JP2002514051A - T1レセプター様リガンドi - Google Patents

T1レセプター様リガンドi

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JP2002514051A JP51069998A JP51069998A JP2002514051A JP 2002514051 A JP2002514051 A JP 2002514051A JP 51069998 A JP51069998 A JP 51069998A JP 51069998 A JP51069998 A JP 51069998A JP 2002514051 A JP2002514051 A JP 2002514051A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規のT1R様リガンドIタンパク質に関する。詳細には、T1R様リガンドIタンパク質をコードする単離された核酸分子が提供される。T1R様リガンドIポリペプチド、組換えベクターおよびこれらを発現するための宿主細胞もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 T1レセプター様リガンドI 発明の背景 発明の分野 本発明は、新規のT1レセプター(T1R)様リガンドIタンパク質に関する。詳細 には、T1R様リガンドIタンパク質をコードする単離された核酸分子が提供される 。T1R様リガンドIポリペプチド、組換えベクターおよびこれらを発現するための 宿主細胞もまた提供される。 関連分野 インターロイキン-1(IL-1)。インターロイキン-1(IL-1αおよびIL-1β)は 、ほとんど全ての細胞型に影響する「多機能性」サイトカインであり、そしてし ばしば、他のサイトカインまたはメディエータ小分子と共同して影響する。(Di narello,C.A.,Blood 87:2095-2147(1996年3月15日)。)L-1遺伝子ファミリー の3つのメンバー:IL-1α、IL-1β、およびIL-1レセプターアンタゴニスト(IL -1Ra)が存在する。IL-1αおよびIL-1βはアゴニストであり、IL-1Raは特異的な レセプターアンタゴニストである。IL-1αおよびβは、リーダー配列を有さない 前駆体として合成される。各前駆体の分子量は31kDである。IL-1αまたはIL-1β の17kDの「成熟」形態へのプロセシングは、特異的な細胞性プロテアーゼを必要 とする。対照的に、IL-1Raは、シグナルペプチドを伴って進化し、そして細胞の 外に容易に輸送され、そして分泌IL-1Ra(sIL-1Ra)と呼ばれる。 IL-1レセプターおよびリガンド。IL-1経路のレセプターおよびリガンドは十分 に規定されている(総説については、Dinarello,C.A.,FASEB J.8:1314-1325( 1994);Sims,J.E.ら、Interleukin-1 signal transduction:Advances in Cell a nd Molecular Biology of Membranes and Organelles,3巻、JAI Press,Inc. ,Greenwich,CT(1994),197-222頁)。3つのリガンド、IL-1α、IL-1β、およ びIL-1レセプターアンタゴニスト(IL-1ra)は、3つの型のIL-1レセプター、 80-kDa I型IL-1レセプター(IL-1RI)(Sims,J.E.ら、Science 241:585-589(1988) ),68-kDa II型IL-1レセプター(IL-1RII)(McMahan,C.J.ら、EMBO J.10:2821-2 832(1991)、および可溶性形態のII型IL-1R(sIL-1RII)を結合する(colotta,F.ら 、Science 261:472−475(1993))。 IL-1リガンドとレセプターとの間の相互作用は、損傷および感染へのIL-1媒介 宿主応答の刺激および調節に必須の役割を果たす。IL-1RIを発現する細胞および IL-1αまたはIL-1βで処理した細胞は、以下を含むいくつかの特定の方法で応答 する:関連する転写因子、NF-κβの核局在化を刺激すること(総説については、 Thanos,D.& Maniatis,T.Cell 80529-532(1996)を参照のこと)、上皮増殖因子 レセプター(EGFR)のスレオニン669残基(Thr-669)をリン酸化するマイトジェン活 性化タンパク質キナーゼスーパーファミリーのタンパク質キナーゼの活性化(Guy ,G.R.ら、J.Biol.Chem.267.1846-1852(1992);Bird,T.A.ら、J.Biol.Chem.26 8:22861-22870(1991);Bird,T.A.ら、J.Biol.chem.269 31836-31844(1994))、 およびIL-8遺伝子の転写の刺激(Mukaida,N.ら、J.Bol.chem.265:21128-21133( 1990))。 IL-1RI様ファミリー。多様な系に由来する多くのタンパク質が、IL-1RIの細胞 質内ドメインに相同性を示す。この拡大したIL-1RI様ファミリーは、哺乳動物タ ンパク質、Drosophilaタンパク質、および植物(タバコ)タンパク質を含む。(G ay,N.J.& Keith,F.J.,Nature 351:355-356(1991);Hashimoto,C.ら、Cell 52 :269-279(1988);Schneider,D.S.ら、Genes & Dev.5:797-807(1991);Edon,E. ら、Development 120:885-899(1994);Mitchan,J.L.ら、J.Biol.Chem 271:5777- 5782(1996年3月8日))。 哺乳動物IL-1RI様レセプターファミリーメンバーは、マウスタンパク質MyD88( Lord,K.A.ら、Oncogene 5:1095-1097(1990))およびヒト遺伝子、rsc786(Nomura ,N.ら、DNA Res.1:27-35(1994))を含む。別のマウスレセプターメンバー、T1/ ST2は、BAL/c-3T3細胞において発現される新規の一次応答遺伝子として以前に特 徴付けられた(Klemenz,R.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5708-5712(1989); Tominaga,S.,FEBS Lett.258:301-304(1989);Tominga,S.ら、FEBS Lett.318 :83-87(1993))。膜貫通タンパク質mulL−1R AcP(Greenfeder,S.A.ら、 J.Biol.Chem.270:13757-13765(1995))は、I型およびII型IL-1Rの両方に相同性 を有する。IL-1R AcPは、IL-1RIのIL-1βに対する親和性を増強することが最近 示されており、そしてIL-1応答を媒介することに関与し得る。 T1レセプター。IL-1レセプターファミリーのメンバーとしてのT1/ST2レセプタ ー(以降、「T1レセプター」)(Bergers,G.ら、EMBO J.13:1176(1994))は、異な る種において種々のホモログを有する。ラットでは、それはFit-1と呼ばれ、マ ウスIL-1RIおよびIIそれぞれに対して26%〜29%のアミノ酸相同性を共有するエ ストロゲン誘導性、c-fos-依存性膜貫通タンパク質である。マウスでは、Fit-1 タンパク質はST2と呼ばれ、ヒトではT1と呼ばれる。2つのIL-1レセプターおよ びFit-1/ST2/T1遺伝子の機構は、それらが共通の祖先に由来することを示す(Sim s,J.E.ら、Cytokine 7:483(1995))。Fit-1は、2つの形態で存在する:IL-1RI およびFit-1Sのサイトゾルドメインに類似したサイトゾルドメインを有する膜形 態(Fit-1M)、これは分泌され、そしてFit-Mの細胞外ドメインからなる。 多くの方法において、これらの2つの形態のFit-1タンパク質は、膜結合およ び可溶性IL-1RIの形態に類似する。IL-1sRIが細胞結合形態のタンパク質分解切 断に由来することが示されている(Sims,J.E.ら、Cytokine 7:483(1995))。他方 では、Fit-1遺伝子は、2つのプロモーターの制御下にある。これは、膜のレセ プターまたは可溶性形態のレセプターのいずれかをコードする2つのイソ型を生 じる。2つのRNA転写物は、遺伝子の3'末端のオルタナティブRNAスプライシング から生じる。IL-1βは、Fit-1に弱く結合し、そしてシグナルを伝達しない(Reik erstorger,A.ら、J.Biol.Chem.270:17645(1995))が、サイトゾルFit-1に融合 された細胞外マウスIL-1RIからなるキメラレセプターはIL-1シグナルを伝達する (Reikerstorger,A.ら、J.Biol.Chem.270:17645(1995))。Fit-1のサイトゾル部 分は、IL-1RIのGTPase様配列と整列化する(Hopp,T.P.,Protein Sci.4:1851(1 995))(下記参照)。 種々の疾患状態におけるIL-1産生。増大したIL-1産生は、種々のウイルス、細 菌、真菌、および寄生体の感染;血管内凝固;高用量IL-2治療;固形腫瘍;白血 病;アルツハイマー病;HIV-1感染;自己免疫障害;外傷(外科);血液透析;虚 血性疾患(心筋梗塞);非感染性肝炎;喘息;UV照射;閉鎖性頭部損傷;膵 炎;歯周病:対宿主性移植片病;移植片拒絶を有する患者、および激しい運動後 の健康な被検体において報告されている。アルツハイマー病を有する患者におけ る増大したIL-1β産生とアミロイド前駆体タンパク質の放出における考えられる IL-1の役割との関連が存在する(Vasilakos,J.P.ら、FEBS Lett.354:289(1994) )。しかし、ほとんどの条件において、IL-1は、産生の増大を示す唯一のサイト カインではなく、従って、任意の特定の疾患の病原に関連するようなIL-1知見の 特異性は欠損している。種々の疾患状態において、IL-1αではなくIL-1βは、循 環において検出される。 治療におけるIL-1。IL-1は、多くの重要な生物学的活性を発揮することが見出 されているが、治療用量に近接した用量で毒性であることも見出されている。(D inarello,C.A.,Blood 87:2095-2147(1996年3月15日))。一般に、IL-1のいず れかのイソ型の急性毒性は、皮下注射と比較して静脈注射後で大きかった。皮下 注射は、有意な局所的疼痛、紅斑、および膨潤(Kitamura,T.,& Takaku,F.,E xp.Med.7:170(1989);Laughlin,M.J.,Ann.Hematol.67:267(1993))。100ng/k g以上の用量でIL-1を静脈に投与した患者は有意な低血圧を経験した。皮下に4 〜32ng/kgのIL-1βを与えた患者では、最も高い用量レベルで唯一低血圧の発症 があっただけであった(Laughlin,M.J.,Ann.Hematol.67:267(1993))。 正常な髄貯蔵を有する患者におけるIL-1関連骨髄刺激とは対照的に、5日周用 量(30〜100mg/kg)のIL-1αで処置された再生不良性貧血を有する患者は、末梢 血計数または骨髄細胞性において増大を有さなかった(Walsh,C.E.ら、Br.J.Ha ematol 80:106(1992))。IL-1は、好中球減少および血小板減少の最下点を元に 戻すために、化学療法の種々の措置を受けた患者に投与される。 自己の骨髄または幹細胞の0日〜13日の40ng/kgのIL-1αでの日周処置は、好 中球減少のより早い回復を生じた(中央値、12日;P<0.001)(Weisdorf,D.ら、B lood 84:2044(1994)。処置の14日後、骨髄は、関係付けられた骨髄球前駆細胞で 有意に富化された。同様の結果が、パージした骨髄またはパージしていない骨髄 の移植のときに開始して5日間、50ng/kg/dのIL-1βを与えたAMLを有する患者に おいて報告された(Nemunaitis,J.ら、Blood 83:3473(1994))。低容量のIL-1 αまたはIL-1βのいずれかをヒトに注射することによって、印象的な発熱性お よび分子の低血圧誘導性特性が確認される。 可溶性IL-1レセプターを用いる疾患の回復。マウスIL-1sRIのマウスへの投与 は、異所(heterotopic hear)同種移植片の生存を増大し、そして同種移植間の 細胞の過形成性リンパ節応答を減少した(Fanslow,W.C.ら、Science 248:739(1 990))。抗原誘導性関節炎のラットモデルにおいて、マウスIL-1sRIの局所滴下 は、関節膨張および組織破壊を減少した(Dower,S.K.ら、Therapeutic Immunol .1:113(1994))。これらのデータは、正常な対側関節に投与されたIL-1sRIの総 量が全身的に作用したことを示す。実験的な自己免疫脳炎のモデルにおいて、IL -1sRIは、この疾患の重篤度を減少した(Jacobs,C.A.ら、J.Immunol.146:2983 (1991))。 発明の要旨 本発明は、図1(配列番号2)のアミノ酸配列を有するヒトT1レセプター(T1R) 様リガンドIポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸 分子を提供する。T1R様リガンドIは、N末端メチオニン、約27アミノ酸残基のリ ーダー配列、約151残基の細胞外成熟ドメイン、約23残基の潜在的な膜貫通ドメ インおよび約16アミノ酸残基の細胞内ドメイン、および約25kDaの推定分子量を 含む、約217アミノ酸残基のポリペプチドをコードするオープンリーディングフ レームを含む。予想された成熟細胞外T1R様リガンドIタンパク質の151アミノ酸 配列を図1および配列番号2(残基28〜178)に示す。 別の局面において、本発明は、1996年7月12日にATCC受託番号97656として寄 託されたクローンのcDNAによってコードされたアミノ酸配列を有するT1R様リガ ンドIをコードする単離された核酸分子を提供する。好ましくは、核酸分子は、 上記の寄託されたcDNAによってコードされる成熟ポリペプチドをコードする。 本発明は、さらに、本明細書中に記載される核酸分子の核酸フラグメントに関 する。寄託されたcDNAのヌクレオチド配列または図1(配列番号1)に示される ヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子のフラグメントによって、本明細 書中で考察されるような診断プローブおよびプライマーとして有用である少なく とも約15nt、そしてより好ましくは少なくとも約20nt、なおより好ましくは少な くとも約30nt、そしてさらにより好ましくは少なくとも約40ntの長さのフラグメ ントが意図される。もちろん、50〜738ntの長さのより大きなフラグメントもま た、寄託されたcDNAまたは図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列の( 全てではなくとも)ほとんどに一致するフラグメントと同様に、本発明に従って 有用である。少なくとも20ntの長さのフラグメントによって、例えば、寄託され たcDNAのヌクレオチド配列または図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配 列からの20以上の連続した塩基を含むフラグメントが意図される。遺伝子が寄託 されており、そして図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列が提供され るので、このようなDNAフラグメントを作製することは、当業者にとって日常的 である。例えば、制限エンドヌクレアーゼ切断または超音波による剪断は、種々 のサイズのフラグメントを作製するために容易に使用され得る。あるいは、この ようなフラグメントは、合成的に作製され得る。 好ましい核酸フラグメントは、約27アミノ酸残基(図1(配列番号2)の約1〜 約27のアミノ酸残基)のリーダー配列;約151残基の細胞外成熟ドメイン(図1(配 列番号2)の約28〜約178のアミノ酸残基);約23アミノ酸の膜貫通ドメイン(図1 (配列番号2)の約179〜約201のアミノ酸残基);約16アミノ酸の細胞内ドメイン( 図1(配列番号2)の約202〜約217のアミノ酸残基);膜貫領域の全てまたは一部 が欠失した細胞外および細胞内ドメインを含むペプチドをコードする核酸分子を 含む。 本発明のさらなる実施態様は、本明細書中に記載される核酸分子のいずれかの ヌクレオチド配列に少なくとも90%同一であり、そしてより好ましくは、少なく とも95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を有する 単離された核酸分子を含む。 本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクター、組換えベ クターを含む宿主細胞、および組換え技術によるT1R様リガンドIポリペプチドま たはそのフラグメントの産生に関する。 本発明のポリペプチドは、寄託されたcDNAによってコードされるポリペプチド 、図1(配列番号2)のポリペプチド(詳細には、成熟ポリペプチド)、ならびに寄 託されたcDNAによってコードされるポリペプチド、図1(配列番号2)のポリペ プチド、またはそれらのフラグメントのアミノ酸配列に対して少なくとも90%の 類似性、より好ましくは少なくとも95%の類似性を有するアミノ酸配列を有する ポリペプチドを含む。本発明のさらなるポリペプチドは、寄託されたcDNAによっ てコードされるポリペプチド、図1(配列番号2)のポリペプチド、またはそれ らのフラグメントのアミノ酸配列に少なくとも80%同一、より好ましくは少なく とも90%または95%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。 本発明による好ましいポリペプチドフラグメントは、成熟ポリペプチド、細胞 外ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞内ドメイン、または膜貫通ドメインの全てま たは一部を欠失した細胞外および細胞内ドメインを含むポリペプチドを含む。 本発明のさらなる実施態様は、本明細書中に記載のT1R様リガンドIのエピトー プ保有部分のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはペプチドに関する。本発 明のIL-1様ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有するペプチド またはポリペプチドは、少なくとも6〜30または9〜50のアミノ酸を有するこの ようなポリペプチドの部分を含むが、本明細書中に記載される本発明のポリペプ チドの全アミノ酸配列の長さまでの任意の長さ(全体を含む)のエピトープ保有 部分ポリペプチドもまた含まれる。 別の実施態様において、本発明は、本明細書中に記載されるアミノ酸配列を有 するT1R様リガンドIポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体を提供する 。 本発明のT1R様リガンドIの生物学的活性は、T1RリガンドおよびIL-1の生物学 的活性に類似すると考えられる。「正常な」T1R様リガンドI遺伝子発現レベル( すなわち、T1Rリガンド関連障害またはIL-1関連障害を有さない個体由来の組織 または体液における発現レベル)と比較して、有意により高いまたはより低いレ ベルのT1R様リガンドIが、T1Rリガンド関連障害またはIL-1関連障害を有する個 体由来の組織または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、または髄液)におい て検出され得る。従って、本発明によるT1R様リガンドI遺伝子発現の発現を検出 することは、診断マーカーである。 さらなる実施態様において、本発明は、身体における増大または減少したレベ ルのT1R様リガンドI活性の必要性を有する個体を処置する方法に関する。この方 法は、T1R様リガンドIポリペプチドまたはそのインヒビターを含む組成物をその ような個体に投与することを含む。 本発明は、本明細書中に記載されるアミノ酸配列を有するT1R様リガンドIポリ ペプチドに特異的に結合する抗体を単離するための方法をさらに提供する。この ような抗体は、上記のように、診断または治療に有用であり得る。 図面の簡単な説明 図1は、ATCC受託番号97656に含まれるcDNAクローンを配列決定することによ って決定されたT1R様リガンドIタンパク質のヌクレオチド配列(配列番号1)お よび推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。約1〜約27のアミノ酸は、シグナ ルペプチドを示し(第1の下線を付した配列);約28〜約178のアミノ酸は細胞 外ドメインを示し(第1と第2の下線を付した配列の間の配列);約179〜約201 のアミノ酸は膜貫通ドメインを示し(第2の下線を付した配列);および約201 〜約217のアミノ酸は細胞内ドメインを示す(残りの配列)。 図2は、T1R様リガンドIのアミノ酸配列とGenBank登録番号U41804(配列番号3 )のタンパク質配列との間の類似性の領域を示し、全体で33%同一性を示す。 図3は、T1R様リガンドIアミノ酸配列の分析を提供する。α、β、ターンおよ びコイル領域;親水性および疎水性領域;両親媒性領域;可動性領域;抗原性指 数ならびに表面確率が示される。 発明の詳細な説明 本発明は、図1(配列番号2)に示されるアミノ酸配列(クローン化されたcD NAを配列決定することによって決定した)を有するT1R様リガンドIタンパク質を コードするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子を提供する。本発明の T1R様リガンドIタンパク質は、T1Rリガンド(図2)と配列相同性を共有する。 図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列は、HEMEM90クローンを配列 決定することによって得られた。これは、1996年7月12日に、アメリカンタイプ カルチャーコレクション,12301 Park Lawn Drive,Rockville,Maryland 20852 に寄託され、そして受託番号第97656号を与えられた。寄託されたクローンは、p Bluescript SK(-)プラスミド(Stratagene,LaJolla,CA)中に含まれる。 核酸分子 他に示されない限り、本明細書中でDNA分子を配列決定することによって決定 されたすべてのヌクレオチド配列は、自動化DNA配列決定機(例えば、Applied B iosystems,Inc.からのModel 373)を用いて決定され、そして本明細書中で決定 されるDNA分子によってコードされるペプチド、ポリペプチド、またはタンパク 質のすべてのアミノ酸配列は、上記のように決定されるDNA配列の翻訳によって 予想された。従って、この自動化アプローチによって決定された任意のDNA配列 について当該分野において公知のように、本明細書中で決定される任意のヌクレ オチド配列はいくつかの誤りを含み得る。自動化によって決定されるヌクレオチ ド配列は、配列決定されるDNA分子の実際のヌクレオチド配列に対して、代表的 には少なくとも約90%の同一、より代表的には少なくとも約95%から少なくとも 約99.99%の同一である。 実際の配列は、当該分野において周知の手動DNA配列決定方法を含む他のアプ ローチによってより正確に決定され得る。当該分野においてまた公知のように、 実際の配列と比較した、決定されるヌクレオチド配列における単一の挿入または 欠失は、ヌクレオチド配列の翻訳におけるフレームシフトを引き起こし、その結 果、決定されるヌクレオチド配列によってコードされる予想されるアミノ酸配列 は、挿入または欠失のような点にて始まる配列決定されるDNA分子によって実際 にコードされるアミノ酸配列とは完全に異なる。 他に示されない限り、本明細書中に示される各「ヌクレオチド配列」は、デオ キシリボヌクレオチド(A,G,C,およびTと省略される)の配列として示される。 しかし、核酸分子またはポリヌクレオチドの「核酸配列」によって、DNA分子ま たはポリヌクレオチドにはデオキシリボヌクレオチドの配列が、そしてRNA分子 またはポリヌクレオチドにはリボヌクレオチド(A,G,C,およびU)の対応する配 列(ここで特定されるデオキシヌクレオチド配列における各チミジンデオキシヌ クレオチド(T)は、リボヌクレオチドのウリジン(U)によって置き換えられる)が 意図される。例えば、デオキシリボヌクレオチドの略語を用いて示される配列番 号1の配列を有するRNA分子との言及は、配列番号1の各デオキシヌクレ オチドA,GまたはCが、対応するリボヌクレオチドA,G,またはCによって置き換 えられ、そして各デオキシヌクレオチドTが、リボヌクレオチドUによって置き換 えられる配列を有するRNA分子を示すことが意図される。 「単離された」核酸分子によって、天然の環境から取り出された核酸分子(DN AまたはRNA)が意図される。例えば、ベクター中に含まれる組換えDNA分子は、 本発明の目的のために単離されることが考慮される。単離されたDNA分子のさら なる例は、異種の宿主細胞において維持される組換えDNA分子、または溶液中の 精製された(部分的または実質的)DNA分子を含む。単離されたRNA分子は、本発 明のDNA分子のインビボまたはインビトロでのRNA転写物を含む。本発明に従って 単離された核酸分子は、合成的に生成されるような分子をさらに含む。 本明細書中で提供される情報(例えば、図1(配列番号1)中のヌクレオチド 配列)を用いて、T1R様リガンドIポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は 、標準的なクローニングおよびスクリーニング手順(例えば、開始物質としてmR NAを用いるクローニングcDNAのための手順)を用いて得られ得る。本発明の図の ように、図1(配列番号1)において記載される核酸分子は、ヒト内皮組織由来 のcDNAライブラリー中で発見された。さらに、遺伝子はまた、ヒト細胞の以下の 型由来のcDNAライブラリーにおいて見出された:成人の心臓、TNF誘導羊水細胞 、軟骨肉腫、胎児の腎臓、胎児の心臓、海馬、JurkatT細胞、Jurkat膜結合ポリ ソーム、微小血管内皮細胞、平滑筋、唾液腺、扁桃腺、胸腺、活性化T細胞、胎 児の肝臓脾臓、および乳児の脳。 T1R様リガンドI cDNAは、開始コドンが図1(配列番号1)において示される ヌクレオチド配列の88〜90位である約217アミノ酸残基のタンパク質をコードす るオープンリーディングフレームを含む;約27アミノ酸残基の予想されるリーダ ー配列、および約26kDaの推定分子量。成熟したT1R様リガンドIタンパク質のア ミノ酸配列のアミノ酸残基28から残基217までを図1(配列番号2)中に示す。 成熟したT1R様リガンドIタンパク質は、3つの主要な構造的ドメインを有する 。これらは、図1(配列番号2)中の約28〜約178のアミノ酸残基由来の細胞外 ドメイン;図1(配列番号2)中の約179〜約201のアミノ酸残基由来の膜貫通ド メイン;および図1(配列番号2)中の約202〜約217のアミノ酸残基由来の細胞 内 ドメイン。図1(配列番号2)中の本発明のT1R様リガンドIタンパク質は、T1R リガンドに対して約33%同一、そして約52%類似であり、それは、GenBankに、 受託番号第U41804号として利用され得る。 当業者が理解するように、上記の配列決定誤差の可能性、ならびに異なる公知 のタンパク質におけるリーダーの切断部位の可変性に起因して、寄託されたcDNA によってコードされる実際のT1R様リガンドIは、約217のアミノ酸を含むが、20 0〜225の範囲のアミノ酸で任意の場所であり得る;そしてこのタンパク質の推定 リーダー配列は、約27アミノ酸であるが、約15〜約40の範囲のアミノ酸で任意の 場所であり得る。さらに、例えば、図1(配列番号2)におけるT1R様リガンド Iタンパク質細胞外ドメイン、細胞内ドメイン、および膜貫通ドメインの正確な 位置は、ドメインを定義するために使用される基準に依存してわずかに変化し得 る(例えば、正確なアミノ酸の位置は、図1に示されるものと比較して約1〜約 5の残基で異なり得る)。 示されるように、本発明の核酸分子は、RNA(例えば、mRNA)の形態、またはD NAの形態(例えば、cDNA、およびクローニングによって得られるか、または合成 的に生成されるゲノムDNAを含む)なかに存在し得る。DNAは、二本鎖または一本 鎖であり得る。一本鎖DNAまたはRNAは、コード鎖(センス鎖としても知られる) であり得るか、またはそれは、非コード鎖(アンチセンス鎖としても知られる) であり得る。 本発明の単離された核酸分子は、図1(配列番号1)において示されるヌクレ オチド配列の88〜90位で開始コドンを有するオープンリーディングフレーム(ORF )を含むDNA分子を含み、そしてさらに、開始コドンが図1(配列番号1)中のヌ クレオチド配列の88〜90位にあるORFのすべてまたは一部と実質的に異なる配列 を含むが、遺伝コードの縮重に起因して、T1R様リガンドIタンパク質またはそ のフラグメントをなおコードするDNA分子を含む。当然のことながら、遺伝コー ドは当該分野において周知である。従って、上記のような縮重した変異体を生成 することは、当業者にとって日常的である。 別の局面において、本発明は、1996年7月12日にATCC寄託番号97656として寄 託されたプラスミド中に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配 列を有するT1R様リガンドIタンパク質をコードする単離された核酸分子を提供 する。好ましくは、核酸分子は、上記の寄託されたcDNAクローンによってコード される成熟ポリペプチドをコードする。 本発明は、さらに、図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列、もしく は上記の寄託されたクローン中に含まれるT1R様リガンドIcDNAのヌクレオチド 配列を有する単離された核酸分子、または上記の配列の一つと相補的な配列を有 する核酸分子を提供する。そのような単離された分子、特にDNA分子は、染色体 とのインサイチュハイブリダイゼーションによって遺伝子マッピングするため、 および例えばノーザンブロット分析によってヒト組織中のT1R様リガンドI遺伝 子の発現を検出するためのプローブとして有用である。以下に詳細に記載される ように、特定の組織におけるT1R様リガンドI遺伝子発現の変化を検出すること は、特定の障害を示し得る。 本発明は、さらに、本明細書中で記載される単離した核酸分子のフラグメント に関する。寄託されたcDNAのヌクレオチド配列、または図1(配列番号1)に示 されるヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子のフラグメントによって、 本明細書中で考察されるように、診断的プローブおよびプライマーとして有用で ある、長さが、少なくとも約15nt、そしてより好ましくは少なくとも約20nt、さ らにより好ましくは少なくとも約30nt、そしてさらにより好ましくは少なくとも 約40ntが意図される。当然のことながら、長さがより大きなフラグメント50〜12 00ntもまた、寄託されたcDNAのヌクレオチド配列、または図1(配列番号1)に おいて示されるようなヌクレオチド配列のすべてではなくともほとんどに対応す るフラグメントのように、本発明に従って有用である。例えば、長さが少なくと も20ntのフラグメントによって、寄託されたcDNAのヌクレオチド配列、または図 1(配列番号1)に示されるようなヌクレオチド配列からの20以上の隣接した塩 基を含むフラグメントが意図される。この遺伝子が寄託され、そして図1(配列 番号1)において示されるヌクレオチド配列が提供されるので、そのようなDNA フラグメントを生成することは、当業者にとって日常的である。例えば、制限エ ンドヌクレアーゼ切断、または超音波処理による剪断は、種々のサイズのフラグ メントを生成するために容易に使用され得る。あるいは、そのようなフラグメン トは、合成的に生成され得る。 本発明の好ましい核酸フラグメントは、以下をコードする核酸分子を含む:T1 R様リガンドI細胞外ドメインを含むポリペプチド(図1(配列番号1)中の約2 8〜約178のアミノ酸残基);T1R様リガンドI膜貫通ドメインを含むポリペプチ ド(図1(配列番号1)中の約179〜約201のアミノ酸残基);およびT1R様リガ ンドI細胞内ドメインを含むポリペプチド(図1(配列番号2)中の約202〜約2 17のアミノ酸残基);ならびに欠失した膜貫通ドメインの全てまたは一部を有す るT1R様リガンドI細胞外および細胞内ドメインを有するポリペプチド。本発明 のさらに好ましい核酸フラグメントは、T1R様リガンドIタンパク質のエピトー プ保有部分をコードする核酸分子を含む。特に、図1(配列番号2)(これは、 本発明者らがしており、T1R様リガンドIタンパク質の抗原性領域である)中の 以下のアミノ酸残基を含むポリペプチドをコードする単離した核酸分子が提供さ れる:図1(配列番号2)中の約20〜約53のアミノ酸残基を含むポリペプチド; 図1(配列番号2)中の約82〜約98のアミノ酸残基を含むポリペプチド;図1( 配列番号2)中の約106〜約134のアミノ酸残基を含むポリペプチド;および約15 5〜約184のアミノ酸残基を含むポリペプチド。T1R様リガンドIタンパク質の他 のそのようなエピトープ保有部分を決定するための方法は、以下に詳細に記載さ れる。 別の局面において、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条 件下で、上記の本発明の核酸分子(例えば、ATCC寄託第97656号中に含まれるcDN Aクローン)中のポリヌクレオチドの一部にハイブリダイズするポリヌクレオチ ドを含む単離した核酸分子を提供する。「ストリンジェントなハイブリダイゼー ション条件」によって、括弧内を含む溶液(50%ホルムアミド、5×SSC(150mM のNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5 ×デンハート液、10%硫酸デキストラン、および20μg/mlの変性剪断サケ精子DN A)中42℃での一晩のインキュベーション、続く約65℃にて0.1×SSCにおいてフ ィルターを洗浄することが意図される。ポリヌクレオチドの「一部」にハイブリ ダイズするポリヌクレオチドによって、参照のポリヌクレオチドの少なくとも約 15ヌクレオチド(nt)、そしてより好ましくは少なくとも約20nt、さらにより好ま しくは少なくとも約30nt、そしてさらにより好ましくは約30〜70ntにハイブリダ イズするポリヌクレオチド(DNAまたはRNAのいずれか)が意図される。これらは 、以上、および以下でより詳細に考察されるような診断用プローブおよびプライ マーとして有用である。 当然のことながら、参照のポリヌクレオチド(例えば、寄託されたcDNAクロー ン)のより大きな部分(例えば、長さが100〜750ntの部分)、または参照のポリ ヌクレオチドの完全長とまでもハイブリダイズするポリヌクレオチドはまた、寄 託されたcDNAのヌクレオチド配列または図1(配列番号1)に示されるようなヌ クレオチド配列のすべてではなくともほとんどに対応するポリヌクレオチドのよ うに、本発明に従ったプローブとして有用である。例えば、「長さが少なくとも 20nt」のポリヌクレオチドの部分によって、参照のポリヌクレオチドのヌクレオ チド配列(例えば、寄託されたcDNA、または図1(配列番号1)に示されるよう なヌクレオチド配列)からの20以上の隣接したヌクレオチドが意図される。示さ れるように、そのような部分は、従来のDNAハイブリダイゼーション技術に従っ たプローブとして、または例えば、Sambrook,J.ら編、Molecular Cloning,A L aboratory Manual,第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spri ng Harbor,NY(1989)に記載されるようなポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による標的 配列の増幅のためのプライマーとしてのいずれかで診断的に有用である。 T1R様リガンドIcDNAクローンは寄託されており、そしてその決定されたヌク レオチド配列が図1(配列番号1)において提供されるので、T1R様リガンドIc DNA分子の一部にハイブリダイズするポリヌクレオチドを生成することは、当業 者に日常的である。例えば、T1R様リガンドIcDNAクローンの制限エンドヌクレ アーゼ切断または超音波による剪断は、T1R様リガンドIcDNA分子の一部にハイ ブリダイズするポリヌクレオチドである種々のサイズのDNA部分を生成するため に容易に使用され得る。あるいは、本発明のハイブリダイズするポリヌクレオチ ドは、公知の技術に従って合成的に生成され得る。 当然のことながら、ポリA配列(例えば、図1(配列番号1)に示されるT1R様 リガンドIcDNAの3'末端ポリ(A)付加物)にのみ、またはT(またはU)の相補的な 部分(stretch)にハイブリダイズするポリヌクレオチドは、本発明の核酸の一部 にハイブリダイズするために使用される本発明のポリヌクレオチドに含まれない 。なぜなら、そのようなポリヌクレオチドは、ポリ(A)伸長またはその相補物を 含む任意の核酸分子(例えば、実際上任意の二本鎖cDNAクローン)にハイブリダ イズする。 示されるように、T1R様リガンドIをコードする本発明の核酸分子は、以下を 含むが、それらに限定されない:それ自体によって、成熟ポリペプチドのアミノ 酸配列をコードする核酸分子;成熟したポリペプチドのコード配列およびさらな る配列(例えば、約27のアミノ酸リーダー配列をコードする配列)(例えば、プ レタンパク質配列またはプロタンパク質配列またはプレプロタンパク質配列); 成熟ポリペプチドのコード配列で、上記のさらなるコード配列を含むかまたは含 まず、更なる非コード配列とともに集まっており、この配列はイントロンおよび 非コード5'および3'配列(例えば、転写、mRNAプロセシング(スプライシングお よびポリアデニル化シグナル(例えば、リボソーム結合およびmRNAの安定性)を 含む)において役割を担う転写非翻訳配列)を含むがこれらに限定されない;さ らなる機能性を提供するようなさらなるアミノ酸をコードするさらなるコード配 列。従って、例えば、ポリペプチドをコードする配列は、マーカー配列(例えば 、融合されたポリペプチドの精製を容易にするペプチドをコードする配列)に融 合され得る。本発明のこの局面の特定の好ましい実施態様において、マーカーア ミノ酸配列は、ヘキサ-ヒスチジンペプチド(例えば、pQEベクター(Qiagen,Inc .)において提供されるタグ)であり、他の中では、それらの多くは公的および/ または商業的に入手可能である。例えば、Gentzら、Proc.Natl.Acad.Sci.US A 86:821-824(1989)において記載されるように、ヘキサヒスチジンは、融合タン パク質の簡便な精製を提供する。「HA」タグは、インフルエンザ赤血球凝集素(H A)タンパク質由来のエピトープに対応する精製のために有用な別のペプチドであ り、それは、Wilsonら、Cell 37:767(1984)によって記載されている。他のその ような融合タンパク質は、NまたはC末端にてFcに融合されるT1R様リガンドI タンパク質またはそのフラグメントを含む。 本発明は、さらに、T1R様リガンドIタンパク質の一部、アナログ、または誘 導体をコードする本発明の核酸分子の変異体に関する。変異体は、天然の対立遺 伝子変異体のように、天然に生じ得る。「対立遺伝子変異体」によって、生物の 染色体上の所定の遺伝子座を占める遺伝子のいくつかの交換可能な形態の1つが 意図される。天然に存在しない変異体は、例えば当該分野で公知の変異誘発技術 を用いて生成され得る。 そのような変異体は、ヌクレオチド置換、欠失、または添加によって生成され る変異体を含む。置換、欠失、または添加は、1つ以上のヌクレオチドを含み得 る。変異体は、コードもしくは非コード領域、またはその両方において変化され 得る。コード領域における変異は、保存性もしくは非保存性アミノ酸置換、欠失 、または添加を生成し得る。これらの中で特に好ましいものは、サイレント置換 、添加、および欠失であり、これらは、T1R様リガンドIまたはその一部の特性 および活性を変化しない。これらの点において特にまた好ましいものは、保存性 置換である。 本発明のさらなる実施態様は、(a)図1(配列番号2)に示される完全なアミ ノ酸配列(リーダーを含む)を有するか、もしくはATCC受託番号97656に含まれ るcDNAクローンによってコードされる全長T1R様リガンドIをコードするヌクレ オチド配列;(b)図1(配列番号2)中のほぼ28位からほぼ217位のアミノ酸配列 を有するか、もしくはATCC受託番号97656に含まれるcDNAクローンによってコー ドされる成熟T1R様リガンドI(リーダー配列が除去された全長ポリペプチド) をコードするヌクレオチド配列;(c)図1(配列番号2)中のほぼ28位からほぼ1 78位のアミノ酸配列を有するか、もしくはATCC受託番号97656に含まれるcDNAク ローンによってコードされるT1R様リガンドI細胞外ドメインをコードするヌク レオチド配列;(d)図1(配列番号2)中のほぼ179位からほぼ201位のアミノ酸 配列を有するか、もしくはATCC受託番号97656に含まれるcDNAクローンによって コードされるT1R様リガンドI膜貫通ドメインをコードするヌクレオチド配列;( e)図1(配列番号2)中のほぼ202位からほぼ217位のアミノ酸配列を有するか、 もしくはATCC受託番号97656に含まれるcDNAクローンによってコードされるT1R様 リガンドI細胞内ドメインをコードするヌクレオチド配列;または(f) (a)、(b )、(c)、(d)、もしくは(e)のヌクレオチド配列のいずれかと相補的なヌクレオチ ド配列と、少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を有し、そしてより好まし くは少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%同一のヌクレオチド配列を 有するポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を含む。 T1R様リガンドIポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列と少なくと も、例えば、95%「同一」のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによっ て、ポリヌクレオチド配列が、T1R様リガンドIポリペプチドをコードする参照 ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチドあたり5つまでの点変異を含み得ること を除いて、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、参照配列と同一であること が意図される。言い換えれば、参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であ るヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列における 5%までのヌクレオチドが欠失され得るかもしくは別のヌクレオチドで置換され 得るか、または参照配列において全ヌクレオチドの5%までの多数のヌクレオチ ドが、参照配列中に挿入され得る。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチ ド配列の5'もしくは3'末端位置でか、または参照配列内の残基間で個々に、また は参照配列内の1以上の隣接した群でのいずれかで散在されて、これらの末端位 置の間のどこかで生じ得る。 実際には、任意の特定の核酸分子が、図1に示されるヌクレオチド配列または 寄託されたcDNAクローンのヌクレオチド配列に少なくとも90%、95%、96%、97 %、98%、または99%同一であるかどうかは、例えば、BESTFITプログラム(Wis consin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711) のような公知のコンピュータープログラムを用いて従来通りに決定され得る。BE STFITは、SmithおよびWaterman,Adv.Appl.Math.2:482-489(1981)の局所的相 同性アルゴリズムを用いて、2つの配列間の相同性の最適のセグメントを見出す 。BESTFITまたは任意の他の配列整列プログラムを使用して、特定の配列が、例 えば本発明による参照配列に95%同一であるか否かを決定する場合、パラメータ ーは、もちろん、同一性の割合が、参照ヌクレオチド配列の全長にわたって計算 されるように、そして参照配列の総ヌクレオチド数の5%までの相同性における ギャップが許容されるように、設定される。 本出願は、T1R様リガンドIタンパク質活性を有するポリペプチドをコードす るか否かに関係なく、上記の核酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98 %、または99%同一である核酸分子に関する。これは、特定の核酸分子がT1R様 リガンドI活性を有するポリペプチドをコードしない場合でさえ、当業者は、核 酸分子をどのようにして、例えば、ハイブリダイゼーションプローブ、またはポ リメラーゼ連鎖反応(PCR)のプライマーとして使用するかをなお知るからである 。T1R様リガンドI活性を有するポリペプチドをコードしない本発明の核酸分子 の使用としては、とりわけ(1)T1R様リガンドI遺伝子またはその対立遺伝子変異 体をcDNAライブラリーから単離すること;(2)Vermaら,Human Chromosomes:a Ma nual of Basic Techniques,Pergamon Press,New York(1988)に記載の、T1R様 リガンドI遺伝子の正確な染色体位置を提供するための分裂中期染色体展開物に 対するインサイチュハイブリダイゼーション(例えば、FISH);および、(3)特定 の組織におけるT1R様リガンドI mRNA発現を検出するためのノーザンブロット分 析、が挙げられる。 しかし、実際に、T1R様リガンドIタンパク質活性を有するポリペプチドをコ ードする上記の核酸配列に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99 %同一である配列を有する核酸分子が好ましい。 「T1R様リガンドIタンパク質活性を有するポリペプチド」によって、特定の 生物学的アッセイにおいて測定される場合、本発明のT1R様リガンドIタンパク 質の活性と類似する(しかし、必ずしも同一ではない)活性を示すポリペプチド が意図される。T1R様リガンドI活性は、公知のレセプター結合アッセイを用い てアッセイされ得る(Mitcham,J.L.ら,J.Biol.Chem.271:5777-5783(1996);お よびGayle,M.A.ら,J.Biol.Chem.271:5784-5789(1996))。これらのアッセイは 、NF-κBゲルシフトアッセイ、インビトロThr-669キナーゼアッセイ、およびIL- 8プロモーター活性化アッセイを含む。 これらのアッセイを実施するために、最初に、哺乳動物細胞を適切なレセプタ ーに対するcDNAを含む発現ベクターでトランスフェクトする必要がある。例えば 、T1/ST2レセプターに対するcDNAを含む発現ベクターが使用され得る。このcDNA は記載されるように得られ得る。(Klemenz R.ら,Proc.Natil.Acad.Sci.U.S.A. 86:5708-5712(1989);Tominaga,S.,FEBS Lett.258:301-304;Bergers,G.ら, EMBO J.13:1176-1188))。あるいは、T1/ST2 cDNAは、ポリメラーゼ連鎖反応を 用いて増幅され得る。適切な組織または細胞型(例えば、NIH-3T3細胞(Klemenz, R.ら,Proc,Natl.Acad.Sci.U.S.A.86:5708-5712(1989))由来のmRNAから調製さ れた市販のcDNAライブラリーが、テンプレートとして使用され得る。当業者に周 知の任意のいくつかのトランスフェクション法を用いて、適切な細胞株(例えば 、COS 7細胞)が、T1/ST2発現プラスミドでトランスフェクトされ得る。レセプタ ーの発現は、ラジオイムノアッセイによって確認され得る(Mitcham,J.L.ら,J.B iol.Chem.271:5777-5783(1996)を参照のこと)。トランスフェクションの1〜 3日後、コンフルエントなトランスフェクトCOS7細胞が、1〜10ngのT1R様リガ ンドIタンパク質で15分〜2時間刺激される。T1R様リガンドIタンパク質によ る刺激の持続時間は、どのアッセイが使用されるかに依存して変動し、そして日 常的な実験のみを用いて決定され得る。 NF-κBアッセイを実施するために、トランスフェクト細胞からの核抽出物が、 刺激後、直ちに調製される(Ostrowski,J.ら,J.Biol.Chem.266:12,722-12,733( 1991))。免疫グロブリンκ軽鎖由来のNF-κBエンハンサーエレメントを含む2本 鎖合成オリゴヌクレオチドプローブ(5’TGACAGAGGGACTTTCCGAGAGGA 3')が、[γ-32 P]ATPでのリン酸化によって5'末端標識される。核抽出物(10μg)が、室温で20 分間放射標識プローブとインキュベートされ、そしてタンパク質-DNA複合体が0. 5×TBE、10%ポリアクリルアミドゲルにおける電気泳動によって分離される。 インビトロThr-669キナーゼアッセイを実施するために、トランスフェクトさ れた細胞の細胞質抽出物が、刺激後直ちに調製される(Bird,T.A.ら,Cytokine 4 :429-440(1992))。10μlの細胞抽出物が、20mM HEPES緩衝液(pH7.4)、15mM MgCl2 、15μM ATP、75μCi/ml[γ-32P]ATP、および750μM基質ペプチド(EGFRの残基6 63〜673)を含む20μlの反応混合液へ添加される。混合物がペプチドの代わりに 蒸留水とともにインキュベートされる。30℃で20分間のインキュベーション後、 反応はギ酸の添加によって終結される。反応物は遠心分離によって明澄化され、 そして30μlの上清がホスホセルロース濾紙ディスク上にスポットされる。洗浄 (75mMオルトリン酸で3回)および乾燥の後、ペプチドに取り込まれたカウント は、チェレンコフカウントをモニターすることによって測定される。結果は、 刺激細胞において検出された活性と比較しての、非刺激細胞において検出された Thr-669キナーゼ活性の割合として表される。 IL-8プロモーター活性化アッセイを実施するために、COS7細胞(12ウェル組織 培養プレートにおいて1ウェルあたり1×105細胞)を、T1/ST2レセプター発現ベ クターおよびpIL8pレポータープラスミドで同時トランスフェクトされる(Mitcha m,J.L.ら,J.Biol.Chem.271:5777-5783(1996))。トランスフェクションの1日 後、培地が交換され、そして細胞は、1ng/ml IL-1αで刺激されるかまたは刺激 されないかのいずれかである。刺激の12〜16時間後、細胞は、5%(w/v)無脂肪 乾燥ミルク(5%MBM)を含む結合培地で2回洗浄され、そして2mlの5%MBMを用 いて室温で30分間ブロックされる。次いで、細胞は室温で60〜90分間、1μg/ml の抗IL-2Rα抗体(R&D Systems,Minneapolis,MN)を含む5%MBM 1.5ml/ウェル とともに、ゆっくり揺らしながらインキュベートされる。細胞は、5%MBMで1 度洗浄され、そして1:100希釈の125Iヤギ抗マウスIgG(Sigma,St.Louis,MO)を 含む5%MBM 1jl/ウェルとともに60分間、室温でインキュベートされる。ウェ ルは、5%MBMで4回およびリン酸緩衝化生理食塩水で2回洗浄される。ウェル は、1mlの0.5M NaOHの添加によってはがされ、そして全カウントが測定される。 結果は、2つの2連ウェルまたは3つの3連ウェルにわたって平均化された全cp mとして表される。 従って、「T1R様リガンドIタンパク質活性を有するポリペプチド」は、上記 のアッセイにおいてT1R様リガンドIタンパク質活性を示すポリペプチドを含む 。 もちろん、遺伝子コードの縮重のために、当業者は、上記の核酸配列に少なく とも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である配列を有する多数の 核酸分子が、「T1R様リガンドIタンパク質活性を有する」ポリペプチドをコー ドすることを直ちに認識する。実際に、これらのヌクレオチド配列の縮重改変体 の全ては同じポリペプチドをコードするので、これは上記の比較アッセイを実施 することなしでさえ当業者に明らかである。縮重改変体でないそのような核酸分 子について、合理的な数がまたT1R様リガンドI活性を有するポリペプチドをコ ードすることが、当該分野でさらに認識される。これは、当業者が、タンパク質 の機能により低い有意性で影響しそうであるか、または有意には影響しそうにな いかのいずれかのアミノ酸置換(例えば、1つの脂肪族アミノ酸の第二の脂肪族 アミノ酸への置換)を完全に知っているからである。 例えば、どのように表現型的にサイレントなアミノ酸置換を作製するかに関す るガイダンスは、Bowie,J.U.ら,Science 247:1306-1310(1990)に提供される。 ここで著者らは、アミノ酸配列の変化に対する寛容を研究するための2つの主要 なアプローチが存在することを示す。第一の方法は、進化のプロセスに依存し、 ここで変異は、自然淘汰によって受容されるか拒絶されるかのいずれかである。 第二のアプローチは、クローン化遺伝子の特定の位置でアミノ酸変化を導入する ために遺伝子操作を、そして機能を維持する配列を同定するために選択またはス クリーニングを用いる。著者らが述べるように、これらの研究は、タンパク質が 、アミノ酸置換に驚くほど寛容であることを明らかにしている。著者らは、どの アミノ酸の変化が、タンパク質の特定の位置で許容性でありそうであるかをさら に示している。例えば、大部分の埋没したアミノ酸残基は非極性側鎖を必要とし 、一方表面の側鎖の特性は一般的にわずかしか保存されていない。他のこのよう な表現型的にサイレントな置換は、Bowie,J.U.ら,前出およびその中に引用され る参考文献に記載される。 ベクターおよび宿主細胞 本発明はまた、本発明の単離されたDNA分子を含むベクター、組換えベクター で遺伝子操作された宿主細胞、および組換え技術によるT1R様リガンドIポリペ プチドまたはそのフラグメントの産生に関する。 組換え構築物は、感染、形質導入、トランスフェクション、トランスベクショ ン(transvection)、エレクトロポレーション、および形質転換のような周知の技 術を用いて宿主細胞に導入され得る。ベクターは、例えば、ファージベクター、 プラスミドベクター、ウイルスベクター、またはレトロウイルスベクターであり 得る。レトロウイルスベクターは、複製可能かまたは複製欠損であり得る。後者 の場合、ウイルスの増殖は、一般的に、相補宿主細胞においてのみ生じる。 ポリヌクレオチドは、宿主細胞における増殖のための選択マーカーを含むベク ターに結合され得る。一般的に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿 物のような沈殿物中か、または荷電された脂質との複合体中で導入される。ベク ターがウイルスである場合、ベクターは、適切なパッケージング細胞株を用いて インビトロでパッケージングされ得、次いで宿主細胞に形質導入され得る。 目的のポリヌクレオチドに対するシス作用性制御領域を含むベクターが好まし い。適切なトランス作用性因子は、宿主によって供給される得るか、相補ベクタ ーによって供給され得るか、または宿主への導入の際にベクター自体によって供 給され得る。 この事に関する特定の好ましい実施態様において、ベクターは、誘導性および /または細胞型特異的であり得る特異的な発現を提供する。このようなベクター の中で特に好ましいベクターは、温度および栄養添加物のような操作することが 容易である環境因子によって誘導性のベクターである。 本発明において有用な発現ベクターとしては、染色体ベクター、エピソームベ タター、およびウイルス由来ベクター(例えば、細菌プラスミド、バクテリオフ ァージ、酵母エピソーム、酵母染色体エレメント、ウイルス(例えば、バキュロ ウイルス、パポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、トリポック スウイルス、仮性狂犬病ウイルス、およびレトロウイルス)、ならびにそれらの 組合せに由来するベクター(例えば、コスミドおよびファージミド)が挙げられ る。 DNAインサートは、適切なプロモーター(例えば、少し名を挙げると、ファー ジλPLプロモーター、E.coli Iacプロモーター、trpプロモーター、およびtacプ ロモーター、SV40初期プロモーターおよび後期プロモーター、ならびにレトロウ イルスLTRのプロモーター)に作動可能に連結されるべきである。他の適切なプ ロモーターは、当業者に公知である。発現構築物は、さらに、転写開始、転写終 結のための部位、および、転写領域中に翻訳のためのリボゾーム結合部位を含む 。構築物によって発現される成熟転写物のコード部分は、翻訳されるべきポリペ プチドの始めに転写開始AUGを含み、そして終わりに適切に位置される終止コド ンを含む。 示されるように、発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカー を含む。このようなマーカーとしては、真核生物細胞培養についてはジヒドロ葉 酸レダクターゼまたはネオマイシン耐性、およびE.coliおよび他の細菌における 培養についてはテトラサイクリン耐性遺伝子またはアンピシリン耐性遺伝子が挙 げられる。適切な宿主の代表的な例としては、細菌細胞(例えば、E.coli細胞、 Streptomyces細胞、およびSalmonella typhimurium細胞);真菌細胞(例えば酵 母細胞);昆虫細胞(例えば、Drosophila S2細胞およびSpodoptera Sf9細胞) ;動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、およびBowes黒色腫細胞);ならびに 植物細胞が挙げられる。上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は当 該分野で公知である。 細菌における使用に好ましいベクターの中には、pQE70、pQE60、およびpQE-9 (Qiagenから入手可能);pBSベクター、Phagescriptベクター、Bluescript ベク ター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratageneから入手可能);ならびにpt rc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Pharmaciaから入手可能)が含ま れる。好ましい真核生物ベクターの中には、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、お よびpSG(Stratageneから入手可能);ならびにpSVK3、pBPV、pMSG、およびpSVL (Pharmacicaから入手可能)がある。他の適切なベクターは、当業者に容易に明 らかである。 本発明における使用に適した公知の細菌プロモーターの中には、E.coli laci およびlacZプロモーター、T3プロモーターおよびT7プロモーター、gptプロモー ター、λPRプロモーターおよびλPLプロモーター、ならびにtrpプロモーターが 含まれる。適切な真核生物プロモーターとしては、CMV前初期プロモーター、HSV チミジンキナーゼプロモーター、初期SV40プロモーターおよび後期SV40プロモー ター、レトロウイルスLTRのプロモーター(例えば、ラウス肉腫ウイルス(RSV)の プロモーター)、ならびにメタロチオネインプロモーター(例えば、マウスメタ ロチオネインIプロモーター)が挙げられる。 宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクシ ョン、エレクトロポレーション、形質導入、感染または他の方法によってもたら され得る。このような方法は、Davisら,Basic Methods in Molecular Biology( 1986)のような多くの標準的研究室マニュアルに記載されている。 高等真核生物による本発明のポリペプチドをコードするDNAの転写は、ベクタ ー中にエンハンサー配列を挿入することによって増大させ得る。エンハンサーは 、所定の宿主細胞型におけるプロモーターの転写活性を増大するように働く、通 常約10〜300bpのDNAのシス作用性エレメントである。エンハンサーの例としては 、SV40エンハンサー(これは、複製起点の後期側上の100〜270bpに位置される) 、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側上 のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。 翻訳されたタンパク質の小胞体の管腔内へか、周辺質空間内へか、または細胞 外環境内への分泌のために、適切な分泌シグナルが、発現されるポリペプチド中 に組み込まれ得る。シグナルは、ポリペプチドに対して内因性であり得るか、ま たはそれらは異種シグナルであり得る。 従って、ポリペプチドは、融合タンパク質のような改変された形態で発現され 得、そして分泌シグナルだけでなく、付加的な異種の機能的領域も含み得る。例 えば、付加的なアミノ酸、特に荷電性アミノ酸の領域が、宿主細胞内での、精製 の間の、または続く操作および保存の間の、安定性および持続性を改善するため に、ポリペプチドのN末端に付加され得る。また、ペプチド部分が、精製を容易 にするためにポリペプチドへ付加され得る。そのような領域は、ポリペプチドの 最終調製の前に除去され得る。とりわけ、分泌または排出を生じるため、安定性 を改善するため、および精製を容易にするためのペプチド部分のポリペプチドへ の付加は、当該分野でよく知られており、そして日常的な技術である。好ましい 融合タンパク質は、タンパク質の可溶化に有用な免疫グロブリン由来の異種領域 を含む。例えば、EP A 0 464 533(また、カナダ対応出願2045869)は、別のヒ トタンパク質またはその一部とともに免疫グロブリン分子の定常領域の種々の部 分を含む融合タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク質中のFc部分は 、治療および診断における使用に十分に有利であり、従って、例えば改善された 薬物動態学的特性を生じる(EP A 0232 262)。一方、いくつかの使用について、 融合タンパク質が、記載される有利な様式で、発現され、検出され、および精製 された後にFc部分が欠失され得ることが望ましい。これは、Fc部分が、治療およ び診断における使用の妨害であると判明する場合(例えば、融合タンパク質が免 疫のための抗原として使用されるべき場合)である。薬物探索において、例えば hI L-5のようなヒトタンパク質は、hIL-5のアンタゴニストを同定するための高処理 能力スクリーニングアッセイの目的でFc部分と融合されている。D.Bennettら,J ournal of Molecular Recognition Vol.8:52-58(1995)、およびK.Johansonら,T he Journal of Biological Chemistry Vol.270,No.16,9459-9471頁(1995)を参 照のこと。 T1R様リガンドIは、硫安沈殿またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまた は陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎 水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロ キシアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを含む 周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され、そして精製され得る。最も 好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のために用いられ る。 本発明のポリペプチドは、天然の精製産物、化学合成手順の産物、および原核 生物宿主または真核生物宿主(例えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆 虫細胞、および哺乳動物細胞を含む)から組換え技術によって産生された産物を 含む。組換え産生手順において用いられる宿主に依存して、本発明のポリペプチ ドは、グリコシル化され得るか、または非グリコシル化され得る。さらに、本発 明のポリペプチドはまた、いくつかの場合、宿主媒介プロセスの結果として、開 始の改変メチオニン残基を含み得る。 T1R様リガンドIポリペプチドおよびペプチド 本発明はさらに、寄託されたcDNAによってコードされるアミノ酸配列、もしく は図1(配列番号2)のアミノ酸配列を有する単離されたT1R様リガンドIポリ ペプチド、または上記ポリペプチドの一部を含むペプチドもしくはポリペプチド を提供する。用語「ペプチド」および「オリゴペプチド」は、(通常認識される ように)同義語と考えられ、そして各用語は、文脈がペプチド結合によって結合 された少なくとも2つのアミノ酸の鎖を示すことを必要とする場合、交換可能に 使用され得る。用語「ポリペプチド」は、10より多いアミノ酸残基を含む鎖に対 して本明細書中で使用される。本明細書中の全てのオリゴペプチドおよびポリペ プチドの式または配列は、左から右へ、そしてアミノ末端からカルボキシ末端の 方向に書かれる。 「単離された」ポリペプチドまたはタンパク質によって、その天然の環境から 取り出されたポリペプチドまたはタンパク質が意図される。例えば、宿主細胞中 で発現された組換え産生されたポリペプチドおよびタンパク質は、例えば、Smit hおよびJohnson,Gene 67:31-40(1988)に記載の一段階法のような任意の適切な 技術によって実質的に精製されている天然または組換えのポリペプチドおよびタ ンパク質がそうであるように、本発明の目的で単離されていると考えられる。 T1R様リガンドIのいくつかのアミノ酸配列が、このタンパク質の構造または 機能に有意に影響することなく改変され得ることが、当該分野で認識される。配 列内のこのような差異が意図される場合、活性を決定するタンパク質の重要な領 域が存在することを覚えておくべきである。一般的に、類似の機能を実行する残 基が使用される場合、三次構造を形成する残基の置換が可能である。他の例にお いて、残基の型は、変化がタンパク質の重要でない領域で生じる場合、全く重要 でないかもしれない。 従って、本発明は、さらに、実質的なT1R様リガンドI活性を示すか、または 下記に考察されるタンパク質部分のようなT1R様リガンドIの領域を含むT1R様リ ガンドIの改変体を含む。このような変異体は、欠失、挿入、逆転、反復、およ びタイプ置換(例えば、親水性の残基の別の残基への置換、しかし通常は強く親 水性の残基を強く疎水性の残基には置換しない)を含む。小さな変化、またはこ のような「中性」アミノ酸置換は、一般的にほとんど活性に影響しない。 代表的に保存的置換と見られるのは、脂肪族アミノ酸Ala、Val、Leu、およびI leの中での1つのアミノ酸の別のアミノ酸への置換;ヒドロキシル残基Serおよ びThrの交換、酸性残基AspおよびGluの交換、アミド残基AsnおよびGlnの間の置 換、塩基性残基LysおよびArgの交換、ならびに芳香族残基Phe、Tyrの間の置換で ある。 上記に詳細に示されるように、どのアミノ酸の変化が表現型的にサイレントで ありそうか(すなわち、機能に対して有意に有害な効果を有しそうにないか)に 関するさらなるガイダンスは、Bowie,J.U.ら「Deciphering the Message in Pr otein Sequences:Tolerance to Amino Acid Substitutions」,Science 247:130 6-1310(1990)に見出され得る。 本発明のポリペプチドは、リーダー配列を含む寄託されたcDNAによってコード されるポリペプチド、寄託されたcDNAによってコードされるポリペプチドからリ ーダーを除いたポリペプチド(すなわち成熟タンパク質)、リーダーを含む図1 (配列番号2)のポリペプチド、リーダーを除いた図1(配列番号2)のポリペ プチド、T1R様リガンドI細胞外ドメイン、T1R様リガンドI膜貫通ドメイン、お よびT1R様リガンドI細胞内ドメイン、ならび上記のポリペプチドと少なくとも9 0%の類似性、より好ましくは少なくとも95%の類似性、およびさらにより好ま しくは少なくとも96%、97%、98%、または99%の類似性を有するポリペプチド を含む。さらに本発明のポリペプチドは、本明細書中に記載のポリペプチドと、 少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%または95%同一、さらによ り好ましくは少なくとも96%、97%、98%、または99%同一であるポリペプチド を含み、そしてまた、少なくとも30アミノ酸、およびより好ましくは少なくとも 50アミノ酸を有するこのようなポリペプチドの部分を含む。 2つのポリペプチドについての「%類似性」によって、BESTFITプログラム(W isconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Compute r Group,University Research Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711 )および類似性を決定するための省略時設定(default setting)を用いて2つの ポリペプチドのアミノ酸配列を比較することによって生じる類似性のスコアが意 図される。BESTFITは、SmithおよびWaterman,Adv.Appl.Math.2:482-489(198 1)の局所的相同性アルゴリズムを、2つの配列間の類似性の最適のセグメントを 見出すために使用する。 T1R様リガンドIポリペプチドの参照アミノ酸配列に少なくとも、例えば、95 %「同一な」アミノ酸配列を有するポリペプチドにより、ポリペプチド配列がT1 R様リガンドIポリペプチドの参照アミノ酸配列の各100アミノ酸毎に5つまでの アミノ酸変化を含み得ることを除いて、ポリペプチドのアミノ酸配列は参照配列 と同一であることが意図される。言い換えれば、参照アミノ酸配列に少なくとも 95%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るために、参照配列において 5%までのアミノ酸残基が、欠失されるかもしくは別のアミノ酸で置換され得、 または参照配列における5%までの総アミノ酸残基の多数のアミノ酸が参照配列 に挿入され得る。これらの参照配列の改変は、参照アミノ酸配列のアミノ末端位 置もしくはカルボキシ末端位置で、または参照配列の残基間で個々に、もしくは 参照配列内で1つ以上の近接したグループ内のいずれかで末端位置の間のどこか で、起こり得る。 実際には、任意の特定のポリペプチドが、例えば、図1(配列番号2)に示さ れるアミノ酸配列、または寄託されたcDNAクローンによりコードされるアミノ酸 配列に対して、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であ るかどうかは、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Ve rsion 8 Unix版、Genetics Computer Group,University Research Park,575 S cience Drive,Madison,WI 53711)のような公知のコンピュータープログラム を使用して慣習的に決定され得る。特定の配列が、例えば、本発明の参照配列に 95%同一であるかどうかを決定するために、Bestfitまたは任意の他の配列アラ インメントプログラムを使用する場合、当然、同一性の百分率が参照アミノ酸配 列の全長にわたって計算され、そして参照配列内のアミノ酸残基の総数の5%ま での相同性におけるギャップが許容されるようなパラメーターが設定される。 下記に詳細に記載するように、本発明のポリペプチドは、下記のようにT1R様 リガンドI発現を検出するための診断アッセイにおいて有用である、またはT1R 様リガンドIタンパク質機能を増強または阻害し得るアゴニストおよびアンタゴ ニストとして、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を惹起するために 使用され得る。さらに、このようなポリペプチドは、本発明の候補アゴニストお よびアンタゴニストでもあるT1R様リガンドI結合タンパク質を「捕獲する」た めの酵母ツーハイブリッドシステムにおいて使用され得る。酵母ツーハイブリッ ドシステムは、FieldsおよびSong,Nature 340:245-246(1989)に記載されてい る。 別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドのエピトープ保有部分を 含む、ペプチドまたはポリペプチドを提供する。このポリペプチドのエピトープ 部分は、本発明のポリペプチドの免疫原性または抗原性エピロープである。「免 疫原性エピトープ」は、タンパク質全体が免疫原である場合、抗体応答を誘発す るタンパク質の一部として定義される。これらの免疫原性エピトープは、分子上 の2、3の焦点に制限されると考えられている。一方では、抗体が結合し得るタ ンパク質分子の領域は、「抗原性エピトープ」と定義され得る。タンパク質の免 疫原性エピトープの数は、一般には、抗原性エピトープの数よりも少ない。例え ば、Geysen,H.M.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998-4002(1984)を参 照のこと。 抗原性エピトープを保有するペプチドまたはポリペプチド(すなわち、抗体が 結合し得るタンパク質分子の領域を含む)の選択に関して、タンパク質配列の一 部を模倣する比較的短い合成ペプチドが、部分的に模倣されたタンパク質と反応 する抗血清を日常的に誘発し得ることが当該分野で周知である。例えば、Sutcli ffe,J.G.ら、Science 219:660-666(1983)を参照のこと。タンパク質-反応性血清 を誘発し得るペプチドは、しばしばタンパク質の一次配列で頻繁に示され、そし て単純な化学的法則のセットにより特徴付けられ得、そしてインタクトなタンパ ク質の免疫ドミナント領域(すなわち、免疫原性エピトープ)にも、アミノ末端 またはカルボキシル末端にも、制限されない。極度に疎水性であるペプチドおよ び6以下の残基のペプチドは、一般には、模倣タンパク質に結合する抗体の誘導 に効果がなく;より長い、可溶性ペプチド、特にプロリン残基を含むペプチドは 、通常は有効である。Sutcliffeら、前出、661。例えば、これらのガイドライン に従って設計された20のペプチドのうち18(インフルエンザウイルス赤血球凝集 素HA1ポリペプチド鎖の配列の75%を覆う8-39残基を含む)は、HA1タンパク質ま たはインタクトなウイルスと反応する抗体を誘導した;そしてMuLVポリメラーゼ からの12/12ペプチドおよび狂犬病糖タンパク質からの18/18はそれぞれのタンパ ク質を沈澱する抗体を誘導した。 本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、それゆえ、本 発明のポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を含む抗体を惹起す るのに有用である。従って、抗原エピトープ保有ペプチドで免疫化されたドナー からの脾臓細胞の融合により得られるハイブリドーマの大部分は、一般に天然の タンパク質と反応性がある抗体を分泌する。Sutcliffeら、前出、663。抗原性エ ピトープ保有ペプチドまたはポリペプチドにより惹起された抗体は、模倣タンパ ク質を検出するのに有用であり、そして異なるペプチドに対する抗体が、翻訳後 プロセシングを受けるタンパク質前駆体の種々の領域の末路を追跡するために使 用され得る。免疫沈降アッセイにおいて、短いペプチド(例えば、約9アミノ酸 )でさえ、より長いペプチドに結合しそして置換し得ることが示されているので 、ペプチドおよび抗ペプチド抗体は、模倣タンパク質についての種々の定性的ま たは定量的アッセイ、例えば、競合的アッセイにおいて使用され得る。例えば、 Wilson,I.A.ら、Cell 37:767-778(1984)777を参照のこと。本発明の抗ペプチ ド抗体もまた、模倣タンパク質の精製(例えば、当該分野で周知の方法を使用し て、吸着クロマトグラフィーにより)に有用である。 上記のガイドラインに従って設計された本発明の抗原性エピトープ保有ペプチ ドおよびポリペプチドは、好ましくは本発明のポリペプチドのアミノ酸配列内に 含まれる少なくとも7、より好ましくは少なくとも9、そして最も好ましくは約 15〜約30アミノ酸の間の配列を含む。しかし、本発明のポリペプチドのアミノ酸 配列の約30〜約50アミノ酸または全体までの任意の長さおよび全体を含む、本発 明のポリペプチドのアミノ酸配列のより大部分を含むペプチドまたはポリペプチ ドもまた、本発明のエピトープ保有ペプチドまたはポリペプチドであると考えら れ、そしてまた模倣タンパク質と反応する抗体を誘導するのに有用である。好ま しくは、エピトープ保有ペプチドのアミノ酸配列は、水性溶媒中で実質的な溶解 性を提供するように選択され(すなわち、その配列は、比較的親水性残基を含み 、そして高度な疎水性配列は好ましくは回避される);そしてプロリン残基を含 む配列が特に好ましい。 T1R様リガンドI特異的抗体を産生するために使用され得る抗原性ポリペプチ ドの非限定的な例には、図1(配列番号2)における約20〜約53のアミノ酸残基 を含むポリペプチド;図1(配列番号2)における約82〜約98のアミノ酸残基を 含むポリペプチド;図1(配列番号2)における約106〜約134のアミノ酸残基を 含むポリペプチド;および図1(配列番号2)における約155〜約184のアミノ酸 残基を含むポリペプチドが挙げられる。 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、本発明の核酸分子を 使用する組換え手段を含むペプチドまたはポリペプチドを作製するための任意の 従来の手段により産生され得る。例えば、短いエピトープ保有アミノ酸配列は、 組換え体産生および精製の間、ならびに抗ペプチド抗体を産生するための免疫化 の間、キャリアとして作用するより大きなポリペプチドに融合され得る。エピト ープ保有ペプチドはまた、化学合成の公知の方法を使用して合成され得る。例え ば、Houghtenは、4週間未満で、調製されそして特徴付けられた(ELISA-タイプ 結合研究により)HA1ポリペプチドのセグメントの単一のアミノ酸改変体を示す1 0〜20mgの248の異なる13残基ペプチドのような多数のペプチドの合成のための簡 単な方法を記載している。Houghten,R.A.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:51 31-5135(1985)。この「Simultaneous Multiple Peptide Synthesis(SMPS)」 プロセスは、さらにHoughtenら(1986)の米国特許第4,631,211号に記載される 。この手順において、種々のペプチドの固相合成のための個々の樹脂は、別々の 溶媒透過性パケットに含まれ、固相法に関連する多くの同一の反復工程の最適な 使用を可能にする。完全なマニュアル手順は、500〜1000以上の合成が同時に行 われるのを可能にする。Houghtenら、前出、5134。 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、当該分野に周知の方 法によって抗体を誘導するために使用される。例えば、Sutcliffeら、前出;Wil sonら、前出;Chow,M.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:910-914;およびBi ttle,F.J.ら、J.Gen.Virol.66:2347-2354(1985)を参照のこと。一般には 、動物は遊離ペプチドで免疫化され得る;しかし、抗ペプチド抗体力価はペプチ ドを高分子キャリア(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)また は破傷風トキソイド)にカップリングすることにより追加免疫され得る。例えば 、システインを含有するペプチドは、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシス クシンイミドエステル(MBS)のようなリンカーを使用してキャリアにカップリ ングされ得、一方、他のペプチドは、グルタルアルデヒドのようなより一般的な 連結剤を使用してキャリアにカップリングされ得る。ウサギ、ラット、およびマ ウスのような動物は、遊離またはキャリア-カップリングペプチドのいずれかで 、例えば、約100μgのペプチドまたはキャリアタンパク質およびFreundのアジュ バントを含むエマルジョンの腹腔内および/または皮内注射により免疫化される 。いくつかの追加免疫注射が、例えば、固体表面に吸着された遊離ペプチドを使 用 してELISAアッセイにより検出され得る有用な力価の抗ペプチド抗体を提供する ために、例えば、約2週間の間隔で必要とされ得る。免疫化動物からの血清にお ける抗ペプチド抗体の力価は、抗ペプチド抗体の選択により、例えば、当該分野 で周知の方法による固体支持体上のペプチドへの吸着および選択された抗体の溶 出により増加され得る。 本発明の免疫原性エピトープ保有ペプチド、すなわち、全体のタンパク質が免 疫原性である場合、抗体応答を惹起するタンパク質の部分は、当該分野で公知の 方法により同定される。例えば、Geysenら(1984)前出は、酵素−結合免疫吸着 アッセイにおける反応に十分に純粋な何百というペプチドの固体支持体上の迅速 な同時合成の手順を開示する。合成ペプチドの抗体との相互作用は、次いで、そ れらを支持体から除去することなく容易に検出される。この様式において、所望 のタンパク質の免疫原性エピトープを保有するペプチドは、当業者により日常的 に同定され得る。例えば、口蹄疫ウイルスのコートタンパク質における免疫学的 に重要なエピトープは、タンパク質の213のアミノ酸配列全体を覆う全ての208の 可能なヘキサペプチドの重複セットの合成による7アミノ酸の解明によりGeysen らによって位置付けされた。次いで、全ての20アミノ酸が順にエピトープ内の各 位置で置換されたペプチドの完全な置換セットが合成され、そして抗体との反応 のための特異性を与える特定のアミノ酸が決定された。従って、本発明のエピト ープ保有ペプチドのペプチドアナログは、この方法により日常的に作成され得る 。Geysen(1987)の米国特許第4,708,781号は、所望のタンパク質の免疫原性エ ピトープを保有するペプチドを同定するこの方法をさらに記載している。 さらになお、Geysen(1990)の米国特許第5,194,392号は、目的の抗体の特定 のパラトープ(抗原結合部位)に相補的であるエピトープの位相幾何学的等価物 (すなわち、「ミモトープ」)であるモノマー(アミノ酸または他の化合物)の 配列を検出または決定する一般的な方法を記載する。より一般的には、Geysen( 1989)の米国特許第4,433,092号は、目的の特定のレセプターのリガンド結合部 位に相補的であるリガンドの位相等価であるモノマーの配列を検出または決定す る方法を記載する。同様に、Peralkylated Oligopeptide MixturesにおけるHoug hten,R.A.ら(1996)の米国特許第5,480,971号は、線状C1-C7-アルキル過ア ルキル化(peralkylated)オリゴペプチドおよびセットおよびこのようなペプチ ドのライブラリー、ならびに目的のアクセプター分子に、優先的に結合する過ア ルキル化オリゴペプチドの配列を決定するためにこのようなオリゴペプチドセッ トおよびライブラリーを使用する方法を開示する。従って、本発明のエピトープ 保有ペプチドの非ペプチドアナログはまた、これらの方法により日常的に作成さ れ得る。 「ポリペプチドおよびペプチド」のこの節に引用される各文書の全体の開示は 、ここで参考として本明細書中に援用される。 当業者が理解するように、本発明のT1R様リガンドIポリペプチドおよび上記 のそのエピトープ保有フラグメントは、免疫グロブリン(IgG)の定常ドメイン の一部と結合し得、キメラペプチドを生じる。これらの融合タンパク質は、精製 を促進し、そしてインビボで増加した半減期を示す。これは、例えば、ヒトCD4- ポリペプチドの最初の2つのドメインおよび哺乳動物免疫グロブリンの重鎖また は軽鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質について示されて いる(EPA394,827;Trauneckerら、Nature 331:84-86(1988))。IgG部分によ るジスルフィド結合ダイマー構造を有する融合タンパク質はまた、他の分子の結 合および中和において、モノマーT1R様リガンドIタンパク質またはタンパク質 フラグメント単独よりも効率的であり得る(Fountoulakisら、J.Biochem.270: 3958-3964(1995))。 T1R様リガンドI関連障害診断 T1R様リガンドI関連障害について、「標準」T1R様リガンドI遺伝子発現レベ ル(すなわち、障害を有さない個体からの組織または体液におけるT1R様リガン ドI遺伝子発現レベル)と比較して、実質的に変化した(増加または減少した) レベルのT1R様リガンドI遺伝子発現が、このような障害を有する個体から採取 された組織または他の細胞または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、また脊 髄液)において検出され得ると考えられる。従って、本発明は、T1R様リガンド I関連障害の診断の間に有用な診断方法を提供する。これは個体からの組織また は他の細胞または体液におけるT1R様リガンドIをコードする遺伝子の発現レベ ルを測定すること、および測定した遺伝子発現レベルと標準T1R様リガンドI遺 伝子発現レベルとを比較することを含む。それにより、標準と比較された遺伝子 発現レベルにおける増加または減少は、T1R様リガンドI関連障害の指標である 。 T1R様リガンドI関連障害には、白血病、リンパ腫、動脈硬化症、自己免疫疾 患、炎症性疾患、アルツハイマー病、眼の疾患、アポトーシス、子宮内増殖遅延 、子癇前症、天疱瘡、および乾癬が挙げられることが考えられるが、これらに限 定されない。 個体により、哺乳動物個体、好ましくはヒトが意図される。「T1R様リガンド Iをコードする遺伝子の発現レベルを測定すること」により、第一の生物学的サ ンプルにおいて直接的(例えば、絶対的なタンパク質レベルまたはmRNAレベルを 測定または評価することにより)または相対的(例えば、第二の生物学的サンプ ルにおけるT1R様リガンドIタンパク質レベルまたはmRNAレベルと比較すること により)のいずれかで、T1R様リガンドIタンパク質のレベルまたはT1R様リガン ドIタンパク質をコードするmRNAレベルの定性的測定もしくは定量的測定または 評価が意図される。好ましくは、第一の生物学的サンプルにおけるT1R様リガン ドIタンパク質レベルまたはmRNAレベルが測定または評価され、そして標準T1R 様リガンドIタンパク質レベルまたはmRNAレベルと比較される。標準は、障害を 有さない個体から得られた第二の生物学的サンプルから得られるか、または障害 を有さない個体の集団からの平均レベルにより決定され得る。当該分野において 評価されるように、一旦標準T1R様リガンドIタンパク質レベルまたはmRNAレベ ルが公知になると、それは比較のための標準として繰り返して使用され得る。 「生物学的サンプル」によって、個体、体液、細胞株、組織培養物、またはT1 R様リガンドIタンパク質もしくはmRNAを含む他の供給源から得られる任意の生 物学的サンプルが意図される。示されるように、生物学的サンプルは、分泌され た成熟T1R様リガンドIを含む体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および随 液)あるいはT1R様リガンドIタンパク質を発現することが見出された組織供給 源を含む。哺乳動物から組織生検および体液を得るための方法は当該分野で周知 である。生物学的サンプルがmRNAを含む場合、組織生検が好ましい供給源である 。 全細胞RNAが、任意の適切な技術(例えば、ChomczynskiおよびSacchi,Anal. Biochem.162:156-159(1987)に記載されている一工程のグアニジン-チオシアネ ート-フェノール-クロロホルム法)を使用して生物学的サンプルから単離され得 る。次いで、T1R様リガンドIをコードするmRNAのレベルが、任意の適切な方法 を用いてアッセイされる。これらは、ノーザンブロット分析、S1ヌクレアーゼマ ッピング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ポリメラーゼ連鎖反応と組み合わせ た逆転写(RT-PCR)、およびリガーゼ連鎖反応と組み合わせた逆転写(RT-LCR) を含む。 ノーザンブロット分析は、Haradaら、Cell 63:303-312(1990)に記載されてい るように行われ得る。簡潔には、全RNAが上記のように生物学的サンプルから調 製される。ノーザンブロットのためには、RNAは適切な緩衝液(例えば、グリオ キサール/ジメチルスルホキシド/リン酸ナトリウム緩衝液)中で変性され、ア ガロースゲル電気泳動に供され、そしてニトロセルロースフィルターに転写され る。RNAがUVリンカーによってフィルターに結合された後、フィルターは、ホル ムアミド、SSC、デンハルト溶液、変性させたサケ精子、SDS、およびリン酸ナト リウム緩衝液を含有する溶液中で予備ハイブリダイゼーションされる。任意の適 切な方法(例えば、32PマルチプライムDNA標識システム(Amersham))に従って標 識されたT1R様リガンドI cDNAが、プローブとして使用される。一晩のハイブリ ダイゼーション後、フィルターは洗浄され、そしてX線フィルムに曝される。本 発明に従うプローブとしての使用のためのcDNAは、上記の節に記載されており、 そして少なくとも15bpの長さが好ましい。 S1マッピングは、Fujitaら、Cell 49:357-367(1987)に記載されているよう に行われ得る。S1マッピングでの使用のためのプローブDNAを調製するために、 上記のcDNAのセンス鎖がテンプレートとして使用され、標識されたアンチセンス DNAが合成される。次いで、アンチセンスDNAが、適切な制限エンドヌクレアーゼ を使用して消化され、所望の長さのさらなるDNAプローブが生成され得る。この ようなアンチセンスプローブは、標的mRNA(すなわち、T1R様リガンドIをコー ドするmRNA)に対応する保護されたバンドを可視化するために有用である。ノー ザンブロット分析が、上記のように行われ得る。 好ましくは、T1R様リガンドIをコードするmRNAのレベルは、Makinoら、Techn ique 2:295-301(1990)に記載されるようなRT-PCR法を使用してアッセイされる 。この方法によれば、ポリアクリルアミドゲルバンド中の「アンプリコン」の放 射活性は、標的mRNAの初期濃度に直線的に相関する。簡潔には、この方法は、RT プライマーおよび適切な緩衝液を含む反応混合物中の生物学的サンプルから単離 された全RNAを添加する工程を包含する。プライマーのアニーリングのためのイ ンキュベーション後、混合物はRT緩衝液、dNTP、DTT、RNaseインヒビター、およ び逆転写酵素を補充され得る。RNAの逆転写を達成するためのインキュベーショ ン後、次いで、RT産物は標識されたプライマーを使用するPCRに供される。ある いは、プライマーを標識するよりもむしろ、標識されたdNTPがPCR反応混合物中 に含まれ得る。PCR増幅は、従来技術に従ってDNAサーマルサイクラー中で行われ 得る。増幅を達成するための適切な数のラウンド後、PCR反応混合物はポリアク リルアミドゲル上で電気泳動される。ゲルの乾燥後、適切なバンド(T1R様リガ ンドIをコードするmRNAに対応する)の放射活性は、画像解析機を使用して定量 される。RTおよびPCR反応の成分および条件、試薬およびゲル濃度、ならびに標 識方法は、当該分野で周知である。RT-PCR法の変形は当業者に明らかである。 逆転写された標的のmRNAを増幅する任意のオリゴヌクレオチドプライマーのセ ットが使用され得、そして上記の節で記載されるように設計され得る。 生物学的サンプル中のT1R様リガンドIレベルのアッセイは、任意の当該分野 で公知の方法を使用して行われ得る。抗体に基づく技術が、生物学的サンプル中 のT1R様リガンドIレベルをアッセイするために好ましい。例えば、組織中でのT IR様リガンドIの発現は、伝統的な免疫組織学的方法で研究され得る。これらの 場合、特異的認識は一次抗体(ポリクローナルまたはモノクローナル)によって 提供されるが、二次検出系は、蛍光、酵素、または他の結合された二次抗体を利 用し得る。結果として、病理学試験のための組織切片の免疫組織学的染色が得ら れる。組織はまた、ウェスタンブロットまたはドット/スロットアッセイ(Jalk anen,M.ら、J.Cell.Biol.101:976-985(1985);Jalkanen,Mら、J.Cell.Bio l.105:3087-3096(1987))のためのT1R様リガンドIの遊離のために、例えば、 尿素および中性の界面活性剤を用いて抽出され得る。陽イオン性固相の使用に基 づくこの技術において、T1R様リガンドIの定量は、単離されたT1R様リガンドI を標準として使用して達成され得る。この技術はまた、体液にも適用され得る。 これらのサンプルに関して、T1R様リガンドIのモル濃度は、血清、血漿、尿、 滑液、随液などのような異なる体液について、T1R様リガンドI含量の標準値の 設定を補助する。次いで、T1R様リガンドIの量の正常値は、健常な個体に由来 する値を使用して設定され得、これは、試験被検体から得られる値と比較され得 る。 T1R様リガンドIレベルを検出するために有用な他の抗体に基づく方法は、イ ムノアッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)およびラジオイム ノアッセイ(RIA))を含む。例えば、T1R様リガンドI特異的モノクローナル抗 体は、T1R様リガンドIを検出および定量するための、免疫吸着剤としておよび 酵素標識プローブとしての両方に使用され得る。サンプル中に存在するT1R様リ ガンドIの量は、直線回帰コンピューターアルゴリズムを使用して、標準的な調 製物中に存在する量との比較によって算出され得る。腫瘍抗原を検出するための このようなELISAは、Iacobelliら、Breast Cancer Research and Treatment 11: 19-30(1988)に記載されている。別のELISAアッセイにおいては、2つの異なる 特異的なモノクローナル抗体が、体液中のT1R様リガンドIを検出するために使 用され得る。このアッセイにおいて、一方の抗体が免疫吸着剤として使用され、 そして他方が酵素標識プローブとして使用される。 上記の技術は、本質的に、「一工程」または「二工程」アッセイとして行われ 得る。「一工程」アッセイは、固定化抗体とT1R様リガンドIとを接触させる工 程を包含し、そして洗浄する工程、標識された抗体と混合物とを接触させる工程 は含まない。「二工程」アッセイは、洗浄する工程、その後、標識された抗体と 混合物とを接触させる工程を包含する。他の従来の方法もまた、適切に使用され 得る。通常、支持体上にアッセイ系の1つの成分を固定することが所望され、そ れによって系の他の成分は、その成分との接触およびサンプルからの容易な除去 を生じることが可能となる。 適切な酵素標識は、例えば、基質との反応による過酸化水素の生成を触媒する オキシダーゼ群由来のものを含む。グルコースオキシダーゼは、それが良好な安 定性を有し、そしてその基質(グルコース)が容易に入手できるために、特に好 ましい。オキシダーゼ標識の活性は、酵素-標識抗体/基質反応によって形成さ れる過酸化水素の濃度を測定することによってアッセイされ得る。酵素に加えて 、他の適切な標識として、放射性同位元素(例えば、ヨウ素(125I、121I)、炭 素(14C)、イオウ(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(112In)、および テクネチウム(99mTc))、ならびに蛍光標識(例えば、フルオレセインおよび ローダミン)ならびにビオチンが挙げられる。 個体から得られる生物学的サンプル中のT1R様リガンドIレベルをアッセイす ることに加えて、T1R様リガンドIはまた、画像解析によってインビボで検出さ れ得る。T1R様リガンドIのインビボでの画像解析のための抗体標識またはマー カーとして、X線撮影法、NMR、またはESRによって検出可能なものが挙げられる 。X線撮影法については、適切な標識として、検出可能な放射線を放射するが、 被検体に対して明らかには有害ではない、バリウムまたはセシウムのような放射 性同位元素が挙げられる。NMRおよびESRのための適切なマーカーとして、関連の ハイブリドーマの栄養分の標識によって抗体中に取り込まれ得る、重水素のよう な検出可能な特徴的な回転を有するものが挙げられる。 放射性同位元素(例えば、131I、111In、99mTc)、放射性不透過体(radio-op aque)基質、または核磁気共鳴によって検出可能な物質のような適切な検出可能 な画像解析部分で標識されている、T1R様リガンドI-特異的抗体または抗体フラ グメントが、障害について試験される哺乳動物中に(例えば、非経口的、皮下、 または静脈内)導入される。被検体の大きさおよび使用される画像解析システム によって、診断用の画像を生じるために必要とされる画像解析部分の量が決定さ れることが、当該分野で理解される。放射性同位元素部分の場合、ヒト被検体に ついては、注射される放射活性の量は、通常約5〜20ミリキュリーの範囲の99mT cである。次いで、標識抗体または抗体フラグメントは、T1R様リガンドIを含む 細胞の位置に優先的に蓄積する。インビボでの腫瘍画像解析は、S.W.Burchiel ら、「Immunopharmacokinetics of Radiolabeled Antibodies and Their Fragme nts」(Tumer Imaging第13章:The Radiochemical Detection of Cancer,Burch iel,S.W.およびRhodes,B.A.編、Masson Publishing Inc.(1982))に記載され ている。 本発明での使用のためのT1R様リガンドI特異的抗体は、完全なT1R様リガンド Iまたはその抗原性ポリペプチドフラグメントに対して惹起され得る。これは、 アルブミンのようなキャリアタンパク質と共に、またはそれが充分に長い(少な くとも約25アミノ酸)場合はキャリアを伴わずに、動物系(例えば、ウサギまた はマウス)に対して提示され得る。 本明細書中で使用される場合、用語「抗体」(Ab)または「モノクローナル抗 体」(Mab)は、T1R様リガンドIに特異的に結合し得る完全な分子および抗体フ ラグメント(例えば、FabおよびF(ab')2フラグメントのような)を含むことを意 味する。FabおよびF(ab')2フラグメントは完全な抗体のFc部分を欠いており、循 環によってさらに迅速に除去され、そして完全な抗体の非特異的組織結合をほと んど有し得ない(Wahlら、J.Nucl.Med.24:316-325(1983))。従って、これら のフラグメントが好ましい。 本発明の抗体は、任意の種々の方法によって調製され得る。例えば、T1R様リ ガンドIまたはその抗原性フラグメントを発現する細胞は、ポリクローナル抗体 を含む血清の産生を誘導するために動物に投与され得る。好ましい方法において 、T1R様リガンドIタンパク質の調製物は、それが天然の混入物を実質的に含ま ないように、上記のように調製され、そして精製される。次いで、このような調 製物は、より大きな特異的活性のポリクローナル抗血清を産生するために動物に 導入される。 最も好ましい方法において、本発明の抗体はモノクローナル抗体(またはその T1R様リガンドI結合フラグメント)である。このようなモノクローナル抗体は 、ハイブリドーマ技術(Colligan,Current Protocols in Immunology,Wiley I nterscience,New York(1990-1996);HarlowおよびLane,Antibodies:A Labo ratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1988) ,第6〜9章,Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel、前出、第1 1章、その全体が本明細書中に参考として援用される))を用いて調製され得る。 一般に、このような手順は、T1R様リガンドI抗原で、またはより好ましくはT1R 様リガンドI発現細胞で動物(好ましくは、マウス)を免疫する工程を包含する 。適切な細胞は、抗T1R様リガンドI抗体に結合するそれらの能力によって認識 さ れ得る。このような細胞は、任意の適切な組織培養培地中で培養され得る;しか し、10%ウシ胎児血清(約56℃で不活化した)を補充し、約10μg/lの非必須ア ミノ酸、約1,000U/mlのペニシリン、および約100μg/mlのストレプトマイシンを 補充したEarle改変イーグル培地中で細胞を培養することが好ましい。このよう なマウスの脾細胞が抽出され、そして適切な骨髄腫細胞株と融合される。任意の 適切な骨髄腫細胞株が、本発明に従って使用され得る;しかし、アメリカンタイ プカルチャーコレクション(ATCC)(Rockville,Maryland,USA)から入手可能な 親骨髄腫細胞株(SP2O)を使用することが好ましい。融合後、得られたハイブリ ドーマ細胞はHAT培地中で選択的に維持され、次いでWandsら、Gastroenterology 80:225-232(1981);HarlowおよびLane、前出、第7章に記載されているような 限界希釈によってクローニングされる。次いで、このような選択によって得られ たハイブリドーマ細胞は、T1R様リガンドI抗原に結合し得る抗体を分泌するク ローンを同定するためにアッセイされる。 あるいは、T1R様リガンドI抗原に結合し得るさらなる抗体が、抗イディオタ イプ抗体の使用を通じて二工程手順で産生され得る。このような方法は、抗体が それ自体が抗原であるという事実を使用し、従って、二次抗体に結合する抗体を 得ることが可能である。この方法に従って、T1R様リガンドI特異的抗体は、動 物(好ましくは、マウス)を免疫するために使用される。次いで、このような動 物の脾細胞はハイブリドーマ細胞を産生するために使用され、そしてハイブリド ーマ細胞は、T1R様リガンドI-特異的抗体に結合する能力がT1R様リガンドI-抗 原によってブロックされ得る抗体を産生するクローンを同定するためにスクリー ニングされる。このような抗体は、T1R様リガンドI-特異的抗体に対する抗イデ ィオタイプ抗体を含み、そしてさらなるT1R様リガンドI-特異的抗体の形成を誘 導するために動物を免疫するために使用され得る。 FabおよびF(ab')2および本発明の抗体の他のフラグメントが本明細書中で開示 される方法に従って使用され得ることが明らかである。このようなフラグメント は、代表的には、パパイン(Fabフラグメントを生じる)またはペプシン(F(ab' )2フラグメントを生じる)のような酵素を使用するタンパク質分解による切断に よって産生される。あるいは、T1R様リガンドI-結合フラグメントは、組換え DNA技術の適用または合成化学によって産生され得る。 ヒトにおける診断のために、インビボでのイメージングを用いて、上昇したレ ベルのT1R様リガンドIを検出する場合、「ヒト化」キメラモノクローナル抗体 を使用することが好ましくあり得る。このような抗体は、上記のモノクローナル 抗体を生成するハイブリドーマ細胞由来の遺伝構築物を用いて生成され得る。キ メラ抗体を生成するための方法は、当該分野で公知である。総説については、Mo rrison,Science 229:1202(1985);Oiら,BioTechniques 4:214(1986);Cabillyら ,米国特許第4,816,567号;Taniguchiら,EP 171496;Morrisonら,EP 173494;Neu bergerら,WO 8601533;Robinsonら,WO 8702671;Boulianneら,Nature 312:643( 1984);Neubergerら,Nature 314:268(1985)を参照のこと。 本発明のT1R様リガンドI特異的抗体にさらに適切な標識は、以下に提供され る。適切な酵素標識の例は、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、スタフィロコッカスヌ クレアーゼ、Δ-5-ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ 、α-グリセロールリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、 ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオ キシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラー ゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼ、およびアセチ ルコリンエステラーゼを含む。 適切な放射性同位体標識の例は、3H、111In、125I、131I、32P、35S、14 C、51Cr、57To、58Co、59Fe、75Se、152Eu、90Y、67Cu、217Ci、211At、212Pb 、47Sc、109Pdなどを含む。111Inは、インビボでのイメージングが用いられる場 合に好ましい同位体である。なぜなら、これは、125Iまたは131Iで標識したモ ノクローナル抗体の肝臓による脱ハロゲン化の問題を回避するからである。さら に、この放射性核種(radionucleotide)は、イメージングのためにより好まし いγ放出エネルギーを有する(Perkinsら,Eur.J.Nucl.Med.10:296-301(198 5);Carasquilloら,J.Nucl.Med.28:281-287(1987))。例えば、1-(P-イソチ オシアネートベンジル)-DPTAを用いてモノクローナル抗体にカップリングした11 1 Inは、非腫瘍性組織(特に肝臓)における取り込みをほとんど示さなかった。 それゆえ、腫瘍局在化の特異性を増強する(Estebanら,J.Nucl.Med.28:861- 870(1987))。 適切な非放射性同位体標識の例は、157Gd、55Mn、162Dy、52Tr、および56Feを 含む。 適切な蛍光標識の例は、152Eu標識、フルオレセイン標識、イソチオシアネー ト標識、ローダミン標識、フィコエリトリン標識、フィコシアニン標識、アロフ ィコシアニン標識、o-フタルアルデヒド(o-phthaldehyde)標識、およびフルオ レサミン標識を含む。 適切な毒素標識の例は、ジフテリア毒素、リシン、およびコレラ毒素を含む。 化学発光標識の例は、ルミナール標識、イソルミナール標識、芳香族アクリジ ニウムエステル標識、イミダゾール標識、アクリジニウム塩標識、シュウ酸エス テル標識、ルシフェリン標識、ルシフェラーゼ標識、およびエクオリン標識を含 む。 核磁気共鳴コントラスト剤の例は、Gd、Mn、およびFeのような重金属原子核を 含む。 上記の標識を抗体に結合するための代表的な技術は、Kennedyら(Clin.Chim .Acta 70:1-31(1976))およびSchursら(Clin.Chim.Acta 81:1-40(1977))に より提供される。後者において言及されるカップリング技術は、グルタルアルデ ヒド方法、過ヨウ素酸方法、ジマレイミド方法、m-マレイミドベンジル-N-ヒド ロキシ-スクシンイミドエステル方法であり、これらの方法は全て本明細書中に 参考として援用される。 染色体アッセイ 本発明の核酸分子はまた、染色体の同定に有用である。配列は、個々のヒト染 色体上の特定の位置に特異的に標的化され、そしてその位置にハイブリダイズし 得る。さらに、現在は染色体上の特定の部位を同定する必要性がある。現在、実 際の配列データ(反復多型)に基づいた染色体標識化試薬はほとんど染色体位置 の標識に利用可能でない。本発明によるDNAの染色体へのマッピングは、これら の配列と、疾患に関連する遺伝子との相関付けにおいて重要な第1工程である。 この点における特定の好ましい実施態様において、本明細書中に開示されるcD NAは、T1R様リガンドI遺伝子のゲノムDNAをクローニングするために使用される 。これは、種々の周知の技術および一般に市販されているライブラリーを使用し て 達成され得る。次いで、ゲノムDNAは、この目的のための周知の技術を使用して インサイチュ染色体マッピングのために使用される。代表的には、染色体マッピ ングの日常的な手順に従う、いくつかの試行鉗誤が、良好なインサイチュハイブ リダイゼーションシグナルを与えるゲノムプローブを同定するために必要であり 得る。 いくつかの場合において、さらに、配列は、cDNAからPCRプライマー(好まし くは15〜25bp)を調製することにより染色体にマップされ得る。遺伝子の3'非翻 訳領域のコンピューター解析が、ゲノムDNA内で1より多いエキソンにまたがら ず、従って増幅プロセスを複雑化しないプライマーを迅速に選択するために使用 される。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイブ リッドのPCRスクリーニングに使用される。プライマーに対応するヒト遺伝子を 含むそれらのハイブリッドのみが増幅部分を生じる。 体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定の染色体に特定のDNAを割り当て るための迅速な手順である。同じオリゴヌクレオチドプライマーを本発明と共に 使用して、特定の染色体由来の部分のパネルまたは類似の様式での大きなゲノム クローンのプールを用いて、準位置決定(sublocalization)が達成され得る。染 色体にマップするために同様に使用され得る他のマッピングストラテジーは、イ ンサイチュハイブリダイゼーション、標識してフロー選別した(flow-sorted)染 色体を用いるプレスクリーニング、および染色体特異的cDNAライブラリーを構築 するためのハイブリダイゼーションによる予備選択を含む。 cDNAクローンの中期染色体スプレッド(spread)への蛍光インサイチュハイブ リダイゼーション(「FISH」)は、1工程で正確な染色体位置を提供するために 使用され得る。この技術は、50bpまたは60bpほどの短いcDNA由来のプローブを用 いて使用され得る。この技術の総説については、Vermaら,Human Chromosomes:A Manual of Basic Techniques,Pergamon Press,New York(1988)を参照のこと 。 一旦配列が正確な染色体位置にマップされると、配列の染色体上での物理的な 位置を遺伝地図のデータと相関させ得る。このようなデータは、例えば、V.McKu sick,Mendelian Inheritance in Man(Johns Hopkins University,Welch Medi cal Libraryからオンラインで入手可能である)において見出される。次いで、同 じ染色体領域にマップされた遺伝子と疾患との間の関係が、連鎖解析(物理的に 隣接した遺伝子の同時遺伝)により同定される。 次に、罹患個体と非罹患個体との間のcDNA配列またはゲノム配列における相違 を決定する必要がある。変異がいくつかまたは全ての罹患個体に観察されるが、 いずれの正常な個体にも観察されない場合、この変異は疾患の原因因子であるよ うである。 物理的マッピング技術および遺伝的マッピング技術の現在の解像度では、疾患 に関連する染色体領域に正確に位置決めされたcDNAは、50と500との間の潜在的 原因遺伝子の1つであり得る。(これは、1メガベースのマッピング解像度、お よび20kbあたり1遺伝子と仮定する)。 T1R様リガンドI障害の処置 本発明者らにより、本発明のT1R様リガンドIポリペプチドが、インターロイ キン-1(IL-1)およびT1Rリガンドと生物学的活性を共有すると考えられる。従 って、T1R様リガンドI(特に成熟形態)は、治療的効果を生じるために細胞、 組織、または個体の身体に外因的に添加され得る。特に、T1R様リガンドIタン パク質活性の標準的なレベルにおける減少により生じた障害は、本発明のT1R様 リガンドIポリペプチドの有効量を投与することにより処置され得る。好ましく は、T1R様リガンドIタンパク質活性を増加させるのに有効な量の本発明の単離 されたT1R様リガンドIポリペプチドを含む薬学的組成物が投与される。このよ うな治療が有効であるようである障害が上記でおよび下記で議論される。 当業者は、T1R様リガンドIポリペプチドの有効量が、このようなポリペプチ ドの投与が示される各々の条件について経験的に決定され得ることを認識する。 T1R様リガンドI活性を有するポリペプチドは、薬学的組成物中で、1つ以上の 薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、および/または賦形剤と組み合わせて投 与され得る。ヒト患者に投与される場合、本発明の薬学的組成物の総日使用量が 、音医療判断の範囲内で担当医により決定されることが理解される。任意の特定 の患者についての特定の治療有効用量レベルは、達成されるべき応答の型および 程 度;(もしあれば)用いられる特定の組成および他の薬剤;患者の年齢、体重、 全身の健康状態、性別、および常食:投与の時間、投与経路、および組成物の排 泄速度;処置の持続期間;特定の組成物と組み合わせるか、または同時に用いら れる薬物(例えば、化学療法剤);ならびに医療の分野で周知の同様の要素を含 む種々の要素に依存する。 治療に用いられるT1R様リガンドI組成物はまた、個々の患者の臨床状態(特 にT1R様リガンドI単独での処置の副作用)、T1R様リガンドI組成物の送達部位 、投与方法、投与スケジュール、および実施者に公知の他の要素を考慮して、良 好な医療行為と一致した様式で処方および投薬される。従って、本明細書中の目 的のためのT1R様リガンドIポリペプチドの「有効量」は、このような考慮によ って決定される。 一般的提案として、1用量あたりで非経口投与されるT1R様リガンドIポリペ プチドの総薬学的有効量は、患者の体重あたり、約0.01ng/kg/日〜10μg/kg/日 の範囲であるが、上記のように、これは治療的自由裁量に供される。より好まし くは、この用量は、少なくとも1.0ng/kg/日、そして最も好ましくはヒトについ てホルモンで、約1.0〜100ng/kg/日である。連続的に与えられる場合、T1R様リ ガンドIは、代表的には、約0.01ng/kg/時間〜約100ng/kg/時間の用量速度で、 1日あたり1〜4回の注射、または例えば、ミニポンプを用いる連続的皮下注入 のいずれかにより投与される。静脈内バック溶液もまた用いられ得る。 免疫系に影響を与えるためのT1R様リガンドIポリペプチド処置の経過は、特 定の最小日数(マウスの場合7日間)より長く持続される場合、最適であるよう である。変化を観察するために必要とされる処置の長さ、および処置後に応答が 起きるまでの間隔は、所望される効果に従って変化するようである。 T1R様リガンドIポリペプチドはまた、持続放出系により適切に投与される。 持続放出組成物の適切な例は、造形品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセ ル)の形態の半透過性ポリマーマトリックスを含む。持続放出マトリックスは、 ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、EP58,481)、L-グルタミン酸とγ-エチ ル-L-グルタメートとのコポリマー(U.Sidmanら,Biopolymers 22:547-556(198 3))、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(R.Langerら,J.Biome d Mater.Res.15:167-277(1981)およびR.Langer,Chem.Tech.12:98-105(198 2))、エチレンビニルアセテート(R.Langerら,同書)、またはポリ-D-(-)3- ヒドロキシ酪酸(EP 133,988)を含む。持続放出T1R様リガンドI組成物はまた 、リポソームに封入されたT1R様リガンドIポリペプチドを含む。T1R様リガンド Iポリペプチドを含むリポソームは、それ自体が公知の方法により調製される: DE 3,218,121;Epsteinら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688-3692(1985);Hw angら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4030-4034(1980);EP 52,322;EP 36,676 ;EP 88,046;EP 143,949;EP 142,641;日本国特許出願第83-118008号;米国特許第4 ,485,045号および同第4,544,545号;ならびにEP 102,324。通常、リポソームは、 小さな(約200〜800オングストローム)単層型のものであり、ここで脂質含量は 約30mol.%コレステロールより高く、選択される比率は、最適なT1R様リガンド I治療のために調整される。 非経口投与のために、1つの実施態様では、T1R様リガンドIポリペプチドは 、一般的に、所望の程度の純度で単位投薬量の注射可能な形態(溶液、懸濁液、 または乳濁液)のこのポリペプチドを、薬学的に受容可能なキャリア(すなわち 、用いられる投薬量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、処方物の 他の成分と適合性であるキャリア)と混合することにより処方される。例えば、 処方物は、好ましくは、酸化剤、およびポリペプチドに対して有害であることが 公知である他の化合物を含まない。 一般的に、処方物は、T1R様リガンドIポリペプチドを、液体キャリアまたは 微細に分割された固体キャリアまたはその両方と均一にかつ直接接触させること により調製される。次いで、必要な場合、産物は、所望の処方物に成形される。 好ましくは、キャリアは、非経口キャリア、より好ましくはレシピエントの血液 と等張である溶液である。このようなキャリアビヒクルの例は、水、生理食塩水 、リンゲル溶液、およびデキストロース溶液を含む。固定油およびオレイン酸エ チルのような非水性ビヒクルはまた、本明細書中で、ならびにリポソームで有用 である。 キャリアは、等張性および化学的安定性を増強する物質のような、微量の添加 剤を適切に含む。このような物質は、用いられる投薬量および濃度でレシピエン トに対して非毒性であり、そしてリン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、および他 の有機酸またはそれらの塩のような緩衝剤;アスコルビン酸のような抗酸化剤; 低分子量(約10残基未満)ポリペプチド(例えば、ポリアルギニンまたはトリペ プチド);血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンのようなタンパク 質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン酸、 アスパラギン酸、またはアルギニンのようなアミノ酸;セルロースもしくはその 誘導体、グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む、単糖類、二糖類 、および他の炭水化物;EDTAのようなキレート化剤;マンニトールまたはソルビ トールのような糖アルコール;ナトリウムのような対イオン;ならびに/あるい はポリソルベート、ポロオキサマー(poloxamer)またはPEGのような非イオン性 界面活性剤を含む。 T1R様リガンドIは、代表的に、このようなビヒクルに、約0.001ng/ml〜500ng /ml、好ましくは0.1〜10ng/mlの濃度で、約3〜8のpHで処方される。上述の賦 形剤、キャリア、または安定化剤の特定のものの使用が、T1R様リガンドI塩の 処方物をもたらすことが理解される。 治療的投与のために用いられるべきT1R様リガンドIは、無菌でなければなら ない。無菌は、無菌の濾過メンブレン(例えば、0.2ミクロンメンブレン)を通 しての濾過により容易に達成される。治療的T1R様リガンドI組成物は、一般的 に、無菌の出入り口を有する容器(例えば、静脈内溶液バッグまたは皮下注射針 が貫通し得るストッパーを有するバイアル)に入れられる。 T1R様リガンドIは、通常、単位用量または多回用量の容器(例えば、シール されたアンプルまたはバイアル)において、水溶液または再構成のための凍結乾 燥処方物として保存される。凍結乾燥処方物の1例として、10mlバイアルが、無 菌濾過された1%(w/v)水性T1R様リガンドI溶液5mlで満たされ、そして得ら れた混合物は凍結乾燥される。注入溶液は、凍結乾燥されたT1R様リガンドIを 、静菌性の注射用蒸留水を用いて再構成することにより調製される。 例えば、満足できる結果は、1回または分割された用量で、1日あたり1〜4 回投与される、0.05〜5000ng/kg/日、好ましくは0.1〜1000ng/kg/日、より好ま しくは10〜100ng/kg/日のオーダーの投薬量における、T1R様リガンドI活性を有 するポリペプチドの経口投与により得られる。例えば、i.v.点滴または注入によ る非経口投与では、0.01〜500ng/kg/日、好ましくは0.05〜100ng/kg/日、そして より好ましくは0.1〜50ng/kg/日のオーダーの投薬量が用いられ得る。従って、 患者に対して適切な日投薬量は、2.5ng〜250μg(経口)、好ましくは5ng〜50 μg(経口)、より好ましくは50ng〜12.5μg(経口)のオーダーであるか、また は0.5ng〜25μg(静注)、好ましくは2.5ng〜500μg(静注)、そしてより好ま しくは5ng〜2.5μg(静注)のオーダーである。 T1R様リガンドI抗体治療 本発明により、上昇したレベルのT1R様リガンドIタンパク質活性により生じ る障害は、本発明のT1R様リガンドIポリペプチドのアンタゴニストの有効量を 投与することにより処置され得る。それゆえ、T1R様リガンドIレセプターへの 結合についてインタクトなタンパク質と競合する可溶性のT1R様リガンドIタン パク質(例えば、細胞外ドメイン)と同様に、本発明のT1R様リガンドIポリペ プチドを結合する抗体(好ましくはモノクローナル)または抗体フラグメントは 、T1R様リガンドI関連障害の処置において有用である。このような抗体および /または可溶性T1R様リガンドIタンパク質は、好ましくは薬学的に受容可能な 組成物において提供される。 本発明の薬学的組成物は、例えば、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、 経皮、または頬の経路により投与され得る。あるいは、または同時に、投与は、 経口であり得る。投与される投薬量は、レシピエントの年齢、健康状態、および 体重、(もしあれば)同時処置の種類、処置の頻度、ならびに所望される効果の 性質に依存する。 本発明の範囲内の組成物は、抗体、フラグメント、または誘導体が、その意図 される目的を達成するために有効な量で含まれる全ての組成物を含む。個々の必 要性は異なるが、各成分の有効量の最適な範囲の決定は、当該分野の技量の範囲 内である。有効用量は、個々のキメラ抗体またはモノクローナル抗体、結合した 治療剤(下記を参照のこと)の存在および性質、患者およびその臨床状態の関数 であり、そして約10ng/kg体重〜約100mg/kg体重で変化し得る。好ましい投薬量 は、0.1〜10mg/kg体重を含む。 イメージングのための検出可能に標識された形態、または治療のための遊離も しくは結合した形態のような、非経口投与のためのT1R様リガンドI抗体または フラグメントの調製物は、無菌の水性または非水性の溶液、懸濁液、および乳濁 液を含む。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール 、植物油(例えばオリーブ油)、および注入可能な有機エステル(例えば、オレ イン酸エチル)である。水性キャリアは、生理食塩水および緩衝化媒体を含む、 水、アルコール/水溶液、乳濁液、または懸濁液、塩化ナトリウム溶液を含む非 経口ビヒクル、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム 、乳酸加リンゲル、または固定油を含む。静脈内ビヒクルは、流体補充物および 栄養補充物(replenisher)(例えば、リンゲルデキストロースに基づく補充物 )などを含む。保存剤および他の添加剤はまた、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キ レート化剤、および不活性ガスなどのように存在し得る。一般的に、Remington' s Pharmaceutical Science,第16版,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1980 を参照のこと。 本明細書中に記載される抗体は、他のモノクローナル抗体またはキメラ抗体と 、あるいは抗体と相互作用するエフェクター細胞の数もしくは活性を増加させる のに役立つ、リンホカインまたは造血性増殖因子などと組み合わせて有利に利用 され得る。 T1R様リガンドIの予想される多面的な生物学的効果 本発明のT1R様リガンドIポリペプチドは、下記の表1に示される多くの効果 を含む多面的な生物学的効果を有すると予想される。同様の生物学的効果は、IL -1について、特に、膵臓内分泌組織(Mandrup-Poulsen,T.ら,Cytokine 5:185( 1993))、甲状腺(Rasmussen,A.K.,Autoimmunity 6:141(1993))、視床下部− 下垂体−副腎軸(Fantuzzi,G.,およびGhezzi,P.,Mediator Inflamm.2:263(1 993);Rivier,C.,Ann.NY Acad.Sci.697:97(1993);Rivler,C.,およびRivest ,S.,Ciba.Found.Symp.172:204(1993))、発熱(Coceani,F.,「Fever:Basi c Mechanisms and Management」,New York,NY,Raven(1991)59 頁)、骨代謝(Takakis,D.N.,J.Peridontol 64:416(1993))、慢性関節リウ マチの病因における軟骨の破壊(Arend,W.P.,およびDayer,J.M.,Arthritis Rheum 33:305(1990);Krane,S.M.ら,Ann.NY Acad.Sci.580:340(1990))、子 宮着床(Lewis,M.P.ら,Placenta 15:13(1994))、および赤身体質量の損失(R oubenoff,R.ら,J.Clin.Invest.93:2379(1994))に関連したものについて示 されている。 表1.T1R様リガンドIの可能な生物学的効果 用いたアッセイ:膵臓内分泌組織(Mandrup-Poulsen,T.ら,Cytokine 5:185(19 93))、甲状腺(Rasmussen,A.K.,Autoimmunity 16:141(1993))、視床下部-下 垂体-副腎軸(Fantuzzi,G.およびGhezzi,P.,Mediator Inflamm.2:263(1993) ;Rivier,C.,Ann.NY Acad.Sci.697:97(1993);Rivier,C.,およびRivest,S .,Ciba.Found.Symp.172:204(1993))、発熱(Coceani,F.,「Fever:Basic Mechanisms and Management」,New York,NY,Raven(1991)59頁)、骨代謝( Tatakis,D.N.,J.Peridontol 64:416(1993))、慢性関節リウマチの病因にお ける軟骨の破壊(Arend,W.P.およびDayer,J.M.,Arthritis Rheum 33:305(199 0);Krane,S.M.ら,Ann.NY Acad.Sci.580:340(1990))、子宮着床(Lewis,M .P.ら,Placenta 15:13(1994))および赤身体質量の損失(Roubenoff,R.ら,J .Clin.Invest.93:2379(1994))。 本発明を一般的に記載してきたが、本発明は、例示のために提供され、そして 限定することを意図しない以下の実施例を参照することにより、さらに容易に理 解される。 実施例1:E.coliにおけるT1R様リガンドIの発現および精製 寄託されたcDNAクローンにおいて成熟T1R様リガンドIをコードするDNA配列を 、T1R様リガンドIのアミノ酸末端配列および遺伝子に対してベクター配列3'に 特異的なPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅した。クローニングを 容易にするための制限部位を含むさらなるヌクレオチドを、それぞれ5'および 3'の配列に添加した。 当業者は、完全長成熟T1R様リガンドIタンパク質(約28〜約217アミノ酸)が 、適切な5'および3'オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、E.coliにおいて発 現し得ることを理解する。 寄託されたクローンにおける完全長T1R様リガンドIの細胞外ドメインをコー ドするcDNA配列を、遺伝子の5'および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチド プライマーを用いて増幅する。5'オリゴヌクレオチドプライマーは、配列5’CGC CCA TGG AGC TCA CCT TCG AGC TG 3'(配列番号4)を有し、これは下線を付し たNcoI制限部位を含み、続いて図1(配列番号1)の配列をコードするT1R様リ ガンドIタンパク質の17ヌクレオチド(ヌクレオチド170〜186)は、シグナルペ プチドの直後で開始する。 3'プライマーは、配列5’CGC AAG CTT TCA TCG GCT ATT AAG GTC TTC 3'(配 列番号5)を有し、これはHindIII制限部位を含み、続いて図1(配列番号1) の配列をコードするT1R様リガンドIのヌクレオチド604〜621に相補的でありそ して逆方向である停止コドンおよび18ヌクレオチドを含む。 制限部位は、細菌発現ベクターpQE60の制限酵素部位に対して都合良く、これ らの実施例においてM15/rep4宿主細胞における細菌発現のために使用した(Qiag en,Inc.Chatsworth,CA,91311)。pQE60は、アンピシリン抗生物質耐性(「A mpr」)をコードし、細菌の複製起点(「ori」)、IPTG誘導プロモーター、リボ ソーム結合部位(「RBS」)、6-Hisタグ、および制限酵素部位を含む。 増幅されたT1R様リガンドIDNAおよびベクターpQE60の両方をNcoIおよびHindII Iで消化し、次いで消化されたDNAを一緒に連結する。T1R様リガンドIDNAの制限 されたpQE60ベクターへの挿入は、T1R様リガンドIコード領域を、ベクターのIP TG誘導プロモーターの下流に、かつこれに作動可能に連結するように、そしてT1 R様リガンドIの翻訳のために適切に位置される開始AUGにインフレームに配置す る。 連結混合物を、標準的な手順を用いて、コンピテントなE.coli細胞に形質転換 した。このような手順は、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manu al、第2版;Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y .(1989)に記載されている。複数のコピーのプラスミドpREP4(これは、lacリプ レッサーを発現し、そしてカナマイシン耐性(Kanr)を付与する)を含有するE .coli株M15/rep4を本明細書に記載の例示的な実施例を行うにあたって使用する 。この株(これは、T1R様リガンドIを発現するために適切である多くの株の内 の唯一である)は、Qiagenから市販されている。 形質転換体を、アンピシリンおよびカナマイシンの存在下でLBプレート上で増 殖するそれらの能力により同定する。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し 、そしてクローン化DNAの同定を制限分析により確認する。 所望の構築物を含むクローンを、アンピシリン(100μg/ml)とカナマイシン (25μg/ml)との両方を補充したLB培地における液体培養で一晩(「O/N」)増 殖した。 O/N培養物を用いて約1:100〜1:250の希釈で大規模培養に接種した。細胞を、0 .4と0.6との間の600nmでの吸光度(「OD600」)にまで増殖させる。次いで、イ ソプロピル-B-D-チオガラクトピラノシド(「IPTG」)を加えて1mMの最終濃度 にし、lacIリプレッサーを不活性化することにより、lacリプレッサー感受性プ ロモーターからの転写を誘導する。細胞をさらに3〜4時間引き続きインキュベ ートする。次いで、標準的方法によって細胞を遠心分離により採集し、そして破 壊する。日常的な回収技術を用いて破壊した細胞から封入体を精製し、そしてタ ンパク質を封入体から8M尿素中へ可溶化する。可溶化したタンパク質を含む8 M尿素溶液を、2×リン酸緩衝化生理食塩水(「PBS」)中でPD-10カラムを通し 、それによって尿素を除去し、緩衝液を交換し、そしてタンパク質を再び折り畳 む。タンパク質をクロマトグラフィーのさらなる工程によって精製してエンドト キシンを除去する。次いで、濾過滅菌した。濾過滅菌したタンパク質調製物を、 95μ/mlの濃度の2×PBS中で保存する。 ポリアクリルアミドゲル電気泳動の標準的な方法による調製物の分析は、調製 物が、約18kDaの推定分子量を有する約95%のモノマーT1R様リガンドIを含むこ とを明らかにした。 実施例2:バキュロウイルス発現系におけるT1R様リガンドIのクローニングお よび発現 寄託されたクローンにおける完全長T1R様リガンドIをコードするcDNA配列を 、この遺伝子の5'配列および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライ マーを用いて増幅する: 5'プライマーは、配列5'CGC GGA TCC GCC ATC ATG GGC AGC ACT GTC CCG 3' (配列番号6)を有し、下線を付したBamHI制限酵素部位を含み、続いて図1の 配列(配列番号1)をコードするT1R様リガンドIの18ヌクレオチド(ヌクレオ チド88〜105)を含む。以下に記載のように発現ベクターに挿入した、T1R様リガ ンドIをコードする増幅したフラグメントの5'末端は、有効なシグナルペプチド を提供する。真核生物細胞における翻訳の開始に有効なシグナルは、Kozak,M. ,J.Mol.Biol.196:947-950(1987)によって記載されるように、構築物のベクタ ー部分に適切に配置される。 3'プライマーは、配列5’CGC GGT ACC TCA CTG CTC CAG CCT GGG GC 3'(配 列番号7)を有し、これは下線を付したAsp718制限部位を含み、続いて図1に示 す配列をコードするT1R様リガンドIのヌクレオチド604〜621(配列番号1)に 相補的でありそして逆である停止コドンおよび18ヌクレオチドを含む。 寄託されたクローンにおける完全長T1R様リガンドIの細胞外ドメインをコー ドするcDNA配列を、この遺伝子の5'および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレ オチドプライマーを用いて増幅する: 5'プライマーは、配列5’CGC GGA TCC GCC ATC ATG GGC AGC ACT GTC CCG 3' (配列番号6)を有し、下線を付したBamHI制限酵素部位を含み、続いて図1の 配列(配列番号1)をコードするT1R様リガンドIの18ヌクレオチド(ヌクレオ チド88〜105)を含む。以下に記載のように発現ベクターに挿入した、T1R様リガ ンドIをコードする増幅したフラグメントの5'末端は、有効なシグナルペプチド を提供する。真核生物細胞における翻訳の開始に有効なシグナルは、Kozak,M. ,J.Mol.Biol.196:947-950(1987)によって記載されるように、構築物のベク ター部分に適切に配置される。 3'プライマーは、配列5’CGC GGT ACC TCA TCG GCT ATT AAG GTC TTC 3'(配 列番号8)を有し、これは下線を付したAsp718制限部位を含み、続いて図1に示 す配列をコードするT1R様リガンドIのヌクレオチド604〜621(配列番号1)に 相補的でありそして逆である停止コドンおよび18ヌクレオチドを含む。 増幅されたフラグメントを、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca.)を用いて、1%アガロースゲルより単離する。次いで、このフラグ メントをBamHIおよびAsp718で消化し、そして1%アガロースゲルで再び精製す る。このフラグメントを、本明細書中でF2と命名する。 ベクターpA2を用いて、Summersら、A Manual of Methods for Baculovirus Ve ctors and Insect Cell Culture Procedures,Texas Agricultural Experimenta l Station Bulletin No.1555(1987)に記載の標準的な方法を用いて、完全長T 1R様リガンドIおよびT1R様リガンドIの細胞外ドメインをバキュロウイルス発 現系において発現する。 ベクターpA2を用いて、T1R様リガンドI完全長およびT1R様リガンドIの細胞 外ドメインをバキュロウイルス発現系において、Summersら、A Manual of Metho ds for Baculovirus Vectors and Insect Cell Culture Procedures,Texas Agr icultural Experimental Station Bulletin No.1555(1987)に記載の標準的な 方法を用いて発現する。pA2ベクターは、シグナルペプチドコード領域を含まな い。従って、T1R様リガンドIシグナルペプチドは、(図1のヌクレオチド88〜1 68(配列番号1));図1のアミノ酸1〜27(配列番号2)に依存する。 T1R様リガンドIシグナルペプチドが、T1R様リガンドIタンパク質の有効な発 現を生じない場合、pA2ベクターのかわりにpA2-GPベクターを使用し得る。AcMNP V gp67のシグナルペプチド(N末端メチオニンを含む)は、BamHI部位のちょう ど上流に位置する。当業者は、pA2-GP発現ベクターを使用する場合、使用される 5'オリゴヌクレオチドは、T1R様リガンドIシグナルペプチドをコードする配列 を含むはずではないことを理解する。かわりに、5'オリゴヌクレオチドは、ヌク レオチド169で開始するはずである。 pA2およびpA2-GPの両方の発現ベクターは、Autographa californica核多角体 病ウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーター、それに続く都合のい い制限部位を含む。AcMNPV gp67のシグナルペプチド(N末端メチオニンを含む )は、BamHI部位のちょうど上流に位置する。シミアンウイルス40(「SV40」) のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化のために用いる。組換えウイ ルスの容易な選択のために、E.coli由来のβガラクトシダーゼ遺伝子をポリヘド リンプロモーターと同方向に挿入し、そしてポリヘドリン遺伝子のポリアデニル 化シグナルが続く。ポリヘドリン配列を、野生型ウイルスDNAとの細胞媒介性相 同組換えのためにウイルス配列によって両側に隣接させ、クローン化ポリヌクレ オチドを発現する生存可能なウイルスを生成する。 当業者が容易に理解するように、構築が転写、翻訳、輸送などのために適切に 位置したシグナル(例えば、必要ならばインフレームでのAUGおよびシグナルペ プチド)を提供する、多くの他のバキュロウイルスベクター(例えば、pAc373、 pVL941、およびpAcIM1)が、pA2またはpA2-GPの代わりに用いられ得る。このよ うなベクターは、とりわけ、Luckowら、Virology,170:31-39に記載される。 当該分野で公知の日常的な手順を用いて、プラスミドを制限酵素XbaIで消化し 、次いでウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化する。次いで、市販のキット (「Geneclean」BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca)を用いてDNAを1%アガロースゲ ルから単離する。このベクターDNAを、本明細書中で「V2」と命名する。 フラグメントF2および脱リン酸化プラスミドV2を、T4 DNAリガーゼでともに連 結する。E.coli HB101細胞を連結混合物で形質転換し、そして培養プレート上に 播く。XbaIを用いて個々のコロニーからのDNAを消化し、次いでゲル電気泳動に よって消化産物を分析することによって、ヒトT1R様リガンドI遺伝子を有する プラスミドを含む細菌を同定する。クローン化フラグメントの配列を、DNA配列 決定により確認する。このプラスミドを、本明細書中でpBacT1R-like ligand I と命名する。 5μgのプラスミドpBacT1R-like ligand Iを、FelgnerらProc.Natl.Acad.S ci.USA 84:7413-7417(1987)によって記載されるリポフェクション法を用いて、 1.0μgの市販の線状化バキュロウイルスDNA(「BaculoGoldTM baculovirus DNA 」,Pharmingen,San Diego,CA.)とともに同時トランスフェクトする。1μgの BaculoGoldTMウイルスDNAおよび5μgのプラスミドpBacT1R-like ligand Iを、5 0μlの無血清グレース培地(Life Technologies Inc.,Gaithersburg,MD)を含 むマイクロタイタープレートの無菌ウェル中で混合する。その後、10μlのリポ フェクチンおよび90μlのグレース培地を添加し、混合し、そして室温にて15分 間インキュベートする。次いで、そのトランスフェクション混合物を、無血清グ レース培地1mlを有する35mm組織培養プレート内に播種されたSf9昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に滴下する。プレートを、新たに添加した溶液を混合するために、 前後に振盪する。次いでプレートを、27℃で5時間インキュベートする。5時間 後、トランスフェクション溶液をプレートから除去し、そして10%ウシ胎児血清 を補充した1mlのグレース昆虫培地を添加する。プレートをインキュベーターに 戻し、そして27℃で4日間培養を続ける。 4日後、上清を回収し、そしてSummersおよびSmith(上記で引用)に記載され るようにプラークアッセイを行う。青く染色されたプラークを産生するgal発現 クローンの容易な同定および単離を可能にするために、「Blue Gal」(Life Tec hnologies Inc.,Gaithersburg)を有するアガロースゲルを用いる。(このタイ プの「プラークアッセイ」の詳細な説明はまた、Life Technologies Inc.、Gait hersburg、で配布される昆虫細胞培養およびバキュロウイルス学の使用者ガイ ド(9〜10頁)においても見い出され得る)。 連続希釈の4日後、ウイルスを細胞に添加する。適切なインキュベーションの 後、青く染色されたプラークをエッペンドルフピペットのチップで拾う。次いで 、組換えウイルスを含む寒天を、200μlのグレース培地を含むエッペンドルフチ ューブ中に再懸濁する。寒天を、短時間の遠心分離により除去し、そして組換え バキュロウイルスを含む上清を、35mmディッシュに播種されたSf9細胞に感染す るために用いる。4日後、これらの培養ディッシュの上清を回収し、次いでそれ らを4℃で保存する。適切に挿入されたhESSB I、II、およびIIIを含むクローン を、この制限マッピングおよび配列決定を含むDNA分析によって同定する。これ を、本明細書中でV-T1R-like ligand Iと命名する。 Sf9細胞を、10%熱不活化FBSを補充したグレース培地中で増殖する。細胞を、 約2(約1〜約3)の感染多重度(「MOI」)で組換えバキュロウイルスV-T1R-li ke ligand Iで感染させる。6時間後、その培地を除去し、そしてメチオニンお よびシステインを除いたSF900 II培地(Life Technologies Inc.,Gaithersburg から入手可能)に置き換える。42時間後、5μCiの35S-メチオニンおよび5μC iの35S-システイン(Amershamから入手可能)を添加する。細胞をさらに16時間 インキュベートし、次いで細胞を遠心分離により収集し、溶解し、そして標識さ れたタンパク質をSDS-PAGEおよびオートラジオグラフィーにより可視化する。 実施例3:哺乳動物細胞におけるクローニングおよび発現 哺乳動物細胞における、T1R様リガンドIタンパク質遺伝子配列の一過的発現 に使用されるベクターのほとんどは、SV40複製起点を有するはずである。このこ とは、ウイルスDNA合成の開始に必要なT抗原を発現する細胞(例えば、COS細胞 )において、高コピー数のベクターの複製を可能にする。任意の他の哺乳動物 細胞株もまた、この目的に利用し得る。 代表的な哺乳動物発現ベクターは、プロモーターエレメント(mRNAの転写の開 始を媒介する)、タンパク質コード配列、ならびに転写の終結および転写物のポ リアデニル化に必要なシグナルを含む。さらなるエレメントとしては、エンハン サー、ドナーによって隣接するKozak配列および介在配列、ならびにRNAスプライ シングのためのアクセプター部位が挙げられる。非常に有効な転写を、SV40由来 の初期および後期プロモーター、レトロウイルス由来の長末端反復(LTR)(例 えば、RSV、HTLVI、HIVI)ならびにサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモ ーターで達成し得る。しかし、細胞シグナルもまた使用され得る(例えば、ヒト アクチンプロモーター)。本発明の実施における使用に適切な発現ベクターとし ては、例えば、pSVLおよびpMSG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、pRSVcat(ATC C 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)、ならびにpBC12MI(ATCC 67109)のような ベクターが挙げられる。使用し得る哺乳動物宿主細胞としては、ヒトHela、283 、H9およびJurkat細胞、マウスNIH3T3およびC127細胞、Cos1、Cos7およびCV1、 アフリカミドリザル細胞、ウズラQC1-3細胞、マウスL細胞、ならびにチャイニ ーズハムスター卵巣細胞が挙げられる。 あるいは、遺伝子は、染色体に取り込まれるその遺伝子を含む安定な細胞株に おいて発現され得る。選択マーカー(例えば、dhfr、gpt、ネオマイシン、ハイ グロマイシン)どの同時トランスフェクションは、トランスフェクト細胞の同定 および単離を可能にする。 トランスフェクトされた遺伝子はまた、増幅されて大量のコードされるタンパ ク質を発現し得る。DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)は、目的の遺伝子の数百 または数千ものコピーを有する細胞株を開発するのに有用なマーカーである。別 の有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら、 Biochem J.227:277-279(1991);Bebbingtonら、Bio/Technology 10.169-175(19 92))。これらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地において増殖さ せ、そして最も高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は染色体に取 り込まれる増幅遺伝子(単数または複数)を含む。チャイニーズハムスター卵巣 (CHO)細胞は、タンパク質の産生にしばしば使用される。 発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモーター(LT R)(Cullenら、Molecular and Cellular Biolugy,438-4470(1985年3月)) およびCMV-エンハンサーのフラグメント(Boshartら、Cell 41:521-530(1985) )を含む。複数のクローニング部位(例えば、制限酵素切断部位BamHI、XbaI、 およびAsp718)は、目的の遺伝子のクローニングを容易にする。ベクターはさら に、ラットプレプロインシュリン遺伝子の3'イントロン、ポリアデニル化、およ び終結シグナルを含む。 実施例3(a):COS細胞におけるクローニングおよび発現 発現プラスミドを、T1R様リガンドIをコードするcDNAを発現ベクターpcDNAI/ Amp(Invitrogen,Inc.から入手し得る)内へクローニングすることによって作製 する。 発現ベクターpcDNAI/ampは以下:(Dower,Colotta,F.ら、Immunol Today 15 :562(1994))E.coliおよび他の原核生物細胞における増殖に効果的なE.coli複製 起点;(Greenfeder,S.A.ら、J.Biol.Chem.270:13757(1995))プラスミド含 有原核生物細胞の選択のためのアンピシリン耐性遺伝子;(Polan,M.L.ら、Am .J.Obstet.Gynecol.170:1000(1994))真核生物細胞における増殖のためのSV 40複製起点;(Carinci,Mora,M.ら、Prog.Clin.Biol.Res.349:205(1990) )CMVプロモーター、ポリリンカー、SV40イントロン;および、cDNAが、都合良 くCMVプロモーターの発現制御下におかれ、そしてポリリンカーにおける制限部 位によってSV40イントロンおよびポリアデニル化シグナルに作動可能に連結し得 るように配列されたポリアデニル化シグナルを含む。 完全T1R様リガンドI前駆体をコードするDNAフラグメントおよびその3'末端に インフレームで融合しHAタグを、ベクターのポリリンカー領域にクローン化し、 その結果組み換えタンパク質発現をCMVプロモーターによって導かれる。HAタグ は、Wilsonら、Cell 37:767(1984)によって記載されるインフルエンザ血液凝集 素タンパク質由来のエピトープに対応する。標的タンパク質へのHAタグの融合は 、HAエピトープを認識する抗体を用いる組換えタンパク質の簡単な検出を可能に する。 プラスミド構築ストラテジーは以下のようである。 寄託されたクローンのT1R様リガンドI cDNAを、上記のE.coliにおけるT1R様 リガンドIの発現のための発現ベクターの構築についてと同様に、都合の良い制 限部位を含むプライマーを用いて増幅する。発現されたT1R様リガンドIの検出 、精製、および特徴づけを容易にするために、1つのプライマーは、上記のよう に血液凝集素タグ(「HAタグ」)を含む。 当業者は、完全長T1R様リガンドIタンパク質(約1〜約217アミノ酸)を、適 切な5'および3'オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、COS細胞において発現 し得ることを理解する。 寄託されたクローンにおける完全長T1R様リガンドIの細胞外ドメインをコー ドするcDNA配列を、遺伝子の5'および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチド プライマーを用いて増幅する。 5'プライマーは、配列5’CGC GGA TCC GCC ATC ATG GGC AGC ACT GTC CCG 3' (配列番号6)を有し、これは下線を付したBamHI部位および配列番号1のヌク レオチド88-105に対応する18ヌクレオチドを有する。 3'プライマーは、下線を付したXbaI部位、停止コドン、ヘマグルチニンHAタグ を形成した後の9コドン、および18bPの3'コード配列を含み、以下の配列を含む : 配列番号1の逆相補体の604〜621として、5’CGC TCT AGA TCA AGC GTA GTC T GG GAC GTC GTA TGG GTA TCG GCT ATT AAG GTC TTC 3'(配列番号9)。 PCR増幅DNAフラグメントおよびベクターpcDNAI/AmpをBamHIおよびXbaIで消化 し、次いで連結する。連結混合物を、E.coli株SUREへ形質転換し(Stratagene Cl oning Systems,11099 North Torrey Pines Road,La Jolla,CA 92037より入手 可能)、そして形質転換培養物を、次いでインキュベートしてアンピシリン耐性 コロニーの増殖を可能にするアンピシリン培地プレートへプレーティングする。 プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し、T1R様リガンドI-コードフラグメン トの存在について制限分析およびゲルサイズ画分によって試験する。 組換えT1R様リガンドIの発現のために、COS細胞を、例えば、Sambrookら,Mo lecular Cloning:A Laboratory Mannual,Cold Spring Laboratory Press,Col d Spring Harbor,New York(1989)に記載のDEAE-DEXTRANを用いて、上記のよう に発現ベクターでトランスフェクトする。細胞をベクターによるhuXAG-1の発現 のための条件下でインキュベートする。 T1R様リガンドI HA融合タンパク質の発現を、例えば、Harlowら,Antibodies :A Laboratory Manual,第2版;Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Sp ring Harbor,New York(1988)に記載の方法を用いて放射標識化および免疫沈降 法によって検出する。この目的を達するため、トランスフェクションの2日後に 、細胞を、35S-システインを含む培地中で8時間インキュベートすることによっ て標識する。細胞および培地を回収し、そして細胞を洗浄し、そしてWilsonら( 上記に引用された)に記載されるように界面活性剤含有RIPA緩衝液:150mM NaCl 、1% NP-40、0.1% SDS、1% NP-40、0.5% DOC、50mM TRIS、pH7.5で溶解す る。タンパク質を、HA特異的モノクローナル抗体を用いて細胞溶解物および培養 培地から沈降する。次いで、沈降されたタンパク質をSDS-PAGEゲルおよびオート ラジオグラフィーによって分析する。期待されるサイズの発現産物が細胞溶解物 において観察され、これはネガティブコントロールにおいては観察されない。 実施例3(b):CHO細胞におけるクローニングおよび発現 ベクターpC4を、T1R様リガンドIタンパク質の発現のために使用する。プラス ミドpC4は、プラスミドpSV2-dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体である。この プラスミドは、SV40初期プロモーターの制御下で、マウスDHFR遺伝子を含む。こ れらのプラスミドでトランスフェクトされるジヒドロ葉酸活性を欠如するチャイ ニーズハムスター卵巣細胞または他の細胞は、化学治療剤メトトレキサートを補 充した選択培地(αマイナスMEM、Life Technologies)中で細胞を増殖させるこ とによって選択され得る。メトトレキサート(MTX)に耐性である細胞におけるD HFR遺伝子の増幅は、よく考証されている(例えば、Alt,F.W.,Kellems,R.M. ,Bertino,J.R.およびSchimke,R.T.,1978,J.Biol.Chem.253:1357-1370、 Hamlin,J.L.およびMa,C.1990,Biochem.et Biophys.Acta,1097:107-143、P age,M.J.およびSydenham,M.A.1991,Biotechnology第9巻:64-68を参照のこと )。漸増濃度のMTXにおける細胞増殖は、DHFR遺伝子の増幅の結果として、標 的酵素DHFRを過剰産生することによって薬物への耐性を生じる。第二の遺伝子が DHFR遺伝子に連結される場合、通常、同時増幅され、そして過剰発現される。遺 伝子の1,000を越えるコピーを有する細胞株を開発することは最先端である。続 いて、メトトレキサートが取り除かれる場合、細胞株は、染色体(単数または複 数)に取り込まれる増幅遺伝子を含む。 プラスミドpC4は、ラウス肉腫ウイルス(Cullenら、Molecular and Cellulor biology.,1985年3月438-4470)の長末端反復(LTR)の目的の強力なプロモー ターの遺伝子、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)(Boshartら、Cell 41 :521-530,1985)の最初期遺伝子のエンハンサーから単離されたフラグメントの 遺伝子の発現を含む。プロモーターの下流は、続く遺伝子の取り込みを可能にす るBamHI、PvuIIおよびNrulの単一の制限酵素切断部位である。これらのクローニ ング部位の後ろに、プラスミドは、3つ全てのリーディングフレーム中の転写ス トップコドン、続いてラットプレプロインシュリン遺伝子の3'イントロンおよび ポリアデニル化部位を含む。他の高効率プロモーターもまた、発現のために使用 し得る(例えば、ヒトβアクチンプロモーター、SV40初期もしくは後期プロモー ター、または他のレトロウイルス(例えば、HIVおよびHTLVI)からの長末端反復 )。mRNAのポリアデニル化のために、他のシグナル(例えば、ヒト成長ホルモン またはグロビン遺伝子由来)も同様に使用し得る。 染色体に挿入された目的の遺伝子を有する安定な細胞株もまた、選択マーカー (例えば、gpt、G418、またはハイグロマイシン)での同時トランスフェクトに 基づいて選択し得る。開始における2つ以上の選択マーカー(例えば、G418およ びメトトレキサート)を使用することが有用である。 プラスミドpC4を制限酵素BamHIで消化し、次いでウシ小腸ホスファターゼを用 いて、当該分野で公知の手順によって脱リン酸化する。次いで、ベクターを、1 %アガロースゲルから単離する。 T1R様リガンドIタンパク質をコードするDNA配列を、T1R様リガンドIタンパ ク質のアミノ末端配列および遺伝子のベクター配列3'に特異的なPCRオリゴヌク レオチドプライマーを用いて増幅する。クローニングを容易にするための制限部 位を含むさらなるヌクレオチドを、それぞれ5'および3'配列に付加する。 全長T1R様リガンドIをコードするcDNA配列を、遺伝子の5'および3'配列に対 応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅する。5'プライマーは、 配列5’CGC GGA TCC GCC ATC ATG GGC AGC ACT GTC CCG 3'(配列番号6)を有 し、これは、下線を付したBamHI制限酵素部位、続いて図1(配列番号1)のT1R 様リガンドIの配列の18ヌクレオチド(ヌクレオチド88〜105)を含む。発現ベ クター(以下に記載)に挿入した、ヒトT1R様リガンドIをコードする増幅した フラグメントの5'末端は、有効なシグナルペプチドを提供する。真核生物細胞に おける翻訳開始のために十分なシグナル(Kozak,M.,J.Mol.Biol.196:947-9 50(1987)によって記載される)を、構築物のベクター部分に適切に配置する。 3'プライマーは、配列5'GCG GGT ACC TCA CTG CTC CAG CCT GGG GC 3'(配列 番号9)を有し、これは、下線を付したAsp7l8制限、続いて停止コドンおよび図 1(配列番号1)のT1R様リガンドIコード配列のヌクレオチド771〜787と逆な らびに相補的な17ヌクレオチドを含む。制限部位は、CHO発現ベクターPC4におけ る制限酵素部位に都合がよい。 全長T1R様リガンドIの細胞外ドメインをコードするcDNA配列を、遺伝子の5' および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅する。 5'プライマーは、配列5'CGC GGA TCC GCC ATC ATG GGC AGC ACT GTC CCG 3'( 配列番号6)を有し、これは、下線を付したBamHI制限酵素部位、および図1のT 1R様リガンドIの配列の18ヌクレオチド(ヌクレオチド88〜105)(配列番号1 )を含む。発現ベクター(以下に記載)に挿入した、T1R様リガンドIをコード する増幅したフラグメントの5'末端は、有効なシグナルペプチドを提供する。真 核生物細胞における翻訳開始のために有効なシグナル(Kozak,M.,J.Mol.Bio l.196:947-950(1987)によって記載される)を、構築物のベクター部分に適切に 配置する。 3'プライマーは、配列5’CGC GGT ACC TCA TCG GCT ATT AAG GTC TTC 3'(配 列番号8)を有し、これは、下線を付したAsp718制限、続いて停止コドンおよび 図1(配列番号1)のT1R様リガンドIコード配列のヌクレオチド604〜621と逆 および相補的な18ヌクレオチドを含む。 増幅したT1R様リガンドI DNAを、BamHIおよびAsp718で消化する。ベクターpC 4をBamHIで消化し、次いで消化したDNAをともに連結する。次いで、単離された フラグメントおよび脱リン酸化ベクターをT4 DNAリガーゼで連結する。T1R様リ ガンドIタンパク質DNAのBamHIで制限されたベクターへの挿入は、T1R様リガン ドIタンパク質コード領域をベクターのプロモーターの下流に配置し、そしてベ クターのプロモーターに作動可能に連結する。次いで、E.coli HB101細胞を形質 転換し、そして制限酵素BamHIを用いて正しい配向に挿入されたプラスミドpC4を 含む細菌を同定する。連結混合物を、例えば、Sambrookら、MOLECUAR CLONING:A LABORATORY MANUAL、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Sp ring Harbor,N.Y.(1989)に記載されるような標準的な手順を用いて、コンピテ ントなE.coli細胞に形質転換する。形質転換培養物を、アンピシリン培地プレー トにプレーティングし、次いでインキュベートして、アンピシリン耐性コロニー の増殖を可能にする。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し、そしてT1R様リ ガンドIコードフラグメントの配列について、制限分析およびゲル測定すること によって試験する。挿入した遺伝子の配列を、DNA配列決定によって確認する。 CHO-DHFR細胞のトランスフェクション 活性なDHFR酵素を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トランスフェ クションのために使用する。5μgの発現プラスミドpC4を、リポフェクチン(Fe lgnerら、前出)を用いて、0.5μgのプラスミドpSV2-neoとともに同時トランス フェクトする。プラスミドpSV2-neoは優性選択マーカー(G418を含む一群の抗生 物質への耐性を与える酵素をコードするTn5由来の遺伝子neo)を含む。細胞を、 1mg/mlのG418を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をトリプシン 処理し、ハイブリドーマクローニングプレート(Greiner,Germany)に播種し、 そして約10〜14日培養する。その後、単一のクローンをトリプシン処理し、次い で異なる濃度のメトトレキサート(25nM、50nM、100nM、200nM、400nM)を用い て、6ウェルペトリ皿または10mlフラスコに播種する。次いで、最高濃度のメト トレキサートで増殖するクローンを、さらに高濃度のメトトレキサート(500nM 、 1μM、2μM、5μM)含む新たな6ウェルプレートに移す。同じ手順を、クロ ーンが100μMの濃度で増殖するまで繰り返す。 所望の遺伝子産物の発現を、例えば、SDS-PAGEおよびウエスタンブロット分析 によって分析する。T1R様リガンドI融合タンパク質の発現を、例えば、Harlow ら、Antibodies:A Laboratory Manual,第2版;Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York(1988)に記載の方法を用いて、放射性標 識および免疫沈降によって検出する。この目的のために、トランスフェクション の2日後、細胞を、35S-システインを含む培地中で8時間のインキュベーション によって標識する。細胞および培地を回収し、そして細胞を洗浄し、そしてWils onら(前出)によって記載されるように、界面活性剤含有RIPA緩衝液(150mM Na Cl、1%NP-40、0.1%SDS、1%NP-40、0.5%DOC、50mM TRIS(pH7.5))で溶解 させる。タンパク質を、HA特異的モノクローナル抗体を用いて、細胞溶解物およ び細胞培地から沈殿させる。次いで、沈殿したタンパク質を、SDS-PAGEゲルおよ びオートラジオグラフィーによって分析する。予想したサイズの発現産物を細胞 溶解物において見いだし、これはネガティブコントロールにおいては見いだされ ない。 実施例4:T1R様リガンドI遺伝子発現の組織分布 ノーザンブロット分析を行って、とりわけSambrookら(上記に引用される)に よって記載される方法を用いて、ヒト組織におけるT1R様リガンドI遺伝子の発 現レベルの試験を行った。本発明の完全T1R様リガンドIヌクレオチド配列(配 列番号1)を含むcDNAプローブ(配列番号1)を、rediprimeTMDNA標識系(Amer sham Life Science)を用いて、製造業者の説明書に従って、32Pで標識した。標 識後、プローブを、CHROMA SPIN-100TMカラム(Clontech Laboratories,Inc.) を用いて、製造業者のプロトコル番号PT1200-1に従って、精製した。次いで、精 製した標識化プローブを使用して、T1R様リガンドI遺伝子の発現について、種 々のヒト組織を試験した。 種々のヒト組織(H)およびヒト免疫系組織(IM)を含む多組織ノーザン(MTN )ブロットをClontechから入手し、そしてExpressHybTM Hybridization Soluti on(Clontech)を用いて、製造業者のプロトコル番号PT1190-1に従って、標識化 プローブで試験する。ハイブリダイゼーションおよび洗浄に続いて、ブロットを 取り付け、そして-70℃にて一晩フィルムに暴露し、そして標準的な手順に従っ てフィルムを現像した。約2.0kbのT1R様リガンドIシグナルを、膵臓、リンパ腺 、胸腺、骨髄、胎児肝臓、および末梢性白血球からのmRNAを含むレーンにおいて 検出した。非免疫組織からのmRNAを含むレーンではシグナルは検出されなかった 。 約2.0kbのT1R様リガンドIシグナルを、膵臓、リンパ腺、胸腺、骨髄、胎児肝 臓、および末梢性白血球からのmRNAを含むレーンにおいて検出した。非免疫組織 からのmRNAを含むレーンではシグナルは検出されなかった。 本発明が、前述の説明および実施例に詳細に記載される以外に実施され得るこ とは明白である。 本発明の多数の改変および変異が、上記の教示に照らして可能であり、それゆ え添付の請求項の範囲内である。 本明細書中に参考として援用される全ての刊行物の開示の全体が、本明細書で 参考として援用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 C07K 16/24 C07K 14/52 C12N 1/21 16/24 C12P 21/02 K C12N 1/21 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AM,AU ,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,EE,FI, GE,HU,IL,JP,KG,KP,KR,KZ,L T,LV,MD,MN,MX,NO,NZ,PL,RO ,RU,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,UA, US,UZ,VN (72)発明者 ジェンツ,ライナー エル. アメリカ合衆国 メリーランド 20904, シルバー スプリング,フェアランド パ ーク ドライブ 13404 (72)発明者 ローゼン,クレイグ エイ. アメリカ合衆国 メリーランド 20882, レイトンスビル,ローリング ヒル ロー ド 22400

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下からなる群から選択される配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチ ド配列を有するポリヌクレオチドを含有する単離された核酸分子: (a)図1(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を有するか、またはATCC受託番 号第97656号に含まれるcDNAクローンによってコードされる、全長T1R様リガンド Iポリペプチドをコードするヌクレオチド配列; (b)図1(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を有するか、またはATCC受託番 号第97656号に含まれるcDNAクローンによってコードされる、成熟T1R様リガンド Iポリペプチドをコードするヌクレオチド配列; (c)図1(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を有するか、またはATCC受託番 号第97656号に含まれるcDNAクローンによってコードされる、T1R様リガンドI細 胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列; (d)図1(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を有するか、またはATCC受託番 号第97656号に含まれるcDNAクローンによってコードされる、T1R様リガンドI膜 貫通ドメインをコードするヌクレオチド配列; (e)図1(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を有するか、またはATCC受託番 号第97656号に含まれるcDNAクローンによってコードされる、T1R様リガンドI細 胞内ドメインをコードするヌクレオチド配列; (f) (a)、(b)、(c)、(d)または(e)のポリヌクレオチドのいずれか1つのヌク レオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列。 2.前記ポリヌクレオチドが、膜貫通ドメインの全てまたは一部が欠失されてい るT1R様リガンドIポリペプチド細胞外ドメインおよび細胞内ドメインをコードす る配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載 の核酸分子。 3.請求項1に記載の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、または(f)のヌクレオチド配列 と同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハ イブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離 された核酸分子であって、ハイブリダイズする該ポリヌクレオチドが、ストリン ジェントなハイブリダイゼーション条件下で、A残基のみまたはT残基のみから なるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにはハイブリダイズしない、単 離された核酸分子。 4.請求項1に記載の(a)、(b)、(c)、(d)、または(e)のアミノ酸配列を有するT 1R様リガンドIポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードする ポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。 5.以下からなる群から選択されるT1R様リガンドIポリペプチドのエピトープ保 有部分をコードする、請求項4に記載の単離された核酸分子:図1(配列番号2 )の約20〜約53のアミノ酸残基を含むポリペプチド;図1(配列番号2)の約82 〜約98のアミノ酸残基を含むポリペプチド;図1(配列番号2)の約106〜約134 のアミノ酸残基を含むポリペプチド;および約155〜約184のアミノ酸残基を含む ポリペプチド。 6.請求項1に記載の単離された核酸分子をベクターに挿入する工程を包含する 、組換えベクターを作製する方法。 7.請求項6に記載の方法によって産生される、組換えベクター。 8.請求項7に記載の組換えベクターを宿主細胞を導入する工程を包含する、組 換え宿主細胞を作製する方法。 9.請求項8に記載の方法によって産生される組換え宿主細胞。 10.ポリペプチドを産生するための組換え方法であって、請求項9に記載の宿 主細胞を、該ポリペプチドが発現されるような条件下で培養する工程、および該 ポリペプチドを回収する工程を包含する、方法。 11.以下からなる群から選択される配列に少なくとも95%同一であるアミノ酸 配列を有する単離されたT1R様リガンドIポリペプチド: (a)図1(配列番号2)に示されるか、またはATCC受託番号第97656号に含まれる cDNAクローンによってコードされる全長T1R様リガンドIポリペプチドのアミノ 酸配列; (b)図1(配列番号2)に示されるか、またはATCC受託番号第97656号に含まれる cDNAクローンによってコードされる成熟T1R様リガンドIポリペプチドのアミノ酸 配列; (c)図1(配列番号2)に示されるか、またはATCC受託番号第97656号に含まれる cDNAによってコードされるT1R様リガンドIポリペプチド細胞外ドメインのアミノ 酸配列; (d)図1(配列番号2)に示されるか、またはATCC受託番号第97656号に含まれる cDNAによってコードされるT1R様リガンドIポリペプチド膜貫通ドメインのアミノ 酸配列; (e)図1(配列番号2)に示されるか、またはATCC受託番号第97656号に含まれる cDNAによってコードされるT1R様リガンドIポリペプチド細胞内ドメインのアミノ 酸配列; (f)図1(配列番号2)に示されるか、またはATCC受託番号第97656号に含まれる cDNAによってコードされるT1R様リガンドIポリペプチド細胞外ドメインおよび細 胞内ドメインのアミノ酸配列であって、膜貫通ドメインの全てまたは一部が欠失 されている、アミノ酸配列;および (g) (a)、(b)、(c)、(d)、(e)、または(f)のポリペプチドのいずれか1つのエ ピトープ保有部分のアミノ酸配列。 12.T1R様リガンドIタンパク質のエピトープ保有部分を含む単離されたポリペ プチドであって、該部分が以下からなる群から選択される、単離されたポリペプ チド:図1(配列番号2)の約20〜約53のアミノ酸残基を含むポリペプチド;図1 (配列番号2)の約82〜約98のアミノ酸残基を含むポリペプチド;図1(配列番 号2)の約106〜約134のアミノ酸残基を含むポリペプチド;および約155〜約184 のアミノ酸残基を含むポリペプチド。 13.請求項11に記載のT1R様リガンドIポリペプチドに特異的に結合する、単 離された抗体。 14.増大したレベルのT1R様リガンドI活性の必要性を有する個体を処置する方 法であって、該個体に請求項11に記載の単離されたポリペプチドを含む組成物 を投与する工程を含む、方法。 15.減少したレベルのT1R様リガンドI活性の必要性を有する個体を処置する方 法であって、該個体に請求項13に記載の単離された抗体を含む組成物を投与す る工程を含む、方法。 16.障害の診断の間に有用である方法であって: (a)個体の細胞または体液におけるT1R様リガンドI遺伝子発現レベルを測定す る工程; (b)該個体のT1R様リガンドI遺伝子発現レベルと標準的なT1R様リガンドI遺伝 子発現レベルとを比較し、それによって該標準を上回るT1R様リガンドI遺伝子発 現レベルにおける増大または減少が、T1R様リガンドI関連障害の指標である、工 程、 を包含する、方法。
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