JP2002531923A - 電気化学的電池用の電極構成 - Google Patents

電気化学的電池用の電極構成

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Abstract

(57)【要約】 電気化学的に活性な材料の少なくとも1つのリボンを含む電極が提供される。亜鉛リボンの負電極を形成することによって、負電極の高速放電容量が有意に増加される。その結果、本発明の電極構造を有する電気化学的電池の高速サービスが改良される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、一般的には電気化学的電池に関する。さらに詳細には、本発明は、
電気化学的電池、特にアルカリ電池用の改良された電極に関する。 典型的なアルカリ電気化学的電池は、二酸化マンガン(MnO2)製の正電極
、亜鉛製の負電極、及び水酸化カリウム等から成るアルカリ性電解質を含む。正
電極は、通常中空円筒として形成され、その外面は電池ハウジングの内面に接し
ており、カンのように形づくられている。その正電極の内側に隔離板が配置され
、正電極を負電極から物理的に分離しながら、その2つの電極間のイオン輸送を
可能にしている。
【0002】 負電極は、亜鉛合金粉の形態の亜鉛活性材料を、アルカリ性電解質及びゲル化
剤と混合することによって形成される。その混合物は、正電極内の隔離板の内面
によって画定される中空の中央領域内に施される。次いで、電池ハウジングの開
口端に、負電極/電解質ゲル内に伸長するコレクターネイルを有するコレクター
部品が挿入される。そして、そのコレクター部品上に外側カバーが置かれ、外側
カバーを覆って電池ハウジング壁が圧着されて電池が封鎖される。
【0003】 JP-A-7254406は、ゲル化剤とアルカリ性電解質が混合されたゲル化亜鉛負電極
の使用を開示しており、その負電極の活性材料は、球形状の非アマルガム亜鉛粉
かつ伸長された要素であり、アルカリ電解質にさらされる表面積を増やす。しか
し、その伸長された粉末は、負電極の寸法に比べてかなり短い。 これら公知のバッテリ又は電池の製造及び使用では、製造業者が使用する負電
極中の亜鉛量は、正電極の電気化学的出力の速度に調和させ、かつ十分な粒子−
粒子接触及び粒子−コレクター接触を与えて負電極の電気伝導度を維持するため
に、最低でも負電極ゲルの約28パーセント以上である。この量未満では、電圧
が不安定になると共に、製造される電池構造が衝撃や振動に非常に敏感になって
しまい、亜鉛粒子を電流コレクターネイルから移動させてしまい、それによって
電池能力を減じてしまう。
【0004】 最大の電気化学的活性及び最小の限界分極を提供するため、電池をできる限り
低い電流密度で操作し、一方で要求量の全電流をその系から生成することが望ま
しい。従って、アルカリ電池は、従来粉末化された活性材料から作られた電極を
利用して、単位質量又は単位体積当たりの可能な限り高い表面積を得ることによ
って、電流密度を最小化している。 従来の亜鉛粉は、溶融亜鉛のエアジェット噴霧で製造されている。それは、固
まりだらけの或いは歪曲した球状体から伸長された、こぶのある形態までに及ぶ
、不規則に形作られた粒子から成る。典型的な電池グレードの亜鉛粉では、全分
布の材料が、広範な大きさ及び形の多くの個々の粒子から成っている。ふるいに
よって測定された負電極の粒径の平均値は、約100〜300μmである。極度な粒径
は20〜1000μmの範囲である。
【0005】 US-A-3,853,625は、亜鉛繊維及び針で作られたゲルの無い負電極を開示してい
る。この亜鉛繊維及び針は150μm(0.006インチ)径で、3mm(1/8インチ)〜10cm
(4インチ)の長さを有すると開示されている。繊維及び針は、負電極全体に均一
的に分布された亜鉛を有する自立マットとして形成されると開示されている。 亜鉛粉負電極は、低放電速度では比較的効率的であるが、このような電極は高
速で放電されると、ずっと効率が低い。最新の電池式装置には、電池を高速で放
電させる高電流要求があるので、多大な高速性能を有する電池が強く要望されて
いる。
【0006】 WO-A-9820569はでは、亜鉛フレークを含む負電極が開示されている。亜鉛フレ
ークは、該亜鉛フレークが長さ及び幅の両者より何倍も、例えば10〜20倍小さい
厚さを有する点で、従来の亜鉛粉粒子とは異なる。開示されたフレークは、25μ
m(0.001インチ)のオーダーの厚さと、0.6〜1mm(0.024〜0.04インチ)の長さ及び
幅を有する。亜鉛フレークの使用は、アルカリ電気化学的電池の負電極の高速性
能を改良するが、負電極の、特に高排出速度における性能をさらに改良する余地
がある。 アルカリ電池の亜鉛の放電は正電極付近で始まり、それから正電極から離れて
進行することが見出された。亜鉛の放電の結果生じる反応生成物(例えば、酸化
亜鉛及び水酸化亜鉛)は亜鉛自体よりかさばるので、反応生成物が蓄積するのに
十分なスペースがなければ、反応生成物膜が、正及び負電極間に生成する傾向が
ある。このような膜はまだいくらかの電解質を通すが、膜の後側で反応する亜鉛
は、その反応亜鉛によって消耗される水酸化物イオンを相殺するのに十分に早く
正電極中で生成される水酸化イオンを受け取らない。その結果、分極が生じて電
池の故障を早めてしまう。
【0007】 ほとんどの電池設計では、しばしばネイルの形態である電流コレクターは、負
電極の中央に配置される。亜鉛放電の大部分が正電極界面近傍の負電極の外側周
辺で起こるので、反応サイトからコレクターネイルへ連結された亜鉛の連続的な
経路を維持して、電子伝達を促すことが必要である。亜鉛粉又はフレークを用い
る場合、多くの粒子が接触して、コレクターネイルの後側に電気伝導経路を形成
しなけらばならない。しかし、亜鉛粉又はフレークは負電極容積の約30パーセ
ントしか構成していないので、電池へのいかなる物理的な衝撃も粒子を移動させ
、かつ接触しなくしてしまう。従って、電導体として役立たせるためだけに、し
ばしば負電極に過剰の亜鉛が添加される。しかし、過剰の亜鉛は、電池の寿命の
間に放電されず、かつそうでなければ余分の電極用に使用して反応を起こすこと
、又はイオン伝達用にまだスペースを残しながら放電反応成生成物を保持するこ
とに使用できる、電池内の貴重なスペースを取り上げてしまう。代わりに、この
スペースのいくらかを使用して正電極中のMnO2の量を増やすこともできるだ
ろう。
【0008】 電気伝導経路を維持するという上述の問題は、電池が放電し、その酸化還元反
応で亜鉛が消耗されるときにも生じる。亜鉛繊維又は針は、一般に亜鉛フレーク
又は亜鉛粉よりも良い伝導経路を与えるが、繊維及び針は、放電の間中それらの
物理的構造を保持するには薄すぎるので、電気伝導率が簡単には維持されない。
このような電極構造でゲル化剤を欠くと、亜鉛構造を粉々にして負電極容積内で
移動させてしまう。このような移動は、電池の有効寿命終了近くで効率的な分布
及び放電を与えない。 今や、我々は、本発明の電極構成によって、従来技術に伴う欠点のいくつか又
はすべてを克服できることを見出した。
【0009】 従って、第1局面では、本発明は、以下: 内面を有する電池ハウジング: 前記電池ハウジングの前記内面に隣接して配置され、キャビティを画定する第
1電極; 前記キャビティ内に配置される第2電極;及び 前記電池ハウジング中に配置される電解質; を包含する電気化学的電池であって、 前記電極の少なくとも1つが、電気化学的に活性な材料の少なくとも1つのリ
ボンを含む電池を提供する。 第2局面では、本発明は、アルカリ電池用の負電極であって、亜鉛リボンを含
み、かつ亜鉛組成物の1グラム当たり250mAの電流で連続的に放電される場合に
、541mAh/gより大きい放電容量を有する負電極を提供する。
【0010】 本発明の利点は、改良された性能を持ったアルカリ電池用の亜鉛負電極を提供
できることである。さらに詳細には、本発明は、高放電速度における有意に増加
された放電容量を有する亜鉛負電極を提供できる。対応して、本発明の利点は、
改良された亜鉛負電極を含むアルカリ電気化学的電池を提供できることである。 ここで使用かつ記述される「リボン」は、幅が実質的にその厚さよりも大きく
、かつ長さが実質的にその幅より大きい、伸長された柔軟な要素である。好まし
くは、このようなリボンは、その厚さの少なくとも3倍の幅と、その幅の少なく
とも3倍の長さを有する。
【0011】 リボンは、好ましくは電流コレクターと電極間の隔離板の内面との間の放射状
の距離を超える長さを有する。さらに好ましくは、リボンは、電流コレクターと
隔離板の内面との間の放射状の距離の少なくとも約10倍の長さを有して、リボ
ンが隔離板界面近傍に伸長してもまだ物理的に電流コレクターに接触することを
確実にする。従って、リボンの長さは、好ましくは少なくとも2mm、さらに好ま
しくは少なくとも2cmで、かつ電池の寸法によって選択することができる。しか
し、リボンの長さは重要でなく、かつ各リボンの長さは変えることができること
は明かである。
【0012】 電流コレクターに物理的に接触することによって、リボンは直接的な電気的連
絡を維持する。さらに、リボンは、安定かつ物理的衝撃に影響されない伝導経路
を与える。さらに、本発明の実施態様による負電極構成を使用することによって
、電解質が負電極の中心の方へ追いやられ、かつ反応生成物が移動されることに
よって、負−正電極の界面に望ましくない膜が形成されるのを回避する。固体の
リボンは、金属粒子に伴う、隔離板を通って移動し、さもなくば隔離板の正しく
ない側に位置して正電極に接触するという問題をも取り除く。 複数のこのようなリボンについて記載され、かつ例示されているが、特別の長
い単一のリボンが使用できることは明かである。リボンの長さ及び数は、亜鉛又
は添加される他の電極金属の質量によって制限されるだけである。また、1つ以
上のリボンを使用する場合は、各リボンの寸法は変えてよい。
【0013】 アルカリ電池用に、リボンは、好ましくは亜鉛製であり、好ましくはビスマス
、インジウム、カルシウム、及びアルミニウムから選択される1種以上の金属を
含む亜鉛合金製である。亜鉛リボンは、例えば溶融亜鉛合金の急速凝固で生成さ
れる。このような亜鉛リボンは、現在、Transmet of Columbus, Ohioから入手可
能である。所望により、他のリボン製造技術を使用できる。 しかし、本発明は、ここでは主に一次アルカリ電池として記載されているが、
本発明の電極構造は、炭素−亜鉛若しくはリチウム電池のような他の一次電池化
学で、又はニッケルカドニウム、ニッケル金属ハイドライド、若しくはリチウム
イオン電池のような充電式電池で使用できることは明かである。従って、リボン
は、このような電池で正電極又は負電極用に使用されるいずれの電気化学的活性
材料からでも作ることができる。例えば、リボンは、カドニウム、ニッケル、金
属ハイドライド、リチウム、コバルト、MnO2、亜鉛、及び炭素からなる群よ
り選択される少なくとも1種の材料を含む化合物から作られる。従って、本発明
で使用するリボンは、亜鉛又は亜鉛合金以外の電極用金属及び金属合金から作る
ことができ、かつ所望の電池のタイプ及び化学に従って当業者は選択することが
できる。
【0014】 約2〜80μmの厚さ、さらに好ましくは約20〜25μm厚さのリボンを製造
することによって、リボンは、電池が完全に放電する前に分解しない代わりに、
そのリボン様の形態を留め、重要なことに、リボンは電流コレクターへの優れた
伝導経路を維持する。電極の幅は、電池の有効寿命の間中電気持続性を維持して
、リボンが自立するように十分な構造的均一性を保ち、かつ正電極のキャビティ
内にリボンを簡単に施すことが可能なように選択される。リボンの幅は、好まし
くは約40〜3200μm、さらに好ましくは約500μmである。 負電極構成の自立性のため、亜鉛又は他の電極金属を支持する必要がないので
電解質にのゲル化剤の使用を回避できる。このように、負電極全体に亜鉛、又は
他の金属の分布が維持されうる。このようなゲルの無い電解質は、ずっと粘度が
低く、より簡単に電池中に施すことができ、かつ製造中負電極内に空気がほとん
どトラップされないと思われる。
【0015】 本発明は負電極として記載されているが、本発明のリボンを有する電極は正電
極でも可能なことは明かである。 また、本発明は、円筒型電池について示されかつ記載されているが、本発明の
亜鉛負電極が、柱状電池のような他の電気化学的電池で使用できることは明かで
ある。さらに、本発明の負電極は、本質的にいずれの電池構成の電池にも使用で
きる。 アルカリ電池用に、正電極は、例えば主として二酸化マンガン(MnO2)で
作られる。そして、電解質は水酸化カリウム(KOH)のようなアルカリ性電解
質である。上述したように、当業者によって選択される他の電池成分を使用して
本発明の電池を製造することができる。しかし、好ましい実施態様では、負電極
は亜鉛又は亜鉛合金のリボンを含み、正電極は主にMnO2から作られ、かつ電
解質はKOH溶液である。
【0016】 金属の表面積を最大にすることにより、かつ金属リボンと電流コレクターとの
間の優れた伝導経路を維持することによって、負電極の高速放電容量が著しく高
まる。 本発明で用いる亜鉛リボンは、優れた湿潤能力を有し、かつ実際には正電極中
に吸収された電解質を隔離板経由で、電解質がキャピラリーのように作用するこ
とが必要な負電極へ引き出すことによって、亜鉛負電極の表面における電解質の
水酸化イオンの置換を可能にする。
【0017】 一実施態様では、電気化学的電池の負電極に使用するための亜鉛含有組成物で
あって、この組成物1グラム当たり250mAの電流で連続的に放電される場合に、
66パーセントより大きい放電効率を有する組成物が提供される。好ましくは、
この組成物は、該組成物1グラム当たり250mAの電流で連続的に放電される場合
に、少なくとも約88パーセントの放電効率を有する。他の実施態様では、電気
化学的電池の負電極に使用するための亜鉛含有組成物であって、この組成物1グ
ラム当たり250mAの電流で連続的に放電される場合に、541mAh/gより大きい放電
容量を有する組成物が提供される。好ましくは、この組成物は、該組成物1グラ
ム当たり250mAの電流で連続的に放電される場合に、少なくとも約730mAh/gの放
電容量を有する。この2つの実施態様では、組成物は、好ましくは亜鉛合金、さ
らに好ましくはビスマス、インジウム、カルシウム、及びアルミニウムから選択
される少なくとも1種の金属を含む亜鉛合金を包含する。
【0018】 他の実施態様では、アルカリ電池用の負電極が提供され、この負電極は亜鉛組
成物を含み、かつ亜鉛組成物1グラム当たり250mAの電流で連続的に放電される
場合に、541mAh/gより大きい放電容量を有する。好ましくは、この負電極は、亜
鉛組成物1グラム当たり250mAの電流で連続的に放電される場合に、少なくとも
約730mAh/gの放電容量を有する。他の実施態様では、アルカリ電池用の負電極が
提供され、この負電極は亜鉛組成物を含み、かつ亜鉛組成物1グラム当たり250m
Aの電流で連続的に放電される場合に、66パーセントより大きい放電効率を有
する。好ましくは、この負電極は、亜鉛組成物1グラム当たり250mAの電流で連
続的に放電される場合に、少なくとも約88パーセントの放電効率を有する。こ
の2つの実施態様では、好ましくは、該亜鉛組成物は亜鉛合金、さらに好ましく
はビスマス、インジウム、カルシウム、及びアルミニウムから選択される少なく
とも1種の金属を含む亜鉛合金である。該亜鉛組成物は、リボン形態で提供され
る。 本発明は、以下の説明及び図面を参照することにより、さらに理解されるだろ
う。
【0019】 図1は、本発明の好ましい実施態様に従って構成された電気化学的電池10を
示す。示されるように、電池10は、円筒状の電池ハウジング15を含み、その
電池ハウジング15の内側壁に隣接して、正電極20が配置されている。正電極
20は、ハウジング15の内側に衝撃成形され、又は成形後複数のリングとして
挿入されうる中空円筒として形づくられる。典型的なアルカリ電池では、正電極
20は、主にMnO2で作られる。電池10は、さらに正電極20内の中空キャ
ビティの内壁を覆う隔離板25を含む。さらに詳細に後述するように、負電極3
0は、正電極20の隔離板に覆われた中空キャビティ内に配置される。また、正
電極20のその覆われた中空キャビティ内に、KOHのようなアルカリ性電解質
が施される。
【0020】 電池は、コレクター部品40及び外端子カバー45によって閉じかつ封鎖され
る。一般に、コレクター部品40は、内側カバー42、シール44、及び電流コ
レクター46を含む。技術的に公知のように、コレクター部品40及び外端子カ
バー45は負電極30と電気的に連結され、かつ電池ハウジング15の残部とは
絶縁されている。この様式では、外端子カバー45は電池10の負接触端子とし
て機能する。第2の外端子カバー48は、電気的に伝導性の電池ハウジング15
の閉鎖端49に取り付けられて、電池10の正端子として機能する。
【0021】 図1に示されるように、負電極30は、電気化学的に活性な材料の複数のリボ
ン35を含む。リボン35は、実質的にその厚さより大きい幅と、実質的にその
幅より大きい長さを有する伸長された柔軟な要素である。アルカリ電池用では、
リボン35は亜鉛、好ましくはビスマス、インジウム、カルシウム、及びアルミ
ニウムから選択される1種以上の金属を含む亜鉛合金から作られる。示されるよ
うに、リボン35は、電流コレクター46と隔離板25の内面との間の放射状の
距離を超える長さを有し、好ましくは電流コレクター46と隔離板25の内面と
の間の放射状の距離の少なくとも約10倍の長さを有して、リボンが隔離板の界
面近傍に伸長してもまだ電流コレクター46に物理的に接触することを確実にす
る。電流コレクター46に物理的に接触することによって、該亜鉛リボンは直接
的な電気的連絡を維持する。亜鉛の表面積を最大にすることにより、かつ亜鉛リ
ボンと電流コレクター46との間の優れた伝導経路を維持することによって、負
電極の高速放電容量が著しく高まる。
【0022】 実施例 半電池を使用して、亜鉛リボンの放電特性を特徴づけた。 半電池は、作用電極、円筒状ニッケルメッシュ対電極、及び市販のHg/Hg
O基準電極から成る3電極の電気化学系を使用した。作用電極は、ゲル化亜鉛粉
若しくはフレーク、又は本発明の亜鉛リボンのいすれかのアノード材料で充填さ
れた円筒状のナイロンメッシュバスケットで、黄銅ネイル電流コレクターと接触
させた。半電池に、37パーセントKOH/3パーセントZnOの組成の電解質
を張った。放電は周囲温度で行った。Solartron 電気化学的インタフェースによ
って一定電流を供給し、かつ電極電位は、データロガーで監視した。結果は図2
に示されている。 図2に示されるように、亜鉛の理論的な放電容量は、820mAh/gである。
【0023】 本発明に従って構成された負電極を含む半電池の放電容量は、亜鉛1グラム当
たり250mAの高速放電電流で、約730mAh/gであり、理論的な放電容量の88.9パー
セントの放電効率を示すことが分かった。 亜鉛粉を電解質及びゲル化剤と混合して形成された従来の亜鉛負電極を含む半
電池の高速放電容量は、亜鉛1グラム当たり250mAで放電した場合、約336mAh/g
であり、理論的な放電容量の41パーセントの放電効率を示すことが分かった。 WO-A-98/20569で教示されているような90パーセント亜鉛粉と10パーセン
ト亜鉛フレークを用いて形成された負電極は、亜鉛1グラム当たり250mAの放電
速度で、541mAh/gの放電容量を有しており、理論的な放電容量の66パーセント
の放電効率を示す。
【0024】 本発明の亜鉛負電極の向上された放電効率は、ますます高速で電流を引き出す
電池式装置が設計されるにつれ、ますます重要になっているかなり改良された高
速サービスを有する電気化学的電池をもたらす。 図面に示され、かつ上述した実施態様は、単に例示目的のためであることは、
理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施態様に従って構成された電気化学的電池の破断図である。
【図2】 従来の負電極と、本発明に従って構成された負電極についての放電効率の比較
を示す線グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA, BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH ,GM,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 5H024 AA03 AA14 CC02 EE07 FF07 FF31 HH04 HH13 5H050 AA02 BA04 CA05 CB13 FA11 HA04 HA17 HA19

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下: 内面を有する電池ハウジング: 前記電池ハウジングの前記内面に隣接して配置され、キャビティを画定する第
    1電極; 前記キャビティ内に配置される第2電極;及び 前記電池ハウジング中に配置される電解質; を包含する電気化学的電池であって、 前記電極の少なくとも1つが、電気化学的に活性な材料の少なくとも1つのリ
    ボンを含む電気化学的電池。
  2. 【請求項2】 さらに、前記第1及び第2電極の間に配置された隔離板と、
    前記電池ハウジング内の中心に伸長する電流コレクターとを含み、前記リボンが
    、少なくとも前記隔離板と前記電流コレクターとの間の距離に等しい長さを有す
    る、請求項1に記載の電気化学的電池。
  3. 【請求項3】 前記リボンが、前記隔離板と前記電流コレクターとの間の距
    離の少なくとも約10倍の長さを有する請求項2に記載の電気化学的電池。
  4. 【請求項4】 前記リボンが、少なくとも約2mmの長さを有する、先行する
    請求項のいずれか1項に記載の電気化学的電池。
  5. 【請求項5】 前記リボンが、約40〜3200μmの幅を有する、先行する請求
    項のいずれか1項に記載の電気化学的電池。
  6. 【請求項6】 前記リボンが、約2〜80μmの厚さを有する、先行する請求
    項のいずれか1項に記載の電気化学的電池。
  7. 【請求項7】 前記リボンが、ビスマス、インジウム、カルシウム、及びア
    ルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含有する亜鉛合金で製造され
    る、先行する請求項のいずれか1項に記載の電気化学的電池。
  8. 【請求項8】 前記電解質が、アルカリ性電解質である、先行する請求項の
    いずれか1項に記載の電気化学的電池。
  9. 【請求項9】 前記第1電極が、MnO2を含む、先行する請求項のいずれ
    か1項に記載の電気化学的電池。
  10. 【請求項10】 前記第1電極が正電極であり、かつ前記第2電極が負電極
    である、先行する請求項のいずれか1項に記載の電気化学的電池。
  11. 【請求項11】 アルカリ電池用の負電極であって、亜鉛リボンを含んでな
    り、かつ亜鉛組成物の1グラム当たり250mAの電流で連続的に放電される場合に
    、541mAh/gより大きい放電容量を有する負電極。
  12. 【請求項12】 前記負電極が、亜鉛組成物の1グラム当たり250mAの電流
    で連続的に放電される場合に、少なくとも約730mAh/gの放電容量を有する請求項
    11に記載の負電極。
  13. 【請求項13】 アルカリ電池用の負電極であって、亜鉛リボンを含んでな
    り、かつ亜鉛組成物の1グラム当たり250mAの電流で連続的に放電される場合に
    、66パーセントより大きい放電効率を有する負電極。
  14. 【請求項14】 前記負電極が、亜鉛組成物の1グラム当たり250mAの電流
    で連続的に放電される場合に、少なくとも約88パーセントの放電効率を有する
    請求項13に記載の負電極。
  15. 【請求項15】 前記亜鉛リボンが、亜鉛合金で製造される、請求項11〜
    14のいずれか1項に記載の負電極。
  16. 【請求項16】 前記亜鉛合金が、ビスマス、インジウム、カルシウム、及
    びアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属を含有する、請求項11〜
    15のいずれか1項に記載の負電極。
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