JP2002515240A - ストレプトコッカス・ニュモニエのclpX - Google Patents

ストレプトコッカス・ニュモニエのclpX

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Abstract

(57)【要約】 本発明はclpXポリペプチドおよびclpポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ならびに組換え技法によりそのようなポリペプチドを産生する方法を提供する。また抗菌化合物をスクリーニングするのにclpXポリペプチドを用いる方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、新規に同定されたポリヌクレオチドおよびポリペプチド、その製造
および使用、ならびにその変種、アゴニストおよびアンタゴニスト、ならびにそ
の使用に関する。特に、本発明は、clp蛋白(ATP−依存的プロテアーゼ)
ファミリーのポリヌクレオチドおよびポリペプチドならびにそれらの変種(以下
、「clpX」、「clpXポリヌクレオチド」、および場合により「clpXポ
リペプチド」と称する)に関する。
【0002】 (背景技術) ストレプトコッカス属(Streptococci)は、例えば、中耳炎、結膜炎、肺炎、
菌血症、髄膜炎、静脈洞炎、胸腔蓄膿および心内膜炎、とりわけ、例えば髄液の
感染などの髄膜炎を含む、ヒトにおいていくつかの型の疾患を引き起こすことが
知られている医学的に重要な微生物属を形成している。その単離から100年以
上が経過しているため、ストレプトコッカス・ニュモニエ(Streptococcus pneu
moniae)はより集中して研究されている微生物の一つである。例えば、DNAが
、事実、遺伝的物質であるという、初期の認識の多くは、この微生物を用いる、
Griffithの研究において、およびAvery、MacleodおよびMcCartyの研究において
推定された。エス・ニュモニエを用いる膨大な量の研究にも拘わらず、この微生
物の毒性に関する多くの問題がまだ残っている。抗生物質の開発のための標的と
して、ストレプトコッカス遺伝子および遺伝子産物を利用することが特に好まし
い。
【0003】 ストレプトコッカス・ニュモニエ感染の頻度は過去20〜30年間に劇的に上
昇している。これは多重抗生物質耐性株の出現、および免疫系が低下した人口の
増加に起因している。いくつかのまたはすべての標準的な抗生物質に対して耐性
を有するストレプトコッカス・ニュモニエ株を単離することはもはやめずらしい
ことではない。この現象により、この生物に対する新しい抗菌剤、ワクチン、薬
物スクリーニング方法および診断試験に関して不適当な医薬上の要求があり、か
つ需要を形成している。
【0004】 そのうえ、薬剤の発見方法は、現在のところ、「機能的遺伝学」、すなわち、
ハイスループットゲノムまたは遺伝子に基づく生物学を包含するため抜本的な改
革を受けている。この方法は、「位置的クローニング」に基づく初期のアプロー
チおよび他の方法に取って代わりつつある。機能的遺伝学は、現在利用可能な多
くの分子生物学的データベースならびに他のソースから問題となる可能性のある
遺伝子配列を同定するための種々の生物学的情報の手段に大きく依存している。
未だ、薬剤の発見の標的としての、さらなる遺伝子および他のポリヌクレオチド
配列ならびにそれらの関連ポリペプチドの同定および特徴づけをする必要がある
【0005】 とりわけ、化合物を抗生微生物活性についてスクリーニングするのに有用であ
るという利点を有する、本発明のclpX具体例のごときポリヌクレオチドおよ
びポリペプチドに対する要望があることは明白である。かかる因子はまた、感染
、機能不全および疾患の発生病理における役割を決定するのに有用である。感染
、機能不全および疾患を予防、改善または治癒するための方法を見出すために、
かかる因子ならびにそのアンタゴニストおよびアゴニストを同定および特徴づけ
する必要もある。
【0006】 (発明の開示) 本発明は、clpX、詳細にはclpXポリペプチドおよびclpXポリヌクレ
オチド、組み換え物質ならびにそれらの製造方法に関する。もう1つの態様にお
いて、本発明は、かかるポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用方法に関し
、とりわけ、微生物による疾病の治療を包含する。さらなる態様において、本発
明は、本発明により提供される材料を用いるアゴニストおよびアンタゴニストの
同定方法、ならびに同定されたアゴニストまたはアンタゴニスト化合物を用いる
微生物による感染およびかかる感染に関連した症状の治療方法に関する。さらな
る態様において、本発明は、微生物による感染およびかかる感染に関連した症状
の検出のための診断アッセイ、例えば、clpX発現または活性の検出のための
アッセイに関する。 開示された本発明の精神および範囲内での種々の変更および修飾は、以下の説
明を読み、本開示の他の部分を読めば、当業者に容易に明らかになるであろう。
【0007】 (発明を実施するための最良の形態) 以下により詳細に説明するように、本発明は、clpXポリペプチドおよびポ
リヌクレオチドに関する。詳細には、本発明は、ボス トーラス(Bos taurus)
clpXポリペプチドに対するアミノ酸配列相同性により関連づけられるストレ
プトコッカス・ニュモニエのclpXのポリペプチドおよびポリヌクレオチドに
関する。特に、本発明は、それぞれ配列番号1および配列番号2として表1に示
されるヌクレオチドおよびアミノ酸配列を有するclpXに関する。下記の配列
表に示す「DNA」としての配列は、本発明の具体的態様を示すものである。と
いうのも、当業者であれば、一般に、かかる配列が、リボポリヌクレオチドを含
む、ポリヌクレオチドに有効に利用できることを認識するからである。
【0008】 表1 clpXポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列
【0009】 (A)ストレプトコッカス・ニュモニエのclpXポリヌクレオチド配列[配列
番号1] 5'-atgtctacaaatagaaaaaatgatatgatggtttattgctcattttgtggcaaaaaccaagaagaagta
caaaaaataat tgctggcaacaatgcttttatttgtaatgaatgcgtggagttagctcaggaaatcattcgagaagaattggt
tgaggaag tcttggcagacttgtctgaggtgccaaaaccaattgaactcctccatatcttgaaccactatgtaattggtc
aagatcgt gccaagcgtgccttggcagtggcggtttataaccactacaaacgcatcaatttccacgatacacgcgaagag
tcagaaga tgtggatttgcagaagtcaaacattttgatgattggcccaactggttcagggaaaactttccttgcccagac
cttggcta agagcttgaatgtaccttttgctattgcggatgcgacagctctgacggaggctggttatgtgggtgaggatg
tggaaaat atactcctcaaactcttgcaggttgctgactttaacatcgaacgtgcagagcgtggcattatctatgtggat
gaaattga caagattgccaagaagagtgagaatgtgtctatcacacgtgatgtttctggtgaaggggtgcaacaagccct
tctcaaga ttattgagggaactgttgctagcgtaccgcctcaaggtggacgcaaacatccacaacaagagatgattcaag
tggataca aaaaatatcctcttcatcgtgggtggtgcttttgatggtattgaagaaattgtcaaacaacgtctgggtgaa
aaagtcat cggatttggtcaaaacaataaggcgattgacgaaaacagctcatacatgcaagaaatcatcgctgaagacat
tcaaaaat ttggtattatccctgagttgattggacgcttgcctgtttttgcggctcttgagcaattgaccgttgatgact
tggttcgc atcttgaaagagccaagaaatgccttggtgaaacaataccaaaccttgctttcttatgatgatgttgagttg
gaatttga cgacgaagcccttcaagagattgctaataaagcaatcgaacggaagacaggggcgcgtggacttcgctccat
catcgaag aaaccatgctagatgttatgtttgaggtgccgagtcaggaaaatgtgaaattggttcgcatcactaaagaaa
ctgtcgat ggaacggataaaccgatcctagaaacagcctag-3'
【0010】 (B)この表のポリヌクレオチド配列より推定されるストレプトコッカス・ニュ
モニエのclpXポリペプチド配列[配列番号2] NH2-MSTNRKNDMMVYCSFCGKNQEEVQKIIAGNNAFICNECVELAQEIIREELVEEVLADLSEVPKPIELL
HILNHYVIGQDR AKRALAVAVYNHYKRINFHDTREESEDVDLQKSNILMIGPTGSGKTFLAQTLAKSLNVPFAIADATALTEAG
YVGEDVEN ILLKLLQVADFNIERAERGIIYVDEIDKIAKKSENVSITRDVSGEGVQQALLKIIEGTVASVPPQGGRKHPQ
QEMIQVDT KNILFIVGGAFDGIEEIVKQRLGEKVIGFGQNNKAIDENSSYMQEIIAEDIQKFGIIPELIGRLPVFAALEQ
LTVDDLVR ILKEPRNALVKQYQTLLSYDDVELEFDDEALQEIANKAIERKTGARGLRSIIEETMLDVMFEVPSQENVKLV
RITKETVD GTDKPILETA-COOH
【0011】 寄託材料 ストレプトコッカス・ニュモニエ0100993株を含む寄託株を、1996
年4月11日に、スコットランド、AB2 1RY、アバディーン、マチャード
ライブ23St.のナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・アンド
・マリーン・バクテリア・リミテッド(本明細書にて「NCIMB」という)に
、NCIMB受託番号40794の下で寄託した。その寄託株は寄託の際にスト
レプトコッカス・ニュモニエ0100993と命名された。 1996年4月17日に、イーコリ中のストレプトコッカス・ニュモニエ01
00993DNAライブラリーを同様にしてNCIMBに寄託し、受託番号40
800が付与された。ストレプトコッカス・ニュモニエ寄託株を、本明細書では
「寄託株」または「寄託株のDNA」と称する。
【0012】 寄託株は全長のclpX遺伝子を含んでいる。寄託株に含まれるポリヌクレオ
チドの配列ならびにそれによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、本
明細書における配列の記載とのいずれの不一致においても支配的である。 寄託株の寄託は、特許手続き上の微生物寄託の国際承認に関するブタペスト条
約の条件下で行われている。特許が発行されると何ら制限または条件もなく、最
終的に株は分譲される。寄託株は当業者の便宜のためにのみ提供され、35U.
S.C.112条の下に要求されるような、寄託が実施可能要件であることを承認
するものではない。
【0013】 寄託株、それに由来の化合物を製造、使用または販売するには、ライセンスが
必要であるが、そのようなライセンスはここで付与されるものではない。 本発明の一の態様は、寄託株に含まれるストレプトコッカス・ニュモニエ01
00993株により発現可能な成熟ポリペプチドをコードする単離核酸分子を提
供することである。さらには、本発明は寄託株中のDNAおよびRNAのclp
Xポリヌクレオチド配列およびそれによりコードされるアミノ酸配列を提供する
。また、本発明は寄託株より単離されたclpXポリペプチド配列およびそれに
由来のポリヌクレオチド配列を提供する。
【0014】 ポリペプチド 実質的に本発明のclpXポリペプチドは系統発生論的に他のclp蛋白(A
TP−依存性プロテアーゼ)ファミリーの蛋白に関連している。 本発明の1の態様において、ストレプトコッカス・ニュモニエのポリペプチド
(本明細書ではclpXおよびclpXポリペプチドという)、ならびに生物学的
、診断上、予防上、臨床的または治療上有用なその変種、ならびにそれを含む組
成物が提供される。 本発明のとりわけ好ましい具体例は、clpX遺伝子の自然発生対立遺伝子に
よりコードされるclpXポリペプチドの変種である。
【0015】 さらに本発明は下記のものである単離ポリペプチド: (a)配列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくと
も95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するか
または全く同一であるアミノ酸配列を含むかまたはそれよりなるポリペプチド;
(b)配列番号1の全長にわたって配列番号1に対して少なくとも95%の同一
性、より好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一
であるポリヌクレオチド配列を含むかまたはそれよりなる単離ポリヌクレオチド
によりコードされるポリペプチド;(c)配列番号2の全長にわたって配列番号
2のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性、より好ましくは少なくと
も97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一であるポリペプチドをコード
しているポリヌクレオチド配列を含むかまたはそれよりなる単離ポリヌクレオチ
ドによりコードされるポリペプチド; を提供する。
【0016】 本発明のポリペプチドは、表1[配列番号2]のポリペプチド(とりわけ成熟
ポリペプチド)ならびにポリペプチドおよびフラグメント、詳細には、clpX
の生物活性を有し、表1[配列番号1]のポリペプチドと少なくとも95%の同
一性を有するポリペプチドおよびフラグメントを包含し、さらにかかるポリペプ
チドの部分も包含し、一般に、ポリペプチドのかかる部分は少なくとも30個の
アミノ酸、より好ましくは、少なくとも50個のアミノ酸を含む。
【0017】 本発明はまた、 X−(R1m−(R2)−(R3n−Y [式中、アミノ末端のXは水素または金属、または本明細書において修飾ポリペ
プチドについて説明された他の残基であり、カルボキシル末端のYは水素または
金属、または本明細書において修飾ポリペプチドについて説明された他の残基で
あり、R1およびR3はいずれかのアミノ酸残基または修飾アミノ酸残基であり、
mは1〜1000の整数または0であり、nは1〜1000の整数または0であ
り、R2は本発明のアミノ酸配列、特に表1のアミノ酸配列またはそれらの修飾
形態を意味する] で示されるポリペプチドを包含する。上記の式中、R2はアミノ末端残基がその
左側でR1に結合し、そのカルボキシ末端残基がその右側でR3に結合するように
方向づけられる。mおよび/またはnが1より大きい場合、R1またはR3のいず
れかで表されるアミノ酸残基の鎖は、ヘテロポリマーまたはホモポリマーのいず
れであってもよく、ヘテロポリマーが好ましい。本発明の他の好ましい具体例は
、mが1ないし50、100または500の間の整数であり、nが1ないし50
、100または500の間の整数のものである。 本発明のポリペプチドがストレプトコッカス・ニュモニエ由来のものであるの
が最も好ましいが、同じ分類学上の属の他の生物由来のものであっても好ましい
。また本発明のポリペプチドは、例えば、同じ科または目から得られるものであ
ってもよい。
【0018】 フラグメントは、その全体が上記したポリペプチドのアミノ酸配列の全部では
ないが、一部と同じであるアミノ酸配列を有する変種ポリペプチドである。cl
pXポリペプチドと同様、フラグメントは「独立している(free-standing)」で
あるか、またはそれらが一の部分または領域、最も好ましくは単一の連続した領
域、単一のより大きなポリペプチドを形成するより大きなポリペプチドの中に含
まれていてもよい。 好ましいフラグメントは、例えば、表1[配列番号2]のアミノ酸配列または
、アミノ−および/またはカルボキシル−末端アミノ酸配列を含む連続した一連
の残基のような、その変種の一部を有する末端切断ポリペプチドを包含する。宿
主細胞、特に、ストレプトコッカス・ニュモニエにより、またはそこにおいて産
生される本発明のポリペプチドの分解型も好ましい。さらに、アルファヘリック
スおよびアルファヘリックス形成領域、ベータシートおよびベータシート形成領
域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよびコイル形成領域、親水領域、疎
水領域、アルファ両親媒性領域、ベータ両親媒性領域、フレキシブル領域、表面
形成領域、基質結合領域、および高抗原指数領域を含むフラグメントのような、
構造的または機能的属性によって特徴づけられるフラグメントもまた好ましいフ
ラグメントである。
【0019】 さらに好ましいフラグメントは、配列番号2のアミノ酸配列由来の少なくとも
15、20、30、40、50または100個の連続したアミノ酸を有するアミ
ノ酸配列を含む単離ポリペプチド、あるいは配列番号2のアミノ酸配列由来の末
端切断または欠失された少なくとも15、20、30、40、50または100
個の連続したアミノ酸を有するアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドを包含する
。 本発明のポリペプチドのフラグメントは、ペプチド合成法により対応する全長
のポリペプチドの製造に使用することができる。したがって、これらの変種は、
本発明の全長ポリペプチドを製造するための中間体として使用できる。
【0020】 ポリヌクレオチド clpXポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド、詳細には、本明細
書でclpXと命名されるポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを提
供することが本発明の一の目的である。 本発明の特に好ましい具体例において、ポリヌクレオチドは、全長の遺伝子を
含む、表1(配列番号1)に示す配列を含むclpXポリペプチド、またはその
変種をコードしている領域を含む。出願人らは、この全長の遺伝子は当該ポリペ
プチドを有する生物(例えば、ストレプトコッカス・ニュモニエ)の増殖および
/または生存に必須であると考える。
【0021】 本発明のさらなる態様として、clpXポリペプチドおよびポリヌクレオチド
、詳細には、ストレプトコッカス・ニュモニエのclpXポリペプチドおよびポ
リヌクレオチドをコードおよび/または発現する単離核酸分子が提供され、核酸
分子としては、例えば、未プロセッシングRNA、リボザイムRNA、mRNA
、cDNA、ゲノムDNA、B−およびZ−DNAが挙げられる。本発明のさら
なる具体例は、生物学的、診断上、予防上、臨床的または治療上有用なポリヌク
レオチドおよびポリペプチド、ならびにその変種、ならびにそれらを含む組成物
を包含する。 本発明のもう一つの態様は、表1[配列番号2]の推定アミノ酸配列を有する
clpXポリペプチドをコードする、少なくとも1つの全長遺伝子を含む、単離
ポリヌクレオチド、それに密接に関連するポリヌクレオチドおよびそれらの変種
に関する。 もう1つの特に好ましい本発明具体例において、表1(配列番号2)のアミノ
酸配列を含むかまたはそれよりなる、ストレプトコッカス・ニュモニエ由来のc
lpXポリペプチドまたはその変種が提供される。
【0022】 表1[配列番号1]に示すポリヌクレオチド配列のような本明細書の情報を使
用し、出発材料としてストレプトコッカス・ニュモニエ0100993細胞を使
用し、細菌からの染色体DNAフラグメントをクローニングし、配列決定し、つ
づいて全長クローンを得る標準的クローニングおよびスクリーニング法を使用し
て、clpXポリペプチドをコードする本発明のポリヌクレオチドを得ることが
できる。例えば、表1[配列番号1]に示す配列のような本発明のポリヌクレオ
チド配列を得るには、典型的には、エシェリシア・コリまたは他の適当な宿主中
のストレプトコッカス・ニュモニエ0100993の染色体DNAのクローンの
ライブラリーを、部分配列から由来する放射標識したオリゴヌクレオチド、好ま
しくは17量体またはそれより長いオリゴヌクレオチドでプローブする。ついで
、該プローブと同じDNAを有するクローンを厳密なハイブリダイゼーション条
件を使用して区別できる。該オリジナルポリペプチドまたはポリヌクレオチド配
列から設計された配列決定プライマーとハイブリダイゼーションすることで同定
された個々のクローンを配列決定することにより、そのポリヌクレオチド配列を
両方の方向に伸長し、全長遺伝子配列を決定することが可能である。都合よくは
、プラスミド・クローンから調製された変性二本鎖DNAを用いてかかる配列決
定を行う。適当な技法は、Maniatis,T.,Fritsch,E.F.およびSambrookら、MOLEC
ULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,2nd Ed.;Cold Spring Harbor Laborator
y Press, Cold Spring Harbor, New York(1989)(特に、ハイブリダイゼ
ーションによるスクリーニング1.90および変性二本鎖DNA鋳型の配列決定
13.70を参照のこと)により記載されている。直接ゲノムDNA配列決定を
行って全長の遺伝子配列を得てもよい。例えば、表1[配列番号1]に示すポリ
ヌクレオチドは、ストレプトコッカス・ニュモニエ0100993から由来する
DNAライブラリー中に見いだされたものである。
【0023】 そのうえ、表1[配列番号1]のDNA配列は、表1[配列番号2]に示すの
とほぼ同数のアミノ酸残基を有し、当業者に周知のアミノ酸残基の分子量から計
算できる推定分子量を有する蛋白をコードするオープンリーディングフレームを
有する。配列番号1のヌクレオチド番号1と、ヌクレオチド番号1231で始ま
る停止コドンとの間の配列番号1のポリヌクレオチドが、配列番号2のポリペプ
チドをコードする。
【0024】 さらなる態様において、本発明は、下記のポリヌクレオチドを含むかまたはそ
れらよりなる単離ポリヌクレオチドを提供する:(a)配列番号1の全長、ある
いは配列番号2をコードしている配列番号1の部分の全長にわたって配列番号1
に対して少なくとも95%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも97、そ
の上さらに好ましくは少なくとも99%、さらにまたその上好ましくは少なくと
も99.5%の同一性を有するポリヌクレオチド配列;(b)配列番号2の全長
にわたって配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性、さら
により好ましくは少なくとも97、その上さらに好ましくは少なくとも99%、
さらにまたその上好ましくは少なくとも99.5%またはちょうど100%の同
一性を有するポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列。
【0025】 本発明のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド(ストレプトコッカ
ス・ニュモニエ以外の種由来のホモログおよびオーソログを包含)を、厳密なハ
イブリダイゼーション条件において、配列番号1の配列またはそれらのフラグメ
ントを含むかまたはそれらよりなる標識または検出可能プローブを用いて適当な
ライブラリーをスクリーニングし、次いで、該ポリヌクレオチド配列を含む全長
遺伝子および/またはゲノムクローンを単離する工程を含む方法により得てもよ
い。
【0026】 本発明は、表1[配列番号1]のコーディング配列(オープンリーディングフ
レーム)と、その全長にわたって同一であるポリヌクレオチド配列を提供する。
また、本発明は、成熟ポリペプチドまたはそのフラグメント用のコーディング配
列自体ならびにリーダーまたは分泌配列、プレ、プロまたはプレプロ蛋白配列を
コードするコーディング配列のような他のコーディング配列を有するリーディン
グ・フレーム中の成熟ポリペプチドまたはフラグメントのコーディング配列を提
供する。ポリヌクレオチドはまた、例えば、転写されるが翻訳されない配列、終
止シグナル(例えば、rho−依存的およびrho−非依存的終止シグナル)、
リボソーム結合部位、Kozak配列、mRNAを安定化する配列、イントロン、ポ
リアデニル化シグナルのごとき少なくとも1つの非コーディング5’および3’
配列を包含する非コーディング配列を含むが、これらに限定するものではない。
また、ポリヌクレオチド配列はさらなるアミノ酸をコードしているさらなるコー
ディング配列を含んでいてもよい。例えば、融合ポリペプチドの精製を促進する
マーカー配列をコードすることができる。本発明のある種の具体例において、マ
ーカー配列は、pQEベクター(Qiagen,Inc.)において提供され、Gentzら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA(1989)86:821−824に記載されるような、
ヘキサ−ヒスチジンペプチドであるか、またはHAペプチドタグ(Wilsonら、Ce
ll,37:767(1984))であり、ともにそれらに融合したポリペプチド
配列の精製において有用である。本発明のポリヌクレオチドは、限定するもので
はないが、構造遺伝子および遺伝子の発現を調節する、本来的に結合している配
列からなるポリヌクレオチドを包含する。
【0027】 本発明の好ましい具体例は、表1の配列番号1に示されるヌクレオチド1から
ヌクレオチド1231のすぐ上流にあるヌクレオチドまたはそのヌクレオチドを
含むヌクレオチドまでを有するポリヌクレオチドであり、それは共にclpXポ
リペプチドをコードする。
【0028】 本発明はまた、式: X−(R1m−(R2)−(R3n−Y [式中、分子の5’末端のXは水素または金属、または修飾ヌクレオチド残基で
あるか、あるいはYと一緒になって共有結合を形成し、分子の3’末端のYは水
素または金属、または修飾ヌクレオチド残基であるか、あるいはXと一緒になっ
て共有結合を形成し、R1およびR3は、各々、独立していずれかの核酸残基また
は修飾核酸残基であり、mは1〜3000の整数または0であり、nは1〜30
00の整数または0であり、R2は本発明の核酸配列または修飾核酸配列、特に
表1より選択される核酸配列またはその修飾核酸配列を意味する] で示されるポリヌクレオチドからなるかまたは含むポリヌクレオチドを包含する
。上記した式のポリヌクレオチド中、R2は5’末端核酸残基がその左側でR1
結合し、その3’末端核酸残基がその右側でR3に結合するように方向付けられ
る。mおよび/またはnが1より大きい場合、R1および/またはR2のいずれか
で表される核酸残基の鎖は、ヘテロポリマーまたはホモポリマーのいずれであっ
てもよく、ヘテロポリマーが好ましい。好ましい具体例において、XおよびYが
一緒になって共有結合を形成する場合、前記した式のポリヌクレオチドは閉じた
環状ポリヌクレオチドであり、それはその式が第2の鎖が相補性を有する第1の
鎖を示す二本鎖ポリヌクレオチドであり得る。もう一つ別の具体例において、m
および/またはnは1と1000の間の整数である。他の好ましい本発明の具体
例は、mが1ないし50、100または500の間の整数であり、nが1ないし
50、100または500の間の整数である。
【0029】 本発明のポリヌクレオチドはストレプトコッカス・ニュモニエ由来であるのが
最も好ましいが、分類学上同じ属の他の生物より得ることも好ましい。また、例
えば、本発明のポリヌクレオチドは、分類学上同じ科または目の生物から得ても
よい。 本明細書で使用する「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」なる用語
は、本発明のポリペプチド、特に、細菌性ポリペプチド、より詳細には、表1[
配列番号2]に示すアミノ酸配列を有するストレプトコッカス・ニュモニエ・c
lpXのポリペプチドをコードする配列を含むポリヌクレオチドを包含する。こ
の用語はコードおよび/非コーディング配列を含んでもよいさらなる領域と共に
、該ポリペプチドをコードする単一の連続または非連続領域(例えば、組み込ま
れたファージ、組み込まれた挿入配列、組み込まれたベクター配列、組み込まれ
たトランスポゾン配列、またはRNAエデティング(editing)もしくはゲノム
DNA再組織化により中断されている)を含むポリヌクレオチドを包含する。 本発明はさらに、表1[配列番号2]の推定アミノ酸配列を有するポリペプチ
ドの変種をコードする、本明細書に記載したポリヌクレオチドの変種に関する。
本発明のポリヌクレオチドのフラグメントである変種は本発明の全長ポリヌクレ
オチドの合成に使用できる。
【0030】 さらに好ましい具体例は、数個、わずかな、5〜10、1〜5、1〜3、2ま
たは1個あるいは0個のアミノ酸残基が、いずれかの組み合わせで置換、修飾、
欠失または付加された表1[配列番号2]のclpXポリペプチドのアミノ酸配
列を有する、clpX変種をコードするポリヌクレオチドである。特に好ましく
は、clpXポリペプチドの特性、活性を変化させないサイレント置換、付加お
よび欠失である。
【0031】 好ましい単離されたポリヌクレオチドの具体例として、ポリヌクレオチドフラ
グメント、例えば、配列番号1のポリヌクレオチド配列由来の少なくとも15、
20、30、40、50または100個の連続した核酸を有する核酸配列を含む
ポリヌクレオチド、あるいは配列番号1のポリヌクレオチド配列の5’および/
または3’末端から切断または欠失された少なくとも15、20、30、40、
50または100個の連続した核酸配列を有するポリヌクレオチドが挙げられる
。 本発明のさらに好ましい具体例は、表1[配列番号2]に示すアミノ酸配列を
有するclpXポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの全長にわたって少
なくとも95%、97%または99.5%の同一性を有するポリヌクレオチドお
よびそのようなポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドである。最も好ま
しいものは、少なくとも95%の同一性を有する領域からなるポリヌクレオチド
である。さらには、少なくとも95%の同一性を有するものの中で少なくとも9
7%の同一性を有するものがより好ましく、中でも少なくとも98%および少な
くとも99%の同一性を有するものが特に好ましい。少なくとも99.5%の同
一性を有するものがより好ましい。
【0032】 好ましい具体例は、表1[配列番号1]のDNAによってコードされている成
熟ポリペプチドと実質的に同じ生物学的機能または活性を保持するポリペプチド
をコードするポリヌクレオチドである。 本発明のある好ましい具体例によれば、特に厳密な条件下で、例えば表1のポ
リヌクレオチドのごときclpXポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするポ
リヌクレオチドが提供される。
【0033】 さらに本発明は、本明細書にて上記したポリヌクレオチド配列にハイブリダイ
ズするポリヌクレオチドに関する。この点において、本発明は特に、本明細書に
て上記したポリヌクレオチドに厳密な条件下でハイブリダイズするポリヌクレオ
チドに関する。本明細書で用いる場合、「厳密な条件」および「厳密なハイブリ
ダイゼーション条件」という語は、ハイブリダイゼーションが、配列間に少なく
とも95%、好ましくは少なくとも97%の同一性がある場合にのみ起こること
を意味する。厳密なハイブリダイゼーション条件の一例として、50%ホルムア
ミド、5xSSC(150mM NaCl、15mM クエン酸三ナトリウム)、5
0mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハート(Denhardt’s)溶液、
10%硫酸デキストランおよび20μg/ml変性切断サケ精子DNAを含む溶
液中、42℃で一夜インキュベーションし、ついでハイブリダイゼーション支持
体を0.1xSSC(約65℃)で洗浄することが挙げられる。ハイブリダイゼ
ーションおよび洗浄条件は公知であり、Sambrookら、MOLECULAR CLONING:A LAB
ORATORY MANUAL,Second Edition,Cold Spring Harbor, N.Y.(1989)、特
に、第11章に例示されている。本発明により提供されるポリヌクレオチド配列
に関して溶液ハイブリダイゼーションを用いてもよい。
【0034】 本発明は、配列番号1に示したポリヌクレオチド配列の完全遺伝子を含む適当
なライブラリーを、厳密なハイブリダイゼーション条件下、配列番号1に示す該
ポリヌクレオチド配列の配列を有するプローブまたはそのフラグメントでスクリ
ーニングし、該ポリヌクレオチド配列を単離することにより得ることができるポ
リヌクレオチド配列を含むかまたはそれよりなるポリヌクレオチドを提供する。
そのようなポリヌクレオチドを得るのに有用なフラグメントには、例えば、本明
細書のいずれかの場所で十分に説明するプローブおよびプライマーが包含される
【0035】 本明細書において本発明のポリヌクレオチドの分析についてさらに説明するよ
うに、例えば、上記したような本発明のポリヌクレオチドを、RNA、cDNA
およびゲノムDNAに対するハイブリダイゼーションプローブとして使用し、c
lpXをコードする全長cDNAおよびゲノムクローンを単離し、clpX遺伝子
に対して高い同一性、特に高い配列類似性を有する他の遺伝子のcDNAおよび
ゲノムクローンを単離することができる。そのようなプローブは、一般に、少な
くとも15ヌクレオチド残基または塩基対を含むであろう。好ましくは、そのよ
うなプローブは少なくとも30塩基からなり、少なくとも50ヌクレオチド残基
または塩基対を有してもよい。特に好ましいプローブは、少なくとも20ヌクレ
オチド残基または塩基対を有し、30以下のヌクレオチド残基または塩基対を有
する。 clpX遺伝子のコード領域は、表1(配列番号1)のDNA配列を使用して
スクリーニングしてオリゴヌクレオチド・プローブを合成することにより単離で
きる。ついで、本発明の遺伝子の配列と相補性の配列を有する標識したオリゴヌ
クレオチドを用いてcDNA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラリーをス
クリーニングし、ライブラリーのどのメンバーがプローブとハイブリダイゼーシ
ョンするか決定する。
【0036】 全長のDNAを得るための、あるいは短いDNAを伸長させるための利用可能
で当業者によく知られたいくつかの方法があり、例えば、cDNA末端の迅速増
幅(RACE)(例えば、Frohmanら、PNAS USA 85、8998−9002(1
988)を参照のこと)に基づく方法がある。MarathonTM法(Clontech Labora
tories Inc.)に例示される当該方法の最近の変法は、例えば、より長いcDN
Aの検索を有意に簡単にしている。MarathonTM法において、cDNAは選択組織
から抽出されたmRNAから調製され、各末端に「アダプター」配列が連結され
る。次いで、遺伝子特異的かつアダプター特異的オリゴヌクレオチドプライマー
を用いて核酸増幅(PCR)を行ってDNAの「失われた」5’末端を増幅する
。次いで、「ネステッド」プライマー、すなわち、増幅生成物の範囲ににアニー
ルするように設計されたプライマー(典型的には、アダプター配列中のさらなる
3’にアニールするアダプター特異的プライマーならびに選択遺伝子配列中のさ
らなる5’にアニールする遺伝子特異的プライマー)を用いてPCR反応を繰り
返す。次いで、この反応の生成物をDNA配列決定により分析し、次いで、存在
しているDNAに生成物を直接結合して完全配列を得ること、あるいは5’プラ
イマーの設計に関する新たな配列の情報を用いて別個の全長PCRを行うことに
より、全長のDNAを構築する。
【0037】 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、本明細書においてポリヌク
レオチド分析に関してさらに説明するように、例えば、疾患、特にヒトの疾患に
対する治療および診断の発見のための研究試薬および研究材料として用いること
ができる。 表1(配列番号1または2)の配列に由来するオリゴヌクレオチドである本発
明のポリヌクレオチドは、本明細書に記載の方法に使用できるが、好ましくはP
CRに使用し、本明細書で同定したポリヌクレオチドが全体として、または部分
的に感染組織において細菌中で転写されるか否か測定する。そのような配列はま
た、病原体が達した感染の段階およびタイプの診断においても有用性がある。 また、本発明は、成熟蛋白に、さらなるアミノまたはカルボキシ末端アミノ酸
が加わるか、成熟ポリペプチドの内部にアミノ酸が加わった(例えば、成熟形態
が一つ以上のポリペプチド鎖を有する場合)ポリペプチドをコードするポリヌク
レオチドを提供する。このような配列は、とりわけ、前駆体から成熟形態への蛋
白のプロセッシングにおいて役割を果たし、蛋白を運び、蛋白の半減期を長くし
たり、短くしたり、あるいは分析または生産のための蛋白の取り扱いを容易にす
ることができる。インビボで一般的なように、該付加アミノ酸は細胞酵素により
成熟蛋白からプロセッシングにより除かれる。
【0038】 本発明の各ポリヌクレオチドおよび全ポリヌクレオチドについて、それに相捕
的なポリヌクレオチドが提供される。これらの相捕的ポリヌクレオチドが、相捕
的である各ポリヌクレオチドに対して十分に相捕的であることが好ましい。 一またはそれ以上のプロ配列に融合したポリペプチドの成熟形態を有する前駆
体蛋白は該ポリペプチドの不活性形でもよい。プロ配列がそのような不活性前駆
体から除かれると、一般に活性化される。プロ配列のいくらかまたは全体を、活
性化の前に除去できる。一般に、そのような前駆体はプロ蛋白と称される。 認識されているように、読み枠でコードされる全ポリペプチドが活性に必要で
ないことも多い。従って、N−末端およびC−末端欠失実験を行って、活性に必
要な一次構造の境界の地図を作成することが分子生物学的に慣用的となる。これ
らの実験はエキソヌクレアーゼ消化または都合のよい制限部位を利用してコード
化核酸配列を切断する。例えば、プロメガ(Promega、Madison、WI)は、欠失産
物の分析を容易にするように設計されているExonuclease IIIを用いるErase-a-b
aseTM系を販売している(www.Promega.comで利用できるプロトコル)。その消化
された末端は、読み枠を保存するのに必要な程度にまで(例えば、合成リンカー
にライゲーションすることで)修復することができる。このように、配列番号1
の核酸は、活性、例えば、酵素活性、結合活性または抗体誘発活性を提供するの
に十分な配列番号2の隣接するフラグメントを提供することが容易である。この
ような配列番号2のフラグメントをコードする核酸配列および本明細書に記載の
その変種は、それでコードされるポリペプチドと同様に本発明の範囲内にある。
【0039】 要するに、本発明のポリヌクレオチドは成熟蛋白、リーダー配列の加わった成
熟蛋白(プレ蛋白とも称される)、プレ蛋白のリーダー配列ではない1またはそ
れ以上のプロ配列を有する成熟蛋白の前駆体、またはリーダー配列と、一般に、
ポリペプチドの活性な成熟形態を生成するプロセッシング工程の間に除去される
1またはそれ以上のプロ配列を有するプロ蛋白の前駆体であるプレプロ蛋白をコ
ードする。
【0040】 ベクター、宿主細胞、発現系 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、本発明のベクター
で遺伝子操作される宿主細胞および組換え技術による本発明のポリペプチドの製
造に関する。さらに無細胞翻訳系を用い、本発明のDNA構築物由来のRNAを
使用してかかる蛋白を製造することができる。 本発明の組み換えポリペプチドを、発現系を含む遺伝子操作された宿主細胞か
ら、当業者によく知られた方法により製造してもよい。したがって、さらなる態
様において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含む発現系、かかる発現系
で遺伝子操作された宿主細胞、ならびに組み換え法による本発明のポリペプチド
の製造に関する。
【0041】 組換え体産生のために、宿主細胞を遺伝子操作し、発現系もしくはそれらの一
部、または本発明のポリヌクレオチドを取り込むことができる。ポリヌクレオチ
ドの宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−
デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベクション、マイクロインジ
ェクション、陽イオン脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション
、トランスダクション、スクレープ・ローディング、弾道導入および感染のよう
な、Davisら、BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY(1986)およびSambroo
kら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,2nd Ed. Cold Spring Harbor
Laboratory Press,Cold Spring Harbor, N.Y.(1989)のごとき複数の標準
的研究室マニュアルに記載されている方法によって行うことができる。
【0042】 適当な宿主の代表例は、レンサ球菌(streptococcus)、ブドウ球菌(staphyl
ococcus)、腸球菌(enterococcus)、大腸菌(E.coli)、ストレプトマイセス
(streptomyces)、シアノバクテリア(cyanpobacteria)、枯草菌(Bacillus s
ubtilis)およびストレプトコッカス・ニュモニエ(Streptococcus pneumoniae
)のごとき細菌細胞;酵母、クルベロミセス(Kluveromyces)、サッカロミセス
(Saccharomyces)の細胞のごとき真菌細胞、担子菌、カンジダ・アルビカンス
(Candida albicans)およびアスペルギルス(Aspergillus);ドロソフィラ(D
rosophila)S2およびスポドプテラ(Spodoptera)Sf9細胞のごとき昆虫細胞;CH
O、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、293、CV-1およびボーウェス(Bowes)メラノー
マ細胞のごとき動物細胞;および裸子植物または被子植物のごとき植物細胞を包
含する。
【0043】 本発明のポリペプチドを製造するために非常に多様な発現系を使用することが
できる。かかるベクターは、とりわけ、染色体、エピソームおよびウイルス由来
のベクター、例えば、細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由来、トランス
ポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入エレメント由来、酵母染色体エレメント
由来、バキュロウイルス、SV40のごときパポバウイルス、ワクシニアウイル
ス、アデノウイルス、ニワトリポックスウイルス、偽狂犬病ウイルス、ピコルナ
ウイルスおよびレトロウイルスのようなウイルス由来のベクター、およびコスミ
ドおよびファージミドなどのプラスミドおよびバクテリオファージの遺伝因子由
来のベクターのごとき、それらの組み合わせに由来するベクターを包含する。発
現系構築物は、発現を制御ならびに引き起こす調節領域を有していてもよい。一
般に、宿主においてポリヌクレオチドを維持、増幅または発現し、および/また
はポリペプチドを発現するのに適した系またはベクターを、この点にて発現に使
用してもよい。適当なDNA配列を、例えば、Sambrookら、MOLECULAR CLONING
,A LABORATORY MANUAL(前掲)に示されている技術のごとき、種々のよく知ら
れた慣用的技術のいずれかによって、発現系に挿入してもよい。
【0044】 真核細胞の組み換え発現系において、翻訳された蛋白を小胞体内腔、周辺腔ま
たは細胞外環境に分泌するために、適当な分泌シグナルを発現されるポリペプチ
ドに挿入してもよい。これらのシグナルは、ポリペプチドに固有のものであって
もよく、または異種のシグナルであってもよい。 本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈澱、酸抽出、
アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグ
ラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフ
ィーを包含する、よく知られた方法によって組換え細胞培養物から回収および精
製できる。最も好ましくは、高品質液体クロマトグラフィーが精製に使用される
。ポリペプチドが単離および/または精製の間に変性する場合、蛋白を再生する
ための周知方法を用いて、再び活性な立体配座とすることができる。
【0045】 診断、予後、セロタイピングおよび変異アッセイ また本発明は、診断試薬として使用するための本発明のclpXポリヌクレオ
チドおよびポリペプチドの使用にも関する。真核生物、とりわけ哺乳動物、特に
ヒトにおけるclpXポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの検出は、
疾患の診断、疾病の段階の決定、または薬剤に対する感染生物の応答に関する診
断方法を提供するであろう。clpX遺伝子または蛋白を含む生物に感染、また
は感染の可能性がある真核生物、とりわけ哺乳動物、特にヒトを、種々のよく知
られた方法ならびに本明細書記載の方法により核酸レベルまたはアミノ酸レベル
で検出できる。
【0046】 予後、診断または他の分析に供するポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、
感染していると思われる個体および/または感染した個体の身体材料から得られ
る。これらの源由来のポリヌクレオチド、特にDNAまたはRNAを検出に直接
用いてもよく、あるいは分析に付す前にPCRもしくはその他の増幅法を用いる
ことにより酵素的に増幅できる。RNA(詳細にはmRNA)、cDNAおよび
ゲノムDNAも同じようして使用できる。増幅を用いると、個体に存在する感染
または定住生物の種および株を、該生物の選択されたポリヌクレオチドの遺伝子
型の分析により特徴付けることができる。関連する生物、好ましくは同じ属の異
なる種または同じ種の異なる系統より選択された対照配列の遺伝子型と比較した
増幅生成物の大きさの変化により、欠失および挿入を検出できる。点突然変異は
、増幅DNAを標識したclpXポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせる
ことにより同定できる。完全にまたは有意に対合した配列は、DNAまたはRN
Aについての、各々、DNaseまたはRNase消化により、または融解温度または
再生速度の差により、不完全にまたはより有意に誤対合した二重らせんと区別で
きる。ポリヌクレオチド配列の差はまた、対照配列と比較した場合の、ゲル中の
ポリヌクレオチドフラグメントの電気泳動の移動度の変化により、または直接的
なDNAの配列決定により検出できる。これは変性剤と共にまたは無しで行うこ
とができる。ポリヌクレオチドの差異はまた、直接的DNAまあたはRNA配列
決定により検出することもできる。例えば、Myersら、Science,230:124
2(1985)を参照のこと。特異的な位置での配列の変化はまた、ヌクレアー
ゼ保護アッセイ、例えば、RNase、V1およびS1保護または化学的切断法に
よっても明らかにすることができる。例えば、Cottonら、Proc.Natl.Acad.Sci.,
USA,85:4397−4401(1985)を参照のこと。
【0047】 もう1つの具体例において、clpXヌクレオチド配列またはそのフラグメン
トを含むオリゴヌクレオチドプローブの一群を構築して、例えば遺伝学的変異、
セロタイプ、分類学的分類または同定のための効果的なスクリーニングを行うこ
とができる。アレイ法は周知であり、適応範囲が広く、遺伝子発現、遺伝学的連
関、および遺伝学的変化を包含する分子遺伝学における種々の問題を解決するた
めに用いられる(例えば、Cheeら、Science 274:610(1996)を参照
のこと)。
【0048】 よって、もう1つの態様において、本発明は、 (a)本発明のポリヌクレオチド、好ましくは配列番号1のヌクレオチド配列、
またはそのフラグメント;(b)(a)のヌクレオチド配列に対して相捕的なヌ
クレオチド配列;(c)本発明のポリペプチド、好ましくは配列番号2のポリペ
プチド、またはそのフラグメント;あるいは(d)本発明のポリペプチドに対す
る抗体、好ましくは配列番号2のポリペプチドに対する抗体を含む診断キットに
関する。かかるキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)が重要な
成分を含んでいてもよいことが理解されよう。かかるキットは、とりわけ疾病ま
たは疾病に対する感受性についての診断において有用である。
【0049】 また本発明は、診断試薬としての本発明のポリヌクレオチドの使用にも関する
。疾病または発病に関連した本発明のポリヌクレオチド、好ましくは配列番号1
のポリヌクレオチドの変異形態の検出は、ポリヌクレオチドの発現低下、発現過
剰または発現の変化により生じる疾病の診断、疾病経過の予後、疾病段階の決定
、または疾病に対する感受性の決定に加えて用いる診断用道具、またはかかる診
断等の決定のための道具を提供するであろう。かかるポリヌクレオチドにおける
変異を有する生物、特に感染生物を、本明細書記載のいずれかの場所で説明する
ような種々の方法によりポリヌクレオチドレベルで検出してもよい。
【0050】 第1の表現型を有する生物と、異なる第2の表現型を有する生物との間のポリ
ヌクレオチドおよび/またはポリペプチド配列の相違を調べることもできる。第
1の表現型を有する生物のいくつかまたは全部に変異が観察されるが、第2の表
現型を有する生物には変異が観察されない場合、変異は第1の表現型の発生原因
である可能性がある。 本発明のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチド中に変異または多型性
(対立遺伝子変異)を担持する生物由来の細胞を、例えばセロタイピングを可能
にするような種々の技術によりポリヌクレオチドまたはポリペプチドレベルで検
出できる。例えば、RT−PCRを用いてRNAにおける変異を検出することが
できる。RT−PCRを自動検出系、例えばGeneScan等と組み合わせて用いる
のが特に好ましい。RNA、cDNAまたはゲノムDNAもまた同じ目的でPC
Rに用いることができる。一例として、clpXポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチドに相補的なPCRプライマーを用いて変異を同定および分析するこ
とができる。さらに本発明は、5’および/または3’末端から1、2、3また
は4個のヌクレオチドが除去されたプライマーを提供する。特に、これらのプラ
イマーを、個体由来の試料、例えば身体材料から単離されたclpXDNAおよ
び/またはRNAの増幅に用いることができる。プライマーを用いて感染個体か
ら単離されたポリヌクレオチドを増幅して、そのポリヌクレオチドをポリヌクレ
オチド配列研究のための種々の方法に供してもよい。このようにして、ポリヌク
レオチド配列中の変異を検出し、変異を用いて感染または感染段階もしくは経路
を診断および/または予後を行い、あるいは感染物のセロタイプおよび/または
分類を行ってもよい。
【0051】 本発明はさらに、疾患、好ましくは細菌感染、さらに好ましくはストレプトコ
ッカス・ニュモニエによる感染の診断方法であって、表1[配列番号1]の配列
を有するポリヌクレオチドの発現レベルの上昇を、個体由来のサンプル、例えば
、肉体物質から決定することを特徴とする方法を提供する。clpXポリヌクレ
オチドの発現の増加または低下は、ポリヌクレオチドの定量法として当該分野で
周知の方法である任意の方法、例えば増幅、PCR、RT−PCR、RNase保
護、ノーザンブロッティング、スペクトロメトリーおよびその他のハイブリダイ
ゼーション法を用いて測定できる。
【0052】 加えて、正常対照組織サンプルと比較してclpXポリペプチドの過剰発現を
検出するための本発明による診断アッセイを用いて、例えば感染の存在を検出す
ることができる。宿主由来のサンプル中のclpXポリペプチドのレベルを決定
するために用いることができるアッセイ技法は、当業者に周知である。このよう
なアッセイ法は、ラジオイムノアッセイ、競合的結合アッセイ、ウェスタンブロ
ット分析、抗体サンドイッチアッセイ、抗体検出およびELISAアッセイを包
含する。
【0053】 アンタゴニストおよびアゴニスト−アッセイおよび分子 さらに、本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドを用いて、例えば、細
胞、無細胞調製物、化学的ライブラリー、および天然産物の混合物中の、小分子
基質とリガンドとの結合を評価することもできる。これらの基質およびリガンド
は天然の基質およびリガンドでよく、または構造上もしくは機能上の模倣物でも
よい。例えば、Coliganら、Current Protocols in Immunology 1(2):第5
章(1991)を参照のこと。
【0054】 本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは多くの生物学的機能に関与し
ており、該機能には多くの疾病状態、詳細には上記疾病が包含される。それゆえ
、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの機能を作動(例えば、刺激)または拮
抗(例えば、阻害)する化合物を同定するためのスクリーニング法を工夫するこ
とが望ましい。したがって、さらなる態様において、本発明は、本発明のポリペ
プチドまたはポリヌクレオチドならびに関連ポリペプチドおよびポリヌクレオチ
ドの機能を作動または拮抗する化合物を同定するためのスクリーニング方法を提
供する。一般的には、アゴニストまたはアンタゴニスト(例えば、阻害剤)を上
記疾病の治療および予防のために用いてもよい。種々の源、例えば、細胞、無細
胞調製物、化学ライブラリーおよび天然産物の混合物から化合物を同定できる。
そのようにして同定されたかかるアゴニストおよびアンタゴニストは、天然また
は修飾基質、リガンド、受容体、酵素等であってもよく、場合によってはclp
Xポリペプチドおよびポリヌクレオチド、あるいはそれらの構造上または機能上
の模倣物であってもよい(Coliganら、Current Protocols in Immunology 1(
2):第5章(1991)を参照のこと)。
【0055】 スクリーニング法は、単に候補化合物のポリペプチドまたはポリヌクレオチド
への、あるいはポリペプチドまたはポリヌクレオチドを有する細胞もしくは膜へ
の、あるいはポリペプチド含む融合蛋白への結合を、直接的または間接的に候補
化合物に結合した標識により測定するものであってもよい。別法として、スクリ
ーニング法は標識競争物質との競争を用いるものであってもよい。さらに、これ
らのスクリーニング法は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含む細胞に適
した検出系を用いて、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの活性化または阻害
により生じるシグナルを候補化合物が発生させるかどうかを試験するものであっ
てもよい。一般的には、既知アゴニスト存在下で活性化の阻害剤をアッセイし、
次いで、候補化合物存在下でのアゴニストによる活性化の効果を観察する。構成
的に活性のあるポリペプチドおよび/または構成的に発現されるポリペプチドお
よびポリヌクレオチドを、アゴニストまたはアンタゴニストの不在の下でアゴニ
ストを逆転させる物質を探すスクリーニング法に用いてもよく、それは候補化合
物がポリペプチドまたはポリヌクレオチドの活性化を阻害するかどうかを試験す
ることによる。さらに、スクリーニング法は、単に、候補化合物を本発明のポリ
ペプチドまたはポリヌクレオチドを含有する溶液と混合して混合物を作成し、混
合物中のclpXポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド活性を測定し、
次いで、混合物中のclpXポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド活性
を標準に対して比較することを特徴とする。Fc部分および上記clpXポリペ
プチドから作成されるような融合蛋白を用いて高処理量アッセイを行って本発明
のポリペプチドのアンタゴニストならびに系統分類的および/または機能的に関
連したポリペプチドを同定することもできる(D.Bennettら、J. Mol. Recogniti
on, 8:52−58(1995);およびK.Johansonら、J. Biol. Chem. 27
0(16):9459−9471(1995)を参照のこと)。
【0056】 本発明のポリペプチドと結合および/または相互作用するポリヌクレオチド、
ポリペプチドおよび抗体を用いて、細胞中のmRNAおよび/またはポリペプチ
ドの精製に対する添加化合物の影響を検出するためのスクリーニング方法を組み
立ててもよい。例えば、ELISAアッセイを構築して、モノクローナルおよび
ポリクローナル抗体を用いてポリペプチドの分泌または細胞結合レベルを、当該
分野において標準的な方法により測定してもよい。これにより、適当に操作され
た細胞または組織からのポリペプチドの生成を阻害または促進しうる作用剤(そ
れぞれ、アンタゴニストまたはアゴニストという)を見いだすことができる。
【0057】 本発明はまた、clpXポリペプチドまたはポリヌクレオチドの作用、特に静
菌および/または殺菌性である化合物の作用を亢進(アゴニスト)または遮断(
アンタゴニスト)する化合物を同定するための化合物のスクリーニング方法を提
供する。スクリーニング方法にはハイスループット技術が包含される。例えば、
アゴニストまたはアンタゴニストをスクリーニングするために、clpXポリペ
プチドおよびかかるポリペプチドの標識基質またはリガンドを含む合成反応混合
物、膜、細胞エンベロープもしくは細胞壁のごとき細胞コンパートメント、また
はそれらのいずれかの調製物を、clpXアゴニストまたはアンタゴニストであ
るかもしれない候補分子の存在下または不在下でインキュベートする。候補分子
がclpXポリペプチドに作動または拮抗する能力は、標識リガンドの結合の低
下またはかかる基質からの生成物の生成低下に反映される。結合しても影響を及
ぼさない分子、すなわちclpXポリペプチドの効果を誘起しない分子は、ほと
んどの場合、良好なアンタゴニストであろう。よく結合し、基質からの生成物の
生成速度を高め、シグナルトランスダクションを増大させ、あるいは化学チャン
ネル活性を増大させる分子はアゴニストである。基質からの生成物の生成速度、
シグナルトランスダクション、あるいは化学チャンネル活性のレベルの検出はリ
ポーターシステムを用いることにより強調できる。この点に関して有用なリポー
ターシステムは、生成物に転換される比色標識基質、clpXポリヌクレオチド
またはポリペプチド活性の変化に応答するリポーター遺伝子、および当該分野で
公知の結合アッセイを包含するが、これらに限定するものではない。
【0058】 本発明のポリペプチドを用いて膜結合または可溶性受容体を同定してもよく、
かかるポリペプチドは当該分野において標準的な受容体結合法により同定される
。これらの方法は、リガンド結合およびクロスリンキングアッセイを包含するが
、これらに限らない。これらの方法において、ポリペプチドを放射性標識(例え
125I)、化学修飾(例えばビオチン化)または検出および精製に適したペプ
チド配列に融合され、推定上の受容体(例えば細胞、細胞膜、細胞上清、組織抽
出物、身体材料)の源とともにインキュベーションする。他の方法は表面プラス
モン共鳴および分光学的法法を包含する。これらのスクリーニング方法を用いて
、ポリペプチドのその受容体への結合と競争するポリペプチドのアゴニストおよ
びアンタゴニストを同定してもよい。かかるアッセイを行うための標準的方法は
当該分野においてよく知られている。
【0059】 蛍光タグを付した分子に関する蛍光分極値は回転相関時間(rotational corre
lation time)または回転速度(tumbling rate)に依存する。別のclpXポリ
ペプチドもしくは他のポリペプチドと結合したclpXポリペプチドのごとき蛋
白複合体であって蛍光標識分子を含むように標識されているものは、蛍光標識さ
れたモノマー蛋白よりも高い分極値を有するであろう。この方法を用いて、ポリ
ペプチド複合体を分裂させる小型分子を特徴づけるのが好ましい。 蛍光エネルギー転移を用いて、clpXポリペプチドダイマー、トリマー、テ
トラマー、または高次構造、あるいは別のポリペプチドに結合したclpXポリ
ペプチドにより形成される構造の形成を妨害する小型分子を特徴づけてもよい。
clpXポリペプチドをドナーおよびアクセプター両方の蛍光発色団で標識する
ことができる。2種の標識種を混合し、ドナー蛍光発色団を励起したならば、ア
クセプターの蛍光を観察することにより蛍光エネルギー転移を検出することがで
きる。ダイマー化をブロックする化合物は蛍光エネルギー転移を阻害するであろ
う。
【0060】 表面プラスモン共鳴を用いて、clpXポリペプチドの自己結合ならびにcl
pXポリペプチドと別のポリペプチドもしくは小型分子との結合に対する小型分
子の影響をモニターすることができる。低いサイト密度(site density)におい
てclpXポリペプチドをセンサーチップにカップリングさせて、共有結合分子
がモノマー性となるようにすることができる。次いで、溶液蛋白をclpXポリ
ペプチド被覆表面上に通し、局所屈折率の変化により生じる共鳴角の変化をモニ
ターすることにより特異的結合をリアルタイムで検出することができる。この方
法を用いて、clpXポリペプチドの自己結合ならびにclpXポリペプチドと別
のポリペプチドもしくは小型分子との結合に関する反応速度および平衡結合定数
に対する小型分子の影響を特徴づけることができる。
【0061】 シンチレーション近接アッセイを用いて、clpXポリペプチドと別のclpX
ポリペプチドもしくは別の分子との結合の間の相互作用を特徴づけることができ
る。clpXポリペプチドをシンチレーション充填ビーズにカップリングさせる
ことができる。放射性標識clpXポリペプチドの添加は結合を生じ、放射性源
分子はシンチレーション液に極めて近接した状態となる。よって、clpXポリ
ペプチドの結合によりシグナルが放出され、clpXポリペプチドの自己結合ま
たはclpXポリペプチドと別のポリペプチドもしくは小型分子との結合を妨害
する化合物はシグナルを減少させるであろう。
【0062】 本発明の他の具体例において、本発明のポリペプチドおよびまたはポリヌクレ
オチドと結合あるいは相互作用して、その活性または発現を阻害または活性化す
る化合物を同定する方法であって、ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチ
ドへの結合、あるいはポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドと化合物と
の他の相互作用を可能にする条件下で本発明のポリペプチドおよび/またはポリ
ヌクレオチドをスクリーニングすべき化合物と接触させて、化合物との結合ある
いは他の相互作用を評価し(該方法において、好ましくは、かかる結合または相
互作用はポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドと化合物との結合あるい
は相互作用に応答した検出可能シグナルを提供しうる第2の化合物に関連したも
のである)、次いで、ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドと化合物と
の結合あるいは相互作用から生じるシグナルの存在または不存在を検出すること
により、化合物がポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドと結合あるいは
相互作用し、その活性または発現を活性化または阻害するかどうかを決定する方
法が提供される。
【0063】 clpXアンタゴニストのアッセイのもう1つの例は、競争阻害アッセイに適
した条件下で、clpXおよび潜在的なアンタゴニストを、clpX結合分子、組
換えclpX結合分子、天然基質もしくはリガンド、または基質もしくはリガン
ド模倣物と混合する、競合アッセイである。clpX分子を例えば放射活性また
は比色化合物により標識し、結合分子に結合した、あるいは生成物に変換したc
lpX分子の数を正確に決定して、潜在的なアンタゴニストの効果を評価できる
【0064】 本発明のポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを、ポリペプチドおよ
び/またはポリヌクレオチドのアゴニストまたはアンタゴニストの構造に基づく
設計方法に用いてもよいことが、当業者に容易に理解されよう。該方法は:(a
)最初にポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド、またはそれらの複合体
の3次元構造を決定し、(b)アゴニストまたはアンタゴニストの反応部位、結
合部位またはモチーフである可能性のある部位の3次元構造を推定し、(c)推
定された反応部位、結合部位および/またはモチーフと結合または反応すると予
想される候補化合物を合成し、次いで(d)候補化合物が実際にアゴニストまた
はアンタゴニストであるかどうかを試験することを含む。 これが繰り返しプロセスであり、自動およびコンピューター制御工程を用いて
この繰り返しプロセスを行ってもよいことが、さらに理解されよう。
【0065】 さらなる態様において、本発明は、例えばclpXポリペプチドおよび/また
はポリヌクレオチドの過剰発現、発現不足、上昇した活性、または低下した活性
に関連した疾病のごとき異常な状態の治療方法を提供する。 ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドの発現および/または活性が過
剰な場合、いくつかの方法を用いることができる。1の方法は、ポリペプチドお
よび/またはポリヌクレオチドの機能および/または発現を阻害(例えば、リガ
ンド、基質、受容体、酵素等の結合をブロックすることにより、あるいは2次的
シグナルを阻害することにより)するに有効な量の上記阻害化合物(アンタゴニ
スト)を医薬上許容される担体とともに対象に投与し、そのことにより異常なな
症状を改善することを含む。もう1つの方法において、やはり内在性ポリペプチ
ドおよび/またはポリヌクレオチドと競争してリガンド、基質、受容体、酵素等
に結合することができる可溶性形態のポリペプチドを投与してもよい。かかる競
争物質の典型例はclpXポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドのフラ
グメントを包含する。
【0066】 さらにもう1つのアプローチにおいて、発現ブロッキング法を用いて内在性c
lpXポリペプチドをコードしている遺伝子の発現を阻害することができる。こ
のブロッキングは遺伝子発現のいずれの工程を標的としてもよいが、好ましくは
、転写および/または翻訳を標的とする。この種の既知方法の例は、体内で生じ
るかまたは別個に投与されるアンチセンス配列の使用を包含する(例えば、Olig
odeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression, CRC Press,
Bocca Raton, FL(1988)中O'Connor、J. Neurochem(1991)56:5
60を参照のこと)。別法として、遺伝子とともに三重らせんを形成するオリゴ
ヌクレオチドを提供してもよい。例えば、Leeら、Nucleic Acids Res(1979
)6:3073;Cooneyら、Science(1988)241:45;Dervanら、Sci
ence(1991)251:1360を参照のこと。これらのオリゴヌクレオチド
はそれ自体投与することができ、あるいは重要部分のオリゴマーをインビボで発
現させることもできる。
【0067】 本明細書で得られるポリヌクレオチド配列は、各々、抗菌化合物の発見および
開発に用いることができる。発現でコードされた蛋白は、抗菌薬物をスクリーニ
ングするための標的として用いることができる。加えて、コードされた蛋白のア
ミノ末端領域をコードするポリヌクレオチド配列あるいはシャイン・ダルガノま
たは他の個々のmRNAの翻訳容易化配列を用いて、目的とするコーディング配
列の発現を調節するアンチセンス配列を構築することができる。
【0068】 本発明はまた、感染の続発症に関与する、病原体および哺乳動物宿主間の最初
の物理的相互作用を妨害するための、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド
、アゴニストまたはアンタゴニストの使用を提供する。特に本発明の分子は、細
菌、特にグラム陽性菌および/またはグラム陰性菌が内在装置上の哺乳動物細胞
外マトリックス蛋白、または創傷部の細胞外マトリックス蛋白に付着することを
防御するために;真核生物、好ましくは哺乳動物細胞外マトリックス蛋白と組織
損傷を媒介する細菌性clpX蛋白との間の細菌付着を遮断するために;および
/または内在装置の埋め込みまたは他の外科的手技以外により開始した感染にお
ける病因の通常の進行を遮断するために使用することができる。
【0069】 本発明のさらに別の態様によれば、clpXのアゴニストおよびアンタゴニス
ト、好ましくは静菌性または殺菌性アゴニストおよびアンタゴニストが提供され
る。 本発明のアンタゴニストおよびアゴニストを用いて、例えば、疾患を阻害し、
治療することができる。 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)(本明細書中、エッチ・ピ
ロリともいう)菌は、胃癌、潰瘍、胃炎を発病している世界中の人々の3分の1
以上の胃に感染している(国際癌研究機関(International Agency for Researc
h on Cancer)(1994)Schistomoses,Liver Flukes and Helicobacter Pyl
ori(International Agency for Research on Cancer,Lyon,France;http:/
/www.uicc.ch/ecp/ecp2904.htm))。さらに、この国際癌研究機関は
、最近になって、ヘリコバクター・ピロリと胃腺癌の間の因果関係を認識し、そ
の細菌をグループI(限定的)発癌物質と分類した。本発明により提供されるま
たは当該分野にて知られているスクリーニング法を用いて見出される本発明の好
ましい抗菌化合物(clpXポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドのア
ゴニストおよびアンタゴニスト)、特に狭スペクトルの抗生物質は、ヘリコバク
ター・ピロリ感染の治療に有用である。このような治療はヘリコバクター・ピロ
リ誘発性癌、例えば胃腸癌の出現を減少させる。かかる治療はまた胃潰瘍および
胃炎も予防、阻害および/または治癒する。
【0070】 本明細書において引用したすべての刊行物および引用文献(特許および特許出
願に限らない)は、たとえ、個々の刊行物または引用文献が具体的および個別的
に完全に記載されている場合に出典明示により本明細書の一部とするとされてい
ても、出典明示によりその内容を本明細書の一部とする。本願が優先権を主張す
るいずれの特許出願もまた出典明示により本明細書の一部とする。
【0071】 用語 本明細書中で頻繁に使用される特定の用語を、その理解を容易にするために以
下に定義する。 「肉体材料(複数でも可)」とは、個体または生物由来の材料を意味し、骨、
血液、血清、脳脊髄液、精液、唾液、筋肉、軟骨、器官組織、皮膚、尿、糞便ま
たは生検材料のごとき細胞、組織および排泄物等を包含するが、これらに限定さ
れるものではない。 「疾病(複数でも可)」は、例えば、中耳炎、結膜炎、肺炎、菌血症、髄膜炎
、静脈洞炎、胸腔蓄膿および心内膜炎、特に髄膜炎、例えば、髄液の感染による
ような細菌による感染により引き起こされる疾病、またはかかる細菌による感染
に関連した疾病を意味する。
【0072】 「宿主細胞(複数でも可)」は外来性ポリヌクレオチド配列によって導入(例
えば、形質転換またはトランスフェクション)された、あるいは導入(例えば、
形質転換またはトランスフェクション)されうる細胞である。
【0073】 「同一性」は、当該分野で公知であり、配列の比較で決定されるような、2ま
たはそれ以上のポリペプチド配列あるいは2またはそれ以上のポリヌクレオチド
配列の間の関係である。また、当該分野では、「同一性」は、場合によっては、
配列の鎖間の対合によって決定されるような、ポリペプチドまたはポリヌクレオ
チド配列間の配列の関連性の度合を意味する。「同一性」は、Computational Mo
lecular Biology,Lesk,A.M.編,Oxford University Press,New York,198
8;Biocomputing:Informatics and Genome Projects, Smith, D.W.編,Academ
ic Press,New York,1993;Computer Analysis of Sequence Data,Part I
,Griffin, A.M.およびGriffin, H.G.編,Humana Press,New Jersey,1994
;Sequence Analysis in Molecular Biology,Von Heinje,G.Academic Press,
1987;およびSequence Analysis Primer,Gribskov,M.およびDevereux, J.
編,M Stockton Press,New York,1991;およびCarllio,HおよびLipman,D.
,SIAM J.Applied Math., 48:1073(1988)に記載されている方法(
これらに限らない)を含め、公知方法により容易に決定することができる。同一
性を決定する好ましい方法は、テストする配列間に最大の対合を与えるように設
計されている。そのうえ、同一性を測定する方法は公に入手できるコンピュータ
・プログラムに集成されている。2つの配列の間の同一性を測定する好ましいコ
ンピュータ・プログラム方法は、例えば、GCGプログラムパッケージ(Devere
ux,J.ら,Nucleic Acids Research(1984)12(1):387)、BLASTP
、BLASTNおよびFASTA(Atschul,S. F.ら, J.Molec.Biol.(1990)215:
403−410)を包含するが、これに限らない。BLAST XプログラムはNCBIお
よび他の源(BLAST Manual,Altshul, S.ら,NCBI NLM NIH Bethesda,MD20
894;Altschul,S.ら,J.Mol.Biol.,215:403−410(1990
))から公に入手できる。また、周知のスミス・ウォーターマン(Smith Waterm
an)アルゴリズムを用いて同一性を決定することもできる。
【0074】 ポリペプチド配列の比較のためのパラメーターは以下のものを包含する:アル
ゴリズム:NeedlemanおよびWunsch、J.Mol.Biol. 48:443−453(19
70) 比較マトリックス:HentikoffおよびHentikoff、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.89
:10915−10919(1992)からのBLOSSUM62 ギャップペナルティー:12 ギャップ長ペナルティー:4 これらのパラメーターに関して有用なプログラムは、Genetics Computer Grou
p, Madison WI.から「ギャップ」プログラムとして公に利用できる。上記パラメ
ーターはペプチド比較のための省略時パラメーターである(エンドギャップにつ
いてペナルティーを伴わない)。 ポリヌクレオチド比較のためのパラメーターは下記のものを包含する:アルゴ
リズム:NeedlemanおよびWunsch, J.Mol.Biol. 48:443−453(197
0) 比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0 ギャップペナルティー:50 ギャップ長ペナルティー:3 これらのパラメーターに関して有用なプログラムは、Genetics Computer Grou
p, Madison WI.から「ギャップ」プログラムとして公に利用できる。上記パラメ
ーターは核酸比較のための省略時パラメーターである。
【0075】 ポリヌクレオチドおよびポリペプチドについての「同一性」に関する好ましい意
味は、下記(1)および(2)に示される。 (1)さらにポリヌクレオチドの具体例は、配列番号1の対照配列に対して少な
くとも95、97、99.5または100%の同一性を有するポリヌクレオチド
配列を含む単離ポリヌクレオチド配列を包含し、そのポリヌクレオチド配列は配
列番号1の対照配列と同一であってもよく、あるいは対照配列と比較してある程
度の数までのヌクレオチドの変化を有していてもよい。かかる変化は、少なくと
も1個のヌクレオチドの欠失、置換(トランジションおよびトランスバージョン
を包含)または挿入からなる群より選択され、該変化は対照ヌクレオチド配列の
5’または3’末端の位置あるいはそれらの末端位置の間の位置において、対照
配列中のヌクレオチドにおいて個々にまたは散在して、あるいは対照配列中の1
またはそれ以上の連続した群として生じてもよい。配列番号1中の全ヌクレオチ
ド数と個々の同一性パーセント値(100で割ったもの)とをかけて、その積を
配列番号1中の全ヌクレオチド数から差し引くことによりヌクレオチド変化の数
を決定する。これを下式により説明する: nn≦xn−(xn・y) 式中、nnはヌクレオチド変化の数であり、xnは配列番号1中の全ヌクレオチド
数であり、yは、例えば95%ならば0.95であり、97%ならば0.97であ
り、99.5%ならば0.995であり、100%ならば1.00であり、・は積
の演算子であり、xnとyとの整数でない積は切り捨てにより最も近い整数とし
た後、xnから差し引く。配列番号2のポリペプチドをコードしているポリヌク
レオチド配列の変化は、好ましくはコーディング配列中のナンセンス、ミスセン
スまたはフレームシフト変異を引き起こす可能性があり、それゆえ、かかる変化
に随伴してポリヌクレオチドによりコードされているポリペプチドが変化する。
【0076】 (2)さらにポリペプチドの具体例は、配列番号2のポリペプチド対照配列に対
して少なくとも95、97または100%の同一性を有するポリペプチドを含む
単離ポリペプチドを包含し、該ポリペプチド配列は配列番号2の対照配列と同一
であってもよく、あるいは対照配列と比較してある程度の数までのアミノ酸の変
化を有していてもよい。かかる変化は、少なくとも1個のアミノ酸の欠失、置換
(保存的および非保存的置換を包含)または挿入からなる群より選択され、該変
化は対照ポリペプチド配列のアミノまたはカルボキシ末端の位置あるいはそれら
の末端位置の間の位置において、対照配列中のアミノ酸において個々にまたは散
在して、あるいは対照配列中の1またはそれ以上の連続した群として生じてもよ
い。配列番号2中の全アミノ酸数と同一性を示す整数を100で割った値とをか
けて、その積を配列番号2中の全アミノ酸数から差し引くことによりアミノ酸変
化の数を決定する。これを下式により説明する: na≦xa−(xa・y) 式中、naはアミノ酸変化数であり、xaは配列番号2中の全アミノ酸数であり、
yは、例えば95%ならば0.95であり、97%ならば0.97であり、または
100%ならば1.00であり、・は積の演算子であり、xaとyとの整数でない
積は切り捨てにより最も近い整数とした後、xaから差し引く。
【0077】 「個体(複数でも可)」とは多細胞真核生物を意味し、後生動物類、哺乳動物
、ヤギ類、ウシ類、類人猿、霊長類およびヒトを包含するが、これらに限らない
【0078】 「単離された」とは、「ヒトの手により」、その天然の状態から変えられるこ
と、すなわち、天然物の場合、その本来的な環境から変化または除去あるいは両
方されたことを意味する。例えば、生体に天然に存在するポリヌクレオチドまた
はポリペプチドは「単離された」ものではないが、その天然状態で共存する物質
から分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書で用いる
用語としての「単離された」ものである。さらには、形質転換、遺伝的操作によ
り、または他のいずれかの方法により生物に導入されているポリヌクレオチドま
たはポリペプチドは、まだ生物内にあり、その生物が生きているまたは死んでい
るとしても、「単離された」ものである。
【0079】 「生物(複数でも可)」は、(i)Streptococcus、Staphylococcus、Bordete
lla、Corynebacterium、Mycobacterium、Neisseia、Haemophilus、Actinomyces
、Streptomyces、Nocardia、Enterobacter、Yersinia、Fancisella、Pasturella
、Moraxella、Acinetobacter、Erysipelothrix、Branhamella、Actinobacillus
、Streptobacillus、Listeria、Calymmatobacterium、Brucella、Bacillus、Clo
sterdium、Treponema、Escherichia、Salmonella、Kleibsiella、Vibrio、Prote
us、Erwinia、Borrelia、Leptospira、Spirillum、Campylobacter、Shigella、L
egionella、Pseudomonas、Aeromonas、Rickettsia、Chlamydia、Borreliaおよび
Mycoplasmaである属(これらに限らない)のメンバー、ならびにグループAのSt
reptococcus、グループBのStreptococcus、グループCのStreptococcus、グル
ープDのStreptococcus、グループGのStreptococcus、Staphylococcus aureus
、Streptococcus pyrogenes、Streptococcus agalactiae、Streptococcus faeca
lis、Streptococcus faecium、Streptococcus durans、Neisseria gonorrheae、
Neisseria meningitidis、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidi
s、Corynebacterium diptheriae、Garnella vaginalis、Mycobacterium tubercu
losis、Mycobacterium bovis、Mycobacterium ulcerans、Mycobacterium leprae
、Actinomyces israelli、Listeria monocytogenes、Bordetella pretusis、Bor
detella parapretusis、Bordetella bronchiseptica、Esherichia coli、Shigel
la dysenteriae、Haemophilus influenzae、Haemophilus aegyptius、Haemophil
us parainfluenzae、Haemophilus ducreyi、Bordetella、Salmonella typhi、Ci
trobacter freundii、Proteus mirabilis、Proteus vulgaris、Yersinia pestis
、Klebsiella pneumoniae、Serratia marcessens、Serratia liquefaciens、Vib
rio cholera、Shigella dysenterii、Shigella flexneri、Pseudomonas aerugin
osa、Franscisella tularensis、Brucella abortis、Bacillus anthracis、Baci
llus cereus、Clostridium perfringens、Clostridium tetani、Clostridium bu
tulinum、Treponema pallidum、Rickettsia rickettsiiおよびChlamydia tracho
mitisである種またはグループ(これらに限らない)のメンバーを包含する原核
生物、(ii)Archaebacter(これに限らない)を包含する古細菌、および(i
ii)原生動物、真菌類、Saccharomyces、KluveromycesまたはCandida属(これ
らに限らない)のメンバー、およびSaccharomyces cerevisiae、Kluveromyces l
actisまたはCandida albicans種のメンバー(これらに限らない)を包含する単
細胞または糸状真核生物を意味する。
【0080】 「ポリヌクレオチド(複数でも可)」は、一般に、ポリリボヌクレオチドまた
はポリデオキシリボヌクレオチドのいずれをもいい、それらは非修飾RNAまた
はDNA、あるいは修飾RNAまたはDNAであってもよい。「ポリヌクレオチ
ド」は、単鎖および二本鎖DNA、単鎖および二本鎖領域または単鎖、二本鎖お
よび三本鎖領域の混合物であるDNA、単鎖および二本鎖RNA、単鎖および二
本鎖領域の混合物であるRNA、および単鎖またはより典型的には二本鎖または
三本鎖領域または一本鎖および二本鎖領域の混合物であってもよいDNAおよび
RNAを含むハイブリッド分子を包含するが、これに限定されない。さらに、本
明細書において用いる「ポリヌクレオチド」は、RNAまたはDNA、あるいは
RNAおよびDNAの両方からなる三本鎖領域をいう。これらの領域の鎖は同じ
分子からのものでも、異なる分子からのものでもよい。該領域は、これら分子の
一またはそれ以上のすべてを含んでもよいが、より典型的には、分子のいくつか
の領域のみを含む。三本螺旋領域の分子の一つは、しばしば、オリゴヌクレオチ
ドである。本明細書において用いる場合、「ポリヌクレオチド(複数でも可)」
なる用語はまた、一つまたはそれ以上の修飾された塩基を含有する上記DNAま
たはRNAを包含する。すなわち、安定性または他の理由で修飾された骨格を有
するDNAまたはRNAも、該用語が本明細書で意図するところの「ポリヌクレ
オチド(複数でも可)」である。さらに、イノシンなどの通常でない塩基、また
はトリチル化された塩基などの修飾塩基を含むDNAまたはRNA(2つの例だ
けを示す)も、その用語を本明細書で用いる場合のポリヌクレオチドである。多
種の修飾がDNAおよびRNAになされており、当業者に公知のように多くの有
用な目的に使用されていることが理解されよう。本明細書で用いる「ポリヌクレ
オチド」なる語は、ポリヌクレオチドのこのような化学的、酵素的または代謝的
に修飾された形態、ならびにウイルスおよび、例えば、単純型細胞および複雑型
細胞などの細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包含する。「ポリ
ヌクレオチド(複数でも可)」はまた、しばしばオリゴヌクレオチド(複数でも
可)と称される比較的短いポリヌクレオチドも包含する。
【0081】 「ポリペプチド(複数でも可)」は、ペプチド結合または修飾ペプチド結合で
互いに結合した2つまたはそれ以上のアミノ酸を含むいずれのペプチドまたは蛋
白をもいう。「ポリペプチド(複数でも可)」は、通常、ペプチド、オリゴペプ
チドまたはオリゴマーと称される短い鎖、および一般に蛋白と称される長い鎖の
両方をいう。ポリペプチドは、遺伝子によりコードされている20個のアミノ酸
以外のアミノ酸を含有してもよい。「ポリペプチド(複数でも可)」は、プロセ
ッシングおよび他の翻訳後の修飾のごとき自然の工程、または化学修飾技法のい
ずれかによって修飾されたものを有する。かかる修飾は、基本テキストにて、お
よびより詳細な研究論文にて、ならびに膨大な研究文献にて詳しく記載されてお
り、それらは当業者に周知である。同じ型の修飾が、所定のポリペプチド中、い
くつかの部位で、同じまたは異なる程度にて存在してもよいことは明らかであろ
う。また、所定のペプチドは多くの型の修飾を有していてもよい。修飾は、ペプ
チド骨格、アミノ酸側鎖、アミノまたはカルボキシル末端を含め、ポリペプチド
のどこででも起こりうる。修飾は、例えば、アセチル化、アシル化、ADP−リ
ボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチド
またはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホス
ホチジルイノシトールの共有結合、交差結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱
メチル化、共有交差結合の形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形成、ホ
ルミル化、ガンマーカルボキシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨ
ード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、蛋白分解的プロセッシング、リン酸
化、プレニル化、ラセミ化、糖鎖形成、脂質付加、硫酸化、グルタミン酸残基の
ガンマーカルボキシル化、ヒドロキシル化およびADP−リボシル化、セレノイ
ル化、硫酸化、アルギニル化のごとき転移RNAにより媒介される蛋白へのアミ
ノ酸付加、およびユビキチネーションを包含する。例えば、PROTEINS−STRUCTUR
E AND MOLECULAR PROPERTIES, 第2版,T.E.Creighton,W.H.Freeman and
Company,New York(1993)およびWold,F.,POSTTRANSLATIONAL COVALE
NT MODIFICATION OF PROTEINS,Posttranslational Protein Modifications:Pe
rspectives and Prospects, 1-12頁,B.C.Johnson編,Academic Press,New
York(1983);Seifterら,Meth Enzymol.(1990)182:626−6
46、およびRattanら, Protein Synthesis:Posttranslational Modifications
and Aging,Ann N.Y. Acad Sci(1992)663:48−62を参照のこと
。ポリペプチドは、分枝してもよく、分枝を伴ったまたは伴わない環状であって
もよい。環状、分枝および分枝環状ポリペプチドは、翻訳後の天然のプロセッシ
ングの結果であり、同様に全く合成的な方法で合成できる。
【0082】 「組み換え発現系(複数でも可)」は、本発明のポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドの製造のために宿主細胞または宿主細胞溶解物中に導入または形質転換
された発現系またはその部分または本発明のポリヌクレオチドをいう。
【0083】 本明細書中で使用される「変種(複数でも可)」なる語は、各々、対照標準の
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドと異なるが、本質的な特性を保持している
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドである。ポリヌクレオチドの典型的な変種
は、別の対照標準のポリヌクレオチドとヌクレオチド配列において異なっている
。変種のヌクレオチド配列における変化は、対照標準のポリヌクレオチドによっ
てコードされたポリペプチドのアミノ酸配列と変わっていてもよいし、または変
わっていなくてもよい。ヌクレオチドの変化は、後述するように、対照標準の配
列によってコードされたポリペプチドにおいて、アミノ酸置換、付加、欠失、融
合および切断をもたらしうる。ポリペプチドの典型的な変種は、別の対照標準の
ポリペプチドとはアミノ酸配列において異なっている。一般に、差異は、対照標
準のポリペプチドとその変種の配列が全体的に非常に類似しており、多くの領域
においては同一であるように限定される。変種および対照標準のポリペプチドは
、一またはそれ以上の置換、付加、欠失のいずれかの組み合わせによって、アミ
ノ酸配列において異なってもよい。置換または挿入されたアミノ酸残基は、遺伝
コードによってコードされたものであってもなくてもよい。また本発明は、本発
明の各ポリペプチドの変種、すなわち保存的アミノ酸置換により対照標準とは異
なっており、そのことにより残基が同様の特性を有する別の残基に置換されてい
るものを包含する。典型的なかかる置換は、Ala、Val、LeuおよびIl
e間;SerおよびThr間;酸性残基AspおよびGlu間;AsnおよびG
ln間;塩基性残基LysおよびArg間;あるいは芳香族残基PheおよびT
yr間のものである。数個、5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜2個または
1個のアミノ酸がいずれかの組み合わせで置換、欠失、または付加されている変
種が特に好ましい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変種は、対立遺伝子
変種のような天然に存在するものであってもよく、または天然に存在することが
知られていない変種であってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの天
然に存在しない変種は、変異誘発法または直接合成あるいは当業者に公知の他の
組換え法によって作られてもよい。
【0084】 (実施例) 以下の実施例は、別に詳細に記載したこと以外は、当業者に周知で慣用的な標
準的な技法を用いて実施する。実施例は例示であって、本発明を限定するもので
はない。 実施例1 株の選択、ライブラリーの製造および配列決定 表1(配列番号1)に示すDNA配列を有するポリヌクレオチドは、エシェリ
シア・コリ中のストレプトコッカス・ニュモニエの染色体DNAのクローンライ
ブラリーより得た。重複するストレプトコッカス・ニュモニエDNAを含有する
2個またはそれ以上のクローンからの配列データを用いて、配列番号1の連続し
たDNA配列を構築した。ライブラリーは常套手段、例えば以下の方法1および
2により製造してもよい。 全細胞DNAをストレプトコッカス・ニュモニエ0100993より、標準法
に従って単離し、以下に示す二つの方法のいずれかによりサイズ分画する。
【0085】 方法1 標準的方法に従ってサイズ分画するために、全細胞DNAをニードル(needle
)に通して機械的に剪断する。11kbpまでの大きさのDNAフラグメントを
エキソヌクレアーゼおよびDNAポリメラーゼで処理することによって末端切断
し、EcoRIリンカーを付加する。フラグメントを、EcoRIで切断したベ
クター、ラムダZapIIに連結し、標準的方法によりライブラリーをパッケー
ジングし、次いでパッケージングしたライブラリーでエシェリシア・コリを感染
させる。ライブラリーを標準方法により増幅する。
【0086】 方法2 全細胞DNAをライブラリーベクターにクローニングするための一連のフラグ
メントを得るのに適当な1つの制限酵素(例えば、RsaI、PalI、Alu
I、Bshl235I)またはその組み合わせで部分的に加水分解し、かかるフ
ラグメントを標準的方法に従ってサイズ分画する。EcoRIリンカーをDNA
に連結し、次いでそのフラグメントをEcoRIで切断したベクター、ラムダZ
apIIに連結し、標準的方法によりライブラリーをパッケージングし、パッケ
ージングしたライブラリーでエシェリシア・コリを感染させる。ライブラリーを
標準方法により増幅する。
【0087】 実施例2 clpXの特徴づけ ストレプトコッカス・ニュモニエclpX遺伝子を気道感染実験の感染中に発
現させる。 感染中のストレプトコッカス・ニュモニエからの遺伝子の発現を調べる。 ストレプトコッカス・ニュモニエ0100993に気道感染した48時間後に
マウスの肺を摘出し、カオトロピック剤およびRNAase阻害剤の存在下で効
果的に破砕し処理して動物RNAおよび細菌RNAの混合物を得る。安定な調合
物および高収率の細菌RNAを得るための破砕および処理の最適条件は、その後
のノーザンブロット上におけるストレプトコッカス・ニュモニエ16S RNA
に特異的な放射性標識オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの使用に
も用いる。得られたRNAについてのRNAase不含、DNAase不含、D
NAおよび蛋白不含の調合物は、ストレプトコッカス・ニュモニエ010099
3の各遺伝子の配列から設計されたユニークなプライマーペアーを用いる逆転写
PCR(RT−PCR)に適する。
【0088】 a)感染のマウス動物モデルからのストレプトコッカス・ニュモニエ01009
93感染組織の単離(肺) 5%のウマ血液を含有するTSA(トリプシン作用大豆寒天、BBL)に、ス
トレプトコッカス・ニュモニエ0100993を撒き、CO2インキュベータ中
で一夜37℃で増殖させる。細菌増殖を5mlのリン酸緩衝セイライン(PBS
)に削り落とし、A600〜0.6(4x106/ml)に調整する。マウス(オ
スCBA/J−1マウス、体重約20g)をイソフルランで麻酔し、50μlの
調製した細菌接種材料を鼻内に滴下することで送達させる。動物を回復させて一
日に二回、瀕死となる兆候について観察する。感染から48時間後に、動物を二
酸化炭素で窒息させて殺し、肺を無菌状態で摘出する。各対の肺の半分を低温バ
イアルに入れ、液体窒素中で直ちに凍結させ;他の半分は組織を1mlのPBS
中に均質化させた後に細菌数を数えるのに用いる。
【0089】 b)感染組織試料からのストレプトコッカス・ニュモニエ0100993の単離 2mlの低温保存チューブ中の感染組織試料を−80℃の貯蔵庫からドライア
イス−エタノール浴中に取り出す。微生物安全キャビネット中で試料を一度に8
つまでに破砕し、残った試料をドライアイス−エタノール浴中で保存する。組織
試料中の細菌を破砕するために、50−100mgの試料をシリカ/セラミック
マトリックス(BIO101)を含有するFastRNA管に移す。直ちに、1
mlの抽出試薬(FastRNA試薬、BIO101)を加えて、約1:20の
試薬体積割合の試料を得る。その管を往復式振盪機(FastPrep FP1
20、BIO101)で6000rpmで20−120秒間振盪させた。この粗
RNA調製物をクロロホルム/イソアミルアルコールで抽出し、DEPC処理/
イソプロパノール、沈殿溶液(BIO1010)で沈殿させる。必要ならば、R
NA調製物を−80℃のこのイソプロパノール溶液に保存する。RNAをペレッ
ト状にし(12000gx10分)、75%エタノール(DEPC処理水中のv
/v)で洗浄し、5−10分間風乾させ、0.1mlのDEPC処理水に懸濁さ
せ、つづいて5−10分間、55℃の状態にする。最後に、少なくとも1分間氷
上に置いて、200単位のRNAsin(Promega)を添加する。
【0090】 RNA調合物は−80℃で1カ月まで保存される。長期保存には、プロトコー
ルの洗浄段階における75%エタノール中のRNA沈殿は−20℃で少なくとも
1年保存できる。 1%アガロースゲル上に試料を泳動することにより単離RNAの品質を評価す
る。臭化エチジウム染色した1xTBEゲルを用いて収集全RNAを可視化する
。感染組織からの細菌RNAの単離を示すために、1xMOPS、2.2Mホル
ムアルデヒドゲルで泳動を行い、Hybond-N(Amersham)に減圧ブロッティングす
る。次いで、ブロットを、ストレプトコッカス・ニュモニエの16S rRNA
に特異的な、配列5’AACTGAGACTGGCTTTAAGAGATTA3
’(配列番号3)の32P標識オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズさせ
る。ハイブリダイズしているバンドのサイズを、インビボ増殖したストレプトコ
ッカス・ニュモニエ0100993から単離された対照RNAのものとノーザン
ブロットにおいて比較する。全RNA試料中において正しいサイズの細菌16S
rRNAバンドが検出でき、TBEゲル上で可視化した場合、哺乳動物RNA
の分解が示される。
【0091】 c)ストレプトコッカス・ニュモニエ0100993由来のRNAからのDNA
の除去 最終体積57マイクロリットルのバッファー中、20ユニットのRNAase
−不含DNAaseI(GenHunter)と一緒に37℃で30分間処理す
ることにより、50μgのRNA試料からDNAを除去した。 製造者のプロトコルに従ってTRIzol LS試薬(Gibco BRL, Life Technologies
)によりDNAaseを不活性化し除去した。 DNAase処理したRNAを、前記したRNAsinを添加したDPEC処
理水100マイクロリットル中に再懸濁した。 d)感染組織由来のRNA試料からのcDNAの調製 製造者の指示に従って、DNAase処理したRNAの試料3μgを、First
Strand cDNA合成キット用のSuperScript Preamplification System(Gibco BRL,
Life Technologies)を用いて逆転写する。150ナノグラムのランダムヘキサ
マーを用いて各反応を開始する。SuperScriptII逆転写酵素を添加しない対照も
反応させる。+/−RT双方の試料をRNaseHで処理し、次いで、PCR反
応に供する。
【0092】 e)細菌cDNA種の存在を調べるためのPCRの使用 下記成分を添加することにより氷上で0.2mlのチューブにおいてPCR反
応物をセットアップする:43マイクロリットルのPCR Master Mix(Advanced B
iotechnologies Ltd.);1マイクロリットルのPCRプライマー(最適には、
18〜25塩基対の長さで、類似のアニーリング温度を有するように設計された
もの)(各プライマーは初発濃度10mM);および5マイクロリットルのcD
NA。
【0093】 Perkin Elmer GeneAmp PCR System 9600においてPCR反応を行った:94℃
で2分、次いでそれぞれ94℃、50℃そして72℃で30秒を50サイクル、
その後72℃で7分、次いで、保持温度20℃とする(最適には、PCR生成物
の出現または欠乏を決定するためのサイクル数は最適には30〜50回、RT反
応からの初発cDNA量の評価を行う場合には、最適には8〜30サイクル)。
次いで、10マイクロリットルの部分試料を1% TBEゲルで泳動し、臭化エ
チジウム染色する。PCR生成物については、存在するならば、100bpのD
NAラダー(Gibco BRL, Life Technologies)との比較によりサイズを評価する
。別法として、便利には、標識PCRプライマー(例えば、5’末端を標識した
もの)を用いてPCR生成物を標識し、PCR生成物の適当な部分試料をポリア
クリルアミドゲルで泳動し、適当なゲルスキャンニングシステム(例えば、Perk
in Elmerにより提供されるGeneScanTMソフトウェアを用いたABI PrismTM 377 Se
quencer)を用いてその存在および量を調べる。
【0094】 RT/PCR対照は+/−逆転写酵素反応物、非転写ストレプトコッカス・ニ
ュモニエ0100993ゲノム配列からPCR生成物を生じるように設計された
16S rRNAプライマーもしくはDNA特異的プライマーペアーを含んでい
てもよい。 プライマーペアーの効率を試験するために、それらをストレプトコッカス・ニ
ュモニエ0100993全DNAを用いるDNA PCRに使用する。PCR反
応をセットアップし、cDNAの代わりに約1マイクログラムのDNAを用いて
上記のごとく行う。 DNA PCRまたはPT/PCRのいずれにおいても予想サイズの生成物を
生じないプライマーペアーはPCR反応できず、そのようなものとしては不均一
である。DNA PCRで正しいサイズの生成物を生じるものは2つのクラスに
分類される:1.インビボで転写されない遺伝子であって、RT/PCRにおい
て生成物を生じる再現性がないもの;および2.インビボで転写される遺伝子で
あって、RT/PCRにおいて正しいサイズの生成物を再現性をもって生じ、+
RT試料において−RT対照におけるシグナル(生じた場合には)よりも強力な
シグナルを生じるもの。
【0095】 実施例3 clpX遺伝子はストレプトコッカス・ニュモニエのインビトロ増殖に不可欠
である。 細菌の生存に対する遺伝子の不可欠性の測定 PCR技法を用いて対立遺伝子置換カセットを調製した。そのカセットはエリ
トロマイシン耐性遺伝子に隣接する一対の500bpの染色体DNAフラグメン
トを有した。その染色体DNA配列は配列番号1に含まれるclpX遺伝子をコ
ードするDNA配列の前後にある500bpである。 その対立遺伝子置換カセットを形質転換によりストレプトコッカス・ニュモニ
エR6に導入した。能力細胞を公開されているプロトコルに従って調製した。ナ
ノグラム量の対立遺伝子置換カセットを106細胞と一緒に30℃で30分間イ
ンキュベートし、DNAを細胞中に導入した。細胞を37℃で90分間増殖させ
、エリトロマイシン耐性遺伝子を発現させた。細胞を1ml中に1μgのエリト
ロマイシンを含有する寒天中に置いた。37℃で36時間インキュベートした後
、コロニーを取り出し、0.5%酵母抽出物を補足したTodd−Hewitt
ブロスに一夜増殖させた。典型的には、適当な対立遺伝子置換体を含有する10
00の形質転換体を得る。この遺伝子clpXのケースにおいて、3回の別々の
形質転換実験で形質転換体が得られないならば、その場合、該遺伝子はインビト
ロにて不可欠であると考えられる。
【0096】
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/00 C12N 1/15 C07K 16/40 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 9/52 1/21 C12Q 1/02 5/10 G01N 33/15 Z 9/52 33/50 Z C12Q 1/02 33/68 G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 A61K 37/02 33/68 C12N 5/00 A (72)発明者 ジェイムズ・アール・ブラウン アメリカ合衆国19312ペンシルベニア州バ ーウィン、ロビンズ・レイン9番 (72)発明者 サンジョイ・ビスワス アメリカ合衆国19301ペンシルベニア州パ オリ、サウス・バレー・ロード77番、アパ ートメント・ビー4 (72)発明者 デボラ・ディ・ジャワースキー アメリカ合衆国19382ペンシルベニア州ウ エスト・チェスター、スカイルズ・ブール バード1800番、アパートメント227 (72)発明者 ワン・ミン アメリカ合衆国19422ペンシルベニア州ブ ルー・ベル、センテニアル・ドライブ302 番 (72)発明者 リチャード・エル・ウォーレン アメリカ合衆国19422ペンシルベニア州ブ ルー・ベル、キャスカート・ロード825番 (72)発明者 リサ・ケイ・カッツ アメリカ合衆国18940ペンシルベニア州ニ ュータウン、イースト・パーク・ロード6 番 (72)発明者 カレン・エイ・イングラハム アメリカ合衆国17922ペンシルベニア州オ ーバーン、ルーラル・ルート2・ボックス 108・エイ (72)発明者 アリソン・エフ・チョーカー アメリカ合衆国19462ペンシルベニア州ト ラップ、カレッジ・ウッズ、ハーバード・ ドライブ137番 (72)発明者 ソ・チ・ヨン アメリカ合衆国19083ペンシルベニア州ヘ イバータウン、ウエスト・ターンブル・ア ベニュー29番 (72)発明者 デイビッド・ジェイ・ホームズ アメリカ合衆国19380ペンシルベニア州ウ エスト・チェスター、ウッドミント・ドラ イブ126番 (72)発明者 トーマス・ビー・マジー アメリカ合衆国19408ペンシルベニア州イ ーグルビル、コネストガ・ウェイ303番、 アパートメント・ビー−23

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)配列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配
    列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む単離ポリペプ
    チド; (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、または (iii)配列番号2のアミノ酸配列である単離ポリペプチド;および (vi)配列番号1のポリヌクレオチド配列を含む組み換えポリヌクレオチド
    によりコードされるポリペプチド からなる群より選択される単離ポリペプチド。
  2. 【請求項2】 (i)配列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配
    列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドをコードしているポ
    リヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド; (ii)配列番号2のポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列に対し
    てその全長にわたって少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列
    を含む単離ポリヌクレオチド; (iii)配列番号2をコードする配列番号1の部分の全長にわたって配列番
    号1のヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチ
    ド配列を含む単離ポリヌクレオチド; (iv)配列番号2のポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む
    単離ポリヌクレオチド; (v)配列番号1のポリヌクレオチドである単離ポリヌクレオチド; (vi)厳密なハイブリダイゼーション条件下で配列番号1の配列または長さ
    が少なくとも30個のヌクレオチドからなるそのフラグメントの配列を有する標
    識プローブを用いて適当なライブラリーをスクリーニングすることにより得るこ
    とのできる、少なくとも全長30ヌクレオチドからなる単離ポリヌクレオチド; (vii)ストレプトコッカス・ニュモニエ中に含まれるclpX遺伝子によ
    り発現される成熟ポリペプチドをコードしている単離ポリヌクレオチド;および (viii)(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)ま
    たは(vii)の該単離ポリヌクレオチドに対して相捕的なポリヌクレオチド配
    列 からなる群より選択される単離ポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 個体の治療方法であって、 (i)請求項1のポリペプチドに対する治療上有効量のアンタゴニストを個体
    に投与することを含む、請求項1のポリペプチドの活性または免疫応答の発現の
    促進を必要とする個体の治療方法;あるいは (ii)(a)請求項1のポリペプチドに対する治療上有効量のアンタゴニス
    トを個体に投与すること;または (b)請求項1のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列の発
    現を阻害する核酸分子を個体に投与すること; (c)リガンド、基質、または受容体を求めて請求項1のポリペプチドと競
    争する治療上有効量のポリペプチドを個体に投与すること;または (d)個体にて該ポリペプチドに対して免疫応答を誘発する量のポリペプチ
    ドをその個体に投与すること を含む、請求項1のポリペプチドの活性または発現の阻害を必要とする個体 の治療方法。
  4. 【請求項4】 個体における請求項1のポリペプチドの発現または活性に関
    連した、個体における疾病またはかかる疾病に対する感受性の診断または予後の
    方法であって、下記工程: (a)該個体の生物体内の該ポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列
    における変異の存在または不存在を決定すること;または (b)該個体由来の試料中の該ポリペプチドの発現の存在または量を分析する
    こと を含む方法。
  5. 【請求項5】 (i)配列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配
    列に対して少なくとも95%の同一性を有する群から選択されるアミノ酸配列を
    含む単離ポリペプチド; (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、または (iii)配列番号2のアミノ酸配列である単離ポリペプチド;および (iv)配列番号1のポリヌクレオチド配列を含む組み換えポリヌクレオチド
    によりコードされるポリペプチド からなる群より選択されるポリペプチドの製造方法であって、該ポリペプチドの
    生成に十分な条件下で宿主細胞を培養することを含む方法。
  6. 【請求項6】 (i)配列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配
    列に対して少なくとも95%の同一性を有する群から選択されるアミノ酸配列を
    含む単離ポリペプチド; (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、または (iii)配列番号2のアミノ酸配列である単離ポリペプチド;および (vi)配列番号1のポリヌクレオチド配列を含む組み換えポリヌクレオチド
    によりコードされるポリペプチド からなる群より選択されるポリペプチドを発現する、請求項8の発現系を含む宿
    主細胞またはその膜の製造方法であって、適合宿主中に存在する場合に上記ポリ
    ペプチド(i)、(ii)、(iii)または(iv)を生成可能なポリヌクレ
    オチドを含む発現系で細胞を形質転換またはトランスフェクションして、適当な
    培養条件下で宿主細胞が上記ポリペプチド(i)、(ii)、(iii)または
    (iv)を生成するようにすることを含む方法。
  7. 【請求項7】 (i)配列番号2の全長にわたって配列番号2のアミノ酸配
    列に対して少なくとも95%の同一性を有する群から選択されるアミノ酸配列を
    含む単離ポリペプチド; (ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、または (iii)配列番号2のアミノ酸配列である単離ポリペプチド;および (vi)配列番号1のポリヌクレオチド配列を含む組み換えポリヌクレオチド
    によりコードされるポリペプチド からなる群より選択されるポリペプチドを発現する、宿主細胞または膜。
  8. 【請求項8】 請求項1のポリペプチドに免疫特異的な抗体。
  9. 【請求項9】 請求項1のポリペプチドの機能を活性化および/または阻害
    する化合物を同定するためのスクリーニング方法であって、 (a)候補化合物に直接または間接的に結合した標識を用いて候補化合物のポ
    リペプチド(またはポリペプチドを有する細胞もしくは膜)への結合またはその
    融合蛋白を測定すること; (b)標識競争物質の存在下で候補化合物のポリペプチド(またはポリペプチ
    ドを有する細胞もしくは膜)への結合またはその融合蛋白を測定すること; (c)ポリペプチドを有する細胞もしくは細胞膜に適する検出系を用いて、候
    補化合物がポリペプチドの活性化または阻害により発生するシグナルを生じさせ
    るかどうかを試験すること; (d)候補化合物と、請求項1のポリペプチドを含有する溶液とを混合して混
    合物を形成し、混合物中のポリペプチドの活性を測定し、混合物の活性を標体と
    比較すること;または (e)例えばELISAアッセイを用いて細胞中で該ポリペプチドをコードす
    るmRNAおよび該ポリペプチドの生成に対する候補化合物の作用を検出するこ
    と からなる群から選択される方法。
  10. 【請求項10】 請求項1のポリペプチドに対するアゴニストまたはアンタ
    ゴニスト。
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