JP2002528081A - Chlamydia抗原および対応するDNAフラグメントおよびそれらの使用 - Google Patents

Chlamydia抗原および対応するDNAフラグメントおよびそれらの使用

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Abstract

(57)【要約】 本開示の要旨において、本発明は、Chlamydia(詳細には、C.pneumoniae)の株による感染により引き起こされた疾患に対して、宿主(ヒトを含む)の核酸(DNAを含む)免疫化の方法を提供し、この方法は、Chlamydia pneumoniaeの株のlorf2タンパク質をコードするヌクレオチド配列および宿主においてこのlorf2遺伝子の発現をもたらすプロモーターを含むベクターを使用する。改変は、本発明の範囲内で可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連米国出願) 本特許出願は、以下の米国特許仮出願U.S.S.N.60/106,037
(1998年10月28日出願)および同60/154,658(1999年9
月20日出願)に対する優先権を主張する。これらの各々は、本明細書中に参考
として援用される。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、Chlamydia抗原および対応するDNA分子に関し、これら
は、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるChlamydia感染によって引き起
こされる疾患を予防および処置する方法において使用され得る。
【0003】 (発明の背景) クラミジアは、原核生物である。これらは、三層外膜(リポ多糖類およびいく
つかの膜タンパク質を含む)を含む、グラム陰性細菌に対する形態学的および構
造的類似性を示す。クラミジアは、その形態学および独特の発生サイクルによっ
て他の細菌とは区別される。これらは、代謝学的に不活性であるが感染性の細胞
外ステージおよび複製するが非感染性の細胞内ステージからなる、独特の二相性
ライフサイクルを有する、偏性細胞内寄生生物である。ライフサイクルの複製ス
テージは、感染した宿主細胞の細胞質から細菌を隔離する膜結合封入体内で起こ
る。
【0004】 クラミジアは小さく、そして感受性細胞内でのみ増幅するので、長い間、ウイ
ルスであると考えられていた。しかし、クラミジアは、他の細菌と共通する多く
の特徴を有する:(1)DNAおよびRNAの両方を含む、(2)二分裂によっ
て分裂する、(3)その細胞エンベロープが他のグラム陰性細菌と似ている、(
4)他の細菌のリボソームと類似のリボソームを含む、そして(5)様々な抗生
物質に感受性である。クラミジアは、光学顕微鏡において観察され得、そしてそ
のゲノムは、Escherichia coliゲノムのサイズの約3分の1で
ある。
【0005】 クラミジアの多くの異なる株は、トリ、ヒト、および他の哺乳動物から単離さ
れており、これらの株は、宿主範囲、ビルレンス、病原性、および抗原性組成に
基づいて区別され得る。各種内のDNAの強い相同性が存在するが、驚くべきこ
とに、種間での相同性はわずかであり、このことは、長年にわたる進化的分離を
示唆する。
【0006】 C.trachomatisは、高程度の宿主特異性を有し、ほとんど完全に
ヒトに限定される;このことは、幅広く変化する重症度の眼の感染および尿生殖
器感染を引き起こす。対照的に、C.psittaci株は、ヒトにおいては稀
であるが、広範な範囲のトリに見出され、そしてまた、野生哺乳動物、家畜哺乳
動物、および研究用哺乳動物において見出され、ここでは、多くの器官の細胞に
おいて増幅する。
【0007】 C.pneumoniaeは、一般的なヒト病原体であり、もともとは、C.
psittaciのTWAR株として記載されるが、後に、新たな種であると認
識された。C.pneumoniaeは、他のChlamydia種(C.tr
achomatis、C.pecorumおよびC.psittaci)とは、
抗原的、遺伝的、および形態学的に区別される。これは、C.trachoma
tisまたはC.psittaciのいずれかと10%以下のDNA配列相同性
を示し、そしてこれまでのところ、単一株TWARのみからなるようである。
【0008】 C.pneumoniaeは、市中肺炎の一般的な原因であり、Strept
ococcus pneumoniaeおよびMycoplasma pneu
moniaeのみより少ない頻度である。Graystonら、J.Infec
t.Dis.168:1231(1995);Camposら、Invest.
Ophthalmol.Vis.Sci.36:1477(1995)(各々が
、本明細書中で参考として援用される)。これはまた、上気道症状および疾患(
気管支炎および副鼻腔炎を含む)を引き起こし得る。例えば、Grayston
ら、J.Infect.Dis.168:1231(1995);Campos
ら、Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.36:1477(
1995);Graystonら、J.Infect.Dis.161:618
(1990);Marrie,Clin.Infect.Dis.18:501
(1993)を参照のこと。成人集団の大部分(60%を超える)は、C.pn
eumoniaeに対する抗体を有し(Wangら、Chlamydial I
nfections,Cambridge University Press
,Cambridge,329ページ(1986))、これは、認識されなかっ
たかまたは無症候性の過去の感染を示す。
【0009】 C.pneumoniae感染は、通常、急性呼吸性疾患(すなわち、咳、咽
喉炎、嗄声、および発熱;聴診時の異常な胸部音)として現れる。ほとんどの患
者について、咳は、2〜6週間持続し、そして回復は遅い。これらの症例の約1
0%において、上気道感染の後に、気管支炎または肺炎が続く。さらに、C.p
neumoniaeの流行の間、続く肺炎球菌との同時感染は、これらの肺炎患
者(特に衰弱者および高齢者)の約半分において記載されてきた。上記のように
、C.pneumoniae感染はまた、呼吸性感染以外の疾患に関連するとい
う一層多くの証拠が存在する。
【0010】 この生物についてのリザーバーは、おそらくヒトである。C.psittac
i感染とは対照的に、トリまたは動物のリザーバーは知られていない。伝播は、
明確には規定されていない。これは、分泌物との直接接触、媒介物(formi
tes)、または空気伝搬性蔓延から生じ得る。潜伏期間は長く、これは、何ヶ
月も続き得る。流行の分析に基づくと、C.pneumoniaeは、集団を通
じてゆっくりと(場合によって、平均30日間隔)蔓延するようである。なぜな
ら、感染した人々は、この生物の非効率的な伝播者であるからである。C.pn
eumoniaeに対する感受性は普遍的である。再感染は、小児の一次感染に
続いて、成人期の間に起こる。C.pneumoniaeは、世界中で、増加し
た発生数(流行)の重なった間隔(2〜3年間持続する)が注目される風土病で
あるようである。C.trachomatis感染は、C.pneumonia
eに対する交叉免疫性を付与しない。感染は、経口抗生物質(テトラサイクリン
またはエリスロマイシン)で容易に処置される(少なくとも10〜14日間、2
g/日)。近年開発された薬物であるアジスロマイシンは、クラミジア感染に対
する単回投薬治療として非常に効果的である。
【0011】 ほとんどの場合において、C.pneumoniae感染は軽度であり、かつ
合併症を伴わず、そして感染の90%までは、亜急性であるかまたは認識されな
い。先進工業国の小児の間では、感染は、5歳までは珍しいと考えられてきたが
、近年の研究は、この年齢群の多くの子供が、セロネガティブであるにもかかわ
らず、感染のPCR証拠を示すことを報告しており、そして2〜4歳で17〜1
9%の有病率と推定する。Normannら、Acta Paediatric
a,87:23−27(1998)を参照のこと。発展途上国において、若年の
小児の間のC.pneumoniae抗体の血清有病率(seropreval
ence)は上昇し、そしてC.pneumoniaeが、世界の熱帯地域にお
いて、乳児および小児についての急性下気道疾患および死亡率の重要な原因であ
り得るという疑いが存在する。
【0012】 血清有病率の研究および局所流行の研究から、最初のC.pneumonia
e感染は、通常、5歳と20歳との間に起こる。例えば、米国では、C.pne
umoniaeによって引き起こされる小児期の肺炎は、毎年30,000症例
であると推定される。感染は、小児または若年成人の群(例えば、学童または軍
の徴集兵)の間で集団化し得る。
【0013】 C.pneumoniaeは、地域で獲得される市中下気道感染の10〜25
%を引き起こす(スウェーデン、イタリア、フィンランド、および米国から報告
されるように)。流行の間、C.pneumonia感染は、肺炎の症例の50
〜60%を占め得る。これらの期間の間、また、S.pneumoniaeとの
混合感染のより多くの発症が報告されている。
【0014】 成人期の間の再感染は一般的である;臨床的提示は、より軽度である傾向があ
る。集団血清有病率研究に基づくと、年齢とともに暴露が増加する傾向があり、
これは、特に、男性の間で明白である。何人かの研究者は、持続性無症候C.p
neumoniae感染状態が一般的であると推測した。
【0015】 中年以上の成人では、C.pneumoniae感染は、慢性気管支炎および
副鼻腔炎に進行し得る。米国での研究は、60歳未満のヒトにおいてC.pne
umoniaeによって引き起こされる肺炎の発生数が、1症例/1,000人
/年であることを明らかにした;しかし高齢者においては、この疾患の発生数は
、3倍に上昇した。C.pneumoniae感染は、潜在疾病を有する患者を
除いて、入院をもたらすのは稀である。
【0016】 非常に重要な点は、アテローム性動脈硬化症とC.pneumoniae感染
との関連である。C.pneumoniaeの以前の感染と、心臓発作、冠状動
脈疾患および頸動脈疾患の相関を示すいくつかの疫学研究が存在する。Saik
kuら、Lancet 2:983(1988);Thomら、JAMA 26
8:68(1992);Linnanmakiら、Circulation 8
7:1030(1993);Saikkuら、Annals Int.Med.
116:273(1992);Melnickら、Am.J.Med.95:4
99(1993)を参照のこと。さらに、この生物は、冠状動脈および冠状大動
脈、頸動脈および頸大動脈、末梢動脈および末梢大動脈の、アテロームおよび脂
肪線条において検出されている。Shorら、South African M
ed.J.82:158(1992);Kuoら、J.Infect.Dis.
167:841(1993);Kuoら、Arteriosclerosis
and Thrombosis 13:1500(1993);Campbel
lら、J.Infect.Dis.172:585(1995);Chiuら、
Circulation 96:2144−2148(1997)を参照のこと
。生存可能なC.pneumoniaeは、冠状動脈および頸動脈から回収され
ている。Ramirezら、Annals Int.Med.125:979(
1996);Jacksonら、Abst.K121、272頁、第36回IC
AAC、New Orleans(1996)。さらに、C.pneumoni
aeは、ウサギモデルにおけるアテローム性動脈硬化症の変化を誘導し得ること
が示されている。Fongら、(1997)Journal of Clini
cal Microbiology 35:48を参照のこと。まとめると、こ
れらの結果は、C.pneumoniaeはヒトにおいてアテローム性動脈硬化
症を引き起こし得る蓋然性が高いが、クラミジアアテローム性動脈硬化症の疫学
的重要性が実証されないままであることを示す。
【0017】 近年の多数の研究はまた、C.pneumoniae感染とぜん息との間の関
連を示している。感染は、ぜん鳴、ぜん息性気管支炎、成人発症ぜん息、および
成人におけるぜん息の急性再燃に関連しており、そして小さな規模の研究は、長
期の抗生物質処置が、何人かの個体における疾患の重症度を大きく減少させるに
有効であることを示した。Hahnら、Ann Allergy Asthma
Immunol.80:45−49(1998);Hahnら、Epidem
iol Infect.117:513−517(1996);Bjornss
onら、Scand J Infect Dis.28:63−69(1996
);Hahn,J.Fam.Pract.41:345−351(1995);
Allegraら、Eur.Respir.J.7:2165−2168(19
94);Hahnら、JAMA 266:225−230(1991)。
【0018】 これらの結果に照らして、C.pneumoniae感染によって引き起こさ
れる疾患に対する防御的ワクチンは、かなり重要である。ヒトのC.pneum
oniae感染に有効なワクチンはまだ存在しない。にもかかわらず、C.tr
achomatisおよびC.psittaciを用いた研究は、このことが、
達成可能な目標であることを示す。例えば、C.trachomatisの肺感
染から回復したマウスは、その後の膣チャレンジによって誘導される不妊症から
保護される。Palら、Infection and Immunity 64
:5341(1996)。同様に、不活化C.psittaciで免疫したヒツ
ジは、その後のクラミジア誘導性流産および死産から保護された。Jonesら
、Vaccine 13:715(1995)。クラミジア感染からの保護は、
Th1免疫応答、特にINFγ産生CD4+T細胞の誘導と関連している。Ig
ietsemesら、Immunology 5:317(1993)。CD4
+細胞株またはクローンの、ヌードマウスまたはSCIDマウスへの養子性移入
は、チャレンジからの保護を付与するか、または慢性疾患を一掃し(Igiet
semeら、Regional Immunology 5:317(1993
);Mageeら、Regional Immunology 5:305(1
993))、そしてインビボでのCD4+T細胞の枯渇は、チャレンジ後の疾患
を悪化させた(Landersら、Infection & Immunity
59:3774(1991);Mageeら、Infection & Im
munity 63:516(1995))。しかし、粘膜表面の十分な高力価
の中和抗体の存在はまた、保護効果を発揮し得る。Cotterら、Infec
tion and Immunity 63:4704(1995)。
【0019】 C.pneumoniae種内の抗原の変動の程度は、十分には特徴付けられ
ていない。C.trachomatisの血液型亜型は、主要な外膜タンパク質
(MOMP)における抗原の変動に基づいて定義されるが、公開されたC.pn
eumoniaeのMOMP遺伝子配列は、この生物のいくつかの多様な単離体
の間で変動を示さない。Campbellら、Infection and I
mmunity 58:93(1990);McCaffertyら、Infe
ction and Immunity 63:2387−9(1995);K
nudsenら、Third Meeting of the Europea
n Society for Chlamydia Research,Vie
nna(1996)を参照のこと。他のクラミジアのMOMPにおいて保存され
ていることが公知のタンパク質の領域は、C.pneumoniaeにおいて保
存されている。Campbellら、Infection and Immun
ity 58:93(1990);McCaffertyら、Infectio
n and Immunity 63:2387−9(1995)を参照のこと
。ある研究は、通常の分子量より大きなMOMPを有するC.pneumoni
aeの株を記載したが、その遺伝子は、配列決定されていない。Graysto
nら、J.Infect.Dis.168:1231(1995)。9の多様な
単離体からの外膜タンパク質2の部分配列はもまた、不変であることが見出され
た。Ramirezら、Annals Int.Med.125:979(19
96)。HSP60およびHSP70についての遺伝子は、予期されたように、
他のクラミジア種からの変動をほとんど示さない。76kDaの抗原をコードす
る遺伝子は、C.pneumoniaeの単一株からクローニングされている。
これは他の既知のクラミジア遺伝子との有意な類似性を有しない。Marrie
,Clin.Infect.Dis.18:501(1993)。
【0020】 C.pneumoniaeに対する免疫血清によって認識される多くの抗原は
、全てのクラミジアにわたって保存されているが、98kDa、76kDaおよ
び54kDaのタンパク質は、C.pneumoniae特異的であり得る。C
amposら、Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.36:
1477(1995);Marrie,Clin.Infect.Dis.18
:501(1993);Wiedmann−Al−Ahmadら、Clin.D
iagn.Lab.Immunol.4:700−704(1997)。患者か
らの血清を用いた単離体のイムノブロッティングは、単離体間のブロッティング
パターンの変動を示し、このことは、C.pneumoniae血清型が存在し
得ることを示す。Graystonら、J.Infect.Dis.168:1
231(1995);Ramirezら、Annals Int.Med.12
5:979(1996)。しかし、結果は、患者の感染状態によって混乱する可
能性がある。なぜなら、患者の血清のイムノブロットプロフィールは、感染後の
時間とともに変化するからである。任意の血清型の数および相対頻度の評価、な
らびに抗原の規定は未だ可能ではない。
【0021】 従って、Chlamydia感染を予防、処置および診断するために有効な組
成物の必要性が残存する。
【0022】 (発明の要旨) 1つの局面において、本発明は、Chlamydiaをコードする、精製およ
び単離されたDNA分子を提供し、これらは、Chlamydia感染を予防、
処置および診断するための方法において使用され得る。lorf2と称される、
コードされるポリペプチドとしては、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有す
るポリペプチドが挙げられ、そしてDNA分子としては、配列番号1の全長配列
(トップ配列)および成熟ポリペプチドについてのコード配列(ボトム配列)が
挙げられる。当業者は、本発明がまた、本明細書中に記載されるような非必須ア
ミノ酸の付加、欠失または置換から生じる、このようなポリペプチドの変異体、
改変体および誘導体をコードするDNA分子を含むことを理解する。本発明はま
た、本発明のDNA分子に対応する、RNA分子を含む。
【0023】 DNA分子およびRNA分子に加え、本発明は、その対応するポリペプチドお
よびこのようなポリペプチドに特異的に結合する単一特異性抗体を含む。
【0024】 本発明は、広範な適用を有し、そして発現カセット、発現ベクター、および本
発明のポリヌクレオチドで形質転換またはトランスフェクトされた細胞を含む。
従って、本発明は、以下を提供する:(i)組換え宿主系において本発明のポリ
ペプチドを産生する方法、ならびに関連する発現カセット、発現ベクター、およ
び形質転換またはトランスフェクトされた細胞;(ii)本発明のポリヌクレオ
チドを含む、生ワクチンベクター(例えば、ウイルス性または細菌性の生ワクチ
ンベクター(ポックスウイルスベクター、アルファウイルスベクター、Salm
onella typhimuriumベクター、またはVibrio cho
leraeベクターを含む))(このようなワクチンベクターは、希釈剤または
キャリアと組み合わせて、例えば、Chlamydia感染を予防および処置す
るために有用である、ならびに関連する薬学的組成物および関連する治療方法お
よび/または予防方法)、ならびに関連する薬学的組成物および関連する治療方
法および/または予防方法;(iii)本発明のRNA分子またはDNA分子(
裸の形態であるかまたは送達ビビクルとともに処方されるかのいずれか)、本発
明のポリペプチドまたはポリペプチドの組み合わせ、あるいは単一特異性抗体の
投与を含む、治療方法および/または予防方法、ならびに関連する薬学的組成物
;(iv)本発明のDNA分子またはRNA分子、単一特異性s抗体、あるいは
ポリペプチドの使用を含み得る、生物学的サンプルにおけるChlamydia
の存在を診断するための方法;ならびに(v)抗体ベースのアフィニティークロ
マトグラフィーによって本発明のポリペプチドを精製する方法。本発明は、Ch
lamydia感染を予防、処置および診断する方法において使用され得る、C
hlamydiaをコードする、精製および単離されたDNA分子を提供する。
【0025】 (発明の詳細な説明) C.pneumoniaeゲノムにおいて、クラミジアポリペプチドをコード
するオープンリーディングフレーム(ORF)が同定されている。これらのポリ
ペプチドは、細菌の膜構造において不変的に見出されるポリペプチド、細菌の膜
の外部近傍に存在するポリペプチド、封入膜構造に不変的に見出されるポリペプ
チド、封入膜の外部近傍に存在するポリペプチド、および感染細胞の細胞質内に
放出されるポリペプチドを含む。これらのポリペプチドは、Chlamydia
感染を予防および処置するためのワクチン接種方法において使用され得る。
【0026】 本発明の第1の局面に従って、Chlamydiaポリペプチドの前駆体およ
び成熟形態をコードする、単離されたポリヌクレオチドが提供される。
【0027】 本発明の単離されたポリヌクレオチドは、Chlamydiaアミノ酸配列に
相同なアミノ酸配列、配列番号1および2に示されるようなアミノ酸配列からな
る群より選択されるChlamydiaアミノ酸配列を有するポリペプチドをコ
ードする。近年公開されたC.pneumoniaeのゲノム配列に対するこの
遺伝子の配列の比較は、この配列が、少なくとも2つのオープンリーディングフ
レームを実際に含み、第1のオープンリーディングフレームは配列の5’部分に
あり、そして第2のオープンリーディングフレームは3’部分にあることを示す
。配列番号1の末端における停止コドンの存在にもかかわらず、C.pneum
oniaeは、76kDa産物を作製する。従って、C.pneumoniae
はこの停止コドンを読み通しことが可能であり、そして第2のオープンリーディ
ングフレームの末端の停止コドンによって終結する全長産物を生成するようであ
る。さらに、ゲノム配列の分析は、開始コドンの上流に少なくとも1つのインフ
レームなATGが存在することを示す。このことは、この第1のオープンリーデ
ィングフレームが、1以上のより大きなオープンリーディングフレームの一部を
形成し得ることを示唆する。http://chlamydia−www.be
rkeley.edu:4231/を参照のこと。
【0028】 用語「単離されたポリヌクレオチド」は、その天然に存在する環境から取り出
されたポリヌクレオチドとして定義される。例えば、生存している細菌のゲノム
中にまたは遺伝子バンクの一部として存在する、天然に存在するDNA分子は、
単離されていないが、例えば、クローニング事象(増幅)の結果として、細菌ゲ
ノムの残りの部分から分離された同じDNA分子は、単離されている。代表的に
は、単離されたDNA分子は、天然に存在するゲノムにおいて5’末端または3
’末端においてこのDNA分子と直接連続するDNA領域(例えば、コード領域
)を含まない。このような単離されたポリヌクレオチドは、ベクターまたは組成
物の一部であり得、そしてこのようなベクターまたは組成物が、その天然の環境
の一部ではないという点で依然として単離されている。
【0029】 本発明のポリヌクレオチドは、RNAまたはDNA(例えば、cDNA、ゲノ
ムDNA、または合成DNA)の形態、あるいはその改変体または組み合わせで
あり得る。DNAは、二本鎖または一本鎖であり得、そして一本鎖である場合、
コード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であり得る。配列番号1に示される
ような本発明のポリペプチドをコードする配列は、(a)コード配列(ボトム配
列);(b)(a)の転写によって誘導されるリボヌクレオチド配列;または(
c)異なるコード配列であり得る。この後者は、遺伝コードの重複または縮重の
結果として、ヌクレオチド配列が配列番号1または2に示されるDNA分子と同
じポリペプチドをコードする。
【0030】 「相同アミノ酸配列」とは、配列番号2に示されるアミノ酸配列と、1以上の
保存的アミノ酸置換によってのみ、あるいはポリペプチドの特異的抗原性を破壊
しない位置に位置する1以上の非保存的アミノ酸の置換、欠失または付加によっ
て異なるアミノ酸配列を意味する。
【0031】 好ましくは、このような配列は、配列番号2に示されるアミノ酸配列に、少な
くとも75%、より好ましくは80%、そして最も好ましくは90%同一である
【0032】 相同アミノ酸配列は、配列番号2に示されるようなアミノ酸配列に同一または
実質的に同一である配列を含む。「実質的に同一であるアミノ酸配列」とは、参
照のアミノ酸配列に少なくとも90%、好ましくは95%、より好ましくは97
%、そして最も好ましくは99%同一であり、そして好ましくは、少しでも置換
がある場合、大半が保存的アミノ酸置換によってその参照の配列と異なる配列を
意味する。
【0033】 保存的アミノ酸置換は、代表的に、同じクラスのアミノ酸間での置換を含む。
これらのクラスとしては、例えば、以下が挙げられる:(a)非荷電極性側鎖を
有するアミノ酸(例えば、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニンおよ
びチロシン);(b)塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニ
ンおよびヒスチジン);(c)酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギ
ン酸およびグルタミン酸);ならびに(d)非極性側鎖を有するアミノ酸(例え
ば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニ
ルアラニン、メチオニン、トリプトファンおよびシステイン)。
【0034】 相同性は、代表的に、配列分析ソフトウェア(例えば、Sequence A
nalysis Software Package of the Gene
tics Computer Group,University of Wi
sconsin Biotechnology Center,1710 Un
iversity Avenue,Madison,WI53705)を使用し
て測定される。類似アミノ酸配列は、最大程度の相同性(すなわち、同一性)を
得るよう整列化される。この目的のために、配列にギャップを人工的に導入する
ことが必要であり得る。一旦、最適なアライメントが設定された場合、相同性(
すなわち、同一性)の程度は、位置の総数に対して、両方の配列のアミノ酸が同
一である全ての位置を、記録することによって確定される。
【0035】 類似性因子としては、類似の大きさ、形状および電荷が挙げられる。アミノ酸
類似性を決定する1つの特に好ましい方法は、Dayhoffら、5 ATLA
S OF PROTEIN SEQUENCE AND STRUCTURE
345−352(1978および補遺)(本明細書中に参考として援用される)
に記載される、PAM25Oマトリクスである。類似性スコアは、最初に、整列
化された対合アミノ酸類似性スコアの合計として計算される。挿入および欠失は
、相同性パーセントおよび同一性パーセントの目的のために無視される。従って
、ギャップペナルティーは、この計算に使用されない。次いで、生のスコアを候
補化合物および参照配列のスコアの相乗平均で除算することによって、その生の
スコアが正規化される。相乗平均は、これらのスコアの積の平方根である。正規
化された生のスコアは、相同性パーセントである。
【0036】 好ましくは、相同配列は、配列番号1のコード配列に、少なくとも45%、よ
り好ましくは60%、そして最も好ましくは85%同一である配列である。
【0037】 配列番号1および2に示される配列の1つに相同な配列を有するポリペプチド
としては、天然に存在する対立遺伝子改変体、ならびに配列番号1または2に示
されるような配列を有するポリペプチドに対して、抗原性の点で類似する変異体
および改変体または任意の他の天然に存在しない改変体が挙げられる。
【0038】 対立遺伝子改変体は、ポリペプチドの生物学的機能を実質的に変更しない、1
以上のアミノ酸の置換、欠失または付加を有することで特徴付けられる、ポリペ
プチドの代替形態である。「生物学的機能」とは、たとえその機能が細胞の増殖
または生存に必要ではなくとも、ポリペプチドが天然に存在するところの細胞に
おける、そのポリペプチドの機能を意味する。例えば、ポーリンの生物学的機能
は、細胞外培地中に存在する化合物の細胞への侵入を可能にすることである。生
物学的機能は、抗原性機能とは異なる。ポリペプチドは、1より多い生物学的機
能を有し得る。
【0039】 対立遺伝子改変体は、天然において非常に一般的である。例えば、細菌種(例
えば、C.pneumoniae)は、通常、マイナーな対立遺伝子改変によっ
て互いに異なる種々の株によって代表される。実際、異なる株において同じ生物
学的機能を満たすポリペプチドは、各々の株において同一ではないアミノ酸配列
を有し得る。このような対立遺伝子の変動は、ポリヌクレオチドレベルで等しく
反映され得る。
【0040】 ポリペプチド抗原の対立遺伝子改変体の使用の支持は、例えば、Chlamy
dial MOMP抗原の研究により生じる。MOMPのアミノ酸配列は、株ご
とに変動するが、株を越える(cross−strain)抗体結合および感染
性の中和がなお生じ、これは、MOMPが、免疫原として使用される場合、アミ
ノ酸変動に耐性であることを示す。
【0041】 対立遺伝子改変体をコードするポリヌクレオチド(例えば、DNA分子)は、
従来の方法によって抽出された細菌のゲノムDNAのポリメラーゼ連鎖反応(P
CR)増幅によって、容易に回収され得る。これは、コードドメインの5’末端
および3’末端の上流および下流に適合する、合成オリゴヌクレオチドプライマ
ーの使用を含む。適切なプライマーは、配列番号1および2に提供されるヌクレ
オチド配列情報に従って設計され得る。代表的には、プライマーは、10〜40
ヌクレオチド、好ましくは15〜25ヌクレオチドからなり得る。効率的なハイ
ブリダイゼーションを保証するのに十分な割合で、CおよびGヌクレオチドを含
有する(例えば、総ヌクレオチド量の少なくとも40%、好ましくは50%のC
およびGヌクレオチド量)プライマーを選択することもまた、有利であり得る。
【0042】 天然に存在しない有用なホモログは、アミノ酸配列の変化および/または欠失
に耐性であるような抗原の領域を同定するための公知の方法を利用して、設計さ
れ得る。例えば、異なる種由来の抗原の配列が比較されて、保存された配列が同
定され得る。
【0043】 本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド誘導体としては
、例えば、フラグメント、全長ポリペプチドに由来する大きな内部欠失を有する
ポリペプチド、および融合タンパク質が挙げられる。
【0044】 本発明のポリペプチドフラグメントは、このフラグメントがその親ポリペプチ
ドの所望される実質的な抗原性(特異的抗原性)を保持する程度まで、配列番号
1および2に示される配列のいずれかに相同な配列を有するポリペプチドから誘
導され得る。ポリペプチド誘導体はまた、所望の特異的抗原性を保持しながら、
親ポリペプチドの実質的な部分を除去する大きな内部欠失によって構築され得る
。一般に、ポリペプチド誘導体は、その抗原性を維持するために、少なくとも約
12アミノ酸長であるべきである。有利には、これは、少なくとも20アミノ酸
長、好ましくは少なくとも50アミノ酸長、より好ましくは少なくとも75アミ
ノ酸長、そして最も好ましくは少なくとも100アミノ酸長であり得る。
【0045】 有用なポリペプチド誘導体(例えば、ポリペプチドフラグメント)は、表面に
露出される抗原性領域としての可能性を有するタンパク質抗原における部位を同
定するために、アミノ酸配列のコンピューター利用解析を使用して設計され得る
。Hughesら、Infect.Immun.60:3497(1992)。
【0046】 ポリペプチドフラグメントおよび大きな内部欠失を有するポリペプチドは、そ
うでなければ親ポリペプチドにおいてマスクされており、そして、例えば防御T
細胞依存性免疫応答を誘導するために重要であり得るエピトープを明らかにする
ために使用され得る。欠失はまた、株間の高い可変性の免疫優性領域を除去し得
る。
【0047】 タンパク質免疫原のフラグメントおよび改変体を、ワクチンおよび免疫原とし
て使用することは、免疫学の分野における認められた常套手段である。なぜなら
、タンパク質に対する免疫応答を誘導するために必要とされるのは、そのタンパ
ク質の小さい(例えば、8〜10アミノ酸)領域であり得るからである。これは
、Chlamydia以外の病原体に対する多くのワクチンについてなされてい
る。例えば、病原体の表面露出抗原に対応する短い合成ペプチド(例えば、マウ
ス乳腺癌ウイルスの、11アミノ酸を含むペプチド(Dionら、Virolo
gy 179:474−477(1990));セムリキ森林ウイルスの、16
アミノ酸を含むペプチド(Snijdersら、J.Gen.Virol.72
:557−565(1991));およびイヌパルボウイルスの2つの重複ペプ
チド(各々、15アミノ酸を含む)(Langeveldら、Vaccine
12:1473−1480(1994)))は、これらそれぞれの病原体に対す
る有効なワクチン抗原であることが示されている。
【0048】 ポリペプチドフラグメントおよび大きな内部欠失を有するポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドは、例えば、PCR(インバース(inverse)P
CRを含む)によるか、クローン化DNA分子の制限酵素処理によるか、または
Kunkelら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:44
8(1985))の方法による、標準的な方法(例えば、Ausubelら、C
URRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOG
Y,John Wiley&Sons Inc.(1994)を参照のこと)を
使用して(生物学的材料はStratagenから入手可能)構築され得る。
【0049】 ポリペプチド誘導体はまた、例えば、N末端またはC末端で、任意の他のポリ
ペプチドに融合された本発明のポリペプチドまたはポリペプチド誘導体を含む、
融合ポリペプチドとして生成され得る。ハイブリッド融合タンパク質に対応する
アミノ酸配列をコードするDNAの構築のため、配列番号1または2)の部分に
対応するアミノ酸配列をコードする第1のDNAは、例えば、米国特許第5,8
44,095号(本明細書中に参考として援用される)に記載される方法を使用
して、第2のDNAに結合される。次いで、産物は、この遺伝子融合物の翻訳に
よって容易に得られ得る。融合ポリペプチドを発現するためのベクターは、市販
されている(例えば、New England BiolabsのpMal−c
2系またはpMal−p2系(ここで、融合ペプチドは、マルトース結合タンパ
ク質である)、Pharmaciaのグルタチオン−S−トランスフェラーゼ系
、またはNovagenから入手可能なHis−Tag系)。これらおよび他の
発現系は、本発明のポリペプチドおよび誘導体のさらなる精製のための簡便な手
段を提供する。
【0050】 本発明に含まれる融合ポリペプチドの別の特定の例としては、アジュバント活
性を有するポリペプチド(例えば、コレラ毒素またはE.coli非耐熱性毒素
のいずれかのサブユニットBのような)に融合された、本発明のポリペプチドま
たはポリペプチド誘導体が挙げられる。いくつかの可能性が、融合を達成するた
めに使用され得る。第1に、本発明のポリペプチドは、アジュバント活性を有す
るポリペプチドのN末端、または好ましくはC末端に融合され得る。第2に、本
発明のポリペプチドフラグメントは、アジュバント活性を有するポリペプチドの
アミノ酸配列内に融合され得る。
【0051】 上記のように、本発明のポリヌクレオチドは、前駆体形態または成熟形態のC
hlamydiaポリペプチドをコードする。これらはまた、異種シグナルペプ
チドを含むハイブリッド前駆体をコードし得、これは、本発明のポリペプチドに
成熟し得る。「異種シグナルペプチド」とは、本発明のポリペプチドの天然に存
在する前駆体に見出されないシグナルペプチドを意味する。
【0052】 相同なコード配列を有する、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号1に示さ
れるような配列を有するポリヌクレオチドに、好ましくはストリンジェントな条
件下でハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション手順は、例えば、Ausu
belら、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR
BIOLOGY,John Wiley&Sons Inc.(1994);S
ilhavyら、EXPERIMENTS WITH GENE FUSION
S,Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s(1984);Davisら、A MANUAL FOR GENETIC
ENGINEERING:ADVANCED BACTERIAL GENET
ICS,Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess(1980)(各々は、本明細書中に参考として援用される)に記載され
る。ハイブリダイゼーション条件を最適化するために考慮され得る重要なパラメ
ーターは、臨界値(2つの相補的DNA鎖が互いに離れる融解温度)の算出を可
能にする式に反映される。CaseyおよびDavidson,Nucl.Ac
id Res.4:1539(1977)。この式は、以下のとおりである: Tm=81.5+0.5×(%G+C)+1.6log(陽イオン濃度)−0
.6×(%ホルムアミド)。
【0053】 適切なストリンジェンシー条件下で、ハイブリダイゼーション温度(Th)は
、算出されたTmより約20〜40℃、20〜25℃、または好ましくは、30
〜40℃低い。当業者は、最適の温度および塩条件が、従来の手順を使用した予
備実験において、容易に経験的に決定され得ることを理解する。
【0054】 例えば、ストリンジェント条件は、プレハイブリダイゼーションおよびハイブ
リダイゼーションインキュベーションの両方について、(i)50%ホルムアミ
ドを含有する6×SSC中、42℃で、4〜16時間以内、または(ii)6×
SSC水溶液(1M NaCl、0.1M クエン酸ナトリウム(pH 7.0
))中、65℃で、4〜16時間以内で、達成され得る。
【0055】 30〜600ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドについては、上記の式が使
用され、次いで、減算(600/塩基対中のポリヌクレオチドの大きさ)するこ
とによって補正される。ストリンジェンシー条件は、Tmより5〜10℃低いT
hによって定義される。
【0056】 20〜30塩基より短いオリゴヌクレオチドに関するハイブリダイゼーション
条件は、上記の規則に正確には従わない。このような場合、Tmを算出するため
の式は、以下のとおりである: Tm=4×(G+C)+2(A+T)。 例えば、50%のG+Cの18ヌクレオチドフラグメントは、約54℃のTmを
有する。
【0057】 本発明のポリヌクレオチド分子(RNA、DNA、あるいはこれらの改変体ま
たは組み合わせを含む)は、種々の適用を有し得る。例えば、DNA分子は、(
i)組換え宿主系においてコードされるポリペプチドを生成するためのプロセス
において、(ii)Chlamydia感染を予防および/または処置するため
の方法および組成物においてさらに使用される、ポックスウイルスのようなワク
チンベクターの構築において、(iii)裸の形態の、または送達ビヒクルで処
方されたワクチン剤(およびRNA分子)として、ならびに(iv)本発明のポ
リヌクレオチドを過剰発現し得るか、または適切ならば、そのポリヌクレオチド
を、改変され、変異された形態(例えば、非毒性形態)で発現し得る、弱毒化C
hlamydia株の構築において、使用され得る。Chlamydiaによっ
て引き起こされる疾患に対する防御のための、本発明のタンパク質およびペプチ
ドならびにコードヌクレオチドのワクチン組成物および使用について、このタン
パク質またはペプチドをコードする裸のDNA、およびこれらのヌクレオチドの
鼻内または筋肉内投与を使用することは好ましくない。これらのタンパク質につ
いて、コード核酸を別の経路によって(例えば、皮内)投与すること、および/
またはコード核酸を免疫応答を改善(または、補助)するように処方することが
好ましい。免疫剤としての使用のために、組換え生ベクター(例えば、ウイルス
ベクターまたは細菌ベクター)の一部としてコード核酸を含むこともまた好まし
い。本発明のタンパク質またはペプチド自体を含むワクチン処方物で免疫するこ
ともまた好ましい。これらのワクチン処方物は、アジュバントの使用を含み得る
【0058】 それゆえ、本発明の第2の局面に従って、以下が提供される:(i)発現に必
要とされるエレメントの制御下(特に、適切なプロモーターの制御下)に配置さ
れた本発明のDNA分子を含む、発現カセット;(ii)本発明の発現カセット
を含む発現ベクター;(iii)本発明の発現カセットおよび/または発現ベク
ターで形質転換あるいはトランスフェクトされた、原核生物細胞または真核生物
細胞、ならびに(iv)本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペ
プチドまたはポリペプチド誘導体を産生するためのプロセスであって、本発明の
発現カセットおよび/または発現ベクターで形質転換あるいはトランスフェクト
された、原核生物細胞または真核生物細胞を、本発明のDNA分子の発現を可能
にする条件下で培養する工程、およびこの細胞培養物からコードされたポリペプ
チドまたはポリペプチド誘導体を回収する工程を包含する、プロセス。
【0059】 組換え発現系は、原核生物宿主および真核生物宿主から選択され得る。真核生
物宿主には、酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerevis
iaeまたはPichia pastoris)、哺乳動物細胞(例えば、CO
S1細胞、NIH3T3細胞、またはJEG3細胞)、節足動物細胞(例えば、
Spodoptera frugiperda(SF9)細胞)、および植物細
胞が挙げられる。好ましくは、原核生物宿主(例えば、E.coli)が使用さ
れる。細菌細胞および真核生物細胞は、多くの異なる供給源(例えば、Amer
ican Type Culture Collection(ATCC;Ro
ckville,Maryland))より、当業者に利用可能である。
【0060】 発現系の選択は、発現されるポリペプチドについて所望される特徴に依存する
。例えば、特定の脂質化された形態または任意の他の形態で本発明のポリペプチ
ドを産生することが有用であり得る。
【0061】 発現カセットの選択は、選択される宿主系ならびに発現されるポリペプチドに
ついて所望される特徴に依存する。代表的には、発現カセットは、選択された宿
主系において機能的でありそして構成的または誘導的であり得る、プロモーター
;リボソーム結合部位;必要な場合、開始コドン(ATG);シグナルペプチド
(例えば、脂質化シグナルペプチド)をコードする領域;本発明のDNA分子;
停止コドン;および必要に応じて3’末端領域(翻訳ターミネーターおよび/ま
たは転写ターミネーター)を含む。このシグナルペプチドコード領域は、本発明
のポリヌクレオチドに隣接し、そして適切なリーディングフレームで配置される
。このシグナルペプチドコード領域は、成熟ポリペプチドをコードするDNA分
子に対して同種でも異種でもあり得、そして発現のために使用される宿主の分泌
装置に特異的であり得る。本発明のDNA分子によって構成されるオープンリー
ディングフレームは、単独で、またはシグナルペプチドとともに、プロモーター
の制御下に置かれて、その結果、宿主系において転写および翻訳が起こる。プロ
モーター、シグナルペプチドコード領域は、当業者に広範に公知でありかつ使用
可能であり、そして例えば、Salmonella typhimuriumの
プロモーター(および誘導体)(これは、アラビノースによって誘導可能であり
(プロモーターaraB)、そしてグラム陰性細菌(例えば、E.coli)に
おいて機能的である(米国特許第5,028,530号において、およびCag
nonら、Protein Engineering 4:843(1991)
)において記載されるように);RNAポリメラーゼをコードするバクテリオフ
ァージT7の遺伝子のプロモーター(これは、T7ポリメラーゼを発現する多数
のE.coli株において機能的である(米国特許第4,952,496号に記
載される));OspA脂質化シグナルペプチド;およびRlpB脂質化シグナ
ルペプチド(Takaseら、J.Bact.169:5692(1987))
が挙げられる。
【0062】 発現カセットは、代表的には発現ベクターの一部であり、これは、選択された
発現系においてその複製能力について選択される。発現ベクター(例えば、プラ
スミドまたはウイルスベクター)は、Pouwelsら(Cloning Ve
ctors:Laboratory Manual,85,補遺、1987)に
おいて記載されたベクターから選択され得る。これらは、種々の商業的な供給源
から購入され得る。
【0063】 発現ベクターを用いて宿主細胞を形質転換/トランスフェクトするための方法
は、Ausubelら、Current Protocols in Mole
cular Biology,John Wiley&Sons Inc.(1
994)において記載されるように、選択される宿主系に依存する。
【0064】 発現に際して、本発明の組換えポリペプチド(またはポリペプチド誘導体)は
、細胞内区画において産生されそしてそこに残存するか、細胞外の培地または細
胞周辺腔中に分泌/排出されるか、あるいは細胞膜に埋め込まれる。次いで、こ
のポリペプチドは、細胞抽出物からかまたは組換え細胞培養物の遠心分離後の上
清から、実質的に精製された形態で回収され得る。代表的には、この組換えポリ
ペプチドは、抗体に基づくアフィニティー精製によってか、または当業者によっ
て容易に適合され得る任意の他の方法(例えば、小さなアフィニティー結合ドメ
インへの遺伝子の融合による方法)によって、精製され得る。抗体に基づくアフ
ィニティー精製法もまた、Chlamydia株から抽出された本発明のポリペ
プチドを精製するために利用し得る。免疫アフィニティーによって本発明のポリ
ペプチドを精製するために有用な抗体は、下記のようにして得られ得る。
【0065】 本発明のポリヌクレオチドはまた、ワクチンの分野において(例えば、DNA
ワクチン投与を達成するために)有用であり得る。2つの主な可能性が存在し、
これらは、ウイルスもしくは細菌宿主を遺伝子送達ビヒクルとして使用する(生
ワクチンベクター)か、または遊離の形態で遺伝子を投与する(例えば、プラス
ミドに挿入して)かのいずれかである。本発明のポリヌクレオチドの治療的効力
または予防的効力は、以下に記載されるように評価され得る。
【0066】 従って、本発明の第3の局面において、以下が提供される:(i)発現のため
に必要であるエレメントの制御下に配置される本発明のDNA分子を含む、ワク
チンベクター(例えば、ポックスウイルス);(ii)希釈剤またはキャリアと
ともに、本発明のワクチンベクターを含む組成物;特に、(iii)本発明のワ
クチンベクターの治療的または予防的に有効な量を含む薬学的組成物;(iv)
哺乳動物(例えば、ヒト;あるいは、この方法は、動物(例えば、ネコまたは鳥
類)のChlamydia感染を処置または予防するための獣医学的な適用にお
いて使用され得る)においてChlamydiaに対する免疫応答を誘導するた
めの方法(この方法は、哺乳動物に、免疫原的に有効な量の本発明のワクチンベ
クターを投与して、免疫応答(例えば、Chlamydiaに対する予防的また
は治療的免疫応答)を誘発する工程を包含する);および、特に、(v)Chl
amydia(例えば、C.trachomatis、C.psittaci、
C.pneumonia、C.pecorum)感染を予防および/または処置
するための方法(この方法は、必要がある個体に本発明のワクチンベクターの予
防的または治療的な量を投与する工程を包含する)。さらに、本発明の第3の局
面は、Chlamydia感染を予防および/または処置するための医薬の調製
における本発明のワクチンベクターの使用を包含する。
【0067】 本発明のワクチンベクターは、本発明の1つまたはいくつかのポリペプチドま
たは誘導体、ならびに少なくとも1つのさらなるChlamydia抗原、その
フラグメント、ホモログ、変異体、または誘導体を発現し得る。さらに、このベ
クターは、免疫応答を増強する(アジュバント効果)、サイトカイン(例えば、
インターロイキン−2(IL−2)またはインターロイキン−12(IL−12
))を発現し得る。従って、ワクチンベクターは、哺乳動物細胞における発現の
ために必要とされるエレメントの制御下に配置された、例えば、クラミジア抗原
またはサイトカインをコードするさらなるDNA配列を含み得る。
【0068】 あるいは、本発明の組成物は、いくつかのワクチンベクターを含み得、このベ
クターの各々は、本発明のポリペプチドまたは誘導体を発現し得る。組成物はま
た、さらなるChlamydia抗原あるいはそのサブユニット、フラグメント
、ホモログ、変異体、または誘導体;あるいはサイトカイン(例えば、IL−2
もしくはIL−12)を発現し得る、ワクチンベクターを含み得る。
【0069】 哺乳動物における感染を処置または予防するためのワクチン投与方法において
、本発明のワクチンベクターは、ワクチンの分野における使用における任意の従
来的な経路によって、特に粘膜(例えば、眼、鼻内、口、胃、肺、腸、直腸、膣
、または尿路)表面に、または非経口(例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、
または腹腔内)経路を介して、投与され得る。好ましい経路は、ワクチンベクタ
ーの選択に依存する。この投与は、単回用量において、または間隔をあけて反復
して、達成され得る。適切な投薬量は、当業者によって理解される種々のパラメ
ーター(例えば、ワクチンベクターそれ自体、投与の経路、またはワクチン投与
される哺乳動物の状態(体重、齢など))に依存する。
【0070】 当該分野において利用可能な生ワクチンベクターには、ウイルスベクター(例
えば、アデノウイルス、アルファウイルス、およびポックスウイルス)、ならび
に細菌ベクター(例えば、Shigella、Salmonella、Vibr
io cholerae、Lactobacillus、Bacille bi
lie de Calmette−Guerin(BCG)、およびStrep
tococcus)が含まれる。
【0071】 アデノウイルスベクターの例、ならびに本発明のDNA分子を発現し得るアデ
ノウイルスベクターを構築するための方法は、米国特許第4,920,209号
に記載される。使用され得るポックスウイルスベクターには、例えば、ワクシニ
アウイルスおよびカナリア痘ウイルスが含まれ、これらはそれぞれ、米国特許第
4,722,848号および米国特許第5,364,773号に記載される(例
えば、ワクシニアウイルスベクターの記載については、Tartagliaら、
Virology 188:217(1992);およびカナリア痘の参考文献
については、Taylorら、Vaccine 13:539(1995)もま
た参照のこと)。本発明のポリヌクレオチドを発現し得るポックスウイルスベク
ターは、Kienyら、Nature 312:163(1984)に記載され
るように、相同組換えによって得られ得、その結果、本発明のポリヌクレオチド
は、哺乳動物細胞における発現に適切な条件下でウイルスゲノムに挿入される。
一般的に、ワクチンウイルスベクターの用量は、治療的または予防的使用につい
ては、1キログラム当たり、約1×104〜約1×1011、有利には、約1×1
7〜約1×1010、好ましくは約1×107〜約1×109プラーク形成ユニッ
トであり得る。好ましくは、ウイルスベクターは、非経口的に投与される;例え
ば、4週間間隔をあけて、3回の投与である。当業者は、本発明のウイルスベク
ターを含む組成物に、化学アジュバントを添加することを避けることが好ましく
、それによってウイルスベクターそれ自体への免疫応答を最小化することを認識
する。
【0072】 生経口ワクチンとして有用な非毒素産生性Vibrio cholerae変
異株は、Mekalanosら、Nature 306:551(1983)お
よび米国特許第4,882,278号(2つのctxA対立遺伝子の各々のコー
ド配列の実質的な量が欠失され、その結果、機能的なコレラ毒素が産生されない
株);WO 92/11354(irgA遺伝子座が変異により不活化されてい
る株;この変異はctxA変異と単一の株中で組み合わされ得る);およびWO
94/1533(機能的なctxAおよびattRS1のDNA配列を欠く欠
失変異体)において記載される。これらの株は、WO 94/19482におい
て記載されるように、遺伝子操作されて異種抗原を発現し得る。本発明のDNA
分子によってコードされるポリペプチドまたはポリペプチド誘導体を発現し得る
Vibrio cholerae株の有効なワクチン用量は、選択された投与の
経路について適切な容量で、例えば、約1×105〜約1×109、好ましくは約
1×106〜約1×108の生存細菌を含み得る。好ましい投与の経路には、すべ
ての粘膜経路が含まれ;最も好ましくは、これらのベクターは、鼻腔内または経
口的に投与される。
【0073】 異種抗原の組換え発現のために遺伝子操作をされたかまたはされていない、弱
毒化されたSalmonella typhimurium株、および経口ワク
チンとしてのそれらの使用は、Nakayamaら、Bio/Technolo
gy 6:693(1988)およびWO 92/11361に記載される。好
ましい投与の経路には、すべての粘膜経路が含まれ;最も好ましくは、これらの
ベクターは、鼻腔内または経口的に投与される。
【0074】 ワクチンベクターとして有用な他の細菌株は、Highら、EMBO 11:
1991(1992);Sizemoreら、Science 270:299
(1995)(Shigella flexneri);Medagliniら
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:6868(1995
)(Streptococcus gordonii);およびFlynn、C
ell.Mol.Biol.40:31(1994)、WO 88/6626、
WO 90/0594、WO 91/13157、WO 92/1796、およ
びWO 92/21376(Bacille Calmette Guerin
)に記載される。
【0075】 細菌ベクターにおいて、本発明のポリヌクレオチドは、細菌ゲノムに挿入され
得るか、または、プラスミドに含まれて、遊離の状態で残存し得る。
【0076】 アジュバントもまた、ワクチン細菌ベクターを含む組成物に添加され得る。多
数のアジュバントが当業者に公知である。好ましいアジュバントは、以下に提供
されるリストから選択され得る。
【0077】 本発明の第4の局面によって、以下がまた提供される:(i)希釈剤またはキ
ャリアとともに、本発明のポリヌクレオチドを含む組成物;(ii)本発明のポ
リヌクレオチドの治療的または予防的に有効な量を含む薬学的組成物;(iii
)哺乳動物においてChlamydiaに対する免疫応答を誘導するための方法
(この方法は、哺乳動物に、免疫原的に有効な量の本発明のポリヌクレオチドを
投与して、免疫応答(例えば、Chlamydiaに対する防御的免疫応答)を
誘発する工程による);および、特に、(iv)Chlamydia(例えば、
C.trachomatis、C.psittaci、C.pneumonia
e、またはC.pecorum)感染を予防および/または処置するための方法
(この方法は、必要がある個体に本発明のポリヌクレオチドの予防的または治療
的量を投与する工程による)。さらに、本発明の第4の局面は、Chlamyd
ia感染を予防および/または処置するための医薬の調製における本発明のポリ
ヌクレオチドの使用を包含する。本発明の第4の局面は、好ましくは、哺乳動物
細胞における発現のための条件下におかれたDNA分子(例えば、哺乳動物細胞
中で複製し得ずかつ哺乳動物ゲノム中に実質的に組み込まれ得ない、プラスミド
中で)の使用を含む。
【0078】 本発明のポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)はまた、それ自体ワクチン
目的(例えば、治療目的または予防目的)のために哺乳動物に投与され得る。本
発明のDNA分子が使用される場合、この分子は哺乳動物細胞中で複製し得ずか
つ哺乳動物ゲノムに組み込まれ得ない、プラスミドの形態であり得る。代表的に
は、DNA分子は、哺乳動物細胞における発現に適切なプロモーターの制御下に
おかれる。そのプロモーターは、遍在的にかまたは組織特異的に機能し得る。非
組織特異的なプロモーターの例には、初期サイトメガロウイルス(CMV)プロ
モーター(米国特許第4,168,062号に記載される)、およびラウス肉腫
ウイルスプロモーター(Norton&Coffin,Molec.Cell
Biol.5:281(1985)に記載される)が含まれる。デスミンプロモ
ーター(Liら、Gene 78:243(1989)、Li&Paulin,
J.Biol.Chem.266:6562(1991)、およびLi&Pau
lin,J.Biol.Chem.268:10403(1993))は、組織
特異的であり、そして筋肉細胞における発現を駆動する。より一般的には、有用
なベクターは、とりわけ、WO 94/21797およびHartikkaら、
Human Gene Therapy 7:1205(1996)に記載され
る。
【0079】 DNA/RNAワクチン投与のために、本発明のポリヌクレオチドは、前駆体
型または成熟型をコードし得る。このポリヌクレオチドが前駆体型をコードする
場合、この前駆体型は同種でも異種でもあり得る。後者の場合において、組織型
プラスミノーゲン因子(tPA)リーダー配列のような、真核生物リーダー配列
が使用され得る。
【0080】 本発明の組成物は、本発明の1つまたはいくつかのポリヌクレオチドを含み得
る。この組成物はまた、別のChlamydia抗原あるいはそのフラグメント
、誘導体、変異体、またはアナログをコードする、少なくとも1つのさらなるポ
リヌクレオチドを含み得る。サイトカイン(例えば、インターロイキン−2(I
L−2)またはインターロイキン−12(IL−12))をコードするポリヌク
レオチドもまた、この組成物に添加され得、その結果、免疫応答が増強される。
これらのさらなるポリヌクレオチドは、発現のために適切な制御下におかれる。
有利には、同じ組成物中に含まれるべき本発明のDNA分子および/またはさら
なるDNA分子は、同じプラスミド中に含まれ得る。
【0081】 ポリヌクレオチドを調製および精製するための分子生物学の標準的な技術は、
本発明のポリヌクレオチド治療剤の調製において使用され得る。ワクチンとして
の使用のために、本発明のポリヌクレオチドは、種々の方法に従って処方され得
る。
【0082】 第1に、ポリヌクレオチドは、裸の形態、すなわち、任意の送達ビヒクル(例
えば、アニオン性リポソーム、カチオン性脂質、微粒子(例えば、金微粒子)、
沈殿剤(例えば、リン酸カルシウム)、または任意の他のトランスフェクション
促進剤)なしで、使用され得る。この場合において、このポリヌクレオチドは、
単に生理学的に受容可能な溶液(例えば、滅菌生理食塩水または滅菌緩衝化生理
食塩水)中に、キャリアとともにまたはキャリアなしで、希釈され得る。存在す
る場合、そのキャリアは、好ましくは、等張性、低張性、または弱い高張性であ
り、そして、ショ糖溶液(例えば、20%ショ糖を含む溶液)によって提供され
るような、比較的低いイオン強度を有する。
【0083】 あるいは、ポリヌクレオチドは、細胞の取り込みを補助する薬剤と会合され得
る。このポリヌクレオチドは、とりわけ、(i)ブピバカイン(例えば、WO
94/16737を参照のこと)のような細胞の透過性を改変する化学薬剤を補
充され得るか、(ii)リポソーム中にカプセル化され得るか、あるいは(ii
i)カチオン性脂質、または、シリカ微粒子、金微粒子、もしくはタングステン
微粒子と会合され得る。
【0084】 アニオン性リポソームおよび中性リポソームは当該分野で周知であり(例えば
、リポソームの作製方法についての詳細な記載については、Liposomes
:A Practical Approach,RPC New編、IRL P
ress(1990)を参照のこと)、そして広い範囲の産物(ポリヌクレオチ
ドを含む)を送達するために有用である。
【0085】 カチオン性脂質はまた、当該分野で公知であり、そして遺伝子送達のために一
般に使用される。このような脂質は、LipofectinTM(また、DOTM
A(N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメ
チルアンモニウムクロライド)としても知られる)、DOTAP(1,2−ビス
(オレイルオキシ)−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン)、DDAB(ジ
メチルジオクタデシルアンモニウムブロマイド)、DOGS(ジオクタデシルア
ミドログリシルスペルミン(dioctadecylamidologlycy
lspermine))およびコレステロール誘導体(例えば、DC−Chol
(3β−(N−(N’,N’−ジメチルアミノメタン)−カルバモイル)コレス
テロール))を含む。これらのカチオン性脂質の記載は、EP 187,702
、WO 90/11092、米国特許第5,283,185号、WO 91/1
5501、WO 95/26356、および米国特許第5,527,928号に
見出され得る。遺伝子送達のためのカチオン性脂質は、好ましくは、例えばWO
90/11092に記載されるように、中性脂質(例えば、DOPE(ジオレ
イルホスファチジルエタノールアミン))と会合して使用される。
【0086】 他のトランスフェクション促進化合物は、カチオン性リポソームを含む処方物
に添加され得る。それらの多くは、例えば、WO 93/18759、WO 9
3/19768、WO 94/25608、およびWO95/2397に記載さ
れる。それらには、とりわけ、核膜を通してのDNAの輸送を容易にするために
有用なスペルミン誘導体(例えば、WO 93/18759を参照のこと)、お
よび膜透過化化合物(例えば、GALA、グラミシジンS、およびカチオン性胆
汁酸塩)(例えば、WO 93/19768を参照のこと)が含まれる。
【0087】 金微粒子またはタングステン微粒子もまた、WO 91/359、WO 93
/17706、およびTangら(Nature 356:152(1992)
)に記載されるように、遺伝子送達のために使用され得る。この場合において、
微粒子コートされたポリヌクレオチドは、針を使わない注射デバイス(「遺伝子
銃」)(例えば、米国特許第4,945,050号、同第5,015,580号
、およびWO 94/24263に記載されるデバイス)を使用して、皮内また
は上皮内経路を介して注射され得る。
【0088】 ワクチンレシピエントにおいて使用されるDNAの量は、例えば、DNA構築
物において使用されるプロモーターの強さ、発現された遺伝子産物の免疫原性、
投与のために意図される哺乳動物の状態(例えば、哺乳動物の体重、齢、および
全身的健康)、投与の様式、ならびに処方の型に依存する。一般的に、約1μg
〜約1mg、好ましくは約10μg〜約800μg、そしてより好ましくは、約
25μg〜約250μgの治療的または予防的有効用量が、ヒト成体に投与され
得る。この投与は、単回用量または間隔をあけて反復して達成され得る。
【0089】 投与の経路は、ワクチンの分野において使用される従来的な経路のいずれかで
あり得る。一般的なガイダンスとして、本発明のポリヌクレオチドは、粘膜表面
(例えば、眼、鼻内、肺、口、腸、直腸、膣、および尿路の表面);または非経
口経路(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、皮内、上皮内、または筋肉内の経路に
よる)を介して投与され得る。投与経路の選択は、例えば、選択される処方に依
存する。ブピバカインと付随して処方されるポリヌクレオチドは、有利に筋肉に
投与される。中性リポソームもしくはアニオン性リポソームまたはカチオン性脂
質(例えば、DOTMAまたはDC−Chol)が使用される場合、その処方物
は、静脈内経路、鼻内経路(エーロゾル適用)、筋肉内経路、皮内経路、および
皮下経路を介して、有利に注射され得る。裸の形態のポリヌクレオチドは、筋肉
内経路、皮内経路、または皮下経路を介して、有利に投与され得る。
【0090】 絶対的に必要であるのではないが、このような組成物はまた、アジュバントを
含み得る。そうである場合、アジュバント効果を示すために併用投与を必要とし
ない全身性のアジュバント(例えば、QS21であり、これは、米国特許第5,
057,546号に記載される)が、好ましい。
【0091】 本出願において提供される配列情報は、診断において有用であり得る特定のヌ
クレオチドプローブおよびプライマーの設計を可能にする。従って、本発明の第
5の局面において、配列番号1に示される配列に見出される配列か、またはこれ
らの配列から遺伝コードの縮重によって誘導される配列を有するヌクレオチドプ
ローブまたはプライマーが提供される。
【0092】 本出願において使用される場合、用語「プローブ」とは、上記に定義されるよ
うなストリンジェントな条件下で、配列番号1および2に示される配列と相同な
配列を有する核酸分子に、または相補的な配列もしくはアンチセンス配列にハイ
ブリダイズする、DNA分子(好ましくは一本鎖)またはRNA分子(またはそ
の修飾物もしくは組合せ)をいう。一般的に、プローブは、配列番号1および2
に示される全長配列よりも有意に短く;例えば、それらは約5〜約100、好ま
しくは約10〜約80ヌクレオチドを含み得る。特に、プローブは、配列番号1
および2に示される配列の一部に少なくとも75%、好ましくは少なくとも85
%、より好ましくは95%相同である配列、またはこのような配列に相補的であ
る配列を有する。プローブは、イノシン、メチル−5−デオキシシチジン、デオ
キシウリジン、ジメチルアミノ−5−デオキシウリジン、またはジアミノ−2,
6−プリンのような修飾した塩基を含み得る。糖またはリン酸残基もまた、修飾
または置換され得る。例えば、デオキシリボース残基は、ポリアミドによって置
換され得(Nielsenら、Science 254:1497(1991)
)、そしてリン酸残基は、エステル基(例えば、ジホスフェートエステル、アル
キルエステル、アリールホスホネートエステル、およびホスホロチオエートエス
テル)によって置換され得る。さらに、リボヌクレオチドの2’−ヒドロキシル
基は、例えば、アルキル基を含むことによって修飾され得る。
【0093】 本発明のプローブは、捕捉または検出プローブとして、診断試験において使用
され得る。このような捕捉プローブは、共有結合的手段によって、または受動的
吸着によって、直接的または間接的に、従来どおりに固体支持体上に固定化され
得る。検出プローブは、放射性同位元素;酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、ア
ルカリホスファターゼ、および色素産生基質、蛍光産生基質、または発光性基質
を加水分解し得る酵素);色素産生性、蛍光産生性または発光性である化合物;
ヌクレオチド塩基アナログ;ならびにビオチン、から選択される検出マーカーに
よって標識され得る。
【0094】 本発明のプローブは、例えば、ドットブロット(Maniatisら、MOL
ECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL(1
982)Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess,Cold Spring Harbor,New York)、サザン
ブロット(Southern,J.Mol.Biol.98:503(1975
))、ノーザンブロット(標的としてRNAが使用される以外は、サザンブロッ
トと同一である)、またはサンドウィッチ技術(Dunnら、Cell 12:
23(1977))のような任意の慣用的なハイブリダイゼーション技術におい
て使用され得る。後者の技術は、少なくとも部分的に互いに異なるヌクレオチド
配列を有する特異的な捕捉プローブおよび/または特異的な検出プローブの使用
を含む。
【0095】 プライマーは、通常、増幅プロセス(例えば、PCR)において、伸長プロセ
スにおいて、または逆転写方法において、DNAの酵素的重合を開始するために
使用される約10〜約40ヌクレオチドのプローブである。PCRを含む診断的
方法において、プライマーは標識され得る。
【0096】 従って、本発明はまた、(i)生物学的材料においてChlamydiaの存
在を検出および/または同定するための本発明のプローブを含む、試薬;(ii
)生物学的材料においてChlamydiaの存在を検出および/または同定す
るための方法であって、ここで(a)サンプルが生物学的材料から回収されるか
または生物学的材料に由来し、(b)この材料からDNAまたはRNAが抽出さ
れ、そして変性され;そして(c)本発明のプローブ(例えば、捕捉プローブ、
検出プローブ、またはその両方)に、ストリンジェントなハイブリダイゼーショ
ン条件下で曝露され、その結果、ハイブリダイゼーションが検出される、方法;
ならびに(iii)生物学的材料においてChlamydiaの存在を検出およ
び/または同定するための方法であって、ここで、(a)サンプルが生物学的材
料から回収されるかまたは生物学的材料に由来し、(b)DNAがそこから抽出
され、(c)本発明の少なくとも1つ、好ましくは2つのプライマーを用いて、
抽出されたDNAがプライムされ、そしてポリメラーゼ連鎖反応によって増幅さ
れ、そして(d)増幅されたDNAフラグメントが産生される、方法、を包含す
る。
【0097】 以前に言及したように、新しく同定されたオープンリーディングフレームの発
現に際して産生され得るポリペプチドは、有用なワクチン薬剤である。
【0098】 従って、本発明の第6の局面は、本発明のポリヌクレオチドによってコードさ
れるアミノ酸配列を有する、実質的に精製されたポリペプチドまたはポリペプチ
ド誘導体を特徴とする。
【0099】 「実質的に精製されたポリペプチド」は、天然にそのポリペプチドが存在する
環境から分離されたポリペプチド、および/またはそのポリペプチドが合成され
た環境中に存在するポリペプチドの大部分を含まないポリペプチドとして定義さ
れる。例えば、実質的に精製されたポリペプチドは、細胞質ポリペプチドを含ま
ない。当業者は、本発明のポリペプチドが、天然の供給源(すなわち、Chla
mydia株)から精製され得るか、または組換え手段によって産生され得るこ
とを理解する。
【0100】 本発明のポリヌクレオチドによってコードされる相同なポリペプチドまたはポ
リペプチド誘導体を、配列番号1および2に示されるアミノ酸配列を有する参照
ポリペプチドに対して惹起された抗血清を用いる交差反応性を試験することによ
って、特異的抗原性についてスクリーニングし得る。手短には、単一特異的過免
疫抗血清を、それ自体としてまたは融合ポリペプチドとしての精製された参照ポ
リペプチド(例えば、MBP、GST、またはHis−タグ系の発現産物、ある
いは抗原性であることが予測される合成ペプチド)に対して惹起し得る。特異的
抗原性についてスクリーニングされる相同ポリペプチドまたは誘導体は、それ自
体としてか、または融合ポリペプチドとして産生され得る。後者の場合であって
、抗血清がまた、融合ポリペプチドに対して惹起される場合、2つの異なる融合
系が使用される。特異的抗原性は、以下に記載するように、ウェスタンブロット
(Towbinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:4
350(1979))、ドットブロット、およびELISAを含む多数の方法に
従って決定され得る。
【0101】 ウェスタンブロットアッセイにおいて、スクリーニングされるべき産物を、精
製された調製物としてか、またはE.coli全抽出物のいずれかとして、La
emmli(Nature 227:680(1970))によって記載される
ように、SDS−PAGE電気泳動に供する。ニトロセルロース膜に転写した後
、この材料をさらに、約1:5〜約1:5000、好ましくは約1:100〜約
1:500の希釈の範囲で希釈された単一特異的過免疫抗血清とともに、インキ
ュベートする。特異的抗原性は、一旦、産物に対応するバンドが上記の範囲にお
ける任意の希釈で反応性を示すと、示される。
【0102】 ELISAアッセイにおいて、スクリーニングされるべき産物は、好ましくは
、コーティングする抗原として使用される。精製された調製物が好ましいが、全
細胞抽出物もまた、使用され得る。手短には、約10μgタンパク質/mlでの
約100μlの調製物を、96ウェルポリカーボネートELISAプレートのウ
ェル中に分配する。このプレートを、37℃で2時間、次に4℃で一晩インキュ
ベートする。このプレートを、0.05%のTween20を含むリン酸緩衝化
生理食塩水(PBS)(PBS/Tween緩衝液)で洗浄する。ウェルを1%
のウシ血清アルブミン(BSA)を含む250μlのPBSで満たし、非特異的
抗体結合を防ぐ。37℃での1時間のインキュベーションの後、このプレートを
PBS/Tween緩衝液で洗浄する。抗血清を、0.5%のBSAを含有する
PBS/Tween緩衝液中で、連続的に希釈する。希釈液の100μlを、1
ウェルあたりに添加する。このプレートを、37℃で90分間インキュベートし
、洗浄し、そして標準的な手順に従って評価する。例えば、特異的抗体がウサギ
において惹起された場合、ヤギ抗ウサギペルオキシダーゼ結合体を、ウェルに添
加する。インキュベーションを37℃で90分間行い、そしてこのプレートを洗
浄する。反応物を適切な基質を用いて発色させ、そしてこの反応を比色定量によ
って測定する(分光光度的に測定した吸光度)。上記の実験条件下で、ポジティ
ブ反応が、非免疫コントロール血清よりも高いO.D.値によって示される。
【0103】 ドットブロットアッセイにおいて、精製された産物が好ましいが、全細胞抽出
物もまた、使用され得る。手短には、約100μl/mlの産物の溶液を、50
mM Tris−HCl(pH 7.5)中で連続的に2倍希釈する。各希釈液
の100μlを、96ウェルのドットブロット装置(Biorad)中にセット
したニトロセルロース膜0.45μmにアプライする。このシステムに真空を適
用することによって緩衝液を取り除く。ウェルを、50mM Tris−HCl
(pH7.5)の添加によって洗浄し、そしてその膜を風乾する。その膜をブロ
ッキング緩衝液(50mM Tris−HCl(pH7.5) 0.15M N
aCl、10g/L スキムミルク)中に浸し、そして約1:50〜約1:50
00、好ましくは約1:500の抗血清希釈物とともに、インキュベートする。
反応を標準的な手順に従って明らかにする。例えば、ウサギ抗体が使用される場
合、ヤギ抗ウサギペルオキシダーゼ結合体を、ウェルに添加する。インキュベー
ションを37℃で90分間行い、そしてこのブロットを洗浄する。反応物を適切
な基質を用いて発色させ、そして停止させる。この反応を、着色したスポットの
出現によって(例えば、比色定量によって)可視的に測定する。上記の実験条件
下で、一旦、着色したスポットが、少なくとも約1:5、好ましくは少なくとも
約1:500の希釈と関連付けられると、ポジティブ反応が示される。
【0104】 本発明のポリペプチドまたは誘導体の治療的効力または予防的効力は、下記の
ように評価され得る。
【0105】 本発明の第7の局面に従って、以下が提供される(i)希釈剤またはキャリア
とともに本発明のポリペプチドを含有する組成物;特に(ii)本発明のポリペ
プチドの治療的有効量または予防的有効量を含む薬学的組成物;(iii)免疫
応答を誘発するために本発明のポリペプチドの免疫学的有効量を哺乳動物に投与
することによって、哺乳動物においてChlamydiaに対する免疫応答(例
えば、Chlamydiaに対する防御的免疫応答)を誘導する方法;および、
特に(iv)必要とする個体に対して、本発明のポリペプチドの予防的有効量ま
たは治療的有効量を投与することによって、Chlamydia(例えば、C.
trachomatis、C.psittaci、C.pneumoniae、
またはC.pecorum)感染を、予防および/または処置する方法。さらに
、本発明の第7の局面は、Chlamydia感染を予防および/または処置す
るための医薬の調製における、本発明のポリペプチドの使用を包含する。
【0106】 本発明の免疫原性組成物は、ワクチンの分野における使用において、任意の従
来の経路(特に粘膜(例えば、眼、鼻内、肺、口、胃、腸、直腸、膣、もしくは
尿路)表面に対してか、または非経口(例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、
もしくは腹膜内)経路を介して)によって投与され得る。投与経路の選択は、多
数のパラメーター(例えば、ポリペプチドに付随するアジュバント)に依存する
。例えば、粘膜アジュバントが使用される場合、鼻内または経口経路が好ましく
、そして脂質処方物またはアルミニウム化合物を使用する場合、非経口経路が好
ましい。後者の場合、皮下経路または筋肉内経路が、最も好ましい。この選択は
また、ワクチン剤の性質にも依存し得る。例えば、CTBまたはLTBと融合し
た本発明のポリペプチドは、粘膜表面に対して、最も良好に投与される。
【0107】 本発明の組成物は、1つまたは数個の本発明のポリペプチドまたは誘導体を含
み得る。本発明の組成物はまた、少なくとも1つのさらなるChlamydia
抗原、またはそのサブユニット、フラグメント、ホモログ、変異体、もしくは誘
導体を含み得る。
【0108】 本発明の組成物の使用のために、ポリペプチドまたはその誘導体を、リポソー
ム(好ましくは、中性リポソームもしくはアニオン性リポソーム)、ミクロスフ
ェア、ISCOMS、またはウイルス様粒子(VLP)中に、またはこれらとと
もに処方して、送達を促進し得、そして/あるいは免疫応答を増強し得る。これ
らの化合物は、当業者にとって、容易に利用可能である;例えば、LIPOSO
MES:A PRACTICAL APPROACH(上記)を参照のこと。
【0109】 リポソームなど以外のアジュバントもまた、使用され得、そして当該分野で公
知である。適切な選択は、例えば、以下に提供されるリストから、当業者によっ
て従来的になされ得る。
【0110】 投与は、当業者によって決定され得るように、単回用量において達成され得る
か、または必要に応じて間隔をおいて繰り返され得る。例えば、初回刺激用量の
後、週1回または月1回の間隔での3回の追加免疫用量を続け得る。適切な用量
は、当業者によって決定され得るように、レシピエント(例えば、成体または幼
児)、特定のワクチン抗原、投与の経路および頻度、アジュバントの存在/非存
在またはタイプ、ならびに所望の効果(例えば、防御および/または処置)を含
む種々のパラメーターに依存する。一般に、本発明のワクチン抗原は、約10μ
g〜約500mg、好ましくは約1mg〜約200mgの量において、粘膜経路
によって投与され得る。投与の非経口経路のために、用量は、通常約1mg(好
ましくは、約100μg)を越えるべきではない。
【0111】 ワクチン剤として使用する場合、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ドは、多段階の免疫プロセスの一部として連続的に使用され得る。例えば、哺乳
動物は、ポックスウイルスのような本発明のワクチンベクターを用いて(例えば
、非経口経路を介して)最初に初回刺激され得、次いで、ワクチンベクターによ
ってコードされるポリペプチドを用いて2回追加免疫(例えば、粘膜経路を介し
て)され得る。別の例において、本発明のポリペプチドまたは誘導体と会合する
リポソームはまた、初回刺激のために使用され得、追加免疫が、粘膜アジュバン
ト(例えば、LT)と組み合わせて本発明の可溶性のポリペプチドまたは誘導体
を使用して粘膜的に行われる。
【0112】 本発明のポリペプチド誘導体はまた、抗Chlamydia抗体の存在(例え
ば、血液サンプル中)の検出のための診断試薬として有用である。このようなポ
リペプチドは、約5〜約80、好ましくは約10〜約50アミノ酸長であり、そ
して診断方法に依存して標識されてもよいし、または標識されなくてもよい。こ
のような試薬を含む診断方法を、以下に記載する。
【0113】 本発明のDNA分子の発現の際に、ポリペプチドまたはポリペプチド誘導体を
産生し、そして公知の実験室技術を使用して精製し得る。例えば、ポリペプチド
またはポリペプチド誘導体は、精製を促進する融合したテールを含む融合タンパ
ク質として産生され得る。この融合産物を使用して、ポリペプチドまたはポリペ
プチド誘導体に対する抗体(単一特異的抗体)を惹起するために、小哺乳動物(
例えば、マウスまたはウサギ)を免疫し得る。従って、本発明の第8の局面は、
本発明のポリペプチドまたはポリペプチド誘導体に結合する単一特異的抗体を提
供する。
【0114】 「単一特異的抗体」とは、独特の天然に存在するChlamydiaポリペプ
チドと反応し得る抗体が意味される。本発明の抗体は、ポリクローナルまたはモ
ノクローナルであり得る。単一特異的抗体は、組換え体、例えば、キメラ(例え
ば、ヒト定常領域と会合したマウス起源の可変領域から構成される)、ヒト化(
動物(例えば、マウス)起源の超可変領域をともなうヒト免疫グロブリン定常骨
格)、および/または単鎖であり得る。ポリクローナル抗体および単一特異的抗
体の両方はまた、免疫グロブリンフラグメント(例えば、F(ab)’2または
Fabフラグメント)の形態であり得る。本発明の抗体は、任意のアイソタイプ
(例えば、IgGまたはIgA)であり得、そしてポリクローナル抗体は、単一
のアイソタイプであっても、アイソタイプの混合物を含んでもよい。
【0115】 本発明のポリペプチドまたはポリペプチド誘導体に対して惹起される本発明の
抗体を産生し得、そして標準的な免疫学的アッセイ(例えば、ウエスタンブロッ
ト分析、ドットブロットアッセイ、またはELISA(例えば、Coligan
ら、CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY(19
94)John Wiley&Sons,Inc.,New York,NYを
参照のこと))を使用して、同定され得る。この抗体を、診断方法において使用
して、サンプル(例えば、生物学的サンプル)中のChlamydia抗原の存
在を検出し得る。この抗体を、本発明のポリペプチドまたはポリペプチド誘導体
の精製のためのアフィニティークロマトグラフィー方法においてもまた、使用し
得る。以下にさらに考察されるように、そのような抗体を、予防的および治療的
な受動免疫方法において、使用し得る。
【0116】 従って、本発明の第9の局面は、以下を提供する、(i)本発明の抗体、ポリ
ペプチド、またはポリペプチド誘導体を含む、生物学的サンプル中のChlam
ydiaの存在を検出するための試薬;および(ii)生物学的サンプルを本発
明の抗体、ポリペプチド、またはポリペプチド誘導体と接触させ、その結果、免
疫複合体を形成する工程、およびそのような複合体を検出して、サンプル中また
はそのサンプルが由来する生物中のChlamydiaの存在を示す工程によっ
て、生物学的サンプル中のChlamydiaの存在を検出する診断方法。
【0117】 当業者は、抗体、ポリペプチド、またはポリペプチド誘導体のいずれが使用さ
れても、サンプルの成分と、その抗体、ポリペプチド、またはポリペプチド誘導
体との間で免疫複合体が形成され、そして任意の未結合物質が、複合体の検出前
に除去され得ることを理解する。容易に理解され得るように、ポリペプチド試薬
は、サンプル(例えば、血液サンプル)中の抗Chlamydia抗体の存在を
検出するために有用であるが、本発明の抗体は、サンプル(例えば、胃抽出物、
または生検)をChlamydiaポリペプチドの存在についてスクリーニング
するために使用され得る。
【0118】 診断適用における用途のために、試薬(すなわち、本発明の抗体、ポリペプチ
ド、またはポリペプチド誘導体)は、遊離の状態であっても、固体支持体(例え
ば、チューブ、ビーズ、または当該分野で使用される任意の他の従来の支持体)
に固定化されてもよい。固定化は、直接的手段または間接的手段を使用して達成
され得る。直接的手段としては、支持体と試薬との間の、受動的吸着(非共有結
合)または共有結合が挙げられる。「間接的手段」とは、試薬と相互作用する抗
試薬化合物を、最初に固体支持体に付着することが意味される。例えば、ポリペ
プチド試薬を使用する場合、その試薬に結合する抗体が生物学的サンプル中の抗
体の認識に関与しないエピトープに結合するという条件で、その試薬に結合する
抗体が、抗試薬として供され得る。間接的手段はまた、リガンド−レセプター系
(例えば、ビタミンのような分子を、ポリペプチド試薬に移植(graft)し
得、そして対応するレセプターを、固相上に固定し得る)を利用し得る。これは
、ビオチン−ストレプトアビジン系によって例示される。あるいは、間接的手段
は、例えば、化学的にか、または遺伝子操作によってペプチド尾部(tail)
を試薬に付加し、そして移植した産物または融合した産物を、ペプチド尾部の受
動的吸着または共有結合により固定することによって、使用され得る。
【0119】 本発明の第10の局面に従って、生物学的サンプルから本発明のポリペプチド
またはポリペプチド誘導体を精製するプロセスが提供される。このプロセスは、
生物学的サンプルを用いる、抗体に基づくアフィニティークロマトグラフィーを
実施する工程を包含し、ここでこの抗体は、本発明の単一特異的抗体である。
【0120】 本発明の精製プロセスにおける用途のために、抗体は、ポリクローナルまたは
単一特異的であり得、そして好ましくは、IgGタイプである。精製されたIg
Gは、標準的な方法を用いて抗血清から調製され得る(例えば、Coligan
ら、前出を参照のこと)。従来のクロマトグラフィー支持体、ならびに抗体を移
植する標準的な方法が、例えば、ANTIBODIES:A LABORATO
RY MANUAL,D.Lane,E.Harlow編(1988)に開示さ
れる。
【0121】 手短には、生物学的サンプル(例えば、C.pneumoniae抽出物(好
ましくは、緩衝溶液中))を、クロマトグラフィー材料(好ましくは、生物学的
サンプルを希釈するために使用される緩衝液で平衡化される)に適用し、その結
果、本発明のポリペプチドまたはポリペプチド誘導体(すなわち、抗原)を、そ
の材料上に吸着させる。クロマトグラフィー材料(例えば、本発明の抗体に結合
したゲルまたは樹脂)は、バッチ形態であっても、カラム中であってもよい。未
結合の成分を洗い流し、次に抗原を適切な溶出緩衝液(例えば、グリシン緩衝液
またはカオトロピック剤(例えば、グアニジンHCl)または高塩濃度(例えば
、3M MgCl2)を含む緩衝液)で溶出する。溶出された画分を回収し、そ
して抗原の存在を検出する(例えば、280nmでの吸光度を測定することによ
る)。
【0122】 本発明の抗体を、以下に記載のように、治療的効力についてスクリーニングし
得る。本発明の第11の局面に従って、以下が提供される(i)希釈剤またはキ
ャリアとともに本発明の単一特異的抗体を含有する物質の組成物;(ii)本発
明の単一特異的抗体の治療的または予防的有効量を含む薬学的組成物;および(
iii)必要とする個体に対して、本発明の単一特異的抗体の治療的または予防
的な量を投与することによって、Chlamydia(例えば、C.trach
omatis、C.psittaci、C.pneumoniae、またはC.
pecorum)感染を、処置または予防する方法。さらに、本発明の第11の
局面は、Chlamydia感染を処置または予防するための医薬の調製におけ
る、本発明の単一特異的抗体の使用を含む。
【0123】 この目的のために、単一特異的抗体は、ポリクローナルであっても、モノクロ
ーナルであってもよく、好ましくは、IgAアイソタイプ(主として)であり得
る。受動免疫では、抗体を、哺乳動物の粘膜表面(例えば、胃粘膜(例えば、経
口的または胃内に))に、有利には炭酸水素緩衝液の存在下で投与し得る。ある
いは、全身投与(炭酸水素緩衝液を必要としない)を実施し得る。本発明の単一
特異的抗体を、単一の活性成分としてか、または異なるChlamydiaポリ
ペプチドに特異的な少なくとも1つの単一特異的抗体との混合物として投与し得
る。使用される抗体の量および特定のレジメンは、当業者によって容易に決定さ
れ得る。例えば、1週間にわたる約100〜1,000mgの抗体の毎日の投与
、または2〜3日間にわたる約100〜1,000mgの抗体の1日あたり3用
量の投与は、大半の目的にとって有効なレジメンであり得る。
【0124】 治療的または予防的効力を、例えばC.pneumoniaeマウスモデルを
使用した、当該分野で標準的な方法(例えば、粘膜免疫応答の誘導、あるいは防
御的および/または治療的免疫の誘導を測定することによる)を使用して評価し
得る。当業者は、このモデルのC.pneumoniae株が、別のChlam
ydia株で置換され得ることを認識する。例えば、C.pneumoniae
由来のDNA分子およびポリペプチドの効力は、好ましくは、C.pneumo
niae株を使用するマウスモデルにおいて評価される。防御を、コントロール
群の程度に対してChlamydia感染の程度を比較することによって決定し
得る。防御は、コントロール群と比較して感染が減少する場合に示される。その
ような評価は、ポリヌクレオチド、ワクチンベクター、ポリペプチドおよびこれ
らの誘導体、ならびに本発明の抗体について、なされ得る。
【0125】 上記の任意のワクチン組成物において有用なアジュバントは、以下のとおりで
ある。
【0126】 非経口投与のためのアジュバントとしては、アルミニウム化合物(例えば、ア
ルミニウムヒドロキシド、アルミニウムホスフェート、およびアルミニウムヒド
ロキシホスフェート)が挙げられる。抗原は、標準的なプロトコールに従って、
アルミニウム化合物とともに沈殿され得るか、またはアルミニウム化合物に吸着
され得る。他のアジュバント(例えば、RIBI(ImmunoChem,Ha
milton,MT))を、非経口投与に使用し得る。
【0127】 粘膜投与のためのアジュバントとしては、細菌毒素(例えば、コレラ毒素(C
T)、E.coli熱不安定性毒素(LT)、Clostridium dif
ficile毒素Aおよび百日咳毒素(PT)、またはそれらの組み合わせ、サ
ブユニット、トキソイド、または変異体が挙げられる。例えば、ネイティブのコ
レラ毒素サブユニットB(CTB)の精製された調製物が使用され得る。これら
の任意の毒素のフラグメント、ホモログ、誘導体、および融合物がアジュバント
活性を保持する場合には、これらもまた、適切である。好ましくは、減少した毒
性を有する変異体が使用される。適切な変異体が、例えば、WO95/1721
1(Arg−7−Lys CT変異体)、WO96/6627(Arg−192
−Gly LT変異体)、およびWO95/34323(Arg−9−Lysお
よびGlu−129−Gly PT変異体)において記載される。本発明の方法
および組成物に使用され得るさらなるLT変異体としては、例えば、Ser−6
3−Lys、Ala−69−Gly、Glu−110−Asp、およびGlu−
112−Asp変異体が挙げられる。例えば、E.coli、Salmonel
la minnesota、Salmonella typhimurium、
またはShigella flexneriの細菌モノホスホリル脂質A(MP
LA);サポニン、あるいはポリラクチドグリコリド(PLGA)ミクロスフェ
アのような他のアジュバントもまた、粘膜投与において使用され得る。
【0128】 粘膜投与および非経口投与の両方のために有用なアジュバントとしては、ポリ
ホスファゼン(WO95/2415)、DC−コール(3b−(N−(N’,N
’−ジメチルアミノメタン)−カルバモイル)コレステロール(DC−chol
(3b−(N−(N’,N’−dimethyl aminomethane)
−carbamoyl)cholesterol)(米国特許第5,283,1
85号およびWO96/14831)およびQS−21(WO88/9336)
が挙げられる。
【0129】 本発明の任意の薬学的組成物(本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、ポ
リペプチド誘導体、または抗体を含む)を、従来の様式において製造し得る。特
に、この組成物は、薬学的に受容可能な希釈剤またはキャリア(例えば、水また
は生理食塩水溶液(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水))とともに処方され得る
。一般に、希釈剤またはキャリアを、投与の様式および経路、ならびに標準的な
薬学的実施に基づいて選択し得る。適切な薬学的キャリアまたは希釈剤、ならび
に薬学的処方物中におけるその用途のための薬学的に必要不可欠な物は、Rem
ington’s Pharmaceutical Sciences(当該分
野での標準的な参考テキスト)中、およびUSP/NF中に記載される。
【0130】 本発明はまた、抗生物質、制酸剤、スクラルファートまたはこれらの組み合わ
せと組み合わせた、本発明のChlamydiaポリペプチドおよび粘膜アジュ
バントの経口投与によって、Chlamydia感染を処置する方法を含む。ワ
クチン抗原およびアジュバントとともに投与され得るそのような化合物の例は、
例えば、マクロライド、テトラサイクリンおよびそれらの誘導体を含む抗生物質
(使用され得る抗生物質の具体的な例としては、アジスロマイシンまたはドキシ
サイクリンが挙げられる)、またはサイトカインもしくはステロイドのような免
疫調節薬が挙げられる。さらに、上記に列挙した成分の1つより多くを共に組み
合わせて含む化合物を使用し得る。本発明はまた、これらの方法を実施するため
の組成物(すなわち、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤中の、本発明の
Chlamydia抗原(単数または複数)、アジュバント、および1つ以上の
上記に列挙した化合物を含む組成物)を含む。
【0131】 本発明の方法および組成物において使用される、上記に列挙した化合物の量を
、当業者は容易に決定し得る。さらに、当業者は、処置/免疫スケジュールを容
易に設計し得る。例えば、非ワクチン成分を、1〜14日目に投与し得、そして
ワクチン抗原+アジュバントを、7、14、21、および28日目に投与し得る
【0132】 上記の開示は、一般的に、本発明を記載する。より完全な理解が、以下の具体
的な実施例を参照して得られ得る。これらの例は、例示の目的のみのために記載
され、そして本発明の範囲を限定することを意図しない。形態の変更および等価
物の置換は、付随的な事柄として意図され、そして好適として示唆または指示さ
れ得る。本明細書において特定の用語を用いたが、そのような用語は、記述的意
味におけることが意図され、そして限定の目的のためでない。配列番号1および
配列番号2に示される配列の1つに相同な配列を有するポリペプチドとしては、
天然に存在する対立遺伝子改変体、ならびに、抗原性の点でポリペプチドに類似
する変異体または任意の他の天然に存在しない改変体が挙げられる。
【0133】 当該分野において公知のように、対立遺伝子改変体は、ポリペプチドの生物学
的機能を変更しない、1以上のアミノ酸の置換、欠失または付加を有するとして
特徴付けられる、ポリペプチドの代替形態である。「生物学的機能」とは、たと
えその機能が細胞の増殖または生存に必要でなくとも、ポリペプチドが天然に存
在する細胞における、そのポリペプチドの機能を意味する。例えば、ポーリンの
生物学的機能は、細胞外培地中に存在する化合物の細胞への侵入を可能にするこ
とである。生物学的機能は、抗原性機能とは異なる。ポリペプチドは、1より多
い生物学的機能を有し得る。
【0134】 対立遺伝子改変体は、天然において非常に一般的である。例えば、細菌種(例
えば、C.pneumoniae)は、通常、少数の対立遺伝子改変によって互
いに異なる種々の株によって代表される。実際、異なる株において同じ生物学的
機能を満たすポリペプチドは、各々の株において同一ではないアミノ酸配列を有
し得る。このような対立遺伝子の変動は、ポリヌクレオチドレベルで等しく反映
され得る。
【0135】 ポリペプチド抗原の対立遺伝子改変体の使用の支持は、例えば、Chlamy
dial MOMP抗原の研究により生じる。MOMPのアミノ酸配列は、株ご
とに変動するが、株を越える(cross−strain)抗体結合および感染
性の中和がなお生じ、これは、MOMPが、免疫原として使用される場合、アミ
ノ酸変動に耐性であることを示す。
【0136】 対立遺伝子改変体をコードするポリヌクレオチド(例えば、DNA分子)は、
従来の方法によって抽出された細菌のゲノムDNAのポリメラーゼ連鎖反応(P
CR)増幅によって、容易に回収され得る。これは、コードドメインの5’末端
および3’末端の上流および下流に適合する、合成オリゴヌクレオチドプライマ
ーの使用を含む。適切なプライマーは、配列番号1および2に提供されるヌクレ
オチド配列情報に従って設計され得る。代表的には、プライマーは、10〜40
ヌクレオチド、好ましくは15〜25ヌクレオチドからなり得る。効率的なハイ
ブリダイゼーションを保証するのに十分な割合で、CおよびGヌクレオチドを含
有する(例えば、総ヌクレオチド量の少なくとも40%、好ましくは50%のC
およびGヌクレオチド量)プライマーを選択することもまた、有利であり得る。
【0137】 天然に存在しない有用なホモログは、アミノ酸配列の変化および/または欠失
に耐性である可能性のある抗原の領域を同定するための公知の方法を使用して、
設計され得る。例えば、異なる種由来の抗原の配列を比較して、保存配列を同定
し得る。
【0138】 本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド誘導体としては
、例えば、フラグメント、全長ポリペプチドに由来する大きな内部欠失を有する
ポリペプチド、および融合タンパク質が挙げられる。
【0139】 本発明のポリペプチドフラグメントは、このフラグメントがその親ポリペプチ
ドの実質的な抗原性(特異的抗原性)を保持する程度まで、配列番号1に示され
る配列のいずれかに相同な配列を有するポリペプチドから誘導され得る。ポリペ
プチド誘導体はまた、特異的抗原性を保持しながら、親ポリペプチドの実質的な
部分を除去する大きな内部欠失によって構築され得る。一般に、ポリペプチド誘
導体は、抗原性を維持するために、少なくとも約12アミノ酸長であるべきであ
る。有利には、これは、少なくとも20アミノ酸長、好ましくは少なくとも50
アミノ酸長、より好ましくは少なくとも75アミノ酸長、そして最も好ましくは
少なくとも100アミノ酸長であり得る。有用なポリペプチド誘導体(例えば、
ポリペプチドフラグメント)は、表面に露出される抗原性領域としての可能性を
有するタンパク質抗原における部位を同定するために、アミノ酸配列のコンピュ
ーター支援解析を使用して設計され得る。例えば、Hughesら、Infec
t.Immun.60:3497(1992)を参照のこと。
【0140】 ポリペプチドフラグメントおよび大きな内部欠失を有するポリペプチドは、さ
もなくば親ポリペプチドにおいてマスクされており、そして、防御的なT細胞依
存性免疫応答を誘導するために重要であり得るエピトープを明らかにするために
使用され得る。欠失はまた、株間の高い可変性の免疫優性領域を除去し得る。
【0141】 タンパク質免疫原のフラグメントおよび改変体を、ワクチンとして使用するこ
とは、免疫学の分野における認められた常套手段である。なぜなら、タンパク質
に対する免疫応答を誘導するために必要とされる全ては、そのタンパク質の小さ
い(例えば、8〜10アミノ酸)免疫原性領域のみであるからである。これは、
Chlamydia以外の病原体に対する多くのワクチンについてなされている
。例えば、病原体の表面露出抗原に対応する短い合成ペプチド(例えば、マウス
乳癌ウイルスの、11アミノ酸を含むペプチド(例えば、Dionら、Viro
logy 179:474−477(1990)を参照のこと);セムリキ森林
ウイルスの、16アミノ酸を含むペプチド(例えば、Snijdersら、J.
Gen.Virol.72:557−565(1991)を参照のこと);およ
びイヌパルボウイルスの2つの重複ペプチド(各々、15アミノ酸を含む)(例
えば、Langeveldら、Vaccine 12(15):1473−14
80(1994)を参照のこと))は、これらそれぞれの病原体に対する有効な
ワクチン抗原であることが示されている。
【0142】 ポリペプチドフラグメントおよび大きな内部欠失を有するポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドは、例えば、PCR(インバース(inverse)P
CRを含む)によるか、クローン化DNA分子の制限酵素処理によるか、または
Kunkelら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:44
8(1985))の方法による、標準的な方法を使用し、Stratagene
から入手可能な生物学的材料を使用して、構築され得る。
【0143】 ポリペプチド誘導体はまた、例えば、N末端またはC末端で、任意の他のポリ
ペプチド(本明細書中以降、ペプチドテールという)に融合された本発明のポリ
ペプチドまたはポリペプチド誘導体を含む、融合ポリペプチドとして生成され得
る。このような産物は、遺伝子融合物(すなわち、ハイブリッド遺伝子)の翻訳
によって容易に得られ得る。融合ポリペプチドを発現するためのベクターは、市
販されている(例えば、New England BiolabsのpMal−
c2系またはpMal−p2系(ここで、ペプチドテールは、マルトース結合タ
ンパク質である)、Pharmaciaのグルタチオン−S−トランスフェラー
ゼ系、またはNovagenから入手可能なHis−Tag系)。これらおよび
他の発現系は、本発明のポリペプチドおよび誘導体のさらなる精製のための簡便
な手段を提供する。
【0144】 本発明に含まれる融合ポリペプチドの別の特定の例としては、アジュバント活
性を有するポリペプチド(例えば、コレラ毒素またはE.coli非耐熱性毒素
のいずれかのサブユニットBのような)に融合された、本発明のポリペプチドま
たはポリペプチド誘導体が挙げられる。いくつかの可能性が、融合を達成するた
めに使用され得る。第1に、本発明のポリペプチドは、アジュバント活性を有す
るポリペプチドのN末端、または好ましくはC末端に融合され得る。第2に、本
発明のポリペプチドフラグメントは、アジュバント活性を有するポリペプチドの
アミノ酸配列内に融合され得る。
【0145】 上記のように、本発明のポリヌクレオチドは、前駆体形態または成熟形態のC
hlamydiaポリペプチドをコードする。これらはまた、異種シグナルペプ
チドを含むハイブリッド前駆体をコードし得、これは、本発明のポリペプチドに
成熟し得る。「異種シグナルペプチド」とは、本発明のポリペプチドの天然に存
在する前駆体に見出されないシグナルペプチドを意味する。
【0146】 相同なコード配列を有する、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号1または
2に示されるような配列を有するポリヌクレオチドに、好ましくはストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション手順は、例えば、
Ausubelら、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECU
LAR BIOLOGY,John Wiley&Sons Inc.(199
4);Silhavyら、EXPERIMENTS WITH GENE FU
SIONS,Cold Spring Harbor Laboratory
Press(1984);Davisら、A MANUAL FOR GENE
TIC ENGINEERING:ADVANCED BACTERIAL G
ENETICS,Cold Spring Harbor Laborator
y Press(1980)に記載される。ハイブリダイゼーション条件を最適
化するために考慮され得る重要なパラメーターは、臨界値(それより上では2つ
の相補的DNA鎖が互いに離れる、融解温度)の算出を可能にする式に反映され
る。CaseyおよびDavidson,Nucl.Acid Res.4:1
539(1977)。この式は、以下のとおりである: Tm=81.5+0.41×(%G+C)+16.6log(陽イオン濃度)
−0.63×(%ホルムアミド)−600/塩基数。 適切なストリンジェンシー条件下で、ハイブリダイゼーション温度(Th)は、
算出されたTmより約20〜40℃、20〜25℃、または好ましくは、30〜
40℃低い。当業者は、最適の温度および塩条件が、従来の手順を使用した予備
実験において、容易に経験的に決定され得ることを理解する。
【0147】 例えば、ストリンジェント条件は、プレハイブリダイゼーションインキュベー
ションおよびハイブリダイゼーションインキュベーションの両方について、(i
)50%ホルムアミドを含有する6×SSC中、42℃で、4〜16時間以内、
または(ii)6×SSC水溶液(1M NaCl、0.1M クエン酸ナトリ
ウム(pH 7.0))中、65℃で、4〜16時間以内で、達成され得る。代
表的には、ハイブリダイゼーション実験は、60℃〜68℃(例えば、65℃)
の温度で行われる。このような温度において、ストリンジェントなハイブリダイ
ゼーション条件は、6×SSC中、好ましくは、2×SSCまたは1×SSC中
、より好ましくは、0.5×SSC、0.3×SSCまたは0.1×SSC中(
ホルムアミドの非存在下で)で達成され得る。1×SSCは、0.15M Na
Clおよび0.015M クエン酸ナトリウムを含有する。
【0148】 30〜600ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドについては、上記の式が使
用され、次いで、(600/ポリヌクレオチドの大きさ(塩基対))を減算する
ことによって補正される。ストリンジェンシー条件は、Tmより5〜10℃低い
Thによって定義される。
【0149】 20〜30塩基より短いオリゴヌクレオチドに関するハイブリダイゼーション
条件は、上記の規則に正確には従わない。このような場合、Tmを算出するため
の式は、以下のとおりである: Tm=4×(G+C)+2(A+T)。 例えば、50%のG+Cの18ヌクレオチドフラグメントは、約54℃のTmを
有する。
【0150】 本発明のポリヌクレオチド分子(RNA、DNA、あるいはこれらの改変体ま
たは組み合わせを含む)は、種々の適用を有し得る。例えば、DNA分子は、(
i)組換え宿主系においてコードされるポリペプチドを生成するためのプロセス
において、(ii)Chlamydia感染を予防および/または処置するため
の方法および組成物においてさらに使用される、ポックスウイルスのようなワク
チンベクターの構築において、(iii)裸の形態のワクチン剤(およびRNA
分子)として、または送達ビヒクルで処方されたワクチン剤(およびRNA分子
)として、ならびに(iv)本発明のポリヌクレオチドを過剰発現し得るか、ま
たはそのポリヌクレオチドを、非毒性の変異された形態で発現し得る、弱毒化C
hlamydia株の構築において、使用され得る。
【0151】 本発明の第2の局面に従って、以下が提供される:(i)発現に必要とされる
エレメントの制御下(特に、適切なプロモーターの制御下)に配置された本発明
のDNA分子を含む、発現カセット;(ii)本発明の発現カセットを含む発現
ベクター;(iii)本発明の発現カセットおよび/または発現ベクターで形質
転換あるいはトランスフェクトされた、原核生物細胞または真核生物細胞、なら
びに(iv)本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドまた
はポリペプチド誘導体を産生するためのプロセスであって、本発明の発現カセッ
トおよび/または発現ベクターで形質転換あるいはトランスフェクトされた、原
核生物細胞または真核生物細胞を、本発明のDNA分子の発現を可能にする条件
下で培養する工程、およびこの細胞培養物からコードされたポリペプチドまたは
ポリペプチド誘導体を回収する工程を包含する、プロセス。
【0152】 組換え発現系は、原核生物宿主および真核生物宿主から選択され得る。真核生
物宿主としては、酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerev
isiaeまたはPichia pastoris)、哺乳動物細胞(例えば、
COS1細胞、NIH3T3細胞、またはJEG3細胞)、節足動物細胞(例え
ば、Spodoptera frugiperda(SF9)細胞)、および植
物細胞が挙げられる。好ましくは、原核生物宿主(例えば、E.coli)が使
用される。細菌細胞および真核生物細胞は、多くの異なる供給源(例えば、Am
erican Type Culture Collection(ATCC;
Rockville,Maryland))より、当業者に利用可能である。
【0153】 発現系の選択は、発現されるポリペプチドについて所望される特徴に依存する
。例えば、特定の脂質化された形態または任意の他の形態で本発明のポリペプチ
ドを産生することが有用であり得る。
【0154】 発現カセットの選択は、選択される宿主系ならびに発現されるポリペプチドに
ついて所望される特徴に依存する。代表的には、発現カセットは、選択された宿
主系において機能的であり、そして構成的または誘導的であり得るプロモーター
;リボソーム結合部位;必要な場合、開始コドン(ATG);シグナルペプチド
(例えば、脂質化シグナルペプチド)をコードする領域;本発明のDNA分子;
停止コドン;および必要に応じて3’末端領域(翻訳ターミネーターおよび/ま
たは転写ターミネーター)を含む。シグナルペプチドコード領域は、本発明のポ
リヌクレオチドに隣接し、そして適切なリーディングフレームに配置される。こ
のシグナルペプチドコード領域は、成熟ポリペプチドをコードするDNA分子に
対して同種または異種であり得、そして発現のために使用される宿主の分泌装置
に特異的であり得る。本発明のDNA分子によって構成されるオープンリーディ
ングフレームは、単独で、またはシグナルペプチドとともに、プロモーターの制
御下に置かれて、その結果、宿主系において転写および翻訳が起こる。プロモー
ター、シグナルペプチドコード領域は、当業者に広範に公知でありかつ使用可能
であり、そして例えば、Salmonella typhimuriumのプロ
モーター(および誘導体)(これは、アラビノースによって誘導可能であり(プ
ロモーターaraB)、そしてグラム陰性細菌(例えば、E.coli)におい
て機能的である(米国特許第5,028,530号において、およびCagno
nら、Protein Engineering 4:843(1991))に
おいて記載されるように));RNAポリメラーゼをコードするバクテリオファ
ージT7の遺伝子のプロモーター(これは、T7ポリメラーゼを発現する多数の
E.coli株において機能的である(米国特許第4,952,496号に記載
される));OspA脂質化シグナルペプチド;およびRlpB脂質化シグナル
ペプチドが挙げられる。Takaseら、J.Bact.169:5692(1
987)を参照のこと。
【0155】 発現カセットは、代表的には発現ベクターの一部であり、これは、選択された
発現系においてその複製する能力について選択される。発現ベクター(例えば、
プラスミドまたはウイルスベクター)は、Pouwelsら(Cloning
Vectors:A Laboratory Manual,1985,補遺、
1987)において記載されたベクターから選択され得る。これらは、種々の商
業的な供給源から購入され得る。
【0156】 発現ベクターを用いて宿主細胞を形質転換/トランスフェクトするための方法
は、Ausubelら、Current Protocols in Mole
cular Biology,John Wiley&Sons Inc.(1
994)において記載されるように選択される宿主系に依存する。
【0157】 発現に際して、本発明の組換えポリペプチド(またはポリペプチド誘導体)は
、細胞内区画において産生されそしてそこに残存するか、細胞外の培地または細
胞周辺腔中に分泌/排出されるか、あるいは細胞膜に埋め込まれる。次いで、ポ
リペプチドは、細胞抽出物から、または組換え細胞培養物の遠心分離後の上清か
ら、実質的に精製された形態で回収され得る。代表的には、この組換えポリペプ
チドは、抗体に基づくアフィニティー精製、または当業者によって容易に適合さ
れ得る任意の他の方法(例えば、小さなアフィニティー結合ドメインへの遺伝子
の融合による方法)によって精製され得る。抗体に基づくアフィニティー精製法
もまた、Chlamydia株から抽出された本発明のポリペプチドを精製する
ために利用し得る。免疫アフィニティーによって本発明のポリペプチドを精製す
るための有用な抗体は、以下のようにして得られ得る。
【0158】 本発明のポリヌクレオチドはまた、ワクチンの分野において(例えば、DNA
ワクチン投与を達成することのために)有用であり得る。2つの主な可能性が存
在し、これらは、ウイルスもしくは細菌宿主を遺伝子送達ビヒクルとして使用す
る(生ワクチンベクター)か、または遊離の形態で遺伝子を投与する(例えば、
プラスミドに挿入して)かのいずれかである。本発明のポリヌクレオチドの治療
的または予防的効力は、以下に記載されるように評価され得る。
【0159】 従って、本発明の第3の局面において、以下が提供される:(i)発現のため
に必要であるエレメントの制御下に配置される本発明のDNA分子を含む、ワク
チンベクター(例えば、ポックスウイルス);(ii)希釈剤またはキャリアと
ともに、本発明のワクチンベクターを含む組成物;特に、(iii)本発明のワ
クチンベクターの治療的または予防的に有効な量を含む薬学的組成物;(iv)
哺乳動物(例えば、ヒト;あるいは、この方法は、動物(例えば、ネコまたは鳥
類)のChlamydia感染を処置または予防するための獣医学的な適用にお
いて使用され得る)においてChlamydiaに対する免疫応答を誘導するた
めの方法であって、この方法は、哺乳動物に、免疫原的に有効な量の本発明のワ
クチンベクターを投与して、免疫応答(例えば、Chlamydiaに対する予
防的または治療的免疫応答)を誘発する工程を包含する、方法;および、特に、
(v)Chlamydia(例えば、C.trachomatis、C.psi
ttaci、C.pneumoniae、C.pecorum)感染を予防およ
び/または処置するための方法であって、この方法は、必要がある個体に、本発
明のワクチンベクターの予防的または治療的な量を投与する工程を包含する、方
法。さらに、本発明の第3の局面は、Chlamydia感染を予防および/ま
たは処置するための医薬の調製における本発明のワクチンベクターの使用を包含
する。
【0160】 本発明のワクチンベクターは、本発明の1つまたはいくつかのポリペプチドま
たは誘導体、ならびに少なくとも1つのさらなるChlamydia抗原、その
フラグメント、ホモログ、変異体、または誘導体を発現し得る。さらに、それは
、免疫応答を増強する(アジュバント効果)、サイトカイン(例えば、インター
ロイキン−2(IL−2)またはインターロイキン−12(IL−12))を発
現し得る。従って、ワクチンベクターは、哺乳動物細胞における発現のために必
要とされるエレメントの制御下に配置された、例えば、クラミジア抗原またはサ
イトカインをコードするさらなるDNA配列を含み得る。
【0161】 あるいは、本発明の組成物は、いくつかのワクチンベクターを含み得、これら
の各々は、本発明のポリペプチドまたは誘導体を発現し得る。組成物はまた、さ
らなるChlamydia抗原あるいはそのサブユニット、フラグメント、ホモ
ログ、変異体、または誘導体;あるいはサイトカイン(例えば、IL−2もしく
はIL−12)を発現し得るワクチンベクターを含み得る。
【0162】 哺乳動物細胞における感染を処置または予防するためのワクチン投与方法にお
いて、本発明のワクチンベクターは、ワクチンの分野での使用における任意の従
来的な経路によって、特に粘膜(例えば、眼、鼻内、口、胃、肺、腸、直腸、膣
、または尿路)表面に、または非経口(例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、
または腹腔内)経路を介して、投与され得る。好ましい経路は、ワクチンベクタ
ーの選択に依存する。投与は、単回用量において、または間隔をあけて反復して
達成され得る。適切な投薬量は、当業者によって理解される種々のパラメーター
(例えば、ワクチンベクターそれ自体、投与の経路、またはワクチン投与される
哺乳動物の状態(体重、齢など))に依存する。
【0163】 当該分野において利用可能な生ワクチンベクターとしては、ウイルスベクター
(例えば、アデノウイルスおよびポックスウイルス)、ならびに細菌ベクター(
例えば、Shigella、Salmonella、Vibrio chole
rae、Lactobacillus、カルメット−ゲラン桿菌(BCG)、お
よびStreptococcus)が挙げられる。
【0164】 アデノウイルスベクターの例、ならびに本発明のDNA分子を発現し得るアデ
ノウイルスベクターを構築するための方法は、米国特許第4,920,209号
に記載される。使用され得るポックスウイルスベクターには、例えば、ワクシニ
アウイルスおよびカナリア痘ウイルスが含まれ、これらはそれぞれ、米国特許第
4,722,848号および米国特許第5,364,773号に記載される(例
えば、ワクシニアウイルスベクターの記載については、Tartagliaら、
Virology(1992)188:217;およびカナリア痘ウイルスの参
考文献については、Taylorら、Vaccine(1995)13:539
もまた参照のこと)。本発明のポリヌクレオチドを発現し得るポックスウイルス
ベクターは、Kienyら、Nature 312:163(1984)に記載
されるように、相同組換えによって得られ得、その結果、本発明のポリヌクレオ
チドは、哺乳動物細胞における発現に適切な条件下でウイルスゲノムに挿入され
る。一般的に、ワクチンウイルスベクターの用量は、治療的または予防的使用に
ついては、1キログラム当たり、約1×104〜約1×1011、有利には、約1
×107〜約1×1010、好ましくは約1×107〜約1×109プラーク形成ユ
ニットであり得る。好ましくは、ウイルスベクターは、非経口的に投与される;
例えば、4週間間隔をあけて、3回の投与である。当業者は、本発明のウイルス
ベクターを含む組成物に、化学アジュバントを添加することを避けることが好ま
しく、それによってウイルスベクターそれ自体への免疫応答を最小化することを
認識する。
【0165】 生経口ワクチンとして有用な非毒素産生性のVibrio cholerae
変異株は、Mekalanosら、Nature 306:551(1983)
および米国特許第4,882,278号(2つのctxA対立遺伝子の各々のコ
ード配列の実質的な量が除去され、その結果、機能的なコレラ毒素が産生されな
い株);WO 92/11354(irgA遺伝子座が変異により不活性化され
ている株;この変異はctxA変異と単一の株中で組み合わされ得る);および
WO 94/1533(機能的なctxAおよびattRS1 DNA配列を欠
く欠失変異体)において記載される。これらの株は、WO 94/19482に
おいて記載されるように、遺伝子操作されて異種抗原を発現し得る。本発明のD
NA分子によってコードされるポリペプチドまたはポリペプチド誘導体を発現し
得るVibrio cholerae株の有効なワクチン用量は、選択された投
与の経路について適切な容量で、例えば、約1×105〜約1×109、好ましく
は約1×106〜約1×108の生存細菌を含み得る。好ましい投与の経路には、
すべての粘膜経路が含まれ;最も好ましくは、これらのベクターは、鼻腔内また
は経口的に投与される。
【0166】 異種抗原の組換え発現のために遺伝子操作されたか、または遺伝子操作されて
いない弱毒化されたSalmonella typhimurium株、および
経口ワクチンとしてのそれらの使用は、Nakayamaら、Bio/Tech
nology 6:693(1998)およびWO 92/11361に記載さ
れる。好ましい投与の経路には、すべての粘膜経路が含まれ;最も好ましくは、
これらのベクターは、鼻腔内または経口的に投与される。
【0167】 ワクチンベクターとして有用な他の細菌株は、Highら、EMBO 11:
1991(1992)およびSizemoreら、Science 270:2
99(1995)(Shigella flexneri);Medaglin
iら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:6868(19
95)(Streptococcus gordonii);ならびにFlyn
n、J.L.Cell.Mol.Biol.40(補遺I):31(1994)
、WO 88/6626、WO 90/0594、WO 91/13157、W
O 92/1796、およびWO 92/21376(Bacille Cal
mette Guerin)に記載される。
【0168】 細菌ベクターにおいて、本発明のポリヌクレオチドは、細菌ゲノムに挿入され
得るか、または、プラスミドに保有されて、自由な状態で残存し得る。
【0169】 アジュバントはまた、ワクチン細菌ベクターを含む組成物に添加され得る。多
数のアジュバントが当業者に公知である。好ましいアジュバントは、以下に提供
されるリストから選択され得る。
【0170】 本発明の第4の局面において、以下がまた提供される:(i)希釈剤またはキ
ャリアとともに、本発明のポリヌクレオチドを含む物質の組成物;(ii)本発
明のポリヌクレオチドの治療的または予防的有効量を含む薬学的組成物;(ii
i)哺乳動物においてChlamydiaに対する免疫応答を誘導するための方
法であって、この方法は、哺乳動物に、免疫原的有効量の本発明のポリヌクレオ
チドを投与して、免疫応答(例えば、Chlamydiaに対する保護的免疫応
答)を誘発する工程による、方法;および、特に、(iv)Chlamydia
(例えば、C.trachomatis、C.psittaci、C.pneu
moniae、またはC.pecorum)感染を予防および/または処置する
ための方法であって、この方法は、必要がある個体に本発明のポリヌクレオチド
の予防的または治療的量を投与する工程による、方法。さらに、本発明の第4の
局面は、Chlamydia感染を予防および/または処置するための医薬の調
製における本発明のポリヌクレオチドの使用を包含する。本発明の第4の局面は
、好ましくは、哺乳動物細胞における発現のための条件下におかれたDNA分子
(例えば、哺乳動物細胞中で複製できず、かつ哺乳動物ゲノム中に実質的に組み
込まれ得ないプラスミド中で)の使用を含む。
【0171】 本発明のポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)はまた、それ自体ワクチン
目的(例えば、治療目的または予防目的)のために哺乳動物に投与され得る。本
発明のDNA分子が使用される場合、それは哺乳動物細胞中で複製され得ず、か
つ哺乳動物ゲノムに組み込まれ得ないプラスミドの形態においてであり得る。代
表的には、DNA分子は、哺乳動物細胞における発現に適切なプロモーターの制
御下におかれる。そのプロモーターは、遍在的にかまたは組織特異的に機能し得
る。非組織特異的なプロモーターの例には、初期サイトメガロウイルス(CMV
)プロモーター(米国特許第4,168,062号に記載される)、およびラウ
ス肉腫ウイルスプロモーター(Norton&Coffin,Molec.Ce
ll Biol.5:281(1985)に記載される)が含まれる。デスミン
プロモーター(Liら、Gene 78:243(1989)、Li&Paul
in,J.Biol.Chem.266:6562(1991)、およびLi&
Paulin,J.Biol.Chem.268:10403(1993))は
、組織特異的であり、そして筋肉細胞における発現を駆動する。より一般的には
、有用なベクターは、とりわけ、WO 94/21797およびHartikk
aら、Human Gene Therapy 7:1205(1996)に記
載される。
【0172】 DNA/RNAワクチン接種のために、本発明のポリヌクレオチドは、前駆体
形態または成熟形態をコードし得る。それが前駆体形態をコードする場合、前駆
体形態は同種または異種であり得る。後者の場合において、組織型プラスミノー
ゲン因子(tPA)リーダー配列のような真核生物リーダー配列が使用され得る
【0173】 本発明の組成物は、本発明の1つまたはいくつかのポリヌクレオチドを含み得
る。それはまた、別のChlamydia抗原(例えば、ウレアーゼサブユニッ
トA、B、またはその両方);あるいはそのフラグメント、誘導体、変異体、ま
たはアナログをコードする少なくとも1つのさらなるポリヌクレオチドを含み得
る。サイトカイン(例えば、インターロイキン−2(IL−2)またはインター
ロイキン−12(IL−12))をコードするポリヌクレオチドもまた、この組
成物に添加され得、その結果、免疫応答が増強される。これらのさらなるポリヌ
クレオチドは、発現のために適切な制御下におかれる。有利には、同じ組成物中
に含まれるべき本発明のDNA分子および/またはさらなるDNA分子は、同じ
プラスミド中に保有され得る。
【0174】 ポリヌクレオチドを調製および精製するための分子生物学の標準的な技術は、
本発明のポリヌクレオチド治療剤の調製において使用され得る。ワクチンとして
の使用のために、本発明のポリヌクレオチドは、種々の方法に従って処方され得
る。
【0175】 第1に、ポリヌクレオチドは、任意の送達ビヒクル(例えば、アニオン性リポ
ソーム、カチオン性脂質、微粒子(例えば、金微粒子)、沈殿剤(例えば、リン
酸カルシウム)、または任意の他のトランスフェクション促進剤)なしの裸の形
態で、使用され得る。この場合において、このポリヌクレオチドは、単に生理学
的に受容可能な溶液(例えば、滅菌生理食塩水または滅菌緩衝化生理食塩水)中
に、キャリアとともにまたはキャリアなしで、希釈され得る。存在する場合、そ
のキャリアは、好ましくは、等張性、低張性、または弱い高張性であり、そして
、ショ糖溶液(例えば、20%ショ糖を含む溶液)によって提供されるような、
相対的に低いイオン強度を有する。
【0176】 あるいは、ポリヌクレオチドは、細胞取り込みを補助する薬剤と付随され得る
。それは、とりわけ、(i)ブピバカイン(例えば、WO 94/16737を
参照のこと)のような細胞の透過性を改変する化学薬剤で補充されるか、(ii
)リポソーム中にカプセル化されるか、あるいは(iii)カチオン性脂質、ま
たは、シリカ微粒子、金微粒子、もしくはタングステン微粒子と付随され得る。
【0177】 アニオン性リポソームおよび中性リポソームは当該分野で周知であり(例えば
、リポソームの作製方法についての詳細な記載については、Liposomes
:A Practical Approach,RPC New Ed,IRL
press(1990)を参照のこと)、そして広い範囲の産物(ポリヌクレ
オチドを含む)を送達するために有用である。
【0178】 カチオン性脂質はまた、当該分野で公知であり、そして遺伝子送達のために一
般に使用される。このような脂質は、LipofectinTM(DOTMA(N
−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルア
ンモニウムクロライド)としても知られる)、DOTAP(1,2−ビス(オレ
イルオキシ)−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン)、DDAB(ジメチル
ジオクタデシルアンモニウムブロマイド)、DOGS(ジオクタデシルアミドロ
グリシルスペルミン(dioctadecylamidologlycylsp
ermine))およびコレステロール誘導体(例えば、DC−Chol(3β
−(N−(N’,N’−ジメチルアミノメタン)−カルバモイル)コレステロー
ル))を含む。これらのカチオン性脂質の記載は、EP 187,702、WO
90/11092、米国特許第5,283,185号、WO 91/1550
1、WO 95/26356、および米国特許第5,527,928号に見出さ
れ得る。遺伝子送達のためのカチオン性脂質は、好ましくは、例えばWO 90
/11092に記載されるように、中性脂質(例えば、DOPE(ジオレイルホ
スファチジルエタノールアミン))を付随して使用される。
【0179】 他のトランスフェクション促進化合物は、カチオン性リポソームを含む処方物
に添加され得る。それらの多くは、例えば、WO 93/18759、WO 9
3/19768、WO 94/25608、およびWO95/2397に記載さ
れる。それらには、とりわけ、核膜を通してのDNAの輸送を容易にするために
有用なスペルミン誘導体(例えば、WO 93/18759を参照のこと)、お
よび膜透過化合物(例えば、GALA、グラミシジンS、およびカチオン性胆汁
酸塩)(例えば、WO 93/19768を参照のこと)が含まれる。
【0180】 金微粒子またはタングステン微粒子もまた、WO 91/359、WO 93
/17706、およびTangら(Nature 356:152(1992)
)に記載されるように、遺伝子送達のために使用され得る。この場合において、
微粒子でコーティングされたポリヌクレオチドは、針なしの注入デバイス(「遺
伝子銃」)(例えば、米国特許第4,945,050号、同第5,015,58
0号、およびWO 94/24263に記載されるデバイス)を使用して、皮内
経路または上皮内経路を介して注入され得る。
【0181】 ワクチンレシピエントにおいて使用されるべきDNAの量は、例えば、DNA
構築物において使用されるプロモーターの強さ、発現された遺伝子産物の免疫原
性、投与のために意図される哺乳動物の状態(例えば、哺乳動物の体重、齢、お
よび一般的健康)、投与の様式、ならびに処方の型に依存する。一般的に、約1
μg〜約1mg、好ましくは約10μg〜約800μg、そしてより好ましくは
、約25μg〜約250μgの治療的または予防的有効用量が、ヒト成体に投与
され得る。この投与は、単回用量または間隔をあけて反復して達成され得る。
【0182】 投与の経路は、ワクチンの分野において使用される、任意の従来的な経路であ
り得る。一般的なガイダンスとして、本発明のポリヌクレオチドは、粘膜表面(
例えば、眼、鼻内、肺、口、腸、直腸、膣、および尿路の表面);または非経口
経路(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、皮内、上皮内、または筋肉内の経路によ
る)を介して投与され得る。投与経路の選択は、例えば、選択される処方に依存
する。ブピバカインを付随して処方されるポリヌクレオチドは、有利に筋肉中に
投与される。中性リポソームもしくはアニオン性リポソームまたはカチオン性脂
質(例えば、DOTMAまたはDC−Chol)が使用される場合、その処方物
は、静脈内経路、鼻内経路(エアロゾル化)、筋肉内経路、皮内経路、および皮
下経路を介して、有利に注入され得る。裸の形態のポリヌクレオチドは、筋肉内
経路、皮内経路、または皮下経路を介して、有利に投与され得る。
【0183】 絶対的に必要であるのではないが、このような組成物はまた、アジュバントを
含み得る。そうである場合、アジュバント効果を示すために同時投与を必要とし
ない全身性のアジュバント(例えば、QS21であり、これは、米国特許第5,
057,546号に記載される)が、好ましい。
【0184】 本出願において提供される配列情報は、診断において有用であり得る特定のヌ
クレオチドプローブおよびプライマーの設計を可能にする。従って、本発明の第
5の局面において、配列番号1または2に示される配列に見出される配列か、ま
たはこれらの配列から遺伝コードの縮重によって誘導される配列を有するヌクレ
オチドプローブまたはプライマーが提供される。
【0185】 本出願において使用される場合、用語「プローブ」とは、上記に定義されるよ
うなストリンジェントな条件下で、配列番号1および2に示される配列と相同な
配列、または相補的な配列もしくはアンチセンス配列を有する核酸分子にハイブ
リダイズする、DNA分子(好ましくは一本鎖)またはRNA分子(またはその
改変物もしくは組合せ)をいう。一般的に、プローブは、配列番号1および2に
示される全長配列よりも有意に短く;例えば、それらは約5〜約100、好まし
くは約10〜約80ヌクレオチドを含み得る。特に、プローブは、配列番号1お
よび2に示される配列の一部に少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%
、より好ましくは95%相同である配列、またはこのような配列に相補的である
配列を有する。プローブは、イノシン、メチル−5−デオキシシチジン、デオキ
シウリジン、ジメチルアミノ−5−デオキシウリジン、またはジアミノ−2,6
−プリンのような改変した塩基を含み得る。糖残基またはリン酸残基もまた、改
変または置換され得る。例えば、デオキシリボース残基は、ポリアミドによって
置換され得(Nielsenら、Science 254:1497(1991
))、そしてリン酸残基は、エステル基(例えば、ジホスフェートエステル、ア
ルキルエステル、アリールホスホネートエステル、およびホスホロチオエートエ
ステル)によって置換され得る。さらに、リボヌクレオチドの2’−ヒドロキシ
ル基は、例えば、アルキル基を含むことによって改変され得る。
【0186】 本発明のプローブは、捕捉または検出プローブとして、診断試験において使用
され得る。このような捕捉プローブは、共有結合的手段によって、または受動的
吸着によって、直接的または間接的に、従来どおりに固体支持体上に固定化され
得る。検出プローブは、放射性同位体;酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、アル
カリホスファターゼ、および色素形成基質、蛍光形成基質、または発光性基質を
加水分解し得る酵素);色素形成、蛍光形成または発光性である化合物;ヌクレ
オチド塩基アナログ;ならびにビオチンから選択される検出マーカーによって標
識され得る。
【0187】 本発明のプローブは、例えば、ドットブロット(Maniatisら、Mol
ecular Cloning:A Laboratory Manual(1
982)Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess,Cold Spring Harbor,New York)、サザン
ブロット(Southern,J.Mol.Biol.98:503(1975
))、ノーザンブロット(標的としてRNAが使用される以外は、サザンブロッ
トと同一である)、またはサンドイッチ技術(Dunnら、Cell 12:2
3(1977))のような任意の従来のハイブリダイゼーション技術において使
用され得る。後者の技術は、少なくとも部分的に互いに異なるヌクレオチド配列
を有する、特異的な捕捉プローブおよび/または特異的な検出プローブの使用を
含む。
【0188】 プライマーは、通常、増幅プロセス(例えば、PCR)において、伸長プロセ
スにおいて、または逆転写方法において、DNAの酵素的重合を開始するために
使用される約10〜約40ヌクレオチドのプローブである。PCRを含む診断的
方法において、プライマーは標識され得る。
【0189】 従って、本発明はまた、(i)生物学的材料中のChlamydiaの存在を
検出および/または同定するための本発明のプローブを含む試薬;(ii)生物
学的材料中のChlamydiaの存在を検出および/または同定するための方
法であって、ここで(a)サンプルが生物学的材料から回収されるかまたは生物
学的材料に由来し、(b)この材料からDNAまたはRNAが抽出され、そして
変性され;そして(c)本発明のプローブ(例えば、捕捉プローブ、検出プロー
ブ、またはその両方)に、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で
曝露され、その結果、ハイブリダイゼーションが検出される、方法;ならびに(
iii)生物学的材料中のChlamydiaの存在を検出および/または同定
するための方法であって、ここで、(a)サンプルが生物学的材料から回収され
るかまたは生物学的材料に由来し、(b)DNAがそこから抽出され、(c)本
発明の少なくとも1つ、好ましくは2つのプライマーを用いて、抽出されたDN
Aがプライムされ、そしてポリメラーゼ連鎖反応によって増幅され、そして(d
)増幅されたDNAフラグメントが産生される、方法、を包含する。
【0190】 以前に言及したように、新しく同定されたオープンリーディングフレームの発
現に際して産生され得るポリペプチドは、有用なワクチン薬剤である。
【0191】 従って、本発明の第6の局面は、本発明のポリヌクレオチドによってコードさ
れるアミノ酸配列を有する、実質的に精製されたポリペプチドまたはポリペプチ
ド誘導体を特徴とする。
【0192】 「実質的に精製されたポリペプチド」は、そのポリペプチドが天然に存在する
環境から分離されたポリペプチド、および/またはそのポリペプチドが合成され
た環境中に存在するポリペプチドの大部分を含まないポリペプチドとして定義さ
れる。例えば、実質的に精製されたポリペプチドは、細胞質ポリペプチドを含ま
ない。当業者は、本発明のポリペプチドが、天然の供給源(すなわち、Chla
mydia株)から精製され得るか、または組換え手段によって産生され得るこ
とを理解する。
【0193】 本発明のポリヌクレオチドによってコードされる相同なポリペプチドまたはポ
リペプチド誘導体を、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する参照ポリペプ
チドに対して惹起された抗血清を用いる交差反応の試験によって、特異的抗原性
についてスクリーニングし得る。手短には、単一特異的過免疫抗血清は、それ自
体としてまたは融合ポリペプチドとしての精製された参照ポリペプチド(例えば
、MBP、GST、またはHis−タグ系の発現産物、もしくは抗原性であるこ
とが予測される合成ペプチド)に対して惹起され得る。特異的抗原性についてス
クリーニングされる相同ポリペプチドまたは誘導体は、それ自体としてか、また
は融合ポリペプチドとして産生され得る。後者の場合であって、抗血清がまた、
融合ポリペプチドに対して惹起される場合、2つの異なる融合系が使用される。
特異的抗原性は、以下に記載するように、ウェスタンブロット(Towbinら
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:4350(1979
))、ドットブロット、およびELISAを含む多数の方法に従って決定され得
る。
【0194】 ウェスタンブロットアッセイにおいて、スクリーニングするべき産物を、精製
された調製物としてか、またはE.coli全抽出物のいずれかとして、Lae
mmli(Nature 227:680(1970))によって記載されるよ
うに、SDS−Page電気泳動に供する。ニトロセルロース膜に転写した後、
この材料をさらに、約1:5〜約1:5000、好ましくは約1:100〜約1
:500の希釈の範囲で希釈された単一特異的過免疫抗血清とともに、インキュ
ベートする。一旦、産物に対応するバンドが上記の範囲における任意の希釈での
反応性を示すと、特異的抗原性が示される。
【0195】 ELISAアッセイにおいて、スクリーニングされるべき産物は、好ましくは
、コーティング抗原として使用される。精製された産物が好ましいが、全細胞抽
出物もまた、使用され得る。手短には、1mlあたり約10μgタンパク質での
約100μlの調製物を、96ウェルポリカーボネートELISAプレートのウ
ェル中に分配する。このプレートを、37℃で2時間、次に4℃で一晩インキュ
ベートする。このプレートを、0.05%のTween20を含むリン酸緩衝化
生理食塩水(PBS)(PBS/Tween緩衝液)で洗浄する。ウェルを1%
のウシ血清アルブミン(BSA)を含む250μlのPBSで満たし、非特異的
抗体結合を防ぐ。37℃での1時間のインキュベーションの後、このプレートを
PBS/Tween緩衝液で洗浄する。抗血清を、0.5%のBSAを含有する
PBS/Tween緩衝液中で、連続的に希釈する。希釈液の100μlを、1
ウェルあたりに添加する。このプレートを、37℃で90分間インキュベートし
、洗浄し、そして標準的な手順に従って評価する。例えば、特異的抗体がウサギ
において惹起された場合、ヤギ抗ウサギペルオキシダーゼ結合体を、ウェルに添
加する。インキュベーションを37℃で90分間行い、そしてこのプレートを洗
浄する。反応物を適切な基質を用いて発色させ、そしてこの反応を比色法によっ
て測定する(分光光度的に測定した吸光度)。上記の実験条件下では、陽性の反
応を、非免疫コントロール血清よりも大きなO.D.値によって示す。
【0196】 ドットブロットアッセイにおいて、精製された産物が好ましいが、全細胞抽出
物もまた、使用され得る。手短には、約100μg/mlの産物の溶液を、50
mM Tris−HCl(pH 7.5)中で連続的に2倍希釈する。各希釈液
の100μlを、96ウェルのドットブロット装置(Biorad)中にセット
したニトロセルロース膜0.45μmにアプライする。このシステムに真空濾過
を適用することによって緩衝液を取り除く。ウェルを、50mM Tris−H
Cl(pH7.5)の添加によって洗浄し、そしてその膜を風乾する。その膜を
ブロッキング緩衝液(50mM Tris−HCl(pH7.5) 0.15M
NaCl、10g/L スキムミルク)中に浸し、約1:50〜約1:500
0、好ましくは約1:500の希釈の抗血清とともに、インキュベートする。反
応を標準的な手順に従って明らかにする。例えば、ウサギ抗体が使用される場合
、ヤギ抗ウサギペルオキシダーゼ結合体を、ウェルに添加する。インキュベーシ
ョンを37℃で90分間行い、そしてこのブロットを洗浄する。反応を適切な基
質を用いて発色させ、そして終了する。この反応を、着色したスポットの出現に
よって可視的に定量する(例えば、比色法)。上記の実験条件下で、一旦、着色
したスポットが、少なくとも約1:5、好ましくは少なくとも約1:500の希
釈で会合すると、ポジティブ反応が示される。
【0197】 本発明のポリペプチドまたは誘導体の治療的または予防的効力は、下記のよう
に評価され得る。
【0198】 本発明の第7の局面に従って、以下が提供される(i)希釈剤またはキャリア
とともに本発明のポリペプチドを含有する物質の組成物;特に(ii)本発明の
ポリペプチドの治療的または予防的有効量を含む薬学的組成物;(iii)免疫
応答を誘発するための本発明のポリペプチドの免疫学的有効量を哺乳動物に投与
することによって、哺乳動物においてChlamydiaに対する免疫応答(例
えば、Chlamydiaに対する防御的免疫応答)を誘導する方法;および、
特に(iv)必要とする個体に対して、本発明のポリペプチドの予防的有効量ま
たは治療的有効量を投与することによって、Chlamydia(例えば、C.
trachomatis、C.psittaci、C.pneumoniae、
またはC.pecorum)感染を、予防および/または処置する方法。さらに
、本発明の第7の局面は、Chlamydia感染を予防および/または処置す
るための医薬の調製における、本発明のポリペプチドの使用を包含する。
【0199】 本発明の免疫原性組成物は、ワクチンの分野における使用において、任意の従
来の経路(特に粘膜(例えば、眼、鼻内、肺、経口、胃、腸、直腸、膣、または
尿路)表面に対してか、または非経口(例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、
または腹膜内)経路を介して)によって投与され得る。投与経路の選択は、多数
のパラメーター(例えば、ポリペプチドと会合するアジュバント)に依存する。
例えば、粘膜アジュバントが使用される場合、鼻内または経口経路が好ましく、
脂質処方物またはアルミニウム化合物を使用する場合、非経口経路が好ましい。
後者の場合、皮下経路または筋肉内経路が、最も好ましい。この選択はまた、ワ
クチン剤の性質にも依存し得る。例えば、CTBまたはLTBと融合した本発明
のポリペプチドは、粘膜表面に対して、最も良好に投与される。
【0200】 本発明の組成物は、1つまたは数個の本発明のポリペプチドまたは誘導体を含
み得る。本発明の組成物はまた、少なくとも1つのさらなるChlamydia
抗原、またはそのサブユニット、フラグメント、ホモログ、変異体、もしくは誘
導体を含み得る。
【0201】 本発明の組成物の使用のために、ポリペプチドまたはその誘導体を、リポソー
ム(好ましくは、中性リポソームまたはアニオン性リポソーム)、ミクロスフェ
ア、ISCOMS、またはウイルス様粒子(VLP)中に、またはこれらととも
に処方して、送達を促進し得、そして/または免疫応答を増強し得る。これらの
化合物は、当業者にとって、容易に利用可能である;例えば、Liposome
s:A Practical Approach(上記)を参照のこと。
【0202】 リポソームなど以外のアジュバントもまた、使用され得、そして当該分野で公
知である。適切な選択は、当業者によって従来的になされ得る(例えば、以下に
提供されるリストから)。
【0203】 投与は、当業者によって決定され得るように、単回用量において達成され得る
か、または必要に応じて間隔をおいて繰り返され得る。例えば、初回刺激用量の
後、週または月の間隔での3回の追加免疫用量を続け得る。適切な用量は、 当業者によって決定され得るように、レシピエント(例えば、成人または幼児)
、特定のワクチン抗原、投与の経路および頻度、アジュバントの存在/不存在ま
たはタイプ、ならびに所望の効果(例えば、防御および/または処置)を含む種
々のパラメーターに依存する。一般に、本発明のワクチン抗原は、約10μg〜
約500mg、好ましくは約1mg〜約200mgの量において、粘膜経路によ
って投与され得る。投与の非経口経路のために、用量は、通常約1mg(好まし
くは、約100μg)を越えるべきではない。
【0204】 ワクチン剤として使用する場合、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ドは、多段階の免疫プロセスの一部として連続的に使用され得る。例えば、哺乳
動物は、ポックスウイルスのような本発明のワクチンベクターを用いて(例えば
、非経口経路を介して)最初に初回刺激され得、次に、ワクチンベクターによっ
てコードされるポリペプチドを用いて2回追加免疫(例えば、粘膜経路を介して
)され得る。別の例において、本発明のポリペプチドまたは誘導体と会合するリ
ポソームはまた、初回刺激のために使用され得、追加免疫が、粘膜アジュバント
(例えば、LT)と組み合わせた本発明の可溶性のポリペプチドまたは誘導体を
使用して粘膜的に行われる。
【0205】 本発明のポリペプチド誘導体はまた、抗Chlamydia抗体の存在(例え
ば、血液サンプル中)の検出のための診断試薬として有用である。そのようなポ
リペプチドは、約5〜約80、好ましくは約10〜約50アミノ酸長であり、そ
して診断方法に依存して標識化され得るか、または非標識化され得る。そのよう
な試薬を含む診断方法を、以下に記載する。
【0206】 本発明のDNA分子の発現の際に、ポリペプチドまたはポリペプチド誘導体を
産生し、そして公知の実験室技術を使用して精製し得る。例えば、ポリペプチド
またはポリペプチド誘導体は、精製を促進する融合したテールを含む融合タンパ
ク質として産生され得る。融合産物を使用して、ポリペプチドまたはポリペプチ
ド誘導体に対する抗体(単一特異的抗体)を惹起するために、小哺乳動物(例え
ば、マウスまたはウサギ)を免疫し得る。従って、本発明の第8の局面は、本発
明のポリペプチドまたはポリペプチド誘導体に結合する単一特異的抗体を提供す
る。
【0207】 「単一特異的抗体」によって、独特の天然に存在するChlamydiaポリ
ペプチドと反応し得る抗体が意味される。本発明の抗体は、ポリクローナル抗体
またはモノクローナル抗体であり得る。単一特異的抗体は、組換え(例えば、キ
メラ(例えば、ヒト定常領域と会合したマウス起源の可変領域から構成される)
、ヒト化(動物(例えば、マウス)起源の超可変領域をともなうヒト免疫グロブ
リン定常骨格)、および/または単鎖)であり得る。ポリクローナル抗体および
単一特異的抗体の両方もまた、免疫グロブリンフラグメント(例えば、F(ab
)’2またはFabフラグメント)の形態であり得る。本発明の抗体は、任意の
イソ型(例えば、IgGまたはIgA)であり得、そしてポリクローナル抗体は
、単一のイソ型であり得るか、またはイソ型の混合物を含み得る。
【0208】 本発明のポリペプチドまたはポリペプチド誘導体に対して惹起される本発明の
抗体を産生し得、そして標準的な免疫学的アッセイ(例えば、ウエスタンブロッ
ト分析、ドットブロット分析、またはELISA(例えば、Coliganら、
Current Protocols in Immunology(1994
)John Wiley&Sons,Inc.,New York,NYを参照
のこと))を使用して、同定され得る。この抗体を、診断方法において使用して
、サンプル(例えば、生物学的サンプル)中のChlamydia抗原の存在を
検出し得る。この抗体を、本発明のポリペプチドまたはポリペプチド誘導体の精
製のためのアフィニティークロマトグラフィー方法においてもまた、使用し得る
。以下にさらに考察されるように、そのような抗体を、予防的および治療的受動
免疫方法において、使用し得る。
【0209】 従って、本発明の第9の局面は、以下を提供する、(i)本発明の抗体、ポリ
ペプチド、またはポリペプチド誘導体を含む、生物学的サンプル中のChlam
ydiaの存在を検出するための試薬;および(ii)生物学的サンプルを本発
明の抗体、ポリペプチド、またはポリペプチド誘導体と接触させ、その結果、免
疫複合体を形成させる工程、およびそのような複合体を検出して、サンプル中ま
たはそのサンプルが由来する生物中のChlamydiaの存在を示す工程によ
って、生物学的サンプル中のChlamydiaの存在を検出する診断方法。
【0210】 当業者は、抗体、ポリペプチド、またはポリペプチド誘導体のいずれが使用さ
れても、サンプルの成分と、その抗体、ポリペプチド、またはポリペプチド誘導
体との間で免疫複合体が形成され、そして任意の未結合物質が、複合体の検出前
に除去され得ることを理解する。容易に理解され得るように、ポリペプチド試薬
は、サンプル(例えば、血液サンプル)中の抗Chlamydia抗体の存在を
検出するために有用であるが、本発明の抗体は、サンプル(例えば、胃抽出物、
または生検)をChlamydiaポリペプチドの存在についてスクリーニング
するために使用され得る。
【0211】 診断適用における使用のために、試薬(すなわち、本発明の抗体、ポリペプチ
ド、またはポリペプチド誘導体)は、遊離の状態であり得、固体支持体(例えば
、チューブ、ビーズ、またはこの分野で使用される任意の他の従来の支持体)に
固定化され得る。固定化は、直接的手段または間接的手段を使用して達成され得
る。直接的手段としては、支持体と試薬との間の、受動的吸着(非共有結合)ま
たは共有結合が挙げられる。「間接的手段」によって、試薬と相互作用する抗試
薬化合物を、最初に固体支持体に付着することが、意味される。例えば、ポリペ
プチド試薬を使用する場合、もしその試薬に結合する抗体が生物学的サンプル中
の抗体の認識に関与しないエピトープに結合するならば、その試薬に結合する抗
体が、抗試薬として供され得る。間接的手段はまた、リガンド−レセプター系(
例えば、ビタミンのような分子を、ポリペプチド試薬上に移植し得、そして対応
するレセプターを、固相上に固定化し得る)を利用し得る。この系は、ビオチン
−ストレプトアビジン系によって例示される。あるいは、間接的手段を、例えば
、化学的にか、または遺伝子操作によってペプチドのテールを試薬に付加し、そ
して移植した産物または融合した産物を、ペプチドテールの受動的吸着または共
有結合によって固定化することによって、使用し得る。
【0212】 本発明の第10の局面に従って、生物学的サンプルから本発明のポリペプチド
またはポリペプチド誘導体を精製するプロセスが提供される。このプロセスは、
生物学的サンプルを用いる、抗体に基づくアフィニティークロマトグラフィーの
実行を包含し、ここでこの抗体は、本発明の単一特異的抗体である。
【0213】 本発明の精製プロセスにおける使用のために、抗体は、ポリクローナルまたは
単一特異的であり得、そして好ましくは、IgGイソ型である。精製されたIg
Gは、標準的な方法を用いて抗血清から調製され得る(例えば、Coligan
ら、前出を参照のこと)。従来のクロマトグラフィー支持体、ならびに抗体移植
の標準的な方法が、例えば、Antibodies:A Laboratory
manual,D.Lane,E.Harlow編(1988)に開示される
【0214】 手短には、生物学的サンプル(例えば、C.pneumoniae抽出物、好
ましくは、緩衝溶液中)を、クロマトグラフィー材料(好ましくは、生物学的サ
ンプルを希釈するために使用される緩衝液で平衡化される)にアプライし、その
結果、本発明のポリペプチドまたはポリペプチド誘導体(すなわち、抗原)を、
その材料上に吸着させる。クロマトグラフィー材料(例えば、本発明の抗体に結
合したゲルまたは樹脂)は、バッチ形態であり得るか、またはカラム中にあり得
る。未結合の成分を洗い流し、次に抗原を適切な溶出緩衝液(例えば、グリシン
緩衝液またはカオトロピック剤(例えば、グアニジンHCl)または高塩濃度(
例えば、3M MgCl2)を含む緩衝液)で溶出する。溶出された画分を取り
除き、そして抗原の存在を検出する(例えば、280nmでの吸収を測定するこ
とによる)。
【0215】 本発明の抗体を、以下に記載のように、治療的効力についてスクリーニングし
得る。本発明の第11の局面に従って、以下が提供される(i)希釈剤またはキ
ャリアとともに本発明の単一特異的抗体を含有する組成物;(ii)本発明の単
一特異的抗体の治療的または予防的有効量を含む薬学的組成物;および(iii
)必要とする個体に対して、本発明の単一特異的抗体の予防的有効量または治療
的有効量を投与することによって、Chlamydia(例えば、C.trac
homatis、C.psittaci、C.pneumoniae、またはC
.pecorum)感染を、処置または予防する方法。さらに、本発明の第11
の局面は、Chlamydia感染を処置または予防するための医薬の調製にお
ける、本発明の単一特異的抗体の使用を包含する。
【0216】 この目的のために、単一特異的抗体は、ポリクローナルであっても、モノクロ
ーナルであり得、好ましくは、IgAイソ型(主に)であり得る。受動免疫にお
いて、抗体を、哺乳動物の粘膜表面(例えば、胃粘膜(例えば、経口的または胃
内に))に、有利には、炭酸水素緩衝液の存在下で投与し得る。あるいは、全身
投与(炭酸水素緩衝液を必要としない)を実行し得る。本発明の単一特異的抗体
を、単一の活性成分としてか、または異なるChlamydiaポリペプチドに
対して特異的な少なくとも1つの単一特異的抗体との混合物として投与され得る
。使用される抗体の量および特定の療法は、当業者によって容易に決定され得る
。例えば、1週間にわたる約100〜1,000mgの抗体の毎日の投与、また
は1〜3日間にわたる約100〜1,000mgの抗体の1日あたり3用量の投
与は、ほとんどの目的にとって効果的な療法であり得る。
【0217】 治療効力または予防効力は、当該分野の標準的方法を使用して、例えば、粘膜
免疫応答の誘導または予防免疫および/もしくは治療免疫の誘導を、例えば、C
.pneumoniaeマウスモデルを使用して測定することによって、評価さ
れ得る。当業者は、このモデルのC.pneumoniae株が、別のChla
mydia株で置換され得ることを理解する。例えば、C.pneumonia
e由来のDNA分子およびポリペプチドの効力は、好ましくは、C.pneum
oniae株を使用するマウスモデルにおいて評価される。防御は、Chlam
ydia感染の程度をコントロール群の程度と比較することにより決定され得る
。防御は、このコントロール群と比較して感染が減少した場合に、示される。こ
のような評価は、本発明のポリヌクレオチド、ワクチンベクター、ポリペプチド
およびその誘導体、ならびに抗体について、なされ得る。
【0218】 上記のいずれかのワクチン組成物において有用なアジュバントは、以下の通り
である。
【0219】 非経口投与のためのアジュバントとしては、アルミニウム化合物(例えば、水
酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、およびアルミニウムヒドロキシホスフ
ェート)が挙げられる。この抗原は、標準的プロトコールに従って、このアルミ
ニウム化合物とともに沈殿され得るか、またはこのアルミニウム化合物上に吸着
され得る。他のアジュバント(例えば、RIBI(ImmunoChem、Ha
milton、MT)が、非経口投与において使用され得る。
【0220】 粘膜投与のためのアジュバントとしては、細菌毒素(例えば、コレラ毒素(C
T)、E.coli熱不安定性(heat−labile)毒素(LT)、Cl
ostridium difficile毒素A、およびpertussis毒
素(PT)、あるいはこれらの組合せ、サブユニット、トキソイドまたは変異体
)が挙げられる。例えば、天然のコレラ毒素Bサブユニット(CTB)の精製さ
れた調製物が有用であり得る。アジュバント活性を保持する限り、これら毒素の
いずれかのフラグメント、ホモログ、誘導体、および融合物もまた適切である。
好ましくは、減少した毒性を有する変異体が使用される。適切な変異体は、例え
ば、WO 95/17211(Arg−7−Lys CT変異体)、WO 96
/6627(Arg−192−Gly LT変異体)、およびWO 95/34
323(Arg−9−LysかつGlu−129−Gly PT変異体)におい
て記載される。本発明の方法および組成物において使用され得るさらなるLT変
異体としては、例えば、Ser−63−Lys変異体、Ala−69−Gly変
異体、Glu−110−Asp変異体、およびGlu−112−Asp変異体が
挙げられる。他のアジュバント(例えば、E.coli、Salmonella
minnesota、Salmonella typhimurium、また
はShigella flexneriの細菌モノホスホリル脂質A(MPLA
);サポニン、またはポリラクチドグリコリド(glycolide)(PLG
A)ミクロスフェア)もまた、粘膜投与において使用され得る。
【0221】 粘膜投与および非経口投与の両方に有用なアジュバントとしては、ポリホスフ
ァゼン(polyphosphazene)(WO 95/2415)、DC−
chol(3b−(N−(N’,N’−ジメチルアミノメタン)−カルバモイル
)コレステロール)(米国特許第5,283,185号およびWO 96/14
831)ならびにQS−21(WO 88/9336)が挙げられる。
【0222】 本発明の任意の薬学的組成物(本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、ポ
リペプチド誘導体、または抗体を含む)も、従来の様式で製造され得る。詳細に
は、本発明の薬学的組成物は、薬学的に受容可能な希釈剤またはキャリア(例え
ば、水、またはリン酸緩衝化生理食塩水のような生理食塩水溶液)とともに処方
され得る。一般的には、希釈剤またはキャリアは、投与の様式および経路、なら
びに標準的薬学的実施に基いて選択され得る。適切な薬学的キャリアまたは希釈
剤、ならびに薬学的処方物におけるそれらの使用のための薬学的な必需品は、R
emington’s Pharmaceutical Science、この
分野における標準的参考文書、およびUSP/NFに記載されている。
【0223】 本発明はまた、Chlamydia感染が、本発明のChlamydiaポリ
ペプチドおよび粘膜アジュバントを、抗生物質、制酸薬、スクラルファート、ま
たはこれらの組合せと共に経口投与することによって処置される方法を含む。こ
のワクチン抗原およびこのアジュバントとともに投与され得るこのような化合物
の例は、例えば、マクロライド、テトラサイクリン、およびこれらの誘導体を含
む抗生物質である(使用され得る抗生物質の特定の例は、アジスロマイシンまた
はドキシサイクリン、あるいは免疫調節剤(例えば、サイトカインまたはステロ
イド)を含む)。さらに、上記に列挙した成分のうちの1つより多くを結合して
含む化合物が、使用され得る。本発明はまた、これらの方法を実行するための組
成物(すなわち、本発明のChlamydia抗原、アジュバントおよび上記に
列挙した化合物のうち1つ以上を、薬学的に受容可能なキャリアかまたは希釈剤
中に含む組成物)を含む。
【0224】 本発明の方法および組成物において使用される上記に列挙した化合物の量は、
当業者により容易に決定され得る。さらに、当業者は、処置スケジュール/免疫
スケジュールを容易に設計し得る。例えば、非ワクチン成分が、1〜14日目に
投与され得、そしてこのワクチン抗原+アジュバントが、7、14、21、およ
び28日目に投与され得る。
【0225】 上記の開示は、一般的に本発明を記載している。より完全な理解が、以下の特
定の実施例を参照することにより得られ得る。これらの実施例は、例示目的のた
めのみ記載され、そして本発明の範囲を制限することは意図されない。形態の変
化および等価物の置換が、状況が好都合であることを示唆し得るかまたは好都合
にするような場合に、意図される。特定の用語が本明細書中で使用されているが
、このような用語は、記述上の意味で意図され、そして制限の目的には意図され
ない。
【0226】 (実施例1 LORF2遺伝子を含むプラスミドベクターpCAI556の調
製) 本実施例は、lorf2遺伝子を含むプラスミドベクターpCAI556の調
製を例示する。
【0227】 lorf2遺伝子を、Chlamydia pneumoniaeのゲノムD
NAから、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅した。このPCRにお
いて、以下の5’プライマー:
【0228】
【化1】
【0229】 (配列番号3)(Not I制限部位、リボソーム結合部位、開始コドン、およ
びlorf2コード配列の5’末端に近接する配列を含む)、ならびに以下の3
’プライマー:
【0230】
【化2】
【0231】 (配列番号4)(lorf2遺伝子のC末端配列をコードする配列およびBam
HI制限部位を含む)を使用した。停止コドンを除去し、そして付加的ヌクレオ
チドを挿入して、ヒスチジンタグを備えるインフレーム融合物を得た。
【0232】 増幅後、このPCRフラグメントを、QIAquickTMPCR精製キット(
Qiagen)を使用して精製し、次いで、Not IおよびBam HIで消
化し、そして実施例2(図3)に記載のpCA−Myc−His真核生物発現ベ
クターにクローニングした。このベクターは、ヒトCMVプロモーターの制御下
で転写する。
【0233】 (実施例2 真核生物発現ベクターpCA/Myc−Hisの調製) 本実施例は、真核生物発現ベクターpCA/Myc−Hisの調製を例示する
【0234】 プラスミドpcDNA3.1(−)Myc−His C(Invitroge
n)をSpe IおよびBam HIで制限処理して、そのCMVプロモーター
を除去し、そして残りのベクターフラグメントを単離した。プラスミドVR−1
012(Vical)から、CMVプロモーターおよびイントロンAをSpe
I/Bam HIフラグメント上に単離した。これらのフラグメントをともに連
結して、プラスミドpCA/Myc−Hisを生成した。lorf2遺伝子を含
むNot I/Bam HI制限処理したPCRフラグメントを、Not Iお
よびBam HIで制限したプラスミドpCA/Myc−Hisに連結して、プ
ラスミドpCAI556(図3)を生成した。
【0235】 生じたプラスミドpCAI556を、E.coli XL−1 blue(S
tratagene)にエレクトロポレーションによって移入し、このE.co
liをカルベニシリン50μg/mlを含むLBブロスにて増殖させた。このプ
ラスミドを、Endo Free Plasmid Giga KitTM(Qi
agen)大スケールDNA精製系により単離した。DNA濃度を260nmの
吸光度により決定し、そしてこのプラスミドを、ゲル電気泳動および臭化エチジ
ウム染色および分子量スタンダードとの比較後に確認した。この遺伝子の5’末
端および3’末端を、LiCorモデル4000 L DNAシーケンサーおよ
びIRD−800標識プライマーを使用する配列決定によって確認した。
【0236】 (実施例3 鼻内C.pneumoniaeに対する防御) 本実施例は、C.pneumoniaeの鼻内チャレンジに対する防御を達成
するためのマウスの免疫を例示する。
【0237】 マウスが、C.pneumoniaeの異なる単離株での鼻内感染に感受性で
あることが、以前に示されている(Yangら、1993)。AR−39株(G
rayston、1989)を、チャレンジ感染モデルとしてのBalb/cマ
ウスにおいて使用して、裸のDNAとして送達されたクラミジア属の遺伝子生成
物が致死下のC.pneumoniae肺感染に対する防御応答を惹起する能力
を試験した。防御免疫は、肺感染のクリアランスの促進として規定される。
【0238】 7〜9週齢の雄性Balb/cマウスの群(1群あたり8〜10匹)を、実施
例1および2に記載されるC.pneumoniae lorf2遺伝子のコー
ド配列を含むプラスミドDNAで、筋肉内(i.m.)および鼻内(i.n.)
免疫した。生理食塩水、または挿入されたクラミジア属の遺伝子を欠くプラスミ
ドベクターを、コントロール動物の群に与えた。
【0239】 筋肉内免疫のために、左四頭筋および右四頭筋交互に、PBS50μl中のD
NA100μgを、0、3、および6週間目に3回、注射した。鼻内免疫のため
に、麻酔したマウスに、50μgのDNAを含む50μlのPBSを、0、3、
および6週間目に3回吸引させた。8週間目に、免疫したマウスに、100μl
のSPG緩衝液中5×105IFUのC.pneumoniae AR39株を
鼻内接種して、これらのマウスが致死下のC.pneumoniaeチャレンジ
の増殖を制限する能力を試験した。
【0240】 肺をチャレンジ後9日目にマウスから取り出し、そしてすぐにSPG緩衝液(
7.5%ショ糖、5mMグルタミン酸塩、12.5リン酸塩、pH7.5)にホ
モジネートした。このホモジネートを、アッセイまで−70℃で凍結して保存し
た。このホモジネートの希釈物を、感染性クラミジア属の存在について、感受性
細胞の単層上への接種によりアッセイした。この接種物を、この細胞上に300
0rpmで1時間遠心分離し、次いで、この細胞を、1μg/mlのシクロへキ
シミドの存在下で35℃で3日間インキュベーした。インキュベーション後、こ
の単層をホルマリンおよびメタノールで固定し、次いで、Chlamydia封
入体の存在について、C.pneumoniaeに感染したウサギ由来の回復期
血清、ならびにペルオキシダーゼ基質として金属増強したDABを使用して、イ
ムノペルオキシダーゼ染色した。
【0241】 図4および表1は、pCAI556で鼻内および筋肉内免疫したマウスが、9
日目に6つの症例のうち6つにおいて18,000IFU/肺(平均11,05
0)未満のクラミジア属肺力価を有したが、生理食塩水で偽免疫されたコントロ
ールマウスについての値の範囲は、9日目で、10,700〜458,000I
FU/肺(平均111,783)であったことを例示する。DNA免疫は、それ
自体、観察された防御効果を担わない。なぜなら、別のプラスミド構築物、pC
AI624は、防御せず、免疫したマウスにおける肺力価(134,600IF
U/肺)は、生理食塩水免疫したコントロールマウスについて得られた肺力価と
同様であったからである。この構築物pCAI624は、lorf2遺伝子をコ
ードするヌクレオチド配列が、異なる98kDa外膜タンパク質をコードするC
.pneumoniaeヌクレオチド配列で置換されていることを除いては、p
CAI556と同一である。
【0242】
【表1】
【0243】 (等価物) 本発明の特定の実施形態の前述の詳細な説明から、独特のChlamydia
抗原が記載されていることが明らかである。特定の実施形態が本明細書中で詳細
に開示されているが、これは、例示目的のためだけになされており、そして上記
に添付される特許請求の範囲の範囲について制限することを意図しない。特に、
本発明に対する種々の置換、変更、および改変が、特許請求の範囲によって規定
される本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることが、本発明
者によって意図される。
【図面の簡単な説明】
本発明は、図面を参照して、以下の説明からさらに理解され得る。
【図1】 図1は、全長lorf2遺伝子(配列番号1)およびChlamydia p
neumoniae由来のプロセシングされた配列(配列番号2)の、ヌクレオ
チド配列(上段の配列)および推定アミノ酸配列(下段の配列)を示す。
【図2】 図2は、C.pneumoniaeのlorf2遺伝子をコードするヌクレオ
チド配列の制限酵素分析を示す。
【図3】 図3は、プラスミドpCAI556の構築および要素を示す。
【図4】 図4は、DNA免疫後のpCAI556によるC.pneumoniae感染
に対する防御を例示する。個々のデータ点を、各動物(白菱形)ならびに各群に
ついての平均および標準偏差(黒四角)について示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/39 A61P 11/06 4C085 A61P 9/10 C07K 1/22 4H045 11/00 14/295 11/06 16/12 C07K 1/22 C12N 1/15 14/295 1/19 16/12 1/21 C12N 1/15 C12P 21/02 C 1/19 C12Q 1/68 A 1/21 G01N 33/53 M 5/10 33/566 C12P 21/02 33/569 F C12Q 1/68 (C12N 1/21 G01N 33/53 C12R 1:01) 33/566 33/569 (C12P 21/02 C //(C12N 1/21 C12R 1:01) C12R 1:01) C12N 15/00 ZNAA (C12N 15/09 A C12R 1:01) 5/00 A (C12P 21/02 A61K 37/02 C12R 1:01) (31)優先権主張番号 09/427,501 (32)優先日 平成11年10月26日(1999.10.26) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ダン, パメラ レスリー カナダ国 エル5エイ 4ビー8 オンタ リオ, ミシソーガ, カネフ サークル 3700, アパートメント 703 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA13 BA31 BA50 CA04 CA11 DA02 DA05 DA11 EA02 EA03 EA04 GA11 HA01 HA12 HA15 4B063 QA01 QA19 QQ01 QQ42 QQ52 QR08 QR42 QR56 QR62 QS25 QS33 QS34 QS36 QX02 4B064 AG31 CA01 CA19 CC24 DA01 DA15 4B065 AA01X AA01Y AA57X AA87X AB01 BA01 CA24 CA45 CA46 4C084 AA02 AA07 CA04 ZA45 ZA59 4C085 AA03 BA45 DD61 EE03 EE06 FF24 GG08 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA11 DA76 DA86 EA29 EA31 EA52 FA72 FA74 GA26

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下からなる群より選択される、単離されたポリヌクレオチ
    ド: (a)配列番号1のヌクレオチド配列を含む配列を有するポリヌクレオチド、
    およびその機能的フラグメント; (b)配列番号2と少なくとも75%相同である配列を有するポリペプチドを
    コードするポリヌクレオチド、およびその機能的フラグメント;ならびに (c)配列番号1のヌクレオチド配列を含む配列を有するポリヌクレオチドに
    、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るポリヌクレオチド、および
    その機能的フラグメント。
  2. 【請求項2】 融合ポリペプチドをコードする第2のヌクレオチド配列に連
    結される、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 前記融合ポリペプチドが、異種シグナルペプチドである、請
    求項2に記載のヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 前記ポリヌクレオチドが、配列番号2を有するポリペプチド
    の機能的フラグメントをコードする、請求項2に記載のヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 配列番号2に少なくとも75%相同である配列を有する、単
    離されたポリペプチド、およびその機能的フラグメント。
  6. 【請求項6】 前記ポリペプチドが、配列番号2の配列またはその機能的フ
    ラグメントを有する、請求項5に記載のポリペプチド。
  7. 【請求項7】 融合ポリペプチドに連結された請求項5に記載のポリペプチ
    ドを含む、ポリペプチド。
  8. 【請求項8】 前記融合ポリペプチドが、シグナルペプチドである、請求項
    7に記載のポリペプチド。
  9. 【請求項9】 前記融合ポリペプチドが、アジュバント活性を有する異種ポ
    リペプチドを含む、請求項7に記載のポリペプチド。
  10. 【請求項10】 プロモーターに作動可能に連結された請求項1に記載のポ
    リヌクレオチドを含む、発現カセット。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の発現カセットを含む、発現ベクター。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の発現カセットを含む、宿主細胞。
  13. 【請求項13】 前記宿主細胞が、原核生物細胞である、請求項12に記載
    の宿主細胞。
  14. 【請求項14】 前記宿主細胞が、真核生物細胞である、請求項12に記載
    の宿主細胞。
  15. 【請求項15】 配列番号2を有する組換えポリペプチドを産生するための
    方法であって、以下の工程: (a)請求項12に記載の宿主細胞を、該ポリペプチドの発現を可能にする条
    件下で培養する工程;および (b)該組換えポリペプチドを回収する工程、 を包含する、方法。
  16. 【請求項16】 請求項10に記載の発現カセットを含む、ワクチンベクタ
    ー。
  17. 【請求項17】 前記宿主哺乳動物がヒトである、請求項16に記載のワク
    チンベクター。
  18. 【請求項18】 薬学的に受容可能な賦形剤中にある、請求項16に記載の
    ワクチンベクター。
  19. 【請求項19】 免疫学的な有効量の、請求項16に記載のワクチンベクタ
    ーを含む、薬学的組成物。
  20. 【請求項20】 哺乳動物において免疫応答を誘導するための方法であって
    、以下の工程: 該哺乳動物に、免疫学的な有効量の、請求項16に記載のワクチンベクターを
    投与する工程であって、ここで該投与が、免疫応答を誘導する、工程、 を包含する、方法。
  21. 【請求項21】 免疫学的な有効量の、請求項5に記載のポリペプチド、お
    よび薬学的に受容可能な希釈剤を含む、薬学的組成物。
  22. 【請求項22】 アジュバントをさらに含む、請求項21に記載の薬学的組
    成物。
  23. 【請求項23】 1以上の既知のChlamydia抗原をさらに含む、請
    求項21に記載の薬学的組成物。
  24. 【請求項24】 哺乳動物において免疫応答を誘導するための方法であって
    、以下の工程: 該哺乳動物に、免疫学的な有効量の、請求項21に記載の薬学的組成物を投与
    する工程であって、ここで該投与が、免疫応答を誘導する、工程、 を包含する、方法。
  25. 【請求項25】 生物学的材料中のChlamydiaの存在を検出し得る
    ポリヌクレオチドプローブ試薬であって、ストリンジェントな条件下で請求項1
    に記載のポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む、ポリ
    ヌクレオチドプローブ試薬。
  26. 【請求項26】 前記試薬が、DNAプライマーである、請求項25に記載
    のポリヌクレオチドプローブ試薬。
  27. 【請求項27】 サンプル中のChlamydiaの存在を検出するための
    ハイブリダイゼーション方法であって、以下の工程: (a)該サンプルからポリヌクレオチドを得る工程; (b)該得られたポリヌクレオチドを、請求項25に記載のポリヌクレオチド
    プローブ試薬と、該プローブおよび該サンプルのハイブリダイゼーションを可能
    にする条件下でハイブリダイズさせる工程;ならびに (c)該検出試薬の該サンプル中のポリヌクレオチドとの該ハイブリダイゼー
    ションを検出する工程、 を包含する、方法。
  28. 【請求項28】 サンプル中のChlamydiaの存在を検出するための
    増幅方法であって、以下の工程: (a)該サンプルからポリヌクレオチドを得る工程; (b)該得られたポリヌクレオチドを、請求項25に記載の1以上のポリヌク
    レオチドプローブ試薬を使用して増幅する工程;および (c)該増幅したポリペプチドを検出する工程、 を包含する、方法。
  29. 【請求項29】 サンプル中のChlamydiaの存在を検出するための
    方法であって、以下の工程: (a)該サンプルを、配列番号2を有するポリペプチドと結合する検出試薬と
    接触させて、複合体を形成させる、工程;および (b)該形成された複合体を検出する工程、 を包含する、方法。
  30. 【請求項30】 前記検出試薬が、抗体である、請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項30に記
    載の方法。
  32. 【請求項32】 前記抗体が、ポリクローナル抗体である、請求項30に記
    載の方法。
  33. 【請求項33】 配列番号2を有するポリペプチドを実質的に精製するため
    のアフィニティークロマトグラフィー方法であって、以下の工程: (a)該ポリペプチドを含むサンプルを、該ポリペプチドに結合する検出試薬
    と接触させて、複合体を形成させる、工程; (b)該形成された複合体を単離する工程; (c)該形成された複合体を解離させる工程;および (d)該解離したポリペプチドを単離する工程、 を包含する、方法。
  34. 【請求項34】 前記検出試薬が、抗体である、請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項34に記
    載の方法。
  36. 【請求項36】 前記抗体が、ポリクローナル抗体である、請求項34に記
    載の方法。
  37. 【請求項37】 請求項5に記載のポリペプチドを免疫特異的に結合する抗
    体、またはその結合ドメインを含む該抗体のフラグメントもしくは誘導体。
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