JP2002514977A - 締付用の穴を備えたインサートの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明によると、工具ホルダーに締付けるための穴を有する切削インサートの製造方法が提供され、高圧と高温の条件下で超硬研磨材が焼結され、同時に、保持体の内部に穴を有する焼結超硬合金の本体に結合される。焼結の際、その穴に、焼結後に除去されるプラグが装填される。

Description

【発明の詳細な説明】 締付用の穴を備えたインサートの製造方法 発明の分野 本発明は、多結晶ダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素の切削インサートを製造 するための高圧高温（ＨＰ／ＨＴ）プロセスに関する。より詳しくは、本発明は 、改良された生産経済性と締付実現性を有する切削インサートを提供するＨＰ／ ＨＴプロセスのある改良に関する。 従来技術 青銅、マグネシウム、アルミニウムのようないくつかの非鉄系合金などを機械 加工するには、ダイヤモンドは最良の材料であり、一方、窒化ホウ素（ｃＢＮ） は、焼入鋼、チルド鋳物、鋳鉄を高速度で機械加工するのに非常に適する。 このような工程に使用されるインサートは、いわゆるＰＣＤ（多結晶ダイヤモ ンド成形体）又はＰｃＢＮ（多結晶立方晶窒化ホウ素圧密体）のいずれかを備え 、ダイヤモンド又はｃＢＮが安定な相である高温と高圧でダイヤモンド又はｃＢ Ｎの層が施された超硬合金(cemented carbide)の本体を有するか、インサートに 、一般にロウ付けによって固定されたダイヤモンド又はｃＢＮ体が少なくとも１ つのコーナー又はエッジにそって施される。 このようなインサートの製造方法は、米国特許第３７４５６２３号、同３７４ ３４８９号、同４５２５１７９号、米国特許出願第０８／４４６４８７号、同０ ８／４４６４９０号に記載されており、これらの記載事項は本願でも参考にして 取り入れられている。 機械加工に使用される多くのインサートは、工具ホルダーに最も確実に締付け ができるように、中央に穴を有する。ロウ付けインサートの場合、既に中に穴を 有する本体にＰＣＤ／ｃＢＮチップをロウ付けすることによって行うことができ る。そうでない場合は、穴を後に切り込む必要があるが、これは一般にプランジ ＥＤＭを使用して先ず小さな穴を開け、次いで正確なサイズの穴を形成するため にワイヤー切断によるため、コストが高い。この仕方では、真直ぐな穴のみが形 成できる。面取り部を有する穴のような場合には不満足である。 発明の課題と要旨 本発明の課題は、従来技術の問題を回避する又は解消することである。 本発明のもう１つの課題は、ダイヤモンド又はｃＢＮが安定な高温と高圧の処 理に供されるブランクに穴を形成する方法を提供することである。 本願の請求の範囲に記載の発明によると、穴の形成は、超硬合金ブランクに穴 を提供することによって達成される。高圧高温（ＨＰ／ＨＴ）処理の際、ニオブ のような耐熱材料のスリーブに囲まれた超硬合金からなるプラグが、穴に提供さ れる。高圧高温の処理の後、例えば耐熱金属の化学的浸出によってプラグが容易 に除去され、プラグが取り出される。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の改良によって修正されたＨＰ／ＨＴセルの横断面図である。 図２は、本発明の方法の分解斜視図である。 発明の詳細な説明 同時に高圧と高温を適用する技術とその装置の型式は当該技術で周知である。 図１に関し、ＨＰ／ＨＴセル10が、高圧高温条件に供される装置内のスペースに 収まる。このアセンブリは、円筒状スリーブ１２と、Ｚｒ、Ｔｉ、Ｔａ、Ｎｂ、 及びＭｏからなる群より選択されたシールド金属のキャップ13を含んでなるカン 11からなる。 穴を中に有する焼結超硬合金ブランク16がカップ12の中に配置される。この穴 は円筒状でよいが、ブランクの一辺又は両辺が完全に又は部分的にテーパーを付 けられた又は面取りされたような別の形状を有することもできる。この穴に、穴 と同じ形状のプラグが施される。好ましくは、このプラグは、肉厚０．２５〜０ ．５mmを有する耐熱金属（好ましくはＮｂ）のスリーブ20によって囲まれた、超 硬合金ブランクと本質的に同じ組成を有する超硬合金25又はセラミックからなる 。 ダイヤモンド又はｃＢＮの粉末を含む混合物がセルの中に充填され、例えば、 米国特許出願第０８／４４６４８７号と同０８／４４６４９０号に記載のように 又は任意のその他の望ましい仕方で上層又は溝の中を形成する。セルを閉じ、Ｈ Ｐ／ＨＴ装置の中に入れる。圧力と温度を、ダイヤモンド又はｃＢＮが安定な範 囲に、焼結が生じるのに十分な時間にわたって高める。次いで加圧しながら短期 間で装填物を放冷し、圧力を下げた後、成形体(compact)を回収する。 プラグは、放電加工によって除去することができる。ここで、好ましくは、プ ラグを機械的又は化学的に除去し、例えば、ＫＯＨを用いてＮｂを除去する。好 ましい態様において、超硬合金プラグ23は再使用することができる。最後に、成 形体を所望の最終形状の円形、三角形、四角形などの所望の寸法に研磨する。 例 １６重量％のＣｏを含むＷＣの組成を有し、約２２mmの直径、６mmの厚さ、直 径４mmの中央孔、ブランクの周囲面にそって等距離に位置する４つの溝を備えた 超硬合金の円筒状ディスクを調製した。溝は、約４mmの直径の実質的に半円の横 断面を有した。超硬合金のディスクをＮｂのカップの中に入れた。ディスクの穴 の中に、肉厚０．５mmのＮｂチューブの中のＷＣと１６％Ｃｏの組成の直径３mm の超硬合金の円筒からなるプラグを押し込んだ。溝に、メガダイヤモンド市販グ レードＭＮ５０に相当する組成を有するｃＢＮ粉末混合物を充填し、次いで内容 物をシールし、米国特許第５１１５６９７号に記載のプロセスにしたがって高温 と高圧で処理した。冷却の後、成形体を回収した。液体のＫＯＨ溶液の中に浸す ことにより、プラグを化学的に除去した。次いでこのブランクを研磨し、工具ホ ルダーにしっかり締付けることができる中央穴を有するＳＮＧＡ１２０４０８型 インサートを得た。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リッテッケ，ペテル スウェーデン国，エス―141 72 ヒュゥ ディンイェ，スイョスティゲン 31

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．工具ホルダーに締付けるための穴を有する切削インサートの製造方法であ って、高圧と高温の条件下で超硬研磨材を焼結させ、同時に、保持体の内部に穴 を有する焼結超硬合金の本体に結合させ、その穴に、焼結の際、焼結後に除去さ れるプラグが装填されることを特徴とする方法。 ２．プラグが耐熱金属を含んでなる請求項１に記載の方法。 ３．プラグが超硬合金を含んでなる請求項１に記載の方法。 ４．化学的浸出によってプラグを除去することをさらに含む請求項１に記載の 方法。 ５．プラグの放電加工によって成形体からプラグを除去することをさらに含む 請求項１に記載の方法。 ６．プラグの超硬合金が、本体と実質的に同じ組成を有する請求項３に記載の 方法。 ７．プラグが、耐熱材料のスリーブで囲まれた超硬合金ブランクを含んでなる 請求項１に記載の方法。 ８．プラグの超硬合金が、本体と実質的に同じ組成を有する請求項７に記載の 方法。 ９．耐熱金属がＮｂである請求項８に記載の方法。 １０．ＮｂがＫＯＨによる化学的浸出によって除去される請求項９に記載の方 法。 １１．超研磨材が多結晶ダイヤモンド結晶を含んでなる請求項１に記載の方法 。 １２．超研磨材が立方晶窒化ホウ素を含んでなる請求項１に記載の方法。 １３．工具ホルダーに締付けるための穴を有する切削インサート の製造方法であって、高圧と高温の条件下で、超硬研磨材が保持体の内側の穴を 備えて焼結され、その穴に、焼結の際、焼結後に除去されるプラグが装填される ことを特徴とする方法。 １４．プラグが耐熱金属を含んでなる請求項１３に記載の方法。 １５．プラグが超硬合金を含んでなる請求項１３に記載の方法。 １６．化学的浸出によってプラグを除去することをさらに含む請求項１３に記 載の方法。 １７．プラグの放電加工によって成形体からプラグを除去することをさらに含 む請求項１３に記載の方法。 １８．プラグが、耐熱材料のスリーブで囲まれた超硬合金ブランクを含んでな る請求項１３に記載の方法。 １９．耐熱金属がＮｂである請求項２０に記載の方法。 ２０．ＮｂがＫＯＨによる化学的浸出によって除去される請求項２１に記載の 方法。