JP2002516679A - 有利に調節された特定成分の呈示量を含むカタログ化核酸ライブラリーの構築および使用 - Google Patents

有利に調節された特定成分の呈示量を含むカタログ化核酸ライブラリーの構築および使用

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Abstract

(57)【要約】 陽性選択および陰性選択のために開示された技術を用いることにより、構成成分の比例呈示量が有利に調節されているカタログ化核酸ライブラリーを構築する方法。この方法の結果として得られる利点は、潜在的に望ましい構成成分を同定するためにスクリーニングする必要があるライブラリーの構成成分の数が有意に少ないということである。さらに、以前に本質的に「失われた」ライブラリー構成成分の回復が可能である。本発明の好ましい実施形態には、ライブラリー構成成分のカタログ化、標準化および富化が含まれる。例えば、限定するものではないが、この技術は、(1)サンプル源において最初に低コピー数で見出された所望の構成成分または(2)培養に関して問題のある生物に由来する所望の構成成分を十分な呈示量で含むライブラリーの構築に役立つものである。本発明を適用可能な用途には、今までロジスティック障害により妨げられていた任意のライブラリースクリーニングの努力が含まれる。従来のロジスティック限界を拡張することにより、本発明は、以前は獲得できなかった分子、特に、通常の調節されていないライブラリーからの「クローン化不能な」分子の新規生成を可能にし、該分子の検出、クローン化、操作、発現、研究、および使用を可能にする。種々雑多な非培養の生物からの高収量の核酸ライブラリーの構築およびスクリーニングを開示することで、本発明の技術は、生物学的発見の分野におけるかつての限界を凌ぐものであり、今まで発見されていない遺伝子および遺伝子産物の探索において十分な広さの生物学的多様性にアクセスすることを可能にする。本発明の利点は、診断、医薬、農業、製造業、および学術の分野にまで拡大するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、核酸ライブラリーの作製およびスクリーニング、そして特に原核生
物、真核生物、および/またはその他の生物の混合集団に由来する核酸ライブラ
リーの作製およびスクリーニングであって、該ライブラリーの特定構成成分の比
例呈示量を有利に調節することに関する。好ましい有利な調節は、ライブラリー
構成成分の標準化および選択的富化を包含する。
【0002】発明の背景 解決すべき一般的問題: 要するに、所望の核酸があまりにも過少呈示されるために、ライブラリーから
核酸を単離することが望ましいにもかかわらずロジスティックにはそれを実行で
きないことがしばしばある。
【0003】 この問題は、複数の異なる生物種類から構築された核酸ライブラリーのスクリ
ーニングにおいて、特に、望ましい供給源となる生物種類が不均衡に過少呈示さ
れる場合に生じる。さらにこの問題は、同じ生物種類に由来するその他の同等の
核酸と比較して、所望の核酸標的が比較的まれな核酸種または場合によってはよ
り不安定な核酸種である場合にも生じる。
【0004】 したがって、現在好まれている1つのアプローチは、単一生物源に由来するラ
イブラリーの構築とスクリーニングである。しかしながら、複雑性に富んだ環境
由来のサンプルから単一生物種を単離するためには、均一性を達成するために培
養またはその他の分離方法がしばしば必要であり、したがってこの方法は、実施
不可能でないとしてもしばしば扱いにくくまた労力がかかる。特に、複雑性に富
むことの多い環境由来のサンプル中には、(1)ほとんど知られていない培養条件
および/または応答性を有する望ましい供給源生物、(2)培養が困難な望ましい
供給源生物、(4)ほとんど特徴付けられておらず、したがって容易に分離または
識別できない望ましい供給源生物、および(5)培養可能であるが容易に分離でき
ない、少なくとも2つの生物集団であって、相容れない培養条件および/または
異なる培養応答性を示すもの、が存在し得ることは、ますます認められるように
なってきている。さらに、(5)所望の核酸の存在割合は単一生物種内でさえひど
く低い可能性がある。あるいは、(6)所望の核酸の存在割合は、該供給源生物を
培養する際に激減する可能性がある。場合によっては依然として、(7)用いるス
クリーニングプロセスにおいて、その存在が例えばバックグラウンドシグナルを
上回って陽性同定されるように、所望の構成成分の比例呈示量が強調されること
が必要である。一方、(8)複数の異なる生物種類を、連続してではなく並行して
利用する手段を有することが望ましいであろう。
【0005】 それでもなお、共通する結果は、ロジスティックな考察によれば、ライブラリ
ー中の所望の標的に対し、所望しない構成成分、特に重複した所望しない構成成
分が圧倒的に勝る数で存在するということであり、これはまるで膨大な干し草の
山の中に隠された針のようである。したがって、成功の妥当な可能性を期待して
スクリーニングすべきであるようなライブラリーの大きさは、本質的に扱えなく
なる。このようにして、特に所望の核酸は、慣用のライブラリー構築プロセスに
付され、その結果次のスクリーニングプロセスの際に回収されなくなる場合、見
掛け上「喪失」する傾向がある。
【0006】 結果として、これらのロジスティックな障害を克服するための新規の方法が大
いに望まれている。特に、混合生物集団のスクリーニングは望ましい機能である
。しかしながら、混合集団をスクリーニングするこれまでの試みは、非実用的で
ないとしても実施できず、また厄介な手順が必要であるために避けられていた。
【0007】解決すべき問題の特定例: 本発明で言及する問題の特定の実施例を、限定するものではないが、新規の微
生物酵素の探索に関わる分野において直面する以下の問題によって例示する。特
にこの分野は、研究試薬、診断用試薬、および化学プロセス工業において増え続
けている、新規機能を有するタンパク質ベースの触媒に対する需要と関連がある
。現在この需要には、主として様々な培養細菌または菌類から精製した酵素を使
用して応じている。しかしながら、純粋培養では1%未満の天然性細菌が増殖可
能であるに過ぎないので(Amann, 1995)、有益であり得る新規産物に対しての細
菌の多様性を十分に広く利用するには、代替的技術を開発しなくてはならない。
【0008】 現在市販されている実質的にすべての酵素は、培養生物に由来するものである
。これら生物の大部分は、細菌または菌類である。Amannら(Amann, 1995)は環境
中の微生物の培養能を以下のように算出した: 生息場所 培養能(%) 海水 0.001〜0.1 淡水 0.25 中栄養湖 0.01〜1.0 非汚染河口水 0.1〜3.0 活性汚泥 1.0〜15.0 堆積物 0.25 土壌 0.3 これらのデータは、示した各種生息場所由来の培養された微生物の数に関する
発表された情報から決定した。
【0009】 別の研究もまた、培養された生物が環境中に存在する生物量のごく一部のみを
含むことを示している。例えば、ある研究者のグループは最近、イエローストー
ン国立公園の「Obsidian Pool」(Barns, 1994)に由来する水および堆積物のサン
プルのコレクションにおいて、75の集積培養のうちの55%に古細菌特異的プロー
ブにハイブリダイスする細胞を見出したことを報告した。16S rRNAコード配列の
増幅およびクローニングにより、以前にこのプールから培養された生物の呈示が
ほとんどもしくは全くなく、大部分がユニークな配列であることが示された。こ
のことは、これまで未知な形態学的、生理学的、および生化学的特徴を有する古
細菌についてかなりの多様性の存在を示唆するものである。別のグループは、イ
エローストーン公園内のOctopus Springのシアノバクテリアマットで同様の研究
を行い、同じ結論に至った。すなわち培養されていない膨大な多様性が存在する
ということである(Ward, 1990)。Giovannoniら(1990)およびTorsvikら(1990aお
よび1990b)は、サルガッソー海サンプルおよび土壌サンプルのそれぞれにおいて
収集した細菌性プランクトンを用いて、同様の結果を報告している。これらの結
果から、有用な酵素またはその他の生物活性に対するスクリーニングにおいて、
培養された生物のみを使用することは、存在している潜在的な多様性のサンプリ
ングを厳しく限定することになることが示唆される。
【0010】 培養されたサンプルに由来する遺伝子ライブラリーのスクリーニングは、既に
有益であることが分かっている。しかしながら、ライブラリー作製に関して培養
された生物のみを使用することは、自然界の多様性の利用を限定することになる
ことが最近明らかになってきている。環境中に存在する培養されていない生物、
および/またはそれらに由来する酵素もしくはその他の生物活性は、工業的プロ
セスにおいて有用であり得る。どのような特定の環境サンプル中に呈示された各
生物の培養にも、かなりの時間と労力が必要であろう。肥沃な土壌サンプル中に
は、10,000を超える異なる種が存在し得ることが推定された。それらの種の各々
を個々に培養しようと試みることが、ロジスティックには実際的でないであろう
ことは明白である。特に、土壌サンプル中の生物全てを、生の、かつフィルター
にかけていない比例呈示量で含むライブラリーを作製し、スクリーニングするた
めの代替法は、同様にロジスティック障害を提示する。それゆえ、環境中に存在
する多様性を効率的に利用する新規の方法が大いに望まれている。
【0011】発明の概要 本発明は、従来の非調節核酸ライブラリーを用いた既存の技術を環境由来のラ
イブラリーのスクリーニングに適用する場合に直面するロジスティックな障害を
、有利に調節した割合で特定の構成成分を含む核酸ライブラリーの構築および使
用のための技術を開示することにより、克服する。特に本技術は、カタログ化、
すなわち含有物について特徴付けし、かつ好ましくは特定の構成成分についてさ
らに標準化または富化したライブラリーを構築する方法を提供する。
【0012】 従来のロジスティックな限界が拡張されてきたことによって、本発明は、以前
は獲得できなかった分子、特に従来の非調節ライブラリーからは「クローニング
できない」分子を新規に生成でき、今やそれらを検出し、クローニングし、操作
し、発現させ、研究し、使用することを可能にしている。本発明は、生物から単
離された真核細胞および組織、微生物の集合体、一次富化したもの(primary enr
ichment)、および環境サンプルを含む様々な供給源から核酸分子を単離し、サン
プル供給源中の特定の構成成分の元の呈示量に関して有利に調節したライブラリ
ーを作製する方法を提供することにより、本目的を達成する。したがって構築し
たライブラリーを、その構成成分分子の分子構造および/または対応する活性に
関して、首尾よくスクリーニングすることができる。
【0013】 1つの実施形態において、本発明は、培養された、または好ましくは培養され
ていない(すなわち直接環境由来の)サンプルである混合生物集団から構築され
た核酸ライブラリーを作製およびスクリーニングするための新規の組換え法を提
示する。本発明に従い、天然集団中の存在割合とは大きく異なっている可能性の
ある、生物由来のゲノムまたはその他の核酸を標準化した呈示量で有するライブ
ラリーを、作製およびスクリーニングすることができる。この「標準化」方法は
、豊富に存在する種からのクローンの重複を減らし、まれな種からのクローンの
比例呈示量を増加させる。これらの標準化ライブラリーは強化された獲得可能性
を有することになり、これにより新規の生体触媒をコードする遺伝子を探索する
上でより高いスクリーニング効率を達成できる。
【0014】 あるいは別の実施形態では、本発明により作製されるライブラリーは、特定の
核酸またはそのグループを強化された比例呈示量で含む。これは、所望のライブ
ラリー構成成分が1以上の検出可能なパラメーターと相関することが知られてい
る場合、特にこれらの検出可能なパラメーターが富化ライブラリーを構築するた
めのライブラリー構成成分の陽性選択および/または陰性選択に役立つ場合に、
特に適用することができる。
【0015】 つまり、カタログ化ライブラリーのスクリーニングは、特にそのライブラリー
がさらに標準化または選択的に富化される場合に、非カタログ化かつ非調節のラ
イブラリーのスクリーニングと比較して、強化された獲得可能性を達成する方法
を提供する。
【0016】 したがって、混合生物集団のスクリーニングは本明細書に記載した技術の有用
性により合理的方法とされたが、一方従来の試みは非実用的とはいかないまでも
実際的ではなく、また厄介な手順が必要であるために避けられていた。
【0017】 したがって1つの態様において、本発明は、複数の生物種類を含む生物サンプ
ルからカタログ化核酸ライブラリーを作製するための以下(a)〜(c)によるプロセ
スを提供する:(a)最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製し、(i)実施
中の生物サンプルを選択プロセスに付すことおよび(ii)少なくとも1つの所望の
特性を有する実施中の生物サンプルの画分を回収することからなる群より選択さ
れる、少なくとも1つのステップを任意の順序で少なくとも一回行うことによっ
て、該派生生物サンプル中の構成成分の比例呈示量を有利に調節すること;(b)
その派生生物サンプルから最初の核酸サンプルを単離すること;ならびに(c)そ
の最初の核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製し、(i)実施中の核酸サ
ンプルを選択時間に付すこと、(ii)少なくとも1つの所望の特性を有する実施中
の核酸サンプルの画分を回収すること、および(iii)実施中の核酸サンプルを核
酸ライブラリーに集合させること、からなる群より選択される、少なくとも1つ
のステップを任意の順序で少なくとも一回行うことによって、該核酸ライブラリ
ー中の構成成分の比例呈示量を有利に調節すること。
【0018】 したがって、この態様のある好適な実施形態においては、このプロセスは少な
くとも1つの所望の特性を有する実施中の生物サンプルの画分を回収するステッ
プを含む。
【0019】 この態様の別の好適な実施形態において、このプロセスは、実施中の生物サン
プルを選択プロセスに付し、その際陽性選択、あるいは陰性選択、あるいはその
両方がありうるような、ステップを含む。サンプルを陽性または陰性選択に付す
プロセスは、サンプル中の少なくとも1つの構成成分について比例呈示量および
存在数の両方を選択的に調節することを含み得る。
【0020】 この態様の別の好適な実施形態においては、実施中の生物サンプルの画分を回
収するステップ、および(ii)実施中の生物サンプルを選択プロセスに付すステッ
プの両方を実施する。このことは、少なくとも1つの生物マーカーにより実施中
の生物サンプルの異質性を解明するステップ、および解明された異質性について
選択的に富化される派生生物サンプルを作製するステップを、連続して、または
並行して行うことにより、達成することができる。
【0021】 この態様の好適な実施形態では、(i)実施中の生物サンプルの画分を回収する
ステップ、または(ii)実施中の生物サンプルを選択プロセスに付すステップのい
ずれを他方より先に行ってもよい。さらに、(i)実施中の生物サンプルの画分を
回収するステップ、または(ii)実施中の生物サンプルを選択プロセスに付すステ
ップのいずれか、あるいはその代わりにこれらのステップの両方を、1回以上繰
り返してもよい。
【0022】 この態様の1つの好適な実施形態において、このプロセスは所望の特性を有す
る実施中の核酸サンプルの画分を回収するステップを含む。
【0023】 この態様の別の好適な実施形態において、このプロセスは実施中の核酸サンプ
ルを選択プロセスに付し、その際陽性選択、あるいは陰性選択、あるいはその両
方がありうるような、ステップを含む。
【0024】 この態様の別の好適な実施形態においては、実施中の核酸サンプルの画分を回
収するステップ、および(ii)実施中の核酸サンプルを選択プロセスに付すステッ
プの両方を実施する。
【0025】 本発明の好適な実施形態では、(i)実施中の核酸サンプルの画分を回収するス
テップ、または(ii)実施中の核酸サンプルを富化時間に付すステップのいずれを
他方より先に行ってもよい。さらに、(i)実施中の核酸サンプルの画分を回収す
るステップ、または(ii)実施中の核酸サンプルを富化時間に付すステップのいず
れか、あるいはその代わりにこれらのステップの両方を、1回以上繰り返しても
よい。
【0026】 別の態様において、本発明は、複数の生物を含む生物サンプルから作製したカ
タログ化核酸ライブラリーを、以下(a)〜(c)のステップを含むプロセスによって
提供し、生物サンプルから有利に調節した核酸ライブラリーを作製する:(a)最
初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製し、(i)実施中の生物サンプルを
選択プロセスに付すことおよび(ii)少なくとも1つの所望の特性を有する実施中
の生物サンプルの画分を回収することからなる群より選択される、少なくとも1
つのステップを任意の順序で少なくとも一回行うことによって、該派生生物サン
プル中の構成成分の比例呈示量を有利に調節すること;(b)その派生生物サンプ
ルから最初の核酸サンプルを単離すること;ならびに(c)その最初の核酸サンプ
ルから派生核酸ライブラリーを作製し、(i)実施中の核酸サンプルを選択時間に
付すこと、(ii)少なくとも1つの所望の特性を有する実施中の核酸サンプルの画
分を回収すること、および(iii)実施中の核酸サンプルを核酸ライブラリーに集
合させること、からなる群より選択される、少なくとも1つのステップを任意の
順序で少なくとも一回行うことによって、該核酸ライブラリー中の構成成分の比
例呈示量を有利に調節すること。
【0027】 本発明の方法の上記態様に関して記載した様々な好ましい実施形態は、本発明
のこの態様に同様に適用できる。
【0028】用語の定義 「核酸分子」に関わる用語: 本明細書で用いる場合、「核酸分子」は、それが一本鎖であるか二本鎖である
かに各々依存して塩基または塩基対を1つ以上含む。さらに核酸分子はヌクレオ
チド含有分子の全てのグループに専らまたはキメラとして属する。ヌクレオチド
含有分子とは、限定するものではないが、以下の核酸分子のグループ:RNA、DNA
、ゲノム核酸、非ゲノム核酸、天然および非天然核酸、ならびに合成核酸、によ
り例示されるものである。これは、非限定的な例であるが、例えばミトコンドリ
ア、リボソームRNA、および天然構成成分と共に1つ以上の非天然構成成分をキ
メラとして含む核酸分子などの、全てのオルガネラに関連する核酸を包含する。
【0029】 さらに、「核酸分子」は、限定するものではないがアミノ酸および糖質により
例示される、1つ以上の非ヌクレオチドベースの構成成分を部分的に含み得る。
したがって、例であって限定するものではないが、部分的にはヌクレオチドに基
づいており部分的にはタンパク質に基づいているリボザイムは、「核酸分子」と
みなされる。
【0030】 また、例であって限定するものではないが、検出可能な部分(例えば放射性標
識あるいは非放射性標識など)によって標識された核酸分子は、同様に「核酸分
子」とみなされる。
【0031】 1つの好適な実施形態において、「特定の核酸分子種」は、限定するものでは
ないが、一次配列により例示されるその化学構造によって定義される。別の好適
な実施形態においては、特定の「核酸分子種」は、該核酸種の機能、または該核
酸種から誘導された産物の機能によって定義される。したがって、非限定的な例
に過ぎないが、「特定の核酸分子種」はそれに起因する1つ以上の活性または特
性(その発現産物に起因する活性または特性も含む)により定義される。
【0032】 「核酸ライブラリー中への実施中の核酸サンプルの集合」の本明細書中での定
義は、核酸サンプルをベクターに基づくコレクションに組み込むプロセス(例え
ばベクター中へのライゲーションおよび宿主の形質転換などによる)を含む。適
切なベクター、宿主、およびその他の試薬、並びにその非限定的な特定の実施例
についての説明は後述する。また「核酸ライブラリー中への実施中の核酸サンプ
ルの集合」の本明細書中での定義は、核酸サンプルを非ベクターに基づくコレク
ションに組み込むプロセス(例えばアダプターとの連結による)をも含む。好ま
しくは、該アダプターはPCRプライマーとアニールし、PCRによる増幅を促進する
ことができるものである。
【0033】 したがって、非限定的な実施形態において、「核酸ライブラリー」は、ベクタ
ーに基づく1つ以上の核酸分子のコレクションを包含する。異なる好適な実施形
態においては、「核酸ライブラリー」は、非ベクターに基づく核酸分子のコレク
ションを包含する。更に異なる好適な実施形態においては、「核酸ライブラリー
」は、部分的にベクターに基づき、部分的に非ベクターに基づく、核酸分子の混
成コレクションを包含する。好ましくはライブラリーを構成する分子コレクショ
ンは検索可能で、かつ各核酸分子種毎に分離可能である。
【0034】「生物」に関する用語: 本明細書で用いる場合、目的の「生物」は1つ以上の核酸の供給源である。「
生物」の由来は真核生物、あるいは非真核生物、あるいは原核生物、あるいは非
原核生物、あるいはウイルス、あるいは非ウイルスであってよく、さらに生存物
、あるいは非生存物、あるいは死んだ物に分類できる。さらに「生物」は、核酸
形態でコード化または指定され得る情報を、該情報が最初に核酸形態であるかど
うか、またそのような生物の存在が既知であるかどうかに関わらず含むとすれば
、該生物は核酸供給源とみなされる。したがって、例であって限定するものでは
ないが、プリオンなどの特定の生物は、DNAを含まないものと現在は考えられて
いる(Prusiner, 1994)。しかしこの発見単独により「生物」としての区分からそ
れらを排除することはない。
【0035】 特定の「生物種類」は、文脈により示され得るようなその生物が属する特定の
種、あるいは系統、あるいはタイプ、あるいはその他の特定のグループにより定
義される。「生物種類」は、その発生または成長の段階、ならびにその生物をそ
の他の生物とさらに差別化するその他の任意の特徴によって、さらに定義するこ
とができる。
【0036】 関連する生物の「環境」供給源は任意の天然環境を含む。さらに、関連する生
物の「環境」供給源は、任意の擬似天然環境すなわちヒトの手による影響を受け
た環境であって、より大きな天然環境の一部であるものを包含する。非限定的な
例示であるが、そのような擬似天然環境は、例えば「生物補集装置」の場合には
、生物を収集または採取するために意図的に作られるものであり得る。これに代
わる非限定的な例示としては、例えば海底の難破船、または廃棄物処分場の場合
の、そのような擬似天然環境の本来的生成は、生物の収集もしくは採取という目
的とは主に無関係であろう。
【0037】 「培養されていない」生物は、その生物を増殖させるという明白な目的のため
の実質的な培養時間を意図的に与えていないものである。しかしながら、二次的
な目的(すなわち限定するものではないが、該生物に対する診断的試験の実施、
輸送目的、および生物の純化もしくは単離により例示されるもの)のための培養
時間を与えた場合は、生物は「培養されていない」とみなす。
【0038】 「第一世代」生物は、それが培養されていないかあるいはそうでないかには関
わらず、その天然環境からサンプリングした後に本質的に複製していないままの
ものである。
【0039】 「直接環境サンプル」は、サンプルの採取後、培養していないサンプルである
【0040】本発明のプロセスおよびプロセスによる産物に関する用語: 「実施中の(working)」サンプルは、単に、それが実施中であるサンプルのこ
とを言う。したがって、例えば「実施中の」サンプルは、限定するものではない
が、処理ステップにかけられるべき生物サンプルあるいは核酸サンプルによって
例示されるものである。
【0041】 サンプルの「画分」とは、本明細書で用いる場合、該サンプルの0%を超える
が100%を上回らない部分を意味する。したがって、1つの実施形態では、サン
プルの画分は該サンプルよりもかなり小さい。しかし、極端な実施形態において
は、サンプルの「画分」は該サンプルと同一であってもよい。したがって、サン
プルの画分に含まれる構成成分の比例呈示量は、該サンプルのものと比較して、
同一であるか、あるいは類似しているか、あるいは異なっていてよい。
【0042】 「カタログ化」されたサンプルは、その含有物について特徴付けられたサンプ
ルを言う。この特徴付けは特定的であっても大まかなものであってもよい。ある
特定の実施形態では、核酸ライブラリーは供給源サンプルの説明を使用可能な場
合にカタログ化される。さらに別の特定の実施形態では、核酸ライブラリーは、
実施した処理ステップの説明を使用可能な場合にカタログ化される。したがって
、特に限定しない例示において、核酸ライブラリーは単に指定した環境土壌サン
プルに由来するものとして大まかに特徴付けてよい。あるいは、別の非限定的な
例示においては、核酸ライブラリーは特定の構成成分の標準化した呈示を有する
ものとして、より狭く特徴付けてよい。
【0043】 実施中のサンプルを「選択プロセス」に付すプロセスは、陽性選択あるいは陰
性選択あるいはその両方があり得るプロセスに関する。さらに、「選択プロセス
」はサンプルの増幅、例としては、限定するものではないが第二世代の構成成分
および生じ得る構成成分の後続世代を発生させることを含み得る。増幅され得る
関連構成成分には、限定するものではないが、生物および核酸が含まれる。
【0044】 サンプル増幅プロセスは、実施中のサンプル中の構成成分の画分を喪失または
変化させることになってもよく、あるいはならなくてもよい。このことは、第一
世代の細胞が第二世代の細胞へと分裂し、元の第一世代の細胞が失われることに
より、非限定的様式にて例示される。
【0045】 「有利に調節する」は、未調節の状態に適用した場合に望ましいかまたは有利
であるとみなされ得る全ての調節(非調節を含む)を包含する総称用語として用
いられる。したがって、有利な調節は、サンプル中の構成成分の比例呈示量およ
び存在数の両方を選択的に調節することを含み得る。例であって限定するもので
はないが、有利な調節は実施中のサンプルの画分を回収することを含み得る。さ
らに別の実施形態においては、有利な調節は、実施中のサンプルの画分を回収す
ることに加え、実施中のサンプルを少なくとも1つの処理ステップにかけること
を含み得る。
【0046】 1つの実施形態においては、生物サンプルを「有利に調節すること」は、限定
するものではないが、実施中の生物サンプルを選択プロセスにかけること、その
際以下:(1)陽性選択、(2)陰性選択、(3)選択的同定、のいずれかが単独でまた
は組合せて生じ得ることにより例示される。この後に実施中のサンプルの画分を
回収することができる。
【0047】 1つの実施形態においては、構成成分である核酸の比例呈示量を「有利に調節
すること」は、ライブラリー構成成分のコピー数および比例呈示量の両方を選択
的に調節することを含み得る。これは、以下:(1)陽性選択、(2)陰性選択、(3)
選択的同定、のいずれかを単独でまたは組合せて伴い得る。この後に実施中のサ
ンプルの画分を回収することができる。
【0048】 特に好適な実施形態において、サンプル中の構成成分の比例呈示量および/ま
たはコピー数を「有利に調節すること」は、少なくとも1つのマーカーにより該
サンプルの異質性を解明し、そして解明された異質性について選択的に富化した
派生サンプルを作製することを含む。
【0049】 「陽性選択」とは、陽性選択された標的を含んで言う。非限定的には、生物標
的の「陽性選択」の定義は、(1)生物標的の重要な部分の生存および/または増
殖を可能にすること、(2)生物標的の重要な部分の生存および/または増殖を刺
激すること、(3)生物標的の重要な部分を回収すること、および(4)派生サンプル
作製の際に実施中のサンプル中に生物標的の重要な部分を保持すること、を包含
する。
【0050】 「陰性選択」は陰性選択した標的を除外したものを言う。非限定的には、生物
標的の「陰性選択」の定義は、(1)生物標的の重要な部分の生存および/または
増殖を不可能にすること、(2)生物標的の重要な部分の生存および/または増殖
を刺激しないこと、(3)生物標的の重要な部分を標的化回収から排除すること、(
4)派生サンプル作製の際に生物の重要な部分を保持しないこと、(5)生物標的の
重要な部分を破壊すること、を包含する。
【0051】 非限定的には、核酸標的の「陽性選択」の定義は、(1)核酸標的の重要な部分
の保存を可能にすること、(2)核酸標的の重要な部分の増幅(PCRによるものを含
む)を刺激すること、(3)核酸標的の重要な部分を回収すること、および(4)派生
サンプルを作製する際に実施中のサンプル中に核酸標的の重要な部分を保持する
こと、を包含する。
【0052】 非限定的には、核酸標的の「陰性選択」の定義は、(1)核酸標的の重要な部分
の保存を可能にしないこと、(2)核酸標的の重要な部分の増幅を刺激しないこと
、(3)核酸標的の重要な部分を標的化回収から排除すること、および(4)派生サン
プル作製の際に核酸の重要な部分を保持しないこと、(5)核酸標的の重要な部分
を破壊すること、を包含する。
【0053】 サンプルを「標準化する」とは、サンプルをあるプロセスにかけて、その構成
成分の各々の比例呈示量を、結果的により比較可能(事実上区別不可能であると
しても)であるようにすることを言う。したがって、ある実施形態においては、
「標準化」は、限定するものではないが、非常に多い種に由来するクローンの重
複を減少させること、あるいはまれな種もしくは過少呈示種に由来するクローン
の比例呈示量を増加させること、あるいはその両方により、例示される。
【0054】 サンプルを「選択的に富化する」(または略して「富化する」)とは、サンプ
ルをあるプロセスに付して、少なくとも1つの構成成分または少なくとも1グル
ープの構成成分の比例呈示量を結果的に強化することを言う。
【0055】 特に好適な実施形態において、有利に調節された呈示量の構成成分を含むライ
ブラリーは、限定するものではないが、「標準化された」ライブラリー、あるい
は「選択的に富化された」ライブラリーによって例示される。したがって、有利
な調節は「獲得可能性」の増大をもたらすことを目的とする。
【0056】 ライブラリーの「獲得可能性(yield potential)」とは、一般に、該ライブラ
リーを使用して望ましい収量を生ずる可能性を言う。特定の使用条件および特定
タイプの所望の収量が、「獲得可能性」を規定する。したがって、ライブラリー
を、所望の構成成分の存在についてスクリーニングする場合、ライブラリーの「
獲得可能性」はライブラリー中のその所望の構成成分の比例呈示量と関連があり
得る。例であって限定するものではないが、該所望の構成成分が細菌由来の核酸
であるとき、その獲得可能性は、(2)細菌が極めて僅かにしか存在しない、主に
非細菌生物を含むサンプルよりも(1)細菌生物が豊富に含まれるサンプルから構
築される核酸ライブラリーのスクリーニングである場合に、より高いことが予想
される。
【0057】 さらに、ライブラリーの「獲得可能性」は、所望の構成成分の比例呈示量に関
連しない要因、例えば特定の一連の条件下での使用に対する適合性等の影響を受
け得る。例であって限定するものではないが、酵母2-ハイブリッド法を用いて、
仮定上の分子「x」を豊富に含む核酸ライブラリー中の仮定上の分子「x」につい
てスクリーニングする場合、用いるベクターの1種が必須の選択マーカーを妨げ
る挿入物を含むならば、獲得可能性はそれでもなお低いであろう。
【0058】 目的とする「典型的特徴」は、特定のサンプル構成成分を解析および/または
選択するために役立つものである。サンプル構成成分の1グループに共通する「
典型的特徴」は、該グルーピングについて「一致した典型的特徴」と呼び得る。
【0059】 例であって限定するものではないが、「典型的特徴」は、以下:分子、分子に
関連する属性、生化学的経路、生化学的経路に関連する属性、物理化学的実体、
および物理化学的実体に関連する属性、の1つ以上の実体分類の下で、非排他的
な様式で使用してよい。
【0060】 生物あるいは1グループの生物に関連した「典型的特徴」は、「生物マーカー
」と称される。さらに、生物の「典型的特徴」に関連した「検出可能なパラメー
ター」もまた、「生物マーカー」と称される。
【0061】 核酸あるいは1グループの核酸に関連した「典型的特徴」は、「核酸マーカー
」と称される。さらに、核酸の「典型的特徴」または核酸のグルーピングに関連
した「検出可能なパラメーター」もまた、「核酸マーカー」と称される。
【0062】 さらに特定の実施形態では、特定の「生物マーカー」も「核酸マーカー」であ
り得る。
【0063】 特定の実施形態では、「生物マーカー」は、限定するものではないが以下の内
の1つによって例示され得る:細胞表面マーカー、分泌可能マーカー、放出可能
マーカー、組み込み可能マーカー、細胞内マーカー、何らかの試薬により認識さ
れるマーカー(例えば、ファージまたは1以上の何らかの生物により認識される
マーカー)、核酸マーカー、オルガネラ関連マーカー、形態学的マーカー、総体
的行動上の(gross behavioral)マーカー、生化学的プロセス、またはこれらの1
つ以上の任意のものの組み合わせ。
【0064】 特定の実施形態では、「核酸マーカー」は、限定するものではないが、以下の
内の1つによって例示され得る:核酸配列、核酸の発現されたタンパク質産物、
核酸の発現されたタンパク質産物に関連する生化学的プロセス。
【0065】 目的とする検出可能な「パラメーター」は、1つ以上の典型的特徴の存在を検
出するために役立つものを包含する。例示であって限定を意味しないが、検出可
能な「パラメーター」は以下のものを含み得る:(1)1つ以上の分子の存在の指標
としての、検出可能な結合あるいはハイブリダイゼーション事象、(2)生化学的
プロセスの存在の指標としての、反応産物の検出可能な生成、(3)増殖変更性分
子の発現の指標としての、検出可能な増殖様態、(4)サンプル中の構成成分の全
体的特性の指標としての、密度勾配遠心分離特性、(5)特定の一連の増殖条件へ
の生物の適合性の指標としての、生存力応答、(6)ポリケチドの存在の指標とし
ての、例えばその他の生物に対する効果等の生物活性。
【0066】 要するに、関連した検出可能なパラメーターは、視覚、聴覚、味覚、触覚、ま
たは嗅覚により検出可能なものを含む、実験的に検出可能な任意のパラメーター
を包含する。さらに、関連した検出可能なパラメーターは、本明細書に記載した
ものであってもそうでなくてもよい任意の複数のパラメーターを組合せたものを
包含し得る。
【0067】図面の説明 図1は、実施例4に記述するように試験した種々のゲノムDNA単離物について
、全DNA含量とG+C含量の比例呈示量との相関を示すグラフである。
【0068】 図2は、本発明の好ましい態様を図式的に説明するものである。この態様は、
実施中のサンプル中の複数の成分の比例呈示量を有利に調節するステップを含む
。非限定的な例として、サンプル中の成分が1以上のパラメーターによって複数
のグループに分けられる場合の、該成分の比例呈示量を標準化するアプローチが
例示される。標準化に代わるものとして、1以上の特定のグループの比例呈示量
が選択的に調節されるように、実施中のサンプルを陽性選択、または陰性選択、
または陽性選択および陰性選択の両方にかけることができる。
【0069】 パネルAは、「連続パラメーター#1」と称する1つの連続パラメーターによ
って実施中のサンプルの異質性が解明される状況を例示する。一般に、実施中の
サンプルの成分は、潜在的に非常に多数のグループからなる複数のグループに分
けることができる。説明の目的上、2つのグループだけを図示してある。これら
の2つのグループは2つの対応する面積によって表わされる。面積のそれぞれは
、局所的なピークによって上方向に、そして連続する最下点によって水平方向に
輪郭が描かれる。図示する2つのピークは実質的に同じ高さであるが、曲線下の
対応する面積は異なっている。なぜなら、最下点が均等に配置されていないから
である。したがって、各グループの比例呈示量を有利に調節するためには、破線
の各対の内部に囲まれた有限な面積によって表現される回収限界を、標準化した
実施中のサンプルを回収するために適用することができる。
【0070】 パネルBは、「連続パラメーター#1」と称する1つの連続パラメーターによ
って実施中のサンプルの異質性が解明される状況を例示する。一般に、実施中の
サンプルの成分は、潜在的に非常に多数のグループに分けることができる。説明
の目的上、2つのグループだけを図示してある。これらの2つのグループは2つ
の対応する面積によって表わされる。面積のそれぞれは、局所的なピークによっ
て上方向に、そして連続する最下点によって水平方向に輪郭が描かれる。最下点
は実質的に均等に配置されているが、曲線下に境界を定めた面積は異なっている
。なぜなら、2つのピークは高さが違うからである。したがって、各グループの
比例呈示量を有利に調節するためには、パネルAに示すタイプの水平限界(有限
な面積を囲んでいる破線の対によって表現される)を、標準化した実施中のサン
プルを回収するために適用することができる。さらに、2つのピークは高さが異
なるので、水平方向の破線によって表現される上方回収限界を単独で、または1
以上の付加的回収限界と組み合わせて、標準化の度合いを増強するために適用す
ることができる。
【0071】 パネルCは、「連続パラメーター#1」と称する1つの連続パラメーターによ
って実施中のサンプルの異質性が解明される状況を例示する。説明の目的上、サ
ンプルが非常に多数のグループに分けられる状況が示される。曲線下の個々の面
積(それらの各々は局所的なピークによって上方向に、そして連続する最下点に
よって水平方向に輪郭が描かれている)は、各グループの比例呈示量を表現する
。例示された状況においては、曲線下に境界を定めた面積は、最下点が均等に配
置されていないため、さらに図示されたピークの高さが異なるために、異なって
いる。この種の状況においては、特に非常に多数の異なるピークが存在するとい
う理由によって、異なる比例呈示量を標準化する非限定的なアプローチに、標準
化した実施中のサンプルを得るために、水平方向の破線によって表現される1つ
の垂直回収限界を適用することを含む。
【0072】 パネルDは、「#1」および「#2」と称する個別のパラメーターが実施中の
サンプルの異質性の解明に役立つ状況を例示する。一般に、実施中のサンプルの
成分は非常に多数の個別のパラメーターによって分けることができる。説明の目
的上、2つのグループのみを図示する。これらのグループは高さの異なるバーに
よって表わされる。各グループの比例呈示量を有利に調節するため、水平方向の
破線によって表現される上方回収限界が、標準化した実施中のサンプルを回収す
るために適用される。非限定的な方法においては、個別のパラメーターは、特定
の16S rRNAプローブなどの個別マーカーへの検出可能なハイブリダイゼーション
によって具体的に示される。
【0073】 パネルEは、「連続パラメーター#1」および「連続パラメーター#2」と称す
る2つの連続パラメーターが、実施中のサンプルの異質性の解明にそれぞれ役立
つという状況を例示する。具体的には、「連続パラメーター#1」によって成分
を分けた場合と、「連続パラメーター#2」によって成分を分けた場合とでは、
異なったグループが生じる。さらに、2つのパラメーターを組み合わせて考える
ことによって、成分を新規な識別可能なグループへとさらに再グループ化するこ
とができる。説明の目的上、両方のパラメーターの二元的考慮に基づいた、これ
らの新規なグループの5つを図示する。例示された状況においては、三次元の丘
のそれぞれによって囲いこまれた体積は、各集団を表わす。各グループの比例呈
示量を有利に調節するためには、ある場合には、標準化した実施中のサンプルを
回収するために、回収限界(破線によって境界を確定した円柱の体積によって表
現される)を適用することが賢明であるかもしれない。さらに、上方回収限界(
これは図には表現されていないが、水平面として可視化することが可能である)
を単独で、または1以上の付加的回収限界と組み合わせて、完全な同等化により
近づけるために適用することができる。または、特定の標的成分を選択的に富化
するために、異なるグループに回収限界を特異的に適用してもよい。
【0074】 実験者が、各パラメーターの特性および使用するパラメーターの総数に基づい
て、役立つパラメーターのパネルを有利に選択することができることには、注目
すべきである。さらに、各パラメーターの特性はその算入に反比例する場合が一
般的である。特定の実施形態においては、組み合わせて用いた場合に相互に排他
的でない個別パラメーターのパネルを選択することが望ましいであろう。個別パ
ラメーターのパネルが実施中のサンプルの標準化に用いるために選択されている
場合、そして特にサンプルが殆ど特徴付けられていないか、または未知の成分を
含むと考えられる場合、このことは特に重要である。この場合には、過度に重複
する成分についてのみ回収を制限しながら、実施中のサンプルの異質性を最大限
に保持することが目的となるであろう。したがって、この場合には適用範囲が広
く、その結果若干相互重複がある個別パラメーターのパネルを選択することが望
ましいであろう。
【0075】 図2のパネルAからEは単に説明を目的として提供するものであって限定する
ものではない、本発明の開示にしたがってサンプルの成分を標準化するのに用い
ることができる利用可能な、および関連するアプローチの例である。さらに、図
2のパネルAからEは、本発明の開示にしたがってサンプルの特定の標的成分を
富化するのに用いることができるアプローチを非限定的な様式で説明するもので
ある。
【0076】 特に非限定的な態様としては、不均等に呈示された異質性の成分を含むサンプ
ルを、該成分の全てを包含するパラメーターによって分けることができる。標準
化サンプルのプロフィールは、水平方向の線によるよりも、むしろベル形の曲線
によって、または複峰性の分布によって表わされる。例えば、1000個の異質性分
子を含む特定のサンプルをサイズによって分けるとベル形のプロフィールを示す
ことは知られているであろう。この知識があれば、次には、同じ1000個の分子種
が不均等に呈示される異なるサンプルを標準化することが望ましいであろう。し
たがって、ベル形の回収限界が適用される有利な調節は、サイズというパラメー
ターに関して選択的に富化され、かつ1000個の分子種の呈示量に関して標準化さ
れたサンプルの形成をもたらす。
【0077】 したがって、本発明によれば、有利に調節されたサンプルを達成するために種
々のアプローチを用いて回収限界を適用することができる。さらに、本発明によ
れば、回収限界は成分の全グループに対して一様に、または異なるグループに対
して特異的に適用することができる。
【0078】発明の説明 派生生物サンプルの作製 : 本発明によれば、構築すべき核酸ライブラリーを分類する最初の方法は、生物
源サンプルを取得する場所(例えば環境源)の説明を得ることを含む。特に好ま
しい実施形態においては、核酸サンプルを実施中の生物源サンプルから単離する
前に該生物源サンプルの異質性を解明することによって核酸ライブラリーをさら
に分類することができる。別の特に好ましい実施形態においては、生物を特定の
生物マーカーによる選択プロセスにさらにかける。さらに別の特に好ましい実施
形態においては、少なくとも1つの生物マーカーによって解明される生物サンプ
ルは、解明された異質性によってさらに有利に調節される。特定の態様において
は、生物マーカーは同時に核酸マーカーとしても役立ちうる。
【0079】 本発明は、特に複数の異なる成分からなるサンプルに適用可能であり、そして
特にそれらの異なる成分がさらに異なる比例呈示量を有する場合に適用可能であ
る。図2に示すように、本発明のアプローチは、成分の異質性を識別するのに役
立ちうるパラメーターによって実施中のサンプル中の成分の異質性を解明するこ
とを含む。図2に示すように、本発明のアプローチは、実施中の複数の成分の比
例呈示量を有利に調節するために、解明された異質性に回収限界を適用すること
をさらに含む。図2に示すアプローチは、限定するものではないが例えば生物サ
ンプル中の生物および核酸サンプル中の核酸を含む、種々の関連サンプル成分に
適用することができる。
【0080】 しかし、新規な又は不完全にしか特徴づけられていない生物の面積においては
、利用できる特異性の高いマーカー(特異的表面マーカーなど)が時にはわずか
にしかない場合がある、ということが本発明には特に当てはまる。この理由によ
り、多数の非常に高い特異性を有する生物マーカーの使用に基づくアプローチは
最適な策には及ばない場合がある。すなわち、サンプル全体を解明するのに十分
な利用可能なマーカーがない場合があるということである。したがって、そのよ
うな場合には、より少数の比較的特異性の低いマーカーを包含するアプローチの
使用が優先するであろう。特定の具体例においては、サンプル構成成分の比較的
大きいグループに属する共通シグナチャー(signature)特性に基づく比較的特異
性の低いマーカー(ある種の16S rRNAプローブなど)を使用することができる。
または、サイズおよび組成(例えば、核酸の電気泳動による移動、または沈降、
または遠心特性、または相対的G+C含量)に基づく比較的特異性がさらに低いパ
ラメーターを用いることができる。
【0081】 したがって図2に示すように、本発明の主要なアプローチは、サンプルの異質
性の最大保持を可能とするマーカー、そして特に潜在的に望ましいが微量である
成分を包括するマーカーによって、サンプル中の複数の成分の異質性を解明する
プロセスを包含する。さらに、役立ちうるマーカーには過剰に豊富な成分を微量
成分から分離することを可能とするマーカーが含まれる。一般に、マーカーの包
括性が高いほど該マーカーの特異性は低くなる。したがって、本発明の特に好ま
しい態様においては、比較的少数の特異性の低い生物マーカーまたは核酸マーカ
ーによって実施中のサンプルの異質性を解明することができる。または、比較的
多数の特異性の高い生物マーカーまたは核酸マーカーによって実施中のサンプル
の異質性を解明することができる。
【0082】 本発明の特に適切な実施形態においては、生物サンプルから核酸サンプルを単
離する前に、1以上の生物マーカーによって該生物サンプルの成分が有利に調節
される。
【0083】 図2に示すように、1以上の検出可能なパラメーターを用いることによって、
サンプル成分の異質性を1以上のグループに分けることができる。さらに、図2
に示すように、各グループの比例呈示量は異なりうる。したがって、有利な調節
を実施して各グループのより望ましい比例呈示量を得ることができる。特に好ま
しい実施形態によれば、有利な調節は、1つ以上の成分グループに回収限界を適
用することによって実施中のサンプルを標準化することを含む。本発明のさらに
別の好ましい実施形態によれば、有利な調節は、1つ以上の成分グループに回収
限界を示差的に適用することによって、サンプル中の標的成分を選択的に富化す
ることを含む。
【0084】 したがって、本明細書に開示する発明の好ましい実施形態においては、生物サ
ンプルの異質性が解明される。本明細書に開示する発明の別の好ましい実施形態
においては、最初の生物サンプルから派生生物サンプルが作製される。特に好ま
しい実施形態においては、生物サンプルの異質性を解明するステップは、最初の
生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステップと組み合わせて実施され
る。別の好ましい実施形態においては、生物サンプルの異質性を解明するステッ
プは、最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステップと分離して
もよい。
【0085】 本発明の1つの実施形態によれば、実施中のサンプルの異質性を解明するステ
ップは、実施中の親サンプルの1画分の異質性を解明することを含む。この画分
は代表的な画分であってもよいし、または代表的な画分でなくてもよい。任意の
親サンプルの異質性を解明するステップは、その分析に同一の又は異なるパラメ
ーターを用いて、そして親サンプルの同一の又は異なる画分を用いて、少なくと
も1回反復することができる。分析後、分析した画分は、そこから核酸を単離す
るために結果として回収可能である場合もあるし、あるいは不可能である場合も
ある。したがって、サンプルの1画分はそれを分析にかけることによって最終的
に使い切ってしまう場合がある。
【0086】 本発明によれば、生物サンプルを分析および/または選択プロセスにかける際
に、選択が陽性であろうと陰性であろうと又は両方であろうと、適切な特異性の
程度を選択すべき関連範囲は広範である。したがって、ある場合には比較的特異
性の低いステップを用いることが好ましい。または、別の場合には、比較的特異
性の高いステップを用いることが好ましい。したがって、本発明によれば、生物
サンプルの選択プロセスの受ける特異性は有利なように変えることもできる。
【0087】派生生物サンプルの作製に役立ちうるマーカーおよび試薬 一般に、生物マーカーは、限定するものではないが下記のものの1つによって
例示することができる。すなわち、任意の組み込み可能な(incorporable)マーカ
ー、任意の試薬によって認識される任意のマーカー、任意の核酸マーカー、任意
のオルガネラ関連マーカー、任意の個別的または集合的形態学的マーカー、任意
の全体挙動マーカー、任意の生化学プロセス、または上記のうち任意の1つ以上
の組み合わせである。要約すると、役立ちうる生物マーカーには、公知のもので
あれ、まだ発見されていないものであれ、実験的に検出可能な任意のマーカーを
含めた任意の生物関連マーカーが含まれる。
【0088】適切な生物マーカーには、任意の役立ちうる表現型マーカーが含まれる : 本発明によれば、生物マーカーは、表現型マーカーおよび遺伝子型マーカーを
含む生物に関連する任意のマーカーからなることができる。さらに、表現型の発
現は通常遺伝子マーカーを用いて診断されることが理解される。同様に、遺伝子
型の発現は通常表現型マーカーを用いて診断される。したがって、核酸サンプル
中の成分の有利な調節は、核酸を単離する前にその供給源である生物を用いて実
施できることが理解される。
【0089】 非限定的な例においては、適切な表現型マーカーは生化学プロセスを含むこと
ができる。したがって、適切な表現型マーカーは比較的広範に存在する生化学プ
ロセスによって例示することができる。そのようなプロセスの非限定的な例は、
比較的広範に存在する加水分解反応であることができ、これは比較的広いスペク
トルを有する試薬を用いることによって検出可能でありうる。そのような試薬の
非限定的な例はエスクリンであり、この試薬はグラム陽性およびグラム陰性細菌
を含む比較的広範な微生物によって加水分解される。エスクリンは366 nmで蛍光
を発するが、その加水分解生成物であるエスクレチンは蛍光を発しない。したが
って、エスクリンの使用は、蛍光シグナルの消滅に基づく検出法であって、15分
程の迅速さで読み取ることができる方法(Edberg, 1976)において役立ちうる。こ
のアプローチの具体的な適用は、参照により本明細書に組み入れる米国特許第5,
096,668号に記述されている。
【0090】 場合により、適切な生物マーカーは比較的狭い範囲に存在する生化学プロセス
によって例示されうる。そのようなプロセスの非限定的な例は、比較的狭い範囲
に存在する加水分解反応であることができ、これは比較的狭いスペクトルを有す
る試薬を用いることによって検出可能でありうる。そのような試薬の非限定的な
例はある種のウンベリフェロン誘導体である。その具体例の1つは、化合物4-メ
チルウンベリフェリルガラクトシドであり、これはガラクトシダーゼを発現する
生物を検出する(Berg, 1988)。非蛍光ウンベリフェロン誘導体が標的生物によっ
て加水分解されると、蛍光ウンベリフェロンまたは4-メチルウンベリフェロン分
子が遊離し、それらは450 nmで薄い青色の蛍光を発する。したがって4-メチルウ
ンベリフェリルガラクトシドの使用は、蛍光シグナルの出現に基づく検出法にお
いて役立ちうる。このアプローチの具体的な適用は、参照により本明細書に組み
入れる米国特許第4,591,554号に記述されている。
【0091】 上記に加えて、さらなる実施形態においては、適切な生物マーカーは、任意の
役立ちうる生化学プロセス、または生化学活性、または酵素、または因子からな
ることができる。したがって、グリコシダーゼ、ホスファターゼ、エステラーゼ
、ガラクトサミニダーゼ、およびアミノペプチダーゼ活性を含むがそれらだけに
限定されない種々の酵素活性の活性を検出するために、非限定的な例として色素
原基質が利用可能であり、そして本明細書の開示にしたがって用いることができ
るということが、本発明にとって重要である。このアプローチの具体的な適用は
、参照により本明細書に組み入れる米国特許第4,874,695号に記述されている。
【0092】 さらに、非限定的な例として、役立ちうる酵素または酵素活性には1)オキシ
ドレダクターゼ、2)トランスフェラーゼ、3)ヒドロラーゼ、4)リアーゼ、
5)イソメラーゼ、6)リガーゼ、および7)核酸改変酵素(制限酵素など)か
らなる群より選択される任意の役立ちうるメンバーが含まれることが、本発明に
とって重要である(International Union of Biochemistry and Molecular Biolo
gy, 1992)。
【0093】 本発明の開示によれば、スクリーニング方法によって獲得される特異性のレベ
ルを変えることができる。したがって、非限定的な例として、ヒドロラーゼ全般
についてスクリーニングすることができる。または、非限定的な例として、ヒド
ロラーゼの特定のサブセットについてスクリーニングすることができる。すなわ
ち、ヒドロラーゼが作用する特定の種類の結合についてスクリーニングすること
によってそれは可能である。比較的特異性の低いスクリーニング法の選択は、対
応するより高い包括性を助長し、そして確実な共通特性が知られていない微量種
または普通種の喪失を回避するために特に好ましい。
【0094】適切な生物マーカーには任意の役立ちうる遺伝子型マーカーが含まれる : 本発明によれば、適切な生物マーカーは遺伝子型生物マーカーからなることも
できる。この態様の特定の実施形態においては、微生物の検出は、核酸プローブ
を生物特異的DNAにハイブリダイズさせ、検出可能な複合体を形成させることに
よって達成できる。このアプローチの具体的な適用は、参照により本明細書に組
み入れる米国特許第4,689,295号に記述されている。
【0095】 特に好ましい実施形態においては、1以上の遺伝子型マーカーを用いて生物サ
ンプル中の成分の種類と量を決定する。この実施形態の非限定的な例は、真核生
物に対する18S rRNAプローブの使用、または原核生物に対する16S rRNAプローブ
の使用である。このアプローチの具体的な適用は、参照により本明細書に組み入
れる米国特許第5,422,242号に記述されている。
【0096】 さらに、核酸ハイブリダイゼーションに基づく検出法の特異性が多数の因子に
よって変動しうることは、当技術分野で周知である。したがって、使用される特
異性の程度はハイブリダイゼーション条件(温度、塩濃度、および他の試薬を含
む)ならびにハイブリダイズするパートナーの適合性およびサイズ、などの因子
を変えることによって操作できるということが、本発明にとって重要である。
【0097】派生生物サンプルの作製に役立ちうる検出法 : 本発明によれば、生物サンプル中の特定成分を分析および選択するために多数
の検出方法を用いることができる。そして、それらの方法は当技術分野で公知で
ある。より最近になって開発されたものの中に、フローサイトメトリーに基づく
アプローチがある(Porter, 1993; Porter, 1996)。
【0098】 フローサイトメトリーの具体的な利点は、単一細胞分析および/または選別が
培養を必要とせずに実施できることである(Desmontsら, 1990)。この利点は特
に望ましい。なぜなら、本発明の開示によれば、培養の必要なしに生物を採集す
る能力によって、環境生物の完全な多様性を利用する能力が付与されるからであ
る。
【0099】 フローサイトメトリーのさらなる利点は、細胞の生存能および培養可能性を保
持しながら、細胞を回収する手段を提供することである。この付加的利点は特に
望ましい。なぜなら、本発明の開示によれば、作業用生物サンプルを選択プロセ
スにかけるステップは培養期間を含みうるからである。非限定的な例として、こ
のプロセスは特定の微量であるが培養可能な生物または生物グループを富化する
アプローチとして特に望ましい。しかし、本発明の主要な利点は、生物を培養す
る必要を回避するその能力にあることを強調しなければならない。したがって、
本発明は天然の環境から獲得された第一世代生物の完全な多様性を利用する手段
を提供する。それらの生物のうち約99%はこれまでに培養されていないと推定さ
れる。
【0100】 本発明によれば、種々の方法でフローサイトメトリーを用いることができる。
光散乱および種々の発蛍光団の混合物を用いることによって、生物の混合物をフ
ローサイトメトリー分析にかけると役立つ程度の識別および同定が達成できる(D
aveyおよびKell, 1996)。拡大しつづけるリストから新たに利用可能となった試
薬、特にモノクローナル抗体によって、フローサイトメトリーの分解能はますま
す増大しつつある。コンピュータソフトウエアの助けを含む技術の進歩もまた、
増加するパラメーターを同時に検出することが可能とするため、フローサイトメ
トリーの識別力を増強することができる。例えば、これは8パラメーター技術の
具体的な記述によって例示される(Kachel, 1990)。
【0101】 要約するならば、蛍光タグで標識した抗体、ならびに抗体に基づかない分子は
、規定された表面抗原、細胞内分子および他の生物マーカーの列挙を可能とする
(Galbraith, 1994; Troussellierら, 1993; Laplace-Builheら, 1993)。したが
って、本発明によれば、フローサイトメトリー試薬を使用することにより、混合
集団中の種々の生物を検出し、分析し、および選別するのに役立つ。
【0102】 フローサイトメトリーに加えて、他の標準的技法を本発明に用いることも可能
である。これらの技法には、顕微鏡検査および培養において確立された技法など
のような標準的な微生物学的技法が含まれる。それらのいくつかは文献に収録さ
れている(Gerhardt, 1994; Lederberg, 1992; Balowsら, 1992)。
【0103】派生生物サンプルの作製に役立ちうる検出可能な部分および標識 : 当技術分野において理解されるように、種々の検出可能な部分および標識シグ
ナルが本発明にとって重要である。これらには、視覚、聴覚、触覚、臭覚および
味覚によって検出可能なシグナルを生成する任意の部分および標識もまた含まれ
る。非限定的な例として、これらは放射性および色素原性シグナルを生成する部
分および標識を含む。さらに、非限定的な例として、これらの部分および標識は
少なくとも1つの酵素分子、同位体分子、および他の検出可能な分子からなるこ
とができる。
【0104】 1つの特定の実施形態においては、蛍光相互作用および蛍光共鳴エネルギー移
動(FRET)を用いることができる。酵素または核酸配列の存在をアッセイするため
の相互に極めて接近した蛍光タンパク質および/または蛍光分子のグループおよ
び消光分子のグループを使用することが報告されている(IPN WO 97/28261および
IPN WO 95/13399)。これらの反応の最初に、適切な発光および励起スペクトルを
有する蛍光タンパク質が蛍光エネルギー移動を示すように、物理的に極めて接近
して配置される。酵素活性の対象となる基質を2個のタンパク質の間に置くこと
によって、酵素活性の存在による基質の開裂が発光スペクトルを変化させるに十
分なだけこれらタンパク質を引き離すことができる。別のグループは、極めて接
近した蛍光タンパク質および消光分子を利用して「衝突性(collisional)消光」
特性を示す。ここでは蛍光タンパク質の蛍光は単に消光分子が接近していること
によって減少する。上記2つのグループの間でプローブ核酸配列が作製され、該
プローブ配列とサンプル中の標的とのハイブリダイゼーション現象が蛍光シグナ
ルを発するのに十分なだけ上記タンパク質を消光分子から引き離す。さらに別の
グループは、上記戦略の組み合わせを報告している。すなわち、一方の端に蛍光
タンパク質を、他方の端に消光分子を位置させた酵素基質を利用した分子を作製
するものである(EPN 0 428 000)。これらの種類のアッセイを本発明の方法に用
いて、相互作用する分子(リガンドと受容体など)の抑制または改善された会合
の結果として生ずる、または生物活性な化合物が特定分子の転写に直接及ぼす作
用の結果として生ずる、核酸産生における改変(転写活性化または抑制)および
/または酵素または他のタンパク質産生における改変(翻訳改変)を検出するこ
とができることが認められる。
【0105】 上記の方法により設計されるプローブ核酸配列を本発明に用いて、先に記述し
たように望ましいクローンのための集団を富化することも可能である。例えば、
特定のポリケチド配列を同定するようにプローブを設計し、それを用いてポリケ
チド経路をコードするクローンを富化することが可能である。したがって、本発
明のこの態様は、元の集団の複雑性を容易に減少させ、所望の経路クローンを富
化させる。次に、これらのクローンをさらに下流のスクリーニングのために用い
ることができる。例えば、これらのクローンを発現させて重要要素の構造を生成
させ、それらを次にデコレーション(decoration)のために代謝的に富んだ宿主に
導入し、そして最終的に対象とする活性についてスクリーニングすることができ
る。または、クローンを発現させて小さい分子を直接生成させ、それらを対象と
する活性についてスクリーニングすることができる。さらに、多数のプローブを
設計し、これらを用いて「多重」スクリーニングおよび/または富化を行うこと
が可能であることが認められる。本明細書に用いる「多重」スクリーニングおよ
び/または富化という用語は、所望の結果以上のものについて同時にスクリーニ
ングすることを意味する。
【0106】派生生物サンプルの作製に役立ちうるアプローチの組み合わせ : 本発明によれば、派生生物サンプルの作製は、2つ以上の技法ならびに2つ以
上の試薬の組み合わせを用いることによって達成できる。この見地における特定
の実施形態においては、最初の技法を1以上の付加的な技法と組み合わせて実施
し、生物サンプルの異質性を解明するために追加された技法の利点を同時に利用
することができる。技法をこのように組み合わせることによって、混合集団サン
プルから派生生物サンプルを作製するためにも役立つ。特定の非限定的な例にお
いては、in situポリメラーゼチェーンリアクションと組み合わせたフローサイ
トメトリーを用いることにより、比較的完全な細胞内に局在する特定の核酸配列
の直接的検出を達成することが可能となる(Porter, 1995)。この特定の技法の組
み合わせ、ならびに他の多くの組み合わせは、大きな余裕(leeway)をもって本発
明に適用することができる。なぜなら、本明細書に開示するように、プロセシン
グされた生物はもしそれらの核酸が回収可能であるならば、培養可能である必要
、または生存可能である必要はないからである。
【0107】 この見地におけるさらに別の特定の実施形態においては、最初の試薬を1以上
の付加的試薬と組み合わせて用いて、生物サンプルの異質性を解明するために追
加された試薬の利点を同時に利用することができる。試薬をこのように組み合わ
せることは、混合集団サンプルから派生生物サンプルを作製するためにも役立ち
うる。
【0108】 特定の例においては、標的微生物に特異的な二重機能培地の使用によって検出
および選択が達成される方法を用いることができる。非限定的な例としては、(
1)標的生物によって本質的に排他的に用いられる栄養素として役立ち、かつ代
謝の結果、検出可能なシグナルを提供する重要な試薬を含有する培地;および(
2)非標的生物によって使用されうる他の栄養素を全く含有しない培地を用いる
ことができる。このアプローチの具体的な適用は、参照により本明細書に組み入
れる米国特許第5,429,933号に記述されている。したがって、この種類の選択培
地を選択「栄養素インジケーター」と称することができ、そのような培地は当技
術分野で公知である。
【0109】 別の非限定的な例としては、特異的結合対象(モノクローナル抗体、たは核酸
分子など)からなるプローブを磁性ビーズに結合することができる(Haukanes, 1
993)。したがって、外部磁石を使用することにより標的生物の回収を容易にする
一方、プローブの特異性は特定の標的の認識を容易にする。
【0110】派生生物サンプルの作製に役立ちうる生物活性な作用物質 : 本発明の特定の実施形態においては、付加的に生物活性な作用物質である選択
試薬に暴露することによって生物サンプルを選択プロセスにかけることができる
。この実施形態によれば、第一世代生物がより若い世代を生み出す期間にわたっ
て作業用サンプルを培養にかけることができる。しかし、本発明の主要な利点は
、天然または擬似天然の環境から採集された生物の完全な多様性を利用し、そし
て第一世代および近第一世代生物から高産出性(high-yielding)の核酸ライブラ
リーを作製する能力である。したがって、本発明は培養可能な細胞に適用可能で
、そのような細胞にとって有利である。しかしながら、役立ちうる試薬は生物の
次世代を作製する必要なしにその作用を発揮しうる、ということが本発明の実質
的な利点である。
【0111】 特定の実施形態においては、選択プロセスはより大きい天然の環境内に擬似天
然の微小環境を作り出すことを含む。一般に、このアプローチは「選択的生物捕
獲」、「選択的生物収穫」、または「選択的生物釣り上げ」と称することができ
る。このプロセスの特定の実施形態は、天然環境中に配置した採集装置を用いて
最初の生物サンプルを採集するステップで実施される。非限定的な例として、こ
の装置は特定の栄養素または他の生物活性な試薬を含有する固相支持体からなる
ことができる。この例では、特定の栄養素は標的生物グループを陽性選択する作
用物質として役立ちうる。または、生物活性な試薬は標的生物グループを陰性選
択する作用物質、例えば抗生物質などからなることができる。したがって、採集
装置の選択性は、採集装置の環境内での生存を促進するまたは妨げるといった、
標的生物における生化学プロセスの存在に基づきうる。
【0112】 この態様によれば、種々の作用物質が当技術分野で公知であり、そして生物の
陽性および/または陰性選択に単独でまたは組み合わせの形で役立ちうる。その
ような作用物質の非限定的な例としては、レクチン、トキシン、ケモカイン、サ
イトカイン、栄養素、抗体、補体、そしてさらには他の生物が含まれる。これら
の作用物質を使用することは、当技術分野で理解されており、また限定するもの
ではないが選択された刊行物(Osawa, 1988; Norrisら, 1985)において言及され
ている例によって具体的に示されている。
【0113】 さらに、非限定的な例として、陰性選択を含む培養にサンプルを一定期間かけ
ることができる。これは、例えば種々の化学療法剤のうち任意のものを用いるこ
とによって達成することができる。非限定的な例としては、好ましい化学療法剤
は以下の非排他的カテゴリーに含まれる作用物質を含む。すなわち、抗真核生物
性作用物質、抗細菌性作用物質、抗真菌性作用物質、抗ウイルス性作用物質、お
よび他の抗微生物性作用物質である。
【0114】 さらにまた、本発明によれば、生物の検出および/または選別はファージに基
づく試験を使用することによって達成することができる(Blackburn, 1993; Sar
kis, 1995)。この種の試験の結果は、(1)標的生物と特異的に結合するファー
ジの能力、または(2)標的生物に特異的に感染するファージの能力、に依存す
るように設計することが可能である。これら2つのオプションの相違は、ファー
ジが結合しうる生物の総数の有意に小さい画分に、ファージが感染しうる生物の
数が存在するという点である。したがって、この種の試験がファージの結合に依
存するように設計された場合は、より大きい感受性がしばしば期待される。また
は、この種の試験がファージの感染に依存するように設計された場合は、より大
きい特異性がしばしば期待される。
【0115】 本発明にとって重要な試薬のさらなる例は、公知の固相支持体系と組み合わせ
たファージに基づく技法に役立ちうる試薬、他の分離試薬、およびリポーター系
を含むが、これらだけに限定されない。この態様の特定の実施形態によれば、生
物特異的ファージを用いて、例えば細菌性生物発光を標的生物または生物グルー
プに形質導入することができる。標的生物は感染すると、非感染性生物のバック
グランドに対して感染した宿主生物を同定することができる迅速な検出法によっ
て区別可能となる。この態様の別の実施形態によれば、固相に固定した生物特異
的ファージを用いて標的生物の分離および濃縮を達成することができる。この態
様のさらに別の特定の実施形態によれば、DNA、RNAおよびタンパク質を回収する
ためにバクテリオファージエンドリシンを用いて生物を検出し、溶解することが
できる(Loessner, 1995)。
【0116】 この態様のさらに別の特定の実施形態によれば、感染した宿主に例えば氷核形
成(ice-nucleation)遺伝子を形質導入する生物特異的ファージを使用することに
より、特に有用な検出法として役立つ。この方法では、結果を裸眼で見ることが
できる。このアプローチによれば、感染した生物は氷核形成産物を発現し、その
結果、感染していない生物が凍らない臨界温度範囲に曝されたときに凍る能力を
獲得する。したがって、ファージで処理した生物サンプルを凍結すると色変化を
示す試薬に暴露し、そして臨界温度範囲にさらすことにより、感染した標的生物
を非感染性生物のバックグランドに対して視覚的に同定ことができる。このアプ
ローチの具体的な適用は、参照により本明細書に組み入れる米国特許第4,784,94
3号に記述されている。この特許に基づく、サルモネラ菌を検出するためのアッ
セイキットがBINDTMという名前でIndexx Laboratories, Inc. (Westbrook ME)よ
り発売されている。
【0117】 国際ファージセット(international phage set)に含まれるものを含めて、生
物の型の決定(typing)に利用可能な生物特異的バクテリオファージの数は継続的
に増大しつつあること(Marquet-Van der Mee, 1995)、そしてこれらのファージ
は本発明に役立ちうることが理解される。
【0118】核酸の単離 : 環境サンプルから標準化された核酸ライブラリーを作製する場合に重要なステ
ップは、該サンプルからの核酸の調製である。核酸は、当技術分野で周知の種々
の技法(Trevors, 1995)を用いてサンプルから単離することができる。好ましく
は、取得される核酸はサイズの大きいもので、かつ酵素阻害剤および他の汚染物
質を含まないものである。核酸は環境サンプルから直接単離することができる(
直接溶菌)。または、核酸の回収に先立ってサンプルから細胞を採集することが
できる(細胞分離)。直接溶菌法は、細胞分離に基づくプロトコールと比してい
くつか有利な点を有する。直接溶菌アプローチは、一般に、微生物群における概
してより高い呈示量より多量の核酸を提供するが、ある場合にはサイズがより小
さく、かつ細胞分離技法よりも酵素阻害剤を含む可能性が高い。高分子量および
高純度の核酸を提供する非常に有用な直接溶菌技法が最近記述された(Barns, 19
94; Holben, 1994)。阻害剤が存在する場合は、採用することができる、細胞単
離を利用するいくつかのプロトコールが存在する(Holben, 1994)。さらに、以下
に記述するビス-ベンズイミド分離(塩化セシウム単離)のような分画技法を用
いて、核酸の純度を増大させることができる。
【0119】分画による派生核酸サンプルの作製 : 新規な、または完全に特徴付けられていない核酸の領域においては、有利に調
節された核酸サンプルの作製に利用できる高特異性マーカーが殆どない場合があ
るということは、本発明にとって特に重要である。この理由により、多数の非常
に高い特異性を有する核酸マーカーの必要を回避する別のアプローチもまた提供
される。したがって、ある場合においては、より少数の比較的特異性の低いマー
カーを使用するアプローチ、ならびにマーカーを全く必要としないアプローチが
優先するであろう。特定の具体例においては、サンプル構成成分の比較的大きい
グループに属する共通シグナチャー特性に基づく比較的特異性の低いマーカー(
ある種の16S rRNAプローブなど)を使用することができる。または、核酸のサイ
ズ、沈降または遠心特性、または相対的G+C含量、などの特異性のさらに低いパ
ラメーターを用いることができる。
【0120】 したがって、本発明の好ましい実施形態においては、核酸成分の相対的G+C含
量によって核酸サンプルの異質性が解明される。この解明は、標準化または選択
的富化などの有利な調節を達成するための派生核酸サンプルの作製を可能とする
。分画ならびに他の標準化アプローチによる核酸サンプルの標準化は、サンプル
採取された生物のプール内のマイナーな種に由来する核酸をクローン化する機会
を増大させる。本発明においては、核酸は好ましくは密度遠心分離技法を用いて
分画される。そのような技法の1例は、塩化セシウム勾配の使用を含む。好まし
くは、上記技法は核酸の領域に結合して該核酸の浮遊密度を変化させる核酸イン
ターカレーティング剤(intercalating agent)の存在下で実施される。より好ま
しくは、上記核酸インターカレーティング剤は、核酸の領域(ビス-ベンズイミ
ドの場合はAT領域など)と優先的に結合するビス-ベンズイミドなどの色素であ
る(Muller, 1975; Manuelidis, 1977)。ビス-ベンズイミドなどのインターカレ
ーティング剤と複合化した核酸が適切な塩化セシウム勾配によって分離される時
、該核酸は分画される。インターカレーティング剤がGCまたはAT領域などの核酸
領域と優先的に結合する場合、該核酸は核酸中の相対的塩基含量に基づいて分離
される。多数の生物に由来する核酸をこの方法によって分離することができる。
【0121】 核酸を分画するには、現在、密度勾配が用いられている。例えば、土壌の型決
定および生物改善(bioremediation)に用いる微生物核酸の分離のためのビス-ベ
ンズイミド密度勾配の使用が記述されている。これらの実験においては、細菌集
団がいかに影響されたかを見るため、改善処理の前後における、固定されたベン
ズイミド勾配内のA260ピークの相対的な量が評価されている。この技法は、平均
すると種のG+C含量は比較的不変である、という前提に立っている。本発明にお
いては、ゲノムの複雑な混合物を分画するためにこの技法が適用される。公表さ
れた手順にしたがってA260を測定しながら、サンプル由来の核酸を超遠心にかけ
、分画する。
【0122】 本発明の1つの態様においては、各ピークから等しいA260ユニットが除去され
、当技術分野で公知の種々のプロトコール(以下に記述するものを含む)を用い
て核酸が増幅され、そして遺伝子ライブラリーが構築される。または、各ピーク
から等しいA260ユニットが除去され、そしてこの核酸から直接遺伝子ライブラリ
ーが構築される。したがって、遺伝子ライブラリーは標準化のため各ピークに由
来する核酸の等量の組み合わせから構築される。この戦略は、未分画の全核酸サ
ンプルからライブラリーを作製したならば、ゲノムの呈示量が少ないか、または
失われてしまう可能性があるほど環境サンプルおよび富化物内に少量しか存在し
ない少数生物由来の遺伝子へのアクセスを可能とする。または、分画手順に加え
て、核酸サンプルを本明細書に記述する技法を用いて1以上の標準化手順にかけ
ることができる。次に、この分画され、標準化された核酸から核酸ライブラリー
を構築することができる。
【0123】 本発明の別の態様においては、親サンプルを選択的に富化した派生サンプルを
作製する目的で、1以上の選択されたピークからA260ユニットが除去される。い
くつかのケースにおいては、選択的に富化されたライブラリーをスクリーニング
する場合、そのように処理されていないライブラリーをスクリーニングする場合
に較べて、増大した獲得可能性が期待されることは本発明にとって特に重要であ
る。所望の収量と、それについてライブラリーを選択的に富化することができる
成分の特定画分との間に相関性が見られる場合は特に上記のことが言える。さら
に、新規な核酸が発見され、それらに関する知識が蓄積されるにつれて、この種
類の相関性は次々と確立されていくということは重要である。非限定的な態様に
おいては、分画した核酸の複数画分からなる組成を当技術分野で周知のPCR関連
分類増幅法を用いて決定できることは、本発明にとって重要である。
【0124】ハイブリダイゼーションに基づくアプローチによる派生核酸サンプルの作製: 高特異性核酸マーカーの必要性を回避する付加的アプローチは、ハイブリダイ
ゼーションに基づくアプローチの使用を含む。このアプローチにおいては、ハイ
ブリダイゼーション行動がマーカーとして役立つ。1つのアプローチにおいては
、複数のcDNA種がそれらの二本鎖形成速度論により分離される。このアプローチ
は、豊富な種は微量な種と比較してより迅速に二本鎖を形成するであろうという
見込みに基づいている。ハイブリダイゼーション速度論に基づく以前の標準化プ
ロトコールは、標準化cDNAライブラリーを構築するために設計されたものである
(WO 95/08647, WO 95/11986)。これらのプロトコールは、もともとmRNAに由来す
る微量cDNAをクローン化し、単離するために開発されたものである。本発明は、
未培養サンプルまたは環境サンプルから標準化ゲノムDNA遺伝子ライブラリーを
構築することに関する。
【0125】 関連したアプローチは、cDNA種のゲノムDNAとのハイブリダイゼーションに基
づいている。したがって、ハイブリダイズした各cDNA分子の頻度は、相手側であ
るゲノムDNA分子の頻度に比例するようになっている(Weissman, 1987)。この方
法もまた、ゲノムDNA種からなる核酸ライブラリーには効果がない。
【0126】 引用した先行技術とは対照的に、本発明はゲノムDNAライブラリーを標準化す
るために明らかに役立ちうる。さらに、引用した先行技術とは対照的に、本発明
は複数の異なる生物に由来する核酸ライブラリーの標準化に役立ちうる。したが
って、ある種のハイブリダイゼーションに基づくアプローチの使用は本発明にと
って重要である。しかし、ハイブリダイゼーションに基づくアプローチの使用に
とって代わる、またはその使用を補足するのに役立ちうる付加的技法が本明細書
に開示される。さらに、本発明は単一生物種由来のcDNAライブラリーの構築に限
定されない。むしろ、本発明は未培養サンプルまたは直接環境サンプルから標準
化され、かつ選択的に富化されたゲノムDNA遺伝子ライブラリーを作製するため
にさらに役立ちうる。
【0127】 環境サンプルから直接、または一次富化培養物から単離された核酸サンプルは
、典型的には多数の微生物に由来するゲノムを含有している。このような生物の
複雑なコミュニティーは、集団内に存在する種の絶対数によって、および該サン
プル内の各生物の相対的な量によって記述することができる。サンプル内の各生
物の全標準化(total normalization)は達成が非常に困難である。光学ピンセッ
トなどの分離技法を用いてサンプル内の形態学的に明確なメンバーを、それらが
十分大きい場合には、ピックアップすることができる。次に、代表的なメンバー
を組み合わせて標準化メンバーの形にすることができる。または、サンプル内の
各メンバーの純粋培養物を調製し、そして各純粋培養物の標準化呈示量を組み合
わせて標準化作業用サンプルを作製することができる。実際には、これを実施す
ることは、特に高処理量様式で実施することは非常に困難である。
【0128】 本発明は、環境サンプル内に存在するゲノムおよび他の核酸の完全な同等化に
到達するための標準化技法の使用を包含し、標準化された核酸から核酸ライブラ
リーを構築し、そして興味のある活性について該ライブラリーをスクリーニング
する。
【0129】 本発明の1つの態様においては、核酸をサンプルから単離して分画する。次に
、核酸の鎖を融解し、定められた条件下で選択的に再アニーリングさせる(Cotに
よって推進されるハイブリダイゼーション)。または、核酸はこの融解プロセス
に先立って分画されない。核酸断片の混合物を融解し、制御された条件下で再ア
ニーリングさせると、多量存在する配列は微量な配列よりも早くその相補鎖を見
つけ出す。場合により一本鎖核酸単離ステップを実施した後、微量配列の富化を
表わす一本鎖核酸を増幅し、遺伝子ライブラリーの作製に使用する。この方法は
微量の、または少量の核酸分子の増幅をもたらす。次に、これらの分子を用いて
ライブラリーを作製することができる。全核酸が回収される一方、核酸を最初に
含有していた生物の同一性は失われる可能性がある。この方法は「クローン化が
不可能な供給源」から核酸を回収する能力を提供する。
【0130】 上述の技法を用いて派生させた核酸サンプルを増幅し、標準化プロセスを完了
させる。例えば、KoおよびTakahashi (Ko, 1990a; Ko, 1990b; Takahashi, 1994
)によって記述されているようなPCR増幅プロトコールを用いて、またはより好ま
しくはBarnes (Barnes, 1994)またはCheng (Cheng, 1994)によって記述されてい
るようなロングPCRプロトコールを用いて、サンプルを増幅することができる。
【0131】 標準化は直接実施することができる。または、標準化プロセスに先立って、核
酸プールの複雑性を減少させるステップを設けることが可能である。そのような
複雑性の減少は、呈示量の乏しい生物から核酸を回収する際に有益でありうる。
同様に、標準化ステップの代わりに、またはこれに加えて、選択的富化を実施す
ることができる。
【0132】多様な核酸ライブラリーへの開示された有利な調節の適用 : 特に好ましいが非限定的な具体例においては、微生物から核酸ライブラリーが
構築される。使用できる微生物としては、真正細菌および古細菌などの原核微生
物、ならびに真菌、ある種の藻類および原生動物などの下等真核微生物が含まれ
る。これらの微生物は環境サンプルから得た培養微生物であっても、または未培
養微生物であってもよい。そして、そのような微生物は好熱菌、超好熱菌、好冷
菌、低温菌、などの好極限性細菌であってよい。
【0133】 上に示したように、環境サンプルからライブラリーを作製することができる。
その場合、核酸は生物を培養せずに回収することができる。または、培養生物か
ら回収することができる。
【0134】 標的核酸をそこから得る出発物質ライブラリーとしての微生物由来核酸の供給
源は、特に環境サンプル、例えば北極および南極の氷、水または永久凍土層源、
火山性起源の物質、熱帯地方の土壌または植物源由来の物質、等から得られる微
生物サンプルを含むことが考えられる。したがって、例えば、ゲノムDNAを培養
可能な又は不可能な生物から回収し、そしてそれを用いて酵素活性を測定するた
めの適切な組換え発現ライブラリーを作製することが可能である。
【0135】 細菌および多数の真核生物は、関連したプロセスに関与する遺伝子産物をもた
らす複数の遺伝子を調節するための整合された作用機構を有する。これらの遺伝
子は「遺伝子クラスター」と呼ばれる構造をとって1つの染色体上に集まってお
り、そして全クラスターの転写を開始させる1個のプロモーターを含む1つの調
節配列の制御下で一緒に転写される。遺伝子クラスター、プロモーター、および
調節に機能する付加的配列は、まとめて「オペロン」と呼ばれ、20個またはそれ
以上の遺伝子を含むことができる。通常は2〜6個の遺伝子を含む。したがって、
遺伝子クラスターとは、通常機能について同一であるか、または関連している、
隣接する遺伝子のグループである。
【0136】 いくつかの遺伝子ファミリーは同一のメンバーからなる。クラスターを形成し
た遺伝子は必ずしも同一ではないが、クラスターの形成は遺伝子間の同一性を維
持するための必要条件である。遺伝子クラスターには、隣接する関連遺伝子に重
複が生じる極端なものから、数百個の同一遺伝子がタンデムなアレイを形作って
存在するものまである。時には、特定遺伝子の反復に何ら意味が見いだせない場
合がある。この主な例は、他の哺乳動物種においては単一のインスリン遺伝子で
十分であるのに、いくつかの種において発現される2個のインスリン遺伝子であ
る。
【0137】 遺伝子クラスター、および該クラスターから生じるタンパク質の発現にどの程
度までクラスターの全長が必要であるか、をさらに研究することが重要である。
さらに、遺伝子クラスターは連続的な再編成を受ける。したがって、例えば、細
菌または他の原核生物源から遺伝子クラスターの異種ライブラリーを作製する能
力は、新規タンパク質(特に有用な活性の巨大なアレイを有するポリケチドの合
成に関与するポリケチドシンターゼなどの酵素を含む)の供給源を決定する場合
に貴重である。遺伝子クラスターの産物である他の種類のタンパク質もまた考慮
される。それらのタンパク質には、例えば、抗生物質、抗ウイルス剤、抗腫瘍剤
、およびインスリンなどの調節性タンパク質が含まれる。
【0138】 ポリケチドは、抗生物質(テトラサイクリンおよびエリスロマイシンなど)、
抗癌剤(ダウノマイシン)、免疫抑制剤(FK506およびラパマイシン)および獣
医学用製品(モネンシン、monensin)を含む、生物活性の極めて豊富な供給源で
ある分子である。多数のポリケチド(ポリケチドシンターゼによって生成される
)は治療剤として貴重である。ポリケチドシンターゼは、長さ、官能基パターン
、および環化において異なる極めて多様な炭素鎖の生合成を触媒する多機能性酵
素である。ポリケチドシンターゼ遺伝子は遺伝子クラスターに該当し、そして少
なくとも1つの型(I型と称する)のポリケチドシンターゼは大きいサイズの遺
伝子および酵素を有しており、これらの遺伝子/タンパク質の遺伝子操作および
in vitro研究を複雑にしている。
【0139】 研究用の新規なポリケチドを作製するために、ポリケチドおよびポリケチド後
(post-polyketide)生合成遺伝子のライブラリーから所望の成分を選択し組み合
わせる能力は興味深い。本発明の方法は新規なポリケチドシンターゼのクローン
化を可能とし、かつ容易にする。なぜなら、大きいインサート(特にf因子に基
づくベクターを用いる場合は)を含有するクローンを用いて遺伝子バンクを作製
することができるからである。これは遺伝子クラスターのクローン化を容易にす
る。
【0140】 好ましくは、遺伝子クラスター核酸をベクターに連結する。特に、連結された
遺伝子クラスターに由来する検出可能なタンパク質またはタンパク質関連アレイ
活性を制御し調節することができる発現調節配列をさらに含むベクターに連結す
ることが好ましい。外因性核酸導入のための例外的に大きい能力を有するベクタ
ーの使用は、そのような遺伝子クラスターと共に用いるのに特に適切であり、例
として大腸菌(E. coli)のf因子(稔性因子)を含めて本明細書に記述する。こ
の大腸菌のf因子は、接合の際それ自身の高頻度移行を果たすプラスミドであっ
て、 混合微生物サンプル由来の遺伝子クラスターなどの大きい核酸断片の導入を達成
し、それを安定に増殖させるのに理想的なプラスミドである。
【0141】ライブラリーのスクリーニング : カタログ化され、そして好ましくは有利に調節されたライブラリーを構築した
後、本明細書に記述する高処理量ロボットフォーマットを含む種々のフォーマッ
トによる様々な固相または液相スクリーニングアッセイを用いてユニークな酵素
活性を発見することができる。ライブラリーを構築するのに用いる核酸の標準化
は、本発明の方法における重大な構成要素である。標準化は、サンプル中に少量
しか呈示されないものも含めて、重要な生物に由来する核酸の呈示量を増大させ
るであろう。選択的富化は、スクリーニングを目的とするライブラリーの獲得可
能性を増大させるのさらに役立つ、標準化の特別な等価物である。
【0142】実施例 実施例1 後でDNAを抽出するための、土壌からの生物の抽出および洗浄 実施例1の抽出法は公表された方法(Holben, 1994; Rickwood, 1982)に基づく
ものであり、かつ新規な改変を含むものである。
【0143】 A)試薬 1.抽出バッファー: MgSO4 x 7H2O 2.5 g NaCl 1.25 g K2HPO4 2.5 g アスコルビン酸 0.2 M H2O 1.0 L 2.酸で洗浄したポリビニルポリピロリドン(PVPP) 300 gのPVPPを4 Lの3 M HClに加え、一晩撹拌する。
【0144】 懸濁液を数層のチーズクロス(cheese cloth,目のあらい薄地の綿布)で濾過す
る(大きいブフナー漏斗を用いる)。
【0145】 4 Lの蒸留水、4 Lの20 mMリン酸カリウムバッファー(pH 7.4)を用いて洗浄す
る。
【0146】 pHが7.0になるまでリン酸バッファーを用いて洗浄を繰り返す。
【0147】 PVPPをラボペーパー(lab paper)上に広げ、一晩空気乾燥させる。
【0148】 3.Nycodenz溶液 10 mlの蒸留水に溶解した8 gのNycodenz B)手順: 1.ブレンダージャーを用いて以下のものを混合する: 50 gの土壌 15 gの酸洗浄PVPP(ポリビニルポリピロリドン) 200 mlの抽出バッファー 2.1分間づつ3回ホモジナイズする。ホモジナイズ期間と次のホモジナイズ期
間の間に氷浴中で1分間冷却する。
【0149】 3.500 mlの試験管中で、640 gで、15分間4℃で遠心し、粒子および真核生物
を沈殿させる。
【0150】 4.上清を500 mlの遠心ボトルに入れ、氷上に維持する。
【0151】 5.新鮮な200 mlの抽出バッファーに土壌ペレットを再懸濁する。
【0152】 5.混合(Blending)を2〜4回繰り返す。
【0153】 6.集めた全ての上清を14,500 gで、500 mlの試験管中で、20分間4℃で遠心す
る。
【0154】 7.抽出バッファー中にペレットを再懸濁し、数回洗浄する。
【0155】 8.サンプルを遠心管に入れる。
【0156】 9.サンプルの下にNycodenzのクッションを置く。
【0157】 10.スイングアウト(swing-out)ローターを用いて、9,000 gで、4℃で遠心する。
土壌粒子は上記クッションを通って沈殿し、そして微生物の比較的純粋な懸濁物
が該クッションの上部に浮遊する。
【0158】 11.微生物の層をEppiチューブに移し、10分間遠心して沈殿させる。
【0159】 12.生物を2 x STEバッファー中に再懸濁し、1%の低融解アガロースと混合し、
アガロースヌードル(agarose noodle)を作製する。
【0160】実施例2 ゲノムDNAの単離 1.以下のバッファーにサンプルを直接再懸濁する: 500 mM Tris-HCl, pH 8.0 100 mM NaCl 1 mM クエン酸ナトリウム 100 □g/ml ポリアデノシン 5 mg/ml リゾチーム 2.時折撹拌しながら、37℃で1時間インキュベートする。
【0161】 3.2 mg/mlのプロテイナーゼK酵素(Boehringer Mannheim)を用いて、37℃で30
分間消化する。
【0162】 4.8 mlの溶菌バッファー[200 mM Tris-HCl, pH 8.0/100 mM NaCl/4% (wt/vol)
SDS/10% (wt/vol) 4-アミノサリチル酸]を加え、上下反転させることによって
穏やかに混合する。
【0163】 5.ドライアイス-エタノール浴中での凍結および65℃水浴中での融解を3サイク
ル実施して、核酸を放出させる。
【0164】 6.フェノールを用いて、次にフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコー
ルを用いて混合物を抽出する。
【0165】 7.4 gの酸洗浄ポリビニルポリピロリドン(PVPP)を水相に添加し、そして37℃
で30分間インキュベートして有機汚染物質を除去する。
【0166】 8.PVPPをペレット化し、上清を0.45□mの膜で濾過して残留PVPPを除去する。
【0167】 9.イソプロピルアルコールを用いて核酸を沈殿させる。
【0168】 10.500 □lのTE (10 mM Tris-HCl, pH 8.0/1.0 mM EDTA)中にペレットを再懸濁
する。
【0169】 11.0.1 gの酢酸アンモニウムを添加し、混合物を4℃で30分間遠心する。
【0170】 12.イソプロパノールを用いて核酸を沈殿させる。
【0171】実施例3 CsCl-ビス-ベンズイミド勾配 UVによる勾配の可視化: 暗室でUVハンドライトを用いることにより勾配を可視化し、またGC含量の上限
および下限を示す標準品のバンドをマークする。
【0172】 勾配の回収: 1.PharmaciaポンプLKB P1を画分コレクター(BIO-RADモデル2128)に接続する
【0173】 2.プログラムをセットする:ラック(rack)3、5滴(約100μl)、全サンプル
【0174】 3.3枚のマイクロタイターディッシュ(Costar, 96ウエル細胞培養クラスター
)を用いる。
【0175】 4.遠心管の底に黄色い針を差し込む。
【0176】 5.プログラムを開始し、勾配を回収する。最初および最後の1-2 mlは、マーカ
ーがどこに位置しているかによって回収しない。
【0177】 透析 1.マイクロ透析機使用マニュアルにしたがって、Spectra/Por CE Membrane MW
CO 25,000 を用いる。(使用前に膜を二重蒸留水で洗浄する)。
【0178】 2.マルチピペットを用いてサンプルをマイクロタイターディッシュからマイク
ロ透析機(Spectra/Por, MicroDialyzer)に移す。(透析機をTEで完全に満たし、
空気の泡を全て追い出し、新たな空気の泡を避けるため、サンプルを非常にすば
やく移す。) 3.プレートスターラー上でTEを外液として1時間透析する。
【0179】 PICOGREENを用いたDNAの推定 1.マルチピペットを用いてサンプル(透析後の容量は1.5〜2倍に増えていなけ
ればならない)をマイクロタイターディッシュに戻す。
【0180】 2.100μlのサンプルをPolytektronixプレートにうつす。
【0181】 3.100μlのPicogreen溶液 (5μl Picogreenストック溶液 + 995 μl TEバッフ
ァー)を各サンプルに添加する。
【0182】 4.WPR-プレートリーダーを使用する。
【0183】 5.DNA濃度を推定する。
【0184】実施例4 ゲノムDNAのビス-ベンズイミド分離 ウェルチ菌(Clostridium perfringens)(27% G+C)、大腸菌(Escherichia coli)
(49% G+C)およびMicrococcus lysodictium (72% G+C)由来のゲノムDNAからなる
サンプルを、塩化セシウム勾配を用いて精製した。塩化セシウム(Rf = 1.3980)
溶液を0.2□mのフィルターで濾過し、15 mlを35 mlのOptiSeal試験管(Beckman)
にロードした。DNAを加え、完全に混合した。10μgのビス-ベンズイミド(Sigma;
Hoechst 33258)を加え、完全に混合した。次に、濾過した塩化セシウム溶液で
試験管を満たし、Beckman L8-70 UltracentrifugeのVTi50ローターを用いて33,0
00 rpmで72時間遠心した。遠心後、シリンジポンプおよび分画装置(Brandel Mod
el 186)を用いて勾配を280 nmにセットしたISCO UA-5 UV吸光度検出器に通した
。上記3つの生物由来のDNAを表わす3つのピークが得られた。大腸菌ピークの10
倍希釈物に由来する、rRNAをコードするDNAを下記のプライマーを用いてPCR増幅
し、真正細菌の配列を増幅した: フォワードプライマー:(27F) 5□-AGAGTTTGATCCTGGCTCAG-3□ リバースプライマー:(1492R) 5□-GGTTACCTTGTTACGACTT-3□実施例5 宿主から物理的に分離することができない内部共生体を住まわせている二枚貝の
鰓組織から得たDNAのサンプル 1.公表されたプロトコール(Sambrook, 1989)にしたがって塩化セシウム勾配を
用いてDNAを精製した。
【0185】 2.第2の塩化セシウム溶液(Rf = 1.3980)を調製し、0.2□mのフィルターで濾
過し、15 mlを35 mlのOptiSeal試験管(Beckman)にロードした。
【0186】 3.10□gのビス-ベンズイミド (Sigma; Hoechst 33258)を加え、混合した。
【0187】 4.50□gの精製DNAを加え、完全に混合した。
【0188】 5.Beckman L8-70 UltracentrifugeのVTi50ローターを用いて33,000 rpmで72時
間遠心した。
【0189】 6.シリンジポンプおよび分画装置(Brandel Model 186)を用いて勾配を280 nm
にセットしたISCO UA-5 UV吸光度検出器に通した。
【0190】実施例6 16S rRNA分析 1.16S rRNA分析は、環境サンプルから回収されたDNAの異質性を解明するため
に(Reysenbach, 1992; DeLong, 1992; Barns, 1994)、実施例1に概略を記述し
たプロトコールにしたがって用いられる。
【0191】 2.以下のプライマーを用いて真正細菌の配列を増幅する: フォワード: 5□-AGAGTTTGATCCTGGCTCAG-3□ リバース: 5□-GGTTACCTTGTTACGACTT-3□ 以下のプライマーを用いて古細菌の配列を増幅する: フォワード: 5□-GCGGATCCGCGGCCGCTGCACAYCTGGTYGATYCTGCC-3□ リバース: 5□-GACGGGCGGTGTGTRCA-3□(R=プリン; Y=ピリミジン) 3.増幅反応は公表された通りに進行する。古細菌の配列の増幅に用いる反応バ
ッファーは、5%アセトアミドを含む(Barns, 1994)。
【0192】 4.増幅反応の生成物をPfu DNAポリメラーゼと共にインキュベートすることに
よって平滑末端化する。
【0193】 5.SrfI制限エンドヌクレアーゼの存在下で、製造者のプロトコール(Stratagen
e)にしたがってpCR-Scriptプラスミドに平滑末端連結する。
【0194】 6.標準的配列決定プロトコールを用いてサンプルを配列決定し、該サンプル中
に存在する異なる配列の数を決定する。
【0195】実施例7 標準化 実施例3および4のビス-ベンズイミドプロトコールにしたがって精製DNAを分
画し、そして回収したDNAをせん断するか、または酵素的に消化して3-6 kbの断
片にする。ローン-リンカープライマー(lone-linker primer)を連結し、DNAをサ
イズ選択する。必要であれば、サイズ選択したDNAをPCRで増幅する。次に、以下
のように標準化を実施する: 1.二本鎖DNAサンプルをハイブリダイゼーションバッファー(0.12 M NaH2PO4,
pH 6.8/0.82 M NaCl/1 mM EDTA/0.1% SDS)に再懸濁する。
【0196】 2.サンプルにミネラルオイルを重層(overlaid)し、10分間煮沸して変性させる
【0197】 3.サンプルを68℃で12-36時間インキュベートする。
【0198】 4.ヒドロキシアパタイトを60℃で用いて、標準的プロトコール(Sambrook, 198
9)にしたがって二本鎖DNAを一本鎖DNAから分離する。
【0199】 5.一本鎖DNA画分を脱塩し、PCRにより増幅する。
【0200】 6.このプロセスをさらに数ラウンド繰り返す(5ラウンドまで、またはそれ以
上)。
【0201】実施例8 cDNAライブラリーの構築 本発明によれば、環境から採集した生物に由来するcDNAライブラリーの構築を
達成できる。以下の具体例においては、環境生物はM ベント(vent)の位置(北緯
9o50.29、西経104o17.48)で深度2503 mで採集された。少なくとも2つの生物グル
ープが識別可能であった。具体的には: a. アルビネラ(Alvinella)蠕虫触手。蠕虫#19は長さが7 cmであった(サンプ
ル#145)。
【0202】 b. アルビネラ共生細菌は蠕虫#19の背中部の切片(サンプル#142)を引き剥が
した。
【0203】 1.mRNA単離キット(Pharmacia)を用いて環境生物からメッセンジャーRNA(mRNA
)を単離した。
【0204】 2.水酸化メチル水銀(II)(CH3HgOH)を用いてmRNAを処理し、二次構造を弛緩さ
せた。
【0205】 3.ランダムプライマー(PrimeIt IIキット(Stratagene)の9量体)、メチル-dC
TP,32 P-dATPを含むdNTP、およびMMLV逆転写酵素を用いて第1鎖cDNAを合成した。
【0206】 4.第1鎖反応液のメチル-dCTPを希薄化してしまう過剰のdCTPを含むdNTP、RNa
se HおよびDNAポリメラーゼIを用いて第2鎖cDNAを合成した。
【0207】 5.クローン化Pfuポリメラーゼを用いてニ本鎖cDNAを平滑末端化した。
【0208】 6.平滑末端化ニ本鎖cDNAを、9量体および13量体オリゴからなるEcoRIアダプ
ターに連結した。アニーリングすると、これらのアダプターはEcoRI付着末端を
生成した。
【0209】 7.T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて、連結したサンプルをリン酸化した。
【0210】 8.Sephacyl S-500スピンカラムを用いてcDNAをサイズ分画した。
【0211】 9.サイズ分画したcDNAを調製したLambda ZAP(登録商標) IIアーム(Stratagene
)に連結した。
【0212】 10. Gigapack(登録商標) III ラムダパッケージング抽出物を用いて上記連結反
応液をパッケージングし、XL1-Blue MRF宿主細胞(Stratagene)を用いて力価を調
べた。
【0213】実施例9 ゲノムライブラリーの構築 1.TEバッファーに溶解したゲノムDNAを、せん断された断片が所望のサイズ範
囲に入るまで、25ゲージの二重に穿孔機で型押しした(double-hubbed)注射針に
何回も通す。
【0214】 2.DNAの末端をマングビーンヌクレアーゼで「磨く」、すなわち平滑化する。
【0215】 3.標的DNA中のEcoRI制限部位をEcoRIメチラーゼで保護する。
【0216】 4.標的DNAに対してリンカーのモル比を非常に高くして、EcoRIリンカー[GGAAT
TCC]を平滑末端化/保護されたDNAに連結する。
【0217】 5.EcoRI制限エンドヌクレアーゼを用いてリンカーの端を切って短くし、そし
てショ糖勾配を用いてDNAをサイズ分画する。
【0218】 6.標的DNAを□ZAPIIベクターに連結し、in vitroラムダパッケージング抽出物
を用いてパッケージングし、そして適切な大腸菌XLI Blue宿主細胞中で増殖させ
る。
【0219】実施例10 ライブラリーのスクリーニング 実施例9にしたがって作製した発現ライブラリーのスクリーニング方法の代表
的例を以下に記述する。
【0220】 種々の化学特性を試験するための一般的手順は、本実施例で具体的に言及した
もの以外の基質にも一般に適用可能である。
【0221】活性のスクリーニング :実施例6に記述するように作製されたライブラリーのプ
レートを用いて、各ウエルに200□LのLB Amp/Meth、グリセリンを含有する1枚の
プレートに複数回接種する。このステップは、Beckman BiomekのHigh Density R
eplicating Tool (HDRT)を用いて、1%漂白剤、水、イソプロパノールを使用し、
各接種の間に空気乾燥滅菌サイクルを設けて実施する。上記1枚のプレートを37
℃で2時間増殖させ、次にこれを用いて各ウエルに250□LのLB Amp/Meth、グリセ
リンを含有する2枚の白色96ウエルDynatechマイクロタイター娘プレートに接種
する。元の1枚のプレートを37℃で18時間インキュベートし、次に-80℃で保存す
る。2枚の濃縮された娘プレートを37℃でこれも18時間インキュベートする。次
に、濃縮された娘プレートを70℃で45分間加熱して細胞を殺し、また宿主大腸菌
の酵素を不活性化する。5 mg/mlの割合でDMSOに溶解したモルホウレアフェニル
アラニル-7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(MuPheAFC, 「基質」)のスト
ック溶液を、50 mM Hepesバッファー, pH 7.5 (0.6mg/mlの界面活性剤ドデシル
マルトシドを含む)を用いて600 □Mに希釈する。
【0222】 50□Lの600□M MuPheAFC溶液を、前記Biomekを用いて、1つの100□L混合
サイクルで、白色濃縮プレートの各ウエルに添加し、基質の最終濃度を〜100□M
とする。プレート読み取り蛍光光度計を用いて、基質を添加した直後に(t=0)蛍
光値を記録する(励起 = 400 nm, 発光 = 505 nm)。プレートを70℃で100分間イ
ンキュベートし、次にさらに15分間、常温まで冷却させる。蛍光値を再度記録す
る(t=100)。t=0における数値をt=100における数値から引き算し、活性なクロー
ンが存在するかどうかを決定する。
【0223】 上記データは、特定ウエル中のクローンの1個が基質を加水分解するかどうか
を示すであろう。その活性を担持する個々のクローンを決定するため、供給源ラ
イブラリープレートを融解し、そして個々のクローンを用いて、LB Amp/Meth、
グリセリンを含有する新しい1枚のプレートに1回接種する。上記のように、プレ
ートを37℃でインキュベートして細胞を増殖させ、70℃で加熱して宿主の酵素を
不活性化し、そして前記Biomekを用いて50□Lの600□M MuPheAFCを添加する。
さらに、他の3つの基質が試験される。それらはメチルウンベリフェロンヘプタ
ノエート(methyl umbelliferone heptanoate)、CBZ-アルギニンローダミン誘導
体、およびフルオレセイン結合カゼイン(1モルのカゼインあたり3.2モルのフ
ルオレセイン)である。
【0224】
【化1】 メチルウンベリフェロンヘプタノエート (CBZ-アルギニン)2ローダミン110 上記ウンベリフェロンおよびローダミンは、50□LのHepesバッファーに溶解した
600□Mストック溶液として添加される。フルオレセイン結合カゼインもまた、ス
トック濃度20および 200 mg/mlで50□L添加される。基質の添加後、t=0における
蛍光値を記録し、プレートを70℃でインキュベートし、t=100分における蛍光値
を上記のように記録する。
【0225】 これらのデータは、どのプレートに活性なクローンが存在するかを示す。アル
ギニンローダミン誘導体もまたこの活性によって変化するが、リパーゼ基質メチ
ルウンベリフェロンヘプタノエートおよびタンパク質フルオレセイン結合カゼイ
ンは基質として機能しない。
【0226】 少なくとも下記の基質を用いて、キラルなアミノエステルを決定することがで
きる:
【化2】 変化した各基質についてエナンチオ選択性の値(E)は下記の式によって決定す
ることができる:
【数1】 ここで、eep = 加水分解された産物のエナンチオマー過剰(ee)、およびc = 反応
の変換パーセントである。WongおよびWhitesides, Enzymes in Synthetic Organ
ic Chemistry, 1994, Elsevier, Tarrytown, New York, pp. 9-12参照。
【0227】 エナンチオマー過剰は、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)またはキラ
ルな毛管電気泳動(CE)によって測定される。アッセイは以下のように実施する。
すなわち、200□Lの適切なバッファーを96ウエル白色マイクロタイタープレート
の各ウエルに添加し、次に50□Lの部分的に又は完全に精製した酵素溶液を添加
する;50□Lの基質を添加し、該基質の50%が消費されるか、または反応が停止す
るかのどちらかが先に起こるまで、蛍光の増大を経時的にモニターする。
【0228】実施例11 安定な、大きいインサートを有するピコプランクトンゲノムDNAライブラリーの
構築細胞採集およびDNAの調製 :オレゴン州ニューポートからハワイ州ホノルルに至
る海洋研究のための航海の折に採集したサンプルから、濃縮されたピコプランク
トン(picoplankton, 非常に小さい浮遊生物)を含有するアガロース凝固物(plug
)を調製した。海水(30リットル)をNiskinボトルに採集し、10□m Nitexを用い
てふるい、そして30,000MWカットオフポリフルホン(polyfulfone)フィルター を用いた中空糸濾過(Amicon DC10)によって濃縮した。濃縮された細菌
プランクトン細胞を0.22□m、47 mm Duraporeフィルターを用いて集め、そして
最終密度がmlあたり細胞約1x1010個となるように1 mlの2X STEバッファー(1M N
aCl, 0.1M EDTA, 10 mM Tris, pH 8.0)中に再懸濁した。この細胞懸濁物を1容
量の40℃に冷却した1%融解Seaplaque LMPアガロース(FMC)と混合し、次に直ちに
1 mlの注射器に吸い上げた。注射器をパラフィルムでシールし、10分間氷上に置
いた。この細胞含有アガロース凝固物を10 mlの溶菌バッファー(10 mM Tris pH 8.0, 50 mM NaCl, 0.1 M EDTA, 1%サルコシル、0.2%デオキシコース酸ナトリウ
ム、1 mg/ml リゾチーム)中に押し出し、37℃で1時間インキュベートした。次
にアガロース凝固物を40 mlのESPバッファー(1%サルコシル、1 mg/mlの割合で0
.5M EDTAに溶解したプロテイナーゼK)に移し、55℃で16時間インキュベートし
た。得られた溶液を別の容器に移し、新鮮なESPバッファーと交換し、55℃でさ
らに1時間インキュベートした。次にアガロース凝固物を50 mM EDTA中に入れ、
海洋研究航海の間、船上で4℃で保存した。
【0229】 オレゴン沿岸沖で採集したサンプルから作製したアガロース凝固物のスライス
(72□l)を、2 mlの微小遠心管内で一晩4℃で、1 mlのバッファーA(100 mM Na
Cl, 10 mM Bis Trisプロパン-HCl, 100□g/mlアセチル化BSA; pH 7.0, @25℃)
を外液として透析した。溶液を10 mM MgCl2および1 mM DTTを含有する新鮮なバ
ッファーA (250□l)と交換し、ロッキングプラットフォーム(rocking platfor
m)上で1時間室温でインキュベートした。次に、溶液を4UのSau3A1 (NEB)を含む
同一バッファー (250□l)と交換し、水浴中で37℃に平衡化し、次に37℃のイン
キュベーター内のロッキングプラットフォーム上で45分間インキュベートした。
凝固物を1.5 mlの微小遠心管に移し、68℃で30分間インキュベートして酵素を不
活性化し、またアガロースを融解した。GelaseおよびHK-ホスファターゼ(Epicen
tre)をそれぞれ用いて、製造者の推奨にしたがって、上記アガロースを消化し、
DNAを脱リン酸化した。穏やかなフェノール/クロロホルム抽出によってタンパ
ク質を除去し、そしてDNAをエタノール沈降させ、ペレット化し、次に70%エタノ
ールで洗浄した。この部分的に消化されたDNAを、pFOS1ベクターに連結するため
、2.5 ng/□lの濃度で滅菌水に再懸濁した。
【0230】 アガロース凝固物のいくつかをPCR増幅した結果は(データは記載していない
)、重大な量の古細菌DNAの存在を示した。オレゴン沿岸沖200 mの深度で採集し
た1つのサンプルから抽出したrRNAを用いた定量ハイブリダイゼーション実験は
、 この集団中のプランクトン性古細菌が全ピコプランクトンバイオマスの約4.7%を
構成することを示した。このサンプルは、参照により本明細書に組み入れるDeLo
ngら(DeLong, 1994)の表1の”PACI”-200 mに対応する。アガロース凝固物の溶
菌液を用いて実施した古細菌に片寄ったrDNAのPCR増幅の結果は、このサンプル
中に比較的大量に古細菌のDNAが存在することを確認した。このピコプランクト
ンサンプルから調製されるアガロース凝固物は、後にフォスミド(fosmid)ライブ
ラリーを作製するために選択された。この部位に由来するアガロース凝固物の各
1 mlは、約7.5 x 105個の細胞を含有していた。したがって、部分消化DNAの調製
に用いた72□lのスライス中には、5.4 x 105個の細胞が存在していた。
【0231】 Kimら(Kim, 1992)が記述するように、pFOS1からベクターアームを作製した。
すなわち、AstIIを用いて上記プラスミドを完全に消化し、HK-ホスファターゼを
用いて脱リン酸化し、次にBamHIで消化して2本のアームを作製した。各アーム
は、35-45 kbpの連結されたDNAをクローニングおよびパッケージングするのに適
切な方向でcos部位を含んでいた。部分消化ピコプランクトンDNAを、15□lの連
結反応液(各25 ngのベクターおよびインサート、および1UのT4 DNAリガーゼ(Bo
ehringer-Mannheim)を含有する)中でpFOS1アームに一晩連結した。この反応液4
μl中の連結されたDNAを、Gigapack XLパッケージング系(Stratagene)を用いてi
n vitroでパッケージングし、フォスミド粒子を大腸菌株DH10B (BRL) にトランスフェクションし、そして細胞をLBcm15プレート上に広げた。得られた
フォスミドクローンをピックアップして、7%グリセリンを補充したLBcm15を含有
する96-ウエルマイクロタイターディッシュに入れた。各々約40 kbのピコプラン
クトンDNAインサートを含有する組換えフォスミドは、約1.4 x 108塩基対のクロ
ーン化DNAを含有する、3,552個のフォスミドクローンからなるライブラリーをも
たらした。検査した全てのクローンは38から42 kbpのインサートを含んでいた。
このライブラリーは、後で分析するために-80℃で凍結して保存した。
【0232】 上記の教示にかんがみれば、本発明の多数の改変および変法が可能である。し
たがって、請求の範囲内で、具体的に記述されている以外の方法で本発明を実施
することが可能である。
【0233】参照文献: Amann RI, Ludwig W, Schleifer KH: 「微生物細胞個々の培養を行わない系統学
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normalized cDNA libraries.)」
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例4に記述するように試験した種々のゲノムDNA単離物について、全DNA含
量とG+C含量の比例呈示量との相関を示すグラフである。
【図2】 本発明の好ましい態様を図式的に説明するものである。この態様は、実施中の
サンプル中の複数の構成成分の比例呈示量を有利に調節するステップを含む。非
限定的な例として、サンプル中の構成成分が1以上のパラメーターによって複数
のグループに分けられる場合の、該成分の比例呈示量を標準化するアプローチが
例示される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の生物種類を含んでなる生物サンプルよりカタログ化核
    酸ライブラリーを作製する方法であって、 (a) 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステップであって
    、(i)実施中の生物サンプルを選択プロセスにかけるステップおよび(ii)少なく
    とも1つの所望の特性をもつ実施中の生物サンプルの画分を回収するステップか
    らなる群より選択される少なくとも1つのステップを任意の順序で少なくとも1
    回行うことによって、該派生生物サンプル中の構成成分の比例呈示量が有利に調
    節されるように作製するステップ、 (b) 該派生生物サンプルから最初の核酸サンプルを単離するステップ、 (c) 該最初の核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製するステップで
    あって、(i)実施中の核酸サンプルを選択時間にかけるステップ、(ii)少なくと
    も1つの所望の特性をもつ実施中の核酸サンプルの画分を回収するステップ、お
    よび(iii)実施中の核酸サンプルを核酸ライブラリーに集合させるステップから
    なる群より選択される少なくとも1つのステップを任意の順序で少なくとも1回
    行うことによって、該核酸ライブラリー中の構成成分の比例呈示量が有利に調節
    されるように作製するステップ を含んでなり、 核酸ライブラリーをスクリーニングするに際して、特に、潜在的に望ましい核
    酸標的の生物源サンプル中の呈示量が少ない場合、そして特に、潜在的に望まし
    い核酸標的の核酸源サンプル中の呈示量が少ない場合に、該核酸ライブラリー中
    の構成成分の比例呈示量が該ライブラリーの獲得可能性(yield potential)を増
    大させるように有利に調節されている該核酸ライブラリーを作製する手段を提供
    するものである、上記方法。
  2. 【請求項2】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステッ
    プ(a)の実行が、少なくとも1つの生物マーカーによって該最初の生物サンプル
    の異質性を解明すること、およびその解明された異質性に関して標準化された派
    生生物サンプルを作製することを含んでなる、請求項1に記載のカタログ化核酸
    ライブラリーの作製方法。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも1つの生物マーカーの少なくとも1つが、16
    S rRNAプローブおよび18S rRNAプローブからなる群より選択される、請求項2に
    記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  4. 【請求項4】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステッ
    プ(a)の実行が、少なくとも1つの生物マーカーによって該最初の生物サンプル
    の異質性を解明すること、およびその解明された異質性に関して選択的に富化さ
    れた派生生物サンプルを作製することを含んでなる、請求項1に記載のカタログ
    化核酸ライブラリーの作製方法。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも1つの生物マーカーの少なくとも1つが、16
    S rRNAプローブおよび18S rRNAプローブからなる群より選択される、請求項4に
    記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  6. 【請求項6】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステッ
    プ(a)の実行が、少なくとも2つの生物マーカーによって該最初の生物サンプル
    の異質性を解明すること、および該少なくとも2つの生物マーカーそれぞれによ
    って解明された異質性に関して有利に調節された派生生物サンプルを作製するこ
    とを含んでなる、請求項1に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  7. 【請求項7】 前記最初の核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製す
    るステップ(c)の実行が、少なくとも1つの核酸マーカーによって該最初の核酸
    サンプルの異質性を解明すること、およびその解明された異質性に関して標準化
    された派生核酸ライブラリーを作製することを含んでなる、請求項1に記載のカ
    タログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  8. 【請求項8】 前記少なくとも1つの核酸マーカーの少なくとも1つがG+C
    含量からなる、請求項7に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  9. 【請求項9】 前記最初の核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製す
    るステップ(c)の実行が、少なくとも1つの核酸マーカーによって該最初の核酸
    サンプルの異質性を解明すること、およびその解明された異質性に関して選択的
    に富化された派生核酸ライブラリーを作製することを含んでなる、請求項1に記
    載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  10. 【請求項10】 前記少なくとも1つの核酸マーカーの少なくとも1つがG+
    C含量からなる、請求項9に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  11. 【請求項11】 前記最初の核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製
    するステップ(c)の実行が、少なくとも2つの核酸マーカーによって該最初の核
    酸サンプルの異質性を解明すること、および該少なくとも2つの核酸マーカーそ
    れぞれによって解明された異質性に関して有利に調節された派生核酸ライブラリ
    ーを作製することを含んでなる、請求項1に記載のカタログ化核酸ライブラリー
    の作製方法。
  12. 【請求項12】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステ
    ップ(a)の実行が、少なくとも1つの生物マーカーによって該最初の生物サンプ
    ルの異質性を解明すること、および該最初の生物サンプルの解明された異質性に
    関して標準化された派生生物サンプルを作製することを含んでなり、前記最初の
    核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製するステップ(c)の実行が、少な
    くとも1つの核酸マーカーによって該最初の核酸サンプルの異質性を解明するこ
    と、および該最初の核酸サンプルの解明された異質性に関して標準化された派生
    核酸ライブラリーを作製することを含んでなる、請求項1に記載のカタログ化核
    酸ライブラリーの作製方法。
  13. 【請求項13】 前記少なくとも1つの生物マーカーの少なくとも1つが16
    S rRNAプローブおよび18S rRNAプローブからなる群より選択される、請求項12
    に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  14. 【請求項14】 前記少なくとも1つの核酸マーカーの少なくとも1つがG+
    C含量からなる、請求項12に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  15. 【請求項15】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステ
    ップ(a)の実行が、少なくとも1つの生物マーカーによって該最初の生物サンプ
    ルの異質性を解明すること、および該最初の生物サンプルの解明された異質性に
    関して標準化された派生生物サンプルを作製することを含んでなり、前記最初の
    核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製するステップ(c)の実行が、少な
    くとも1つの核酸マーカーによって該最初の核酸サンプルの異質性を解明するこ
    と、および該最初の核酸サンプルの解明された異質性に関して選択的に富化され
    た派生核酸ライブラリーを作製することを含んでなる、請求項1に記載のカタロ
    グ化核酸ライブラリーの作製方法。
  16. 【請求項16】 前記少なくとも1つの生物マーカーの少なくとも1つが16
    S rRNAプローブおよび18S rRNAプローブからなる群より選択される、請求項15
    に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  17. 【請求項17】 前記少なくとも1つの核酸マーカーの少なくとも1つがG+
    C含量からなる、請求項15に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  18. 【請求項18】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステ
    ップ(a)の実行が、少なくとも1つの生物マーカーによって該最初の生物サンプ
    ルの異質性を解明すること、および該最初の生物サンプルの解明された異質性に
    関して標準化された派生生物サンプルを作製することを含んでなり、前記最初の
    核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製するステップ(c)の実行が、少な
    くとも2つの核酸マーカーによって該最初の核酸サンプルの異質性を解明するこ
    と、および該少なくとも2つの核酸マーカーそれぞれによって解明された異質性
    に関して有利に調節された派生核酸ライブラリーを作製することを含んでなる、
    請求項1に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  19. 【請求項19】 前記少なくとも1つの生物マーカーの少なくとも1つが16
    S rRNAプローブおよび18S rRNAプローブからなる群より選択される、請求項18
    に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  20. 【請求項20】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステ
    ップ(a)の実行が、少なくとも1つの生物マーカーによって該最初の生物サンプ
    ルの異質性を解明すること、および該最初の生物サンプルの解明された異質性に
    関して選択的に富化された派生生物サンプルを作製することを含んでなり、前記
    最初の核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製するステップ(c)の実行が
    、少なくとも1つの核酸マーカーによって該最初の核酸サンプルの異質性を解明
    すること、および該最初の核酸サンプルの解明された異質性に関して標準化され
    た派生核酸ライブラリーを作製することを含んでなる、請求項1に記載のカタロ
    グ化核酸ライブラリーの作製方法。
  21. 【請求項21】 前記少なくとも1つの生物マーカーの少なくとも1つが16
    S rRNAプローブおよび18S rRNAプローブからなる群より選択される、請求項20
    に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  22. 【請求項22】 前記少なくとも1つの核酸マーカーの少なくとも1つがG+
    C含量からなる、請求項20に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  23. 【請求項23】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステ
    ップ(a)の実行が、少なくとも1つの生物マーカーによって該最初の生物サンプ
    ルの異質性を解明すること、および該最初の生物サンプルの解明された異質性に
    関して選択的に富化された派生生物サンプルを作製することを含んでなり、前記
    最初の核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製するステップ(c)の実行が
    、少なくとも1つの核酸マーカーによって該最初の核酸サンプルの異質性を解明
    すること、および該最初の核酸サンプルの解明された異質性に関して選択的に富
    化された派生核酸ライブラリーを作製することを含んでなる、請求項1に記載の
    カタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  24. 【請求項24】 前記少なくとも1つの生物マーカーの少なくとも1つが16
    S rRNAプローブおよび18S rRNAプローブからなる群より選択される、請求項23
    に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  25. 【請求項25】 前記少なくとも1つの核酸マーカーの少なくとも1つがG+
    C含量からなる、請求項23に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  26. 【請求項26】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステ
    ップ(a)の実行が、少なくとも1つの生物マーカーによって該最初の生物サンプ
    ルの異質性を解明すること、および該最初の生物サンプルの解明された異質性に
    関して選択的に富化された派生生物サンプルを作製することを含んでなり、前記
    最初の核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製するステップ(c)の実行が
    、少なくとも2つの核酸マーカーによって該最初の核酸サンプルの異質性を解明
    すること、および該少なくとも2つの核酸マーカーそれぞれによって解明された
    異質性に関して有利に調節された派生核酸ライブラリーを作製することを含んで
    なる、請求項1に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  27. 【請求項27】 前記少なくとも1つの生物マーカーの少なくとも1つが16
    S rRNAプローブおよび18S rRNAプローブからなる群より選択される、請求項26
    に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  28. 【請求項28】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステ
    ップ(a)の実行が、少なくとも2つの生物マーカーによって該最初の生物サンプ
    ルの異質性を解明すること、および該少なくとも2つの生物マーカーそれぞれに
    よって解明された異質性に関して有利に調節された派生生物サンプルを作製する
    ことを含んでなり、前記最初の核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製す
    るステップ(c)の実行が、少なくとも1つの核酸マーカーによって該最初の核酸
    サンプルの異質性を解明すること、および該最初の核酸サンプルの解明された異
    質性に関して標準化された派生核酸ライブラリーを作製することを含んでなる、
    請求項1に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  29. 【請求項29】 前記少なくとも1つの核酸マーカーの少なくとも1つがG+
    C含量からなる、請求項28に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  30. 【請求項30】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステ
    ップ(a)の実行が、少なくとも2つの生物マーカーによって該最初の生物サンプ
    ルの異質性を解明すること、および該少なくとも2つの生物マーカーそれぞれに
    よって解明された異質性に関して有利に調節された派生生物サンプルを作製する
    ことを含んでなり、前記最初の核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製す
    るステップ(c)の実行が、少なくとも1つの核酸マーカーによって前記最初の核
    酸サンプルの異質性を解明すること、および該最初の核酸サンプルの解明された
    異質性に関して選択的に富化された派生核酸ライブラリーを作製することを含ん
    でなる、請求項1に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  31. 【請求項31】 前記少なくとも1つの核酸マーカーの少なくとも1つがG+
    C含量からなる、請求項30に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  32. 【請求項32】 前記派生生物サンプルから核酸サンプルを単離するステッ
    プ(b)がゲノムDNAを単離することを含んでなり、前記最初の核酸サンプルから派
    生核酸ライブラリーを作製するステップ(c)が、ゲノムDNAライブラリーを、カタ
    ログ化ゲノムDNAライブラリーが作製されるように作製することを含んでなる、
    請求項1〜31のいずれか1項に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法
  33. 【請求項33】 前記派生生物サンプルから核酸サンプルを単離するステッ
    プ(b)がゲノム遺伝子クラスターDNAを単離することを含んでなり、前記最初の核
    酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製するステップ(c)が、ゲノム遺伝子
    クラスターDNAライブラリーを、カタログ化ゲノム遺伝子クラスターDNAライブラ
    リーが作製されるように作製することを含んでなる、請求項1〜31のいずれか
    1項に記載の核酸DNAライブラリーの作製方法。
  34. 【請求項34】 派生生物サンプルから核酸サンプルを単離するステップ(b
    )がRNAを単離することを含んでなり、前記最初の核酸サンプルから派生核酸ライ
    ブラリーを作製するステップ(c)が、cDNAライブラリーを、カタログ化cDNAライ
    ブラリーが作製されるように作製することを含んでなる、請求項1〜31のいず
    れか1項に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  35. 【請求項35】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステ
    ップ(a)が、本質的に直接環境生物のみからなる派生生物サンプルを、カタログ
    化核酸ライブラリーが本質的に直接環境生物のみから作製されるように作製する
    ことを含んでなる、請求項1に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  36. 【請求項36】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステ
    ップ(a)が、本質的に直接環境生物のみからなる派生生物サンプルを作製するこ
    とを含んでなり、前記派生生物サンプルから核酸サンプルを単離するステップ(b
    )がゲノムDNAを単離することを含んでなり、前記最初の核酸サンプルから派生核
    酸ライブラリーを作製するステップ(c)が、ゲノムDNAライブラリーを、カタログ
    化ゲノムDNAライブラリーが本質的に直接環境生物のみから作製されるように作
    製することを含んでなる、請求項1に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製
    方法。
  37. 【請求項37】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステ
    ップ(a)の実行が、本質的に直接環境生物のみからなる派生生物サンプルを作製
    することを含んでなり、前記派生生物サンプルから核酸サンプルを単離するステ
    ップ(b)がゲノム遺伝子クラスターDNAを単離することを含んでなり、前記最初の
    核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製するステップ(c)が、ゲノム遺伝
    子クラスターDNAライブラリーを、カタログ化ゲノム遺伝子クラスターDNAライブ
    ラリーが本質的に直接環境生物のみから作製されるように作製することを含んで
    なる、請求項1に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  38. 【請求項38】 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステ
    ップ(a)が、本質的に直接環境生物のみからなる派生生物サンプルを作製するこ
    とを含んでなり、前記派生生物サンプルから核酸サンプルを単離するステップ(b
    )がRNAを単離することを含んでなり、前記最初の核酸サンプルから派生核酸ライ
    ブラリーを作製するステップ(c)が、cDNAライブラリーを、カタログ化cDNAライ
    ブラリーが本質的に直接環境生物のみから作製されるように作製することを含ん
    でなる、請求項1に記載のカタログ化核酸ライブラリーの作製方法。
  39. 【請求項39】 複数の生物を含んでなる生物サンプルより作製したカタロ
    グ化核酸ライブラリーであって、 (a) 最初の生物サンプルから派生生物サンプルを作製するステップであって
    、(i)実施中の生物サンプルを選択プロセスにかけるステップおよび(ii)少なく
    とも1つの所望の特性をもつ実施中の生物サンプルの画分を回収するステップか
    らなる群より選択される少なくとも1つのステップを任意の順序で少なくとも1
    回行うことによって、該派生生物サンプル中の構成成分の比例呈示量が有利に調
    節されるように作製するステップ、 (b) 該派生生物サンプルから最初の核酸サンプルを単離するステップ、 (c) 該最初の核酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製するステップで
    あって、(i)実施中の核酸サンプルを選択時間にかけるステップ、(ii)少なくと
    も1つの所望の特性をもつ実施中の核酸サンプルの画分を回収するステップ、お
    よび(iii)実施中の核酸サンプルを核酸ライブラリーに集合させるステップから
    なる群より選択される少なくとも1つのステップを任意の順序で少なくとも1回
    行うことによって、該核酸ライブラリー中の構成成分の比例呈示量が有利に調節
    されるように作製するステップ を含んでなる方法により作製され、 (d) 有利に調節された該構成成分の比例呈示量を有し、且つ該ライブラリー
    をスクリーニングする際に改善された獲得可能性を有する該核酸ライブラリーが
    、特に潜在的に望ましい核酸標的の生物源サンプル中の呈示量が少ない場合、そ
    して特に潜在的に望ましい核酸標的の核酸源サンプル中の呈示量が少ない場合に
    該潜在的に望ましい核酸標的を同定するのに役立つものである、 上記カタログ化核酸ライブラリー。
  40. 【請求項40】 前記派生生物サンプルから核酸サンプルを単離するステッ
    プ(b)がゲノムDNAを単離することを含んでなり、前記最初の核酸サンプルから派
    生核酸ライブラリーを作製するステップ(c)が、ゲノムDNAライブラリーを、カタ
    ログ化ゲノムDNAライブラリーが作製されるように作製することを含んでなる、
    請求項39に記載のカタログ化核酸ライブラリー。
  41. 【請求項41】 前記派生生物サンプルから核酸サンプルを単離するステッ
    プ(b)がゲノム遺伝子クラスターDNAを単離することを含んでなり、前記最初の核
    酸サンプルから派生核酸ライブラリーを作製するステップ(c)が、ゲノム遺伝子
    クラスターDNAライブラリーを、カタログ化ゲノム遺伝子クラスターDNAライブラ
    リーが作製されるように作製することを含んでなる、請求項39に記載のカタロ
    グ化核酸ライブラリー。
  42. 【請求項42】 派生生物サンプルから核酸サンプルを単離するステップ(b
    )がRNAを単離することを含んでなり、前記最初の核酸サンプルから派生核酸ライ
    ブラリーを作製するステップ(c)が、cDNAライブラリーを、カタログ化cDNAライ
    ブラリーが作製されるように作製することを含んでなる、請求項39に記載のカ
    タログ化核酸ライブラリー。
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