JP2002512047A - 出生時低体重を予測するための胎児検査 - Google Patents

出生時低体重を予測するための胎児検査

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インターリューキン ジェネティックス インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 出生時低体重など非正常の妊娠結果に関する母体のまたは胎児の発生率を検出するための方法、アッセイおよびキットを開示する。本方法は、患者から生体試料を得ること、また、非正常の妊娠結果に関係しているマーカーのIL−1対立遺伝子2の有無を検出することを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 1 本発明の背景 1.1 発明の技術分野 本発明は、インターロイキンと出生時低体重との間の遺伝的関連に関する。特
に、本発明は、出生時低体重分娩を予測するための胎児組織の使用に関する。ま
た、本発明は、出生時低体重分娩に関する発生率を検出するためのキットを提供
する。
【0002】 1.2 従来技術の簡単な説明 米国では、37週未満の妊娠で発生し、2500gまたは5.5ポンド以下の
出生時体重をもたらす特発的早産が毎年約250,000件起こっている。この
産科学上問題は全新生児死亡率の約3分の2を占め、毎年ICU病院で50億ド
ル以上のコストがかかっている。さらに、生存者における永久的疾病、特に呼吸
器障害および神経学的障害が著しい。過去40年にわたって、母体産前検診につ
いての注意が高まり、診療も進歩しているにもかかわらず、幼児死亡率の増大は
、超低出生時体重幼児(すなわち、1500g未満の出生時体重を有している幼
児)の生存を高めるように改善されたキャパシティーを経てほとんど生じていた
。残念ながら、特発性早産(SPB)の発生率は、過去十年間、ほとんど変化し
ていない。これについては、特発性早産に関連した先行の危険因子について、目
下ほとんど理解されていないということが起因している。さらに、ハイリスクの
母親または胎児を識別する検査は現在のところない。最近のデータは、確認され
たSPBの60%もが疑わしい病因を有していないことを報告している。母体全
身感染、特に細菌性膣炎は、産前分娩および組織学的絨毛羊膜炎の主要原因であ
ることが報告され、これはSPBと密接に関連している。しかしながら、さらに
、他の感染性または炎症性プロセスもSPBに関係している可能性がある。特に
、検出可能な感染が存在しない状態にも、PGE、IL−1およびTNFの羊
水内増加がSPBにおいて一貫して確認されている。
【0003】 細菌感染は早産の低体重(PLBW)に関係している。尿生殖路の細菌感染が
、早産の主たる危険因子であることが報告されている(1−4)。Hillie
rら(2)によって現在までに行なわれた最大の研究では、細菌性膣炎、早産お
よび低体重の間の関係が調査されている。研究では、Hillierおよび彼女
の共同研究者は、7箇所の医療センターの、23〜26週妊娠から出産までの1
0,000人を越える女性について追跡した。細菌性膣炎が生じていたかどうか
確認するために膣の培養物を得た。10,397人の女性のうち、4.8%はP
LBW児を出産した。また、この研究中に、本研究における登録前に、尿路感染
症を患った女性または抗菌性物質が用いられた女性は、さらにPLBW児をより
出産しやすかったことが示唆された。この研究によるデータによって、研究群の
16%が細菌性膣炎(BV)を有しており、それら16%は、BVを患っていな
い女性より40%以上早産を生じやすいことが示された。さらに、その研究によ
り、細菌性膣炎は、他の確認された危険因子と無関係に低体重乳児の早産に関係
していることがわかった。
【0004】 McGregorら(4)およびGravettら(5)によって行なわれた
別の研究では、細菌性膣炎の存在は、無損傷の胎膜を有する女性の潜在性羊水感
染、22週未満の流産の危険性増大、前期破水(PROM)及び早産に関係して
いると仮定された。また、他の研究は、細菌性膣炎および羊水感染、組織学的か
つ臨床学的絨毛羊膜炎、胎盤感染、PROM、早期分娩、早産および分娩後の母
体高感染率との間の関係を示した(5−20)。したがって、尿生殖路は、PL
BWに関係する潜在的感染発生の主な原因を示すように思われる。
【0005】 最近、より離れた口腔中の慢性細菌感染、歯周炎が著しくPLBW出産に関係
していた。Offenbacherら(21)は、124人の妊娠している女性
または分娩後の女性について、ケースコントロールスタディを行った。PLBW
ケースは、2500グラム未満の出生時体重を有し、在胎齢37週未満、早期分
娩(PTL)または早期前期破水(PPROM)の1つまたは複数を有する母親
と定義した。コントロールはすべて標準出生時体重児(NBW)であった。重度
の歯槽膿漏症は、喫煙、人種、アルコール慣習、年齢、栄養および尿生殖路感染
などの既知の産科学的PLBW危険因子を調節した後のPLBW(オッズ比7に
調整された)の危険性の増大に関係していた。これらの所見は、歯周感染と非正
常の妊娠結果との関係を示した第一報である。
【0006】 尿生殖器感染および歯周感染に関与する主な細菌はグラム陰性であり、組織環
境へ内毒素リポ多糖類(LPS)を遊離することが知られている。LPSが動物
の妊娠合併症に関係しているという実質的証拠がある。腸内細菌由来の内毒素は
、胎盤壊死、自然流産、胎児器官損傷、胎児死亡および奇形を引き起こす可能性
がある(22)。
【0007】 大腸菌LPSを用いて調べた場合、Lanningら(23)は、ゴールデン
ハムスターの発生学的成長の開発にそれは影響を与え、奇形、自然流産および低
胎児重量を引き起こすことを確認した。これらの一連の実験は、妊娠している動
物における感染が、自然流産、早期分娩、低体重、胎児成長制限および骨格異常
をはじめとする多くの妊娠合併症を誘発する可能性があることを明白に示した。
また、これらの実験は、細菌が細菌性膣炎、骨盤炎症性疾患に関係し、他の性的
感染症は、妊娠の結果に明らかに変調を引き起こす潜在性を有しているという仮
説を立証した。
【0008】 さらに、歯周炎に関与する細菌に関する最近の研究(24、25)は、離れた
部位にそれらが存在する慢性非播種性感染が著しく胎児の結果に影響を及ぼすこ
とをも示している。これらの初期の実験における決定的事柄により、少数の口腔
内病原微生物によるこれらの軽程度感染は、母体倦怠感または発熱を引き起こす
のには十分な程度ではなかったということが示されている。しかしながら、15
〜18%の胎児重量の低下、並びに、測定可能なPGEおよびTNFαの局所
的増加があった(26)。さらに、PGEおよびTNFα反応の規模は、胎児
重量と逆比例関係にあり、PLBWのヒトで確認された羊水内変化と類似してい
た(26)。LPS投薬実験は、高濃度のLPSが妊娠中の動物において発熱お
よび体重損失を生じ、自然流産および奇形をはじめとするより深刻な妊娠結果を
まねいたことを示した。低投与口腔感染モデルでは、これらのより著しい変化の
結果は見受けられなかったが、胎児重量においては一貫して減少がみられ、妊娠
中に二度目の病原微生物への接触が生じた場合、妊娠に先立ったこれら病原微生
物への事前感作または接触が胎児成長制限の発病度を高めていた(24、25)
【0009】 プロスタグランジンE2(PGE)およびインターロイキン−1(IL−1
)などの炎症性メディエイタは、すべての免疫炎症性プロセスに存在するだけで
なく、病理学的早産並びに分娩の正常な生理的プロセスを調節する。PGE
羊水濃度は、臨界閾値濃度が分娩、頚部拡張および出産を引き起こす濃度に達す
るまで、妊娠を通じて着実に上昇する。
【0010】 正常な妊娠の生理を調節しているプロスタグランジンの機能は十分に報告され
ている。Gibbsら(27)は、ヒト分娩におけるプロスタグランジンの機能
を立証する証拠を概括している。プロスタグランジン阻害剤を用いた処置は、妊
娠中期流産のプロセス、および分娩の発症を遅らせ、早期分娩を阻止することが
できる。分娩日は、プロスタグランジンの上昇した羊水および母体血漿濃度に関
係している。
【0011】 Mazorら(28)は、30人の女性について、早期分娩とPGEおよび
プロスタグランジンF2α(PGF2a)の羊水濃度における変化との関連を研
究した。彼らは、早期分娩および羊水内感染が生じた女性は、早期分娩は生じた
が感染はなかった女性よりも著しく高いPGEおよびPGF2αの羊水濃度を
有していることを報告した。これは、早期分娩および組織的絨毛羊膜炎を生じた
女性から得た羊膜は、胎盤炎症がなかった女性から得た羊膜より多くのPGE が生成されたという事実によって説明することができる(29)。また、Rom
eroおよび共同研究者ら(30)は、臨床的または潜在的尿生殖路感染が生じ
てない状態でさえも、PLBWの一貫した再現性を有する事実として高濃度のP
GEを確認し、ほとんどのPLBW出産が「未知の起源の感染によって恐らく
引き起こされる」と仮定した。
【0012】 Tamataniは、インターロイキン−1β(IL−1β)が標準羊水中に
存在することを示し(31)、Flynnは、ヒト胎盤マクロファージによるI
L−1βの生成を報告した(32)。第2の3カ月期羊水で検出された少量のI
L−1βは、分娩開始とともに3倍の増加を示すことが確認された(33)。培
養したヒト胎膜によるプロスタグランジン生成におけるIL−1βの影響に関し
て研究しているKentら(34)は、IL−1βは、脱落膜によるプロスタグ
ランジンの合成、および羊膜によるプロスタグランジンの合成の重要な刺激因子
であることを示した。IL−1は、感染状態における分娩開始に関係している第
1サイトカインであった。IL−1は、細菌生成物に応じてヒト脱落膜によりイ
ンビトロで生成される(35、36)。早期分娩を生じ、かつ羊膜腔中に細菌を
有する患者では、羊水IL−1生理活性および濃度が上昇する(36)。
【0013】 胎盤壊死および胎児吸収は、ラットにおいて、妊娠12日目に組み換え型ヒト
IL−1βの注射により誘発することができた(37)。さらに、Romero
らは(36)、PROMを生じ、かつ羊膜腔中に細菌を有する患者においては、
羊水IL−1β生理活性および濃度は、分娩を伴わない場合と比較して分娩とと
もに上昇することを示した。IL−1βは、インビトロで、羊膜および脱落膜に
よるプロスタグランジン生成を刺激する(38)。
【0014】 さらに、妊娠中のハムスターにける感染および炎症メディエイタの機能も試験
されている(39)。歯周炎を引き起こすことが知られている細菌を用いて、こ
れらの動物を口腔中感染させた。ハムスターで歯周炎が確実に発症した後、PG
およびTNFα両方の羊水内液体濃度の統計的に有意な上昇が確認され、こ
れは、身体全体にわたる感染は胎児環境の変化をもたらすという直接証拠を提供
した。PGEおよびTNFαはともに歯周膜によって生成され、やがて絨毛羊
膜壁を通過する体循環中に出現し、最終的に液体中に出現する可能性がある。し
かしながら、細菌生成物、特にLPSを運ぶ血液は、絨毛羊膜叢に向かい局所で
PGEおよびTNFαの合成を引き起こすようにも思われる。ターゲッティン
グメカニズムにかかわりなく、動物モデルにける実験的感染により、LBWを誘
発する十分な手ごたえのある事柄を提供することができることは明らかである。
【0015】 上述のデータは、PLBW結果の原因に関する現在の臨床的な考えを導き、そ
れは、図1および図2に図示した記載によって説明することができる。母体感染
は、その後、非正常の妊娠結果をもたらす可能性がある母体炎症反応を活性化す
る(図2)。さらに、母体感染は胎児炎症反応を活性化する可能性があり、それ
も同様に非正常の妊娠結果をもたらす(図1)。
【0016】 ここ数年、より重い状態のいくつかの疾患が、炎症性サイトカインIL−1α
、IL−1β、IL−1レセプターアンタゴニスト(IL−1RAまたはIL−
1RN)およびTNFαに対する遺伝子内の遺伝的変異に関係していることが示
されている。これらの所見は、PLBWに関する新しい病識とともに、感染およ
び炎症メディエイタがいかにして妊娠結果に影響を及ぼすかという新しい仮説を
導いた。これは、図3に図示している。
【0017】 サイトカインインターロイキン−1(IL−1)および腫瘍壊死要因(TNF
)は、炎症反応の重要なメディエイタであり、多くの慢性炎症性疾患の病因にお
いて主要な機能を果たしていることが明らかである(40、41)。それらのイ
ンビボでの生物活性は、組織へ白血球を引き寄せ活性化することによって、また
、他のリンパ球刺激性サイトカインおよび分解酵素のそれらの分泌を刺激するこ
とによって、局所炎症およびマトリックスカタボリズムを再生するのに十分であ
ること(42)が現在多数報告されている。また、これらのサイトカインの多量
生成は感染に対する応答に関連しており、この場合、IL−1およびTNFの局
所的誘導は微生物侵入の排除を促進する。しかしながら、さらに、代表的な研究
は、一部の感染状態では非常に高濃度の単球サイトカインが生成され、感染者に
おいて障害作用を伴う組織異化作用、脈管反応性および高凝固作用などの随伴性
現象のカスケードを活性化することを報告している(43、44)。
【0018】 IL−1およびTNFの生成の速度には安定した個体相互差があり(45)、
ファミリーに高サイトカインレベル群または低サイトカインレベル群を生成する
能力がある(46)ことが報告されている。さらに最近では、特定の遺伝子変異
体は、インビトロにおける単球からのIL−1タンパク質生成(47、48)、
または、感染B細胞でのTNF転写反応速度(49)における安定した差異に関
係していた。これらデータおよび他のデータから、遺伝因子がIL−1系および
TNF系で機能を果たしていること、また、IL−1およびTNFそれら自身は
、罹患率、あるいは、IL−1、TNFまたはそれらが活性化するメディエイタ
が関与する様々な疾患の発病度に対する適切な候補遺伝子であることが明らかで
ある。
【0019】 正常な状況では、炎症の範囲および発病度は、関係する組織に長期持続的障害
を発生することなく、微生物侵入に対抗するのに十分なレベルにメカニズムをフ
ィードバックすることによって調節されている。一部の個体におけるIL−1お
よび/またはTNFの調節不全による生成は、フィードバック機構を無視し、組
織障害、マトリックス異化作用、および、これらのメディエイタのあるレベルに
応答する様々なプロセスの活性化をもたらすことが推測され得る。
【0020】 IL−1ファミリーは、3つの遺伝子によって生成された少なくとも6種のタ
ンパク質からなっている。IL−1αおよびIL−1βは、17KDaの成熟タ
ンパク質へ細胞膜で開裂される31〜33KDaのプロペプチドとして生成され
る(50)。前駆体タンパク質のうち、pro−IL−1のみが生物学的に活性
である。IL−1レセプターアンタゴニスト(IL−1RAまたはIL−1RN
)(51、52)は、リーダー配列を有する分泌ペプチドとして、または代替第
1エクソンに基づいた細胞内形成物として生成される。両IL−1RAタンパク
質はIL−1レセプターと結合するが、アゴニスト活性は有しない。IL−1A
、IL−1BおよびIL1RN遺伝子はすべて、ヒト染色体2の長腕上の430
kb領域内に位置する(53)。
【0021】 IL−1の転写は、細菌製剤および他のサイトカイン(IL−1自身;IFN
γ;IL−2;TNFα)によってヒト単球中で活性化される。IL−1アゴニ
スト(IL−1αおよびIL−1β)は、誘導性シクロオキシゲナーゼ(COX
−2)、酸化窒素シンテターゼ、コラゲナーゼおよび他のマトリックス金属結合
蛋白分解酵素、並びに多数のサイトカイン(IL−2、IL−4、IL−6、I
L−8およびTNFαなど)の転写反応を誘導する(40)。IL−1のダウン
レギュレーション、IL−1レセプターのアップレギュレーション、可溶性II型
レセプターの遊離、またはIL−1RAの優位性、すべてはIL−1の作用を制
限し、急性炎症の自己制限の基礎となる。
【0022】 類似の生物学的作用は、それらのレセプターと、腫瘍壊死要因(TNFαまた
はカケクチン)あるいはリンフォトキシン(TNFβまたはLTα)との相互作
用の結果である。TNFαは主として単球によって生成され、その生体機能をI
L−1の生体機能から区別することは困難である(41)。しかしながら、TN
FαおよびLTタンパク質はともに個別の遺伝子の生成物であり、それら遺伝子
は、MHC複合体から遠く離れていない、染色体6のクラスIII領域に位置して
いる(54)。
【0023】 これらの遺伝子変異体の機能的相関には、IL−1A(+4845)に対する
タンパク質二形性(114のAlaに対してSer)(55)と、インビトロに
おけるIL−1B(+3954)に対するIL−1βタンパク質生成レベルとの
直接的関連がある。TNFクラスターでは、少なくとも5つのマイクロサテライ
トと5つの単一塩基変異が記載されており(表1)、TNF(+308)はイン
ビトロにおいて8倍もの高転写活性化速度と関連していた(49)。
【0024】
【表1】 遺伝病に関する疾病素質の早期検出は、病気進行時に医学的関与にとっての最
良の機会を提供する。危険性を早期に予測することによって、臨床的に検出可能
な疾患が生じる前に、管理および早期調整を介して患者の予後を良くしていくこ
とができる。類似の症状がある患者を可変的成果で治療するケースにおいて、最
先端の遺伝試験は、微妙な差異または検出不可能な差異を有する個々の患者を識
別することができ、より好適な個々の治療へと導くことができる。早期調整は、
遺伝子療法または薬剤を用いた治療などの方法を含んでいてもよい。
【0025】 遺伝子検査(または遺伝病スクリーニングあるいは遺伝子型検査とも称する)
は、患者が、病状の発生率を引き起こすか増加させる突然変異、あるいは、病状
を引き起こす遺伝子との「連鎖不平衡」にある突然変異(あるいは対立遺伝子ま
たは多型性)を有している場合、検出する分析キャパシティーでの核酸の検査と
して広く定義することができる。
【0026】 遺伝子検査の開発により、疾患が多遺伝子性起源である場合さえ、現在、疾患
になる傾向を示す遺伝子突然変異を識別することができる。分子生物学的方法に
よって識別することが可能な疾患の数は、多因子性疾患の遺伝子的ベースの理解
が深まるにつれて増大し続ける(例えば、米国特許第4,582,788号、第
5,110,920号、第4,801,531号、第4,666,828号、お
よび第5,268,267号を参照)。遺伝子検査は、それらの個々に対して治
療を目標とすることができる手段を提供し、それらは個々のゲノム型、薬理遺伝
学として知られているその他の方法にもとづくのが最も有効である。
【0027】 IL−1遺伝子群は、染色体2(2q13)のロングアーム上に位置し、43
0Kbの領域内に、少なくともIL−1α(IL−1A)、IL−1β(IL−
1B)およびIL−1RNの遺伝子を含んでいる(Nicklinら、Geno
mics 19:382−4(1994年))。アゴニスト分子、IL−1αお
よびIL−1βは、主要な炎症誘発性活性を有しており、多くの炎症性カスケー
ドの主要部に存在する。しばしば、IL−6およびIL−8など他のサイトカイ
ンの誘導によるそれらの作用は、障害組織への白血球の活性化および補充、血管
作動性作用物質の局所的生成、脳内の発熱反応、および肝臓の急性位相反応を生
じる。3つのIL−1タンパク質はすべてI型およびII型のIL−1レセプター
に結合するが、I型レセプターのみが細胞内部へのシグナルを変換する。対照的
に、II型レセプターは細胞膜から放たれ、偽レセプターとして作用する。したが
って、レセプターアンタゴニストおよびII型レセプターは、それらの作用におい
てともに抗炎症性である。
【0028】 IL−1−axis成分の不適当な生成は、関節リウマチ、炎症性腸疾患、乾
癬およびその他の疾患を含む、多くの自己免疫疾患および炎症性疾患の病状にお
いて主要な機能を果たすことが明らかである。さらに、IL−1−axis成分
生成の速度には安定した個体相互差があり、この変差の一部は、IL−1−ax
is遺伝子座での遺伝差によって説明することができる(Molvigら、Sc
and.J.Immunol.27:705−16(1988);Pociot
ら、Eur.J.Clin.Invest.22:396−402(1992)
)。したがって、IL−1−axis遺伝子は、炎症性疾患に対する遺伝的発生
率の一部を検出するのに適当な候補であり、その大部分は、多遺伝子性成分を伴
った多因子性病因を有している。
【0029】 IL−1遺伝子群からのある対立遺伝子は、既に特定の病状に関係しているこ
とが知られている。例えば、我々は、IL−1RN対立遺伝子2が、冠状動脈疾
患(米国出願第08/813,416号)、骨粗鬆症(米国特許第5,698,
399号、引用によって本明細書に援用する)、真性糖尿病における腎障害(B
lakemoreら、Hum.Genet.97(3):369−74(199
6))、円形脱毛症(Corkら、J.Invest.Dermatol.10
4(5 Supp.):15S−16S(1995))、グレーヴス疾患(Bl
akemoreら、J.Clin.Endocrinol.80(1):111
−5(1995))、全身性紅斑性狼瘡(Blakemoreら、Arthri
tis Rheum.37:1380−85(1994))、苔癬硬化症(Cl
ayら、Hum.Genet.94:407−10(1994))、および、潰
瘍性大腸炎(Mansfieldら、Gastoenterol.106(3)
:637−42(1994))に関係していることを示した。
【0030】 同様に、マーカー−889のIL−1A対立遺伝子2、およびマーカー+39
54のIL−1B(TaqI)対立遺伝子2は、歯槽膿漏症に関係している(米
国特許第5,686,246号、引用によって本明細書に援用する)。また、マ
ーカー−889のIL−1A対立遺伝子2は若年性慢性関節炎、特に慢性虹彩毛
様体炎に関係している(McDowellら、Arthritis Rheum
.38:221−28(1995))。さらに、IL−1Bのマーカー+395
4のIL−1B(TaqI)対立遺伝子2は、DR3/4患者において乾癬およ
びインシュリン依存性糖尿病に関係している(di Giovineら、Cyt
okine 7:606(1995);Pociotら、Eur J.Clin
.Invest.22:396−402(1992))。最後に、IL−1RN
対立遺伝子1は糖尿病網膜症に関係している(イギリス出願第9618960.
0号)。
【0031】 さらに、IL−1(33221461)ハプロタイプからの次の対立遺伝子、 IL−1Aの222/223マーカーの対立遺伝子3; IL−1Aのgz5/gz6マーカーの対立遺伝子3; IL−1Aの−889マーカーの対立遺伝子2; IL−1Bの+3954マーカーの対立遺伝子2; IL−1Bの−511マーカーの対立遺伝子1; gaat.p33330マーカーの対立遺伝子4; Y31マーカーの対立遺伝子6; および、IL−1RNのVNTRマーカーの対立遺伝子1、は連鎖不平衡にある
(イギリス特許出願第9711040.7号)。したがって、これらの対立遺伝
子はすべて、ある疾患表現型とある程度関係している。
【0032】 しかしながら、これらの対立遺伝子はすべて、実際の疾患を引き起こす対立遺
伝子と連鎖不平衡にあるが、いずれも以前に病状に直接関与するとは考えられて
なかった。今まで、誰も、事実上病状に関与し得る測定可能な表現型を生成する
対立遺伝子を発見していない。
【0033】 MHCのIIIクラス領域のTNF遺伝子座は、さらに自己免疫疾患および炎症
性疾患での良好な候補遺伝子であるが、MHCを介した高度の連鎖不平衡によっ
て、どのハプロタイプ上の遺伝子が疾患の病因として重要であるかを決定するの
が困難である。自己免疫ハプロタイプとして知られているハプロタイプHLA−
A1−B8−DR3−DQ2は、インシュリン依存性糖尿病、グレーヴス疾患、
重症筋無力症、SLE、疱疹状皮膚炎および小児脂肪便症を含む多くの自己免疫
疾患に関係している(61、62、63)。(a)TNF高生産濃度が特定のD
R3およびDR4ハプロタイプに関係していたこと(46) (b)−308の
TNF2対立遺伝子が自己免疫ハプロタイプを運ぶこと(64)が示されたので
、TNFプロモーターの位置−308での両対立形質の多型性がこれらの疾患に
おいて研究された。しかしながら、上述のすべての疾患で、自己免疫ハプロタイ
プとの関連と無関係に、疾患とTNFとのいかなる関連をも示すことは不可能で
あった。
【0034】 TNFは感染症で作用する重要な機能を有するように思われる。すなわち、ガ
ンビアのマラリアに罹った患者に関する大規模な研究において、TNFαホモ接
合性は大脳マラリアによる死と深く関係しており、臨床結果との関連は、MHC
のIクラスおよびIIクラス領域の他のいずれのマーカーでは見つからなかった(
65)。最近、同様のデータが皮膚リーシュマニア症で報告されている(66)
【0035】 一般的妊娠の期間中、母体ホルモンおよび局所的作用サイトカインは、分娩開
始、頚部熟成、子宮収縮および出産を制御する際に重要な機能を果たす。妊娠中
の母体感染は、この標準サイトカインおよび妊娠制御ホルモンを乱し、しばしば
SPBを生じた。また、尿生殖器路に関係していない慢性感染もSPBに関与し
得ることが最近の所見で示唆されている。特に、データは、比較的一般的な慢性
口腔感染症、歯周炎は、母体にSPBを引き起こすのに十分な病原菌投与を与え
得ることを示唆している。妊娠している動物モデルからのデータは、P.gin
givalisによる程度が低い、非流行性の感染が、胎児の成長を低下させ得
るという結果を示した。さらに、胎児の成長阻害の程度は、PGEおよびTN
Fαの母体における生成と逆比例関係にあり、以前のヒトにおける所見と似てい
る。妊娠ハムスターの実験的歯周炎は、20%の胎児重量の低下を生じた(P=
0.002)。また、歯周感染は、ハムスターにおいて、P=0.03で、羊水
内PGEの3.31±1.1ng/mLから13.5±4.1ng/mLの有
意な上昇に関係している。ヒトで、歯周状態とSPBとの関係を検査するために
行った3つの独立したケースコントロールスタディは、標準出生時体重、月満ち
て生まれた出産(FT)のコントロールと比較して、SPB母体では歯周状態が
悪いことを示した。48人の妊婦に関する最初の研究では、歯周状態は、ケース
対コントロールでは著しく悪かった(平均吸着(attachment)レベル
、3.25±0.05mm対3.06±0.06mm、P=0.02)。124
人の妊婦についての最近報告されたケースコントロールスタディにおいては、確
立された様々な危険因子をコントロールして、FTコントロール(P<0.00
5)と比較した場合、SPB母体では歯槽膿漏症状態が著しく悪かった。また、
この研究の所見は、初産の母体では、より重度の歯槽膿漏症に罹っている場合、
SPB群に属する見込みが7倍以上に上昇することを示唆した。ロジスティック
の回帰分析により様々な産科学上の混同(confounder)および連係変
差に対する調節を行ってさえ、この関連は有意であった。より高感度測定の現在
の歯槽膿漏症状態を加えた別の48のケースコントロールスタディから得た新し
いデータを、歯槽膿漏症とSPBとの関連のこれらの所見に補充した。結果は、
FTコントロールと比較して、歯肉間隙液体PGE(GCF−PGE)濃度
がSPB母体において著しく高いことを示している[131.4±21.8対6
2.6±10.3、(平均±SE、ng/mL)、各々、P=0.02]。さら
に、SPB母体内では、P=0.023で、出生時体重(並びに在胎齢)とGC
F−PGE濃度との間に有意な逆相関があった。これらのデータは、現在の歯
槽膿漏症活性および減少性出産時体重のマーカーとしての増加GCF−PGE に対する用量反応相関を示唆している。さらに、FT母体と比較して、SPB女
性ではGCF−IL−1濃度が著しく上昇したが、大きい平方偏差がこの試料サ
イズでの統計的有意差を妨げていた[SPB、1217.8±281.3ng/
mL対FT、720±105.2ng/mL]。この第3番目の研究では、生化
学的かつ微生物学的バイオマーカーによって測定した場合、歯槽膿漏症がPLB
W母体においてより重かったが、臨床的吸着レベルの差は統計的有意差に達しな
かった(P=0.11)。
【0036】 2 発明の概要 ある態様では、本発明は、早産の産前低体重児分娩(LBW)などの非正常な
妊娠結果の罹病素因をもつ患者または胎児を識別する新規な方法を提供する。ま
た、ある実施形態では、その方法は、LBW関連対立遺伝子が被検者または胎児
から得た核酸試料中に存在するか否かを検出することを含んでいる。好ましい実
施形態では、LBW関連対立遺伝子は、IL−1A(+4845)対立遺伝子2
、および/または、IL−1(−511)対立遺伝子1、あるいは、IL−1A
(+4845)対立遺伝子2および/またはIL−1(−511)対立遺伝子1
と連鎖不平衡にある核酸配列である。
【0037】 LBW関連対立遺伝子は、1)核酸試料とLBW関連対立遺伝子にハイブリダ
イズし得るプローブとの間のハイブリダイゼーション反応を実施すること、2)
LBW関連対立遺伝子の少なくとも一部分を塩基配列決定すること、また、3)
LBW関連対立遺伝子またはそれらの断片(例えば、エンドヌクレアーゼ消化に
よって生成した断片)の電気泳動移動度を測定すること、を含む任意の様々な技
術によって検出することができる。対立遺伝子は、場合によっては、検出ステッ
プの実施に先立って増幅ステップにかけることができる。増幅ステップは、ポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、DNA鎖置換増幅
(SDA)、クローニング、および上述の種類(例えば、RT−PCRおよび対
立遺伝子特定増幅)からなる群から選択するのが好ましい。増幅用プライマーは
、(PCR増幅で要求されるように)関心のあるマーカーを隣接するか、(AS
Oハイブリダイゼーションでのように)直接マーカーをオーバラップさせるいず
れかを選択することができる。IL−1およびTNFA遺伝子へハイブリダイズ
するオリゴヌクレオチドプライマーは、市販のプライマー選択プログラムを用い
て容易に選択することができる。特に好ましい実施形態では、試料を1セットの
プライマーとハイブリダイズさせ、それをILD関連対立遺伝子のセンス配列ま
たはアンチセンス配列の5’末端および/または3’末端とハイブリダイズし、
PCR増幅にかけられる。
【0038】 別の態様では、本発明は、上述のアッセイを実施するためのキットを特色とす
る。キットは、核酸試料収集手段、および、被検者がLBW関連対立遺伝子を保
持しているか否かを検出するための手段を含むことができる。さらに、本キット
は、ネガティブまたはポジティブのコントロール試料、または標準を含むことが
できる。また、本キットは、同一性マッチを評価するためのアルゴリズム機器を
含んでいてもよい。そのアルゴリズム機器は制御装置と共に使用してもよいが、
制御装置とは無関係に使用することもできる。さらに、本発明のキットは、DN
A増幅試薬、ポリメラーゼ、核酸精製試薬、制限酵素、制限酵素緩衝剤、核酸サ
ンプリング器具、デオキシヌクレオチド(dNTPs)等の様々な追加成分を含
んでいてもよい。本明細書に記述されたアッセイおよびキットを(単独で、ある
いは、他の遺伝子欠損またはLBWに関係する環境要因についての情報と共に)
使用して得られた情報は、妊娠中の被検者、非妊娠の被検者または非症候性被検
者がLBW乳児を有するか、またはLBW乳児を有しがちであるか否か、さらに
概論的には、検出した対立形質のパターンによって引き起こされる、あるいはも
たらされる疾患または状態を決定するのに有用である。さらに、情報は、単独で
、またはLBWに関与する他の遺伝子欠損の情報と共に、LBWに関連した症状
の発症を防ぐため、あるいは末期の不可逆性線維形成への疾患の進行を防ぐため
に治療をカスタマイズすることができる。例えば、この情報は、臨床医が、1)
LBWの分子基盤を扱う治療をより有効に処方し、また、2)特定の被検者に対
する特定の治療用物質の適切な薬量をいっそう良く決定することを可能にする。
【0039】 また、さらなる態様では、本発明は、被検者に本発明のLBW治療用物質の薬
学的有効量を投与することによって、被検者の望ましくない低体重児出産の妊娠
結果を処置する、あるいは防止する方法を特徴とする。また、別の態様では、本
発明は、LBW治療用物質を識別するためのスクリーニング検査化合物に対する
インビトロおよびインビボのアッセイを提供する。ある実施形態では、スクリー
ニングアッセイは、検査化合物を適切なプロモーターに操作的に結合させたLB
Wの原因となる突然変異を形質移入した細胞と接触させること、および、検査化
合物の存在または非存在下の細胞におけるタンパク質の発現レベルを検出するこ
とを含んでいる。好ましい実施形態では、LBW原因性変異は、IL−1レセプ
ターアンタゴニストの生成の低下をもたらし、また、検査化合物の存在下でのI
L−1レセプターアンタゴニストまたはTNF−αの生成の増加は、その化合物
がIL−1レセプターアンタゴニストまたはTNFα活性のアゴニストであるこ
とを示す。別の実施形態では、本発明は、トランスジェニック非ヒト動物、およ
び、IL−1α、IL−1βまたはTNF−α活性のアンタゴニスト、あるいは
IL−1Ra活性のアゴニストの確認におけるそれらの使用を特徴とする。
【0040】 他の態様および本発明の利点は、以下の詳細な記載および請求項から明白であ
る。
【0041】 3 詳細な説明 3.1 略語および定義 便宜上、本明細書、実施例および添付の特許請求の範囲で使用されるある用語
および句の意味を下記に示す。さらに、これらの用語および句は、本明細書全体
に関するものとして理解すべきである。
【0042】 「対立遺伝子」という用語は、被検者から得られたDNA中の異なる多型性部
位で発見された、異なる配列異型を意味する。例えば、IL−1RN(VNTR
)は少なくとも5つの異なる対立遺伝子を有している。配列異型は、これに制限
されるものではないが、挿入、欠失または置換を含む単一または複合の塩基変更
であってもよく、あるいは、可変的数の配列の繰り返しであってもよい。ある遺
伝子座の対立形質の異型は、一般に、頻度の少ない順に番号を付ける。両対立形
質の状況では、高頻度の対立遺伝子は対立遺伝子1であり、まれな対立遺伝子は
対立遺伝子2になる。
【0043】 2/2は、ホモ接合の対立遺伝子2/対立遺伝子2状態を意味する。
【0044】 2/1は、ヘテロ接合の対立遺伝子2/対立遺伝子1状態を意味する。
【0045】 「対立形質パターン」という用語は、1つまたは複数の多型性部位での1つの
対立遺伝子または複数の対立遺伝子の同一性を意味する。例えば、IL−1A(
−889)対立遺伝子2に関しては、対立形質パターンは多型性部位で単一の対
立遺伝子からなっていてよく、それは、IL−1A遺伝子座の位置−889にI
L−1A対立遺伝子2の少なくとも1つのコピーを有している対立形質パターン
である。あるいは、対立形質パターンは、単一の多型性部位でホモ接合状態また
はヘテロ接合状態のいずれかからなっていてもよい。例えば、IL1−A(−8
89)対立遺伝子2,2は、第2対立遺伝子の2つのコピーがIL−1Aの−8
89のマーカーにあり、それはホモ接合のIL−1A対立遺伝子2状態に相当す
る、対立形質パターンである。あるいは、対立形質パターンは、1箇所より多い
多型性部位で同一の対立遺伝子からなっていてもよい。
【0046】 「対立遺伝子検出」は、対立遺伝子間を検出または識別する当業者に公知の任
意の手段であり、例えば、IL遺伝子の任意の所与の位置における対立遺伝子が
対立遺伝子1または2かどうかの検出である。我々は、どの対立遺伝子が群に存
在するかを検出する少なくとも2つの手段を本明細書で説明する。第1の手段は
、領域のPCR増幅、さらにPCR産物の消化およびサイズ分画である。第2の
手段は、領域のPCR増幅、さらにポリメラーゼの5’エキソヌクレアーゼ活性
を用いた蛍光標識化対立遺伝子特異的プローブによる検出である。しかしながら
、特異的対立遺伝子を検出するための多数の技術は公知であり、本明細書で記述
する必要はない。
【0047】 本明細書で用いる「抗体」という用語は、特に、例えば、IL−1またはTN
Fαポリペプチドと反応する、全抗体またはそれらの結合断片を含む結合作用物
質を意味することを意図する。抗体は、従来の技術、上述した同じ方法で用途の
ために全抗体についてスクリーニングされた断片を使用して断片化することがで
きる。例えば、F(ab)2断片はペプシンで抗体を処理することにより生成す
ることができる。得られたF(ab)2断片は、ジスルフィド架橋を還元するよ
う処理することによってFab断片を得ることができる。さらに、本発明の抗体
は、抗体の少なくとも1つのCDR領域によって付与された、例えば、IL−1
またはTNFαポリペプチドに親和性を有する、両特異的、一本鎖、キメラのヒ
ト化分子である。
【0048】 「生物活性」または「生理活性」あるいは「活性」または「生体機能」は、互
換的に用いられるが、これらは目的のために本明細書では、IL−1またはTN
Fαポリペプチド(天然配座または変性配座中のいずれでも)によって、または
任意のそれらの部分配列によって直接的または間接的に果たされるエフェクター
または抗原機能を意味する。生物活性には、標的ペプチド、例えばレセプターに
結合することが含まれる。生理活性は、直接ポリペプチドに影響を及ぼすことに
より調整することができる。あるいは、ポリペプチドレベルの調整により、例え
ば、ポリペプチドをコードする遺伝子の発現の調整により生理活性を調整するこ
とができる。
【0049】 本明細書では、「生理活性断片」という用語は、完全長ポリペプチドの断片を
意味するが、その断片は、野生型ポリペプチドの活性を特に模倣するか反対する
。生理活性断片は、好ましくはレセプターと相互作用し得る断片である。
【0050】 「異常活性」という用語は、野生型ポリペプチドまたは天然ポリペプチドの活
性と異なる活性、あるいは、健康な被検者のポリペプチド活性と異なる活性を意
味する。ポリペプチドの活性は、それがその天然対応物の活性より強い場合に異
常になり得る。あるいは、その活性がその天然対応物の活性に比べて弱いか存在
しない場合に異常になり得る。また、異常活性は、活性の変更でもあり得る。例
えば、異常ポリペプチドは、異なる標的ペプチドと相互作用し得る。
【0051】 「細胞」、「宿主細胞」または「組換え宿主細胞」は、本明細書で互換的に使
用される用語であり、特定の被検者細胞だけでなく、そのような細胞の後代また
は潜在的後代をも意味する。ある改変は、変異または周囲条件の影響のいずれか
により継続する世代において生じる可能性があるので、実際、そのような後代は
親細胞と同一ではないかもしれないが、しかし、本明細書で用いる用語の範囲に
は含まれるものとする。
【0052】 「キメラ」、「モザイク」「キメラ動物」等は、トランスジェニック動物を意
味し、少なくともいくつかのそのゲノムを含有する細胞にノックアウト構成また
はノックイン構成を有している。
【0053】 「コントロール」または「コントロール試料」という用語は、使用される検出
技術に適切な任意の試料を意味する。コントロール試料は、使用された対立遺伝
子検出技術の生成物または分析される物質を含んでいてもよい。また、そのコン
トロールは、ポジティブ(例えば、IL−1A(−889)対立遺伝子2)コン
トロール、またはネガティブ(例えば、記載したマーカーの、対立遺伝子1、ま
たは野生型)コントロールであってよい。最終産物コントロールの例として、対
立遺伝子検出技術がPCR増幅、次いでのサイズ分画である場合、そのコントロ
ール試料は適切なサイズのDNA断片を含み得る。同様に、対立遺伝子検出技術
が変異タンパク質の検出を含んでいる場合、コントロール試料は変異タンパク質
の試料を含み得る。しかしながら、コントロール試料は分析される物質を含んで
いることが好ましい。例えば、コントロールはゲノムDNAの試料、またはIL
−1遺伝子群のクローン化部分であってよい。しかしながら、分析される試料が
ゲノムDNAである場合、コントロール試料は、ゲノムDNAの高度に精製され
た試料であるのが好ましい。
【0054】 「遺伝子破壊」、および「目標とされた破壊」あるいはそれに類するいずれの
句も、遺伝子の野生型コピーに比較した場合、細胞中のその遺伝子の発現を防ぐ
ための天然DNA配列の部位特異的遮断を意味する。その遮断は、遺伝子に対す
る欠失、挿入または改変、あるいはそれらの任意の組み合わせによって生じ得る
。「ゲノタイピング」は、直接、特定の疾患を引き起こす、あるいはもたらす変
異または多型を識別するための個々のゲノムDNA(またはそれに対応する核酸
)の分析、あるいは、疾患を引き起こす、あるいはもたらす遺伝子と連鎖不平衡
にある変異または多型(マーカー)の検出に基づいた個々のゲノムDNA(また
はそれに対応する核酸)の分析を意味する。
【0055】 「ハプロタイプ」という用語は、群(連鎖不平衡にある)として互いに遺伝す
る1組の対立遺伝子を意味する。本明細書では、ハプロタイプは統計的に有意な
レベルで生じるそれらのハプロタイプを含むと定義する(Pcorr≦0.05
)。本明細書では、「IL−1ハプロタイプ」という句はIL−1遺伝子座のハ
プロタイプを意味し、「TNFAハプロタイプ」はTNFA遺伝子座のハプロタ
イプを意味する。
【0056】 「対立遺伝子検出」という用語は、対立遺伝子または多型をゲノタイピング、
検出、または識別するプロセスを意味する。実際に検出された対立遺伝子は、疾
患を引き起こす変異(例えば、対立遺伝子2)であるか、疾患を引き起こす変異
と連鎖不平衡にある変異であり得る。それは患者のゲノムDNAにおいて明白で
あるが、その領域から転写された、あるいは翻訳されたRNAまたはタンパク質
配列からも検出可能である。
【0057】 「ハイブリダイズする」という用語は、ある核酸配列を他の核酸配列へアニー
リングすることを意味する。DNAハイブリダイゼーションを促進する適切なス
トリンジェンシー条件は、例えば、約45℃で2〜6.0×塩化ナトリウム/ク
エン酸ナトリウム(SSC)、さらに、50℃での2.0×SSCの洗浄であり
、これらは当業者に公知であり、あるいは、Current Protocol
s in Molecular Biology, John Wiley &
Sons, N. Y.(1989),6.3.1−6.3.6.で確認する
ことができる。洗浄ステップの塩濃度は、約6.0×SSCの低ストリンジェン
シーから約0.1×SSCの高ストリンジェンシーまで選択することができる。
さらに、洗浄ステップの温度は、室温、約22℃の低ストリンジェンシー条件か
ら、約65℃の高ストリンジェンシー条件まで高めていくことができる。添加し
た1%ホルムアミド当たり1℃ずつ温度範囲を減少させるように、ハイブリダイ
ゼーションステップおよび洗浄ステップにホルムアミドを加えてもよい。
【0058】 「出生時低体重乳児」は、約2500グラム未満の出生時体重、および、約3
7週未満の在胎齢(早産)あるいは早期前期破水を有している乳児として定義す
る。同様に、「出生時低体重母体」は出生時低体重乳児を持つか、出生時低体重
乳児を生む罹病素因をもつ母体である。
【0059】 「出生時低体重関連対立遺伝子」または「LBW関連対立遺伝子」は、胎児ま
たはその母体中のその存在が、胎児または母体が出生時低体重出産になりやすい
ことを示す対立遺伝子を意味する。LBW関連対立遺伝子の例としては、IL−
1RN(Msp1部位含有)の+2018マーカーの対立遺伝子2;TNFA(
Nco1による切断なし)の−308マーカーの対立遺伝子2、IL−1RN(
240bpのPCR産物)のVNTRマーカーの対立遺伝子2;IL−1Aの2
22/223マーカーの対立遺伝子4(132移動度単位(mu)PCR産物)
;IL−1Aのgz5/gz6マーカーの対立遺伝子4(91mu PCR産物
);IL−1Aの−889マーカーの対立遺伝子1(NcoI部位含有);IL
−1Bの+3954マーカーの対立遺伝子1(2つのTaqI部位含有);IL
−1Bの−511マーカーの対立遺伝子2(Bsu361部位含有);gaat
.p33330マーカーの対立遺伝子3(197mu PCR産物);および、
Y31マーカーの対立遺伝子3(160mu PCR産物);IL−1RN遺伝
子の1731マーカーの対立遺伝子2(位置1731でのA);IL−1RN遺
伝子の1812マーカーの対立遺伝子2(位置1812でのA);IL−1RN
遺伝子の1868マーカーの対立遺伝子2(位置1868でのG);IL−1R
N遺伝子の1887マーカーの対立遺伝子2(位置1887でのC);IL−1
RN遺伝子の8006マーカーの対立遺伝子2(HpaIIまたはMspI部位
含有)、IL1−RN遺伝子の8061マーカーの対立遺伝子2(MwoI部位
欠失)、および、IL−1RN遺伝子の9589マーカーの対立遺伝子2(Ss
pI部位含有)、並びに、対立遺伝子2TNF(−308)を含んでいてよい。
【0060】 「LBWの原因となる機能性変異」は、被検者の出生時低体重出産の発生をも
たらす、あるいはそれに関与する変異を意味する。好ましい変異は、IL−1複
合体またはTNF−A内で生じる。IL−1遺伝子(例えば、IL−1A、IL
−1BまたはIL−1RN)、TNA A遺伝子、または遺伝子座内で生じるL
BWの原因となる機能性変異は、それらに結合しており、例えば、遺伝子のオー
プンリーディングフレームまたはスプライシングパターンを改変し、それによっ
て、不活性または低活性の遺伝子産物の形成をもたらす。例えば、IL−1A遺
伝子座のイントロン6に生じる変異は、5〜18の反復単位に対応する可変的な
数のタンデムリピート46bp配列に相当する(Baillyら、(1993)
Eur.J.Immunol.23:1240−45)。これらの反復配列は、
転写ファクターに対する3つの潜在的結合部位、SP1部位、ウイルス性エンハ
ンサーエレメントおよび糖質コルチコイド反応性エレメントを含んでおり、した
がって、多くの反復単位を保持するIL−1Aイントロン6 VNTR対立遺伝
子を運ぶ個体は、IL−1A遺伝子の変化した転写調節とその結果生じる炎症性
サイトカイン生成の乱れの影響下にある。確かに、この多型性IL−1A遺伝子
座での反復数の増加によってIL−1α合成が低下するという証拠がある(Ba
illyら、(1996)Mol Immunol.33:999−1006)
。あるいは、変異は極度に活発な遺伝子産物をもたらす可能性がある。例えば、
IL−1B(+6912でG)の対立遺伝子2多型はIL−1B mRNAの3
’UTR(未翻訳領域)に生じ、それは、IL−1B遺伝子(+6912でC)
の対立遺伝子1に関連したそれらのレベルと比較した場合、IL−1B mRN
AおよびIL−1Bタンパク質双方の定常状態レベルの約4倍増に対応している
。さらに、IL−1B(−511)変異は、ネガティブ糖質コルチコイド応答エ
レメントのプロモーター結合部位の近くで生じる(Zhangら(1997)D
NA Cell Biol.16:145−52)。このエレメントは、デキサ
メタゾンによりIL−1B発現の抑圧を4倍強化し、また、このネガティブ応答
エレメントの欠失は2.5倍増のIL−1Bプロモーター活性をもたらす。この
ように、IL−1B(−511)多型は直接サイトカイン生成および炎症反応に
影響を与え得る。これらの実施例は、IL−1AまたはIL−1B遺伝子で生じ
る遺伝異型によって、IL−1サイトカイン活性の生成または制御が変化するこ
とを示している。
【0061】 「LBW治療用物質」は、被検者の出生時低体重の症状の発生を防止するか延
期する、あるいは被検者の出生時低体重の症状を緩和する(医薬品、栄養製剤お
よび外科的手段を含む)任意の製剤または治療用物質養生を意味する。LBW治
療用物質はポリペプチド、擬似ペプチド、核酸、あるいは他の無機分子または有
機分子であってよく、好ましくは、ビタミン、ミネラルおよび他の栄養素を含む
「小分子」である。好ましくは、LBW治療用物質は、天然に存在するポリペプ
チドの作用を模倣すること、強化すること(アゴナイジング)、または阻害する
こと(アンタゴナイジング)によって、IL−1および/またはTNF−αポリ
ペプチドの少なくとも1つの活性、例えばレセプターとの相互作用を調整するこ
とができる。アゴニストは、少なくとも1つの野生型の生理活性、例えば、レセ
プター結合活性を有する野生型タンパク質またはそれの誘導体であり得る。また
、アゴニストは遺伝子の発現を高める化合物であってよく、あるいはそれはタン
パク質の少なくとも1つの生理活性を高める。さらに、アゴニストは、例えば、
レセプターなどの他の分子とポリペプチドとの相互作用を高める化合物であって
もよい。アンタゴニストは、例えば、レセプターなどの別の分子とタンパク質と
の間の相互作用を阻害または低減する化合物、あるいは信号伝達または後翻訳処
理をブロックする作用物質(例えば、IL−1転換酵素(ICE)阻害剤)であ
りうる。したがって、好ましいアンタゴニストは、レセプターへの結合を阻害ま
たは低減する化合物であり、それによって、レセプターの後続の活性化を阻止す
る。また、アンタゴニストは遺伝子の発現を抑制する化合物であってよく、ある
いは、それはタンパク質存在量を低減する。アンタゴニストは、例えば、レセプ
ターなどの標的ペプチドと相互に作用し得るがレセプターの活性化は促進しない
ポリペプチド形成物などの、ポリペプチドの優性ネガティブ形成物であってよい
。また、アンタゴニストは、ポリペプチド、アンチセンス核酸、またはRNAと
特異的に相互に作用し得るリボザイムの優性ネガティブ形成物をコードする核酸
でありうる。さらに、他のアンタゴニストはポリペプチドに結合し、その作用を
阻害する分子である。かかる分子には、例えば、生物活性を有さず、レセプター
への結合を阻害する標的ペプチドの形成物などのペプチドが含まれる。したがっ
て、そのようなペプチドは、タンパク質の活性部位に結合し、それが標的ペプチ
ドと相互に作用するのを妨げる。さらに、他のアンタゴニストには、結合がポリ
ペプチドの生体機能を妨げるように分子のエピトープと特異的に相互作用する抗
体がある。また、他の好ましい実施形態では、アンタゴニストは、ポリペプチド
と標的レセプターとの間の相互作用を阻害し得る分子などの小分子である。ある
いは、小分子は、レセプター結合部位以外の部位との相互作用によりアンタゴニ
ストとして機能し得る。アンタゴニストは、核酸、タンパク質、炭水化物、脂質
、またはそれらの組み合わせを含む任意の種類の分子であってよいが、治療目的
に対しては小分子が好ましい。好ましいLBW治療用物質には、コルチコステロ
イド(例えば、プレドニゾンおよびメチルプレドニソン)、シクロホスファミド
(例えば、サイトキサン(cytoxan))、コルヒチン、アザチオプリン(
例えば、イムラン)、メトトレキセート、ペニシラミン、サイクロスポリン、お
よび他の免疫抑制剤(例えば、クロラムブシルおよび硫酸ビンクリスチン)があ
る。
【0062】 本明細書で使用される「IL−1遺伝子群」および「IL−1遺伝子座」とい
う用語は、少なくともIL−1A、IL−1BおよびIL−1RN遺伝子、およ
び他の結合配列を含む、染色体2の2q13領域の、またはその領域の近くのす
べての核酸を含んでいる(Nicklinら、(1994)Genomics
19:382−84)。本明細書で使用される「IL−1A」、「IL−1B」
および「IL−1RN」は、各々、IL−1α、IL−1β、およびIL−1レ
セプターアンタゴニストをコードする遺伝子を意味する。IL−1A、IL−1
BおよびIL−1RNの遺伝子受託番号は、各々、X03833、X04500
およびX64532である。
【0063】 「IL−1機能性変異」は、変更された表現型をもたらす(すなわち、IL−
1遺伝子またはタンパク質の機能に変化をもたらす)IL−1遺伝子群内の変異
を意味する。例としては、IL−1A(+4845)対立遺伝子2、IL−1B
(+3954)対立遺伝子2、IL−1B(+6912)対立遺伝子2、および
IL−1RN(+2018)対立遺伝子2が含まれる。
【0064】 「IL−1X(Z)対立遺伝子Y」は、遺伝子XのIL−1遺伝子座多型部位
で生じる、Yと称する特定の対立形質形成物を意味するが、XはIL−1A、B
またはRN、あるいはIL−1遺伝子座のいくつかの他の遺伝子であり、かつ、
ヌクレオチドZに、またはそのZの近くに位置しており、ヌクレオチドZは、主
な転写開始部位に対して番号が付されており、特定のIL−1遺伝子Xに関して
ヌクレオチド+1である。さらに本明細書で使用する「IL−1X対立遺伝子(
Z)」という用語は、ヌクレオチドZに、またはそのZの近くに位置した遺伝子
X中のIL−1多型部位の対立遺伝子すべてを意味する。例えば、「IL−1R
N(+2018)対立遺伝子」という用語は、マーカー+2018でのIL−1
RN遺伝子の代替形態を意味する。「IL−1RN(+2018)対立遺伝子1
」は、センス鎖の位置+2018にシトシン(C)を含んでいる、IL−1RN
遺伝子の形態を意味する。Clayら、(1996)Hum.Genet.97
:723−26。「IL−1RN(+2018)対立遺伝子2」は、プラス鎖の
位置+2018にチミン(T)を含んでいる、IL−1RN遺伝子の形態を意味
する。被検者が2つの同一のIL−1RN対立遺伝子を有している場合、被検者
はホモ接合的である、あるいはホモ接合的状態を有していると呼ばれる。被検者
が2つの異なるIL−1RN対立遺伝子を有している場合、被検者はヘテロ接合
的である、あるいはヘテロ接合状態を有していると呼ばれる。「IL−1RN(
+2018)対立遺伝子2,2」という用語は、ホモ接合的IL−1RN(+2
018)対立遺伝子2状態を意味する。逆に、「IL−1RN(+2018)対
立遺伝子1,1」という用語は、ホモ接合的IL−1RN(+2018)対立遺
伝子1状態を意味する。「IL−1RN(+2018)対立遺伝子1,2」とい
う用語は、ヘテロ接合的対立遺伝子1および2状態を意味する。
【0065】 本明細書で使用する「IL−1関連」は、ヒト染色体2(2q 12−14)
上のヒトIL−1遺伝子座遺伝子に関係する遺伝子すべてを含むことを意味する
。これらには、インターロイキン−1αをコードするIL−1A遺伝子、インタ
ーロイキン−1βをコードするIL−1B遺伝子、および、インターロイキン−
1レセプターアンタゴニストをコードするIL−1RN(またはIL−1ra)
遺伝子を含む、染色体2(2q 13−14)に位置したヒトIL−1遺伝子群
のIL−1遺伝子がある。さらに、これらIL−1関連遺伝子は、ヒト染色体2
(2q 12)に位置するI型およびII型ヒトIL−1レセプター遺伝子、およ
び、位置19.5cMのマウス染色体1上に位置するそれらのマウス相同染色体
を含んでいる。インターロイキン−1α、インターロイキン−1βおよびインタ
ーロイキン−1RNは、それらがすべてIL−1のI型レセプターに結合するよ
うに関連しているが、インターロイキン−1RNが天然に存在するアンタゴニス
ト配位子である一方、インターロイキン−1αおよびインターロイキン−1βだ
けがIL−1のI型レセプターを活性化するアゴニスト配位子である。
【0066】 「IL−1」という用語が遺伝子産物またはポリペプチドに関して使用される
場合、それは、ヒト染色体2(2q 12−14)上のインターロイキン−1遺
伝子座によってコードされたすべての遺伝子産物、および、他の種またはそれの
機能性異型由来のそれらの対応する相同染色体を意味することを意図する。した
がって、IL−1という用語には、IL−1αおよびIL−1βなどの炎症反応
を促進する分泌ポリペプチド、並びに、IL−1レセプターアンタゴニストおよ
びIL−1 II型(偽)レセプターなどの炎症反応に拮抗する分泌ポリペプチド
が含まれる。
【0067】 「IL−1レセプター」または「IL−1R」は、IL−1遺伝子座コード化
配位子からのシグナルに結合し得る、かつ/または該シグナルを伝達し得る様々
な細胞膜結合タンパク質レセプターを意味する。その用語は、インターロイキン
−1(IL−1)分子を結合し得るいかなるタンパク質にも当てはまり、哺乳動
物の原形質膜タンパク質としてのそれらの天然構造中で、おそらく、IL−1に
よって供給されるシグナルを細胞に伝達する際に機能を果たしている。本明細書
では、その用語には、IL−1結合活性、またはシグナル伝達活性を有する天然
タンパク質のアナログが含まれている。例としては、米国特許第4,968,6
07号に記載されているヒトおよびネズミのIL−1レセプターがある。「IL
−1核酸」という用語は、IL−1タンパク質をコードする核酸を意味する。
【0068】 「IL−1ポリペプチド」および「IL−1タンパク質」は、IL−1ゲノム
DNAおよびそれらの相同染色体によってコードされたアミノ酸配列を含むポリ
ペプチドを包含し、アゴニストおよびアンタゴニストポリペプチドを含むことを
意図している。
【0069】 「危険性増大」とは、特定の多型対立遺伝子を保持していない群のメンバーに
おける疾患あるいは病状の発生頻度に対して、特定の多型対立遺伝子を保持する
個体の疾患および病状の発生が統計的に高い頻度であることを意味する。
【0070】 本明細書で用いられる「相互作用する」という用語は、本質的に、タンパク質
とタンパク質、タンパク質と核酸、核酸と核酸、およびタンパク質と小分子、ま
たは核酸と小分子との間の相互作用などの、分子間の検出可能な相関または関係
(例えば、生化学的相互作用)を含むことを意味する。
【0071】 本明細書でDNAまたはRNAなどの核酸に関して「分離した」という用語は
、天然の高分子に存在する他の複数のDNAまたはRNAからそれぞれ分離した
分子を意味する。例えば、被検者のIL−1ポリペプチドの1つをコードする分
離された核酸は、好ましくは10キロベース(kb)以下のゲノムDNAのIL
−1遺伝子に本来すぐ近くに隣接する核酸配列、さらに好ましくは、5kb以下
のそのような天然に存在し隣接している配列、最も好ましくは、1.5kb未満
のそのような天然に存在し隣接している配列を含んでいる。また、本明細書にお
ける分離したという用語は、組換えDNA技術によって生成された場合の細胞物
質、ウイルス性物質または培地、あるいは化学的に合成された場合の化学的前駆
体または化学薬品を実質的に含まない核酸またはペプチドを意味する。さらに、
「分離した核酸」とは、断片として天然に存在せず、自然状態で確認することが
できない核酸断片を含むことを意味する。また、本明細書で用いられる「分離し
た」という用語は、他の細胞タンパク質から分離したポリペプチドを意味し、さ
らに、精製ポリペプチドおよび組換えポリペプチドをともに含むことを意図する
【0072】 「ノックイン」トランスジェニック動物は、そのゲノムへ改質遺伝子を導入し
た動物を意味し、その改質遺伝子は外因性起源または内因性起源でありうる。
【0073】 「ノックアウト」トランスジェニック動物は、(例えば、遺伝子の少なくとも
一部の欠失、別の配列による遺伝子の少なくとも一部の置換、導入または終止コ
ドン、重要アミノ酸をコードする塩基の変異、または、イントロン結合部の除去
等に基づく)内因性遺伝子の発現の部分的抑制または完全抑制がある動物を意味
する。
【0074】 「ノックアウト構築物」は、細胞中の内因性DNAによってコードされたタン
パク質の発現を低下または抑制するために用いられ得る核酸配列を意味する。簡
単な例では、ノックアウト構築物は、活性タンパク質がそこから発現することが
できないように、遺伝子の重要部分に欠失を有する、例えばIL−1RN遺伝子
などの遺伝子からなる。あるいは、タンパク質の早期成端を誘導するために天然
遺伝子に多数の終止コドンを加えることができる。または、イントロン結合部を
不活性化することができる。代表的なノックアウト構築物では、選択可能なマー
カー(neo遺伝子など)でその遺伝子の一部分を置換し、その遺伝子をIL−
1A5’/neo/IL−1A3’のように表現することができる。ただし、I
L−lA5’およびIL−1A3’は、各々、IL−1A遺伝子の部分に対して
上流および下流であるゲノム配列またはcDNA配列を意味し、neoはネオマ
イシン耐性遺伝子を意味する。別のノックアウト構築物では、別の選択可能なマ
ーカーを隣接する位置に加え、その遺伝子をIL−1A/neo/IL−1A/
TKとして表わすことができる。ただし、TKは前の構築物のIL−1A5’ま
たはIL−1A3’のいずれかに加えることができるチミジンキナーゼ遺伝子で
あり、さらに、適切な媒体で対抗して選択することができる(すなわち、ネガテ
ィブな選択可能マーカーである)。この2つのマーカー構築物は、一般的にTK
配列を保持する非相同的組換え事象から、隣接するTKマーカーが除かれている
相同的組み換え事象を選択することを可能にする。遺伝子欠失および/または置
換は、エキソン、イントロン、特にイントロン結合部、および/またはプロモー
ターなどの制御領域以降に存在し得る。
【0075】 「連鎖不平衡」は、所与のコントロール群の各対立遺伝子に関する発生の個別
頻度から推測される頻度より高い頻度にある2つの対立遺伝子の共遺伝(co−
inheritance)を意味する。独立して遺伝される2つの対立遺伝子の
発生の予測頻度は、第2対立遺伝子の頻度に乗じた第1対立遺伝子の頻度である
。予測頻度で同時に起きる対立遺伝子は「連鎖平衡」にあると言える。連鎖不平
衡の原因は不明確であることが多い。それは、ある対立遺伝子組み合わせの選択
、または、遺伝的異種群の新たな混合にもとづいている可能性がある。さらに、
疾患遺伝子と非常にしっかりリンクしているマーカーでは、特定染色体領域の組
換え事象を介して平衡が達するには十分な時間が経過していない過去最近に疾患
突然変異が生じた場合に疾患遺伝子と対立遺伝子(またはリンク対立遺伝子群)
の関連を予測する。1つより多い対立遺伝子からなる対立形質パターンを説明す
る場合、第1対立形質のパターンを含む対立遺伝子がすべて第2対立形質のパタ
ーンの対立遺伝子の少なくとも1つと連鎖不平衡にあるならば、第1対立形質の
パターンは第2対立形質のパターンと連鎖不平衡にある。連鎖不平衡の例として
は、IL−1RN(+2018)およびIL−1RN(VNTR)の多型部位の
対立遺伝子間で生じる連鎖不平衡がある。IL−1RN(+2018)の2つの
対立遺伝子は、IL−1RN(VNTR)の2つの高頻度の対立遺伝子との連鎖
不平衡中に100%あり、それらは対立遺伝子1および対立遺伝子2である。
【0076】 「マーカー」という用語は、個体間で異なることが知られているゲノム中の配
列を意味する。例えば、IL−1RN遺伝子は、可変的な数のタンデムリピート
(VNTR)からなるマーカーを有している。本明細書で記述されているマーカ
ーIL−1RN(+2018)は、出生時低体重出産を有する傾向を識別するた
めに使用することができる。
【0077】 「変異遺伝子」または「変異」または「機能性変異」は、遺伝子の対立形質の
形態を意味し、それは変異遺伝子を有していない被検者の表現型に対して変異遺
伝子を有する被検者の表現型を改変し得る。変異によって生じた改変表現型は、
ある作用物質によって修正または補正することができる。被検者が改変表現型を
有するこの変異についてホモ接合的である場合、その変異は劣性であると言える
。変異遺伝子の1つのコピーが被検者の表現型を変えるのに十分である場合、そ
の変異は優性であると言える。被検者が変異遺伝子の1つのコピーを有しており
、ホモ接合性被検者のそれとヘテロ接合性被検者(その遺伝子に対する)のそれ
との間の中間である表現型を有する場合、その変異は共優性であると言える。
【0078】 本発明の「非ヒト動物」には、齧歯類、非ヒト霊長類、羊、イヌ、ウシ、ヤギ
などの哺乳類等が含まれる。好ましい非ヒト動物は、ラットおよびマウス、最も
好ましくはマウスをはじめとする齧歯類ファミリーから選択するが、しかしなが
ら、さらに、アフリカツメガエル属の構成動物などのトランスジェニック両生類
、およびトランスジェニックニワトリは、例えば、胚形成および組織形成に作用
することが可能な作用物質を推察し識別するための重要なツールを提供し得る。
本明細書で使用する「キメラ動物」という用語は、組換え遺伝子が確認される動
物、または、組換え遺伝子が動物のすべての細胞ではなく一部の細胞で発現する
動物を意味する。「組織特異的キメラ動物」という用語は、組換えIL−1遺伝
子のうちの1つが、他の組織ではなく一部の組織で存在、および/または発現、
または分裂することを示す。「非ヒト哺乳類」という用語は、ヒト以外の、哺乳
綱の任意の構成動物を意味する。
【0079】 本明細書では、「核酸」という用語は、デオキシリボ核酸(DNA)などのポ
リヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを意味するが、リボ核酸(RNA)が
適当である。さらに、その用語は、均等の用語として、ヌクレオチドアナログ(
例えば、ペプチド核酸)で作られたRNAまたはDNAのいずれかのアナログを
含み、また、記述されている実施形態に適用され得るものとして、一本鎖(セン
スまたはアンチセンス)およびニ本鎖のポリヌクレオチドを含むものと理解すべ
きである。
【0080】 「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」という用語は、分析を容易にする
ための少量のDNAを増幅する方法を意味する。基礎的な増幅プロトコルに関す
る多数の変法は、当業者に公知である。PCRベースの検出手段は、同時に多数
のマーカーの多重増幅を含んでいる。例えば、サイズがオーバラップせず、同時
に分析することが可能な、PCR産物を生成するためのPCRプライマーの選択
は当該技術分野で公知である。あるいは、特異的に標識化され、したがって特異
的に各々検出することができるプライマーを用いて異なるマーカーを増幅するこ
とが可能である。もちろん、ハイブリダイゼーションベースの検出手段は、試料
中の複数のPCR産物を特異的に検出することができる。他の技術は、多数のマ
ーカーの多重分析ができることが当該技術分野で知られている。
【0081】 「多型」という用語は、遺伝子またはそれの一部分(例えば、対立形質異型)
の2つ以上の形態の共存を意味する。少なくとも2つの異なる形態(すなわち、
異なる2つの塩基配列)がある遺伝子の部分を「遺伝子の多型領域」と称する。
遺伝子の多型領域での特異的遺伝配列は、対立遺伝子である。多型領域は一本鎖
ヌクレオチドでありうる。また、その同一性は、異なる対立遺伝子で異なる。ま
た、多型領域は長いいくつかのヌクレオチドでありうる。特定の対立遺伝子の存
在を検出するための技術は当業者に公知であり、制限酵素断片長多型(RFLP
)、核酸シーケンシング、または核酸ハイブリダイゼーションなどの、サイズま
たは配列に基づいた核酸技術があるが、これに制限されるものではない。分析さ
れる核酸はRNAまたはDNAであってよい。また、これらの技術は、分析前に
核酸を増幅するステップを含んでいてもよい。増幅技術は当業者に公知であり、
クローニング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、特異的対立遺伝子のポリメラ
ーゼ連鎖反応(PASA)、ポリメラーゼ連鎖結合、入れ子ポリメラーゼ連鎖反
応等があるが、これに制限されるものではない。増幅生成物は、サイズ分析、制
限消化後のサイズ分析、反応生成物中の特異的標識オリゴヌクレオチドプライマ
ーの検出、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ハイブリダイゼーシ
ョン、対立遺伝子特異的5’エキソヌクレアーゼ検出、シーケンシング、ハイブ
リダイゼーション等をはじめとする様々な方法で分析することができる。
【0082】 「疾患への傾向」、「罹病素因」、また、疾患に対する「発生率」という用語
、または任意の類似の語句は、ある対立遺伝子がこれによって出生時低体重出産
と関係していることを発見し、また、その予測をすることを意味する。健康な個
体と比較して、出生時低体重乳児を出産した個体では、したがって頻繁に対立遺
伝子が過度に示される。このため、前駆症状性の個体においてでさえ、非正常な
妊娠結果を予測するためにこれらの対立遺伝子を使用することができる。
【0083】 本明細書で用いられる「小分子」は組成物を意味することを意図し、それは約
5kD未満の、最も好ましくは約4kD未満の分子量を有している。小分子は、
核酸、ペプチド、擬似ペプチド、炭水化物、脂質または他の有機分子または無機
分子であってよい。
【0084】 本明細書では、「特異的にハイブリダイズする」または「特異的に検出する」
という用語は、試料核酸の少なくとも約6個の連続するヌクレオチドに核酸分子
がハイブリダイズするという能力を意味する。
【0085】 「全身性リウマチ疾患」は、少なくとも次の疾患、全身性紅斑性狼瘡、シェー
グレン症侯群、全身性硬化症、皮膚筋炎/多発性筋炎、混合性結合組織疾患、強
直性脊椎炎および血清陰性脊椎関節症を含む群から選択される疾患を意味する。
【0086】 「転写調節配列」は、開始シグナル、エンハンサーおよびプロモーターなどの
DNA配列を意味するために明細書全体にわたって使用される総括的な用語であ
り、それらが機能的に結合するタンパク質コード配列の転写を誘導または調節す
る。
【0087】 本明細書では、用語「導入遺伝子」は、細胞へ導入された(例えば、IL−1
ポリペプチドの1つまたはそれへのアンチセンス転写産物をコードする)核酸配
列を意味する。導入遺伝子は、それが導入されたトランスジェニック動物または
細胞にとって部分的に、または完全に異種(すなわち、外来)であってもよく、
あるいは、それが導入されたトランスジェニック動物または細胞の内因性遺伝子
に対して相同であり、それが挿入される細胞のゲノムを変更するような方法で動
物のゲノムへ挿入されるように設計されているか、挿入されている(例えば、そ
れは、天然遺伝子の位置とは異なる位置で挿入されているか、あるいは、その挿
入がノックアウトをもたらす)。さらに、導入遺伝子は、エピソームの形態で細
胞に存在する。導入遺伝子は、選択した核酸の最適発現に必要とされ得る、イン
トロンなどの1つまたは複数の転写調節配列および他の核酸を含んでいてよい。
【0088】 「トランスジェニック動物」は、1つまたは複数の動物の細胞が、当該技術分
野で公知のトランスジェニック技術などによる人による調整で導入された異種核
酸を含有している任意の動物、好ましくは非ヒト哺乳類、鳥または両生動物を意
味する。その核酸は、細胞前駆体への導入によって、マイクロインジェクション
または組換えウイルスの感染などによる計画的遺伝子操作によって、細胞へ直接
または間接的に導入される。遺伝子操作という用語は、古典的交雑育種または体
外受精は含んでおらず、正確には組換えDNA分子の導入を意味する。この分子
は染色体内に組み込まれてもよく、あるいは、染色体外複製DNAであってもよ
い。本明細書に記載されている代表的なトランスジェニック動物において、導入
遺伝子は、細胞に、例えば、アゴニスト形態またはアンタゴニスト形態であるI
L−1またはTNFαポリペプチドの1つの組換え形態を発現させる。しかしな
がら、さらに組換え遺伝子がサイレントのトランスジェニック動物、例えば、下
記に記載したFLPまたはCREレコンビナーゼ依存性構築物を検討する。また
、「トランスジェニック動物」には、1つまたは複数の遺伝子の遺伝子破壊が組
換え技術およびアンチセンス技術双方を含む人による調整によって生じたそれら
の組換え動物が含まれる。その用語は、すべての後代世代を含むことを意図する
。したがって、先駆動物、およびすべてのF1、F2、F3、並びにそれらの後
代が含まれる。
【0089】 本明細書で用いられる「処置」という用語は、状態または疾患の少なくとも1
つの症状を改善すること、並びに治療することを含むことを意図している。
【0090】 「ベクター」という用語は、核酸分子を意味し、それが結合された別の核酸を
運搬することができる。好ましいベクターのある種類にはエピソーム、すなわち
、染色体外の複製が可能な核酸がある。好ましいベクターは、それらが結合して
いる核酸の自律複製および/または発現が可能なものである。本明細書では、機
能的に結合されている遺伝子の発現を導くことができるベクターを「発現ベクタ
ー」と称する。一般に、組換えDNA技術で有用な発現ベクターは、一般に、そ
れらベクター形態において、染色体に結合していない環状二本鎖DNAループを
意味する「プラスミド」の形態であることが多い。本明細書では、プラスミドが
ベクターの最も一般に用いられている形態であるので、「プラスミド」および「
ベクター」を互換可能に使用する。しかしながら、本発明は、同等の機能を果た
し、この点に関して後に当該技術分野で公知になる、発現ベクターのかかる他の
形態を含んでいることを意図する。
【0091】 「野生型対立遺伝子」という用語は、被検者に2つのコピーが存在する場合、
野生型の表現型をもたらす遺伝子の対立遺伝子を意味する。遺伝子におけるある
ヌクレオチド変化は、ヌクレオチド変化がある遺伝子の2つのコピーを有する被
検者の表現型に影響を与えない場合があるので、特定遺伝子の異なる野生型対立
遺伝子は数種類ある可能性がある。
【0092】 3.2 胎児および母胎のサンプル採取 本発明は、低出産体重出産の危険性を明らかにするための方法およびキットを
提供する。詳細には、この方法は、胎児由来組織または母胎由来組織の多型パタ
ーンを評価することを含む。好適な胎児由来組織には、胎児細胞および/または
臍帯血が含まれるが、これらに限定されない。胎児細胞を得る方法は、当業者に
は知られており、羊水穿刺、絨毛生検、および母胎血液標本に存在する有核胎児
赤血球の採取を含むが、これらに限定されない。胎児細胞を母胎血液から得るた
めの好適な方法には、米国特許第5,629,147号および同第5,457,
024号(これらは参考として本明細書中に援用される)に記載されている方法
が含まれるが、これらに限定されない。場合により、胎児細胞を培養して、試験
に好適な量にすることは有用であり得る。胎児由来組織を試験することの基礎は
、低出産体重出産の危険性が胎児ゲノムの多型パターンに関連しているという認
識に基づいている。
【0093】 胎児細胞には、胎児の赤血球、リンパ球および栄養膜が含まれるが、これらに
限定されない。赤血球はまた、赤芽球、正赤芽球および網状赤血球などの未発達
の成熟赤血球(ただし、有核)の形態であってもよいが、これらに限定されない
【0094】 母胎血液中の赤血球の約4000個から7000個において1個が胎児の赤血
球である。胎児の赤血球は、胎児の細胞は核を有しているが、母胎の赤血球は核
を有していない点で母胎の赤血球と異なる。胎児細胞を母胎の血液から検出して
単離する方法には、下記に記載されている方法が含まれる:Yeoh,S.C.
他、(1991)Prenatal Diagnosis、11:117〜12
3;Mueller,U.W.他、(1990)Lancet、336:197
〜200(モノクローナル抗体による胎児栄養膜の単離);Price,J.O
.他、(1991)Am.J.Obstet.Gynecol.165:173
1〜1737(フローソーティング);国際特許出願公開WO91/07660
(抗原認識);国際特許出願公開WO91/16452;米国特許第5,153
,117号(抗体結合);および米国特許第5,629,147号(固有の光散
乱)。これらはすべて参考として本明細書中に援用される。
【0095】 細胞は、例えば、母胎の末梢血、臍帯血および絨毛生検から得ることができる
。細胞サンプルは直接試験することができる。あるいは、サンプルは、細胞培養
などによって富化することができる。別の実施形態において、組織は、インビト
ロで受精させた胚細胞、卵割球分離または核移植(これらに限定されない)など
の核移植技術によって得られた細胞に由来し得る。
【0096】 本発明において、良好でない妊娠の結果を予想するためのキットが提供される
。このキットは、本明細書に記載された方法の実施に必要とされる試薬およびプ
ローブを含む。キットはまた、IL−1遺伝子クラスターの近くにハイブリダイ
ゼーションし得るか、あるいはIL−1遺伝子クラスターの他の対立遺伝子にお
いてハイブリダイゼーションし得る1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含有
することができる。PCR増幅オリゴヌクレオチドは、その後の分析に便利なサ
イズのPCR産物を得るために、25塩基対〜2500塩基対離れて、好ましく
は約100塩基〜約500塩基離れてハイブリダイゼーションしなければらない
【0097】 オリゴヌクレオチドは、合成オリゴヌクレオチド、制限フラグメント、cDN
A、合成PNAなどの様々な天然および合成の組成物であり得る。キットはまた
、必要に応じて、AmpliCardTM(シェフィールド大学、Sheffi
eld、England S10 2JF;Tarlow JW他、(1994
)J.of Invest.Dermatol.103:387〜389)など
のDNAサンプリング手段;NucleonTMキット、溶解緩衝液、プロテイ
ナーゼ溶液などのDNA精製試薬;10X反応緩衝液、熱安定性ポリメラーゼ、
dNTP類などのPCR試薬;およびHinfI制限酵素、対立遺伝子特異的オ
リゴヌクレオチドなどの対立遺伝子検出手段を含むことができる。用いることが
できる標識の例には、放射能標識、酵素、蛍光化合物、ストレプトアビジン、ア
ビジン、ビオチン、磁気体成分、金属結合性成分、抗原成分または抗体成分など
が含まれる。
【0098】 3.3 例示的な多型およびオリゴヌクレオチド 3.3.1 IL−1B(−511) 遺伝子アクセス番号X04500 IL−1βプロモーターにおけるこのC/Tの一塩基変化は1990年に報告
された(42)。
【0099】 オリゴヌクレオチドプライマー: 5’−TGG.CAT.TGA−TCT.GGT.TCA.TC−3’(−70
2/−682)(配列番号3) 5’−GTT.TAG.GAA.TCT.TCC.CAC.TT−3’(−41
7/−397)(配列番号4) MgClを2.5mMの最終濃度で使用し、PCRプライマーを1μMで使
用する。サイクルを、[95℃、1分]x1;[95℃、1分;53℃、1分;
72℃、1分]x35;[72℃、5分]x1;4℃で行う。各PCR反応物を
2つの25μl部分に分ける:3μlの特異的な10X制限緩衝液に加えて、1
つには3ユニットのAvaIを加え、もう一方には3.7ユニットのBsu36
Iを加える。インキュベーションを37℃で一晩行う。電気泳動をPAGE(9
%)によって行う。2つの酵素は、それぞれ、2つの異なる対立遺伝子を切断す
る。AvaIは、対立遺伝子1に対して190+114をもたらすが、対立遺伝
子2(304p)を切断しない。Bsu36Iは、対立遺伝子2に対して190
+114をもたらすが、対立遺伝子1(304p)を切断しない。得られた制限
パータンは、2つの小分け物で逆(ホモ接合体と同定される)であるか、同一(
ヘテロ接合体が同定される)であるはずである。北部英国白人集団における頻度
は0.61および0.39である。類似する遺伝子群における0.05の有意性
水準で限界が90%の場合、1.5倍大きな頻度を検出するためには133例を
調べなければならず、あるいは0.1の絶対的に大きな頻度には505例を調べ
なければならない。
【0100】 3.3.2 IL−1B(+3954) 遺伝子アクセス番号X04500 この多型はIL−1BのTaqI RFLPとして報告された(25)。本発
明者らは、最も可能性のある関与領域を配列決定して、RFLPを完全に説明す
るエキソンVにおける+3954でのC/Tの一塩基変化を見出した。本発明者
らは、コントロールのTaqI部位を挿入するためにPCRプライマーを設計し
た。従って、生成物は、TaqIに関して1つの一定した制限部位と1つの多型
制限部位を含有する。オリゴヌクレオチドプライマー: 5’−CTC.AGG.TGT.CCT.CGA.AGA.AAT.CAA.A
−3’(+3844/+3868)(配列番号5) 5’−GCT.TTT.TTG.CTG.TGA.GTC.CCG−3’(+4
017/+4037)(配列番号6) MgClを2.5mMの最終濃度で使用し、DNAテンプレートを150n
g/50μlPCRで使用する。サイクルを、[95℃、2分]x1;[95℃
、1分;67.5℃、1分;72℃、1分]x35;[72℃、5分]x1;4
℃で行う。各PCR反応物に、3μlの特異的な10X制限緩衝液に加えて、1
0ユニットのTaqI(Promega)を加える。インキュベーションを65
℃で一晩行う。電気泳動をPAGE(9%)によって行う。この酵素は、12b
pの一定したバンド(この非存在は不完全な消化を示す)に切断し、さらに、8
5bpと97bpとの2つのさらなるバンド(対立遺伝子1)、または182b
pの1つのバンド(対立遺伝子2)のいずれかに切断する。北部英国白人集団に
おける頻度は0.82および0.18である。類似する遺伝子群における0.0
5の有意性水準で限界が90%の場合、1.5倍大きな頻度を検出するためには
408例を調べなければならず、あるいは0.1の絶対的に大きな頻度には33
3例を調べなければならない。
【0101】 3.3.3 IL−1A(+4845) 遺伝子アクセス番号X03833 エキソンVにおけるこの一塩基変化(C/T)がヒトIL−1αのクローニン
グにおいてGubler他(40)により報告され、最近の論文(41)で再び
報告された。本発明者らは、対立遺伝子1においてFnu4HI制限部位を作製
するために新しいPCRプライマーを設計した(A.G.Chaudhary、
未発表)。オリゴヌクレオチドプライマー: 5’−ATG.GTT.TTA.GAA.ATC.ATC.AAG.CCT.A
GG.GCA−3’(+4814/+4843)(配列番号7) 5’−AAT.GAA.AGG.AGG.GGA.GGA.TGA.CAG.A
AA.TGT−3’(+5015/+5044)(配列番号8) MgClを1mMの最終濃度で使用し、PCRプライマーを0.8μMで使
用する。DMSOを5%で加え、DNAテンプレートを150ng/50μlの
PCRで加える。サイクルを、[95℃、1分]x1;[94℃、1分;56℃
、1分;72℃、2分]x35;[72℃、5分]x1;4℃で行う。各PCR
反応物には、2μlの特異的な10X制限緩衝液に加えて、2.5ユニットのF
nu4H1(NEB)を加える。インキュベーションを37℃で一晩行う。電気
泳動をPAGE(9%)によって行う。酵素Fnu4H1は、76bpの一定し
たバンド(この非存在は不完全な消化を示す)に切断し、さらに対立遺伝子1に
ついては29bpと124bpとの2つのさらなるバンド、または対立遺伝子2
については153bpの1つのバンドに切断する。北部英国白人集団における頻
度は0.71および0.29である。
【0102】 3.3.4 IL−1RN(+2018) 遺伝子アクセス番号X64532 エキソン2におけるこの一塩基変化(+2016でのC/T)はClay他に
より報告された(22)。(ゲノム配列にミスマッチする)下記のプライマーを
設計して、2つの対立遺伝子において2つの酵素切断部位を操作した。2つの対
立遺伝子は、IL−1RN(VNTR)の2つの最も頻発する対立遺伝子との連
鎖不平衡が100%である。オリゴヌクレオチドプライマー: 5’−CTA.TCT.GAG.GAA.CAA.CCA.ACT.AGT.A
GC−3’(+1990/+2015)(配列番号9) 5’−TAG.GAC.ATT.GCA.CCT.AGG.GTT.TGT−3
’(+2133/+2156)(配列番号10) サイクルを、[96℃、1分]x1;[94℃、1分;57℃、1分;70℃
、2分]x35;[7℃、5分]x1;4℃で行う。各PCR反応物を2つの2
5μl部分に分ける:3μlの特異的な10X制限緩衝液に加えて、1つには5
ユニットのAluIを加え、もう一方には5ユニットのMspIを加える。イン
キュベーションを37℃で一晩行う。電気泳動をPAGE(9%)によって行う
。2つの酵素は、それぞれ、2つの異なる対立遺伝子を切断する。AluIは、
対立遺伝子1に関して126+28bpのフラグメントをもたらすが、対立遺伝
子2(154bp)を切断しない。MspIは、対立遺伝子2に関して125+
29bpをもたらすが、対立遺伝子1(154bp)を切断しない。従って、(
PAGEにおいて並べて分離される)2つの反応物は、ホモ接合体の個人の場合
には逆の消化パターンをもたらし、ヘテロ接合体の場合には同一のパターンをも
たらす。北部英国白人集団における頻度は0.74および0.26である。類似
する遺伝子群における0.05の有意性水準で限界が90%の場合、1.5倍大
きな頻度を検出するためには251例を調べなければならず、あるいは0.1の
絶対的に大きな頻度には420例を調べなければならない。
【0103】 3.3.5 TNFA(−308) 遺伝子アクセス番号X02910 TNFAプロモーターにおけるこの一塩基変化(A/G)はWilson他に
より1990年に報告された(43)。一方のPCRプライマーは、対立遺伝子
1を増幅したときにNcoI部位を作製するための一塩基変化を有する。北部英
国白人集団における頻度は0.77および0.23である。オリゴヌクレオチド
プライマー: 5’−AGG.CAA.TAG.GTT.TTG.AGG.GCC.AT−3’
(−331/−309)(配列番号11) 5’−TCC.TCC.CTG.CTC.CGA.TTC.CG−3’(−24
4/−226)(配列番号12) MgClを1.5mMの最終濃度で使用し、PCRプライマーを0.2μM
で使用する。サイクルを、[95℃、1分]x1;[94℃、1分;60℃、1
分;72℃、1分]x35;[72℃、5分]x1;4℃で行う。各PCR反応
物に、3μlの特異的な10X制限緩衝液に加えて、6ユニットのNcoIを加
える。インキュベーションを37℃で一晩行う。電気泳動をPAGE(6%)に
よって行う。NcoI消化によって、対立遺伝子1は87+20bpのフラグメ
ントをもたらすが、対立遺伝子2(107bp)は切断されない。ヘテロ接合体
は3つのバンドを有する。Wilson他による最初の論文(32)で使用され
た別のスクリーニング方法では、一本鎖高次構造多型(SSCP)分析が使用さ
れている。類似する遺伝子群における0.05の有意性水準で限界が90%の場
合、1.5倍大きな頻度を検出するためには297例を調べなければならず、あ
るいは0.1の絶対的に大きな頻度には391例を調べなければならない。
【0104】 3.3.6 TNFA(−238) 遺伝子アクセス番号X02910 TNFAプロモーターにおけるこの一塩基変化はD’Alfonso他により
1993年に報告された(44)。一方のPCRプライマーは、対立遺伝子1を
増幅したときにAvaII部位を作製するための一塩基変化を有する。オリゴヌ
クレオチドプライマー: 5’−GAA.GCC.CCT.CCC.AGT.TCT.AGT.TC−3’
(−425/−403)(配列番号13) 5’−CAC.TCC.CCA.TCC.TCC.CTG.GTC−3’(−2
36/−217)(配列番号14) MgClを2mMの最終濃度で使用し、PCRプライマーを0.25μMで
使用する。サイクルを、[94℃、3分]x1;[94℃、1分;61℃、1分
;72℃、1分]x35;[72℃、5分]x1;4℃で行う。各PCR反応物
に、3μlの特異的な10X制限緩衝液に加えて、5ユニットのAvaIIを加え
る。インキュベーションを37℃で一晩行う。電気泳動をPAGE(12%)に
よって行う。AvaIIは、77bpの一定したバンドをもたらす。このバンドの
不存在は、消化が不完全であることを示す。これに加えて、対立遺伝子1は、6
3+49+21bpのバンドとして消化され、対立遺伝子2は70+63bpの
バンドとして消化される。ヘテロ接合体は混合型の制限パターンを有する。北部
英国白人集団における頻度は0.94および0.06である。類似する遺伝子群
における0.05の有意性水準で限界が90%の場合、1.5倍大きな頻度を検
出するためには1432例を調べなければならず、あるいは0.1の絶対的に大
きな頻度には149例を調べなければならない。
【0105】 3.3.7 IL−1RN(VNTR) 遺伝子アクセス番号X64532 IL−1RN遺伝子のイントロン2におけるタンデム反復の数が変化して存在
することが、遺伝子のクローニング中に最初に報告された(38)。このVNT
Rは、数が一定しない86bpの反復(2〜6)としてTarlow他により特
徴づけられた(39)。オリゴヌクレオチドプライマー: 5’CTCAGCAACACTCCTAT3’(+2879/+2895)(配
列番号15) 5’−TCCTGGTCTGCAGGTAA3’(+3274/+3290)(
配列番号16) サイクルを、[96℃、1分]x1;[94℃、1分;60℃、1分;72℃
、2分]x35;[70℃、5分]x1;4℃で行う。電気泳動を2%アガロー
スにおいて90Vで30分行う。PCR産物のサイズは、反復回数の直接的な示
度である。最も高頻度の対立遺伝子(対立遺伝子1)は412bpの産物をもた
らす。隣接する領域が66bpにわたって広がっているので、残りの344bp
により、4回の86bp反復が示される。同様に、240bpの産物は2回の反
復(対立遺伝子2)を示し、326bpは3回の反復(対立遺伝子3)を示し、
498bpは5回の反復(対立遺伝子4)を示し、584bpは6回の反復(対
立遺伝子6)を示す。4つの高頻度の対立遺伝子に関して北部英国白人集団にお
ける頻度は0.743、0.241、0.021および0.004である。
【0106】 3.3.8 IL−1A(−889) 遺伝子アクセス番号X03833 IL−1AプロモーターにC/Tの一塩基変化がMcDowell他により報
告された(24)。一方のPCRプライマーは、対立遺伝子1を増幅したときに
NcoI部位を作製するための一塩基変化を有する(−889でのシトシン)。
オリゴヌクレオチドプライマー: 5’−AAG.CTT.GTT.CTA.CCA.CCT.GAA.CTA.G
GC−3’(−967/−945)(配列番号17) 5’−TTA.CAT.ATG.AGC.CTT.CCA.TG−3’(−88
8/−869)(配列番号18) MgClを1mMの最終濃度で使用し、PCRプライマーを0.8μMで使
用する。サイクルを、[96℃、1分]x1;[94℃、1分;50℃、1分;
72℃、2分]x45;[72℃、5分]x1;4℃で行う。各PCR反応物に
は、3μlの特異的な10X制限緩衝液に加えて、6ユニットのNcoIを加え
る。インキュベーションを37℃で一晩行う。電気泳動をPAGE(6%)によ
って行う。NcoIは、対立遺伝子1に関して83+16をもたらすが、対立遺
伝子2(99bp)を切断しない。ヘテロ接合体は3つのバンドを有する。北部
英国白人集団における対立遺伝子の頻度は0.71および0.29である。類似
する遺伝子群における0.05の有意性水準で限界が90%の場合、1.5倍大
きな頻度を検出するためには214例を調べなければならず、あるいは0.1の
絶対的に大きな頻度には446例を調べなければならない。
【0107】 3.4 予報医薬品 3.4.1 LBWに関連する多型 本発明は、少なくとも部分的には、被験者における低出産体重または早産の低
出産体重の良好でない妊娠の結果に(統計学的に有意な程度に)関連している対
立遺伝子の同定に基づいている。詳しくは、下記の実施例に示されているように
、母親に由来するIL−1A(+4845)対立遺伝子2およびIL−1B(−
511)対立遺伝子2がLBWと関連していることが明らかにされた。従って、
これらの対立遺伝子が被験者の母親またはその胎児で検出されることによって、
被験者が低出産体重児の良好でない妊娠結果に対する素因を有していることが示
される。しかし、これらの対立遺伝子は他の対立遺伝子と連鎖不平衡にあるため
、そのような他の連鎖した対立遺伝子の検出によってもまた、被験者がLBWの
発症に対する素因を有していることが示される。例えば、IL−1RN(+20
18)対立遺伝子2は、エキソン2(8006)(GenBank:X6453
2、8006において)の多型(Clay他、Hum.Genet.97:72
3〜26、1996)としても示されるが、44112332のヒトハプロタイ
プの1つであるIL−1RN(VNTR)対立遺伝子2と連鎖不平衡にある。C
ox他、Am.J.Human Genet.62:1180〜88、1998
;国際特許出願PCT/GB98/01481。さらに、Il−1(44112
332)前炎症性ハプロタイプの下記の対立遺伝子が、IL−1RN(+201
8)と連鎖不平衡にあることが知られている:IL−1Aの222/223マー
カーの対立遺伝子4(二ヌクレオチドの反復多型(HUGO GDB:1908
69);IL−1Aのgz5/gz6マーカーの対立遺伝子4(三ヌクレオチド
の反復多型(HUGO GDB:177384;Zuliani他、Am.J.
Hum.Genet.46:963〜69、1990);IL−1Aの−889
マーカーの対立遺伝子1(一塩基変化マーカー、HUGO GDB:21090
2;McDowell他、Arthritis and Rheumatism
、38:221〜28、1995);IL−1Bの+3954マーカーの対立遺
伝子1(一塩基のC/T変化;di Giovine他、Cytokine、7
:606(1995);Pociot他、Eur J.Clin.Invest
.22:396〜402、1992);IL−1Bの−511マーカーの対立遺
伝子2;gaat.p33330マーカーの対立遺伝子3;およびY31マーカ
ーの対立遺伝子3。
【0108】 IL−1RNの選択的(alternative)エキソン(エキソン1ic
、これは細胞内形態の遺伝子産物をもたらす。GEN X77090)における
3つの他の多型が、IL−1RN(+2018)対立遺伝子2と連鎖不平衡にあ
る。これには、IL−1RNエキソン1ic(1812)多型(GenBank
X77090、1812において);IL−1RNエキソン1ic(1868
)多型(GenBank X77090、1868において);およびIL−1
RNエキソン1ic(1887)多型(GenBank X77090、188
7において)が含まれる。選択的にスプライシングされた細胞内形態の遺伝子産
物に対するプロモーターにおけるさらに別の多型であるPic(1731)多型
(GenBank X77090、1731において)もまた、IL−1RN(
+2018)対立遺伝子2と連鎖不平衡にある。これらのIL−1RN多型遺伝
子座のそれぞれに対して対応する配列変化を下記に示す。
【0109】
【表2】 Clay他、Hum.Genet.97:723〜26、1996。これらの多
型遺伝子座のそれぞれについて、対立遺伝子2の配列変化体が、IL−1RN(
+2018)対立遺伝子2と連鎖不平衡にあることが明らかにされている。
【0110】 上記の対立遺伝子パターンに加えて、当業者は、IL−1A(+4845)対
立遺伝子2またはIL−1B(−551)対立遺伝子2と連鎖不平衡にあり、従
ってLBWと関連している他の対立遺伝子(多型体および変異体を含む)を容易
に同定することができる。例えば、低出産体重児を出産したことがない被験者の
第1グループから得られた核酸サンプルを、低出産体重児を出産した被験者の第
2グループから得られたDNAと同様に集めることができる。次いで、核酸サン
プルは、第1グループと比較したときに第2グループにおいて過剰に示されるそ
のような対立遺伝子を同定するために比較することができる。この場合、そのよ
うな対立遺伝子はLBWと関連していると考えられる。あるいは、LBWと関連
する対立遺伝子と連鎖不平衡にある対立遺伝子を、例えば、大きな集団の遺伝子
型を決定して、統計学的分析を行い、どの対立遺伝子が予想よりも広く一緒に存
在しているかを決定することによって同定することができる。好ましくは、グル
ープは、遺伝子的に関連する人間から構成されるように選ばれる。遺伝子的に関
連する人間には、同じ人種に由来する人間、同じ民族群に由来する人間、または
同じ家族に由来する人間さえもが含まれる。コントール群と試験群との遺伝子的
関連度の程度が大きくなるほど、疾患を発症させる対立遺伝子にさらにより遠く
連鎖している多型対立遺伝子の予想値が大きくなる。これは、先祖集団における
染色体に沿って連鎖する多型が遺伝子的交差事象によって再分配されるための進
化的時間が経過していないためである。従って、人種特異的、民族特異的、およ
びさらには家族特異的な診断的遺伝子型決定アッセイを開発して、ヒトの進化の
より最近においてさえ、例えば、主要なヒトの人種が分かれた後において、異な
る民族群にヒト集団が分かれた後において、そしてさらには特定家系の最近の歴
史において生じた疾患対立遺伝子の検出を可能にすることができる。
【0111】 2つの多型マーカーの間での連鎖不平衡、または1つの多型マーカーと疾患原
因変異との間における連鎖不平衡は準安定状態である。選択圧、または根本的な
変異事象の突発的な連鎖した発生がない場合、多型は、究極的には、染色体の組
換え事象によって解離し、それにより、ヒトの進化の過程を通して連鎖平衡に達
する。従って、疾患または状態との連鎖不平衡にある多型対立遺伝子が発見され
る可能性は、少なくとも2つの要因における変化によって増大し得る:つまり多
型マーカーと疾患原因変異との物理的距離の減少、および連鎖した対が解離する
ために利用可能な減数分裂世代数の減少である。後者の要因を考慮すると、2人
の個体が密接に関連するほど、連鎖した多型を含む共通の母系の染色体または染
色体領域を有する可能性が大きくなり、そしてこの連鎖した対が、各世代で存在
する減数分裂交差事象によって連鎖しなくなる可能性が少なくなることが示唆さ
れる。その結果、2人の個体が密接に関連するほど、広範囲に広がった多型が同
時に受け継がれ得る可能性が大きくなる。従って、共通した人種、民族性または
家族によって関連する個体の場合には、さらにより大きく離れた多型遺伝子座の
信頼性は、疾患または状態を引き起こす連鎖した変異の遺伝の指標として当てに
することができる。
【0112】 適切なプローブが、この分野でその配列がよく知られているIL−1A、IL
−1BまたはIL−1RN、TNFAあるいは関連する遺伝子などのIL−1遺
伝子座の特定遺伝子にハイブリダイゼーションするように設計され得る。あるい
は、このようなプローブは、遺伝子間配列を含む関連するゲノム座の他の領域を
取り込むことができる。実際、ヒトの第2染色体のIL−1領域は、約400,
000塩基対にわたり、そして1,000塩基対毎に平均して1つの一ヌクレオ
チド多型を仮定した場合には約400のSNP座を単独で含む。本発明による使
用に利用可能なさらに他の多型を様々な公開元から得ることができる。例えば、
ヒトゲノムデータベースは遺伝子間のSNPを集めており、配列によって検索可
能であり、現在、約2,700個の入力を含む(http://hgbase.
interactiva.de)。マサチューセッツ工科大学によって管理され
ているヒト多型データベース(MIT SNPデータベース(http://w
ww.genome.wi.mit.edu/SNP/human/index
.html))もまた利用することができる。そのような公開元からSNPなら
びに他のヒト多型を見出すことができる。
【0113】 例えば、これらのデータベースのいずれかにおいてヒトゲノムのIL−1領域
を調べることによって、IL−1遺伝子座の遺伝子は、マイクロサテライトマー
カーであるAFM220ze3と呼ばれる動原体近位多型マーカー(GenBa
nkアクセション番号Z17008を参照のこと)が127.4cM(センチモ
ルガン)で隣接し、そしてマクロサテライトのアンカーマーカーであるAFM0
87xa1と呼ばれる遠位多型マーカー(GenBankアクセション番号Z1
6545)が127.9cMで隣接していることが明らかにされる。これらのヒ
ト多型遺伝子座は、ともにCAの二ヌクレオチド反復のマイクロサテライト多型
であり、そのため、ヒト集団における大きな程度のヘテロ接合性を示す。例えば
、AFM220ze3の1つの対立遺伝子は、配列TGTACCTAAGCCC
ACCCTTTAGAGC(配列番号19)の5’プライマーおよび配列TGG
CCTCCAGAAACCTCCAA(配列番号20)の3’プライマーによる
211bpのPCR増幅産物をもたらす。さらに、AFM087xa1の1つの
対立遺伝子は、配列GCTGATATTCTGGTGGGAAA(配列番号21
)の5’プライマーおよび配列GGCAAGAGCAAAACTCTGTC(配
列番号22)の3’プライマーによる177bpのPCR増幅産物をもたらす。
これらのヒト第2染色CA二ヌクレオチド反復多型の5’および3’に存在する
特徴的な配列に対応する同等なプライマーは、当業者には明らかである。妥当な
同等のプライマーには、示されたプライマーの約1kbの範囲以内にハイブリダ
イゼーションするプライマーであって、さらに長さが約17bp〜約27bpの
いずれかであるプライマーである。特徴的な染色体ゲノム配列の増幅に必要なプ
ライマーを設計するための一般的な指針は、プライマーが少なくとも約50℃の
融解温度を有することである。この場合、おおよその融解温度は、下記の式を使
用して推定することができる: Tmelt=[2x(AまたはTの#)+4x(GまたはCの#)] 多数の他のヒト多型遺伝子座が、これらの2つのCA二ヌクレオチド反復多型
の間に存在し、遺伝子的に関連する個人の家族または他のグループにおけるLB
Wの前兆対立遺伝子を決定するためのさらなる標的を提供する。例えば、国立生
物工学情報センターのウエッブサイト(www.ncbi.nlm.nih.g
ov/genemap/)には、IL−1遺伝子座領域における多数の多型マー
カーのリストがあり、これらのマーカーの増幅および分析に適切なプライマーの
設計における指針が提供されている。
【0114】 従って、本発明のヌクレオチドセグメントは、ヒトの第2染色体のq12〜1
3の相補的な範囲またはその領域に由来するcDNAとの二重鎖分子を選択的に
形成するその能力のために、あるいはこの領域に由来するDNAまたはcDNA
を増幅するためのプライマーを提供する能力のために使用することができる。こ
の目的に適切なプローブの設計には多数の要因を考慮しなければならない。例え
ば、10、15または18ヌクレオチドから約20ヌクレオチドまたは約30ヌ
クレオチドまでの長さを有するフラグメントは特に有用であることが見出されて
いる。例えば、40、50、80、90、100、さらには全長までのより長い
配列が、特定の実施形態のためにはさらにより好ましい。少なくとも約18〜2
0ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドの長さが、十分に特異的なハイブリダイゼ
ーションを可能にするのに十分であり、その結果、分子プローブとして有用であ
ると当業者によって十分認められている。さらに、考えられる適用に依存して、
標的配列に対するプローブの選択性の大きさを変化させるために様々なハイブリ
ダイゼーション条件が必要に応じて用いられる。大きな選択性が必要とされる適
用の場合、典型的には、比較的ストリンジェントを用いてハイブリッドを形成さ
せることができる。例えば、約50℃〜約70℃の温度で0.02M〜0.15
MのNaClによってもたらされる条件などの比較的低い塩および/または高温
の条件である。そのような選択的な条件は、プローブおよびテンプレートまたは
標的鎖の間におけるミスマッチが存在したとしても、そのようなミスマッチをほ
とんど許容し得ない。
【0115】 3.4.2 対立遺伝子の検出 多くの方法を、ヒトの多型遺伝子座における特定の対立遺伝子を検出するため
に利用することができる。特定の多型対立遺伝子を検出するための好ましい方法
は、部分的には、多型の分子的性質に依存し得る。例えば、一ヌクレオチド多型
に使用される好ましい方法は、VNTR多型に用いられる方法と異なることがあ
る。
【0116】 一般的な序として、特定の対立遺伝子の検出は、制限フラグメント長多型(R
FLP)、核酸配列決定および対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)
ハイブリダイゼーションなどの、ハイブリダイゼーション、サイズまたは配列に
基づく核酸技術であり得る。1つの実施形態において、そのような方法は、妊婦
またはその胎児から得られたサンプルDNAにおいて、LBWと関連する対立遺
伝子の存在を検出することを含む。例えば、LBWと関連する対立遺伝子に対す
るセンス配列またはアンチセンス配列にハイブリダイゼーションし得るヌクレオ
チド配列の領域を含む核酸プローブを含む核酸組成物を下記のように使用するこ
とができる:サンプル中の核酸をハイブリダイゼーションしやすいようにし、プ
ローブをサンプルの核酸と接触させ、その後、サンプル核酸に対するプローブの
ハイブリダイゼーションを検出する。そのような技術を使用して、適する場合に
は、変化または対立遺伝子変化体をゲノムレベルまたはmRNAレベルのいずれ
かで検出することができ、同様にmRNA転写レベルを検出することができる。
【0117】 好ましい検出方法は、LBWと関連する対立遺伝子と重なるプローブが使用さ
れるASOハイブリダイゼーションであり、変異領域または多型領域の近くの約
5、10、20、25または30ヌクレオチドを有する。本発明の好ましい実施
形態において、LBWに関与する他の対立遺伝子変化体に特異的にハイブリダイ
ゼーションし得るいくつかのプローブが、固相支持体に、例えば、(約250,
000個までのオリゴヌクレオチドを保持し得る)「チップ」に結合される。オ
リゴヌクレオチドは、リトグラフィーを含む様々な処理によって固体支持体に結
合させることができる。「DNAプローブ配列」とも呼ばれる、オリゴヌクレオ
チドを含むこのようなチップを使用する変異検出分析が、例えば、Cronin
他のHuman Mutation、7:244(1996)に記載されている
。1つの実施形態において、チップは、遺伝子の少なくとも1つの多型領域の対
立遺伝子変化体をすべて含む。次いで、固相支持体は試験核酸と接触させられ、
特異的なプローブに対するハイブリダイゼーションが検出される。従って、1つ
または複数の遺伝子の数多くの対立遺伝子変化体の正体を簡便なハイブリダイゼ
ーション実験で同定することができる。
【0118】 このような技術はまた、分析の前に核酸を増幅する工程を含むことができる。
増幅技術は、当業者には知られており、クローニング、ポリメラーゼ連鎖反応(
PCR)、特定の対立遺伝子のポリメラーゼ連鎖反応(ASA)、リガーゼ連鎖
反応(LCR)、ネスティッドポリメラーゼ連鎖反応、自己保持配列レプリコン
(Guatelli,J.C.他、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA、87:1874〜78、1990)、転写増幅システム(Kwoh,D.
Y.他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、86:1173〜7
7、1989)、およびQ−βレプリカーゼ(Lizardi,P.M.他、B
io/Technology、6:1197、1988)を含むが、これらに限
定されない。
【0119】 増幅産物は様々な方法で分析することができる。そのような方法には、サイズ
分析、サイズ分析を伴う制限消化、反応生成物における特異的な標識オリゴヌク
レオチドプライマーの検出、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ハ
イブリダイゼーション、対立遺伝子に特異的な5’エキソヌクレアーゼの検出、
配列決定、ハイブリダイゼーションなどが含まれる。
【0120】 PCRに基づく検出手段は、同時に行われる多数のマーカーの多重増幅が含む
ことができる。例えば、サイズが重ならず、同時に分析できるPCR産物を得る
ためのPCRプライマーを選択することはこの分野ではよく知られている。ある
いは、他と異なるように標識され、従って、それぞれが特異的に検出され得るプ
ライマーによって様々なマーカーを増幅することができる。当然ではあるが、ハ
イブリダイゼーションに基づく検出手段によってサンプル中の多数のPCR産物
を特異的に検出することができる。多数のマーカーの同時検出を可能にする他の
技術がこの分野で知られている。
【0121】 単なる例示的な実施形態において、本方法は下記の工程を含む:(i)患者か
ら細胞のサンプルを採取する工程;(ii)核酸(例えば、ゲノム、mRNAま
たはその両方)をサンプルの細胞から単離する工程;(iii)核酸サンプルを
、所望するマーカーのハイブリダイゼーションおよび増幅が生じるような条件の
もとで、IL−1A(+4845)対立遺伝子2またはIL−1B(−511)
対立遺伝子2あるいはそのような対立遺伝子のいずれかと連鎖不平衡にある任意
の核酸配列に特異的にハイブリダイゼーションする1つまたは複数のプライマー
と接触させる工程;および(iv)増幅産物を同定する工程。このような検出手
順は、そのような分子が非常に少ない数で存在する場合、核酸分子の検出に特に
有用である。
【0122】 本発明のアッセイにおける好ましい実施形態において、IL−1A(+484
5)対立遺伝子2またはIL−1B(−511)対立遺伝子2が制限酵素の切断
パターンにおける変化によって同定される。例えば、サンプルおよびコントール
DNAを単離し、(必要に応じて)増幅し、1つまたは複数の制限エンドヌクレ
アーゼで消化して、フラグメント長のサイズがゲル電気泳動で決定される。
【0123】 さらに別の実施形態において、この分野で知られている様々な配列決定反応の
いずれかを使用して、IL−1A(+4845)対立遺伝子2またはIL−1B
(−511)対立遺伝子2あるいはいずれかの配列と連鎖不平衡にある任意の核
酸配列を直接配列決定することができる。例示的な配列決定反応には、Maxi
mおよびGilbert(Proc.Natl.Acad.Sci.USA、7
4:560、1977)、またはSanger(Sanger他、Proc.N
at.Acad.Sci.USA、74:5463、1977)によって開発さ
れた技術に基づく方法が含まれる。任意の様々な自動化された配列決定手順もま
た、本発明のアッセイを実施するときに利用され得ることが考えられる(Bio
techniques、19:448、1995)。これには、質量分析法によ
る配列決定が含まれる(例えば、国際特許出願公開WO94/16101;Co
hen他、Adv.Chromatogr.36:127〜62、1996;お
よびGriffin他、Appl.Biochem.Biotechnol.3
8:147〜59、1993を参照のこと)。特定の実施形態において、1個、
2個または3個の核酸塩基のみの存在を配列決定反応で決定しなければならない
ことは、当業者には明らかである。
【0124】 さらなる実施形態において、切断剤(ヌクレアーゼ、ヒドロキシルアミンまた
は四酸化オスミウム、およびピペリジンなど)からの保護を使用して、RNA/
RNAまたはRNA/DNAまたはDNA/DNAのヘテロ二重鎖におけるミス
マッチした塩基を検出することができる(Myers他、Science、23
0:1242、1985)。一般に、「ミスマッチ切断」の技法は、野生型の対
立遺伝子を含有する(標識された)RNAまたはDNAをサンプルとハイブリダ
イゼーションさせることで形成されるヘテロ二重鎖を提供することによって開始
される。二本鎖の二重鎖は、コントロール鎖とサンプル鎖との塩基対ミスマッチ
のために存在する一本鎖などの二重鎖の一本鎖領域を切断する薬剤で処理される
。例えば、ミスマッチした領域を酵素的に消化するために、RNA/DNAの二
重鎖をRNaseで処理することができ、DNA/DNAのハイブリッドをS1
ヌクレアーゼで処理することができる。別の実施形態において、ミスマッチした
領域を消化するために、DNA/DNAまたはRNA/DNAの二重鎖をヒドロ
キシルアミンまたは四酸化オスミウムで処理して、ピペリジンで処理することが
できる。ミスマッチした領域を消化した後、得られた物質は、次いで、変性ポリ
アクリルアミドゲルにおいてサイズにより分離され、変異部位が決定される(例
えば、Cotton他、(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.
USA、85:4397;Saleeba他、(1992)Methods E
nzymol.217:286〜95を参照のこと)。好ましい実施形態におい
て、コントロールのDNAまたはRNAは検出のために標識することができる。
【0125】 さらに別の実施形態において、ミスマッチ切断反応には、二本鎖DNA内のミ
スマッチ塩基対を認識する1つまたは複数のタンパク質(いわゆる、「DNAミ
スマッチ修復」酵素)が用いられる。例えば、大腸菌のmutY酵素はG/Aミ
スマッチにおけるAを切断し、HeLa細胞から得られたチミジンDNAグリコ
シラーゼはG/TミスマッチにおけるTを切断する(Hsu他、Carcino
genesis、15:1657〜62、1994)。例示的な実施形態により
、IL−1A(+4845)対立遺伝子2またはIL−1B(−511)対立遺
伝子2に基づくプローブは、試験細胞から得られたcDNAまたは他のDNA産
物にハイブリダイゼーションする。二重鎖はDNAミスマッチ修復酵素で処理さ
れ、切断産物が存在する場合には電気泳動プロトコルなどからの切断産物を検出
することができる(例えば、米国特許第5,459,039号を参照のこと)。
【0126】 他の実施形態において、電気泳動移動度の変化を使用して、IL−1A(+4
845)対立遺伝子2またはIL−1B(−511)対立遺伝子2またはそれら
のいずれかと連鎖不平衡にある任意の核酸配列が同定される。例えば、一本鎖高
次構造多型(SSCP)を使用して、変異核酸と野生型核酸との電気泳動移動度
の差を検出することができる(Orita他、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA、86:2766、1989、同様にCotton、Mutat
.Res.285:125〜44、1993を参照のこと;およびHayash
i、Genet.Anal.Tech.Appl.9:73〜79、1992)
。サンプルおよびコントロールのIL−1A(+4845)対立遺伝子2または
IL−1B(−511)対立遺伝子2またはそれらのいずれかと連鎖不平衡にあ
る任意の核酸配列の対立遺伝子の一本鎖DNAフラグメントを変性させ、その後
、再生させる。一本鎖核酸の二次構造は配列に従って変化し、電気泳動移動度の
得られた変化によって一塩基の変化の検出さえ可能になる。DNAフラグメント
は、標識されたプローブで標識または検出され得る。アッセイの感度は、(DN
Aではなく、むしろ)RNAを使用することによって高めることができる。この
場合、二次構造は、配列の変化に対して、より敏感になっている。好ましい実施
形態において、本発明の方法では、ヘテロ二重鎖分析を利用して、電気泳動移動
度の変化に基づいて二本鎖のヘテロ二重鎖分子が分離される(Keen他、Tr
ends Genet.7:5、1991)。
【0127】 さらに別の実施形態において、濃度勾配の変性剤を含有するポリアクリルアミ
ドゲルにおけるIL−1A(+4845)対立遺伝子2またはIL−1B(−5
11)対立遺伝子2またはそのような対立遺伝子と連鎖不平衡にある任意の核酸
配列の対立遺伝子の動きが、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)を使用してアッ
セイされる(Myers他、Nature、313:495、1985)。DG
GEが分析方法として使用される場合、DNAは、例えば、GCが多い約40b
pの高融解DNAのGCクランプを加えることによって完全に変性されないこと
を保証するためにPCRで改変される。さらなる実施形態において、温度勾配が
、コントロールDNAとサンプルDNAとの移動度の差を同定するために、変性
剤勾配の代わりに使用される(RosenbauおよびReissner、Bi
ophys.Chem.265:12753、1987)。
【0128】 IL−1A(+4845)対立遺伝子2またはIL−1B(−511)対立遺
伝子2またはそれらと連鎖不平衡にある任意の核酸配列の対立遺伝子およびLB
Wと関連する他の対立遺伝子を検出するための他の技術の例には、選択的なオリ
ゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的な増幅、または選択的なプライ
マー伸張が含まれるが、これらに限定されない。例えば、(例えば、対立遺伝子
変化体における)既知の変異またはヌクレオチド差が中心部に置かれたオリゴヌ
クレオチドプライマーを調製し、次いで、完全な一致が見出された場合にだけ、
ハイブリダイゼーションを可能にする条件のもとで標的DNAにハイブリダイゼ
ーションさせることができる(Saiki他、Nature、324:163、
1986;Saiki他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、8
6:6230、1989)。そのような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハ
イブリダイゼーション技術を使用して、PCR増幅された標的DNAにオリゴヌ
クレオチドがハイブリダイゼーションする場合には反応毎に1つの変異領域また
は多型領域を調べることができ、あるいはオリゴヌクレオチドが、ハイブリダイ
ゼーションした1つに結合し、標識された標的DNAとハイブリダイゼーション
する場合には、多数の種々の変異または多型領域を調べることができる。
【0129】 あるいは、選択的なPCR増幅に依存する対立遺伝子特異的増幅技術を本発明
とともに使用することができる。特異的な増幅を行うためのプライマーとして使
用されるオリゴヌクレオチドは、目的の変異領域または多型領域を、(増幅が他
と区別されるようなハイブリダイゼーションに依存するように)分子の中心部に
存在させることができ(Gibbs他、Nucleic Acids Res.
17:2437〜2448、1989)、あるいは適切な条件のもとでミスマッ
チによりポリメラーゼ伸張が妨げられ得るか、または低下され得る場合には一方
のプライマーの3’最末端に存在させることができる(Prossner、Ti
btech、11:238、1993)。さらに、切断に基づく検出を行うため
に、希な制限部位を変異領域に導入することは望ましいことであり得る(Gas
parini他、Mol.Cell Probes、6:1、1992)。特定
の実施形態において、増幅のためにTaqリガーゼを使用してもまた増幅できる
ことが考えられる(Barany、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA、88:189、1991)。そのような場合、連結は、増幅の存在または
不存在を見出すことによって特定部位における既知の変異の存在を検出すること
を可能にする5’側配列の3’端での完全な一致が存在するときにだけ生じる。
【0130】 別の実施形態において、対立遺伝子変化体の同定が、例えば、米国特許第4,
998,617号およびLandegren他のScience、241:10
77〜80(1988)に記載されているオリゴヌクレオチド連結アッセイ(O
LA)を使用して行われる。OLAプロトコルでは、標的の一本鎖の隣接配列に
ハイブリダイゼーションし得るように設計された2つのオリゴヌクレオチドが使
用される。そのようなオリゴヌクレオチドの一方は分離マーカーに結合され、例
えば、ビオチン化され、もう一方は検出可能に標識される。正確な相補的配列が
標的分子に見出された場合、オリゴヌクレオチドは、それらの末端が隣接するよ
うにハイブリダイゼーションして、連結基質を生成する。次いで、連結は、標識
されたオリゴヌクレオチドが、アビジンまたは別のビオチンリガンドを使用して
回収されることを可能にする。Nickerson,D.A.他は、PCRおよ
びOLAの特性を組み合わせた核酸検出アッセイを報告している(Nicker
son他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87:8923〜
27、1990)。この方法において、PCRは、標的DNAの指数関数的増幅
を行うために使用され、次いで、OLAを使用して標的DNAが検出される。
【0131】 このOLA方法に基づくいくつかの技術が、IL−1A(+4845)対立遺
伝子2またはIL−1B(−511)対立遺伝子2またはそれらと連鎖不平衡に
ある任意の核酸配列の対立遺伝子を検出するために開発されており、使用され得
る。例えば、米国特許第5,593,826号には、3’−アミノ基を有するオ
リゴヌクレオチド、およびホスホラミダート結合を有する結合体を形成させるた
めの5’−リン酸化オリゴヌクレオチドを使用するOLAが開示されている。T
obe他、Nucleic Acids Res.24:3728(1996)
に記載されているOLAの別の変形において、PCRと組み合わせられたOLA
によって、2つの対立遺伝子のタイプ分類が1つのマイクロタイターウエルで可
能になる。対立遺伝子に特異的なプライマーのそれぞれを特徴的なハプテン(す
なわち、ジゴキシゲニンおよびフルオレセイン)で標識することによって、OL
A反応物のそれぞれを、異なる酵素レポーター(アルカリホスファターゼまたは
西洋ワサビペルオキシダーゼ)で標識されたハプテン特異的抗体を使用して検出
することができる。このシステムによって、2つの対立遺伝子の検出が、2つの
異なる色を発色させる高処理能の形式を使用して可能になる。
【0132】 いくつかの方法が、一ヌクレオチド多型の分析を容易にするために開発されて
いる。1つの実施形態において、一塩基多型を、例えば米国特許第4,656,
127号(Mundy他)に開示されているような特殊なエキソヌクレアーゼ耐
性ヌクレオチドを使用することによって検出することができる。この方法によれ
ば、多型部位のすぐ3’側の対立遺伝子配列に相補的なプライマーを、特定の動
物またはヒトから得られた標的分子にハイブリダイゼーションさせることができ
る。標的分子の多型部位が、存在する特定のエキソヌクレアーゼ耐性ヌクレオチ
ド誘導体に相補的なヌクレオチドを含有する場合、その誘導体は、ハイブリダイ
ゼーションしたプライマーの末端に取り込まれる。そのような取り込みによって
、プライマーはエキソヌクレアーゼに対する耐性が付与され、それによって、そ
の検出が可能になる。サンプルのエキソヌクレアーゼ耐性誘導体の正体は既知で
あるので、プライマーがエキソヌクレアーゼに対して耐性になったという発見に
よって、標的分子の多型部位に存在するヌクレオチドが反応で使用されたヌクレ
オチド誘導体のヌクレオチドに相補的であったことが明らかにされる。この方法
は、非常に多くの関係のない配列データの決定を必要としないという利点を有す
る。
【0133】 本発明の別の実施形態において、溶液に基づく方法が、多型部位のヌクレオチ
ドの正体を明らかにするために使用される。フランス国特許第2,650,84
0号;PCT国際特許出願公開WO91/02087。米国特許第4,656,
127号のMundy法のように、多型部位のすぐ3’側の対立遺伝子配列に相
補的な1つのプライマーが使用される。この方法は、多型部位のヌクレオチドに
相補的である場合にプライマーの末端に取り込まれる標識されたジデオキシヌク
レオチド誘導体を使用して、その部位の正体を決定する。
【0134】 遺伝子ビット分析またはGBATMとして知られている別の方法が、Goel
et他によりPCT国際特許出願第92/15712号に記載されている。Go
elet他の方法は、標識されたターミネーターの混合物、および多型部位の3
’側の配列に相補的なプライマーを使用する。従って、取り込まれる標識された
ターミネーターが、評価される標的分子の多型部位に存在するヌクレオチドによ
って決定される。この場合、ターミネーターはそのヌクレオチドに相補的である
。Cohen他の方法とは対照的に、フランス国特許第2,650,840号お
よびPCT国際特許出願公開WO91/02087のGoelet他の方法は、
好ましくは、プライマーまたは標的分子が固相に固定化される不均一相アッセイ
である。
【0135】 最近、DNAにおける多型部位をアッセイするためのプライマー誘導ヌクレオ
チド取り込み手順がいくつか報告されている(Komher他、Nucleic
Acids Res.17:7779〜84、1989;Sokolov、N
ucleic Acids Res.18:3671、1990;Syvane
n他、Genomics、8:684〜92、1990;Kuppuswamy
他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、88:1143〜47、
1991;Prezant他、Hum.Mutat.1:159〜64、199
2;Ugozzoli他、GATA、9:107〜12、1992;Nyren
他、Anal.Biochem.208:171〜75、1993)。これらの
方法は、これらのすべてが、多型部位における塩基同士を識別するために標識さ
れたデオキシヌクレオチドの取り込みに依存する点でGBATMと異なる。その
ような形式では、シグナルは取り込まれたデオキシヌクレオチドの数に比例する
ので、同じヌクレオチドの処理において存在する多型は、処理の長さに比例した
シグナルを生成し得る(Syvanen他、Amer.J.Hum.Genet
.52:46〜59、1993)。
【0136】 変異によってタンパク質翻訳の早すぎる停止が生じる場合、タンパク質短縮化
試験(PTT)は効率的な診断法を提供する(Roest他、Hum.Mol.
Genet.2:1719〜21、1993;van der Luijt他、
Genomics、20:1〜4、1994)。PTTの場合、RNAが入手可
能な組織から最初に単離され、逆転写され、その後、目的のセグメントがPCR
により増幅される。次いで、逆転写PCRの産物が、RNAポリメラーゼのプロ
モーターおよび真核生物での翻訳を開始させる配列を含有するプライマーを用い
たネスティッドPCR増幅のテンプレートとして使用される。目的の領域を増幅
させた後、プライマーに取り込まれている特徴的なモチーフによって、PCR産
物のインビトロでの連続的な転写および翻訳が可能になる。翻訳産物のドデシル
硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動時に、短縮化されたポリペプ
チドが出現することによって、翻訳の早すぎる停止を生じさせる変異の存在が示
される。この技術の変形において、目的の標的領域が1つのエキソンに由来する
場合、(RNAとは対照的に)DNAがPCRテンプレートして使用される。
【0137】 動的対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション(DASH)として知られてい
るさらに別の方法において、標的配列は、一方のプライマーがビオチン化されて
いるPCRによって増幅される。ビオチン化生成物の鎖は、ストレプトアビジン
またはアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレートウエルに結合す
るが、ビオチン化されていない鎖はアルカリで洗い流される。1つの対立遺伝子
に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを低い温度で標的にハイブリダイゼーシ
ョンさせる。これにより、二本鎖に特異的なインターカレーション色素と相互作
用する二重鎖DNA領域が形成される。励起されたとき、そのような色素は、存
在する二本鎖DNA(プローブ−標的の二重鎖)の量に比例した蛍光を発する。
次いで、サンプルは、蛍光を連続的にモニターしながら均一に加熱される。蛍光
の急激な減少によって、プローブ−標的の二重鎖の変性(または「融解」)温度
が示される。適切な緩衝液および色素の条件のもとで行われた場合、プローブと
標的との一塩基のミスマッチによって、容易に検出することができる融解温度(
Tm)の動的な低下が生じる(Howell他、(1999)Nature B
iotechnology、17:87〜88)。
【0138】 任意の細胞タイプまたは組織を、本明細書中に記載された診断において利用す
ることができる。好ましい実施形態において、DNAサンプルは、体液から、例
えば、知られている技術(例えば、静脈穿刺)により得られる血液から、あるい
は唾液から得られる。あるいは、核酸試験は、乾燥したサンプル(例えば、毛髪
または皮膚)に対して行うことができる。RNAまたはタンパク質が使用される
場合、利用され得る細胞または組織はIL−1遺伝子座の遺伝子を発現していな
ければならない。
【0139】 診断手順はまた、生検または切除から得られた患者組織の(固定および/また
は凍結)組織切片に対してインサイチュで直接行うことができる。その結果、核
酸の精製は必要とされない。核酸試薬は、そのようなインサイチュ手順に必要な
プローブおよび/またはプライマーとして使用することができる(例えば、Nu
ovo、PCR in situ Hybridization:Protoc
ols and Applications(Raven Press、NY、
1992)を参照のこと)。
【0140】 1つの核酸配列の検出に主として集中している方法に加えて、様々な特徴もま
たそのような検出法で評価することができる。フィンガープリント特徴を、例え
ば、ディファレンシャルディスプレイ手順、ノーザン分析および/またはRT−
PCRを利用することによって得ることができる。
【0141】 本発明の別の実施形態は、低出産体重児を出産する傾向を検出ためのキットに
関する。このキットは1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含有することがで
きる。このようなオリゴヌクレオチドには、LBW関連マーカー(例えば、IL
−1A(+4845)対立遺伝子2および/またはIL−1B(−511)対立
遺伝子2)またはそのようなマーカーと連鎖不平衡にある任意の核酸配列の5’
側および3’側にハイブリダイゼーションする5’側および3’側のオリゴヌク
レオチド、あるいはLBW関連マーカーにハイブリダイゼーションする検出オリ
ゴヌクレオチドが含まれる。キットはまた、TNFA遺伝子またはIL−1遺伝
子の近くにハイブリダイゼーションし得るか、あるいはTNFA遺伝子またはI
L−1遺伝子の他の対立遺伝子においてハイブリダイゼーションし得る1つまた
は複数のオリゴヌクレオチドを含有することができる。PCR増幅プライマーは
、その後の分析に便利なサイズのPCR産物を得るために、25塩基対〜250
0塩基対離れて、好ましくは約100塩基〜約500塩基離れてハイブリダイゼ
ーションしなければならない。
【0142】 キットにおいて使用される場合、オリゴヌクレオチドは、合成オリゴヌクレオ
チド、制限フラグメント、cDNA、合成ペプチド核酸(PNA)などの様々な
天然および/または合成の組成物のいずれかであり得る。アッセイキットおよび
方法はまた、アッセイにおける容易な同定を可能する標識オリゴヌクレオチドを
用いることができる。用いることができる標識の例には、放射能標識、酵素、蛍
光化合物、ストレプトアビジン、アビジン、ビオチン、磁気体成分、金属結合性
成分、抗原成分または抗体成分などが含まれる。
【0143】 キットはまた、必要に応じて、AmpliCardTM(シェフィールド大学
、Sheffield、England S10 2JF;Tarlow JW
他、J.of Invest.Dermatol.103:387〜389、1
994)などのDNAサンプリング手段;NucleonTMキット、溶解緩衝
液、プロテイナーゼ溶液などのDNA精製試薬;10x反応緩衝液、熱安定性ポ
リメラーゼ、dNTP類などのPCR試薬;およびHinfI制限酵素、対立遺
伝子特異的オリゴヌクレオチド、乾燥血液に由来するネスティッドPCRのため
の縮重オリゴヌクレオチドプライマーなどの対立遺伝子検出手段を含むことがで
きる。
【0144】 3.4.3 薬理ゲノム学 LBW出産と関連する特定の対立遺伝子の知識は、単独で、あるいは同じ状態
に寄与する他の遺伝子的欠陥に関する情報(特定の状態または疾患の遺伝子的特
徴)とともに、特定の状態または疾患に対する治療を個々の遺伝子的特徴に合わ
せることができる。これは「薬理ゲノム学」のゴールである。例えば、IL−1
A(+4845)対立遺伝子2および/またはIL−1B(−511)対立遺伝
子2またはいずれかの対立遺伝子パターンと連鎖不平衡にある任意の核酸配列を
有する被験者はLBWを有し得るか、あるいはLBWを発症する素因を有し得る
。従って、そのような被験者は、被験者における疾患の特定の分子的基礎を解決
する特定の治療剤に対してよりよく応答し得る。従って、個体のIL−1および
/またはTNF−Aの特徴を疾患に対する集団的特徴と比較することによって、
特定の患者または患者集団(すなわち、同じ遺伝子的変化を有する患者群)に対
して安全で効果的であると考えられる薬剤の選択または設計が可能になる。
【0145】 遺伝子的特徴に基づいて最も大きな臨床的利益を示すと考えられる集団を標的
化し得ることによって、1)期待はずれの市場結果による上市薬物の変化;2)
その臨床開発が安全性および効能の限界(これは一部の患者集団に特異的である
)の結果として中断された候補薬物の復活;および3)候補薬物およびより最適
な薬物標識に対する促進されたあまり費用のかからない開発(例えば、LBW原
因変異に対する様々な用量の薬剤の作用を測定することは、有効用量を最適化す
るのに有用であるからである)が可能になり得る。
【0146】 特定の治療剤を用いたヒトの処置は、タンパク質(例えば、IL−1α、IL
−1β、IL−1RaまたはTNAα)、mRNAおよび/または転写レベルを
測定することによってモニターすることができる。検出されたレベルに依存して
、次いで治療計画が維持され得るか、または調節され得る(用量が増大され得る
か、または減少され得る)。好ましい実施形態において、薬剤による被験者の効
果的な処置には、下記の工程が含まれる:(i)薬剤の投与前に被験者から投与
前サンプルを得る工程;(ii)投与前サンプルにおけるタンパク質、mRNA
またはゲノムDNAのレベルまたは量を検出する工程;(iii)1つまたは複
数の投与後サンプルを被験者から得る工程;(iv)投与後サンプルにおけるタ
ンパク質、mRNAまたはゲノムDNAの発現レベルまたは活性レベルを検出す
る工程;(v)投与前サンプルにおけるタンパク質、mRNAまたはゲノムDN
Aの発現レベルまたは活性レベルを、それぞれ、投与後サンプルにおける対応す
るタンパク質、mRNAまたはゲノムDNAと比較する工程;および(vi)そ
れに従って被験者に対する薬剤の投与を変更する工程。
【0147】 さらに、被験者の細胞を治療剤の投与前および投与後に得て、IL−1遺伝子
またはTNFAとは異なる遺伝子の発現レベルを検出することができるか、ある
いは治療剤によって、有害であり得る遺伝子の発現が増大しないか、または低下
することを確認することができる。これは、例えば、転写特性を明らかにする方
法を使用することによって行うことができる。従って、インビボで治療剤に曝さ
れた細胞から得られたmRNA、および治療剤に曝されなかった同じタイプの細
胞から得られたmRNAを逆転写して、多数の遺伝子に由来するDNAを含有す
るチップにハイブリダイゼーションし、それによって、治療剤で処置された細胞
および処置されなかった細胞における遺伝子の発現を比較することができる。
【0148】 3.5 LBW治療剤 IL−1(例えば、IL−1α、IL−1βまたはIL−1レセプターアンタ
ゴニスト)またはTNFαあるいはIL−1遺伝子またはTNF−A遺伝子と連
鎖不平衡にある遺伝子によってコードされるタンパク質の調節因子には、タンパ
ク質、ペプチド、ペプチド模倣物、小分子または核酸を含む任意のタイプの化合
物が含まれ得る。好ましいアゴニストには、核酸(例えば、IL−1タンパク質
またはTNFαをコードする核酸、あるいはIL−1タンパク質またはTNFα
タンパク質によってアップレギュレーションまたはダウンレギュレーションされ
る核酸)、タンパク質(例えば、IL−1タンパク質またはTNFαタンパク質
、あるいはそれらによってアップレギュレーションまたはダウンレギュレーショ
ンされるタンパク質)、または小分子(例えば、IL−1タンパク質またはTN
Fαの発現または結合を調節する小分子)が含まれる。例えば、本明細書中に記
載されたアッセイを使用して同定され得る好ましいアンタゴニストには、核酸(
例えば、一本鎖(アンチセンス)または二本鎖の(三重鎖)DNAまたはPNA
およびリボザイム)、タンパク質(例えば、抗体)、およびIL−1またはTN
FAの転写活性および/またはタンパク質活性を抑制するか、または阻害するよ
うに作用する小分子が含まれる。
【0149】 3.5.1 有効用量 そのような化合物の毒性および治療効能は、例えば、LD50(集団の50%
致死量)およびED50(集団の50%での治療有効量)を求めるための細胞培
養または実験動物における標準的な薬学的手順によって明らかにすることができ
る。毒性効果と治療効果との用量比は治療指数であり、比LD50/ED50
して表すことができる。大きな治療指数を示す化合物が好ましい。毒性の副作用
を示す化合物を使用することができるが、非感染細胞に対する潜在的な損傷を最
小限にし、それによって副作用を軽減させるために、罹患組織部位にそのような
化合物を標的化する送達システムを注意して設計しなければならない。
【0150】 細胞培養アッセイおよび動物から得られるデータは、ヒトにおいて使用される
用量範囲を処方する際に使用することができる。そのような化合物の投薬量は、
好ましくは、毒性をほとんど伴わないED50を含む循環濃度の範囲内にある。
投薬量は、用いられる投薬形態および使用される投与経路に依存して、この範囲
内で変化し得る。本発明の方法で使用される任意の化合物について、治療有効用
量は、最初は、細胞培養アッセイから推定することができる。用量は、細胞培養
で決定されたIC50(すなわち、症状の半数最大阻害を達成する試験化合物の
濃度)を含む循環血漿濃度範囲を得るために動物モデルで処方することができる
。そのような情報を使用して、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するこ
とができる。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって
測定することができる。
【0151】 3.5.2 処方および使用 本発明に従って使用される組成物は、1つまたは複数の生理学的に受容可能な
キャリアまたは賦形剤を使用して従来の方法で処方することができる。従って、
化合物およびその生理学的に受容可能な塩および溶媒和物を、例えば、注射、(
口または鼻のいずれかを経由する)吸入または吹入、あるいは経口投与、口内投
与、非経口投与または直腸投与による投与を行うために処方することができる。
【0152】 そのような治療のために、本発明の化合物は、全身投与および局所投与または
限定的投与を含む様々な多数の投与のために処方することができる。様々な技術
および処方物を、一般にはRemmington’s Pharmaceuti
cal Sciences(Meade Publishing Co.、Ea
ston、PA)において見出すことができる。全身投与の場合、筋肉内、静脈
内、腹腔内および皮下を含む注射が好ましい。注射の場合、本発明の化合物は、
液体溶液で処方することができ、好ましくは、ハンクス液またはリンゲル液など
の生理学的に配合可能な緩衝液で処方することができる。さらに、化合物は固体
形態で処方され、使用直前に再溶解または懸濁させることができる。凍結乾燥さ
れた形態もまた含まれる。
【0153】 経口投与の場合、組成物は、例えば、錠剤またはカプセルの形態を取ることが
できる。そのような錠剤またはカプセルは、従来の手段によって、結合剤(例え
ば、ゼラチン化前のダイズデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース);フィラー(例えば、ラクトース、微結晶性セルロー
スまたはリン酸水素カルシウム);滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、
タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプング
リコール酸ナトリウム);または湿潤化剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)
などの薬学的に受容可能な賦形剤を用いて調製される。錠剤は、この分野でよく
知られている方法でコーティングすることができる。経口投与用の液体調製物は
、例えば、溶液、シロップまたは懸濁物の形態を取ることができ、あるいは使用
前に水または他の好適なビヒクルを用いて組み立てられる乾燥製剤として提供さ
れ得る。そのような液体調製物は、従来の方法よって、懸濁剤(例えば、ソルビ
トールシロップ、セルロース誘導体または水素化食用脂肪);乳化剤(例えば、
レシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えば、アチオンド(ation
d)オイル、油状エステル、エチルアルコールまたは分画化植物オイル);およ
び保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルまたはp−ヒドロキシ安息香
酸プロピルまたはソルビン酸)などの薬学的に受容可能な添加剤を用いて調製す
ることができる。これらの調製物はまた、適する場合には、緩衝剤塩、風味剤、
着色剤および甘味剤を含有することができる。
【0154】 経口投与用の調製物は、好適には、活性化合物の制御された放出が得られるよ
うに処方することができる。口内投与の場合、組成物は、従来の方法で処方され
た錠剤またはトローチ剤の形態を取ることができる。吸入による投与の場合、本
発明に従って使用される化合物は、好都合には、好適な噴射剤(例えば、ジクロ
ロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタ
ン、二酸化炭素または他の好適なガス)を使用して、加圧パックまたは噴霧器か
ら得られるエアロゾルスプレー提供物の形態で送達される。加圧されたエアロゾ
ルの場合、投薬量単位は、所定量を送達するためのバルブを提供することによっ
て決定することができる。例えば、吸入または吹入において使用されるゼラチン
のカプセルおよびカートリッジを処方することができる。これらは、化合物と、
ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物を含有する。
【0155】 化合物は、注射によって、例えば、ボーラス注射または連続注入によって非経
口的に投与することができる。注射用処方物は、添加された保存剤をとともに、
単位投薬形態で、例えば、アンプルまたは多回用量容器で提供され得る。組成物
は、油性ビヒクルまたは水性ビヒクルにおける懸濁物、溶液またはエマルション
のような形態を取ることができ、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの
処方剤を含有することができる。あるいは、有効成分は、好適なビヒクル、例え
ば、パイロジェンを含まない滅菌水を用いて使用前に組み立てられる粉末形態で
あり得る。
【0156】 化合物は、例えば、カカオバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐薬基剤
を含有する坐薬または停留浣腸などの直腸用組成物に処方することもできる。
【0157】 上記の処方物に加えて、化合物はまた、デポ剤調製物として処方することがで
きる。長く作用するそのような処方物は、(例えば、皮下または筋肉内の)埋め
込みによって、あるいは筋肉内注射によって投与することができる。従って、例
えば、化合物は、好適なポリマー物質または疎水性物質(例えば、受容可能なオ
イルにおけるエマルションとして)またはイオン交換樹脂とともに、あるいは溶
解性が低い誘導体(例えば、溶解性が低い塩)として処方することができる、他
の好適な送達システムには、長期間にわたって薬物の局所的な非浸襲性送達を可
能にし得るマイクロスフェアが含まれる。この技術では、冠状動脈カテーテルを
介して、例えば、心臓または他の器官の任意の選ばれた部分に、炎症または虚血
を生じさせることなく入れることができる前毛細血管サイズのマイクロスフェア
が利用される。投与された治療剤は、このようなマイクロスフェアからゆっくり
放出され、周りの組織細胞(例えば、内皮細胞)によって取り込まれる。
【0158】 全身投与はまた、経粘膜手段または経皮手段で行うことができる。経粘膜投与
または経皮投与の場合、透過しなければならないバリアに適した浸透剤が処方物
において使用される。そのような浸透剤は、この分野では一般に知られており、
例えば、経粘膜投与の場合には胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体を含む。さらに
、界面活性剤を、透過を容易にするために使用することができる。経粘膜投与は
鼻スプレーにより行うことができるか、あるいは坐薬を使用して行うことができ
る。局所投与の場合、本発明のオリゴマーは、この分野で一般に知られている軟
膏、膏薬、ゲルまたはクリームに処方される。治癒を促進させるために、洗浄液
を局所的に使用して、傷害または炎症を処置することができる。
【0159】 組成物は、所望される場合には、有効成分を含有する1つまたは複数の単位投
薬形態を含有するパックまたは分配デバイスで提供され得る。パックは、例えば
、ブリスターパックなどの金属箔またはプラスチック箔を含むことができる。パ
ックまたは分配デバイスには、投与に関する説明書が添付され得る。
【0160】 本発明は、決して限定的に解釈してはならない下記の実施例によってさらに例
示される。引用されるすべての参考文献(本明細書を通して引用されている参考
文献、発行された特許公報、公開された特許出願公報を含む)の内容は、それに
より、特に参考として援用される。
【0161】 本発明の実施には、別途示されていない限り、当業者の範囲内に含まれる従来
の技術が用いられる。そのような技術は、文献に詳しく説明されている。例えば
、下記を参照のこと:Molecular Cloning A Labora
tory Manual(第2版、Sambrook、FritschおよびM
aniatis編、Cold Spring Harbor Laborato
ry Press:1989);DNA Cloning、第I巻および第II巻
(D.N.Glover編、1985);Oligonuleotide Sy
nthesis(M.J.Gait編、1984);米国特許第4,683,1
95号;米国特許第4,683,202号;Nucleic Acid Hyb
ridization(B.D.Hames&S.J.Higgins編、19
84);米国特許第4,666,828号;米国特許第5,192,659号;
米国特許第5,272,057号;および米国特許第4,801,531号。
【0162】 3.6 ILD治療剤を同定するためのアッセイ 低出産体重出産を引き起こすか、またはその一因となる変異を同定することに
基づいて、本発明はさらに、例えば、LBW治療剤を同定するための細胞系アッ
セイまたは無細胞アッセイを特徴とする。1つの実施形態において、IL−1レ
セプター、TNFαレセプター、あるいはTNF−Aと連鎖不平衡にある遺伝子
またはIL−1遺伝子によってコードされるタンパク質のレセプターをその細胞
膜の外側表面において発現する細胞が試験化合物単独の存在下でインキュベーシ
ョンされるか、あるいは試験化合物およびIL−1、TNF−αまたは他のタン
パク質の存在下でインキュベーションされ、試験化合物とレセプターとの相互作
用またはタンパク質(好ましくは、標識されたタンパク質)とレセプターとの相
互作用が、例えば、マイクロフィジオメーターを使用することによって検出され
る(McConnell他、(1992)Science、257:1906)
。レセプターと試験化合物またはタンパク質のいずれかとの相互作用が培地の酸
性化における変化としてマイクロフィジオメーターで検出される。従って、この
ようなアッセイシステムによって、例えば、タンパク質−レセプターの相互作用
を妨げることにより機能する分子状アンタゴニスト、ならびに、例えば、レセプ
ターを活性化することにより機能する分子状アゴニストを同定する手段が提供さ
れる。
【0163】 細胞アッセイまたは無細胞アッセイはまた、IL−1遺伝子またはTNF−A
遺伝子またはそれらと連鎖不平衡にある遺伝子の発現を調節する化合物、mRN
Aの翻訳を調節する化合物、あるいはmRNAまたはタンパク質の安定性を調節
する化合物を同定するために使用することができる。従って、1つの実施形態に
おいて、IL−1、TNF−αまたは他のタンパク質を産生し得る細胞が試験化
合物とともにインキュベーションされ、細胞培地中に産生されたタンパク質の量
を測定して、試験化合物と接触させていない細胞から産生されたタンパク質の量
と比較される。タンパク質に対する化合物の特異性は、様々なコントロール分析
によって、例えば、1つまたは複数のコントロール遺伝子の発現を測定すること
によって確認することができる。特に、このアッセイは、アンチセンス、リボザ
イムおよび三重鎖化合物の効力を決定するために使用することができる。
【0164】 無細胞アッセイはまた、タンパク質と相互作用し得る化合物を同定し、それに
よってタンパク質の活性を変化させるために使用することができる。そのような
化合物は、例えば、タンパク質の構造を変化させることができ、それによってレ
セプターに対するその結合能を変化させることができる。好ましい実施形態にお
いて、そのような化合物を同定する無細胞アッセイは、本質的には、タンパク質
および試験化合物または試験化合物のライブラリーを結合パートナーの存在下ま
たは非存在下で含有する反応混合物にある。試験化合物は、例えば、結合パート
ナーの誘導体であり、例えば、生物学的に不活性な標的ペプチドまたは小分子で
あり得る。
【0165】 従って、本発明の例示的なスクリーニングアッセイには、タンパク質またはそ
の機能的フラグメントを試験化合物または試験化合物のライブラリーと接触させ
る工程、および複合体の形成を検出する工程が含まれる。検出のために、分子は
特定のマーカーで標識することができ、試験化合物または試験化合物のライブラ
リーは異なるマーカーで標識することができる。次いで、試験化合物のタンパク
質またはそのフラグメントとの相互作用を、インキュベーション工程および洗浄
工程の後で2つの標識のレベルを測定することによって検出することができる。
洗浄工程後における標識の存在によって、相互作用が示される。
【0166】 分子間の相互作用はまた、光学的現象である表面プラズモン共鳴(SPR)を
検出するリアルタイムBIA(生体分子相互作用分析、Pharmacia B
iosensor AB)を使用することによって同定することができる。検出
は、生体特異的な界面における高分子の物質濃度の変化に依存し、相互作用物質
の標識を何ら必要としない。1つの実施形態において、試験化合物のライブラリ
ーを、センサー表面に、例えば、マイクロフローセルの1つの面を形成するセン
サー表面に固定化することができる。次いで、タンパク質またはその機能的フラ
グメントを含有する溶液がセンサー表面に連続的に流される。シグナル記録装置
に示される共鳴角の変化によって、相互作用が生じたことが示される。この技術
は、例えば、PharmaciaによるBIA技術ハンドブックにさらに説明さ
れている。
【0167】 本発明の別の例示的なスクリーニングアッセイは、(a)(i)IL−1、T
NF−αまたは他のタンパク質、(ii)適切なレセプター、および(iii)試験
化合物を含む反応混合物を作製する工程;および(b)タンパク質およびレセプ
ターの相互作用を検出する工程を含む。試験化合物の存在下におけるタンパク質
およびレセプターの相互作用の、試験化合物の非存在下における相互作用に対す
る統計学的に有意な変化(強化または阻害)によって、潜在的なアンタゴニスト
(阻害剤)が示される。このアッセイの化合物は同時に接触させることができる
。あるいは、タンパク質を、最初に、適切な時間にわたって試験化合物と接触さ
せることができ、その後、レセプターがこの反応混合物に加えられる。化合物の
効力は、様々な濃度の試験化合物を使用して得られたデータから用量応答曲線を
作製することによって評価することができる。さらに、コントロールアッセイも
また、比較するための基準を得るために行うことができる。
【0168】 タンパク質とレセプターとの複合体形成は様々な技術により検出することがで
きる。複合体の形成の変化を、例えば、放射能標識、蛍光標識または酵素標識が
行われたタンパク質またはレセプターなどの検出可能に標識されたタンパク質を
使用して、免疫アッセイあるいはクロマトグラフィー的検出によって定量するこ
とができる。
【0169】 典型的には、複合体を一方または両方のタンパク質の非複合体化形態から分離
することを容易にするために、ならびにアッセイを自動化するために、タンパク
質またはレセプターのいずれかを固定化することが望ましい。タンパク質および
レセプターは、反応物を含有するのに適した任意の容器で結合させることができ
る。例には、マイクロタイタープレート、試験管および微量遠心チューブが含ま
れる。1つの実施形態において、タンパク質をマトリックスに結合させるドメイ
ンが付加された融合タンパク質が提供され得る。例えば、グルタチオン−S−ト
ランスフェラーゼ融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sig
ma Chemical、St.Louis、MO)またはグルタチオン誘導体
化マイクロタイタープレートに吸着させることができ、次いで、レセプター(例
えば、35S標識されたレセプター)および試験化合物と一緒にされる。その後
、混合物は、複合体形成が行われる条件下で、例えば、塩およびpHに関して生
理学的条件下でインキュベーションされる。しかし、少しよりストリンジェント
な条件が望ましい場合がある。インキュベーション後、ビーズを洗浄して未結合
の標識を除き、マトリックスに固定化された放射能標識を直接測定する(例えば
、ビーズをシンチラントに入れる)か、あるいは複合体を、続いて解離させた後
の上清において測定する。あるいは、複合体は、マトリックスから解離させて、
SDS−PAGEによって分離することができ、その後、ビーズ画分に見出され
るタンパク質またはレセプターのレベルを、添付された実施例に記載されている
ような標準的な電気泳動技術を使用してゲルから定量することができる。タンパ
ク質をマトリックスに固定化するための他の技術もまた、本発明のアッセイにお
ける使用に利用することができる。例えば、タンパク質またはレセプターのどち
らかを、ビオチンおよびストレプトアビジンの結合を利用して固定化することが
できる。
【0170】 遺伝子導入動物もまた、アゴニストまたはアンタゴニストを同定するために、
あるいは候補治療物の安全性および効力を確認するために作製することができる
。本発明の遺伝子導入動物には、適切な内因性プロモーターの制御下または異種
プロモーターの制御下にILD原因変異を含む非ヒト動物を含むことができる。
【0171】 遺伝子導入動物はまた、適切な内因性プロモーターまたはそのフラグメントの
制御下にトランスジーン(レポーター遺伝子など)を含有する動物であり得る。
このような動物は、例えば、遺伝子発現を調節することなどによってIL−1タ
ンパク質またはTNF−αタンパク質の産生を調節する薬物を同定するために有
用である。遺伝子導入非ヒト動物を得る方法はこの分野でよく知られている。好
ましい実施形態において、LBW原因変異の発現は、例えば、所望するパターン
で発現を制御するシス作用性配列を利用する特定集団の細胞、組織または発達段
階に限定される。本発明において、タンパク質のそのようなモザイク的な発現は
多くの形式の連鎖分析に必須であり得るし、その作用、例えば、それ以外では正
常な胚において小さな部分での組織の発達を大きく変化させ得る発現レベルを評
価する手段をさらに提供し得る。この目的に対して、組織特異的な調節配列およ
び条件的な調節配列を使用して、変異の発現を特定の空間的パターンで調節する
ことができる。さらに、発現の時間的パターンを、例えば、条件的な組換えシス
テムまたは原核生物の転写調節配列によって得ることができる。変異の発現を可
能にして、インビボでの部位特異的な遺伝子操作を介して調節できる遺伝子技術
は当業者に知られている。
【0172】 本発明の遺伝子導入動物はすべて、多数のその細胞内に本発明のLBW原因変
異トランスジーンを含む。この場合、トランスジーンによって「宿主細胞」の表
現型が変化する。例示的な実施形態において、バクテリオファージP1のcre
/loxPリコンビナーゼシステム(Lakso他、(1992)PNAS、8
9:6232〜6236;Orban他、(1992)PNAS、89:686
1〜6865)またはSaccharomyces cerevisiaeのF
LPリコンビナーゼシステム(O’Gorman他、(1991)Scienc
e、251:1351〜1355;国際特許出願公開WO92/15694)の
いずれかを使用して、インビボでの部位特異的な遺伝子組換えシステムを作製す
ることができる。Creリオンビナーゼは、loxP配列の間に配置された介在
する標的配列の部位特異的な組換えを触媒する。loxP配列は、Creリコン
ビナーゼが結合する34塩基対のヌクレオチド反復配列であり、Creリコンビ
ナーゼ媒介の遺伝子組換えに必要である。loxP配列の配向によって、Cre
リコンビナーゼが存在するときに、介在する標的配列の切り出または反転が決定
される(Abremski他、(1984)J.Biol.Chem.259:
1509〜1514)。すなわち、loxP配列の配向により、loxP配列が
直列反復として配向している場合には標的配列の切り出しが触媒され、loxP
配列が逆方向反復として配向している場合には標的配列の反転が触媒される。
【0173】 従って、標的配列の遺伝子組換えはCreリコンビナーゼの発現に依存してい
る。リコンビナーゼの発現は、調節配列の影響を受けるプロモーターエレメント
によって、例えば、組織特異的、発達段階特異的、外部から加えられた薬剤によ
って誘導的または抑制的に調節することができる。このような調節された制御に
よって、標的配列の遺伝子組換えが、リコンビナーゼの発現がプロモーターエレ
メントによって媒介される細胞でのみ生じる。従って、LBW原因変異トランス
ジーンの発現の活性化を、リコンビナーゼの発現を制御することによって調節す
ることができる。
【0174】 cre/loxPリコンビナーゼシステムを使用して、LBW原因変異トラン
スジーンの発現を調節するためには、Creリコンビナーゼおよび当該タンパク
質の両方をコードするトランスジーンを含有する遺伝子導入動物の作製が必要で
ある。CreリコンビナーゼおよびLBW原因変異トランスジーンの両方を含有
する動物は、「二重」遺伝子導入動物を作製することによって得ることができる
。そのような動物を得る好都合な方法は、それぞれが1つのトランスジーンを含
有する2つの遺伝子導入動物を交配することである。
【0175】 類似する条件的なトランスジーンは、トランスジーンの発現を容易にするため
に原核生物のタンパク質を同時に発現させることを必要とする原核生物のプロモ
ーター配列を使用して得ることができる。例示的なプロモーターおよび対応する
トランス作用性の原核生物タンパク質が米国特許第4,833,080号に示さ
れている。
【0176】 さらに、条件的なトランスジーンの発現を遺伝子治療のような方法で誘導する
ことができる。この場合、トランス活性化タンパク質(例えば、リコンビナーゼ
または原核生物タンパク質)をコードする遺伝子が組織に送達され、細胞タイプ
に特異的な様式などで発現させられる。この方法によって、トランスジーンは、
成体期になるまで不活性のままにすることができ、その後、トランス活性化因子
を導入することによって「スイッチを入れる」ことができる。
【0177】 例示的な実施形態において、本発明の「遺伝子導入非ヒト動物」は、トランス
ジーンを非ヒト動物の生殖系列に導入することによって作製される。様々な発達
段階にある胚の標的細胞を使用して、トランスジーンを導入することができる。
種々の方法が、胚の標的細胞の発達段階に依存して使用されている。本発明を実
施するために使用される任意の動物の特定系統が、全体的な良好な健康状態、良
好な胚生成、胚での良好な前核の視認性、および良好な生殖適用度のために選択
される。さらに、ハプロタイプは重要な要因である。例えば、遺伝子導入マウス
を作製しようとする場合、C57BL/6系またはFVB系の系統が使用される
ことが多い(Jackson Laboratory、Bar Harbor、
ME)。好ましい系統は、C57BL/6またはDBA/1などのH−2b、H
−2dまたはH−2qのハプロタイプを有する系統である。本発明を実施するた
めに使用される系統は、それ自体、遺伝子導入動物であってもよく、かつ/また
はノックアウト(すなわち、1つまたは複数の遺伝子が部分的または完全に抑制
された動物から得られたノックアウト)であってもよい。
【0178】 1つの実施形態において、トランスジーン構築物は単一段階の胚に導入される
。接合子は、顕微注入の最も良い標的である。マウスにおいて、雄性の前核は、
1〜2plのDNA溶液を再現的に注入することができる直径が約20ミクロン
のサイズに達する。遺伝子転移の標的としての接合子の使用は、ほとんどの場合
、注入されたDNAが最初の卵割の前に宿主の遺伝子に取り込まれるという点で
大きな利点を有する(Brinster他、(1985)PNAS、82:44
38〜4442)。その結果、遺伝子導入動物のすべての細胞は、取り込まれた
トランスジーンを有する。これは、一般に、創始動物の子孫に対するトランスジ
ーンの効率的な伝達を反映する。なぜなら、生殖細胞の50%がトランスジーン
を有するからである。
【0179】 通常、受精胚は、前核が現れるまで適切な培地においてインキュベーションさ
れる。ほぼこのときに、トランスジーンを含むヌクレオチド配列が、下記に示さ
れているように雌性または雄性の前核に導入される。マウスなどのいくつかの種
においては、雄性前核が好ましい。外来外因性の遺伝物質を、卵子の核または接
合子の雌性前核によるプロセシングが行われる前に、接合子の雄性DNA補充物
に加えることは最も好ましい。卵子の核または雌性前核は、おそらくは、雄性D
NAのプロタミンをヒストンで置換し、それによって、二倍体接合子を形成する
雌性および雄性のDNA補充物の結合を容易にすることにより、雄性DNA補充
物に影響する分子を放出すると考えられている。
【0180】 従って、外因性の遺伝物質を、雌性前核による影響を受ける前にDNAの雄性
補充物またはDNAの任意の他の補充物に加えることは好ましい。例えば、外因
性の遺伝物質は、雄性前核が形成された後のできる限り早く、初期の雄性前核に
加えられる。この時期は、雄性および雌性の前核が十分に分離して、両者が細胞
膜の近くに位置するときである。あるいは、外因性の遺伝物質は、精子が脱凝縮
するように誘導された後、精子の核に加えることができる。次いで、外因性の遺
伝物質を含有する精子を卵子に加えることができ、あるいは脱凝縮された精子を
、その後のできる限り早く加えられるトランスジーン構築物とともに卵子に加え
ることができる。
【0181】 トランスジーンヌクレオチド配列の胚への導入は、例えば、顕微注入、エレク
トロポレーションまたはリポフェクションなどのこの分野で知られている任意の
手段によって行うことができる。トランスジーンヌクレオチド配列が胚に導入さ
れた後、胚はインビトロで様々な時間インキュベーションすることができ、ある
いは代理宿主に再移植することができ、あるいはその両方を行うことができる。
成熟するまでのインビトロでのインキュベーションは本発明の範囲内である。広
く使用されている1つの方法は、種に依存して約1〜7日間インビトロで胚をイ
ンキュベーションし、その後、胚を代理宿主に再移植することである。
【0182】 本発明のために、接合子は、本質的に、完全な生物への発達を可能にする二倍
体細胞の形成である。一般に、接合子は、1つまたは複数の配偶子に由来する2
つのハプロイド核の融合によって自然または人工的のいずれかで形成された核を
含有する卵から構成される。従って、配偶子の核は、自然に適合し得る核でなけ
ればならない。すなわち、機能性生物に分化して発達し得る生存可能な配偶子を
生じさせる核でなければならない。一般には、正倍数体の配偶子が好ましい。異
数体の配偶子が得られた場合、染色体の数は、いずれかの配偶子が得られた生物
の正倍体数に対して2以上変化しない。
【0183】 類似する生物学的理由に加えて、物理的理由によってもまた、接合子の前核に
、または接合子の核の一部を形成する遺伝物質に加えることができる外因性遺伝
物質の量(例えば、容量)は決定される。遺伝物質が除かれない場合、加えるこ
とができる外因性遺伝物質の量は、物理的に破壊されることなく吸収される量に
よって制限される。一般に、挿入される外因性遺伝物質の容量は約10ピコリッ
トルを越えない。添加することの物理的作用は、接合子の生存性を物理的に破壊
するほど大きくなってはならない。DNA配列の数および多様性の生物学的限界
は、特定の接合子、および外因性遺伝物質の機能に依存して変化するが、当業者
には容易に理解される。なぜなら、得られた接合子の遺伝物質(外因性遺伝物質
を含む)は、接合子の機能的な生物への分化および発達を生物学的に開始して維
持し得ることが必要であるからである。
【0184】 接合子に加えられるトランスジーン構築物のコピー数は、加えられた外因性遺
伝物質の総量に依存し、遺伝的形質転換を生じさせる量である。理論的には、1
コピーが必要とされるだけである。しかし、一般には、多数コピー(例えば、1
,000〜20,000コピー)のトランスジーン構築物が、1コピーが機能的
であることを保証するために利用される。本発明に関して、多くの場合、外因性
DNA配列の表現型発現を高めるために挿入された外因性DNA配列のそれぞれ
が機能的な2コピー以上有することに対する利点が存在する。
【0185】 外因性遺伝物質を核の遺伝物質に加えることを可能にする技術はどれも、細胞
、核膜あるいは他の存在する細胞構造または遺伝子構造に対して破壊的でない限
り利用することができる。外因性遺伝物質は、核の遺伝物質に顕微注入によって
優先的に挿入される。細胞および細胞構造の顕微注入はこの分野で知られており
、使用されている。
【0186】 再移植は標準的な方法を使用して行われる。通常的には、代理宿主に麻酔をか
け、胚が卵管に挿入される。特定の宿主に移植される胚の数は種により変化する
が、通常的には、その種が自然に産生する子孫の数に匹敵する。
【0187】 代理宿主の遺伝子導入子孫は、任意の好適な方法によってトランスジーンの存
在および/または発現についてスクリーニングすることができる。スクリーニン
グは、多くの場合、サザンブロット分析またはノーザンブロット分析によって、
トランスジーンの少なくとも一部に相補的なプローブを使用して行われる。トラ
ンスジーンによってコードされるタンパク質に対する抗体を使用するウエスタン
ブロット分析を、トランスジーン産物の存在をスクリーニングする別の方法また
はさらなる方法として用いることができる。典型的には、DNAが尾組織から調
製され、トランスジーンに対するサザン分析またはPCRによって分析される。
あるいは、トランスジーンを最高レベルで発現していると考えられる組織または
細胞が、サザン分析またはPCRを使用してトランスジーンの存在および発現に
ついて試験される。しかし、任意の組織または細胞タイプをこの分析に使用する
ことができる。
【0188】 トランスジーンの存在を評価する別の方法またはさらなる方法には、酵素アッ
セイおよび/または免疫学的アッセイ、特定のマーカー活性または酵素活性に対
する組織化学的染色、フローサイトメトリー分析などの好適な生化学的アッセイ
が含まれるが、これらに限定されない。血液の分析もまた、血液中におけるトラ
ンスジーン産物の存在を検出するのに有用であり、さらに、様々なタイプの血液
細胞および他の血液成分のレベルについてトランスジーンの作用を評価するのに
有用である。
【0189】 遺伝子導入動物の子孫は、遺伝子導入動物を適切な相手と交配することによっ
て、あるいは遺伝子導入動物から得られた卵および/または精子のインビトロ受
精によって得ることができる。相手との交配が行われるとき、相手は、遺伝子導
入体および/またはノックアウト体であってもよく、遺伝子導入体および/また
はノックアウト体でなくてもよい。相手が遺伝子導入体である場合、相手の遺伝
子導入体は、同じトランスジーンまたは異なるトランスジーンを含有することが
でき、あるいはその両方を含有することができる。あるいは、相手は親の系統の
動物であり得る。インビトロ受精が使用される場合、受精胚は代理宿主に移植さ
れ得るか、インビトロでインキュベーションされ得るか、あるいはその両方であ
る。いずれかの方法を使用した場合、子孫は、上記の方法または他の適切な方法
を使用して、トランスジーンの存在について評価することができる。
【0190】 本発明に従って作製された遺伝子導入動物は外因性遺伝物質を含む。さらに、
そのような実施形態において、配列は、好ましくは特定の細胞タイプにおけるト
ランスジーン産物の発現を可能にする転写調節エレメント(例えば、プロモータ
ー)に結合している。
【0191】 レトロウイルスの感染もまた、トランスジーンを非ヒト動物に導入するために
使用することができる。発達中の非ヒト胚は、胚盤胞期までインビトロで培養す
ることができる。胚盤胞期の期間中において、卵割球はレトロウイルス感染の標
的であり得る(Jaenich,R.(1976)PNAS、73:1260〜
1264)。卵割球の効率的な感染が、透明体を除く酵素処理によって得られる
(Manipulating the Mouse Embryo、Hogan
編(Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s、Cold Spring Harbor、1986)。トランスジーンを導
入するために使用されるウイルスベクターシステムは、典型的には、トランスジ
ーンを有する複製不全レトロウイルスである(Jahner他、(1985)P
NAS、82:6927〜6931;Van der Putten他、(19
85)PNAS、82:6148〜6152)。トランスフェクションが、ウイ
ルス産生細胞の単層の上で卵割球を培養することによって容易にかつ効率的に得
られる(Van der Putten、上記;Stewart他、(1987
)EMBO J.6:383〜388)。あるいは、感染をより後期の段階で行
うことができる。ウイルスまたはウイルス産生細胞を割腔に注入することができ
る(Jahner他、(1982)Nature、298:623〜628)。
ほとんどの創始動物は、遺伝子導入非ヒト動物を形成させた細胞の部分集団での
み取り込みが生じているためにトランスジーンに関してモザイク状である。さら
に、創始動物は、一般に子孫で分離するトランスジーンの様々なレトロウイルス
挿入部をゲノムの種々の位置に含有し得る。さらに、トランスジーンを妊娠中期
胚の子宮内レトロウイルス感染によって生殖系列に導入することもまた可能であ
る(Jahner他、(1982)上記)。
【0192】 トランスジーンが導入される標的細胞の第3のタイプは胚性幹細胞(ES)で
ある。ES細胞は、インビトロ培養された移植前の胚から得られ、胚と融合され
る(Evans他、(1981)Nature、292:154〜156;Br
adley他、(1984)Nature、309:255〜258;Goss
ler他、(1986)PNAS、83:9065〜9069;およびRobe
rtson他、(1986)Nature、322:445〜448)。トラン
スジーンは、DNAトランスフェクションによって、あるいはレトロウイルス媒
介の形質導入によってES細胞に効率的に導入することができる。そのような形
質転換されたES細胞は、その後、非ヒト動物の胚盤胞と一緒にすることができ
る。その後、ES細胞は胚をコロニー化し、得られるキメラ動物の生殖系列を引
き起こす一因となる。総説に関しては、Jaenisch,R.、(1988)
Science、240:1468〜1478を参照のこと。
【0193】 本発明は、決して限定として解釈すべきではない下記の実施例によりさらに例
示される。引用されるすべての参考文献(本明細書を通して引用されている参考
文献、発行された特許公報、公開された特許出願公報を含む)の内容は、それに
より、特に参考として援用される。本発明の実施には、別途示されていない限り
、当業者の範囲内にある、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、遺伝子導入生物
学、微生物学、組換えDNAおよび免疫学の従来の技術が用いられる。そのよう
な技術は文献に詳しく記載されている。例えば、下記の文献を参照のこと:Mo
lecular Cloning A Laboratory Manual、
第2版、Sambrook、FritschおよびManiatis編(Col
d Spring Harbor Laboratory Press:198
9);DNA Cloning 第I巻および第II巻(D.N.Glover編
、1985);Oligonucleotide Synthesis(M.J
.Gait編、1984);Mullis他、米国特許第4,683,195号
;Nucleic Acids Hybridization(B.D.Ham
es&S.J.Higgins編、1984);Transcription
And Translation(B.D.Hames&S.J.Higgin
s編、1984);Culture Of Animal Cells(R.I
.Freshney、Alan R.Liss,Inc.、1987);Imm
obilized Cells And Enzymes(IRL Press
、1986);B.Perbal、A Practical Guide To
Molecular Cloning(1984);専門書、Methods
In Enzymology(Academic Press,Inc.、N
.Y.);Gene Transfer Vectors For Mamma
lian Cells(J.H.MillerおよびM.P.Calos編、1
987、Cold Spring Harbor Laboratory);M
ethods In Enzymology、第154巻および第155巻(W
u他編)、Immunochemical Methods In Cell
And Molecular Biology(MayerおよびWalker
編、Academic Press、London、1987);Handbo
ok Of Experimental Immunology、第I〜IV巻(
D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編、1986);Mani
pulating the Mouse Embryo(Cold Sprin
g Harbor Laboratory Press、Cold Sprin
g Harbor、N.Y.、1986)。
【0194】 4 実施例 4.1 実施例1:遺伝子型分析 遺伝子型分析を、母胎血液から得られたサンプルを使用して行い、人種に従っ
て特徴づけた。白人女性は、被験者の数が限られているために有意ではなかった
が、+4845および−511での対立遺伝子2を少なくとも1コピー有する個
体と、2.83の確率比(95%CI 0.196〜40.97)を有する低出
産体重との間において傾向を示した。有意な関連が、低出産体重に関する4.8
の確率比(95%CI 1.155〜19.951、P=0.033)を伴う、
+4845の対立遺伝子2を少なくとも1コピー有する黒人女性において明らか
にされた。さらに、低出産体重と遺伝子型との有意な関連が8.89の確率比(
95%CI 1.934〜40.855、P=0.0068)を伴う、+484
5および−511の各遺伝子座での対立遺伝子2を少なくとも1コピー有する、
黒人女性において明らかにされた。
【0195】 4.2 実施例2 本実施例は予想例である。この実験期間中において、本発明者らは、一連の潜
在的な遺伝子候補マーカーに対するスクリーニングを行うために90名の被験者
から血液サンプルを採取する。定期的な静脈穿刺のときに得られる血液(7〜1
2mL)をACDCチューブに採取して、80℃で凍結する。あるいは、胎児細
胞を、本明細書中上記のようにして得ることができる。上記に記載されているよ
うに、胎児細胞を得る方法は当業者に知られており、羊水穿刺、絨毛生検、およ
び母胎血液標本に存在する有核の胎児赤血球の採取を含むが、これらに限定され
ない。母胎血液から胎児細胞を得るための好適な方法には、米国特許第5,62
9,147号および同第5,457,024号に記載されている方法が含まれる
が、これらに限定されない。自然早産の経歴を有する45名の患者が研究のため
に選ばれる。本発明者らが記載する定義は、BerkowitzおよびPapi
emik(67)によって最近解説されたものである。低出産体重は、通常、<
2500gと定義される。上記のように、本発明者らは、低出産体重が予定日前
の前期破水(予定日前PROM)および早産(予定日前PTL)と関連している
場合の低出産体重に主として注目している(これらの用語は本発明者らによって
以前に定義された)。子宮内の生育の遅れもまた、その妊娠月齢に対して第10
百分位未満の出産体重を伴うそのような事例を表しているために注目される。本
発明者らは、Hadlock(68)によって記載されている超音波診断法によ
り妊娠月齢を決定する。そのような区切りは、新生児がIUGRを有するか、す
なわち、本発明者らがBerkowitzから改作されたチャートを使用する第
10百分位未満であるかどうかを決定するための指定される。人種、性および出
産経歴に対する補正が行われていることに注意されたい。例えば、36週の初産
婦から産まれた白人男児は、体重が(2190+20+70+0)すなわち22
80gよりも少ない場合にIUGRと見なされる。これは、この妊娠月齢に対す
る低出産体重の極限点である。この場合の定義は、2200g未満の出産体重を
もたらす早産(37週未満の妊娠)または予定日前の前期破水のいずれかの母体
を示す。さらに、血液が、正常な満期出産を行い、以前の産科的合併症の経歴を
有しない45名の母体から採取される。事例およびコントロールに関する除外基
準には、高血圧、喫煙、飲酒癖または薬物乱用、糖尿病、HIV、プレクランプ
シア(preclampsia)および多胎妊娠が含まれる。
【0196】 凍結血液を解凍して、DNAを、QUIAmp DNA血液96スピン単離キ
ットを使用して調製する。DNAサンプルをコード化バイアルに(サンプルあた
り2〜10ugのDNAを)入れる。一連の遺伝子マーカーを調べた後、どの多
型がSPB事例と優先的に関連しているかを決定するためにコード物を分ける。
【0197】 検討される特定の多型には、IL−1A(+4845)、IL−1B(−51
1)、IL−1B(+3945)、IL−1RN(イントロン2)VNTRなら
びにTNFA(−308)およびTNFA(−238)が含まれるが、これらに
限定されない。特定の候補遺伝子(1つまたは複数)が同定された場合、この候
補遺伝子を使用して、実施例2のより大きな集団サンプルがスクリーニングされ
る。候補遺伝子が同定されなかった場合、危険性をもたらす胎児表現型が存在す
るかどうかを明らかにするために、類似する試験が胎児臍帯血に対して行われる
。スクリーニング結果が疑わしい場合、サンプルサイズを大きくすべきかどうか
、あるいは臍帯血または母胎血液をアッセイすべきかどうかについての決定が行
われる。しかし、1つまたは複数の候補遺伝子がSPBと関連していると同定さ
れることが予想される。保護的な遺伝子型が同定され得ることもまた考えられる
【0198】 歯周病と低出産体重との関連性が得られた場合、本発明者らは、少なくとも、
IL−1A対立遺伝子2およびIL−1B(Taq1)対立遺伝子2によって、
良好でない妊娠結果になりやすいことが予想され得ると考える。従って、米国特
許第5,686,246号は参考として本明細書中に援用される。従って、本明
細書中には、良好でない妊娠結果になりやすいことを予想する方法が提供される
。この方法は、IL−1AおよびIL−1BのゲノムDNAにおける遺伝子多型
パターンを決定すること、およびそのパターンをコントロールサンプルと比較す
ることを含む。この場合、コントロールサンプルは、IL−1A対立遺伝子2お
よびIL−1B(TaqI)対立遺伝子2を含み、コントロールサンプルに対す
る遺伝子多型パターンの類似性により、良好でない妊娠結果になりやすいことが
示される。IL−1Aおよび/またはIL−1Bに対する遺伝子多型パターンを
同定する工程には、PCRを使用して標的DNA配列を増幅することが含まれる
が、これらに限定されない。この場合、PCRプライマーは、下記のプライマー
からなる群から選択される:
【化2】 IL−1B(−511)対立遺伝子は、配列番号3および配列番号4に示され
るプライマーを使用して増幅することができる。IL−1B(+3954)対立
遺伝子は、配列番号5および配列番号6に示されるプライマーを使用して増幅す
ることができる。L−1A(+4845)対立遺伝子は、配列番号7および配列
番号8に示されるプライマーを使用して増幅することができる。IL−1RN(
+2018)対立遺伝子は、配列番号9および配列番号10に示されるプライマ
ーを使用して増幅することができる。TNFA(−308)対立遺伝子は、配列
番号11および配列番号12に示されるプライマーを使用して増幅することがで
きる。TNFA(−238)対立遺伝子は、配列番号13および配列番号14に
示されるプライマーを使用して増幅することができる。IL−1RN(VNTR
)対立遺伝子は、配列番号15および配列番号16に示されるプライマーを使用
して増幅することができる。IL−1A(−889)対立遺伝子は、配列番号1
7および配列番号18に示されるプライマーを使用して増幅することができる。
【0199】 4.3 実施例3 本実施例は予想例である。血液が、遺伝子型決定のために妊婦および胎児臍帯
血から採取される。約400例が遺伝子型決定のために利用することができ、8
00例の満期コントールが得られる。遺伝子型決定に処理されるサンプルの実際
の数は、実施例1から得られる結果に基づいて決定される。結果はロジスティッ
ク危険性モデルに取り込まれ、SPBに対するサイトカイン多型の寄与が決定さ
れ、そして何らかの可能な相互作用が同定される。SPB危険性の予測変数とし
てのこれらの遺伝子マーカーの特異性、感度および予測値が決定されることが予
期される。第2に、羊水が、母胎/胎児の遺伝子型とサイトカインレベルとの関
連性を明らかにするために、事例およびコントロールの小さな部分集団について
分析される。母胎のGCFレベルはまた、PGE、IL−1およびTNFのた
めに利用することができる。従来の産科的危険性因子を取り込んだ多変量危険性
モデルを組み立てることによって、別の混同因子または共変量に対する代用マー
カーとして役に立つ遺伝子型の可能性が明らかにされる。最後に、このような候
補遺伝子型の感度、選択性および予測値を決定することによって、SPBの新し
いマーカーを同定して、その有効性を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 母体感染および胎児炎症反応と非正常な妊娠結果の危険性との関係を示した図
である。
【図2】 母体感染と非正常な妊娠結果の危険性との関係を示した図である。
【図3】 炎症性サイトカインおよび非正常な妊娠結果との関係を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61P 15/00 4C206 A61P 15/00 G01N 33/15 Z C12N 15/09 33/50 P G01N 33/15 Z 33/50 33/566 A61K 37/02 33/566 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 オッフェンバッシャー,スティーヴン アメリカ合衆国 ノースカロライナ州 27599−7455 チャペル ヒル スクール オブ デンティストリー ユニヴァーシ ティー オブ ノースカロライナ アット チャペル ヒル (72)発明者 ダフ,ゴードン ダブリュ イギリス国 エス10 3ビー2 サウス ヨークシアー シェフィールド アシュゲ イト ロード 18 Fターム(参考) 2G045 AA27 CA25 CB01 CB07 CB09 CB16 CB17 DA12 DA13 DA14 DA36 DA54 DA80 FB02 FB05 FB07 GC07 JA06 JA20 4B024 AA01 AA11 BA26 BA28 CA01 CA20 DA03 HA09 HA11 HA12 HA14 4B063 QA01 QA19 QQ03 QQ08 QQ42 QQ53 QR14 QR31 QR55 QR62 QS24 QS25 QS34 4C084 AA02 AA16 DA13 DA25 NA14 ZC541 ZC542 4C086 AA01 AA02 DA10 MA01 NA14 ZC54 4C206 AA01 AA02 GA19 MA02 NA14 ZC54

Claims (84)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胎児が非正常な妊娠結果を有するという罹病素因をもつか否
    かを検出する方法であって、前記方法が、a)被検者から核酸試料を得るステッ
    プ、および、 b)試料中のIL−1A(+4845)対立遺伝子2またはIL−1(−511
    )対立遺伝子1、あるいはIL−1A(+4845)対立遺伝子2またはIL−
    1(−511)対立遺伝子1と連鎖不平衡にある対立遺伝子を検出するステップ
    を含んでなる方法であって、IL−1A(+4845)対立遺伝子2またはIL
    −1(−511)対立遺伝子1、あるいはIL−1A(+4845)対立遺伝子
    2またはIL−1(−511)対立遺伝子1と連鎖不平衡にある対立遺伝子の検
    出が、胎児が非正常な妊娠結果の罹病素因をもつことを示す方法。
  2. 【請求項2】 非正常な妊娠結果が出生時低体重であることを特徴とする請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記検出ステップが、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド
    ハイブリダイゼーション、サイズ分析、シーケンシング、ハイブリダイゼーショ
    ン、5’末端ヌクレアーゼ分解、一本鎖立体配座多型、対立遺伝子特異的ハイブ
    リダイゼーション、プライマー特異的伸長法、およびオリゴヌクレオチド連結ア
    ッセイからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 検出ステップに先立ち、核酸試料を増幅ステップにかけるこ
    とを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記増幅ステップが、配列番号1から配列番号18のすべて
    からなる群から選択されるプライマーを利用することを特徴とする請求項4記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 制限酵素消化が前記サイズ分析に先行することを特徴とする
    請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記制限酵素消化が、Nco I、Alu IおよびMsp
    Iからなる群から選択された制限酵素を利用することを特徴とする請求項6記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 出生時低体重に関連した対立遺伝子を識別する方法であって
    、前記方法が、IL−1A(+4845)対立遺伝子2および/またはIL−1
    (−511)対立遺伝子1と連鎖不平衡にある対立遺伝子を識別することを含ん
    でなる方法。
  9. 【請求項9】 被検者が出生時低体重乳児を出産する発生率を検出するため
    のキットであって、前記キットが、IL−1A(+4845)対立遺伝子2およ
    び/またはIL−1(−511)対立遺伝子1、あるいはIL−1A(+484
    5)対立遺伝子2またはIL−1(−511)対立遺伝子1と連鎖不平衡にある
    対立遺伝子に5’または3’末端をハイブリダイズする第1プライマーオリゴヌ
    クレオチドを含んでなるキット。
  10. 【請求項10】 さらに、IL−1A(+4845)対立遺伝子2、または
    第1プライマーがIL−1A(+4845)対立遺伝子2へ5’末端をハイブリ
    ダイズする場合にIL−1A(+4845)対立遺伝子2と連鎖不平衡にある対
    立遺伝子、または第1プライマーが3’末端をハイブリダイズする場合にIL−
    1A(+4845)対立遺伝子2と連鎖不平衡にある対立遺伝子へ3’末端をハ
    イブリダイズする第2プライマーオリゴヌクレオチドを含んでなることを特徴と
    する請求項9記載のキット。
  11. 【請求項11】 前記第1プライマーおよび前記第2のプライマーが、約5
    0から1000塩基対の範囲の領域へハイブリダイズすることを特徴とする請求
    項10記載のキット。
  12. 【請求項12】 前記の1種または複数のプライマーが配列番号1から配列
    番号18のすべてからなる群から選択されることを特徴とする請求項9、10ま
    たは11記載のキット。
  13. 【請求項13】 さらに検出手段を含んでなることを特徴とする請求項8記
    載のキット。
  14. 【請求項14】 前記検出手段が、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハ
    イブリダイゼーション、サイズ分析、シーケンシング、ハイブリダイゼーション
    、5’末端ヌクレアーゼ分解、一本鎖立体配座多型、対立遺伝子特異的ハイブリ
    ダイゼーション、プライマー特異的伸長法、およびオリゴヌクレオチド連結アッ
    セイからなる群から選択されることを特徴とする請求項13記載のキット。
  15. 【請求項15】 さらに増幅手段を含んでなることを特徴とする請求項8記
    載のキット。
  16. 【請求項16】 さらにコントロールを含んでなることを特徴とする請求項
    8記載のキット。
  17. 【請求項17】 被検者が出生時低体重(LBW)関連対立遺伝子を含んで
    いるか否かを識別するための個々のIL−1またはTNF−A遺伝子型を検出す
    るステップ、多型と連鎖不平衡にあるLBWの原因となる機能性変異を補正する
    治療を選択するステップ、を含んでなる出生時低体重乳児を有するという罹病素
    因をもつ妊婦に投与する適切な治療用物質を選択するための方法。
  18. 【請求項18】 出生時低体重乳児が早期児または未熟児であることを特徴
    とする請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記ゲノタイピングが、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオ
    チドハイブリダイゼーション、サイズ分析、シーケンシング、ハイブリダイゼー
    ション、5’末端ヌクレアーゼ分解、一本鎖立体配座多型、対立遺伝子特異的ハ
    イブリダイゼーション、プライマー特異的伸長法、およびオリゴヌクレオチド連
    結アッセイからなる群から選択されることを特徴とする請求項17記載の方法。
  20. 【請求項20】 ゲノタイピングに先立ち、核酸試料を増幅ステップにかけ
    ることを特徴とする請求項17記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記増幅ステップが、配列番号1から配列番号18のすべ
    てからなる群から選択されるプライマーを利用することを特徴とする請求項20
    記載の方法。
  22. 【請求項22】 制限酵素消化が前記サイズ分析に先行することを特徴とす
    る請求項19記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記制限酵素消化が、Nco I、Alu IおよびMs
    p Iからなる群から選択される制限酵素を利用することを特徴とする請求項2
    2記載の方法。
  24. 【請求項24】 治療用物質が、コルチコステロイド、代謝拮抗物質、細胞
    傷害性薬剤、コルヒチンまたは抗サイトカインからなる群から選択されることを
    特徴とする請求項17記載の方法。
  25. 【請求項25】 治療用物質が、IL−1またはTNFα活性のモジュレー
    ターからなる群から選択されることを特徴とする請求項17記載の方法。
  26. 【請求項26】 IL−1がIL−1αであることを特徴とする請求項25
    記載の方法。
  27. 【請求項27】 IL−1がIL−1βであることを特徴とする請求項25
    記載の方法。
  28. 【請求項28】 IL−1がIL−1Raであることを特徴とする請求項2
    5記載の方法。
  29. 【請求項29】 治療用物質が、タンパク質、ペプチド、擬似ペプチド、小
    分子または核酸であることを特徴とする請求項25記載の方法。
  30. 【請求項30】 モジュレーターがアゴニストであることを特徴とする請求
    項25記載の方法。
  31. 【請求項31】 モジュレーターがアンタゴニストであることを特徴とする
    請求項25記載の方法。
  32. 【請求項32】 LBW関連対立遺伝子が、IL−1A(+4845)対立
    遺伝子2、またはIL−1(−511)対立遺伝子1、あるいはIL−1A(+
    4845)対立遺伝子2またはIL−1(−511)対立遺伝子1と連鎖不平衡
    にある対立遺伝子であることを特徴とする請求項17記載の方法。
  33. 【請求項33】 (a)被検者または胎児から得られた試料のIL−1また
    はTNF−αタンパク質、あるいは、IL−1またはTNF−A mRNAまた
    はDNAの濃度、量または活性を検出するステップ、(b)被検者へ特定投与量
    の特定治療用物質を投与するステップ、被検者から得られた試料のIL−1また
    はTNF−αタンパク質、あるいは、IL−1またはTNF−A mRNAまた
    はDNAの濃度、量または活性を検出するステップ、および、 (c)ステップ(b)で得られた濃度、量または活性とステップ(a)で得られ
    た相対的濃度、量または活性を比較するステップ、 からなる特定投与量の特定治療用物質でLBW被検者を治療する有効性を検出す
    る方法。
  34. 【請求項34】 治療用物質が、コルチコステロイド、代謝拮抗物質、細胞
    傷害性薬剤、コルヒチンまたは抗サイトカインからなる群から選択されることを
    特徴とする請求項33記載の方法。
  35. 【請求項35】 治療用物質が、IL−1またはTNFα活性のモジュレー
    ターからなる群から選択されることを特徴とする請求項33記載の方法。
  36. 【請求項36】 IL−1がIL−1αであることを特徴とする請求項35
    記載の方法。
  37. 【請求項37】 IL−1がIL−1βであることを特徴とする請求項35
    記載の方法。
  38. 【請求項38】 IL−1がIL−1Raであることを特徴とする請求項3
    5記載の方法。
  39. 【請求項39】 治療用物質が、タンパク質、ペプチド、擬似ペプチド、小
    分子または核酸であることを特徴とする請求項35記載の方法。
  40. 【請求項40】 モジュレーターがアゴニストであることを特徴とする請求
    項35記載の方法。
  41. 【請求項41】 モジュレーターがアンタゴニストであることを特徴とする
    請求項35記載の方法。
  42. 【請求項42】 LBW関連対立遺伝子の存在を識別するために個々のIL
    −1またはTNF−A遺伝子型を検出するステップ、および、被検者に、多型と
    連鎖不平衡にあるLBW原因性変異を補正する治療用物質を投与するステップを
    含んでなる出生時低体重乳児(LBW)を有するという罹病素因をもつ被検者を
    治療する方法。
  43. 【請求項43】 出生時低体重乳児が早期児または未熟児であることを特徴
    とする請求項42記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記ゲノタイピングが、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオ
    チドハイブリダイゼーション、サイズ分析、シーケンシング、ハイブリダイゼー
    ション、5’末端ヌクレアーゼ分解、一本鎖立体配座多型、対立遺伝子特異的ハ
    イブリダイゼーション、プライマー特異的伸長法、およびオリゴヌクレオチド連
    結アッセイからなる群から選択されることを特徴とする請求項42記載の方法。
  45. 【請求項45】 ゲノタイピングに先立ち、核酸試料に対して増幅ステップ
    を行うことを特徴とする請求項42記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記増幅ステップで、配列番号1から配列番号18のすべ
    てからなる群から選択されるプライマーが使用されることを特徴とする請求項4
    5記載の方法。
  47. 【請求項47】 制限酵素消化が前記サイズ分析に先行することを特徴とす
    る請求項44記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記制限酵素消化が、Nco I、Alu IおよびMs
    p Iからなる群から選択される制限酵素を利用することを特徴とする請求項4
    7記載の方法。
  49. 【請求項49】 治療用物質が、コルチコステロイド、代謝拮抗物質、細胞
    傷害性薬剤、コルヒチンまたは抗サイトカインからなる群から選択されることを
    特徴とする請求項42記載の方法。
  50. 【請求項50】 治療用物質が、IL−1またはTNFα活性のモジュレー
    ターからなる群から選択されることを特徴とする請求項42記載の方法。
  51. 【請求項51】 IL−1がIL−1αであることを特徴とする請求項50
    記載の方法。
  52. 【請求項52】 IL−1がIL−1βであることを特徴とする請求項50
    記載の方法。
  53. 【請求項53】 IL−1がIL−1Raであることを特徴とする請求項5
    0記載の方法。
  54. 【請求項54】 治療用物質が、タンパク質、ペプチド、擬似ペプチド、小
    分子または核酸であることを特徴とする請求項50記載の方法。
  55. 【請求項55】 モジュレーターがアゴニストであることを特徴とする請求
    項50記載の方法。
  56. 【請求項56】 モジュレーターがアンタゴニストであることを特徴とする
    請求項50記載の方法。
  57. 【請求項57】 LBW関連対立遺伝子が、IL−1A(+4845)対立
    遺伝子2、またはIL−1(−511)対立遺伝子1、あるいはIL−1A(+
    4845)対立遺伝子2またはIL−1(−511)対立遺伝子1と連鎖不平衡
    にある対立遺伝子であることを特徴とする請求項42記載の方法。
  58. 【請求項58】 a)IL−1またはTNF−αポリペプチド、あるいはそ
    れらの生理活性断片、IL−1またはTNF−α結合パートナー、および検査化
    合物を条件下で結合させるステップであって、検査化合物がなければ、IL−1
    またはTNF−αタンパク質、およびIL−1またはTNF−αパートナーが相
    互作用し得るステップ、 b)検査化合物の存在下で、IL−1またはTNF−αタンパク質/IL−1
    またはTNF−αパートナー複合体が形成された範囲を検出するステップ、を含
    んでなるLBW治療用物質のスクリーニング方法であって、 その化合物の非存在下に対するその化合物の存在下でのアゴニストにより形成
    された複合体の量の増加、または、その化合物の非存在下に対するその化合物の
    存在下でのアンタゴニストにより形成された複合体の量の減少が、その化合物が
    LBW治療用物質であることを示す方法。
  59. 【請求項59】 アゴニストまたはアンタゴニストが、タンパク質、ペプチ
    ド、擬似ペプチド、小分子または核酸からなる群から選択されることを特徴とす
    る請求項58記載の方法。
  60. 【請求項60】 核酸が、アンチセンス、リボザイムおよびトリプレックス
    核酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項59記載の方法。
  61. 【請求項61】 さらに、化合物から医薬組成物を調製するステップを含ん
    でなることを特徴とする請求項58記載の方法。
  62. 【請求項62】 IL−1がIL−1αであることを特徴とする請求項58
    記載の方法。
  63. 【請求項63】 IL−1がIL−1βであることを特徴とする請求項58
    記載の方法。
  64. 【請求項64】 IL−1がIL−1Raであることを特徴とする請求項5
    8記載の方法。
  65. 【請求項65】 (a)細胞または細胞抽出物を適切な量の候補化合物と接
    触させるステップであって、それがIL−1またはTNF−A遺伝子を発現する
    ステップ、(b)得られたタンパク質生理活性を検出するステップ、を含んでな
    るLBW治療用物質を識別する方法であって、化合物の非存在下での生理活性と
    比較した場合、化合物の存在下でのアゴニスト生理活性の減少、またはアンタゴ
    ニスト生理活性の減少が、候補がLBW治療用物質であることを示す方法。
  66. 【請求項66】 モジュレーターが、IL−1α、IL−1βまたはTNF
    α生理活性のアンタゴニストであることを特徴とする請求項65記載の方法。
  67. 【請求項67】 モジュレーターが、IL−IRa生理活性のアゴニストで
    あることを特徴とする請求項65記載の方法。
  68. 【請求項68】 ステップ(b)において、IL−1またはTNF−A遺伝
    子の発現レベルを検出することによってタンパク質生理活性を決定することを特
    徴とする請求項65記載の方法。
  69. 【請求項69】 IL−1またはTNF−A遺伝子から転写されたmRNA
    の量を検出することによって発現レベルを決定することを特徴とする請求項65
    記載の方法。
  70. 【請求項70】 生成されたIL−1またはTNF−A遺伝子産物の量を検
    出することによって発現レベルを決定することを特徴とする請求項65記載の方
    法。
  71. 【請求項71】 免疫検出アッセイで抗IL−1またはTNF−A抗体を使
    用することによって発現レベルを決定することを特徴とする請求項65記載の方
    法。
  72. 【請求項72】 さらに、化合物から医薬組成物を調製するステップを含ん
    でなることを特徴とする請求項65記載の方法。
  73. 【請求項73】 前記細胞が動物に含まれていることを特徴とする請求項6
    5記載の方法。
  74. 【請求項74】 動物がトランスジェニック動物であることを特徴とする請
    求項73記載の方法。
  75. 【請求項75】 非正常の妊娠結果を予測するためのキットであって、前記
    キットがIL−1マーカーへ5’末端をハイブリダイズする少なくとも1つの5
    ’末端オリゴヌクレオチド、および、前記IL−1マーカーへ3’末端をハイブ
    リダイズする少なくとも1つの3’末端オリゴヌクレオチドを含んでいるキット
  76. 【請求項76】 前記5’末端オリゴヌクレオチドおよび前記3’末端オリ
    ゴヌクレオチドが、IL−1遺伝子にハイブリダイズする場合、別々に50〜1
    000塩基対であることを特徴とする請求項75記載のキット。
  77. 【請求項77】 さらに、コントロール試料およびPCR増幅用試薬を含ん
    でいることを特徴とする請求項75または76記載のキット。
  78. 【請求項78】 さらに、対立遺伝子検出手段を含んでいることを特徴とす
    る請求項77記載のキット。
  79. 【請求項79】 さらに、DNAサンプリング手段およびDNAサンプリン
    グ試薬を含んでいることを特徴とする請求項78記載のキット。
  80. 【請求項80】 非正常の妊娠結果に対する高発生率を検出する方法であっ
    て、前記方法が、(a)胎児から収集した検体からの核酸中のIL−1対立遺伝
    子2のマーカーを検出することを含んでなる方法であり、 前記IL−1対立遺伝子2マーカーの検出が非正常の妊娠結果に対する個々の
    高発生率を示す方法。
  81. 【請求項81】 前記の非正常の妊娠結果が早産の産前出生時低体重出産で
    あることを特徴とする請求項80記載の方法。
  82. 【請求項82】 前記検出が、オリゴヌクレオチドでオーバラップするプラ
    イマーを使用したDNAのPCR増幅を含んでいることを特徴とする請求項80
    記載の方法。
  83. 【請求項83】 IL−1AおよびIL−1Bに対するゲノムDNAの遺伝
    的多型パターンを検出すること、および、コントロール試料に対するパターンと
    比較すること、を含んでなる非正常の妊娠結果に対する高発生率を予測する方法
    であって、コントロール試料がIL−1A対立遺伝子2、およびIL−1B(T
    aqI)対立遺伝子2を含んでおり、コントロール試料に対する遺伝的多型パタ
    ーンの類似性が非正常の妊娠結果の発生率を示すものである方法。
  84. 【請求項84】 遺伝的多型パターンを検出するための前記ステップが次か
    らなる群から選択されるPCRプライマーを用いた増幅を含んでいることを特徴
    とする請求項83記載の方法。 【化1】
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