JP2002525389A - 第２の表面に接合したインク含有表面を特徴とする多層積層体を作成するための接着剤 - Google Patents

第２の表面に接合したインク含有表面を特徴とする多層積層体を作成するための接着剤

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Abstract

(57)【要約】 （ａ）ポリエステル系ポリウレタンと、（ｂ）エポキシ樹脂と、（ｃ）エポキシ官能性シランと、（ｄ）イソシアネート官能性化合物との反応生成物を含む接着剤組成物、およびこの接着剤組成物を用いて少なくとも１枚の基材がインク含有表面を有する２枚のポリマー基材を合わせて接合した多層積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 発明の背景 本発明は、少なくとも１層がインク含有表面を含む多層積層体に用いる接着剤
に関する。
【０００２】 プラスチック基材上の写真画像のような印刷画像が関心を集めている。この印
刷技術によれば高品質の画像が得られることから、液体トナー系の電子写真印刷
をこの目的で用いるのが特に望ましい。
【０００３】 画像がプラスチック基材の表面に印刷されたら、保護フィルムを印刷されたイ
ンク含有表面に適用する必要がある。保護フィルムと印刷表面の間には、通常の
使用条件下で剥離しないよう十分な接合強度がなければならない。
【０００４】 発明の概要 一態様において、本発明は、（ａ）ポリエステル系ポリウレタンと、（ｂ）エ
ポキシ樹脂と、（ｃ）エポキシ官能性シランと、（ｄ）イソシアネート官能性化
合物との反応生成物を含む接着剤組成物を特徴としている。この接着剤組成物は
、第１のポリマー基材の主面が、接着剤組成物によって第２のポリマー基材の主
面に接合している多層積層体を作成するのに有用である。これら主面の一方また
は両方がインク含有画像を含んでいる。
【０００５】 接着剤組成物は、インク含有ポリマー基材とインクを含有していないポリマー
基材の両方に対して良好な接着力（１８０度剥離力により測定）を示す。組成物
は、インクが電子写真インクである場合に特に有用である。好適な電子写真イン
クとしては、Ｔｇが約３０℃以下のポリマーを含むものが例示されるが、他の実
施形態においては、インクは約３０℃を超えるＴｇを有するポリマーを含む。
【０００６】 好適なインクの一例としては、米国特許第５，６５２，２８２号（Ｂａｋｅｒ
ら）および米国特許第５，６９８，６１６号（Ｂａｋｅｒら）に記載されたゲル
オルガノゾル含有液体トナー組成物から誘導されたものが挙げられる。これらの
トナーは、（ａ）キャリア液体（例えば、カウリブタノール数が３０未満の脂肪
族炭化水素キャリア）と、キャリア液体には不溶の熱可塑性（コ）ポリマー核に
共有結合した、分子量５０，０００ダルトン以上で、多分散性１５未満の（コ）
ポリマー立体安定剤とを含む。核は約３０℃以下のＴｇを有しているのが好まし
い。トナーはさらに着色剤および電荷ディレクタを含んでいてもよい。同様に好
適なのは、例えば、米国特許第５，８８６，０６７号（Ｂａｋｅｒら）に記載さ
れた非ゲルオルガノゾル含有液体トナー組成物である。
【０００７】 その他の好適なインクとしては、米国特許第４，７９４，６５１号（Ｌａｎｄ
ａら）米国特許第４，８４２，９７４号（Ｌａｎｄａら）、米国特許第５，０４
７，３０６（Ｌａｎｄａら）、米国特許第５，０４７，３０７号（Ｌａｎｄａら
）、米国特許第５，１９２，６３８号（Ｌａｎｄａら）、米国特許第５，２０８
，１３０号（Ｌａｎｄａら）、米国特許第５，２２５，３０６号（Ｌａｎｄａら
）、米国特許第５，２６４，３１３号（Ｌａｎｄａら）、米国特許第５，２６６
，４３５号（Ｌａｎｄａら）、米国特許第５，２８６，５９３号（Ｌａｎｄａら
）、米国特許第５，３４６，７９６号（Ｌａｎｄａら）、米国特許第５，４０７
，７７１号（Ｌａｎｄａら）、１９９２年１０月１５日公開ＷＯ第９２／１７８
２３号（Ｌａｎｄａ）「ポリマーブレンド」に記載された液体トナーから誘導さ
れたものが上げられる。
【０００８】 組成物はまた、インクジェットインクおよびリソグラフィーインクのようなイ
ンクにも有用である。これらのインクはいずれも単体または互いに組み合わせて
用いてよい。例えば、インク含有表面は、電子写真インクを特徴とする電子写真
印刷領域と、リソグラフィーインクを特徴とするオフセット印刷領域を含んでい
てもよい。しかしながら、積層体の印刷領域はすべて電子写真インクを特徴とす
る電子写真印刷領域であるのが好ましい。
【０００９】 接着剤組成物は多くのポリマー基材に対して良好な接着力を示す。ある好まし
い実施形態によれば、接着剤を用いて剛性コア層を可撓性オーバーレイフィルム
に接合する。これらの材料のうち少なくとも１つがインク含有表面を有している
。インク含有表面上の印刷画像が見えるよう、基材の少なくとも１つが実質的に
透明であるのが好ましい。
【００１０】 好適なポリマー基材としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニルコポ
リマー、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネートおよびこれらの組み
合わせからなる群より選択されるものが例示される。同様に好適なのは、ＰＰＧ
社（ペンシルバニア州、ピッツバーグ）よりＴＥＳＬＩＮフィルムという商品名
で市販されているような微孔性基材である。ある好ましい構造には、実質的に透
明なポリエステルオーバーレイフィルムに接着接合されたポリ塩化ビニル基材が
含まれる。
【００１１】 接着剤組成物はまた、３枚以上の基材を有する積層物品を作成するのにも有用
である。例えば、この物品は、それぞれが別のオーバーレイフィルムに接合され
た１対の対向主面を有するコア基材を含んでいてもよい。かかる構造は、２つの
異なる表面に印刷画像を有する物品には特に有用である。
【００１２】 第２の態様において、本発明は、上記の物品を作成する積層方法を特徴として
いる。インク含有画像は、好ましくは、電子写真画像形成方法に従って行われ、
これには、 （ｉ）電子写真用光受容体の表面を帯電させる工程と、 （ｉｉ）光受容体の帯電した表面に画像状に放射線を露光して、選択領域の電
荷を消失させ、それにより光受容体表面に潜像を形成する工程と、 （ｉｉｉ）潜像をトナーと接触させてトナー画像を形成する工程と、 （ｉｖ）トナー画像を第１のポリマー基材の主面に転写する工程と、 が含まれる。
【００１３】 トナーは液体トナーであるのが好ましい。好ましい液体トナーは同様に、フィ
ルム形成ポリマーを含む。ある実施形態において、フィルム形成ポリマーのＴｇ
は約３０℃以下であり、他の実施形態においては、フィルム形成ポリマーのＴｇ
は約３０℃を超える。積層後、物品には、切込み加工、切断、穿孔、孔開け、箔
スタンピング、かがり、グロメット、箔スタンピング、ミシン目加工、折り曲げ
加工、表面テクスチャリング等をはじめとする数多くの操作がなされる。
【００１４】 本発明のその他の特徴および利点は、以下の好ましい実施形態の説明および請
求項から明白であろう。
【００１５】 詳細な説明 本発明を以下の実施例によりさらに説明する。
【００１６】 実施例で用いた、黒色ポジフィルム形成電子写真インクを、以下のような修正
を行って米国特許第５，６５２，２８２号の実施例４０に記載された手順に従っ
て、オルガノゾル／顔料比６で調製した。
【００１７】 米国特許第５，６５２，２８２号の実施例２２の手順に従って調製したゲルオ
ルガノゾルを、最低速度の設定でシルバーソンミキサー（シルバーソンマシーン
ズ社型番Ｌ２Ｒ）を用いて混合した。５分間の混合後、ＮＯＲＰＡＲ１２中１６
．１４％（ｗ／ｗ）の固体で均一化したオルガノゾル１９１２ｇを、ＮＯＲＰＡ
Ｒ１２（エクソンケミカル社（テキサス州、ヒューストン））１０３１ｇ、ＭＯ
ＮＡＲＣＨ１２０カーボンブラック（カボット社（マサチューセッツ州、ビレリ
カ））５１ｇおよびジルコニウムＨＥＸ−ＣＥＭ（ＯＭＧケミカル社（オハイオ
州、クリーブランド））６．０８ｇと４．０リットルのポリエチレン容器中で混
合した。この混合物を、各ミルにミルベース３００ｇと、直径１．３ｍｍのポッ
タースガラスビーズ（ポッタースインダストリー社（ニュージャージー州、パー
シッパニー））３９０ｇを入れることにより、それぞれ０．５リットルの容量を
有する１０個の垂直ビーズミル（型番６ＴＳＧ−１／４、アイメックス社（日本
、東京））中で粉砕した。ミリングチャンバーの冷却ジャケットを循環する冷却
水なしで、各ミルを２，０００ｒｐｍで１．５時間作動させた。
【００１８】 このように形成された１２％（ｗ／ｗ）固体のトナー濃縮物の一部を約３％（
ｗ／ｗ）まで希釈した。この希釈トナー試料は、米国特許第５，６５２，２８２
号に記載された試験方法を用いて求めたところ、以下のような特性を示した。
【００１９】
【表１】
【００２０】 この３％トナーを、米国特許第５，６５２，２８２号に記載されたトナープレ
ーティング装置上で試験した。反射光学密度（ＲＯＤ）は４００ボルトを超える
プレーティング電圧で１．４７より大きかった。
【００２１】 実施例 実施例１ メチルエチルケトン（２０１ｇ）、Ｅｐｏｎ１００７Ｆエポキシ樹脂（メチル
エチルケトン中２０ｗｔ．％溶液１４３ｇ、シェルケミカル社より入手可能）、
エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン（１４．４ｇ、アルドリッチ
ケミカル社より入手可能）およびＶｅｓｔａｎａｔ Ｔ１８９０Ｅイソシアネー
ト（メチルエチルケトン中２０ｗｔ．％溶液２１５ｇ、Ｃｒｅａｎｏｖａより入
手可能）を、Ｄｅｓｍｏｃｏｌｌ８６３４ポリウレタン樹脂の溶液１４２８ｇ（
メチルエチルケトン中１５ｗｔ．％、バイエルケミカル社より入手可能）に加え
ることにより接着剤被覆溶液を調製した。溶液をＭｅｌｌｉｎｅｘ４５４ポリエ
ステルフィルム（０．９２ミル、デュポンより入手可能）に、約３７５ｇ／平方
メートルの湿潤被覆範囲で塗布し、乾燥して接着剤被覆フィルムを得た。接着剤
層の乾燥厚さは１．０ミルであった。
【００２２】 フィルムの接着剤部分は、液体トナー系の黒色ポジフィルム形成電子写真イン
ク（上述の通りに調製した）を用いて正味の光学密度１．６で印刷された領域で
あった。正味の光学密度は、マクベス濃度計の反射モードで測定した白色光光学
密度から未印刷フィルムの白色光光学密度を引いたものに等しい。正味の光学密
度は、同一条件で印刷した紙の基材についてインクの正味の光学密度１．３に相
当した。
【００２３】 印刷後、接着剤被覆フィルムを白色ポリ塩化ビニル基材に積層した。２つの加
熱ローラ（ロール表面温度＝１３５〜１３８℃）間で０．４インチ／秒の速度で
積層を行って、積層印刷物品を得た。物品を１インチ幅の片に切断して、剥離す
るのに必要な１８０度剥離力をインストロン試験機（型番５５４２）を用いて積
層工程後１５分間測定した。クロスヘッド速度は１２インチ／分であった。剥離
力を求めたところ４．５ポンド／インチ（７．９Ｎ／ｃｍ）であった。
【００２４】 別に実験を行って、未印刷接着剤フィルムを同じ方法で同一の白色ポリ塩化ビ
ニル基材に積層した。剥離力を求めたところ約１２ポンド／インチ（２１Ｎ／ｃ
ｍ）であり、この結果、ポリエステルフィルムが引き裂かれた。
【００２５】 実施例２ 印刷後積層を３０分間行った以外は実施例１の手順に従って積層物品を作成し
た。剥離力を求めたところ１．９ポンド／インチ（３．４Ｎ／ｃｍ）であった。
印刷工程の後、印刷ポリエステルフィルムを１００℃で２分間加熱し、印刷工程
から合計で３０分間経過させた後積層させた以外は、実験を繰り返した。積層後
約５分後の剥離力は２．４ポンド／インチ（４．２Ｎ／ｃｍ）であった。
【００２６】 実施例３ Ｄｅｓｍｏｃｏｌｌ５３０を１５部、メチルエチルケトンを８５部、Ｖｅｓｔ
ａｎａｔ Ｔ１８９０Ｅイソシアネートを３部、エポキシシクロヘキシルエチル
トリメトキシシランを１部およびＥｐｏｎ１００７Ｆエポキシ樹脂を２部混合す
ることにより接着剤を調製した以外は実施例１の手順に従った。得られた物品の
実施例１に記載した通りに測定した剥離力は４．０ポンド／インチ（７．０Ｎ／
ｃｍ）であった。故障モードはインクの分離であった。
【００２７】 別に実験を行って、未印刷接着剤被覆ポリエステルフィルムを同じ方法で同一
の白色ポリ塩化ビニル基材に積層した。得られた物品を６０℃、１００％の相対
湿度で２週間保管し、その後剥離力を測定したところ１０ポンド／インチ（１７
．６Ｎ／ｃｍ）であった。
【００２８】 これ以外の実施形態は添付の請求項の範囲に含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリック・ディ・モリソン アメリカ合衆国55164−0898ミネソタ州セ ント・ポール、ポスト・オフィス・ボック ス64898 (72)発明者 クレア・エイ・ジャルバート アメリカ合衆国55164−0898ミネソタ州セ ント・ポール、ポスト・オフィス・ボック ス64898 (72)発明者 ジャイ・ベンカテサン アメリカ合衆国55164−0898ミネソタ州セ ント・ポール、ポスト・オフィス・ボック ス64898 (72)発明者 ジェイムズ・エイ・ベイカー アメリカ合衆国55164−0898ミネソタ州セ ント・ポール、ポスト・オフィス・ボック ス64898 (72)発明者 ゲイ・エル・ハーマン アメリカ合衆国55164−0898ミネソタ州セ ント・ポール、ポスト・オフィス・ボック ス64898 Ｆターム(参考） 4F100 AK01B AK03A AK03B AK15A AK15B AK15J AK22A AK22B AK22J AK41A AK41B AK41G AK45A AK45B AK51G AK52G AK53G AL01A AL01B AL01G AL05A AL05G AT00A AT00B CB00 DC11A DJ00A GB90 HB00B HB31B JA05B JK12A JK17B JL11 JN01A JN01B 4J040 EC001 EC002 EF111 EF112 EK051 EK052 JA01 JA12 JB02 MA10 MA11 MB03 NA05 NA21

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 （ａ）ポリエステル系ポリウレタンと、 （ｂ）エポキシ樹脂と、 （ｃ）エポキシ官能性シランと、 （ｄ）イソシアネート官能性化合物 との反応生成物を含む接着剤組成物。
  2. 【請求項２】 （ａ）主面を有する第１のポリマー基材と、 （ｂ）主面を有する第２のポリマー基材であって、前記主面の少なくとも１つ
    がインク含有画像を含むものと、 （ｃ）前記第１のポリマー基材の前記主面を前記第２のポリマー基材の前記主
    面に接合する接着剤であって、 （ｉ）ポリエステル系ポリウレタンと、 （ｉｉ）エポキシ樹脂と、 （ｉｉｉ）エポキシ官能性シランと、 （ｉｖ）イソシアネート官能性化合物 との反応生成物を含有するもの を含む物品。
  3. 【請求項３】 前記インク含有画像が約３０℃以下のＴｇを有するポリマー
    を含む請求項２記載の物品。
  4. 【請求項４】 前記インク含有画像が約３０℃を超えるＴｇを有するポリマ
    ーを含む請求項２記載の物品。
  5. 【請求項５】 前記第１のポリマー基材が剛性コア層を含み、前記第２のポ
    リマー基材が可撓性オーバーレイフィルムを含む請求項２〜４のいずれか一項に
    記載の物品。
  6. 【請求項６】 前記ポリマー基材の一つが実質的に透明である請求項２〜５
    のいずれか一項に記載の物品。
  7. 【請求項７】 前記ポリマー基材が、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビ
    ニルコポリマー、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネートおよびこれ
    らの組み合わせからなる群より選択される請求項２〜５のいずれか一項に記載の
    物品。
  8. 【請求項８】 前記ポリマー基材の一つが微孔性基材を含む請求項２〜７の
    いずれか一項に記載の物品。
  9. 【請求項９】 （ａ）主面を有する第１のポリマー基材および主面を有する
    第２のポリマー基材を、 （ｉ）ポリエステル系ポリウレタンと、 （ｉｉ）エポキシ樹脂と、 （ｉｉｉ）エポキシ官能性シランと、 （ｉｖ）イソシアネート官能性化合物 とを含む組成物が前記ポリマー基材の前記主面の間に入るように前記組成物と組
    み合わせる工程であって、前記主面の１つがインク含有画像を含むことと、 （ｂ）前記第１および第２の基材の前記主面を前記組成物により積層して物品
    を作成する工程と を含む物品の作成方法。
  10. 【請求項１０】 （ｉ）電子写真用光受容体の表面を帯電させる工程と、 （ｉｉ）前記光受容体の帯電した表面に画像状に放射線を露光して、選択領域
    の電荷を消失させ、それにより前記光受容体表面に潜像を形成する工程と、 （ｉｉｉ）前記潜像をトナーと接触させてトナー画像を形成する工程と、 （ｉｖ）前記トナー画像を前記第１のポリマー基材の前記主面に転写する工程
    と を含む電子写真画像形成方法により前記インク含有画像を形成することをさらに
    含む請求項９記載の方法。
JP2000570639A 1998-09-11 1999-09-09 第２の表面に接合したインク含有表面を特徴とする多層積層体を作成するための接着剤 Pending JP2002525389A (ja)

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