JP2002522241A - 切削用ヘッドと工具シャンクとの連結 - Google Patents

切削用ヘッドと工具シャンクとの連結

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Abstract

(57)【要約】 交換可能な切削用ヘッド（１、１００）は、工具シャンク（２、１０２）と、自己把持方式で連結軸線（Ａ、Ａ’）に沿って同軸で連結するようにされる。切削用ヘッドと工具シャンクとの両者は、位置決め用区画（１０、１１２）と中心合わせ用区画（１２、１１０）とを有する取付け用部分（６、１０６）を持つ。中心合わせ用区画（１２、１１０）には周囲の中心合わせ用の面（２６、１１１）が形成され、これは連結軸線（Ａ，Ａ’）に関して円周方向に伸び、かつその少なくも２部分において実質的に円錐状の形を持つ。位置決め用区画（１０、１１２）は、周囲に配置されかつ円周方向に伸びかつ間隔を空けられた少なくも２個の位置決め用の面（１６、１１６）を有し、この面は工具シャンク（２、１０２）上の切削用ヘッド（１、１００）を軸方向で支持するようにされる。各位置決め用の面（１６、１１６）は連結軸線（Ａ、Ａ’）に関して傾けられ、これから周囲の中心合わせ用の面（２６、１１１）の広い端部（１３、１１８）までの軸方向の距離は、切削作業中に切れ刃（８、１０８）に作用する切削力の方向に一般に一致する方向で増加する。位置決め用区画及び中心合わせ用区画の一方には、円周方向で間隔を空けられた少なくも２個の固定用ウイング（２４、１１５）が形成され、ここに位置決め用の面（１６、１１６）及び／又は位置決め用の面（２６、１１１）の部分のいずれかが属している。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の分野】
本発明は、交換可能な切削用ヘッド及びこの切削用ヘッドが実質的に自己把持
式で解放可能でかつ同軸に取り付けられる工具シャンクを備えた切削用工具組立
体に関する。
【０００２】
【発明の背景】
本発明は、上述の種類の切削用工具組立体であって、特に、回転トルクが工具
シャンクからこれに取り付けられた切削用ヘッドに伝達されるフライス削りのよ
うな回転切削作業用の組立体に関する。
【０００３】 上述の種類の回転切削用工具が小さい切削直径で作業するときは、切削用ヘッ
ドが自己把持式で工具シャンクに取り付けられることがしばしば望まれ、これは
、例えばＥＰ０１１８８０６号に明らかにされたように固定用区画を有する切削
用ヘッド及び工具シャンクの形成により得られることが多い。
【０００４】 ＥＰ０１１８８０６号は、切削用ヘッドの中心部に配置され軸方向に伸びてい
るありほぞ状の突起と工具シャンクのこれと一致する形の凹所とが互いに同軸に
嵌まって組み合う形式の固定用区画を有し互いに同軸に結合された交換可能な切
削用ヘッドと工具シャンクとを明らかにする。この突起と凹所の両者は固定用ウ
イングを有し、これらウイングは円周方向で間隔を空けて置かれ、組立ての際は
、まず、突起の固定用ウイングが凹所の固定用ウイング間に挿入され、切削用ヘ
ッドを工具ホルダーに関して回転させるとこれらはその最終位置に到達し、この
位置において、凹所の固定用ウイングが突起の対応した固定用ウイングと重なる
。切削用ヘッドと工具シャンクとには位置決め用区画が更に設けられ、これら区
画は固定用区画に関して周囲に置かれ、そして工具シャンクに関して切削用ヘッ
ドが回転したときに互いに当たり、これによりこれらの最終位置において固定用
区画が互いに組み合って工具シャンクにおける切削用ヘッドの自己把持が提供さ
れる。
【０００５】 切削用ヘッド及び工具シャンクの固定用区画の固定用ウイング間の上述の相互
作用のため、これらウイングの接触している面は、これらの間に少なくも小さい
軸方向間隙及び半径方向間隙を持たねばならなず、このため、固定用区画の正確
な相互の位置決め用の追加手段を有する切削用工具組立体が必要となる。かかる
追加の手段は、例えばＷＯ９６／１１０７９号に説明されたような工具シャンク
に形成された弾性的なスリットの形式とすることができる。
【０００６】 特に、上に関連した利点を有する新規な切削用ヘッド及びこれと共に使用する
新規な工具シャンクを提供することが本発明の目的である。
【０００７】
【発明の概要】
本発明の一態様により、連結軸線に沿って、工具シャンクと自己把持式に同軸
で連結するための交換可能な切削用ヘッドにおいて、切削用ヘッドの前端に隣接
して形成された少なくも１個の切れ刃を有する切削用部分及び切削用ヘッドの前
記切削用部分と後端との間を伸びていてかつ工具シャンクの取付け用部分と適合
する取付け用部分を有する切削用ヘッドであって、切削用ヘッドの前記取付け用
部分が、 前記連結軸線に関して円周方向に伸びかつその少なくも２個の部分に実質的に
円錐状の形を有する中心合わせ用の面を有する中心合わせ用区画であって、かつ
これらの部分が周囲の中心合わせ用の面の広い端部に向かって前記軸線に沿って
広がる前記中心合わせ用区画、 工具シャンク上の切削用ヘッドの軸方向支持の設備に適した周囲に配置されて
円周方向に伸びかつ間隔を空けられた少なくも２個の位置決め用の面を有する位
置決め用区画であって、各位置決め用の面は、これから周囲の中心合わせ用の面
の前記広い端部までの軸方向距離が、切削作業中、前記切れ刃に作用する切削力
の方向と略対応する方向で増加するように前記連結軸線に関して傾けられる前記
位置決め用区画 を備え、 位置決め用区画及び中心合わせ用区画の一方に円周方向で間隔を空けて離され
た少なくも２個の固定用ウイングが形成され、これに、それぞれ前記位置決め用
の面及び／又は中心合わせ用の面の前記部分のいずれかが属している 切削用ヘッドが提供される。
【０００８】 本発明の別な態様により、少なくも１個の切れ刃を有する交換可能な切削用ヘ
ッドと自己把持式に連結軸線に沿って同軸で連結するため工具シャンクにおいて
、切削用ヘッドの後端に隣接して形成されたその取付け用部分と適合する取付け
用部分を有する工具シャンクであって、工具シャンクの取付け用部分が工具シャ
ンクの前面から後方に伸び、更に 前記連結軸線に関して円周方向に伸びかつその少なくも２個の部分に実質的に
円錐状の形を有する周囲中心合わせ用の面を有する中心合わせ用区画であって、
かつこれら２個の部分が周囲の中心合わせ用の面の広い端部に向かって前記軸線
に沿って広がる前記中心合わせ用区画、 周囲方向に配置されかつ円周方向に伸びかつ間隔を空けられた少なくも２個の
位置決め用の面を有する位置決め用区画であって、各位置決め用の面は、これか
ら周囲の中心合わせ用の面の前記広い端部までの軸方向距離が、前記切れ刃に作
用する切削力の方向と略対応する方向で増加するように前記連結軸線に関して傾
けられる前記位置決め用区画 を備え、 位置決め用区画及び中心合わせ用区画の一方に円周方向で間隔を空けて離され
た少なくも２個の固定用ウイングが形成され、これに前記位置決め用の面又は中
心合わせ用の面の前記部分のいずれかが属している 工具シャンクが提供される。
【０００９】 好ましくは、切削用ヘッドの取付け用部分は切削用ヘッドの本体と一体の部品
であり、また取付け用部分の位置決め用区画及び中心合わせ用区画の一方が切削
用部分に隣接して配置され、他方のものは切削用ヘッドの後端に隣接して配置さ
れかつ前記固定用ウイングが形成され、工具シャンクの取付け用部分が設計され
そして少なくも前記固定用ウイングが形成されるその区画は端部の開口した空洞
部の形式である。
【００１０】 本発明の切削用ヘッド及び工具シャンクの切削用工具への組立て中に、切削用
ヘッドの取付け用部分の固定用ウイングは工具シャンクの取付け用部分の固定用
ウイング間に挿入され、そして切削用ヘッドが連結軸線まわりに工具シャンクに
関して回転すると、これらの一方の取付け用部分の位置決め用の面が他方の取付
け用部分の位置決め用の面を昇って当たり、これにより切削用ヘッドの取付け用
部分の中心合わせ用の面が、工具シャンクの取付け用部分の対応した中心合わせ
用の面としっかり適合して当たり、これにより切削用ヘッド及び工具シャンクの
取付け用部分が嵌まった状態で互いに相手を固定する。これにより、工具シャン
クにおける切削用ヘッドの自己把持が達成される。
【００１１】 切削用ヘッド及び工具シャンクの取付け用部分の傾斜した位置決め用の面は切
削用ヘッドを工具シャンクにねじ式で徐々に取り付けるための設備に適した適宜
の形状とすることができる。これらの面は、連結軸線に関して傾斜を定めている
ある螺旋角度を有する螺旋面の一部分として形成されることが好ましい。
【００１２】 本発明の一実施例により、切削用ヘッドの後端に隣接して配置されたその取付
け用部分の中心合わせ用区画に固定用ウイングが形成され、中心合わせ用の面は
固定用ウイングの周囲の面により定められる。この事例においては、位置決め用
区画は切削用ヘッドの切削用部分とその取付け用部分の中心合わせ用区画との間
に配置され、位置決め用の面は位置決め用区画の基面に形成されたくさび状の突
起に属する。
【００１３】 本発明の別の実施例においては、中心合わせ用区画は切削用部分に隣接して配
置され、かつ好ましくは長い円錐状の本体であり、固定用ウイングは切削用ヘッ
ドの取付け用部分の位置決め用区画に属し、そして各固定用ウイングは中心合わ
せ用区画に隣接して配置された位置決め用の面を有し、更に周囲の面は切削用ヘ
ッドの位置決め用の面と後端との間を軸方向に伸びる。
【００１４】 好ましくは、切削用ヘッド及び工具シャンクは、回転作業用の切削用工具組立
体に組み合わせられるように設計され、この場合、連結軸線は切削工具組立体の
回転軸線と一致する。
【００１５】 本発明による切削用ヘッド及び工具シャンクの取付け用部分の設計により、切
削用工具の組立て中のこれらの傾斜した位置決め用の面の相互作用が、正確に確
立された軸方向及び半径方向の相互位置におけるこれらの中心合わせ用の面のし
っかりして適合を提供する。従って、切削用ヘッドは自己把持の方法で工具ホル
ダーに正確に中心を合わせられかつ保持される。
【００１６】
【好ましい実施例の説明】
本発明の更なる理解のため及びこれをいかに実施し得るかを示すために、付属
図面を参照することとする。
【００１７】 図１及び２は、立削り作業用の図４及び５に示された切削用工具組立体を提供
するために図３に示された工具シャンク２に同軸に組み合わせられる本発明の一
実施例により設計された交換可能な切削用ヘッド１を示す。
【００１８】 図１に見られるように、切削用ヘッド１は前端３及び後端４を有し、そして前
方の切削用部分５及びこれから後方に伸びている後方の取付け用部分６が形成さ
れる。
【００１９】 切削用ヘッド１の前方切削用部分５は、切れ刃８が形成されかつ切り屑排出用
凹所９により分離された複数のボデー部分７を持つ。切れ刃８は、軸線Ａと実質
的に平行に向けられ、切削用ヘッド１はこの軸線まわりに回転するように設計さ
れる。前方切削用部分５の切削用のための幾何学的形状は本願の主題を構成せず
、従ってここでは更に詳細には説明されない。
【００２０】 切削用ヘッド１の後方取付け用部分６は、切削用部分５に隣接して配置されか
つ切削用部分５に形成された円周面Ｉを有する円柱状の位置決め用区画１０（図
２）、及び位置決め用区画１０と切削用ヘッド１の後端４との間を伸びかつ切削
用ヘッド１の後端４に隣接して配置された広い端部１３に向かって広がっていく
中心合わせ用区画１２を備える。
【００２１】 位置決め用区画１０は、軸線Ａと実質的に直角方向に向けられかつくさび状の
突起１５の形成された基面１４を有し、これら突起は周囲に配置され更に実質的
に円周方向に伸びかつ間隔を空けられる。突起１５は位置決め用の面１６を有し
、その各は軸線Ａに関して傾けられた螺旋面の一部分として形成され、かつこれ
から中心合わせ用区画１２の広い端部１３までの軸方向距離が、一般に切削作業
中に切れ刃８に作用する切削力の方向と一致する方向で増加する。位置決め用の
面１６の各は、突起１５の先端１８において連続的に基面１４に移行し、その後
端２０においては基面１４に関して段を形成する。
【００２２】 中心合わせ用区画１２は軸方向でかなり長く、そして円周方向で間隔を空けら
れた固定用ウイング２４が形成される。図２を参照すれば、各固定用ウイング２
４及び位置決め用区画１０の対応位置決め用の面１６は、平面図で見たとき、位
置決め用の面１０の円周面Ｉの１個の同じ扇形部分Ｓに配置される。固定用ウイ
ング２４には周囲方向の位置決め用の面２６が形成され、その各は共通の想像上
の円錐面の一部分であり、この円錐面は中心合わせ用区画１２の広い端部１３に
向かって位置決め用区画１０から離れる方向で広がって行く中心合わせ用の区画
１２の周囲の中心合わせ用の面を定める。この説明された実施例においては、中
心合わせ用の面２６の軸方向の長さは中心合わせ用区画１２の長さより小さいが
、これらは同一の長さとすることができる。
【００２３】 図３は、上述の切削用ヘッド１と組み合わせられるようにされた工具シャンク
２を示す。見られるように、工具シャンク２は、工具シャンクの前面３４に配置
された位置決め用区画３２、及び工具シャンク２の前面３４から軸線Ａに沿って
その後端３７に伸びている開口した端部空洞部の形式の中心合わせ用区画３６を
有し、工具シャンク２は、切削作業中、前記軸線まわりに回転するように設計さ
れる。
【００２４】 工具シャンク２の前面３４は軸線Ａに対して実質的に直角方向に向けられかつ
切削用ヘッド１の位置決め用区画１０の基面１４と相互作用するようにされる。
前面３４には、周囲に配置されかつ工具シャンク２の実質的な円周方向で伸びる
くさび状の突起４０が形成される。突起４０は位置決め用の面４２を備え、この
面は切削用ヘッドのくさび状突起１５の位置決め用の面１６の形に一致する形を
有し、かつ軸線Ａに関して一致した傾斜角度で傾けられる。図３に見られるよう
に、位置決め用の面４２は、これから中心合わせ用区画３６の後端３７までの軸
方向距離が、切削作業中、切れ刃８に作用する切削力の方向に一般に一致する方
向で増加するように方向付けられる。各位置決め用の面４２は、突起４０の前端
４８において前面３４の隣接した非突起部分４６に連続的に移行しかつその後端
５０において前面３４の隣接した非突起部分４６に関して段を形成する。
【００２５】 工具シャンク２の取付け用部分３０の中心合わせ用区画３６は、切削用ヘッド
１の取付け用部分６の中心合わせ用区画１２の形と適合する形のものである。従
って、中心合わせ用区画３６は軸方向でかなり長く、かつ切削用ヘッド１の中心
合わせ用区画１２の固定用ウイング２４を受け入れ得る凹陥部５４により分離さ
れた固定用ウイング５２が形成される。固定用ウイング５２には周囲の中心合わ
せ用の面５６が形成され（図３には１個のみが見られる）、その各は、中心合わ
せ用区画３６の後端３７において広い端部を有する中心合わせ用区画３６の周囲
の中心合わせ用の面を一般に定めている共通の想像上の円錐面の一部分を形成す
る。
【００２６】 図４を参照すれば、切削用ヘッド１は、中心合わせ用区画１２の固定用ウイン
グ２４が中心合わせ用区画３６の凹所部分５４内に受け入れられるような状態で
かつ切削用ヘッドの位置決め用区画１０のくさび状突起１５が工具シャンク２の
前面３４の非突起部分４６に重なる状態で、切削用ヘッド１の取付け用部分６の
中心合わせ用区画１２を工具シャンク２の取付け用部分３０の中心合わせ用区画
３６内に挿入することにより工具シャンク２と組み合わせられる。切削用ヘッド
１が、切削作業中、その回転方向とは逆方向に軸線Ａまわりで工具シャンク２に
関して回されると、くさび状の突起１５の位置決め用の面１６（図１参照）がく
さび状突起４０の位置決め用の面４２を昇る。これが、切削用ヘッド１の中心合
わせ用区画１２の固定用ウイング２４を強制して工具シャンク２の中心合わせ用
区画３６の固定用ウイング５２の下に通過させ、このため、位置決め用の面１６
が位置決め用の面４２と当たったとき、固定用ウイング２４の中心合わせ用の面
２６は固定用ウイング５２の対応する中心合わせ用の面５６にきつく適合し当た
る。これにより、切削用ヘッド１及び工具シャンク２のそれぞれの取付け用部分
６及び３０の中心合わせ用区画１２及び３６は嵌まり合って互いに固定され、切
削用ヘッド１は工具シャンク２に自己把持される。
【００２７】 図５は、切削用工具が組み立てられたときの切削用ヘッド１及び工具シャンク
２を示す。切削用工具の切削作業中は、相互に作用している切削用ヘッド１の位
置決め用の面１６と工具シャンク２の位置決め用の面４２とが、工具シャンク２
における切削用ヘッド１の軸方向支持のため、及びこれら位置決め用の面の傾斜
により得られる両者間のトルク伝達のための両方に役立つ。位置決め用の面１６
及び４２の特に選ばれた傾斜の方向のため、切削作業中、切削用ヘッド１の切れ
刃８に作用する切削力が、工具シャンク２上の切削用ヘッド１の自己把持を容易
にする。
【００２８】 図６は、立削り作業に使用する図８及び９に示された切削用工具組立体を提供
するために、図７に示された工具シャンク１０２と同軸で組み合わせられる本発
明の別の実施例により設計された交換可能な切削用ヘッド１００を示す。
【００２９】 図６に見られるように、切削用ヘッド１００は先端１０３と後端１０４とを有
し、前方の切削用部分１０５及びこれから後方に伸びている後方の取付け用部分
１０６とが形成される。
【００３０】 切削用ヘッド１００の前方切削用部分１０５は、切れ刃１０８が形成されかつ
切り屑排出用凹所１０９により分離された複数のボデー部分１０７を持つ。切れ
刃１０８は、軸線Ａ’と実質的に平行に向けられ、切削用ヘッド１００は、切削
作業中、この軸線まわりに回転するように設計される。
【００３１】 切削用ヘッド１００の後方取付け用部分１０６は、切削用部分１０５に隣接し
て配置された中心合わせ用区画１１０、及び中心合わせ用区画１１０と切削用ヘ
ッド１００の後端１０４との間を伸びている位置決め用区画１１２を備える。
【００３２】 中心合わせ用区画１１０は、実質的に軸方向に伸びかつ切削用ヘッド１００の
前方切削用部分１０５に向かう方向で広がっている円錐体である。中心合わせ用
区画１１０は、広い端部１１８における直径が、切削用部分１０５に内接する円
（図示せず）の直径と実質的に等しい周囲の中心合わせ用の面１１１を持つ。
【００３３】 位置決め用区画１１２に、軸線Ａ’を横切る方向に向けられた位置決め用の面
１１６と軸方向に伸びている周囲面１１７とを有する固定用ウイング１１５が形
成される。固定用ウイング１１５は、軸線Ａ’から位置決め用の面１１６の最外
側部分１１６’までの距離がその広い端部１１８における周囲の中心合わせ用の
面１１１の半径よりかなり小さいように、中心合わせ用区画１１０の狭い方の端
部から半径方向外向きに突き出る。固定用ウイング１１５の位置決め用の面１１
６は、これから中心合わせ用区画１１０の広い端部１１８までの軸方向距離が、
切削作業中、切れ刃８に作用する切削力の方向と一般に相当した方向で増加する
ように軸線Ａ’に関して傾けられる。位置決め用の面１１６は、切削用ヘッド１
の位置決め用の面１６と同様に、各が位置決め用の面１１６の傾斜角度に相当す
る螺旋角度を有する螺旋面の一部分として形成される。
【００３４】 図７は上述の切削用ヘッド１００が組み合わせられる工具シャンク１０２を示
す。見られるように、工具シャンク１０２は、軸線Ａ’に沿って伸びている長く
て端部が開口された空洞部の形式の取付け用部分１３０を有し、工具シャンク１
０２は前記軸線まわりで回転するように設計され、更に切削用ヘッド１００の取
付け用部分１０６を内部に受け入れるようにされる。取付け用部分１３０は、工
具シャンク１０２の前面１３４に隣接して配置された中心合わせ用区画１３２、
及び中心合わせ用区画１３２から工具シャンク１０２の後方に伸びている位置決
め用区画１３６を備える。
【００３５】 工具シャンク１０２の取付け用部分１３０の中心合わせ用区画１３２は、工具
シャンク１０２の前面１３４に隣接して広い端部１３９を有する実質的に円錐状
の周囲の中心合わせ用の面１３８を備える。周囲の中心合わせ用の面１３８に長
い凹陥部１４０が形成され、この凹陥部は、固定用ウイングが取付け用部分１３
０の位置決め用区画１３６内に通過し得るように、少なくも固定用ウイング１１
５の周囲方向の長さ及び工具シャンク１０２の後方に行くに従って徐々に増加す
る半径方向の長さを持つ。
【００３６】 位置決め用区画１３６は基面１４１及び固定用ウイング１４２を備え、このウ
イングは、位置決め用の面１４３と周囲の中心合わせ用の面１３８の広い端部１
３９との間の軸方向距離が、切削作業中、切削用ヘッド１００の切れ刃１０８に
作用する切削力の方向と一般に一致する方向において増加するように、凹陥部１
４０の間に置かれかつ軸線Ａ’に関して傾けられた位置決め用の面１４３を持っ
ている（図８）。切削用ヘッド１００の位置決め用の面１１６と同様に、位置決
め用の面１４３は、位置決め用の面１１６のものと等しい傾斜角度の螺旋面の部
分として形成される。
【００３７】 図８を参照すれば、前方取付け用部分の位置決め用区画１１２の固定用ウイン
グ１１５が、周囲の中心合わせ用の面１３８の凹陥部１４０の手段により後方取
付け用部分の位置決め用区画１３６内に通過した状態で切削用ヘッドの取付け用
部分１０６を工具シャンクの取付け用部分１３０内に挿入することにより、切削
用ヘッド１００が工具シャンク１０２と組み合わせられる。切削用ヘッド１００
が、切削作業中、その回転方向とは逆方向に軸線Ａ’まわりで工具シャンク１０
２に関して回転すると、工具シャンク１０２の固定用ウイング１４２の位置決め
用の面１４３が切削用ヘッド１００の固定用ウイング１１５の位置決め用の面１
１６を昇る。これが、切削用ヘッド１００の中心合わせ用区画１１０を強制して
、その周囲の中心合わせ用の面１１１と１３８とがきつく適合して互いに当たる
まで工具シャンク１０２の中心合わせ用区画１３２内に更に引き込む。このため
、切削用ヘッド１００の取付け用部分１０６と工具シャンク１０２の取付け用部
分１３０とが嵌まり合った状態で互いに固定され、従って切削用ヘッド１は工具
シャンク２上に自己把持される。
【００３８】 図９は、切削用工具が組み立てられたときの切削用ヘッド１００及び工具シャ
ンク１０２を示す。切削用工具の切削作業中は、相互に作用している切削用ヘッ
ド１００の中心合わせ用の面１１１と工具シャンク１０２の中心合わせ用の面１
３８（図では見えない）とは、工具シャンク１０２に関する切削用ヘッド１００
の中心合わせ及びこれらの間のトルク伝達用の両者のために役立つ。部分的にト
ルク伝達も行う相互作用している傾斜した位置決め用の面１１６と１４３（図で
は見えない）とにより工具シャンク１０２上の切削用ヘッド１００の軸方向支持
が得られる。位置決め用の面１１６及び１４３の特に選ばれた傾斜の方向のため
、切削作業中、切削用ヘッド１００の切れ刃１０８に作用する切削力が、工具シ
ャンク１０２上の切削用ヘッド１００の自己把持を容易にする。
【００３９】 本発明による切削用ヘッド及び工具シャンクの設計、特にその位置決め用の面
が傾けられる事実が、これらの面の間の摩擦が切削用ヘッドと工具シャンクとの
相互結合時においてこれらを互いに当たった状態に保つに十分であることを確実
にし、切削用ヘッドの中心合わせ用の面と工具シャンクの中心合わせ用の面との
正確に確立された軸方向及び半径方向の相互位置におけるきつい適合を許す。従
って、切削用ヘッドは関係の工具ホルダーと正確に中心を合わせられかつホルダ
ー内に保持される。
【００４０】 本発明による切削用ヘッド及び工具シャンクは、好ましい実施例において説明
され図示されたものとは異なる形状を持つことができる。これらは、立削り以外
の切削作業に適用された切削工具組立体に使用することができ、また切削工具組
立体の中央に置かれる連結軸の必要がない。位置決め用の面は平面でも曲面でも
よく、工具シャンクへの切削用ヘッドの漸進式のネジ状取付けの設備に適したい
かなる形状を持つこともできる。切削用ヘッド及び工具シャンクの位置決め用及
び中央に合わせ用の区画及びこれらの位置決めと中心合わせは適宜適切な相互の
配列を持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第１の実施例による切削用ヘッドの等角図である。
【図２】 図１に示された切削用ヘッドの底視図である。
【図３】 本発明の第１の実施例による工具シャンクの等角図である。
【図４】 図１に示された切削用ヘッド及び図３に示された工具シャンクを備えた切削用
工具組立体の等角分解図である。
【図５】 組み立てられたときの図４に示された切削用工具組立体の等角図である。
【図６】 本発明の第２の実施例による切削用ヘッドの等角図である。
【図７】 本発明の第２の実施例による工具シャンクの等角図である。
【図８】 図６に示された切削用ヘッド及び図７に示された工具シャンクを備えた切削用
工具組立体の等角分解図である。
【図９】 組み立てられたときの図８に示された切削用工具組立体の等角図である。
【符号の説明】
１ 図１の切削用ヘッド ２ 図３の工具シャンク ３ 切削用ヘッド１の前端 ４ 切削用ヘッド１の後端 ５ 切削用ヘッド１の前方切削用部分 ６ 切削用ヘッド１の後方取付け用部分 ７ 切削用部分５のボデー部分 ８ 切れ刃 ９ 切り屑排出用凹所 １０ 取付け用部分６の位置決め用区画 １２ 取付け用部分６の中心合わせ用区画 １３ 中心合わせ用区画１２の広い端部 １４ 位置決め用区画１０の基面 １５ 位置決め用区画１０のくさび状突起 １６ 位置決め面 １８ くさび状突起１５の端部 ２０ くさび状突起１５の端部 ２４ 固定用ウイング ２６ 固定用ウイング２４の円錐状表面 ３０ 工具シャンク２の取付け用部分 ３２ 取付け用部分３０の位置決め用区画 ３４ 工具シャンク２の前面３４ ３６ 取付け用部分３０の中心合わせ用区画 ３７ 中心合わせ用区画３６の後端 ４０ 位置決め用区画３２のくさび状突起 ４２ 位置決め用の面 ４６ 前面３４の非突起部分 ４８ 突起４０の端部 ５０ 突起４０の端部 ５２ 固定用ウイング ５４ 中心合わせ用区画３６の凹陥部 ５６ 位置決め面 １００ 図６の切削用ヘッド １０２ 図７の工具シャンク １０３ 切削用ヘッド１００の前端 １０４ 切削用ヘッド１００の後端 １０５ 切削用ヘッド１００の前方切削用部分 １０６ 切削用ヘッド１００の後方取付け用部分 １０７ 切削用部分１０５のボデー部分 １０８ 切れ刃 １０９ 切り屑排出用凹所 １１０ 前方取付け用部分１０６の中心合わせ用区画 １１１ 周囲の中心合わせ面 １１２ 取付け用部分１０６の位置決め用区画 １１４ 位置決め用区画１１２の基面 １１５ 固定用ウイング １１６ 固定用ウイング１１５の位置決め用の面 １１６’位置決め面１１６の半径方向最外側部分 １１７ 固定用ウイング１１５の周囲の面 １１８ 周囲の中心合わせ面１１１の広い端部 １３０ 工具シャンク１０２の取付け用部分 １３２ 取付け用部分１３０の中心合わせ用区画 １３４ 工具シャンクの前面 １３６ 取付け用部分１３０の位置決め用区画 １３８ 周囲の位置決め用の面 １３９ 周囲の位置決め用の面１３８の広い端部 １４０ 周囲の位置決め用の面１３８の凹陥部 １４１ 基面 １４２ 固定用ウイング １４３ 位置決め用の面 Ａ 切削用ヘッド１及び工具シャンク２の軸線 Ａ’切削用ヘッド１００及び工具シャンク１０２の軸線 Ｉ 切削用ヘッド１の位置決め用区画１０の円周面 Ｓ 内接円１の扇形部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ， ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，Ｇ Ｄ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ， ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，Ｍ Ｋ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ， ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，Ｙ Ｕ，ＺＡ，ＺＷ 【要約の続き】 一致する方向で増加する。位置決め用区画及び中心合わ せ用区画の一方には、円周方向で間隔を空けられた少な くも２個の固定用ウイング（２４、１１５）が形成さ れ、ここに位置決め用の面（１６、１１６）及び／又は 位置決め用の面（２６、１１１）の部分のいずれかが属 している。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 連結軸線に沿って、工具シャンクと自己把持式に同軸で連結
    するための交換可能な切削用ヘッドにおいて、切削用ヘッドの前端に隣接して形
    成された少なくも１個の切れ刃を有する切削用部分及び切削用ヘッドの前記切削
    用部分と後端との間を伸びていてかつ工具シャンクの取付け用部分と適合する取
    付け用部分を有する切削用ヘッドであって、切削用ヘッドの前記取付け用部分が
    、 前記連結軸線に関して円周方向に伸びかつその少なくも２個の部分に実質的に
    円錐状の形を有する中心合わせ用の面を有する中心合わせ用区画であって、かつ
    これらの部分が周囲の中心合わせ用の面の広い端部に向かって前記軸線に沿って
    広がる前記中心合わせ用区画、 工具シャンク上の切削用ヘッドの軸方向支持の設備に適した周囲に配置されて
    円周方向に伸びかつ間隔を空けられた少なくも２個の位置決め用の面を有する位
    置決め用区画であって、各位置決め用の面は、これから周囲の中心合わせ用の面
    の前記広い端部までの軸方向距離が、切削作業中、前記切れ刃に作用する切削力
    の方向と略対応する方向で増加するように前記連結軸線に関して傾けられる前記
    位置決め用区画 を備え、 位置決め用区画及び中心合わせ用区画の一方に円周方向で間隔を空けて離され
    た少なくも２個の固定用ウイングが形成され、これに、それぞれ前記位置決め用
    の面及び／又は中心合わせ用の面の前記部分のいずれかが属している 切削用ヘッド。
  2. 【請求項２】 前記取付け用部分が切削用ヘッドのボデーの一体部分であり
    、切削用ヘッドの後端に隣接して配置された取付け用部分の位置決め用区画及び
    中心合わせ用区画の一方に固定用ウイングが形成される請求項１による切削用ヘ
    ッド。
  3. 【請求項３】 前記位置決め用区画が前記連結軸線と実質的に直角に向けら
    れた基面及び前記基面上に形成されたくさび状突起に属する前記位置決め用の面
    を備える請求項１による切削用ヘッド。
  4. 【請求項４】 前記固定用ウイングが切削用ヘッドの取付け用部分の中心合
    わせ用区画に形成される請求項１による切削用ヘッド。
  5. 【請求項５】 中心合わせ用の面が固定用ウイングの周囲の面により定めら
    れる請求項４による切削用ヘッド。
  6. 【請求項６】 固定用ウイングが切削用ヘッドの取付け用部分の位置決め用
    区画に属している請求項１による切削用ヘッド。
  7. 【請求項７】 各固定用ウイングが切削用ヘッドの前記中心合わせ用区画と
    前記後端部との間を伸びる請求項６による切削用ヘッド。
  8. 【請求項８】 位置決め用の面が中心合わせ用区画に隣接して配置された固
    定用ウイングの面である請求項７による切削用ヘッド。
  9. 【請求項９】 切削用ヘッドが、回転切削作業用の切削用工具組立体と共に
    使用するように設計される先行請求項のいずれかによる切削用ヘッド。
  10. 【請求項１０】 少なくも１個の切れ刃を有する交換可能な切削用ヘッドと
    自己把持式に連結軸線に沿って同軸で連結するため工具シャンクにおいて、切削
    用ヘッドの後端に隣接して形成されたその取付け用部分と適合する取付け用部分
    を有する工具シャンクであって、工具シャンクの取付け用部分が工具シャンクの
    前面から後方に伸び、更に 前記連結軸線に関して円周方向に伸びかつその少なくも２個の部分に実質的に
    円錐状の形を有する周囲中心合せ用の面を有する中心合わせ用区画であって、か
    つこれら２個の部分が周囲の中心合わせ用の面の広い端部に向かって前記軸線に
    沿って広がる前記中心合わせ用区画、 周囲方向に配置されかつ円周方向に伸びかつ間隔を空けられた少なくも２個の
    位置決め用の面を有する位置決め用区画であって、各位置決め用の面は、これか
    ら周囲の中心合わせ用の面の前記広い端部までの軸方向距離が、前記切れ刃に作
    用する切削力の方向と略対応する方向で増加するように前記連結軸線に関して傾
    けられる前記位置決め用区画 を備え、 位置決め用区画及び中心合わせ用区画の一方に円周方向で間隔を空けて離され
    た少なくも２個の固定用ウイングが形成され、これに前記位置決め用の面又は中
    心合わせ用の面の前記部分のいずれかが属している 工具シャンク。
  11. 【請求項１１】 取付け用部分の少なくも固定用ウイングの形成された区画
    が端部の開口された空洞部の形式である請求項１０による工具シャンク。
  12. 【請求項１２】 前記位置決め用区画が工具シャンクの前面に形成され、そ
    して前記位置決め用の面が前記前面に形成されたくさび状の突起に属している請
    求項１０による工具シャンク。
  13. 【請求項１３】 固定用ウイングの形成された区画が工具シャンクの取付け
    用部分の前記中心合わせ用区画であり、そして前記中心合わせ用の面が固定用ウ
    イングの周囲の面により定められる請求項１２による工具シャンク。
  14. 【請求項１４】 固定用ウイングが工具シャンクの取付け用部分の位置決め
    用区画に属している請求項の１２による工具シャンク。
  15. 【請求項１５】 工具シャンクが回転切削作業用の切削用工具組立体と共に
    使用するように設計される先行請求項のいずれかによる工具シャンク。
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