JP2002517258A - 変異分析用の核酸ハイブリッドを生ずる方法 - Google Patents

変異分析用の核酸ハイブリッドを生ずる方法

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JP2002517258A
JP2002517258A JP2000553614A JP2000553614A JP2002517258A JP 2002517258 A JP2002517258 A JP 2002517258A JP 2000553614 A JP2000553614 A JP 2000553614A JP 2000553614 A JP2000553614 A JP 2000553614A JP 2002517258 A JP2002517258 A JP 2002517258A
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アンドリュー・ウォレス
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セントラル・マンチェスター・ヘルスケア・エヌエイチエス・トラスト
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Abstract

(57)【要約】 変異分析を目的とし種々の位置からハイブリッド分子に配列X1、X2…Xn[式中、nは3よりも大きいかまたは3に等しい]の集合を与える(例えば、配列を与える)ハイブリッドDNA分子を生ずる方法。当該方法には、(1)(a)ハイブリッド分子に集合する、配列X1、X2…Xnおよびその相補配列X1'、X2'…Xn'(b)(a)で定義される各一対の相補配列の場合、それぞれプライミング配列を有する、各一対のPCRプライマーであって、任意の2つの配列(Xi、X'(i+ 1))[式中、iは1から(n−1)である]の3'末端にハイブリダイズする当該プライマーが特異的な相補的リンカー配列を有する、各一対のPCRプライマーの単一反応混合物を提供すること、(2)リンカー配列に提供されるプライマーが限定的な濃度で存在する、第1段階PCR反応を実施すること、(3)一方がセンス鎖の5'末端を提供し、他方が必要とされるハイブリッド分子(required hybrid molecule)のアンチセンス鎖の3'末端を提供する、単一対のプライマーを用いる第2段階PCR反応を実施すること、の段階が含まれ、当該ハイブリッド分子を生ずる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、所望の(または潜在的所望の)1以上の配列の隣接直線状アレイを
予め定められた相互関係で含むDNAハイブリド分子をつくる方法に関する。
【0002】 多くの適用において、所望の(または潜在的所望の)配列を予め定められた相
互関係で含むDNAハイブリド分子が提供されることが望まれている。この1つ
の適用は変異検出であって、位置情報を提供する多数の変異スキャンニング技術
により一度に1.5kbまで走査できる。例えば、CCM、EMC、NIRCA
、PTTがある。しかし、大部分の遺伝子が、比較的大きい距離に広がっている
短いコード配列(エキソン)中に組織化されている。結果として、変異スキャン
ニング技術は、その完全な能力まで使用されておらず、費用/利益効率が利用を
制限しており、SSCPやHAなどの感度の低いサイズ拘束法が好まれている。
これらの問題を回避する他の方法、RT−PCRなどでは、RNAを扱う問題や
常染色体条件での変異対立遺伝子の損失が数多くある。
【0003】 DNAハイブリド分子の提供が望まれる別の適用は、DNA配列決定について
である。
【0004】 同一または相違のDNA分子中に離れた位置で存在するエキソンを含むDNA
分子をつくるための方法は、すでに多く知られている。その1つの方法は、重複
伸張による遺伝子「スプライシング」であって、US-A-5 023 171(さらにHorton
et al., 1989. Gene, 77, 61-68)に開示されている。この技法において、一緒
に「スプライスする」2つの遺伝子断片は、別個のPCR反応でまず増幅される
。各PCR反応にとって、2つのプライマーの1つは、プライマーのゲノム特異
的配列の5’末端に付着し、他のPCR反応のプライマー上のリンカー配列に相
補的に設計されたリンカーを有する。
【0005】 別個のPCR反応で増幅された遺伝子断片を次いで精製し、一緒に合わせて、
変性−リアニーリング−鎖合成の周期に供する。この周期の結果として、互いに
ハイブリダイズした相補的リンカー配列が伸張されて、リンカー配列により結合
した2つの遺伝子断片を含む2重鎖分子をつくる。
【0006】 重複伸張によりつながれる遺伝子は、ひと組の方法で連結されるべき断片を必
要とする。この方法には、2つを越える遺伝子の構築体の作成のために精製およ
び再生成の追加という面倒な工程が含まれる。さらに、遺伝子融合法はTaqポ
リメラーゼを利用するが、Taqにより導入される3’dAオーバーハングのプ
ライマー設計が考慮されていない。従って、US-A-5 023 171で用いられているプ
ライマー設計では、大部分の断片が、2つの断片の非効率的な融合となる誤対合
を有することになる。
【0007】 DNAハイブリド分子をつくる別の方法は、単一の結合プライマーを用いて断
片を融合する遺伝子融合法である。Nucleic Acids Research, 17, 4895 (1989)
(Yon & Freide)に開示されている。2を越える断片の融合にはまったく非効率的
なようである。PCR産物自体がプライマーの代わりとして働き、全体の融合反
応が非効率的な中間体形成を起こす。また、この公表方法では、2つの断片でも
反応中に非融合産物による汚染がある。
【0008】 DNAハイブリド分子をつくる別の方法は、抗体をつくるためのジシストロン
DNA分子(上流と下流のシストロンを含む)のライブラリーの創生についての
PCR依存方法である。WO-A-9215678 (Stratagene)に開示されている。この開
示によると、単一の反応器中で下記のレパートリーを組み合す:
【0009】 (i)第1ポリペプチド遺伝子とそのPCRプライマー対のレパートリー。プラ
イマーの1つは、リンク配列を提供する第1の5’末端非プライミング部分を有
する。 (ii)第2ポリペプチド遺伝子とそのPCRプライマー対のレパートリー。プラ
イマーの1つは、リンク配列を提供する第2の5’末端非プライミング部分を有
する。
【0010】 第1と第2の5’末端部分は、ハイブリダイズできて、上流と下流のシストロ
ンをリンクするための2重鎖シストロン橋をコードする二本鎖を形成するもので
ある。
【0011】 反応において変性、塩基対形成、鎖合成がなされる条件で、ジシストロン分子
のライブラリーがつくられる。
【0012】 本発明の第1態様は、センス鎖およびアンチセンス鎖を有するハイブリドDN
A分子をつくる方法を提供する。センス鎖は配列x1、x2.....xn(nは3より
も大きいかまたは3に等しい)を有し、5’から3’の方向に読む。本方法は下
記の工程を含む:
【0013】 (1)下記の単一反応混合物を準備する。 (a)ハイブリド分子に集合する、配列x1、x2.....xnおよびその相補的配列
x'1、x'2.....x'n (b)(a)で定めた相補的配列の各対について、プライミング配列を有する各
PCRプライマーの各対。いずれの2つの配列(xi、x'(i+1))(iは1から(
n-1))の3’末端にもハイブリダイズするプライマーが、特異的相補性リンカー
配列を有するものである。
【0014】 (2)第1段階PCR反応を行う。ここでは、リンカーをもつプライマーが限定
的濃度で存在する。
【0015】 (3)単一対のプライマーを用いて第2段階PCR反応を行う。1つのプライマ
ーはセンス鎖5’末端を、別のプライマーはアンチセンス鎖3’末端を、必要な
ハイブリド分子において提供する。 これにより、該ハイブリド分子が生成する。
【0016】 本発明の好ましい実施態様において、第1および第2の各PCR反応で、熱安
定性の重合用酵素としてTaqを用いる。この場合、リンカー配列を有するこれ
らのプライマーは、リンカー配列がその各々のプライミング配列にアデノシン残
基を介して結合するように設計する。これには、伸張鎖の3’末端でTaqによ
り加えられた3’アデニン・オーバーハングを考慮する。余分のアデノシン残基
を包含するプライマーは、伸張鎖の3’末端で3’アデニン・オーバーハングを
加える他の重合用酵素、および加えない他の重合用酵素との両方でもちろん使用
できる。
【0017】 このことは第2態様での本発明に重要な特徴を与える。従って、第2態様は、
、センス鎖およびアンチセンス鎖を有するハイブリドDNA分子をつくる方法を
提供する。センス鎖は配列x1、x2.....xn(nは3よりも大きいかまたは3に
等しい)を有し、5’から3’の方向に読む。この方法は下記の工程を含む:
【0018】 (1)下記の単一反応混合物を準備する (a)ハイブリド分子に集合する、配列x1、x2.....xnおよびその相補的配列
x'1、x'2.....x'n (b)(a)で定めた相補的配列の各対について、プライミング配列を有する各
PCRプライマーの各対。いずれの2つの配列(xi、x'(i+1))(iは1から(
n-1))の3’末端にハイブリダイズするプライマーは、アデニン残基を介して各
プライミング配列に結合した特異的相補性リンカー配列を有するものである
【0019】 (2)3’アデニン・オーバーハングを伸張鎖の末端に加え得る、または加え得
ない熱安定性ポリメラーゼを使用してPCR反応を行う。
【0020】 本発明は、配列x1、x2.....xn(およびその相補的配列x'1、x'2.....x' n )を予め定めたリンク関係で含むDNAハイブリド分子をつくり得る。この分
子は、同一または相違のDNA分子の様々な領域で提供された夫々個々の配列か
ら高収率でつくられる。用いるリンカー配列は、意図するハイブリド分子に集合
する配列とは無関係である。さらに、重合用酵素としてのTaqと合わせて使用
されるプライマーについて追加のアデノシン残基を包含すると、断片の非効率な
融合となる誤対合を回避できる。
【0021】 配列x1、x2.....xnは、例えば、特定のDNA分子に沿って(おそらく未知
の配列で)なんらかの距離で離れているエキソンであり得る。一方、本発明方法
でつくられるハイブリド分子において、配列は互いに比較的短い既知の配列、例
えば、20から30塩基の配列で隔てられている。
【0022】 本発明によりつくられるハイブリド分子を、例えば、変異検出の目的に構築で
きる。より詳細には、ハイブリド分子は、最高1.5kbの長さを有する分子に
おいて複数のエキソン(1以上の変異が存在し得る)を含み、CCM、EMC、
NIRCA、PTTなどの技法によって、これらのエキソンのすべての変異走査
を可能にする。別の可能性があるのは、エキソンのより効率的な配列決定(内因
性DNA分子におけるその位置でのエキソンの配列決定に比して)をなし得るよ
うに構築された複数のエキソンを含むハイブリド分子である。
【0023】 さらに可能性があるのは、ハイブリド遺伝子の構築における本発明方法の使用
である。 本発明方法は、2つの反応工程を有し、単一の反応混合物において準備された
個別の配列x1、x2.....xn(およびその相補的配列x'1、x'2.....x'n)か
ら所望のDNAハイブリド分子をつくることができる。しかし、ある状態におい
ては、相補的配列(x1、x2.....xn)または(x'1、x'2.....x'n)の組の
一方または他方のみが第1PCR反応の出発時に最初から存在し、その場合、「
欠如している」相補性配列は、最初のPCR反応段階でインシトゥで生成される
【0024】 PCR反応の第1段階のためには、意図するDNAハイブリド分子中に存在す
べき相補性配列の各組(x1、x'1)(x2、x'2)....(xn、x'n)についてPC
Rプライマー対がある。配列x1'およびxnの3’末端にハイブリダイズしてい
るプライマーは、「標準的」PCRプライマーであって、配列x1'またはxn
この場合がそうであり)あるいはその外領域のいずれかにハイブリダイズされる(
ハイブリド分子に包含されるべき配列x1'またはおよびxnの3’末端が、PC
R反応の第2段階(下記参照)で使用されるプライマーにより決定されるので)。
【0025】 PCR反応の第1段階のための他のプライマーは、事実上修飾されたPCRプ
ライマーであり、リンカー配列に付着したプライミング配列(すなわち、標準的
PCRプライマーの方法において適当なxおよびx’配列にハイブリダイズする
配列)を含む。(便宜的に、リンカー配列を包含するプライマーも本明細書では
「リンカープライマー」と呼ぶ)。リンカー配列は、なんらかの2つの配列(xi 、x(i+1))の3’末端にハイブリダイズするプライマーが、互いに特異的に相補
性であるリンカー配列を有するものである。すなわち、これらのリンカー配列は
、互いにハイブリダイズするが、反応混合物中のいかなる他の配列ともハイブリ
ダイズしない。必要とするDNAハイブリド分子の集合をリンカー配列が提供す
る機能の形態は、図面と関連付けた下記の説明により、さらに完全に理解される
であろう。
【0026】 この型のプライマー設計によって、所望のハイブリド分子中に包含される配列
xおよびx1に無関係のリンカー配列の採用が可能となり、ハイブリド分子にリ
ンクされる配列xおよびx'の部分にリンカーがハイブリダイズすることを確保
する必要がない。リンカーのこの設計は不自然なものでない。
【0027】 リンカー配列は、例えば、20から30の塩基を含み、理想的には、いかなる
2次構造(例えば、「ヘアピン」)を有しない。好ましくは、相補性対の塩基対形
成温度(Tm)は実質的に同じであって、配列xおよびx'に対するプライマーの
塩基対形成温度より2−5℃高い。
【0028】 まったく例示として、ハイブリドDNA分子の集合(重合酵素としてTaqを
用いるPCR反応による)のためのリンカープライマーに包含され得る相補性リ
ンカー配列の相補性組を示す。これには、5つの配列x1-5およびその各々の相
補体が含まれる。下記において、用語「特異的配列」はリンカープライマーのプ
ライミング部分である。
【化2】
【0029】 上記の配列において、太字の「a」は、プライマー中に組込まれた追加のアデ
ノシン残基である。伸張鎖の末端でTaqにより加えられた3’アデノシン・オ
ーバーハングがある。
【0030】 第1段階PCR反応において、配列x1’およびxnの3’末端についてのリン
カープライマー、および好ましくは標準的PCRプライマーも、限定的濃度で準
備される。「限定的濃度」とは、非効率的な増幅をもたらすプライマーの濃度で
あって、濃度の増加が産物収量の増加となるものを言う。限定的PCR反応にお
ける単一複写鋳型に対するプライマーの比率は、典型的には約1x106:1か
ら約1x108:1(例えば、約3x107:1)であり得る。標準的な限定的濃度
は例えば40nMである。しかし、限定的濃度は、使用するプライマーの各組に
ついて経験的に容易に決めることができる。
【0031】 上記の限定的プライマー濃度の使用に従って、第1段階PCR反応を適当な条
件(例えば、ポリメラーゼ酵素、ヌクレオチド、緩衝液、温度周期など)で実施
し得ることを、当業者は容易に理解するであろう。例えば、温度周期には、90
℃での変性、60℃でのハイブリダイゼーション、72℃での鎖合成がある。
【0032】 特に好ましくは、第1段階反応で使用されるポリメラーゼ酵素は、熱(例えば
、90℃から95℃)により活性化されるように調製されたもので、低温では非
特異的ハイブリダイゼーションがないものである。
【0033】 熱活性ポリメラーゼ酵素は当技術分野で知られている。例えば、本発明方法で
用い得るそのような酵素に、AmpliTaq Gold (Perkin Elmer)およびPlatinum Taq
(Gibco BRL)がある。
【0034】 本発明方法の好ましい実施態様において、第1段階PCR反応の産物を、第2
段階の前に処置して、残渣のプライマーと鋳型DNAとの望まない非緊縮ハイブ
リダイゼーションが起きるのを防止する。このことにより、第2段階PCR反応
についての「ホット・スタート」が確保される。この処理は、例えば、エキソヌ
クレアーゼ消化であって、エキソヌクレアーゼを第1段階反応混合物に加え、混
合物を37℃(例えば、15分間)、次いで80℃(例えば、30分間)インキュベ
ートし、すべての単一標準的分子を除去する。あるいは、さらに好ましくは、第
1段階反応混合物を例えば−20℃に冷やし、残渣のDNAポリメラーゼ活性を
不活化する。
【0035】 第2段階反応において、過剰の2種のPCRプライマーを用いる。1つは配列
1’の3’末端にハイブリドし、今1つは配列xnの3’末端にハイブリドする
(したがって、意図したハイブリド分子のセンスおよびアンチセンス鎖の5’末
端をそれぞれ提供する)。過剰は、濃度の増加が収量の増加を起こさないような
プライマーの濃度についてである。「過剰」を当業者は容易に決め得るであろう
。例えば、典型的な反応について、濃度は500nMである。
【0036】 新鮮なポリメライジング酵素を第2段階PCR反応で使用する。好ましくは、
第1段階反応で記載したような熱活性化ポリメラーゼ酵素である。
【0037】 第2段階反応は、第1段階で記載したような熱周期条件で行い得る。 添付の図面を引用しながら本発明をさらに説明する。
【0038】 図1は、DNAハイブリド分子、およびその元の「天然に生ずる」DNA分子
を示す。 図2は、「天然生成」DNA分からハイブリド分子への転換を示す。 図3−7は、実施例の結果を示す。
【0039】 本発明を、天然生成DNA分子2(参照、図1)中に存在するエキソンを含むD
NAハイブリド分子1(参照、図1)の合成に関してのみを例として説明する。具
体的には、分子2はセンスおよびアンチセンス鎖3および4をそれぞれ含んでい
る。前者は所望のエキソンx1、x2、x3.....xnを包含している。これらの配
列x1、x2、x3.....xnは、その各々の相補的配列x'1、x'2、x'3.....x'n をアンチセンス鎖4中に有し、例えば、互いに何百の塩基に分離され得る。
【0040】 図示したハイブリド分子1は、センスおよびアンチセンス鎖5および6をそれ
ぞれ有す。前者は配列x1、x2、x3.....xnを包含し、後者は配列x'1、x'2
、x'3.....x'nを包含している。図示するように、配列x1とx2とは配列-t-L1 2 -a-を介して結合している(5’から3’の方向に読む)。aおよびtはそれぞれ
アデニンおよびチミジン残基を表し、L12 はリンカー配列である(下付き「12
」はリンカーが配列x1とx2との間にあることを意味する)。同様に、配列x2
3とは配列-t-L23-a-を介して結合している。以下同じである。
【0041】 分子1を分子2から合成する方法を説明する図2を参照にする。より具体的に
、本合成は、ポリメライジング酵素として熱活性化Taqポリメラーゼを用いる
2段階PCR反応に関し、第1段階が修飾PCRプライマーの多くの対の限定さ
れた濃度を利用し、各配列の一つの対(x1、x1')、(x2、x2')、(x3、x3')
……(xn、xn')をハイブリッド分子内に包含させる。ハイブリッド分子1(即ち
、(x1、x1')および(xn、xn')以外の全ての配列)の間にあるこのような各配
列(xj、xj')(jは2から(n−1))に関して、プライマー対は (i)“センス配列”xjの3'領域と特異的にハイブリダイズし、その5'末端で
リンカー配列L'j,(j+1)に、アデニン残基(“a”)を介して結合するプライミン
グ配列を有する第1プライマー;および (ii)“アンチセンス配列”xj'の3'領域と特異的にハイブリダイズし、その5'
末端でリンカー配列L'j-1 jに、アデニン残基(“a”)を介して結合するプライ
ミング配列を有する第2プライマーを有する。
【0042】 配列(x1、x1')のプライマー対は、上記(i)で定義のプライマー(結合配列は
12である)および、配列x1'の3'領域に特異的な慣用のPCRプライマー(P
1)を含む。配列xn、xn'のためのプライマー対は、上記(ii)で定義のプライマ
ー(結合配列はL(n-1),nである)、および配列xnの3'領域に特異的な慣用のP
CRプライマー(P2)を含む。
【0043】 記載のプライマーが開始DNA分子2(その構成要素の鎖に変性されたときに)
とハイブリダイズすることが意図される方法は、図2に説明の通りである。
【0044】 修飾PCRプライマーの部分を形成するリンカー配列は、それらが内部二次的
構造を有しないようなもの(例えば、“ヘアピン”)であり、二つのこのような相
補的配列は、プライミング配列およびその完成形よりも僅かに高いアニーリング
温度(Tm)を有する。適当なリンカーの例は上に示してある。
【0045】 第1段階PCR反応において、“開始”DNA分子2を、記載のように1組の
プライマーで、熱活性化Taqポリメラーゼ(例えば、約94℃の活性化温度を
有する)と共に、適当な緩衝液中で処理する。この第1段階において、全てのプ
ライマーが限定された濃度で存在する。
【0046】 第1段階は、最初の、相対的に高い温度、変性段階(例えば、95℃で)、続く
ハイブリダイゼーション段階(例えば、60℃で)、続く鎖合成段階(例えば、7
72℃で)のような温度サイクルの条件下で行う。
【0047】 この一連の温度サイクル段階の結果、PCR反応は、全てのxおよびx'配列(
1およびxn'以外)の3'−末端がその各々のリンカー配列に、アデニン残基“
a”を介して結合し、全ての配列(x1'およびxn以外)の5'末端がその各々のリ
ンカー配列にチミジン残基“t”を介して結合している“短”生産物(図2参照)
の産生をもたらすのに有効である。更に、各々の短生産物の3'末端は、Taq
ポリメラーゼで添加されたアデニン残基を有する。
【0048】 特定の機械的解釈に限定することを望まないが、我々は、第1段階PCR反応
がまた幾分かの“より長い”生産物をもたらすと考える。このような“より長い
”生産物が短生産物の選択された一つから形成される態様は、点線枠内に説明し
た反応の段階で説明する。より具体的に、相補的リンカー配列は互いにハイブリ
ダイズでき、そのフランキング“t”および“a”残基は、各々相補的リンカー
配列の側面の“a”および“t”残基とハイブリダイズすることは注目される。
このような“自己プライムド”構築物を産生し、伸長は“より長い”生産物を産
生することを可能にする方向で起こり得る。更に、このように産生したこのよう
なより長い生産物の末端結合配列は、更に“より長い”生産物または短生産物の
末端結合配列とハイブリダイズできる可能性があり、更なる伸長がより長い断片
の製造に可能であることは認められる。(より長い生産物の合成は、第1段階で
部分的におよび第2段階で部分的に置き得(下記)るが、我々はこれらの生産物が
完全に第1または第2段階反応のいずれかで形成される可能性を除外することは
望まない。)“より長い”生産物の産生は、点線で定義された枠内に説明し、P
CR反応の第1および第2段階は、点線矢印で繋がる。
【0049】 第1段階反応の最後に、反応混合物を好ましくは−20℃に凍結し、残ってい
るポリメラーゼ活性を不活性化する。
【0050】 反応の第2段階に関して、意図するハイブリッド分子のセンスおよびアンチセ
ンス鎖の5'末端を定義する過剰のフランキングプライマーを、反応混合物に添
加する。図2、これらのフランキングプライマーをFP1およびFP2として、
それらがハイブリダイズする場所と共に説明している。第2段階反応にまた提供
されるのは、緩衝液、ヌクレオチド等と共に上昇した温度でのみ活性化する更な
るポリメラーゼである。反応混合物を次いで先に記載のような熱サイクル、即ち
、変性(例えば、95℃で1分)、例えば、60℃でのハイブリダイゼーション(
例えば、1分)および合成(例えば、72℃で2分)に付す。
【0051】 ポリメラーゼが上昇した温度でのみ活性化のため、反応混合物の最初の加熱中
に無作為にハイブリダイズする配列は、ポリメラーゼが活性化する温度の前に変
性し、これらのハイブリダイゼーションから実質的に伸長反応はもたらされない
。言い方を変えて、ポリメラーゼの活性化温度以上で起こるハイブリダイゼーシ
ョンのみが、下により完全に説明するような、ハイブリッド分子1の産生に必要
なものである。
【0052】 第2段階の結果として、意図されるハイブリッド分子が産生される。
【0053】 多くの修飾を説明のプロトコールになし得ることは認められるべきである。例
えば、少なくとも配列x1、x2……xnのいくつかは最初に別々の染色体に提供
し得る。
【0054】 更に、プライマーp1およびp2は、各々配列x1およびxn'の外側であり得る
。 本発明の続く非限定的実施例により更に説明する。
【0055】 実施例1 1.1 材料及び方法 1.1.1 プライマー設計 1組のプライマーは、神経芽細胞腫タイプ2(NF2)遺伝子のエキソン6、7
、8、9および10の増幅のために設計した(補遺A参照)。これらの5つのエキ
ソンは、遺伝子のコード配列のほぼ真中の3分の1を含む。プライマーを、Olig
o v 4.1プログラムMedProbe, Postboks 2640, St. Hanshaugen, N-0131, Oslo
, Norway)の助けを借りて設計した。プライマーのゲノム特異的セグメントは、
ほぼ等しいTm(平均Tm=62.3℃@180mM塩濃度)を有する様に選択した
。自己集合プライマーの相補的5'末端は、約50%のGC含量の無作為選択配
列で設計し、内部二次的構造を有さず、自己就業に好ましいようにゲノム特異的
セグメントよりも高いTmを有する(平均Tm=64.9℃@180mM塩濃度)。
補足的アデニン残基を、Taqポリメラーゼにより付加された3'アデニン突出
部を発生期のDNA鎖に収容させるために、自己集合プライマーのゲノムと5'
相補的セグメントの間に挿入した。全てのプライマーをAlu反復配列に対する
相同性に関して、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/egi-bin/BLAST/nph-blastから
入手可能なBLAST分析プログラムを使用してチェックした。表1は、1NT
2エキソン6−12アレイに使用した12プライマーの配列およびTmを示す。
【0056】 プライマーは、全て0.05μMスケールで合成し、逆相カートリッジおよびH
PLC精製した(MWG Biotech)。
【0057】 1.1.2 自己集合アレイの増幅 DNAを、末梢血リンパ球からApplied Biosystems 380A DNAエクストラクタ
ーに抽出した。
【0058】 自己集合DNAアレイのPCR増幅を2段階で行った。1次反応は、20μl
容量で、67mMトリス−HCl(pH8.3@25℃)、16.6mM硫酸アンモ
ニウム、3.7mM MgCl2および0.085mg.mL-1 BSA含有1×PC
R緩衝液中、50ngのゲノムDNA、40nmol.L-1のプライマー1−10(表1
)、750μmol.L-1の各dNTP、0.6U Platinum Taqポリメラーゼ(Gibco
BRL)を使用して行った。PCR増幅は、Perkin-Elmer 2400または9600熱サイク
ルで、以下のパラメーターを使用して行った:最初の変性94℃(3分)、30サ
イクルの94℃(1分);60℃(1分);72℃(2分)、続いて最後の72℃(1
0分)の合成。サイクルの完了直後、1次PCR反応物を−20℃に零頭し、残
っているDNAポリメラーゼ活性を不活性化した。
【0059】 表1:NF2エキソン6−10自己集合アレイの増幅用プライマー配列。プライ
マー2から9は全て自己集合アレイに内在性であり、斜体で強調した相補的5'
末端の4つの対の一つを含む。Taqポリメラーゼにより添加された3'末端ア
デニン残基を発生期のDNA鎖に収容させるために包含させた余分のアデニンヌ
クレオチドを、太字で下線を引く。各々のプライマーの各々のゲノムまたはリン
カー部分の融点(Tm)をまた示す。
【表1】
【0060】 2次反応を別の20μl容量で、50mMトリス−HCl(pH9.0@25℃)
、20mM硫酸アンモニウムおよび1.5mM MgCl2含有1×PCR緩衝液
中、2μLの1次PCR、500nmol.L-1のプライマー11および12(表1)
、200μmol. L-1の各dNTP、0.6U Platinum Taqポリメラーゼ(Gibco
BRL)を使用して行った。熱サイクル条件は、1次増幅で使用したのと同一であ
った。
【0061】 1.1.3 DNAの標識 最終適用に依存して、内部プライマー(11および12)は非標識(配列決定お
よびCCMプローブDNA)であるか、または5'ビオチン標識(CCM試験DN
A)した。内部標識蛍光CCMプローブDNAの産生のために、2次PCRを正
常コントロールDNAからの1次PCRで設定し、TAMRA標識dCTP(Per
kin-Elmer)を添加して、2次PCRの最終濃度を800nmol.L-1とした。他の
反応条件は、先に2次PCRに関して記載のものと同じであった。
【0062】 1.1.4 サイクル配列決定 配列決定のために、残りの生産物を次いで分取1%アガロースゲルで電気泳動
し、1046bpバンドを切除し、QiaQuickゲル精製キット(Qiagen)を使用して
、回収効率を最大にするために結合段階中に溶解ゲル切片をカラムを3回通過さ
せた修飾以外、製造者のプロトコールにしたがって精製した。精製サンプルを次
いで40μLの10mM トリス−HCl(pH8.0)の添加によりカラムから溶
出させた。
【0063】 各サンプル40−60ngを、プライマー11または12のいずれかを使用して
、両方の配向でBigDyeターミネーターサイクル配列決定キットを使用して配列決
定した(Perkin-Elmer, Applied Biosystems)。サイクル配列決定反応のアニーリ
ング温度を、プライマー11および12の高いTmを反映させるために50℃か
ら55℃に上昇させた以外、温度製造者のプロトコールに従った。配列決定反応
を次いで電気泳動し、Applied Biosystems 377蛍光シークエンサーに、読取プレ
ートに48cmウェルを使用して回収した。
【0064】 1.1.5 ミスマッチの化学的開裂(CCM) ヘテロ二本鎖を、非精製ビオチニル化試験DNAと非精製内部TAMRA標識
正常コントロールプローブDNAの等量の94℃で5分の加熱、続く64℃で1
2時間のアニーリングにより形成させた。
【0065】 各サンプルを、1%低ゲル化温度アガロースゲルを介して電気泳動することに
よりヘテロ二本鎖DNAを精製し、1046bpバンドを、滅菌メスを使用して
切断した。ゲル切片の容量を秤量により確認し、ゲル切片を20分、等量の10
mM ビス−トリスHCl(pH6.5)および1mM EDTA含有1×β−Aga
rase緩衝液で平衡化した。β−Agarase緩衝液を次いで除去し、ゲル切片を70
℃で10分加熱し、アガロースを液化し、続いて37℃に冷却した。更に等量の
1×β−Agarase緩衝液を添加し、続いてβ−Agarase I(USB Biochemical)に添
加した。ゲル切片を次いで一晩37℃で消化させた。
【0066】 30μLの各消化へテロ二本鎖DNAサンプルを次いで、製造者の指示に従い
新たに洗浄し、2M NaCl、10mMトリスHCl(pH8.0)、0.1mM
EDTAおよび0.4トゥイーン20を含む30μLの結合および洗浄緩衝液
に再懸濁させた10μgのDynabeads M-280 Streptavidin(Dynal)と合わせた。ヘ
テロ二本鎖を次いでビーズと1時間42℃で複合させたままにした。次いでサン
プルをマグネット上に置きビーズを離して上清を注意深くピペットを使用して除
去した。
【0067】 1.1.6 ヒドロキシルアミン修飾 結合DNAを伴うビーズを、4Mヒドロキシルアミン、2.3Mジエチルアミ
ンの溶液20μLに再懸濁し、37℃で2時間インキュベーションした。次いで
、当該サンプルを磁石上に置き、ビーズを分離し、ピペットを使って当該上清を
注意深く取り除いた。次いで、修飾塩基のピペリジン切断を同時に行った。
【0068】 1.1.7 過マンガン酸カリウム修飾 結合DNAを伴うビーズを1mMKMnO4、3M塩化テトラエチルアンモニ
ウムの溶液20μLに再懸濁し、25℃で10分間インキュベーションした。次
いで、当該サンプルを磁石上に置き、ビーズを分離し、ピペットを使って当該上
清を取り除いた。次いで、修飾塩基のピペリジン切断を同時に行った。
【0069】 1.1.8 ピペリジン切断 ピペリジン切断より先に、当該ビーズをTE緩衝液50μLで一度洗浄した。
次いで、当該ビーズを、Genescan 2500 Roxサイズスタンダード(Perkin-Elmer)
およびデキストランブルーローディング色素(Sigma)を加えた、脱イオン化ホル
ムアミド中の1Mピペリジン溶液5μL中に再懸濁した。当該サンプルを30分
間90℃で加熱し、修飾塩基を切断し、氷上で瞬時に冷却し、磁石上に置き、液
相中の非結合DNAからビーズを分離した。
【0070】 1.1.9 蛍光性断片分析 当該上清を24cmウェルにロードし、Applied Biosystems 373XL蛍光アナラ
イザーにおける4%変性ポリアクリルアミドゲルで測定した。当該ゲルを、25
00V、30mAおよび35Wで12時間、電気泳動し、フィルターセットA(f
ilter set A)でデータを回収した。電気泳動後、各レーンをトラックし、参照と
して内部サイズスタンダードを用いサイズ測定(size calling)を行った。次いで
、Genescanソフトウェアを用い重ね合せることにより、通常切断生産物の存在に
ついて、試験サンプルを通常の対照サンプルと比較した。
【0071】 1.2 結果 1.2.1 段階1.1.2の生産物の2μl部分を、1%アガロースゲルに適
用し、予測される1046bp断片の存在を確認した。
【0072】 1.2.2 通常の増幅条件下の、段階1.1.2の生産物由来のそれぞれ各エ
キソンのPCR増幅により、予測される大きさの一本鎖断片が生じ、プライマー
合成の完全性およびプライマー対の適合性を確認した(図3a参照)。
【0073】 1.2.3 図4aおよび4bは、両末端から配列決定した段階1.1.2の生
産物を示す。図5aは、プライマー11を用い、前方向からの配列決定を示す。
図4bは、プライマー12を用い、逆方向からの配列決定を示す。イントロンエ
キソンの境界、プライマーアニーリング部位およびリンカー配列の位置を電気泳
動図で示す。当該生産物には、予測されるエキソンが正しい方向で含まれ、見ら
れた。配列の確認できる分解は、一成分から次の成分への移行を通して観察され
なかった。
【0074】 1.2.4 段階1.1.2の工程をゲノムDNAサンプルの範囲で繰り返し、
終始一貫して予測される大きさの断片を生じた。反応収率は、一般に高く(〜5
00ng/10μl)、バックグラウンドは低い(図5a参照)。
【0075】 実施例2 変異スキャンニングのような下流域適用のための本発明工程により得られる生
産物の適合性を試験するために、NF2変異の一群の7つのヘテロ接合体由来の
生産物を5つのNF2CRエキソンの4つに広げ、直接塩基配列を決定し、ゲノ
ムDNAに存在する遺伝子型が当該生産物中に正確に表現されることを確認した
。7つの変異ヘテロ接合体は、nt600−3C>G(エキソン7)、nt676
−7T>G(エキソン8)、nt713delC(エキソン8)、nt784C>T
(エキソン8)、nt855delT(エキソン9)、nt887delT(エキソ
ン10)およびnt948G>T+nt949G>T(エキソン10)といったも
のであった。7つすべての変異は、ヘテロ接合体の状態にあることが明らかであ
った。図6は、4つの典型的な変異ヘテロ接合体由来の実施例データである。我
々は、ゲル精製していない生産物における同様な性質のヘテロ接合体の配列決定
データもまた得られた(データ示さず)。そのため、ゲル精製段階が多くのプロト
コールで省略され得る。11のNF2変異ヘテロ接合体が、修飾した蛍光性固体
相CCM法を用い、さかのぼって、スクリーニングした。その方法は、Genomics
30, 574-582に開示のRowleyらの方法に基く。当該生産物について、TAMRA dCTPを用い、末端標識よりも優先して内部標識した。この方法は、バック
グラウンド切断から生ずる偽陽性除去の助けとなる。内部標識生産物の切断によ
り、非切断生産物に相当する総分子量を有する2つの標識断片が生ずる。ヒドロ
キシルアミンを用いミスマッチシトシンを修飾した。しかし、安全性および利便
性に基づき、四酸化オスミウムよりも優先して過マンガン酸カリウムを用い、ミ
スマッチチミジンを修飾した。
【0076】 当該結果を図6に示す。切断生産物は、以下の変異ヘテロ接合型由来の生産物
を含むレーンで明らかに見られる:レーン3−nt600−3C>G(エキソン
7);レーン6−nt713delC(エキソン8);レーン8−nt678in
sC(エキソン8);レーン10−nt770delC(エキソン8);レーン11
−nt676−7T>G(エキソン8)およびレーン12−nt948G>T+n
t949G>T(エキソン10)。残りのサンプルは、通常の対照か、またはヒド
ロキシルアミン修飾により影響を受けないミスマッチを生ずると予測される変異
である。
【0077】 11の変異のうち、10が、ヒドロキシルアミン修飾または過マンガン酸カリ
ウム修飾の何れかを用い、検出された(表2参照)。
【0078】 表2:蛍光性固体相CCMによる11のNF2変異ヘテロ接合体の検出 塩基の予想され得るミスマッチ塩基/対が各変異体で生ずる。2つの修飾後の陽
性の切断が、あり−明らかに切断、(あり)−弱いが再現できる切断、なし−切断
が検出されず、の何れかで示される。
【表2】
【0079】 何れかの条件でも検出されない変異、nt676−2A>Tについて、過マン
ガン酸カリウム修飾(T:T/A:Aミスマッチ)でのみ検出されるヘテロ二本鎖
が生ずることが予想される。更にミスマッチのチミジン(nt784C>Tおよ
びnt903C>T)によりヘテロ二本鎖を生ずる2つの他の変異は、過マンガ
ン酸カリウム修飾後では、切断が検出されないレベルであった。しかし、これら
何れの変異もまた、ヒドロキシアミン修飾後検出されるミスマッチシトシンを生
ずる。すべての変異はミスマッチシトシンによりヘテロ二本鎖を生じ、ヒドロキ
シルアミン修飾後に明白な切断生産物を生じた。
【0080】 実施例3 3.1 工程 段階1.1.1および1.1.2(実施例1参照)の工程を繰り返し、ヒトミス
マッチ修復、hMLH1遺伝子のエキソン8、9、10、11および12を増幅
した。当該プライマーを表3に示す。
【0081】 当該プライマーのゲノム特異的セグメントは、Tmに極めて近くなるように選
択した(塩濃度180mMで平均Tm=60.8℃に設定)。当該プライマーの相
補的5'末端セグメントまたはリンカーセグメントは、約50%のGC含有率の
ランダム配列で、内部に二次的構造が生じないように設計し、そして、ゲノム特
異的セグメントのTmを超えるように設計した(何れも塩濃度180mMで平均
Tm=65.4℃に設定)。自己集合が好ましいからである。付加的非マッチア
デニン残基が、自己集合プライマーのゲノムセグメントと5'リンカーセグメン
トの間に挿入された。Taqポリメラーゼによって発生DNA(nascentDNA)
鎖に3'アデニンオーバーハングが追加されることに適合させるためである。htt
p://www.ncbi/nlm.nih.gov/cgibin/BLAST/nph-blastで利用可能なBLAST分
析プログラムを用い、すべてのプライマーについて、Aluリピート配列に対す
る相同性を調べた。
【表3】
【0082】 3.2 結果 3.2.1 段階1.1.2の生産物の2μl部分を、1%アガロースゲルに適
用し、予測される1247bp断片の存在を確認した。
【0083】 3.2.2 通常の増幅条件下の段階1.1.2の生産物由来のそれぞれ個々の
エキソンのPCR増幅により、予測される大きさの一本鎖断片が生じ、プライマ
ー合成の完全性およびプライマー対の適合性を確認した(図3b参照)。
【0084】 3.2.3 段階1.1.2の工程をゲノムDNAサンプルの範囲で繰り返し、
終始一貫して予測される大きさの断片を生じた。反応収率は、一般に高く(〜5
00ng/10μl)、バックグラウンドは低い(図5b参照)。
【0085】 補遺A NF2エキソン6−10のゲノム配列は自己集合アレイにより増幅した。エキ
ソン配列を大文字によって示す。イントロン配列は小文字である。第1PCR反
応で使用するプライマーのアニーリング部位により、5つの自己集合DNA断片
が生じ、その配列を太い下線で示す。第2PCRに使用する内部プライマー対の
アニーリング部位により、アレイアセンブリが生じ(drive)、その部位を、下線
を引いたイタリック体で示す。エキソン10リバースオーバーラップの第1およ
び第2プライマー、当該オーバーラップ領域をボールドの、下線を引いたイタリ
ックで示す。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、DNAハイブリド分子、およびその元の「天然に生ずる
」DNA分子を示す。
【図2】 図2は、「天然生成」DNA分からハイブリド分子への転換を示
す。
【図3−7】 図3−7は、実施例の結果を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年9月18日(2000.9.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 アンドリュー・ウォレス イギリス、エム13・0ジェイエイチ、マン チェスター、ヘザーセイジ・ロード、デパ ートメント・オブ・メディカル・ジェネテ ィックス、アールエムジーエル Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA12 CA01 CA09 CA20 HA08 HA11 HA12 HA14 HA19 4B063 QA01 QA13 QA17 QA19 QQ42 QQ58 QR08 QR14 QR31 QR32 QR56 QR62 QR63 QS25 QS34

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センス鎖およびアンチセンス鎖を有するハイブリッドDNA
    分子であって、5'から3'方向に読まれ、当該センス鎖が配列X1、X2…Xn[式
    中、nは3よりも大きいかまたは3に等しい]を有するハイブリッドDNA分子
    を生ずる方法であって、 (1)(a)ハイブリッド分子に集合する、配列X1、X2…Xnおよびその相補配列
    1'、X2'…Xn' (b)(a)で定義される各一対の相補配列の場合、それぞれプライミング配列
    を有する、各一対のPCRプライマーであって、任意の2つの配列(Xi、X'(i+ 1) )[式中、iは1から(n−1)である]の3'末端にハイブリダイズする当該プラ
    イマーが特異的な相補的リンカー配列を有する、各一対のPCRプライマー の単一反応混合物を提供すること、 (2)リンカー配列に提供されるプライマーが限定的な濃度で存在する、第1段階
    PCR反応を実施すること、 (3)一方がセンス鎖の5'末端を提供し、他方が必要とされるハイブリッド分子(
    required hybrid molecule)のアンチセンス鎖の3'末端を提供する、単一対のプ
    ライマーを用いる第2段階PCR反応を実施すること、 の段階を含み、当該ハイブリッド分子を生ずる、当該方法。
  2. 【請求項2】 ポリメライジング酵素により、3'アデノシンオーバーハン
    グが伸張鎖に加えられ、リンカー配列を組込む当該プライマーが、アデノシン残
    基を介して各リンカー配列に結合するプライミング配列を有する、請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 ポリメライジング酵素がTaqである、請求項2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 リンカー配列のアニーリング温度(Tm)が、XおよびX'に
    対するプライミング配列のそれがよりも高い、請求項1から3の何れかに記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 リンカー配列のアニーリング温度が、XおよびX'配列に対
    するプライミング配列のそれよりも2ないし5℃高い、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 リンカー配列が、内在性の二次的構造を有しない、請求項1
    から5の何れかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 第1段階PCR反応と第2段階PCR反応との間で、当該反
    応混合物を凝固させ、残りのPCR活性を不活性化する、請求項1から6の何れ
    かに記載の方法。
  8. 【請求項8】 第1段階PCR反応と第2段階PCR反応との間で、当該反
    応混合物をエキソヌクレアーゼIで処理し、一本鎖分子を消化する、請求項1か
    ら6の何れかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 第1段階PCRおよび第2段階PCRのそれぞれにおいて、
    熱活性化ポリメラーゼを使用する、請求項1から8の何れかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 変異を分析する方法であって、当該分析が、請求項1から
    9の何れかに記載の方法に従って生ずるDNAハイブリッド分子について実施さ
    れる、当該分析方法。
  11. 【請求項11】 下記の配列を組み込んでいる、一群のプライマー。 【化1】
  12. 【請求項12】 センス鎖およびアンチセンス鎖を有するハイブリッドDN
    A分子であって、5'から3'方向に読まれ、当該センス鎖が配列X1、X2…Xn[
    式中、nは3よりも大きいかまたは3に等しい]を有するハイブリッドDNA分
    子を生ずる方法であって、 (1)(a)ハイブリッド分子に集合する、配列X1、X2…Xnおよびその相補配列
    1'、X2'…Xn' (b)(a)で定義される各一対の相補性配列の場合、それぞれプライミング配
    列を有する、各一対のPCRプライマーであって、任意の2つの配列(Xi、X'( i+1) )[式中、iは1から(n−1)である]の3'末端に対するプライマーが、アデ
    ノシン残基を介して各プライミング配列に結合する特異的な相補的リンカー配列
    を有する、各一対のPCRプライマー の単一反応混合物を提供すること、 (2)伸張鎖の末端に3'アデノシンオーバーハングを加えるポリメラーゼを用い
    るPCR反応を実施すること、 の段階を含む当該方法。
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