JP2002524586A - 改良臭素置換ポリスチレン系樹脂およびそれらの使用 - Google Patents

改良臭素置換ポリスチレン系樹脂およびそれらの使用

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JP2002524586A JP2000568881A JP2000568881A JP2002524586A JP 2002524586 A JP2002524586 A JP 2002524586A JP 2000568881 A JP2000568881 A JP 2000568881A JP 2000568881 A JP2000568881 A JP 2000568881A JP 2002524586 A JP2002524586 A JP 2002524586A
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Abstract

(57)【要約】 新規な臭素置換スチレン系ポリマーに2000ppm以下のイオン性臭素含有量を持たせかつ下記の追加的特徴:(a)TGAにおける1%重量損失の温度が340℃以上でありかつ塩素含有量がたとえあったとしても約700ppm Cl未満であること、(b)実際のMwが臭素置換スチレン系ポリマーの実際の臭素含有量と臭素置換スチレン系ポリマーの製造で用いたスチレン系ポリマー反応体のMwを基準にして計算した理論的Mwの約20%以内であること、そして(c)二塩化エチレン、ブロモジクロロエタン、ジブロモクロロエタン、ジブロモジクロロエタンおよびトリブロモクロロエタンから成る群から選択される不純物を本質的に全く含有しないことの1つ以上を持たせる。このような難燃剤であるポリマーは使用中、特にガラス充填ポリエステルおよびガラス充填ナイロンなどの如き熱可塑性プラスチック中で優れた性能品質を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 臭素置換ポリスチレン類は熱可塑性プラスチック用の充分に確立された難燃剤
である。臭素置換ポリスチレン類の製造は、一般に、ポリスチレンと臭素化剤(
brominating agent)(例えば臭素または塩化臭素)の間の反
応を溶媒(例えばジクロロエタン)およびルイス酸触媒の存在下で行うことで成
されている。本技術分野では、今まで、優れた臭素置換ポリスチレンをもたらす
と主張されている方法が数多く提供された。米国特許第4,200,703;4,
352,909;4,975,496および5,532,322号を参照のこと。
【0002】 以前から公知の臭素置換ポリスチレンである難燃剤は特定の特性が不充分なま
まである、言い換えれば、それらを用いた熱可塑性ポリマーブレンド物(ble
nds)にポリマー加工条件を受けさせた時にそれが示す性能が充分でない。
【0003】 例えば、従来技術の臭素置換ポリスチレンポリマーに熱重量分析(TGA)を
受けさせることで熱安定性に関して評価した時、それが1%重量損失を示す時の
温度は336℃未満であり、大部分が1%重量損失を示す時の温度は約300℃
である。そのように低い熱安定性は、特に臭素置換ポリスチレンポリマーと一緒
に配合した難燃熱可塑性プラスチック(flame retarded the
rmoplastics)が加工中にさらされる温度が高い時、望ましいもので
ない。
【0004】 ハロゲン化水素が熱加工条件下で放出されることが原因で起こる金属加工装置
、例えば溶融ブレンダー、押出し加工機および成形機などの腐食が、従来の臭素
置換ポリスチレンである難燃剤を用いて作られた難燃熱可塑性ポリマーブレンド
物の別の欠点である。水分が存在していると、前記ブレンド物に含まれる臭素置
換ポリスチレンが加工温度でHClおよびHBrを放出する結果として酸が生じ
、従って金属の腐食が起こる可能性がある。
【0005】 臭素置換ポリスチレンの臭素含有量は、(1)ポリマーの芳香部分に置換基と
して存在する臭素、(2)ポリマーの脂肪部分、例えばポリマーバックボーン(
polymer backbone)またはポリマーの芳香部分のアルキル置換
によって生じるアルキル置換基の置換基として存在する臭素、および(3)いく
らか存在するイオン性臭素、例えばNaBrなどの臭素の総量である。臭素置換
ポリスチレンに含まれる芳香環のアルキル置換では、当該臭素置換スチレン系ポ
リマー(brominated styrenic polymer)の製造で
用いられるルイス酸触媒が触媒として作用し、そして反応用溶媒(通常は炭素原
子数が1−3のジハロアルカン)がアルキル化剤(alkylating ag
ent)として働く。本明細書では、前記(1)の臭素を芳香ブロマイド(ar
omatic bromide)と呼ぶ一方、前記(2)の臭素を脂肪ブロマイ
ド(aliphatic bromide)と呼ぶ。イオン性臭素は全臭素含有
量に貢献し得るが、それが全臭素含有量に貢献する度合は小さい。それにも拘ら
ず、米国特許第5,328,983号の中に指摘されているように、臭素置換ポ
リスチレンに含まれるイオン性不純物はポリマー配合物を最終的な電気特性に関
して悪化させる可能性があり、かつまた、結果として加工装置の腐食をもたらす
か或は最終使用用途において金属部分の腐食をもたらす可能性もある。
【0006】 臭素置換ポリスチレンの塩素含有量も臭素含有量と同様に主に芳香および/ま
たは脂肪クロライド置換基としてポリマー構造の一部である。塩化臭素を臭素化
剤として用いることが塩素含有量の最も大きな一因である。しかしながら、臭素
置換ポリスチレンの製造で用いる塩素置換溶媒および/または塩素含有触媒もま
た塩素含有量の一因になっている可能性もある。
【0007】 臭素置換ポリスチレンが脂肪ハライドを含有するのは望ましいことでない、と
言うのは、脂肪ハライドは芳香ハライドほどには熱に安定でなく、従って脂肪ハ
ライドは通常の最終使用加工条件下で容易にハロゲン化水素、例えばHBrまた
はHClなどに変化し得るからである。脂肪ブロマイドおよびクロライドを本技
術分野では一般にそれぞれ加水分解性ブロマイドおよび加水分解性クロライドと
呼んで量化している、と言うのは、そのようなハライドは芳香ハライドに比較し
て容易に加水分解を受けるからである。
【0008】 臭素置換スチレン系ポリマーが熱加工条件下でハロゲン化水素を放出する傾向
を評価する目的で米国特許第5,726,252号に記述されている方法を用い
るが、この方法をそこでは熱安定性試験方法と呼んでいる。この方法では、本質
的に、臭素置換ポリスチレンに含まれる芳香環に直接結合していない、従って高
温時にポリマーからより容易に放出されるハロゲン原子の含有量が示される。こ
の熱安定性試験を本明細書の以下により詳細に記述する。
【0009】 ハライドが芳香ハライドとして存在するか或は脂肪ハライドとして存在するか
以外にまた臭素置換ポリスチレンが有する全塩素含有量を最小限にするのも望ま
しい、と言うのは、塩素は難燃成分(flame retardant con
stituent)として臭素ほどには有効でないか或は安定でないからである
【0010】 追加的に、従来技術の臭素置換ポリスチレン製造方法ではポリマー鎖の有意な
開裂がもたらされることが実証されている。このような開裂が起こると、結果と
して、生じた臭素置換ポリスチレンをゲル浸透クロマトグラフィーで測定した時
にそれが示すMwは臭素置換ポリスチレンの計算した理論的Mwよりも有意に低く
なる。この計算は臭素置換ポリスチレン生成物の臭素含有量(重量%)とポリス
チレン反応体が反応開始時に示すMwを基にした計算である。GPCの誤差の±
余裕度(margins)が一定であると仮定すると理論的Mwと生じる臭素置
換ポリスチレンが示す実際のMwが互いに近いのが有利である、と言うのは、そ
のように近いことはポリマーの開裂が僅かであることの証拠であるからである。
開裂が起こると結果として臭素置換ポリスチレンに含まれるアルキル末端基の数
が増えそしてこのアルキル末端基がこの上で考察した望ましくない加水分解性ハ
ライドを生じ易くする座(loci)を与えることから、開裂の度合は最小限で
なければならない。逆に、架橋が起こると臭素置換ポリスチレンの分子量が増大
し、それを制御しないと、そのような架橋の結果として不溶残渣が生じそして/
または反応混合物のゲル化が起こる可能性がある。加うるに、そのように分子量
が望ましくなく高くなると最終製品の使用に関連した粘度仕様が崩壊する可能性
がある。
【0011】 臭素置換ポリスチレンの全ハロゲン含有量、特に全臭素含有量が別の重要な考
慮である。Pyro−Chek(商標)68PB臭素置換ポリスチレン難燃剤(
Ferro Corporation)の全ハロゲン含有量は約67重量%であ
ると報告されている。Ferro Corporationの米国特許第5,6
37,650号および5,726,252号には、Pyro−Chek(商標)
68PB難燃剤が有するバックボーンのハロゲンは3000から6000ppm
、典型的には5000−6000ppmであると報告されている。かつ、Pyr
o−Chek(商標)68PB難燃剤に熱安定性試験を我々の実験室で受けさせ
た時、それが放出したHBrは1960ppmであった。Pyro−Chek(
商標)68PB難燃剤に比べて溶融状態でより容易かつ有効に混ざり合う臭素置
換ポリスチレンを提供する目的で、Ferro Corporationは、全
ハロゲン含有量がより低い別の製品、即ちPyro−Chek(商標)60PB
臭素置換ポリスチレン難燃剤を開発した。この製品の全臭素含有量は約61重量
%であり、これはPyro−Chek(商標)68PB難燃剤に比べて低い温度
で溶融しかつコンパウンド化および加工操作中により容易に流れると報告されて
いる。しかしながら、そのような溶融状態の流れの改善は報告されているように
芳香臭素含有量を10%下げることを伴って達成されている。従って、どちらか
といえば、芳香臭素含有量を10%低くすることは、最良でもPyro−Che
k(商標)68PB難燃剤に比較して熱安定性が全く改善せず、最悪の場合には
熱安定性が低下すると言った警告が与えられる。
【0012】 臭素置換ポリスチレンの前記欠点の全部でないにしても大部分を回避すること
ができるか或は少なくとも最小限にすることができれば、これは特に望ましいこ
とである。例えば、熱安定性がより高くかつまたイオン性臭素含有量が適切に低
い臭素置換スチレン系ポリマー、例えば臭素置換ポリスチレンを提供することが
できれば、特により良好な電気特性の達成にとってかなり有利である。理論的Mw と生じさせた臭素置換ポリスチレンの実際のMwが互いに近くかつイオン性臭素
の含有量が電気用途で用いられるポリマー、例えばガラスが充填されているナイ
ロンポリマーに含有させるに充分なほど低い臭素置換ポリスチレンであるスチレ
ン重合体は、本技術分野で歓迎される別の貢献になるであろう。
【0013】 溶融状態の流れ特性の向上と熱安定性の向上の両方を示す臭素置換スチレン系
ポリマー、例えば臭素置換ポリスチレンなどを提供することができれば、別の観
点から望ましくかつ有利であろう。また、溶融状態の流れと熱安定性の向上を他
の重要な特性を実質的に犠牲にすることなく達成することができかつ他の望まし
い特性、例えば低いイオン性臭素含有量、最小限(たとえあったとしても)の塩
素含有量および望ましい色および臭気特性を付随して与えることができれば、こ
れも多大な利点になるであろう。
【0014】 また、臭素置換ポリスチレンで難燃性が与え(flame retarded
)られていて向上した熱安定性と低下した金属腐食性を示す熱可塑性プラスチッ
ク、特にエンジニアリング(engineering)熱可塑性プラスチック、
特にナイロン(別称はポリアミド)熱可塑性プラスチックも求められているまま
である。
【0015】 本発明は、臭素置換ポリスチレンの前記欠点の全部ではないにしても大部分を
克服しないまでも少なくとも最小限にすると考えている。
【0016】 (発明の要約) 本発明に従い、イオン性臭素含有量が適切に低い新規な高品質の臭素置換スチ
レン系ポリマーを提供する。加うるに、この新規な臭素置換スチレン系ポリマー
は、これをいろいろな種類の熱可塑性ポリマー(ガラスが充填されているポリエ
ステルおよびガラスが充填されているナイロンを包含)用の難燃剤として用いる
時の有用性を高める他の優れた特性または特徴を有するか或は示す。
【0017】 従って、本発明の1番目の面に従い、(i)TGAにおける1%重量損失の温
度が340℃以上、好適には340℃から380℃の範囲、より好適には345
℃から380℃の範囲でありかつ塩素含有量がたとえあったとしても約700p
pm Cl未満、好適には500ppm Cl未満、より好適には100ppm
Cl未満でありかつ(ii)イオン性臭素含有量が2000ppm以下、好適
には1500ppm以下、より好適には1000ppm以下、最も好適には50
0ppm以下[前記ppmのレベルは全部当該臭素置換スチレン系ポリマーの全
重量を基準にしたレベルである]である臭素置換スチレン系ポリマー、好適には
臭素置換ポリスチレンを提供する。
【0018】 この1番目の面に従い、また、実際のMwが臭素置換スチレン系ポリマーの実
際の臭素含有量と臭素置換スチレン系ポリマーの製造で用いたスチレン系ポリマ
ー反応体のMwを基準にして計算した理論的Mwの約20%以内、好適には約10
%以内でありかつイオン性臭素含有量が2000ppm以下、好適には1500
ppm以下、より好適には1000ppm以下、最も好適には500ppm以下
である臭素置換スチレン系ポリマー、好適には臭素置換ポリスチレンも提供する
。前記臭素置換スチレン系ポリマーは、また、好適には(i)Clの含有量が約
700ppm未満、好適には500ppm Cl未満、より好適には100pp
m Cl未満でありそして/または(ii)TGAにおける1%重量損失の温度
が340℃以上、好適には340℃から380℃の範囲、より好適には345℃
から380℃の範囲であることを特徴とする。
【0019】 この1番目の面では、また、(a)塩化メチレン、(b)二塩化エチレンおよ
び特に(c)ブロモジクロロエタン、(d)ジブロモクロロエタン、(e)ジブ
ロモジクロロエタン、(f)トリブロモクロロエタンおよび(g)前記の2種以
上から成る任意混合物、特に(c)から(f)の少なくとも1つを含有する混合
物から成る群から選択される不純物を本質的含まずかつイオン性臭素含有量が2
000ppm以下、好適には1500ppm以下、より好適には1000ppm
以下、最も好適には500ppm以下である臭素置換スチレン系ポリマー、好適
には臭素置換ポリスチレンも提供する。追加的代替の好適な態様における前記臭
素置換スチレン系ポリマーは、また、(i)Clの含有量がたとえあったとして
も約700ppm未満、好適には500ppm Cl未満、より好適には100
ppm Cl未満でありそして/または(ii)TGAにおける1%重量損失の
温度が340℃以上、好適には340℃から380℃の範囲、より好適には34
5℃から380℃の範囲であり、そして/または(iii)本明細書の以下に記
述する熱安定性試験における熱安定性が1500ppm HBr以下、好適には
1000ppmのHBr以下、より好適には500ppmのHBr以下であり、
そして/または(iv)実際のMwが臭素置換スチレン系ポリマーの実際の臭素
含有量と臭素置換スチレン系ポリマーの製造で用いたスチレン系ポリマー反応体
のMwを基準にして計算した理論的Mwの約20%以内、好適には約10%以内で
あることを特徴とする。
【0020】 この1番目の面の前記態様の各々における臭素置換スチレン系ポリマー、好適
には臭素置換ポリスチレンは、追加的に、本明細書の以下に記述する熱安定性試
験における熱安定性が1500ppm HBr以下、好適には1000ppmの
HBr以下、より好適には500ppmのHBr以下、最も好適には200pp
mのHBr以下(例えば100ppmのHBr以下の如く少ない)であり、ここ
で、前記ppmのレベルは全部当該臭素置換スチレン系ポリマーの全重量を基準
にしたレベルである。
【0021】 この上に記述した本発明の1番目の面の臭素置換ポリマー組成物の各々が有す
る全臭素含有量は、好適には少なくとも50重量%、より好適には少なくとも6
0重量%、最も好適には少なくとも約67重量%(例えば約68−71重量%の
範囲)である。
【0022】 本発明の2番目の面では、向上したメルトフロー(melt flow)特性
と向上した熱安定性の両方を有する臭素置換スチレン系ポリマー、例えば臭素置
換ポリスチレンを提供する。加うるに、本発明を用いると、そのような有益で有
利な特性を他の重要な特性を実質的に犠牲にすることなく達成することができる
。実際、本発明のこの面では、他の所望特性を有し、例えばイオン性臭素含有量
が低く塩素含有量が最小限であり(たとえあったとしても)かつ所望の色および
臭気特性を有する臭素置換スチレン系ポリマー、例えば臭素置換ポリスチレンを
提供することができる。
【0023】 従って、本発明の2番目の面に従い、60から66重量%臭素の範囲の臭素含
有量を有し、全塩素含有量がたとえあったとしても700ppm未満であり、G
PCによる重量平均分子量が500,000から800,000の範囲であり、
DSCによるガラス転移温度(Tg)が175℃未満でありかつ熱安定性試験に
おける熱安定性が250ppm HBr以下である臭素置換スチレン系ポリマー
、好適には臭素置換ポリスチレンを提供する。
【0024】 好適な態様では、前記熱安定性試験における熱安定性は150ppm HBr
以下、より好適には100ppm以下である。前記Tgは好適には165℃以下
、最も好適には160℃以下である。前記臭素含有量は好適には60から65重
量%の範囲、最も好適には60から64重量%の範囲である。塩素含有量はたと
えあったとしても好適には500ppm以下、より好適には200ppm以下、
最も好適には100ppm以下である。前記GPCによる重量平均分子量は好適
には500,000から700,000の範囲である。
【0025】 この2番目の面の更に他の好適な態様における臭素置換スチレン系ポリマー、
好適には臭素置換ポリスチレンは、(i)(a)塩化メチレン、(b)二塩化エ
チレンおよび特に(c)ブロモジクロロエタン、(d)ジブロモクロロエタン、
(e)ジブロモジクロロエタン、(f)トリブロモクロロエタンおよび(g)前
記の2種以上から成る任意混合物、特に(c)から(f)の少なくとも1つを含
有する混合物から成る群から選択される不純物を本質的含まずそして/または(
ii)溶液ΔE色値(クロロベンゼン中10重量%)が20未満、好適には2か
ら18の範囲、最も好適には2から15の範囲であり、そして/またはTGAに
よる1%重量損失の温度が約315℃を越え、より好適には約325℃以上であ
る。
【0026】 本発明の3番目の面では、ブレンドする前に(i)約50重量%を越える(好
適には約60重量%を越える、より好適には少なくとも約67重量%)の全臭素
含有量を有し、(ii)TGAにおける1%重量損失の温度が340℃以上、好
適には340℃から380℃の範囲、より好適には345℃から380℃の範囲
でありかつ(iii)塩素含有量がたとえあったとしても約700ppm Cl
未満(より好適には約500ppm Cl未満、更により好適には約100pp
m Cl未満)である臭素置換スチレン系ポリマーが少なくとも難燃量(fla
me retardant amount)で混ざり合っている熱可塑性ポリマ
ー、好適には熱可塑性エンジニアリング熱可塑性ポリマーを含んで成る組成物を
提供する。
【0027】 本発明の3番目の面の別の態様は、ブレンドする前に(i)約50重量%を越
える(好適には約60重量%を越える、より好適には少なくとも約67重量%)
の全臭素含有量を有し、(ii)塩素含有量がたとえあったとしても約700p
pm Cl未満(好適には約500ppm Cl未満、より好適には約100p
pm Cl未満)でありかつ(iii)本明細書の以下に記述する加水分解性臭
素試験における加水分解性臭素含有量が3600ppm Br以下、より好適に
は加水分解性臭素含有量が2800ppm Br以下である臭素置換スチレン系
ポリマーが少なくとも難燃量で混ざり合っている熱可塑性ポリマー、好適には熱
可塑性エンジニアリング熱可塑性ポリマーを含んで成る組成物である。
【0028】 この面の別の態様では、ブレンドする前に(i)約50重量%を越える(好適
には約60重量%を越える、より好適には少なくとも約67重量%)の全臭素含
有量を有し、(ii)TGAにおける1%重量損失の温度が340℃以上、好適
には340℃から380℃の範囲、より好適には345℃から380℃の範囲で
ありかつ(iii)本明細書の以下に記述する加水分解性臭素試験における加水
分解性臭素含有量が3600ppm Br以下、好適には加水分解性臭素含有量
が2800ppm Br以下である臭素置換スチレン系ポリマーが少なくとも難
燃量で混ざり合っている熱可塑性ポリマー、好適には熱可塑性エンジニアリング
熱可塑性ポリマーを含んで成る組成物を提供する。この態様で用いるに特に好適
な臭素置換スチレン系ポリマーは、ブレンド前の塩素含有量がたとえあったとし
ても約700ppm Cl未満(より好適には約500ppm Cl未満、更に
より好適には約100ppm Cl未満)であることをさらなる特徴とする臭素
置換スチレン系ポリマーである。
【0029】 本発明の3番目の面のさらなる態様は、ブレンドする前に(i)約50重量%
を越える(好適には約60重量%を越える、より好適には少なくとも約67重量
%)の全臭素含有量を有し、(ii)本明細書の以下に記述する熱安定性試験に
おける熱安定性が200ppm HBr以下、好適には150ppmのHBr以
下、より好適には100ppmのHBr以下である臭素置換スチレン系ポリマー
が少なくとも難燃量で混ざり合っている熱可塑性ポリマー、好適には熱可塑性エ
ンジニアリング熱可塑性ポリマーを含んで成る組成物である。この態様で用いる
に特に好適な臭素置換スチレン系ポリマーは、ブレンド前の塩素含有量がたとえ
あったとしても約700ppm Cl未満(より好適には約500ppm Cl
未満、更により好適には約100ppm Cl未満)であることをさらなる特徴
とする臭素置換スチレン系ポリマーである。
【0030】 更に別の態様は、ブレンドする前に(i)約50重量%を越える(好適には約
60重量%を越える、より好適には少なくとも約67重量%)の全臭素含有量を
有し、(ii)TGAにおける1%重量損失の温度が340℃以上、好適には3
40℃から380℃の範囲、より好適には345℃から380℃の範囲でありか
つ(iii)本明細書の以下に記述する熱安定性試験における熱安定性が200
ppm HBr以下、好適には150ppmのHBr以下、より好適には100
ppmのHBr以下である臭素置換スチレン系ポリマーが少なくとも難燃量で混
ざり合っている熱可塑性ポリマー、好適には熱可塑性エンジニアリング熱可塑性
ポリマーを含んで成る組成物である。この態様で用いるに特に好適な臭素置換ス
チレン系ポリマーは、ブレンド前の塩素含有量がたとえあったとしても約700
ppm Cl未満(より好適には約500ppm Cl未満、更により好適には
約100ppm Cl未満)であることをさらなる特徴とする臭素置換スチレン
系ポリマーである。
【0031】 本発明の3番目の面のさらなる態様は、ブレンドする前に(i)約50重量%
を越える(好適には約60重量%を越える、より好適には少なくとも約67重量
%)の全臭素含有量を有し、(ii)TGAにおける1%重量損失の温度が34
0℃以上、好適には340℃から380℃の範囲、より好適には345℃から3
80℃の範囲であり、(iii)本明細書の以下に記述する加水分解性臭素試験
における加水分解性臭素含有量が3600ppm Br以下、より好適には加水
分解性臭素含有量が2800ppm Br以下でありかつ(iv)本細書の以下
に記述する熱安定性試験における熱安定性が200ppm HBr以下、好適に
は150ppmのHBr以下、より好適には100ppmのHBr以下である臭
素置換スチレン系ポリマーが少なくとも難燃量で混ざり合っている熱可塑性ポリ
マー、好適には熱可塑性エンジニアリング熱可塑性ポリマーを含んで成る組成物
である。この態様で用いるに特に好適な臭素置換スチレン系ポリマーは、ブレン
ド前の塩素含有量がたとえあったとしても約700ppm Cl未満(より好適
には約500ppm Cl未満、更により好適には約100ppm Cl未満)
であることをさらなる特徴とする臭素置換スチレン系ポリマーである。
【0032】 更に別の態様は、ブレンドする前に(i)約67重量%以上の全臭素含有量を
有しかつ(ii)TGAにおける1%重量損失の温度が340℃以上、好適には
340℃から380℃の範囲、より好適には345℃から380℃の範囲である
臭素置換スチレン系ポリマーが少なくとも難燃量で混ざり合っている熱可塑性ポ
リマー、好適には熱可塑性エンジニアリング熱可塑性ポリマーを含んで成る組成
物である。
【0033】 本発明の3番目の面の前記組成物の各々で好適に用いる臭素置換スチレン系ポ
リマーは、更に、 a)ブレンド前に含有するClの量が検出不能な量であり、そして/または b)ブレンド前の実際のMwが臭素置換スチレン系ポリマーの実際の臭素含有量
と臭素置換スチレン系ポリマーの製造で用いたスチレン系ポリマー反応体のMw
を基準にして計算した理論的Mwの約20%以内、好適には約10%以内であり
、そして/または c)ブレンド前にブロモジクロロエタン、ジブロモクロロエタン、ジブロモジク
ロロエタンおよびトリブロモクロロエタンのいずれか1つ以上を検出可能な量で
含有せず、 d)ブレンド前に示すΔE色値が20未満(好適には5から18の範囲内、最も
好適には3から15の範囲内である)である、 ことをさらなる特徴とする。
【0034】 この上に記述した本発明の3番目の面の組成物は各々最も好適には更にまた補
強用充填材または繊維、好適にはガラス繊維も補強量(reinforcing
amont)で含みそして/または分散している難燃相乗剤(flame r
etardant synergist)も含んで成る。
【0035】 この上に記述した本発明の3番目の面の組成物の各々における熱可塑性ポリマ
ーは、最も好適には、熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリアミドである。
【0036】 この3番目の面の特徴は、従来技術の臭素置換ポリスチレンを用いて作られた
相当する組成物に比較して高いポリマー加工温度で向上した熱安定性を示しかつ
低下した金属腐食性を示す難燃組成物(flame retarded com
positions)をここに提供することができるようになった点にある。加
うるに、ここに、他の優れた特性、例えば高温時に低下した臭気および低下した
着色を示す難燃組成物を提供することができる。
【0037】 本明細書に示すppmのレベルは全部当該臭素置換スチレン系ポリマーの全重
量を基準にしたレベルである。
【0038】 以下に行う記述および添付請求の範囲から本発明の他の態様および特徴が更に
明らかになるであろう。
【0039】 (本発明の1番目の面−さらなる説明)臭素置換スチレン系ポリマー この面の臭素置換スチレン系ポリマーは臭素置換スチレン系ポリマー(好適に
は臭素置換ポリスチレン)である。このような臭素置換スチレン系ポリマーの全
臭素含有量は少なくとも50重量%、好適には60重量%を越え、より好適には
少なくとも67重量%であり、そしてこれのイオン性臭素含有量は2000pp
m以下、好適には1500ppm以下、より好適には1000ppm以下、最も
好適には500ppm以下であり、ここで、重量%およびppmのレベルは全部
特に明記しない限り当該臭素置換スチレン系ポリマーの全重量を基準にしている
。更に、本発明の臭素置換スチレン系ポリマー(好適には臭素置換ポリスチレン
)は特定の重要な追加的特性もしくは特徴を有し、このような特徴は、TGAに
おける1%重量損失の温度、全塩素含有量(もしあれば)、本明細書の以下に記
述する熱安定性試験における熱安定性、実際のMwが計算した理論的Mwに緊密に
一致していること、そして特定の不純物内容物を含まないことの如き要因に関す
る。説明を進めるにつれて本発明の他の適切な臭素置換スチレン系ポリマーの特
性が明らかになるであろう。
【0040】 この上に示したTGA特性を持たせた臭素置換スチレン系ポリマーの特徴であ
る高いTGA温度は反応後の精製技術によるものでないと考えている。むしろ、
そのような向上した熱安定性は本臭素置換スチレン系ポリマー自身の化学的構成
によるものであると考えている。
【0041】 この上に示したMw特性を持たせた臭素置換スチレン系ポリマーに関して、実
際のMwと理論的Mwの間の差がGPC分析の誤差の通常の±余裕度の外側にある
ことは、架橋が起こった(Mwが上昇した)か或はポリマー鎖の開裂が起こった
(Mwが低下した)証拠である。前記特性を持たせた臭素置換スチレン系ポリマ
ーに関して上述した20%の差には誤差の±余裕度が含まれる。好適な差は20
%未満の差であり、10%未満の差が最も好適である。同じポリマーに試験を受
けさせた場合にGPC技術が与える値は類似しているが異なる可能性があること
から、試験を受けさせるべきポリマーのGPC測定を連続的に5回行って値の算
術的平均を取ることで試験を最良に実施する。データの平均を取る他の技術、例
えばGPC測定を連続的に10回行って高い値と低い値を廃棄することで取った
平均を用いることなども適切であり、ただ1つの必要条件は得られる結果が正確
で再現性があることにある。
【0042】 本発明は、また、下記の如き式(I):
【0043】
【化1】
【0044】 [式中、 各Xは、独立して、−Hまたはハライド原子であるが、各ポリマー単位毎の各X
のなりたち(identity)は、臭素置換ポリスチレンが含有するX型ハラ
イド原子が6000ppm未満であるようななりたちであり、そして各ポリマー
単位毎のnの値は、臭素置換ポリスチレンが臭素を少なくとも50重量%含有す
るような値である] で表されるポリマー単位(polymer units)で構成されている新規
な熱安定性臭素置換ポリスチレンも提供する。経済性および性能の観点から、臭
素含有量が60重量%を越える値から70−71重量%(n=1.9から2.9
−3.0)の範囲内、特に68重量%から71重量%(n=2.7から3.0)
の範囲内であるのが好適である。
【0045】 ハライド原子Xに関して、好適な臭素置換ポリスチレンはXがブロマイドであ
る臭素置換ポリスチレンである。前記ポリマーは塩素原子をいくらか含有する可
能性はあるが、その量は僅かであり、通常は500ppm未満、恐らくは100
ppm未満である。塩素が存在する場合、これの源は恐らく臭素置換ポリスチレ
ンの製造で用いたルイス酸触媒または溶媒であろう。好適な臭素置換ポリスチレ
ンポリマーは、X線蛍光分析に従う塩素含有量が500ppm未満の臭素置換ポ
リスチレンポリマーである。経済性および性能の観点から、X型ブロマイドの含
有量が4000ppm未満、即ち1000ppmから3000ppmの範囲内で
あるのが有利である。X型ブロマイド含有量が0ppmから1500ppmの範
囲内であるのが最も有利である。
【0046】 本発明のこの面の臭素置換ポリスチレンは、これの正に発端からこのポリマー
が有するX型ハライド含有量がこの上で考察したように非常に低い点で独特であ
る。これは重要な面である、と言うのは、X型ハライド含有量を下げる目的で前
記ポリマーにさらなる処理を受けさせる必要がないからである。X型ハライドの
含有量を下げる、即ち加水分解で下げるのは望ましいことでない、と言うのは、
それによって構造内にヒドロキシル、エーテルおよび/またはオレフィン官能を
有するポリマーがもたらされ、それによってポリマーの特性が変わる可能性があ
るからである。本発明の臭素置換ポリスチレンは加水分解残渣をほとんどか或は
全く含有しない、即ちそれの含有量が500ppm未満、好適には100ppm
未満であるのが好ましい。
【0047】 本発明のこの面の最も好適な臭素置換ポリスチレン成分は、最も低いコストで
最も高い臭素含有量を与えかつ最も低いX型ハライド含有量を示す成分であり、
このような成分は、この上に示した所望特性を得るであろう。
【0048】 この面の臭素置換スチレン系ポリマーは、好適には、優れた追加的物性を示し
、例えば色も臭気もほとんどか或は全く持たない。難燃剤にとって色は重要な特
性であり、純白が最終的な目標である。全ての臭素置換方法でいろいろな着色体
が生じることから、本産業では、白色に近い製品を容認されるとして受け入れて
来た。従来技術の臭素置換ポリスチレンの色は、溶液ΔE値として表して一般に
20から35の範囲内に入るであろう。区別として、本発明に従って用いる臭素
置換ポリスチレンはΔE値(クロロベンゼン中10%)が典型的に20未満、好
適には2から18の範囲内であることを特徴とする。最も好適には、前記ΔE値
は2から15の範囲内であろう。
【0049】 この面の好適な臭素置換スチレン系ポリマーの別の物性は、これを150℃を
越える温度に加熱した時に本質的に全く臭気を発しないか或は臭気が非常に僅か
な点にある。比較として、Pyro−Chek(商標)68PB臭素置換ポリス
チレン難燃剤(Ferro Corporation)は150℃で注目すべき
ほど強い臭気を発する。このような強い臭気はPyro−Chek(商標)68
PB製品にブロモクロロエタン、例えばブロモジクロロエタン、ジブロモクロロ
エタン、ジブロモジクロロエタンおよびトリブロモクロロエタンなどが存在して
いることによるものであると考えている。本発明の臭素置換スチレン系ポリマー
にはそのようなブロモクロロエタン類は検出可能量で見られない。スチレン系ポリマー反応体 本発明のこの面の臭素置換スチレン系ポリマーを生じさせる目的で臭素置換を
受けさせるスチレン系ポリマーは、ビニル芳香族モノマーから作られたホモポリ
マーおよびコポリマーである。好適なビニル芳香族モノマーは式: H2C=CR−Ar [式中、 Rは、水素原子、または炭素原子数が1から4のアルキル基であり、そしてAr
は、炭素原子数が6から10の芳香基(環がアルキルで置換されている芳香基を
包含)である] で表される。そのようなモノマーの例はスチレン、アルファ−メチルスチレン、
オレソ−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、パラ
−エチルスチレン、イソプロペニルトルエン、ビニルナフタレン、イソプロペニ
ルナフタレン、ビニルビフェニル、ビニルアントラセン、ジメチルスチレン類、
t−ブチルスチレン、数種のブロモスチレン類(例えばモノブロモ−、ジブロモ
およびトリブロモ変異体)である。ポリスチレンが好適な反応体である。本臭素
置換スチレン系ポリマーの製造を2種以上のビニル芳香族モノマーから作られた
コポリマーの臭素置換で行う場合、スチレンが前記モノマーの1つでありかつス
チレンが共重合性ビニル芳香族モノマーの少なくとも50重量パーセントを構成
するのが好適である。臭素置換スチレン系ポリマーを製造する時の臭素置換でブ
ロモスチレン系ポリマー(bromo styrenic polymer)を
選択する場合、最初のブロモスチレン系ポリマーは、本発明の臭素置換スチレン
系ポリマーに存在させるべき臭素の含有量よりも低い臭素含有量を有するべきで
ある。これに関連して、本明細書および本明細書の請求の範囲で用いる如き用語
「臭素置換スチレン系ポリマー」および「臭素置換ポリスチレン」は、前以て存
在するスチレン系ポリマー、例えばポリスチレンまたはスチレンと他の少なくと
も1種のビニル芳香族モノマーから作られたコポリマーの臭素置換で生じる臭素
置換ポリマーを指し、これは1種以上の臭素置換スチレン系モノマーのオリゴマ
ー化または重合で生じるオリゴマーまたはポリマーから区別され、後者のオリゴ
マーまたはポリマーの特性は数多くの点で臭素置換ポリスチレンとはかなり異な
る。
【0050】 この1番目の面の臭素置換ポリスチレンの製造で用いるポリスチレン反応体は
商業的に入手可能なポリスチレン反応体のいずれであってもよい。このポリスチ
レンのバックボーンは一般に水添を受けておらず、従って不飽和を持つであろう
。EPO 0 201 411に教示されているようにアニオン的に生じさせた
ポリスチレンを用いて本発明の臭素置換ポリマーを生じさせる必要はなく、実際
、このポリスチレン反応体はアニオン製造のポリスチレンでないのが好適である
、と言うのは、そのようなポリスチレンポリマーは高価でありかつ容易には入手
できないからである。このポリマーが有するペンダント型芳香構成要素(aro
matic pendant constituents)はアルキルで置換さ
れていてもよいが、大部分のケースで、そのような置換基を持たないであろう。
本発明の臭素置換ポリスチレンを生じさせる時に用いるポリスチレンは、500
から500,000の範囲内のMwを示しかつ1より高い値から4の範囲内の多
分散性(polydispersity)を示すポリスチレンであろう。大部分
の目的で用いるに適したポリスチレン反応体は100,000から300,00
0の範囲内のMwを示しかつ1.25から2.5の範囲内の多分散性を示すであ
ろう。より低い分子量を有するポリスチレン反応体は500から100,000
の範囲内のMwを示しかつ約10未満、好適には1を越える値から4の範囲内の
多分散性を示すであろう。本発明のより高い分子量を有するポリマー反応体は3
00,000から500,000の範囲内のMwを示しかつ1を越える値から4
の範囲内の多分散性を示す。Mwおよび多分散性の値は両方とも本明細書の以下
に記述するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)技術を基にした値である。
【0051】 また、本臭素置換ポリスチレンである難燃剤を生じさせる時に用いるポリスチ
レンが如何なる添加剤も含有しないのが好適であり、例えばステアリン酸亜鉛、
パラフィン、鉱油などを含有しないのが好適であることも確認した。非常に好適
なポリスチレンは、Dow Chemical Companyが販売している
Styron(商標)612である。しかしながら、添加剤を含有するポリスチ
レン、例えばDow Chemical CompanyのStyron 66
8、Styron 677、Styron 680ばかりでなく、Hercul
es IncorporatedのPiccolastic A5、Picco
lastic A75またはPiccolastic D125、そしてChe
vton Chemical CompanyのEA 3300、MB3200
、MC3100またはEA3000、または他の製造業者の相当する材料を用い
ることも可能である。臭素置換ポリスチレンの製造 簡潔さの目的で、本明細書の以下に行う説明の多くで臭素置換ポリスチレン、
即ち本発明の好適な難燃剤の製造を言及する。この記述する原理および手順は他
の臭素置換スチレン系ポリマーの製造にも適用可能である。
【0052】 本発明の臭素置換ポリスチレンの製造は通常通りではない。適切な方法は、一
般に、ブロモクロロメタンとポリスチレンの溶液と臭素(ポリスチレン中の重合
したスチレン1モル当たり2.5から5モルの臭素)の混合物をブロモクロロメ
タンがさらなる量で入っておりかつAlCl3が触媒量で入っている反応槽に供
給することを含んで成る。ポリスチレンとブロモクロロメタンと臭素の混合物に
臭素置換用触媒を実質的に含めない。この語句「臭素置換用触媒を実質的に含め
ない」は触媒の量が触媒有効量未満であることを意味すると解釈されるべきであ
る。触媒をそのような低い量で用いると、触媒作用による臭素置換も架橋もほと
んどか或は全く起こらない。そのような量は、一般に、存在させるポリスチレン
反応体の重量を基準にして500ppm未満であろう。反応が起こる温度は−1
0℃から15℃の範囲内であろう。この反応を好適には−10℃から10℃の範
囲の1つ以上の温度で実施する、と言うのは、そのようにすると最も高い品質の
生成物がもたらされ、かつ驚くべきことに、反応自身がそのような低い温度でも
工程が商業的生産要求に合致するような適切に速い速度で進行するからである。
反応マス(reaction mass)が生じた後、それを通常は反応温度に
5分から2時間の範囲、好適には5分から60分の範囲の時間維持する。この時
間が経過した後、反応生成物に水を添加することで処理した後、沈降させること
で酸性相を除去する。所望に応じて水洗浄を数回実施してもよい。次に、この反
応マスを水酸化ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび/またはナトリウムボロハ
イドライドなどの如き塩基(通常は水溶液)で処理することで反応物のpHを適
切な塩基度レベルに調整して、いくらか残存する臭素化剤を失活させる。このよ
うな処理を行った後、反応マスを沈降させて、臭素置換スチレン系ポリマー生成
物を溶質として含有する有機相と水相を含む2相反応マスを得る。その水相をデ
カンテーションで除去し、そして残存する有機相から溶媒成分を除去する。前記
有機相をポンプ輸送して沸騰水に入れることでそのような除去を達成するのが最
も便利である。溶媒が瞬間的に蒸発して出て行くにつれて臭素置換スチレン系ポ
リマー生成物が沈澱物を形成する。この沈澱物は如何なる液体−固体分離技術で
回収されてもよく、例えば濾過または遠心分離などで回収可能である。次に、そ
の回収した沈澱物を乾燥させる。望まれるならば、完成させた臭素置換ポリスチ
レン組成物に塩基を熱安定量で混合してもよい。即ち、その完成させた臭素置換
ポリスチレン組成物を、この完成組成物のサンプルをブロモクロロメタンに溶解
させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時の水性抽出液が少なくと
も約9.0のpH、好適には9.5から11の範囲のpH、より好適には10か
ら10.5の範囲のpHを示すような量のアルカリ金属塩基をそれが含有するよ
うに処理してもよい。1998年4月24日付けで提出した共通所有の出願連続
番号09/066,172に、結果として得る臭素置換ポリスチレンの熱安定性
を向上させる目的で塩基水溶液を適切な量で用いる方法が記述されている。好適
な方法は、完成させた臭素置換ポリスチレン内に残存する塩基の残存量が適切に
なるように触媒失活段階中に用いる塩基の量を適切に多くする方法である。
【0053】 ルイス酸触媒の存在下の沸点が100℃未満の炭化水素またはハロ炭化水素溶
媒中でポリスチレンに臭素を用いた臭素置換を受けさせることで生じさせた反応
マスからイオン性ハロゲン含有量(例えばイオン性臭素もしくはイオン性塩素含
有量)が適切に低い精製された臭素置換ポリスチレンポリマー(または他の臭素
置換スチレン系ポリマー)を回収することを確保するに好適な方法を用いること
ができる。そのような好適な方法は下記を含んで成る: a)前記反応マスに水中でクエンチング(quenching)を受けさせるこ
とで水相と有機相を生じさせて前記有機相を回収し、 b)前記有機相と水を水相が有機相1体積部当たり0.02から0.6体積部で
あるような比率で10から100℃の範囲の温度で混合することで水性抽出相と
抽出を受けた有機相を生じさせて前記抽出を受けた有機相を回収し、 c)場合によるが好適には、b)で抽出を受けた有機相を無機アルカリ金属塩基
および水と一緒に混合することでアルカリ性混合物(この混合物中の水相のpH
は7から14の範囲、好適には10から14の範囲である)を生じさせ、 d)c)で得たアルカリ性混合物を臭素捕捉剤および水と一緒に混合することで
臭素を捕捉させた混合物を生じさせ、 e)d)で臭素を捕捉させた混合物を前記炭化水素またはハロ炭化水素溶媒の沸
騰温度またはそれより高い温度に維持されている無機アルカリ金属塩基水溶液と
一緒に混合することで臭素置換ポリスチレンを沈澱させ、そして f)e)で沈澱物として生じさせた臭素置換ポリスチレンを回収する。
【0054】 この上に示した段階c)を進行させる前に、この上に示した段階b)を必要に
応じてか或は適宜1回以上繰り返すことで、イオン性ハロゲン(例えばイオン性
臭素)を所望通り低下させてもよい。別法として、液−液抽出装置、例えば液−
液抽出塔などを用いた連続基礎を基にして段階b)を実施することも可能である
。亜硫酸ナトリウムおよびナトリウムボロハイドライドがこの上に示した段階d
)で用いるに好適な臭素捕捉剤である。しかしながら、他の水溶性無機硫化物を
用いることも可能である。かつ、この上に示した段階d)で望まれるならば合体
フィルター(coalescing filter)を用いて前記有機相から追
加的水相を除去してもよく、それによって、完成品のイオン性ハロゲン含有量を
更に低くすることも可能である。
【0055】 臭素置換ポリスチレンを製造する時、鉄の含有量を最小限、即ち鉄を約10p
pm未満に保つことが重要である。反応流れおよび生成物流れに接触する装置が
鉄製であると、それによって鉄が生成物の中に入り込むことが通常起こる。従っ
て、鉄混入源として作用しない工程装置を用いるのが好適である。このような装
置は例えばガラス内張り装置または耐食合金製装置であり得る。
【0056】 より詳細な工程説明を添付図を参照して以下に行う。図を参照した臭素置換工程の詳細な説明 好適な臭素置換ポリスチレン製造工程技術を本明細書に記述する。本明細書に
特に示さない限りまた本明細書の如何なる請求の範囲にも明記しない限り本発明
がそのような好適な工程技術の全部の使用に限定されることはないことは理解さ
れるであろう。
【0057】 このような好適な方法を用いて臭素置換ポリスチレンを生じさせる時に用いる
に有用なポリスチレンはこの上に記述したポリスチレン類のいずれかである。ま
た、この上に述べたように、ポリスチレンが添加剤を含まないのも好適である。
【0058】 この好適な方法で用いる触媒は、アルミニウムを基とする触媒のいずれかであ
り得、例えばAlCl3、AlBr3およびAlのいずれかであってもよい。また
、アルミニウム触媒の混合物を用いることも可能である。この触媒を反応装置に
添加した後、これは触媒活性を有意に失うことなくある種の反応を起こす可能性
があり、例えばAlCl3はある程度ではあるがAlBr3に変わる可能性がある
。入手性および価格が理由でAlCl3が選択した触媒であり、粉末グレードの
AlCl3は分散が容易であることからこれが最も好適である。
【0059】 この触媒を求める触媒効果が得られるに充分な量で用いる。このような触媒量
は当該触媒の活性に依存するであろうが、臭素置換を受けさせるスチレン系ポリ
マーの重量を基準にして一般に0.2から10重量パーセントの範囲、好適には
0.5から5重量パーセントの範囲内に入るであろう。触媒の活性が高ければ高
いほど使用量を少なくする一方、触媒の活性が低ければ低いほど使用量を多くす
る。AlCl3を触媒として用いる場合には、0.5から3重量パーセントの範
囲内の量が好適である。
【0060】 臭素化剤は好適には臭素である。臭素は2原子形態で商業的に入手可能であり
、或はHBrの酸化でそれを生じさせることも可能である。Br2は液体または
気体のいずれかで供給可能である。本方法で用いる臭素化剤の量は、供給する臭
素化剤全体とスチレン系ポリマー全体の全体モル比が前記ポリマーに含まれるス
チレン系モノマー単位当たりの臭素置換数が1から3になるようにすべきである
。この臭素置換を受けさせたポリスチレンが臭素を少なくとも約60重量%、望
ましくは臭素を少なくとも約68重量%、最も好適には臭素を69から71重量
%の範囲で含有するようにするのが好適である。この方法で用いる臭素化剤の量
は、所定スチレン系ポリマー毎に選択した工程パラメーター(process
parameters)を用いて得ることができる最大の臭素含有量を考慮に入
れて望まれる臭素含有量で決定されるであろう。要求される臭素含有量が高けれ
ば高いほど臭素化剤を多く用いる必要がある。過臭素置換(perbromin
ation)に近付くにつれて最後の臭素置換が困難になることを指摘する。臭
素化剤を更により多い量で添加しても必ずしもそのような困難さが軽減されると
は限らない。化学量論は、求める1置換当たりに1モルのBr2が必要であると
して容易に決定される。実際、実施者は、求める臭素含有量を重量基準で決定し
た後、それを得るに必要な臭素化剤のモル数を理想化した基準を基にして計算す
るであろう。例えば、スチレン系ポリマーがポリスチレンでありそして求める臭
素含有量が68重量%であるとすると、必要な臭素の量はスチレン系モノマー(
styrenic monomer)単位当たり少なくとも2.7モルであろう
(望まれるいくらかの化学量論的過剰量を含まない)。
【0061】 反応槽に臭素の全部をポリスチレン−ブロモクロロメタン溶液と一緒に添加し
てもよいか或は臭素の一部を前以て添加しておいてその残りを前記溶液と一緒に
添加することも可能である。予備添加を用いる場合には、そのような前以て添加
しておく部分を本方法で用いる臭素全体の0.5から20%の量にする。
【0062】 供給すべき混合物を、一般に、臭素化剤をスチレン系モノマー単位1モル当た
り1から8モル用いて供給時間の間のいずれかの時点で生じさせる。この供給時
間中の量関係は一定であってもよいか或は上述した範囲内で変えることも可能で
ある[前記範囲外のいくらかの偏位(excursion)もそれが本方法の効
率にも生成物の品質にも有意な害を与えない限り許され得る]。そのような供給
混合物を生じさせる時の好適な範囲はスチレン系モノマー単位1モル当たり2.
5から5モルの臭素化剤である。理解されるであろうように、スチレン系モノマ
ー単位に対する臭素化剤のモル比がその選択した臭素化剤とスチレン系モノマー
単位の全体的モル比よりも小さいか或は大きいと言った量で臭素化剤を供給混合
物中で用いると、結果として、混合物成分としての臭素化剤またはスチレン系ポ
リマーのいずれかが他の成分が枯渇する前に枯渇してしまうであろう。例えば、
臭素含有量が70重量%の臭素置換ポリスチレンを製造しようとする場合には臭
素とスチレン系モノマー単位の全体的モル比を3.0:1にするのが適切である
。しかしながら、臭素とスチレン系モノマー単位のモル比が1:1である供給混
合物を生じさせると、必要な全体的量の臭素を得る前にポリスチレンの供給すべ
き量が完了してしまうであろう。この場合、実施者は最初に1:1の混合物を用
いた後、ポリスチレン供給材料が枯渇した後に臭素供給材料のみを用いて継続す
ることになる。他方、供給混合物中のモル比が5:1になるように選択した場合
には、臭素が最初に枯渇し、そしてポリスチレン単独を用いて供給を終了させる
必要があるであろう。一般的には、全体のモル比と供給混合物の比率を少なくと
もいくらか同様にするのが好適である。しかしながら、全てのケースで、初期の
供給材料に含める臭素とスチレンモノマー単位のモル比を好適には少なくとも1
:1にすべきである。
【0063】 本方法で用いる臭素は本質的に無水、即ち水の含有量が100ppm(重量を
基準)未満でありかつ不純物、例えば油、グリース、カルボニル含有炭化水素ま
たは鉄などの含有量が10ppm以下であるのが好適である。入手可能な商業グ
レードの臭素はそのような不純物を含有している可能性がある。しかしながら、
そのような臭素が入手不能な場合には、臭素と濃(94−98パーセントの)硫
酸を3対1の体積比で一緒に混合することを通して臭素の有機不純物含有量およ
び水含有量を便利に低くすることができる。2相混合物が生じ、これを10−1
6時間撹拌する。撹拌そして沈降させた後、不純物と水を伴う硫酸相を臭素相か
ら分離する。臭素の純度を更に向上させる目的でその回収した臭素相に蒸留を受
けさせることも可能である。
【0064】 臭素置換に好適な有機溶媒、即ちブロモクロロメタンを好適には本質的に無水
にし、水の含有量(重量を基準)を100ppm未満にする。この溶媒の水含有
量を実際に得ることができる少ない量、即ち0から30ppm(重量を基準)の
範囲にするのが最も好適である。
【0065】 本方法では反応マスが無水の状態であると利点が得られる。水はアルミニウム
触媒の触媒活性に影響を与える傾向があり、このような影響によってスチレン環
の迅速な芳香臭素置換(aromatic bromination)が邪魔さ
れる可能性がある。ある理由で、実施者が水を工程に多い量で入れそして脱水を
実施することができない時には、単に触媒の使用量を多くすることでそのような
状況を克服することができる可能性がある。
【0066】 ブロモクロロメタンとスチレン系ポリマーの溶液を生じさせておくと、前記ポ
リマーの取り扱いが容易になりかつ臭素との混合が容易になる。このような溶液
のポリマー含有量を好適には5から50重量%にする。ポリマー含有量が5から
30重量%の溶液がより高度に好適である。
【0067】 臭素/スチレン系ポリマー混合物に送り込む臭素置換用触媒が溶液、スラリー
、分散液または懸濁液の状態になり得るように前記触媒をブロモクロロメタンと
一緒にしておくのが好適である。そのようにすると反応マスの混合が向上しかつ
質量移動性質(mass transfer qualities)が向上する
であろう。このブロモクロロメタンと触媒の混合物は懸濁液であるとして最良に
記述される。ブロモクロロメタンをブロモクロロメタンと触媒の全重量を基準に
して一般に95から99.9重量%、好適には99から99.8重量%の量で用
いるのが適切である。
【0068】 工程装置が発熱過程に由来する熱負荷、発生するHBrおよび他の工程懸念を
処理する能力を考慮に入れて、スチレン系ポリマー/臭素化剤の混合物の供給を
迅速に行うべきである。簡単に述べると、決定的工程パラメーターから外れた偏
位が起こらないようにしながら装置が許容する最も短い時間で供給を行うことが
できる。商業的規模のプラントの場合の供給時間は一般に0.5から3時間にな
ると予測される。工程の規模が小さくなればなるほど供給時間が短くなると予測
される。
【0069】 臭素置換反応は−20℃から60℃の範囲内の温度で実施可能である。望まし
くは、臭素置換の温度を−10℃から15℃の範囲内に維持する。最も好適な温
度は−10℃から0℃の範囲の温度である。最後に述べた範囲の温度を用いると
品質が最高の生成物が生じ、かつ驚くべきことに、反応自身もそのような低い温
度において工程が商業的生産要求に合致するような適切に速い速度で進行する。
圧力は大気圧、大気圧以下または大気圧以上であってもよい。
【0070】 本方法を実施する時、容易に撹拌可能な懸濁液が得られるように臭素置換用触
媒、好適には粉末にしたAlCl3を本質的に無水のブロモクロロメタンに入れ
て懸濁させる。この懸濁液の調製をガラス内張り撹拌反応槽内で行って−10℃
から−5℃の範囲内の温度に持って行く。この反応槽内に入っている混合物を不
活性な乾燥雰囲気下に維持する。スチレン系ポリマーとブロモクロロメタンが入
っている溶液を生じさせた後、臭素の流れと密に混合することで均一な混合物を
生じさせる。この混合物を前記反応槽内で撹拌している臭素置換用触媒懸濁液に
供給する。このスチレン系ポリマー溶液と臭素の密な混合は数多くの方法で実施
可能である。例えば、前記溶液と臭素を混合用装置、例えば反応槽内の懸濁液面
の下方地点にまで伸びているディップチューブ(diptube)の下方末端の
所に位置する混合用ノズルなどに供給してもよい。この混合用装置の設計を前記
溶液と臭素の密な混合が得られるような設計にする。この混合用装置は、また、
混合用エネルギーを前記密な混合物および触媒懸濁液に供給時点で与える働きも
する。スチレン系ポリマー溶液と臭素化剤の密な混合を得る別の技術は、インラ
インミキサー(in−line mixer)、例えば衝突ミキサーなどが備わ
っている外部反応槽ループ(exterior reactor loop)を
用いる技術である。このような外部反応槽ループの使用は、一般に、反応槽に最
初に臭素置換用触媒のスラリー、即ち懸濁液を仕込んだ後、反応槽から流れを取
り出し、その流れを次に反応槽の外側に位置するミキサーに送ることを包含する
。また、少なくとも臭素とスチレン系ポリマーから生じさせた混合物も前記ミキ
サーに供給することで2番目の混合物を生じさせるが、これを前記2つの供給材
料を前記ミキサーに送り込むことで生じさせる。次に、この2番目の混合物を前
記反応槽に戻す。この反応槽から出て来る流れは、最初、触媒を含有しているで
あろう。この2番目の混合物を前記反応槽に供給して工程を実施した後に取り出
される流れは触媒と一緒に臭素置換ポリスチレンを含有し始めるであろう。
【0071】 図1を参照して、反応槽であるジェットミキサーの使用を実証するが、図1に
、番号10で一般的に表示する反応槽を示す。反応槽10は撹拌反応槽であり、
これに触媒とブロモクロロメタンを含んで成る懸濁液を最初に入れる。再循環流
れを反応槽10から反応槽排出導管40に通してポンプ50に送る。この流れは
ポンプ50で加圧されて導管70を通って強制的に反応槽10に戻る。臭素を導
管20に通してポンプP1に送ると同時にポリスチレンとブロモクロロメタンの
溶液を導管22に通してポンプP2に送る。ポンプP1およびP2は、臭素とポリ
スチレンと溶媒の密な混合物が得られるように、それぞれ、ライン26および2
8を通してジェットミキサー24への供給を行う。この密な混合物は、反応槽内
容物の完全な混合が確保されるように、撹拌機30の近くで反応マスの中に送り
込まれる。反応槽10からの内容物の取り出しおよび反応槽10へ戻す再循環か
つまたジェットミキサー24への新鮮な反応体の供給を、臭素およびポリスチレ
ン/ブロモクロロメタン溶液の少なくとも実質的に全部が反応マスの中に送り込
まれるまで継続する。
【0072】 理解されるであろうように、反応槽10の内容物は前記臭素とブロモクロロメ
タンの溶液を供給している間に組成の点で変化する。反応槽10の内容物は、最
初、触媒と溶媒を含んで成る。この過程が進むにつれて、反応槽の内容物は臭素
置換を受けたポリスチレンを含むようになりかつそれの量が豊富になって来る。
【0073】 ディップチューブミキサーを用いるか或は外部衝突ミキサー(exterio
r impingement mixer)を用いるかに拘らず、スチレン系ポ
リマーの臭素置換によってHBrが主要な副生成物として生じるであろう。この
過程で生じるHBrは最初に溶媒を飽和状態にした後、HBrはそこから出て反
応槽内容物の上のヘッドスペース(head space)の中に入り込む。こ
のHBrを除去して水スクラバー(water scrubber)に送り込む
か或は乾燥HBrとして貯蔵するのが好適である。反応槽内容物の上の詰物(p
ad)として乾燥した不活性ガス、例えば窒素などを用いることでそこに存在す
る水の量を最小限にすることができる。
【0074】 前記スチレン系ポリマーおよび/または臭素化用供給材料(brominat
ing feed)を供給している間、前記反応槽を、全てのケースで、好適に
は低い温度、例えば−10℃から10℃の温度に維持するが、場合により、最も
好適には−10℃から5℃に維持してもよい。また、この供給が終了した後も反
応槽を反応温度(望ましくは−10℃から15℃の範囲、好適には−10℃から
10℃の範囲)に5分から2時間、好適には5から60分間維持する。前記供給
が終了した後のそのような追加的時間は、臭素置換を所望度合の臭素置換が達成
されるまで続けるためのものである。そのような時間は、臭素−ポリスチレン供
給中の反応パラメーターが穏やかな臭素置換条件を与える場合の方が、前記供給
中の選択したパラメーターがより過激な臭素置換条件を与える場合よりも長くな
るであろう。また、高い度合の臭素置換(例えば臭素置換ポリスチレンに含まれ
る臭素が69重量%を越える)が求められる場合にも前記時間を長くする。前記
供給が終了した後の追加的時間の間、反応マスを反応槽内に保持しておいてもよ
い。また、このような保持時間を用い、不活性な気体による清掃を用いることで
、反応マスからHBrをより多い量で除去することも可能である。
【0075】 所望度合の臭素置換が達成された時点で、適切に低いイオン性ハロゲン含有量
を有する精製臭素置換ポリスチレンポリマーを回収する好適な方法[この上に記
述した段階a)からf)を伴う]を用いることができる。反応マスを処理する別
の同様な方法は、反応マスを水で処理して触媒を失活させる方法である。次に、
この反応マスを沈降させてHBr水溶液相を除去する。次に、いくらか残存する
臭素化剤を除去する目的で亜硫酸ナトリウムまたはナトリウムボロハイドライド
を典型的には水溶液として添加してもよく(好適には添加し)、次に、水酸化ナ
トリウムを再び典型的には水溶液として添加することで、反応マスのpHを調整
してもよい。亜硫酸ナトリウムおよびナトリウムボロハイドライドがいくらか残
存する臭素化剤の除去で用いるに好適な臭素捕捉剤ではあるが、他の水溶性無機
硫化物、例えば亜硫酸リチウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸
アンモニウムなど、または他の水溶性ボロハイドライド、例えばリチウムボロハ
イドライドまたはカリウムボロハイドライドなどを用いることも可能である[そ
のような亜硫酸塩またはボロハイドライドアニオンが捕捉機能を遂行する限りそ
して/またはそのような無機亜硫酸塩もしくはボロハイドライドを水に溶解させ
た時に他の如何なる種が生じようとも]。このような亜硫酸塩またはボロハイド
ライドの水溶液に溶解している無機亜硫酸塩またはボロハイドライドの濃度は適
切な如何なる濃度であってもよく、そして用いる水溶性亜硫酸塩もしくはボロハ
イドライド塩の量は、処理を受けさせるべき混合物に存在する残存量の臭素化剤
と反応する(を分解させる)に少なくとも充分な量でなければならない。亜硫酸
塩またはボロハイドライドを大過剰量、例えば約2−3モル%過剰量を越える量
で用いる必要はなくまた推奨もしない、と言うのは、そのような過剰分は有効な
目的で働かない廃棄材料に相当するからである。前記臭素化剤を捕捉させた後、
望まれるならば追加的水酸化ナトリウムまたは他のアルカリ金属塩基を前記臭素
置換ポリスチレンの安定剤として働くに適切な量で好適には水溶液の形態で添加
してもよい。そのような安定剤を用いるか否かに拘わらず、反応マスを沈降させ
ることで、臭素置換を受けたスチレン系ポリマー生成物を溶質として含有する有
機相と水相を含む2相反応マスを得る。その水相をデカンテーションで除去し、
そして残存する有機相から溶媒成分を除去する。前記有機相を沸騰しているか或
はほぼ沸騰している水の中に注ぎ込むことを通してそのような除去を達成するの
が最も便利である。前記溶媒が瞬間的に蒸発して出て行くにつれて、その残りの
液相中に臭素置換スチレン系ポリマー生成物粒子が沈澱物として生じてそれから
分離し、それと同時に、望まれるならば、その粒子状の臭素置換ポリスチレンが
生成する時に塩基を前記臭素置換ポリスチレンの中に適切な量で取り込ませても
よい。望まれるならば、界面活性剤、例えばスルホこはく酸ジオクチルのナトリ
ウム塩などを前記熱水に添加してもよい。スルホこはく酸ジオクチルを用いる場
合、これの量は水と界面活性剤の全重量を基準にして0.01から0.05重量
%の範囲内であってもよい。前記沈澱物は如何なる液体−固体分離技術で回収さ
れてもよく、例えば濾過、遠心分離などで回収可能である。次に、この回収した
沈澱物を乾燥させる。分析方法 臭素置換スチレン系ポリマーはテトラヒドロフラン(THF)などの如き溶媒
中で良好な溶解度を示すか或は少なくとも容認される溶解度を示すことから、臭
素置換スチレン系ポリマーの全臭素含有量の測定は通常のX線蛍光技術を用いて
容易に達成される。分析を受けさせるサンプルは希釈サンプル、即ち臭素置換ポ
リスチレンを60mLのTHFに0.1±0.05g入れたサンプルである。X
RF分光測定装置はPhillips PW1480 Spectromete
rであってもよい。ブロモベンゼンがTHFに入っている標準溶液を較正標準と
して用いる。本明細書に記述しそして本実施例に報告する全臭素値は全部XRF
分析方法を基にした値である。
【0076】 臭素置換スチレン系ポリマーのイオン性臭素含有量を測定する時に用いる手順
は、当該ポリマーのサンプルを適切な有機溶媒に溶解させそしてその溶液を硝酸
銀の標準溶液で滴定することを伴う。特に、臭素置換スチレン系ポリマーのサン
プルを0.1mg最寄りで2.0グラム重量測定して600mLのビーカーに入
れた後、テトラヒドロフラン(THF)を200mLおよび撹拌子を入れる。固
体が完全に溶解するまで撹拌を行う。この溶液にトルエンを50mL加えて、こ
の混合物を撹拌する。滴定を実施する直前に前記サンプルの混合物にアセトンを
50mLに続いてイソプロピルアルコールを50mLそして次に氷酢酸を10m
L加える。次に、自動電位差滴定装置、例えばMetrohm 670、716
もしくは736または相当物を用いて、標準化した0.01NのAgNO3で前
記サンプルを直ちに滴定する。この手順で試薬等級(A.C.S.)のTHF、
トルエン、イソプロピルアルコールおよび酢酸を用いる。サンプルを重複して用
いて分析を実施することに加えて、ポリマーを用いない以外は同じ様式でブラン
クサンプルの測定も実施した。イオン性臭素とイオン性塩素の両方が存在してい
る場合にはブロマイドが最初に滴定される。屈曲点間の差がクロライド滴定量で
ある。2サンプルの測定値の平均を報告する。しかしながら、2サンプルが互い
の10%以内で一致しない場合には、追加的反復サンプルを同じ方法で分析し、
この3分析の平均を3有意デジット(three significant d
igits)に報告する。イオン性臭素もしくは塩素の計算は下記の通りである
: イオン性臭素(ppm)=[AgNO3のmLxAgNO3の規定濃度x(7.9
9)x104]/サンプルの重量(グラム) イオン性塩素(ppm)=[AgNO3のmLxAgNO3の規定濃度x(3.5
45)x104]/サンプルの重量(グラム) AgNO3のmL=(サンプルに要したmL)−(ブランクに要したmL)。
【0077】 本発明の臭素置換ポリマーの色属性を測定する時にも臭素置換スチレン系ポリ
マーが入手が容易な溶媒、例えばクロロベンゼンなどに溶解し得ることを再び利
用する。用いる分析方法は極めて簡単である。臭素置換ポリスチレンを5g±0
.1g量り取って50mLの遠心分離管に入れる。この管にまたクロロベンゼン
も45g±0.1g加える。この管を密封してリストアクション(wrist
action)の振とう機で1時間振とうする。この1時間の振とう時間後、前
記溶液を溶解しなかった固体に関して検査する。曇りが存在している場合、前記
溶液の遠心分離を4,000rpmで10分間行う。この溶液がそれでも透明で
ない時には、遠心分離を追加的に10分間行う。この溶液が曇ったままの場合に
は、正確な測定を行うのは不可能であるとしてそれを廃棄すべきである。しかし
ながら、透明が溶液が得られたならば(ほとんどの場合得られる)、これに、H
unterLab ColorQuest Sphere Spectroco
lorimeterを用いた試験を受けさせる。透過長が20mmの透過用セル
を用いる。比色計を「Delta E−lab」に設定して、色をΔEとして報
告しかつ色値を「L」、「a」および「b」で示す。TA Instrumen
ts DSC Model 2920を用いてDSC値を得た。サンプルを窒素
下10℃/分で25℃から400℃にまで加熱した。
【0078】 熱重量分析(TGA)を用いて本発明の臭素置換スチレン系ポリマーが示す熱
挙動を試験する。TA Instruments Thermogravime
tric Analyzerを用いてTGA値を得る。各サンプルをPt製鍋の
上に置いて、50−60ml/分の窒素流を用い、10℃/分で25℃から60
0℃にまで加熱する。
【0079】 サンプルの熱安定性を測定しかつ腐食の可能性を推定する目的で米国特許第5
,637,650号に記述されている如き下記の試験手順を用いた。各サンプル
の実験を重複して行う。2.00±0.01gのサンプルを新しい奇麗な20x
150mmの試験管に入れる。ネオプレン製ストッパーとビトン(Viton)
(商標)フルオロエラストマー製配管を用いて、前記試験管から出る気体が3個
の250mLサイドアームフィルターフラスコ(sidearm filter
flasks)(各々に0.1NのNaOHが200mLとフェノールフタレ
ンが5滴入っている)に入っている表面下気体分散用フリット(subsurf
ace gas dispersion frits)の中に連続的に送られる
ように前記試験管を窒素パージライン(purge line)につなげる。0
.5 SCFHの一定窒素パージを用いて、前記試験管を溶融塩浴液(molt
en salt bath)(51.3%KNO3/48.7%NaNO3)中で
300℃に15分間加熱した後、周囲温度に5分間置く。次に、このサンプルが
入っている試験管を奇麗な乾燥した試験管に置き換えた後、この空の試験管を3
00℃の塩浴液に入れながら前記器具を窒素で追加的に10分間パージ洗浄する
。この試験管、配管および気体分散用管の全部を脱イオン水で濯いだ後、この濯
ぎ液を前記3個の収集用フラスコに入っている溶液と定量的に(quantit
atively)一緒にする。この一緒にした溶液を1:1のHNO3で酸性に
した後、自動電位差滴定装置(Metrohm 670、716、736または
相当品)を用いて、前記溶液を0.01NのAgNO3で滴定する。結果をHB
rのppm、HClのppmおよびHBr相当物のppmとして下記の如く計算
する: ppm HBr=(EP1)(N)(80912)/(サンプル重量) ppm HCl=(EP2−EP1)(N)(36461)/(サンプル重量) ppm HBr相当物=(EP2)(N)(80912)/(サンプル重量) ここで、EP(x)=終点xに到達するまでに用いたAgNO3のmL;そして
N=AgNO3のモル規定。 前記配管を次の分析を行う前に窒素で徹底的に乾燥させる。実験日毎に1番目の
サンプルを実験する前に3個の空の奇麗な試験管をブランクとして実験すること
で、系内に残存ハロゲン化水素が全く存在しないことを確かめる。
【0080】 Watersモデル510 HPLCポンプを用いかつWaters Ref
ractive Index Detector, Model 410および
Precision Detector Light Scattering
Detector, Model PD 2000を検出器として用いたGPC
でMw値を得た。カラムはWaters,μStyragel,500Å,10,
000Åおよび100,000Åであった。オートサンプラーはShimadz
u,Model Sil 9Aであった。常規通りポリスチレン標準(Mw=1
85,000)を用いて光散乱データの精度を調べた。使用した溶媒はHPLC
グレードのテトラヒドロフランであった。用いた試験手順は、0.015−0.
020gのサンプルを10mLのTHFに溶解させることを伴っていた。この溶
液の一定分量を濾過して50μLを前記カラムに注入する。Precision
DetectorsがPD 2000 Light Scattering
Detectorで供給しているソフトウエアを用いて分離物の分析を行った。
【0081】 式: BrPSの理論的Mw=PSのMw+[(PSのMw)(Brの原子重量−Hの原
子重量)(Styのモル重量)(0.01)(Brの重量%)]/[(Brの原
子重量)(Styのモル重量)−(Brの原子重量−Hの原子重量)(Styの
モル重量)(0.01)(Brの重量%)] に従って計算した理論的Mw値を得た。
【0082】 本出願全体に渡って、「PS」を用いる場合、これをポリスチレンを表示する
目的でそれと互換的に用い、これはポリスチレンを意味する一方、「Sty」は
スチレンを意味する。用語「Mw」は、この上に記述したGPCで測定(光散乱
検出器)した時の重量平均分子量を意味する。ポリマー基質、他の成分、比率 本発明のさらなる態様に従って前記臭素置換スチレン系ポリマーと一緒にブレ
ンド可能な個々の熱可塑性プラスチックには、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、
ポリトリメチレンテレフタレート、それらの2種以上のブレンド物または混合物
、そして類似の共重合体である熱可塑性ポリエステル(特に補強用充填材、例え
ばガラス繊維などが充填またはそれらで補強されている時)が含まれる。好適な
熱可塑性ポリエステルはポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフ
タレートである。ポリアミドである熱可塑性プラスチック、例えばポリアミド6
、ポリアミド6,6、またはポリアミド12(再び好適にはガラスが充填されて
いる時)などにも同様な様式で有効に難燃性を与えることができる。このような
配合に適宜通常の添加剤、例えば難燃相乗剤、抗酸化剤、UV安定剤、染料、顔
料、衝撃改良剤、充填材、酸捕捉剤、可塑剤、流れ助剤、発泡剤などを含めるこ
とも可能である。本発明の好適なポリマーブレンド物は、難燃相乗剤またはガラ
ス繊維である充填材または補強剤を含有させたブレンド物であり、最も好適には
、相乗剤と補強用繊維および/または充填材の両方を含有させたブレンド物であ
る。
【0083】 本発明の臭素置換スチレン系ポリマーである難燃剤を難燃量で用いるが、これ
は典型的に5から20重量%の範囲であり、この重量%は、熱可塑性ポリマー配
合またはブレンド物の全重量を基準にした重量%である。ガラス繊維などの如き
補強用充填材を用いる場合、これの量を典型的には完成組成物の全重量を基準に
して約50重量%以下の範囲にする。難燃相乗剤、例えば三酸化アンチモン、五
酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム、酸化鉄、ホ
ウ酸亜鉛または同様な相乗剤などを用いる場合、これの量を一般に完成組成物の
全重量を基準にして約12重量%以下の範囲にする。
【0084】 また、基質である熱可塑性ポリマー以外の成分は適切な相対的比率で存在する
が基質であるポリマーのブレンド量はより少ない量であるマスターバッチ組成物
も本発明の範囲内である。従って、本発明は、本発明の臭素置換スチレン系ポリ
マー(好適には臭素置換ポリスチレン)と一緒に例えば1:99から70:30
の範囲の重量比(基質ポリマー:臭素置換ポリスチレン)で混ざり合っている少
なくとも1種の熱可塑性ポリマー、例えばポリアルキレンテレフタレートまたは
ナイロンポリマーなどを含んで成る組成物を包含する。そのようなマスターバッ
チブレンド物に、必要ではないが、また、充填材または補強用繊維および/また
は少なくとも1種の難燃相乗剤、例えば酸化鉄、ホウ酸亜鉛または好適には酸化
アンチモンである相乗剤、例えば三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチ
モン酸ナトリウムまたはアンチモン酸カリウムなどを含有させておくことも可能
である。使用可能な補強剤または充填材の典型的な例には、低アルカリのE−ガ
ラス、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ガラス球もしくはミクロバルーン、ホ
イスカ、タルク、ウォラストナイト、カオリン、チョーク、焼成カオリンおよび
同様な物質が含まれる。望まれるならば、そのような補強剤もしくは充填材と一
緒にサイジング剤を用いることも可能である。適切なガラス充填ポリアルキレン
テレフタレートまたはナイロン成形用組成物は数多く開放市場で入手可能であり
、それらを本発明の組成物の調製で用いることができる。
【0085】 本発明では、また、本発明の臭素置換スチレン系ポリマーと相乗剤で構成させ
た添加剤ブレンド物、例えば臭素置換ポリスチレンが75重量部で相乗剤、例え
ば三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン
酸カリウム、酸化鉄、ホウ酸亜鉛または類似相乗剤が25重量部のブレンド物な
ども提供する。典型的には、そのようなブレンド物に本臭素置換ポリスチレンを
70から98重量部の範囲で含有させかつ前記相乗剤を30から2重量部の範囲
で含有させる[この2成分の総量は100重量部である]。そのような添加剤ブ
レンド物にまた他の適切な添加剤成分を適切な量で含めることも可能である。
【0086】 本発明のそのような追加的組成物を構成するブレンド物または配合物を生じさ
せる時、いろいろな公知手順を用いることができる。例えば、ポリアルキレンテ
レフタレートポリマーまたはナイロンポリマーと本臭素置換スチレン系ポリマー
、例えば臭素置換ポリスチレンと完成ブレンド物に添加すべき他の任意の成分も
しくは材料を粉末形態で一緒にブレンドした後、押出し加工、圧縮成形または射
出成形などで成形してもよい。同様に、前記成分をバンバリーミキサー、ブラベ
ンダーミキサー、ロールミル、ニーダーまたは他の同様な混合装置で一緒に混合
した後、例えば押出し加工などで所望形態もしくは構造に成形した後、粉砕して
粒状物またはペレットにしてもよいか或は他の公知方法を行ってもよい。
【0087】 以下に示す実施例は説明の目的で示すものであり、本発明の範囲に制限を課す
と解釈されるべきでない。実施例1−3に本発明の臭素置換ポリスチレンを生じ
させるに好適な一般的手順を示す。
【0088】 (実施例) 実施例1 5Lのジャケット付きガラス製反応槽に機械的パドル撹拌機、コンデンサおよ
びサーモウエル(thermowell)を取り付けて、前記反応槽内でブロモ
クロロメタン(BCM、水が9ppm)が770.0gで粉末にしたAlCl3
が2.775gの混合物を調製した。この反応槽の入り口にジャケット付きガラ
ス製混合用T字管を取り付けて、それに臭素(533.35g、3.337モル
)そして134.00g(1.287/nモル)のポリスチレン(Mitsub
ishi Kasei Polytex、Mw=270,000)が1204g
のBCMに入っている溶液をそれぞれ8.74g/分および20.27g/分の
平均速度でポンプ輸送した。前記反応槽および混合用T字管を1時間の供給時間
および次の1時間の処理(cook)時間の全体に渡って循環グリコール浴で冷
却して0℃から2℃の温度に維持した。次に、この反応混合物を水で洗浄した後
、グルコン酸ナトリウム水溶液と亜硫酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合物
で中和した。その有機相を追加的BCM(1450g)で希釈した後、この溶液
を、スルホこはく酸ジオクチルのナトリウム塩(界面活性剤)が0.25g入っ
ている1.8Lの熱(90℃−94℃)水に滴下することで、生成物を沈澱させ
かつ溶媒を留出させた。このスラリーを濾過して、オフホワイト(off−wh
ite)の固体を水で洗浄した。乾燥を150℃で一定重量になるまで行うこと
で389.8g得た。この生成物の全臭素含有量は69.5%で加水分解性臭素
含有量は1300ppmであった。
【0089】 実施例2 5Lのジャケット付き反応フラスコを前記ジャケットにグリコール浴液を循環
させることで0℃に冷却しながら、この反応フラスコに乾燥(水が10ppm)
ブロモクロロメタン(BCM)を1549.83g入れ、これに粉末にした塩化
アルミニウムを7.209g分(54.1ミリモル)懸濁させた(250rpm
で撹拌)。PS(360.96g、3.4657/nモル)が乾燥BCMに10
.00重量%入っている溶液(3250.44g)を2番目の5Lフラスコ内で
調製した。用いたPSはMwが190,000のDow Styron(商標)
612であった。このPSの溶液をこの供給材料の貯蔵装置に備わっている下部
のバルブから前記反応フラスコに取り付けられているグリコール冷却ジャケット
付き混合用T字管にポンプ輸送した。それと同時に、臭素を風袋を量っておいた
供給材料貯蔵槽から前記同じ混合用T字管にポンプ輸送することで前記ポリスチ
レン溶液と一緒にした後、前記反応フラスコ内で撹拌している触媒懸濁液に滴下
した。Masterflex(商標)7550−90ポンプを2つ用いた。PS
供給装置では全体がテフロン(登録商標)(Teflon)製の供給ラインを用 い、ポンプヘッド77390を60rpmの一定速度で作動させた。それによっ て1分当たり21.02/nミリモル(21.89g/分)のPSから成る一定 の供給速度が得られた。臭素供給装置では、テフロン製配管とビトン製配管の組 み合わせを用い、ポンプヘッド7518−10を最初の18分間は70.05ミ リモル/分の速度で作動させ、18−23分間は38.80ミリモル/分の速度 で作動させそして23−165分間は56.75ミリモル/分の速度で作動させ た。両方の供給とも165分で終了した。Br2/PSの全体のモル比は2.7 0であった。ポリマーが反応フラスコに完全に移送されるのを確保する目的でP S溶液供給装置の濯ぎで乾燥BCMを260.95g用いた。この添加全体そし て次の2.3時間の処理全体に渡って反応温度を0℃から4℃に維持した(反応 槽の塔頂部分を窒素でパージ洗浄しながら)。排出ガス用の苛性スクラバーの重 量上昇は665.4gであった(HBrの理論値の87.8%)。10重量%の グルコン酸ナトリウム水溶液を125.0g添加することで触媒を失活させた。 10重量%の亜硫酸ナトリウム水溶液を63.41g分加えた後、10重量%の NaOH水溶液を423.0g加えることでpHを14に調整した。BCM(1 334.6g)を用いた希釈を行った後、その有機相を分離して水(1011. 8g)で洗浄した。この有機相を激しく撹拌している熱(90℃−94℃)水( これにスルホこはく酸ジオクチルのナトリウム塩を1.23g添加しておいた) に加えることを通して、生成物を回収した。溶媒が前記熱水から留出することで 、臭素置換ポリスチレン生成物が水に入っているスラリーが残存した。このオフ ホワイトの固体を吸引で濾過した後、水で濯ぎ、真空オーブンに入れて1085 .98g(97.9%の収率)の一定重量になるまで乾燥(150℃/2トール /5時間)させた。このようにして生じさせた臭素置換ポリスチレンのイオン性 臭素含有量はほんの88ppm(重量)であった。
【0090】 実施例3 2Lのフラスコを用いて、ポリスチレンを40g用い、AlCl3の重量%(
ポリスチレンを基準)を2.0重量%にし、ポリスチレンに対する臭素の供給モ
ル比を3.33にし、臭素の全当量を2.78にし、温度の範囲を0℃から5℃
にし、臭素/ポリスチレンの供給時間を32分/38分にしそして処理時間を1
50分にする以外は実施例2の手順に従った。
【0091】 実施例4に、臭素置換ポリスチレンを製造している過程中にこのポリマーから
イオン性臭素を除去するに好適な精製過程を説明し、ここで、部は特に明記しな
い限り全部体積である。
【0092】 実施例4 塩化アルミニウムを触媒として用いてポリスチレンがブロモクロロメタン(B
CM)に10重量%入っている溶液と臭素を反応させることで生じさせた臭素置
換ポリスチレン反応マス(1500部)を450部の水に入れることでそれにク
エンチングを受けさせた後、混合を徹底的に15分間行った。このクエンチング
を受けさせた反応マスのサンプル(サンプルA)を取り出して、以下に記述する
精製過程で用いた。水相と有機相を沈降させた後、この水相をデカンテーション
で除去した。次に、前記有機相に新鮮な水を50部および25重量%の水酸化ナ
トリウム溶液を25部添加することでpHを12に持って行った。この混合物を
徹底的に混合した。この混合物にナトリウムボロハイドライドが23重量%の水
酸化ナトリウム水溶液に6.9重量%入っている溶液を1.7部添加することで
、いくらか残存する臭素を捕捉させた後、徹底的に混合した。その結果として生
じた有機相のサンプル(サンプルB)を取り出して、以下に示す精製過程を用い
ないで、臭素置換ポリスチレンを回収した。
【0093】 サンプルAへの精製過程の適用を下記の如く実施した:サンプルAを1000
mLのガラス製分液漏斗に注ぎ込んだ。水相と有機相の分離を5分間起こさせた
。前記有機相を前記漏斗の下部から取り出した(325.2グラム)。前記水層
を回収した(71.0グラム)。前記有機相を等しく2分割して2個の8オンス
ジャーに入れた。各ジャーに新鮮な水を入れて2番目の水洗浄を行った(46.
1グラム)。この水のレベルは水が反応マス1500部に対して850部である
と言った比率に相当する。両方のジャーをBurrell Wrist Act
ion Shakerで30分間振とうした。両方のジャーの内容物を1000
mLの分液漏斗に注ぎ込んで一緒にした後、分離を5分間起こさせた。有機相を
下部から回収し(319.5グラム)、そして前記漏斗には水相が95.3グラ
ム残存していた。pH指示紙片を用いたpH読みを補助する目的で前記有機相に
新鮮な水(12.8グラム)を加えた。この有機相のpHは5であった。25重
量%の水酸化ナトリウム水溶液(2.4グラム)を加えることで前記pHを14
まで上昇させた。ナトリウムボロハイドライドが23重量%の水酸化ナトリウム
水溶液に6.9重量%入っている溶液(0.5グラム)を添加することで余分な
臭素を捕捉させた。水を1500グラムと25重量%の水酸化ナトリウム水溶液
を12.6グラム用いて生じさせた混合物に臭素置換スチレン生成物を入れるこ
とで沈澱を起こさせることを通してサンプルAから生成物を回収した。この沈澱
操作を行う時、水−水酸化ナトリウム混合物を邪魔板が備わっている3000m
Lのガラス製反応槽に入れて100℃に加熱した。この槽の撹拌を500rpm
に設定した撹拌機を用いて行った。この反応槽に前記有機相を42rpmに設定
したぜん動性ポンプで1/8”のポリプロピレン製配管に通して供給することで
水の中に入れた。この供給点は水表面下約1/2”の所であった。BCMを塔頂
部で凝縮させて除去した。前記有機相を送り込んだ後、水の温度を100℃に戻
すことで、いくらか残存するBCMを除去した後、冷却した。生成物である臭素
置換ポリスチレンを2000mLのフリット付きガラスフィルターで真空濾過し
た。これを約1000mLの温水で3回洗浄した。この固体を真空オーブンに入
れて140℃で一晩乾燥させた。サンプルAから得た最終的臭素置換ポリスチレ
ン生成物で検出されたイオン性臭素のレベルは222ppmであった。
【0094】 前記精製過程を用いないで、上述した沈澱手順を用いてサンプルBから臭素置
換ポリスチレン生成物を回収した。この沈澱では水を1500グラムおよび25
重量%の水酸化ナトリウム水溶液を13.0グラム用い、その後に温水を用いた
洗浄を3回行った。サンプルBから回収した最終的臭素置換ポリスチレン生成物
で検出されたイオン性臭素のレベルは1810ppmであった。
【0095】 実施例4に示した精製過程を実施する時、合体フィルターおよび/または液−
液抽出カラムを有効に用いることができる。そのような装置の設計および操作に
関係した原理は公知であり、文献に報告されている。そのような情報の入手に興
味を持つ人は、例えばI.Bartik,Liquid/Liquid Sep
aration Through The Use of Coalescen
ce[1977年2月8日にThe Filtration Society,
New England Chapter,Sturbridge,Mass
achusetts 01566で提示された論文]、そしてMcCabeおよ
びSmith,Unit Operations of Chemical E
ngineering,Third Edition,McGraw−Hill
Book Companyの619−627頁または他の同様な源を参考にす
ることができる。液−液抽出塔を用いる時には、水抽出液が前記塔の上方部分か
ら取り出されかつ抽出を受けた有機相が前記塔の下方部分から取り出されるよう
に、水を、前記塔に向流で流れ込ませる粗有機相の流れの下方からカラムの中に
導入すべきである。
【0096】 比較実施例EC−1およびEC−2には、1996年に発行された米国特許第
5,532,322号の教示に従う臭素置換ポリスチレンの製造を記述する。
【0097】 比較実施例EC−1 5Lのジャケット付きガラス製反応槽に機械的パドル撹拌機、コンデンサおよ
びサーモウエルを取り付けて、前記反応槽内で75.10g(0.721/nモ
ル)のポリスチレン(Mitsubishi Kasei Polytex、Mw =270,000)が750gの1,2−ジクロロエタン(EDC、水を12
ppm含有)が入っている溶液を調製した。前記反応槽に備わっているジャケッ
トにエチレングリコール浴液を循環させることで反応温度を制御した。前記ポリ
スチレン溶液を15℃に冷却した後、それに酸化アンチモン(III)を11.
03g加えた。149.7g(0.937モル)の臭素と66.3g(0.93
5モル)の塩素が505gの冷(−5℃)EDCに入っている溶液(前以て調製
)を冷却されている塩化臭素供給用貯蔵槽に取り付けられているディップチュー
ブに通して前記反応槽内の液面下に加えた。この2時間の添加中に反応温度がゆ
っくりとと10℃から25℃にまで上昇した。次に、この混合物を30℃にハロ
ゲン化水素の発生が終了[前記反応槽の排出ガスラインに取り付けた苛性スクラ
バーの重量上昇が完了することで示されるように(1.5時間)]するまで保持
した。この反応混合物を水で洗浄した後、亜硫酸ナトリウム水溶液と苛性で中和
した。次に、その有機相を3.5Lのメタノールに滴下することで、生成物を沈
澱させた。このスラリーを濾過して、固体をメタノールで洗浄した。真空乾燥を
150℃で行った後、明黄色の固体(生成物1)の重量は203.7gであった
【0098】 比較実施例EC−2 230.8g(2.00モル)の市販塩化臭素と80.20g(0.770/
nモル)のポリスチレンと11.77gのSb23を用いて比較実施例EC−1
を繰り返した。水で洗浄して中和した有機相を等しく2分割した。一方を実施例
EC−1と同様に1.5Lのメタノールに加えることで、乾燥を150℃で一定
重量になるまで行った後に101.6gの明黄色固体(生成物A)を得た。もう
一方を1.9Lの熱(89℃−94℃)水に滴下することで、生成物を沈澱させ
かつ溶媒を留出させた。乾燥させた明黄色の固体(生成物B)の重量は100.
3gであった。
【0099】 表1に、実施例1−3そしてEC−1およびEC−2で生じさせた臭素置換ポ
リスチレン生成物の特性の編集を示す。加うるに、Ferro Corpora
tionのPyro−Chek 68PB難燃剤の特性も示す。Pyro−Ch
ek 68PB難燃剤は米国特許第4,352,909号の教示に従って作られ
た難燃剤であると考えている。
【0100】
【表1】
【0101】1 この上に記述した如き米国特許第5,637,650号の方法を用いて測定
2 Pyro−Chek 68PBに用いられたポリスチレン反応体のMwを知ら
ないことから、68PBに関しては、計算した理論的Mwの決定は不可能であっ
た。3 Tg=ガラス転移温度 実施例5、6および7に、本発明の臭素置換ポリスチレンを生じさせることが
できる追加的手順を説明する。
【0102】 実施例5 1Lのジャケット付きフラスコを前記ジャケットにグリコール浴液を循環させ
ることで0℃に冷却しながら、このフラスコに乾燥(水が13ppm)ブロモク
ロロメタン(BCM)を190g入れ、これに粉末にした塩化アルミニウムを0
.910g(6.82ミリモル)部懸濁させた(250rpmで撹拌)。ポリス
チレン(403.1/nミリモル)が乾燥BCMに10.00重量%入っている
溶液(419.86g部)を8.46g/分(8.13ミリモル/分)の一定速
度で前記反応フラスコに取り付けられているグリコール冷却ジャケット付き混合
用T字管にポンプ輸送した。それと同時に、臭素を6.09g/分(38.1ミ
リモル/分)の一定速度で前記同じ混合用T字管にポンプ輸送することで前記ポ
リスチレン溶液と一緒(Br2/PSの供給モル比は4.69である)にした後
、前記反応フラスコ内で撹拌している触媒懸濁液に滴下した。30.0分後に臭
素の供給を止め(1143.5ミリモル)、そして49.6分後にポリスチレン
溶液の供給を止めた(Br2/PSの全体モル比は2.84である)。ポリマー
が反応フラスコに完全に移送されるのを確保する目的でポリスチレン溶液供給装
置の濯ぎで乾燥BCMを160g用いた。この添加全体そして次の2時間の処理
全体に渡って反応温度を0℃−5℃に維持した。10重量%のグルコン酸ナトリ
ウム水溶液を16.4g添加することで触媒を失活させた後、10重量%のNa
OH水溶液を60.7g加えることでpHを14に調整した。この反応混合物を
10重量%の亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、水で洗浄した。この有機相
を激しく撹拌している熱(90℃)水(スルホこはく酸ジオクチルのナトリウム
塩である界面活性剤が0.02重量%入っている)に加えることを通して、生成
物を回収した。溶媒が前記熱水から留出することで、臭素置換ポリスチレン生成
物が水に入っているスラリーが残存した。粉末状の固体を濾過して水で濯いだ後
、真空オーブンに入れて一定重量になるまで乾燥(150℃/2トール/5時間
)させた。この乾燥させた固体の重量は127.08g(95%収率)であった
。この生成物はBrを全体で69.6重量%含有していた。この上に示した熱安
定性試験で前記生成物が300℃で15分間に放出したHBrの量は174pp
mであった。HunterLab溶液色(クロロベンゼン中10重量%)値はL
=94.58、a=−2.79、b=17.29、デルタE=18.34であっ
た。
【0103】 実施例6 冷却用ジャケットが備わっているY字形の混合装置に供給用ラインを2つ取り
付けて、それらの各々をポンプにつなげた。前記供給用ラインの1つは臭素搬送
用でありそしてもう一方はPSとBCMの溶液を搬送するためのラインであった
。臭素(93.3g、31.3mL、即ち0.583モル)を1mL/分(19
.4ミリモル/分)の速度で搬送しかつPS/BCM溶液(PSが22.4g、
即ち0.215モルで無水BCMが97ml、即ち194g)を4ml/分(7
.17ミリモル/分)で搬送して、それらを個々の供給用ラインから同時に前記
冷却(5℃)されているY字形混合装置に送り込んだ。次に、その結果として生
じた密な混合物を前記混合装置から0.45g(PSを基準にして2重量%)の
粉末にした塩化アルミニウムが49mL(98g)の無水BCMに入っている冷
(5℃)懸濁液に送り込んだ。この反応中に発生したHBrを苛性溶液で洗浄し
た。前記供給は35分で完了し、そしてその混合物を5℃で2時間処理した。水
洗浄そして亜硫酸ナトリウム洗浄を行った後、この上に記述したように500m
Lの熱(90℃)水を用いて沈澱を起こさせることで固体状のBrPSを単離し
た。BrPSを全体で66g(97%収率)得た。この生成物はBrを全体で6
8.4重量%含有していた。この上に示した熱安定性試験で前記生成物が300
℃で15分間に放出したHBrの量は71ppmであった。HunterLab
溶液色(クロロベンゼン中10重量%)値はL=96.74、a=−1.90、
b=15.99、デルタE=16.44であった。
【0104】 実施例7 1Lのジャケット付きフラスコを前記ジャケットにグリコール浴液を循環させ
ることで0℃に冷却しながら、このフラスコに乾燥(水が13ppm)ブロモク
ロロメタン(BCM)を190g入れ、これに粉末にした塩化アルミニウムを0
.910g分(6.82ミリモル)懸濁させる(250rpmで撹拌)。ポリス
チレン(403.1/nミリモル)が乾燥BCMに10.00重量%入っている
溶液(419.86g部)を8.46g/分(8.13ミリモル/分)の一定速
度で前記反応フラスコに取り付けられているグリコール冷却ジャケット付き混合
用T字管にポンプ輸送する。それと同時に、臭素を6.09g/分(38.1ミ
リモル/分)の一定速度で前記同じ混合用T字管にポンプ輸送することで前記ポ
リスチレン溶液と一緒(Br2/PSの供給モル比は4.69である)にした後
、前記反応フラスコ内で撹拌している触媒懸濁液に滴下する。30.0分後に臭
素の供給を止め(1143.5ミリモル)、そして30分後にポリスチレン溶液
の供給を止める(Br2/PSの全体モル比は2.84である)。ポリマーが反
応フラスコに完全に移送されるのを確保する目的でポリスチレン溶液供給装置の
濯ぎで乾燥BCMを160g用いる。この添加全体そして次の45分間の処理全
体に渡って反応温度を0℃−5℃に維持する。水を16.4g添加することで触
媒を失活させる。粗有機相と水相を沈降させた後、酸性の水相を除去する。次に
、10重量%のNaOH水溶液を加えることでpHを14に調整した後、ナトリ
ウムボロハイドライドを添加していくらか過剰量で存在する臭素を捕捉させる。
次に、前記有機相を激しく撹拌している熱(90℃)水に加えることを通して、
それから生成物を回収する。溶媒が前記熱水から留出することで、臭素置換ポリ
スチレン生成物が水に入っているスラリーが残存する。粉末状の固体を濾過して
水で濯いだ後、真空オーブンに入れて一定重量になるまで乾燥(150℃/2ト
ール/5時間)させる。
【0105】 実施例8−21に、本発明の臭素置換ポリスチレンを生じさせるに好適な追加
的手順を示す。
【0106】 実施例8−21 これらの実施例では下記の手順を用いた。ジャケット付き1Lの3つ口丸底フ
ラスコ内で塩化アルミニウム(Aldrich、無水)が1.44g(10.8
ミリモル)で乾燥(モレキュラーシーブを用いて乾燥させた後、水が10−60
ppm)ブロモクロロメタン(BCM)が310gの混合物をテフロン(商標)
ポリマー製のパドルを350rpmで用いて撹拌した。冷エチレングリコールを
前記ジャケットの中に通して循環させることで前記フラスコの内容物を所望温度
に冷却した。Dow Styron 612ポリスチレン(72.2g、0.6
9当量)が乾燥BCMに10重量%入っている溶液(650g)を別の容器(5
00mLの目盛り付き滴下漏斗)に仕込んだ。この供給材料貯蔵装置の底から前
記ポリスチレン溶液を前記反応フラスコに取り付けられているジャケット付き真
空混合用T字管にポンプ輸送した。前記フラスコから出るエチレングリコールを
前記T字管に循環させることを通して、このT字管を反応混合物と同じ温度に維
持した。前記ポリスチレン溶液を前記貯蔵槽からポンプ輸送すると同時に臭素(
295.5g、1.85モル)を125mLの目盛り付き滴下漏斗から前記同じ
混合用T字管にポンプ輸送することで、それを前記ポリスチレン溶液と一緒にし
た。その結果として生じた赤色溶液をジャケット付き螺旋カラム(長さが約12
”)に通して前記撹拌している触媒懸濁液の表面の上に流れ出させた。前記混合
用T字管への供給でMasterflexポンプを2つ用いた。ポリスチレン用
装置ではCole−Palmer 77390ポンプヘッドが備わっている全部
がテフロン製のラインを用いた。臭素供給装置ではテフロン製配管とビトン製配
管の組み合わせを用い、この後者をMasterflex7518−10ポンプ
ヘッドと一緒に用いた。両方の供給とも約32−35分で終了した。完全な添加
を同時に達成するには供給速度を絶えず注意する必要があった。Br2/PSの
全体モル比は2.7であった。ポリマーが反応フラスコに完全に移送されるのを
確保する目的でポリスチレン溶液供給装置の濯ぎで乾燥BCMを57g用いた。
この添加が終了した後、反応物を窒素で清掃しながら 温度で45分間撹
拌した後、10重量%の亜硫酸ナトリウム溶液を13g添加することで、それに
クエンチングを受けさせた(quenched)。このクエンチング中、前記材
料を450rpmで撹拌し、この速度で撹拌を5分間行った。前記亜硫酸塩を添
加している間に反応物の色が赤色/褐色からクリーム色(明黄褐色)に変わった
。この反応物を5分間放置した後、反応フラスコの下部のバルブを用いて相分離
を行った。水相を前記反応槽から除去した後、有機層を前記反応槽に戻し、そし
て10重量%のNaOH水溶液(100−200g)を用いてpHを14に調整
した。追加的BCM(267g)を加え、その混合物を分液漏斗に移した後、相
分離を起こさせた。以下に示すようにして有機相を熱水に添加することで生成物
を回収した。2Lの3つ口水きり付き(creased)フラスコに機械的撹拌
機、125mLの滴下漏斗、温度計、およびコンデンサ付きDean−Star
kトラップを取り付け、このフラスコに水を700mL仕込んだ後、加熱用マン
トルで92−94℃に加熱した。前記滴下漏斗を前記分液漏斗の下方相に由来す
る内容物で満たした。この滴下漏斗から出る供給速度を前記Dean−Star
kトラップに付いているコンデンサが過負荷にならないようにかつ水の温度が9
1℃より下にならないように管理した。BCMといくらかの水が塔頂から出て行
く一方で、生成物が水中で白色から黄色がかった白色固体として沈澱して来た。
材料を前記フラスコに連続的に流し込む必要に応じて前記滴下漏斗を再び満たし
た。この滴下が終了した後、BCMの完全な除去を確保する目的でスラリーを温
度で約10分間撹拌した。このスラリーを約65℃に冷却した後、ブフナー漏斗
に取り付けた#2濾紙に通す吸引濾過で集めた。熱水を約300mL用いて前記
フラスコおよびフィルターケーキを濯いだ。その固体を2Lのビーカーに移し、
400mLの水と一緒に徹底的に混合した後、吸引濾過で再び単離した。この固
体を一晩空気乾燥させた後、真空オーブン(1−5mmHg)に入れて150℃
で一定重量(180−200g)に到達するまで乾燥させた。この生成物を乳鉢
と乳棒で粉末状にした後、分析を行った(表2を参照)。
【0107】
【表2】
【0108】1 この上に記述した如き米国特許第5,637,650号の方法を用いて測定。
【0109】
【表3】
【0110】1 この上に記述した如き米国特許第5,637,650号の方法を用いて測定。
【0111】 実施例14で生じさせた臭素置換ポリスチレンのイオン性臭素含有量を測定し
て、ほんの320ppm(重量)であることを確認した。
【0112】 1998年4月24日付けで提出した共通所有の出願連続番号09/066,
172には、結果として得る臭素置換ポリスチレンの熱安定性を向上させる目的
で塩基水溶液を適切な量で用いる方法が記述されている。そのような方法の使用
は望ましいが本発明に従う場合には必要でないことを注目すべきである、と言う
のは、そのような方法で生じさせた臭素置換ポリスチレンを用いなくても本明細
書の上に示した優れた結果が達成されたからである。従って、前記共通所有の同
時係属中出願に詳細に記述されている工程手順は、本発明の臭素置換ポリスチレ
ンを生じさせようとする時に極めて適切な手順ではあるが、任意選択を構成する
【0113】 実施例8−21の臭素置換ポリスチレンの中にNaOHまたはKOHの如き無
機アルカリ金属塩基を適切な量で混入させることを、好適には、下記の実施例2
2に実質的に記述する様式で、臭素置換ポリスチレンをBCMから沈澱させる時
にNaOH(またはKOH)の水溶液を適切な過剰量で用いそして最終的な水洗
浄段階を行わないか或は最終洗浄液として代わりにNaOH(またはKOH)水
溶液を用いることで達成する。別法として、あまり好適ではないが、実施例8−
21に記述したように微細もしくは粉末形態で生じさせた臭素置換ポリスチレン
を適切な量の粉末にしたアルカリ金属塩基、例えば水酸化ナトリウム、酢酸ナト
リウムまたは水酸化カリウムなどと一緒に粉末ブレンドすることも可能である。
【0114】 実施例22 実施例1の手順を繰り返し、そして反応混合物を水で洗浄した後にグルコン酸
ナトリウム水溶液と亜硫酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合物で中和する段
階で用いる水酸化ナトリウム水溶液の量を、この過程で生じる臭素置換ポリスチ
レン組成物の乾燥サンプルに以下に記述するpH測定手順を受けさせた時に9.
3のpHを示す水抽出液が得られるような量にする。臭素置換ポリスチレン組成
物のpHを測定する手順は下記の通りである:ビーカーに典型的なサンプルを1
グラムから1.5グラム量り取って(0.1グラム最寄りで)入れ、それを50
mLのBCMに溶解させる。次に、二酸化炭素が出て行くように沸騰させておい
たpHが7の水を50mL加える。その結果として生じた混合物を磁気撹拌機で
2つの液相が密に混ざり合うように激しく2から5分間撹拌する。次に、前記ビ
ーカーに入っている2相が分離するように撹拌機の速度を下げ、そしてpH電極
を下げて上方の層のみに入れる。同じ日に較正を受けさせておいたHach E
C−10 pHメーター(または相当品)を用いて上方の層のpHを測定する。
【0115】 (本発明の2番目の面−さらなる説明) 以下に特に記述しない限り、本発明の2番目の面の材料、施設、操作条件、分
析方法、試験条件、基質ポリマー、割合および他の全ての詳細は本発明の1番目
の面に関連してこの上に記述した通りである。臭素置換スチレン系ポリマー この面の臭素置換スチレン系ポリマー(好適には臭素置換ポリスチレン)の全
臭素含有量は60から66重量%、より好適には60から65重量%、最も好適
には60から64重量%の範囲である。加うるに、本発明の臭素置換スチレン系
ポリマー、好適には臭素置換ポリスチレンは指定した最小限の全塩素含有量(た
とえあったとしても)、指定したGPC重量平均分子量(Mw)、指定したDS
Cガラス転移温度(Tg)を示しかつ前記熱安定性試験で指定した熱安定性を示
す[これらは全部この上に示した本発明の要約で挙げた通りである]。
【0116】 この上に示した式(I)を参照して、この2番目の面のポリマーが有する各ポ
リマー単位毎の各Xの成り立ちは臭素置換ポリスチレンが含有するX型ハライド
原子が実質的に約5000−6000ppm未満であるような成り立ちであり、
そして各ポリマー単位毎のnの値は臭素置換ポリスチレンの臭素含有量が60か
ら66重量%の範囲であるような値(n=1.9から2.5)である。経済性お
よび性能の観点から、臭素含有量は60重量%から65重量%(n=1.9から
2.4)の範囲内、特に60から65重量%(n=1.9から2.3)の範囲内
であるのが好適である。
【0117】 本臭素置換ポリスチレンポリマーは、好適には、X線蛍光分析に従う塩素含有
量が500ppm未満、最も好適には100ppm未満のポリマーである。
【0118】 以下に示す実施例は本発明の2番目の面を説明する目的で示すものであり、本
発明の範囲に限定を課すとして解釈されるべきでない。実施例23および24で
は共供給手順を用いる一方、実施例25−30では予備混合手順を用いて実施し
た。これに関連して米国特許第5,767,203号を参照のこと。
【0119】 実施例23 全体がジャケットで覆われている5Lの5つ口反応フラスコ内で塩化アルミニ
ウム(4.804g、36.0ミリモル、PSを基準にして1.2重量%)を無
水ブロモクロロメタン(BCM、1824.6g)と一緒にした。この混合物を
撹拌しながらグリコール循環浴で−2℃に冷却した後、臭素(Aldrich、
99.5%)を臭素が全体で1273.92g(7.972モル)入っている5
00mLの目盛付き滴下漏斗から前記フラスコに42mL(0.815モル)部
ポンプ輸送した。この反応混合物を激しく撹拌しながらポリスチレン[Dow
Styron(商標)612、Mw=190,000]が3735.6gの無水
BCMに415.2g(スチレン繰り返し単位を基準にして3.986モル)入
っている溶液を192分でポンプ輸送する(21.6g/分の平均輸送速度)と
同時に前記滴下漏斗に入っている残りの臭素(370mL)も前記反応フラスコ
に個別の流れとしてポンプ輸送した(5.97g/分の平均輸送速度)。この反
応混合物を共供給している間−3℃から0℃の範囲に保持した後、1時間処理し
た。次に、水を添加して触媒を失活させた後、10重量%のNa2SO3水溶液お
よび10重量%のNaOH水溶液を添加した。有機相を分離して水で洗浄した。
この有機相に熱(88−92℃)水を添加することで溶媒を留出させて固体状の
臭素置換ポリスチレンが水に入っているスラリーを残存させることを通して、生
成物を前記有機相から回収した。このスラリーを吸引濾過した。この湿っている
ケーキを水で濯いだ後、真空オーブン(150℃/2トール)に入れて一定重量
になるまで乾燥させることで、白色の臭素置換ポリスチレン生成物を1017.
9g(97%収率)得た。
【0120】 実施例24 PSの臭素置換を、反応槽に供給する材料の量を適切に調整して反応を3Lの
反応槽内で実施する以外は実質的に実施例23に記述した如く繰り返した。
【0121】 実施例25 冷媒が循環するジャケットが備わっているY字形のガラス製混合装置に供給用
ラインを2つ取り付けて、それらの各々をポンプにつなげた。前記供給用ライン
の1つは臭素搬送用でありそしてもう一方はBCM中PSの溶液を搬送するため
のラインであった。臭素(1253.2g、7.842モル)およびPS/BC
M溶液(404.9gのStyron(商標)612PSが3604.3gの無
水BCMに入っている)を、全体がジャケットで覆われている5Lの5つ口反応
フラスコに取り付けられている冷却(0℃)Y字形混合装置に同時にポンプ輸送
した。このミキサー内で生じた臭素/PS/BCMの緊密な冷混合物を前記反応
フラスコに滴下すると、これは、無水AlCl3(4.91g、PSを基準にし
て1.2重量%)と無水BCM(1675.0g)の混合物(これは循環冷媒で
−2℃から0℃に保持されておりかつ撹拌している)と一緒になる。臭素の平均
供給速度を10.44g/分にしかつPS/BCMの平均供給速度を33.4g
/分にすると両方の供給とも120分で完了した。撹拌を0℃で5分間行った後
、水を添加して触媒を失活させた。この混合物を10重量%のNa2SO3水溶液
で処理した後、10重量%のNaOH水溶液で中和した。有機相を分離して水で
洗浄した。この有機相を熱(88−92℃)水に送り込んで溶媒を留出させて固
体状の臭素置換ポリスチレンが水に入っているスラリーを生じさせることを通し
て、生成物を単離した。吸引濾過後の固体を水で濯いだ後、真空オーブンに入れ
て乾燥させることで、白色の生成物を991.1g(96%収率)得た。
【0122】 実施例26−30 これらの実施例の各々で実施例25の一般的手順を用いた。実施例26−30
では、臭素の使用量を1253.2g(7.842モル)からそれぞれ1347
.4g(8.431モル),1500.2g(9.388モル),1509.9g(
9.448モル),1653.3g(10.346モル),および1659.6g(
10.385モル)にまで多くした。また、臭素搬送速度も適切に調整した(各
実験でPS/BCM搬送時間に合致するように)。
【0123】 表3に、実施例23−30で用いた臭素置換反応条件を要約し、そして表4に
、実施例23−30の個々の生成物の分析データを挙げる。
【0124】
【表4】
【0125】
【表5】
【0126】 本発明の2番目の面の臭素置換スチレン系ポリマーが優れた溶融安定(mel
t stability)特性を有することをキャピラリーレオメトリー(ca
pillary rheometry)溶融安定試験で示し、この試験では、ガ
ラスを充填したナイロン6,6と本発明の臭素置換ポリスチレンのブレンド物が
示す溶融粘度(melt viscosities)を測定して、同じガラスを
充填したナイロン6,6(本臭素置換ポリスチレンを含まない)が示すメルトフ
ロー特性と比較した。基礎のナイロン6,6混合物はナイロン6,6を70重量
%とガラス繊維を30重量%含有していた。本発明の臭素置換ポリスチレン(臭
素を61.5重量%含有する)を19.85重量%ブレンドすることを通して、
本発明の組成物を生じさせた。この試験を、Kayeness LCR 600
0 Capillary Rheometerを285℃において500 l/
秒のせん断速度で操作することで実施した。キャピラリーレオメーターに備わっ
ているダイスの直径は1mmで長さは20mmであった。このキャピラリーを加
熱して、これに押出し加工したペレットを約12グラム押し込んだ。この材料を
前以て6分間加熱しておいた。この材料に991Nの充填力(packing
force)をかけた。6分間の予熱時間が終了した時点で、100mmの開始
ラム(ram)位置から120mmのラム位置に至らせることで材料を前記ダイ
スから強制的に押出した。前記ラムを41mm/分の移動速度で移動させた。こ
れに要した時間は約30秒であった。この時間の間、前記材料の粘度、応力およ
び力を測定した。6分後、前記材料を120mmのラム位置から140mmのラ
ム位置に至らせる(各時間とも同じ速度)ことで前記材料を前記ダイスに通して
押出した。再び粘度、応力および力を測定した。このサイクルを全体で5測定行
い、キャピラリー内に存在する時間は32.4分であった。データ点は下記の通
りであった: ガラス充填ナイロン6,6配合: ラム位置=120mm, 時間= 6.5分, 粘度=208.8Pa−s ラム位置=140mm, 時間=13.0分, 粘度=203.2Pa−s ラム位置=160mm, 時間=19.4分, 粘度=210.2Pa−s ラム位置=180mm, 時間=25.9分, 粘度=207.8Pa−s ラム位置=200mm, 時間=32.4分, 粘度=185.2Pa−s Brが62%の低Brサンプルである臭素置換ポリスチレンを含有させたガラ
ス充填ナイロン6,6配合 ラム位置=120mm, 時間= 6.5分, 粘度=181.8Pa−s ラム位置=140mm, 時間=13.0分, 粘度=174.1Pa−s ラム位置=160mm, 時間=19.4分, 粘度=169.2Pa−s ラム位置=180mm, 時間=25.9分, 粘度=153.4Pa−s ラム位置=200mm, 時間=32.4分, 粘度=151.3Pa−s この上に示したデータから、本臭素置換ポリスチレンを含有させた本発明のブ
レンド物の方が全てのケースで本臭素置換ポリスチレンを含有させなかった同じ
配合に比較して粘度が低い(このことはメルトフローが良好であり、相当して溶
融安定性が良好であることを示す)ことが分かるであろう。
【0127】 (本発明の3番目の面−さらなる説明) 以下に特に記述しない限り、本発明の3番目の面の材料、施設、操作条件、分
析方法、試験条件、割合および他の全ての詳細は本発明の1番目の面に関連して
この上に記述した通りである。熱可塑性ポリマー成分 いろいろな熱可塑性ポリマー、例えばポリオレフィンポリマー、スチレン系ポ
リマー、ABSおよび他の同様な熱可塑性プラスチックに本発明の3番目の面に
従う難燃処理を受けさせる(flame retarded)ことができる。難
燃処理を受けさせることができるポリオレフィンポリマーの例には、1−オレフ
ィンのホモポリマー類、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなど
、そしてエチレンおよび/またはプロピレンと1種以上の高級1−オレフィンお
よび/またはジオレフィン系モノマーから作られたコポリマー類が含まれる。ポ
リスチレン(ゴムによる修飾を受けているか否かに拘わらず)そして2種以上の
スチレン系モノマー、例えばスチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルナフ
タレンなどから作られたコポリマー類、環がアルキルで置換されているビニル芳
香族モノマー、例えば個別または混合ar−メチルスチレン異性体、個別または
混合ar−エチルスチレン異性体、アルファ−メチルスチレンの個別または混合
ar−メチル異性体などから作られたホモポリマー、そして2種以上の前記ビニ
ル芳香族モノマーから作られたコポリマー類が、本発明のこの面に従って難燃処
理を受けさせることができるスチレン系ポリマーの例である。
【0128】 好適な組成物は、難燃処理を受けさせる基質ポリマーがエンジニアリング熱可
塑性ポリマー、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ナイロンなど(特に補強
用充填材、例えばガラス繊維などが充填されているか或はそれで補強されている
時)である組成物である。本発明の最も好適な態様に従うエンジニアリング熱可
塑性プラスチック基質はナイロンであるエンジニアリング熱可塑性プラスチック
(別称ポリアミド)、例えばポリアミド6、ポリアミド6−6、ポリアミド12
、ポリアミド4−6、そして相当する熱可塑性ポリアミド類であり、それには2
種以上の前記熱可塑性ポリアミド樹脂のブレンド物が含まれる。本発明の実施で
使用可能な適切なナイロンであるエンジニアリング熱可塑性プラスチックは商業
品として入手可能である。
【0129】 本明細書または本明細書の請求の範囲のどこかで化学名または化学式を用いて
成分を言及する場合、この言及が単数であるか或は複数であるかに拘らず、それ
らが別の物質[化学名または化学タイプで言及する](例えば別の成分または溶
媒)に接触する前にそれらが存在するようにそれらを同定する。結果として生じ
る混合物または溶液中でどんな予備的化学変化、変換および/または反応(もし
あれば)が起ころうとも問題でない、と言うのは、そのような変化、変換および
/または反応は特定の成分を本開示に従って要求する条件下で一緒にする結果と
して自然に起こる事であるからである。このように、所望操作の実施に関連して
か或は所望組成物を生じさせる時に一緒にすべき材料であるとして成分を同定す
る。本明細書の請求の範囲で物質、成分および/または材料を現在時制(「含ん
で成る」または「である」)で言及することがあり得るかもしれないが、そのよ
うな言及は、本開示に従ってそれを他の1種以上の物質、成分および/または材
料に最初に接触、ブレンドまたは混合する直ぐ前の時間にそれが存在していたよ
うに当該物質、成分または材料を指すものである。接触、ブレンドまたは混合操
作を化学者の常識および通常の技術を適用して本開示に従って実施するとその過
程中に物質、成分または材料が化学反応または変換を通してそれの元々の同定を
失う可能性はあるが、これは、従って、本開示および本明細書の請求の範囲の真
の意味および内容の正確な認識および理解にとって全く重要ではない。
【0130】 本発明は本発明の実施においてかなりの変形を受け易い。従って、この上に行
った説明は本発明をこの上に示した特別な例示に限定することを意図するもので
なく、限定として解釈されるべきでない。むしろ、保護することを意図する事項
は本請求の範囲に挙げる如き事項である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の各面の好適な臭素置換ポリスチレンを生じさせる時に用いるに適した
方法を示す図式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 101/00 (C08L 101/00 25:18) C08L 25:18) (31)優先権主張番号 09/170,487 (32)優先日 平成10年10月13日(1998.10.13) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,IL,J P (72)発明者 コリシユ,チヤールズ・エイチ アメリカ合衆国ルイジアナ州70816バトン ルージユ・パークブルツクアベニユー 11804 (72)発明者 アオ,メング−シエング アメリカ合衆国ルイジアナ州70817バトン ルージユ・ロストオークドライブ5443 (72)発明者 リン,ホーマー・シー アメリカ合衆国ルイジアナ州70816バトン ルージユ・ガラハドドライブ2823 Fターム(参考) 4F071 AA05 AA22 AA54 AA79 AA81 AA86 AF43Y AF45Y AH19 BA01 BB06 4J002 BC112 CF051 CF061 CF071 CL011 CL031 DA016 DE186 FA046 FD01 FD13 4J100 AB00P AB02P AB03P AB04P AB07P AB09P BB03H BC43P CA01 CA03 CA31 HA21 HB05 HB30 HC05 HD16 HE05 HE14 HE32 HE41 HF01

Claims (127)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 臭素置換スチレン系ポリマーであって、 I)イオン性臭素含有量が2000ppm以下でありかつ下記のa)、b)およ
    びc)の追加的特徴: a)TGAにおける1%重量損失の温度が340℃以上でありかつ塩素含有量が
    たとえあったとしても約700ppm Cl未満であること、 b)実際のMwが臭素置換スチレン系ポリマーの実際の臭素含有量と臭素置換ス
    チレン系ポリマーの製造で用いたスチレン系ポリマー反応体のMwを基準にして
    計算した理論的Mwの約20%以内であること、 c)ブロモジクロロエタン、ジブロモクロロエタン、ジブロモジクロロエタン、
    トリブロモクロロエタンおよび二塩化エチレンから成る群から選択される不純物
    を本質的に全く含有しないこと、 の少なくとも1つを有するか、或は II)臭素含有量が60から66重量%臭素の範囲であり、全塩素含有量がたと
    えあったとしても700ppm未満であり、GPCによる重量平均分子量が50
    0,000から800,000の範囲であり、DSCによるガラス転移温度が1
    75℃未満であり、かつ熱安定性試験における熱安定性が250ppm HBr
    以下である、 臭素置換スチレン系ポリマー。
  2. 【請求項2】 イオン性臭素含有量が2000ppm以下でありかつ前記追
    加的特徴a)、b)およびc)の少なくとも1つを有する請求項1記載の臭素置
    換スチレン系ポリマー。
  3. 【請求項3】 前記イオン性臭素の含有量が1500ppm以下である請求
    項2記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  4. 【請求項4】 前記イオン性臭素の含有量が1000ppm以下である請求
    項2記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  5. 【請求項5】 前記ポリマーが前記追加的特徴の少なくとも2つを有する請
    求項2記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  6. 【請求項6】 前記ポリマーが前記追加的特徴の3つ全部を有する請求項2
    記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  7. 【請求項7】 前記ポリマーが前記追加的特徴の3つ全部を有しかつ追加的
    に前記熱安定性試験で1500ppm HBr以下の熱安定性を示す請求項2記
    載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  8. 【請求項8】 前記ポリマーが少なくとも約60重量%の全臭素含有量を有
    する請求項2記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  9. 【請求項9】 前記ポリマーが少なくとも約67重量%の全臭素含有量を有
    する請求項2記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  10. 【請求項10】 前記ポリマーが少なくともa)の追加的特徴を有するが、
    但し塩素含有量がたとえあったとしても約100ppm Cl未満であることを
    条件とする請求項2記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  11. 【請求項11】 前記イオン性臭素含有量が1000ppm以下でありかつ
    前記ポリマーが前記熱安定性試験で1000ppm HBr以下の熱安定性を示
    す請求項10記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  12. 【請求項12】 前記イオン性臭素含有量が500ppm以下でありかつ前
    記ポリマーが前記熱安定性試験で500ppm HBr以下の熱安定性を示す請
    求項10記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  13. 【請求項13】 前記ポリマーが少なくとも追加的特徴b)を有する請求項
    2記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  14. 【請求項14】 前記イオン性臭素含有量が1000ppm以下でありかつ
    前記ポリマーが前記熱安定性試験で1000ppm HBr以下の熱安定性を示
    す請求項13記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  15. 【請求項15】 前記イオン性臭素含有量が500ppm以下でありかつ前
    記ポリマーが前記熱安定性試験で500ppm HBr以下の熱安定性を示す請
    求項13記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  16. 【請求項16】 前記ポリマーが少なくとも追加的特徴c)を有する請求項
    2記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  17. 【請求項17】 前記イオン性臭素含有量が1000ppm以下でありかつ
    前記ポリマーが前記熱安定性試験で1000ppm HBr以下の熱安定性を示
    す請求項16記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  18. 【請求項18】 前記イオン性臭素含有量が500ppm以下でありかつ前
    記ポリマーが前記熱安定性試験で500ppm HBr以下の熱安定性を示す請
    求項16記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  19. 【請求項19】 前記ポリマーが少なくとも約67重量%の全臭素含有量を
    有する臭素置換ポリスチレンである請求項10−18のいずれか記載の臭素置換
    スチレン系ポリマー。
  20. 【請求項20】 前記ポリマーが少なくとも追加的特徴a)およびb)を有
    する請求項5記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  21. 【請求項21】 前記ポリマーが少なくとも追加的特徴a)およびc)を有
    する請求項5記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  22. 【請求項22】 前記ポリマーが少なくとも追加的特徴b)およびc)を有
    する請求項5記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  23. 【請求項23】 前記ポリマーが少なくとも追加的特徴c)を有しかつ前記
    ポリマーの全塩素含有量がたとえあったとしても約100ppm Cl未満であ
    る請求項2記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  24. 【請求項24】 前記ポリマーが少なくとも約67重量%の全臭素含有量を
    有しかつ前記イオン性臭素含有量が500ppm以下である臭素置換ポリスチレ
    ンである請求項20−23のいずれか記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  25. 【請求項25】 A)イオン性臭素含有量が1000ppm以下であり、 B)TGAにおける1%重量損失の温度が340℃以上であり、 C)塩素含有量がたとえあったとしても約100ppm Cl未満であり、 D)熱安定性試験における熱安定性が1500ppm HBr以下であり、 E)実際のMwが臭素置換スチレン系ポリマーの実際の臭素含有量と臭素置換ス
    チレン系ポリマーの製造で用いたスチレン系ポリマー反応体のMwを基準にして
    計算した理論的Mwの約20%以内であり、かつ F)ブロモジクロロエタン、ジブロモクロロエタン、ジブロモジクロロエタンお
    よびトリブロモクロロエタンから成る群から選択される不純物を本質的に全く含
    有しない、 ことを特徴とする請求項2記載の臭素置換ポリスチレン。
  26. 【請求項26】 前記熱安定性試験における熱安定性が1000ppm H
    Br以下であり、前記実際のMwが前記計算した理論的Mwの約10%以内であり
    そして前記臭素置換ポリスチレンの全臭素含有量が少なくとも約60重量%であ
    る請求項25記載の臭素置換ポリスチレン。
  27. 【請求項27】 前記熱安定性試験における熱安定性が500ppm HB
    r以下である請求項26記載の臭素置換ポリスチレン。
  28. 【請求項28】 前記全臭素含有量が少なくとも約67重量%である請求項
    27記載の臭素置換ポリスチレン。
  29. 【請求項29】 60から66重量%臭素の範囲の臭素含有量を有し、全塩
    素含有量がたとえあったとしても700ppm未満であり、GPCによる重量平
    均分子量が500,000から800,000の範囲であり、DSCによるガラ
    ス転移温度が175℃未満であり、かつ前記熱安定性試験における熱安定性が2
    50ppm HBr以下である請求項1記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  30. 【請求項30】 前記塩素含有量がたとえあったとしても500ppm以下
    であり、前記ガラス転移温度が165℃以下である請求項29記載の臭素置換ス
    チレン系ポリマー。
  31. 【請求項31】 前記熱安定性が150ppm HBr以下である請求項2
    9記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  32. 【請求項32】 前記塩素含有量がたとえあったとしても500ppm以下
    であり、前記ガラス転移温度が165℃以下でありかつ前記熱安定性が150p
    pm HBr以下である請求項29記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  33. 【請求項33】 前記熱安定性が100ppm HBr以下である請求項2
    9記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  34. 【請求項34】 前記臭素含有量が60から65重量%の範囲であり、前記
    塩素含有量がたとえあったとしても500ppm以下でありかつ前記ガラス転移
    温度が160℃以下である請求項29記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  35. 【請求項35】 前記臭素含有量が60から65重量%の範囲であり、前記
    ガラス転移温度が160℃以下でありかつ前記熱安定性が100ppm HBr
    以下である請求項29記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  36. 【請求項36】 前記臭素含有量が60から65重量%の範囲であり、前記
    塩素含有量がたとえあったとしても500ppm以下であり、前記ガラス転移温
    度が160℃以下でありかつ前記熱安定性が100ppm HBr以下である請
    求項29記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  37. 【請求項37】 前記臭素含有量が60から64重量%の範囲でありかつ前
    記GPCによる重量平均分子量が500,000から700,000の範囲であ
    る請求項29記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  38. 【請求項38】 前記ポリマーの塩素含有量がたとえあったとしても500
    ppm以下でありかつ前記ポリマーのガラス転移温度が160℃以下である請求
    項37記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  39. 【請求項39】 前記ポリマーが前記熱安定性試験で示す熱安定性が100
    ppm HBr以下である請求項38記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  40. 【請求項40】 ブロモジクロロエタン、ジブロモクロロエタン、ジブロモ
    ジクロロエタン、トリブロモクロロエタン、二塩化メチレンおよび二塩化エチレ
    ンから成る群から選択される不純物を本質的に全く含有しない請求項29記載の
    臭素置換スチレン系ポリマー。
  41. 【請求項41】 前記ポリマー中のイオン性臭素の含有量がたとえあったと
    しても1000ppm以下である請求項29、32、36、38または40のい
    ずれか記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  42. 【請求項42】 前記ポリマーをクロロベンゼンに10重量%のレベルで溶
    解させた時にこれが示すΔE溶液色値が2から15の範囲である請求項29、3
    2、36、38または40のいずれか記載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  43. 【請求項43】 前記ポリマーがTGAで1%重量損失を示す温度が少なく
    とも約320℃であり、前記ポリマーをクロロベンゼンに10重量%のレベルで
    溶解させた時にこれが示すΔE溶液色値が2から15の範囲でありかつ前記ポリ
    マー中のイオン性臭素の含有量がたとえあったとしても1000ppm以下であ
    る請求項29、32、36、38または40のいずれか記載の臭素置換スチレン
    系ポリマー。
  44. 【請求項44】 前記ポリマーが臭素置換ポリスチレンである請求項29記
    載の臭素置換スチレン系ポリマー。
  45. 【請求項45】 前記塩素含有量がたとえあったとしても500ppm以下
    でありかつ前記ガラス転移温度が165℃以下である請求項44記載の臭素置換
    ポリスチレン。
  46. 【請求項46】 前記熱安定性が150ppm HBr以下である請求項4
    4記載の臭素置換ポリスチレン。
  47. 【請求項47】 前記塩素含有量がたとえあったとしても500ppm以下
    であり、前記ガラス転移温度が165℃以下でありかつ前記熱安定性が150p
    pm HBr以下である請求項44記載の臭素置換ポリスチレン。
  48. 【請求項48】 前記熱安定性が100ppm HBr以下である請求項4
    4記載の臭素置換ポリスチレン。
  49. 【請求項49】 前記臭素含有量が60から65重量%の範囲であり、前記
    塩素含有量がたとえあったとしても500ppm以下でありかつ前記ガラス転移
    温度が160℃以下である請求項44記載の臭素置換ポリスチレン。
  50. 【請求項50】 前記臭素含有量が60から65重量%の範囲であり、前記
    ガラス転移温度が160℃以下でありかつ前記熱安定性が100ppm HBr
    以下である請求項44記載の臭素置換ポリスチレン。
  51. 【請求項51】 前記臭素含有量が60から65重量%の範囲であり、前記
    塩素含有量がたとえあったとしても500ppm以下であり、前記ガラス転移温
    度が160℃以下でありかつ前記熱安定性が100ppm HBr以下である請
    求項44記載の臭素置換ポリスチレン。
  52. 【請求項52】 前記臭素含有量が60から64重量%の範囲でありかつ前
    記GPCによる重量平均分子量が500,000から700,000の範囲であ
    る請求項44記載の臭素置換ポリスチレン。
  53. 【請求項53】 前記ポリマーの塩素含有量がたとえあったとしても500
    ppm以下でありかつ前記ポリマーのガラス転移温度が160℃以下である請求
    項52記載の臭素置換ポリスチレン。
  54. 【請求項54】 前記ポリマーが熱安定性試験で示す熱安定性が100pp
    mHBr以下である請求項53記載の臭素置換ポリスチレン。
  55. 【請求項55】 ブロモジクロロエタン、ジブロモクロロエタン、ジブロモ
    ジクロロエタン、トリブロモクロロエタン、二塩化メチレンおよび二塩化エチレ
    ンから成る群から選択される不純物を本質的に全く含有しない請求項44記載の
    臭素置換ポリスチレン。
  56. 【請求項56】 前記ポリマー中のイオン性臭素の含有量がたとえあったと
    しても1000ppm以下である請求項44、47、51、53または55のい
    ずれか記載の臭素置換ポリスチレン。
  57. 【請求項57】 前記ポリマーをクロロベンゼンに10重量%のレベルで溶
    解させた時にこれが示すΔE溶液色値が2から15の範囲である請求項44、4
    7、51、53または55のいずれか記載の臭素置換ポリスチレン。
  58. 【請求項58】 前記ポリマーがTGAで1%重量損失を示す温度が少なく
    とも約320℃であり、前記ポリマーをクロロベンゼンに10重量%のレベルで
    溶解させた時にこれが示すΔE溶液色値が2から15の範囲でありかつ前記ポリ
    マー中のイオン性臭素の含有量がたとえあったとしても1000ppm以下であ
    る請求項44、47、51、53または55のいずれか記載の臭素置換ポリスチ
    レン。
  59. 【請求項59】 請求項1記載の臭素置換スチレン系ポリマーが難燃量で混
    ざり合っている熱可塑性ポリマーを含んで成る組成物。
  60. 【請求項60】 請求項2記載の臭素置換スチレン系ポリマーが難燃量で混
    ざり合っている熱可塑性ポリマーを含んで成る組成物。
  61. 【請求項61】 請求項29記載の臭素置換スチレン系ポリマーが難燃量で
    混ざり合っている熱可塑性ポリマーを含んで成る組成物。
  62. 【請求項62】 請求項28または54記載の臭素置換ポリスチレンが難燃
    量で混ざり合っている熱可塑性ポリマーを含んで成る組成物。
  63. 【請求項63】 前記熱可塑性ポリマーがガラス充填ナイロンポリマーであ
    る請求項59記載の組成物。
  64. 【請求項64】 前記熱可塑性ポリマーがガラス充填ナイロンポリマーであ
    る請求項62記載の組成物。
  65. 【請求項65】 請求項59記載の組成物から生じさせた型製もしくは押出
    し加工製品もしくは形材。
  66. 【請求項66】 請求項62記載の組成物から生じさせた型製もしくは押出
    し加工製品もしくは形材。
  67. 【請求項67】 ブレンドする前に約50重量%以上の全臭素含有量を有し
    かつ(i)、(ii)および(iii)[ここで、(i)は、TGAにおける1
    %重量損失の温度が340℃以上であること、(ii)は、塩素含有量がたとえ
    あったとしても約700ppm未満であること、そして(iii)は、加水分解
    性臭素試験における加水分解性臭素含有量が3600ppm Br以下であるこ
    と]の少なくとも2つを有する臭素置換スチレン系ポリマーが少なくとも難燃量
    で混ざり合っている熱可塑性ポリマーを含んで成る組成物。
  68. 【請求項68】 前記臭素置換スチレン系ポリマーがブレンド前に少なくと
    も(i)および(ii)を有する請求項67記載の組成物。
  69. 【請求項69】 前記臭素置換スチレン系ポリマーがブレンド前に約60重
    量%を越える臭素含有量を有しかつ前記組成物が更に(A)分散している難燃相
    乗剤または(B)補強量で分散している補強用充填材または繊維または(C)(
    A)と(B)の両方も含んで成る請求項68記載の組成物。
  70. 【請求項70】 前記熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリアミドであり、前記
    組成物が前記臭素置換スチレン系ポリマーをポリマーブレンド物の全重量を基準
    にして5から20重量%の範囲の難燃量で含有する請求項69記載の組成物。
  71. 【請求項71】 前記臭素置換スチレン系ポリマーが臭素置換ポリスチレン
    である請求項68記載の組成物。
  72. 【請求項72】 前記臭素置換ポリスチレンがブレンド前に約60重量%を
    越える臭素含有量を有する請求項71記載の組成物。
  73. 【請求項73】 前記熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリアミドであり、前記
    組成物が前記臭素置換ポリスチレンをポリマーブレンド物の全重量を基準にして
    5から20重量%の範囲の難燃量で含有しかつ前記組成物が更に(A)分散して
    いる難燃相乗剤または(B)補強量で分散している補強用充填材または繊維また
    は(C)(A)と(B)の両方も含んで成る請求項72記載の組成物。
  74. 【請求項74】 前記臭素置換ポリスチレンがブレンド前に少なくとも68
    −71重量%の範囲の臭素含有量を有する請求項71記載の組成物。
  75. 【請求項75】 前記熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリアミドであり、前記
    組成物が前記臭素置換ポリスチレンをポリマーブレンド物の全重量を基準にして
    5から20重量%の範囲の難燃量で含有しかつ前記組成物が更に(A)分散して
    いる難燃相乗剤または(B)補強量で分散している補強用充填材または繊維また
    は(C)(A)と(B)の両方も含んで成る請求項74記載の組成物。
  76. 【請求項76】 前記臭素置換スチレン系ポリマーがブレンド前に少なくと
    も(ii)および(iii)を有する請求項67記載の組成物。
  77. 【請求項77】 前記熱可塑性ポリマーがエンジニアリング熱可塑性ポリマ
    ーであり、前記臭素置換スチレン系ポリマーがブレンド前に約60重量%を越え
    る全臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンでありそして前記組成物が前記臭
    素置換ポリスチレンをポリマーブレンド物の全重量を基準にして5から20重量
    %の範囲の難燃量で含有する請求項76記載の組成物。
  78. 【請求項78】 前記エンジニアリング熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリア
    ミドでありそして前記組成物が更に(A)補強量で分散している補強用充填材ま
    たは繊維または(B)分散している難燃相乗剤または(C)(A)と(B)の両
    方も含んで成る請求項77記載の組成物。
  79. 【請求項79】 前記全臭素含有量が約67重量%を越える請求項76記載
    の組成物。
  80. 【請求項80】 前記熱可塑性ポリマーがエンジニアリング熱可塑性ポリマ
    ーであり、前記臭素置換スチレン系ポリマーが臭素置換ポリスチレンでありそし
    て前記組成物が前記臭素置換ポリスチレンをポリマーブレンド物の全重量を基準
    にして5から20重量%の範囲の難燃量で含有する請求項79記載の組成物。
  81. 【請求項81】 前記エンジニアリング熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリア
    ミドでありそして前記組成物が更に(A)補強量で分散している補強用充填材ま
    たは繊維または(B)分散している難燃相乗剤または(C)(A)と(B)の両
    方も含んで成る請求項80記載の組成物。
  82. 【請求項82】 前記臭素置換ポリスチレンがブレンド前に有する加水分解
    性臭素含有量が2800ppm Br以下でありそして前記臭素置換ポリスチレ
    ンがブレンド前に有する塩素含有量がたとえあったとしても500ppm未満で
    ある請求項81記載の組成物。
  83. 【請求項83】 前記臭素置換スチレン系ポリマーがブレンド前に少なくと
    も(i)および(iii)を有する請求項67記載の組成物。
  84. 【請求項84】 前記臭素置換スチレン系ポリマーが臭素置換ポリスチレン
    でありそして前記全臭素含有量が少なくとも約60重量%である請求項83記載
    の組成物。
  85. 【請求項85】 前記全臭素含有量が約67重量%以上でありそして前記臭
    素置換ポリスチレンの加水分解性臭素含有量が2800ppm Br以下である
    請求項84記載の組成物。
  86. 【請求項86】 前記熱可塑性ポリマーがエンジニアリング熱可塑性ポリマ
    ーであり、前記臭素置換スチレン系ポリマーがブレンド前に約60重量%を越え
    る全臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンでありそして前記組成物が前記臭
    素置換ポリスチレンをポリマーブレンド物の全重量を基準にして5から20重量
    %の範囲の難燃量で含有する請求項83記載の組成物。
  87. 【請求項87】 前記エンジニアリング熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリア
    ミドでありそして前記組成物が更に(A)補強量で分散している補強用充填材ま
    たは繊維または(B)分散している難燃相乗剤または(C)(A)と(B)の両
    方も含んで成る請求項86記載の組成物。
  88. 【請求項88】 ブレンド前に約50重量%を越える全臭素含有量を有しか
    つ熱安定性試験で200ppm HBr以下の熱安定性を示す臭素置換スチレン
    系ポリマーが少なくとも難燃量で混ざり合っている熱可塑性ポリマーを含んで成
    る組成物。
  89. 【請求項89】 前記熱安定性試験における熱安定性が150ppm HB
    r以下である請求項88記載の組成物。
  90. 【請求項90】 前記熱安定性試験における熱安定性が100ppm HB
    r以下である請求項88記載の組成物。
  91. 【請求項91】 前記全臭素含有量が約60重量%を越える請求項88記載
    の組成物。
  92. 【請求項92】 前記臭素置換スチレン系ポリマーが臭素置換ポリスチレン
    である請求項91記載の組成物。
  93. 【請求項93】 前記熱安定性試験における熱安定性が200ppm HB
    r以下である請求項92記載の組成物。
  94. 【請求項94】 前記熱安定性試験における熱安定性が100ppm HB
    r以下である請求項92記載の組成物。
  95. 【請求項95】 前記全臭素含有量が少なくとも約67重量%である請求項
    88記載の組成物。
  96. 【請求項96】 前記熱可塑性ポリマーがエンジニアリング熱可塑性ポリマ
    ーであり、前記臭素置換スチレン系ポリマーがブレンド前に約60重量%を越え
    る全臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンでありそして前記組成物が前記臭
    素置換ポリスチレンをポリマーブレンド物の全重量を基準にして5から20重量
    %の範囲の難燃量で含有する請求項88記載の組成物。
  97. 【請求項97】 前記エンジニアリング熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリア
    ミドである請求項96記載の組成物。
  98. 【請求項98】 前記組成物が更に(A)分散している難燃相乗剤または(
    B)補強量で分散している補強用充填材または繊維または(A)と(B)の両方
    も含んで成る請求項96記載の組成物。
  99. 【請求項99】 前記エンジニアリング熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリア
    ミドであり、前記熱安定性試験における熱安定性が200ppm HBr以下で
    ありそして前記組成物が更に(A)補強量で分散している補強用充填材または繊
    維または(B)分散している難燃相乗剤または(C)(A)と(B)の両方も含
    んで成る請求項96記載の組成物。
  100. 【請求項100】 前記全臭素含有量が少なくとも約67重量%である請求
    項96記載の組成物。
  101. 【請求項101】 前記エンジニアリング熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリ
    アミドである請求項100記載の組成物。
  102. 【請求項102】 前記組成物が更に(A)分散している難燃相乗剤または
    (B)補強量で分散している補強用充填材または繊維または(C)(A)と(B
    )の両方も含んで成る請求項101記載の組成物。
  103. 【請求項103】 前記臭素置換スチレン系ポリマーがブレンド前にTGA
    において1%重量損失を示す温度が340℃以上である請求項88記載の組成物
  104. 【請求項104】 前記臭素置換スチレン系ポリマーが臭素置換ポリスチレ
    ンでありそして前記全臭素含有量が約60重量%を越える請求項103記載の組
    成物。
  105. 【請求項105】 前記熱可塑性ポリマーがエンジニアリング熱可塑性ポリ
    マーでありそして前記組成物が前記臭素置換ポリスチレンをポリマーブレンド物
    の全重量を基準にして5から20重量%の範囲の難燃量で含有する請求項104
    記載の組成物。
  106. 【請求項106】 前記エンジニアリング熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリ
    アミドでありそして前記組成物が更に(A)分散している難燃相乗剤または(B
    )補強量で分散している補強用充填材または繊維または(A)と(B)の両方も
    含んで成る請求項105記載の組成物。
  107. 【請求項107】 前記全臭素含有量が少なくとも約67重量%である請求
    項105記載の組成物。
  108. 【請求項108】 前記エンジニアリング熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリ
    アミドである請求項107記載の組成物。
  109. 【請求項109】 前記組成物が更に(A)分散している難燃相乗剤または
    (B)補強量で分散している補強用充填材または繊維または(C)(A)と(B
    )の両方も含んで成る請求項108記載の組成物。
  110. 【請求項110】 前記熱安定性試験における熱安定性が200ppm H
    Br以下である請求項109記載の組成物。
  111. 【請求項111】 前記熱安定性試験における熱安定性が100ppm H
    Br以下である請求項109記載の組成物。
  112. 【請求項112】 前記臭素置換スチレン系ポリマーがブレンド前に約60
    重量%を越える全臭素含有量を有しかつ加水分解性臭素試験で3600ppm
    Br以下の加水分解性臭素含有量を有する請求項88記載の組成物。
  113. 【請求項113】 前記臭素置換スチレン系ポリマーが臭素置換ポリスチレ
    ンでありそして前記臭素置換ポリスチレンがブレンド前にTGAにおいて1%重
    量損失を示す温度が340℃以上である請求項112記載の組成物。
  114. 【請求項114】 前記熱可塑性ポリマーがエンジニアリング熱可塑性ポリ
    マーでありそして前記組成物が前記臭素置換ポリスチレンをポリマーブレンド物
    の全重量を基準にして5から20重量%の範囲の難燃量で含有する請求項113
    記載の組成物。
  115. 【請求項115】 前記エンジニアリング熱可塑性ポリマーが熱可塑性ポリ
    アミドでありそして前記組成物が更に(A)分散している難燃相乗剤または(B
    )補強量で分散している補強用充填材または繊維または(A)と(B)の両方も
    含んで成る請求項114記載の組成物。
  116. 【請求項116】 前記熱安定性試験における熱安定性が200ppm H
    Br以下でありかつ前記加水分解性臭素試験における加水分解性臭素含有量が2
    800ppm Br以下である請求項115記載の組成物。
  117. 【請求項117】 前記熱安定性試験における熱安定性が100ppm H
    Br以下でありかつ前記加水分解性臭素試験における加水分解性臭素含有量が2
    800ppm Br以下である請求項115記載の組成物。
  118. 【請求項118】 前記臭素置換ポリスチレンがブレンド前に少なくとも約
    67重量%の全臭素含有量を有する請求項117記載の組成物。
  119. 【請求項119】 前記臭素置換スチレン系ポリマーが、更に、(1)ブレ
    ンド前に含有するClが約700ppm未満であること、または(2)ブレンド
    前の実際のMwが臭素置換スチレン系ポリマーの実際の臭素含有量と臭素置換ス
    チレン系ポリマーの製造で用いたスチレン系ポリマー反応体のMwを基準にして
    計算した理論的Mwの約20%以内であること、または(3)ブレンド前にブロ
    モジクロロエタン、ジブロモクロロエタン、ジブロモジクロロエタンおよびトリ
    ブロモクロロエタンのいずれか1つ以上を検出可能な量で含有しないこと、また
    は(4)ブレンド前に示すΔE色値が20未満であること、または(5)(1)
    から(4)のいずれか2つ以上の組み合わせで特徴づけられる請求項68、83
    、88、91、95、103または112のいずれか記載の組成物。
  120. 【請求項120】 前記臭素置換ポリスチレンが、更に、(1)ブレンド前
    に含有するClが約700ppm未満であること、または(2)ブレンド前の実
    際のMwが臭素置換スチレン系ポリマーの実際の臭素含有量と臭素置換スチレン
    系ポリマーの製造で用いたスチレン系ポリマー反応体のMwを基準にして計算し
    た理論的Mwの約20%以内であること、または(3)ブレンド前にブロモジク
    ロロエタン、ジブロモクロロエタン、ジブロモジクロロエタンおよびトリブロモ
    クロロエタンのいずれか1つ以上を検出可能な量で含有しないこと、または(4
    )ブレンド前に示すΔE色値が20未満であること、または(5)(1)から(
    4)のいずれか2つ以上の組み合わせで特徴づけられる請求項69、70、84
    、85、92、96、104、111、113または118のいずれか記載の組
    成物。
  121. 【請求項121】 前記組成物がマスターバッチである請求項68または1
    13記載の組成物。
  122. 【請求項122】 前記組成物が溶融物または粉末ブレンド物である請求項
    68または96記載の組成物。
  123. 【請求項123】 前記組成物が型製または押出し加工製形材または品の形
    態である請求項71または106記載の組成物。
  124. 【請求項124】 難燃熱可塑性ポリマー組成物を製造する方法であって、
    熱可塑性ポリマーとブレンド前に約60重量%を越える全臭素含有量を有しかつ
    加うるに(i)TGAにおける1%重量損失の温度が340℃以上でありかつ塩
    素含有量がたとえあったとしても約700ppm Cl未満であるか或は(ii
    )加水分解性臭素試験を用いた時の加水分解性臭素含有量が2800ppm B
    r以下でありかつ塩素含有量がたとえあったとしても約700ppm Cl未満
    であるか或は(iii)熱安定性試験を用いた時の熱安定性が200ppm H
    Br以下である臭素置換スチレン系ポリマーを少なくとも難燃量で一緒にブレン
    ドすることを含んで成る方法。
  125. 【請求項125】 前記臭素置換スチレン系ポリマーが臭素置換ポリスチレ
    ンである請求項124記載の方法。
  126. 【請求項126】 前記臭素置換ポリスチレンに少なくとも(i)および(
    ii)の両方を持たせる請求項125記載の方法。
  127. 【請求項127】 前記臭素置換ポリスチレンに少なくとも(i)および(
    iii)の両方を持たせる請求項125記載の方法。
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