JP2002510631A - 性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗薬 - Google Patents

性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗薬

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ウージヤインウオラ,フイローズ
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Abstract

(57)【要約】 GnRHの拮抗薬として有用であり、それ自体で、男性および女性の両方における各種の性ホルモン関連その他の状態の治療に有用となり得る式(I)の化合物およびそれの医薬的に許容される塩が開示されている。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) (背景技術) 黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)とも称される性腺刺激ホルモン放
出ホルモン(GnRH)は、ヒトの生殖において重要な役割を果たすデカペプチ
ドである。このホルモンは視床下部から放出され、脳下垂体に作用して、黄体形
成ホルモン(LH)および濾胞刺激ホルモン(FSH)の生合成および分泌を刺
激する。脳下垂体から放出されるLHは主として、両性における生殖腺ステロイ
ド産生の調節を行うのに対して、FSHは男性における精子形成および女性にお
ける濾胞発達を調節する。GnRH作働薬および拮抗薬は、LH/FSH放出の
阻害が必要なある種の状態の治療に有効であることが明らかになっている。特に
、GnRHに基づく治療法は、子宮内膜症、子宮筋腫、多嚢胞性卵巣、性早熟症
およびいくつかの生殖腺ステロイド依存性腫瘍形成の治療、最も顕著には前立腺
癌、乳癌および子宮癌の治療において有効であることが明らかになっている。G
nRH作働薬および拮抗薬は各種不妊治療法においても使用されており、男性お
よび女性における避妊薬候補剤として研究されている。それらは下垂体性腺刺激
ホルモン腺癌、睡眠無呼吸などの睡眠障害、過敏性腸症候群、月経前症候群、良
性前立腺過形成、男性型多毛症の治療において;成長ホルモン欠乏症小児におけ
る成長ホルモン療法への補助剤として;さらには狼瘡のマウスモデルにおいて有
用である可能性が明らかになっている。本発明の化合物はさらに、ビスホスホネ
ート(ビスホスホン酸)および成長ホルモン分泌促進剤などの他の薬剤と併用し
て、カルシウム代謝、リン酸代謝および骨代謝の障害の治療および予防、特にG
nRH拮抗薬による治療法時の骨損失予防を行うことができ、さらにはエストロ
ゲン類、プロゲステロン類、抗エストロゲン薬類、抗プロゲステロン薬類および
/またはアンドロゲン類と併用して、GnRH拮抗薬による治療法時の骨損失ま
たは一過性熱感などの性機能低下症候群の予防または治療を行うことができる。
【0002】 さらに本発明の化合物は、フィナステリドまたはエプリステリド(epristerid
e)などの5a−レダクターゼ−2−阻害薬;WO 93/23420およびWO
95/11254に開示の4,7b−ジメチル−4−アザ−5a−コレスタン −3−オン、3−オキソ−4−アザ−4,7b−ジメチル−16b−(4−クロ
ロフェノキシ)−5a−アンドロスタンおよび3−オキソ−4−アザ−4,7b
−ジメチル−16b−(フェノキシ)−5a−アンドロスタンなどの5a−レダ
クターゼ−1−阻害薬;WO 95/07927に開示の3−オキソ−4−アザ −17b−(2,5−トリフルオロメチルフェニル−カルバモイル)−5a−ア
ンドロスタンなどの5a−レダクターゼ1および5a−レダクターゼ2の二重阻
害薬;フルタミド(flutamide)、カソデクス(casodex)および酢酸シプロテロ
ンなどの抗アンドロゲン薬;ならびにプラゾシン、テラゾシン、ドキサゾシン、
タムスロシン(tamsulosin)およびアルフゾシンなどのα−1遮断薬と組み合わ
せて投与することができる。
【0003】 さらに本発明の化合物は、成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモンまたは成
長ホルモン分泌促進剤と併用して、成長ホルモン欠乏症小児における思春期を遅
延させて、思春期における骨端融着および成長停止の前に身長増加を継続するこ
とができる。
【0004】 さらに本発明の化合物は、ペプチドもしくは天然ホルモンあるいはそれらの類
縁体などの黄体形成ホルモン放出活性を有する化合物と併用または同時投与する
ことができる。そのようなペプチド化合物には、ロイプロレリン(leuprorelin )、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン(triptorelin)、ゴセレリン (goserelin)、ナファレリン、ヒストレリン(histrelin)、デスロレリン(de
slorelin)、メテルリン(meterlin)およびレシレリン(recirelin)などがあ る。
【0005】 さらに本発明の化合物は、アンタイド(Antide)およびアザリン(azaline) BなどのペプチドGnRH拮抗薬を閉経前女性に投与することで、投与せずに実
施した乳房X線像と比較して乳房X線撮影フィルムの読み易さが高められること が開示されている米国特許5824286号に記載の方法に従って使用すること
ができる。
【0006】 現在のGnRH拮抗薬は、GnRH様デカペプチド類であり、それらは経口活
性が無視できる程度しかないと考えられることから、静脈投与または皮下投与さ
れる。該薬剤は通常1位、2位、3位、6位および10位にアミノ酸置換を有す
る。
【0007】 非ペプチド系GnRH拮抗薬では、経口投与が利用できる可能性がある。非ペ
プチド系GnRH拮抗薬については、欧州特許出願0219292号およびデら
の報告(De, B et al., J.Med.Chem., 32, 2036-2038 (1989))、WO 95/2
8405、WO 95/29900およびEP 0679642(いずれもTakeda
Chemical Industries, Ltd.に対して)に記載されている。
【0008】 当業界で公知の置換インドール類には、以下の特許および特許出願に記載のも
のなどがある。米国特許5030640号には、強力なβ−作働薬であるα−複
素環エタノールアミノアルキルインドール類が開示されている。米国特許454
4663号には、男性用避妊薬として有用であると記載されているインドールア
ミン誘導体が開示されている。WO 90/05721には、抗糖尿病薬、抗肥 満薬および抗アテローム性動脈硬化薬として有用なα−アミノ−インドール−3
−酢酸類が開示されている。フランス特許2181559号には、鎮静活性、神
経弛緩活性、鎮痛活性、血圧降下活性、抗セロトニン活性および抗アドレナリン
活性を有するインドール誘導体が開示されている。ベルギー特許879381号
には、低血圧、レイノー病および片頭痛の治療に使用される心血管薬としての3
−アミノアルキル−1H−インドール−5−チオアミドおよびカルボキサミド誘
導体が開示されている。米国特許5756507号、5780437号および5
849764号にも、非ペプチド系GnRH拮抗薬としての置換アリールインド
ール類が開示されている。
【0009】 (発明の開示) 本発明は、非ペプチド系のGnRH拮抗薬であって、男性および女性における
各種性ホルモン関連状態の治療に使用することができる化合物;該化合物の製造
方法;ならびに哺乳動物での使用方法および哺乳動物で使用するための該化合物
を含む医薬組成物に関するものである。
【0010】 本発明の化合物はホルモンGnRHの拮抗薬としての活性を有することから、
男性および女性の両方における各種性ホルモン関連状態の治療に有用である。そ
の状態には、子宮内膜症、子宮筋腫、多嚢胞性卵巣、男性型多毛症、性早熟症、
前立腺癌,乳癌および子宮癌などの生殖腺ステロイド依存性腫瘍形成、下垂体性
腺刺激ホルモン腺癌、睡眠無呼吸、過敏性腸症候群、月経前症候群ならびに良性
前立腺過形成などがある。該化合物はさらに、成長ホルモン欠乏症および低身長
の治療への補助剤として有用であり、全身エリテマトーデスの治療に有用である
。さらに本発明の化合物は、体外受精においての有用性および避妊薬としての有
用性も考えられる。該化合物はさらに、アンドロゲン類、エストロゲン類、プロ
ゲステロン類、抗エストロゲン薬類および抗プロゲステロン薬類と併用して、子
宮内膜症、子宮筋腫の治療ならびに避妊に有用である可能性もある。該化合物は
さらに、男性におけるテストステロンその他のアンドロゲン類または抗プロゲス
テロン薬類との併用で避妊薬として有用でもあり得る。該化合物はさらに、エナ
ラプリルまたはカプトプリルなどのアンギオテンシン変換酵素阻害薬;ロサルタ
ン(Losartan)などのアンギオテンシンII受容体拮抗薬;あるいはレニン阻害
薬と併用して、子宮筋腫の治療を行うことができる。さらに本発明の化合物は、
ビスホスホネート(ビスホスホン酸)および他の薬剤と併用して、カルシウム代
謝、リン酸代謝および骨代謝の障害の治療および予防、特にGnRH拮抗薬によ
る治療法時の骨損失予防を行うことができ、エストロゲン類、プロゲステロン類
および/またはアンドロゲン類と併用して、GnRH拮抗薬による治療法時の骨
損失または一過性熱感などの性機能低下症候群の予防または治療を行うことがで
きる。
【0011】 さらに本発明の化合物は、フィナステリドまたはエプリステリドなどの5a−
レダクターゼ2阻害薬;WO 93/23420およびWO 95/11254に
開示の4,7b−ジメチル−4−アザ−5a−コレスタン−3−オン、3−オキ
ソ−4−アザ−4,7b−ジメチル−16b−(4−クロロフェノキシ)−5a
−アンドロスタンおよび3−オキソ−4−アザ−4,7b−ジメチル−16b−
(フェノキシ)−5a−アンドロスタンなどの5a−レダクターゼ1阻害薬;W
O 95/07927に開示の3−オキソ−4−アザ−17b−(2,5−トリ フルオロメチルフェニル−カルバモイル)−5a−アンドロスタンなどの5a−
レダクターゼ1および5a−レダクターゼ2の二重阻害薬;フルタミド、カソデ
クスおよび酢酸シプロテロンなどの抗アンドロゲン薬;ならびにプラゾシン、テ
ラゾシン、ドキサゾシン、タムスロシンおよびアルフゾシンなどのα−1遮断薬
と組み合わせて投与することができる。
【0012】 さらに本発明の化合物は、成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモンまたは成
長ホルモン分泌促進剤と併用して、成長ホルモン欠乏症小児における思春期を遅
延させて、思春期における骨端融着および成長停止の前に身長増加を継続するこ
とができる。
【0013】 さらに本発明の化合物は、ペプチドもしくは天然ホルモンあるいはそれらの類
縁体などの黄体形成ホルモン放出活性を有する化合物と併用または同時投与する
ことができる。そのようなペプチド化合物には、ロイプロレリン、ゴナドレリン
、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デ
スロレリン、メテルリンおよびレシレリンなどがある。
【0014】 さらに本発明の化合物は、アンタイドおよびアザリンBなどのペプチドGnR
H拮抗薬を閉経前女性に投与することで、投与せずに実施した乳房X線像と比較
して乳房X線撮影フィルムの読み易さが高められることが開示されている米国特 許5824286号に記載の方法に従って使用することができる。
【0015】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明の化合物は、下記式の化合物または該化合物の医薬的に許容される付加
塩および/または水和物、あるいは該当する場合には該化合物の幾何異性体もし
くは光学異性体またはラセミ混合物に関するものである。
【0016】
【化7】 式中、 Aは、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cシクロアル
キル、置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜C アルケニル、C〜Cアルキニル、置換C〜Cアルキニル、C〜C
ルコキシまたはC〜Cアルキル−S(O)−C〜Cアルキル、C
アルキル−O−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−NR18−C 〜Cアルキル(R18とC〜Cアルキルとが一体となって環
【0017】
【化8】 を形成していても良い)、あるいは単結合であり; Rは、水素、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル(置換基は以下
に定義の通りである)、アリール、置換アリール、アラルキルまたは置換アラル
キル(置換基は、R、RおよびRについて定義の通りである)であり; Rは、
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】 であり;Rヘテロ芳香環に含まれる窒素原子は、描かれた通りであるか、ある
いは化学的に可能な場合には、その酸化された(N→O)状態で存在することが
でき; Rは、水素、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、アラルキル、
置換アラルキル、アリール、置換アリール、アルキル−OR11、C〜C
NR1112)、C〜C(CONR1112)またはC(NR11 )NHであり; RとAとが一体となって5〜7個の原子からなる環を形成しており; R、RおよびRは独立に、水素、C〜Cアルキル、置換C〜C アルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、CN、ニトロ、
〜Cパーフルオロアルキル、C〜Cパーフルオロアルコキシ、アリー
ル、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、R11O(CH−、R 11 C(O)O(CH−、R11OC(O)(CH−、−(CHS(O)17、−(CHC(O)NR1112またはハロゲン
であり;R17は水素、C〜Cアルキル、C〜Cパーフルオロアルキル
、アリールまたは置換アリールであり; RとRが一体となって、3〜7個の炭素原子の炭素環またはN、Oおよび
Sから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する複素環を形成しており; Rは、水素、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、アリール、置
換アリール、C〜Cパーフルオロアルキル、CN、NO、ハロゲン、R O(CH−、NR12C(O)R11、NR12C(O)NR11 またはSO11であり; Rは、水素、C〜Cアルキルまたは置換C〜Cアルキルであり;た
だし、Xが水素またはハロゲンではない場合、Rは存在せず; Rは、C(O)OR20、C(O)NR2021、NR2021、C(
O)R20、NR21C(O)R20、NR21C(O)NR2021、NR 20 S(O)21、NR21S(O)NR2021、OC(O)R20 、OC(O)NR2021、OR20、SO20、S(O)NR20 21 、N,OもしくはSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する複素環も
しくは二環式複素環(R、RおよびRで置換されていても良い)、C
アルキルまたは置換C〜Cアルキルであり;あるいは RとRが一体となって、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原
子を有する複素環(R、RおよびRで置換されていても良い)を形成して
おり; mが0ではない場合に、RおよびR9aは独立に、水素、C〜Cアルキ
ル、置換C〜Cアルキル、アリールまたは置換アリール、アラルキルまたは
置換アラルキルであり;あるいは mが0ではない場合に、RおよびR9aが一体となって、3〜7員の炭素環
または=Oを形成しており; mが0ではない場合に、RとAが一体となって、3〜7個の炭素原子および
1以上のヘテロ原子を有する複素環を形成しており; R10およびR10aは独立に、水素、C〜Cアルキル、置換C〜C アルキル、アリール、置換アリール、アラルキルまたは置換アラルキルであり;
あるいは R10およびR10aが一体となって、3〜7員の炭素環または=Oを形成し
ており; mが0ではない場合に、RとR10が一体となって、3〜7員の炭素環また
は1個以上のヘテロ原子を有する複素環を形成しており;あるいは mが0ではない場合に、RとRが一体となって、3〜7個の炭素原子およ
び1個以上のヘテロ原子を有する複素環を形成しており;あるいは R10とRが一体となって、3〜7個の炭素原子および1個以上のヘテロ原
子を有する複素環を形成しており; R10とAが一体となって、3〜7個の炭素原子および1以上のヘテロ原子を
有する複素環を形成しており; R11およびR12は独立に、水素、C〜Cアルキル、置換C〜C
ルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、3〜7員の炭
素環または3〜7員の置換炭素環であり; R11およびR12が一体となって、3〜7員の置換されていても良い環を形
成していることができ; R13は、水素、OH、NR、NR11SO(C〜Cアルキル)
、NR11SO(置換C〜Cアルキル)、NR11SO(アリール)、
NR11SO(置換アリール)、NR11SO(C〜Cパーフルオロア
ルキル)、SONR11(C〜Cアルキル)、SONR11(置換C 〜Cアルキル)、SONR11(アリール)、SONR11(置換アリー
ル)、SONR11(C〜Cパーフルオロアルキル)、SONR11
C(O)C〜Cアルキル)、SONR11(C(O)−置換C〜C
ルキル)、SONR11(C(O)−アリール)、SONR11(C(O)
−置換アリール)、S(O)(C〜Cアルキル)、S(O)(置換C 〜Cアルキル)、S(O)(アリール)、S(O)(置換アリール)、C 〜Cパーフルオロアルキル、C〜Cパーフルオロアルコキシ、C〜C アルコキシ、置換C〜Cアルコキシ、COOH、ハロゲン、NOまたは
CNであり; R14およびR15は独立に、水素、C〜Cアルキル、置換C〜C
ルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、CN、ニトロ、C 〜Cパーフルオロアルキル、C〜Cパーフルオロアルコキシ、アリール
、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、R11O(CH−、R C(O)O(CH−、R11OC(O)(CH−、−(CH S(O)17、−(CHC(O)NR1112またはハロゲンで
あり;R17は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cパーフルオロアルキル
、アリールまたは置換アリールであり; R16は、水素、C〜Cアルキル、置換C〜CアルキルまたはN(R 1112)であり; R18は、水素、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C(O)O
11、C(O)NR1112、C(O)R11、S(O)11であり; R19は、R13またはR14の定義のいずれかであり; R20およびR21は独立に、水素、C〜Cアルキル、置換C〜C
ルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、3〜7員の炭
素環、3〜7員の置換炭素環、N、OもしくはSから選択される1〜4個のヘテ
ロ原子を有する複素環もしくは二環式複素環(R、RおよびRで置換され
ていても良い)、N、OもしくはSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有す
る複素環もしくは二環式複素環(R、RおよびRで置換されていても良い
)によって置換されたC〜Cアルキルであり; R20とR21が一体となって、3〜7員の置換されていても良い環を形成し
ていても良く; XはN、O、S(O)、C(O)、(CR1112、Rへの単結合
、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニルま
たは置換C〜Cアルキニルであり;XがO、S(O)、C(O)またはC
1112の場合、Rのみが可能であり; ZはO、SまたはNR11であり; mは0〜3であり; nは0〜2であり; pは0〜4であり; 上記のアルキル、シクロアルキル、アルケニルおよびアルキニルの置換基は、
〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、置換アリール、ア
ラルキル、置換アラルキル、水酸基、オキソ、シアノ、C〜Cアルコキシ、
フッ素、C(O)OR11、アリールC〜Cアルコキシ、置換アリールC 〜Cアルコキシから選択され;アリール置換基はR、RおよびRについ
て定義した通りである。
【0021】 別段の断りまたは指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲全体を通じ
て、以下の定義を適用する。
【0022】 R20およびR21が一体となった場合の好ましい置換基には、7−アザ−ビ
シクロ[2.2.1]ヘプタンおよび2−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ
ンなどがある。
【0023】 いずれかの変数(例:アリール、複素環、Rなど)がいずれかの構成要素も
しくは式Iにおいて複数回ある場合、各場合についてのそれの定義は、他の全て
の箇所でのそれの定義とは独立である。さらに、置換基および/または変数の組
み合わせは、そのような組み合わせによって安定な化合物が得られる場合にのみ
許容されるものである。
【0024】 「アルキル」という用語は、指定数の炭素原子を有する分岐および直鎖の両方
の飽和脂肪族炭化水素基を含むものであり、例えば、メチル(Me)、エチル(
Et)、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノナニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ならびにイソプロピル(i−Pr)、イソ
ブチル(i−Bu)、sec−ブチル(s−Bu)、tert−ブチル(t−B
u)、イソペンタン、イソヘキサンのようなそれらの異性体などがある。
【0025】 「アリール」という用語には、フェニルおよびナフチルなどがある、好ましい
実施態様では、アリールはフェニルである。
【0026】 「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素
を含むものである。
【0027】 「複素環」という用語は、N、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原
子を有する3〜8員の全ての非芳香族複素環と定義され、例えば、オキシラン、
オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ピロリジン、ピペリジ
ン、テトラヒドロピリジン、テトラヒドロピリミジン、テトラヒドロチオフェン
、テトラヒドロチオピラン、モルホリン、ヒダントイン、バレロラクタム、ピロ
リジノンなどがある。
【0028】 本明細書で使用する場合、「組成物」という用語は、指定量の指定された成分
を含む製造物、ならびに直接もしくは間接に指定量の指定された成分の組み合わ
せから得られる製造物を含むものとする。
【0029】 さらに、上記の複素環基の多くが複数の互変異性体で存在し得ることは当業者
には公知である。そのような互変異性体は全て本発明の範囲に含まれるものとす
る。
【0030】 光学異性体、すなわちエナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物(例:
ラセミ体)ならびに本発明の化合物の個々のエナンチオマーもしくはジアステレ
オマーも含まれる。これらの個々のエナンチオマーは一般に、それらが行う旋光
に従って、記号(+)および(−)、(L)および(D)、(l)および(d)
あるいはそれらの組み合わせによって表示される。それらの異性体はさらに、そ
れらの絶対空間配置に従って、(S)および(R)(それぞれ、左旋性および右
旋性を表す)によって表すこともできる。
【0031】 個々の光学異性体は、適切な光学活性酸による処理、ジアステレオマーの分離
とそれに続く所望の異性体の回収などの従来の分割手順を用いて得ることができ
る。さらに、個々の光学異性体は、不斉合成によって製造することができる。
【0032】 さらに、ある化学式または化学名は、それの医薬的に許容される塩および水和
物などのそれの溶媒和物を含むものとする。
【0033】 それ自体有効である本発明の化合物は、安定性、結晶化の簡便性、溶解度向上
および他の望ましい特性を目的として、それの医薬的に許容される付加塩の形で
製剤および投与することができる。
【0034】 本発明の化合物は、医薬的に許容される塩の形で投与することができる。「医
薬的に許容される塩」という用語は、全ての許容される塩を含むものとする。酸
塩の例としては、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、トリフ
ルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、メタ
ンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などがあり、それらの塩は、溶解度もし
くは加水分解特性を変えるような製剤として使用することができるか、あるいは
徐放製剤またはプロドラッグ製剤で使用することができる。本発明の化合物の特
定の官能性に応じて、本発明の化合物の医薬的に許容される塩には、ナトリウム
、カリウム、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛などの
カチオンから形成される塩、ならびにアンモニア、エチレンジアミン、N−メチ
ル−グルタミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベン
ジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、
N−ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロ
キシメチル)アミノメタンおよびテトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの
塩基から形成される塩などがある。これらの塩は、遊離酸と好適な有機もしくは
無機塩基との反応、あるいは遊離塩基と好適な有機もしくは無機酸との反応など
の標準的な手順によって製造することができる。
【0035】 さらに、酸(−COOH)基またはアルコール基が存在する場合、医薬的に許
容されるエステルを用いることができ、それには例えば、メチルエステル、エチ
ルエステル、ブチルエステル、酢酸エステル、マレイン酸エステル、ピバロイル
オキシメチルエステルなど、ならびに徐放製剤またはプロドラッグ製剤として使
用するために溶解度または加水分解特性を変える上で当業界で公知のエステルな
どがある。
【0036】 本発明の化合物は、立体化学が式Iに示されているキラル中心以外のキラル中
心を有する場合があることから、ラセミ体、ラセミ混合物および個々のエナンチ
オマーまたはジアステレオマーとして得られる場合があり、そのような異性体は
いずれも本発明に含まれ、それらの混合物も同様である。さらに、本発明の化合
物についての結晶形の一部は多形体として存在する場合があり、それ自体本発明
に含まれるものとする。さらに、本発明の化合物の一部は、水または一般的な有
機溶媒との溶媒和物を形成することができる。そのような溶媒和物は、本発明の
範囲に含まれる。
【0037】 本発明の化合物は、以下の反応図式に従って製造される。別段の断りがない限
り、置換基はいずれも上記で定義した通りである。
【0038】
【化12】
【0039】 本発明に記載の置換トリプタミン類の好ましい合成方法は、図式Aに示したよ
うに、重要段階としてパラジウム触媒交差カップリング反応を利用するものであ
る。この7−アザインドール合成には、炭酸ナトリウムなどの塩基、塩化リチウ
ムおよび(dppf)PdCl・CHClなどのパラジウム触媒の存在下
、2などの置換アセチレン類と好適に官能基化された3−ヨード−2−アミノピ
リジン(1)との反応が関与する。反応はジメチルホルムアミドなどの不活性有
機溶媒中、例えば100℃などの高温で行い、反応は約30分〜約24時間の期
間にわたって行う。標準的な後処理および単離によって、置換異性体インドール
誘導体3および4が得られ、一般式3の異性体が好ましい異性体である。本反応
で利用するアセチレンは、末端アセチレン(2a)であることができるか、ある
いは置換基Zを有する末端炭素原子(2b,2c)上で置換されていても良い。
PG1という略称の置換基は、ベンジルエーテル、tert−ブチルエーテルな
どのアルコール保護基を示している。Z置換基の性質によって、反応で生成する
7−アザインドール異性体(3および4)の分配が決定される。例えば、アセチ
レン上の置換基Zが水素原子である場合、異性体4aが反応の主生成物である。
置換基Zをトリメチルシリル、トリエチルシリル(図示のもの)などの置換シリ
ル基であるように選択する場合、異性体3bがほぼ独占的に形成される。Zが置
換アリール基である場合、両方の異性体3cおよび4cが形成される場合があり
、生成物混合物をクロマトグラフィー法または結晶化法を用いて分離して、個々
の異性体を得る。
【0040】 合成をシリル置換アセチレン2bを用いて行って、シリル置換7−アザインド
ール3bを製造する場合、次に図式Eで示した反応を用いて、シリル基を一般式
3cのアリールもしくは置換アリール基に変換する。次に、図式Aに示したアリ
ールアセチレン類(2c)から直接、あるいは図式Eの方法を用いて2−トリア
ルキルシリル−7−アザインドール類から形成した2−アリール置換7−アザイ
ンドール誘導体3cを、以下に示したように操作して、本発明に記載の新規な7
−アザインドール誘導体を得る。
【0041】
【化13】
【0042】 図式Bには、図式Aに記載のラロック(Larock)の7−アザインドール合成で
使用される置換3−ヨード−2−アミノピリジン類(1)の製造を示してある。
3−ヨード−2−アミノピリジン類(1)は、有機合成の文献に記載のいくつか
の方法で製造することができる。好ましい方法では、ヨウ素、一塩化ヨウ素、N
、ヨウ化コハク酸イミドなどの親電子ヨウ素化試薬を用いた一般式9の置換2−
アミノピリジン誘導体のオルトヨウ素化が関与する。図式Bに示した2−アミノ
ピリジン誘導体(9)のオルトヨウ素化では、室温でメタノールなどの好適な有
機溶媒中、ヨウ素およびトリフルオロ酢酸銀を用い、一般式1の3−ヨード−2
−アミノピリジン類が高収率で得られる。
【0043】 場合によっては、9などの2−アミノピリジン誘導体は市販されているか、あ
るいは別法として、有機化学で公知の方法を用いて製造することができる。例え
ば、ワチらの報告(Wachi, K.; Terada, A. Chem. Pharm. Bull., 1980, 28, 46
5)に報告の方法を利用することで、図式Bの上部に示したように、一般式5の ピリジン類を一般式9の2−アミノピリジン類に変換することができる。この合
成変換では最初に、メタクロロ過安息香酸などの好適な酸化剤によって、置換ピ
リジンを相当するN−オキサイド(6)に変換する。次の段階では、置換ピリジ
ンN−オキサイド6を、1,2−ジクロロエタンなどの不活性の高沸騰溶媒中で
4−クロロ−2,2−ジメチル−2H−1,3−ベンゾオキサジン(7)と反応
させる。この反応で最初に形成される付加物が熱転位を起こし、N−ピリジル置
換4−オキソ−4H−1,3−ベンゾオキサジン8が生成する。最後に、置換ベ
ンゾオキサジン8を高温で濃塩酸によって加水分解して、一般式9の置換2−ア
ミノピリジン類が得られる。
【0044】
【化14】
【0045】 一般構造式2のアセチレン系化合物は、所望の置換基の選択に応じて、いくつ
かの方法のいずれかを用いて製造される。置換基R、R9a、R10およびR 10a が水素または低級アルキル基となるように選択される場合、式2の化合物
は、3−ブチン−1−オール、4−ペンチン−2−オールまたは化学文献に報告
の同様のアセチレン系アルコール類などの公知のアセチレン系アルコールから製
造することができる。一般式10のアセチレン系アルコールの一般式2のアセチ
レン誘導体への変換は、図式Cに示してある。明瞭を期すため、図式Cに示して
ある水酸基保護基(PG)は、O−ベンジルエーテルを例としてある。そこで
、トリフルオロメタンスルホン酸などの触媒量の強酸存在下、四塩化炭素などの
好適な不活性有機溶媒中、室温で10とO−ベンジル−2,2,2−トリクロロ
アセトイミデートとを反応させることで、2〜24時間後に、保護アセチレン系
アルコール2aが得られる。次に、テトラヒドロフランなどの不活性有機溶媒中
、n−ブチルリチウムなどの塩基によるアセチレンの脱プロトン化と、それに続
くトリエチルクロロシランなどのトリアルキルシリルクロライドとの反応によっ
て、式2aの化合物を、Zがトリアルキルシリル基である一般式2のアセチレン
類(2b)に変換することができる。脱プロトン反応およびシリル化反応は、例
えば約−78℃〜室温という低温で行い、標準的な後処理および精製後に、式2
bのシリルアセチレン2bが得られる。
【0046】 前述のように、Zがアリールまたは置換アリール基である一般式2cのアセチ
レン類は、図式Aに示した7−アザインドール合成においても有用である。アリ
ールアセチレン類2cは、式2aのアセチレン系アルコール類から誘導される銅
(I)アセチリド類の各種アリールハライドまたはトリフ酸アリール(11)と
のカップリング反応を用いて製造することができる。そのようなカップリング反
応によって、図式Cの下部分に示した一般式12のアリールアセチレン類が得ら
れる。これらの反応は、代表的には約60℃〜約120℃の高温で、トリエチル
アミンなどの塩基性有機溶媒中で行い、カップリング反応は、トリフェニルホス
フィンと組み合わせたヨウ化銅(I)などの銅(I)塩および酢酸パラジウムな
どのパラジウム触媒によって触媒される。一般式12のアリールアセチレン類の
水酸基を、図式Cに示したO−ベンジルエーテル基などの好適な保護基で保護し
て、Zがアリールまたは置換アリール基である一般式2のアリールアセチレン(
2c)を得ることができる。さらに、場合によっては、図式Cに示した段階の順
序を逆転させることが好ましいことがあることは明らかであろう。例えば、アセ
チレン系アルコール類(7)についてシリル化またはアリール化を行ってから、
水酸基保護段階を行うことができる。
【0047】
【化15】
【0048】 一般式2aのアセチレン系化合物の製造における別の有用な方途は、図式Dに
示したように、一般式16のアルデヒドの一連のエチニル化反応を用いるもので
ある。この一連のエチニル化で用いるアルデヒド(16)は、一般式13のヒド
ロキシエステルを原料とする有機合成で公知の各種方法を用いて、式14の保護
ヒドロキシエステルから、あるいは式15のモノ水酸基保護ジオールに関連する
アルコールから製造することができる。好ましい原料の選択は、選択される置換
基R、R9a、R10およびR10aの性質によって決まる。図式Dには、一
般的なヒドロキシエステル13を原料とするこの戦略を示してある。例えば図示
したO−ベンジルエーテルのような13の水酸基保護によって、式14の保護ヒ
ドロキシエステルが得られる。次に、式14の化合物のエステル基を、トルエン
などの溶媒中で水素化ジイソプロピルアルミニウムなどの試薬を用いて直接、あ
るいは2段階工程を介して、式16のアルデヒドに変換することができる。2段
階工程では、テトラヒドロフラン中の水素化リチウムアルミニウムなどの試薬に
よるエステル基の還元によって式15のアルコールを得て、それについて次に、
例えばスウェルン−モファット(Swern-Moffatt)酸化を行って、式16の所望 のアルデヒドを得る。
【0049】 式16のアルデヒドのエチニル化は、2段階で行われる。第1に、塩化メチレ
ンなどの不活性有機溶媒中、アルデヒド(16)を四臭化炭素およびトリフェニ
ルホスフィンと反応させて、式17のジブロモオレフィンを得る。次に、例えば
約−78℃という低温で、n−ブチルリチウムのテトラヒドロフラン溶液などの
2当量の強塩基でジブロモオレフィン(17)を処理する。強塩基によって脱ハ
ロゲン化水素化と金属−ハロゲン交換が誘発されて、リチウムアセチリド化合物
が得られ、反応停止および後処理後に、その化合物から一般式2aのアセチレン
化合物が得られる。別法として、その反応で形成された中間体リチウムアセチリ
ド化合物を、トリエチルクロロシランなどのトリアルキルシリルクロライドで処
理して、一般式2bのシリルアセチレン化合物を得ることができる。
【0050】
【化16】
【0051】 一般式3bの2−シリル置換7−アザインドール類の一般式3cの2−アリー
ル置換7−アザインドール類への変換は、図式Eに示した2段階で行うことがで
きる。第1の段階は、式3bのシリル置換7−アザインドール類を一般式18の
2−ハロ−7−アザインドール類に変換するハロ脱シリル化反応である。図式E
には、一塩化ヨウ素を用いることで、得られる生成物が一般式18の2−ヨード
インドール化合物であるこの方法を示してある。この例ではさらに、テトラフル
オロホウ酸銀を用いて、ハロゲン化試薬の反応性を高める。塩化メチレン中N−
ブロモコハク酸イミドなどの他の親電子ハロゲン化試薬を用いてハロ脱シリル化
反応を行って、2−ブロモ−7−アザインドール誘導体を得ることができる。式
18の2−ブロモおよび2−ヨード−7−アザインドール類はいずれも、後の段
階で有用である。
【0052】 第2の段階は、好適なアリールまたは置換アリール有機金属試薬19と2−ハ
ロ−7−アザインドール18とのパラジウム触媒交差カップリング反応である。
図式Eには、有機金属試薬としてアリールもしくは置換アリールボロン酸を用い
てこの方法が示されているが、アリールボロン酸エステル類またはアリールスタ
ンナン類などのパラジウム触媒交差カップリング反応に加えることが知られてい
る他の有機金属試薬も用いることができる。この例では、一般式18の2−ヨー
ド−7−アザインドールを、塩化メチレンとの[1,1−ビス(ジフェニルホス
フィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体(図示したもの)、テト
ラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)などの触媒を用いて、一
般的なボロン酸(19)とカップリングさせる。反応は通常、室温〜約100℃
、例えば約80℃で行う。このパラジウム触媒交差カップリング反応は、有機化
学において公知のパラジウム触媒および溶媒組成物の各種組合せを用いて行うこ
とができ、条件の選択は、使用される有機金属試薬(19)の種類および2つの
原慮における具体的な置換基に応じて行う。有機金属試薬がボロン酸またはボロ
ン酸エステルである場合、好ましい溶媒混合物はトルエン、エタノールおよび炭
酸セシウムもしくは炭酸ナトリウムなどの塩基水溶液からなるものである。代わ
りに有機金属試薬19がアリールスタンナンである場合、別の塩基は必要ではな
く、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン性溶
媒を用いる。
【0053】
【化17】
【0054】 新規な7−アザインドール誘導体の合成の次の段階を図式Fに示してある。こ
の一連の反応では最初に、アミン保護基(PG)による7−アザインドールの
保護を行って、一般式20の化合物を得る。この保護段階は、後における式21
の化合物の式22の化合物への変換で、式21の2−アリールトリプトホール(
PGはH)の競争的副反応を回避する上で必要である。インドール保護後に、
7−アザインドール環のC−3位にある側鎖からの水酸基保護基(PG)の脱
離を行って、一般式21の化合物を得る。最後に、21の水酸基を一般式23の
1級アミンに変換し、それをさらに以下の図式に示す方法に従って官能基化する
。7−アザインドールにおける適切なアミン保護基(PG)の選択は主として
、C−3側鎖の水酸基にどの保護基(PG)が存在するか、ならびに合成の残
りの段階で必要なアミン保護基(PG)の化学的安定性についての検討によっ
て決まる。水酸基保護基(PG)が図式CおよびDで以前に示したO−ベンジ
ルエーテルである場合、7−アザインドールは、tert−ブチルカーバメート
(BOC)などのカーバメート誘導体として保護することができる。その場合、
BOC保護7−アザインドールは、O−ベンジルエーテルを脱離させるのに使用
される水素化条件下で安定であり、それは酸性条件を用いて、合成終了後に簡便
に脱離させることができる。Rがアルキル、置換アルキルなどである式(I)
の化合物を合成することが望まれる場合、この時点でその置換基を導入すること
が可能であり、保護基の使用および後におけるそれの脱離は必要ない。
【0055】 一般式21のアルコールは、有機化学の文献で公知の各種方法を用いて、一般
式23の1級アミンに変換することができる。図式Fの下部には、アルコール2
1を最初に一般式22のアジドに変換し、次に還元を行ってアミン誘導体23を
得る方法を示してある。21のようなアルコールからの一般式22のアジドの合
成は、ジフェニルホスホリルアジドまたはアジ化亜鉛・ピリジン錯体などの適切
なアジド源存在下でミツノブ(Mitsunobu)反応を行うことで、最も良好に実施 される。図式Fには、塩化メチレンまたはテトラヒドロフランなどの不活性溶媒
中での、トリフェニルホスフィン、アゾジカルボン酸ジエチル、アジ化亜鉛・ピ
リジン錯体およびイミダゾールなどのプロトン源とアルコール21の反応を示し
てある。反応は通常、1〜24時間、代表的には終夜または約15時間にわたっ
て室温で行い、良好な収率で一般式22のアジドが得られる。最後に、式22の
アジドを、有機合成で一般的ないくつかの方法のうちのいずれかを用いて式23
のアミンに還元することができる。ある好ましい方法は、10%パラジウム/炭
素などの触媒存在下でのメタノールまたはエタノールなどの溶媒中での接触水素
化である。別法として、22などのアジドをトリフェニルホスフィンと反応させ
てイミノホスホランを形成し、それを水で加水分解することで式23のアミンお
よびトリフェニルホスフィンオキサイドを得ることができる。
【0056】
【化18】
【0057】 新規な7−アザインドール誘導体(I)の合成の最終段階では、7−アザイン
ドール核のC−3位にある側鎖に操作を加える。この合成を完了させる方法の一
つを図式Gに示してある。図式に示したように、塩化メチレン、クロロホルム、
ジメチルホルムアミドもしくはそれらの混合物などの不活性有機溶媒中、室温付
近の温度で、3〜24時間にわたって、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(H
OBt)およびN−メチルモルホリン(NMM)、トリエチルアミンなどの3級
アミン塩基の存在下または非存在下に、カップリング試薬1−(3−ジメチルア
ミノ−プロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、1,3−ジシ
クロヘキシル−カルボジイミド(DCC)などを用いて、2−アリールトリプタ
ミン(23)を24の形のカルボン酸と縮合させて、相当するアミド誘導体(2
5)を得ることができる。別法として、0℃〜25℃の温度で30分〜4時間に
わたって、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ルなどの不活性有機溶媒ならびにトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ
ン、ピリジンなどの3級アミン塩基中、2−アリールトリプタミン23を式26
の活性エステルまたは酸塩化物で処理することで、化合物25を得ることができ
る。
【0058】
【化19】
【0059】 反応図式Hに示したように、1〜8時間にわたり、約25℃〜約100℃、好
ましくは約65℃で、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキ
サンなど不活性有機溶媒中、25のアミドカルボニルを、ボラン、水素化リチウ
ムアルミニウムまたは同等の水素化物源によって還元して、相当するアミン27
を得ることができる。
【0060】
【化20】
【0061】 反応図式Iに示したように、約0℃〜約25℃の温度で、1〜12時間にわた
り、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、塩化メ
チレン、クロロホルムまたはそれらの混合液などの不活性有機溶媒中、3Åモレ
キュラーシーブスまたは硫酸マグネシウムなどの乾燥剤を使用したりあるいは使
用せずに、トリフルオロ酢酸(TFA)、酢酸などの弱酸ならびに水素化ホウ素
ナトリウムまたは水素化シアノホウ素ナトリウムなどの水素化物源存在下に、2
−アリールトリプタミン23を28の形のアルデヒドまたはケトンで処理するこ
とで修飾して、相当する2級もしくは3級アミン誘導体29を得ることができる
【0062】
【化21】
【0063】 反応図式Jに示したように、ミツノブ反応のフクヤマによる変法(Fukuyama,
T; Jow, C.-K.; Cheung, M., Tetrahedron Lett., 1995, 36, 6373-74)を用い て、トリプタミン23を修飾することができる。塩化メチレンなどの不活性有機
溶媒中、トリプタミン23を、2−ニトロベンゼンスルホニルクロライド、4−
ニトロベンゼンスルホニルクロライドまたは2,4−ジニトロベンゼンスルホニ
ルクロライドなどのアリールスルホニルクロライドおよび2,4,6−コリジン
、2,6−ルチジンなどの立体障害アミン塩基と反応させて、相当するスルホン
アミド30を得ることができる。ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフランまた
はそれらの混合液などの不活性有機溶媒中、トリフェニルホスフィンおよびアゾ
ジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピルなどの活
性化剤の存在下に、31の形のアルコールと反応させることで、スルホンアミド
をさらに修飾して、ジアルキルスルホンアミド付加物を得ることができる。塩化
メチレンなどの不活性有機溶媒中、n−プロピルアミンなどの求核性アミンで処
理することで、ジニトロベンゼンスルホニル基の脱離を行って、32の形の2級
アミンを得る。モノにトロベンゼンスルホニル誘導体を用いる場合、スルホンア
ミドの脱離は、DMF中、水酸化リチウムと組み合わせたチオフェノールまたは
メルカプト酢酸などのより求核性の高い試薬で行う。
【0064】
【化22】
【0065】 反応図式Kには、反応図式Jに補足して、式(I)の新規化合物の合成を完了
する方法を示してある。図式Kでも、反応図式Jに示したものと同様のミツノブ
反応のフクヤマによる変法を用いる。しかしながらこの場合は、使用する相手化
合物のアルコールが、反応図式Fですでに記載した一般式21の2−アリールト
リプトホールである。ベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなど
の好適な不活性有機溶媒中、2−アリールトリプトホール(21)を、一般式3
3の置換スルホンアミド、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエ
チルと反応させる。その反応は、2〜24時間にわたり、代表的には終夜または
約12〜16時間にわたって室温で行う。生成物はN,N−ジ置換スルホンアミ
ドであり、次にそれを別個に、n−プロピルアミンなどの塩基と反応させ、スル
ホンアミド置換基を脱離させ、式32に関係する2級アミンを得る。使用する式
33のスルホンアミド類は、塩化メチレンなどの不活性有機溶媒中、2,4,6
−コリジン、2,6−ルチジンなどの立体障害アミン塩基存在下に、1級アミン
および2−ニトロベンゼンスルホニルクロライド、4−ニトロベンゼンスルホニ
ルクロライドまたは2,4−ジニトロベンゼンスルホニルクロライド(図示のも
の)から容易に得られる。合成の最終段階では、7−アザインドール窒素原子上
の保護基(PG)の脱離を行って、Rが水素原子である一般式32の化合物
を得る必要がある。反応図式JまたはKに示した一連の合成のいずれを優先する
かは、式(I)の化合物に存在するよう選択される置換基によって決まることは
、有機合成の分野における当業者には明らかであろう。
【0066】 本発明の化合物は、男性および女性における各種性ホルモン関連の状態の治療
において有用である。その有用性は、以下のin vitroアッセイでの活性によって
示される、神経ペプチドホルモンGnRHの拮抗薬として作用するそれの能力に
おいて明らかになる。
【0067】 GnRH受容体結合アッセイ クローン化受容体を安定に発現するCHO−K1細胞から得られたヒトGnR
H受容体(hGnRHR)を用いて、リガンド結合アッセイを行う。大量のバッ
チのhGnRHR−CHO−K1細胞から粗膜懸濁液を調製し、少量ずつを−8
0℃で保存する。放射能標識ペプチドリガンド[5−(125I−Tyr)−ブ
セレリン]はウッズ・アッセイズ(Woods Assays, Portland, Oregon)から入手
し、1000Ci/mmolの比放射能を有する。膜および放射能標識リガンド
を、50mM Tris−HCl(pH7.5)、2mM MgClおよび0.
1%ウシ血清アルブミンからなるアッセイ緩衝液に溶かす。リガンド結合アッセ
イは、最終容量2000μLで、96ウェルのポリプロピレン製プレートにて、
22℃で1時間にわたって行う。アッセイプレートにおける各ウェルには、0.
1nM 125I−ブセレリン、hGnRH受容体−膜蛋白10〜15μgおよ び被験化合物を含有させる。被験化合物の試験は、0.01〜10000nMの
濃度範囲で行う。96ウェルパッカード(Packard)GF/Cユニフィルター(U
nifilter)プレート(0.1%ポリエチレンイミンで前処理したもの)での減圧
濾過によって、インキュベーションを終了し、冷リン酸緩衝生理食塩水(pH7
.5)2mLで洗浄する。ユニフィルタープレートを乾燥してから、シンチレー
ション液を加え、パッカードトップカウント(TopCount)検出器でカウンティン
グを行う。
【0068】 ホスホイノシチド(PI)代謝アッセイ 官能基でホスホリパーゼCに機能的に結合したヒトGnRH受容体を発現する
チャイニーズハムスター卵巣細胞系を得、24ウェルトレイ中、10%透析ウシ
胎仔血清、1%Pen/Strep、2mMグルタミン、500μg/mL G 418および1μCi(H)イノシトールを含むイノシトールを含まないF1
2培地に、細胞60000個/mL/ウェルの濃度で接種した。接種から48時
間後、細胞を10mM LiClを含むPBS 1mLで3回洗浄し、各種濃度の
GnRH拮抗薬により、37℃で2時間処理してから、0.5nM GnRHを 加えた。37℃でさらに60分間インキュベートした後、培地を除去し、細胞を
0.1Mギ酸1mLで溶解した。トレーを1回冷凍−解凍し、細胞抽出物をダウ
エックス(Dowex)AG1−X8カラムに負荷した。カラムをHO 1mLで2
回洗浄して遊離の(H)イノシトールを除去し、リン酸(H)イノシトール
を2Mギ酸アンモニウム/1Mギ酸 1mLで3回溶出した。溶出液をシンチレ ーションカウンタでカウンティングした。
【0069】 式Iの化合物は、GnRHが影響する多くの分野で有用である。該化合物は、
性ホルモン関連の状態、性ホルモン依存性癌、良性前立腺過形成または子宮筋腫
において有用なものとなり得る。本発明の化合物投与が有効である可能性のある
性ホルモン依存性癌には、前立腺癌、子宮癌、乳癌および下垂体性腺刺激ホルモ
ン腺癌などがある。本発明の化合物投与が有効である可能性のある他の性ホルモ
ン依存性状態には、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣、子宮筋腫および性早熟症などが
ある。該化合物は、エナラプリルまたはカプトプリルなどのアンギオテンシン変
換酵素阻害薬;ロサルタンなどのアンギオテンシンII受容体拮抗薬;あるいは
レニン阻害薬と併用して、子宮筋腫の治療を行うこともできる。
【0070】 本発明の化合物はさらに、男性および女性の両方における避妊薬として避妊に
、人工授精に、月経前症候群の治療に、全身エリテマトーデスの治療に、男性型
多毛症の治療に、過敏性腸症候群の治療に、睡眠無呼吸などの睡眠障害の治療に
も有用であると考えられる。
【0071】 本発明の化合物のさらに別の用途は、成長ホルモン欠乏症小児における成長ホ
ルモン療法への補助剤としてのものである。該化合物は、成長ホルモンまたは成
長ホルモンの内因性産生または放出を促進する化合物とともに投与することがで
きる。内因性成長ホルモンの放出を刺激するある種の化合物が開発されている。
内因性成長ホルモンの放出を刺激することが知られているペプチド類には、成長
ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン放出ペプチドGHRP−6およびGHRP
−1(米国特許4411890号、PCT特許公開WO 89/07110号お よびPCT特許公開WO 89/07111号に記載)およびGHRP−2(P CT特許公開WO 93/04081号に記載)、ならびにヘキサレリン(hexar
elin; J.Endocrinol.Invest., 15 (Suppl 4), 45 (1992))などがある。内因性
成長ホルモンの放出を刺激する他の化合物は例えば、米国特許3239345号
、米国特許4036979号、米国特許4411890号、米国特許52062
35号、米国特許5283241号、米国特許5284841号、米国特許53
10737号、米国特許5317017号、米国特許5374721号、米国特
許5430144号、米国特許5434261号、米国特許5438136号、
EPO特許公開0144230号、EPO特許公開0513974号、PCT特
許公開WO 94/07486号、PCT特許公開WO 94/08583号、P
CT特許公開WO 94/11012号、PCT特許公開WO 94/13696
号、PCT特許公開WO 94/19367号、PCT特許公開WO 95/03
289号、PCT特許公開WO 95/03290号、PCT特許公開WO 95
/09633号、PCT特許公開WO 95/11029号、PCT特許公開W O 95/12598号、PCT特許公開WO 95/13069号、PCT特許
公開WO 95/14666号、PCT特許公開WO 95/16675号、PC
T特許公開WO 95/16692号、PCT特許公開WO 95/17422号
、PCT特許公開WO 95/17423号、Science, 260, 1640-1643(199
3年6月11日)、Ann.Rep.Med.Chem., 28, 177-186 (1993)、Bioorg.Med.Chem .Ltrs. , 4 (22), 2709-2714 (1994)およびProc.Natl.Acad.Sci.USA 92, 7001-70
05(1995年7月)などに開示されている。
【0072】 本発明の組み合わせで用いられる代表的な好ましい成長ホルモン分泌促進物質
には、 1)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1−メタンスルホニルスピロ[
3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−2−
(1H−インドール−3−イル)エチル]−2−アミノ−2−メチル−プロパン
アミド; 2)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1−メタンカルボニルスピロ[
3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−2−
(1H−インドール−3−イル)エチル]−2−アミノ−2−メチル−プロパン
アミド; 3)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1−ベンゼンスルホニルスピロ
[3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−2
−(1H−インドール−3−イル)エチル]−2−アミノ−2−メチル−プロパ
ンアミド; 4)N−[1(R)−[(3,4−ジヒドロ−スピロ[2H−1−ベンゾピラ
ン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−2−(1H−インド
ール−3−イル)エチル]−2−アミノ−2−メチル−プロパンアミド; 5)N−[1(R)−[(2−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロスピ
ロ[イソキノリン−4,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−2−
(インドール−3−イル)エチル]−2−アミノ−2−メチル−プロパンアミド
; 6)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1−メタンスルホニルスピロ[
3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−2−
(フェニルメチルオキシ)エチル]−2−アミノ−2−メチル−プロパンアミド
; 7)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1−メタンスルホニルスピロ[
3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−2−
(フェニルメチルオキシ)エチル]−2−アミノ−2−メチル−プロパンアミド
・メタンスルホネート; 8)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1−メタンスルホニルスピロ[
3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−2−
(2’,6’−ジフルオロフェニルメチルオキシ)エチル]−2−アミノ−2−
メチルプロパンアミド; 9)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1−メタンスルホニル−5−フ
ルオロスピロ[3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カル
ボニル]−2−(フェニルメチルオキシ)エチル]−2−アミノ−2−メチルプ
ロパンアミド; 10)N−[1(S)−[(1,2−ジヒドロ−1−メタンスルホニルスピロ
[3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−2
−(フェニルメチルチオ)エチル]−2−アミノ−2−メチルプロパンアミド; 11)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1−メタンスルホニルスピロ
[3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−3
−フェニルプロピル]−2−アミノ−2−メチルプロパンアミド; 12)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1−メタンスルホニルスピロ
[3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−3
−シクロヘキシルプロピル]−2−アミノ−2−メチルプロパンアミド; 13)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1−メタンスルホニルスピロ
[3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−4
−フェニルブチル]−2−アミノ−2−メチルプロパンアミド; 14)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1−メタンスルホニルスピロ
[3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−2
−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル]−2−アミノ−2−
メチルプロパンアミド; 15)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1−メタンスルホニル−5−
フルオロスピロ[3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カ
ルボニル]−2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチル]−2
−アミノ−2−メチルプロパンアミド; 16)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1−(2−エトキシカルボニ
ル)メチルスルホニルスピロ[3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1
’−イル)カルボニル]−2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−2−
アミノ−2−メチルプロパンアミド; 17)N−[1(R)−[(1,2−ジヒドロ−1,1−ジオキソスピロ[3
H−ベンゾチオフェン−3,4’−ピペリジン]−1’−イル)カルボニル]−
2−(フェニルメチルオキシ)エチル]−2−アミノ−2−メチルプロパンアミ
ド; ならびにこれらの医薬的に許容される塩などがある。
【0073】 本発明の化合物を、ビスホスホネート類(ビスホスホン酸類)ならびに成長ホ
ルモン分泌促進物質などの他の薬剤と併用して、カルシウム代謝、リン酸代謝お
よび骨代謝の障害の治療および予防、特にGnRH拮抗薬による治療法時の骨損
失予防を行うこともでき、エストロゲン類、プロゲステロン類および/またはア
ンドロゲン類と併用して、GnRH拮抗薬による治療法時の骨損失または一過性
熱感などの性機能低下症候群の予防または治療を行うこともできる。
【0074】 ビスホスホネート類(ビスホスホン酸類)は、骨吸収を阻害することが知られ
ており、ロシニ(Risini)らに対する米国特許4621077号に開示のような
骨結石症の治療において有用である。
【0075】 文献には、骨吸収が関与する疾患の治療および予防において有用な各種ビスホ
スホン酸類が開示されている。代表的な例は、米国特許3251907号、米国
特許3422137号、米国特許3584125号、米国特許3940436号
、米国特許3944599号、米国特許3962432号、米国特許40545
98号、米国特許4267108号、米国特許4327039号、米国特許44
07761号、米国特許4578376号、米国特許4621077号、米国特
許4624947号、米国特許4746654号、米国特許4761406号、
米国特許4922007号、米国特許4942157号、米国特許522750
6号、米国特許5270365号、EPO特許公開0252504号およびJ.Or g.Chem. , 36, 3843 (1971)にある。
【0076】 ビスホスホン酸類およびハロビスホスホン酸類の製造は当業界で公知である。
代表的な例は上記の参考文献にあり、それらの化合物がカルシウム代謝もしくは
リン酸代謝の障害の治療において、特に骨吸収阻害剤として有用であることが開
示されている。
【0077】 好ましいビスホスホネート類は、アレンドロン酸(alendronic acid)、エチ ドロノン酸(etidrononic acid)、クロドロン酸(clodronic acid)、パミドロ
ン酸(pamidronic acid)、チルドロン酸(tiludronic acid)、リセドロン酸(
risedronic acid)、6−アミノ−1−ヒドロキシ−ヘキシリデン−ビスホスホ ン酸および1−ヒドロキシ−3(メチルペンチル−アミノ)−プロピリデン−ビ
スホスホン酸;あるいはそれらのいずれかの医薬的に許容される塩からなる群か
ら選択される。特に好ましいビスホスホネートは、アレンドロン酸(アレドロネ
ート(alendronate))またはそれの医薬的に許容される塩である。特に好まし いビスホスホネートは、アレンドロン酸ナトリウム・3水和物を含むアレンドロ
ン酸ナトリウムである。アレンドロン酸ナトリウムは、フォサマックス(FOSAMA
X)という登録商標下に、規制当局による米国での販売認可を受けている。
【0078】 さらに本発明の化合物は、フィナステリドまたはエプリステリドなどの5α−
レダクターゼ2阻害薬;WO 93/23420およびWO 95/11254に
開示の4,7β−ジメチル−4−アザ−5α−コレスタン−3−オン、3−オキ
ソ−4−アザ−4,7β−ジメチル−16β−(4−クロロフェノキシ)−5α
−アンドロスタンおよび3−オキソ−4−アザ−4,7β−ジメチル−16β−
(フェノキシ)−5α−アンドロスタンなどの5α−レダクターゼ1阻害薬;W
O 95/07927に開示の3−オキソ−4−アザ−17β−(2,5−トリ フルオロメチルフェニル−カルバモイル)−5α−アンドロスタンなどの5α−
レダクターゼ1および5α−レダクターゼ2の二重阻害薬;フルタミド、カソデ
クスおよび酢酸シプロテロンなどの抗アンドロゲン薬;ならびにプラゾシン、テ
ラゾシン、ドキサゾシン、タムスロシンおよびアルフゾシンなどのα−1遮断薬
と組み合わせて投与することができる。
【0079】 さらに本発明の化合物は、成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモンまたは成
長ホルモン分泌促進剤と併用して、成長ホルモン欠乏症小児における思春期を遅
延させて、思春期における骨端融着および成長停止の前に身長増加を継続するこ
とができる。
【0080】 さらに本発明の化合物は、ペプチドもしくは天然ホルモンあるいはそれらの類
縁体などの黄体形成ホルモン放出活性を有する化合物と併用または同時投与する
ことができる。そのようなペプチド化合物には、ロイプロレリン、ゴナドレリン
、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デ
スロレリン、メテルリンおよびレシレリンなどがある。
【0081】 複数の活性薬剤を用い、該活性薬剤を別個の製剤とする併用治療では、該活性
薬剤を別個にまたは一緒に投与することができる。さらに、一つの要素の投与を
他の薬剤の投与の前、それと同時またはその後に行うことができる。
【0082】 有効成分を含む医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ剤、水系もし
くは油系の懸濁液、分散性の粉剤もしくは粒剤、乳濁液、硬もしくは軟カプセル
、またはシロップもしくはエリキシル剤として、経口用に適した形態とすること
ができる。経口用の組成物は、医薬組成物の製造に関して当業界で公知の方法に
従って調製することができ、そのような組成物には、甘味剤、芳香剤、着色剤お
よび保存剤からなる群から選択される1以上の薬剤を含有させて、医薬的に見た
目および風味の良い製剤を得ることができる。錠剤には、錠剤の製造に適した無
毒性で医薬的に許容される賦形剤との混合で有効成分を含有させる。その賦形剤
としては例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシ
ウムもしくはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;コーンスターチまたはアル
ギン酸などの造粒剤および崩壊剤;デンプン、ゼラチンまたはアカシアなどの結
合剤;ならびにステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸もしくはタルクなどの
潤滑剤などがあり得る。錠剤は未コーティングとすることができるか、あるいは
公知の方法によってコーティングを施して、消化管での崩壊および吸収を遅延さ
せることで、長期間にわたって徐放作用を得ることができる。例えば、モノステ
アリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を用い
ることができる。それらにはまた、米国特許4256108号、同416645
2号、同4265874号に記載の方法によってコーティングを施して、徐放用
の浸透圧性治療用錠剤を形成することもできる。
【0083】 経口用製剤はまた、有効成分を炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカ
オリンなどの不活性固体希釈剤と混合した硬ゼラチンカプセルとして、あるいは
有効成分を水または例えば落花生油、液体パラフィンもしくはオリーブ油などの
油系媒体と混合した軟ゼラチンカプセルとして提供することもできる。
【0084】 水系懸濁液には、水系懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合で活性材料を含有
させる。そのような賦形剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、
ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガムなどの懸濁剤があ
る。分散剤もしくは湿展剤は、レシチンなどの天然ホスファチド、または例えば
ステアリン酸ポリオキシエチレンなどの脂肪酸とアルキレンオキサイドとの縮合
生成物、または例えばヘプタデカエチレンオキシセタノールなどの長鎖脂肪族ア
ルコールとエチレンオキサイドとの縮合生成物、またはモノオレイン酸ポリオキ
シエチレンソルビトールなどの脂肪酸とヘキシトールから誘導される部分エステ
ルとエチレンオキサイドとの縮合生成物、または例えばモノオレイン酸ポリエチ
レンソルビタンなどの、脂肪酸と無水ヘキシトールから誘導される部分エステル
とエチレンオキサイドとの縮合生成物などがあり得る。水系懸濁液は、p−ヒド
ロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピルなどの1以上の保存剤、1以上の着色
剤、1以上の芳香剤、ならびにショ糖、サッカリンもしくはアスパルテームなど
の1以上の甘味剤を含有することもできる。
【0085】 油性懸濁液は、有効成分を、落花生油、オリーブ油、ゴマ油またはヤシ油など
の植物油、あるいは液体パラフィンなどの鉱物油に懸濁させることで製剤するこ
とができる。油性懸濁液には、例えば蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコ
ールなどの増粘剤を含有させることができる。上記の甘味剤および芳香剤を加え
て、風味の良い経口製剤を提供することもできる。このような組成物は、アスコ
ルビン酸などの酸化防止剤を加えることで防腐することができる。
【0086】 水の添加による水系懸濁液の調製に好適な分散性粉剤および顆粒は、分散剤も
しくは湿展剤、懸濁剤および1以上の保存剤との混合で有効成分を提供するもの
である。好適な分散剤もしくは湿展剤および懸濁剤の例としては、既に上述した
ものがある。例えば甘味剤、芳香剤および着色剤などの別の賦形剤も存在させる
ことができる。
【0087】 本発明の医薬組成物は、水中油型乳濁液の剤型とすることもできる。その油相
は、例えばオリーブ油もしくは落花生油などの植物油または例えば液体パラフィ
ンなどの鉱物油あるいはこれらの混合物とすることができる。好適な乳化剤とし
ては、例えば大豆レシチンなどの天然ホスファチド、ならびに例えばモノオレイ
ン酸ソルビタンなどの脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導されるエステルも
しくは部分エステル、ならびに例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビ
タンなどの前記部分エステルとエチレンオキサイドとの縮合生成物があり得る。
乳濁液はさらに、甘味剤および芳香剤を含有することもできる。
【0088】 シロップおよびエリキシル剤は、例えばグリセリン、プロピレングリコール、
ソルビトールまたはショ糖などの甘味剤を加えて製剤することができる。そのよ
うな製剤には、粘滑剤、保存剤および芳香剤ならびに着色剤を含有させることも
できる。
【0089】 該医薬組成物は、無菌の注射用水性もしくは油性懸濁液の形態とすることがで
きる。この懸濁液は、上述した好適な分散剤もしくは湿展剤および懸濁剤を用い
て、公知の技術に従って製剤することができる。該無菌注射製剤は、例えば1,
3−ブタンジオール溶液のように、無毒性で非経口的に許容される希釈剤もしく
は溶媒中での無菌注射溶液もしくは懸濁液とすることもできる。使用可能な許容
される媒体および溶媒には、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液な
どがある。さらに従来のように、溶媒もしくは懸濁媒体として、無菌の固定油を
用いる。それに関しては、合成モノもしくはジグリセリド等のいかなる固定油商
品も使用可能である。さらに、注射剤の製剤には、オレイン酸などの脂肪酸が用
いられる。
【0090】 式Iの化合物は、該薬剤の直腸投与用の坐剤の形態で投与することもできる。
そのような組成物は、常温で固体であるが直腸温度では液体であることから、直
腸で融解して上記薬剤を放出する好適な非刺激性の賦形剤と該薬剤とを混和する
ことで調製することができる。そのような材料は、カカオバターおよびポリエチ
レングリコール類である。
【0091】 局所投与用には、式Iの化合物を含むクリーム、軟膏、ゼリー、液剤または懸
濁液などを用いる(その投与法に関して、局所投与は含嗽液およびうがい剤を含
むものとする)。
【0092】 本発明の化合物は、好適な経鼻媒体の局所使用により、あるいは当業者には公
知の経皮貼付剤の形を用いる経皮経路によって、経鼻製剤で投与することができ
る。経皮投与系の形で投与するには当然のことながら、投与は、投与法を通じて
間歇的ではなく連続的に行う。本発明の化合物は、カカオ脂、グリセロゼラチン
、硬化植物油、各種分子量のポリエチレングリコールの混合物およびポリエチレ
ングリコールの脂肪酸エステル類などの基剤を用いた坐剤として投与することも
できる。
【0093】 本発明の化合物を利用する投与法は、患者の種類、動物種、年齢、体重、性別
および医学的状態;治療対象となる状態の重度;投与経路;患者の腎臓および肝
臓機能;ならびに使用される特定の化合物などの各種要素に従って選択される。
通常の技術を有する医師または獣医であれば、状態の進行を予防、処置、停止ま
たは逆転させる上で必要な薬剤の有効量を容易に決定・処方することができる。
毒性を持たずに効力を有する範囲内の薬剤濃度を得る上で至適な正確さを期すに
は、標的部位への薬剤利用能の動態に基づいた投与法が必要である。その場合に
は、薬剤の分布、平衡および排出について検討する。好ましくは、本発明の方法
で有用な構造式Iの化合物の用量は、成人1人で1日当たり0.01〜1000
mgの範囲である。最も好ましくは用量は、0.1〜500mg/日の範囲であ
る。経口投与の場合、組成物は好ましくは、有効成分0.01〜1000mgを
含む錠剤の形で提供される。詳細には有効成分の量を0.01、0.05、0.
1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.
0、100および500mgとして、治療すべき患者に対する用量を症状に合わ
せて調節する。通常、有効量の薬剤は、1日当たり約0.0002mg/kg〜
約50mg/kgの用量レベルで提供される。より詳細には該範囲は、1日当た
り約0.001mg/kg〜1mg/kgである。
【0094】 有利には、本発明の活性薬剤は1日1回投与で投与することができるか、ある
いは1日2回、3回もしくは4回の分割投与で総1日用量を投与することができ
る。
【0095】 担体材料と組み合わせて単回投与製剤を与えることができる有効成分の量は、
治療される宿主および特定の投与形態に応じて変わるものである。
【0096】 しかしながら、特定の患者についての具体的な用量レベルは、年齢、体重、全
身の健康状態、性別、食事、投与時刻、投与経路、排泄速度、併用薬剤および治
療を受けている特定の疾患の重度などの各種要素によって決まる。
【0097】 以下の実施例は、本発明の化合物の一部についての製造を示すものであり、本
明細書に開示の発明を限定すると解釈すべきではない。
【0098】 実施例1
【0099】
【化23】
【0100】 (S)−1−(N,N−ジイソブチルアミノ)−2−{2−(3,5−ジメチ
ルフェニル)−3−[1−メチル−2−(イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6
−イル)エチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル}−2−メ
チルプロパン−1−オン。
【0101】 段階1A:(S)−2−[3−(2−ベンジルオキシ−1−メチルエチル)− 2−トリエチルシリル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−2 −メチルプロパン酸メチル 2−(6−アミノ−5−ヨードピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン酸
メチル(4.61g、14.4mmol)、(S)−(4−ベンジルオキシ−3
−メチルブト−1−インイル)トリエチルシラン(4.98g、17.3mmo
l)、Pd(dppf)Cl・CHCl(0.59g、0.72mmol
)、LiCl(0.61g、14.4mmol)、NaCO(3.82g、
36.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(60mL)の懸濁液
を高撹拌しながら、3回の真空/窒素導入のサイクルを行って脱気し、得られた
混合物を約90℃で終夜加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を酢酸エチ
ルで希釈し、セライト(登録商標)濾過し、酢酸エチルで十分に洗浄した。濾液
を水に投入し、酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液をブライン
で洗浄し、脱水し(MgSO)、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルでの
フラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離:溶離液として20%から25%酢酸
エチル/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を油状物(6.11g)とし
て得た。
【0102】 段階1B:(S)−2−[3−(2−ベンジルオキシ−1−メチルエチル)− 2−ヨード−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−2−メチルプ ロパン酸メチル (S)−2−[3−(2−ベンジルオキシ−1−メチルエチル)−2−トリエ
チルシリル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−2−メチルプ
ロパン酸メチル(6.00g、13.4mmol)およびテトラフルオロホウ酸
銀(3.39g、17.4mmol)のMeOH/THF(1:2;75mL)
中混合物を0℃で高撹拌しながら、それに一塩化ヨウ素(2.83g、17.4
mmol)のMeOH(25mL)溶液を、均圧滴下漏斗を用いて約0.5時間
かけて加えた。さらに0.5時間後、反応を1M Naで停止し、昇 温して室温とし、セライト(登録商標)濾過して、酢酸エチルで十分に洗浄した
。濾液を減圧下に濃縮し、1MNaに投入し、酢酸エチルで抽出した
(3回)。合わせた有機抽出液をブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、減
圧下に濃縮した。残留物をシリカでのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:
25%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を無色固体(5.
54g)として得た。
【0103】 段階1C:(S)−2−[3−(2−ベンジルオキシ−1−メチルエチル)− 2−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5 −イル]−2−メチルプロパン酸メチル (S)−2−[3−(2−ベンジルオキシ−1−メチルエチル)−2−ヨード
−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−2−メチルプロパン酸メ
チル(4.00g、8.12mmol)、2.5−ジメチルフェニルボロン酸(
1.83g、12.2mmol)およびPd(dppf)Cl・CHCl (0.33g、0.406mmol)のトルエン/MeOH(5:2;140m
L)懸濁液を高撹拌しながら、3回の真空/窒素導入のサイクルを行って脱気し
、得られた混合物を約80℃まで加熱した。1M NaCO(20.3mL 、20.3mmol)を注射器で滴下し、得られた混合物を終夜還流状態で維持
した。室温まで冷却した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、セライト(登録
商標)濾過し、酢酸エチルで十分に洗浄した。濾液を水に投入し、酢酸エチルで
抽出した(3回)。合わせた有機抽出液をブラインで洗浄し、脱水し(MgSO )、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィ
ー(溶離液:25%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を無
色泡状物(3.82g)として得た。
【0104】 段階1D:(S)−2−[3−(2−ベンジルオキシ−1−メチルエチル)− 2−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5 −イル]−2−メチルプロパン酸 (S)−2−[3−(2−ベンジルオキシ−1−メチルエチル)−2−(3,
5−ジメチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−
2−メチルプロパン酸メチル(3.82g、8.12mmol)および2N K OH(40.6mL、0.081mol)のMeOH(40mL)懸濁液を高撹
拌しながら、80℃で約4時間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物を2N HClでpH6の酸性とし、酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機抽出
液をブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、減圧下に濃縮した。粗残留物を
それ以上精製せずに、次の反応に用いた。
【0105】 段階1E:(S)−1−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル )−2−[3−(2−ベンジルオキシ−1−メチル−エチル)−2−(3,5− ジメチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−2− メチルプロパン−1−オン 粗(S)−2−[3−(2−ベンジルオキシ−1−メチルエチル)−2−(3
,5−ジメチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]
−2−メチルプロパン酸(1.20g、2.63mmol)、7−アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(0.70g、5.26mmol)およびトリエ
チルアミン(1.47mL、10.5mmol)の塩化メチレン(26mL)中
混合物を室温で撹拌しながら、それにPyPOP(1.51g、2.89mmo
l)を加えた。約12時間後、反応混合物を水/ブライン(1:1)に投入し、
酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液をブラインで洗浄し、脱水
し(MgSO)、減圧下に濃縮する。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロ
マトグラフィー(勾配溶離;溶離液60%から75%酢酸エチル/ヘキサン)に
よって精製して、標題化合物を得る。
【0106】 段階1F:(S)−1−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル )−2−[3−(2−ベンジルオキシ−1−メチル−エチル)−2−(3,5− ジメチルフェニル)−1H−1−(tert−ブトキシ−カルボニル)ピロロ[ 2,3−b]ピリジン−5−イル]−2−メチルプロパン−1−オン (S)−1−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル)−2−[
3−(2−ベンジルオキシ−1−メチル−エチル)−2−(3,5−ジメチルフ
ェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−2−メチルプロ
パン−1−オン(1.25g、2.33mmol)、DMAP(0.28g、2
.33mmol)および炭酸カリウム(0.64g、4.66mmol)の塩化
メチレン(10mL)懸濁液を室温で撹拌しながら、それにジ−tert−ブチ
ル−ジカーボネート(1.02g、4.66mmol)を加えた。約3時間後、
反応混合物を水に投入し、酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液
をブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、減圧下に濃縮した。残留物をシリ
カゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液として60%酢酸エチル/ヘ
キサン)によって精製して、標題化合物を無色泡状物として得た(1.33g)
【0107】 段階1G:(S)−1−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル )−2−[3−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−2―(3,5−ジメチ ルフェニル)−1H−1−(tert−ブトキシ−カルボニル)ピロロ[2,3 −b]ピリジン−5−イル]−2−メチルプロパン−1−オン (S)−1−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル)−2−[
3−(2−ベンジルオキシ−1−メチル−エチル)−2−(3,5−ジメチルフ
ェニル)−1H−1−(tert−ブトキシ−カルボニル)ピロロ[2,3−b
]ピリジン−5−イル]−2−メチルプロパン−1−オン(1.17g、1.8
4mmol)およびPd(OH)(Pd−20%;120mg)の氷酢酸/E
tOH(1:1;10mL)中混合物を50psiで4日間水素化した。得られ
た混合物をセライト(登録商標)濾過し、EtOHで十分に洗浄し、濾液を減圧
下に溶媒留去し、残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(勾配
溶離;溶離液75%から90%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標題
化合物を無色泡状物(0.90g)として得た。
【0108】 段階1H:(S)−1−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル )−2−[3−(2−アジド−1−メチルエチル)−2−(3,5−ジメチルフ ェニル)−1H−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロロ[2,3−b] ピリジン−5−イル]−2−メチルプロパン−1−オン (S)−1−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル)−2−[
3−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−2−(3,5−ジメチルフェニル
)−1H−1−(tert−ブトキシ−カルボニル)ピロロ[2,3−b]ピリ
ジン−5−イル]−2−メチルプロパン−1−オン(0.87g、1.59mm
ol)、ZnN・2py(0.98g、3.18mmol)、PPh(1.
67g、6.36mmol)およびイミダゾール(0.43g、6.36mmo
l)の塩化メチレン(16mL)溶液を約0℃で撹拌しながら、それにDEAD
(1.00mL、6.36mmol)を注射器で滴下した。反応混合物を昇温さ
せて室温とし、終夜撹拌した。反応液をセライト(登録商標)濾過し、塩化メチ
レンで十分に洗浄し、濾液を水に投入し、塩化メチレンで抽出した(3回)。合
わせた有機抽出液をブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、減圧下に濃縮し
た。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離;溶離液
25%から40%酢酸エチル/ヘキサン)によって部分的に精製して、標題化合
物と1,2−ジカルボエトキシヒドラジンの混合物を無色泡状物として得た。
【0109】 段階1I:(S)−1−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル )−2−[3−(2−アミノ−1−メチルエチル)−2−(3,5−ジメチルフ ェニル)−1H−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロロ[2,3−b] ピリジン−5−イル]−2−メチルプロパン−1−オン (S)−1−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル)−2−[
3−(2−アジド−1−メチルエチル)−2−(3,5−ジメチルフェニル)−
1H−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロロ[2,3−b]ピリジン−
5−イル]−2−メチルプロパン−1−オン(1.59mmol)およびPd/
C(Pd−10%;100mg)のMeOH/EtOH(1:1;10mL)中
混合物を、50psiで終夜水素化した。得られた混合物をセライト(登録商標
)濾過し、EtOHで十分に洗浄し、濾液を減圧下に溶媒留去し、残留物をシリ
カゲルでの分取薄層クロマトグラフィー(2回展開;溶離液として100%酢酸
エチル)によって精製して、標題化合物を無色泡状物として得た(0.70g)
【0110】 段階1J:(S)−1−(2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル )−2−[3−(2−(2,4−ジニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−1− メチルエチル)−2−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−1−(tert− ブトキシカルボニル)ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−2−メチル プロパン−1−オン (S)−1−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル)−2−[
3−(2−アミノ−1−メチルエチル)−2−(3,5−ジメチルフェニル)−
1H−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロロ[2,3−b]ピリジン−
5−イル]−2−メチルプロパン−1−オン(250mg、0.459mmol
)および2,4,6−コリジン(243μL、0.918mmol)のCH
(5mL)溶液を約0℃で撹拌しながら、それに2,4−ジニトロベンゼン
スルホニルクロライド(245mg、0.918mmol)を1回で加えた。5
分後、得られた混合物を昇温させて室温とし、2時間熟成させる。反応混合物を
水に投入し、酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液をブラインで
洗浄し、脱水し(MgSO)、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルでのフ
ラッシュクロマトグラフィー(溶離液として50%酢酸エチル/ヘキサン)によ
って精製して、標題化合物を泡状物として得た(300mg)。
【0111】 段階1K:(S)6−{2−[N−(5−[2−(2−アザビシクロ[2.2 .1]ヘプト−7−イル)−1,1−ジメチル−2−オキソエチル]−2−(3 ,5−ジメチルフェニル)−1H−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロ ロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]プロピル)−N−(2,4−ジニトロベ ンゼンスルホニル)]アミノエチル}−3−(2−トリメチルシリルエトキシメ チル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン (S)−1−(2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル)−2−[
3−(2−(2,4−ジニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−1−メチルエチ
ル)−2−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−1−(tert−ブトキシカ
ルボニル)ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−2−メチルプロパン−
1−オン(300mg、0.387mmol)、2−[3−(2−トリメチルシ
リルエトキシメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル]−
エタノール(227mg、0.774mmol)およびPPh(203mg、
0.774mmol)のベンゼン(4mL)溶液を室温で撹拌しながら、それに
DEAD(122μL、0.774mmol)を注射器で滴下した。約1時間後
、反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグ
ラフィー(勾配溶離;溶離液60%から80%酢酸エチル/ヘキサン)によって
精製して、標題化合物、1,2−ジカルボエトキシヒドラジンおよびトリフェニ
ルホスフィンオキサイドの混合物を油状物として得た。
【0112】 段階1L:(S)6−{2−[2−(5−[2−(2−アザビシクロ[2.2 .2]ヘプト−7−イル)−1,1−ジメチル−2−オキソエチル]−2−(3 ,5−ジメチルフェニル)−1H−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロ ロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]プロピルアミノ]エチル}−3−(2− トリメチルシリルエトキシメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン 粗(S)6−{2−[N−(5−[2−(2−アザビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−7−イル)−1,1−ジメチル−2−オキソエチル]−2−(3,5−ジ
メチルフェニル)−1H−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロロ[2,
3−b]ピリジン−3−イル]プロピル)−N−(2,4−ジニトロベンゼンス
ルホニル)]アミノエチル}−3−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(0.387mmol)のCHCl (4mL)溶液を室温で撹拌しながら、それにn−プロピルアミン(1.59m
L、19.4mmol)を加えた。約20分後、揮発分を減圧下に留去し、残留
物をシリカゲルでの分取薄層クロマトグラフィー(展開液として100%酢酸エ
チル)によって精製して、標題化合物を無色泡状物として得た(241mg)。
【0113】 段階1M:(S)−1−(7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル )−2−{2−(3,5−ジメチルフェニル)−3−[1−メチル−2−(イミ ダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル)エチル]−1H−ピロロ[2,3−b ]ピリジン−5−イル}−2−メチルプロパン−1−オン (S)6−{2−[2−(5−[2−(2−アザビシクロ[2.2.2]ヘプ
ト−7−イル)−1,1−ジメチル−2−オキソエチル]−2−(3,5−ジメ
チルフェニル)−1H−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロロ[2,3
−b]ピリジン−3−イル]プロピルアミノ]エチル}−3−(2−トリメチル
シリルエトキシメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(217mg
、0.265mmol)の2N HCl/EtOH(1:1;2mL)溶液を7 5℃で約2時間熟成させた。室温まで冷却した後、反応混合物を5N NaOH でpH9の塩基性とし、酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液を
ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、減圧下に濃縮した。残留物をシリカ
ゲルでの分取薄層クロマトグラフィー(展開液として100%酢酸エチルで2回
)によって精製して、標題化合物を無色泡状物として得た(125mg)。m/
z(ESI)590.5([MH])。
【0114】 合成中間体の製造 2−(6−アミノ−5−ヨードピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン酸
メチル。
【0115】 段階A:2−メチル−2−(ピリジン−3−イル)プロパン酸エチル 3−ピリジル酢酸エチル(10.0g、60.5mmol)のTHF(50m
L)溶液を、カリウムヘキサメチルジシラザン(48.3g、0.242mmo
l)のTHF(250mL)中混合物を−20℃で撹拌したものに、均圧低下漏
斗を用いて約0.5時間かけて加えた。0.5時間後、内部温度を−15℃〜−
20℃に維持するようにMeIを滴下した。12時間かけて約0℃まで昇温させ
た後、反応を飽和NHCl水溶液で停止し、減圧下に濃縮した。残留物を酢酸
エチルと水との間で分配し、有機相を分液し、水相を酢酸エチルで再度抽出した
(3回)。合わせた有機抽出液をブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、減
圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶離
液として30%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を油条物
として得た(10.1g)。
【0116】 段階B:2−メチル−2−(ピリジン−3−イル)プロパン酸エチル−N−オ キサイド 2−メチル−2−(ピリジン−3−イル)プロパン酸エチルおよびNaHCO
3(17.5g、0.209mmol)の水/クロロホルム(1:1;500m
L)乳濁液を室温で高撹拌しながら、それにメタクロロ過安息香酸(55%;2
1.3g、67.9mmol)を1回で加えた。約12時間後、有機相を分液し
、水相をクロロホルムで抽出した(3回)。合わせた有機抽出液をブラインで洗
浄し、脱水し(MgSO)、減圧下に濃縮した。残留物(10.9g)は、T
LCとH nmr分析との組合せによって純粋であると判断され、それ以上精 製せずに次の反応に用いた。
【0117】 段階C:2−[6−(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ベンゾ オキサジン−3−イル)−ピリジン−3−イル]−2−メチルプロパン酸エチル 4−クロロ−2,3−ジメチル−2H−1,3−ベンゾオキサジン(10.1
g、51.6mmol)および2−メチル−2−(ピリジン−3−イル)プロパ
ン酸エチル−N−オキサイド(9.0g、43.0mmol)の1,2−ジクロ
ロエタン(100mL)溶液を、約90℃で3時間加熱した。室温まで冷却した
後、溶媒を減圧下に留去し、残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフ
ィー(勾配溶離;溶離液20%から25%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製
して、標題化合物を粘袖粘酋淡黄色粘稠油状物として得た(14.3g)。
【0118】 段階D:2−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン酸塩酸 2−[6−(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−1,3−ベンゾオキサジ
ン−3−イル)−ピリジン−3−イル]−2−メチルプロパン酸エチル(13.
3g、36.1mmol)の濃HCl(50mL)中混合物を撹拌しながら、1
00℃で終夜加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を減圧下に濃縮し、残
留物をクロロホルムによって十分に洗浄して、標題化合物を固体として得た(6
.90g)。
【0119】 段階E:2−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン酸メチ 2−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン酸塩酸塩(35
.0g、0.162mmol)および濃HSO(5mL)のMeOH(25
0mL)溶液を終夜加熱還流した。冷却して室温とした後、飽和NaHCO
溶液で注意深く反応停止し、減圧下に濃縮した。残留物を酢酸エチルと水との間
で分配し、有機相を分液し、水層を酢酸エチルで再度抽出した(3回)。合わせ
た有機抽出液をブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、減圧下に濃縮した。
残留物(31.6g)は、TLCとH nmr分析との組合せによって純粋で あると判断され、それ以上精製せずに次の反応に用いた。
【0120】 段階F:2−(6−アミノ−5−ヨードピリジン−3−イル)−2−メチルプ ロパン酸メチル ヨウ素(17.0g、67.0mmol)およびトリフルオロ酢酸銀(14.
8g、67.0mmol)のMeOH(200mL)懸濁液を室温で高撹拌しな
がら、2−(6−アミノピリジン−3−イル)−2−メチルプロパン酸メチル(
10.0g、51.5mmol)のMeOH(50mL)溶液を、均圧滴下漏斗
を用いて約0.5時間かけて加えた。3時間後、1M Naとそれに 続いて飽和NaHCO水溶液をその順序で加えることで反応停止した。得られ
た混合物をセライト(登録商標)濾過し、酢酸エチルで十分に洗浄し、濾液を減
圧下に濃縮し、残留物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を分液し、水
相を酢酸エチルで再度抽出した(3回)。合わせた有機抽出液をブラインで洗浄
し、脱水し(MgSO)、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッ
シュクロマトグラフィー(勾配溶離;溶離液35%から40%酢酸エチル/ヘキ
サン)によって精製して、標題化合物を固体として得た(10.3g)。
【0121】 (S)−(4−ベンジルオキシ−3−メチルブト−1−インイル)トリエチル
シラン。
【0122】 段階AA:(S)−3−ベンジルオキシ−2−メチルプロパン酸メチル 乾燥機で乾燥した1リットル一頸丸底フラスコに磁気攪拌子を入れ、(R)−
(−)−メチル−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパノエート15.948g(
0.135mol)、四塩化炭素(150mL)、シクロヘキサン(300mL
)および2,2,2−トリクロロアセトイミド酸ベンジル35.796g(0.
142mol)をその順序で入れた。トリフルオロメタンスルホン酸(0.8m
L、9.0mmol)を溶液に加え、得られた混合物をN2雰囲気下に室温で1
6時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下に濃縮した。残留物をEt
OAc150mLに再度溶かし、飽和NaHCO水溶液で抽出した(100m
Lで1回)。有機層を飽和NaClで洗浄し、脱水し(MgSO)、濾過し、
溶媒留去した。残留油状物について、溶離液を10%EtOAch−ヘキサンと
するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーカラム精製を行った。精製分画を
混合し、減圧下に溶媒留去して、標題化合物20.787gを油状物として得た
。 MS(CI):m/e=209(M+1)。
【0123】 段階BB:(S)−3−ベンジルオキシ−2−メチルプロパン−1−オール 乾燥機で乾燥した三頸2リットル丸底フラスコに撹拌機、冷却管および500
mL定圧滴下漏斗を取り付けた。フラスコに(S)−3−ベンジルオキシ−2−
メチルプロパン酸メチル62.252g(0.299mol)の脱水THF(6
00mL)溶液を入れ、水素化リチウムアルミニウムの1.0M溶液(300m
L、0.3mol)を、カニューレを介して滴下漏斗に移し入れた。撹拌を開始
し、外部氷水浴を用いて反応混合物の温度を25〜30℃の間に維持しながら、
雰囲気下に、反応液に水素化リチウムアルミニウム溶液を45分間かけて加
えた。滴下終了後、反応液を室温で6時間撹拌し、その時点でTLC分析(20
%EtOAc−ヘキサン)では反応完結が示された。反応混合物を外部氷水浴で
冷却し、水11.4mL、15%NaOH水溶液11.4mLおよび水34.2
mLをその順で加えることで反応停止した。反応混合物を濾過し、固体をEtO
Acで洗浄し、濾液と洗液を合わせ、減圧下に溶媒留去した。残留物をEtOA
cに再度溶かし、10%NaHSO、飽和NaClで洗浄し、脱水し(MgS
)、濾過し、溶媒留去した。残留物をクーゲルロール(Kugelrohr)蒸留に よって精製して、標題化合物47.67gを油状物として得た。 MS(CI):m/e=181(M+1)。
【0124】 段階CC:(S)−3−ベンジルオキシ−2−メチルプロパナール 乾燥機で乾燥した三頸2リットル丸底フラスコに攪拌機、温度計、N2導入管
、隔膜を取り付けた。フラスコにオキサリルクロライド24.050g(0.1
89mol)およびCHCl425mLを入れた。反応混合物をN雰囲気
下に撹拌し、外部ドライアイス−アセトン浴で冷却して−78℃とした。メチル
スルホキシド(29.607g、0.379mol)のCHCl(85mL
)溶液をカニューレを用いて反応混合物に5分間かけて加えた。添加後、反応液
をさらに5分間撹拌し、(S)−3−ベンジルオキシ−2−メチルプロパン−1
−オール31.048g(0.172mol)のCHCl(170mL)溶
液をカニューレを用いて加えた。2回目の添加が終了した時点で、反応混合物を
−78℃で15分間撹拌し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン111.32
g(0.861mol)を注射器で加えた。反応混合物を−78℃でさらに15
分間撹拌し、冷却浴を外し、反応液を昇温させた。内部温度が−15℃に達した
時点で、10%NaHSO水溶液350mLをゆっくり加え、混合物を分液漏
斗に移し入れた。有機層を分液し、NaHSO水溶液(250mLで2回)、
飽和NaClで洗浄し、脱水し(MgSO)、濾過し、溶媒留去した。残留物
をそれ以上精製せずに、直ちに次の段階で用いた。
【0125】 段階DD:(S)−4−ベンジルオキシ−1,1−ジブロモ−3−メチルブテ 乾燥機で乾燥した三頸2リットル丸底フラスコに撹拌機、温度計、N導入管
および隔膜を取り付けた。フラスコにトリフェニルホスフィン180.71g(
0.689mol)およびCHCl925mLを入れた。反応混合物をN 雰囲気下に撹拌し、外部氷水浴で冷却して0〜5℃とした。隔膜を外し、四臭化
炭素114.25g(0.344mol)を、反応混合物の温度が20℃以下に
維持されるような速度で、フラスコの開口頸から少量ずつ加えた。添加終了後、
反応液を1時間撹拌し、前段階からの(S)−3−ベンジルオキシ−2−メチル
プロパナールのCHCl(150mL)溶液を5分間かけてカニューレを用
いて加えた。反応混合物をN下にさらに1時間撹拌し、昇温させて室温とした
。別の10リットル三頸丸底フラスコに撹拌機を取り付け、ヘキサン4リットル
を入れた。攪拌機を始動し、粗反応混合物を、ゆるやかな流れとして導入したと
ころ、顆粒状沈殿が生成した。移動が完了した後、反応混合物を濾過し、固体を
ヘキサンで注意深く洗浄した。濾液を減圧下に留去し、追加の固体が沈殿した。
残留物をヘキサンに再懸濁させ、濾過し、濾液について再度溶媒留去を行った。
得られた油状物をクーゲルロール蒸留によって精製して、標題化合物46.54
gを油状物として得た 段階EE:(S)−(4−ベンジルオキシ−3−メチルブト−1−インイル) トリエチルシラン 乾燥機で乾燥した100mL一頸丸底フラスコに撹拌子と隔膜を取り付け、(
S)−4−ベンジルオキシ−1,1−ジブロモ−3−メチルブテン5.171g
(15.5mmol)および脱水THF20mLを入れた。反応混合物をN
囲気下に−78℃で撹拌し、n−ブチルリチウムの2.5M溶液12.4mL(
31.0mmol)を15分間かけて注射器で滴下した。反応混合物を−78℃
でさらに1時間撹拌し、10%NaHSO水溶液で反応停止し、EtOAcで
抽出した。有機層を水(25mLで3回)、飽和NaClで洗浄し、脱水し(M
gSO)、濾過し、溶媒留去した。残留物をクーゲルロール蒸留によって精製
して、標題化合物3.999gを油状物として得た。
【0126】 2−[3−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−3H−イミダゾ[4,
5−b]ピリジン−6−イル]−エタノール。
【0127】 段階AAA:2−アミノ−5−ブロモ−3−ニトロピリジン 硫酸(290mL)を冷却して0℃とし、2−アミノ−5−ブロモピリジン(
50g、289mmol)をゆっくり加えた。均圧滴下漏斗を用いて、硝酸(1
5mL)を30分間かけて滴下した。0℃で90分後、反応混合物を75℃まで
加熱し、2時間経過させた。室温まで冷却した後、反応混合物を氷水1500m
Lに投入し、50%NaOH(重量基準)によってpH8の中性とした。生成沈
殿をフリット漏斗で回収し、冷水1000mLで洗浄し、真空乾燥して、標題化
合物39.7gを得た。
【0128】 段階BBB:5−ブロモ−2,3−ジアミノピリジン 2−アミノ−5−ブロモ−3−ニトロピリジン(3.5g、16.1mmol
)をFeCl・6HO(0.217g、0.8mmol)および活性炭(1
.6g)と合わせ、それに脱水メタノール(160mL)を加えた。混合物を7
0℃まで加熱して10分間経過させ、冷却して室温とし、ヒドラジン(2.57
g、80.3mmol)を5分間かけて滴下した。加熱を再開し反応液を70℃
で2時間維持した。室温まで冷却した後、反応内容物をセライト(登録商標)層
で濾過し、メタノールで溶出し、減圧下に溶媒を除去した。残留物を酢酸エチル
に溶かし、HO、ブラインで洗浄し、脱水し(NaSO)、濾過し、減圧
下に濃縮し、粗残留物について、勾配溶離(10、20、40、60および80
%酢酸エチル/ヘキサン)を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィ
ー精製を行った。その方法に従って、標題化合物2.8gを得た。
【0129】 段階CCC:5−ブロモイミダゾピリジン 5−ブロモ−2,3−ジアミノピリジン(4.87g、26mmol)をオル
トギ酸トリエチル(150mL)および濃塩酸3滴に溶かし、次に50時間加熱
還流した。冷却して室温とした後、反応混合物をヘキサンに投入し、生成沈殿を
濾取した。固体をHOで希釈し、1.25N NaOHでpH10の塩基性と した。水層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機抽出液をブラインで洗浄
し、脱水し(NaSO)、濾過し、減圧下に濃縮した。粗残留物を、95:
5CHCl−(10%NHOH−MeOH)を溶離液として用いるシリカ
ゲルクロマトグラフィーによって精製した。この手順に従って、標題化合物3.
1g(収率60%)を得た。
【0130】 段階DDD:6−ブロモ−3−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−3 H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン 5−ブロモイミダゾピリジン(3.0g、15.1mmol)を脱水N,N−
ジメチルホルムアミド(50mL)に溶かし、冷却して0℃とした。その時点で
NaHの60%オイル中分散品(0.667g、16.7mmol)を10分間
かけて少量ずつ加えた。0℃で15分後、反応液を昇温させて室温とし、さらに
90分間経過させた。得られた均一溶液に、2−(トリメチルシリル)エトキシ
メチルクロライド(SEM−Cl、3.03g、18.2mmol)を滴下した
。反応液を室温で40時間維持し、その時点で混合物を氷水に投入した。水層を
ジエチルエーテルで3回抽出し、合わせた有機抽出液をブラインで洗浄し、脱水
し(MgSO)、濾過し、減圧下に濃縮・乾固させた。粗残留物をシリカゲル
カラムに負荷し、酢酸エチル/ヘキサン(20%、30%から40%)で溶離し
た。その手順に従って、標題化合物2.55g(収率52%)を得た。
【0131】 段階EEE:6−エテニル−3−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)− 3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン 6−ブロモ−3−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−3H−イミダゾ
[4,5−b]ピリジン(1.3g、4mmol)およびビス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム(II)クロライドのDMF溶液に、トリブチルビニルス
ズ(2.14g、6.7mmol)を加えた。反応容器について、排気−パージ
(N)を数回行い、次に95℃まで加熱して15時間経過させた。冷却後、粗
反応混合物をセライト(登録商標)層濾過し、エチルエーテルで溶出した。エー
テル混合物を飽和KF、ブラインで数回洗浄し、脱水し(NaSO)、濾過
し、減圧下に濃縮した。粗残留物について、酢酸エチル/ヘキサンの勾配溶離(
10%、20%、30%から40%)を用いるシリカゲルでのフラッシュクロマ
トグラフィー精製を行って、標題化合物1.06gを得た。
【0132】 段階FFF:6−(2−ブロモ−1−ヒドロキシエチル)−3−(2−トリメ チルシリルエトキシメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン 6−エテニル−3−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−3H−イミダ
ゾ[4,5−b]ピリジン(1.06g、3.8mmol)のDMSO−H
(18.0mL/2.0mL)溶液に、N−ブロモコハク酸イミド(1.37g
、7.7mmol)をゆっくり5分間かけて加えた。反応液を室温で30分間維
持し、その時点で反応混合物を酢酸エチル−HOの間で分配した。分液を行っ
た後、水層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出液をブラインで洗浄し、
脱水し(NaSO)、減圧下に濃縮した。粗残留物をそれ以上精製せずに使
用した。
【0133】 段階GGG:6−オキシラニル−3−(2−トリメチルシリルエトキシメチル )−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン 粗6−(2−ブロモ−1−ヒドロキシエチル)−3−(2−トリメチルシリル
エトキシメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(1.42g、3.
8mmol)を(5:1)THF−t−ブタノール(20mL)に溶かし、それ
にカリウムt−ブトキシド(0.85g、7.6mmol)を5分間かけて数回
に分けて加えた。室温で90分後、反応混合物を酢酸エチル−HO間で分配し
た。分液後、水層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出液をブラインで洗
浄し、脱水し(NaSO)、減圧下に濃縮した。粗残留物(918mg)を
それ以上精製せずに使用した。
【0134】 段階HHH:2−[3−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−3H−イ ミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル]−エタノール 6−オキシラニル−3−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−3H−イ
ミダゾ[4,5−b]ピリジン(918mg、3.15mmol)を10%Pd
/C(400mg)およびギ酸アンモニウム(993mg、15.75mmol
)と合わせ、混合物をメタノール(25mL)に懸濁させた。反応混合物を加熱
して70℃とし、2.5時間経過させた。室温まで冷却した後、混合物をセライ
ト(登録商標)層濾過し、メタノールで溶出し、減圧下に濃縮した。粗残留物に
ついて、溶離液を75%酢酸エチル/ヘキサンから95:5CHCl/Me
OHとするシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー精製を行って、標題化
合物480mgを得た。
【0135】 上記のものと同様の手順に従って、以下の化合物が製造される。
【0136】
【化24】
【0137】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/52 A61K 31/52 49/04 49/04 Z A61P 1/00 A61P 1/00 5/04 5/04 5/10 5/10 5/24 5/24 13/08 13/08 15/00 15/00 15/18 15/18 35/00 35/00 37/06 37/06 C07D 453/02 C07D 453/02 519/00 301 519/00 301 311 311 (C07D 519/00 (C07D 519/00 471:04 471:04 487:08) 487:08) (C07D 519/00 (C07D 519/00 491:048) 491:048) (C07D 519/00 (C07D 519/00 495:04) 495:04) (C07D 519/00 (C07D 519/00 498:04) 498:04) (C07D 519/00 (C07D 519/00 513:04) 513:04) (C07D 519/00 (C07D 519/00 487:04) 487:04) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CN,CU,CZ,EE, GD,GE,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KG,KR,KZ,LC,LK,LR,LT,LV ,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL, RO,RU,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,T R,TT,UA,US,UZ,VN,YU,ZA (72)発明者 ウージヤインウオラ,フイローズ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 グーレツト,マーク・テイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ヤング,ジヨナサン・アール アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 Fターム(参考) 4C064 AA08 CC01 DD01 EE01 FF06 GG05 4C072 MM02 4C085 HH05 KB56 LL12 LL18 4C086 CB05 CB07 CB09 CB11 CB17 MA01 MA04 NA14 ZA05 ZA66 ZA81 ZA86 ZA92 ZB07 ZB26 ZC03 ZC04 ZC11

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式の化合物または該化合物の医薬的に許容される付加塩
    および/または水和物、あるいは該当する場合には該化合物の幾何異性体もしく
    は光学異性体またはラセミ混合物。 【化1】 [式中、 Aは、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cシクロアル
    キル、置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜C アルケニル、C〜Cアルキニル、置換C〜Cアルキニル、C〜C
    ルコキシまたはC〜Cアルキル−S(O)−C〜Cアルキル、C
    アルキル−O−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−NR18−C 〜Cアルキル(R18とC〜Cアルキルとが一体となって環 【化2】 を形成していても良い)、あるいは単結合であり; Rは、水素、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル(置換基は以下
    に定義の通りである)、アリール、置換アリール、アラルキルまたは置換アラル
    キル(置換基は、R、RおよびRについて定義の通りである)であり; Rは、 【化3】 【化4】 【化5】 であり;Rヘテロ芳香環に含まれる窒素原子は、描かれた通りであるか、ある
    いは化学的に可能な場合には、その酸化された(N→O)状態で存在することが
    でき; Rは、水素、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、アラルキル、
    置換アラルキル、アリール、置換アリール、アルキル−OR11、C〜C
    NR1112)、C〜C(CONR1112)またはC(NR11 )NHであり; RとAとが一体となって5〜7個の原子からなる環を形成しており; R、RおよびRは独立に、水素、C〜Cアルキル、置換C〜C アルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、CN、ニトロ、
    〜Cパーフルオロアルキル、C〜Cパーフルオロアルコキシ、アリー
    ル、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、R11O(CH−、R 11 C(O)O(CH−、R11OC(O)(CH−、−(CHS(O)17、−(CHC(O)NR1112またはハロゲン
    であり;R17は水素、C〜Cアルキル、C〜Cパーフルオロアルキル
    、アリールまたは置換アリールであり; RとRが一体となって、3〜7個の炭素原子の炭素環またはN、Oおよび
    Sから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する複素環を形成しており; Rは、水素、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、アリール、置
    換アリール、C〜Cパーフルオロアルキル、CN、NO、ハロゲン、R O(CH−、NR12C(O)R11、NR12C(O)NR11 またはSO11であり; Rは、水素、C〜Cアルキルまたは置換C〜Cアルキルであり;た
    だし、Xが水素またはハロゲンではない場合、Rは存在せず; Rは、C(O)OR20、C(O)NR2021、NR1112、C(
    O)R20、NR21C(O)R20、NR21C(O)NR2021、NR 20 S(O)21、NR21S(O)NR2021、OC(O)R20 、OC(O)NR2021、OR20、SO20、S(O)NR20 21 、N,OもしくはSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する複素環も
    しくは二環式複素環(R、RおよびRで置換されていても良い)、C
    アルキルまたは置換C〜Cアルキルであり;あるいは RとRが一体となって、N、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原
    子を有する複素環(R、RおよびRで置換されていても良い)を形成して
    おり; mが0ではない場合に、RおよびR9aは独立に、水素、C〜Cアルキ
    ル、置換C〜Cアルキル、アリールまたは置換アリール、アラルキルまたは
    置換アラルキルであり;あるいは mが0ではない場合に、RおよびR9aが一体となって、3〜7員の炭素環
    または=Oを形成しており; mが0ではない場合に、RとAが一体となって、3〜7個の炭素原子および
    1以上のヘテロ原子を有する複素環を形成しており; R10およびR10aは独立に、水素、C〜Cアルキル、置換C〜C アルキル、アリール、置換アリール、アラルキルまたは置換アラルキルであり;
    あるいは R10およびR10aが一体となって、3〜7員の炭素環または=Oを形成し
    ており; mが0ではない場合に、RとR10が一体となって、3〜7員の炭素環また
    は1個以上のヘテロ原子を有する複素環を形成しており;あるいは mが0ではない場合に、RとRが一体となって、3〜7個の炭素原子およ
    び1個以上のヘテロ原子を有する複素環を形成しており;あるいは R10とRが一体となって、3〜7個の炭素原子および1個以上のヘテロ原
    子を有する複素環を形成しており; R10とAが一体となって、3〜7個の炭素原子および1以上のヘテロ原子を
    有する複素環を形成しており; R11およびR12は独立に、水素、C〜Cアルキル、置換C〜C
    ルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、3〜7員の炭
    素環または3〜7員の置換炭素環であり; R11およびR12が一体となって、3〜7員の置換されていても良い環を形
    成していることができ; R13は、水素、OH、NR、NR11SO(C〜Cアルキル)
    、NR11SO(置換C〜Cアルキル)、NR11SO(アリール)、
    NR11SO(置換アリール)、NR11SO(C〜Cパーフルオロア
    ルキル)、SONR11(C〜Cアルキル)、SONR11(置換C 〜Cアルキル)、SONR11(アリール)、SONR11(置換アリー
    ル)、SONR11(C〜Cパーフルオロアルキル)、SONR11
    C(O)C〜Cアルキル)、SONR11(C(O)−置換C〜C
    ルキル)、SONR11(C(O)−アリール)、SONR11(C(O)
    −置換アリール)、S(O)(C〜Cアルキル)、S(O)(置換C 〜Cアルキル)、S(O)(アリール)、S(O)(置換アリール)、C 〜Cパーフルオロアルキル、C〜Cパーフルオロアルコキシ、C〜C アルコキシ、置換C〜Cアルコキシ、COOH、ハロゲン、NOまたは
    CNであり; R14およびR15は独立に、水素、C〜Cアルキル、置換C〜C
    ルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、CN、ニトロ、C 〜Cパーフルオロアルキル、C〜Cパーフルオロアルコキシ、アリール
    、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、R11O(CH−、R C(O)O(CH−、R11OC(O)(CH−、−(CH S(O)17、−(CHC(O)NR1112またはハロゲンで
    あり;R17は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cパーフルオロアルキル
    、アリールまたは置換アリールであり; R16は、水素、C〜Cアルキル、置換C〜CアルキルまたはN(R 1112)であり; R18は、水素、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C(O)O
    、C(O)NR1112、C(O)R11、S(O)11であり; R19は、R13またはR14の定義のいずれかであり; R20およびR21は独立に、水素、C〜Cアルキル、置換C〜C
    ルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、3〜7員の炭
    素環、3〜7員の置換炭素環、N、OもしくはSから選択される1〜4個のヘテ
    ロ原子を有する複素環もしくは二環式複素環(R、RおよびRで置換され
    ていても良い)、N、OもしくはSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有す
    る複素環もしくは二環式複素環(R、RおよびRで置換されていても良い
    )によって置換されたC〜Cアルキルであり; R20、R21が一体となって、3〜7員の置換されていても良い環を形成し
    ていても良く; XはN、O、S(O)、C(O)、(CR1112、Rへの単結合
    、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルキニル、C〜Cアルキニルま
    たは置換C〜Cアルキニルであり;XがO、S(O)、C(O)またはC
    1112の場合、Rのみが可能であり; ZはO、SまたはNR11であり; mは0〜3であり; nは0〜2であり; pは0〜4であり; 上記のアルキル、シクロアルキル、アルケニルおよびアルキニルの置換基は、
    〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、置換アリール、ア
    ラルキル、置換アラルキル、水酸基、オキソ、シアノ、C〜Cアルコキシ、
    フッ素、C(O)OR11、アリールC〜Cアルコキシ、置換アリールC 〜Cアルコキシから選択され;アリール置換基はR、RおよびRについ
    て定義した通りである。]
  2. 【請求項2】 下記式の請求項1に記載の化合物または該化合物の医薬的に
    許容される付加塩および/または水和物、あるいは該当する場合には該化合物の
    幾何異性体もしくは光学異性体またはラセミ混合物。 【化6】 [式中、AおよびRは以下の表に示した通りである。] 【表1】
  3. 【請求項3】 有効量の請求項1に記載の化合物および医薬的に許容される
    担体を含む医薬組成物。
  4. 【請求項4】 処置を必要とする患者における性腺刺激ホルモン放出ホルモ
    ンへの拮抗方法であって、性腺刺激ホルモン放出ホルモン由来の障害を患う該患
    者に対して、有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
  5. 【請求項5】 性腺刺激ホルモン放出ホルモン由来の障害が性ホルモン関連
    の状態である請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 性腺刺激ホルモン放出ホルモン由来の障害が性ホルモン依存
    性癌、良性前立腺過形成または子宮筋腫である請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 性ホルモン依存性癌が、前立腺癌、子宮癌、乳癌および下垂
    体性腺刺激ホルモン腺癌からなる群から選択される請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 性ホルモン関連状態が、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣、子宮筋
    腫および性早熟症からなる群から選択される請求項5に記載の方法。
  9. 【請求項9】 避妊を必要とする患者における避妊方法であって、有効量の
    請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
  10. 【請求項10】 治療を必要とする患者における全身エリテマトーデスの治
    療方法であって、該患者に有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有
    する方法。
  11. 【請求項11】 治療を必要とする患者における過敏性腸症候群の治療方法
    であって、該患者に有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方
    法。
  12. 【請求項12】 治療を必要とする患者における月経前症候群の治療方法で
    あって、該患者に有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法
  13. 【請求項13】 治療を必要とする患者における男性型多毛症の治療方法で
    あって、該患者に有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法
  14. 【請求項14】 治療を必要とする患者における低身長または成長ホルモン
    欠乏症の治療方法であって、該患者に対して、有効量の成長ホルモンの内因性産
    生または放出を刺激する化合物と有効量の請求項1に記載の化合物とを投与する
    段階を有する方法。
  15. 【請求項15】 治療を必要とする患者における睡眠障害の治療方法であっ
    て、該患者に有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する方法。
  16. 【請求項16】 前記睡眠障害が睡眠無呼吸である請求項15に記載の方法
  17. 【請求項17】 有効量の請求項1に記載の化合物を閉経前女性に投与する
    段階を有してなる乳房X線撮影方法であって、該方法を行わずに実施した乳房X 線像と比較して乳房X線撮影フィルムの読み易さが高められている方法。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の化合物との組み合わせで、不活性担体お
    よび有効量の成長ホルモンの内因性産生または放出を刺激する化合物とを含有す
    る医薬組成物。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の化合物と医薬的に許容される担体とを組
    み合わせることで製造される医薬組成物。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載の化合物と医薬的に許容される担体とを組
    み合わせる段階を有する医薬組成物の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項1に記載の化合物と、黄体形成ホルモン放出ホルモ
    ン活性を有する化合物とを併用して投与する段階を有してなる薬物療法。
  22. 【請求項22】 前記の黄体形成ホルモン放出ホルモン活性を有する化合物
    がペプチド化合物である請求項21に記載の療法。
  23. 【請求項23】 前記ペプチド化合物が天然ホルモンまたは該ホルモンの類
    縁体である請求項22に記載の療法。
  24. 【請求項24】 前記ペプチド化合物が、ロイプロレリン、ゴナドレリン、
    ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デス
    ロレリン、メテレリン(meterelin)およびレシレリンからなる群から選択され る化合物である請求項22に記載の療法。
  25. 【請求項25】 請求項1に記載の化合物との併用で、黄体形成ホルモン放
    出ホルモン活性を有する化合物を投与する段階を有してなる薬物併用療法。
  26. 【請求項26】 前記の黄体形成ホルモン放出ホルモン活性を有する化合物
    がペプチド化合物である請求項25に記載の療法。
  27. 【請求項27】 前記ペプチド化合物が天然ホルモンまたは該ホルモンの類
    縁体である請求項26に記載の療法。
  28. 【請求項28】 前記ペプチド化合物が、ロイプロレリン、ゴナドレリン、
    ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デス
    ロレリン、メテレリンおよびレシレリンからなる群から選択される化合物である
    請求項26に記載の療法。
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