JP2002510707A - 環状並べ換えビオチン結合タンパク質 - Google Patents

環状並べ換えビオチン結合タンパク質

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JP2002510707A JP2000542353A JP2000542353A JP2002510707A JP 2002510707 A JP2002510707 A JP 2002510707A JP 2000542353 A JP2000542353 A JP 2000542353A JP 2000542353 A JP2000542353 A JP 2000542353A JP 2002510707 A JP2002510707 A JP 2002510707A
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Abstract

(57)【要約】 環状並べ換えタンパク質が記載され、ここでポリペプチドの天然の末端が連結され、そして生じた環状タンパク質が別の位置で開環して、新しいC末端およびN末端を生成する。生じるタンパク質は、例えば、基質結合の減少のような、いくつかの変化した特性を示す。融合タンパク質が、これらの新しく作製された末端に第2のポリペプチドを結合させることによって、この環状並べ換えタンパク質から作製され得る。この融合タンパク質は、天然の末端に第2のポリペプチドを結合させることによって作製した融合タンパク質から変化した特性を有する。例えば、第2のペプチドまたはタンパク質は、その基質または意図する標的により接近しやすい位置に結合され得る。好ましい実施態様において、基本となるポリペプチドは、ストレプトアビジンである。ストレプトアビジンの環状並べ換えは、環状並べ換えビオチン結合タンパク質を生じる。1つの実施態様において、ビオチンの結合のために重要な可撓性ポリペプチドループは、環状並べ換えタンパク質の作製によって開環された。もともとの末端(配列番号1の残基13および139)は、リンカーによって連結された。ビオチン結合定数は、野生型ストレプトアビジンのビオチン結合定数よりもおよそ6桁低い107-1まで減少した。環状並べ換えストレプトアビジンの融合タンパク質は、第2のペプチド/タンパク質(例えば、IgG結合プロテインAまたは単鎖抗体)を用いて作製され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、改変されたストレプトアビジンの分野、より詳細には、ストレプト
アビジン融合タンパク質の分野に関し、ここで基本となるポリペプチドは、環状
並べ換え(circularly permuted)ループを有する。
【0002】 (発明の背景) 融合タンパク質は、単一のポリペプチド鎖中にともに融合された2つ以上のポ
リペプチドからなるポリペプチド鎖である。例えば、ストレプトアビジンのビオ
チン結合能と第2のタンパク質(例えば、IgG結合プロテインA(Sanoお
よびCantor、Bio/Technology 9:1377−1381(
1992)およびSanoらに与えられた米国特許第5,328,985号)、
メタロチオネイン(Sanoら、P.N.A.S.USA 89:1534−1
538(1992))、単鎖抗体(Dubelら、J.Immul.Metho
ds.178:201−209(1995))およびヒト低密度リポタンパク質
(LDL)レセプター(Cantorらに与えられた米国特許第4,839,2
93号))のビオチン結合能を合わせたストレプトアビジン融合タンパク質が報
告されている。これらのタンパク質は、第2のタンパク質に結合された野生型ス
トレプトアビジンを含む。ビオチンのストレプトアビジンへの強力な結合は、実
質的に維持されている。
【0003】 ストレプトアビジンの、ビオチンについての高アフィニティー(約2.5×1
13-1のKa)は、多くの現存する診断および分離技術、ならびに標的化され た薬物/可視化剤送達系において有利に利用され得る。しかし、ビオチンに対す
るストレプトアビジンの極度に高いアフィニティーは、ストレプトアビジンまた
はビオチン化標的の可逆的な固定化が究極的に望ましい適用においては有害であ
り得る。1つの重要な実例はアフィニティー分離であり、ここでビオチン化標的
分子が、ストレプトアビジンを用いて捕獲され、そしてここで続くビオチン化標
的または捕獲剤(例えば、抗体)の放出および再利用が所望される。同様に、薬
物送達適用においては、ストレプトアビジン−ビオチン系は標的化および/また
は送達成分を形成し、例外的に遅いビオチン解離反応速度論が、治療標的へのビ
オチン化された可視化剤または薬剤の拡散を利用する可能な適用を制限し、そし
てまた、ビオチン化された可視化剤の遅いインビボのクリアランスを生じ得る。
【0004】 多くの他の高アフィニティータンパク質−リガンド系と共通して、ストレプト
アビジンは、以下の3つの鍵となる分子認識メカニズムをそのビオチンとの相互
作用において利用する:広範な水素結合ネットワーク、いくつかの直接的な芳香
族側鎖の接触、およびビオチン結合部位の近くの可撓性ループ。可撓性ループは
、レセプターおよび酵素の結合部位または活性部位の近くでしばしば見い出され
る、タンパク質構造エレメントである。多くの可撓性ループとともに、リガンド
結合は、非結合状態からリガンド結合状態に移る際のオープンからクローズドへ
の(または無秩序から秩序への)コンホメーションの変化を伴う(Noble
MEMら、(1993)Proteins 16:311−326;Wiere
nga RKら、(1991)Proteins 10:33−49;Mort
on Aら、(1995)Biochemistry 34:8576−858
8;Tanaka Tら、(1992)Biochemistry 31:22
59−2265;およびFalzone CJら、(1994)Biochem
istry 33:439−442)。このループは、おそらくリガンドの結合
および解離の開閉において、重要な役割を果たしているが、その分子認識に対す
るエネルギー的な寄与については、未知のままである。結合の自由エネルギーは
、ループの秩序のエントロピー的な損失/利得のバランス、および埋もれている
非極性表面領域のエンタルピー的な利得を有する結合水の遊離、ならびに結合性
の接触の確立の結果である。タンパク質−リガンド相互作用は、タンパク質フォ
ールディングに関連するエネルギー性のサインに類似するエネルギー性のサイン
の原因となることが予想される。Murphy KPら、(1993)Prot
eins 15:113−120;Spolar RSら、(1994)Sci
ence 263:777−784。
【0005】 ビオチン結合に伴う顕著な特色は、可撓性結合ループのコンホメーションの変
化である(Hendrickson WAら(1989)Proc Natl
Acad Sci USA 86:2190−2194;Weber PCら(
1989)Science 243:85−88)。コアストレプトアビジン中
の可撓性ループの結晶学的研究が報告された(Freitag Sら(1997
)Protein Sci.6:1157−1166)。そのループ(配列番号
1の残基45〜52)は、ビオチンの存在下でクローズドコンホメーションにあ
り、そしてアポ−ストレプトアビジン中ではオープンコンホメーションにある。
残基49〜52(配列番号1)は、310ヘリックスにおいて見い出され、そして
オープンコンホメーションは、残基45と52(配列番号1)の間の水素結合相
互作用によって安定化されている。正方晶の結晶形において、これらの残基は、
オープンコンホメーションの秩序を乱す(Weber PCら(1989)Sc
ience 243:85−88)。Ser45(配列番号1)は、β鎖を終端
させてループへと導き、そしてこの残基の側鎖の酸素は、ビオチンのウレイド−
酸素の1つと水素結合し、そしてAsn49(配列番号1)の骨格アミド窒素は
、ビオチンのカルボン酸と水素結合する。このループの再配列および/または欠
失は、多くの変化、特に基質の結合の変化に導き得る。多くの酵素について、結
合特性を変化させること、例えば、結合アフィニティーを増大または減少させる
ことは有用であり得る。
【0006】 環状並べ換えは1つの技術であり、ここでポリペプチドの正常な末端が連結さ
れ、そして、バックボーンの他の場所を開裂することによって、新しい末端が作
製される。多くのポリペプチドにおいて、正常な末端は密接に近接しており、そ
して短いアミノ酸配列によって連結され得る。ポリペプチドバックボーンにおけ
る開裂は、任意の場所であり得、好ましくは天然の機能およびポリペプチドのホ
ールディングが破壊されない場所においてである。環状並べ換えは、新しいC末
端およびN末端を作製し、これは融合タンパク質の作製を可能にし、ここでその
融合ペプチドまたはタンパク質は、宿主タンパク質上の異なる場所で結合される
。例えば、天然の末端が、基本となるタンパク質の内部にある場合、この天然の
末端においてペプチドまたはタンパク質を結合することは、破壊的であり得る。
宿主タンパク質の外部に近い場所に結合位置を変更することによって、宿主タン
パク質の安定性は維持され得る。いくつかの状況において、結合部位の近くのル
ープの破壊は、有利に基質結合を破壊し得る。
【0007】 野生型ストレプトアビジンよりも、ビオチンに対して低い結合アフィニティー
を有するストレプトアビジン変異体を提供することは有利である。
【0008】 野生型ストレプトアビジンを含む融合タンパク質よりも、ビオチンに対して低
い結合アフィニティーを有するストレプトアビジン融合タンパク質を提供するこ
とは有利である。
【0009】 第2のペプチドまたはタンパク質がより有用な位置において結合されている、
ストレプトアビジン融合タンパク質を提供することは有利である。
【0010】 (発明の要旨) 環状並べ換えタンパク質が記載され、ここでポリペプチドの天然の末端が連結
され、そして生じた環状タンパク質が別の位置で開環して、新しいC末端および
N末端を生成する。生じるタンパク質は、例えば、基質結合性の低下のような、
いくつかの変化した特性を示す。融合タンパク質が、これらの新しく作製された
末端に第2のポリペプチドを結合させることによって、この環状並べ換えタンパ
ク質から作製され得る。これらの融合タンパク質は、天然の末端に第2のポリペ
プチドを結合させることによって作製した融合タンパク質に由来する変化した特
性を有する。例えば、第2のタンパク質またはペプチドは、その基質または意図
する標的により接近しやすい位置に結合され得る。好ましい実施態様において、
基本となるポリペプチドは、ストレプトアビジンである。ストレプトアビジンの
環状並べ換えは、環状並べ換えビオチン結合タンパク質を生じる。1つの実施態
様において、ビオチンの結合のために重要な可撓性ポリペプチドループは、環状
並べ換えタンパク質の作製によって開環された。もともとの末端(配列番号1の
残基13および139)は、リンカーによって連結された。ビオチン結合定数は
、野生型ストレプトアビジンのビオチン結合定数よりもおよそ6桁低い107- 1 まで減少した。環状並べ換えストレプトアビジンの融合タンパク質は、第2の ペプチド/タンパク質(例えば、IgG結合プロテインAまたは単鎖抗体)を用
いて作製され得る。
【0011】 (発明の詳細な説明) (1.環状並べ換えタンパク質の設計) 環状並べ換えタンパク質は、伝統的な欠失変異体を使用しても利用不可能な方
法で、ループ再配列またはリガンド結合の除去の生物物理学的な結果を研究する
ための実験的な手段を提供した。環状並べ換えタンパク質は、以前にタンパク質
のフォールディングの問題を研究するために使用され(Yang Yら(199
3)Proc Natl Acad Sci US.90:11980−119
84;Graf Rら(1996)Proc Natl Acad Sci U
SA 93:11591−11596)、そして天然に存在する環状並べ換えタ
ンパク質および合成の環状並べ換えタンパク質が同定された(Heineman
n Uら(1995)Prog Biophys Molec Biol 64
:122−143;Lindqvist Yら(1997)Curr Opin
ioin Struc Biol 7:422−427;Goldenberg
DPら(1983)J Mol Biol 164:407−413;Lug
er Kら(1989)Science 243−206−209)。Past
anらに与えられた米国特許第5,635,599号は、環状並べ換えインター
ロイキン4(IL4)から作製された融合タンパク質を開示する。
【0012】 環状並べ換え体は、一般的に、選択された場所においてポリペプチド鎖を破壊
することによって作製され、新しい末端を作製し、そして直接的に、またはアミ
ノ酸リンカーのようなリンカーを通してのいずれかで、2つの天然の末端を架橋
する。従って、環状並べ換えは、タンパク質のアミノ酸の配列および同一性を本
質的に保存する効果を有する一方、異なる位置に新しい末端を生成する。さらに
、タンパク質の三次構造は、一般的に保存されている。環状並べ換えタンパク質
は、化学的に作製され得るが、好ましくは組換え技術によって作製される。
【0013】 ネイティブな生物学的活性を保持している環状並べ換えタンパク質の作製のた
めの2つの一般的な必要要件が存在する:1)ネイティブなタンパク質における
末端は、連結の作製が生物学的活性を破壊しないように好ましく配置されなけれ
ばならない;および2)新しい末端が、タンパク質フォールディングおよび所望
の生物学的活性に決定的な領域を破壊することなく形成され得る、「開裂部位」
が存在しなくてはならない。いくつかの場合(例えば、ストレプトアビジン)に
おいて、生物学的活性(例えば、ストレプトアビジンの場合におけるビオチン結
合)を改変することが所望される。
【0014】 (ネイティブ末端間のリンカー) 一般的に、リンカーは、2つの反応性の部位を含む分子であり、その1つはカ
ルボキシル末端アミノ酸と共有結合を形成し、そしてもう1つはアミノ末端アミ
ノ酸と共有結合を形成する。適切なリンカーは当業者に周知であり、そしてそれ
らには、直鎖状炭素リンカー、分枝鎖炭素リンカー、複素環炭素リンカー、また
はペプチドリンカーが含まれる。最も一般的かつ単純な例は、ペプチド結合を通
して連結されたいくつかのアミノ酸からなる、ネイティブなタンパク質の末端に
結合するペプチドリンカーである。このリンカーはその側鎖基を通して(例えば
、システインに対するジスルフィド結合を通して)末端アミノ酸に連結され得る
。しかし、好ましい実施態様においては、リンカーは、ペプチド結合を通して、
末端アミノ酸のα炭素アミノ基およびカルボキシル基に連結される。リンカーの
長さは、リンカーを形成するアミノ酸の数によって決定される。一般的に、中性
アミノ酸および/または小さな側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アラ
ニン、およびセリン)が好ましい。
【0015】 特に分子のネイティブな生物学的活性を維持または改善することが所望の場合
に、並び換えられていないか、またはネイティブな分子に比較し得る末端間の間
隔を保存するリンカーを使用することが好ましい。このことが重要でない場合に
は、リンカーの長さまたは特性は、重要でないかもしれない。リンカーの長さお
よび特性はまた、連結される末端が活性部位の近くに位置する場合に、おそらく
より重要である。
【0016】 環状並べ換えストレプトアビジンについては、リンカーは、好ましくは約1〜
6アミノ酸である。最も好ましくは、リンカーは3つのグリシン残基および1つ
のセリン残基からなるテトラペプチドであり、その順番はGly−Gly−Gl
y−Ser(配列番号2)である。最初のグリシンは、ネイティブタンパク質の
カルボキシル末端アミノ酸Ser139(配列番号1)に結合されており、そし
てセリンは、ネイティブタンパク質のアミノ末端アミノ酸Ala13(配列番号
1)に結合されている。
【0017】 本明細書中において、好ましい実施態様は、野生型ストレプトアビジン由来と
して記載されるが、本明細書中に記載される環状並べ換え体および融合タンパク
質が、ストレプトアビジン変異体のような野生型ストレプトアビジンの改変を伴
って作製され得ることは、当業者に当然明らかである。ストレプトアビジン(野
生型、変異体、または改変体を含む)の環状並べ換えに基づく、開示された環状
並べ換えタンパク質は、環状並べ換えビオチン結合タンパク質または環状並べ換
えストレプトアビジンと呼ばれ得る。他に示されない限り、または文脈から明ら
かでない限り、用語ストレプトアビジンは、野生型ストレプトアビジン、変異型
ストレプトアビジン、または改変体ストレプトアビジンを含む、ストレプトアビ
ジンの全ての形態を含むように意図される。
【0018】 (開裂部位) 開裂部位の選択は、多数の因子によって決定され得る。1つの因子は、生物学
的機能が保存されるべきであるかまたは変更されるべきであるかということであ
る。生物学的機能が変更されるべきである場合、開裂部位は、活性部位から離れ
れ、そして他の構造または機能的に重要な部位から離れるべきである。例えば、
好ましい開裂部位は、非常に規則的な三次元構造(例えば、αヘリックス、プリ
ーツシート、βバレル構造など)を示さない領域に位置する。しかし、目的が、
生物学的機能を変更することである場合、活性部位付近で分子を開裂することが
より有利であり得る。例えば、ストレプトアビジンのビオチン結合親和性を低下
させるために、開裂部位は、ビオチン結合に関与するアミノ酸を含むビオチン結
合部位の付近の可撓性ループ上に位置し得る。このループは、アミノ酸45〜5
2(配列番号1)を含む。好ましい実施態様では、残基47〜50は、ループ(
配列番号3の残基1〜4)から除去される。
【0019】 (2.融合タンパク質の設計) 本明細書中に記載される融合タンパク質は、別のポリペプチド(第2のポリペ
プチド)に連結された環状並べ換えポリペプチド(基本ポリペプチド)を含む。
この2つのタンパク質は、直接一緒に融合され得るか、またはスペーサー(例え
ば、ペプチドスペーサー)を用いて連結され得る。このペプチドスペーサーは、
約1〜約40の残基長の範囲であり得る。基本ポリペプチドおよび第2のポリペ
プチドの両方の全てまたは一部の生物学的活性を保持することが望ましい。スペ
ーサーの長さおよび特徴は、この目的を達成する際に重要である。一般に、この
融合タンパク質は、他の融合タンパク質について当業者に公知の方法によって生
成され得る。例えば、ネイティブのストレプトアビジンに対するポリペプチドの
融合についての、Cantorらに対する米国特許第4,839,293号およ
びSanoらに対する米国特許第5,328,985号に教示される方法が用い
られ得る。
【0020】 (第2のポリペプチド) 第2のポリペプチドは、任意のポリペプチドであり得、そして好ましくは、生
物学的機能を有するポリペプチド(例えば、抗体、抗体フラグメント、IgG結
合性プロテインA、ホルモン、酵素、放出因子、リガンド、増殖因子、レセプタ
ー(例えば、LDLレセプター)、またはメタロチオネイン)である。第2のポ
リペプチドはまた、所望される生物学的活性を提供するのに十分である、これら
または別のタンパク質のうちの1つの一部であり得る。
【0021】 第2のタンパク質は、当該分野で公知である通りに精製され得、そして以下で
さらに記載する通りに基本ポリペプチドへ化学的に付着され得る。あるいは、第
2のタンパク質は、基本ポリペプチドについてのポリヌクレオチドおよび第2の
ポリペプチドについてのポリヌクレオチドを含む融合ポリヌクレオチドから作製
され得る。抗体を環状並べ換えタンパク質に融合する手段は、当業者に周知であ
る。例えば、Batraら,Mol.Cell.Biol.11:200−22
05(1991)、Chaudharyら,Nature 339:394−3
97(1989);Chaudharyら,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 87:1066−1070(1990);およびBrinkma
nnら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8616−8
620(1991)を参照のこと。
【0022】 融合タンパク質の抗体成分は、特定の型の細胞(例えば、癌またはウイルス感
染細胞)に特有の抗原を特異的に結合し得る。融合タンパク質において用いられ
る抗体は、改変または変更された抗体の種々の形態(例えば、インタクトな免疫
グロブリン、軽鎖および/もしくは重鎖の可変領域のみを含むFvフラグメント
、ジスルフィド結合によって連結されるFvフラグメント、可変領域および定常
領域の一部を含むFabもしくは(Fab)’2フラグメント、単鎖抗体、また は抗体の単一のドメイン)を含み得る。抗体は、動物(特にマウスまたはラット
)またはヒト起源の抗体であり得るか、あるいはキメラ抗体もしくはヒト化抗体
であり得る。抗体を生成する方法は、当業者に周知であり、そしてHarlow
およびLane,Antibodies:A Laboratory Manu
al,Cold Spring Harbor Laboratory(198
8)、ならびにAsai,Methods in Cell Biology第
37巻:Antibodies in Cell Biology,Acade
mic Press,Inc.New York(1993)のような刊行物に
おいて記載されることが見出され得る。
【0023】 (スペーサー) 一般に、基本ポリペプチドを第2のポリペプチドへ連結するスペーサーは、そ
れ自体は生物学的活性を有さず、そして融合タンパク質を形成する2つの活性な
タンパク質を連結するため、およびその活性なタンパク質間にいくらかの距離を
提供するためにのみ作用する。しかし、当業者は、スペーサーの残基が、融合タ
ンパク質の特性を最適化するために選択され得ることを認識する。例えば、親水
性アミノ酸を含有するスペーサーは、水溶液中での溶解度を増強し得る。同様に
、スペーサー残基は、融合タンパク質の折畳みに対するそれらの効果について選
択され得る。
【0024】 (3.環状並べ換えポリペプチドおよび融合タンパク質の作製方法) 環状並べ換えタンパク質および融合タンパク質は、当業者に公知の方法を用い
て作製され得る。これらの方法には、化学的合成、既存のタンパク質の修飾、お
よび組換えDNA方法論を用いる、環状並べ換えタンパク質の発現が含まれる。
融合タンパク質は、単一のポリペプチドとして作製され得るか、または第2のペ
プチドが、2つの成分ポリペプチドの別個の合成の後に基本ポリペプチドに付着
され得る。
【0025】 タンパク質が比較的短い(すなわち、約50アミノ酸未満の)場合、環状並べ
換えポリペプチドおよび/または融合タンパク質は、標準的な化学的ペプチド合
成技術を用いて合成され得る。リンカーおよび/またはスペーサーがペプチドで
ある場合、リンカーおよび/またはスペーサーは、合成の間に取り込まれ得る。
リンカーがペプチドでない場合、リンカーは、合成後にペプチドに対してカップ
リングされ得る。同様に、このスペーサーは、基本ポリペプチドおよび第2のポ
リペプチドを独立に生成した後に取り込まれて、基本ポリペプチドと第2のポリ
ペプチドとを連結し得る。配列のC末端アミノ酸が不溶性支持体へと付着され、
続いて配列における残りのアミノ酸が連続的に付加される固相合成は、本明細書
中に記載される環状並べ換えリガンドおよび融合タンパク質の化学合成の好まし
い方法である。化学合成は、一本鎖オリゴヌクレオチドを生成する。この一本鎖
オリゴヌクレオチドは、相補配列とのハイブリダイゼーションによって、または
DNAポリメラーゼとの重合によって、この一本鎖をテンプレートとして用いて
二本鎖DNAへと変換され得る。当業者は、DNAの化学合成についての現行の
方法は、約100塩基の配列を調製することに限定されず、より長い配列が、よ
り短い配列の連結により獲得され得ることを認識する。固相合成についての技術
は、BaranyおよびMerrifield,Solid−Phase Pe
ptide Synthesis;The Peptidesの3−284頁;
Analysis,Synthesis,Biology,第2巻.Speci
al Methods in Peptide Synthesis,第A部,
Merrifieldら,J.Am.Chem.Soc.85:2149−21
56:(1963)、およびStewartら,Solid Phase Pe
ptide Synthesis,第2版 Pierce Chem.Co.,
Rockford,Ill.(1984)によって記載される。
【0026】 あるいは、環状並べ換えタンパク質および/または融合タンパク質は、ネイテ
ィブなまたは既存のタンパク質を化学的に改変することにより作製され得る。一
般に、これは、リンカーの存在下でネイティブなタンパク質を反応させて、リン
カーと、タンパク質のカルボキシル末端およびアミノ末端との間で共有結合を形
成し、従って環状のタンパク質を形成することを必要とする。次いで、新たな末
端は、アミノ酸を連結するペプチド結合を別の位置で開裂することにより形成さ
れる。このことは、例えば、ペプチダーゼを用いて化学的または酵素的に達成さ
れ得る。
【0027】 開裂反応が、1より多くのペプチド結合を加水分解する傾向がある場合、この
反応は短時間行われる。開裂された1より多くのペプチド結合を有する分子は、
全長の環状並べ換え分子よりも短い。これらは、サイズを選択する任意のタンパ
ク質精製技術によって(例えば、サイズ排除クロマトグラフィーまたは電気泳動
によって)単離され得る。あるいは、環状タンパク質における種々の部位は、酵
素の結合を妨害し得るアミノ酸側鎖の化学修飾によって、またはペプチド結合に
関与する、攻撃されやすい基の化学的ブロッキングによって、加水分解から保護
され得る。
【0028】 好ましい実施態様では、環状並べ換えタンパク質、および/または環状並べ換
えタンパク質を含む融合タンパク質は、組換え方法論を用いて合成される。一般
に、これは、環状並べ換え基本ポリペプチド(またはこの基本ポリペプチドを含
む融合タンパク質全体)をコードするポリヌクレオチド配列を作製する工程、ポ
リヌクレオチドを、適切な発現プロモーターの制御下で発現カセット中に配置す
る工程、タンパク質を宿主中で発現する工程、発現されたタンパク質を単離する
工程、そして必要な場合には、このタンパク質を再生する工程を含む。第2のタ
ンパク質が別個に作製される場合、次いで、この第2のタンパク質は、この環状
並べ換え物に連結される。
【0029】 環状並べ換えポリペプチドまたは環状並べ換えポリペプチドを含む融合タンパ
ク質をコードするDNAは、例えば、以下を含む任意の適切な方法によって調製
され得る:適切な配列のクローニングおよび制限処理、またはNarangら
Meth.Enzymol.68:90−99(1979)のホスホトリエステ
ル法;Brownら,Meth.Enzymol.68:109−151(19
79)のホスホジエステル法;Beaucageら,Tetra.Lett.,
22:1859−1862(1981)のジエチルホスホルアミダイト法;およ
び米国特許第4,458,066号の固相支持体法のような方法による直接的な
化学合成。
【0030】 あるいは、部分的な長さの配列は、クローニングされ得、そして適切な部分的
な長さの配列は、適切な制限酵素を用いて切断され得る。次いで、このフラグメ
ントは連結されて、所望のDNA配列を生成し得る。
【0031】 好ましい実施態様では、環状並べ換えポリペプチドをコードするDNAは、D
NA増幅方法(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))を用いて生成される
【0032】 環状並べ換えリガンドおよびそれらの融合タンパク質は、種々の宿主細胞(E
.coli、他の細菌宿主、酵母、ならびに種々の高等真核生物細胞(例えば、
COS細胞株、CHO細胞株、およびHeLa細胞株、昆虫細胞、およびミエロ
ーマ細胞株)を含む)において発現され得る。好ましい実施態様では、融合タン
パク質は、プラスミドまたはウイルスベクターによってコードされる。組換えタ
ンパク質遺伝子は、各宿主について適切な発現制御配列に作動可能に連結される
。E.coliにおける発現のために、プラスミドは、プロモーター(例えば、
T7プロモーター、trpプロモーター、またはλプロモーター)、およびリボ
ソーム結合部位を含むべきである。真核生物細胞における発現のために、ベクタ
ーは、好ましくは、宿主細胞に適切なプロモーター、エンハンサー(例えば、免
疫グロブリン遺伝子、SV40、またはサイトメガロルイスに由来する)、およ
びポリアデニル化配列を含み、そしてスプライスドナー配列およびスプライスア
クセプター配列を含む得る。
【0033】 融合タンパク質をコードするプラスミドは、E.coliについての塩化カル
シウム形質転換および哺乳動物細胞についてのリン酸カルシウム処理またはエレ
クトロポレーションのような周知の方法によって、選択された宿主細胞へ移入さ
れ得る。このプラスミドによって形質転換された細胞は、プラスミドに含まれる
遺伝子(例えば、amp遺伝子、gpt遺伝子、neo遺伝子およびhyg遺伝
子)によって付与される、抗生物質に対する耐性によって選択され得る。ウイル
ス細胞は、レトロウイルスベクターまたはアデノウイルスベクターのようなベク
ターで感染され得る。
【0034】 一旦発現されると、組換えの基本の環状並べ換え物または融合タンパク質は、
当該分野の標準的な手順(硫酸アンモニウム沈澱、アフィニティーカラム、カラ
ムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動などを含む)に従って精製され得る。少な
くとも約90%〜約95%均質な、実質的に純粋な組成物が好ましく、そして9
8%〜99%以上の均質性が薬学的使用に最も好ましい。一旦、(所望に応じて
、部分的に、または均質になるまで)精製されると、次いでこのポリペプチドが
所望に応じて用いられ得る。
【0035】 当業者は、化学合成、生物学的発現、または精製の後、環状並べ換えポリペプ
チドおよび/または融合タンパク質が、ネイティブなタンパク質とは実質的に異
なるコンホメーションを保有し得ることを認識する。この場合、このタンパク質
を変性および還元し、次いでこのタンパク質に好ましいコンホメーションへの再
折畳みを生じさせることが必要であり得る。タンパク質を還元および変性する方
法、ならびに再折畳みを誘導する方法は、当業者に周知である。例えば、発現さ
れた精製タンパク質は、尿素または塩化グアニジウム中で変性され得、そして緩
慢な透析によって再生され得る。
【0036】 環状並べ換えポリペプチドまたは融合タンパク質のうちのどれが好ましいかを
決定するために、このタンパク質は、生物学的活性についてアッセイされるべき
である。このようなアッセイは、当業者に周知であり、一般に、2つのカテゴリ
ーに分類される;特定の標的に対するタンパク質の結合親和性を測定するアッセ
イ、およびタンパク質の生物学的活性を測定するアッセイ。
【0037】 (4.環状並べ換えポリペプチドおよび融合タンパク質の使用方法) 環状並べ換えポリペプチドは、融合タンパク質を作製するために有用である。
例えば、環状並べ換えストレプトアビジンを用いて、以前の融合タンパク質ほど
強くはビオチンに結合しないことから、より有用である融合タンパク質を作製し
得る。
【0038】 融合タンパク質は、種々の適用(例えば、分離、薬物送達、標的化として、お
よび診断アッセイにおいて)のために有用である。例えば、ストレプトアビジン
融合タンパク質は、ビオチン化基質に結合され得る。次いで、第2の分子の生物
学的活性は、例えば、不純な溶液から特定の分子を捕捉および分離するために用
いられ得る。次いで、精製された分子は、融合タンパク質から解離される。野生
型ストレプトアビジンのビオチン親和性と比較して、より低いビオチン親和性の
融合タンパク質は、基質からの融合タンパク質の放出、および融合タンパク質の
再利用を可能にする。融合タンパク質の2つのプロング(prong)特異性は
、他の適用において同様に用いられ得る。
【0039】 本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに記載される。
【0040】 (実施例) (環状並べ換えストレプトアビジンの調製および特徴付け) 環状並べ換えストレプトアビジン(CP51/46と命名される)を調製した
。元の末端(配列番号1の残基13および残基139)を、テトラペプチドリン
カー(GGGS)(配列番号2)によって連結した。4つのループ残基(47〜
50)(配列番号1)を除去し、Glu51およびAla46で新たなN末端お
よびC末端(配列番号4の残基Glu2および残基Ala128)を生成した。
開始メチオニンは翻訳後プロセシングによって除去されず、そしてGlu51(
配列番号4のGlu2)よりむしろ新たなN末端(配列番号4のMet1)とな
った。
【0041】 (材料および特徴付け方法) 他に示されない限り、全てのオリゴヌクレオチドを、Integrated
DNA Technologies(Coralville,IA)から入手し
、プラスミドおよび細胞をNovagen(Madison,WI)から入手し
、PCR試薬をPromega(Madison,WI)から入手し、制限酵素
およびリガーゼはNew England Biolabs(Beverly,
MA)によって供給され、そして化学的試薬をSigma(St.Louis,
MO)から入手した。
【0042】 N末端配列決定を、Applied Biosystems Model 4
77A Sequencerで行った。SDS/PAGE分析を、調製済みの(
precast)Mini−Protean 10〜20%勾配ゲル(Bio−
Rad,Hercules,CA)を用いて行った。CP51/46の濃度を、
このサブユニットについての34000M-1cm-1の吸光係数(ε280)(Sa no Tら(1990)Proc Natl Acad Sci USA 87
:142−146)を用いて280nmの吸光度によって決定した。エレクトロ
スプレー質量分析法を、VG Quattro II Tandem Quad
rupole Mass Spectrometerで行った。
【0043】 (環状並べ換え遺伝子の構築) 環状並べ換え改変体を、Chilkoti A.ら,(1995)Proc
Natl Acad Sci USA 92:1754−1758)に教示され
る通りにコアストレプトアビジンについての合成遺伝子から構築した。Gly−
Gly−Gly−Serリンカーを用いて、元の末端を連結した。ストレプトア
ビジンのタンデムな遺伝子(Horlick RAら(1992)Protei
n Eng 5:427−431)を、所望の環状置換の生成のための「テンプ
レート」として最初に供して構築した。このタンデムなストレプトアビジンの遺
伝子を、PCR変異誘発を用いて野生型遺伝子由来の半分2つにおいて構築した
。4つのプライマーを対になるように用いて、各半分を生成した。最初の半分は
、3’末端に付加される新たなリンカー配列を有する野生型遺伝子をコードする
。このリンカー配列は、ストレプトアビジンの元の末端を架橋するGly−Gl
y−Gly−Serセグメントをコードする。第2の半分は、このリンカー配列
を、ストレプトアビジン遺伝子の5’末端に付着させる。両方のフラグメントを
、別個のPCR反応において生成し、そしてpT7Blueプラスミド中にサブ
クローニングした。両方のフラグメントのリンカー領域における独特の部位でN
heI制限酵素を用いて切断した後、この半分2つを一緒に連結して、タンデム
なストレプトアビジン遺伝子を作製した。各セットのフラグメントの配列、なら
びに最終的なアセンブリの配列を、ダイターミネート(dye−termina
ted)DNA配列決定を用いて誤りについてチェックした。
【0044】 PCR変異誘発によってCP51/46変異体を作製するために、2つのさら
なるプライマーを設計および合成した。センスのプライマーは、このタンデム遺
伝子の第1の半分において残基51でアニーリングし、そしてこの遺伝子の開始
部にNdeI部位を付加する。アンチセンスプライマーは、このタンデム遺伝子
の第2の半分において残基46にアニーリングし、そして停止コドン、続いてH
indIII部位を付加する。35サイクルのPCR変異誘発(90℃×2分間
;50℃×2分間;72℃×2分間)は、環状に変異された遺伝子を生成し、こ
の遺伝子はNovagen(Madison,WI)pT7Blueプラスミド
に連結され、そしてNovaBlue維持宿主へ形質転換された。この遺伝子を
、後に、発現のためのBL21(DE3)宿主におけるNovagen pET
−21aプラスミド中にサブクローニングした。名称CP51/46は、元の野
生型配列の残基51へのN末端の再配置、および残基46へのC末端の再配置を
反映する。DNA配列決定を用いて、変異遺伝子の完全性を確認した。
【0045】 (E.coli中のCP51/46の発現) pET−21aにおいてCP51/46遺伝子を含有するBL21(DE3)
細胞を、Luria−Bertani(LB)培地中で37℃にて一晩培養した
。細胞ペレットを洗浄し、そして新鮮なLB中に再懸濁し、その後、100μg
/mLアンピシリンを補充した2×YT培地5リットルを接種するために用いた
。この培養物を、A600が1.0に到達するまで振盪しながら37℃にてインキ ュベートし、この時点で、タンパク質発現を、1mM イソプロピル−β−D−
チオガラクトシド(IPTG)の添加により誘導した。細胞を、さらに3時間培
養し、その後遠心分離によって収集した。
【0046】 (CP51/46の単離および精製) 細胞ペレットを、50mM Tris−HCl、200mM NaCl、5m
M EDTA、8%スクロース、1% Triton X−100、および1m
Mフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)中にpH8.0で再懸濁し
た。細胞を超音波処理により溶解し、そして17700gにて20分間遠心分離
した。不溶性画分を超音波処理し、そしてさらに2回遠心分離し、次いでペレッ
トを超音波処置し、そしてTriton X−100を含まない同じ緩衝液中で
3回遠心分離した。CP51/46タンパク質を含む、残存する不溶性封入体を
、10mg/mLを超えない濃度になるまで6M グアニジン、50mM Tr
is−HCl(pH7.5)中に溶解し、そして4℃にて数時間平衡化させた。
次いで、可溶化したタンパク質を、50×容量の50mM Tris−HCl、
100mM NaCl、5mM EDTA、0.1mM PMSF(pH7.5
)中で4℃にて攪拌しながら滴下して希釈し、そして一晩平衡化させた。得られ
る溶液を遠心分離して、不溶性物質を除去し、そして攪拌したAmicon(B
everly,MA)限外濾過セルにおいて濃縮した。
【0047】 CP51/46を、Pierce(Rockford,IL)イミノビオチン
−アガロース(Hofmann,Wood,Brinton,Montibel
ler & Finn,1980)でのアフィニティークロマトグラフィーによ
って精製した。タンパク質含有画分をプールし、そして50mMホスフェート、
100mM NaCl(pH7.75)の貯蔵緩衝液に交換した。
【0048】 (等温滴定熱量測定) 野生型ストレプトアビジンについての等温滴定熱量測定(ITC)実験を、M
icroCal Omega装置で行った。CP51/46についてのITC実
験を、Calorimetry Science Corporation 4
200 Calorimeter(Provo,UT)を用いて行った。30〜
40μM濃度のCP51/46溶液を、タンパク質と同じ緩衝液に溶解した75
0μMビオチンの20×5μLアリコートの添加によって滴定した。全てのIT
C実験を、リン酸緩衝液(50mM リン酸ナトリウム、100mM NaCl
、pH7.75)またはTris緩衝液(50mM Tris HCl、100
mM NaCl、pH7.75)のいずれかにおいて行った。ビオチンの濃度を
、重量測定によって決定した。
【0049】 データを、Calorimetry Science Corporatio
nによって供給された、著作権を有するソフトウェアを用いて、機器で分析した
。各注射についての希釈熱を、データ分析の前に反応熱から差し引いた。データ
の非線形適合は、非協同的な結合および1サブユニットあたり1部位を仮定して
、結合部位の数(n)、結合定数(Ka)、および結合エンタルピー(ΔH°) を決定することを可能にした。
【0050】 野生型ストレプトアビジンは、2.5×1013-1と推測されるKaを示す( Green NM(1990))。アビジンおよびストレプトアビジン(Met
hods Enzymol 184:51−67)、および野生型ストレプトア
ビジンの標準結合エンタルピーは、25℃で、−24.9kcal/molであ
る(Chilkoti A,ら(1995)J Am Chem Soc 11
7:10622−10628)。次いで、推測Kaおよび関連づけられた標準ギ
ブス自由エネルギーを用いると、野生型ストレプトアビジンのTΔS°項は、2
5℃で、−6.6kcal/molであった。CP51/46変異体では、ビオ
チンのKaは、25℃で、2.28(±0.44)×107-1(ΔG°=−10
.0kcal/mol)まで約6桁の規模で減少される(図2を参照のこと)。
ビオチンの結合は、25℃で、−13.8(±0.8)kcal/molのΔH
°および−3.8(±0.8)kcal/molのTΔS°項で依然としてエン
タルピー的に駆動される。リン酸緩衝液およびTris緩衝液の両方のエンタル
ピー値は、互いに実験誤差内であり、このことは、プロトン化効果が変異体では
有意でないことを示唆する(以下の表1を参照のこと)。
【0051】 熱容量の変化もまた、ループの役割に熱力学的洞察をさらに提供するためにC
P51/46について測定した(図2bを参照のこと)。ΔCpは、野生型スト
レプトアビジン(−345cal/mol℃(標準偏差=12cal/mol℃
))の値と比較して、有意に少なく負(−95cal/mol℃(標準偏差=2
9cal/mol℃))であった。この変化は、ループの欠失後のCP51/4
6結合状態において埋没した表面積の予測された減少と定性的に一致する。Sp
olar RS,ら(1994)Science 263:777−784によ
るアビジン−ビオチン系の以前の分析によって、ビオチン結合のΔCpがループ
残基の折り畳みが優勢であることが示唆された。ΔCpに関連する算出の結果お
よび接近可能な表面積の変化を、表1bに示す。
【0052】
【表1】 (結晶化および回折のデータ収集) 30mg/mlの濃度を有するCP51/46タンパク質水溶液を、結晶化実
験のために用いた(ハンギングドロップ蒸気拡散法)。変異体を、52% MP
D(2−メチル−ペンタン−2,4−ジオール)含有溶液から棒状の形態で結晶
化した。0.05×0.05×0.5mmの寸法の結晶を、ガラスキャピラリー
にマウントし、そしてRigaku RU−200回転アノード(CuKα=1
.54178Å)を取り付けたR−AXIS IIイメージプレート検出器シス
テムで、回折データを293Kで収集した。結晶は、2.0Å解像度まで回折し
、そしてデータを、5.2の平均I/σで、94%の完全性まで収集した。斜方
ユニットセルの寸法は、a=60.3、b=78.6、c=93.5Åであり、
そして空間群は、P2111(Z=4)である。タンパク質の1つのテトラマ ーは、非対称ユニットで見出される。データ処理を、DENZO(Otwino
wski Z,ら(1994)、DENZO:A film processi
ng program for macromolecular crysta
llography、New Haven,Connecticut:Yale
University)を使用して行った。全体のR(I)mergeは、0.0 69であった。以下の表2は、収集したデータの概要を示す。CP51/46の
ビオチン複合体の結晶を、ハンギングドロップ実験から、ビオチンおよび変異ス
トレプトアビジンの共結晶化により得た。このタンパク質溶液は、12mg/m
lのCP51/46、10mM ビオチンであった。リザーバー溶液は、52%
MPDであった。結晶は、0.1×0.3×0.7mmの寸法を有する長い板
状であった。回折データを、Stanford Synchrotron Ra
diation Laboratoryで、100K(λ=0.98Å)、ビー
ムライン9−1で収集した。R−AXIS IIでの室温データを収集する以前
の試みは、より低い解像度のデータセットを生じた(2.3Åおよび2.6Å)
。衝撃凍結結晶(shock frozen crystal)は、1.8Å解
像度まで回折し、平均I/σは、15.8であった。このデータセットの全体的
な完全性は、98%である。ユニットセルのパラメーターは、a=71.9Å、
b=78.6Å、c=90.8Åである。斜方空間群は、P2111である。 タンパク質−ビオチン複合体の1つのテトラマーは、この結晶形態では非対称ユ
ニットである。データ処理およびスケーリングを、DENZOおよびSCALE
PACK(Otwinowski Z,ら(1994)、DENZO:A fi
lm processing program for macromolec
ular crystallography、New Haven,Conne
cticut:Yale University)を使用して行った。全体のR
(I)mergeは、0.037であった(表2)。
【0053】
【表2】 (構造解析および細分) テトラマーの野生型コア−ストレプトアビジンモデル(残基16〜44および
52〜133、PDBエントリーISWA(Freitag S,ら(1997
)Protein Sci 6:1157−1166)を、X−PLOR(Br
unger AT(1992)X−PLOR、A System for Cr
ystallography and NMR、v.3.1、Yale Uni
versity Press,New Havan,Connecticut)
を使用するCP51/46の分子置換構造解析における検索モデルとして使用し
た。交差回転(cross−rotation)関数および並進(transl
ation)関数の結果の適用後では、R値は、0.457であった。テトラマ
ーの2つの折り畳み(fold)の対称軸は、結晶軸と整列せず、このことによ
って、非対称ユニットでテトラマーが存在することが確認された。
【0054】 得られたモデルは、SHELXL−97(Sheldrick GM(199
7)SHELXL、Program for Structure Refin
ement、Goettingen:University of Goett
ingen)のβ版を用いて、完全行列、最小二乗剛体細分(least sq
uares rigid body refinement)に供され、これに
よって、データについてI>2σ(I)でR値=0.384が与えられた。細分
の間中を通して、全てのデータには、10Åの解像度から最も高い限界(2.0
Å)までを含めた。反射データの10%を、別個のファイルに保持し、そしてR free の算出のために使用した(Brunger AT(1992)Nature
355:472−475)。この段階で、Rfreeの値(I>2σ(I))は、
0.422であった。SHELXLにおいて実行されたように、結合体勾配法(
Konnert JH,ら(1980)Acta Crystallogr A
36:344−350)を用いる引き続く位置細分およびB因子細分は、R値(
I>2σ(I))が0.265まで、およびRfree(I>2σ(I))が0.3
35まで低下した。新たな操作ループ(残基133〜18)の電子密度を、第1
の細分工程後の|FO|−|FC|マップにおけるサブユニット2および3におい
て観察した。これらの2つのループのモデリングおよび細分における31水の位
置の付加によって、R値が0.213まで減少し、そしてRfreeが0.300ま
で減少した(両データともI>2σ(I))。最後のモデルは、サブユニット1
および4において残基52〜133および143〜145、そしてサブユニット
2および3において残基52〜45、ならびに214水分子を含む。最終的なR
値(I>2σ(I))は0.145であり(全てのデータについて0.195)
、そしてRfree(I>2σ(I))は0.229(全てのデータについて0.2
88)である。
【0055】 分子置換法を再び使用し、同じ野生型ストレプトアビジンモデルで開始してビ
オチン複合体の構造を解明した。AMoReプログラムパッケージ(Navaz
a J(1994)Acta Crystallogr A50:157−16
3)を解法のために使用し、そして回転関数からの最良の解に関する相関係数は
、0.298であった。8つの最良の回転の解に関して並進関数を算出した後の
最良な解は、0.523の相関係数を有し、そして0.411のR値を有した。
完全なテトラマーおよび全ての4つのサブユニット別々についての剛体細分(r
efinement)後、SHELXL−97(Sheldrick GM(1
997)SHELXL、Program for Structure Ref
inement、Goettingen:University of Goe
ttingen)での座標細分は、I>2σ(I)を有するデータについて0.
412のR値および0.442のRfree値を生じた。10〜1.8Åの解像度の
範囲の全てのデータを、非結合状態について上記のように、細分を通して使用し
た。Rfreeデータセットは、この範囲におけるデータの10%を含んだ。ビオチ
ンを、SigmaA加重|FO|−|FC|電子密度マップ(SigmaA wa
ighted |FO|−|FC|electron density map)
(Read RJ(1986)Acta Crystallogr A42:1
40−149)において4つのサブユニット全ての結合部位においてはっきりと
同定した。また、サブユニット3において、操作されたループの残基を、非結合
構造におけるコンホメーションとは異なるコンホメーションでモデリングした。
ビオチン複合体についての最終的なモデルは、サブユニット1および2において
残基52〜132および残基16〜46;サブユニット3において残基52〜4
6ならびにサブユニット4において残基51〜133および16〜45;ならび
に4つのビオチンリガンドおよび335の水分子を含む。最終的なR値は、I>
2σ(I)を有するデータについては0.181であり、全てのデータについて
は、0.192である。最終的なRfree値は、0.231(I>2σ(I))お
よび0.245(全てのデータ)である。
【0056】 両方の分子モデルは、構造因子振幅の平方に対して細分される。全てのパラメ
ーター、座標および等方性置換パラメーターは、ともに細分される。1,2−お
よび1,3−距離の拘束(distance restraint)について標
的値は、Engh RA,ら(1991)Acta Crystallogr
A47:392−400の研究に基づく。非結合原子が標的距離より近くにくる
場合、平面性(planarity)およびキラル容積拘束(chiral v
olume restraint)を、等方性置換パラメーターおよび抗衝突拘
束についての類似性拘束のように適用した。拡散溶媒領域は、Babinetの
原理(Moews PC,ら(1975)J Mol Biol 91:201
−228)を使用してモデリングした。SHELXLにおいて実行されたように
、観察された構造因子の異方性スケーリング(Parkin S,ら(1995
)J Appl Crystallogr 28:53−56)を、細分に適用
した。水素原子を、幾何学的に理想化し、そして最後のサイクルにおいて操作モ
デル(riding model)で細分した。
【0057】 XtalView(McRee DE(1992)J Mol Graph
10:44−46)を細分の間にモデルの立体評価(graphical ev
aluation)のために使用した。SigmaA加重|FO|−|FC|およ
び2|FO|−|FC|電子密度マップ(Read RJ(1986)Acta
Crystallogr A42:140−149)をインタラクティブインタ
ーフェースプログラムSHELXPRO(Sheldrick GM(1997
)SHELXL、Program for Structure Refine
ment、Goettingen:University of Goetti
ngen)を用いて算出した。さらに、プログラムPROCHECK(Lask
owski RA,ら(1993)J Appl Crystallogr 2
6:283−291)およびWHATIF(Vriend G,ら(1993)
J Appl Crystallogr 26:47−60)を利用して、細分
プロセスの間に立体化学をチェックした。大部分の細分した水の位置は、SHE
LXWAT(水の位置の自動化検索のためのSHELXLの補助プログラム)に
よって見出された。最小二乗適合のための全ての平方二乗平均は、βシート領域
における残基19〜23、28〜33、38〜42、54〜60、71〜80、
85〜97、103〜112、123〜131(配列番号1)を使用し、X−P
LORを用いて算出した。図3、4および5は、XtalViewプロット(M
cRee DE(1992)J Mol Graph 10:44−46)であ
る。
【0058】 CP51/46の結晶構造を、2.0Åの解像度で決定し、そして0.145
のR値に細分した。データ収集およびモデル細分の結果を、表2および3にまと
める。他のコア−ストレプトアビジン構造を有するCP51/46テトラマーの
全体的な折り畳みの比較は、それらの間の大きな差異を示さない。単斜晶系野生
型構造(PDBエントリー1SWA、1SWB、1SWC)におけるCP51/
46の4×65βシートCα原子の最小二乗適合は、適合させたサブユニットに
ついて0.2Åのrms距離RMSDを生じ、そして他の3つのサブユニットに
ついて0.2〜1.0Åの範囲の値を生じた。この4つの個々のCP51/46
サブユニットの互いの最小二乗重ね合わせは、全く有意差を示さず(それぞれ、
TMSD=0.2Å)、βバレル構造において系統的な変化を示さなかった。
【0059】
【表3】 CP51/46のビオチン複合体の結晶構造を、1.8Åの解像度で決定し、
そして細分した。最終的なR値は、0.181である。ビオチンの電子密度は、
低分子リガンドにおける全ての分子についてはっきりと規定された(図3)。野
生型ビオチン複合体構造に対するCP51/46ビオチン複合体の4×65Cα
原子を重ね合わせた後のRMSDは、0.3Åであった。野生型テトラマー複合
体のCP51/46の複合体への重ね合わせ(しかし、1つのサブユニットのみ
の重ね合わせに基づく)は、適合させたサブユニットについては0.2〜0.3
ÅのRMSDおよび他の3つのサブユニットについては0.3〜0.7ÅのRM
SDを与える。
【0060】 (接続残基の特徴付け) アポ−CP51/46の全体的な構造が野生型ストレプトアビジンの構造と同
じである一方で、タンパク質が特異的に改変された2つの領域に構造的変化が存
在する。非結合CP51/46の構造の特徴は、元のN末端およびC末端を接続
する、順序づけられ、操作されたポリペプチドの(結晶の4つのサブユニットの
うち2つでの)知見である。この構造のこの部分(17残基を含む)は、サブユ
ニット2および3において十分順序づけられている。この領域における電子密度
差を図4(a)に示す。残基13〜15および134〜139(配列番号1)は
、CP51/46結晶ではなく、他の単斜系野生型構造において乱れており(F
reitag S,ら(1997)Protein Sci 6:1157−1
166)、それらは、4つの挿入された残基Gly140、Gly141、Gl
y142、およびSer143とともに明らかに同定され得る(配列番号1)。
元のN末端とC末端との間のコネクタのアミノ酸配列は、[...Val133
−Lys−Pro−Ser−Ala−Ala−Ser−Gly140−Gly−
Gly−Ser143−Ala13−Glu−Ala−Gly16...]であ
る(配列番号4の残基Val184〜Gly108)。
【0061】 2つの観察されたコネクタ(残基133〜16)(配列番号4の残基84〜1
08)は、この結晶形態において主要な充填相互作用の領域を形成する(図5)
。各テトラマーからの2つのコネクタは、2つの隣り合うテトラマーと相互作用
を形成し、このテトラマーはまた、第1のテトラマーと、それらの接続領域のう
ちの1つと相互作用する。タンパク質の他のループ領域と比較して、サブユニッ
ト2および3の連結残基の剛性は、これらの充填相互作用によって説明すること
ができ、そしてそれらの低い温度因子によって示される。サブユニット2におけ
る残基133〜18(配列番号4の残基84〜110)の原子についての平均B
値は、25Å2であり、サブユニット3においては24Å2である(テトラマーの
全ての原子についての平均B値:29Å2)。
【0062】 操作されたリンカーを含むCP51/46構造のRamachandranプ
ロットは、アウトライアーを示さず、そしてこれらの領域におけるφΨ分布は、
正規である。サブユニット2および3における接続領域は、非常に類似している
。残基133〜18(配列番号4の残基84〜110)のCα原子間の構造の重
なり合いは、0.16ÅのRMSDを生じる。プログラムPROMOTIF(H
utchinson EG,ら(1996)Protein Sci 5:21
2−200)によって、残基Ala137、Ala138およびSer139(
配列番号4の残基Ala88、Ala89、Ser90)によって形成された3 10 −らせん部分以外の二次構造要素がないことが見出された。他のサブユニット
(1および4)において、残基143、13、14および15のみ(配列番号4
の残基Ser94、Ala95、Glu96、Ala97)が、野生型構造で見
出された電子密度を超える電子密度で観察される。残基13〜17(配列番号4
の残基95〜99)を、PROMOTIFによって、両方のサブユニットにおけ
るαヘリックスを形成すると同定した。サブユニットに対するサブユニット2お
よび3の重なり合い(完全なコネクタが観察される)。サブユニット1および4
上でサブユニット2および3の重なり合い(完全なコネクタが観察される場合)
は、リンカーの剛性コンホメーションが後者のサブユニットの結晶充填に適合し
ない。接続残基134〜142(配列番号4の残基85〜93)はサブユニット
1および4において乱されている。CP51/46における元のC末端残基の異
なる配向のために、隣接するTyr22(配列番号4のTyr104)側鎖は、
1つのコンホメーション(χ1が4つ全てのサブユニットにおいて約180℃回
転している)と適合する。他の側鎖の変化は、非結合形態においては検出されな
かった。
【0063】 CP51/46のビオチン複合体を、非複合体化変異体の結晶形態とは異なる
結晶形態で結晶化し、そして接続ポリペプチドをサブユニット3のみについて順
序づける(図4(b))。リンカーのコンホメーションは、非結合構造で見出さ
れるコンホメーションとは異なり、そしてαヘリックス(残基14から17)(
配列番号4の残基96〜99)の短いセグメントを含む。
【0064】 ビオチン複合体の結晶構造において順序づけられたリンカーは、隣り合うテト
ラマーのサブユニット2で結合したビオチン分子と接触する。水素結合(3.0
Å)は、Ser139(配列番号4のSer90)(関連する対称分子)のアミ
ド窒素原子と、ビオチンの脂肪鎖上のカルボキシル基の酸素(O1)のうちの1
つとの間に形成される。カルボキシル酸素(O1に対して3.4ÅおよびO2に
対して2.5Å)の両方を有する対称関連分子のSer139Oγ間に2つの相
互作用がまた存在する。これらは、このサブユニットにおいて結合したビオチン
におけるコンホメーション変化を引き起こすには不十分であるが、ビオチン温度
因子は他のサブユニットよりもこのサブユニットにおいてより低く、リガンドと
接続ループとの間のさらなる相互作用と一致する。
【0065】 (アポ−CP51/46における結合部位およびCP51/46−ビオチン複
合体の特徴付け) ビオチン結合部位近傍の新たなN末端およびC末端の導入は、タンパク質構造
を有意に変化させ得、従ってビオチンに対するその結合親和性を変化させ得る。
新たなN末端およびC末端の3つの残基は、非結合構造において乱されており、
そして電子密度マップにおいて観察されない。N末端メチオニンは電子密度にお
いて見られない。残基Glu51(配列番号4のGlu2)もまた、C末端残基
Ala46(配列番号4のAla128)のように、電子密度マップにおいて移
動性であり、そして見られない。観察された末端残基は、Ser52およびSe
r45(配列番号4のSer3およびSer127)であり、これは、この構造
の残りの部分において見出されたB値よりも主鎖および側鎖の原子について明確
により高いB値を示す。非結合およびビオチン結合の野生型構造と、この領域に
おけるCP51/46との比較は、非結合構造により類似していることを明らか
にする。ここでこの結合ループは、複合体におけるコンホメーションより、より
移動性の開放性のコンホメーションをとる。野生型の非結合状態における最後の
βシート水素結合は、Ser45のN原子(配列番号4のSer127)とSe
r52のO原子(配列番号4のSer3)との間に存在する。この相互作用はま
た、4つのサブユニットの距離が3.0〜3.4Åの範囲であるCP51/46
において観察される。
【0066】 CP51/46のビオチン複合体の4つのサブユニットにおける末端を、野生
型構造におけるそれらの残基と十分に整列する。サブユニット1、2および3に
おいて、残基46(配列番号4のAla128)は、電子密度マップにおいて観
察された。サブユニット4において、さらなる残基51(配列番号4のGlu2
)はN末端で細分されたが、N末端メチオニンは全く観察されなかった。Ser
45(配列番号4のSer127)の窒素とSer52(配列番号4のSer3
)の酸素との間の水素結合の切断を生じる、互いからのわずかな末端の分離が存
在する。このことはまた、野生型ストレプトアビジンの構造において観察された
(Freitag S,ら(1997)Protein Sci 6:1157
−1166)。その水素結合の切断は、Ser45のOγと結合ビオチンのウレ
イド窒素原子との間の水素結合の形成に付随する。
【0067】 CP51/46−ビオチン複合体の4つのサブユニット全てにおいて、ビオチ
ンの電子密度は、野生型ビオチン複合体と同じ配向で検出された(図3)。野生
型とCP51/46との間のビオチンについての水素結合パターンにおける差異
のみが、カルボキシルO1原子に関与する。この野生型複合体において、この酸
素原子は、Asn49(配列番号1)のアミドに水素結合されるが、結合ループ
の欠失は、この相互作用を取り除く。結晶充填相互作用は、(上記のように)サ
ブユニット2のループ相互作用を置換する。他の第1殻の水素結合全ては、野生
型複合体において見出されたものに非常に類似している(Freitag S,
ら(1997)Protein Sci 6:1157−1166)。第2殻の
水素結合は、野生型タンパク質のSer45(配列番号4のSer127)と相
互作用する残基Val147の欠失によって破壊される。
【0068】 ビオチン部位にわたって接近するループの欠失が、CP51/46のビオチン
リガンドに溶媒が接近可能な有意により大きな表面を生じることが予測される。
事実、変化は全てではないが、大きく変化する。野生型複合体におけるビオチン
に溶媒が接近可能な表面の平均は、18.3Å2であり、このことは、ストレプ トアビジンに結合した場合、ビオチンのほぼ完全な埋没を示す。(溶媒が接近可
能な、ビオチンの「自由な」表面は、407.2Å2である)。露出されたビオ チンの原子のみがカルボキシ酸素原子である。接近可能な表面は、CP51/4
6複合体について56.6Å2に増加する。酸素原子は、脂肪鎖の部分が露出さ れるにつれて、より露出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、野生型コアストレプトアビジンのアミノ酸配列と環状並べ換えストレ
プトアビジンの好ましい実施態様である、CP51/46と名付けられたものの
アミノ酸配列との間の関係を示す模式図である。野生型タンパク質のループ残基
47〜50(配列番号1)は除去され、そして古いN末端およびC末端は、4ア
ミノ酸残基リンカー(配列番号2の残基1〜4)によって連結されている。
【図2】 図2Aは、25℃におけるCP51/46についての代表的な結合等温線を図
示する、注入対熱(μJ)のグラフである。各々の注入についての熱を、黒い記
号(黒ひし形)で示し、そして混合の熱について調整した。パラメーターで表し
た適合度を、点線として示す。 図2Bは、CP51/46の熱容量変化(ΔCp)についての直線適合度を示 すエンタルピー変化(ΔH、kcal/モル)に対する温度(T、℃)のグラフ
である。黒い記号(黒丸)は、3回の実験についての標準エンタルピー変化(Δ
0)変化を示す。エラーバーは、1つの標準偏差を示す。点線は、データの直 線適合度を示す。
【図3】 図3は、環状並べ換えストレプトアビジン−ビオチン複合体のサブユニットの
1つにおけるビオチンの領域における、2.4σで輪郭化された(contou
red)不偏電子の差分マップである。上書きは、精製されたビオチンである。
【図4】 図4Aおよび図4Bは、CP51/46構造のサブユニット2および3におい
て(1.5σで輪郭化した)(図4A)、およびCP51/46変異体−ビオチ
ン複合体のサブユニット3において(1.5σ輪郭レベル)(図4B)観察され
るような、新しく操作された連結ループ(残基133〜15を含む)の領域にお
ける電子密度マップである。
【図5】 図5は、隣接するCP51/46テトラマー間の充填相互作用を模式化した図
である。隣接するテトラマーの操作されたループは、結晶中の次のテトラマーと
の相互作用に高度に関与する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,UZ,VN,YU,ZW 【要約の続き】 リンカーによって連結された。ビオチン結合定数は、野 生型ストレプトアビジンのビオチン結合定数よりもおよ そ6桁低い107-1まで減少した。環状並べ換えスト レプトアビジンの融合タンパク質は、第2のペプチド/ タンパク質(例えば、IgG結合プロテインAまたは単 鎖抗体)を用いて作製され得る。

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状並べ換えビオチン結合タンパク質であって、 ストレプトアビジンポリペプチドを含み、ここで該ストレプトアビジンポリペ
    プチドのカルボキシル末端アミノ酸およびアミノ末端アミノ酸が連結され、そし
    て新しいカルボキシル末端およびアミノ末端が、該ストレプトアビジンポリペプ
    チドの開裂によって作製された、タンパク質。
  2. 【請求項2】 前記ストレプトアビジンのカルボキシル末端アミノ酸および
    アミノ末端アミノ酸が、1つ以上のアミノ酸を含むリンカーによって連結されて
    いる、請求項1に記載の環状並べ換えビオチン結合タンパク質。
  3. 【請求項3】 前記リンカーが、3つのグリシンおよび1つのセリンを含む
    テトラペプチドであり、ここで1つのグリシンはカルボキシル末端アミノ酸に連
    結され、そして該セリンはアミノ末端アミノ酸に連結されている、請求項2に記
    載の環状並べ換えビオチン結合タンパク質。
  4. 【請求項4】 前記ストレプトアビジンポリペプチドの一部が除去されて、
    新しいカルボキシル末端およびアミノ末端を形成する、請求項1に記載の環状並
    べ換えビオチン結合タンパク質。
  5. 【請求項5】 前記除去されるストレプトアビジンポリペプチドの一部が、
    ビオチン結合に関与する可撓性ループの全てまたは一部である、請求項4に記載
    の環状並べ換えビオチン結合タンパク質。
  6. 【請求項6】 前記除去されるストレプトアビジンポリペプチドの一部が、
    アミノ酸残基47〜50である、請求項5に記載の環状並べ換えビオチン結合タ
    ンパク質。
  7. 【請求項7】 前記環状並べ換えビオチン結合タンパク質のビオチン結合ア
    フィニティーが、少なくとも野生型ストレプトアビジン結合アフィニティーの2
    5%である、請求項1に記載の環状並べ換えビオチン結合タンパク質。
  8. 【請求項8】 前記環状並べ換えビオチン結合タンパク質のビオチン結合ア
    フィニティーが、107-1と野生型ストレプトアビジンのビオチン結合アフィ ニティーとの間である、請求項1に記載の環状並べ換えビオチン結合タンパク質
  9. 【請求項9】 環状並べ換えビオチン結合タンパク質の作製方法であって、
    以下の工程: 化学合成、存在するタンパク質の改変、または組換えDNA方法論を使用する
    タンパク質の発現によって、請求項1に規定されるような環状並べ換えビオチン
    結合タンパク質を作製する工程、 を包含する、方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法であって、以下の工程: ストレプトアビジンポリペプチドを、リンカーの存在下で反応させて、該リン
    カーと該ストレプトアビジンポリペプチドのカルボキシル末端およびアミノ末端
    との間に共有結合を形成する工程であって、従って環状タンパク質を形成する工
    程;および、 別の位置で、アミノ酸を連結しているペプチド結合を開裂させることによって
    、新しい末端を形成する工程、 を包含する、方法。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の方法であって、以下の工程: 前記環状並べ換えビオチン結合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列
    を作製する工程; 該ポリヌクレオチドを、適切な発現プロモーターの制御下にある発現カセット
    中に配置する工程; 宿主中で該タンパク質を発現する工程;および 該発現したタンパク質を単離する工程、 を包含する、方法。
  12. 【請求項12】 環状並べ換えビオチン結合タンパク質および第2のポリペ
    プチドを含む融合タンパク質の作製方法であって、以下の工程: 請求項1に規定されるような環状並べ換えビオチン結合タンパク質を作製する
    工程;および 第2のポリペプチドを、該環状並べ換えビオチン結合タンパク質のカルボキシ
    ル末端アミノ酸またはアミノ末端アミノ酸のいずれかに連結する工程、 を包含する、方法。
  13. 【請求項13】 前記環状並べ換えビオチン結合タンパク質と前記第2のタ
    ンパク質との間にスペーサーを連結する工程をさらに含む、請求項12に記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 前記ストレプトアビジンポリペプチドが野生型ストレプト
    アビジンである、請求項1に記載の環状並べ換えビオチン結合タンパク質。
  15. 【請求項15】 融合タンパク質であって、以下: 環状並べ換えビオチン結合タンパク質であって、該タンパク質はストレプトア
    ビジンポリペプチドを含み、ここで該ストレプトアビジンポリペプチドのカルボ
    キシル末端アミノ酸およびアミノ末端アミノ酸が連結され、そして新しいカルボ
    キシル末端およびアミノ末端が該ストレプトアビジンポリペプチドの開裂によっ
    て作製される、ポリペプチド;および 該新しいカルボキシル末端または該新しいアミノ末端のいずれかにおいて、該
    環状並べ換えビオチン結合タンパク質に連結された第2のポリペプチド、 を含む、融合タンパク質。
  16. 【請求項16】 前記ストレプトアビジンカルボキシル末端アミノ酸および
    アミノ末端アミノ酸が、1つ以上のアミノ酸を含むリンカーによって連結されて
    いる、請求項15に記載の融合タンパク質。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の融合タンパク質であって、ここで前記
    リンカーが3つのグリシンおよび1つのセリンを含むテトラペプチドであり、そ
    してここで1つのグリシンが前記カルボキシル末端アミノ酸に連結され、そして
    該セリンが前記アミノ末端アミノ酸に連結されている、融合タンパク質。
  18. 【請求項18】 前記ストレプトアビジンポリペプチドの一部が除去されて
    、新しいC末端およびN末端を形成する、請求項15に記載の融合タンパク質。
  19. 【請求項19】 前記ストレプトアビジンポリペプチドの一部が除去されて
    、前記新しいカルボキシル末端およびアミノ末端を形成する、請求項15に記載
    の融合タンパク質。
  20. 【請求項20】 前記除去されるストレプトアビジンポリペプチドの一部が
    、アミノ酸残基47〜50である、請求項15に記載の融合タンパク質。
  21. 【請求項21】 前記環状並べ換えビオチン結合タンパク質および前記第2
    のタンパク質がスペーサーによって連結されている、請求項15に記載の融合タ
    ンパク質。
  22. 【請求項22】 前記融合タンパク質のビオチン結合アフィニティーが10 7-1と野生型ストレプトアビジンの結合アフィニティーとの間である、請求項 15に記載の融合タンパク質。
  23. 【請求項23】 前記結合する第2のポリペプチドが、抗体、抗体フラグメ
    ント、IgG結合プロテインA、ホルモン、酵素、放出因子、リガンド、成長因
    子、レセプター、およびメタロチオネインからなる群より選択される、請求項1
    5に記載の融合タンパク質。
  24. 【請求項24】 前記第2のポリペプチドが、ストレプトアビジンポリペプ
    チドの外部にあるようにスペーサーによって連結される、請求項15に記載の融
    合タンパク質。
  25. 【請求項25】 前記ストレプトアビジンポリペプチドが野生型ストレプト
    アビジンである、請求項15に記載の融合タンパク質。
  26. 【請求項26】 環状並べ換えビオチン結合タンパク質および第2のポリペ
    プチドを含む融合タンパク質の作製方法であって、以下の工程: 請求項15に記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を作製
    する工程; 該ポリヌクレオチドを、適切な発現プロモーターの制御下にある発現カセット
    中に配置する工程; 宿主中で該タンパク質を発現する工程;および 該発現したタンパク質を単離する工程、 を包含する、方法。
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