JP2002515878A - 脳虚血性損傷およびその他の神経の病気を治療する方法 - Google Patents

脳虚血性損傷およびその他の神経の病気を治療する方法

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JP2002515878A JP50997298A JP50997298A JP2002515878A JP 2002515878 A JP2002515878 A JP 2002515878A JP 50997298 A JP50997298 A JP 50997298A JP 50997298 A JP50997298 A JP 50997298A JP 2002515878 A JP2002515878 A JP 2002515878A
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Abstract

(57)【要約】 この発明は一般的にいうと、ブラディキニン2受容体(B2)に選択的に影響を及ぼすアンタゴニストまたはブラディキニン1受容体(B1)に選択的に影響を及ぼすアゴニストを使用して脳虚血性損傷を治療することに関し、この損傷は脳卒中もしくは他の原因により生ずるもので、特に線状体(striatal)脳虚血性損傷および皮質脳虚血性損傷によるものである。本発明はまたパーキンソン病やハンチントン病を治療のためにB2アンタゴニストおよび/又はB1アゴニストを使用することに関するものである。この選択されたB2アンタゴニストおよび/又はB1アゴニストは単独もしくは一緒に組合わせて該治療剤として用いることができ、またこれら単独もしくは他の治療剤との組合わせで用いることができるのである。

Description

【発明の詳細な説明】 脳虚血性損傷およびその他の神経の病気を治療する方法 次のような特許または特許出願公開公報がB2アンタゴニストおよびその合成 に関係するものとして挙げられる:US4,693,993;WO94/064 53;WO91/09055;EP552,106;EP370,453−A2 ;EP413,277−B1;WO93/11789;EP564,972;W O94/08607;EP578,521;WO94/19372;WO94/ 11021;US5,228,725;EP596,406−A1;WO95/ 07294及びEP622,361−A1. 発明の背景 発明の分野 この発明は一般的にブラディキニン2受容体(B2)に選択的に影響を及ぼす アンタゴニストまたはブラディキニン1受容体(B1)に選択的に影響を及ぼす アゴニストを使用して脳虚血性損傷を治療することに関し、この損傷は脳卒中も しくは他の原因により、特に線状体(striatal)脳虚血性損傷および皮 質脳虚血性損傷によるものである。本発明はまたパーキンソン病やハンチントン 病または線状体(striatum)または微細運動調節(fine moto r control)が影響を受ける他の神経の病気の治療にB2アンタゴニスト および/又はB1アゴニストを使用することに関するものである。この選択され たB2アンタゴニストおよび/又はB1アゴニストは単独もしくは一緒に組合わせ て該治療剤として用いることができ、またこれらは単独もしくは他の治療剤との 組合わせで用いることができるのである。 背景に関する記載 脳卒中(発作、stroke)は世界中で1年につき150万人の人々に影響 を及ぼしている。その患者が生き残った場合に脳卒中と合併して起こる傷病とし ては意志の伝達、歩行、調整もしくは思考の能力の喪失が挙げられる。脳の皮質 領域への損傷は通常、喋れなくなったり、手足の調節ができなくなったりする。 脳卒中の従来の治療法、あるいは脳卒中の症状が出る前のもしくは脳卒中のため に臨床的に開発されたものは主に皮質を保護するかあるいは浮腫を軽減すること を目的としている(脳の空隙に血漿腋が異常に蓄積する)。線状体への損傷は微 細運動能力の損傷もしくは喪失という結果となり、治療が難しいことが証明され ている。現在のところ線状体および皮質の両者に有効な治療法はない。本方法は このような治療法を提供するものである。 脳卒中による脳虚血性損傷はグルタミン酸塩受容体機能の損傷を生じさせるエ ネルギー損失によるニューロンの脱極化により生じ、ミトコンドリア損傷、酵素 活性化/不活化、細胞膨潤および毒性刺激(excitotoxicity)と いう結果となるおそれがある。したがって、脳卒中のための薬理学的戦略として は次のようなものがある.チャンネルブロッカー、即ちNMDAもしくはAMP A受容体アンタゴニストを使用するグルタミン酸塩受容体機能の遮断、;再潅流 損傷を改善する遊離ラジカル清掃(scavenger);ソジウムおよびカル シウムチャンネルブロッカーもしくはカルシウムチャンネルモジュレーターを用 いる電圧ゲートチャンネルブロッカー;白血球粘着ブロッカーのような抗脳炎症 剤;抗凝集および血栓溶解剤;ニューロトロフィン;抑制的な神経伝達の強化お よび種々の他の戦略。これらについての考察は全てKoroshetzおよびM oskowitz,17 TIPS 227(1996)による評論記事に記載さ れている。 本発明を充分理解するために、神経損傷および脳浮腫の病原学および病理生理 学におけるブラディキニンの役割について考察を加える。ブラディキニンは神経 損傷および神経外傷を起こす(Fracel,9 J.Neurotrauma S27(1992).Ellis,4 New Trends Lipid Med iators Res.129(1990)が、これが血管原性脳浮腫の仲介役 となっており(Unterberg et al.,Recent Progre ss in the Study and Therapy of Brain Ede ma 175(1984))、UnterbergおよびBaethmannの61 J.Neurosurg.87(1984)、また虚血性脳浮腫の進行の 増大の役割も果たしている(Kamiya et al.,24 Stroke 5 71(1993)。キニノゲン(Kininogen)、このものはブラディキ ニンの前駆体であるが、狭窄性(stenotic)および閉塞性(occlu sive)頚動脈損傷のための神経外科治療を受けているラットおよびヒトにお ける脳の虚血および再潅流の間に消費される(Makevnina et a1. ,27(8)Brazilian J.Med.& Bio.Res.1955( 1994)。 しかしながら、虚血におけるブラディキニンアンタゴニストの役割は組織が違 うと予測し難い。ブラディキニンアンタゴニストはラビットにおける脳損傷に続 く過度呼吸に対する血管反応性を弱めることが示され(Eilis,4 New Trends Lipid Mediators Res.129(1990)) 、また低温外傷(cold lesion)トラウマに続くラットにおける脳浮 腫を減少させ、トラウマ性脳損傷に続くヒトにおける脳浮腫を減少させる(Ro dell,30 Immunopharmacology 279(1996)) 。これとは対照的に、心筋梗塞および心臓虚血−再潅流損傷モデルにおいてはブ ラディキニンB2およびB1受容体アンタゴニストの両者は状態を悪化させ、一方 B2アゴニストブラディキニンおよびB1アゴニスト、des−Arg9−BKは 保護的である。Chahine et al.,108 Br.J.Pharma col.318(1993);Linz et al.,47 Pharm.Re v.25(1995);Parrart et al.,73 Can.J.Ph ysiol.Pharmacol.837(1995)。 EPO特許公開公報WO95/07294はブラディキニンB1およびB2受容 体アンタゴニストを開示している。この出願ではこの化合物を脳卒中のために用 いることが記載されているがデータは示されていない。同様に米国特許出願 においてもブラディキニンアンタゴニストが脳卒中との関連で記載 されている。両開示とも単に推測の域を出ずデータを提供していない。 B1アンタゴニストはブタの内部毒性ショックにおける生存のためのB2アンタ ゴニストの保護効果を逆行させることもまた今までに示されている。Sieba ck et al.,Immunopharmacology。しかしながら正常 な生理学におけるB1の役割については明確な理解が得られるまでに至っていな い。 発明の要旨 本発明の目的はB2アンタゴニストおよび/又はB1アゴニストを用いて脳虚血 性損傷を治療する方法を提供することであり、B2アンタゴニストおよび/又は B1アゴニストは治療剤として各々単独でもしくは両者一緒に用いるか、また他 の治療剤とは別個にもしくは他の治療剤と組合わせて用いるものである。 B2アンタゴニストおよび/又はB1アゴニストを用いて脳卒中を治療する方法 を提供することももう一つの目的であり、その際この方法はこれらを単独でもし くは他の治療法と組合わせて用いられる。 したがって、B2アンタゴニストおよび/又はB1アゴニストを用いて線状体虚 血性損傷を治療する方法を提供することが本発明の目的であり、その際この方法 は単独でもしくは他の治療と組合わせて用いられる。 またB2アンタゴニストおよび/又はB1アゴニストを用いて皮質虚血性損傷を 治療する方法を提供することも本発明の目的であり、その際この方法は単独でも しくは他の治療と組合わせて用いられる。 更にB2アンタゴニストおよび/又はB1アゴニストを用いて神経の疾患を治療 する方法を提供することを目的とするものである。 またB2アンタゴニストおよび/又はB1アゴニストを用いてハンチントン病も しくはパーキンソン病を治療する方法を提供するものであり、その際この方法は 単独でもしくは他の治療と組合わせて用いられる。 またB2アンタゴニストを単独であるいは他の治療と組合わせて再潅流損傷を 治療する方法を提供するものである。 本発明の他の目的および概要は以下の詳細な説明から明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 第1〜8図において、全て化合物は中大脳動脈(middle cerebr al artery)を永久に閉塞する30〜45分前に、ミニ浸透圧ポンプで 皮下的に実験の間中(24時間)与えられた。 第1図:中大脳動脈の永久閉塞後24時間のラットにおける総梗塞容積に対する ブラディキニンB2受容体アンタゴニストCP−0597の効果である。この図 は治療を受けていない対照ラットと比べ、CP−0597を与えたものではその 投与量に比例した保護効果があることを示している。CP−0597を30ng /kg/分の投与量で、対照のラットの別の1グループに投与された(b)。 第2図:中大脳動脈の永久閉塞後24時間の、ラットにおける線状体梗塞容積に 対するブラディキニンB2受容体アンタゴニストCP−0597の効果である。 この図は生理食塩水で処理した対照ラットと比べた場合の、CP−0597の投 与量に比例した保護効果を示している。 第3図:中大脳動脈の永久閉塞後24時間の、ラットにおける総梗塞容積に対す るB2/B1受容体アンタゴニストの組合わせのB9430の効果である。この図 は、B2およびB1受容体の両者をブロックすることによっては何ら保護がなされ ず、生理食塩水処理の対照ラットに比べて損傷を悪化させている場合もあること を示している。 第4図:ラットにおける中大脳動脈の永久閉塞に続く24時間の、ラットにおけ る総梗塞容積に対するB1アンタゴニスト(B−9858)単独およびB2アンタ ゴニストCP−0597との組合わせの効果である。この図はB1アンタゴニス ト単独では梗塞容積に何ら効果がなくCP−0597と組合わせて投与されたと きにCP−0597単独の際の保護効果を逆行させ(第1図参照)、生理食塩水 処理対照に比べて損傷を悪化させた可能性があることを示している。 第5図:ラットにおける中大脳動脈の永久閉塞後24時間の、ラットにおける総 梗塞容積に対するB2アンタゴニストHOE140およびNPC17731の効 果である。これらのB2受容体アンタゴニストは対照に比べて損傷に対し保護を 与えた。 第6図:ラットにおける中大脳動脈の永久閉塞後24時間の、ラットにおける線 状体梗塞容積に対するブラディキニンB2アンタゴニストHOE140およびN PC17731の効果である。これらのB2受容体アンタゴニストは両者共、対 照に比べ線状体損傷に対し有意の保護を与えた。 第7図:ラットにおける中大脳動脈の永久閉塞後24時間の、ラットにおける総 梗塞容積に対するNMDAアンタゴニストMK801の効果である。MK801 は対照ラットに比べて損傷からの有意の保護を与えていた。 第8図:ラットにおける中大脳動脈の永久閉塞後24時間の、ラットにおける線 状体梗塞容積に対するNMDAアンタゴニストMK801の効果である。MK8 01は食塩水処理対照に比べ線状体損傷に対し保護を与えなかった。 第9図:中大脳動脈の永久閉塞後24時間の、a)総、b)皮質およびc)線状 体梗塞容積に対するブラディキニンB2アンタゴニストCP−0597の効果で ある。この実験ではこの化合物は該動脈閉塞後30〜40分で与えられもので後 処理を表わす。CP−0597は線状体損傷に有意の保護を与えるが皮質損傷は 保護しない。 第10図:CP−0597、HOE140およびNPC17731の構造。 第11図:ラットにおける可逆的なMCAOの前後における行動評価に対するB2 アンタゴニストCP−0597の効果である。CP−0597で治療することに よって、可逆的なMCAOの後24時間での測定により、担体(vehicle )処理対照に比べ平均行動評価点数を有意に増加させた(P<0.01)。 第12図:ラットにおける可逆的MCAO後24時間の体重の変化に対するCP− 0597の効果である。この実験期間にわたっての体重の平均減少は担体対照に 比べCP−0597で治療したラットでは有意に少なかった(P<0.01)。 第13図:脳卒中のrMCAOモデルに用いた断面を示すラット脳の背部形態。脳 の損傷の組織学的分析のために取り出された部位を示すラット脳の背部形態を示 す。 第14図:rMCAO後24時間のラット脳の冠状切片を示す。担体(溶剤)もし くはCP−0597で処理したラットからのH&E染色脳切片(A−E)に対す る脳損傷の分布。 第15図:浮腫に対するCP−0597の効果である:半球サイズの増加パーセン ト。可逆的MCAO後に観察される半球サイズにおけるこの増加パーセントは、 担体処理対照に比べてCP−0597で処理したラットからの全脳切片(A−E )において有意に減少した(P<0.05)。 第16図:rMCAO後24時間後の、絶対的梗塞域に対するCP−0597の効 果を示す。絶対的脳梗塞域は担体処理対照に比べてCP−0597で処理したラ ットからの全脳切片(A−E)において有意に減少した。 第17図:rMCAO後24時間の絶対梗塞容積に対するCP−0597の効果を 示す。総絶対梗塞容積を、各々の定位座標に対してプロットされた連続した脳切 片上の梗塞域の曲線の下の領域として計算した。平均絶対梗塞容積は、担体で処 理した対照に比べてCP−0597で処理したラットにおいて60%(P<0. 001)有意に減少した。皮質および皮質下領域が各々63%および43%保護 された。 第18図:rMCAO後24時間の絶対梗塞容積に対するCP−0597の効果を 示す。各脳切片についての蒼白域(pallor)を定位マップ上にスケッチし 、半球状の膨潤に対し調整し、このマップから梗塞のひろがりを数量化した。こ のようにして計算された梗塞域は担体処理対照に比べてCP−0597で処理し たラットからの全脳切片(A−E)において有意に減少した。 第19図:rMCAO後24時間の絶対梗塞容積に対するCP−0597の効果を 示す。調節された梗塞容積の総量を上記のようにして計算した。梗塞容積は、C P−0597で処置したラットにおいて担体処理の対照に比べ有意に57%減少 した(P<0.001)。皮質および皮質下領域が各々60%および49%保護 された。 第20図:神経損傷のサンプルとされたラット脳の領域。神経細胞計数のための脳 サンプルの特定の領域を図示する。壊死神経細胞の数は、担体およびCP−05 97で処理した動物からのH&Eで染色された脳切片の内の切片C上の同一部位 でカウントした。 第21図:神経計数、切片C、領域II。a)擬似手術対照、b)rMCAO後24 時間の担体処理したラットおよびc)rMCAO後24時間のCP−0597処 理ラットからのH&E染色C切片(領域II、体壁皮質)の顕微鏡写真(20×倍 率)を示す。 第22図:80X領域につき死んだ神経数に対するCP−0597の効果を示す。 領域I−IVにおける壊死神経数は担体処理対照に比しCP−0597処理ラット では有意に減少した。 第23図:a)1時間の虚血およびb)24時間の再潅流が為された後のラット脳 中のブラディキニンB1受容体の同定。特定の神経細胞と結合しているb)中の B1受容体(黒染色)に注意されたい。 発明の詳細な説明 脳におけるB2受容体に対する拮抗作用および/又はB1受容体に対する作動作 用(アゴニズム)によって、天然のペプチドブラディキニンの過剰生産による損 傷から脳が保護されることを、本発明者等はこの度初めて発見したものである。 今回の明細書で開示するまでブラディキニンと関連している病理状態におけるB2 もしくはB1受容体の役割が何であるかは不明であった。これは第1に実験が全 く行なわれていないので結果が出せないことによるが、他にも虚血におけるブラ ディキニンの役割の相対立する証拠が存在するという理由のためである。神経病 理学におけるB2アンタゴニストおよびB1アゴニストの役割を本発明者等は明確 にし、本発明では、治療剤としてB2アンタゴニストおよびB1アゴニストを用い 神経の病気を治療することについても記載している。 線状体および皮質の両者における虚血性損傷を治療するためのB2アンタゴニ ストおよび/又はB1アゴニストの能力がこのたび新しく発見されたもので、こ れは臨床的に重要な発見である。脳卒中の病理において皮質と線状体の両者が影 響を受けるとき、前述の治療では、主に皮質を守るという結果を生じるのであっ た。このようにこれまでの方法では、線状体の治療が為されず損傷を完全に広げ てしまい好ましくないのである。したがって線状体損傷同様皮質損傷をも治療で きるある種の化合物を見出したことは驚くべきことでありまた予測し難いことで あった。本発明は脳卒中の治療法を提供するものであり、これは従来使用されて きた方法に比べ非常にすぐれているものである。2アンタゴニスト2アンタゴニストは一般に2つのカテゴリーに分けられている:即ちペプチ ドに類するものと非ペプチドに類するものである。この分野では、利用し得るB2 アンタゴニストがいくつか知られており、また既知のB2アンタゴニストをわず かに改変することによって活性化合物になることもまた知られている。更に多く のペプチドおよび非ペプチドB2アンタゴニストが将来必ず発明されると考えら れる。本開示の目的のためには、B2受容体において選択的な活性を示す化合物 はいずれも本発明方法に有用である。「B2受容体に対して選択的」という語は B2/B1Ki比が100より大であるような化合物を指すものである。しかしな がら500〜1000の範囲の比率のものが好ましいものである。最も好ましい 化合物はB2/B1比が1000より大のものである。 ペプチドに基くB2アンタゴニスト化合物は例えば次のような文献に挙げられ ている:Cheronis et.al.,35 J.Med.Chem.156 3(1992);Kyle & Burch,2 Curr.Opin.Inve st.Drugs 5(1993);Hock et al.,102 Br.J. Pharmacol.769(1991);Hock et al.,102 B r.J.Pharmacol.774(1991);Burke et.al. ,5(4)Exp.Opin.Ther.Patents 331(1995) 他。これらの化合物は全て本明細書に開示されている方法に有用である。 非ペプチドおよびペプトイドB2アンタゴニスト化合物は次に示されているも のを含んでいる。:Sawutz et.al.,91 Proc.Nat’l Acad.Sci.4693(1993);Lam et.al.,52 Tet rahedron 481(1996);Inamura et al.,Cha rscterization of FR 173657,a novel non −peptide BK2 antagonist,in vitro and in vivo studies ,Proceedings−Peptide Rec eptors Symposium,Montreal(1996);Kyle et al.WO95/07294(1995)他。これらの化合物は全て本明 細書に開示されている方法に有用である。 更に、神経の病気のための多くの治療法が既に知られている。B2アンタゴニ ストとこれらの治療法との組合わせが本発明の範囲内のものである。最近の2つ の考察が、本発明にしたがってB2アンタゴニストと組み合わせることのできる 種類の治療法の実例を提供している。Koroshetz & Moskowitz,17 TIPS 227(199 6);Barinaga,272 Science 664(1996)。本開示の目的のためにこのような治療法 を「アジュバント(adjuvant(s))」と定義する。 上記の剤の殆どが脳卒中の動物モデルで有効であり、それらの作用は主に皮質 の損傷を保護するかまたは炎症/浮腫を減少させることを介して生じている。上 記の剤で線状体の損傷に対し有効な効果をもつものは皆無である。本発明に開示 されているように、ブラディキニンB2アンタゴニストは、皮質よりは線状体の 損傷を保護するという主たる効果で総梗塞容積を減少させる。ブラディキニンア ンタゴニストは又ヒトの脳浮腫を減少させるものである。即ち、ブラディキニン B2アンタゴニストとアジュバントの組合わせは相乗的で皮質および線状体損傷 の両者を保護するものである。 最後に、ある化合物がB2受容体アンタゴニストであるかどうかを決めるアッ セイ法は知られている。ラットおよびヒトB2受容体がクローン化され、蛙卵母 細胞内に注入されたRNAに基づくアッセイが特徴的なものである。Burke ら、Molecula Biology and Pharmacology of Bradykinin Receptors 19(1993)を参照されたい 。 更にB2活性を測定する古典的アッセイ、即ちモルモット腸骨アッセイもまた適 用可能である。B1活性の古典的アッセイ、即ちラビット大動脈平滑筋アッセイ がBurke et.al.,Molecula Bioiogy and Pha rmacology of Bradykinin Receptors 6(19 93)において検討され他のアッセイと比較されている。1アゴニスト ペプチドを基体とするB1アゴニストの例は次の文献に見出すことができる。 Regoli and Basabe,Pharmacological Rev iew,1980,32,1−46;Marceau,Immunopharm acology,1995,30,1−26;Audet,et al.Pha rm.and Ther.,1997,280,6−15;Regoli,et al.,Can.J.Physiol.Pharm.,1977,55,855 −867;Drapeau,et al.,J.Pharm.Exp.Ther .,1993,266,192−199;Levesque,et al.,I mmunopharmacology,1995,29,141−147;Dr apeau,et al.,J.Pharm.Exp.Ther.,1991,259 ,997−1003;Drapeau and Regoli,Metho ds in Enzymology,1988,163,263−272. ペプチドおよびペプチドを基体とするブラディキニンB1アゴニストは上記文 献中に記載されているようにして製造し、同定し、アッセイすることができる。 ブラデイキニンB1アゴニストはPhoenix Pharmaceutical s,Inc.(Mountain View,California),Sig ma Chem.Co.(St.Louis,Missouri),Bache m(Torrence,California)およびPeninsula L abs(Belmont,California)のような種々の販売会社から 購入することもできる。 脳卒中の動物モデルに関することについてはHunter et al.,6 TIPS 123(1996)により考察されている。中大脳動脈永久閉塞のラ ットモデルはヒトの脳卒中の症状の擬態であり、この障害の治療のために治療的 に有効であると考えられる化合物の評価に用いられる標準モデルである。Tam ura et al.,1(1)J.Cereb.Blood Flow Meta bol.53(1981);Garcia et al.,26(4)Strok e 627(1995). 保護されたアミノ酸残基の誘導体形成、活性化およびカップリングを含む本発 明に有用なペプチドの合成法、およびその精製、および同定し、純度を測定する ための分析法は次のようなペプチド化学の一般的な文献に記載されている:液相 合についてはHouben Weyl Methoden der Organis chen Chemie(1974)Vol.16,parts I&IIに、そし てメリフィールドの固相合成についてはSolid Phase Peptide Synthesis,(1984),by Stewart and Young に記載されている。 ペプチド合成の分野の化学者であれば誰でも標準的な溶液法またはマニュアル もしくは自動化された固相法により本発明で有用なペプチドを合成することがで きる。 本発明による治療法は有効量の活性化合物を経口的にもしくは局所的に対象に 投与することを含む。本発明方法における活性化合物の投与量は有効かつ非毒性 の量で0.01〜500mg/kg;好ましくは0.1〜50mg/kgの活性 化合物の範囲である。通常の臨床テストを使用するこの分野の当業者であれば、 治療されている特定の患者に対する好適な投与量を決めることができるであろう 。好適な剤を対象に対し1日に1〜6回もしくはそれ以上、静脈内、経口的に、 直腸内に、非経口的に、局所的にもしくは吸入によって投与される。好適な剤を 継続的な静脈内輸注によって投与することもでき、これは本投与の好ましい形態 である。 本発明においては、B2アンタゴニストおよび/又はB1アゴニストの非経口投 与においては、該化合物は抗酸化剤、緩衝液、静菌剤等を含有してもよい水性注 射液の形に製剤することができる。無菌のピル、顆粒もしくは錠剤から即時調合 の注射液を調製することもでき、これには希釈剤、分散および表面活性剤、結合 剤および潤滑剤を含有させることができ、これらの剤は全て当業者によく知られ ているものである。 経口投与の場合には、該化合物の細かな粉もしくは顆粒を希釈剤および分散剤 および表面活性剤を用いて調製することができ、また水剤もしくはシロップ剤と することもでき、乾燥状態もしくは非−水性懸濁液でのカプセルやカシェ剤とす ることもでき、この場合懸濁剤を含有してもよい。該化合物は必要であれば、結 合剤や滑剤と共に錠剤の形で投与してもよく、また水やシロップの懸濁液、油状 物もしくは水/油エマルジョンの形で投与してもよく、矯味剤、保存剤、懸濁剤 、肥厚剤および乳化剤を含有することもできる。経口投与のための顆粒剤もしく は錠剤はコーティングすることもでき、また他の製薬学的に許容し得る剤や製剤 を使用することもでき、これは薬学の分野の当業者によく知られているものであ る。 固体もしくは液体の担体もまた用いることができる。固体の担体としてはでん 粉、ラクトース、硫酸カルシウム二水化物、テラアルバ(terra alba )、シュークロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステ アリン酸マグネシウムおよびステアリン酸が挙げられる。液体担体としてはシロ ップ、落花生油、オリーブ油、食塩水および水が挙げられる。軟膏およびクリー ムが種々のよく知られている親水性および疎水性ベースを用いて調製される。所 望の放出特性を与えるように選択された種々のアクリル性ポリマーのような既知 の高分子物質を用いて局所レザバー(reservoirs)が好適に調製され る。ポリエチレングリコールおよびココアバターのような標準的なベースから座 薬が調製される。 実施例実施例1 永久閉塞モデルのプロトコル 複数群のラットをハロエタンで麻酔し、左中大脳動脈(MCA)の永久閉塞を 行なうか擬似手術(sham surgery)を行なった。永久閉塞はMCA の電気凝固法により導入された。これらのラットは覚醒させ24時間後に殺し、 その際梗塞容積および他のパラメーターを測定した。梗塞のサイズはテトラゾリ ウムで染色した500マイクロメーター冠状(coronal)脳切片から決定 した。 複数群の動物をブラインド方式でブラディキニン アンタゴニストもしくは担 体(vehicle)で前処理をした。MCA手術直後に埋め込んだ予備活性化 したミニ浸透圧ポンプを経由して薬剤もしくは食塩水を皮下に入れた。担体を与 えた対照とCP−0597を10、30、100および300mg/kg/分投 与したものとを24時間の間比較した。実施例2 永久の閉塞モデルの結果 脳卒中のモデルの梗塞のサイズはCP−0597の投与量に比例して有意の減 少がもたらされた。4mg/kg秒の投与量でNMDAアンタゴニストMK80 1についてもこのモデルでテストした。CP−0597ではわずかに0.432 mg/kgの投与量で、MK801を4mg/kgの投与したときと同等の梗塞 サイズの減少が24時間以上にわたって続いた。 CP−0597はこの脳卒中モデルにおける総梗塞サイズを投与量に比例して 減少させ(第1図)、これは4mg/kgのMK801でみられるものに匹敵す る(第7図)。CP−0597の効果が線状体の損傷に対し最大であり、対照に 比べ90%より大の保護を行ない(第2図)、皮質の損傷に対してはいくらかの 保護をしていた。MK801は皮質の損傷に対し保護効果を有するが、線状体域 にはほんの少ししか効果がないか、あるいは全く効果がなかった(第8図)。線 状体および皮質の損傷に対するCP−0597の保護効果と同様の効果が他のB2 アンタゴニストNPC17731およびHOE140において見られた(第5 図および6図)。B2/B1アンタゴニストの組合わせ、B9430は脳の損傷を わずかに悪化させた(第3図)。B1アンタゴニストだけでは全く効果がなく、 B2アンタゴニストCP−0597との組合わせでは損傷をわずかに悪化させた 。このことからするとB2受容体は破壊的でありB1受容体は保護的である可能性 があるということが示唆されるであろう。最後に、CP−0597は中大脳動脈 閉塞後30〜45分投与されると線状体損傷に対する保護を与えた(第9図)。 これらのデータは、B2受容体アンタゴニストおよび/又はB1アゴニストを、そ れらを単独でもしくは皮質損傷に対する追加の保護を提供する剤との組合わせで 、 脳卒中/虚血に対して使用することを支持している。実施例3 可逆的閉塞モデルのプロトコル 可逆的なMCAOはラット縫合モデルのZea Longa,E.ら(198 9)Stroke 20:84−91を用いて行なわれた。簡単に言うと、雄の ウィスターラット(270−300g)をハロエタンを用いて麻酔し、次いで4 −0ナイロンモノフィラメントを右外部頚動脈に入れることによってMCAOを 行ない、この内部頚動脈を通じてMCAのoriginへと通じさせた。1時間 後、このフィラメントを除き(retract)この虚血域の再潅流を可能とし た。担体もしくはCP−0597を含有する感作されたミニ浸透圧ポンプをMC AO直後に皮下部分に植え付けた。これらのポンプは続く24時間以上の間、3 00ng/kg/分の割合でCP−0597を、もしくは8μl/hの割合で担 体(溶剤)を放出した。MCAO後24時間でラットは0.9%食塩水続いてB ouin溶液で心臓潅流を受ける。固定脳を1mmの順次並んだブロック(A− E)で4μmの切片に切断しヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色し た。ラットの臨床的評価を前足の屈曲動作の対称性および後足の伸び方(out streching)(正常=10)および体重の変化をこの実験期間の間、 神経学的に点数をつけることによって行なった。順に並んだ脳切片(A−E)を その虚血性半球の半球サイズの変化のパーセンテージを対側性の損傷を受けてい ない半球と比べ組織病理学的に評価して脳浮腫を測定した。H&E染色脳切片に ついて蒼白の領域として梗塞のサイズを測定し、絶対的な梗塞サイズおよび浮腫 に対して調整された梗塞サイズとして定量化した。前交連(anterior commissure )のレベルに相当する組織ブロックCの規定された皮質および線状体領域におい て壊死性神経の神経細胞の測定を行なった。実施例4 可逆的閉塞モデルの結果 MCAOを受けた担体処理対照ラットはその脳の皮質および皮質下領域全部に わたって広く外傷を持っており、その虚血性半球は著しく膨れ有意の行動障害が 観察された。B2受容体アンタゴニストCP−0597で処理したものは担体処 理ラットに比べ行動結果、体重変化を改善し、虚血導入後24時間で測定した梗 塞および脳浮腫のひろがりを減少させた。結果は平均値±sem(1グループに つきn=12)として表わしている。Studentのt−テスト(***はp< 0.001を外挿、**=p<0.01、*=p<0.05)を用いて統計的分析 を行なった。 再潅流(虚血導入後1時間)の際には処理および非処理動物の両者において神 経学的スコアは類似のものであったが、MCAO後24時間で測定した際には、 CP−0597で処理したラットは有意に改善されていた(担体:2.58±0 .37対CP−0597:6.9±0.89、p<0.001、第1図)。 実験期間中に観察された体重の減少は、担体処理対照(−28.3±2.3g 、p<0.01、第12図)に比べてCP−0597処理ラット(−17.7± 3g)において有意に減少した。第14図は手術後24時間で測定された食塩水 処理対照脳に観察される広い脳梗塞および浮腫と、CP−0597で処理した後 に観察される損傷の劇的な減少を図示している。脳損傷を定量したところ、担体 処理ラットでは脳切片A−Eにわたって25〜40%の深い同側脳半球拡大を示 した。この半球サイズのパーセンテージ増大は、CP−0597処理動物では8 〜20%に有意に減少した(第15図)。梗塞サイズについては、脳浮腫に対し て調整された容積と絶対的容積の両者を測った。H&Eで染色した各脳切片の蒼 白域を固定切片から直接定量化し(絶対域)、そしてA−Eの切片に対して定位 マップ上につくられたスケッチ(調整域)から定量した。絶対梗塞域および調整 梗塞域の両方が、担体処理対照に比べてCP−0597処理動物において分析さ れた全ての切片において減少していた(第16および18図)。総梗塞容積は、 系列脳切片の各々の定位座標に対してプロットされた系列脳切片上の梗塞域の曲 線の下の領域として計算した。平均絶対総梗塞容積は担体処理対照(284.9 ±17.4mm3)に比べてCP−0597処理ラット(114.1±30.1 mm3)において60%(p<0.001)有意に減少した。皮質および皮質下 保護について更に分析したところ各々63%および43%であった(第17図) 。平均調整梗塞容積は担体処理対照(204.5±8.6mm3)に比べてCP −0597処理ラット(88.8±21.1mm3)において57%(p<0. 001)有意に減少し、皮質および皮質下保護については各々60%および49 % であった(第19図)。H&Eで染色された脳切片Cから取られた組織サンプル は神経細胞のカウントのため高倍率(20×)で試験された。4つの特定の分野 (第20図)の各々において壊死神経細胞の数が測定された。CP−0597で 処理することにより体壁および視索前方皮質および線状体における壊死神経の数 を担体処理対照動物に比べて減少させた(第21および22図)。 虚血の導入後で組織再潅流の時間より前に、ブラディキニンB2受容体アンタ ゴニストCP−0597で処理することにより、ラットにおける可逆的局限的脳 虚血のモデルにおける虚血性傷に対し有意に脳が保護された。このモデルの症状 はヒトの脳卒中の状態を臨床的に代表しており、現在のデータはCP−0597 がこの卒中および他の虚血関連障害の処理において有意の効果を与えることを示 唆している。実施例5 B1アゴニズムの証拠 組合わせられたB1/B2アンタゴニストB9430は300ng/kg/分s .c.で梗塞容積に何の効果も無かった。B1アンタゴニストB9858は30 0ng/kg/分s.c.単独で梗塞容積に何の効果もなく、CP−0597と 共に投与されるとCP−0597の保護的効果を逆転させた。Lys0−des −Arg9−Leu8−BK(CP−0298)はCP−0597と共に投与す るとやはりCP−0597の保護的効果を逆転させた。B1受容体は正常な脳に は正常には存在しない。1時間の虚血(可逆的中大脳動脈閉塞)後再潅流した後 24時間において、B1受容体を脳の卒中を起こしている側の皮質および線状体 に認めることができる。卒中を起こしていない対側性半球にはB1受容体は全く 認められない。このことは、虚血−再潅流に続いて時間経過と共に脳内にB1受 容体の上昇調整があることを示唆している。したがって、このことはB1アンタ ゴニストがB2アンタゴニスト(CP−0597)の保護的効果を逆転させると いうデータを支持し、この効果はおそらく特定のB1受容体を介して仲介されて いることを示唆し、B1受容体のいくつかは損傷を受けた脳における神経細胞に 存在しているのである。このことは、虚血および再潅流に応答して神経細胞を保 護しようとB1受容体が上昇調整されていることを示唆するものである。したが っ てブラディキニンB1アゴニストは脳の虚血再潅流(脳卒中)に続いて投与され ることが有効であろうし、その受容体は時間と共に上昇調整されるので、治療の 機会が広くあることを示しているのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/00 A61P 25/14 25/14 25/16 25/16 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 60/037,981 (32)優先日 平成9年2月13日(1997.2.13) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/910,453 (32)優先日 平成9年8月5日(1997.8.5) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.B2アンタゴニストを投与することを包含する、治療を要している脳卒中( stroke)の患者を治療する方法。 2.更にアジュバントを投与することを包含する請求項1の方法。 3.アジュバントが血栓崩壊剤である請求項2の方法。 4.血栓崩壊剤が組織プラスミノーゲンアクチベーターである請求項3の方法。 5.アジュバントが、NMDA、AMPA、グリシン、カルシウムチャネルおよ びナトリウムチャネルからなる群から選択される受容体のアンタゴニストで ある請求項2の方法。 6.B2アンタゴニストが、CP−0597、HOE 140およびNPC 17 731からなる群から選択されたものである請求項1の方法。 7.更にアジュバントを投与することを包含する請求項6の方法。 8.B2アンタゴニストを投与することを包含する、治療を要している脳虚血性 障害患者を治療する方法。 9.更にアジュバントを投与することを包含する請求項8の方法。 10.アジュバントが血栓崩壊剤である請求項9の方法。 11.血栓崩壊剤が組織プラスミノーゲンアクチベーターである請求項10の方法。 12.アジュバントが、NMDA、AMPA、グリシン、カルシウムチャネルおよ びナトリウムチャネルからなる群から選択される受容体のアンタゴニストで ある請求項9の方法。 13.B2アンタゴニストが、CP−0597、HOE 140およびNPC 17 731からなる群から選択されたものである請求項8の方法。 14.更にアジュバントを投与することを包含する請求項13の方法。 15.脳虚血性傷害が線状体虚血傷害である請求項8の方法。 16.更にアジュバントを投与することを包含する請求項15の方法。 17.アジュバントが血栓崩壊剤である請求項16の方法。 18.血栓崩壊剤が組織プラスミノーゲンアクチベーターである請求項17の方法。 19.アジュバントが、NMDA、AMPA、グリシン、カルシウムチャネルおよ びナトリウムチャネルからなる群から選択される受容体のアンタゴニストで ある請求項16の方法。 20.B2アンタゴニストが、CP−0597、HOE 140およびNPC 17 731からなる群から選択されたものである請求項15の方法。 21.更にアジュバントを投与することを包含する請求項20の方法。 22.脳虚血性傷害が皮質虚血傷害である請求項8の方法。 23.B2アンタゴニストが、CP−0597、HOE 140およびNPC 17 731からなる群から選択されたものである請求項22の方法。 24.更にアジュバントを投与することを包含する請求項23の方法。 25.B2アンタゴニストを投与することを包含する、治療を要している神経系の 病気により細かな運動を実行する能力の減少した患者を治療する方法。 26.B2アンタゴニストが、CP−0597、HOE 140およびNPC 17 731からなる群から選択されたものである請求項25の方法。 27.更にアジュバントを投与することを包含する請求項26の方法。 28.神経系の病気がパーキンソン病である請求項25の方法。 29.神経系の病気がハンチントン病である請求項25の方法。 30.B2アンタゴニストを投与することを包含する、治療を要している再潅流傷 害の患者を治療する方法。 31.B1アゴニストを投与することを包含する、治療を要している脳卒中(st roke)の患者を治療する方法。 32.更にアジュバントを投与することを包含する請求項31の方法。 33.アジュバントが血栓崩壊剤である請求項32の方法。 34.血栓崩壊剤が組織プラスミノーゲンアクチベーターである請求項33の方法。 35.アジュバントが、NMDA、AMPA、グリシン、カルシウムチャネルおよ びナトリウムチャネルからなる群から選択される受容体のアンタゴニストで ある請求項32の方法。 36.B1アゴニストが次の文献に記載されているものから選ばれるものである請 求項31の方法。37.更にアジュバントを投与することを包含する請求項36の方法。 38.B1アゴニストを投与することを包含する、治療を要している脳虚血性障害 患者を治療する方法。 39.更にアジュバントを投与することを包含する請求項38の方法。 40.アジュバントが血栓崩壊剤である請求項39の方法。 41.血栓崩壊剤が組織プラスミノーゲンアクチベーターである請求項40の方法。 42.アジュバントが、NMDA、AMPA、グリシン、カルシウムチャネルおよ びナトリウムチャネルからなる群から選択される受容体のアンタゴニストで ある請求項39の方法。 43.B1アゴニストが次の文献に記載されているものから選ばれるものである請 求項38の方法。 44.更にアジュバントを投与することを包含する請求項43の方法。 45.脳虚血性傷害が線状体虚血傷害である請求項38の方法。 46.更にアジュバントを投与することを包含する請求項45の方法。 47.アジュバントが血栓崩壊剤である請求項46の方法。 48.血栓崩壊剤が組織プラスミノーゲンアクチベーターである請求項47の方法。 49.アジュバントが、NMDA、AMPA、グリシン、カルシウムチャネルおよ びナトリウムチャネルからなる群から選択される受容体のアンタゴニストで ある請求項46の方法。 50.B1アゴニストが次の文献に記載されているものから選ばれるものである請 求項45の方法。 51.更にアジュバントを投与することを包含する請求項50の方法。 52.脳虚血性傷害が皮質虚血傷害である請求項38の方法。 53.B1アゴニストが次の文献に記載されているものから選ばれるものである請 求項52の方法。54.更にアジュバントを投与することを包含する請求項53の方法。 55.B1アゴニストを投与することを包含する、治療を要している神経系の病気 による細かな運動を実行する能力の減少した患者を治療する方法。 56.B1アゴニストが次の文献に記載されているものから選ばれるものである請 求項55の方法。 57.更にアジュバントを投与することを包含する請求項56の方法。 58.神経系の病気がパーキンソン病である請求項55の方法。 59.神経系の病気がハンチントン病である請求項55の方法。 60.B1アゴニストを投与することを包含する、治療を要している再潅流傷害の 患者を治療する方法。
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