JP2001513639A - 複数のdna断片をアセンブリーする方法 - Google Patents

複数のdna断片をアセンブリーする方法

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Abstract

(57)【要約】 2個以上のDNA断片を高効率でアセンブリーする方法であって、a)各DNA断片に対して、第2のDNA断片の少なくとも1本の鎖上の相補的配列に水素結合可能な少なくとも1個の突出末端すなわち「オーバーハング」(少なくとも15個の塩基を有する)を提供するステップと、b)2個以上の該DNA断片を、それらの連結を促進するのに適した条件下で混合するステップとを含む方法。

Description

【発明の詳細な説明】 複数のDNA断片をアセンブリーする方法発明の分野 本発明は、遺伝子工学の分野に関する。より詳細には、本発明は、2個以上の DNA断片を高効率かつ高収率でアセンブリーする新規な方法に関する。発明の背景 DNA構築物を組立てることは、遺伝子工学の基礎である。組換えDNAの操作およ びそのベクターへの導入については、当技術分野で周知となっている。例えば、 PCR法により得られた断片を、クローニングを目的としてプラスミド中に導入す ることが可能である。それぞれ特定の性質をコードするおよび/または特定の機 能を有する様々なDNAセグメントを一緒に結合することにより特定のDNA構築物を 生成させることについても、当技術分野で周知である。これらの技術の実態は、 非常に多くの書籍、論文、特許出願、特許などに記載されており、通常は容易に 入手可能であるため当業者の全てに知られている。例えば3巻からなるテキスト :Sambrookら(1989),"Molecular Cloning-a Laboratory Manual",2nd edition ,C-old Spring Harbor Laboratory Pressには、DNAクローニング法についての 広範にわたる解説がなされている。DNA断片の組合せ、そのクローニングおよび 発現に関する従来技術の広範にわたるこの解説はすべて、参照によりその全体を 本明細書に組み入れる。 この分野の現状の技術によれば、構築されるプラスミドを構成するDNA断片は 、より大きな物質から制限酵素により切断される。次に、リガーゼ酵素を利用し て、これらを結合させる。このとき、DNA断片間にはホスホジエステール結合が 形成される。制限酵素は、DNAを切断してオーバーハング(overhang)とも呼ば れる平滑末端または付着末端(突出した短い1本鎖末端)を残す。平滑末端化断 片の連結効率は非常に低い。付着末端化断片を使用すると、連結プロセスの効率 は高 くなる。なぜなら、相補的オーバーハング間の水素結合によって、これらの2つ の断片がともに保持されるからである。ほとんどの制限酵素は非常に短いオーバ ーハング(2〜4個の塩基)を生成するため、相補的オーバーハング間の結合は弱 く、それほど特異的でない。従って、制限酵素が生成したDNAからプラスミドを 構築する場合、収率は非常に低く、多くの不合理な連結を生じ、その結果、望ま しくない産物が得られる。このため、通常、細菌細胞などの特定の細胞のトラン スフェクションを行い、望ましくない産物を含有するコロニーから所望のDNAを 含有するコロニーを単離することによって、産物の増幅を行う必要がある。この ときにかぎり、全操作を繰り返すことによって他のDNA断片を付加することが可 能である。このプロセスは非効率的であるため、複雑なDNA構築物の組立は、労 力、時間、および費用のかかるプロセスとなり、しかも、この場合、各ステップ を行うために、その前のステップがうまく行われていなければならない。複雑な 分子を構築するのに、数週間〜数ヶ月を要することもある。場合によっては、こ うした構築物の生成がまったく完了しないこともある。上述した方法のもう1つ の大きな欠点は、制限部位の利用可能性が、必ずしも、構築要件にかなったもの ではないことである。上記の問題を克服する方法の1つは、「リンカー」と呼ば れる短い人工DNA分子を使用する方法である。しかしながら、これを使用すると 、構築プロセスは更に複雑になり、収率は減少し、不要な構築物のパーセントは 増大し、場合によっては望ましくない外来配列が付加することもある。 より長い相補的オーバーハング(8〜14個のヌクレオチド)を生成させること によってDNA断片を結合しうるいくつかの方法が提案されている。これらの結合 は、制限酵素により形成される結合よりも安定である。実際上、これらの結合は 、連結ステップが不要なほど十分に安定であり、断片を結合させた直後に、細菌 細胞の形質転換を行うことが可能である。その後、細菌の内因性連結機構により ホスホジエステール結合を形成させる。 従来の方法の1つでは、鋳型依存性のない形でDNA鎖の3'末端にヌクレオチドを 付加させることにより生成させた1本鎖の延長部分が使用される(Roychoudhury ,R.Gene Amplif.Anal.2:41-83,1981)。この方法で使用される酵素のター ミナル トランスフェラーゼは、2本鎖DNA断片の末端にヌクレオチドを導入し、1本鎖の テール(tail;尾部)を形成する。この酵素はヌクレオチドをランダムに使用す るため、1本鎖テールが、第2のDNA分子上に形成された対応するオーバーハング と確実に相補性となるようにするには、4種のヌクレオチドのうちの1種だけを各 延長部分に利用する以外に方法はない。従って、この方法で形成されるオーバー ハングはホモポリマーでなければならないので、残基dA、dC、dG、およびdTに対 応した4つのタイプのオーバーハングだけが使用可能となる。DNA断片の両末端に 形成されるオーバーハングは同じになるはずなので、この方法によるクローニン グには方向性がなく、両端で互いに結合して環状分子を形成する2種の断片だけ が関与できることになる。更に、オーバーハングの長さを特定的に制御すること はできない。最後に、この方法を用いると、必然的に、ヌクレオチドの不要な延 長鎖(stretch)が最終構築物中に導入され、しかもその長さを正確に決定する ことができないため、リーディングフレーム(読取り枠)を保持しなければなら ない発現ベクター中へのクローニングの目的に対しては、この方法は不適切であ る。 もう1つの方法(商品名「PCR-DirectTM」、米国CLONTECH社製)では、DNAポリ メラーゼのエキソヌクレアーゼ活性を利用して、オーバーハングを生成させる。 米国特許第5,137,814号明細書には、dTの代わりに少なくとも1個のdU残基を断 片の末端に近接させて配置してオーバーハングを生成させる他の方法が記載され ている。dU残基の位置によりオーバーハングの長さが決まる。この方法には、ウ ラシル塩基の脱プリン処理(a-purination)が含まれる。脱プリン塩基は、もは や、対向する鎖上の相補的塩基と水素結合を形成しなくなる。更に、こうした塩 基は、近接塩基の水素結合をも不安定化させる。得られた3'突出末端は、相補的 1本鎖配列と結合する可能性がある。この方法を用いた市販品には、CloneAmp( 登録商標)pAMP1 System(米国Life Technologies社製)がある。上記の方法で は、12個の塩基からなるオーバーハングが使用される。 断片のクローニングを目的として4個を超えるヌクレオチドからなるオーバー ハングを使用する方法についても、いくつかの他の出版物中に記載されている。 Rashtchianら(A.nal.Biochem.206,p.91-97,1992)は、ベクター中への単 一インサートのクローニングを高効率で行うために、ウラシルDNAグリコシラー ゼ(UDG)を用いて生成させた12個のヌクレオチドからなるオーバーハングにつ いて報告している。Kuijperら(Gene 112,p.147-155,1992)およびAslanidis ら(PCR Methods Appl.4:172-177,1994)は、T4ポリメラーゼを所定のdNTPと 併用してPCR産物中に特定の長さのオーバーハングを生成させるクローニング法 を報告している。この方法では、PCRプライマー中に特定の配列を存在させる必 要がある。Hsiaoら(Nucleic Acids Res.21,p.5528-5529,1993)およびYang ら(Nucleic Acids Res.21,1889-1893,1993)は、エキソヌクレアーゼIII(E Xo III)またはT4ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性によるオーバーハング の生成について開示している。12個のヌクレオチド(Aslanidis)、8個のヌクレ オチド(Yang)、および10〜14個のヌクレオチド(Hsiao)からなるオーバーハ ングが開示されている。 3個の分子からなる連結分子を生成する確率は、最初の2個の分子を連結する確 率に、第2および第3の分子を連結する確率を乗じたものである。比較的短いオー バーハングであることが原因で、いずれか2個の分子の連結が希にしか起こらな い場合、クローニングを目的として3個以上の分子を連結することは、効率が低 くなるので実用的でない。 従って、この分野の現状の技術は満足すべきものではなく、いくつかのDNA断 片を所定の方向に単一ステップで効率的に連結することのできる改良された方法 が必要とされている。このような方法を用いれば、先に述べた方法の抱える遺伝 子工学上の制約が除去され、遺伝子工学の手法に大きな変革をもたらすであろう 。発明の概要 1態様においで、本発明は、2個以上のDNA断片を高効率でアセンブリーする方 法に関し、この方法は、 a)各DNA断片に対して、第2のDNA断片の少なくとも1本の鎖上の相補的配列に水 素結合可能な少なくとも1個の突出末端、すなわち少なくとも15個の塩基を 有する「オーバーハング」、を提供するステップと、 b)該DNA断片を、それらの連結を促進するのに適した条件下で混合するステッ プと、 を含む。 本発明の方法は、相補的オーバーハング中の塩基の数を12個から少なくとも15 個まで増大させると、試薬の比を約1:100〜300から約1:1まで減少させることが できるという非常に驚くべき知見に基づいている。同時に、本発明によれば、複 数の断片(3個以上)を連結させることができる。なぜなら、このプロセスの効 率が高いからである。 本発明の1実施形態によれば、3個以上の断片が本発明の方法を用いて連結され 、各DNA対のモル比は約1:1〜1:50である。 本発明は、少なくとも15個のヌクレオチドのオーバーハングを含むかまたはこ のようなオーバーハングに変換するのに適した末端部分を含むDNA断片を提供す る。本発明は更に、上記の本発明の方法に使用するために、こうしたDNA断片を 提供する。 本発明のもう1つの好ましい実施形態によれば、オーバーハング中の塩基の数 は、20〜30個である。上述したように、塩基数を12個から15個に変化させるとプ ロセス効率は大幅に改良されるが、塩基数を約20個まで増大させると効率は更に 大きく改良される。塩基数を20個よりも増大させると、効率はプラトーに達する 。多数の断片を連結させると全体のプロセス効率が低下することを考慮すれば、 もちろん、オーバーハング中の塩基数を最小にすることが望ましいが、この場合 にも依然として高い連結効率が得られる。先に述べたように、ほとんどの場合、 この最適長は、塩基数20個前後であろう。 当業者には分かるであろうが、このことは極めて驚くべきことである。なぜな ら、断片の結合能力のこのような劇的な増大(オーバーハングの塩基の長さが12 個のときはほとんど結合を生じないが、オーバーハングの塩基の長さが21個のと きはほぼ100%結合する)は予想外であったからである。オーバーハングの長さ を増大させることによるいくらか改良は予想可能なことではあったが、このよう な 劇的な改良(2桁の改良)はまったく予想外のことであった。実際のところ、当 業界では、段階的クローニング法が、それ特有の欠点を抱えたまま継続して使用 され、12個よりも多くの塩基を含むオーバーハングの使用は実際試みられたこと はなかった。図面の簡単な説明 図1〜6は、実施例3で作製したプラスミドを示している。図1〜6において、暗 色の網掛けされたバーは、AmpI遺伝子および複製起点を有するpBR322から増幅さ れた断片を表している。白地のバーは、Tetr遺伝子を有するpBR322からPCR増幅 された断片を表している。斜線のバーは、Cmr遺伝子を有するpACYC184からPCR増 幅された断片を表している。矢印は、プライマーを示しており、矢印の先端はプ ライマーの3'末端であり、波線の尾部は、プライマーの5'末端の様々な反復配列 を示している。プライマーの番号は、矢印の上側または下側に記されている。黒 色領域は、2個の断片の結合部に位置する反復配列を表している。図12は、実施 例4で作製したプラスミドを示している。白地、網掛け、および斜線のバーは、 上記の意味を有する。矢印は、断片のシームレス接合に使用されるプライマーを 示している。 図1は、プラスミドpGS101である。全ての互いに連結された2個の断片の間には いずれも12bpのオーバーラップが存在する。このプラスミドは、3個の断片から アセンブリーされている。 図2は、プラスミドpGS102である。全ての互いに連結された2個の断片の間には いずれも12bpのオーバーラップが存在する。このプラスミドは、4個の断片から アセンブリーされている。 図3は、プラスミドpGS103である。全ての互いに連結された2個の断片の間には いずれも12bpのオーバーラップが存在する。このプラスミドは、4個の断片から アセンブリーされている。 図4は、プラスミドpGS201である。全ての互いに連結された2個の断片の間には いずれも20〜21bpのオーバーラップが存在する。このプラスミドは、3個の断片 からアセンブリーされている。 図5は、プラスミドpGS202である。全ての互いに連結された2個の断片の間には いずれも20〜21bpのオーバーラップが存在する。このプラスミドは、4個の断片 からアセンブリーされている。 図6は、プラスミドpGS203である。全ての互いに連結された2個の断片の間には いずれも20〜21bpのオーバーラップが存在する。このプラスミドは、4個の断片 からアセンブリーされている。 図7は、異なるオーバーハング長を有する同等な断片の融合能力を調べるため のアガロースゲル分析により得られた結果を示している。 図8は、図1〜6に示されている構築物を用いて形質転換させた後、プレート上 で増殖させたコロニーを示している。12個の塩基のオーバーハングを用いて作製 した構築物の結果は左側に示され、20〜21個の塩基のオーバーハングを用いた場 合の結果は右側に示されている。図8A、B、C、D、E、F、およびGはそれぞれ、プ ラスミドpGS101、pGS201、pGS102、pGS202、pGS103、およびpGS203を示している 。プレーティング(平板培養)は、本文中に説明されているように、バックグラ ウンドノイズを最小限にする選択プレート上で行った。 図9は、得られた形質転換体の数と共に、実施例3で作製した構築物を示してい る。 図10は、実施例3で得られた産物の2回のゲル分析の結果を示している。 図11は、実施例2で得られた産物のゲル分析の結果を示している。 図12は、実施例4の実験においてエキソヌクレアーゼIIIにより生成させたオー バーハングを用いて3個の異なる断片を連結させることによって作製した構築物 を示している。 図13は、実施例5の実験において8個の異なる断片を連結させることによって作 製した構築物を示している。発明の詳細な説明 一般的な手順 概説 本発明は、2個のDNA断片の相補的オーバーハングの長さを、従来技術の場合の 塩基数12個から、15個以上に増大させると、断片が相互に結合される傾向が増大 し、塩基数12個のオーバーハングを使用した場合のおよそ0%から、約20個の塩 基を使用した場合のほぼ100%にまで増大するという驚くべき知見に基づいてい る。塩基数15個以上の長いオーバーハングを使用した場合、所定の方向に単一ス テップで多数のDNA断片をアセンブリーすることができる。更に、丁度2個の断片 間に結合を形成する場合、本発明に従って処理したときのクローン化産物の収率 は、従来技術の収率よりもかなり高い。 これらのオーバーハングを形成するために、多数の手順を使用することができ る。以下に詳述する実施例では、3つの異なる手順(手法)が用いられた。 第1の手順 実施例1〜3で第1の手順を使用する。実施例1および2では、結合された断片を アガロースゲル分析にかけることによって、異なる長さの相補的オーバーハング を用いたときのin-vitroにおける断片結合能力の差を示す。第3の実施例におい て、この手順を用いて5個の断片からアセンブリーされたプラスミドのクローニ ングがうまく行われることを実証した。断片はin-vitroで互いに結合させ、細菌 細胞中に形質転換した。 この手順は次の通りである。 好ましくは、所定の方向に相互に結合させる断片を、十分に解明されたポリメ ラーゼ連鎖反応(PCR)を利用して調製する。この反応によって好適な量の断片 が得られる。また、この反応は、使用する断片が元々ほんの少量のみ得られるか または入手できるにすぎない場合、例えば、所望の断片が少量で存在する、制限 エンドヌクレアーゼで処理されたプラスミドDNAライブラリー、ゲノムDNAライブ ラリー、またはcDNAライブラリーから得られる場合、特に好ましい。もとの断片 はこのようにしてかなり増幅される。また、予め選択された特異的プライマーを 使用すれば、PCR増幅断片の末端には、所望の予め選択された相補的配列が含ま れるであろう。プライマーは、2つの領域、すなわち、鋳型に相補的な3'領域 と、連結するように設計される断片の5'末端の配列に相補的な配列を含有する5' 領域とからなるようにデザインする。この5'領域において、いくつかのdT残基を dU残基に置き換える。PCRの間、熱安定性DNAポリメラーゼは、dT残基とdU残基と を区別せず、新しく合成された鎖中のこれらの両方の残基に対向してdAを導入す る。 PCRに続いて、断片を混合し、反応混合物にウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG )を添加する。UDGはdU塩基を特異的に攻撃し、dU塩基からプリンを取り除く。 脱プリンされた残基は、もはや、それに相補的な塩基との水素結合を形成しない 。更に、脱プリンされた残基は、近接塩基の水素結合をも不安定化させる。その 結果、末端付近の2本鎖構造が分離する。セグメントの末端には、2本のオープン 鎖:すなわち、1.相補的な鎖ともはや水素結合を形成することのできないいく つかの脱プリン残基を有する5'側1本鎖と、2.このような水素結合を形成しう る脱プリンされていない残基を有する3'側1本鎖とが形成される。この1本鎖は、 厳密にはオーバーハングではないが、オーバーハングと等価であり、実用上はオ ーバーハングとしての挙動を呈する。この手順で作製されるDNAの相補的領域は 、反復配列からなる。従って、露出した末端の長さが、断片が相互に結合する傾 向を決定する重要なパラメータであることを示すために使用することができる。 すなわち、種々の実験で得られる構築物の反復相補領域の長さは異なっているが 、配列に差異はない。 このような相補的1本鎖を有する2個の断片は、互いに水素結合を形成すること ができる。このような断片を使用して細菌細胞の形質転換を行えば、5'側脱プリ ン1本鎖は、細胞の酵素によって分解される。更に、内因性リガーゼは、連結断 片を1本鎖DNA分子に変換する。この手順の詳細については、以下の実施例1〜3に 記載する。 第2の手順 実施例4で第2の手順を使用した。この手順では、酵素のエキソヌクレアーゼII I(これ以降はExo IIIと記す)を使用してオーバーハングを生成させる。T4 DNA ポリメラーゼまたはT7 DNAポリメラーゼのようなエキソヌクレアーゼ活性を有 する他の酵素を使用してもよい。3'側エキソヌクレアーゼ活性>5'側エキソヌク レアーゼ活性を有する上記の酵素のほかに、場合により、5'側エキソヌクレアー ゼ活性>3'側エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素を使用してもよい。これと類 似した手順が、上記のHsiaoらおよびYangらによって開示されている。この第2の 手順については、本発明と同一の出願人の同時係属出願(本出願と同日に出願さ れた代理人整理番号4190/96のイスラエル国特許出願第120378号)に詳細に説明 されている。この手順は、実施例1〜3の場合のようにPCR断片を連結するために 、更に、制限酵素による切断で生成させたDNA断片とPCRで生成させた断片との混 合物を連結させるために適用することができる。実施例4では、PCRにより断片を 形成し、3個のセグメントからアセンブリーされたプラスミドを生成させた。 この手順は次の通りである。 連結させる断片の末端部分は互いに相補的でなければならない。この条件は、 次のようにPCR断片を形成することによって達成できる。PCRにより形成され、第 2および第3の断片に連結される第1のDNA断片のプライマーは、2つの領域、すな わち、1.鋳型に相補的な3'領域と、2.第1の断片に連結される断片の末端部 分に相補的な5'領域とを有するように合成しなければならない。相補的領域の長 さは、ヌクレオチド(nt)15個以上でなければならない。 連結させる様々なDNA断片をまとめて混合し、この混合物にエキソヌクレアー ゼ酵素を添加する。実施例4の場合、ExoIIIを使用した。ExoIIIは、2本鎖DNAの3 'ヒドロキシル末端からモノヌクレオチドを段階的に除去する反応を触媒するエ キソヌクレアーゼである。この酵素を接近させるように添加し、確実に徐々に消 化されるように6℃でインキュベートして反応を進行させる。断片の末端が消化 されて5'オーバーハングが露出するのに十分な時間にわたり反応を進行させる。 これらのオーバーハングは、通常、相補的部分よりも長い領域からなる。 反応停止後、75℃まで温度を上昇させる。次に、反応混合物を徐々に冷却する 。これにより、不合理な結合を最小限に抑えつつ、相補的オーバーハングの連結 が促進される。冷却の後、ExoIII過剰消化が原因で形成された可能性のある間隙 (gapをすべて充填するために、dNTPおよびT7 DNAポリメラーゼを添加する。 こ の段階で、混合物を用いて細菌細胞の形質転換を行う。この手順についての更に 詳細な説明は、以下の実施例4に記されている。 第3の手順 実施例5で第3の手順を使用した。この手順は、多くの点で第1の手順と類似し ているが、様々な断片間の連結を行うのにリンカーヌクレオチドを添加する必要 がないという利点を有する。この手順についての詳細な説明は、同時係属出願( 本出願と同日に出願された代理人整理番号4149/96のイスラエル国特許出願第120 377号)に開示されている。以下で実証されるように、この手順では、断片の末 端付近の単一dU残基をUDGおよび試薬N,N-ジメチルエチレンジアミンと併用して 、断片間にシームレス結合を形成させる。実施例5には、8個の別々のセグメント からアセンブリーされたプラスミドのクローニングが示されている。現在までの ところ、これほど多くのセグメントから単一ステップでプラスミドをアセンブリ ーしたことを開示したものはこれ以外には存在しない。 この手順は次の通りである。 この手順によれば、結合させる各プライマー中で単一dU残基を使用することに より真の3'オーバーハングの形成が可能である。この手順は、脱プリンされたdU 残基の3'末端にニックを化学的に形成する能力に基づくものである。 PCRにより断片を形成する。他の実施例の場合と同様に、結合させる断片の末 端部分は、互いに相補的でなければならない。実施例5に記載されているように 、この条件は、次のようにPCR断片を形成することによって達成される。PCRによ リ形成され、2個の他の断片に連結されるDNA断片のプライマーは、2つの領域、 すなわち、1.鋳型に相補的な3'領域と、2.該断片に連結される断片の末端部 分に相補的な5'領域とを有するように合成しなければならない。相補的領域の長 さは、15nt以上でなければならない。各プライマー中の相補的領域と相補的でな い領域との間の連結部において、dT残基をdU残基に置き換える。 連結させる様々なDNA断片を一緒に混合し、この混合物にUDGおよびN,N-ジメチ ルエチレンジアミンを添加する。この酵素はdU塩基からプリンを除去し、この薬 品は脱プリンされた残基の3'側にニックを形成する。 上記のニックを形成させた後、脱プリンされたdU残基の5'側の短い1本鎖の延 長鎖を断片の残りの部分から解離させるために、温度を70℃まで上昇させる。こ のとき、相補的領域を構成する3'オーバーハングが形成される。ニックの形成さ れたオリゴヌクレオチドを取り出し後、反応体を徐々に冷却し、不合理な結合を 最小限に抑えつつ、相補的オーバーハング間を連結させる。冷却後、この混合物 を用いて細菌細胞を形質転換する。この手順についての更に詳細な説明は、以下 の実施例5に示されている。 例示のみを目的として以下に実施例を示す。本発明は、上記のオーバーハング を形成するための特定の方法または手順のいずれにも限定されるものではないこ とは自明である。 実施例1 様々な長さの相補的オーバーハングと断片とのin vitroハイブリダイゼーショ 概説 長いオーバーハングを有するDNA断片間の結合が良好であることを実証するた めに、様々な長さのオーバーハングを有する断片間の結合の程度を調べた。それ ぞれ異なる長さの相補的領域を有する5対の断片をPCRにより生成させた。各対は 、1)、pBR322のTetr遺伝子(テトラサイクリンに対する耐性を付与する)からP CR増輻された約1400bpの断片(Tetと記す)と、2)pBR322のAmpr遺伝子(アンピ シリンに対する耐性を付与する)からPCR増幅された約1700bpの断片(Ampと記す )とからなる。各対中のTet断片を増幅するために使用した2個のプライマーのう ちの一方には、鋳型DNAに相補的な領域のほかに、3個の塩基CUAの反復(repeat) を有する5'テールが含まれていた。同様に、Amp増幅のために使用したプライマ ーのうちの一方には、UAGの反復を有する5'テールが含まれていた。CUAとUAGは 互いに相補的であることに注目されたい。第1の対中のテールは4個の反復(12個 の塩基)からなり、第2、第3、第4、および第5の対中のテールはそれぞれ、5個 、6個、7個、および10個の反復(15個、18個、21個、および30個の塩基)からな っていた。 各対のAmp断片とTet断片とを混合し、UDGを利用して3'オーバーハングを露出 させた。アニーリング時間終了後、混合物をアガロースゲル分析にかけた(図7 )。プライマーおよびPCR条件 5つの反応のそれぞれについて、2個の断片、すなわち、Ampr断片およびTetr断 片が生成された。5個のAmpr断片間(または5個のTetr断片間)の唯一の変化量 は、相補的領域の長さであり配列ではなかった。 DNA断片の対間のハイブリダイゼーション速度(hybridization rate)を調べ た。 A)プライマーおよび断片生成 以下の各プライマーおよび以下の実施例において、dU残基を強調するために記 号*がdU残基の下に記されている。以下に示されているプライマー配列はいずれ も、5'から3'の方向に記されている。 プライマー配列番号1-Tet センスプライマー (31160とも記す)-Tetの上流(pBR322:1〜22) Tet アンチセンスプライマー 注記:以下の5個のプライマーは、それらの5'末端のCUA反復の数だけが互いに異 なっている。 プライマー配列番号2 (3781とも記す)-Tetの下流(pBR322:1449〜1425) プライマー配列番号3 (4082とも記す)-Tetの下流(pBR322:1449〜1425) プライマー配列番号4 (4353とも記す)-Tetの下流(pBR322:1449〜1425)プライマー配列番号5 (4635とも記す)-Tetの下流(pBR322:1449〜1425) プライマー配列番号6 (5535とも記す)-Tetの下流(pBR322:1449〜1425) (プライマー配列番号2〜6は、それぞれ、5'末端におけるプライマー配列番号8 〜12と相同的に相補的であることに注目されたい。) プライマー配列番号7-Amp センスプライマー (4142とも記す)-Ampの下流(pBR322:2460〜2479) Amp アンチセンスプライマー 注記:以下の5個のプライマーは、それらの5'末端のUAG反復の数だけが互いに異 なっている。 プライマー配列番号8 (36107とも記す)-Ampの上流(pBR322:4136〜4159) プライマー配列番号9 (3993とも記す)-Ampの上流(pBR322:4136〜4159) プライマー配列番号10 (4270とも記す)-Ampの上流(pBR322:4136〜4159)プライマー配列番号11 (4560とも記す)-Ampの上流(pBR322:4136〜4159) プライマー配列番号12 (5434とも記す)-Ampの上流(pBR322:4136〜4159) (プライマー配列番号8〜12は、それぞれ、5'末端においてプライマー配列番号2 〜6と相同的に相補的であることに注目されたい。) PCR反応用の鋳型はpBR322DNAであった。このプラスミドの種々の領域の全配列 およびマップは周知であり、GenBankデータベースから受託番号J01749(pBR322 )として入手できる。 以下に示すように、種々の断片をPCRにより生成させた。Tet 断片のPCR (右側の数字は、オーバーハングの長さを意味する。) 各管中のPCR混合物180μlAmp 断片のPCR (右側の数字は、オーバーハングの長さを意味する。)各管中のPCR混合物180μl PCR混合物: dNTP(それぞれ2.5mM) 128μl Buff x10 160μl H2O 1088μl TaqDNAポリメラーゼ5U/μl 6.4μl 温度レジメ 94℃ 40秒間 40℃ 2分間 72℃ 4分間 30サイクル 72℃ 5分間 6℃ 無限 必要な断片はすべて得られた。各断片の濃度は、アガロースゲル上に各DNA断 片により形成されたバンドの濃度(density)を測定することによって決定した 。これに応じて、以下の実験で使用する容量を補正した。 B)融合能力の検査 同じ長さの反復を有する断片の各対を別々のエッペンドルフ管中に入れた。オ ーバーハングを形成させてハイブリダイゼーションを起こさせるために、DNAをU DGと共に37℃でインキュベートした(以下の詳細事項を参照されたい)。反応生 成物を、アガロースゲル上において60Vで60分間電気泳動にかけ、臭化エチジウ ムで染色し、UV光の下で写真撮影した(図7)。Amp断片の長さは1.7kb、Tet断片 の長さは1.4kb、互いにハイブリダイズさせたAmp+Tetの断片の長さは3.1kbであ った。Ampバンド、Tetバンド、およびAmp+Tetバンドの濃度差は、断片相互の付 着能力を表す。従って、異なるオーバーハング長を有する断片対の付着能力を比 較することが可能であった。 以下のように(各対の)Amp断片およびTet断片を混合した。(混合物の番号は、 相補的オーバーハングの番号に同じである。) 各管の内容物を2つに分割した。第1の管にUDG 0.5μlを添加した。第2の管に ブランクの対照としてH2O 0.5μlを添加した。管を37℃で5時間インキュベート した。次に、管の内容物を0.8% TAEアガロースゲルに移した。ゲルを60Vで60分 間処理し、臭化エチジウムで染色し、UV光の下で写真撮影した。結果を図7に示 す。 この実験から次のことが分かる。1)オーバーハング長が12bpのときはほとん ど融合が観察されない。2)レーン7ではAmp断片よりもTet断片の方が多い。従っ て、遊離のAmp断片がほとんど残存していない場合でさえも、いくらかの遊離のT et断片が依然として存在する。3)レーン7および9のいずれにも、遊離のAmp断 片は残存しない。21bpおよび30bpのオーバーハングは、相互の付着能力が際立っ て優れている。 結論として、実験結果から次のことが示唆される。 1)オーバーハング長が12bpのときはほとんど融合が観察されない。 2)付着の劇的な増大は、オーバーハング長が塩基15個のところから始まる。 3)21bpおよび30bpのオーバーハングのほとんど100%が、相互の付着能力が際 立って優れている。 実施例2 in vitro でのマルチDNA断片アセンブリー(MDFA):12個の塩基のオーバーハグを有する断片と20〜21個の塩基のオーバーハングを有する断片との比較 I .概説 12個の塩基のオーバーハングを有する断片の結合よりも21個の塩基のオーバー ハングを有する断片の方が親和性が強くかつ安定性も高いことを示すために、以 下の実験を行った。2セットの断片をPCRにより作製した。第1のセットでは、断 片の各末端の相補的領域の長さは12bpであった。第2のセットでは、その長さは2 0〜21bpであった。相補的領域は、3または5個の塩基の反復であった。従って、2 セットの類似の断片中の相補的領域の配列は同等とみなしうるものであり、反復 領域の全長が異なるだけであった。各セットの4個の異なる断片をPCRにより作製 し、混合し、更に、UDGを利用して3'側の相補的オーバーハングを露出させた。 アニーリング時間終了後、断片間の結合の度合いを調べるために、アガロースゲ ル上で実験した(図11)。II .プライマーおよびPCR条件 各セット4個のユニークな断片(一方のセットは12bpの相補的配列を有し、他 方のセットは21bpの相補的配列を有する)をPCRにより増幅した。これらの断片 を、TetA、TetB、Amp、およびCmBと記す。 TetAは、pBR322(塩基1〜937)からPCR増幅した。 TetBは、pBR322(塩基1067〜1449)からPCR増幅した。 Ampは、pBR322(塩基2460〜4159)からPCR増幅した。 CmBは、pACYC184(塩基3768〜4086)からPCR増幅した。 次の順次、すなわちTetA-TetB-Amp-CmBの順序で互いに結合するように断片を デザインした。先の実験の場合と同じように、pBR322およびpACYC184の鋳型から のPCR断片の作製を可能にする3'末端を有するブライマーを合成した。2セットの 8個のプライマーを合成した。各セットにおいて、相補的反復を有する3個の連結 部、すなわち、TetA断片とTetB断片との間の連結部、TetB断片とAmp断片との間 の連結部、およびAmp断片とCmB断片との間の連結部をデザインした。セット中の 反復はそれぞれ異なっており、他の反復のうちの1つだけと相補的かつ相同的で あった。従って、製造したPCR断片は、反復を介して互いに結合し、線状融合生 成物を形成した。 第1のセットのプライマー:3'末端にdUをもつ12個のヌクレオチドの反復 またはニア(near)反復を含有するプライマー プライマー配列番号13-Tet Aセンス (37101とも記す) Tetの上流(pBR322:1〜25) プライマー配列番号15-Tet Aアンチセンス (37103とも記す) プライマー配列番号16-Tet Bセンス (37104とも記す) プライマー配列番号2-Tet Bアンチセンス Tetの下流(pBR322:1449〜1425) プライマー配列番号8-Ampセンス Ampの上流(pBR322:4159〜4136) プライマー配列番号18-アンチセンスAmp (36108とも記す) プライマー配列番号17-Cm Bセンス (37106とも記す) プライマー配列番号14-Cm Bアンチセンス (3866とも記す) PCR 反応 (右側の数値は、オーバーハングの長さを意味する。) 混合物 2μl dNTP(それぞれ2.5mM) 112μl 2.5μl 10xBuff. 140μl 18μl H2O 1008μl 0.1μl Taq(5u/μl) 5.6μl 各管に混合物360μlを添加する。プライマーを添加する。 温度レジメ 94℃ 40秒間 40℃ 2分間 72℃ 4分間 30サイクル 72℃ 5分間 6℃ 無限第2のセットのプライマー:3'末端にdUをもつ21個のヌクレオチドの反復 を含有するプライマー プライマー配列番号19-Tet Aセンス (4554とも記す) -Tetの上流(pBR322:1〜25) プライマー配列番号21-Tet Aアンチセンス (4558とも記す) -(pBR322:913〜937) プライマー配列番号22-Tet Bセンス (4559とも記す) -(pBR322:1067〜1091) プライマー配列番号5-Tet Bアンチセンス -Tetの下流(pBR322:1449〜1425) プライマー配列番号11-Ampセンス - pBR322(4159〜4136) プライマー配列番号24-Ampアンチセンス (4561とも記す) - pBR322コーディング(2460〜2483) プライマー配列番号23-Cm Bセンス (4556とも記す) -(pACYC184:4086〜4062) プライマー配列番号20-Cm Bアンチセンス (4743とも記す) -(pACYC184:3768〜3793) PCR 反応 混合物 x128 2μl dNTP(それぞれ2.5mM) 256μl 2.5μl 10xBuff. 320μl 18μl H2O 2304μl 0.1μl Taq(5U/μl) 12.8μl (dNTP濃度:それぞれ2.5mM) 各管に混合物360mlを添加する。プライマーを添加する。 温度レジメ 94℃ 40秒間 40℃ 2分間 72℃ 4分間 30サイクル 72℃ 5分間 6℃ 無限 III.断片の融合 増幅の後、断片を混合し、UDGを利用して3'側の相補的オーバーハングを露出 させた。2セットの2個の断片、3個の断片、または4個の断片(すなわち、2つの 上記セットのプライマーを用いて作製した断片)の融合を行った。融合の後、lx TAE中の0.8%アガロースゲル上で反応を行い、臭化エチジウムで染色し、UV光の 下で写真撮影した(図11)。 種々の断片のサイズを明確にするために、別々のレーン中で実験した(TetA、T etB、Amp、およびCmBを、それぞれ、レーン1、4、7、および10で実験した)。第 1のセットの断片のみで実験を行った。なぜなら、第2のセットの断片も同じ長さ を有するからである。融合断片を含有する種々の混合物についても実験を行った 。 反応およびゲル上のレーンNo.: DNA断片の濃度はすべて、0.09pmol/μlであった。 UDG Buff.x10=200mM Tris HCl pH8.4,500mM KCl,15mM MgCl2 反応体を37℃で5時間インキュベートし、次いでゲル上で実験を行った。結果 を図11に示す。レーンの順序は、上端に示されており、分子量マーカーのサイズ は、写真の右側に記されている。 上記の結果から、以下の結論を導き出すことができる。 1.オーバーハング長が21bpのときは検出可能な融合生成物が観察されるが、 12bpのときは観察されない。 2.21bpオーバーハングの融合効率は高いが100%未満であるので、部分的融 合生成物も観察される。レーン2、5、および8において、ゲル上の最上位に現れ るバンドは、目的の末端生成物の長さを有する。 3.これらの結果から、目的生成物の量は、生成物の作製に必要な断片の数が 増大すると減少することが実証される。 この実施例により、長いオーバーハングを有する断片を使用することの利点が はっきりと立証された。12ntのオーバーハングを有する断片を使用した場合、目 的生成物は観察されなかった。20〜21ntのオーバーハングを有する断片を使用し た場合、2、3、および4個の断片の融合がはっきりと立証される。 実施例3 in vivo でのマルチDNA断片アセンブリー(MDFA):12個の塩基のオーバーハンを有する断片と20〜21個の塩基のオーバーハングを有する断片との比較 以下の実験により、12個の塩基のオーバーハングを有する断片と比較して、20 〜21個の塩基のオーバーハングを有する断片をin vivoで結合することの利点を 示す。12個の塩基のオーバーハングまたは20〜21個の塩基のオーバーハングを有 する断片をPCRにより製造し、これを結合して環状プラスミドを形成した。これ らのプラスミドを用いて細菌細胞の形質転換を行い、コロニーを調べた。 図1〜6に示されているように、2セットのプラスミドを構築した。第1のセット において、12個の塩基のオーバーハングを含有する断片を使用した(図1〜3)。 第2のセットにおいて、20〜21個の塩基のオーバーハングを含有する断片を使用 した(図4〜6)。 各セットには3個のプラスミドが含まれていた。 1.以下の3個の基本断片から構築されたプラスミド。 −アンピシリン耐性遺伝子を含有したAmpr断片(これ以降はAmp)。 −テトラサイクリン耐性遺伝子を含有したTetr断片(これ以降はTet)。 −クロラムフェニコール耐性遺伝子を含有したCmr断片(これ以降はCm)。 2.4個の断片、すなわち上記のAmp断片およびCm断片ならびにTet遺伝子の2つ の別領域である2個の断片(TetAおよびTetBと記す)、から構築されたプラスミ ド。 3.4個の断片、すなわち上記のAmp断片およびTet断片ならびにCm遺伝子の2つ の別領域である2個の断片(CmAおよびCmBと記す)、から構築されたプラス ミド。 第1のセットのプラスミドは、形成されるオーバーハングの長さ以外は第2のセ ットのプラスミドと同等である。3個または5個の塩基の短い反復を付加すること により、断片のオーバーハングのデザインおよび形成を行った。セット中の各反 復は異なっており、他の反復のうちの1つと相補的であった。従って、製造したP CR断片を、反復を介して相互に結合することにより、完全に環状のプラスミドを 形成することができた(図1〜6)。2つのセットの類似のプライマーはほぼ同等 であり、反復配列の長さが異なるだけであった。第1のセットでは、反復の全長 が12bpであった。第2のセットでは、反復の全長が20〜21bpであった。いずれの 場合にも、反復中のdT残基をdU残基に変更した。従って、dU残基の脱プリン化(a -purinating)を行って必要なサイズの3'オーバーハングを露出させることにより 、反復を含有する断片の5'末端を相補鎖から分離させることができた。 各プラスミドを構成する断片の増幅を行った後、断片を混合し、UDGを利用し て断片の末端を露出させた。アニーリング時間終了後、以下に詳述するように、 各混合物を用いて細菌細胞の形質転換を行った。A )プライマーおよびPCR条件 pB-R322およびpACYC184の鋳型からのPCR断片の作製を可能にする3'末端を有す るプライマーを合成した。これらのプラスミドの種々の領域の全配列およびマッ プは周知であり、GenBankデータベースから受託番号J01749(pBR322)およびX06 403(pACYC184)として入手できる。 2セットのプライマーを合成した。 第1のセットのプライマー:3'末端にdUをもつ12個のヌクレオチドの反復 またはニア反復を含有するプライマー 配列番号13-Tet Aセンス Tetの上流(pBR322:1〜25) 配列番号15-Tet Aアンチセンス Tetの下流(pBR322:913〜937)配列番号16-Tet Bセンス (pBR322:1067〜1091) 配列番号2-Tet Bアンチセンス Tetの下流(pBR322:1449〜1425) 配列番号18-Ampセンス -Ampの上流(pBR322:2460〜2483) 配列番号8-Ampアンチセンス -Ampの下流(pBR322:4159〜4136) 配列番号17-Crn Bセンス -(pACYC184:4086〜4062) 配列番号14-Cm Bアンチセンス Cmの下流(pACYC184:3768〜3793) 配列番号25-Cm Aセンス (37102とも記す) -Cmの上流(pACYC184:240〜216)配列番号26-Cm Aアンチセンス (37105とも記す) -(pACYC184:22〜46) PCR 反応 混合物 x128 2μl dNTP(それぞれ2.5mM) 256μl 2.5μl 10xBuff. 320μl 18μl H2O 2304μl 0.1μl Taq(5U/μl) 12.8μl 各管に混合物360μlを添加する。プライマーを添加する。 DNA(40ng/μl)1μlを添加する。 温度レジメ 94℃ 40秒間 40℃ 2分間 72℃ 4分間 30サイクル 72℃ 5分間 6℃ 無限 第2のセットのプライマー:3'末端にdUをもつ21個のヌクレオチドの反復 を含有するプライマー 配列番号19-Tet Aセンス -Tetの上流(pBR322:1〜25) 配列番号5-Tet Bアンチセンス -Tetの下流(pBR322:1449〜1425) 配列番号21-Tet Aアンチセンス (pBR322:913〜937) 配列番号22-Tet Bセンス -(pBR322:1067〜1091)配列番号20-Cm Bアンチセンス (pACYC184:3768〜3793) 配列番号27-Cm Aセンス (4555とも記す) -(pACYC184:240〜216) 配列番号28-Cm Aアンチセンス (4557とも記す) -(pACYC184:22〜46) 配列番号23-Cm Bセンス (pACYC184:4086〜4062) 配列番号11-Ampアンチセンス pBR322(4159〜4136) 配列番号24-Ampセンス pBR322(2460〜2483) PCR 反応 混合物 x128 2μl dNTP(それぞれ2.5mM) 256μl 2.5μl 10xBuff. 320μl 18μl H2O 2304μl 0.1μl Taq(5u/μl) 12.8μl 各管に混合物360μlを添加する。プライマーを添加する。 DNA(40ng/μl)1μlを添加する。 温度レジメ 94℃ 40秒間 40℃ 2分間 72℃ 4分間 30サイクル 72℃ 5分間 6℃ 無限 必要なプラスミドを図1〜6に示す。図1〜3は、12個のヌクレオチド(nt)のオー バーハングを含有する断片から構築されたプラスミドを表している。図4〜6は、 21ntのオーバーハングを含有する断片から構築されたプラスミドを表している。 B)断片の結合 PCR断片を混合し、UDGを利用して断片の3'オーバーハングを露出させた。これ らの種々の反応を以下に示す。同じ実験を独立して2回行った。同様に、各実験 で用いたDNA断片も、独立に調製した。 DNA断片の濃度は、0.05pmol/μlであった。 UDG Buff.x10=200mM Tris HCl pH8.4,500mM KCl,15mM MgCl2 反応混合物: 反応体を37℃で5時間インキュベートした。各反応体1μlを用いて、GibcoBRL ElectroMax DHlOB細胞20μlのエレクトロポレーションを行った。形質転換の後 、選別するために、アンピシリン、テトラサイクリン、およびクロラムフェニコ ールを含有するLBプレート上に反応体1および4の細胞をプレーティングした(そ れぞれ図8Aおよび8B)。同様に、アンピシリンおよびテトラサイクリンを含有す るLBプレート上に反応体2および5の細胞をプレーティングした(それぞれ図8Cお よ び8D)。反応体3および6の細胞は、アンピシリンおよびクロラムフェニコールを 含有するLBプレート上にをプレーティングした(それぞれ図8Eおよび8F)。融合 断片CmA-CmBおよびTetA-TetBには、CmrおよびTetrの上流断片および下流断片だ けが含まれている。また、これらは短い反復リンカーにより相互に結合されてい る。従って、それらはクロラムフェニコールまたはテトラサイクリンに対する耐 性を呈することはできない。 得られた形質転換体の数と一緒に構築物を図9に示す。以下に詳述されている ように、図中で*印の付いたコロニーをPCRにより試験したところ、目的の構築物 ではなく再配列されたプラスミドが含まれることが分かった。PCR による構築物の更なる調査 所望の構築物が含まれるかを調べるために、反応体2の6個の形質転換体および 反応体5由来の16個の代表の形質転換体をPCR試験にかけた。これらの形質転換体 はアンピシリンとテトラサイクリンの両方に対して耐性を呈したため、これらの 断片は相互に正しく融合されたものと推定される。CmAおよびCmBも存在するかど うかを知ることが望まれた。従って、配列番号14および配列番号25のプライマー を用いてPCRにより種々の形質転換体の検査を行うことにより、Cm断片が存在す るかを調べた。これらの構築物では、CmA(Cmの5'領域の一部分を含む)の長さ は257bpであり、CmB(Cmの3'領域の一部分を含む)の長さは357bpであるので、 予想されるPCR生成物の全体のサイズは、完全なCm断片のサイズ(756bp)よりも およそ142bp短い593bpにはずである。 図10(a)において、6つの左側のレーンは反応体2から得られた形質転換体であ り、次の5つのレーンは反応体5から得られた形質転換体である。右側のレーンは 、対照の完全なCm断片である。 図10(b)において、右側のレーンは、対照の完全なCm断片である。残りのレー ンは、反応体5由来のより多くの形質転換体である。 これらの結果は、反応体2の形質転換体には所望の構築物が含まれていないこ とを示唆する。反応体5では、16の形質転換体のうち9個に所望の産物が含まれる 。 以下に詳述されているように、所望の断片が所望の順序で含まれているかを調 べるために、反応体4、5、および6由来の形質転換体を更にPCR試験にかけた。 反応 A B C D Tet Cm A Tet A Cm B Amp Amp Tet B プライマー1 配列番号13 配列番号26 配列番号17 配列番号16 プライマー2 配列番号2 配列番号15 配列番号8 配列番号18 予想断片サイズ 1473bp 1180bp 2043bp 1207bp 上記の内容に従って試験を行い、反応体5および6(21ntオーバーハングを有す る断片から構築されたプラスミドであった)由来の形質転換体に所望の断片が所 望の順序で含まれることを確かめた。反応体5では、16個の形質転換体のうちの9 個に所望の産物が含まれていた。反応体6では、2個の形質転換体のうちの2個に 所望の産物が含まれていた。 この実験により、長いオーバーハング(およそ21nt)を有する断片からプラス ミドを構築することの利点がはっきりと実証される。12ntのオーバーハングを有 する断片を使用した3つの実験(1〜3)では、コロニーはほとんど得られなかっ た。観測されたコロニーはわずか6個であり、これらには所定の構築物が含まれ ていなかった。これとは対照的に、21ntのオーバーハングを有する断片を使用し た実験では、所定の産物を含有するコロニーが容易に得られた。 実施例4 ExoIII により生成させたオーバーハング を使用した3個のDNA断片のアセンブリー 20個以上の塩基からなる相補的オーバーハングを形成するために、E.coliの エキソヌクレアーゼIII(ExoIII)を使用した。ExoIIIは、平滑末端DNAまたは5' オーバーハング含有DNAの1本鎖を3'から5'の方向に消化し、5'オーバーハングを 形成するかまたは既存のオーバーハングを拡張する。反応の温度および時間を調 節することにより、消化の程度を制御することができるので、オーバーハングの 長さの制御が可能である。 3個の断片から構築物を形成する方法について説明する。同様な方法を用いて 、4個および5個の断片からプラスミドを構築した(図示せず)。 図12に示されているプラスミドは、独立に生成させた3個のDNA断片を連結する ことによって得られたアセンブリーである。これらの3個のDNA断片は、次の通り である。 a)Ampr遺伝子およびColEl-ori領域を含有する1739個の塩基対(bp)のDNA断 片。 b)Tetr遺伝子を含有する1466bpのDNA断片。及び c)Cmr遺伝子を含有する745bpのDNA断片。 これらの断片は、図12に略図で示されている。この図には相互の相対的位置関係 が示されている。すなわち、Cmr断片は、その一方の末端がTetr断片の1つの末端 に結合され、他方の末端がAmpr+ColEl-ori断片の1つの末端に結合されている。 同様にTetr断片およびAmpr+ColEl-ori断片の他方の末端を結合させることによ り、環状DNA分子を形成した。これは、3個の断片を上述の予め決められた順序で 含有する所望のプラスミドであった。 上記の3個のDNA断片を形成するために、以下のプライマーおよび鋳型DNAを使 用して、先に述べたPCR手順を実施した。 a)1739bpのAmpr+ColEl-ori DNA断片は、プライマーとして配列番号29(4142 とも記す)および配列番号30(3884とも記す)ならびに鋳型DNAとしてpBR322を 使用してPCR手順に従って合成した。プライマーと鋳型DNAの濃度と同様に他のPC R条件は先に記載した通りである。Ampr+ColEl-ori断片の合成に関してプライマ ーの相対的方向は、完成したプラスミド生成物中に配置した形で図12に略図で示 されている通りである。従って、Ampr+ColEl-ori断片とCmr断片との間の所望の 連結領域が得られるように、予め決められた配列をもたせるべくプライマー配列 番号29の合成を行い、Ampr+ColEl-ORI断片とTetr断片との間の所望の連結領域 が得られるように、予め決められた配列をもたせるべくプライマー配列番号30の 合成を行った。 b)1466bpのTetrDNA断片は、プライマーとして配列番号31(31160とも記す) および配列番号32(30397とも記す)ならびに鋳型DNAとしてpBR322を使用してPC R手順に従って合成した。プライマーおよび鋳型DNAの濃度ならびに他のPCR条件 は先に記載した通りである。Tetr断片の合成に関してプライマーの相対的方向は 、完成したプラスミド生成物中に配置した形で図12に略図で示されている通りで ある。 c)745bpのCmrDNA断片は、プライマーとして配列番号33(3595とも記す)お よび配列番号34(4143とも記す)ならびに鋳型DNAとしてpACYC184を使用してPCR 手順に従って合成した。Cmr断片の合成に関してプライマーの相対的方向は、完 成したプラスミド生成物中に配置した形で図12に略図で示されている通りである 。 上記のプライマーの配列は、以下の通りである。 配列中の矢印は、連結点を示している。 プライマー配列番号29および配列番号30 Ampr+ColEl-oriセグメント用 Cmr領域の配列の一部分 Ampr領域の配列の一部分 (4142とも記す) Tetr領域の配列の一部分 Ampr領域の配列の一部分 (3884とも記す) プライマー配列番号31および配列番号32 Tetrセグメント用 Cmr領域の配列の一部分 Tetr領域の配列の一部分 (31160とも記す) Ampr+ColEl-ori領域の 配列の一部分 Tetr領域の配列の一部分 (30397とも記す) プライマー配列番号33および配列番号34 Cmrセグメント用 Tetr領域の配列の一部分 Cmr領域の配列の一部分 (3595とも記す) Amp領域 CM領域 (4143とも記す) もとのプライマー配列が、Tetr領域、Cmr領域、およびAmpr+ColEl-ori領域の 遺伝子からのみ誘導されたものであり、追加の(「リンカー」)DNA配列がまっ たく導入されていないという事実から見れば、これらの遺伝子間の上記の連結部 は「シームレス(seamless)」である。 PCRは、前の実施例の記載内容に従って実施した。次に、市販のキット、すな わち、Bio-Rad社製のPrep-A-GeneTM精製キットを使用し、製造業者の取扱説明書 に従って、各PCR断片を別々にアガロースゲル精製処理にかけた。 精製の後、Pharmacia社製Gene-QuantTMRNA/DNA calculatorを使用し、製造業 者の取扱説明書に従って、標準的な手順で、各断片のDNA濃度を決定することに より、各PCR断片の定量を行った。 次に、PCR断片をExoIII消化処理にかけ、続いて連結処理を施した。10xTA緩衝 液(330mM Tris-アセテート、pH7.8;660mM酢酸カリウム、100mM酢酸マグネシウ ム、および5mM DTT)1.2 l;Exo III(200U/μl、Epicentre Technologies社よ り購入)0.8μl;および2回蒸留された滅菌済みH2O(最終体積が12μlになるよ うに添加する)を含有する冷却された(6℃)反応混合物12μl中で、種々のPCR 断片を混合した(各断片のDNA濃度0.15pmol)。実際には、H2Oで11.2μlに希釈 されたTA緩衝液を予め冷却しておき(すなわち、6℃に冷却しておき)、この中 へPCR断片を混合し、次いで、Exo III 0.8μlを添加した。Exo IIIを最後に添加 することにより、Exo III反応をうまく制御できる。この反応は、PCR断片をExo IIIと共にインキュベートする時間によって制御される。Exo IIIを添加した後、 反応混合物を6℃で40分間インキュベートした(この40分間は、上記の温度=6℃ およびExo III濃度の条件下において、各DNA鎖のヌクレオチドを3'-5'方向に20 個よりも多く分解するのに必要な時間である)。 次に、フェノール抽出を行うことによってExo III反応を停止させた。この停 止処理は、上記の反応混合物に、等体積=12μlの1:1(v/v)フェノール/クロロ ホルム混合液を添加し、Exo IIIを変性させることにより行った。この後、PCR断 片を含有する水相を、上記のフェノール/クロロホルム混合液から分離した。次 に、分離した水相をクロロホルムで3回洗浄し、Exo III消化PCR断片の本質的に 精製された混合物を含む最終の水相を得た。 緩衝液の蒸発および断片の乾燥の両方を防止するために、Exo III消化PCR断片 の入った容器に鉱油40μlを添加した。次に、混合物を75℃まで加熱し、この温 度で更に1時間インキュベートした。このインキュベーションが終了した後、1時 間に2℃だけ温度を低下させる条件下で混合物を徐々に37℃まで冷却した(こう した加熱および冷却を行うことにより、PCR断片上の相補的オーバーハング間で 特異的な相補的相互作用を起こさせて、非特異的相互作用を防止する)。この加 熱および冷却は、断片間の特異的連結、すなわち、相補的オーバーハング間の水 素結合による連結の第1段階である。 上記の混合物が37℃に達した後、以下に示すように、充填(filling in)反応 を含む最終段階の連結処理にかけた。 この時点で本質的に連結された(相補的オーバーハングの水素結合により)PC R断片の冷却済み混合物に、以下の内容物を含む「合成混合液」10 lを添加した 。 20mM ATP 1μl 2.5mM dNTP 4μl(各々等量、等濃度=2.5mMのdATP、dTTP、dCTP、およ びdGTP) 10xTA緩衝液1μl(成分については先の記載内容を参照されたい) T7 DNAポリメラーゼ1μl(5U/μl、USB社より購入) T4 DNAリガーゼ1μl(10U/μl、Epicentre Technologies社より購入) 2回蒸留した滅菌済みH2O 2μl 全体積:10μl 上記の合成混合液には、連結された断片間の連結領域の間隙の充填を促進する ためのT7 DNAポリメラーゼおよびdNTP、ならびに空隙の充填が終了した後でDNA 鎖を共有結合により連結するためのATPおよびT4 DNAリガーゼが含まれていた。 合成混合液を添加した後、得られた混合液を37℃で2時間インキュベートした 。このインキュベーションの後、標準的な条件下で反応混合物をエタノールによ リ析出させ、最終的に、析出させたDNAのペレットを得た。このペレットは、連 結されたPCR断片を含む本質的に完全なDNA構築物であった。このDNAペレットを 、2回蒸留した滅菌済みH2O 5μl中に再び懸濁させ、更なる解析または使用に供 した。 上述した所望の構築物を3個のPCR断片から調製した後、この構築物の生物学的 活性、すなわち、細菌細胞中に導入したときに3種の抗生物質すべてに対して耐 性を示すことが可能であるか否かを分析した。この際、DNA構築物を含有する最 終生成物5μlのアリコート2μlを用いて、エレクトロコンピテントDH10B E.col i細胞のエレクトロポレーションを行った。エレクトロポレーションの後、最初 に、アンピシリンを含有する寒天プレート上に細胞をプレーティングした。その 結果、これらのプレート上に1000個を超えるコロニーの形成が確認された。この ことから、1000個を超えるオリジナル形質転換細胞が、少なくとも活性Ampr遺伝 子を含むDNA構築物を取り込んだと考えられる。これらのAmprコロニーのうちの4 0個を試験サンプルとしてランダムに選択し、テトラサイクリン含有寒天プレー トおよびクロラムフェニコール含有寒天プレートの両方にプレーティングした。 これらの試験コロニーは40個ともすべて、これらのプレート上でも増殖した。従 って、これらもまた、Tetr耐性およびCmr耐性であると考えられる。このことか ら、少なくともこれらの40個のコロニーは、Tetr、Cmr、およびAmprの遺伝子が いずれも欠陥がなく完全に発現可能である無欠陥の構築物を取り込んだと結論さ れる。先に述べたように、コロニーの一部分を更にPCRによる試験にかけた。生 成したPCRバンドは、予想通りのサイズのものであった。 上記の実施例では、完全なものにするために、また可能な代替手順を提示する ために、連結ステップおよび充填ステップを使用した。しかしながら、当業者に は容易に分かるように、こうした連結ステップおよび充填ステップは必要なわけ ではなく、先に例示した手順は、このようなステップを使用せずに実施可能であ る。このようなステップを使用しない場合の手順の実施例は、記載しなかった。 これは、記載内容を簡潔にするためである。 実施例5 UDG により生成させたオーバーハングを使用した 8 個のDNA断片のアセンブリーによる環状プラスミドの形成 8個の断片からなるプラスミドの構築を次のように設計した。8個の各断片をPC R増幅により別々に調製し、次いで特定の方向に連結させることにより、目的の 生成物として環状のプラスミドが得られるようにした。本発明の方法を例示する ために、以下の詳細な記載内容に従って、全体として4つの領域を含む8個のPCR 断片の組合せ、8個の独立したPCR断片を特定の方向に結合することにより単一の 活性プラスミド構築物を形成した。また、この処理は、本発明に係る本質的に1 段階の手順で行った。得られた結果は、従来の技術では得られなかったものであ り、こうした試行もなされなかった。 この実施例は、、プライマー中でdUを使用してオーバーハングを形成し、酵素 UDGを用いてこのオーバーハングを露出させるという点で、実施例1と類似してい る。しかしながら、この実施例では、プライマー1個あたりdU残基を1個だけ使用 する。従って、オーバーハングを露出させる手順には、追加の試薬としてN,N ジ メチル-エチレンジアミンが含まれる。この試薬の使用については、先に述べた 一般的な手順の節および先に記載の同時係属特許出願(代理人整理番号4149/96 のイスラエル国特許出願第120337号)の中で、更に詳細に説明されている。また 、本実施例では、連結される断片の天然遺伝子配列を5'末端に含有するプライマ ーを使用する。従って、連結はシームレスである。すなわち、不必要な残基が連 結部に混入しない。これとは対照的に、実施例1では、プライマー配列の5'部分 でいくつかのdU残基を使用しなければならないため、オーバーハングとして機能 させることだけを目的とした不適合配列が5'末端に含まれるプライマーを使用す る。この場合、この不適合配列は、連結される断片の天然遺伝子配列の間に生成 する断片中に導入される。従って、本実施例の場合のように、dUヌクレオチドを 1個だけ使用すれば、断片のシームレス連結が可能となる。 図13には、本発明の方法により設計および生成が行われたプラスミドが略図で 示されている。このプラスミドには、4個の抗生物質耐性遺伝子、すなわち、ア ンピシリン耐性遺伝子(Ampr遺伝子、またはこれ以降ではAmp)、テトラサイク リン耐性遺伝子(Tetr遺伝子、またはこれ以降ではTet)、クロラムフェニコー ル耐性遺伝子(Cmr遺伝子、またはこれ以降ではCm)、およびカナマイシン耐性 遺伝子(Knr遺伝子、またはこれ以降ではKn)が含まれる。プラスミドにはまた 、ColEl複製起点(ColEl-ori)も含まれる。この実施例の場合には、Ampr遺伝子 の隣に位置する。このため、このようなプラスミドは、宿主細胞中での複製が可 能であり、宿主細胞は、4つのタイプの抗生物質すべてに対して耐性を示すよう になるであろう。 従って、1つの抗生物質の存在下で形質転換細胞を増殖させ、次いで他の抗生 物質に対する耐性を調べるスクリーニングを行うことによって、このプラスミド により形質転換された宿主細胞を容易に選択することが可能である。間違った結 合が形成されなかったことを検証するために、更に確認試験を行ってもよい。こ うした試験の1つとして、制限酵素分析により形質転換コロニーを調べる試験が ある。多数の形質転換コロニーからプラスミドDNAを調製し、制限酵素により検 査した。 この8個の断片の構築物に対しては、次のように実施した。 (i)PCR増幅用の特異的プライマーの調製 図13に示したように、また先に概説したように、次の4つの領域を有する環状 プラスミドを構築する必要があった。 (a)Tetr領域。 (b)Ampr+ColEl-ori領域。 (c)Cmr領域。 (d)Knr領域。 結合の順序は、図13に示されている。 この目的を達成するために、8個の別々の断片を設計した。記載事項は、断片の名称、そのサイズ、PCR増幅用プラスミド、増幅させる部位 のオリジナルプラスミド上の正確な位置、断片の増幅に使用したプライマーの番 号である。これらのプラスミドの種々の領域の全配列およびマップは周知であり 、GenBankデータベースから受託番号J01749(pBR322)、X06403(pACYC184)、 およびX06402(pACYC177)として入手できる。 AmpB断片には、Amp断片の5'部分とColEl-ori配列とが含まれる。AmpA断片には 、Amp断片の3'部分が含まれる。CmA断片にはCm断片の5'部分が含まれ、CmB断片 にはCm断片の3'部分が含まれる。TetB断片にはTet断片の5'部分が含まれ、TetA 断片にはTet断片の3'部分が含まれる。KnA断片にはKn断片の5'部分が含まれ、Kn B断片にはKn断片の3'部分が含まれる。 各プライマーは、2つの領域:すなわち、増幅対象のDNAに相補的な3'領域と、 そのDNAの結合相手となるべき断片に相補的な5'領域とからなる。 ポリヌクレオチドオリゴマーを生成させるための標準的な自動化手順(米国Ap plied Biosytems社)を使用して、以下のプライマーを合成した。 AmpA断片を増幅するためのプライマー プライマー配列番号35(241365とも記す): 内部Ampr領域プライマー配列番号36(3885とも記す): Cmr領域 Ampr領域 AmpB断片を増幅するためのプライマー プライマー配列番号37(27342とも記す): Cmr領域 Ampr領域 プライマー配列番号38(241366とも記す): 内部Ampr領域 CmA断片を増幅するためのプライマー プライマー配列番号39(40122とも記す): Knr領域 Cmr領域 プライマー配列番号40(27343とも記す): 内部Cmr領域 CmB断片を増幅するためのプライマー プライマー配列番号41(25596とも記す): 内部Cmr領域 プライマー配列番号42(4144とも記す): Ampr領域 Cmr領域 TetA断片を増幅するためのプライマー プライマー配列番号43(27341とも記す): 内部Tetr領域 プライマー配列番号44(36176とも記す): Knアンチセンス Tetセンス TetB断片を増幅するためのプライマー プライマー配列番号45(30402とも記す): Ampr領域 Tetr領域 プライマー配列番号46(25595とも記す) 内部Tetr領域 KnA断片を増幅するためのプライマー プライマー配列番号47(31254とも記す): Tet領域 Kn領域 プライマー配列番号48(25953とも記す) 内部Kn領域KnB断片を増幅するためのプライマー プライマー配列番号49(25952とも記す) 内部Kn領域 プライマー配列番号50(31253とも記す) Cm領域 Kn領域 (ii)PCR断片の調製 洗に記載の他の実施例の場合と同じように、PCR反応を行った。個々の断片のP CR合成に続いて、市販のBio-Rad社製「Prep-A-GeneTM」DNA精製キットを使用し 、製造業者の取扱説明書に従って、各断片を標準的なアガロースゲル精製法によ り精製した。精製の後、Pharmacia社製「Gene-QuantTMRNA/DNA Calculator」を 使用し、製造業者の取扱説明書に従って、標準的な手順で、精製断片DNAの濃度 を決定した。 (iii)PCR生成断片の結合 上記の手順に従って形成および精製を行った8個のPCR断片を、単一の反応容器 に入れた1段階反応混合液中で相互に結合させた。この結合処理は、緩衝液(200 mM Tris-HCl pH8.4,500mM KCl,15mM MgCl2)2.5 l、1M N,N-ジメチル-エチレ ンジアミン2.5 l、およびUDG(GibcoBRL社製)6.25ユニットを含む反応混合液25 l中で断片を一緒に混合することによって実施した。混合液を37℃で4時間イン キュベートし、次いで、5分間で70℃まで昇温し、断片の5'末端からのニックの ある短い1本鎖DNAの解離を促進した。解離の後、「QlAquick PCR精製キット」( QIAGEN)を使用し、製造業者の取扱説明書に従って、ニック(nick)のある短い1 本鎖DNAを取り出した。このキットの第1の緩衝液を添加する前に、ニックのある 短い1本鎖DNAのリアニーリングを最小限に抑えるために、高温(70℃)の緩衝液 (20mM Tris-HCl pH8.4,50mM KCl,1.5mM MgCl2)200 lを添加した。2回蒸留し た水(DDW)30 l中にDNAを溶出させた。このDNA 27 lを、緩衝液(20mM Tris-HC l pH8.4,50mM KCl,1.5mM MgCl2)3 lと一緒に70℃の水浴中でインキュベート した。水浴を取り除き、温度を徐々に37℃まで低下させた。こうすることにより 、非正統的結合を最小限に抑えつつ、相補的オーバーハング間の連結を行うこと ができる。 (iv)断片の連結効率の解析 8個の異なる断片を連結させることにより新たに構築したプラスミドを含有す る上記のDNAのサンプル1 lを用いて、エレクトロポレーションによりE coli DH 10B細胞の形質転換を行った。形質転換手順の実施時、エレクトロコンピテント 「ElectroMax」細胞(Bibco BRL社より購入)20 lを上記のDNAサンプルと混合し 、市販の装置でエレクトロポレーション処理を施した(BioRad社製「E.coli Pu lser Apparatus」を1.8kVに設定して、製造業者の取扱説明書に従って操作した )。 エレクトロポレーションの後、100mMアンピシリンを含有するLB寒天プレート 上にプレーティングした(Ampr遺伝子を含むDNAを用いて形質転換させたことに よりアンピシリン耐性を呈する形質転換体を選択することを目的とする)。後日 、3つのコロニーを採取し、適切な抗生物質を含有する寒天プレート上にプレー ティングすることによって、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、および カナマイシンに対する耐性を調べた。 その結果、3つのコロニーは4種の抗生物質すべてに対して耐性を有することが 分かった。制限酵素分析によりコロニーを更に調べたところ、適切なコロニーで あることが分かった(図示せず)。 上記の結果は非常に重要である。なぜなら、本質的に一段階の手順により単一 の反応混合液中で8個の異なる断片を特定の方向に適切に連結することができる からである。 好ましい実施形態および実施例に関する上記の説明はすべて、例示を目的とし たものであり、本発明を制限するためのものではない。方法、材料、および条件 に関して多くの変更が可能であり、異なる数のオーバーハングおよび異なる数の 連結用断片を使用して多種多様な生成物を得ることが可能であり、しかも、これ らはいずれも本発明の範囲を逸脱することなく行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.2個以上のDNA断片を高効率でアセンブリーする方法であって、 a)各DNA断片に対して、第2のDNA断片の少なくとも1本の鎖上の相補的配列に水 素結合可能な少なくとも1個の突出末端、すなわち少なくとも15個の塩基を有 する「オーバーハング」、を提供するステップと、 b)2個以上の該DNA断片を、それらの連結を促進するのに適した条件下で混合す るステップと、 を含む方法。 2.3個以上の断片を連結し、各DNA対のモル比が約1:1〜1:50である、請求項1 に記載の方法。 3.前記オーバーハングが少なくとも20個の塩基を有する、請求項1または2に 記載の方法。 4.前記オーバーハング中の塩基の数が約20個〜約30個である、請求項1または 2に記載の方法。 5.同時に連結される前記断片の数が3個以上である、請求項1〜4のいずれか 1項に記載の方法。 6.本質的に明細書の記載と同じであって特に実施例を参照する請求項1〜5の いずれか1項に記載の方法。 7.それぞれ第2のDNA断片の少なくとも1本の鎖上の相補的配列に水素結合可能 な少なくとも1個の突出末端すなわち「オーバーハング」を含む2個以上のDNA 断片を連結することにより形成されたDNA構築物。 8.請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法によって製造されたDNA構築物。 9.少なくとも15個のヌクレオチドのオーバーハングまたはこのようなオーバー ハングに変換するのに適した末端部分を含むDNA断片。 10.請求項1に記載の方法に使用するための、請求項9に記載のDNA断片。
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