JP2002514209A - 副溝における、キラルヘアピンポリアミドのdna結合親和性、配列特異性、および配向優先性の立体化学的制御 - Google Patents

副溝における、キラルヘアピンポリアミドのdna結合親和性、配列特異性、および配向優先性の立体化学的制御

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、DNA配列のプロモーター領域の副溝に結合する、γ−アミノ酪酸から誘導されたヘアピンループを含む改良ポリアミドを提供する。プロモーター領域のDNA配列にポリアミドが結合すると、必須遺伝子の発現が阻害される。改良は、R−2,4−ジアミノ酪酸およびその2−アミノ基の誘導体を用いてヘアピンループを形成することに関する。改良された非対称ヘアピンは、ポリアミドをより緊密にDNAの副溝に結合させ、さらにたとえばアミド結合を形成することによりポリアミドを誘導体化するためのアミン官能基を提供する。そのような誘導体は検出可能な標識をポリアミドに結合させるのに役立ちうる。

Description

【発明の詳細な説明】 副溝における、キラルヘアピンポリアミドのDNA結合親和性、配列特異性、 および配向優先性の立体化学的制御 アメリカ合衆国政府は国立衛生研究所が与えた助成金No.GM 26453 、27681および47530に従った本発明に一定の権利をもつ。 関連出願の引照 本出願は、国際特許出願第US97/03332号(1997年2月20日出 願)、米国特許出願第08/853,522号(1997年5月8日出願)およ び国際特許出願第US97/12722号(1997年7月21日出願)[これ らは米国特許出願第08/837,524号(1997年4月21日出願)およ び米国特許出願第08/607,078号(1996年2月26日出願)の一部 継続出願である];ならびに米国仮特許出願第60/042,022号(199 7年4月16日出願)および米国仮特許出願第60/043,444号(199 7年4月8日出願)の一部継続出願である。これらの出願明細書を本明細書に援 用する。 発明の背景 発明の分野 本発明は、二本鎖DNAの副溝の予め定められた部位に結合するポリアミドに 関する。関連技術の記述 当技術分野で、3〜6のカルボキシアミド塩基対、およびγ−アミノ酪酸由来 のヘアピンループ、ならびにDNAのプロモーター領域の副溝に結合して遺伝子 発現を阻害する能力をもつ、多様なポリアミドが記載されている。たとえばN− メチルイミダゾール(Im)、N−メチルピロール(Py)ならびにβ−アラニ ンおよびγ−アミノ酪酸からなるポリアミド、ならびにそのようなポリアミドの 製造方法は周知である。 N−メチルピロールおよびN−メチルイミダゾールアミノ酸を含有するポリア ミドは、DNAに対し天然のDNA結合性タンパク質に匹敵する親和性および特 異性をもつ合成リガンドである(Traugerら,Nature 1996, 382,559;Swalleyら,J.Am.Chem.Soc.1997, 119,6953;Turnerら,J.Am.Chem.Soc.1997, 119,7636)。DNA認識は、副溝においてDNAらせんの5’−3’方 向に対しN−Cに配向した並行アミノ酸対合に依存する(Wade,W.S.ら ,J.Am.Chem.Soc.1992,114,8783;Mrksich ら,Pro.Natl.Acad,Sci.,USA 1992,89,758 6;Wadeら,Biochemistry 1993,32,11385;M rksichら,J.Am.Chem.Soc.1993,115,2572; Geierstangerら,Science 1994,266,646;W hiteら,J.Am.Chem.Soc.1997,119,8756)。イ ミダゾール(Im)逆ピロール(Py)の逆対合はG・C塩基対を認識し、一方 Py/Imの組合わせはC・G2を認識する。Py/Py対は縮重性であり、A ・TまたはT・A塩基対を認識する(Wade,W.S.ら,J.Am.Che m.Soc.1992,114,8783;Mrksichら,Pro.Nat l.Acad,Sci.,USA 1992,89,7586;Wadeら,B iochemistry 1993,32,11385;Mrksichら,J .Am.Chem.Soc.1993,115,2572;Geierstan gerら,Science 1994,266,646;Whiteら,J.A m.Chem.Soc.1997,119,8756;Peltonら,Pro .Natl.Acad,Sci.,USA 1989,86,5723;Pel tonら,J.Am.Chem.Soc.1990,112,1393;Whi teら,Biochemistry 1996,35,12532;Chenら ,J.Mol.Biol.1997,267,1157)。Im/Im対合は好 ましくなく、認識の潜在的縮重を破壊する(Singhら,Pro.Natl. Acad,Sci.,USA 1994,91,7673;Whiteら,Ch em.& Biol.1997,4,569)。 研究者らは、ポリアミドサブユニットの共有結合により滑り結合モチーフ(s lipped−binding motif)を阻止し、かつDNA結合親和性 および配列特異性を高めることも試みた(Traugerら,J.Am.Che m.Soc.1996,118,6160;Geierstangerら,Na ture Struct.Biol.1996,3,321;Swalleyら ,Chem.Eur.J.1997,3,1608;Wemmerら,Curr .Opin.Struct.Biol.1997,7,355;Mrksich ら,J.Am.Chem.Soc.1994,116,3663;Dwyerら ,J.Am.Chem.Soc.1993,115,9900;Chenら,J .Am.Chem.Soc.1994,116,6995)。γ−アミノ酪酸( γ)を含むヘアピンポリアミドモチーフをターン特異性インターナルガイド残基 (turn−specific internal−guide−residu e)として利用し、合成により実施できるポリアミドサブユニットのC−N結合 方法が提供された(図1)。頭−尾結合したポリアミドは、結合していないサブ ユニットと比較して100倍高い親和性で、指定ターゲット部位に特異的に結合 する(Mrksichら,J.Am.Chem.Soc.1994,116,7 983;Parksら,J.Am.Chem.Soc.1996,118,61 47;Parksら,J.Am.Chem.Soc.1996,118,615 3;Traugerら,Chem.& Biol.1996,3,369;Sw alleyら,J.Am.Chem.Soc.1996,118,8198;P ilchら,Pro.Natl.Acad,Sci.,USA 1996,93 ,8306;de Claireら,J.Am.Chem.Soc.1997, 119,7909)。 C−末端に正に荷電した第三級アミン基1個を保有する8環ヘアピンポリアミ ドは、細胞透過性であること、および細胞培養において特定の遺伝子の転写を阻 害することが示された(Gottesfeldら,Nature 1997,3 87,202)。しかし、ポリアミドのサイズ制限に関する最近の研究は、5環 を越えるとリガンドの弯曲がDNAらせんのピッチに合わず、特異的ポリアミド −DNA複合体形成に関与する水素結合およびファンデルワールス相互作用を妨 げることを示唆している(Kelleyら,Pro.Natl.Acad,Sc i.,USA 1996,93,6981;Kielkopfら,Nature Struct.Biol.,印刷中)。5つの連続環対合を含む10環ヘアピ ンポリアミドによる7塩基対の認識が、ヘアピンモチーフによりターゲッティン グできる結合部位サイズの上限である(Turnerら,J.Am.Chem. Soc.1997,119,7636)。米国仮特許出願第60/042,22 2号に示されるように、β−アラニンとβ−アラニン、ピロールまたはイミダゾ ールとの対合を加えると、ヘアピンモチーフが8−bp認識にまで延長された。 しかし、より長い部位サイズを認識するヘアピンモチーフの設計には著しい困難 が伴うことは、当業者が認めている。 本発明は、ヘアピンループを形成するγ−アミノ酪酸の代わりとしてR−2, 4−ジアミノ酪酸を使用する。さらに、既存のヘアピンモチーフを共有結合させ ることにより、DNA結合特異性および配列特異性を損なうことなくヘアピンの ターゲッティング可能な結合部位サイズを拡張する方法が提供される。発明の概要 本発明は、γ−アミノ酪酸から誘導されたヘアピンループを含み、DNA配列 のプロモーター領域の副溝に結合する、改良ポリアミドを提供する。DNA配列 のプロモーター領域にポリアミドが結合すると、必須遺伝子の発現が阻害される 。この改良は、R−2,4−ジアミノ酪酸およびその2−アミノ基の誘導体を用 いてヘアピンモチーフを形成することに関する。改良された非対称ヘアピンは、 これらのポリアミドをより緊密にDNAの副溝に結合させ、さらにたとえばアミ ド結合を形成することによりポリアミドを誘導体化するためのアミン官能性を付 与する。この改良された非対称ヘアピンは、親和性または選択性を損なうことな くより長い結合部位を得ることができる、縦列結合した改良ポリアミドの合成法 を提供する。この改良された非対称ヘアピンは、ポリアミドに官能基または検出 可能な基を結合させるのにも役立つ。図面の簡単な説明 図1.A. DNA配列5’−TGTTA−3’へのポリアミド1−R、Im PyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dpの水素結合モデル。B.DN A配列5’−TGTTA−3’へのポリアミド1−S、ImPyPy−(S)H2 N γ−PyPyPy−β−Dpの水素結合モデル。 図2.二本鎖DNAファンデルワールス表面の副溝に結合した(A)ImPy Py−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dpおよび(B)ImPyPy−(S )H2Nγ−PyPyPy−β−Dpのコンピューター作成モデル。 図3.6環ヘアピンポリアミドの構造。 図4.改良ポリアミドの固相合成経路。 図5.改良ポリアミドを用いたMPE・Fe(II)のフットプリント法の結 果。 図6.135bp制限フラグメントへの特定の改良ポリアミドの結合パターン 。 図7.改良ポリアミドおよび3’−32P−標識135bp制限フラグメントを 用いたアフィニティー開裂実験。 図8.1μM濃度および10μM濃度の特定の改良ポリアミドのアフィニティ ー開裂パターン。 図9.パネルA−Cは、特定の改良ポリアミドのアフィニティー開裂パターン を示す。 図10.特定の改良ポリアミドの定量DNアーゼIフットプリントタイトレー ション。 図11.ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dpの定量DNア ーゼIフットプリントタイトレーション。 図12.改良ポリアミドのキラルヘアピン折りたたみモデル。 図13.縦列結合ポリアミドの水素結合モデル。 図14.12環ポリアミド例の構造。 図15.縦列結合ポリアミドの合成。 図16.縦列結合ポリアミド例の定量DNAフットプリントタイトレーション 。 図17.縦列結合ポリアミドの例。 図18.プラスミドpDH10、pDH11およびpDH12の構造。 詳細な説明 本明細書中で別途記載しない限り、本出願の用語および技術説明の定義は幾つ かの周知の参考文献のいずれかに見出すことができる:たとえばSambroo k,J.ら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(1 989);Goeddel,D.ら,Gene Expression Tec hnology,Methods in Enzymology,185,アカ デミック・プレス、カリフォルニア州サンディエゴ(1991);“タンパク質 精製の指針”,Deutshcer,M.P.編,Methods in En zymology,アカデミック・プレス、カリフォルニア州サンディエゴ(1 989);Innisら,PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,アカデミック・プレス 、カリフォルニア州サンディエゴ(1990);Freshney,R.I., Culture of Animal Cells:A Manua1 of Basic Technique,第2版、アラン・リス社、ニューヨーク州ニ ューヨーク(1987);Murrayら,Gene Transfer an d Expression Protocols,pp.109−128、ザ・ ヒューマン・プレス社;Clifton,NJおよびLewin,B.,Gen es VI、オックスフォード・ユニバーシティー・プレス、ニューヨーク(1 997)。 本出願の目的に関し、“プロモーター”はRNAポリメラーゼが結合して遺伝 子の転写を開始するのに関与するDNA調節配列である。“遺伝子”は、ペプチ ド、ポリペプチドまたはタンパク質の産生に関与するDNAのセグメントであっ て、コーディング領域、コーディング領域の前にある非コーディング領域(“リ ーダー”)および後にある非コーディング領域(“トレイラー”)、ならびに個 々のコーディングセグメント(“エキソン”)間に介在する非コーディング配列( “イントロン”)を含む。コーディングとは、3塩基“トリプレット”コードの アミノ酸開始および終止シグナルの提示を表す。プロモーターは対応遺伝子の転 写開 始部位の上流(“5’側”)にある場合が多い。プロモーターのほか他のDNA 調節配列が知られている。誘導性因子が結合するDNA配列である応答エレメン トを含めた、転写因子の結合に関与する配列がこれに含まれる。エンハンサーは 、プロモーターの利用性を高めることができ、かつプロモーターに対しいずれの 方向にも(5’−3’または3’−5’)、またいかなる位置でも(上流または 下流)機能しうる、さらに他の一群のDNA調節配列を含む。好ましくは、調節 配列は正の活性をもつ。すなわち調節配列への内因性リガンド(たとえば転写因 子)の結合は転写を高め、これにより対応ターゲット遺伝子の発現が高まる。そ のような場合、調節配列へのポリペプチドの結合により転写が妨害されると、遺 伝子の発現が低下し、または損なわれるであろう。 プロモーターは当技術分野で“サイレンサー”として知られる調節配列を含む か、またはそれに隣接することもできる。サイレンサー配列は一般に遺伝子発現 に対し負の調節作用をもつ。そのような場合、サイレンサー調節配列への因子の 結合を阻止するポリアミドを用いることにより直接に、またはサイレンサー調節 配列に対する因子の転写を遮断するポリアミドを用いることにより間接的に、遺 伝子の発現を高めることができる。 本発明のポリアミドが二本鎖DNAに配列特異的に結合することを理解すべき である。特定の配列のDNAセグメント、たとえば5’−TATAAA−3’の 機能は、DNA配列中の他の機能領域に対するこのセグメントの位置に依存する 。この場合、DNAのコーディング鎖上の配列5’−TATAAA−3’が転写 開始部位の30塩基対上流に位置するならば、その配列はプロモーター領域の一 部を形成する(Lewin,Genes VI,pp.831−835)。他方 、配列5’−TATAAA−3’が転写開始部位の下流のコーデイング部位内に 、リーディングフレームと適正に合った位置にあるならば、その配列はチロシル およびリシルアミノ酸残基をコードする(Lewin,Genes VI,pp .213−215)。 1仮説に固執するのではないが、本発明のポリアミドが結合すると、DNA結 合性タンパク質、たとえばRNAポリメラーゼ、転写因子、TBF、TFIII Bその他のタンパク質の結合が変化することにより遺伝子発現が調節されると考 えられる。二本鎖DNAセグメントへのポリアミド結合が遺伝子発現に与える影 響は、そのDNAセグメントの機能(たとえばプロモーター)に関係すると考え られる。 本発明の改良ポリアミドは、前記のいかなるDNA配列にも、または遺伝子発 現に対し所期の効果をもつ他のいかなる配列にも結合しうることは、当業者に理 解される。さらに、米国特許第5,578,444号には、本発明の改良ポリア ミドがターゲッティングする塩基対配列をそれから同定できる多数のプロモータ ーターゲッティング配列が記載されている。 生細胞のDNAの基本構造には主溝と副溝の両方が含まれることは、一般に当 業者に知られている。本発明を記述するにつき、副溝は一般的な分子生物学の参 考文献、たとえばLewin,B.,Genes VI、オックスフォード・ユ ニバーシティー・プレス、ニューヨーク(1997)に示されるようにDNAの 狭い溝である。 細胞の遺伝子発現に影響を与えるためには(遺伝子発現を高めること、または 低下させることを含みうる)、有効量の1またはそれ以上のポリアミドを細胞と 接触させて、細胞に取り込ませる。細胞をインビボまたはインビトロのいずれで 接触させてもよい。遺伝子発現を調節しうるポリアミドの細胞外有効濃度は、約 10nM〜約1μMである。Gottesfeld,J.M.ら,Nature ,387,202−205(1997)。インビトロでのポリアミドの有効量お よび有効濃度を決定するためには、適切な数の細胞を組織培養平板に接種し、種 々の量の1またはそれ以上のポリアミドを別個のウェルに添加する。特異的抗体 を用いた各種技術(ELISAおよびウェスタンブロットを含む)により測定し たタンパク質遺伝子産物の存在量を検出することにより、ポリアミド暴露後の遺 伝子発現を細胞または培地中において監視することができる。あるいは、ノーザ ンブロットおよびRT−PCRを含めた各種技術により測定したメッセンジャー RNAの存在量を検出することにより、ポリアミド暴露後の遺伝子発現を監視す ることができる。 同様にインビボ投与のためのポリアミドの有効量および有効濃度を決定するた めには、身体組織または体液、たとえば血漿、血液、尿、脳脊髄液、唾液、また は皮膚バイオプシー、筋肉、肝臓、脳その他の適切な組織源の試料を分析する。 特異的抗体を用いた各種技術(ELISAおよびウェスタンブロットを含む)に より測定したタンパク質遺伝子産物の存在量を検出することにより、ポリアミド 暴露後の遺伝子発現を監視することができる。あるいは、ノーザンブロットおよ びRT−PCRを含めた各種技術により測定したメッセンジャーRNAの存在量 を検出することにより、ポリアミド暴露後の遺伝子発現を監視することができる 。 本発明のポリアミドを、インビボまたはインビトロで使用するための診断用お よび療法用組成物中に配合することができる。代表的な配合方法は、Remin gton:The Science and Practice of Pha rmacy,第19版、マック・パブリシング社、ペンシルベニア州イーストン (1995)中にみられる。 インビボで使用するためには、これらのポリアミドを生理学的に許容しうる薬 剤組成物中に配合し、処置を要する患者または動物に医療または研究の目的でこ れを投与することができる。これらのポリアミド組成物は、薬剤学的に許容しう るキャリヤー、賦形剤、佐剤、安定剤およびビヒクルを含む。組成物は固体、液 体、ゲルまたはエーロゾルの形であってよい。本発明のポリアミド組成物は、種 々の剤形で、経口、非経口、吸入スプレーにより、直腸に、または局所に投与で きる。本明細書中で用いる非経口という用語には、皮下、静脈内、筋肉内、胸骨 内、注入法、または腹腔内が含まれる。 厳密な濃度、組成および送達方式の選択は、選択した特定の化合物に固有の薬 理学的特性、意図する用途、処置または診断する状態の性質および程度、意図す るレシピエントの年齢、体重、性別、身体条件および精神の明瞭度、ならびに投 与経路により影響される。そのような考慮は当業者が容易になしうる範囲のもの である。たとえば投与方式は広範に変更できるが、標準法によりルーティンに決 定できる。 本発明のポリアミドは、診断または調製の目的で特定の配列の二本鎖DNAの 存在を検出するのにも有用である。二本鎖DNAを含有する試料に、固体支持体 に結合したポリアミドを接触させ、これにより目的配列を含むDNAを単離でき る。あるいは、適切な検出可能なマーカー、たとえばビオチン、ハプテン、放射 性同位体または色素分子に結合したポリアミドに、二本鎖DNAを含有する試料 を接触させることができる。 二官能性の配列特異性DNA結合分子の設計には、2つの別個の実体、すなわ ち認識活性と機能活性を統合する必要がある。ナノモル以下の親和性で予め定め た二本鎖DNA配列の副溝に特異的に結合するポリアミドを一官能性分子に結合 させると、分子生物学、ゲノム配列決定、およびヒトの医薬として有用な、対応 する二官能性コンジュゲートが得られる。本発明のポリアミドを多様な官能性分 子に結合させることができ、これは以下のものから独立して選択できるが、これ らに限定されない:アリールボロン酸(arylboronic acid)、 ビオチン、アミノ酸2〜8個からなるポリヒスチジン、抗体が結合しうるハプテ ン、固相支持体、オリゴヌクレオチド、N−エチルニトロソ尿素、フルオレセイ ン、ブロモアセトアミド、ヨードアセトアミド、DL−α−リポ酸、アクリジン 、カプトテシン(captothesin)、ピレン、マイトマイシン、テキサ ス・レツド、アントラセン、アントリニル酸(anthrinilic aci d)、アビジン、DAPI、イソスルファン・ブルー、マラカイト・グリーン、 プソラレン(psoralen)、エチル・レッド、4−(プソラエン−8−イ ルオキシ)−ブチラート、酒石酸、(+)−α−トコフェラール、プソラレン、 EDTA、メチジウム、アクリジン、Ni(II)・Gly−Gly−His、 チアゾール・オレンジ(TO)、ダンシル(Dansyl)、ピレン、N−ブロ モアセトアミド、および金粒子。そのような二官能性ポリアミドは、DNAアフ ィニティー捕獲、共有DNA修飾、酸化的DNA開裂、DNA光開裂に有用であ る。そのような二官能性ポリアミドは、検出可能な標識に結合したポリアミドを 提供することにより、DNAを検出するのに有用である。そのような二官能性ポ リアミドの合成に関する詳細な指示は、出願中の米国仮特許出願第60/043 ,444号中にみられ、その教示を本明細書に援用する。 次いで、標識ポリアミドに複合体形成したDNAを、当業者に周知の適切な検 出系により測定できる。たとえばビオチンに結合したポリアミドと結合したDN Aは、ストレプトアビジン/アルカリホスファターゼ系により検出できる。 本発明は、身体試料、たとえば脳組織、細胞懸濁液もしくは組織切片、または 体液試料、たとえばCSF、血液、血漿もしくは血清中における、本発明のポリ アミドが結合した二本鎖DNA配列の存在をアッセイするための診断系(好まし くはキットの形のもの)をも記載する。その際、本明細書に記載した診断方法に 従ってこれらの試料中における本発明のポリアミドが結合した二本鎖DNA配列 の存在、好ましくは量を検出することが望ましい。 この診断系には、少なくとも1回のアッセイを行うのに十分な量の特異的ポリ アミドが別個にパッケージされた試薬として含まれる。一般にこの(これらの) パッケージされた試薬の使用指示書も入れられる。本明細書中で用いる“パッケ ージ”という用語は、本発明のポリアミドを一定区域内に保持しうる固体マトリ ックスまたは材料、たとえばガラス、プラスチック(たとえばポリエチレン、ポ リプロピレンまたはポリカーボネート)、紙、箔などを表す。たとえばパッケー ジはミリグラム量の意図するポリアミドを収容するのに用いるガラスバイアルで あってもよく、マイクログラム量の意図するポリアミドを作動可能な状態で固定 した(すなわちターゲットDNA配列が結合しうるように結合した)マイクロタ イタープレートウェルであってもよい。“使用指示書”には一般に、試薬濃度、 または少なくとも1つのアッセイ方法パラメーター、たとえば試薬と混合すべき 試料との相対量、試薬または試料の混合物の保持期間、温度、緩衝液条件などを 記載した確実な表現が含まれる。本発明の診断系には好ましくは、検出可能な標 識、およびターゲットDNA配列への意図する本発明ポリアミドの結合をシグナ ル化しうる検出手段または指示手段も含まれる。前記のように、多数の検出可能 な標識、たとえばビオチン、および検出手段または指示手段、たとえば酵素結合 (直接または間接)ストレプトアビジンが当技術分野で知られている。 Traugerら(Nature,382:559−561)およびSwal leyら(J.Am.Chem.Soc.,119,6953−6961)は、 ナノモル以下の濃度の特定のポリアミドによるDNA認識につき記載している。 対合特異性カルボキシアミド基により、特異的DNA配列を認識できる(Swa lleyら、前掲)。Hp、ImおよびPyを含むポリアミドは、予め定めたD NA配列を高い親和性および特異性でコード化ターゲッティングすることができ る。Hp、ImおよびPyポリアミドを組み合わせて、4つのワトソン−クリッ ク塩基対A、C、GおよびTに相補的なIm/Py、Py/Im、Hp/Py、 およびPy/Hp結合対を形成することができる。表1にそのような対合を示す 。 表 1 塩基対認識のための対合コード* *好まれる(+)、好まれない(−) 本発明の改良3−、4−、5−または6環ポリアミドが共有結合して、それそ れ6−、8−、10−または12環構造を形成し、これらがナノモル以下の濃度 でそれぞれ4〜6塩基対ターゲットに特異的に結合する。したがって本発明の改 良ポリアミドは、A、C、GまたはTからなるいかなるDNA配列をも目標とす ることができる。 本発明の改良ポリアミドは、二本鎖遺伝子配列の調節配列の副溝においてDN Aを結合するための少なくとも3つの連続カルボキシアミド対合、および分子の キラルヘアピンターンのγ−位において2,4−ジアミノ酪酸のR−鏡像異性体 (H2NHCHCH2CHNH2−COOH;“(R)H2Nγ”)で置換された立体 化学中心をもつキラルヘアピンターンを有するものを含む。さらに、本発明はD NA結合特異性および配列特異性を損なうことなく既存のヘアピンモチーフに共 有結合する方法を提供する。本発明は、DNAの副溝に結合して遺伝子発現に影 響を与える改良ポリアミドを提供する。好ましくは、結合したポリアミドは遺伝 子発現を阻害する。 本発明は、3−または4環ポリアミド構造が共有結合してそれぞれ6−、8− 10−または12環ヘアピン構造を形成した一般式I〜VIIIの改良ポリアミ ドを含む: これらの式中、X1 〜12およびX’1 〜12は独立してイミダゾール、たとえばN− メチルイミダゾール(Im)、ピロール、たとえばN−メチルピロール(Py) 、またはヒドロキシピロール、たとえば3−ヒドロキシ−N−メチルピロール( Hp)である。さらに、本発明の改良ポリアミドは脂肪族アミノ酸、たとえばβ −アラニン残基(β)、アミド基、たとえばジメチルアミノプロピルアミド(D p)、アルコール類、たとえばEtOH、酸、たとえばEDTA、またはβ残基 に結合しうるそのいずれかの誘導体をさらに含むことができる。 式I〜VIIIにおいて、ピロールアミノ酸の代わりにβ−アラニンを用いて もよい。この合成法においてピロールまたはヒドロキシピロールアミノ酸の代わ りにβ−アラニンを用いると、芳香族/脂肪族対合(Xm/β、β/Im、Py /β、およびβ/Py)および脂肪族/脂肪族対合(β/β)置換が得られる。 そのような置換は米国仮特許出願第60/042,022号に記載されたものを 含むことができ、これを本明細書に援用する。γ−アミノ酪酸、または置換γ− アミノ酪酸、たとえば(R)−2,4−ジアミノ酪酸を用いると、好ましいヘア ピンターンが得られる。本発明を実施するのに適した他の多数の基が当業者に周 知であり、広く入手できる。 前記のポリアミドサブユニット構造I〜VIIIは、γ−アミノ酪酸から誘導 された−NH−CH2−CH2−CH2−CONH−ヘアピン連結、またはR−2 ,4−ジアミノ酪酸から誘導されたキラルヘアピン連結であるγ一残基を介して 共有結合する。本発明は、特定のポリアミドのγ−残基を(R)−2,4−ジア ミノ酪酸((R)H2Nγ)などの部分で置換するための試薬および方法を提供す る。5’−TGTTA−3’ターゲット部位と複合体形成した配列組成ImPy Py−γ−PyPyPyのヘアピンポリアミドのNMR構造は、ヘアピン−DN A複合体内のγ−アミノ酪酸残基のα−位が置換可能であることを示した(de Claireら,J.Am.Chem.Soc.1997,119,7909 )。モデル形成により、α−炭素にR−立体配置を与えうるアミノ酸によりγの α−Hを交換すると、図1および2のAに示すように副溝の床と壁の中に収容で きることが示された。これに対し、(S)−2,4−ジアミノ酪酸((S)H2N γ)結合ヘアピンは、図1および2のBに示すようにDNAらせんの副溝の壁と ぶつかると推定される。 式V〜VIIIにおいて、Lは第1ポリアミドのγ−残基および第2ポリアミ ドのカルボキシテイルに結合したアミノ酸連結基、たとえばβ−アラニンまたは 5−アミノ吉草酸(δ)を表す。このように2以上のポリアミドが結合して縦列 結合ポリアミドを形成することができる。そのようなポリアミドを縦列結合(t andemly−linked、tandem−linked)ポリアミドとい う。 Pは、第2ポリアミドに縦列結合しうる式I〜VIIIのポリアミド0〜10 個を表す。好ましくは、Pは式I〜VIIIのポリアミド0〜8個を表す。より 好ましくはPは式I〜VXIIのポリアミド0〜6個を表す。より好ましくはP は式I〜VIIIのポリアミド0〜4個を表す。最も好ましくはPは式I〜VI IIのポリアミド0〜2個を表す。ポリアミドの縦列結合により、選択性を損な うことなく結合部位サイズが拡大し、かつ結合親和性が高まる。本発明を実施す るのに適した他の多数の基が当業者に周知であり、広く入手できる。 Bairdら(J.Am.Chem.Soc.,118:6141−6146 )および国際特許出願第US97/003332号には、本発明のポリアミドを 製造するのに適したポリアミド合成法が記載されている。本発明のポリアミドは 、Boc-保護された3−メトキシピロール、イミダゾールおよびピロール芳香 族アミノ酸などの化合物を用いる固相法により合成し、支持体からアミノリシス により開裂させ、ナトリウムチオフェノキシドで脱保護し、逆相HPLCにより 精製することができる。ポリアミドの同一性および純度は、当業者が利用できる 多様な分析法、たとえば1H−NMR、分析用HPLC、および/またはマトリ ックス介助レーザーデソープションイオン化飛行時間型質量分析(MALDI− TOF MS−モノアイソトロピック)により確認できる。 本明細書に記載するのは、新規な一群のキラルヘアピンポリアミドの合成、な らびにDNA結合親和性および配列特異性に関するそれらの特性の解明である。 本発明は、プロキラル(prochiral)γーターンを2,4−ジアミノ酪 酸のいずれかの鏡像異性体で置換するための試薬および方法を当業者に提供する 。さらに本発明は、固相法で合成できるジカチオン6環鏡像異性体ポリアミド( +)−ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dp(1−R)、およ び(−)−ImPyPy−(S)H2Nγ−PyPyPy−β−Dp(1−S)を 提供する。特定の実験においては、C−末端に電荷をもたないモノカチオンポリ アミド(+)−ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−EtOH(2 −R)を製造し、対照として使用できる。立体効果をさらに調べるために、γ− アセトアミドポリアミド(+)−ImPyPy−(R)Acγ−PyPyPy−β −Dp(3−R)、および(−)−ImPyPy−(S)Acγ−PyPyPy− β−Dp(3 −S)を使用できる(図3;Bairdら,1996,J.Am.Chem.S oc.,118:6141)。本発明はさらに、特異的DNA結合部位で修飾さ れたヘアピンの結合配向性を確認するのに利用できるEDTA類似体ImPyP y−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dp−EDTA・Fe(II)(4−R ・Fe(II))、ImPyPy−(S)H2Nγ−PyPyPy−β−Dp−E DTA・Fe(II)(4−S・Fe(II))、ImPyPy−(R)EDTA・F e(II) γ−PyPyPy−β−Dp(5−R−Fe(II))、およびImPy Py−(S)EDTA・Fe(II)γ−PyPyPy−β−Dp(5−S−Fe(II) )を提供する(図3)。 本発明の縦列結合ポリアミドも本発明により提供される。第一級ターンアミノ 基は、2つのヘアピンを共有束縛するのに有効な部位を提供する。1つの可能な 結合様式では、第1ヘアピンのC−末端が第2アミノ酸リンカーのγーターンの α−アミノ基に結合する。本発明は、12環ポリアミド、たとえばImPyPy −(R)[ImPyPy−(R)H2NγPyPyPy−β]HNγPyPyPy− β-Dp、およびImPyPy−(R)[ImPyPy−(R)H2NγPyPyP y−δ]HNγPyPyPy−β−Dpを提供する(図14)。本発明の特定のポ リアミドのDNA結合特性を、10、11および12塩基対ターゲット部位を含 む一連のDNAフラグメントにつき測定した。本発明はさらに、親和性開裂誘導 体の一例ImPyPy−(R)[ImPyPy−(R)EDTAγPyPyPy−δ ]HNγPyPyPy−β−Dpを提供し、これは、縦列結合ポリアミドにつき推 定される単一の結合配向を確認するのに用いられる。改良された縦列ポリアミド のDNA結合親和性および配列選択性を測定する方法も提供される。 本発明は、より効率的なポリアミドを設計する際の指針として利用できるキラ ル構造エレメントの特性を当業者に明らかにする。たとえば本発明は、(R)H2 N γターンアミノ酸上に、非置換−親ヘアピンと比較してDNA結合親和性およ び配列選択性を高めるアミン置換基を付与し、最適な一群のヘアピンポリアミド を提供する。また(R)H2Nγに、親ヘアピンと比較して親和性または選択性を 損なわないアセトアミド置換基を付与し、分子の‘キャップ付き’末端に好都合 な合成結合点を提供する。さらに本明細書に記載する発明は、親ヘアピンと比較 して高い親和性で逆配向部位に結合する(S)H2Nγ−結合ヘアピン、および親 ヘアピンと比較して高い特異性で結合する(R)H2Nγ−結合ヘアピンを提供し 、これはγ−ターン置換基がヘアピンポリアミド結合配向の優先性を調節しうる ことを示す。本発明はさらに、配列選択性を損なうことなくポリアミド結合部位 数を高め、かつ親和性を高めるために、縦列結合ポリアミドの開発に必要な道具 および方法を当業者に提供する。 以上に挙げた例および以下に示す例は本発明の特定の態様を表すにすぎず、本 明細書および請求の範囲を限定するものでは決してない。 実施例 実施例1 改良ポリアミドの合成 2種類のポリアミド樹脂ImPyPy−(R)Fmocγ−PyPyPy−β−P am−樹脂およびImPyPy−(S)Fmocγ−PyPyPy−β−Pam−樹 脂を、Boc−β−アラニン−Pam−樹脂(樹脂1g、置換度0.2mmol /g)から、先に記載されたBoc−化学−機械介助(machine−ass isted)プロトコールにより14工程で合成した(図4;Bairdら,J .Am.Chem.Soc.,1996,118:6141)。(R)−および (S)−2,4−ジアミノ酪酸残基を、直交保護(orthogonally protected)N−γ−Fmoc−N−γ−Boc誘導体(HBTU,D IEA)として導入した。Fmoc保護ポリアミド樹脂ImPyPy−(R)Fm oc γ−PyPyPy−β−Pam−樹脂およびImPyPy−(S)Fmocγ−P yPyPy−β−Pam-樹脂を、1:4 DMF:ピペリジンで処理して(2 2℃、30分)、それぞれImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−P am−樹脂およびImPyPy−(S)H2Nγ−PyPyPy−β−Pam-樹脂 を得た。この樹脂エステル結合の1工程アミノリシスにより、ポリアミドを固体 支持体から開裂させた。樹脂(240mg)の試料をジメチルアミノプロピルア ミンで処理して(55℃、18時間)1−R、1−S、3−Rおよび3−Sを、 またはエタノールアミンで処理して(55℃、18時間)2−Rを得た。樹脂開 裂生成物を逆相HPLCにより精製して、ImPyPy−(R)H2Nγ−PyP yPy− β−Dp(1−R)、ImPyPy−(S)H2Nγ−PyPyPy−β−Dp( 1−S)、およびImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−EtOH( 2−R)を得た。1−Rの立体化学的純度は>98%であることがモッシャー( Mosher)アミド分析により判定された(Daleら,J.Am.Chem .Soc.,1973,95:512;Yamaguchiら,Asymmet ric Synthesis(Vol.1),Ana1ytical Meth ods,p.125−152,J.D.Morrison(編)アカデミック・ プレス(1983))。1−R,Rおよび1−R,Sモッシャーアミドは、1− Rと、系内で(R)−α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸 および(S)−α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸から形 成したHOBt活性化エステルとの反応により製造された。カルボキシ末端がE DTAで修飾された類似体を合成するために、アミン−樹脂をBoc−無水物で 処理して(DMF、DIEA、55℃、30分)、ImPyPy−(R)Bocγ −pyPyPy−β−Pam−樹脂およびImPyPy−(S)Bocγ−PyP yPy−β−Pam−樹脂を得た(図4)。次いでBoc−樹脂の試料を3,3 ’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミンで開裂させ(55℃、18時間)、 逆相HPLCで精製して、ImPyPy−(R)Bocγ−PyPyPy−β−D p−NH2(1−R−Boc−NH2)またはImPyPy−(S)Bocγ−Py PyPy−β−Dp−NH2(1−S−Boc−NH2)を得た。これらはC−末 端に合成後修飾に適した遊離第一級アミン基を与える。これらのポリアミドアミ ン1−R−Boc−NH2および1−S−Boc−NH2を過剰のEDTA−二無 水物で処理し(DMSO/NMP、DIEA、55℃、15分)、残留する無水 物を加水分解した(0.1M NaOH、55℃、10分)。Bocで保護され たEDTA修飾ポリアミドImPyPy−(R)Bocγ−PyPyPy−β−D p−EDTA(4−R−Boc)およびImPyPy−(S)Bocγ−PyPy Py−β−Dp−EDTA(4−S−Boc)をHPLCにより単離した。各B oc−EDTA−ポリアミドを生のTFAで脱保護して(22℃、1時間)、各 C−末端EDTA誘導体ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dp −EDTA(4−R)、およびImPyPy−(S)H2Nγ−PyPyPy−β −Dp−EDTA(4−S)を得た。アセトアミド−ターンまたはEDTA−タ ーン誘導体を合成するために、、γ−アミノポリアミドの試料ImPyPy−( R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dp(1−R)、またはImPyPy−(S)H 2N γ−PyPyPy−β−Dp(1−S)を過剰の無水酢酸またはEDTA−二 無水物で処理し(DMSO/NMP、DIEA、55℃、30分)、残留する無 水物を加水分解した(0.1M NaOH、55℃、10分)。次いでポリアミ ドImPyPy−(R)Acγ−PyPyPy−β−Dp(3−R)、ImPyP y−(S)Acγ−PyPyPy−β−Dp(3−S)、ImPyPy−(R)ED TA γ−PyPyPy−β−Dp(5−R)、およびImPyPy−(S)EDTAγ −PyPyPy−β−Dp(5−S)を、逆相HPLCにより単離した。本明細 書に記載する6環ヘアピンポリアミドは、37℃において10mM濃度で水溶液 中に溶解する。 A.材料 ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ヒドロキシベンゾトリアゾール (HOBt)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3 −テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)および0. 2mmol/g Boc−β−アラニン−(4−カルボキシアミドメチル)−ベ ンジル−エステル−コポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)樹脂(Boc−γ− Pam−樹脂)はペプタイズ・インターナショナルから、(0.2mmol/g )(R)−2−Fmoc−4−Boc−ジアミノ酪酸、(S)−2−Fmoc− 4−Boc−ジアミノ酪酸、および(R)−2−アミノ−4−Boc−ジアミノ 酪酸はバケムから、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、N,N −ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、DMS O/NMP、無水酢酸(Ac2O)および0.0002Mシアン化カリウム/ピ リジンはアプライド・バイオシステムズから購入された。ジクロロメタン(DC M)およびトリエチルアミン(TEA)はEMから、チオフェノール(PhSH )、ジメチルアミノプロピルアミン(Dp)、(R)−α−メトキシ−α−(ト リフルオロメチル)フェニル酢酸((R)MPTA)および(S)−α−メトキ シ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸((S)MPTA)はアルドリッ チか ら得た試薬用であり、トリフルオロ酢酸(TFA)はハロカーボンから、フェノ ールはフィッシャーから、ニンヒドリンはパースから得た生物用であった。試薬 はすべてそれ以上精製せずに使用された。 クイック−セプ(Quik−Sep)ポリプロピレン製使い捨てフィルターは アイソラボ社から購入された。手動による固相合成のための振とう器はセント・ ジョーン・アソシエーツ社から購入された。#2焼結ガラスフリットを備えたス クリュー・キャップ付きガラス製ペプチド合成反応器(5mLおよび20mL) はKent(Annu.Rev.Biochem.1988,57,957)の 記載に従って作成された。1H NMRスペクトルはゼネラル・エレクトリック QE NMR分光計により300MHzで記録され、化学シフトを残留溶剤に対 するppmで報告する。UVスペクトルは水中でヒューレット・パッカード、モ デル8452Aダイオードアレイ分光光度計により測定された。旋光度はJAS CO Dip 1000ディジタル・ポラリメーター(Digital Pol arimeter)により記録された。マトリックス介助レーザーデソープショ ンイオン化飛行時間型質量分析(MALDI−TOF)は、カリフォルニア・イ ンスティチユート・オブ・テクノロジーの蛋白質およびペプチド微量分析施設で 行われた。HPLC分析は、HP 1090M分析用HPLCまたはベックマン ・ゴールド・システムにより、RAfNEN C18、マイクロソルブ(Micr osorb)MV、5μm、300×4.6mm逆相カラムを用いて、溶離剤と してのアセトニトリルを含む0.1%(w/v)TFA中、流速1.0mL/分 、濃度勾配溶離1.25%アセトニトリル/分で行われた。調製用逆相HPLC はベックマンHPLCにより、ウォーターズ、デルタパック(DeltaPak )25×100mm、100μm C18カラム(ガード付き)、0.1%(w /v)TFA、0.25%アセトニトリル/分で行われた。蒸留水はミリポア、 ミリキュー(MilliQ)水精製システムから得た。緩衝液はすべて0.2μ mでろ過された。 酵素はベーリンガー・マンハイムから購入され、それらの供給された緩衝液と 共に使用された。デオキシアデノシンおよびチミジン5’−[γ32P]トリホス フェート類をアマシャムから入手し、デオキシアデノシン5’−[γ32P]トリ ホスフェートをI.C.N.から購入した。超音波処理した脱イオン仔ウシ胸腺 DNAはファルマシアから入手された。RNアーゼを含まない水をUSBから入 手し、すべてのフットプリント反応に用いた。他の試薬および材料はすべて受け 取ったままの状態で使用された。DNA操作はすべて標準プロトコールに従って 行われた(Sambrook,J.;Fritsch,E.F.;Maniat is,T.,Mo1ecular C1oning,コールド・スプリング・ハ ーバー・ラボラトリー、ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー(19 89)。 ImPyPy−(R)Fmocγ−PyPyPy−β−Pam-樹脂を機械介助固 相法で段階的に合成した(Bairdら,J.Am.Chem.Soc.,19 96,118:6141)。Boc−γ−アミノ酪酸につき先に記録したように 、(R)−2−Fmoc−4−Boc−ジアミノ酪酸(0.7mmol)を取り 込ませた。ImPyPy−(R)Fmocγ−PyPyPy−β−Pam−樹脂をガ ラス製20mLペプチド合成反応器に入れ、DMF(2mL)、続いてピペリジ ン(8mL)で処理し、撹拌した(22℃、30分)。ImPyPy−(R)H2 N γ−PyPyPy−β−Pam−樹脂をろ過により単離し、過剰のDMF、D CM、MeOHおよびエチルエーテルで順に洗浄し、このアミン樹脂を真空中で 乾燥させた。ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Pam−樹脂の 試料(240mg,0.18mmol/g)を生のジメチルアミノプロピルアミ ン(2mL)で処理し、定期的に撹拌しながら16時間加熱した(55℃)。樹 脂置換度は、Lnew(mmol/g)=Lold/(1+Lold(Wnew−Wold)× 10-3)として計算できる。式中、Lは負荷量(アミンmmol/樹脂g)、W は樹脂に結合した成長しつつあるポリアミドの重量(g mol-1)である(B arlosら,Int.J.Peptide Protein Res.,19 91,37:513)。反応混合物をオーブンに入れ、定期的に撹拌した(55 ℃、16時間)。次いで反応混合物をろ過して樹脂を除き、0.1%(w/v) TFAを添加し(6mL)、得られた溶液を逆相HPLCにより精製した。適切 な画 分を凍結乾燥すると、ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dpが 白色粉末(32mg,回収率66%)として回収される。 MALDI−TOF−MS(モノアイソトピック),992.5(計算値992 .5;C4762178につき)。 ヘアピンポリアミドImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dp( 1−R)と5’−TGTTA−3’部位の間に形成された1:1 ポリアミド: DNA複合体の水素結合モデルを図1Aに示す。プリンのN3とピリミジンのO2 の孤立電子対を点付き円として示す。グアニンのN2水素を“H”入り円として 示し、推定水素結合を点線で示す。模式結合モデルも示し、ここではイミダゾー ル環とピロール環をそれぞれ黒丸と白丸で表し、β−アラニン残基を白ひし形と して表す。図2はインサイトII(InsightII)ソフトウェアを用いた ImPyPy−γ−PyPyPy−β−Dp・5’−TGTTA−3’のNMR 構造配位体から求めたモデルを示す。図3には2−Rポリアミドの構造を示す。 (R)−α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸(117m g,0.5mmol)およびHOBt(70mg,0.5mmol)をDMF( 1 mL)に溶解し、DCC(100mg,0.5mmol)を添加し、この溶液を 22℃で30分間撹拌した。この活性化エステル溶液の試料(100μL,0. 05mmol)をImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dp 1− R(10mg,0.01mmol)に添加し、DIEA(50μL)を添加し、 この溶液を3時間(22℃)撹拌した。次いでDMF(1mL)、続いて0.1 %(w/v)TFA(6mL)を反応混合物に添加し、得られた溶液を逆相HP LC(1%アセトニトリル/分)により、ジアステレオマーを分離すると判定さ れた条件下で精製した。適切な画分を凍結乾燥すると、ImPyPy−(R)(R )MTPA γ−PyPyPy−β−Dpが白色粉末(6mg,回収率53%)として 回収される。MALDI−TOF−MS(モノアイソトピック),1208.5(計算値12 08.5;C576831710につき)。 ImPyPy−(R)(S)MTPAγ−PyPyPy−β−Dpを(S)−α−メ トキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸から、1−R,Rにつき記載 したように製造した(5mg,回収率45%)。 MALDI−TOF−MS(モノアイソトピック),1209.0(計算値12 08.5;C576831710につき)。 ImPyPy−(S)H2Nγ−PyPyPy−β−Dpを、1−Rにつき記載 したように製造した(23mg,回収率49%)。[α]20 D−14.2(c0 .04,H2O);1H NMR(DMSO−d6)は1−Rに一致;MALDI −TOF−MS(モノアイソトピック),992.5(計算値992.5;C47 62178につき)。図2Bに、DNA配列5’−TGTTA−3’に対する ImPyPy−(S)H2Nγ−PyPyPy−β−Dp(1−S)ポリアミドの 水素結合モデルを示す。 ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Pam-樹脂の試料(240 mg,0.18mmol/g)を生のエタノールアミン(2mL)で処理し、定 期的に撹拌しながら16時間加熱した(55℃)。次いで反応混合物をろ過して 樹脂を除き、0.1%(w/v)TFA(6mL)を添加し、得られた溶液を逆 相HPLCにより精製し、適切な画分を凍結乾燥すると、ImPyPy−(R)H2N γ−PyPyPy−β−EtOHが白色粉末(21mg,回収率46%)と して回収された。 MALDI−TOF−MS(モノアイソトピック),951.4(計算値951 .4;C4455169につき)。この2−Rポリアミドを図3に示す。 DMSO(1mL)中におけるImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy− β−Dpの試料(4mg)を、DMF(1mL)中における無水酢酸(1mL) およびDIEA(1mL)の溶液で処理し、定期的に撹拌しながら30分間加熱 した(55℃)。残留する無水酢酸を加水分解し(0.1M NaOH,1mL ,55℃,10分)、0.1%(w/v)TFA(6mL)を添加し、得られた 溶液を逆相HPLCにより精製し、適切な固分を凍結乾燥すると、ImPyPy −(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dpが白色粉末(2mg,回収率50%) として回収された。 MALDI−TOF−MS(平均),1035.1(計算値1035.2;M+ Hにつき)。この3−Rポリアミドを図3に示す。 ImPyPy−(S)Axγ−PyPyPy−β−Dpを、3−Rにつき記載し たように製造した(2mg,回収率50%)。[α]20 D−16.4(c0.0 7,H2O);1H NMR(DMSO−d6)は3−Rに一致;MALDI−T OF−MS(モノアイソトピック),1034.6(計算値1034.5;C49 64179につき)。 ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Pam−樹脂の試料(30 0mg,0.18mmol/g)を、DMF(4mL)中におけるBoc−無水 物(500mg)およびDIEA(1mL)の溶液で処理し、定期的に撹拌しな がら30分間加熱した(55℃)。樹脂置換度は、Lnew(mmol/g)=Lo ld /(1+Lold(Wnew−Wold)×10-3)として計算できる。式中、Lは負 荷量(アミンmmol/樹脂g)、Wは樹脂に結合した成長しつつあるポリアミ ドの重量(g mol-1)である(Barlosら,Int.J.Peptid e Protein Res.,1991,37:513参照)。ImPyPy −(R)Bocγ−PyPyPy−β−Pam−樹脂をろ過により単離し、過剰の DMF、DCM、MeOHおよびエチルエーテルで順に洗浄し、真空中で乾燥さ せた。ImPyPy−(R)Bocγ−PyPyPy−β−Pam−樹脂の試料( 240mg,0.18mmol/g)を生の3,3’−ジアミノ−N−メチルジ プロピルアミン(2mL)で処理し、定期的に撹拌しながら16時間加熱した( 55℃)。次いで反応混合物をろ過して樹脂を除き、0.1%(w/v)TFA を添加し(6mL)、得られた溶液を逆相HPLCにより精製し、適切な画分を 凍結乾燥すると、ImPyPy−(R)Bocγ−PyPyPy−β−Dp−NH2 が白色粉末(18mg,回収率36%)として回収された。 MALDI−TOF−MS(モノアイソトピック),1135.3(計算値11 35.6;C54751810につき)。 ImPyPy−(S)Bocγ−PyPyPy−β−Dp−NH2を、4−Rにつ き記載したように製造した(16mg,回収率32%)。[α]20 D−30(c 0.05,H2O);1H NMR(DMSO−d6)は4−R−Boc−NH2に 一致;MALDI−TOF−MS(モノアイソトピック),1135.4(計算 値1135.6;C54751810につき)。 過剰のEDTA−二無水物(50mg)をDMSO/NMP(1mL)および DIEA(1mL)に、55℃で5分間加熱することにより溶解した。二無水物 溶液を、DMSO(750μL)に溶解したImPyPy−(R)Bocγ−Py PyPy−β−Dp−NH2(10.4mg,10μmol)に添加した。混合 物を加熱し(55℃、25分)、残留するEDTA−無水物を加水分解した(0 .1M NaOH,3mL,55℃,10分)。TFA水溶液(0.1% w/ v)を添加して全容量を8mLに調整し、この溶液をそのまま逆相HPLCによ り精製し、適切な画分を凍結乾燥すると、ImPyPy−(R)Bocγ−PyP yPy−β−Dp−EDTA(4−R−Boc)が白色粉末(4mg,回収率4 0%)として回収された。MALDI−TOF−MS(モノアイソトピック), 1409.6(計算値1409.7;C64892017につき)。 ImPyPy−(S)Bocγ−PyPyPy−β−Dp−NH2(12.0mg ,12μmol)を、4−R−Bocにつき記載したように4−S−Bocに変 換した(4mg,回収率33%)。MALDI−TOF−MS(モノアイソトピ ック),1409.7(計算値1409.7;C64892017につき)。 DMSO(750μL)中における工mPyPy−(R)Bocγ−PyPyP y−β−Dp−EDTA(2.1mg)を50mLのフラスコに入れ、TFAで 処理した(15mL,22℃,2時間)。過剰のTFAを真空中で除去し、水( 6mL)を添加し、得られた溶液を逆相HPLCにより精製し、適切な画分を凍 結乾燥すると、ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dp−EDT Aが白色粉末(1.3mg,回収率50%)として回収された。MALDI−T OF−MS(モノアイソトピック),1309.5(計算値1309.6;C59 812015につき)。 ImPyPy−(S)Bocγ−PyPyPy−β−Dp−EDTA(3.0m g)を、4−Rにつき記載したように4−Sに変換した(1mg,回収率33% )。MALDI−TOF−MS(モノアイソトピック),1309.5(計算値 1309.6;C59812015につき)。 過剰のEDTA−二無水物(50mg)をDMSO/NMP(1mL)および DIEA(1mL)に、55℃で5分間加熱することにより溶解した。二無水物 溶液を、DMSO(750μL)に溶解したImPyPy−(R)H2Nγ−Py PyPy−β−Dp(1.0mg,1μmol)に添加した。混合物を加熱し( 55℃、25分)、残留するEDTA−無水物を加水分解した(0.1M Na OH,3mL,55℃,10分)。TFA水溶液(0.1% w/v)を添加し て 全容量を8mLに調整し、この溶液をそのまま逆相HPLCにより精製し、適切 な画分を凍結乾燥すると、5−Rが白色粉末(0.6mg,回収率60%)とし て回収された。MALDI−TOF−MS(モノアイソトピック),1266. 4(計算値1266.6;C57761915につき)。この5−Rポリアミドを 図3に示す。 ImPyPy−(S)EDTAγ−PyPyPy−β−Dpを1−Sから、5−R につき記載したように製造した(6.8mg,回収率16%)。MALDI−T OF−MS(モノアイソトピック),1266.5(計算値1266.6;C57 761915にpき)。 実施例2 MPE・Fe(II)フットプリント法による結合部位サイズおよび位置 A. 3’−および5’−末端標識制限フラグメントの調製 プラスミドpMM5をEcoRIおよびBsrBIで線状にし、次いで3’− 標識のためにシーケナーゼ(Sequenase)酵素、デオキシアデノシン5 ’−[γ−32P]トリホスフェートおよびチミジン5’−[γ−32P]トリホス フェートで処理した。あるいは、pMM5をEcoRIで線状にし、仔ウシアル カリホスファターゼで処理し、次いでT4ポリヌクレオチドキナーゼおよびデオ キシアデノシン5’−[γ−32P]トリホスフェートで5’−標識した。次いで 5’−標識フラグメントをBsrBIで消化した。標識フラグメント(3’また は5’)を6%非変性性ポリアクリルアミドゲルに装填し、目的の135塩基対 のバンドをオートラジオグラフィーにより視覚化し、単離した。文献記載の方法 で化学的配列決定反応を行った(Iversonら,Nucl.Acids R es.,1987,15,7823;Maxamら,Methods Enzy mol.,1980,65,499)。 B. MPE・Fe(II)フットプリント法 すべての反応を40μL容量で実施した。ポリアミド原液または水(参照列に つき)をアッセイ緩衝液に添加した。最終濃度:25mMトリス−酢酸緩衝液( p H7.0)、10mM NaCl、100μM/塩基対 仔ウシ胸腺DNA、お よび30kcpm 3’−または57−放射性標識DNA。これらの溶液を4時 間平衡化させた。100μM MPE溶液100μLおよび100μM硫酸鉄( II)アンモニウム(Fe(NH42(SO42・6H2O)溶液100μLか ら、新鮮な50μM MPE・Fe(II)溶液を調製した。MPE・Fe(I I)溶液(5μM)を平衡化DNAに添加し、反応物を5分間平衡化させた。ジ チオトレイトール(5mM)の添加により開裂を開始し、14分間進行させた。 エタノール沈殿により反応を停止し、100mM トリス−ホウ酸−EDTA/ 80%ホルムアミド−装填用緩衝液に再懸濁し、85℃で6分間変性させ、5μ Lの試料(約15kcpm)を直ちに8%変性性ポリアクリルアミドゲル(5% 架橋、7M尿素)に2000Vで装填した。 C. 結果 3’−および5’−32P末端標識135塩基対制限フラグメントのMPE・F e(II)フットプリント法(Van Dykeら,Pro.Natl.Aca d,Sci.,USA 1982,79,5470;Van Dykeら,Sc ience 1984,225,1122)により、これらのポリアミドはそれ ぞれ1μM濃度で5’−TGTTA−3’適正塩基対合部位に結合することが分 かる(25mMトリス−酢酸、10mM NaCl、100μM/塩基対 仔ウ シ胸腺DNA、pH7.0および22℃)(図5および6)。化合物1−Rおよ び3−Rはそれぞれ1.25Mでコグネイト5’−TGTTA−3’部位および 1塩基対不適正対合配列5’−TGTCA−3’の両方を保護する。明らかに、 ポリアミドの結合配列優先性はアミン置換基の立体化学に応じて異なる。ポリア ミド1−Sおよび3−Sはそれぞれ1.25Mおよび2.5M濃度で、ターゲッ ト適正塩基対合部位5’−TGTTA−3’のほか、5’−ACATT−3’逆 配向適正塩基対合部位に結合する。これらのポリアミドの非対称3’−シフトフ ットプリント開裂保護パターンのサイズは、5塩基対結合部位と一致する。 実施例3 アフィニテイー開裂による結合配向性決定 C−末端またはγ−ターンのいずれかにおいてEDTA・Fe(II)で修飾 されたヘアピンポリアミドを用いたアフィニティー開裂実験(Taylorら, Tetrahedron 1984,40,457;Dervan,P.B., Science 1986,232,464)を利用して、ポリアミド結合配向 性および化学量論的特性を調べた。すべての反応を40μLの容量で実施した。 ポリアミド原液または水(参照列につき)をアッセイ緩衝液に添加した。最終濃 度:25mMトリス−酢酸緩衝液(pH7.0)、20mM NaCl、100 μM/塩基対 仔ウシ胸腺DNA、および20kcpm 3’−または5’−放 射性標識DNA。これらの溶液を8時間平衡化させた。新鮮な硫酸鉄(II)ア ンモニウム(Fe(NH42(SO42・6H2O)溶液(10μM)を平衡化 DNAに添加し、反応物を15分間平衡化させた。ジチオトレイトール(10m M)の添加により開裂を開始し、30分間進行させた。エタノール沈殿により反 応を停止し、100mM トリス−ホウ酸−EDTA/80%ホルムアミド−装 填用緩衝液に再懸濁し、85℃で6分間変性させ、試料全体を直ちに8%変性性 ポリアクリルアミドゲル(5%架橋、7M尿素)に2000Vで装填した。 同じ3’−および5’−32P末端標識135塩基対制限フラグメントにつきア フィニティー開裂実験を行った(25mMトリス−酢酸、10mM NaCl、 100μM/塩基対 仔ウシ胸腺DNA、pH7.0および22℃)。 につきみられた開裂パターン(図7、8および9)はすべての場合3’−シフト しており、これは副溝占有と一致する。C−末端にEDTA・Fe(II)部分 をもつ3.3μMの4−R・Fe(II)および10μMの4−S−Fe(II )の存在下では、5’−TGTTA−3’適正塩基対合配列の5’側に近接した 1個の開裂座(cleavage locus)が認められる。γ−ターンに付 加されたEDTA・Fe(II)部分をもつ3.3μMの5−R・Fe(II) および10μMの5−S・Fe(II)の存在下では、5’−TGTTA−3’ 適正塩基対合配列の3’側に近接して1個の開裂座が認められる。開裂座は、γ − ターンにEDTA・Fe(II)がある場合の方か、C−末端にある場合より簡 潔であり、これは束縛(tether)がより短いのと一致する。10μMの4 −R・Fe(II)の存在下では、5’−TGTCA−3’1塩基対不適正対合 部位の5’側と3’側の両方に開裂座がみられる。3’側部位にみられる開裂パ ターンは、5’側の開裂より約3倍以上強い。10μM濃度のポリアミド4−S ・Fe(II)については、5’−ACATT−3’逆配向適正塩基対合部位の 5’側に近接して1個の開裂座が認められる。 実施例4 定量DNアーゼIフットプリント法によるエネルギー論 A. DNアーゼIフットプリント法 すべての反応を400μLの容量で実施した。これらの反応では、DNアーゼ 開裂後までキャリヤーDNAを用いなかった。ポリアミド原液または水(参照列 につき)をアッセイ緩衝液に添加した。最終濃度:10mMトリス・HCl緩衝 液(pH7.0)、10mM KCl、10mM MgCl2、10mM Ca Cl2、および30kcpm 3’−放射性標識DNA。これらの溶液を22℃ で最低12時間平衡化させた。DNアーゼI原液(1mM DTTで希釈して1 .875u/mLの原液濃度にした)10μLの添加により開裂を開始し、22 ℃で7分間進行させた。2.25M NaCl、150mM EDTA、0.6 mg/mLグリコーゲンおよび30μM塩基対 仔ウシ胸腺DNAを含有する溶 液50μLの添加により反応を停止し、次いでエタノール沈殿させた。開裂生成 物を100mM トリス−ホウ酸−EDTA/80%ホルムアミド−装填用緩衝 液に再懸濁し、85℃で6分間変性させ、直ちに8%変性性ポリアクリルアミド ゲル(5%架橋、7M尿素)に2000Vで1時間装填した。ゲルを真空下に8 0℃で乾燥させ、次いで記憶型リン(storage phosphor)法に より定量した。 平衡会合定数は先の記載に従って決定された(Mrksichら,J.Am. Chem.Soc.1994,116,7983)。5’−TGTTA−3’お よび5’−TGACA−3’部位および参照部位の容量積分を行って、データを 分析した。各濃度のポリアミドにつき、見掛けのDNAターゲット部位飽和値θapp を下記の方程式により計算した:式中、Itot、およびIrefはそれぞれターゲット部位および参照部位の積分容量 であり、Itot OおよびIref Oはポリアミドを添加しなかったDNアーゼI対照列 に関するそれらの数値に相当する。([L]tot、θapp)データ点は、下記の改 変ヒル(Hill)方程式を用いてθappとθfitの差を最小にすることにより、 ラングミュアー結合等温式にフィットさせた(たとえばポリアミド1〜3につい てはn=1、ポリアミド4および5についてはn=2): 式中、[L]totは全ポリアミド濃度に相当し、Kaは平衡会合定数に相当し、θmin およびθmaxはそれぞれ部位が占有されていない場合または飽相している場合 の、実験により測定した部位飽和値を表す。データを、カレイダグラフ(Kal eidaGraph)ソフトウェア(バージョン2.1、エイベルベックのソフ トウェア)の非線形最小2乗フィッティング法により、可変パラメーターとして のKa、θmaxおよびθmaxとフィットさせた。許容できるフィットはすべてR> 0.97の相関係数をもっていた。それぞれの会合定数を決定するのに少なくと も3組の許容できるデータを用いた。データ点が目視検査により隣接点と比較し て明らかに不完全であると認められない限り、各ゲルのすべての列を採用した。 これらのデータを下記の方程式により正規化した: 光刺激性記憶型リンイメージングプレート(photostimulable storage phosphorimaging plate)(コダック記 憶型リンスクリーン(Kodak Storage Phosphor Scr een)S0230、モレキュラー・ダイナミックスから入手)をゲル試料に平 らに押し付け、暗所で22℃、12〜20時間露光した。モレキュラー・ダイナ ミックス400Sホスファーイメージャー(Phoshorimager)を用 いて、記憶スクリーンからすべてのデータを求めた。イメージクアント(Ima geQuant)バージョン3.2を用いてすべてのバンドの容量積分を行うこ とにより、これらのデータを分析した。 B. 結果 定量DNアーゼIフットプリントタイトレーション法(Brenowitzら ,Methods in Enzymology,1986,130,132; Brenowitzら,Pro.Natl.Acad,Sci.,USA 19 86,83,8462;Senearら,Biochemistry 1986 ,25,7344)(10mMトリス・HCl、10mM KCl、10mM MgCl2および5mM CaCl2、pH7.0および22℃)を行って、各6 環ヘアピンポリアミドの平衡会合定数(Ka)を、解像された3部位につき決定 した(図10および11)。 5’−TGTTA−3’部位にはポリアミドが下記の順序で結合する: 5’−TGACT−3’ 1塩基対不適正対合部位の認識に関する平衡会合定数 は下記のとおりである: ポリアミドImPyPy−(S)H2Nγ−PyPyPy−β−Dp(1−S)お よびImPyPy−(S)Axγ−PyPyPy−β−Dp(3−S)は、5’− ACATT−3’逆配向配列を、それぞれKa=4.6×106-1およびKa< 5×106-1で認識する。5’−TGACA−3’結合部位と5’−ACAT T−3’結合部位は重なるので、相対不適正塩基対結合エネルギーの詳細な比較 ができないことを留意すべきである。5’−TGTTA−3’適正塩基対合部位 の結合の相対親和性は、γ−ターン置換の立体化学性に応じて100〜5倍変動 する(表2)。 表 2 平衡会合定数(M-1a,b a 報告した会合定数は、3回のDNアーゼIフットプリントタイトレーショ ン実験で得た平均値である。各データの標準偏差をかっこ内に示す。アッセイは 、22℃、pH7.0で、10mMトリス−HCl、10mM KCl、10m M MgCl2および5mM CaCl2の存在下に実施された。 b 5塩基対結合部位を大文字で示す。 c 特異性はKa(適正塩基対合部位)/Ka(不適正塩基対合部位)により計 算される。 d MPE・Fe(II)フットプリント法およびアフィニティー開裂法によ り判定した不適正塩基対合部位は、ポリアミドImPyPy−(S)H2Nγ−P yPyPy−β−Dp(1−S)およびImPyPy−(S)Acγ−PyPyP y−β−Dp(3−S)については5’−ACATT−3’である。 ND=測定しなかった。 実施例5 結合部位サイズおよび配向 MPE・Fe(II)フットプリント法により、ポリアミド1−Rおよび3− Rについては5’−TGTTA−3’適正塩基対合部位、5’−TGACA−3 ’1塩基対不適正対合部位、ポリアミド1−Sおよび3−Sについては5’−A CATT−3’逆配向適正塩基対合部位に、最も高い親和性で結合することが認 められる(図6)。カルボキシ末端またはγ−ターンにEDTA・Fe(エI) を配置したポリアミドを用いるアフィニティー開裂実験により、(R)および( S)−2,4−ジアミノ酪酸の両方から誘導されたポリアミドが5’−TGTT A−3’ターゲット部位に単一配向で結合することが確認される(図10)。単 一開裂部位という所見は、副溝に配向した1:1 ポリアミド:DNA複合体の みと一致し、二量体型のオーバーラップまたは伸長結合モチーフをいずれも排除 する。ヘアピン結合モデルは、それぞれカルボキシ末端またはγ−ターンのED TA・Fe(II)配置に対応して5’−TGTTA−3’ターゲット部位の5 ’側または3’側に開裂座があることにより、さらに支持される(図10)。( R)H2Nγγにより連結されたポリアミドサブユニットは、対称1塩基対不適正 対合配列5’−TGACA−3’に2つの異なる配向で結合する。(S)H2Nγ により連結されたポリアミドは5’−ACATT−3’逆配向適正塩基対合配列 に結合する。これはこの部位の5’側に唯一の開裂座があることにより明らかで ある。 実施例6 結合親和性 6種類すべてのポリアミドが5’−TGTTA−3’ターゲット部位に、分子 内ヘアピンとしての結合に一致する結合等温式(方程式2、n=1)で結合する 。しかし相対的な適正塩基対合部位結合親和性は、γ−ターンの立体化学および サブユニットの性質に応じて、約1000倍変動する。6種類のポリアミドのう ち ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dp(1−R)が最も高い親 和性で5’−TGTTA−3’部位に結合する。ImPyPy−(R)H2Nγ− PyPyPy−β−Dpは平衡会合定数(Ka=3×109-1;Parksら, J.Am.Chem.Soc.1996,118,6147)、すなわち親ポリ アミドImPyPy−γ−PyPyPy−β−Dpのもの(Ka=3×108-1 )より10倍高い平衡会合定数で結合する。ImPyPy−(R)H2Nγ−Py PyPy−β−EtOH(2−R)のように、1−RのC−末端ジメチルアミノ プロピルアミド基をエトキシアミド基で置換しても、結合親和性は低下しない( Ka=3×109-1)。ImPyPy−(R)Acγ−PyPyPy−β−Dp( 3−R)のように、γ−ターンアミノ基をアシル化すると、1−Rと比較して結 合親和性が10倍低下する(Ka=3×108-1)。 C−末端ジメチルアミノプロピルアミド基(1−R)がエトキシアミド基(2 −R)で置換された点のみ異なるポリアミドが同様な親和性で結合するという所 見は、カチオン性ジメチルアミノプロピルテイル基とアニオン性ホスフェート残 基または副溝の床の負の静電位との相互作用が実質的にヘアピン−DNA結合の エネルギーに関与しないらしいことを示す(Zimmerら,Prog.Bio phys.Molec.Biol.1986,47,31;Pullman,B .,Adv.Drug.Res.1990,18,1;Breslauerら, Structure and Expression(Vol.2),DNA and Its Drug Complexes,p.273−289,R.H .SarmaおよびM.H.Sarma(編)、アカデミック・プレス(198 8))。さらに、これらの結果は、ImPyPy−γ−PyPyPy−β−Dp と対比して1−Rにみられた結合増強は、単にポリカチオン性DNAらせんへの モノカチオンリガンド結合とジカチオンリガンド結合の間の差ではないことを示 す(Zimmerら,Prog.Biophys.Molec.Biol.19 86,47,31;Pullman,B.,Adv.Drug.Res.199 0,18,1;Breslauerら,Structure and Expr ession(Vol.2),DNA and Its Drug Compl exes,p.273−289,R.H.SarmaおよびM.H.Sarma (編)、ア カデミック・プレス(1988))。ポリアミド1−Rの適度の結合親和性増大 は、適確に配置されたアミン基と副溝の床との静電相互作用の結果であろう。あ るいは親和性増大は、溶液中で立体効果により生じる遊離ヘアピンへの到達自由 度の低下、または正に荷電したアミン基とγ−カルボニル基の負の電位との静電 相互作用を示す可能性がある。 (S)H2Nγで連結したポリアミド、ImPyPy−(S)H2Nγ−PyPyP y−β−Dp(1−S)およびImPyPy−(S)Acγ−PyPyPy−β− Dp(3−S)は、(R)H2Nγ連結したポリアミド1−Rと比較して、5’− TGTTA−3’適正塩基対合部位に100倍(Ka=2×107-1)および1 000倍(Ka<5×106-1)低い親和性で結合する。これらの結果は、キラ ルヘアピンポリアミドのDNA結合親和性をターン残基の立体化学の関数として 予測的に調節できることを証明する。 実施例7 配列特異性 γ−ターンに種々の置換基をもつポリアミドは、5’−TGTTA−3’適正 塩基対対合部位に優先的に結合し、一方、逆配向部位および不適正塩基対合部位 に対する全体的特異性は変動する。ImPyPy−γ−PyPyPy−β−Dp のγ−残基のα−プロトンを、キラルα−水素(R)立体配置を与えるアミノ基 で交換すると、最も特異性の高いポリアミドImPyPy−(R)H2Nγ−Py PyPy−β−Dp(1−R)が得られる。ImPyPy−(R)H2Nγ−Py PyPy−β−Dp・5’−TGTTA−3’複合体は、ImPyPy−(R)H2N γ−PyPyPy−β−Dp・5’−TGTCA−3’不適正塩基対合複合 体と比較して100倍高い優先性で形成される。荷電したジメチルアミノプロピ ルテイル基を(2−R)の場合のように、エトキシアミド基で置換しても、結合 特異性は変化しない。非置換親ヘアピンポリアミド(60倍)と比較して、ポリ アミド1−Rおよび2−Rにつき1塩基不適正対合配列に対する特異性が適度に 増大するのは(100倍)、キラルヘアピンポリアミドがDNA副溝認識に最適 な一群の小分子であることを示唆する。実施例8 結合配向 原則として、ポリアミド:DNA複合体はポリアミド(N−C)と副溝の壁(5’ −3’;Whiteら,J.Am.Chem.Soc.1997,119,87 56)とのアラインメントに応じて、2つの異なるDNA配列の場で形成するこ とかできる。各3環ポリアミドサブユニットのN−末端をそれぞれの認識DNA 鎖の5’側に置いたコア配列組成ImPyPy−γ−PyPyPyの6環ヘアピ ンポリアミドは、‘前進適正塩基対合(foreward match)’5’ −WGWWW−3’配列(W=AまたはT)に結合するであろう。ポリアミドサ ブユニットのN−末端をそれぞれの認識鎖の3’側に置くと、ターゲッティング ‘逆適正塩基対合’5’−WCWWW−3’配列が生じるであろう。ヘアピンポ リアミドについては、DNA二重らせんの主鎖(5’−3’)に対する各ポリア ミドサブユニット(N−C)の‘前進’アラインメントにエネルギー優先性があ る(Whiteら,J.Am.Chem.Soc.1997,119,8756 )。 ImPyPy−γ−PyPyPy−β−Dpのγ−ターンのα−プロトンを( S)H2Nγで交換すると、5’−TGTTA−3’適正塩基対合部位に対する親 和性が低下するほか、不適正配列優先性が(R)H2Nγ−連結ポリアミドにより 結合される5’−TGACA−3’部位から5’−ACATT−3’逆適正塩基 対合部位に変化する。逆適正塩基対合部位への結合は、副溝の床に立体的に嵩高 いアミノまたはアセトアミド基があることにより生じ、特異的DNA認識に必要 な深いポリアミド結合が阻止されるであろう。しかし‘前進’および‘逆’結合 に必要なヘアピンフォールディングの要件を分析すると、さらに他のモデルが明 らかになる。 原則として、重ね合わせられない鏡面対称に関連する2つのヘアピンフォール ドがある(図12)。一方のヘアピンフォールドは好ましい5’から3’へのN− C配向に関与し、他方のフォールドは3’から5’へのN−C逆配向結合に対応 する。DNA不在下でのアキラルヘアピンポリアミドについては、重ね合わせら れない各フォールドはエネルギー論的に同等のはずである。しかしキラル置換基 をもつ非対称フォールディングしたヘアピンポリアミドは、配向結合につき異な るエネルギー状態を示す可能性がある(図12)。前進フォールディングしたヘア ピン(5’から3’へのN−C)においては、(R)H2Nγがアミン官能基をD NAらせんから遠ざかる方向に向け、これに対し(S)鏡像異性体はアミンを副 溝の床内へ向けると推定される。‘逆’フォールドヘアピン(S)H2Nγはアミ ン官能基をDNAらせんの床から遠ざかる方向に向け、これに対し(R)鏡像異 性体はらせんの床にぶつかると推定される。非置換親ヘアピンに対比して適度に 高い特異性をもつキラルポリアミド1−Rおよび2−Rは、前進結合モードの安 定化および/または逆結合ヘアピンフォールドの脱安定化により生じると思われ る。 実施例9 縦列連結ポリアミド A. 合成 ImPyPy−(R)[ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β一]H N γ−PyPyPy−β−Dp(6)、およびImPyPy−(R)[ImPy Py−(R)H2Nγ−PyPyPy−δ−]HNγ−PyPyPy−β−Dp(7 )を、Boc−β−アラニン−Pam−樹脂(樹脂0.6g,置換度0.6mm ol/g)からBoc−化学−機械介助プロトコールにより31工程で合成した( 図3)[12]。ImPyPy−(R)FmocHNγ−PyPyPy−β−Pam−Pa m樹脂を文献記載に従って製造した[10]。次いでFmoc保護基を(4:1)ピ ペリジン/DMF処理により除去した。次いで残りのアミノ酸配列をBoc−化 学−機械介助プロトコールにより段階的に合成して、ImPyPy−(R)[1 mPyPy−(R)FmocHNγ−PyPyPy−β−]HNγ−PyPyPy−β− Pam−樹脂、およびImPyPy−(R)[ImPyPy−(R)FmocHNγ− PyPyPy−δ−]HNγ−PyPyPy−β−Pam−樹脂を得た。Fmoc 基を(4:1)ピペリジン/DMFにより除去した。次いで樹脂試料を(ジメチ ルアミノ)プロピルアミンとの1工程アミノリシス反応で開裂させ(55℃,1 8時間)、次いで反応混合物を逆相HPLCにより精製して、ImPyPy−( R)[ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−]HNγ−PyPyPy −β−Dp(6)、およびImPyPy−(R)[ImPyPy−(R)H2Nγ −PyPyPy−δ−]HNγ−PyPyPy−β−Dp(7)を得た。EDT Aターン誘導体7−Eについては、ImPyPy−(R)[ImPyPy−(R )H2Nγ−PyPyPy−δ−]HNγ−PyPyPy−β−Dp(7)を過剰の EDTA−二無水物で処理し(DMSO/NMP,DIEA,55℃,30分) 、残留する無水物を加水分解した(0.1M NaOH,55℃,30分)。次 いでポリアミドImPyPy−(R)[ImPyPy−(R)EDTAγ−PyPy Py−δ−]HNγ−PyPyPy−β−Dp(7−E)を逆相HPLCにより単 離した。これらのジカチオン12環縦列ヘアピンは、最高1mM濃度で溶解する 。これら縦列ヘアピンの溶解度は、伸長またはヘアピン12環ポリアミドにつき みられる溶解度より10〜100倍大きい。 ImPyPy−(R)Fmocγ−PyPyPy−β−Pam-樹脂をBoc−β −Pam−樹脂(0.6mmol/g)から、機械介助固相法で段階的に合成し た。(R)−2−Fmoc−4−Boc−ジアミノ酪酸(0.7mmol)を、 先にBoc−γ−アミノ酪酸につき記載されたように取り込ませた。ImPyP y−(R)Fmocγ−PyPyPy−β−Pam−樹脂をガラス製20mLペプチ ド合成反応器に入れ、DMF(2mL)、続いてピペリジン(8mL)で処理し 、撹拌した(22℃,30分)。ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy− β−Pam−樹脂をろ過により単離し、過剰のDMF、DCM、MeOHおよび エチルエーテルで順に洗浄し、このアミン−樹脂を真空中で乾燥させた。次いで ImPyPy−(R)[ImPyPy−(R)FmocHNγ−PyPyPy−β−]HN γ−PyPyPy−β−Pam−樹脂をImPyPy−(R)H2Nγ−PyP yPy−β−Pam-樹脂(0.38mmol/g)から、機械介助固相法で段 階的に合成した。ImPyPy−(R)[ImPyPy−(R)FmocHNγ−Py PyPy−β−]HNγ−PyPyPy−β−Pam−樹脂をガラス製20mLペ プチド合成反応器に入れ、DMF(2mL)、続いてピペリジン(8mL)で処 理し、撹拌した(22℃,30分)。ImPyPy−(R)[ImPyPy−( R)H2Nγ−PyPyPy−β−]HNγ−PyPyPy−β−Pam−樹脂を濾 過により単離し、過剰のDMF、DCM、MeOHおよびエチルエーテルで順に 洗浄 し、このアミン−樹脂を真空中で乾燥させた。ImPyPy−(R)[ImPy Py−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−]HNγ−PyPyPy−β−Pam− 樹脂の試料(240mg,0.29mmol/g)を生のジメチルアミノプロピ ルアミン(2mL)で処理し、定期的に撹拌しながら16時間加熱した(55℃ )。次いで反応混合物をろ過して樹脂を除去し、0.1%(w/v)TFA(6 mL)を添加し、得られた溶液を逆相HPLCにより精製した。適切な画分を凍 結乾燥すると、ImPyPy−(R)[ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPy Py−β−]HNγ−PyPyPy−β−Dpが白色粉末(28mg,回収率22 %)として回収される。UV(H2O)λmax 246,306(100,000);MALDI− TOF−MS[M+−H](モノアイソトピツク),1881.9:計算値18 81.9;C891093216につき。 ImPyPy−(R)[ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−δ−]H N γ−PyPyPy−β−Pam-樹脂を、ImPyPy−(R)[ImPyPy −(R)H2Nγ−PyPyPy−β−]HNγ−PyPyPy−β−Pam−樹脂 につき記載したように製造した。ImPyPy−(R)[ImPyPy−(R)H2N γ−PyPyPy−δ−]HNγ−PyPyPy−β−Pam−樹脂(240 mg,0.29mmol/g19)を生のジメチルアミノプロピルアミン(2mL )で処理し、定期的に撹拌しながら16時間加熱した(55℃)。次いで反応混 合物をろ過して樹脂を除去し、0.1%(w/v)TFA(6mL)を添加し、 得られた溶液を逆相HPLCにより精製した。適切な画分を凍結乾燥すると、I mPyPy−(R)[ImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−δ−]HNγ −PyPyPy−β−Dpが白色粉末(32mg,回収率25%)として回収さ れる。 MALDI−TOF−MS[M+−H](モノアイソトピック),1910.2 :計算値1909.9;C911133216につき。 過剰のEDTA−二無水物(50mg)をDMSO/NMP(1mL)および DIEA(1mL)に、55℃に5分間加熱することにより溶解した。この二無 水物溶液を、DMSO(750μL)に溶解したImPyPy−(R)[ImP yPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−δ−]HNγ−PyPyPy−β−Dp( 10mg,5μmol)に添加した。混合物を加熱し(55℃,25分)、残留 するEDTA−無水物を加水分解した(0.1M NaOH,3mL,55℃, 10分)。TFA水溶液(0.1% w/v)を添加して全容量を8mLに調整 し、この溶液をそのまま逆相HPLCにより精製した。適切な画分を凍結乾燥し て、ImPyPy−(R)[ImPyPy−(R)EDTAγ−PyPyPy−δ− ]HNγ−PyPyPy−β−Dp(7−E)を白色粉末(2mg,回収率20% )として得た。MALDI−TOF−MS[M+−H](モノアイソトピック) ,2184.3:計算値2184.0;C1011273423につき。 B. プラスミドおよび制限フラグメントの調製 図18に挙げた挿入配列のハイブリダイゼーションにより、プラスミドpDH 10、pDH11およびpDH12を構築した。ハイブリダイズした各挿入配列 を、線状にしたpUC19 BamHI/HindIIIプラスミド中へ、T4 DNAリガーゼにより別個にライゲートさせた。得られた構築体を用いて、To p10F‘OneShotコンピテント細胞(インビトロゲンから)を形質転換 した。アンピシリン50μg/mLを含有するルリア−ベルタニ(Luria− Bertani)培地寒天平板25mLから、アンピシリン耐性白色コロニーを 選択し、XGALおよびIPTG溶液で処理した。キアゲン・マキシ(Quia gen Maxi)精製キットにより、大規模プラスミド精製を行った。ジデオ キシ配列決定法により、目的とする挿入配列の存在を確認した。調製したプラス ミドの濃度を260nmにおいて、1OD単位=二本鎖DNA 50μg/mL の関係で測定した。 プラスミドpDH(11〜12)をEcoRIおよびBsrBIで線状にし、 次いで3’−標識のためにシーケナーゼ酵素、デオキシアデノシン5’−[α−32 P]トリホスフェートおよびチミジン5’−[α−32P]トリホスフェートで 処理した。あるいは、これらのプラスミドをEcoRIで線状にし、仔ウシアル カリホスファターゼで処理し、次いでT4ポリヌクレオチドキナーゼおよびデオ キシアデノシン5’−[γ−32P]トリホスフェートで5’−標識した。次いで 5’−標識フラグメントをBsrBIで消化した。標識フラグメント(3’また は5’)を6%非変性性ポリアクリルアミドゲルに装填し、目的の147塩基対 のバンドをオートラジオグラフィーにより視覚化し、単離した。文献記載の方法 で化学的配列決定反応を行った。 C. 結合部位サイズ すべての反応を40μL容量で実施した。ポリアミド原液または水(参照列に つき)をアッセイ緩衝液に添加した。最終濃度:25mMトリス−酢酸緩衝液( pH7.0)、10mM NaCl、100μM/塩基対 仔ウシ胸腺DNA、 および30kcpm 3’−または5’−放射性標識DNA。これらの溶液を4 時間平衡化させた。100μM MPE溶液100μLおよび100μM硫酸鉄 (II)アンモニウム(Fe(NH42(SO42・6H2O)溶液100μL から、新鮮な50μM MPE・Fe(II)溶液を調製した。MPE・Fe( II)溶液(5μM)を平衡化DNAに添加し、反応物を5分間平衡化させた。 ジチオトレイトール(5mM)の添加により開裂を開始し、14分間進行させた 。エタ ノール沈殿により反応を停止し、100mM トリス−ホウ酸−EDTA/80 %ホルムアミド−装填用緩衝液に再懸濁し、85℃で6分間変性させ、5μLの 試料(約15kcpm)を直ちに8%変性性ポリアクリルアミドゲル(5%架橋 、7M尿素)に2000Vで装填した。 プラスミドpDH11からの3’−または5’−32P末端標識135塩基対E coRI/BsrBI制限フラグメントについてのMPE・Fe(II)フット プリント法により、ポリアミド7は100pM濃度で、表示した11bp適正塩 基対合部位5’−TGTTATGTTA−3’に結合することが認められる( 25mMトリス−酢酸、10mM NaCl、pH7.0および22℃)(図5 aおよび5c)。不適正塩基対合部位5’−TGTCATTGTCA−3’の結 合は、これよりはるかに高いポリアミド濃度でようやくみられる(図5a)。表 示した適正塩基対合部位5’−TGTTATGTTA−3’におけるポリアミ ド7の非対称3’−シフト開裂保護パターンのサイズは、予想したヘアピン−δ −ヘアピン・DNA複合体の形成と一致する。 D. 結合配向 すべての反応を40μL容量で実施した。ポリアミド原液または水(参照列に つき)をアッセイ緩衝液に添加した。最終濃度:25mMトリス−酢酸緩衝液( pH7.0)、20mM NaCl、100μM/塩基対 仔ウシ胸腺DNA、 および20kcpm 3’−または5’−放射性標識DNA。これらの溶液を8 時間平衡化させた。新鮮な硫酸鉄(II)アンモニウム(Fe(NH42(SO42・6H2O)溶液(10μM)を平衡化DNAに添加し、反応物を15分間 平衡化させた。ジチオトレイトール(10mM)の添加により開裂を開始し、3 0分間進行させた。エタノール沈殿により反応を停止し、100mM トリス− ホウ酸−EDTA/80%ホルムアミド−装填用緩衝液に再懸濁し、85℃で6 分間変性させ、試料全体を直ちに8%変性性ポリアクリルアミドゲル(5%架橋 、7M尿素)に2000Vで装填した。 EDTA・Fe(II)部分がγ−ターンに付加された7−Eを用いたアフィ ニティー開裂実験により、ポリアミドの結合配向および化学量論的特性を確認し た。プラスミドpDH11からの同じ3’−または5’−32P末端標識135塩 基対DNA制限フラグメントにつき、アフィニティー開裂実験を行った(25m Mトリス−酢酸、10mM NaCl、100μM/塩基対 仔ウシ胸腺DNA 、pH7.0および22℃)。7−Eにつきみられた開裂パターン(図5bおよ び5d)は3’−シフトしており、副溝占有と一致する。1μM 7−Eの存在 下では、5’−TGTTATGTTA−3’適正塩基対合配列の3’側に近接 した単一開裂座が認められ、これは配向1:1 ヘアピン−δ−ヘアピン・DN A複合体の形成と一致する。 E. 平衡会合定数 定量DNアーゼIフットプリント法および関連の数学的計算を、下記に特に指 示しない限り前記実施例4に記載したように実施した。定量DNアーゼフットプ リントタイトレーション(10mMトリス・HCl、10mM KCl、10m M MgCl2、および5mM CaCl2、pH7.0および22℃)を行って 、6および7の10−、11−および12−bp適正および不適正塩基対合部位 に対する平衡会合定数(Ka)を決定した。ポリアミド7は11−bp 5’−TGTTATGTTA−3’ターゲット配列に、Ka>1×1011-1で優先 的に結合する。対応する11−bp不適正塩基対合5’−TGTCATTGTC A−3’部位には、7は4500倍以上低い親和性で結合する(Ka=2.2× 108-1)。ポリアミド7は、10−bp部位5’−TGTTATGTTA− 3’(Ka=1.5×1010-1)および12−bp部位5’−TGTTATATGTTA −3’(Ka=1.0×109-1)を、それぞれ70倍および100 0倍低い親和性で結合する。ポリアミド6は、10−bp 5’−TGTTAT GTTA −3’および11−bp 5’−TGTTATGTTA−3’部位を Ka=2×1010-1で結合し、同様に12−bp 5’−TGTTATATG TTA −3’部位を16倍低い親和性で結合する(Ka=9.0×109-1)。 親ヘアピンImPyPy−(R)H2Nγ−PyPyPy−β−Dpは5’−TG TTA−3’適正塩基対合部位にKa=5×109-1で結合することが認められ た。 外見上、ポリアミド7のサブユニットは親−アセチル化親−縦列ヘアピンの組 合わせである。親ヘアピンおよびアセチル化ヘアピンは、それぞれ結合エネルギ ー−13.2kcal/molおよび−11.8kcal/molでIを占有す る。これから、親−δ−アセチル化の共有結合は会合定数(Ka)=2.2×1 018-1で同じ部位に結合すると推定される。これは観察した縦列ヘアピン7よ り6桁高い(−16.3kcal/molで結合)。親の5’−TGTTA−3 ’半部位認識と比較して、それぞれ10−bpおよび12−bp部位の結合認識 の2倍増大および5倍低下がみられたにすぎない。部位IVでは、1塩基対不適 正対合により、非連結ヘアピンおよび連結ヘアピンの両方につき結合エネルギー が低下する。連結していない親およびアセチル化親は、それぞれ10.5kca l/molおよび9.2kcal/molで結合する。これから、連結ポリアミ ドは(Ka)=2.4×1014-1で結合すると推定される。観察した縦列ヘア ピンは、エネルギー−11.35kcal/molおよび(Ka)=2.2×1 08-1で結合する。 表2 平衡会合定数(M-1a,b a 報告した会合定数は、3回のDNアーゼIフットプリントタイトレーショ ン実験で得た平均値である。アッセイは、22℃、pH7.0で、10mMトリ ス−HCl、10mM KCl、10mM MgCl2および5mM CaCl2 の存在下に実施された。b 10、11および12塩基対結合部位を大文字で、フランキング配列を小 文字で示す。適正塩基対合部位の会合定数を太字で示す。特異性はKa(適正塩 基対合)/Ka(不適正塩基対合)により計算される。 F. リンカー依存性 ポリアミド6および7の部位サイズ優先性は、頭−尾リンカーの長さに対する 修飾により生じる。モデル作成により、βおよびδリンカーは10または11− bpを認識するのに十分な長さをもつが、12−bp結合部位を覆うには短かす ぎることが示された。ポリアミド7は11−bp部位の最適認識を示し、5’−TGTTATGTTA−3’部位をKa=1×1012-1で結合する。7のδ リンカーを、6において2炭素短いβ−アラニン残基で交換すると、11−bp 部位における親和性が6倍以上低下する(Ka=1.5×1010-1)。12− bp部位における6および7の著しい親和性低下は、リンカーサブユニットの共 有束縛がそれらの結合部位に対するヘアピンサブユニットのアラインメントを阻 害することを示す。表 3 11−bp適正塩基対合部位Iおよび一連の不適正塩基対合部位II〜VI における6環ヘアピンおよびδ−結合縦列ヘアピンの結合親和性 本明細書に記載したように、本発明はDNA副溝を特異的に認識するための多様 な新規キラルヘアピンポリアミド構造体を製造および使用するための試薬および 方法を提供する。図面には本発明の好ましい態様を示し、記述したが、好ましい 態様の変更は当業者が容易になしうるので、本発明が図示および記述された特定 の態様に限定されると解すべきではなく、請求の範囲に記載したものであると解 すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/042,022 (32)優先日 平成9年4月16日(1997.4.16) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/837,524 (32)優先日 平成9年4月21日(1997.4.21) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/853,522 (32)優先日 平成9年5月8日(1997.5.8) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 PCT/US97/12722 (32)優先日 平成9年7月21日(1997.7.21) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ダーヴァン,ピーター・ビー アメリカ合衆国カリフォルニア州91108, サン・マリノ,セント・アルバンズ・ロー ド 1235

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.DNA分子の副溝における塩基対に特異的に結合する、γ−アミノ酪酸か ら誘導されたヘアピンターンを有するポリアミドであって、ヘアピンのγ−アミ ノ酪酸残基を(R)−2,4−ジアミノ酪酸で置換することにより改良されたポ リアミド。 2.R−2−アミノが誘導体化されて酸アミドを形成した、請求項1記載のポ リアミド。 3.ポリアミドが3または4つのカルボキシアミド結合対を有する、請求項1 記載のポリアミド。 4.式: X123γX456 (式中、γはγ−アミノ酪酸から誘導された−NH−CH2−CH2−CH2−C ONH−ヘアピン連結またはR−2,4−ジアミノ酪酸から誘導されたキラルヘ アピン連結であり; X1/X2、X3/X4、およびX5/X6はDNA塩基対を結合する3つのカルボ キシアミド結合対を表し、その際少なくとも1つの結合対はHp/PyまたはP y/Hpであり、他はPy/Im、Im/Py、およびPy/Pyよりなる群か ら選択されて、結合すべき副溝のDNA塩基対に対応する) を有する、請求項1記載のポリアミド。 5.式: X1234γX5678 (式中、γはγ−アミノ酪酸から誘導された−NH−CH2−CH2−CH2−C ONH−ヘアピン連結またはR−2,4−ジアミノ酪酸から誘導されたキラルヘ アピン連結であり; X1/X8、X2/X7、X3/X6、およびX4/X5はDNA塩基対を結合する4 つのカルボキシアミド結合対を表し、その際少なくとも1つの結合対はHp/P yまたはPy/Hpであり、他はPy/Im、Im/Py、およびPy/Pyよ りなる群から選択されて、結合すべき副溝のDNA塩基対に対応する) を有する、請求項1記載のポリアミド。 6.式: X12345γX678910 (式中、γはγ−アミノ酪酸から誘導された−NH−CH2−CH2−CH2−C ONH−ヘアピン連結またはR−2,4−ジアミノ酪酸から誘導されたキラルヘ アピン連結であり: X1/X10、X2/X9、X3/X8、X4/X7、X5/X6はDNA塩基対を結合 する5つのカルボキシアミド結合対を表し、その際少なくとも1つの結合対はH p/PyまたはPy/Hpであり、他はPy/Im、Im/Py、およびPy/ Pyよりなる群から選択されて、結合すべき副溝のDNA塩基対に対応する) を有する、請求項1記載のポリアミド。 7.式: X123456γX789101112 (式中、γはγ−アミノ酪酸から誘導された−NH−CH2−CH2−CH2−C ONH−ヘアピン連結またはR−2,4−ジアミノ酪酸から誘導されたキラルヘ アピン連結であり; X1/X12、X2/X11、X3/X10、X4/X9、X5/X8、X6/X7はDNA 塩基対を結合する3または4つのカルボキシアミド結合対を表し、その際少なく とも1つの結合対はHp/PyまたはPy/Hpであり、他はPy/Im、Im /Py、およびPy/Pyよりなる群から選択されて、結合すべき副溝のDNA 塩基対に対応する) を有する、請求項1記載のポリアミド。 8.式: (式中、γはγ−アミノ酪酸から誘導された−NH−CH2−CH2−CH2−C ONH−ヘアピン連結またはR−2,4−ジアミノ酪酸から誘導されたキラルヘ アピン連結であり; X1/X6、X2/X5、X3/X4、X’1/X’6、X’2/X’5、X’3/X’4 はDNA塩基対を結合するカルボキシアミド結合対を表し、その際少なくとも1 つの結合対はHp/PyまたはPy/Hpであり、他はPy/Im、Im/Py 、およびPy/Pyよりなる群から選択されて、結合すべき副溝のDNA塩基対 に対応し; Lはβ−アラニンおよび5−アミノ吉草酸(δ)よりなる群から選択されるア ミノ酸連結基を表し; Pは0〜10個の請求項1記載の改良ポリアミドを表す) を有する、請求項1記載の縦列連結ポリアミド。 9.式: (式中、γはγ−アミノ酪酸から誘導された−NH−CH2−CH2−CH2−C ONH−ヘアピン連結またはR−2,4−ジアミノ酪酸から誘導されたキラルヘ アピン連結であり; X1/X8、X2/X7、X3/X6、X4/X5、X’1/X’8、X’2/X’7、X ’3/X’6、X’4/X’5はDNA塩基対を結合するカルボキシアミド結合対を 表し、その際少なくとも1つの結合対はHp/PyまたはPy/Hpであり、他 はPy/Im、Im/Py、およびPy/Pyよりなる群から選択されて、結合 すべき副溝のDNA塩基対に対応し; Lはβ−アラニン、5−アミノ吉草酸(δ)およびその誘導体よりなる群から 選択されるアミノ酸連結基を表し; Pは0〜10個の請求項1記載の改良ポリアミドを表す) を有する、請求項1記載の縦列連結ポリアミド。 10.式:(式中、γはγ−アミノ酪酸から誘導された−NH−CH2−CH2−CH2−C ONH−ヘアピン連結またはR−2,4−ジアミノ酪酸から誘導されたキラルヘ アピン連結であり; X1/X10、X2/X9、X3/X8、X4/X7、X5/X6、X’1/X’10、X’2 /X’9、X’3/X’8、X’4/X’7、X’5/X’6はDNA塩基対を結合す るカルボキシアミド結合対を表し、その際少なくとも1つの結合対はHp/Py またはPy/Hpであり、他はPy/Im、Im/Py、およびPy/Pyより なる群から選択されて、結合すべき副溝のDNA塩基対に対応し; Lはβ−アラニン、5−アミノ吉草酸(δ)およびその誘導体よりなる群から 選択されるアミノ酸連結基を表し; Pは0〜10個の請求項1記載の改良ポリアミドを表す) を有する、請求項1記載の縦列連結ポリアミド。 11.式: (式中、γはγ−アミノ酪酸から誘導された−NH−CH2−CH2−CH2−C ONH−ヘアピン連結またはR−2,4−ジアミノ酪酸から誘導されたキラルヘ アピン連結であり; X1/X12、X2/X11、X3/X10、X4/X9、X5/X8、X6/X7、X’1/ X’12、X’2/X’11、X’3/X’10、X’4/X’9、X’5/X’8、X’6 /X’7はDNA塩基対を結合するカルボキシアミド結合対を表し、その際少なく とも1つの結合対はHp/PyまたはPy/Hpであり、他はPy/Im、Im /Py、およびPy/Pyよりなる群から選択されて、結合すべき副溝のDNA 塩基対に対応し; Lはβ−アラニン、5−アミノ吉草酸(δ)およびその誘導体よりなる群から 選択されるアミノ酸連結基を表し; Pは0〜10個の請求項1記載の改良ポリアミドを表す) を有する、請求項1記載の縦列連結ポリアミド。 12.第1および第2ポリアミドを含み、第1ポリアミドが請求項4記載のポ リアミドであり、第2ポリアミドが請求項5、6および7のポリアミドよりなる 群から選択され;第1および第2ポリアミドが、第1ポリアミドのγ−残基と第 2ポリアミドのカルボキシテイルに結合したβ−アラニン、5−アミノ吉草酸( δ)およびその誘導体よりなる群から選択されるアミノ酸連結基で連結されてい る、縦列連結ポリアミド。 13.第1および第2ポリアミドを含み、第1ポリアミドが請求項5記載のポ リアミドであり、第2ポリアミドが請求項4、6および7のポリアミドよりなる 群から選択され;第1および第2ポリアミドが、第1ポリアミドのγ−残基と第 2ポリアミドのカルボキシテイルに結合したβ−アラニン、5−アミノ吉草酸( δ)およびその誘導体よりなる群から選択されるアミノ酸連結基で連結されてい る、縦列連結ポリアミド。 14.第1および第2ポリアミドを含み、第1ポリアミドが請求項6記載のポ リアミドであり、第2ポリアミドが請求項4、5および7のポリアミドよりなる 群から選択され;第1および第2ポリアミドが、第1ポリアミドのγ−残基と第 2ポリアミドのカルボキシテイルに結合したβ−アラニン、5−アミノ吉草酸( δ)およびその誘導体よりなる群から選択されるアミノ酸連結基で連結されてい る、縦列連結ポリアミド。 15.第1および第2ポリアミドを含み、第1ポリアミドが請求項7記載のポ リアミドであり、第2ポリアミドが請求項4、5および6のポリアミドよりなる 群から選択され;第1および第2ポリアミドが、第1ポリアミドのγ−残基と第 2ポリアミドのカルボキシテイルに結合したβ−アラニン、5−アミノ吉草酸( δ)およびその誘導体よりなる群から選択されるアミノ酸連結基で連結されてい る、縦列連結ポリアミド。 16.Pが0〜8個の請求項1記載のポリアミドを表す、請求項8、9、10 または11記載の縦列連結ポリアミド。 17.Pが0〜6個の請求項1記載のポリアミドを表す、請求項8、9、10 または11記載の縦列連結ポリアミド。 18.Pが0〜4個の請求項1記載のポリアミドを表す、請求項8、9、10 または11記載の縦列連結ポリアミド。 19.Pが0〜2個の請求項1記載のポリアミドを表す、請求項8、9、10 または11記載の縦列連結ポリアミド。 20.キラルヘアビン連結がR−2,4−ジアミノ酪酸から誘導された、請求 項1記載のポリアミド。 21.下記のもの: およびその薬剤学的に許容しうる塩類よりなる群から選択される、請求項1記載 のポリアミド。 22.さらに、検出可能な標識に結合したR−2アミノ基を含む、請求項1記 載のポリアミド。 23.γ−アミノ酪酸のα−位を(R)−2,4−ジアミノ酪酸で置換するこ とを含む、DNA配列を結合するためのヘアピンターンを有するポリアミドの親 和性を高める方法。 24.ヘアピンのγ−アミノ酪酸残基のα−位をアミノ酪酸のアセチル化R− 鏡像異性体で置換する、請求項8記載の方法。 25.遺伝子の調節配列と請求項1記載のポリアミドを接触させることを含む 、遺伝子発現を阻害する方法。
JP54276298A 1996-02-26 1998-01-29 副溝における、キラルヘアピンポリアミドのdna結合親和性、配列特異性、および配向優先性の立体化学的制御 Pending JP2002514209A (ja)

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US08/837,524 1997-04-21
US08/853,522 1997-05-08
US08/853,522 US6635417B1 (en) 1996-07-31 1997-05-08 Complex formation between DSDNA and oligomer of cyclic heterocycles
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2005087784A1 (ja) * 2004-02-24 2008-01-24 独立行政法人科学技術振興機構 電気化学的に活性な配列特異的二本鎖核酸分子検出用リガンド
CN114262434A (zh) * 2021-12-31 2022-04-01 郑州工程技术学院 一种基于果酸的脂肪族手性聚酰胺及其制备方法

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