JP2002510247A - 切換え可能な液体分配用カートリッジポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 自動装置で試薬を分配するに適した液体分配カートリッジポンプであり、圧縮可能計量チャンバ１３が固いハウジング２内に取り付けたリザーバーバッグから吊り下げられている。リザーバ３と計量チャンバ１３間、および計量チャンバの下端にある逆止弁は、固い弁ディスク１７、１８の円錐状突起に対して閉じる開口のある可撓性膜１５、２５で造られている。リザーバ３と計量チャンバ１３は、圧縮部材１２が後部面６に対して計量チャンバ１３を押しつけると、回動する。

Description

【発明の詳細な説明】 切換可能な液体分配用カートリッジポンプ 技術分野 本発明は生物試薬のような液体を少量に分けて分配するための改良型ポンプ機 構に係り、複数の少量の試薬に分けて分配する装置の一部として利用されるもの である。 背景技術 試薬を分配する最近の方法では一般にポンプの入出配管路に呼び水する必要の あるポンプが使われている。ポンプ送りを終了すると、試薬が相互に混ざり合わ ないように、異なった試薬をポンプ送りする前に配管路を水で洗浄する必要があ る。配管路に呼び水をしたり空にしたりしなければならないので、このような種 類のポンプは互換（相互に切換え接続）しにくい。 シリンジハウジング（「シリンジポンプ」）を用いるポンプ送り装置は当業者 に周知であり、通常、電気機械式アクチュエータによってプランジャに正確に圧 力をかけて液体を正確に分配することができる。プランジャを押す距離で分配す る流体の量が直接制御される。このようなシリンジポンプには、１）呼び水と洗 浄が必要なポンプに入出配管路がなく、また２）濡れる構成部品が電気機械式制 御装置から離れているという二つの利点がある。 このようなシリンジポンプは精密な量の液体を反復分配する場合に役に立つ。 そのようなシリンジポンプの欠点は、単一の電気機械式アクチュエータに対して シリンジを互換（切換接続）するには、アクチュエータ機構を、挿入されるシリ ンジプランジャの位置に整列し直さねばならないことである。分配試薬を替える 際にシリンジを頻繁に替える必要のある場合、電気機械式アクチュエータをシリ ンジプラジンャの位置と整 列させるために反復して人手で介入しなければならないことは不利な点である。 シリンジポンプの一つの改良型がロクガワの米国特許4,844,868とクローザク 等の米国特許5,232,664に出ている。これらの装置では、液体は、リザーバから 逆止弁を通ってシリンジに導入されてから、第二の逆止弁を通して分配する。し かしながら、組み立てる摺動シール、ボール付き弁およびばねや多数の部品が複 雑になるために、そのような設計で製造するのは比較的高価になる。これが液体 分配器を使い捨てにしようとする場合、特に不利な点である。 本発明の譲受人に譲渡されたスチーブン・Ａ・ボーゲンとハーバート・Ｈ・レ ーフラの米国特許5,645,114、および5,316,452は、計量チャンバを液体リザーバ に取り付けた液体分配ポンプを提供するものであり、リザーバは上端を移動プラ ンジャでシールしたシリンジバレルである。液体を分配すると、プランジャがリ ザーバ／シリンジバレルに次第に深く入っていく。これによりプランジャは空気 を排除して、リザーバ内に入っている液体がこぼれるのを防止する。計量チャン バは二つの一方向アヒルくちばし形弁付きの可撓性（フレキシブル）ハウジング を備えている。ハウジングを圧縮すると、液体が下の弁を通って計量チャンバか ら吐出される。圧縮力をゆるめると、可撓性ハウジングが元の（膨張した）状態 を取り戻して、リザーバから液体をハウジング内に引き入れる。 そのような液体ディスペンサの複数を移動架台に配置することによって、単一 電気機械式アクチュエータで種々のディスペンサーから選択的に分配することが できる。このようにして、複数のカートリッジポンプは互換できる。 発明の概要 本発明はボーゲン等の特許に示された液体ディスペンサーの改良に係 る。具体的には、これは動作をより安定化した新規な弁を用いる液体ディスペン サーを提供するものである。この新規な弁では開弁圧力の再現性がより高く、デ ィスペンサー出口に生じる液滴を最小化し、ディスペンサーから吐出される液体 の流れがよりよく制御される。 好適な一実施形態においては、カートリッジポンプは生物試薬または化学試薬 のような液体を入れる液体リザーバを備えている。このリザーバには、その底に 液体流出口があって、それに計量チャンバが直接接続されている。この計量チャ ンバは圧縮されていない形の圧縮可能ハウジングを備えている。この圧縮可能ハ ウジングの両端に一方向入口弁と一方向出口弁がそれぞれ設けられ、同じ方向に 並べられてリザーバからハウジングを通って一方向流となるように設定されてい る。圧縮可能なハウジングは計量チャンバからある量の液体を一方向に吐出する ように圧縮される。この圧縮可能ハウジングは、圧縮を止めた後、圧縮されてい ない形に戻って、リザーバから追加の量の液体を計量チャンバに引き入れる。 カートリッジポンプはそのカートリッジポンプの側の部材（装着具）によって 移動架台に取り付けることができる。この部材に係合する受けが移動架台にある 。移動架台には実際カートリッジポンプを取り付ける適当な位置が多数あって、 多数の液体を運ぶことができるようになっている。この機器は、所望のカートリ ッジポンプを一つの電気機械式アクチュエータに隣接して位置付けるように架台 を移動させて、どの液体を分配するかを選択することができる。その後、異なっ た化学的または生物学的な処理手順を要する場合には、カートリッジポンプをそ の新しい処理手順に必要な試薬の入った他のカートリッジポンプと取り替える。 従って、このカートリッジポンプの設計で機器が極めて多用途向きとなる。 この好適な液体カートリッジポンプディスペンサーには新規な弁設計が取り入 れられている。この弁は閉止力が高く開放力が低く適度で、漏 れのない動作を容易化したことを特徴とするものである。具体的には、計量チャ ンバの圧縮可能なエラストマー（弾性体）製のハウジングの入口と出口の各逆止 弁が、開口（アパーチュア）のある可撓性膜を備えている。ハウジングに固定さ れた弁座が可撓性膜の開口にはまって可撓性膜を変形させる。変形された可撓性 膜には弾性復元力があって、膜が弁座に作用して液体のシールを確実にする。好 ましくは、弁座が円錐形で、固い、つまり可撓性の無い剛体製の円板から延びて いるものである。好適な出口逆止弁ではさらに、ガイドポストが円錐形弁座から 延びており、管状ノズルが開口とガイドポストの周りで可撓性膜から延びている 。これらの膜の少なくとも一つを圧縮可能な弾性ハウジングと一体部品として形 成するのが好ましい。 好ましくは、少なくとも液体リザーバは、計量チャンバをリザーバから吊り下 げて固いプラスチックハウジングに回動可能に支持（ピボット支持）する。電気 機械式アクチュエータが前記圧縮可能な部材（圧縮部材）を押して、固定された 後部支持面に計量チャンバを押しつけて圧縮すると、リザーバとハウジングはわ ずかに傾く。ディスペンサーがそれの固いプラスチックハウジング内で傾くと、 計量チャンバが圧縮力を受けるが、この力は前部（電気機械式アクチュエータの 圧縮部材による）と後部（固定された後部支持による）の間に分布し、ハウジン グがよじれたり曲がったりして分配が予測しない方向とならないようになる。こ の傾き姿勢で分配液の通路がわずかに弧状となるが、これは液体を表面に渡って 散布する必要のある場合には有利である。さらに、この傾きにより、液体分配を 検知するために、流体の流れで固定光学ビームを遮ることができるようになる。 この好適なリザーバは可撓性プラスチックバッグで造る。リザーバは機械継手 で液体注入前に計量チャンバに接続できる。バッグの底の小さい孔を計量チャン バの流体入口弁の上端のより大きい孔の上に位置させる。次いで、円筒状の中空 栓を整合した（芯合せした）孔に上から押し 込んで、これら二つの開口を相互にシールさせる。リザーバ（可撓性のあるバッ グの形になったもの）は、熱、紫外線、高周波または接着剤によるシール法のよ うな他の手段によっても、計量チャンバ入口に接続することができる。さらに、 液体リザーバは計量チャンバと一体物に造ることができる。バッグに上端から注 入してから、熱シールや機械式クリップによりバッグをシールする。次いでバッ グを固い計量チャンバのピボットピンから吊るす。 本発明では、試薬のような液体が使い捨てカートリッジで供給される。液体バ ッグに液体を入れるが、バッグはその前後に圧縮可能な計量チャンバと逆止弁に 連結する。次に、この可撓性バッグを、好ましくはピボットから吊り下げて固い ハウジング内に収納する。一度カートリッジが適当な分配架台に載せられると、 外部の圧縮部材によって圧縮される状態になっており、液体を出口逆止弁から容 易に分配できる。 リザーバと計量チャンバあるいはそのいずれかにフィルタを設けて粒子状物質 を捕捉して弁が詰まらないようにしてもよい。 本発明の切換可能なポンプカートリッジは、カートリッジリザーバの液体の量 に無関係に、電気機械式アクチュエータと一緒にして分配アセンブリの形にする ことができる。カートリッジは、濡れる構成部品と電気機械式の部品を分離し、 ポンプ送りの前後に配管路に呼び水しなくてもよい。さらに、これは安価に造れ るので、カートリッジの試薬が使い切られれば捨てることができる。 図面の簡単な説明 本発明の目的、特徴および利点について、以下添付の図面を参照して本発明の 好適な実施形態によってより具体的に説明する。これらの図面においては同様な 照合符号はどの図でも同じ部分を示している。図は必ずしも寸法に比例しておら ず、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。 図１Ａは固い外ハウジング内に取り付けられた液体リザーババッグおよびこれ に支持された計量チャンバを含むポンプカートリッジの断面図であり、液体計量 チャンバが圧縮力をかけられないで静止した状態を示している。 図１Ｂは計量チャンバを貫通して延在させる図１Ａの固い外ハウジングの底面 図である。 図１Ｃは圧縮部材と固いハウジングから分離した後部面とによって圧縮されて いる液体計量チャンバを示す図１Ａに対応した断面図である。 図２Ａは入口弁および出口弁のある好適な計量チャンバの断面図である。 図２Ｂは出口弁から液体を吐出する圧縮状態の計量チャンバを示す図２Ａに対 応した断面図である。 図３は計量チャンバの底部の出口弁の断面図である。 図４は計量チャンバの上端の入口弁とリザーババッグへの機械的継手の断面図 である。 図５Ａはリザーバと液体計量チャンバの他の実施形態であって、リザーバと計 量チャンバーハウジングが単一構成部品として形成されているものを示す断面図 である。 図５Ｂは出口弁から液体を吐出している圧縮状態の計量チャンバを示す図５Ａ に対応した断面図である。 図６は一つが支持架台に挿入され、他の一つが上から挿入されようとしている 二つのカートリッジポンプの斜視図である。 図７は二つのカートリッジポンプを載置している架台を示す斜視図である。 発明を実施するための最良の形態 図１Ａを参照して、カートリッジポンプは中空の可撓性バッグ（袋体）の形の ポンプカートリッジリザーバ３を備えている。リザーバ３は、 液体を分配する計量チャンバ１３に取り付ける。液体分配アセンブリはリザーバ ３と計量チャンバ１３の組合せである。リザーバ３はピボットピン１によって外 の固いハウジング２内に吊り下げる。こうして、後述するように分配動作中にリ ザーバ３と計量チャンバ１３を含む液体分配アセンブリ全体がピボット軸１の回 りに回動できる。カートリッジポンプは、固い外ハウジング２と液体分配アセン ブリとの組合せである。 カートリッジポンプを移動架台３１上に載置して取り付けるために、固い外ハ ウジングの外側面に長いＴ形部材４が取り付けられている（図６参照）。カート リッジポンプには計量チャンバ１３の横方向に延びて計量チャンバ１３が横方向 と直交する方向へ動かないようにするガイド孔５（図１Ｂ）も設けられている。 ガイド孔５は、下のパラグラフに述べるように、液体ディスペンサーの前記回動 が求める、液体ディスペンサーのある程度の前後移動を可能にしている。 分配するためには（図１Ｃ）、電気機械式アクチュエータによって圧縮部材１ ２に計量チャンバ１３を圧縮させる。そのようなアクチュエータはこの技術分野 において周知である。部材１２が計量チャンバ１３に触れると、液体分配アセン ブリ全体がピボット軸１上でわずかに傾く。この傾きにより計量チャンバ１３が 、図１Ａのような固いハウジング２か第１Ｃ、７図のように支持架台のいずれか に固定された後部支持面６に触れる。この後部支持面６は、圧縮部材１２と同様 な形状を持つ。計量チャンバ１３を後部面６の方向に移動させる液体ディスペン サーの傾動によって、部材１２による前からと後部面６による後からの、前後間 で等しい圧縮力を生み出す。これにより、計量チャンバ１３が対称的に変形する ので、計量チャンバ１３の全体的な方向は比較的真っ直に下向きのままである。 この傾ける作用がないと、計量チャンバ１３の下部に圧縮力が一方向にかかって 、計量チャンバ１３が圧縮部材の方向によじれて、液体が広い予測できない角度 に分配されるようになる。液体分配アセンブリの傾く性質のために、このよじれ をなくし、初期状態から全 圧縮の状態まで、液体流がわずかな角度幅の弧状に分配されるようになる。この 圧縮中の傾き角度にわたって小さな弧状となることは、分配する液体を一つの表 面にわずかに分散するだけにしたい場合には、さらに有利である。 他の方法として、試薬支持架台を計量チャンバが傾いたりよじれたりしないよ うな形状にすることができるが、そうするとカートリッジを架台に載せるのが一 層難しくなる。 貯蔵中にいくらかの生物汚れや染料が自然に沈殿する。沈殿物が弁に入ると、 計量チャンバの弁の一つまたは両方の中が詰まる恐れがある。そうならないよう にするために、液体リザーバの底にフィルタ４３を置いて液体が計量チャンバに 入る前に濾過する。このフィルタは、ポリエステルのような不織繊維製の深さフ ィルタ（depth filter）であるのが好ましい。沈殿物がフィルタ内に捕捉されて 計量チャンバの弁に入らなくなる。より小さいフィルタ４５を計量チャンバの内 部に置いて、さらに沈殿物があればそれを捕捉して出口弁が詰まらないようにし てもよい。 図２Ａ、２Bを参照して、計量チャンバ１３は計量チャンバーハウジング１６ の上下端の二つの一方向弁を有している。各弁は、小さいたわまない弁ディスク （円盤状の弁板）１７（下端弁）、１８（上端弁）とたわむ弾性膜１５（上端弁 ）、２５（下端弁）とを備えている。各弁は、同様に動作するが、逆止弁として だけ働くほか、付加的な機能を果たすように特に設計される。このようにすると 、種々の機能を果たす個々の部品の数が少なくなる。 図３を参照して、弁ディスク１７には、好ましくは射出成形で造った、たわま ないプラスチック部品からなるものが示されている。この弁ディスク１７は弾性 ハウジング１６の受け部に着座する。この着座受け部は、ハウジング１６におけ る弁ディスク１７の下方の９０°に曲った曲り部と、ハウジング内の突部(ridge )１９とによって形成されている。 弁ディスク１７は上から弁受け部に嵌め込む。弁ディスク１７をハウジング１６ に押し込むと、それによって突部１９が横方向に曲げられ、および／または圧縮 されて、たわまない弁ディスク１７が突部１９を通ってその下の位置に固定され る。 弁ディスク１７には可撓性膜２５と相互作用してそれを変形させる中央の円錐 状突起部２１がある。好適な一実施形態においては、この可撓性膜２５は計量チ ャンバーハウジング１６と同じ材料でそれと一体に造られている。実際、それら は製造（型成形）中につくられた同じ部品の異なった機能部位である。可撓性膜 ２５が変形すると、その可撓性膜２５によってそれの元の変形されていない状態 へ戻るように復元力が働くことになる。この復元力によって可撓性膜２５が円錐 状突起部２１を押圧するようになる。静止状態では、可撓性の面２５が円錐部分 ２１に作用する圧力（復元力）によって弁が閉じられ、液体シールが確実になさ れる。この弁ディスクには計量チャンバ１３内に入っている液体を弁ディスク１ ７の下へ自由に通す小さい偏心位置の穿孔２６（通孔）もある。可撓性の面２５ の弁ディスク１７の円錐部分２１への押付け作用によって生じるシールのために 、液体はカートリッジポンプから出ない。弁座２１の形が円錐形であるので、膜 １５、２５の中心の開口の直径に等しい許容範囲内でシールがよくできる。 圧縮部材１２が計量チャンバ１３を圧縮すると、弁ディスク穿孔部２６を通っ て可撓性の面２５の全表面にその液体圧が伝達される。すると図２Ｂに例示する ように、可撓性の面２５が弁ディスク１７の円錐部分２１から離れるように変形 する。このようにして液体が弁シールを通る。図３に示す弁ディスク１７の円錐 部分２１は、円筒状の液体分配ガイドポスト２０の形で図の下方へ延びている。 この液体分配ガイド２０は、液体を撹拌棒の表面沿いに注下させるのと類似の形 で、液体が真っすぐ下向きに流れる助けとなる。図２Ｂおよび図３に例示する好 適な実施形態においては、管状ノズル４０が膜２５の開口を取り巻いており、こ れも液体流４２を案内する。（図１Ａおよび図１Ｃの実施形態にはこのノズルは 含まれていない。）分配によって液体圧が低減すると、可撓性部材２５の弾性力 によってそれが再び弁ディスク１７の円錐部分２１に触れるようになって、また シールされる。 弁シールの下流に含まれる液体の量を極めて少なくすることにより、弁シール に沈殿物が付着するのが抑制される。さらに、この設計によって、液体を分配し たのちに小さな液滴がノズルから垂れ下がるという従来の問題が少なくなる。小 さな液滴は、毛細管作用によって付着できる開口壁がある時だけしか垂れ下がら ない。表面張力も液滴を保持する力となる。この実施形態においては、可撓性膜 ２５によって形成される開口が小さく（直径１ｍｍより小さい）、またノズル４ ０の深さが浅い（短い）ので、大きい液滴が付着したままになるには、毛細管力 が不十分である。従って、液滴は落下して、ノズル４０に液体がなくなる。 図４を参照して、上端の入口弁ディスク１８は液体リザーバ３を取り付ける機 械式継手を収容するように設計する。この継手はプラグ１４を弁ディスク１８の 凹所に嵌め込むことで形成される。この継手は、プラグ１４と弁ディスク１８の 凹所の間に液体リザーババッグ２３の最下部を挟持することにより形成されるの で、バッグ２３に開けた孔は、弁ディスク１８の凹所よりも直径が小さくなって いる。プラグ１４は締まり嵌めする大きさとし、弁ディスク１８の凹所に押し込 む。これにより、液体リザーバ３を形成する可撓性フィルムが伸長され、弁ディ スク１８の凹所に引っ込まれて強固なシール（摩擦シール）をなす。こうして、 液体リザーバと計量チャンバ１３が摩擦連結される。これで熱あるいは接着によ るシールには向かない材料も使えるようになる。液体リザーバ３内に入っている 液体は、プラグ１４の中央部を通っている貫通孔２４を通過する。 下の可撓性膜２５と異なり、上の弁の可撓性膜１５は、ハウジング１６と別に 成形し、上から挿入する。膜１６を上の弁ディスク１８と一緒 に計量チャンバーハウジング１６の上端の弁受け部に固定する。上の弁受け部は チャンバーハウジング１６の内壁の突部２７，２８によって形成する。これらの 突部２７，２８は、弁ディスク１８と可撓性膜１５からなる構成部品の上（突部 ２７）と下（突部２８）に位置している。 入口（上の）弁は出口弁と同様に機能する。可撓性の面１５が弁ディスク１８ の円錐形部分に作用してシールをなす。リザーバ３からの液体は弁ディスク１８ に設けた通孔２９から弁ディスク１８を容易に通過するが、可撓性膜１５の弁デ ィスク１８の円錐形部分に対するシール作用によってできるシールのために計量 チャンバへは通れない。 液体分配の後、計量チャンバーハウジング１３はそれの元の形に再膨張する。 すると、チャンバ１３内に負の圧力が生じる。この負圧は可撓性膜１５の全下面 にかかり、それを下方にたわませて液体シールが破れる。膜１５が弁ディスク１ ８の円錐形部分を押す力を小さくする、つまり、予荷重を小さくすることにより 、液体が低差圧でも自由に流れるようになる。液体が液体リザーバ３からチャン バ１３に再注入されると、負圧は低減し、可撓性の面１５がそれの元の位置を取 り戻して弁が再びシールされる。 この弁の設計によって、低いより適度な開放（弁開）力を備えた高いシール力 が再現可能となる。可撓性膜１５、２５越しの差圧がほぼゼロである静止状態中 、弁ディスク１７、１８の円錐形表面が可撓性膜２５、１５の縁と接触する小さ い円形領域に、可撓性膜による弾性シール力がかかる。シール圧力＝シール力／ 面積であり、接触面積が極めて小さいので、シールの圧縮が比較的大で、シール が信頼でき、漏れない。他方、この液体シールを破るときは、可撓性膜２５、１ ５の比較的大きい全表面積に液圧がかかる。（液圧差）×（面積）＝力であるの で、適度の小さい液圧だけで比較的大きい開放力となる。計量チャンバの圧縮中 の膜１５，または膨張中の膜２５におけるように、圧力が逆に作用する時、この 原理で極めて信頼できるシールになり、逆流しなくなる。 結論として、膜１５、２５の開口によって画定されるシール面積が小さく、膜 の表面積が大きいので、静的シール圧が大きく、開弁液圧が低くなる。これらの 利点が小型の構造によって得られる。 この弁設計のもう一つの利点は、ある一定の開弁力を得るために、弁ディスク １７の円錐形突起部２１の大きさを製造中に修正できることである。すなわち、 円錐状弁座２１を大きくすると、静止時に可撓性の面２５がより大きくたわむの で、可撓性の面２５における接触面の弾性力（予荷重）が増す。そのような状態 で弁をたわませるには液圧を増さねばならない（すなわち、開弁力が大きくなる ）。円錐状弁座２１を小さく造ると、開弁圧が低くなる。例えば上の（入口）弁 は漏れないようにするために開弁圧を高くしなくてもよいので、予荷重力は小さ くするのが好ましい。 別の製造法を図５Ａおよび図５Ｂに示す。この実施形態では、液体リザーバ３ と計量チャンバーハウジング１６を単一部品として製造する。すなわちリザーバ はチャンバーハウジングと続いており、両方共シリコンゴムのような同じ材料で 造られている。この構造で組み立てる部品の数が極めて少なくなり、液体リザー バ３と液体計量チャンバ１３の間に摩擦シールを使わなくてよくなる。 図６において、二つのカートリッジポンプ２９、３０が表示されている。カー トリッジポンプ２９は装着具（装着手段）４を架台３１の多くの溝３２の一つに 係合させて回転架台３１取り付ける。架台３１はコンピュータ制御で精密に回動 させる。カートリッジポンプ３０は長いＴ形装着具４の溝３２との係合を例示す るために、架台３１の上方に示している。カートリッジポンプ３０を架台３１上 まで降ろすと、装着具４の狭い部分が溝３２に嵌まる。 図７において、二つのカートリッジポンプ２９、３０を可動架台３１に挿入し たところが示されている。架台３１は、カートリッジポンプ３０が固定位置にあ る圧縮部材１２によって分配動作する位置にある。カ ートリッジポンプ３０の固いハウジングの両側に指止め３３が設けられており、 これで作業者につかみやすくなっている。固い外ハウジング２の外側にバーコー ド３４が表示されていて、カートリッジポンプ内に入れた試薬の種類、ロット番 号、有効期限、およびリザーバ３の全容積を識別できるようにしている。ハウジ ング２に設けた窓３５からリザーバを見て液面を知ることができる 図６、７の実施形態において、架台３１のベースは液体計量チャンバ１３の後 部支持部の働きをする。代替として、後部面となる後部支持部６を固い外ケース ２の一部で形成することができる。前に例示していないが、図７には計量チャン バを覆う側壁３６を示している。部材１２が液体計量チャンバ１３（図７には示 さず）を圧縮すると、前述のように液体分配アセンブリが傾く。これにより、液 体計量チャンバ１３が、部材１２と反対側の液体計量チャンバ１３の側で架台３ １のベースに触れ、液体計量チャンバ１３が圧縮される。 液体分配アセンブリ全体を組み立てた後、液体リザーバに注入する。製造の初 期段階では、リザーバ３の上端が開いている。一度組み立てれば、この上の開口 端から液体をリザーバにいれる。ついでリザーバ３を形成している可撓性フィル ムを熱シールするか機械式クリップで締め付ける。計量チャンバを圧縮してこの チャンバーから空気をバージし、液体を入れる。大部分の空気を計量チャンバか ら抜いたとき、液体分配アセンブリを逆さにすると、残留泡があれぼそれが上が りやすくなって、それらが出口弁から絞り出される。ついで分配アセンブリをピ ボットピン１にかけてカートリッジハウジングを閉じる。 外部の固いハウジング２は二枚貝の形状に組み合わせる二分割体として造ると 好ましい。この好適な実施形態では、液体分配アセンブリを固いハウジングの二 分割体の一方にあるピン１にかける。計量チャンバはガイドスロット５に入れる ように位置付ける。次いで、固い外ハウジング２の他方の分割体を一方の分割体 と合わせて、機械式かみあい、溶剤 接着または他の手段で固定する。ハウジング２は、液体分配アセンブリの周りを 包みスナップ合わせることのできる可撓性丁番付きの単一部品として造ることも できる。 本発明の液体分配装置は米国特許出願No．08/887,178に示されたスライド式装 置に用いられるディスペンサーの直接代替品として実施すれば好ましいが、多く の他の用途にも通用できる。 均等物 本発明はそれの好適な実施形態に言及して具体的に示し説明したが、添付のク レームに明示する本発明の趣旨と範囲を逸脱することなく形式内容を種々変更で きることは、当業者に理解されるであろう。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ， ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，Ｌ Ｓ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ， ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，Ｅ Ｅ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ， ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，Ｍ Ｄ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ， ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，Ｖ Ｎ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 液体リザーバ、 前記リザーバから入口を通して液体を受ける圧縮可能な弾性ハウジングを有す る液体計量チャンバ、および この圧縮弾性ハウジングの入口および出口のそれぞれに配置した一方向逆止弁 を備え、 逆止弁の少なくとも一つが、 開口のある可撓性膜、および この可撓性膜の開口に嵌まり、可撓性膜を変形させる弁座を備え 変形された前記可撓性膜が弾性復元力を有し、この復元力によって可撓性膜が 弁座に作用して液体シールをなす液体分配アセンブリ。 ２． 請求項１において、前記弁座が円錐形である液体分配アセンブリ。 ３． 請求項２において、前記弁座が液体を流す通孔のある固い弁ディスクか ら延びている液体分配アセンブリ。 ４． 請求項３において、前記逆止弁は、前記出口に位置し、さらに、弁座か ら延びて液体を沿わせて流す液体分配ガイドポストを有している液体分配アセン ブリ。 ５． 請求項４において、前記出口の逆止弁が前記開口の周りで可撓性膜から 延びる管状ノズルを有している液体分配アセンブリ。 ６． 請求項１において、前記逆止弁は、前記出口に位置し、さらに、弁座か ら延びて液体を沿わせて流す液体分配ガイドポストを有している液体分配アセン ブリ。 ７． 請求項１において、前記出口の逆止弁が前記開口の周りで可撓性膜から 延びる管状ノズルを有している液体分配アセンブリ。 ８． 請求項１において、前記可撓性膜が圧縮可能な弾性ハウジングと一体部 品として形成されている液体分配アセンブリ。 ９． 請求項１において、前記出入口の逆止弁の各々が 開口のある可撓性膜、および この可撓性膜の開口に嵌まり、可撓性膜を変形させる弁座を備え、 変形された前記可撓性膜が弾性復元力を有し、この復元力によって可撓性膜が 弁座に作用して液体シールをなす液体分配アセンブリ。 １０． 請求項１において、前記リザーバと計量チャンバが、計量チャンバを一 方の側から圧縮する時に傾くように設けられている液体分配アセンブリ。 １１． 請求項１において、前記リザーバが可撓性バッグで造られている液体分 配アセンブリ。 １２． 請求項１１において、前記リザーバと計量チャンバが、計量チャンバを 一方の側から圧縮する時に傾くように設けられている液体分配アセンブリ。 １３． 請求項１１において、前記リザーバを固い外ハウジングに収納している 液体分配アセンブリ。 １４． 請求項１３において、前記固い外ハウジングが支持架台への装着手段を 有する液体分配アセンブリ。 １５． 請求項１３において、前記固い外ハウジングにバーコード表示がなされ ている液体分配アセンブリ。 １６． 請求項１において、前記リザーバに分配する液体が注入されている液体 分配アセンブリ。 １７． 請求項１において、前記リザーバまたは計量チャンバ内に、液体中の粒 子状物質を捕捉するフィルタを備えた液体分配アセンブリ。 １８． 液体リザーバ、 前記リザーバから入口を通して液体を受け、圧縮可能な弾性ハウジングの入口 および出口のそれぞれに一方向逆止弁を備えた液体計量チャンバ、および 前記出口を通って延びる液体分配ガイドポストを備えた液体分配アセンブリ。 １９． 請求項１８において、前記出口の逆止弁が可撓性膜を備え、この膜が、 ガイドポストを通す開口と開口の周りで可撓性膜から延びる管状ノズルとを有す る液体分配アセンブリ。 ２０． 請求項１８において、前記リザーバに分配する液体が注入されている液 体分配アセンブリ。 ２１． 液体リザーバ、および 前記リザーバから入口を通して液体を受け、圧縮可能な弾性ハウジングの入口 および出口のそれぞれに一方向逆止弁を有する液体計量チャンバを備え、 前記リザーバと計量チャンバは、圧縮部材が後部面に向かって計量チャンバを 圧縮する際に回動するようにピボット軸に取り付けられている液体分配アセンブ リ。 ２２． 請求項２１において、前記リザーバが固い外ハウジング内に回動可能に 取付けられ、前記後部面が固い外ハウジングの一部である液体分配アセンブリ。 ２３． 請求項２１において、前記後部面が、液体分配アセンブリを支持する架 台の一部である液体分配アセンブリ。 ２４． 請求項２１において、前記リザーバが可撓性バッグである液体分配アセ ンブリ。 ２５． 請求項２４において、前記リザーバが固い外ハウジング内で回動可能に 取り付けられている液体分配アセンブリ。 ２６． 請求項２１において、前記リザーバに分配する液体が注入されている液 体分配アセンブリ。 ２７． 固いハウジング、 この固いハウジング内に吊り下げられた可撓性バッグを有する液体リザーバ、 および 前記リザーバから入口を通して液体を受けるように前記液体リザーバに取り付 けられ、圧縮可能な弾性ハウジングの入口および出口のそれぞ れに一方向逆止弁を有する液体計量チャンバを備え、 前記計量チャンバが前記液体リザーバへの取付け点から無拘束状態で吊り下げ られている液体分配カートリッジ。 ２８． 請求項２７において、前記液体リザーバが、リザーバと計量チャンバが 自由に回動できるように、ピボット軸から吊り下げられている液体分配アセンブ リ。 ２９． 請求項２７において、前記固いハウジングが、これに押しつけられた前 記計量チャンバを圧縮する後部面を有する液体分配アセンブリ。 ３０． 請求項２７において、前記固い外ハウジングにバーコード表示がなされ ている液体分配アセンブリ。 ３１． 請求項２７において、前記固い外ハウジングが支持架台への装着手段を 有する液体分配アセンブリ。 ３２． 請求項３１において、前記架台が、これに押し付けられた計量チャンバ を圧縮する後部面を有する液体分配アセンブリ。 ３３． 請求項２７において、前記計量チャンバが前記入口の逆止弁と液体リザ ーバの間の摩擦連結によってリザーバに取り付けられている液体分配アセンブリ 。 ３４． 請求項２７において、前記液体リザーバと計量チャンバが単一部品とし て形成されている液体分配アセンブリ。 ３５． 請求項２７において、前記可撓性バッグが熱シールで閉じられている液 体分配アセンブリ。 ３６． 請求項２７において、前記可撓性バッグが機械式クリップで閉じられて いる液体分配アセンブリ。 ３７． 請求項２７において、前記リザーバに分配する液体が注入されている液 体分配アセンブリ。 ３８． 請求項２６において、リザーバまたは計量チャンバ内に液体中の粒子状 物質を捕捉するフィルタを備えた液体分配アセンブリ。 ３９．液体リザーバ、 圧縮可能な弾性ハウジングを有し、このハウジングとリザーバとが単一部品と して形成されている液体計量チャンバ、 前記リザーバと計量チャンバの間の第一逆止弁、および 計量チャンバの出口の第二逆止弁を備えた液体分配アセンブリ。 ４０． 請求項３９において、前記リザーバに分配する液体が注入されている液 体分配アセンブリ。 ４１． 液体リザーバ、 前記リザーバから入口を通して液体を受け、圧縮可能な弾性ハウジングの入口 および出口のそれぞれに一方向逆止弁を備えた液体計量チャンバ、および 前記液体に含まれた粒子状物質を捕捉するようにリザーバまたは計量チャンバ 内に配置されたフィルタを備えた液体分配アセンブリ。 ４２． 請求項４１において、前記リザーバに分配する液体が注入されている液 体分配アセンブリ。 ４３． 支持架台に着脱自在に取り付けられる固いハウジング、 この固いハウジング内に吊り下げられた可撓性バッグを有する液体リザーバ、 前記リザーバから入口を通して液体を受ける圧縮可能な弾性ハウジングを有し 、一方の側から圧縮される時に傾くように設けられている液体計量チャンバ、お よび 前記圧縮可能な弾性ハウジングの入口および出口のそれぞれに配置された一方 向逆止弁を備え、 前記逆止弁の各々が、 開口のある可撓性膜、および 前記可撓性膜の開口に嵌まり込み可撓性膜を変形させる円錐状弁座を有し、 変形された可撓性膜は弾性復元力を有し、この復元力によって可撓性 膜が弁座に作用して液体シールをなす液体分配アセンブリ。 ４４． 請求項４３において、前記出口の逆止弁が固い弁ディスクを備え、この 弁ディスクから弁座が延びており、前記固い弁ディスクに、液体を流す通口と、 弁座から延びて液体を沿わせて流す液体分配ガイドポストとがあり、さらに、前 記出口の逆止弁が、開口の周りで可撓性膜から延びる管状ノズルを有している液 体分配アセンブリ。 ４５． 請求項４３において、リザーバに分配する液体が注入されている液体分 配アセンブリ。 ４６． 請求項４３において、リザーバまたは計量チャンバ内に前記液体中の粒 子状物質を捕捉するフィルタを備えた液体分配アセンブリ。 ４７． 可撓性バッグから入口を通して液体を受けるよう可撓性バッグに取り付 けた計量チャンバを有し、この計量チャンバが圧縮可能な弾性ハウジングの入口 および出口のそれぞれに一方向逆止弁を有している可撓性バッグを用意して、こ のバッグに、分配する液体を入れ、 前記可撓性バッグを固いハウジングに支持して、前記計量チャンバを前記ハウ ジングを通して外部に露出させ、外部圧縮部材により計量チャンバを圧縮して計 量チャンバの前記出口から液体を分配させる液体の供給方法。 ４８． 請求項４７において、前記可撓性バッグを固いハウジング内に吊り下げ 、計量チャンバを前記可撓性バッグから無拘束状態で吊り下げた液体の供給方法 。 ４９． 請求項４８において、前記可撓性バッグが、前記バッグと計量チャンバ を自由に回動させるピボット軸から吊り下げられている液体の供給方法。