JP2002531579A - 平滑筋細胞増殖の阻害薬としてのアセチルベンジルマルトシド - Google Patents

平滑筋細胞増殖の阻害薬としてのアセチルベンジルマルトシド

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JP2002531579A JP2000586780A JP2000586780A JP2002531579A JP 2002531579 A JP2002531579 A JP 2002531579A JP 2000586780 A JP2000586780 A JP 2000586780A JP 2000586780 A JP2000586780 A JP 2000586780A JP 2002531579 A JP2002531579 A JP 2002531579A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、式(I)で示される平滑筋細胞増殖阻害薬またはその医薬上許容される塩を提供する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、平滑筋細胞増殖阻害薬としての、ならびに、過剰な平滑筋増殖によ
り特徴付けられる再狭窄などの疾患および状態を治療するための治療組成物とし
ての置換4',6'-アセタールベンジルマルトシドの使用に関する。
【0002】 (背景技術) 血管形成術および静脈バイパス術などのすべての形態の血管再構築は、最終的
には平滑筋細胞(SMC)増殖および引き続いて多量の細胞外マトリクスの沈着に
至る損傷に対する応答をもたらす(クラウズ,エイ・ダブリュー(Clowes, A.W.)
;レイディ,エム・エイ(Reidy, M.A.)、ジャーナル・オブ・ヴァスキュラー・
サージェリー(J. Vasc. Surg.),1991,13,885)。これらの事象は、アテローム性
動脈硬化症(レインズ,イー・ダブリュー(Raines, E.W.);ロス,アール(Ross,
R.)、ブリティッシュ・ハート・ジャーナル(Br. Heart J.),1993,69(補遺)S.30)
および移植後の動脈硬化症(アイシック,エフ・エフ(Isik, F.F.);マクドナル
ド,ティー・オー(McDonald, T.O.);ファーガソン,エム(Ferguson, M.);ヤマ
ナカ,イー(Yamanaka,E.);ゴードン(Gordon)、アメリカン・ジャーナル・オブ
・パソロジー(Am. J. Pathol.),1992,141,1139)の病因における中心的な過程で
もある。血管形成術後の再狭窄の場合、薬理学的な干渉によりSMC増殖を調節
する臨床的に適切な解決法は、これまでとらえ所がないままであった(ハーマン
,ジェイ・ピー・アール(Herrman, J.P.R.);ハーマンズ,ダブリュー・アール
・エム(Hermans, W.R.M.);ヴォス,ジェイ(Vos, J.);セロイス,ピー・ダブリ
ュー(Serruys, P.W.)、ドラッグズ(Drugs),1993,4,18および249)。選択的なSM
C増殖阻害への成功したアプローチは、内皮細胞の修復または他の細胞の正常な
増殖および機能を干渉してはならない(ワイスバーグ,ピー・エル(Weissburg, P
.L.);グレーンジャー,ディー・ジェイ(Grainger, D.J.);シャナハン,シー・
エム(Shanahan, C.M.);メトカーフ,ジェイ・シー(Metcalfe, J.C.)、カーディ
オバスキュラー・リサーチ(Cardiovascular Res.),1993,27,1191)。
【0003】 グリコサミノグリカンヘパリンおよびヘパラン硫酸は、SMC増殖の内生的阻
害薬であり、また、内皮細胞増殖を促進することができる(カステロット,ジェ
イ・ジェイ・ジュニア(Castellot, J.J.Jr.);ライト,ティー・シー(Wright, T
.C.);カルノフスキー,エム・ジェイ(Karnovsky, M.J.)、セミナーズ・イン・
トロンボシス・アンド・ヘモスタシス(Seminars in Thrombosis and Hemostasis
),1987,13,489)。しかし、ヘパリン、ヘパリンフラグメント、化学修飾へパリン
、低分子量ヘパリン、およびアニオン性多糖類を真似た他のヘパリンの十分な臨
床的有用性は、様々な製剤の不均質性と結びついた他の薬理学的な傾向(特に、
抗血液凝固作用から生じる過剰な出血)により低下しうる(ボーマン,エス(Borma
n, S.)、ケミカル・アンド・エンジニアリング・ニューズ(Chemical and Engine
ering News),1993,6月28日,27)。
【0004】 PCT特許出願公開第WO 96/14325号は、平滑筋細胞増殖阻害薬としてのアシ
ル化ベンジルグリコシドを開示している。本発明の化合物は、糖骨格上の置換基
が異なる点で異なる。
【0005】 ゼハヴィ,ユー(Zehavi, U.)、カーボハイドレート・リサーチ(Carbohyd. Res
.),1986,151,371は、グリコーゲン合成反応における受容体としての研究用ポリ
マーに結合した4-カルボキシ-2-ニトロベンジル4-O-α-D-グルコピラノシ
ル-β-D-グルコピラノシドを開示している。本発明の化合物は、ベンジル基上
の置換基が異なり、かつ(c)用途(平滑筋増殖抑制)が異なる点で異なる。
【0006】 米国特許第5,498,775号、PCT出願公開第WO 96/14324号および米国特許第5,
464,827号は、過剰な平滑筋増殖により特徴付けられる疾患および状態を治療す
るための平滑筋細胞増殖阻害薬としてのポリアニオン性ベンジルグリコシドまた
はシクロデキストリンを記載している。β-シクロデキストリンテトラデカ硫酸
エステルが平滑筋細胞増殖阻害薬および再狭窄の有効な阻害薬として記載されて
いる(レイリー,シー・エフ(Reilly, C.F.);フジタ,ティー(Fujita, T.);マ
ックフォール,アール・シー(McFall, R.C.);スタビリート,アイ・アイ(Stabi
lito, I.I.);ワイ-サイ,イー(Wai-se, E.);ジョンソン,アール・ジー(Johns
on,R.G.)、ドラッグ・デベロップメント・リサーチ(Drug Development Researc
h),1993,29,137)。米国特許第5,019,562号は、望ましくない細胞または組織増殖
に関連した病的状態を治療するためのシクロデキストリンのアニオン性誘導体を
開示している。PCT出願公開第WO 93/09790号は、糖残基1個当たり少なくと
も2個のアニオン残基を有するシクロデキストリンの増殖抑制性ポリアニオン性
誘導体を開示している。マイネッツバーガー(Meinetsberger)(欧州特許出願公開
第EP 312087 A2号および第EP 312086 A2号)は、硫酸化ビス-アルドン酸アミドの
抗血栓性および抗凝血性を記載している。米国特許第4,431,637号は、補体系の
調節薬としてのポリ硫酸化フェノール性グリコシドを開示している。本発明の化
合物は、当該化合物が(a)ヘパリン、硫酸化シクロデキストリン、または硫酸化
ラクトビオン酸二量体と何ら構造的な類似点を有しない4',6'-アセタールベン
ジルマルトシドであり、(b)わずか2個の隣接する糖残基を有し(二糖類であり)
、(c)明確な構造を有し、かつ(d)硫酸化されていない点で全ての従来技術と異
なる。
【0007】 (発明の開示) 本発明は、式I:
【0008】
【化14】
【0009】 [式中、Wは、S、SO、SOまたはNR; Yは、O、S,NRまたはCH; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル
、炭素数2〜7のアシルまたは炭素数2〜7のペルフルオロアシル; RおよびRは、各々独立して、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6の
ペルフルオロアルキル、炭素数1〜6のハロアルキル、炭素数1〜6のニトロア
ルキル、炭素数1〜6のシアノアルキル、炭素数2〜12のアルコキシアルキル
、炭素数1〜6のニトリロアルキル、Rでモノ-、ジ-またはトリ-置換された
フェニル、炭素数7〜10のフェニルアルキル(ここで、フェニル環はRでモ
ノ-、ジ-またはトリ-置換されている)、Rで置換されたピリジル、Rで置換
されたフリル、Rで置換されたチエニル、または、Rで置換されたチアゾリ
ル; Rは、水素、
【0010】
【化15】
【0011】 R、R、RおよびRは、各々独立して、水素、炭素数2〜7のアシル
、炭素数2〜7のペルフルオロアシル、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6
のペルフルオロアルキル、ベンジル(ここで、フェニル部分はRでモノ-、ジ-
またはトリ-置換されている)またはベンゾイル(ここで、フェニル部分はR
モノ-、ジ-またはトリ-置換されている); Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキ
ル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェ
ニル、-CN、-NO、ハロゲンまたは-CF; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキ
ル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェ
ニル、-CN、-NO、ハロゲン、-NHCO13、-NHSO13、-
NR1415
【0012】
【化16】
【0013】 R10、R11およびR12は、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数
1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェニル、-CN、-NO、ハロゲン、炭素
数2〜7のアシル、炭素数2〜7のペルフルオロアシル、またはベンゾイル(こ
こで、ベンゾイル基のフェニル部分は、所望により、炭素数1〜6のアルキル、
炭素数1〜6のアルコキシ、-CN、-NO、ハロゲンまたは-CFでモノ-、
ジ-またはトリ-置換されていてもよい); R13は、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル、
フェニル、または、ハロゲンで置換されたフェニル; R14およびR15は、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素
数1〜6のペルフルオロアルキル、炭素数2〜7のアシルまたは炭素数2〜7の
ペルフルオロアシル; n=0〜3] で示される4',6'-アセタールベンジルマルトシドまたはその医薬上許容される
塩を提供する。
【0014】 アルキル、アルコキシおよびアシルとしては、所望により、フッ素で置換され
ていてもよい直鎖および有枝部分の両方が挙げられる。ハロゲンは、臭素、塩素
、フッ素およびヨウ素を意味する。
【0015】 医薬上許容される塩は、有機酸および無機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、
乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデ
ル酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンス
ルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、
カンファースルホン酸、および同様に公知の許容される酸から形成することがで
きる。塩は、有機塩基および無機塩基から形成してもよく、好ましくはアルカリ
金属塩、例えば、ナトリウム塩、リチウム塩またはカリウム塩である。酸付加塩
は、Yが窒素であるか、あるいは式Iで示される化合物が塩基性窒素を有する場
合に製造することができる。塩基付加塩は、典型的には、式Iで示される化合物
がヒドロキシル基を有する場合に製造することができる。
【0016】 本発明の化合物は不斉炭素原子またはスルホキシド部分を有する場合があり、
本発明の化合物の一部は1個またはそれ以上の不斉中心を有し、それゆえ、光学
異性体およびジアステレオマーを生じる場合がある。式Iには立体化学に関して
示されていないが、本発明は、かかる光学異性体およびジアステレオマー;なら
びに、ラセミ体としての、また、分割されたエナンチオマー的に純粋なRおよび
S立体異性体;ならびに、RおよびS立体異性体の他の混合物;ならびに、それ
らの医薬上許容される塩を包含する。
【0017】 本発明の好ましい化合物は、式I:
【0018】
【化17】
【0019】 [式中、Wは、S、SO、SOまたはNR; YはO; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル
、炭素数2〜7のアシルまたは炭素数2〜7のペルフルオロアシル; Rは、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル、炭
素数1〜6のハロアルキル、炭素数1〜6のニトロアルキル、炭素数1〜6のシ
アノアルキル、炭素数2〜12のアルコキシアルキル、炭素数1〜6のニトリロ
アルキル、Rでモノ-、ジ-またはトリ-置換されたフェニル、炭素数7〜10
のフェニルアルキル(ここで、フェニル環はRでモノ-、ジ-またはトリ-置換さ
れている)、Rで置換されたピリジル、Rで置換されたフリル、Rで置換
されたチエニル、または、Rで置換されたチアゾリル; Rは、水素、
【0020】
【化18】
【0021】 R、R、RおよびRは、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル、炭素数2〜7のアシルまたは炭素数
2〜7のペルフルオロアシル; Rは、水素、メチルまたはフェニル; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキ
ル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェ
ニル、-CN、-NO、ハロゲンまたは-CF; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキ
ル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェ
ニル、-CN、-NO、ハロゲン、-NHCO13、-NHSO13、-
NR1415
【0022】
【化19】
【0023】 R10、R11およびR12は、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル、炭素数1〜6のアルコキシ、フェニル、-CN、-NO、ハロゲン、-CF
、炭素数2〜7のアシル、またはベンゾイル(ここで、ベンゾイル基のフェニ
ル部分は、所望により、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、
-CN、-NO、ハロゲンまたは-CFでモノ-、ジ-またはトリ-置換されてい
てもよい); R13は、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル、
フェニル、または、ハロゲンで置換されたフェニル; R14およびR15は、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素
数1〜6のペルフルオロアルキル、炭素数2〜7のアシルまたは炭素数2〜7の
ペルフルオロアシル; n=0〜3] で示される4',6'-アセタールベンジルマルトシドまたはその医薬上許容される
塩である。
【0024】 本発明のより好ましい化合物は、式I:
【0025】
【化20】
【0026】 [式中、Wは、S、SO、SOまたはNR; YはO; Rは水素または炭素数1〜6のアルキル; RはRでモノ-、ジ-またはトリ-置換されたフェニル; Rは水素、
【0027】
【化21】
【0028】 R、R、RおよびRは、各々独立して、水素または炭素数2〜7のア
シル; Rは、水素、メチルまたはフェニル; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、フェニ
ル、-CN、-NO、ハロゲンまたは-CF; Rは、水素、-NO、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6
のペルフルオロアルキル、-NHCO13、-NR1415
【0029】
【化22】
【0030】 R10、R11およびR12は、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキ
ル、炭素数1〜6のアルコキシ、フェニル、-CN、-NO、ハロゲン、-CF
、炭素数2〜7のアシル、またはベンゾイル(ここで、ベンゾイル基のフェニ
ル部分は、所望により、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、
-CN、-NO、ハロゲンまたは-CFでモノ-、ジ-またはトリ-置換されてい
てもよい); R13は炭素数1〜6のアルキル; R14およびR15は、各々独立して、水素、炭素数2〜7のアシルまたは炭
素数2〜7のペルフルオロアシル; n=0〜3] で示されるベンジルマルトシドまたはその医薬上許容される塩である。
【0031】 本発明の特に好ましい化合物は、 N-{5-[(2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-6-デオキシ-6-ベンジルスル
ファニル-4',6'-O-ベンジリデン-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロ
ロフェニル}アセトアミドまたはその医薬上許容される塩; N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルファニル-
β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドまたはその
医薬上許容される塩; N-(5-{[2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-6-デオキシ-6-(2,4-ジクロ
ロベンジルスルファニル)-4',6'-O-ベンジリデン-β-D-マルトシル]オキシ
メチル}-2-クロロフェニル)アセトアミドまたはその医薬上許容される塩; N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(2,4-ジクロロベンジ
ルスルファニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセト
アミドまたはその医薬上許容される塩; N-{5-[(2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-ベンジルスルフィニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロ
ロフェニル}アセトアミドまたはその医薬上許容される塩; N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルフィニル-
β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドまたはその
医薬上許容される塩; N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルホニル-β-
D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドまたはその医薬
上許容される塩; N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-フェニルスルファニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロ
ロフェニル}アセトアミドまたはその医薬上許容される塩; N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェニルスルファニル-
β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドまたはその
医薬上許容される塩; N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-フェニルスルフィニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロ
ロフェニル}アセトアミドまたはその医薬上許容される塩; N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェネチルスルファニル
-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドまたはその
医薬上許容される塩; N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-フェネチルスルファニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-ク
ロロフェニル}アセトアミドまたはその医薬上許容される塩; N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(フェニルエチルスルフ
ィニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトアミドま
たはその医薬上許容される塩; N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(3-フェニルプロピルス
ルファニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトアミ
ドまたはその医薬上許容される塩; N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンゾイルアミノ-β-D
-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドまたはその医薬上
許容される塩; N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(2-フェニル-1-オキソ
エチルアミノ)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトア
ミドまたはその医薬上許容される塩; N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェネチルスルファニル
-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}カルバミン酸メチルエス
テルまたはその医薬上許容される塩;および N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルフィニル-
β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}カルバミン酸メチルエス
テルまたはその医薬上許容される塩である。
【0032】 本発明の化合物は、下記のスキームに従って、市販の原料から、あるいは文献
記載の方法を用いて製造することができる原料から製造した。このスキームは、
本発明の代表的な化合物の製造を示す。
【0033】 アセトブロモマルトース1を、−40℃〜還流温度の範囲内の温度で、アセト
ニトリル、ジクロロメタン、エーテル、トルエンまたはニトロメタンなどの非プ
ロトン溶媒中、臭化第二水銀、シアン化第二水銀、銀トリフラートまたは過塩素
酸銀などの触媒の存在下で、ベンジルアルコール2とカップリングさせて、グリ
コシド3を得る(スキーム1)。このグリコシド形成は、ジクロロメタンなどの溶
媒中における臭化亜鉛とのシュミット(Schmidt)のトリクロロアセトイミデート
カップリングを用いても行うことができる。3のニトロ基を周囲温度〜還流温度
で、酢酸エチルなどの極性非プロトン溶媒中、塩化第一スズなどの還元剤で還元
して、アニリノ化合物4を得ることができる。4を0℃〜周囲温度の範囲内の温
度で、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランなどの非プロトン溶媒中、トリ
エチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどのアミン塩基の存在下、あ
るいは、(立体障害のある系では)水素化ナトリウムなどの強塩基を用いて、酸塩
化物または塩化スルホニルとカップリングさせて、目的化合物5を得ることがで
きる。全アセチル化された化合物5は、周囲温度〜還流温度の範囲内の温度で、
メタノール中における触媒量のナトリウムメトキシドまたはメタノール中におけ
る水酸化ナトリウム水溶液を用いて、そのヘプタヒドロキシ化合物6に変換する
ことができる。
【0034】 スキーム2に示すように、6の4'および6'基は、25℃〜還流温度の範囲内
の温度で、N,N-ジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン溶媒中、カンファ
ースルホン酸またはp-トルエンスルホン酸などの酸触媒の存在下で、アセター
ルと反応させて、アセタール誘導体7を得ることができる。
【0035】 アセタール7は、ジクロロメタンなどの溶媒中、塩化トシルおよびピリジンを
用いて、6-トシラート10に変換することができる(スキーム3);次いで、得
られた中間体を0℃〜周囲温度の範囲内の温度で、ジクロロメタンまたはテトラ
ヒドロフランなどの非プロトン溶媒中、トリエチルアミンまたはジイソプロピル
エチルアミンなどのアミン塩基の存在下、酸塩化物または酸無水物で全アセチル
化して、化合物11を得る。
【0036】 スキーム4では、トシラート中間体11は、N,N-ジメチルホルムアミドなど
の極性溶媒中、水素化ナトリウムなどの塩基および適当なチオールから生じさせ
たスルフィド求核試薬を用いた直接的な置換により、チオエーテルに変換するこ
とができる。次いで、このチオエーテル中間体は、上記の加水分解条件に付して
、13(W=S)を得ることができる。あるいは、チオエーテル中間体を1または
2当量のm-クロロペルオキシ安息香酸で酸化した後、加水分解して、それぞれ
13をスルホキシドまたはスルホンとして得ることができる(W=SOまたはS
)。
【0037】 C-6位は、まず、トシラート11をアジドに変換することにより、アミンま
たはアミド結合に変換することもできる(スキーム5)。この反応は、50℃で、
N,N-ジメチルホルムアミドなどの極性溶媒中、アジ化ナトリウムを用いて行う
ことができる。この中間体は、テトラヒドロフラン中におけるトリフェニルホス
フィンおよび5%水を用いて、第一アミンに還元することができる。このアミン
は、テトラヒドロフランまたはジクロロメタンなどの非プロトン溶媒中、ピリジ
ンなどの塩基の存在下で、適当な酸塩化物にカップリングさせた後、標準的な加
水分解条件に付して、化合物14を得ることができる。中間体アミンまたはアミ
ド14は、0℃〜還流温度の範囲内の温度で、N,N-ジメチルホルムアミドなど
の極性溶媒中、(立体障害のある系では)水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、
ハロゲン化アルキルでアルキル化することができる。
【0038】 必要であれば、合成経路の途中で、化合物10、13および14の遊離ヒドロ
キシル基は、誘導体化することができる。例えば、化合物10、13および14
の遊離ヒドロキシル基は、0℃〜周囲温度の範囲内の温度で、ジクロロメタンま
たはテトラヒドロフランなどの非プロトン溶媒中、トリエチルアミンまたはジイ
ソプロピルエチルアミンなどのアミン塩基の存在下、酸塩化物または酸無水物で
アシル化することができる。あるいは、化合物10、13および14の遊離ヒド
ロキシル基は、0℃〜還流温度の範囲内の温度で、N,N-ジメチルホルムアミド
またはDMSOなどの極性溶媒中、水素化ナトリウムまたは水酸化カリウムなど
の塩基の存在下、適当なハロゲン化アルキルでアルキル化することができる。
【0039】
【化23】
【0040】
【化24】
【0041】
【化25】
【0042】
【化26】
【0043】
【化27】
【0044】 本発明の化合物は、増殖抑制薬として有用である。下記の方法は、評価した化
合物が平滑筋細胞増殖を阻害する能力を測定する標準的な薬理学的試験法におけ
る本発明の代表的な化合物の評価を示す。
【0045】 Hチミジン導入を用いる細胞増殖に対する化合物の作用 ヒトおよびブタの平滑筋細胞を、半集密的(sub-confluent)条件下における初
期継代(一般に第3〜7継代)で試験した。16mm(24ウェル)マルチウェル培
養皿を用いて、10%ウシ胎児血清および2%抗生物質/抗真菌薬を補足した培
地199中で培養物を増殖した。半集密的になれば、これら細胞を、実験プロト
コルを開始する前の24〜48時間、無血清合成培地(AIM-V;ギブコ(Gibco
))に入れた。
【0046】 一般に、化合物はプレインキュベーションが長いほど効果的であるということ
が分かっているが、化合物、Hチミジンおよび血清/増殖因子を、血清不付与
同調細胞に加えることにより方法を開始し、それに応じて結果を報告する。
【0047】 化合物を50倍の希釈率で各ウェルに加え(20μL/ウェル)、プレートを5
%CO中、37℃で24〜36時間インキュベートした。化合物を、まず、5
0%エタノールに溶解し、培地中に系列希釈した。化合物を1〜100μMの濃
度で所定の手順により評価した。対照として、第II級のブタ腸粘膜ヘパリン(ナ
トリウム塩)を、すべての細胞調製物中、0.1〜100μg/mLの濃度で所定
の手順により評価した。
【0048】 試験法の終了時に、プレートを氷上に載置し、氷冷リン酸緩衝食塩水(PBS)
で3回洗浄し、氷冷10%トリクロロ酢酸(TCA)中で30分間インキュベート
して、酸溶解プロテインを除去した。溶液を、0.4N HCl(500μL/バイ
アル、NaOHを中和する)を含有するシンチレーションバイアルに移し、各ウ
ェルを水(500μL)で2回すすぎ、全容量を2mL/バイアルとした。
【0049】 データを対照および実験試料の両方について3通り得た。対照(100%)デー
タは、増殖因子または血清による刺激の結果として最大限に刺激された細胞から
得た。実験データは、増殖因子または血清で最大限に刺激され、かつ化合物で処
理された細胞から得た。データは、IC50として、下記の表1に示す。
【0050】
【表1】 表1
【0051】 本発明の化合物は、過剰な平滑筋細胞増殖(平滑筋細胞過増殖)により特徴付け
られる疾患を治療または阻害するのに有用である。これらの化合物は、特に、血
管再構築手術および移植(例えば、バルーン血管形成術、血管移植手術、冠動脈
バイパス手術および心臓移植)から最も頻繁に生じる平滑筋細胞過増殖により特
徴付けられる過増殖性血管疾患(例えば、再狭窄)を治療するのに有用である。好
ましくない「細胞性」血管増殖が存在する他の疾患状態としては、高血圧、喘息
およびうっ血性心不全が挙げられる。また、本発明の化合物は、血管形成の阻害
薬としても有用である。新しい毛細血管が形成される過程である血管形成(新血
管新生)は、主に、慢性炎症および悪性腫瘍を含む数多くの病理学的事象にとっ
て重要である。それゆえ、本発明の化合物は、抗新生物薬として有用である。
【0052】 本発明の化合物は、そのままで、あるいは投与用の医薬用担体を用いて、製剤
することができる。その割合は、化合物の溶解度および化学的性質、選択された
投与の経路、ならびに標準的な薬理学的プラクティスにより決定される。医薬用
担体は、固形または液状のいずれであってもよい。
【0053】 固形担体としては、香味剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁化剤、充填剤、流動化剤
、圧縮助剤、結合剤または錠剤崩壊剤としても作用しうる1種またはそれ以上の
物質を挙げることができる。それはカプセル化材料とすることもできる。散剤の
場合、担体は、細かく粉砕された固形物であり、やはり細かく粉砕された有効成
分と混合されている。錠剤の場合、有効成分は、必要な圧縮特性を有する担体と
適当な割合で混合され、所望の形状および寸法に圧縮成形される。散剤および錠
剤は、好ましくは99%までの有効成分を含有する。適当な固形担体としては、
例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、
デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリジン、低融点ワックスおよび
イオン交換樹脂が挙げられる。
【0054】 液状担体は、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤および加圧組成
物を製造するのに用いられる。有効成分は、医薬上許容される液状担体、例えば
、水、有機溶剤、両方の混合物、または医薬上許容される油脂などに溶解または
懸濁することができる。液状担体は、他の適当な医薬用添加物、例えば、可溶化
剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味剤、香味剤、懸濁化剤、増粘剤、着色剤、粘
度調節剤、安定剤または浸透圧調節剤などを含有することができる。経口および
非経口投与用の液状担体の適当な例としては、水(上記のような添加物(例えば、
セルロース誘導体、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液)を
部分的に含有する)、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコール(例えば
、グリコール)を含む)およびそれらの誘導体、レシチン、ならびに油(例えば、
分別ヤシ油および落花生油)が挙げられる。非経口投与の場合、担体は、オレイ
ン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルなどの油状エステルとすることもで
きる。滅菌液状担体は、非経口投与用の無菌液状組成物に有用である。加圧組成
物用の液状担体は、ハロゲン化炭化水素または他の医薬上許容される噴射剤とす
ることができる。
【0055】 無菌の液剤または懸濁剤である液状医薬組成物は、例えば、筋肉内、腹腔内ま
たは皮下への注射により利用することができる。無菌液剤は、静脈内に投与する
こともできる。本発明の化合物は、液状または固形のいずれかの組成物形態で経
口的に投与することもできる。
【0056】 本発明の化合物は、従来の坐剤の形態で直腸内または膣内に投与してもよい。
鼻腔内または気管支内への吸入法または吹込法により投与する場合、本発明の化
合物は、水溶液または半水溶液に製剤すればよい。これらは、次いで、エアロゾ
ルの形態で利用することができる。本発明の化合物は、活性化合物および担体を
含有する経皮パッチ剤の使用により、経皮的に投与してもよい。ただし、この担
体は、活性化合物に不活性であり、皮膚に非毒性であり、また、皮膚を介した血
流中への全身吸収用薬剤の送達を可能にするものとする。かかる担体は、クリー
ム剤および軟膏剤、ペースト剤、ゲル剤、ならびに閉鎖用具など、かなり多くの
形態を取りうる。クリーム剤および軟膏剤は、粘稠な液体や、水中油型または油
中水型のいずれの半固体乳濁液であってもよい。有効成分を含有するワセリンま
たは親水ワセリンに分散した吸収性粉末からなるペースト剤も適当である。様々
な閉鎖用具、例えば、必要に応じて担体と共に有効成分を含有する貯蔵部を覆う
半透膜や、有効成分を含有するマトリクスなどを用いて、有効成分を血流中に放
出させてもよい。他の閉鎖用具は文献に公知である。
【0057】 用量に関する要件は、採用する特定の組成物、投与の経路、現れる症状の重篤
度、および治療する特定の患者によって変化する。標準的な薬理学的試験法で得
られた結果に基いて、活性化合物の計画的な一日量は、非経口的に(好ましくは
、静脈内に)投与される0.1〜10mg/kgである。計画的な経口投与の一日
量は、約10倍多い。静脈内投与は、急性血管損傷(すなわち、バルーン血管形
成術または移植)後には、約5〜30日間続けられるが、慢性障害の治療の場合
には、より長い期間にわたって続けられると思われる。治療は、一般的には、上
記化合物の至適な投与量より少ない低用量から開始される。その後、かかる状況
下で至適な効果が得られるまで、用量を増大させる。経口的、非経口的、経鼻ま
たは気管支内投与用の正確な用量は、治療する個々の患者に係る経験に基いて、
投与する医師により決定される。好ましくは、上記医薬組成物は単位剤形であり
、例えば、錠剤またはカプセル剤として提供される。かかる剤形では、上記組成
物は、適当量の有効成分を含有する単位用量に細分される。単位剤形は、包装さ
れた組成物、例えば、分包散剤、バイアル、アンプル、充填済シリンジまたは含
液薬袋とすることができる。単位剤形は、例えば、カプセル剤または錠剤それ自
体とすることもできるし、あるいは、かかる組成物を適当数の包装形態とするこ
ともできる。
【0058】 下記は、本発明の代表的な化合物の製造を与える。
【0059】 実施例1 N-{5-[(2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-6-デオキシ-6-ベンジルスル
ファニル-4',6'-O-ベンジリデン-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロ
ロフェニル}アセトアミド
【0060】 工程1 4-クロロ-3-ニトロベンジル-β-D-マルトシドヘプタアセテート 新しく蒸留したCHCN(239mL)中における4-クロロ-3-ニトロベン
ジルアルコール(6.70g、35.7ミリモル)およびHgBr(14.2g、3
9.3ミリモル)の攪拌溶液に、Hg(CN)(9.02g、35.7ミリモル)を一
度に加えた。0.5時間後、アセトブロモマルトース(25.0g、35.7ミリモ
ル)を加え、この混合物を室温で18時間攪拌した。次いで、反応物をHO:
食塩水(1:1、100mL)の混合物でクエンチし、10%CHCl:Et
OAcで抽出した。合わせた有機抽出物を(MgSOで)乾燥させ、濃縮した。
シリカゲル上(10:90〜80:20のEtOAc:石油エーテルの勾配)で精
製して、表題化合物51.9g(90%)を滑らかな油状物として得た。これをE
O:石油エーテルから再結晶して、ガラス状の白色固形物を得た。融点10
7〜111℃;H NMR(CDCl)δ2.00(s,3H),2.02(s,3H
),2.03,(s,3H),2.04(s,6H),2.11(s,3H),2.15(s,3
H),3.70(ddd,J=2.9,4.2,9.7Hz,1H),3.94-3.98(m,
1H),4.01-4.07(m,2H),4.20-4.28(m,2H),4.54(dd,
J=2.9,12.3Hz,1H),4.63-4.68(m,2H),4.84-4.94(
m,3H),5.06(t,J=10.1Hz,1H),5.26(t,J=9.2Hz,1
H),5.36(dd,J=9.7,10.3Hz,1H),5.42(d,J=4.2Hz,
1H),7.43(dd,J=2.2,8.3Hz,1H),7.53(d,J=8.3Hz,
1H),7.83(d,J=2.0Hz,1H);IR(KBr)3450,2950,1
755,1550,1375,1230および1050cm−1;質量スペクトル[
(+)ESI],m/z 823/825(M+NH ),828/830(M+Na)
; 元素分析の結果: 計算値(C3340ClNO20について):C,49.17;H,5.00;N
,1.74; 実測値:C,49.16;H,4.88;N,1.71。
【0061】 工程2 2-クロロ-5-(ヘプタ-O-アセチル-β-D-マルトシルオキシメチル)フェニル
アミン EtOAc(479mL)中における4-クロロ-3-ニトロベンジル-β-D-マル
トシドヘプタアセテート(19.3g、23.9ミリモル)および塩化スズ(II)二水
和物(37.7g、167ミリモル)を含有する溶液を2時間還流した。反応物を
室温に冷却し、飽和NaHCO水溶液で(塩基性になるまで)注意深くクエンチ
し、EtOAc(250mL)で希釈し、0.5時間攪拌し、濾過した。二相の濾
液を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を(NaSO
で)乾燥させ、濃縮した。シリカゲル上(0%〜12%アセトン/CHCl
勾配)で精製して、2-クロロ-5-(ヘプタ-O-アセチル-β-D-マルトシルオキシ
メチル)フェニルアミン17.8g(96%)をガラス状の固形物として得た。融点
78〜79℃;H NMR(CDCl)δ2.00(s,9H),2.026(s,3
H),2.032(s,3H),2.11(s,3H),2.16(s,3H),3.00-5.
00(bs,2H),3.64-3.68(m,1H),3.97(ddd,J=2.4,4.
2,10.1Hz,1H),4.02-4.07(m,2H),4.24(dd,J=2.2,
3.7,1H),4.27(dd,J=2.6,4.0Hz,1H),4.50-4.57(m,
3H),4.74(d,J=12.1Hz,1H),4.83-4.90(m,2H),5.0
5(t,J=10.1Hz,1H),5.22(t,J=9.2Hz,1H),5.35(d
d,J=9.7,10.5Hz,1H),5.42(d,J=4.0Hz,1H),6.62(
dd,J=2.0,8.1Hz,1H),6.76(d,J=2.0Hz,1H),7.21(
d,J=8.1,1H);IR(KBr)3450,3350,2950,1755,16
50,1425,1375,1230および1050cm−1;質量スペクトル[(
+)ESI],m/z 776/778(M+H),798/800(M+Na); 元素分析の結果: 計算値(C3342ClNO18について):C,51.07;H,5.45;N
,1.80; 実測値:C,50.94;H,5.52;N,1.60。
【0062】 工程3 N-[2-クロロ-5-(ヘプタ-O-アセチル-β-D-マルトシルオキシメチル)フェ
ニル]アセトアミド 0℃のTHF(265mL)中における2-クロロ-5-(ヘプタ-O-アセチル-β-
D-マルトシルオキシメチル)フェニルアミン(20.6g、26.5ミリモル)およ
びトリエチルアミン(8.13mL、58.3ミリモル)の攪拌溶液に、塩化アセチ
ル(2.26mL、31.8ミリモル)を滴下した。この温度で0.5時間後、室温
に加温し、さらに6時間攪拌した。この時点で、反応物を濃縮し、EtOAc(
700mL)中に溶解した。この有機溶液を1N HCl(70mL)、飽和NaH
CO水溶液(70mL)および食塩水(70mL)で洗浄した後、(MgSOで)
乾燥させた。濃縮後、残渣をシリカゲル上(20:80〜100:0のEtOA
c:石油エーテルの勾配)で精製して、生成物(16.2g、75%)をガラス状の
固形物として得た。融点84〜86℃;H NMR(CDCl)δ2.00(s,
6H),2.020(s,3H),2.027(s,3H),2.03(s,3H),2.11
(s,3H),2.16(s,3H),2.24(s,3H),3.66-3.69(m,1H)
,3.94-3.98(m,1H),4.00-4.06(m,2H),4.22-4.28(m
,2H),4.50-4.61(m,3H),4.80-4.91(m,3H),5.05(t,
J=10.1Hz,1H),5.22(t,J=9.2Hz,1H),5.35(dd,J=
9.4,10.5Hz,1H),5.41(d,J=4.0Hz,1H),6.99(dd,J
=2.0,8.1Hz,1H),7.34(d,J=8.1Hz,1H),7.62(s,1H
),8.32(s,1H);IR(KBr)3400,2950,1750,1690,1
600,1540,1425,1375,1230および1050cm−1;質量ス
ペクトル[(+)ESI],m/z 818/820(M+H),840(M+Na)
; 元素分析の結果: 計算値(C3544ClNO19について):C,51.38;H,5.42;N
,1.71; 実測値:C,51.03;H,5.36;N,1.59。
【0063】 工程4 N-[2-クロロ-5-(β-D-マルトシルオキシメチル)フェニル]アセトアミド MeOH(27.6mL)中におけるN-[2-クロロ-5-(ヘプタ-O-アセチル-β
-D-マルトシルオキシメチル)フェニル]アセトアミド(0.945g、1.12ミ
リモル)およびMeOH中の25重量%NaOMe(19.2μL、0.336ミリ
モル)を含有する溶液を2.5時間還流した。反応物を室温に冷却し、濃縮し、得
られた残渣をEtOと共に摩砕して、生成物(0.583g、99%)を泡状物
として得た。H NMR(DMSO-d)δ2.07(s,3H),3.03-3.1
6(m,2H),3.19-3.49(m,7H),3.55-3.62(m,2H),3.67
-3.73(m,1H),4.28(d,J=7.7Hz,1H),4.33-5.76(bs,
7H),4.67(ABq,J=12.5Hz,Δδ=0.22,2H),5.01(d,J
=3.7Hz,1H),7.21(dd,J=1.8,8.1Hz,1H),7.44(d,J
=8.1Hz,1H),7.64(d,J=1.5Hz,1H),9.33-9.69(bs,
1H);IR(KBr)3400,2900,1680,1600,1540,1430
,1375,1310,1150および1035cm−1;質量スペクトラム[(+)
ESI],m/z 524/526(M+H),546(M+Na); 元素分析の結果: 計算値(C2130ClNO12・1.0MeOHについて):C,47.53
;H,6.16;N,2.52; 実測値:C,47.94;H,6.34;N,2.42。
【0064】 工程5 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-β-D-マルトシルオキシ)メチル]-2-ク
ロロフェニル}アセトアミド 室温のDMF(325mL)中におけるN-[2-クロロ-5-(β-D-マルトシルオ
キシメチル)フェニル]アセトアミド(14.15g、27.0ミリモル)の攪拌溶液
に、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(8.11mL、54.0ミリモル)を滴
下した後、TsOH・HO(2.57g、13.5ミリモル)を滴下した。反応混
合物を60℃に6時間加熱した後、この温度でさらに0.5時間加熱しながら、
CO(1.87g、13.5ミリモル)でクエンチした。この時点で、溶液を
熱濾過し、高真空を用いて、溶媒を留去した。残渣をシリカゲル上(80:2:
1〜20:2:1のEtOAc:EtOH:HOの勾配)で精製して、生成物(
10.8g、65%)を白色の固形物として得た。融点143〜147℃;
NMR(DMSO-d)δ2.08(s,3H),3.07-3.12(m,1H),3.2
8-3.50(m,5H),3.51-3.60(m,2H),3.64-3.75(m,3H)
,4.10-4.12(m,1H),4.30(d,J=7.9Hz,1H),4.67(t,
5.9Hz,1H),4.68(ABq,J=12.5Hz,Δδ=0.22,2H),5.
14(d,J=4.0Hz,1H),5.25(d,J=5.1Hz,1H),5.30(d,
J=5.3Hz,1H),5.51(d,J=3.3Hz,1H),5.57(s,1H),
5.63(d,J=6.8Hz,1H),7.22(dd,J=1.5,8.3Hz,1H),
7.35-7.38(m,3H),7.42-7.46(m,3H),7.66(s,1H),9
.53(s,1H);IR(KBr)3500,3410,2910,2850,1700
,1600,1550,1440,1425,1375,1310,1230,1150
,1070および1030cm−1;質量スペクトル[(+)FAB],m/z 63
4(M+Na); 元素分析の結果: 計算値(C2834ClNO12・1.0HOについて):C,53.38;
H,5.76;N,2.22; 実測値:C,53.58;H,5.62;N,2.25。
【0065】 工程6 N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-O-(4-トルエンスルホニル)-β-D-
マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトアミド 0℃で、ピリジン(6.0mL)中におけるN-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-
β-D-マルトシルオキシ)メチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド(1.81g
、2.96ミリモル)の攪拌溶液に、CHCl(3.75mL)中におけるp-ト
ルエンスルホニルクロリド(0.686g、3.60ミリモル)の溶液を加えた。2
時間後、さらにCHCl(3.75mL)中におけるp-トルエンスルホニルク
ロリド(0.686g、3.60ミリモル)を加え、この溶液を0℃で2時間攪拌し
た。反応物を氷冷HO(50mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わ
せた有機抽出物を飽和NaHCO水溶液で(2回)、飽和CuSO水溶液で(
2回)、食塩水で(2回)順次洗浄し、(NaSOで)乾燥させ、濃縮した。シ
リカゲル上(5%〜10%MeOH:CHClの勾配)で精製して、白色の固
形物0.930g(41%)を得た。融点105〜120℃;H NMR(DMS
O-d)δ2.08(s,3H),2.33(s,3H),3.04-3.09(m,1H),
3.27-3.45(m,4H),3.49-3.53(m,1H),3.60-3.65(m,
3H),3.95(d,1H),4.13(dd,1H),4.29-4.33(m,2H),
4.46(d,1H),4.62(d,1H),5.05(d,1H),5.33-5.35(m
,2H),5.55(d,1H),5.57(s,1H),5.75(d,1H),7.18(d
,1H),7.35-7.47(m,8H),7.78(d,2H),9.53(s,1H);質
量スペクトル[(+)ESI],m/z 766/768(M+H),783/785(
M+NH); 元素分析の結果: 計算値(C3540NClO14S・HOについて):C,53.60;H,
5.40;N,1.79; 実測値:C,53.46;H,5.18;N,1.80。
【0066】 工程7 N-(5-{[2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
O-(4-トルエンスルホニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェ
ニル)アセトアミド 0℃で、CHCl(20mL)中におけるN-(5-{[4',6'-O-ベンジリデ
ン-6-O-(4-トルエンスルホニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロ
ロフェニル)アセトアミド(0.782g、1.02ミリモル)、ピリジン(0.99
1mL、12.3ミリモル)および4-ジメチルアミノピリジン(0.457g、4.
08ミリモル)を含有する攪拌溶液に、無水酢酸(0.764mL、8.17ミリモ
ル)を加えた。2時間後、反応物をジエチルエーテル(100mL)で希釈し、H
Oで(2回)、飽和NaHCO水溶液で(2回)、飽和CuSO水溶液で(2
回)、食塩水で(2回)順次洗浄し、(NaSOで)乾燥させ、濃縮した。シリ
カゲル上(1%、2%および3%MeOH/CHClの勾配)で精製して、表題
化合物0.942g(99%)を白色の固形物として得た。融点116〜122℃
H NMR(DMSO-d)δ1.91(s,3H),1.92(s,3H),1.9
6(s,3H),2.00(s,3H),2.08(s,3H),2.29(s,3H),3.6
8(dd,1H),3.77(t,1H),3.85(t,1H),3.90(t,1H),3.
97-4.00(m,1H),4.21(dd,1H),4.32(s,2H),4.39(d,
1H),4.56(d,1H),4.60(d,1H),4.78(d,1H),4.86(d
d,1H),5.17-5.30(m,3H),5.65(s,1H),7.03(d,1H),
7.34-7.41(m,7H),7.46(d,1H),7.59(s,1H),7.80(d
,2H),9.52(s,1H);質量スペクトル[(+)ESI],m/z 934/93
6(M+H); 元素分析の結果: 計算値(C4348NClO18Sについて):C,55.27;H,5.17;
N,1.50; 実測値:C,55.07;H,5.05;N,1.47。
【0067】 工程8 N-{5-[(2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-6-デオキシ-6-ベンジルスル
ファニル-4',6'-O-ベンジリデン-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロ
ロフェニル}アセトアミド 周囲温度で、DMF(1mL)中におけるベンジルメルカプタン(43.3μL、
0.370ミリモル)の溶液に、60%水素化ナトリウム/鉱油(13.4mg、0.
336ミリモル)を加え、この混合物を0.5時間攪拌した。反応物に、DMF(
2mL)中におけるN-(5-{[2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベ
ンジリデン-6-O-(4-トルエンスルホニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-
2-クロロフェニル)アセトアミド(0.314g、0.336ミリモル)の溶液を加
えた。1時間後、反応物を氷冷HO(50mL)でクエンチし、EtOAcで抽
出した。有機抽出物を(NaSOで)乾燥させ、濃縮した。40%アセトン/
ヘキサンで溶出するシリカゲル上で精製した後、EtOAc:ヘキサンから結晶
化して、表題化合物0.236g(79%)を白色の固形物として得た。融点18
5℃;H NMR(DMSO-d)δ1.91(s,3H),1.94(s,3H),1
.96(s,3H),2.00(s,3H),2.07(s,3H),2.76(dd,1H),
2.87(d,1H),3.68-3.71(m,1H),3.74-3.92(m,6H),4
.18(dd,1H),4.58(d,1H),4.68-4.83(m,3H),4.87(d
d,1H),5.20-5.29(m,3H),5.63(s,1H),7.08(dd,1H)
,7.14-7.19(m,1H),7.26-7.32(m,4H),7.34-7.40(m
,5H),7.45(d,1H),7.65(s,1H),9.50(s,1H);IR(KB
r)3400,2900,1750,1380,1240および1075cm−1
質量スペクトル[(+)FAB],m/z 886/888(M+H),908/910
(M+Na); 元素分析の結果: 計算値(C4348NClO15Sについて):C,58.27;H,5.46;
N,1.58; 実測値:C,58.12;H,5.39;N,1.60。
【0068】 実施例2 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルファニル-
β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド MeOH(4mL)中におけるN-{5-[(2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-6
-デオキシ-6-ベンジルスルファニル-4',6'-O-ベンジリデン-β-D-マルトシ
ル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド(0.148g、0.167ミ
リモル)およびMeOH中の25重量%NaOMe(18mg、0.0835ミリ
モル)を含有する溶液を3時間還流した。反応物を室温に冷却し、濃縮した。1
0%MeOH/CHClで溶出するシリカゲル上で精製した後、CHCl
:石油エーテルから結晶化して、表題化合物0.100g(83%)を白色の固
形物として得た。融点96〜110℃;H NMR(DMSO-d)δ2.06(
s,3H),2.62(dd,1H),2.86(dd,1H),3.11(dd,1H),3
.35-3.55(m,6H),3.64(d,2H),3.79(dd,2H),3.99(d
,1H),4.30(d,1H),4.59(d,1H),4.76(d,1H),5.16(d
,1H),5.31(d,2H),5.50(d,1H),5.56(s,1H),5.65(d
,1H),7.18-7.23(m,2H),7.26-7.31(m,4H),7.35-7.
38(m,3H),7.43-7.46(m,3H),7.68(s,1H),9.51(s,1
H);質量スペクトル[(+)FAB],m/z 718/720(M+H); 元素分析の結果: 計算値(C3540NClO11S・0.5HOについて):C,57.81
;H,5.68;N,1.93; 実測値:C,57.78;H,5.62;N,1.94。 実測値:C,57.65;H,5.56;N,1.94。
【0069】 実施例3 N-(5-{[2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-6-デオキシ-6-(2,4-ジクロ
ロベンジルスルファニル)-4',6'-O-ベンジリデン-β-D-マルトシル]オキシ
メチル}-2-クロロフェニル)アセトアミド 表題化合物は、実施例1の工程8と同様の方法を用いて、2,4-ジクロロベン
ジルメルカプタンから白色の固形物(0.222g、70%)として調製した。融
点190℃;H NMR(DMSO-d)δ1.91(s,3H),1.94(s,3
H),1.96(s,3H),2.00(s,3H),2.06(s,3H),2.84(dd,
1H),2.96(d,1H),3.69-3.80(m,2H),3.84-3.96(m,5
H),4.19(dd,1H),4.57(d,1H),4.68-4.76(m,2H),4.
83(d,1H),4.87(dd,1H),5.22(d,1H),5.26-5.31(m,
2H),5.63(s,1H),7.07(dd,1H),7.31(dd,1H),7.34
-7.38(m,5H),7.41-7.45(m,2H),7.58(d,1H),7.64(
s,1H),9.49(s,1H);IR(KBr)3400,2900,1760,13
70,1240および1050cm−1;質量スペクトル[(+)FAB],m/z
954/956/958/960(M+H); 元素分析の結果: 計算値(C4346NCl15Sについて):C,54.07;H,4.85
;N,1.47; 実測値:C,53.96;H,4.73;N,1.52。
【0070】 実施例4 N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(2,4-ジクロロベンジ
ルスルファニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセト
アミド MeOH(4mL)中におけるN-(5-{[2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-6
-デオキシ-6-(2,4-ジクロロベンジルスルファニル)-4',6'-O-ベンジリデ
ン-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトアミドおよびM
eOH中の25重量%NaOMe(16.1mg、0.0743ミリモル)を含有す
る溶液を3時間還流した。反応物を0℃に徐々に冷却した。得られた結晶を採取
し、乾燥させて、表題化合物63mg(99%)を白色の固形物として得た。融点
125〜128℃;H NMR(DMSO-d)δ2.06(s,3H),2.71(
dd,1H),2.93(dd,1H),3.12(t,1H),3.37-3.40(m,2
H),3.43-3.46(m,2H),3.54(t,2H),3.65(d,2H),3.8
7(s,2H),4.00(d,1H),4.32(d,1H),4.58(d,1H),4.7
5(d,1H),5.16(d,1H),5.35(br s,2H),5.55(br s,2
H),5.56(s,1H),7.20(dd,1H),7.33-7.38(m,4H),7.
42-7.45(m,4H),7.58(d,1H),7.66(s,1H),9.50(s,1
H);質量スペクトル[(+)FAB],m/z 786/788/790/792(M+
H); 元素分析の結果: 計算値(C3538NCl11S・0.5HOについて):C,52.8
0;H,4.94;N,1.76; 実測値:C,52.82;H,4.77;N,1.76。 実測値:C,52.70;H,4.77;N,1.70。
【0071】 実施例5 N-{5-[(2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-ベンジルスルフィニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロ
ロフェニル}アセトアミド 周囲温度で、CHCl(163mL)および飽和NaHCO水溶液(16
3mL)中におけるN-{5-[(2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-6-デオキシ-
6-ベンジルスルファニル-4',6'-O-ベンジリデン-β-D-マルトシル)オキシ
メチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド(14.48g、16.34ミリモル)の
攪拌した二相溶液に、85%3-クロロペルオキシ安息香酸(3.32g、16.3
4ミリモル)を一度に加えた。1時間後、反応物を食塩水(150mL)でクエン
チし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を(NaSOで)乾燥させ
、濃縮した。1%、2%および3%MeOH:CHClの勾配で溶出するシリ
カゲル上で精製して、表題化合物12.89g(87%)をジアステレオマーの1
:1混合物、白色の固形物として得た。融点212〜213℃;H NMR(D
MSO-d)δ1.91,1.92(2s,3H),1.93,1.95(2s,3H),1
.96,1.97(2s,3H),2.00,2.01(2s,3H),3.01-3.11(m
,2H),3.74-4.08(m,6H),4.21-4.32(m,2H),4.57(t,
J=13.0Hz,1H),4.70-4.93(m,4H),5.19-5.33(m,3H
),5.64,5.68(2s,1H),7.07(d,1H),7.27-7.39(m,9H
),7.44(dd,2H),7.62,7.63(2s,1H),9.51(s,1H);I
R(KBr)3400,2920,1750,1375,1240および1050cm −1 ;質量スペクトル[(+)FAB],m/z 902/904(M+H); 元素分析の結果: 計算値(C4348NClO16Sについて):C,57.24;H,5.36;
N,1.55; 実測値:C,56.85;H,5.19;N,1.51。
【0072】 実施例6〜8 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルフィニル-
β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド 実施例6(ラセミ体);実施例7(ジアステレオマー#1);実施例8(ジアステ
レオマー#2) 表題化合物は、実施例2と同様の方法を用いて、N-{5-[(2,3,2',3'-テ
トラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルフィ
ニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドからジ
アステレオマーの1:1混合物、白色の固形物(0.068g、99%)として製
造した。融点128〜133℃;H NMR(DMSO-d)δ2.06(s,3
H),2.96-3.05(m,1H),3.11-3.18(m,1H),3.25-3.72
(m,8H),3.88-3.98(m,2H),4.06-4.10(m,1H),4.18,
4.22(2d,1H),4.35,4.44(2d,1H),4.56,4.60(2d,1
H),4.72,4.76(2d,1H),5.18,5.20(2d,1H),5.34-5.
39(m,2H),5.56-5.59(m,2H),5.67,5.75(2d,1H),7.
19(d,1H),7.29-7.37(m,9H),7.41-7.47(m,2H),7.6
5(s,1H),9.51(s,1H);質量スペクトル[(+)FAB],m/z 734/
736(M+H); 元素分析の結果: 計算値(C3540NClO12S・0.5HOについて):C,56.56
;H,5.56;N,1.88; 実測値:C,56.44;H,5.38;N,1.85。
【0073】 ラセミ混合物をHPLC(プライムスフェア(Primesphere)SIL;5%MeO
H:CHCl)で分離して、2つの正反対のスルホキシドジアステレオマー
を得た。 ジアステレオマー#1、白色の固形物、融点214〜215℃;H NMR(
DMSO-d)δ2.06(s,3H),2.99(dd,J=13.9,7.6Hz,1
H),3.13-3.18(m,1H),3.25-3.59(m,6H),3.61-3.72
(m,2H),3.88-3.93(m,1H),4.07(dd,1H),4.08(ABq,
J=12.7Hz,Δδ=0.10,2H),4.44(d,J=7.7Hz,1H),4.
68(ABq,J=12.5Hz,Δδ=0.06,2H),5.18(d,J=3.7H
z,1H),5.34(d,J=5.3Hz,1H),5.38(d,J=5.3Hz,1H)
,5.56(s,1H),5.58(d,J=2.9Hz,1H),5.75(d,J=6.6
Hz,1H),7.19(dd,J=8.2,1.9Hz,1H),7.28-7.37(m,
8H),7.41-7.45(m,3H),7.65(s,1H),9.51(s,1H);I
R(KBr)3400,2900,1675,1070および700cm−1;質量
スペクトル[(−)FAB],m/z 732(M−H); 元素分析の結果: 計算値(C3540NClO12S・0.5HOについて):C,56.56
;H,5.56;N,1.88; 実測値:C,56.59;H,5.51;N,1.98。
【0074】 ジアステレオマー#2、白色の固形物、融点202〜208℃;H NMR(
DMSO-d)δ2.06(s,3H),2.99-3.05(m,2H),3.11-3.
16(m,1H),3.36-3.42(m,3H),3.46-3.56(m,2H),3.6
5-3.72(m,3H),4.05(ABq,J=13.0Hz,Δδ=0.15,2H)
,4.09(d,J=4.8Hz,1H),4.35(d,J=7.9Hz,1H),4.6
5(ABq,J=12.4Hz,Δδ=0.07,2H),5.20(d,J=4.0Hz,
1H),5.34(d,2H),5.56(d,J=3.1Hz,1H),5.58(s,1H
),5.67(d,J=6.6Hz,1H),7.18(dd,J=8.2,1.9Hz,1H
),7.28-7.38(m,8H),7.42-7.48(m,3H),7.65(s,1H)
,9.51(s,1H);IR(KBr)3400,2900,1675,1070およ
び700cm−1;質量スペクトル[(−)FAB],m/z 732(M−H); 元素分析の結果: 計算値(C3540NClO12Sについて):C,57.26;H,5.49;
N,1.91; 実測値:C,56.90;H,5.64;N,1.95。
【0075】 実施例9 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルホニル-β-
D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド
【0076】 工程1 N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-ベンジルスルホニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロ
フェニル}アセトアミド 周囲温度で、CHCl(5mL)および飽和NaHCO水溶液(5mL)中
におけるN-{5-[(2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-6-デオキシ-6-ベンジ
ルスルファニル-4',6'-O-ベンジリデン-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2
-クロロフェニル}アセトアミド(0.287g、0.324ミリモル)の二相溶液に
、80%3-クロロペルオキシ安息香酸(0.147g、0.681ミリモル)を一
度に加えた。1時間後、反応物を食塩水(150mL)でクエンチし、EtOAc
で抽出した。合わせた有機抽出物を(NaSOで)乾燥させ、濃縮した。シリ
カゲル上(1%、2%および3%MeOH:CHClの勾配)で精製して、N-{
5-[(6-ベンジルスルホニル-2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-
ベンジリデン-β-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド
0.244g(82%)を得た。H NMR(DMSO-d)δ1.94(s,3H)
,1.96(s,3H),1.98(s,3H),2.00(s,3H),2.07(s,3H)
,3.47-3.61(m,2H),3.75-3.81(m,2H),3.91(t,J=9.
2Hz,1H),4.01(t,J=9.2Hz,1H),4.19(d,J=5.6Hz,
1H),4.30-4.34(m,1H),4.53(s,2H),4.64(d,J=12.
6Hz,1H),4.74-4.80(m,2H),4.83-4.98(m,1H),5.2
3-5.30(m,2H),5.37(t,J=9.2Hz,1H),5.64(s,1H),
7.08(dd,J=6.4,1.8Hz,1H),7.33-7.46(m,11H),7.
66(s,1H),9.51(s,1H)。
【0077】 工程2 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルホニル-β-
D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド 表題化合物は、実施例2と同様の方法を用いて、N-{5-[(2,2',3,3'-テ
トラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルホニ
ル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドから白色
の固形物(0.118g、67%)として製造した。融点>225℃;H NMR
(DMSO-d)δ2.05(s,3H),3.15-3.20(m,1H),3.36-3.
46(m,4H),3.49-3.59(m,3H),3.60-3.69(m,2H),3.9
4(t,J=9.2Hz,1H),4.00(q,1H),4.40(d,J=13.6Hz,
1H),4.50(d,J=13.4Hz,1H),4.52(d,J=7.7Hz,1H)
,4.66(d,J=12.5Hz,1H),4.81(d,J=12.5Hz,1H),5
.12(d,J=4.0Hz,1H),5.37(d,J=5.3Hz,1H),5.41(d
,J=5.5Hz,1H),5.55(s,2H),5.78(d,J=6.6Hz,1H),
7.19(dd,J=8.3,2.0Hz,1H),7.33-7.44(m,11H),7.
67(s,1H),9.48(s,1H);質量スペクトル[(+)ESI],m/z 75
0/752(m+H); 元素分析の結果: 計算値(C3540NClO13Sについて):C,56.03;H,5.37;
N,1.87; 実測値:C,55.84;H,5.23;N,1.78。
【0078】 実施例10 N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-フェニルスルファニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロ
ロフェニル}アセトアミド 周囲温度で、DMF(2.27mL)中におけるチオフェノール(0.0257m
L、0.250ミリモル)の溶液に、95%カリウムt-ブトキシド(26.8mg
、0.227ミリモル)を加え、この混合物を0.5時間攪拌した。反応物に、N-
(5-{[2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-O-(4
-トルエンスルホニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)ア
セトアミド(0.212g、0.227ミリモル)を加えた。16時間後、反応物を
氷冷HO(50mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機抽出物を(N
SOで)乾燥させ、濃縮した。シリカゲル上(40%アセトン:ヘキサン)
で精製した後、EtOAc:ヘキサンから結晶化して、表題化合物98mg(4
9%)を白色の固形物として得た。融点173〜177℃;H NMR(DMS
O-d)δ1.92(s,3H),1.94(s,3H),1.97(s,3H),1.99(
s,3H),2.07(s,3H),3.34-3.47(m,2H),3.73-3.85(m
,2H),3.90(d,J=9.4Hz,1H),3.95(d,J=9.0Hz,1H),
4.02-4.05(m,1H),4.17(dd,J=9.0,5.3Hz,1H),4.5
2(ABq,J=12.5Hz,Δδ=0.06,2H),4.70(dd,J=9.6,8
.0Hz,1H),4.84(d,1H),4.89(dd,J=10.2,4.1Hz,1H
),5.24-5.32(m,3H),5.61(s,1H),7.03(dd,J=8.2,1
.9Hz,1H),7.14(t,J=7.4Hz,1H),7.26(t,J=7.8Hz,
1H),7.30-7.41(m,8H),7.44(d,J=8.1Hz,1H),7.61
(s,1H),9.50(s,1H);IR(KBr)3400,2925,1750,13
75,1240および1050cm−1;質量スペクトル[(+)ESI],m/z
872/874(M+H); 元素分析の結果: 計算値(C4246NClO15について):C,57.83;H,5.32;N
,1.61; 実測値:C,57.95;H,5.40;N,1.62。
【0079】 実施例11 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェニルスルファニル-
β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド 表題化合物は、実施例2と同様の方法を用いて、N-{5-[(2,2',3,3'-テ
トラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルファ
ニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドから白
色の固形物(0.185g、78%)として製造した。融点105〜120℃;
H NMR(DMSO-d)δ2.07(s,3H),3.09-3.14(m,1H),3
.20(dd,J=8.24,5.49Hz,1H),3.35-3.47(m,5H),3.
53-3.73(m,4H),3.91(dd,1H),4.31(d,J=7.7Hz,1H
),4.54(ABq,J=12.3Hz,Δδ=0.06,2H),5.19(d,J=4
.0Hz,1H),5.30-5.34(m,2H),5.55-5.57(m,2H),5.7
3(d,J=6.4Hz,1H),7.14-7.18(m,2H),7.26-7.30(m,
2H),7.35-7.44(m,8H),7.63(s,1H),9.52(s,1H);I
R(KBr)3400,2900,1675,1050cm−1;質量スペクトル[(
−)FAB],m/z 702/704(M−H); 元素分析の結果: 計算値(C3438NClO11S・0.5HOについて):C,57.26
;H,5.51;N,1.96; 実測値:C,57.33;H,5.40;N,1.99。
【0080】 実施例12 N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-フェニルスルフィニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロ
ロフェニル}アセトアミド 表題化合物は、実施例5と同様の方法を用いて、N-{5-[(2,2',3,3'-テ
トラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェニルスルファ
ニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドからジ
アステレオマーの1:1混合物、白色の固形物(0.335g、69%)として製
造した。融点160〜187℃;H NMR(DMSO-d)δ1.91,1.9
2,1.93,1.95,1.96,1.97,1.98,1.99,2.00,2.08(10
s,15H),3.09(d,1H),3.25-3.28(m,1H),3.60-4.09(
m,4H),4.14-4.45(m,2H),4.61-4.99(m,5H),5.12-5
.40(m,3H),5.54,5.63(2s,1H),7.04,7.12(2dd,1H)
,7.30-7.33(m,1H),7.46-7.56(m,4H),7.62,7.68(2
s,1H),7.72-7.74(m,2H),9.51,9.53(2s,1H);IR(K
Br)3400,2900,1750,1375,1240および1050cm−1
;質量スペクトル[(+)FAB],m/z 888/890(M+H); 元素分析の結果: 計算値(C4246NClO16S・0.5HOについて):C,56.22
;H,5.28;N,1.56; 実測値:C,56.04;H,5.21;N,1.53。
【0081】 実施例13 N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-フェニルスルファニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロ
ロフェニル}アセトアミド 表題化合物は、実施例1の工程8と同様の方法を用いて、N-(5-{[2,3,2'
,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-O-(4-トルエンスルホ
ニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトアミドから
白色の固形物(0.712g、61%)として製造した。融点132〜147℃;
H NMR(DMSO-d)δ1.92(s,3H),1.94(s,3H),1.97(
s,3H),2.00(s,3H),2.07(s,3H),2.80-2.91(m,5H),
3.05(d,1H),3.76-3.82(m,2H),3.90-4.00(m,3H),4
.24(d,J=5.5Hz,1H),4.54(d,J=12.7Hz,1H),4.67-
4.72(m,2H),4.83-4.90(m,2H),5.24-5.32(m,3H),5
.63(s,1H),7.02(dd,J=8.2,1.9Hz,1H),7.14-7.21(
m,5H),7.30-7.37(m,5H),7.42(d,J=8.3Hz,1H),7.
62(s,1H),9.51(s,1H);IR(KBr)3400,2900,1750,
1240および1050cm−1;質量スペクトル[(+)FAB],m/z 900
(M+H); 元素分析の結果: 計算値(C4450NClO15S・2HOについて):C,56.44;H
,5.81;N,1.50; 実測値:C,56.40;H,5.42;N,1.48。
【0082】 実施例14 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェネチルスルファニル
-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド 表題化合物は、実施例2と同様の方法を用いて、N-{5-[(2,2',3,3'-テ
トラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェネチルスルフ
ァニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドから
白色の固形物(0.130g、90%)として製造した。融点193〜195℃;
H NMR(DMSO-d)δ2.06(s,3H),2.74(dd,J=14.3,
7.25Hz,1H),2.79-2.87(m,4H),3.00(dd,J=14.3,2
.2Hz,1H),3.11(t,J=8.35Hz,1H),3.37-3.59(m,6H
),3.69-3.72(m,2H),4.08(d,1H),4.32(d,J=7.9Hz,
1H),4.63,4.54(ABq,J=12.4Hz,Δδ=0.08,2H),5.1
7(d,J=4.0Hz,1H),5.31(br s,2H),5.00(br s,1H)
,5.57(s,1H),5.66(br s,1H),7.13-7.21(m,6H),7.
33-7.36(m,3H),7.39-7.43(m,3H),7.63(s,1H),9.5
1(s,1H);IR(KBr)3325,2900,1700,1525,1300お
よび1070cm−1;質量スペクトル[(+)FAB],m/z 754(M+Na) ; 元素分析の結果: 計算値(C3642NClO11Sについて):C,59.05;H,5.78;
N,1.91; 実測値:C,58.99;H,5.86;N,1.86。
【0083】 実施例15 N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(フェニルエチルスルフ
ィニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトアミド
【0084】 工程1 N-(5-{[2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-(フェニルエチルスルフィニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-
2-クロロフェニル)アセトアミド 表題化合物は、実施例5と同様の方法を用いて、N-{5-[(2,2',3,3'-テ
トラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-フェネチルスルファニル-β-D
-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドからジアステレオ
マーの1:1混合物、白色の固形物(0.189g、47%)として製造した。
H NMR(DMSO-d)δ1.94(s,3H),1.95(s,3H),1.96(s
,3H),2.00(s,3H),2.09(s,3H),2.96-3.29(m,6H),3
.76-4.46(m,6H),4.50-4.79(m,3H),4.88-4.94(m,2
H),5.23-5.40(m,3H),5.63,5.64(2s,1H),7.00-7.0
7(m,1H),7.17-7.37(m,10H),7.42-7.47(m,1H),7.6
0-7.63(m,1H),9.52(s,1H)。
【0085】 工程2 N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-(フェニルエチルスルフィニル)-β-D
-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトアミド 表題化合物は、実施例2と同様の方法を用いて、N-(5-{[2,2',3,3'-テ
トラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-(フェニルエチルスルフィニル)
-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトアミドからジアス
テレオマーの1:1混合物、白色の固形物(0.123g、92%)として製造し
た。融点202〜205℃;H NMR(DMSO-d)δ2.07(s,3H),
2.97-3.16(m,6H),3.28-3.76(m,9H),4.14(m,1H),4
.38(t,J=7.7Hz,1H),4.47-4.56(m,3H),4.67(d,J=
12.5Hz,1H),5.16(s,1H),5.36(br s,2H),5.56(s,
2H),5.75(br s,1H),7.14-7.19(m,2H),7.24-7.26(
m,4H),7.33-7.39(m,3H),7.41-7.43(m,3H),7.57,7
.63(2s,1H),9.52(s,1H);IR(KBr)3400,2900,167
0,1425および1070cm−1;質量スペクトル[(+)FAB],m/z 7
48(M+H); 元素分析の結果: 計算値(C3642NClO12S・0.5HOについて):C,57.10
;H,5.72;N,1.85; 実測値:C,57.16;H,5.72;N,1.79。
【0086】 実施例16 N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(3-フェニルプロピルス
ルファニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトアミ
【0087】 工程1 N-(5-{[2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-(3-フェニルプロピルスルファニル)-β-D-マルトシル]オキシメ
チル}-2-クロロフェニル)アセトアミド 表題化合物は、3-フェニルプロピルメルカプタンおよび実施例1の工程8と
同様の方法を用いて、N-(5-{[2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O
-ベンジリデン-6-O-(4-トルエンスルホニル)-β-D-マルトシル]オキシメチ
ル}-2-クロロフェニル)アセトアミドから白色の固形物(0.172g、57%)
として製造した。H NMR(DMSO-d)δ1.82-1.90(m,2H),1
.93(s,3H),1.95(s,3H),1.98(s,3H),2.00(s,3H),2
.07(s,3H),2.57-2.65(m,4H),2.88(d,1H),3.00(d,
1H),3.75-3.81(m,2H),3.90-3.95(m,3H),4.24(d,J
=5.4Hz,1H),4.52(d,J=12.6Hz,1H),4.66-4.72(m,
2H),4.81-4.91(m,2H),5.23-5.33(m,3H),5.65(s,1
H),7.05(dd,J=8.3,1.8Hz,1H),7.14-7.17(m,3H),
7.21-7.26(m,2H),7.36(s,5H),7.46(d,J=8.3Hz,1
H),7.64(s,1H),9.52(s,1H)。
【0088】 工程2 N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(3-フェニルプロピルス
ルファニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトアミ
ド 表題化合物は、実施例2と同様の方法を用いて、N-(5-{[2,3,2',3'-テ
トラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-O-(4-トルエンスルホニル)-
β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトアミドから白色の
固形物(0.161g、93%)として製造した。融点78〜88℃;H NMR
(DMSO-d)δ1.78-1.85(m,2H),2.06(s,3H),2.56(t,
J=7.2Hz,2H),2.62(t,J=7.6Hz,2H),2.70(dd,J=1
4.1,7.2Hz,1H),2.94(dd,J=13.9,2.1Hz,1H),3.07
-3.13(m,1H),3.28-3.48(m,5H),3.53-3.59(m,1H),
3.69(d,J=7.2Hz,2H),4.05(d,J=5.3Hz,1H),4.29(
d,1H),4.61(ABq,J=12.3Hz,Δδ=0.07,2H),5.15(d
,J=4.0Hz,1H),5.30(d,J=5.3Hz,1H),5.33(d,J=5.
1Hz,1H),5.52(d,J=2.9Hz,1H),5.57(s,1H),5.70(
d,J=6.6Hz,1H),7.11-7.24(m,6H),7.35-7.37(m,3
H),7.41-7.45(m,3H),7.65(s,1H),9.52(s,1H);質量
スペクトル[(+)FAB],m/z 768(M+Na); 元素分析の結果: 計算値(C3744NClO11S・0.5HOについて):C,58.80
;H,6.01;N,1.85; 実測値:C,58.79;H,5.95;N,1.82。
【0089】 実施例17 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンゾイルアミノ-β-D
-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド
【0090】 工程1 N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-アミノ-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセ
トアミド 周囲温度で、5%HO/THF(9.2mL)中におけるN-{5-[(2,2',3,
3'-テトラ-O-アセチル-6-デオキシ-6-O-アジドメチル-4',6'-O-ベンジ
リデン-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド(0.
371g、0.461ミリモル)の攪拌溶液に、トリフェニルホスフィン(0.12
1g)を加えた。3日後、反応物をEtOAc(50mL)で希釈し、食塩水で洗
浄し、(NaSOで)乾燥させ、濃縮した。シリカゲル上(1%、2%および
3%MeOH:CHClの勾配)で精製して、表題化合物0.346g(96%)
を得た。H NMR(DMSO-d)δ1.92(s,3H),1.94(s,3H),
1.95(s,3H),1.98(s,3H),2.01(s,3H),2.75(dd,1H)
,3.00(d,1H),3.33-3.64(m,1H),3.78-3.95(m,4H),
4.23(d,J=5.1Hz,1H),4.59(d,J=12.7Hz,1H),4.6
7-4.82(m,3H),4.88(dd,J=10.2,4.0Hz,1H),5.20-
5.30(m,3H),5.65(s,1H),7.09(d,1H),7.38(s,5H),
7.47(d,J=8.2Hz,1H),7.65(s,1H),9.52(s,1H)。
【0091】 工程2 N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-ベンゾイルアミノ-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフ
ェニル}アセトアミド 周囲温度で、THF(5.2mL)中におけるN-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-
O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-アミノ-β-D-マルトシ
ル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド(0.201g、0.258ミ
リモル)およびピリジン(0.063mL、0.774ミリモル)の攪拌溶液に、塩
化ベンゾイル(0.033mL、0.284ミリモル)を加えた。1.5時間後、反
応物をHO(25mL)でクエンチし、EtOAcで抽出し、飽和NaHCO 水溶液で(3回)、飽和CuSO水溶液で(3回)、食塩水で(3回)順次洗浄し、
(NaSOで)乾燥させ、濃縮して、表題化合物0.224g(98%)を得た
。この物質は、さらに精製することなく用いた。H NMR(DMSO-d
1.94(s,3H),1.96(s,3H),1.99(s,3H),2.02(s,3H),
2.07(s,3H),3.39(m,1H),3.76-3.79(m,1H),3.89-4
.00(m,5H),4.20-4.24(m,1H),4.55(d,J=12.7Hz,1
H),4.73-4.81(m,3H),4.93(dd,J=10.2,4.0Hz,1H)
,5.24-5.32(m,3H),5.63(s,1H),6.99(dd,J=8.2,1.
8Hz,1H),7.35-7.40(m,6H),7.44-7.53(m,3H),7.6
1(s,1H),7.87-7.89(m,2H),8.56-8.60(m,1H),9.51
(s,1H)。
【0092】 工程3 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンゾイルアミノ-β-D
-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミド 表題化合物は、実施例2と同様の方法を用いて、N-{5-[(2,2',3,3'-テ
トラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンゾイルアミノ
-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドから白色の
固形物(0.138g、82%)として製造した。融点133〜144℃;H N
MR(DMSO-d)δ2.06(s,3H),3.12-3.18(m,3H),3.28
-3.48(m,4H),3.58-3.69(m,2H),3.86-3.88(m,1H),
4.07-4.09(m,1H),4.23-4.27(m,2H),4.66(ABq,J=
12.3Hz,Δδ=0.10,2H),5.16(d,J=4.0Hz,1H),5.27
(d,J=5.5Hz,1H),5.36(d,J=5.1Hz,1H),5.56-5.58
(m,2H),5.82(d,J=6.2Hz,1H),7.12(dd,J=8.2,1.9
Hz,1H),7.34-7.50(m,9H),7.62(s,1H),7.82-7.85(
m,2H),8.47(m,1H),9.51(s,1H);IR(KBr)3400,29
00,1650,1550および1070cm−1;質量スペクトル[(+)FAB]
,m/z 715/717(M+H); 元素分析の結果: 計算値(C3539ClO12について):C,58.78;H,5.50;
N,3.92; 実測値:C,58.49;H,5.60;N,3.73。
【0093】 実施例18 N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(2-フェニル-1-オキソ
エチルアミノ)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトア
ミド
【0094】 工程1 N-(5-{[2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-(2-フェニル-1-オキソエチルアミノ)-β-D-マルトシル]オキシ
メチル}-2-クロロフェニル)アセトアミド 表題化合物は、塩化フェニルアセチルおよび実施例17の工程2と同様の方法
を用いて、N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリ
デン-6-デオキシ-6-アミノ-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェ
ニル}アセトアミドから固形物(0.176g、94%)として製造した。H N
MR(DMSO-d)δ1.93(s,3H),1.95(s,3H),1.97(s,3H
),2.00(s,3H),2.09(s,3H),3.20(m,1H),3.50(s,2H
),3.70-3.92(m,6H),4.18-4.20(m,1H),4.48(d,J=1
2.6Hz,1H),4.71-4.77(m,3H),4.90(dd,J=10.2,4.
1Hz,1H),5.19-5.28(m,3H),5.61(s,1H),7.04(dd,
J=8.3,1.6Hz,1H),7.19-7.30(m,5H),7.37(s,5H),
7.47(d,J=8.3Hz,1H),7.64(s,1H),8.16(s,1H),9.
54(s,1H)。
【0095】 工程2 N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(2-フェニル-1-オキソ
エチルアミノ)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトア
ミド 表題化合物は、実施例2と同様の方法を用いて、N-(5-{[2,2',3,3'-テ
トラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(2-フェニル-1-
オキソエチルアミノ)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)ア
セトアミドから白色の固形物(0.109g、85%)として製造した。融点11
5℃;H NMR(DMSO-d)δ2.09(s,3H),2.90-2.95(m,
1H),3.09-3.14(m,1H),3.25-3.50(m,7H),3.53-3.6
3(m,2H),3.73-3.79(m,1H),3.90(dd,J=13.0,6.8H
z,1H),4.20-4.23(m,2H),4.63(ABq,J=12.5Hz,Δδ
=0.13,2H),5.08(d,J=3.7Hz,1H),5.26(d,J=5.3H
z,1H),5.34(d,J=5.1Hz,1H),5.52(d,J=2.9Hz,1H)
,5.55(s,1H),5.78(d,J=6.4Hz,1H),7.15-7.27(m,
6H),7.34-7.37(m,3H),7.41-7.46(m,3H),7.66(s,1
H),8.01-8.03(m,1H),9.54(s,1H);IR(KBr)3375,2
900,1650,1540および1070cm−1;質量スペクトル[(+)FA
B],m/z 729(M+H); 元素分析の結果: 計算値(C3641ClO12・HOについて):C,57.87;H,
5.80;N,3.75; 実測値:C,57.87;H,5.66;N,3.66。
【0096】 実施例19 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェネチルスルファニル
-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}カルバミン酸メチルエス
テル
【0097】 工程1 N-{5-[(ヘプタ-O-アセチル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフ
ェニル}カルバミン酸メチルエステル 0℃のTHF(18mL)中における2-クロロ-5-(ヘプタ-O-アセチル-β-D
-マルトシルオキシメチル)フェニルアミン(1.40g、1.80ミリモル)の攪拌
溶液に、NaH(0.108g、2.70ミリモル)を加えた。室温で10分後、ク
ロロギ酸メチル(0.167mL、2.16ミリモル)を加えた後、反応物を室温に
3時間加温した。この時点で、反応物を濃縮し、残渣をEtOAc(300mL)
で希釈した。この溶液を1N HCl(30mL)、飽和NaHCO水溶液(30
mL)および食塩水(30mL)で洗浄した後、(MgSOで)乾燥させた。濃縮
後、得られた油状の残渣をフラッシュクロマトグラフィー(2:98〜10:9
0のアセトン:CHClの勾配)で精製して、生成物(1.33g、88%)を白
色の泡状物として得た。融点>79℃(分解);H NMR(DMSO-d)δ1
.93(s,3H),1.94(s,6H),1.970(s,3H),1.973(s,3H)
,2.01(s,3H),2.08(s,3H),3.64(s,3H),3.91-4.03(
m,4H),4.12-4.23(m,2H),4.38(dd,J=1.8,11.9Hz,
1H),4.54(d,J=12.7Hz,1H),4.69-4.75(m,2H),4.8
3-4.88(m,2H),4.97(t,J=9.7Hz,1H),5.21(dd,J=9
.7,10.3Hz,1H),5.27(d,J=3.7Hz,1H),5.30(dd,J=
8.6,9.2Hz,1H),7.07(dd,J=2.0,8.3Hz,1H),7.44(
d,J=8.1Hz,1H),7.48(d,J=1.8Hz,1H),9.08(s,1H)
;IR(KBr)3420,2950,1755,1590,1530,1450,14
20,1375,1230,1130および1040cm−1;質量スペクトル[(
+)FAB],m/z 834(M+H),856(M+Na); 元素分析の結果:計算値(C3544ClNO20・0.5HOについて)
:C,49.86;H,5.38;N,1.66; 実測値:C,49.68;H,5.14;N,1.58。
【0098】 工程2 {2-クロロ-5-[(β-D-マルトシル)オキシメチル]フェニル}カルバミン酸メ
チルエステル 表題化合物は、実施例2と同様の方法を用いて、N-{5-[(ヘプタ-O-アセチ
ル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}カルバミン酸メチルエ
ステルから白色の泡状物(0.753g、99%)として製造した。融点>109
℃(分解);H NMR(DMSO-d)δ3.01-3.11(m,2H),3.19-
3.27(m,2H),3.28-3.38(m,2H),3.38-3.50(m,3H),3
.52-3.64(m,2H),3.64(s,3H),3.72(d,J=11.2Hz,1
H),4.28(d,J=7.9Hz,1H),4.44-4.57(m,2H),4.67(
ABq,J=12.5Hz,Δδ=0.22,2H),4.83-4.96(bs,2H),
5.01(d,J=4.0Hz,1H),5.16-5.32(bs,1H),5.34-5.
58(bs,2H),7.21(dd,J=2.0,8.1Hz,1H),7.43(d,J=
8.1Hz,1H),7.53(d,J=1.8Hz,1H),9.07(s,1H);IR(
KBr)3420,2920,1725,1590,1530,1450,1425,1
370,1310,1255,1230,1140,1070および1030cm
;質量スペクトル[(+)FAB],m/z 562/564(M+Na); 元素分析の結果: 計算値(C2130ClNO13・0.5HOについて):C,45.95;
H,5.69;N,2.55; 実測値:C,45.81;H,5.82;N,2.39。
【0099】 工程3 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-ク
ロロフェニル}カルバミン酸メチルエステル 表題化合物は、実施例1の工程5と同様の方法を用いて、{2-クロロ-5-[(β
-D-マルトシル)オキシメチル]フェニル}カルバミン酸メチルエステルから白色
の固形物(0.552g、71%)として製造した。融点142〜145℃;
NMR(DMSO-d)δ3.06-3.13(m,1H),3.28-3.41(m,4H
),3.46(td,J=2.4,8.8Hz,1H),3.50-3.61(m,2H),3.
65(s,3H),3.65-3.75(m,3H),4.11(dd,J=3.1,8.1H
z,1H),4.30(d,J=7.7Hz,1H),4.64-4.69(m,1H),4.
68(ABq,J=12.5Hz,Δδ=0.22,2H),5.14(d,J=3.7H
z,1H),5.26(d,J=5.1Hz,1H),5.30(d,J=4.8Hz,1H)
,5.51(d,J=2.9Hz,1H),5.57(s,1H),5.63(d,J=6.4
Hz,1H),7.22(dd,J=2.0,8.1Hz,1H),7.34-7.38(m,
3H),7.41-7.46(m,3H),7.54(d,J=1.8Hz,1H),9.07
(s,1H);IR(KBr)3530,3410,2920,2850,1730,15
90,1535,1450,1420,1375,1310,1250,1230,11
45,1075,1030および1000cm−1;質量スペクトル[(+)FAB]
,m/z 650/652(M+Na); 元素分析の結果: 計算値(C2834ClNO13・0.5HOについて):C,52.79;
H,5.54;N,2.20; 実測値:C,52.85;H,5.77;N,2.11。
【0100】 工程4 N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-O-(4-トルエンスルホニル)-β-D-
マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニ)カルバミン酸メチルエステル 表題化合物は、実施例1の工程6と同様の方法を用いて、N-{5-[(4',6'-
O-ベンジリデン-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}カルバ
ミン酸メチルエステルから白色の固形物(0.686g、70%)として製造した
H NMR(DMSO-d)δ2.34(s,3H),3.11(t,1H),3.3
6-3.67(m,1H),3.96(d,J=5.1Hz,1H),4.14(dd,1H)
,4.30-4.35(m,2H),4.56(ABq,J=12.4Hz,Δδ=0.06
,2H),5.07(d,J=3.7Hz,1H),5.36(br s,2H),5.58(
s,2H),5.77(br s,1H),7.20(dd,J=8.3,2.0Hz,1H)
,7.37-7.53(m,9H),7.80(d,J=8.4Hz,2H),9.10(s,
1H)。
【0101】 工程5 N-(5-{[2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
O-(4-トルエンスルホニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェ
ニル)カルバミン酸メチルエステル 表題化合物は、実施例1の工程7と同様の方法を用いて、N-(5-{[4',6'-
O-ベンジリデン-6-O-(4-トルエンスルホニル)-β-D-マルトシル]オキシメ
チル}-2-クロロフェニ)カルバミン酸メチルエステルから白色の固形物(0.81
2g、99%)として製造した。H NMR(DMSO-d)δ1.92(s,3H
),1.93(s,3H),1.97(s,3H),2.01(s,3H),2.30(s,3H
),3.66(s,3H),3.69-4.04(m,5H),4.19-4.22(m,1H)
,4.23-4.43(m,3H),4.56-4.65(m,2H),4.80(d,J=8.
1Hz,1H),4.88(dd,J=10.2,4.1Hz,1H),5.18-5.33(
m,3H),5.66(s,1H),7.05(dd,J=8.3,1.8Hz,1H),7.
30-7.48(m,9H),7.82(d,J=8.4Hz,2H),9.11(s,1H)
【0102】 工程6 N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-フェネチルスルファニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-ク
ロロフェニル}カルバミン酸メチルエステル 表題化合物は、実施例1の工程8と同様の方法を用いて、N-(5-{[2,2',3
,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-O-(4-トルエンスルホ
ニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)カルバミン酸メチ
ルエステルから白色の固形物(0.217g、82%)として製造した。H NM
R(DMSO-d)δ1.93(s,3H),1.95(s,3H),1.98(s,3H)
,2.01(s,3H),2.81-2.93(m,5H),3.04-3.09(m,1H),
3.65(s,3H),3.78-3.85(m,2H),3.90-3.97(m,3H),4
.24-4.26(m,1H),4.56(d,J=12.7Hz,1H),4.68-4.7
4(m,2H),4.84-4.92(m,2H),5.24-5.34(m,3H),5.65
(s,1H),7.04(dd,J=8.3,1.7Hz,1H),7.14-7.30(m,5
H),7.30-7.40(m,5H),7.42(d,J=8.2Hz,1H),7.48(
s,1H),9.10(s,1H)。
【0103】 工程7 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェネチルスルファニル
-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}カルバミン酸メチルエス
テル 表題化合物は、実施例2と同様の方法を用いて、N-{5-[(2,2',3,3'-テ
トラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェネチルスルフ
ァニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}カルバミン酸メチ
ルエステルから白色の固形物(0.135g、79%)として製造した。融点85
〜90℃;H NMR(DMSO-d)δ2.74(dd,J=14.2,7.1Hz
,1H),2.81-2.86(m,4H),3.00(dd,J=14.2,2.1Hz,1
H),3.09-3.14(m,1H),3.37-3.47(m,4H),3.51-3.59
(m,2H),3.64(s,3H),3.69-3.72(m,2H),4.08-4.09(
m,1H),4.32(d,J=7.9Hz,1H),4.63(ABq,J=12.3Hz
,Δδ=0.07,2H),5.17(d,J=3.7Hz,1H),5.31(t,J=5.
7Hz,2H),5.50(d,J=3.1Hz,1H),5.57(s,1H),5.66(
d,J=6.6Hz,1H),7.13-7.21(m,6H),7.33-7.36(m,3
H),7.39-7.43(m,3H),7.51(d,J=1.8Hz,1H),9.06(
s,1H);IR(KBr)3400,2900,1740,1540および1070
cm−1;質量スペクトル[(−)FAB],m/z 746(M−H); 元素分析の結果: 計算値(C3642NClO12S・0.5HOについて):C,57.10
;H,5.72;N,1.85; 実測値:C,57.14;H,5.53;N,1.86。
【0104】 実施例20 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルフィニル-
β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}カルバミン酸メチルエス
テル
【0105】 工程1 N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-ベンジルスルファニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロ
ロフェニル}カルバミン酸メチルエステル 表題化合物は、ベンジルメルカプタンおよび実施例1の工程8と同様の方法を
用いて、N-(5-{[2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデ
ン-6-O-(4-トルエンスルホニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロ
ロフェニル)カルバミン酸メチルエステルから白色の固形物(0.343g、66
%)として製造した。H NMR(DMSO-d)δ1.92(s,3H),1.95
(s,3H),1.97(s,3H),2.02(s,3H),2.75-2.80(m,1H)
,2.90(d,J=13.0Hz,1H),3.65(s,3H),3.69-3.94(m
,7H),4.18-4.22(m,1H),4.60(d,J=12.7Hz,1H),4.
69-4.91(m,4H),5.21-5.32(m,3H),5.65(s,1H),7.1
0(dd,J=8.2,1.8Hz,1H),7.16-7.21(m,1H),7.27-7.
41(m,9H),7.46(d,J=8.2Hz,1H),7.52(s,1H),9.10
(s,1H)。
【0106】 工程2 N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-
デオキシ-6-ベンジルスルフィニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロ
ロフェニル}カルバミン酸メチルエステル 表題化合物は、実施例5と同様の方法を用いて、N-{5-[(2,2',3,3'-テ
トラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルファ
ニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}カルバミン酸メチル
エステルからジアステレオマーの1:1混合物、白色の固形物(0.289g、8
9%)として製造した。H NMR(DMSO-d)δ1.92,1.93,1.94
,1.95,1.96,1.98,2.01,2.09(8s,12H),3.08-3.15(
m,2H),3.65(s,3H),3.76-3.81(m,2H),3.82-3.97(m
,2H),4.01-4.10(m,2H),4.22-4.33(m,2H),4.58-4.
62(m,1H),4.71-4.96(m,4H),5.23-5.33(m,3H),5.6
5,5.69(2s,1H),7.08(dd,1H),7.28-7.51(m,12H),
9.10(s,1H)。
【0107】 工程3 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルフィニル-
β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}カルバミン酸メチルエス
テル 表題化合物は、実施例2と同様の方法を用いて、N-{5-[(2,2',3,3'-テ
トラ-O-アセチル-4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルフィ
ニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}カルバミン酸メチル
エステルからジアステレオマーの1:1混合物、白色の固形物(0.212g、9
5%)として製造した。融点119〜128℃;H NMR(DMSO-d
2.97-3.02(m,1H),3.11-3.19(m,1H),3.25-3.72(m,
11H),3.87-3.98(m,2H),4.05-4.10(m,1H),4.21(d,
J=12.7Hz,1H),4.35,4.44(2d,1H),4.59(dd,1H),
4.74(t,J=12.3Hz,1H),5.19(t,J=4.5Hz,1H),5.3
3-5.39(m,2H),5.56-5.59(m,2H),5.67,5.75(2d,1H
),7.18-7.21(m,1H),7.28-7.48(m,11H),7.53-7.54
(m,1H),9.06(s,1H);IR(KBr)3400,2925,1735,15
90,1540および1075cm−1;質量スペクトル[(+)FAB],m/z
772(M+Na); 元素分析の結果: 計算値(C3540NClO13Sについて):C,56.04;H,5.37;
N,1.87; 実測値:C,55.94;H,5.39;N,1.82。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 11/06 A61P 11/06 29/00 29/00 35/00 35/00 43/00 105 43/00 105 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C057 BB03 CC03 CC05 DD03 GG02 JJ20 JJ23 4C086 AA01 AA03 EA03 EA07 EA08 MA04 NA14 ZA36 ZB26

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造: 【化1】 [式中、Wは、S、SO、SOまたはNR; Yは、O、S,NRまたはCH; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル
    、炭素数2〜7のアシルまたは炭素数2〜7のペルフルオロアシル; RおよびRは、各々独立して、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6の
    ペルフルオロアルキル、炭素数1〜6のハロアルキル、炭素数1〜6のニトロア
    ルキル、炭素数1〜6のシアノアルキル、炭素数2〜12のアルコキシアルキル
    、炭素数1〜6のニトリロアルキル、Rでモノ-、ジ-またはトリ-置換された
    フェニル、炭素数7〜10のフェニルアルキル(ここで、フェニル環はRでモ
    ノ-、ジ-またはトリ-置換されている)、Rで置換されたピリジル、Rで置換
    されたフリル、Rで置換されたチエニル、または、Rで置換されたチアゾリ
    ル; Rは、水素、 【化2】 、R、RおよびRは、各々独立して、水素、炭素数2〜7のアシル
    、炭素数2〜7のペルフルオロアシル、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6
    のペルフルオロアルキル、ベンジル(ここで、フェニル部分はRでモノ-、ジ-
    またはトリ-置換されている)またはベンゾイル(ここで、フェニル部分はR
    モノ-、ジ-またはトリ-置換されている); Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキ
    ル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェ
    ニル、-CN、-NO、ハロゲンまたは-CF; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキ
    ル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェ
    ニル、-CN、-NO、ハロゲン、-NHCO13、-NHSO13、-
    NR1415、 【化3】 10、R11およびR12は、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキ
    ル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数
    1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェニル、-CN、-NO、ハロゲン、炭素
    数2〜7のアシル、炭素数2〜7のペルフルオロアシル、またはベンゾイル(こ
    こで、ベンゾイル基のフェニル部分は、所望により、炭素数1〜6のアルキル、
    炭素数1〜6のアルコキシ、-CN、-NO、ハロゲンまたは-CFでモノ-、
    ジ-またはトリ-置換されていてもよい); R13は、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル、
    フェニル、または、ハロゲンで置換されたフェニル; R14およびR15は、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素
    数1〜6のペルフルオロアルキル、炭素数2〜7のアシルまたは炭素数2〜7の
    ペルフルオロアシル; n=0〜3] を有する式Iで示される化合物またはその医薬上許容される塩。
  2. 【請求項2】 YがO; R、R、RおよびRが、各々独立して、水素または炭素数2〜7のア
    シル; Rが、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、フェニ
    ル、-CN、-NO、ハロゲン、-CF、-NHR、-NR、-NR 、-NHCO13、-NHSO13、 【化4】 である請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  3. 【請求項3】 RがRでモノ-、ジ-またはトリ-置換されたフェニルで
    ある請求項2記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  4. 【請求項4】 N-{5-[(2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-6-デオキシ-
    6-ベンジルスルファニル-4',6'-O-ベンジリデン-β-D-マルトシル)オキシ
    メチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドである請求項1記載の化合物またはそ
    の医薬上許容される塩。
  5. 【請求項5】 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジ
    ルスルファニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトア
    ミドである請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  6. 【請求項6】 N-(5-{[2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-6-デオキシ-
    6-(2,4-ジクロロベンジルスルファニ)-4',6'-O-ベンジリデン-β-D-マル
    トシル]オキシメチル}-2-クロロフェニル)アセトアミドである請求項1記載の
    化合物またはその医薬上許容される塩。
  7. 【請求項7】 N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(2,4
    -ジクロロベンジルスルファニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロ
    フェニル)アセトアミドである請求項1記載の化合物またはその医薬上許容され
    る塩。
  8. 【請求項8】 N-{5-[(2,3,2',3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O-
    ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジルスルフィニル-β-D-マルトシル)オキシ
    メチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドである請求項1記載の化合物またはそ
    の医薬上許容される塩。
  9. 【請求項9】 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベンジ
    ルスルフィニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトア
    ミドである請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  10. 【請求項10】 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベン
    ジルスルホニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトア
    ミドである請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  11. 【請求項11】 N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O
    -ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェニルスルファニル-β-D-マルトシル)オキ
    シメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドである請求項1記載の化合物または
    その医薬上許容される塩。
  12. 【請求項12】 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェ
    ニルスルファニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセト
    アミドである請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  13. 【請求項13】 N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O
    -ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェニルスルフィニル-β-D-マルトシル)オキ
    シメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドである請求項1記載の化合物または
    その医薬上許容される塩。
  14. 【請求項14】 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェ
    ネチルスルファニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセ
    トアミドである請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  15. 【請求項15】 N-{5-[(2,2',3,3'-テトラ-O-アセチル-4',6'-O
    -ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェネチルスルファニル-β-D-マルトシル)オ
    キシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミドである請求項1記載の化合物また
    はその医薬上許容される塩。
  16. 【請求項16】 N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(フ
    ェニルエチルスルフィニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフェニ
    ル)アセトアミドである請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  17. 【請求項17】 N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(3-
    フェニルプロピルスルファニル)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロフ
    ェニル)アセトアミドである請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される
    塩。
  18. 【請求項18】 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベン
    ゾイルアミノ-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}アセトアミ
    ドである請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  19. 【請求項19】 N-(5-{[4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-(2-
    フェニル-1-オキソエチルアミノ)-β-D-マルトシル]オキシメチル}-2-クロロ
    フェニル)アセトアミドである請求項1記載の化合物またはその医薬上許容され
    る塩。
  20. 【請求項20】 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-フェ
    ネチルスルファニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}カル
    バミン酸メチルエステルである請求項1記載の化合物またはその医薬上許容され
    る塩。
  21. 【請求項21】 N-{5-[(4',6'-O-ベンジリデン-6-デオキシ-6-ベン
    ジルスルフィニル-β-D-マルトシル)オキシメチル]-2-クロロフェニル}カルバ
    ミン酸メチルエステルである請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される
    塩。
  22. 【請求項22】 それを必要とする哺乳動物の過増殖性血管障害を治療また
    は阻害する方法であって、該哺乳動物に、有効量の構造: 【化5】 [式中、Wは、S、SO、SOまたはNR; Yは、O、S,NRまたはCH; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル
    、炭素数2〜7のアシルまたは炭素数2〜7のペルフルオロアシル; RおよびRは、各々独立して、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6の
    ペルフルオロアルキル、炭素数1〜6のハロアルキル、炭素数1〜6のニトロア
    ルキル、炭素数1〜6のシアノアルキル、炭素数2〜12のアルコキシアルキル
    、炭素数1〜6のニトリロアルキル、Rでモノ-、ジ-またはトリ-置換された
    フェニル、炭素数7〜10のフェニルアルキル(ここで、フェニル環はRでモ
    ノ-、ジ-またはトリ-置換されている)、Rで置換されたピリジル、Rで置換
    されたフリル、Rで置換されたチエニル、または、Rで置換されたチアゾリ
    ル; Rは、水素、 【化6】 、R、RおよびRは、各々独立して、水素、炭素数2〜7のアシル
    、炭素数2〜7のペルフルオロアシル、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6
    のペルフルオロアルキル、ベンジル(ここで、フェニル部分はRでモノ-、ジ-
    またはトリ-置換されている)またはベンゾイル(ここで、フェニル部分はR
    モノ-、ジ-またはトリ-置換されている); Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキ
    ル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェ
    ニル、-CN、-NO、ハロゲンまたは-CF; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキ
    ル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェ
    ニル、-CN、-NO、ハロゲン、-NHCO13、-NHSO13、-
    NR1415、 【化7】 10、R11およびR12は、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキ
    ル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数
    1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェニル、-CN、-NO、ハロゲン、炭素
    数2〜7のアシル、炭素数2〜7のペルフルオロアシル、またはベンゾイル(こ
    こで、ベンゾイル基のフェニル部分は、所望により、炭素数1〜6のアルキル、
    炭素数1〜6のアルコキシ、-CN、-NO、ハロゲンまたは-CFでモノ-、
    ジ-またはトリ-置換されていてもよい); R13は、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル、
    フェニル、または、ハロゲンで置換されたフェニル; R14およびR15は、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素
    数1〜6のペルフルオロアルキル、炭素数2〜7のアシルまたは炭素数2〜7の
    ペルフルオロアシル; n=0〜3] を有する式Iで示される化合物またはその医薬上許容される塩を投与することか
    らなる方法。
  23. 【請求項23】 再狭窄が、血管形成術、血管再構築術、あるいは、臓器ま
    たは組織の移植から生じる請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 それを必要とする哺乳動物の悪性腫瘍、肉腫または新生物
    組織における血管形成を阻害する方法であって、該哺乳動物に、有効量の構造: 【化8】 [式中、Wは、S、SO、SOまたはNR; Yは、O、S,NRまたはCH; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル
    、炭素数2〜7のアシルまたは炭素数2〜7のペルフルオロアシル; RおよびRは、各々独立して、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6の
    ペルフルオロアルキル、炭素数1〜6のハロアルキル、炭素数1〜6のニトロア
    ルキル、炭素数1〜6のシアノアルキル、炭素数2〜12のアルコキシアルキル
    、炭素数1〜6のニトリロアルキル、Rでモノ-、ジ-またはトリ-置換された
    フェニル、炭素数7〜10のフェニルアルキル(ここで、フェニル環はRでモ
    ノ-、ジ-またはトリ-置換されている)、Rで置換されたピリジル、Rで置換
    されたフリル、Rで置換されたチエニル、または、Rで置換されたチアゾリ
    ル; Rは、水素、 【化9】 、R、RおよびRは、各々独立して、水素、炭素数2〜7のアシル
    、炭素数2〜7のペルフルオロアシル、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6
    のペルフルオロアルキル、ベンジル(ここで、フェニル部分はRでモノ-、ジ-
    またはトリ-置換されている)またはベンゾイル(ここで、フェニル部分はR
    モノ-、ジ-またはトリ-置換されている); Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキ
    ル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェ
    ニル、-CN、-NO、ハロゲンまたは-CF; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキ
    ル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェ
    ニル、-CN、-NO、ハロゲン、-NHCO13、-NHSO13、-
    NR1415、 【化10】 10、R11およびR12は、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキ
    ル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数
    1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェニル、-CN、-NO、ハロゲン、炭素
    数2〜7のアシル、炭素数2〜7のペルフルオロアシル、またはベンゾイル(こ
    こで、ベンゾイル基のフェニル部分は、所望により、炭素数1〜6のアルキル、
    炭素数1〜6のアルコキシ、-CN、-NO、ハロゲンまたは-CFでモノ-、
    ジ-またはトリ-置換されていてもよい); R13は、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル、
    フェニル、または、ハロゲンで置換されたフェニル; R14およびR15は、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素
    数1〜6のペルフルオロアルキル、炭素数2〜7のアシルまたは炭素数2〜7の
    ペルフルオロアシル; n=0〜3] を有する式Iで示される化合物またはその医薬上許容される塩を投与することか
    らなる方法。
  25. 【請求項25】 構造: 【化11】 [式中、Wは、S、SO、SOまたはNR; Yは、O、S,NRまたはCH; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル
    、炭素数2〜7のアシルまたは炭素数2〜7のペルフルオロアシル; RおよびRは、各々独立して、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6の
    ペルフルオロアルキル、炭素数1〜6のハロアルキル、炭素数1〜6のニトロア
    ルキル、炭素数1〜6のシアノアルキル、炭素数2〜12のアルコキシアルキル
    、炭素数1〜6のニトリロアルキル、Rでモノ-、ジ-またはトリ-置換された
    フェニル、炭素数7〜10のフェニルアルキル(ここで、フェニル環はRでモ
    ノ-、ジ-またはトリ-置換されている)、Rで置換されたピリジル、Rで置換
    されたフリル、Rで置換されたチエニル、または、Rで置換されたチアゾリ
    ル; Rは、水素、 【化12】 、R、RおよびRは、各々独立して、水素、炭素数2〜7のアシル
    、炭素数2〜7のペルフルオロアシル、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6
    のペルフルオロアルキル、ベンジル(ここで、フェニル部分はRでモノ-、ジ-
    またはトリ-置換されている)またはベンゾイル(ここで、フェニル部分はR
    モノ-、ジ-またはトリ-置換されている); Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキ
    ル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェ
    ニル、-CN、-NO、ハロゲンまたは-CF; Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキ
    ル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェ
    ニル、-CN、-NO、ハロゲン、-NHCO13、-NHSO13、-
    NR1415、 【化13】 10、R11およびR12は、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキ
    ル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数
    1〜6のペルフルオロアルコキシ、フェニル、-CN、-NO、ハロゲン、炭素
    数2〜7のアシル、炭素数2〜7のペルフルオロアシル、またはベンゾイル(こ
    こで、ベンゾイル基のフェニル部分は、所望により、炭素数1〜6のアルキル、
    炭素数1〜6のアルコキシ、-CN、-NO、ハロゲンまたは-CFでモノ-、
    ジ-またはトリ-置換されていてもよい); R13は、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル、
    フェニル、または、ハロゲンで置換されたフェニル; R14およびR15は、各々独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素
    数1〜6のペルフルオロアルキル、炭素数2〜7のアシルまたは炭素数2〜7の
    ペルフルオロアシル; n=0〜3] を有する式Iで示される化合物またはその医薬上許容される塩と医薬用担体とか
    らなる医薬組成物。
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