JP2002534528A - 硫酸化ホスファチジルイノシトール、それらの調製及び使用 - Google Patents

硫酸化ホスファチジルイノシトール、それらの調製及び使用

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エリック ジェイ. ダディ,
シャオ−フイ メイ,
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Abstract

(57)【要約】 硫酸化ホスファチジルイノシトール、硫酸化ホスファチジルイノシトールを含有する医薬組成物、及び個体への硫酸化ホスファチジルイノシトールまたは前記医薬組成物の投与を開示する。硫酸化ホスファチジルイノシトールは、薬理学的応答を誘発するために単独で使用され得、または個体への治療剤の投与のための薬物送達システムの成分として、液体及び固体の双方の種々の医薬組成物に組み入れることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
(関連出願に対する相互参照) 本願は、1999年1月15日に出願せる仮出願第60/116,166号の
優先権を主張するものである。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硫酸化ホスファチジルイノシトール、及び治療における、または治
療剤のための薬物送達システムの成分としての、それらの使用に関する。さらに
詳細には、本発明は、硫酸化ホスファチジルイノシトールの調製及び特徴付、な
らびに医薬組成物及び疾患の処置方法におけるそれらの使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の硫酸化ポリマーは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する抗ウイル
ス活性を呈する。Babaら、Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 34(1), 13
4-138 (1990)は、ポリビニルアルコール、デキストラン硫酸、またはアクリル酸
及びビニルアルコールの硫酸化コポリマーを、HIV複製及び巨細胞形成を阻害
するために使用することを開示している。同様の研究において、Mohanら、Antiv
iral Research, 18, 139-150 (1992)は、HIV及び合胞体(シンチウム)形成
を阻害するためのポリ(4−スチレンスルホン酸)、ポリ(アネトールスルホン
酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1
−プロパンスルホン酸)、及びデキストラン硫酸などのスルホン酸ポリマーを開
示している。他の研究者らは、カードランガラクトース硫酸、カードランアラビ
ノース硫酸、及びレンチナン硫酸を、それぞれの非硫酸化多糖から調製した。イ
ン・ビトロ実験によって、これらの硫酸化多糖がHIV感染を阻害し、細胞融合
の事象を阻止し、そして逆転写酵素(RT)活性を阻害することが明らかになっ
た(Yoshidaら、Biochemical Pharmacology, 37(15), 2887-2891 (1998)を参照
されたい)。
【0003】 他の研究者ら(例えば、Gustafsonら、J. Nat. Can. Inst., 81(16), 1254-12
58 (1989)、及びOhtaら、Chem. Pharm. Bull., 46(4), 684-686 (1988)を参照さ
れたい)は、いくつかのスルホ脂質がHIVウイルスの細胞壊死性効果を阻害し
、そしてシンチウム形成を阻害することを見出した。しかしながら、これらのス
ルホ脂質は天然の産物であって、海洋藻類から面倒な方法を用いて単離して少量
のスルホ脂質が得られるのである。例えば、比較的大量の藻類(例えば300グ
ラム(g)の乾燥重量)を集め、そして有機溶媒を用いてスルホ脂質を抽出し、
次いで精製される。この方法によって、約3.1ミリグラム(mg)の精製スル
ホ脂質が得られ、全体の収率は0.0010%となる。さらに別の研究で、Barz
uら、J. Med. Chem., 36, 3546-3555 (1993)は、ヘパリン、デルマタン硫酸及び
いくつかの化学的に修飾されたヘパリンなどの天然に存在する硫酸化多糖類は、
HIV感染に通常関わる巨細胞形成を阻害することを開示している。
【0004】 かくのごとく、複数のイオウを含有する酸基を有するポリマー及び多糖類は、
イン・ビトロでHIVに対する陽性の抗ウイルス効果を示す。Harropら、Glycob
iology, 8(2), 131-137(1998)は、放射線標識されたヘパリン(天然に存在する
硫酸化多糖である)は、ウイルスのエンベロープ上の特異的な糖タンパク質に結
合し、それによりヒト免疫不全ウイルスがその天然の宿主細胞受容体であるCD
4に結合することを阻害することを示すことによって、この挙動を説明している
【0005】 前記の硫酸化ポリマー及び多糖類は、イン・ビトロで見込みがあることを示し
たものの、イン・ビボでの治療上の応答性は期待を裏切るものであった。かなり
の数の硫酸化高分子材料は、費用が桁外れであるだけでなく、イン・ビボで静脈
内に投与すると低い効率と低い生物学的利用率を呈した。硫酸化高分子材料はま
た、強い、望ましくない抗血液凝固効果も示した。従って、例えばAIDSの管
理において、硫酸化高分子材料の不都合を克服しつつも、例えば抗ウイルス性等
の治療上の利点を示す化合物を提供することが、当該技術分野における進歩につ
ながるはずである。本発明は、このような化合物に関するものである。
【0006】
【発明の要約】
本発明は、硫酸化ホスファチジルイノシトール及び治療におけるそれらの使用
に関する。さらに詳細には、本発明は、以下の理想構造式(I):
【0007】
【化2】
【0008】 [式中、Rの各々は独立して、H、SO3H、またはSO3 -である]を有する硫
酸化ホスファチジルイノシトールの調製及び特徴付けに関するものである。
【0009】 従って、本発明の一つの要旨は、硫酸化ホスファチジルイノシトールの調製及
び特徴付けである。
【0010】 本発明のさらなる要旨は、疾患を処置するための療法における硫酸化ホスファ
チジルイノシトールの使用である。硫酸化ホスファチジルイノシトールは、疾患
を処置するために活性薬剤として、またはさらなる治療剤を含有する医薬組成物
の薬物送達システム成分として使用することができる。
【0011】 本発明の他の要旨は、急性または慢性疾患を処置するために個体に投与するこ
とができる医薬組成物を提供することにある。
【0012】 本発明の他の要旨は、個体内の標的部位へ治療剤をより効率的に送達するため
の、薬物送達システムの成分としての硫酸化ホスファチジルイノシトールの使用
である。
【0013】 本発明のさらに別の要旨は、個体に治療上有効量の硫酸化ホスファチジルイノ
シトールを投与する工程を含む、疾患または状態の処置方法である。疾患または
状態とは、例えば、AIDSの処置、抑制、または予防であり得る。
【0014】 本発明のさらに別の要旨は、治療剤及び薬物送達システムを含有する医薬組成
物を提供することであり、ここで薬物送達システムは、硫酸化ホスファチジルイ
ノシトール及び両親媒性化合物を含み、そしてこの組成物は、経口的に、または
注射によるいずれかにて、液状の形態にて個体に投与することができる。
【0015】 本発明のさらなる別の要旨は、治療剤を固体の形態にて個体へ投与することが
できるように、凍結乾燥された形態の硫酸化ホスファチジルイノシトールと治療
剤とを含有する医薬組成物を提供することにある。かかる固形組成物は、個体へ
の治療剤の経口投与のために特に有用である。
【0016】 本発明の別の要旨は、治療剤の送達の改善と関連疾患の処置の改善のために、
部位特異的な硫酸化ホスファチジルイノシトールと治療剤とを含有する医薬組成
物を提供することにある。
【0017】 本発明のさらなる別の要旨は、薬物送達システム及び治療剤を含む医薬組成物
の治療上有効量を個体に投与する工程を含む疾患の処置方法を提供することにあ
る。薬物送達システムは、硫酸化ホスファチジルイノシトール及び両親媒性化合
物を含む。薬物送達システムは、個体内の関係する標的部位に治療剤をより有効
に送達するのである。
【0018】 本発明のこれらの要旨や他の新規な要旨は、図面を同時に参照すると、以下の
詳細な説明及び好ましい実施態様より明らかになるであろう。
【0019】
【好ましい実施態様の詳細な説明】
HIVに対して抗ウイルス活性を呈する種々の硫酸化ポリマーの能力を述べて
きた。また、かかる硫酸化ポリマーに伴う不都合も述べてきた。
【0020】 加うるに、現在のところ使用可能な処置計画では、例えばAIDSなどの多岐
にわたる疾患を処置するために、複数の治療剤を長期間、毎日投与することが採
用され得る。AIDS、及び他の疾患を処置するためのこれらの計画は、身体が
標的部位へと治療剤を分布させる消極的な能力を頼みとするものである。しかし
ながら、そのようにすることによって、患部以外の部位を含めた全身が、治療剤
の好ましからざる且つ潜在的な毒性効果に曝されるのである。従って、全身への
曝露を限定しつつ、感染した標的部位に治療剤を向かわせる効率的な処置計画を
提供することが有益となろうはずである。処置は、確立した状態の処置のみなら
ず予防にも及ぶことは理解されるべきである。
【0021】 本明細書中で立証されるように、本発明は、HIV及び他の疾患の処置におい
て硫酸化ポリマーにより示される不都合を解消するものである。加うるに、本発
明は疾患の処置において、個体の標的部位に治療剤をより効率よく送達する薬物
送達システムを提供する。従って、本発明は、治療剤及び薬物送達システムを含
む医薬組成物を提供するという恩恵を有するものであって、ここで薬物送達シス
テムは、個体内の標的部位に治療剤をより効率的に向かわせるものであり、そし
て薬物送達システムの成分、すなわち硫酸塩もまた、治療活性を呈するのである
【0022】 従って、薬物送達システム及び治療剤は相乗的に挙動し、それにより疾患を処
置するために必要とされる治療剤の全用量を低下させて治療剤の効率を高め、そ
して治療の期間を短縮する。
【0023】 特に、本発明は硫酸化ホスファチジルイノシトールと命名された、新規であり
、化学的に修飾されたリン脂質の合成及び特徴付けを開示する。本発明の硫酸化
ホスファチジルイノシトールは、薬理学的応答性を誘発するために単独で使用さ
れ得るか、または治療剤用の薬物送達システムの成分として医薬組成物中に使用
され得る新規な化合物である。硫酸化ホスファチジルイノシトールを含有する組
成物は、ペプチド、タンパク質、抗ウイルス剤、抗細菌剤、抗真菌剤、抗新生物
剤、抗原生動物剤、抗関節炎剤、及び抗炎症剤を含めた(これらに限定されるこ
とはない)治療剤の個体への投与のために使用されることができる。薬物送達シ
ステムは、例えば、リポソーム、エマルジョン、ミセル、ミクロエマルジョン、
または混合ミセルなどの形態とされ得る。
【0024】 硫酸化ホスファチジルイノシトールは、構造式(I)[式中、Rは独立して、
H、SO3H、またはSO- 3である]として示される理想構造を有している。
【0025】
【化3】
【0026】 一般的に、構造式(I)の硫酸化ホスファチジルイノシトールは、ホスファチジ
ルイノシトールの糖部分(すなわち、イノシトール部分)の遊離のヒドロキシル
基を、三酸化イオウ/ジメチルホルムアミド(SO3/DMF)複合体と反応さ
せることによって調製される。次いで、硫酸化ホスファチジルイノシトールを単
離して精製し、そして凍結乾燥して白色の非晶質粉末を得る。
【0027】 ヒドロキシ基の1以上は従って、硫酸基に変換される。典型的には、1から約
5、そして好ましくは約1から約4のヒドロキシル基が、硫酸基に変換される。
本発明の充分な利点を達成するためには、約1から約3のヒドロキシル基が、硫
酸基に変換されている。反応産物は、典型的には、硫酸化ホスファチジルイノシ
トールの混合物を与える。前記の数値は硫酸化ホスファチジルイノシトール中に
存在する硫酸基の平均数を示すものである。
【0028】 詳細には、硫酸化ホスファチジルイノシトールは以下のとおりに調製される。
ホスファチジルイノシトール(純度99%を超える)は、Avanti Polar Laborat
ories, Alabaster, ALより購入し、そしてさらに精製することなく使用した。硫
酸化剤である、三酸化イオウ(SO3)を含むジメチルホルムアミド(DMF)
、すなわち、SO3/DMFは、Aldrich Chemical Company, Milwaukee, WIから
購入した。無水DMFは、Fisher Scientific, Itasca, ILより購入した。他の
試薬はすべて試薬用等級の化学薬品であり、種々の化学品業者から入手可能であ
る。
【0029】 約20mgのホスファチジルイノシトールを、2mLのクロロホルム及び0.
5mLの無水DMFの混合液に溶解した。ホスファチジルイノシトールは、その
ホスファチジルイノシトール溶液に、180mgのSO3/DMF複合体を添加
し、次いで得られた溶液を窒素ブランケット下に25℃にて4時間撹拌すること
によって硫酸化された。次いで、クロロホルムを窒素流を使用して蒸発させ、こ
うして得られた混合液を氷浴にて4℃に冷却した。4%水酸化ナトリウム水溶液
2.4mLで反応を停止させた。硫酸化ホスファチジルイノシトールが沈澱し、
これを遠心分離によって集めた。硫酸化ホスファチジルイノシトールは、3mL
のタイプII水に溶解し、そして過剰の硫酸ナトリウムは、Bio-Rad Laboratori
es, Hercules, CAより入手可能なEcono-Pac 10DG脱塩カラムに硫酸化ホスファチ
ジルイノシトール水溶液を通してインターカレーションすることによって除去し
た。溶離液を集め、凍結乾燥して非晶質粉末として硫酸化ホスファチジルイノシ
トールを得た。
【0030】 当業者によって理解されるように、硫酸化の程度、すなわち硫酸基へと変換さ
れたホスファチジルイノシトールのヒドロキシル基の数は、反応混液に添加され
たSO3/DMF硫酸化剤の量を調整することによって、そして反応時間によっ
て制御され得る。硫酸化の程度は、反応混液に添加されるSO3/DMFの量を
減じることによって、または反応時間を短くすることによって低減され得、一方
硫酸化の程度は反応混液に過剰のSO3/DMFを添加することによって、また
は反応時間を長くすることによって増大させることができる。
【0031】 前記の方法によって調製された硫酸化ホスファチジルイノシトール(SPI)
の構造を証明するために、様々な分析及び分光学的技術を使用した。例えば、出
発物質であるホスファチジルイノシトール(PI)、及び反応産物であるSPI
の炭素、水素、窒素及びイオウの重量パーセント(すなわち、元素分析)を調べ
た。その結果を表1に要約した。
【0032】
【表1】
【0033】 表1のデータは、硫酸化ホスファチジルイノシトールにおける窒素の重量%は
、出発物質であるホスファチジルイノシトールの窒素の重量%と実質的に同じで
あることを示している。窒素はPIまたはSPIに存在すべきものでなく、そし
て窒素のレベルが低く実質的に定常レベルであることは、PI出発物質中に不純
物が存在していないことと、そしてSPI産物中に残存ジメチルホルムアミドが
存在していないことの両方を示唆する。加えて、化合物中のイオウの重量%は、
PI中の検出不能量から、SPI中の12.9%にまで増加した。SPI産物中
のイオウの重量%の実質的な増加は、PI出発物質への硫酸基の取り込みを示唆
するものである。
【0034】 ホスファチジルイノシトール及び硫酸化ホスファチジルイノシトールは、フー
リエ変換赤外分光光度計によっても分析した。固体PI及び凍結乾燥したSPI
は別々に、乳鉢と乳棒を用いて、無水臭化カリウム(KBr)で白色微粉末に均
質化した。得られた固体混合物を圧縮して、赤外赤色ステンレス鋼KBrプレス
を用いて透明のウインドウを形成させた。次いで、Mattson Galaxy 4020 FT-IR
を使用して赤外(IR)スペクトルをとった。PI及びSPIのFT−IRを図
1に示す。
【0035】 PI、SPI、及び(参考標準としての)ヘパリンのIRスペクトルをとった
。PIとSPIのIRスペクトル間の比較によって、PIの炭素−水素単結合の
伸展に起因する吸収が(2853及び2952cm-1にて)SPIに保持されて
いることが示され、これはPIの炭化水素部分が硫酸化のあいだに加水分解され
なかったことを示唆している。さらに、SPIのIRスペクトルにおける125
9cm-1の強い吸収の出現は、PIのIRスペクトルには存在せず、硫酸基(−
OSO3H)の存在を示唆している。
【0036】 硫酸基を含むことが知られている内在性陰イオン性多糖であるヘパリンのIR
スペクトルを、PI及びSPIのIRスペクトルと比較した。ヘパリンのIRス
ペクトルにおける約1250cm-1の強い吸収は、ヘパリン分子上に存在する硫
酸基の振動数として同定されている。(Bychkov et al., Biochemistry and Bio
physics, 91(4), 442-445 (1981)、及びBychkov et al., Biochemistry and Bio
physics, 91(12), 680-683 (1981)を参照されたい。)従って、SPIのIRス
ペクトルにおける約1250cm-1の強い吸収ピークの存在は、硫酸基の存在を
強く示唆するものである。よって、SPIのIR分析は、PI分子の全体性を損
なうことなくPI分子に硫酸基を取り込ませたことに矛盾しないといえる。
【0037】 PI及びSPIの試料は、フィニガン(Finnigan)LCQ質量分光分析計を使
用した、陰イオン質量分光分析(マススペクトロメトリー、MS)によって分析
した。そのスペクトルを図2に示し、結果は表2に要約する。予備的なMS実験
において(データは示さない)、PIについての質量 対 電荷の比は、833.
7質量単位、すなわちmμであることが確かめられた。SPIの質量分析は実質
的に、残存するPIの存在に対する証拠を示していない。しかしながら、913
、1015、1117、及び1219質量単位の質量 対 電荷の比を有する種が
、有意な量検出された。これらの種のいずれかのあいだでの計算上の差から、1
02mμまたは102mμの倍数の変化が明らかである。例えば、1219と1
117との差は102mμであり、913と1015との差は102mμであり
、そして913と1117との差は204mμである。102質量単位の喪失及
び付加は、1の硫酸基の喪失または付加に対応する。
【0038】
【表2】
【0039】 PI(833mμ)と、913mμ種との間の80質量単位の差は、1つの硫
酸基の添加及び1つのナトリウム原子の同時喪失に対応する。かくして、913
、1015、1117、及び1219mμはそれぞれ、一、二、三、及び四硫酸
化ホスファチジルイノシトールにあてはめられる。陰イオン質量光学分析によっ
て、硫酸化ホスファチジルイノシトール(SPI)は、一、二、三、及び四硫酸
化ホスファチジルイノシトールの混合物であることが示される。
【0040】 SPIの表面活性も調べた。この試験では、SPIの希釈液を調製し、そして
各溶液の表面張力を、Fisher Scientific Surface Tensiometerを用いて測定し
た。表面張力をSPI濃度の関数としてプロットし、その結果を図3に示してい
る。SPIの臨界ミセル濃度(CMC)は、表面張力が一定に保たれる最低濃度
として推算された。SPIについて、CMCは約0.10mg/mLであった。
ホスファチジルイノシトールを用いた表面張力の測定によると、類似の表面活性
は示されなかった。実際に、PIへ水を添加した結果、ホスファチジルイノシト
ール・リポソームが形成された。従って、PIへの硫酸基の付加によってその水
性の動態が変化して、リン脂質の傾向をベシクル形成からミセル形成へと動かす
のである。
【0041】 本発明の硫酸化ホスファチジルイノシトールは、疾患を処置するために、単独
で(すなわち、他の治療剤の非存在下に)使用することができる。硫酸化ホスフ
ァチジルイノシトールはまた、疾患を処置するためと、治療剤用の薬物送達シス
テムの成分として働くためとの両方の目的で、他の治療剤と組み合わせて使用す
ることもできる。SPIを含有する薬物送達システムは、個体内で標的部位への
治療剤の送達を改善する。
【0042】 単独で、または医薬組成物の成分として使用する場合、硫酸化ホスファチジル
イノシトールは、静脈内、筋肉内、経口、吸入(肺送達)、経鼻、口腔内、腸管
外、舌下、経皮、経結膜、眼内、経耳、皮下、経直腸、経膣、及び局所投与を含
めた(これらに限定されることはない)従来の投与経路によって個体に投与する
ことができる。経口投与が好ましい。
【0043】 固体または液体のいずれかとして、単独または医薬組成物の成分として投与さ
れる場合、硫酸化ホスファチジルイノシトールは、意図される投与経路及び標準
的な薬務に鑑みて選択された担体との混合物にて投与される。例えば、デンプン
もしくはラクトースなどの賦形剤を含有する錠剤の形態で、または単独もしくは
賦形剤と共に混合物のいずれかにてカプセル剤もしくは膣坐薬(ovules)で、ま
たは香味料もしくは着色剤を含有する懸濁液のエリキシル剤の形態で、経口的に
、口腔内に、もしくは舌下に投与することができる。このような液体製剤は、懸
濁剤(例えば、メチルセルロース、グリセリド、または、杏仁油とPEG−6エ
ステルの混合物、もしくはPEG−8とカプリル/カプリングリセリドの混合物
などのグリセリドの混合物)などといった、医薬上容認され得る添加物と共に調
製することができる。SPIは、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、または冠状動
脈内など、非経口的(腸管外)に注射することもできる。非経口的投与のために
は、SPIは、他の物質、例えば溶液を血液と等張にするための、マンニトール
またはグルコースなどの単糖類や、塩類を含有することができる、無菌の水溶液
の形態にて使用されることが一般的である。
【0044】 治療において単独で、または他の治療剤と組み合わせて使用される場合、硫酸
化ホスファチジルイノシトールは、HIVに対する抗ウイルス活性などの、所望
される薬理学的応答をもたらすべく、単一用量として、または複数回投与にて、
平均的な成人(70kg)に対して毎日約0.1乃至約1000mgの量で投与
される。
【0045】 薬理学的応答をもたらすべく、硫酸化ホスファチジルイノシトールを使用する
ことの恩恵は、硫酸化ホスファチジルイノシトールが約1250g/モルの呼び
(nominal)平均分子量を有する点にある。硫酸化ホスファチジルイノシトール
は従って、抗生物質、抗癌剤、及びペプチドのような多くの小分子治療剤、なら
びにタンパク質薬物と同様の分子量範囲にあるのである。加えて、硫酸化ホスフ
ァチジルイノシトールは治療上の恩恵をもたらすだけでなく、コスト高、調製ま
たは単離の困難性、低効率性及び生物学的利用性、ならびに抗凝集効果のような
、治療において硫酸化ポリマーを使用することに伴う不利益も解消するものであ
る。
【0046】 さらなる利点として、硫酸化ホスファチジルイノシトールはその治療効果のた
めだけでなく、さらなる治療剤を含有する医薬組成物中の薬物送達システムの成
分としても使用することができる。薬物送達システムは、治療剤の送達の改善を
もたらす。かかる医薬組成物は、個体内の標的部位へとより効率よく治療剤を送
達し、そして治療上の恩恵ももたらす、硫酸化ホスファチジルイノシトールを含
む薬物送達システムを有するという利点を有している。
【0047】 硫酸化ホスファチジルイノシトールはホスファチジルイノシトールの誘導体で
あるが、硫酸化された誘導体は両親媒性の特徴を含め本来のホスファチジルイノ
シトールの物理化学的な特性の多くを保持しているので、硫酸化ホスファチジル
イノシトールは医薬組成物の薬物送達システムの成分として有用である。従って
、硫酸化ホスファチジルイノシトールを、さらに両親媒性の成分を含有する薬物
送達システムにおいて利用ことができる。かかる薬物送達システムには例えば、
リポソーム、ミセル及び混合ミセル、エマルジョン及びミクロエマルジョン、ゲ
ル、液晶、ミクロスフェア、ならびにナノ粒子などが包含されるが、これらに限
定されることはない。
【0048】 硫酸化ホスファチジルイノシトールと共に利用される両親媒性物質は、水溶性
(親水性)極性頭部及び水不溶性(疎水性)有機性尾部を有する分子である。両
親媒性物質の例には、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、または界面活性剤の相溶性混合物が包含される。界面活性剤は、
組成物のpHに応じて陰イオン性または陽イオン性の特徴を有する、両性(amph
olytic)または両向性(amphoteric)界面活性剤であることも可能である。
【0049】 両親媒性物質は、陰イオン性界面活性剤、より詳細には、約8乃至約30の炭
素原子、特に約12乃至約20の炭素原子を含む炭素鎖などの疎水性部分を有し
、そしてさらにサルフェート、スルホネート、カーボネート、ホスフェート、ま
たはカルボキシレートなどの親水性部分を有する陰イオン性界面活性剤のいかな
るものでもあり得る。前記疎水性炭素鎖は、酸化エチレンまたは酸化プロピレン
などでエーテル化され、その陰イオン性界面活性剤に水溶性増大や表面張力の低
下などの特定の物理的特性が付与されている場合が多い。
【0050】 従って、好適な陰イオン性界面活性剤には、硫酸アルキル類、スルホン酸アル
キルエーテル類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンエタノールの硫酸エス
テル類、スルホン酸アルファ−オレフィン類、スルホン酸ベータ−アルコキシア
ルカン類、スルホン酸アルキルアリール類、硫酸アルキルモノグリセリド類、ス
ルホン酸アルキルモノグリセリド類、炭酸アルキル類、炭酸アルキルエーテル類
、脂肪酸類、スルホサクシネート類、サルコシネート類、硫酸オキシトキシノー
ルまたはノンオキシノール類、タウレート類、脂肪族タウリド類(fatty taurid
es)、脂肪酸アミドポリオキシエチレンサルフェート類、イセチオン酸塩類とし
て知られるクラスに属する化合物、またはこれらの混合物が包含されるが、これ
らに限定されることはない。さらなる陰イオン性界面活性剤は、McCutcheon's E
mulsifiers and Detergents, 1993 Annuals(以下、McCutcheon'sと言及), McC
utcheon Division, MC Publishing Co., Glen Rock, NJ, pp. 263-266に列挙さ
れており、これを引用することにより本明細書に組み入れることとする。他の多
くの陰イオン性界面活性剤、及び陰イオン性界面活性剤のクラスが、Laughlinら
、米国特許第3,929,678号に開示されており、これを引用することによ
り本明細書に組み入れることとする。
【0051】 好ましい陰イオン性界面活性剤は、以下のクラスの界面活性剤:硫酸C8〜C1 8 アルキル、C8〜C18脂肪酸塩、1または2モルのエトキシル化を含む硫酸C8
〜C18アルキルエーテル、C8〜C18酸化アルカミン、C8〜C18アルコイルサル
コシネート、C8〜C18スルホアセテート、C8〜C18スルホサクシネート、二ス
ルホン酸C8〜C18アルキルジフェニルオキシド、炭酸C8〜C18アルキル、スル
ホン酸C8〜C18アルファ−オレフィン、スルホン酸メチルエステル、及びこれ
らの混合物から選択される。C8〜C18アルキル基は、8乃至16の炭素原子を
含み、そして直鎖(例えばラウリル)または分岐鎖(例えば2−エチルヘキシル
)であり得る。陰イオン性界面活性剤の陽イオンは、アルカリ金属(好ましくは
ナトリウムまたはカリウム)、アンモニウム、C1〜C4アルキルアンモニウム(
一、二、三)、またはC1〜C3アルカノールアンモニウム(一、二、三)であり
得る。
【0052】 両親媒性物質はまた、非イオン性界面活性剤であることもできる。典型的には
、非イオン性界面活性剤は、長鎖アルキル基またはアルキル化アリール基などの
疎水性基部と、充分な数(すなわち、1から約30)のエトキシ及び/またはプ
ロポキシ部分を含む親水鎖とを有する。非イオン性界面活性剤の例には、エトキ
シル化アルキルフェノール類、エトキシル化及びプロポキシル化脂肪族アルコー
ル類、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル類、ソルビトールの
ポリエチレングリコールエーテル類、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブ
ロックコポリマー、脂肪酸(C8〜C18)のエトキシル化エステル、エチレンオ
キシドと長鎖アミンまたはアミドとの縮合産物、及びこれらの混合物が包含され
る。
【0053】 非イオン性界面活性剤の例には、メチルグルセス(gluceth)−10、PEG
−20メチルグルコースジステアレート、PEG−20メチルグルコースセスキ
ステアレート、C11-15パレス(pareth)−20、セテス(ceteth)−8、セテ
ス−12、ドドキシノール(dodoxynol)−12、ラウレス(laureth)−15、
PEG−20ヒマシ油、ポリソルベート20、ステアレス(steareth)−20、
ポリオキシエチレン−10セチルエーテルポリオキシエチレン−10ステアリル
エーテル、ポリオキシエチレン−20セチルエーテル、ポリオキシエチレン−1
0オレイルエーテル、ポリオキシエチレン−20オレイルエーテル、エトキシル
化ノニルフェノール、エトキシル化オクチルフェノール、エトキシル化ドデシル
フェノール、またはエトキシル化脂肪族アルコール(C6〜C22)、3乃至20
のエチレンオキシド部分を含むもの、ポリオキシエチレン−20イソヘキサデシ
ルエーテル、ポリオキシエチレン−23グリセロールラウレート、ポリオキシエ
チレン−20グリセリルステアレート、PPG−10メチルグルコースエーテル
、PPG−20メチルグルコースエーテル、ポリオキシエチレン−20ソルビタ
ンモノエステル類、ポリオキシエチレン−80ヒマシ油、ポリオキシエチレン−
15トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン−6トリデシルエーテル、ラウレ
ス−2、ラウレス−3、ラウレス−4、PEG−3ヒマシ油、PEG600ジオ
レアート、PEG400ジオレアート、及びこれらの混合物が包含されるが、こ
れらに限定されることはない。
【0054】 他の多くの非イオン性界面活性剤が、McCutcheon Division, MC Publishing C
o., Glen Rock, NJにより出版されたMcCutcheon's Detergents and Emulsifiers
, 1993 Annuals, pp. 1-246及び266-272に;CTFA International Cosmetic Ingr
edient Dictionary, 4版、Cosmetic, Toiletary and Fragrance Association,
Washington, D. C. (1991)(以下、CTFA 辞書)の第1-651頁に;そしてCTFAハン
ドブック、86-94頁に開示されており、それぞれを引用することにより本明細書
に組み入れることとする。
【0055】 陰イオン性及び非イオン性界面活性剤に加えて、陽イオン性、両性及び両向性
界面活性剤を、両親媒性物質として使用することができる。両向性界面活性剤は
、直鎖または分岐鎖である脂肪族基を有する二級及び三級アミンの誘導体(脂肪
族置換基の1つは、約8乃至18の炭素原子を含み、そして脂肪族置換基の少な
くとも1つは陰イオン性の水溶性基、例えばカルボキシ、スルホネート、または
サルフェートを含む)として広く説明することができる。本発明の範囲に含まれ
る化合物の例は、3−(ドデシルアミノ)プロピオン酸ナトリウム、3−(ドデ
シルアミノ)−プロパン−1−スルホン酸ナトリウム、2−(ドデシルアミノ)
エチル硫酸ナトリウム、2−(ジメチルアミノ)オクタデカン酸ナトリウム、3
−(N−カルボキシメチル−ドデシルアミノ)プロパン−1−スルホン酸二ナト
リウム、オクタデシルイミノ二酢酸二ナトリウム、1−カルボキシメチル−2−
ウンデシルイミダゾールナトリウム、及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル
)−2−スルファト−3−ドデコキシプロピルアミンナトリウムである。
【0056】 さらに詳細には、両性界面活性剤の一つのクラスには、以下の一般構造式:
【0057】
【化4】
【0058】 [式中、R1は、C11からC21までのアルキル、R2は、水素またはC1〜C2アル
キル、Yは、CO2MまたはSO3M、Mはアルカリ金属であり、nは1から3ま
でのである]を有するサルコシネート類及びタウレート類が包含される。
【0059】 両性界面活性剤の別のクラスは、以下の構造式:
【0060】
【化5】
【0061】 を有するスルホサクシネートアミド類である。
【0062】 以下のクラスの両性界面活性剤も使用することができる。
【0063】
【化6】
【0064】
【化7】
【0065】
【化8】
【0066】
【化9】
【0067】
【化10】
【0068】
【化11】
【0069】
【化12】
【0070】
【化13】
【0071】
【化14】
【0072】 さらなるクラスの両性界面活性剤には、ホスホベタイン類及びホスフィタイン
類が包含される。
【0073】 本発明において有用な両性界面活性剤の特定且つ非限定的な例は、ココナツN
−メチルタウレートナトリウム、オレイルN−メチルタウレートナトリウム、ト
ール油酸N−メチルタウレートナトリウム、パルミトイルN−メチルタウレート
ナトリウム、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボ
キシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシエチルベタイン、セチルジメ
チルカルボキシメチルベタイン、ラウリル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)カ
ルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマカルボキシプロピルベタイン
、ラウリル−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−カルボキシエチルベタイン、
ココアミドジメチルプロピルスルタイン、ステアリルアミドジメチルプロピルス
タイン、ラウリルアミド−ビス−(2−ヒドロキシエチル)プロピルスルタイン
、オレアミドPEG−2スルホサクシネート二ナトリウム、TEAオレアミドP
EG−2スルホサクシネート、オレアミドMEAスルホサクシネート二ナトリウ
ム、オレアミドMIPAスルホサクシネート二ナトリウム、リシノレアミドME
Aスルホサクシネート二ナトリウム、ウンデシレンアミドMEAスルホサクシネ
ート二ナトリウム、ホウィートジャームアミドMEAスルホサクシネート二ナト
リウム、ホウィートジャームアミドPEG−2スルホサクシネート二ナトリウム
、イソステアラミデオ(isostearamideo)MEAスルホサクシネート二ナトリウ
ム、ココアンフォグリシネート、ココアンフォカルボキシグリシネート、ラウロ
アンフォグリシネート、ラウロアンフォカルボキシグリシネート、カプリロアン
フォカルボキシグリシネート、ココアンフォプロピオネート、ココアンフォカル
ボキシプロピオネート、ラウロアンフォカルボキシグリシネート、カプリロアン
フォカルボキシプロピオネート、ジヒドロキシエチルタロウグリシネート、3−
ヒドロキシプロピルホスホベタインコカミド(cocamido)二ナトリウム、3−ヒ
ドロキシプロピルホスホベタインラウリル酸ミリスチン酸アミド二ナトリウム、
グリセリルホスホベタインラウリル酸ミリスチン酸アミド、3−ヒドロキシプロ
ピルホスホベタインラウリル酸ミリスチン酸アミドカルボキシ二ナトリウム、ホ
スフィタインココアミドプロピル一ナトリウム、ホスフィタインラウリル酸ミリ
スチン酸アミドプロピル一ナトリウム、及びこれらの混合物である。
【0074】 硫酸化ホスファチジルイノシトールが一旦薬物送達システムに組み入れられれ
ば、ペプチド、タンパク質、抗ウイルス剤、抗細菌剤、抗真菌剤、抗新生物剤、
抗原生動物剤、抗関節炎剤、及び抗炎症剤を含めた(これらに限定されることは
ない)種々の薬物を個体内の標的部位へ送達するために、その薬物送達システム
を医薬組成物において使用することができる。
【0075】 医薬組成物に取り込ませることができる治療剤には、テレオフェナメート、プ
ログルメタシン、チアラミド、アパゾン、ベンズピペリロン、ピペブゾン、ラミ
フェナゾン、及びメトトレキセートのような抗炎症薬;イソニアジド、ポリミキ
シン、バシトラシン、ツベラクチオノマイシン、及びエリスロマイシンのような
抗感染薬;ペニシラミン、リン酸クロロキン、グルコサミン、及びヒドロキシク
ロロキンのような抗関節炎薬;インスリン、及びグリコーゲンのような糖尿病薬
;そしてシクロホスファミド、インターフェロンα、インターフェロンβ、イン
ターフェロンγ、ビンクリスチン、及びビンブラスチンのような抗癌薬が包含さ
れるが、これらに限定されることはない。薬物送達システムと組み合わせた使用
のための、このような治療剤の適切な用量は、当業者によって難なく決定される
【0076】 本発明の薬物送達システムは、硫酸化ホスファチジルイノシトール及び両親媒
性化合物を含む。薬物送達システムは通常、リポソームの形態にあるが、例えば
エマルジョン、ミクロエマルジョン、ミセル、混合ミセル、ゲル、液晶、ミクロ
スフェア、またはナノ粒子などであることもできる。
【0077】 薬物送達システムは、硫酸化ホスファチジルイノシトール及び両親媒性化合物
を、約5 対 95乃至約95 対 5、そしてより好ましくは約15 対 85乃至
約85 対 15の、SPI 対 両親媒性化合物の重量比にて含むものである。本
発明の利点を充分に達成するには、この重量比は、約75 対 25乃至約25
対 75である。
【0078】 リポソームは、硫酸化ホスファチジルイノシトール及びリン脂質から調製され
る膜小胞である。構造的には、リポソームは二重層の球状膜であり、その球状膜
の外表面を形成する一層にてリン脂質の極性端部を、そして、その球状膜の内表
面を形成する第二層にてリン脂質の極性端部を有している。それら二重層におけ
るリン脂質の非極性の疎水性尾部は整列して、二重層膜の内部を形成している。
【0079】 二重層のリポソームは化合物をミクロカプセル化することができ、そしてその
化合物が通常は分解されてしまう環境を通過するように運搬するのである。従っ
て、リポソームは薬物送達システムとして有用なのである。
【0080】 例えば、薬物送達システムはリン脂質及び硫酸化ホスファチジルイノシトール
から、旧来のリポソームを形成することによって調製される。本発明において有
用なリポソームを形成するために使用されるリン脂質は、限定されることはない
。従って、リポソームは、例えば、ホスファチジルエタノールアミン(すなわち
、セファリン)ホスファチジルコリン(すなわち、レシチン)、ホスファチジル
セリン、ホスファチジルイノシトール、ホスチジルグリセロール、3’−O−リ
シルホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、及び
これらの混合物から、従来の技術によって調製することができる。一般的にリン
脂質は、1,2−位でC6〜C24脂肪酸によってエステル化されており、3−位
にリン酸エステル残基を有しているグリセリドのいかなるものでもあり得る。リ
ポソームを形成するために、精製されたリン脂質を使用する必要はない。市販の
レシチンのような市販のリン脂質を本発明にて使用することができ、かくして本
発明の薬物送達システムを提供する上での経済性をもたらすことができるのであ
る。
【0081】 本発明の薬物送達システムを例証するために、正常なリン脂質二重層の一部(
すなわち、約5重量%乃至約50重量%)が、硫酸化ホスファチジルイノシトー
ルで置換された様々なリポソーム製剤を調製した。例えば、市販されているレシ
チン(すなわち、American Lecithin Company, Oxford, CTより入手可能なホス
ホリポン80)を、エタノールまたはクロロホルムに溶解し、次いで丸底フラス
コにて、得られた溶液を薄膜になるように乾燥した。次いでフィルムを、硫酸化
ホスファチジルイノシトールの水溶液で水和した。こうして得られた、大きな多
重層状のリポソームのサイズを、5分間超音波処理し、次に200nm膜を通し
て繰り返し押し出すことによって小さくして、200nmの平均直径を有し、硫
酸化ホスファチジルイノシトールを取り込んでいる、さらに小さな単層及び多重
層状リポソームを製造した。
【0082】 得られたポリ硫酸化リン脂質(すなわち、PSL)は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィーによって分析した。PSLのコロイド溶液(従来のリポソー
ム)、及びSPI単独を、セファロース6Bを充填した1×20cmのカラムを
通してインターカレーションし、そしてリン酸緩衝化生理食塩水で溶出した。溶
離液を1.0mLのアリコートに集め、そして各アリコートを、リン脂質及びS
PIの存在について分析した。その結果を図6に示す。データにより、従来のリ
ポソームは、画分5と画分9の間に溶離することが示唆される(黒丸)。さらに
、PSLも、画分5と画分9の間に溶離する(白丸)。しかしながら、SPI単
独では、画分9と画分17の間に溶離する(黒四角)。セファロース6Bは分子
量に基づいて物質を分離するので、先ず大きい方の分子量のものが溶離されるの
であり、PSLは従来のリポソームと同じ溶離プロファイルを呈する。これらの
結果から、SPIは水性溶媒中に単純に溶解されていることに反するような、P
SLリン脂質二重層の完全体構成成分であることが確認される。
【0083】 硫酸化ホスファチジルイノシトールを含有するリポソームの粒子サイズ及びゼ
ータ電位(すなわち、表面電荷)を測定して、硫酸化ホスファチジルイノシトー
ルを含まない従来のリポソームと比較した。試験の結果を以下の表2に要約して
いる。
【0084】
【表3】
【0085】 従来のリポソーム及びPSLの平均直径及びゼータ電位(表面電荷)は、20
0nmポリカーボネート膜を通して押し出した後に定量した。表2に要約したそ
の結果から、リポソームの脂質二重層への硫酸化ホスファチジルイノシトールの
取り込みは粒子の直径に影響しないが、リポソームの表面電荷は有意に、より負
になることが示唆される。リポソーム表面の負の特性の増大は、ベシクル表面上
に複数の硫酸基が存在することに起因している。ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー及びゼータ電位測定から、SPIはリポソームとして製剤化された場
合に、リン脂質として挙動し、二重層形成に関与することが確かめられた。
【0086】 上記実施例にて調製された薬物送達システムは、水溶性の薬物、水不溶性の薬
物、またはこれらの混合物と共に製剤化することができる。水溶性の薬物は、薬
物送達システムによってカプセルに内包され、一方水不溶性の薬物は、システム
の疎水性二重層内に位置することとなる。
【0087】 かかる薬物送達システムは、治療剤、例えば薬物を、個体へ投与するのための
医薬組成物において使用することができる。薬物送達システム(すなわち、硫酸
化ホスファチジルイノシトール及び両親媒性化合物)に加えて、医薬組成物は、
ペプチド、タンパク質、アジドチミジンなどの抗ウイルス剤、抗細菌剤、抗真菌
剤、抗新生物剤、抗原生動物剤、抗関節炎剤、及び抗炎症剤を含めた(これらに
限定されることはない)治療剤を含有する。
【0088】 詳細には、治療剤及び本発明の薬物送達システムを含有する水性の医薬組成物
は、その治療剤と薬物送達システムとを混合することによって形成させることが
できる。かかる水性組成物は、注射によって、または経口的に投与することがで
きる。本発明のその他の重要な実施態様は、治療剤を経口投与するために使用さ
れ得る、凍結乾燥された形態にある薬物送達システムと治療剤を含有する固形の
医薬組成物である。この実施態様においては、水性の医薬組成物を形成し、そし
てその液体組成物が次いで、旧来の技術によって凍結乾燥されるのである。
【0089】 薬物送達システムの特定の物理化学的特性は、薬物送達システムを形成するの
に使用される、例えばリン脂質などの両親媒性化合物の賢明なる選択によって、
SPI 対 両親媒性化合物の重量比によって、そしてインキュベーション時間に
よって、調整することができる。薬物送達システムの適切な選択により、特定の
標的部位への治療剤の送達も許容される。薬物送達システムは従って、関係する
疾患に対して作用するように、標的部位へ薬物または治療剤をより有効に送達す
ることができるのである。
【0090】 硫酸化ホスファチジルイノシトールが薬理学的応答をもたらす能力を立証する
ために、硫酸化ホスファチジルイノシトール(SPI)、ポリ硫酸化リポソーム
(PSL)、及び薬物が負荷されたPSLの、イン・ビトロでの抗HIV活性を
、以下のとおりに評価した。数多くのSPI及びPSLの製剤を調製し、そして
それらのイン・ビトロでの抗HIV活性を、National Cancer Institute at the
National Institute of Health, Bethesda, MDによって、Gustafson et al., J
. Nat. Can. Inst., 81(16), 1254-1258 (1989)の方法を使用して定量した。各
製剤の変動濃度をヒトリンパ芽球腫培養細胞と混合し、次いで、HIV−1ウイ
ルスで慢性的に感染させた宿主細胞と、37℃にて共存培養した。7日後に、細
胞培養物を、テトラゾリウム塩XTT及びフェナジンメチルサルフェートの混合
物と共に4時間インキュベートする。生存能力のある、未感染の、そして増殖し
ているリンパ芽球腫細胞は、この混合物を発色団のホルマザンへと代謝するが、
感染細胞はそうではない。ホルマザンは、450nmにて、可視光を吸収する。
従って、生産されたホルマザンの量は、細胞の生存能力の直接的な測定値となり
、その結果、各製剤の抗HIV活性の評価値となる。正常の、非感染細胞におけ
るホルマザンの生産を、対照として標識化する。
【0091】 その結果を図5〜7に要約しており、そして、SPI及びSPIを含有してい
るリポソーム(すなわち、PSL)は、比較的低濃度すなわち、それぞれ約15
μg/mL及び約25μg/mLのED50(有効用量)にて、HIV−1感染か
らヒトリンパ芽球腫細胞を保護することが示唆されている。抗HIVの陽性の結
果は、約10μg/mL及び約20μg/mLにて観察される。
【0092】 特に、以下の組成物を、抗HIV活性についてアッセイした。データ及び各組
成物の有効濃度(ED50)すなわち、感染に対して細胞の50%を保護する最低
濃度を図5〜7にまとめ、そして結果を表3に要約する。対照の数値は、HIV
の非存在下にリンパ芽球腫細胞を各製剤と共にインキュベートすることによって
得られた。
【0093】 1.硫酸化ホスファチジルイノシトール単独(図5) EC50=11.55μg/mL 2.従来のリポソーム(図6) EC50=180.32μg/mL 3.ポリ硫酸化リポソーム(PSL)(図7) 3種のPSL組成物を調製し、抗HIV活性について試験をした。各組成物に
おけるリン脂質の量は以下のとおりである。
【0094】
【表4】
【0095】 各組成物におけるSPIの重量%は相違していたが、イン・ビトロの評価を、
総リン脂質濃度に相反するものの、各製剤でSPIの量に標準化した。SPI含
量に基づけば、3種のPSL組成物についての結果は本質的に同様であり、平均
EC50は17.10μg/mLであった。
【0096】
【表5】
【0097】 デラビリジンメシレートは、BIOMOL Research Laboratories, Inc. (Plymout
h Meeting, PA)より入手可能な市販の抗HIV薬である。以下の3種のデラビ
リジン組成物を、抗HIV試験用に調製した:デラビリジン単独、従来のリポソ
ームにカプセル封入したデラビリジン、及びPSLにカプセル封入したデラビリ
ジン。各製剤に対するEC50値を、表3に要約する。デラビリジン単独、及び従
来のリポソームにカプセル封入したデラビリジンは、同様の抗HIV活性を呈す
る。しかしながら、PSLにカプセル封入したデラビリジンは、3倍高い活性を
呈している。この増大は、薬物とPSLとの間の相乗効果に起因している。
【0098】 上記の試験は、SPIは単独で強力なHIV活性を保有するが、従来のリポソ
ームは微少な抗HIV活性しか保有していないことを示している。PSL(すな
わち、所定百分率の二重層がSPIを含む従来型リポソーム)は、SPI単独と
同等の抗HIV活性を呈し、そしてPSL中への市販の抗HIV薬のカプセル封
入によって、相乗的な抗HIV活性を有する組成物が提供される。
【0099】 以上詳説した本発明に、その精神及び範囲を逸脱することなく多くの修飾及び
変更をなすことができ、特許請求の範囲によって示される限定しか、本発明に課
されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ホスファチジルイノシトール(PI)及び硫酸化ホスファチジルイノ
シトール(SPI)のFT−IRスペクトルを含む。
【図2】 図2は、SPI種の相対量を示す、SPIのマススペクトルである。
【図3】 図3は、SPIの濃度(重量%)に対しての表面張力(ダイン/cm)のプロ
ットである。
【図4】 図4は、リポソーム、SPI、及びSPI/リポソームのゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーについて、分画番号に対しての濁度(400nm)のプロ
ットを含む。
【図5〜8】 図5〜8は、SPI、リポソーム、PSL、デラビリジン、及びデラビリジン
を含有するPSLリポソームのHIV細胞壊死性の阻害を示す、濃度(μg/m
l)に対しての光学密度のプロットである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 9/127 A61K 9/127 4H050 9/14 9/14 9/19 9/19 9/50 9/50 9/51 9/51 31/198 31/198 31/4409 31/4409 31/4706 31/4706 31/496 31/496 31/519 31/519 31/675 31/675 31/7048 31/7048 31/728 31/728 38/00 45/00 38/21 47/24 38/28 47/46 45/00 A61P 31/18 47/24 C07F 9/117 47/46 C12N 7/06 A61P 31/18 A61K 37/02 C07F 9/117 37/26 // C12N 7/06 37/66 H (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B065 AA97X BD13 4C076 AA11 AA17 AA19 AA29 AA31 AA95 BB01 BB11 CC35 DD63 EE56 4C084 AA03 DA22 DA23 DA24 DA43 DB34 MA17 MA21 MA22 MA24 MA41 MA44 MA52 MA66 NA13 ZB33 ZC55 4C086 AA01 BC17 BC28 BC50 BC84 CB09 CB21 CB26 DA35 EA13 EA25 GA07 GA08 GA10 GA12 GA13 MA17 MA21 MA22 MA24 MA41 MA44 MA52 MA66 NA13 ZB33 ZC55 4C206 AA01 JA26 MA02 MA05 MA37 MA41 MA42 MA44 MA61 MA64 MA72 MA86 NA13 ZB33 ZC55 4H050 AA01 AA03 AB20 AB29

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下に示す構造: 【化1】 [式中、Rは独立して、H、SO3H、またはSO- 3であり、また1〜5のR基
    が、SO3HまたはSO- 3である]を有する硫酸化ホスファチジルイノシトール
  2. 【請求項2】 1〜4のR基がSO3H、またはSO- 3である、請求項1記
    載の硫酸化ホスファチジルイノシトール。
  3. 【請求項3】 1〜3のR基がSO3H、またはSO- 3である。請求項1記
    載の硫酸化ホスファチジルイノシトール。
  4. 【請求項4】 一硫酸化ホスファチジルイノシトール、二硫酸化ホスファチ
    ジルイノシトール、三硫酸化ホスファチジルイノシトール、四硫酸化ホスファチ
    ジルイノシトール、五硫酸化ホスファチジルイノシトール、及びそれらの混合物
    よりなる群から選択される化合物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の硫酸化ホスファチジルイノシトール及び担体
    を含む組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の硫酸化ホスファチジルイノシトール及び治療
    剤を含む組成物。
  7. 【請求項7】 前記治療剤が、ペプチド、タンパク質、抗ウイルス剤、抗細
    菌剤、抗真菌剤、抗新生物剤、抗原生動物剤、抗関節炎剤、及び抗炎症剤よりな
    る群から選択される請求項6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の硫酸化ホスファチジルイノシトール及び両親
    媒性物質を含む組成物。
  9. 【請求項9】 前記両親媒性物質が、陰イオン性界面活性剤、非陰イオン性
    界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性(ampholytic)界面活性剤、両向性(
    amphoteric)界面活性剤、及びそれらの混合物よりなる群から選択される請求項
    8記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記両親媒性物質が、リン脂質を含む請求項8記載の組成
    物。
  11. 【請求項11】 前記リン脂質が、ホスファチジルエタノールアミン、レシ
    チン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスチジルグリセ
    ロール、3’−O−リシルホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、スフ
    ィンゴミエリン、及びそれらの混合物よりなる群から選択される請求項10記載
    の組成物。
  12. 【請求項12】 薬物組成物であって、 (a)薬物、及び (b)請求項1記載の硫酸化ホスファチジルイノシトールを含む薬物送達システ
    ム、 を含む薬物組成物。
  13. 【請求項13】 前記薬物が、ペプチド、タンパク質、抗ウイルス剤、抗細
    菌剤、抗真菌剤、抗新生物剤、抗原生動物剤、抗関節炎剤、及び抗炎症剤よりな
    る群から選択される請求項12記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記薬物が、テレオフェナメート、プログルメタシン、チ
    アラミド、アパゾン、ベンズピペリロン、ピペブゾン、ラミフェナゾン、メトト
    レキセート、イソニアジド、ポリミキシン、バシトラシン、ツベラクチオノマイ
    シン、エリスロマイシン、ペニシラミン、リン酸クロロキン、グルコサミン、ヒ
    ドロキシクロロキン、インスリン、グリコーゲン、シクロホスファミド、インタ
    ーフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、ビンクリスチン、デ
    ラビリジン、及びビンブラスチンよりなる群から選択される請求項12記載の組
    成物。
  15. 【請求項15】 薬物組成物であって、 (a)薬物;及び (b)薬物送達システム を含み、該薬物送達システムは、 (i)請求項1記載の硫酸化ホスファチジルイノシトール、及び (ii)両親媒性化合物を含む 薬物組成物。
  16. 【請求項16】 前記薬物送達システムが、約5 対 95乃至約95 対 5
    の重量比にて、硫酸化ホスファチジルイノシトールと両親媒性化合物とを含有す
    る請求項15記載の組成物。
  17. 【請求項17】 前記薬物送達システムが、リポソーム、ミセル、混合ミセ
    ル、エマルジョン、ミクロエマルジョン、ゲル、液晶、ミクロスフェア、または
    ナノ粒子の形態にある請求項15記載の組成物。
  18. 【請求項18】 前記両親媒性化合物が、陰イオン性界面活性剤、非陰イオ
    ン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両向性界面活性剤、
    またはそれらの混合物を含む請求項15記載の組成物。
  19. 【請求項19】 前記両親媒性化合物が、リン脂質を含む請求項15記載の
    組成物。
  20. 【請求項20】 前記リン脂質が、ホスファチジルエタノールアミン、レシ
    チン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスチジルグリセ
    ロール、3’−O−リシルホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、スフ
    ィンゴミエリン、及びそれらの混合物よりなる群から選択される請求項19記載
    の組成物。
  21. 【請求項21】 前記組成物が凍結乾燥されている請求項15記載の組成物
  22. 【請求項22】 前記組成物が液体である請求項15記載の組成物。
  23. 【請求項23】 個体に治療上有効量の薬物組成物を投与する工程を含む疾
    患の処置方法であって、該組成物が、 (a)該疾患を処置することができる薬物;及び (b)請求項1記載の硫酸化ホスファチジルイノシトールを含む薬物送達システ
    ム、 を含む方法。
  24. 【請求項24】 前記薬物送達システムがさらに、両親媒性化合物を含む請
    求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記両親媒性化合物が、リン脂質を含む請求項24記載の
    方法。
  26. 【請求項26】 前記両親媒性化合物が、レシチンを含む請求項24記載の
    方法。
  27. 【請求項27】 前記疾患が、HIV感染である請求項23記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記薬物が、デラビリジンメシレートである請求項26記
    載の方法。
  29. 【請求項29】 前記組成物が、注射によって投与される請求項23記載の
    方法。
  30. 【請求項30】 前記組成物が、経口投与される請求項23記載の方法。
  31. 【請求項31】 個体に請求項1記載の硫酸化ホスファチジルイノシトール
    の治療上有効量を投与する工程を含むHIV感染の処置方法。
  32. 【請求項32】 さらに治療的量のデラビリジンを投与する工程を含む請求
    項31記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記硫酸化ホスファチジルイノシトールが、薬物送達シス
    テムの成分として投与される請求項31記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記薬物送達システムがさらに、両親媒性物質を含む請求
    項33記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記両親媒性物質が、リン脂質を含む請求項34記載の方
    法。
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