JP3675745B2 - 付加データ埋め込み装置、付加データ埋め込み方法及び付加データ埋め込みプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる電子透かしを利用して例えば画像データ等の著作物にかかわる原データに対して付加データを埋め込む付加データ埋め込み装置、付加データ埋め込み方法及び付加データ埋め込みプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、いわゆるコンパクトディスク(Compact Disc)、MD(Mini Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)といった記録媒体やインターネット等の普及に伴い、複製や改竄が極めて容易とされる著作物たるディジタルデータについての違法な複製による著作権侵害が問題となっている。そこで、この問題に対処するため、例えば、いわゆる"COPY ONCE"や"NEVER COPY"といったディジタルデータの複製制御のための情報や著作権者表示のための著作権情報を付加データとして静止画像や動画像といった画像データや音声や音楽といった音声データ等の原データに対して埋め込む技術である電子透かし(Digital Watermark, Digital Data Embedding, Digital Data Hiding)が提案されている。
【0003】
電子透かしは、例えば、画像データに対して付加データを埋め込む場合には、原データたる画像データの質を維持しつつ人間の視覚では視認しがたい形態で付加データを埋め込み、また、音声データに対して付加データを埋め込む場合には、原データたる音声データの質を維持しつつ人間の聴覚では聴取しがたい形態で付加データを埋め込む技術である。
【0004】
このような電子透かし情報として原データに対して埋め込まれた付加データは、原データを複製しようとする場合、記録装置によって検出される。これにより、電子透かし処理においては、検出された付加データに応じて、データの流通経路や使用権の有無の検査や、複製制御情報の検証を行うことができ、原データについての違法な複製を防止することができる。
【0005】
電子透かしに求められる第1の条件は、上述したように、埋め込まれた付加データが人間に知覚しがたいこと(invisible)であり、第2の条件は、付加データが埋め込まれたデータに対して第三者が人為的に加工を施した場合であっても、埋め込まれた付加データが失われないこと(robust)である。これらの2つの条件は、互いにトレードオフの関係にある。一般に、このような情報処理技術による電子透かしの埋め込み手法は、原データにおいて、人間に知覚されやすい領域では付加データを強く埋め込み、人間に知覚されにくい領域では付加データを弱く埋め込むように設計されている。
【0006】
例えば、静止画像を対象にした電子透かし処理においては、"±1"からなる付加データWMと画像データIの輝度値とを加算することにより、電子透かしが埋め込まれた画像データI'が求められる。また、電子透かし処理においては、次式(1)に示すように、埋め込み対象とされる画素値に応じて、付加データWMに対して"α・I"を乗算することにより、付加データWMの埋め込み強度を変化させることもできる。これは、人間が有する視覚的特性は、ピクセルの輝度値が明るい領域ほど、そのピクセルへの変更がディスプレイ装置上で検知されにくいという性質を有することを利用したものである。
【0007】
【数1】
【0008】
さらに、電子透かし処理としては、Digimarc Corporationによって開示されたUS Patent 5,748,763に記載されているものがある。この手法は、図9に示すように、2つの変調器101,102と、加算器からなる埋め込み器103とを備える電子透かし埋め込み装置100によって実現することができる。すなわち、電子透かし埋め込み装置100は、原画像データIと埋め込むべき付加データWMとを第1の変調器101に供給し、付加データWMを埋め込むべき原画像データIにおける領域の輝度値に応じて、ローカルパラメータと称される関数によって領域毎の埋め込み強度を決定して変調器101によって変調する。また、電子透かし埋め込み装置100は、変調器101によって変調された付加データを第2の変調器102に供給し、グローバルパラメータと称される原画像データI全体での埋め込み強度を決定して変調器102によって変調する。そして、電子透かし埋め込み装置100は、変調器102によってレベルが制御された付加データを埋め込み器103によって原画像データに対して埋め込み、付加データWMが埋め込まれた画像データI'を出力する。
すなわち、この手法は、原画像データIが有する性質に応じて、変調器101によって付加データWMを変調し、さらに、画像データ全体に対する埋め込み強度を変調器102によって決定し、付加データWMを埋め込むものである。
【0009】
ところで、上述した手法においては、原画像データIに応じて付加データWMの埋め込み強度を変化させようとする場合には、埋め込み対象とされる画素値に応じた乗算や関数式といった計算を行う必要があることから、ソフトウェアによって実現する場合にはCPU(Central Processing Unit)の消費パワーが多くなり、ハードウェアによって実現する場合には回路規模の増大化及び複雑化を招来するといった問題があった。特に、この手法は、原画像データIに応じて付加データWMの埋め込み強度を変化させることを目的とするのであれば、グローバルパラメータとローカルパラメータとを用いることなく、原画像データIに応じた付加データWMの埋め込み強度を参照テーブルとして記憶部等に記憶するのみで足りるところを、グローバルパラメータとローカルパラメータとによる計算を行うことから、処理のさらなる複雑化を招来することになる。
【0010】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、原データと付加データとに基づいて、第三者が検知不可能であるように付加データの埋め込み強度を簡便に算出することができ、また、攻撃耐性が強く良好な性能を有する付加データを埋め込むことができる付加データ埋め込み装置、付加データ埋め込み方法及び付加データ埋め込みプログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかる付加データ埋め込み装置は、原データに対して所定の付加データを埋め込む付加データ埋め込み装置であって、上記原データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算手段と、上記原データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅手段と、上記加算手段から供給される加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅手段と、上記第2の増幅手段によって増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅手段によって増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分手段と、上記差分手段から供給された上記変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み手段とを備えることを特徴としている。
【0012】
このような本発明にかかる付加データ埋め込み装置は、非線形入出力特性を有する第1の増幅手段及び第2の増幅手段を用いて付加データを原データに応じて波形変形し、埋め込み手段によって原データに対して変形付加データを埋め込む。
【0013】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる付加データ埋め込み方法は、原データに対して所定の付加データを埋め込む付加データ埋め込み方法であって、上記原データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算工程と、上記原データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅工程と、上記加算工程にて得られた加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅工程と、上記第2の増幅工程にて増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅工程にて増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分工程と、上記差分工程にて得られた上記変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み工程とを備えることを特徴としている。
【0014】
このような本発明にかかる付加データ埋め込み方法は、非線形入出力特性に基づいて付加データを原データに応じて波形変形し、原データに対して変形付加データを埋め込む。
【0015】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる付加データ埋め込みプログラムは、原データに対して所定の付加データを埋め込むコンピュータ読み取り可能な付加データ埋め込みプログラムであって、上記原データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算処理と、上記原データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅処理と、上記加算処理にて得られた加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅処理と、上記第2の増幅処理にて増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅処理にて増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分処理と、上記差分処理にて得られた上記変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み処理とを備えることを特徴としている。
【0016】
このような本発明にかかる付加データ埋め込みプログラムは、非線形入出力特性に基づいて付加データを原データに応じて波形変形し、原データに対して変形付加データを埋め込む。
【0017】
さらにまた、上述した目的を達成する本発明にかかる付加データ埋め込み装置は、原データに対して所定の付加データを埋め込む付加データ埋め込み装置であって、上記原データに対して所定の変換処理を施す変換手段と、上記変換手段によって変換されて得られた変換データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算手段と、上記変換データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅手段と、上記加算手段から供給される加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅手段と、上記第2の増幅手段によって増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅手段によって増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分手段と、上記差分手段によって得られた上記変形付加データに対して、上記変換手段によって施された変換処理の逆操作である逆変換処理を施す逆変換手段と、上記逆変換手段から供給される変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み手段とを備えることを特徴としている。
【0018】
このような本発明にかかる付加データ埋め込み装置は、変換手段によって原データに対して所定の変換処理を施し、非線形入出力特性を有する第1の増幅手段及び第2の増幅手段を用いて付加データを原データに応じて波形変形し、埋め込み手段によって原データに対して変形付加データを埋め込む。
【0019】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる付加データ埋め込み方法は、原データに対して所定の付加データを埋め込む付加データ埋め込み方法であって、上記原データに対して所定の変換処理を施す変換工程と、上記変換工程にて変換されて得られた変換データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算工程と、上記変換データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅工程と、上記加算工程にて得られた加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅工程と、上記第2の増幅工程にて増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅工程にて増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分工程と、上記差分工程にて得られた上記変形付加データに対して、上記変換工程にて施された変換処理の逆操作である逆変換処理を施す逆変換工程と、上記逆変換工程にて得られた変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み工程とを備えることを特徴としている。
【0020】
このような本発明にかかる付加データ埋め込み方法は、原データに対して所定の変換処理を施し、非線形入出力特性に基づいて付加データを原データに応じて波形変形し、原データに対して変形付加データを埋め込む。
【0021】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる付加データ埋め込みプログラムは、原データに対して所定の付加データを埋め込むコンピュータ読み取り可能な付加データ埋め込みプログラムであって、上記原データに対して所定の変換処理を施す変換処理と、上記変換処理にて変換されて得られた変換データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算処理と、上記変換データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅処理と、上記加算処理にて得られた加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅処理と、上記第2の増幅処理にて増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅処理にて増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分処理と、上記差分処理にて得られた上記変形付加データに対して、上記変換処理にて施された変換処理の逆操作である逆変換処理を施す逆変換処理と、上記逆変換処理にて得られた変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み処理とを備えることを特徴としている。
【0022】
このような本発明にかかる付加データ埋め込みプログラムは、原データに対して所定の変換処理を施し、非線形入出力特性に基づいて付加データを原データに応じて波形変形し、原データに対して変形付加データを埋め込む。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
この実施の形態は、原データである原画像データに対して所定の周波数変換を施し、得られた周波数変換係数にディジタルデータの複製制御のための情報や著作権者表示のための著作権情報等の付加データをいわゆる電子透かし(Digital Watermark, Digital Data Embedding, Digital Data Hiding)として埋め込む電子透かし埋め込み装置である。この電子透かし埋め込み装置は、原画像データの視覚的特性によって付加データの波形を変形して電子透かしを埋め込むものであって、非線形回路を用いることにより、回路の簡略化を図ることができるものである。
【0025】
まず、第1の実施の形態として示す電子透かし埋め込み装置について説明する。
【0026】
図1に示すように、電子透かし埋め込み装置10は、入力された原画像データIと付加データWMとに対して加算処理を行う加算器11と、入力された原画像データIを増幅する第1の増幅器12aと、加算器11によって得られた加算処理後画像データIWを増幅する第2の増幅器12bと、増幅器12bによって増幅されて得られた増幅後画像データIW'と増幅器12aによって増幅されて得られた増幅後原画像データI'との差分をとる差分器13と、この差分器13によって得られた変形付加データWMAを原画像データIに対して埋め込む埋め込み器14とを備える。
【0027】
電子透かし埋め込み装置10は、これらの各部をハードウェアで実現するのみならず、ソフトウェアで実現することもできる。電子透かし埋め込み装置10は、ソフトウェアで実現する場合には、例えばパーソナルコンピュータや画像データを扱うことができる各種電子機器におけるCPU(Central Processing Unit)によって電子透かしを埋め込むための埋め込みプログラムを実行することにより、各部の機能を実現することができる。この埋め込みプログラムは、例えばいわゆるコンパクトディスク(Compact Disc)等の所定の記録媒体やインターネット等の伝送媒体によって提供されるものである。
【0028】
加算器11は、原画像データIと付加データWMとに対して加算処理を行う。例えば、加算器11は、次式(2)に示すように、付加データWMを定数β倍して原画像データIに対して加算する。
【0029】
【数2】
【0030】
なお、上式(2)に示した演算を行って得られる加算処理後画像データIWは、原画像データIが有する性質を考慮せずに付加データWMを埋め込んで得られる画像データと同一のものである。また、加算器11は、上式(2)に示した演算を行うのではなく、例えば次式(3)に示すように、原画像データIを定数β倍して付加データWMに対して加算するようにしてもよい。加算器11は、得られた加算処理後画像データIWを増幅器12bに供給する。
【0031】
【数3】
【0032】
増幅器12aは、原画像データIを所定の特性に基づいて増幅する。また、増幅器12bは、加算器11から供給される加算処理後画像データIWを所定の特性に基づいて増幅する。ここで、増幅器12a,12bにおける入出力特性は、例えば図2に示すような特性曲線で表される。この特性曲線は、次式(4)に示す関数で表される。
【0033】
【数4】
【0034】
すなわち、増幅器12a,12bは、入力と出力との関係が非線形となる特性を有する。例えば、増幅器12a,12bは、画像データの輝度値を入力すると、この輝度値を2乗倍して出力する。なお、増幅器12a,12bは、上式(4)に示した関数で表される特性曲線に基づいて増幅するのではなく、他の特性曲線に基づいて増幅することもできる。この特性曲線の決定手法については、後述するものとする。以下では、説明の便宜上、増幅器12a,12bにおける入出力特性は、上式(4)で表されるものとする。
【0035】
なお、電子透かし埋め込み装置10は、原画像データI及び付加データWMに対応した増幅値を参照テーブルとして記憶する記憶部を備えるようにしてもよい。この場合、増幅器12a,12bは、それぞれ、この記憶部に記憶された参照テーブルを参照して、原画像データI及び算処理後画像データIWを増幅することができる。
【0036】
このような増幅器12aは、増幅して得られた増幅後原画像データI'を差分器13に供給するとともに、増幅器12bは、増幅して得られた増幅後画像データIW'を差分器13に供給する。
【0037】
差分器13は、増幅後画像データIW'と増幅後原画像データI'との差分をとる。すなわち、差分器13は、次式(5)に示す演算を行う。この結果、差分器13からの出力は、付加データWMが原画像データIに応じて波形変形された変形付加データWMAとなり、埋め込み器14に供給される。
【0038】
【数5】
【0039】
ここで、電子透かしの視認しにくさを確保するため、上式(5)における"β・I"は、"I"に比べて例えば1/100程度と十分小さい値に選択されることから、"β2・WM2/2"は、無視できる小さな値となる。また、差分器13は、増幅器12a,12bから供給される増幅後画像データIW'と増幅後原画像データI’とに対して"β2・WM2/2"だけレベルシフトを施して得られた結果を入力として差分をとってもよく、若しくは上式(5)によって得られた値に対して"β2・WM2/2"だけレベルシフトを施した後、変形付加データWMAとして埋め込み器14に供給するようにしてもよい。いずれにせよ、これらの結果、原画像データIが静止画像の場合には、差分器13からの出力は、付加データWMが原画像データIの輝度値に応じて波形変形された変形付加データWMAとなる。
【0040】
上式(5)と上式(4)とから明らかなように、上式(5)は、上式(4)の微分形になっている。すなわち、増幅器12a,12bにおける入出力特性は、求めようとする付加データWMの波形変形式を積分した結果にしたがって設計することができる。
【0041】
埋め込み器14は、差分器13から供給される変形付加データWMAを原画像データIに対して埋め込み、画像データMとして出力する。例えば、埋め込み器14は、次式(6)に示すように、原画像データIに対して、付加データWMが原画像データIに応じて波形変形された変形付加データWMAを加算することによって埋め込む。
【0042】
【数6】
【0043】
ここで、上式(5)を上式(6)に代入すると、次式(7)に示すようになる。
【0044】
【数7】
【0045】
上式(7)から明らかなように、電子透かし埋め込み装置10においては、付加データWMが原画像データIの輝度値に応じて波形変形され、原画像データIに対して埋め込まれることがわかる。
【0046】
このような電子透かし埋め込み装置10は、非線形特性を有する増幅器12a,12bを用いて、原画像データIに応じて付加データWMを波形変形した後、原画像データIに対して埋め込む。すなわち、電子透かし埋め込み装置10は、原画像データIとして静止画像の輝度値を入力した場合には、付加データWMを埋め込む際に、静止画像の輝度値が大きいほど、より換言すれば、明るいほど、付加データWMの振幅を大きくして埋め込むことと等価な動作を行う。これは、人間が有する視覚的特性は、明るい領域での変更より、暗い領域での変更に敏感であることによるものである。電子透かし埋め込み装置10は、このような性質を利用して、原画像データIに応じて付加データWMの埋め込み強度を変化させて埋め込む。
【0047】
これにより、電子透かし埋め込み装置10は、埋め込み後の画質劣化を第三者に検知されなくすることができ、第三者による不正利用のための攻撃耐性を強くすることができる。
【0048】
また、電子透かし埋め込み装置10は、埋め込み対象とされる画素値に応じた一部の乗算や関数式の計算を行う必要がないことから、ソフトウェアによって実現する場合には処理の簡略化によってCPUの消費パワーが少なくて済み、ハードウェアによって実現する場合であっても処理の簡略化によって回路規模の削減及び簡略化を図ることができる。
【0049】
つぎに、第2の実施の形態として示す電子透かし埋め込み装置について説明する。この電子透かし埋め込み装置は、原画像データIに対して周波数変換を施し、得られた周波数領域における周波数係数に応じて付加データWMを波形変形し、原画像データIに対して埋め込むものである。
【0050】
図3に示すように、電子透かし埋め込み装置20は、入力された原画像データIに対して周波数変換を施す変換器21と、この変換器21によって得られた変換データである周波数係数データIFと付加データWMとに対して加算処理を行う加算器22と、変換器21によって得られた周波数係数データIFを増幅する第1の増幅器23aと、加算器22によって得られた加算処理後係数データIWを増幅する第2の増幅器23bと、増幅器23bによって増幅されて得られた増幅後係数データIW'と増幅器23aによって増幅されて得られた増幅後原係数データI'との差分をとる差分器24と、この差分器24によって得られた変形周波数付加データWMAに対して周波数逆変換を施す逆変換器25と、この逆変換器25によって得られた変形付加データWMA'を原画像データIに対して埋め込む埋め込み器26とを備える。
【0051】
電子透かし埋め込み装置20は、これらの各部をハードウェアで実現するのみならず、ソフトウェアで実現することもできる。電子透かし埋め込み装置20は、ソフトウェアで実現する場合には、例えばパーソナルコンピュータや画像データを扱うことができる各種電子機器におけるCPUによって電子透かしを埋め込むための埋め込みプログラムを実行することにより、各部の機能を実現することができる。この埋め込みプログラムは、例えばいわゆるコンパクトディスク等の所定の記録媒体やインターネット等の伝送媒体によって提供されるものである。
【0052】
変換器21は、時間領域又は空間領域で定義される形態の原画像データIに対して、周波数領域での基底で定義される所定の周波数変換を施し、周波数係数データIFを求める。変換器21としては、例えば、いわゆるフーリエ変換(Fourier Transform)、ウェーブレット変換(wavelet transform)、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform;以下、DCTという。)、mDCT、又はフラクタル変換等のいかなる周波数変換を適用することができる。変換器21は、周波数変換の結果得られた周波数係数データIFを加算器22及び増幅器23aに供給する。なお、変換器21は、周波数係数データIFとして、算出した全ての周波数係数を出力することもできるが、後述するように、特定の周波数係数を選択して出力することもできる。
【0053】
加算器22は、変換器21から供給される周波数係数データIFと付加データWMとに対して加算処理を行う。ここで、付加データWMは、変換器21での周波数領域で定義される形態の信号である。例えば、加算器22は、次式(8)に示すように、付加データWMを定数β倍して周波数係数データIFに対して加算する。加算器22は、得られた加算処理後係数データIWを増幅器23bに供給する。
【0054】
【数8】
【0055】
増幅器23aは、周波数係数データIFを所定の特性に基づいて増幅する。また、増幅器23bは、加算器22から供給される加算処理後係数データIWを所定の特性に基づいて増幅する。ここで、増幅器23a,23bは、上述した電子透かし埋め込み装置10における増幅器12a,12bと同様に、入出力特性が非線形特性を有するものである。増幅器23aは、増幅して得られた増幅後原係数データI'を差分器24に供給するとともに、増幅器23bは、増幅して得られた増幅後係数データIW'を差分器24に供給する。
【0056】
差分器24は、上式(5)に示したように、増幅後係数データIW'と増幅後原係数データI'との差分をとる。この結果、差分器24からの出力は、付加データWMが原画像データIに応じて波形変形された変形付加データWMAとなり、逆変換器25に供給される。
【0057】
逆変換器25は、周波数領域で定義される変形付加データWMAに対して、上述した変換器21によって施された周波数変換の逆操作である周波数逆変換を施し、元の時間領域又は空間領域で定義される形態の変形付加データWMA'を求める。逆変換器25は、周波数逆変換の結果得られた変形付加データWMA'を埋め込み器26に供給する。
【0058】
埋め込み器26は、上述した電子透かし埋め込み装置10における埋め込み器14と同様に、逆変換器25から供給される変形付加データWMA'を原画像データIに対して埋め込み、画像データMとして出力する。
【0059】
このような電子透かし埋め込み装置20は、入力された原画像データIに対して変換器21によって周波数変換を施し、原画像データIに応じて付加データWMを波形変形した後、原画像データIに対して埋め込む。すなわち、電子透かし埋め込み装置20は、原画像データIとして静止画像の輝度値を入力した場合であって、変換器21による周波数係数データIFとして輝度値の低周波数成分を出力した場合には、付加データWMを埋め込む際に、静止画像の輝度値が大きいほど、より換言すれば、明るいほど、付加データWMの振幅を大きくして埋め込むことと等価な動作を行う。これは、人間が有する視覚的特性は、明るい領域での変更より、暗い領域での変更に敏感であることによるものである。また、電子透かし埋め込み装置20は、原画像データIとして静止画像の輝度値を入力した場合であって、変換器21による周波数係数データIFとして輝度値の高周波数成分を出力した場合には、付加データWMを埋め込む際に、静止画像の輝度値の変化が大きいほど、より換言すれば、エッジが大きいほど、付加データWMの振幅を大きくして埋め込むことと等価な動作を行う。これは、人間が有する視覚的特性は、エッジ領域での変更より、平坦領域での変更に敏感であることによるものである。電子透かし埋め込み装置20は、このような性質を利用して、原画像データIに応じて付加データWMの埋め込み強度を変化させて埋め込む。
【0060】
これにより、電子透かし埋め込み装置20は、埋め込み後の画質劣化を第三者に検知されなくすることができ、第三者による不正利用のための攻撃耐性を強くすることができる。
【0061】
また、電子透かし埋め込み装置20は、埋め込み対象とされる画素値に応じた一部の乗算や関数式の計算を行う必要がないことから、ソフトウェアによって実現する場合には処理の簡略化によってCPUの消費パワーが少なくて済み、ハードウェアによって実現する場合であっても処理の簡略化によって回路規模の削減及び簡略化を図ることができる。
【0062】
以下、この電子透かし埋め込み装置20の具体例について、図4乃至図8を用いて説明する。
【0063】
まず、電子透かし埋め込み装置20の具体例として、図4に示すように、ウェーブレット変換を利用した電子透かし埋め込み装置20'について説明する。
【0064】
電子透かし埋め込み装置20'は、上述した加算器22、増幅器23a,23b、差分器24、及び埋め込み器26を備える他、上述した変換器21としてのウェーブレット変換器21'と、上述した逆変換器25としてのウェーブレット逆変換器25'とを備える。
【0065】
ウェーブレット変換器21'は、原画像データIに対してウェーブレット変換を施し、4つの周波数領域LL,HL,LH,HHに属するウェーブレット係数を求める。このとき、ウェーブレット変換器21'は、ウェーブレット変換の際に用いるフィルタ係数としてはいかなるものを適用してもよく、特定する必要はない。そして、ウェーブレット変換器21'は、算出した4つの周波数領域LL,HL,LH,HHに属するウェーブレット係数の全てを周波数係数データIFとして加算器22及び増幅器23aに供給するのではなく、周波数領域LLに属するウェーブレット係数又は周波数領域HHに属するウェーブレット係数のいずれかのみを周波数係数データIFとして加算器22及び増幅器23aに供給する。すなわち、ウェーブレット変換器21'は、原画像データIの輝度値に対して所定のローパス・フィルタを施して得られる低周波数成分又は原画像データIの輝度値に対して所定のハイパス・フィルタを施して得られる高周波数成分のいずれかのみを周波数係数データIFとして加算器22及び増幅器23aに供給する。
【0066】
ウェーブレット逆変換器25'は、差分器24から供給される変形付加データWMAに対して、上述したウェーブレット変換器21'によって施されたウェーブレット変換の逆操作であるウェーブレット逆変換を施し、元の時間領域又は空間領域で定義される形態の変形付加データWMA'を求める。このとき、ウェーブレット逆変換器25'は、ウェーブレット変換器21'が周波数係数データIFとして出力した周波数成分と同一の周波数成分を出力する必要はなく、異なる周波数成分を出力してもよい。例えば、電子透かし埋め込み装置20’においては、ウェーブレット変換器21'が周波数領域HHに属する高周波数成分のウェーブレット係数を周波数係数データIFとして出力するとともに、ウェーブレット逆変換器25'が周波数領域LLに属する低周波数成分のウェーブレット係数に対応する成分を変形付加データWMA'として出力した場合には、付加データWMは、原画像データIの高周波数成分に応じて変調されるとともに、原画像データIの低周波数成分に埋め込まれることになる。また、同様に、電子透かし埋め込み装置20’においては、ウェーブレット変換器21'が周波数領域HHに属する高周波数成分のウェーブレット係数を周波数係数データIFとして出力するとともに、ウェーブレット逆変換器25'も周波数領域HHに属する高周波数成分のウェーブレット係数に対応する成分を変形付加データWMA'として出力した場合には、付加データWMは、原画像データIの高周波数成分に応じて変調されるとともに、原画像データIの高周波数成分に埋め込まれることになる。ただし、ウェーブレット逆変換器25'は、ウェーブレット変換器21'が用いたフィルタ係数と同一のフィルタ係数をもってウェーブレット逆変換を施す必要があることはいうまでもない。
【0067】
このような電子透かし埋め込み装置20'は、具体的には以下のような処理を行い、原画像データIに対して付加データWMを埋め込む。ここでは、周波数領域LLに属するウェーブレット係数に付加データWMを埋め込むものとし、周波数領域HHに属するウェーブレット係数の絶対値に比例するように変更量を設定するものとする。また、ここでは、原画像データIのサイズを縦16×横16ピクセルであるものとし、埋め込む付加データWMのサイズを縦8×横8ビットであるものとする。
【0068】
この場合、電子透かし埋め込み装置20'においては、ウェーブレット変換器21'によって周波数領域HHに属するウェーブレット係数を周波数係数データIFとして加算器22及び増幅器23aに供給する。ここで、各ピクセル(x,y)(ただし、x,y=1,2,3,・・・,8)に対応する周波数係数データIFの値をHH(x,y)とし、埋め込む付加データWMの値をWM(x,y)とすると、増幅器23a,23b及び差分器24から出力される増幅後増幅後原係数データI'(x,y)、増幅後係数データIW'(x,y)及び変形付加データWMA(x,y)は、それぞれ、次式(9)乃至次式(11)で表される。
【0069】
【数9】
【0070】
【数10】
【0071】
【数11】
【0072】
続いて、電子透かし埋め込み装置20'においては、原画像データIと同じサイズを有する全ての要素が"0"に初期化されたマトリックスを用意し、このマトリックスのうち、周波数領域LLに属するウェーブレット係数が占める領域と同じ位置の要素の値を、差分器24によって得られた上式(11)で表される変形付加データWMAの値にセットし、このマトリックスに対してウェーブレット逆変換器25'によってウェーブレット逆変換を施す。
【0073】
すなわち、電子透かし埋め込み装置20'においては、ウェーブレット変換器21'における処理対象となるウェーブレット係数は、図5(A)に示すように、正方形で表される4つの周波数領域LL,HL,LH,HHのうち、周波数領域HHに属するウェーブレット係数であり、ウェーブレット逆変換器25'における処理対象となるウェーブレット係数は、同図(B)に示すように、周波数領域LLに属するウェーブレット係数である。
【0074】
そして、電子透かし埋め込み装置20'においては、ウェーブレット逆変換器25'によって得られた変形付加データWMA'を埋め込み器26によって原画像データIに対して埋め込み、画像データMとして出力する。なお、出力される画像データMは、付加データWMが原画像データIの高周波数成分の絶対値によって変調され、原画像データIの低周波数成分に埋め込まれて得られる結果と同じものである。
【0075】
このように、電子透かし埋め込み装置20'は、ウェーブレット変換を利用し、周波数領域HHに属するウェーブレット係数の絶対値に比例するように、付加データWMの埋め込み強度を変化させ、周波数領域LLからなるウェーブレット係数に付加データWMを埋め込むことができる。したがって、電子透かし埋め込み装置20'は、原画像データIに対して、埋め込み後の画質劣化を第三者に検知されなくすることができ、攻撃耐性が強く良好な性能を有する付加データWMを簡便に埋め込むことができる。
【0076】
つぎに、上述した電子透かし埋め込み装置20の具体例として、図6に示すように、DCTを利用した電子透かし埋め込み装置20''について説明する。ここでは、原画像データIに対して8×8のDCTを施し、得られた各ブロックにおける(3,3)で示される位置のDCT係数に付加データWMを埋め込むものとし、各ブロックにおける(8,8)で示される位置のDCT係数の絶対値に比例するように変更量を設定するものとする。また、ここでは、原画像データIのサイズを縦16×横16ピクセル(2×2ブロック)であるものとし、埋め込む付加データWMのサイズを縦2×横2ビットであるものとする。
【0077】
電子透かし埋め込み装置20''は、上述した加算器22、増幅器23a,23b、差分器24、及び埋め込み器26を備える他、上述した変換器21としてのDCT器21''と、上述した逆変換器25としてのIDCT(Inverse Discrete Cosine Transform;逆離散コサイン変換)器25''とを備える。
【0078】
DCT器21''は、原画像データIに対してDCTを施し、2×2ブロックからなるDCT係数を求める。そして、DCT器21''は、算出したDCT係数の全てを周波数係数データIFとして加算器22及び増幅器23aに供給するのではなく、各ブロックにおける(8,8)で示される位置の4つのDCT係数の絶対値を周波数係数データIFとして加算器22及び増幅器23aに供給する。
【0079】
IDCT器25''は、差分器24から供給される変形付加データWMAに対して、上述したDCT器21''によって施されたDCTの逆操作であるIDCTを施し、元の時間領域又は空間領域で定義される形態の変形付加データWMA'を求める。そして、IDCT器25''は、IDCTを施して得られた結果のうち、DCT器21''が出力した各ブロックにおける(3,3)で示される位置の4つのDCT係数に対応する成分を変形付加データWMA'として埋め込み器26に供給する。
【0080】
このような電子透かし埋め込み装置20''は、具体的には以下のような処理を行い、原画像データIに対して付加データWMを埋め込む。
【0081】
電子透かし埋め込み装置20''においては、上述したように、DCT器21''によって各ブロックにおける(8,8)で示される位置の4つのDCT係数の絶対値を周波数係数データIFとして加算器22及び増幅器23aに供給する。ここで、各ブロックk(ただし、k=1,2,3,4)に対応する周波数係数データIFの値をC(k)とし、埋め込む4ビットの付加データWMの値をWM(k)とすると、増幅器23a,23b及び差分器24から出力される増幅後増幅後原係数データI'(k)、増幅後係数データIW'(k)及び変形付加データWMA(k)は、それぞれ、次式(12)乃至次式(14)で表される。
【0082】
【数12】
【0083】
【数13】
【0084】
【数14】
【0085】
続いて、電子透かし埋め込み装置20''においては、原画像データIと同じサイズを有する全ての要素が"0"に初期化されたマトリックスを用意してこのマトリックスを8×8のブロックに分割し、各ブロックにおける(3,3)で示される位置の要素の値を、差分器24によって得られた上式(14)で表される変形付加データWMAの値にセットし、このマトリックスに対してIDCT器25''によってIDCTを施す。
【0086】
すなわち、電子透かし埋め込み装置20''においては、DCT器21''における処理対象となるDCT係数は、図7(A)に示すように、正方形で表される4つのブロックのそれぞれにおける(8,8)で示される位置のDCT係数であり、IDCT器25''における処理対象となるDCT係数は、同図(B)に示すように、4つのブロックのそれぞれにおける(3,3)で示される位置のDCT係数である。
【0087】
そして、電子透かし埋め込み装置20''においては、IDCT器25''によって得られた変形付加データWMA'を埋め込み器26によって原画像データIに対して埋め込み、画像データMとして出力する。なお、出力される画像データMは、付加データWMが原画像データIの各ブロックにおける(8,8)で示される位置のDCT係数の絶対値によって変調され、原画像データIの各ブロックにおける(3,3)で示される位置のDCT係数に埋め込まれて得られる結果と同じものである。
【0088】
このように、電子透かし埋め込み装置20''は、DCTを利用し、各ブロックにおける(8,8)で示される位置のDCT係数の絶対値に比例するように、付加データWMの埋め込み強度を変化させ、各ブロックにおける(3,3)で示される位置のDCT係数に付加データWMを埋め込むことができる。したがって、電子透かし埋め込み装置20''は、原画像データIに対して、埋め込み後の画質劣化を第三者に検知されなくすることができ、攻撃耐性が強く良好な性能を有する付加データWMを簡便に埋め込むことができる。
【0089】
つぎに、電子透かし埋め込み装置20を拡張した具体例として、図8に示すように、ウェーブレット変換を利用した電子透かし埋め込み装置20'''について説明する。
【0090】
電子透かし埋め込み装置20'''は、上述した変換器21としてのウェーブレット変換器21'''と、上述した変換器22としての2つの加算器221,222と、上述した増幅器23a,23bとしての2組の増幅器23a1,23b1,23a2,23b2と、上述した差分器24としての2つの差分器241,242と、上述した逆変換器25としてのウェーブレット逆変換器25'''と、上述した埋め込み器26としての埋め込み器26'''とを備える。
【0091】
ウェーブレット変換器21'''は、原画像データIに対してウェーブレット変換を施し、4つの周波数領域LL,HL,LH,HHに属するウェーブレット係数を求め、算出した4つの周波数領域LL,HL,LH,HHのそれぞれに属するウェーブレット係数のうち、周波数領域LLに属するウェーブレット係数を周波数係数データIFLとして加算器221及び増幅器23a1に供給するとともに、周波数領域HHに属するウェーブレット係数を周波数係数データIFHとして加算器222及び増幅器23a2に供給する。すなわち、ウェーブレット変換器21'''は、原画像データIの輝度値に対して所定のローパス・フィルタを施して得られる低周波数成分を周波数係数データIFLとして加算器221及び増幅器23a1に供給するとともに、原画像データIの輝度値に対して所定のハイパス・フィルタを施して得られる高周波数成分を周波数係数データIFHとして加算器222及び増幅器23a2に供給する。
【0092】
加算器221は、上述した加算器22と同様に、ウェーブレット変換器21'''から供給される周波数係数データIFLと付加データWMとに対して加算処理を行う。加算器221は、得られた加算処理後係数データIW1を増幅器23b1に供給する。
【0093】
加算器222は、上述した加算器22と同様に、ウェーブレット変換器21'''から供給される周波数係数データIFHと付加データWMとに対して加算処理を行う。加算器222は、得られた加算処理後係数データIW2を増幅器23b2に供給する。
【0094】
増幅器23a1,23b1は、上述した増幅器23a,23bと同様に、入出力特性が非線形特性を有するものである。増幅器23a1は、周波数係数データIFLを所定の特性に基づいて増幅する。また、増幅器23b1は、加算器221から供給される加算処理後係数データIW1を所定の特性に基づいて増幅する。増幅器23a1は、増幅して得られた増幅後増幅後原係数データI1'を差分器241に供給するとともに、増幅器23b1は、増幅して得られた増幅後係数データIW1'を差分器241に供給する。
【0095】
増幅器23a2,23b2は、上述した増幅器23a,23bと同様に、入出力特性が非線形特性を有するものである。増幅器23a2は、周波数係数データIFHを所定の特性に基づいて増幅する。また、増幅器23b2は、加算器222から供給される加算処理後係数データIW2を所定の特性に基づいて増幅する。増幅器23a2は、増幅して得られた増幅後増幅後原係数データI2'を差分器242に供給するとともに、増幅器23b2は、増幅して得られた増幅後係数データIW2'を差分器242に供給する。
【0096】
差分器241は、上述した差分器24と同様に、増幅後係数データIW1'と増幅後原係数データI1'との差分をとる。この結果、差分器241からの出力は、付加データWMが原画像データIの輝度値に応じて波形変形された変形付加データWMA1となり、ウェーブレット逆変換器25'''に供給される。
【0097】
差分器242は、上述した差分器24と同様に、増幅後係数データIW2'と増幅後原係数データI2'との差分をとる。この結果、差分器242からの出力は、付加データWMが原画像データIのエッジ成分に応じて波形変形された変形付加データWMA2となり、ウェーブレット逆変換器25'''に供給される。
【0098】
ウェーブレット逆変換器25'''は、差分器241から供給される変形付加データWMA1及び差分器242から供給される変形付加データWMA2に対してウェーブレット逆変換を施し、元の時間領域又は空間領域で定義される形態の変形付加データWMA'を求める。このとき、ウェーブレット逆変換器25'''は、原画像データIと同じサイズを有する全ての要素が"0"に初期化されたマトリックスを用意し、このマトリックスのうち、周波数領域LLに属するウェーブレット係数が占める領域と同じ位置の要素の値を、差分器241によって得られた変形付加データWMA1の値にセットするとともに、周波数領域HHに属するウェーブレット係数が占める領域と同じ位置の要素の値を、差分器242によって得られた変形付加データWMA2の値にセットし、このマトリックスに対してウェーブレット逆変換を施す。ウェーブレット逆変換器25'''は、得られた変形付加データWMA'を埋め込み器26'''に供給する。
【0099】
埋め込み器26'''は、上述した埋め込み器26と同様に、ウェーブレット逆変換器25'''から供給される変形付加データWMA'を原画像データIに対して埋め込み、画像データMとして出力する。
【0100】
このように、電子透かし埋め込み装置20'''は、ウェーブレット変換を利用し、原画像データIの輝度値及びエッジ成分に応じて付加データWMの埋め込み強度を変化させ、原画像データIに対して付加データWMを埋め込むことができる。したがって、電子透かし埋め込み装置20'''は、原画像データIに対して、埋め込み後の画質劣化を第三者に検知されなくすることができ、攻撃耐性が強く良好な性能を有する付加データWMを簡便に埋め込むことができる。
【0101】
以上説明したように、電子透かし埋め込み装置は、非線形回路を用いて原画像データIの視覚的特性によって付加データWMの波形を変形して埋め込むことにより、Digimarc Corporationによって開示されたUS Patent 5,748,763に記載されている手法のように、付加データWMの埋め込み強度を変化させる際にも埋め込み対象とされる画素値に応じた一部の乗算や関数式といった計算を行う必要がなく、攻撃耐性が強く良好な性能を有する付加データWMを簡便に処理することができる。したがって、電子透かし埋め込み装置は、原画像データIについての違法な複製を防止することに寄与することができ、ユーザにとって優れた利便を提供することができるものである。
【0102】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば、増幅器として、2次以上の高次の関数で表される入出力特性を有するものを用いた場合には、差分器の後段に、所定の周波数成分を通過して微弱成分である高次成分を除去する低域通過フィルタ手段であるローパス・フィルタを備え、このローパス・フィルタを通過した変形付加データを原画像データに対して埋め込むようにしてもよい。
【0103】
また、上述した実施の形態では、変換器として、原画像データに対して周波数変換を施すものを用いて説明したが、本発明は、変換器として、原画像データに対して、レベルシフトを施すものであってもよく、各種周波数変換及び/又はレベルシフトを組み合わせた処理を施すものであってもよい。
【0104】
さらに、上述した実施の形態では、画像データに対して埋め込まれた電子透かしを検出するものとして説明したが、本発明は、原データとして、画像データ以外の2次元データ、音声データ等の1次元データ又は立体像等の3次元データを用いた場合であっても容易に適用することができる。
【0105】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0106】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかる付加データ埋め込み装置は、原データに対して所定の付加データを埋め込む付加データ埋め込み装置であって、上記原データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算手段と、上記原データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅手段と、上記加算手段から供給される加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅手段と、上記第2の増幅手段によって増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅手段によって増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分手段と、上記差分手段から供給された上記変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み手段とを備える。
【0107】
したがって、本発明にかかる付加データ埋め込み装置は、非線形入出力特性を有する第1の増幅手段及び第2の増幅手段を用いて付加データを原データに応じて波形変形し、埋め込み手段によって原データに対して変形付加データを埋め込むことにより、埋め込み対象とされる画素値に応じた一部の乗算や関数式といった計算を行う必要がなく、埋め込み後の画質劣化を第三者に検知されなくすることができ、攻撃耐性が強く良好な性能を有する付加データを原データに対して簡便に埋め込むことができる。
【0108】
また、本発明にかかる付加データ埋め込み方法は、原データに対して所定の付加データを埋め込む付加データ埋め込み方法であって、上記原データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算工程と、上記原データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅工程と、上記加算工程にて得られた加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅工程と、上記第2の増幅工程にて増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅工程にて増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分工程と、上記差分工程にて得られた上記変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み工程とを備える。
【0109】
したがって、本発明にかかる付加データ埋め込み方法は、非線形入出力特性に基づいて付加データを原データに応じて波形変形し、原データに対して変形付加データを埋め込むことにより、埋め込み対象とされる画素値に応じた一部の乗算や関数式といった計算を行う必要がなく、埋め込み後の画質劣化を第三者に検知されなくすることができ、攻撃耐性が強く良好な性能を有する付加データを原データに対して簡便に埋め込むことが可能となる。
【0110】
さらに、本発明にかかる付加データ埋め込みプログラムは、原データに対して所定の付加データを埋め込むコンピュータ読み取り可能な付加データ埋め込みプログラムであって、上記原データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算処理と、上記原データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅処理と、上記加算処理にて得られた加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅処理と、上記第2の増幅処理にて増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅処理にて増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分処理と、上記差分処理にて得られた上記変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み処理とを備える。
【0111】
したがって、本発明にかかる付加データ埋め込みプログラムは、非線形入出力特性に基づいて付加データを原データに応じて波形変形し、原データに対して変形付加データを埋め込むことにより、埋め込み対象とされる画素値に応じた一部の乗算や関数式といった計算を行う必要がなく、埋め込み後の画質劣化を第三者に検知されなくすることができ、攻撃耐性が強く良好な性能を有する付加データを原データに対して簡便に埋め込むことを可能とする。
【0112】
さらにまた、本発明にかかる付加データ埋め込み装置は、原データに対して所定の付加データを埋め込む付加データ埋め込み装置であって、上記原データに対して所定の変換処理を施す変換手段と、上記変換手段によって変換されて得られた変換データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算手段と、上記変換データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅手段と、上記加算手段から供給される加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅手段と、上記第2の増幅手段によって増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅手段によって増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分手段と、上記差分手段によって得られた上記変形付加データに対して、上記変換手段によって施された変換処理の逆操作である逆変換処理を施す逆変換手段と、上記逆変換手段から供給される変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み手段とを備える。
【0113】
したがって、本発明にかかる付加データ埋め込み装置は、変換手段によって原データに対して所定の変換処理を施し、非線形入出力特性を有する第1の増幅手段及び第2の増幅手段を用いて付加データを原データに応じて波形変形し、埋め込み手段によって原データに対して変形付加データを埋め込むことにより、埋め込み対象とされる画素値に応じた一部の乗算や関数式といった計算を行う必要がなく、埋め込み後の画質劣化を第三者に検知されなくすることができ、攻撃耐性が強く良好な性能を有する付加データを原データに対して簡便に埋め込むことができる。
【0114】
また、本発明にかかる付加データ埋め込み方法は、原データに対して所定の付加データを埋め込む付加データ埋め込み方法であって、上記原データに対して所定の変換処理を施す変換工程と、上記変換工程にて変換されて得られた変換データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算工程と、上記変換データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅工程と、上記加算工程にて得られた加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅工程と、上記第2の増幅工程にて増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅工程にて増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分工程と、上記差分工程にて得られた上記変形付加データに対して、上記変換工程にて施された変換処理の逆操作である逆変換処理を施す逆変換工程と、上記逆変換工程にて得られた変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み工程とを備える。
【0115】
したがって、本発明にかかる付加データ埋め込み方法は、原データに対して所定の変換処理を施し、非線形入出力特性に基づいて付加データを原データに応じて波形変形し、原データに対して変形付加データを埋め込むことにより、埋め込み対象とされる画素値に応じた一部の乗算や関数式といった計算を行う必要がなく、埋め込み後の画質劣化を第三者に検知されなくすることができ、攻撃耐性が強く良好な性能を有する付加データを原データに対して簡便に埋め込むことが可能となる。
【0116】
さらに、本発明にかかる付加データ埋め込みプログラムは、原データに対して所定の付加データを埋め込むコンピュータ読み取り可能な付加データ埋め込みプログラムであって、上記原データに対して所定の変換処理を施す変換処理と、上記変換処理にて変換されて得られた変換データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算処理と、上記変換データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅処理と、上記加算処理にて得られた加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅処理と、上記第2の増幅処理にて増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅処理にて増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分処理と、上記差分処理にて得られた上記変形付加データに対して、上記変換処理にて施された変換処理の逆操作である逆変換処理を施す逆変換処理と、上記逆変換処理にて得られた変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み処理とを備える。
【0117】
したがって、本発明にかかる付加データ埋め込みプログラムは、原データに対して所定の変換処理を施し、非線形入出力特性に基づいて付加データを原データに応じて波形変形し、原データに対して変形付加データを埋め込むことにより、埋め込み対象とされる画素値に応じた一部の乗算や関数式といった計算を行う必要がなく、埋め込み後の画質劣化を第三者に検知されなくすることができ、攻撃耐性が強く良好な性能を有する付加データを原データに対して簡便に埋め込むことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態として示す電子透かし埋め込み装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】同電子透かし埋め込み装置が備える増幅器における入出力特性曲線を説明する図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態として示す電子透かし埋め込み装置の構成を説明するブロック図である。
【図4】同電子透かし埋め込み装置の具体例としてのウェーブレット変換を利用した電子透かし埋め込み装置の構成を説明するブロック図である。
【図5】同電子透かし埋め込み装置における処理対象となるウェーブレット係数を説明する図であって、(A)は、同電子透かし埋め込み装置が備えるウェーブレット変換器における処理対象となるウェーブレット係数を示し、(B)は、同電子透かし埋め込み装置が備えるウェーブレット逆変換器における処理対象となるウェーブレット係数を示す図である。
【図6】同電子透かし埋め込み装置の具体例としてのDCTを利用した電子透かし埋め込み装置の構成を説明するブロック図である。
【図7】同電子透かし埋め込み装置における処理対象となるDCT係数を説明する図であって、(A)は、同電子透かし埋め込み装置が備えるDCT器における処理対象となるDCT係数を示し、(B)は、同電子透かし埋め込み装置が備えるIDCT器における処理対象となるDCT係数を示す図である。
【図8】同電子透かし埋め込み装置を拡張した具体例としてのウェーブレット変換を利用した電子透かし埋め込み装置の構成を説明するブロック図である。
【図9】従来の電子透かし埋め込み装置の構成を説明するブロック図である。
【符号の説明】
10,20,20',20'',20''' 電子透かし埋め込み装置、 11,22,221,222 加算器、 12a,12b,23a,23b,23a1,23b1,23a2,23b2 増幅器、 13,24,241,242 差分器、 14,26,26''' 埋め込み器、 21 変換器、 21',21'''ウェーブレット変換器、 21'' DCT器、 25 逆変換器、 25',25''' ウェーブレット逆変換器、 25'' IDCT器
Claims (8)
- 原データに対して所定の付加データを埋め込む付加データ埋め込み装置であって、
上記原データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算手段と、
上記原データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅手段と、
上記加算手段から供給される加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅手段と、
上記第2の増幅手段によって増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅手段によって増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分手段と、
上記差分手段から供給された上記変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み手段とを備えること
を特徴とする付加データ埋め込み装置。 - 原データに対して所定の付加データを埋め込む付加データ埋め込み方法であって、
上記原データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算工程と、
上記原データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅工程と、
上記加算工程にて得られた加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅工程と、
上記第2の増幅工程にて増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅工程にて増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分工程と、
上記差分工程にて得られた上記変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み工程とを備えること
を特徴とする付加データ埋め込み方法。 - 上記第1の増幅工程及び上記第2の増幅工程における入出力特性は、求めようとする上記付加データの波形変形式を積分した結果にしたがって設計されること
を特徴とする請求項2記載の付加データ埋め込み方法。 - 入力されるデータのうち、所定の周波数成分を通過する低域通過フィルタ工程を備え、
上記埋め込み工程では、上記第1の増幅工程及び上記第2の増幅工程にて、それぞれ、2次以上の高次の関数で表される非線形入出力特性を有する増幅処理が行われる場合には、上記差分工程にて得られた上記変形付加データのうち、上記低域通過フィルタ工程にて通過された高次成分が除去された変形付加データが上記原データに対して埋め込まれること
を特徴とする請求項2記載の付加データ埋め込み方法。 - 原データに対して所定の付加データを埋め込むコンピュータ読み取り可能な付加データ埋め込みプログラムであって、
上記原データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算処理と、
上記原データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅処理と、
上記加算処理にて得られた加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅処理と、
上記第2の増幅処理にて増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅処理にて増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分処理と、
上記差分処理にて得られた上記変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み処理とを備えること
を特徴とする付加データ埋め込みプログラム。 - 原データに対して所定の付加データを埋め込む付加データ埋め込み装置であって、
上記原データに対して所定の変換処理を施す変換手段と、
上記変換手段によって変換されて得られた変換データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算手段と、
上記変換データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅手段と、
上記加算手段から供給される加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅手段と、
上記第2の増幅手段によって増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅手段によって増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分手段と、
上記差分手段によって得られた上記変形付加データに対して、上記変換手段によって施された変換処理の逆操作である逆変換処理を施す逆変換手段と、
上記逆変換手段から供給される変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み手段とを備えること
を特徴とする付加データ埋め込み装置。 - 原データに対して所定の付加データを埋め込む付加データ埋め込み方法であって、
上記原データに対して所定の変換処理を施す変換工程と、
上記変換工程にて変換されて得られた変換データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算工程と、
上記変換データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅工程と、
上記加算工程にて得られた加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅工程と、
上記第2の増幅工程にて増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅工程にて増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分工程と、
上記差分工程にて得られた上記変形付加データに対して、上記変換工程にて施された変換処理の逆操作である逆変換処理を施す逆変換工程と、
上記逆変換工程にて得られた変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み工程とを備えること
を特徴とする付加データ埋め込み方法。 - 原データに対して所定の付加データを埋め込むコンピュータ読み取り可能な付加データ埋め込みプログラムであって、
上記原データに対して所定の変換処理を施す変換処理と、
上記変換処理にて変換されて得られた変換データと上記付加データとに対して加算処理を行う加算処理と、
上記変換データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第1の増幅処理と、
上記加算処理にて得られた加算処理後データを所定の非線形入出力特性に基づいて増幅する第2の増幅処理と、
上記第2の増幅処理にて増幅されて得られた増幅後データと上記第1の増幅処理にて増幅されて得られた増幅後原データとの差分により上記原データに応じて波形変形された変形付加データを得る差分処理と、
上記差分処理にて得られた上記変形付加データに対して、上記変換処理にて施された変換処理の逆操作である逆変換処理を施す逆変換処理と、
上記逆変換処理にて得られた変形付加データを上記原データに対して埋め込む埋め込み処理とを備えること
を特徴とする付加データ埋め込みプログラム。
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