JP2002515266A - 電磁気エネルギーにより熱酵素反応を活性化するための方法および装置 - Google Patents

電磁気エネルギーにより熱酵素反応を活性化するための方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリメラーゼ連鎖反応又は他の生物学的組織の温度感応性形質転換などの熱的誘起反応のための方法および装置を提供する。 【解決手段】 電磁気エネルギーが標的(51、60)に適用され、標的の少なくとも1部に急速な温度上昇を生じさせる。この電磁気エネルギーは1又はそれ以上のレーザー源(11)から供給されるレーザービーム(10)を介してのレーザーエネルギーであってもよい。このレーザービームは750nmないしmmの赤外線領域の波長を有する。この電磁気エネルギー源は顕微鏡および/又は対物レンズと関連させて使用し、顕微鏡標的を照射することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、電磁気エネルギーを標的に適用し、標的の少なくとも1部の温度を
急速に上昇させることにより熱酵素反応を活性化するための方法および装置に関
する。
【0002】 本発明は生物学的システムの或る種の温度感応性形質転換に適用することがで
きる。例えば、本発明は、酵素および/又は構造的ヒートショックたんぱく質の
ような生体分子の特定の合成又は活性化を伴った細胞の温度感応性形質転換に適
用することができる。熱誘起反応の多く、つまり、それにより生物学的システム
において他の酵素活性を活性化したり規制したりするものは種々の分子合成又は
分子プロセスの誘発に重要である。或る種の遺伝子の突然変異が摂氏数度の温度
変化により現れることがあり、これは新規な構造のたんぱく質の生成をもたらし
、このたんぱく質は細胞の膜会合に加わり、従って診断の目的に利用することが
できる。或る種のヒートショックたんぱく質はガン又は感染病原に対し特異的で
あり、免疫反応を引き出すことのできる貴重なマーカーとなる。
【0003】 ヒートショックたんぱく質の合成又は進行は実験システムでin vitroで、生活
細胞および組織で、又は無傷の生物体で発生させることができる。例えば、標本
を観察標本にとっての最適温度(すなわち、ヒト由来の標本については摂氏37
度)から摂氏約1ないし20度変化させた非致命温度に数秒間ないし数時間曝す
。種々の生化学的、組織学的および/又は顕微鏡技術を用いたたんぱく質生成物
検知技術により、特定の熱誘起マーカーを識別することが可能となる。これらの
マーカーは例えばガンおよび他の遺伝病などの遺伝子突然変異を診断、検知する
のに使用することができる。この識別されたマーカーは更に遺伝子治療のための
技術を発展させるのに有用であり、更にHIV、マラリア、肝臓病、その他のバ
クテリア媒介疾患などの種々の病気の原因である病原の存在を診断するのに有用
である。それにも拘らず、生物学的反応の実験的熱誘起のための現在の方法論は
限定されたものである。つまり、これらの反応は、一般に細胞の固体群全体、大
きな組織標本、又は無傷の生活動物に対してさえも影響を及ぼすような多量の温
度の増大又は減少により誘起させている。これとは対照的に、本発明は、顕微鏡
標的の少なくとも1部又は単一細胞に向けられた赤外線の照射源からのエネルギ
ー移動という特性を利用して温度制御を行う新規な方法を提供するものである。
【0004】 本発明は特に、熱−酵素サイクル反応、殊にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
による核酸のポリヌクレオチドへの拡大(増幅)に適用することができる。 このポリメラーゼ連鎖反応(PCR)はin vitroによる核酸の合成のための方
法である。DNA又はRNAの特定のセグメントが、繰返し熱的制御酵素反応の
間にin vitroで特異的に延び又は複製される。この増幅の連続的サイクル、つま
り、核酸の原型(テンプレート)およびそのコピーの繰返し複製による核酸の原
型の同一コピーの蓄積であって、変性、アニーリングおよび伸展の3つの相を包
含するものは、先のサイクルで合成された標的DNAの量を2倍にする。この手
法は既に確立されており、原型が極めて少量で出発しても、可なりの生成物の生
産が可能である。
【0005】 PCR技術の適用は、研究および診断などの種々の分野で見られ、例えば、遺
伝子物質の配列化又は突然変異誘発、遺伝子的障害および病気の分析および診断
、法医学、および進化調査などが含まれる。PCR技術の社会的恩恵は品質テス
ト、種々の診断、例えば水道におけるバクテリアおよびウイルスなどの微生物の
検出、ガン又は病気の早期発見などにおいて十分に証明されている。
【0006】 PCR反応の最適化には、幾つかのパラメータについての明確な制御が要求さ
れる。人口産物の発生は、酵素、原型配列を含む分子試薬、塩、更に緩衝液の正
しく規制された濃度要件により制限される。最も重要なことは反応の全期間にお
いて温度の正確な制御であり、これは特に特異的な生産物を失敗なく生産させる
のに重要である。原型分子の完全な形質転換、プライマーのその相補配列に対す
る確実なアニーリング、更にDNAポリメラーゼの作用による正しい伸展のため
には、加熱および冷却の繰返しサイクルが必要である。更に、早い熱伝導特性お
よび小さい熱容量を有する反応容器の選択も重要であり、それにより熱源からの
吸収を回避することができる。一般的な形質転換条件は摂氏94ないし99度の
範囲、数秒から1分の間で変化し得る。一般的なアニーリング条件は摂氏55な
いし75度の範囲で変化し、数秒から1分の時間を要して完了する。最適なアニ
ーリング温度は正確に判定されなければならず、それにより最良の生産収量が得
られる。プライマーの正しい伸展も反応温度に依存し、通常、約摂氏70ないし
75度の範囲で行われる。
【0007】 DNA増幅は顕微鏡のスライドガラス上にて個々の細胞および組織断片にて直
接、行うことができる。in situPCRは、特定の核酸配列の検知を高感度で迅
速に行うことを可能にする。従来の方法は、スライド標本全体をサーモサイクラ
ーのヒータブロックと接触させて、熱サイクルに供することにより行われる。こ
のスライドに対し蒸発制御装置、例えばワックス層又は自己接着性チャンバー装
置などを付加する必要がある。一般に、標本全体が熱サイクルに供される。これ
と対照的に、本発明は熱サイクル現象を細胞染色体又は関連する標的に限定する
ことを提案するものであり、これは電磁気エネルギーの制御された発生源の照射
プロフィールによって行われる。
【0008】 増幅プロセスの全期間に亘って、形質転換、アニーリングおよび伸展の各相の
ため、異なる正確な温度レベルが所定の規定期間においてサイクル的に急速に到
達、安定化されなければならない。これを達成するため、サーモサイクラーと呼
ばれている市販の自動化装置が、正確性に欠ける手動方法に較べて好ましく、こ
の場合、試薬を収納する反応容器が、別々の温度に維持されている水バスの間で
規則正しく移送されるようになっている。自動又は半自動機器にとって技術的に
必要な要件は、関連するモニター装置を備えた調整可能なヒータ又は熱源、タイ
マー、反応チャンバーおよび多分、プログラム化可能なコントローラを備えるこ
とである。反応容器は早い熱伝導特性および小さい熱容量を有するものを使用す
る。 反応物を収容するマイクロ毛細管又は大きい表面積/容量比の薄肉マイクロ遠
心チューブを用いることによりサンプルの温度遅延をカットすることができる。
温度上昇は熱伝導又は対流現象を介して得ることができる。熱伝導方式の場合、
反応容器はヒータエレメントと直接、接触するようにして置かれ、対流方式の場
合、冷媒又は水道水の循環による冷却装置を一体化させた単一のヒートブロック
を備える。この対流方式の場合、反応容器への熱移動はオイル、ポリマーなどの
流体又は単なる空気層を介して行われる。加熱および冷却媒体としての高速気流
および低熱慣性容器の組合せにより温度の均一性およびサンプルとの急速な熱交
換が可能となり、反応の特異性にとって有益である。
【0009】 熱伝導又は対流方法の双方とも制限があり、例えば顕微鏡を用いた検査での標
本のPCRを行うには適当でない。これと対照的に、本発明では、顕微鏡の適用
を受け入れることのできる電磁気エネルギーの制御された発生源からの熱移動を
利用して温度制御を行う新規な方法を提案するものである。電磁気的照射とは、
電界および磁界強度が同時に定期的変化をもって伝搬する波長および周波数の範
囲のものを指し、その例としてはガンマー線、X線、紫外線、可視光線、赤外線
、更に電波、長波電波などがある。本発明では、波長750nmないしミリ波の
制御された赤外線エネルギーが好ましくは用いられ、生物学的標本および/又は
生物学的組織への分子的作用を生じさせるものである。例えば、1又はそれ以上
の赤外線ビームが本発明における制御された電磁気エネルギーの適当な発生源と
なる。他の光源を代わりに用いることも可能である。例えば、フィラメントラン
プ、封止ガスイルミネータ、更に加圧ガスランプ、電気アークランプなどガス放
電を利用し赤外波を含む連続的又は不連続な光のスペクトルを発生させるものを
1又はそれ以上、用いることもできる。
【0010】 レーザー光の光熱特性を適用して媒体および基板の温度上昇を促進することは
すでに公知である(Welch,A.J.ら;“Laser thermal ablation”;Photochemist
ry and Photobiology,53、1991、815−823)。レーザーの熱作用
は種々の表面又は組織の除去に用いられ、主として皮膚科での治療など医療分野
で適用されている。連続波又はパルス波のレーザー源が技術的に利用可能である
が、医療目的での組織のレーザー除去は、パルスレーザー波形についての報告が
基本的に報告されており、これは照射の制御がし易く、熱伝導による熱損失を少
なくすることができる。標的基板の水分は赤外線レーザー源の場合、エネルギー
の効果的な移動に大きな役割を果す。電磁気スペクトルのIR領域において、1
300nmを越える波長では、水、OHおよびアミンが主な発色団であり、水中
の高い含量はこれらの波長での局所的熱発生速度に明らかに影響を与える。更に
、水の存在、又は水和作用による高い水分量は熱伝導性を高め、従って熱伝導を
促進させる。赤外線を発するレーザー、例えば炭酸ガスレーザーによる1060
0nmの波長の赤外線を発するレーザー、Er:YAGレーザーからの2940
nmの波長の赤外線を発するレーザー、Ho:YAGレーザーからの2100n
mの波長の赤外線を発するレーザー、Nd:YAGレーザーからの1320ない
し1064nmの波長の赤外線を発するレーザー、およびこれらの境界のスペク
トル内の赤外線を発する他のレーザーがレーザー熱作用のために利用されてきた
。医療用のレーザー機器のための技術的要件は、原則的にそのビームの浸透深さ
およびその影響を参照して確立される。赤外線領域のスペクトルの浸透深さは水
中における相対吸収度に決定されるから、水の吸収度ピークに一致する波長のレ
ーザーは最適な選択と言える。
【0011】 光エネルギー、特にレーザーエネルギーは顕微鏡の分野において広範に利用さ
れている。顕微鏡標本を照明する目的で、あるいは特異な効果を作り出すために
レーザービームが顕微鏡と組合せて使用されている。一般に、レーザービームは
、標本の局部領域上にこのビームの焦点を結ぶ対物レンズの後方窓に向けて照射
される。同一の対物レンズを用いて標本を同時に観察してもよい。顕微鏡の光路
との関連で多数面にレーザービームを正確に位置決めし、整合させることは、調
整可能なレンズおよびミラーを用いることにより可能となる。光ガイドとして役
立つ可撓性光ファイバーを介して複数のレーザー源を顕微鏡と結合させることが
できる。
【0012】 この顕微鏡と結合させたレーザーは顕微鏡ツールとして、例えば光学的トラッ
ピングおよびレーザーマイクロアブレーション(除去)のために用いることがで
きる。この顕微鏡構造については米国特許、No.4,893,886;No.
5,283,417に開示がなされている。概略的に述べると、これらの特許に
は光子勾配において顕微鏡的粒子を捕捉する方法、顕微鏡的構造をレーザーエネ
ルギーで制御可能に破壊する方法が説明されている。このレーザー顕微鏡装置の
除去特性により生物学への適用が可能となっている(Berns,M.W.ら,“Laser mic
rosurgery in cell and development biology”;Science,213、1981、
505−513;Rink,K.ら,“1.48ミクロンDiode Laser Microdissection of t
he Zona Pellucida of Mouse Zygotes”;Proceedings SPIE,2135A、41
2−422)。米国特許、No.4,629,687には、望ましくない細胞を
殺傷するため焦点を合せたレーザービームを用いて細胞のポジティブな選択を行
うための方法および装置が開示されている。“レーザー捕捉顕微解剖”と呼ばれ
る技術は、顕微鏡スライドガラス上に置かれた薄い組織断片からin vitroで特定
の細胞を、基板の接着特性を熱的に変化させて掴みだすことを含む(Emmert-Buc
k,M.R.ら,“Laser capture microdissection”,Science,274、1996、
998−1001)。他の適用として、顕微鏡とレーザーとの組合せからなり波
長選択性ミラーを具備するものを用い、外部で発生させた光を顕微鏡用サンプル
に向け、サンプル中の蛍光体を刺激することが記載されている。共焦顕微鏡法を
用い、標本の綿密な走査照明を光の確実な焦点スポットにより行うことも知られ
ている(Matsumoto,B.およびKramer,T.,“Theory and applications of confoca
l microscopy”,Cell Vision,1、1994、190−198)。顕微鏡とレ
ーザーとの組合せ装置は多光子励起を生成させるのに使用されており、これは同
一のフルオロフォアにより2、3又はそれ以上のレーザーフォトン(光子)を同
時に吸収することを含む。この多フォトン励起技術を用いることにより、励起の
場合よりも実質的に短い波長の蛍光発光を生じさせ、共焦窓を用いずに高い解像
の画像化が可能となる。
【0013】 これらの文献はレーザー/顕微鏡技術の有用性を実証するものである。顕微鏡
の対物レンズにより焦点を結ばれたレーザービームは照明のため、顕微鏡標的標
本の非常に小さな部分へエネルギーを移動させるのに使用することができる。研
究および医療への適用のため、種々の方法および装置が記載されてきたが、レー
ザービームを実質的なエネルギー搬送の手段、従って温度上昇のための手段とし
て使用する利益については、熱−酵素反応の活性化、特にポリメラーゼ連鎖反応
による核酸の増殖に関する限り今まで調査されたことはなかった。すなわち、従
来技術はレーザービームを細胞の破壊又は除去のためのみに使用することを開示
ないし示唆するものであり、せいぜい、基本的に熱伝導により隣接する細胞の損
傷を制限する手段を与えるものでしかなかった。すなわち、従来公知の装置は細
胞の除去プロセスのため短い照射露光時間で少ない熱沈着を開示するものであっ
た。しかし、本発明の目的は、レーザービームなどの電磁気エネルギーをポリメ
ラーゼ連鎖反応のような熱−酵素サイクル反応に適用し、細胞の除去なしに標的
標本の持続した温度上昇を意図的に作り出すことである。特に、本発明者等は、
赤外線領域のスペクトルのレーザー源を用いることから予期される温度上昇が、
生物学的組織の或る温度感応性形質転換(酵素又はヒートショックたんぱく質の
活性化を伴った、又はPCR反応を伴った)を生じさせるのに適用できる境界内
のものであることを意外にも見出したものである。
【0014】 (発明の開示) サイクリング反応などの熱−酵素反応を活性化させる方法であって、電磁気エ
ネルギーを標的に適用し、該標的の少なくとも1部の温度を急速に上昇させる工
程を具備するものであり、これが従来公知のレーザー適用方法におけるような細
胞、染色体および他の標的の破壊、除去を生じさせることがないことを特徴とす
るものである。これを達成するための装置は、標的を収容する容器と、電磁気エ
ネルギーを標的に適用するための手段と、標的の少なくとも1部の温度を急速に
上昇させるべく電磁気エネルギーを制御するための手段とを具備してなる。本発
明において、この標的とは、標本、又は反応性物質を含む溶液又は試薬を意味す
る。特に、この標的とは、化学的に活性な領域又は適用された電磁気エネルギー
のビームにより占められる3次元通路により空間的に境界が定められた領域を指
す。
【0015】 本発明は一般に多くの熱感応性分子機能に適用することができる。例えば、本
発明は試験的組織、細胞、染色体の処置に適用することができると共に、更に温
度感応性効果又は痕跡形成、つまり核酸ポリマーの合成、ヒートショック構造た
んぱく質の生成および/又は酵素機能の活性化などを生成させることを目的とし
て顕微鏡標的の少なくとも1部を温度変化で処置するのに適用することができる
。本発明の或る態様によるシステムおよび方法において、ポリメラーゼ連鎖反応
により核酸の特定のポリマーを増殖して同一のポリヌクレオチドに増殖させるこ
と(核酸の特定のポリマー又は他のポリマーを複製すること)を目的として、又
は好ましくは赤外線レーザービームを標的区域に当てることにより電磁気エネル
ギーで他の熱−酵素反応を活性化することを目的として、標本および媒体を処置
することにより、水分子によるレーザーエネルギーの吸収の結果、温度の急速な
上昇および安定化が達成される。或る態様においては、このようなビームは連続
波又はパルス化レーザー源を使用することにより得ることができ、パルス化レー
ザーの場合、パルス期間が10-9、10-12 、あるいは10-15 秒の短い期間で
もよい。この利用されるレーザー源は複数のレーザー源からなるものであっても
よく、又、単一モード又は多重モードでもよく、更に単一波長の光で複数の波長
の光での発光でもよい。入射レーザービームのエネルギー分布はガウス型プロフ
ィールのものでもよい。このレーザーの出力は、レーザーで影響される物質に衝
突するレーザービームを形づくることにより、又はレーザーの出力を変更するこ
とにより、又は一定のレーザー強度を維持しながらレーザーのパルス幅を変化さ
せることにより制御することができる。本発明の或る態様において、使用される
レーザー源は好ましくは電磁気スペクトルの赤外線領域、例えば750nmない
しミリ波のものである。本発明の或る態様において、赤外線レーザービームの波
長は水についての1又はそれ以上の吸収ピークと一致し、従って熱移動の最大に
する。本発明で記載されたシステムおよび方法は、レーザーによる水性溶液の温
度上昇を、原型DNAの形質転換、確実なプライマーのアニーリングおよび最適
な伸展、およびポリメラーゼ連鎖反応の再現の間のポリメラーゼ活性を促進する
のに適した温度にまで到達させる。なお、このポリメラーゼ連鎖反応はレーザー
ビームの強度、波長、プロフィールおよび分布するフォトン密度と相関し、又、
ポリメラーゼ連鎖反応の1つ、数個又は全部の相を優位にするため、光学的に、
電子的に、および/又は空間的に制御したり、改善したりすることができる。多
分、放出されるレーザーエネルギーは水の気化を促進するのに有効である。
【0016】 更に、本発明は、熱−酵素反応の活性化、例えばポリメラーゼ連鎖反応を利用
して核酸をポリヌクレオチドに増殖させることを目的として、効果的な(焦点を
合せた)レーザーエネルギーを検査すべき顕微鏡標本に対し、又は標的基板の或
る領域又は顕微鏡的寸法の溶液の或る領域に対し適用するための方法を開示する
ものである。1つの態様として、この方法は、レーザーエネルギーを検査すべき
顕微鏡標本に対し適用し、この出力ビームを顕微鏡対物レンズを介して標本に対
し向けたり、焦点を合せること含む。1つの態様として、本発明によるシステム
および方法は、熱−酵素反応を活性化するのに用いられ、ポリメラーゼ連鎖反応
を利用して細胞、染色体、組織断片又は研究あるいは診断目的のため使用される
バイオプシーなどの生物学的オリジンの顕微鏡標本の選択された領域で核酸をポ
リヌクレオチドに増殖させる。
【0017】 (好ましい態様の記載) 本発明の好ましい態様において、電磁気エネルギー源は適当な赤外線照射を生
成する少なくとも1つのレーザー又は少なくとも1つのランプであってもよい。
本発明の好ましい態様であって、フィラメントランプ、封止ガスイルミネータ、
更に加圧ガスランプ、電気アークランプなどガス放電を利用し赤外波を含む連続
的又は不連続な光のスペクトルを発生させるランプを使用するものは、公知のラ
ンプの一般的構造のものと実用上、相容れるものである。以下の説明は赤外線レ
ーザー源を利用する実施例について説明されているが、本発明はランプ構造のも
のでも適用し得ることは当業者にとって明らかであろう。
【0018】 図1を参照すると、本発明のシステムは、レーザー源11から発光されたレー
ザービーム10が、標的51との関連での出力レーザービーム10の空間的分布
および位置の双方を制御するための光学的制御装置20、21に向けられている
。出力レーザービームは好ましくは光学制御装置20、21により後に視準され
る。好ましくはレーザー源11の分布、レーザービーム10および光学制御装置
20、21は軸30に対し平行、整合されている。出力レーザービームの伝搬は
、Z−Z´方向に沿って配向されている。レーザービーム10の軸30は軸X−
X´および軸Y−Y´に規定される面に対し実質的に垂直になっている。レーザ
ービームは容器50内の標的領域51を照射するよう適用され、この容器50は
ポリメラーゼ連鎖反応のための試薬を収容している。本発明の変形例として、標
的51は水性溶液又は生物学的標本のいずれか、又はこれら双方であってもよい
。標的51のレーザー照射により、レーザーエネルギーの吸収がなされ、その結
果、温度上昇が起こる。
【0019】 その他、出力レーザー伝搬の方向Z−Z´は軸X−X´および軸Y−Y´に規
定される面に対し直角でなく、アルファ又はベータの角度で変化していてもよい
。レーザー源11、容器50および標的領域51も異なる軸上に置かれていても
よい。本発明の変形例において、1又はそれ以上のミラー(図示しない)がレー
ザービーム10の光路上に置かれ、上記ビームが効率的、かつ、容器50および
標的領域51に向けて正しい方向に向けられる。
【0020】 図1および同様の態様(例えばミラーの付加、但し限定されない)のシステム
は公知のレーザーおよびレーザー光学装置の一般的構造のものと実用上、相容れ
るものである。いかなる適当なレーザーをも本発明に従って使用することができ
る。その例としては固体レーザー、ガスレーザー、染料レーザー、半導体レーザ
ー、ダイオードレーザー、およびダイオード又はランプポンプ固体レーザーを挙
げることができる。本発明は特別の技術的要望を満たすための幾つかの方法を考
慮している。この出力ビームからの潜在的非対称的偏向角度を考慮して、種々の
寸法、形状のビーム調整光学装置、空間的フィルター装置、レーザー光源に結合
された光ファイバーなどの部材を本発明に従って使用してもよい。このビームの
照射分布は或る点で対称的であり、ほぼ円形をなしているが、卵形、トロイド形
、又は断面が多角形のものでもよく、これはレーザーを単一又は多重モードで操
作(例えば、TEM00のレーザー操作又はTEM00とTEM01の組合せのレーザ
ー操作)により実現できる。本発明の好ましい態様において、出力レーザービー
ムの波長は電磁気スペクトルの赤外線領域、例えば750nmないしミリ波のも
のである。更に本発明の好ましい態様において、出力レーザービームの波長は水
についての吸収ピークと一致する。
【0021】 図2を参照して説明すると、レーザービーム10は容器55内の局部的領域の
温度の局所的上昇を生じさせるのに利用される。図2において、典型的な半径D
の円形又はほぼ円形の照射分布12がZ−Z´方向の伝搬を有する出力レーザー
ビーム10のものとして描かれている。この出力レーザービーム10は容器55
の窓と交差する。この容器55における径方向のスライス56がビームのプロフ
ィールを描いている。図2において、容器55はそっくりそのまま描かれている
ものでなく、他の態様として寸法がより大きいもの又はより小さいもの、形、寸
法が異なるものなどを用いることもできる。この出力レーザービーム10は容器
55を浸透し、容器55の内容物(図示しない)はレーザーエネルギー57の分
布に露光させる。この放出されたエネルギーはこの容器55の内容物(好ましく
は水分子が豊富なもの)によりそのビームの殆どが吸収される。言い換えれば、
容器内に浸透したレーザーエネルギーを有するビームが吸収現象により熱に変換
される。このような本発明の開示から、容器の内容物へのレーザーエネルギーの
空間的分布を種々の装置を用いて容易に調整し得ることは当業者にとって明らか
であろう。なお、この場合、使用し得る装置としては、種々の光学的装置、空間
的フィルター装置、集束レンズ、凸レンズおよび凹レンズ、ミラー、中実光ファ
イバー導波管および中空導波管を挙げることができる。更に、同じく、このビー
ムの周縁を特定の容器又は標的基板の幅、形状に適合するよう調整し得ることも
当業者にとって明らかであろう。入射レーザービームの発光は上記導波管の先端
で行うことができる。他の光案内装置、例えばマイクロピペットを使用し、この
照射を非常に小さい容積に集束させることもできる。
【0022】 本発明の他の態様として、数個のレーザー源とレーザービームを同時に用いて
同一の容器内にレーザーエネルギーを導入してもよい。この多重レーザー源およ
びレーザービームは、レーザーエネルギーの分布、ビームのプロフィール、操作
モードおよび波長について変化し得ることは当業者にとって明らかであろう。 本発明の好ましい態様を適用して生物学的組織内で多くの熱感応性反応に適し
た温度変化を生じさせることができるが、ここでの説明は核酸ポリマーを生産す
るためのサイクル反応の活性化について特に言及する。なぜならば、この基本的
な例における示唆は本発明の他の使用において関係するものであるからである。
本発明の好ましい態様において、容器の内容物に適用され、熱エネルギーに変換
されるレーザーエネルギーはポリメラーゼ連鎖反応のために利用される。1つの
態様において、レーザーエネルギーは原型DNA分子の形質転換のため熱に転換
される。他の態様において、熱に転換されたレーザーエネルギーはプライマーの
アニーリングに適用される。更に他の態様において、レーザーエネルギーは熱に
転換されて、PCR反応の伸展のために適用される。 本発明によれば、水分子により吸収される赤外線レーザーエネルギーの導入に
よりレーザー照射の標的区域の温度を急速に上昇させることができる。この急激
な温度変化は、信頼性が高く、クリーン又は汚れのないPCR生産物を生成させ
るのに非常に重要である。PCR反応の各段階での最適温度レベルに到達するま
での必要時間を減少させることは非特異的生産物の量を減少させるための鍵とな
る。なぜらなば、非特異的アニーリング部位でのプライマー伸展に必要な時間が
短くなるからである。反応容器内での温度上昇を促進するためのレーザーエネル
ギーの使用はその急速性については卓越したものである。なぜならば、レーザー
エネルギーの直接的吸収により温度遷移が分子レベルで生じるからであり、この
場合、従来公知の大きい熱伝導や対流機構を要するプロセスで要求されるような
大きいヒーターエレメントや嵩張った緩衝流体の熱移動を制御する必要もない。 本発明によれば、温度上昇およびポリメラーゼ連鎖反応の補足相は入射レーザ
ービームの照射エネルギー分布により空間的に制限されるとともに、更に標的組
織又は周囲の水性緩衝物の横方向熱伝導特性によっても恐らく制限される。 電磁気エネルギーを制御するための手段としては、アナログおよびデジタル電
子装置、シャッター、フィルター又はこれら装置の組合せを挙げるることができ
、これにより標的の少なくとも1部での急速な温度の上昇、降下が可能となる。
熱の小さな容積での拡散性は本発明の意図する反応において極めて重要である。
サイズが徐々に増大する球の群を考えたとき、球の容積が増大すると、その球の
表面積も増大する。その容積に対する表面積の割合は加熱並びに球から周囲への
受動的熱伝導により熱の消失において重要である。球のサイズが増大すると、容
積に対する表面積の比は1/3rの関係で増大する。半径rが1ミクロンの球の
場合、その比は1:3であり;半径rが10ミクロンの球の場合、その比は1:
30となる。加熱および拡散による熱の消失を支配する物理学的法則により、容
積が大きければ、それだけ加熱に時間を要し、冷却にも長時間を要する。標的又
は反応領域を非常に小さい容積のものに制限することにより、反応を繰返すこと
のできる速度が、比較的大きい標的領域のものと比較して非常に早くなる。
【0023】 1実施例として、本発明は好ましくは赤外線レーザー源を用い、PCR反応容
器内での温度を形質転換、アニーリングおよび伸展相にそれぞれ適したレベルま
で上昇させる方法を提供する。反応容器内に配置されるPCR試薬および生物学
的オリジン(由来のもの)、例えば分離された細胞、染色体、DNA、RNA又
はそのフラグメント、組織断片又はバイオプシーなどは、本質的に水分を含むか
ら、レーザー照射による該容器内の温度上昇メカニズムを、赤外線波長における
水における吸収特性により駆動される熱的事象と捉えるのが適当である。本発明
の好ましい態様では、最適な熱移動のため、水における吸収ピークと一致する波
長でレーザー源を利用している。仮にPCR反応容器内の内容物の最初の温度が
Tiであるとすると、十分なレーザーエネルギーで水分の温度をそれぞれに必要
な特定温度、つまり形質転換のための温度Ts−d、アニーリングのための温度
Ts−a、伸展のための温度Ts−eまで上昇させる必要がある。 PCR反応は温度の広範に亘って温度制御を行う必要があるから、1態様とし
て、本発明による調整されたレーザー源はその広範な温度をカバーするのに十分
な加熱を行うことができる。又、或る態様として、このレーザー源は水を臨界温
度Tc(水の場合、摂氏100度)まで十分に加熱することができる。1例とし
て、摂氏37度の水の場合、摂氏100度まで水を加熱するのに必要なレーザー
エネルギーは0.25J/mm3 である。特定の必要温度、Ts−d、Ts−a
、Ts−eに到達するためレーザー照射により供給されなけらばならない限界放
出量[J/mm2 ]およびエネルギー[J]の一般化は、出力レーザー源が均一
な照射プロフィール[W/mm2 ]とパルス期間[s](パルス化レーザー源の
場合)とを既知の領域[mm2 ]に亘って有しているという仮定のもとで、更に
レーザーエネルギーが反応容器内で浸透深さ[mm]に沿って均一に分布してい
るという仮定のもとで案出される。当業者に公知のように、水中へのレーザー光
の吸収により発生した熱の可なりの量は、反応容器内のレーザービームから軸方
向および径方向に伝達される。直接の標的照射の周囲領域への熱の拡散が生じ、
これらの領域に最適に満たない温度を生じさせることがあるが、この熱拡散は特
定の出力レーザービーム分布を生じさせる方策により、又は特定の反応容器を使
用することにより少なくすることができる。反応容器内にレーザーエネルギーを
放出させるための分配方策としては、この容器との関連で出力ビームの相対変位
を制御するための装置を用いること、あるいはレーザービーム操縦又は走査機構
を形成するミラー組立て体および関連レンズを作動させることにより達成するこ
とができる。容器との関連でのレーザービームの伝搬方向の変位の連続的パター
ン又は漸増手順はこのようにして作り出すことができる。また、他の態様におい
て、表面領域の大きさがレーザービームの幅と相容れるような特定の反応容器が
好ましい。この場合、レーザービームの周縁がこの容器の幅と適合するよう調整
される。このような容器はディッシュ、スライド、チューブ、又は使用される電
磁気エネルギーの波長に対し透明なプラスチック又はガラスのような材料で作ら
れた容器であってもよい。
【0024】 本発明の顕微鏡への適用と関連する図3に示すシステムにおいては、レーザー
源11から放出し、対物レンズ22の後方孔23に向けられたレーザービーム1
0が標的基板60上に集束される。好ましくは出力レーザービーム10は対物レ
ンズ22の後方孔23に到達する前に視準される。本発明の1態様として、レー
ザービーム10の一般的な照射分布の直径は対物レンズ22の後方孔23の直径
と同一又はほぼ同一となっている。放出された総エネルギーが最終的に降下する
ビームの周縁は、このビームの切り捨て可能部分を対物レンズの後方孔を用いて
マスクすることにより容易に切り詰めることができる。図3に示すように、この
ビームの周縁は、機能的光路を表すレンズの後方孔の幅と適合するよう調整され
る。ビーム軸30は伝搬方向Z−Z´に沿っていて、レンズの光路の中心と軸心
が整合している。この特別の態様において、レンズの光路が入射レーザービーム
で完全に満たされ、これにより前方孔24から中心に集束したレーザービームが
放出される。他の態様として、このレンズの後方孔よりも大きい又は小さい直径
のレーザービームを使用することもできる。この様々な径のレーザービームを使
用する選択および利点は当業者に公知であろう。すなわち、より大きい径のレー
ザーは空間的フィルタリングが必要なときに有利であり、より小さい径のレーザ
ーは標的基板を走査するためなど、ビームの動きを容易にするのに好都合である
。好ましくは、レーザー源11の分布、レーザービーム10および対物レンズ2
2は軸30に対し平行、整合されている。出力レーザービームの伝搬は、Z−Z
´方向に沿って配向されている。レーザービーム10の軸30は軸X−X´およ
び軸Y−Y´に規定される面に対し実質的に垂直になっている。レーザービーム
は標的基板60内の限られた領域61を照射するよう適用される。本発明の変形
例として、標的60はPCRのための試薬を含む溶液、又は生物学的オリジン(
由来のもの)からの標本、例えば細胞、染色体、DNA、RNAのフラグメント
、組織断片又はPCRのための試薬を含む溶液に浸漬されたバイオプシーなどで
ある。標的基板60へのレーザー照射によりレーザーエネルギーの吸収による温
度上昇が直接照射の領域61において、および反応容器(図示しない)内の浸透
深さ方向(図示しない)に沿って見られる。
【0025】 その他、図3のシステムの変形例として、出力レーザー伝搬の方向Z−Z´は
軸X−X´および軸Y−Y´に規定される面に対し直角でなくてもよい。レーザ
ー源11、標的基板60およびレーザー照射の表面領域61も異なる軸上に置か
れていてもよい。又、1又はそれ以上のミラー(図示しない)をレーザービーム
10の光路上に配し、上記ビームが効率的、かつ、標的基板60に向けて正しい
方向に向けられるようにしてもよい。
【0026】 図3および同様の態様(例えばミラーの付加、但し限定されない)のシステム
は顕微鏡と関連する公知のレーザー装置の一般的構造のものと実用上、相容れる
ものである。本発明の装置又はシステムの1実施例によれば、顕微鏡は少なくと
も1個の対物レンズと標本ホルダー又は容器を備え、標本と感熱性酵素の成分、
例えばポリメラーゼ連鎖反応の成分の双方を保持し得るようになっている。標本
観察装置が更にこの顕微鏡に設けられ、この場合、対物レンズは入射レーザービ
ームを集束させると共に検査すべき顕微鏡標本を観察するのに用いることができ
る。その他、標的標本又は基板との関連で出力レーザービームの位置を制御する
ための制御装置並びにレーザービームとの関連で顕微鏡上の容器の位置を制御す
る装置が設けられている。特に、少なくとも1個の対物レンズは適当な倍率係数
と光学的特性を有し、これによりポリメラーゼ連鎖反応のような熱−酵素反応の
活性化を促進するため標本への照射を行うこと、および検査すべき標本を観察す
ることを同時に可能としている。その他、別の標本観察装置を設け、選択された
顕微鏡標本を観察するようにし、これが例えば拡大鏡、接眼レンズ、又はビデオ
画像化システムであってもよい。このようなシステムにおいては、顕微鏡装置の
レンズがレーザービームを反応容器の観察窓を介して標的上に集束させることが
でき、この場合の標的は直径あ1ミクロンの数分の1ないし数百ミクロンの範囲
で選択することができる。直径が100ミクロン又は容積が1.25x10-7
Lの球状標的を仮定すると、摂氏100度から25度の外気温度への熱の消散に
要する時間は理論的には1秒未満となる。
【0027】 図4は、図3に記載されたシステムにおける対物レンズにより集束させたレー
ザービームについてのビーム照射分布の側面を示すものである。すなわち、図4
は対物レンズ22の後方孔23に垂直に向けられた対称的視準レーザービームの
プロフィールを示している。このレンズの光路は、照明効果を最適化するため入
射レーザービームで満たされる。換言すれば、このビームの区分(フラクション
)がレンズを透過し得るようになっている。レンズの前方孔24に向けて放出さ
れた集束レーザーエネルギー分布プロフィール13はビームの幅の可なりの割合
に亘って均一、かつ、対称的となっていることが示されている。図4には示して
いないが、或る態様においては、レーザー出力分布の代表的な典型的ガウス分布
を有するレーザー源を用いた場合のように、ビームの周縁ではエネルギー分布が
降下することが予想される。図4の例は、径方向の軸との関連で対称的なレーザ
ープロフィールが描かれており、この軸の位置は軸30で示されている。集束さ
れたレーザーエネルギーのピークはレーザービームの焦点14に集中し、エネル
ギー勾配はこのビームプロフィールが径方向に離れるにつれて次第に減少する。
レーザー分布のガウス型で利用可能な出力はビームの中央に向けて増大するエネ
ルギーを提供する。
【0028】 当業者並びに本発明から教唆を受けた者にとって明らかなように、一般的な顕
微鏡標本に対する、又はPCR反応のための試薬を含む溶液の顕微鏡区域に対す
る電磁気又はレーザーエネルギーの放出は、対物レンズからの集束作用に達成さ
れる。効果的な熱処理の量は、多少の拡散作用を伴うことのあるレーザー照射の
領域により、更に容器又は標本内への浸透深さにより制限を受ける。放出された
エネルギーの総量は照射時間および波長を制御することにより蓄積され、又、こ
の総量はレーザー出力に加え、標本の光学的特性により左右される。レーザービ
ーム出力は、規制された出力の使用により、あるいは適当な光学フィルター装置
の使用により制御することができる因子である。各サイクルでの冷却は水の高い
熱拡散性により媒介され、少量のものは照射されているレーザーにより影響を受
ける。なぜならば、水の熱容量および熱拡散性は双方とも大きく(空気と比較し
て)、基板の温度を正確な時間内で効果的に上昇させる高い焦点の一時的レーザ
ー照射と、水の高い熱拡散性との組合せにより、極めて局所的な形で温度を急速
に降下させる効果的な方法が与えられる。従って、DNAの形質転換、アニーリ
ング、伸展およびポリマー化を最適化することができる。レーザーなどの集束電
磁気エネルギー源により加熱された局所領域からの水による熱移動を介しての温
度降下、並びにこのプロセスのレーザー活性化期間の正確な制御により、レーザ
ーによるポリメラーゼ連鎖反応の間において、迅速で高い特異性の生産物を効果
的に達成する手段が与えられる。
【0029】 本発明の1態様において、顕微鏡標本が顕微鏡機器に備えられたヒータエレメ
ントを用いて当初の背景温度に保たれ、レーザービームの作用が、PCR反応の
特定の相のような特定の熱酵素活性化に必要な急速でシャープな温度上昇に限定
される。 当業者並びに本発明の開示から教唆を受けた者にとって明らかなように、説明
を目的とした上記実施例から、上記以外の用途、利点も容易に予測し得るであろ
う。他の種々の顕微鏡標本についてもPCR反応又は他の熱酵素反応のためレー
ザーエネルギーを使用する場合も本発明からの利益が得られるであろう。このレ
ーザーエネルギーを用いたポリメラーゼ連鎖反応は遺伝子物質の分析、診断、調
製に対しても利用することができる。更に、他の熱誘起反応、例えば種々の発見
された酵素および/又はヒートショックたんぱく質を同様にして処置することが
でき、上記具体例は診断を目的として、遺伝子突然変異のため、遺伝子治療のた
め、病原の診断のため、ガン、HIV、その他のウイルス感染の検出のため、特
定の細胞、染色体認識部位の検知のために利用することができる。更に、他の遺
伝子における熱誘起変化を達成することができ、関連する技術を用いてその変化
を検知することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による方法で有用なシステムの例の模式図であって、レーザーのような
電磁気エネルギー源、ビーム調整光学系、入射レーザービーム、および熱−酵素
反応の活性化を目的として、又はポリメラーゼ連鎖反応による核酸増殖を行うた
めに照射されるべき標的などが示されている。
【図2】 ポリメラーゼ連鎖反応のための水性溶液および試薬を収容する容器との関連で
入射レーザービームの照射の例を説明する斜視図である。
【図3】 本発明による方法で有用なシステムの例の模式図であって、レーザー源(電磁
気エネルギー源)、ビーム調整光学系、入射レーザービーム、対物レンズ、およ
び熱−酵素反応の活性化を目的として、又はポリメラーゼ連鎖反応による核酸増
殖を行うために照射されるべき標的などが、顕微鏡への適用を参照して示されて
いる。
【図4】 対物レンズを用いて集束された入射レーザービームの照射を説明するための側
面図である。
【符号の説明】
10 レーザービーム 11 レーザー源 22 対物レンズ 23 後方孔 24 前方孔 30 ビーム軸 60 標的基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 キーナン,クロード,ラリー アメリカ合衆国 ニューメキシコ州 87120,アルバカーキ,スナップドラゴン ロード エヌ.ダブリュー.7012 Fターム(参考) 4B033 NG09 NH04 NJ04 NK10 4B050 HH01 LL03 4B063 QA01 QA18 QQ42 QQ52 QR08 QR32 QR55 QR62 QS25 QS39

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線領域の電磁気エネルギーを標的(51、60)である
    水性溶液、生物学的標本又はこれら双方に適用し、該標的の少なくとも1部の温
    度を急速に上昇させることを特徴とする反応を熱的に誘起させる方法。
  2. 【請求項2】 該標的の少なくとも1部の温度を上昇させることが、該電磁
    気エネルギーのフォトンの空間的分布により規制されることを特徴とする請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該エネルギーを適用する工程が、該標的の温度を構造的ヒー
    トショックたんぱく質および/又は酵素を含む生体高分子の特異的合成又は活性
    化のために十分なレベルまで上昇させることからなること;又は該エネルギーを
    適用する工程が、該標的の温度を核酸ポリマーのコピーを生産させることを目的
    としてポリメラーゼ連鎖反応を活性化させるのに十分なレベルまで上昇させるこ
    とからなること;又は電磁気エネルギーを適用する工程が、独立した温度上昇が
    達成され、或る時間経過後、更に独立した温度上昇が達成されようエネルギーを
    適用することからなり、必要に応じて、更に温度上昇を行うことを特徴とする請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 該電磁気エネルギーがレーザービームにより提供されるレー
    ザーエネルギーであり、該レーザービームがパルスモード又は連続波モードで適
    用され、又、少なくとも1つのレーザー源から供給されるものであるか、あるい
    は該電磁気エネルギーがフィラメントランプ、封止ガスイルミネータ、更に加圧
    ガスランプ、電気アークランプなどガス放電を利用し赤外波を含む連続的又は不
    連続な光のスペクトルを発生させるものから選択される少なくとも1を介して供
    給されるものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 該電磁気エネルギーが750nmないしミリ波の赤外線領域
    の波長を有し、該赤外線照射が水についての少なくとも1つの吸収ピークと一致
    するものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 該標的に対する電磁気エネルギーの空間的分布を制御する工
    程と、該標的に対するレーザービームの位置を制御する工程の少なくともいづれ
    かを含むことを特徴とする請求項1ないし5のいづれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 水性溶液、生物学的標本又はこれら双方である標的(51、
    60)を収容する容器(50、55)と; 該標的に対し電磁気エネルギー(10)を適用するための手段(11)と; 該標的(51、60)の少なくとも1部の温度を急速に上昇させるよう電磁気
    エネルギーを制御するための手段(20、21)と; を具備してなることを特徴とする反応を熱的に誘起するための装置。
  8. 【請求項8】 電磁気エネルギーを適用するための手段がレーザービーム(
    10)をパルスモード又は連続波モードで供給するための少なくとも1つのレー
    ザー源(11)であり、該レーザービーム(10)が好ましくは750nmない
    しミリ波の赤外線領域の波長を有し、該赤外線レーザービーム(10)が水につ
    いての少なくとも1つの吸収ピークと一致するものであることを特徴とする請求
    項7記載の装置。
  9. 【請求項9】 電磁気エネルギーを制御するための手段が、アナログおよび
    デジタル電子装置、シャッターおよびフィルターからなる群から選択され、更に
    該電磁気エネルギーの空間的分布を制御するための手段を更に含み、該手段が好
    ましくは集束レンズ、凸レンズおよび凹レンズ、ミラー、空間的フィルター装置
    、中実光ファイバー導波管および中空導波管からなる群から選択されることを特
    徴とする請求項7記載の装置。
  10. 【請求項10】 該標的(51、60)に対する該レーザービーム(10)
    の位置を制御する手段と、該レーザービーム(10)に対する該容器(50、5
    5)の位置を制御する手段との少なくともいづれかを更に具備してなる請求項8
    記載の装置。
  11. 【請求項11】 少なくとも1つの対物レンズを有する顕微鏡装置を具備し
    、該容器が該顕微鏡装置により保持され、該容器がディッシュ、スライド、チュ
    ーブおよび該電磁気エネルギーに対し透明な材料からなるコンテナーからなる群
    から選択されるものであり、更に該容器(50、55)を熱的に制御する手段を
    具備してなることを特徴とする請求項7ないし10のいづれかに記載の装置。
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