JP2002523759A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 複合材料及びその使用
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直径0.5〜1000μmのスーパーポアの外側に直径0.05μm未満のミクロポアを有するゲル相を含むスーパーポーラス多糖類からなる主成分と、主成分とは異なる1以上の他の成分からなる二次成分との2種以上の成分を含む複合材料。
【請求項2】 前記主成分が離散粒子又は連続構造の形態である、請求項1記載の複合材料。
【請求項3】 前記二次成分の少なくとも1種が主成分のスーパーポアの外側で、ゲル相の内部に存在する、請求項1又は請求項2記載の複合材料。
【請求項4】 前記二次成分の少なくとも1種が主成分のスーパーポアの内部にある、請求項1又は請求項2記載の複合材料。
【請求項5】 前記二次成分の少なくとも1種が主成分のスーパーポアの内部及びゲル相の内部の両方に存在する、請求項1又は請求項2記載の複合材料。
【請求項6】 当該複合材料が1種以上の親和性リガンドを有する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の複合材料。
【請求項7】 前記親和性リガンドの各々が主成分及び/又は1種以上の二次成分に結合している、請求項6記載の複合材料。
【請求項8】 前記親和性リガンドの少なくとも1種が主成分に結合している、請求項6記載の複合材料。
【請求項9】 前記1種以上の親和性リガンドが二次成分の一つに結合している、請求項6記載の複合材料。
【請求項10】 前記1種以上の親和性リガンドが、イオン交換基、両性基、キレート基、生物類似基、共有結合クロマトグラフィーに使用できる基、π−π相互作用を与える基、疎水性相互作用クロマトグラフィーに使用できる基、チオフィリック相互作用を与える基又は二次成分である親和結合性無機物質である、請求項6乃至請求項9のいずれか1項記載の複合材料。
【請求項11】 前記二次成分が多孔質であって、主成分のゲル相のミクロポアの平均孔径よりも大きい孔径を有する、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の複合材料。
【請求項12】 当該複合材料が繊維、ビーズ又はモノリスの形態である、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の複合材料。
【請求項13】 分離、細胞培養、化学合成、酵素/触媒反応における請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の複合材料の使用。
【請求項14】 前記複合材料上でのポリマーの化学合成に使用する、請求項13記載の使用。
【請求項15】 前記複合材料に酵素又は触媒が結合しているバイオリアクターで実施される酵素/触媒反応に使用する、請求項13記載の使用。
【請求項16】 複合材料上で細胞を培養する細胞培養に使用する、請求項13記載の使用。
【請求項17】 ポリマーを固相上で化学合成する方法であって、固相が請求項1乃至請求項5及び請求項11乃至請求項12のいずれか1項記載の複合材料であることを特徴とする方法。
【請求項18】 バイオリアクター中で酵素/触媒反応を行うための方法であって、使用する酵素及び/又は触媒が、請求項1乃至請求項5及び請求項11乃至請求項12のいずれか1項記載の複合材料に結合していることを特徴とする方法。
【請求項19】 細胞の培養方法であって、細胞を請求項1乃至請求項5及び請求項11乃至請求項12のいずれか1項記載の複合材料上で培養することを特徴とする方法。
【請求項20】 分離すべき物質の溶液を、分離材料のベッドに通して、分離材料に結合したリガンドと分離すべき物質との親和性或いは分離すべき物質の形状又は分子量の差に基づいて分離を行う分離法であって、上記分離材料が、直径0.5〜1000μmのスーパーポアの外側に直径0.05μm未満のミクロポアを有するゲル相を含むスーパーポーラス多糖類からなる主成分と、主成分とは異なる1以上の他の成分からなる二次成分との2種以上の成分を含む複合材料であることを特徴とする分離法。
【請求項21】 主成分が離散粒子又は連続構造の形態である、請求項20記載の分離法。
【請求項22】 前記二次成分の少なくとも1種が主成分のスーパーポアの内部にある、請求項20又は請求項21記載の分離法。
【請求項23】 前記二次成分の少なくとも1種が主成分のスーパーポアの内部及びゲル相の内部の両方に存在する、請求項20乃至請求項22のいずれか記載の分離法。
【請求項24】 前記1種以上の親和性リガンドが、イオン交換基、両性基、キレート基、生物類似基、共有結合クロマトグラフィーに使用できる基、π−π相互作用を与える基、疎水性相互作用クロマトグラフィーに使用できる基、チオフィリック相互作用を与える基又は二次成分である親和結合性無機物質である、請求項20乃至請求項23のいずれか1項記載の方法。
【請求項25】 前記複合材料が粒子の形態である、請求項20乃至請求項24のいずれか1項記載の分離法。
【請求項26】 前記粒子が充填ベッド又は流動ベッドの形態である、請求項25記載の分離法。
【請求項27】 前記複合材料がモノリスの形態である、請求項20乃至請求項24のいずれか1項記載の分離法。
【請求項28】 前記複合材料が親和性リガンドを担持し、溶液がベッドを通過した後の物質を、脱着剤を含む溶液を使用して複合材料から脱着させる、請求項20乃至請求項27のいずれか1項記載の分離法。
【請求項29】 前記脱着剤が、イオン強度の増大又はpH変化をもたらすか、或いは親和性リガンドと物質との結合と競合する、請求項28記載の分離法。
【請求項30】 当該分離法が、複合材料からの結合した物質の電気溶出と、モノリシック導電性二次成分を含む複合材料との組合せではない、請求項20乃至請求項29のいずれか1項記載の分離法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は、先に国際公開WO93/19115(米国特許第5723601号)に記載したタイプのスーパーポーラス(super-porous)多糖類材料を含む複合材料に関する。
【0002】
【背景技術】
多孔質多糖類には、2種類の細孔が含まれる。一部は、直径の小さい細孔(多くは0.05μm未満、ミクロポア)であり、材料を通して液体を移動させるときの物質移動は拡散によって起こる。一部は、細孔が開いているとき対流によって物質移動を起こすことのできる大きな細孔つまりスーパーポア(super-pores)である。かかる材料のうちスーパーポアの外側の部分はゲル相と呼ばれ、ミクロポアを含んでいる。
【0003】
我々は、一連の論文にスーパーポーラスアガロースマトリックスについて記載した。Gustavsson et al., J. Chromatog. A 734(1996)231-240, Gustavsson et al., J. Chromatog. A 776(1997)197-203, Gustavsson et al., J. Chromatog. A 795(1998)199-210参照。
【0004】
親和性リガンドの担持容量を増大させるため、高度多孔質導電性材料(網状ガラス質炭素、RVC)の細孔内にスーパーポーラスアガロースを入れることは先行技術で公知である。Khayyami, Thesis "Biosensors and chromatographic supports based on new combinations of conductive material", Lund University, Lund (1996)参照。それらの使用分野は、バイオセンサー並びに電気溶出できるクロマトグラフィー吸着材料としてであった。この種のバイオセンサーや電気溶出には、アガロース単独では使用できない。電気溶出とは、結合リガンドを電気化学的に酸化/還元して非結合型として、溶出できるようにすることを意味する。
【0005】
残念ながら、スーパーポーラス多糖類材料は未だに望ましい態様で完全に利用できてはいない。そのため、マトリックスの特性を物理的安定性(耐圧性)、様々な分子量及び幾何形状の物質間の選別に関する分離特性、スーパーポーラスマトリックスに結合した親和性リガンドの安定性等を向上させることが往々にして望まれる。ある種の用途、特に特定の形態のマトリックスが必要とされる用途では、密度が1g/cm3から上下に大きく外れたものが必要とされる。
国際公開WO93/19115(米国特許第5723601号)のような先行技術文献には、スーパーポーラス多糖類材料の短所についても、それらの短所をどのようにして克服するかについても殆ど記載されていない。
【0006】
今回、我々は、スーパーポーラス多糖類マトリックスを主成分として含む複合材料を簡単に製造することができ、先行技術のスーパーポーラス多糖類の上述の短所に関して利点を与えることができることを見出した。
【0007】
【発明の概要】
本発明の第1の態様は、2種以上の成分を含む複合材料である。本複合材料は、成分の一つがスーパーポーラス多糖類材料(主成分)であることを特徴とする。他の成分は、二次成分(二次成分1、2、3等)と呼ばれる。本発明の複合材料が、2つの電極間に結合させる又は結合している導電性モノリス二次成分を含んでいる場合は、本発明のこの態様の一部を構成しない。
【0008】
本発明のもう一つの態様は、分離、細胞培養、固相での化学合成並びに本発明の複合材料に酵素を結合した酵素/触媒反応における複合材料の使用である(本発明の方法的態様)。
【0009】
本複合材料は、繊維、球体(ビーズ、粒子)又はモノリスの形態を取り得る。モノリスの例としては、膜又は流延連続クロマトグラフベッドがある。球体の形態のマトリックスについて、その大きさは、しばしば0.1〜1000μm、例えば1〜1000μm又は5〜500μmとされる。
【0010】
主成分(スーパーポーラス多糖類材料)
典型的には、スーパーポーラス多糖類材料は、寒天、アガロース、アルギン酸塩、デキストラン、カラゲニン、キトサン、セルロース又は澱粉から製造される。実際にどの原料を選択すべきかは、孔径、電荷、各種媒体中での安定性、原価等に関して最終製品が持つべき特性によって決定されることが多い。スーパーポーラス多糖類材料は、その材料のゲル相を形成する様々な多糖類の均質混合物であってもよい。本発明で使用されるスーパーポーラス多糖類材料は、国際公開WO93/19115の記載されたものと同じ方法で製造できる。
【0011】
スーパーポーラスという用語は、対流による物質移動を生じる流れを細孔を通して流すことができることを意味する。これは、原則として、直径0.5〜1000μmの範囲の細孔、好ましくは1〜1000μmのものが存在することを意味する。ベッドを形成するように充填される粒子の形態のマトリックスでは、スーパーポアの直径と粒子の直径との比が0.01〜0.3、好ましくは0.05〜0.2であるという条件も加わる。
【0012】
本発明の複合材料における主成分の量は、極めて広い範囲で変更できる。乾燥重量に基づいて、主成分の量は、0%のすぐ上から100%のすぐ下まで、例えば0.01〜99.99%(W/W)で変更し得る。体積基準で、水で飽和した複合材料で測定して、主成分は5〜99.99%、例えば50〜99%(V/V)である。
【0013】
二次成分
本複合材料の二次成分は、a)主成分のゲル相及び/又はスーパーポア内に包囲された粒子であっても、b)スーパーポアにおける連続相であっても、或いはc)主成分多糖類とゲル相中で均質に混合されたポリマー鎖であってもよい。a)の場合、スーパーポーラス多糖類材料で覆われた粒子が存在する。b)の場合、スーパーポーラス多糖類材料を完全に取り囲むマクロポーラスな二次成分が存在する。
【0014】
二次成分は、主成分とは1以上の特性で異なる。二次成分は、様々な有機及び無機物質から選択できる。これらは完全な合成ポリマーであってもよいし、例えば、主成分と同一又は異なるタイプの多糖類のようないわゆるバイオポリマーに基づくものでもよい。これらは、本発明の複合材料の使用に際して利用できる様々な基をもつように誘導体化できる。本発明の複合材料において、二次成分は固体物質としても或いは液体としても存在でき、原則として水に不溶性(その溶解性を変化させる添加剤の非存在下で)である。
【0015】
二次成分は多孔質であってもよい。二次成分が多孔質であるとき、(複合材料中での)その平均孔径は主成分のゲル相におけるミクロポアの平均直径より大きくても、小さくても、同一でもよい。
二次成分は、1g/cm3から上下に大きく異なる密度を有し得る。
【0016】
二次成分に適用できる大きな多様性の例として、国際公開WO92/00799を引用することができる。また、二次成分を介して複合材料に導入し得る機能として以下のものを挙げることができる。
【0017】
・密度(例えば、高密度又は低密度の粒子)、
・磁力(例えば、マグネタイト粒子)、
・親和性機能(次の項で詳述)、
・機械的安定度(例えば、ポリマー、粒子又は網状ガラス質炭素(RVC)のような連続構造体)、
・熱安定性(例えば、ポリマー、又は主成分1の融点を安定化する他の成分)、
・光化学的安定性(例えば、着色粒子の添加)、
・微生物学的安定性(例えば、微生物/加水分解酵素の侵入を防ぐポリマー)、
・導電性(例えば、粒子又はモノリスの形態の導電性ポリマー。特に、導電性二次成分がモノリシックで2つの電極間に結合している場合は、本発明の複合材料には属さない。)、
・孔径の変更(例えば、主成分のスーパーポアの大きさを低減するポリマー網目構造)、
・熱伝導性(例えば、急速に除熱又は加熱できる網状ガラス質炭素のような粒子又は熱伝導性構造)、
・変更可能な複合材料特性(例えば、いわゆるスマートポリマーによるもの。スマートポリマーは、外界からの刺激によって劇的に特性を変えることのできるポリマーである。一例は、感熱性スマートポリマーをスーパーポア内に導入して、小さな温度変化で可変的に透過性とすることである。)。
【0018】
本発明の複合材料の誘導体形
本発明の複合材料は、その主成分及び/又は1種以上の二次成分にいわゆる親和性リガンドが結合したものとして提供することもできる。親和性リガンドの例として、アニオン又はカチオン交換基、両親媒性基、キレート基、生物類似基、共有結合クロマトグラフィーに使用できる基、π−π相互作用を与える基、疎水性相互作用クロマトグラフィーに使用できる基、チオフィリック相互作用を与える基等が挙げられる。特殊な親和性リガンドは、例えばヒドロキシアパタイト等の親和性結合性無機材料に存在する。
【0019】
本発明の複合材料における各種の成分は、それらがポリマー系のものである場合には、それ自体公知の方法で架橋できる。
親和性リガンドの架橋及び導入は最終複合材料で実施することもできるし、或いは複合材料を製造する前の主成分で実施することもできる。
【0020】
以上のことから、架橋構造、基材の化学的誘導体化を介して誘導されたリガンドその他の結合構造は、本発明でいう二次成分には該当しないことは明らかである。
【0021】
本発明の複合材料の製造
本発明の複合材料は、最初に最終複合材料の主成分となる多糖類の溶液を作り、二次成分1、2、3等の粒子を溶液中に懸濁した後、国際公開WO93/19115に記載のスーパーポーラス多糖類材料資の製造から公知の手順によって製造できる。二次成分1、2、3等は製造プロセス中に沈殿しないようにする必要がある。
【0022】
本発明の複合材料は、更に、a)国際公開WO93/19115の記載に則して製造したスーパーポーラス多糖類材料(主成分)を出発材料として、二次成分1、2、3等をスーパーポアに導入するか、或いはb)マクロポーラス二次成分を出発材料として、マクロポーラス二次成分の細孔中でスーパーポーラス多糖類材料(主成分)を製造することによって製造できる。
【0023】
本発明の使用分野
本発明の複合材料は、従前公知の他の多孔質材料と同じ分野で使用できる可能性がある。特に現実的な分野は、分離、細胞培養、バイオリアクター及び化学合成である。バイオリアクターの具体例は、特に、酵素リアクター、その他触媒がマトリックスに結合したリアクターである。化学合成の具体例は、オリゴペプチド及びオリゴヌクレオチドのような固相ポリマー合成である。細胞培養に際しては、細胞は本発明の複合材料上で増殖させることができる。
【0024】
分離という用語は、まず第一に、分離すべき物質と本発明のマトリックス上の構造(リガンド)との親和性に基づく分離、又は様々な物質間の幾何形状及び分子量の差に基づく分離を意味する。これらの分離は、クロマトグラフィー法、段階的方法又は膜技術に基づく方法として実施できる。第1の変法では、互いに分離すべき物質を含む溶液を、本発明の複合材料を含むベッドに通過させる。ベッドは多孔質モノリシックマトリックス、充填粒子、又はいわゆる流動ベッド(expanded bed;国際公開WO92/18237参照)の形態でよい。段階的方法では、本発明の複合材料は、互いに分離すべき物質を含む溶液中に懸濁した粒子の形態である。次いで、結合した物質の溶離/脱着/解離を、特にリガンドと結合物質との結合を阻害する溶液の添加によって行えばよい。リガンドの種類に応じて、溶液は、イオン強度の増大又はpH変化をもたらすものでも、或いはリガンドと結合物質との結合と直接競合する脱着剤を含むものであってもよい。2つの電極の間に接続したモノリシック導電性二次成分を含む複合材料を電気溶出と組合せて用いる電気溶出は、本発明の方法の態様に属さない。
【0025】
原則として、同様に構成されたベッドを、細胞培養、化学合成及びバイオリアクターに使用できる。
【0026】
本発明は更に特許請求の範囲で規定され、多くの非限定的な実施例で例示される。
【0027】
【実施例】
本実施例において、我々は国際特許出願国際公開WO93/19115に記載された実施例から開始している。
【0028】
実施例1
モノリシック複合材料−ゲル相に充填材を有する連続スーパーポーラス膜
・10mlの6%アガロース溶液を、国際公開WO93/19115の実施例1の記載に則して製造した(溶液A)。
・10mlシクロヘキサン+1ml Tween 80を、国際公開WO93/19115の実施例1の記載に則して製造した(溶液B)。
・10ml充填材を60℃に加熱した(溶液C)。
【0029】
溶液Aと溶液Cを60℃で撹拌しながら混合した。その後、溶液Bを撹拌しながら(1000rpm)、60℃で添加し、国際公開WO93/19115の記載と同じ方法でエマルジョン1を得た。エマルジョン1から、スーパーポーラス連続複合膜を国際公開WO93/19115の実施例4の記載に則して製造した。
【0030】
以下の充填材を各々使用した。
a.アニオン交換体、AG 1X−8マイナス400メッシュ(Bio−Rad Laboratories社(米国))。得られた複合材料は、ATPに対する破過曲線(breakthrough curve)の決定によって機能することが判明した。
b.シリカ材料、LiChroprep Si 100、40〜63μm(E. Merck Darmstadt社(ドイツ))。
c.シバクロンブルーで誘導体化したアガロース球体(6%アガロース25〜75μm)。これらのアガロース球体は、攪拌速度を1500rpmとした点以外は、Gustavsson及びLarsson, J. Chromatography A, 734(1996)231−240の記載に則して製造した。
d.グラファイト、粉末合成品。1〜2μm(Aldrich社(米国))。この場合、20mlの6%アガロース溶液及び2.5mlのグラファイト粉末を使用した。
【0031】
実施例2
球体/ビーズの形態の複合材料−少量のアガロース溶液を流延したスーパーポアを有するスーパーポーラスアガロースビーズ
出発物質として以下のものを使用して、国際公開WO93/19115の記載に則して以下のスーパーポーラスアガロース球体を製造した。
1.アガロース含量6%、粒度300〜500μm、スーパーポア容積40%、スーパーポア直径30μm。
2.アガロース含量6%、粒度106〜180μm、スーパーポア容積40%、スーパーポア直径30μm。
【0032】
これらのスーパーポーラスアガロース球体を使用して、以下の通り0.5%アガロースでスーパーポアを充填して複合材料を製造した。
・20mlの沈降スーパーポーラスアガロースビーズの間隙水を、ブフナーフィルターで濾過し、スーパーポーラスアガロースビーズを三角フラスコに移した。三角フラスコをサーモスタット制御水浴で50℃に加熱した(ゲルA)。
・0.5gアガロース(低ゲル化温度、Sigma A−4018)を100ml蒸留水に添加し、電子レンジで95〜100℃に加温した。アガロース溶液をサーモスタット制御水浴で50℃に冷却した(溶液B)。
・溶液BをゲルAに添加し、振盪水浴(50℃)中に22時間置いた(懸濁液C)。
・200mlのシクロヘキサン+5.6g Span−85(Fluka社(スイス、ブックス))を攪拌式反応槽で50℃に調温した。懸濁液Cを反応槽(50℃)に、撹拌(1500rpm)しながら添加した。1分後に、反応槽の温度を連続撹拌しながら(1500rpm)5℃に下げた。
【0033】
最終段階で、所望の複合材料、つまりスーパーポアに0.5%アガロースを含むスーパーポーラスアガロースビーズと、アガロース含量0.5%の通常のアガロースビーズが形成した。
【0034】
アガロース複合ビーズの機能試験(6%〜0.5%アガロース)
上記で製造した複合ビーズをクロマトグラフィーに充填し、ゲル濾過に使用した。これらの複合ビーズはラテックス粒子(0.5μm)とブルーデキストラン(MW2000000)とを分離でき、通常ビーズ又はスーパーポーラスアガロースビーズを充填したカラムでのゲル濾過実験で同じ時間に溶出した。その説明として、ブルーデキストラン(MW2000000)はスーパーポア容積に接近できるが、ラテックス粒子は0.5%アガロースポアから排除されてその容積に接近できないということである。このタイプの複合ビーズは、ゲル濾過時のDNAの分離領域の増加に使用できる。
【0035】
実施例3
ビーズの形態の複合材料−スーパーポーラスアガロース/ポリアクリルアミドビーズ
注:この複合材料では、ゲル相自体は架橋ポリアクリルアミド+アガロースからなる。
【0036】
・0.0625g N,N’−メチレン−ビス−アクリルアミドを25ml 10%アクリルアミドに溶解した。本溶液を真空脱気し、60℃に調温した(溶液)。
・2.4gアガロースを30ml真空脱気水に溶解し、電子レンジで95〜100℃に加熱した。アガロース溶液を撹拌反応槽中で60℃に調温した(溶液B)。
・25mlシクロヘキサンと1.5ml Tween 80を窒素で脱気し、60℃に調温した(溶液C)。
・150mlシクロヘキサンと8.4g Span 85を窒素で脱気し、60℃に調温した(溶液D)。
【0037】
60℃で攪拌(500rpm、15分)しながら、溶液Aを溶液Bに混合した(溶液E)。0.05ml TEMED及び30mg過硫酸アンモニウムを別々に少量の脱気水に溶解し、溶液Eに撹拌(500rpm、2分)しながら添加した。溶液Dを溶液Eに添加し、500rpmで1分間乳化した後25℃に冷却した。撹拌を30分間500rpmで続けた。
得られたゲルビーズを国際公開WO93/19115に記載の通り洗浄した。
【0038】
実施例4
モノリシック機械的支持マトリックス及びスーパーポーラス多糖類マトリックスに基づくモノリシック複合材料
網状ガラス質炭素(RVC; Duocell, Energy Research and Generations社(米国カリフォルニア州オークランド))を機械的支持マトリックスとして使用した。
【0039】
国際公開WO93/19115の実施例1に記載のエマルジョン1を、RVCマトリックスが入ったサーモスタット制御ガラスカラム(50℃)に入れた。カラムを、冷却浴で冷却し、アガロース相を凝固させた。得られた複合材料を、その末端で切断し、有機溶媒がなくなるように洗浄した。この材料の機能を、BSAをクロマトグラフィーにかける分子とした比較クロマトグラフィー実験で試験した。
【0040】
実施例5
スーパーポーラスアガロース及び酵母細胞に基づくモノリシック複合材料
複合材料を、実施例1の記載に則して製造した。10mlの50%含量酵母懸濁液(パン酵母)を、二次成分として使用した。最終複合材料を試験したところ、酵素活性(アルコールデヒドロゲナーゼ活性)を有することが判明した。
【0041】
実施例6
ビーズの形態の複合材料−イオン交換マトリックス
・10mlの2〜6%アガロース溶液を調製した(60℃)。この溶液に、アルギン酸ナトリウム溶液(4%w/v)を、最終濃度が0.25〜1%(w/v)となるように添加した(溶液A)。
・10mlシクロヘキサン+0.6ml Tween 80を60℃に加熱した(溶液B)。
・50mlシクロヘキサン+2g Span 85を60℃に加熱した(溶液B)。
・溶液Bを溶液Aに添加し、1000rpmで2分間60℃で撹拌した(溶液D)。
【0042】
スーパーポーラスアルギン酸塩−アガロースビーズを、以下の2通りの方法で製造した。
方法1:溶液Dを溶液Cに、攪拌式反応槽中で添加した(600rpm、60℃)。反応槽を1分間25℃に冷却することによってアガロースを凝固させた。、冷却の直前又は直後まで撹拌しておいた反応槽にCaCl2水溶液(少量)を添加して、アガロース相のアルギン酸塩を重合させた。
方法2:溶液Dをパスツールピペットで加熱ビーカー(60℃)に滴下した。ビーカーは2相を含む。上相は溶液Cを含む。下相は1.5%CaCl2水溶液を含む。ビーカーは、相を混合させずに、マグネティックスターラーで撹拌した。製造した複合材料を水、エタノール−水(1:1)及び水で洗浄した。
【0043】
実施例7
モノリシックアガロース−ヒドロキシアパタイト複合材料
1mMリン酸ナトリウム緩衝液中の25mlの沈殿ヒドロキシアパタイトを一連の沈殿に付して、最小の粒子(全量9mlの沈殿ヒドロキシアパタイト)を除去した。5mlの沈殿体積のヒドロキシアパタイトが残り(1mMリン酸ナトリウム緩衝液 pH6.8)、サーモスタット制御で60℃に加熱した。アガロースの懸濁水溶液を電子レンジで1分間95〜100℃に加熱することによって20mlのアガロース溶液(8%w/v)を製造した。加熱中、時々振盪してアガロース粉末を十分な懸濁状態に維持した。アガロース溶液をサーモスタット制御を用いて60℃に加熱した後、15mlをサーモスタット温度制御ヒドロキシアパタイトに添加した。アガロース−ヒドロキシアパタイトの溶液を、次いでサーモスタット制御水浴(60℃)で1000回転/分で撹拌した。5分後、0.75mlのTween 80及び10mlのシクロヘキサン(60℃)を添加した。混合物を2分間1000回転/分で撹拌して乳化させた。エマルジョンをガラスカラム(内径16mm)に注ぎ込んで、サーモスタット制御温度60℃の水浴中に維持した。30秒後、ガラスカラムを氷浴に移して冷却した。得られた不溶性連続ベッド(ヒドロキシアパタイトを含む)を1.4cmの長さに切断し、フローアダプターを備えたガラスカラム(内径16mm)に入れた。リン酸ナトリウム緩衝液pH6.8、エタノール−1mMリン酸ナトリウム緩衝液pH6.8(50:50v/v)及び最後にリン酸ナトリウム緩衝液pH6.8をカラムに流すことによってスーパーポア中の有機相を除去した。
【0044】
次いで、カラムを、ポンプ、注入バルブ、UV−Vis検出器及びプリンターを含むHPLCシステム(Amersham Pharmacia Biotech AB(スウェーデン、ウプサラ))に接続した。次いで、3通りの異なる流速(15cm/h、30cm/h、60cm/h)で3種類のモデルタンパク質(リゾチーム、チトクロームc及びウシ血清アルブミン)の分離を行った。複合ベッドは、スーパーポア/間隙空孔率33%(製造法から規定)及びスーパーポア/間隙平均孔径30μm(顕微鏡観察で測定)を有していた。
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