JP2002524084A - シアリル化オリゴ糖の精製方法 - Google Patents
シアリル化オリゴ糖の精製方法Info
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- C12N9/1081—Glycosyltransferases (2.4) transferring other glycosyl groups (2.4.99)
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- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/48—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving transferase
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Abstract
(57)【要約】
α−シアリル化オリゴ糖配糖体の酵素合成方法が開示される。詳細には、開示された方法において、α−2,3−シアリルトランスフェラーゼを用いて、そのCMPヌクレオチド誘導体として用いられるシアル酸のアナログを、非還元糖末端から2番目の糖単位におけるフコシル基を有するオリゴ糖の非還元糖末端へと転移させる。本方法において用いられるシアル酸のアナログおよびオリゴ糖は、用いられるシアリルトランスフェラーゼと適合性であるように選択される。
Description
【0001】 (関連出願の引用) 本出願は、その全体が本明細書中に参考として援用される、1998年9月3
日に出願された、米国出願第09/146,285号の一部継続出願である。
日に出願された、米国出願第09/146,285号の一部継続出願である。
【0002】 (発明の背景) (1.発明の分野) 本出願は、α−シアリル化オリゴ糖の酵素合成のための方法に関する。詳細に
は、本発明の方法では、α2,3−シアリルトランスフェラーゼを用いて、その
CMP−ヌクレオチドとして用いた、シアル酸またはそのアナログを、オリゴ糖
の非還元末端に転移させる。このオリゴ糖は、このオリゴ糖の非還元糖末端から
2番目の位置にフコシル基を有する。
は、本発明の方法では、α2,3−シアリルトランスフェラーゼを用いて、その
CMP−ヌクレオチドとして用いた、シアル酸またはそのアナログを、オリゴ糖
の非還元末端に転移させる。このオリゴ糖は、このオリゴ糖の非還元糖末端から
2番目の位置にフコシル基を有する。
【0003】 (2.参考文献) 以下の参考文献は、本出願において、本出願の関連部分にて上付文字として引
用され、そしてその全体が本明細書中に参考として援用される。
用され、そしてその全体が本明細書中に参考として援用される。
【0004】
【表2】 (3.当該分野の状態) 炭水化物および/またはオリゴ糖は、種々の天然の糖結合体および病理学的な
糖結合体上に存在する1。特に興味深いのは、特に非還元糖末端にシアル酸残基
を含む炭水化物およびオリゴ糖である31。このようなシアル酸で終結した炭水化
物およびオリゴ糖は、部分的には、炭水化物構造によっておよび特異的リガンド
へのそれらの結合によって保有される認識シグナルの概念に基づく、広範な生物
学的現象に関与している多数の産物中に存在する。
糖結合体上に存在する1。特に興味深いのは、特に非還元糖末端にシアル酸残基
を含む炭水化物およびオリゴ糖である31。このようなシアル酸で終結した炭水化
物およびオリゴ糖は、部分的には、炭水化物構造によっておよび特異的リガンド
へのそれらの結合によって保有される認識シグナルの概念に基づく、広範な生物
学的現象に関与している多数の産物中に存在する。
【0005】 詳細には、このようなシアル酸で終結した炭水化物およびオリゴ糖は、トキシ
ン4、ウイルスのような病原因子5の結合についてのレセプターであると考えられ
、そして種々のレクチン、特に細胞接着に関与するレクチン6,7などについての
認識部位であると考えられる。
ン4、ウイルスのような病原因子5の結合についてのレセプターであると考えられ
、そして種々のレクチン、特に細胞接着に関与するレクチン6,7などについての
認識部位であると考えられる。
【0006】 同様に、シアル酸で終結したオリゴ糖を含む特定のオリゴ糖は、抗原への細胞
媒介免疫応答を抑制し得ると同定されている。このようなオリゴ糖が、抗原に対
する細胞媒介免疫応答を抑制する能力は、Venotらによって記載される3。
媒介免疫応答を抑制し得ると同定されている。このようなオリゴ糖が、抗原に対
する細胞媒介免疫応答を抑制する能力は、Venotらによって記載される3。
【0007】 さらに、腫瘍関連抗原における、特定のシアリルで終結したオリゴ糖の存在は
、当該分野で実証されており1、そして一般に、このような抗原上に存在するオ
リゴ糖の構造は、腫瘍関連抗原の発現を導くように、通常のオリゴ糖からいくつ
かの方法で修飾されている2。黒色腫患者における、シアリル化されたいくつか
の腫瘍関連抗原(例えば、ガングリオシドGD2、GD3およびGM2)に対する
モノクローナル抗体を用いての受動免疫治療の見込みが調査されている8,9。
、当該分野で実証されており1、そして一般に、このような抗原上に存在するオ
リゴ糖の構造は、腫瘍関連抗原の発現を導くように、通常のオリゴ糖からいくつ
かの方法で修飾されている2。黒色腫患者における、シアリル化されたいくつか
の腫瘍関連抗原(例えば、ガングリオシドGD2、GD3およびGM2)に対する
モノクローナル抗体を用いての受動免疫治療の見込みが調査されている8,9。
【0008】 このようなオリゴ糖の合成はしばしば、対応する低い収量での複雑な化学反応
を含む。従って、これらの分子の少なくとも一部を合成する際にグリコシルトラ
ンスフェラーゼを用いることに大きな興味が存在する。
を含む。従って、これらの分子の少なくとも一部を合成する際にグリコシルトラ
ンスフェラーゼを用いることに大きな興味が存在する。
【0009】 グリコシルトランスフェラーゼは、小胞体およびゴルジ体の高度に多型の群の
膜結合性酵素であり、糖タンパク質および糖脂質のN−グリカン(Asn−Gl
cNAc N−グリコシド結合;GlcNAc,N−アセチルグルコサミン)お
よびO−グリカン(Ser/Thr−GalNAc,O−グリコシド結合;Ga
lNAc,N−アセチルガラクトサミン)部分の生合成におけるアクセプター糖
のヒドロキシル基へのヌクレオチドドナーからの単一の単糖単位の転移を触媒す
る。
膜結合性酵素であり、糖タンパク質および糖脂質のN−グリカン(Asn−Gl
cNAc N−グリコシド結合;GlcNAc,N−アセチルグルコサミン)お
よびO−グリカン(Ser/Thr−GalNAc,O−グリコシド結合;Ga
lNAc,N−アセチルガラクトサミン)部分の生合成におけるアクセプター糖
のヒドロキシル基へのヌクレオチドドナーからの単一の単糖単位の転移を触媒す
る。
【0010】 真核生物シアリルトランスフェラーゼは、CMP−SAからの、糖結合体のオ
リゴ糖鎖の非還元末端へのN−アセチルノイラミン酸(NeuAc)、シアル酸
(SA)の転移を触媒する、グリコシルトランスフェラーゼのファミリーを含む
。シアル酸の付加は、通常、神経細胞接着分子およびガングリオシド上に見出さ
れるポリシアル酸鎖以外についてのオリゴ糖鎖伸長を終結させる。
リゴ糖鎖の非還元末端へのN−アセチルノイラミン酸(NeuAc)、シアル酸
(SA)の転移を触媒する、グリコシルトランスフェラーゼのファミリーを含む
。シアル酸の付加は、通常、神経細胞接着分子およびガングリオシド上に見出さ
れるポリシアル酸鎖以外についてのオリゴ糖鎖伸長を終結させる。
【0011】 糖タンパク質および糖脂質のN−グリカン誘導体およびO−グリカン誘導体の
合成に関与する公知の真核生物シアリルトランスフェラーゼを、Palcic63 から改作して表1にまとめる。この表では、Rは、アクセプターである糖タンパ
ク質、糖脂質またはオリゴ糖鎖の残余部を示す。
合成に関与する公知の真核生物シアリルトランスフェラーゼを、Palcic63 から改作して表1にまとめる。この表では、Rは、アクセプターである糖タンパ
ク質、糖脂質またはオリゴ糖鎖の残余部を示す。
【0012】
【表1】 α2,3−シアリルトランスフェラーゼは、アクセプターの決定のための、な
らびに糖タンパク質の他の定性的調査および定量的調査のための、糖タンパク質
のN結合型およびO結合型のシアリル誘導体のインビトロでの合成のための有用
な真核生物酵素である。しかし、2,3−シアリルトランスフェラーゼが、糖タ
ンパク質または糖脂質のN結合型およびO結合型のシアリル誘導体を合成せず、
ここで、アクセプター糖タンパク質または糖脂質は、オリゴ糖の非還元糖末端に
対して2番目の位置にフコシル誘導体を保有したことが以前に報告された(米国
特許第5,374,655号67)。これは、特定のフコシル化およびシアリル化
オリゴ糖の合成において注意深い計画を必要とし、そしていくつかの場合は、酵
素合成ではなく、化学合成を用いて特定の工程が完了されることを必要とした。
らびに糖タンパク質の他の定性的調査および定量的調査のための、糖タンパク質
のN結合型およびO結合型のシアリル誘導体のインビトロでの合成のための有用
な真核生物酵素である。しかし、2,3−シアリルトランスフェラーゼが、糖タ
ンパク質または糖脂質のN結合型およびO結合型のシアリル誘導体を合成せず、
ここで、アクセプター糖タンパク質または糖脂質は、オリゴ糖の非還元糖末端に
対して2番目の位置にフコシル誘導体を保有したことが以前に報告された(米国
特許第5,374,655号67)。これは、特定のフコシル化およびシアリル化
オリゴ糖の合成において注意深い計画を必要とし、そしていくつかの場合は、酵
素合成ではなく、化学合成を用いて特定の工程が完了されることを必要とした。
【0013】 上記を考慮して、オリゴ糖の非還元糖末端に対して2番目の位置にフコシル誘
導体を有するオリゴ糖からのα−シアリル化オリゴ糖の容易な調製方法を開発す
ることが特に有利である。本発明は、これを、α2,3−シアリルトランスフェ
ラーゼを用いて、そのCMP−ヌクレオチド誘導体(ドナー糖)として活性化さ
れたシアル酸の、糖部分(アクセプターオリゴ糖)の非還元末端から2番目の位
置にフコシル誘導体を有する糖またはオリゴ糖への効率的なカップリングをもた
らすことによって達成する。
導体を有するオリゴ糖からのα−シアリル化オリゴ糖の容易な調製方法を開発す
ることが特に有利である。本発明は、これを、α2,3−シアリルトランスフェ
ラーゼを用いて、そのCMP−ヌクレオチド誘導体(ドナー糖)として活性化さ
れたシアル酸の、糖部分(アクセプターオリゴ糖)の非還元末端から2番目の位
置にフコシル誘導体を有する糖またはオリゴ糖への効率的なカップリングをもた
らすことによって達成する。
【0014】 本発明は、N−アセチルノイラミン酸のアナログにより非還元糖末端において
終結した、オリゴ糖、糖タンパク質および糖脂質の合成方法に関する。詳細には
、本発明の方法は、α2,3−シアリルトランスフェラーゼを用いて、それらの
CMP−ヌクレオチド誘導体として活性化された、シアル酸またはそのアナログ
を、オリゴ糖アクセプターの非還元末端に転移させる。
終結した、オリゴ糖、糖タンパク質および糖脂質の合成方法に関する。詳細には
、本発明の方法は、α2,3−シアリルトランスフェラーゼを用いて、それらの
CMP−ヌクレオチド誘導体として活性化された、シアル酸またはそのアナログ
を、オリゴ糖アクセプターの非還元末端に転移させる。
【0015】 従って、その1つの方法の局面では、本発明は、シアル酸またはそのアナログ
を含むα−シアリル化およびフコシル化されたオリゴ糖の酵素合成のための方法
に関する。この方法は、以下の工程: a)非還元末端から2番目の糖位置においてフコース基を有するフコシル化オ
リゴ糖と適合性のシアリルトランスフェラーゼを選択する工程; b)工程(a)において選択されたシアリルトランスフェラーゼと適合性であ
るCMP−シアル酸またはそのアナログを選択する工程; c)上記CMP−シアル酸またはそのアナログを、シアル酸またはそのアナロ
グが、CMP−シアル酸またはそのアナログからフコシル化オリゴ糖の非還元糖
末端に転移される条件下で上記工程(a)において選択されたシアリルトランス
フェラーゼの存在下で以下の式:
を含むα−シアリル化およびフコシル化されたオリゴ糖の酵素合成のための方法
に関する。この方法は、以下の工程: a)非還元末端から2番目の糖位置においてフコース基を有するフコシル化オ
リゴ糖と適合性のシアリルトランスフェラーゼを選択する工程; b)工程(a)において選択されたシアリルトランスフェラーゼと適合性であ
るCMP−シアル酸またはそのアナログを選択する工程; c)上記CMP−シアル酸またはそのアナログを、シアル酸またはそのアナロ
グが、CMP−シアル酸またはそのアナログからフコシル化オリゴ糖の非還元糖
末端に転移される条件下で上記工程(a)において選択されたシアリルトランス
フェラーゼの存在下で以下の式:
【0016】
【化2】 のフコシル化オリゴ糖と接触させ、それにより、シアル酸またはそのアナログを
含むα−シアリル化フコシル化オリゴ糖を形成する工程であって、ここでR1が
糖残基を表し、R2が糖残基を表し、そしてR1およびR2が一緒に、選択された
シアリルトランスフェラーゼのアクセプターを表し;nは0〜約10であり、Y
はO、NHおよびSからなる群より選択され、そしてR3は、H、タンパク質、
脂質または少なくとも1つの炭素原子を有するアグリコン部分からなる群より選
択される、工程を包含する。
含むα−シアリル化フコシル化オリゴ糖を形成する工程であって、ここでR1が
糖残基を表し、R2が糖残基を表し、そしてR1およびR2が一緒に、選択された
シアリルトランスフェラーゼのアクセプターを表し;nは0〜約10であり、Y
はO、NHおよびSからなる群より選択され、そしてR3は、H、タンパク質、
脂質または少なくとも1つの炭素原子を有するアグリコン部分からなる群より選
択される、工程を包含する。
【0017】 本発明はまた、フコシル化およびα−シアリル化されたオリゴ糖の酵素合成の
ための方法に関する。この方法は以下の工程: a)非還元末端から2番目の糖位置においてフコース基を有するオリゴ糖をシ
アリル化し得るシアリルトランスフェラーゼを選択する工程; b)フコシルトランスフェラーゼを選択する工程; c)工程(a)において選択されるシアリルトランスフェラーゼと適合性であ
るCMP−シアル酸またはそのアナログを選択する工程; d)工程(b)において選択されるフコシルトランスフェラーゼと適合性であ
るGDP−フコースまたはそのアナログを選択する工程; e)上記CMP−シアル酸またはそのアナログおよび上記GDP−フコースま
たはそのアナログを、シアル酸またはそのアナログおよびフコースまたはそのア
ナログが、それぞれ、CMP−シアル酸またはそのアナログおよびGDP−フコ
ースまたはそのアナログからオリゴ糖の非還元糖末端に転移される条件下で上記
(a)および(b)において選択された上記シアリルトランスフェラーゼおよび
上記フコシルトランスフェラーゼの存在下で式: R1−R2−(糖)n−Y−R3 のオリゴ糖と接触させ、それにより、α−シアリル化フコシル化オリゴ糖を形成
する工程であって、ここでR1が糖残基を表し、R2が糖残基を表し、そしてR1
およびR2が一緒に、この選択されたシアリルトランスフェラーゼおよびこの選
択されたフコシルトランスフェラーゼのアクセプターを表し;nは0〜約10で
あり、YはO、NHおよびSからなる群より選択され、そしてR3は、H、タン
パク質、脂質または少なくとも1つの炭素原子を有するアグリコン部分からなる
群より選択される、工程、 を包含する。
ための方法に関する。この方法は以下の工程: a)非還元末端から2番目の糖位置においてフコース基を有するオリゴ糖をシ
アリル化し得るシアリルトランスフェラーゼを選択する工程; b)フコシルトランスフェラーゼを選択する工程; c)工程(a)において選択されるシアリルトランスフェラーゼと適合性であ
るCMP−シアル酸またはそのアナログを選択する工程; d)工程(b)において選択されるフコシルトランスフェラーゼと適合性であ
るGDP−フコースまたはそのアナログを選択する工程; e)上記CMP−シアル酸またはそのアナログおよび上記GDP−フコースま
たはそのアナログを、シアル酸またはそのアナログおよびフコースまたはそのア
ナログが、それぞれ、CMP−シアル酸またはそのアナログおよびGDP−フコ
ースまたはそのアナログからオリゴ糖の非還元糖末端に転移される条件下で上記
(a)および(b)において選択された上記シアリルトランスフェラーゼおよび
上記フコシルトランスフェラーゼの存在下で式: R1−R2−(糖)n−Y−R3 のオリゴ糖と接触させ、それにより、α−シアリル化フコシル化オリゴ糖を形成
する工程であって、ここでR1が糖残基を表し、R2が糖残基を表し、そしてR1
およびR2が一緒に、この選択されたシアリルトランスフェラーゼおよびこの選
択されたフコシルトランスフェラーゼのアクセプターを表し;nは0〜約10で
あり、YはO、NHおよびSからなる群より選択され、そしてR3は、H、タン
パク質、脂質または少なくとも1つの炭素原子を有するアグリコン部分からなる
群より選択される、工程、 を包含する。
【0018】 本発明はまた、未知のオリゴ糖アクセプターの非還元末端構造を決定するため
の方法に関する。この方法は、以下の工程: a)オリゴ糖アクセプターと、非還元末端から2番目の糖位置においてフコー
ス基を有するオリゴ糖の非還元末端をシアリル化し得ないシアリルトランスフェ
ラーゼとを接触させ、そしてオリゴ糖がシアリル化されたか否かを決定する工程
; b)オリゴ糖と、非還元末端から2番目の糖位置においてフコース基を有する
オリゴ糖の非還元末端をシアリル化し得るシアリルトランスフェラーゼとを接触
させ、そしてこのオリゴ糖がシアリル化されたか否かを決定する工程;および c)結果を比較して、非還元末端がフコシル化されたか否かを決定する工程、
を包含する。未知のアクセプターの第1のアリコートが工程(a)においてシア
リル化されておらず、そしてアクセプターの第2のアリコートが工程(b)にお
いてシアリル化されていた場合、このアクセプターは、非還元末端から2番目の
糖位置においてフコシル化されていた。
の方法に関する。この方法は、以下の工程: a)オリゴ糖アクセプターと、非還元末端から2番目の糖位置においてフコー
ス基を有するオリゴ糖の非還元末端をシアリル化し得ないシアリルトランスフェ
ラーゼとを接触させ、そしてオリゴ糖がシアリル化されたか否かを決定する工程
; b)オリゴ糖と、非還元末端から2番目の糖位置においてフコース基を有する
オリゴ糖の非還元末端をシアリル化し得るシアリルトランスフェラーゼとを接触
させ、そしてこのオリゴ糖がシアリル化されたか否かを決定する工程;および c)結果を比較して、非還元末端がフコシル化されたか否かを決定する工程、
を包含する。未知のアクセプターの第1のアリコートが工程(a)においてシア
リル化されておらず、そしてアクセプターの第2のアリコートが工程(b)にお
いてシアリル化されていた場合、このアクセプターは、非還元末端から2番目の
糖位置においてフコシル化されていた。
【0019】 (好ましい実施態様の詳細な説明) 本発明は、特定のα2,3−シアリルトランスフェラーゼが、シアル酸の適合
性のアナログを、糖の非還元末端の末端から2番目の位置にフコシル基を有する
、特定のオリゴ糖、糖タンパク質、および糖脂質に対して転移させるという発見
に関する。この発見は、糖の非還元末端から2番目の位置にフコシル基を有する
オリゴ糖からの非還元末端でα−シアリル化されたオリゴ糖の合成を可能にする
。この方法はまた、フコシル化オリゴ糖へのシアル酸の適合性アナログの転移を
可能にする。本発明はまた、アクセプターの構造決定および糖タンパク質および
糖脂質の他の定性的および定量的な調査を可能にする。
性のアナログを、糖の非還元末端の末端から2番目の位置にフコシル基を有する
、特定のオリゴ糖、糖タンパク質、および糖脂質に対して転移させるという発見
に関する。この発見は、糖の非還元末端から2番目の位置にフコシル基を有する
オリゴ糖からの非還元末端でα−シアリル化されたオリゴ糖の合成を可能にする
。この方法はまた、フコシル化オリゴ糖へのシアル酸の適合性アナログの転移を
可能にする。本発明はまた、アクセプターの構造決定および糖タンパク質および
糖脂質の他の定性的および定量的な調査を可能にする。
【0020】 しかし、本発明をより詳細に議論する前に、以下の用語をまず定義する。
【0021】 (A.定義) 本明細書中で使用する場合、以下の用語は以下に示した定義を有する。
【0022】 用語「シアル酸」とは、5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセ
ロ−D−ガラクト−ノヌロピラノシロン酸(「Neu5Ac」)およびNeu5
Acの天然に存在するアナログ(N−グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)
および9−O−アセチルノイラミン酸(Neu5,9Ac2)を含む)を含む天
然に存在する全ての構造のシアル酸であって、選択されたシアリルトランスフェ
ラーゼと適合性であるものを意味する。今日までに公知の天然に存在するシアル
酸の完全なリストは、Schauer31によって提供される。
ロ−D−ガラクト−ノヌロピラノシロン酸(「Neu5Ac」)およびNeu5
Acの天然に存在するアナログ(N−グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)
および9−O−アセチルノイラミン酸(Neu5,9Ac2)を含む)を含む天
然に存在する全ての構造のシアル酸であって、選択されたシアリルトランスフェ
ラーゼと適合性であるものを意味する。今日までに公知の天然に存在するシアル
酸の完全なリストは、Schauer31によって提供される。
【0023】 特定のα2,3−シアリルトランスフェラーゼによって認識されて、その結果
酵素に結合、次いで適切なアクセプターオリゴ糖構造への転移に利用可能な、天
然に存在するシアル酸は、シアリルトランスフェラーゼと適合性であると呼ばれ
、そして本明細書中では時々、「適合性の天然に存在するシアル酸」と呼ばれる
。
酵素に結合、次いで適切なアクセプターオリゴ糖構造への転移に利用可能な、天
然に存在するシアル酸は、シアリルトランスフェラーゼと適合性であると呼ばれ
、そして本明細書中では時々、「適合性の天然に存在するシアル酸」と呼ばれる
。
【0024】 用語「シアル酸のアナログ」とは、1以上の官能基をこのような構造に導入、
改変する、および/またはこのような構造から除去するようにシアル酸単位が化
学的に改変された場合のものを含む、シアル酸の天然に存在する構造のアナログ
をいう。例えば、このような改変は、OH官能基の除去、アミン官能基の導入、
ハロ官能基の導入などをもたらし得る。シアル酸アナログがシアリルトランスフ
ェラーゼと適合性である限り、これらは時々、本明細書中で「適合性シアル酸ア
ナログ」と呼ばれる。
改変する、および/またはこのような構造から除去するようにシアル酸単位が化
学的に改変された場合のものを含む、シアル酸の天然に存在する構造のアナログ
をいう。例えば、このような改変は、OH官能基の除去、アミン官能基の導入、
ハロ官能基の導入などをもたらし得る。シアル酸アナログがシアリルトランスフ
ェラーゼと適合性である限り、これらは時々、本明細書中で「適合性シアル酸ア
ナログ」と呼ばれる。
【0025】 シアル酸の特定のアナログは、当該分野で公知であり、そして例えば、9−ア
ジド−Neu5Ac、9−アミノ−Neu5Ac、9−デオキシ−Neu5Ac
、9−フルオロ−Neu5Ac、9−ブロモ−Neu5Ac、8−デオキシ−N
eu5Ac、8−エピ−Neu5Ac、7−デオキシ−Neu5Ac、7−エピ
−Neu5Ac、7,8−ビス−エピ−Neu5Ac、4−O−メチル−Neu
5Ac、4−N−アセチル−Neu5Ac、4,7−ジ−デオキシ−Neu5A
c、4−オキソ−Neu5Ac、3−ヒドロキシ−Neu5Ac、3−フルオロ
−Neu5Ac酸、ならびにNeu5Acの6−チオアナログを含む。シアル酸
のアナログを記載する際に本明細書中で用いられる命名法は、Reuterら20 によって示される。
ジド−Neu5Ac、9−アミノ−Neu5Ac、9−デオキシ−Neu5Ac
、9−フルオロ−Neu5Ac、9−ブロモ−Neu5Ac、8−デオキシ−N
eu5Ac、8−エピ−Neu5Ac、7−デオキシ−Neu5Ac、7−エピ
−Neu5Ac、7,8−ビス−エピ−Neu5Ac、4−O−メチル−Neu
5Ac、4−N−アセチル−Neu5Ac、4,7−ジ−デオキシ−Neu5A
c、4−オキソ−Neu5Ac、3−ヒドロキシ−Neu5Ac、3−フルオロ
−Neu5Ac酸、ならびにNeu5Acの6−チオアナログを含む。シアル酸
のアナログを記載する際に本明細書中で用いられる命名法は、Reuterら20 によって示される。
【0026】 シアリルトランスフェラーゼが、適合性の天然に存在するシアル酸を転移させ
るかまたは与えるように設計される限り、Neu5Acのアナログは時々、本明
細書中で「人工ドナー」といわれ、一方、適合性の天然に存在するシアル酸は時
々、本明細書中で「天然ドナー」と呼ばれる。
るかまたは与えるように設計される限り、Neu5Acのアナログは時々、本明
細書中で「人工ドナー」といわれ、一方、適合性の天然に存在するシアル酸は時
々、本明細書中で「天然ドナー」と呼ばれる。
【0027】 用語「シアリルトランスフェラーゼ」とは、そのシチジン一リン酸(CMP)
誘導体として活性化された、適合性の天然に存在するシアル酸を、糖脂質または
糖タンパク質(集合的に糖結合体)の末端のオリゴ糖構造へと転移させる酵素を
いい、そして哺乳動物供給源を含む別の供給源から得られたシアリルトランスフ
ェラーゼ遺伝子の全てまたは一部を取り込み、そして発現するように遺伝的に改
変された微生物から生成された酵素を含む。多数のシアリルトランスフェラーゼ
は文献において同定されており、異なるシアリルトランスフェラーゼは一般に、
そのトランスフェラーゼに受け入れられる糖結合体上の末端糖単位によって互い
に区別される64。例えば、糖結合体上に以下の末端オリゴ糖構造を構築するシア
リルトランスフェラーゼが特徴付けられている:
誘導体として活性化された、適合性の天然に存在するシアル酸を、糖脂質または
糖タンパク質(集合的に糖結合体)の末端のオリゴ糖構造へと転移させる酵素を
いい、そして哺乳動物供給源を含む別の供給源から得られたシアリルトランスフ
ェラーゼ遺伝子の全てまたは一部を取り込み、そして発現するように遺伝的に改
変された微生物から生成された酵素を含む。多数のシアリルトランスフェラーゼ
は文献において同定されており、異なるシアリルトランスフェラーゼは一般に、
そのトランスフェラーゼに受け入れられる糖結合体上の末端糖単位によって互い
に区別される64。例えば、糖結合体上に以下の末端オリゴ糖構造を構築するシア
リルトランスフェラーゼが特徴付けられている:
【0028】
【化3】 種々の特異性を有する他のシアリルトランスフェラーゼは、種々の供給源から単
離された。
離された。
【0029】 「非還元末端から2番目の糖位置にフコース基を有するフコシル化オリゴ糖と
適合性のシアリルトランスフェラーゼ」とは、シアリルトランスフェラーゼが、
非還元性の末端から2番目の糖位置においてフコース基またはそのアナログを有
するオリゴ糖をシアリル化し得ることを意味する。粘液腫ウイルスα2,3−シ
アリルトランスフェラーゼが、国際特許出願第WO97/18302号65に開示
されるように、この能力を有することが見出されている。
適合性のシアリルトランスフェラーゼ」とは、シアリルトランスフェラーゼが、
非還元性の末端から2番目の糖位置においてフコース基またはそのアナログを有
するオリゴ糖をシアリル化し得ることを意味する。粘液腫ウイルスα2,3−シ
アリルトランスフェラーゼが、国際特許出願第WO97/18302号65に開示
されるように、この能力を有することが見出されている。
【0030】 Chorodopoxvirinae、Entomopoxvirinaeの
亜科の他の属、およびPoxviridaeのファミリーの分類されていないウ
イルスによってもコードされる関連するシアリルトランスフェラーゼが、フコシ
ル化オリゴ糖と適合性であることが意図される。
亜科の他の属、およびPoxviridaeのファミリーの分類されていないウ
イルスによってもコードされる関連するシアリルトランスフェラーゼが、フコシ
ル化オリゴ糖と適合性であることが意図される。
【0031】 特定のシアリルトランスフェラーゼによって認識され、その結果、この酵素に
結合し、次いで適切なアクセプターオリゴ糖構造に転移させるために利用され得
るそれらのシチジン一リン酸誘導体として活性化されたシアル酸のアナログは、
シアリルトランスフェラーゼと適合性であると呼ばれ、そして時々、本明細書中
で「シアル酸の適合性アナログ」といわれる。転移反応は、シアリルトランスフ
ェラーゼを用いるので、これは、このような反応において用いられるシアル酸の
アナログは、シアル酸の適合性アナログでなければならないといわれることなし
で済む。
結合し、次いで適切なアクセプターオリゴ糖構造に転移させるために利用され得
るそれらのシチジン一リン酸誘導体として活性化されたシアル酸のアナログは、
シアリルトランスフェラーゼと適合性であると呼ばれ、そして時々、本明細書中
で「シアル酸の適合性アナログ」といわれる。転移反応は、シアリルトランスフ
ェラーゼを用いるので、これは、このような反応において用いられるシアル酸の
アナログは、シアル酸の適合性アナログでなければならないといわれることなし
で済む。
【0032】 Neu5AcのCMP−ヌクレオチド誘導体は、この化合物をいう: シアル酸のアナログのCMP誘導体は、Neu5Ac残基がシアル酸のアナロ
グで置換されること以外は、上記の構造と類似する構造を有する化合物をいう。
グで置換されること以外は、上記の構造と類似する構造を有する化合物をいう。
【0033】 用語「フコシルトランスフェラーゼ」とは、そのグアノシン二リン酸(GDP
)誘導体として活性化された適合性の天然に存在するフコースを、糖脂質または
糖タンパク質(集合的に糖結合体)の末端オリゴ糖構造に転移させる酵素をいい
、そして遺伝子改変されており、その結果、哺乳動物供給源を含む別の供給源か
ら得られたフコシルトランスフェラーゼ遺伝子の全てまたは一部を組み込み、そ
して発現する微生物から生成される酵素を含む。多数のフコシルトランスフェラ
ーゼは、文献において同定されている。
)誘導体として活性化された適合性の天然に存在するフコースを、糖脂質または
糖タンパク質(集合的に糖結合体)の末端オリゴ糖構造に転移させる酵素をいい
、そして遺伝子改変されており、その結果、哺乳動物供給源を含む別の供給源か
ら得られたフコシルトランスフェラーゼ遺伝子の全てまたは一部を組み込み、そ
して発現する微生物から生成される酵素を含む。多数のフコシルトランスフェラ
ーゼは、文献において同定されている。
【0034】 用語「フコースのアナログ」とは、天然に存在する構造のフコースのアナログ
をいい、ここでフコース単位は化学的に改変されており、その結果、1以上の官
能基をこのような構造に導入、改変および/または除去された、アナログを含む
。例えば、このような改変は、OH官能基の除去、アミン官能基の導入、ハロ官
能基の導入、硫酸部分またはリン酸部分の導入などを生じ得る。フコースの特定
のアナログは当該分野で公知であり、そして例えば、3−デオキシ−フコース68 、アラビノース、C−6改変フコース69(すなわち、6−O−プロピルフコース
)および3,6ジデオキシ−L−ガラクトース70を含む。
をいい、ここでフコース単位は化学的に改変されており、その結果、1以上の官
能基をこのような構造に導入、改変および/または除去された、アナログを含む
。例えば、このような改変は、OH官能基の除去、アミン官能基の導入、ハロ官
能基の導入、硫酸部分またはリン酸部分の導入などを生じ得る。フコースの特定
のアナログは当該分野で公知であり、そして例えば、3−デオキシ−フコース68 、アラビノース、C−6改変フコース69(すなわち、6−O−プロピルフコース
)および3,6ジデオキシ−L−ガラクトース70を含む。
【0035】 フコースまたはそのアナログが、アデノシン−5’−ジホスホフコース、キサ
ントシン−5’−ジホスホ−フコース、イノシン−5’−ジホスホ−フコースな
ど71を含む他のプリン二リン酸から転移され得ることもまた意図される。
ントシン−5’−ジホスホ−フコース、イノシン−5’−ジホスホ−フコースな
ど71を含む他のプリン二リン酸から転移され得ることもまた意図される。
【0036】 特定のフコシルトランスフェラーゼによって認識され、その結果、この酵素に
結合し、次いで適切なアクセプターオリゴ糖構造への転移に利用可能である、そ
れらの二リン酸誘導体として活性化されたフコースのアナログは、このフコシル
トランスフェラーゼと適合性であると呼ばれる。フコースアナログがフコシルト
ランスフェラーゼと適合性である限り、これらは時々、本明細書中で「適合性の
フコースアナログ」と呼ぶ。
結合し、次いで適切なアクセプターオリゴ糖構造への転移に利用可能である、そ
れらの二リン酸誘導体として活性化されたフコースのアナログは、このフコシル
トランスフェラーゼと適合性であると呼ばれる。フコースアナログがフコシルト
ランスフェラーゼと適合性である限り、これらは時々、本明細書中で「適合性の
フコースアナログ」と呼ぶ。
【0037】 用語「オリゴ糖」とは、式 R1−R2−(糖)n−Y−R3 の化合物をいい、ここで、R1は、糖残基を表し、R2は糖残基を表し、そしてR 1 およびR2は一緒に、選択されたシアリルトランスフェラーゼおよび選択された
フコシルトランスフェラーゼのアクセプターを表し;nは0〜約10であり、Y
はO、NHおよびSからなる群より選択され、そしてR3は、H、タンパク質、
脂質または少なくとも1つの炭素原子を有するアグリコン部分からなる群より選
択される。
フコシルトランスフェラーゼのアクセプターを表し;nは0〜約10であり、Y
はO、NHおよびSからなる群より選択され、そしてR3は、H、タンパク質、
脂質または少なくとも1つの炭素原子を有するアグリコン部分からなる群より選
択される。
【0038】 用語「フコシル化オリゴ糖」とは、以下の式の化合物:
【0039】
【化4】 をいい、ここでR1は、糖残基を表し、R2が糖残基を表し、そしてR1およびR2 が一緒に、該選択されたシアリルトランスフェラーゼのアクセプターを表し;n
は0〜約10であり、YはO、NHおよびSからなる群より選択され、そしてR 3 は、H、タンパク質、脂質または少なくとも1つの炭素原子を有するアグリコ
ン部分からなる群より選択される。
は0〜約10であり、YはO、NHおよびSからなる群より選択され、そしてR 3 は、H、タンパク質、脂質または少なくとも1つの炭素原子を有するアグリコ
ン部分からなる群より選択される。
【0040】 天然に存在するオリゴ糖およびフコシル化オリゴ糖は、特定のα2,3−シア
リルトランスフェラーゼについてのアクセプターであり、そしてインビボでの特
定のシアリルトランスフェラーゼのアクセプターであると考えられるので、これ
らのオリゴ糖およびフコシル化オリゴ糖は時々、本明細書中で「天然アクセプタ
ー」と呼ばれる。対照的に、本発明において用いられたオリゴ糖およびフコシル
化オリゴ糖は、時々、このような「天然アクセプター」とは異なり、これらはし
ばしば本明細書中で「人工アクセプター」と呼ばれる。すなわち、人工アクセプ
ターは、還元糖のアノマー性炭素原子に置換基を含むオリゴ糖およびフコシル化
されたオリゴ糖である。この置換基は、ミセルまたは他のより大きな分子量の凝
集物を生成し得るヒドロキシル、タンパク質、または脂質以外である。従って、
そのアグリコン部分を介した、オリゴ糖またはフコシル化オリゴ糖の還元糖のア
ノマー性炭素原子に連結されたタンパク質は、人工的なアクセプターである。な
ぜなら、このアクセプターは、「人工」単位、すなわち、アグリコン連結基を含
むからである。
リルトランスフェラーゼについてのアクセプターであり、そしてインビボでの特
定のシアリルトランスフェラーゼのアクセプターであると考えられるので、これ
らのオリゴ糖およびフコシル化オリゴ糖は時々、本明細書中で「天然アクセプタ
ー」と呼ばれる。対照的に、本発明において用いられたオリゴ糖およびフコシル
化オリゴ糖は、時々、このような「天然アクセプター」とは異なり、これらはし
ばしば本明細書中で「人工アクセプター」と呼ばれる。すなわち、人工アクセプ
ターは、還元糖のアノマー性炭素原子に置換基を含むオリゴ糖およびフコシル化
されたオリゴ糖である。この置換基は、ミセルまたは他のより大きな分子量の凝
集物を生成し得るヒドロキシル、タンパク質、または脂質以外である。従って、
そのアグリコン部分を介した、オリゴ糖またはフコシル化オリゴ糖の還元糖のア
ノマー性炭素原子に連結されたタンパク質は、人工的なアクセプターである。な
ぜなら、このアクセプターは、「人工」単位、すなわち、アグリコン連結基を含
むからである。
【0041】 本発明のフコシル化オリゴ糖は、オリゴ糖の1以上の糖単位への化学的改変に
よって天然のアクセプターからさらに区別され得る。このような化学的改変は、
1以上の糖単位における1以上の官能基の導入および/または除去を含み得る。
例えば、このような改変は、OH官能基の除去、糖単位の除去、アミン官能基の
導入、ハロ官能基の導入、1以上の糖単位の導入などをもたらし得る。
よって天然のアクセプターからさらに区別され得る。このような化学的改変は、
1以上の糖単位における1以上の官能基の導入および/または除去を含み得る。
例えば、このような改変は、OH官能基の除去、糖単位の除去、アミン官能基の
導入、ハロ官能基の導入、1以上の糖単位の導入などをもたらし得る。
【0042】 好ましい実施態様では、アグリコン部分は、1〜20個の炭素原子を有し、そ
してより好ましくは、−−(A)−−Z’からなる群より選択、ここでAが結合
、2〜10個の炭素原子のアルキレン基、および−−(CH2CR4R5G)n(C
H2CR4R5)−−の形態の部分を表し、ここでnが0〜5に等しい整数であり
;R4およびR5が、水素;フェニル;アミン、ヒドロキシル、ハロゲン、1〜4
個の炭素原子のアルキルおよび1〜4個の炭素原子のアルコキシからなる群より
選択される1〜3個の置換基によって置換されたフェニル;メチルまたはエチル
からなる群より独立して選択され;そしてGが、結合、酸素、硫黄、NHからな
る群より選択され;そしてZ’が、水素、メチル、−−OH、−−SH、−−N
H2、−−NHR6、−−N(R6)2、−−C(O)OH、−−C(O)OR6、
−−C(O)NHNH2、−−C(O)NH2、−−C(O)NHR6、−−C(
O)N(R6)2、および−−OR7からなる群より選択され、ここで各R6が独立
して1〜4個の炭素原子のアルキルであり、そしてR7が3〜10個の炭素原子
のアルケニル基である。好ましくは、−(A)−Z’基は、キャリアに連結され
得る基、またはキャリアに連結され得る基へと誘導体化され得る基を規定する。
してより好ましくは、−−(A)−−Z’からなる群より選択、ここでAが結合
、2〜10個の炭素原子のアルキレン基、および−−(CH2CR4R5G)n(C
H2CR4R5)−−の形態の部分を表し、ここでnが0〜5に等しい整数であり
;R4およびR5が、水素;フェニル;アミン、ヒドロキシル、ハロゲン、1〜4
個の炭素原子のアルキルおよび1〜4個の炭素原子のアルコキシからなる群より
選択される1〜3個の置換基によって置換されたフェニル;メチルまたはエチル
からなる群より独立して選択され;そしてGが、結合、酸素、硫黄、NHからな
る群より選択され;そしてZ’が、水素、メチル、−−OH、−−SH、−−N
H2、−−NHR6、−−N(R6)2、−−C(O)OH、−−C(O)OR6、
−−C(O)NHNH2、−−C(O)NH2、−−C(O)NHR6、−−C(
O)N(R6)2、および−−OR7からなる群より選択され、ここで各R6が独立
して1〜4個の炭素原子のアルキルであり、そしてR7が3〜10個の炭素原子
のアルケニル基である。好ましくは、−(A)−Z’基は、キャリアに連結され
得る基、またはキャリアに連結され得る基へと誘導体化され得る基を規定する。
【0043】 好ましくは、アグリコン基は、少なくとも2炭素原子の、そしてより好ましく
は少なくとも4炭素原子の疎水性基である。最も好ましくは、アグリコン基は、
−−(CH2)8COOMeである。
は少なくとも4炭素原子の疎水性基である。最も好ましくは、アグリコン基は、
−−(CH2)8COOMeである。
【0044】 アグリコン基が、抗原性キャリアのようなキャリアに連結し得る基である場合
、本発明の方法は、その基が抗原に付属している、シアル酸のアナログを含む、
1以上のα−シアリル化オリゴ糖基を有する人工抗原のような人工結合体を調製
する際に有用である。
、本発明の方法は、その基が抗原に付属している、シアル酸のアナログを含む、
1以上のα−シアリル化オリゴ糖基を有する人工抗原のような人工結合体を調製
する際に有用である。
【0045】 キャリアは、蛍光標識、放射性標識、ビオチンまたは光不安定性連結アームま
たは標的されるべき部分への連結を含む、低分子量または高分子量の、非免疫原
性または抗原性のキャリアである。好ましくは、キャリアは、抗原性キャリアで
あり、従って、人工結合体は、人工抗原である。いくつかの場合、非免疫原性キ
ャリアを用いることが有利であり得る。
たは標的されるべき部分への連結を含む、低分子量または高分子量の、非免疫原
性または抗原性のキャリアである。好ましくは、キャリアは、抗原性キャリアで
あり、従って、人工結合体は、人工抗原である。いくつかの場合、非免疫原性キ
ャリアを用いることが有利であり得る。
【0046】 一方、キャリアは、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリス(2
−アミノエチル)アミン、Lリシリジン(lysilysine)、ポリ−L−
リジン、および種々の分子量のポリマーのような低分子量キャリアであり得る。
−アミノエチル)アミン、Lリシリジン(lysilysine)、ポリ−L−
リジン、および種々の分子量のポリマーのような低分子量キャリアであり得る。
【0047】 上記のオリゴ糖において有用な糖単位(すなわち、糖)は、例えば、グルコー
ス、ガラクトース、N−アセチル−グルコサミン、N−アセチル−ガラクトサミ
ン、フコース、シアル酸、3−デオキシ−D,L−オクツロソン酸などの天然お
よび合成の誘導体の全てを含む。それらのピラノース形態であることに加えて、
オリゴ糖における全ての糖単位は、L形態にあるフコース以外はそのD形態にあ
る。
ス、ガラクトース、N−アセチル−グルコサミン、N−アセチル−ガラクトサミ
ン、フコース、シアル酸、3−デオキシ−D,L−オクツロソン酸などの天然お
よび合成の誘導体の全てを含む。それらのピラノース形態であることに加えて、
オリゴ糖における全ての糖単位は、L形態にあるフコース以外はそのD形態にあ
る。
【0048】 上記のように、本明細書中に開示されるプロセスにおいて有用なオリゴ糖は、
選択されたシアリルトランスフェラーゼと適合性である末端単位を含む。すなわ
ち、このような適合性末端単位は、特定のシアリルトランスフェラーゼによるオ
リゴ糖の認識を可能にし、その結果、このシアリルトランスフェラーゼはこのオ
リゴ糖に結合し、そしてオリゴ糖上へのシアル酸の適合性アナログの転移をさら
に可能にする。
選択されたシアリルトランスフェラーゼと適合性である末端単位を含む。すなわ
ち、このような適合性末端単位は、特定のシアリルトランスフェラーゼによるオ
リゴ糖の認識を可能にし、その結果、このシアリルトランスフェラーゼはこのオ
リゴ糖に結合し、そしてオリゴ糖上へのシアル酸の適合性アナログの転移をさら
に可能にする。
【0049】 (B.合成および方法論) (オリゴ糖の調製) シアル酸アナログが酵素的にカップリングされるオリゴ糖は、完全に化学的な
合成によって、またはグリコシルトランスフェラーゼ(シアリルトランスフェラ
ーゼ以外)が用いられて、糖またはオリゴ糖への1以上の糖単位の連続付加をも
たらす、化学的/酵素的合成によって容易に調製され得る。このような方法は、
当該分野で周知である。例えば、化学合成は、完全なオリゴ糖配糖体を調製する
ため;糖単位を化学的に改変し、次いでこれをオリゴ糖配糖体に化学的もしくは
酵素的にカップリングし得るため;または1以上の糖単位が酵素的にカップリン
グされ得るオリゴ糖配糖体を化学的に調製するためのいずれでも便利な方法であ
る。
合成によって、またはグリコシルトランスフェラーゼ(シアリルトランスフェラ
ーゼ以外)が用いられて、糖またはオリゴ糖への1以上の糖単位の連続付加をも
たらす、化学的/酵素的合成によって容易に調製され得る。このような方法は、
当該分野で周知である。例えば、化学合成は、完全なオリゴ糖配糖体を調製する
ため;糖単位を化学的に改変し、次いでこれをオリゴ糖配糖体に化学的もしくは
酵素的にカップリングし得るため;または1以上の糖単位が酵素的にカップリン
グされ得るオリゴ糖配糖体を化学的に調製するためのいずれでも便利な方法であ
る。
【0050】 糖単位の化学的改変は、当該分野で周知であり、この方法は、合成されるべき
各個々の構造について一般的に適合され、そして最適化される。一般に、オリゴ
糖の全てまたは一部の化学合成は、まず、還元糖のアノマー炭素原子上でのグリ
コシド結合の形成を含む。詳細には、適切に保護された形態の天然に存在するか
または化学的に改変した糖構造(グリコシルドナー)は、還元単位のアノマー中
心で選択的に改変され、その結果、ハライド、トリクロロアセチミデート、チオ
グリコシドなどを含む脱離基が導入される。次いで、このドナーを、触媒条件下
(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸銀のような可溶性銀塩、三フッ化ホウ
素エーテレートもしくはトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートのよ
うなルイス酸、またはトリフルオロメタンスルホン酸メチルもしくはジメチル(
メチルチオ)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネートのようなチオグリコ
シドプロモーター)で、1つの遊離のヒドロキシル基をグリコシル結合が樹立さ
れるべき位置に保有する、アグリコンまたは適切な形態の炭水化物アクセプター
と反応させる。広範な種々のアグリコン部分が当該分野で公知であり、そして還
元単位のアノマー性中心に対して適切な立体配置で結合され得る。適合性保護基
の適切な使用は、炭水化物合成の分野で周知であり、これは、合成された構造の
選択的改変またはさらなる糖単位または糖ブロックの、アクセプター構造に対す
るさらなる結合を可能にする。
各個々の構造について一般的に適合され、そして最適化される。一般に、オリゴ
糖の全てまたは一部の化学合成は、まず、還元糖のアノマー炭素原子上でのグリ
コシド結合の形成を含む。詳細には、適切に保護された形態の天然に存在するか
または化学的に改変した糖構造(グリコシルドナー)は、還元単位のアノマー中
心で選択的に改変され、その結果、ハライド、トリクロロアセチミデート、チオ
グリコシドなどを含む脱離基が導入される。次いで、このドナーを、触媒条件下
(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸銀のような可溶性銀塩、三フッ化ホウ
素エーテレートもしくはトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートのよ
うなルイス酸、またはトリフルオロメタンスルホン酸メチルもしくはジメチル(
メチルチオ)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネートのようなチオグリコ
シドプロモーター)で、1つの遊離のヒドロキシル基をグリコシル結合が樹立さ
れるべき位置に保有する、アグリコンまたは適切な形態の炭水化物アクセプター
と反応させる。広範な種々のアグリコン部分が当該分野で公知であり、そして還
元単位のアノマー性中心に対して適切な立体配置で結合され得る。適合性保護基
の適切な使用は、炭水化物合成の分野で周知であり、これは、合成された構造の
選択的改変またはさらなる糖単位または糖ブロックの、アクセプター構造に対す
るさらなる結合を可能にする。
【0051】 グリコシド結合の形成後、オリゴ糖は、さらなる糖単位のカップリングを達成
するために用いられ得るか、または選択された位置で化学的に改変され得るか、
または従来の脱保護の後で酵素合成において用いられ得る。一般に、天然に存在
するかまたは化学的に改変された糖単位の、糖配糖体への化学的カップリングは
、文献において充分に証明されている樹立された化学反応を用いて達成される。
例えば、Okamotoら32、Ratcliffeら33、Abbasら34、Pa
ulsen35、Schmidt36、Fugediら37、およびKameyama
ら38を参照のこと。これらの参考文献の各々の開示は、その全体が本明細書中で
参考として援用される。
するために用いられ得るか、または選択された位置で化学的に改変され得るか、
または従来の脱保護の後で酵素合成において用いられ得る。一般に、天然に存在
するかまたは化学的に改変された糖単位の、糖配糖体への化学的カップリングは
、文献において充分に証明されている樹立された化学反応を用いて達成される。
例えば、Okamotoら32、Ratcliffeら33、Abbasら34、Pa
ulsen35、Schmidt36、Fugediら37、およびKameyama
ら38を参照のこと。これらの参考文献の各々の開示は、その全体が本明細書中で
参考として援用される。
【0052】 一方、酵素的カップリングは、それらの適切なヌクレオチドドナーとして活性
化された糖単位を、一般的には特定の糖またはオリゴ糖の非還元糖部分でこの糖
またはオリゴ糖アクセプターへと転移させるグリコシルトランスフェラーゼの使
用によって達成される。例えば、Tooneら62および米国特許第5,374,
655号67を参照のこと。さらに、糖もしくはオリゴ糖アクセプターの、糖ドナ
ーの、または酵素反応産物の、選択された化学的改変を達成し、その結果、構造
の中に改変またはさらなる改変を導入することが可能である。
化された糖単位を、一般的には特定の糖またはオリゴ糖の非還元糖部分でこの糖
またはオリゴ糖アクセプターへと転移させるグリコシルトランスフェラーゼの使
用によって達成される。例えば、Tooneら62および米国特許第5,374,
655号67を参照のこと。さらに、糖もしくはオリゴ糖アクセプターの、糖ドナ
ーの、または酵素反応産物の、選択された化学的改変を達成し、その結果、構造
の中に改変またはさらなる改変を導入することが可能である。
【0053】 (シアル酸のアナログの調製) シアル酸の特定のアナログは当該分野で周知であり、そして当該分野で充分に
実証された手順を用いるシアル酸の化学的改変によって調製される。例えば、以
下を含む化学的に改変されたNeu5Ac誘導体が文献に報告される:9−アジ
ド−Neu5Ac39、種々の9−アミノ−Neu5Ac誘導体40、9−デオキシ
−Neu5Ac41、9−フルオロ−Neu5Ac42、9−ブロモ−Neu5Ac 43 、8−デオキシ−Neu5Ac41、8−エピ−Neu5Ac44、7−デオキシ
−Neu5Ac47、7−エピ−Neu5Ac45、7,8−ビス−エピ−Neu5
Ac45、4−O−メチル−Neu5Ac53、4−N−アセチル−Neu5Ac48 、4−エピ−Neu5Ac47、4,7−ジ−デオキシ−Neu5Ac41、4−オ
キソ−Neu5Ac49、4−デオキシ−Neu5Ac52、3−ヒドロキシ−Ne
u5Ac50、3−フルオロ−Neu5Ac51酸、Neu5AcのC−8またはC
−7での側鎖の切断生成物46ならびに6−チオアナログ54。他のシアル酸アナロ
グは、米国特許第5,352,670号3に開示される。他のシアル酸アナログ
をもたらす化学的改変は、このような樹立された手順に従う。
実証された手順を用いるシアル酸の化学的改変によって調製される。例えば、以
下を含む化学的に改変されたNeu5Ac誘導体が文献に報告される:9−アジ
ド−Neu5Ac39、種々の9−アミノ−Neu5Ac誘導体40、9−デオキシ
−Neu5Ac41、9−フルオロ−Neu5Ac42、9−ブロモ−Neu5Ac 43 、8−デオキシ−Neu5Ac41、8−エピ−Neu5Ac44、7−デオキシ
−Neu5Ac47、7−エピ−Neu5Ac45、7,8−ビス−エピ−Neu5
Ac45、4−O−メチル−Neu5Ac53、4−N−アセチル−Neu5Ac48 、4−エピ−Neu5Ac47、4,7−ジ−デオキシ−Neu5Ac41、4−オ
キソ−Neu5Ac49、4−デオキシ−Neu5Ac52、3−ヒドロキシ−Ne
u5Ac50、3−フルオロ−Neu5Ac51酸、Neu5AcのC−8またはC
−7での側鎖の切断生成物46ならびに6−チオアナログ54。他のシアル酸アナロ
グは、米国特許第5,352,670号3に開示される。他のシアル酸アナログ
をもたらす化学的改変は、このような樹立された手順に従う。
【0054】 (それらのCMP−−ヌクレオチド誘導体へのシアル酸のアナログの活性化) シアル酸のアナログの酵素的転移は、それらのヌクレオチド(CMP)誘導体
の事前合成(すわなち、活性化)を必要とする。シアル酸のアナログの活性は通
常、容易に入手可能な酵素CMP−−シアル酸シンターゼを用いることにより行
われ、そして文献は、9−置換Neu5Ac28、39、40、55〜57、7−エピNeu
5Ac58、7,8−ビス−エピ−Neu5Ac58、4−O−メチル−Neu5A
c59、4−デオキシ−Neu5Ac60、4−アセタミド−Neu5Ac48、7−
デオキシ−Neu5Ac56、4,7−ジデオキシ−Neu5Ac56、Neu5A
cの6−チオ誘導体61およびNeu5OH(KDN)ようなシアル酸の種々のア
ナログの活性化の例を提供する。活性化シアル酸アナログのなお他の例は、米国
特許第5,352,670号3に開示される。
の事前合成(すわなち、活性化)を必要とする。シアル酸のアナログの活性は通
常、容易に入手可能な酵素CMP−−シアル酸シンターゼを用いることにより行
われ、そして文献は、9−置換Neu5Ac28、39、40、55〜57、7−エピNeu
5Ac58、7,8−ビス−エピ−Neu5Ac58、4−O−メチル−Neu5A
c59、4−デオキシ−Neu5Ac60、4−アセタミド−Neu5Ac48、7−
デオキシ−Neu5Ac56、4,7−ジデオキシ−Neu5Ac56、Neu5A
cの6−チオ誘導体61およびNeu5OH(KDN)ようなシアル酸の種々のア
ナログの活性化の例を提供する。活性化シアル酸アナログのなお他の例は、米国
特許第5,352,670号3に開示される。
【0055】 (オリゴ糖アクセプターへのシアル酸のアナログの転移) シアル酸の適合性アナログのヌクレオチド誘導体および適合性アクセプター(
すなわち、フコシル化オリゴ糖または選択されたシアリルトランスフェラーゼに
よって認識される非還元末端上に末端糖単位を有するオリゴ糖)は、フコシル化
オリゴ糖と適合性の、選択されたシアリルトランスフェラーゼの存在下で、シア
ル酸またはそのアナログがアクセプターに転移される条件下で互いに合わされる
。明白なように、用いられる糖またはオリゴ糖アクセプターは、用いられる特定
のシアリルトランスフェラーゼの基質として機能するものでなければならない。
すなわち、フコシル化オリゴ糖または選択されたシアリルトランスフェラーゼに
よって認識される非還元末端上に末端糖単位を有するオリゴ糖)は、フコシル化
オリゴ糖と適合性の、選択されたシアリルトランスフェラーゼの存在下で、シア
ル酸またはそのアナログがアクセプターに転移される条件下で互いに合わされる
。明白なように、用いられる糖またはオリゴ糖アクセプターは、用いられる特定
のシアリルトランスフェラーゼの基質として機能するものでなければならない。
【0056】 このことについて、当該分野は、特に、人工アクセプターが、改変がその構造
のアグリコン部分における場合、シアリルトランスフェラーゼにいくつかの場合
に耐性であることを認識する。
のアグリコン部分における場合、シアリルトランスフェラーゼにいくつかの場合
に耐性であることを認識する。
【0057】 同様に、シアル酸のアナログ(すなわち、人工ドナー)が酵素的に転移される
べきである場合、このアナログのCMP誘導体もまた、このシアリルトランスフ
ェラーゼによって認識されることが必要である。このことについて、当該分野で
は、特定のシアリルトランスフェラーゼが、天然に存在するシアル酸に対するい
くつかの改変を耐え得、そして依然としてシアル酸のこれらのアナログを、適切
な末端アクセプター構造を保有する糖タンパク質または糖脂質に転移し得ること
が理解されている。
べきである場合、このアナログのCMP誘導体もまた、このシアリルトランスフ
ェラーゼによって認識されることが必要である。このことについて、当該分野で
は、特定のシアリルトランスフェラーゼが、天然に存在するシアル酸に対するい
くつかの改変を耐え得、そして依然としてシアル酸のこれらのアナログを、適切
な末端アクセプター構造を保有する糖タンパク質または糖脂質に転移し得ること
が理解されている。
【0058】 シアリルトランスフェラーゼが、充分な認識柔軟性を保有し、その結果、人工
ドナーを人工アクセプターに転移させることが見出されている3。このような柔
軟性は、オリゴ糖の非還元糖末端に、シアル酸の異なるアナログを含むオリゴ糖
のパネルの容易な合成を可能にする。
ドナーを人工アクセプターに転移させることが見出されている3。このような柔
軟性は、オリゴ糖の非還元糖末端に、シアル酸の異なるアナログを含むオリゴ糖
のパネルの容易な合成を可能にする。
【0059】 上記のように、適合性シアル酸のヌクレオチド誘導体またはその適合性アナロ
グは、シアル酸またはそのアナログがそのアクセプターに転移される条件下でシ
アリルトランスフェラーゼの存在下で、適合性アクセプター(すなわち、選択さ
れたシアリルトランスフェラーゼによって認識される末端糖単位を、その非還元
性末端に保有する糖またはオリゴ糖)と合わされる。適切な条件は、当該分野で
公知であり、このような条件としては、適切なpH条件および温度条件(例えば
、6.5〜7.5のpHおよび25°と45°との間の温度、好ましくは35°
〜40℃にて12時間〜4日間)における適切な緩衝液(例えば、0.1M カ
コジル酸ナトリウム)中での、適合性アクセプターと適合性シアル酸アナログの
CMP誘導体との混合物への適切なシアリルトランスフェラーゼの付加が挙げら
れる。得られるオリゴ糖は、HPLC、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルク
ロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーまたは吸着クロマトグラフィーを含
む従来の方法論を用いて単離および精製され得る。
グは、シアル酸またはそのアナログがそのアクセプターに転移される条件下でシ
アリルトランスフェラーゼの存在下で、適合性アクセプター(すなわち、選択さ
れたシアリルトランスフェラーゼによって認識される末端糖単位を、その非還元
性末端に保有する糖またはオリゴ糖)と合わされる。適切な条件は、当該分野で
公知であり、このような条件としては、適切なpH条件および温度条件(例えば
、6.5〜7.5のpHおよび25°と45°との間の温度、好ましくは35°
〜40℃にて12時間〜4日間)における適切な緩衝液(例えば、0.1M カ
コジル酸ナトリウム)中での、適合性アクセプターと適合性シアル酸アナログの
CMP誘導体との混合物への適切なシアリルトランスフェラーゼの付加が挙げら
れる。得られるオリゴ糖は、HPLC、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルク
ロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーまたは吸着クロマトグラフィーを含
む従来の方法論を用いて単離および精製され得る。
【0060】 一旦形成されると、α−シアリル化オリゴ糖配糖体は、化学的および/または
酵素的な手順によってさらに改変されて、この化合物がさらに誘導体化され得る
。例えば、他のグリコシルトランスフェラーゼを用いて、このシアリルトランス
フェラーゼによって認識されるα−シアリル化オリゴ糖に対してグリコシル基を
付加し得る。この後者の局面は、このオリゴ糖に対して行われる改変が、所望の
酵素転移と適合性でなければならない限り、重要である。
酵素的な手順によってさらに改変されて、この化合物がさらに誘導体化され得る
。例えば、他のグリコシルトランスフェラーゼを用いて、このシアリルトランス
フェラーゼによって認識されるα−シアリル化オリゴ糖に対してグリコシル基を
付加し得る。この後者の局面は、このオリゴ糖に対して行われる改変が、所望の
酵素転移と適合性でなければならない限り、重要である。
【0061】 さらに、αシアリル化オリゴ糖は、化学的に改変されて、これらの化合物のさ
らなる誘導体化を提供し得る。このような化学的改変としては、別の誘導体(例
えば9−アセタミド誘導体)へと依然さらに官能化され得るシアル酸のアナログ
上での9−アジド基のアミン基への還元が挙げられる。同様に、シアル酸のアナ
ログ上に見出されるカルボキシル基は、αシアリル化オリゴ糖配糖体上で、ラク
トン化、還元またはアミドへの変換を介して選択的に変換され得る。
らなる誘導体化を提供し得る。このような化学的改変としては、別の誘導体(例
えば9−アセタミド誘導体)へと依然さらに官能化され得るシアル酸のアナログ
上での9−アジド基のアミン基への還元が挙げられる。同様に、シアル酸のアナ
ログ上に見出されるカルボキシル基は、αシアリル化オリゴ糖配糖体上で、ラク
トン化、還元またはアミドへの変換を介して選択的に変換され得る。
【0062】 上記の1以上の酵素工程では、この酵素は、固体支持体上に結合されて、その
結果、試薬の反応および酵素からの生成物の回収を促進し得る。
結果、試薬の反応および酵素からの生成物の回収を促進し得る。
【0063】 (C.有用性) 本発明の方法は、オリゴ糖の非還元糖末端へのα結合を介して結合したシアル
酸またはそのアナログを含むオリゴ糖を調製する際に有用である。このようなオ
リゴ糖は、当該分野において、医薬品として有用であると、ならびにこれらの構
造への抗体(この抗体は、診断アッセイにおいて有用である)の生成において認
識される。
酸またはそのアナログを含むオリゴ糖を調製する際に有用である。このようなオ
リゴ糖は、当該分野において、医薬品として有用であると、ならびにこれらの構
造への抗体(この抗体は、診断アッセイにおいて有用である)の生成において認
識される。
【0064】 さらに、本発明の方法は、抗原性キャリアにカップリングされ得、その結果、
人工抗原を生成する、オリゴ糖の非還元糖末端へのα結合を介したシアル酸のア
ナログを含むオリゴ糖を調製する際に有用である。従って、このようなオリゴ糖
は、人工抗原の調製において中間体として作用する。
人工抗原を生成する、オリゴ糖の非還元糖末端へのα結合を介したシアル酸のア
ナログを含むオリゴ糖を調製する際に有用である。従って、このようなオリゴ糖
は、人工抗原の調製において中間体として作用する。
【0065】 さらに、本発明の方法は、未知のオリゴ糖の非還元性末端の決定において有用
である。詳細には、未知のオリゴ糖アクセプターの第1のアリコートを、非還元
性末端から2番目の糖位置にフコース基を有するオリゴ糖の非還元性末端をシア
リル化できないシアリルトランスフェラーゼと接触させ得、そこのオリゴ糖がシ
アリル化されたか否かが決定される;未知のオリゴ糖の第2のアリコートをまた
、このオリゴ糖と、非還元末端から2番目の糖位置においてフコース基を有する
オリゴ糖の非還元末端をシアリル化し得るα−2,3シアリルトランスフェラー
ゼとを接触させ、そしてオリゴ糖がシアリル化されたか否かが決定される;結果
を比較して、非還元末端がフコシル化されたか否かが決定されるを包含する。未
知のアクセプターの第1のアリコートがシアリル化されず、そしてアクセプター
の第2のアリコートがシアリル化された場合、このアクセプターは、非還元末端
から2番目の糖位置においてフコシル化された。
である。詳細には、未知のオリゴ糖アクセプターの第1のアリコートを、非還元
性末端から2番目の糖位置にフコース基を有するオリゴ糖の非還元性末端をシア
リル化できないシアリルトランスフェラーゼと接触させ得、そこのオリゴ糖がシ
アリル化されたか否かが決定される;未知のオリゴ糖の第2のアリコートをまた
、このオリゴ糖と、非還元末端から2番目の糖位置においてフコース基を有する
オリゴ糖の非還元末端をシアリル化し得るα−2,3シアリルトランスフェラー
ゼとを接触させ、そしてオリゴ糖がシアリル化されたか否かが決定される;結果
を比較して、非還元末端がフコシル化されたか否かが決定されるを包含する。未
知のアクセプターの第1のアリコートがシアリル化されず、そしてアクセプター
の第2のアリコートがシアリル化された場合、このアクセプターは、非還元末端
から2番目の糖位置においてフコシル化された。
【0066】 (実施例) 以下の実施例は、本発明を例示するために提供され、そして本発明の範囲を限
定するとは決して解釈されない。
定するとは決して解釈されない。
【0067】 これらの実施例では、以下で他に定義しない限り、用いられる略号は、それら
の一般的に受け入れられた意味を有する:
の一般的に受け入れられた意味を有する:
【0068】
【表3】 市販の成分は、製造業者によって列挙される。記載した製造業者のいくつかは
以下の通りである:
以下の通りである:
【0069】
【表4】 (実施例1:ウイルスα2,3−シアリルトランスフェラーゼ細胞溶解産物の
調製) 粘液腫ウイルスα2,3−シアリルトランスフェラーゼ細胞溶解産物を、本明
細書中に参考として援用される、国際特許出願第WO97/18302号に示さ
れる方法と類似の方法によって調製した。
調製) 粘液腫ウイルスα2,3−シアリルトランスフェラーゼ細胞溶解産物を、本明
細書中に参考として援用される、国際特許出願第WO97/18302号に示さ
れる方法と類似の方法によって調製した。
【0070】 ヨーロッパウサギ腎臓細胞(RK13)細胞のコンフルエントな層の10個の
T180フラスコを、1949年にブラジルのカンピナスで単離されたブラジル
粘液腫ウイルス株Lausanne(Lu)(ATCC VR−115)および
1953年にオーストラリアの首都地域で単離されたUriarra(Ur)(
Moses株の誘導体(ATCC VR−116))に感染させた。これらの細
胞を、37℃にて24時間保持した。感染24時間後、掻き取ることにより細胞
を剥離し、そしてPBSで洗浄した。細胞溶解産物を、20mLの抽出緩衝液(
50mM MES、pH6.1、0.5% Triton−X100、100m
M NaCl、1.5mM MgCl2、0.1mM PMSF、10mg/m
lアプロチニン)における、4℃にて45分間の懸濁によって調製した。この溶
解産物を、2,000gで4℃にて15分間の遠心分離によって清澄化した。
T180フラスコを、1949年にブラジルのカンピナスで単離されたブラジル
粘液腫ウイルス株Lausanne(Lu)(ATCC VR−115)および
1953年にオーストラリアの首都地域で単離されたUriarra(Ur)(
Moses株の誘導体(ATCC VR−116))に感染させた。これらの細
胞を、37℃にて24時間保持した。感染24時間後、掻き取ることにより細胞
を剥離し、そしてPBSで洗浄した。細胞溶解産物を、20mLの抽出緩衝液(
50mM MES、pH6.1、0.5% Triton−X100、100m
M NaCl、1.5mM MgCl2、0.1mM PMSF、10mg/m
lアプロチニン)における、4℃にて45分間の懸濁によって調製した。この溶
解産物を、2,000gで4℃にて15分間の遠心分離によって清澄化した。
【0071】 上清を回収し、そしてローディング緩衝液(50mM MES、pH6、0.
1% Triton−CF54、100mM NaCl、25%グリセロール)
中で5mL HiTrap Blue Affinityクロマトグラフィーカ
ラム(Pharmacia,Piscataway NJ)にアプライした。α
2,3−シアリルトランスフェラーゼを、段階的NaCl溶出(0.5M、1.
0M、1.5M、および2.0MのNaCl)を用いてカラムから溶出した。α
2,3−シアリルトランスフェラーゼを、溶出液を、カラム緩衝液(50mM
MES、pH6.1、0.1% Triton−CF54、25%グリセロール
)中でPD−10カラム(BioRad,Hercules,CA)を通して脱
塩した。
1% Triton−CF54、100mM NaCl、25%グリセロール)
中で5mL HiTrap Blue Affinityクロマトグラフィーカ
ラム(Pharmacia,Piscataway NJ)にアプライした。α
2,3−シアリルトランスフェラーゼを、段階的NaCl溶出(0.5M、1.
0M、1.5M、および2.0MのNaCl)を用いてカラムから溶出した。α
2,3−シアリルトランスフェラーゼを、溶出液を、カラム緩衝液(50mM
MES、pH6.1、0.1% Triton−CF54、25%グリセロール
)中でPD−10カラム(BioRad,Hercules,CA)を通して脱
塩した。
【0072】 総タンパク質濃度を、Bradford Bio−Radを用い、そして製造
業者の説明書に従い、タンパク質標準としてIgGを用いて測定した。
業者の説明書に従い、タンパク質標準としてIgGを用いて測定した。
【0073】 (実施例2:LewisaおよびLewisxオリゴ糖アクセプターへのシアル
酸の転移) アクセプター(54nmol)、CMP−NANA(40nmol)およびC
MP−3H−NANA(150,000〜180,000dpm)を、0.5m
L微量遠心チューブ中で細胞溶解産物(16μL)、水(3μL)および1μL
のアッセイ緩衝液(250mM MES、0.5% Triton CF54、
pH7.0)の混合物に添加した。反応混合物を、37℃にてインキュベートし
、水で200μLになるまで希釈し、そして20mLのMeOHおよび20mL
の水で予め平衡化したC18 Sep−Pak逆相カートリッジにロードした。こ
のカートリッジを、50mLの水で洗浄し、そして生成物を4mLのMeOHで
シンチレーションバイアル中に溶出させた。MeOH溶出物の放射能を、Bec
kman液体シンチレーションカウンター(LS1801)中での10mLのE
coLife(+)シンチレーションカクテル(ICN,Montreal,Q
uebec,Canada)中での液体シンチレーションによって定量した。
酸の転移) アクセプター(54nmol)、CMP−NANA(40nmol)およびC
MP−3H−NANA(150,000〜180,000dpm)を、0.5m
L微量遠心チューブ中で細胞溶解産物(16μL)、水(3μL)および1μL
のアッセイ緩衝液(250mM MES、0.5% Triton CF54、
pH7.0)の混合物に添加した。反応混合物を、37℃にてインキュベートし
、水で200μLになるまで希釈し、そして20mLのMeOHおよび20mL
の水で予め平衡化したC18 Sep−Pak逆相カートリッジにロードした。こ
のカートリッジを、50mLの水で洗浄し、そして生成物を4mLのMeOHで
シンチレーションバイアル中に溶出させた。MeOH溶出物の放射能を、Bec
kman液体シンチレーションカウンター(LS1801)中での10mLのE
coLife(+)シンチレーションカクテル(ICN,Montreal,Q
uebec,Canada)中での液体シンチレーションによって定量した。
【0074】 二連の実験での異なるアクセプターに対する放射能転移の結果は以下の通りで
あった:
あった:
【0075】
【表5】 (実施例3:種々のオリゴ糖アクセプターに対するシアル酸の転移) 単離されたウイルスα2,3−シアリルトランスフェラーゼがシアル酸を種々
のアクセプターに転移する能力を試験した。
のアクセプターに転移する能力を試験した。
【0076】 アクセプター(54nmol)、CMP−NANA(40nmol)およびC
MP−3H−NANA(150,000〜180,000dpm)を、0.5m
L微量遠心チューブ中で細胞溶解産物(16μL)、水(3μL)およびアッセ
イ緩衝液(250mM MES、0.5% Triton CF54、pH6.
1)の混合物に添加した。反応混合物を、37℃にてインキュベートし、水で希
釈し、そして上記実施例2に示す方法によって測定して、転移の相対速度を得た
。反応速度を、アクセプター濃度を約0.2×Km〜3×Kmに変化させること
によって類似の方法で行った。
MP−3H−NANA(150,000〜180,000dpm)を、0.5m
L微量遠心チューブ中で細胞溶解産物(16μL)、水(3μL)およびアッセ
イ緩衝液(250mM MES、0.5% Triton CF54、pH6.
1)の混合物に添加した。反応混合物を、37℃にてインキュベートし、水で希
釈し、そして上記実施例2に示す方法によって測定して、転移の相対速度を得た
。反応速度を、アクセプター濃度を約0.2×Km〜3×Kmに変化させること
によって類似の方法で行った。
【0077】
【表6】 gr=(CH2)8COOMe CMP−NANA=シチジン5’−モノホスホ−N−アセチル−ノイラミン酸1 これらの化合物は、ウイルスα2,3−シアリルトランスフェラーゼについて
のアクセプターとして作用するが、これらの化合物は以前に公知の哺乳動物α−
2,3シアリルトランスフェラーゼについてのアクセプターではない。
のアクセプターとして作用するが、これらの化合物は以前に公知の哺乳動物α−
2,3シアリルトランスフェラーゼについてのアクセプターではない。
【0078】 これは、ウイルスα2,3−シアリルトランスフェラーゼが、多数の異なるオ
リゴ糖構造を、シアル酸の転移に関してアクセプターとして用い得ることを示す
。
リゴ糖構造を、シアル酸の転移に関してアクセプターとして用い得ることを示す
。
【0079】 (実施例4:Lewisaオリゴ糖アクセプターおよびLewisxオリゴ糖ア
クセプターに対するシアル酸のα2,3結合の確認) Lea−TMR(35nmol)およびCMP−NANA(200nmol)
を、ウイルス細胞溶解産物(4.9μL)およびアルカリホスファターゼ溶液(
0.1μL)(5μLのアルカリホスファターゼ(Boehringer Ma
nnheim)1000U/mlおよび1μL BSA溶液(100mg/mL
))とともにインキュベートした。室温(25℃)にて42時間の穏やかな回転
後、さらなるアルカリホスファターゼ溶液(0.2μL)およびCMP−NAN
A溶液(100mM、0.2μL)を混合物に添加し、これを室温にてさらに2
日間反応させた。反応混合物を上昇させ、そして37℃にて48時間維持し、次
いでこの混合物を、10mLのMeOHおよび10mLの水で予め平衡化したC 18 −Sep−Pakカートリッジ(Waters)にロードした。このカートリ
ッジを、5mLの水で洗浄し、次いでTMR標識化合物を5mLのMeOHで溶
出させた。この溶液を減圧下で乾燥させ、フィルター(Milliex−GVフ
ィルター、0.22μm、Millipore Corp.)に通し、そして凍
結乾燥させた。水を乾燥物質に添加して、100μM TMR濃度にした。この
溶液(0.5μL)を、キャピラリー電気泳動泳動緩衝液(10mMホスフェー
ト、10mMホウ酸ナトリウム、10mMドデシル硫酸ナトリウム、10mMフ
ェニルボロン酸(pH9.0、499.5μL)と混合した。この溶液を、Le
ら66に示される方法によるレーザー誘導蛍光検出を用いたキャピラリー電気泳動
による分離および分析のために用いた。酵素反応において生成された新たな生成
物のピークは、確実なシアリル化Lex−TMRと同じ移動時間を有し、そして
新たな生成物のピークは、ノイラミニダーゼを用いた処理によって変換されてL
ex−TMRに戻った。
クセプターに対するシアル酸のα2,3結合の確認) Lea−TMR(35nmol)およびCMP−NANA(200nmol)
を、ウイルス細胞溶解産物(4.9μL)およびアルカリホスファターゼ溶液(
0.1μL)(5μLのアルカリホスファターゼ(Boehringer Ma
nnheim)1000U/mlおよび1μL BSA溶液(100mg/mL
))とともにインキュベートした。室温(25℃)にて42時間の穏やかな回転
後、さらなるアルカリホスファターゼ溶液(0.2μL)およびCMP−NAN
A溶液(100mM、0.2μL)を混合物に添加し、これを室温にてさらに2
日間反応させた。反応混合物を上昇させ、そして37℃にて48時間維持し、次
いでこの混合物を、10mLのMeOHおよび10mLの水で予め平衡化したC 18 −Sep−Pakカートリッジ(Waters)にロードした。このカートリ
ッジを、5mLの水で洗浄し、次いでTMR標識化合物を5mLのMeOHで溶
出させた。この溶液を減圧下で乾燥させ、フィルター(Milliex−GVフ
ィルター、0.22μm、Millipore Corp.)に通し、そして凍
結乾燥させた。水を乾燥物質に添加して、100μM TMR濃度にした。この
溶液(0.5μL)を、キャピラリー電気泳動泳動緩衝液(10mMホスフェー
ト、10mMホウ酸ナトリウム、10mMドデシル硫酸ナトリウム、10mMフ
ェニルボロン酸(pH9.0、499.5μL)と混合した。この溶液を、Le
ら66に示される方法によるレーザー誘導蛍光検出を用いたキャピラリー電気泳動
による分離および分析のために用いた。酵素反応において生成された新たな生成
物のピークは、確実なシアリル化Lex−TMRと同じ移動時間を有し、そして
新たな生成物のピークは、ノイラミニダーゼを用いた処理によって変換されてL
ex−TMRに戻った。
【0080】 (実施例5:シアリルLex−grの分取合成) 細胞溶解産物(14mL)を、BSA溶液(5μL、100mg/mL)と混
合した。この溶液を、Slide Aレーザー(Pierce Chemica
l Company,Rockford,Illinois)中で1.8mLま
で濃縮した。Lex−gr(4.7mg、6.7μmol)およびCMP−NA
NA(6.8mg、10.3μmol)を、200μLの濃縮された細胞溶解産
物に添加した。アルカリホスファターゼ(Boehringer Mannhe
im,1000U/mL,10μL)を添加した。この反応混合物を、室温にて
24時間反転させた。このインキュベーションの間に、CMP−NANAを添加
した(6回(各々3.0mgで3日後、7日後、11日後、各々2.0mgで1
4日後、18日後、21日後))。この混合物を、10mLのMeOHおよび1
0mLの水で予め平衡化したC18−Sep−Pakカートリッジ(Waters
)にロードした。このカートリッジを、40mLの水で洗浄し、次いでこの生成
物を50mLの10% MeOHで溶出させた。この溶出物を、減圧下で乾燥さ
せ、そして10mLのMeOHおよび10mLの水で予め平衡化したC18−Se
p−Pakカートリッジに再度ロードした。水(10mL);1% MeOH(
10mL)次いで5% MeOH(10mL)で洗浄した後、所望の生成物を1
0% MeOH(17mL)で溶出させた。この溶液を、減圧下で乾燥させ、フ
ィルター(Milliex−GVフィルター、0.22μm、Millipor
e Corp.)に通し、そして凍結乾燥させて、シアリル化Lex−gr(2
.19mg、33%)を得た。生成物シアリルLex−grの構造を、NMR分
光法および質量分析の両方によって確認した。
合した。この溶液を、Slide Aレーザー(Pierce Chemica
l Company,Rockford,Illinois)中で1.8mLま
で濃縮した。Lex−gr(4.7mg、6.7μmol)およびCMP−NA
NA(6.8mg、10.3μmol)を、200μLの濃縮された細胞溶解産
物に添加した。アルカリホスファターゼ(Boehringer Mannhe
im,1000U/mL,10μL)を添加した。この反応混合物を、室温にて
24時間反転させた。このインキュベーションの間に、CMP−NANAを添加
した(6回(各々3.0mgで3日後、7日後、11日後、各々2.0mgで1
4日後、18日後、21日後))。この混合物を、10mLのMeOHおよび1
0mLの水で予め平衡化したC18−Sep−Pakカートリッジ(Waters
)にロードした。このカートリッジを、40mLの水で洗浄し、次いでこの生成
物を50mLの10% MeOHで溶出させた。この溶出物を、減圧下で乾燥さ
せ、そして10mLのMeOHおよび10mLの水で予め平衡化したC18−Se
p−Pakカートリッジに再度ロードした。水(10mL);1% MeOH(
10mL)次いで5% MeOH(10mL)で洗浄した後、所望の生成物を1
0% MeOH(17mL)で溶出させた。この溶液を、減圧下で乾燥させ、フ
ィルター(Milliex−GVフィルター、0.22μm、Millipor
e Corp.)に通し、そして凍結乾燥させて、シアリル化Lex−gr(2
.19mg、33%)を得た。生成物シアリルLex−grの構造を、NMR分
光法および質量分析の両方によって確認した。
【0081】
【数1】 シアリル化Lea−grをまた、同様の様式でLea−grから合成した。その
構造を、NMR分光法および質量分析の両方によって確認した。
構造を、NMR分光法および質量分析の両方によって確認した。
【0082】
【数2】 (実施例6:GlcNAc−TMRからのシアリルLex−TMRの合成) GlcNAc−TMR(35nmol)、UDP−ガラクトース(70nmo
l)、0.5μLの単離したウシ乳β−1,4ガラクトシルトランスフェラーゼ
(0.3mU)、GDP−フコース(70nmol)、0.5μLの単離したヒ
ト乳α1,3,4−フコシルトランスフェラーゼ(0.03mU)、CMP−N
ANA(100nmol)、0.1μLの1M MnCl2および0.1μLの
アルカリホスファターゼ(Boehringer Mannheim,10mU
)を、5.7μLの濃縮ウイルス細胞溶解産物溶液とともにインキュベートした
。室温での24時間の穏やかな回転の後、0.2μLのアリコートを取り出し、
そしてシリカゲル60F254薄層クロマトグラフィープレート(Merck,D
armstadt Germany)にスポットした。このプレートを、イソプ
ロパノール:H2O:NH4OH(7:2:1)を用いて展開した。Lex−TM
R(Rf=0.18)およびシアリルLex−TMR(Rf=0.30)は、ピ
ンクの発色団TMRに起因して可視であった。これらのRfは、確実な物質のR
fに対応する。そして酵素反応混合物中で形成されたシアリルLex−TMRは
、シアリルLex−TMRと同等に移動した。出発物質GlcNAc−TMR(
Rf=0.39)および反応中間体LacNAc−TMR(Rf=0.25)は
検出されなかった。
l)、0.5μLの単離したウシ乳β−1,4ガラクトシルトランスフェラーゼ
(0.3mU)、GDP−フコース(70nmol)、0.5μLの単離したヒ
ト乳α1,3,4−フコシルトランスフェラーゼ(0.03mU)、CMP−N
ANA(100nmol)、0.1μLの1M MnCl2および0.1μLの
アルカリホスファターゼ(Boehringer Mannheim,10mU
)を、5.7μLの濃縮ウイルス細胞溶解産物溶液とともにインキュベートした
。室温での24時間の穏やかな回転の後、0.2μLのアリコートを取り出し、
そしてシリカゲル60F254薄層クロマトグラフィープレート(Merck,D
armstadt Germany)にスポットした。このプレートを、イソプ
ロパノール:H2O:NH4OH(7:2:1)を用いて展開した。Lex−TM
R(Rf=0.18)およびシアリルLex−TMR(Rf=0.30)は、ピ
ンクの発色団TMRに起因して可視であった。これらのRfは、確実な物質のR
fに対応する。そして酵素反応混合物中で形成されたシアリルLex−TMRは
、シアリルLex−TMRと同等に移動した。出発物質GlcNAc−TMR(
Rf=0.39)および反応中間体LacNAc−TMR(Rf=0.25)は
検出されなかった。
【0083】 (実施例7:Lec−TMRからのシアリルLea−TMRの合成) Lec−TMR(15nmol)、GDP−フコース(70nmol)、0.
5μLの単離したヒト乳α1,3,4−フコシルトランスフェラーゼ(0.03
mU)、CMP−NANA(100nmol)、0.1μLの1M MnCl2
および0.1μLのアルカリホスファターゼ(Boehringer Mann
heim,10mU)を、5.1μLの濃縮ウイルス細胞溶解産物溶液とともに
インキュベートした。室温での72時間の穏やかな回転の後、0.2μLのアリ
コートを取り出し、そしてシリカゲル60F254薄層クロマトグラフィープレー
ト(Merck,Darmstadt Germany)にスポットした。この
プレートを、イソプロパノール:H2O:NH4OH(7:2:1)を用いて展開
した。Lea−TMR(Rf=0.18)およびシアリルLea−TMR(Rf=
0.25)は、ピンクの発色団TMRに起因して可視であった。これらのRfは
、確実な物質のRfに対応する。そして酵素反応混合物中で形成されたシアリル
Lea−TMRは、シアリルLea−TMRと同等に移動した。出発物質Lec−
TMR(Rf=0.31)は検出されなかった。 3
5μLの単離したヒト乳α1,3,4−フコシルトランスフェラーゼ(0.03
mU)、CMP−NANA(100nmol)、0.1μLの1M MnCl2
および0.1μLのアルカリホスファターゼ(Boehringer Mann
heim,10mU)を、5.1μLの濃縮ウイルス細胞溶解産物溶液とともに
インキュベートした。室温での72時間の穏やかな回転の後、0.2μLのアリ
コートを取り出し、そしてシリカゲル60F254薄層クロマトグラフィープレー
ト(Merck,Darmstadt Germany)にスポットした。この
プレートを、イソプロパノール:H2O:NH4OH(7:2:1)を用いて展開
した。Lea−TMR(Rf=0.18)およびシアリルLea−TMR(Rf=
0.25)は、ピンクの発色団TMRに起因して可視であった。これらのRfは
、確実な物質のRfに対応する。そして酵素反応混合物中で形成されたシアリル
Lea−TMRは、シアリルLea−TMRと同等に移動した。出発物質Lec−
TMR(Rf=0.31)は検出されなかった。 3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI,G B,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL ,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW (71)出願人 201, 1204 Kensington R oad N.W., Calgary, Alberta, Canada T2N 3P5 (72)発明者 筋野 敬子 カナダ国 アルバータ ティー6イー 4 エス6, エドモントン, サスカッチェ ワン ドライブ 1902 10883 Fターム(参考) 4B064 AF04 CA21 CB30 CC01 CE10 CE17 DA01
Claims (6)
- 【請求項1】 シアル酸またはそのアナログを含むα−2,3シアリル化フ
コシル化オリゴ糖の酵素合成のための方法であって、該方法は以下の工程: a)非還元末端から2番目の糖位置においてフコース基を有するフコシル化オ
リゴ糖と適合性のα−2,3シアリルトランスフェラーゼを選択する工程; b)工程(a)において選択された該シアリルトランスフェラーゼと適合性で
あるCMP−シアル酸またはそのアナログを選択する工程; c)該CMP−シアル酸またはそのアナログを、該シアル酸またはそのアナロ
グが、該CMP−シアル酸またはそのアナログから該フコシル化オリゴ糖の非還
元糖末端に転移される条件下で上記(a)において選択された該シアリルトラン
スフェラーゼの存在下で以下の式: 【化1】 のフコシル化オリゴ糖と接触させ、それにより、シアル酸またはそのアナログを
含むα−2,3シアリル化フコシル化オリゴ糖を形成する工程であって、ここで
R1が糖残基を表し、R2が糖残基を表し、そしてR1およびR2が一緒に、該選択
されたシアリルトランスフェラーゼのアクセプターを表し;nは0〜約10であ
り、YはO、NHおよびSからなる群より選択され、そしてR3は、H、タンパ
ク質、脂質または少なくとも1つの炭素原子を有するアグリコン部分からなる群
より選択される、工程、 を包含する、方法。 - 【請求項2】 前記アグリコン部分が、−−(A)−−Z’からなる群より
選択され、ここでAが結合、2〜10個の炭素原子のアルキレン基、および−−
(CH2CR4R5G)n(CH2CR4R5)−−の形態の部分を表し、ここでnが
0〜5に等しい整数であり;R4およびR5が、水素;フェニル;アミン、ヒドロ
キシル、ハロゲン、1〜4個の炭素原子のアルキルおよび1〜4個の炭素原子の
アルコキシからなる群より選択される1〜3個の置換基によって置換されたフェ
ニル;メチルまたはエチルからなる群より独立して選択され;そしてGが、結合
、酸素、硫黄、NHからなる群より選択され;そしてZ’が、水素、メチル、−
−OH、−−SH、−−NH2、−−NHR6、−−N(R6)2、−−C(O)O
H、−−C(O)OR6、−−C(O)NHNH2、−−C(O)NH2、−−C
(O)NHR6、−−C(O)N(R6)2、および−−OR7からなる群より選択
され、ここで各R6が独立して1〜4個の炭素原子のアルキルであり、そしてR7 が3〜10個の炭素原子のアルケニル基である、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 フコシル化およびα−2,3シアリル化されたオリゴ糖の酵
素合成のための方法であって、該方法は以下の工程: a)非還元末端から2番目の糖位置においてフコース基を有するオリゴ糖をシ
アリル化し得るα−2,3シアリルトランスフェラーゼを選択する工程; b)フコシルトランスフェラーゼを選択する工程; c)工程(a)において選択される該シアリルトランスフェラーゼと適合性で
あるCMP−シアル酸またはそのアナログを選択する工程; d)工程(b)において選択される該フコシルトランスフェラーゼと適合性で
あるGDP−フコースまたはそのアナログを選択する工程; e)該CMP−シアル酸またはそのアナログおよび該GDP−フコースまたは
そのアナログを、該シアル酸またはそのアナログおよび該フコースまたはそのア
ナログが、それぞれ、該CMP−シアル酸またはそのアナログおよび該GDP−
フコースまたはそのアナログから該オリゴ糖の非還元糖末端に転移される条件下
で上記(a)および(b)において選択された該シアリルトランスフェラーゼお
よび該フコシルトランスフェラーゼの存在下で式: R1−R2−(糖)n−Y−R3 のオリゴ糖と接触させ、それにより、α−2,3シアリル化フコシル化オリゴ糖
を形成する工程であって、ここでR1が糖残基を表し、R2が糖残基を表し、そし
てR1およびR2が一緒に、該選択されたシアリルトランスフェラーゼおよび該選
択されたフコシルトランスフェラーゼのアクセプターを表し;nは0〜約10で
あり、YはO、NHおよびSからなる群より選択され、そしてR3は、H、タン
パク質、脂質または少なくとも1つの炭素原子を有するアグリコン部分からなる
群より選択される、工程、 を包含する、方法。 - 【請求項4】 前記アグリコン部分が、−−(A)−−Z’からなる群より
選択され、ここでAが結合、2〜10個の炭素原子のアルキレン基、および−−
(CH2CR4R5G)n(CH2CR4R5)−−の形態の部分を表し、ここでnが
0〜5に等しい整数であり;R4およびR5が、水素;フェニル;アミン、ヒドロ
キシル、ハロゲン、1〜4個の炭素原子のアルキルおよび1〜4個の炭素原子の
アルコキシからなる群より選択される1〜3個の置換基によって置換されたフェ
ニル;メチルまたはエチルからなる群より独立して選択され;そしてGが、結合
、酸素、硫黄、NHからなる群より選択され;そしてZ’が、水素、メチル、−
−OH、−−SH、−−NH2、−−NHR6、−−N(R6)2、−−C(O)O
H、−−C(O)OR6、−−C(O)NHNH2、−−C(O)NH2、−−C
(O)NHR6、−−C(O)N(R6)2、および−−OR7からなる群より選択
され、ここで各R6が独立して1〜4個の炭素原子のアルキルであり、そしてR7 が3〜10個の炭素原子のアルケニル基である、請求項3に記載の方法。 - 【請求項5】 未知のオリゴ糖アクセプターの非還元末端構造を決定するた
めの方法であって、該方法は、以下の工程: a)該オリゴ糖アクセプターと、非還元末端から2番目の糖位置においてフコ
ース基を有するオリゴ糖の非還元末端をシアリル化し得ないシアリルトランスフ
ェラーゼとを接触させ、そして該オリゴ糖がシアリル化されたか否かを決定する
工程; b)該オリゴ糖と、非還元末端から2番目の糖位置においてフコース基を有す
るオリゴ糖の非還元末端をシアリル化し得るα−2,3シアリルトランスフェラ
ーゼとを接触させ、そして該オリゴ糖がシアリル化されたか否かを決定する工程
;および c)結果を比較して、該非還元末端がフコシル化されたか否かを決定する工程
、 を包含する、方法。 - 【請求項6】 工程(c)が、前記未知のアクセプターが、前記非還元末端
からの2番目の糖位置においてフコシル化されたか否かを決定することを含み、
ここで該アクセプターが、請求項5に記載の工程(a)においてシアリル化され
ておらず、そして請求項5に記載の工程(b)においてシアリル化されていた、
請求項5に記載の方法。
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US09/146,285 | 1998-09-03 | ||
PCT/CA1999/000801 WO2000014264A1 (en) | 1998-09-03 | 1999-09-02 | Method for the production of sialylated oligosaccharides |
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