JP2002514641A - ベンゾカルバゾールおよびインデノインドール誘導のエストロゲン物質 - Google Patents

ベンゾカルバゾールおよびインデノインドール誘導のエストロゲン物質

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、エストロゲン試薬として有用な一般式(I)または(II)の新規な置換ベンゾ[a]カルバゾールおよびインデノインドール、ならびにこれらの化合物を単独でまたは1またはそれ以上のエストロゲンと組み合わせて利用する医薬組成物および治療法に関する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、エストロゲン物質として有用な新規なインデノインドールおよびベ
ンゾカルバゾール化合物、ならびにこれらの化合物を単独でまたは1またはそれ
以上のエストロゲンと組み合わせて使用する医薬組成物および治療法に関する。
【0002】 (背景技術) 閉経後の女性の骨喪失を防止するためにホルモン代替療法を利用することは十
分に前例のある方法である。通常のプロトコルは、エストロン、エストリオール
、エチニルエストラジオールまたは天然源より単離した抱合エストロゲン(すな
わち、Wyeth-Ayerstから由来のプレマリン(Premarin)(登録商標)抱合エスト
ロゲン)配合の処方を用いてエストロゲンを補足する必要がある。ある患者にお
いては、拮抗剤のないエストロゲン(エストロゲンをプロゲスチンと組み合わせ
て服用しない)の増殖作用が子宮組織において起こるため、その療法に対して禁
忌を示す。この増殖は子宮内膜症および/または子宮内膜癌の危険性が増大する
ことと関連している。拮抗剤のないエストロゲンの胸部組織に対する作用は、そ
れほど明らかではないが、ある程度は関係している。骨の倹約効果を維持する一
方で子宮および胸部における増殖作用を最小限にすることのできるエストロゲン
に対する要求があるのは明らかである。特定の非ステロイド系抗エストロゲンが
卵巣を切除したラット実験ならびにヒト臨床実験にて骨重量を維持することが明
らかにされた。例えば、タモキシフェン(Tamoxifen)(デラウェア州、ウィル
ミントン、ゼネカ・ファーマシューティカルズ(Zeneca Pharmaceuticals)によ
り、ノバデックス(Novadex)の商品名で市販されている、クエン酸タモキシフ
ェン)は肺癌の治療に有用な緩和剤であり、ヒトの骨に対してエストロゲンアゴ
ニスト様効果を発揮することが証明されている。しかしながら、このタモキシフ
ェンはまた子宮において部分アゴニストであり、このことが懸念の原因である。
ラロキシフェン(Raloxifene)、すなわち、ベンゾチオフェン抗エストロゲンが
、骨を倹約する能力を維持しながら、卵巣を切除したラットにてタモキシフェン
よりも少ない程度で子宮増殖を刺激することが明らかにされた。組織選択的エス
トロゲンについての適当な報文が、「Tissue-Selective Actions of Estrogen A
nalogs」、Bone Vol.17、No.4、1995年10月、181S−190Sに示
されている。
【0003】 WO A95 17383(Karo Bio AB)は長い直鎖を有するインドール抗エ
ストロゲンを記載する。別の関連する特許WO A 93 10741は広範囲に
及ぶ側鎖を有する5−ヒドロキシインドールを記載する。WO 93/2337
4(Otsuka Pharmaceuticals、日本)は、本発明の以下の式(I)および(II
)のR3に言う構造基がチオアルキルと特定されていることを除き、本発明の化
合物と構造的に類似する化合物を記載するが、その引例は本発明により提供され
る化合物と同じ構造を有するインドール窒素から側鎖を有する化合物を開示する
ものではない。 論文「Postmenopausal Hormone replacement therapy with estrogen periodi
cally supplemented with antiestrogen」、Am.J.Ovstet.Gynecol.、Vol.140
、No.7、1981、787−792頁において、Kauppilaらは、7週間のエス
トロゲン投与、つづいて10日間の抗エストロゲンであろうクエン酸クロミフェ
ン(clomiphene citrate)を用いる治療の閉経後エストロゲン療法の研究を記載
する。 また、論文「Comparison of Megestrol acetate and Clomiphene Citrate as
Supplemental Medication in Postmenopausal Oestogen Replacement Therapy」
、Arch.Gynecol. (1983)234:49−58において、Kauppilaらは、エ
ストロゲンに酢酸メゲストロールおよびクエン酸クロミフェンを無作為に補足し
た、閉経後の女性の組み合わせ療法を記載する。
【0004】 米国特許第4894373号(Young)は、閉経となる徴候を治療し、骨粗鬆
症を治療また予防するのに、エストロゲンの不在下で、クロミフェンおよびその
異性体、クエン酸および誘導体を含む、抗エストロゲンの使用を教示する。米国
特許第5552401号(Cullinanら)は、閉経後症候群、および子宮平滑筋腫
に付随する種々の医学的適応症、子宮内膜症および動脈平滑筋増殖の治療に有用
であるベンゾチオフェン化合物を記載し、その化合物はエストロゲンまたはプロ
ゲスチンを含有していてもよい医薬処方に用いられる。米国特許第564613
7号および第5591753号(共に、Blackらに付与)は、メドロキシプルゲ
ステロン、ノルエチンドロンまたはノルエチノドレルあるいはその医薬上許容さ
れる塩から選択されるプロゲスチンと組み合わせた、ラロキセフィン型アリール
ベンゾチオフェン化合物の製剤を用いる骨粗鬆症の治療法を開示する。米国特許
第5550107号(Labrie)は、抗エストロゲンを、アンドロゲン、プロゲス
チン、性ステロイド形成、特に17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ
およびアロマターゼ活性の少なくとも1つの阻害剤、プロラクチン分泌の少なく
とも1つの阻害剤、成長ホルモン分泌の1つの阻害剤、およびACTH分泌の1
つの阻害剤からなる群より選択される少なくとも1つの化合物と組み合わせて、
肺癌または子宮内膜癌を治療することからなる発明をクレームしている。米国特
許第5672609号(Bryantら)は閉経後症候群を治療するのに有用なピリジ
ン化合物、およびエストロゲンまたはプロゲスチンを含有する製剤を開示する。
米国特許第5534527号(Blackら)は骨喪失の阻害におけるアロイルベン
ゾチオフェンおよびエストロゲンの使用を教示する。 図IおよびIIに示される、インデノインドールおよびベンゾカルバゾールは
、本発明に記載されているような、インドールの窒素が側鎖を有するように記載
された型の化合物を報告していない。Ger.Offen.、DE3821148A189
1228およびWO96/03375には、本発明の基礎となる側鎖を有しない
、または請求しない、インデノインドールおよびベンゾカルバゾールが記載され
ている。さらに、エストロゲン/抗エストロゲン活性を有するベンゾカルバゾー
ルについての、Segallら、Eur.J.Med.Chem.、30#2 165−169(199
5)を参照のこと。
【0005】 (発明の開示) 式(I)および(II)に示される一般的な構造式のインデノインドールおよ
びベンゾカルバゾールは、エストロゲン欠乏に伴う疾患の治療に有用なエストロ
ゲンアゴニスト/アンタゴニストである。本発明の化合物はエストロゲン受容体
と強く結合し、単独で投与した場合に本来のエストロゲンアゴニスト活性をほと
んど示さないで、17β−エストラジオールの作用を拮抗する能力を有する(感
染ルシフェラーゼ検定)。
【0006】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明は、以下の式(I)または(II):
【化14】 [式中: R1はH、OHまたはそのC1−C12エステル(直鎖または分岐鎖)またはC1
−C12アルキルエーテル(直鎖または分岐鎖あるいは環状)、ハロゲンまたはベ
ンジルオキシ;あるいはトリフルオロメチルおよびトリクロロメチルエーテルを
包含するハロゲン化エーテルから選択され; R2、R3、R4、R5およびR6は、独立して、H、OHまたはそのC1−C12
ステル(直鎖または分岐鎖)またはC1−C12アルキルエーテル(直鎖または分
岐鎖あるいは環状)、ハロゲン、またはトリフルオロメチルエーテルおよびトリ
クロロメチルエーテルを包含するハロゲン化エーテル、シアノ、C1−C6アルキ
ル(直鎖または分岐鎖)、ベンジルオキシまたはトリフルオロメチルから選択さ
れる;ただし、R1がHである場合、R2はOH以外の基であり; Xは(CH2)n'または−CH=CH−であり; n’は1または2であり; nは2ないし4であり;
【0007】 Yは: a)式:
【化15】 (式中、R7およびR8は、独立して、H、C1−C6アルキルまたはフェニルから
なる群より選択されるか、あるいは結合してpが2ないし6の整数である、メチ
レン架橋していてもよい、−(CH2)p−を示して、環を形成し、該環はヒドロキ
シル、ハロゲン、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、ト
リハロメトキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1
−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN
、−CONH(C1−C4)アルキル、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ−(C 1 −C4アルキル)アミノ、−NHSO2(C1−C4)アルキル、−NHCO(C1−C 4 )アルキルおよび−NO2から選択される3個までの置換基で置換されていても
よい) で示される基;または b)ヒドロキシル、ハロゲン、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1
4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキル
チオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキ
シ(C1−C4)アルキル、1ないし3個の(C1−C4)アルキルで置換されていても
よいフェニル、−CO2H、−CN、−CONHR1、−NH2、C1−C4アルキ
ルアミノ、C1−C4ジアルキルアミノ、−NHSO21、−NHCOR1および
−NO2から独立して選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい
、−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=(いずれの場合でも、
複素環は該窒素を介して連結することができる)および−S(O)m−(mは0な
いし2の整数)からなる群より選択される2個までのヘテロ原子を含有する、飽
和、不飽和または一部不飽和の5員複素環;または c)ヒドロキシル、ハロゲン、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1
4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキル
チオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキ
シ(C1−C4)アルキル、1ないし3個の(C1−C4)アルキルで置換されていても
よいフェニル、−CO2H、−CN、−CONHR1、−NH2、C1−C4アルキ
ルアミノ、C1−C4ジアルキルアミノ、−NHSO21、−NHCOR1および
−NO2から独立して選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい
、−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=(いずれの場合でも、
複素環は該窒素を介して連結することができる)および−S(O)m−(mは0な
いし2の整数)から選択される2個までのヘテロ原子を含有する、飽和、不飽和
または一部不飽和の6員複素環;または d)水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1−C4アルキル、トリハロメチル、
1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アル
キルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒド
ロキシ(C1−C4)アルキル、1ないし3個の(C1−C4)アルキルで置換されてい
てもよいフェニル、−CO2H、−CN、−CONHR1、−NH2、C1−C4
ルキルアミノ、C1−C4ジアルキルアミノ、−NHSO21、−NHCOR1
よび−NO2から独立して選択される1ないし3個の置換基で置換されていても
よい、−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=(いずれの場合で
も、複素環は該窒素を介して連結することができる)および−S(O)m−(mは
0ないし2の整数)から選択される2個までのヘテロ原子を含有する、飽和、不
飽和または一部不飽和の7員複素環;または e)連結または縮合した6−12個の炭素原子を含有し、ヒドロキシル、ハ
ロゲン、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメ
トキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスル
フィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、1な
いし3個の(C1−C4)アルキルで置換されていてもよいフェニル、−CO2H、
−CN、−CONHR1、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、C1−C4ジアルキ
ルアミノ、−NHSO21、−NHCOR1および−NO2(例えば、R1は(C1
−C4)アルキルである)から独立して選択される1ないし3個の置換基で置換さ
れていてもよい、−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=(いず
れの場合でも、複素環は該窒素を介して連結することができる)および−S(O) m −(mは0ないし2の整数)から選択される2個までのヘテロ原子を含有する
、二環式複素環 から選択される] で示される化合物またはその医薬上許容される塩を包含する。
【0008】 上記した化合物の範囲内で、好ましい化合物は、R1、R2、R3、R4、R5
6、X、n’およびnが上記と同意義であり、Yが上記した群b)ないしe)
に記載のヘテロ原子および置換基を有する、飽和5、6、7または8員複素環ま
たは二環式構造基である、式(I)または(II)の化合物である。とりわけ、
この下位群のうちさらに好ましいY基は、以下に示される基であり、各々、置換
されていなくても、あるいは上記した置換基により置換されていてもよい。
【化16】
【0009】 本発明のさらに好ましい化合物は、上記した一般構造式(I)または(II)
で示されるる化合物であって: R1がH、OHまたはそのC1−C4エステルもしくはアルキルエーテル、ハロ
ゲンから選択され; R2、R3、R4、R5およびR6が、独立して、H、OHまたはそのC1−C4
ステルまたはアルキルエーテル、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルまたはト
リフルオロメチルから選択される;ただし、R1がHである場合、R2はOH以外
の基であり; Yが、式:
【化17】 (式中、R7およびR8は、独立して、HまたはC1−C6アルキルより選択される
か、あるいは結合して、pが2ないし6の整数である、メチレン架橋していても
よい、−(CH2)p−を示して環を形成し、該環は水素、ヒドロキシル、ハロゲン
、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ
、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルス
ルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONH(C 1 −C4)アルキル、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、C1−C4ジアルキルアミ
ノ、−NHSO2(C1−C4)アルキル、−NHCO(C1−C4)アルキルおよび−
NO2から選択される3個までの置換基で置換されていてもよい) で示される基を有する化合物である。
【0010】 上記したように、R7およびR8を連結することで形成される環は、アジリジン
、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンアミンまたはヘプタメ
チレンイミン環を包含しうるが、これらに限定されるものではない。 本発明の最も好ましい化合物は、上記した構造式(I)または(II)で示さ
れる化合物であって、R1がOHであり;R2−R6が上記と同意義であり;Yが
、式:
【化18】 (式中、R7およびR8は、rが4ないし6の整数である、メチレン架橋していて
もよい、−(CH2)r−と一緒に連結して環を形成し、ヒドロキシル、ハロゲン、
1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、
1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスル
ホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONH(C1
−C4)アルキル、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ−(C1−C4アルキル)
アミノ、−NHSO2(C1−C4)アルキル、−NHCO(C1−C4)アルキルおよ
び−NO2から選択される3個までの置換基で置換されていてもよい)で示され
る基を有する化合物およびその医薬上許容される塩である。
【0011】 さらに、一般式:
【化19】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Y、r、n、n’およびp
は上記した基と同意義である] で示される化合物も本発明の下位群の化合物の範囲内に含まれる。 上記した式の可変基は、例えば、独立してまたは一まとめにして: nは2であり; R1はヒドロキシルまたはベンジルオキシであり; R2は水素であり; Xは−CH=CH−またはCH2であり; R3は水素であり; R4はメトキシ、ヒドロキシまたはベンジルオキシであり; R5は水素であり; R6は水素であり; Yはピペリジン−1−イルまたはアゼピン−1−イルである。
【0012】 本発明は無機または有機酸との付加反応により形成される許容される塩の形態
を包含する。塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸などの無機
酸、ならびに酢酸、プロピオン酸、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、
フタル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスル
ホン酸、樟脳スルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸が有用である。塩基
性窒素を有する化合物は多種の酸(プロトン酸および非プロトン酸の両方)と複
合体を形成させ得ることがわかっており、通常、本発明の化合物は酸付加塩の形
態で投与することが好ましい。
【0013】 本発明はまた、式(I)および(II)の化合物の製法であって、該方法は、 a)式(III)または(IV):
【化20】 [式中、R1-4およびXは前記と同意義であり、要すれば、いずれの反応基も保
護されていてもよく] で示される化合物を、式:
【化21】 [式中、Yは上記と同意義であり、halはハロゲン、例えば、ClまたはBr
であり、R5およびR6は上記と同意義であり、要すれば、いずれの保護基も除去
してもよく] で示される化合物と反応させるか、または
【0014】 b)式:
【化22】 [式中、R1-6およびXは上記と同意義であり、Halはハロゲン、例えば、C
lまたはBrであり、要すれば、いずれの反応基も保護されていてもよく] で示される化合物を、式:
【化23】 [式中、R7およびR8は上記と同意義である] で示される化合物と反応させ、あるいは
【0015】 c)R1および/またはR4がベンジルオキシである、式(I)または(II
)の化合物を水素添加し、R1および/またはR4がOHである、式(I)または
(II)の対応する化合物を得る ことからなる。
【0016】 これらの反応を次にさらに詳細に記載する。 方法:本発明に記載の化合物の合成は、インダノンまたはテトラロンのいずれか
を適宜置換したフェニルヒドラジンおよびプロトン酸と一緒に軽く加熱して所望
のヒドラゾンを得、ついでそれをさらにルイス酸(例えば、ZnCl2)と一緒
に加熱して環化して達成される。ついで、インデノインドールまたはベンゾ[a]
カルバゾールを適当な強塩基(例えば、NaH)で脱プロトン化し、所望の側鎖
を有する化合物と反応させることでアルキル化することができる。これら化合物
を合成する一般的な反応経路をスキームIに示す。この考え方は、化合物6を合
成するスキーム2で具体的に説明されている。側鎖11の合成をスキーム3に示
す。
【0017】
【化24】 1、R2、R3、R4、Y、nは式(I)および(II)に記載されているとおり
である。
【0018】
【化25】
【0019】
【化26】
【0020】 ベンゾ[a]カルバゾール(19ないし22)の合成をスキーム4に示す。テト
ラロンヒドラゾン14を、エタノールおよび触媒作用の酢酸の存在下、6−メト
キシ−1−テトラロン12([1078−19−9]Aldrich Chemical Company
)と4−ベンジルオキシフェニルヒドラジン13[51145−58−5]との
間の縮合反応より形成させる。ついで、酢酸中の塩化亜鉛の存在下でヒドラゾン
を環化させてN−非置換ベンゾ[a]カルバゾール15を得る。ついで、そのベン
ゾ[a]カルバゾールをスキーム1または2の記載されている方法と同じ方法でア
ルキル化し、あるいはまたスキーム4に示されているようにアルキル化剤として
4−(2−クロロエトキシ)ベンジルブロミド17を用いてアルキル化する。その
クロリドを例示されているように溶媒としてDMFおよびヨウ化カリウムを用い
てピペリジンまたはヘキサメチレンイミンと置き換えて反応を進める。次に、置
換化合物19および20をシクロヘキサジエンおよびパラジウム/炭素触媒を用
いて水素添加を行い、化合物21および22を得る。
【0021】
【化27】
【0022】 式(I)および(II)の化合物は、部分的なエストロゲンアゴニストであり
、エストロゲン受容体に対して強い親和性を示す。多くのエストロゲンと異なり
、これらの化合物が、感染ルシフェラーゼ検定でのその低い作動剤活性により証
明される、子宮の湿重量を実質的に増加させるとは考えられない。加えて、これ
らの化合物はエストロゲンとエストロゲン受容体について競合し、標的とする組
織にてエストロゲンの作用を拮抗する能力を有する。これら化合物の有する組織
選択的活性により、該化合物は、エストロゲン欠乏またはエストロゲン過剰によ
り引き起こされるか、またはその欠乏または過剰に付随する、哺乳動物の病態ま
たは症候群の治療または予防に有用である。特にこれらの化合物は子宮にて抗エ
ストロゲン性であり、子宮組織中にてエストロゲンアゴニストの滋養効果を完全
に拮抗することができる。これらの化合物は、エストロゲン欠乏により引き起こ
されるか、またはその欠乏に付随する哺乳動物の病態または症候群を治療または
予防するのに有用である。この組織選択性のため、子宮組織などの他の組織での
活性を制限しながら、骨などの特定の組織にて所望のエストロゲン活性を得るた
めにそれらを用いることが可能となる。
【0023】 混合型エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、骨粗鬆症、前立腺肥大症
、男性型禿頭症、卵巣癌、不妊症、肺癌、子宮内膜癌、心血管疾患、避妊、アル
ツハイマー病、認識減退および他のCNS障害を含む、エストロゲン過剰または
欠乏から由来する多くの疾患、ならびにとりわけ、黒色腫、前立腺癌、結腸の癌
、CNS癌および子宮癌を含むある種の癌、の治療または予防に有用である。加
えて、これらの化合物は、閉経後の女性のホルモン代替療法に、あるいはエスト
ロゲン補足が効果的である他のエストロゲン欠乏の病態に用いることができる。
【0024】 本発明の化合物はまた、実質的に骨の喪失に至る、個体の新たな骨組織の形成
と古い組織の吸収の不均衡から由来する、骨喪失の治療法に用いることができる
。かかる骨消耗は、一群の個体、特に閉経後の女性、子宮摘出術を受けた女性、
準広汎コルチコステロイド療法を受けているまたは受けた女性、生殖腺発育不全
を経験している女性、およびクッシング症候群に罹患している女性に起こる。こ
れらの化合物を、骨折した、骨構造が不完全な、および骨関連術および/または
補綴移植を受けている個体に用いて、骨置換を必要とする特定の問題に取り組む
こともできる。上記したこれらの問題に加えて、本発明の化合物は、骨粗鬆症、
低カルシウム血症、高カルシウム血症、パジェット病、骨軟化症、骨石灰脱失症
、多発性骨髄種および骨組織に対して有害な作用のある他の形態の癌の治療に用
いることができる。本明細書に列挙した疾患の治療法は、かかる治療を必要とす
る個体に治療上有効量の1またはそれ以上の本発明の化合物またはその医薬上許
容される塩を投与することを含むと理解される。本発明はまた、1またはそれ以
上の化合物および/またはその医薬上許容される塩を、1またはそれ以上の医薬
上許容される担体、賦形剤等と一緒に利用する医薬組成物を包含する。
【0025】 本発明はまた、式(I)および(II)の化合物を1またはそれ以上のエスト
ロゲンと組み合わせて、好ましくは、1またはそれ以上の医薬上許容される担体
または賦形剤と組み合わせて含む、医薬処方、およびそれを用いる方法を提供す
る。中でも、本発明のエストロゲン処方の使用は、閉経周辺の、および閉経後の
症候群を含む、女性の閉経後症候群の徴候を緩和する。本発明の処方および治療
法はエストロゲン治療または療法の望ましくない副作用を最小限とするのに用い
ることができ、個々の投与計画に必要なエストロゲンの量を最小限とするのに用
いてもよい。
【0026】 本発明の処方に有用なエストロゲンは、エストロン、エキリン、エキレニン、
エチニルエストラジオール、17β−エストラジオール、ジヒドロエキレニン、
17β−ジヒドロエキレニン(米国特許第2834712号)、メントラノール
および抱合エストロゲンホルモン、例えば、ワイス−エアスト・ラボラトリー社
のプレマリン(Premarin)(登録商標)製品、ならびにこれらのエストロゲンの
硫酸エステルを包含する。エストロン硫酸ナトリウム、エキリン硫酸ナトリウム
、17α−ジヒドロエキリン硫酸ナトリウム、17α−エストラジオール硫酸ナ
トリウム、Δ8,9−デヒドロエストロン硫酸ナトリウム、エキレニン硫酸ナト
リウム、17β−ジヒドロエキリン硫酸ナトリウム、17α−ジヒドロエキレニ
ン硫酸ナトリウム、17β−エストラジオール硫酸ナトリウム、17β−ジヒド
ロエキレニン硫酸ナトリウム、エストロン3−硫酸ナトリウム、エキリン3−硫
酸ナトリウム、17α−ジヒドロエキリン3−硫酸ナトリウム、3β−ヒドロキ
シ−エストラ−5(10),7−ジエン−17−オン3−硫酸ナトリウム、5α−
プレグナン−3β−20R−ジオール20−硫酸ナトリウム、5α−プレグナン
−3β,16α−ジオール,20−オン3−硫酸ナトリウム、Δ(8,9)−デヒド
ロエストロン3−硫酸ナトリウム、エストラ−3β,17α−ジオール3−硫酸
ナトリウム、3β−ヒドロキシ−エストラ−5(10)−エン,17−オン3−硫
酸ナトリウムまたは5α−プレグナン−3β,16α,20R−トリオール3−硫
酸ナトリウムも本発明の処方にて有用である。エステル化エストロゲン、例えば
、ソルベイ・ファーマシューティカル・インコーポレイテッド(Solvay Pharmac
euticals,Inc.)で、商品名:エストラタブ(Estratab)(登録商標)の下で市
販されている製品も本発明の処方と一緒に用いることができる。エストロンの好
ましい塩は、ナトリウム塩およびピペリン酸塩を包含するが、これらに限定され
るものではない。フィトエストロゲン、例えば、エクオールまたはエンテロラク
トンも本発明の処方および方法に用いることができる。エストロゲンの硫酸塩ま
たはグルコロニドなどのエストロゲンの哺乳動物代謝抱合体もまた好ましい。本
発明の特に好ましい具体例は、1またはそれ以上の本明細書に列挙した式(I)
または(II)の化合物と一緒に、抱合エストロゲンホルモン、例えば、ワイス
・エアスト・ラボラトリー社の製品、プレマリン品を用いる医薬組成物および治
療法を含む。
【0027】 本発明の式(I)および(II)の化合物は、コレステロールを下げ、骨喪失
を妨げるなどの、エストロゲンアゴニストのように、あるいはエストロゲンアン
タゴニストのように、作動する能力を有する組織選択的化合物である。したがっ
て、1またはそれ以上のエストロゲンを含む本発明の処方中のこれらの化合物は
、骨粗鬆症、前立腺肥大症、肺癌、子宮内過形成、子宮内癌、子宮内膜症、嚢胞
性腺過形成、子宮過形成、子宮頚管過形成、良性前立腺過形成、心血管疾患、避
妊、アルツハイマー病および黒色腫を含む、多くの疾患の治療に有用である。本
発明のかかる処方はまた、性質上、内分泌疾患として類別される疾患を含め、過
剰なグルココルチコイドから由来の疾患を含め、二次性骨粗鬆症から由来の骨喪
失、上皮小体亢進症、甲状腺亢進症、性腺機能低下症、高プロリン血症および真
性糖尿病を治療するのに用いることができる。骨喪失はまた、薬物誘発の、例え
ば、ヘパリン治療、アルコール使用、またはタバコ、バルビツレートもしくはコ
ルチコステロイドの使用から由来するものであってもよい。薬物誘発の骨喪失は
また、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRHまたはLHRH)または合成Gn
RHアンタゴニストまたはアゴニスト、例えば、商品名:LUPRON(登録商
標)の下でTAPファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド(TAP Phar
maceuticals Inc.)より市販されている注射可能な酢酸ルイプロリド(leuproli
de acetate)または商品名:Zoladex(登録商標)の下でゼネカ・ファー
マシューティカルズ・インコーポレイテッド(Zeneca Pharmaceuticals Inc.)
より市販されている酢酸ゴセレリンインプラントを用いる治療からも由来しうる
。かかる骨喪失はまた、個々の、慢性腎障害、吸収不良症候群、肝疾患、慢性閉
塞性肺疾患、慢性関節リウマチまたはサルコイドーシスの流動的でないことから
も由来しうる。
【0028】 加えて、1またはそれ以上のエストロゲンを含む処方中の式(I)および(I
I)の化合物は、閉経後の、またはエストロゲン補充が効果的である他のエスト
ロゲン欠乏状態の女性のホルモン代替療法に用いることができる。本発明の治療
法における化合物とエストロゲンの共生活性は、エストロゲン療法の望ましくな
い結果、例えば、子宮内膜の増殖症に至りうる、出血および/または過剰な子宮
内刺激を解決するのに特に重要である。したがって、これらの処方は、哺乳動物
における過剰なエストロゲン性子宮刺激を治療または予防する方法に用いること
ができる。 エストロゲンは多くの生理学的工程を制御する。エストロゲンの主たる標的組
織は、生殖器(卵巣;子宮)、哺乳動物組織、骨格、心血管系および中枢神経系
(CNS)を包含する。循環エストロゲンの減少は、多くの変化をもたらす。無
月経、子宮萎縮症に伴う生殖機能の停止、膣乾燥(ケラチナミン化の不足)の増
加がある。哺乳動物組織は相対的に静止状態となる。年齢が35歳以上のすべて
の個体に見られる、年に平均0.5−1.0%の骨重量の喪失割合に比べて、その
割合が2−7%と上昇する。脂質特性の変化が、通常測定される低密度リポ蛋白
(LDL)の増加および高密度リポ蛋白(HDL)の減少と共に生じ、関連して
心血管事象(心臓発作、卒中)の危険性が増大する。中枢神経系の変化は血管運
動徴候(顔面潮紅)の増加および潜在的には認識力および記憶の変化を包含する
【0029】 エストラゲン代替療法(ERT)はこれらの変化のいくつかを正常にし、特に
心血管系に関連するもの(LDLの低下、HDLの上昇、心臓発作および卒中の
危険性の減少)、骨格に関連するもの(骨重量の維持、骨折の危険の減少)およ
び中枢神経系に関連するもの(顔面潮紅の頻度および重度の減少)を正常とする
。生殖器が応答する一方で、すべてがすべて陽性というわけではない。陽性面で
は、膣乾燥が緩和される。しかしながら、陰性の子宮応答として、月経のような
出血を伴う、肥大および増殖が挙げられる。肺もまた影響を受け、外部からのエ
ストロゲン療法が肺癌の危険性の増加と相関関係にあるというデータもある。 近年、子宮を去勢していない女性に、エストロゲン単独では処方しないが、エ
ストロゲンとプロゲスチンとを組み合わせて処方して子宮刺激を減少させている
。子宮内膜癌の危険性はホルモン処理をしないレベルにまで減少するが、別のプ
ロゲスチンの副作用のため、女性のホルモン代替療法に対する了承は減少してい
る。
【0030】 本発明の組織選択的エストロゲン(TSE)化合物は、子宮および肺に関連す
る陰性の作用がなく、エストロゲンに類似する陽性の骨格および心血管作用を提
供する。TSEとエストロゲンの組み合わせは、CNS、骨および心血管に対し
てエストロゲンの陽性作用を誘導し、その組み合わせで骨および心血管系に対し
て相補的または付加的な効果が得られる。主な違いは、競争するもののないエス
トロゲンの主たる2つの陰性作用である、子宮および肺に対するエストロゲン性
作用をTSEが遮断できることである。 エストロゲンを含む本発明の処方は、骨喪失、骨粗鬆症、パジェット病、骨軟
化症、骨石灰脱失症、子宮内膜癌、多発性黒色腫および上記したように骨組織に
対して有害な作用を有する別の形態の癌の治療法に用いることもできる。 式(I)および(II)の化合物の投与量、投与計画および投与経路は、疾患
によって変化し、関与する内科医の判断に供される。本発明の1またはそれ以上
の化合物の投与は低い用量で開始し、所望の効果が得られるまで上昇させること
が好ましい。同様に、エストロゲンを利用する場合、そのエストロゲンの投与量
は慣用的方法に従って選択される。必要とする最少量のエストロゲンで所望の結
果が得られるように、その投与量はモニターすることが最も好ましい。
【0031】 式(I)および(II)の化合物の効果的な投与は、約0.01mg/日ない
し約1000mg/日の用量で投与される。好ましくは、投与を1回の投与で、
または2回またはそれ以上に分けた投与で1mg/日ないし約600mg/日で
あってもよい。約1mg/日と約150mg/日の間にある日用量を投与するこ
とが最も好ましい。かかる用量は、経口的、非経口的(静脈内、腹腔内および皮
下注射を包含)および経皮的方法を含む、本発明の活性化合物を受験者の血流中
に入れるのに有用な方法にて投与することができる。本開示の目的には、経皮投
与は、体表面ならびに上皮および粘膜組織を包含する体通絡の内層を横切るすべ
ての投与を含むものと理解される。ローション、クリーム、フォーム、パッチ、
懸濁液、溶液、および坐薬(直腸および膣)の、本発明の化合物、あるいはその
医薬上許容される塩を用いてかかる投与を行ってもよい。
【0032】 1またはそれ以上のエストロゲンおよび1またはそれ以上の式(I)および(
II)の活性化合物を含有する経口処方は、錠剤、カプセル、バッカル形態、ト
ローチ、ロゼンジおよび経口液、懸濁液もしくは溶液を包含する、慣用的に使用
される経口形態を含んでもよい。カプセルは、医薬上許容される澱粉(例えば、
トウモロコシ、ポテトまたはタピオカ澱粉)、砂糖、人工甘味料、結晶および微
結晶セルロースのごとき粉末セルロース、穀粉、ゼラチン、ガム等などの不活性
充填剤および/または希釈剤と活性化合物との混合物を含有していてもよい。有
用な錠剤処方を慣用的な打錠、湿式顆粒化または乾式顆粒化法により製造しても
よく、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニル
ピロリドン、ゼラチン、アルギン酸、アラビアゴム、キサンタンガム、クエン酸
ナトリウム、複合シリケート、炭酸カルシウム、グリシン、デキストリン、シュ
ークロース、ソルビトール、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、乳糖、カオ
リン、マンニトール、塩化ナトリウム、タルク、乾燥澱粉および粉末砂糖(これ
らに限らない)を包含する医薬上許容される希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、
懸濁剤または安定剤を用いてもよい。本明細書における経口処方は、活性化合物
の吸収を変化させる標準的な遅延または除放性処方を用いるものであってもよい
。坐薬の融点を変化させるためのロウを伴ったあるいは伴わないカカオ脂、なら
びにグリセリンを包含する伝統的な材料から坐薬処方を製造してもよい。種々の
分子量のポリエチレングルコールのごとき水溶性坐薬基材を用いてもよい。
【0033】 エストロゲンを本発明にて用いる場合、受験者の耐性および意図する個々の治
療および維持計画に応じて、エストロゲンは通常の投与計画の用量にて投与され
ることが理解されるであろう。式(I)および(II)の化合物は、エストロゲ
ンの処方活性を所望のレベルにまで作動させるのに、あるいは拮抗させるのに必
要な量にて投与されるであろう。抱合エストロゲン(USP)を用いる場合、一
日の投与量は0.3mgないし5.0mg、より好ましくは約0.3mgと約2.5
mgの間にあり、最も好ましくは約0.3mgと約1.25mg/日の間にある。
メストラノール(mestranol)の場合、一日の投与量は、約1μgないし約0.1
5mg/日であり、エチニルエストラジオールでは約1μgないし約0.03m
g/日の投与量、好ましくは約5μgと約0.15mg/日のエチニルエストラ
ジオールを用いることができる。
【0034】 これらの処方のエストロゲンおよび化合物はそれだけでまたは投与用医薬担体
と共に処方することができ、その割合は化合物の溶解性および化学的特性、選択
される投与経路および標準的薬理慣習により決定される。医薬担体は固体または
液体とすることができる。 固体担体は、矯味矯臭剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁化剤、充填剤、滑動剤、圧
縮助剤、結合剤または錠剤崩壊剤としても作用しうる1またはそれ以上の物質を
包含することができる;それはまたカプセル化物質とすることもできる。散剤中
の担体は微細化した有効成分と混合する微細化固体である。錠剤では、適当な割
合で必要な圧縮特性を有する担体と有効成分を混合し、所望の形状または大きさ
に圧縮する。散剤および錠剤は、好ましくは、99%までの有効成分を含有する
。適当な固体担体は、例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、
タルク、ショ糖、ラクトース、デキストリン、ゼラチン、セルロース、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、低
融点蝋およびイオン交換樹脂を包含する。
【0035】 液体担体は、溶液、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エリキシルおよび加圧
組成物の調製に使用される。有効成分は、水、有機溶媒、その両方の混合液また
は医薬上許容される油脂などの医薬上許容される液体担体に溶解または懸濁させ
ることができる。液体担体は、他の適当な医薬添加剤、例えば、可溶化剤、乳化
剤、緩衝剤、保存剤、甘味剤、矯味矯臭剤、懸濁化剤、増粘剤、着色剤、粘度調
節剤、安定化剤または浸透圧調節剤を含有しうる。経口および非経口投与用の液
体担体の適当な例は、水(部分的に、上記した添加剤、例えば、セルロース誘導
体、好ましくは、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液を含有する)、ア
ルコール(一価アルコールおよび多価アルコール、例えば、グリコールを包含す
る)およびその誘導体、レチシンおよび油(例えば、分別ココヤシ油および落花
生油)を包含する。非経口投与の場合、担体はまた、オレイン酸エチルおよびミ
リスチン酸イソプロピルなどの油状エステルとすることもできる。滅菌液体担体
は非経口投与用の滅菌液体形組成物に有用である。加圧組成物用の液体担体はハ
ロゲン化炭化水素または他の医薬上許容される噴射剤とすることができる。
【0036】 滅菌溶液または懸濁液である液体医薬組成物は、例えば、筋肉内、腹腔内また
は皮下注射により用いることができる。滅菌溶液はまた静脈内投与することもで
きる。本発明の化合物はまた液体または固体組成物の形態のいずれかで経口投与
することもできる。 本発明の化合物は通常の坐剤の形態で経直腸または経膣投与してもよい。鼻内
または気管支内吸入または通気による投与の場合、本発明の化合物は水性または
部分水性溶液に処方し、ついでそれをエアロゾルの形態にて使用することができ
る。本発明の化合物はまた、有効成分と、この有効成分に不活性であり、皮膚に
対して毒性がなく、そして全身性吸収剤のためにその薬剤を皮膚を通って血流に
デリバリーさせる担体を含有する経皮用パッチを用いて経皮的に投与することも
できる。その担体は、クリームおよび軟膏、ペースト、ゲルおよび吸蔵装置など
の多くの形態を取ることができる。クリームおよび軟膏は、水中油型または油中
水型いずれかの粘性な液体または半固体エマルジョンであってもよい。有効成分
を含有する鉱油または親水性鉱油中に分散させた吸着性粉末を含むペーストもま
た適当である。担体と共にまたはなしで有効成分を含有するリザバーを覆う半透
膜、または有効成分を含有するマトリックスなどの、種々の吸蔵装置を用いて有
効成分を血流中に放出することができる。他の吸蔵装置も文献中に記載されてい
る。
【0037】 投与量は、用いる個々の組成物、投与経路、徴候の重篤度および治療する個々
の対象に応じて変化する。治療は、一般に、化合物を最適量よりも少ない用量で
開始する。その後、その環境下で最適な作用が得られるまで用量を増加させる;
経口、非経口、経皮、経直腸または経膣坐剤、経鼻または気管支内および他の投
与の正確な投与量は、治療した個々の対象での経験に基づいて内科医が決定する
。好ましくは、医薬組成物は単位剤形、例えば、錠剤またはカプセルの形態であ
る。そのような形態の組成物は、適量の有効成分を含有する単位用量に細分割さ
れており、単位剤形は包装された組成物、例えば、包装散剤、バイアル、アンプ
ル、予め充填されたシリンジまたは液体含有のサッシェとすることができる。単
位剤形は、例えば、カプセルまたは錠剤それ自体であり得る;あるいは適当な数
の包装した形態の組成物とすることもできる。 本発明の処方の式(I)および(II)の化合物ならびにエストロゲンは、別
個の投与単位で、例えば、別個のピル、錠剤、散剤等にて、あるいは一の処方に
組み合わせて投与することができる。これらの処方の式(I)および(II)の
化合物およびエストロゲンの最適用量を決定したならば、投与が簡単なように、
その両方を一個の処方に組み込むことが好ましい。本明細書中の処方は、他の医
薬上活性な成分を含んでいてもいなくてもよいことも理解される。
【0038】
【実施例】 実験:本発明に記載の反応には、さらに精製することなく、無水の、Aldrich Su
re SealTM溶媒を用いる。これはAldrich Chemical Companyより入手することが
できる。反応はすべて窒素雰囲気下で行った。230−400メッシュのシリカ
ゲル(Merck Grade 60、Aldrich Chemical Company)を用いてクロマトグラフ
ィー操作を行った。EMサイエンスからのSilica Gel60 F254プレートを用い
て薄層クロマトグラフィー操作を行った。1H NMRスペクトルをDMSO中で
Bruker AM-400装置を用いて得、化学シフトをppmで記録した。融点はThom
as−Hoover装置を用いて行い、未修正のままである。IRスペクトルはPerkin−
Elmer回折格子またはPerkin-Elmer784分光光度計にて記録した。質量スペク
トルはKratos MS50またはFinnigan8230質量分光計にて記録した。元素分
析はPerkin-Elmer2400元素分析器を用いて得た。CHNが報告されている化
合物では、それは所定の式の理論値の0.4%以内にある。化合物の命名は、典
型的には、Beilstein Autonom TM プログラムを用いて行った。
【0039】 インデノインドールおよびベンゾカルバゾールの合成
【表1】
【0040】 実施例1(スキーム2の中間体#3) 5−メトキシ−1−インダノン(4−ベンジルオキシフェニル)−ヒドラゾン 4−ベンジルオキシフェニルヒドラジン[51145−58−5]*(10.0
g、51ミリモル)および5−メトキシインダノン[5111−70−6]**
9g、55ミリモル)および2、3滴のAcOHのEtOH(100ml)中溶
液を1時間加熱還流した。ついで反応物を冷却し、固体を沈殿させた。固体を濾
過し、黄褐色固体(14g、80%)を得た。1H NMR(DMSO)11.8
8(s,1H)、7.48(d,1H,J=8.4Hz)、7.43−7.32(m,5
H)、7.08(d,2H,J=9.0Hz)、6.88(m,3H)、6.81(d
d,1H,J=8.8Hz、2.4Hz)、5.17(s,2H)、3.75(s,3H
)、3.03(t,2H,J=6.6Hz)、2.73(t,2H,J=6.5Hz);
IR(KBr)3350、1520、1250cm-1;元素分析:CHNをC232222として計算する。 *:出発物質として4−ベンジルオキシアニリン(Aldrich Chemical)を用いて
Miyadera T.およびKosower E.M. J.Med.Chem. 15(1972)339−340
に記載の方法により調製。 **:Aldrich Chemical Companyより入手
【0041】 実施例2 (スキーム2の中間体#4) 2−メトキシ−8−ベンジルオキシ−5,10−ジヒドロ−インデノ[1,2−b]
インドール 5−メトキシ−1−インダノン(4−ベンジルオキシフェニル)−ヒドラゾン(
上記工程の#3)およびZnCl2(14g、100ミリモル)のAcOH(7
0ml)中溶液を110℃で30分間加熱した。ついで、反応物を水中に注ぎ、
EtOAcで抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させて濃縮した。生成物をフ
ラッシュクロマトグラフィー(溶出液:20%EtOAc/ヘキサン)で精製し
、黄色固体を得た。固体をエーテル中で攪拌し、濾過して白色固体(2.3g、
17%)を得た。融点:189−193℃;1H NMR(DMSO)11.28
(s,1H)、7.41(m,5H)、7.32(m,2H)、7.17(d,1H,J
=2.4Hz)、7.10(d,1H,J=2.4Hz)、6.89(dd,1H,J=
8.4Hz、2.4Hz)、6.75(dd,1H,J=8.6Hz、2.4Hz)、
5.10(s,2H)、3.78(s,3H)、3.60(s,2H);MS eI m
/z 342(M+)。
【0042】 実施例3 (スキーム2の中間体#5) 8−ベンジルオキシ−2−メトキシ−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エ
トキシ)ベンジル]−5,10−ジヒドロ−インデノ[1,2−b]インドール DMF(40ml)中の化合物#11(以下の記載を参照のこと)(5.0g
、23.9ミリモル)を0℃に冷却し、NaH(鉱油中60%分散液、1.15g
、28.8ミリモル)と反応させ、15分間攪拌した。得られた溶液をインデノ
インドール#4(4.0g、11.7ミリモル)と反応させ、つづいてさらにNa
H(鉱油中60%分散液、0.47g、11.7ミリモル)と反応させた。反応物
を室温にし、2時間攪拌した。反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、
硫酸マグネシウムで乾燥させて濃縮した。濃縮液をシリカゲル上のクロマトグラ
フィー(酢酸エチル/ヘキサン(7:3)、ついで100%酢酸エチル)に付し
て褐色固体を得、それをメタノールでトリチュレートし、灰白色固体(3.2g
)を得た。融点:102−105℃;1H NMR(DMSO)7.52(d,1H
,J=8.4Hz)、7.43(m,5H)、7.36(m,1H)、7.18(d,1
H,J=2.2Hz)、7.13(d,1H,J=2.4Hz)、7.04(d,2H,
J=8.6Hz)、6.85(dd,1H,J=8.3Hz、2.4Hz)、6.80
(m,3H)、5.58(s,2H)、5.10(s,2H)、3.93(t,2H,J
=5.9Hz)、3.77(s,3H)、3.64(s,2H)、2.55(t,2H
J=5.9Hz)、2.34(m,4H)、1.42(m,4H)、1.33(m,2
H);IR(KBr)2950、1460、1250cm-1;MS eI m/z
559(M+)。
【0043】 実施例4 (スキーム2の生成物#6) 2−メトキシ−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)ベンジル]−5
,10−ジヒドロ−インデノ[1,2−b]インドール−8−オール インデノインドール#5、1.6g10%Pd/Cおよびシクロヘキサジン(
8mL)ならびにTHF/EtOH(略1:1)からなる溶液を室温で18時間
攪拌し、その後、その反応混合物をセライトを介して濾過し、濃縮し、メタノー
ルでトリチュレートし、白色固体(2.2g)を得た。融点:144−146℃
。1H NMR(DMSO)8.74(s,1H)、7.48(d,1H,J=8.4
Hz)、7.29(d,1H,J=8.8Hz)、7.16(d,1H,J=2.2Hz
)、7.04(d,2H,J=8.8Hz)、6.82(m,4H)、6.55(dd,
1H,J=8.8Hz、2.2Hz)、5.53(s,2H)、3.93(t,2HJ
=6.0Hz)、3.76(s,3H)、3.60(s,2H)、2.55(t,2H,
J=5.9Hz)、2.34(m,4H)、1.43(m,4H)、1.33(m,2
H);IR(KBr)3400、2910、1460、1250cm−1;MS
eI m/z 469(M+);元素分析:CHNをC303223+0.5H2
O+0.4エタノールとして計算する。
【0044】 実施例5 (スキーム3の中間体#9) 4−(2−ピペリジン−エトキシ)ベンジルアルデヒド p−ヒドロキシベンズアルデヒド[123−08−0](83.5g、0.68
モル)およびK2CO3(224g、1.6モル)のDMF(1L)中で十分に攪
拌したスラリーに、1−(2−クロロエチル)ピペリジン[2008−75−5]
(120g、0.65モル)を加えた。反応混合物を2時間機械的に激しく攪拌
しながら還流した。2時間後、反応混合物をセライトを介して濾過し、EtOA
c(2L)で希釈し、水(3x500mL)で洗浄した。有機層を濃縮し、黄色
油のアルデヒド#9[138351−15−2](147g)を得た。1H NM
R(CDCl3)9.87(s,1H)、7.81(d,2H,J=8.7Hz)、7.
02(d,2H,J=8.7Hz)、4.14(t,2H,J=6.1Hz)、2.98
(t,2H,J=6.1Hz)、2.78(m,4H)、1.66−1.61(m,8H
)。
【0045】 実施例6 (スキーム3の中間体#10) 4−(2−ピペリジン−エトキシ)ベンジルアルコール 0℃での、アルデヒド#9(115g、0.49モル)のMeOH(0.36L
)中攪拌溶液に、NaBH4(9.44g、0.25モル)を少しずつ加えた。反
応物を30分間攪拌し、ついで水中に注ぎ、CH2Cl2で抽出し、ついでMgS
4上で乾燥させた。溶液を濃縮して91.6gの油状物を得、それを接種して結
晶化させた。1H NMR(CDCl3)7.23(d,2H,J=8.5Hz)、6.
80(d,2H,J=8.5Hz)、4.56(s,2H)、3.99(t,2H,J=
6.1Hz)、2.69(t,2H,J=6.1Hz)、2.47(m,4H)、1.6
0−1.25(m,6H);13C NMR(DMSO)158.2、135.3、1
28.7、114.8、66.4、63.4、58.3、55.3、26.4、24.8
【0046】 実施例7 (スキーム3の化合物#11) (4−クロロメチルフェノキシ)エチルピリジン塩酸塩 アルコール10(61.3g、0.26モル)のTHF(0.5L)中溶液を0
℃に冷却し、塩化水素気体を通気した。もはや粘りが観察されなくなるまで、通
気を続けた。反応物を冷却するのに用いた氷浴を取り外し、SOCl2(29m
L、0.39モル)を加え、ついで混合物が透明になるまでその混合物を50℃
で加熱した。反応混合物を−3℃に冷却し、30分間攪拌した。沈殿した白色固
体を集め、濾過し、乾燥させて塩化物#11(72g)を得た。1H NMR(D
MSO)11.0(brs,1H)、7.39(d,2H,J=8.5Hz)、6.9
9(d,2H,J=8.5Hz)、4.74(s,2H)、4.46(m,2H)、3.
45(m,4H)、2.69(m,2H)、1.90−1.20(m,6H)。
【0047】 実施例8(a) (スキーム4の中間体14) 5−メトキシ−1−テトラロン−(4−ベンジルオキシフェニル)ヒドラゾン 6−メトキシ−1−テトラロン[1078−19−9]*(14.8g、84ミ
リモル)および4−ベンジルオキシフェニルヒドラジン[5111−70−6] ** (15.0g、70ミリモル)ならびに2、3滴のAcOHのEtOH中溶液
を1時間加熱還流した。ついで、反応物を冷却し、固体を沈殿させた。固体を濾
過して#14(21.5g)を得た。融点:86−91℃;1H NMR(DMS
O)8.8(s,1H)、8.00−6.50(m,12H)、5.00(s,2H)
、3.82(s,3H)、2.80−2.65(m,4H)、1.90(t,2H,J=
6.0Hz)。 *:Aldrich Chemical Company **:出発物質として4−ベンジルオキシアニリン(Aldrich Chemical)を用い
てMiyadera T.およびKosower E.M. J.Med.Chem. 15(1972)339−34
0に記載の方法により調製。
【0048】 実施例8(b) (スキーム4の中間体15) 3−メトキシ−8−ベンジルオキシ−5,11−ジヒドロ−6H−ベンゾ[a]カ
ルバゾール ヒドラゾン#14(23g、61.7ミリモル)、ZnCl2(21.0g、1
54.4ミリモル)および100mLのAcOHを含有するフラスコを95℃で
10分間加熱した。反応物を室温にし、生成物を反応混合物より沈殿させた。生
成物をエーテルで洗浄し、濾過し、黄褐色固体の生成物#15(21g)を得た
。融点:182−185℃;1H NMR(DMSO)11.19(s,1H)、
7.59−7.36(m,6H)、7.26(d,1H,J=8.7Hz)、7.08(
d,1H,J=2.3Hz)、6.94−6.87(m,2H)、6.79(dd,1H
,J=8.7Hz、2.4Hz)、5.14(s,2H)、3.81(s,3H)、2.
99(t,2H,J=7.1Hz)、2.86(t,2H,J=6.1Hz)。
【0049】 実施例9 (スキーム4の中間体#17) 4−(2−クロロエトキシ)ベンジルブロミド 0℃での、ジオキサン(100mL)中の4−(2−クロロエトキシ)ベンジル
アルコール#16[11172−87−1p](6.4g、34.3ミリモル)を
ゆっくりと臭化チオニル(7.13g、34.3ミリモル)に加えた。反応物を5
分後0℃にした。反応混合物をエーテル(200mL)で希釈し、H2O(1x
30mL)で、ついでNaHCO3(2x25mL)およびブライン(30mL
)洗浄した。有機抽出液をMgSO4で乾燥させて濃縮した。粗生成物をシリカ
ゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン(1:6))に付し
て精製し、白色固体の所望の生成物#17(5.0g、58%)を得た。融点:
64−66℃;1H NMR(DMSO)7.37(d,2H,J=8.8Hz)、6
.93(d,2H,J=8.8Hz)、4.68(s,2H)、4.24(t,2H,J
=5.0Hz)、3.93(t,2H,J=5.3Hz);MS eI m/z 248
(M+)。
【0050】 実施例10 (スキーム4の中間体18) 11−[4−(2−クロロエトキシ)ベンジル]−8−ベンジルオキシ−3−メトキ
シ−5,11−ジヒドロ−6H−ベンゾ[a]カルバゾール DMF中のベンゾ[a]カルバゾール#15(10g、28.1ミリモル)を0
℃に冷却し、NaH(1.66g、41.5ミリモル)と反応させて10分間攪拌
した。ついで、該溶液を4−(2−クロロエトキシ)ベンジルブロミド#17(1
1.2g、45.0ミリモル)のDMF中溶液に加え、反応物を0℃で5分間攪拌
し、ついで室温で20分間攪拌させた。水でクエンチし、酢酸エチルで抽出する
ことで反応物を後処理した。酢酸エチルをブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥
させた。反応混合物を濃縮して粗油状物の生成物(15g)を得、それを次の反
応のために用いた。1H NMR(DMSO)7.52−6.82(m,13H)、
6.80(dd,1H,J=8.4Hz、2.6Hz)、6.75(dd,1H,8.8
Hz、2.4Hz)、5.56(s,2H)、5.11(s,2H)、4.20(t,
2H,J=6.0Hz)、3.90(t,2H,J=6.2Hz)、3.73(s,3H
)、2.92−2.75(m,4H)。
【0051】 実施例11 (スキーム4の化合物19) 3−メトキシ−8−ベンジルオキシ−11−[4−(2−ピペリジン−1−イル−
エトキシ)ベンジル]−5,11−ジヒドロ−6H−ベンゾ[a]カルバゾール DMF中の中間体#18、11−[4−(2−クロロエトキシ)ベンジル]−8−
ベンジルオキシ−3−メトキシ−5,11−ジヒドロ−6H−ベンゾ[a]カルバ
ゾール(6g、11.5ミリモル)をKI(2.5g、15.0ミリモル)および
ピペリジン(12mL)と反応させ、65℃で18時間加熱した。粗反応混合物
を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出することで反応物を後処理した。酢酸エチル層
をNaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。得られた物
質を溶出溶媒としてCH2Cl2(100%)、CH2Cl2:MeOH(98:2
)、CH2Cl2:MeOH(96:4)を用いてシリカゲル上のクロマトグラフ
ィーに付した。生成物を油状物として単離した(3.2g)。1H NMR(DM
SO)7.52−7.12(m,8H)、6.98−6.82(m,5H)、6.80
(dd,1H,J=8.4Hz、2.6Hz)、6.73(dd,1H,J=8.8Hz
、2.4Hz)、5.56(s,2H)、5.11(s,2H)、3.98(t,2H,
J=6.0Hz)、3.70(s,3H)、2.85−2.78(m,2H)、2.7
5(s,2H)、2.60(t,2H,J=6.5Hz)、2.42−2.38(m,4
H)、1.70−1.58(m,4H)、1.58−1.35(m,2H)。
【0052】 実施例12 (スキーム4の化合物20) 11−[4−(2−アゼパン−1−イル−エトキシ)ベンジル]−8−ベンジルオキ
シ−3−メトキシ−5,11−ジヒドロ−6H−ベンゾ[a]カルバゾール 用いるアミンがヘキサメチレンイミンであることを除いて、#19と同様に#
20を調製した。生成物を油状物として単離した。1H NMR(DMSO)7.
52−7.12(m,8H)、6.98−6.82(m,5H)、6.80(dd,1
H,J=8.4Hz、2.6Hz)、6.73(dd,1H,J=8.8Hz、2.4H
z)、5.56(s,2H)、5.10(s,2H)、3.97(t,2H,J=6.0
Hz)、3.73(s,3H)、2.85−2.70(m,6H)、2.68−2.6
2(m,4H)、1.70−1.43(m,8H)。
【0053】 実施例13 (スキーム4の化合物#21) 3−メトキシ−11−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)ベンジル]−
5,11−ジヒドロ−6H−ベンゾ[a]カルバゾール−8−オール 化合物#19(3.2g)をTHF/EtOH(30mL、1:1)に溶かし
、10%Pd/C(1.2g)およびシクロヘキサジン(8mL)で処理した。
反応混合物を室温で3時間攪拌し、ついでセライトを介して濾過し、濃縮した。
粗生成物をメタノールから沈殿させ、白色固体として#21(1.3g)を得た
。融点:141−143℃;1H NMR(DMSO)8.75(s,1H)、7.
27(d,1H,J=8.5Hz)、7.09(d,1H,J=8.5Hz)、7.00
−6.90(m,3H)、6.84(d,2H,J=8.8Hz)、6.80(d,1H
,J=2.4Hz)、6.70(dd,1H,J=8.4Hz、2.6Hz)、6.58
(dd,1H,J=8.8Hz、2.4Hz)、5.45(s,2H)、3.98(t,
2H,J=6.0Hz)、3.70(s,3H)、2.89(t,2H,J=6.6Hz
)、2.75(t,2H,J=6.5Hz)、2.60(t,2H,J=6.5Hz)、
2.40−2.30(m,4H)、1.53−1.40(m,4H)、1.39−1.3
0(m,2H);MS[M+H]観測 m/z=483;元素分析:C31342
3+0.60H2OとしてのCNS計算値
【0054】 実施例14 (スキーム4の化合物#22) 11−[4−(2−アゼパン−1−イル−エトキシ)ベンジル]−3−メトキシ−5
,11−ジヒドロ−6H−ベンゾ[a]カルバゾール−8−オール 実施例#21の合成について記載する反応と同様の反応を行った。融点:11
5−118℃;1H NMR(DMSO)8.74(s,1H)、7.27(d,1H
,J=8.5Hz)、7.08(d,1H,J=8.5Hz)、7.0−6.90(m,
3H)、6.84(d,2H,J=8.8Hz)、6.80(d,1H,J=2.4Hz
)、6.71(dd,1H,J=8.5Hz、2.6Hz)、6.58(dd,1H,J
=8.8Hz、2.4Hz)、5.48(s,2H)、3.94(t,2H,J=6.0
Hz)、3.72(s,3H)、2.87(t,2H,J=6.6Hz)、2.80−
2.73(m,4H)、2.64−2.60(m,4H,J=4.4Hz)、1.60−
1.45(m,8H);IR(KBr)3400、2900、1500、1250
cm-1;MS(−)FAB m/z 495(M−H)-;元素分析:C323623+0.33CH3OHとしてのCNS計算値
【0055】
【化28】
【化29】
【0056】 スキーム5のベンゾカルバゾールは、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベン
ゾキノン(DDQ)を用いてジヒドロカルバゾール中間体20を酸化する付加工
程をその反応経路に挿入するが、ジヒドロ化合物と同様に調製した。
【0057】 実施例15 (スキーム5のヒドラゾン19) 4−ベンジルオキシフェニルヒドラジド18(8g、37.3ミリモル)、4
−ベンジルオキシテトラロン17(11.3g、44.8ミリモル)、AcOH(
5滴)のEtOH中溶液を3時間加熱還流し、その間にすべての反応物が溶液と
なった。反応物を0℃に冷却し、生成物を沈殿させ、濾過した。生成物20(9
.5g)を白色固体として単離した。融点102−104℃。室温に放置した生
成物は変色するため、該生成物は直ちに使用することが最良であることがわかっ
た。
【0058】 実施例16 (スキーム5のジヒドロベンゾカルバゾール20) 3,8−ビス−ベンジルオキシ−5,11−ジヒドロ−6H−ベンゾ[a]カルバゾ
ール ヒドラゾン19(7.5g、16.7ミリモル)をAcOH(50mL)に溶か
し、ZnCl2(5.7g、42ミリモル)と反応させ、ついで105℃で15分
間加熱し、その間に、すべての物質が溶解した。室温で反応させて、反応混合物
をEt2OとH2Oの間に分配させることで後処理を行った。どの層にも不溶性で
ある生成物20を、二層混合物を濾過することで単離した。生成物を白色固体(
5.6g)として単離した。融点:177−180℃;MS APCI 430(
M−H)。
【0059】 実施例17 (スキーム5のベンゾカルバゾール5) 3,8−ビス−ベンジルオキシ−11H−ベンゾ[a]カルバゾール ベンゼン(50mL)中のジヒドロカルバゾール20(5.1g、11.9ミリ
モル)をDDQ(3.2g、14ミリモル)と反応させて還流温度で3時間加熱
した。粗反応混合物をEtOAcおよびH2Oの間に分配し、どの層にも不溶性
である生成物を濾過した。このように濾過した粗沈殿物をEt2Oでトリチュレ
ートし、明灰色固体として所望の物質21(3.4g)を得た。融点:244−
248℃;MS eI 429。
【0060】 実施例18 (スキーム5のアルキル化ベンゾカルバゾール22) 3,8−ビス−ベンジルオキシ−11−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エト
キシ)ベンジル]−11H−ベンゾ[a]カルバゾール ベンゾカルバゾール21(1.2g、2.8ミリモル)をDMF(30mL)(
出発物質はこの溶媒に溶けないようである)に入れ、0℃に冷却し、NaH(鉱
油中60%分散液、300mg、7.8ミリモル)で処理し、0℃で15分間攪
拌した。側鎖のピペリジノエトキシ塩化ベンジル(0.97g、3.3ミリモル)
を加え、反応物をさらに15分間0℃で攪拌し、つづいて室温で1時間攪拌した
。反応物をEtOAcとH2Oの間に分配し、どの層にも溶解しない生成物を濾
過した。その生成物をEt2Oでトリチュレートし、白色固体として所望の生成
物6(1.3g)を得た。融点:171−173℃;MS(+)ESI 647(
M+H)。
【0061】 実施例19 (スキーム5のアルキル化ベンゾカルバゾール23) 11−[4−(2−アゼパン−1−イル−エトキシ)ベンジル]−3,8−ビス−ベ
ンジルオキシ−11H−ベンゾ[a]カルバゾール ベンゾカルバゾール22と同様にしてベンゾカルバゾール23を調製した。融
点:175−177℃;MS ESI(+)661(M+H)。
【0062】 実施例20 (スキーム5のベンゾカルバゾール24) 11−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)ベンジル]−11H−ベンゾ
[a]カルバゾール−3,8−ジオール 保護したベンゾカルバゾール22(1.15g)のTHF/EtOH(75:
25)中溶液を、シクロヘキサジエン(4.5mL)および10%Pd/Cで処
理し、室温で一夜攪拌させた。溶液をセライトを介して濾過し、シリカゲル上の
クロマトグラフィー(10%MeOH/CH2Cl2)に付して生成物を得、それ
をEt2Oでトリチュレートし、明灰色固体の生成物を得た。融点:249−2
51℃;1H NMR(DMSO)δ9.68(s,1H)、9.05(s,1H)、
8.21(d,1H,J=9.2Hz)、8.04(d,1H,J=8.5Hz)、7.
48(d,1H,J=2.2Hz)、7.46−7.40(m,2H)、7.26(d,
1H,J=2.4Hz)、6.70−6.96(m,3H)、6.89(dd,1H,J
=8.7Hz、2.2Hz)、6.83(d,2H,J=8.6Hz)、5.92(s,
2H)、3.95(t,2H,J=5.8Hz)、2.63−2.55(m,2H)、
2.42−2.33(m,4H)、1.50−1.42(m,4H)、1.38−1.2
9(m,2H);MS ESI(+) 467(M+H)。
【0063】 実施例21 (スキーム5のベンゾカルバゾール25) 11−[4−(2−アゼパン−1−イル−エトキシ)ベンジル]−11H−ベンゾ[
a]カルバゾール−3,8−ジオール ベンゾカルバゾール23と同様にしてベンゾカルバゾール25を調製した。融
点:204−206℃;1H NMR(DMSO)δ9.7(brs,1H)、9.
1(brs,1H)、8.21(d,1H,J=9.2Hz)、8.04(d,1H,J
=8.5Hz)、7.48(d,1H,J=2.2Hz)、7.46−7.40(m,2
H)、7.26(d,1H,J=2.39Hz)、7.02−6.97(m,3H)、
6.88(dd,1H,J=8.7Hz、2.1Hz)、6.82(d,2H,J=8.
6Hz)、5.92(s,2H)、3.92(t,2H,J=6.0Hz)、2.76
(t,2H,J=6.9Hz)、2.65−2.57(m,4H)、1.57−1.48
(m,8H);MS ESI(+) 481(M+H)。
【0064】 生物学的データ インビトロのエストロゲン受容体結合アッセイ 受容体の調製 エストロゲン受容体を過剰に発現するCHO細胞を、DMEM+10%デキス
トランを被覆し、仔ウシ血清を縞状に付したチャコールを入れた150mm2
にて増殖させた。プレートをPBSで2回、10mMトリス塩酸(pH7.4)
、1mM EDTAで1回洗浄した。表面を擦り落とすことで細胞を収穫し、つ
いでその細胞懸濁液を氷上に置いた。手で支える電動式組織粉砕機で、10秒間
2回粉砕して細胞を破壊した。粗調製物を12000gで20分間遠心分離に付
し、つづいて100000gで60分間遠心させ、リボソーム不含サイトゾルを
得た。そのサイトゾルを凍結させ、−80℃で貯蔵した。サイトゾルの蛋白濃度
を標準対照蛋白を用いるBCAアッセイを用いて評価した。
【0065】 結合アッセイ条件 投入した[3H]−17β−エストラジオール全量と2.0%よりも低く結合す
る、96−ウェルプレート(ポリスチレン*)にて競合アッセイを行い、各デー
タを3回ずつ集めた。100μg/100μLの受容体調製物をウェル毎にアリ
コートした。50μL容量の飽和量の2.5nM[3H]17β−エストラジオー
ル+競合物質(または緩衝物質)を予備競合にて加え、100倍および500倍
の競合物質を評価する場合には、わずか0.8nMの[3H]17β−エストラジ
オールを用いた。プレートを室温で2.5時間インキュベートした。インキュベ
ーション期間の終わりに、150μLの氷冷デキストラン被覆チャコール(0.
05%69Kデキストランで被覆した5%活性化チャコール)を各ウェルに加え
、プレートを直ちに99gで5分間4℃で遠心分離に付した。200μLの上清
溶液を取り、シンチレーション計数に付した。いずれが最初に起こるとしても、
2%または10分まで試料を計数した。ポリスチレンは少量の[3H]17β−
エストラジオールを吸収するため、放射活性およびサイトゾルを含有するが、チ
ャコールで処理されなかったウェルを含めて、利用可能な同位体の量を定量した
。また、放射活性を含有するが、サイトゾルを含有しないウェルをチャコールで
処理し、[3H]17β−エストラジオールの除去できないDPMを評価した。
【0066】 結果分析 クエンチした一連の標体を用いるベックマンLS7500シンチレーションカ
ウンターにより、放射活性のカウント毎分(CPM)を自動的に崩壊した放射活
性毎分(DPM)に変換し、各試料についてH#を得た。100倍または500
倍の競合物質の存在下にあるエストラジオール結合の%を計算するのに、次式を
用いた: ((DPM試料−チャコールで除去されなかったDPM)/(DPMエスト
ラジオール−チャコールで除去されなかったDPM))x100=エストラジオ
ールの結合した% IC50曲線を作成するのに、化合物に対する%結合をプロットする。500倍
の競合物質濃度で>30%の競合を示す化合物に関するIC50を得る。
【0067】
【表2】
【0068】 2X VIT ERE感染アッセイ 細胞の維持および処置 ヒトエストロゲン受容体と安定してトランスフェクトさせたチャイニーズハム
スター卵巣細胞(CHO)を、DMEM+10%仔ウシ血清(FBS)中に維持
した。処理する48時間前に、成長培地をフェノールレッドを欠くDMEM+1
0%デキストランで被覆し、FBSを縞状に付したチャコール(処理培地)と置
換した。細胞を1ウェルに付き200μLの培地を含有する96−ウェルプレー
トに5000細胞/ウェルの密度でプレートした。
【0069】 リン酸カルシウムトランスフェクション レポーターDNA(ルシフェラーゼ遺伝子を作動させる最小チミジンキナーゼ
プロモーターの前にビテロゲニンEREの2つの縦列コピーを含有するプロメガ
プラスミドpGL2)をB−ガラクトシダーゼ発現プラスミドpCH110(Ph
armacia)およびキャリアーDNA(pTZ18U)と次の割合で混合した: 10μgのレポーターDNA 5μgのpCH110DNA 5μgのpTZ18U 20μgのDNA/トランスフェクション溶液1ml
【0070】 DNA(20μg)を500μLの250mM滅菌CaCl2に溶かし、50
0μLの2xHeBS(0.28M NaCl、50mM HEPES、1.5mM
Na2HPO4、pH7.05)に滴下し、室温で20分間インキュベートした。
20μLのこの混合物を各ウェルの細胞に加え、その細胞上に16時間保持した
。このインキュベーションの終わりに、沈殿物を取り出し、細胞を培地で洗浄し
、新鮮な処理培地と置き換え、細胞をビヒクル、1nM 17β−エストラジオ
ール、1μMの化合物または1μMの化合物+1nM 17β−エストラジオー
ル(エストロゲンアンタゴニストの試験)で処理した。各処理条件を8個のウェ
ル(n=8)について行い、それをルシフェラーゼ検定の前に24時間インキュ
ベートした。
【0071】 ルシフェラーゼ検定 化合物に曝した24時間後に、培地を取り除き、各ウェルを125μLのMg ++ およびCa++を欠くPBSで2回洗浄した。PBSを除去した後、25μLの
プロメガ溶菌緩衝液を各ウェルに加え、室温で15分間、つづいて−80℃で1
5分間および37℃で15分間放置した。20μLの溶菌液をルシフェラーゼ活
性を評価するための不透明な96ウェルプレートに移し、残りの溶菌液(5μL
)をB−ガラクトシダーゼ活性の評価に使用した(トランスフェクションを正規
化する)。ルシフェラーゼ基質(Promega)を100μLのアリコートにて各ウ
ェルにルミノメーターにより自動的に添加し、形成された光(相対的光単位)を
添加の10秒後に読んだ。
【0072】 感染ルシフェラーゼ検定(標準) 化合物 %活性化 17β−エストラジオール 100%活性 エストリオール 38%活性 ラロキシフェン(Raloxifenen) 0%
【0073】 B−ガラクトシダーゼ検定 残りの5μLの溶菌液に、45μLのPBSを加えた。ついで、50μLのプロ
メガB−ガラクトシダーゼ2x検定緩衝液を加え、十分に混合し、37℃で1時
間インキュベートした。標準曲線を含有するプレート(0.1ないし1.5ミリ単
位、3重複)を各実験にセットアップした。分子装置である分光光度計プレート
読取機上、410nmでプレートを分析した。未知物質の光学濃度を標準曲線か
らの数理的外挿操作により活性のミリ単位に変えた。
【0074】 結果分析 ルシフェラーゼのデータを10秒間の測定の間に蓄積された相対的光単位(R
LU)として得、自動的にバックグラウンドRLUが差し引かれるJMP(SAS
Inc.)ファイルに移した。B−ガラクトシダーゼ値は自動的にそのファイルに入
れられ、RLUをこれらの値で割ってデータを正規化した。平均および標準偏差
値を各処理について8個の試験より決定した。化合物の活性を各プレートについ
て17β−エストラジオールと比較した。17β−エストラジオールと比較した
活性割合を式:%=((エストラジオール−対照)/(化合物の値))x100
を用いて算出した。
【0075】 感染ルシフェラーゼ活性
【表3】
【0076】 表2のデータから分かるように、ベンゾ[a]カルバゾール(実施例13および
14)はインデノインドール(実施例4)よりもER受容体により強く結合する
。表3にある感染ルシフェラーゼ検定のデータから、いずれの化合物もこのプロ
モーターに対して有意なアゴニスト活性を示さないことが分かる。ベンゾ[a]カ
ルバゾールはエストラジオールの効果を基線または略基線レベルにまで拮抗する
能力を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 19/08 A61P 19/08 19/10 19/10 C07D 209/70 C07D 209/70 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 マイケル・デイビッド・コリーニ アメリカ合衆国19018ペンシルベニア州ク リフトン・ハイツ、デイビス・アベニュー 251番 (72)発明者 バック・ディン・トラン アメリカ合衆国21221メリーランド州ボル ティモア、アパートメント・エイ、グレン シャノン・コート10番 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA03 AA04 BC12 DA08 GA12 MA01 MA02 NA05 NA14 ZA36 ZA96 4C204 CB25 DB01 EB01 FB17 GB03 GB25

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)または(II): 【化1】 [式中: R1はH、OHまたはそのC1−C12エステルまたはアルキルもしくはハロゲン
    化アルキルエーテル、あるいはハロゲンから選択され; R2、R3、R4、R5およびR6は、独立して、H、OHまたはそのC1−C12
    ステルまたはアルキルもしくはハロゲン化アルキルエーテル、ハロゲン、シアノ
    、C1−C6アルキル、あるいはトリフルオロメチルから選択される;ただし、R 1 がHである場合、R2はOH以外の基であり; Xは(CH2)n'または−CH=CH−であり; n’は1または2であり; nは2ないし4であり; Yは: a)式: 【化2】 (式中、R7およびR8は、独立して、H、C1−C6アルキルまたはフェニルから
    なる群より選択されるか、あるいはpが2ないし6の整数である、メチレン架橋
    していてもよい、−(CH2)p−で結合して環を形成し、該環はヒドロキシル、ハ
    ロゲン、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメ
    トキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アル
    キルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CO
    NH(C1−C4)アルキル、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ−(C1−C4
    ルキル)アミノ、−NHSO2(C1−C4)アルキル、−NHCO(C1−C4)アルキ
    ルおよび−NO2から選択される3個までの置換基で置換されていてもよい) で示される基;または b)ヒドロキシル、ハロゲン、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1
    4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキル
    チオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキ
    シ(C1−C4)アルキル、1ないし3個の(C1−C4)アルキルで置換されていても
    よいフェニル、−CO2H、−CN、−CONHR1、−NH2、C1−C4アルキ
    ルアミノ、ジ−(C1−C4アルキル)アミノ、−NHSO21、−NHCOR1
    よび−NO2から独立して選択される1ないし3個の置換基で置換されていても
    よい、−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=および−S(O)m
    −(mは0ないし2の整数)から選択される2個までのヘテロ原子を含有する、
    飽和、不飽和または一部不飽和の5員複素環;または c)ヒドロキシル、ハロゲン、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1
    4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキル
    チオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキ
    シ(C1−C4)アルキル、1ないし3個の(C1−C4)アルキルで置換されていても
    よいフェニル、−CO2H、−CN、−CONHR1、−NH2、C1−C4アルキ
    ルアミノ、ジ−(C1−C4アルキル)アミノ、−NHSO21、−NHCOR1
    よび−NO2から独立して選択される1ないし3個の置換基で置換されていても
    よい、−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=および−S(O)m
    −(mは0ないし2の整数)から選択される2個までのヘテロ原子を含有する、
    飽和、不飽和または一部不飽和の6員複素環;または d)ヒドロキシル、ハロゲン、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1
    4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキル
    チオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキ
    シ(C1−C4)アルキル、1ないし3個の(C1−C4)アルキルで置換されていても
    よいフェニル、−CO2H、−CN、−CONHR1、−NH2、C1−C4アルキ
    ルアミノ、ジ−(C1−C4アルキル)アミノ、−NHSO21、−NHCOR1
    よび−NO2から独立して選択される1ないし3個の置換基で置換されていても
    よい、−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=および−S(O)m
    −(mは0ないし2の整数)から選択される2個までのヘテロ原子を含有する、
    飽和、不飽和または一部不飽和の7員複素環;または e)フェニル環に縮合した5または6員の複素環式環からなる二環式環系で
    あって、その複素環式環がヒドロキシル、ハロゲン、C1−C4アルキル、トリハ
    ロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C 1 −C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホ
    ニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、1ないし3個の(C1−C4)アルキルで置
    換されていてもよいフェニル、−CO2H、−CN、−CONHR1、−NH2
    1−C4アルキルアミノ、ジ−(C1−C4アルキル)アミノ、−NHSO21、−
    NHCOR1および−NO2から独立して選択される1ないし3個の置換基で置換
    されていてもよい、−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=およ
    び−S(O)m−(mは0ないし2の整数)から選択される2個までのヘテロ原子
    を含有する、二環式環系 から選択される] で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
  2. 【請求項2】 Yが: a)ヒドロキシル、ハロゲン、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1
    4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキル
    チオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキ
    シ(C1−C4)アルキル、1ないし3個の(C1−C4)アルキルで置換されていても
    よいフェニル、−CO2H、−CN、−CONHR1、−NH2、C1−C4アルキ
    ルアミノ、ジ−(C1−C4アルキル)アミノ、−NHSO21、−NHCOR1
    よび−NO2から独立して選択される1ないし3個の置換基で置換されていても
    よい、−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=および−S(O)m
    −(mは0ないし2の整数)から選択される2個までのヘテロ原子を含有する、
    飽和5員複素環; b)ヒドロキシル、ハロゲン、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1
    4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキル
    チオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキ
    シ(C1−C4)アルキル、1ないし3個の(C1−C4)アルキルで置換されていても
    よいフェニル、−CO2H、−CN、−CONHR1、−NH2、C1−C4アルキ
    ルアミノ、ジ−(C1−C4アルキル)アミノ、−NHSO21、−NHCOR1
    よび−NO2から独立して選択される1ないし3個の置換基で置換されていても
    よい、−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=および−S(O)m
    −(mは0ないし2の整数)から選択される2個までのヘテロ原子を含有する、
    飽和6員複素環;または c)ヒドロキシル、ハロゲン、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1
    4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキル
    チオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキ
    シ(C1−C4)アルキル、1ないし3個の(C1−C4)アルキルで置換されていても
    よいフェニル、−CO2H、−CN、−CONHR1、−NH2、C1−C4アルキ
    ルアミノ、ジ−(C1−C4アルキル)アミノ、−NHSO21、−NHCOR1
    よび−NO2から独立して選択される1ないし3個の置換基で置換されていても
    よい、−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=および−S(O)m
    −(mは0ないし2の整数)から選択される2個までのヘテロ原子を含有する、
    飽和7員複素環 から選択される、請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 Xが(CH2)n'であり、 n’が1であり、 R1がH、OHまたはそのC1−C4エステルもしくはアルキルエーテル、ハロ
    ゲンから選択され、 R2、R3、R4、R5およびR6が、独立して、H、OHまたはそのC1−C4
    ステルまたはアルキルエーテル、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびト
    リフルオロメチルから選択される;ただし、R1がHである場合、R2はOH以外
    の基であり、 Yが、式: 【化3】 (式中、R7およびR8は、独立して、H、C1−C6アルキルより選択されるか、
    あるいはpが2ないし6の整数である、メチレン架橋していてもよい、−(CH2 )p−で結合して環を形成し、該環は水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1−C4
    ルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4
    ルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒ
    ドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONH(C1−C4)アル
    キル、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ−(C1−C4アルキル)アミノ、−
    NHSO2(C1−C4)アルキル、−NHCO(C1−C4)アルキルおよび−NO2
    群から選択される3個までの置換基で置換されていてもよい) で示される基である、請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Xが(CH2)n'であり、 n’が2であり、 R1がH、OHまたはそのC1−C4エステルもしくはアルキルエーテル、およ
    びハロゲンから選択され、 R2、R3、R4、R5およびR6が、独立して、H、OHまたはそのC1−C4
    ステルまたはアルキルエーテル、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびト
    リフルオロメチルから選択される;ただし、R1がHである場合、R2はOH以外
    の基であり、 Yが、式: 【化4】 (式中、R7およびR8は、独立して、H、C1−C6アルキルより選択されるか、
    あるいはpが2ないし6の整数である−(CH2)p−で結合して環を形成し、該環
    はヒドロキシル、ハロゲン、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アル
    コキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィ
    ニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2
    H、−CN、−CONH(C1−C4)アルキル、−NH2、C1−C4アルキルアミ
    ノ、ジ−(C1−C4アルキル)アミノ、−NHSO2(C1−C4)アルキル、−NH
    CO(C1−C4)アルキルおよび−NO2から選択される3個までの置換基で置換
    されていてもよい) で示される基である、請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】 Xが(CH2)n'であり、 n’が1であり、 R1がOHであり、 R2、R3、R4、R5およびR6が、独立して、H、OHまたはそのC1−C4
    ステルまたはアルキルエーテル、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびト
    リフルオロメチルから選択され、 Yが、式: 【化5】 (式中、R7およびR8は、rが4ないし6の整数である、メチレン架橋していて
    もよい、−(CH2)r−と一緒に連結して環を形成し、ヒドロキシル、ハロゲン、
    1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、
    1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスル
    ホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONH(C1
    −C4)アルキル、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ−(C1−C4アルキル)
    アミノ、−NHSO2(C1−C4)アルキル、−NHCO(C1−C4)アルキルおよ
    び−NO2から選択される3個までの置換基で置換されていてもよい) で示される基である、請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Xが(CH2)n'であり、 n’が2であり、 R1がOHであり、 R2、R3、R4、R5およびR6が、独立して、H、OHまたはそのC1−C4
    ステルまたはアルキルエーテル、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびト
    リフルオロメチルから選択され、 Yが、式: 【化6】 (式中、R7およびR8は、rが4ないし6の整数である、メチレン架橋していて
    もよい、−(CH2)r−と一緒に連結して環を形成し、ヒドロキシル、ハロゲン、
    1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、
    1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスル
    ホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONH(C1
    −C4)アルキル、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、C1−C4ジアルキルアミ
    ノ、−NHSO2(C1−C4)アルキル、−NHCO(C1−C4)アルキルおよび−
    NO2から選択される3個までの置換基で置換されていてもよい) で示される基である、請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】 8−ベンジル−2−メトキシ−5−[4−(2−ピペリジン−
    1−イルエトキシ)ベンジル]−5,10−ジヒドロインデノ[1,2−b]インドー
    ルまたはその医薬上許容される塩である、請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】 2−メトキシ−5−[4−(2−ピペリジン−1−イルエトキ
    シ)ベンジル]−5,10−ジヒドロインデノ[1,2−b]インドール−8−オール
    またはその医薬上許容される塩である、請求項1記載の化合物。
  9. 【請求項9】 11−[4−(2−アゼピン−1−イルエトキシ)ベンジル]−
    8−ベンジルオキシ−3−メトキシ−5,11−ジヒドロ−6H−ベンゾ[a]カ
    ルバゾールインドールまたはその医薬上許容される塩である、請求項1記載の化
    合物。
  10. 【請求項10】 11−[4−(2−アゼピン−1−イルエトキシ)ベンジル]
    −3−メトキシ−5,11−ジヒドロ−6H−ベンゾ[a]カルバゾール−8−オ
    ールインドールまたはその医薬上許容される塩である、請求項1記載の化合物。
  11. 【請求項11】 3−メトキシ−8−ベンジルオキシ−11−[4−(2−ピ
    ペリジン−1−イルエトキシ)ベンジル]−5,11−ジヒドロ−6H−ベンゾ[a
    ]カルバゾールインドールまたはその医薬上許容される塩である、請求項1記載
    の化合物。
  12. 【請求項12】 3−メトキシ−11−[4−(2−ピペリジン−1−イルエ
    トキシ)ベンジル]−5,11−ジヒドロ−6H−ベンゾ[a]カルバゾール−8−
    オールインドールまたはその医薬上許容される塩である、請求項1記載の化合物
  13. 【請求項13】 式: 【化7】 [式中: nは2ないし4であり; R1はH、OHまたはそのC1−C4エステルまたはアルキルエーテル、ハロゲ
    ンから選択され; R2、R3、R4、R5およびR6は、独立して、H、OHまたはそのC1−C4
    ステルまたはアルキルエーテル、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、あるい
    はトリフルオロメチルから選択される;ただし、R1がHである場合、R2はOH
    以外の基であり; Yは、式: 【化8】 (式中、R7およびR8は、独立して、H、C1−C6アルキルから選択されるか、
    あるいはpが2ないし6の整数である、炭素原子の間がメチレン架橋していても
    よい、−(CH2)p−で結合して環を形成し、該環はヒドロキシル、ハロゲン、C 1 −C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C 1 −C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホ
    ニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONH(C1
    4)アルキル、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ−(C1−C4アルキル)ア
    ミノ、−NHSO2(C1−C4)アルキル、−NHCO(C1−C4)アルキルおよび
    −NO2から選択される3個までの置換基で置換されていてもよい) で示される基である] で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
  14. 【請求項14】 Yが: 【化9】 より選択される、請求項13記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  15. 【請求項15】 11−[4−(2−ピペリジン−1−イルエトキシ)ベンジ
    ル]−11H−ベンゾ[a]カルバゾール−3,8−ジオールまたはその医薬上許容
    される塩である、請求項13記載の化合物。
  16. 【請求項16】 哺乳動物における骨喪失を治療または予防する方法であっ
    て、有効量の請求項1ないし15のいずれか1つに記載の化合物またはその医薬
    上許容される塩をその治療または予防を必要とする哺乳動物に投与することを含
    む、方法。
  17. 【請求項17】 哺乳動物におけるエストロゲン欠乏により引き起こされる
    またはエストロゲン欠乏に付随する病態または症候群の治療または予防方法であ
    って、有効量の請求項1ないし15のいずれか1つに記載の化合物またはその医
    薬上許容される塩をその治療または予防を必要とする哺乳動物に投与することを
    含む、方法。
  18. 【請求項18】 哺乳動物における心血管病の治療または予防方法であって
    、有効量の請求項1ないし15のいずれか1つに記載の化合物またはその医薬上
    許容される塩をその治療または予防を必要とする哺乳動物に投与することを含む
    、方法。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の式(I)および(II)の化合物の製法
    であって、 a)式(III)または(IV): 【化10】 [式中、R1-4およびXは請求項1の記載と同意義であり、要すれば、いずれの
    反応基も保護されていてもよく] で示される化合物を、式: 【化11】 [式中、Yは上記と同意義であり、halはハロゲン、例えば、ClまたはBr
    であり、R5およびR6は請求項1の記載と同意義であり、要すれば、いずれの保
    護基も除去してもよく] で示される化合物と反応させるか、または b)式: 【化12】 [式中、R1-6およびXは請求項1の記載と同意義であり、Halはハロゲン、
    例えば、ClまたはBrであり、要すれば、いずれの反応基も保護されていても
    よく] で示される化合物を、式: 【化13】 [式中、R7およびR8は請求項1の記載と同意義であり、要すれば、いずれの保
    護基も除去してもよい] で示される化合物と反応させ、あるいは c)R1および/またはR4がベンジルオキシである、式(I)または(II
    )の化合物を水素添加し、R1および/またはR4がOHである、式(I)または
    (II)の対応する化合物を得る ことからなる方法。
  20. 【請求項20】 請求項1ないし15のいずれか1つに記載の式(I)また
    は(II)の化合物あるいはその医薬上許容される塩と、医薬上許容される担体
    とを含む医薬組成物。
  21. 【請求項21】 請求項1ないし15のいずれか1つに記載の式(I)また
    は(II)の化合物あるいはその医薬上許容される塩と、1またはそれ以上のエ
    ストロゲンと、所望により医薬上許容される担体とを含む医薬組成物。
  22. 【請求項22】 エストロゲンが、1またはそれ以上の以下の:エキリン、
    エキレニン、エチニルエストラジオール、17β−エストラジオール、ジヒドロ
    エキレニン、17β−ジヒドロエキレニン、メントラノール、抱合エストロゲン
    、エストロンの硫酸エステル、エストロン硫酸ナトリウム、エキリン硫酸ナトリ
    ウム、17α−ジヒドロエキリン硫酸ナトリウム、17α−エストラジオール硫
    酸ナトリウム、Δ8,9−デヒドロエストロン硫酸ナトリウム、エキレニン硫酸
    ナトリウム、17β−ジヒドロエキリン硫酸ナトリウム、17α−ジヒドロエキ
    レニン硫酸ナトリウム、17β−エストラジオール硫酸ナトリウム、17β−ジ
    ヒドロエキレニン硫酸ナトリウム、エストロン3−硫酸ナトリウム、エキリン3
    −硫酸ナトリウム、17α−ジヒドロエキリン3−硫酸ナトリウム、3β−ヒド
    ロキシ−エストラ−5(10),7−ジエン−17−オン3−硫酸ナトリウム、5
    α−プレグナン−3β−20R−ジオール20−硫酸ナトリウム、5α−プレグ
    ナン−3β,16α−ジオール,20−オン3−硫酸ナトリウム、Δ(8,9)−デ
    ヒドロエストロン3−硫酸ナトリウム、エストラ−3β,17α−ジオール3−
    硫酸ナトリウム、3β−ヒドロキシ−エストラ−5(10)−エン,17−オン3
    −硫酸ナトリウムまたは5α−プレグナン−3β,16α,20R−トリオール3
    −硫酸ナトリウム、エクオールまたはエンテロラクトン;あるいはその医薬上許
    容される塩またはエステルから選択される、請求項21記載の医薬組成物。
  23. 【請求項23】 エストロゲンが抱合卵胞ホルモンである、請求項21記載
    の医薬組成物。
  24. 【請求項24】 哺乳動物における骨喪失の治療または予防方法であって、
    1またはそれ以上のエストロゲンと、有効量の請求項1ないし15のいずれか1
    つに記載の化合物またはその医薬上許容される塩とをその治療または予防を必要
    とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
  25. 【請求項25】 哺乳動物におけるエストロゲン欠乏に起因または付随する
    病態または症候群の治療または予防方法であって、1またはそれ以上のエストロ
    ゲンと、有効量の請求項1ないし15のいずれか1つに記載の化合物またはその
    医薬上許容される塩とをその治療または予防を必要とする哺乳動物に投与するこ
    とを含む、方法。
  26. 【請求項26】 哺乳動物における心血管病の治療または予防方法であって
    、1またはそれ以上のエストロゲンと、有効量の請求項1ないし15のいずれか
    1つに記載の化合物またはその医薬上許容される塩とをその治療または予防を必
    要とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
  27. 【請求項27】 別々に、連続して、または同時に投与するのに組み合わせ
    た、請求項1ないし15のいずれか1つに記載の式(I)または(II)の化合
    物またはその医薬上許容される塩と、1またはそれ以上のエストロゲンとを含む
    、製品。
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