JP2008069143A - 関節リウマチ治療用植物抽出物 - Google Patents

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Abstract

【課題】関節リウマチ治療用薬物の新規植物抽出物の提供。
【解決手段】プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Spreng(PA)の粗抽出物または抽出物を含む関節リウマチに対する治療用薬物を提供する。該PA粗抽出物が、PAを直接搾汁することにより得られる粗抽出物、また、PA抽出物が、PAを極性溶媒に浸漬し、濃縮した後、カラム分離により得られる抽出物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、漢方薬抽出物に関する。特に、本発明は、関節リウマチ(RA)治療用のプレクトランサスアンボイニクス(Plectranthus Amboinicus)(Lour.)Spreng(PA)の粗抽出物または抽出物の使用に関する。
各種対症薬および免疫抑制剤を使用の結果、関節リウマチの治療は、大きく進歩してきた。ほとんどの研究で、対症薬または免疫抑制剤は、初期発現直後に使用されると、骨の破壊速度が有効に低減できることが明らかになっている。現在、関節リウマチ治療用薬物は、以下の3類に分類される。
1.非ステロイド系抗炎症剤(NSAID):例えば、有効に炎症を抑制し、痛みの作用を軽減することができるアスピリン、インドメタシン、またはナプロキセン。
2.抗リウマチ薬(ARD):疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)と称され、例えば、状態を抑制し、免疫異常を改善することができる金製剤、ヒドロキシクロロキン、メトトレキセート(MTX)、またはペニシラミン。
3.ステロイド薬:副腎皮質ステロイドと称され、抗炎症性であって、免疫抑制剤として使用することができる。
加えて、臨床的上一般的な対症薬にはスルファサラジンが挙げられ、免疫抑制剤にはシクロスポリン、アザチオプリン、またはシクロホスファミドが挙げられる。さらに、ミノサイクリンなど一部の抗生物質は、酵素を抑制し、骨吸収を抑制し、炎症性物質の生成を抑制することができるので、関節リウマチの治療にも使用できる。薬物の使用および治療のタイミングに関して、鋸歯状療法、ステップダウンブリッジ療法、段階療法、および標的療法など多くの治療モデルが提案されてきた。これら治療モデルの趣旨は明らかに、初期の段階で、各種対症薬または免疫抑制剤を単独で、または組み合わせて使用することである。
しかし、これら薬物の欠点は、薬物、特にステロイド薬は効き目があるほど、副作用を引き起こす恐れがあることである。抗炎症性薬物は、例えば出血などの異常を腸管内に頻繁に引き起こす。
TNF−αなどのタンパク質アンタゴニストは、迅速に状態を緩和するために、臨床的に使用することもできるが、観血的に使用する必要があり、不便である。さらに、薬草の雷公藤(Radix Tripterygii Wilfordii)には、抗炎症、殺菌、ならびに発熱および痛みの軽減作用があるので、現在関節リウマチの治療に使用されているが、その有毒な副作用のために安全性に対する配慮がなされる可能性がある。
統計によると、世界中で人口の1%が関節リウマチを患っている。したがって、便利で、安全で、効果のある関節リウマチ治療用薬物を開発することは、非常に重要である。
プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Spreng(PA)は、マレーシアおよびインドが原産であり、鑑賞用薬草として普通の家庭によって頻繁に植えられている。一般的薬草PAは、プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Spreng植物の地上部分であり、別名は、リシマキア カピリペス ヘムシル(lysimachia capillipes Hemsl)、スペアミント、カッコウ(agastache ragosus)、パチョリ、インドペパーミント、またはポゴステモン・キャブリン(pogostemon cablin)である。東インド人はこれを布地用香料として用い、イギリス人は1820年にインドからショール用布地を持ち込んだ後、PAの魅力的な芳香を発見した。PAの葉を衣服に直接入れると、衣服に芳香が染み付いただけでなく、その衣類の虫食いを防止した。東南アジアでPAは、殺菌性、興奮性、または虫よけの機能を有すると考えられている。さらに、PAは、毒ヘビまたは蚊および昆虫からの咬傷を治癒し、頭痛、膨満、嘔吐、下痢、および発熱を軽減することなどもできる。プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Sprengの芳香油は、アジアで最も人気のある香料である。芳香療法では、PAは上皮細胞の再生、ならびに、ざ瘡、湿疹、水虫、および皮膚の乾燥性ひび割れの治療を促進するのに使用される。さらにまた、PAは不安を軽減し、性欲を増強する働きをする、優れた抗うつおよび性欲促進剤である。
本発明では、予期せぬことに、PAの粗抽出物または抽出物は、RA治療の有効性を有しているということが見出されている。
本発明の一目的は、治療有効量のプレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Spreng(PA)の粗抽出物または抽出物を含む、関節リウマチ治療用薬剤組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、関節リウマチ治療用薬物の製造における、PAの粗抽出物または抽出物の使用を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、PAの粗抽出物または抽出物を製造する方法を提供することである。
以下、本発明を詳細に例示することとする。本発明の他の特徴、目的、および利点は、本明細書および特許請求の範囲から明らかになろう。
本明細書で使用する「治療」または「治療する」という用語は、状態を改善することを示す。
本明細書で使用する「患者」という用語は、動物、特に哺乳動物を示す。好ましい実施形態では、患者はヒトである。
本明細書で使用する「治療有効量」という用語は、単独の、または治療において治療上の利点をもたらすことができる他の薬物と組み合わせた本発明の薬剤組成物の成分量を示す。
本明細書で使用する「担体」または「薬学上許容可能な担体」という用語は、当分野の技術者に周知で、薬剤組成物の調製に使用することができる希釈剤、賦形剤、または許容できる作用物質などを示す。
本明細書で使用する「PA粗抽出物」または「PA抽出物」という用語は、直接搾汁法またはPA植物の地上部分に使用される抽出法により得られるものを示す。
本明細書で使用する「高極性溶媒」という用語は、調製工程で使用される溶媒の中で最大極性を有する溶媒を示す。高極性溶媒は、以下のものに限定されないが、水、メタノール、エタノール、または前記溶媒2種以上の混合物が挙げられる。
本明細書で使用する「低極性溶媒」という用語は、調製工程で使用される溶媒の中で最低の極性を有する溶媒を示す。低極性溶媒は、以下のものに限定されないが、クロロホルム、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、前記溶媒の2種以上の混合物、あるいは約70:30〜約50:50の比(v:v)で、前記溶媒の1種または複数と極性がより高い1種または複数の溶媒との混合物が挙げられる。
本明細書で使用する「準高極性溶媒」という用語は、調製工程で使用される高極性溶媒より低いが、調製工程で使用される中極性溶媒より高い極性を有する溶媒を示す。準高極性溶媒は、約70:30〜約30:70、好ましくは約60:40〜約40:60の比(v:v)で、高極性溶媒とより低い極性を有する溶媒とを混合することにより得ることができる。
本明細書で使用する「中極性溶媒」という用語は、調製工程で使用される準高極性溶媒の極性より低いが、調製工程で使用される低極性溶媒の極性より高い溶媒を示す。中極性溶媒は、約30:70〜約5:95、好ましくは約15:85〜約5:95の比(v:v)で、高極性溶媒とより低い極性を有する溶媒とを混合することにより得ることができる。
本発明は、RAを治療するために、PA粗抽出物またはPA抽出物を使用することを特徴とする。それにより本発明は、PA粗抽出物またはPA抽出物の治療有効量を含む、RAの治療用薬剤組成物を提供する。
治療に最も適する方法および投与量は、当分野の技術者により容易に決定されることであろう。本発明によると、好ましい方法は経口投与であり、例えば、それだけに限らないが、カプセル、錠剤、散剤、軟膏、水薬、またはスプレーなどがある。投与量は、治療する症状の性質および状態、治療する患者の年齢および全般的な体調、投与方法、ならびにこれまで実施された任意の治療法によって決まることとなる。投与量が、年齢、サイズ、健康状態、および関連因子に応じ、患者によって異なることを、当分野の技術者には理解されるはずである。さらに、所望により、該組成物は滅菌するか、あるいは薬学上許容可能な任意の担体または賦形剤と混合することができよう。本発明の薬剤組成物の調製は、従来の方法に従って、当分野の技術者により行うことができる。
本発明の好ましい実施形態で、PA粗抽出物およびPA抽出物の調製を下記に示す。
[PA粗抽出物の調製]
採りたてのPA植物を採取し、清浄水で洗浄した後、汁抽出器で圧搾して搾り汁を得た。次にPA搾り汁を凍結乾燥し、乾燥粉末を得、それをクロロホルムまたはメタノールなどの適当な溶媒に溶かし、PA粗抽出物を得た。
[PA抽出物の調製]
一定量の乾燥PAを適量の高極性溶媒に浸漬、ろ過した後、適量の高極性溶媒に再度浸漬した。この後、PA抽出液を、減圧下で回転濃縮機により元の容量の2〜3%まで濃縮し、溶媒中に希釈した後、カラム中で分離した。場合によっては、高極性から低極性まで異なる溶媒の4区分(高極性溶媒、準高極性溶媒、中極性溶媒、および低極性溶媒とする)を使用し、連続的に溶出することができた。高極性溶媒、準高極性溶媒、中極性溶媒、および低極性溶媒は、上記に定義した通りである。カラム分離法では、メタノールによりすでに処理されているDIAIONカラムを使用するのが好ましい。例えば、乾燥PAと同量のDIAIONを秤量し、メタノールに浸漬した後、カラムに充填した。充填後、該DIAIONを、1〜2倍の容量のメタノールで、次に5〜6倍の容量の脱イオン蒸留水で洗浄した。洗浄を終了し、充填が完了した。
[PA医薬材料抽出物の成分分析]
機器および器具:
高速液体クロマトグラフ
ポンプ:Spectra−Physics P4000
検出器:UV/VIS Spectra−Physics Spectra System UV600OLP
オートサンプラー:Thermo Separation Pruducts AS3500
ソフトウェア:Thermo Separation Pruducts Chrom Quest
システム制御:Thermo Separation Pruducts SN4000
液体クロマトグラフィー条件:
クロマトグラフカラム:COSMOSIL、4.6×250mm、5C18−MS
流量:1.0ml/分 圧力限界:250kgf/cm
試料注入:10μl
PDA条件:
サンプリング:0.64秒
波長範囲:190〜370nm
uv波長:254nm
溶出条件(1):

Figure 2008069143
溶出条件(2):

Figure 2008069143
下記の非限定的な実施例を参照して、本発明を詳細に記述する。下記手順を実施することにより、RAの治療における、PA粗抽出物または抽出物の効果を確認できよう。当分野の技術者により容易に達成できる、いかなる改変および変更も、本明細書および添付の請求項の開示の範囲に含まれる。
実施例1:直接搾汁法を使用して得られるPA粗抽出物
採りたてのPA1.25kgを秤量、清浄水で洗浄した後、汁抽出器により圧搾して搾り汁を得た。容量シリンダーを使用し、搾り汁の容量を測定し、そこから1050mlを取り出して凍結乾燥し、乾燥粉末19gを得た(収率1.5%)。HPLCパターンを図1に示す。
実施例2:PA粗抽出物による動物のRA治療に関する動物試験
[試験動物]
生後8週、および体重約155〜165gの試験動物Lewisラットは全て、国立実験動物センターから購入した。12時間明所/12時間暗所のサイクル、室温23±1℃、適度な湿度、および良好な空気調節の動物小屋で、該動物を飼育し、水および飼料は無制限に与えた。さらに、実施中は、全ての試験動物が、国際実験動物機構の標準規制の基準に従った。
[薬物]
1.コラーゲンII型(Sigma C−1188):ウシの気管軟骨から得た
2.完全フロイントアジュバント:CFA(BD BBL(登録商標)231131)
3.不完全フロイントアジュバント:IFA(BD BBL(登録商標)263910)
4.ラットの腫瘍壊死因子(TNF−α)、インターロイキン6(IL−6)、およびインターロイキン1β(IL−1β)(R&D、Duoset)のELISAキット
5.ラットのC反応性タンパク質(CRP):ELISAキット(BD(登録商標)Pharmingen557825)
6.インドメタシン(Johnson Chemical Pharmacy Corporation、Sanchung City、Taipei Countyから市販)
7.採りたての中国薬草PAを直接圧搾して搾汁を得、減圧下で濃縮してPAの濃縮溶液を形成した後、それぞれ希釈して、高濃度の生薬22.5g/kg(PA−H)および低濃度の生薬4.5g/kg(PA−L)とした。最後に、該溶液を、それぞれの実体重に基づいてラットに経口で直接投与した。
[器具]
1.シリンジ:1ml、3ml、および5ml(Terumo)
2.天秤
3.ノギス(Vernier Caliper)(Mitutoyo Corporation)
4.3方向ピストン管
5.発振器(Vortex)
6.ELISA読取機(Dynex、Thermo Labsystems)
[手順]
1.抗原処方および免疫注射
動物試験計画を図2に示す。ウシコラーゲンII型(Bovine CII)を0.1M酢酸溶液に溶解し、完全に溶解するまで攪拌し、濃度1.5および3mg/mlの溶液に処方し、後で使用するために4℃で保存した。一次免疫注射として、CII溶液100μlを等量のCFAで乳化し、乳化が完了した後、ラットの尾根部に皮下注射(200μl/ラット)した。一次免疫化後、ラットの体重を3日毎に記録し、四肢に腫脹が起こるか否かを見つけるためにラットを観察した。約15日後、二次免疫化を行った。 CII溶液100μlを等量のIFAで乳化し、乳化が完了した後、ラットの尾根部に皮下注射(200μl/ラット)した。およそ20日目から、関節炎の症状が観察され(CIAラット)、PAおよびインドメタシンを45日目まで投与した。
2.動物の群分けおよび治療

Figure 2008069143
[試験項目および指標]
1.体重の観察:3日毎の計量により表示
2.RA試験の評価:最大関節炎指数(MAI)で評価
3.関節腫脹速度:ノギスにより測定(15〜28日目に関節炎発現)
4.リウマチ因子(RF)
5.急性炎症C反応性タンパク質(CRP)
6.サイトカイン:TNF−α、IL−1βおよびIL−6(炎症性サイトカイン)
−RA試験の評価
免疫化後、ラットを週3回観察した。四肢における赤みおよび腫脹の変化等を記録し、比較用として写真を撮り保管した。試験の採点は、以下の5段階に基づいた:
0:関節炎の症状が起こらない。
1:足裏および足根部が赤みを示し、僅かに腫脹している。
2:足根および足関節部が赤く、中程度に腫脹している。
3:足根および足関節部が赤く、激しく腫脹している。
4:関節が硬く、骨が変形している。
最大関節炎指数、各群の平均MAIを以下の通りに計算した。
平均MAI=各ラットの四肢において記録されたMAIの合計(0:CIAが起こらない、16:最高点)/4/各群のラット総数
(関節炎腫脹度の測定)
ラット足裏部の厚さの変化をノギス(週2回)により測定したが、各ラットにつき、それぞれ2本の前足の各足裏中央に1部位、およびそれぞれ2本の各後ろ足に3部位(足関節部、足裏部、および趾根部)を含む、合計8種の測定部位があった。
(血清RF分析)
1.コラーゲンを、濃度40μg/mlまでコーティング緩衝液に配合、そのうち0.1mlを96ウェルマイクロプレートにそれぞれ添加し、終夜4℃で保管した。
2.トリス緩衝液で3回洗浄後、1%のBSAを含むブロッキング緩衝液0.2mlを各ウェルに添加した。反応が室温で2時間続いた後、再度トリス緩衝液で3回洗浄した。
3.血清試料を0.05%のTween20(1/20または1/40)を含むトリス緩衝液で適当に希釈し、血清試料0.1mlを96ウェルマイクロプレートの各ウェルに添加した。反応が室温で2時間続いた後、再度トリス緩衝液で3回洗浄した。
4.コーティングした抗ラット免疫グロブリンM(IgM)をセイヨウワサビ過酸化酵素(HRP)と合わせ、適度に希釈(1/12000)した後、96ウェルマイクロプレートに添加した。反応が室温で2時間続いた後、再度トリス緩衝液で3回洗浄した。
5.テトラメチルベンジジン(TMB)0.1mlを呈色反応用の各ウェルに直接添加後、停止溶液を添加して反応を停止させた。最後に、吸収(O.D)値を波長450nmで読み取った。
(血清C反応性タンパク質(CRP)分析)
1.CRP ELISAキットは事前にコーティングしたマイクロプレートであったので、適当に希釈した血清試料0.1mlを直接添加することができた。室温で1時間反応させた後、洗浄緩衝液で4回洗浄した。
2.ウサギ抗ラットC反応性タンパク質(CRP)をHRP Abと合わせ、洗浄緩衝液で100倍に希釈後、0.1mlを各ウェルに添加した。室温で1時間反応させた後、洗浄緩衝液で4回洗浄した。
3.TMB0.1mlを呈色反応用の各ウェルに添加し、約5〜10分後、停止溶液を添加して反応を停止させた。最後に、O.D値を波長450nmで読み取った。
(上記分析方法は、全て該キットに添付の試験規則に従って実施した)
(腹腔細胞の培養およびサイトカインの分析)
1.二酸化炭素で安楽死させた後、ラット腹腔の外皮を剪刀で切り取り、腹腔全体を露出させた。
2.HBSS緩衝液を、10mlシリンジによりバッチ式で腹腔に注入し、全容量を約20ml/ラットにした。
3.腹部をそっと揉んだ後、ラットの腹腔を開いた。剪刀を使用して、約2cmの切込みを腹腔に入れた。腹腔浸出細胞(PEC)液(細胞液約10〜15mlを回収することができた)をシリンジで引き出し、50ml遠心管に入れた。
4.該液を5分間1500rpmで遠心した後、上澄みを除去した。HBSS緩衝液10mlを添加して洗浄し、次に遠心した後で、上澄みを除去した。
5.細胞密度を、(抗生物質を含む)新鮮な培養液で2×10細胞/mlに調整した。
6.細胞懸濁液を、0.5ml/ウェルで48ウェルプレートに分けた。
7.さらにリポ多糖類(LPS)0.5ml(20μg/ml)を別途添加して、最終密度を10μg/mlにした。
8.最後に、37℃のインキュベーターの中に24時間置いた。上澄みを回収し、−20℃で保存した。サイトカインTNF−α、IL−6、およびIL−1βの濃度を、ELISAキットを使用して分析した。
[結果および考察]
I.ラットの体重変化
動物試験では、薬物の投与および他の外力の適用が共に、直接または間接的に体重の変化に影響する。したがって、体重を直接観察することは、外見上の最も重要な指標である。体重の測定結果によると、およそ20日目後、コラーゲンにより誘発された関節炎の症状が生じ、正常のラットと比較して、体重は図3に示すように有意に減少することが示されるが、PA−Hおよびインドメタシンを投与したラットの群では、体重の減少が効果的に避けられ、正常の群と同様の成長曲線である。さらに、体重減少の現象は、PA−Lを投与した群では効果的に阻止できなかった。
II.最大関節炎指数
材料および方法の項で記述したように、最大関節炎指数(MAI)は、試験採点法の基準として5段階差があり、外観指標の1つである。図4に示すように、コラーゲンにより誘発されたラットの関節炎は、およそ35日目でピークに達するが、PAおよびインドメタシンを投与したラットの群では、関節炎指数が効果的に減少することができた。その中で、PA−Hおよびインドメタシンの結果が最も好ましい。
III.関節腫脹度
関節炎の症状は、ラットに2回目の二次抗原注入後およそ20日目で連続的に生じ、四肢の関節部位をノギスで実際に測定した。関節腫脹率(8つの測定部位から得られた平均)は、39日目に20%から最高61%まで増加し、図5に示すように、正常の群(P<0.01)と比較して有意な差がある。PAおよびインドメタシンを投与している点から、PA−HおよびPA−Lは共に関節腫脹を有効に抑制でき、PA−Hおよびインドメタシンの効果も依然として非常に好ましく、PA−Hがインドメタシンと同様の抗炎症効果がある可能性を示唆している。
IV.血清RFに対する、PAの連続投与の効果
RAが発現する間、現れる自己抗体がいくつかある。しかし、臨床診断では、患者の血清に自己抗体が存在しているか否かは、RAか否かを決定する際の主な基準であり、RFの自己抗体が最も重要である。したがって、本試験におけるCIAの動物モデルもRFを重要な生化学指標としている。過去の研究では、ヒトまたはラットの血清中のRFは、ELISA法(Vittecoqら、2001;Jonssonら、1986)を使用して分析をすることができると指摘していた。本研究では、過去の分析法に基づいて一部改善をし、ラット血清RF分析のための科学技術の基盤を再構築した。分析結果により、図6に示すように、2回の抗原注入後20日目で、ラットの血清RFの力価は全てピークに達することが示されているが、20日目と比較して、PAおよびインドメタシンを投与した群の血清RF値は、35日目にそれぞれ33%および47%減少し、45日目には、それぞれ39%および51%さらに減少した。そのうえ、本研究の知見では、陰性対照群の血清RF値は、20日目から徐々に減少する傾向があり、したがって関節炎の症状がラットにおいてコラーゲンにより誘発された後、症状は軽減し、時間と共に回復する傾向さえもあることが示唆され、その結果、疾患発現の「最盛期」は20日目〜45日目であると考えられる。
V.血清CRPに対する、PA連続投与の効果
血清CRPは主に肝臓によって作られ、全身性炎症反応を起こす指標であり、急性炎症中、血清に現れる最も重要な反応物である。RA患者血清中のCRP濃度、ならびにIL−1およびTNF−αの生成は、関節炎障害の発現に密接に関係していることが、一部の文献で言及されている(Nakamu、関節リウマチ、2000)。本研究の結果によると、2回の抗原免疫注射後、ラット血清中のCRP濃度は、図7に示すように有意に増加し、35日目でピークに達し、正常の群(P<0.01)と比較して有意差を有することが示されている。さらに、35日目にPA−Hおよびインドメタシンを連続的に投与した後、CIAラットでは血清CRP濃度を効果的に抑制できることが判明したが、45日目でもまだ同様の効果があるため、PA−Hを投与すると、インドメタシンと同様の臨床的抗炎症剤投与の治療効果があることを示唆している。PA−Lを投与しても、有意な炎症抑制効果は全くない。
VI.PECサイトカインの変化
PA抗腫脹または抗炎症効果があるか否かを評価する、上記のいくつかの重要な生化学指標の他に、RA症状が生じる前後のラットの状態変化をさらに容易に理解するために、本研究は炎症反応におけるサイトカイン分泌の効果もさらに調査するが、TNF−α、IL−6、およびIL−1βなどの炎症性サイトカインは最も重要な指標である。即ち体内のこれらサイトカインの量が炎症反応に密接に関係している。本研究の結果により、CIAラットにPA−Hを与えることで、PECがTNF−αおよびIL−1β(図8に示すように)、ならびにIL−6(図9に示すように)を分泌するのを有意に抑制できることが実証されている。そのうえ、インドメタシンを投与すると、PECが炎症性サイトカインを分泌するのを抑制する効果がなかったので、インドメタシン効果のメカニズムはこれを対象としていなかったと考えられ、したがって、抗腫脹または抗炎症剤の使用におけるPAの適用価値がさらに重視される。
上記により、本発明の薬剤と対照群のインドメタシンとの比較で、高濃縮PA粗抽出物の薬効性が、インドメタシン2.5mg/kgと同等であることがわかる。さらに、インドメタシンはCOXの抑制剤であり、その医薬的効果は、現れたサイトカインの抑制現象に対し、PAの効果とは異なると思われる。
実施例3:カラム分離精製を使用して得られるPA抽出物(PA−EtOH、PA−Fl、PA−F2、PA−F3、およびPA−F4)
PAの乾燥材料を2kg取り、10倍の高濃度エタノールに24時間浸漬し、ろ過した後、再度10倍の高濃度エタノールに24時間浸漬した。この後、PA抽出液を、回転濃縮機による減圧下、元の容量の2〜3%まで濃縮、乾燥して粉末にし、PA−EtOHと命名する。重量は30g、収率は1.5%であった。
溶媒で希釈後、予備処理したDIAIONカラムに注入した。乾燥薬草の約10倍の容量の高極性溶媒で洗浄後、溶出物を回収し、PA−Flと命名した。重量は8.5g、収率は0.43%であった。
該カラムを、乾燥薬草の約5〜10倍の容量の準高極性溶媒で洗浄後、溶出物を回収し、PA−F2と命名した。重量は12g、収率は0.6%であった。HPLCパターンを図10に示す。
該カラムを、乾燥薬草の約5〜10倍の容量の中極性溶媒で再度洗浄後、溶出物を回収し、PA−F3と命名した。重量は15g、収率は0.75%であった。
該カラムを、乾燥薬草の約5〜10倍の容量の低極性溶媒で再度洗浄後、溶出物を回収し、PA−F4と命名した。重量は12g、収率は0.6%であった。
実施例4:RA動物の治療用PA抽出物の動物試験
本動物試験において、使用した試験動物および器具は、実施例2で開示したものと同じである。
[薬物]
1.コラーゲンII型(Sigma C−1188):ウシの気管軟骨から得た
2.完全フロイントアジュバント:CFA(BD BBL(登録商標)231131)
3.不完全フロイントアジュバント:IFA(BD BBL(登録商標)263910)
4.インターロイキン6(IL−6)およびインターロイキン1β(IL−1β)(R&D、Duoset)のELISAキット
5.Celebrex(CBX)
6.実施例3のPA抽出物(PA−EtOH、PA−Fl、PA−F、PA−F3、およびPA−F4)を、それぞれ実際の体重に基づき、ラットに直接経口投与した。
[手順]
1.抗原処方および免疫注射
動物試験計画を図11に示す。ウシコラーゲンII型を、0.1M酢酸溶液に溶解し、完全に溶解するまで攪拌し、濃度1.5および3mg/mlの溶液に処方し、後で使用するために4℃で保存した。一次免疫注射として、CII溶液100μlを等量のCFAで乳化し、乳化が完了した後、ラットの尾根部に皮下注射(200μl/ラット)した。一次免疫化後、ラットの体重を3日毎に記録し、四肢に腫脹が起こるか否かを見つけるためにラットを観察した。約15日後、二次免疫化を行った。CII溶液100μlを等量のIFAで乳化し、乳化が完了した後、ラットの尾根部に皮下注射(200μl/ラット)した。およそ18日目から、関節炎の症状が観察され(CIAラット)、PAおよびCBXを19日目から38日目まで投与した。
2.動物の群分けおよび治療

Figure 2008069143
[結果および考察]
I.ラットの体重変化
図12に示すように、各群における正常のラットおよびCIAラットの体重間に、明確な差はなかった。蒸留水を投与した対照群と比較して、PA−EtOH、PA−F2、およびPA−F4を投与したラットの方が、体重が重い。
II.最大関節炎指数
図13に示すように、コラーゲンにより誘発されたラットの関節炎指数は、およそ31日目でピークに達するが、PA−EtOH、PA−F1、PA−F2、PA−F3、PA−F4、およびCBXを投与したラット群では、関節炎指数を効果的に減少することができた。その中で、PA−F1およびCBXの結果が最も好ましい。
III.関節腫脹度
関節炎の症状は、ラットの二次免疫注射後およそ20日目で連続的に生じ、四肢の関節部位をノギスで実際に測定した。関節腫脹率は引き続き増加し、27日目に最高64%に達した。図14に示すように、正常の群と比較して有意な差がある。しかし、PA−EtOH、PA−F1、PA−F2、PA−F3、PA−F4、およびCBXを投与したラットは全て、関節腫脹の抑制効果を示した。その中でPA−F1およびCBXの効果は依然として最も好ましく、PA−F1がCBXと同様の抗炎症効果を有し得ることを示している。
IV.血清RFに対する、PAの連続投与の影響
分析結果により、図15に示すように、2回の免疫注射後18日目で、ラットの血清RFの力価は全て、ピークに達することが示されている。しかし、PA−F2およびCBXを投与した群では、PA−F2によりRF値が30日目に約34%、37日目に約44%減少する一方、CBX治療により、RF値が30日目に約52%、37日目に約66%減少し、18日目と比較して、血清RF値はそれぞれ有意に減少した。
V.PECサイトカインの変化
本研究結果により、PA−F2、PA−F3、およびPA−F4をCIAラットに与えることで、PECがIL−6を分泌するのを(図16に示すように)有意に抑制し、PA−F1、PA−F2、およびCBXをCIAラットに与えることで、PECがIL−1βを分泌するのを(図17に示すように)有意に抑制することが実証されている。
[結論]
上記動物の作用度の分析結果を、表Iにまとめる。

Figure 2008069143
実施例5:ラットマクロファージのin vitro細胞モデルの分析
I.TNF−αおよびIL−1βの濃度決定方法
[目的]
ラットのマクロファージRAW264.7細胞培養におけるTNF−αおよびIL−1βの濃度を測定し、それにより、LPS誘発α合成を抑制できる活性成分を選別した。
[器具および材料]
1.機器
(1)ELISA読取機
(2)遠心分離機
2.アッセイキットDY410:ラットTNF−α/TNFSF1A(ELISAキット)(R&D、Duoset)
(1)担体タンパク質非含有のヤギ抗ラットTNF−αまたはIL−1β抗体:リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中0.8μg/ml
(2)ビオチン化ヤギ抗ラットTNF−αまたはIL−1β抗体:希釈剤中150ng/ml
(3)希釈剤中の組換ラットTNF−αまたはIL−1β:2000pg/ml
(4)ストレプトアビジンHRP
3.必要な溶液
(1)PBS:塩化ナトリウム137mM、塩化カリウム2.7mM、リン酸水素二ナトリウム(NaHPO)8.1mM、リン酸二水素カリウム(KHPO)1.5mM、pH7.2〜7.4
(2)洗浄緩衝液:PBS中、0.05%Tween20
(3)ブロッキング緩衝液:PBS中、1%BSA、5%ショ糖、0.05%アジ化ナトリウム(NaN
(4)希釈剤:PBS中、1%BSA
(5)基質溶液:1:1の発色試薬Aと発色試薬B(R&D 系統#DY999)との混合物
(6)停止溶液:2N硫酸
4.薬物
(1)グリース試薬:5%リン酸中の1%スルファニルアミドおよび0.1%N−(1−ナフチル)−エチレンジアミン
(2)標準液:亜硝酸ナトリウム
(3)免疫促進剤:リポ多糖類(LPS)
(4)活性調節剤:ニトロ−L−アルギニンメチルエステル(L−NAME)、インドメタシン
(5)培養液:DMEM中10%ウシ胎児血清(FCS)
(6)PBS
(7)トリプシン
5.細胞:RAW264.7
[方法]
1.細胞培養およびプレーティング:
(1)T−75中の古い培養液を取り出し、PBSで1〜2回洗浄、トリプシン3mlを添加し、37℃で3分間反応させた後、培地7ml(10%FCSを添加したDMEM)を添加してトリプシン作用を中止させた。
(2)1000rpmで遠心分離機を使用し、4℃で10分間遠心分離して、トリプシン含有培地を除去した。培地10mlを添加し、完全に混合して、細胞を数えた。
(3)RAW264.7細胞を、細胞密度5×10細胞/ウェルで、24ウェルプレートに播種し、5%二酸化炭素中、37℃でインキュベートした。
2.LPS促進剤および薬物療法
(1)L−NAMEおよびインドメタシン(活性調節剤)、ならびに試料を、LPS1μg/mlを含むフェノールを含有しない培養液に添加した。
(2)古い培養液を取り出し、LPSおよび活性調節剤を含む新鮮培地または試料に変えた。これを3回繰り返した。5%二酸化炭素中、37℃で18〜24時間インキュベートした。
3.サンドイッチELISAの処方
(1)捕獲抗体100λ(PBS中0.8μg/mlまで希釈)を、96ウェルプレートの各ウェルに添加し、室温でシールして、終夜インキュベートした。
(2)遊離している捕獲抗体を除去した後、洗浄緩衝液で3回洗浄した。ブロッキング緩衝液300λを添加、室温で少なくとも1時間インキュベートし、非特異的結合を減少させた。
(3)細胞懸濁液を回収、遠心分離機を使用し、4℃で10分間、10krpmで遠心分離した後、−20℃で保存した。
4.ELISA分析
(1)ブロッキング緩衝液を除去した後、洗浄緩衝液で3回洗浄した。適当に希釈した細胞培養または標準液100λ(最高濃度は2000pg/mlであった)を添加し、室温で2時間インキュベートした。
(2)細胞培養または標準液を除去した後、洗浄緩衝液で3回洗浄した。検出抗体100λ(溶媒に100ng/mlまで希釈)を添加し、室温で2時間インキュベートした。
(3)遊離している検出抗体を除去した後、洗浄緩衝液で3回洗浄した。ストレプトアビジンHRPの希釈作用溶液100λを添加し、室温で20分間、遮光してインキュベートした。
(4)遊離しているストレプトアビジンHRPを除去した後、洗浄緩衝液で3回洗浄した。基質溶液100λを添加し、室温で20分間、遮光してインキュベートした。
(5)停止溶液100λを添加し、穏やかに振盪して完全に混合した。
(6)O.D値を波長450nmで読み取った後、540nmまたは570nmの較正が推奨された、あるいは570nm(または540nm)での読み取り値を、450nmでの読み取り値から直接減じた。
II.NOの決定
[目的]
ラットのマクロファージRAW264.7細胞培養における亜硝酸(NO)の濃度を測定し、それによりLPS誘発NO合成を抑制することができる活性成分を選別した。
[器具および材料]
1.機器
(1)ELISA読取機
(2)遠心分離機
2.薬物
(1)グリース試薬:5%リン酸中1%スルファニルアミドおよび0.1%N−(1−ナフチル)−エチレンジアミン
(2)標準液:亜硝酸ナトリウム
(3)免疫促進剤:リポ多糖類(LPS)
(4)活性調節剤:ニトロ−L−アルギニンメチルエステル(L−NAME)、インドメタシン
(5)培養液:DMEM中10%ウシ胎児血清(FCS)
(6)PBS
(7)トリプシン
3.細胞:RAW264.7
[方法]
1.細胞培養およびプレーティング:
(1)T−75中の古い培養液を取り出し、PBSで1〜2回洗浄、トリプシン3mlを添加し、37℃で3分間反応させた後、培地7ml(10%FCSを添加したDMEM)を添加して、トリプシンの作用を中止させた。
(2)1000rpmで遠心分離機を使用し、4℃で10分間遠心分離して、トリプシン含有培地を除去した。培地10mlを添加し、完全に混合して、細胞を数えた。
(3)RAW264.7細胞を、細胞密度5×10細胞/ウェルで、24ウェルプレートに播種し、5%二酸化炭素中、37℃でインキュベートした。
2.LPS促進剤および薬物療法
(1)L−NAMEおよびインドメタシン(活性調節剤)、ならびに試料を、LPS1μg/mlを含むフェノールを含有しない培養液に添加した。
(2)古い培養液を取り出し、LPSおよび活性調節剤を含む新鮮培地または試料に変えた。これを3回繰り返した。5%二酸化炭素中、37℃で18〜24時間インキュベートした。
(3)細胞懸濁液を回収、遠心分離機を使用し、4℃で10分間、10krpmで遠心分離した後、−20℃で保存した。
3.NO濃度の測定
(1)標準液の処方:亜硝酸ナトリウム100μM/mL(培養液に溶解)を配合し、2倍ずつに希釈して、それぞれ濃度が50、25、12.5、6.25、3.13、および1.56μM/mLの標準液を合計7種得た。
(2)該標準液または細胞培養の上澄みを、グリース試薬と1:1で混合し、室温で15分間、遮光してインキュベートした。
(3)O.D値を波長550nmで読み取った。
III.プロスタグランジンE2(PGE)の決定
RAW264.7細胞を、細胞密度10細胞/ウェルで、24ウェルプレートに播種し、終夜(16〜24時間)インキュベートした。活性調節剤および試験試料は、LPS1μg/mlを含むフェノールを含有しない培養液にそれぞれ添加した。古い培地を除去した後、試験試料およびLPSを含む新鮮培地1mlを添加して、同時インキュベーションした。24時間後、遠心分離機を使用し、1000rpmで10分間それらを遠心分離した。上澄みを吸出し、−20℃で保存するか、または上澄みの中のPGE含有量を、PGECorrelate−EIAキット(Amersham RPN222)を使用して直接定量化した。
[結論]
上記細胞モデルの分析結果を、表IIにまとめる。

Figure 2008069143
PA抽出物は、LPSにより誘発されるラットのマクロファージ炎症を阻止することができる。PA−F1は、LPSから誘発された赤みを帯び腫脹した炎症細胞により生じたTNF−αを有意に抑制することができ、PA−F2は、IL−1βにより起こる作用を抑制することができるのに対して、PA−F3は、COXの生成物であるPGEを抑制することができる。
上記のように、本発明で使用したPA粗抽出物または抽出物は、直接搾汁またはカラム分離により得られ、外用または経口使用し得る非常に安全な薬草である。さらに、経口で投与する場合、PA粗抽出物または抽出物は、免疫アジュバントと共に、コラーゲンを原因とする自己免疫疾患および関連した生化学の動物障害を、効果的に抑制することができ、それにより、PA粗抽出物または抽出物は、潜在的な抗腫脹または抗炎症効率を有し、RA治療に有効に使用できることが、RAラットモデルにより本発明で実証されている。
実施例1におけるPA粗抽出物のHPLCパターン図である。 実施例2における動物試験の計画を例証する表である。 CIAラットの体重に対する、PA粗抽出物を投与する効果を例証するグラフである。 CIAラットの関節炎指数に対する、PA粗抽出物を投与する効果を例証するグラフである。 CIAラットの関節炎膨張度に対する、PA粗抽出物を投与する効果を例証するグラフである。 CIAラットの血清RFに対する、PA粗抽出物を投与する効果を例証するグラフである。 CIAラットの血清CRPに対する、PA粗抽出物を投与する効果を例証するグラフである。 CIAラット腹腔中のサイトカインTNF−αおよびIL−1βに対する、PA粗抽出物を投与する効果を例証するグラフである。 CIAラット腹腔中のサイトカインIL−6に対する、PA粗抽出物を投与する効果を例証するグラフである。 実施例3におけるPA抽出物PA−F2のHPLCパターン図である。 実施例4における動物試験の計画を例証する表である。 CIAラットの体重に対する、PA抽出物を投与する効果を例証するグラフである。 CIAラットの関節炎指数に対する、PA抽出物を投与する効果を例証するグラフである。 CIAラットの関節炎膨張度に対する、PA抽出物を投与する効果を例証するグラフである。 CIAラットの血清RFに対する、PA抽出物を投与する効果を例証するグラフである。 CIAラット腹腔中のサイトカインIL−6に対する、PA抽出物を投与する効果を例証するグラフである。 CIAラット腹腔中のサイトカインIL−1βに対する、PA抽出物を投与する効果を例証するグラフである。

Claims (11)

  1. 治療有効量のプレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Sprengの粗抽出物または抽出物と、薬学上許容可能な担体とを含む、関節リウマチの治療用薬剤組成物。
  2. カプセル、錠剤、散剤、軟膏、水薬、またはスプレーの形態を有する、請求項1に記載の薬剤組成物。
  3. 前記プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Spreng粗抽出物が、プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Sprengを直接搾汁することにより得られる粗抽出物である、請求項1に記載の薬剤組成物。
  4. 前記プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Spreng抽出物が、プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Sprengを極性溶媒に浸漬し、濃縮した後、カラム分離により得られる抽出物である、請求項1に記載の薬剤組成物。
  5. プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Sprengを極性溶媒に浸漬することにより得られる前記抽出物が、下表の保持時間を有するHPLCピークを有し、
    Figure 2008069143

    前記HPLCが下記の条件:
    流量:1.0ml/分 圧力限界:250kgf/cm
    試料注入:10μl
    PDA条件:
    サンプリング:0.64秒
    波長領域:190〜370nm
    uv波長:254nm
    溶出パターン:
    Figure 2008069143

    の下で行われる、
    請求項4に記載の薬剤組成物。
  6. 前記抽出物が、
    高極性溶媒で洗浄し、溶出緩衝液を回収することと、
    乾燥材料容量の約5〜10倍の容量の準高極性溶媒で洗浄し、溶出緩衝液を回収することと、
    乾燥材料容量の約5〜10倍の容量の中極性溶媒で洗浄し、溶出緩衝液を回収するステップことと、
    乾燥材料容量の約5〜10倍の容量の低極性溶媒で洗浄し、溶出緩衝液を回収すること
    によってカラム分離を受ける、請求項4に記載の薬剤組成物。
  7. 乾燥材料容量の約5〜10倍の容量の準高極性溶媒で洗浄される前記プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Spreng抽出物が、下表の保持時間のHPLCピークを有し、
    Figure 2008069143

    HPLCが下記の条件:
    流量:1.0ml/分 圧力限界:250kgf/cm
    試料注入:10μl
    PDA条件:
    サンプリング:0.64秒
    uv波長:254nm
    溶出パターン:
    Figure 2008069143

    の下で行われる、
    請求項6に記載の薬剤組成物。
  8. 関節リウマチ治療用薬物の製造における、プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Sprengの粗抽出物または抽出物の使用。
  9. 前記薬物が、カプセル、錠剤、散剤、軟膏、水薬、またはスプレーの形態を有する、請求項8に記載の使用。
  10. 前記プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Spreng粗抽出物が、プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Sprengを直接搾汁することにより得られる粗抽出物である、請求項8に記載の使用。
  11. 前記プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Spreng抽出物が、プレクトランサスアンボイニクス(Lour.)Sprengを極性溶媒に浸漬し、濃縮した後、カラム分離により得られる抽出物である、請求項8に記載の使用。
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