JP2002515470A - 一酸化炭素を含有する混合気体または無水酢酸を添加し、酢酸からケテンを製造する方法 - Google Patents

一酸化炭素を含有する混合気体または無水酢酸を添加し、酢酸からケテンを製造する方法

Info

Publication number
JP2002515470A
JP2002515470A JP2000549569A JP2000549569A JP2002515470A JP 2002515470 A JP2002515470 A JP 2002515470A JP 2000549569 A JP2000549569 A JP 2000549569A JP 2000549569 A JP2000549569 A JP 2000549569A JP 2002515470 A JP2002515470 A JP 2002515470A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acetic acid
catalyst
ketene
acetic anhydride
resulting mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000549569A
Other languages
English (en)
Inventor
ヨアヒム、ゼメル
トーマス、シェーファー
ディルク、スタニスシェブスキー
Original Assignee
クラリアント・ゲーエムベーハー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by クラリアント・ゲーエムベーハー filed Critical クラリアント・ゲーエムベーハー
Publication of JP2002515470A publication Critical patent/JP2002515470A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/87Preparation of ketenes or dimeric ketenes
    • C07C45/89Preparation of ketenes or dimeric ketenes from carboxylic acids, their anhydrides, esters or halides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、酢酸からケテンを製造する方法に関するものである。この方法によれば、酢酸を気化させ、その蒸気に触媒を添加し、得られる混合物を400℃以上の温度で反応させる。ガス状の反応混合物が得られるので、それから凝縮可能な成分を分離する。ガス状の副生物と共にあるケテンを更に処理する。本発明の特徴は、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、エテン、プロパジエン、もしくは無水酢酸、又はこれらの成分を含有する混合物を、前記の酢酸の蒸気、触媒、または得られる混合物に添加することである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、酢酸からケテンを製造する方法であって、酢酸を気化させ、その蒸
気に触媒を添加し、得られる混合物を400℃より高い温度で反応させて反応混
合気体を得、それから凝縮可能な成分を分離し、ガス状の副生物と共にあるケテ
ンを更に処理する方法に関するものである。
【0002】 この方法(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、VC
H、Weinheim、1990年を参照)は世界中で広く用いられており、また以下の
工程からなるものである。 − 酢酸を気化させ、 − その蒸気を予熱し、すなわち、その蒸気を例えば熱廃ガスを用いて400
〜700℃の温度に加熱し、 − 触媒と混合し、得られる混合物を550〜850℃の反応温度に加熱し、
熱分解反応器中で反応させ、 − アンモニアと混合して、触媒を不活性化させ、 − 水、未反応の酢酸、および無水酢酸を、凝縮、およびガス洗浄により、ガ
ス流から分離し、その結果として生じるガス流が、作業条件にもよるが、ケテン
約80〜90体積%と、ガス状の副生物(主として、一酸化炭素、二酸化炭素、
メタン、プロパジエン、およびエチレン)10〜20体積%からなるものであり
、 − ケテンを所望の生成物に変える。用いたケテンガス流中の副生物は、プロ
セス廃ガスとして得られる。
【0003】 この方法は、世界中の多くの製造プラントで、この形で実施されている。酢酸
の解離によりケテンが生成される選択率は、最適反応条件下では90%を越える
【0004】
【発明の概要】
そして、本発明の目的は、前記方法における選択率を更に向上させることであ
る。
【0005】 この目的は、本発明に従って、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、エチレン、
プロパジエン、もしくはこれらの成分からなる混合気体、またはケテンの更なる
処理から生じる廃ガス、または無水酢酸を、熱分解反応器、または酢酸の蒸気、
触媒、もしくは熱的に得られる混合物に、導入および/または再循環させること
により達成される。一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、プロパジエン、およびエ
チレンは、これまでケテンを更に処理した後のプロセス廃ガスとして得られ、熱
的に処分するか、もしくは熱的に利用しなければならなかったが、量の点で本方
法の最も重要な副生物となる。上記の熱的利用は、熱分解反応器を加熱する為の
燃焼により行うことができる。
【0006】 従って、本発明は、酢酸を気化させ、その蒸気に触媒を添加し、得られる混合
物を400℃より高い温度で反応させて反応混合気体を得、それから凝縮可能な
成分を分離し、得られたケテンをガス状の副生物と共に更に処理する、酢酸から
ケテンを製造する方法であって、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、エテン、プ
ロパジエン、無水酢酸、またはこれらの成分を含んでなる混合物を、前記の酢酸
の蒸気、触媒、または得られる混合物に導入することを特徴とする方法を提供す
るものである。
【0007】
【発明の具体的説明】
個々の態様は、従属クレイムに開示されている。 本発明は更に、無水酢酸、または無水酢酸を含んでなる混合物(例えば、凝縮
中に得られる酢酸/無水酢酸混合物)を、熱分解反応器に導入するか、または酢
酸熱分解用の出発物質流に混ぜることを提供するものである。
【0008】 特定の態様においては、ケテンを更に処理した後に生じる、上記のガス状の成
分を全て含んでなる廃ガスを、少なくとも部分的に、酢酸熱分解用の出発物質に
直接導入するか、または熱分解反応器に導入する。
【0009】 未反応の酢酸を回収する際におよび/またはケテンを分離する際に、得られる
無水酢酸を再循環させることも同じように好ましい。
【0010】 上記の物質を含んでなる、他のプロセスからの残留物や廃棄物を、酢酸熱分解
用の出発物質流に添加するか、またはそれらを熱分解反応器に直接導入すること
もできる。
【0011】 無水酢酸は、ケテンと酢酸の反応により、凝縮可能な副生物として反応器中に
少量、またその後の処理で多量に生成され、所望の生成物として取り出すのでな
ければ、それを水と未反応酢酸とからなる凝縮液流に混合する。この混合物を酢
酸処理に移し、蒸留によって処理し、得られた酢酸をプロセスに再循環させる。
この場合、より多量の無水酢酸が酢酸に変わる。
【0012】
【実施例】
熱分解反応器を最適化する為に、温度、圧力、滞留時間、および触媒濃度を変
えて、パイロットプラント施設の実験装置で多くの実験を行った。有効な実験デ
ータを、流体力学や熱伝達だけでなく、熱分解反応の動力学を包含する反応器モ
デルを作り上げるのに用いた。このモデルを、パイロットプラント、および製造
プラントでの追加実験により評価した。これらの実験から、影響を及ぼす広い範
囲にわたるパラメータについて、実験データと測定データとが非常に良く一致す
ることが分かった。このモデルを、最適反応パラメータを計算するのに用いた。
これにより、製造プラントでの収率、および処理能力を最終的に向上させること
ができた。
【0013】 このモデルに基づいて更に計算を行うと、驚くべきことに、処理中に液状の副
生物として得られる無水酢酸を添加することによって、または廃ガスを反応器の
入口に再循環させることによって、ケテンへの選択率を更に改善できることが分
かった。この効果が非常に大きいので、導入した添加物質により反応体が希釈さ
れるにもかかわらず、ケテンの収率が著しく向上する。
【0014】 最大の効果は、一酸化炭素、および/または無水酢酸を用いることで得られる
。二酸化炭素、および/またはメタン、および/またはエチレン、および/また
はプロパジエンの添加によっても同じように、良い、しかし幾分小さい影響がケ
テンの収率に及ぼされる。
【0015】 表1は、この効果を説明する為の数値による例を示すものである。転化率、選
択率、および収率を、様々な添加物質について計算した。モデル化の計算は、ど
の場合も、製造プラントを代表する同一プロセス条件(反応器出口で700℃、
300ミリバール;反応器中の平均滞留時間2秒)で行った。再循環、もしくは
付加的な流れのないモデル化計算1の結果は、一連の基準データとして役立つ。
モデル化計算2および3の付加的な流れとしては、廃ガス中に典型的に存在する
一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、およびエチレンからなる混合物のガス流(基
準ガス流の5.4重量%)、および無水酢酸の液状流(基準ガス流の2.4重量
%)を選んだ。
【0016】 付加的な計量された添加を行わない参照実験での収率は、選択率91%および
転化率93%において、84%である。(一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、お
よびエチレン各25体積%からなる)混合気体、もしくは無水酢酸を再循環させ
た場合、転化率は希釈効果によりやや低下するが、選択率が大きく増すので、収
率は、上述の副生物を導入すると向上する。モデル化計算によれば、他のプロセ
ス条件下(すなわち、基準計算値よりも低い転化率)でも、また特定の混合気体
の個々の成分を添加することによっても、上記の効果が得られる。
【0017】表1 モデル化計算1 モデル化計算2 モデル化計算3 用いた酢酸流の 添加なし 一酸化炭素、二酸化 無水酢酸 1重量%に相当 炭素、メタン、エテ する量での各例 ンからなる混合気体 における添加 転化率 93.0% 92.1% 91.3% 選択率 90.9% 93.0% 99.8%収率 84.5% 85.7% 91.1%
【0018】 工業的な態様としては、一流体もしくは二流体ノズルによる導入、または既存
の触媒計量設備による添加が好ましい。
【0019】 ガス状の副生物を再循環させると、ケテンの側にシフトしている逐次反応の場
合、もしくは酢酸の側にシフトしている平行反応の場合には、濃度の上昇により
、可逆的な二次反応がもたらされることがあり、従って選択率が向上することが
ある。
【0020】 無水酢酸を反応器の入口に添加すると、反応条件下でそれが急速に、しかも定
量的にケテンと酢酸に変わる。表1に示す選択率の計算では、モデル化計算の結
果をより簡単に比較できるよう、酢酸の量の、結果的に生じる増加は考慮しなか
った(酢酸供給流のみを基準として用いた)ので、100%以上の理論値が得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ディルク、スタニスシェブスキー ドイツ連邦共和国リーダーバッハ、イム、 コールルス、37 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC40 AC44 AC47 AD18 BC10 BD43 BD52 BE40 BE41 4H039 CA20 CA62 CG10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸からケテンを製造する方法であって、 該方法が、酢酸を気化させ、その蒸気に触媒を添加し、得られる混合物を40
    0℃より高い温度において反応させて反応混合気体を得て、それから凝縮可能な
    成分を分離し、ガス状の副生物と共にあるケテンを更に処理することを含んでな
    り、 一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、エテン、プロパジエン、無水酢酸、または
    これらの成分を含んでなる混合物を、前記の酢酸の蒸気、触媒、または得られる
    混合物に導入する、方法。
  2. 【請求項2】 ケテンを分離する際に得られる廃ガスの少なくとも一部を、前記の酢酸の蒸気
    、触媒、または得られる混合物に再循環させる、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 未反応の酢酸を回収する際および/または更に処理を行っている過程において
    、特にケテンを精製している過程において、得られる無水酢酸を、少なくとも部
    分的に、前記の酢酸の蒸気、触媒、または得られる混合物に再循環させる、請求
    項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ガス状成分の導入または再循環を、触媒の添加と同時に二流体ノズルにより行
    う、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 無水酢酸または無水酢酸を含有する溶液を、触媒を溶かすことに用いる、請求
    項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 無水酢酸または無水酢酸を含有する溶液を気化させて、気体の状態で、前記の
    酢酸の蒸気、触媒、または得られる混合物に導入する、請求項1〜4のいずれか
    一項に記載の方法。
JP2000549569A 1998-05-20 1999-05-07 一酸化炭素を含有する混合気体または無水酢酸を添加し、酢酸からケテンを製造する方法 Pending JP2002515470A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE1998122658 DE19822658A1 (de) 1998-05-20 1998-05-20 Verfahren zur Herstellung von Keten aus Essigsäure unter Zugabe von Kohlenmonoxid oder Essigsäureanhydrid
DE19822658.6 1998-05-20
PCT/EP1999/003149 WO1999059950A1 (de) 1998-05-20 1999-05-07 Verfahren zur herstellung von keten aus essigsäure unter zugabe von kohlenmonoxidhaltigen gasmischungen oder essigsäureanhydrid

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002515470A true JP2002515470A (ja) 2002-05-28

Family

ID=7868424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000549569A Pending JP2002515470A (ja) 1998-05-20 1999-05-07 一酸化炭素を含有する混合気体または無水酢酸を添加し、酢酸からケテンを製造する方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2002515470A (ja)
DE (1) DE19822658A1 (ja)
WO (1) WO1999059950A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6100442B1 (ja) * 2016-01-20 2017-03-22 株式会社ダイセル 無水酢酸の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB201412839D0 (en) 2014-07-18 2014-09-03 Tricoya Technologies Ltd Wood acetylation process

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3046219A1 (de) * 1980-12-08 1982-07-15 Hoechst Ag, 6000 Frankfurt Verfahren zum herstellen von keten

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6100442B1 (ja) * 2016-01-20 2017-03-22 株式会社ダイセル 無水酢酸の製造方法
WO2017125964A1 (ja) * 2016-01-20 2017-07-27 株式会社ダイセル ケテン誘導体の製造方法
CN108473410A (zh) * 2016-01-20 2018-08-31 株式会社大赛璐 烯酮衍生物的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO1999059950A1 (de) 1999-11-25
DE19822658A1 (de) 1999-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0003530B1 (en) A process for preparing phosgene
EP0059516B1 (en) Process for the removal of urea, ammonia and carbon dioxide from dilute aqueous solutions
CN109890788B (zh) 尿素与尿素-硝酸铵的集成工艺
US4314077A (en) Method for the production of urea and purification of water
TW513396B (en) Process for preparing urea
EP2560919B1 (en) Process for producing ammonium salts
CA2352923C (en) Hydrogen cyanide synthesis process
EP0622335B1 (en) A method for treating ammonia and urea condensates
TWI362377B (en) Acetic anhydride and acetate ester co-production
SK280897B6 (sk) Spôsob odstránenia oxidu siričitého z odpadových plynov
CN101314588A (zh) 6-氯-2-三氯甲基吡啶的制备方法
DE4336600C1 (de) Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung wäßriger Alkali-Alkylsiliconatlösungen
US5417955A (en) Manufacture of ferric sulfate and hydrochloric acid from ferrous chloride
CA1113495A (en) Process for preparation of urea
JP2013525315A (ja) 栓流反応器を用いて廃硫酸から有機第3級アミンを回収する方法
SU489312A3 (ru) Способ получени тетрахлорфталонитрила
JP2002515470A (ja) 一酸化炭素を含有する混合気体または無水酢酸を添加し、酢酸からケテンを製造する方法
US4003801A (en) Treatment of water vapor generated in concentrating an aqueous urea solution
NL8104040A (nl) Werkwijze voor de bereiding van ureum.
Meissner et al. Continuous production of hexamethylenetetramine
KR20230127238A (ko) 비스(플루오로설포닐) 이미드 생산의 암모늄 플루오로설페이트 부산물의 처리를 위한 통합 공정
US3527799A (en) Urea synthesis process
CN103274921B (zh) 一种利用黄磷尾气制取甲酸钙的装置及方法
CN1129586C (zh) 制备三聚氰胺的方法
RU2717515C1 (ru) Способ получения гидроксиламинсульфата