JP2002520057A - 新規な哺乳類ペプチダーゼのクローニング及び特性化 - Google Patents

新規な哺乳類ペプチダーゼのクローニング及び特性化

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JP2002520057A
JP2002520057A JP2000560255A JP2000560255A JP2002520057A JP 2002520057 A JP2002520057 A JP 2002520057A JP 2000560255 A JP2000560255 A JP 2000560255A JP 2000560255 A JP2000560255 A JP 2000560255A JP 2002520057 A JP2002520057 A JP 2002520057A
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ネーフス,ジヤン−マルク・エドモンド・フエルナンド・マリー
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Janssen Pharmaceutica NV
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Abstract

(57)【要約】 本明細書においてL、II及びIVと称するヒトNAALAD−アーゼをコードし、図1、3、4及び5に例示するアミノ酸配列を有するcDNA分子が開示される。これらのNAALAD−アーゼ自体もまた本発明の一部を形成する。さらに、細胞、組織または生物を形質転換するために適当なこれらのcDNA分子を含む発現ベクターが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は新規な哺乳類ペプチダーゼ、より詳細には、NAALAD−アーゼ(
N−アセチル化α−結合酸性ジペプチダーゼ)と呼ばれるペプチダーゼ、該ペプ
チダーゼをコードするcDNA配列及びそのようなペプチダーゼの活性または発
現を阻害するかまたは増大する化合物を同定する方法並びにそのようにして同定
された化合物に関する。
【0002】 NAALAD−アーゼIは、カルボキシペプチダーゼ活性及びトランスフェリ
ン受容体に対する配列類似性を有するII型膜糖タンパク質として以前に同定され
ており、前立腺腫瘍において非常に発現されており、前立腺癌の進行において重
要である可能性がある。CNSでは、ニューロンのグルタミン酸作動活性を調節
することにおいて役割を有すると仮定されている。NAALAD−アーゼIのヌ
クレオチド及びアミノ酸配列は以前に同定されている(US 5,538,68
6)。
【0003】 今回、本発明者等は意外にも、タンパク質のこのファミリーの拡張に相当し、
そしてその酵素が以前に同定されるかまたは特性化されていないcDNA分子を
同定し、クローン化した。
【0004】 従って、本発明の第一の態様として、図1に例示するアミノ酸配列を有するヒ
トNAALAD−アーゼLと称するペプチダーゼまたはその機能性同等物もしく
は誘導体もしくは生物学的前駆体をコードするcDNA分子が提供される。好ま
しくは、このcDNA分子は図1に例示するヌクレオチドの配列を含んでなる。
また本発明により提供されるものは、図3に例示するヒトNAALAD−アーゼ
Lタンパク質のスプライス変異体であり、好ましくは、これらのスプライス変異
体は図3に示すヌクレオチド欠失または挿入によりコードされる。
【0005】 本発明のさらなる態様として、図4及び5にそれぞれ例示したとおりのアミノ
酸配列を有するNAALAD−アーゼIIまたはIVと称するペプチダーゼをコード
するcDNA分子が提供される。好ましくは、このcDNAは図4及び5にそれ
ぞれ例示するヌクレオチドの配列を含んでなる。また本発明の範囲内に包含され
るものは、本発明のcDNA分子にハイブリダイズすることができる核酸分子で
ある。
【0006】 また本発明により提供されるものは、本発明のDNA配列によりコードされる
NAALAD−アーゼタンパク質である。従って、本発明のさらなる態様として
、図1に例示するヌクレオチド配列または図3に例示する挿入もしくは欠失を含
む図1の配列によりコードされるアミノ酸配列を有するヒトNAALAD−アー
ゼLタンパク質が提供される。好ましくは、NAALAD−アーゼLタンパク質
はヒトNAALAD−アーゼLタンパク質を含んでなる。また本発明により提供
されるものは、図4及び5にそれぞれ例示するヌクレオチド配列によりコードさ
れるアミノ酸配列を有するNAALAD−アーゼII及びIVタンパク質またはその
機能性同等物、誘導体もしくは生物学的前駆体であり、このタンパク質は好まし
くはヒト起源のものである。好ましくは、NAALAD−アーゼII及びIVタンパ
ク質は図4及び5にそれぞれ例示するアミノ酸配列を含んでなる。
【0007】 また、当業者に周知である高ストリンジェンシー条件下で、本発明の核酸配列
のいずれかにハイブリダイズすることができるアンチセンス分子も本発明により
提供される。
【0008】 本明細書において用いる場合、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシー
は、ポリ核酸が安定である条件をさす。ハイブリッドの安定性は、ハイブリッド
の融解温度(Tm)に反映される。Tmは式: 81.5℃−16.6(log10[Na+]+0.41(%G&C)−600
/l により見積もることができ、ここで、lはヌクレオチド単位のハイブリッドの長
さである。Tmは、配列相同性が1%減少するごとに約1〜1.5℃ずつ低下す
る。
【0009】 本発明のcDNA分子は発現ベクター中に都合よく包含することができ、これ
はそれ自体、宿主細胞を形質転換するか、トランスフェクションするかまたは感
染させるために用いることができ、この細胞は起原が細菌または真核生物であっ
てもよい。従って発現ベクター中への適当なcDNAの包含後に一組の細胞、組
織または生物を都合よくトランスフェクションすることができる。ベクターは、
サイトメガロウイルスプロモーターのような適当なプロモーター及び場合により
例えばグリーン蛍光タンパク質のようなレポーター分子をコードする配列を含む
ことができる。
【0010】 発現のために必要とされる調節要素には、RNAポリメラーゼに結合するため
のプロモーター配列及びリボソーム結合のための転写開始配列が包含される。例
えば、細菌の発現ベクターは、lacプロモーターのようなプロモーター及び転
写開始のためのシャイン・ダルガルノ配列及び開始コドンAUGを含むことがで
きる。同様に、真核生物の発現ベクターは、RNAポリメラーゼIIのための異種
起原または同一源のプロモーター、下流のポリアデニル化シグナル、開始コドン
AUG及びリボソームの脱離のための終止コドンを含むことができる。そのよう
なベクターは市販されているか、または当該技術分野において周知の方法により
記述した配列から組み立てることができる。
【0011】 従って、発現ベクターは、適当な宿主細胞中への導入時にDNAまたはRNA
フラグメントの発現をもたらすプラスミド、ファージ、組換えウイルスまたは他
のベクターのような組換えDNAまたはRNA構築物をさす。適当な発現ベクタ
ーは当業者に周知であり、真核細胞及び/もしくは原核細胞中で複製可能なもの
並びにエピソームのままであるものまたは宿主細胞ゲノム中に組込むものを包含
する。
【0012】 本発明の核酸にハイブリダイズすることができるアンチセンス分子は、プロー
ブとしてまたは薬剤としてまたは製薬学的組成物中に用いることができる。
【0013】 本発明の核酸分子は、アンチセンスRNAの生産をもたらすためにアンチセン
スの向きに記述したベクター中に挿入することができる。アンチセンスRNAま
たは他のアンチセンス核酸は、合成手段により製造することができる。
【0014】 本発明のさらなる態様は、本発明の発現ベクターで形質転換するか、トランス
フェクションするかまたは感染させた宿主細胞を含んでなり、この細胞は好まし
くは真核細胞、より好ましくは哺乳類細胞を含んでなる。
【0015】 次の細胞の形質転換及び形質転換された細胞の次の選択のために適当な発現ベ
クターへのクローン化DNAの包含は、Sambrook et al(198
9)Molecular Cloning,A Laboratory man
ual,Cold Spring Harbour Laboratory P
ressに与えられるように当業者に周知である。
【0016】 本発明はまた、本発明のNAALAD−アーゼタンパク質を発現することがで
きる導入遺伝子を含んでなるトランスジェニック細胞、組織または生物も含んで
なる。
【0017】 本発明のタンパク質を発現すること「ができる導入遺伝子」という用語は、本
明細書において用いる場合、本発明の該タンパク質または同じ機能もしくは活性
を有するタンパク質の発現を導く適当な核酸配列を意味するとみなされるべきで
ある。導入遺伝子には、例えば、ヒト供給源から単離されたゲノム核酸またはc
DNAを包含する合成核酸を含むことができる。「トランスジェニック生物、組
織または細胞」という用語は、本明細書において用いる場合、ゲノム中に安定に
組込まれるかまたは染色体外の状態のいずれかの外来核酸を含有するあらゆる適
当な生物及び/もしくは生物の一部、組織または細胞を意味する。トランスジェ
ニック細胞は好ましくはCOS細胞である。好ましくは、導入遺伝子は本発明の
発現ベクターを含んでなる。
【0018】 「機能性フラグメント」という用語は、本明細書において用いる場合、本発明
のNAALAD−アーゼタンパク質をコードする遺伝子のフラグメントを意味す
るとみなされるべきである。例えば、この遺伝子は、欠失または突然変異を含ん
でなることができるが、なお機能性NAALAD−アーゼタンパク質をコードす
ることができる。
【0019】 本発明では、特定の核酸配列には、同一の核酸だけでなく、特に保存的アミノ
酸置換において縮重コードにより同義コドン(同じアミノ酸を特定する異なるコ
ドン)をもたらす塩基の置換を包含する、天然の核酸配列からのわずかな塩基変
異も含まれる。「核酸またはcDNA配列」という用語にはまた、塩基変異に関
して上に示す定義を包含する定められたあらゆる一本鎖配列に対する相補的配列
も含まれる。
【0020】 さらに、本発明の特定のタンパク質、ポリペプチドまたはアミノ酸配列には、
同一のアミノ酸配列だけでなく、保存的アミノ酸置換(側鎖が同類のアミノ酸で
の置換)を包含する天然のアミノ酸配列からのわずかなアミノ酸変異も含まれる
。天然のアミノ酸と異なるが、天然に存在する配列によりコードされるポリペプ
チドと免疫学的に同じまたは類似するポリペプチドをもたらすアミノ酸配列もま
た含まれる。
【0021】 本発明のさらなる態様は、本発明の核酸の少なくとも15ヌクレオチド、好ま
しくは15〜50ヌクレオチドの核酸配列を提供する。
【0022】 これらの配列は、プローブまたは複製を開始するためのプライマー等として都
合よく用いることができる。そのような核酸配列は、組換えまたは合成手段によ
るような、当該技術分野において周知の技術により製造することができる。それ
らはまた、本発明の核酸の存在を検出するための診断キット等においても用いる
ことができる。一般に、これらの試験は、ハイブリダイズする条件下でサンプル
とプローブとを接触させること及びプローブとサンプル中のいずれかの核酸間の
あらゆる二本鎖形成の存在を検出することを含んでなる。
【0023】 本発明の核酸配列はまた、Sambrook et al(Molecula
r Cloning:A Laboratory Manual,1989)に
記述されたような組換えまたは合成手段を用いて製造することもできる。例えば
異なる集団の一組の個体からのDNAライブラリーを例えば調べることにより、
本発明のDNAのヒト対立遺伝子変異体または多型を都合よく同定することがで
きる。さらに、本発明の核酸及びプローブは、サンガージデオキシチェーンター
ミネーション法のような当該技術分野において周知の技術を用いて患者からのゲ
ノムDNAを配列決定するために用いることができ、これによりある種の増殖性
疾患に対する患者のあらゆる素因を都合よく確かめることができる。
【0024】 本発明の核酸またはオリゴヌクレオチドは顕示標識を保有することができる。
適当な標識には、32Pもしくは35Sのような放射性同位体、ビオチンのような酵
素標識もしくは他のタンパク質標識または蛍光マーカーが包含される。そのよう
な標識は、それ自体既知の技術を用いて、本発明の核酸またはオリゴヌクレオチ
ドに付加することができ、検出することができる。
【0025】 例えば異なる集団の一組の個体からのcDNAまたはゲノムライブラリーを例
えば調べることにより、本発明のDNA分子のヒト対立遺伝子変異体または多型
を都合よく同定することができる。さらに、本発明の核酸及びプローブは、サン
ガージデオキシチェーンターミネーション法のような当該技術分野において周知
の技術を用いて患者からのゲノムDNAを配列決定するために用いることができ
、これにより本発明のNAALAD−アーゼと関連するある種の疾患に対する患
者のあらゆる素因を都合よく確かめることができる。
【0026】 本発明により同定される核酸配列またはタンパク質は、薬剤としてあるいは癌
またはアルツハイマー病もしくはALSのような神経変性疾患及び本発明のペプ
チダーゼによりもたらされる他の疾患もしくは疾病を処置するための薬剤の調製
において都合よく用いることができる。本発明のcDNA及びタンパク質並びに
このcDNAにハイブリダイズ可能な核酸はまた、その製薬学的に許容しうる担
体、希釈剤または賦形剤と一緒に製薬学的組成物中に都合よく含むことができる
。従って、この組成物は、例えば、遺伝子治療における使用のためのアンチセン
ス核酸を含んでなることができる。
【0027】 本発明はさらに、アンチセンス技術の使用によりインビボで本発明のNAAL
AD−アーゼを阻害することに関する。アンチセンス技術は、三重らせん形成ま
たはアンチセンスDNAもしくはRNAにより遺伝子発現を制御するために用い
ることができ、これらの方法は両方ともDNAまたはRNAへのポリヌクレオチ
ドの結合に基づく。例えば、10〜50塩基対の長さのアンチセンスRNAオリ
ゴヌクレオチドを設計するために本発明の成熟タンパク質をコードするDNA配
列の一部を用いる。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関与する遺伝子の領域
に相補的であるように設計され(三重らせん−Lee et al.Nucl.
Acids,Res.,6:3073(1979);Cooney et al
.,Science,241:456(1988);及びDervan et
al.,Science,251:1360(1991)を参照)、それにより
転写及びペプチダーゼの生産を妨げる。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチド
は、インビボでmRNAにハイブリダイズし、mRNA分子のNAALAD−ア
ーゼへの翻訳を妨げる。
【0028】 本発明によりさらに提供されるものは、ある化合物がNAALAD−アーゼ活
性のインヒビターまたはエンハンサーであるかどうかを決定する方法であり、こ
の方法は、該化合物を[3H]N−アセチル−L−アスパルチル−L−グルタメ
ート(NAAG)の存在下で接触させること及び該NAAGの加水分解の量をモ
ニターすることを含んでなる。
【0029】 NAALAD−アーゼペプチドは、前立腺癌及び他の可能性がある癌において
役割を有することが以前に報告されており、その場合、NAALAD−アーゼ活
性のインヒビターまたはエンハンサーのいずれかとして同定される化合物は、薬
剤としてあるいは癌またはアルツハイマー病もしくはALSのような神経変性疾
患を処置するための薬剤の調製において都合よく用いることができる。これらの
化合物はまた、その製薬学的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤と一緒に製
薬学的組成物中に含むこともできる。
【0030】 本発明のさらなる態様は、本発明のNAALAD−アーゼタンパク質の発現の
インヒビターまたはエンハンサーである化合物を同定する方法を含んでなり、こ
の方法は、該タンパク質を発現する宿主細胞、組織または生物を該化合物と接触
させること及び本発明の該ペプチダーゼを発現する細胞を含んでなるが該化合物
と接触していないコントロールと比較して該タンパク質の発現をモニターするこ
とを含んでなる。
【0031】 好ましくは、該NAALAD−アーゼ発現細胞は、本発明の宿主細胞または上
記のようなトランスジェニック細胞、組織もしくは生物を含んでなる。好ましく
は、該モニタリング工程は、該レポーター分子の発現をモニターすることを含ん
でなる。
【0032】 上記に同定した方法により同定される化合物はまた、薬剤としてまたはアルツ
ハイマー病、精神分裂病もしくはALSのような神経変性疾患を処置するための
薬剤の調製において用いることもできる。そのような化合物また、その製薬学的
に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤と一緒に製薬学的組成物中に含むことも
できる。
【0033】 NAALAD−アーゼアンチセンス分子または実際に本発明のNAALAD−
アーゼのアゴニストもしくはアンタゴニストとして同定される化合物は、製薬学
的組成物の形態で用いることができ、当該技術分野において周知の方法によりそ
れを調製することができる。好ましい組成物には、例えば、生理的食塩水溶液の
ような製薬学的に許容しうるビヒクルまたは希釈剤または賦形剤が含まれる。ま
た、他の無毒の塩、滅菌水等を包含する他の製薬学的に許容しうる担体も用いる
ことができる。適当なバッファーもまた存在することができ、次の投与のために
滅菌水の添加により再形成する前に組成物を滅菌状態で凍結乾燥し、保存するこ
とができる。固体または半固体の生物学的に適合するマトリックス中へのNAA
LAD−アーゼの包含を実施することができ、処置を必要とする組織中にこれを
移植することができる。
【0034】 本発明のNAALAD−アーゼペプチダーゼに対する抗体は、当該技術分野に
おいて既知の技術により都合よく製造することができる。これらのペプチドに対
するポリクローナル抗体は、選択したペプチドを用いて動物を免疫感作すること
により製造することができる。モノクローナル抗体は、免疫感作した動物からの
抗体産生B細胞を骨髄腫細胞と融合させ、所望する抗体を産生する得られたハイ
ブリドーマ細胞系を選択することによりハイブリドーマ技術を用いて製造される
。あるいはまた、モノクローナル抗体は、当業者に既知のインビトロ技術におい
て製造することができる。
【0035】 製造した抗体は、試験するサンプルと該抗体とを接触させ、それに結合するあ
らゆるタンパク質を同定することにより本発明の該NAALAD−アーゼペプチ
ダーゼの存在を検出する方法において用いることができる。そのような方法のた
めのキットもまた提供することができ、これは上記の本発明の態様による抗体及
び該抗体を該サンプルと反応させるための手段を含んでなる。
【0036】 担体にはまた、pH、浸透圧モル濃度、粘度、滅菌、親油性、可溶性等のよう
な他の条件を改変するための他の製薬学的に許容しうる賦形剤も含むことができ
る。また、投与後に持続性または遅延放出を与える製薬学的に許容しうる賦形剤
も包含することができる。
【0037】 本発明のNAALAD−アーゼタンパク質または核酸分子もしくは化合物は、
経口的に投与することができる。この態様において、これらを当業者に周知であ
る固形剤形で包膜化し、適当な担体と組み合わせることができる。
【0038】 当業者に周知であるように、特定の投薬計画は、用いる特定の投与経路により
、患者の体表面積または占められる体の空間の体積に従って計算することができ
る。しかしながら、実際に投与する組成物の量は、症状の重さ、投与する組成物
、個々の患者の年齢、体重及び応答並びに選択した投与経路のような処置する疾
患に関する状況に基づいて、医師により決定される。
【0039】 本発明のそのような化合物の機能的に有効な用量は、ラットにおいて300n
g/kg〜300μg/kgを含んでなる。前記のように、熟練した医師は、説
明した関係のある因子に基づいてヒト被験者に適当な投薬量に到達すると思われ
る。
【0040】 本発明は、以下の実施例によりさらに明確に理解することができ、それらは添
付の図面に関する単なる実例である。
【0041】 天然のTaqポリメラーゼ及びMgCl2を含むPCRバッファー、Expa
ndTM Long Template PCRシステム、アンピシリン、IPT
G(イソプロピル−β−D−チオガラクトシド)、X−gal(5−ブロモ−4
−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド)並びに用いた全ての
制限酵素は、Boehringer Mannheim(Mannheim,G
ermany)からであった。スーパーTaqポリメラーゼは、HT Biot
echnology(Cambridge,UK)からであった。10mM d
NTPミックスは、Life Technologies(Gaithersb
urg,MD,USA)から購入した。オリジナルTAクローニングキット及び
発現ベクターpcDNA−3は、Invitrogen BV(Leek,Th
e Netherlands)から購入した。Qiagenプラスミドミニ−及
びマキシ−DNA精製キット、Qiaquickゲル抽出キット及びQiaqu
ick PCR精製キットは、Qiagen GmbH(Duesseldor
f,Germany)から購入した。MarathonTM Ready cDN
Aキット、MTN cDNAパネル及びMTNノーザンブロットは、Clont
ech Laboratories(Palo Alto,CA,USA)から
入手した。QuickChangeTM部位特異的突然変異誘発キットは、Str
atagene GmbH(Heidelberg,Germany)から購入
した。全てのPCR反応は、GeneAmp PCRシステム9600サイクラ
ー(Perkin Elmer,Foster City,CA,USA)で実
施した。LB(Luria−Bertani)培地は、10g/lのトリプトン
、5g/lの酵母エキス及び10g/lのNaClからなる。2x YT/アン
ピシリンプレートは、16g/lのトリプトン、10g/lの酵母エキス、5g
/lのNaCl、15g/lの寒天及び100mg/lのアンピシリンからなる
。 発現配列標識クローン. クローン番号4190746、1547649、3448872、36086
39、2615389及び1333965は、LifeSeqTM発現配列標識(
EST)データベース(Incyte Pharmaceuticals In
c.,Palo alto,CA,USA)から取り寄せた。サンプルは、形質
転換された細菌クローンとして送付された。 PCR及びDNAシークエンシングのためのオリゴヌクレオチド合成. 全てのオリゴヌクレオチドプライマーは、PerSeptive Biosy
stems(Framingham,MA,USA)Expedite Mos
s合成機でβ−シアノエチルホスホルアミダイト化学法により合成するかまたは
Eurogentec(Seraing,Belgium)に注文した。インサ
ート特異的シークエンシングプライマー(15及び16mers)は手動で設計
した。DNAはQiagen−tip−20もしくは−100陰イオン交換また
はQiaquickスピンカラム(Qiagen GmbH,Duesseld
orf,Germany)で調製し、カラムから30μlのTEバッファー(1
0mM Tris.HCl、1mM EDTA(ナトリウム塩)、pH 8.0)
中に回収した。シークエンシング反応は、ABI prism BigDye
Terminatorサイクルシークエンシングキットを用いて両方の鎖に対し
て行い、Applied Biosystems 377XLシーケンサー(P
erkin Elmer;ABI Division,Foster City
,CA,USA)で実施した。SequencherTMソフトウェアを配列の組
み立て及び手動編集のために用いた(GeneCodes,Ann Arbor
,MI,USA)。 NAALAD−アーゼI、L、II及びIVのクローニング及び配列分析. NAALAD−アーゼ様分子の配列類似性検索。
【0042】 完全なヒト(受託番号M99487)、ラット(受託番号RNU75973)
及びマウス(受託番号AF026380)NAALAD−アーゼIタンパク質配
列、完全なラットNAALAD−アーゼL(GenBankTM受託番号AF00
9921)タンパク質配列並びに部分ヒトNAALAD−アーゼLタンパク質配
列(GenBankTM受託番号AF010141)を問い合わせ配列として用い
て、BLAST(基本局所整列検索手段(Basic Local Align
ment Search Tool);Altschul et al.,19
90)検索をWashU Merck発現配列標識(EST)データベース及び
製造販売の独占権を持つLifeSeqTMヒトESTデータベース(Incyt
e Pharmaceuticals Inc,Palo Alto,CA,U
SA)に対して実施した。NAALAD−アーゼI及びLに相同性を有する6個
のESTクローンをIncyte Pharmaceuticalsから取り寄
せた。 IncyteクローンからのプラスミドDNA調製及びシークエンシング. 100μg/mlのアンピシリンを補足した100mlのLB培地中で各In
cyte細菌クローンを37℃で一晩増やした。Qiagenプラスミドミディ
またはマキシキットを製造業者の説明書に従って用いてプラスミドDNAを調製
した。全てのクローンのDNAインサートを両方の鎖に対して完全に配列決定し
た。クローン4190746は、ヒトNAALAD−アーゼLに対応する配列を
含有し、またイントロンと思われる配列も含み、クローン133965、154
7649、3448872、3608639は、他のNAALAD−アーゼにい
くらかの類似性を有する新規なタンパク質をコードする重複するDNA配列を含
有し、そしてクローン2615389は、以前に同定されたNAALAD−アー
ゼにいくらかの類似性を有するさらに別の新規なタンパク質に相当するDNA配
列を含有した。これらのクローンから得られた新規なタンパク質配列をそれぞれ
NAALAD−アーゼII及びNAALAD−アーゼIVと称した。 PCRによるNAALAD−アーゼIのクローニング. ヒトNAALAD−アーゼI(受託番号M99487)からの配列データを用
いてNAALAD−アーゼIの完全なコーディング配列をPCRにより増幅する
ためのプライマーを設計した。用いたプライマーは、NAALD1S2(Bam
HI)=5’−CCC GGA TCC GAG ATG TGG ATT CTC C
TT CAC GAA AC−3’及びNAALD1AS2(XhoI)=5’−
CCC CTC GAG TTA GGC TAC TTC ACT CAA AGT C
TC TGC−3’(導入される制限部位に下線を引く)であった。1X Exp
and Long TemplateTM PCRバッファー2、0.2mMの各
dNTP、各々0.2μMのオリゴヌクレオチドプライマーNAALD1S1(
BamHI)及びNAALD1AS1(XhoI)、1μlのMarathon
−ReadyTM cDNA並びに2.5UのExpand Long Temp
late PCRミックスを含有する50μlの全反応容量で前立腺からのヒト
Marathon−ReadyTM cDNAを用いてPCR増幅を実施した。酵
素の添加前にサンプルを94℃で5分間前以て加熱した。サイクリングは94℃
で45秒、55℃で1分、そして68℃で1分48秒を30サイクルであり、7
2℃で7分の最終工程を含んだ。PCR産物を1X TAEバッファー(40m
M Tris−酢酸塩、1mM EDTA(ナトリウム塩)、pH 8.3)中で
1%アガロースゲル(wt/vol)上で分析し、最も顕著なDNAバンドをゲ
ルから切り出し、Qiaquickゲル抽出キット(Qiagen GmbH,
Duesseldorf,Germany)で精製した。得られた2303塩基
対(bp)フラグメントをオリジナルTAクローニングキットを製造業者の説明
書に従って用いてプラスミドベクターpCR2.1中にクローン化した。約20
ngの精製したフラグメントを50ngのpCR2.1プラスミドDNAに10
μlの全容量で4UのT4 DNAリガーゼを用いて連結した。ライゲーション
を14℃で一晩インキュベートした。2μlのライゲーション反応をTOP10
F’コンピテント細胞中に熱ショック形質転換を用いて形質転換し、青色−白色
スクリーニングのためにIPTG及びX−galを補足した2x YT/アミピ
シリンプレート上で平板培養した。コロニースクリーニングを10個の白色コロ
ニーに対して実施し、QiagenプラスミドミニDNA精製キットを用いてこ
れらからプラスミドDNAを調製し、次に、BamHI及びXhoIで消化した
。適当な大きさのインサートを含有する4個のクローンを完全に配列決定した。
全てのクローンは少なくとも1個のミスセンスPCRエラーを有した。位置11
83で単一のPCRエラーを有するクローン10.0をQuickChange TM SDMキットを用いる部位特異的突然変異誘発(SDM)反応の鋳型として
用いた。製造業者の説明書に従って反応を実施した。増幅反応のために設計した
プライマーは、NAALD1−SDM−S1=5’−CCC TCA GAG T
GG AGC AGC TGT TGT TCA TGA AAT TGT GAG G−
3’及びNAALD1−SDM−AS1=5’−CCT CAC AAT TTC
ATG AAC AAC AGC TGC TCC ACT CTG AGG G−3’
であった。SDM形質転換からの3個の白色クローンをスクリーニングした。Q
iagenプラスミドミニDNA精製キットを用いてプラスミドDNAを調製し
、BamHI及びXhoIで消化し、突然変異部位の周りを配列決定した。完全
な誤りのないNAALAD−アーゼI配列を確かめるために1個のクローン(c
l.2.0)を両方の鎖に対して完全に配列決定した。 PCR及びcDNA末端の5’迅速増幅(RACE)PCRによるNAALAD
−アーゼLのクローニング. 部分ヒトNAALAD−アーゼL(ジーンバンク受託番号AF10141)か
らの配列データを用いてNAALAD−アーゼLの3’末端をPCRにより増幅
するためのプライマーを設計した。用いたプライマーは、NAALD2S1=5
’−GTT CTT CAA CAA GCT GCA GGA GCG−3’及びN
AALD2AS1(XhoI)=5’−CCC CTC GAG CCG GAG
TAA AGG GAG GGC TGA AG−3’であった。脳、胎児脳、前立
腺、小腸、結腸からのヒトMarathon−ReadyTM cDNAを増幅反
応に用いた。1X Expand High FidelityTM PCRバッ
ファー、0.2mMの各dNTP、各々0.2μMのオリゴヌクレオチドプライ
マーNAALD2S1及びNAALD2AS1、1μlのMarathon−R
eadyTM cDNA並びに2.5UのExpand High Fideli
ty PCRミックスを含有する50μlの全反応容量で1回目のPCR増幅を
実施した。酵素の添加前にサンプルを94℃で5分間前以て加熱した。サイクリ
ングは94℃で45秒、58℃で1分、そして72℃で1分を30サイクルであ
り、72℃で7分の最終工程を含んだ。PCR産物を1X TAEバッファー中
で1%アガロースゲル上で分析した。1X Expand High Fide
lityTM PCRバッファー、0.2mMの各dNTP、各々0.2μMのオ
リゴヌクレオチドプライマーNAALD2S2及びNAALD2AS2並びに2
.5UのExpand High Fidelity PCRミックスを含有す
る50μlの全容量でネスティッドプライマーNAALD2S2=5’−GGC
GAC CTG AGC ATC TAC GAC AAC−3’及びNAALD2
AS2(XhoI)=5’−CCC CTC GAG TCC CCT CAG AG
G TCA GCC ACA G−3’、1μlの1回目の増幅反応を用いて2回目
のPCR増幅を実施した。酵素の添加前にサンプルを94℃で5分間前以て加熱
した。サイクリングは94℃で45秒、57℃で1分、そして72℃で1分を3
0サイクルであり、72℃で7分の最終工程を含んだ。PCR産物を1X TA
Eバッファー中で1%アガロースゲル上で分析し、最も顕著なDNAバンドをゲ
ルから切り出し、Qiaquickゲル抽出キットで精製した。得られたフラグ
メント600−800bpを前記のようにCR2.1中にクローン化した。ライ
ゲーションを14℃で一晩インキュベートし、TOP10F’コンピテント細胞
中に形質転換し、青色−白色スクリーニングのためにIPTG及びX−galを
補足した2x YT/アンピシリンプレート上で平板培養した。各形質転換から
5個の白色コロニーに対してコロニースクリーニングを実施した。Qiagen
プラスミドミニDNA精製キットを用いてこれらのコロニーからプラスミドDN
Aを調製し、次にEcoRIで消化した。適当な大きさのインサートを含有する
プラスミドをベクタープライマーを用いて末端配列決定し、次に、推定されるN
AALAD−アーゼLクローンの両方の鎖に対する完全なシークエンシングを実
施した。小腸から得られたクローン6.9は翻訳終止コドンまで達した。
【0043】 ヒトNAALAD−アーゼLの未知の5’コーディング配列を得るために、2
個のアンチセンスプライマーをcDNA末端の5’迅速増幅(5’RACE)の
ために設計した。これらのプライマーは、NAALD2AS3=5’−GCC
AGC ACC CAG AGA ACC CAA G−3’及びNAALD2AS4
=5’−GCT GCG GTT GAA GTA CCG GAT C−3’であっ
た。脳、胎児脳、前立腺、小腸及び結腸からのヒトMarathon−Read
TM cDNAを製造業者の説明書に従って5’RACEに用いた。オリゴ−d
Tプライミング及びcDNAの5’末端に連結したMarathon cDNA
アダプター(2つの異なるアダプター−プライマーアニーリング部位を含む)を
用いてMarathon−ReadyTM cDNAを調製した。アダプター−プ
ライマーAP1(5’−CCA TCC TAA TAC GAC TCA CTA
TAG GGC−3’)及びネスティッドアダプター−プライマーAP2(5’
−ACT CAC TAT AGG GCT CGA GCG GC−3’)はキット
中に含まれた。1X Expand High FidelityTM PCRバ
ッファー、0.2mMの各dNTP、各々0.2μMのオリゴヌクレオチドプラ
イマーAP1及びNAALD2AS3、5μlのMarathon−Ready TM cDNA並びに2.5UのExpand High Fidelity P
CRミックスを含有する50μlの全反応容量で1回目のPCR増幅を実施した
。酵素の添加前にサンプルを94℃で5分間前以て加熱した。サイクリングは9
4℃で30秒、58℃で30秒、そして72℃で2分を30サイクルであり、7
2℃で7分の最終工程を含んだ。PCR産物を1X TAEバッファー中で1%
アガロースゲル上で分析した。1X Expand High Fidelit
TM PCRバッファー、0.2mMの各dNTP、各々0.2μMのオリゴヌ
クレオチドプライマーAP2及びNAALD2AS4並びに2.5UのExpa
nd High Fidelity PCRミックスを含有する50μlの全容
量で1μlの1回目の増幅反応を用いて2回目の5’RACEを実施した。酵素
の添加前にサンプルを94℃で5分間前以て加熱した。サイクリングは94℃で
30秒、57℃で30秒、そして72℃で1分を30サイクルであり、72℃で
7分の最終工程を含んだ。PCR産物をゲルから切り出し、前記のようにベクタ
ーpCR2.1中にクローン化した。MgCl2を含む1X PCRバッファー、
0.2mM dNTP、各々0.5μMのベクタープライマーM13FOR(5
’−TGT AAA ACG ACG GCC AGT−3’)及びM13REV(
5’−CAG GAA ACA GCT ATG ACC−3’)並びに0.35U
のスーパーTaq DNAポリメラーゼを含有する45μlのPCRミックス中
でPCRによるコロニースクリーニングを60個の白色コロニーに対して実施し
た。コロニーをプレートから取り、100μg/mlのアンピシリンを補足した
100μlのLB培地中に接種し、37℃で1時間インキュベートした。次に、
5μlのインキュベートした培養物を45μlのPCRミックスに加えた。PC
Rを30サイクル(95℃で45秒、48℃で1分、そして72℃で50秒)実
施した。20μlのPCR反応を1x TAEバッファー中で1%アガロースゲ
ル上で分析した。インサートを含有するクローンを100μg/mlのアンピシ
リンを補足した3mlのLB培地中で一晩増やし、Qiagenプラスミドミニ
DNA精製キットを用いてプラスミドDNAを調製した。配列決定した51個の
クローンから1個のクローン4.10がNAALD2AS4の5’の258bp
の配列を含有し、その70bpは新規であった。
【0044】 5’RACEクローン(cl.4.10)及び3’PCRクローン(cl.6
.9)を両方ともBamHIで消化した。消化した材料を1X TAEバッファ
ー中で1%アガロースゲル上で泳動した。全ての付加的な5’RACE DNA
配列を含有するcl.4.10からの336bpバンド並びにcl.6.9から
の残りの3’NAALAD−アーゼL及びベクター配列を含有する4700b
pフラグメントの2本のバンドを切り出した。ゲル切片をQiaquickゲル
抽出キットで精製した。フラグメントのそれ自体との自己連結を防ぐために、2
個のフラグメントのうち大きい方を1.5Uの仔ウシ腸アルカリホスファターゼ
で37℃で1時間脱リン酸化し、次に75℃で20分間熱不活性化した。前記の
ようにライゲーションを実施し、2μlの反応混合物を35μlのDH10b電
気コンピテント(electrocompetent)細胞中に電気穿孔(単一
パルス;2500V、25μF 201W、5ms)により形質転換した。電気
穿孔したサンプルを1mlのSOC培地に加え、37℃で1時間インキュベート
し、その後、100μlの培養物を2 x YT/アンピシリンプレート上で平板
培養した。翌日コロニーを選び、プラスミドDNAを調製し、制限消化により試
験した。1個のクローン(cl.2.0)を両方の鎖に対して完全に配列決定し
、完全な3’コーディング配列及び最初の5’RACE反応からの付加的配列を
含有することが判明した。ヒトNAALAD−アーゼLのさらなる5’コーディ
ング配列を得るために、Incyteクローン番号4190746からの配列に
対応する2個の新しいアンチセンスプライマーを合成した。用いたプライマーは
、NAALD2AS5=5’−CTG CAG CTT GTT GAA CTC T
TC TGT G−3’及びNAALD2AS6=5’−CAA ACA CGA
TTG ATC TGC GAG GAC−3’であった。脳、胎児脳、前立腺、小
腸、結腸及び心臓からのヒトMarathon−ReadyTM cDNAを製造
業者の説明書に従ってcDNA末端の5’迅速増幅(5’RACE)に用いた。
1X Expand High FidelityTM PCRバッファー、0.
2mMの各dNTP、各々0.2μMのオリゴヌクレオチドプライマーAP1及
びNAALD2AS5、5μlのMarathon−ReadyTM cDNA並
びに2.5UのExpand High Fidelity PCRミックスを
含有する50MGの全反応容量で1回目のPCR増幅を実施した。酵素の添加前
にサンプルを94℃で5分間前以て加熱した。サイクリングは94℃で30秒、
58℃で30秒、そして72℃で1分を30サイクルであり、72℃で7分の最
終工程を含んだ。PCR産物を1X TAEバッファー(40mM Tris−酢
酸塩、1mM EDTA、pH 8.3)中で1%アガロースゲル上で分析した。
1X Expand High FidelityTM PCRバッファー、0.
2mMの各dNTP、各々0.2μMのオリゴヌクレオチドプライマーAP2及
びNAALD2AS6並びに2.5UのExpand High Fideli
ty PCRミックスを含有する50μlの全容量で1μlの1回目の増幅反応
を用いて2回目のPCR増幅を実施した。酵素の添加前にサンプルを94℃で5
分間前以て加熱した。サイクリングは94℃で30秒、75℃で30秒、そして
72℃で1分を30サイクルであり、72℃で7分の最終工程を含んだ。PCR
産物を1X TAEバッファー中で1%アガロースゲル上で分析し、8本の最も
顕著なDNAバンドをゲルから切り出し、Qiaquickゲル抽出キットで精
製した。得られたフラグメント(400〜1300bp)をオリジナルTAクロ
ーニングキットを用いてプラスミドベクターpCR2.1中にクローン化した。
ライゲーション及び形質転換を前記のように実施し、その後、青色−白色スクリ
ーニングのためにIPTG及びX−galを補足した2x YT/アンピシリン
プレート上で平板培養した。各形質転換から5個の白色コロニーに対してコロニ
ースクリーニングを実施した。QiagenプラスミドミニDNAキットを用い
てこれらのコロニーからプラスミドDNAを調製し、EcoRIで消化した。適
当な大きさのインサートを含有するプラスミドをベクタープライマーを用いて末
端配列決定し、次に、推定されるNAALAD−アーゼLクローンの完全な配列
をプライマー歩行を用いて決定した。小腸cDNAからの5個のクローンのDN
A配列は、推定される翻訳開始コドンを越えて5’方向にNAALAD−アーゼ
Lのコーディング配列を伸ばし、そして5’非翻訳領域の一部を含んだ。これら
のクローンのうち1個(cl.2.2)をさらなる実験のために用いた。
【0045】 全長NAALAD−アーゼLクローンを構築するために、アミノ酸配列の変化
またはオープンリーディングフレーム(ORF)のフレームシフトをもたらさず
にNAALAD−アーゼLのDNA配列中に独特な制限部位(MunI)を導入
するように2つの新しいプライマー組を設計した。第一のプライマー組は、NA
ALD2S3(EcoRV)=5’−CGG ATA TCC GCA GGA T
GC AGT GGA CGA AG−3’及びNAALD2AS8(MunI)=
5’−CAA ACA CAA TTG ATC TGC GAG GAC GC−3’
であり、第二のプライマー組は、NAALD2S8(MunI)=5’−GCG
TCC TCG CAG ATC AAT TGT GTT TG−3’及びNAAL
D2AS1(XhoI)であった。プライマーNAALD2S3(EcoRV)
及びNAALD2AS8(MunI)を用いて1μlのcl.2.0プラスミド
DNAに対してまたはプライマーNAALD2S8(MunI)及びNAALD
2AS1(XhoI)を用いて1μlのcl.2.2プラスミドDNAに対して
PCR増幅を実施した。全反応容量は前記のとおりであった。Expand H
igh Fidelity酵素の添加前にサンプルを94℃で5分間前以て加熱
した。サイクリングは95℃で45秒、57℃で1分、そして72℃で1分を3
0サイクルであり、72℃で7分の最終工程を含んだ。PCR産物を1X TA
Eバッファー中で1%アガロースゲル上で分析し、前記のようにpCR2.1中
にTAクローン化した。 NAALAD−アーゼLのスプライス変異体分析. NAALAD−アーゼL特異的プライマーを用いたPCR反応において、予期
しない大きさの多数の増幅PCR産物が認められた。多数の異なるcDNAを用
いてこれらのPCR反応を繰り返し、前記のように、バンドを切り出し、精製し
、その後でオリジナルTAクローン化した。これらのクローンからプラスミドD
NAを調製し、可能性があるスプライス変異体を同定するためにインサートを両
方の鎖に対して完全に配列決定した。 PCR及びcDNA末端の5’迅速増幅(RACE)PCRによるNAALAD
−アーゼIIのクローニング. Incyteクローン3608639からのシークエンシング結果は、このク
ローンが、NAALAD−アーゼI及びLに類似した配列を有するNAALAD
−アーゼ様分子(NAALAD−アーゼII)と推定される、2220bpの大き
さの、完全なコーディング配列にまたがるDNA配列を含有することを示唆した
。すでに決定した開始コドンの上流に可能性がある開始コドンがないことを確か
めるために5’RACE PCRを実施した。クローン3608639から得ら
れた配列に基づいて5’RACEのために2個のアンチセンスプライマー、NA
ALD3AS1=5’−CTT TGA TGA TAG CGC ACA GAA
GTG G−3’及びNAALD3AS2=5’−GGA AAG ATG CCA
GCG CAG GAC−3’を設計した。脳、胎児脳、前立腺、小腸及び結腸
からのヒトMarathon−ReadyTM cDNAを製造業者の説明書に従
って5’RACEに用いた。1X Expand High FidelityT M PCRバッファー、0.2mMの各dNTP、各々0.2μMのオリゴヌク
レオチドプライマーAP1及びNAALD3AS1、5μlのMarathon
−ReadyTM cDNA並びに2.5UのExpand High Fide
lity PCRミックスを含有する50μlの全反応容量で1回目のPCR増
幅を実施した。酵素の添加前にサンプルを94℃で5分間前以て加熱した。サイ
クリングは94℃で30秒、58℃で30秒、そして72℃で2分を30サイク
ルであり、72℃で7分の最終工程を含んだ。1X Expand High
FidelityTM PCRバッファー、0.2mMの各dNTP、各々0.2
μMのオリゴヌクレオチドプライマーAP2及びNAALD3AS2並びに2.
5UのExpand High Fidelity PCRミックスを含有する
50μlの全容量で1μlの1回目の増幅反応を用いて2回目の5’RACEを
実施した。酵素の添加前にサンプルを94℃で5分間前以て加熱した。サイクリ
ングは94℃で30秒、57℃で30秒、そして72℃で1分を30サイクルで
あり、72℃で7分の最終工程を含んだ。PCR産物を1X TAEバッファー
中で1%アガロースゲル上で分析し、最も顕著なDNAバンドをゲルから切り出
し、Qiaquickゲル抽出キットで精製した。得られたフラグメント(25
0−600bp)を前記のようにプラスミドpCR2.1中にクローン化した。
32個の白色コロニーを100μg/mlのアンピシリンを補足した3mlのL
B培地中で一晩増やし、QiagenプラスミドミニDNA精製キットを用いて
プラスミドDNAを調製した。分析した32個のクローンのいずれからも上流の
開始コドンは同定されなかった。 PCRによるNAALAD−アーゼIVのクローニング. Incyteクローン2615389からのシークエンシング結果は、このク
ローンがNAALAD−アーゼI、L及びIIに配列が関係する別のNAALAD
−アーゼ様分子(NAALAD−アーゼIV)と推定される部分コーディング配列
及び3’UTRを含有することを示した。得られたDNA配列をIncyte
LifeSeqTM ESTデータベースに対するBLAST検索において用いた
。150の重複するIncyte EST配列から1個のコンティグ(2519
841)が組み立てられ、それは1881bpにまたがり、1419bpのコー
ディング領域を含有した。ヒトNAALAD−アーゼIVコンティグ251984
1からの配列データを用いて完全なコーディング配列をPCRにより増幅するた
めのプライマーを設計した。用いたプライマーは、NAALD4SP2=5’−
CGT CAG AGC CGC CCT ATC AGA TTA TC−3’及びN
AALD4AP4=5’−GAG GAG TTT TCC AAA GTT GCA
GAC CC−3’であった。1X Expand High Fidelit
TM PCRバッファー、0.2mMの各dNTP、各々0.2μMのオリゴヌ
クレオチドプライマーNAALD4SP2及びNAALD4APA4、1μlの
cDNA並びに2.5UのExpand High FidelityTM PC
Rミックスを含有する50μlの全反応容量でヒト海馬cDNAを用いてPCR
増幅を実施した。酵素の添加前にサンプルを95℃で5分間前以て加熱した。サ
イクリングは94℃で45秒、58℃で1分、そして72℃で35秒を30サイ
クルであり、72℃で7分の最終工程を含んだ。PCR産物を1X TAEバッ
ファー中で1%アガロースゲル上で分析し、最も顕著なDNAバンドをゲルから
切り出し、Qiaquickゲル抽出キットで精製した。得られた1544bp
のDNAフラグメントをTA TOPOクローニングキットを製造業者の説明書
に従って用いてプラスミドベクターpCR2.1−TOPO中にサブクローン化
した。約10ngの精製したフラグメントを10ngのpCR2.1−TOPO
プラスミドDNAに連結した。ライゲーションを25℃で5分間インキュベート
した。TOP10F’コンピテント細胞中への形質転換及びコロニースクリーニ
ングを前記のように実施した。適切な大きさのインサートを含有する3個のクロ
ーンを完全に配列決定し、2個のクローンがいかなるPCRエラーも含有しない
ことが判明した(cl.28.0及びcl.1.0)。 COS細胞において一過性発現させたNAALAD−アーゼの活性測定. 発現ベクター中へのNAALAD−アーゼのサブクローニング. サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターに基づくプラスミドベクターp
cDNA−3中にNAALAD−アーゼI、L、II及びIVクローンを各々サブク
ローン化した。NAALAD−アーゼI/pCR2.1(cl.2.0)をBa
mHI/XhoIで消化して完全なNAALAD−アーゼI配列を切り出した。
NAALAD−アーゼL−5’/pCR2.1(cl.2.0)をEcoRV/
MunI消化し、そしてNAALAD−アーゼII−3’/pCR2.1(cl.
2.2)をMunI/XhoIで消化して完全なNAALAD−アーゼL配列の
2つの半分を切り出した。NAALAD−アーゼII/pINCYTEをEcoR
Iで消化して完全なNAALAD−アーゼII配列を切り出した。NAALAD−
アーゼIV/pCR2.1(cl.28.0)をHindIII/XbaIで消化し
て完全なNAALAD−アーゼIV配列を切り出した。フラグメントをゲル精製し
、適当な制限酵素で前以て消化した脱リン酸化したpcDNA3中にサブクロー
ン化した。得られた発現構築物を前記のような完全な配列分析により確かめた。
COS細胞中への一過性トランスフェクション. COS細胞を完全培地(10%ウシ胎仔血清、1X非必須アミノ酸及び1Xス
トレプトマイシン/ペニシリン/グルタミンミックスを補足したDMEM)中で
維持した。トランスフェクションの前に、37℃に前以て温めたCa2+/Mg2+ を含まないPBSで細胞を2回洗浄し、トリプシン/EDTA溶液を1〜2分間
加えることにより培養プレートから離した。1600rpmで10分回転後に細
胞を集め、1〜2mlの平衡化した(5% CO2/95%空気)前以て温めた培
地中に再懸濁した。細胞力価をCoulter計数器で測定し、細胞を1500
0細胞/cm2の密度で6ウェルプレート中に接種し、約80%融合に到達させ
た(〜2日の生育)。各トランスフェクションのために6μlのFuGENE6
(Boehringer Mannheim,Germany)を96μlの無
血清培地に加え、20℃で5分間インキュベートした。1μgのNAALAD−
アーゼ/pcDNA3 DNAを含有する別のチューブにこの調製物を加え、穏
やかに混合し、室温で15分間静置させた。2mlの新しい完全培地を含有する
ウェル中にDNA/FuGENE6/無血清培地ミックスをピペットで移した。
細胞を37℃のインキュベーター中で72時間インキュベートし、その後集めた
。 NAALAD−アーゼ相同物の生物学的活性の測定. 以前に記述されたように(Blakeley et al.,1988)N−
アセチル−L−アスパルチル−L−(3,4−[3H])−グルタメートの加水
分解の量の測定によりNAALAD−アーゼ活性を定量した。トランスフェクシ
ョンしたCOS細胞ペレットを50mM Tris−HCl(pH 7.4)/0
.1% Triton X−100とインキュベートし、ボルテックスした。アッ
セイに用いる前にホモジネートを液体N2中で少なくとも1回の凍結/融解サイ
クルに供した。3μMのキスカル酸塩/1% DMSO(vol/vol)の存
在下または非存在下で50mM Tris−HCl(pH 7.4)、1mM Z
2+Cl2、500nM N−アセチル−L−アスパルチル−L−(3,4−[3
H])−グルタメート([3H]−NAAG)及び10〜200μgの膜タンパ
ク質を含有する200μlの全容量で全てのアッセイを構成した。37℃で前以
てインキュベートしたアッセイ混合物に膜ホモジネートを加えることによりアッ
セイを開始した。アッセイ混合物をボルテックスし、様々な時間37℃でインキ
ュベートした。200μlのよく冷えた250mMリン酸カリウムを加え、反応
チューブを氷水中に置くことにより反応を止めた。14000rpmで5分の遠
心分離工程後、MilliQ水で前以て洗浄した4cmの陰イオン交換ミニカラ
ム(Bio−Rad Agl−X 8)上にアッセイサンプルを載せた。カラム
を2mlのMilliQ水で2回、次に2mlの0.5Mギ酸で2回すすいで[ 3 H]−グルタメートを選択的に溶出した。残っている基質は、7.5Mギ酸で
溶出することができた。アッセイ溶出液をシンチレーションカクテル(16ml
Ultima Glod XR)で希釈し、シンチレーションカウンター(P
ackard)で計数した。(膜にさらされていない)ブランクをいつも差し引
いた。300μMまでの範囲のキスカル酸塩(QA)の濃度を用いて同様の条件
下で阻害曲線を実施した。反応の停止前にNAALAD−アーゼIでは30分間
、そしてNAALAD−アーゼL及びIIでは60分間反応を続けた。 高処理量スクリーニングのためのSPA開発. 1mM ZnCl2を含有する50mM Tris−HCl、pH 7.4の存在
下でNAALAD−アーゼアッセイを37℃または25℃で10分間実施した。
40nM 3[H]−NAAG、50mM Tris−HCl(pH 7.4)、1
mM Zn2+Cl2及び10μgの組換えNAALAD−アーゼIまたはLNCa
P細胞膜調製物のいずれかを含有する100μlの反応容量で各アッセイを実施
した。100μlのグリシンバッファー(pH 3.0)及び1mgの裸のYS
−SPAビーズの添加により反応を止めた。ビーズを30分間沈降させた後、ア
ッセイ混合物をマイクロタイタープレートシンチレーションカウンターで計数し
た。 FISHによるNAALAD−アーゼの染色体位置確認. 染色体マッピング研究は、蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FI
SH)分析を用いてSidney Biotech Inc(North Yo
rk,Ontario Canada)により実施された。 スライド調製. ヒト血液から単離したリンパ球を10%ウシ胎仔血清及びフィトヘマグルチニ
ンを補足したα−最少必須培地(MEM)中で37℃で68〜72時間培養した
。リンパ球培養物をBrdU(0.18mg/ml、Sigma Chemic
al Company,St.Louis,MO,USA)で処理して細胞集団
を同調させた。同調した細胞を無血清培地で3回洗浄してブロックを外し、チミ
ジン(2.5μg/ml、Sigma)を含むα−MEM中で37℃で6時間再
培養した。細胞を集め、低張処理、固定及び風乾を包含する標準的な方法を用い
てスライドを調製した。 FISH検出:BioNick標識システム(Life Technologi
es,Gaithersburg,MD,USA)を用いてプローブ(BamH
I/XhoIで切断したNAALAD−アーゼI/pCR2.1(cl.2.0
);XhoIで切断したNAALAD−アーゼL/pCR2.1(cl.2.0
);HindIII/XbaIで切断したNAALAD−アーゼII/pcDNA3
(cl.3.0);HindIII/XbaIで切断したNAALAD−アーゼIV
/pCR2.1(cl.28.0))を150℃で1時間dATPでビオチニル
化した。以前に記述されたように(Heng et al,1992;Heng
& Tsui,1993)FISH検出の方法を実施した。スライドを55℃
で1時間焼いた。RNアーゼ処理後、スライドを2x SSC(20x SSCは
3M NaCl、0.3Mクエン酸ナトリウム、pH 7.0である)中70%の
ホルムアミド中で70℃で2分間変性させ、続いてエタノールで脱水した。50
%のホルムアミド及び10%のデキストラン硫酸からなるハイブリダイゼーショ
ンミックス中でプローブを75℃で5分間変性させた。次に、変性させた染色体
スライド上にプローブを載せた。一晩のハイブリダイゼーション後、スライドを
洗浄し、検出した。写真を撮ることによりFISHシグナルとDAPIバンディ
ングパターンを別個に記録し、DAPIバンドのついた染色体とFISHシグナ
ルを重ね合わすことにより染色体バンドとFISHマッピングデータとの割り当
てを実施した。 NAALAD−アーゼの組織分布. NAALAD−アーゼII及びIVのノーザンブロット分析. 非神経組織由来の2μgのポリ(A)+RNAを含有するヒトMTNノーザン
ブロットをExpressHybTMハイブリダイゼーション溶液中で製造業者の
説明書に従って68℃で2〜3時間ハイブリダイズさせた。NAALAD−アー
ゼII/pcDNA3(cl.3.0)からEcoRI及びBglIIでの消化後に
546bpのNAALAD−アーゼIIフラグメントを単離し、そしてNAALA
D−アーゼIV/pCR2.1−TOPO(cl.28.0)からPstIでの消
化後にNAALAD−アーゼIV 526bpフラグメントを単離した。Rapi
d Multiprime Labellingキット及び[32P]−dCTP
を標識として用いてこれらのDNAフラグメントで放射性標識したプローブを作
製した。Microspin S−200 HRカラム(Pharmacia)
を用いて取り込まれなかった標識を除いた後、6mlのExpressHybTM ハイブリダイゼーション溶液中50μlの放射性の変性したプローブを68℃で
回転振盪機中で一晩インキュベートした。洗浄は、2X SSC/0.05% S
DS中RTで4 X 15分、0.1X SSC/0.1% SDS中50℃で1
X 20分の洗浄及び0.1X SSC/0.1% SDS中55℃で2 X 20
分及び2 X 20分であった。ブロットを乾燥させずにラップ中に包み、2枚の
増感紙と共にX−omat AR Scientific Imaging F
ilm(Kodak Scientific Imaging Systems
,Cambridge,UK)に−70℃で2〜4日間感光させた。 RT−PCR分析によるNAALAD−アーゼI、L、II及びIVの遺伝子発現. 各NAALAD−アーゼのPCRフラグメントの特異的増幅のために設計した
オリゴヌクレオチドプライマー;NAALAD−アーゼIプライマーはNAAL
AD1S3 5’−GGG AAA CAA ACA AAT TCA GCG GC
−3’及びNAALD1AS3 5’−GTC AAA GTC CTG GAG
TCT CTC ACT GAA C−3’であり、341bpの産物を生成せしめ
、NAALAD−アーゼLプライマーはNAALD2S7 5’−GAC CG
G AGC AAG ACT TCA GCC AG−3’及びNAALD2AS7
5’−GTG TTG ATA TGC GTT GGC CCA AG−3’であり
、330bpの産物を生成せしめ、NAALAD−アーゼIIプライマーはNAA
LD3S4 5’−CAC TAA GAA TAA GAA AAC AGA TA
A GTA CAG C−3’及びNAALD3AS4 5’−GAT CAA C
TT GTA TAA GTC GTT TAT GAA AAT CTG−3’であり
、353bpの産物を生成せしめ、そしてNAALAD−アーゼIVプライマーは
NAALD4S1 5’−GCA GAA GAA CAA GGT GGA GTT
GGT G−3’及びNAALD4AS1 5’−GCT TTG GAT CC
A TGA CAG TCA TGG −3’であり、336bpの産物を生成せし
めた。各NAALAD−アーゼの各プライマー組をそのNAALAD−アーゼを
特異的に増幅し且つ増幅反応において他の3形態と交差反応しないその能力に関
して試験した。陽性コントロールとして同じcDNAサンプルに対してヒトGA
PDHのPCR増幅をGAPDH特異的プライマー5’−TGA AGG TCG
GAG TCA ACG GAT TTG GT −3’(センスプライマー)及び
5’−CAT GTG GGC CAT GAG GTC CAC CAC −3’(ア
ンチセンスプライマー)を用いて実施し、1000bpフラグメントを生成せし
めた。6個の異なるハウスキーピング遺伝子のmRNA発現レベルに対して正規
化したヒト複数組織cDNA(MTCTM)パネルに対するPCR増幅にこれらの
プライマー組を用いた。また、15の脳領域からのヒトcDNAもmRNAから
調製し、3個の異なるハウスキーピング遺伝子、GAPDH、クラスリン及びア
クチンのmRNA発現レベルに対して正規化した。FastTrackR 2.
0キット(Invitrogen BV,Netherlands)を製造業者
の説明書に従って用いて、注意深く切断した組織サンプルから出発して脳領域m
RNAを調製した。プライマーとしてオリゴ(dT)15及び50UのExpa
ndTM逆転写酵素(Boehringer Mannheim,Germany
)を製造業者の説明書に従って用いて1μgのポリ(A)+RNAを逆転写した
。最後に、3種のトランスフォームした前立腺腫瘍細胞系及び前立腺腫瘍から正
規化したcDNAを同様に調製した。2または5μlのcDNAに対してNAA
LAD−アーゼまたはGAPDH特異的プライマーでのPCR反応を実施した。
1X Advantage PCRバッファー、0.2mM dNTP及び0.5
μMの各PCRプライマー及び1μlのAdvantage Taqポリメラー
ゼミックス中50μlの全容量でPCR反応を実施した(95℃−30秒、68
℃−1分30秒を35サイクル)。25サイクルの完了時にPCR機械を80℃
で中断し、反応チューブを取り出し、各PCRチューブから15μlを取り除い
た。次に、チューブを機械に戻し、サイクリング方法を続けた。30及び35サ
イクル後にアリコートを同様に取り除いた。取った各サンプルを前記のように1
.0%アガロースゲル電気泳動により分析し、Eagle Eye II Vid
eoシステム(Stratagene,La Jolla,CA,USA)を用
いて臭化エチジウム染色したゲルの画像を得た。 結果 NAALAD−アーゼII、L及びIVの分子クローニング及び配列分析. NAALAD−アーゼL;ヒト、ラット及びマウスNAALAD−アーゼI配列
並びにラット及び部分ヒトNAALAD−アーゼLタンパク質配列とIncyt
e LifeSeqTMデータベースとの類似性検索により13個のEST配列が
得られ、これらのいくつかは重複し、NAALAD−アーゼI及びLに類似する
推定上新規なタンパク質配列をコードしていた。6個の最も5’のクローンから
得られたDNAを配列決定した。
【0046】 小脳cDNAライブラリーからのIncyteクローン4190746は、N
AALAD−アーゼLに相当する配列を含有した。しかしながら、このクローン
は2セグメントのイントロン配列も含有したので、さらなるクローニング実験の
ために適当でなかった。小腸cDNAからNAALAD−アーゼLコーディング
領域の3’の半分を含有するPCR産物を増幅するためにPCR反応を実施した
。これまで未知のヒト5’NAALAD−アーゼL配列として残りを同定するた
めに、5’RACE PCRを多数のcDNAに対して実施した。小腸cDNA
を用いた反応から得られた増幅産物のシークエンシングにより、NAALAD−
アーゼLの完全なコーディング配列を含むさらなる1344bpのフラグメント
が得られた。完全なcDNA配列は、80.6kDaの計算分子量及び5.26
の等電点を有する740アミノ酸残基のタンパク質をコードする2223bpの
オープンリーディングフレームを含有した(図1)。推定されるATG翻訳開始
コドンは、上流にいかなるATGコドンも検出されずに翻訳開始のために適した
状況にある(Kozak,1989)。ヒトNAALAD−アーゼL ORFの
分析により、(Kyte−Doolittle,1982の方法により決定され
た)可能性がある膜にまたがるドメインのいずれかの側にリシン残基が隣接する
、アミノ酸残基6〜27に及ぶ単一の疎水性の膜にまたがるドメインを含有する
II型内在性膜タンパク質が予測された。図1に示す7個の可能性があるN−グリ
コシル化部位(N X S/T)がある。整列プログラムGenedocを用いて
ヒトNAALAD−アーゼLの予測されるタンパク質配列をラットのものと比較
した。ヒトNAALAD−アーゼL配列はラットNAALAD−アーゼLに78
%同一であり、87%類似した。ClustalW整列プログラム(EMBL,
Heidelberg,Germany;図2)を用いてこれら2つのタンパク
質配列を整列させた。
【0047】 NAALAD−アーゼII;Incyteクローン1547649、34488
72、3608639及び1333965は、NAALAD−アーゼIまたはL
に類似するが同一ではない同じ遺伝子に由来する配列を含有した。肺癌cDNA
ライブラリーからのクローン3608639は、740アミノ酸残基のタンパク
質をコードする2223bpのORFを含む3110bpのDNA配列を含有し
、これをNAALAD−アーゼII(図4)と称した。このオープンリーディング
フレームの分析により、83.6kDaの計算分子量及び8.53の等電点が予
測された。推定されるATG翻訳開始コドンは、翻訳開始のために適した状況に
あり(Kozak,1989)、いかなるATGコドンも上流に検出されなかっ
た。NAALAD−アーゼIIは、(Kyte及びDoolittel,1982
の方法により決定された)アミノ酸残基8〜31に及ぶ疎水性の膜にまたがるド
メインを含有するII型内在性膜タンパク質であると予測された。また、図4に示
す7個の可能性があるN−グリコシル化部位(N X S/T)もある。
【0048】 NAALAD−アーゼIV;胆嚢cDNAライブラリー由来のIncyteクロ
ーン2615389のシークエンシングにより、NAALAD−アーゼI及びL
にいくらかの類似性を有する遺伝子に由来する配列が同定された。この新規な配
列情報を用いたIncyte ESTデータベースにおける相同性検索により、
1884bpにまたがり且つ5’及び3’UTRに加えて1419bpのORF
を含有する150以上の重複するEST配列のコンティグが同定された。このO
RFの翻訳により、51.9kDaの計算分子量及び5.99の等電点を有する
472アミノ酸のタンパク質が予測された(図5)。このタンパク質をNAAL
AD−アーゼIVと命名した。推定されるATG翻訳開始コドンは、上流にいかな
るATGコドンも検出されずに翻訳開始のために適した状況にある。NAALA
D−アーゼIV配列の分析により、(Kyte及びDoolittel,1982
の方法により決定された)可能性がある膜にまたがるドメインのいずれかの側に
リシン残基が存在する、アミノ酸3〜約24に及ぶ疎水性の膜にまたがるドメイ
ンを含有するII型内在性膜タンパク質が予測された。図5に示す5個の可能性が
あるN−グリコシル化部位(N X S/T)がある。
【0049】 整列プログラムBESTFIT(Wisconsinパッケージ、Genet
ics Computer Group Software,Madison,
Wisconsin,USA)を用いてNAALAD−アーゼI、L、II及びIV
の予測されるタンパク質配列を相互に比較した。Genedocプログラムによ
り計算された配列の各対間の同一性%及び類似性%を表1に示す。NAALAD
−アーゼI配列は、NAALAD−アーゼIIに67%同一であり、NAALAD
−アーゼLに35%同一であり、そしてNAALAD−アーゼIVに10%同一で
あった。NAALAD−アーゼL及びIIは37%同一であった。NAALAD−
アーゼI、II、L及びIVの4個のタンパク質配列をClustalW整列プログ
ラム(EMBL,Heidelberg,Germany)を用いて整列させ、
図6に示す。これらのタンパク質間の最も高い保存領域は、2個の予測される触
媒ドメイン中に存在する。標準的パラメーターでGCG’Distances’
プログラムを、そしてUPGMA法で’Growtree’プログラムを用いて
NAALAD−アーゼI、II、L及びIVの系統図(phylogram)を構築
し、図7に示す。この系統図から、NAALAD−アーゼI及びIIが最も近縁の
タンパク質であり、NAALAD−アーゼIVは遠縁であることが明らかである。
【0050】 他のペプチダーゼとの比較によりNAALAD−アーゼI及びLにおいて2個
の推定される触媒ドメインが同定されている(Bzegda et al.,1
997;Shneider et al.,1997)。NAALAD−アーゼ
I、II、L及びIVの複数配列整列を用いて、ヒトNAALAD−アーゼII、L及
びIVにおいて同様の推定される触媒ドメインを同定した(図6及び8を参照)。
第一の触媒ドメインは、細菌及び酵母のZn2+依存性ペプチダーゼドメイン(B
zegda et al.,1997)と関係がある。NAALAD−アーゼI
、II、L及びIVとこれらのペプチダーゼとの整列を図8に示す。Zn2+結合に重
要な5個全ての残基は、NAALAD−アーゼファミリーにおいて保存されてい
る。さらに、触媒作用において役割を果たすと考えられるGlu残基も存在する
。また、より遠縁であるが、NAALAD−アーゼIV配列も、Blastpアル
ゴリズムにより決定した場合に細菌及び酵母のアミノ−ペプチドZn2+結合ドメ
インに統計学的に有意な類似性を示す(〜60%類似する、p=10−5)。第
二の触媒ドメインは、タンパク質のα/β加水分解酵素フォールドファミリー(
Shneider et al.,1997)のメンバーと関係がある。興味深
いことに、酵素触媒活性において重要である可能性がある(Goossens
et al.,1995)保存された求核試薬−酸−塩基の整列がNAALAD
−アーゼI、II及びL中にある。ラットNAALAD−アーゼLは、ジペプチジ
ルペプチダーゼIV(DPPIV)に類似して、ペプチダーゼのα/β加水分解酵素
フォールドファミリーに属することが示唆されている。それに反して、他のNA
ALAD−アーゼタンパク質より約270残基短いNAALAD−アーゼIVはこ
のドメインを欠いている。 NAALAD−アーゼLの選択的スプライシング. NAALAD−アーゼLのクローニング及びRT−PCR遺伝子発現分析の間
に多数の増幅PCR産物が認められ、それらを単離し、可能性があるスプライス
変異体を同定するために配列決定した。推定されるエキソン配列のスプライシン
グ除去及びGT/AG供与/受容部位の存在により判断されるようなイントロン
配列の存在の両方が見いだされ、これらは我々のcDNA調製物から繰り返し増
幅された(図3)。5’RACE増幅を実施した場合、塩基497〜619及び
903〜1007の欠失が小腸及び結腸において同定され、これらは2つのイン
フレームのアミノ酸欠失をもたらした。さらに、153bpのイントロンが塩基
1094で挿入されていることが見いだされ、51アミノ酸残基のインフレーム
のアミノ酸挿入をもたらした。この挿入は、その5’及び3’末端にそれぞれ共
通のGT/AG供与受容部位を有するのでイントロンであると最も思われる。3
’RACE増幅反応においてもいくつかの変異体が小腸、結腸、脳及び胎児脳か
らの増幅において同定された。これらは塩基1525〜1615の欠失または塩
基1525〜1697間のより大きい欠失のいずれかからなった。これらの欠失
は両方とも、フレームシフト及びタンパク質配列の早すぎる終結をもたらした。
最後に、調べたどのcDNAサンプルにおいても、2つのイントロン配列が塩基
1697及び/または塩基1870のいずれかで挿入されていることが見いださ
れた。NAALAD−アーゼLのORF中にこれらのイントロン配列の一方また
は両方が含まれることにより、RT−PCR実験において420及び500bp
に移動する予期しない増幅PCR産物が説明された。一方または両方のこれらの
配列の導入は、アミノ酸コーディング配列のフレームシフトをもたらす(図3)
。 NAALAD−アーゼの発現及び機能活性. 新たに同定されたNAALAD−アーゼがペプチダーゼ活性を有するかどうか
を決定するために、哺乳類発現構築物をCOS細胞中に一過性トランスフェクシ
ョンした。擬似(mock)トランスフェクションからの膜を陰性コントロール
としていつも同時に調製した。アッセイの操作条件を確立するためにCOS細胞
におけるNAALAD−アーゼIの発現を陽性コントロールとして実施した。図
9Aは、組換えNAALAD−アーゼIと[3H]−NAAGとのインキュベー
ション後にミニカラムから溶出されるdpm単位の[3H]−グルタメートの量
を示す。増加する[3H]−グルタメートが時間に依存してカラムから溶出され
る。NAALAD−アーゼL(データは示されない)及びNAALAD−アーゼ
II(図9B)の両方で活性が認められ、これらの酵素がこのアッセイにおいてN
AALAD−アーゼIと同様のジペプチダーゼ活性を有することを示唆した。こ
れらのアッセイ条件下ではいかなるNAALAD−アーゼIVジペプチダーゼ活性
も認められなかった。反応への30μMキスカル酸の添加は、この活性を60分
後に50%以上阻害した(図9A及び9B)。増加する濃度のQAでの阻害曲線
も実施し(図9C)、NAALAD−アーゼI、NAALAD−アーゼIIに対し
てそれぞれ1.2 x 10-5M及び1.7 x 10-5MのIC50値であった。
【0051】 また、組換えタンパク質またはNAALAD−アーゼ活性を含有することが既
知の供給源からの膜調製物のいずれかを用いるNAALAD−アーゼ型活性のス
クリーニングを容易にするためにシンチレーション近接アッセイ(Scinti
llation proximity assay)(SAP)も開発した。最
初に、NAALAD−アーゼI含有量が多いLNCaP膜調製物を用いて[3
]−NAAG加水分解の時間経過を実施した(図10A)。グリシンバッファー
で反応を停止することにより、残っている[3H]−NAAG基質のSPAビー
ズへの結合がもたらされ、一方、加水分解された[3H]−グルタメートは結合
しないままであった。従って、反応が進み、基質が加水分解されるにつれて、ビ
ーズに結合するシグナルの減少が見られる。これらのSPA条件下で、増加する
濃度のQAを用いてLNCaP膜または組換えNAALAD−アーゼI膜調製物
に対して阻害曲線を実施した(図10B)。IC50値は、LNCaP調製物では
9.1 x 10-7M、NAALAD−アーゼI調製物では1 x 10-6Mであっ
た。 染色体位置確認. FISH分析のためのプローブとしてNAALAD−アーゼIの完全なコーデ
ィング配列を用いた。用いた条件下で、このプローブのハイブリダイゼーション
効率は約71%であった(100の調べた有糸分裂像(Figures)の中で
、それらの71が染色体の1対上にシグナルを示した)。特定の染色体を同定す
るためにDAPIバンディングを用い、プローブからのシグナルと第11染色体
の短腕の割り当てが得られた。10枚の写真からの要約データに基づいて詳細な
位置をさらに決定した(図11)。弱いハイブリダイゼーションシグナルが11
q14.3の領域においても低い頻度で検出された。NAALAD−アーゼIIか
ら得られたマッピングデータを用いて、この弱いシグナルは交差ハイブリダイゼ
ーションの結果であること(以下参照)及びNAALAD−アーゼIがヒト第1
1染色体、領域p11.21にのみ位置することが結論づけられた。マッピング
結果の例を図11に示す。NAALAD−アーゼLには、(位置1204〜22
62bpからの)1059bpフラグメントをFISH分析のプローブとして用
いた。ハイブリダイゼーション効率は約71%であり、DAPIバンディングを
用いてシグナルを第11染色体の長腕に同定した。10枚の写真から決定した詳
細な位置は、ヒト第11染色体、領域q12上であった(図11)。NAALA
D−アーゼIIには、(位置1〜2552bpからの)2.5kbフラグメントを
FISH分析のプローブとして用いた。このプローブのハイブリダイゼーション
効率は約74%であった。DAPIバンディングを用いてシグナルを第11染色
体の長腕に同定した。10枚の写真から決定した詳細な位置は、ヒト第11染色
体、領域q14.3〜q21上であった(図11)。NAALAD−アーゼIVに
は、(位置1〜1539bpからの)1539bpフラグメントをFISH分析
のプローブとして用いた。このプローブのハイブリダイゼーション効率は約72
%であった。DAPIバンディングを用いてシグナルを第8染色体の長腕に同定
した。10枚の写真から決定した詳細な位置(図11)は、ヒト第8染色体、領
域q21.3上であった。 ノーザンブロットにより決定した場合のNAALAD−アーゼIII及びIVの組織
分布. 異なる脳領域及び非神経組織におけるTrnR3の組織分布をRT−PCR、
ノーザンブロット分析及びインサイチューハイブリダイゼーションを用いて調べ
た。異なるヒト組織由来のmRNAに対してノーザンブロット分析を実施した(
図12A)。NAALAD−アーゼII特異的プローブにより、精巣>>>卵巣、
脾臓>前立腺、心臓及び胎盤における転写産物の存在が示され、他の組織ではい
かなるシグナルも認められなかった。精巣では、4種の転写産物が示された。最
も顕著な転写産物は、NAALAD−アーゼIIメッセージのおおよその予想され
る大きさと一致する約3.4kbのものであった。それぞれ2.4及び4.4k
bの2つの転写産物並びに約7.5kbのより弱い転写産物も存在した。他の組
織では、弱い7.5kbのシグナルも認めることができた卵巣は別として、3.
4kbの転写産物が検出される唯一のシグナルであった。これらの転写産物の明
確な性質はさらなる解明を待つが、メッセージの選択的スプライシングのためで
ある可能性がある。これらのメッセージの性質ははっきしない。NAALAD−
アーゼIV特異的プローブにより、調べた全ての組織における転写産物の遍在する
存在が示され、脳、胸腺及び精巣においてわずかにより少ないシグナルが認めら
れた(図12B)。最も顕著な転写産物は、NAALAD−アーゼIVメッセージ
のおおよその予想される大きさと一致する約2.2kbのものであり、いくつか
の組織では4.4kbで弱いバンドが検出された。 RT−PCRによるNAALAD−アーゼ遺伝子発現の分析. 全てのNAALAD−アーゼの詳細な組織分布をさらに調べるために、16の
異なる組織からの正規化したcDNAに対してPCRを実施した。図13Aは、
NAALAD−アーゼI特異的プライマーで実施したPCR反応からの結果を示
し、予想される大きさ(〜341bp)の増幅産物が得られた。NAALAD−
アーゼIの最高発現は前立腺においてであるようであった。25サイクル後の発
現のランク順は、前立腺>>>肝臓及び腎臓>小腸>脳、脾臓であり、他の組織
ではいかなる産物増幅も認められなかった。30サイクルで増幅産物は、35サ
イクルの増幅後に初めて産物を認めることができた筋肉、血液及び胸腺を除いて
大部分の他の組織において認めることができた。NAALAD−アーゼL特異的
プライマーにより、予想される大きさの330bpの増幅産物並びに420bp
及び500bpのわずかにより大きい大きさで移動する2つの産物が得られた(
図13B)。NAALAD−アーゼL発現は小腸、脾臓及び精巣において最も高
く、25サイクルの増幅後にPCR産物が検出され、一方、心臓、卵巣、結腸、
血液及び前立腺における産物は30サイクル後に認めることができた。全ての組
織は35サイクル後にいくらかの増幅産物を示し、脳及び筋肉は最も低いレベル
を示した。420及び500bpのバンドは、全ての我々の増幅反応において一
般的に存在する1または2個のイントロン配列を含有するNAALAD−アーゼ
L配列の増幅のためであった(前記参照)。NAALAD−アーゼII特異的プラ
イマーにより、予想される大きさの353bpの増幅産物が得られた(図13C
)。NAALAD−アーゼII発現は、卵巣、精巣及び脾臓において最も高く、2
5サイクルの増幅後にPCR産物が検出された。30サイクル後に増幅産物は、
35サイクル後に初めて産物を認めることができた肺、筋肉、血液及び胸腺は別
として全ての組織のcDNAから検出することができた。これらの結果は、MT
Nノーザンブロットで得られた発現データとよく一致する。NAALAD−アー
ゼIV特異的プライマーにより、予想される大きさの336bpの増幅産物が得ら
れた(図13D)。NAALAD−アーゼIV発現は全ての組織において低く、3
5サイクル後に初めて増幅産物が検出された。発現レベルは、いかなる発現産物
も明確に認識できなかった脳、肺、筋肉及び胸腺は別として全てのcDNAにお
いて類似した。GAPDH特異的プライマーを用いたコントロール増幅反応は、
各cDNAに対して類似したレベルの増幅産物を示した(図13E)。同じcD
NAを各組の増幅に用いたので、4種のメッセージ間の相対量の比較もこれらの
実験から可能であった。25及び30サイクルで検出される増幅産物の相対量に
より判断した場合、NAALAD−アーゼIメッセージの量はNAALAD−ア
ーゼIIより多く、NAALAD−アーゼIIはNAALAD−アーゼLより多かっ
た。NAALAD−アーゼIVは最も低いレベルで発現され、PCR産物は35サ
イクルの増幅後に初めて検出された。
【0052】 3個の異なるハウスキーピング遺伝子の発現レベルに正規化した13の異なる
脳cDNAに対しても、上記の実験と同じNAALAD−アーゼプライマーでP
CR反応を実施した。NAALAD−アーゼI特異的増幅産物は、30サイクル
後に腹側線条及び脳幹の最高レベルで検出された。35サイクル後にNAALA
D−アーゼI特異的増幅産物は、調べた全ての脳領域において明確に検出するこ
とができた(図14A)。NAALAD−アーゼL特異的プライマーにより、予
測される大きさの330bpの増幅産物並びに500bpのより大きい大きさで
移動する産物が得られた(図14B)。500bpの産物の増幅は、35サイク
ル後に脳幹、扁桃、視床、腹側線条において、そしてより少ない程度で線条及び
海馬において認められ、一方、予想される大きさの330bpの産物は、脳幹及
び腹側線条においてのみ認められた。NAALAD−アーゼII特異的プライマー
により、予想される大きさの353bpの増幅産物が得られた(図14C)。増
幅産物は30サイクル後に線条、頭頂皮質及び腹側線条において認められ、より
低いレベルの増幅産物が海馬、脳幹、被殻及び上丘において検出された。35サ
イクル後にNAALAD−アーゼII特異的産物の存在は、下丘は別として全ての
cDNAにおいて検出することができた。NAALAD−アーゼIV特異的産物は
、30サイクル後に調べた全ての脳cDNAにおいて検出することができ、発現
パターンのわずかな違いが認められた。増幅産物のレベルは、線条、海馬、脳幹
及び腹側線条においてわずかに高かった(図14D)。GAPDH特異的プライ
マーを用いたコントロール増幅反応は、比較的より多くのGAPDH特異的産物
が得られた脳幹は別として各cDNAに対して類似したレベルの増幅産物を示し
た(図14E)。NAALAD−アーゼLの全体的な発現は、NAALAD−ア
ーゼI、II及びIVに対してこれらの脳領域ではより低いようである。
【0053】 最後に、3個の異なるハウスキーピング遺伝子に対して正規化した、前立腺腫
瘍細胞系または前立腺腫瘍のいずれかから調製したcDNAにおいてNAALA
D−アーゼ発現を調べた。NAALAD−アーゼI発現は、LnCaP及び前立
腺腫瘍において最も高かった(図15A)。増幅産物は30及び35サイクル後
にPC−3 cDNAにおいても検出されたが、DU145 cDNAでは検出さ
れなかった。330bpのNAALAD−アーゼL産物は、35サイクル後に前
立腺腫瘍からのcDNAにおいて最も多量に、そしてPC−3及びDU145サ
ンプルではより少なく検出された(図15B)。興味深いことに、前立腺腫瘍は
別として全てのサンプルにおいて、より大きい500bpの増幅産物を検出する
ことができた。NAALAD−アーゼII発現は、前立腺腫瘍よりLnCaPにお
いて高かった。また、35サイクル後にPC−3では弱い増幅産物も検出するこ
とができたが、DU145 cDNAではできかった(図15C)。NAALA
D−アーゼIV発現は、LnCaP及び前立腺腫瘍において最も高かった(図15
D)。 GAPDHプライマーでの典型的な増幅も示す(図15E). NAALAD−アーゼIは、カルボキシペプチダーゼ活性及びトランスフェリ
ン受容体に対する配列類似性(54%同一である、Israeli et al
.,1993)を有するII型膜糖タンパク質である。それは前立腺腫瘍において
非常に発現されるので、前立腺癌の進行において重要である可能性があり、そし
てCNSでは、ニューロンのグルタミン酸作動活性を調節することにおいて重要
な役割を有する可能性がある。本報告では、タンパク質のこのファミリーの拡張
に相当する、異なるNAALAD−アーゼ酵素をコードするヒトcDNAの同定
及びクローニングを記述する。本報告において、NAALAD−アーゼ酵素ファ
ミリーの2つの新規なメンバー、NAALAD−アーゼII及びNAALAD−ア
ーゼIVを同定し、ヒトNAALAD−アーゼLの完全なコーディング配列を決定
した。アミノ酸配列レベルでのNAALAD−アーゼL、II及びIVの相違の程度
は、これらが存在する既知の遺伝子の変異体ではなく、このファミリーの新規で
且つ異なるメンバーであることを示す。
【0054】 NAALAD−アーゼIに対して決定されているように、3種全ての受容体に
共通の特徴には、分泌のために適当なアミノ末端の疎水性リーダー配列及びいく
つかの可能性があるN−グリコシル化部位の存在が包含される。3種の新規なN
AALAD−アーゼは全て、膜にまたがっていると思われるそれらのアミノ末端
の約21〜24アミノ酸残基の単一の疎水性領域、短い細胞内ドメイン及び大き
い球状の細胞外ドメインを含有する。この構造はII型内在性膜タンパク質に特有
であり、膜結合型加水分解酵素間で共通する(Kenny et al.,19
82)。これら4個のタンパク質の配列整列比較により、NAALAD−アーゼ
IIがNAALAD−アーゼIに最も近縁であり(アミノ酸レベルで81%類似す
る)、一方、NAALAD−アーゼLはNAALAD−アーゼI及びIIの両方に
同等に類似する(両方に54%類似する)ことが示唆される。NAALAD−ア
ーゼIVは、このファミリーの他のメンバーに遠縁である。
【0055】 異なるPCRプライマー組を用いたNAALAD−アーゼL配列の分析により
、複数のスプライス変異体及びアイソフォームの存在が示された。NAALAD
−アーゼLの生物学的重要性または選択的にスプライスされたアイソフォーム(
NAALAD−アーゼLの選択的にスプライスされたアイソフォームの生物学的
重要性)はさらなる解明を待つ。しかしながら、スプライシングされて除かれる
残基はグリコシル化のレベル、より重要なことにはタンパク質の構造及び活性に
影響を及ぼす可能性がある。さらに、多数のcDNAからの増幅反応において同
定される3つの異なるイントロン配列の包含は、推定される触媒性亜鉛結合ドメ
インの近くのプロリンに富んだ51アミノ酸残基の配列のインフレーム付加また
はNAALAD−アーゼLタンパク質のフレームシフト及び続いて起こる早すぎ
る終結のいずれかをもたらす。これらの早すぎる終結は、α/β加水分解酵素に
おいて見いだされる推定される触媒部位の予測される求核試薬−酸−塩基配置の
除去をもたらし、そしてタンパク質構造の著しい変化をもたらす(図3参照)。
フレームシフト及び早すぎるタンパク質終結をもたらすイントロンDNA配列の
2つの包含は、調べたほとんど全てのcDNAにおいて同定され、これらの配列
の発現が活性タンパク質のレベルを調節するために用いられる可能性があること
を示唆する。これらの異なるスプライス変異体の発現研究は、NAALAD−ア
ーゼLの構造/活性の関係を理解するために役立ち、そしてタンパク質内のどの
アミノ酸残基が酵素活性のために重要であるかの同定を容易にする。膜にまたが
るドメインを包含する最初の40アミノ酸残基を欠いているNAALAD−アー
ゼIの可溶性スプライス変異体が報告されている(Su et al.,199
5)。悪性の前立腺組織では欠失したタンパク質に対する全長タンパク質の増加
した割合が認められ、選択的スプライス変異体の発現が腫瘍の進行と相関する可
能性があることを示唆する。さらなる研究により、NAALAD−アーゼLが腫
瘍形成に関与するかどうか及びこれらのスプライス変異体が異なる程度に腫瘍の
進行をもたらすかどうかが決定される。
【0056】 ヒト組織において、NAALAD−アーゼI mRNAは前立腺において非常
に並びに肝臓、腎臓及び小腸において、そして脳及び脾臓ではより少ない程度に
発現された。これは、最も高いレベルの発現が脳及び腎臓においてであり、肝臓
または脾臓ではないことが見いだされた(前立腺は調べられなかった;Bzed
ga et al.1997;Carter et al.,1998)ラット
において得られたノーザンブロット結果とこれは部分的に一致する。RT−PC
RによるNAALAD−アーゼL発現は、脾臓、小腸及び精巣において最も高か
った。Schneider等(1997)は、ノーザンブロットにより調べた場
合にラット回腸及びヒト小腸において発現されるが、精巣または脾臓では発現さ
れないラット回腸100kDタンパク質(I−100;ラットNAALAD−ア
ーゼL)を同定した。NAALAD−アーゼI及びLの発現パターンの相違は、
種の違いまたはノーザンブロットハイブリダイゼーションに比較してRT−PC
RによるmRNA検出の増加した感度のいずれかに起因する可能性があった。N
AALAD−アーゼII mRNA発現をノーザンブロット及びRT−PCR実験
の両方により調べた。これらの方法を用いた発現実験は類似した結果をもたらし
、最も高いレベルのmRNA発現は精巣及び卵巣において認められ、脾臓、胎盤
及び心臓ではより少ないメッセージが認められた。NAALAD−アーゼIIプロ
ーブにハイブリダイズする多数の異なる大きさの転写産物が認められ、複数のア
イソフォームの存在を示唆した。これらが生理学的に関係のあるより小さい転写
産物のためであるかまたはmRNAの完全な状態に関する問題のためであるかど
うかは決定されないままである。NAALAD−アーゼIV mRNA発現もまた
両方の技術を用いて調べられ、発現データはこれらの実験間で一致した。NAA
LAD−アーゼIV発現は、組織間でより均一に分布しているようであり、最も高
い発現は卵巣においてであり、脳、肺、胸腺及び精巣ではほとんどまたは全く発
現されなかった。RT−PCRによる異なるヒト脳領域におけるNAALAD−
アーゼ発現の分析により、NAALAD−アーゼLがこれらの脳領域において最
も低いレベルで発現されることが示唆される。500bpに移動する(腹側線条
からのものを除いた)増幅産物は、予測される大きさより大きいものであり、イ
ントロンDNA配列を含有することが見いだされた(前記参照)。NAALAD
−アーゼI、II及びIVは、調べたほとんど全ての脳領域において異なる程度にm
RNAレベルで発現され、最も高い発現は脳幹、線条、腹側線条及び被殻におい
て認められた。さらに、NAALAD−アーゼII発現は、前頭及び頭頂皮質にお
いて比較的より多量であるようであった。様々な前立腺腫瘍細胞系及び前立腺腫
瘍サンプルに対して実施したRT−PCR実験は、NAALAD−アーゼIがア
ンドロゲン受容体陽性のLNCaP細胞系において最も多量に発現されることを
示す報告(Israeli et al.,1993)と一致した。また、30
及び35サイクルの増幅後にPC−3細胞においてもいくらかの増幅産物が認め
られ、ノーザンブロッティングによりアンドロゲン受容体陰性の細胞DU−14
5及びPC−3においていかなるメッセージも検出しない以前の研究(Isra
eli et al.,1993)に反した。これらの後者の2つの細胞系では
低レベルのNAALAD−アーゼ活性が認められているので、NAALAD−ア
ーゼIを包含するこれらの酵素のいくらかの発現が存在する可能性がある(Pi
nto et al.,1996)。NAALAD−アーゼIIもまたLnCaP
細胞において最も高いレベルで発現され、一方、NAALAD−アーゼIV発現は
PC−3細胞において最も高かった。興味深いことに、LnCaP細胞からのN
AALAD−アーゼL増幅産物は、前立腺腫瘍から認められた産物と異なり、予
想される大きさより大きいものであり、イントロン配列を含有した。PC−3及
びDU−145細胞は、大きい及び小さい大きさの両方の増幅産物をもたらした
【0057】 NAALAD−アーゼIのカルボキシペプチダーゼ活性は、インビトロで2種
類の基質に対して示されている。第一のものは、N−アセチルアスパルチルグル
タメート(NAAG)またはx−グルタミルグルタメートのようなx−結合した
酸性ペプチドを加水分解する酵素の能力に基づき、そして第二のものはホリル−
ポリ−γ−グルタメートまたは−γ−グルタミルグルタメートのようなγ−結合
したペプチドを加水分解するその能力に基づく。本研究では、NAALAD−ア
ーゼII、L及びIVをCOS細胞において発現させ、NAAGを加水分解するこれ
らの組換え調製物の能力を調べた。NAALAD−アーゼI、II及びLは全てこ
の基質に対する活性を示し、それはQAにより阻害された。NAALAD−アー
ゼI及びIIのQAIC50は、両方のタンパク質に対して約10μMであると決定
され、溶解したシナプトソーム膜におけるNAALAD−アーゼ活性に関して記
述されたもの(Robinson et al.,1987)に匹敵した。NA
AGのX−結合NAALAD−アーゼ加水分解は、脳からの膜調製物において最
初に特性化され、QA感受性であることが示された。活性は、二価の陽イオンに
より高められ、そして二価の金属キレート化剤または一般的な金属プロテアーゼ
インヒビターにより阻害された(Robinson et al.,1987;
Blakely et al,1988)。続いて、トランスフェクション実験
後に前立腺特異的マーカー(PSM、Carter et al.,1996)
及びラット脳カルボキシペプチダーゼII(Luthi−Carter et a
l.,1998)と関連する酵素活性が、QA感受性NAALAD−アーゼ活性
に対して認められたものと同様の酵素特性を表すことが示された。酵母及び細菌
からの亜鉛アミノペプチダーゼとNAALAD−アーゼIとの整列により触媒部
位中に位置する2個の亜鉛イオンの配位に関与する保存配列のドメインが同定さ
れることが以前に示されている(Bzedga et al.,1997;Ra
wlings et al..1997)。これらの結果の根拠は、アエロモナ
ス・プロテオリチカ(Aeromonas proteolytica)亜鉛ア
ミノペプチダーゼの三次元結晶構造に由来し、ここで、残基His 379、A
sp 389、Glu 427、Asp 455、His 555は2個の亜鉛イオ
ンの結合に関与すると考えられ、そしてGlu426は触媒作用において重要な
基本残基であると提示されている(Chevrier et al.,1994
,1996)。これらのアミノペプチダーゼと新たに同定されたNAALAD−
アーゼとの整列(図8)により、これらの亜鉛結合ドメインが保存されているこ
とが示され、それらが全て同じ触媒機構を共有する可能性があることを示唆する
。Bzedga等(1997)は、NAALAD−アーゼIが、そのジペプチジ
ルIV及びアシルアミノアシルペプチダーゼ活性のためにα/β加水分解酵素フォ
ールドファミリーのメンバーである可能性があることをさらに示唆しているが、
配列相同性整列はこれらのタンパク質が明らかに異なることを示している。しか
しながら、NAALAD−アーゼI、L及びIIには求核試薬、酸及び塩基(Se
r 623、Asp 663及びHis 686)の仮定された触媒部位配置が含
まれ、存在するが、NAALAD−アーゼIVにはない(図6参照)。プテロイル
−γ−グルタメートのようなペプチドに対するNAALAD−アーゼIの第二の
γ−結合酵素活性(葉酸加水分解酵素活性)は、ヒト小腸の刷子縁において高レ
ベルで見いだされている(Chandler et al.,1986;Pin
to et al.,1996)。さらに、NAALAD−アーゼIでトランス
フェクションした癌細胞は、増加した葉酸加水分解酵素活性及びγ−グルタミル
結合の加水分解によりメトトレキセートトリグルタメートからグルタメートを累
進的に遊離する能力を示す(Pinto et al.,1996)。実際、腫
瘍における増加したプテロイル加水分解酵素活性とメトトレキセート抵抗性の間
に相関関係が認められており(Banerjee et al.,1986)、
NAALAD−アーゼ活性を調節することが改善されたまたは新規な癌処置を開
発することにおいて重要である可能性があることを示唆する。共通の二次構造を
有するこれらの新規なNAALAD−アーゼ酵素もまた、NAALAD−アーゼ
Iが記述されているように二重のペプチダーゼ活性を有するかどうか及びそれら
の構造の関係がどのようにそれらの活性を反映するかを決定することは興味深い
。NAALAD−アーゼI、II及びLの染色体位置配置を決定するためにFIS
H分析を用いて、NAALAD−アーゼIではp11.21、NAALAD−ア
ーゼLではq12、そしてNAALAD−アーゼIIではq14.3−q21間で
第11染色体上に対称的な蛍光シグナルが認められた。我々のFISH研究にお
いて、NAALAD−アーゼIプローブは、11p11.21でハイブリダイズ
するものと11q14.3で弱くハイブリダイズするものの2つのハイブリダイ
ゼーションシグナルを示した。これは、11p11.2及び11q13.5で2
つのハイブリダイゼーションシグナルを認めたLeek等(1995)により得
られた結果と類似する。今回、NAALAD−アーゼIIが11q14.3−q2
1に位置決定されたので、第二のシグナルはNAALAD−アーゼII遺伝子座と
NAALAD−アーゼIプローブとの交差ハイブリダイゼーションのためである
ことが明らかである。NAALAD−アーゼIVの染色体確認により、q.21.
3でヒト第8染色体上の対称的な蛍光シグナルが示され、この遺伝子が第11染
色体上に位置する他の3個の遺伝子と遠縁であることを示唆した。第11染色体
は、硝子体網膜症(11q13−q23)、色素性乾皮症(11q12−q13
)、アトピー(11q12−q13)及びおそらくより興味深いことにはラット
前立腺癌に関与する腫瘍抑制遺伝子座(11p11.2−p11.13)を包含
する多数の遺伝病遺伝子座をこれらの領域中に含有する。高い転移率(high
ly metastatic rate)の前立腺細胞中に染色体のこの部分を
導入することにより、これらの細胞のインビボ増殖速度または腫瘍形成を抑制せ
ずに癌転移を抑制することができた(Ichikawa et al.,199
2)。NAALAD−アーゼI発現は、減少するアンドロゲンレベルに対応して
増加することが示されているので、アンドロゲンレベルの減少を伴う現在の前立
腺癌処置(例えば、精巣摘除)は少なくとも一つにはNAALAD−アーゼ発現
の改変により効くことができる可能性がある(Israeli et al.,
1994)。NAALAD−アーゼIの酵素活性は、NAALAD−アーゼII及
びLのものに類似し、従って、これらの酵素もまた腫瘍抑制において果たす役割
を有する可能性があると同様に考えられる。興味深いことに、領域11q13−
q23は、腫瘍形成HeLa/繊維芽細胞ハイブリッドを用いて腫瘍サプレッサ
ー活性を有する領域としても同定されている(Misra及びSrivatsa
n、1989)。さらに、原発性子宮頸癌の体系的分析において、領域11q2
2−q24は腫瘍サプレッサー活性を含有することが示された(Hampton
et al.,1994)。第11染色体の長腕上のこれらの後者の2つの腫
瘍抑制領域は、本研究において同定されたNAALAD−アーゼL及びNAAL
AD−アーゼIIの遺伝子座を含む。しかしながら、これら3つの染色体領域への
これらの腫瘍抑制活性のマッピングは、同定されたNAALAD−アーゼのいず
れかが腫瘍または転移抑制活性を有することができるかどうかを決して確定しな
いことに留意すべきである。α−NAAGは、脳において最も豊富なペプチドの
一つであり、ある脳領域ではミリモル濃度で存在する(Coyle,1997を
参照)。NAAGはL−グルタメートと同じ場所に位置するのでその生理学的役
割の解明は困難であったが、それは神経伝達物質の規準のいくつかを満たす。そ
れはシナプス小胞中に位置し、神経終末からCa2+に依存して放出され、そして
脳膜調製物において最初に同定されたQA感受性酵素活性により迅速に不活性化
される(Robinson et al.,1986,1987)。クローニン
グ実験により、この酵素活性の配列の正体が以前に同定されたタンパク質PSM
(またはNAALAD−アーゼI,Carter et al.,1996)に
由来することが示された。本研究において、NAALAD−アーゼL及びIIは、
以前にNAALAD−アーゼIで示されているように[3H]−NAAGをN−
アセチルアスパルテートとグルタメートに加水分解できることが示されたが、N
AALAD−アーゼIVは示されなかった。前立腺及び卵巣並びに他の末梢組織に
おけるこれらのNAALAD−アーゼの配置を考えれば、これらの酵素がこれら
の組織において局所的細胞外グルタメートレベルを調節できることは全く可能で
ある。例えば、かなりの量のグルタメートが精液中に存在することが知られてい
る。CNSにおいて、NAAGは、NMDA受容体で部分アゴニストとして作用
するが、AMPAまたはカイニン酸受容体ではそうせず(Vallivulla
h et al.,1994;Puttfarcken et al.,199
3;Sekiguchi et al.,1992)、そしてNMDAまたはグ
ルタメートにより引き起こされる神経変性を減じる(Bruno et al.
,1998)ことが示されている。さらに、海馬切片または混合皮質培養物への
NAAGの添加が、NMDA受容体のその作用と異なる機構により興奮毒の添加
後の神経防御をもたらすことも示されている。この場合、十分に輸送されないか
または能動的に取り込まれるNAAGがシナプス間隙から拡散し、mGluR3
のようなII型代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)にアゴニストとして結合
し、減少したグルタミン酸作動性神経伝達を導くと仮定される(Wroblew
ska et al.,1993及び1997)。この仮説は、mGluR3ア
ンタゴニストのエチルグルタメートを用いてさらに試験されており、それはNA
AGの神経防御作用を除いた(Bruno et al.1998)。完全なペ
プチドは顕著に阻害作用を有するが、興奮毒により誘導される細胞死の別の可能
な機構は、NAALAD−アーゼによるNAAGの異常な異化作用から生じる可
能性がある。NAAGの内在性レベルは脳において非常に高いので、NAALA
D−アーゼによるNAAGの異化作用は、理論的にグルタメートの豊富な供給源
であるはずであり、それは適切に調節されない場合に興奮毒作用をもたらす可能
性がある。実際、NAAGまたはNAALAD−アーゼ活性の異常なレベルは、
癲癇(Myerhoof et al.,1985及び1992)、精神分裂病
(Tsai et al.,1995)、ALS(Tsai et al.,1
991)、アルツハイマー病(Passani et al.,1997a;J
aarsma et al.,1994)及び脳卒中(Sager et al
.,1995)において報告されている。特定のインヒビターでのNAALAD
−アーゼ活性の阻害は、アルツハイマー病、精神分裂病またはALSのような、
虚血により引き起こされる神経変性またはグルタミン酸神経伝達における異常を
伴う他の神経変性疾患を処置することにおいて有用である可能性がある(Pas
sani et al.,1997b)。少なくともインビトロにおいて、NA
ALAD−アーゼ(カルボキシペプチダーゼ)インヒビターの2−(ホスホンメ
チル)グルタル酸(2−(phosphonemethyl)pentaned
oic acid)は、葉酸ヘキサグルタメートのカルボキシペプチダーゼ切断
により誘導される毒性を阻害した(Slusher et al.,1997)
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】
【表8】
【0066】 NAALAD−アーゼI、L、II及びIVの予測されるタンパク質配列の比較。
整列プログラムBESTFIT(GCGパッケージ)を用いて配列を2つずつ比
較した。同一性%(表の上の方の部分)及び類似性%(表の下の方の部分)の得
られた値を示す。 用いた略語の一覧表 BLAST 基本局所配列検索手段 bp 塩基対 CMV サイトメガロウイルス DMEM 限定最少必須培地 EST 発現配列標識 FISH 蛍光インサイチューハイブリダイゼーション GAPDH グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ I100 回腸100kDaタンパク質 IPTG イソプロピル−β−D−チオガラクトシド MEM 最少必須培地 NAALAD−アーゼ N−アセチル化α−結合酸性ジペプチダーゼ NAAG N−アセチル−L−アスパルチル−L−(3,4)− グルタメート ORF オープンリーディングフレーム PBS リン酸緩衝食塩水 PCR ポリメラーゼ連鎖反応 PSM 前立腺特異的マーカー QA キスカル酸塩 RACE cDNA末端の迅速増幅 RT−PCR 逆転写ポリメラーゼ連鎖反応 SDM 部位特異的突然変異誘発 SPA シンチレーション近接アッセイ SSC 塩化ナトリウムクエン酸ナトリウム TAE Tris酢酸塩EDTA X−Gal 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D− ガラクトピラノシド
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトNAALAD−アーゼLのヌクレオチド及びアミノ酸配列の実例である。
ヌクレオチド及び予測される1文字コードアミノ酸配列を示す。親水性プロット
から推測される推定の膜にまたがるドメインを線で示す。可能性があるN−グリ
コシル化部位に陰影をつける。
【図2】 ヒト及びラットNAALAD−アーゼLの予測されるタンパク質配列の整列で
ある。ClustalW整列プログラム(EMBL,Heidelberg G
ermany)を用いてこれらのアミノ酸配列を整列させた。両方のタンパク質
において同一であるアミノ酸残基を黒で強調する。右側の余白においてアミノ酸
残基に番号をつける。
【図3】 NAALAD−アーゼLの選択的スプライシングの実例である。NAALAD
−アーゼLのアミノ酸配列を示す。推定されるDNA配列がスプライシングされ
て除かれる位置を矢印で示し、結果として生じる(インフレーム)アミノ酸欠失
を肉太のイタリック体文字で強調する。推定されるイントロンDNA挿入の位置
を三角で示し、イントロンDNA配列を上に示す。結果として生じるアミノ酸配
列に対する変化を肉太のイタリック体文字で強調する。アミノ酸残基の番号付け
は右側である。
【図4】 ヒトNAALAD−アーゼIIのヌクレオチド及びアミノ酸配列である。ヌクレ
オチド及び予測される1文字コードアミノ酸配列を示す。親水性プロットから推
測される推定の膜にまたがるドメインを線で示す。可能性があるN−グリコシル
化部位に陰影をつける。
【図5】 ヒトNAALAD−アーゼIVのヌクレオチド及びアミノ酸配列である。ヌクレ
オチド及び予測される1文字コードアミノ酸配列を示す。親水性プロットから推
測される推定の膜にまたがるドメインを線で示す。可能性があるN−グリコシル
化部位に陰影をつける。
【図6】 ヒトNAALAD−アーゼI、L、II及びIVの予測されるタンパク質配列の整
列である。ClustalW整列プログラムを用いてこれらのアミノ酸配列を整
列させた。4個全てのタンパク質で同一であるアミノ酸残基に黒で陰影をつける
。4個のうち3個のタンパク質で同一であるアミノ酸残基に灰色で陰影をつける
。右側にアミノ酸残基に番号をつける。推定されるZn2+ペプチダーゼドメイン
を矢印間で強調し、酵母及び細菌のアミノペプチダーゼとの比較により同定した
。タンパク質のα/β加水分解酵素フォールドファミリーの触媒部位に関与する
推定される残基を3本の矢印で示す(求核試薬−酸−塩基)。
【図7】 NAALAD−アーゼI、L、II及びIVの系統図である。ヒト及びラット配列
を用い、CLUSTALWプログラムで整列を実施した。標準的なパラメーター
でGCG’Distances’プログラムを、そしてUPGMA法で’Gro
wtree’プログラムを用いて系統樹を構築した。
【図8】 関係のあるペプチダーゼとNAALAD−アーゼペプチダーゼドメインの整列
である。CLUSTALW整列プログラムの標準的な設定を用いてアミノ酸配列
を整列させた。タンパク質において保存される類似したアミノ酸残基に黒で陰影
をつける。タンパク質の80%において保存される類似したアミノ酸残基に濃い
灰色で陰影をつける。タンパク質の60−79%において保存される類似したア
ミノ酸残基に薄い灰色で陰影をつける。右側にアミノ酸残基に番号をつける。亜
鉛結合に関与する推定される残基を星印で示す。触媒作用おいて重要であると考
えられる基本残基を矢印で示す。NAALAD−アーゼ以外の配列名は、Swi
ss−Prot及びSPTREMBLにおける配列受託番号に対応する;Ape
3 yeast、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces
cervisiae)アミノペプチダーゼY;P96152、ビブリオ・コレ
ラ(Vibrio cholerae)アミノペプチダーゼ;.Ampx vi
bpr、アエロモナス・プロテオリチカアミノペプチダーゼ;Applicat
ion strgr、ストレプトミセス・グリセウス(Streptomyce
s griseus)アミノペプチダーゼ。亜鉛結合に関与する推定される残基
を星印で示す。触媒作用において重要であると考えられる一般的な基本残基を矢
印で示す。
【図9】 NAALAD−アーゼ活性の時間経過の実例である。NAALAD−アーゼI
(A)またはNAALAD−アーゼL(B)のいずれかで一過性トランスフェク
ションしたCOS細胞からの膜調製物の活性。1mM ZnCl2、50mM T
ris.HCl(pH 7.4)中500nMの3[H]−NAAGの加水分解を
30μMのキスカル酸塩の存在下(開いた丸)または非存在下(閉じた丸)で3
7℃で0、15、30及び60分間アッセイした。250mMのよく冷えたリン
酸ナトリウムで反応を止め、遊離した3[H]−グルタメートを測定した。(C
)コントロール(あらゆるインヒビターの非存在下での活性)の%として表され
る増加する濃度のキスカル酸によるNAALAD−アーゼI(開いた丸)及びN
AALAD−アーゼII(閉じた丸)活性の阻害。
【図10】 SPAビーズを用いるNAALAD−アーゼ活性測定の実例である。(A)高
処理量アッセイNAALAD−アーゼアッセイを開発するために反応当たりLN
CaP細胞膜調製物からの10μgのタンパク質を用いた。1mM ZnCl2
50mM Tris−HCl(pH 7.4)中40nMの3[H]−NAAGの
加水分解を100μlの反応容量で25℃で異なるインキュベーション時間の間
測定した。100μlのグリシンバッファー(pH 3.0)及び裸のYS−S
PAビーズの添加により反応を止めた。(C)コントロール(あらゆるインヒビ
ターの非存在下での活性)の%として表される増加する濃度のキスカル酸による
NAALAD−アーゼI(開いた丸)またはLNCaP膜NAALAD−アーゼ
(閉じた丸)活性の阻害。
【図11】 ヒトNAALAD−アーゼの染色体位置確認の実例である。NAALAD−ア
ーゼI(A)、L(C)、II(E)及びIV(G)のFISHマッピング結果の図
。各図において、点は同定された染色体上に検出される二重のFISHシグナル
を表す。NAALAD−アーゼI(B)、L(D)、II(F)及びIV(H)のF
ISHマッピングの例。左側のパネルは、白い矢印により示す同定された染色体
上のFISHシグナルを示し、右側のパネルは染色体を同定するためにDAIで
染色した同じ有糸分裂像を示す。
【図12】 NAALAD−アーゼII及びIV発現のノーザンブロット分析の実例である。レ
ーン当たり2μgのポリ(A)+RNAを含有するヒト複数組織ノーザンブロッ
ト(Klondike)に32pで標識したNAALAD−アーゼII(A)または
IV(B)プローブを68℃でハイブリダイズさせ、高ストリンジェンシー(SS
C/0.1% SDSの1/10希釈で50℃での最終洗浄)で洗浄した。2枚
の増感紙と共に−70℃で3〜7日後にオートラジオグラフィー感光を実施した
。分子量マーカーを各オートラジオグラムの左側にbp単位で示す。
【図13】 異なる組織におけるNAALAD−アーゼ発現のRT−PCR分析の実例であ
る。正規化したヒトMTC cDNATMに対してヒトNAALAD−アーゼI(
A)、L(B)、II(C)及びIV(D)またはGAPDH(E)に特異的なプラ
イマーでのPCR増幅を25、30及び35サイクル実施した。EagleEy
eシステム及びEagleSightソフトウェア(Stratagene)を
用いて臭化エチジウム染色した1.5%アガロースゲルからの画像を記録した。
適当なNAALAD−アーゼDNA構築物を用いて陽性コントロール増幅を実施
した。陰性コントロール増幅は反応ミックス、酵素を含有し、DNA鋳型を含有
しなかった。陽性及び陰性コントロール反応を35サイクル実施した。矢印は1
00bpラダーを用いて決定したbp単位の特定の大きさを強調する。
【図14】 脳領域におけるNAALAD−アーゼ発現のRT−PCR分析の実例である。
ヒトNAALAD−アーゼI(A)、L(B)、II(C)及びIV(D)またはG
APDH(E)に特異的なプライマーで、25、30及び35サイクルのPCR
増幅を切断した脳領域から調製した正規化したヒトcDNAに対して実施した。
EagleEyeシステム及びEagleSightソフトウェア(Strat
agene)を用いて臭化エチジウム染色した11.5%アガロースゲルからの
画像を記録した。30及び35サイクルの増幅からの結果を示す。適当なNAA
LAD−アーゼDNA構築物を用いて陽性コントロール増幅を実施した。陰性コ
ントロール増幅は反応ミックス及び酵素を含有し、DNA鋳型を含有しなかった
。全てのコントロール反応を35サイクル実施した。矢印は100bpラダーを
用いて決定したbp単位の特定の大きさを強調する。
【図15】 前立腺腫瘍細胞におけるNAALAD−アーゼ発現のRT−PCR分析の実例
である。ヒトNAALAD−アーゼI(A)、L(B)、II(C)及びIV(D)
またはGAPDH(E)に特異的なプライマーでのPCR増幅を前立腺腫瘍由来
の細胞系から調製した正規化したcDNAまたは前立腺腫瘍に対して実施した。
EagleEyeシステム及びEagleSightソフトウェア(Strat
agene)を用いて臭化エチジウム染色した1.5%アガロースゲルからの画
像を記録した。25、30及び35サイクルの増幅からの結果を示した。適当な
NAALAD−アーゼDNA構築物を用いて陽性コントロール増幅を実施した。
陰性コントロール増幅は、反応ミックス及び酵素を含有し、DNA鋳型を含有し
なかった。全てのコントロール反応を35サイクル実施した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 25/02 A61P 25/00 25/14 25/02 25/18 25/14 25/28 25/18 C12N 9/64 Z 25/28 C12Q 1/37 C12N 5/10 1/68 9/64 G01N 33/50 C12Q 1/37 C12N 15/00 ZNAA 1/68 A61K 37/02 G01N 33/50 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ネーフス,ジヤン−マルク・エドモンド・ フエルナンド・マリー ベルギー・ビー−2340ビールセ・トウルン ホウトセベーク30・ジヤンセン・フアーマ シユーチカ・ナームローゼ・フエンノート シヤツプ (72)発明者 ペータース,ダニエル・セリーヌ・ジヨル ジエツト ベルギー・ビー−2340ビールセ・トウルン ホウトセベーク30・ジヤンセン・フアーマ シユーチカ・ナームローゼ・フエンノート シヤツプ

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図1に例示するアミノ酸配列を有するヒトNAALAD−ア
    ーゼLタンパク質またはその機能性同等物、誘導体もしくは生物学的前駆体をコ
    ードするcDNA分子。
  2. 【請求項2】 図1に例示するヌクレオチドの配列を含んでなる請求項1に
    記載のcDNA分子。
  3. 【請求項3】 図3に例示するアミノ酸配列を有するヒトNAALAD−ア
    ーゼLタンパク質のスプライス変異体のいずれかをコードするcDNA分子。
  4. 【請求項4】 図3に例示するヒトNAALAD−アーゼLのそれぞれのス
    プライス変異体をコードするそれぞれのヌクレオチド欠失または挿入を有する図
    1に例示するヌクレオチドの配列を含んでなる請求項3に記載のcDNA分子。
  5. 【請求項5】 図4に例示するアミノ酸配列を有するNAALAD−アーゼ
    IIタンパク質またはその機能性同等物、誘導体もしくは生物学的前駆体をコード
    するcDNA分子。
  6. 【請求項6】 図4に例示するヌクレオチド配列を含んでなる請求項5に記
    載のcDNA分子。
  7. 【請求項7】 図5に例示するアミノ酸配列を有するNAALAD−アーゼ
    IVタンパク質またはその機能性同等物、誘導体もしくは生物学的前駆体をコード
    するcDNA分子。
  8. 【請求項8】 図5に例示するヌクレオチド配列を有する請求項7に記載の
    cDNA分子。
  9. 【請求項9】 高ストリンジェンシー条件下で請求項1及び8のいずれかに
    記載のcDNA分子にハイブリダイズすることができる核酸分子。
  10. 【請求項10】 図1に例示するヌクレオチド配列によりコードされるアミ
    ノ酸配列を有するヒトNAALAD−アーゼLタンパク質またはその機能性同等
    物もしくは誘導体。
  11. 【請求項11】 図1に例示するアミノ酸配列を有するかまたは図3に例示
    するアミノ酸配列の挿入もしくは欠失を含む請求項10に記載のヒトNAALA
    D−アーゼLタンパク質。
  12. 【請求項12】 図4に例示するヌクレオチド配列によりコードされるNA
    ALAD−アーゼIIタンパク質またはその機能性同等物、誘導体もしくは生物学
    的前駆体。
  13. 【請求項13】 ヒトNAALAD−アーゼIIタンパク質である請求項12
    に記載のタンパク質。
  14. 【請求項14】 図4に例示するアミノ酸配列を有する請求項12または1
    3に記載のタンパク質。
  15. 【請求項15】 図5に例示するヌクレオチド配列によりコードされるアミ
    ノ酸配列を有するNAALAD−アーゼIVタンパク質またはその機能性同等物、
    誘導体もしくは生物学的前駆体。
  16. 【請求項16】 ヒトNAALAD−アーゼIVタンパク質である請求項15
    に記載のタンパク質。
  17. 【請求項17】 図5に例示するアミノ酸配列を有する請求項15または1
    6に記載のタンパク質。
  18. 【請求項18】 請求項1〜8のいずれかに記載のcDNA分子を含んでな
    るDNA発現ベクター。
  19. 【請求項19】 サイトメガロウイルスプロモーターを含んでなる請求項1
    8に記載のベクター。
  20. 【請求項20】 レポーター分子をコードする配列を含んでなる請求項18
    または19に記載のベクター。
  21. 【請求項21】 請求項18〜20のいずれかに記載のベクターで形質転換
    するかまたはトランスフェクションした宿主細胞。
  22. 【請求項22】 原核細胞または真核細胞を含んでなる請求項21に記載の
    宿主細胞。
  23. 【請求項23】 COS細胞である請求項21または22に記載の宿主細胞
  24. 【請求項24】 請求項10〜17のいずれかに記載のタンパク質を発現す
    ることができる導入遺伝子を含んでなるトランスジェニック細胞、組織または生
    物。
  25. 【請求項25】 該導入遺伝子が請求項18〜20のいずれかに記載のベク
    ターを含んでなる請求項24に記載のトランスジェニック細胞、組織または生物
  26. 【請求項26】 薬剤としての使用のための請求項1〜9のいずれかに記載
    のcDNAもしくは核酸分子またはその機能性同等物。
  27. 【請求項27】 アルツハイマー病、精神分裂病、ALS、パーキンソン病
    、末梢ニューロパシー、ハンチントン病、急性脳損傷、多発性硬化症、神経毒暴
    露、末梢神経損傷、虚血または痴呆症を包含する神経疾患の処置の薬剤の調製に
    おける請求項1〜9のいずれかに記載のcDNAもしくは核酸分子またはその機
    能性フラグメントの使用。
  28. 【請求項28】 請求項1〜8のいずれかに記載の核酸もしくはcDNA分
    子または請求項10〜17のいずれかに記載のタンパク質をその製薬学的に許容
    しうる担体、希釈剤または賦形剤と一緒に含んでなる製薬学的組成物。
  29. 【請求項29】 化合物が請求項10〜17のいずれかに記載のNAALA
    D−アーゼタンパク質の活性のインヒビターまたはエンハンサーであるかどうか
    を決定する方法であって、該化合物を[3H]N−アセチル−L−アスパルチル
    −L−グルタメート(NAAG)の存在下でNAALAD−アーゼタンパク質と
    接触させること並びに該化合物と接触していない該NAALAD−アーゼ及びN
    AAGのコントロールと比較してNAAGの加水分解の量をモニターすることを
    含んでなる方法。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載のNAALAD−アーゼ活性のインヒビ
    ターまたはエンハンサーとして同定できる化合物。
  31. 【請求項31】 薬剤としての使用のための請求項30に記載の化合物。
  32. 【請求項32】 アルツハイマー病、精神分裂病、ALS、パーキンソン病
    、末梢ニューロパシー、ハンチントン病、急性脳損傷、多発性硬化症、神経毒暴
    露、末梢神経損傷、虚血または痴呆症のような神経疾患または疾病の処置のため
    の薬剤の調製における請求項30に記載の化合物の使用。
  33. 【請求項33】 請求項30に記載の化合物をその製薬学的に許容しうる担
    体、希釈剤または賦形剤と一緒に含んでなる製薬学的組成物。
  34. 【請求項34】 請求項10〜17のいずれかに記載のNAALAD−アー
    ゼタンパク質の発現または活性のインヒビターまたはエンハンサーである化合物
    を同定する方法であって、該タンパク質を発現する宿主細胞、組織または生物を
    試験する化合物と接触させること及び該タンパク質を発現する該細胞を含んでな
    るが該化合物と接触していないコントロールと比較して該タンパク質の発現また
    は活性をモニターすることを含んでなる方法。
  35. 【請求項35】 該NAALAD−アーゼ発現細胞が、請求項21〜23の
    いずれかに記載の宿主細胞または請求項24もしくは25に記載のトランスジェ
    ニック細胞、組織もしくは生物を含んでなる請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 該モニタリング工程が該レポーター分子の発現をモニター
    することを含んでなる請求項35に記載の方法。
  37. 【請求項37】 請求項34〜36のいずれかの方法により発現または活性
    のインヒビターまたはエンハンサーとして同定できる化合物。
  38. 【請求項38】 薬剤としての使用のための請求項37に記載の化合物。
  39. 【請求項39】 アルツハイマー病、精神分裂病、ALS、パーキンソン病
    、末梢ニューロパシー、ハンチントン病、急性脳損傷、多発性硬化症、神経毒暴
    露、末梢神経損傷、虚血または痴呆症のような神経疾患を処置するための薬剤の
    調製における請求項37に記載の化合物の使用。
  40. 【請求項40】 請求項37に記載の化合物をその製薬学的に許容しうる担
    体、希釈剤または賦形剤と一緒に含んでなる製薬学的組成物。
  41. 【請求項41】 (a)SPAビーズの存在下で目的の酵素をその放射性標
    識した加水分解可能な基質と接触させること; (b)グリシンバッファーを加えることにより該反応を止めること;及び (c)該ビーズに結合した該基質からのシグナルをモニターすること を含んでなる酵素活性を定量する方法。
  42. 【請求項42】 (a)SPAビーズ及び試験する化合物の存在下で目的の
    酵素をその放射性標識した加水分解可能な基質と接触させること; (b)グリシンバッファーを加えることにより該反応を止めること;及び (c)該化合物と接触していないコントロールと比較して該ビーズに結合した基
    質からのシグナルをモニターすること を含んでなる、酵素の活性のインヒビターまたはエンハンサーである化合物を同
    定する方法。
  43. 【請求項43】 該基質が[3H]NAAGを含んでなり、そして該酵素が
    NAALAD−アーゼ酵素を含んでなる請求項41または42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 該酵素が請求項10〜17のいずれかに記載のNAALA
    D−アーゼを含んでなる請求項41〜43のいずれかに記載の方法。
  45. 【請求項45】 請求項43または44の方法によりNAALAD−アーゼ
    活性のインヒビターまたはエンハンサーとして同定できる化合物。
  46. 【請求項46】 請求項45に記載の化合物をその製薬学的に許容しうる担
    体、希釈剤または賦形剤と一緒に含んでなる製薬学的組成物。
  47. 【請求項47】 薬剤としての使用のための請求項45に記載の化合物。
  48. 【請求項48】 アルツハイマー病、精神分裂病、ALS、パーキンソン病
    、末梢ニューロパシー、ハンチントン病、急性脳損傷、多発性硬化症、神経毒暴
    露、末梢神経損傷、虚血または痴呆症のような神経疾患を処置するための薬剤の
    製造における請求項45に記載の化合物の使用。
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