JP2002517186A - エンドスタチンタンパク質を含むタンパク質オリゴマー組成物およびその使用方法 - Google Patents

エンドスタチンタンパク質を含むタンパク質オリゴマー組成物およびその使用方法

Info

Publication number
JP2002517186A
JP2002517186A JP2000552154A JP2000552154A JP2002517186A JP 2002517186 A JP2002517186 A JP 2002517186A JP 2000552154 A JP2000552154 A JP 2000552154A JP 2000552154 A JP2000552154 A JP 2000552154A JP 2002517186 A JP2002517186 A JP 2002517186A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
endostatin
oligomer
protein
protein oligomer
zinc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000552154A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002517186A5 (ja
Inventor
ジャバヘリアン,カシ
フォークマン,エム.ジューダ
Original Assignee
ザ チルドレンズ メディカル センター コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ チルドレンズ メディカル センター コーポレイション filed Critical ザ チルドレンズ メディカル センター コーポレイション
Publication of JP2002517186A publication Critical patent/JP2002517186A/ja
Publication of JP2002517186A5 publication Critical patent/JP2002517186A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/78Connective tissue peptides, e.g. collagen, elastin, laminin, fibronectin, vitronectin, cold insoluble globulin [CIG]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 エンドスタチンタンパク質を含むタンパク質オリゴマー組成物を、管形成を停止させ、腫瘍形成を阻害するためのタンパク質オリゴマー組成物の使用方法と共に提供する。本発明の組成物は、新規な群の分散因子を構成し、特に、エンドスタチンタンパク質2量体および3量体を含み、随意に亜鉛等の金属イオンを含む。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 [関連出願の引用] 本出願は、米国仮特許出願第60/087,890号(1998年6月3日提
出)、米国仮特許出願第60/092,393号(1998年7月10日提出)
および米国仮特許出願第60/098,790号(1998年9月1日提出)に
対する優先権を主張する。 【0002】 [技術分野] 本発明は、腫瘍学、新脈管形成および形態形成の分野に、そして特にエンドス
タチンタンパク質を包含する新規のタンパク質オリゴマーに関する。エンドスタ
チンオリゴマーは、内皮細胞細管形成を阻害し、細胞形態形成を調節し、そして
転移性癌および新脈管形成依存性疾患を治療するために有用である。 【0003】 [発明の背景] 一連の直接的証拠により、目下、固形腫瘍の増殖および存続、ならびに離れた
器官へのそれらの転移は、きわどく新脈管形成または新規血管の漸増によってい
ることが示唆されている(Folkman, 1989; Hori et al., 1991; Kim et al., 19
93; Millauer et al., 1994)。新脈管形成は、腫瘍の拡張に必要な栄養分およ
び老廃物の除去のための経路の増大を提供するだけでなく、腫瘍が原発性部位を
離れて血流に入るための経路を提供することにより腫瘍転移も促す(Zetter, 19
98)。特に、新脈管形成は、正常成熟血管より薄い基底膜および少ない細胞内接
合部複合体を有する未熟な高浸透性血管の密度増大を提供することにより、血流
中への腫瘍細胞の侵入を増大する(Zetter, 1998)。 【0004】 血管形成性表現型は、新生血管形成の正および負の両方の調節の間の正味の平
衡の結果である、と仮定される(Good et al., 1990; O'Reilly et al., 1994;
Parangi et al.,1996; Rastinejad et al., 1989)。腫瘍それ自体は、他の補助
宿主細胞、例えばマクロファージ、マスト細胞およびリンパ球とともに、種々の
血管形成因子、例えば繊維芽細胞増殖因子(FGF)(Kandel et al., 1991)
および血管内皮細胞増殖因子/血管浸透性因子(VEGF/VPF)(Zetter,
1998)のそれらの産生を上向き調節することにより新脈管形成を刺激する。しか
しながら、多数の悪性腫瘍は、新脈管形成の阻害剤、例えばアンギオスタチンタ
ンパク質およびトロンボスポンジンも生成する(Chen et al., 1995; Good et a
l., 1990; O'Reilly et al., 1994; 米国特許第5,639,725号)。 【0005】 いくつかの血管形成性および抗血管形成性タンパク質は、不活性前駆体として
血液または基底膜中に貯蔵される(Hanahan, 1996)。このような不活性前駆体
の一例は、エンドスタチンタンパク質である。エンドスタチンタンパク質は、血
管周囲の基底膜中に局在するコラーゲン様タンパク質、即ちコラーゲンXVIII(
c18)の約20kDa C末端球状ドメインである(Oh et al., 1994)。エン
ドスタチンは、c18タンパク質のC末端部分としてin vivoで貯蔵され
(Rehn et al., 1994; Muragaki et al., 1995)、そしてエンドスタチンより長
いc18の断片は内皮細胞増殖を阻害しないと考えられる(O'Reilly et al., 1
997)。エンドスタチンは、米国特許第5,854,205号(この記載内容は
、参照により本明細書中に含まれる)に記載されているように、毛細血管内皮細
胞の増殖を阻害するその能力に関して血管内皮腫細胞株から最初に単離された。 【0006】 エンドスタチンは不活性前駆体として貯蔵されるということが分かっているけ
れども、エンドスタチンがどのように活性化されるかは分からない。従来のX線
結晶学的試験は、エンドスタチンが、同様の分子の一群であるセレクチンにおい
て活性である特徴的Ca2+結合部位を含有しない、ということを示している(Ho
henester et al., 1998)。これらの同一試験は、ヒトエンドスタチンと会合す
る金属イオンはない、ということを示した。 【0007】 金属イオンはしばしば、タンパク質の生物学的活性に関与する。特に、亜鉛陽
イオンは多数のタンパク質の重要な構成成分であり、生物学的工程の宿主中で重
要な役割を演じる(Coleman, 1992; O'Reilly et al., 1996; Vallee et al., 1
990)。ほとんどの場合、亜鉛は触媒活性に直接関与するが、しかしながら、亜
鉛に関する構造的役割も記載されている。例えば、亜鉛はヒト成長ホルモンの二
量体化に関与し、プロラクチン受容体に対するヒト成長ホルモンの親和性を約8
,000倍増大する(Cunningham et al., 1990; Cunningham et al., 1991)。 【0008】 [発明の概要] 本発明は、1つより多いエンドスタチンタンパク質モノマーを包含するタンパ
ク質オリゴマーであって、細胞分散因子活性(scatter factor activity)を有
するオリゴマーを含む。エンドスタチンは、還元ゲル電気泳動により確定した場
合は約20 kDaの、そして非還元ゲル電気泳動で確定した場合は18 kD
aの分子量を有するコラーゲンXVIIIのカルボキシ末端領域断片である。本発明
の一実施態様では、タンパク質オリゴマーは、エンドスタチンモノマーのダイマ
ーを包含する。別の実施態様では、タンパク質オリゴマーは、各NC1断片がエ
ンドスタチンモノマーを含有するように、還元ゲル電気泳動下で約38 kDa
の分子量を有するコラーゲンXVIIIの1つより多いNC1領域断片を包含する。
好ましい実施態様では、1つより多いNC1領域断片を包含するタンパク質オリ
ゴマーはトライマーである。本発明のタンパク質オリゴマーは、好ましくは亜鉛
である金属構成成分を任意に包含し得る。 【0009】 本明細書中に記載した新規のタンパク質オリゴマーは、新規の種類の細胞分散
因子を構成する。本発明のタンパク質オリゴマーは抗細管形成作用を有し、アク
チン細胞骨格の再構築、細管管腔の破壊および細胞の伸張を誘導する。新規のタ
ンパク質オリゴマーは、抗腫瘍形成性および抗血管形成性でもある。 【0010】 エンドスタチンタンパク質を包含するタンパク質オリゴマーの使用方法も、本
発明に含まれる。本明細書中に記載したタンパク質オリゴマーを用いて細管形成
および腫瘍形成を阻害し得る。 【0011】 本発明のこれらのそしてその他の目的、特徴および利点は、開示実施態様の以
下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を検討すれば明らかになる。 【0012】 [詳細な説明] 本発明は、エンドスタチンオリゴマーを含む新たなクラスの分散因子を提供す
るものである。この新しいクラスの分散因子に属するオリゴマーは、「抗マトリ
ックス」分散因子として作用し、細胞外マトリックス蛋白の存在によって起こる
内皮細管の集合を阻害することができる。このエンドスタチンオリゴマーはさら
に、抗脈管形成性、且つ抗腫瘍形成性である。エンドスタチンオリゴマーは機能
的に定義されてはいるものの、この機能上の定義はエンドスタチンオリゴマーの
生物活性を限定するものでは決してないと理解されるべきである。 【0013】 本発明に係る或る態様の蛋白オリゴマーは、多数のエンドスタチンモノマーを
含み、ここでこのエンドスタチンモノマーは、還元ゲル電気泳動での測定でおよ
そ20kDaの蛋白、または非還元ゲル電気泳動での測定でおよそ18kDaの
蛋白であり、培養内皮細胞の増殖を阻害する能力を特徴とする。エンドスタチン
オリゴマーは、コラーゲンXVIIIといったようなコラーゲン様分子のカルボキシ
領域フラグメントであり、任意の哺乳動物から誘導することができる。好ましい
態様において、このエンドスタチンモノマーはマウスコラーゲンXVIIIのほぼ1
132位アミノ酸で開始し、下記の配列番号1で示されるヒトエンドスタチンフ
ラグメントと相関がある。 【0014】 【化1】 【0015】 下に記載するように、エンドスタチン配列にはアミノ酸置換が存在し得、これ
もまた機能的エンドスタチン蛋白を生成する。例えば、上記の遺伝子配列が組換
えにより発現される場合、観察可能な蛋白のダブレットが生成し、いずれのもの
も機能的エンドスタチン蛋白である。上記のエンドスタチン蛋白に加えて、以下
のエンドスタチン変異体が存在し、それは、前記の蛋白から最初の4個のアミノ
酸を差し引いたものである。この事は、機能的エンドスタチン蛋白分子の可変性
を証明するものである。故に、別の態様において、当該エンドスタチンモノマー
は、下記の配列番号2で示されるヒトエンドスタチンフラグメントと相関がある
。 【0016】 【化2】 【0017】 「エンドスタチン」および「エンドスタチンモノマー」という語は同義語であ
って、保存的な、すなわち「サイレントな」アミノ酸置換、欠失および付加を含
んでいても、オリゴマー化の際には分散因子活性を保持する、天然に存在する、
組換えの、または合成のエンドスタチン蛋白を包含する。「分散因子活性」とい
う語は、マトリゲル管形成検定により測定される内皮細管形成の妨害を意味する
。好ましい態様において、エンドスタチンモノマーはグルタミンがシステインに
置換されるといったように、7番目のアミノ酸で修飾されている。システインに
よるグルタミンの置換は、エンドスタチンモノマー間の二量体化またはオリゴマ
ー化を促進する。「エンドスタチンモノマー」という語はさらに、1またはそれ
以上のアミノ酸が或るエンドスタチンモノマーの一端もしくは両端から、または
該蛋白の内部領域から除去されており、それでいてオリゴマー化の際には分散因
子活性を保持している、短縮化された蛋白を包含する。「エンドスタチンモノマ
ー」という語はさらに、1またはそれ以上のアミノ酸が或るエンドスタチンモノ
マーの一端もしくは両端に、または内部位置に付加されており、それでいてオリ
ゴマー化の際には分散因子活性を保持している、延長された蛋白またはペプチド
を包含する。このような修飾の一つの例は、1位へのチロシンの付加である。チ
ロシン標識化された分子は、検定での使用のために、125沃素によってさらに
標識化することができる。他の放射性同位元素またはリシンのような化学物質に
よる標識化もまた、エンドスタチンオリゴマーレセプターを含む標的細胞を破壊
するための分子手段の提供に有用である。エンドスタチンモノマーはさらに、他
の蛋白またはペプチド、例えば下記の実施例に記載するような抗体のFc部分と
組換えにより融合させることもできる。 【0018】 加えて、アミノ酸のサイレント置換が当分野において良く知られており、付記
する特許請求の範囲の範囲内に包含することが意図される。サイレント置換は、
或るアミノ酸を構造的または化学的に類似のアミノ酸に置換することが、その蛋
白の構造、コンホメーションまたは活性を有意に変更しない場合に起こるもので
ある。蛋白、そのサブユニットおよびペプチドフラグメントの修飾もまた「エン
ドスタチンモノマー」という語の定義に包含される。このような修飾は、特定の
部位の天然に存在するアミノ酸を他の分子により置換することを包含し、この他
の分子とは天然および非天然に存在するアミノ酸を包含するが、これらに限定さ
れる訳ではない。このような置換は、例えば分散因子活性を増大または低下させ
ることにより、エンドスタチンオリゴマーの生物活性を修飾することができ、そ
して生物学的または薬理学的アゴニストまたはアンタゴニストを生成することが
できる。 【0019】 一つの態様では、この蛋白オリゴマーはエンドスタチン二量体である。本発明
は、エンドスタチン二量体を包含する新規なクラスの分散因子を包含する。本発
明に係るエンドスタチン二量体は、確立されている管を、構成細胞中に、明らか
な毒性無しに2−3時間という短時間のうちに漸進的に拡散させる。エンドスタ
チン二量体が分散を誘発している間に、管腔の破壊および細胞の伸長と共に、細
胞骨格の劇的な再構築が観察され得る。エンドスタチンオリゴマーは、過去に記
載された肝細胞成長因子/分散因子(HGF/SF)のクラスの分散因子とは異
なっている。管形成を促進するHGF/SFクラスの分散因子とは対照的に、本
発明に係るエンドスタチンオリゴマーは抗管形成効果を有している。エンドスタ
チンオリゴマーはさらに、HGF/SFクラスの分散因子と比較して異なったタ
イプの細胞にも効果を及ぼす。分散活性に加え、本発明に係るエンドスタチン二
量体はまた、亜鉛のような金属と結合するとき、抗腫瘍形成活性および抗脈管形
成活性を表すことができる。 【0020】 別の態様においては、本発明は、多数のエンドスタチン/NCI蛋白を含む蛋
白オリゴマーを提供する。本発明に係るエンドスタチン/NCI蛋白は、上記の
およそ20kDaエンドスタチン蛋白を各々含有する、コラーゲンXVIIIのおよ
そ38kDa C末端領域フラグメントである。本発明は、エンドスタチン/N
CI三量体が上記の新しいクラスの分散因子に包含されることを初めて記載する
ものである。エンドスタチン/NCI三量体は、エンドスタチン二量体と同様の
やり方で、他の細胞の形態形成変化と同様、内皮細胞管腔構造の分散を誘発する
。エンドスタチン/NCI三量体の抗管腔形成活性もまたエンドスタチンモノマ
ーによって阻害することができる。 【0021】 別の態様において、上記の蛋白オリゴマーは、融合蛋白であるエンドスタチン
モノマーを含む。エンドスタチン融合蛋白は、エンドスタチンおよび抗脈管形成
分子、脈管形成分子、および/またはエンドスタチンモノマーの二量体化を促進
する分子を包含し得る。好ましい態様において、このエンドスタチン融合蛋白は
、エンドスタチンおよび抗体のFc部分を含み、この抗体のFc部分は二量体化
を促進する。Fc部分はIgG、IgE、IgE、IgAまたはIgMイソタイ
プから誘導できるが、好ましいイソタイプはIgGである。 【0022】 さらなる態様において、蛋白オリゴマー、二量体およびモノマーは、金属イオ
ン、好ましくは亜鉛イオンと結合する。本発明は、エンドスタチンが亜鉛結合部
位を含み、活性には金属結合を必要とすることを初めて記載するものである。結
晶化されたエンドスタチンを研究するかつての試みが不規則な残留物および不正
確な結果を得た一方で、本発明者等は、残留物が不規則でないようにエンドスタ
チンを発現させ、そして、エンドスタチン上に亜鉛結合ドメインを同定した。本
発明において、ヒトエンドスタチンは、IgG−1のFcドメインとのキメラと
してマウス骨髄腫セルラインで分泌蛋白として発現され、このFc部分からエン
テロキナーゼ消化により放出された(より詳細には下に記載する)。さらに、ヒ
トエンドスタチン結晶を、N−末端ヒスチジンが荷電されない高いpHで成長さ
せた。先行技術の方法に対するこれらの修飾により、本発明者等は、エンドスタ
チンが亜鉛結合蛋白であることを正確に同定することができた。 【0023】 上記の方法を用いて、本発明者等は、ヒトエンドスタチンの亜鉛結合部位が、
N−末端ループ、ヒスチジン1、3および11からの3個の亜鉛リガンド、なら
びに、EおよびFβ−鎖間のループからの第四のリガンド、アスパラギン酸76
を有する四面体であることを発見した(図1および図2)。本発明者等はさらに
、ヒトエンドスタチン結晶中のエンドスタチンモノマー間の亜鉛依存性の二量体
接触を初めて記載している。これらの発見に基づき、本発明は、亜鉛と結合した
新規なエンドスタチン組成物(ここで、亜鉛は、当該エンドスタチン組成物の抗
腫瘍形成活性に必須である)、および、これらの組成物を使用する方法を提供す
る。好ましい態様において、Fc−エンドスタチン二量体は亜鉛と結合している
。別の好ましい態様において、NCI/エンドスタチン三量体は亜鉛と結合して
いる。 【0024】 本発明はさらに、1またはそれ以上の金属イオンとエンドスタチンオリゴマー
との結合を含む、インビトロまたはインビボでエンドスタチンを活性化させる方
法を包含する。好ましい態様において、金属イオンは亜鉛であり、さらに好まし
い態様において、エンドスタチンモノマー当たり1個の亜鉛分子が結合している
。エンドスタチンの活性化は、抗脈管形成活性の増大、腫瘍形成活性の増大、お
よび/または分散因子活性の増大を包含する。一つの態様において、亜鉛の結合
は、エンドスタチンモノマーの二量体化を惹起し、その結果エンドスタチンを活
性化させる。さらに、金属イオン、好ましくは亜鉛イオンの添加によりエンドス
タチンオリゴマーを形成させる方法もまた本発明に包含される。 【0025】 典型的には、単離された本発明に係るエンドスタチンオリゴマーは、銀染色ゲ
ル上でのバンド強度により測定した場合、少なくとも約80%、通常少なくとも
約90%、そして好ましくは少なくとも約95%純度である。「単離された」、
「生物学的に純粋な」または「実質上純粋な」という句は、天然状態で見出され
るときに通常付随する成分の少なくとも幾つかを本質上伴わない物質を意味する
。本明細書中で使用するその他の重要な用語を以下に定義する。本明細書中使用
する「一つの」および「その」という語は、1またはそれ以上を意味するものと
定義され、文脈が不適切でない限り、複数を包含する。「抗腫瘍活性」および「
抗腫瘍形成」という語は、エンドスタチンオリゴマーが腫瘍を退縮させる能力を
意味する。「退縮」とは、腫瘍の体積または大きさの低下を意味する。「抗脈管
形成」という語は、脈管形成の阻害を意味する。加えて、「実質的な配列相同性
」とは、エンドスタチンオリゴマー中の既知のアミノ酸残基配列の間の少なくと
もおよそ70%の相同性、好ましくは少なくともおよそ80%の相同性、より好
ましくは少なくともおよそ90%の相同性を意味する。相同性は、配列同定によ
って、または、デフォルト設定パラメータの上でDNA StarまたはGen
eJockeyといったような良く知られているコンピュータープログラムの使
用によって決定することができる。 【0026】 上記の蛋白オリゴマーの一部を構成するエンドスタチンおよびNCIモノマー
は、血清、尿および腹水を包含するがこれらに限定されない体液および組織から
分離することができる。エンドスタチンモノマーおよびNCIはさらに、組換え
による供給源、動物に埋め込まれた遺伝的に改変された細胞、腫瘍細胞培養なら
びにその他の供給源から生成することができる。組換え技術は、ポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)のような増幅技術を用いるDNA原料からの遺伝子増幅、なら
びに逆転写酵素/PCRのような増幅技術を用いるRNA原料からの遺伝子増幅
を包含する。エンドスタチンモノマーはポリペプチド合成により生成することが
でき、または、活性エンドスタチンモノマーを生成するためのコラーゲンXVIII
といったような、より大きな包含ポリペプチドのインビトロ酵素的触媒作用によ
って誘導することができる。好ましい態様において、本発明に係るエンドスタチ
ンモノマーは、細胞がPichia pastorisである、組換え発現系から生成される。 【0027】 本発明に係るエンドスタチンオリゴマーは幾つかの用途を有する。このエンド
スタチンオリゴマーは、内皮細胞細管形成の阻害および形態形成の研究にとって
特に有用である。エンドスタチンオリゴマーおよびその活性フラグメントはさら
に、転移性の癌および腫瘍、ならびに脈管形成に関連する癌および疾患の治療に
有用である。 【0028】 例えば、エンドスタチンオリゴマーは、転移性および脈管形成に依存する癌お
よびその他の脈管形成関連疾患の治療に使用できる。転移性疾患の一例は転移性
癌である。脈管形成関連疾患とは、例えば実質腫瘍、血液癌、例えば白血病、お
よび腫瘍転移を包含する脈管形成依存性癌;良性腫瘍、例えば血管腫、聴神経種
、神経線維腫、トラコーマ、および化膿性肉芽腫;慢性関節リウマチ;乾癬;眼
血管形成疾患、例えば糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、黄斑変性、角膜移植拒絶
、血管新生緑内障、水晶体後繊維増殖症、ルベオーシス;オスラーウェバー症候
群;心筋血管形成症;プラーク新生血管形成;毛細血管拡張症;血友病性関節;
血管線維腫;および創傷肉芽形成を包含するが、これらに限定される訳ではない
。本発明に係るエンドスタチンオリゴマーは、内皮細胞の過度のまたは異常な刺
激の疾患の治療に有用である。このような疾患とは、腸管癒着、動脈硬化症、強
皮症、および過形成性瘢痕、即ちケロイドを包含するが、これらに限定される訳
ではない。エンドスタチンオリゴマーはさらに、ネコひっかき病(Rochele mina
lia quintosa)および潰瘍(Helobacter pylori)といったような病理学的因果
関係としての脈管形成を有する疾病の治療に有用である。 【0029】 エンドスタチンオリゴマーはさらに、エンドスタチンオリゴマーに対する抗体
を単離するための親和カラムの開発に使用できる。これらの抗体はアミノ酸配列
決定によって単離および精製することができる。さらに、高い特異性および結合
力でエンドスタチンオリゴマーに結合するポリペプチドを、標識またはリポータ
ー基で標識化し、オートラジオグラフィーおよび膜結合技術のような検出技術を
用いて、本明細書に記載の検定における視覚化および定量に使用することができ
る。このリポーター基または標識は、通常、蛍光または放射性基または酵素であ
る。このような適用は、重要な診断および研究手段を提供するものである。 【0030】 エンドスタチンオリゴマーはさらに、エンドスタチンオリゴマーレセプターの
単離のための親和カラムの開発に使用することができる。係るレセプターの単離
および精製は、アミノ酸配列決定によって行うことができる。この情報を用いて
、該レセプターをコードしている遺伝子(群)を同定し、そして単離することが
できる。次に、クローニングした核酸配列を開発し、該レセプターを発現できる
ベクター中に挿入することができる。 【0031】 本出願人の発明はまた、本明細書に記載のエンドスタチンオリゴマーの蛋白構
成成分をコードしている核酸が単一の細胞に入っている、組換え発現系を包含す
る。このオリゴマー構成成分をコードしている核酸は、単一のベクターまたは複
数のベクター内にあってよい。好ましい態様において、この組換え発現系はPich
ia pastorisである。生物学的に活性なエンドスタチンオリゴマーおよび当該蛋
白に対応する核酸配列は、内皮のプロセスをインビボで調節するために、そして
内皮細胞関連疾患の診断および例えば遺伝子治療による治療のために有用である
。 【0032】 エンドスタチンオリゴマーの蛋白構成成分に対応する、且つこれをコードして
いる核酸配列は、アミノ酸配列の知識、ならびにコドン(3個の核酸塩基の配列
)とアミノ酸との間に認識される対応の知識に基づいて製造することができる。
或るコドン中の第三の塩基が異なっているにも拘わらず同じアミノ酸をコードし
ているという、遺伝コードの同義性の故に、任意の特定の蛋白またはペプチドフ
ラグメントに対して考え得る多くの異なったコード化核酸配列が誘導可能である
。これとは別に、核酸配列は、N−末端アミノ酸配列およびクローニング遺伝材
料のための周知の技術に基づいて設計されたオリゴヌクレオチドプローブを使用
して、遺伝子バンクから誘導することができる。核酸配列は、当分野でよく知ら
れる自動システムを用いて合成する。全配列を合成することもでき、または、一
連の小さなオリゴヌクレオチドを作成し、その後ライゲーションして全長の配列
を作り出すこともできる。エンドスタチンオリゴマーの構成成分をコードしてい
る遺伝子はさらに、高レベルのエンドスタチンモノマーを発現する細胞または組
織から、(1)メッセンジャーRNAを当該組織から分離し、(2)逆転写酵素
を用いて対応するDNA配列を作成し、そして次に(3)適当なプライマーを用
いるPCRを使用して活性配列をコードしているDNA配列を増幅する、ことに
よって分離することもできる。 【0033】 本明細書に記載の、分離された、組換えのまたは合成のエンドスタチンオリゴ
マーは、エンドスタチンオリゴマーに特異的な抗体の製造にとって有用である。
エンドスタチンオリゴマーに特異的に結合するこれらの抗体は、体液または組織
中のエンドスタチンオリゴマーを検出または定量するための、当業者によく知ら
れる診断法およびキットに使用することができる。これらの試験の結果を使用し
て、癌およびその他の血管形成により仲介される疾患の存在または再発を診断ま
たは予想することができる。加えて、特異的にエンドスタチンオリゴマーに結合
する抗体を用いる受動抗体療法を使用して、形態形成プロセス、例えば転移性癌
ならびに血管形成依存性プロセス、例えば再生、発達、創傷治癒、組織修復、お
よび血管形成依存疾患を調節することができる。さらに、エンドスタチンオリゴ
マーのFab領域に対する抗血清を投与して、内因性エンドスタチンオリゴマー
抗血清がエンドスタチンオリゴマーに結合する能力をブロックすることができる
。 【0034】 エンドスタチンオリゴマーに特異的な抗体はポリクローン性またはモノクロー
ン性のいずれかであってよく、当分野でよく知られる技術およびプロトコルにし
たがって作成される。モノクローナル抗体の作成の好ましい方法はKearne
y等(1979)の方法の改良法であり、これは引用により本明細書の一部とす
る。このモノクローナル抗体は、よく知られるイムノアッセイ形式、例えばEL
ISA、サンドイッチイムノアッセイおよびラジオイムノアッセイ(RIA)を
包含する競合および非競合イムノアッセイ、に利用して、本発明に係るエンドス
タチンオリゴマーの、体液および組織中における存在または不在を決定する。体
液の例は、血液、血清、滑液、腹膜液、胸膜液、脳脊髄液、羊水、唾液、粘液お
よび硝子体液を包含するが、これらに限定される訳ではない。 【0035】 ポリクローナル抗体もまた、当業者に既知の確立された技術を用いて作成され
る。例えば、ポリクローナル抗血清は、動物に抗原を投与することにより、マウ
ス、ウサギ、ラット、ヤギ、羊、モルモット、ニワトリ、およびその他の動物、
最も好ましくはマウスおよびウサギで製造することができる。牛血清アルブミン
のような担体分子にコンジュゲートさせた、単離した組換えまたは合成エンドス
タチンオリゴマーは、アジュバント混合物と合し、乳化し、そして動物の背、頸
部、脇腹、そして時には足の複数部位に皮下注射することができる。ブースター
注射は、例えば2ないし4週間毎といったように規則的な間隔で行う。それぞれ
の注射の後およそ7ないし10日後、血液試料を、例えば拡張後の耳の辺縁静脈
を用いて、静脈穿刺により取得する。この血液試料を凝血させ、遠沈し、血清を
分離し、アリコート化し、そして即時使用のために冷蔵するか、またはその後の
分析のために冷凍する。 【0036】 一本鎖抗体の作成のための技術は当業者に知られており、且つ米国特許第49
46778号に記載されており、本明細書に記載のエンドスタチンオリゴマーに
対する一本鎖抗体の作成に使用することができる。二重特異性抗体は、各ドメイ
ンが異なるエピトープに対するものである、2個の抗原結合ドメインを有する。
ファージディスプレー技術を使用して、ナイーブライブラリー由来のリンパ球の
PCR増幅v遺伝子から、またはエンドスタチンオリゴマーに対する抗体の所有
についてスクリーニングした人間から、エンドスタチンオリゴマーに対する結合
活性を有する抗体遺伝子を選択することができる。 【0037】 検出可能な生体分子または化学物質で標識化したとき、上記のエンドスタチン
オリゴマーおよび抗体は、下に記載する方法および検定を用いるインビボおよび
インビトロ診断および研究といった目的にとって有用である。様々なタイプの標
識およびその標識をエンドスタチンオリゴマーおよび抗体にコンジュゲートさせ
る方法が当業者によく知られている。幾つかの特異的標識を下に開示する。 【0038】 例えば、エンドスタチンオリゴマーと抗体は、32P、3H、14C、35S、125
、もしくは131Iなどの放射性標識と結合するが、結合する放射性標識はこれら
に限られるわけではない。標識はシンチレーション計測、ガンマ線スペクトル、
オートラジオグラフィなどの方法で検知可能である。 【0039】 ホタルのルシフェリン誘導体などによる生体発光標識もまた有用である。生体
発光物質は、従来の方法でエンドスタチンオリゴマーもしくは抗体と共有結合す
る。標識化エンドスタチンオリゴマーもしくは抗体はルシフェラーゼなどの酵素
がATPとの反応を触媒して光線のフォトンを放出する生体発光物質を生じるこ
とにより検知できる。 【0040】 蛍光素もまた標識として使用可能である。蛍光素の例として、フルオレセイン
とその誘導体、フィコエリスリン、アロフィコシアニン、フィコシアニン、ロー
ダミン、テキサスレッドがある。蛍光素は通常蛍光検知機により検知する。 【0041】 エンドスタチンオリゴマーと抗体は酵素標識もしくは親和性標識を提供するた
め、クロモゲンで二者択一的にラベルできる。例として、エンドスタチンオリゴ
マーもしくは抗原はビオチン化してビオチン―アビシン反応で使用可能である。
ビオチン化体は酵素、蛍光素などの標識と結合することができる。二者択一的に
、エンドスタチンオリゴマーと抗体は、基質を加えることにより発色性もしくは
蛍光性反応を与えるような過酸化酵素、アルカリ性フォスファターゼその他の酵
素によっても標識化できる。ルミノールTMとして知れている5−アミノ−2,
3−ジヒドロ−1,4−フタラジニディオン(シグマケミカルカンパニー、セン
トルイス、ミズーリー州)などの添加物と、p−フェニルフェノールとして知ら
れているp−ヒドロキシビフェニルなどの速度促進剤はセイヨウワサビ過酸化酵
素などによる発光反応を増幅する。酵素基質の発光もしくは蛍光ジオキセタン誘
導体もまた使用可能である。そのような標識は酵素結合性免疫アッセイ(ELI
SA)もしくは分光光度計を用いた色彩変化検知により検知可能である。さらに
、エンドスタチンオリゴマーもしくは酵素は免疫電子顕微鏡使用に供するため定
法に従って金コロイドで標識化できる。 【0042】 本発明のたんぱく質および抗体は転移性および血管新生関連疾病の診断と治療
に有用である。転移性疾患の一例として転移性ガンがある。血管新生関連疾病に
は 例として固形腫瘍、白血病などの血液性腫瘍、腫瘍転移などを含む血管新生
依存性ガンや、血管腫、聴覚神経腫、神経線維腫、トラコーマ、化膿性肉芽腫を
含む良性腫瘍、リュウマチ性関節炎、乾癬、また糖尿病性網膜症、未熟児網膜症
、黄斑変性、角膜移植拒絶、血管新生緑内障、後水晶体繊維増殖症、ルベオーシ
スを例とする、眼血管新生性疾患、またオースラー−ウエッバー症候群、心筋脈
管形成、血小板性血管新生、毛細管拡張症、血友病性関節、血管線維腫、創傷部
肉芽があるが、これらに限られているわけではない。本発明のエンドスタチンオ
リゴマーは内皮細胞の過剰もしくは異常刺激による疾病の治療にも有用である。
本疾病には町間癒着、アテローム性動脈硬化症、強皮症や例としてケロイドがあ
げられる過形成性瘢痕があるが、これらに限られるわけではない。また本発明の
エンドスタチンオリゴマーは猫爪病(Rochele minalia quintosa)や潰瘍(ヘロ
バクター ピロリ)などの病理学的結果としての脈管形成のある疾病の治療にも
有用である。 【0043】 本発明に従えば、エンドスタチンオリゴマーは上記の疾病や状態の治療のため
、その他の組成物や手法と組み合わせて使用できる。例として、従来の手術、放
射線照射、もしくは化学的治療とエンドスタチンオリゴマーを組み合わせて腫瘍
を治療することが可能であり、その後もエンドスタチンオリゴマーを微小転移の
休眠を延長し、いかなる残存初期腫瘍でも安定化させる目的で患者に投与するこ
とができる。 【0044】 上述のエンドスタチンオリゴマーを定法の処方法を使用した薬学的に許容でき
る処方において、単離され実質的に精製されたたんぱく質とたんぱく質の断片と
して提供される。これらの処方は標準的経路で投与可能である。一般的に、配合
剤は局所的、経皮的、腹腔内、頭蓋内、脳血管内、大脳内、膣内、子宮内、経口
、経直腸もしくは腸管外(例として、静脈内、脊髄内、皮下、筋肉内)経路で投
与される。更に、エンドセリンオリゴマーを生分解性ポリマーにとりこませて、
薬品の輸送が要る場所、例として腫瘍の部位、の近くに移植する、もしくはエン
ドセリンオリゴマーがゆっくりと全身的に放出されるように移植して、持続的放
出を可能にできる。浸透圧ミニポンプを用いて高濃度エンドセリンオリゴマーを
カニューレを通じて、関心のある部位へ、例として直接転移成長部位に、もしく
は該腫瘍に通じる血管へ、制御輸送するため使用することも可能である。生分解
性ポリマーとその使用法は例としてBremら(1991)が詳細に記述されて
いる。本記述はことごとく参考文献により本文に組み込まれている。 【0045】 本発明におけるエンドスタチンオリゴマーの投与量は治療される側の病状と状
態、そしてヒトもしくは動物の体重と状態および化合物の投与経路などのその他
の臨床的要素に依存する。ヒトもしくは動物を治療する場合、約0.5mg/k
ilogramから500mg/kilogramの間でエンドセリノリゴマー
とペプチドの投与が可能である。より好ましい範囲は1mg/kilogram
から100mg/kilogramであり、最も好ましい範囲は2mg/kil
ogramから50mg/kilogramである。特定の動物およびヒトのエ
ンドセリンオリゴマーとペプチドの半減期に依存して、日に数回から週一回の範
囲で投与することが可能である。本発明はヒトおよび獣医学的用法療法に対して
応用できることが理解できる。本発明の手法では複合的投与と同様に一斉もしく
は時間を延長しての単一投与も企画されている。 【0046】 エンドセリンオリゴマー処方は経口、経直腸、(経ガラス体、経前眼を含む)
経眼、経鼻、(口腔、舌下を含む)局所、経子宮、膣もしくは(皮下、腹膜、気
管、硬膜外を含む)非経口投与に適するものを含む。エンドセリンオリゴマー処
方は便宜的にユニット投与形をとる可能性があり、従来の製薬学的手法で調製さ
れる。そのような手法には活性成分、薬学的担体もしくは賦形剤を結びつける段
階を含む。一般的に、処方は活性成分を液体担体もしくは破砕した固形担体もし
くはその両者と均一、かつ完全に結びつけて、その後、必要に応じて生成物を成
形する。 【0047】 非経口的投与に適する処方には 抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、注射を受ける相
手の血液と等張になるよう処方をもどす溶質を含むことが可能な水性、非水性滅
菌注射液が含まれる。懸濁濁剤、蔵年剤を含むことができる水性、非水性滅菌懸
濁液も含まれる。処方は単一投与、もしくは複数投与容器、たとえば密封アンプ
ルやバイアル中に入れることができ、使用直前に滅菌液体担体、たとえば注射用
水を添加することのみが必要な凍結乾燥(親水化)状態で保存できる。即時注射
液もしくは懸濁液は前述した種類の滅菌粉末、顆粒、錠剤より調製されうる。 【0048】 好ましい単一投与処方は上述したように投与成分の一日量もしくは単位、一日
サブ投与量、もしくはそれらの適切な部分を含む。特に上述された成分に加えて
本発明の処方は問題となっている小胞タイプに関するその他従来の剤を含むこと
ができるを理解すべきである。 【0049】 治療の方法にくわえて、本発明はエンドスタチンオリゴマーとそれらの活性断
片、エンドスタチンオリゴマーとそのペプチドに特異的に結合する抗体を内皮細
胞関連疾患を診断するのに用いる方法にも関連する。診断はエンドスタチンオリ
ゴマーもしくはそれらの抗体を体液もしくは組織で検知することによりなされる
。検知はエンドスタチンオリゴマーもしくはその抗体の検知レベルとエンドスタ
チンオリゴマーもしくはその抗体の通常レベルを比較することによりなすことが
できる。 【0050】 エンドスタチンオリゴマー測定キットは本発明の部分とみなされる。最も高い
力価と特異性を持ち、血漿、尿、組織の抽出物中と細胞培養培地中のエンドスタ
チンオリゴマーを検知できる抗血清を 迅速で、信頼性があり、感受性と特異性
の高い測定とエンドスタチンオリゴマーの位置測定用の、扱いやすいキットを確
立するために更に検討する。本アッセイキットは以下の手法を含むが、それらに
限定されるわけではない。それらは、競合的、非競合的アッセイ、ラジオイムノ
アッセイ、生体発光と化学発光アッセイ、蛍光アッセイ、サンドイッチアッセイ
、イムノラジオメトリックアッセイ、ドットブロット、ELISAを含む酵素関
連アッセイである。各キットに対し、アッセイの範囲、感受性、精度、信頼性、
特異性と再現性が確立されている。アッセイ内とアッセイ間変動は置換もしくは
活性標準カーブ上の20%、50%、80%点で確立されている。 【0051】 アッセイキットには説明書、抗血清、エンドスタチンオリゴマー、できる限り
放射標識されたエンドスタチンオリゴマーもしくはペプチド、かつ/もしくは抗
体結合複合物沈殿用試薬からなる。キットは腫瘍もしくは脈管新生依存性疾患の
あるもしくは無い動物やヒトの生体液や組織抽出物中のエンドスタチンオリゴマ
ーの測定に有用である。 【0052】 エンドスタチンオリゴマーもしくはペプチドの組織と細胞内での所在測定用キ
ットも本発明に含まれる。本エンドスタチンオリゴマー免疫組織化学キットは説
明書、エンドスタチンオリゴマー抗血清、可能な遮断血清と蛍光イソチオシアニ
ンなどの蛍光分子、もしくは一次抗血清を可視化するのに用いるほかの試薬にリ
ンクする二次抗血清からなる。免疫組織化学手法は定法で良く知られている。本
エンドスタチンオリゴマーとペプチド免疫組織化学キットで光学顕微鏡を用いて
も電子顕微鏡を用いても組織切片中や培養細胞中のエンドスタチンオリゴマーの
位置を測定できる。これは研究目的でも臨床目的でも使用される。例として、腫
瘍を生検もしくは収集し、ミクロトームで組織切片を作成して、ヒアルロン酸結
合性リンクモジュール生成の場所を調べることができる。そのような情報はガン
の検知と治療における 診断と可能な限り治療のために有用である。 【0053】 本発明は更に、エンドスタチンオリゴマー特異的受容体の同定と定量法も包括
する。エンドスタチンオリゴマーの半減期の短いアイソトープによる標識化によ
り、ポジトロン放出トモグラフィもしくは他の現代的放射線技術を用いて、生体
内受容体結合部位を可視化できる。本手法はガンにおける脈管新生と転移の研究
とその他の脈管新生関連疾患の研究にとって重要である。 【0054】 本発明を以下の実施例により説明する。これらの実施例によって本発明の範囲
を制限するものではない。対照的に、本発明の真髄、かつ/もしくは附属する請
求項の範囲から離れた技術でないことを示唆する可能性のあるその他の種々の本
発明の具体例、改良法、等価な方法は訴訟の対象となることをはっきり理解され
たい。 【0055】 【実施例】 (実施例1) エンドスタチンの単量体、2量体、およびオリゴマーの作製 エンドスタチン単量体を作製するために、融合タンパク質の結合部位でエンテ
ロキナーゼ認識部位ASp4−Lysを含むpdCs−Fc(D4K)ベクター
における発現にエンドスタチンcDNAを適合するために、ポリメラーゼ連鎖反
応(PCR)を使用しした。正方向プライマーは、5'-CAAG CTT CAC AGC CAC CG
C GAC TTC C(配列番号3)であり、HindIII部位と、それに続くエンドスタチン
のN末端をコードする配列(HSHRDFQPVLHL、配列番号4)を含む。逆方向プライ
マーは、5'-C CTC GAG CTA CTT GGA GGC AGT CAT G(配列番号5)であり、これ
はエンドスタチンのC末端の直後に翻訳終止コドン(アンチコドン、CTA)が、
それに続いてXhoI部位(CTCGAG)が置かれるように設計された。 【0056】 PCR産物を、クローン化および配列決定し、エンドスタチンをコードするHi
ndIII-XhoIフラグメントを、pdCsPc(D4K)ベクターにライゲートした
。Fc(D4K)−エンドスタチンを発現する安定なクローンを、NS/O細胞
のエレクトロポレーション、及びその後の100nMメトトレキセートを含む成
長培地での選択により、取得した。タンパク質発現レベルを、Lo,K.M.e
t al.(1998)、Protein Engineering、11、4
95〜500に記載の抗ヒトFc ELISAでアッセイし、SDS−PAGE
で確認した。最も生産性の高いクローンを、限界希釈によってサブクローン化し
た。 【0057】 Fcヒトエンドスタチン融合タンパク質を、溶出緩衝液として100mMのク
エン酸(pH=3.0)を用いたProtein A sepharoseで精
製した。エンテロキナーゼおよびトリプシン消化を行い、2つの形態の切断エン
ドスタチンを得た。トリプシンについては、1:200の酵素:タンパク質の比
(w/w)、室温で18時間の消化により、N末端から切断された4つのアミノ
酸HSHRを有するエンドスタチン分子を得た。エンテロキナーゼ消化により、
エンドスタチンのN末端にさらに1つのアミノ酸(ロイシン)を有する産物を得
た。両切断産物を、ヘパリンSepharoseおよびSP sepharos
e(Pharmacia、Bridgewater、New Jersey)を
用いてさらに精製した。 【0058】 ジスルフィド結合したヒトエンドスタチン2量体を、pdCs−Fc(D4K
)−hu Endo中のヒトエンドスタチンのN末端配列をコードする制限フラ
グメントを、同一の配列であるがQ7コドンをCに変更した配列をコードする二
本鎖オリゴヌクレオチドと置換することによってpdCs−Fc(D4K)−h
u Endo(C7)を作製することによって、製造した。このプラスミドを、
ミエローマ細胞にトランスフェクトし、Fc−エンドスタチン2量体を、Lo,
K.M.et al.(1998)、Protein Engineering
、11、495〜500に記載のproteinAアフィニティークロマトグラ
フィーを用いて馴化培地から精製した。Fc−エンドスタチン2量体をエンテロ
キナーゼで切断した後、エンドスタチン2量体を、S−200を用いたゲル濾過
によってFc部分から分離した。 【0059】 エンドスタチンNCI三量体を、以下のように作製した。NCIタンパク質を
、2つのプライマー5'GAT CGG CCC AGC CGG CCC ATC ATC ACC ATC ACC ATG ACG
ATG ACG ATA AGT CAG GGC AGG TGA GGC TCG CTA CAC GCA GG3'(配列番号6)お
よび5'GAT CGG ATC CCT ACT TGG AGG CAG TCA TGA AGG3'(配列番号7)を用い
て作製した。これらのプライマーを使用して、SGQVRLWATRQアミノ酸配列(配列
番号8)からヒトコラーゲン18のC末端までをPCRを用いて増幅した。PC
R産物を、pSecTag2a(Invitrogen、San Diego、
California)中のSfil−BamHI部位にクローン化した。安定
な293T細胞トランスフェクタントを、ゼオシン(Zeocin)中で選択し、馴化
培地を250mMイミダゾール/PBSを用いてNi−アガロース(QIAGE
N、Valencia、California)から溶出し、PBS中で透析し
た。 【0060】 (実施例2) ヒトエンドスタチン結晶に観察される亜鉛依存性2量体 X線構造を、同量の20mM Tris−HCl(pH8.5)、150mM
NaCl、ならびに50mM Tris−HCl(pH8.5)、6%PEG 8K、150mM NaCl、および2mM MgCl中の10mg/mlタ
ンパク質を室温で滴下して混合し、0.5mMの後者の緩衝液に対して平衡化す
る、4℃での懸滴拡散(hanging drop vapor diffusion)によって得た結晶から
同定した。結晶(C2、a=92.76Å、b=74.27Å、c=137.8
0Å、β=102.56)は、非対称単位に4つの単量体を有する。結晶を、1
5%PEG 6K、20%グリセロール、50mM Tris−HCl(pH8
.5)、および150mM NaClに約20秒間移し、冷却窒素を流して瞬間
的に冷却した。データを、80mmの2K CCD(バインドモード)(振動0
.5度)を用いたCHESS Alステーション(λ=0.92A)で収集した
。DENZOおよびSCALEPACK(HKL Research、Char
lottesville、Virginia)を用いて、データを統合して計測
した。その後の処理のほとんどは、CCP4プログラム(T.A.Jones、
1992、「Molecular Replacement」CCP4、92〜
105、G.J.Kleywegt and T.A.Jones、1994、
「From First Map to Final Model」CCP4、
59〜66)を用いた。 【0061】 上記方法の後、ヒトエンドスタチンの亜鉛結合部位がN末端ループからの3つ
の亜鉛リガンド(ヒスチジン1、3、および11)およびEとFのβ鎖の間のル
ープからの4つ目のリガンド(アスパラギン酸76)を有する四面体であると同
定された(図1および図2)。亜鉛結合部位は、亜鉛プロテアーゼ由来の結合部
位に最も類似している。原子吸収スペクトルによって、亜鉛が、以下の表1に記
載の溶液において、ヒトおよびマウスのエンドスタチンの上記のFc−エンドス
タチンのキメラの成分であることを確認した。 【0062】 【表1】 表1 ┌─────┬─────┬──────┬────┬───────┐ │タンパク質│N末端配列│エント゛スタチン濃度│亜鉛濃度│エント゛スタチン単量体│ │ │ │ (mg/mL) │(マイクロモル)│ あたりの亜鉛│ ├─────┼─────┼──────┼────┼───────┤ │hE-Ek │ LHSHRD │ 4 │ 176 │ 0.9 │ │hE-Tryp │ D │ 3.8 │ 14 │ 0.1 │ │hFc-hE │ │ 0.4 │ 18 │ 0.9 │ │mFc-mE │ │ 2 │ 79 │ 0.9 │ └─────┴─────┴──────┴────┴───────┘ 【0063】 表1の最初の行はまた、全長エンドスタチンを生じるエンテロキナーゼ処理F
c−ヒトエンドスタチンは、エンドスタチン単量体あたり約1原子の亜鉛をも表
すことを示している。エンドスタチンの最初の4つの残基が欠失したトリプシン
切断Fc−ヒトエンドスタチンは、検出可能な亜鉛を含まない(表1の第2行)
。これらの結果は、残基1および残基3のヒスチジンが2つの亜鉛リガンドであ
ることを示すヒトエンドスタチン結晶構造と一致する。 【0064】 多数の2倍の非対称ダイマーにより、ヒトエンドスタチン結晶の非対称単位中
に4つのエンドスタチンモノマーが充填されていることが示される。1つのダイ
マーの界面は、各モノマー由来のα1αへリックス上の2つの溶媒に暴露された
フェニルアラニンの接触によって形成され、突出した非極性パッチがマウスエン
ドスタチン中の潜在的なドメイン間相互作用として示唆される(図3の残基F3
1およびF34)。亜鉛が依存すると考えられる別のダイマーの接触は、2つの
モノマー(各ループは亜鉛イオンの周囲に配列している)のN末端ループの突き
出し(projecting)間に形成される(図3aの中央)。この接触は、
N末端ループの周縁からの突き出した3つの残基(アルギニン4、フェニルアラ
ニン6、およびグルタミン7)によって主に形成される(図3b)。各モノマー
の残基7でのグルタミンが互いに接触して界面の中央で水素結合を形成している
。残基7でのフェニルアラニンの各環は、突き出したモノマーのロイシン78お
よびバリン72を含む非極性のパッチと接触してする。各モノマー由来のアルギ
ニン4は、2つの主鎖のカルボニルの酸素と、残基76でアスパラギン酸亜鉛リ
ガンドを含むループ上で水素結合する(残基75および残基76でのカルボニル
)(図3b)。このダイマーの相互作用は、N末端ループが亜鉛との結合の結果
配列した場合のみに生じ、次々に、おそらく、亜鉛結合が二量体の界面によって
安定化される。 【0065】 (実施例3) エンドスタチンの亜鉛結合は、抗血管形成活性に重要である 実施例2に記載のように、ヒスチジン1、3、11、およびアスパラギン酸7
6は亜鉛イオンと配位結合することが示された。この発見に基づいて、アラニン
へのZn2+リガンドを変更するためにエンドスタチンタンパク質に点変異を移
入した。1つの二本鎖(H1/3A)および2つの一本酸(H11AおよびD7
6A)変異体を、QuickChange部位特異的変異誘発キット(Stra
tagene、La Jolla、California)を用いてE.col
i発現ベクターに作製した。変異を配列分析によって確認した。 【0066】 野生型エンドスタチンおよび3つの変異体を並行して精製し、O7Reill
y,M.S.et al.、Cell、88、277、1997、およびT.B
oehm et al.、Nature、390、404、1997に以前に記
載のLewis肺癌モデルにおいて試験した。異なるエンドスタチン調製物を還
元および非還元条件下でのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ゲルによって比較
したところ、精製および架橋パターンにおいて優位な鎖は認められなかった。E
.coliから精製したエンドスタチンのSDS−PAGEにより、モノマー、
ダイマー、三量体、およびジスルフィド結合形成を介したエンドスタチンと他の
エンドスタチン分子との架橋に起因する高分子量の複合体を含むタンパク質のラ
ダーが示された。 【0067】 野生型エンドスタチンと異なり、3つのエンドスタチン変異体は、Lewis
肺癌を退行させなかった(データは示さず)。H3/3Aエンドスタチン変異体
の活性が弱いが、これは、Zn2+イオンを配位するためのHisタグ由来の2つ
のヒスチジンの使用または亜鉛結合能力の損失のいずれかに起因する変形したコ
ンフォメーションによるのかもしれない。 【0068】 (実施例4) エンドスタチンダイマーの前形成内皮構造の拡散 エンドスタチンモノマーおよびダイマーの形態形成への影響力を同定するため
に、matrigel管形成アッセイを使用した。アッセイは、自発的に凝集し
、密な多細胞キャピラリー様管構造に集合した細胞外基質タンパク質にプレート
した内皮細胞を使用した。アッセイを、以下のように行った。 【0069】 未婚のドナー(Clonetics、San Diego、Carforni
a)から単離したHUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞、10回未満の継代)を、
5%FCS、hVEGF、hFGF(10ng/ml)、ヒドロコルチゾン(1
μg/ml)、GA−1000(0.1%)を含むEGM−2−MV成長培地を
補充したEBM培地(Clonetics、San Diego、Carfor
nia)中、37℃、5% CO2で培養した。細胞を、上記の完全培地を含む2
4ウェルプレートに40,000細胞/ウェルを含む1mlをプレートした。こ
れらのウェルを、4℃のmatrigelでプレコートし、Engelbret
h−Holm−Swan(EHS)マウス肉腫(Becton Dickins
on/Collaborative、Franklin Lakes、New
Jersey)から抽出した基底膜調製物を、300μ/ウェルで可溶化した。
PBS(10〜2000nM)中のヒトエンドスタチン誘導体を、matrig
elコートしたプレートへの細胞の添加時または管形成の16時間後のいずれか
で添加した。組換えhHGF(R&D Systems、Minneapoli
s、Minnesota)を、50ng/mlで添加した。 【0070】 エンドスタチンモノマーによるエンドスタチンオリゴマーの阻害について、予
め形成させた管を、オリゴマー処理の前に30分間エンドスタチンモノマー(2
000nm)と30分間プレインキュベーションした。次いで、ウェルを、37
℃、5%CO2でインキュベートし、40〜200×で位相差顕微鏡下で写真撮
影した。ヒト微小血管、肺、および臍帯動脈の内皮初代培養で、同一の結果およ
び手順が得られた。 【0071】 細胞をプレートした時点でインキュベートした場合、C末端にエンドスタチン
を含む交代Fc−エンドスタチン融合タンパク質は、管形成を潜在的に阻害し、
管構造に癒着するよりもむしろ実際には長期にわたってより分散した(データ示
さず)。ヒト微小血管、臍帯動脈、臍帯静脈、および肺動脈の内皮細胞で、同一
の結果が得られた(データ示さず)。この効果の速度は、細胞増殖に対する初代
培養の効果に対して議論されており、細胞数、BrdU染色、および3H組込み
は、この時間中の未処理細胞に対して増殖の有意な刺激を示していなかった。 【0072】 興味深いことに、Fc−エンドスタチン融合からFcおよびエンドスタチンへ
のエンテロキナーゼ切断後、Fcおよびエンドスタチン単独でも、Fcとエンド
スタチンとの組み合わせも、阻害活性を示さなかった(図4)。Fcに融合して
いないバキュロウイルスおよび酵母由来の組換えエンドスタチンもまた、有効で
は無かった(データ示さず)。しかし、エンドスタチンのダイマー結晶構造によ
って推測される突き出したグルタミン7残基間の密接な接触の使用によって作製
した人工的に二量体化したエンドスタチンは、分散活性を示すことが見出された
。システインへのエンドスタチングルタミン7の変異および抗体Fcへの融合に
よって、エンテロキナーゼ切断を用いてシステイン7での新規の分子間システイ
ン結合を形成し、還元および非還元条件下でそれぞれ40kDaおよび20kD
aに移動する遊離のエンドスタチンダイマーを遊離すことが可能になる(データ
示さず)。マウスおよびヒトエンドスタチン毛細血管ダイマーは、約10nMの
IC50で管形成に対するFc−エンドスタチン融合タンパク質阻害活性を潜在的
に再生し(図4)、ウシ微小血管内皮細胞およびHUVEC増殖に対して不活性
であった(データ示さず)。 【0073】 エンドスタチンダイマー誘導の分散の間、1〜2時間以内に突出した層状の小
群および偽小群の形成として縁の無い細胞が認められた(データ示さず)。ファ
ロイジン−FITCを用いた共焦点顕微鏡によって、2時間以内に顕著な張力繊
維形成を伴うアクチン細胞骨格の再構築が明らかとなり、これは、迅速なアクチ
ン重合に関連するシグナル経路と一致する。電子顕微鏡で視覚化したように、管
内腔の破壊および細胞延長によってエンドスタチンオリゴマー誘導分散を伴う(
データ示さず)。 【0074】 本明細書中に記載のエンドスタチンオリゴマーの分散因子の活性は、特異的で
ある。エンドスタチンモノマーが誘導されるコラーゲンXV(c15)およびコ
ラーゲンXVIIIは、エンドスタチンドメインにおいて60%同一性を示し、かつ
NC1三量体化ドメインを共有するにもかかわらず、コラーゲンXVオリゴマー
は分散因子として作用しなかった(図4)。Fcエンドスタチンダイマーとは対
照的に、c15エンドスタチン様ドメインを含むFc融合タンパク質はまた、管
を分散することができず、Fcエンドスタチンドメインの効果に反することもで
きない(データ示さず)。Fcアンギオスタチンまたはモノマーのアンギオスタ
チンも管形成を阻害せず、これは、エンドスタチンとアンギオスタチンとの間の
構造的相同性の完全な欠損と一致する。全体として、オリゴマーのエンドスタチ
ンのみが分散活性を示した。 【0075】 さらに、過剰なエンドスタチンモノマー(100nM)を用いた確立した管の
前処理によって、エンドスタチンダイマー(20〜50nM)の細胞を分散させ
る能力が阻害された(データ示さず)。これは、例えば、活性のためにオリゴマ
ー誘導性架橋を必要とするレセプターの非生産的な占有によるエンドスタチンオ
リゴマーをブロックするための顕性不活性様式で作用するエンドスタチンモノマ
ーと潜在的に一致する。 【0076】 (実施例5) エンドスタチン−NC1三量体による予め形成させた形成内皮構造の分散 ヒトおよびマウスNC1タンパク質を、上記の実施例1に記載のようにトラン
スフェクトした293T細胞上清から単離した。三量体化複合体の架橋および非
還元変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)による産物の分離によっ
て三量体化を確認した。5mMエチレングリコール−ビス(スクシニミジスクシ
ネート)(EGS)の存在下、室温で20分間で架橋を行った。EGSを、DM
SO中に溶解し、PBSで10倍に希釈した。100mMの最終濃度のTris
を添加することにより反応を停止させた。得られたゲルは、EGS架橋の際、約
120kDaの種を産生した(データ示さず)。 【0077】 マウスおよびヒトNC1−エンドスタチン三量体は、約10nMのIC50で
内皮管形成を同様に阻害し(図4)、これはさらにエンドスタチンドメインのオ
リゴマー形成に対する活性の依存と一致する。NC1エンドスタチン三量体は、
高濃度でのエンドスタチンダイマーよりわずかに効果が低かったが、これは、お
そらく共有オリゴマー形成に対して非共有オリゴマー形成のほうが強度が低いこ
とに起因する。 【0078】 エンドスタチン/NC1三量体を用いて得られた分散は、エンドスタチンダイ
マーの分散と類似していた。エンドスタチン/NC1三量体は、分散を誘導して
、1〜2時間以内に突出した層状の小群および偽小群の形成として縁の無い細胞
が認められた(データ示さず)。ファロイジン−FITCを用いた共焦点顕微鏡
によって、2時間以内に顕著な張力繊維形成を伴うアクチン細胞骨格の再構築が
明らかとなり、これは、迅速なアクチン重合に関連するシグナル経路と一致する
。電子顕微鏡で視覚化したように、管内腔の破壊および細胞延長によってエンド
スタチンオリゴマー誘導分散を伴う(データ示さず)。 【0079】 過剰なエンドスタチンモノマー(100nM)を用いた確立した管の前処理に
よって、エンドスタチン三量体(20〜50nM)の細胞を分散させる能力が阻
害された(データ示さず)。上記のように、これは、例えば、活性のためにオリ
ゴマー誘導性架橋を必要とするレセプターの非生産的な占有によるエンドスタチ
ンオリゴマーをブロックするための顕性不活性様式で作用するエンドスタチンモ
ノマーと潜在的に一致する。 【0080】 (実施例6) エンドスタチンオリゴマーは、分散因子の新規のクラスを含む オリゴマーのエンドスタチン誘導性細胞分散および細胞骨格再構築は、肝細胞
成長因子/分散因子(HGF/SF)によって惹起される形態形成の変化の記憶
であり、関連するマクロファージ刺激タンパク質(MSP)が細胞の運動性、拡
散、増殖、およびアポトーシスを調節する分散因子のファミリー含む。ヒト臍帯
静脈内皮細胞(HUVEC)がエンドスタチンオリゴマーと対照的にHGFレセ
プターc−met 16を大量に発現するにもかかわらず、HGFは、HUVE
C管を完全に分散することができない(データ示さず)。逆に、HGFがあまり
凝集せず、MDCKを拡散し、プラスチック上で培養したHepG2細胞が凝集
しない一方で、オリゴマーのエンドスタチン誘導体は不活性であった(データ示
さず)。MSPはまた、HUVEC分散を惹起することができなかった(データ
示さず)。特に、HGFが本明細書中に記載のエンドスタチンの抗管形成効果と
対照的に、コラーゲンマトリックスにおける管形成を実質的に促進することが十
分に確立されている。従って、エンドスタチンオリゴマーを、以前の特有のHG
F/MSPファミリーとは構造的および機能的に異なる新規の分散因子のクラス
と定義する。 【0081】 本方法の修正および変形が、上記の詳細な説明から当業者に明らかである。こ
のような修正および変形が添付の請求項の範囲内に含まれることが意図される。 【0082】 【表2】【0083】 【表3】【0084】 【表4】【0085】 【表5】【図面の簡単な説明】 【図1】 ヒトエンドスタチンの構造。 β鎖をA〜Pの順に逐次標識し、αヘリックスを指示し、亜鉛を球で示す。 【図2】 ヒトエンドスタチンのN末端ループおよび亜鉛結合部位。 亜鉛(黒丸)配位子ヒスチジン1、3および11そしてアスパラギン酸76、
ならびにダイマー中の隣接分子のN末端ループからの亜鉛配位子、グルタミン酸
175,残基11カルボニル酸素およびアルギニン4を配置する第二殻の相互作
用を球および棒モデルとして示す。 【図3】 ヒトエンドスタチン結晶中の亜鉛依存性ダイマー。 図3A。 2つのモノマーの亜鉛(黒丸)部位N末端ループは中心二価原子軸
を隔てて接触する。ループのグルタミン7、フェニルアラニン6およびアルギニ
ン5は1つのモノマーから次の方へ突出する。エンドスタチンαヘリックスから
、そして結晶中の別のダイマー接触から突出する2つのフェニルアラニン環、残
基31および34も示される。 図3B。 ヒトエンドスタチンの結晶中に観察されるダイマーの界面における
接触。亜鉛(黒丸)配位子は中白結合を有し、界面残基は中黒結合を有する。2
つのモノマーのポリペプチド鎖の経路を管として示す。このダイマー界面に隠さ
れた溶媒アクセシブル表面は、403Å(プローブサイズ=1.4Å)/モノマ
ーである。 【図4】 オリゴマーエンドスタチンは細胞分散因子活性を示す。 マトリゲル上のHUVEC細管を16時間予備成形して、ヒトエンドスタチン
モノマー、ヒトFc−エンドスタチンダイマー、ヒトFcダイマー、ヒトFc−
エンドスタチン(C7)ダイマー、ヒトエンドスタチン(C7)ダイマー、ヒト
エンドスタチン/NC1トライマー、ヒトFcコラーゲン15ダイマーまたはF
cアンギオスタチンダイマーで処理した。エンドスタチンダイマーおよびトライ
マーだけが分散活性を示し、細管形成を阻害した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/7098,790 (32)優先日 平成10年9月1日(1998.9.1) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 フォークマン,エム.ジューダ アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02146 ブルックリン チェイサム サー クル 18 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA04 CA07 DA02 GA14 4C084 AA02 BA01 BA02 BA08 BA21 BA22 BA23 CA25 DA27 DB57 ZB262 4H045 AA10 AA30 BA10 BA50 BA52 CA40 EA28 FA72 FA74 GA22 GA26 HA05

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 1種または2種以上のエンドスタチン単量体を含み、分散因
    子活性を有する単離されたタンパク質オリゴマー。 【請求項2】 前記エンドスタチン単量体は、還元ゲル電気泳動により測定
    される約20kDa、および非還元ゲル電気泳動により測定される18kDaの
    分子量を有するコラーゲンXVIIIのカルボキシ末端領域フラグメントである、請
    求項1記載の単離されたタンパク質オリゴマー。 【請求項3】 前記オリゴマーはエンドスタチン単量体の2量体である、請
    求項1記載の単離されたタンパク質オリゴマー。 【請求項4】 金属成分をさらに含む、請求項3記載の単離されたタンパク
    質オリゴマー。 【請求項5】 前記金属成分は亜鉛である、請求項4記載の単離されたタン
    パク質オリゴマー。 【請求項6】 前記オリゴマーは抗腫瘍形成活性を有する、請求項5記載の
    単離されたタンパク質オリゴマー。 【請求項7】 前記タンパク質オリゴマーは、還元ゲル電気泳動下で約38
    kDaの分子量を有するコラーゲンXVIIIのNC1領域フラグメントの1つまた
    は2つ以上を、各々のNC1フラグメントがエンドスタチン単量体を含むように
    有する、請求項1記載のタンパク質オリゴマー。 【請求項8】 前記オリゴマーは3量体である、請求項7記載の単離された
    タンパク質オリゴマー。 【請求項9】 金属成分をさらに含む、請求項8記載の単離されたタンパク
    質オリゴマー。 【請求項10】 前記金属成分は亜鉛である、請求項9記載の単離されたタ
    ンパク質オリゴマー。 【請求項11】 前記オリゴマーは抗腫瘍活性を有する、請求項10記載の
    単離されたタンパク質オリゴマー。 【請求項12】 前記エンドスタチン単量体は融合タンパク質である、請求
    項1記載のタンパク質オリゴマー。 【請求項13】 前記エンドスタチン単量体はエンドスタチンおよび抗体の
    Fc部分を含む、請求項12記載のタンパク質オリゴマー。 【請求項14】 管新生を阻害する方法であって、1種または2種以上のエ
    ンドスタチン単量体を含むタンパク質オリゴマーの管新生阻害量を、内皮細胞に
    投与することを含み、該オリゴマーは分散因子活性を有する、管新生の阻害方法
    。 【請求項19】 前記タンパク質オリゴマーはエンドスタチン単量体の2量
    体である、請求項18記載の方法。 【請求項20】 前記タンパク質オリゴマーは金属成分をさらに含む、請求
    項19記載の方法。 【請求項21】 前記金属成分は亜鉛である、請求項20記載の方法。 【請求項22】 前記タンパク質オリゴマーは、還元ゲル電気泳動下で約3
    8kDaの分子量を有するコラーゲンXVIIIのNC1領域フラグメントの1つま
    たは2つ以上を、各々のNC1フラグメントがエンドスタチン単量体を含むよう
    に有する、請求項18記載の方法。 【請求項23】 前記オリゴマーは3量体である、請求項22記載の方法。 【請求項24】 前記タンパク質オリゴマーは金属2量体化成分をさらに含
    む、請求項23記載の方法。 【請求項25】 前記金属2量体化成分は亜鉛である、請求項24記載の方
    法。 【請求項26】 腫瘍形成を阻害する方法であって、1種または2種以上の
    エンドスタチン単量体を含むタンパク質オリゴマーの腫瘍形成阻害量を、内皮細
    胞に投与することを含み、該オリゴマーは分散因子活性を有する、腫瘍形成の阻
    害方法。 【請求項27】 前記タンパク質オリゴマーはエンドスタチン単量体の2量
    体である、請求項26記載の方法。 【請求項28】 前記タンパク質オリゴマーは金属成分をさらに含む、請求
    項27記載の方法。 【請求項29】 前記金属成分は亜鉛である、請求項28記載の方法。 【請求項30】 前記タンパク質オリゴマーは、還元ゲル電気泳動下で約3
    8kDaの分子量を有するコラーゲンXVIIIのNC1領域フラグメントの1つま
    たは2つ以上を、各々のNC1フラグメントがエンドスタチン単量体を含むよう
    に有する、請求項26記載の方法。 【請求項31】 前記オリゴマーは3量体である、請求項30記載の方法。 【請求項32】 前記タンパク質オリゴマーは金属2量体化成分をさらに含
    む、請求項31記載の方法。 【請求項33】 前記金属2量体化成分は亜鉛である、請求項32記載の方
    法。
JP2000552154A 1998-06-03 1999-06-03 エンドスタチンタンパク質を含むタンパク質オリゴマー組成物およびその使用方法 Pending JP2002517186A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US8789098P 1998-06-03 1998-06-03
US9239398P 1998-07-10 1998-07-10
US9879098P 1998-09-01 1998-09-01
US60/7098,790 1998-09-01
US60/087,890 1998-09-01
US60/092,393 1998-09-01
PCT/US1999/012278 WO1999062944A2 (en) 1998-06-03 1999-06-03 Protein oligomer compositions comprising endostatin protein and methods of using the same

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002517186A true JP2002517186A (ja) 2002-06-18
JP2002517186A5 JP2002517186A5 (ja) 2006-07-20

Family

ID=27375776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000552154A Pending JP2002517186A (ja) 1998-06-03 1999-06-03 エンドスタチンタンパク質を含むタンパク質オリゴマー組成物およびその使用方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP2002517186A (ja)
KR (1) KR20010052566A (ja)
AU (1) AU4414099A (ja)
CA (1) CA2331370A1 (ja)
WO (1) WO1999062944A2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002523036A (ja) * 1998-08-25 2002-07-30 レキシジェン ファーマシューティカルズ コーポレイション イムノフュージンとしての新脈管形成インヒビターの発現および輸送
JPWO2015046554A1 (ja) * 2013-09-30 2017-03-09 中外製薬株式会社 改変されたヘルパーファージを用いて抗原結合分子を作製する方法
JP2018524019A (ja) * 2015-06-05 2018-08-30 アイバイオ・インコーポレイテッドIbio, Inc. 線維症の治療において使用するためのエンドスタチン断片およびバリアント

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6440729B1 (en) 1995-06-30 2002-08-27 University Of Kansas Medical Center Treating angiogenesis-mediated diseases with the α2 monomer of type IV collagen
US6358735B1 (en) 1995-06-30 2002-03-19 University Of Kansas Medical Center Method for inhibiting angiogenesis and tumors with the isolated NC1 α3 chain monomer of type IV collagen
US6992174B2 (en) 2001-03-30 2006-01-31 Emd Lexigen Research Center Corp. Reducing the immunogenicity of fusion proteins
US7524811B2 (en) 2003-08-29 2009-04-28 Children's Medical Center Corporation Anti-angiogenic peptides from the N-terminus of endostatin
JP2007525972A (ja) 2003-08-29 2007-09-13 チルドレンズ メディカル センター コーポレーション エンドスタチンのn末端からの抗血管新生性ペプチド
FR2898895B1 (fr) * 2006-03-23 2012-04-06 Univ Reims Champagne Ardenne Cyclopeptide a activite anti-cancereuse derive du collagene de type iv
BRPI0605212B8 (pt) * 2006-12-12 2021-05-25 Univ Rio De Janeiro processo de produção de endostatina dimerizada ou oligomerizada, endostatina dimerizada ou oligomerizada e composição farmacêutica
US8586544B2 (en) 2008-04-04 2013-11-19 Procell Therapeutics Inc. Cell-permeable endostatin recombinant protein, a polynucleotide encoding the same, and an anti-cancer preparation containing the same as an active component
EP2561888A1 (en) * 2011-08-23 2013-02-27 Deutsches Krebsforschungszentrum Protein comprising NC-1 for treating angiogenesis-related diseases
CN112236448A (zh) 2018-04-17 2021-01-15 海德堡生物技术有限公司 用包含NC-1-Fc的蛋白寡聚体治疗血管发生、纤维化和癌症相关疾病的手段和方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997015666A1 (en) * 1995-10-23 1997-05-01 The Children's Medical Center Corporation Therapeutic antiangiogenic compositions and methods

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997015666A1 (en) * 1995-10-23 1997-05-01 The Children's Medical Center Corporation Therapeutic antiangiogenic compositions and methods

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002523036A (ja) * 1998-08-25 2002-07-30 レキシジェン ファーマシューティカルズ コーポレイション イムノフュージンとしての新脈管形成インヒビターの発現および輸送
JPWO2015046554A1 (ja) * 2013-09-30 2017-03-09 中外製薬株式会社 改変されたヘルパーファージを用いて抗原結合分子を作製する方法
US10501737B2 (en) 2013-09-30 2019-12-10 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Method for producing antigen-binding molecule using modified helper phage
JP2021019597A (ja) * 2013-09-30 2021-02-18 中外製薬株式会社 改変されたヘルパーファージを用いて抗原結合分子を作製する方法
JP7036878B2 (ja) 2013-09-30 2022-03-15 中外製薬株式会社 改変されたヘルパーファージを用いて抗原結合分子を作製する方法
JP2018524019A (ja) * 2015-06-05 2018-08-30 アイバイオ・インコーポレイテッドIbio, Inc. 線維症の治療において使用するためのエンドスタチン断片およびバリアント
JP2022002527A (ja) * 2015-06-05 2022-01-11 アイバイオ・インコーポレイテッドIbio, Inc. 線維症の治療において使用するためのエンドスタチン断片およびバリアント
JP7404320B2 (ja) 2015-06-05 2023-12-25 アイバイオ・インコーポレイテッド 線維症の治療において使用するためのエンドスタチン断片およびバリアント
US11912755B2 (en) 2015-06-05 2024-02-27 Bio, Inc. Endostatin fragments and variants for use in treating fibrosis

Also Published As

Publication number Publication date
KR20010052566A (ko) 2001-06-25
WO1999062944A3 (en) 2000-04-06
CA2331370A1 (en) 1999-12-09
WO1999062944A2 (en) 1999-12-09
AU4414099A (en) 1999-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3840262B2 (ja) 治療用の抗血管新生組成物および方法
KR101393144B1 (ko) 요로상피암의 검출용 키트 및 방법
WO2000026368A2 (en) Therapeutic antiangiogenic endostatin compositions
JP2002517186A (ja) エンドスタチンタンパク質を含むタンパク質オリゴマー組成物およびその使用方法
US8188051B2 (en) Metadherin polypeptides, encoding nucleic acids and methods of use
JP2004529847A (ja) p185HER−2またはEGF受容体を細胞内において発現する択一的なHER−2/NEU産物であるハースタチンの発現は受容体の活性と細胞の増殖を抑制する
WO1999067382A2 (en) Angiopoietin-like growth factor sequences
CA2324624A1 (en) Metastatin and hyaluronate binding proteins and methods of use
JP2002502359A (ja) 内皮細胞増殖阻害剤およびその使用法
CA2355870A1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
CA2340721A1 (en) Angiocidin: a cys-ser-val-thr-cys-gly specific tumor cell adhesion receptor
US6566072B1 (en) Mammaglobin, a secreted mammary-specific breast cancer protein
JP2852192B2 (ja) uPARのドメイン2+3のuPA結合部位および抗体
JP2002534087A (ja) 単球由来核酸および関連する組成物ならびに方法
JP4469180B2 (ja) テネイシンw組成物およびその使用
EP2078728A1 (en) Novel isoform of versican and use in diagnosis and therapy
US20050281810A1 (en) Variants of alternative splicing
JP2001186889A (ja) 良性前立腺肥大と関連するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
JP2003533177A (ja) 新規PROST−EtsポリペプチドをコードするDNA
AU2008201326B2 (en) Therapeutic antiangiogenic endostatin compositions
WO1994006935A9 (en) A method for the detection and treatment of prostate disease
EP0673438A1 (en) A method for the detection and treatment of prostate disease
WO2002036826A2 (en) Del-1 and benign prostatic hyperplasia
AU767962B2 (en) Mammaglobin, a secreted mammary-specific breast cancer protein
EP1670906B1 (en) Acylglycerol acyltransferase-like protein mgat-x1 and uses thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060605

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090714

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091009

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091019

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091113

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091120

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100316