JP2002524502A - ウイルス性疾患の処置法 - Google Patents

ウイルス性疾患の処置法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、フラビウイルス科ファミリーに属するウイルス、またはウイルス複製のための主たる貯蔵所として哺乳動物の肝臓を標的とするウイルス、に起因するウイルス性疾患を処置する方法に関する。本発明の方法は、ミコフェノール酸またはその誘導体、特にミコフェノール酸モフェチルを単独で、または他の抗ウイルス剤と組合わせて使用することを含む。本発明の方法は、特にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、およびデングウイルスによるウイルス性感染症の処置に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、フラビウイルス科(Flaviviridae)ファミリーに属するウイルス、
またはウイルス複製のための主たる貯蔵所として哺乳動物の肝臓を標的とするウ
イルス、に起因する、ウイルス性疾患を処置する方法に関する。本発明の方法は
、ミコフェノール酸またはその誘導体、特にミコフェノール酸モフェチルを単独
で、または他の抗ウイルス剤と組合わせて使用することを含む。本発明の方法は
、特にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、およびデング
ウイルスによるウイルス性感染症の処置に有用である。
【0002】 (発明の背景) フラビウイルス科ファミリーに属するウイルスに起因するウイルス性感染症、
および、主たるウイルス複製部位として哺乳動物の肝臓を標的とするウイルス性
疾患は、いずれも世界人類に健康上の大きなリスクを与えている。
【0003】 両カテゴリーに属するウイルスである、C型肝炎ウイルス(HCV)は、世界
的に主要な健康上の問題となっている。HCV感染により年間約10,000人が死亡
している。少なくとも4百万人のアメリカ人―人口の約2パーセント―がHCV
に感染していると推定される。今のところ、この疾患に対する治癒法がなく、や
っと処置法が採択可能となりはじめたばかりである。
【0004】 B型肝炎ウイルス(HBV)は、肝臓を標的とするウイルス性疾患の優勢なも
のの一例である。近年、ワクチンが入手可能となってはいるが、HBVに慢性的
に感染している個体における有用性は疑問である。 デングは、フラビウイルス科ファミリーに属するウイルスの一例である。デン
グはHBVまたはHCVのように優勢なものではないが、温帯地方で爆発的に大
流行する伝染病として知られている。デング熱は、フラビウイルス(黄熱、ダニ
媒介脳炎、セントルイス脳炎、日本脳炎に関連する小型のRNAウイルス)によ
って引き起こされ、感染蚊によって伝播される急性の感染症である。この疾患は
、頭痛、発熱、筋肉痛および発疹を起こすが、致命的であることは極めて稀であ
る。
【0005】 しかしながら、子供に多く見られるもっと重篤な症状である、デング出血熱で
は、発熱、ショック症状、鼻および口からの出血、呼吸困難および死、を含むよ
り重篤な症候が生じる。今のところ、デングに対する処置法が全くない。 天然に存在するPenicillium brevicompactum によって産生される抗生物質で
あるミコフェノール酸(“MPA”)、およびミコフェノール酸モフェチル(“
MMF”;MPAのモルフォリノエチルエステル)を含むその誘導体は、最近、
免疫抑制薬であると記載されている。事実、米国食品医薬品局(Food and Drug
Administration)は、最近MMFを、腎移植拒絶反応予防に使用することを承認
した。
【0006】 おびただしい数のMPAおよびMMFの誘導体、それらの合成および各種疾患
への使用が下記米国特許に記載されている;
【表1】
【0007】 上記特許の幾つかは、MPA、MMFおよびその誘導体が、有用な抗―ウイル
ス剤であるかもしれないことを示唆しているが、それらで言及されているウイル
ス性標的は、レトロウイルスまたはヘルペスウイルスクラスのいずれかに属する
ものである。MPA、MMFおよびその誘導体が、哺乳動物の肝臓を標的とする
疾患、特にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスおよびデングウイルスの処置に
有用であるかもしれないことについての教示または示唆はどこにも見当たらない
。 哺乳動物の肝臓を標的とするウイルス性疾患は、しばしば広範囲に広がりかつ
重篤となる。このことは、この疾患の患者に対する効果的な処置法がないことと
相俟って、新たな処置法への道筋を開発する必要性を大きなものとしている。
【0008】 (図面の簡単な説明) 図1は、MPAの濃度を変化させたときの、HepG2-2.2.15細胞内に存在するビ
リオン付随B型肝炎ウイルスDNA量への効果、および細胞死への効果を示して
いる。
【0009】 (発明の概要) 本発明者らは、MPA、MMFおよびその誘導体が、驚くべくかつ予想外なこ
とに、フラビウイルス(flavivirus)感染症、および主たる複製部位として哺乳
動物の肝臓を標的とするウイルスによって引き起こされる感染症、の処置に有用
であることを見出し、前記課題を解決した。
【0010】 これらのよく知られた化合物を単独で使用し、または1種またはそれ以上の他
の抗ウイルス剤例えばインターフェロン、リバビリン、またはウイルス生活環阻
害物質(例えば、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド類似体、ウイルス複製およ
び感染に必要な他のウイルス性酵素阻害剤)と組合わせて使用する、これらのウ
イルス性疾患の処置法を提供する。
【0011】 (発明の詳細な説明) 一態様によれば、本発明は、フラビウイルス科ファミリーのメンバーに起因す
るウイルス性疾患、またはウイルス性肝臓疾患に罹っている哺乳動物を処置する
方法を提供するものであり、ここで該方法は、医薬的に許容できる組成物内に含
有させた、ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、またはそれらの化
合物のいずれかの誘導体から選択される化合物を、該ウイルス性疾患の症状緩解
に有効量、該哺乳動物に投与する段階を含むものである。
【0012】 ミコフェノール酸は、構造:
【化1】 を有する。 ミコフェノール酸モフェチルは、構造:
【化2】 を有する。
【0013】 これら2種の化合物の誘導体は、文献によく記載されている。例えば、ミコフ
ェノール酸の4―アミノ誘導体は、米国特許第5380879号および第5441953号、並
びにPCT公開 WO 95/22535号に記載されている。5−置換を含むミコフェノール
酸の誘導体は、米国特許第5493030号および第5633279号、並びにPCT公開 WO 95/
22538号にに記載されている。6−置換を含むミコフェノール酸の誘導体は、米
国特許第5444072号および第5536747号、並びにPCT公開 WO 95/22536号に記載さ
れている。5−または6−置換を含むミコフェノール酸の4―アミノ誘導体は、
米国特許第5538969号および第5554612号、並びにPCT公開 WO 95/22537号および
WO 95/22534号に記載されている。上記引用各特許および各公開の開示は、ここ
に参照して本明細書の一部とする。
【0014】 上記化合物は、いずれも本発明の方法に有用である。好ましい使用化合物は、
ミコフェノール酸モフェチルである。 「ウイルス性肝臓疾患」の用語は、本明細書で使用するとき、その病因が、ウ
イルス増殖の主要部位として哺乳動物の肝臓を標的とするウイルスである疾患を
意味する。そのようなウイルスには、それらに限定するものではないが、B型肝
炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、およびE型肝炎ウイルスが
含まれる。本発明により処置し得るフラビウイルス科ファミリーに属するウイル
スの例としては、デングウイルスおよびC型肝炎ウイルスがある。好ましい態様
によれば、本発明の方法をC型肝炎ウイルス感染症の処置に使用する。
【0015】 本発明方法の有効性は、その処置がどれだけウイルス性感染症の症状を緩解し
たかを観察することにより測定する。これは種々の手段で測定できる。例えば、
血液中のウイルス滴定値の低下を感染症状の緩解であると考える。同様に、ウイ
ルスに関連する酵素活性(例えば、ウイルスプロテアーゼ活性;ウイルスヘリカ
ーゼ活性;ウイルスポリメラーゼ活性)量の減少、またはウイルス性蛋白質存在
の減少を有効性の指標とする。
【0016】 本発明による医薬的に許容できる組成物は、本化合物を医薬的に許容できる担
体と一緒に、哺乳動物への投与用に製剤化したものである。 これらの組成物に使用し得る医薬的に許容できる担体には、それらに限定され
ないが、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清
蛋白質例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質例えばリン酸塩、グリシン、ソルビ
ン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、
塩または電解質例えばプロタミン硫酸塩、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素
カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド性シリカ、マグネシウムトリシリ
ケート、ポリビニールピロリドン、セルロース―ベース物質、ポリエチレングリ
コール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸塩、ワックス
類、ポリエチレン―ポリオキシプロピレン―ブロックポリマー、ポリエチレング
リコールおよび羊毛脂(ラノリン)などが含まれる。
【0017】 好適な態様では、本発明の組成物を、ヒトへの投与用医薬に製剤化する。 そのような本発明の医薬組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーによ
り、局所的に、直腸経由で、経鼻的に、バッカルとして、経膣剤として、または
埋設リザーバー経由などで投与し得る。「非経口的」の用語は、本明細書中で使
用するとき、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、夾(包)膜内
、肝臓内、病巣内、頭蓋内注射または注入技法を含む。好ましくはこれらの組成
物を経口的に投与する。
【0018】 本発明の組成物の滅菌注射可能形態は、水性または油性懸濁液であり得る。こ
れらの懸濁液は当業界に既知の技術に従い、適切な分散剤または湿潤化剤および
懸濁剤を使用して製剤化できる。滅菌注射可能製剤は、また非毒性で非経口的に
許容できる希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能溶液または懸濁液、例えば1、3
−ブタンジオール溶液であり得る。採用可能な許容できる媒体または溶媒には、
水、リンゲル液および等張食塩水などがある。加えて、滅菌、不揮発性油類も常
用溶媒または懸濁媒体として採用される。この目的のためには、合成モノ―また
はジ―グリセリド類を含む、任意の緩和な不揮発性油を採用できる。脂肪酸例え
ばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体も注射用剤の調製に有用であり、天然
の医薬的に許容できる油類、例えば、オリーブ油またはキャスター油、好ましく
は特にそれらのポリオキシエチレート化した形態のものも同様である。これらの
油性溶液または懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、例えば、Ph. He
lv または類似のアルコールを含有することもできる。
【0019】 本発明の医薬組成物は、それらに限定するものではないが、カプセル剤、錠剤
、水性懸濁液または溶液を含む任意の経口的に許容できる用量形態で、経口的に
投与できる。経口投与用錠剤の場合、一般的に使用する担体には、ラクトースお
よびコーンスターチが含まれる。滑択剤、例えばステアリン酸マグネシウムも典
型的に添加するものである。経口投与用カプセル形態では、有用な希釈剤にはラ
クトースおよび乾燥コーンスターチが含まれる。経口投与用に水性懸濁液剤を必
要とする場合には、有効成分を乳化剤および懸濁剤と組合わせる。所望であれば
、ある種の甘味成分、香料または着色成分も添加できる。
【0020】 あるいは、本発明の医薬組成物は、直腸投与用の座薬形態で投与することもで
きる。これらは活性成分を、室温では固形であるが直腸内の温度では液体となる
適切な非刺激性賦形剤と混合し、そのため直腸内で溶融して薬物を放出するよう
にして調製できる。そのような材料には、ココアバター、蜂蜜およびポリエチレ
ングリコール類が含まれる。 本発明の医薬組成物は、特に処置の標的が、眼、皮膚、または腸管下部の疾患
を含む、局所適用により容易にアクセス可能な領域または器官を含む場合、局所
的に投与することもできる。これらの各領域または各器官用に適した局所投与製
剤を容易に調製できる。 腸管下部への局所適用は、直腸内座薬製剤(上記参照)で、または適切な浣腸
製剤で実施できる。局所経皮パッチ類も使用できる。
【0021】 局所適用には、この医薬組成物を、1種またはそれ以上の担体中に活性成分を
懸濁または溶解して含有する適切な軟膏に製剤化することができる。本発明の化
合物の局所投与用担体には、それらに限定するものではないが、鉱物油、液体ワ
セリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキ
シプロピレン化合物、乳化用ワックスおよび水などが含まれる。あるいは、医薬
組成物を、1種またはそれ以上の担体中に活性成分を懸濁または溶解して含有す
る、活性成分を含有する適切なローションまたはクリームに製剤化することもで
きる。 適切な担体には、それらに限定するものではないが、鉱物油、ソルビタンモノス
テアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコ
ール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水などが含まれる
【0022】 眼科的使用には、この医薬組成物を、保存剤例えば塩化ベンジルアルコニウム
を入れてまたは入れずに、等張性pH調整済滅菌生理食塩水中の微粒子化懸濁液
製剤、または好ましくは、等張性pH調整済滅菌生理食塩水溶液製剤とすること
ができる。あるいは、眼科的使用には、この医薬組成物を、ワセリンなどの軟膏
製剤とすることができる。 本発明の医薬組成物は、経鼻エアゾルまたは吸入によっても投与できる。その
ような組成物は医薬製剤の分野でよく知られた技術によって調製するが、例えば
ベンジルアルコールまたはその他の保存剤、バイオアベイラビリティを高めるた
めの吸収促進剤、フルオロカーボン類、および/またはその他の通常の可溶化剤
または分散剤を採用し、生理食塩水溶液として調製できる。
【0023】 MPA、MMFまたはそれらの誘導体の各種医薬製剤が、米国特許第5455045
;5543408;5554384および5688529号に記載されており、それらの開示をここに
参照して本明細書の一部とする。これらの製剤、殊に米国特許第5688529号に記
載されているMMFの高用量経口用懸濁液剤は、本発明の方法に好適である。 好ましい実施態様においては、このMPA、MMFまたはそれらの誘導体を他
の少なくとも1種の抗ウイルス剤と一緒に投与する。 この実施態様に有用な他の抗ウイルス剤には、それらに限定されないが、α―
インターフェロン類、β―インターフェロン類、γ―インターフェロン類、ウイ
ルス性プロテアーゼ阻害物質、リバビリン、ウイルス性ヘリカーゼ阻害物質、ウ
イルス性ポリメラーゼ阻害物質、ウイルス表面蛋白質に対する抗体類、およびウ
イルス核蛋白質に対する抗体類が含まれる。
【0024】 本発明の方法に使用する他の抗ウイルス剤は、好ましくはα―インターフェロ
ンであり、所望によりそれをポリエチレングリコールとコンジュゲートさせて修
飾(「ペギル化、pegylation」)したものである。 この他の抗ウイルス剤は、MPA、MMFまたはそれらの誘導体と組合わせた
単回投与組成物の一部として投与することができる。あるいは、この他の抗ウイ
ルス剤を別の投与形態として投与することもできる。別の投与形態として使用す
る場合は、この他の抗ウイルス剤を、MPA、MMFまたはそれらの誘導体の投
与に先だって、と同時に、または、の後に投与することができる。
【0025】 本発明の方法で利用するMPA、MMFまたはそれらの誘導体の毎日用量は、
約0.01ないし100.0mg/kg体重の範囲内に、好ましくは約0.1ないし70mg/kg体重の
範囲内とするべきである。他の抗ウイルス剤が存在する場合、それらは単独療法
で使用する場合の通常用量の約70ないし100%の範囲内の毎日用量で投与するべ
きである。 投与する活性化合物の量は、勿論、哺乳動物の性別、ウイルス感染症の性質お
よび症状程度、投与経路および投与スケジュールおよび処方する臨床医の判断な
どを含む、多数のファクターに依存するであろう。 本発明のより完全な理解のため、下記実施例を提示する。これらの実施例は例
示説明だけの目的のものであり、いかなる意味においても本発明の範囲を限定し
ようとするものではない。
【0026】 実施例 実施例1 B型肝炎ウイルス感染症に対するMPAの効果 HepG2-2.2.15細胞を、10%胎児牛血清を補ったDMEM培地中、当初密度2.5x103
細胞/100μlで、96ウエルのマイクロタイタープレート中に入れた。細胞の付着
を促進させるため、細胞をプレートに入れるに先だって、この96ウエルプレート
を予めコラーゲンで被覆しておいた。湿潤化した5%CO環境下に16−24時間
、37℃で培養後、付着したHepG2-2.2.15細胞の単層を洗い、培地を各種濃度のM
PA(0ないし31μM)を含有する完全培地で置換した。3日目に、培養培地を
同量のMPAを含有する新鮮な培地で置換した。MPAの当初投与から6日目に
、細胞培養液の上澄みを集め、遠心分離(Sorvall RT-6000D 遠心分離機, 1000
rpm for 5 min)して澄明化した。
【0027】 各試料を次いで、mg/mlのプロナーゼ(Pronase)で30分間、37℃、1ユニットの
DNアーゼ(DNase)で60分間、37℃で処置してプロテアーゼを不活性化し、全て
の非キャプシド化ウイルスDNAを劣化(degrade)させた。各試料を30分間、9
5℃に加熱して各試料中に存在するDNアーゼを不活性化した。澄明化した上澄
み液3マイクロリットルを、次いで、下記条件でリアルタイム定量的PCRに付
した。 組織培養上澄み液中に存在する、ビリオン付随HBV DNAを、HBV株a
yw由来のプライマーを用いてPCR増幅させた。PCR増幅したHBV DN
Aをリアルタイムで(即ち、各PCR熱サイクル段階で)、蛍光プローブ分子が
増幅したHBV DNAとハイブリダイズすることに続いて消えてゆく該プロー
ブの核外分解性劣化(exonucleolytic degradation)の結果である、蛍光シグナ
ルの増加をモニターして検出した。このタグマン(tagman)プローブ分子は、Pr
imer Express (PE-Applied Biosystems 商標)ソフトウエアを用いてデザインし
たものであり、HBV DNA領域内に存在するDNA配列に相補的である。
【0028】 定例的に、澄明化した上澄み液3μlを、50μlPCR反応中、直接(DNA抽
出することなく)分析した。使用した反応剤および条件は製造業者(PE-Applied
Biosystems)の指示通りとした。各PCR増幅のために、精製した1.2kbp HBV a
ywのサブゲノミックフラグメントのlog希釈物数種から標準曲線を並行して作成
した。通常、標準曲線は、PCR反応当たり1x106ないし1x101名目コピー均
等物の範囲にわたった。
【0029】 このアッセイの結果は、図1に示してある。図1は、投与したMPA量が0.48
8μMまで増加するにつれて、検出されるHBV DNAの量が直線的に減少して
いることを示している。0.488μM以上では、細胞は死にはじめ、そのためにそ
れ以上のHBV DNA量の直線的減少を読みとることは困難である。このアッ
セイは、MPAが感染細胞内でB型肝炎ウイルスタイターを減少させる効果があ
ることを示している。フラビウイルス科ファミリーの他のウイルス、および主た
る複製部位として哺乳動物の肝臓を標的とする他のウイルス、に起因する感染症
もまた、MPAで処置することにより症状を緩解するであろう。
【0030】 本明細書中に本発明の実施態様を多数提示したが、その基本的な構成を改変し
て本発明の方法を利用する他の実施態様を提供し得ることは明かである。それ故
、本発明の範囲が、本明細書中に例示の目的で提示した特定の実施例よりも、添
付した特許請求の範囲によって定義されるものであることが理解されるであろう
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、MPAの濃度を変化させたときの、HepG2-2.2.15細胞内
に存在するビリオン付随B型肝炎ウイルスDNA量への効果、および細胞死への
効果を示している。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年12月6日(2000.12.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】 上記特許の幾つかは、MPA、MMFおよびその誘導体が、抗―ウイルス剤と
して有用であり得ることを示唆しているが、それらで言及されているウイルス性
標的は、レトロウイルスまたはヘルペスウイルスクラスのいずれかに属するもの
である。MPA、MMFおよびその誘導体が、哺乳動物の肝臓を標的とする疾患
、特にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスおよびデングウイルスの処置に有用
であるかもしれないことについての教示または示唆はどこにも見当たらない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07D 307/88 A61K 37/66 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 130 Waverly Street, Camridge, Massachus etts 02139−4242, U.S.A. (72)発明者 アン・クウォン アメリカ合衆国02138マサチューセッツ州 ケンブリッジ、サンセット・ロード45番 Fターム(参考) 4C037 RA01 4C084 AA01 AA02 DA22 MA52 NA14 ZB332 4C086 AA01 AA02 BA06 BC73 GA09 MA02 MA05 MA52 NA14 ZB33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラビウイルス科ファミリーに属するウイルス、または、主
    たる複製部位として哺乳動物の肝臓を標的とするウイルス、に起因する疾患に罹
    っている哺乳動物を処置する方法であって、該哺乳動物を: a.該疾患の症状緩解に有効な量のミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェ
    チル、またはそれらの誘導体から選択される化合物;および b.医薬的に許容できる担体、 を含む医薬組成物で処置する段階を含む方法。
  2. 【請求項2】 該哺乳動物に別の抗ウイルス剤を付加的に投与する、但し該
    抗ウイルス剤を該化合物とともに単回投与形態に製剤化して投与するか、または
    該抗ウイルス剤を別の投与形態として該哺乳動物に投与するものである、請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該別の抗ウイルス剤が、α―インターフェロン、またはペギ
    ル化した(pegylated)α―インターフェロンから選択されるものである、請求項
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該哺乳動物が、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型
    肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスまたはデングウイルスから選択されるウイルス
    に起因する疾患に罹っているものである、請求項1ないし請求項3の何れかに記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 該ウイルスがC型肝炎ウイルスであり、該哺乳動物がヒトで
    ある、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 該医薬組成物が経口投与用に製剤化されているものである、
    請求項1ないし請求項5の何れかに記載の方法。
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