JP2002507896A - Wa545組成物 - Google Patents

Wa545組成物

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ジェネティックス・インスチチュート・インコーポレーテッド
ザ・ホワイトヘッド・インスティテュート・フォー・バイオメディカル・リサーチ
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Abstract

(57)【要約】 精製WA545蛋白およびその製造方法を開示する。WA545蛋白をコードするDNA配列も開示する。成長因子のTGF−βスーパーファミリーのメンバーの蛋白を用いて、神経および筋肉組織を包含する中胚葉組織の形成、成長、増殖、分化、維持を誘導、促進および/または抑制してもよい。本発明の蛋白は、骨および軟骨および/または他の結合組織の欠損の治療ならびに創傷の治癒ならびに関連組織の修復にも有用でありうる。

Description

【発明の詳細な説明】 WA545組成物 本発明は、WA545およびWA545関連蛋白と命名された新規ファミリー の精製蛋白、それらをコードしているDNA、ならびにそれらの製造方法に関す る。これらの蛋白を用いて骨および/または軟骨または他の結合組織の形成を誘 導してもよく、さらに創傷の治療および組織の修復に用いてもよい。また、これ らの蛋白を他の蛋白骨形態形成蛋白活性を増大させるために用いてもよい。発明の背景 骨および他の組織抽出物中に存在する骨、軟骨および他の結合組織の誘導活性 に関与する分子の検索は、骨形態形成蛋白(BMP)と呼ばれる新規セットの分 子の発見につながった。BMP−1からBMP−16と命名されたいくつかの蛋 白の構造がすでに詳細に調べられている。これらの蛋白のユニークな誘導活性は 、それらが骨に存在することとあいまって、それらは骨修復プロセスにおいて重 要なレギュレーターであり、骨組織の正常な維持に関与しているかもしれないと いうことを示唆する。これらのプロセスにおいて役割を果たすさらなる蛋白が存 在するかどうかを確認することが必要である。本発明は、かかる蛋白の同定に関 するものであり、本発明者らはこれをWA545と命名した。発明の概要 本明細書の用語「WA545関連蛋白」は、配列番号:2に示すアミノ酸配列 を有するアフリカツメガエルWA545蛋白、ならびに哺乳動物および他の種に 見いだされるこの蛋白のホモログをいい、さらにWA545に関して構造的およ び/または機能的に密接な関連を有する他の蛋白もいう。「WA545関連蛋白 」の例はネズミ、ウシおよびヒトのWA545蛋白ならびに他の種、特にヒトに おけるホモログを包含する。 本明細書の用語「WA545活性」は、本発明WA545蛋白により示される 1またはそれ以上の活性をいう。特に、「WA545活性」は、脳細胞、Schwan n細胞、グリア細胞および星状細胞のごときニューロンおよび/または神経細胞 および組織、ならびに筋肉細胞および組織(これらに限らない)を包含する中胚 葉組織の形成、成長、増殖、分化、維持を誘導、促進および/または抑制する能 力を包含する。「WA545活性」は、Xbra、gsc、brachyury、Pintallavis、X notおよび筋肉アクチンのごとき内胚葉組織の分子マーカーを誘導する能力、な らびにニューロンおよび/または脳細胞、Schwann細胞、グリア細胞および星状 細胞のごとき関連神経細胞および組織の形成を誘導する能力も包含する。 「WA545活性」は、リガントとそれらの蛋白受容体との相互作用を調節する 能力も包含する。さらに「WA545活性」は、他の細胞および/または組織、 例えば、結合組織、器官の形成、分化、増殖および/または維持の調節、ならび に創傷治癒を包含する。特に、「WA545活性」は、血管形成の促進および/ または抑制、ならびに毛細血管、動脈および他の血管の形成および成長、ならび に心臓、脾臓、肝臓、膵臓、胃、腎臓、肺および脳の細胞および組織、骨芽細胞 および骨、軟骨細胞および軟骨、腱および表皮の形成、成長、増殖、分化および /または維持を促進および/または抑制する能力を包含する。アフリカツメガエルWA545 アフリカツメガエルWA545 DNA配列(配列番号:1)およびアミノ酸 配列(配列番号:2)を配列表に示す。WA545蛋白は、軟骨、筋肉、神経、 表皮または他の結合組織、またはそれらの組み合わせの形成を誘導する能力があ る。さらにWA545蛋白は、後で説明するアッセイにおける、軟骨、骨、筋肉 、神経、表皮および/または他の結合組織の形成活性によっても特徴づけられる 。 配列番号:1に示すヌクレオチド55、775または811からヌクレオチド 1113または1116までを含む、成熟WA545ポリペプチドをコードする ヌクレオチド配列を含むDNA配列で形質転換された細胞を培養し、次いで、配 列番号:2に示すアミノ酸−240、1または13からアミノ酸113または1 14までを含むアミノ酸配列により特徴づけられ、同時生成される他の蛋白性物 質を実質的に含まない蛋白を培地から回収し精製することにより、アフリカツメ ガエルWA545を製造してもよい。哺乳動物細胞における製造のためには、D NA配列は、成熟WA545ポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列に インフレーム(in frame)で結合している適当な5’側のプロペプチドをコード しているDNA配列をさらに含む。プロペプチドは本来のWA545プロペプチ ドであってもよく、あるいはTGF−βスーパーファミリーの別の蛋白由来のプ ロペプチドであってもよい。ヒトWA545 他の種、特にヒト種は、アフリカツメガエルWA545蛋白に対して相同的な DNA配列を有すると考えられる。それゆえ、本発明は、ヒトWA545蛋白を コードしているDNA配列、それらの方法により得られるDNA配列、およびそ れらのDNA配列によりコードされるヒト蛋白の取得方法を包含する。この方法 は、ヒト遺伝子またはコーディグ配列またはそのフラグメントを求めて標準的方 法を用いてライブラリーをスクリーニングするためのプローブを設計するための 、アフリカツメガエルWA545蛋白のヌクレオチド配列またはその一部分の使 用を伴う。よって、本発明は、アフリカツメガエルWA545に対して相同的で あり、アフリカツメガエルWA545配列を用いて得ることのできる、他の種、 特にヒト由来のDNA配列を包含する。完全成熟ヒトWA545蛋白および対応 アミノ酸をコードするDNA配列を、本明細書にて説明する方法を用いて得るこ とができる。本明細書にて説明するように、アフリカツメガエルWA545配列 をプローブとして使用して、これらの配列を得ることができる。ヒトWA545 配列を用いて、標準的方法により、完全ヒトWA545遺伝子またはコーディン グ配列を得るためのプローブを設計してもよい。アフリカツメガエルWA545 およびヒトWA545配列、またはそれらの一部分をプローブとして使用して、 あるいはプローブを設計するために使用して、他の種由来のホモログのごとき他 の関連DNA配列を得てもよい。WA545 DNA配列のごとき関係のあるD NA配列で形質転換された細胞を培養し、ついで、蛋白を培地から回収すること により、ヒトWA545のごとき本発明のWA545蛋白を製造してもよい。精 製された発現蛋白は、同時生成される他の蛋白性物質ならびに他の混入物質を実 質的に含まない。回収された精製蛋白は、軟骨、骨、筋肉、神経、表皮および/ または結合組織の形成活性を示すと考えられる。よって、後に説明するアッセイ において軟骨、骨、筋肉、神経、表皮および/または他の結合組織の形成活性を 示す能力により、本発明蛋白をさらに特徴づけてもよい。 本発明のもう1つの態様は、医薬上許容される賦形剤または担体中の、治療上 有効量のアフリカツメガエルまたはヒトのWA545蛋白のごときWA545蛋 白を含有する医薬組成物を提供する。これらの本発明組成物を骨、軟骨、筋肉、 神経、表皮および/または腱、靭帯および半月板を包含する他の結合組織の形成 、ならびに上記のものの組み合わせの形成、例えば、腱と骨との結合装置の再生 に使用してもよい。ヒトWA545の組成物ごとき本発明組成物を創傷の治療お よび組織の修復に用いてもよい。さらに本発明組成物は、少なくとも1種の他の 治療上有用な作用剤、例えば、米国特許第5,108,922、5,013,649 、5,116,738、5,106,748、5,187,076ならびに5,141, 905号に開示のBMP−1、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP− 5、BMP−6およびBMP−7;PCT出願公開WO93/18098に開示 のBMP−8;およびPCT出願公開WO93/00432に開示のBMP−9 ;PCT出願公開WO94/26893に開示のBMP−10;PCT出願公開 WO94/26892に開示のBMP−11、PCT出願公開WO95/160 35号に開示のBMP−12またはBMP−13、PCT出願公開WO96/3 6710に開示されたBMP−15、または1996年9月18日出願の同時係 属特許出願第08/715/202号に開示されたBMP−16を含んでいても よい。 有用でありうる他の組成物は、Vgr−2およびGDF(PCT出願公開 WO94/003140;WO94/15949;WO95/01801;WO 95/01802;WO94/21681;WO94/15966および他のも のに記載されているものを含む)を含んでいてもよい。WO94/01557に 開示のBIP;およびPCT出願公開WO93/16099に開示のMP52も 本発明において有用でありうる。上記の全出願の開示を、参照により本明細書に 記載されているものとみなす。 本発明組成物は、WA545蛋白のほかに、表皮増殖因子(EGF)、線維芽 細胞増殖因子(FGF)、形質転換増殖因子(TGF−αおよびTGF−β)、 wnt蛋白、sonic、indianおよびdesertのhedgehogのごときhedgehog蛋白、アクチ ビン、インヒビン、およびインスリン様増殖因子(IGF)を包含する他の治療 上有用な作用剤を含んでなっていてもよい。また、組成物は、適当なマトリック ス、例えば、組成物を保持し、骨および/または軟骨の成長のための表面を提供 するようなマトリックスを含有していてもよい。マトリックスは、骨誘導性蛋白 のゆっくりとした放出および/またはその存在のための適切な環境を提供しうる ものであってもよい。 WA545組成物を、多くの骨、軟骨、筋肉、神経、表皮および/または結合 組織の欠損、ならびに歯周病、および種々のタイプの組織の治癒および創傷の治 癒に使用してもよい。治療されうる組織および創傷は、表皮、神経(脊髄を包含 )、筋肉(心筋、横紋筋または平滑筋を包含)、および他の組織および創傷、な らびに肝臓、肺、心臓、膵臓および腎臓組織のごとき他の器官を包含する。本発 明によれば、これらの方法は、かかる骨、軟骨、筋肉、表皮および/または他の 結合組織の形成、創傷の治癒あるいは組織の修復を必要とする患者に有効量のW A545蛋白を投与することを含む。WA545含有組成物を用いて、骨関節炎 、骨粗鬆症のごとき症状を治療または予防し、ならびに骨、軟骨、脾臓、肺、心 臓および腎臓のごとき器官および他の組織を治療してもよい。またこれらの方法 は、上記の少なくとも1種の他のBMP蛋白と組み合わせて本発明蛋白を投与す ることを伴う。さらに、これらの方法は、EGF、FGF、TGF−α、TGF −β、wnt、hedgehog、アクチビン、インヒビンおよびIGFを包含する 他の増殖因子とともにWA545蛋白を投与することも含む。 本発明のさらなる態様は、WA545蛋白の発現をコードするDNA配列であ る。かかる配列は、配列番号:1に示された3’から5’方向へのヌクレオチド 配列、遺伝コードの縮重を除いては配列番号:1のDNA配列と同じDNA配列 であって配列番号:2の蛋白をコードしているDNA配列を包含する。さらに、 ストリンジェントな条件下で配列番号:1のDNA配列とハイブリダイズし、軟 骨、骨、筋肉、神経、表皮および/または他の結合組織、あるいは肝臓、膵臓、 脳、脾臓、肺、心臓および腎臓組織のごとき他の器官の形成を誘導する能力を有 する蛋白をコードしているDNA配列も本発明に包含される。好ましいDNA配 列は、ストリンジェントな条件下[T.Maniatis et al,Molecular Cloning(A La boratory Manual),Cold Spring Harbor Laboratory 1982,387〜389参照]でハ イブリダイズするDNA配列である。かかるDNA配列が、配列番号:2に示す 成熟ヒトWA545のアミノ酸配列に対して少なくとも約80%、より好ましく は少なくとも約90%の相同性を有するポリペプチドをコードしていることが一 般的に好ましい。結局、配列番号:1の配列の対立遺伝子変種または他の変種も 、ヌクレオチド変化がペプチド配列の変化をもたらすか否かにかかわらず、その 配列がWA545の活性を有する場合には本発明に包含される。また本発明は、 WA545蛋白の活性を保持しているポリペプチドをコードする、配列番号:1 に示すWA545のDNA配列のフラグメントも包含する。本発明のWA545 蛋白の特定の変種またはフラグメントがWA545活性を維持するかどうかの決 定は、実施例および明細書に記載のアッセイを用いて常套的に行われる。 本発明DNA配列は、例えば、細胞集団中のWA545をコードするmRNA の検出用プローブとして有用である。本発明DNA配列は、後で説明する遺伝子 治療に適用されるベクターの調製にも有用である。 本発明のさらなる態様は、作動するように発現調節配列に連結された上記DN A配列を含むベクターを包含する。作動するように発現調節配列に連結されたW A545蛋白をコードしているDNA配列で形質転換された細胞系を適当な培地 で培養し、そこからWA545蛋白を回収し精製する、本発明のWA545 蛋白の製造方法において、これらのベクターを使用することができる。この方法 には、多くの知られた真核細胞および原核細胞双方を該ポリペプチド発現のため の宿主として使用することができる。ベクターを遺伝子治療に適用してもよい。 かかる使用において、エクスビボでベクターを患者の細胞中にトランスフェクシ ョンし、次いで、細胞を患者に再導入することができる。別法として、標的トラ ンスフェクションにより、インビボでベクターを患者に導入してもよい。 本発明のさらなる態様はWA545蛋白またはポリペプチドである。かかるポ リペプチドは、配列番号:2に示す配列を含むアミノ酸配列、配列番号:2のア ミノ酸配列の変種(天然に存在する対立遺伝子変種を包含)、ならびに他の変種 (軟骨および/または骨および/または他の結合組織、あるいは肝臓、肺、心臓 、膵臓および腎臓組織のごとき他の器官の形成を誘導する能力、あるいはWA5 45に特徴的な他の活性を保持している)のアミノ酸配列を有することによって 特徴づけられる。好ましいポリペプチドは、配列番号:2に示す成熟アフリカツ メガエルWA545のアミノ酸配列に対して少なくとも約80%、より好ましく は少なくとも約90%の相同性を有するポリペプチドを包含する。結局のところ 、かかるアミノ酸の変化が突然変異、化学的変化またはDNA配列の変化により 誘発されたかどうかにかかわらず、配列番号:2の配列の対立遺伝子変種または 他の変種も本発明に包含される。また本発明は、WA545蛋白の活性を保持し ている、配列番号:2に示すWA545のアミノ酸配列のフラグメントを包含す る。 抗体製造の分野において知られている方法を用い、本発明精製蛋白を用いてヒ トWA545および/または他のWA545関連蛋白に対する抗体(モノクロー ナルまたはポリクローナル)を得てもよい。よって、本発明は、ヒトWA545 および/または他のWA545蛋白に対する抗体も包含する。抗体はWA545 および/または他のWA545蛋白の精製、あるいはWA545蛋白の効果の抑 制または防止に有用でありうる。WA545蛋白および関連蛋白は、WA545 に結合する受容体蛋白の同定および単離、ならびに胚性細胞および/または幹細 胞の成長および/または分化の誘導に有用でありうる。よって、本発明は、 WA545受容体、受容体の同定方法、ならびに胚性細胞または幹細胞のごとき 比較的分化していない細胞集団を処理して細胞の増殖および/または分化を促進 することも包含する。処理された細胞集団は遺伝子治療への適用に有用でありう る。寄託物の説明 全長のアフリカツメガエルWA545蛋白をコードするクローンを、American Type Culture Collection(ATCC)12301 Parklawn Drive,Rockville,MD 2085 2に、1997年5月9日に寄託し、ATCC受託番号98428を付与された 。この寄託はブダペスト条約の規定を完全に満たすものである。 配列番号:1は成熟アフリカツメガエルWA545ポリペプチド全体をコード するヌクレオチド配列である。 配列番号:2は成熟アフリカツメガエルWA545ポリペプチドを含有するア ミノ酸配列である。 配列番号:3はアフリカツメガエルWA545シグナル配列に対するオリゴヌ クレオチドプローブである。 配列番号:4はアフリカツメガエルWA545シグナル配列に対するオリゴヌ クレオチドプローブである。 配列番号:5はBMP/TGF/Vg−1蛋白の高度に保存された領域由来の コンセンサスアミノ酸配列である。 配列番号:6は上記の配列番号:5のコンセンサスアミノ酸配列に基づいて設 計されたオリゴヌクレオチドである。 配列番号:7はBMP/TGF/Vg−1蛋白の高度に保存された領域由来の コンセンサスアミノ酸配列である。 配列番号:8は上記の配列番号:7のコンセンサスアミノ酸配列に基づいて設 計されたオリゴヌクレオチドである。 配列番号:9はアフリカツメガエルWA545成熟ペプチド配列に対するオリ ゴヌクレオチドプローブである。 配列番号:10はアフリカツメガエルWA545成熟ペプチド配列に対するオ リゴヌクレオチドプローブである。図面の簡単な説明 図1 WA545の発現パターン。WA545は周辺帯(中胚葉)および植物細 胞(vegetal cell)で発現され、ついで、後部に限定される。 WA545に対するジゴキシゲニン標識RNAとアフリカツメガエル胚とのイ ンシトゥハイブリダイゼーションの標本は、WA545 RNAの局在化を示す 。映像は、植物極または後部(最終的には植物極は後部となる)からのものであ る。(a)WA545は先ず、中期ないし後期胞胚(段階9)までに、開裂中に 発現される。(b)周辺帯全体(中胚葉)ならびに植物細胞において、初期原腸 胚(段階10+)までに発現が増大する。(c,d)この高レベルの発現は原腸 形成期間中維持される。(e)原腸形成後期段階において発現レベルは低下し始 める。この段階に至るまで、発現は側方および腹側組織においてやはり存在する が、脊索を形成する背側の大部分の領域からは存在しなくなる。(f)初期神経 胚までに、発現は減少し、閉じつつある原口のちょうど隣の領域にさらに限定さ れる。 図2 WA545は原腸形成期間中に発現される。 逆転写酵素−PCR(RT−PCR)によるアッセイを用いるWA545 R NAの発現タイミング。図示された段階からRNAを単離し、RT−PCR用に 処理した。WA545に特異的なプライマーまたはオルニチンデカルボキシラー ゼ(ODC)に特異的なプライマー(ローディング対照として使用)を用いて、 全部の試料につきPCR反応を21サイクル行った。WA545発現は段階9( 胞胚)において検出され、段階13(初期神経胚)まで高レベルであった。段階 8は中期胞胚、段階10.25は初期原腸胚、段階11.25は中期原腸胚、段 階19は尾の生え始め、段階35は孵化である。3つの試料(未受精卵、段階8 および段階9)の反応も30サイクル行って少量のRNAを検出した。卵およ び段階8の試料の両方において、30サイクル後においてさえもシグナルは検出 されなかった。このことは、WA545は母系転写物を有しておらず、中期胞胚 遷移(段階8.5)はでは発現されないことを示す。 図3. WA545は、胚の腹側において誤発現された場合、後部二次脊椎を誘 導する。 4細胞段階の胚の一方の腹側の割球の周辺帯にインビトロ転写RNAとして5 0または100pgのWA545を注入し、あるいは対照としてグロビンRNA を注入した。80pgのlacZ RNAをトレーサーとして含有させて、WA 545 RNAが局在かするかどうかを調べた。軒化(段階35)するまで胚を インキュベーションし、ついで、固定し、X−gal染色した。矢印は、注入部 位に誘導された二次脊椎を示し、胚の青色染色により示される。二次的な頭部は 観察されなかった。このことは、WA545は後部領域を誘導できるが、前部領 域を誘導できないことを示す。二次脊椎は中胚葉および神経組織を含んでいる。 図4 WA545は、胚の背側で誤発現された場合、小頭症を引き起こす。 4細胞段階の胚の一方の背側の割球の周辺帯に100pgのWA545または グロビンのRNAを80pgのlacZ RNA(トレーサー)とともに注入し た。尾の生え始める段階(段階22)まで胚をインキュベーションし、ついで、 )を示す。「対照」パネルはグロビンRNAを注入された胚を示す。「WA54 5」パネルはWA545 RNAを注入された胚を示す。WA545注入胚にお いて、小さなサイズのセメント腺により示されるように、前部構造が抑制されて いる。後のほうの段階においても、目および前脳は存在しない。このことは、W A545は前部組織をより多くの後部組織に変換しうることを示す。 図5 アニマルキャップアッセイにおいて、WA545は中胚葉後部マーカーを 誘導する。 WA545は中胚葉後部を誘導する。中胚葉前部および神経遺伝子の発現はこ の遺伝子によっては活性化されなかった。2細胞段階の胚の一方の割球に400 pgのWA545またはグロビンのRNAを注入した。図示したようにアニマル キャップを単離し、マーカー遺伝子が最大に発現される段階14(神経胚)また は段階19(尾の生え始め)に至るまで子孫胚を培養した。グロビン注入キャッ プ、WA545注入キャップおよび胚全体から全RNAを調製した。RT−PC Rを用いてマーカー遺伝子の発現をアッセイした。レーン1、2および3は段階 14において収穫した試料である。Xbraは中胚葉全体のマーカーであり、g scは中胚葉前部マーカーであり、PintallavisおよびXnotは中胚葉後部マ ーカーである。すべての遺伝子が誘導されたが、gscの誘導は非常に弱く、主 に中胚葉後部が誘導されている(レーン1および2を比較)。Xvent−1お よびodcはローディング対照である。レーン4、5および6は段階19におい て収穫された試料である。筋肉特異的アクチンは中胚葉側方マーカーであり、強 く誘導された。中胚葉後部マーカーであるHoxB9も誘導された。後脳で発現 される神経マーカーであるKrox20および神経全体のマーカーであるN−C AMは誘導されなかった。 図6 WA545はアニマルキャップにおいて筋肉を誘導する。 WA545異所性発現後、組織学的レベルでの筋肉の形成が観察できる。2細 胞段階の胚の一方の割球のアニマルキャップに400pgのWA545またはグ ロビンのRNAを注入した。図示したようにアニマルキャップを単離し、子孫胚 が孵化段階(段階35)に至るまで培養し、組織学的に分析した。(a)グロビ ン注入キャップは小胞状であり、表皮分化のみが観察される。(b)WA545 注入キャップはさらなる組織形成を示す。(c)高倍率にすれば、WA545注 入キャップが筋肉塊およびおそらくは血液を形成していることが示される。発明の詳細な説明 WA545 アフリカツメガエルWA545ヌクレオチド配列(配列番号:1)およびコー ドされるアミノ酸配列(配列番号:2)を本明細書の配列表に示す。成熟アフリ カツメガエルWA545蛋白のコーディング配列はヌクレオチド55から開始し 、ヌクレオチド1116まで続く。本発明の精製アフリカツメガエルWA545 蛋白は、配列番号:1のヌクレオチド55から1116まで、またはヌクレオチ ド775から1116までの配列をコードするDNAを含むDNA配列で形質転 換された宿主細胞を培養し、配列番号:2のアミノ酸−240から114まで、 または1から114までにより示される配列またはこれらと実質的に相同的な配 列を含む蛋白を培地から回収し、精製することにより得られる。 他の種、特にヒトはアフリカツメガエルWA545に対して相同的なDNA配 列を有すると考えられる。ヒトWA545をコードするDNA配列は、当該分野 において知られた種々の方法により単離される。それゆえ、本発明は、ヒトWA 545をコードするDNA配列を得る方法を包含する。該方法は、標準的方法を 用いてヒト遺伝子またはコーディング配列あるいはそれらのフラグメントを求め てライブラリーをスクーニングするためのプローブの設計においてアフリカツメ ガエルWA545ヌクレオチド配列またはその一部分を使用する。 蛋白のWA545ファミリー内で高度に保存されたアミノ酸配列を含む領域を 同定し、これらの高度に保存された領域のコンセンサスアミノ酸配列を、個々の WA545蛋白の対応領域の類似性に基づいて構築する。かかる保存された配列 のアミノ酸配列に基づいて設計されたオリゴヌクレオチドプライマーは、ヒトW A545をコードする配列の特異的増幅を可能にする。ヒトWA545のDNA コーディング部分を含む組み換えバクテリオファージを得たならば、ヒトのコー ディング配列をプローブとして使用して、WA545 mRNAを合成するヒト 細胞系または組織を同定することができる。別法として、アフリカツメガエルの コーディング配列をプローブとして使用して、かかるヒト細胞系または組織を同 定することもできる。別法として、アフリカツメガエルWA545コーディング 配列を用いて、特異的増幅反応を行うために使用するプライマー間に存在 する領域に存するWA545をコードする配列の一部分を特異的に増幅するオリ ゴヌクレオチドプライマーを設計する。アフリカツメガエルおよびヒトWA54 5配列を用いて、対応ヒトWA545をコードする配列をmRNA、cDNAま たはゲノムDNA鋳型から特異的に増幅することができる。上記方法の1つによ り陽性の源が同定されたならば、オリゴ(dT)セルロースクロマトグラフィー によりmRNAを選択し、cDNAを合成し、確立された方法により当業者に知 られたXgt10または他のバクテリオファージベクター、例えばZAP中にク ローンする。 上記のオリゴヌクレオチドプライマーによる増幅を、バクテリオファージベク ター中にクローンされた、すでに確立されているヒトcDNAまたはゲノムライ ブラリーに対して直接行うことができる。そのような場合、ヒトWA545の一 部をコードする、特異的に増幅されたDNA生成物を生じるライブラリーを、増 幅されたWA545をコードするDNAのフラグメントをプローブとして用いて 、直接スクリーニングする。 アフリカツメガエルWA545 DNA配列の全体またはフラグメント、また は部分ヒトWA545配列をプローブとして用いて本発明のヒトWA545配列 を得る。したがって、ヒトWA545 DNA配列は、配列番号:1に示すアフ リカツメガエルWA545 DNA配列のヌクレオチド55または775から1 116までのDNA配列を含むと考えられる。ヒトWA545蛋白のアミノ酸配 列は、配列番号:2のアミノ酸−240または1から114までの配列に非常に 相同的なアミノ酸配列を含むと考えられる。 WA545蛋白は、CHO細胞のごとき哺乳動物細胞により発現された場合、 種々のN末端を有するWA545蛋白の活性種の不均一な集団として存在すると 考えられる。活性種は、配列番号:2のアミノ酸13のシステイン残基から開始 するアミノ酸配列を含むか、あるいはN末端方向のさらなるアミノ酸配列を含む であろうと考えられる。よって、活性WA545蛋白をコードしているDNA配 列は、配列番号:1のヌクレオチド775または811から1113または11 16まで、ならびに5’末端のさらなるヌクレオチドを含むヌクレオチド配 列を含むと考えられる。したがって、WA545の活性種は、配列番号:2のア ミノ酸1または13から113または114まで、ならびにN末端のさらなるア ミノ酸を含むアミノ酸配列を含むと考えられる。 宿主細胞による蛋白の分泌に適するプロペプチドをコードしているコーディグ 配列であって成熟WA545蛋白に対するコーディング配列の正しい読み枠にお いて連結されているコーディング配列で宿主細胞を形質転換してもよい。例えば 、米国特許第5,168,050号には、BMP−2以外の哺乳動物蛋白の前駆体 部分をコードしているDNAが成熟BMP−2部分をコードしているDNAに融 合されていることが開示されており、参照によりその開示を本明細書に記載され ているものとみなす。BMP−2のプロペプチドをコードする配列が成熟BMP −12蛋白をコードするDNAに融合されているPCT出願WO95/1603 5の明細書も参照。よって、本発明は、WA545以外の、TGF−β蛋白のご とき蛋白由来のプロペプチドまたは調節配列をコードしているDNA配列であっ て、WA545蛋白をコードしているDNA配列に正しい読み枠にて連結してい る DNA配列を含むキメラDNA分子を包含する。「キメラ」なる用語は、プロペ プチドがWA545蛋白とは異なるポリペプチド由来であることを意味するため に用いられる。もともと本来のWA545を発現する宿主細胞を、高度に発現さ れる、あるいは調節可能な発現配列でトランスフェクションして、WA545発 現を増加または変化させるために組み換えてもよい。 イー・コリ(E.coli)で発現させることによりWA545の1の活性種のN 末端は実験的に次のように決定されると考えられる:[M]STHSSPPTP 。よって、このWA545種のN末端は配列番号:1のアミノ酸1におけるもの であり、該WA545種をコードしているDNA配列は配列番号:1のヌクレオ チド775から1116までを含むであろう。WA545モノマーの見かけの分 子量はNovex 16%トリシンゲルによるSDS−PAGEにより約10〜15k d、より詳細には約13kdと決定される。WA545蛋白は、無色透明の0. 1%トリフルオロ酢酸溶液として存在すると考えられる。ダイマーは約20〜 30kdの分子量を有すると考えられる。 また、CHO細胞のごとき哺乳動物細胞により発現される他のWA545蛋白 は、種々のN末端を有するWA545蛋白の活性種の不均一集団として存在する 。例えば、WA545の活性種は、配列番号:2のアミノ酸13におけるシステ イン残基から開始するアミノ酸配列を含むか、あるいはN末端方向のさらなるア ミノ酸配列を含むであろう。よって、活性WA545蛋白をコードしているDN A配列は、配列番号:1のヌクレオチド55,775,811から1113また は1116までを含むヌクレオチド配列を含むと考えられる。したがって、活性 WA545蛋白は、−240、1または13から113または114までを含む アミノ酸配列を含む。 本発明のWA545蛋白は、モノマー形態で約10〜15kdの分子量を有す るポリペプチドを包含し、該ポリペプチドは配列番号:2のアミノ酸配列を含み 、後で説明するローゼン改変サムパス−レディ異所性インプラントアッセイ(Ro sen-Modified Sampath-Reddi ectopic implant assay)または他のアッセイにお いて、軟骨、骨、腱、靭帯、筋肉、神経、表皮および/または他の結合組織の形 成を誘導する能力を有する。 培地から回収されたWA545蛋白を、同時産生される他の蛋白性物質および 存在する他の汚染物質から単離することにより精製する。例えば、後で説明する アッセイにおける軟骨、骨、腱、靭帯、筋肉、神経、表皮および/または結合組 織の形成を誘導する能力により、WA545蛋白を特徴づけてもよい。 本発明により提供されるWA545蛋白は、配列番号:1と類似の配列により コードされているが天然に修飾がなされている(例えば、ポリペプチドにおける アミノ酸変化を引き起こしうるヌクレオチド配列中の対立遺伝子変種)かまたは 人工的に誘導体化されている因子も包含する。例えば、合成ポリペプチドが、配 列番号:2のアミノ酸残基の連続した配列のすべてまたは一部分を複製したもの であってもよい。これらの配列は、一次、二次または三次構造およびコンホーメ ーションの特徴を配列番号:2の骨増殖因子ポリペプチドと共有することにより 、それらに共通した骨増殖因子の生物学的特性を有することができる。よって、 本来のWA545に対するこれらの修飾物および欠失物を天然に存在するWA5 45および他のポリペプチドの生物学的活性置換物として治療プロセスに用いて もよい。WA545およびWA545変種の両方を実施例記載のアッセイに供す ることにより、WA545変種がWA545の生物学的活性を有しているかどう かを容易に決定することができる。 本明細書記載のWA545連蛋白の配列に対する他の特別な変異は、グリコシ レーション部位の修飾を包含する。これらの修飾は、O−結合型またはN−結合 型グリコシレーション部位を包含する。例えば、グリコシレーションの不存在ま たは部分的にのみ行われたグリコシレーションは、アスパラギン結合型グリコシ レーション認識部位におけるアミノ酸の置換もしくは欠失から生じる。アスパラ ギン結合型グリコシレーション認識部位は、細胞の適当なグリコシレーション酵 素により特異的に認識されるトリペプチド配列を含む。これらのトリペプチド配 列は、アスパラギン−X−スレオニンまたはアスパラギン−X−セリンのいずれ かである(通常、Xはいかなるアミノ酸であってもよい)。グリコシレーション 認識部位における第1または第3のアミノ酸の位置の一方または両方における種 々のアミノ酸置換もしくは欠失(および/または第2の位置におけるアミノ酸の 欠失)は、修飾されたトリペプチド配列におけるグリコシレーションを生じさせ ない。さらに、細菌細胞におけるWA545蛋白の発現は、グリコシレーション 認識部位が未修飾であっても、グリコシレーションされていない蛋白を生じる。 さらに本発明は、他の蛋白性物質をコードしているDNA配列と結合していな い、WA545蛋白の発現をコードしている新規DNA配列を包含する。これら のDNA配列は、配列番号:1に示された5’から3’方向への配列、およびス トリンジェントな条件下、例えば、65℃における0.1XSSC、0.1%SD S[Maniatis,et al.,Molecular Cloning(A Laboratory Manual),Cold Sprin g Harbor Laboratory(1982)pages 387〜389参照]においてそれらの配列にハ イブリダイズし、軟骨、骨、腱、靭帯、筋肉、神経、表皮および/または他の結 合組織を誘導する活性を有する蛋白をコードしている配列を包含する。本明細書 の用語「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、最初の低 いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件(6X SSC,0.5%S DS,約60℃で一晩のごとき)およびその後のより高いストリンジェンジー洗 浄条件(2X SSC,0.1% SDS,約20℃のごとき)、あるいはさらに 高い洗浄ストリンジェンシー(0.1X SSC,0.1% SDS,約65℃で1 時間未満のごとき)についてもいう。またこれらのDNA配列は、配列番号:1 のDNA配列を含む配列、ならびにストリンジェントな条件下においてそれらに ハイブリダイズし、軟骨、骨、腱、靭帯、筋肉、神経、表皮および/または結合 組織の誘導活性を有する蛋白をコードする配列を包含する。 同様に、配列番号:1の配列によりコードされるWA545蛋白あるいは配列 番号:2のアミノ酸配列をコードするDNA配列であるが、遺伝暗号の縮重また は対立遺伝子変異(種の集団において天然に存在する塩基の変化であってアミノ 酸の変化を生じることも生じないこともある)によりコドン配列が異なるDNA 配列も、本明細書記載の新規因子をコードする。活性、半減期もしくはコードさ れているポリペプチドの産生を増大するための、点突然変異または誘発された修 飾(挿入、欠失および置換を包含)により引き起こされる配列番号:1のDNA 配列における変化も本発明に包含される。 本発明の別の態様は、WA545蛋白の新規製造方法を提供する。本発明方法 は、既知調節配列の調節下に置かれた本発明のWA545蛋白をコードしている DNA配列で形質転換された適当な細胞系を培養することを包含する。形質転換 された宿主細胞を培養し、WA545蛋白を培地から回収し精製する。精製蛋白 は、同時産生される他の蛋白ならびに他の混入物質を実質的に含まない。 適当な細胞または細胞系は、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)のご とき哺乳動物細胞であってもよい。適当な哺乳動物宿主細胞の選択および形質転 換、培養、増幅、スクリーニング、生成物の生産ならびに精製方法は当該分野に おいて知られている。例えば、Gething and Sambrook,Nature,293:620〜625(1 981)、あるいは、Kaufman et al.,Mol.Cell.Biol.,5(7):1750〜1759(1985) もしくはHowleyらの米国特許第4,419,446号参照。付記した実施例に記載 した別の適当な哺乳動物細胞系は、サルCOS−1細胞系である。哺乳 動物細胞CV−1も適当でありうる。 細菌細胞も適当な宿主である。例えば、種々のイー・コリ(E.coli)株(例え ば、HB101、MC1061)は、バイオテクノロジーの分野において宿主細 胞としてよく知られている。ビー・ズブチリス(B.subtilis)、シュードモナス (Pseudomonas)、他の枯草菌類等の種々の株も、この方法に使用することがで きる。一般的には、細菌細胞における蛋白の発現のためにはWA545のプロペ プチドをコードしているDNAは必要ない。 当業者に知られた多くの酵母細胞も、本発明ポリペプチドの発現用宿主細胞と して利用できる。さらに、所望ならば、昆虫細胞を本発明方法における宿主細胞 として使用することもできる。例えば、Miller et al.,Genetic Engineering, 8:277〜298(Plenum Press 1986)およびその中で引用されている文献参照。 本発明の別の態様は、これらの新規WA545ポリペプチドの発現方法に用い るベクターを提供する。好ましくは、ベクターは、本発明の新規因子コードして いる上記の新規DNA配列の全体を含むものである。さらに、ベクターは、WA 545蛋白配列の発現を可能にする適当な発現調節配列を含む。また、上記修飾 配列を含むベクターも、本発明の具体例である。さらに、配列番号:1の配列ま たはWA545蛋白をコードしている他の配列を処理して、WA545のプロペ プチド配列を欠失させ、それらを他のBMP蛋白もしくはTGF−βスーパーフ ァミリーの他のメンバーの完全なプロペプチドをコードしている配列と置換する ことにより成熟WA545蛋白を発現するようにすることもできよう。よって、 本発明は、WA545ポリペプチドをコードしているDNA配列の正しい読み枠 に連結されたTGF−βスーパーファミリーのメンバー由来のプロペプチドをコ ードしているキメラDNA分子を包含する。 ベクターを細胞系の形質転換方法に使用することができ、ベクターは選択され た宿主細胞において本発明DNA配列の複製および発現を指令しうる、作動する ように本発明配列に連結されている選択された調節配列を有している。かかるベ クターのための調節配列は当業者に知られており、宿主細胞に応じて選択するこ とができる。よって、かかる特殊なベクターは本発明の一部分を形成する。 組織が正常に形成されない環境における軟骨、骨、腱、靭帯、筋肉、神経、表 皮および/または他の結合組織の形成を誘導する本発明蛋白は、ヒトおよび他の 哺乳動物における骨折および軟骨の損傷または他の結合組織の欠損の治癒に適用 される。WA545蛋白を用いたかかる標品は、閉鎖性ならびに解放性の骨折の 減少および人工関節の定着の改善にも予防的に使用することができる。骨形成性 薬剤により誘導されるドゥノボ骨形成は、先天性の脳顔面頭蓋の欠損、外傷また は腫瘍学的切除術により誘発される脳顔面頭蓋の欠損に対して貢献し、さらに美 容整形手術にも有用である。WA545蛋白を歯周病の治療、およびその他の歯 の治療工程に使用してもよい。かかる薬剤は、骨形成細胞を引き寄せるための環 境を提供し、骨形成細胞の増殖を刺激し、あるいは骨形成細胞の前駆細胞の分化 を誘導することができる。本発明のWA545ポリペプチドは骨粗鬆症に治療に おいても有用でありうる。種々の骨原性、軟骨誘導性および骨誘導性因子が記載 されている。その議論については、例えば、欧州特許出願第148,155号お よび第169,016号参照。 本発明蛋白を創傷の治癒および関連組織の修復にも使用することができる。創 傷のタイプは、熱傷、切り傷、潰瘍を包含するが、これらに限定しない(傷の治 癒および関連組織の治療の議論については、例えば、PCT公開WO84/01 106参照)。さらに本発明蛋白は神経細胞、星状細胞およびグリア細胞の生存 率を高めるうるとも考えられ、それゆえ、移植および神経生存率および修復の低 下を示す症状の治療において有用でありうると考えられる。さらに本発明蛋白は 、神経(脊髄を包含)、表皮および筋肉(心筋、横紋筋および平滑筋を包含)の ごとき他のタイプの組織、ならびに肝臓、膵臓、脳、脾臓、肺、心臓および腎臓 組織のごとき他の器官に関連した症状の治療にも有用でありうる。また本発明蛋 白は食事療法の添加物、または細胞培地の成分としても価値を有する可能性があ る。この用途には、蛋白は無処理の形態であってもよく、あるいはより吸収され やすい添加物となるように前消化されていてもよい。 さらに本発明の蛋白は、TGF−βスーパーファミリーの蛋白に特徴的な他の 有用な特性を有する可能性がある。かかる特性は、血管形成、化学走性および/ または化学誘引性、ならびにコラーゲン合成、線維増多、分化応答、細胞増殖応 答および細胞付着、移動および細胞外マトリックスの応答の誘導をはじめとする 細胞に対する影響を包含する。これらの特性は、本発明蛋白を傷の治癒、線維増 多の抑制および瘢痕組織形成の抑制のための潜在的な作用剤としている。 他のBMP、他のTGF−βスーパーファミリーの蛋白、またはインヒビン− α蛋白もしくはインヒビン−β蛋白とともにホモダイマーまたはヘテロダイマー としてダイマー化する場合、本明細書においてさらに説明するように、WA54 5ヘテロダイマーは卵胞刺激ホルモン(FSH)の産生に対する影響を示すと考 えられる。FSHは哺乳動物卵巣中の卵の発達を刺激し(Ross et al.,in Text book of Endocrinology,ed.Williams.p.355(1981))、卵巣に対する FSHでの過剰な刺激は多発性の排卵を誘発するであろうと認識されている。F SHは精巣機能においても重要である。よって、メスの哺乳動物における受精能 を抑制し、オスの哺乳動物における精子形成を抑制するインヒビンの能力に基づ いた避妊薬として、WA545は有用でありうる。充分量の他のインヒビン類の 投与により哺乳動物における不妊を誘導することができる。またWA545は、 下垂体前葉の細胞からのFSH放出刺激におけるアクチビン分子の能力に基づい た受精能誘導治療薬としても有用でありうる。例えば、米国特許第479888 5号参照。WA545は、性的に未成熟な哺乳動物における受精を促進して、ウ シ、ヒツジおよびブタのごとき家畜の一生の間の繁殖能を改善することも可能で ある。さらに、WA545は、赤血球細胞の分化を誘導することにより、造血の 転調において(例えば、Broxmeyer et al,Ptoc.Natl.Acad.Sci.USA,85:90 52-9056(1998)またはEto et al,Biochem.Biophys.Res.Comm.,142:1095-110 3(1987)参照)、あるいは生殖腺腫瘍の発達を抑制することにおいて(例えば、M atzuk et al.,Nature,360:313-319(1992)参照)、あるいは骨形態形成蛋白の 活性を増大させること(例えば、Ogawa et al.,J.Biol.Chem,267:14233-142 37(1992)参照)において有用でありうると考えられる。 WA545蛋白は、記載されているように(例えば、Vale et al,Endocrinol ogy,91:562-572(1972);Ling et al.,Nature,321:779-782(1986)またはVale e t al.,Nature,321:776-779(1986)参照)、ラット下垂体前葉細胞を用いる確立 されたインビトロバイオアッセイにおける卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を 転調させる能力によってさらに特徴づけられる。本発明のWA545蛋白は、イ ンヒビンαまたはインヒビン−β鎖とヘテロダイマーを構成する場合、記載され ているように(Ling et al.,Nature,321:779-782(1986);Vale et al.,Nature ,321:776-779(1986)またはVale et al,Endocrinology,91:562-572(1972)) 、下垂体前葉細胞からの卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出に対して刺激的また は抑制的な調節効果を示すであろう。それゆえ、個々の構成によっては、本発明 のWA545蛋白は、下垂体前葉細胞からの卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出 に対して対比的および逆の効果を有する可能性がある。 アクチビンA(インヒビンβAのホモダイマー構成物)は赤血球刺激活性を有 することが示されている(例えば、Eto et al.,Biochem.Biophys.Res.Commu n.,142:1095-1103(1987)およびMurata et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA. ,85:2434-2438(1988)およびYu et al.,Nature,330:765-767(1987)参照)。本 発明のWA545蛋白は類似の赤血球刺激活性を有する可能性があると考えられ る。WA545蛋白のこの活性は、Lozzio et al.,Blood,45:321-334(1975)お よび米国特許第5071834号により記載されたようなヒトK−562細胞系 を用いて行われる生物学的アッセイにおいてエリスロポイエチン活性を示す能力 によっても特徴づけることができる。 本発明のさらなる態様は、骨折の治療ならびに軟骨の修復および/または骨の 欠損もしくは歯周病に関連した他の症状の治療のための方法および組成物である 。さらに本発明は、傷の治癒および組織修復のための方法および組成物を含む。 かかる組成物は、医薬上許容される賦形剤、担体もしくはマトリックスと混合さ れた治療上有効量の少なくとも1種の本発明のWA545蛋白を含む。さらに本 発明組成物は神経生存率を高めることができると考えられ、それゆえ、移植およ び神経生存率の低下を示す症状の治療において有用でありうると考えられる。本 発明組成物は、さらに少なくとも1種の他の治療上有用な薬剤(例えば、TGF −βスーパーファミリーの蛋白)を含有していてもよく、その有用な薬剤には、 BMP蛋白、例えば、米国特許第5,108,922、5,013,649、5,1 16,738、5,106,748、5,187,076ならびに5,141,905 号に開示のBMP−1、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、B MP−6およびBMP−7;PCT出願公開WO93/18098に開示のBM P−8;およびPCT出願公開WO93/00432に開示のBMP−9;PC T出願公開WO94/26893に開示のBMP−10;PCT出願公開WO9 4/26892に開示のBMP−11、1994年12月22日出願の同時係属 出願第08/362670号に開示のBMP−12またはBMP−13)、PC T出願公開WO96/36710に開示のBMP−15、または1996年9月 18日出願の同時係属特許出願第08/715/202号に開示のBMP−16 が包含される。有用でありうる他の組成物は、Vgr−2およびGDFs(PC T出願公開WO94/003140;WO94/15949;WO95/018 01;WO95/01802;WO94/21681;WO94/15966;W O95/10539;WO96/01845;WO96/02559および他の ものに記載されているものを含む)を含んでいてもよい。WO94/01557 に開示のBIP;ならびにPCT出願公開WO93/16099に開示のMP5 2も本発明において有用でありうる。上記出願の開示を参照により本明細書に記 載されているものとみなす。 WA545蛋白は、その性質上、ホモダイマーまたはヘテロダイマーとして存 在しうると考えられる。安定性の向上したWA545のダイマー形成を促進する ためには、一般的には、配列番号:1のDNA配列を処理して1個またはそれ以 上のさらなるシステイン残基を有するようにし、ダイマー形成の可能性を高める ことができる。得られるDNA配列は、WA545蛋白の「システイン付加変種 」を生じうるであろう。別法として、アミノ酸配列の1個またはそれ以上のアミ ノ酸残基をCysに変化させることにより、WA545蛋白の「システイン付加 変種」を得ることもできる。蛋白の「システイン付加変種」の製造につては米国 特許第5166322号に記載されており、参照によりその開示を本明細書に記 載されているものとみなす。 本発明の蛋白は、他の関連蛋白および増殖因子と協同して、あるいはおそらく 相乗的に作用しうると期待される。それゆえ、本発明のさらなる治療方法および 組成物は、上記出願に開示されたBMP蛋白のごときTGF−βスーパーファミ リー蛋白の少なくとも1つのメンバーと混合された治療量の少なくとも1種の本 発明のWA545蛋白を含んでなる。かかる混合物は、個々のBMP蛋白分子ま たは異なるBMP部分よりなる異種分子を含みうる。例えば、本発明方法および 組成物が、WA545蛋白のサブユニットおよび上記「BMP」蛋白のうちの1 種に由来するサブユニットよりなるジスルフィド結合したダイマーからなってい てもよい。かくして、本発明は精製WA545ポリペプチドを包含し、該ポリペ プチドは、一方のサブユニットが配列番号:2のアミノ酸配列を含み、もう一方 のサブユニットがBMP−1、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP− 5、BMP−6、BMP−7、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP −11またはBMP−12またはBMP−13(PCT出願WO95/1603 5に開示)、BMP−15(PCT出願公開WO96/36710に開示)、ま たは1996年9月18日出願の同時係属特許出願第08/715202号に開 示のBMP−16からなる群より選択される骨形態形成蛋白に関するアミノ酸配 列を含むヘテロダイマーである。さらなる具体例は、WA545の一部分、例え ばアフリカツメガエルWA545およびアフリカツメガエルWA545蛋白のヒ トホモログを含むヘテロダイマーを包含しうる。さらに、WA545を、骨、軟 骨、腱、靭帯、筋肉、神経、表皮および/または他の結合組織の欠損、創傷、も しくは問題となっている組織の治療に有益な他の薬剤と混合してもよい。これら の薬剤は、表皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由 来増殖因子(PDGF)、形質転換増殖因子(TGF−αおよびTGF−β)、 ならびにk−線維芽細胞増殖因子、副甲状腺ホルモン(PTH)、白血病阻害因 子(LIF/HILDA/DIA)、インスリン様増 殖因子(IGF−IおよびIGF−II)を包含する。これらの薬剤の一部分も、 本発明組成物に使用することができる。 pH、等張性、安定性等に関するかかる生理学的に許容される蛋白組成物の調 製および処方は当該分野の範囲内である。さらに、本発明治療組成物は、BMP 蛋白が種特異性を欠くことから、獣医学にも適用価値がある。特に、人以外には 家畜およびサラブレッドのウマが、本発明のWA545蛋白での治療に関する望 ましい対象である。 本発明の治療方法は、組成物を、局所的に、全身的に、または移植もしくはデ バイスのように部分的に投与することを包含する。もちろん、本発明に使用する 治療組成物は、投与する場合にはパイロジェンがなく、生理学的に許容される形 態である。さらに、望ましくは、組成物を、骨、軟骨または組織の損傷部位にデ リバリーするためにカプセル封入するか、あるいは粘度のある形態として注射す る。傷の治癒および組織の修復には局所投与が適当であろう。上記組成物中に含 有されていてもよいWA545蛋白以外の治療上有用な薬剤を、本発明方法にお いて、本発明BMP組成物と同時または逐次的に、BMP組成物に代えて、ある いはこれに追加して投与してもよい。 好ましくは、骨、軟骨、腱、靭帯、筋肉、神経、表皮および/または他の結合 組織の形成のためには、組成物は、損傷を受けて修復を必要とする組織の部位に WA545蛋白または他のBMP蛋白をデリバリーし、骨および軟骨の発達のた めの構造を提供し、最適には体内に吸収されうるマトリックスを含有する。該マ トリックスが、WA545および/または他の誘導性蛋白の遅延した放出、なら びに細胞の浸潤のための正しい構造および適切な環境を提供するものであっても よい。かかるマトリックスは、他の移植される医療用具に使用する材料から作ら れる。 マトリックス材料の選択は、生体適合性、生分解性、機械的特性、美容上の外 観および界面の特性に基づく。WA545組成物のそれぞれの適用により適切な 処方が決定されるであろう。組成物に有用なマトリックスは生分解性であり、化 学的に知られている硫酸カルシウム、リン酸三石灰、ヒドロキシアパタイト、ポ リ乳酸およびポリ無水物であってもよい。他の有用な材料は生分解性であり、骨 、腱または皮膚コラーゲンのごとき生物学的に十分に知られているものである。 さらなるマトリックスは純粋蛋白または細胞外マトリックス成分を含む。他の有 用なマトリックスは非生分解性で、焼結ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、 アルミン酸、または他のセラミックスのごとき化学的に知られているものである 。マトリックスが、ポリ乳酸およびヒドロキシアパタイト、またはコラーゲンお よびリン酸三石灰のごとき、上記タイプの材料のいずれかの混合物からなってい てもよい。例えば、カルシウム−アルミン酸−リン酸のような組成物中において バイオセラミックスを変更してもよく、さらにその孔サイズ、粒子形態および生 分解性を変化させてもよい。 WA545蛋白の作用を変化させる種々の因子、例えば、形成が望まれる骨の 重量、骨損傷部位、損傷した骨の状態、傷のサイズ、損傷を受けた組織のタイプ 、患者の年齢、性別ならびに食事、感染があればその程度、投与期間、および他 の臨床的因子を医師が考慮することにより、投与規則が決定されよう。再構成に 用いるマトリックスのタイプおよび組成物中のBMP蛋白のタイプに応じて用量 を変更してもよい。IGF−I(インスリン様増殖因子I)のごとき他の知られ た因子を最終組成物に添加することも、投薬を有効にする可能性がある。 骨の成長および/または修復を定期的に評価することにより、進行をモニター することができる。例えば、X線、組織形態学的測定、およびテトラサイクリン 標識により、進行をモニターすることができる。 以下の実施例は、アフリカツメガエルWA545蛋白の回収ならびに特徴付け 、およびヒトWA545蛋白を回収するためのDNAの使用、組み換え法による ヒト蛋白の取得および蛋白の発現に関して、本発明の実施につき説明する。実施 例は限定的なものではなく、本発明は本明細書記載のごとく多くのバリエーショ ンを含み、あるいは本明細書の記載および好ましい具体例の詳細な説明を考慮す れば、当業者に明らかになるであろう。かかるバリレーションのための方法およ び道具は当業者に知られており、かかるバリエーションは本発明の一部を構成す る。 実施例 実施例1 アフリカツメガエルcDNAの単離 プラスミドベクターCS2+中に構築されたdT−プライムドcDNAライブ ラリーからアフリカツメガエルWA545全長cDNAを単離した。アフリカツ メガエル胚(段階11.5〜12)からcDNAを作成した。クローン単離に使 用したプローブ配列はEST由来のものであり、該ESTはシグナル配列トラッ プ中のインベルターゼ分泌を可能にするために使用されたものであり、米国特許 第5536637号に記載されており、参照によりその開示を本明細書に記載さ れているものとみなす。WA545に対するプローブの配列は以下のとおり: 両方のプローブはESTに対するアンチセンス配列である。DNAプローブを32 Pで放射性標識し、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション/洗浄条件 下でアフリカツメガエルdT−プライムドcDNAライブラリーをスクリーニン グするのに使用して、WA545遺伝子配列を含有するクローンを同定した。 約61000個のライブラリーの形質転換体を、プレート1枚あたり4350 個の密度で選択プレートに撒いてWA545をスクリーニングした。標準的ハイ ブリダイゼーションバッファー(6X SSC,0.5% SDS,5Xデンハーツ, 10mM EDTA pH8,100mg/mlパン酵母リボ核酸)中で形質転換 コロニーのニトロセルロースレプリカを32P標識DNAプローブにハイブリダイ ゼーションさせた。ハイブリダイゼーションさせてから2時間後、ハイブリダイ ゼーション溶液からフィルターを取り出し、高ストリンジェンシー条件下(2X SSC,0.5% SDS、21℃、5分、ついで、2X SSC,0.1% SDS 、21℃、15分、ついで、2回目の2X SSC,0.1% SDS、21℃、1 5分、ついで、2X SSC,0.1% SDS、65℃、10分)で洗浄した。フ ィルターをサランラップで包み、室温で3日間X線フィルムに曝露した。オー トラジオグラフを現像し、種々のシグナル強度の陽性ハイブリダイゼーションし た形質転換体を確認した。これらの陽性クローンを拾い、選択培地で5時間増殖 させ、低密度(プレート1枚あたり約100コロニー)でプレートに撒いた。標 準的ハイブリダイゼーションバッファー(6X SSC,0.5% SDS,5Xデ ンハーツm10mM EDTA pH8,100mg/mlパン酵母リボ核酸)中 でコロニーのニトロセルロースレプリカを32P標識プローブとハイブリダイゼー ションさせた。ハイブリダイゼーションさせてから2時間後、ハイブリダイゼー ション溶液からフィルターを取り出し、高ストリンジェンシー条件下(2X S SC,0.5% SDS、21℃、5分、ついで、2X SSC,0.1% SDS、 21℃、15分、ついで、2回目の2X SSC,0.1% SDS、21℃、15 分、ついで、2X SSC,0.1% SDS、65℃、10分)で洗浄した。フィ ルターをサランラップで包み、室温で3日間X線フィルムに曝露した。オートラ ジオグラフを現像し、種々のシグナル強度の陽性ハイブリダイゼーションした形 質転換体を確認した。精製ハイブリダイゼーション陽性クローンの細菌ストック を作成し、プラスミドDNAを単離した。cDNAインサートの配列を決定した 。cDNAインサートは、ハイブリダイゼーションに使用したDNAプローブの 配列を含んでいた。 実施例2 WA545ホモログの単離 新たに単離されたWA545蛋白に関して本明細書に記載のDNA配列を用い 、当業者に知られた種々の方法により、WA545ホモログならびにネズミおよ びヒトのWA545蛋白のごとき関連蛋白をコードするDNA配列を単離するこ とができる。下記のごとく、他のBMP蛋白、Vg−1関連蛋白およびTGF− βスーパーファミリーの他の蛋白中に存在するアミノ酸配列に基づいてオリゴヌ クレオチドプライマーを設計した。蛋白のBMPファミリーおよび蛋白のTGF −βスーパーファミリーの他のメンバー中において高度に保存されたアミノ酸配 列を有する領域を同定し、BMP/TGF−β/Vg−1蛋白それぞれの対応領 域の類似性に基づいて、これらの高度に保存された領域のコンセンサスアミノ酸 配列を構築することができる。本発明のWA545蛋白および他のBMP/TG F−β/Vg−1関連蛋白は上記コンセンサスアミノ酸配列に類似したアミノ酸 配列を含む可能性があり、WA545蛋白または他の新規関連蛋白中のそれらの 配列の位置は、それらが由来した蛋白中の関連した位置に対応していると考えら れる。他のBMP/TGF−β/Vg−1蛋白の構造およびコンセンサスアミノ 酸配列が由来したオリゴヌクレオチド配列から得られる、このような位置の情報 を用いて、WA545蛋白または他のBMP/TGF−β/Vg−1関連蛋白の 対応アミノ酸をコードするDNA配列を特異的に増幅することができる。 かかるコンセンサス配列の一例を以下に示す。 コンセンサスアミノ酸配列: Trp Xaa Xaa Trp Ile Xaa Ala(配列番号:5)。式中 、1番目のXaaはGlu、AsnまたはAspであり、2番目のXaaはAs p、GluまたはAsnであり、3番目のXaaはValまたはIleである。 X/Yは、いずれのアミノ酸がその位置にあってもよいことを示す。 上記コンセンサスアミノ酸配列(1)に基づいて下記オリゴヌクレオチドを設 計した: このオリゴヌクレオチドを自動DNA合成装置で合成した。上記オリゴヌクレ オチドプライマー中の標準的ヌクレオチドシンボルは以下のとおり:Aはアデノ シン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミン、Nはアデノシンまたはシトシ ンまたはグアニンまたはチミン、Rはアデノシンまたはシトシン、Yはシトシン またはチミン、Hはアデノシンまたはシトシンまたはチミン、Vはアデノシンま たはシトシンまたはグアニン、Dはアデノシンまたはグアニンまたはチミン。 オリゴヌクレオチド#1の最初の8個のヌクレオチド(下線部)は制限エンド ヌクレアーゼBamHIの認識配列を含み、WA545またはWA545関連蛋 白をコードする、特異的に増幅されたDNA配列の取り扱いを容易にするもので あり、よって上記コンセンサスアミノ酸配列(1)由来ではない。 第2のコンセンサスアミノ酸配列は下記のとおりであり、BMP/TGF−β /Vg−1蛋白の別の高度に保存された領域に由来する: Asn His Ala Ile Xaa Gln Thr(配列番号:7)。式中、 XaaはValまたはLeuである。 上記コンセンサスアミノ酸配列(2)に基づいて下記オリゴヌクレオチドを設 計した: このオリゴヌクレオチドを自動DNA合成装置で合成した。上と同じヌクレオ チドシンボルを使用する。 オリゴヌクレオチド#2の最初の8個のヌクレオチド(下線部)は制限エンド ヌクレアーゼXbaIの認識配列を含み、WA545またはWA545関連蛋白 をコードする、特異的に増幅されたDNA配列の取り扱いを容易にするものであ り、よって上記コンセンサスアミノ酸配列(2)由来ではない。 本発明のWA545またはWA545関連蛋白および他のBMP/TGF−β /Vg−1関連蛋白は上記コンセンサスアミノ酸配列に類似したアミノ酸配列を 含む可能性があり、WA545またはWA545関連蛋白または他の新規関連蛋 白中のそれらの配列の位置は、それらが由来した蛋白中の関連した位置に対応し ていると考えられる。他のBMP/TGF−β/Vg−1蛋白の構造ならびにコ ンセンサスアミノ酸配列(1)および(2)がそれぞれ由来したオリゴヌクレオ チド配列から得られるこの位置の情報を用いて、WA545またはWA545関 連蛋白または他のBMP/TGF−β/Vg−1関連蛋白の対応アミノ酸をコー ドするDNA配列を特異的に増幅することができる。 BMP/TGF−β/Vg−1蛋白の構造についての知識に基づけば、アフリ カツメガエル、ヒトまたはネズミのゲノムDNAを鋳型として用いて、WA54 5をコードする配列およびWA545蛋白の同定を可能にする特異的増幅反応を 行うことができる。ヒトまたはネズミのゲノムDNA鋳型のかかる特異的増幅反 応を、前記オリゴヌクレオチドプライマーを使用すて開始させることができる。 配列番号:6および配列番号:8に示すようなオリゴヌクレオチドをプライマー として用いて、アフリカツメガエル、ヒト、ネズミまたは他のゲノム DNA由来の特定のヌクレオチド配列を特異的に増幅することが可能である。増 幅反応を下記のごとく行う: ゲノムDNAを25ゲージの注射針に繰り返し通すことにより剪断し、100 ℃で5分間変性させ、ついで、氷で冷却し、その後、200μMの各デオキシヌ クレオチド三リン酸(dATP,dGTP,dCTPおよびdTTP),10mM Tris-HCl pH8.3,50mM KCl,1.5mM MgCl2,0.001%ゼラチン,1.25ユニットのTaq DNAポリメラーゼ,50pMの 各オリゴヌクレオチド(例えば、配列番号:6および配列番号:8に示すもので あって、コンセンサス配列に対するもの)を含有する反応混合物に添加する(全 体で50μl)。この反応混合物を次のようなサーマルサイクリングに供する: 94℃で1分37℃で1分、72℃で2分を30サイクル、ついで、72℃で7 分。 この反応により特異的に増幅されるDNAをエタノール沈殿させ、制限エンド ヌクレアーゼBamHIおよびXbaIで消化し、アガロースゲル電気泳動にか ける。ヒトまたはネズミのWA545またはWA545関連蛋白をコードするD NAフラグメントの予想サイズに対応するゲルの領域を切り出し、その中の特異 的に増幅されたDNAフラグメントを電気溶出させ、適当なベクター、例えば、 プラスミドベクターpGEM−3のポリリンカーのXbaIおよびBamHI部 位間にサブクローンする。得られたヒトまたはネズミのWA545またはWA5 45関連サブクローンのDNA配列の分析を行って、特異的に増幅されたDNA 配列の生成物が本発明のヒトまたはネズミのWA545またはWA545関連蛋 白をコードする部分を含んでいるかどうかを調べる。 オリゴヌクレオチドプローブ、好ましくは30〜50ヌクレオチドの長さのも のを、上記のヒトまたはネズミのWA545またはWA545関連蛋白をコード する、特異的に増幅されたDNA配列に基づいて設計することができる。オリゴ ヌクレオチドプローブを32Pで放射性標識し、ベクターλFIX II(Stratag eneカタログ番号946309)または相当する代用品中に構築されたネズミま たはヒトのゲノムライブラリーをスクリーニングする。ヒトゲノムライブラリー の 500000個の組み換え体を、プレート1枚あたり約10000個の組み換え 体の密度として、50枚のプレートに撒く。組み換えバクテリオファージに対し て2系のニトロセルロースレプリカを作成し、ニトロセルロースフィルターの一 方のセットを1のオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイゼーションさせ、 ニトロセルロースフィルターのもう一方のセットをもう1つのオリゴヌクレオチ ドプローブとハイブリダイゼーションさせ、両方を、5X SSC,1% SDS, 10%デキストラン硫酸,2Xデンハーツ,100μg/ml剪断サケ精子DNA からなるハイブリダイゼーションバッファー中に、60℃で一晩置く。翌日、放 射性標識オリゴヌクレオチドを含有するハイブリダイゼーション溶液を除去し、 フィルターを5X SSC,0.1% SDSで、60℃において洗浄する。両方の オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイゼーションした組み換え体を同定し 、プラーク精製する。アフリカツメガエルWA545オリゴヌクレオチドプロー ブにハイブリダイゼーションするプラーク精製された組み換えバクテリオファー ジクローンを分析して、本明細書にて説明する配列分析およびアッセイを用いて 、本発明のWA545蛋白をコードしていることを確認する。バクテリオファー ジストックを作成し、バクテリオファージDNAをネズミまたはヒトのゲノムク ローンから単離する。ネズミまたはヒトのゲノム組み換え体の完全なインサート を制限エンドヌクレアーゼで切り出し、プラスミドベクター(pBluescript)中 にサブクローンし、DNA配列の分析を行う。 他のBMP蛋白およびTGF−βファミリーの他の蛋白に関する知識に基づけ ば、アフリカツメガエルWA545前駆体ポリペプチドは、コンセンサス蛋白分 解プロセッシング配列Arg−X−X−Argに当てはまる多塩基配列Arg− Ala−Lys−Argにおいて開裂されるであろう。アフリカツメガエルWA 545前駆体ポリペプチドの開裂は、配列番号:2の位置1のアミノ酸Serか ら始まる114個のアミノ酸の成熟ペプチドを生じると考えられる。アフリカツ メガエルおよび哺乳動物のWA545およびWA545関連蛋白の成熟形態への プロセッシングは、関連蛋白TGF−βのプロセッシング[Gentry et al.,Mol ec & Cell.Biol.8:4162(1988);Derynck et al.Nature,316:701 (1985)]と類似の様式でのダイマー化およびN末端の除去を含むと考えられる。 それゆえ、哺乳動物WA545蛋白の成熟活性種は2つのポリペプチドのサブ ユニットからなるホモダイマーを含むと考えられ、各サブユニットは配列番号: 2の一部分、例えば、アミノ酸1から114までに関連したアミノ酸配列を含有 するであろう。さらなる活性種は、少なくとも配列番号:2のアミノ酸13から 114までを含有し、それゆえ、最初の保存されたシステイン残基を含むと考え られる。TGF−β/BMPファミリーの蛋白の他のメンバーについては、ネズ ミWA545蛋白のカルボキシ末端部分はアミノ末端部分よりも大きな配列保存 性を示す。システイン豊富C末端ドメイン(配列番号:2のアミノ酸24から1 25まで)におけるアフリカツメガエルWA545蛋白の、ヒトBMP蛋白およ びTGF−βファミリーの他の蛋白の対応領域に対するアミノ酸同一性パーセン テージは次のとおり:BMP−2,60%;BMP−3,43%;BMP−4,5 7%;BMP−5,57%;BMP−6,59%;BMP−7,57%;BMP− 8,55%;BMP−9,49%;BMP−10,51%;BMP−11,41%; BMP−12,51%;Vg1,82%;GDF−1,63%;TGF−β1,3 9%;TGF−β2,40%;TGF−β3,43%;インヒビンβ(B),42 %;インヒビンβ(A),43%。 アフリカツメガエルWA545 DNA配列(配列番号:1)またはその一部 分、例えば、成熟ペプチドをコードする部分に対応するアフリカツメガエルWA 545配列の一部分をプローブとして使用して、ヒトまたはネズミのWA545 またはWA545関連蛋白のごとき対応ホモログまたは関連蛋白を同定すること ができる。アフリカツメガエルWA545配列(配列番号:1)に基づいて設計 されたオリゴヌクレオチドプライマーを用いて配列番号:1のヌクレオチド77 5から1116までを特異的に増幅することができる。下記オリゴヌクレオチド プライマーを、配列番号:1に示すDNA配列のヌクレオチド775から794 までのヌクレオチドに基づいて設計し、自動DNA合成装置で合成する: 下記オリゴヌクレオチドプライマーを、配列番号:1に示すDNA配列のヌク レオチド1116から1097までのヌクレオチドに基づいて設計し、自動DN A合成装置で合成する: 増幅反応を下記のごとく行う:アフリカツメガエルWA545全長cDNAを 含有する10ngの細菌プラスミドDNAを、200μMの各デオキシヌクレオ チド三リン酸(dATP,dGTP,dCTPおよびdTTP),10mM Tris-HCl pH8.3,50mM KCl ,1.5mM MgCl2,0.001%ゼラチン,1.25ユニットのTaq DNAポリメラーゼ,100 pMの各オリゴヌクレオチドプライマーを含有する反応混合物に添加する。ついで 、反応混合物を下記のサーマルサイクリングに供する:94℃で1分、55℃で 1分、72℃で1分を30サイクル。この増幅反応により、本発明のアフリカツ メガエルWA545蛋白の成熟ペプチド全体をコードする約344塩基対のDN Aフラグメントが得られると考えられよう。反応生成物を2%アガロースゲルで 電気泳動した後、344塩基対のDNA生成物を可視化する。344塩基対のア フリカツメガエルWA545 DNAフラグメントを含有するゲルの領域を切り 出し、その中に含まれる特異的に増幅されたDNAフラグメントを抽出する(電 気溶出または当業者に知られた方法により)。ゲルから抽出された344塩基対 のDNA増幅生成物を32Pで放射性標識し、ベクターeDASH II(Stratag eneカタログ番号945203)中に構築されたヒトゲノムライブラリーのスク リーニングに使用する。同じプローブを用いて、eFIX II(Stratageneカ タログ番号946309)中に構築されたネズミゲノムライブラリーをスクリー ニングすることができる。ネズミまたはヒトのWA545またはWA545関連遺伝子 ヒトまたはネズミのゲノムライブラリーの100万個の組み換え体を、プレー ト1枚あたり約20000個の密度として、50枚のプレートに撒く。組み換え バクテリオファージプラークの2系のニトロセルロースレプリカを、標準的なハ イブリダイゼーションバッファー(SHB=5X SSC,0.1% SDS,5X デンハーツ,100μg/mlサケ精子DNA)中、ストリンジェンシーを減じ た条件下で、32P標識された、特異的に増幅された344塩基対のプローブと、 60℃で一晩ハイブリダイゼーションさせる。翌日、放射性標識オリゴヌクレオ チドを含有するハイブリダイゼーション溶液を除去し、ストリンジェンシーを減 じた条件下で、2X SSC,0.1% SDSで、60℃においてフィルターを洗 浄する。陽性ハイブリダイゼーションした複数の形質転換体を同定し、プラーク 精製することができる。これらのプラーク精製組み換えバクテリオファージを用 いてバクテリオファージストックを調製し、そこから組み換えバクテイオファー ジDNAを単離し、精製することができる。ネズミまたはヒトのゲノムクローン (もともと、アフリカツメガエルWA545プローブに対するハイブリダイゼー ションにより同定されたもの)から単離して得られたバクテリオファージDNA を、ヒトまたはネズミのWA545またはWA545関連配列の存在について、 DNA配列の特徴付けにより分析する。 アフリカツメガエルWA545 DNA配列(配列番号:1)またはその一部 分をプローブとして用いて、WA545 mRNAを合成するヒト細胞系または 組織を同定することができる。簡単に説明すると、選択した細胞または組織源か らRNAを抽出し、ホルムアルデヒドアガロースゲルで電気泳動してからニトロ セルロースに移すか、あるいはホルムアルデヒドと反応させ、ニトロセルロース に直接スポットする。ついで、ニトロセルロースを、アフリカツメガエルWA5 45 DNAのコーディング配列由来のプローブとハイブリダイゼーションさせ る。 別法として、アフリカツメガエルWA545配列を用いて、特異的増幅反応を 行うために使用されるヒトまたはネズミのプライマー間の領域に存在するヒトま たはネズミのWA545またはWA545関連蛋白をコードする配列の一部分を 特異的増幅するであろうオリゴヌクレオチドプライマーを設計する。これらのア フリカツメガエルWA545由来のプライマーは、mRNA、cDMAまたはゲ ノムDNA鋳型から対応ヒトWA545または他の哺乳動物WA545をコード する配列を特異的に増幅することを可能にするであろう。上記方法の1つにより 陽性の源が同定されたならば、オリゴ(dT)セルロースクロマトグラフィーに よりmRNAを選択し、cDNAを合成し、確立された方法(Tooleら、上記) により当業者に知られたXgt10または他のバクテリオファージベクター、例 えばλZAP中にクローンする。上記のオリゴヌクレオチドプライマーによる増 幅を、バクテリオファージベクター中にクローンされた、すでに確立されている ヒトcDNAまたはゲノムライブラリーに対して直接行うこともできる。そのよ うな場合、ヒトWA545の一部をコードする、特異的に増幅されたDNA生成 物を生じるライブラリーを、増幅されたWA545をコードするDNAのフラグ メントをプローブとして用いて、直接スクリーニングすることができる。 アフリカツメガエルWA545ゲノムクローンのDNA配列に基づいて設計さ れたオリゴヌクレオチドプライマーは、一般的に利用可能な、すでに確立されて いるヒトcDNAライブラリー(すなわち、Stratagene,La Jolla,CAまたはCl onethch Laboratories,Inc.,Palo Alto,CA)由来のヒトWA545をコード するDNA配列の増幅を可能にすると予想される。配列番号:1に示す配列に基 づいてオリゴヌクレオチドプライマーを設計し、自動DNA合成装置で合成する 。 プライマーに対応するヒトcDNAインサートを含有する約1x106pfu (プラーク形成単位)のλバクテリオファージライブラリーを95℃で5分間変 性させ、、ついで、200μMの各デオキシヌクレオチド三リン酸(dATP,dGTP ,dCTPおよびdTTP),10mM Tris-HCl pH8.3,50mM KCl,1.5mM MgCl2,0.001%ゼ ラチン,1.25ユニットのTaq DNAポリメラーゼ,100pMの各オリゴヌクレオチ ドプライマーを含有する反応混合物に添加する。ついで、反応混合物を下記サー マルサイクリングに供する:94℃で1分、50℃で1分、72℃で1分を39 サイクル、ついで、72℃で10分。 この反応により特異的に増幅して得られたDNA生成物を2%アガロースゲル で電気泳動した後、可視化する。このようにして陽性cDNA源が確認されたな らば、WA545特異的配列が増幅された対応cDNAライブラリーを、他のW A545特異的プローブを用いて直接スクリーニングして、本発明の全長WA5 45蛋白をコードするcDNAクローンを同定および単離することができる。当 業者に知られたさらなる方法を用いて、ヒトWA545蛋白をコードする他の全 長cDNA、または本発明のWA545蛋白をコードする全長cDNAクローン を、ヒト以外の種、特に、他の哺乳動物種から単離してもよい。 別法として、オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて、アフリカツメガ エルWA545をコードするプラスミドからヒトまたはネズミのWA545に特 異的なヌクレオチド配列を特異的に増幅することができる。以下のようにして増 幅反応を行う:約25ngのアフリカツメガエルWA545 DNAを、200 μMの各デオキシヌクレオチド三リン酸(dATP,dGTP,dCTPおよびdTTP),10mM T ris-HCl pH8.3,50mM KCl,1.5mM MgCl2,0.001%ゼラチン,1.25ユニットのTaq DNA ポリメラーゼ,100pMの各オリゴヌクレオチドプライマー(アフリカツメガエ ルWA545 DNAセンスおよび相補的方向のものに対する)を含有する反応 混合物に添加する。ついで、反応混合物を下記サーマルサイクリングに供する: 94℃で1分、53℃で1分、72℃で1分を30サイクル。 この反応により特異的に増幅されるDNAは、WA545をコードする生成物 を生じると考えられる。生じたDNA生成物を2%アガロースゲルで電気泳動し た後、可視化する。WA545 DNAフラグメントを含有するゲルの領域を切 り出し、その中に含まれる特異的に増幅されたDNAフラグメントを抽出する( 電気溶出または当業者に知られた方法により)。ゲルから抽出されたDNA増幅 生成物を32Pで放射性標識し、ベクターλDASH II(Stratageneカタログ 番号945203)中に構築されたヒトゲノムライブラリーのスクリーニングに 使用する。 当業者に知られたさらなる方法を用い、本発明のDNAおよびアミノ酸配列を 使用して、ヒトおよび他の種のWA545ホモログならびに関連蛋白を単離する こともできる。 実施例3 W−20バイオアッセイ A.W−20細胞の説明 インジケーター細胞系としてのW−20骨髄基質細胞の使用は、BMP蛋白で の処理後のこれらの細胞の骨芽細胞への変換に基づく[Thies et al.,Journal of Bone and Minaral Research,5:305(1990);およびThieset al.,Endocrino logy,130:1318(1992)]。詳細には、W−20細胞は、マサチューセッツ州ボス トンのチルドレンズホスピタル(Children's Hospital)のD.Nathan博士の研究 室の研究者により成体マウスから取られたクローン化された骨髄基質細胞系であ る。ある種のBMP蛋白でのW−20細胞の処理は、(1)アルカリ性ホスファ ターゼ産生増加、(2)PTHにより刺激されるcAMPの誘導、および(3) 細胞によるオステオカルシン(osteocalcin)合成の誘導を引き起こす。(1) および(2)は骨芽細胞の表現形に関連した特徴を示すが、オステオカルシン合 成能は成熟骨芽細胞によってのみ示される特性である。さらにそのうえ、現在ま で、我々は、 BMPで処理した場合のみ起こるW−20基質細胞の骨芽細胞様への変換を観察 してきた。この様式において、BMP処理されたW−20細胞により示されるイ ンビトロ活性は、BMPについて知られているインビボでの骨形成活性と相関が ある。 WA545のごとき新規骨誘導分子のBMP活性を比較することにおいて有用 な2種のインビトロでの分析を以下に説明する。 B.W−20アルカリ性ホスファターゼ分析のプロトコール W−20細胞を、96ウェルの組織培養プレートにウェルあたり200μlの 培地(10%熱不活性化ウシ胎児血清、2mMグルタミンおよび100ユニット /mlペニシリン+100μg/mlストレプトマイシンを含有するDME)中 10000個の割合で撒く。95%空気、5%CO2のインキュベーター中37 ℃において細胞を一晩付着させる。 マルチチャンネルピペッターで各ウェルから200μlの培地を除去し、10 %熱不活性化ウシ胎児血清、2mMグルタミンおよび1%ペニシリン−ストレプ トマイシンを含有するDME中の同体積の試験試料で置換した。試験物質を3系 で分析する。 試験試料および標準をW−20インジケーター細胞とともに24時間インキュ ベーションする。24時間後、37℃のインキュベーターからプレートを取り出 し、試験培地細胞をから除去する。 W−20細胞層をウェルあたり200μlのカルシウム/マグネシウム不含リ ン酸緩衝化セイラインで3回洗浄し、これらの洗液を捨てる。 ガラス製装置で蒸留された50μlの水を各ウェルに添加し、次いで、分析プ レートを急速に冷凍するためにドライアイス/エタノール浴に置く。凍結したら 、分析プレートをドライアイス/エタノール浴から取り出し、37℃で融解させ る。この工程を2回以上繰り返して全部で3回の凍結融解工程を行う。工程終了 後、膜結合アルカリ性ホスファターゼを測定に供する。 50μlの分析混合物(50mMグリシン、0.05% Triton X-100、4mM MgCl2、5mMリン酸p−ニトロフェノール、pH=10.3)を各分析ウ ェルに添加し、次いで、分析プレートを、1分間に60回振盪しながら37℃で 30分インキュベーションする。 30分間のインキュベーションの終わりに、100μlの0.2N NaOHを 各ウェルに添加し、分析プレートを氷上に置くことにより反応を停止する。 各ウェルの分光学的吸光度を405ナノメーターの波長において読む。次いで 、これらの値を既知標準と比較して各試料のアルカリ性ホスファターゼ活性の評 価を行う。例えば、既知量のリン酸p−ニトロフェノールを用いると、吸光度値 が得られる。これを表Iに示す。 既知量のBMPに関する吸光度値を決定し、表IIに示すような単位時間あた り開裂されたリン酸p−ニトロフェノールのμモル数に変換することができる。 次いで、これらの値を用いて既知量のWA545の活性をBMP−2の活性と 比較する。 C.オステオカルシンRIAプロトコール W−20細胞を、24ウェルのマルチウェル組織培養ディッシュの各ウェルに 、2mlのDME(10%熱不活性化ウシ胎児血清、2mMグルタミンを含有) 中106個となるように撒く。95%空気、5%CO2中37℃において細胞を 一晩付着させる。 翌日、培地を、2mlの全体積中10%ウシ胎児血清、2mMグルタミンおよ び試験物質を含有するDMEに交換する。各試験物質を3系のウェルに入れる。 試験物質をW−20細胞とともに合計96時間(48時間目に同じ培地で培地交 換)インキュベーションする。 96時間のインキュベーションの終わりに、各ウェルから50μlの試験培地 を取り、マウスオステオカルシンについてのラジオイムノ分析を用いてオステオ カルシン産生について分析を行う。分析の詳細は、マサチューセッツ州0207 2、スタウトン、ペイジ・ストリート378のバイオメディカル・テクノロジー ズ・インコーポレイテッド(Biomedical Techologies Inc.)により製造された キットに説明がある。分析のための試薬は、製品番号BT−431(マウスオス テオカルシン標準)、BT−432(ヤギ抗−マウスオステオカルシン)、BT −431R(ヨウ素化されたマウスオステオカルシン)、BT−415(正常ヤギ 血清)およびBT−414(ロバ抗−ヤギIgG)として見いだされる。BMP 処理に応答したW−20細胞により合成されたオステオカルシンについてのRI Aを、製造者により提供されるプロトコールに記載されたようにして行う。 試験試料に関して得られた値をマウスオステオカルシンの既知標準に関する値 と比較し、既知量のBMP−2での処理に応答してW−20細胞により産生され たオステオカルシン量と比較する。BMP−2により誘導されたW−20による オステオカルシン合成量を表IIIに示す。 実施例4 ローゼン改変サムパス−レディアッセイ Sampath and Reddi,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:6591-6595(1983)に記 載されたラット骨形成アッセイの改変バージョンを用いて骨および/または軟骨 および/または他の結合組織におけるBMP蛋白の活性を評価する。サムパス− レディ法のエタノール沈殿工程を、アッセイすべきフラクションを水に対して透 析(組成物が溶液の場合)または限界濾過(組成物が懸濁液の場合)することに 置き換える。次いで、溶液または懸濁液を0.1%TFAに対して平衡化させる 。得られた溶液を20mgのラットのマトリックスに添加する。蛋白処理してい ない疑似ラットマトリックス試料は対照として役立つ。この材料を凍結し、凍結 乾燥して得られた粉末を5番のゼラチンカプセルに封入する。21〜49日齢の ロング・エバンズ・ラット(Long Evans rat)の腹胸部の皮下にカプセルを移植 する。インプラントを7〜14日後に取る。各インプラントの半分をアルカリ性 ホスファターゼアッセイ[Proc.Natl.Acad.Sci.,69:1601(1972)]に用いる 。 各インプラントのもう半分を固定し、組織学的分析用に処理する。1ミクロン のグリコメタクリレート切片をフォン・コッサおよび酸フクシンで染色して各イ ンプラントにおいて誘導された骨および軟骨の形成の評点をつける。+1ないし +5は、新たな骨および/または軟骨細胞ならびにマトリックスにより占められ たインプラントの各組織学的切片の面積を表す。+5の評点は、インプラントの 50%よりも多くの部分が、インプラントにおける蛋白の直接の結果として生成 された新たな骨および/または軟骨であることを示す。評点+4、+3、+2お よび+1は、それぞれ、インプラントの40%、30%、20%および10%よ りも多くの部分が新たな軟骨および/または骨を含んでいることを示す。 別法として、同じ方向に集密になった線維芽細胞の高密度の束の存在により容 易に認識される胚性の腱に似た組織の出現についてインプラントを検査する[腱 /靭帯様組織は、例えば、Ham and Cormack,Histology(JB Lippincott Co.),1 979,pp.367-369に記載されており、その開示を参照により本明細書に記載されて いるものとみなす]。WA545蛋白含有インプラントにおいて腱/靭帯様組織 を観察する、さらなるアッセイにおいてこれらの知見は再現されうる。 本発明のWA545蛋白をこの活性に関して評価してもよい。 実施例5 WA545の発現 ネズミ、ヒトまたは他の哺乳動物のWA545蛋白を製造するために、該蛋白 をコードしているDNAを適当な発現ベクター中に移し、慣用的な遺伝子工学的 方法により哺乳動物細胞または他の好ましい真核細胞宿主もしくは原核細胞宿主 中に導入する。生物学的に活性のある組み換えヒトWA545の好ましい発現系 は、安定に形質転換された哺乳動物細胞であると考えられる。 当業者は、配列番号:1の配列、もしくはWA545蛋白をコードしている他 のDNA配列、あるいは他の修飾された配列およびpCD[Okayama et al.,Mo l.Cell Biol.,2:161〜170(1982)]、pJL3、pJL4[Gough et al.,EMB O J.,4:645〜653(1985)]ならびにpMT2 CXMのごとき知られたベクター を用いることにより、哺乳動物発現ベクターを構築することができる。 哺乳動物発現ベクターpMT2 CXMは、p91023(b)(Wong et al. ,Science,228:810〜815,1985)の誘導体であるが、テトラサイクリン耐性遺伝 子の代わりにアンピシリン耐性遺伝子を有し、さらにcDNAクローン挿入のた めのXhoI部位を有することにおいてp91023(b)とは異なる。 pMT2CXMの機能的エレメントは記載されており(Kaufman,R.J.et al. , 1985,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:689〜693)、アデノウイルスVA遺伝 子、 72塩基対のエンハンサーを含むSV40複製開始点、5’スプライス部位なら びにアデノウイルス後期mRNA上に存在するアデノウイルス三分節リーダー配 列の大部分を含むアデノウイルス大後期プロモーター、3’スプライス受容部位 、DHFR挿入断片、SV40初期ポリアデニル化部位(SV40)、およびイ ー・コリ(E.coli)中での増殖に必要なpBR322配列を含んでいる。 pMT2−VWFのEcoRI消化によりプラスミドpMT2 CXMを得る 。pMT2−VWFは、受託番号ATCC67122の下で、American Type Cu lture Collection(ATCC),Rockville,MD(USA)に寄託されている。EcoRI消 化により、pMT2−VWF中に存在するcDNA挿入断片を切り出し、連結し てイー・コリHB101またはDH−5をアンピシリン耐性へと形質転換するの に用いる直鎖状のpMT2を得る。プラスミドpMT2DNAを慣用的方法によ り調製することができる。次いで、ループアウト/イン変異誘発(loopout/in m utagenesis)[Morinaga et al.,Bio-technology,84:636(1984)]を用いてpM T2 CXMを構築する。これにより、pMT2のSV40複製開始点ならびに エンハンサー配列近傍のHindIII部位に対応する塩基1075〜1145 が除去される。さらに、そのヌクレオチド1145の位置に下記配列: を挿入する。この配列は制限エンドヌクレアーゼXhoIの認識部位を有する。 pMT23と命名されたpMT2 CXMの誘導体は、制限エンドヌクレアーゼ PstI、EcoRI、SalIおよびXhoIの認識部位を有する。プラスミ ドpMT2 CXMおよびpMT23 DNAを慣用的方法により調製することが できる。 pMT21由来のpEMC2β1も本発明の実施に適する。pMT21は、p MT2−VWF由来のpMT2に由来する。上記のごとく、EcoRI消化によ り、pMT−VWF中に存在するcDNA挿入断片を切り出し、連結してイー ・コリHB101またはDH−5をアンピシリン耐性へと形質転換するのに用い ることのできる直鎖状のpMT2を得る。プラスミドpMT2DNAを慣用的方 法により調製することができる。 pMT21は、以下の2つの修飾を経てpMT2から誘導される。最初に、c DNAクローニングのためのG/Cテイリングから伸長した19個のG残基を含 む、DHFRcDNAの76塩基対の5’非翻訳領域を欠失させる。この工程に おいて、XhoI部位を挿入してDHFRのすぐ上流に下記配列: を得る。 次いで、EcoRVおよびXbaIでの消化、DNAポリメラーゼIのクレノ ウフラグメントでの処理、そしてClaIリンカー(CATCGATG)への連 結により、単一のClaI部位を導入する。これにより、250塩基対の断片が アデノウイルス関連RNA(VAI)領域から欠失されるが、VAI RNA遺 伝子の発現または機能は阻害されない。pMT21をEcoRIおよびXhoI で消化し、ベクターpEMC2B1を得るために用いる。 EcoRIおよびPstIでの消化により、EMCVリーダーの一部がpMT 2−ECATI[S.K.Jung et al.,J.Virol,63:1651〜1660(1989)]から 得られ、これは2752塩基対のフラグメントである。このフラグメントをTa qIで消化し、508塩基対のEcoRI−TaqIフラグメントを得、これを 低融点アガロースゲル上の電気泳動により精製する。下記配列を有する5’Ta qI突出末端および3’XhoI突出末端: を用いて68塩基対のアダプターおよびその相補鎖を合成する。 この配列は、ヌクレオチド763ないし827由来のEMCウイルスリーダー 配列に合致する。さらにこの配列は、EMCウイルスリーダー内の位置10にお けるATGがATTに変化しており、XhoI部位が後に続いている。 pMT21のEcoRI−XhoIフラグメント、EMCウイルスのEcoRI −TaqIフラグメント、および68塩基対のオリゴヌクレオチドアダプターの 3つを連結してベクターpEMC2β1を得る。 このベクターは、SV40複製開始点ならびにエンハンサー、アデノウイルス 大後期プロモーター、アデノウイルス三分節リーダー配列の大部分のcDNAコ ピー、小型のハイブリッド介在配列、SV40ポリアデニル化シグナルならびに アデノウイルスVAI遺伝子、DHFRならびにβ−ラクタマーゼマーカーおよ びEMC配列を含み、哺乳動物細胞における高レベルの所望 cDNAの発現の指令に適当に関連している。 ベクターの構築はWA545 DNA配列の修飾を包含する。例えば、コーデ ィング領域の5’および3’末端上の非コーディングヌクレオチドを除去するこ とにより、WA545 cDNAを修飾してもよい。欠失された非コーディング ヌクレオチドを、発現に有益であることが知られている他の配列で置換してもよ く、置換しなくてもよい。これらのベクターを、WA545蛋白の発現にとり適 当な宿主細胞中に形質転換する。さらに、WA545をコードしているプロペプ チド配列を欠失させ、他のBMP蛋白の完全なプロペプチドをコードしている配 列に置き換えることにより成熟WA545蛋白を発現するように、配列番号:1 の配列またはWA545蛋白をコードしている他の配列を処理してもよい。 当業者は、コーディング配列に隣接している哺乳動物の調節配列を除去するか または細菌の配列に置き換えて、細菌細胞による細胞内または細胞外発現用の細 菌ベクターを作成することにより、配列番号:1の配列を処理することができる 。例えば、コーディング配列をさらに処理することができる(例えば、他の既知 リンカーに連結する、あるいはその非コーディング配列を欠失させるかまたは他 の既知方法によりそのヌクレオチドを変化させる)。次いで、T.Taniguchi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:5230〜5233(1980)に記載されたような 方法を用いて修飾されたWA545コーディング配列を既知細菌ベクター中に挿 入することができよう。次いで、この典型的な細菌ベクターを細菌宿主細胞中に 形質転換し、それによりWA545蛋白を発現させる。細菌細胞においてWA5 45蛋白を細胞外発現させるための方法については、欧州特許公開EPA177 ,343参照。 昆虫細胞における発現には、昆虫ベクター構築のために同様の処理を行うこと ができる[例えば、公開された欧州特許出願第155,476号記載の方法参照 ]。酵母細胞による本発明因子の細胞内または細胞外発現のための酵母の調節配 列を用いて、酵母ベクターを構築することもできる[例えば、公開されたPCT 出願WO86/00639および欧州特許出願公開EPA123,289号記載 の方法参照]。 高レベルの本発明のWA545蛋白を哺乳動物細胞において製造する方法は、 異種WA545遺伝子の多数のコピーを有する細胞の構築を包含する。異種遺伝 子を増幅可能なマーカー、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝 子に連結し、Kaufman and Sharp,J.Mol.Biol.,159:601〜629(1982)の方法に より、メトトレキセート(MXT)濃度を上昇させていって増加した遺伝子コピ ーを有する細胞を該マーカー関して選択できる。このアプローチを種々の異なる 細胞タイプに使用することができる。 例えば、リン酸カルシウム共沈ならびにトランスフェクション、エレクトロポ ーレーションまたはプロトプラスト融合をはじめとする種々の方法により、WA 545蛋白の発現を可能にする他のプラスミドの配列に作動するように結合され た本発明のWA545蛋白に対するDNA配列を含むプラスミドと、DHFR発 現プラスミドpAdA26SV(A)3[Kaufman and Sharp,Mol.Cell.Biol .,2:1304(1982)]とを、DHFR欠損細胞DUKX−BII中に同時に導入す ることができる。DHFRを発現する形質転換体を、透析されたウシ胎児血清を 含むアルファ培地における増殖に関して選択し、次いで、Kaufman et al.,Mol.C ell.Biol.,5:1750(1983)記載のごとく、MTX濃度を増加させていった場合(例 えば順次、0.02、0.2、1.0ついで5μMのMTX)の増殖 による増幅について選択を行う。形質転換体を増殖させ、生物学的に活性のある WA545の発現を、上記実施例3記載のローゼンにより改変されたサムパス− レディのラット骨形成分析によりモニターする。WA545蛋白の発現はMTX 耐性レベルの増加に伴って増加するはずである。[35S]メチオニンまたはシス テインでのパルスラベリングおよびポリアクリルアミドゲル電気泳動のごとき当 該分野で知られた標準的方法を用いて、WA545ポリペプチドを特徴づける。 同様の方法により他の関連WA545蛋白を製造することができる。 実施例6 発現されたWA545の生物学的活性 上記実施例5において得られた、発現されたWA545蛋白の生物学的活性を 測定するために、蛋白を細胞培養物から回収し、同時に産生された他の蛋白性物 質ならびに他の混入物質からWA545蛋白を単離することにより精製する。実 施例4記載のラット骨形成分析により、精製蛋白を分析してもよい。 当業者に知られた標準的方法を用いて精製を行う。 銀染色[Oakley et al.,Anal.Biochem.,105:361(1980)]で染色されるSD S−PAGEアクリルアミド[Laemmli,Nature,227:680(1970)]およびイムノ ブロット[Towbin et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,76:4350(1979)]のご とき標準的方法を用いて蛋白の分析を行う。 実施例7 WA545のノーザン分析 ノーザン分析を用いて、WA545蛋白を、種々の細胞系に対する影響につい て試験することができる。適当な細胞系は、E13マウス肢芽由来の細胞系を包 含する。WA545蛋白での処理から10日後、組織分化の状態について表現型 を組織学的に調べる。さらに、WA545蛋白で処理した細胞由来のmRNAの ノーザン分析を、表IVに記載する骨、軟骨および/または腱/靭帯に関する下 記マーカーの1つまたはそれ以上を包含する種々のマーカーについて行うことも できる。 1−初期にマーカーが観察され、成熟骨組織が形成されるにつれマーカーが見 られなくなる。 2−マーカーは腱の部位に依存し、骨界面において最強。 3−低レベルのマーカーが見られる。 実施例8 胚性幹細胞アッセイ 本発明のWA545蛋白の効果をアッセイするために、多くの利用可能な幹細 胞系に対するインビボにおける増殖および分化の効果をアッセイすることが可能 である。1のかかる細胞系はES−E14TG2であり、Rockville,MDのAmeri can Type Culture Collectionから利用可能である。 アッセイを行うために、100ユニットのLIF存在下で細胞を増殖させて未 分化状態に維持する。まず、LIFを除去し、細胞を凝集させて懸濁させる(胚 様体として知られる状態)ことによりアッセイをセットアップする。3日後、胚 様体をゼラチン被覆プレートに撒き(PCR分析のためには12ウェルプレート 、免疫細胞化学的分析のためには24ウェルプレートを用いる)、アッセイすべ き蛋白で処理する。細胞に栄養分を与え、2〜3日毎に蛋白性因子で処理する。 15%ウシ胎児血清(FBS)補足培地またはずっと少量のFBSを含有するC DM限定培地においてアッセイを行えるように細胞を適応させる。 処理期間(7〜21日の範囲)の終了時に細胞からRNAを集め、以下のマー カーに関して定量的マルチプレックスPCRにより分析する:中胚葉マーカーBr achyury、外胚葉マーカーAP−2、および内胚葉マーカーHNF−3α。免疫 細胞化学的分析により、神経細胞(グリア細胞およびニューロン細胞)、筋肉細 胞(心筋細胞、骨格筋細胞および平滑筋細胞)分化を検出することができ、さら にプロテオグリカンコア蛋白(軟骨)およびサイトケラチン(表皮)のごとき種 々の他の表現型マーカーの検出が可能である。これらの細胞はLIFが除去され た場合に自律的に分化する傾向があるので、常に無処理対照に対する比較により 結果を定量する。 実施例9 WA545とアフリカツメガエル幼生胚とのインシトゥハイブリダイ ゼーション アルビノ胚を種々の段階において集め、固定し、プロテイナーゼKで透過性に し、プレハイブリダイゼーションさせた。ついで、それらをジゴキシゲニン標識 リボプローブと一晩ハイブリダイゼーションさせた。胚を洗浄し、RNaseA およびT1で処理してバックグラウンドを除去し、Boehringer Mannheim Blocki ng Reagentでブロックした。胚をアルカリ性ホスファターゼ抱合抗ジゴキシゲニ ン抗体とともに、室温で4時間インキュベーションし、徹底的に洗浄し、ついで 、アルカリ性ホスファターゼ基質を用いる発色反応を行った。ついで、胚を再固 定し、写真用に脱色してバックグラウンドを除去した。結果:発現の特徴 インシトゥハイブリダイゼーションの結果(図1)およびRT−PCRの現像 結果(図2)は、WA545が母系転写物を有しておらず、後期胞胚の周辺帯お よびいくつかの植物細胞において最初に発現されることを示す。原腸形成開始時 に発現レベルが増大する。この高レベル発現は、原腸形成期間中は維持され、原 腸形成後期段階において低下する。後期原腸胚までは、WA545発現は中胚葉 側方および腹側においてやはり存在するが、脊索を形成する背側の大部分の領域 からは排除される。周辺帯全体におけるこの遺伝子の初期の発現および後になっ てからの前部での制限は、WA545が前部の特徴を有する中胚葉の誘導および 神経組織形成の修飾に関与しているという結論とよく対応する。 実施例10 WA545の胚全体でのアッセイ インビトロ合成された、キャップの付いたRNA50pgまたは100pgを 、2細胞または4細胞段階のカエルの胚にマイクロインジェクションした。β− ガラクトシダーゼRNAをトレーサーとして含ませて、注入したRNAの拡散の 程度を調べた。X−gal染色によりβ−gal RNAの生成物を組織化学的 に可視化した。これらのマイクロインジェクションの標的領域は、2または4細 胞のうち1の細胞の背側周辺帯または腹側周辺帯であった。胚を放置して所望段 階まで発達させて、ついで、収穫して固定し、X−gal染色および写真をとっ た。結果:胚全体におけるWA545のゲイン−オブ−ファンクション(gain-of-fu nction)表現型 初期胚の腹側へのマイクロインジェクションは、後の段階において二次脊椎の 形成を引き起こす(図3)。この二次脊椎は頭部を含んでおらず、WA545は 中胚葉後部のインデューサーであることが示される。初期胚の背側へのマイクロ 部構造の損失を引き起こす(図4)。この観察結果は、WA545は前方組織を より後部の組織に変換させうることを示す。 実施例11 アニマルキャップアッセイ 2細胞段階の胚の1の細胞の動物極に50ないし400pgのキャップしたR NAをマイクロインジェクションした。グロビンRNAを対照として使用した。 胚を放置して段階8まで発達させた。胚の動物極の細胞を顕微解剖し(アニマル キャップ)、無傷の子孫が得られるまで培養し、マイクロインジェクションし ない胚を段階14または19まで到達させた。同じRNA(実験系またはグロビ ン)をマイクロインジェクションした15個のアニマルキャップをプールし、全 RNA調製に備えた。5個の無傷の胚を胚の対照全RNAの調製に使用した。ラ ンダムヘキサマーをcDNA用プライマーとして使用して、これらのRNA試料 を逆転写した。これらのDNA試料を、32P−dCTP存在下で遺伝子特異的プ ライマーペアーを用いるPCRに供して、元のRNA試料中の対応mRNAの存 在についてアッセイした。使用プライマーペアーおよびサイクル数を従来通り最 適化した。ついで、これらのPCR反応の生成物をポリアクリルアミドゲルで分 離した。結果:アニマルキャップのゲイン−オブ−ファンクションアッセイ 分子マーカーについての試験は、大部分の中胚葉マーカーがアニマルキャップ のアッセイにおいて誘導されることを示す(図5)。これらのマーカーは、brac hyury、Pintallavis、Xnotおよび筋肉アクチンを包含する。組織学的には、筋肉 の大きな塊が形成される。試験した神経マーカーのうち、Krox20は誘導さ れないが、HoxB9は誘導される。通常には、Krox20は菱脳神経小片3 および5において発現され、HoxB9は脊髄後部で発現される。これらの結果 は、WA545は中胚葉後部を誘導するが、中胚葉前部(ゴーセコイド)を誘導 せず、神経(NCAM)遺伝子は活性化されないことを示す。さらにこのことは 、 WA545は中胚葉の後部の特徴のインデューサーであり、脳から脊髄に至るま での神経の運命を変化させうるものであるという考えを支持する。 実施例12 WA545に関する結果のまとめ WA545は後期胞胚から中胚葉および内胚葉までの期間において発現される 。それは後になって中胚葉後部において発現される。よって、WA545は後部 領域の形成に関与している可能性があり、筋肉および脊髄の発達における異所性 活性化に有用である可能性がある。 上記説明は本発明の目下好ましい具体例を詳細に説明する。これらの説明を考 慮すれば、本発明の実施に際し、多くの修飾および変更が当業者によりなされる と考えられる。それらの修飾および変更は本発明の一部であり、添付した請求の 範囲に包含されると確信する。 本明細書で引用されたすべての刊行物および特許出願の開示を、参照により本 明細書に記載されているものとみなす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 C07K 14/51 C07K 14/46 16/22 14/51 C12N 1/15 16/22 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ラバリー,エドワード・アール アメリカ合衆国01876マサチューセッツ州 トゥークスベリー、グリーン・メドー・ド ライブ90番 (72)発明者 レイシー,リサ・エイ アメリカ合衆国01720マサチューセッツ州 アクトン、スクール・ストリート124番 (72)発明者 サイブ,ヘイゼル アメリカ合衆国02158マサチューセッツ州 ニュートン、サン・ヒル・レイン6番 (72)発明者 サン,ベンジャミン アメリカ合衆国21043メリーランド州エリ コット・シティ、ロックバーン7771番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)配列番号:1に示すヌクレオチド55、775または811からヌ クレオチド1113または1116まで; (b)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で(a)にハイブリ ダイゼーションし、WA545活性を示す蛋白をコードしている配列 からなる群より選択されるDNA配列を含む、WA545関連蛋白をコードする 単離DNA配列。 2.(a)配列番号:2に示すアミノ酸−240、1または13から113ま たは114までをコードするヌクレオチド; (b)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で(a)にハイブリ ダイゼーションし、WA545活性を示す蛋白をコードする配列 からなる群より選択されるDNA配列を含む、WA545蛋白をコードする単離 DNA配列。 3.発現制御配列に作動するように連結された請求項1のDNA分子を含むベ クター。 4.発現制御配列に作動するように連結された請求項2のDNA分子を含むベ クター。 5.請求項3のベクターで形質転換された宿主細胞。 6.請求項4のベクターで形質転換された宿主細胞。 7.中胚葉または関連組織の形成を誘導する能力により特徴づけられる蛋白を コードする配列を有する単離DNA分子であって、 (a)配列番号:1に示すヌクレオチド55、775または811からヌクレ オチド1116まで;および (b)(a)の天然に存在する対立遺伝子配列および等価な縮重コドン配列か らなる群より選択されるDNA配列を含む単離DNA分子。 8.発現制御配列に作動するように連結された請求項7のDNA分子を含むベ クター。 9.請求項8のベクターで形質転換された宿主細胞。 10.WA545蛋白をコードする単離DNA分子であって、配列番号:2に 示すアミノ酸−240、1または13から114までを含むアミノ酸配列をコー ドするヌクレオチドを含む単離DNA分子。 11.DNAコーディング配列の5’側の適当なプロペプチドをコードしてお り、DNAコーディング配列にインフレームで連結されているヌクレオチド配列 をさらに含む、請求項10記載の単離DNA分子。 12.発現制御配列に作動するように連結された請求項11のDNA分子を含 むベクター。 13.請求項12のベクターで形質転換された宿主細胞。 14.下記工程: (a)WA545蛋白をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1記載の DNA配列で形質転換された宿主細胞を培養し;ついで、 (b)該WA545蛋白を培地から回収し、精製する を含む、精製WA545蛋白の製造方法。 15.下記工程: (a)WA545蛋白をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項2記載の DNA配列で形質転換された宿主細胞を培養し;ついで、 (b)該WA545蛋白を培地から回収し、精製する を含む、精製WA545蛋白の製造方法。 16.下記工程: (a)WA545蛋白をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項7記載の DNA配列で形質転換された宿主細胞を培養し;ついで、 (b)該WA545蛋白を培地から回収し、精製する を含む、精製WA545蛋白の製造方法。 17.配列番号:1のDNA配列によりコードされるアミノ酸を必須として含 むアミノ酸配列を含み、WA545活性を示す精製WA545ポリペプチド。 18.アミノ酸配列が配列番号:2のアミノ酸配列の機能的フラグメントを含 むものであり、WA545活性を示す請求項17のWA545ポリペプチド。 19.ポリペプチドがダイマーであり、各サブユニットが配列番号:2のアミ ノ酸1から114までのアミノ酸配列を必須として含むアミノ酸配列を含むもの である請求項17の精製WA545ポリペプチド。 20.ポリペプチドがダイマーであり、1のサブユニットが配列番号:2のア ミノ酸1から114までのアミノ酸配列を含み、もう1つのサブユニットがBM P−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BM P−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−1 3、BMP−15およびBMP−16からなる群より選択される骨形態形成蛋白 のアミノ酸配列を含むものである請求項17の精製WA545ポリペプチド。 21.下記工程: (a)配列番号:1に示すヌクレオチド775からヌクレオチド1116まで のヌクレオチド配列を含むDNAで形質転換された細胞を培養し、ついで、 (b)配列番号:2のアミノ酸1から114までのアミノ酸配列を含む蛋白を 培地から回収し、精製する により製造される精製WA545蛋白。 22.治療量の請求項17記載の少なくとも1種のWA545蛋白を含む組成 物。 23.該組成物を支持し、組織成長を誘導するための表面を提供するマトリッ クスをさらに含む請求項22の組成物。 24.該マトリックスがヒドロキシアパタイト、ヒアルロン酸、コラーゲン、 ポリ乳酸およびリン酸三石灰からなる群より選択される材料を含むものである請 求項23の組成物。 25.組織形成を必要とする患者における組織形成を誘導する方法であって、 有効量の請求項22の組成物を患者に投与することを含む方法。 26.WA545ポリペプチドをコードするDNA配列に正しい読み枠で連結 された、蛋白のTGF−βファミリーのメンバー由来のプロペプチドをコードす るDNA配列を含むキメラDNA分子。 27.配列番号:2のアミノ酸1から114までのアミノ酸配列を含む精製W A545蛋白。 28.約10〜15kdの分子量を有するモノマー形態の精製WA545蛋白 であって、配列番号:2のアミノ酸配列を含み、中胚葉組織の形成を誘導する能 力を有する蛋白。 29.請求項17記載の精製WA545蛋白に対する抗体。
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