JP2002530052A - クラミジア抗原および対応するdna断片ならびにその使用 - Google Patents

クラミジア抗原および対応するdna断片ならびにその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、クラミジア感染を予防、治療または診断する方法に使用できる、クラミジアポリペプチドをコードする精製および単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明の1つの形態では、ポリヌクレオチド分子はポリヌクレオチドCPN100397(配列番号1および2)、CPN100421(配列番号3および4)、CPN100422(配列番号5および6)、CPN100424(配列番号7および8)、CPN100426(配列番号9および10)、CPN100508(配列番号11および12)、CPN100515(配列番号13および14)、CPN100538(配列番号15および16)、CPN100557(配列番号17および18)、CPN100622(配列番号19および20)、CPN100626(配列番号21および22)、CPN100628(配列番号23および24)およびCPN100630(配列番号25および26)をコードするDNAから選択される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明はヒトなどの哺乳類におけるクラミジア感染症の予防および治療に使用
できるクラミジア(Chlamydia)抗原および対応するDNA分子に関する。
【0002】 発明の背景 クラミジアは原核生物である。それらは、リポ多糖および大腸菌(E coli)で見
られるタンパク質と構造的および機能的に類似するいくつかの膜タンパク質を含
む三層の外膜をはじめ、グラム陰性菌との形態的および構造的類似性を示す。そ
れらは、代謝上不活性であるが感染力のある細胞外段階と、複製はするが感染力
のない細胞内段階からなる独自の二相性生活環を有する偏性細胞内寄生体である
。生活環の複製段階は感染した宿主細胞の細胞質からこの細菌を隔離する膜に結
合した封入体内で起こる。
【0003】 肺炎クラミジア(C.pneumonia)は一般的なヒト病原体で、初めにオウム病クラ
ミジア(Chlamydia psittaci)のTWAR株として記載されていたが、その後は新種で
あると認識されている。肺炎クラミジアは他のクラミジア種(トラコーマクラミ
ジア(C. trachomatis)、C.ペコラム(C. pecorum)およびオウム病クラミジアと
は抗原的、遺伝的および形態的に異なっている。それはトラコーマクラミジアま
たはオウム病クラミジアといずれかとDNA配列において10%以下の相同性し
か示さない。
【0004】 C.ニューモニアはコミュニティ獲得性の肺炎の一般的な原因であり、肺炎球
菌(Streptococcus pneumoniae)および肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoni
ae)よりもわずかに低い頻度である(Grayston et al. (1995) Journal of nfecti
ous Diseases 168:1231; Campos et al. (1995) Investigation of Ophthalmolo
gy and Visual Science 36:1477)。それはまた気管支炎および副鼻腔炎をはじめ
とする上気道症状および疾患を引き起こす(Grayston et al. (1990) Journal of
Infectious Diseases 168:1231; Grayston et al (1990) Journal of Infectio
us Diseases 161:618; Marrie (1993) Clinical Infectious Diseases, 18:501;
Wang et al (1986) Chlamydial infectious, Cambridge University Press, Ca
mbridge, p.329)。大部分の成人集団(60%を超える)は肺炎クラミジアに対
する抗体を持っており(Wang et al (1986) Chlamydial infection, Cambridge U
niversity Press, Cambridge, p.329)、これはまだ認識されていないか、または
無症候性である過去の感染を示している。
【0005】 肺炎クラミジア感染は通常には急性呼吸器系疾患(すなわち、咳、咽頭炎、嗄
声、および発熱;聴診での異常な胸部音)として示される。ほとんどの患者では
咳が2〜6週間持続し、回復が遅い。このようなケースの約10%で、上気道感
染の後に気管支炎または肺炎が起こる。さらに肺炎クラミジア流行の際には、次
ぎにこれらの肺炎患者の約半数、特に虚弱者や高齢者で肺炎球菌の同時感染が認
めれた。上記で示されたように、肺炎クラミジア感染が呼吸器系感染以外の疾患
にも関連するさらに多くの証拠がある。
【0006】 この生物の貯蔵庫はおそらくヒトである。オウム病クラミジアとは対照的に、
鳥類または動物の貯蔵庫は知られていない。伝染については明らかには定義され
ていない。それは分泌物との直接的な接触、媒介物、または風媒拡散によると考
えられる。長い潜伏期間があり、それは何ヶ月も持続する。流行の分析に基づけ
ば、感染者はその生物の効率の悪い媒介者であるので、肺炎クラミジアはある集
団にゆっくり拡散すると考えられる(患者から患者の間隔は平均30日)。肺炎
クラミジア罹病率は普遍的である。小児期に最初に感染した後、成人期に再感染
が起こる。肺炎クラミジアは、2〜3年持続する高い発病率(流行病)間隔を重
ね合わせると著しくは世界中の伝染病であると考えられる。トラコーマクラミジ
ア感染は肺炎クラミジアに対する交差免疫を付与しない。感染症は経口抗せ物質
テトラサイクリンまたはエリスロマイシン(2g/d、少なくとも10〜14日
間)で容易に治療される。最近開発された薬剤アジスロマイジンはクラミジア感
染症に対して単回投与として極めて有効である。
【0007】 ほとんどの場合、肺炎クラミジア感染は軽いことが多く、合併症もなく、感染
症の90%までは亜急性であるか、認識されない。工業国の小児の間では感染は
5才まではまれであると考えられていたが、最近の研究(E Normann et al, Chla
mydia pneumoniae in children with acute respiratory tract infections, Ac
ta Paediatrica, 1998, Vol 87, Iss 1, pp 23-27)では、この世代の子供の多く
は血清反応陰性であるにもかかわらず感染のPCR証拠を示し、2〜4才の17
〜19%有病率と見積もられることが報告されている。発展途上国では、幼児の
間の肺炎クラミジア抗体の血清有病率は上昇し、肺炎クラミジアは急性下気道疾
患、ならびに世界の熱帯地方の幼児よび小児の死亡率の重要な原因であり得ると
疑われる。
【0008】 血清有病率の研究および地方の流行病の研究によれば、肺炎クラミジアの一次
感染は通常、5才から20才の間で起こる。米国では例えば、肺炎クラミジアに
よって引き起こされる毎年の小児肺炎の30,000症例であると見積もられる
。感染は小児または若年(例えば、学生や徴兵)群の中で集団発生する。
【0009】 肺炎クラミジアはコミュニティ獲得性の下気道感染症の10〜25%を起こす
(スェーデン、イタリア、フィンランドおよび米国から報告)。流行中、肺炎ク
ラミジアは感染は肺炎の症例の50〜60%にのぼると考えられる。このような
期間にはまた、さらに肺炎球菌による混合感染があることが報告されている。
【0010】 成人期の再感染もよくあり、臨床徴候はより軽い傾向にある。集団血清有病率
の研究に基づけば、年齢とともに曝露が増す傾向にあり、これは特にヒトにおい
て明らかである。何人かの研究者が、持続性、無症候性の肺炎クラミジア感染状
態がよくあることであると推測している。
【0011】 中年または高年者では、肺炎クラミジア感染は慢性気管支炎および副鼻腔炎へ
と進行する可能性がある。米国での研究は、60才より若い人において肺炎クラ
ミジアによって引き起こされた発病率は年間1,000人につき1症例であるが
、若年層では発病率は3倍に上昇していたことを明らかにした。肺炎クラミジア
感染は病床中にある患者を除いては入院につながることはまれである。
【0012】 極めて重要なのは、アテローム性動脈硬化症と肺炎クラミジア感染との関連で
ある。従来の肺炎クラミジア感染と心臓発作、冠動脈疾患および頸動脈疾患との
関係を示すいくつかの疫学研究がある(Saikku et al. (1988) Lanet; ii:983; T
hom et al. (1992) JAMA 268:68; Linnanmaki et al. (1993), Circulation 87:
1030; Saikku et al. (1992) Annals Internal Medicine 116:273; Melnick et
al (1993) American Journal of Medicine 95:499)。さらに、この微生物は冠動
脈、頸動脈、末梢動脈および大動脈のアテロームおよび脂肪索で検出されている
(Shor et al. (1992) South African. Medical Journal 82:158; Kuo et al. (1
993) Journal of Infectious Diseases 167:841; Kuo et al. (1993) Arteriosc
lerosis and Thrombosis 13:1500; Campbell et al (1995) Journal of Infecti
ous Diseases 172:585; Chiu et al. Circulation, 1997 (In Press))。種々の
肺炎クラミジアは冠動脈および頸動脈から回収されている(Ramirez et al (1996
) Annals of Internal Medicine 125:979; Jackson et al. Abst. K121, p272,
36th ICAAC, 15-18 Sept. 1996, New Orleans)。さらに肺炎クラミジアはウサ
ギモデルにおけるアテローム性動脈硬化症の変化を誘導することが示されている
(Fong et al (1997) Journal of Clinical Microbiology 35:48)。考え併せると
これらの結果は、、クラミジア性のアテローム性動脈硬化症の疫学的重要性は依
然証明されてはいないが、肺炎クラミジアがヒトにおいてアテローム性動脈硬化
症を引き起こし得るという高い可能性があることを示している。
【0013】 いくつかの最近の研究はまた、肺炎クラミジア感染と喘息との間の関連も示し
ている。感染は喘鳴性の喘息性気管支炎、成人発症喘息および成人における喘息
の急性再燃に結びつけられており、小規模研究では何人かで長期抗生物質治療が
効果的にゆっくりと疾病の重篤度を軽減することが示されている(Hahn DL, et a
l. Evidence for Chlamydia pneumoniae infection in steroid-dependent asth
ma. Ann Allergy Asthma Immunol. 1998 Jan; 80(1): 45-49; Hahn DL, et al.
Association of Chlamydia pneumoniae IgA antibodies with recently symptom
itic asthma. Epidemiol Infect. 1996 Dec; 117(3): 513-517; Bjornsson E, e
t al. Serology of chlamydia in relation to asthma and bronchial hyperres
ponsiveness. Scand J Infect Dis. 1996; 28(1): 63-69; Hahn DL. Treatment
of Chlamydia pneumoniae infection in adult asthma: a befor-after trial.
J Fam Pract. 1995 Oct; 41(4): 345-351; Allegra L, et al. Acute exacerbat
ions of asthma in adults: role of Chlamydia pneumoniae infection. Eur Re
spir J. 1994 Dec; 7(12): 2165-2168; Hahn DL, et al. Association of Chlam
ydia pneumoniae (strain TWAR) infection with wheezng, asthmatic bronchit
is, and adult-onset asthma. JAMA. 1991 Jul 10; 266(2): 22 5-230)。
【0014】 これらの結果に照らして、肺炎クラミジア感染に対する防御ワクチンが極めて
重要であると考えられる。いずれのヒトクラミジア感染にも有用なワクチンはま
だない。有効なワクチンは物理的または化学的に不活化したクラミジアを用いて
開発できると考えられる。しかしながらかかるワクチンは高い安全域がない。一
般に、安全なワクチンはその微生物の遺伝子操作のよって弱毒化するか、または
組換えによって作出される。従って、ヒトクラミジア感染に対する有効かつ安全
なワクチンを作出する主な障壁は、クラミジア、特に肺炎クラミジアに関する遺
伝情報が不十分であることであった。
【0015】 肺炎クラミジアおよびオウム病クラミジアを用いた研究では、クラミジアに対
する安全かつ有効なワクチンが達成可能な目標であることを示している。例えば
、トラコーマクラミジアの肺感染から回復したマウスはその後の膣攻撃によって
誘導される不妊症から保護される(Pal et al. (1996) Infection and Immunity.
64:5341)。同様に、不活化したオウム病クラミジアで免疫化したヒツジはその
後のクラミジア誘発性の流産および死産から保護された(Jones et al. (1995) V
accine 13:715)。クラミジア感染症からの保護はTh1免疫応答、特にINFg
(CD4+T細胞を産生する)の誘導と関連づけられている(Igietsemes et al.
(1993) Immunology 5:317)。CD4+細胞系統またはクローンの、ヌードマウ
スまたはSCIDマウスへの養子移入は攻撃または明らかな慢性疾患からの防御
を付与し(Igietseme et al (1993) Regional Immunology 5:317; Magee et al (
1993) Regional Immunology 5: 305)、またCD4+T細胞のin vivo涸渇は攻撃
後の疾病を悪化させた(Lander et al. (1991) Ynfection & Immunity 59:3774;
Magee et al (1995) Infection & Immunity 63:516)。しかしながら、粘膜表面
の十分高力価の中和抗体の存在も保護作用を発揮し得る(Cotter et al. (1995)
Infection and Immunity 63:4704)。
【0016】 肺炎クラミジア種内の抗原のバリエーションは遺伝情報が不十分であるために
十分記載されていないが、バリエーションはトラコーマクラミジアに基づいて存
在しているものと予測される。トラコーマクラミジアの血清学的亜型はMOMP
における抗原バリエーションに基づいて定義されているが、公表されている肺炎
クラミジアMOMP遺伝子配列はこの微生物のいくつかの異なる単離物の間では
ダリエーションを示していない(Campbell et al (1990) Infection and Immunit
y 58:93; McCafferty et al (1995) Infection and Immunity 63:2387-9; Knuds
en et al (1996) Third Meeting of the European Society for Chlamydia Rese
arch, Vienna)。他のクラミジアのMOMPで保存されていることが知られてい
るタンパク質領域は、肺炎クラミジアでも保存されている(Campbell et al (199
0) Infection and Immunity 58:93; McCafferty et al (1995) Infection and I
mmunity 63:2387-9)。ある研究では通常の分子量よりも大きいMOMPを有する
肺炎クラミジア株が記載されているが、これについてはこの遺伝子は配列決定さ
れていない(Grayston et al. (1995) Journal of Infectious Diseases 168:123
1)。異なる9種の単離物由来の外膜タンパク質2の部分配列もまた不変であるこ
とが分かっている(Ramirez et al (1996) Annals of Internal Medicine 125:97
9)。予期されたようにHSP60およびHSP70の遺伝子は他のクラミジア種
とはほとんど変動していない。76kDaの抗原をコードする遺伝子は肺炎クラ
ミジアのただ1つの株からクローニングされたものである。その他の既知のクラ
ミジア遺伝子との有意な類似性はない(Marrie (1993) Clinical Infectious Dis
eases. 18:501)。
【0017】 肺炎クラミジアに対して血清を免疫化することによって認識される多くの抗原
は総てのクラミジアにわたって保存されているが、98kDa、76kDaおよ
び54kDaタンパク質は肺炎クラミジア特異的であると思われる(Ref Campos
et al. (1995) Investigation of Ophthalmology and Visual Science 36: 1477
; Marrie (1993) Clinical Infectious Diseases, 18:501; Wiedmann-Al-Ahmad
M, et al. Reactions of polyclonal and neutralizing anti-p54 monoclonal a
ntibodies with an isolated, species-specific 54-kilodalton protein od Ch
lamydia pneumoniae, Clin Diagn Lab Immunil. 1997 Nov; 4(6): 700-704)。患
者由来の血清による単離物の免疫ブロッティングは、単離物間でブロッティング
パターンにバリエーションがあることを示し、血清型肺炎クラミジアが存在し得
ること示している(参照文献1、16)。しかしながらこの結果は、患者の血清
の免疫ブロットプロフィールが感染後経時的に変化するので、患者の感染状態に
よって混乱しているかもしれない。血清型の数および相対頻度の評価、ならびに
抗原の定義は依然として可能ではない。
【0018】 従って、クラミジア感染を予防および治療するのに用いられる治療する肺炎ク
ラミジアのポリヌクレオチド配列を同定および単離する必要性がある。
【0019】 発明の概要 本発明は、クラミジア感染を予防、治療または診断する方法に使用できる、ク
ラミジアポリペプチドをコードする精製および単離されたポリヌクレオチド分子
を提供する。本発明の1つの形態では、ポリヌクレオチド分子はポリヌクレオチ
ドCPN100397(配列番号1および2)、CPN100421(配列番号
3および4)、CPN100422(配列番号5および6)、CPN10042
4(配列番号7および8)、CPN100426(配列番号9および10)、C
PN100508(配列番号11および12)、CPN100515(配列番号
13および14)、CPN100538(配列番号15および16)、CPN1
00557(配列番号17および18)、CPN100622(配列番号19お
よび20)、CPN100626(配列番号21および22)、CPN1006
28(配列番号23および24)およびCPN100630(配列番号25およ
び26)をコードするDNAから選択される。
【0020】 本発明のもう1つの形態は単離されたDNA分子に対応するポリペプチドを提
供する。対応するコードペプチドのアミノ酸配列はCPN100397について
は配列番号27および28で、CPN100421については配列番号29で、
CPN100422については配列番号30で、CPN100424については
配列番号31で、CPN100426については配列番号32で、CPN100
508については配列番号33および34で、CPN100515については配
列番号35および36で、CPN100538については配列番号37で、CP
N100557については配列番号38および39で、CPN100622につ
いては配列番号40および41で、CPN100626については配列番号42
で、CPN100628については配列番号43で、またCPN100630に
ついては配列番号44および45で示されている。
【0021】 当業者ならば、クラミジアポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を
提供する限り、本発明はまたかかるペプチドに由来する断片をコードするポリヌ
クレオチドを提供することが分かるであろう。さらに、本発明は、本明細書に記
載の非必須アミノ酸の付加、欠失または置換によって生じるかかるペプチドおよ
びそれらに由来する断片の変異体および誘導体、ならびにを提供するものと理解
される。当業者ならば、本発明はクラミジアポリペプチドをコードするポリヌク
レオチド配列が提供される限り、さらにかかるポリペプチドと特異的に結合する
単一特異性抗体を提供することが容易に分かるであろう。
【0022】 本発明は広い応用を有し、発現カセット、ベクターおよび本発明のポリヌクレ
オチドで形質転換またはトランスフェクトされた細胞を含む。従って、本発明は
さらに(i)組換え宿主系において本発明のポリペプチドを製造する方法、なら
びに関連の発現カセット、ベクター、および形質転換またはトランスフェクト細
胞;(ii)希釈剤または担体と組み合わせた、本発明のポリヌクレオチドを含有
するワクチン、またはポックスウイルス、ネズミチフス菌(Salmonella typhimur
ium)またはコレラ菌(Viblerae cholerae)ベクターなどの生ワクチン(かかるワ
クチンおよびワクチンベクターは、例えばクラミジア感染を予防および治療する
のに有用である)、ならびに関連の医薬組成物および関連の治療および/または
予防方法;(iii)裸の形態もしくは送達ビヒクルと配合した本発明のRNAま
たはDNA分子、本発明のポリペプチドもしくはポリペプチドの組合せ、または
単一特異性抗体、ならびに関連の医薬組成物の治療的および/または予防的使用
;(iv)DNAまたはRNA分子、単一特異性抗体、または本発明のポリペプチ
ドの使用を含み得る、生物学的サンプルにおけるクラミジアの存在の診断方法;
および(v)抗体に基づくアフィニティークロマトグラフィーによる本発明のポ
リペプチドの精製方法を提供する。
【0023】 発明の詳細な説明 クラミジアポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF
)を肺炎クラミジアゲノムから同定した。これらのポリペプチドには細菌膜構造
に常に見られるポリペプチド、細菌膜の表面付近に存在するポリペプチド、封入
膜構造に常に見られるポリペプチド、封入膜の表面付近に存在するポリペプチド
、および感染細胞の細胞質に放出されるポリペプチドが含まれる。これらのポリ
ペプチドを用いてクラミジア感染症を予防および治療することができる。
【0024】 本発明の第1の態様によれば、アミノ酸配列が配列番号27〜45からなる群
から選択されるクラミジアポリペプチド前駆体および成熟形をコードする単離さ
れたポリヌクレオチドを提供する。
【0025】 「単離されたポリヌクレオチド」とは、天然に存在する環境から取り出された
ポリヌクレオチドと定義される。例えば生細菌のゲノム中、または遺伝子バンク
の一部として存在する天然DNA分子は単離されないが、細菌ゲノムの残存部分
から同分子は分離される、例えばクローニング(増幅)の結果として単離される
。典型的には単離されたDNA分子は天然に存在するゲノムの5’または3’末
端にすぐ隣接するDNA領域(例えばコドン領域)から遊離している。かかる単
離ポリヌクレオチドはベクターまたは組成物の一部であってよいが、かかるベク
ターまたは組成物がかかるポリヌクレオチドの自然環境の一部ではないというこ
とから「単離された」と定義される。
【0026】 本発明のポリヌクレオチドはRNAまたはDNA(cDNA、ゲノムDNAま
たは合成DNA)のいずれか、またはその改変体、変異体、相同体もしくは断片
である。DNAは二本鎖または一本鎖のいずれかであり、一本鎖であれば、コー
ド鎖または非コード(アンチセンス)鎖のいずれかである。配列番号1〜26で
示される本発明のポリペプチドをコードする配列のいずれか1つが、(a)コー
ド配列、(b)(a)の転写により誘導されるリボヌクレオチド配列、または(
c)遺伝子コードの重複または縮重により同じポリペプチドをコードするコード
配列である。「ポリペプチド」または「タンパク質」とは、長さまたは翻訳後修
飾(例えばグリコシル化またはリン酸化)にかかわらず、いずれのアミノ酸鎖を
も意味する。本願では両用語を相互に使用してもよい。
【0027】 本発明の第1の態様によれば、配列番号27〜45のいずれか1つと相同なア
ミノ酸配列が提供される。本明細書において使用される「相同アミノ酸配列」と
は、臨界融解温度(Tm)を超えない25〜35℃において、配列番号1〜26
の核酸配列のいずれの部分ともハイブリダイズする核酸配列によって総てまたは
一部がコードされるいずれかのポリペプチドである。相同アミノ酸配列は配列番
号27〜45のいずれか1つで示されるアミノ酸配列と1つ以上のアミノ酸置換
に関して異なるものである。またかかる配列は血清型変異体(下記)ならびに免
疫原性などのポリペプチド本来の特徴を維持する、欠失または挿入を含む配列も
包含する。かかる配列は配列番号27〜45のいずれか1つと好ましくは少なく
とも75%、さらに好ましくは80%、および最も好ましくは90%同一である
。相同アミノ酸配列には配列番号27〜45と同一または実質的に同一の配列が
挙げられる。「実質的に同一のアミノ酸配列」とは、参照アミノ酸配列と少なく
とも90%、好ましくは95%、さらに好ましくは97%、および最も好ましく
は99%同一であり、かつ好ましくは参照配列と大部分の保存的アミノ酸置換に
関して異なる配列を意味する。
【0028】 保存的アミノ酸置換は同種類のアミノ酸間の置換である。これらの種類には、
例えばアスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、およびチロシンのよう
な非荷電極性側鎖を有するアミノ酸;リジン、アルギニン、およびヒスチジンの
ような塩基性側鎖を有するアミノ酸;アスパラギン酸、およびグルタミン酸のよ
うな酸性側鎖を有するアミノ酸;およびグリシン、アラニン、バリン、ロイシン
、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、
およびシステインのような非極性側鎖を有するアミノ酸が挙げられる。
【0029】 相同性はGenetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology
Center, 1710 University Avenue, Madison, WI 53705のSequence Analysis So
ftware Packageのような配列解析ソフトウェアを用いて求められる。アミノ酸配
列を同一性が最大となるように配列する。配列に人為的にギャップを挿入し適当
な配列を得てもよい。ひと度最適なアライメントが設定されれば、全位置数に対
し、両配列のアミノ酸が一致する位置を総て記録することにより相同性の程度が
確認される。
【0030】 同様に相同ポリヌクレオチド配列も定義される。相同配列はコード配列配列番
号1〜26のいずれか1つと好ましくは少なくとも45%、さらに好ましくは6
0%、および最も好ましくは85%同一のものである。
【0031】 本発明の第1の態様によれば、配列番号27〜45のいずれか1つと相同な配
列を有するポリペプチドには、天然に存在する対立遺伝子変異体、ならびに配列
番号27〜45のポリペプチド本来の特徴を維持する変異体または天然には存在
しないいずれの他の変異体も包含される。
【0032】 当技術分野では公知であるように、対立遺伝子変異体はポリペプチドの生物学
的機能を変更しない、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失または付加を有すること
を特徴とするポリペプチドのもう1つの形態である。「生物学的機能」とは、た
とえその機能が細胞の増殖または生存に必要でなくとも、それが天然に存在する
細胞におけるポリペプチドの機能を意味する。例えばポーリンの生物学的機能は
細胞外媒質に存在する化合物を細胞へ侵入させることである。生物学的機能は抗
原性特性とは性質が異なる。ポリペプチドは1以上の生物学的機能を有し得る。
【0033】 対立遺伝子変異体は本来極めて一般的なものである。例えば肺炎クラミジアな
どの細菌種は通常対立遺伝子の小さな変化に関し互いに異なる種々の株で表され
る。実際、異なる株において同じ生物学的機能を果たすポリペプチドはそれぞれ
の株で同一でないアミノ酸配列(およびポリヌクレオチド配列)を有していても
よい。この変動にかかわらず、一般に多くの対立遺伝子変異体に対して向けられ
た免疫応答が実証されている。クラミジアMOMP抗原の研究では、株間のMO
MPのアミノ酸配列の変化にかかわらず、雑種株抗体結合が起こるとともに感染
力の中和がなされ、免疫原として用いた際に、MOMPがアミノ酸変化を許容す
ることが示される。
【0034】 相同ポリペプチドまたは対立遺伝子変異体をコードするポリヌクレオチドは、
常法により抽出されたゲノム細菌DNAのポリメラーゼ鎖反応(PCR)増幅法
によって回収される。これにはコードドメインの5’および3’末端の上流およ
び下流に適合する合成オリゴヌクレオチドプライマーの使用が含まれる。好適な
プライマーは配列番号1〜26で提供されるヌクレオチド配列情報により設計さ
れる。その工程は次の通りである:10〜40個、好ましくは15〜25個のヌ
クレオチドからなるプライマーを選択する。効率的なハイブリダイゼーションを
確実にするのに十分な比率でCおよびGを含有する、すなわちCおよびGヌクレ
オチド量が全ヌクレオチド含量の少なくとも40%、好ましくは50%である、
プライマーを選択することが有利である。
【0035】 相同ポリペプチドまたは対立遺伝子変異体をコードするポリヌクレオチドを回
収する別法としては、DNAまたはRNAライブラリーのハイブリダイゼーショ
ンスクリーニングによるものがある。ハイブリダイゼーション手順は当技術分野
では十分に知られており、Ausubel et al., (Ref 41), Silhavy et al. (Ref 43
)、およびDavis et al. (Ref 44)に記載されている。ハイブリダイゼーション条
件を至適化する重要なパラメーターは、その温度を超えると2本の相補DNA鎖
が互いに分離する臨界融解温度を得るのに用いる式で表される(Ref 45)。約60
0個以上のヌクレオチドでなるポリヌクレオチドの場合、この式は次の通りであ
る:Tm=81.5+0.5x(%G+C)+1.6log(陽イオン濃度)−
0.6x(%ホルムアミド)。
【0036】 好適なストリンジェント条件下では、ハイブリダイゼーション温度(Th)は
約20〜40℃、20〜25℃、または好ましくは計算値Tmを超えない30〜
40℃である。最適温度および塩条件が容易に求め得ることは当業者には明らか
であろう。
【0037】 本発明のポリヌクレオチドに関しては(i)42℃で4〜16時間以内、6×
50%ホルムアミド含有SSCにおける、または(ii)65℃で4〜16時間以
内、6×SSC水溶液(1M NaCl、0.1Mクエン酸ナトリウム(pH7
.0))における、プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイズインキュ
ベーション双方の間にストリンジェント条件に達する。
【0038】 天然には存在しない有用な相同体およびその断片は、アミノ酸配列変化および
/または欠失を許容すると思われる抗原の領域を同定する公知の方法を用いて設
計される。例として、異なる種由来の相同ポリペプチドを比較し、保存された配
列を同定することを挙げる。さらに分岐した配列が最も配列変化を許容すると考
えられる。別法としては、配列がTおよび/またはB細胞とより反応性を有する
ようにそれらを改変する。(TおよびBエピトープの同定に関する下記表参照)
さらにもう1つの別法ではin vitroにおいてポリペプチド内のある特定のアミノ
酸残基または配列を変異させ、次いでのその変異ポリペプチドを、以下に概略を
記した方法によりクラミジア感染症を予防または治療する能力についてスクリー
ニングする。
【0039】 当業者ならば、本発明のスクリーニングプロセスに従うことによって配列番号
27〜45のいずれかのある特定の相同体がクラミジア感染症の予防または治療
に有用であるかを過度な実験を行うことなく求められることが容易に理解される
であろう。
【0040】 スクリーニング手順は (i)動物、好ましくはマウスを試験相同体または断片により免疫化し; (ii)免疫化した動物にクラミジアを接種し;さらに (iii)クラミジアに対する感染防御を付与するそれらの相同体または断片を
選択する 工程を含んでなる。
【0041】 「感染防御を付与する」とは、試験相同体または断片で免疫化していない対照
動物と比べた場合のクラミジア感染症のいずれかの影響の重篤度の軽減を意味す
る。
【0042】 マウスが肺炎クラミジアの異なる単離体によって鼻腔内感染しやすいことはす
でに実証されている(Yang et al., 1993)。攻撃感染モデルとしてAR−39株(
Grayston, 1989)をBalb/cマウスに用い、裸のDNAとして送達されるク
ラミジア遺伝子産物の、致死下肺炎クラミジア肺感染に対する防御応答を誘導す
る能力を調べた。感染防御免疫とは、肺感染の加速されたクリアランスであると
定義される。
【0043】 7〜9週齢雄Balb/cマウスの群(各群6〜10匹)を、肺炎クラミジア
ポリペプチドのコード配列を含有するプラスミドDNAにより筋肉内(i.m.
)および鼻腔内(i.n.)にて免疫化した。対照動物群には塩水または挿入し
たクラミジア遺伝子を欠いたプラスミドベクターを与えた。
【0044】 筋肉内免疫化では左右四頭筋に交互に、PBS 50μl中のDNA100μ
gを0、3および6週目に3度注入した。
【0045】 鼻腔内免疫化では麻酔をかけたマウスにDNA50μgを含有するPBS 5
0μlを0、3および6週目に3度吸引させた。8週目、免疫化したマウスにS
PGバッファー100μl中の肺炎クラミジア、AR39株5×10IFUを
接種して致死下肺炎クラミジア抗原投与の増殖を制限する能力を調べた。
【0046】 抗原投与9日目にマウスから肺を摘出し、直ちにSPGバッファー(7.5%
スクロース、5mMグルタミン酸塩、12.5mMリン酸塩 pH7.5)でホ
モジネートした。このホモジネートはアッセイまで−70℃で凍結保存した。ホ
モジネートの希釈物を感受性細胞の単層へ接種して感染性クラミジアの存在につ
いてアッセイした。接種物を3000rpmで1時間、細胞上へ遠心分離し、次
いでこの細胞をシクロヘキシミド1μg/mlの存在下、35℃で3日間インキ
ュベートした。インキュベーション後、単層をホルマリンおよびメタノールで固
定し、次いで肺炎クラミジアに感染したウサギ由来の回復期血清とペルオキシダ
ーゼ基質としての金属により増強されたDABを用いてクラミジア封入体の存在
を免疫ペルオキシダーゼ染色した。
【0047】 本発明の第1の態様によれば、配列番号27〜45の部分配列、配列番号27
〜45と相同なポリペプチド配列の部分配列、内部欠失により全長ポリペプチド
から誘導されたポリペプチド、および融合タンパク質であるポリペプチド誘導体
が提供される。
【0048】 タンパク質に対する免疫応答を誘導するのに必要とされるものは総てタンパク
質の小さな(例えば8〜10個のアミノ酸)免疫原性領域であるため、ワクチン
としてタンパク質免疫原の断片および変異体を使用することは免疫学の分野では
一般に認られた慣例である。クラミジア以外の病原体の表面に曝された抗原に対
応する種々の短い合成ペプチドがそれぞれの病原体、例えばネズミ乳癌ウイルス
の11残基ペプチド(Ref 38)、セムリキ森林ウイルスの16残基ペプチド(Ref 3
9)、およびイヌパルボウイルス由来の15残基各々の2つの重複ペプチド(Ref 4
0)に対する有効なワクチン抗原であることが分かっている。
【0049】 従って本記載により、配列番号27〜45の部分配列またはその相同アミノ酸
配列が全長配列固有のものであり、本発明により教示されることは当業者には容
易に理解されるであろう。かかるポリペプチド断片の長さは少なくとも12個の
アミノ酸であることが好ましい。それらの長さが少なくとも20個のアミノ酸、
好ましくは少なくとも50個のアミノ酸、さらに好ましくは少なくとも75個の
アミノ酸、およびさらに好ましくは少なくとも100個のアミノ酸であることが
有利である。
【0050】 配列番号27〜45と相同な配列の部分配列をコードする30〜600個のヌ
クレオチドからなるポリヌクレオチドは、以下に概略を記したパラメーターを用
い、かつ増幅される断片の5’および3’末端の上流および下流の配列に適合す
るプライマーを使用するPCR増幅法により回収される。かかる増幅物の鋳型ポ
リヌクレオチドは配列番号1〜26の1つと相同な全長ポリヌクレオチド、また
はDNAまたはRNAライブラリーなどのポリヌクレオチド混合物に含まれるポ
リヌクレオチドのいずれかである。部分配列を回収する別法としては、上記の条
件下においてTmの計算式を用いてスクリーニングハイブリダイゼーションを行
う。30〜600個のヌクレオチドからなる断片を回収する場合、計算値Tmを
減法(600/塩基対のポリヌクレオチドサイズ)により補正し、ストリンジェ
ント条件をTmを超えない5〜10℃であるハイブリダイゼーション温度で定義
する。20〜30塩基より短いオリゴヌクレオチドを得る場合、Tmの計算式は
次の通りである:Tm=4x(G+C)+2(A+T)。例えば、50%C+G
の18個のヌクレオチド断片は約54℃のTmを有するであろう。配列番号27
〜45の断片またはその相同配列である短いペプチドは化学合成(E. Gross and
H. J. Meinhofer, 4 The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology; Modern Te
chniques of Peptide Synthesis, John Wiley & Sons (1981)、およびM. Bodanz
ki, Principles of Peptide Synthesis, Springer-Verlag (1984))により直接得
られる。
【0051】 有用なポリペプチド誘導体、例えばポリペプチド断片をアミノ酸配列のコンピ
ューター支援解析を用いて設計する。これにより表面に曝された有望な抗原性領
域が同定される(Ref 37)。プログラムSEQSEE(Wishart DS, et al., “S
EQSEE:タンパク質配列解析に適した総合プログラム” Comput Appl Biosc
i. 1994 Apr; 10 (2): 121-32)を使用する、産物の順応性および疎水性に基づく
配列番号27〜45にある13個のアミノ酸配列の解析では、有用な免疫原性断
片および変異体を選択する基準として使用してもよい、可能性ある多数のBおよ
びT細胞エピトープが明らかとなる。この結果は図27〜39に示す。この解析
では抗体により認識されると考えられる外面特徴の適当な組合せを使用する。H
LA−A0201 MHCサブクラスの有望なT細胞エピトープがNIHで開発
されたアプローチとエミュレートする、Connaught Laboratoriesで記録されたア
ルゴリズムにより明らかとなった(Parker KC, et al. "Peptide binding to MHC
class I molecules: implications for antigenic peptide prediction." Immu
nol Res 1995; 14 (1) 34-57)。
【0052】 感染防御T細胞依存性免疫応答を誘導するエピトープはポリペプチドの長さの
範囲全体に存在する。しかしながら、いくつかのエピトープはポリペプチドの2
次および3次構造によりマスクされる。かかるマスクされたエピトープを明らか
にするため、大きな内部欠失を引き起こし、それによってもとのタンパク質構造
の大部分を取り除いてマスクされたエピトープを露出させる。かかる内部欠失は
時に株間の高変異性の免疫優性領域を取り去るという付加的な利点をもたらす。
ポリペプチド断片をコードするポリヌクレオチドおよび大きな内部欠失を有する
およびポリペプチドを常法により構築する(Ref 41)。かかる方法には標準PCR
、逆PCR、クローニングしたDNA分子の制限酵素処理、またはKunkel et al
.(Ref 42)の方法が挙げられる。これらの方法の成分およびその使用説明書はStr
atageneなどの様々な販売元から容易に入手可能である。ひと度欠失変異体を構
築すれば、それらを上記のようにクラミジア感染症を予防または治療する能力に
ついて調べる。
【0053】 本明細書において使用される「融合ポリペプチド」は、他のいずれかのポリペ
プチドとNまたはC末端で融合した本発明のポリペプチドまたはポリペプチド誘
導体を含有するものである(以後ペプチドテールと記す)。かかる融合ペプチド
を得る簡便な方法はポリヌクレオチド配列のインフレーム融合物、すなわちハイ
ブリッド遺伝子の翻訳による。融合ポリペプチドをコードするハイブリッド遺伝
子を発現ベクターに挿入し、それを用いて宿主細胞を形質転換またはでトランス
フェクトする。そうでなければ、ポリペプチドまたはポリペプチド誘導体をコー
ドするポリヌクレオチド配列を、ペプチドテールをコードするポリヌクレオチド
が既に存在する発現ベクターに挿入する。かかるベクターおよびその使用説明書
は商業的に入手可能である、例えばペプチドテールがマルトース結合タンパク質
である、New England BiolabsのpMal−c2またはpMal−p2系、Pharm
aciaのグルタチオン−S−トランスフェラーゼ系、またはNovagenから入手可能
なHis−Tag系。これらおよび他の発現系により本発明のポリペプチドおよ
び誘導体のさらなる単離のための便宜な手段が提供される。
【0054】 融合ポリペプチドの有利な例としては、本発明のポリペプチドまたは相同体も
しくは断片と、コレラ毒素または大腸菌(E. coli)易熱性毒素のいずれかのサブ
ユニットBのようなアジュバント活性を有するポリペプチドとを融合したもので
ある。もう1つの有利な融合物はポリペプチド、相同体または断片と、強力なT
細胞エピトープまたはB細胞エピトープとを融合したものである。かかるエピト
ープは当技術分野で公知のもの(例えば、B型肝炎コア抗原、D. R. Millich et
al., "Antibody production to the nucleocapsid and envelope of the Hepat
itis B virus primed by a single synthetic T cell site", Nature. 1987. 32
9: 547-549)、または本発明のもう1つのポリペプチドにおいて同定されたもの
であってよい(表)。本発明のこの態様に従い、融合ポリペプチドは配列番号2
7〜45の1つ、またはその相同体もしくは断片由来のTまたはB細胞エピトー
プを含んでなる(ここで、エピトープはそのポリペプチドまたは相同体もしくは
断片の多様な変異体から誘導され、各々のエピトープはそのエピトープのポリペ
プチド内の位置および配列において他とは異なっている)。かかる融合物は全ポ
リペプチド、相同体または断片に対するTまたはB細胞応答を最適にするため、
それはクラミジア感染症の予防および治療に有効である。
【0055】 融合を達成するために、本発明のポリペプチドと、アジュバント活性を有する
ポリペプチドのN、または好ましくはC末端、またはTもしくはB細胞エピトー
プとを融合する。そうでなければ、本発明のポリペプチド断片をアジュバント活
性を有するポリペプチドのアミノ酸配列内に挿入する。またTまたはB細胞エピ
トープを本発明のポリペプチドのアミノ酸配列内に挿入してもよい。
【0056】 第1の態様によれば、本発明のポリヌクレオチドは異種シグナルペプチドを含
有する、本発明のポリペプチドへと成熟するハイブリッド前駆体ポリペプチドも
コードする。「異種シグナルペプチド」とは、本発明のポリペプチドの天然に存
在する前駆体には見られないシグナルペプチドを意味する。
【0057】 RNA、DNA、または改変体もしくはその組合せを包含する本発明のポリヌ
クレオチド分子は多方面に適用される。DNA分子は例えば(i)組換え宿主系
においてコードされたポリペプチドを生産するプロセスにおいて、(ii)クラミ
ジア感染症を予防および/または治療する方法および組成物においてさらに用い
られる、ポックスウイルスなどのワクチンベクターの構築において、(iii)裸
の形態で、または送達ビヒクルと配合したワクチン薬剤として(RNA分子と同
様)、および(iv)本発明のポリヌクレオチドを過剰発現できる、またはそれを
無毒性、変異型で発現する弱毒クラミジア株の構築において用いられる。
【0058】 従って本発明の第2の態様は、(i)発現に必要なエレメントの制御下、特に
適当なプロモーターの制御下に置かれた本発明のDNA分子を含有する発現カセ
ット;(ii)本発明の発現カセットを含有する発現ベクター;(iii)本発明の
発現カセットおよび/またはベクターで形質転換またはトランスフェクトした原
核生物または真核生物細胞、ならびに(iv)本発明のDNA分子の発現を可能に
する条件下において、本発明の発現カセットおよび/またはベクターで形質転換
またはトランスフェクトした原核生物または真核生物細胞を培養し、細胞培養物
からコードされたポリペプチドまたはポリペプチド誘導体を回収することを含む
、本発明のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドまたはポリペプチ
ド誘導体を生産する方法を含む。
【0059】 組換え発現系は原核生物および真核生物宿主から選択される。真核生物宿主に
は、酵母細胞(例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)
またはピキア・パストリス(Pichia pastoris))、哺乳類細胞(例えばCOSI
、NIH3T3、またはJEG3細胞)、節足動物細胞(例えばスポドプテラ・
フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(SF9)細胞)、および植物細胞が挙
げられる。好ましい発現系としては大腸菌のような原核生物宿主がある。当業者
には細菌および真核生物細胞は商業的供給者をはじめいくつかの異なる供給者、
例えばAmerican Type Culture Collection (ATCC; Rockville, Maryland)から入
手可能である。組換えタンパク質発現に用いる細胞の商業的供給者は細胞の使用
説明書も提供する。
【0060】 発現系の選択は発現されるポリペプチドに望まれる特徴によって異なる。例え
ば、特定の脂質化形態(lipidated form)または他のいずれかの形で本発明のポリ
ヌクレオチドを生産するのが有用であると考えられる。
【0061】 総てのベクターおよび発現制御配列ならびに宿主が本発明のポリヌクレオチド
を等しく十分に発現するとは考えられないことは当業者には容易に理解されるで
あろう。しかしながら、下記の指針により、過度な実験を行うことなく、かつ本
発明の範囲を逸脱することなく、ベクター、発現制御配列および宿主が選択でき
よう。
【0062】 ベクターを選択する場合、そこに存在し、かつ可能な限り複製し得るベクター
と適合する宿主を選択する必要がある。ベクターコピー数、コピー数を調節する
能力、抗生物質耐性などの他のタンパク質の発現が考慮される。発現制御配列を
選択する場合、いくつかの変数が考慮される。重要な変数には配列の相対強度(
例えば、種々の条件下において発現を駆動する能力)、配列の機能を調節する能
力、発現されるポリヌクレオチドと制御配列間の適合性(例えば二次構造は効率
的な転写を妨げるヘアピン構造を回避すると考えられる)がある。宿主を選択す
る場合、所望のコンホメーションで産物を発現でき、スケールアップが容易で、
さらにそれが最終産物の精製を容易にすることが望むならば、選択されたベクタ
ーと適合し、発現産物のいずれかの起こりうる有毒作用に耐性であり、発現産物
を効率的に分泌できる単細胞宿主を選択する。
【0063】 発現カセットの選択は発現されるポリペプチドに望まれる特徴だけでなく選択
される宿主系にもよっても異なる。典型的には発現カセットは選択された宿主系
において機能し得るものであり、かつ構成的または誘導性であり得るプロモータ
ー;リボソーム結合部位;要すれば開始コドン(ATG);シグナルペプチド、
例えば脂質化(lipidation)シグナルペプチドをコードする領域;本発明のDNA
分子;停止コドン;および所望により3’末端領域(翻訳および/または転写タ
ーミネーター)を含む。シグナルペプチドコード領域は本発明のポリヌクレオチ
ドに隣接し、適当なリーディングフレームに存在する。シグナルペプチドコード
領域は成熟ポリペプチドをコードするDNA分子と相同または異種であり、発現
に用いられる宿主の分泌機構と適合する。本発明のDNA分子により単独または
シグナルペプチドとともに構成されるリーディングフレームは転写および翻訳が
宿主系において起こるようにプロモーターの制御下に置かれる。プロモーターお
よびシグナルペプチドコード領域は広く知られており、当業者ならば入手可能で
ある。例えばアラビノースにより誘導可能であり(プロモーターaraB)かつ
大腸菌などのグラム陰性菌において機能し得る、ネズミチフス菌(Salmonella ty
phimurium)(および誘導体)のプロモーター(米国特許第5,028,530号
およびCagnon et al., (Ref 46)に記載);T7ポリメラーゼを発現する数多く
の大腸菌株において機能し得る、RNAポリメラーゼをコードするバクテリオフ
ァージT7遺伝子のプロモーター(米国特許第4,952,496号に記載);
OspA脂質化シグナルペプチド;およびRlpB脂質化シグナルペプチド(Ref
47)挙げられる。
【0064】 典型的には発現カセットは選択された発現系で複製する能力が選択される発現
ベクターの一部である。発現ベクター(例えばプラスミドまたはウイルスベクタ
ー)は、例えばPouwels et al. (Cloning Vectors: A Laboratory Manual 1985,
Supp. 1987)に記載されるものから選択することができる。好適な発現ベクター
は商業的供給者から購入することができる。
【0065】 宿主細胞を発現ベクターで形質転換/トランスフェクトする方法は当技術分野
では十分に公知であり、Ausubel et al., (Ref 41)に記載されるように選択した
宿主系によって異なる。
【0066】 発現の際、本発明の組換えポリペプチド(またはポリペプチド誘導体)は生産
され細胞内コンパートメントに留まり、細胞外媒質または原形質膜空間に分泌/
放出されるか、または細胞膜に埋め込まれる。ポリペプチドは組換え細胞培養物
の遠心分離後の細胞抽出物からまたは上清から実質的に精製された形で回収され
る。典型的には組換えポリペプチドは抗体に基づくアフィニティー精製により、
またはポリペプチドまたはその誘導体をコードするポリヌクレオチドとアフィニ
ティー結合小ドメインとの融合などの当業者によって容易に適合できる十分に公
知な他の方法により精製する。本発明のポリペプチドを免疫アフィニティーによ
り精製するのに有用な抗体は下記のようにして得られる。
【0067】 本発明のポリヌクレオチドはまたワクチンとしても有用である。遺伝子送達ビ
ヒクル(生ワクチンベクター)としてウイルスまたは細菌宿主を用いるか、また
は遺伝子を遊離型で、例えばプラスミドに挿入して投与するかの2つの主要な経
路がある。本発明のポリヌクレオチドの治療または予防効力は下記のようにして
評価される。
【0068】 従って、本発明の第3の態様によれば、(i)発現に必要なエレメントの制御
下に置かれた本発明のDNA分子を含有するポックスウイルスなどのワクチンベ
クター;(ii)本発明のワクチンベクターとともに希釈剤または担体を含んでな
る材料の組成物;とりわけ(iii)治療または予防上有効な量の本発明のワクチ
ンベクターを含有する医薬組成物;(iv)哺乳類に免疫原性上有効な量の本発明
のワクチンベクターを投与してクラミジアに対する感染防御または治療免疫応答
を誘導することを含む、哺乳類(例えばヒト)のクラミジアに対する免疫応答を
誘導する方法;またこの方法は動物(例えばネコまたは鳥)のクラミジア感染症
を治療または予防する獣医学的適用に用いることができる;さらに詳しくは(v
)感染した個体に予防または治療量の本発明のワクチンベクターを投与すること
を含む、クラミジア(例えばC.トラチョマチス(C. trachomatis)、C.プシタ
チ(C. psittaci)、肺炎クラミジア、C.ペコラム(C. pecorum))感染症を予防
および/または治療する方法が提供される。さらに本発明の第3の態様によれば
、クラミジア感染症を予防および/または治療する医薬の製造における本発明の
ワクチンベクターの使用が含まれる。
【0069】 本明細書において、ワクチンベクターは本発明の1つまたはいくつかのポリペ
プチドまたは誘導体、ならびに少なくとも1つの付加的なクラミジア抗原(??
)、その断片、相同体、変異体または誘導体を発現する。ワクチンベクターはさ
らに免疫応答を増大する(アジュバント効果)インターロイキン−2(IL−2
)またはインターロイキン−12(IL−12)などのサイトカインを発現する
と考えられる。発現される各成分が哺乳類細胞における発現に必要なエレメント
の制御下に置かれていることは明らかである。
【0070】 本発明の第3の態様によれば、組成物はそれぞれが本発明のポリペプチドまた
は誘導体を発現し得るいくつかのワクチンベクターを含んでなる。組成物はまた
付加的なクラミジア抗原、またはそのサブユニット、断片、相同体、変異体もし
くは誘導体;またはIL−2もしくはIL−12などのサイトカインを発現し得
るワクチンベクターを含んでなってもよい。
【0071】 哺乳類における感染症を治療または予防する予防接種方法は、いずれかの一般
的な経路により、特に粘膜(例えば目、鼻腔内、口腔、胃、肺、腸、直腸、膣、
または尿管)表面にまたは非経口(例えば皮下、皮内、筋肉内、静脈内、または
腹膜内)経路により投与される本発明のワクチンベクターの使用を含んでなる。
好ましい経路はワクチンベクターの選択による。1回の投与で治療を果たしても
よいし、または間隔をおいて反復してもよい。好適な用量は当業者に理解されて
いる、ワクチンベクター自体、投与経路または予防接種する哺乳類の条件(重量
、年齢など)といった種々のパラメーターによって異なる。
【0072】 当技術分野で入手可能な生ワクチンベクターには、アデノウイルスおよびポッ
クスウイルスなどのウイルスベクター、ならびに細菌ベクター(例えば赤痢菌属
(Shigella)、サルモネラ菌(Salmonella)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、乳酸桿
菌(Lactobacillus)、カルメットーゲラン菌(Bacille bilie de Calmette-Guerin
)(BCG)、および連鎖球菌(Streptococcus))が挙げられる。
【0073】 アデノウイルスベクター例、ならびに本発明のDNA分子を発現し得るアデノ
ウイルスベクターの構築方法が米国特許第4,920,209号に記載されてい
る。ポックスウイルスベクターにはワクシニアおよびカナリヤポックスウイルス
があり、それぞれ米国特許第4,722,848号および米国特許第5,364
,773号に記載されている。例えばワクシニアウイルスベクターの記載はTart
aglia et al., Virology (1992) 188:217、カナリヤポックスの参照文献はTaylo
r et al. Vaccine (1995) 13:539も参照。哺乳類細胞における発現に好適な条件
下で本発明のポリヌクレオチドをウイルスゲノムに挿入するために、本発明のポ
リヌクレオチドを発現し得るポックスウイルスベクターをKieny et al., Nature
(1984) 312:163に記載される相同組換えにより得る。一般に治療または予防に
使用するワクチンウイルスベクターの用量はキログラム当たりのプラーク形成単
位が、約1×10〜約1×1011、有利には約1×10〜約1×1010 、好ましくは約1×10〜約1×10であってよい。好ましくは、ウイルス
ベクターを、例えば4週間おきに3回で、非経口投与する。本発明のウイルスベ
クターを含有する組成物に化学アジュバントを加えることを避け、それによって
ウイルスベクター自身に対する免疫応答を最小にすることが好ましい。
【0074】 経口生ワクチンとして有用な無毒性コレラ菌変異株が知られている。Mekalano
s et al., Nature (1983) 306:551および米国特許第4,882,278号では
、機能し得るコレラ毒素が生産されないように欠失させた、2つのctxA対立
遺伝子それぞれの実在する量のコード配列を有する株が記載されている。WO9
2/11354では、変異(この変異を単一株においてctxA変異と組み合わ
せてもよい)によりirgA遺伝子座を不活性化した株が記載されている。WO
94/1533では、機能し得るctxAおよびattRS1 DNA配列を欠
いた欠失変異体が記載されている。WO94/19482に記載されるように、
これらの変異株を遺伝子操作して非対応抗原を発現させる。本発明のDNA分子
によりコードされるポリペプチドまたはポリペプチド誘導体を発現し得るコレラ
菌株の有効なワクチン用量は、選択された投与経路に適した用量中の生存細菌数
、約1×10〜約1×10、好ましくは約1×10〜約1×10を含有
する。好ましい投与経路としてはあらゆる粘膜経路が挙げられ、最も好ましくは
これらのベクターは鼻腔内または経口投与される。
【0075】 非対応抗原の組換え発現用に遺伝子操作した、またはしない弱毒ネズミチフス
菌株、および経口ワクチンとしてのそれらの使用はNakayama et al. (Bio/Techn
ology (1988) 6:693)およびWO92/11361に記載されている。
【0076】 好ましい投与経路としてはあらゆる粘膜経路が挙げられ、最も好ましくはこれ
らのベクターは鼻腔内または経口投与される。
【0077】 本発明においてワクチンベクターとして用いられる他の細菌株は、High et al
., EMBO (1992) 11:1991およびSizemore et al., Science (1995) 270:299(フ
レクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)); Medaglini et al., Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA (1995) 92:6868(ストレプトコッカス・ゴルドニー(Streptococcus
gordonii))、Flynn J. L., Cell. Mol. Biol. (1994) 40 (suppl. I): 31、W
O88/6626、WO90/0594、WO91/13157、WO92/1
796、およびWO92/21376(カルメットーゲラン菌)に記載されてい
る。
【0078】 細菌ベクターでは本発明のポリヌクレオチドを細菌ゲノムに挿入するか、また
は遊離状態でプラスミドの一部として残す。
【0079】 本発明のワクチン細菌ベクターを含んでなる組成物はアジュバントをさらに含
有してもよい。いくつかのアジュバントが当業者に公知である。好ましいアジュ
バントは以下に挙げたリストから選択される。
【0080】 従って、本発明の第4の態様によれば、(i)本発明のポリヌクレオチドとと
もに希釈剤または担体を含んでなる材料の組成物;(ii)治療または予防上有効
な量の本発明のポリヌクレオチドを含有する医薬組成物;(iii)免疫原性上有
効な量の本発明のポリヌクレオチドを投与してクラミジアに対する感染防御免疫
応答を誘導することにより哺乳類のクラミジアに対する免疫応答を誘導する方法
;さらに詳しくは(iv)感染した個体に予防または治療量の本発明のポリヌクレ
オチドを投与することにより、クラミジア(例えばC.トラチョマチス、C.プ
シタチ、肺炎クラミジア、またはC.ペコラム)感染症を予防および/または治
療する方法が提供される。さらに本発明の第4の態様によれば、クラミジア感染
症を予防および/または治療する医薬の製造における本発明のポリヌクレオチド
の使用が含まれる。好ましい使用には哺乳類細胞における、特に哺乳類細胞にお
いて複製できず、かつ哺乳類ゲノムに実質的に組み込むことのできないプラスミ
ドにおける発現の条件下に置かれたDNA分子の使用が挙げられる。
【0081】 本発明のポリヌクレオチドの使用には、治療または予防目的での哺乳類へのワ
クチンとしての投与が挙げられる。かかるポリヌクレオチドは哺乳類細胞におい
て複製できず、かつ哺乳類ゲノムに組み込むことのできないプラスミドの一部と
してDNAの形で用いられる。典型的には、かかるDNA分子は哺乳類細胞の発
現に好適なプロモーターの制御下に置かれる。プロモーターは遍在して、または
組織特異的のいずれかで機能する。非組織特異的プロモーターの例としては、初
期サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(米国特許第4,168,06
2号に記載される)およびラウス肉腫ウイルスプロモーター(Norton & Coffin,
Molec. Cell Biol. (1985) 5:281に記載される)が挙げられる。組織特異的プ
ロモーターの例としては、筋肉細胞における発現を駆動するデスミンプロモータ
ー(Li et al., Gene (1989) 78:243、Li & Paulin, J. Biol. Chem. (1991) 26
6:6562およびLi & Paulin, J. Biol. Chem. (1993) 268:10403に記載される)で
ある。プロモーターの使用については当業者は十分に公知である。有用なベクタ
ーは多くの公報、特にWO94/21797およびMartikka et al., Human Gen
e Therapy (1996) 7: 1205で記載されている。
【0082】 ワクチンとして用いられる本発明のポリヌクレオチドは対応するポリペプチド
の前駆体または成熟型のいずれかをコードする。前駆体型ではシグナルペプチド
は相同または異種のいずれかである。後者の場合、組織型プラスミノゲン因子(
tPA)のリーダー配列などの真核生物リーダー配列が好ましい。
【0083】 本明細書において、本発明の組成物は1つまたはいくつかのポリヌクレオチド
とともに所望によりウレアーゼサブユニットA、Bもしくはその両方などの別の
クラミジア抗原、またはその断片、誘導体、変異体もしくは類似体をコードする
少なくとも1つの付加的なポリヌクレオチドを含有する。また組成物は免疫応答
を増強するためにインターロイキン−2(IL−2)またはインターロイキン−
12(IL−12)などのサイトカインをコードする付加的なポリヌクレオチド
を含有してもよい。これらの付加的なポリヌクレオチドは発現に好適な制御下に
置かれている。
【0084】 同じ組成物に含まれる本発明のDNA分子および/または付加的なDNA分子
は同じプラスミドに存在することが有利である。
【0085】 本発明のポリヌクレオチド治療薬の製造に分子生物学におけるポリヌクレオチ
ドの調製および精製標準手法を用いる。ワクチンとして用いるための本発明のポ
リヌクレオチドは以下に概略を記した種々の方法により処方される。
【0086】 1つの方法ではポリヌクレオチドはいずれの送達ビヒクルも用いない裸の形態
で使用される。かかるポリヌクレオチドは単に滅菌生理食塩水または滅菌緩衝溶
液などの生理学上許容される溶液に、担体を用いてまたは用いずに希釈する。担
体が存在する場合には、担体が等張性、低張性、または弱高張性であることが好
ましく、スクロース溶液、例えば20%スクロース含有溶液により得られるよう
な比較的低いイオン強度を有する。
【0087】 別法では細胞の取り込みを助ける薬剤と結合したポリヌクレオチドを使用する
。かかる薬剤の例は(i)ブピバカインなどの細胞透過性を改変する化学物質(
例えばWO94/16737参照)、(ii)ポリヌクレオチドをカプセル封入す
るリポソーム、または(iii)それ自身がポリヌクレオチドと結合する陽イオン
脂質またはシリカ、金、もしくはタングステン微粒子である。
【0088】 陰イオンおよび中性リポソームは当技術分野では十分に公知であり(例えばリ
ポソーム作製方法の詳細な説明に関する、Liposomes: A Practical Approach, R
pc New Ed, IRL press (1990)参照)、ポリヌクレオチドをはじめとする広範囲
の産物を送達するのに有用である。陽イオン脂質もまた当技術分野では公知であ
り、遺伝子送達には常用されている。かかる脂質には、DOTMA(N−[1−
(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウ
ムクロリド)としても知られるリポフェクチン(商標)、DOTAP(1,2−
ビス(オレイルオキシ)−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン)、DDAB
(ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド)、DOGS(ジオクタデシル
アミドログリシルスペルミン)およびDC−Chol(3β−(N−(N’、N
’−ジメチルアミノメタン)−カルバモイル)コレステロール)などのコレステ
ロール誘導体が挙げられる。これらの陽イオン脂質の記載はEP187,702
、WO90/11092、米国特許第5,283,185号、WO91/155
01、WO95/26356、および米国特許第5,527,928号に見出す
ことができる。遺伝子送達用の陽イオン脂質は、例えばWO90/11092に
記載されるようにDOPE(ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)のよ
うな中性脂質と結合させて用いることが好ましい。
【0089】 陽イオンリポソームを含有する製剤は所望により他のトランスフェクション促
進化合物を含有してもよい。それらの多くはWO93/18759、WO93/
19768、WO94/25608、およびWO95/2397に記載されてい
る。それらには核膜を通るDNAの輸送を促進するのに有用なスペルミン誘導体
(例えばWO93/18759参照)およびGALA、グラミシジンS、ならび
に陽イオン胆汁酸塩などの膜透過性化合物(例えばWO93/19768参照)
が挙げられる。
【0090】 金またはタングステン微粒子はWO91/359、WO93/17706、お
よびTang et al. (Nature (1992) 356:152)に記載されるように遺伝子送達に用
いられる。米国特許第4,945,050号、米国特許第5,015,580号
、およびWO94/24263に記載されるもののように、微粒子で被覆したポ
リヌクレオチドを無針注入装置(「遺伝子銃」)を用いて皮内または表皮内経路
で注入する。
【0091】 ワクチン受容者に用いるDNA量は、例えばDNA構築に用いるプロモーター
の強さ、発現遺伝子産物の免疫原性、投与をしようとする哺乳類の条件(例えば
哺乳類の体重、齢、および全身の健康状態)、投与様式、および剤型による。一
般に、治療または予防上有効な量、約1μg〜約1mg、好ましくは約10μg
〜約800μg、およびさらに好ましくは約25μg〜約250μgをヒト成人
に投与してもよい。1回の投与で投与を果たしてもよいし、または間隔をおいて
反復してもよい。
【0092】 投与経路はワクチン分野で用いるいずれの便宜な経路であってもよい。一般的
な指針として、本発明のポリヌクレオチドは粘膜表面、例えば目、鼻腔内、肺、
口腔、腸、直腸、膣、および尿管表面により;または非経口経路、例えば静脈内
、皮下、腹膜内、皮内、表皮内、または筋肉内経路により投与する。投与経路の
選択は選択される製剤による。ブピバカインと結合させて処方したポリヌクレオ
チドは筋肉投与が有利である。中性もしくは陰イオンリポソームまたはDOTM
AまたはDC−Cholなどの陽イオン脂質を用いる場合、製剤は静脈内、鼻腔
内(エアゾル化)、筋肉内、皮内、および皮下経路により注入することが有利で
あろう。裸の形態のポリヌクレオチドは筋肉内、皮内、または皮下経路により投
与することが有利であろう。
【0093】 必ずしも必要ではないが、かかる組成物はアジュバントを含有していてもよい
。もしそうであれば、アジュバント作用を示すために同時投与する必要のない浸
透性アジュバント、例えば米国特許第5,057,546号に記載されるQS2
1などが好ましい。
【0094】 本願で提供される配列情報により診断目的で用いる特異的なヌクレオチドプロ
ーブおよびプライマーの設計が可能になる。従って、本発明の第5の態様によれ
ば、配列番号1〜26のいずれか1つに示される配列の遺伝子コードの縮重で見
られる、または縮重により誘導された配列を有するヌクレオチドプローブまたは
プライマーが提供される。
【0095】 本願において使用される「プローブ」とは、上記のように、ストリンジェント
条件下で、配列番号1〜26を有する核酸分子と、または配列番号1〜26と相
同な配列と、またはその相補もしくはアンチセンス配列とハイブリダイズするD
NA(好ましくは一本鎖)またはRNA分子(または改変体もしくはその組合せ
)をいう。一般に、プローブは全長配列よりかなり短い。かかるプローブは約5
〜約100個、好ましくは約10〜約80個のヌクレオチドを含有する。特にプ
ローブは配列番号1〜26のいずれかの一部と少なくとも75%、好ましくは少
なくとも85%、さらに好ましくは95%相同である、またはかかる配列と相補
的である配列を有する。プローブはイノシン、メチル−5−デオキシシチジン、
デオキシウリジン、ジメチルアミノ−5−デオキシウリジン、またはジアミノ−
2,6−プリンなどの改変塩基を含有してもよい。糖またはリン酸残基も改変ま
たは置換してもよい。例えばデオキシリボース残基をポリアミドで置き換えても
よく(Nielsen et al., Science (1991) 254:1497)、リン酸残基をジホスフェー
ト、アルキル、アリールホスホネートおよびホスホロチオエートエステルなどの
エステル基で置き換えてもよい。さらにリボヌクレオチドの2’−ヒドロキシ基
をアルキル基のような官能基などで改変してもよい。
【0096】 本発明のプローブは捕捉または検出プローブとして診断試験に用いられる。便
宜にはかかる捕捉プローブは共有結合手段によりまたは受動的吸着により固相支
持体に直接的または間接的に固定する。検出プローブは放射性同位元素、ペルオ
キシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、ならびに発色性、蛍光性、または発光
性基質を加水分解し得る酵素、発色性、蛍光性、または発光性化合物、ヌクレオ
チド塩基類似体、およびビオチンから選択される検出マーカーで標識する。
【0097】 本発明のプローブをドットブロット法(Maniatis et al., Molecular Cloning:
A Laboratory Manual (1982) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Sp
ring Habor, New York)、サザンブロット法(Southern, J. Mol. Biol. (1975) 9
8:503)、ノーザンブロット法(RNAを標的として用いることを除いて、サザン
ブロットと同じ)、またはサンドイッチ手法(Dunn et al., Cell (1977) 12:23)
などのいずれの通常のハイブリダイゼーション手法にも用いてよい。後の手法で
は互いに少なくとも部分的に異なるヌクレオチド配列を有する特異的な捕捉プロ
ーブおよび/または特異的な検出プローブの使用が含まれる。
【0098】 プライマーは増幅プロセス(例えばPCR)、伸長プロセス、または逆転写法
における酵素的DNA重合を開始するのに用いる、通常約10〜約40個のヌク
レオチドのプローブである。PCRをはじめとする診断法に用いるプライマーを
当技術分野で公知な方法で標識する。
【0099】 本明細書において記載されるように、本発明はまた(i)生物学的材料におい
てクラミジアの存在を検出および/または同定する本発明のプローブを含んでな
る試薬;(ii)(a)該生物学的材料からサンプルを採取または誘導し、(b)
該材料からDNAまたはRNAを抽出して変性させ、さらに(c)ストリンジェ
ントハイブリダイゼーション条件下で、ハイブリダイゼーションが検出されるよ
うに本発明のプローブ、例えば捕捉、検出プローブもしくはその両方に曝す、生
物学的材料においてクラミジアの存在を検出および/または同定する方法;およ
び(iii)(a)該生物学的材料からサンプルを採取または誘導し、(b)そこ
からDNAを抽出し、(c)抽出したDNAに少なくとも1つ、および好ましく
は2つの本発明のプライマーを提供してポリメラーゼ鎖反応により増幅し、さら
に(d)増幅したDNA断片を生産する、生物学的材料においてクラミジアの存
在を検出および/または同定する方法も包含する。
【0100】 配列番号1〜26のポリヌクレオチド配列、それらの相同体、および各々の部
分配列の開示によりそれらの対応するアミノ酸配列が使用可能になることは明ら
かである。従って本発明の第6の態様によれば、本発明のポリヌクレオチドによ
りコードされるアミノ酸配列を有する、実質的に精製されたポリペプチドまたは
ポリペプチド誘導体が提供される。
【0101】 本明細書において使用される「実質的に精製されたポリペプチド」はそれが天
然に存在する環境から選別されたポリヌクレオチド、および/またはそれが合成
される環境に存在する多数のポリヌクレオチドから遊離したポリペプチドと定義
される。例えば、実質的に精製されたポリペプチドは細胞質ポリペプチドから遊
離したものである。本発明のポリペプチドが天然源、すなわちクラミジア株から
精製され得る、または組換え手段により生産され得ることは当業者には容易に理
解されよう。
【0102】 本発明の第6の態様によれば、ポリペプチド、相同体または断片がクラミジア
に対する感染防御をすると考えられる標的動物において、その免疫原性を向上さ
せるために改変されたまたは処理されたポリペプチド、相同体または断片が提供
される。かかる改変または処理には:3−メチルヒスチジン、4−ヒドロキシプ
ロリン、5−ヒドロキシリジンなどのアミノ酸誘導体によるアミノ酸置換、アミ
ノ酸の遊離アミノ、カルボキシルまたはヒドロキシル側基の改変などのポリペプ
チド、相同体または断片の調整後に行われる改変または欠失が挙げられる。特異
的抗原性を有する本発明のポリヌクレオチドによりコードされる相同ポリペプチ
ドまたはポリペプチド誘導体の同定は、配列番号27〜45のいずれか1つのア
ミノ酸配列を有する参照ポリペプチドに対して作製した抗血清との交差反応性に
よるスクリーニングにより達成される。この手順は次の通りである:単一特異性
高度免疫抗血清を、精製参照ポリペプチド、融合ポリペプチド(例えばMBP、
GST、またはHis−tag系の発現産物)、または抗原性であると推測され
る合成ペプチドに対して作製する。抗血清を融合ポリペプチドに対して作製する
場合、2つの異なる融合系を使用する。特異性抗原性は以下のようにウエスタン
ブロット法(Towbin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1979) 76:4350)、ド
ットブロット法、およびELISA法などのいくつかの方法により求めることが
できる。
【0103】 ウエスタンブロットアッセイでは、スクリーニングする産物を精製調製物また
は大腸菌全抽出物のいずれかとして、Laemmli(Nature (1970) 227:680)により記
載されたSDS−PAGE電気泳動法に付す。ニトロセルロース膜に移した後、
この材料を約1:5〜約1:5000、好ましくは約1:100〜約1:500
の希釈範囲で、希釈した単一特異性高度免疫抗血清とともにさらにインキュベー
トする。その産物に対応する1つのバンドが上記の希釈範囲のいずれかで反応性
を呈すれば、特異的抗原性が示される。
【0104】 ELISA法では、スクリーニングする産物を被覆抗原として用いることが好
ましい。全細胞抽出物を用いてもよいが、精製調製物が好ましい。要するに、約
10μgタンパク質/mlの調製物約100μlを96−ウェルポリカーボネー
トELISAプレートに分注する。このプレートを37℃で2時間、次いで4℃
で一晩インキュベートする。プレートを0.05%Tween20含有リン酸緩
衝生理食塩水(PBS)(PBS/Tweenバッファー)で洗浄する。ウェル
を1%ウシ血清アルブミン(BSA)含有PBS250μlで飽和させ、非特異
的抗体結合を妨げる。37℃で1時間インキュベーションした後、プレートをP
BS/Tweenバッファーで洗浄する。抗血清は0.5%BSA含有PBS/
Tweenバッファーで連続的に希釈する。各ウェルに希釈物100μlを加え
る。プレートを37℃で90分間インキュベートし、洗浄して標準法により評価
する。例えば、特異的抗体をウサギで生産した場合、ヤギ抗ウサギペルオキシダ
ーゼ複合体をウェルに加える。インキュベーションを37℃で90分間で行い、
プレートを洗浄する。適当な基質により反応物を顕出させ、この反応物を比色定
量(分光光度計により測定された吸光度)により測定する。上記の試験条件下で
、O.D.値が非免疫対照血清より大きい場合に陽性反応を示す。
【0105】 ドットブロット法でも、全細胞抽出物を用いてもよいが、精製産物が好ましい
。要するに、約100μg/mlの産物の溶液を50mM Tris−HCl(
pH7.5)で連続的に2倍希釈する。各希釈物100μlを96−ウェルドッ
トブロット装置(Biorad)にセットしたニトロセルロース膜0.45μmに塗布す
る。系を減圧してバッファーを除去する。50mM Tris−HCl(pH7
.5)を加えてウェルを洗浄し、膜を風乾する。膜をブロッキングバッファー(
50mM Tris−HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、10g/
L脱脂乳)で飽和させ、約1:50〜約1:5000、好ましくは約1:500
の抗血清希釈物とともにインキュベートする。反応物を標準手順により調べる。
例えば、ウサギ抗体を用いる場合、ヤギ抗ウサギペルオキシダーゼ複合体をウェ
ルに加える。インキュベーションを37℃で90分間で行い、ブロットを洗浄す
る。適当な基質により反応物を顕出させて停止させる。この反応物を発色スポッ
トの様子から、例えば比色定量により視覚的に測定する。上記の試験条件下で、
発色スポットが少なくとも約1:5、好ましくは少なくとも約1:500の希釈
物と結合する場合に陽性反応を示す。
【0106】 本発明のポリペプチドまたは誘導体の治療または予防効力は下記のように評価
できる。本発明の第7の態様によれば、(i)本発明のポリペプチドとともに希
釈剤または担体を含んでなる材料の組成物;とりわけ(ii)治療または予防上有
効な量の本発明のポリペプチドを含有する医薬組成物;(iii)免疫上有効な量
の本発明のポリペプチドを哺乳類に投与してクラミジアに対する感染防御免疫応
答を誘導することにより哺乳類のクラミジアに対する免疫応答を誘導する方法;
さらに詳しくは(iv)感染した個体に予防または治療量の本発明のポリペプチド
を投与することにより、クラミジア(例えばC.トラチョマチス、C.プシタチ
、肺炎クラミジア、またはC.ペコラム)感染症を予防および/または治療する
方法が提供される。さらに本発明の第7の態様によれば、クラミジア感染症を予
防および/または治療する医薬の製造における本発明のポリペプチドの使用が含
まれる。
【0107】 本明細書において、本発明の免疫原性組成物はワクチン分野で知られる便宜な
経路、特に粘膜(例えば目、鼻腔内、肺、口腔、胃、腸、直腸、膣、または尿管
)表面にまたは非経口(例えば皮下、皮内、筋肉内、静脈内、または腹膜内)経
路により投与する。投与経路の選択はポリペプチドと結合したアジュバントなど
のいくつかのパラメーターによる。粘膜アジュバントを用いる場合には鼻腔内ま
たは口腔経路が好ましい。脂質処方またはアルミニウム化合物を用いる場合には
非経口経路が好ましく、皮下または筋肉内経路が最も好ましい。この選択もまた
ワクチン薬剤の性質による。例えば、CTBまたはLTBと融合した本発明のポ
リペプチドは粘膜表面に投与することが最もよい。
【0108】 本明細書において、本発明の組成物は1つまたはいくつかの本発明のポリペプ
チドまたは誘導体を含有する。所望により組成物は少なくとも1つの付加的なク
ラミジア抗原、またはそのサブユニット、断片、相同体、変異体もしくは誘導体
を含有してもよい。
【0109】 本発明の組成物における使用では、ポリペプチドまたはその誘導体をリポソー
ム、好ましくは中性または陰イオンリポソーム、ミクロスフェア、ISCOMS
、またはウイルス様粒子(VLP)中にまたはそれとともに処方して、送達を促
進および/または免疫応答を増強する。当業者はこれらの化合物を容易に入手で
きる;例えばLiposomes: A Practical Approach(上記)参照。
【0110】 リポソームなど以外のアジュバントも用いられ、当技術分野では公知である。
アジュバントは抗原を局所デポジットに封鎖することにより、それを急速な分散
から守る、またはそれらは宿主を刺激して免疫系のマクロファージまたは他の成
分に対し化学走性である因子を分泌する物質を含有すると考えられる。一般的に
は当業者によって、例えば以下に記載されるものから適当な選択がなされるであ
ろう。
【0111】 当業者ならば容易に決定できるが、治療は1回の投与で果たしてもよいし、ま
たは必要に応じて間隔をおいて反復してもよい。例えば、開始用量の後、週単位
または1ヶ月単位の間隔をおいて3回の追加免疫抗原投与を続ける。好適な用量
は当業者には容易に決定できるが、受容者(例えば成人または小児)、個々のワ
クチン抗原、投与経路または頻度、アジュバントの有無またはタイプ、および所
望の効果(例えば感染防御および/または治療)を含む種々のパラメーターによ
って異なる。一般に、本発明のワクチン抗原を粘膜経路によって約10μg〜約
500mg、好ましくは約1mg〜約200mgの量を投与する。投与が非経口
経路の場合、通常用量は約1mg、好ましくは約100μgの限度を超えない。
【0112】 ワクチン薬剤として用いる場合、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ドを多段階免疫化プロセスの要素として連続的に用いてもよい。例えば、まず哺
乳類にポックスウイルスなどの本発明のワクチンベクターを、例えば非経口経路
によりに注入し、次いでワクチンベクターによりコードされるポリペプチドで2
回、例えば粘膜経路により追加免疫抗原を加える。また別の例では本発明のポリ
ペプチドまたは誘導体と結合したリポソームを開始に用い、粘膜アジュバント(
例えばLT)と組み合わせた本発明の可溶性ポリペプチドまたは誘導体を用いて
粘膜により追加免疫抗原刺激を行う。
【0113】 本発明の第7の態様によれば、本発明のポリペプチド誘導体はまた、例えば血
液サンプルにおいて抗クラミジア抗体の存在を検出する診断試薬として用いられ
る。かかるポリペプチドの長さは約5〜約80個、好ましくは約10〜約50個
のアミノ酸である。診断方法により、それらを標識するまたは標識しないのいず
れかである。かかる試薬を含む診断方法を以下に記載する。
【0114】 公知の実験室手法を用い、本発明のDNA分子の発現においてポリペプチドま
たはポリペプチド誘導体を生産し精製する。以下に記載されるように、ポリペプ
チドまたはポリペプチド誘導体は精製を促進する融合テールを有した融合タンパ
ク質として生産される。融合産物を用いて小型哺乳類、例えばマウスまたはウサ
ギを免疫化し、ポリペプチドまたはポリペプチド誘導体に対する抗体(単一特異
性抗体)を作製する。よって本発明の第8の態様によれば、本発明のポリペプチ
ドまたはポリペプチド誘導体と結合する単一特異性抗体が提供される。
【0115】 「単一特異性抗体」とは特異な天然に存在するクラミジアポリペプチドと反応
し得る抗体を意味する。本発明の抗体はポリクローナルまたはモノクローナル抗
体のいずれかである。単一特異性抗体は組換え体、例えばキメラ(例えば、ヒト
不変部と結合したネズミ由来の可変部により構成された)、ヒト化型(動物、例
えばネズミ由来の超可変部とともにあるヒト免疫グロブリン不変主鎖)および/
または一本鎖であってよい。ポリクローナルおよび単一特異性抗体は双方とも免
疫グロブリン断片、例えばF(ab)’2またはFabフラグメントの形であっ
てもよい。本発明の抗体はいずれのイソ型のもの、例えばIgGまたはIgAで
あってよいが、ポリクローナル抗体は単一イソ型またはイソ型の混合物ある。
【0116】 本発明のポリペプチド、相同体または断片に対する抗体はそのポリペプチド、
相同体または断片を含んでなる組成物による哺乳類の免疫化により産生される。
かかる抗体はポリクローナルまたはモノクローナル抗体であってよい。ポリクロ
ーナルまたはモノクローナル抗体の産生方法は当技術分野では十分に公知である
。例えば、"Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laborator
y, Eds. E. Harlow and D. Lane (1988)、およびD. E. Yelton et al., 1981. A
nn. Rev. Biochem. 50: 657-680参照。モノクローナル抗体についてはKohl and
Milstein?.参照。
【0117】 本発明のポリペプチドまたはポリペプチド誘導体に対して作製される本発明の
抗体を標準免疫学的アッセイ法、例えばウエスタンブロット解析法、ドットブロ
ットアッセイ法、またはELISA法(例えばColigan et al., Current Protoco
ls in Immunology (1994) John Wiley & Sons, Inc., New York, NY参照)を用い
て作製して同定する。抗体は生物学的サンプルなどのサンプルにおいてクラミジ
ア抗原の存在を検出する診断法に用いられる。また抗体は本発明のポリペプチド
またはポリペプチド誘導体を精製するアフィニティークロマトグラフィーにも用
いられる。以下でさらに考察するように、かかる抗体を予防および治療的受動的
免疫化方法に用いてもよい。
【0118】 よって本発明の第9の態様によれば、本発明の抗体、ポリペプチド、またはポ
リペプチド誘導体を含有する生物学的サンプルにおいてクラミジアの存在を検出
する試薬;および(ii)免疫複合体が形成されるように生物学的サンプルと本発
明の抗体、ポリペプチド、またはポリペプチド誘導体とを接触させて、かかる複
合体を検出してサンプルまたはサンプルが誘導される生物体においてクラミジア
の存在を示すことにより、生物学的サンプルにおいてクラミジアの存在を検出す
る方法が提供される。
【0119】 いずれを用いるとしても免疫複合体がサンプルの成分と抗体、ポリペプチド、
またはポリペプチド誘導体とで形成されること、および結合していない材料がい
ずれも複合体の検出前に除去されることは当業者には容易に理解されるであろう
。ポリペプチド試薬がサンプル、例えば血液サンプルにおいて抗クラミジア抗体
の存在を検出するのに有用であり、本発明の抗体が胃抽出物または生検などのサ
ンプルをクラミジアポリペプチドの存在についてスクリーニングするのに有用で
あることは明らかである。
【0120】 診断適用では、試薬(すなわち本発明の抗体、ポリペプチド、またはポリペプ
チド誘導体)は遊離状態にあるか、またはチューブ、ビーズ、または当分野にお
いて用いられるいずれかの他の通常の支持体などの固相支持体に固定されている
かである。固定は直接的または間接的手段によりなし遂げられる。直接的手段と
しては受動的吸着(非共有結合)または支持体と試薬との共有結合が挙げられる
。「間接的手段」とは試薬と相互作用する抗試薬化合物が固相支持体に最初に付
着することを意味する。例えば、ポリペプチド試薬を用いる場合に、それが生物
学的サンプルにおいて抗体の認識に関係していないエピトープと結合するのであ
れば、それに結合する抗体が抗試薬として作用し得る。間接的手段にはまた、例
えばビタミンなどの分子がポリペプチド試薬に接合され、その対応する受容体が
固相に固定されるリガンド−受容体系も用いられる。これはビオチン−ストレプ
トアビジン系によって例示される。あるいは、ペプチドテールを化学的にまたは
遺伝子操作により試薬に加え、接合または融合された産物をペプチドテールの受
動的吸着または共有結合により固定する。
【0121】 使用説明書も含んでなるキットにかかる診断薬が含まれていてもよい。この試
薬はそれがその標的と結合した場合に試薬の検出がなされる検出手段によって標
識される。検出手段はフルオレセインイソシアネートまたはフルオレセインイソ
チオシアネートなどの蛍光剤、またはセイヨウワサビペルオキシダーゼもしくは
ルシフェラーゼ、またはアルカリ性ホスファターゼなどの酵素、または125
または51Crなどの放射性元素であってよい。
【0122】 従って本発明の第10の態様によれば、生物学的サンプルについて本発明の単
一特異性抗体に基づくアフィニティークロマトグラフィーを行うことを含む、生
物学的サンプルから、本発明のポリペプチドまたはポリペプチド誘導体を精製す
る方法が提供される。
【0123】 本発明の精製法における使用に関し、抗体はポリクローナルまたは単一特異性
抗体のいずれか、および好ましくはIgG型である。精製IgGは常法により抗
血清から調製する(Coligan et al.,上記参照)。一般的なクロマトグラフィー支
持体、ならびに抗体を接合する標準方法については、例えばAntibodies: A Labo
ratory Manual, D. Lane, E. Harlow, Eds. (1988)に記載されている。以下に概
略を記す。
【0124】 要するに、好ましくはバッファー溶液中の肺炎クラミジア抽出物などの生物学
的サンプルを、本発明のポリペプチドまたはポリペプチド誘導体(すなわち抗原
)をクロマトグラフィー材に吸着させるように、好ましくは生物学的サンプルの
希釈に用いるバッファーで平衡化した材料に適用する。本発明の抗体と結合した
ゲルまたは樹脂などのクロマトグラフィー材はバッチ型またはカラムのいずれか
である。結合しない成分を洗い流し、次いで抗原をグリシンバッファー、または
カオトロピック剤、例えばグアニジンHCl、もしくは高塩濃度(例えば、3M
MgCl)を含有するバッファーなどの好適な溶出バッファーで溶出する。
溶出画分を回収し、例えば280nmにおける吸光度を測定することにより抗原
の存在を検出する。
【0125】 本発明の第11の態様によれば、(i)本発明の単一特異性抗体とともに希釈
剤または担体を含んでなる材料の組成物;(ii)治療または予防上有効な量の本
発明の単一特異性抗体を含んでなる医薬組成物;および(iii)感染した個体に
治療または予防量の本発明の単一特異性抗体を投与することにより、クラミジア
(例えばC.トラチョマチス、C.プシタチ、肺炎クラミジア、またはC.ペコ
ラム)感染症を治療または予防する方法が提供される。さらに本発明の第11の
態様によれば、クラミジア感染症を治療または予防する医薬の製造における本発
明の単一特異性抗体の使用が含まれる。
【0126】 単一特異性抗体はポリクローナルまたはモノクローナルのいずれか、好ましく
はIgAイソ型のもの(優勢)である。受動的免疫化では抗体を重炭酸バッファ
ーの存在下で哺乳類の粘膜表面、例えば胃粘膜に、例えば経口または胃内投与す
ることが有利である。また全身投与は重炭酸バッファーを用いずに行われる。本
発明の単一特異性抗体を単一有効成分として、または異なるクラミジアポリペプ
チドに対して特異的な少なくとも1つの単一特異性抗体との混合物として投与す
る。用いる抗体量および特定の管理方法は当業者により容易に決定される。大部
分の目的には、例えば抗体約100〜1,000mgを1週間毎日投与、または
抗体約100〜1,000mgを2または3日間1日当たり3回投与が有効な管
理法である。
【0127】 治療または予防効力を当技術分野の常法を用いて、例えば粘膜免疫応答の誘導
または感染防御および/または治療的免疫の誘導を、例えば肺炎クラミジアマウ
スモデルを用いて測定することにより評価する。モデルの肺炎クラミジア株を別
のクラミジア株と置き換えてもよいことは当業者に容易に理解されるであろう。
例えば、肺炎クラミジア由来のDNA分子およびポリペプチドの効果は、好まし
くはマウスモデルにおいて肺炎クラミジア株を用いて評価する。感染防御はクラ
ミジア感染症の程度を対照群のものと比較して求める。感染症が対照群に比べて
軽減されている場合に感染防御を示す。本発明のポリヌクレオチド、ワクチンベ
クター、ポリペプチドおよびその誘導体、ならびに抗体に対してかかる評価がな
される。上記のいずれのワクチン組成物においても有用なアジュバントは以下の
通りである。
【0128】 非経口投与用アジュバントには、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、
およびヒドロキシリン酸アルミニウムなどのアルミニウム化合物が挙げられる。
標準プロトコールに従い、抗原をアルミニウム化合物で沈降させる、またはそれ
に吸着させる。RIBI(ImmunoChem, Hamilton, MT)などの他のアジュバントも
非経口投与に用いられる。
【0129】 粘膜投与用アジュバントには細菌毒、例えばコレラ毒(CT)、大腸菌易熱性
毒(LT)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)毒Aお
よび百日咳毒(PT)、もしくはその組合せ、サブユニット、変性毒素、または
天然コレラ毒サブユニットB(CTB)の精製製剤などのその変異体が挙げられ
る。これらの毒素のいずれに対する断片、相同体、誘導体、および融合物もアジ
ュバント活性を保有している場合にはそれらもまた適当である。好ましくは弱毒
化した変異体を用いる。好適な変異体は、例えばWO95/17211(Arg
−7−Lys CT変異体)、WO96/6627(Arg−192−Gly
LT変異体)、およびWO95−34323(Arg−9−LysおよびGlu
−129−Gly PT変異体)に記載される。本発明の方法および組成物にお
いて用いられるさらなるLT変異体には、例えばSer−63−Lys、Ala
−69−Gly、Glu−110−Asp、およびGlu−112−Asp変異
体が挙げられる。例えば大腸菌、サルモネラ・ミネソタ(Salmonella minnesota)
、ネズミチフス菌、またはシゲラ・フレクスネリ(Shigella Flexneri)の細菌モ
ノホスホリル脂質A(MPLA);サポニン、またはポリアクチドグリコリド(
PLGA)ミクロスフェアなどの他のアジュバントも粘膜投与に用いられる。
【0130】 粘膜および非経口投与の双方に有用なアジュバントには、ポリホスファゼン(
WO95/2415)、DC−chol(3b−(N−(N’,N’−ジメチル
アミノメタン)−カルバモイル)コレステロール;米国特許第5,283,18
5号およびWO96/14831)およびQS−21(WO88/9336)が
挙げられる。
【0131】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、ポリペプチド誘導体、または抗体
を含有する本発明の医薬組成物は常法で製造される。特に医薬上許容される希釈
剤または担体、例えば水またはリン酸緩衝生理食塩水などの生理食塩水とともに
処方される。一般に希釈剤または担体は投与形ならびに経路、および医薬上の標
準法に基づき選択される。好適な医薬上の担体または希釈剤、ならびに医薬製剤
における使用に医薬上必要不可欠なものは、Remington's Pharmaceutical Scien
ces、当分野における標準的な参照文献およびUSP/NFに記載されている。
【0132】 本発明はまた、本発明のクラミジアポリペプチドおよび粘膜アジュバントと抗
生物質、制酸剤、スクラルファート、またはその組合せとを併用した経口投与に
よりクラミジア感染症を治療する方法も含む。ワクチン抗原およびアジュバント
とともに投与し得るかかる化合物の例としては、例えばマクロライド、テトラサ
イクリン、およびその誘導体(用い得る抗生物質の特異例として、アジトロマイ
シンもしくはドキシサイクリンまたはサイトカインもしくはステロイド類などの
免疫調節剤が挙げられる)などの抗生物質がある。さらにともに結合した1種を
超える上記成分を含有する化合物を用いる。本発明はまたこれらの方法を行うた
めの組成物、すなわち医薬上許容される担体または希釈剤中に本発明のクラミジ
ア抗原(または抗体)、アジュバント、および1種以上の上記の化合物を含有す
る組成物も含む。
【0133】 本発明の方法および組成物において用いられる上記化合物の量については当業
者ならば容易に求められる。治療/免疫化計画についても公知であり、当業者に
よって容易に計画される。例えば、非ワクチン成分を1〜14日目に投与して、
ワクチン抗原+アジュバントを7、14、21、および28日目に投与すること
が可能である。
【0134】 参考文献
【図面の簡単な説明】
【図1】 肺炎クラミジア由来のCPN100397のヌクレオチド配列(配列番号1−
全配列および配列番号2−コード配列)およびCPN100397タンパク質の
推定アミノ酸配列(配列番号27および28)を示す。
【図2】 肺炎クラミジアCPN100397遺伝子をコードする遺伝子の制限酵素解析
を示す。
【図3】 肺炎クラミジア由来のCPN100421のヌクレオチド配列(配列番号3−
全配列および配列番号4−コード配列)およびPN100421タンパク質の推
定アミノ酸配列(配列番号29)を示す。
【図4】 肺炎クラミジアCPN100421遺伝子をコードする遺伝子の制限酵素解析
を示す。
【図5】 肺炎クラミジア由来のCPN100422のヌクレオチド配列(配列番号5−
全配列および配列番号6−コード配列)およびCPN100422タンパク質の
推定アミノ酸配列(配列番号30)を示す。
【図6】 肺炎クラミジアCPN100422遺伝子をコードする遺伝子の制限酵素解析
を示す。
【図7】 肺炎クラミジア由来のCPN100424のヌクレオチド配列(配列番号7−
全配列および配列番号8−コード配列)およびCPN100424タンパク質の
推定アミノ酸配列(配列番号31)を示す。
【図8】 肺炎クラミジアCPN100424遺伝子をコードする遺伝子の制限酵素解析
を示す。
【図9】 肺炎クラミジア由来のCPN100426のヌクレオチド配列(配列番号9−
全配列および配列番号10−コード配列)およびCPN100426タンパク質
の推定アミノ酸配列(配列番号32を示す。
【図10】 肺炎クラミジアCPN100426遺伝子をコードする遺伝子の制限酵素解析
を示す。
【図11】 肺炎クラミジア由来のCPN100508のヌクレオチド配列(配列番号11
−全配列および配列番号12−コード配列)およびCPN100508タンパク
質の推定アミノ酸配列(配列番号33−全長配列および配列番号34−プロセッ
シング配列)を示す。
【図12】 肺炎クラミジアCPN100508遺伝子をコードする遺伝子の制限酵素解析
を示す。
【図13】 肺炎クラミジア由来のCPN100515のヌクレオチド配列(配列番号13
−全配列および配列番号14−コード配列)およびCPN100515タンパク
質の推定アミノ酸配列(配列番号35−全長配列および配列番号36−プロセッ
シング配列)を示す。
【図14】 肺炎クラミジアCPN100515遺伝子をコードする遺伝子の制限酵素解析
を示す。
【図15】 肺炎クラミジア由来のCPN100538のヌクレオチド配列(配列番号15
−全配列および配列番号16−コード配列)およびCPN100538タンパク
質の推定アミノ酸配列(配列番号37)を示す。
【図16】 肺炎クラミジアCPN100538遺伝子をコードする遺伝子の制限酵素解析
を示す。
【図17】 肺炎クラミジア由来のCPN100557のヌクレオチド配列(配列番号17
−全配列および配列番号18−コード配列)およびCPN100557タンパク
質の推定アミノ酸配列(配列番号38−全長配列および配列番号39−プロセッ
シング配列)を示す。
【図18】 肺炎クラミジアCPN100557遺伝子をコードする遺伝子の制限酵素解析
を示す。
【図19】 肺炎クラミジア由来のCPN100622のヌクレオチド配列(配列番号19
−全配列および配列番号20−コード配列)およびCPN100622タンパク
質の推定アミノ酸配列(配列番号40−全長配列および配列番号41−プロセッ
シング配列)を示す。
【図20】 肺炎クラミジアCPN100622遺伝子をコードする遺伝子の制限酵素解析
を示す。
【図21】 肺炎クラミジア由来のCPN100626のヌクレオチド配列(配列番号21
−全配列および配列番号22−コード配列)およびCPN100626タンパク
質の推定アミノ酸配列(配列番号42)を示す。
【図22】 肺炎クラミジアCPN100626遺伝子をコードする遺伝子の制限酵素解析
を示す。
【図23】 肺炎クラミジア由来のCPN100628のヌクレオチド配列(配列番号23
−全配列および配列番号24−コード配列)およびCPN100628タンパク
質の推定アミノ酸配列(配列番号43)を示す。
【図24】 肺炎クラミジアCPN100628遺伝子をコードする遺伝子の制限酵素解析
を示す。
【図25】 肺炎クラミジア由来のCPN100630のヌクレオチド配列(配列番号25
−全配列および配列番号26−コード配列)およびCPN100630タンパク
質の推定アミノ酸配列(配列番号44−全長配列および配列番号45−プロセッ
シング配列)を示す。
【図26】 肺炎クラミジアCPN100630遺伝子をコードする遺伝子の制限酵素解析
を示す。
【図27】 上記の図面に示されるアミノ酸配列からのTおよびB細胞エピトープの同定を
示す。
【図28】 上記の図面に示されるアミノ酸配列からのTおよびB細胞エピトープの同定を
示す。
【図29】 上記の図面に示されるアミノ酸配列からのTおよびB細胞エピトープの同定を
示す。
【図30】 上記の図面に示されるアミノ酸配列からのTおよびB細胞エピトープの同定を
示す。
【図31】 上記の図面に示されるアミノ酸配列からのTおよびB細胞エピトープの同定を
示す。
【図32】 上記の図面に示されるアミノ酸配列からのTおよびB細胞エピトープの同定を
示す。
【図33】 上記の図面に示されるアミノ酸配列からのTおよびB細胞エピトープの同定を
示す。
【図34】 上記の図面に示されるアミノ酸配列からのTおよびB細胞エピトープの同定を
示す。
【図35】 上記の図面に示されるアミノ酸配列からのTおよびB細胞エピトープの同定を
示す。
【図36】 上記の図面に示されるアミノ酸配列からのTおよびB細胞エピトープの同定を
示す。
【図37】 上記の図面に示されるアミノ酸配列からのTおよびB細胞エピトープの同定を
示す。
【図38】 上記の図面に示されるアミノ酸配列からのTおよびB細胞エピトープの同定を
示す。
【図39】 上記の図面に示されるアミノ酸配列からのTおよびB細胞エピトープの同定を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 C07K 14/295 4C085 A61P 31/04 16/12 4H045 C07K 14/295 C12N 1/15 16/12 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/68 A 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z C12Q 1/68 33/569 F G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 5/00 A 33/569 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 60/106,039 (32)優先日 平成10年10月28日(1998.10.28) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/106,042 (32)優先日 平成10年10月28日(1998.10.28) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/106,087 (32)優先日 平成10年10月29日(1998.10.29) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/106,072 (32)優先日 平成10年10月29日(1998.10.29) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/106,073 (32)優先日 平成10年10月29日(1998.10.29) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/106,074 (32)優先日 平成10年10月29日(1998.10.29) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/106,589 (32)優先日 平成10年11月2日(1998.11.2) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/107,034 (32)優先日 平成10年11月2日(1998.11.2) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/107,035 (32)優先日 平成10年11月2日(1998.11.2) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/106,587 (32)優先日 平成10年11月2日(1998.11.2) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/106,588 (32)優先日 平成10年11月2日(1998.11.2) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ジョー、ワン カナダ国オンタリオ州、トロント、アスペ ンウッド、ドライブ、51 Fターム(参考) 2G045 AA25 AA40 DA36 FB03 FB07 4B024 AA01 AA13 BA31 CA02 CA09 HA12 HA15 HA17 4B063 QA19 QQ03 QQ58 QQ96 QR39 QR48 QR55 4B065 AB01 BA01 CA23 CA45 4C084 AA02 AA13 AA30 BA02 ZB35 4C085 AA03 AA13 BA45 BB31 EE01 4H045 AA10 AA20 AA30 CA11 DA86 EA31 EA52 FA74

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号27〜45; (b)(a)のポリペプチド由来の少なくとも12個の連続するアミノ酸を含
    んでなる免疫原性断片;および (c)その免疫原性を向上させるために改変された(a)または(b)のポリ
    ペプチド(この改変ポリペプチドは対応する(a)または(b)のポリペプチド
    とアミノ酸配列において少なくとも75%の同一性を有する) のいずれかから選択されるポリペプチドをコードする核酸配列を含んでなる核酸
    分子。
  2. 【請求項2】 (a)配列番号1〜26; (b)配列番号1〜26のいずれか1つによってコードされるポリペプチドを
    コードする配列; (c)(a)および(b)の核酸配列のいずれか1つに由来する少なくとも3
    8個の連続するヌクレオチドを含んでなる配列; (d)配列番号1〜26によってコードされるポリペプチドのいずれか1つと
    アミノ酸配列において少なくとも75%の同一性を有するポリペプチドをコード
    する配列 のいずれかから選択される核酸配列を含んでなる核酸分子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の核酸分子によってコードされるポリペプチドと付加的なポリ
    ペプチドとを含んでなる融合タンパクをコードする核酸配列を含んでなる核酸分
    子。
  4. 【請求項4】 1以上の発現制御配列に作動可能に連結された、請求項1に記載の核酸分子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の少なくとも1つの第1の核酸とワクチン
    ベクターとを含んでなり(ここで、各々の第1の核酸はポリペプチドとして発現
    する)、所望によりこの第1の核酸によって発現されるポリペプチドに対する免
    疫応答を増強する付加的なポリペプチドをコードする第2の核酸を含んでなる、
    ワクチン。
  6. 【請求項6】 第2の核酸が付加的なクラミジアポリペプチドをコードしている、請求項5に
    記載のワクチン。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の核酸と医薬上許容される担体とを含んで
    なる医薬組成物。
  8. 【請求項8】 請求項5または6に記載のワクチンと医薬上許容される担体とを含んでなる医
    薬組成物。
  9. 【請求項9】 請求項4に記載の核酸分子で形質転換された単細胞宿主。
  10. 【請求項10】 ストリンジェント条件下で、配列番号1〜26のいずれか1つの核酸分子、ま
    たはその核酸分子の相同体または相補もしくはアンチセンス配列とハイブリダイ
    ズする5〜100個のヌクレオチドからなる核酸プローブ。
  11. 【請求項11】 ストリンジェント条件下で、配列番号1〜26のいずれか1つの核酸分子、ま
    たはその核酸分子の相同体または相補もしくはアンチセンス配列とハイブリダイ
    ズする10〜40個のヌクレオチドからなるプライマー。
  12. 【請求項12】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸配列によってコードされているポリ
    ペプチド。
  13. 【請求項13】 (a)配列番号27〜45; (b)(a)のポリペプチド由来の少なくとも12個の連続するアミノ酸を含
    んでなる免疫原性断片;および (c)その免疫原性を向上させるために改変された(a)または(b)のポリ
    ペプチド(この改変ポリペプチドは対応する(a)または(b)のポリペプチド
    とアミノ酸配列において少なくとも75%の同一性を有する) のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド。
  14. 【請求項14】 請求項12または13のポリペプチドと付加的なポリペプチドとを含んでなる
    融合ポリペプチド。
  15. 【請求項15】 請求項12または13のポリペプチドを生産する方法であって、請求項9に記
    載の単細胞宿主を培養する工程を含んでなる、方法。
  16. 【請求項16】 請求項12〜14のいずれか一項に記載のポリペプチドに対する抗体。
  17. 【請求項17】 請求項12〜14のいずれか一項に記載の少なくとも1つの第1のポリペプチ
    ドと医薬上許容される担体とを含んでなり、所望によりこの第1のポリペプチド
    に対する免疫応答を増強する第2のポリペプチドを含んでなる、ワクチン。
  18. 【請求項18】 第2のポリペプチドが付加的なクラミジアポリペプチドを含んでなる、請求項
    17に記載のワクチン。
  19. 【請求項19】 請求項12〜14のいずれか一項に記載のポリペプチドと医薬上許容される担
    体とを含んでなる医薬組成物。
  20. 【請求項20】 請求項17または18に記載のワクチンと医薬上許容される担体とを含んでな
    る医薬組成物。
  21. 【請求項21】 請求項16に記載の抗体と医薬上許容される担体とを含んでなる医薬組成物。
  22. 【請求項22】 (a)請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸; (b)請求項5、6、17および18のいずれか一項に記載のワクチン; (c)請求項7、8、19〜21のいずれか一項に記載の医薬組成物; (d)請求項12〜14のいずれか一項に記載のポリペプチド;または (e)請求項16に記載の抗体 を用いて、クラミジア感染症を予防または治療する方法。
  23. 【請求項23】 (a)請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸; (b)請求項12〜14のいずれか一項に記載のポリペプチド;および (c)請求項16に記載の抗体 のいずれか1つから選択される成分を用いて、試験される哺乳類の体液をアッセ
    イする工程を含んでなる、クラミジア感染症の検出方法。
  24. 【請求項24】 使用説明書と、 (a)請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸; (b)請求項12〜14のいずれか一項に記載のポリペプチド;および (c)請求項16に記載の抗体 のいずれか1つから選択される成分とを含んでなる診断キット。
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