JP2002522721A - ディスクブレーキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ディスク１２、１４と、ディスクの両側に配置された摩擦材パッド２６と、パッドをディスクに接触させてディスクに制動力を加える作動機構５０、５２を含むディスクブレーキ１０。ブレーキ１０は、ディスク（１２、１４）に対して接近、離隔する方向へ滑動するように、少なくとも一つのパッドを支持する滑動路７２ａを有する。滑動路は、案内部材の表面７２ｃに少なくとも２つの溝７２ｂを有する案内部材７２に形成されている。溝７２ｂが、滑動路の方向へ平行に伸びている。案内部材は、溝７２ｂに収容された平行棒７０により支持される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、例えば車両ホイール用のディスクブレーキに関するものである。

【０００２】 ハブの中心軸線の周囲をハブとともに回転するように、同一ハブ上に配設され
た二つのディスクと、両ディスクの両側に配設された摩擦材パッドであって、両
ディスク間の二つの摩擦材パッドを含む前記摩擦材パッドとを有するディスクブ
レーキが、ＷＯ ９８／２５８０４に開示されている。 ディスクは、軸線方向でハブ上を滑動でき、またハブに対して固定された一つ
の摩擦材パッドを除き、摩擦材パッドは平行方向で滑動する。ディスクブレーキ
は、ディスクに制動力を加えて摩擦材パッドをディスクに接触させるための作動
機構をも有する。 また、ディスクブレーキは滑動路を有し、少なくとも一つの摩擦材パッドが滑
動路で支持され、ディスクに対して接近側または離隔側に滑動するようになって
いる。 滑動路は案内部材を含み、可動摩擦材パッドが該案内部材上に滑動可能に支持
されている。すなわち、案内部材は滑動路を有し、摩擦材パッドが滑動路で支持
されて、前記ディスクに対して接近側または離隔側に動くようになっている。 作動機構は、油圧作動のピストン・シリンダー組立体を有し、そのシリンダー
が懸架リンクに固定されている。作動機構が働くと、第一の摩擦材パッドが滑動
路上で動いて第一ディスクに接触し、それによって、第一ディスクがハブ上で動
いて、第一ディスクと組み合う他の摩擦材パッドを第一ディスクに接触せしめる
。この移動は、ディスク間の摩擦材パッドを連続的に動かして、ハブに固定され
た第二ディスクに摩擦材パッドの一つが接触し、該第二ディスクが動いてこれに
組み合う他の摩擦材パッドに接触する。 案内部材は、これを貫通して前記シリンダーに固定するボルトによって支持さ
れている。 さらに、ＷＯ ９８／２６１９１で説明されるとおり、案内部材自体は低強度
材料で形成することができるが、ブレーキの作動中に摩擦材パッドに加わる曲げ
力とせん断力をボルトに負担させることができる。 滑動路は、組立てが比較的複雑であり、かつ前記ボルトを受けるために、比較
的長い穴を案内部材に開ける必要がある。

【０００３】 本発明の目的は、組立てが容易で単純な滑動路を有するディスクブレーキを提
供することである。

【０００４】 本発明によって提供されるディスクブレーキは、ディスクと、ディスクの両側
に配置された摩擦材パッドと、該摩擦材パッドをディスクに接触させてディスク
に制動力を加える作動機構を含むとともに、更に滑動路を有し、該滑動路上で前
記摩擦材パッドの少なくとも一つが支持されて滑動し、ディスクに対して接近側
または離隔側に動くようになっている。滑動路は、案内部材によって形成され、
該案内部材の表面に少なくとも２つの平行溝が形成されており、該平行溝が、滑
動路の方向へ平行に伸長し、案内部材が、平行溝内に受容された平行棒によって
支持される。

【０００５】 本発明によるディスクブレーキでは、案内部材の平行溝は、案内部材を貫通す
る長い穴を開けるよりもはるかに形成し易く、またブレーキの組立てにおいても
、案内部材を簡単に平行棒上に嵌合させることができる。

【０００６】 本発明によるディスクブレーキは、ＷＯ ９８／２５８０４で開示されている
種類のブレーキでもよい。このディスクブレーキは、ハブとディスク間で作動す
る板ばねの制御下で、同一ハブ上を滑動できる２つのディスクを有する。また、
このディスクブレーキは、懸架リンクと一体に形成されたシリンダーと、懸架リ
ンクに固定されたキャリパーとを有し、該キャリパーは、キャリパーに配設され
る摩擦材パッド用の支持体を有する。

【０００７】 本発明によるディスクブレーキでは、好ましくは、案内部材が平行溝間の隆起
部を規定し、該隆起部が２本の平行棒間に密嵌する。 平行棒はボルトによって設けることが好ましい。 案内部材は、プラスチック材料またはアルミニウムのような金属で形成するこ
とができる。 好ましくは、案内部材は押出し加工によって成形される。押出し加工によれば
、横断面形状を一定にできるからである。

【０００８】 以下、図面を参照しながら、本発明ディスクブレーキの具体例について説明す
る。 図１に示されているディスクブレーキ１０の説明図は、車両のホイール（図示
せず）用である。ディスクブレーキ１０は、ディスク１２、１４、およびホイー
ルが装着されるハブ１６を含む。ディスクディスク１２、１４およびハブ１６は
共通中心軸線１８の周囲を回転するようになされている。

【０００９】 ハブ１６は、ホイールを駆動する駆動軸（図示せず）を受容するための、内部
にスプライン溝が付された中空内筒部１６ａを有する。また、ハブ１６は、中空
内筒部１６ａの一端部に外側フランジ１６ｂを有する。フランジ１６ｂは、ボル
ト穴（図示せず）を有し、通常の手法で、このボルト穴にボルトを通してフラン
ジ１６ｂにホイールが締着される。フランジ１６ｂは、中空内筒部１６ａをハブ
１６の外側中空筒状部１６ｄに連結する役目も有する。

【００１０】 二つのディスク１２、１４は、ハブ１６の外側中空筒状部１６ｄの外側円筒面
上に配設されており、ハブ１６と二つのディスク１２、１４が単一体として軸線
１８の周囲を回転するとともに、ディスク１２、１４がハブ１６上で軸線方向に
滑動するようになっている。具体的には、４条の溝２０がハブ１６の外側中空筒
状部１６ｄの外側円筒面に形成され、４つの歯２２がディスク１２、１４の各々
から内側に突出している。歯２２は、溝２０内に進入して、溝に対して滑動可能
に嵌合する。

【００１１】 ディスクブレーキ１０は、４つの摩擦材パッド２６を有し、それらは、ディス
ク１２、１４の各々の両側に存在する二つの摩擦材パッド２６である。摩擦材パ
ッド２６は、ディスクの側面に係合させることによってディスク１２、１４を制
動するためのものである。摩擦材パッド２６は３枚の裏板２８に固定されており
、一つの支持板２８ａがディスク１２と１４の間にあり、他の支持板はディスク
１２、１４に対して支持板２８ａとは反対側に置かれている。中央板２８ａは、
その両面に摩擦材パッド２６が固定されている。ブレーキが作動すると、４つの
摩擦材パッド２６とディスク１２、１４が全て互いに接触するまで、可動の外側
摩擦材パッド２６が動き、この動きに順応するように、ディスク１２、１４およ
び支持板２８ａが軸線方向で滑動する。

【００１２】 ディスクブレーキ１０は、ハブ１６上に配設されてディスク１２、１４と係合
する４つの板ばね３２から成る弾発手段をも有し、各ディスク１２、１４とハブ
１６との間に半径方向の力を板ばね３２が与えるようになっている。板ばね３２
は、ハブ１６の円周上に均等に配置され、各板ばねが、溝２０の底面の一つに装
架されている。すなわち、各板ばね３２は、溝２０の一つに装架されていて、溝
底面と、溝２０内に進入した歯２２の内表面との間で働いている。

【００１３】 また、例示のブレーキ１０は、摩擦材パッド２６をディスク１２、１４に接触
させるための作動機構を有する。 作動機構は、ピストン５０とシリンダー５２を含むピストン・シリンダー組立
体として形成されている。シリンダー５２は、ＷＯ９８／８０４で開示されてい
るように車両の懸架機構（図示せず）と一体化され、軸線１８に対して相対的に
固定されている．ピストン・シリンダー組立体（５０、５２）は、第１の摩擦材
パッド２６をディスク１２に接触させるように動かすことができ、ピストン・シ
リンダー組立体（５０、５２）とディスク１２の間の相対的な動きによって、デ
ィスク１２と組み合う別の摩擦材パッド２６をディスク１２と接触せしめ、それ
によって、全摩擦材パッド２６がディスク１２に制動力を加える。具体的には、
キャリパー５４がシリンダー５２に配設され、両ディスク１２、１４の縁を跨い
でいる。シリンダー５２から最も遠い摩擦材パッド２６は、キャリパー５４に固
設された支持板２８を有するが、残りの摩擦材パッド２６の支持板（裏板）２８
はキャリパー５４上を滑動可能である。 ピストン５０が、加圧流体によってシリンダー５２から外方へ動かされると、
最も近い摩擦材パッド２６の支持板２８を直接押し、その支持板２８がキャリパ
ー５４上を滑動する。そして、最も近い摩擦材パッド２６がディスク１２を押し
、該ディスク１２がハブ上を滑動する。次いで、ディスク１２は、反対側にある
摩擦材パッド２８を押し、その反対側を圧することにより、支持板（裏板）２８
ａをキャリパー５４上で滑動させる。支持板２８ａの移動は、ディスク１４に面
する支持板２８ａ上の摩擦材パッド２６をディスク１４に接触させる。ディスク
１４は、キャリパー５４に固定された支持板２８上の摩擦材パッド２６に接触す
るまで、ハブ１６上を滑動する。かくして、ディスクブレーキ１０は作動状態に
なり、ディスク１２、１４の各面に摩擦材パッド２６の一つが係合している。

【００１４】 キャリパー５４は、ハブ１６の軸線方向に互いに平行に伸長している２本の棒
７０（図２）を具備する。棒７０は、シリンダー５４から最も遠い摩擦材パッド
２６を支持する支持板２８の穴（図示せず）を貫通するボルトによって設けたも
のである。また、ボルトは、シリンダー５２のねじ穴（図示せず）で受容されて
いる。この種のボルトはＷＯ ９８／２６１９１に開示されている。ボルトは、
反対方向に伸長する態様で設けてもよく、この場合、ボルトがシリンダー５２の
穴を貫通し、最も遠い側の支持板２８のねじ穴で受容される。さらに、キャリパ
ー５４は、ディスク１２、１４に対して接近、離隔する方向へ滑動するように可
動摩擦材パッド２６を支持する、ディスクブレーキ１０の滑動路を形成する案内
部材７２を有する。具体的には、案内部材７２が、両側の弓形側面７２ａを有し
、可動摩擦材パッド２６の支持板２８の鉤型突起が側面７２ａ上を滑動する。

【００１５】 さらに、案内部材７２は、その下面７２ｃに、二つの平行溝７２ｂを有する。
平行溝７２ｂは、側面７２ａによって規定される滑動路の方向に平行に伸長する
とともに、棒７０と密嵌している。案内部材７２は、平行溝７２ｂに収容された
棒７０によって支持され、棒を構成するボルト７０によって加えられた把持力で
固定板２８とシリンダー５２の間のに保持されている。

【００１６】 また、案内部材７２は、平行溝７２ｂの間の隆起部７２ｄを有し、該隆起部７
２ｄは棒７０の間に嵌合している。

【００１７】 案内部材７２は、一定の横断面形状を有し、また押出し加工によるアルミニウ
ムから成るが、ガラス繊維強化フェノール樹脂のようなプラスチック材料を包含
するその他の材料でこれを形成してもよい。

【００１８】 平行溝７２ｂと棒７０を嵌合させることにより、棒７０に対して容易に案内部
材７２が組付けされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 ディスクブレーキの縦断面図。

【図２】 ディスクブレーキ・キャリパーの案内部材の拡大斜視図。

【符号の説明】

１０ ディスクブレーキ １２ ディスク １４ ディスク １６ ハブ １８ 中央軸線 ２０ 溝 ２２ 歯２６ 摩擦材パッド ２８ 支持板 ３２ 板ばね ５０ ピストン ５２ シリンダー ５４ キャリパー ７０ 棒 ７２ 案内部材

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１２年８月３日（２０００．８．３）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項１

【補正方法】変更

【補正内容】

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Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスク（１２，１４）と、ディスクの両側に配置された摩
   擦材パッド（２６）と、該摩擦材パッドをディスクに接触させてディスクに制動
   力を加える作動機構（５０，５２）を含むとともに、更に滑動路（７２ａ）を有
   し、該滑動路上で前記摩擦材パッド（２６）の少なくとも一つが支持されて滑動
   し、前記ディスク（１２，１４）に対して接近側または離隔側に動くようになっ
   ているディスクブレーキ（１０）において、 前記滑動路（７２ａ）が、案内部材（７２）によって形成され、該案内部材の
   表面に少なくとも２つの平行溝（７２ｂ）が形成されており、 該平行溝が、前記滑動路の方向へ平行に伸長し、 前記案内部材が、前記平行溝内に受容された平行棒（７０）によって支持され
   ていることを特徴とするディスクブレーキ。
2. 【請求項２】 前記案内部材（７２）が、前記平行溝（７２ｂ）の間の隆起
   部を規定し、該隆起部が2本の棒（７０）間に密嵌していることを特徴とする請
   求項１に記載されたディスクブレーキ。
3. 【請求項３】 前記平行棒（７０）はボルトによって設けたものであること
   を特徴とする請求項１または請求項２に記載されたディスクブレーキ。
4. 【請求項４】 前記案内部材（７２）がプラスチック材料で形成されている
   ことを特徴とする請求項１から請求項３までのいずれか一項に記載されたディス
   クブレーキ。
5. 【請求項５】 前記案内部材（７２）が押出し成形されたものであることを
   特徴とする請求項１から請求項４までのいずれか一項に記載されたディスクブレ
   ーキ。