけるSVPH3-13およびSVPH3-17 RNAの発現データを示す。
【図2】 図2は、ノーザンブロットによる脳に関連する組織におけるSVPH3-13およびSV
PH3-17 RNAの発現データを示す。
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月7日(2000.9.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】 本発明はさらに、サンプルタンパク質のペプチド断片の分子量を決定するため
のキットを包含し、該キットは以下のもの、すなわち、容器、SVPH3-13またはSV
PH3-17、アスパラギニルエンドペプチダーゼ、アルギニルエンドペプチダーゼ、
アクロモバクタープロテアーゼI、トリプシン、黄色ブドウ球菌V8プロテアーゼ
、エンドプロテイナーゼAsp-N、およびエンドプロテイナーゼLys-Cからなる群よ
り選択される酵素少なくとも1種、選択された酵素による酵素切断の部位が除去
された、in vitro突然変異誘発により該ポリペプチドから誘導された変異型ポリ
ペプチド、および選択された酵素での酵素切断により該ポリペプチドから誘導さ
れた断片化ペプチド、を含んでなり、該ポリペプチドとサンプルタンパク質に選
択されたプロテアーゼを接触させ、該タンパク質、ポリペプチドおよび断片化ペ
プチドをアクリルアミドゲルにアプライし、電流を用いて該タンパク質、ポリペ
プチドおよび断片化ペプチドを分離し、該タンパク質、ポリペプチドおよび断片
化ペプチドを染色する検出試薬をゲルに添加することにより該タンパク質、ポリ
ペプチドおよび断片化ペプチドを可視化する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/64 G01N 33/68 4H045 C12Q 1/37 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/68 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 AA40 BB20 CB01 CB21 DA12 DA13 DA14 DA20 DA36 FB01 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA14 CA04 CA09 CA20 DA01 DA02 DA05 DA12 GA11 HA13 HA14 4B050 CC01 CC03 DD11 EE01 LL01 LL03 LL05 4B063 QA20 QQ79 QR16 QS16 QX01 QX10 4B065 AA01X AA72X AA88X AA90X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA33 CA44 CA46 4H045 AA11 CA40 DA76 EA20 EA50 FA72

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の核酸分子: (a) 配列番号1、配列番号2または配列番号5のDNA配列、 (b) 配列番号3、配列番号4または配列番号6の配列を含むアミノ酸配列をコ
    ードする単離された核酸分子、 (c) 上記(a)または(b)の核酸配列を含む変性した二本鎖DNAのいずれかの鎖に 、60℃、0.5XSSC、0.1%SDSの洗浄条件を用いた42℃、50%ホルムアミドおよび6XS
    SC中の中程度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする単離された核酸
    分子、 (d) 配列番号1、配列番号2または配列番号5からin vitro突然変異誘発によ
    り誘導される単離された核酸分子、 (e) 配列番号1、配列番号2または配列番号5から遺伝暗号の縮重の結果とし
    て生じる単離された核酸分子、および (f) ヒトSVPH3-13 DNA、ヒトSVPH3-17 DNA、ヒトSVPH3-13 DNAの対立遺伝子変
    異体、ヒトSVPH3-17 DNAの対立遺伝子変異体、SVPH3-13 DNAの種相同体およびSV
    PH3-17 DNAの種相同体からなる群より選択される単離された核酸分子、 からなる群より選択される単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の核酸分子の発現を指令する組換えベクター。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の核酸分子によりコードされる単離されたポリ
    ペプチド。
  4. 【請求項4】 SDS-PAGEで測定したとき約2kDまたは92kDの分子量を有する 、請求項3記載の単離されたポリペプチド。
  5. 【請求項5】 グリコシル化されていない形の請求項3記載の単離されたポ
    リペプチド。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のポリペプチドに結合する単離された抗体。
  7. 【請求項7】 モノクローナル抗体である、請求項6記載の単離された抗体
  8. 【請求項8】 請求項2記載のベクターによりトランスフェクトまたは形質
    導入された宿主細胞。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の宿主細胞を、発現を促進する条件下で培養し
    、該培地からSVPH3-13またはSVPH3-17ポリペプチドを回収することを含んでなる
    、SVPH3-13またはSVPH3-17ポリペプチドの生産方法。
  10. 【請求項10】 前記宿主細胞が細菌細胞、酵母細胞、植物細胞および動物
    細胞からなる群より選択される、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 サンプルタンパク質の分子量を請求項3記載のポリペプチ
    ドの分子量と比較することを含むサンプルタンパク質の分子量の測定方法であっ
    て、 該分子量の比較が、サンプルタンパク質と該ポリペプチドとをアクリルアミド
    ゲルにアプライし、電流を用いてサンプルタンパク質と該ポリペプチドとを分離
    し、サンプルタンパク質と該ポリペプチドとを染色する検出試薬をゲルに添加す
    ることを含んでなる、上記方法。
  12. 【請求項12】 サンプルタンパク質のペプチド断片の分子量を測定するた
    めのキットであって、 容器、 請求項3記載のポリペプチド、 アスパラギニルエンドペプチダーゼ、アルギニルエンドペプチダーゼ、アクロ
    モバクタープロテアーゼI、トリプシン、黄色ブドウ球菌V8プロテアーゼ、エン
    ドプロテイナーゼAsp-N、およびエンドプロテイナーゼLys-Cからなる群より選択
    される酵素少なくとも1種、 選択された酵素による酵素切断の部位が除去された、in vitro突然変異誘発に
    より該ポリペプチドから誘導された変異型ポリペプチド、および 選択された酵素での酵素切断により該ポリペプチドから誘導された断片化ペプ
    チド、 を含んでなり、 該ポリペプチドとサンプルタンパク質に選択されたプロテアーゼを接触させ、
    該タンパク質、ポリペプチドおよび断片化ペプチドをアクリルアミドゲルにアプ
    ライし、電流を用いて該タンパク質、ポリペプチドおよび断片化ペプチドを分離
    し、該タンパク質、ポリペプチドおよび断片化ペプチドを染色する検出試薬をゲ
    ルに添加することにより該タンパク質、ポリペプチドおよび断片化ペプチドを可
    視化するものである、上記キット。
  13. 【請求項13】 次のアミノ酸配列: (a) 配列番号6のアミノ酸1〜697、 (b) 配列番号6のアミノ酸698〜721、 (c) 配列番号6のアミノ酸722〜867、 (d) 配列番号6のアミノ酸400〜499、および (e) 配列番号6のアミノ酸500〜697、 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むSVPH3-13ポリペプチド。
  14. 【請求項14】 次のアミノ酸配列: (a) 配列番号2のアミノ酸1〜58、 (b) 配列番号2のアミノ酸59〜286、 (c) 配列番号2のアミノ酸287〜495、 (d) 配列番号2のアミノ酸496〜599、 (e) 配列番号2のアミノ酸600〜786、 (f) 配列番号2のアミノ酸787〜817、および (g) 配列番号2のアミノ酸818〜832、 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むSVPH3-17ポリペプチド。
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