JP2002533701A - 細胞発現プロファイルの統計的組合せ - Google Patents

細胞発現プロファイルの統計的組合せ

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Abstract

(57)【要約】 マイクロアレイ実験(対合マイクロアレイ実験で蛍光団を逆にして用いる)における蛍光団の偏りを排除する方法を提供する。さらに、公称反復されたマイクロアレイ実験におけるそれぞれの測定と関係した個々の誤差を算出する方法を提供する。この誤差測定は、細胞構成要素が摂動に応答してアップまたはダウンレギュレートされる確率を決定するために、ランク(順位)に基づく方法と結び付けることができる。また、公称反復されたマイクロアレイ実験における細胞構成要素の発現レベルの加重平均の信頼度を決定する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 1.発明の利用分野 本発明の利用分野は、複数回繰り返された実験からのデータを用いて、それぞ
れのデータ点についての信頼値を出し、感度を高め、系統的実験の偏り(bias)を
排除する方法に関する。
【0002】 2.発明の背景 2.1 細胞構成要素の定量的測定 近年、「細胞構成要素(cellular constituent)」のレベルを定量的に測定する
ことが爆発的に増えている。細胞構成要素には、生物学的系における遺伝子発現
レベル、特定の遺伝子をコードするmRNAの存在量、およびタンパク質発現レベル
が含まれる。遺伝子をコードするmRNAおよび/またはタンパク質発現レベルなど
の細胞の各種構成要素のレベルは、薬物による処置や他の細胞生物学的状態の摂
動(perturbation)に応答して変化することが知られている。したがって、複数の
そのような「細胞構成要素」の測定は、細胞の生物学的状態に対する摂動の効果
に関する情報を豊富に含んでいる。かかる測定の集合体(collection)は一般的に
細胞の生物学的状態の「プロファイル」と呼ばれている。
【0003】 哺乳動物細胞においては100,000ほどの異なる細胞構成要素が存在している。
その結果、個々の細胞のプロファイルは典型的には複雑である。生物学的系の所
定の状態のプロファイルは、しばしば、その生物学的系が摂動に付された後で測
定される。そのような摂動としては、生物学的系と関係した実験的または環境的
状態があり、例えば、生物学的系の薬物候補への暴露、外因性遺伝子の導入、該
系からの遺伝子の欠失、または培養条件の変更などがある。細胞構成要素の広範
囲にわたる測定、つまり細胞における遺伝子およびタンパク質の発現ならびにそ
れらの摂動に対する応答のプロファイルは、薬物の効果の比較および検討、疾病
の診断、患者の薬物レジメの最適化を含めて、広範な有用性がある。さらに、そ
れらは基本的なライフサイエンスの研究においても有用である。
【0004】 この10年間のいくつかの技術の進歩により、細胞の構成要素を正確に測定する
こと、それゆえにプロファイルを誘導することが可能になってきている。例えば
、新技術により、多数の転写産物の発現レベルを任意の時期にモニタリングする
ことができる(例えば、Schenaら, 1995, Quantitative monitoring of gene ex
pression patterns with a complementary DNA micro-array「相補的DNAマイク
ロアレイを用いた遺伝子発現パターンの定量的モニタリング」, Science 270:46
7-470; Lockhartら, 1996, Expression monitoring by hybridization to high-
density oligonucleotide arrays「高密度オリゴヌクレオチドアレイへのハイブ
リダイゼーションによる発現モニタリング」, Nature Biotechnology 14:1675-1
680; Blanchardら, 1996, Sequence to array: Probing the genome's secrets
「アレイさせる配列: ゲノムの秘密を探索する」, Nature Biotechnology 14:16
49; 1996年10月29日発行のAshbyらによる「薬物スクリーニング方法」と題する
米国特許第5,569,588号を参照のこと)。完全なゲノムが知られている生物では
、その細胞内の全遺伝子の転写産物を分析することが可能である。ゲノムの情報
が増えつつあるヒトのような他の生物の場合には、細胞内の多数の遺伝子を同時
にモニタリングすることが可能である。
【0005】 別の最前線では、タンパク質存在量の直接測定が、混合物に含まれるタンパク
質を直接同定するマイクロカラム逆相液体クロマトグラフィーエレクトロスプレ
ーイオン化タンデム質量分析法(LC/MS/MS)の使用により改善されてきている。こ
の技法は生物学的系においてタンパク質の存在量を測定できる動的範囲を押し広
げそうである。LC/MS/MSを使って、McCormackらは、系混合物中に存在するタン
パク質を30倍のモル量差で容易に同定できること、その同定が再現可能であるこ
と、混合物中のタンパク質をフェムトモルの低レベルで同定できることを実証し
ている。McCormackら, 1997, Direct analysis and identification of protein
s in mixtures by LC/MS/MS and database searching at the low-femtomole le
vel「LC/MS/MSによる混合物中のタンパク質の直接分析および同定ならびに低フ
ェムトモルレベルでのデータベース検索」, Anal. Chem. 69:767-776。タンデム
質量分析の概説において、Chaitは、この技法の更なる利点はエドマン配列決定
のような慣用法よりも数桁速いことであると指摘している。Chait, 1996, Trawl
ing for proteins in the post-genome era「ポストゲノム時代におけるタンパ
ク質のトローリング」, Nat. Biotech. 14:1544。
【0006】 その他の技術の進歩により、個々の遺伝子突然変異を有する生物学的系に特異
的に摂動を起こさせる可能性がもたらされた。例えば、Mortensenらは、両方の
対立遺伝子が相同的組換えによって不活性化された胚性幹(ES)細胞系の作製方法
を開示している。Mortensenらの方法を用いると、ホモ接合性の突然変異細胞、
すなわちES細胞系の二重ノックアウトを得ることが可能である。Mortensenらは
、彼らの方法が他の遺伝子およびES細胞以外の細胞系にも一般的に応用できると
提案している。Mortensenら, 1992, Production of homozygous mutant ES cell
s with a single targeting construct「単一ターゲッティング構築物を用いた
ホモ接合性突然変異ES細胞の作製」, Cell Biol. 12:2391-2395。
【0007】 別の見込みのある技術において、Wachらは、完全に異種DNAからなるS. cerevi
siae形質転換体を選択するためのドミナントレジスタンスモジュールを提供して
いる。このモジュールはPCRに基づく遺伝子破壊にも使用することができる。Wac
hら, 1994, New heterologous modules for classical or PCR-based gene disr
uption in Saccharomyces cerevisiae「Saccharomyces cerevisiaeの古典的また
はPCRに基づく遺伝子破壊の新しい異種モジュール」, Yeast, 10:1793-808。
【0008】 マイクロアレイの使用などの技術の進歩は、薬物探索の分野ですでに使用され
ている(例えば、Martonら, 1998, Drug target validation and identificatio
n of secondary drug target effects using Microarrays「薬物標的の確認およ
びマイクロアレイを用いた第二薬物標的作用の同定」, Nature Medicine(印刷中
); Grayら, 1998, Exploiting chemical libralies, structure, and genomics
in the search for kinase inhibitors「キナーゼ阻害剤の検索における化学的
ライブラリー、構造およびゲノム学の利用」, Science 281:533-538)。
【0009】 プロファイルとデータベース中の他のプロファイルとの比較(例えば、1998年
7月7日発行のRineらによる「刺激応答出力シグナルマトリックスを作製し分析す
るための系」と題する米国特許第5,777,888号を参照)または類似性によるプロ
ファイルのクラスター化は、薬物の分子標的ならびに薬物候補および/または薬
物の関連機能、効力および毒性への手がかりを提供しうる。このような比較は理
想的な薬物活性または疾病状態を表す共通のプロファイルを誘導するためにも使
用できる。さらに、プロファイルの比較は、患者の疾病を初期段階で検出するの
に役立ち、病気があると診断された患者のための改善された臨床結果の予測を提
供することができる。
【0010】 2.2 蛍光団の偏り 2種類の蛍光団の使用は、Shalonらにより記載されている。Shalonら, 1996,
A microarray system for analyzing complex DNA samples using two-color fl
uorescent probe hybridization「2色蛍光プローブハイブリダイゼーションを用
いて複雑なDNAサンプルを分析するためのマイクロアレイシステム」, Genome Re
search 6:629-645。Shalonらにより発表されたこのアプローチに伴う問題点は、
mRNA分子のそれぞれの種が、蛍光標識する分子とmRNAの逆転写もしくはハイブリ
ダイゼーション効率のいずれかとの、またはその両方との相互作用のため、その
測定されたカラー比に偏りを有する点である。この偏りを考慮する誤差修正スキ
ームなしでは、1回のマイクロアレイ実験からのデータはもちろん、種々の結果
が平均化されるマイクロアレイ実験の複数回の公称反復でさえも、許容されない
誤差率をもたらすだろう。本明細書中で用いる「公称反復(nominal repeat)」ま
たは「公称反復実験(nominally repeated experiment)」という用語は、反復実
験の結果を組み合わせることが有効であるように、本質的に同一のまたは類似し
た実験条件のもとで行なわれる実験を意味する。
【0011】 2.3 細胞構成要素の定量的測定実験の固有の誤差率 技術の進歩により、細胞構成要素のレベルを定量的に測定することが可能にな
ったが、こうした実験には費用がかかる。1回のマイクロアレイ実験または1回
のゲル電気泳動場所はおよそ100ドルから1000ドル以上もかかることがある。ま
た、実際の商業ニーズにデータを応用しようと多くの試みが初期の頃になされた
が、個々の実験には、実際に無い場合に有意性を言明するという意味で、高レベ
ルの偽陽性がつきまとうことが明らかになっただけである。費用が必要であり、
しかも偽陽性が高い割合で現れるため、データ品質を向上させるという明確な目
的のために、複数の公称同一の実験を繰り返して統計的に組み合わせるための強
力な方法は当技術分野においてこれまで記載されたことがない。
【0012】 マイクロアレイにより達成された、ゲノム全体の細胞プロファイリングのパワ
ーは、細胞メカニズムの実質的に全てのセットにわたる既知の摂動に対する応答
を見渡すその能力にある。しかし、所定の実験においては、一般的にほんの少数
の細胞構成要素が存在量において劇的な変化を示すだけで、大部分は変化しない
。例外はあるが、細胞は刺激に対して特異的な、生物学的にはっきりと分離され
た応答を有し、こうして大部分のプロファイルは「変化なし」を有する構成要素
の大きなセットと、アップまたはダウンレギュレートされる相当に小さなセット
を必然的に含むこととなる。この理由のため、測定の誤った小さい警告率でさえ
もその有用性を大いに危うくしうる。例えば、細胞構成要素の1%が典型的な実
験で実際に応答し、測定の分解能が2倍であり、誤差がその時の1%の2倍を超
える場合には、2倍の閾値を超える真の検出と同じくらいの誤った警告がでるだ
ろう。
【0013】 概して、当技術分野はマイクロアレイやタンパク質ゲル実験などの個々の細胞
構成要素定量実験に存在する広範な誤差量を正しく評価してこなかった。所定の
摂動に対する生物学的系のはっきりと分離された応答によって提起された問題点
に加えて、マイクロアレイ上に均質にプリントされていないDNAプローブのスポ
ット、マイクロアレイ上のかき傷、ほこりや人工物、不均一なDNAハイブリダイ
ゼーションによるマイクロアレイ上のシグナルの明るさのむら、マイクロアレイ
法で用いる蛍光団の蛍光団特異的偏りによる色縞のような人工産物(artifact)の
ために、どのような公称マイクロアレイ実験においてもかなりの量の誤差が存在
する。
【0014】 これらの重大な誤差の影響を少なくする方法の一つは、同一条件下で実験を繰
り返し行ない、データの平均をとることである。しかし、潜在的な実験誤差の性
質をなにも考慮せずにデータを単純に平均化しても、実験誤差が導入される問題
の適切な解決策にはならない。単純なデータの平均化のみを行なう場合には、誤
差の影響を許容できるレベルにまで減じるために、途方もない数の公称反復が必
要になるだろう。しかしながら、それぞれの細胞構成要素定量実験を行なうのに
必要な費用のために、これは実行可能な解決策ではない。したがって、当技術分
野で必要なものは、最小セットの公称反復が許容できる誤差率を提供しうるよう
に、繰り返された細胞構成要素定量実験の実験結果を組み合わせるための強力な
方法である。
【0015】 本明細書中での文献の考察または引用は、そのような引用が本発明の先行技術
であることを容認するものとして解釈されるべきでない。
【0016】 3.発明の概要 本発明は、許容できる誤差レベルのデータを得るために繰り返さなければなら
ない細胞構成要素の定量実験の回数を最小限に抑えるための解決策を提供する。
したがって、本発明の方法は、蛍光団の偏りの新規な排除方法を提供する。これ
は、細胞構成要素の定量実験のたった2回の公称反復に基づいて、蛍光団特異的
偏りを許容できるレベルにまで減衰させることができる。本発明はさらに、アッ
プレギュレーションまたはダウンレギュレーションのランク順に基づいて、細胞
構成要素定量実験の公称反復を組み合わせる方法を提供する。これらの方法にお
いて、細胞構成要素定量実験の公称反復から決定された細胞構成要素のアップま
たはダウンレギュレーションデータは、強度依存的誤差を含まない新規な測定基
準(metric)により表される。ランク順に基づいて組み合わせる前にこの測定基準
を適用すると、費用のかかる細胞構成要素定量実験の公称反復を過度に行なうこ
となく、弱く発現している細胞構成要素から誤差を排除するための強力な方法が
得られる。
【0017】 本発明の別の態様は、公称反復された細胞構成要素定量実験における個々の細
胞構成要素測定値の加重平均を計算するための改良方法である。特に、それぞれ
の細胞構成要素測定値と関係した誤差の新規計算方法が提供される。この新規な
誤差計算方法を用いることにより、加重平均における誤差バーが急激に弱められ
る。当業者であれば、こうした加重平均の改良計算方法を2蛍光団(2色)また
は単一蛍光団(1色)プロトコルに応用できることが理解されるであろう。
【0018】 本発明の一つの実施形態は、以下のステップ: (a) 基準状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第1のプールを、第1の
蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第1のプールを得ること、 (b) 摂動状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第2のプールを、第2の
蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第2のプールを得ること、 (c) 該基準状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第3のプールを、第2
の蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第3のプールを得ること、 (d) 該摂動状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第4のプールを、第1
の蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第4のプールを得ること、 (e) 蛍光団標識遺伝物質の第1のプールおよび蛍光団標識遺伝物質の第2のプ
ールを、ハイブリダイゼーションが起こる条件下で第1のマイクロアレイに独立
して接触させ、第1のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第1のプ
ールと蛍光団標識遺伝物質の第2のプールの間の第1のカラー比を求めること、 (f) 蛍光団標識遺伝物質の第3のプールおよび蛍光団標識遺伝物質の第4のプ
ールを、ハイブリダイゼーションが起こる条件下で第2のマイクロアレイに独立
して接触させ、蛍光団標識遺伝物質の第3のプールと蛍光団標識遺伝物質の第4
のプールの間の第2のカラー比を求めること、 (g) 第1のカラー比と第2のカラー比の平均をとって平均カラー比を計算する
こと、 を含んでなる、蛍光団の偏りの排除方法を提供する。
【0019】 本発明の別の実施形態は、複数の対合示差マイクロアレイ実験における1つの
細胞構成要素の発現レベルが摂動により変化する確率を決定する方法を提供する
。ここで、複数の対合示差マイクロアレイ実験に含まれるそれぞれの対合示差マ
イクロアレイ実験は、第1の生物学的系の基準状態を表す第1のマイクロアレイ
実験と、第1の生物学的系の摂動状態を表す第2のマイクロアレイ実験からなり
、上記方法は以下のステップ: (a) 参照対のマイクロアレイ実験を強度非依存的統計量と適合させることによ
り誤差分布統計量を決定すること、ここで、参照対のマイクロアレイ実験は、第
1の参照マイクロアレイ実験と、第1の参照マイクロアレイ実験の公称反復であ
る第2の参照マイクロアレイ実験からなること、 (b) 複数の対合示差マイクロアレイ実験で測定した細胞構成要素のセットから
該細胞構成要素を選択すること、そして、複数の対合示差マイクロアレイ実験に
含まれるそれぞれの対合示差マイクロアレイ実験について、上記の誤差分布統計
量を用いて、対合示差マイクロアレイ実験の第2マイクロアレイ実験と第1マイ
クロアレイ実験の間の該細胞構成要素の発現レベルの変化量を決定すること、 (c) 複数の対合示差マイクロアレイ実験に含まれるそれぞれの対合示差マイク
ロアレイ実験についてステップ(b)で決定した該細胞構成要素の発現レベルの変
化量を、ランクに基づく方法を用いて組み合わせることにより、複数の対合示差
マイクロアレイ実験における該細胞構成要素の発現レベルが摂動により変化する
確率を決定すること、 を含んでなる。
【0020】 本発明のさらに他の実施形態は、摂動に応答して生物学的系における細胞構成
要素の発現レベルの加重平均示差強度を決定する方法であり、この方法は以下の
ステップ: (a) 参照マイクロアレイ実験の対を強度非依存的統計量と適合させることによ
り誤差分布統計量を決定すること、ここで、参照マイクロアレイ実験の対は、第
1の参照マイクロアレイ実験と、第1の参照マイクロアレイ実験の公称反復であ
る第2の参照マイクロアレイ実験からなること、 (b) 該細胞構成要素の示差発現の量を複数回測定すること、 (c) ステップ(b)に従って測定した示差発現のそれぞれの量について、上記の
誤差分布統計量により誘導された大きさに基づいて対応する誤差量を計算するこ
と、 (d) ステップ(b)で測定した該細胞構成要素の示差発現のそれぞれの量に、ス
テップ(c)で決定した対応する誤差量だけ、式: 〔式中、xは該細胞構成要素の加重平均示差強度であり、xiは該細胞構成要素iの
示差発現測定値であり、σi 2は平均示差強度xiの対応する誤差である〕に従って
逆加重することにより、加重平均示差強度を計算すること、 を含んでなる。
【0021】 4.図面の簡単な説明 (図面の簡単な説明については下記参照) 5.詳細な説明 5.1 緒言および一般的な定義 摂動:本明細書中で用いる場合、摂動は生物学的系と関連する実験条件または
環境条件である。摂動は、生物学的系の薬物候補物質または薬剤への曝露、外因
性遺伝子の生物学的系への導入、生物学的系からの遺伝子の欠失、生物学的系の
培養条件の変化、または生物学的系に摂動を起こさせると当分野で認められてい
る他の任意の方法により達成することができる。さらに、生物学的系の摂動は、
該生物学的系における疾患の発症(onset)により達成することができる。
【0022】 遺伝物質:本明細書中で用いる場合、「遺伝物質」という用語は核酸を意味し
、例えばメッセンジャーRNA(「mRNA」)、相補的DNA(cDNA)、ゲノムDNA(「gDNA」
)、DNA、RNA等の核酸、遺伝子、オリゴヌクレオチド、遺伝子断片、およびそれ
らの任意の組み合わせがある。
【0023】 蛍光団標識遺伝物質:本明細書中で用いる場合、「蛍光団標識遺伝物質」とい
う用語は、蛍光標識したプローブ(「蛍光団」)を用いて標識した遺伝物質を意味
する。蛍光団には、限定するものではないが、フルオレセイン、リサミン(lissa
mine)、フィコエリトリン、ローダミン(Perkin Elmer Cetus)、Cy2、Cy3、Cy3.5
、Cy5、Cy5.5、Cy7、FluorX(Amersham)およびその他のもの(例えば、Kricka, 19
92, Nonisotopic DNA Probe Techniques, Academic Press San Diego, CAを参照
されたい)が含まれる。このDNAは、mRNAの逆転写または当業者に認められている
ような蛍光団を使用する(PCR/IVT)もしくは(IVT)により調製することができる(
例えば、Gelderら、1990, “Amplified RNA synthesized from limited quantit
ies of heterogenous cDNA”, Proc.Natl.Acad.Sci., USA, 87:1663-1667を参照
されたい)。本明細書中で用いる場合、「PCR」という用語はポリメラーゼ連鎖反
応を意味する。
【0024】 生物学的系:本明細書で用いる場合、「生物学的系」という用語は、いかなる
細胞、組織、臓器または多細胞生物をも含むものと広範に定義される。例えば、
生物学的系は、細胞系、細胞培養物、被験者から得た組織サンプル、ホモサピエ
ンス、哺乳動物、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisia)と
実質的に同一遺伝子である酵母、または当分野で認められている他の任意の生物
学的系であり得る。生物学的系の状態は、その細胞構成要素の内容物、活性また
は構造によって測定することができる。生物学的系の状態は、本明細書で用いる
場合、薬物または他の摂動の効果の特性決定を含めて、意図した目的のためにそ
の細胞または生物を特性決定するのに十分な細胞構成要素の集合体の状態から測
定される。「細胞構成要素」という用語は、あらゆる種類の測定可能な生物学的
変数を包含する。これらの構成要素の状態に関してなされる測定および/もしく
は観察は、それらの存在量(すなわち、生物学的系における量もしくは濃度)、
それらの活性、それらの改変状態(例えば、リン酸化)、または生物学的系の生
理学的状態に関連すると当分野で認められている他の測定であり得る。様々な実
施形態において、本発明は細胞構成要素の種々の集合体に関してそのような測定
および/または観察を行うことを含む。これらの細胞構成要素の種々の集合体は
、生物学的系の生物学的状態の様相とも呼ばれる。
【0025】 本発明において有効に測定される生物学的系(例えば、細胞または細胞培養物
)の生物学的状態の一様相は、その転写状態である。生物学的系の転写状態には
、所定のセットの条件下での細胞内の構成要素RNA種、特にmRNAの正体および存
在量が含まれる。生物学的系中の全ての構成要素RNA種の実質的な画分を測定す
ることが多いが、関心のある薬物または他の摂動の効果を特性決定するのに少な
くとも十分な画分を測定する。生物学的系の転写状態は、幾つかの既存の遺伝子
発現技術のいずれかを利用してcDNA存在量を測定することにより都合よく決定す
ることができる。多数の遺伝子のmRNAまたは転写産物レベルを測定するためのDN
Aアレイを用いて、系の生物学的状態を確認することができる。
【0026】 有効に測定される生物学的系の生物学的状態の他の様相は、その翻訳状態であ
る。生物学的系の翻訳状態には、所定のセットの条件下での該生物学的系中の構
成要素タンパク質種の正体および存在量が含まれる。好ましくは前記生物学的系
中の全ての構成要素タンパク質種の実質的な画分を測定するが、関心のある薬物
の効果を特性決定するのに少なくとも十分な画分を測定する。転写状態はしばし
ば翻訳状態を表す。
【0027】 生物学的系の生物学的状態の他の様相もまた本発明において有用である。例え
ば、生物学的系の活性状態には、所定のセットの条件下での該生物学的系中の構
成要素タンパク質種(および場合によっては触媒的に活性な核酸種)の活性が含
まれる。当業者には公知のように、翻訳状態はしばしば活性状態を表す。
【0028】 本発明は、適切な場合には、生物学的系の生物学的状態の「混合」様相にも適
用可能であり、この様相においては、生物学的系の生物学的状態の異なる様相の
測定を組み合わせる。例えば、混合様相の1つにおいては、特定のRNA種の存在
量および特定のタンパク質種の存在量を他の特定のタンパク質種の活性の測定と
組み合わせる。さらに、本発明は測定可能な生物学的系の生物学的状態の他のい
ずれの様相にも適用可能であることが以下の記載から理解されるだろう。
【0029】 生物学的系(例えば、細胞または細胞培養物)の生物学的状態は幾つかの細胞
構成要素のプロファイルで表される。このような細胞構成要素のプロファイルは
ベクトルSで表すことができる。 式中、Sは第i番目の細胞構成要素のレベル、例えば、遺伝子iの転写物レベ ル、またはタンパク質iの存在量もしくは活性レベルである。
【0030】 細胞構成要素の定量的測定(マイクロアレイ):複雑なDNAサンプル中の多様 な配列それぞれの相対的な存在量の測定は、しばしばマイクロアレイを用いて実
施される(例えば、Shalonら、1996, “A Microarray System for Analyzing Co
mplex Samples Using Two-color Fluorescent Probe Hybridization, Genome Re
search 6:639-645を参照されたい)。しばしば、細胞に存在するmRNA転写物を表
す検出可能に標識されたポリヌクレオチド(例えば、全細胞mRNAから合成した蛍
光標識cDNA)をマイクロアレイにハイブリダイズさせることにより、転写物アレ
イを作製する。マイクロアレイは、細胞または生物のゲノム中の遺伝子の多く、
好ましくは、これら遺伝子の大部分またはほぼ全部の産物に対する結合(例えば
、ハイブリダイゼーション)部位の定序アレイを有する表面である。マイクロア
レイは再現性が高く、そのため所定のアレイの多数のコピーを作製することがで
き、公称コピー同士を互いに比較することができる。好ましくは、マイクロアレ
イは小さく、通常5cm2より小さい。また、マイクロアレイは、結合(例えば、
核酸ハイブリダイゼーション)条件下で安定な材料から作製される。マイクロア
レイ中の所定の結合部位もしくは特異なセットの結合部位は、細胞中の単一遺伝
子の産物に特異的に結合するだろう。
【0031】 細胞のRNAに相補的なcDNAを作製し、適切なハイブリダイゼーション条件下で
マイクロアレイにハイブリダイズさせる場合には、特定の遺伝子に対応するアレ
イの部位へのハイブリダイゼーションのレベルが、その遺伝子から転写されたmR
NAの細胞における出現率を反映する。例えば、全細胞mRNAに相補的な、検出可能
に(例えば、蛍光団を用いて)標識したcDNAをマイクロアレイにハイブリダイズ
させる場合には、該細胞中で転写されていない遺伝子に対応する(すなわち、該
遺伝子の産物を特異的に結合することが可能な)アレイ上の部位は、シグナル(
例えば、蛍光シグナル)をほとんど、もしくは全く持たず、また、コードされた
mRNAが出現する遺伝子は、比較的強いシグナルを持つことになる。
【0032】 2つの異なる核酸プールを表わす核酸をマイクロアレイにハイブリダイズさせ
て各プール由来の相対的シグナルを同時に測定できることから、マイクロアレイ
は都合が良い。各々の核酸プールは摂動前後の生物学的系の状態を表わす可能性
がある。例えば、第1の核酸プールは、細胞培養物を薬剤に曝露する前に該細胞
培養物由来のmRNAのプールから誘導することができ、第2のcDNAプールは前記と
同じ培養物を薬剤に曝露した後で該培養物由来のmRNAのプールから誘導すること
ができる。あるいは、cDNAの2つのプールは経路応答を表し得る。従って、第1
のcDNAライブラリーは、経路摂動に曝露した細胞培養物の第1のアリコート(「
プール」)のmRNAから誘導したものであってよく、第2のcDNAライブラリーは、
同じ細胞培養物の第2のアリコート(「プール」)のmRNAから誘導したものであり
得る(ここで、第2のアリコートは経路摂動に曝露されていない)。本明細書中
で用いる場合、マイクロアレイ実験とは、本節に記載したものを含め、(「示差
マイクロアレイ実験」)と呼ばれる。当業者であれば、本開示中に概述したもの
以外の多くの形態の示差マイクロアレイ実験が「示差マイクロアレイ実験」の定
義の範疇にあることが理解されよう。さらに、本明細書中で用いる場合、「示差
強度測定」という用語は、示差マイクロアレイ実験で行われる測定を意味する。
例えば、示差強度測定は、(i)マイクロアレイに基準状態を表わす生物学的系に
由来するDNAを接触させ、そして(ii)該マイクロアレイに摂動状態を表わす生物
学的系に由来するDNAを接触させた後の、目的とする細胞構成要素に対応するマ
イクロアレイ上の位置の明るさの差であり得る。さらに、当業者であれば、生物
学的系の基準状態が該生物学的系の野生型の状態を表わし得ることが理解されよ
う。あるいは、生物学的系の基準状態は、該生物学的系の異なった摂動状態を表
わし得る。示差マイクロアレイ実験または反復示差マイクロアレイ実験における
各マイクロアレイ実験は、同一または類似のマイクロアレイを使用することが好
ましい。マイクロアレイが実質的に同一遺伝子の生物学的系から調製され、かつ
各マイクロアレイ上の結合スポットの大部分が共通している場合、それらのマイ
クロアレイは類似しているとみなす。従って、反復マイクロアレイ実験に使用し
たマイクロアレイは全く同じマイクロアレイであってよく(この場合はマイクロ
アレイをマイクロアレイ実験の合間に洗浄する)、または反復マイクロアレイ実
験に使用したマイクロアレイは互いの正確なレプリカであってよく、またはそれ
らは互いに類似していてもよい。示差マイクロアレイ実験における2つのcDNAプ
ールの供給源如何に関係無く、2つの蛍光団を用いるマイクロアレイフォーマッ
トを選択した場合は、各cDNAプールは異なる染料で区別できるように標識する。
当業者であれば、本発明の特定の態様が前記の2つの蛍光団を用いるフォーマッ
トに限定されないことが理解されよう。典型的には、Cy3-(緑色)またはCy5-(赤
色)デオキシヌクレオチド三リン酸(Amersham)の存在下でポリA+RNAを逆転写する
ことにより蛍光標識cDNAを誘導することによって各cDNAプールを標識する。前記
2つのcDNAプールを混合してマイクロアレイにハイブリダイズさせ、各cDNAのセ
ットからのシグナル強度をアレイ上の各部位について測定し、特定のmRNAの存在
量の相対的な差異を検出する。
【0033】 2つの異なる蛍光標識プローブ(例えば、CY3およびCY5)を使用する場合、マイ
クロアレイの各部位における蛍光発光は走査型共焦点レーザー顕微鏡により検出
することができる。1実施形態では、適当な励起線を用いて、使用した2つの蛍
光団それぞれについて別々の走査を行う。あるいはまた、2つの蛍光団に特異的
な波長において同時に試料を発光させ、その2つの蛍光団からの発光を同時に分
析できるようなレーザーを使用することができる(例えば、Shalon ら、上掲、を
参照されたい)。マイクロアレイは、コンピュータ制御X-Yステージと顕微鏡対物
レンズを備えたレーザー蛍光スキャナーを使用して走査することができる。2つ
の蛍光団をマルチラインの混合ガスレーザーで順次励起し、その発光を波長によ
り分けて、2つの光電子増倍管で検出する。蛍光レーザー走査装置はSchena ら
、 1996, Genome Res. 6:639-645および本明細書中に引用した他の文献に記載さ
れている。あるいはまた、Fergusonら、1996, Nature Biotech. 14:1681-1684に
記載された光ファイバー束を使用して、多数の部位で同時にmRNA存在量をモニタ
ーしてもよい。
【0034】 シグナルを記録し、例えばデジタルボードに12ビットアナログを用いてコンピ
ュータ解析を行う。グラフィックプログラム(例えば、Hijaak Graphics Suite)
を用いて走査イメージの斑点を除き、次いで各部位の各波長において平均的なハ
イブリダイゼーションのスプレッドシートを作るイメージグリッドプログラム(i
mage gridding program)を用いて解析する。必要であれば、2つの蛍光団のチャ
ンネル間の「クロストーク」(またはオーバラップ)について実験的に決定した補
正をおこなってもよい。
【0035】 本明細書中で用いる場合、「マイクロアレイ実験」とは、本節に記載する一般
的なクラスの実験を意味する。当業者であれば、マイクロアレイ実験は後述の2
つの蛍光団の例ではなく単一の蛍光団の使用も含みうることが理解されよう。さ
らに、マイクロアレイ実験は対合させることができる。対合させる場合、この対
の第1のマイクロアレイ実験は、基準状態を表す公称(nominal)生物学的系を示
す。前記組み合わせ中の第2のマイクロアレイ実験は、摂動に付した後の公称生
物学的系を表す。従って、対合マイクロアレイ実験の比較により、公称生物学的
系の状態における摂動に基づく変化が明らかになる。一般に、上記で論じたよう
に、これらの対のマイクロアレイ実験は「示差マイクロアレイ実験」と呼ばれる
【0036】 細胞発現プロファイル:2つの異なるcDNAプールをマイクロアレイ実験に使用
することの利点は、2つの細胞状態におけるアレイ化遺伝子それぞれに対応する
mRNA発現レベルの直接的な、内部で制御された比較が可能だということである。
細胞構成要素の定量的測定のためのこの方法ならびに関連方法は通常細胞構成要
素プロファイリングと称される。典型的には、細胞構成要素プロファイリングは
2つの既知の細胞状態間の絶対的レベルまたはレベル比のいずれかにおける変化
(例えば、先の節で記載したような、薬剤による基準状態の処理に対する応答)と
して表現される。
【0037】 上記の節で概説した実験手順を用いて、DNA転写物アレイ上のある特定のハイ
ブリダイゼーション部位について2つの蛍光団の発光比を算出することができる
。この比は、コグネイト遺伝子の絶対的発現レベルとは無関係であるが、その発
現が薬物投与、遺伝子欠失またはその他の任意の摂動により有意にモジュレート
される遺伝子にとっては有用である。図2〜6に例示するように、2つの蛍光団
細胞発現プロファイルは通常、X-Yグラフ上にプロットされる。横軸はマイクロ
アレイ上の各部位についてのcDNAの第1のプールと第2のプールとの間の平均強
度の比の対数(log10)(遺伝子由来の対応するmRNAの発現レベルをほぼ反映する)
を表す。縦軸は、マイクロアレイ上の各ハイブリダイゼーション部位における、
一方の蛍光標識(cDNAの第1のプールに対応する)について測定した強度と、他
方の蛍光標識(cDNAの第2のプールに対応する)について測定した強度との比の
対数(log10)を表す。
【0038】 5.2 蛍光団の偏りの排除 発明の背景の節で詳細に記載したように、Shalonら(上掲)により発表された2
色蛍光ハイブリダイゼーション法はプロファイル解析に偏りを生じる。何故なら
、蛍光団で標識した各mRNA種は、その蛍光標識分子(蛍光団)とそのmRNAの逆転写
もしくはハイブリダイゼーション効率またはその両方との相互作用により、その
測定したカラー比に偏りを生じるからである。この偏りは以下の式を用いて示す
ことができる。特定のmRNA種k(目的とする生物学的系における細胞構成要素つ
まり遺伝子kを表わす)の実際の分子存在量をa(k)で示す場合、プローブkのカ
ラー比は蛍光団の偏りの原因を無視して以下の式で表すことができる。 式中、下付き文字1および2は、その存在量を比較しようとする2つの別々に抽 出したmRNA培養物を意味し、 a1(k)はmRNA培養物1中の種kの存在量であり、 a2(k)はmRNA培養物2中の種kの存在量であり、 下付き文字XおよびYは使用した2つの異なる蛍光標識を表し、さらに rX/Yは存在量の比a1/a2を理想的に反映するカラー比である。
【0039】 式(1)は図2〜6の縦軸上にプロットされた測定値を理想的に表す。しかしな
がら、蛍光標識デオキシヌクレオチド三リン酸の使用は、mRNAがcDNAに逆転写さ
れる効率に影響を及ぼし、また蛍光団標識cDNAがマイクロアレイにハイブリダイ
ズする効率に影響を及ぼす。転写またはハイブリダイゼーション効率に影響を及
ぼす特定の蛍光団の正確な量は、使用した蛍光団の正確な分子構造に高度に依存
している。従って、a1(k)およびa2(k)を異なる蛍光団を用いて測定する場合、a1 (k)とa2(k)との直接比較では、転写およびハイブリダイゼーション効率に及ぼす
これらの蛍光団特異的な影響を明らかにできない。マイクロアレイ上の存在量a1 (k)およびa2(k)を測定する際のスキャナーの効率もまた蛍光団特異的である。励
起、標識付け、逆転写、ハイブリダイゼーションおよび光学走査における特定の
蛍光団の組み合わせた効率をEとして表す場合、式1で示すカラー比はより現実
的には以下の式で表される。 式中、rX/Yはカラー比であり、 下付き文字1および2は式1で定義した通りであり、 a1(k)およびa2(k)は式1で定義した通りであり、 下付き文字XおよびYは2つの蛍光標識であり、 EX(k)は蛍光標識Xの効率であり、そして EY(k)は蛍光標識Yの効率である。
【0040】 式(2)では、培養物1を蛍光団Xを用いて解析し、その一方で培養物2を蛍光
団Yを用いて解析する。この場合、カラー比rは所望の存在量比a1/a2と関連し
ているが、蛍光団特異的な効率の偏りに起因する因子を含む。第2のハイブリダ
イゼーション実験(ここで培養物1は蛍光団Yを用いて解析され、培養物2は蛍
光団Xを用いて解析される)を行った場合、第2のハイブリダイゼーション実験
におけるカラー比は以下の式で表される。 式中、rX/Y (rev)は逆の実験におけるカラー比であり、;また a2(k)、a1(k)、EX(k)、およびEY(k)は式2について記載したものと同様である。
【0041】 標識が対の一方のメンバーで逆に指定されるハイブリダイゼーション実験を対
で行うと、蛍光団特異的な偏りが急激に減少する組み合わせ平均測定を行うこと
ができる。例えば、1対の2蛍光団ハイブリダイゼーション実験を行うことがで
きる。第1の2蛍光団実験を式(2)に従って実施し、第2の2蛍光団ハイブリダ
イゼーション実験を式(3)に従って実施する。2つの実験の比の対数をとると、
組み合わせ実験は以下の式で表現することができる。 この式は所望の存在量比の対数である。偏り項log(EX(k)/EY(k))およびlog(EX(k )/EY(k))の削除は蛍光団を逆にした対の各々における第1および第2のハイブリ
ダイゼーション実験間の偏りの不変性に依存している。式(4)は式(1)〜(3)で
見出される比を対数比の差異の代わりに使用して同等に表記することができる。
しかしながら、構成要素レベルの変化は、示差的な測定を形成する条件の対の下
で存在量の比の対数で表示することが最も適切である。これは、絶対的レベルで
の変化よりもフォールド(fold)変化のほうが生物学的により意味を持つからであ
る。
【0042】 この偏り排除方法は、2色ハイブリダイゼーション実験で特に有用である。図
4には本発明の偏りを排除する方法が例示されている。図4aは2色ハイブリダ
イゼーション実験についてのカラー比対強度プロットであり、ここで使用された
2つの培養物は名目上同一のバックグラウンドの酵母S.セレビシエ(S.Cerevisia
e)株である。2つの培養物が名目上同一であることから、マイクロアレイ上の個
々のスポットは使用した蛍光団両方について同量の強度を有する蛍光を発すると
予測される。実験方法は後述の実験の節に記載されている。しかしながら、図4
aから容易に明らかであるように、マイクロアレイ上の幾つかのスポットは蛍光
団特異的な強度を示す。例えば、酵母S.セレビシエ(S.Cerevisiae)の種々の遺伝
子に対応し、「赤色」蛍光団の強度が対応する「緑色」強度より2倍以上である
マイクロアレイ上のスポットは、その強力な蛍光団特異的偏りにより、印が付さ
れる。図4bは図4aでプロットした実験の蛍光団を逆にしたバージョンの結果
を示す。この場合は、図4bで印が付された遺伝子は逆の偏りを示す。図4cは
図4aおよび4bのデータを上記した通りに本発明の方法に従って組み合わせた
結果を示す。印が付いた遺伝子の偏りは大いに減少した。
【0043】 上記したような偏りを排除するための手順は、他の状況に適用することができ
る。例えば、培養物をインキュベーター内の特定の位置で培養し、特定の順序で
収穫しなければならない場合、2つの培養物タイプについてのその位置および順
序を次の実験で逆にし、その結果を上記した通りに組み合わせて、温度や潜在的
な違いに起因するわずかな偏りを減少させることができる。
【0044】 5.3 ランクに基づく方法を用いた複数の実験の組み合わせ 先行技術においては、複数のマイクロアレイ実験の結果を最適に組み合わせる
ためのはっきりとした方法は提供されていない。いくつかの実験の結果を平均化
することはできた。しかし、平均化は、マイクロアレイ実験において、目的とす
る特定の各遺伝子に対して得られた任意の測定値の統計的有意性に関する情報は
提供しない。この節では、複数のマイクロアレイ実験において、目的とする特定
の遺伝子について測定されたアップレギュレーションまたはダウンレギュレーシ
ョンの統計的有意性の有無を判定するための高性能な方法を展開する。これらの
方法は、2蛍光団DNAマイクロアレイ実験の公称反復に適用できた。あるいは、
これらの方法は対合した実験の1回以上の反復に対して適用できた。ここでは対
のうちの第1の実験は基準状態を表し、対になった反復実験の第2のものは、摂
動が生じた後の生物学的状態を表す。
【0045】 目的の遺伝子が、マイクロアレイ実験の1番目および2番目の公称反復におい
てアップレギュレーションを示した上位5%として存在するならば、両方のアレ
イにおいて偶然にアップレギュレートされることが明らかな可能性は、系による
偏りが排除されたと仮定して、0.05*0.05 = 0.0025(0.25%)に過ぎない。従っ
て、測定の反復により目的の遺伝子がアップレギュレートされたことを、より高
い信頼度を持って断言できる。一般的に、任意の数の反復実験における発現比を
、パーセントによるランクで表現する場合、任意の(指定する前の)目的の遺伝
子が実際にはアップレギュレートされない可能性P(H0): [式中、Piはi番目の実験におけるパーセントによるランクである]を比率で表
現する(5パーセント = 0.05)。遺伝子がダウンレギュレートされない可能性は
で与えられる。
【0046】 これらのランクに基づく方法は、反復測定により、誤りの心配を減ずる強力な
方法をもたらす。例えば、約6000遺伝子を有する酵母ゲノムをカバーするプロー
ブに対するハイブリダイゼーションにおいて、上位5%の発現比を閾値と設定す
ると、1回の実験で-6000*-0.05=300の誤りを検出することになる。しかし、4
回の反復実験に対して、同じ5%の閾値を適用すると、誤りの検出は平均して1
未満となる(6000* (0.05)4)。このランクの組合わせの利点は、系に偏りがない
ことを仮定する以外に、基礎をなすハイブリダイゼーション実験における詳細な
誤差挙動のモデリングが何ら必要ないことである。ランクに基づく方法は、観察
されたアップレギュレーションまたはダウンレギュレーションの有意性に対する
非パラメトリックな統計的試験の例である。
【0047】 式(5)および(6)などのパーセントランキングは、根本にある誤差挙動がすべて
の遺伝子について似通っているという仮定に基づいている。これは必ずしも真実
ではない。例えば、同一実験の2回の公称反復の発現比をプロットした図5では
、わずかに発現している遺伝子(log 10(強度)で表される)は、理想値0から
はずれたlog 10(発現比)を示す。さらに、図5で示されるように、特定の遺伝
子の発現が少ないほど、2回の公称反復実験から得られる該遺伝子のlog 10(発
現比)が0からはずれる傾向が強くなる。従って、低存在量の(わずかにしか発
現せず、そのためハイブリダイゼーション強度が低くなる)遺伝子は、より高存
在量の遺伝子に比べ、発現比分布の末端部を占めることが多くなる(すなわち、
図5によると0からはずれる)。
【0048】 図5に示したようなハイブリダイゼーション実験において見られるこの強度依
存的誤差を説明するため、誤差レベルを強度に非依存的にするアップレギュレー
ションおよびダウンレギュレーションの測定を案出することができる。この強度
非依存的誤差レベルは、ハイブリダイゼーション実験で示された誤差の包絡線を
特性評価できる統計量を利用することによって導かれる。この誤差の包絡線は、
図5で等高線で示されている。図5に示すようなプロットを作製するために使用
する実験の根底にある誤差源の多くは、一般的に、付加型および乗算型の2つの
カテゴリーにあてはまる。従って、以下の統計的表現: [式中XおよびYは、XおよびY蛍光団に関する、マイクロアレイ上のプローブスポ
ットについての輝度を表し、σx 2は、Xに対する分散項およびXチャンネルにおけ
る付加誤差レベルを表し、σY 2は、Yに対する分散項およびYチャンネルにおける
付加誤差レベルを表し、fは、微小乗算誤差レベル(fractional multiplicative
error level)である]は、得られた誤差を当てはめるのに特に適したモデルを提
供する。あるいは、XおよびYは1回の蛍光団実験の対から得られる、目的の細胞
構成要素に対応するプローブスポットの輝度である。このような実施形態の1つ
においては、第1の蛍光団(X)は場合により基準状態にある生物学的系を表し
うる。一方、第2蛍光団(Y)は摂動状態にある生物学的系を表しうる。1つの
蛍光団の実施形態または2つの蛍光団の実施形態のいずれを選択するかに関わり
なく、微小乗算誤差、fは、式(7)の分母を測定したデータに当てはめることによ
って経験的に得られる。式(7)の分母は、分子の標準誤差の期待値である。従っ
て、dは単位分散(unit variance)を有する。従ってdは、強度に非依存的な誤
差分散統計量であり、ランク法に適用できる。式(7)の非パラメトリック属性に
よるその他の定義はいずれも、ランク法において使用するのに都合のよい変数で
ある。
【0049】 本発明の方法に従い、式(7)の分母を用いて、図5に示した強度非依存的な等
高線を作成する。従って、例えば、図5においては、標準偏差±1でグリッドを
付けた等高線を選択した。従って、垂直軸上の0(log(発現比)= 0)の上側ま
たは下側の各等高線は、式(7)の分母に従う誤差の増分標準偏差を表す。式(7)の
分母に従う標準偏差±1のグリッド線を用いるかどうかの選択は、全く任意であ
る。該等高線が、式(7)の分母に従うかまたは同様な誤差の非パラメトリック表
示に従いプロットする限り、0.25σ、0.5σ、2σなどの都合のよい任意の値でグ
リッドを付けることができた。
【0050】 図5から、等高線が誤差包絡線に従うことが明らかである。dの値は特定の測
定値がlog(発現比)= 0からはずれる等高線の数に比例する。従って、誤差は、
同様に低強度および高強度での等高線に関して分布し、dは所望の特性を有する
。等高線をプロットする利点の一つは、マイクロアレイ上で測定された各細胞構
成要素に関連する誤差の量を、マイクロアレイ上のすべての細胞構成要素の複数
の測定にわたる分散から得られる情報に基づいて計算できることである。従って
、図5にプロットしたようなグリッド線を用いて、2色蛍光プローブハイブリダ
イゼーション実験におけるXiおよびYi間の偏差(iは特定の細胞構成要素を表す
)の有意性はいずれも、式(7)の分母のような式を用いて誤差包絡線全体の局面
に置かれることになる。これは2蛍光団実験または1蛍光団実験を含むマイクロ
アレイ実験における特定の細胞構成要素からの測定値の信頼度を判定するための
強度非依存的方法を提供する。
【0051】 強度に依存することに加えて、誤差レベルはまた遺伝子特異的であり得る。こ
の事実は、式(5)および(6)の基礎となる仮定を再度覆すものである。この場合、
本発明者らは、式(7)と同様に、任意の遺伝子を定義しうる: [式中 σX-Yはその遺伝子に関連する標準誤差(rms不確定)である]。この不
確定性はXおよびYが同一の生物学的系からの反復対照実験に由来しうる。この場
合、σX-Yは、実験のセットにわたって観察されたその遺伝子に対するX-Yの標準
偏差である。続いてこのdの定義をすべての遺伝子に対して同様に割り当て、式(
5)および(6)をdのランキングとともに使用しうる。
【0052】 5.4 加重平均プロトコールを用いた複数の実験の組み合わせ 反復測定を組み合わせて、個々の測定よりも少ない誤差バーで定量的発現レベ
ルまたは発現比を算出できる。個々の実験の誤差レベルに従って平均化手順を加
重するには、測定した量のそれぞれについての誤差挙動に関することを知ってい
るかまたは仮定する必要がある。一般的に、最少分散を有する偏りのない加重平
均化は、以下の式によって達成される: [式中xは測定した細胞構成要素の加重平均であり、xiおよび各σi 2は個々のxi
の分散である]。例えば、「自然科学のためのデータ換算および誤差分析(Data
Reduction and Error Analysis for the Physical Sciences)」 1969, Beving
ton, McGraw-Hill, New Yorkを参照されたい。当該文献は、参照によりその全体
を本明細書に組み入れるものとする。
【0053】 式(8)の各σi 2 は、様々な方法で測定しうる。あるアプローチでは、2つの実
験間の違いが、用いた2つの蛍光団が逆であることのみであるような、2蛍光団
マイクロアレイ実験の2回の公称反復を用いて、マイクロアレイ実験についての
誤差包絡線を計算する。図4を参照されたい。あるいは、1つの蛍光団のみを使
用することもできた。従って、誤差包絡線を決定するために対合した2つの公称
反復には違いは全く存在しなかった。このような対合実験を図5に示す。図5は
また、式(7)の分母に従って適合させた強度非依存的な等高線を示す。個々の各
測定iに対して、個々のσi 2を決定するためには、強度(xi)を、図5のように、
好適な参照プロット上にプロットする。例えば、図5においては、個々の測定の
強度は水平軸にそってプロットされる。一度水平位置が決定されると、σi 2は、
参照プロット上の位置xiにおける強度非依存的な等高線の±1σの幅に基づいて
計算される。
【0054】 「自然科学のためのデータ換算および誤差分析(Data Reduction and Error A
nalysis for the Physical Sciences)」(前掲)の式5〜10に従う平均値の不確
定性についての一般式は以下の通りである: 異なる公称反復測定に関連する誤差が等しいときは、平均値における誤差は個々
の誤差のN-1/2倍であることに注意されたい。
【0055】 実際問題として、個々の誤差、σi 2はそれ自体が不確定である。図5などの対
照実験の調査は、誤差の粗い分散を示すが、特定の強度の個々の遺伝子が、その
RNA抽出物の特色または細胞内におけるその生物学的機能によってより大きな誤
差を有する傾向にあるかどうかは示さない。従って、加重平均における誤差のよ
りよい評価は、反復測定における分散を考慮に入れた成分を式(9)に加えること
により得られる。遺伝子jに対して観察された標準偏差をsjとして表示する場合
、平均値における誤差は以下のように記載できる: [式中、Nは反復測定の数である]。反復の数、Nが大きくなると、式(10)は、式
(9)から観察された分散の値、sjに遷移する。sjは伝統的な統計的手法に従って
、以下のように計算できる: [式中Nは測定の数であり、xiは特定のマイクロアレイ実験における遺伝子jの強
度の個々の測定値であり、 は個々の測定値のサンプル平均である]。例えば、「自然科学のためのデータ換
算および誤差分析(Data Reduction and Error Analysis for the Physical Sci
ences)」(前掲)の式2〜10を参照されたい。当該式においては、sj = σ2であ
る。式(10)で記載したような平均値xの誤差の見積もりが必要とされる。なぜな
ら、(11)のような式は誤差を真に反映させるために、公称反復数(N)が大きいも
のである必要があるからである。式(9)に基づく誤差の見積もりは、図1に示し
たような特定の測定値が影響を受けやすい誤差ならびに遺伝子特異的異常(anom
aly)を考慮に入れていない。当業者であれば、式(9)から式(10)への遷移を達成
するその他の式が可能なことがわかるであろう。
【0056】 図6は、反復実験で得られた誤差の換算(reduction)および結果として得られ
た情報を示す。図6aは、下記の実験の節で記載のようにして得られた、薬物CsA
を用いた1回の実験についてのシグネチャープロットである。あるσ誤差バーを
、対照実験から得られた付加型および乗算型の誤差レベルに対する値を用いて、
式(7)の分母に基づいて設定した。遺伝子は、log(比)=0の線から1.5σを越えて
いるときのみ、すなわち、それが95%を越える信頼度を持ってアップレギュレー
トまたはダウンレギュレートされるときのみ、その1σの誤差バーに記を付す。
図6bは4回の反復(N=4)の加重平均を形成する結果を示す。ここで、1.5σの同一
の判断基準を、記を付した誤差バーについて適用したが、より多くの遺伝子に記
が付されている。図6aと比較すると、95%の信頼度での検出の数は4遺伝子〜20
0遺伝子を越えるまでに増加したことがわかる。従って、測定誤差が式(10)など
を用いておよそモデル化されるならば、この例は、反復測定で得られる薬物応答
に関する追加の情報を示す。
【0057】 5.5 応答プロファイル 摂動(例えば、薬剤)に対する生物学的な系の応答は、該生物学的な系の生物学
的状態の変化を観察することで測定できる。応答プロファイルは、細胞構成要素
の変化を集めたものである。摂動(m)に対する生物学的な系(例えば、細胞または
細胞培養物)の応答プロファイルは、ベクトルv(m)と定義することができる: (式中、vi mは、摂動(m)下におけるi番目の細胞構成要素の応答振幅である)。応
答プロファイルに関する一部の実施形態では、薬剤の適用に対する生物学的応答
を、少なくとも2つの遺伝子、好ましくは10を超える遺伝子、より好ましくは10
0を超える遺伝子、最も好ましくは1,000を超える遺伝子の転写産物レベルにおけ
る変化によって測定する。
【0058】 一部の実施形態では、生物学的応答プロファイルは単純に、摂動の前後におけ
る生物学的変数の差である。一部の好適な実施形態では、生物学的応答は、摂動
の適用前後における細胞構成要素の比と定義される。
【0059】 一部の好適な実施形態では、i番目の遺伝子の応答が、一定の閾値振幅または
測定誤差の挙動の知見から決定される信頼水準を下回る場合に、vi mを0に設定
する。このような実施形態では、閾値を下回る応答が測定される細胞構成要素に
は応答値0が与えられ、これに対し、閾値を上回る応答が測定される細胞構成要
素はその測定応答値を保持する。この応答ベクトルの切捨ては、小さい応答のほ
とんどが測定誤差で大きく占められると予想される場合に適している。切捨ての
後、応答ベクトルv(m)は、同様の摂動の存在に対して「整合ディテクタ(matche
d detector)」(例えば、Van Trees, 1968, Detection, Estimation, and Modu
lation Theory Vol.I, Wiley & Sonsを参照)にも近づく。切捨てのレベルが検
出の目的および測定誤差に基づいて設定できることは当業者には明らかである。
例えば、一部の実施形態では、転写レベルの変化が2倍未満、より好ましくは4
倍未満である遺伝子に値0を与える。
【0060】 応答プロファイルに関する一部の好適な実施形態では、摂動を複数の強度レベ
ルで適用する。例えば、異なる量の薬物を生物学的な系に適用してその応答を観
察することができる。このような実施形態では、摂動強度uの一変数「モデル」
関数によってそれぞれ近似を行うことにより、摂動応答を補間することができる
。転写状態データの近似に適した具体的なモデル関数はHill関数であり、可変パ
ラメータa、u0、およびnを有する。
【0061】 これらの可変パラメータは、摂動応答の各細胞構成要素に対して独立に選択する
。好ましくは、可変パラメータは、各摂動強度におけるモデル関数(例えば、Hil
l関数、式13)と対応の実験データとの差の2乗の和が最小となるように、各細胞
構成要素に対して選択する。この好ましいパラメータ調整法は最小2乗近似とし
て当該技術分野では公知である。他の可能なモデル関数は、多項式近似に基づく
ものである。モデル近似および生物学的応答のさらに詳細な説明は、Friendおよ
びStoughton, Methods of Determining Protein Activity Levels Using Gene E
xpression Profiles,米国仮出願第60/084,742号(1998年5月8日出願;あらゆる
目的に対して引用により全内容が本明細書に含まれるものとする)に開示されて
いる。
【0062】 5.6 射影プロファイル 本発明の方法は、任意の数の応答プロファイルおよび/または射影プロファイ
ルを含む拡張プロファイルを比較するのに有用である。射影プロファイルは、コ
レギュレートされた遺伝子である遺伝子セットを検討した上で最もよく理解され
るものである。射影プロファイルは、遺伝子セットを含む多くの種類の細胞構成
要素を解析するのに有用である。
【0063】 5.6.1 コレギュレートされた遺伝子および遺伝子セット 射影プロファイルを表すのに遺伝子セットを用いることは、本節および後続の
小節、並びにFriendらによる米国特許出願第09/179,569号(1998年10月27日出願
;発明の名称「Methods for using co-regulated genesets to enhance determin
ation and classification of gene expression」)およびFriendらによる米国特
許出願(出願番号未定;代理人整理番号9301-039-999;1998年12月23日出願;発
明の名称「Methods for using co-regulated genesets to enhance determinatio
n and classification of gene expression」)に記載されている(両特許出願は、
引用により全内容が本明細書に含まれるものとする)。特定の遺伝子には、群を
なしてその発現を増加または減少させる傾向がある。遺伝子どうしが同様の調節
配列パターン(即ち、転写因子結合部位)を有する場合には、その転写速度が同時
に増加または低下する傾向がある。これは、特定のシグナル伝達インプットに対
する協調応答の機構である(例えば、MadhaniおよびFink, 1998, The riddle of
MAP kinase signaling specificity, Transactions in Genetics 14:151-155;A
rnoneおよびDavidson, 1997, The hardwiring of development: organization a
nd function of genomic regulatory systems, Development 124:1851-1864を参
照)。必要なタンパク質または細胞構造の異なる構成要素を生成する別々の遺伝
子は、共変する傾向がある。重複遺伝子(例えば、Wagner, 1996, Genetic redun
dancy caused by gene duplications and its evolution in networks of trans
criptional regulators, Biol. Cybern. 74:557-567を参照)も、突然変異によっ
てその調節領域に機能的な相違が生じない程度に共変する傾向がある。さらに、
調節配列はモジュールからなるため(例えば、Yuhら, 1998, Genomic cis-regula
tory logic: experimental and computational analysis of a sea urchin gene
, Science 279:1896-1902を参照)、2つの遺伝子がより多くのモジュールを共通
して有するほど、これらの遺伝子の転写速度が共変すると予想される条件が多岐
にわたる。モジュール間の距離も、コアクチベーターが関与しているため、重要
な決定因子である。従って、要約すると、有限の条件セットのいずれに対しても
、遺伝子が全て独立的に変化するわけではなく、共変する遺伝子およびタンパク
質の単純化サブセットが存在するものと予想される。これらの共変性遺伝子セッ
トは、有限の条件セット内における全てのプロファイル変化を説明する、数学的
な意味での完全な基準を形成する。
【0064】 5.6.2 クラスター分析による遺伝子セットの分類 多くの用途に対して、広範な条件にわたってコレギュレートされる基準遺伝子
セットを見出すことが望ましい。このような基準遺伝子セットを同定する好適な
実施形態としては、クラスター化アルゴリズムが挙げられる(クラスター化アル
ゴリズムの概説は、例えば、Fukunaga, 1990, Statistical Pattern Recognitio
n,第2版, Academic Press, San Diego;Everitt, 1974, Cluster Analysis, Lo
ndon: Heinemann Educ. Books;Hartigan, 1975, Clustering Algorithms, New
York: Wiley;SneathおよびSokal, 1973, Numerical Taxonomy, Freeman;Ander
berg, 1973, Cluster Analysis for Applications, Academic Press: New York
を参照)。
【0065】 クラスター分析を用いる一部の実施形態では、生物学的な系を広範な摂動にか
けながら、多数の遺伝子の発現をモニターする。遺伝子発現の測定結果を含むデ
ータテーブルをクラスター分析に用いる。広範な条件にわたって共変する遺伝子
を含む基準遺伝子セットを取得するためには、複数の摂動または条件を用いる。
クラスター分析はm×k次元を有するデータテーブルに対して行う。mは条件また
は摂動の総数であり、kは測定する遺伝子の数である。
【0066】 多くのクラスター化アルゴリズムがクラスター分析に有用である。クラスター
化アルゴリズムでは、クラスターを形成する場合に、対象間の相違度または距離
を用いる。一部の実施形態では、用いられる距離は多次元空間におけるユークリ
ッド距離である: (式中、I(x,y)は遺伝子Xと遺伝子Yとの距離であり、XiおよびYiはi番目の摂動
下での遺伝子発現応答である)。ユークリッド距離を2乗し、より離れている対
象ほど重みが加わるようにしてもよい。あるいは、距離の尺度を、例えば遺伝子
XとYとのマンハッタン距離としてもよく、この場合、下記の式によって与えられ
る: 同じく、XiおよびYiは、i番目の摂動下での遺伝子発現応答である。距離に関す
る他の定義は、チェビシェフ距離、べき乗距離および不一致割合である。次元に
対するデータが本来カテゴリ型である場合には、I(x,y)=(Xi=Yiではない数)/
iと定義される不一致割合が本発明の方法に特に有用である。細胞応答に関連し
て特に有用な、他の有用な距離定義はI=1−rであり、式中rは応答ベクトルX、
Y間の相関係数であって、正規化内積X・Y/|X||Y|とも呼ばれる。
【0067】 種々のクラスター連結法則が遺伝子セットの定義に有用である。最近隣法であ
る単連結法では、2つの最も近い対象間の距離を判定する。それとは反対に、完
全連結法では、異なるクラスターにある任意の2つの対象間の最大距離によって
距離を判定する。この方法は、遺伝子または他の細胞構成要素が実際に明確な「
集団(clump)」を形成する場合に特に有用である。あるいは、非加重ペア群平均
によって、2つの異なるクラスターにおける対象ペア全ての間の平均距離として
距離を定義する。この方法もまた、実際に明確な「集団」を形成する遺伝子また
は他の細胞構成要素をクラスター化するのに非常に有用である。最後に、加重ペ
ア群平均法を利用することもできる。この方法は、個々のクラスターのサイズを
重みとして使用する点を除けば、非加重ペア群平均法と同一である。この方法は
、クラスターのサイズが大幅に変化すると予想される実施形態に特に有用である
(SneathおよびSokal, 1973, Numerical taxonomy, San Francisco: W. H. Freem
an & Co.)。他のクラスター連結法則、例えば、非加重および加重ペア群重心法
およびウォード法もまた本発明の一部の実施形態に有用である。例えば、Ward,
1963, J. Am. Stat Assn. 58: 236;Hartigan, 1975, Clustering algorithms,
New York: Wileyを参照のこと。
【0068】 クラスター化セットにおける摂動の多様性が大きくなるにつれて、明瞭に区別
し得る遺伝子セットはより小さく、より多くなる。しかしながら、非常に多数の
実験セットに対しても、一貫性を保持する小さな遺伝子セットが存在する。これ
らの遺伝子セットを「既約(irreducible)遺伝子セット」と呼ぶ。典型的には、
多数の多様な摂動を適用してこのような既約遺伝子セットを得る。
【0069】 多くの場合、遺伝子セットのクラスター化をグラフに表して「ツリー」と呼ぶ
。遺伝子セットは、ツリー中の多数の小さな分岐、または少数の大きな分岐に基
づいて、異なるレベルでツリーを切断することにより定めることができる。切断
レベルの選択は、予測される個別の応答経路の数に一致するように行えばよい。
経路の数について入手し得る先行情報が少ないかまたは皆無である場合には、ツ
リーを、実際に異なる分岐の数だけ分割しなければならない。「実際に異なる」
とは、個々の分岐間の距離の最小値によって定義可能である。典型的な値は0.2
〜0.4の範囲にあるが(0は完全な相関を表し、1は相関が全くないことを示す
)、データの質が悪かったり、トレーニングセットにおいて実験回数が少なけれ
ば値は大きくなるであろうし、データの質がよく、トレーニングセットにおいて
実験回数が多ければ値は小さくなるであろう。
【0070】 好ましくは、「実際に異なる」とは、ツリー中の各分岐に関する統計学的有意
性の客観的な試験によって定義することができる。本発明の一態様においては、
実験のセット全体に対する各細胞構成要素の応答に関する実験インデックスを、
モンテカルロ法でランダム化することにより、客観的試験を定義する。
【0071】 一部の実施形態では、客観的試験を以下の方法で定義する: pkiを、実験iにおける構成要素kの応答とする。Π(i)を実験インデックスのラ
ンダム置換とする。次いで、多数(約100〜1000)の異なるランダム置換の各々に
ついて、pkΠ(i)をたてる。元のツリーの各分岐に対し、各置換に関して: (1)置換していない元のデータに対して用いたのと同じアルゴリズム(この場合
は「hclust」)を用いて階層的クラスター法を行う; (2)1つのクラスターから2つのクラスターへ移動する際の、クラスター中心
を基準とする総分散における微小改善(fractional improvement) fを計算する;
(式中、Dkは、帰属するクラスターの中心(平均)を基準とする構成要素kの距離尺
度の2乗である)。上付きの1または2は、それが全分岐の中心を基準とするも
のであるのか、または2つのサブクラスターのうちの適切なクラスターの中心を
基準とするものであるのかを示す。このクラスター化手法で使用する距離関数D
の定義には、かなりの自由度がある。これらの例では、D=1−rであり、rは、実
験セット全体に対する一方の構成要素の応答ともう一方の応答(または平均クラ
スター応答)との相関係数である。
【0072】 モンテカルロ法から得られた部分改善の分布は、所定の分岐が有意ではないと
いう帰無仮説下での分布を推定したものである。次いで、未置換データを用いた
分岐の実際の部分改善を、帰無仮説から得られる累積確率分布と比較して有意性
を定める。標準偏差は、帰無仮説による分布に対して通常の対数モデルを当ては
めることにより導かれる。この手法を用いた場合、例えば標準偏差が約2以上で
あれば、分岐が95%の信頼水準で有意であることが分かる。クラスター分析によ
って定義された遺伝子セットは、典型的には、潜在的な生物学的有意性を有する
【0073】 クラスター分析法の別の態様では、以下の節に記載するプロファイル射影(pro
file projection)において使用する基底ベクトルの定義を提供する。
【0074】 基底ベクトルVのセットはk×n次元を有し、kは遺伝子の数、nは遺伝子セット
の数を表す。
【0075】 V(n) kは基底ベクトルnにおける遺伝子インデックスkの振幅に対する寄与であ
る。一部の実施形態では、遺伝子kが遺伝子セットnのメンバーであればV(n) k=1
となり、遺伝子kが遺伝子セットnのメンバーでなければV(n) k=0となる。一部の
実施形態では、V(n) kは、遺伝子セットnを定義するために使用されるトレーニン
グデータセットよりも、遺伝子セットnにおける遺伝子kの応答に比例する。
【0076】 一部の好適な実施形態では、遺伝子セットn内の遺伝子数の平方根で割ること
により、各V(n) kが単位長さを有するようにエレメントV(n) kを正規化する。これ
により、直交するだけでなく(クラスター化ツリーを切断することにより得られ
る遺伝子セットがバラバラになる)、正規直交(単位長さ)の基底ベクトルが生じ
る。このように正規化を選択することによって、プロファイルにおける確率的な
測定誤差を、振幅が各nに匹敵するようにV(n) k上へ射影する。正規化を行うこと
により、大きな遺伝子セットによって類似度の演算結果が左右されることを防ぐ
【0077】 5.6.3 調節機構に基づく遺伝子セットの分類 遺伝子セットは、遺伝子調節の機構に基づいて定義することもできる。調節領
域に同一の転写因子結合部位を有している遺伝子は、コレギュレートされやすい
。一部の好適な実施態様では、目的とする遺伝子の調節領域を、多重アラインメ
ント分析を用いて比較し、可能な共有転写因子結合部位を解読する(Stormoおよ
びHartzell, 1989, Identifying protein binding sites from unaligned DNA f
ragments, Proc Natl Acad Sci 86:1183-1187;HertzおよびStormo, 1995, Iden
tification of consensus patterns in unaligned DNA and protein sequences:
a large-deviation statistical basis for penalizing gaps, Proc of 3rd In
tl Conf on Bioinformatics and Genome Research, LimおよびCantor編, World
Scientific Publishing Co., Ltd. Singapore, pp.201-216)。例えば、下記の
実施例3から明らかなように、20個の遺伝子中のGcn4に応答する共通プロモータ
ー配列は、それら20個の遺伝子が広範な摂動に対してコレギュレートされる根拠
となり得る。
【0078】 遺伝子のコレギュレートは、同じ転写因子に対する結合部位を有するものに限
定されない。コレギュレートされる(共変する)遺伝子は、上流の遺伝子の産物に
よって下流の遺伝子の活性が調節される、上流/下流関係にあってもよい。数多
くの様々な遺伝子調節ネットワークが存在することは当業者には周知である。ま
た、当業者であれば、本発明の方法が、任意の特定種類の遺伝子調節機構に限定
されないことは明らかである。2つの遺伝子が、摂動に応答した活性変化の点で
コレギュレートされることが調節機構に由来するのであれば、その2つの遺伝子
が、遺伝子セット中にクラスター化されている可能性がある。
【0079】 目的とする遺伝子の調節が完全には解明されていないため、多くの場合、クラ
スター分析と調節機構の知見を組み合わせて、より明確に遺伝子セットを規定す
るのが好ましい。一部の実施態様では、目的の遺伝子調節が一部知られている場
合、K-meansクラスター法を利用して遺伝子セットをクラスター化することがで
きる。K-meansクラスター法は、遺伝子セットの数を調節機構の知見によって予
め決められる場合に特に有用である。一般に、K-meansクラスター法は、所望の
クラスター数を確実に作成することができる。従って、プロモーター配列の比較
から、測定された遺伝子が3つの遺伝子セット内に存在することが明らかな場合
には、K-meansクラスター法を用いて、クラスターどうしを最も明確に区別し得
る3つの遺伝子セットを確実に作成することができる。
【0080】 5.6.4 射影プロファイルの表示 遺伝子の発現値を遺伝子セットの発現値へ変換することができる。この方法は
射影と呼ばれるものである。一部の実施形態では、射影は下記の通りである: (式中、pは発現プロファイルであり、Pは射影されたプロファイルであり、Piはi
番目の遺伝子セットの発現値であり、Vは基底ベクトルの予め定義されたセット
である)。基底ベクトルは、式17で次のように予め定義されている: (式中、V(n) kは、基底ベクトルnの細胞構成要素インデックスkの振幅である)。
【0081】 好適な実施形態の1つでは、遺伝セットの発現値は、単純に、遺伝子セット内
に含まれる遺伝子の発現値の平均である。他の実施形態では、高度に発現した遺
伝子によって遺伝子セット値が左右されないように、平均に重み付けを行う。遺
伝子セットの発現値を集めたものが射影プロファイルである。
【0082】 5.6.5 プロファイルの比較と分類 基準遺伝子セットが選択されたら、インデックスiを有するプロファイルの任
意のセットについて、射影プロファイルPiを取得することができる。Pi間の類似
度は、以下の2つの理由から、元のプロファイルpi間よりも明瞭に認められる。
第1に、外来遺伝子の測定誤差が排除されているか、または平均化されている。
第2に、基準遺伝子セットは、プロファイルpiの生物学を把握しようとするもの
であるため、それらの個々の応答成分に対する整合ディテクタとなる。プロファ
イルの分類およびクラスター化はいずれも、客観的な類似度メトリック(Sと称す
る)に基づいており、有用な定義の1つは、 である。
【0083】 この定義は、ベクトルPiおよびPj間の一般化された角度コサインであり、pi
よびpj間の従来の相関計数を射影したものである。プロファイルpiは、Sijが最
大となる他のプロファイルpjに最も類似していると見なされる。新規プロファイ
ルは、既知の生物学的有意性のプロファイル(例えば、既知薬物に対する応答パ
ターンまたは特定の生物学的経路における摂動)との類似度に従って分類できる
。新規プロファイルのセットは、距離メトリック を用いてクラスター化できる。このクラスター化は、応答測定結果のセット全体
の元の大きな空間におけるクラスター化に似ているものの、測定誤差を低減し、
関連する生物学の理解を促進するという、まさに上述した利点を有している。
【0084】 観察された類似度Sijの統計学的有意性はいずれも、相関をなしとする帰無仮
説下にて得られた経験的確率分布を用いて評価できる。この分布は、元のプロフ
ァイルpにおける構成要素インデックスの多くの異なるランダム置換に対して射
影(式(19)及び(20))を行うことによって得られる。即ち、約100〜1000の異なる
ランダム置換に対して、配列セットpkをpΠ(k)で置換する(ここで、Π(k)は置換
を表す)。従って、類似度Sijが偶然生じる確率は、類似度Sij(置換後)が元の未
置換データを用いて観察される類似度を超えるような置換の割合である。
【0085】 5.7 生物学的応答プロファイルの決定方法 本節では、生物学的応答を測定するための具体的な方法をいくつか例示し、ま
た、このような方法で使用する試薬を調製するのに必要な手順を記載する。
【0086】 5.7.1 マイクロアレイの調製 マイクロアレイは当該技術分野で公知であり、遺伝子産物(例えば、cDNA、mRN
A、cRNA、ポリペプチド、およびこれらの断片)に順番に対応するプローブが既知
の位置で特異的にハイブリダイズまたは結合し得る表面からなる。実施形態の1
つでは、マイクロアレイは、個々の位置が、遺伝子にコードされている産物(例
えば、タンパク質またはRNA)に対する別々の結合部位に該当し、かつ、生物のゲ
ノムに含まれる大部分または殆ど全ての遺伝子の産物に対する結合部位が存在す
るアレイ(即ち、マトリックス)である。好適な実施形態では、「結合部位」(以
下、「部位」)は、特定のコグネイトcDNAが特異的にハイブリダイズし得る核酸
または核酸類似体である。結合部位の核酸または類似体は、例えば、合成オリゴ
マー、完全長cDNA、完全長に満たないcDNA、または遺伝子断片であってよい。
【0087】 好適な実施形態では、標的生物ゲノムに含まれる全てまたは殆ど全ての遺伝子
の産物に対する結合部位がマイクロアレイに含まれるものの、このような包括性
は必ずしも必要ではない。通常、マイクロアレイは、ゲノム中の遺伝子の少なく
とも約50%に対応する結合部位を有し、多くの場合には少なくとも約75%、さら
に多くの場合には少なくとも約85%、一層多くの場合には約90%、最も多くの場
合には約99%に対応する結合部位を有するものである。好ましくは、マイクロア
レイは、対象薬物の作用または対象となる生物学的経路に関連する遺伝子に対す
る結合部位を有する。「遺伝子」は、好ましくは少なくとも50、75、または99個
のアミノ酸からなるオープンリーディングフレーム(ORF)であって、該ORFからは
、生物中(例えば、単一細胞の場合)または多細胞生物の特定の細胞中でメッセン
ジャーRNAが転写される。ゲノムに含まれる遺伝子の数は、生物によって発現さ
れるmRNAの数から、または、十分に特性決定されたゲノム部分から推定すること
により、予想が可能である。対象生物のゲノムが配列決定されている場合には、
ORFの数を決定することができ、また、DNA配列の分析によってmRNAをコードする
領域を同定できる。例えば、Saccharomyces cerevisiaeのゲノムは完全に配列決
定されており、長さが99アミノ酸を超えるおよそ6275個のオープンリーディング
フレーム(ORF)を有することが報告されている。これらのORFの分析より、タンパ
ク質産物を特定する可能性のあるORFが5885個存在することが明らかにされてい
る(Goffeauら, 1996, Life with 6000 genes, Science 274:546-567;あらゆる
目的に対して引用により全内容が本明細書に含まれるものとする)。対照的に、
ヒトゲノムはおよそ105個の遺伝子を含むと推定されている。
【0088】 5.7.2 マイクロアレイ用核酸の調製 上述したように、特定のコグネイトcDNAが特異的にハイブリダイズする「結合
部位」は、一般に、該結合部位にて付着させた核酸または核酸類似体である。実
施形態の1つでは、マイクロアレイの結合部位は、生物ゲノムに含まれる各遺伝
子の少なくとも一部に相当するDNAポリヌクレオチドである。このようなDNAは、
例えば、ゲノムDNA、cDNA(例えばRT-PCRによって)、またはクローン化配列由来
の遺伝子セグメントのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅によって取得できる。遺
伝子またはcDNAの既知配列に基づいて、ユニークな断片(即ち、連続する同一配
列の11塩基以上を、マイクロアレイ上の他のどのような断片とも共有しない断片
)を増幅するPCRプライマーを選択する。必要な特異性と最適な増幅特性を有する
プライマーの設計にはコンピュータプログラムが有用である。非常に長鎖の遺伝
子に対応する結合部位の場合には、遺伝子の3’末端付近のセグメントを増幅し
、オリゴdTをプライマーとするcDNAプローブをマイクロアレイにハイブリダイズ
させた際に、完全長未満のプローブが効率的に結合するようにするのが望ましい
場合がある。典型的には、マイクロアレイ上の各遺伝子断片は長さが約50bp〜約
2000bpであり、より典型的には約100bp〜約1000bpであり、通常約300bp〜約800b
pである。PCR法は周知であって、例えば、Innisら編, 1990, PCR Protocols: A
Guide to Methods and Applications, Academic Press Inc., San Diego, CAに
記載されている(あらゆる目的に対して引用により全内容が本明細書に含まれる
ものとする)。マイクロアレイ用の核酸を作製する別の手段は、N-ホスホネート
またはホスホルアミダイト化学等を用いた合成ポリヌクレオチドまたはオリゴヌ
クレオチドの合成によるものである(Froehlerら, 1986, Nucleic Acid Res 14:5
399-5407; McBrideら, 1983, Tetrahedron Lett. 24:245-248)。合成配列は約15
〜約500塩基長、より典型的には約20〜約50塩基長である。一部の実施形態では
、合成核酸には非天然塩基(例えば、イノシン)が含まれる。上述したように、核
酸類似体をハイブリダイゼーションの結合部位として使用してもよい。適切な核
酸類似体の例はペプチド核酸である(例えば、Egholmら, 1993, PNA hybridizes
to complementary oligonucleotides obeying the Watson-Crick hydrogen-bond
ing rules, Nature 365:566-568を参照;米国特許第5,539,083号 も参照されたい)。
【0089】 別の実施形態では、結合(ハイブリダイゼーション)部位を遺伝子のプラスミド
またはファージクローン、cDNA(例えば、発現配列タグ)、またはこれらに由来す
る挿入配列から作製する(Nguyenら, 1995, Differential gene expression in t
he murine thymus assayed by quantitative hybridization of arrayed cDNA c
lones, Genomics 29:207-209)。さらに別の実施形態では、結合部位のポリヌク
レオチドはRNAである。
【0090】 5.7.3 固相表面への核酸の付着 核酸または類似体を、ガラス、プラスチック(例えば、ポリプロピレン、ナイ
ロン)、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、または他の材料から作製可能
な固相支持体へ付着させる。核酸を表面へ付着させる好適な方法は、Schenaら,
1995, Quantitative monitoring of gene expression patterns with a complem
entary microarray, Science 270:467-470に概説されているように、ガラス板へ
印刷する方法である。この方法は、cDNAからなるマイクロアレイを調製するのに
特に有用である。例えば、DeRisiら, 1996, Use of a cMicroarray to analyze
gene expression patterns in human cancer, Nature Genetics 14:457-460; Sh
alonら, 1996, A microarray system for analyzing complex DNA samples usin
g two-color fluorescent probe hybridization, Genome Res. 6:639-645;およ
びSchenaら, 1995, Parallel human genome analysis; microarray-based expre
ssion of 1000 genes, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:10539-11286も参照され
たい。
【0091】 もう一つの好適なマイクロアレイ作製法は、高密度オリゴヌクレオチドアレイ
を作製することによるものである。所定の配列に相補的な数千のオリゴヌクレオ
チドを表面上の所定の位置に含むアレイを作製する技術は公知であり、in situ
合成用フォトリソグラフ技術(例えば、Fodorら, 1991, Light-directed spatial
ly addressable parallel chemical synthesis, Science 251:767-773; Peaseら
, 1994, Light-directed oligonucleotide arrays for rapid DNA sequence ana
lysis, Proc. Natl. Acad. Sci USA 91:5022-5026; Lockhartら, 1996, Express
ion monitoring by hybridization to high-density oligonucleotide arrays,
Nature Biotech 14:1675;米国特許第5,578,832号;同第5,556,752号;同第5,510,2
70号、いずれもあらゆる目的に対して引用によりその全内容が本明細書に含まれ
るものとする)、または、所定のオリゴヌクレオチドを迅速に合成および堆積さ
せる他の方法(Blanchardら, 1996, High-Density Oligonucleotide arrays, Bio
sensors & Bioelectronics 11:687-90)を利用するものである。このような方法
を使用する場合には、既知配列のオリゴヌクレオチド(例えば、20量体)を誘導処
理(derivatized)したガラススライド等の表面上で直接合成する。一般に、製造
されたアレイは各標的転写産物に対して複数のプローブを有する。オリゴヌクレ
オチドプローブは、選択的スプライシングを受けたmRNAを検出するように、また
は各種の対照として機能するように選択することができる。
【0092】 別の好適なマイクロアレイ作製法は、例えば、Blanchardによる同時係属米国
特許出願第09/008,120号(1998年1月16日出願;発明の名称「Chemical Synthesi
s Using Solvent Microdroplets」;引用により全内容が本明細書に含まれるも
のとする)に記載されているように、インクジェット印刷工程を利用してオリゴ
ヌクレオチドを固相上で直接合成することによるものである。
【0093】 マスキング(MaskosおよびSouthern, 1992, Nuc. Acids Res. 20:1679-1684)等
による他のマイクロアレイ作製法を利用してもよい。基本的には、任意のタイプ
のアレイ、例えば、ハイブリダイゼーション膜上のドットブロット(例えば、Sam
brookら, Molecular Cloning-A Laboratory Manual(第2版), Vol.1-3, Cold Sp
ring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York, 1989を参照)等を使
用することができるが、当業者には明らかなように、ハイブリダイゼーション容
積が小さくなるため超小型アレイが好適である。
【0094】 5.7.4 標識プローブの作製 全RNAおよびポリ(A)+RNAの調製法は周知であり、Sambrookら(前出)に概説さ
れている。実施形態の1つでは、本発明の対象となる各種細胞型の細胞から、チ
オシアン酸グアニジウム溶解、次いでCsCl遠心分離を利用してRNAを抽出する(Ch
irgwinら, 1979, Biochemistry 18:5294-5299)。オリゴdTセルロースによる選択
によってポリ(A)+RNAを選択する(Sambrookら(前出)を参照)。対象となる細胞と
しては、野生型細胞、薬物に暴露した野生型細胞、改変細胞、および薬物に暴露
した改変細胞が挙げられる。
【0095】 標識cDNAをmRNAから、オリゴdTプライマーまたはランダムプライマーを用いた
逆転写(いずれも当該技術分野で周知;例えば、KlugおよびBerger, 1987, Metho
ds Enzymol. 152:316-325を参照)によって調製する。逆転写は、検出可能な標識
へコンジュゲートさせたdNTP、最も好ましくは蛍光標識したdNTPの存在下にて行
えばよい。あるいは、単離したmRNAを、標識dNTPの存在下での二本鎖cDNAのin v
itro転写により合成される標識アンチセンスRNAへ変換することもできる(Lockha
rtら, 1996, Expression monitoring by hybridization to high-density oligo
nucleotide arrays, Nature Biotech. 14:1675;あらゆる目的に対して引用によ
り全内容が本明細書に含まれるものとする)。別の実施形態では、検出可能な標
識の不在下でcDNAまたはRNAプローブを合成し、次いで、例えば、ビオチン化dNT
PもしくはrNTPを組み込むか、または同様の手段を行い(例えば、ビオチンのソラ
レン誘導体をRNAへ光活性化架橋させて)、さらに標識ストレプトアビジン(例え
ば、フィコエリトリン標識ストレプトアビジン)またはその等価物を添加するこ
とによって標識してもよい。
【0096】 蛍光標識プローブを使用する場合には、数多くの適切な蛍光団が公知であり、
例えば、フルオレセイン、リサミン、フィコエリトリン、ローダミン(Perkin El
mer Cetus)、Cy2、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、FluorX(Amersham)およびその
他(例えば、Kricka, 1992, Nonisotopic DNA Probe Techniques, Academic Pres
s San Diego, CAを参照)が挙げられる。異なる発光スペクトルを有する蛍光団の
対を選べば、それらを容易に識別し得ることは明らかであろう。
【0097】 別の実施形態では、蛍光標識以外の標識を使用する。例えば、放射性標識、ま
たは、異なる発光スペクトルを有する放射性標識の対が使用できる(Zhaoら, 199
5, High density cDNA filter analysis: a novel approach for large-scale,
quantitative analysis of gene expression, Gene 156:207; Pietuら, 1996, N
ovel gene transcripts preferentially expressed in human muscles revealed
by quantitative hybridization of a high density cDNA array, Genome Res.
6:492参照)。しかしながら、放射性粒子が散乱するため、間隔を広く開けた結
合部位が必要となることから、放射性同位元素を用いる実施形態はあまり好まし
いものではない。
【0098】 実施形態の1つでは、0.5mMのdGTP、dATPおよびdCTPと0.1mMのdTTPと蛍光デオ
キシリボヌクレオチド(例えば、0.1mMのローダミン110 UTP(Perkin Elmer Cetus
)または0.1mMのCy3 dUTP(Amersham))を含む混合物を、逆転写酵素(例えば、Supe
rScript(商標)II, LTI Inc.)と共に42℃にて60分間インキュベートすることによ
り標識cDNAを合成する。
【0099】 5.7.5 マイクロアレイへのハイブリダイゼーション 核酸ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、最適には、プローブが特定の
アレイ部位と「特異的に結合する」ように、または「特異的にハイブリダイズす
る」ように選択する。即ち、該プローブは、相補的な核酸配列を有する配列アレ
イ部位とハイブリダイズし、2本鎖を形成し、またはこれと結合するが、相補的
ではない核酸配列を有する部位とはハイブリダイズしない。ポリヌクレオチドの
短い方が25塩基以下である場合には、標準的な塩基対合則によるミスマッチがな
ければ、またはポリヌクレオチドの短い方が25塩基より長い場合には、ミスマッ
チが5%以下であれば、一方のポリヌクレオチド配列がもう一方の配列に対して
相補的であると考えられる。ポリヌクレオチド同士は完全に相補的であるのが好
ましい(ミスマッチなし)。陰性対照を含むハイブリダイゼーションアッセイを行
うことにより、特定のハイブリダイゼーション条件によって特異的なハイブリダ
イゼーションが生じることを容易に示すことができる(例えば、Shalonら(前出)
およびCheeら(前出)を参照)。
【0100】 最適なハイブリダイゼーション条件は、標識プローブおよび固定化ポリヌクレ
オチドもしくは固定化オリゴヌクレオチドの長さ(例えば、200塩基を超えるポリ
ヌクレオチドに対するオリゴマー)と種類(例えば、RNA、DNA、PNA)に依存するで
あろう。核酸の特異的な(即ち、ストリンジェントな)ハイブリダイゼーション条
件に対する一般的なパラメータはSambrookら(前出)およびAusubelら, 1987, Cur
rent Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing and Wiley-Intersc
ience, New Yorkに記載されている。Schenaらのマイクロアレイを使用する場合
、典型的なハイブリダイゼーション条件は、5×SSC+0.2%SDS中、65℃にて4
時間ハイブリダイゼーションを行った後、低ストリンジェンシーの洗浄緩衝液(
1×SSC+0.2%SDS)中、25℃にて洗浄し、次いで高ストリンジェンシーの洗浄緩
衝液(0.1×SSC+0.2%SDS)中、25℃にて10分間洗浄するというものである(Shena
ら, 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93:10614)。有用なハイブリダイゼー
ション条件は、例えば、Tijessen, 1993, Hybridization With Nucleic Acid Pr
obes, Elsevier Science Publishers B. V.およびKricka, 1992, Nonisotopic D
NA Probe Techniques, Academic Press San Diego, CAにも記載されている。
【0101】 5.8 コンピュータの実行 前述の節で記載した解析法は、以下のコンピュータシステムを用い、以下のプ
ログラムおよび方法に従って実行することができる。図7に、本発明の解析法の
実行に適したコンピュータシステムを例示する。コンピュータシステム501は、
内部成分を含み、かつ外部成分と接続するものとして例示してある。このコンピ
ュータシステムの内部成分には、主記憶装置503と相互接続したプロセッサ素子5
02が含まれる。例えば、コンピュータシステム501は、好ましくは32MB以上の主
記憶装置を有するIntel 8086-, 80386-, 80486-, Pentium(登録商標)またはPent
ium(登録商標)系プロセッサであってよい。
【0102】 外部成分には大容量記憶装置504が含まれる。この大容量記憶装置は1以上の
ハードディスク(典型的にはプロセッサおよび記憶装置と共に一つにまとめられ
ている)であってよい。このようなハードディスクは好ましくは1GB以上の記憶
容量を有する。その他の外部成分としては、モニターであってよいユーザインタ
ーフェース装置505、「マウス」であってよい入力装置506、またはその他の図形
入力装置(図示せず)、および/またはキーボードが挙げられる。また印刷装置50
8をコンピュータ501に接続してもよい。
【0103】 典型的にはコンピュータシステム501を、他のローカルコンピュータシステム
へのイーサネット(登録商標)リンクの一部、リモートコンピュータシステム、 またはインターネットなどの広域通信網であってよいネットワークリンク507へ も接続する。このネットワークリンクにより、コンピュータシステム501はデー タおよび処理タスクを他のコンピュータシステムと共有することが可能になる。
【0104】 このシステムの操作時に記憶装置へロードされるのは、当技術分野では標準で
あるが、本発明特有の複数のソフトウェア成分である。これらのソフトウェア成
分によって、本発明の方法に従ってコンピュータシステムを一括して機能させる
。これらのソフトウェア成分は典型的には大容量記憶装置504に記憶されている
。ソフトウェア成分510は、コンピュータシステム501およびそのネットワーク相
互接続の管理を担うオペレーティングシステムに該当する。このオペレーティン
グシステムは、例えば、ウインドウズ3.1、ウインドウズ95、ウインドウズ98、
またはウインドウズNTなどのMicrosoftウインドウズ系であってよい。ソフトウ
ェア成分511は、このシステムに都合よく存在する、本発明特有の方法を実行す
るプログラムを支援する共通言語および機能に該当する。数多くの高水準または
低水準のコンピュータ言語を用いて本発明の解析法をプログラミングすることが
できる。指令は実行時に翻訳されても、あるいはコンパイルされてもよい。好適
な言語としてはC/C++、FORTRONおよびJAVA(登録商標)が挙げられる。最も好ま
しくは、本発明の方法を数理ソフトウェアパッケージでプログラミングする。こ
のパッケージにより、用いるアルゴリズムを含む式の記号入力および高水準の処
理仕様が可能になり、その結果、ユーザが個々の式またはアルゴリズムをプログ
ラミングする手間を省くことができる。このようなパッケージとしては、Matlab
(Mathworks製, Natick, MA)、Mathematica (Wolfram Research製, Champaign,
IL)、またはS-Plus (Math Soft製, Cambridge, MA)が挙げられる。従って、ソフ
トウェア成分512および/または513は、手順言語または記号パッケージでプログ
ラミングした場合の本発明の解析法に該当する。実行例では、本発明の方法を実
施するために、まずユーザ側から示差マイクロアレイ実験のデータをコンピュー
タシステム501へロードする。これらのデータは、ユーザによってモニター505も
しくはキーボード506から直接、またはネットワーク接続507により接続された他
のコンピュータシステムから、またはCD-ROM、フロッピー(登録商標)ディスク (図示せず)、テープドライブ(図示せず)、ZIP(登録商標)ドライブ(図示せず)な どの取り外し可能な記憶媒体で、またはネットワーク(507)を介して入力するこ とができる。次に、本発明の方法を実施する発現プロファイル解析ソフトウェア 512を実行させる。
【0105】 別の実行例では、まずユーザー側からマイクロアレイ実験データをコンピュー
タシステムへロードする。このデータは、記憶媒体(504)から、またはリモート
コンピュータ、好ましくは動的な遺伝子セットデータベースシステムからネット
ワーク(507)を介して記憶装置へロードされる。次に、蛍光団の偏りを排除する
工程、本発明のランクに基づく方法、または本発明の加重平均プロトコルを実施
するソフトウェアを実行させる。
【0106】 本発明の解析法を実行するための別のコンピュータシステムおよびソフトウェ
アは当業者には明らかであり、また、特許請求の範囲に包含されるものとする。
特に、特許請求の範囲には、当業者に容易に理解される本発明の方法を実行する
ための他のプログラム構造も包含されるものとする。
【0107】 6.実験 以下の節では、図2〜図6に示す実験に用いる試薬をどのように調製するかに
ついて詳しく述べる。
【0108】酵母株の構築、増殖および薬物処理 本研究に使用する株は、標準的な技術によって構築した。例えば、Schiestlら
,1993, Introducing DNA into yeast by transformation, Methods: A companio
n to Methods in Enzymology 5:79-85を参照されたい。FK506に関する実験の場
合には、Garrett-Engeleら, 1995, Calcineurin, the Ca2+/calmodulin-depende
nt protein phosphatase, is essential in yeast mutants with cell integrit
y defects and in mutants that lack functional vacuolar H(+)-ATPase, Mol.
Cell. Biol. 15:4103-4114に既述されているように、細胞を、10mM塩化カルシ
ウムを添加したYAPD培地(YPD+0.004%アデニン)中で1×107細胞/mlの密度とな
るまで3世代増殖させた。指示がある場合には、培養物を接種した0.5時間後にF
K506を1μg/mlの最終濃度まで添加した。シクロスポリンA(CsA)を30μg/mlの
濃度まで添加した。標準的な手順(例えば、Ausubelら, Current Protocols in M
olecular Biology, John Wiley & Sons, Inc.(New York), 12.12.1-13.12.5を参
照)に下記の改変を加えた手順によって、細胞を破砕した。細胞ペレットを破砕
用緩衝液(0.2M Tris HCl pH7.6, 0.5M NaCl, 10mM EDTA, 1%SDS)中に再懸濁し
、8に設定したVWRマルチチューブボルテクサー上で2分間、60%ガラスビーズ(
425-600μmメッシュ;Sigma)およびフェノール:クロロホルム(50:50, v/v)の存
在下にて攪拌した。分離後、水相を再度抽出してエタノール沈殿させた。確立さ
れたプロトコールを用い、オリゴdTセルロース(NEB)によるクロマトグラフィー
を2回繰り返して精製することにより、ポリA+ RNAを単離した。例えば、Ausube
lら(前出)を参照されたい。
【0109】標識サンプルの調製とハイブリダイゼーション 本質的にDeRisiら, 1997, Exploring the metabolic and genetic control of
gene expression on a genomic scale, Science 278:680-686に記載されている
ようにして、蛍光標識cDNAを調製し、精製してハイブリダイズさせた。簡単に言
うと、Cy3-またはCy5-dUTP(Amersham)を逆転写時にcDNAへ組み込んだ(Superscri
pt II, LTI, Inc.)。Microcon-30マイクロ濃縮装置(Amicon)を用いて10μl未満
まで濃縮することにより精製を行った。対を形成したcDNAを20〜26μlのハイブ
リダイゼーション溶液(3×SSC, 0.75μg/mlポリA DNA, 0.2%SDS)へ再懸濁し
、22×30mmのカバーガラスの下で6時間63℃にてマイクロアレイへ適用した。全
ての操作はDeRisiら(1997)(前出)に従って行った。
【0110】マイクロアレイの作製および走査 共通する5’および3’配列を含むPCR産物(Research Genetics)を鋳型として使
用し、アミノ修飾順方向プライマーおよび未修飾逆方向プライマーを用いてS.セ
レビシエ(S.cerevisiae)ゲノムから6065個のORFをPCR増幅した。最初のパス成功
率は94%であった。予測外のサイズを有する産物を生じた増幅反応を後続の解析
から除外した。市販の鋳型から増幅できないORFはゲノムDNAから増幅した。100
μlの反応液から得られたDNAサンプルをイソプロパノール沈殿させ、水に再懸濁
し、3×SSCへ添加して総容積15μlとし、384ウェルのマイクロタイタープレー
ト(Genetix)へ移した。PCR産物を、1×3インチのポリリシン処理ガラススライ
ドへ、Schenaら(前出);DeRisiら, 1996, Discovery and analysis of inflammat
ory disease-related genes using microarrys, PNAS USA, 94:2150-2155;およ
びDeResiら, (1997)に記載の仕様に従って組立てたロボットによってスポッティ
ングした。印刷後、刊行物に記載されたプロトコルに従ってスライドを処理した
。DeResiら(1997)を参照されたい。
【0111】 マイクロアレイは、Applied Precision, Inc.(Seattle, WA)にて開発中である
試作段階のマルチフレームCCDカメラ上にイメージとして捕らえた。各CCDイメー
ジフレームはおよそ2mm四方とした。各フレームとも、Cy5チャネルにて2秒間
露光し(白色光、Chroma 618-648nm励起フィルター、Chroma 657-727nm発光フィ
ルターを使用)、次いでCy3チャネルにて1秒間露光してから(Chroma 535-560nm
励起フィルター、Chroma 570-620nm発光フィルター)、空間的に隣接する次のフ
レームへ移動させた。Cy3およびCy5チャネル間のカラー分離を約100:1以上とし
た。フレームをソフトウエアへ取り込んで完全なイメージを作製した。スポット
(約100μm)の強度を、各チャネルにおいて10μm画素からフレームバックグラウ
ンドを差し引いて強度の平均をとることにより定量した。得られたスポット強度
のダイナミックレンジは、典型的には、最も明るいスポットとバックグラウンド
を差し引いた積算誤差レベルとの比で1000であった。各チャネルを全ての遺伝子
の平均強度へ正規化することにより、チャネル間の正規化を行った。この手法は
、ゲノムDNAスポットの強度比を利用したチャネル間の正規化(DeRisiら, 1997参
照)にほぼ等価なものであるが、アレイ上に分散した数千のスポットの強度に基
づくため、より堅固である可能性がある。
【0112】シグネチャーの相関係数と信頼限界の決定 様々な実験のシグネチャーORF間の相関係数を以下の式を用いて計算した。 式中、xkはシグネチャーxにおけるk番目の遺伝子に対する発現比のlog10であり 、ykはシグネチャーyにおけるk番目の遺伝子に対する発現比のlog10である。そ
の合計は、いずれかの実験において95%の信頼水準でアップレギュレーションま
たはダウンレギュレーションのいずれかを受けた遺伝子よりも多い。このような
遺伝子はいずれも、実際に調節を受けない(測定誤差のみに起因する、一定値(un
ity)から外れた発現比を示す)確率が5%未満であった。この信頼水準は、反復
測定(公称同一実験条件における反復アレイ)で観察される分散と個々のアレイの
ハイブリダイゼーション品質とに基づく特性幅を有する対数正規型確率分布を各
遺伝子の発現比に与える誤差モデルに基づいて割り当てた。この後者の依存性は
、Cy3サンプルとCy5サンプルの双方を同一RNAサンプルから誘導した対照実験よ
り導き出されたものである。反復測定を多数回行えば、誤差は観察される分散ま
で減少する。1回の測定では、誤差はアレイの品質とスポットの強度に起因する
【0113】 シグネチャーxおよびyにおけるランダムな測定誤差は、相関0へ偏る傾向があ
る。ほとんどの実験では、大部分の遺伝子は大幅に影響を受けることはなく、ラ
ンダムな測定誤差は小さい。相関を計算するのに、ゲノム全体ではなくて95%の
信頼度を有する遺伝子のみを選択することにより、この偏りが低減されて、実際
の生物学的な相関がより明確になる。
【0114】 プロファイルとそれ自身との相関は本来一定である。相関に対する誤差の限界
は、個々の測定誤差のバーに基づき、かつ相関性のない誤差と仮定すると、95%
の信頼限界である。これには上記のような偏りは含まれないため、一定値からの
偏差ρは、潜在的な生物学的相関が不完全であることを必ずしも意味しない。し
かしながら、例えば0.7±0.1の相関は、0とは明らかに異なるものである。表お
よびテキストに見られる小さくても(ρの大きさ<0.2)見かけ上有意な相関は、C
y5/Cy3比の系統的な偏りが小さいことに起因する可能性があるが、このことは、
95%の信頼限界を導き出すのに使用した、実験誤差が独立性を有するとする仮定
に反する。従って、このような小さい相関値は、有意ではないとして処理しなけ
ればならない。未補正の系統的な偏りを発生する原因としては、Cy3およびCy5検
出チャネルに示差的に影響を及ぼす一部補正を行った走査検出器の非線形性が考
えられる。
【0115】 1μg/mlのFK506で処理した際のシグネチャーを40個の相関性のない欠失突然
変異体または薬物シグネチャーと比較した。これらの対照プロファイルはFK506
プロファイルとの間に0付近に分布する相関係数(平均ρ=-0.03、標準偏差は0.
16)を示し(データは示さず)、ρ=0.38を超える相関を示すものはなかった。同
様に、カルシニューリン突然変異体シグネチャーは、CsA処理シグネチャーとは
十分な相関を示したものの(ρ=0.71±0.04)、陰性対照シグネチャー由来のシグ
ネチャーとは相関を示さなかった(平均ρ=-0.02、標準偏差は0.18)。
【0116】品質管理 Cy3およびCy5の双方で標識された同一mRNA並びに公称同一の株および条件を用
いた別々の培養物から単離したCy3およびCy5 mRNAサンプルを用いて行った反復
ハイブリダイゼーションにおける変動を解析することにより、発現比の測定精度
に対するエンド・ツー・エンドチェック(end-to-end checks)を行った。この手
法で検出されない偏り(例えば、恐らくはCy3-およびCy5-dUTPのcDNAへの示差的
な取り込みに起因する遺伝子特異的な偏り)は、一方の実験における生物学的条
件のCy3/Cy5標識をもう一方の実験とは反対にした蛍光団逆転対にてハイブリダ
イゼーションを行うことにより最小限に抑えた。従って、各遺伝子に対する発現
比は、対をなす2つの実験間の比率の比となる。他の偏りは、アルゴリズムによ
る数値デトレンディング(detrending)によって排除する。デトレンディングと蛍
光団逆転を用いない場合のこのような偏りの大きさは、典型的には比率で30%程
度であるが、一部のORFに対しては2倍となる場合がある。
【0117】 発現比は、各スポットに対する平均強度に基づくものである。時々見られる小
さなスポットは、平均してイメージ画素が少ない。このことは、画素数が10未満
とならない限りは精度を著しく下げるものではない(画素数が10未満の場合には
、そのスポットをデータセットから除外する)。公称グリッドに対するスポット
位置のゆらぎ(wander)を、画像処理ソフトウエアによってアレイのサブ領域で適
切に追跡する。スポットの間隔の半分を超えるサブ領域内でスポットが不均等に
ゆらぐと、自動定量アルゴリズムにとって問題となる。この場合には、ゆらぎを
人為的に検査して該スポットを解析から除外する。一部重複するスポットは全て
データセットから排除する。スポットの1%未満が典型的にはこのような理由で
除外される。
【0118】 7. 引用文献 本明細書中で引用した全ての参考文献は、個々の刊行物または特許または特許
出願があらゆる目的に対して引用により全内容が含まれると明確かつ個別に示さ
れているのと同程度まで、あらゆる目的に対して引用により全内容が本明細書に
含まれるものとする。
【0119】 当業者であれば明らかなように、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく
、本発明に多くの改変および変更を行うことが可能である。本明細書中に記載さ
れている具体的な実施形態は単に例示のためのものであり、本発明は、特許請求
の範囲によってのみ限定されるものとし、さらに、このような特許請求の範囲に
より権利対象となる等価物の全範囲を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、マイクロアレイ蛍光画像中に存在する測定誤差の幾つかの原因を示す
。(A)は不均一にプリントされたDNAプローブのスポットを示す。(B)はか
き傷、埃、および人工物の影響を示す。(C)は名目上の測定グリッドからスポ
ットの位置がどの位ずれているかを示す。(D)は不均質なハイブリダイゼーシ
ョンによるマイクロアレイにわたる明るさのむらの影響を示す。(E)は蛍光団
特異的偏りによる色縞がマイクロアレイに及ぼす影響を示す。
【図2】 図2は、酵母S.セレビシエ(S.Cerevisiae)におけるカルシニューリンタンパク
質の産生に関わる遺伝子(CNA1およびCNA2)を欠失させることの効果を示す。この
図では、2つの酵母培養物(天然培養物[培養物1]ならびにCNA1およびCNA2を
欠失させた培養物[培養物2])の応答プロファイルを対比させてある。横軸は
2つの酵母培養物から得られたマイクロアレイ上の個々のハイブリダイゼーショ
ンスポットの強度の対数(log10)であり、これによりmRNA種の存在量が表わされ
る。縦軸は一方の蛍光標識(培養物1)について測定された強度と他方の標識(培
養物2)について測定された強度との比(発現比)の対数(log10)である。CNA1/C
NA2突然変異の真のシグネチャー遺伝子は、log10(発現比)=0のラインから有
意に逸脱している遺伝子であると同定され、これらの遺伝子が表記される。
【図3】 図3は、蛍光団の光学的検出効率の分散および蛍光団の取り込み効率の分散に
起因する、細胞発現プロファイル実験で生じる強度依存的偏りを示す。
【図4】 図4aは、両方の培養物が同じバックグラウンドの酵母S.セレビシエ(S.Cerev
isiae)株である実験についてのカラー比対強度プロットを示す。赤色および緑色
蛍光団の間で明らかな偏りを示す遺伝子には印を付けてある。図4bは、赤色お
よび緑色蛍光団を逆に用いたことを除いては図4aに示したものと同じ試験を行
った結果である。図4cは、本発明の偏りを排除する方法を示し、該方法では、
図4aと図4bとを組み合わせて蛍光団特異的な偏りの無い応答プロファイルを
作成する。
【図5】 図5では、同一の実験条件下で実施した2つの同一の応答プロファイルを比較
する。この図では、実験誤差が強度の関数(発現レベル)として減少することが示
されている。強度と無関係な等高線は、本発明の誤差補正方法の成分を示す。
【図6】 図6aは、薬物シクロスポリンAを用いた1回の実験について得られた典型的
なシグネチャープロットを示す。図6bは、本発明の方法に従う加重平均を、図
6aに示す実験の4回反復に適用した結果を示す。
【図7】 図7は、本発明の実施形態に有用なコンピュータシステムを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 17/18 G06F 17/18 Z // C12N 15/09 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 C12N 15/00 F (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL, IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,L C,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN ,YU,ZA,ZW (72)発明者 ダイ,ホンギュ アメリカ合衆国 98011 ワシントン州, ボセル,エヌイー,118ス アヴェニュウ 16814 Fターム(参考) 2G045 DA12 DA13 DA14 FB02 FB07 FB12 JA01 4B024 AA11 AA20 CA09 HA14 HA15 4B063 QA01 QQ41 QQ79 QR31 QR48 QR55 QR84 QS33 QS34 QX01 5B056 BB61 BB62 BB64 HH00

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光団の偏りを排除する方法であって、以下のステップ: (a) 基準状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第1のプールを、第1の
    蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第1のプールを得ること、 (b) 摂動状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第2のプールを、第2の
    蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第2のプールを得ること、 (c) 該基準状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第3のプールを、第2
    の蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第3のプールを得ること、 (d) 該摂動状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第4のプールを、第1
    の蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第4のプールを得ること、 (e) 蛍光団標識遺伝物質の第1のプールおよび蛍光団標識遺伝物質の第2のプ
    ールを、ハイブリダイゼーションが起こる条件下で第1のマイクロアレイに接触
    させ、該条件下で第1のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第1の
    プールと、該条件下で第1のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第
    2のプールと、の第1のカラー比を求めること、 (f) 蛍光団標識遺伝物質の第3のプールおよび蛍光団標識遺伝物質の第4のプ
    ールを、ハイブリダイゼーションが起こる条件下で第2のマイクロアレイに接触
    させ、該条件下で第2のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第3の
    プールと、該条件下で第2のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第
    4のプールと、の第2のカラー比を求めること、 (g) コンピュータで第1のカラー比と第2のカラー比の平均をとって平均カラ
    ー比を算出すること、 を含んでなる、上記方法。
  2. 【請求項2】 蛍光団の偏りを排除するためのコンピュータシステムであっ
    て、該コンピュータシステムはプロセッサと該プロセッサに接続されたメモリを
    含み、該メモリは1以上のプログラムをコードしており、該1以上のプログラム
    が該プロセッサに以下のステップ: (a) 基準状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第1のプールを、第1の
    蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第1のプールを得ること、 (b) 摂動状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第2のプールを、第2の
    蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第2のプールを得ること、 (c) 該基準状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第3のプールを、第2
    の蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第3のプールを得ること、 (d) 該摂動状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第4のプールを、第1
    の蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第4のプールを得ること、 (e) 蛍光団標識遺伝物質の第1のプールおよび蛍光団標識遺伝物質の第2のプ
    ールを、ハイブリダイゼーションが起こる条件下で第1のマイクロアレイに接触
    させ、該条件下で第1のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第1の
    プールと、該条件下で第1のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第
    2のプールと、の第1のカラー比を求めること、 (f) 蛍光団標識遺伝物質の第3のプールおよび蛍光団標識遺伝物質の第4のプ
    ールを、ハイブリダイゼーションが起こる条件下で第2のマイクロアレイに接触
    させ、該条件下で第2のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第3の
    プールと、該条件下で第2のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第
    4のプールと、の第2のカラー比を求めること、 (g) コンピュータで第1のカラー比と第2のカラー比の平均をとって平均カラ
    ー比を算出すること、 を含む方法を実行させるものである、上記コンピュータシステム。
  3. 【請求項3】 蛍光団の偏りを排除する方法であって、該方法は第1のカラ
    ー比と第2のカラー比の平均をとってカラー比を求めることを含み、ここで、第
    1のカラー比および第2のカラー比が以下のステップ: (a) 基準状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第1のプールを、第1の
    蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第1のプールを得ること、 (b) 摂動状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第2のプールを、第2の
    蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第2のプールを得ること、 (c) 該基準状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第3のプールを、第2
    の蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第3のプールを得ること、 (d) 該摂動状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第4のプールを、第1
    の蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第4のプールを得ること、 (e) 蛍光団標識遺伝物質の第1のプールおよび蛍光団標識遺伝物質の第2のプ
    ールを、ハイブリダイゼーションが起こる条件下で第1のマイクロアレイに接触
    させ、該条件下で第1のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第1の
    プールと、該条件下で第1のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第
    2のプールと、の第1のカラー比を求めること、 (f) 蛍光団標識遺伝物質の第3のプールおよび蛍光団標識遺伝物質の第4のプ
    ールを、ハイブリダイゼーションが起こる条件下で第2のマイクロアレイに接触
    させ、該条件下で第2のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第3の
    プールと、該条件下で第2のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第
    4のプールと、の第2のカラー比を求めること、 により決定されたものである、上記方法。
  4. 【請求項4】 蛍光団の偏りを排除するためのコンピュータシステムであっ
    て、該コンピュータシステムはプロセッサと該プロセッサに接続されたメモリを
    含み、該メモリは1以上のプログラムをコードしており、該1以上のプログラム
    が該プロセッサに第1のカラー比と第2のカラー比の平均をとってカラー比を求
    めることを含む方法を実行させるものであり、ここで、第1のカラー比および第
    2のカラー比が以下のステップ: (a) 基準状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第1のプールを、第1の
    蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第1のプールを得ること、 (b) 摂動状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第2のプールを、第2の
    蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第2のプールを得ること、 (c) 該基準状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第3のプールを、第2
    の蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第3のプールを得ること、 (d) 該摂動状態を表す生物学的系に由来する遺伝物質の第4のプールを、第1
    の蛍光団により標識して、蛍光団標識遺伝物質の第4のプールを得ること、 (e) 蛍光団標識遺伝物質の第1のプールおよび蛍光団標識遺伝物質の第2のプ
    ールを、ハイブリダイゼーションが起こる条件下で第1のマイクロアレイに接触
    させ、該条件下で第1のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第1の
    プールと、該条件下で第1のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第
    2のプールと、の第1のカラー比を求めること、 (f) 蛍光団標識遺伝物質の第3のプールおよび蛍光団標識遺伝物質の第4のプ
    ールを、ハイブリダイゼーションが起こる条件下で第2のマイクロアレイに接触
    させ、該条件下で第2のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第3の
    プールと、該条件下で第2のマイクロアレイに結合する蛍光団標識遺伝物質の第
    4のプールと、の第2のカラー比を求めること、 により決定されたものである、上記コンピュータシステム。
  5. 【請求項5】 第1の蛍光団および第2の蛍光団が、Cy2-デオキシヌクレオ
    チド三リン酸、Cy3-デオキシヌクレオチド三リン酸、Cy3.5-デオキシヌクレオチ
    ド三リン酸、Cy5-デオキシヌクレオチド三リン酸、Cy5.5-デオキシヌクレオチド
    三リン酸、Cy7-デオキシヌクレオチド三リン酸、フルオレセイン、リサミン、フ
    ィコエリトリン、およびローダミンからなる群より選択される、請求項1または
    3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 第1の蛍光団および第2の蛍光団が、Cy2-デオキシヌクレオ
    チド三リン酸、Cy3-デオキシヌクレオチド三リン酸、Cy3.5-デオキシヌクレオチ
    ド三リン酸、Cy5-デオキシヌクレオチド三リン酸、Cy5.5-デオキシヌクレオチド
    三リン酸、Cy7-デオキシヌクレオチド三リン酸、フルオレセイン、リサミン、フ
    ィコエリトリン、およびローダミンからなる群より選択される、請求項2または
    4に記載のコンピュータシステム。
  7. 【請求項7】 第1および第3のプールの遺伝物質が、第1の生物学的系か
    ら抽出されたmRNAからの逆転写により誘導されるcDNAである、請求項1または3
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】 第2および第4のプールの遺伝物質が、第2の生物学的系か
    ら抽出されたmRNAからの逆転写により誘導されるcDNAである、請求項1または3
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 平均カラー比が、 により算出され、ここで、rX/Yは第1のカラー比を表し、rX/Y (rev)は第2のカ
    ラー比を表す、請求項1または3に記載の方法。
  10. 【請求項10】 平均カラー比が、 により算出され、ここで、rX/Yは第1のカラー比を表し、rX/Y (rev)は第2のカ
    ラー比を表す、請求項2または4に記載のコンピュータシステム。
  11. 【請求項11】 平均カラー比が、第3のマイクロアレイにハイブリダイズ
    させたときの第1、第2、第3および第4のプールの蛍光団標識遺伝物質の組み
    合わされた全強度に対してプロットされる、請求項1または3に記載の方法。
  12. 【請求項12】 平均カラー比が、第3のマイクロアレイにハイブリダイズ
    させたときの第1、第2、第3および第4のプールの蛍光団標識遺伝物質の組み
    合わされた全強度に対してプロットされる、請求項2または4に記載のコンピュ
    ータシステム。
  13. 【請求項13】 平均カラー比が、マイクロアレイにハイブリダイズさせた
    ときに蛍光団標識遺伝物質から発生した強度の総計により決定された強度量(int
    ensity metric)に対してプロットされ、ここで、該蛍光団標識遺伝物質は第1の
    プールの蛍光団標識遺伝物質、第2のプールの蛍光団標識遺伝物質、第3のプー
    ルの蛍光団標識遺伝物質、および第4のプールの蛍光団標識遺伝物質からなる群
    より選択される、請求項1または3に記載の方法。
  14. 【請求項14】 複数の対合示差マイクロアレイ実験における1つの細胞構
    成要素の発現レベルが摂動により変化する確率を決定する方法であって、ここで
    、複数の対合示差マイクロアレイ実験に含まれるそれぞれの対合示差マイクロア
    レイ実験は、第1の生物学的系の基準状態を表す第1のマイクロアレイ実験と、
    第1の生物学的系の摂動状態を表す第2のマイクロアレイ実験からなり、以下の
    ステップ: (a) 参照対のマイクロアレイ実験を強度非依存的統計量と適合させることによ
    り誤差分布統計量を決定すること、ここで、参照対のマイクロアレイ実験は、第
    1の参照マイクロアレイ実験と、第1の参照マイクロアレイ実験の公称反復であ
    る第2の参照マイクロアレイ実験からなること、 (b) 複数の対合示差マイクロアレイ実験で測定した細胞構成要素のセットから
    該細胞構成要素を選択すること、そして、複数の対合示差マイクロアレイ実験に
    含まれるそれぞれの対合示差マイクロアレイ実験について、上記の誤差分布統計
    量を用いて、対合示差マイクロアレイ実験の第2マイクロアレイ実験と第1マイ
    クロアレイ実験の間の細胞構成要素の発現レベルの変化量を決定すること、 (c) 複数の対合示差マイクロアレイ実験に含まれるそれぞれの対合示差マイク
    ロアレイ実験についてステップ(b)で決定した該細胞構成要素の発現レベルの変
    化量を、ランクに基づく方法を用いて組み合わせることにより、複数の対合示差
    マイクロアレイ実験における該細胞構成要素の発現レベルが摂動により変化する
    確率を決定すること、 を含んでなる、上記方法。
  15. 【請求項15】 複数の対合示差マイクロアレイ実験における1つの細胞構
    成要素の発現レベルが摂動により変化する確率を決定するためのコンピュータシ
    ステムであって、ここで、複数の対合示差マイクロアレイ実験に含まれるそれぞ
    れの対合示差マイクロアレイ実験は、第1の生物学的系の基準状態を表す第1の
    マイクロアレイ実験と、第1の生物学的系の摂動状態を表す第2のマイクロアレ
    イ実験からなり、該コンピュータシステムはプロセッサと該プロセッサに接続さ
    れたメモリを含み、該メモリは1以上のプログラムをコードしており、該1以上
    のプログラムが該プロセッサに以下のステップ: (a) 参照対のマイクロアレイ実験を強度非依存的統計量と適合させることによ
    り誤差分布統計量を決定すること、ここで、参照対のマイクロアレイ実験は、第
    1の参照マイクロアレイ実験と、第1の参照マイクロアレイ実験の公称反復であ
    る第2の参照マイクロアレイ実験からなること、 (b) 複数の対合示差マイクロアレイ実験で測定した細胞構成要素のセットから
    該細胞構成要素を選択すること、そして、複数の対合示差マイクロアレイ実験に
    含まれるそれぞれの対合示差マイクロアレイ実験について、上記の誤差分布統計
    量を用いて、対合示差マイクロアレイ実験の第2マイクロアレイ実験と第1マイ
    クロアレイ実験の間の細胞構成要素の発現レベルの変化量を決定すること、 (c) 複数の対合示差マイクロアレイ実験に含まれるそれぞれの対合示差マイク
    ロアレイ実験についてステップ(b)で決定した該細胞構成要素の発現レベルの変
    化量を、ランクに基づく方法を用いて組み合わせることにより、複数の対合示差
    マイクロアレイ実験における該細胞構成要素の発現レベルが摂動により変化する
    確率を決定すること、 を含む方法を実行させるものである、上記コンピュータシステム。
  16. 【請求項16】 誤差分布統計量が式: に従って計算され、式中、Xは参照対のマイクロアレイ実験の第1のマイクロア
    レイ実験における細胞構成要素の強度を表し、Yは参照対のマイクロアレイ実験
    の第2のマイクロアレイ実験における該細胞構成要素の強度を表し、σX 2はXに
    おける付加誤差レベルを表すXについての分散項であり、σY 2はYにおける付加誤
    差レベルを表すYについての分散項であり、fは微小乗算誤差レベルである、請求
    項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 誤差分布統計量が式: に従って計算され、式中、Xは参照対のマイクロアレイ実験の第1のマイクロア
    レイ実験における細胞構成要素の強度を表し、Yは参照対のマイクロアレイ実験
    の第2のマイクロアレイ実験における該細胞構成要素の強度を表し、σX 2はXに
    おける付加誤差レベルを表すXについての分散項であり、σY 2はYにおける付加誤
    差レベルを表すYについての分散項であり、fは微小乗算誤差レベルである、請求
    項15に記載のコンピュータシステム。
  18. 【請求項18】 ランクに基づく方法が、請求項16に記載の式により誘導
    された大きさに従って、複数の対合示差マイクロアレイ実験における全ての細胞
    構成要素の測定値に対して、複数の対合示差マイクロアレイ実験の第2マイクロ
    アレイ実験と第1マイクロアレイ実験の間の細胞構成要素の発現レベルの変化量
    のランクを決定することを含む、請求項16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 ランクに基づく方法が、請求項17に記載の式により誘導
    された大きさの量に従って、複数の対合示差マイクロアレイ実験における全ての
    細胞構成要素の測定値に対して、複数の対合示差マイクロアレイ実験の第2マイ
    クロアレイ実験と第1マイクロアレイ実験の間の細胞構成要素の発現レベルの変
    化量のランクを決定することを含む、請求項17に記載のコンピュータシステム
  20. 【請求項20】 ランクに基づく方法により、細胞構成要素が摂動に応答し
    てアップレギュレートされる確率を決定する、請求項14に記載の方法。
  21. 【請求項21】 ランクに基づく方法により、細胞構成要素が摂動に応答し
    てアップレギュレートされる確率を決定する、請求項15に記載のコンピュータ
    システム。
  22. 【請求項22】 ランクに基づく方法が式: を有し、式中、Piは、細胞構成要素が複数の対合示差マイクロアレイ実験iにお
    いてアップレギュレートされる確率であり、iは、複数の対合示差マイクロアレ
    イ実験から選択される1つの対合示差マイクロアレイ実験であり、Pは、該細胞
    構成要素の発現レベルが摂動に応答してアップレギュレートされる確率である、
    請求項20に記載の方法。
  23. 【請求項23】 ランクに基づく方法により、細胞構成要素が摂動に応答し
    てダウンレギュレートされる確率を決定する、請求項14に記載の方法。
  24. 【請求項24】 ランクに基づく方法が式: を有し、式中、Piは、細胞構成要素が対合示差マイクロアレイ実験iにおいてダ
    ウンレギュレートされる確率であり、複数の対合示差マイクロアレイ実験から選
    択され、Pは、該細胞構成要素が摂動に応答してダウンレギュレートされる確率
    である、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 複数の対合示差マイクロアレイ実験に含まれるそれぞれの
    対合示差マイクロアレイ実験が2蛍光団マイクロアレイ実験であり、ここで、第
    1の蛍光団は生物学的系の基準状態を表し、第2の蛍光団は該生物学的系の摂動
    状態を表す、請求項14に記載の方法。
  26. 【請求項26】 対合示差マイクロアレイ実験で単一の蛍光団を使用する、
    請求項14に記載の方法。
  27. 【請求項27】 第1の参照マイクロアレイ実験で第1の蛍光団標識を使用
    し、第2の参照マイクロアレイ実験で第2の蛍光団標識を使用する、請求項14
    に記載の方法。
  28. 【請求項28】 摂動に応答した生物学的系の細胞構成要素の発現レベルの
    加重平均示差強度を決定する方法であって、以下のステップ: (a) 参照マイクロアレイ実験対を強度非依存的統計量と適合させることにより
    誤差分布統計量を決定すること、ここで、参照マイクロアレイ実験対は、第1の
    参照マイクロアレイ実験と、第1の参照マイクロアレイ実験の公称反復である第
    2の参照マイクロアレイ実験からなること、 (b) 該細胞構成要素の示差発現の量を複数回測定すること、 (c) ステップ(b)で測定した示差発現のそれぞれの量について、上記の誤差分
    布統計量から誘導された大きさに基づいて対応する誤差量を計算すること、 (d) ステップ(b)で測定した該細胞構成要素の示差発現のそれぞれの量に、ス
    テップ(c)で決定した対応する誤差量だけ、式: 〔式中、xは該細胞構成要素の発現レベルの加重平均示差強度であり、xiはステ
    ップ(b)で測定した該細胞構成要素の示差発現の量の測定値であり、σi 2はステ
    ップ(c)で決定したxiの対応する誤差量である〕に従って逆加重することにより
    、加重平均示差強度をコンピュータで算出すること、 を含んでなる、上記方法。
  29. 【請求項29】 摂動の偏りの排除に応答して生物学的系の細胞構成要素の
    発現レベルの加重平均示差強度を決定するためのコンピュータシステムであって
    、該コンピュータシステムはプロセッサと該プロセッサに接続されたメモリを含
    み、該メモリは1以上のプログラムをコードしており、該1以上のプログラムが
    該プロセッサに以下のステップ: (a) 参照マイクロアレイ実験対を強度非依存的統計量と適合させることにより
    誤差分布統計量を決定すること、ここで、参照マイクロアレイ実験対は、第1の
    参照マイクロアレイ実験と、第1の参照マイクロアレイ実験の公称反復である第
    2の参照マイクロアレイ実験からなること、 (b) 該細胞構成要素の示差発現の量を複数回測定すること、 (c) ステップ(b)に従って測定した示差発現のそれぞれの量について、上記の
    誤差分布統計量により誘導された大きさに基づいて対応する誤差量を計算するこ
    と、 (d) ステップ(b)で測定した該細胞構成要素の示差発現のそれぞれの量に、ス
    テップ(c)で決定した対応する誤差量だけ、式: 〔式中、xは該細胞構成要素の発現レベルの加重平均示差強度であり、xiは該細
    胞構成要素iの示差発現の量であり、σi 2はxiの対応する誤差量である〕に従っ
    て逆加重することにより、加重平均示差強度をコンピュータで算出すること、 を含む方法を実行させるものである、上記コンピュータシステム。
  30. 【請求項30】 ステップ(b)が、 (i) マイクロアレイと、基準状態を表す生物学的系から誘導された蛍光団標識
    遺伝物質の第1のプールとを接触させた後で、該マイクロアレイ上の1つの位置
    の第1強度を測定すること、ここで、該マイクロアレイ上の該位置は該細胞構成
    要素を表すこと、 (ii) 該マイクロアレイを、摂動状態を表す生物学的系から誘導された蛍光団
    標識遺伝物質の第2のプールと共にインキュベートした後で、該マイクロアレイ
    上の該位置の第2強度を測定すること、 (iii) 第1強度から第2強度を差し引くことにより該細胞構成要素の示差発現
    を計算すること、 をさらに含む、請求項28に記載の方法。
  31. 【請求項31】 第1プールおよび第2プールの蛍光団標識遺伝物質がmRNA
    から逆転写により誘導されたcDNAを含む、請求項28に記載の方法。
  32. 【請求項32】 誤差分布統計量が式: に従って計算され、式中、Xは参照マイクロアレイ実験対の第1のマイクロアレ
    イ実験における細胞構成要素の強度を表し、Yは参照マイクロアレイ実験対の第
    2のマイクロアレイ実験における該細胞構成要素の強度を表し、σX 2はXにおけ
    る付加誤差レベルを表すXについての分散項であり、σY 2はYにおける付加誤差レ
    ベルを表すYについての分散項であり、fは微小乗算誤差レベルである、請求項2
    8に記載の方法。
  33. 【請求項33】 所定の細胞構成要素jについて測定された複数の細胞構成
    要素示差発現測定値の加重平均の信頼度を決定する方法であって、ここで、それ
    ぞれの細胞構成要素示差発現測定値は、複数の対合示差マイクロアレイ実験から
    選択される1つの対合示差マイクロアレイ実験により測定されたものであり、そ
    れぞれの対合示差マイクロアレイ実験は、生物学的系の基準状態を表す第1のマ
    イクロアレイ実験と、生物学的系の摂動状態を表す第2のマイクロアレイ実験か
    らなり、以下のステップ: (a) 参照対のマイクロアレイ実験を強度非依存的統計量と適合させることによ
    り誤差分布統計量を決定すること、ここで、参照対のマイクロアレイ実験は、第
    1の参照マイクロアレイ実験と、第1の参照マイクロアレイ実験の公称反復であ
    る第2の参照マイクロアレイ実験からなること、 (b) 複数の対合示差マイクロアレイ実験に含まれるそれぞれの対合示差マイク
    ロアレイ実験について、上記の誤差分布統計量に基づいて誤差量を決定すること
    、 (c) 複数の対合示差マイクロアレイ実験に基づく細胞構成要素jについての分
    散sjを関係式: 〔式中、xiは対合示差マイクロアレイ実験iにより測定された細胞構成要素jの示
    差測定値であり、 は複数の対合示差マイクロアレイ実験における細胞構成要素jの全ての示差測定
    値の非加重平均値であり、Nは複数の対合示差マイクロアレイ実験に含まれる対
    合示差マイクロアレイ実験の数である〕を用いて決定すること、 (d) ステップ(b)で決定したそれぞれの対合示差マイクロアレイ実験について
    の誤差量を上記の分散sjと組み合わせて、所定の細胞構成要素jについて測定さ
    れた複数の細胞構成要素示差発現測定値の加重平均の信頼度を決定すること、 を含んでなる、上記方法。
  34. 【請求項34】 誤差分布統計量が式: に従って計算され、式中、Xは参照対のマイクロアレイ実験の第1のマイクロア
    レイ実験における細胞構成要素の強度を表し、Yは参照対のマイクロアレイ実験
    の第2のマイクロアレイ実験における該細胞構成要素の強度を表し、σX 2はXに
    おける付加誤差レベルを表すXについての分散項であり、σY 2はYにおける付加誤
    差レベルを表すYについての分散項であり、fは微小乗算誤差レベルである、請求
    項28に記載の方法。
  35. 【請求項35】 細胞構成要素jについての複数の細胞構成要素示差発現測
    定値に含まれるそれぞれの細胞構成要素示差発現測定値が、 (i) マイクロアレイと、基準状態を表す生物学的系から誘導された蛍光団標識
    遺伝物質の第1のプールとを接触させた後で、該マイクロアレイ上の1つの位置
    の第1強度を測定すること、ここで、該マイクロアレイ上の該位置は細胞構成要
    素jに対応するものであること、 (ii) マイクロアレイを、摂動状態を表す生物学的系から誘導された蛍光団標
    識遺伝物質の第2のプールと共にインキュベートした後で、該マイクロアレイ上
    の1つの位置の第2強度を測定すること、ここで、該マイクロアレイ上の該位置
    は細胞構成要素jに対応するものであること、 (iii) 第1強度から第2強度を差し引くことにより該細胞構成要素の示差発現
    を計算すること、 により決定される、請求項33に記載の方法。
  36. 【請求項36】 ステップ(b)が、 (i) X-Yグラフ上に上記の誤差統計量をプロットすること、ここで、第1軸は
    強度を表し、第2軸は発現比を表すものであること、 (ii) 第1軸上に第2強度をプロットすることにより第1軸に沿った1つの位
    置を同定し、該位置での誤差統計量に従ってプロットされた±1σグリッド線に
    基づく幅を測定することにより誤差量を決定すること、 をさらに含む、請求項33に記載の方法。
  37. 【請求項37】 ステップ(d)が、請求項33のステップ(b)で決定したそれ
    ぞれの対合示差マイクロアレイ実験の上記量と、請求項33のステップ(c)の上
    記分散sjとを、式: に従って組み合わせることをさらに含み、式中、 は請求項33のステップ(b)に従う誤差分布統計量により決定され、Nはsjを計算
    するために用いた対合示差マイクロアレイ実験の数であり、σxは所定の細胞構
    成要素jについて決定された複数の細胞構成要素示差発現測定値の加重平均の信
    頼度を表す、請求項33に記載の方法。
  38. 【請求項38】 所定の細胞構成要素jについて決定された複数の細胞構成
    要素示差発現測定値の加重平均の信頼度を決定するためのコンピュータシステム
    であって、ここで、それぞれの細胞構成要素の示差発現測定値は、複数の対合示
    差マイクロアレイ実験から選択される1つの対合示差マイクロアレイ実験により
    測定されたものであり、それぞれの対合示差マイクロアレイ実験は、生物学的系
    の基準状態を表す第1のマイクロアレイ実験と、生物学的系の摂動状態を表す第
    2のマイクロアレイ実験からなり、該コンピュータシステムはプロセッサと該プ
    ロセッサに接続されたメモリを含み、該メモリは1以上のプログラムをコードし
    ており、該1以上のプログラムが該プロセッサに以下のステップ: (a) 参照対のマイクロアレイ実験を強度非依存的統計量と適合させることによ
    り誤差分布統計量を決定すること、ここで、参照対のマイクロアレイ実験は、第
    1の参照マイクロアレイ実験と、第1の参照マイクロアレイ実験の公称反復であ
    る第2の参照マイクロアレイ実験からなること、 (b) 複数の対合示差マイクロアレイ実験に含まれるそれぞれの対合示差マイク
    ロアレイ実験について、上記の誤差分布統計量に基づいて誤差量を決定すること
    、 (c) 複数の対合示差マイクロアレイ実験に基づく細胞構成要素jについての分
    散sjを関係式: 〔式中、xiは対合示差マイクロアレイ実験iにより決定された細胞構成要素jの示
    唆測定値であり、 は複数の対合示差マイクロアレイ実験における細胞構成要素jの全ての示差測定
    値の非加重平均値であり、Nは複数の対合示差マイクロアレイ実験に含まれる対
    合示差マイクロアレイ実験の数である〕を用いて決定すること、 (d) ステップ(b)で決定したそれぞれの対合示差マイクロアレイ実験について
    の上記誤差量を上記分散sjと組み合わせて、所定の細胞構成要素jについて決定
    された複数の細胞構成要素示差発現測定値の加重平均の信頼度を決定すること、
    を含む方法を実行させるものである、上記コンピュータシステム。
  39. 【請求項39】 誤差分布統計量が式: に従って計算され、式中、Xは参照対のマイクロアレイ実験の第1のマイクロア
    レイ実験における細胞構成要素の強度を表し、Yは参照対のマイクロアレイ実験
    の第2のマイクロアレイ実験における該細胞構成要素の強度を表し、σX 2はXに
    おける付加誤差レベルを表すXについての分散項であり、σY 2はYにおける付加誤
    差レベルを表すYについての分散項であり、fは微小乗算誤差レベルである、請求
    項38に記載のコンピュータシステム。
  40. 【請求項40】 細胞構成要素jについての複数の細胞構成要素示差発現測
    定値に含まれるそれぞれの細胞構成要素示差発現測定値が、 (i) マイクロアレイと、基準状態を表す生物学的系から誘導された蛍光団標識
    遺伝物質の第1のプールとを接触させた後で、該マイクロアレイ上の1つの位置
    の第1強度を測定すること、ここで、該マイクロアレイ上の該位置は細胞構成要
    素jに対応するものであること、 (ii) マイクロアレイを、摂動状態を表す生物学的系から誘導された蛍光団標
    識遺伝物質の第2のプールと共にインキュベートした後で、該マイクロアレイ上
    の1つの位置の第2強度を測定すること、ここで、該マイクロアレイ上の該位置
    は細胞構成要素jに対応するものであること、 (iii) 第1強度から第2強度を差し引くことにより該細胞構成要素の示差発現
    を計算すること、 により決定される、請求項38に記載のコンピュータシステム。
  41. 【請求項41】 ステップ(b)が、 (i) X-Yグラフ上に上記の誤差統計量をプロットすること、ここで、第1軸は
    強度を表し、第2軸は発現比を表すものであること、 (ii) 第1軸上に第2強度をプロットすることにより第1軸に沿った1つの位
    置を同定し、該位置での誤差統計量に従ってプロットされた±1σグリッド線に
    基づく幅を測定することにより上記誤差量を決定すること、 をさらに含む、請求項38に記載のコンピュータシステム。
  42. 【請求項42】 ステップ(d)が、請求項38のステップ(b)で決定したそれ
    ぞれの対合示差マイクロアレイ実験の上記量と、請求項38のステップ(c)の上
    記分散sjとを、式: に従って組み合わせることをさらに含み、式中、 は請求項38のステップ(b)に従う誤差分布統計量により決定され、Nはsjを計算
    するために用いた対合示差マイクロアレイ実験の数であり、σxは所定の細胞構
    成要素jについて決定された複数の細胞構成要素示差発現測定値の加重平均の信
    頼度を表す、請求項38に記載のコンピュータシステム。
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