JP2002516414A - 非交差型組込生成器のアンサンブルを用いる情報組込み用システム、方法および製品 - Google Patents

非交差型組込生成器のアンサンブルを用いる情報組込み用システム、方法および製品

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JP2002516414A
JP2002516414A JP2000550055A JP2000550055A JP2002516414A JP 2002516414 A JP2002516414 A JP 2002516414A JP 2000550055 A JP2000550055 A JP 2000550055A JP 2000550055 A JP2000550055 A JP 2000550055A JP 2002516414 A JP2002516414 A JP 2002516414A
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Abstract

(57)【要約】 (1)1以上の主信号を前処理して変換されたホスト信号および/または変換されたウオータマーク信号を発生し、(2)1以上のウオータマーク信号および/または変換されたウオータマーク信号をホスト信号に組込み、(2)任意に通信チャンネルに複合信号の伝送を可能にし、(3)任意に伝送された複合信号からウオータマーク信号を抽出する。組込値は組込発生器により発生された全ての組込値のうち、量子化されるべきホスト信号値に最も近い値でありうる。組込値は、組込値間のトレリス符号化の所定関係または格子量子化に基づく所定関係に基づいても良い。本方法はまた、複合信号値から第1のウオータマーク信号値を抽出して再構成されたウオータマーク信号値を形成する4つのステップを含む。本発明はまた、適用組込み動作を実現し、いくつかの実現においてはスーパー・レート量子化である。例えば、本発明は、複数の適用組込発生器を指定するアンサンブル指定器を含むシステムであり得え、各適用組込発生器は信号ウオータマーク−共に処理されたグループの1以上のウオータマークの信号値−信号成分と対応している。この実施において適用組込値発生器を含み、各適用組込値発生器により複数の適用組込値を発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願) 本願は、1998年5月21日出願の米国特許出願第09/082,632号
「非交差組込生成器のアンサンブルを用いる情報組込みのためのシステム、方法
および製品(System,Method and Product for
Information Embedding Using An Ensem
ble of Non−Intersecting Embedding Ge
nerators)」の一部継続出願である。
【0002】 (政府援助発明) 本発明は、米合衆国空軍により認可された認可番号第F49620−96−1
−0072号および米合衆国海軍により認可された認可番号第N00014−9
6−1−0903号の下になされた。合衆国政府は、本発明における一部権利を
保有している。
【0003】
【発明の属する技術分野】
発明の背景 発明の分野 本発明は、信号のウォーターマーキングのためのシステム、方法および製品に
関し、特に電子的な形態のウォーターマーキング信号を電子的形態のホスト信号
への組込むためのコンピュータ実現システム、方法および製品に関する。
【0004】関連技術 信号のウォーターマーキング、更に一般に「ステガノグラフィ(stegan
ography)」と呼ばれる分野における商業的関心が増加しつつある。この
分野を指す他の用語は、「隠し通信」、「情報隠し」、「データ隠し」および「
ディジタル・ウォーターマーキング」を含む。このような関心の多くは、電子的
に分布された材料に関する著作権の侵害の防止を含んできた。一般に、この分野
における公知のステガノグラフィ・システムの目的は、ホスト信号(例えば、顧
客に売られる特定のソフトウエア製品のコピー)にディジタル・ウォーターマー
ク信号(例えば、連続番号)を組込むことである。他の一般的なホスト信号は、
オーディオ信号、音声信号、イメージ信号およびビデオ信号を含む。多くのこの
ようなディジタル・ウォーターマーキング・システムの目的は、検出が困難であ
うように、かつホスト信号を破壊することなく除去が困難であるように、ウォー
ターマーク信号を組込むことである。他の目的は、信号の認証を与えること、あ
るいは改ざんを検出することである。
【0005】 このような公知のシステムは、しばしば、複合信号を生成するためウォーター
マーク信号をホスト信号へ組込む「コーディング」機能と、複合信号からウォー
ターマーク信号を取出そうとする「デコーディング」機能とを含む。このような
機能はまた送受信機能とも呼ばれ、複合信号が受信機に対してチャネル上に送出
されることを示している。一般に、前記複合信号はホスト信号に関して意図され
る機能に適している。すなわち、ホスト信号は、その機能を不当に混同するよう
組込みにより破壊されることがなく、あるいは適当な再構成されたホスト信号を
複合信号から得られる。
【0006】 著作権の侵害の防止はステガノグラフィ・システムにおける現在の関心の多く
の動因となったが、他の用途もまた提起された。例えば、ディジタル・ウォータ
ーマーキングは、放送局が広告契約を順守しているかの監視の自動化のためにス
ポンサによって使用されることもあり得る。このような用途においては、各コマ
ーシャルはウォーターマーク化され、放送局がコマーシャルを放送した回数と時
刻を判定するのに、このウォーターマークの自動的な検出が用いられる。別の用
途においては、ホスト信号についてのキャプションと付帯情報を組込むこともで
き、これらが適正な受信機を備える者がこの情報を受信することを可能にする。
【0007】 ステガノグラフィ・システムの実現および簡単な量子化手法に対する種々の公
知の試みについては、参考のため本文に援用される下記の文献に記載されている
。すなわち、(1)N.S.JayantおよびP.Nollの「波形のディジ
タル・コーディング:音声とビデオに対する原理および用途(Digital
Coding of Waveforms:Principles and A
pplications to Speech and Video)」(Pr
entice−Hall、1984年)、(2)I.J.Cox、J.K.Ki
llian、T.LeightonおよびT.Shamoonの「マルチメディ
アにおける安全堅固なウォーターマーク(A secure,robust w
atermark for multimedia)」(Informatio
n Hiding First International Worksho
p Proceedings、185−206ページ、1996年6月)、(3
)J.R.SmithおよびB.O.Comiskeyの「イメージにおける変
調および情報隠し(Modulation and information
hiding in images)」(Information Hidin
g.First International Workshop Proce
edings、207−226ページ、1996年6月)、(4)W.Bend
er、D.Gruhl、N.MorimotoおよびA.Luの「データ隠しの
ための手法(Techniques for data hiding)」(I
BM Systems Journal、第35巻、第3−4部、313−33
6ページ、1996年)、(5)L.Boney、A.H.Twefikおよび
K.N.Hamdyの「オーディオ信号におけるディジタル・ウォーターマーク
(Digital watermarks for auto signals
)」(Proceedings of the International
Conference on Multimedia Computing a
nd Systems1996、473−480ページ、1996年6月)、(
6)J.F.Delaigle、C.D.VleeschouwerおよびB.
Macqの「ディジタル・ウォーターマーキング(Digital water
marking)」(Proceedings of SPIE、the In
ternational Society for Optical Engi
neering、99−110ページ、1996年2)、(7)P.Daver
nおよびM.Scottの「フラクタルに基くイメージ・ステガノグラフィ(F
ractal based image steganography)」(I
nformation Hiding,First Internationa
l Workshop Proceedings、279−294ページ、19
96年6月)、(8)R.Andersonの「ステガノグラフィの諸制限の拡
張(Stretching the limits of steganogr
aphy)」(Information Hiding,First Inte
rnational Workshop Proceedings、39−48
ページ、1996年6)、(9)B.Pfitzmannの「情報隠し用語(I
nformation hiding terminology)」(Info
rmation Hiding,First International W
orkshop Proceedings、347−350ページ、1996年
6月)、および(10)G.W.Braudaway、K.A.Magerle
inおよびF.Mintzerの「目に見えるイメージ・ウォーターマークによ
る公刊イメージの保護(Protecting publicly−avail
able images with a visible image wat
ermark)」(Proceedings of SPIE、the Int
ernational Society for Optical Engin
eering、126−133ページ、1996年2月)。
【0008】 このような公知の試みのあるものは、性質において「加法型」として分類され
る(例えば、上記の文献2−6を参照)。すなわち、ウォーターマーク信号は、
ホスト信号へ加えられて複合信号を生じる。加法的な手法が用いられる多くの用
途において、ホスト信号は受信サイトでは不明である。このため、ホスト信号は
ウォーターマーク信号を取出そうとするデコーダの観点からは付加的なノイズで
ある。
【0009】 上記および他の公知手法のあるもの(例えば、上記の文献2、4、5、6およ
び7参照)は、ホスト信号により生じる付加的なノイズを減じるため、あるいは
他の目的を達成するため人間の視覚系または聴覚系の特殊な性格を調べている。
例えば、視覚的なホスト信号に関してウォーターマーク信号がホスト信号の視覚
的に有意な部分に置かれ、その結果ホスト信号を損なうことなくウォーターマー
ク信号が容易に除去されないことが示唆された。視覚的に有意な部分は、線およ
び隅部の特徴を含むある空間的な周波数および特性に対する人間の視覚系の感度
を注目することにより識別される。(上記文献2参照)このような手法は一般に
特に調べられる人間の視覚または聴覚的な特性を介在させる用途に限定されるこ
とが明らかである。
【0010】 一般に「低ビット・コーディング」または「低ビット変調」と呼ばれるウォー
ターマーキングのための1つの簡単な量子化手法については、上記の文献4に記
載されている。先に述べたように、ホスト信号の量子化バージョンの最下位ビッ
ト(単数または複数)が、組込まれるべきウォーターマーク信号のビット表示を
等化するように修正される。
【0011】 概要 本発明は、ある実施の形態において、(1)変換されたホスト信号および(ま
たは)変換ウォーターマーク信号を生じるように1つ以上の主要信号を任意に予
め処理し、(2)1つ以上のウォーターマーク信号および(または)変換された
ウォーターマーク信号をホスト信号および(または)変換された変換へ組込み、
(2)通信チャネルに複合信号を送出することを任意に可能にし、および(3)
ウォーターマーク信号を送出された複合信号から任意に取出すためのシステム、
方法および製品を含む。
【0012】 本発明は、実施の一形態において、ホスト信号をウォーターマーク信号により
ウォーターマーキングする方法である。このウォーターマーク信号は、それぞれ
が2つ以上のウォーターマーク信号値の1つを持つウォーターマーク信号成分か
らなっている。ホスト信号は、それぞれが2つ以上のホスト信号値の1つを持つ
ホスト信号成分からなっている。当該方法は、(1)1つ以上の変換されたホス
ト信号成分と1つ以上の変換されたウォーターマーク信号成分とを生成するよう
に少なくとも1つの主要信号の1つ以上の主要信号成分を予め処理し、(2)そ
れぞれが1つ以上の変換されたウォーターマーク信号成分の共に処理されたグル
ープの1つのウォーターマーク信号値に対応する2つ以上の組込生成器を生成し
、(3)合計が1つの組込生成器により生成される少なくとも1つの組込値が別
の組込生成器により生成される任意の組込値とは異なるように設定された元の組
込値と呼ばれる2つ以上の組込値を、各組込生成器に生成させ、(4)1つ以上
の選択される変換されたホスト信号成分のホスト信号値を特定の組込生成器の組
込値に設定することにより、(a)特定の組込生成器がウォーターマーク信号成
分の共に処理されたグループのウォーターマーク信号値に対応するように、(b
)特定の組込生成器の組込値が少なくとも一部においてホスト信号信号に対する
近値に基いて選択されるように、かつ(c)1つの組込生成器の少なくとも1つ
の組込み間隔が少なくとも1つの他の組込生成器の任意の組込み間隔と同じでな
いように、複合信号値を形成することを含む。実施の一形態において、特定の組
込生成器の組込値は、ホスト信号値までの距離において前記組込生成器の全ての
組込値の最近値である組込値である。
【0013】 ある実施の形態において、当該方法はまた、再構成されたウォーターマーク信
号値を形成するため複合信号値から第1のウォーターマーク信号値を取出す第4
ステップを含んでいる。ある構成において、このような第4ステップは、(a)
チャネル・ノイズを含み得る複合信号値を取得し、(b)複製組込値セットの各
組込値が複製される元の組込値セットの組込値が持つのと同じ1つのウォーター
マーク信号値に対する対応を呈するように複製組込値のセットを形成するため元
の組込値のセットを複製し、(c)複合信号値に対する近値に基く複製組込値セ
ットの組込値を選定し、(d)再構成されるウォーターマーク信号値を選定され
た組込値が対応するウォーターマーク信号値に設定するステップを含んでいる。
ある構成において、組込値の選定は、ユークリッド測定、重み付けユークリッド
測定値に関して、あるいは、例えば最小誤差確率測定または最大事後測定を含む
非ユークリッド測定による近似に基く。
【0014】 本発明はまた、適応組込み法を実現し、ある実現において、超高速の量子化を
実現する。このような実施の形態では、本発明は、ホスト信号をウォーターマー
ク信号でウォーターマークするシステムであり、このウォーターマーク信号は、
それぞれが複数のウォーターマーク信号値の1つを持つウォーターマーク信号成
分を含み、ホスト信号はそれぞれが複数のホスト信号値の1つを持つホスト信号
成分を含んでいる。当該システムは、それぞれが1つ以上のウォーターマーク信
号成分の共に処理されたグループの1つのウォーターマーク信号値に対応する複
数の適応組込生成器を示すアンサンブル指示器を含む。また、各適応組込生成器
により複数の適応組込値を生成し、各複数の組込値の全てが複数の組込みスーパ
ー・グループを含む第1の組込値セットを含み、第1の組込生成器により生成さ
れる少なくとも1つの組込値が第2の組込生成器により生成される任意の組込値
とは同じではない適応組込値生成器も含まれる。更に、1つ以上の選定されるホ
スト信号成分の少なくとも1つのホスト信号値を第3の組込生成器の第1の組込
値に設定することにより、(a)第1の組込値がホスト信号値から第1の組込み
スーパー・グループにおいて少なくとも一部が最も離れていることに基いて選定
され、(b)第1のスーパー・グループが第3の組込生成器の他の任意の組込値
よりホスト信号値にそれぞれ近い第3の組込生成器の複数の組込値を含み、(c
)第3の組込生成器が共に処理されたウォーターマーク信号成分のグループの第
1のウォーターマーク信号値に対応するように、ポイント・コーダが含まれる。
【0015】 これらの実施の形態の一部の構成においては、1つの生成器の少なくとも1つ
の組込み間隔が少なくとも1つの他の組込生成器の任意の組込み間隔とは同じで
ない。また、一部の構成においては、第1のスーパー・グループが予め選択され
た数の組込値を含む。この第1のスーパー・グループは、予め選択された数の組
込値を含む。第1のスーパー・グループはまた、それぞれが予め選択された値を
持つ予め選択された数の組込値をも含む。また、ホスト信号値は、少なくとも1
つの前に処理されたホスト信号値に基いて予測され得る。あるいはまた、第1の
スーパー・グループにおける組込値の数は、ホスト信号の少なくとも1つの他の
ホスト信号値に照らしてホスト信号値の類似値の統計的な分析に基いて適宜決定
される。この他のホスト信号値は、第1の組込値が選定される前に決定される。
【0016】 実施の一形態において、本発明は、ウォーターマーク信号でホスト信号をウォ
ーターマークするシステムである。このウォーターマーク信号は、それぞれが2
つ以上のウォーターマーク信号値の1つを持つウォーターマーク信号成分からな
っている。このホスト信号は、それぞれが2つ以上のホスト信号値の1つを持つ
ホスト信号成分からなっている。当該システムは、(1)少なくとも1つの主要
信号の1つ以上の主要信号成分について演算して1つ以上の変換成分と1つ以上
の変換ウォーターマーク信号成分とを生成する前置プロセッサと、(2)それぞ
れが1つ以上のウォーターマーク信号成分の共に処理されたグループの1つのウ
ォーターマーク信号値に対応する2つ以上の組込生成器を生成するアンサンブル
生成器と、(3)合計が元の組込値セットと呼ばれ1つの組込生成器により生成
される少なくとも1つの組込値が別の組込生成器により生成される任意の組込値
とは異なるような、2つ以上の組込値を各組込生成器が生成させる組込値生成器
と、(3)1つ以上の変換ホスト信号成分のホスト信号値を特定の組込生成器の
組込値に設定することにより、(a)特定の組込生成器が変換ウォーターマーク
信号成分の共に処理されるグループのウォーターマーク信号値を形成するように
、(b)特定の組込生成器の組込値がホスト信号値の近値に基いて選定されるよ
うに、かつ(c)1つの組込生成器の少なくとも1つの組込み間隔が少なくとも
1つの他の組込生成器の任意の組込み間隔と同じでないように複合信号値を形成
するポイント・コーダとを含んでいる。
【0017】 当該実施の形態の前置プロセッサは、少なくとも第1の主要信号成分を第1の
フォーマットへ変換し、これにより少なくとも第1の変換ホスト信号成分を生成
する第1のフォーマット変換器を含む。前置プロセッサはまた、少なくとも第2
の主要信号成分を第2のフォーマットへ変換し、これにより第1の変換ウォータ
ーマーク信号成分を生成する第2のフォーマット変換器をも含む。
【0018】 実施の一形態において、少なくとも1つの主要信号はオーディオ信号であり、
第1および第2のフォーマットはオーディオ・フォーマットである。この第1お
よび第2のフォーマットの少なくとも1つは、ディジタル・オーディオ・フォー
マットであり得る。また、第1および第2のフォーマットの1つは、アナログ・
オーディオ・フォーマットであり得る。他の構成においては、少なくとも1つの
主要信号がテレビジョンのビデオ信号であり、第1および第2のフォーマットは
テレビジョン・ビデオ信号であり、そのいずれか一方または両方がディジタルも
しくはアナログであり得る。更に他の構成においては、少なくとも1つの主要信
号の1つは補充ページング信号であり、第2の主要信号成分は補充ページング信
号の成分であり、第2のフォーマットはディジタルまたはアナログであり得るペ
ージング・フォーマットである。
【0019】 ある構成においては、前置プロセッサが、少なくとも第1の主要信号成分を第
1のフォーマットへ変換し、これにより少なくとも1つの第1のフォーマットの
変換信号成分を生成する第1のフォーマット変換器を含む。また、これら実施の
形態には、少なくとも第2の主要信号成分を第2のフォーマットへ変換し、これ
により少なくとも第1の変換ウォーターマーク信号成分を生成する第2のフォー
マット変換器と、第1のフォーマット変換器に結合されて少なくとも1つの第1
のフォーマットの変換信号成分を変換することにより少なくとも第1の変換ホス
ト信号成分を生成する第3のフォーマット変換器も含まれている。この第3のフ
ォーマット変換器は、周波数変調器、増幅変調器、ディジタル変調器、あるいは
他の種類の変調器でよい。
【0020】 更に、幾つかの構成においては、前記前置プロセッサは、少なくとも第1の主
要信号成分を変換することにより少なくとも第1の変換ホスト信号成分を生成す
る変換器を含んでいる。この変換器は、フーリエ変換器、フーリエ・メリーン変
換器、ラドン変換器でよい。上記あるいは他の実施の形態のシステムはまた、複
合信号値を持つ複合信号成分に領域変換を加える変換前プロセッサをも含んでい
る。この変換前プロセッサは、フーリエ変換、フーリエ・メリーン変換、ラドン
変換、あるいは他の種類の領域変換を行うことができる。また、当該実施の形態
の変換器は、暗号解読器、エラー訂正エンコーダ、エラー検出エンコーダ、イン
ターリーバ、あるいは他の種類の変換器でよい。
【0021】 ある構成においては、当該システムはまた、第1の組込値から第1のウォータ
ーマーク信号値を抽出する情報抽出器をも含む。この情報抽出器は、(1)複合
信号値を含む複合信号を取得するシンクロナイザと、(2)第2の組込値セット
のの各組込値が複製される第1の組込値セットの1つの組込値と同じ、1つのウ
ォーターマーク信号値に対する対応を呈する第2の組込値セットを形成するよう
に第1の組込値セットを複製するアンサンブル複製器と、(3)複合信号値に対
する近値に基いて第2の組込値セットの第2の組込値を選定し、かつ第1のウォ
ーターマーク信号値を第2の組込値が対応する複数のウォーターマーク信号値の
1つに設定するポイント・コーダとを含んでいる。
【0022】 上記構成のある特質において、シンクロナイザは、複合信号を配向するため複
合信号のエッジを検出するエッジ整合器を含む。また、このシンクロナイザは、
複合信号を整合させる手段をも含む。複合信号を整合させるこの手段は、補間カ
ーネルを具現するリサンプリング手段を含む。
【0023】 また、ある構成においては、組込生成器は、第3の組込生成器により生成され
る2つ以上の各組込値間の第1の予め決定された関係に基いて第1の複数の組込
値を生成する。これら構成のある特質において、前記第1の予め決定された関係
は、格子符号量子化に基いて予め決定される。ある特質において、この第1の予
め決定された関係は、格子量子化に基いて予め決定される。
【0024】 更に他の構成において、ホスト信号をウォーターマーク信号でウォーターマー
クするシステムであり、ウォーターマーク信号は、各々が複数のウォーターマー
ク信号値の1つを持つウォーターマーク信号成分を含み、ホスト信号は各々が複
数のホスト信号値を持つホスト信号成分を含む。当該システムは、少なくとも1
つの主要信号の1つ以上の主要信号成分と補足信号の1つ以上の補足信号成分と
について演算して1つ以上の変換ホスト信号成分を生成する前置プロセッサを含
んでいる。また、当該システムに含まれているのは、各々が1つ以上のウォータ
ーマーク信号成分の共に処理されたグループの1つのウォーターマーク信号値に
対応する複数の組込生成器を指定するアンサンブル指定器である。当該システム
の別の要素は、各組込生成器により複数の組込値を生成し、各複数の組込値の合
計が第1の組込値セットを含む組込値生成器であり、これにおいては、第1の組
込生成器により生成される少なくとも1つの組込値が第2の組込生成器により生
成される任意の組込値と同じでない。更に、当該システムは、1つ以上の選定さ
れる変換ホスト信号成分の少なくとも1つのホスト信号値を第3の組込生成器の
第1の組込値に設定し、これにより、(a)第3の組込生成器が共に処理される
ウォーターマーク信号成分のグループの第1のウォーターマーク信号値に対応す
るように、(b)第1の組込値が少なくとも1つのホスト信号値に対して少なく
とも部分的に近値に基いて選定されるように、かつ(c)1つの組込生成器の少
なくとも1つの組込み間隔が少なくとも1つの他の組込生成器の任意の組込み間
隔と同じでないように、複合信号値を形成するポイント・コーダを含んでいる。
1つの構成において、前置プロセッサは、少なくとも1つの補足信号成分を少な
くとも1つの主要信号成分へ組込み少なくとも1つの変換ホスト信号成分を生成
する周知の組込器を含んでいる。更に、本発明は、組込みの少なくとも1つが、
(a)1つ以上の従来の組込み手法および(または)(b)本発明の組込み手法
の他の事例と関連して、本発明の組込み手法を用いて実現される種々の多重組込
み手法を含む。
【0025】 本発明については、添付図面を参照すれば、以降の詳細な記述から更に明瞭に
理解されよう。図面においては、同じ参照番号が類似の構造または方法のステッ
プを示し、参照番号の最も左の1つまたは2つの数字が参照される要素が最初に
現われる図の番号を示しており(例えば、要素456は最初に図4に現われ、要
素1002は最初に図10に現われる)、実線は制御の流れを全体的に示し、点
線はデータのフローを示す。 詳細な記述 本発明の属性およびその基本となる方法およびアーキテクチャについては、情
報組込器および抽出器200で示される本発明の実施の一形態に関して次に詳細
に記述する。組込器/抽出器200は、ウォーターマーク信号102をホスト信
号101へ組込んで複合信号103を生成し、チャネル・ノイズ104を含み得
る通信チャネル115により複合信号103を伝送することを任意に可能にし、
再構成されたウォーターマーク信号106を伝送された複合信号から任意に抽出
する。
【0026】 以下は、組込器/抽出器200の機能、要素および処理の記述において特定の
意味で用いられる用語の注釈である。このような用語のあるものは、以下におい
て更に詳細に定義される。当該注釈は、必ずしも完全ではなく、すなわち、他の
用語が以下において明示的あるいは黙示的に定義されることがある。
【0027】 「通信チャネル」は情報を転送するための媒体、方法あるいは他の手法を意味
し、別の媒体への情報の転送あるいは記憶装置その他の使用を含む。このように
、用語「通信チャネル」は、本発明の本文の記述において、他の文脈で典型的に
用いられるより広く適用される。例えば、本文に用いられるような「通信チャネ
ル」は、電磁的、光学的あるいは音響的な変換媒体、フロッピ・ディスクその他
の記憶装置の人手あるいは機械的な移動、記憶装置に対する/からの直接あるい
はネットワークを介する信号の供給または取得、および信号の提供、格納あるい
は取得のための印刷、走査、記録あるいは再生などのプロセスの使用を含み得る
。信号の処理は、通信チャネルにおいて生じる。すなわち、組込みコンピュータ
・システムから「伝送」される信号は、抽出コンピュータ・システムにより「受
信」される前に色々な公知の信号処理手法により処理される。例えば、オーディ
オ信号は、周波数変調、あるいは将来開発される手法のような種々の公知手法に
より変調される。用語「伝送」は、本文においては、複合信号を提供するための
任意の手法を意味し、用語「受信」は本文において伝送された複合信号を取得す
るための任意の手法を意味するように広く用いられる。
【0028】 「複合信号」は、ホスト信号、およびホスト信号に組込まれるウォーターマー
ク信号を含む信号である。 「ウォーターマーク信号の構成要素の共に処理されたグループ」は、1つ以上
のホスト信号要素に一緒に組込まれるウォーターマーク信号の構成要素を意味し
、このホスト信号の要素はこのように共に処理された構成要素のグループの組込
みに用いられ、ウォーターマーク信号の他の要素は組込まれない。例えば、ウォ
ーターマーク信号は4ビットからなり、その最初の2ビットはホスト信号イメー
ジの任意の数のピクセルに一緒に組込まれ(共に処理され)、その残りの2ビッ
トはホスト信号イメージの任意の数のピクセルに一緒に組込まれる(共に処理さ
れる)。
【0029】 「ディザ処理された量子化値」は、ディザ処理された量子化器により生成され
る値を意味する。ディザ処理される量子化値は、スカラ値またはベクトル値であ
る。
【0030】 「ディザ処理された量子化器」は、1つ以上の一義的にマップされ、ディザ処
理された量子化値を生成する形式の組込生成器を意味する。更に、2つ以上のデ
ィザ処理された量子化器のアンサンブルの任意の1つにより生成された各ディザ
処理量子化値は、アンサンブルの他の各ディザ処理量子化器により生成される対
応ディザ処理量子化値とはオフセット値だけ異なる(すなわち、ずれている)。
これらのディザ処理量子化値もまた非交差である。
【0031】 「組込生成器のアンサンブル」は、それぞれがウォーターマーク信号の構成要
素の共に処理されたグループの潜在的なウォーターマーク信号値の1つのみに対
応する2つ以上の組込生成器を意味する。
【0032】 「組込生成器」は、組込値を生成しあるいは記述するリスト、記述、テーブル
、フォーミュラ、その他の生成器または記述子を意味する。組込生成器の一例は
、ディザ処理された量子化器である。
【0033】 特定の組込生成器に対する特定の組込値に対する「組込み間隔」は、組込生成
器が複合信号値として組込値を選択するホスト信号値のセットである。 「組込値」は、組込生成器により生成、記述、あるいは他の方法で規定され、
あるいは表示された(以下においては、単に「生成」という)値を意味する。組
込値は、スカラ値またはベクトル値である。
【0034】 「ホスト信号」は、ウォーターマーク信号が組込まれるべき信号を意味する。
1つの事例において、ホスト信号はそれぞれがグレースケール値を持つ256×
256(=65,536)個のピクセルを持つ黒白イメージである。
【0035】 「ホスト信号成分」は、ホスト信号のディジタル、ディザ処理後、あるいはア
ナログの基本的構成要素を意味する。例えば、「ホスト信号」の定義に関して述
べた事例では、1つのホスト信号要素はホスト信号画像の65,536個のピク
セルの1つである。
【0036】 「ホスト信号値」は、1つのホスト信号要素の値を意味し、例えば、事例のホ
スト信号画像の65,536個のピクセルの1つのグレースケール値を意味する
。ホスト信号値は、スカラ値またはベクトル値である。ベクトル値に関しては、
ホスト信号値は、例えば、イメージの1つ以上のピクセルのRGB(赤、緑およ
び青)値を表わす長さを持つベクトルである。ホスト信号構成要素の他の種類の
値は、色、例示のグレースケール以外の強さの測定値、組織、振幅、位相、周波
数、実数、整数、虚数、テキスト文字コード、ホスト信号のリニアまたは非リニ
ア表示におけるパラメータ、などを含む。
【0037】 「ノイズ」は、ノイズの供給源または性質のいかんに拘わらず、信号に混入さ
れる歪みまたは劣化を意味する。ノイズ源の幾つかの事例は、損失のある圧縮(
例えば、ディジタル表示情報に用いられるビット数の低減)、リサンプリング、
アンダーサンプリング、オーバーサンプリング、フォーマットの変更、不完全な
コピー動作、再スキャンニング、再記録動作、あるいは信号の付加的な組合わせ
のような処理技術、伝送損または歪みのような通信チャネルにおける不完全によ
るチャネル・ノイズ、幾何学的歪み、ひずみ変形、干渉、あるいはチャネルに混
入する異質な信号、および信号の検出、除去、変更、損壊における意図的あるい
は偶発的な操作、あるいはなんらかの影響を含む。このように、用語「ノイズ」
は本発明の記述においては他の文脈で典型的に使用されるよりも更に広く適用さ
れる。
【0038】 「非交差組込生成器のアンサンブル」は、非交差組込値を生成する組込生成器
のアンサンブルを意味する。非交差組込生成器のアンサンブルの実施の一形態は
、非交差ディザ処理された量子化器のアンサンブルである。
【0039】 「非交差組込値」は、組込生成器の任意のアンサンブルにより生成された2つ
以上の組込値が同じでないことを意味する。非交差組込値の実施の一形態は、デ
ィザ処理された量子化器により生成された非交差ディザ処理量子化値である。
【0040】 「信号」は、制限のない事例として、動画フィルムまたはスチール・フィルム
、例えば高画質テレビジョンを含む動画またはスチール・ビデオ、プリント媒体
、テキストおよび拡大テキスト文字、投影媒体、グラフィックス、オーディオ、
周波数変調オーディオなどの変調オーディオ、ページング信号、ソナー、レーダ
、X線、MRIその他の医療用イメージ、データベース、データ、識別番号、数
値、および(または)シーケンス、および例えば解読バージョンを含む昔のコー
ド化または変換バージョンを含む任意の形態におけるアナログおよび(または)
ディジタル情報を意味する。更なる事例として、信号は、スペクトル形態、時間
的形態あるいは空間的形態を含む任意の形態をとり得る。これらの形態は、連続
的である必要はない。例えば、連続的な波形ではなく、信号はスパイクの振幅お
よび(または)その間の間隔が情報を含む一連のスパイクであり得、あるいは信
号は、点の処理であり得る。
【0041】 「伝送」は、情報組込みシステムから通信チャネルを介して情報抽出システム
へ信号(典型的に、複合信号)が転送されることを可能にすることを意味する。 「一義的にマップされるディザ処理量子化値」は、ディザ処理された量子化器
である組込生成器により生成される一義的にマップされた組込値の一例である。
【0042】 「一義的にマップされた組込値」は、各組込生成器がウォーターマーク信号の
共に処理されたグループの構成要素のいずれかの1つのみのウォーターマーク信
号値い対応すること、およびこのような組込生成器により生成される組込値のい
ずれもこのような組込生成器により生成された他の任意の組込値と同じでないこ
とを意味する。
【0043】 「ウォーターマーク信号」は、ホスト信号に組込まれる信号を意味する。例え
ば、8ビットの識別番号は、256×256個の画素の画像例のようなホスト信
号に組込まれるウォーターマーク信号である。上記の「信号」の定義により示さ
れるように、ウォーターマーク信号が識別番号またはマークである必要がなく、
なんらかの形式の信号であることが理解されよう。このように、用語「ウォータ
ーマーク」は、一般に識別マークを指す他の用途におけるよりも広い意味で用い
られる。また、ウォーターマーク信号は2進数、あるいは他のディジタル信号で
ある必要はない。これは、アナログ信号、あるいはディジタルとアナログの混成
信号でもよい。ウォーターマーク信号はまた、エラー訂正、圧縮、変換、あるい
は暗号解読のような他の信号処理の対象でもあった。ウォーターマーク信号はま
た、ホスト信号に基いて全体的あるいは部分的に決定することもできる。このよ
うな依存性は、例えば、ディジタル署名がホスト信号から得られかつこれに組込
まれるときのように、また抽出されたディジタル署名がホスト信号から同様に得
られる署名に対比されるときのように、ウォーターマーキングが信号の認証を行
う用途において生じる。
【0044】 「ウォーターマーク信号の構成要素」は、ウォーターマーク信号のディジタル
、ディジタル化あるいはアナログの基本的要素を意味する。例えば、ウォーター
マーク信号が8ビットの識別番号である事例においては、1つのウォーターマー
ク信号の構成要素は8ビットの内の1ビットである。
【0045】 「ウォーターマーク信号値」は、ウォーターマーク信号構成要素の2つ以上の
潜在値またはウォーターマーク信号構成要素の共に処理されたグループのセット
の1つを意味する。すなわち、このような値は、スカラ値またはベクトル値であ
る。例えば、ウォーターマーク信号値は、8ビットのウォーターマーク識別信号
の1ビットの値「0」または「1」か、あるいはこのような信号の共に処理され
た2ビットの値「00」、「01」、「10」または「11」のいずれかを含む
。ベクトル値に関しては、ウォーターマーク信号値は、例えば、ウォーターマー
ク信号の1つ以上の構成要素のRGB値を表わす長さを持つベクトルである。他
の種類のウォーターマーク信号の構成要素は、色、強さ、組織、振幅、位相、周
波数、実数、他の整数、虚数、テキスト文字コード、ウォーターマーク信号のリ
ニアまたは非リニア表示のパラメータ、などを含む。ウォーターマーク信号構成
要素は2つ以上の潜在的なウォーターマーク信号値を持つが、このような構成要
素の値が特定用途において変化する必要がないことが理解されよう。例えば、8
ビットのウォーターマーク識別信号例の最初のビットは、一般に、あるいは常に
、特定用途において「0」に設定される。
【0046】 組込器/抽出器200は、情報組込器201と情報抽出器202とを含む。情
報組込器201は、組込値を生じる組込生成器のアンサンブルを生成し、この各
組込生成器はウォーターマーク信号の構成要素の共に処理されたグループのあり
得る値に対応する。図示した実施の形態においては、組込生成器がディザ処理さ
れた量子化器であり、このため組込値はディザ処理された量子化値である。情報
組込器201はまた、ホスト信号の選定された値をあるディザ処理された量子化
値へ変更し、これにより複合信号を生成する。このようなディザ処理された量子
化値は、組込まれるべきウォーターマーク信号の部分の値に対応するディザ処理
された量子化器のアンサンブルの特定のディザ処理された量子化器により生成さ
れる量子化値である。複合信号は、通信チャネル上で伝送のため送信機へ与えら
れる。ある実施の形態においては、情報組込器201がホスト信号の選定される
値を変更するディザ処理された量子化値はホスト信号に最も近い値となり、これ
により1つ以上の歪み基準を満たす。
【0047】 便宜上「上位の」実施の形態と呼ばれる他の実施の形態において、ウォーター
マーク信号の構成要素の共に処理されたグループの第1の値を組込むために情報
組込器201がホスト信号の選定値を変更するディザ処理された量子化値の第1
のスーパー・グループの構成値は、ウォーターマーク信号の構成要素の共に処理
されたグループの第2の値を組込むために情報組込器201がホスト信号の選定
値を変更するディザ処理された量子化値の対応する第2のスーパー・グループの
構成値から最も離れる値である。第1および第2のスーパー・グループは、対応
するホスト信号値に最も近いスーパー・グループの各アンサンブルであるグルー
プである。また、相互に最も離れた対応する第1および第2のスーパー・グルー
プの構成値を選定することにより、上位の実施の形態もまた1つ以上の信頼性基
準を満たす。以下に更に詳細に述べるように、上位の量子化は、本文において「
適合組込み」と呼ばれるものの1つの構成である。適合組込み手法は、組込みプ
ロセスの履歴に基いて少なくとも部分的に組込値が生成あるいは選定される手法
である。すなわち、ホスト信号の観察された挙動は、将来の挙動を予測するため
に用いられ、このような予測される将来の挙動は少なくとも部分的に組込値を変
更し、補充しあるいは置換するために用いられる。
【0048】 情報抽出器202は、チャネル・ノイズおよびなんらかの他のノイズを含む受
信された複合信号を受信する。情報抽出器202は、このような複合信号の特定
部分の位置を決定できるようにこの複合信号を同期させる。情報抽出器202は
また、組込生成器のアンサンブルと情報組込器201が生成した組込値の複製も
行う。このような複製は、受信信号の一部を調べることにより実施の一形態にお
いて達成される。代替的な実施の形態においては、量子化器の指定装置に含まれ
る情報が情報抽出器202から帰納的に得られる。図示された実施の形態の複製
された組込生成器はディザ処理された量子化器であり、組込値がディザ処理され
た量子化値である。更に、ウォーターマーク信号の構成要素の共に処理された各
グループごとに、情報抽出器202が、ホスト信号の選定された構成要素の受信
値に最も近いディザ処理された量子化値を決定し、これによりウォーターマーク
信号を再構成する。
【0049】 組込器/抽出器200は、送信機、通信チャネルおよび受信機によりリンクさ
れた2つのコンピュータ・システムにおいて実現される実施の形態である。1つ
のコンピュータ・システムがウォーターマークの組込みに関して用いられ、他方
はウォーターマークの抽出に関して用いられる。図示された実施の形態において
は、組込器/抽出器がソフトウエア、ファームウエアおよび(または)ハードウ
エアで実現される。しかし、他の多くの実施の形態も可能であることが理解され
よう。例えば、組込みおよび抽出の両機能が同じコンピュータ・システムにおい
て実施され、あるいはこのような機能のいずれかの一方または両方がコンピュー
タ・システムを使用することなくハードウエアで実現される。また、抽出機能で
はなく組込み機能がある実施の形態で実施され、その逆も真であることも理解さ
れよう。通信チャネルは、一部の実施の形態においては実質的でない。
【0050】 このような詳細な記述においては、先に述べたようにソフトウエア、ハードウ
エア、ファームウエアあるいはその任意の組合わせにおいてコンピュータ・シス
テムにおいて実現される組込器/抽出器200の種々の機能モジュールを参照す
る。例示の便宜のため、このような機能モジュールは、ソフトウエア構成に関し
て全般的に記述される。従って、このような参照は、典型的に先に述べた機能を
実施させるソフトウエア命令セットを含むものと理解されよう。同様に、ソフト
ウエア構成においては、組込器/抽出器200は全体として「組込器/抽出器の
命令セット」と呼ばれる。
【0051】 当業者には、図示されたソフトウエア構成の組込器/抽出器200に帰属され
る機能、あるいはソフトウエア、ハードウエア、ファームウエア、あるいはその
任意の組合わせのいずれかで実現されるその任意の機能モジュールが典型的に特
殊目的のマイクロプロセッサまたはディジタル信号プロセッサのようなプロセッ
サにより、あるいはコンピュータ・システムの中央処理装置(CPU)により実
施されることが理解されよう。その後、ソフトウエア、ハードウエア、ファーム
ウエアまたはその任意の組合わせのいずれかであれ、このようなプロセッサと本
発明のマイクロプロセッサとの間のこのような共働の事実は繰返せずあるいは更
に記述せずとも示唆されるものと理解されよう。更に、オペレーティング・シス
テムの共働機能は、存在するとしても、関連技術の当業者には周知のものとして
明瞭にするために省略する。 コンピュータ・システム110 図1は、組込器/抽出器200の実施の形態が関連して実現される2つのコン
ピュータ・システム110Aおよび110B(全体的かつ総合的にコンピュータ
・システム110と呼ばれる)の実施の形態の簡略ブロック図である。図示され
た実施の形態において、情報組込器201がコンピュータ・システム110A(
便宜上組込みコンピュータ・システムと呼ばれたようなコンピュータ・システム
)を用いて実現され、情報抽出器202はコンピュータ・システム110B(便
宜上抽出コンピュータ・システムと呼ばれる)を用いて実現される。代替的な実
施の形態においては、情報組込器201と情報抽出器202の一方または両方が
特殊目的のマイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ、あるいは他の形式
のプロセッサにおいて実現される。図示された実施の形態においては、組込みコ
ンピュータ・システム110Aが、受信機125により受信されるように通信チ
ャネル115上に信号を送信する送信機120に接続される。抽出コンピュータ
・システム110Bは、受信機125に接続される。このように、コンピュータ
・システム110は、送信機120と通信チャネル115と受信機125とによ
って接続されている。代替的な実施の形態においては、送信機120と通信チャ
ネルとは、組込みコンピュータ・システム110Aを多くの抽出コンピュータ・
システムに接続している。例えば、このような通信チャネルは、ネットワークあ
るいはテレビジョンまたはラジオ送信のため用いられる電磁波の一部であり、任
意数のコンピュータ・システムが送信、受信あるいはその両方のためチャネルに
接続される。
【0052】 明らかなように、用語「通信チャネル」は、本文では広く用いられ、フロッピ
・ディスク、紙上の図形イメージまたは電子的形態、他の任意の記憶装置または
媒体、などに情報を供給しあるいはこれから取得することを含む。これまた明ら
かなように、通信チャネルに関する情報の授受は様々な公知の形態の信号処理を
含んでいる。
【0053】 図示の目的のため、チャネル・ノイズ104として記号的に表わされた任意の
種類のノイズが図示の実施の形態の通信チャネル115へ導入されるものと仮定
する。チャネル・ノイズ104またはその特質もまたコンピュータ・システム1
10A、110Bの一方または両方において実現されあるいはこれを共働して働
く処理機能(図示せず)によって導入されることが理解されよう。図2は、組込
器/抽出器200を含むコンピュータ・システム110の図示の実施の形態の簡
略機能ブロック図である。
【0054】 コンピュータ・システム110の各々は、現在あるいは以後に開発されるパー
ソナル・コンピュータ、ネットワーク・サーバ、ワークステーション、あるいは
他のコンピュータ・プラトフォームを含んでいる。コンピュータ・システム11
0もまた、あるいは代替的に、組込器/抽出器200の機能を支援し実行するた
め特に設計され構成された諸装置を含み、従って汎用コンピュータである必要は
ない。コンピュータ・システム110Aとコンピュータ・システム110Bの各
々は、プロセッサ205A、205B、オペレーティング・システム220A、
220B、メモリ230A、230B、メモリ記憶装置250A、250B、お
よび入出力装置260A、260Bのような公知の構成要素をそれぞれ含む。こ
のような構成要素は、一般にかつ総合的にプロセッサ205、オペレーティング
・システム220、メモリ230、メモリ記憶装置250、および入出力装置2
60と呼ばれる。関連技術における当業者には、コンピュータ・システム110
の構成要素の多くの可能な形態が存在すること、および典型的にコンピュータ・
システム110に含まれるビデオ・カード、データ・バックアップ装置、信号処
理カードまたは装置、並列プロセッサ、コプロセッサおよび他の多くの装置のよ
うな一部の構成要素が図示されないことが理解されよう。
【0055】 関連技術における当業者には、信号の送受に関して典型的に用いられる他の公
知装置またはモジュールがコンピュータ・システム110に含まれるが図示の実
施の形態には示されないことも理解されよう。あるいはまた、または更に、この
ような公知装置のあるものは、一部の図面において送信機120、受信機125
および変調器355B、355C(本文では全体的かつ総合的に変調器355と
呼ばれる)として略図的に示されたように、コンピュータ・システム110と接
続された個々のハードウエアである。このような装置またはモジュールの他の事
例は、他の種類の変調器および復調器、スイッチ、マルチプレクサ、電磁信号、
光信号、音響信号その他の信号の送信機、またはこのような信号の受信機を含ん
でいる。このような送信または受信装置は、コーディング/デコーディング、エ
ラー検出/補正、暗号化/解読、他の処理、またはその任意の組合わせを含む任
意の種類のアナログ信号、ディジタル信号または混合信号の処理を用いる。この
ような装置は、振幅変調または周波数変調、あるいは非符号パルス振幅変調(P
AM)、直角振幅変調(QAM)、または移相キーイング(PSK)、コード化
PAM、QAMまたはブロック・コードまたは畳み込みコードを用いるPSK、
これらの任意の組合わせのような色々な形式のディジタル変調のような種々の公
知の変調その他の手法または処理、あるいは将来開発される手法またはプロセス
を用いる。
【0056】 また、コンピュータ・システム110と接続された別個の装置として図示され
る実施の形態に示されるある装置またはモジュールは、代替的な実施の形態では
コンピュータ・システム110に組み込まれる。例えば、前置プロセッサ109
A−109F(本文では、全体的かつ総合的に前置プロセッサ109と呼ばれる
)および後置プロセッサ111がそれぞれコンピュータ・システム110A、1
10Bに含まれる。
【0057】 プロセッサ205は、インテル社製のペンティアム・プロセッサ、ヒューレッ
トパッカード社製のPA−RISCプロセッサ、サンマイクロシステムズ社製の
SPARC(登録商標)プロセッサ、モトローラ社製の68000マイクロプロ
セッサ、ディジタル・エクィップメント社製のAlphaプロセッサ、あるいは
入手可能な他のプロセッサのような市販のプロセッサでよい。他の実施の形態に
おいては、テキサスインストルメンツ社のTMS320シリーズ・プロセッサ、
アナログデバイシーズ社のSHARCプロセッサ、あるいはフィリップ社のTr
imediaプロセッサのようなディジタル信号プロセッサを使用することがで
きる。
【0058】 プロセッサ205は、例えば、マイクロソフト社のオペレーティング・システ
ムDOS、ウインドウズ3.1、作業グループ用ウインドウズ、ウインドウズ9
5、ウインドウズNTまたはウインドウズ98、アップルコンピュータのシステ
ム7またはシステム8オペレーティング・システム、サンマイクロシステムズの
Solarisオペレーティング・システム、サンマイクロシステムズ、ヒュー
レットパッカードまたはAT&Tなどの多くのベンダから入手可能なUnix(
登録商標)タイプ・オペレーティング・システム、Linaxとして知られるU
nixのフリーウエア・バージョン、ノベル社から入手可能なNetWareオ
ペレーティング・システム、あるいは別のまたは将来のオペレーティング・シス
テム、あるいはそれらの組合わせの1つであるオペレーティング・システム22
0を実行する。オペレーティング・システム220は、周知の方法でファームウ
エアおよびハードウエアとインターフェースし、コンピュータ・システム110
の他の構成要素の機能の共働および実行においてプロセッサ205を助ける。明
らかなように、代替的な実施の形態においては、一方または両方のオペレーティ
ング・システム220が存在する必要はない。コンピュータ・システム110の
一方または両方は、多数のプロセッサを用いる種々の公知のコンピュータ・シス
テムの1つでもよく、あるいは将来開発されるようなコンピュータ・システムで
もよい。
【0059】 メモリ230は、例えば任意の市販されるランダム・アクセス・メモリ(RA
M)、常駐ハード・ディスクのような磁気媒体、あるいは他のメモリ記憶装置を
含む、種々の公知メモリ記憶装置あるいは将来の記憶装置のいずれでもよい。メ
モリ記憶装置250は、コンパクト・ディスク・ドライブ、テープ・ドライブ、
リムーバブル・ハード・ディスク・ドライブ、あるいはディスケット・ドライブ
を含む種々の公知または将来の装置のいずれでもよい。このような種類のメモリ
記憶装置250は典型的にそれぞれ、コンパクト・ディスク、磁気テープ、リム
ーバブル・ハード・ディスク、あるいはフロッピ・ディスケットのようなプログ
ラム記憶装置(図示せず)から読出しおよび(または)これに書込む。任意のこ
のようなプログラム記憶装置は、コンピュータ・プログラム製品でよい。明らか
なように、このようなプログラム記憶装置は、典型的にコンピュータ・ソフトウ
エア・プログラムおよび(または)データを格納したコンピュータで使用可能な
記憶媒体を含む。
【0060】 コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータ・ソフトウエア・プログ
ラムは、典型的に、メモリ230、および(または)メモリ記憶装置250と関
連して用いられるプログラム記憶装置に格納される。このようなコンピュータ・
ソフトウエア・プログラムは、プロセッサ205により実行されると、コンピュ
ータ・システム110が本文に述べる本発明の諸機能を実施することを可能にす
る。従って、このようなコンピュータ・ソフトウエア・プログラムは、コンピュ
ータ・システム110のコントローラと呼ばれる。
【0061】 実施の一形態において、本発明は、格納された制御ロジック(プログラム・コ
ードを含むコンピュータ・ソフトウエア・プログラム)を有するコンピュータで
使用可能な媒体を含むコンピュータ・プログラム製品に指向される。制御ロジッ
クは、プロセッサ205により実行されると、プロセッサ205に本文に述べる
本発明の諸機能を実施させる。別の実施の形態においては、本発明は、主として
ハードウエアにおいて,例えばハードウエア・ステート・マシンを用いて実現さ
れる。本文に述べる機能を実施するためのハードウエア・ステート・マシンの構
成については、当業者には明らかであろう。
【0062】 入出力装置260の入力装置は、人間または機械のいずれでも、ローカルまた
は遠隔のいかんを問わないユーザからの情報を受入れるための種々の公知装置の
いずれかを含み得る。このような装置は、例えば、キーボード、マウス、タッチ
・スクリーン・ディスプレイ、タッチ・パッド、音声認識装置を備えるマイクロ
フォン、ネットワーク・カード、またはモデムを含む。入出力装置260の出力
装置は、人間または機械のいずれでも、ローカルまたは遠隔のいかんを問わない
ユーザへ情報を提供するための種々の公知装置のいずれかを含み得る。このよう
な装置は、例えば、ビデオ・モニター、プリンタ、音声合成装置を備えるオーデ
ィオ・スピーカ、ネットワーク・カード、またはモデムを含む。入出力装置26
0はまた、コンパクト・ディスク・ドライブ、テープ・ドライブ、リムーバブル
・ハード・ディスク・ドライブまたはディスケット・ドライブを含む種々の公知
のリムーバブル記憶装置のいずれかも含み得る。
【0063】 図2に示されるように、ホスト信号101およびウォーターマーク信号102
は、典型的に、入出力装置260Aの1つ以上の入力装置を介してコンピュータ
・システム110Aへロードされる。あるいはまた、信号101および(または
)102は、コンピュータ・システム110Aまたは別のコンピュータ・システ
ムで実行されたアプリケーションにより生成される(本文では、「コンピュータ
が生成した」信号と呼ぶ)。ノイズを含む受信複合信号105および再構成ウォ
ーターマーク信号106は、典型的に、受信機125により取得され、入出力装
置260Bの1つ以上の入力装置を介してコンピュータ・システム110Bへロ
ードされる。また、再構成されたウォーターマーク信号106は、典型的に入出
力装置260Bの1つ以上の出力装置を介してコンピュータ・システム110B
から出力される。コンピュータ・システム110Aは、典型的に入出力装置26
0Aの1つ以上の出力装置を介して送信機120に結合され、コンピュータ・シ
ステム110Bは典型的に入出力装置260Bの1つ以上の入力装置を介して受
信機125に結合されている。更に、ある実施の形態においては、ノイズを含む
受信複合信号105および再構成ウォーターマーク信号106は、事後の処理の
ため後置プロセッサ111へ与えられる。
【0064】 組込器/抽出器200は、「C」または「C++」プログラミング言語あるい
はアセンブリ言語で実現することができる。当業者には、他の多くのプログラミ
ング言語も使用できることが理解されよう。また、明らかなように、組込器/抽
出器200は、ソフトウエア、ハードウエア、またはファームウエアの任意の組
合わせにより直接的に実現することもできる。例えば、組込器/抽出器は、特殊
目的のマイクロプロセッサに組込まれたマイクロコードによって直接実現するこ
ともできる。ソフトウエアにおいて実現されるならば、組込器/抽出器200は
、入出力装置260の1つを介してメモリ記憶装置250へロードされる。組込
器/抽出器200の全部分もまた、読出し専用メモリまたはメモリ記憶装置25
0の類似の装置に常駐し、このような装置は組込器/抽出器200が最初に入出
力装置260を介してロードされることを要求しない。当業者には、組込器/抽
出器200またはその一部が典型的に周知の方法でプロセッサ205により実行
に有利なようにメモリ230へロードされることが理解されよう。 前置プロセッサ109 明らかなように、情報組込み用コンピュータ・システム110Aは、ホスト信
号101およびウォーターマーク信号102について動作する。これらの信号は
、図1および図2で示されたように前置プロセッサ109により予め処理される
。更に一般的には、コンピュータ・システム110A、特に情報組込器201は
、図例が図3B−3D、図3Fおよび図3Gに示される種々の事前処理機能の結
果として生じるホスト信号および(または)ウォーターマーク信号の種々の実施
の形態について動作する。図3Eは、従来の組込みシステムによる本発明の複合
信号332の事後処理を含む関連システムを示している(明瞭にするため、情報
組込器201の機能ブロックは図3B−図3Gには示さないが、図3Aに示され
たような方法でこれらの図中に存在することが理解されよう)。ホスト信号のこ
のような種々の実施の形態、例えばホスト信号101、101A−101Gは、
本文では全般的かつ総合的にホスト信号101と呼ばれる。同様に、ウォーター
マーク信号の種々の図例、すなわち、ウォーターマーク信号102および102
A−102Gが、本文では全般的かつ総合的にウォーターマーク信号102と呼
ばれる。
【0065】 ホスト信号101およびウォーターマーク信号102の図示された実施の形態
が事例であること、および図3A−図3Gに示されない形態を含む他の多くの実
施の形態があり得ることが理解されよう。このため、ホスト信号101および(
または)ウォーターマーク信号102は、変換、コード化、暗号化、平滑化ある
いはインターリーブのような色々な方法で予め処理することができる。(インタ
ーリーブは、当業者には周知のようにスクランブリングの一形態である。)例え
ば、離散余弦変換として一般に知られるプロセスがイメージであるホスト信号に
適用された。他の変換例は、フーリエ変換、フーリエ・メリーン変換あるいはラ
ドン変換、JPEGまたはMPEG圧縮、ウェーブレット変換、あるいは重ね直
交変換がある。また、従来の組込み手法、あるいは将来開発される他の手法をホ
スト信号あるいはウォーターマーク信号を予め処理するのに適用することもでき
る。更に、これら変換法の多くの組合わせが可能であり、例えば、フーリエ・メ
リーン変換の対象となるホスト信号を暗号化することもできる。他の多くの公知
手法またはプロセスの他のどれか、あるいは将来開発される他の手法は、ホスト
信号101および(または)ウォーターマーク信号102の生成のため図3A−
図3Gに示されずとも種々の事前処理モジュールによって適用もされよう。便宜
上、用語「変換された」およびその文法的変態は、ホスト信号またはウォーター
マーク信号が予め処理される、これら公知あるいは将来開発される手法または操
作のいずれか、あるいはその組合わせを広く示すために、以下本文において用い
られる。従って、用語「変換されたホスト信号」、「変換されたホスト信号成分
」、「変換されたウォーターマーク信号」、あるいは「変換されたウォーターマ
ーク信号成分」は、本文において、予め処理されたホスト信号、ホスト信号成分
、ウォーターマーク信号およびウォーターマーク信号成分をそれぞれ示す。
【0066】 次に、幾つかの事例の事前処理操作について、図3B−図3D、図3Fおよび
図3Gに示される事例に関して記述する。事前処理操作はそれぞれ、以下本文で
全般的かつ総合的に前置プロセッサ109として示される前置プロセッサ109
B−109D、109Fおよび109Gにより前記各図において実施される。前
置プロセッサ109は、全般的かつ総合的にオーディオ信号360と呼ばれる事
例のオーディオ信号360B−360D、360Fおよび360Gについて働く
【0067】 オーディオ信号360は、例えば、典型的に人間の可聴周波数範囲内における
マイクロフォンまたは録音/再生装置(図示せず)からの音楽または音声である
。他の多くの種類の信号が図3B−図3Gに関して述べたように予め処理される
ことが理解されよう。例えば、オーディオ信号360は、代替的な実施の形態に
おいては、テレビジョンのビデオ信号、ページング信号、個々のステレオ・オー
ディオ・チャネルの一方または両方の信号、あるいは人間の聴覚範囲外のオーデ
ィオ信号であり得る。このため、オーディオ信号360は、任意の種類の信号が
前置プロセッサ109により操作されることを示すために、本文では更に広く「
主要信号」と呼ばれる。用語「オーディオ信号」は、これらの実施の形態がオー
ディオおよびFM領域における信号が用いられる適用例を含むゆえに、更に広義
の用語「主要信号」ではなく以下に述べるある図示された実施の形態に関して便
宜上用いられる。オーディオ信号360はユーザにより外部で選定され、あるい
はコンピュータまたは別の装置により生成される信号であり、あるいは他の公知
の手法または将来開発される手法に従って前置プロセッサ109による処理に利
用可能となろう。
【0068】 図3Bのシステム 図3Bは、前置プロセッサ109Bにより予め処理されるときホスト信号10
1Bおよびウォーターマーク信号102Bについて操作する情報組込器201の
機能ブロック図である。図3Bに略図的に示されるシステムもまた変調器355
Bを含む。図示の目的のため、以下本文では、変調器355Bを含む変調器35
5がFM変調器であるものと仮定する。しかし、本発明がこれに限定されるもの
でないことは理解されよう。むしろ、変調器355は、振幅変調器、ディジタル
変調器、あるいは種類の如何を問わない変調器を含む任意の種類の変調器であり
得る。図3Bの実施の形態に関して、オーディオ信号が2つの異なるフォーマッ
トで得られることが望ましいことが例示的に仮定される。例えば、オーディオ信
号がアナログおよびディジタルの両フォーマットで得られることが望ましい。別
の事例として、フォーマットの1つはそれ自体完全にオーディオ・フォーマット
ではないが、その代わり他のフォーマットにおけるオーディオ信号の品質を強化
するために用いられる。このため、前例により示されることが意図されるように
、用語「フォーマット」は、本文における文脈で用いられるように、信号を変換
し、処理し、フォーマット化し、あるいは他の方法で信号形態を指定しあるいは
提供する1つ以上の基準または手法を広く指している。
【0069】 また、ホスト信号101Bおよびウォーターマーク信号102Bの一方または
両方は、オーディオ信号360Bの変換されたバージョンの一部に過ぎない。す
なわち、例えば、ウォーターマーク信号102Bはディジタル形態におけるオー
ディオ信号360Bの一部に過ぎない。ディジタル形態のオーディオ信号360
Bの残部は、ホスト信号101Bに組込まれるものではない。むしろ、これは別
個に伝送されるか、ある他のFMチャネルまたは他のチャネルにおける他のホス
ト信号に組込まれ、あるいは全く伝送され組込まれることがない。
【0070】 更に、オーディオ信号360B(または、オーディオ信号360の他の信号)
は、ある構成においては、2つの異なる信号である。例えば、信号360B1は
第1のフォーマット変換器361Bにより変換されてホスト信号101Bを生じ
、他の信号360B2は第2のフォーマット変換器362Bにより変換されてウ
ォーターマーク信号102Bを生じる。便宜および明瞭化のため、図3Bにおい
てはオーディオ信号360Bに注目したが、ホスト信号とウォーターマーク信号
の両方を生成するのに同じ信号が用いられることは不必要であることが理解され
よう。(同様に、図3Cのシステムのオーディオ信号360Cは、ホスト信号お
よびウォーターマーク信号の生成に関しては同じ信号である必要はない。むしろ
、信号360C1、360C2で示される2つの異なる信号が用いられる)。ま
た、ホスト信号101Bまたはウォーターマーク信号102Bのいずれも変換さ
れた(あるいは、他の種類の)オーディオ信号である必要はない。例えば、オー
ディオ信号ではない異なる信号360B2をウォーターマーク信号102Bの生
成のため変換され得るが、オーディオ信号360B1はホスト信号101Bの生
成のため変換することができる。
【0071】 例示目的のため、第1のフォーマット変換器361Bがオーディオ信号360
Bをアナログ・フォーマットへ変換すること、および第2のフォーマット変換器
362bがオーディオ信号をディジタル・フォーマットへ変換することを仮定し
よう。任意に、図3Bに示されるように、結果として生じるアナログ・フォーマ
ットの変換信号がホスト信号101Bとなること、および結果として生じるディ
ジタル・フォーマットの変換信号がウォーターマーク信号102Bとなることも
仮定しよう。反対のことを仮定しても、すなわち、ディジタル信号がホスト信号
でありかつアナログ信号がウォーターマーク信号であったとしても、本発明の動
作に実質的な影響を及ぼすことはない。
【0072】 図3Aに示され以下に詳細に述べるように、情報組込器201は、ホスト信号
101Bおよびウォーターマーク信号102Bについて操作して複合信号332
を生じる。ある構成においては、図3Aに示されるような前置伝送プロセッサ3
35もまた図3Bのシステムにおいて用いられ、本発明による他の情報組込みシ
ステムにおいて用いられる。前置伝送プロセッサ335は、複合信号332をオ
ーディオ信号360の元の領域へ戻すために任意に用いられる。例えば、変換器
361Bまたは変換器362Bは、フーリエ変換、フーリエ・メリーン変換、ラ
ドン変換、あるいは他の変換を用いることによりオーディオ信号360Bを変換
するために用いられる。前置伝送プロセッサ335は、ある構成において、複合
信号332をフーリエ領域、フーリエ・メリーン領域またはラドン領域ではなく
オーディオ領域へ戻すために用いられることが望ましい。本文では便宜のため領
域転換と呼ばれるこのようなプロセスは、逆フーリエ変換、逆フーリエ・メリー
ン変換、または逆ラドン変換を用いるなどにより種々の公知手法によって達成さ
れる。
【0073】 複合信号332は、通信チャネル115などで送信機120により伝送され、
あるいは最初に更に処理される。図3Bの図例は、情報組込器201の出力の周
波数変調による更なる処理、すなわち、変調器355Bによる複合信号332の
周波数変調を含む。代替的な実施の形態においては、周波数変調は、送信機12
0に含まれる適切な公知回路によって達成することができる。このため、伝送さ
れた複合信号103Bは、公知手法により適切な復調器(個々には図示せず)に
より復調される変調領域における信号である。この復調器は、例えば図1および
図2に示されるように受信機125に含まれる。
【0074】 このように、図2(および、情報抽出器202の動作に関して以下に述べる図
9)に示される後置受信機信号105Aは、当例では変調領域からオーディオ領
域へ復調された信号である。情報抽出器202の動作およびウォーターマーク信
号102Bがオーディオ信号360Bのディジタル形態であるという例示的仮定
によれば、再構成されたウォーターマーク信号106が後置受信機信号105A
から抽出されてオーディオ信号360Bのディジタル形態における再構成を生じ
る。また、ホスト信号101Bがオーディオ信号360Bのアナログ形態である
という例示的な仮定によれば、後置受信機信号105Aは、以下に述べる組込器
201の組込みプロセス、チャネル・ノイズおよびおそらくは他の要因により歪
められるアナログ形態のオーディオ信号360Bと略々相当する。
【0075】 このように、再構成ウォーターマーク信号106は、ディジタル・オーディオ
信号について操作する増幅器のようなオーディオ処理装置へ与えられる。後置受
信機信号105Aは、同様に、アナログ・オーディオ信号について操作する増幅
器または他のオーディオ処理装置へ与えられる。(両方の形式の公知装置は、図
1および図2において後置プロセッサ111により全体的に示される)。更に、
情報組込器201の動作の以降の記述に照らして関連技術の当業者には明らかな
ように、伝送された複合信号103Bの帯域幅は、一般に、伝送ホスト信号10
1Bに要求される帯域幅より大きい必要はない。
【0076】 同じオーディオ信号のアナログおよびディジタルの両信号の全てまたは一部を
同じ通信チャネルに略々同じ帯域幅内で伝送するこのような能力は、種々の市販
状況において有利に用いられている。例えば、FM信号の以前のアナログ・フォ
ーマットおよび比較的新しいディジタル・フォーマットにおける同時の帯域内の
チャネル送信が要求される通常の環境は一貫している。このような要件によれば
、アナログ・フォーマットで信号を処理するよう設計された以前のFM受信機は
時代遅れではないが、信号をディジタル・フォーマットで処理するよう設計され
た新しいFM受信機が使用可能となる。同時送信に関しては、アナログおよびデ
ィジタル・テレビジョン信号の更に他の例示的かつ限定しない事例として同じ利
点が得られる。
【0077】 また、ある点において、ウォーターマーク信号が組込まれる前にホスト信号に
対する周波数変調が行われる別のシステムではなく、複合信号に対する周波数変
調が変調器355Bにより行われる図3Bのシステムを利用することが有利であ
る。その理由は、当業者には周知の手法および効果に従って周波数変調が複合信
号をチャネル・ノイズから保護することである。対照的に、周波数変調がホスト
信号に対して行われた後にウォーターマーク信号の組込みがFM領域で生じるな
らば、複合信号に対する周波数変調の保護作用は完全に発揮されないことがある
。また、周波数変調されたホスト信号のウォーターマーク信号の組込みによる変
換は、FM復調器のFM信号を復調する能力に影響を及ぼすことがある。このよ
うに、図3Bのシステムは、組込みプロセスにより生じる歪みに対する許容制限
の規定に関するFM復調器の動作パラメータを考察する必要を減じ得る。
【0078】 図3Cのシステム 図3Cは、ホスト信号101Cおよびウォーターマーク信号102Cが前置プ
ロセッサ109Cにより予め処理されるとき、これら信号に対して操作する情報
組込器201の機能ブロック図である。図3Bのシステムに関するように、オー
ディオ信号を2つの異なるフォーマットで提供することが望ましいことを例示的
に仮定する。次に、特に第1のフォーマット変換器361Cがオーディオ信号3
60Cを例えばアナログ・フォーマットである第1のフォーマットへ変換するも
のとする。このアナログ信号は、次に変調器355CによりFM変調されてホス
ト信号101Cを生じる。(代替的な実施の形態においては、このFM変調信号
はウォーターマーク信号102Cとして与えることができる)。更に、第2のフ
ォーマット変換器362Cがオーディオ信号360Cを例えばディジタル・フォ
ーマットである第2のフォーマットへ変換することを例示的に仮定する。図3C
の例示的な実施の形態においては、ウォーターマーク信号102Cがディジタル
・フォーマットにおける当該変換オーディオ信号である。
【0079】 ウォーターマーク信号102Cは、以下に述べる情報組込器201の動作に従
ってホスト信号101Cへ組込まれる。先に述べた図3Bのシステムにおいては
、(変調器355Bにより)オーディオ領域および周波数変調において生じた組
込みが結果として得る複合信号に対して適用された。対照的に、図3Cのシステ
ムについては、ホスト信号101Cが変調器355Cにより変調されるので組込
みが変調領域において生じる。図3Bの伝送された複合信号103Bに関する場
合のように、図3Cのシステムの伝送された複合信号103Cは変調領域にある
。図3Cの例示的な実施の形態においては、受信機125は典型的に復調器を含
まない。むしろ、図9に示されるように、後置受信機信号105Aは変調領域に
とどまる。しかし、後置プロセッサ111は典型的に、後置受信機信号105A
を復調して、第1のフォーマット変換器361Cにより変換される(すなわち、
アナログ・フォーマットにおいて)とき、および組込みプロセス、チャネル・ノ
イズおよびおそらくは他の要因により歪められるとき、オーディオ信号360C
の近似を生じる復調器(個別には図示せず)を含んでいる。ある状況においては
、図3Cのシステムに関して述べたように、変換音響信号361Cを周波数変調
に供すること、次いで後置受信機信号105AをFM領域に供することが有利と
なる。このような潜在的な利点は、当業者には公知である理由からFM復調が情
報組込器201の組込みプロセスにより生じる歪みの特質を抑制するという事実
によるものである。
【0080】 情報抽出器202は、先に述べたように、後置受信機信号105A(先に述べ
たように変調領域にある)に対して働いて再構成ウォーターマーク信号106を
生じる。ウォーターマーク信号102Cがオーディオ領域におけるディジタル信
号であるため、再構成ウォーターマーク信号106もまたオーディオ領域におけ
るディジタル信号である。このため、再構成ウォーターマーク信号106はディ
ジタル増幅器、あるいはディジタル・オーディオ信号に対して働く別の公知また
は将来開発されるオーディオ処理装置へ直接与えられる。このようなオーディオ
処理装置は個別には示さないが、後置プロセッサ111の一部と見なされる。
【0081】 図3Dのシステム 図3Dは、ホスト信号101Dおよびウォーターマーク信号102Dが前置プ
ロセッサ109Dにより予め処理されるとき、これら信号に対して働く情報組込
器201の機能ブロック図である。図3Dのシステムに関して、補足信号362
Dにより表わされる補充情報がオーディオ信号360Dに組込まれることが例示
的に仮定される。例えば、ラジオ局の呼出し文字および周波数がラジオ局により
送信されるオーディオ信号と共に送られることが望ましい。ホスト信号がオーデ
ィオ信号でありウォーターマーク信号が補充情報であるという前提は事例に過ぎ
ないことが理解されよう。図3Dのシステムおよび方法は任意の形式の信号に適
用され得る。例えば、信号360Dはテレビジョン・ビデオ信号であり、補足信
号372Dは見出し情報である。あるいは、信号360Dはイメージであり、補
足信号372Dはディジタル署名である。
【0082】 更に、ウォーターマーク信号をホスト信号に組込むための従来の、あるいは後
に開発されるシステムおよび方法が、補足信号362Dをオーディオ信号360
Dに組込んで従来または将来の複合信号367Dを生じるために用いられること
が仮定される。当該システムまたは方法は、従来または将来の組込器365Dに
より図3Dに示される。便宜上、本文における用語「従来」とは、以後本文にお
いては「従来あるいは将来」を指すために用いられる。同様に、種々の公知また
は将来開発されるウォーターマーキング・システムまたは方法のいずれかの適用
は図3E−図3Gにおいてなされ、これらシステムまたは方法は、以下において
は、全般的かつ総括的に従来の組込器365を指す。従来の組込器365の限定
のない事例は、発明の背景の章における文献1−9に記載されたもの、および現
在あるか将来もたらされるそれらの修正または改善を含む。図3A、特に線37
2に関して以下に述べるように、ホスト信号またはウォーターマーク信号の事前
処理もまた、本発明の組込器201を図3Dのシステムにおいて従来の組込器3
65が用いられると同じ方法で用いて、更に一般的には従来の組込器365が図
3D−図3Gのシステムにおいて用いられると同じ方法を用いて達成される。
【0083】 組込器365Dが補足信号362Dをオーディオ信号360Dへ組込む方法は
本発明にとって重要でなく、あるいは複合信号367Dの構成も重要ではない。
むしろ、複合信号367Dは、ホスト信号101に関する全般的に情報組込器2
01の動作に関して以下に述べると同じ方法でホスト信号101の実施の一形態
として、情報組込器201により操作される。すなわち、ホスト信号101Dは
、特定の手法(組込器365Dの組込み手法)により変換された信号であり、明
らかなように、ホスト信号101の実施の形態が別の信号から変換されたという
事実は本発明の動作にとって重要ではない。
【0084】 このため、図3Dの例示的な実施の形態のホスト信号101Dは複合信号36
7Dである。図3Dのデータ・フロー線374により示されるように、ウォータ
ーマーク信号102Dが補足信号362Dであることが例示的に仮定される。す
なわち、従来の組込器365Dによりウォーターマーク信号として用いられた同
じ信号(信号362D)が本発明の情報組込器201の動作に関してウォーター
マーク信号として例示的に用いられる。しかし、同じ信号を用いる必要はないこ
とが理解されよう。むしろ、ウォーターマーク信号102Dは、補足信号362
Dの一部であり、あるいはこの信号の全てまたは一部の変換バージョンであり、
あるいは(図3Fのシステムに関して明瞭に示されるような)別のウォーターマ
ーク信号である。このように、例示的な実施の形態は、情報組込器201により
操作される同じウォーターマーク信号であり得るウォーターマーク信号を含むそ
れ自体が複合信号であるホスト信号について操作するため情報組込器201を使
用することを全般的に示すように意図される。このように、例示的な実施の形態
は多重組込みシステムの一例と見なされる。
【0085】 本発明のこのような使用、すなわち本発明のシステムまたは手法以外のシステ
ムまたは手法により組込まれるような当該(または別の)ウォーターマーク信号
を含むホスト信号にウォーターマーク信号を組込むことは、重要な商業的利点を
呈する。例えば、従来の組込みシステムを実現する商業的装置が使用でき、本発
明は現存する装置を補完するために用いられる。このため、例えば、従来の組込
みシステム(または、将来開発されるシステム)が(呼出し文字のような)補完
情報をオーディオ信号に組込む。本発明は、例えばサブタイトル、翻訳、注釈な
どのような付加的な情報を当該複合信号に組込むために用いることができる。あ
るいは、本発明は、エラーの記述および補正を行うため、あるいは他の目的のた
めに、従来の手法によりすでに組込まれた全てまたは一部の情報を組込むために
用いることができる。
【0086】 図3Eのシステム 図3Dのシステムのように、図3Eに示されたシステムは、多重組込みシステ
ムである。しかし、図3Eのシステムにおいては、従来の組込器によるのではな
く本発明により事前処理が行われるように考えられる。すなわち、図3Eの実施
の形態においては、従来の組込器365Eにより操作されるホスト信号は本発明
の情報組込器201の出力、すなわち複合信号332である。組込器365Eに
より操作されるウォーターマーク信号は、情報組込器201により操作される同
じウォーターマーク信号、すなわち図3Eに示されるようなウォーターマーク信
号102Eであり、あるいは信号102Eの一部であり、あるいは別のウォータ
ーマーク信号であり得る。図3Eのシステムは、図3Dのシステムに関して述べ
たシステムに類似する商業的な利点を提供する。すなわち、情報組込器201は
、従来の組込器365Eにより達成される組込みプロセスを補充し、複製を作り
、検証し、あるいは他の方法で増補するために用いることができる。
【0087】 図3Fのシステム 図3Fは、前置プロセッサ109Fによりホスト信号101Fおよびウォータ
ーマーク信号102Fが予め処理されるとき、これら信号について操作する情報
組込器201の機能ブロック図である。図3Fのシステムはまた多重組込みシス
テムでもあり、かつ異なるウォーターマーク信号が本発明の情報組込器201に
より操作される以外に従来の組込器365Fにより操作されることを除いて、図
3Dに関して述べたシステムと同じである。このように、組込器365Fは補足
信号362Fをオーディオ信号360Fに組込み、すなわち信号362Fはウォ
ーターマーク信号である。(一般に、2つの信号の性質および組込器365Fの
動作パラメータに従ってオーディオ信号360Fが補足信号362Fに組込まれ
るように、逆の仮定がなされたことが理解されよう)。異なる信号、ウォーター
マーク信号102Fが本発明の情報組込器201により操作される。
【0088】 図3Fのシステムが有利である色々な商業的用途がある。一例は、オーディオ
信号360Fが情報組込み用コンピュータ・システム110Aおよび情報抽出用
コンピュータ・システム110Bの両方に利用可能である場合である。このよう
な場合、先に述べたように、ホスト信号(オーディオ信号360F)が複合信号
(信号367F)における付加的なノイズを生じるという欠点もなく、性質にお
いて「加法的」と呼ばれる従来の組込み手法を用いることができる。すなわち、
付加的な組込み手法により生じる歪みを除去するため、公知手法に従ってホスト
信号が差引かれる。このように、組込器365Fの従来の組込みシステムに対応
する従来の抽出システムにより、オーディオ信号360Fによる付加的なノイズ
の悪影響もなく、補足信号362Fが従来の複合信号367Fから抽出される。
しかし、ウォーターマーク信号102Fもまた送信機120により伝送される複
合信号に組込まれること、および再構成されるウォーターマーク信号がホスト信
号101F(図3Fのシステムにおいては、複合信号367F)を知ることなく
抽出可能であることが望ましい。以下に述べるように、本発明の情報組込器20
1の利点は、ホスト信号101Fを知ることなくウォーターマーク信号102F
の再構成が抽出されることである。このように、情報組込器201は、先に述べ
たように、補足信号362Fにすでに組込まれた複合信号367Fにウォーター
マーク信号102Fを組込むために用いられる。
【0089】 図3Gのシステム 図3Gは、ホスト信号101Gおよびウォーターマーク信号102Gが前置プ
ロセッサ109Gにより予め処理されるとき、これら信号について操作する情報
組込器201の機能ブロック図である。図3Gのシステムは、多重組込みシステ
ムであり、変調器355Gが前置プロセッサ109Gに含まれることを除いて図
3Fの多重組込みシステムと同じである。特に、前置プロセッサ109Gは、補
足信号362Gをオーディオ信号360Gに組込み変調器355Gへ与えられる
複合信号を生成する従来の組込器365Gを含んでいる。変調器355Gは、従
来の複合信号367Gにより表わされるように複合信号を変調領域へ変換する。
このように、複合信号367Gは、この複合信号が変調領域にあるが複合信号3
67Fはオーディオ領域にあるという点において図3Fの複合信号367Fと異
なる。また、図3Gのシステムにおける情報組込器201が変調領域における(
複合信号367Gである)ホスト信号101Gについて操作するが、従来の組込
器365Gはオーディオ領域におけるオーディオ信号360Gおよび補足信号3
62Gについて操作する。このように、2つの領域において動作しかつ多重組込
みプロセスを適用する上記の色々な利点の一部が、図3Gのシステムに組合わさ
れる。
【0090】 図3B−図3Gのシステム先の記述から明らかなように、(FM領域またはオ
ーディオ領域で交互に動作するか、あるいは多重組込みプロセスを用いるような
)これらシステムのいずれかの1つ以上の特徴は、これらシステムの1つ以上の
他方の1つ以上の特徴と組合わされて、図3B−図3Gに明瞭に示されない形態
を提供する。全てのこのような代替的形態が本発明の範囲内に含まれると見なさ
れることが意図される。例示的な一例として、組込器201が従来の組込器によ
り生成される複合信号について操作し、この組込器は組込器201により生成さ
れる複合信号について操作する、、などである一種の多重組込み形態が可能であ
る。FM変調または他の種類の変換が、多重組込みプロセスの任意の段階におい
て、例えば情報組込器201または従来の組込器により操作されるホスト信号、
または組込器201または従来の組込器により生成される複合信号、または組込
器201または従来の組込器により操作されるウォーターマーク信号に対して適
用される。 情報組込器201 明らかなように、情報組込器201は、ウォーターマーク信号102をホスト
信号101へ組込み、伝送あるいは他の方法で分散あるいは使用される複合信号
103を生じる。特に、例示的な実施の形態に関して、情報組込器201は、各
々がウォーターマーク信号の構成要素の共に処理されたグループのあり得る値に
対応するディザ処理された量子化器のようなディザ処理された量子化値を生じる
2つ以上のディザ処理量子化器のアンサンブルを生成する。更に述べるように、
情報組込器201はまた、ホスト信号の選択された値をあるディザ処理された量
子化値へ変更し、これにより複合信号を生じる。このようなディザ処理された量
子化値は、組込まれるべきウォーターマーク信号の部分の値に対応するディザ処
理された量子化器のアンサンブルの特定のディザ処理量子化器によって生成され
る量子化値である。
【0091】 上記の「上位の」実施の形態以外のある実施の形態においては、情報組込器2
01がホスト信号の選択された値を変更するディザ処理された量子化値はホスト
信号値に最も近く、これにより1つ以上の歪み基準を満たす。上位の実施の形態
において、信頼性基準ならびに歪み基準が実現される。このため、情報組込器2
01がホスト信号の選択された値を変更するディザ処理された量子化値は、ホス
ト信号値に最も近い量子化値である必要はない。図3Aは、図示のように、ホス
ト信号アナライザおよびブロック・セレクタ310、アンサンブル指示器320
およびポイント・コーダ330を含む情報組込器201の機能ブロック図である
。ある構成においては、組込器201はまた領域転換を実現する前置伝送プロセ
ッサ335をも含む。
【0092】 ホスト信号アナライザおよびブロック・セレクタ310は、ホスト信号101
を分析して、ウォーターマーク信号102が組込まれるホスト信号組込みブロッ
クを選択する。アンサンブル指示器320は、ウォーターマーク信号102Aの
構成要素の共に処理されたグループの可能値ごとに1つずつ2つ以上のディザ処
理された量子化値を指示する。各ディザ処理量子化器は、ディザ処理された非交
差量子化値を生成する。アンサンブル指示器320により指示されたディザ処理
量子化器は、最大許容ウォーターマークが生じる歪みレベル、予期されるチャネ
ルが生じる歪みレベル、ホスト信号組込みブロックにおけるウォーターマーク信
号の選択部分の所定強さ、および(または)スーパー・レイトの量子化の場合に
所定の信頼性基準に従って選択されるディザ処理された量子化値を生成する。ポ
イント・コーダ330は、組込みブロックにおけるホスト信号の選択された部分
のホスト信号成分のホスト信号値をコード化する。このようなコーディングは、
このようなホスト信号値を最も近いディザ処理された量子化値へ変更することに
よって例示的な実施の形態において行われる。
【0093】 ホスト信号アナライザおよびブロック・セレクタ310 明らかなように、ホスト信号アナライザおよびブロック・セレクタ(以下本文
では、単に「セレクタ」)310がホスト信号101について操作する。ホスト
信号101の例示的な実施の形態が事例であること、および他の多くの実施の形
態があり得ることが理解されよう。例示の目的のため、ホスト信号101がディ
ジタル信号でありこれがアナログ信号のディジタル化バージョンであると仮定さ
れる。代替的な実施の形態においては、ホスト信号101はアナログ信号である
か、あるいはアナログとディジタルの組合わせ信号である。ホスト信号101は
、前置プロセッサ109により予め処理され、ユーザにより外部で選択され、か
つ公知の手法によりコンピュータ・システム110Aによる処理が可能とされ、
あるいはコンピュータが生成した信号である。また、セレクタ310は、例えば
、ウォーターマーク信号が組込まれるホスト信号のルックアップ・テーブル(図
示せず)を参照するか、あるいは他の手法を用いることによってホスト信号10
1を選定する。
【0094】 セレクタ310は、全体的かつ総合的にホスト信号組込みブロック312と呼
ばれる1つ以上のブロックをホスト信号101から任意に選定する。例示の目的
のため、ホスト信号101Aが黒白のイメージであるものと仮定し、その簡略な
図形表示が図4Aに示される。また、ホスト信号101のディメンション401
および402がそれぞれ256ピクセルの長さである、すなわち、ホスト信号1
01のイメージが65,536ピクセルからなることも仮定される。このような
ピクセルの各々は、事例では実数であるグレースケール値を有する。他の事例で
は、このグレースケール値が他の方法で表わされることは理解されよう。
【0095】 明らかなように、セレクタ310の記述する機能はイメージのピクセルに関し
て示されるが、組込器/抽出器200はそのように制限されない。特に、ピクセ
ルは、本文において更に一般的にホスト信号成分と呼ばれるものの事例である。
ピクセルの類似性のグレースケール値は、本文で更に一般的にホスト信号値と呼
ばれるものの事例である。ホスト信号値およびホスト信号成分の他の事例は、ピ
クセルのRGB(赤、緑および青の)値、ピクセルの輝度およびクロミナンス値
、音声サンプルの振幅または線形予測係数、などを含む。
【0096】 図4Aの事例においては、セレクタ310が、組込みブロック312A−31
2Cにより図形的に表わされるホスト信号101のピクセル・ブロックを選択す
る。セレクタ310は、このような選択を行う種々の因子のいずれかを用い、そ
の因子の一部は組込みの用途に依存する。例えば、当該用途は、参照番号がイメ
ージを損なうことなく除去できないように、識別番号が著作権のあるイメージの
特定コピーに組込まれるべき用途である。このような用途においては、セレクタ
310は、種々の公知あるいは将来開発される手法のいずれかを用いてホスト信
号101のどの領域が重要でありあるいは重要な情報量を含むかを決定する。こ
のような多情報領域を選択する理由は、ウォーターマーク信号を取出すためこれ
ら領域に手を加える不当な試みが発見しやすいことである。このように、ウォー
ターマークは、「改ざんしにくい」と言われる。例えば、1つのこのような手法
は、多の領域より多くのピクセルのグレースケール値における不等率が存在する
領域を識別することである。
【0097】 他の用途においては、改ざんしにくいことは重要な因子ではない。むしろ、他
の部分より重要でないホスト信号の部分にウォーターマークを組込むこと、ある
いは、改ざんが容易になろうとも、損なった後にそれほど重要な結果にならない
ことが望ましい。例えば、図3Bおよび図3Cのシステムにおいては、組込みに
より生じる歪みの影響を最小限に抑えるように、ディジタル的にフォーマット化
されたオーディオ信号(それぞれ、ウォーターマーク信号102Bまたは102
C)をアナログ・フォーマット化されたオーディオ信号に(それぞれ、オーディ
オ領域と変調領域に)組込むことが望ましい。人間の耳と頭脳の聴覚系が種々の
マスキング現象を受けやすいことが知られている。一例は、人間は大きな音の直
後または直前に生じる音には感応しにくくなる一時的なマスキングである。この
ため、歪みが隠されるゆえに組込みのためのホスト信号のこのような部分(すな
わち、大きな音の前または後)を選択することが望ましい。また、人間の聴覚系
はスペクトルのマスキングを受けやすく、その結果ある周波数特性を持つホスト
信号の部分がそのマスキング特性となるように選択される。同様に、ビデオ信号
に関する選択は、に関する視覚系と関連する種々の公知のマスキング現象を利用
するように行われる。また、明らかなように、特定用途における他の部分よりそ
れほど重要でないホスト信号の部分の選択が行われることが望ましい。一例はF
M側波帯の選択である。更に一般的には、電磁波スペクトルの多くの領域が、情
報の保持に関するある用途においてはそれほど重要ではなく、従って有効なホス
ト信号として役立つ。ある事例は、紫外線または赤外線の周波数を含む。オーデ
ィオ関係における他の事例は、その歪みが容易に気づかないある音、例えば、動
物の音、雷鳴、高速道路の騒音、などである。
【0098】 更に一般的には、組込みのためにホスト信号101の部分を選択するに際して
セレクタ310により典型的に用いられる因子は、組込まれるべき情報量、メモ
リ230における利用可能なメモリ量あるいはプロセッサ205の速度のような
コンピュータ・システム110Aの種々の資源の利用可能性、(ホスト信号にお
ける他の場所に関して)改ざんを受けやすいホスト信号の場所にウォーターマー
ク信号を組込むことの選好性、およびホスト信号の歪みを比較的生じにくいかあ
るいは取出しが比較的容易である場所におけるウォーターマーク信号の組込みの
選好性を含む。このような因子の関連性については、図7のディメンション数決
定装置710の機能に関して以下に述べる。
【0099】 例示の目的のため、特定の構成においてセレクタ310が組込みブロック31
2Cを選択するものと仮定する。以下に述べるように、セレクタ310は、事例
において1から65,536の間の任意の数の組込みブロックを選択する、すな
わち、全てのホスト信号101が組込みブロックであるか、あるいはホスト信号
101の各ピクセルが組込みブロックである。また、組込みブロックは連続的で
ある、すなわち、例えばホスト信号101は、ウォーターマーク信号が連続する
信号ストリームにおける色々な点に組込まれる信号ストリームを含む。更に、組
込みブロックは任意の形態を持ち、例えば、これらブロックは図4に示されるよ
うな矩形である必要はなく、かつこれらブロックは連続的である必要がない。種
々の公知あるいは将来開発される手法のいずれかによれば、セレクタ310は、
ホスト信号101の初めから偏るようなブロックの境界あるいはホスト信号10
1内の配置の他の標識を決定することにより、ブロック312Cの組込みに含ま
れるようなピクセルを識別する。情報抽出器202、特にシンクロナイザの動作
に関して以下に述べるように、このようなブロックの識別は、受信した複合信号
を伝送される複合信号103と同期させる公知の方法において用いられる。この
ような同期は、仮に伝送される複合信号103の部分が受取られないかあるいは
歪められていても、情報抽出器202が組込みブロック312Cに対応するピク
セルのブロックを識別することを可能にする。
【0100】 アンサンブル指示器320 明らかなように、例示の実施の形態のアンサンブル指示器320が、ウォータ
ーマーク信号102の成分の共に処理されたグループのあり得る値ごとに1つず
つ2つ以上のディザ処理された量子化器を指示する。また明らかなように、ディ
ザ処理された量子化器は一種の組込生成器である。代替的な実施の形態において
は、アンサンブル指示器320はディザ処理された量子化器ではない組込生成器
を指示することができる。
【0101】 図4Bは、8ビットのメッセージ、例えば2進連続数であるウォーターマーク
信号102の例示の一実施形態である。このため、256個のあり得る連続数が
ある。明らかなように、このような例示的な連続数はそれ自体2進数であるか、
あるいは2進数はルックアップ・テーブルに含まれる数字、テキストその他の表
示、あるいは2進数または関連するポインタにより指標とされる他のデータ構造
を表わす。図4Bにおいて、例示的な連続数のビットは451−458で示され
、ビット451は最上位ビット(すなわち、「上位」ビット)であり、ビット4
58は最下位ビット(すなわち、「下位」ビット)である。ビット451−45
8の各々は、ウォーターマーク信号102の成分である。このような2進成分の
事例において、各成分はこのように2つのウォーターマーク信号値の1つ、典型
的には0または1を持つ。
【0102】 ウォーターマーク信号102は、元のウォーターマーク信号(図示せず)の変
換、コード化、暗号化あるいは他の方法で処理されたバージョンである。例えば
、図4Bの例示的なウォーターマーク信号102のビット451−458の1つ
以上は、エラー検出/エラー訂正装置(図示せず)により元のウォーターマーク
信号へ付加されたパリティまたは他のエラー検出ビットをなす。また明らかなよ
うに、代替的な事例においてウォーターマーク信号102は、2進信号または他
のディジタル信号である必要はない。この信号は、アナログ信号あるいはディジ
タルとアナログの混合信号でもよい。
【0103】 ディザ処理された各量子化器は、非交差および一義的にマップされたディザ処
理量子化値を生成する。このようなディザ処理量子化値の生成の1つの「1ディ
メンションの」構成が図5Cに示される。用語「1ディメンションの」は、本文
中ではウォーターマーク信号成分または共に処理されたウォーターマーク信号成
分のグループが1つのホスト信号成分に、すなわち例示的な実施の形態では1ピ
クセルに組込まれることを意味する。用語「2ディメンションの」は、本文では
、例えば図8Aおよび図8Bに関しては、ウォーターマーク信号成分または共に
処理されたウォーターマーク信号成分のグループが2つのホスト信号成分、すな
わち例示的な実施の形態においては2ピクセルに組込まれることを意味する。
【0104】 更に一般的には、ディメンション数はホスト信号組込みブロックにおけるホス
ト信号成分(あるいは、ホスト信号全体を構成するこのようなブロックが1つし
かない場合は、ホスト信号)の数までの整数である。このため、ビット451−
458の任意の1つ(または、以下に述べるように任意の組合わせ)が、図4A
のホスト信号101の1つ、2つまたは65,536までの任意の整数個のピク
セルに組込まれる。図7のディメンション数決定装置710に関して以下に述べ
るように、ウォーターマーク信号成分の1つ以上(すなわち、例示的な事例にお
ける1ビット以上)が1つ以上のホスト信号成分に組込まれる。例えば、2つの
ピクセルに2ビットが組込まれる。このように1つ以上のホスト信号成分に共に
組込まれるウォーターマーク信号成分は、共に処理されたウォーターマーク信号
成分のグループを呼ばれる。
【0105】 次に、量子化(図5A)、量子化および下位ビット変調(図5B)、ディザ処
理された量子化(図5C、図5Dおよび図6A)を用いる量子化値の生成、ディ
ザ処理された量子化器(図6B)ではない組込生成器を用いる組込値の生成、お
よび上位の量子化(図6C)の事例を示す図5A−図5D、および図6Aおよび
図6Bを参照する。特に、図5Aは、公知の手法を用いる実数の単純量子化の事
例に関する実数線501の図形表示である。図5Bは、下位ビット変調の公知の
手法を用いる実数の量子化および変調が示される実数線502の図形表示である
。図5Cは、ホスト信号値のディザ処理された量子化、すなわち1対のディザ処
理された量子化器が本発明により用いられる一実施形態を用いるウォーターマー
ク信号成分の組込みが示される実数線503の図形表示である。図5Dは、図5
Cの実数線の代替的な図形表示である。図6Aは、同様に、図5Cおよび図5D
のディザ処理量子化器の各々により生成される量子化値が規則的かつ均等に隔て
られるが、このような規則性が図6Aの量子化値に関しては存在しないことを除
いて、本発明による1対のディザ処理された量子化器の動作を示している。図6
Bは、ディザ処理された量子化器ではない本発明による1対の組込生成器の動作
を示している。
【0106】 図5Aの単純量子化器:図5Aに示された単純量子化手法は、例えば、2進数
により表わされるように実数を整数に量子化するために用いられる。このような
量子化および2進数表示はともに、実数ではなく2進数の使用を必要としあるい
はこれから利益を得るホスト信号のディジタル記憶、操作その他の処理を容易に
するために行われる。このような単純量子化はウォーターマーキング手法ではな
く、それはウォーターマーク信号をホスト信号に埋込まないゆえである。しかし
、ウォーターマーキング手法に適用し得る条件の幾つかは、図5Aを参照すれば
有効に示される。
【0107】 例示の目的のため、量子化される実数が図5Aの実数線501における実数N
であるものと仮定する。線501上の「0」の右側の諸点は正であり、左側の諸
点は負である。公知の1つの単純量子化手法によれば、実数N1はこれを一連の
量子化値の最も近い値に変更することにより量子化される。このような値は、点
520A−520Hのような記号「X」を付した軸501上の点により示され、
一般的かつ総合的に量子化値520と呼ばれる。
【0108】 必然ではないが典型的に、量子化値520は規則的かつ均等に隔てられている
。図例においては、量子化値520はΔ/2だけ隔てられ、すなわち、図5Aの
単純量子化器はΔ/2の「ステップ・サイズ」を有する。例示の目的のため、5
20Fを付した最初の正の量子化値が線501上の点Δ/4に置かれる。このた
め、次の正の量子化値520Gは1ステップ・サイズの点3/4Δに置かれる、
、、の如くである。図例においては、共通の構成に従って、量子化値520の各
々は2進数により表わされる。図5Aに示されるように、事例の量子化値に対す
る2進数表示は、値520Aに対しては「000」、値520Bに対しては「0
01」、値520Cに対しては「010」、値520Dに対しては「011」、
値520Eに対しては「100」、値520Fに対しては「101」、値520
Gに対しては「110」、値520Hに対しては「111」である。当業者には
、他の多くの2進数表示および他の表示方式が使用できることが理解されよう。
【0109】 当例においては、3/8Δに位置するホスト信号値N1は量子化値520Fへ
変更され、これはN1に値が最も近い量子化値である。当業者には明らかなよう
に、ホスト信号値N1の量子化により生じる歪みはある距離の測定値、例えばN1 と520Fの値間の差値と関連している。
【0110】 図5Bの下位ビット変調手法:明らかなように、図5Bは、下位ビット変調と
一般に呼ばれるウォーターマーキングのための公知の量子化手法が示される実数
線502の図形表示である。例示の目的のため、実数線502上の3/8Δに置
かれた実数N1がそのように量子化されると仮定する。公知の手法によれば、典
型的に3ステップが行われる。
【0111】 第一に、量子化値は典型的に(本文において、「LBM量子化器」と呼ばれる
)単一の量子化器により生成される。このように生成された量子化値は、典型的
に規則的かつ均等に隔てられる。図示および比較の便のため、このような量子化
値が図5Aの量子化値に関して先に述べたように配置され隔てられるものと仮定
する。また、図5Bの下位ビット変調手法の量子化値が図5Aの単純量子化手法
に関して先に述べたと同じように2進数で表わされることも仮定する。図5Bの
LBM量子化器により生成される量子化値は、一般にかつ総合的に量子化値52
1と呼ばれる量子化値521A−521Hである。
【0112】 典型的に行われる第2のステップは、図5Aの単純量子化手法に関して先に述
べたと同じ方法でN1を量子化することである。すなわち、N1は仮に最も近い量
子化値に、すなわち(以下本文では、「仮のLBM量子化値」と呼ばれる)量子
化値521の最近値に量子化される。このように、N1は、2進数「101」に
より図例において表わされる量子化値521Fへ仮に量子化される。
【0113】 典型的に行われる第3のステップは、最終値として仮LBM量子化値を用いる
ことによるか、あるいは下位ビットのみの仮LBM量子化値とは異なる量子化値
521の他の1つに当該仮LBM量子化値を変化することによりN1を変調する
ことである。すなわち、N1の最終量子化値は、仮LBM量子化値かあるいはそ
の下位ビットが変更された仮LBM量子化値である。図例においては、N1はこ
のように、変調信号の値に応じて「101」(512F)かあるいは「100」
(512E)のいずれかに量子化されることになる。
【0114】 図示および比較の目的のため、LBM量子化値521の2進数表示が下位ビッ
トのみが異なる間隔が、量子化間隔515と一般的かつ総合的に呼ばれる量子化
間隔515A−515Eとして図5Bに示される。LBM手法により量子化され
る値は、このように、量子化される値が置かれるものと同じ量子化間隔内に該当
する1対の量子化値521の1つに量子化される。図例においては、N1がこの
ように量子化間隔515Cに置かれる2つの量子化値521の1つに量子化され
、この値の選択は変調信号の値に依存している。図示の目的のため、変調信号が
値「0」を持つビットであること、およびこのような値の変調が仮LBM量子化
値と下位びちで異なる値を最終量子化値として選択することにより構成されるこ
とが仮定される。このため、この最終量子化値は、下位ビットのみにおいて最も
近い量子化値(521F)と異なる量子化値521Eである。量子化値521E
に対するN1の量子化により生じる歪み量が、歪み線539の長さだけ図5Bに
表わされる。重要なことは、このような歪みの量は、単に下位ビットにおけるの
ではなく2ビットにおける量子化値521Fに近いがこれと異なる量子化値52
1GへのN1の量子化により生じたよりも大きくなる。
【0115】 図5C、図5Dおよび図6Aの1ディメンションのディザ処理された量子化手
法 図5Cは、本発明によるホスト信号値N1の1ディメンションのディザ処理さ
れた量子化が示される実数線503の図形表示である。「X」および「O」によ
りそれぞれ表わされる量子化値522、524は、アンサンブル指示器320に
より生成された2つのディザ処理された量子化器により生成される。2つのディ
ザ処理された量子化器は、ウォーターマーク信号の1ビットがホスト信号に組込
まれるので、図例において生成される。すなわち、1つのビットが2つの値の1
つ、典型的には「0」または「1」を持つゆえに、このようなビット値の1つに
対応する1つ以上の量子化値を生成するように、1つのディザ処理された量子化
器が生成され、第2のディザ処理された量子化器が生成されてかかるビット値の
他方に対応する量子化値を生成する。
【0116】 図例において、1つのディザ処理された量子化器は量子化値522A−522
Dを生成し、かつ他のディザ処理された量子化器は量子化値524A−524D
を生成し、これら量子化値はそれぞれ量子化値522および524と一般的かつ
総合的に呼ばれる。特に、例示目的のため、「X量子化器」と呼ばれるこのよう
なディザ処理された量子化器の1つが値「1」のウォーターマーク信号ビットに
対応し図5Cにおいて実数線503上に記号「X」により示される量子化値52
2を生成する。同様に、「O量子化器」と呼ばれる第2のディザ処理された量子
化器が、値「0」のウォーターマーク信号ビットに対応し記号「O」により示さ
れる量子化値524を生成する。図5Cおよび図5Dに示される実施の形態にお
いて、量子化値522および量子化値524は、先に述べたようにそうである必
要はないが、例示の目的のために規則的かつ均等に隔てられる。
【0117】 例示および比較の目的のため、N1が3/8Δに置かれ、量子化値522、5
24を持つ2つの量子化器がステップ・サイズΔを持ち、量子化値522、52
4が相互に距離Δ/2だけずれており、かつ最初の正の量子化値(522C)が
実数線503の点Δ/4に置かれることが更に仮定される。下位ビット変調とは
対照的に、図示の手法を用いるために2進数表示を量子化値に割当てることは不
要であるが、これらの値は比較の便と目的のために図5C(および図5Dおよび
図6A−図6C)に示される。図5Cに示されるように、事例の量子化値に対す
る2進数表示は、値524Aに対する「000」、値522Aに対する「001
」、値524Bに対する「010」、値522Bに対する「011」、値524
Cに対する「100」、値522Cに対する「101」、値524Dに対する「
110」、および値522Dに対する「111」である。当業者には、他の多く
の2進数表示および他の表示方式を用いられること、およびN1の事例値、量子
化値522および量子化値524が例示目的のために選択され、他の多くのこの
ような値を選択できることが理解されよう。
【0118】 先に述べた下位ビット変調手法の実現とは対照的に、ディザ処理された量子化
手法が、1つの組込生成器の少なくとも1つの組込み間隔が組込生成器のアンサ
ンブルにおける少なくとも1つの他の組込生成器のいずれかの組込み間隔と同じ
ではないという特性を呈する。量子化の前にディザ値が値N1に追加あるいはこ
れから差引かれる(これにより、実数線503上でそれぞれ右または左へN1
動かす)このような特性が図5Cに示される。このような特性は、N1が置かれ
る量子化間隔(N1間隔)がディザ値だけずれるがN1がずれる方向と反対方向で
あるという事実によるものである。すなわち、右方へのN1のずれは左方へのN1 間隔のずれに相当し、その逆も真である。
【0119】 ディザ値は、N1に最も近い間隔の境界が、組込まれるウォーターマーク信号
に対応するディザ処理された量子化器により生成される2つの量子化値間の中間
点に位置される結果となる実数値である。特に、この2つの値の一方はN1に最
も近い量子化値であり、他方の量子化値はこのような最も近い量子化値からN1
の反対側にある。参照の便のため、このような最も近い量子化値は本文において
「近値の境界決定器(determiner)」と呼ばれ、前記の他方の量子化
値は「遠値の境界決定器」と呼ばれる。
【0120】 例えば、図5Cおよび図5Dにおいて、例示目的のために、組込まれるウォー
ターマーク信号値が「0」であると仮定される。このため、N1はO量子化器に
より生成される量子化値524の最も近いもの、すなわち、実数線503におけ
る記号「O」の最も近いものにマップされる。O量子化器により生成されるN1
に最も近い値は量子化値524Dであり、これは従って近値帯域決定器である。
1の反対側にあるO量子化器により生成される量子化値は量子化値524Cで
あり、従って遠端値境界の決定器である。従って、N1に最も近いN1間隔の境界
は、図5Dの境界線540D(Δ/4にある)により示されるように、量子化値
524C(Δ/4にある)と524D(3/4Δにある)との間の中間に置かれ
る。境界線540Dのこのような配置は、当該事例においては、ディザ値を実数
Δ/4になるように選択することによって達成される。あるいはまた、図5Cに
関して述べたように、Δ/4のディザ値はN1へ加算され、これによりN2として
示されるホスト信号値のディザ値を表わす実数を生成する。
【0121】 図5Dに示されるように、境界線540Dは、境界線540A−540Cおよ
び540E−540Fをも含む境界線540の1つである。境界線540は全て
、隣接する量子化値524間の中間点に同様に置かれる。図5Dの境界線540
のこのような場所は、図5Cのシフト線531A−531Eにより示されるよう
に、図5Cの量子化値530の左方でΔ/4のずれとして記述される。従って、
図5Dは、このような間隔が構成された後に実数線503の代替的な表示である
。組込まれるウォーターマーク信号値が「1」であると仮定すると、N1は図5
Cおよび図5DのX量子化器により生成される量子化値522の最も近いものに
マップされることになり、隣接する量子化値522間の中間点における境界線は
ディザ値の決定において用いられることになった。
【0122】 図5Dのディザ処理された量子化により生じる歪みは、値N1と、N1と同じ量
子化間隔に置かれる量子化値524の1つとの間の距離により表わされる。この
ような歪みが、歪み線549の距離によって表わされる。重要なことは、先に述
べた下位ビット変調手法とは対照的に、ディザ処理された量子化は、ホスト信号
値が組込まれるウォーターマーク信号値に対応する最も近い量子化値に量子化さ
れることを規定する。
【0123】 量子化間隔を規定する境界の指定は、典型的に、コンピュータ・システム11
0Aおよび110Bによる有効および(または)迅速な処理を可能にする。特に
、ホスト信号値から種々の量子化値までの距離を計算してどれが近いかを決定す
るよりは、ホスト信号値が置かれる間隔を識別することによりホスト信号値を量
子化値にマップすることが一般に更に有効かつ迅速である。量子化間隔の参照に
よるマッピングは、例えば、ホスト信号値の場所を量子化間隔およびこの間隔に
該当する量子化値に関連付けるためにアンサンブル指示器320によりメモリ2
30Aに格納されたルックアップ・テーブル(図示せず)を使用することによっ
て達成することができる。代替的な実施の形態においては、データを関連付ける
ための種々の公知手法の他の任意の手法を用いることができる。
【0124】 このようなルックアップ・テーブルは、1つの構成において、量子化間隔の開
始値(図5Dの間隔532Dに対するΔ/4のような)を識別する実数エントリ
の列とこのような量子化間隔の終了値(間隔532Dに対する5/4Δのような
)を識別する実数エントリの別の列とを含む。従って、このような構成における
各行(以下本文では、レコードと呼ぶ)は、量子化間隔の開始および終了の実数
を提示する。図5C、図5D、図6Aおよび図6Bに関して先に述べた手法例に
よれば、各量子化間隔はその境界内に組込まれるウォーターマーク信号値に対応
する唯一つの量子化値を含んでいる。このように、ルックアップ・テーブルの各
レコードは、当該レコードの量子化間隔と関連する特定の量子化値を識別するエ
ントリを持つ第3の列を更に含む。このように、例えばN1の量子化は、色々な
既知の探索および比較手法のいずれかを用いて、N1の実数値を包含する開始値
および終了値を持つレコードを見出すためルックアップ・テーブルの第1および
第2の列におけるエントリを走査することによって達成される。次に、N1の値
は、当該レコードの第3の列におけるエントリの値に量子化される。
【0125】 ディザ処理された量子化器の使用は、1つのディザ処理された量子化器により
生成されるディザ処理量子化値が単にオフセット値を加算または減算するだけで
他のディザ処理された量子化器に対するディザ処理された量子化値を生成するた
めに用いることができるゆえに、有利である。すなわち、明らかなように、ディ
ザ処理された量子化器のアンサンブルの任意の1つにより生成されるディザ処理
量子化値の各々は、アンサンブルの他の各ディザ処理量子化器により生じた対応
するディザ処理量子化値とオフセット値だけ異なる(すなわち、ずれている)。
このため、例えば、アンサンブルに少なくとも3つのディザ処理された量子化器
が存在し、第1の量子化器がディザ処理された量子化値V1、V2およびV3を生
成するならば、第2のディザ処理された量子化器がディザ処理された量子化値V 1 +A、V2+AおよびV3+Aを生じる。ここで、Aは実数であるオフセット値
である。第3のディザ処理された量子化器は、ディザ処理された量子化値V1
B、V2+BおよびV3+Bを生じ、ここで、全てのディザ処理された量子化器に
関してBはAと等しくないオフセット値であり、、、などである。便宜のため、
量子化値くないV1、V1+A、およびV1+Bは、本文において「対応する」デ
ィザ処理量子化値と呼ぶ。
【0126】 このように、2つのディザ処理量子化器により生じる任意の2つの対応するデ
ィザ処理量子化値間の距離は常に一定であるが、任意の1つのディザ処理された
量子化器により生成される2つのディザ処理量子化値間の距離は、一般に一定で
ある必要はない。すなわち、V1とV2間の距離は、V2とV3間の距離とは異なり
得る。図6Aは、Oディザ処理量子化器により生成されるディザ処理量子化値6
24A−624Dが図5Cおよび図5Dにおけるように規則的かつ均等には隔て
られないディザ処理された量子化の構成を示している。同様に、Xディザ処理量
子化器により生成されたディザ処理量子化値622A−622Dは規則的かつ均
等には隔てられていない。しかし、XとOとの間の距離は、これらが一定のオフ
セット値だけ異なるゆえに一定である。
【0127】 図6Aにおいて、例示および比較の目的のため、ウォーターマーク信号値が「
0」でありOディザ処理量子化器に対応することが再び仮定される。従って、図
5Dの境界線540におけるように、図6Aの境界線640(線640A−64
0C)は隣接するO間の中間点に置かれ、これにより量子化間隔632A−63
2Bを規定する。組込まれるウォーターマーク信号値が「1」であったならば、
境界線は隣接するX間の中間点に置かれることになる。ウォーターマーク信号値
「0」を持つウォーターマーク信号成分は、N1を最も近い組込値624に組込
むことにより、例えば、N1をN1の間隔内にあるディザ処理された量子化値に量
子化することにより、ホスト信号値N1に組込まれる。図6Aの図例においては
、N1は境界線640Bおよび640Cにより規定される量子化間隔632Bに
置かれる。この間隔内のディザ処理量子化値はディザ処理された量子化値624
Cであり、このため、N1に最も近い量子化値である。このようなディザ処理量
子化により生じる歪みは、歪み線649の長さによって表わされる。このような
歪みは、量子化値624CがN1に対して最も近いこのような値であるゆえに、
他の任意の量子化値624を選択することによって生じるよりは小さいものとさ
れる。別の言い方をすれば、このような最小の歪みは、N1とディザ処理量子化
値624Cの両者が同じ量子化間隔内に置かれるゆえに、また量子化間隔の帯域
がこれらを先に述べたように隣接するディザ処理量子化間隔間の中間点に置くこ
とによって設定されるゆえに生じる。
【0128】 図6Bの1ディメンションの量子化手法:明らかなように、アンサンブル指示
器320は、ディザ処理された量子化手法を実現する実施の形態に限定されるも
のではない。図6Bは、ディザ処理された量子化値ではない組込生成器がディザ
処理された量子化値ではない組込値を生成する代替的な1つの実施の形態を示し
ている。すなわち、O組込生成器により生成される組込値654A−654Dは
規則的かつ均等に隔てられず、X組込生成器により生成される組込値652A−
652Dは規則的かつ均等に隔てられず、XとOとの間の距離は一定でなく、す
なわち、これらはディザ処理された量子化器の場合のように一定のオフセット値
だけ異なることがない。図6Bは一実施態様のみの例示であり、別の非ディザ処
理量子化器の実施の形態(すなわち、一定のオフセット値が存在しない)におい
ては、1つ以上の組込生成器により生成する組込値が規則的および(または)均
等に隔てられることが理解されよう。
【0129】 図6Bに関して、例示および比較の目的のため、ウォーターマーク信号値がO
組込生成器に対応する「0」であるものとされる。従って、境界線650A−6
50Dは隣接するO間の中間点に置かれ、これにより量子化間隔642A−64
2Cを規定する。組込まれるウォーターマーク信号値が「1」であったならば、
境界線は隣接するX間の中間点に置かれることになる。ホスト信号値N1は、N1 間隔内にある、すなわちN1が置かれる境界線により規定される量子化間隔内に
ある組込値654の組込値にN1を量子化することにより、(ウォーターマーク
信号値「0」を持つ)ウォーターマーク信号成分に組込まれることになる。図6
Bの図例においては、N1が、境界線650Cおよび650Dにより規定される
量子化間隔642Cに置かれる。このような間隔内の組込値は組込値654Dで
ある。このような量子化により生じる歪みは、歪み線659の長さによって表わ
される。このような歪みは、組込値654DがN1に最も近いこのような値であ
るゆえに、他の任意の組込値654を選択することによって生じるよりも小さい
【0130】 図6Cのスーパー・レイトの量子化技術:図6Cは、本発明によるホスト信号
値Nmの1ディメンションのスーパー・レイトの量子化が示される実数線605
の図形表示である。1ディメンションの事例が便宜のためにのみ規定されること
、および任意のディメンション数が用いられることが理解されよう。量子化値6
82A1−682A3は、「量子化値のスーパー・グループ」、あるいは単に「
スーパー・グループ」682Aと一般的かつ総合的に呼ばれる。同様な規定は、
量子化値682B1−682B3(スーパー・グループ682B)、684A1
−684A3(スーパー・グループ684A)および684B1−684B3(
スーパー・グループ684B)に関して用いられる。スーパー・グループ682
Aおよび682B(一般的かつ総合的にグループ682と呼ばれる)は、「X」
によって表わされる。量子化値684Aおよび684B(一般的かつ総合的にグ
ループ684)のスーパー・グループは「O」により表わされる。
【0131】 グループ682および684は、アンサンブル指示器320により示される2
つのスーパー・レイトの量子化器によりそれぞれ生成される。前の事例における
ように、ウォーターマーク信号成分の1ビット(すなわち、2つの値)がホスト
信号に組込まれるゆえに、2つの量子化器が指定される。先の事例におけるよう
に、X量子化値(グループ682)が「0」ビットを表わすこと、および「O」
量子化値(グループ684)が「1」ビットを表わすことが任意に仮定される。
ウォーターマークの成分値は2進数である必要はないことが理解されよう。
【0132】 図6Cに示される実施の形態においては、例示目的のため、グループ682お
よび684が相互にかつその内のスーパー・グループに関して規則的かつ均等に
隔てられるように示される。別の実施の形態においては前記のようである必要が
ないことが理解されよう。図6Cにおいて量子化値がそれぞれXまたはOのスー
パー・グループに示されるが、このスーパー・グループ手法がこのように限定さ
れないことが更に理解されよう。むしろ、スーパー・グループは任意の数の量子
化値からなり、各スーパー・グループが同数であることは要求されない。特に、
スーパー・グループにおけるどの量子化値が組込値になるように選択されるかの
如何に拘わらず許容し得る歪みが生じるように、スーパー・グループにおける量
子化値の数および間隔が決定される。
【0133】 例示目的のために、Nmが量子化される実数であること、およびNmが任意の種
類のシーケンスまたは集合N1、N2、N3、、などにおいて量子化されるm番目
の実数であることが仮定される。本発明のスーパー・レイトの量子化によれば、
mが量子化値682A2と量子化値684B2の値の間にあってかつこれを含
む間隔672Bにおける実数線605上に値を持つことを結論するために、統計
その他の手法(以下本文では、便宜上、単に「統計的」手法という)が利用可能
であるものと仮定される。すなわち、スーパー・レイトの量子化によれば、シー
ケンスまたは集合を分析しシミュレートしモデル化しあるいは他の方法で処理す
るために任意の既知あるいは将来開発される手法が利用可能であること、このよ
うな「統計的」手法がシーケンスまたは集合N1、N2、N3などの全てまたは一
部に適用されること、およびその結果実数線605におけるNmの値が間隔67
2Bにあることを決定するのに充分な範囲内で値Nmを予測できることが仮定さ
れる。このような統計的手法は、情報抽出器202によって適用され得る。この
ような決定は確実である必要はないが、組込まれるウォーターマーク成分の誤り
のある再構成に対する可能性およびその結果に照らして受入れ得ると見なされる
任意の不確定度であってもよい。
【0134】 間隔672Bにおける全ての点に対して、これらの各点に最も近いX量子化値
はスーパー・グループ682Aにあり、スーパー・グループ682B(あるいは
、他のXスーパー・グループ)にはない。同様に、これらの各点に最も近いO量
子化値はスーパー・グループ684Bにあり、スーパー・グループ684A(ま
たは、他の任意のOスーパー・グループ)にはない。
【0135】 Nmをスーパー・グループ682Aまたは684Bの任意の量子化値に組込む
ことにより生じる歪みが許容し得るという前提のもとに、Nmは、最も大きな信
頼度をもたらすXスーパー・グループまたはOスーパー・グループのいずれかの
1つの量子化値(組込まれるべきビットの値に照らして適切な)に量子化される
。用語「信頼度」は、本文においては、デコーディングにおけるエラーの可能性
が典型的に最小限に抑えられることを意味するように用いられる。信頼度は、適
正でない最も近いスーパー・グループから最も離れた最も近い適正値のスーパー
・グループの1つの量子化値NINmを量子化するように選択することによって
達成される。例えば、「0」のウォーターマーク信号成分値を組込むようにNm
が量子化されることが例示的に仮定されるならば、適切な値のスーパー・グルー
プがXスーパー・グループであり適切でない値のスーパー・グループがOスーパ
ー・グループである。従って、最も近い適正値のスーパー・グループがスーパー
・グループ682Aである。適正でない最も近い値のスーパー・グループはスー
パー・グループ684Bである。スーパー・グループ684Bから最も遠いスー
パー・グループ682Aの1つの量子化値は、量子化値682A1である。従っ
て、許容し得る歪みの範囲内の信頼度に基いて、Nmが量子化値682A1に量
子化される。同様に、「1」のウォーターマーク信号成分値を組込むようにNm
が量子化されることが仮定されるならば、適正値のスーパー・グループはOスー
パー・グループであり、非適正値のスーパー・グループはXスーパー・グループ
となる。従って、最も近い適正値のスーパー・グループはスーパー・グループ6
84Bとなる。最も近い非適正値のスーパー・グループはスーパー・グループ6
82Aとなる。スーパー・グループ682Aから最も遠いスーパー・グループ6
84Bの1つの量子化値は量子化値684B3である。従って、Nmは量子化値
684B3へ量子化されることになる。
【0136】 以上の記述から明らかなように、スーパー・レイトの量子化は典型的に、適合
しない方式、すなわちホスト信号成分の前に処理された値に基かない方式で典型
的に用いられるより大きな数の量子化値の生成を含む。すなわち、過去の履歴が
調べられなければ、スーパー・グループにおける多数の量子化値ではなく1つの
量子化値が用いられる。しかし、明らかなように、代替的な組込値間の差が他の
方式に比して増加するので、過去を調べることができるとき、より多数の量子化
値の生成がより大きな信頼性をもたらす。
【0137】 例えば、各スーパー・グループごとに3つの量子化値を生成する代わりに、1
つの量子化値しか生成されないことが例示的に仮定される。例えば、組込値「1
」を表わすために量子化値684A2および684B2しか利用可能でなく、組
込値「0」を表わすために量子化値682A2および682B2しか利用可能で
ないことが仮定される。更に、Nmが値「0」に、すなわち最も近いXに量子化
されることが仮定される。682A2に対してよりも684B2に対して近いよ
うに伝送時にNmが歪められるならば、Nmが「0」ではなく「1」として取出さ
れるゆえにエラーが生じる。しかし、例示的な3つの量子化値がスーパー・グル
ープごとに生成されるスーパー・レイトの量子化を用いて、Nmが量子化値68
2A2ではなく684A1に量子化される。量子化値682A1および値684
B3(Nmが「0」ではなく「1」に組込まれるよう量子化されたならば、いず
れかの組込値)間の差は、量子化値682A2および684B2間の差より大き
い。当業者には明らかなように、より大きな信頼度はこれらの代替値間の大きな
距離に直接関連している。このため、典型的にスーパー・レイトの量子化により
達成される距離が大きいほど、結果として信頼度が大きくなる。更に、先の記述
から明らかなように、各スーパー・グループにおける量子化値の数が増加するほ
ど、典型的に歪みもまた増加するが信頼度が一般に向上する。このように、スー
パー・レイトの量子化は、とりわけ、より大きな信頼度に対するより大きな歪み
の消長の柔軟性をもたらすように用いられる。このような能力は、チャネル・ノ
イズが高いと予測され、信頼度が重要であり、かつより大きな歪みが許容される
用途において特に有利である。
【0138】 明らかなように、スーパー・レイトの量子化は、適応組込みを実現するための
1つの手法である。他の構成においては、少なくとも部分的にホスト信号の履歴
および組込みプロセスに基く量子化値の生成または選択を用いる種々の他の手法
のいずれかが用いられる。これらの適応組込み手法は、前に処理された組込みブ
ロックに適用されるような組込みプロセスを分析して現在および将来の組込みブ
ロックに対するプロセスを用いることによって実現され得る。例えば、図4Aの
組込みブロック312は、ブロック312Bで受取られるホスト信号成分のあり
得る値が予測されるように統計的に分析される。(ブロック312Aがブロック
312Bの処理に先立ち処理されるものと例示的に仮定される。)従って、信頼
度を最大化する量子化値が生成され、例えば、代替的なウォーターマーク信号成
分値の組込みのため組込値間の距離が最大となるように量子化値が生成される。
このように、連続的に処理されるブロック(あるいは、ブロックの一部)ごとに
、更なるすなわち異なる情報が得られるとき、ホスト信号成分値の予測が変更さ
れるように量子化値が適応される。
【0139】 便宜上、量子化器(先に述べたスーパー・レイトの量子化プロセスの各スーパ
ー・グループにおける3つの量子化器のような)の予め定めた有限数のセットが
選択される。ある用途においては、各グループにおける有限数の量子化器の事前
選択が有利である。例えば、情報抽出器202が複合信号成分の履歴に基いて将
来の複合信号成分値の類似の予測を適用し、かつ種々の歪み(量子化の歪みを含
む)がホスト信号成分の値に比してこれらの値を変更するので、あり得る範囲の
かかる歪みを予期する有限数の選択が有利である。しかし、他の実施の形態にお
いては、スーパー・グループにおける量子化器数を予め制限しないことが望まし
い。むしろ、潜在的に無制限の量子化器数がホスト信号の統計的分析に照らして
各スーパー・グループごとに生成される。例えば、その時処理されるホスト信号
成分に対する量子化器を選択せずに計算するため、ホスト信号成分の前に処理さ
れた値が用いられる。
【0140】 次に、アンサンブル指示器320の機能ブロック図である図7に関してアンサ
ンブル指示器の動作について更に記述する。図7に示されるように、指示器32
0は、1つ以上のウォーターマーク信号値が組込まれる共に処理されたホスト信
号成分の数を決定するディメンション決定器710を含む。指示器320はまた
、どれだけの数のウォーターマーク信号成分がこのような共に処理されたホスト
信号成分に組込まれるかを決定し、共に処理された各ウォーターマーク信号成分
のあり得る値の数を決定する。指示器320は更に、量子化値の分布を制御する
パラメータを決定する分布決定器730を含む。指示器320には、非交差で一
義的にマップされる量子化値を生成することができる量子化器のアンサンブルを
生成するアンサンブル生成器740も含まれる。指示器320は更に、アンサン
ブル生成器740により生成される量子化器により決定された非交差の一義的に
マップされた量子化値を生成する組込値生成器750を含む。
【0141】 ディメンション決定器710:ホスト信号アナライザおよびブロック・セレク
タ310は、ディメンション決定器710にホスト信号組込みブロック312の
識別を与える。ディメンション決定器710は、1つ以上のウォーターマーク信
号値が組込まれるブロック312の共に処理されたホスト信号成分の数を決定す
る。このような数は、本文において、組込みプロセス712のディメンションと
して図示された実施の形態に関して示される組込みプロセスのディメンションと
呼ばれる。明らかなように、ディメンションの数は、ホスト信号組込みブロック
におけるホスト信号成分の数までの任意の整数である。便宜のため、関連用語「
低ディメンション」および「高ディメンション」はそれぞれ、比較的大きな数の
ホスト信号成分の相互処理とは対照的にホスト信号の比較的小さな数の相互処理
を指すのに用いられる。
【0142】 ディメンション決定器710は、メモリ230Aにおける利用可能なメモリ量
またはプロセッサ205Aの速度を含む種々の因子の任意の1つ以上を考察する
ことによりディメンション712を決定する。例えば、高ディメンションの組込
みプロセスは、低次の組込みプロセスにおいて要求されるよりも多くの組込値の
場所に関する情報がメモリ230Aに格納されることを必要とする。このように
大きなメモリ資源の使用は、例えば組込値の場所が例えばフォーミュラから比較
されるのではなくルックアップ・テーブルに格納される場合に妥当する。
【0143】 更に、組込値がルックアップ・テーブルの内容をアクセスするのではなくフォ
ーミュラの使用により生成されるならば、プロセッサ205Aが高ディメンショ
ンの組込みプロセスにおける場所を計算することが可能である速度は、低ディメ
ンションの組込みプロセスにおける場所が計算できる速度より低くてよい。この
ため、高ディメンションの組込みが行われるならば、組込みプロセスは受入れ得
る程度に速くなくてよい。ある実施の形態においては、指示器320は同様に、
情報抽出用コンピュータ・システム110Bにおける利用可能なメモリおよびプ
ロセッサの速度、すなわちメモリ230Bおよびプロセッサ205Bの能力を勘
案する。このような資源の利用可能度は、ウォーターマーク信号の抽出がメモリ
空間を構成する同様なルックアップ・テーブルを要求し、あるいはフォーミュラ
の計算に関するプロセッサの速度に対して同様な要求を行うゆえに関連している
【0144】 しかし、低ディメンションの組込みプロセスの選択はコンピュータ資源に同様
な負荷を課し得る。例えば、特定の速度のプロセッサ205を用いる組込値の場
所を計算するために要する時間が低ディメンションの処理に対するよりも高ディ
メンションの処理の場合長くなるが、この犠牲コストは他の配慮によって相殺さ
れ得る。例えば、2つのホスト信号成分を一緒に処理するのはそれらを個別に処
理するより速い。当業者には、このような配慮のバランスがコンピュータ・シス
テムのアーキテクチャ、プロセッサのアーキテクチャ、関与するプログラミング
言語その他の因子によって影響を受け得ることが理解されよう。別の制限の内E
事例として、ディメンションあたり同数の量子化値を用いる低ディメンションの
プロセスに比して少ない量子化の歪みを生じるように高ディメンションの組込み
プロセスを用いることが望ましい。
【0145】 多重組込みは、高ディメンションと低ディメンションの両組込みの利点を獲得
するための戦略である。複合信号の生成のためウォーターマーク信号の最初の組
込みを高ディメンションにおいて行うことができ、また次に送られる新たな複合
信号の生成のためには同じウォーターマーク信号の2回目の組込みを低ディメン
ションで行うことができる。その利点は、通信チャネルにノイズがなければ、す
なわちチャネルの歪みがほとんどない(このことは、例えば、エラー検出器によ
って判定できる)ならば、低ディメンションで組込まれたウォーターマーク信号
の抽出のため抽出プロセスを行うことができることである。さもなければ、高デ
ィメンションで組込まれたウォーターマーク信号を抽出することができる。この
ように、多重組込みの使用は、一般に、異なるウォーターマーク信号の多重組込
み以外の目的に向けられる。この場合は、必ずしも必要ではないが同じホスト信
号が異なるディメンションで組込まれる異なるウォーターマーク信号の組込みの
ために用いられる.多重組込みの前者の使用は、信頼性を目的とする多重組込み
と呼ばれ、後者は異なるウォーターマーク信号の伝送のための多重組込みと呼ば
れる。ある構成においては、例えば異なるウォーターマーク信号の幾つかあるい
は各々の異なるディメンションにおける多重組込みにより両方の目的が供され得
る。
【0146】 ウォーターマーク信号値決定器720:公知の手法によれば、オペレーティン
グ・システム220Aは、ウォーターマーク信号102をウォーターマーク信号
値決定器720へ提供する。明らかなように、ウォーターマーク信号値決定器7
20は、どれだけの数のウォーターマーク信号成分を共に処理されたホスト信号
成分に組込むかを決定する。このような数は、図7においてあり得るウォーター
マーク信号値722の数として示されている。
【0147】 例えば、図8Aにおいて、1つのウォーターマーク信号成分がディメンション
決定器710により決定された数の共に処理されたホスト信号成分に組込まれる
ことが決定される。例示の目的のため、ウォーターマーク信号が図4Bのウォー
ターマーク信号102であること、およびホスト信号が図4Aのホスト信号10
1であることが仮定される。このように、図8Aに関して、1ビットが2つのピ
クセルに組込まれる。図8Bの代替例では、ウォーターマーク信号値決定器72
0が、2つのウォーターマーク信号成分が2つのピクセルに組込まれることを決
定する。更に、決定器720は、ウォーターマーク信号成分の任意の1つまたは
任意の組合わせが共に処理されることを決定する。例えば、図4Bに関して、ビ
ット451および453が一緒に処理され、ビット452および454が一緒に
処理される、などである。別の一例として、ビット451はそれ自体で共処理さ
れ、ビット452はそれ自体で共処理され、ビット453および454は一緒に
共処理される、などである。
【0148】 共処理されるウォーターマーク信号成分の数の決定は、種々の因子に基く。1
つの因子は、予期されるチャネル・ノイズ104の量である。一般に、予期され
るノイズ量が増えるにともない、共処理されることが望ましいウォーターマーク
信号成分の数は減じる。共処理されるウォーターマーク信号成分の数が多くなる
ほど、量子化器の数が大きくなり、これにより用いられる量子化値の数が大きく
なるので、このような関係が生じる。例えば、1ビットの共処理は2つの量子化
器を用い、2ビットは4つの量子化器を用い、3ビットは8つの量子化器を用い
る、などである。このように、所与の平均的な量子化が生じる歪みに対しては、
共処理されるウォーターマーク信号成分数が増えるほど、異なる量子化器の量子
化値間の距離は減じる。
【0149】 このような関係は、図5Cを参照することにより判る(共処理される1ビット
)。XおよびOの量子化値間の距離はΔ/2である。しかし、Yの量子化器を付
加することが要求されるならば、XおよびY量子化値間、あるいはOおよびY量
子化値間の距離は、必然的にΔ/2より小さくなる。このように、固定量のチャ
ネル・ノイズ104については、このようなノイズがデコーディング・エラーを
結果として生じやすい。従って、チャネル・ノイズの歪みが高くなると予測され
るならば、大量のウォーターマーク信号値を共処理することは望ましくない。
【0150】 共処理されるウォーターマーク信号成分数の決定における別の因子は、ウォー
ターマーク信号の長さである。例えばウォーターマーク信号におけるビット数が
増えるにともない、共処理されるウォーターマーク信号成分の数は増える。所与
の数の合計ホスト信号成分の場合、ホスト信号成分あたりのウォーターマーク・
ビットの平均数がウォーターマーク・ビットの総数と共に増えるから、このよう
な関係は一般に妥当する。更に別の因子は、ディメンション数決定器710によ
り決定されるディメンションである。一般に、ディメンションが大きくなるほど
、デコーディング・エラーの可能性を増す事なく用いられる共処理されるウォー
ターマーク信号成分数が大きくなる。このような関係は、異なる量子化器の量子
化値間の同じ最短距離に対して、ディメンションが多くなるならばより多くの量
子化器を用いられ得るので、妥当する。
【0151】 代替的なディメンションにおいては、ホスト信号成分の共処理される各グルー
プに組込むウォーターマーク信号成分の数は予め決定される。また、ある実施の
形態においては、このような数はグラフィカル・ユーザ・インターフェースのよ
うな種々の公知の手法のいずれかを用いることによってユーザが選択できる。
【0152】 これも明らかなように、ウォーターマーク信号値決定器720は、共処理され
る各ウォーターマーク信号成分のあり得る値の数を決定する。このような決定は
、ルックアップ・テーブル(図示せず)の使用のような種々の公知の手法のいず
れかにより行われる。例えば、図4Bのウォーターマーク信号102に関しては
、例示の目的のため、ウォーターマーク信号102と、このような信号の成分が
2進数であること、すなわちこの成分が2つのあり得る値「0」および「1」を
持つことを示す標識との両方を含むルックアップ・テーブルがメモリ230Aに
格納されることが仮定される。このような標識は予め定められ、すなわち、全て
のウォーターマーク信号または任意の予め定めたグループのウォーターマーク信
号が16進数として示される。代替的な実施の形態においては、あり得るウォー
ターマーク信号値の数は、グラフィカル・ユーザ・インターフェースのような種
々の公知手法のいずれかを用いることによってユーザが決定できる。
【0153】 分布決定器730:分布決定器730は、量子化値の分布を制御する分布パラ
メータ732を決定する。分布パラメータ732は、テーブルまたは任意の他の
公知データ構造に含まれる。分布パラメータ732は、典型的に、量子化値の決
定された密度(すなわち、これらがどれだけ相互に密に配置されるか)、量子化
間隔の形状の規定および他のパラメータを含む。量子化間隔の形状は、量子化が
生じる歪みがこのような形状に応じて変化し得るので、1つの因子となり得る。
例えば、2ディメンション空間においては、同数の量子化値がこのような各形状
を占める(すなわち、この形状が同じ面積を持つ)ことを前提として、6角形状
が矩形状よりも望ましい。特に、量子化が生じる平均的な歪みは、中心までの平
均2乗距離が同じ面積の矩形より6角形の方が小さいので、矩形状よりも6角形
状の方が少ない。
【0154】 量子化間隔の非常に規則的な形状を提供する1つの公知手法は、M.Marc
ellinおよびT.Fischerの「メモリ不要のガウス−マーコフ・ソー
スのトレリス・コーディング量子化法(Trellis Coded Quan
tization of Memoryless and Gaus−Mark
ov Sources)」(IEEE Transactions on Co
mmunications、第38巻、第1部、1990年1月、82−98ペ
ージ)に示される一記述である「トレリス・コーディング量子化(trelli
s coded quantization)」と呼ばれる。当業者には明らか
なように、トレリス・コーディング量子化法を用いる利点は、この手法が有効な
パッキンを達成し、量子化器のアンサンブルおよび組込値の計算を容易にし、か
つ複合信号からウォーターマーク信号を抽出に含まれる計算を容易にすることで
ある。
【0155】 ディザ処理された量子化器における使用に特に適する別の公知の手法は「格子
量子化(lattice quantization)」と一般に呼ばれ、その
記述は、R.ZamirおよびM.Federの「格子量子化ノイズについて(
On Lattice Quantization Noise)」(IEEE
Transactions on Information Theory、
第42巻、第4部、1996年7月、1152−1159ページ)に提示される
。当業者には周知のように、格子量子化器は、当該手法によれば、特定の幾何学
的形状に配列された量子化値のコアグループを繰返しかつ規則的に変換すること
によって生成される。例えば、量子化値のコアグループは、格子量子化器の量子
化値を形成するように3ディメンションに反復的かつ規則的に変換される立方体
に構成することができる。より高次のディメンションもまた用いられる。当該手
法にディザ処理量子化が適用されると、有利な計算上の効果が具現される。更に
、量子化エラーは有利な知覚特性を有する。例えば、量子化エラーは典型的にホ
スト信号に依存する。
【0156】 量子化値の密度は、あり得るウォーターマーク信号値に対応する量子化値間で
変化し得る。例えば、密度は、「O」のウォーターマーク信号値に対応するある
O量子化値に対して高くなり、他のO量子化値に対しては低くなる。また、ディ
ザ処理された量子化が用いられない実施の形態においては、この密度が1つのウ
ォーターマーク信号値に対応する量子化値と別のウォーターマーク信号値に対応
する量子化値との間で変化し得る。例えば、密度はO量子化値に対しては高く、
X量子化値に対しては低くなる。
【0157】 図5Cおよび図5Dに関して、例示の目的のため、O量子化値により生じた量
子化値が実数線503上に均等に隔てられることを分布決定器730が決定する
ことが仮定される。対照的に、図6Aにおいては、O量子化器により生成される
量子化値が実数線603上に不均等に隔てられることが決定される。例えば、量
子化値624Aおよび624Bは、量子化値624Bおよび624Cよりも相互
に更に密に分布される。例えば、ホスト信号値が他の領域におけるよりも実数線
603のある領域に集中されやすければ、このような不均等な分布が有利である
。一般に、比較的高い集中領域において比較的多くの量子化値が分布すると、分
布が比較的疎であった場合よりも量子化による歪みが少なくなる。
【0158】 量子化が生じる歪みを減じる観点からは、ホスト信号値の予測される相対的な
集中には関係なく量子化値を更に密に分布させることが一般に有利である。この
ため、このような視角から、(ホスト信号値がある領域で集中しにくいゆえに)
量子化値が均等に隔てられても、より密な分布が望ましい。しかし、量子化値の
より密な分布は、一般に、例えば図1および図2のチャネル・ノイズ104のよ
うな他のノイズ源がウォーターマーク信号の誤ったデコーディングを生じる結果
となるという可能性をも増す。
【0159】 例えば、図5Dにおいて、チャネル・ノイズ104が、O量子化値524Dに
対するよりもX量子化値522Dに対して近い実数線503上の位置へ歪められ
る複合信号成分を持つノイズのある受信した複合信号105を結果として生じ得
る。このような場合、ポイント・デコーダ930に関して以下に更に詳細に述べ
るように、送信された複合信号103の対応成分がO量子化値へ量子化されても
、複合信号成分は一般にX量子化値により表わされるウォーターマーク信号値を
表わすように誤って解釈される。このように生じるエラーの可能性は、Xおよび
O量子化値が更に隔てられると一般に低減する。図例として、N1が(3/4Δ
に位置する)O量子化値524Dに量子化されること、およびチャネル・ノイズ
104が受信信号105の対応する成分が実数線503上の値3/8Δへ変位(
すなわち、左方へ3/8Δの変位)される結果となることが仮定される。この時
、ポイント・デコーダ930は、このような成分をX量子化値に対応するウォー
ターマーク信号値の組込みを表わすような成分を誤って復号し得る。このような
エラーは、3/8Δが(3/4Δにある)量子化値524Dよりも(Δ/4にあ
る)量子化値522Cに近い。XおよびO量子化値が更に疎に、例えば図5Dに
おけるΔ/2ではなく相互に距離Δに隔てられたならば、ノイズを含む複合信号
成分の値が量子化値522Cよりも量子化値524Dに近いままであったため、
左方への3/8Δの同じノイズ変位はエラーのあるデコーディングを結果として
生じなかったことになる。
【0160】 このように、分布決定器730により考慮される付加的な因子は、予期された
チャネル・ノイズ104の量であり、特に、その予期された強さ範囲および(ま
たは)発生頻度である。このように考慮される他の因子は、全ての量子化器によ
り生じる量子化値の合計数を含む。合計量子化値の数が更に大きくなると、ホス
ト信号値から組込まれるウォーターマーク信号値に対応する最も近い量子化値ま
での距離が小さくなろうとするゆえに、量子化が生じる歪みが減じるようになる
。また、通信チャネル115の帯域幅、命令語のアーキテクチャ、およびコンピ
ュータ・システム110Aの他のアーキテクチャ上の特質、およびメモリ230
Aの容量が更なる因子である。量子化値の合計数が大きくなるほど、例えば各量
子化値を識別するのに要する2進数表示のサイズが大きくなる。このような2進
数表示の長さは、許容される命令語のサイズを越える。また、メモリ230Aに
おけるスペース量は、多数の量子化値の生成と関連する大量の情報を格納するに
は不充分となる。通信チャネル115上に送られるこのような情報の量が増える
と、チャネルの帯域幅制限が伝送時間の増加を必要とし得る。
【0161】 このような因子の組合わせもまた、分布決定器730によって考慮される。例
えば、分布パラメータ732がウォーターマークが生じる最大許容歪みレベル、
チャネルが生じる予期される歪みレベル、ホスト信号組込みブロックにおけるウ
ォーターマーク信号の選択部分の所要強さ、および(または)他の因子間のバラ
ンスに従って選択されるディザ処理された量子化値を生成することが可能である
量子化器を指定するように、決定器730が分布パラメータ732を決定し得る
。例えば、最大許容ウォーターマーク信号歪みレベルに関しては、先に述べたよ
うに、隣接する量子化値間の距離が増すとデコーディング・エラーの可能性が一
般に減じる。しかし、このような距離が増すと、ウォーターマークが生じる歪み
は増加する。従って、このような距離は、ユーザに受入れられるか、あるいは最
大許容歪みになるように予め定められる最大歪みによって制限される。チャネル
が生じる歪みの因子は、デコーディング・エラーの可能性を最小限に抑えること
が望ましいので、このような決定に関連付けられる。
【0162】 先に述べたスーパー・レイトの量子化は、デコーディング・エラーの可能性を
最小化するための1つの手法である。この手法によれば、図6Cの図例に関して
述べたように、量子化値のスーパー・グループの第1のアンサンブルがウォータ
ーマーク信号成分の共に処理されたグループの第1の値を組込むように規定され
る。量子化値のスーパー・グループの第2のアンサンブルは、ウォーターマーク
信号成分の共に処理されたグループの第2の値を組込むように規定される。(更
に、量子化値のスーパー・グループのアンサンブルが、ウォーターマーク信号成
分の共に処理されたグループのあり得る各値に対して規定される。)ウォーター
マーク信号値が組込まれるホスト信号成分の値に最も近いそれらの各アンサンブ
ルである、第1および第2のスーパー・グループのアンサンブルの特定の第1お
よび第2のスーパー・グループが選択され、これにより歪みを低減する。また、
相互に最も離れた特定の第1および第2のスーパー・グループの構成要素に量子
化することによって、信頼性が向上される。
【0163】 典型的に、デコーディング・エラーの最小化とウォーターマークが生じる歪み
の増加との間の均衡は、用途に従って変化する。例えば、チャネル・ノイズ10
4が小さくなるか実質的に消滅することが予期される。このような状態は、例え
ば通信チャネル115が長距離の無線チャネルに比して短い長さの光ファイバで
あるならば、典型的に妥当する。別の制限のない事例として、複合信号332が
直接的に(すなわち、損失の多い圧縮手法その他の歪みを伴う信号処理を用いず
に)フロッピ・ディスクに記憶される場合には小さいかあるいは存在しないチャ
ネル・ノイズが予測され、通信チャネルは単にディスクからこのような信号にア
クセスすることからなる。直接信号処理の他の多くの事例は、当業者には明らか
であろう。また、通信チャネルにおいて予期されるノイズは、種々の公知のエラ
ー検出/補正手法のいずれかの使用により有効に無効化される。予期されるチャ
ネル・ノイズが小さいような場合は、隣接する量子化値間の距離は小さくなり、
これによりエラーのあるデコーディングの大きな可能性を生じることなく、ウォ
ーターマークが伴う歪みを最小限に抑える。
【0164】 明らかなように、ホスト信号組込みブロックにおけるウォーターマーク信号の
選択部分の所望の強さもまた、分布パラメータ732の決定における一因子であ
る。例えば1つの用途において、必須の情報を含む組込みブロックが存在し、こ
れなくしてホスト信号は認識し得ず、あるいはその意図された目的に供し得ない
。ウォーターマーク信号の削除あるいは他の変更はこのような必須のホスト信号
の除去を必要とするから、情報ウォーターマーク信号をこのような組込みブロッ
クに置くことが望ましい。従って、ウォーターマーク信号をこのようなブロック
に組込むためには、組込みプロセスのディメンション性を増加することが望まし
くあるいは必要である。
【0165】 明らかなように、量子化値の分布は1、2あるいは他のディメンション数で生
じる。例示の実施の形態においては、このように、ディメンション712はディ
メンション数決定器710により分布決定器730へ与えられる。ポイント・コ
ーダ330に関して次に述べるように、このような分布がユークリッド幾何学、
あるいは非ユークリッド幾何学に従って生じる。1つの代替的な実施の形態にお
いて、量子化値の分布はグラフィカル・ユーザ・インターフェースその他の公知
あるいは将来開発される手法の使用によってユーザが選択可能である。
【0166】 アンサンブル生成器740:分布パラメータ732を用いて、アンサンブル生
成器740は、量子化器のアンサンブル742と呼ばれるディザ処理された量子
化器の(2つ以上の)アンサンブルを生成する。量子化器のアンサンブル742
は、ウォーターマーク信号102の成分の共に処理されたグループのあり得る各
値に対するディザ処理された量子化器を含む。このようなあり得る値の数、従っ
てディザ処理された量子化器の数がウォーターマーク信号値決定器720により
(例えば、あり得るウォーターマーク信号値722の数を与えることにより)生
成器740へ与えられる。このような各ディザ処理量子化器は、非交差および一
義的にマップされる量子化値を生成することが可能である。
【0167】 明らかなように、ディザ処理された量子化器は、一種の組込発生器である。別
の実施の形態においては、アンサンブル生成器740は、ディザ処理された量子
化器ではないアンサンブル生成器を生成する。このような各量子化器は、リスト
、記事、テーブル、式、関数、量子化値を生成あるいは記述する他の発生器ある
いは記述子、あるいはその任意の組合わせでよい。
【0168】 例えば、図5Dにおいて、例示の目的のために、OおよびX量子化値がともに
規則的かつ均等に隔てられることを分布パラメータ732が指定することが仮定
される。このように、O量子化器は、O量子化値が置かれる実数線503上の場
所(例えば、3/4Δ、7/4Δ、など)のリストである。このようなリストの
エントリは、計算し、予め定め、ユーザが選択し、あるいはその任意の組合わせ
が可能である。また、O量子化器は、図例によれば、各O量子化値がΔの整数倍
の左方の距離Δ/4に置かれることを指定する式である。更なる例示のため、X
量子化器は、値(図5Dの事例ではΔ/2)を各O量子化値に付加することによ
りX量子化値が計算されることを指定する式である。
【0169】 組込値生成器750:組込値生成器750は、量子化器のアンサンブル742
の量子化器により決定される量子化値324を生成する。量子化値324は、非
交差であり一義的にマップされる。組込値生成器750は、必ずしもそうである
必要はないが、全てこのような量子化器を用いる。例えば、可能数のウォーター
マーク信号値は3つ(例えば、「0」、「1」および「2」)であり、組込まれ
るウォーターマーク信号は値「0」および「1」のみを含むならば、値「0」お
よび「1」に対応するディザ処理された量子化器のみが典型的に組込値生成器7
50により用いられる必要がある。
【0170】 組込値生成器750は、量子化器のアンサンブル742の量子化器により指定
されるような量子化値を生成するために種々の公知または将来開発される手法の
いずれかを用いることができる。例えば、量子化器のアンサンブル742の量子
化器は、例えばリストであり、従って量子化値の生成はリストのエントリ、すな
わち量子化値の場所をアクセスすることによって達成される。別の事例として、
量子化器のアンサンブル742の量子化器が式を含むならば、量子化値の生成は
、式により指定される場所の結果を計算することによって達成される。量子化値
324は、組込値生成器750によりポイント・コーダ330へ与えられる。
【0171】 ポイント・コーダ330 ポイント・コーダ330は、ウォーターマーク信号成分を1つ以上のホスト信
号成分へ組込まれる。このような組込みは、図示された実施の形態においては、
このようなホスト信号成分のホスト信号値を最も近いディザ処理された量子化値
へ変更することによって行われる。更に一般的には、すなわちディザ処理された
量子化器を専用的に用いない代替的な実施の形態においては、ポイント・コーダ
330がホスト信号値をディザ処理された量子化値ではない組込値に変更する。
【0172】 図5C、図5D、図6Aおよび図6Bの図例においては、ユークリッド幾何学
が表わされる。このため、1つの値が別の値に対してどれだけ近いかの測定値(
すなわち、値の間の距離すなわち歪み)が直交座標系における座標における差の
2乗の和の平方根により測定される。他の測定もまたユークリッド幾何学におい
て用いられる。例えば、代替的な実施の形態においては、重み付けされた距離が
用いられる。すなわち、1つの座標すなわち1つのディメンションに沿った距離
は、別の座標すなわち別のディメンションに沿った距離とは異なるように重み付
けされる。また、別の実施の形態においては、非ユークリッド幾何学が用いられ
る。例えば、距離は2乗ではなく、3乗、4乗その他の冪乗により測定される。
このため、このような代替的な実施の形態においては、量子化値Qに関する量子
化間隔は、量子化値Qを生成したと同じ量子化器により生成される他の量子化値
に対するより(このような代替的な幾何学で測定される如く)量子化値Qに近い
全ての点のセットとして定義される。このようなある実施の形態においては、量
子化間隔は隣接する領域である必要はない。
【0173】 ポイント・コーダ330の働きについては、図8Aおよび図8Bに関して次に
更に記述する。図8Aは、図4Bのウォーターマーク信号102の1ビットが図
4Aのホスト信号101の2つのピクセル、ピクセル410および411に組込
まれる2ディメンションの組込みプロセスの1つの図例の図形表示である。図8
Bは、図4Bのウォーターマーク信号102の2ビットがピクセル410および
411に組込まれる2ディメンションの組込みプロセスの別の図例の図形表示で
ある。更に一般的には、図8Aおよび図8Bの両図において、ウォーターマーク
信号値が2つのホスト信号値に組込まれる。図8Aの図例は、1ディメンション
のディザ処理された量子化器の2ディメンションへの拡張であり、その構成は図
5Cおよび図5Dに関して先に述べている。すなわち、例示の目的のために、デ
ィメンション数決定器710により決定されるディメンション712が2である
ものと仮定される。図8Bは、Y量子化値の分布が例えばO量子化値からの一定
のオフセットにより関連していないから、ディザ処理された量子化器ではない組
込生成器により生成される量子化値を示している。
【0174】 図8Aによれば、例示の目的のため、ピクセル410および411に組込まれ
るべきウォーターマーク信号102の1ビットが下位のビットである、すなわち
図4Bのビット458であるものと仮定される。このため、共に処理されたウォ
ーターマーク信号成分の数は1(1ビット)であり、ウォーターマーク信号値決
定器720により決定されるウォーターマーク信号値722のあり得る数は2(
例えば、「0」および「1」)である。
【0175】 例示の目的のため、分布決定器730が、2つのあり得るウォーターマーク信
号値に対する量子化値が両方のディメンションに規則的かつ均等に分布されるよ
うに、分布パラメータ732を決定するものと仮定される。別の実施の形態にお
いては、量子化値のこのようなセットの一方または両方が1つのディメンション
に規則的かつ均等に分布されるが、他のディメンションあるいはそれらの任意の
組合わせにおいては規則的にも均等にも分布されない。前の事例におけるように
、値「0」および「1」がそれぞれOディザ処理量子化器により生成されるO量
子化値およびXディザ処理量子化器により生成されるX量子化値に対応するもの
と仮定される。ウォーターマーク信号成分の共に処理されたグループの1つのあ
り得るウォーターマーク信号値にそれぞれ対応するO量子化器およびX量子化器
は、このように当該図例において量子化器のアンサンブル742を構成する。従
って、組込値生成器750の組込みは、記号「O」および「X」により図8Aに
示される量子化値324を生成する。
【0176】 典型的なX量子化値は822A−822Dと表示され、典型的なO量子化値は
図8Aにおいて824A−824Dと表示される。共に処理されたホスト信号成
分の一方に対応するホスト信号値が実数線801上の点により表わされるものと
仮定され、他の共に処理されたホスト信号成分の他方に対応するホスト信号値が
実数線802上の点により表わされるものと仮定される。特に、例示として、線
801上の実数N410はピクセル410のグレースケール値であり、線802
上の実数N411はピクセル411のグレースケール値であるものと仮定される
。実数線801および802(図の上では直交するように仮定されるが、そうで
ある必要はない)により画定される2ディメンションの空間における点は、この
ようにピクセル410および411のグレースケール値を表わす。この点は、図
8Aでは記号「#」により表わされ、実数の対NAと呼ばれる。
【0177】 図示の実施の形態においてディザ処理された量子化器であると仮定されるポイ
ント・コーダ330は、ビット458をピクセル410および411へ組込む。
このような組込みは、図8Aにおいては2ディメンションの組込みプロセスが示
されることを除いて、図5C、図5Dおよび図6Aの1ディメンション組込みに
関して先に述べたものと実質的に同じ方法で達成される。すなわち、ディザ値は
、量子化前にNAの値に加えられあるいはこれから差引かれる(これにより、N
Aを実数線801に関してそれぞれ右または左に動かし、かつNAを実数線80
2に関してそれぞれ上または下に動かす)。ディザ値は、各ディメンションにお
いて同じである必要はない。例えば図8Aにおいては、X量子化値822Cが実
数線802に関してある距離だけO量子化値からずらされて示されるが、実数線
801に関してはずらされない。
【0178】 言い方を変えれば、NAが置かれる2ディメンションの量子化間隔(「NAの
2ディメンションの間隔」)はディザ値だけシフトされるが、NAがシフトされ
る方向と反対の2ディメンション方向にシフトされる。すなわち、右および上へ
のNAのシフトは左および下へのNA間隔のシフトに相当し、その逆も真である
。図5Cおよび図5Dに示される実施の形態に関して述べたように、ディザ値は
、NAに最も近い間隔の境界が組込まれるウォーターマーク信号値に対応するデ
ィザ処理された量子化器により生成される2つの量子化値間の中間点に位置する
結果となる実数値である。明瞭にするため、この間隔の境界は図8Aには示され
ない。
【0179】 例示のウォーターマーク信号102のビット458の値は「1」である。この
ため、NAはX量子化器により生成された最も近い値へマップされ、すなわち、
図例においては、実数線801および802により画定される2ディメンション
空間における記号「X」の最も近いものへマップされる。明らかなように、ポイ
ント・コーダ330は、どれがX量子化値の最も近いものかの決定において種々
の公知の距離測定法のいずれかを用いる。例えば、このような測定法は、ユーク
リッド幾何学、重み付けしたユークリッド幾何学、あるいは非ユークリッド幾何
学に関わるものである。図8Aの図例においては、X量子化器により生成される
NAに最も近いこのような値は量子化値822Cである。従って、NAは量子化
値822Cへマップされる。すなわち、ピクセル410のグレースケール値は、
実数N410から実数N410Aへ変更される。同様に、ピクセル411のグレ
ースケール値は実数N411から実数N411Aへ変更される。このように、ウ
ォーターマークが伴う歪みは、NAから量子化値822Cまでの2ディメンショ
ンの距離により表わされる。
【0180】 図8Bは、明らかなように、図4Bのウォーターマーク信号の2ビットがピク
セル410および411に組込まれる2ディメンションの組込みプロセスの一実
施態様を示している。このため、共に処理されたウォーターマーク信号成分の数
は2(2ビット)であり、ウォーターマーク信号値決定器720により決定され
るあり得るウォーターマーク信号値722の数は4(例えば、「00」、「01
」、「10」および「11」である)。図例では、別の実施の形態においては必
要でないが、4つのあり得るウォーターマーク信号値に対する量子化値が両方の
ディメンションに規則的あるいは均等に分布されないように、分布決定器730
が分布パラメータ732を決定する。別の実施の形態においては、量子化値のこ
のようなセットの1つ以上が1つのディメンションにおいて規則的かつ均等に分
布されるが、他のディメンションでは規則的にも均等にも分布されないか、ある
いはその組合わせである。
【0181】 値「00」、「01」、「10」および「11」は、Oディザ処理量子化器に
より生成されるO量子化値、Xディザ処理量子化器により生成されるX量子化値
、Yディザ処理量子化器により生成されるY量子化値およびZディザ処理量子化
器により生成されるZ量子化値にそれぞれ対応するものと例示的に仮定される。
ウォーターマーク信号成分の共に処理されたグループの1つのあり得るウォータ
ーマーク信号値にそれぞれ対応するO、X、YおよびZ量子化器は、このように
当該図例において量子化器のアンサンブル742を構成する。
【0182】 従って、組込値生成器750は記号「O」、「X」、「Y」および「Z」によ
り図8Bに示される量子化値324を生成し、その典型例がそれぞれ834A−
B、832A−B、836A−Bおよび838A−Bで表示される。例示的に、
実数線803上の実数N410がピクセル410のグレースケール値であり、実
数線804上の実数N411がピクセル411のグレースケール値であるものと
仮定される。実数線803および804(直交するように例示的に仮定されるが
、そうである必要はない)により定義される2ディメンション空間における点は
、このようにピクセル410および411のグレースケール値を表わす。この点
は、図8Bにおいては記号「#」により表わされ、実数対NBと呼ばれる。
【0183】 ポイント・コーダ330は、2ビットを図8Aに示されたような1ビットの組
込みに関して先に述べたものと実質的に同じ方法でピクセル410および411
に組込む。例示の目的のため、組込まれる2ビットが図4Bのウォーターマーク
信号102のビット457および458であることが仮定される。ビット457
および458の値は「11」である。このため、NAはZ量子化器により生成さ
れる最も近い量子化値にマップされ、すなわち図例では、実数線803および8
04により定義される2ディメンション空間における記号「Z」の最も近いもの
にマップされる。従って、NBは、量子化値838Bにマップされる。すなわち
、ピクセル410のグレースケール値が実数N410から実数N410Bへ変更
される。同様に、ピクセル410のグレースケール値は実数N411から実数N
411Bへ変更される。このように、ウォーターマークが伴う歪みは、NBから
量子化値838Bまでの2ディメンション距離により表わされる。
【0184】 ポイント・コーダ330は、同様に、高ディメンションの量子化器を用いて任
意数のホスト信号成分に任意数のウォーターマーク信号成分を組込む。更に、一
連の低ディメンションの量子化器を用いて、任意数のウォーターマーク信号成分
が任意数のホスト信号成分に組込まれる。例えば、10個の1ディメンション量
子化器を用いて、1ビットが10ピクセルに組込まれる。ディザ処理された量子
化の図例におけるこのような組込みを達成するため、アンサンブル生成器740
がビットのあり得る値「0」に対応する10個のディザ値を識別する。同様に、
アンサンブル生成器740は、ビットのあり得る値「1」に対応する10個のデ
ィザ値を識別する。「0」のディザ値セットのディザ値の少なくとも1つが、「
1」のディザ値セットの対応するディザ値と異なる。例えば、値「0」を持つウ
ォーターマーク信号成分を組込むために、ポイント・コーダ330は、「0」の
ディザセットの第1のディザ値を第1のピクセルに用い、「0」のディザセット
の第2のディザ値を第2のピクセルに用いる、などである。同様に、値「1」を
持つウォーターマーク信号成分を組込むため、ポイント・コーダ330は、「1
」のディザセットの第1の値を第1のピクセルに用い、「1」のディザセットの
第2のディザ値を第2のピクセルに用いる、などである。
【0185】 図例において、ポイント・コーダ330の動作は共に処理されたホスト信号成
分の1つのグループにおけるウォーターマーク信号成分の組込みに関して記述さ
れた。典型的に、このような動作は、共に処理されたホスト信号成分の他のグル
ープに関しても行われることになる。例えば、図4Bのウォーターマーク信号1
02に関しては、図8Aまたは図8Bに関して述べたように、共に処理されたビ
ット457および458が組込まれ、共に処理されたビット455および456
が同様に組込まれる、などである。従って、一般に、ポイント・コーダ330は
、共に処理されたホスト信号成分の1つ以上のグループについて働き、このよう
な動作は逐次、並行あるいはその両方であり得る。また、ディメンション数決定
器710、720および730によりなされる決定は共に処理されたホスト信号
成分の各グループに関して変化し得る。例えば、ディメンション712はこのよ
うな1つのグループに対して2であり、別のこのようなグループに対しては5で
ある。共に処理されたウォーターマーク信号成分の数はグループ間で変化し、こ
のため、信号値722がそのように変化し得る。また、このような各グループに
適用される分布パラメータ732が変化し、このため、各グループに関して用い
られる量子化器が変化し得る。
【0186】 ポイント・コーダ330は、典型的に、全ての共に処理されたホスト信号成分
について働き、すなわち、ウォーターマーク信号全体がホスト信号の1つ以上の
選択される組込みブロックに組込まれる。このようにウォーターマーク信号が組
込まれたホスト信号は、本文では複合信号と呼ばれる。このため、例示の実施の
形態のポイント・コーダ330は、図3Aに示されるように信号332を生成す
る。典型的に、複合信号が通信チャネルに送信するため送信機へ与えられる。こ
のため、図2に示されるように、例示の実施の形態の複合信号332は送信機1
20へ与えられ、送信された複合信号103は通信チャネル115上に送信され
る。しかし、別の実施の形態においては、複合信号332がこのように送信機へ
与えられる必要はない。例えば、複合信号332は、将来使用するためにメモリ
230Aに格納される。
【0187】 更に、ある実施の形態において、組込器201がウォーターマーク信号を複合
信号332へ組込むことを規定することにより多重組込みが実現される。このよ
うな選択は、図3Aの線372により示され、図3B−図3Gにおいて示唆され
るものと理解されよう。このような選択が実現されるこれらの実施の形態では、
複合信号332が、ホスト信号アナライザおよびブロック・セレクタ310がホ
スト信号101Aについて働くように先に記述されたと同じ方法でセレクタ31
0により操作される。このプロセスは、要求される回数だけ繰返すように反復さ
れ、すなわち、情報組込器201はウォーターマーク信号102A(または他の
任意のウォーターマーク信号)を、前記組込器が前の反復の結果として生成する
複合信号332へ組込み、このプロセスが任意の回数反復される。
【0188】 更に、組込器201の任意の機能要素の動作は反復の間に変わり得る。例えば
、最初の実施の間は、ブロック・セレクタ310が組込むブロック312を選択
し、2回目の実施ではブロック312Cを、以降の反復ではブロック312Aを
再び決定する。別の事例として、ディメンション数決定器710が、1回の実施
において2つのウォーターマーク信号成分が2つのホスト信号成分に組込まれる
ことを決定C、別の実施中は2つのウォーターマーク信号成分が5つのホスト信
号成分に組込まれることを決定する。同様に、ウォーターマーク信号値決定器7
20は、1回の実施において2つのウォーターマーク信号成分が2つの共に処理
されたホスト信号成分に組込まれることを、また別の実施においては10ウォー
ターマーク信号成分が2つの共処理されたホスト信号成分に組込まれることを決
定する。また、決定器720は、任意の反復において共に処理された各ウォータ
ーマーク信号成分のあり得る値の数を変更し得る。
【0189】 同じウォーターマーク信号が各反復において用いられていてもこのように組込
器201の動作を1つの実施から次HE変更する理由は、組込器201の動作パ
ラメータの各組合わせが一般に一部が先に述べられた明瞭な利点と欠点とをもた
らすことである。例えば、1回の反復における高いディメンションの選択は、デ
ィメンションあたり同数の量子化値を用いる低ディメンションプロセスに比して
比較的少ない量子化が伴う歪みを生じ得る。しかし、別の反復において低ディメ
ンションを選択すると、情報抽出コンピュータ・システム110Bが高ディメン
ションで組込まれる同じウォーターマークにおいて可能であるよりも速くウォー
ターマークを抽出することを可能にし得る。このように、多重組込みを用いるこ
とにより、コンピュータ・システム110Bは、低い歪みおよびより速い実行の
いずれかを必要とするかに従って、ウォーターマークの多重組込みの事情のいず
れかについて選択的に働き得る。
【0190】 同様に、抽出コンピュータ・システム110Bは、チャネル・ノイズ104が
比較的低ければ、ウォーターマーク信号の組込みの低ディメンションの事情を選
択することがあり、またチャネル・ノイズ104が比較的高ければ、高ディメン
ションの事情を選択することもある。その理由は、比較的高い密度の情報が、チ
ャネル・ノイズ104に対する感応度は高いという犠牲において一般に高ディメ
ンションよりは低ディメンションの状況において送られることがあるからである
。このように、抽出コンピュータ・システム110Bは、特定の時点における通
信チャネル115の状態に最もよく適合する状況を選択する。このような考慮が
妥当する1つの用途は、インターネットのようなネットワークによるウォーター
マーク・イメージの送信であり、この場合、何回イメージが複製されあるいは送
信されたか、また色々なソースからのノイズによりどの程度影響を受けたかにつ
いては直ちに判らない。これらの事例は単なる例示であること、および種々の組
込み条件下における同じかあるいは別のウォーターマークの多重組込みによって
他の多くの利点が得られることが理解されよう。 情報抽出器202 図9は、図2の情報抽出器202の機能ブロック図である。図示の実施の形態
においては、情報抽出器202は受信機125から(入出力装置260Bの入力
装置とオペレーティング・システム220Bとを介して)事後受信機信号105
Aを受信する。図9に示されるように、情報抽出器202は、送信された複合信
号103の各部に対応するこのような信号の特定部分の場所が決定されるように
、信号105Aを同期するシンクロナイザ910を含む。情報抽出器202はま
た、組込生成器と情報組込器201が生成した組込値のアンサンブルを複製する
アンサンブル・レプリケータ920をも含む。明らかなように、このような複製
は、一実施形態においては、受信した信号の一部を調べることによって行われる
。別の実施の形態においては、量子化器スペシファイヤに含まれる情報は直ちに
情報抽出器202から利用可能である。図例の複製された組込生成器はディザ処
理された量子化器であり、組込値はディザ処理された量子化値である。情報抽出
器202は更に、ウォーターマーク信号成分の処理されたグループごとに、ホス
ト信号の選択値に最も近いディザ処理された量子化値を決定することによりウォ
ーターマーク信号を構成し直すポイント・デコーダ930も含む。シンクロナイザ910 図例のシンクロナイザ910は、例示の実施の形態のシンクロナイザ910は
、送信された信号および対応する受信信号を同期させる種々の公知装置のいずれ
かでよい。特に、シンクロナイザ910は、事後受信機信号105Aの内容が識
別され複合信号332の成分と関連付けられることを規定する。例えば、ピクセ
ル410および411を含むウォーターマーク信号102が組込みブロック31
2い組込まれる図示の実施の形態においては、シンクロナイザ910が組込みブ
ロック312Cの初めが正確に識別されることを規定する。
【0191】 特にイメージであるホスト信号に関するある実施の形態においてシンクロナイ
ザ910により有効に適用される手法の1つの公知グループは、「エッジ整合」
と呼ばれる。当業者には周知のように、受信された複合信号におけるイメージの
エッジを検出するために色々な形式のエッジ検出アルゴリズムが用いられる。こ
れらのアルゴリズムは典型的に、フィルタ処理情報またはセグメント化情報のた
めの統計的手法その他の手法を含んでいる。
【0192】 シンクロナイザ910は、エッジを検出すると、受信した複合信号が送信され
た複合信号に更によく似るように、前記エッジを垂直および水平方向に整合し直
し、そのプロポーションを取り直し、および(または)これを再サンプルする公
知の手段に従って受信したイメージを更に処理する。便宜のため、シンクロナイ
ザ910は、ある実施の形態においては、送信された複合信号を「再整合」する
ための1つ以上の要素を含むものと言われる。(用語「再整合」はときにイメー
ジに関して特に用いられるが、本文においては、全ての形式の信号に適用するよ
う広義に用いられる。)例えば、オリジナルの写真イメージからなるホスト信号
は、ウォーターマーク信号が組込まれる512ピクセル×512ピクセルの寸法
を持つものと例示的に仮定される。送信時には、イメージはその垂直および水平
方向のアラインメントが変更されるように回転される。送信においては、サンプ
リングもまた生じる。例えば、送信チャネルは、走査されたイメージが1000
ピクセル×800ピクセルの解像度を持つように組込器201により生じた複合
イメージの走査を含む。あるいはまた、送信チャネルにより生じる回転、プロポ
ーション修正および(または)解像度の変更の補正のため、公知あるいは将来開
発される種々の再サンプリング手法のいずれかがシンクロナイザ910により用
いられる。例えば、シンクロナイザ910は、公知手段に従って補間カーネルを
用いる再サンプリング手法を用いる。
【0193】 また、回転、変換、再スケーリングなどにより受信複合信号の整合を助けるた
めに、種々の公知のエラー検出アルゴリズムのいずれかが用いられる。すなわち
、ホスト信号における組込まれるウォーターマーク信号にエラー検出コードが含
まれる。エラー検出コードがウォーターマーク信号の残部と共に複合信号から抽
出されると、エラーがあったかを判定するためこのコードが調べられる。エラー
が生じていたならば、複合信号は、整合操作のための異なるパラメータを用いて
シンクロナイザ910により再処理される。例えば、受信した複合信号が10度
だけ回転したときにエラーが生じるならば、シンクロナイザ910は20度の回
転を与える。このプロセスは、エラー検出コードの抽出がエラーが無くなったこ
とを示すまで、所望の解像度で繰返すことができる。
【0194】 ある構成においては、前置プロセッサ109による種々の変換の適用は、シン
クロナイザ910により用いられるこれらの補正プロセスを増大しあるいは不要
にし得る。例えば、当業者には周知の理由から、フーリエ・メリーン変換を用い
てホスト信号イメージを予め処理すると、典型的に回転またはスケーリングによ
る補正(すなわち、イメージの比例的な伸縮)を試みる必要を減じあるいは排除
する。このため、フーリエ・メリーン変換は、回転およびスケーリングの不変性
を生じると言われる。ラドン変換法の適用もまた典型的に、回転またはスケーリ
ングによる補正を試みる必要を減じあるいはこれを排除する。また、これらおよ
び他の変換法は、変換(イメージ空間におけるイメージの移動)の不変性のよう
な付加的な利点をもたらすように組合わせて用いられる。例えば、明らかなよう
に回転およびスケーリングの不変性を生じるラドン変換法は、変換の不変性を生
じるようにフーリエ変換と組合わせることができる。これも当業者に周知のよう
に、フーリエ・メリーン変換とフーリエ変換との組合わせもまた、変換の不変性
をもたらす。
【0195】 1つの公知の構成においては、同期コードが送信機120により、あるいは情
報組込みコンピュータ・システム110Aによって複合信号332へ付加される
。このようなコードは、例えば、複合信号332の開始、整合、および(または
)配向、および複合信号332内の組込みブロックの開始、整合および(または
)配向を識別する特殊なパターンを含む。種々の公知の手法のいずれかによれば
、シンクロナイザ910は、同期コードを見出し、これにより組込みブロックの
開始、整合および(または)配向を決定する。このため、例えば、送信された複
合信号103の一部が送信中に失われあるいは歪められるならば、シンクロナイ
ザ910が組込みブロック312Cの開始を識別する(典型的には、このような
ブロックの送信も失われずあるいは歪められなければ)。同様に、シンクロナイ
ザ910は、以下に述べる量子化器のスペシファイヤのような事後受信機信号1
05Aの他の部分を識別する。
【0196】 本文において、特定形式の同期コードが「トレーニング・シーケンス」と呼ば
れる。トレーニング・シーケンスは、送信機120またはコンピュータ・システ
ム110Aにより、複合信号332における予め定めた場所、例えば信号の初め
あるいはマスクされる場所へ挿入される。トレーニング・シーケンスは、任意の
予め定めたデータを予め定めたシーケンスで含む。シンクロナイザ910は、ト
レーニング・シーケンスを組込みブロックの開始の決定のみでなく、先に述べた
ように複合信号を整合する操作を容易にするためにも用いる。例えば、受信した
トレーニング・シーケンスを予め定めたトレーニング・シーケンスに比較するこ
とにより、シンクロナイザ910は、受信したトレーニング・シーケンスが再プ
ロポーション調整、再スケーリング、回転および(または)変換が行われたこと
を判定する。この情報は、受信信号を全体的に整合するため、すなわち、トレー
ニング・シーケンスに関して観察された変化の種類および程度を補償するため、
後でシンクロナイザ910により有効に適用される。このように、シンクロナイ
ザ910は、事後受信機信号105Aについて操作して同期された複合信号91
2を生成する。
【0197】 アンサンブル・レプリケータ920 明らかなように、アンサンブル・レプリケータ920は、情報組込器201が
生成したディザ処理された量子化器とディザ処理された量子化値のアンサンブル
を複製する。一実施形態においては、レプリケータ920は、便宜上「量子化器
スペシファイヤ」(図示せず)と呼ばれる事後受信機信号105Aの部分を調べ
ることによってこの機能を実施する。この量子化器スペシファイヤは典型的に、
共に処理されたホスト信号成分の各グループおよび共に処理されたホスト信号成
分の各グループに関して分布決定器730により決定された分布パラメータ73
2とに対して、ディメンション数決定器710により適用されるディメンション
712と関連する情報を含む。例えば、量子化器スペシファイヤは、図5Dに示
されたディザ処理された量子化値の分布が記述されるように、共に処理されたホ
スト信号成分の各グループごとに、ディメンション712が「2」であり、2つ
のディザ処理された量子化器が用いられ、ディザ値がΔ/4であるなどの情報を
含む。
【0198】 あるいはまた、メモリ230Bは、ディザ処理された量子化値の種々の分布が
指数と関連するルックアップ・テーブル(図示せず)を含む。例えば、図5Dに
示された分布が指数の値「1」と関連し、図8Aに示された分布が値「2」と関
連する、などである。このような代替的な構成においては、量子化器スペシファ
イヤがこのような指数と関連している。
【0199】 更に別の構成においては、送信される量子化器スペシファイヤの必要はない。
むしろ、量子化値の分布のデフォルトまたは標準的な記述がアンサンブル指示器
320によりアクセスされるようにメモリ230Aに周知の手法により格納され
、かつレプリケータ920によりアクセスされるようにメモリ230Bに格納さ
れる。例えば、量子化値の1つの標準的分布は、情報組込器201と情報抽出器
202の両者により用いられる。すなわち、例えば、この分布は、ディメンショ
ンが常に「2」であり、デルタ値が常にΔ/4であり、というように予め定めら
れる。また、1組のこのような標準的分布が、ホスト信号の特性に従って用いら
れ、例えば、標準的分布S1は黒白イメージに対して用いられ、標準的分布S2
はカラー・イメージに対し、標準的分布S3は予め定めたサイズより大きいイメ
ージに対して用いられる、などである。ホスト信号の特性と関連しない他の因子
、例えば、データ、時刻もまた用いられ、あるいはコンピュータ・システム11
0Aとコンピュータ・システム110Bの両方により独立的に確認され得る他の
任意の因子が用いられる。このように、標準的分布S4は月曜日に用いられ、S
5は火曜日に用いられる、などである。
【0200】 量子化器のアンサンブルを複製するためのこのような任意の手法により、レプ
リケータ930は、複製された量子化値922を生成する。レプリケータ930
は、ホスト信号成分の共に処理された各グループに組込まれる各ウォーターマー
ク信号成分をデコーディングするためデコーダ930を指示する値922を提供
する。
【0201】 ポイント・デコーダ930 図10は、ポイント・デコーダ930の動作に従って例示のホスト信号から例示
のウォーターマーク信号を抽出する2ディメンションの1つの図例の図形表示で
ある。特、図10は、図8Aに示された量子化値とホスト信号成分とに対応する
、複製された量子化値922と事後受信機信号105の成分とを示している。複
製された量子化値922の典型的な部分が、図10における記号「O」および「
X」により示され、一般的かつ総合的にそれぞれ量子化値1024および102
2と呼ばれる。このような量子化値の典型的なものは、それぞれ量子化値102
4A−1024B、および1022A−1022Bである。このように、量子化
値1024および1022は、当該図例においては、それぞれ図8の量子化値8
24および822に対応している。
【0202】 図示の目的のため、図10の実数N410RおよびN411Rが、図8Aのウ
ォーターマーク信号成分が組込まれたホスト信号成分に対応する2つのノイズ成
分を含む受信複合信号のグレースケール値を表わすことが更に仮定される。すな
わち、実数線1001上のN410Rは事後受信機信号105Aに受信されるよ
うなピクセル410のグレースケール値を表わし、実数線1001上のN411
Rは信号105Aに受信されたようなピクセル411のグレースケール値を表わ
す。図8Aに関して述べたように、ピクセル410および411に組込まれたウ
ォーターマーク信号はウォーターマーク信号102のビット458の値である。
このような値は「1」であり、これは図例においては、X量子化値に対応する。
このように、ピクセル410および411のグレースケール値は図8Aに示され
たような値N410AおよびN411Aへ変更される。チャネル・ノイズ104
がない場合は、ピクセル410および411の受信グレースケール値は値N41
0AおよびN411Aと同じである。しかし、図10における例示目的のため、
チャネル・ノイズ104が存在することが仮定される。このように、例示として
、信号105Aに受信されるようなピクセル410および411のグレースケー
ル値がこのようなノイズにより歪められることが仮定される。NRを付した点に
より2ディメンション空間に総合的に示される図10のグレースケール値N41
0RおよびN411Rは、それぞれピクセル410および411のこのような歪
められたグレースケール値を例示として表わす。
【0203】 ポイント・デコーダ930は、点NRに量子化値1024および1022の最
も近いものを決定する。このような近接の決定は、例えば、最も遭遇しやすいノ
イズの種類に従って変化する。例えば、この決定は、ノイズの可能性の分布に基
き得る。先に述べたように、このような近接の決定はまた、例えば、レプリケー
タ920に関して述べた量子化器スベシファイヤにおいて指定され、デフォルト
形式であり、あるいは他の方法で決定される用いられた幾何学の種類におうじて
変化し得る。更に、近接の決定は、情報組込器201の動作に関して用いられた
ものと同じである必要はない。
【0204】 近接の決定のため、種々の公知の、あるいは将来開発される手法および試みを
用いることができる。例えば、既知の最短距離法を用いることに加えて、他の適
用し得る公知手法は、エラーの最小確率および最大事後確率法を含む。ある実施
の形態においては、ポイント・デコーダ930は、種々の公知のエラー検出要素
の1つ以上のどれかを含む。これらの要素は、近接の決定のための手法のどれか
あるいは他の手法がエラー回避の信頼度により計測して最も有効であるかを決定
するのに用いられる。例えば、1つのこのような手法を用いてエラーが検出され
るならば、別の手法も試みられる、などとなり、最小限のエラーを生じる結果と
なる手法がポイント・デコーダ930の動作の残りに対して用いられる。
【0205】 図10の図例では、点NRに最も近い量子化値がX量子化値1022Bである
。従って、ポイント・デコーダ930は、ピクセル410および411に組込ま
れたウォーターマーク信号値が値「1」であるX量子化値1022に対応する値
であることを決定する。同様に、ポイント・デコーダが、信号105Aに受信さ
れたような共に処理されたホスト信号成分の相互のグループを典型的に処理する
。このように、全ての組込まれたウォーターマーク信号成分の値は、信号105
Aから抽出される。このような抽出されたウォーターマーク値は、図1、図2お
よび図9において、再構成ウォーターマーク信号106として表わされる。
【0206】 図6Cおよびスーパー・レイト量子化の構成に関して先に述べたように、ポイ
ント・デコーダ930は、任意に、他の複合信号成分のシーケンスまたは集合に
基く複合信号成分の値を予測する手段を含んでいる。便宜のため、これら手段は
、「統計予測手段」と呼ぶが、この用語は、全体的あるいは部分的のいかんを問
わずこのような予測を行うために分析、特徴付け、シミュレーション、モデリン
グその他の処理シーケンスまたは集合のための公知あるいは将来開発される手法
を含むものと広義に理解されるべきものである。
【0207】 本発明の1つの実施の形態について記述したが、当業者には、以上の記述が例
示に過ぎず限定ではなく、事例としてのみ述べたことが明らかであろう。例示し
た実施の形態の種々の機能的モジュールにおける機能を記述するための他の多く
の方式が本発明によって可能である。任意のモジュールの機能は、代替的な実施
の形態において種々の方法で実施することできる。特に、限定はしないが、本発
明にれば、ホスト信号の組込みブロックの識別、ディメンションの決定、分布パ
ラメータの決定、受信した複合信号の同期、および量子化値の複製に関して多く
のバリエーションが考えられる。
【0208】 更に、当業者には、本発明の機能モジュール間の制御およびデータ・フローお
よび種々のデータ構造(例えば、データ構造712、722、732および74
2のような)が、本文に述べた制御およびデータ・フローとは多くの方法で異な
ることが理解されよう。特に、中間的な機能モジュール(図示せず)が、並列処
理を可能にするためあるいは他の理由から、制御またはデータ・フローを方向付
け、種々のモジュールの機能の組合わせ、分割、あるいは他の方法によって再構
成され、中間的なデータ構造が用いられ、色々なデータ構造が組合わせられ、機
能あるいはその部分の順序付けを変更できる、などである。他の多くの実施の形
態およびその修正は、頭書の請求の範囲およびその相当技術により記載されるよ
うな本発明の範囲内に該当するものと見なされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の情報組込器の実施の一形態と共働する第1のコンピュータ・システム
の一実施形態、本発明の情報組込器の実施の一形態と共働する第2のコンピュー
タ・システムの一実施形態および2つのコンピュータ・システムを結合する通信
チャネルの簡略ブロック図である。
【図2】 本発明の情報組込器と情報抽出器の一実施形態を含む図1の第1および第2の
コンピュータ・システムの一実施形態の機能ブロック図である。
【図3】 Aは、図2の情報組込器の機能ブロック図である。 Bは、ホスト信号およびウォーターマーク信号の第1の形式の処理をも示す図
2の情報組込器の機能ブロック図である。 Cは、ホスト信号およびウォーターマーク信号の第2の形式の処理をも示す図
2の情報組込器の機能ブロック図である。 Dは、ホスト信号およびウォーターマーク信号の第3の形式の処理をも示す図
2の情報組込器の機能ブロック図である。 Eは、図2の情報組込器により生成される複合信号の従来の組込みをも示す図
2の情報組込器の機能ブロック図である。 Fは、ホスト信号およびウォーターマーク信号の第4の形式の処理をも示す図
2の情報組込器の機能ブロック図である。 Gは、ホスト信号およびウォーターマーク信号の第5の形式の処理をも示す図
2の情報組込器の機能ブロック図である。
【図4】 Aは、図2および図3の情報組込器によりウォーターマーク信号が組込まれる
ホスト信号の図例の図形表示である。 Bは、図2および図3の情報組込器により図4Aのホスト信号に組込まれるウ
ォーターマーク信号の図例の図形表示である。
【図5】 Aは、簡単な量子化のための公知手法が適用されることに関する実数線の図形
表示である。 Bは、低ビット変調のための公知手法が適用されることに関する実数線の図形
表示である。 Cは、図3Aの情報組込器の量子化器のアンサンブル指示器の実施の一形態の
動作に従って、2つのディザ処理された量子化器のアンサンブルの第1の実施の
形態がディザ処理された量子化値の実施の一形態を生成することに関する実数線
の図形表示である。 Dは、図5Cの実数線の代替的な図形表示である。
【図6】 Aは、図3Aの情報組込器の量子化器のアンサンブル指示器の実施の一形態の
動作に従って、2つのディザされた量子化器のアンサンブルの第2の実施の形態
が生成したことに関する実数線の図形表示である。 Bは、図3Aの情報組込器の量子化器のアンサンブル指示器の実施の一形態の
動作に従って、ディザ処理されない量子化器ではない2つの組込生成器のアンサ
ンブルの実施の一形態が組込値の1つの実施の形態を生成したことに関する実数
線の図形表示である。 Cは、組込生成器がスーパー・レイトの量子化手法に基いて組込値を生成する
実施の一形態を示す、図3Aの情報組込器の量子化器のアンサンブル指示器の実
施の一形態の動作に従って、スーパー・レイトの量子化器である2つの組込生成
器のアンサンブルの実施の一形態が組込値の実施の一形態を生成したことに関す
る実数線の図形表示である。
【図7】 図3の情報組込器の量子化器のアンサンブル指示器の実施の一形態の機能ブロ
ック図である。
【図8】 Aは、図3Aの情報組込器の量子化器のアンサンブル指示器の実施の一形態の
動作に従う例示的なウォーターマーク信号による例示的なホスト信号の2ディメ
ンションウォーターマーキングの一例の図形表示である。 Bは、図3Aの情報組込器の量子化器のアンサンブル指示器の実施の一形態の
動作に従う例示的なウォーターマーク信号による例示的なホスト信号の2ディメ
ンションウォーターマーキングの別の一例の図形表示である。
【図9】 図2の情報組込器の機能ブロック図である。
【図10】 図9の情報組込器のポイント・デコーダの実施の一形態の動作に従う例示的な
ホスト信号からの例示的なウォーターマーク信号の2ディメンション抽出の一例
の図形表示である。
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月28日(2000.11.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP (72)発明者 ウォーネル,グレゴリー・ダブリュー アメリカ合衆国マサチューセッツ州02181, ウェルズリー,アイヴィー・ロード 75 Fターム(参考) 5B057 BA04 CE08 5C076 AA14 BA06 【要約の続き】 る。この実施において適用組込値発生器を含み、各適用 組込値発生器により複数の適用組込値を発生する。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウォーターマーク信号によりホスト信号をウォーターマーク
    するシステムであって、該ウォーターマーク信号は、それぞれ複数のウォーター
    マーク信号値の1つを持つウォーターマーク信号成分を含み、前記ホスト信号は
    、それぞれ複数のホスト信号値の1つを持つホスト信号成分を含むシステムにお
    いて、 少なくとも1つの主要信号の1つ以上の主要信号成分に働いて、1つ以上の変
    換されたホスト信号成分と1つ以上の変換されたウォーターマーク信号成分とを
    生成する前置プロセッサと、 各々が1つ以上の変換されたウォーターマーク信号成分の共に処理されたグル
    ープの1つのウォーターマーク信号値に対応する、複数の組込生成器を指定する
    アンサンブル指示器と、 各組込生成器により、複数の組込値を生成し、該複数の組込値の各々の合計が
    第1の組込値セットを含み、該第1の組込生成器により生成された少なくとも1
    つの組込値が第2の組込生成器により生成された任意の組込値と同じでない組込
    値生成器と、 1つ以上の選択された変換ホスト信号成分の少なくとも1つのホスト信号値を
    第3の組込生成器の第1の組込値に設定することにより複合信号値を形成する、
    前記第3の組込生成器が共に処理された変換ウォーターマーク信号成分のグルー
    プの第1のウォーターマーク信号値に対応し、かつ前記第1の組込値が少なくと
    も部分的に少なくとも1つのホスト信号値に対するその近接に基いて選択され、
    かつ1つの組込生成器の少なくとも1つの組込み間隔が少なくとも1つの他の組
    込生成器の任意の組込み間隔と同じでない、ポイント・コーダと、 を備えるシステム。
  2. 【請求項2】 前記前置プロセッサが、 前記主要信号の少なくとも第1の成分を第1のフォーマットへ変換することに
    より少なくとも第1の変換ホスト信号成分を生成する第1のフォーマット変換器
    と、 前記主要信号の少なくとも第2の成分を第2のフォーマットへ変換することに
    より少なくとも第1の変換ウォーターマーク信号成分を生成する第2のフォーマ
    ット変換器と、 を含む請求項1記載のシステム。
  3. 【請求項3】 前記前置プロセッサが、 前記主要信号成分の少なくとも第1の成分を第1のフォーマットへ変換するこ
    とにより少なくとも1つの第1のフォーマットの変換信号成分を生成する第1の
    フォーマット変換器と、 前記主要信号の少なくとも第2の成分を第2のフォーマットへ変換することに
    より少なくとも第1の変換ウォーターマーク信号成分を生成する第2のフォーマ
    ット変換器と、 前記第1のフォーマット変換器に結合されて、前記少なくとも1つの第1のフ
    ォーマットの変換信号成分を変換することにより少なくとも第1の変換ホスト信
    号成分を生成する第3のフォーマット変換器と、 を含む請求項1記載のシステム。
  4. 【請求項4】 前記前置プロセッサが、前記主要信号成分の少なくとも第1
    の成分を変換することにより少なくとも第1の変換ホスト信号成分を生成する変
    換器を含む請求項1記載のシステム。
  5. 【請求項5】 前記第1のウォーターマーク信号値を前記第1の組込値から
    抽出する情報抽出器を更に備える請求項1記載のシステム。
  6. 【請求項6】 前記組込値生成器が、前記第3の組込生成器により生成され
    た2つ以上の組込値の各々間の第1の予め定めた関係に基いて前記第1の複数の
    組込値を生成する請求項1記載のシステム。
  7. 【請求項7】 ホスト信号をウォーターマーク信号によりウォーターマーク
    するシステムであって、該ウォーターマーク信号は、それぞれ複数のウォーター
    マーク信号値の1つを持つウォーターマーク信号成分を含み、前記ホスト信号は
    それぞれ複数のホスト信号の1つを持つホスト信号成分を含むシステムにおいて
    、 少なくとも1つの主要信号の1つ以上の主要信号成分と補足信号の1つ以上の
    補足信号成分とに働いて、1つ以上の変換されたホスト信号成分を生成する前置
    プロセッサと、 それぞれ1つ以上のウォーターマーク信号成分の共に処理されたグループの1
    つのウォーターマーク信号値に対応する複数の組込生成器を指定するアンサンブ
    ル指定器と、 各組込生成器により、複数の組込値を生成する、複数の組込値の各々の合計が
    第1の組込値セットを含み、第1の組込生成器により生成された少なくとも1つ
    の組込値が第2の組込生成器により生成された任意の組込値とは同じでない、組
    込値生成器と、 1つ以上の選択された変換ホスト信号成分の少なくとも1つのホスト信号値を
    第3の組込生成器の第1の組込値へ設定する、前記第3の組込生成器が共に処理
    されたウォーターマーク信号成分のグループの第1のウォーターマーク信号値に
    対応し、かつ前記第1の組込値が少なくとも1つの前記ホスト信号値に近接する
    部分に少なくとも基いて選択され、かつ1つの組込生成器の少なくとも1つの組
    込み間隔が少なくとも相互の組込生成器の任意の組込み間隔と同じではないポイ
    ント・コーダと、 を備えるシステム。
  8. 【請求項8】 前記前置プロセッサが、少なくとも1つの補足信号成分を少
    なくとも1つの主要信号成分へ組込んで少なくとも1つの変換ホスト信号成分を
    生成する従来の組込器を含む請求項7記載のシステム。
  9. 【請求項9】 ホスト信号をウォーターマーク信号によりウォーターマーク
    するシステムであって、該ウォーターマーク信号が、それぞれ複数のウォーター
    マーク信号値の1つを持つウォーターマーク信号成分を含み、前記ホスト信号が
    、それぞれ複数のホスト信号値の1つを持つホスト信号成分を含むシステムにお
    いて、 組込まれる1つ以上のホスト信号成分を選択するブロック・セレクタと、 それぞれ1つ以上のウォーターマーク信号成分の共に処理されたグループの1
    つのウォーターマーク信号値に対応する複数の組込生成器を指定するアンサンブ
    ル指定器と、 各組込生成器により、複数の組込値を生成する、複数の各組込値の合計が第1
    の組込値セットを含み、第1の組込生成器により生成された少なくとも1つの組
    込値が第2の組込生成器により生成された任意の組込値と同じではない組込値生
    成器と、 1つ以上の選択されたホスト信号成分の少なくとも1つのホスト信号値を第3
    の組込生成器の第1の組込値へ設定することにより複合信号値を形成する、前記
    第3の組込生成器が共に処理されたウォーターマーク信号成分のグループの第1
    のウォーターマーク信号値に対応し、かつ前記第1の組込値が、少なくとも1つ
    の前記ホスト信号値に近接する部分に少なくとも基いて選択され、かつ1つの組
    込生成器の少なくとも1つの組込み間隔が少なくとも1つの他の組込生成器の任
    意の組込み間隔と同じではないポイント・コーダと、 を備えるシステム。
  10. 【請求項10】 ホスト信号をウォーターマーク信号によりウォーターマー
    クするシステムであって、該ウォーターマーク信号が、それぞれ複数のウォータ
    ーマーク信号値の1つを持つウォーターマーク信号成分を含み、前記ホスト信号
    が、それぞれ複数のホスト信号値の1つを持つホスト信号成分を含むシステムに
    おいて、 それぞれ1つ以上のウォーターマーク信号成分の共に処理されたグループの1
    つのウォーターマーク信号値に対応する複数の適合組込生成器を指定するアンサ
    ンブル指定器と、 各適合アンサンブル指定器により、複数の適合組込値を生成する、複数の各組
    込値の合計が複数の組込みスーパー・グループを含む第1の組込値セットを含み
    、第1の組込生成器により生成された少なくとも1つの組込値が第2の組込生成
    器により生成される任意の組込値と同じではない適合組込値生成器と、 1つ以上の選択されたホスト信号成分の少なくとも1つのホスト信号値を第3
    の組込生成器の第1の組込値へ設定することにより複合信号値を形成する、前記
    第1の組込値がホスト信号値から第1の組込みスーパー・グループにおいて最も
    離れている部分に少なくとも基いて選択され、前記第1のスーパー・グループが
    前記第3の組込生成器の任意の他の組込値よりも前記ホスト信号値にそれぞれ近
    い第3の組込生成器の複数の組込値を含み、前記第3の組込生成器が共に処理さ
    れたウォーターマーク信号成分のグループの第1のウォーターマーク信号値に対
    応するポイント・コーダと、 を備えるシステム。
  11. 【請求項11】 ホスト信号をウォーターマーク信号によりウォーターマー
    クする方法であって、該ウォーターマーク信号が、それぞれ複数のウォーターマ
    ーク信号値の1つを持つウォーターマーク信号成分を含み、前記ホスト信号が、
    それぞれ複数のホスト信号値の1つを持つホスト信号成分を含む方法において、
    (1)それぞれが1つ以上のウォーターマーク信号成分の共に処理されたグルー
    プの1つのウォーターマーク信号値に対応する複数の組込生成器を指定するステ
    ップと、 (2)各組込生成器により、複数の組込値の各々の合計が第1の組込値セットを
    含む該複数の組込値を生成する、第1の組込生成器により生成された少なくとも
    1つの組込値が第2の組込生成器により生成された任意の組込値と同じではない
    ステップと、 (3)1つ以上の選択されたホスト信号成分の少なくとも1つのホスト信号値を
    第3の組込生成器の第1の組込値へ設定することにより1つの複合信号値を形成
    する、前記第3の組込生成器がウォーターマーク信号成分の共に処理されたグル
    ープの第1のウォーターマーク信号値に対応し、かつ前記第1の組込値が少なく
    とも1つのホスト信号値に対しその近接に基いて選択されるステップと、 を含む方法。
  12. 【請求項12】 複数の組込生成器の少なくとも1つが量子化器である請求
    項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記第1の組込値が、少なくとも1つのホスト信号値に対
    する距離において前記第3の組込生成器の全ての組込値の最も近い組込値である
    請求項11記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記ステップ1が、 (a)ウォーターマークが伴う最大許容歪みレベルを決定するステップと、 (b)予期されるチャネルが伴う歪みレベルを決定するステップと、 (c)ウォーターマークが伴う最大許容歪みレベルとチャネルが伴う予期され
    る歪みレベルとに基いて複数の組込生成器を指定するステップと、 を含む請求項11記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記ステップ2が、前記第3の組込生成器により生成され
    る複数の組込値の各々間の第1の予め定めた関係に基く請求項11記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記ステップ2が更に、前記第3の組込生成器により生成
    される第2の組込値と前記複数の組込生成器の第4の組込生成器により生成され
    る第3の組込値との間の第2の予め定めた関係に基く請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記第2の予め定めた関係がディザ処理された関係である
    請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 (4)前記複合信号値から前記第1のウォーターマーク信
    号値を抽出して再構成されたウォーターマーク信号値を設定するステップを更に
    含む請求項11記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記ステップ4が、 (a)複合信号値を取得するステップと、 (b)第2の組込値セットを形成するため第1の組込値セットを複製し、前記
    第2の組込値セットの各組込値が、複製される前記第1の組込値セットの1つの
    組込値を持つような1つのウォーターマーク信号値に対する同じ対応を有するス
    テップと、 (c)前記第2の組込値セットの第2の組込値を設定し、該第2の組込値が前
    記複合信号値に対するその近接に基いて選択されるステップと、 (d)再構成された前記ウォーターマーク信号値を、前記第2の組込値が対応
    する複数のウォーターマーク信号値の1つに設定するステップと、 を含む請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記第2の組込値が、前記複合信号値に対する距離におい
    て前記第2の組込値セットの全ての組込値の最も近いものである組込値である請
    求項19記載の方法。
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