JP2002511401A - 喘息治療法 - Google Patents

喘息治療法

Info

Publication number
JP2002511401A
JP2002511401A JP2000543118A JP2000543118A JP2002511401A JP 2002511401 A JP2002511401 A JP 2002511401A JP 2000543118 A JP2000543118 A JP 2000543118A JP 2000543118 A JP2000543118 A JP 2000543118A JP 2002511401 A JP2002511401 A JP 2002511401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
asthma
composition
leukotrienes
treatment
patient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000543118A
Other languages
English (en)
Inventor
ドスム−ジョンソン,トーマス
Original Assignee
ドスム−ジョンソン,トーマス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ドスム−ジョンソン,トーマス filed Critical ドスム−ジョンソン,トーマス
Publication of JP2002511401A publication Critical patent/JP2002511401A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/21Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates
    • A61K31/215Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates of carboxylic acids
    • A61K31/22Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates of carboxylic acids of acyclic acids, e.g. pravastatin
    • A61K31/23Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates of carboxylic acids of acyclic acids, e.g. pravastatin of acids having a carboxyl group bound to a chain of seven or more carbon atoms
    • A61K31/231Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates of carboxylic acids of acyclic acids, e.g. pravastatin of acids having a carboxyl group bound to a chain of seven or more carbon atoms having one or two double bonds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/21Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates
    • A61K31/215Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates of carboxylic acids
    • A61K31/22Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates of carboxylic acids of acyclic acids, e.g. pravastatin
    • A61K31/23Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates of carboxylic acids of acyclic acids, e.g. pravastatin of acids having a carboxyl group bound to a chain of seven or more carbon atoms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/06Antiasthmatics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 喘息の炎症反応症状の治療法を開示する。この方法は、そうした治療法を必要とする患者に、ミリスチン酸エステルかミリストレイン酸エステル、またはそれらの混合物を投与することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、炎症反応、特に喘息に伴う炎症反応の症状の治療に関する。
発明の背景 アレルギー反応は抗原すなわちアレルギー誘発物質に対する異常反応または変
性反応である。本質的にその種の反応は、たんぱく質、脂質または糖質のいずれ
であれ特定物質に対する人体の過敏症を特徴とする。アレルギー疾患のなかでも
喘息は特に重大である。
喘息は慢性疾患であり、米国では1,400万人ないし1,500万人の患者
がいて、大人はもちろん子供の場合でも入院原因の筆頭に挙げられる。喘息関連
の罹患率と死亡率は米国では10年余りも上昇してきた。喘息の急性発作による
入院や外来も増加している。現在の医療では、個々の患者の喘息は予防も治療も
難しい疾患とされている。症状は通常、死亡を防ぐに足る程度まで鎮静化される
が、緊急通院、寝不足、欠勤などは避けられないのが普通である。
喘息の罹患率は国によるバラツキが大きいが、疫学的な証拠によればバラツキ
の大部分は遺伝的要因ではなく環境的要因によると思われる。特に、アレルギー
誘発物質との接触、食生活、屋内・屋外空気汚染はいずれも、遺伝的要因、性別
、両親のアレルギー病歴と共に、喘息を引き起こす一因となる。喘息に罹るリス
クは空気汚染物質との接触に伴って上昇する。
この病気は一般に呼吸困難、喘鳴と咳、並びに可逆的な気道閉塞や非特異的刺
激物に対する気道の過敏反応を伴う。観察によれば、これらの反応には即時型と
遅発型の2段階がある(レマンスクおよびケーライナー『アレルギー、原理およ
び診療』第3版(Lemanske,Jr.,R.F.and M.A.Kal
iner,in:Allergy,Principles and Pract
ice(3rdEd.)、pp.224−246(1988年))。ケーライナ
ー、Hosp.Prac.22:73(1987年);ラーセン(Larsen
,G)、Hosp.Prac.23:113(1987年)をも参照。
感作被検者がアレルギー誘発物質を吸入すると、吸入後10分以内に気管支収
縮を特徴とする即時型反応を引き起こし、1〜2時間以内にピークを迎えるのが
普通である。被検者によっては3〜4時間後に気道狭窄が再発し(すなわち、遅
発型反応)、その後数時間でピークを迎える(オバーン他(O’Byrne,P
.M.,et al.)、Am.Rev.Respir.Dis.136:74
0(1987年))。この遅発型反応は細胞相の炎症に起因すると考えられる(
ハーグリーブ他(Hargreave,F.E.,et al.)、Eur.J
.Respir.Dis.69(Suppl.147):16(1986年);
オバーン、Chest 90:575(1986年);ドロビッチ他(Dolo
vich,J.et al.)、J.Allergy Clin.Immuno
l.83(suppl.):521(1987年))。
喘息は現行分類法では次の4タイプがある:軽度の間欠性喘息、軽度の持続性
喘息、中等度の持続性喘息および重度の持続性喘息。軽度の間欠性喘息の治療に
は吸入式β−2作用薬が使用される。残りのタイプについては、吸入式コルチコ
ステロイドと吸入式β−2作用薬の併用が一般に好まれる療法となっている。喘
息の基本的な病理生理学は、炎症メディエーターとして作用し気管支収縮および
血管透過性と粘液産生の増大を招く能力のあるロイコトリエンの放出に由来する
。吸入式コルチコステロイドは現在のところ、一般に好まれる抗炎症剤とされて
いる。効能は劣るがクロモリン(chromolyn)やネドクロミル(ned
ocromil)もあり、これらはマスト細胞からのヒスタミン放出を抑制する
。コルチコステロイドについては長期の副作用がいろいろと懸念されているし、
この療法では手に負えない喘息症例も多い。喘息患者はしばしば、これらの効能
のある薬をいろいろ組み合わせて投与されざるをえないが、それによって得られ
るわずかな症状の緩和は一時的にすぎない。このように、現在医師が処方できる
薬は毒性、低有効性、循環系への弊害、体液鬱滞または浮腫など、使用上の問題
が多い。
既存のどの喘息療法でも、完全な、持続的な寛解は報告されていない。たとえ
ば、計画的に投与されるグルココルチコステロイドは効力のある抗喘息薬である
が、一時的な症状鎮静効果しかないし、その代償として周知の副作用、たとえば
骨粗鬆症、肥満、高血圧、糖尿病などが伴う(バーンズ(Barnes,P.J
.)、Now Eng.J.Med.321:1517(1989年))。吸入
ステロイド療法も合併症がある(ツーグッド(Toogood,J.H.)、J
.Allergy Clin.Immunl.83(suppl.):528(
1987年))。特にステロイドの副作用がひどい患者向けにはステロイド代替
薬として低用量メトトレキサートが提案されてきた(マラーキー(Mullar
key,M.F.)、New Eng.J.Med.318:603(1988
年))。しかし、メトトレキサレートはしばしば中毒量のコルチコステロイドの
代りに使用されるものの、それ自体がかなりの毒性を有する。そのうえ、コルチ
コステロイドの定期的な投与を不要とするわけでもない。
喘息などのアレルギー疾患には新しい療法が大いに必要とされている。特に、
患者に無害な、持続的な抗炎症効果を生み出すような療法が求められる。
加えて、楽に投与できて、安全で、しかも比較的廉価である効果的な薬剤を提
供することが望ましいだろう。
したがって、持続性および慢性の喘息を治療するための、効果的で、安全で、
比較的廉価で、しかも投与しやすい薬剤が大いに必要とされている。
発明の開示 本発明は喘息の炎症反応症状の治療方法を提供するものであり、その方法はそ
うした治療を必要とする患者にミリスチン酸エステルまたはミリストレイン酸エ
ステルから成る群より選択される少なくとも1つの化合物の有効量を含む組成物
を投与することを含む。
(発明の詳細な説明) 本発明は喘息の炎症反応症状の治療方法を提供するものであり、その方法はそ
うした治療を必要とする患者にミリスチン酸エステルまたはミリストレイン酸エ
ステルから成る群より選択される少なくとも1つの化合物の有効量を含む組成物
を投与することを含む。
本発明の薬剤は少なくとも1つのミリスチン酸エステルまたはミリストレイン
酸エステルを含むことになろう。その種のエステルは通常はアルキルエステル、
たとえばメチル(C)−、エチル(C)−、プロピル(C)−、またはイ
ソプロピル(C)−エステルなどであろう。本発明の目下の好ましいエステル
には一段と長鎖のアルキル、たとえばミリスチン酸またはミリストレイン酸のセ
チル(C15)エステルも含まれよう。
上述のように、喘息の基本的な病理生理学は、炎症メディエーターとして作用
し気管支収縮や血管透過性および粘液産生の増大を引き起こす能力のあるロイコ
トリエンの放出に由来する。1930年代に、過敏症や喘息に関与すると判明し
た物質が特定され、遅反応性アナフィラキシー物質(SRS−A)と名づけられ
た。1980年代になってようやくSRS−Aが精製され、ロイコトリエンから
成ることが判明した。ロイコトリエンは炎症メディエーターであり、それが同定
された1970年代当時は白血球から放出されると推定されていた。実はSRS
−AはLTC、LTD、LTEという3種類のロイコトリエンから成り、
これらは一括してシステイニル・ロイコトリエンまたはスルフィドペプチド・ロ
イコトリエンと呼ばれる。それぞれがチオエーテル結合ペプチドを含むためであ
る。
ロイコトリエンはプロスタグンジンやトロンボキサンと同様に細胞内アラキド
ン酸代謝の産物であるが、代謝経路は異なる。プロスタグランジンやトロンボキ
サンを生成するシタロオキシゲナーゼ経路は、遊離脂質としてのアラキドン酸か
またはホスホリパーゼAによって膜リン脂質から放出されるアラキドン酸を使
用する。ロイコトリエンのほうはリポキシゲナーゼ経路によって生成され、ここ
で使用されるアラキドン酸はリン脂質プールから供給される。
リポキシゲナーゼ経路はまた酵素活性化たんぱく質を必要とするが、シクロオ
キシゲナーゼ経路ではそうしたたんぱく質は見られない。抗ロイコトリエン剤の
初期開発段階で、研究者たちは最初の治験薬がアラキドン酸の放出または5−リ
ポキシゲナーゼ活性に影響を及ぼすことなくロイコトリエン合成を阻害すること
に気づいた。放射性同位元素で標識づけした薬による結合研究から、ロイコトリ
エンの合成に必要な膜たんぱく質の存在が明らかになった。そのたんぱく質は5
−リポキシゲナーゼ活性化たんぱく質(FLAP)と命名されたが、その機能は
5−リポキシゲナーゼ酵素を、そこからアラキドン酸が放出される形質膜に固定
することにあるかもしれない。
ロイコトリエンBおよびCはリポキシゲナーゼ経路の分泌物である。それ
らは主にマスト細胞と好酸球で生成されるが、好塩基球やマクロファージなどの
ような他の炎症細胞から放出される場合もある。どちらも早期炎症作用を及ぼす
可能性があるが、LTCは細胞外でもっと効力のある炎症メディエーターであ
るLTDへと転化もする。LTDはさらに、もっと作用の弱い、ロイコトリ
エンの排泄形態であるLTEへと転化する。尿中LTEはロイコトリエン合
成の指標として広く使用されている。ロイコトリエンは形質、気管支肺胞洗浄液
および鼻汁の中にも存在するが、少量が合成、放出されるだけなので、検出は困
難であろう。
ロイコトリエン結合部位はレセプターであると推定されるが、上皮細胞および
内皮細胞、平滑筋細胞、および神経細胞の中に見つかっている。結合部位は肺、
気道および皮膚の他に心筋や胃粘膜にも存在するので、ロイコトリエンは心筋収
縮性や胃酸分泌抑制作用もあるかもしれない。LTDの高親和性結合部位はヒ
トの肺に見つかっている。これらの部位にはLTEも結合するが、親和性はも
っと弱い。
LTBは好中球や好酸球にとって強い化学誘因物質であるが、喘息でシステ
イニル・ロイコトリエンと同じような作用を及ぼすとはまだ証明されていない。
LTBレセプター拮抗薬の研究は主に、喘息ではなく乾鮮や潰瘍性大腸炎とい
った疾患で行われてきた。
ロイコトリエンはSRS−Aと総称されていた当時でさえ、喘息に関与してい
ると理解されていた。研究が進むにつれて、ロイコトリエンは気管支痙攣や喘息
のほとんどの炎症過程に関与していることが判明してきた。実は、気管支樹に対
するその作用はヒスタミンなどのような以前に研究されていたメディエーターの
作用よりもずっと激しくかつ効能がある。
喘息の即時型反応段階ではLTCとLTDはヒスタミンよりも1000倍
も効能がある。LTDは最強の気管支収縮剤である。LTCは作用の発現が
LTDやLTEよりも遅く、またLTEは作用持続時間が最も長い。遅発
型反応段階に対するマスト細胞の寄与度については議論の余地があるが、即時型
、遅発型両反応で気管支肺胞洗浄液中にロイコトリエンが存在する。遅発型反応
におけるロイコトリエンは好酸球とマクロファージによって生成されるのかもし
れない。
ロイコトリエンは、炎症の他の特徴、すなわち血管透過性と粘液産生の増大を
誘発するという面でもヒスタミン、血小板活性化因子またはプロスタグランジン
より効能がある。ロイコトリエンの炎症作用潜在力の発見はその生成を抑制しま
たはその作用を阻害する方法の研究へとつながった。最初期の抗ロイコトリエン
剤の調製に伴い、ロイコトリエンは喘息の炎症の大きな一因となっていることが
確認された。
どのような理論にも縛られるつもりはないが、本組成物はロイコトリエンメデ
ィエーターの減少を伴う一連の機構のうちの1つ以上によって炎症反応を取り除
く働きをすると考えられる。たとえば、本組成物がその一部をなす脂肪酸の消費
増大は、炎症反応のロイコトリエン仲介に代わるプロスタグランジンE2合成を
抑制する結果になると考えられる。加えて、ミリスチン酸とミリストレイン酸の
エステルはLTCの合成を、またそれほどではないがLTDの合成をも、抑
制すると考えられる。食生活の変化、すなわち飽和脂肪の消費減少が先進諸国に
おける喘息、湿疹およびアレルギー性鼻炎の罹患率の上昇に寄与してきたことは
自明のこととされてきた(ブラッタおよびシャープ(Black,P.N.an
d S.Sharpe)、Eur.Respir.J.10(1):6−12(
1997年))。
本発明の薬剤はミリスチン酸(テトラデカン酸) CH(CH12COOH またはミリストレイン酸(シス9テトラデカン酸) CH(CHCH=CH(CHCOOH のエステルを少なくとも1つ含むことになろう。ミリスチン酸およびミリストレ
イン酸の供給源は天然、人工両手段を含めて数多く知られている。たとえば、ミ
リスチン酸もミリストレイン酸もニクズク(Myristicaceae)属の
(ナツメグを含む)植物、ヤシの実などのような植物源、さらには牛乳やマッコ
ウクジラ油などのような動物源から得られることはずっと前から知られていた。
実際には、ほとんどの動物脂肪および植物脂肪の全脂肪酸分の主成分の1つであ
ることも判明している。対象化合物の特に好ましい天然供給源の1つは植物ピク
ナンサス・アンゴレンシス(Pycnanthus angolensis)な
どのような植物源である。新旧両世界の熱帯雨林に特有のこの植物はミリスチン
酸とミリストレイン酸の両方を多く含むことが判明しており、現地住民によって
油料、食料として使用されてきた。したがって、本発明の化合物は安全とみなさ
れるはずであり、食品としてすらみなすことができる。こうした化合物は天然原
料に由来するものであれ合成されたものであれ、商業的に入手することもできる
。ミリスチン酸またはミリストレイン酸の手頃な供給元の1つにミズーリ州セン
トルイスのシグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Co.)があ
る。
同様に、ミリスチン酸またはミリストレイン酸のエステルを得る方法もよく知
られている。この種のエステルはこの技術分野で既知の方法によって都合よく調
製することができる。たとえば、本セチルエステルは1978年9月12日発行
の米国特許第4,113,441号で説明されている方法によっても調製するこ
とができる。しかし、そこで説明されている方法はベンゼンを使用するものであ
り、その残留物が薬剤としての使用、特に経口投与を意図した組成物には問題と
なりうるので、そこで説明されている方法を、ベンゼンへの依存を解消する方向
へ修正するのが望ましいと考えられた。この修正方法では、ほぼ等モル量のセチ
ルアルコール(CH(CH15OH)とミリスチン酸またはミリストレイ
ン酸のいずれかを、全体の約15%を上限とする量の、触媒として機能するp−
トルエンスルホン酸と混合する。還流条件下で約4時間加熱後に、10%水酸化
ナトリウムで洗浄し、非水性画分を抽出、回収し、真空中で乾燥、蒸発させる。
この画分はほぼすべてが使用出発原料に依存して、ミリスチン酸のセチルエステ
ル CH(CH12COO(CH15CH またはミリストレイン酸のセチルエステル CH(CHCH=CH(CHCOO(CH15CH から成ることが判明しよう。
本発明の治療法を実施する場合には、そうした治療を必要とする被投与者に治
療上の有効量を投与する。本発明の組成物は、まず粉末状のエステルを調製した
うえでカプセル、錠剤または懸濁液の形で経口投与するのが望ましい。あるいは
、組成物は、局所投与、非経口投与、または望ましいと思われるその他の手段に
よる投与でもよい。
最低有効量は、高用量での治療から出発して炎症反応がもはや解消しなくなる
用量まで減らしていくことにより、型どおりに決定することができる。一般に、
薬用量は患者体重キログラム当たり約0.01〜100ミリグラムの範囲であろ
う。出発点として通常、本組成物1〜1.5グラムを1日3回、当初7〜10日
間投与する。組成物は体重キログラム当たり2.5〜6000ミリグラムの割合
で投与することもできる。反応は一般に7〜10日の間に起こるが、維持量は約
500ミリグラム〜1グラムとするのがよい。治療効果をあげるのに必要な量は
個々の患者の体重、喘息の重症度、および年齢など多数の要因に左右されよう。
本発明を治療製剤の特定の性質によって限定することは意図していない。たと
えば、この種の組成物は製薬条件を満たし生理学的に許容されるような液体、ゲ
ルまたは固体のキャリヤー、希釈剤、佐剤および賦形剤と混ぜて提供することが
できる。これらの治療製剤は哺乳動物に対して、家畜などを対象とする獣医用と
して、また人を対象とする臨床用として、投与することができる。一般に、治療
効果をあげるのに必要な用量は使用タイプ、投与形態、および被投与者の個別条
件によって異なろう。
この種の組成物は通常、経口投与用として、または局所用の噴霧剤(例:鼻腔
内エアゾール)として調製される。しかし、溶液または懸濁液として、または呼
吸用及び非呼吸用乾燥粉末を含む固形剤として調製することもできる。経口薬(
例:胃腸内吸収用)は通常、結合剤、充填剤、キャリヤー、保存料、安定剤、乳
化剤、緩衝剤および賦形剤などのような普通に使用される添加剤、たとえば製薬
用のマンニトール、乳糖、でんぷん、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナ
トリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含む。この種の組成物は溶液、
懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル、持続放出型製剤または粉末という形態をとり、
一般に有効成分を1%〜95%、好ましくは2%〜70%含む。本発明の組成物
は溶液または懸濁液という形の注射剤として調製することもできる。注射の前に
液体に溶解または懸濁させるのに適した固形剤として調製することもできる。
本発明の化合物はしばしば、生理学的に許容され適合するような希釈剤または
賦形剤と混合される。適当な希釈剤または賦形剤はたとえば、水、生理食塩水、
デキストロース、グリセロールなど、およびそれらの組み合わせである。さらに
、もし望ましければ、少量の補助物質、たとえば融合剤(wedding)また
は乳化剤、安定剤またはpH緩衝剤などを含有してもよい。
他の投与形態、たとえば局所投与などに適したその他の調剤としては、軟膏、
チンキ、クリーム、ローション、および場合によっては座薬などがある。軟膏と
クリームの場合には、通常の結合剤、キャリヤーおよび賦形剤に、たとえばポリ
アルキレングリコールまたはトリグリセリドを含めてもよい。
以下の例は本発明の好ましい実施例および態様を説明するためのものであり、
本発明の範囲を限定するものと解釈されてはならない。
治験 以下の治験結果の開示では別に断らない限り、重量はすべてグラム(g)、ミ
リグラム(mg)、マイクログラム(μg)、ナノグラム(ng)またはピコグ
ラム(pg)で表記し、量はすべてモル(mol)、ミリモル(mmol)、マ
イクロモル(μmol)、ナノモル(nmol)、ピコモル(pmol)または
フェムトモル(fmol)で表記し、濃度はすべて容量パーセント(%)、容量
比(v:v)、モル(M)、ミリモル(mM)、マイクロモル(μM)、ナノモ
ル(nM)、ピコモル(pM)、フェムトモル(fM)または規定(N)で表記
し、容量はすべてリットル(L)、ミリリットル(mL)またはマイクロリット
ル(μL)で表記し、また長さの測定値はミリメートル(mm)またはナノメー
トル(nm)で表記している。
以下は本発明の実施例である。
実施例1 慢性喘息の病歴を持つ23歳の女性。過去7〜10年にわたり、3〜4種の薬
で治療を受けてきた。カルテによれば、病歴には2度にわたる呼吸停止の発作も
含まれていた。
この患者に対し本発明のカプセル入り組成物750mgを1日3回投与すると
いう一連の治療を開始した。1週間後、症状が劇的に緩和し、気管支拡張剤への
依存を減らすことができた。治療2週間目には就寝時に限って、それに頼るとい
う状態になった。2、3週間後の追跡調査でも、症状が緩和し続けていることが
判明した。
実施例2 63歳の女性慢性喘息患者。病歴には911回の救急連絡が記録されていた。
患者は本発明の組成物を茶さじ1杯(9g)、純粉末の形で1日3回投与する
という治療を受け始めた。治療を開始してから1週間後、患者は呼吸が著しく楽
になっただけでなく、元気も著しく増してきたと報告した。患者への1日当たり
処方量は必要に応じて減らしていき、やがて1日茶さじ半杯(4.5g)の維持
量とした。
実施例3 ニュージーランド国籍の若い男性。18か月前に兄弟を1人、喘息の合併症で
亡くしており、自分も持病で文字通り死を待つ身だと思い込みひどく打ちひしが
れていた。
患者は本組成物1日1.5gの投与治療を受け始めた。3週間後、症状の短期
的な悪化が見られ、それが3日間続いた。その後、患者は必要に応じて喘息治療
薬に頼りながら、より正常な生活に戻った。引き続き本組成物の維持量に頼って
いる。
実施例4 発作を頻発させていた14歳の女性喘息患者。噴霧療法が必要と記録されてい
た。
患者は本組成物1日750mgの投与治療を受け始めた。3日後、症状が著し
く改善した。以前は喘息のため学校も欠席がちだったが、本治療を受け、1日5
00mgの維持量になってからは、症状の再発がまったく見られない。
実施例5 45歳のメキシコ国籍女性。朝に、慢性的な咳込みがあった。喘息の病歴を否
定しながらも、運動や力強い身体活動、たとえば早歩きに伴って咳が出ることに
気づいていた。
本組成物の粉末茶さじ1杯(9g)を晩に投与するという治療を受け始めた。
その翌朝は咳き込みがなかった。ほぼ1週間後、力強い身体活動をしたときでも
症状がまったく出なくなった。
実施例6 湿疹と喘息の病歴を持つ8歳の少女。ハウスダストと家庭用洗剤に対する反応
性も記録されていた。
1000mg1日2回の投与治療を受け始めると、喘息症状は目に見える軽減
が若干見られたが、湿疹はわずかな改善にとどまった。
この治療を10日間ほど中止し、用量を1000mg1日4回へと大幅に増や
した第2次治療を再開する旨を伝えた。経験上、当初の反応が芳しくない個人に
は出発用量を多くする必要がある。この患者の場合、喘息はこの第2次治療で抑
制され、次いで1日1000mgの維持量が投与されることになろう。
実施例7 小児麻痺を患い障害を負った50歳の男性。2年ほど前から痰を伴わないしつ
こい咳に悩まされてきた。喘息の家族病歴があり、本人も喘息だと思われていた
本組成物の粉末茶さじ1杯(9g)を1日3回投与する治療を開始。1週間で
症状が消えた。引き続き、1日茶さじ1杯の維持量を投与しているが、以前のよ
うな頻繁な咳の発作は再燃していない。
実施例8 19歳の男性。症状がひどく緊急治療室に何度も運び込まれたとの記録があっ
た。
本組成物の粉末を茶さじ1杯(9g)1日3回投与する治療を受け始めた。3
日目に胸苦しさが解消、1週間後には症状が消えた。
患者は1日茶さじ1杯の維持量の投与を受ける治療を3か月続けたが、たまに
は指示に従わないこともあった。治療を2か月休むと症状が次第にぶり返した。
治療を再開して以来、無症状の状態に戻っている。
本明細書で引用した特許および特許出願はすべて、あたかも引用により組み込
まれる旨を具体的に個別に指示したように、引用によりここに組み込まれる。
以上、本発明について明快さと理解を期して例解と実施例をもってやや詳しく
説明したが、当業者には本開示に照らして、本発明に若干の変更や修正を加えて
も添付特許請求範囲の精神または範囲から逸脱しないことは自明であろう。
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月28日(2000.12.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 喘息治療法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、炎症反応、特に喘息に伴う炎症反応の症状の治療に関する。
【0002】 発明の背景 アレルギー反応は抗原すなわちアレルギー誘発物質に対する異常反応または変
性反応である。本質的にその種の反応は、たんぱく質、脂質または糖質のいずれ
であれ特定物質に対する人体の過敏症を特徴とする。アレルギー疾患のなかでも
喘息は特に重大である。
【0003】 喘息は慢性疾患であり、米国では1,400万人ないし1,500万人の患者がいて、大
人はもちろん子供の場合でも入院原因の筆頭に挙げられる。喘息関連の罹患率と
死亡率は米国では10年余りも上昇してきた。喘息の急性発作による入院や外来も
増加している。現在の医療では、個々の患者の喘息は予防も治療も難しい疾患と
されている。症状は通常、死亡を防ぐに足る程度まで鎮静化されるが、緊急通院
、寝不足、欠勤などは避けられないのが普通である。
【0004】 喘息の罹患率は国によるバラツキが大きいが、疫学的な証拠によればバラツキ
の大部分は遺伝的要因ではなく環境的要因によると思われる。特に、アレルギー
誘発物質との接触、食生活、屋内・屋外空気汚染はいずれも、遺伝的要因、性別
、両親のアレルギー病歴と共に、喘息を引き起こす一因となる。喘息に罹るリス
クは空気汚染物質との接触に伴って上昇する。
【0005】 この病気は一般に呼吸困難、喘鳴と咳、並びに可逆的な気道閉塞や非特異的刺
激物に対する気道の過敏反応を伴う。観察によれば、これらの反応には即時型と
遅発型の2段階がある(レマンスクおよびケーライナー『アレルギー、原理およ
び診療』第3版(Lemanske, Jr.,R.F.and M.A.Kaliner, in: Allergy, Principles and Practice ( 3rd Ed.)、pp.224-246(1988年))。ケーライナー、Hosp. Prac.
22:73(1987年);ラーセン(Larsen, G)、Hosp. Prac. 23:113(1987年)をも参照
【0006】 感作被検者がアレルギー誘発物質を吸入すると、吸入後10分以内に気管支収縮
を特徴とする即時型反応を引き起こし、1〜2時間以内にピークを迎えるのが普
通である。被検者によっては3〜4時間後に気道狭窄が再発し(すなわち、遅発型
反応)、その後数時間でピークを迎える(オバーン他(O'Byrne, P.M.,et al.)、
Am. Rev. Respir. Dis. 136:740(1987年))。この遅発型反応は細胞相の炎症に
起因すると考えられる(ハーグリーブ他(Hargreave, F.E.,et al.)、Eur. J. Re
spir.Dis. 69 (Suppl.147) : 16 (1986年);オバーン、Chest 90:575 (1986年)
;ドロビッチ他(Dolovich, J. et al.)、J. Allergy Clin. Immunol. 83 (suppl
.):521 (1987年))。
【0007】 喘息は現行分類法では次の4タイプがある:軽度の間欠性喘息、軽度の持続性
喘息、中等度の持続性喘息および重度の持続性喘息。軽度の間欠性喘息の治療に
は吸入式β-2作用薬が使用される。残りのタイプについては、吸入式コルチコス
テロイドと吸入式β-2作用薬の併用が一般に好まれる療法となっている。喘息の
基本的な病理生理学は、炎症メディエーターとして作用し気管支収縮および血管
透過性と粘液産生の増大を招く能力のあるロイコトリエンの放出に由来する。吸
入式コルチコステロイドは現在のところ、一般に好まれる抗炎症剤とされている
。効能は劣るがクロモリン(chromolyn)やネドクロミル(nedocromil)もあり
、これらはマスト細胞からのヒスタミン放出を抑制する。コルチコステロイドに
ついては長期の副作用がいろいろと懸念されているし、この療法では手に負えな
い喘息症例も多い。喘息患者はしばしば、これらの効能のある薬をいろいろ組み
合わせて投与されざるをえないが、それによって得られるわずかな症状の緩和は
一時的にすぎない。このように、現在医師が処方できる薬は毒性、低有効性、循
環系への弊害、体液鬱滞または浮腫など、使用上の問題が多い。
【0008】 既存のどの喘息療法でも、完全な、持続的な寛解は報告されていない。たとえ
ば、計画的に投与されるグルココルチコステロイドは効力のある抗喘息薬である
が、一時的な症状鎮静効果しかないし、その代償として周知の副作用、たとえば
骨粗鬆症、肥満、高血圧、糖尿病などが伴う(バーンズ(Barnes, P.J.)、New En
g. J. Med. 321: 1517(1989年))。吸入ステロイド療法も合併症がある(ツーグ
ッド(Toogood, J.H.)、J. Allergy Clin. Immunol. 83 (suppl.) : 528(1987年)
)。特にステロイドの副作用がひどい患者向けにはステロイド代替薬として低用
量メトトレキサートが提案されてきた(マラーキー(Mullarkey, M.F.)、New Eng
. J. Med. 318:603 (1988年))。しかし、メトトレキサレートはしばしば中毒
量のコルチコステロイドの代りに使用されるものの、それ自体がかなりの毒性を
有する。そのうえ、コルチコステロイドの定期的な投与を不要とするわけでもな
い。
【0009】 喘息などのアレルギー疾患には新しい療法が大いに必要とされている。特に、
患者に無害な、持続的な抗炎症効果を生み出すような療法が求められる。 加えて、楽に投与できて、安全で、しかも比較的廉価である効果的な薬剤を提
供することが望ましいだろう。 したがって、持続性および慢性の喘息を治療するための、効果的で、安全で、
比較的廉価で、しかも投与しやすい薬剤が大いに必要とされている。
【0010】 発明の開示 本発明は喘息の炎症反応症状の治療方法を提供するものであり、その方法はそ
うした治療を必要とする患者にミリスチン酸エステルまたはミリストレイン酸エ
ステルから成る群より選択される少なくとも1つの化合物の有効量を含む組成物
を投与することを含む。
【0011】 (発明の詳細な説明) 本発明は喘息の炎症反応症状の治療方法を提供するものであり、その方法はそ
うした治療を必要とする患者にミリスチン酸エステルまたはミリストレイン酸エ
ステルから成る群より選択される少なくとも1つの化合物の有効量を含む組成物
を投与することを含む。
【0012】 本発明の薬剤は少なくとも1つのミリスチン酸エステルまたはミリストレイン
酸エステルを含むことになろう。その種のエステルは通常はアルキルエステル、
たとえばメチル(C1)-、エチル(C2)‐、プロピル(C3)-、またはイソプロピル(C3)
-エステルなどであろう。本発明の目下の好ましいエステルには一段と長鎖のア
ルキル、たとえばミリスチン酸またはミリストレイン酸のセチル(C15)エステル
も含まれよう。
【0013】 上述のように、喘息の基本的な病理生理学は、炎症メディエーターとして作用
し気管支収縮や血管透過性および粘液産生の増大を引き起こす能力のあるロイコ
トリエンの放出に由来する。1930年代に、過敏症や喘息に関与すると判明した物
質が特定され、遅反応性アナフィラキシー物質(SRS-A)と名づけられた。1980
年代になってようやくSRS-Aが精製され、ロイコトリエンから成ることが判明し
た。ロイコトリエンは炎症メディエーターであり、それが同定された1970年代当
時は白血球から放出されると推定されていた。実はSRS-AはLTC4、LTD4、LTE4
いう3種類のロイコトリエンから成り、これらは一括してシステイニル・ロイコ
トリエンまたはスルフィドペプチド・ロイコトリエンと呼ばれる。それぞれがチ
オエーテル結合ペプチドを含むためである。
【0014】 ロイコトリエンはプロスタグンジンやトロンボキサンと同様に細胞内アラキド
ン酸代謝の産物であるが、代謝経路は異なる。プロスタグランジンやトロンボキ
サンを生成するシクロオキシゲナーゼ経路は、遊離脂質としてのアラキドン酸か
またはホスホリパーゼA2によって膜リン脂質から放出されるアラキドン酸を使用
する。ロイコトリエンのほうはリポキシゲナーゼ経路によって生成され、ここで
使用されるアラキドン酸はリン脂質プールから供給される。
【0015】 リポキシゲナーゼ経路はまた酵素活性化たんぱく質を必要とするが、シクロオ
キシゲナーゼ経路ではそうしたたんぱく質は見られない。抗ロイコトリエン剤の
初期開発段階で、研究者たちは最初の治験薬がアラキドン酸の放出または5-リポ
キシゲナーゼ活性に影響を及ぼすことなくロイコトリエン合成を阻害することに
気づいた。放射性同位元素で標識づけした薬による結合研究から、ロイコトリエ
ンの合成に必要な膜たんぱく質の存在が明らかになった。そのたんぱく質は5-リ
ポキシゲナーゼ活性化たんぱく質(FLAP)と命名されたが、その機能は5-リポキ
シゲナーゼ酵素を、そこからアラキドン酸が放出される形質膜に固定することに
あるかもしれない。
【0016】 ロイコトリエンB4およびC4はリポキシゲナーゼ経路の分泌物である。それらは
主にマスト細胞と好酸球で生成されるが、好塩基球やマクロファージなどのよう
な他の炎症細胞から放出される場合もある。どちらも早期炎症作用を及ぼす可能
性があるが、LTC4は細胞外でもっと効力のある炎症メディエーターであるLTD4
と転化もする。LTD4はさらに、もっと作用の弱い、ロイコトリエンの排泄形態で
あるLTE4へと転化する。尿中LTE4はロイコトリエン合成の指標として広く使用さ
れている。ロイコトリエンは形質、気管支肺胞洗浄液および鼻汁の中にも存在す
るが、少量が合成、放出されるだけなので、検出は困難であろう。
【0017】 ロイコトリエン結合部位はレセプターであると推定されるが、上皮細胞および
内皮細胞、平滑筋細胞、および神経細胞の中に見つかっている。結合部位は肺、
気道および皮膚の他に心筋や胃粘膜にも存在するので、ロイコトリエンは心筋収
縮性や胃酸分泌抑制作用もあるかもしれない。LTD4の高親和性結合部位はヒトの
肺に見つかっている。これらの部位にはLTE4も結合するが、親和性はもっと弱い
【0018】 LTB4は好中球や好酸球にとって強い化学誘因物質であるが、喘息でシステイニ
ル・ロイコトリエンと同じような作用を及ぼすとはまだ証明されていない。LTB4 レセプター拮抗薬の研究は主に、喘息ではなく乾鮮や潰瘍性大腸炎といった疾患
で行われてきた。 ロイコトリエンはSRS-Aと総称されていた当時でさえ、喘息に関与していると
理解されていた。研究が進むにつれて、ロイコトリエンは気管支痙攣や喘息のほ
とんどの炎症過程に関与していることが判明してきた。実は、気管支樹に対する
その作用はヒスタミンなどのような以前に研究されていたメディエーターの作用
よりもずっと激しくかつ効能がある。
【0019】 喘息の即時型反応段階ではLTC4とLTD4はヒスタミンよりも1000倍も効能がある
。LTD4は最強の気管支収縮剤である。LTC4は作用の発現がLTD4やLTE4よりも遅く
、またLTE4は作用持続時間が最も長い。遅発型反応段階に対するマスト細胞の寄
与度については議論の余地があるが、即時型、遅発型両反応で気管支肺胞洗浄液
中にロイコトリエンが存在する。遅発型反応におけるロイコトリエンは好酸球と
マクロファージによって生成されるのかもしれない。
【0020】 ロイコトリエンは、炎症の他の特徴、すなわち血管透過性と粘液産生の増大を
誘発するという面でもヒスタミン、血小板活性化因子またはプロスタグランジン
より効能がある。ロイコトリエンの炎症作用潜在力の発見はその生成を抑制しま
たはその作用を阻害する方法の研究へとつながった。最初期の抗ロイコトリエン
剤の調製に伴い、ロイコトリエンは喘息の炎症の大きな一因となっていることが
確認された。
【0021】 どのような理論にも縛られるつもりはないが、本組成物はロイコトリエンメデ
ィエーターの減少を伴う一連の機構のうちの1つ以上によって炎症反応を取り除
く働きをすると考えられる。たとえば、本組成物がその一部をなす脂肪酸の消費
増大は、炎症反応のロイコトリエン仲介に代わるプロスタグランジンE2合成を抑
制する結果になると考えられる。加えて、ミリスチン酸とミリストレイン酸のエ
ステルはLTC4の合成を、またそれほどではないがLTD4の合成をも、抑制すると考
えられる。食生活の変化、すなわち飽和脂肪の消費減少が先進諸国における喘息
、湿疹およびアレルギー性鼻炎の罹患率の上昇に寄与してきたことは自明のこと
とされてきた(ブラックおよびシャープ(Black, P.N. and S. Sharpe)、Eur. Re
spir. J. 10(1):6-12 (1997年))。
【0022】 本発明の薬剤はミリスチン酸(テトラデカン酸) CH3(CH2)12COOH またはミリストレイン酸(シス9テトラデカン酸) CH3(CH2)3CH=CH(CH2)7COOH のエステルを少なくとも1つ含むことになろう。ミリスチン酸およびミリストレ
イン酸の供給源は天然、人工両手段を含めて数多く知られている。たとえば、ミ
リスチン酸もミリストレイン酸もニクズク(Myristicaceae)属の(ナツメグを
含む)植物、ヤシの実などのような植物源、さらには牛乳やマッコウクジラ油な
どのような動物源から得られることはずっと前から知られていた。実際には、ほ
とんどの動物脂肪および植物脂肪の全脂肪酸分の主成分の1つであることも判明
している。対象化合物の特に好ましい天然供給源の1つは植物ピクナンサス・ア
ンゴレンシス(Pycnanthus angolensis)などのような植物源である。新旧両世
界の熱帯雨林に特有のこの植物はミリスチン酸とミリストレイン酸の両方を多く
含むことが判明しており、現地住民によって油料、食料として使用されてきた。
したがって、本発明の化合物は安全とみなされるはずであり、食品としてすらみ
なすことができる。こうした化合物は天然原料に由来するものであれ合成された
ものであれ、商業的に入手することもできる。ミリスチン酸またはミリストレイ
ン酸の手頃な供給元の1つにミズーリ州セントルイスのシグマ・ケミカル社(Sig
ma Chemical Co.)がある。
【0023】 同様に、ミリスチン酸またはミリストレイン酸のエステルを得る方法もよく知
られている。この種のエステルはこの技術分野で既知の方法によって都合よく調
製することができる。たとえば、本セチルエステルは1978年9月12日発行の米国
特許第4,113,441号で説明されている方法によっても調製することができる。し
かし、そこで説明されている方法はベンゼンを使用するものであり、その残留物
が薬剤としての使用、特に経口投与を意図した組成物には問題となりうるので、
そこで説明されている方法を、ベンゼンへの依存を解消する方向へ修正するのが
望ましいと考えられた。この修正方法では、ほぼ等モル量のセチルアルコール(
CH3(CH2)15OH)とミリスチン酸またはミリストレイン酸のいずれかを、全体の約
15%を上限とする量の、触媒として機能するp-トルエンスルホン酸と混合する。
還流条件下で約4時間加熱後に、10%水酸化ナトリウムで洗浄し、非水性画分を抽
出、回収し、真空中で乾燥、蒸発させる。この画分はほぼすべてが使用出発原料
に依存して、ミリスチン酸のセチルエステル CH3(CH2)12COO(CH2)15CH3 またはミリストレイン酸のセチルエステル CH3(CH2)3CH=CH(CH2)7COO(CH2)15CH3 から成ることが判明しよう。
【0024】 本発明の治療法を実施する場合には、そうした治療を必要とする被投与者に治
療上の有効量を投与する。本発明の組成物は、まず粉末状のエステルを調製した
うえでカプセル、錠剤または懸濁液の形で経口投与するのが望ましい。あるいは
、組成物は、局所投与、非経口投与、または望ましいと思われるその他の手段に
よる投与でもよい。
【0025】 最低有効量は、高用量での治療から出発して炎症反応がもはや解消しなくなる
用量まで減らしていくことにより、型どおりに決定することができる。一般に、
薬用量は患者体重キログラム当たり約0.01〜100ミリグラムの範囲であろう。出
発点として通常、本組成物1〜1.5グラムを1日3回、当初7〜10日間投与する。組
成物は体重キログラム当たり2.5〜6000ミリグラムの割合で投与することもでき
る。反応は一般に7〜10日の間に起こるが、維持量は約500ミリグラム〜1グラム
とするのがよい。治療効果をあげるのに必要な量は個々の患者の体重、喘息の重
症度、および年齢など多数の要因に左右されよう。
【0026】 本発明を治療製剤の特定の性質によって限定することは意図していない。たと
えば、この種の組成物は製薬条件を満たし生理学的に許容されるような液体、ゲ
ルまたは固体のキャリヤー、希釈剤、佐剤および賦形剤と混ぜて提供することが
できる。これらの治療製剤は哺乳動物に対して、家畜などを対象とする獣医用と
して、また人を対象とする臨床用として、投与することができる。一般に、治療
効果をあげるのに必要な用量は使用タイプ、投与形態、および被投与者の個別条
件によって異なろう。
【0027】 この種の組成物は通常、経口投与用として、または局所用の噴霧剤(例:鼻腔
内エアゾール)として調製される。しかし、溶液または懸濁液として、または呼
吸用及び非呼吸用乾燥粉末を含む固形剤として調製することもできる。経口薬(
例:胃腸内吸収用)は通常、結合剤、充填剤、キャリヤー、保存料、安定剤、乳
化剤、緩衝剤および賦形剤などのような普通に使用される添加剤、たとえば製薬
用のマンニトール、乳糖、でんぷん、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナ
トリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含む。この種の組成物は溶液、
懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル、持続放出型製剤または粉末という形態をとり、
一般に有効成分を1%〜95%、好ましくは2%〜70%含む。本発明の組成物は溶液また
は懸濁液という形の注射剤として調製することもできる。注射の前に液体に溶解
または懸濁させるのに適した固形剤として調製することもできる。
【0028】 本発明の化合物はしばしば、生理学的に許容され適合するような希釈剤または
賦形剤と混合される。適当な希釈剤または賦形剤はたとえば、水、生理食塩水、
デキストロース、グリセロールなど、およびそれらの組み合わせである。さらに
、もし望ましければ、少量の補助物質、たとえば融合剤(wedding)または乳化
剤、安定剤またはpH緩衝剤などを含有してもよい。
【0029】 他の投与形態、たとえば局所投与などに適したその他の調剤としては、軟膏、
チンキ、クリーム、ローション、および場合によっては座薬などがある。軟膏と
クリームの場合には、通常の結合剤、キャリヤーおよび賦形剤に、たとえばポリ
アルキレングリコールまたはトリグリセリドを含めてもよい。 以下の例は本発明の好ましい実施例および態様を説明するためのものであり、
本発明の範囲を限定するものと解釈されてはならない。
【0030】 治験 以下の治験結果の開示では別に断らない限り、重量はすべてグラム(g)、ミリ
グラム(mg)、マイクログラム(μg)、ナノグラム(ng)またはピコグラム(pg)で表
記し、量はすべてモル(mol)、ミリモル(mmol)、マイクロモル(μmol)、ナノモル
(nmol)、ピコモル(pmol)またはフェムトモル(fmol)で表記し、濃度はすべて容量
パーセント(%)、容量比(v:v)、モル(M)、ミリモル(mM)、マイクロモル(μM)、ナ
ノモル(nM)、ピコモル(pM)、フェムトモル(fM)または規定(N)で表記し、容量は
すべてリットル(L)、ミリリットル(mL)またはマイクロリットル(μL)で表記し、
また長さの測定値はミリメートル(mm)またはナノメートル(nm)で表記している。
【0031】 以下は本発明の実施例である。 実施例1 慢性喘息の病歴を持つ23歳の女性。過去7〜10年にわたり、3〜4種の薬で治療
を受けてきた。カルテによれば、病歴には2度にわたる呼吸停止の発作も含まれ
ていた。
【0032】 この患者に対し本発明のカプセル入り組成物750 mgを1日3回投与するという一
連の治療を開始した。1週間後、症状が劇的に緩和し、気管支拡張剤への依存を
減らすことができた。治療2週間目には就寝時に限って、それに頼るという状態
になった。2、3週間後の追跡調査でも、症状が緩和し続けていることが判明した
【0033】 実施例2 63歳の女性慢性喘息患者。病歴には911回の救急連絡が記録されていた。 患者は本発明の組成物を茶さじ1杯(9 g)、純粉末の形で1日3回投与するとい
う治療を受け始めた。治療を開始してから1週間後、患者は呼吸が著しく楽にな
っただけでなく、元気も著しく増してきたと報告した。患者への1日当たり処方
量は必要に応じて減らしていき、やがて1日茶さじ半杯(4.5 g)の維持量とした。
【0034】 実施例3 ニュージーランド国籍の若い男性。18か月前に兄弟を1人、喘息の合併症で亡
くしており、自分も持病で文字通り死を待つ身だと思い込みひどく打ちひしがれ
ていた。 患者は本組成物1日1.5 gの投与治療を受け始めた。3週間後、症状の短期的な
悪化が見られ、それが3日間続いた。その後、患者は必要に応じて喘息治療薬に
頼りながら、より正常な生活に戻った。引き続き本組成物の維持量に頼っている
【0035】 実施例4 発作を頻発させていた14歳の女性喘息患者。噴霧療法が必要と記録されていた
。 患者は本組成物1日750 mgの投与治療を受け始めた。3日後、症状が著しく改善
した。以前は喘息のため学校も欠席がちだったが、本治療を受け、1日500 mgの
維持量になってからは、症状の再発がまったく見られない。
【0036】 実施例5 45歳のメキシコ国籍女性。朝に、慢性的な咳込みがあった。喘息の病歴を否定
しながらも、運動や力強い身体活動、たとえば早歩きに伴って咳が出ることに気
づいていた。 本組成物の粉末茶さじ1杯(9 g)を晩に投与するという治療を受け始めた。そ
の翌朝は咳き込みがなかった。ほぼ1週間後、力強い身体活動をしたときでも症
状がまったく出なくなった。
【0037】 実施例6 湿疹と喘息の病歴を持つ8歳の少女。ハウスダストと家庭用洗剤に対する反応
性も記録されていた。 1000 mg1日2回の投与治療を受け始めると、喘息症状は目に見える軽減が若干
見られたが、湿疹はわずかな改善にとどまった。
【0038】 この治療を10日間ほど中止し、用量を1000 mg1日4回へと大幅に増やした第2次
治療を再開する旨を伝えた。経験上、当初の反応が芳しくない個人には出発用量
を多くする必要がある。この患者の場合、喘息はこの第2次治療で抑制され、次
いで1日1000 mgの維持量が投与されることになろう。 実施例7 小児麻痺を患い障害を負った50歳の男性。2年ほど前から痰を伴わないしつこ
い咳に悩まされてきた。喘息の家族病歴があり、本人も喘息だと思われていた。
【0039】 本組成物の粉末茶さじ1杯(9 g)を1日3回投与する治療を開始。1週間で症状
が消えた。引き続き、1日茶さじ1杯の維持量を投与しているが、以前のような頻
繁な咳の発作は再燃していない。 実施例8 19歳の男性。症状がひどく緊急治療室に何度も運び込まれたとの記録があった
【0040】 本組成物の粉末を茶さじ1杯(9 g)1日3回投与する治療を受け始めた。3日目
に胸苦しさが解消、1週間後には症状が消えた。 患者は1日茶さじ1杯の維持量の投与を受ける治療を3か月続けたが、たまには
指示に従わないこともあった。治療を2か月休むと症状が次第にぶり返した。治
療を再開して以来、無症状の状態に戻っている。
【0041】 本明細書で引用した特許および特許出願はすべて、あたかも引用により組み込
まれる旨を具体的に個別に指示したように、引用によりここに組み込まれる。 以上、本発明について明快さと理解を期して例解と実施例をもってやや詳しく
説明したが、当業者には本開示に照らして、本発明に若干の変更や修正を加えて
も添付特許請求範囲の精神または範囲から逸脱しないことは自明であろう。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 喘息の炎症反応症状の治療方法であって、そうした治療を必
    要とする患者にミリスチン酸エステルまたはミリストレイン酸エステルから成る
    群より選択される少なくとも1つの化合物の有効量を含む組成物を投与すること
    を含む方法。
  2. 【請求項2】 組成物が経口投与される請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 組成物が製薬上許容可能なキャリヤーをさらに含む請求項1
    の方法。
  4. 【請求項4】 組成物の化合物がアルキルエステルを含むものである請求項
    1の方法。
  5. 【請求項5】 アルキルエステルがセチルミリステートまたはセチルミリス
    トレートである請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 組成物が体重キログラム当たり約2.5〜約6000ミリグ
    ラムの割合で投与される請求項1の方法。
JP2000543118A 1998-04-16 1999-04-15 喘息治療法 Pending JP2002511401A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US6149798A 1998-04-16 1998-04-16
US09/061,497 1998-04-16
PCT/US1999/008226 WO1999052508A1 (en) 1998-04-16 1999-04-15 Method for the treatment of asthma

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002511401A true JP2002511401A (ja) 2002-04-16

Family

ID=22036172

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000543118A Pending JP2002511401A (ja) 1998-04-16 1999-04-15 喘息治療法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1071405A1 (ja)
JP (1) JP2002511401A (ja)
AU (1) AU762102B2 (ja)
CA (1) CA2328344A1 (ja)
MX (1) MXPA00010103A (ja)
WO (1) WO1999052508A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006520803A (ja) * 2003-03-20 2006-09-14 イマジェネティックス, インコーポレイテッド エステル化脂肪酸組成物
JP2010531298A (ja) * 2007-06-12 2010-09-24 エックスバシブ, インコーポレイテッド 疼痛を治療するための局所用組成物
JP2020510607A (ja) * 2016-10-31 2020-04-09 ザ クリーブランド クリニック ファウンデーションThe Cleveland ClinicFoundation 疾病治療用カプリン酸及びミリスチン酸組成物

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6417227B1 (en) * 1999-04-28 2002-07-09 Cg And Associates Methods of delivery of cetyl myristoleate
US6677321B1 (en) 1999-12-09 2004-01-13 Bruce Levin Methods and compositions for treatment of inflammatory disease
AU1953701A (en) * 1999-12-09 2001-06-18 Bruce Levin Methods and compositions for treatment of inflammatory disease
US20030153620A1 (en) 2000-05-12 2003-08-14 Meakin Timothy David Treating eczema and/or psoriasis
EP1287825B1 (en) 2001-09-04 2006-04-05 Loders Croklaan B.V. Blends comprising a substituted fatty acid or a derivative thereof
NZ514536A (en) * 2001-09-28 2005-02-25 Meracol Corp Ltd Use of cetyl myristate and/or cetyl palmitate to treat asthma, chronic obstructive pulmonary disease and/or other respiratory difficulties
NZ533370A (en) 2004-06-03 2006-11-30 Meracol Corp Ltd Use of cetyl myristate and cetyl palmitate in therapy for multiple sclerosis
CN114544812B (zh) * 2022-02-18 2023-06-30 复旦大学附属中山医院 一种代谢组合式标志物在诊断哮喘中的应用

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0733362A1 (en) * 1995-03-08 1996-09-25 Environmental Research Institute, Inc. Polynactins as antiallergic agents and IL-5 inhibitors

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006520803A (ja) * 2003-03-20 2006-09-14 イマジェネティックス, インコーポレイテッド エステル化脂肪酸組成物
JP2010531298A (ja) * 2007-06-12 2010-09-24 エックスバシブ, インコーポレイテッド 疼痛を治療するための局所用組成物
JP2020510607A (ja) * 2016-10-31 2020-04-09 ザ クリーブランド クリニック ファウンデーションThe Cleveland ClinicFoundation 疾病治療用カプリン酸及びミリスチン酸組成物
JP7208895B2 (ja) 2016-10-31 2023-01-19 ザ クリーブランド クリニック ファウンデーション 疾病治療用カプリン酸及びミリスチン酸組成物

Also Published As

Publication number Publication date
EP1071405A1 (en) 2001-01-31
CA2328344A1 (en) 1999-10-21
WO1999052508A1 (en) 1999-10-21
AU3644999A (en) 1999-11-01
MXPA00010103A (es) 2002-08-06
AU762102B2 (en) 2003-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0085579B1 (en) Topical pharmaceutical compositions
US6143738A (en) Therapeutic uses for an aminosterol compound
US4743597A (en) Composition comprising an oxygenated cholesterol and use thereof for topical treatment of diseases
US20090053143A1 (en) Liquid inhalation formulations of dehydroepiandrosterone derivatives
JP3114895B2 (ja) 炎症性疾患の処置のための薬剤調製物
JP2002511401A (ja) 喘息治療法
US4916117A (en) Treatment of inflammation using alpha 1-antichymotrypsin
US6605639B1 (en) Ligands of nuclear receptor
JP2008069143A (ja) 関節リウマチ治療用植物抽出物
KR100483539B1 (ko) 아토피성 피부염의 예방 또는 치료용 조성물 및 그 제조방법
WO2016036273A1 (ru) Лекарственное средство для профилактики и лечения заболеваний дыхательных путей
CA2255856C (en) Therapeutic uses for an aminosterol compound
US20080213236A1 (en) Natural Remedy-Dietary Supplement Combination Product
KR100399529B1 (ko) 생약 추출물을 포함하는 콜레스테롤 에스터레이즈 저해제조성물
EP2830640A1 (en) Methods and compositions for treating arteriosclerotic vascular diseases
AU2011270971B2 (en) Composition and method of treating lipid encapsulated virus infections
JPH06239757A (ja) 抗アレルギー剤
Soria et al. Treatment of pyoderma gangrenosum with cyclosporin A
US3851064A (en) Diphenylsulfides as hypolipidemics
CA2417108A1 (en) A method for treating celiac disease
WO1998051313A1 (fr) Remedes contre les yeux secs
US8722098B2 (en) Ecklonia cava extracts for alleviating or preventing asthmatic reactions
JPS6187621A (ja) アレルギ−性鼻炎及びアレルギ−性喘息治療薬
Ramya et al. EFFECT OF ANTI-INFLAMMATORY ACTIVITY OF HELLENIA SPECIOSA (L.) AND COSTUS PICTUS (L.)
JPS62263121A (ja) 抗真菌剤