JP2002517166A - 新規な受容体チロシンキナーゼ - Google Patents

新規な受容体チロシンキナーゼ

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JP2002517166A JP51346396A JP51346396A JP2002517166A JP 2002517166 A JP2002517166 A JP 2002517166A JP 51346396 A JP51346396 A JP 51346396A JP 51346396 A JP51346396 A JP 51346396A JP 2002517166 A JP2002517166 A JP 2002517166A
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Abstract

(57)【要約】 新規なファミリの筋受容体チロシンキナーゼが開示される。それらをコードする核酸分子(図1)とこれらの利用方法とが開示される本発明の特徴である。

Description

【発明の詳細な説明】 新規な受容体チロシンキナーゼ発明の分野 本発明は、チロシンキナーゼ活性を有する新規な筋タンパク質、このタンパク 質をコードするDNA、及びその利用方法に関する。背景及び先行技術 脊椎動物の骨格筋の形成には、我々の発生生物学の理解に対して基本的な数多 くのプロセスが関係している。これには、細胞間シグナリング、分化、及び形態 形成が含まれる。それぞれの骨格筋は、エネルギー代謝、収縮速度、及び耐疲労 抵抗に於いて異なる様々な筋繊維組成を有している。この多様性は、異なった集 団の前駆体筋芽細胞を反映するものであると考えられている。筋肉の発達中にお いて、様々な筋芽細胞タイプの重複する波を観察することができる。 筋芽細胞は、細胞融合を含むプロセスによって、筋管を形成し、最終分化する 。筋芽細胞は、線維芽細胞増殖因子(FGF)等の成長因子の存在下に於いてイ ンヴィトロで培養することができる。このような因子の投与中止(withdr awal)、あるいは、血清の不在に よって、細胞はその細胞周期から外れて、その結果最終分化が起こる。分化中に おいて、特有のセットの筋特異的タンパク質が発現される。更に、特定の受容体 チロシンキナーゼ(RTKs)の発現が無くなる。しかし、いかに環境シグナル が筋芽細胞の分化を阻害するかについての理解が進んでいるにもかかわらず、筋 形成の原因となるシグナル経路についてはそれほど理解されていない。分裂が終 了した筋管の維持と生存とに関連するシグナリング分子についてはほとんど知ら れていない。 従って、分裂終了後の状態を規制するシグナリング分子を同定し理解する必要 が残っている。このような分子の役割は、退化性疾患(例えば、筋ジストロフィ )及び癌、特に肉腫、等の多種多様なヒトの病気において潜在的に重要である。 ウィルクス(Wilks)他(Proc.Natl.Acad.Sci.(1 989)86:1603−1607)は、ディジェネレートオリゴヌクレオチド プライマーを使用して、タンパク質チロシンキナーゼ遺伝子をクローン化する一 般的な方法を記載している。このアプローチを改造したものを使用して、チロシ ンキナーゼドメインを含む遺伝子が同定された。当初、Msn−2と呼称されて いたこの遺伝子は、電気エイTorpedo californicaの電気器官からクローン化された受容体チロシンキナー ゼに対して相同性を有している(ジェニングス(Jennings)他、Pro c.Natl.Acad.Sci.(1993)90:2895−2899)。 いまここで、この遺伝子をNsk2と称する。 本発明は、新規な筋RTKを提供する。又、驚くべきことに、前記Nsk2遺 伝子は別の方法で(differentially)スプライシングされること によって、少なくとも11種類の遺伝子産物が作り出されることが判った。本発 明の別の態様において、Nsk1と称される関連RTKが提供される。その部分 ヌクレオチド配列と翻訳産物とが図9に示されている。 従って、本発明は、その相補配列が、図1,3b,4a,5a,6a又は9の ヌクレオチド配列のいずれか一つに選択的にハイブリダイズ可能な単離核酸分子 、及び、前記配列又はその相補配列に選択的にハイブリダイズ可能なそのフラグ メントとを提供する。望ましくは、前記ヌクレオチド配列は、図1,4a,5a ,6a又は9の配列、又は、これら配列に選択的にハイブリダイズ可能なそのフ ラグメントである。 本発明は、又、図1a,3b,4a,5a,6a又は 9の配列のヒトホモログを含むほ乳類ホモログであり、実質的に単離された状態 の核酸分子と前記配列に選択的にハイブリダイズ可能なそのフラグメントを提供 する。 本発明は、更に、オプションとしてその5’及び3’非翻訳領域を備え、Ns k1の前記全長コード化配列をコードする単離核酸分子と、更に、これらの核酸 分子のフラグメントとを提供する。これらの核酸分子は、図9に開示される配列 に基づくプローブから開始して、当該技術における慣用技術によって得ることが できる。このような方法には、Nsk1を発現する細胞からcDNAライブラリ ーを作成し、図9の配列の全部又はその一部を有する核酸によってこのライブラ リーをプローブする方法が含まれる。前記ライブラリーの適当なクローンを濃厚 にするために、このライブラリーを、図9の配列の一部に由来するプライマーを 用いて調製することが出来る。cDNAライブラリー等の調製方法の詳細は、例 えば、サムブルック(Sambrook)他、1987等の標準参考書籍に開示 されている。 本発明は、更に、図2,3,4b,4c,5b,6b又は9に示す配列の一つ を有する単離タンパク質を提供する。図2に記載のタンパク質(配列認識番号2 )は、別の異型(variant)として提供することができ、 ここで、図3bの20のアミノ酸が、図2の残基209と210との間に挿入さ れている。本発明は、又、少なくとも一つの抗原決定基をコードする前記タンパ ク質のフラグメントを提供する。好ましくは、前記抗原決定基は、Nsk2又は Nsk1に対して特異的である。更に、本発明には、図2,3,4b,4c,5 b,6b又は9のタンパク質の、ほ乳類ホモログ、好ましくは、ヒトホモログ、 と、Nsk1又はNsk2ホモログに対して特異的な抗原決定基をコードするそ のフラグメントとが含まれる。 本発明は、又、前記全長Nsk1遺伝子によってコードされるポリペプチド及 びそのフラグメントを提供する。このようなポリペプチドの配列は、上述したよ うに決定可能な前記遺伝子のコード化配列を翻訳することによって、決定するこ とができる。 本発明は、又、本発明の前記キナーゼ又はそのフラグメントに結合可能な抗体 又はそのフラグメントを提供する。前記抗体は、ポリクローナルとモノクローナ ルとのいずれでもよい。 本発明には、更に、本発明のポリペプチドをコード化するヌクレオチド配列と (図2のものと、この図2のものを、図3bの60個のヌクレオチドを含むよう に改変 したもの,3a,4b,4c,5b,6b又は9とを含む)そのフラグメント、 そして、前記ヌクレオチド配列を含むベクターとが含まれる。望ましくは、前記 ベクターは、前記ヌクレオチド配列に作動リンクされた宿主細胞に適合するプロ モーターを含む発現ベクターである。望ましくは、前記ヌクレオチド配列は、図 1,3b,4a,5a,6a又は9の配列、あるいは、そのフラグメント又はホ モログである。 更に別の態様に於いて、本発明は、本発明に依るポリペプチド又はそのフラグ メントを調製する方法を提供し、その方法は、本発明に依るベクターを担持する 宿主細胞を前記ポリペプチド又はそのフラグメントの発現に適した条件下に於い て培養する工程と、前記ポリペプチド又はそのフラグメントを前記培地から回収 する工程とを含む。図面の簡単な説明 図1は、Nsk2受容体チロシンキナーゼの完全なコード化ヌクレオチド及び 予想アミノ酸配列を示している(配列認識番号1)。 図2は、前記全長Nsk2受容体チロシンキナーゼを、その様々なドメインと 共に示している(配列認識番号2)。 図3aは、その細胞外ドメイン内に置換部位を有する、別の方法でスプライシ ングされたNsk2受容体チロシンキナーゼイソ型タンパク質を示している(配 列認識番号3)。 図3bは、本発明の前記分子の更に別の方法でスプライシングされた異型(v ariant)を示している。スプライシングは、細胞外ドメイン内に於けるも のである。この異型に於いて、新規な20個のアミノ酸を提供する60個のヌク レオチドの配列が、配列認識番号1の配列のヌクレオチド673と674との間 にスプライシングされている。上線は、潜在的グリコシル化の部位を示している (配列認識番号4)。 図4aは、前記Nsk2受容体チロシンキナーゼの別の方法でスプライシング されたカルボキシ末端ドメインのヌクレオチド配列と予想アミノ酸配列とを示し ている(配列認識番号5)。 図4bは、図4aの別スプライシングカルボキシ末端を有する前記全長Nsk 2RTKイソ型タンパク質のアミノ酸配列を示している(配列認識番号6)。 図4cは、図3の細胞外ドメインに於ける置換部位と、図4aの別スプライシ ングカルボキシ末端との両方を有するNsk2RTKイソ型タンパク質のアミノ 酸配列を 示している(配列認識番号7)。 図5aは、推定可溶性細胞外ドメインをコードする、別の方法でスプライシン グされ、短くなったNsk2cDNAの部分的ヌクレオチドと予想アミノ酸配列 とを示している(配列認識番号8)。 図5bは、図5aの端が短くなったNsk2イソ型タンパク質のアミノ酸配列 を示し、その様々なドメインと新規なC−末端を示している(配列認識番号9) 。 図6aは、更に別の方法でスプライシングされ、短くなったNsk2cDNA の部分的ヌクレオチドと予想アミノ酸配列とを示している(配列認識番号10) 。 図6bは、図6aの端が短くなったNsk2イソ型タンパク質のアミノ酸配列 を示し、その様々なドメインと新規なC−末端を示している(配列認識番号11 )。 図7は、Nsk2のイソ型タンパク質を作り出す前記選択的スプライシングの 要約を提供している。 図8は、Nsk2の前記アミノ酸配列と、ジェニングス(Jennings) 他(前出)のTorpedoRTKのアミノ酸配列との比較を提供している(配 列認識番号12)。 図9は、Nsk1の部分的ヌクレオチドとアミノ酸配列とを示している(配列 認識番号13)。 図10は以下を示している。 A:マウスの骨格筋筋管cDNAクローンの分析から同定された4種類のNs k2 RTKイソ型タンパク質の構造。 B:マウスの骨格筋筋管cDNAクローンの分析から同定されたここで2Ig と4Igと称する2種類の短いNsk2イソ型タンパク質の構造。 C:マウスの骨格筋筋管から調製された全細胞溶解物を、Nsk2 RTKの 細胞外配列(図2のaa341−352)を示すPPD−結合合成ペプチドとに よって免疫化したラビットの免疫前(pre−immune)血清(PI)と免 疫血清(I)とのいずれかで免疫沈降した。免疫沈降物を、SDS−PAGEの 前にγ32P−ATPの存在下でのインヴィトロキナーゼアッセイし、実質的にリ ート(Reith)他(1991;EMBOJ.9,2451−2459)に記 載されているオートラジオグラフィにかけた。 D:マウスの骨格筋筋管の全細胞溶解物を調製し、これらをSDS−PAGE にかけ、実質的に前述の方法(リート(Reith)他、1991前出)でニト ロセルロースに移した。フィルタを、前記4Ig Nsk2イソ型タンパク質( 図5bのaa457−467)の前 記新規カルボキシ末端におけるアミノ酸配列を示すPPD−結合合成ペプチドで 免疫化したラピットからの、免疫前血清(PI)又は免疫血清(I)のいずれか でプローブした。更に別のコントロールとして、第3のフィルタ(IC)を、免 疫処理用に使用される遊離ペプチド(free−peptide)で予めインキ ュベートしておいた免疫血清でプローブした。125I−接合タンパク質Aとオー トラジオグラフィとで抗体結合が検出された。 E:マウスの骨格筋筋管の全細胞溶解物を調製し、これらをSDS−PAGE にかけ、実質的に前述の方法(リート(Reith)他、1991前出)でニト ロセルロースに移した。フィルタを、前記2Ig Nsk2イソ型タンパク質( 図6bのaa224−235)の前記新規カルボキシ末端におけるアミノ酸配列 を示すPPD−結合合成ペプチドで免疫化したラビットからの、免疫前血清(P I)又は免疫血清(I)のいずれかでプローブした。更に別のコントロールとし て、第3のフィルタ(IC)を、免疫処理用に使用される遊離ペプチド(fre e−peptide)で予めインキュベートしておいた免疫血清でプローブした 。125I−接合タンパク質Aとオートラジオグラフィとで抗体結合が検出された 。 図11は、筋芽細胞中に於ける前記23kDa 2Ig異型と52kDa 4 Ig異型との発現レベルを測定した時に得られた結果を示している。 図12は、マウスの全長Nsk cDNAをインヴィトロシステム中で発現さ せた時に得られた結果を示している。 図13は、ここに記載の前記Nsk2分子の11種類の可能な同質異性異型( isomeric variant)の要約である。好適実施例の詳細な説明 本発明のヌクレオチド配列は、RNAであってもよいが、好ましくはDNA配 列である。更に、合成可能な程度に十分に小さな前記ヌクレオチド配列のフラグ メントに、(1)DNasesによる分解に対する抵抗性を達成し、(2)前記 分子の効果を増強し、そして(3)前記ヌクレオチドにの細胞による摂取を促進 させる、のに適した修飾を含ませることができる。現在、治療用に、十分な量の 修飾オリゴヌクレオチドを作り出す技術が存在している(例えば、Biosys tems Reporter 1991)。多数種のヌクレオチドの修飾が当該 技術において知られている。これらには、 methylphosphonate and phosphorothioa te backbones,前記分子の3’及び/または5’末端に於けるアク リジン又はポリリジン鎖の追加が含まれる。本発明の目的の為には、ここに記載 されるヌクレオチドは、そのインヴィヴォ活性の向上又は寿命の延長のために当 該技術において利用可能などのような方法によっても修飾可能であるものと理解 される。 このような修飾は、アンチセンスヌクレオチドフラグメントの開発において特 に注目される。このようなアンチセンスフラグメントは、インヴィトロ又はイン ヴィヴォに於けるNsk2又はNsk1遺伝子の転写又は翻訳を阻害するのに利 用可能である。この使用は、例えば、Nsk2又はNsk1遺伝子産物の発現が 、Nsk2を発現する細胞へ有効量のアンチセンスヌクレオチドフラグメントを 導入することによって選択的に阻害される条件下での筋形成の研究に適用される 。 本発明のヌクレオチドフラグメントは、通常、10ないし2000、塩基長で あり、例えば、10ないし1,000、例えば、15−500、具体的には、1 6,17,18,20,25,50,100又は200個のヌクレオチドの長さ である。 本発明のヌクレオチド配列は、1本鎖でも2本鎖でもよい。本発明の好適フラ グメントには、前記配列認識番号2の以下のアミノ酸領域:aa1−21,aa 22−496(aa49−98,aa142−190,aa233−282,及 びaa401−450を含む)、aa497−517,aa518−871,a a518−576,aa577−858,aa674−693及びaa859− 871、をコードするものが含まれる。 ヌクレオチド配列又はそのフラグメントは、high stringentな 条件、即ち前記配列又はそのフラグメントがNsk2又はNsk1に関連して通 常見られる遺伝子にハイブリダイズしない条件下において、Nsk2又はNsk 1とその相補鎖に選択的にハイブリダイズできる。high stringen tな条件は、そのフラグメントの大きさによって変わる。約50個のヌクレオチ ド以上の大きさのフラグメントの場合、高緊縮条件は、通常、0.2X SSC で約60度、好ましくは、0.1 X SSCで60度、更に好ましくは、0. 1 X SSCで65度である。もっと小さいオリゴヌクレオチドフラングメン トの場合、ハイブリダイゼーション条件は、ここに参考文献として合体されるマ インコート(Meinkoth)及びヴァール(Wahl), (Anal.Biochem.132;267−284(1984))を参照す ることによって決定することができる。SSCは、pH7.5の、0.15Mの 塩化ナトリウムと0.15Mのクエン酸ナトリウムであると定義される。 一般に、図1,3b,4a,5a,6a又は9の配列に選択的にハイブリダイ ズ可能なヌクレオチド配列又はそのフラグメントは、配列認識番号1の配列に対 して、少なくとも20、好ましくは、最低30、例えば、40,60又は100 あるいはそれ以上の隣接するヌクレオチドの領域に渡って、少なくとも80また は90%、好ましくは、最低95%の相同性を有する。 本発明の前記配列のホモログは、図1,3b,4a,5a,6a又は9のヌク レオチド配列またはそのフラグメントを、例えば、分化筋細胞、筋芽細胞、又は 胚芽細胞から調製されたほ乳類ゲノムDNA又はcDNAライブラリーに対する プローブとして使用することによって得られる。前記cDNAライブラリーは、 λgt11等の発現ベクター中で作り、Nsk2又はNsk1に対する抗体を含 む抗血清でスクリーニングすることが出来る。前記ヌクレオチド配列のフラング メントは、前記ホモログ及びPCRによって得られたホモログの対応する領域 に対するPCRプライマーとして使用することができる。このようなライブラリ ーの作成と、適当なプローブ条件とは、当業者において、サムブルック(Sam brook)他(Cold Spring Harbor,1987)等の標準 テクストを参照することによって決定することができる。 実質的に単離状態としての本発明のポリペプチドは、一般に、その調合物中の 90%以上、例えば、95%、98%又は99%のポリペプチドが、前記特定配 列のポリペプチドである調合物中の特定配列のポリペプチドである。同様に、実 質的に単離状態としてのヌクレオチド配列は、その調合物中の90%以上、例え ば、95%、98%又は99%のヌクレオチドが、前記特定配列のヌクレオチド である調合物中の配列である。 一般に、本発明に依るポリペプチドのフラグメントは、最低10、好ましくは 最低15、例えば、20,25,30,40,50又は60個のアミノ酸長であ る。このようなフラグメントは、オプションとして適当なキャリアに固定された 状態で、ほ乳類に投入された時に、抗体の産生を刺激することが可能な抗原決定 基をコードする。前記ほ乳類は、前記ポリペプチド配列の由来するほ乳類とは異 なったものである。前記抗原決定基は、好ましく は、Nsk2又はNsk1に対して特異的である。これは、Nsk2又はNsk 1の配列を、TorpedoRTKを含む他のRTKsと比較することによって 判定可能である。前記ポリペプチドの特異性は、下記に記載するような方法で、 そのポリペプチドに対する抗体の特異性をテストすることによって判定可能であ る。即ち、Nsk2又はNsk1に対して特異的な抗体、即ち、他のRTKと比 較してNsk2またはNsk1に対して高い親和性を有する抗体、の産生を誘発 することが可能な抗原決定基を有するすべてのポリペプチドが、本発明のポリペ プチドとなる。Nsk2特異的抗原決定基を含む適当な領域として、図2のaa 674−693とaa859−871、更に、細胞外の領域がある。 図4b及び4cの受容体チロシンキナーゼの別のカルボキシ末端ドメイン、図 5b及び6bの可溶性の短いNsk2イソ型タンパク質のカルボキシ末端と、更 に、別スプライシング配列DYKKENITT(配列認識番号14)も、それに 対してNsk2特異的抗体を作ることが可能な対象領域である。 本発明に依るモノクローナル抗体は、前記タンパク質又はそのペプチドフラグ メントを免疫原として使用して従来のハイブリドーマ技術によって調製すること ができ る。ポリクローナル抗体も、宿主動物、例えば、ラット又はラビットに、本発明 のペプチドを接種して、免疫血清を回収する従来手段によって調製することがで きる。本発明のタンパク質又はペプチドは、免疫原として使用するために、バク テリア又はバキュロウィルス又はほ乳類(例えば、CHO由来)融合タンパク質 として提供することができる。 F(ab’)、F(ab2)’又はFvフラグメント等の、その抗原結合活性 を保持している本発明のモノクローナル抗体のフラグメントは、本発明の更に別 の態様を構成するものである。更に、本発明に依るモノクローナル抗体を分析し て(例えば、そのような抗体を発現する遺伝子のDNA配列分析により)、本発 明に依る抗体の相補性決定領域を有するヒト化抗体を、例えば、参考文献として 合体される、EP−A−0239400(ウィンター(Winter))、又は そのアメリカ対応特許に開示の方法によって、作ることができる。 抗体又はそのフラグメントは、望ましくは、他のRTKsに対する親和性より も高い親和性で、Nsk2ポリペプチド又はそのフラグメントに結合可能である 。好ましくは、他のRKTsに対する親和性は、Nsk2に対する親和性の1/ 10以下である。抗体の親和性は、 当該技術に於て利用可能な技術によって測定可能である。同様に、Nsk1ポリ ペプチド又はそのフラグメントに結合可能な抗体又はそのフラグメントは、他の RTKsに対してよりも、Nsk1ポリペプチドに対しての方が10倍以上の親 和性を有している。本発明の別の抗体を、Nsk2とNsk1とに共通するポリ ペプチド配列をベースにして作り出すことができる。このような抗体は、両方の 標的を同定することができる。好ましくは、そのような抗体又はそのフラグメン トは、他のRTKsに対してよりも、Nsk2とNsk1とに対して10倍の親 和性を有する。 本発明に依る核酸分子を含む発現ベクターに、更に、該ベクターがその中で複 製される宿主細胞に適合する複製源を含ませることができる。適当な宿主細胞に は、バクテリア(例えば、E.coli)、イースト、昆虫、及びほ乳類(例え ば、チャイニーズハムスタ卵巣細胞)等の原核細胞又は真核細胞が含まれる。 前記ベクターが、発現ベクターである場合、これは、更に、前記ヌクレオチド 配列に作動リンクされた宿主細胞に適合するプロモーターを含む。「作動リンク 」とは、プロモーターとヌクレオチド担持配列とが、そのプロモーターの制御下 に於てコード化配列の発現を許容する関 係にある並列状態のことをいう。前記プロモーターとコード化配列との間には、 5’非コード化配列等のエレメントが介在してもよい。前記5’非コード化配列 は、前記プロモータ及び/又はコード化配列に対して、非相同的であっても、相 同的であってもよい。前記発現は、望ましくは、更に、前記コード化配列に作動 リンクされた3’非コード化配列を含む。前記発現ベクターが真核発現ベクター である場合、それは、前記コード化配列と、3’非コード化配列の3’側にポリ アデニル化シグナルを含む。 前記プロモーターは、当該技術に於て入手可能な如何なる適当なプロモーター であっもよい。これは、調節可能なプロモーターを含む。適当なプロモーターの 具体例としては、E.coli β−ラクタマーゼプロモーター、イーストAD H(アルコールデヒドロゲナーゼ)プロモーター、ほ乳類メタロチオネインプロ モータ、及び、SV40T抗原プロモーター又はレトロウィルスLTRプロモー ター等のウィルスプロモーターがある。 本発明に依る核酸分子は、当該技術に於て公知で、以下の例に示される合成又は 組換え手段によって作ることができる。例えば、前記マウスNsk2ヌクレオチ ド配列は、Nsk2遺伝子の領域に対して特異的なPCRプ ライマーを使用することによって得られる。前記プライマーは、ゲノムDNAラ イブラリーからのNsk2ゲノムDNA、又は、その中で前記遺伝子が発現され る細胞由来のcDNAライブラリーからのNsk2cDNAの増幅及びクローン 化に使用することができる。ほ乳類ホモログは、類似の手続きを使用して得るこ とができる。類似及び同等の手続きを使用して、図9の情報から始めで、Nsk 1のマウス及びその他のほ乳類ホモログを得ることができる。 図1,3b,4a,5a,6a又は9のヌクレオチド配列に選択的にハイブリ ダイズ可能な配列は、当該技術に於て利用可能ないずれの適当な技術を使用して も作り出すことが可能である。例えば、図1,3b,4a,5a,6a又は9の 配列は、マウスのゲノムDNAライブラリー又は適当なcDNAライブラリーか らクローン化することができる。そのような配列の領域は、部位特異的突然変位 誘発によって修飾することができる。所望の変化を含む修飾されるべき配列の領 域に対応するプライマーを作ることができる。前記プライマーを、単数又は複数 の他のプライマーと併用して、元の図1,3b,4a,5a,6a又は9の配列 に対してPCRを行うことができる。これによって、元の配列に選択的にハイブ リダイズ可能な所望のヌクレオチド変化を含む新しい配列が提供される。 図1,3b,4a,5a,6a又は9の配列のフラグメントは、合成、又は、 制限切断や、前記所望のフラグメントの3’及び5’末端に対応するプライマー を使用したPCR等の組換えによって作ることができる。 本発明に依るポリペプチド及びそのフラグメントは、本発明の発現ベクターを 使用した組換えの手法、又は、合成によって作ることができる。組換えによる生 産には、本発明の発現ベクターを有する宿主細胞の培養が含まれる。前記ベクタ ーは、細胞に対して適当な、いかなる物理的又は生物学的手段、例えば、移入( trans−fection)、又は形質転換(trans−formatio n)、等、によって細胞に導入させてもよい。前記細胞は、細胞の成長とタンパ ク質又はポリペプチドの発現にとって適当な、それ自身公知の条件下に於て培養 することができる。前記ポリペプチドは、この培養から回収することができる。 これは、その培養物が生育した培地から、又は、前記培養中の細胞からの、前記 ポリペプチドの回収を含む。後者のプロセスにおいては、化学的又は物理的手段 によって細胞を分解してもよい。前記ポリペプチドの実質的に単離状態での回収 に は、クロマトグラフィ(HPLCを含む)、適当なゲル又はカラム上でのサイズ 分画、回収されるポリペプチド上に存在するエピトープに選択的に結合可能な抗 体を使用したアフィニティ(親和)精製等の当該技術においてそれ自身公知の適 当な精製手段が含まれる。 ポリペプチドとそのフラグメント及び、このポリペプチドに結合可能な抗体と そのフラグメントとは、ほ乳類の骨格筋筋管の成長と分化とに於けるNsk2の 役割の研究に利用することができる。これらは、細胞中に於けるNsk2又はN sk1のキナーゼ活性を増強、又は、その活性を阻害するために、Nsk2又は Nsk1のアゴニスト又はアンタゴニストとして使用することができる。これは 、本発明のポリペプチド又はそのフラグメントを、インヴィトロ又はインヴィヴ ォで、細胞の環境に導入することによって達成できる。前記細胞は、通常分化し て、血清の投与中止(withdrawal)等の適当な条件下に於て筋管を形 成することが可能な未分化筋芽細胞とすることができる。前記筋芽細胞を、本発 明のペプチドの存在下でそのような条件に晒し、その分化に対する効果を観察す ることができる。 組換えNsk2又はNsk1ポリペプチド、ペプチド、抗体又はそのフラグメ ントは、更に、Nsk2または Nsk1シグナル経路の他の要素を同定するための計画(strategies )にも利用可能である。例えば、Nsk2の可溶性細胞外ドメインイソ型タンパ ク質の前記新規なカルボキシ末端に対して特異的な抗血清を使用して、組換え細 胞外ドメインを、堅固な担体(solidsupport)に固定して結合タン パク質を精製するアフィニティーカラムを作ることができる。類似の手段を用い てcDNA発現ライブラリーをスクリーニングすることができる。Nsk2又は Nsk1抗体が必要とされる類似の親和(affinity)方法を使用して、 活性化Nsk2又はNsk1受容体の基質を精製することができる。 筋芽細胞のインヴィトロ培養において、本発明のアゴニスト又はアンタゴニス トの適当な濃度は、約0.1nMないし約10μM、例えば、約10nmないし 1μMである。 Nsk2の好適なフラグメントには、図2において番号付けされている以下の アミノ酸フラグメントが含まれる。即ち、aa1−21,aa22−496(a a49−98,aa142−190,aa233−282及びaa401−45 0を含む)、aa497−517,aa518−871,aa518−576, aa577− 858,aa674−693及びaa859−871、更に、図4b,4c,5 b及び6bに示されるNsk2の別のイソ型タンパク質の新規なカルボキシ末端 領域、そして、図3bに示される新規な細胞外ドメイン領域。Nsk1の相同領 域も好適である。 ポリペプチドとそのフラグメント及び抗体とそのフラグメントは、薬用製剤と して調製可能である。このような製剤には、前記ポリペプチド、抗体又はフラグ メントを、単数又は複数種の薬用として許容可能なキャリア又は希釈液とともに 含む。薬用として許容可能なキャリア又は希釈液には、経口又は非経口(例えば 、筋内又は静脈中)投与用として適当な製剤に使用されているものが含まれる。 これらの製剤は、便宜、単位投与形状として提供可能で、薬学技術において周知 のいずれの方法を使用することによっても調製可能である。このような方法には 、前記活性成分を、単数又は複数の付随的成分を構成するキャリアと作用させる 工程を含む。一般に、前記製剤は、活性成分を、液体キャリア又は細かく砕かれ た固体キャリアのいずれか一方又は両方と均一及び緊密に作用させて、その後、 必要な場合には、その製品を成形することによって作られる。 例えば、非経口投与に適した製剤には、酸化防止剤、 バッファー、靜菌及び、前記製剤を、目的の受容者の血液に対して等浸透圧にす るための溶質とを含ませることができる水性又は非水性殺菌注射溶液、懸濁剤及 び増粘剤を含ませることが可能な水性及び非水性殺菌懸濁液、及び、前記ポリペ プチドを、血液成分又は単数又は複数の器官に対して標的化するように構成され たリポソーム又はその他の微小粒子システムが含まれる。 受容体様タンパク質型チロンシキナーゼ(RTKs)のスーパーファミリのプ ロトタイプメンバの分析によって、これらの膜貫通分子が、正常なほ乳類の成長 に必要な細胞間シグナル経路において重要な調節機能を果たし、更に、これらが しばしば形質転換細胞中の破壊の標的であるということが明らかになった。最近 、触媒モチーフの保存される性質を、PCR cDNAクローン化方法の適用と 組合せることによって、RTKsの同定が非常に容易になった。そこで、我々は 、初期のマウスの胚からのNsk1の部分cDNAのクローン化にこの方法を採 用した。マウスのゲノムライブラリのスクリーニングにおいてNsk1とクロス ハイブリダイズする、Nsk2の前記全長コード化配列、イソ型タンパク質異型 及び染色体位置が同定され、これらは本発明の一部を構成する。 成長因子シグナル経路の維持と破壊とが、多種類のが ん遺伝子による細胞の形質転換のために必要とされ、これが恐らく、自然なアポ トーシス経路の実行を妨げるなんらかの手段を反映したものであるということが よく知られている。従って、Nsk2及びNsk1等の筋RTKsに関連するシ グナル経路を阻害すれば、腫瘍の成長を阻害することになると予想される。従っ て、本発明の一態様は、筋RTKシグナリングの阻害である。これは、例えば、 活性化に関連する筋RTKエピトープに対する抗体、アンチセンス核酸分子、ド ミナントネガティブRTK受容体の発現、及び、問題の標的部位への可溶化RT K受容体の投与、によって達成することができる。 本発明のRTKsは、インヴィトロで最終分化骨格筋管中に於て、更に、イン ヴィヴォで 成人骨格筋中に於て発現される。公知のRTKsのシグナル特性を類 比推測することによって、Nsk2及びNsk1等の前記筋RTKsは、正常な 骨格筋に於ける細胞生存経路を仲介している可能性があると結論することができ る。このような経路一般の刺激、維持又は調節によって、神経傷害後の長引く神 経麻痺状態の効果を軽減し、これによって、神経再生中の筋組織の生存を容易に することが出来ると予想される。 これらの経路の必要な調節は、例えば、前記キナーゼ に効果的に触媒作用を与えるRTKsに対するアゴニスト的抗体を使用すること によって達成される。同様に、Nsk2リガンド等のリガンドの局所適用によっ てもこれを達成することができる。前述の目的を達成するその他の手段は、当業 者にとって明らかであろう。従って、ここで繰り返す必要はない。 これまでの研究によって、Nsk2等のRTKsは、泌乳乳腺の上皮と、新生 児精巣の輸精管とに発現されることが示された。RKT発現の異常なレベル、特 に、これらの組織に於けるNsk2の発現の異常なレベルの測定によって障害を 診断することができる。ハイブリダイゼーション、増幅(amplificat ion)、イムノアッセイは、ここで使用可能なタイプのアッセイの具体例であ る。これらのアッセイ及びどのようにそれらを実施するかについては当業者によ って明らかであり、ここでのベル必要はない。更に、以上の開示から、本発明の RTKsを修飾するのに「筋」を使用してはいるが、問題の遺伝子は、筋細胞以 外の細胞に発現することが明らかである。例えば、乳腺上皮と神経細胞は問題の 遺伝子を発現する。その他の細胞もこれらの遺伝子を発現する。 ここに参考文献として合体されるOncogene 11:281−290に報告されているように、マウスのNsk2は、マウスの 第13染色体の末端部分に位置することが示された。この位置には、ヒトの染色 体5qと同一染色体に位置する部位が含まれている。例えば、HMGCRは5q 13−q14に位置し、IL9は5q15−21に位置する。これらの部位中に 於てミューテーションがマッピングされ、これは、LGMDIAとして知られて いる一種の肢帯(limb girdle)筋ジストロフィと相関可能である。 このマップ位置は、Nsk2の発現パターンとともに、筋ジストロフィに於ける 関与を示唆している。従って、Nsk2等のRTKsを測定することによって、 筋ジストロフィを予見、又は診断することになるかもしれない。 Nsk2の全長イソ型タンパク質は、膜貫通受容体チロシンキナーゼに特有の すべての構造モチーフを有しており、これは、細胞間シグナリングに於ける機能 の可能性を示唆している。更に、マウス成長中に於けるNsk2転写産物の分布 は、骨格筋形成、神経成長及び胎児器官形成中の間充織−上皮相互作用に於ける この新規なRTKの機能に関連している。染色体マッピングと、ヌクレオチド配 列の比較との両方が、Nsk1(第4染色体)とNsk2(第13染色体)とが 互いに異なる遺伝子であ ることを示している。 Nsk2細胞外ドメインの構造組織は、公開されているRTKsの中でユニー クなものであると考えられ、これは、Nsk2がこのタンパク質スーパーファミ リー中の新規なサブクラスを表すものであることを示している。最も高い相同性 は、Torpedo californica(ジェニングス(Jenning s)他、1993)、PNAS 90 2895−2899)の電気器官からク ローン化されたTorpedo RTKとにおいて見られ、この事実と、骨格筋 に於ける両者の優先的発現とは、これらのタンパク質の間に近い進化上の関係が あることを示唆している。しかしながら、Nsk2とTropedo RTKと の両方の推定リガンド結合ドメインが、類似の組織的構造を有する4つのIg様 ループを含んではいるものの、Torpedo RTK(ジェニングス(Jen nings)他、1993)を特徴づけているkringle様タンパク質結合 ドメインは、Nsk2には存在しない。このNsk2とTorpedoRTK細 胞外ドメインの間の明白な相違は、エキソンのシャフリングを受ける分子単位と してのkringleモチーフについて提案されているモデルと一致している。 これと合致して、Nsk2とTorpedo RTK細 胞外ドメインとの間の非相同の領域の境界は、Nsk2転写ユニット中に於ける 、エキソン−イントロン結合部と選択的スプライシングの部位である。Torp edoRTKとNsk2の細胞内ドメインも、高度に保存されたチロシンキナー ゼドメインと小さなキナーゼインサートと、同じサイズのカルボキシ末端領域と を含む、構造的類似性を示している。しかし、これらのモチーフ間において一次 配列相同性はほとんど無く、これは、Nsk2は、Torpedo RTKの真 のほ乳類ホモログではないという結論を更に裏付けるものである。ほ乳類RTK sにおいては、Nsk2細胞内ドメイン中に於ける、小さなキナーゼインサート と、短いカルボキシ末尾との発生は、Nsk2細胞内ドメインのアミノ酸配列と 2番目に最も相同性の高いニューロトロフィン受容体のtrkファミリーにおい て見られるものと類似している。 ノザンブロット解析によって、骨格筋細胞タイプと、12.5日目の懐胎胚の 全RNAとにおいて共に発現される2種類のNsk2転写産物が同定された。こ れらのmRNA種間の正確な関係は、現在のところまだ完全には理解されていな いが、類似の発見が電気エイのTorpedo RTKに関して報告されている (ジェニングス(Jennings)他、1993)ことは興 味深い。Nsk2関連RTKに対するクロスハイブリダイゼーションの可能性は 低いと考えられる。というのは、Nsk2 RTKイソ型タンパク質の細胞外及 び細胞内又は3’非翻訳領域に対応するcDNAプローブによって、ノザンブロ ット解析で、筋管中で両方の転写産物が同定されたからである。更に、同じcD NAプローブを使用した筋管cDNAライブラリーのスクリーニングによっては 、Nsk2クローンのみが同定された。骨格筋管中に発現された前記4つのNs k2RTKイソ型タンパク質のそれぞれのクローン化されたcDNA配列が、約 3.3kbのmRNAのもととなり、これは、ポリアデニレート化シグナルを含 んでいるが、完全な5’非翻訳領域がこれらのクローン中に表されている可能性 は低い。別の転写開始位置又は、更に別にプロセシングされたvariantを 利用することによって、Nsk2発現細胞及び組織中に於て検出された前記二つ の転写産物を説明出来る。インヴィヴォでの骨格筋形成中に於て、Nsk2転写 産物は、dermamyotomeの出現と同じ程度の初期にRNAインサイチ ュハイブリダイゼーションによって検出され、これは、胎児の骨格筋繊維中に横 紋状の分布を示した。ノザンブロット解析によって、発現が成人マウスからの骨 格筋において存続してい ることが示された。更に、インヴィトロでのcommitted骨格筋芽細胞の 最終分化の際に観察されるNsk2転写産物の増加した定常状態レベルは、この 新規なRTKが骨格筋管の形成及び/又は機能に関連していることを示す。この 点に関して、Nsk2の発現プロファイルは、RTKは筋芽細胞増殖を促進し、 筋管形成によってダウンレギュレートされるというRTKに対する以前に定義さ れた発現プロファイルと対照をなす。筋芽細胞の分化中に於いてインスリン様成 長因子とその受容体との発現が増加することから、IGF−仲介シグナリングが 、自己分泌的な筋芽細胞の分化の促進を助けているのかもしれないということが 提案されている。Nsk2の異なった発現は、この新規なRTKの筋芽細胞分化 の正のmediatorとしての役割を反映しているかもしれない。更に、最終 分化筋管中に於てNsk2が優先的に発現されることと、細胞の生存のmedi atorとしてのプロトタイプRTKsの公知の性質とによって、Nsk2 R TKは、分裂後の筋管の生存の為に必要なシグナルを伝達しているのかもしれな いという興味深い可能性がもちあがる。これらの点に関して、筋形成細胞に於け るNsk2シグナル経路の生物学的特性と細胞内成分を更に分析することが、細 胞内シグナル経路が筋芽 細胞増殖を促進し、筋−特異的転写因子の活性を抑制する分子メカニズムに対す る関係において大いに興味がもたれる。 骨格筋組織化ら生じた系統に於ける発現がNsk2RTKの主要な特徴ではあ るが、胚成長中に於けるNsk2発現の更に別の部位がRNAインサイチュハイ ブリダイゼーションによって同定された。硬化中の骨の骨膜層に於ける発現は、 Nsk2の筋−骨成長に於ける別の機能を示唆し、これに対して、幹の後根神経 節の細胞、内蔵の頭側神経節及び腸管神経節の細胞に於ける転写産物の検出は、 末梢神経システムの主要ブランチに於けるこの新規なRTKの関与を示している 。Nsk2転写産物の別の分布が、腎臓、肺及び内蔵のものを含む種々の成長中 の器官の上皮成分中にも見られた。適当な上皮−間充織相互作用による誘発が、 器官の正常な成長に必須であることは古くから知られており、RTKシグナル経 路が、しばしば、受容体チロシンキナーゼとその関連成長因子リガンドとがそれ ぞれ上皮及び間充織細胞中に於て発現されるパラ分泌メカニズムによって、誘発 相互作用を仲介することが出来ることが明らかになりつつある。胚器官上皮細胞 中に於いてNsk2転写産物が別の分布をすることは、上皮細胞−成長の調節に 於ける Nsk2シグナリングの役割を示唆するだけでなく、更に、このような胚組織の 間充織成分が、この新規なRTKのための生理学的リガンド(単数又は複数)の 源を提供するものであるかもしれないという可能性をもたらすものである。Ns k2シグナリングを分析し操作するための生理学的に関連するインヴィトロ培養 システムが利用可能になれば、このようなリガンドの同定と、細胞の成長と分化 の調節に於けるNsk2シグナリングの生物学的特性の解明が容易になるであろ う。 以下の例によって本発明を説明する。 Nsk2の同定と分析に於て使用されるクローニング、プロービング、シーク エンスその他の方法は、サムブルック(Sambrook)他(前出)によって 記載されている一般技術に基づくものである。例1 Nsk2の同定 Nsk2を、ウィルクス(Wilks)他(前出)によって記載されている方 法を改変した方法によってクロ ーン化した。チロシンキナーゼの保存ドメインに対応するディジェネレートオリ ゴヌクレオチドを使用して、遺伝子フラグメントを入手し、これを使用して、バ クテリオファージラムダベクターLambdaDash内に構成されたマウスゲ ノムライブラリーをスクリーニングした。スクリーニングは、0.1xSSC, 0.1%SDS、60℃で行った。それぞれλG13とλG23とする二つのゲ ノムクローンがNsk2遺伝子を有していた。完全Nsk2受容体チロシンキナ ーゼイソ型タンパク質コード化配列 Nsk2の完全なコード化配列を、λG13とλG23ゲノムサブクローンと 、条件不死化したマウス胎児筋芽細胞系由来のcDNAクローン(モーガン(M organ)他、(1994)Dev.Biol.162:486−498)と の重複から決定した。 前記全長Nsk2受容体様チロシンキナーゼの完全コード化ヌクレオチド及び 予想アミノ酸配列が図1に示されている。全長タンパク質の以下の特徴が明らか である(図2): aa1−21...β−チューブリンmRNAオートレギュレーションシグナル を有するシグナルペプチド aa22−496:以下を含む細胞外領域 ..aa49−98..イムノグロブリン様ドメイン ..aa142−190:イムノグロブリン様ドメイン ..aa233−282:イムノグロブリン様ドメイン ..aa401−450:イムノグロブリン様ドメイン ..aa222−224:潜在的N−結合グリコシレート化部位 ..aa462−464:潜在的N−結合グリコシレート化部位 aa497−517:膜貫通ドメイン aa518−871:以下を含む細胞内領域 ..aa518−576:傍膜ドメイン ..aa577−858:チロシンキナーゼドメイン ..aa674−693:キナーゼインサートドメイン ..aa859−871:カルボキシ末端ドメイン24のヌクレオチド(141 5−1438)の欠失によって、aa457−465が一つのアラニン(A)残 基と置き変わったNsk2受容体チロシンキナーゼの別のイソ型タンパク質も同 定された(配列認識番号3)。 両方のNsk2イソ型タンパク質が、胎児筋芽細胞と派生筋管中で発現された。 胎児筋由来cDNAクローンの中から別のNSK2受容体モロシンキナーゼイ ソ型タンパクが同定され、それは拡散配列アイデンティティーがヌクレオチド2 649(aa868)までみられ、その後新規な483ヌクレオチドが同定され た(配列識別No:4)。これは、さらに13個のアミノ酸と、停止コドンと、 3’非翻訳領域とをコードした。前記細胞外ドメイン別スプライシング(図2及 び3a)との関係において、この新規なカルボキシ末端は、Nsk2受容体チロ シンキナーゼの更に別の二つのイソ型タンパク質を予告するものである(図4b 及び4c)。 推定可溶性細胞外ドメインをコードする第5のNsk2イソ型タンパク質 胎児筋管cDNAライブラリーから単離されたいくつかのcDNAクローンの ヌクレオチド配列は、図1に示された全長受容体イソ型タンパク質の配列から更 に離れたものであった。核酸配列アイデンティティはヌクレオ チド1414(aa456)まで見られ、その後、新規な258ヌクレオチドス パンが同定された。これは、さらに11個のアミノ酸と、停止コドンと、3’非 翻訳領域と、ポリアデニレート化シグナルと、ポリA tailとをコードした (配列認識番号8)。従って、これらのcDNAクローンは、一つだけの(aa 222−224)推定N−結合グリコシレート化部位を有するNsk2の可溶性 細胞外ドメインをコードすることが予想される第5番目のNsk2イソ型タンパ ク質(配列認識番号9)を予告するものである。 短いNsk2をコードする第6のイソ型タンパク質 更に、図1の配列認識番号のヌクレオチド673でのスプライシングに起因す る別のイソ型タンパク質が同定された。前記全長配列の最初の673個のヌクレ オチドが、その後に3’非翻訳領域とポリアデニレート化シグナルとが続く、3 6アミノ酸C−末端尾をコードする532ヌクレオチド配列につながるようにス プライシングされた。これは、それぞれ、配列認識番号10及び11に示されて いる。 この推定可溶性細胞外ドメインイソ型タンパク質は、前記全長受容体の最初の 二つのIg−様ループのみをコ ードすることが予想されるのに対して、一方、図5bのものは、前記全長Nsk 2細胞外ドメインを特徴付ける4つのIg−様ループの全部と、一つの推定N− 結合グリコシレート化部位とをコードすることにおいて、配列認識番号9のそれ と識別可能である。 Nsk2転写ユニットの別のスプライシグから得られるNsk2イソ型タンパク 質 Nsk2ゲノムクローンの配列分析によって、ここに記載した6つのNsk2 イソ型タンパク質の内の5つが、図7に概略を示すようなNsk2転写ユニット の別のスプライシングから得られることが確認された。少なくとも5つのイソ型 タンパク質に共通する5’エキソンは、ヌクレオチド1414で終わっている。 発生するイソ型タンパク質は次の通りである。 a)可溶性細胞外ドメイン(図5a,5b):スプライシングは起こらず、ポリ Aシグナルによって転写の終了とポリアデニレート化とが起こる。 b)全長受容体タンパク質型チロシンキナーゼ(配列認識番号2):単数又は複 数のエキソンをコード化するヌクレオチド1415−1438への1414n部 位でスプライシングが起こる。その後、次のエキソン コード化ヌクレオチド1439−1637までに更に別のスプライシングが起こ る。 カルボキシ末端が、ヌクレオチド2649と2650との間にスブライシングが 起こらない結果として生じる。ヌクレオチド2692−3250のゲノム組織は 知られていない。 c)欠失を受けた受容体タンパク質チロシンキナーゼイソ型タンパク質(図3) :前記1414nスプライシング部位から前記エキソンコード化ヌクレオチド1 439−1637にかけて直接にスプライシングが起こる。 d)別のカルボキシ末端受容体チロシンキナーゼイソ型タンパク質(図4b)が 、このイソ型タンパク質に固有の別の単数又は複数のエキソンをコードする配列 までの2649n部位に於けるスプライシングによって起こる。 e)c及びdに概略説明した別スプライシングの組合せによって、第4番目の受 容体チロシンキナーゼイソ型タンパク質が発生する(図4c)。 Nsk2はTorpedo RTKに対して或る程度の相同性を有する Nsk2ヌクレオチド及び予想アミノ酸配列を、GenEMBLとSwiss portデータベースと比較することによって、電気エイ Torpedoca lifornica(ジェニングス(Jennings)他、前出)の電気器官 からクローン化された前に公開された受容体チロシンキナーゼ、との最も高い相 同性が明らかである。図8は、Nsk2とTorpedo RTKとのアミノ酸 配列の最適配置比較を示している。アミノ酸配列同一性(64%)及び相同性( 78%)は、このように遠い関係にある種間の遺伝子に於てはきわめて高いもの である。しかしながら、数多くの特徴が、Nsk2はTorpedo RTK( 図8)の単なるほ乳類ホモログではないということを示唆している。即ち、.. i)Nsk2には、Topedo RTKの特徴である細胞外領域中のkrin gleドメインが欠如している、 ..ii)キナーゼインサートドメインが保存されていない(15%のアミノ酸 配列同一性)、そして、 ..iii)カルボキシ末端ドメインは、ほとんど保存を示していない(30% のアミノ酸配列同一性)。 更に、Nsk2に於てkringleドメインが特異的に不在であるというこ とは、Nsk2とTorpedoRTKとの間の相同性が、進化中に於けるシャ フリングによるエキソン配列の保存を示すものであるという考え方と一致してい る(即ち、Torpedo RTKタンパク質の直接的なほ乳類ホモログは存在 しないかもしれない)。 Nsk2は、骨格筋中において優先的に発現される ノザンブロット解析によって、12.5日齢の全胚及び成人骨格筋のサンプル 中において約6.6kbと3.6kbの特異的Nsk2転写産物が同定されたが 、心臓、牌臓、脳、精巣、あるいは肝臓RNAサンプル中においては同定されな かった。胎児筋芽細胞及び成人筋芽細胞系の両方が高いレベルのNsk2 mR NAを発現し、その量は分裂後筋管への最終分化において顕著に増加する。前記 6.6kb mRNA種は、前記別スプライシングカルボキシ末端受容体チロシ ンキナーゼイソ型タンパク質に対応している(図4a)。筋管RNA中の約2k bのmRNA種が、前記可溶性細胞外ドメインNsk2イソ型タンパク質cDN Aクローンに対応し(図5a)、これに対して、約1.3kbのmRNA種 が前記の短い細胞外ドメインイソ型タンパク質cDNAに対応している(図6a )。E10−5ないしE17.5マウス胚のRNAインサイチュハイブリダイゼ ーション分析によって、幹及び四肢の発生筋節及び派生筋組織中に於けるNsk 2受容体チロシンキナーゼ転写産物が明らかになった。肺及び腎臓の上非細胞及 び末梢神経系の後根神経節を含む神経細胞タイプに更に別の発現部位が見られる 。 Nsk2シグナル経路の機能 前記Nsk2の全長イソ型タンパク質は、これら受容体を発現する細胞の増殖 、生存及び/又は分化に必要な細胞間シグナル経路の一部として機能する分子に 典型的な、膜貫通型受容体チロシンキナーゼに特徴的な構造モチーフの全部を有 している。骨格筋に於ける優先的発現と、筋芽細胞、更に、神経細胞中に於ける 、最終分化の際の別発現とは、前記Nsk2シグナル経路が、ほ乳類骨格筋筋管 の形成又は生存、及び、神経細胞の形成及び生存に於て機能していることを示唆 している。プロトタイプ受容体チロシンキナーゼとの類比によって、Nsk2シ グナリング活性を、特異的成長因子(単数又は複数)を膜貫通イソ型タンパク質 の細胞外ドメインに結合させ ることによって誘導することができる。前記推定可溶性細胞外ドメインイソ型タ ンパク質は、又、Nsk2受容体の生理的リガンド(単数又は複数)にも結合す ることができる。このようなリガンドは、ここに提供されるアミノ酸配列を使用 することによって更に限定することができる。例2 Nsk2は、マウス第13染色体に位置する マウスゲノム中に於けるNsk2部位の染色体位置を決定するするために、N sk2と組換え近交系(RI)マウス株中に位置決めされた他の部位との間の相 関関係を求めた。Nsk2転写ユニットの細胞内及び3’非翻訳領域を含む19 50bpゲノムDNAフラグメントが、ゲノムサザンブロット解析によって、N sk2を一つのコピーの遺伝子として同定した。次に、このプローブによって、 C57b1/6とDBA2/J近交系マウス株との間に検出されたEcoRV制 限断片長多型(RFLP)を使用して、BxDシリーズのRIマウス中のNsk 2部位の株分布パターン(SDP)を決定した。このSDPと、前記BxDシリ ーズ中において位置決めされた他のものとの比較によって、Nsk2と第13染 色体の遠端 部に見られる公知の部位との間の関係が同定された。Nsk2部位は、D13B ir1とTel 13との間のinclusive intervalに位置決 めすることができる。例3 Nsk2は、骨格筋に優先的に発現される Nsk2受容帯チロシンキナーゼの生理学的機能の分析を始めるために、我々 は、成人マウス組織と胚とから単離された全細胞RNAにノザンブロット解析を 行った。約6.6kbと3.6kbの二つのNsk2−特異的転写産物が、12 .5日齢の懐胎全胚RNA中に容易に同定された。成人マウス組織の内で、成人 骨格筋においてはNsk2転写産物が検出されたが、心臓、脳、精巣、肺、小腸 、腎臓、脊髄、小脳、新生胸腺には検出されなかった。骨格筋に於けるNsk2 の優先的発現を更に詳しく調べるために、我々は次に、既に確立されている骨格 筋芽細胞系を分析し、派生筋管培養地が分析された。新生児H−2Kb−tsA 58トランスジェニックマウスから誘導された骨格筋芽細胞は、前記熱不安定性 、インターフェロン−誘導可能SV40T抗原transgeneの作用を許容 する条件下に於て培養された時に増殖する。 非不死化条件下において生育した時には、これらの細胞は、最終分化して横紋状 多核化筋管を形成する。6.6kbと3.6kbとの両方のNsk2転写産物を 、このような条件不死化された筋芽細胞系から調製された全細胞RNA中で容易 に検出することができた。更に、これらの細胞系がIFNγの不在下で、SV4 0T抗原に対して非許容的な温度の培養によって誘発されて筋管を形成する時に 、Nsk2転写産物の定常状態レベルの増加が見られた。同じトランスジェニッ クマウス株から由来の他の条件不死化細胞系のノザンブロット解析は、Nsk2 の前記別発現は、SV40T抗原の損失又はインターフェロンの除去に対する一 般的な応答ではないということを示した。これとよく一致して、自発的不死化筋 原性の細胞系C2C12のインヴィトロ分化においても類似の別発現プロファイ ルが観察された。総合すると、これらのデータは、Nsk2mRNAの増加した 定常状態レベルが骨格筋芽細胞の分化の真の特異的な特徴であるということを示 している。例4 複数のNsk2 RTKイソ型タンパク質が骨格筋芽細胞中で発現される インヴィトロ筋管培養物中での前述した比較的高いレベルのNsk2の発現に よって、Nsk2 RTKの全コード化配列を含むcDNAクローンの単離が容 易になった。この分析中に於て、前記全長Nsk2 RTKの多型異型体が骨格 筋管中において同定された。いくらかのcDNAは、24個のヌクレオチド(1 415−1438)のインフレーム欠失を有し、その結果、アミノ酸457−4 65が、前記細胞外ドメインの第4Ig様ループへの一つのアラニン残基C−末 端と置き換わっていた。その結果、前記Nsk2細胞外ドメイン中のN−結合グ リコシレート化の二つの推定部位の内の一つがこのイソ型タンパク質中において 欠失していた。いくつかのNsk2 cDNAクローンのカルボキシ末端ドメイ ンコード化領域において第2の多型性(Nsk2△C)が同定された。ヌクレオ チド配列同一性が、前記全長Nsk2受容体の残基2649まで観察され、その 後に、新規な483のヌクレオチドが存在していた。その結果、前記全長Nsk 2 RTKの前記3つのC−末端アミノ酸残基が、新規な13のアミノ酸と、停 止コドンと、ポリアデニレート化シグナルとポリAtailとの両方を含む41 7ヌクレオチド(n)新規3’非翻訳領域によって置換されていた。これらを総 合すると、Nsk2△N とNsk2△C多型との両方の存在は、Nks2受容体チロシンキナーゼの4種 類ものイソ型タンパク質がほ乳類骨格筋管中に発現するということを示している 。例5 マウスの胚形成中のNsk2発現 骨格筋の成長中のNsk2の発現をインヴィヴォでより詳しく調べ、かつ、マ ウスの成長中に於けるNsk2作用の更に別の可能な部位を明らかにするために 、懐胎8.5ないし17.5日の間に単離された胚にRNAインサイチュハイブ リダイゼーションを行った。下記のデータは、前記全長Nsk2 RTKの全細 胞内ドメインといくつかの3’非翻訳配列(1675n−2668n)とを含む プローブによって得られた。細胞外、膜貫通及び傍膜領域(1261n−168 0n)に対応する第2プローブによっても同じハイブリダイゼーションパターン が得られた。すべてのケースに於て、対応のセンスコントロールプローブは、特 異的ハイブリダイゼーションを示さなかった。 ノザンブロット解析と一致して、成長マウス胚中に於けるNsk2発現の主要 部位は、骨格筋原性細胞系中に あった。E.8.5胚中の新規に形成された体節には発現は観察されなかったが 、分化体節のdermamyotome成分中の後期においてNsk2特異的ハ イブリダイゼーションが明白に見られた。その後、胎児の中軸骨格と四肢骨格と の両方の筋に於て発現が維持された。更に、これら成長筋組織を、その断面に於 てサジタル平面と横軸方向平面との両方において更に拡大したところ、筋繊維に 関連するハイブリダイゼーションの横紋状パターンが見られた。Nsk2ハイブ リダイゼーションは、更に、前記成長中軸及び四肢骨格中にも観察された。発現 は、助骨原基と上腕骨とを含む成長骨の骨膜層に於ける骨化部位に限られ、この 成長の段階においてまだ骨化が始まっていない脊髄においては見られなかった。 発達中の筋−骨格システム中におけるNsk2転写産物の分布と異なり、心筋に おいては分析したいずれの段階においても発現は検出されなかった。 RNAインサイチュハイブリダイゼーション分析によって、更に、成長マウス 胚中の多数のその他の組織においてもNsk2転写産物の独立した分布も明らか となった。中枢神経システムにおいて、Nsk2転写産物は、脊髄と脈絡膜叢の 皮質及び上衣層にも明らかであった。成長末梢神経システムに於ては、Nsk2 特異的ハイブ リダイゼーションは、E12.5からの後根神経節及び面神経節、及び、内臓の 腸神経節からの細胞中に観察された。はっきりと異なるNsk2転写産物の分布 は、胎児胚形成中の多数の成長器官の上皮成分と間葉成分との間にも検出された 。例えば、腎臓の皮質中の初期糸球の上皮細胞、気管上皮細胞、肺の分節気管支 及び終末細気管支、内臓の粘膜内層中の分泌上皮細胞、膵臓小島、胸腺原基痕跡 、及び真皮に特異的に観察された。例6 Nsk1の同定 Nsk1を同定するために、cDNAのPCRクローン化を行った。この目的 のために、8.5日齢懐胎C57b1/6X C57b1/6マウス胚を、リン 酸バッファ塩溶液(PBS)中で解剖し、その胚の中間の第3の組織フラグメン ト(神経ひだと体節)を5マイクロリットルのTris塩溶液中で0.5mlの エッペンドルフチューブに移し、ドライアイス上で60分間インキュベートし、 解凍した。次に、保存RTK触媒性サブドメインIXのDVWSFアミノ酸モチ ーフに対応する完全なディジェネレートオリゴヌクレオチドを使用して、前記冷 凍−解凍溶解物上に於てcDNA合成を直接に開 始した。第1鎖cDNA産生物に対して、同じセットのディジェネレートオリゴ ヌクレオチドを、保存RTK触媒性サブドメインV1bのアミノ酸モチーフであ るHRDLに対する別のセットとともに、93℃で1.5分間と、45℃で1分 間と63℃で4分間との30のサイクルの、PCRを行った。PCR産生物を電 気泳動にかけ、約210個のヌクレオチドのDNAフラグメントを取り出し、プ ラスミドpKS+中にクローニングし、クローンのヌクレオチド配列を決定した 。 Nsk1(神経ひだ/体節キナーゼ・ワン(1))と名付ける新規なヌクレオ チド配列の遺伝子が得られた。前記Nsk1部分cDNAのヌクレオチド及び予 想アミノ酸配列は、図9に示されている。それによってクローン化を行った前記 保存触媒ドメインモチーフ配列V1b及びIXの他に、Nsklは、PTK触媒 的モチーフVIIとVIIIとを構成するすべての残基を有している(図9)。 更に、Nsk1のサブドメインVIIIは、受容体様チロシナキナーゼの特徴で あるWMPPEモチーフを含んでいる。これと一致して、Nsk1ヌクレオチド 及び予想アミノ酸配列を、GenEMBL及びSwissprotデータベース と比較したところ、電気エイ Torpedo californicaからク ロ ーン化された受容体チロシンキナーゼ、TorpedoRTK(ジェニングス( Jennings)他、1993)との最も高い相同性が示された(図9B)。 マウスゲノム中に於けるNsk1の染色体位置を決定するために、組換え近交系 (RI)マウス株中においてリンケージ関係を調べた。前記Nsk1 cDNA プローブを用いて、high stringentなハイブリダイゼーション条件(50%ホル ムアミド、42℃)下でhigh stringentな洗浄(0.1xSSC,65℃)のも とで行ったゲノムサザンブロット解析によって、Nsk1が一つのコピー遺伝子 であることが定義され、C57bl/6とDBA2Jマウス株の間でのXba1 制限断片長多型(RFLP)のNsk1部位での同定が容易となった。次に、こ のRFLPを使用して、RIマウスのBxDシリーズ中に於けるNsk1の株分 布パターン(SDP)を決定した。このSDPを、前記BxDシリーズにおける 他のもののSDPと比較することによって、Nsk1とLyb2(2/24,r =0.024)、Mupl(0/25,r=0)とb(5/25,r=0.07 2)部位間においてリンケージが確定された。従って、前記Nsk1部位は、確 実に、マウス第4染色体上のLyb2とbとの間のinclusive int erval中 に位置している。 前記PTK触媒ドメインモチーフが保存されるということと、PCR−仲介c DNAクローン化技術を利用して、過去数年間に渡って前記タンパク質チロシン キナーゼのスーパーファミリーのクローンメンバーの同定が急速に増加した。こ こに提供されるデータは、このアプローチを、解剖組織フラグメントから調製さ れたそのままの粗溶解物に直接に適用することが出来ることを例示するものであ り、これは、胚形成のこの段階において発現することが知られているPTKsの クローン化によって確認される。成長神経管中にはc−kit転写産物が観察さ れたが、E8.5における体節中には観察されなかった。そして、高いレベルの FGFR1発現が、前体節中胚葉とE8.0−8.5における新規に形成された 体節の「くちばし」側の半分において検出された。同様に、fyn部位は、E8 .5胚の神経ひだと脊索の感覚上皮中において転写が活性に行われることが知ら れている。これらの特徴から、Nsk1は、更に、マウスの胚形成のこの段階に おいて細胞間シグナリングのある側面においても機能しているものと予想される 。Nsk1は、この成長段階において低量のmRNAをコードする。というのは 、ここに記載のPCRスクリーニングによって発 現を検出ことができるが、全E.8.5マウス胚から調製されたRNAのノザン ブロット解析によっては転写産物は容易に見られないからである。前記高度に保 存されたチロシンキナーゼドメインモチーフを除いたNsk1プローブを使用し たRNAインサイチュハイブリダイゼーション研究によって、マウス胚形成中に おけるこのRTKの発現の部位の同定が容易になるであろう。 Nsk1とTorpedo RTKとの触媒ドメイン配列の間の高い相同性は 、これら二つの推定受容体間の近い進化関係を示唆している。RKTsは、細胞 外ドメインモチーフとカルボキシ末端の比較可能な性質及び/又はキナーゼイン サートドメイン配列とに基づいて定義される。従って、これらのタンパク質間の 関係に関するより深い理解のためには、Nsk1転写ユニットの完全なコード化 配列の決定が待たれる。しかし、下等脊椎動物からクローン化された他のRTK sと同様に、Nsk1がTorpedo RTKの真のほ乳類ホモログであるか どうかを確信的に知ることは困難であろう。この点に関して、Nsk2が、触媒 ドメインV1b−IXにおいでTorpedo RTKとNsk1との両方に対 して高度に類似したアミノ酸保存を示すが、その他様々な特徴においては、明ら かにTorpdeo RTKとは異 なるサブクラスの受容体チロシンキナーゼをコードするということは興味深い。 これは、Nsk1とNsk2とが、恐らく胚成長における機能を有する、ほ乳類 受容体チロシンキナーゼの新規なサブファミリーであるということを示唆してい る。例7 Nsk2に対する抗体 A:ペプチドCGNKEVPPDFGS(配列認識番号15)、即ち、Nsk2 の前記推定可溶性細胞外ドメインの新規なC末端のアミノ酸残基457−467 であるペプチドにたいして作成したラビットポリクローナル抗血清は、予想オー プンリーディングフレームと一致して、マウス骨格筋管溶解物のウェスタンブロ ット分析で、約52kDaのポリペプチド(図10D)を同定する。 B:前記ペプチドCTLDGERYDVGS(配列認識番号16)、即ち、Ns k2の前記の短い推定可溶性細胞外ドメインの新規なC末端のアミノ酸残基22 4−235であるペプチドにたいして作成したラビットポリクローナル抗血清は 、予想オープンリーディングフレームと一致して、マウス骨格筋管溶解物のウェ スタンブロット分析で、約23kDaのポリペプチド(図10E) を同定する。 C:ペプチドCTTSHRDPEDAQE(配列認識番号17)、即ち、全長N sk2 RTK、別スプライシングNsk2 RTKイソ型タンパク質、別スプ ライシングC末端RTKイソ型タンパク質及び推定可溶性細胞外ドメインイソ型 タンパク質のアミノ酸残基341−352、であるペプチドに対して作成したラ ビットポリクローナル抗血清は、マウス骨格筋管溶解物のウェスタンブロット解 析により、約52kDaのポリペプチド(推定可溶性細胞外ドメインイソ型タン パク質)、及び約105kDのポリペプチド(前記全長Nsk2RTKSの予想 一次配列と良く一致している)を同定する。更に、これらの抗血清は、インヴィ トロで成長されたマウス骨格筋管の溶解物からの免疫沈降後、インヴィトロでチ ロシン残基上で自己リン酸化する内在能力を備えた約130kDaのタンパク質 を同定する(図10C)。この結果は、前記Nsk2 RTKイソ型タンパク質 の予想触媒性モチーフと一致している。前記一次Nsk2RTK配列(約105 kDa)と前記130kDaの自己リン酸化バンドとの間のサイズの相違は、翻 訳後グリコシレート化現象(前記予想アミノ酸配列によって示唆されるように) 及び/又は他のポリペプチド(恐らく、 前記23kDaの短いNsk2細胞外ドメインイソ型タンパク質(前記Bを参照 )との共有結合関係を表しているかもしれない。 (A)及び(C)で調製されたペプチドのN−末端Cは添加合成残基である。例8 Nsk2 RTKは、ほ乳類RTKのファミリー中で、膜貫通型受容体キナー ゼ(trk)受容体と最も高い相同性を有している。更に、trkシグナリング にとって機能的に重要であることが知られている二つのチロシン含有ペプチドモ チーフが、Nsk2 RTK中で保存される。即ち、両方のRTKsの傍膜ドメ イン内で、i)..Trk.IENP 490FSDA(配列認識番号18) ..Nsk2 HPNP 556QRMP(配列認識番号19)が保存され る。trkのY490が、自己リン酸化部位であり、SHCとの仲介関係にあるこ とが示された。この関係は、trkの生物学的シグナリング特性に寄与している (ENIBO J.13,1585−1590(1994);Neuron 1 2,691−705(1994))。 i)..Trk P 751AIMRG(配列認識番号20) ..Nsk2...L 834NLMRL(配列認識番号21)が両方の trkとNsk2との両方のXとXIの触媒性チーフドメインの間で保存される 。trkのY834が、自己リン酸化部位であり、PI−3キナーゼのp85サブ ユニットと仲介関係にあることが示された。この関係は、trkの生物学的シグ ナリング特性に必須であるとは思われない(EMBO J.13,1585−1 590(1994);Neuron 12,691−705(1994))。 rtk受容体によって利用されるモチーフの前記保存は、明らかに、Nsk2 の上記領域が自己リン酸化に関連し、かつ、潜在的に関連基質分子と関係してい る、ということを示唆するものである。従って、Nsk2ポリペプチドの好適フ ラグメントは、Y556とY834とを含むものである。例えば、これらの前記の一方 又は他方を含む、5ないし10、20,30,40又は50個のアミノ酸のサイ ズのペプチドが好適である。このようなペプチドに結合可能な抗体も好ましい。例9 この例では、様々な細胞タイプ中に於ける本発明のタンパク質の発現パターン を調べた。 ここに参考文献として合体されるOncogene11:281−290(1 995)に従って、マウスCsC12筋芽細胞と、更に、派生筋管細胞との全細 胞溶解物を調製した。この文献は、細胞培養の詳細を提供するものである。同様 に、COSとCHO細胞の溶解物を調製した。これら溶解物中のタンパク質含有 量を定量化し、次に、全タンパク質のうち等量ずつを、SDS−PAGEにかけ 、ウエスタンブロット解析を行った。ブロッティングは、それぞれ、前記2Ig と4Igのイソ型タンパク質のカルボキシ末端領域に対して作成しておいた親和 性精製抗血清を用いて行った。検出は、周知のECLシステムによって行った。 前記23kDa 2Ig異型(variant)と52kDa4Ig異型(variant)とは 筋芽細胞中に発現され、両方の定常状態レベルが述した筋管中において増加す ることが観察された。COSやCHO細胞には発現は観察されなかった。これら の結果を図11に示す。例10 全長マウスNsk2の発現を行った。図11の領域I, II及びIIIを含むNsk2 RTKイソ型タンパク質を、市販(Prome ga)のSP64ベースの発現ベクターにクローン化し、その結果得られた発現 ベクターを、製造業者の指示に従って、一体型転写/翻訳コムギ胚芽抽出システ ム中でインヴィトロ翻訳にかけた。前記転写/翻訳は、35Sメチオニンの存在下 で行った。次に、産生物のアリコットを、SDS−PAGEにかけ、その後、オ ートラジオグラフィにかけた。これらを図1に示す。 その結果は、前記cDNAが約100KDaのタンパク質をコードしたことを 示し、これは、前記全配列情報から予想されたものと一致している。プラミドD NAの不在下においては、35Sメチオニンラベル化タンパク質は観察されなかっ た。例11 前記例1に記載の作業を、そこに記載したものと同じcDNAライブラリーと 同じ技術を使用して継続した。 全部で11のスプライス異型(variant)又はイソ型タンパク質が見つかり、こ れは図13に示されている。これらの分析により、前記全長分子の三種類の部位 で選択的スプライシングが起こるという結論が導かれた。前 記第1variant領域は、前記全長分子中のヌクレオチド673と674との間に 挿入されている。その結果はin frameであり、20個のアミノ酸の別領 域が生じ、これは、前記全長分子の残基209と210との間に位置する二つの 潜在的N−結合グリコシレート化部位を有している。 第2のvariantにおいて、別のスプライシングの結果、前記全配列のヌクレオ チド1415−1438が欠失する。その結果、前記全長分子のアミノ酸457 −465が、一つのアラニン残基によって置換され、潜在的N−グリコシレート 化部位が損失している。 図4,5及び6に記載の次の三つのvariantは、別のカルボキシ末端領域に関 するものである。図5と6とに示されるものが、可溶性細胞外ドメインイソ型タ ンパク質を生成するものと考えられる。 これらを総合すると、前記別領域によって、前記膜貫通型イソ型タンパク質の 8までのイソ型variantと、前記可溶性細胞外ドメインの二つのイソ型variantと 、一つの短い細胞外ドメインとが産生可能である。前記図面において、”I”は 、ヌクレオチド673と674との間のインサートを示し、”II”は前記全長 分子を示す。図13にこれらのvariantの全部を要約している。例12 本発明に依る筋RTKsを単離し配列決定するために更に別の作業を行った。 これを行うに当たって、6種類の別構造が見つかった。即ち、 (I)図2中のヌクレオチド678は、示されたGではなくTであってもよい。 従って、配列認識番号1において、このヌクレオチドはKとして示されている。 (II)図2中のヌクレオチド680は、Gであり、これはCであってもよい。 従って、配列認識番号1において、このヌクレオチドはSとして示されている。 (III)図2中のヌクレオチド1193は、Tであり、これはAであってもよ い。従って、配列認識番号1において、このヌクレオチドはWとして示されてい る。 (IV)図2中のAであるヌクレオチド1359はCであってもよい。従って、 配列認識番号1において、このヌクレオチドはMとして示されている。 (V)図2中のGであるヌクレオチド1563はTであってもよい。従って、配 列認識番号1において、このヌクレオチドはKとして示されている。 (VI)図2中のTであるヌクレオチド1589はCであってもよい。従って、 配列認識番号1において、 このヌクレオチドはYとして示されている。 これらのヌクレオチドの別構造によって、アミノ酸配列に変化が生じる。従っ て、次のアミノ酸位置を参照 (I)211:Leu又はPhe (II)212:Gly又はAla (III)383:Leu又はGln (IV)439:Arg又はSer (V)506:Leu又はPhe (VI)515:Val又はAla 各ケースに於て、”Xaa”を使用してこれらの別構造を示す。便宜上、以上 の情報によって当業者はなにが含まれているかが理解するであろうと予想される ことから、すべてのvariantを提示するためにこれらの図面を2度提示すること は避ける。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/40 C12N 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 9/12 1/21 C12P 21/08 5/10 A61K 37/02 9/12 37/52 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA C12P 21/08 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,FI,JP,N O,NZ,US

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. その相補配列が、Stringentな条件下において、 以下のヌクレオチド配列の内の少なくとも一つとハイブリダイズする、筋受容 体チロシンキナーゼタンパク質をコードする単離核酸分子、 配列認識番号1; 配列認識番号6; 配列認識番号8; 配列認識番号10;及び 配列認識番号13。 2. 請求項1による単離核酸分子であって、以下から成るグループから選択さ れるもの、 (i)配列認識番号1のヌクレオチド配列から成る核酸分子; (ii)配列認識番号6のヌクレオチド配列から成る核酸分子; (iii)配列認識番号8のヌクレオチド配列から成る核酸分子; (iv)配列認識番号10のヌクレオチド配列から成る核酸分子;そして (v)配列認識番号13のヌクレオチド配列から成る核酸分子。 3. プロモーターに作動リンクされた請求項1の単離核酸分子を有する発現ベ クター。 4. 請求項1の単離核酸分子によってトランスフォーメーション(形質転換) 又は、トランスフェクション(形質導入)された形質転換又は形質導入細胞。 5. 請求項3の発現ベクターでトランスフォーメーション(形質転換)又は、 トランスフェクション(形質導入)された形質転換又は形質導入細胞。 6. その相補ヌクレオチド配列が、stringentな条件下において、以下のヌク レオチド配列の内の少なくとも一つとハイブリダイズする、単離核酸分子によっ てコードされる単離筋受容体チロシンキナーゼ、 配列認識番号1; 配列認識番号6; 配列認識番号8; 配列認識番号10;及び 配列認識番号13。 7. 以下のアミノ酸配列から成る、請求項6の単離筋受容体チロシンキナーゼ 、 配列認識番号2, 配列認識番号3, 配列認識番号4, 配列認識番号5, 配列認識番号6, 配列認識番号7, 配列認識番号8, 配列認識番号9, 配列認識番号10,及び 配列認識番号11。 8. 以下から成る単離ポリペプチド、 配列認識番号2のアミノ酸1−21, 配列認識番号2のアミノ酸22−496, 配列認識番号2のアミノ酸49−98, 配列認識番号2のアミノ酸142−190, 配列認識番号2のアミノ酸233−282, 配列認識番号2のアミノ酸401−450, 配列認識番号2のアミノ酸497−517, 配列認識番号2のアミノ酸518−576, 配列認識番号2のアミノ酸518−871, 配列認識番号2のアミノ酸577−858, 配列認識番号2のアミノ酸674−693,そして 配列認識番号2のアミノ酸859−871。 9. 配列認識番号14、配列認識番号15、配列認識番号16、及び配列認識 番号17のアミノ酸配列から 成る単離ポリペプチド。 10.請求項9の単離ポリペプチドと免疫源キャリアとを有する免疫原性組成物 。 11.筋受容体チロシンキナーゼに特異的に結合する抗体。 12.請求項11の抗体であって、前記抗体はモノクローナル抗体である。
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