JP2002507625A - パピローマウイルス特異的タンパク質を含む配合物、その調製および使用 - Google Patents

パピローマウイルス特異的タンパク質を含む配合物、その調製および使用

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ヨゼフ、ガベルスバーガー
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Abstract

(57)【要約】 この発明は、少なくとも一種のパピローマウイルス特異的タンパク質を、濃度約0.3から約4MでpH約7.3から約7.45の塩と共に含む配合物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、少なくとも一種のパピローマウイルス特異的タンパク質を、濃度
約0.3から約4MでpH約7.3から約7.45の塩と共に含む配合物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】
いぼウイルスとも呼ばれるパピローマウイルスは、大きさ約8000塩基対の
ゲノムおよび直径約55nmの正十二面体様キヤプシッドを有する二本鎖DNA
ウイルスである。現在までに100を超える異なったヒトパピローマウイルス型
が知られており、この中のある種のもの例えばHPV−16、HPV−18、H
PV−31、HPV−33、HPV−39、HPV−45、HPV−52または
HPV−58は悪性腫瘍を、および他の例えばHPV−6、HPV−11または
HPV−42は良性腫瘍を起こし得る。
【0003】 パピローマウイルスのゲノムは、次の3領域に細別できる:第1領域は非コー
ド領域に関し、この領域はウイルスの転写および複製のための調節因子を含む。
所謂E(early;初期)領域である第2領域は、各種のタンパク質コード部分E1
からE7 を含み、この中で例えばE6 およびE7 タンパク質は上皮細胞の悪性転
換の原因であり、E1 タンパク質はDNAコピー数を制御する。E6 およびE7
領域は所謂腫瘍遺伝子であり、これらはまた腫瘍的に変性した細胞中にも現れる
。第3領域はL(late; 後期)領域とも呼称し、二つのタンパク質コード部分L
1 おょびL2 を含み、これらの部分はウイルスキヤプシッドの構造的成分をコー
ドする。L1 タンパク質はウイルスキヤプシッド中に90%を超えて存在し、L
1 :L2 の比率は一般的に30:1である。
【0004】 HPV−6およびHPV−11は、特に生殖器いぼの原因としての地位を維持
している;HPV−16、HPV−18、HPV−31、HPV−33、HPV
−39、HPV−45、HPV−52およびHPV−58等のある種パピローマ
ウイルス型は肛門性器道の悪性腫瘍と関係する。この場合の50%を超える割合
で、HPV−16は頚部癌(頚部様構造における上皮組織悪性腫瘍)と関係する
。したがって、HPV−16は頚部上皮内癌形成の場合の主たる危険因子である
。加えて、この疾患進行には免疫系が重要な役割を演ずる。このように、細胞免
疫応答、具体的には抗原特異的Tリンパ細胞は、防護機構のために重要であると
考えられる。その上、ハイグレードの頚部上皮内癌(CIN II/III)および頚部腫
瘍では、このE7 遺伝子は感染上皮の全層中に構造的に現れる。したがってこの
E7 タンパク質は潜在的腫瘍抗原として、および活性化されたT細胞に対する標
的分子であると考えられる。しかしながら、患者においてE7 により誘発される
細胞免疫応答は、疾患進行に影響を及ぼすほど充分に強力ではないようである。
この免疫応答は適切なワクチンにより増幅され得る可能性がある。
【0005】 L1 遺伝子の発現またはL1 およびL2 遺伝子の共発現がウイルス様粒子(V
LPs)を形成するということを証明することが可能になった。各種動物系中で
中和用抗体を形成する目的でVLPS を使用することは可能であった。しかしウ
イルス中和用抗体の形成は、ウイルス感染が既に生起しているならば臨床的な重
要性は比較的低く、その理由はウイルス感染細胞の除去に対してはウイルス特異
的細胞毒性T細胞(CTL)応答が必要であると考えられるからである。したが
ってキメラL1 −E7 タンパク質(Muller, M. らの (1997) Virology, 234, 9
3)から成る所謂キメラパピローマウイルス様粒子(CVLPS )が開発さた:C
VLPS を用いたマウスの免疫化によりE7 に対する抗体を誘発する実験には失
敗したが(Muller, M. らの (1997), supra) 、ある種のCVLPS はマウス中
でE7 特異的CTL応答を誘発する。加えて、患者におけるHPV関連疾患の中
和用抗体は、投与L1 タンパク質に対する免疫応答を制約するように考えられる
(Muller, M.らの (1997), supra) 。しかしながら、クラスIのMHC分子を介
して提供される腫瘍細胞のE7 タンパク質はCTLs の標的分子を表すであろう
から、ワクチン開発の目的ではCVLPS は依然として興味がある。
【0006】 Peng らによる (1998) Virology, 240, 147は、ウシパピローマウイルス(B
PV)およびHPV−16E7 49-57 のC末端切り取りL1 から成るCVLPS
について記載し、このものはC57B1 /6 マウスの接種後にE7 特異的細胞毒
性T細胞を誘発し、E7 発現性腫瘍の成長から守ることが記載されている。Gree
nstone らの (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95, 1800 は、等身大のH
PV−16E7 タンパク質に融合したHPV−16L1 プラスHPV−16L2
から成るCVLPS を記載し、このものはC57B1 /6 マウスの免疫化後に上
皮E7 発現性腫瘍細胞の成長から守ることが記載されているが、細胞毒性T細胞
は検出されず、したがって免疫応答の誘発には有効性が低いように見える。
【0007】 一般的にはVLPS およびCVLPS は、一種または二種以上のLタンパク質
またはLおよびEタンパク質をコードする対応遺伝子の、適切な発現系中での発
現により遺伝子工学的手法で調製される。この対応遺伝子は、例えば Kinbaum,
R.らによる (1994) J. Virol., 67, 6929-6936 に記載があり、またはEMBL
データバンクを介して入手可能である。アクセス番号は、例えばHPV18の場
合はPAPHPV18;HPV31の場合はPAPPPH31;HPV33の場
合はPAPPPH33またはHPV−58の場合はPAPPPH58である。
【0008】 適切な発現系は例えば、遺伝子工学的に修飾された酵母例えば Saccharomyces
(cerevisiae) 、Pichia (pastoris) 、Kluyvermyces (lactis) 、Schizosaccha
romyces (pombe) または Hansenula(polymorpha) (Carter. J.J. らによる (19
91), Virology,182, 513) 、例えば Trichoplusia ni High Five 等の昆虫細胞
(例えば Muller らの (1997)参照, supra )、または原核細胞(例えば WO96/
11272 号公報参照)である。原核細胞中での上記粒子の生産の場合、一般的には
これらを細胞中に析出させて所謂封入体を形成させ、次いでこのものを復元させ
て溶液にする。遺伝子工学的に産生させた粒子またはキヤプシッドまたはそれら
の前駆体を使用する場合は、発現後にさらなる精製工程を必要とする。
【0009】 医薬としてのキヤプシッドまたはキヤプソマーの使用におけるさらに重要な問
題点は、それらが溶解性に乏しいことである。したがって例えばHPV−16の
キャプシドまたはキヤプソマーは凝集する傾向があり、これにより溶解性が目立
って低下する。ある場合にはキャプシドまたはキヤプソマーの低い溶解性が収率
を低減させるのみではなく、同時に医薬または診断薬としての使用を複雑化させ
る。その上、ときどきL1 タンパク質のC末端の劣化が観察でき、この結果、医
薬または診断薬としての許認可に不適当な不均一物質に至る。
【0010】 WO 98/44944 号公報は、ワクチン成分、生理学的に許容し得る濃度までの塩お
よび生理学的に許容し得る濃度までの非イオン洗剤を含むHPV抗原配合物を記
載する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するための手段】
したがって、この発明の目的はパピローマウイルス特異的タンパク質が可溶性
で安定な、単純かつ有利な配合物の提供を可能ならしめることにある。
【0012】 この度予想外にも、パピローマウイルス特異的タンパク質の溶解性は配合物の
塩濃度および配合物のpHに依存性があることが判った。具体的には、VLPS
またはCVLPS は宿主細胞の細胞質中で形成されるけれど、賦形剤を添加しな
い組成物は約100〜150mM塩の等張塩溶液における中性pHでは不安定で
あることは驚きであった。加えて、この発明によればpH約5.5未満でCVL
S が沈殿し、pH9.5を超えるとCVLPS が凝集することが判明した。
【0013】 したがってこの発明の目的は、一種または二種以上のパピローマウイルスの少
なくとも一つの後期タンパク質(Lタンパク質)および/または一種または二種
以上のパピローマウイルスの少なくとも一つの初期タンパク質(Eタンパク質)
、ならびに濃度約0.3から約4M、好ましくは約0.4から約2.5〜3M、
具体的には約0.4〜0.5Mから1〜2M特に約1から2Mの塩をpH約7.
3から約7.45好ましくは約7.4で含み、さらに任意に適切な添加剤および
/または賦形剤を含む配合物にある。
【0014】 ”配合物”なる用語は、この発明によれば上記パピローマウイルス特異的タン
パク質の溶液または懸濁物の形態における組成物を意味するものと理解されるべ
きで、この場合のパピローマウイルス特異的タンパク質は一般的にも具体的にも
最大約5000gまでは沈殿物を顕著に生起しない組成物を意味する。
【0015】 この塩は一般的にはアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、好ましくはハ
ロゲン化物またはリン酸塩、具体的にはアルカリ金属ハロゲン化物、特にNaC
lおよび/またはKClである。NaClの使用は医薬用配合物の調製の場合に
特に好ましい。
【0016】 この組成物のpHは、適切な有機または無機緩衝剤を用いて調整するが、例え
ば燐酸塩緩衝剤、トリス緩衝剤[トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン]、
HEPES緩衝剤([4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジノ]エタンスルホ
ン酸)またはMOP緩衝剤(3−モルホリノ−1−プロパンスルホン酸)が好ま
しく使用される。個々の緩衝剤の選択は一般的には所望緩衝剤のモル濃度に依存
する。注射溶液または点滴溶液の場合はリン酸塩緩衝剤が適する。
【0017】 この発明における組成物の医薬または診断約としての使用の場合、パピローマ
ウイルス特異的タンパク質がパピローマウイルス非特異的エピトープを含まない
場合が特に好ましく、これによりパピローマウイルス非特異的免疫応答を低減ま
たは阻止できる。
【0018】 Lタンパク質およびEタンパク質なる用語は、この発明の趣旨以内では、例え
ば欠失突然変異体等の等身大タンパク質およびそれらの突然変異体を意味するも
のと理解される。
【0019】 さらなる好ましい実施態様では、この発明における組成物は欠失Lタンパク質
好ましくは欠失L1 および/または欠失L2 タンパク質を含む。この欠失は、異
種タンパク質例えばパピローマウイルス特異的Eタンパク質配列を欠失領域中へ
挿入し得る利点があり、これにより本発明における組成の応用領域が拡大する。
C末端欠失を有するLタンパク質、具体的にはC末端欠失L1 タンパク質は殊の
外好ましい。C末端欠失は、C末端に位置する核位置信号が欠失するので、ウイ
ルス様粒子形成効率を増強できる利点がある。したがってこのC末端欠失は、好
ましくは約35アミノ酸まで、具体的には約25から約35アミノ酸、特に約3
2から34アミノ酸である。例えば32アミノ酸長のHPV−16L1 のC末端
欠失および約26アミノ酸長のBPV−1L1 タンパク質(ウシパピローマウイ
ルス1型)のC末端欠失は、ウイルス様粒子形成を少なくとも約10倍まで増強
し得るので適切である。
【0020】 さらなる好ましい実施態様では、上記Eタンパク質特にE6 および/またはE
7 タンパク質も欠失される。E7 タンパク質のC末端部分好ましくはE7 タンパ
ク質のC末端部分が欠失される場合が特に好ましく、この場合、これらの構築体
は欠失Lタンパク質との組み合わせでキャプソマーおよび/またはキヤプシッド
を形成する。55アミノ酸までの欠失が特に好ましく、好ましくは約5から約5
5アミノ酸、具体的には約32から約43アミノ酸の欠失が好ましい。
【0021】 特に好ましい構築体は例えばN末端アミノ酸1から約60を有するE7 であり
、この構築体は、アミノ酸49から57の領域に位置する細胞毒性Tリンパ細胞
の活性化のためのマウスエピトープを含有するからである。他の好ましい構築体
はN末端アミノ酸1から約55を有するE7 であり、この構築体はキヤプシッド
形成を損ない得るE7 特異的配列をアミノ酸56〜70領域中に含まないので、
欠失Lタンパク質との組み合わせでキヤプソマーおよびキヤプシッドを好ましく
形成する。32アミノ酸によりC末端で欠失されたHPV−16のL1 タンパク
質および、これがアミノ酸1−55または1−60を有するHPV−16のE7
タンパク質と結合したものは特に好ましい。これらの構築体は中和性抗体または
特異的CTL応答を誘発するのみでなく、一方では腫瘍形成を阻止し、他方では
既存の腫瘍の進行を動物実験では退化させる。特にアミノ酸1〜60を有するE
7 は、腫瘍中で顕著な予防的および治療的作用を特に発揮する。したがって、こ
の発明における特に好ましい実施態様はL1 ΔE7 1-X 融合タンパク質好ましく
はCVLPs 形態における具体的にはHPV16の形態における融合タンパク質
であり(xは60を包含する、55から60までの整数)、特にL1 ΔE7 1-55 またはL1 ΔE7 1-60融合タンパク質である。
【0022】 予防用および治療用の両方で活性な医薬の生産の場合は、タンパク質が融合タ
ンパク質の形態でEタンパク質に結合している場合が好ましい。その上、所望パ
ピローマウイルス特異的タンパク質がキヤプシッドおよび/またはキヤプソマー
の形態で存在するのが好ましく、その理由はこのキヤプシッドおよび/またはキ
ヤプソマーにより、具体的にはLタンパク質のフラクションにより免疫反応が追
加的に顕著に増強されるからでる。したがってキヤプシッドおよび/またはキヤ
プソマー形成に適する好ましい融合タンパク質は、例えば欠失L1 およびE7 、
E6 および/またはE1 からの融合タンパク質である。
【0023】 この発明の趣旨以内でのキヤプシッドは、一般的には72キヤプソマーから構
築される一般的正二十面体様形態のウイルスまたはウイルス様構造体である。
【0024】 この発明の趣旨以内でのキヤプソマーは、少なくとも一種のパピローマウイル
ス構造タンパク質、好ましくはL1 またはL1 の欠失体を含む集合タンパク質で
ある。この発明における5種の融合タンパク質は、集合してキヤプソマーを与え
、このものは今度はキヤプシッドを与えるために集合し得る。
【0025】 ヒト用医薬または診断薬の生産の場合は、ヒトパピローマウイルス(HPV)
、好ましくはHPV−6、HPV−11、HPV−16、HPV−18、HPV
−31、HPV−33、HPV−35、HPV−39、HPV−45、HPV−
52およびHPV−58、具体的にはHPV−16、HPV−18、HPV−3
1および/またはHPV−45のタンパク質またはペプチドが上記構築体に適し
ている。特に組み合わせワクチン生産の場合には、各種HPV型からのタンパク
質またはペプチドを組み合わせるのが有利であり、例えば頚部様構造における悪
性腫瘍の場合にはHPV−16およびHPV−18またはHPV−18、HPV
−31、HPV−45およびHPV−45の組み合わせ、または例えばコンジロ
ームの場合にはHPV−6およびHPV−11の組み合わせが有利である。
【0026】 この発現ベクターは例えば原核または真核発現ベクターであってよい。原核発
現ベクターの例は、E.coli における発現の場合、例えばベクターpGEMま
たはpUC誘導体である(例えば、WO 96/11272 号公報参照)。真核発現ベクタ
ーの例は、Saccharomyces cerevisiae における発現の場合、例えばベクターp
426Met25またはp426GAL1 であり(Mumberg らによる (1994) Nu
cl. Acids Res., 22, 5767-5768, Carter, J.J. らによる (1991) supra )、ま
た昆虫細胞における発現の場合、例えば Baculovirus ベクター具体的には EP-
B1-0127839号または EP-B1-0549721号公報開示のような Autographa Californic
a ウイルスであり(例えば WO 94/20137号公報参照)、また哺乳類細胞における
発現の場合、例えばベクターRc/CMVおよびRc/RSVまたはSV40ベ
クターであり、これらはすべて一般的に取得可能である。しかしながら、Pharmi
ngen社製「Baculo Gold TM」トランスフエクション用具または Gibco BRL社製
「Bac-to-Bac TM 」Baculovirus 発現系等の、商業的に入手可能な Baculovirus
発現系もまた適当である。さらに適当な発現系は、組み換えワクシニア症ウイ
ルス(例えば、WO 93/02184 号公報参照)である。
【0027】 一般的に、これらの発現ベクターは、E. coliにおける発現のためのtrpプ
ロモーター(例えば、EP-B1-0154133 号公報参照)、酵母における発現のための
ADH2プロモーター[Russel らによる (1983), J. Biol.Chem. 258, 2674-2
682)]、昆虫細胞における発現のための Baculovirus 多面体プロモーター(例
えば、 EP-B1-0127839号または U.S. 5,004,687 号公報参照)または例えばMM
TV[mouse mammary tumour uirus (マウス哺乳類腫瘍ウイルス):Lee らによ
る (1981) Nature 214, 228-232 ]の初期SV40プロモーターまたはLTRプ
ロモーター等の、個々の宿主細胞に適するプロモーターもまた含む。
【0028】 適当な宿主細胞の例は、E. coli 株DH5、HB101またはBL2 1、酵
母株 Saccharomyces cerevisia、Pichia、Kluyvermyces、Schizosaccharomyces
または Hansenula(Carter, J.J. らによる (1991), Virology, 182, 513 )、 例えば Spodoptera frugiperda、Trichoplusia ni 、Rachiplusia ou または G
alleria Mellonela からの昆虫細胞系 Lepidopteran 、または動物細胞COS、
C127、Vero、293およびHelaであり、これらは一般的に得られる
(例えば、WO 94/00152 号公報参照)。
【0029】 個々のパピローマウイルス特異的タンパク質に対するコード核酸は単離でき、
かつ、例えばPCR(polymerase chain reaction) 増幅手法により遺伝子バン
クからクローン化できる。例えば、BPV−1のゲノムは GenBankアクセス番号
X 02346の下に、またはHPV−16は GenBank アクセス番号K 02718の下に
一般的に得られる。例えばWO 94/05792 号公報には、HPV−16L1 配列も開
示されている。98アミノ酸長のHPV−16E7 タンパク質の配列は、例えば
Seedorf らによる (1985) Virology, 145, 181-185 中に記載がある。所望す
る核酸を取得する他の方法は、PCR手法によりパピローマウイルス特異的遺伝
子をいぼまたは腫瘍から直接単離することにある。HPV−16およびHPV−
18からのE6 およびE7 遺伝子に対する好適なプライマーは、例えば WO 93/2
1958 号公報中に開示がある。所望核酸に対するさらなる引例は、例えば Kirnb
auer, R.らによる (1994), supraであり、または上記EMBLデータバンクに寄
託したクローン類である。
【0030】 さらなる好ましい実施態様では、ベクターによりもたらされるさらなるアミノ
酸によって発現融合タンパク質が延長されない態様で発現ベクターが構築される
。このことは、例えば適切なプライマーオリゴヌクレオチド手法(Ho らによる
(1989) Gene, 77, 51-59) により、PCR反応における突然変異誘発により追
加的アミノ酸をコードする望ましからぬヌクレオチドの除去により遂行される。
このようにして追加的アミノ酸を含まず、したがって免疫学的副反応の原因であ
る追加的外来エピトープの可能性が無い融合タンパク質が得られる。
【0031】 上記融合タンパク質の発現後、これをさらに精製または復元するのが好ましい
。クロマログラフイーによる精製方法の例は、Hjorth, R. & Moreno-Lopez, L.
(1982) J. Virol. Meth. 5, 151; Nakai, Y. らによる (1987) J. Gen. Virol.
, 68, 1891; Hofmann, K. J. らによる (1995) Virology, 209, 506; Rose, R.
C. らによる (1993) J. Virol., 67, 1936; Sasagawa, T. らによる (1995) Vi
rology, 206, 126 または WO 95/31532 号公報中に見られる。
【0032】 この発明における組成物中のパピローマウイルス特異的タンパク質のさらなる
安定性に役立つ好適な添加剤および/または賦形剤の例は、例えば「Triton X-1
00」またはコール酸ナトリウム等の洗剤であるが、例えばポリエチレングリコー
ルまたはグリセロール等のポリオール、例えばスクロースまたはグルコース等の
糖類、例えばグリシンまたは具体的にはタウリンまたはベタイン等のアミノ酸の
ような双性イオン化合物、および/または例えばウシまたはヒト血清アルブミン
等のタンパク質も挙げられる。洗剤、ポリオールおよび/または双性イオン化合
物が好ましい。他の添加剤および/または賦形剤は、例えばアプロチニン、ε−
アミノカプロン酸またはペプスタチンA等のプロテアーゼ阻害剤である。
【0033】 この発明における他の目的は、この発明における調合物の生産方法であり、こ
の場合、上記パピローマウイルス特異的タンパク質を、例えば濃度約0.3から
約4M、好ましくは約0.4から約2.5〜3M、具体的には約0.4〜0.5
Mから1〜2M特に約1から2Mの塩をpH約7.3から約7.45好ましくは
約7.4で含み、さらに任意に適切な添加剤および/または賦形剤を含む溶液中
に導入し、および/または上記溶液に対して透析する。この配合物は、比較的長
期間例えば1〜2ケ月またはこれを超す期間に亙って約4℃または約−80℃で
安定して貯蔵できるので好ましい。
【0034】 この発明における配合物は医薬または診断薬として適する。したがってこの発
明は、本発明の配合物を医薬または診断薬として使用することにも関する。医薬
または診断薬として直ちに使用する場合、この発明における配合物を濃度約0.
45Mに調整するのが好ましい。具体的には、この医薬がアジュバントを含まず
、すなわちパピローマウイルス特異的タンパク質の抗原性を増幅する物質を含ま
ないことが好ましく、その理由は、抗原性は具体的にはLタンパク質特にL1 の
存在により既に適切に増幅されているからである。許認可当局により現在認可さ
れている唯一の免疫刺激材料はアルミニウム塩であるから、上記性質は医薬また
は診断薬としての許認可に際して特に有利である。
【0035】 この医薬は、パピローマウイルス特異的な良性または悪性腫瘍、具体的には喉
頭、頚部、陰茎、外陰または肛門の頚部上皮内癌等の悪性腫瘍の回避または治療
に、ならびに一種または二種以上のパピローマウイルス感染の診断用診断薬に特
に適する。診断薬の一例は、例えばパピローマウイルス特異的抗体の測定用(例
えば、Voller, A.らによる (1976) Bull. World Health Organ., 533, 55-63
参照)または例えば Hopflらによる (1991) Lancet. 1, 375-374) による皮膚試
験のためのELISAであり、当業者には既知の免疫診断薬である。
【0036】 一般的にこの医薬は、例えば皮下、筋肉内または粘膜経由等の経口的、非経口
的に、液状または懸濁状、エリキシル形状またはカプセル形状で、好ましくは注
射溶液または点滴溶液として投与できる。この発明における調合物の場合には、
特に有利なアジュバントを一緒に分散できる。
【0037】 したがってこの発明のさらなる目的は、注射溶液または点滴溶液としての、こ
の発明における調合物の使用に関する。
【0038】 注射溶液は、例えば約1から約20mlの比較的小量の溶液または懸濁物を身
体に投与する際に一般的には使用される。点滴溶液は、例えば1リットリまたは
それを超す量の大量の溶液または懸濁物を投与する場合に一般的には使用する。
点滴溶液とは対照的に注射溶液の場合には僅か数ミリリットルが投与されるので
、注射における血液または組織流体のpHおよび浸透圧からの微妙な差異は、痛
みに関してはそれ自体が感知できないか、または微々たる程度でのみ感知し得る
程度である。したがって、この発明における配合物の使用前希釈は、一般的には
必要がない。しかし、比較的大量投与の場合には、この発明における配合物は、
少なくとも等浸透圧溶液が得られるような態様で投与直前に希釈すべきである。
等浸透圧溶液の例は0.9%強度塩化ナトリウム溶液である。点滴の場合は、例
えば滅菌水を用いて希釈を行うことができ、一方、投与は例えば所謂バイパスを
介して実施できる。
【0039】 この発明における重要な利点は、この発明における配合物が免疫反応性パピロ
ーマウイルス特異的タンパク質の沈殿を本質的に起こさないことである。具体的
にはタンパク質の約90%を超す量、特に約95%を超す量が溶液中に残留し、
かつ同時に、少なくとも約12時間は析出しないことである。この免疫反応性パ
ピローマウイルス特異的タンパク質は、最大5000gの遠心分離によってさえ
も顕著に析出され得ない。加えて、この配合物は約1〜2カ月およびそれを超す
比較的長期に亙って均一かつ安定に残存する。 図面および次の実施例は、発明をさらに詳細に説明する目的のものであり、
範囲の制限を意図するものではない。
【0040】 図1は、塩濃度に対するウイルス様粒子の溶解性の依存度を示すグラフである
【0041】
【実施例】1.HPV16L1 E7 融合タンパク質をコードするキメラ遺伝子の調製 HPV−16L1 ΔC* E7 1-55を Muller らの (1997) supra に準拠して調
製した。 HPV−16L1 オープンリーデイングフレーム(ORF)を制限エンドヌク
レアーゼBg1 IIを用いてプラスミドHPV−16−114/k −L1 /L2 -pS
ynxtVT- (Kirnbauser, R. らによる(1994)J. Virol. 67, 6929)から
切除し、ベクターpUC19(New England Biolabs) 中でBamHIサイト中に
クローン化した。
【0042】 HPV−16L1 ΔC調製のために、HPV−16L1 ORFに相補の二つの
プライマーを構築した。最初のプライマーは次の配列: AAAGATATCTTGTAGTAAAAATTTGCGTCCTAAAGGAAAC を有し、第2プライマーは次の配列: AAAGATATCTAATCTACCTCTACAACTGCTAAACGCAAAAAACG を有した。
【0043】 両方のプライマーはEcoRV制限酵素切断サイト5’をコードする。下流に位
置するプライマーでは、HPV16L1 ORFの最後の34アミノ酸を欠失する
目的でTAA翻訳停止コドンがEcoRVに続く。全L1 ORFおよび全ベクター
を増幅する目的でPCR反応を実施した。この直鎖生成物をEcoRVで切断し、
T4 DNAリガーゼで環化し、E. coli DH5 α細胞をトランスフオームさせ
た。EcoRVサイトの存在に関して、このクローンを分析した。得られたpUC
HPV16L1 ΔC構築体を、HPV16E7 1-50のORFのEcoRVサイトへの
クローン化の目的で用いた。
【0044】 このフラグメントのクローン化のために、5’EcoRV制限酵素切断サイトを
有するプライマーを使用した。次のプライマー対を用いた: AAAAGATATCATGCATGGAGATACACCTACATTGC および TTTTGATATCGGCTCTGTCCGGTTCTGCTTGTCC このPCR生成物をEcoRVを用いて切断し、修飾L1 遺伝子のEcoRVサイ
トへ挿入した。
【0045】 EcoRVサイトの除去にために、クローンpUC−HPV16L1 ΔCE7 1-50 の二つの重複フラグメントを増幅する目的で二つのPCR反応を実施した。生成
DNAフラグメントはL1 /E7 境界の位置で重複した(四つのプライマーPC
R、Ho, S.N. らの (1989) Gene 77, 51)。しかし、これらのプライマーは二
つのEcoRV制限酵素切断サイトを含まなかった。フラグメント1はプライマー
P1およびP2を用いて調製し、フラグメント2はプライマーP3およびP4を
用いて調製した。 P1:GTTATGACATACATACATTCTATG(L1 ) P2:CCATGCATTCCTGCTTGTAGTAAAAATTTGCGTCC(E7 ) P3:CTACAAGCAGGAATGCATGGAGATACACC(E7 ) P4:CATCTGAAGCTTAGTAATGGGCTCTGTCCGGTTCTG(E7 )
【0046】 精製生成物の1/10を混合し、プライマーP1 およびP4 のみを用いたPC
R反応のマトリックスとして用いた。EcoNI(L1 )およびHindIII(
プライマーP4 上の停止コドンの下流)を用いて生成物を切断し、クローン化H
PV16L1 ORFのEcoNI/HindIIIフラグメントを置換基する目的で
これを使用した。したがって、生成したクローンは、二つの内部EcoRV制限酵
素切断サイトの消失、ならびにL1 ORFおよびE7 間の対応非HPVアミノ酸
AspとIleおよびE7 の下流の消失によりクローンHPV16L1 ΔCE7 1- 50 とは異なっている。最初のEcoRVサイトは、この位置(AlaGly)で本来のL
1 アミノ酸で置換した。第2のEcoRVサイトは翻訳停止信号により置換した
。このクローン(HPV16L1 ΔC* E7 1-52)はHPV16E7 の最初の52ア
ミノ酸を追加的に含んでなる。クローンHPV16L1 ΔC* E7 1-52は、P5 と
の組み合わせにおけるプライマーP1 の手助けでクローンHPV16L1 ΔC*
7 1-55の調製用に使用した。 P5:CATCTGAAGCTTATCAATATTGTAATGGGCTCTGTCCG(E71-55) 全ての場合、対応フラグメントを置換する目的でEcoNIおよびHindII
Iを使用した。このクローンはDNA配列決定により解析した。
【0047】2.組み換え Baculovirus の調製 Spodoptera frugiperda (Sf9)を、単層として、または10%胎児子牛血清お
よび2mMグルタミンを用いたTNM−FH昆虫媒体(Sigma, Deisenhofen)の
懸濁培地で使用した。組み換え baculovirus HPV16L1 ΔCE7 1-X を、1
0μgの組み換えプラスミドおよび2μgの直鎖化 Baculo-Gold DNA(Phar
mingen, San Diego, CA)のコントラフエクションによりSf9 細胞中にトランスフ
エクトさせた。組み換えウイルスはメーカー指示に従って精製した。発現試験の
目的で、106Sf9 細胞を組み換え Baculovirus および5から10のm.o.
i.(multiplicity of infection ;感染多重度)で感染させた。保温後、培地
を除き、PBS(140mM NaCl、 2.7mM KCl、 8.1mM Na2PO4 、1.5mM KH2PO4、pH
7.2)で洗浄した。次いで細胞をSDS試料緩衝剤中に溶菌し、SDSゲルクロ
マトグラフイーおよび免疫アッセイにより試験した。
【0048】3.ウイルス様粒子の精製 CVLPS 調製のために、Trichoplusia ni (TN) High Five 細胞を Ex-Cell
405 無血清培地(JRH, Biosciences, Lennexa, KS) 中でml当たりの密度1〜
1.5×106 細胞/mlまで27℃で培養した。400ml培地を収穫し、周
期的反転下に1時間、組み換え baculovirus を用いてm.o.i.2から5で感染さ
せた。培地240mlまでを添加し、3〜4日間細胞を培養した。次いで細胞を
ペレット化し、抽出緩衝液(25mM Tris/HCl, pH 7.5; 500mM NaCl, 1mM EDTA )
10ml中に再懸濁し、60ワットで45秒間超音波処理した。Sorvall SS34
ローターを用いた 10,000 rpm での遠心分離後、ペレットを6mlの抽出緩衝液
中に溶解し,60ワットで30秒間超音波処理し、再度遠心分離した。上澄み液
を併合し、40% (w/V) スクロースおよび57.5%(W/V) CsClの2段
勾配に処した。27,000 rpmのSW−28ローター中での遠心分離後、中間層およ
びCsCl層を採取し、CsCl密度1.38g/mlに調整し、45,000 rpmで
16時間遠心分離した。この勾配体を分画し、各フラクションをアンチHPV16
L1 mAb Camvirl (Pharmingen, San Diego, CA)によるウエスタンブロットに
より試験した。反応性フラクションを併合し、Centricon 30 ミクロ濃縮器(Am
icon Corp. Beverly, MA)を使用する限界濾過手段により Hepes 緩衝液(1mM
Hepes 、 149mM NaCl 、 0.5mM KCl、 pH 7.2 )に対して透析し、透過電子顕微
鏡手法によりCVLPs の存在を確認した。L1 E7 タンパク質の濃度は、クー
マシーブルーで汚染したSDSゲル中で標準BSAと比較することにより、ざっ
と決定した。
【0049】4.マイクロ透析実験 使用試料は、スクロースクッションおよび塩化セシウム平衡超遠心分離により
High Five細胞から単離されたウイルス様粒子を含むフラクションであ
った。全タンパク質濃度は0.29mg/mlおよびCVLP濃度は0.17m
g/mlであった。
【0050】 相当する溶液40mlをスクリュー型ふたを有する50mlプラスチック容器
中に導入した。ポア直径0.025μmの透析濾紙をこの溶液上に注意深く配設
したが、この濾紙は透析実施期間中に液面上に浮かんだ。純CVLP溶液30μ
lをこの濾紙上にピペットで置き、容器を密封した。液滴溶液が透析溶液(増強
NaCl濃度を用いた、50mM tris/ HCl)と交換されるように、少なく
とも12時間、容器を4〜6℃で放置した。ピストンピペットを用いてこの液滴
を取り除き、30μlの貯蔵溶液と平衡化させた。10,000g(10分、4
℃)での遠心分離後の上澄み液を、HPV16L1 に対する高次構造特異的モノク
ロナール抗体を用い、かつ、タンパク質検定においてELISA[Kemeny, D.M.
(1994) 次のELISAからの間接ELISA:ELISA、biological/medic
al laboratory, Gustav Fischer Verlag, Stuttgart, 111頁,Test 6.2 にお
ける酵素結合免疫吸着検定の使用]中で研究した。このタンパク質濃度を、標準
としてのウシ血清アルブンミンに対するバイシンコニン酸検定(Smith, P.K. ら
による (1985) Anal. Biochem., 150, 76-85)を用いて決定した。結果を図1に
示す。
【0051】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 塩濃度に対するウイルス様粒子の溶解性の依存度を示すグラフである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年5月3日(2000.5.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA32 CA07 DA02 EA02 GA11 4C085 AA03 BA76 BB11 CC21 GG02 GG04 GG05 4H045 AA11 AA30 CA01 DA86 EA28 FA72 FA73 FA74

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一種または二種以上のパピローマウイルスの少なくとも一つの後期タンパク質
    (Lタンパク質)および/または一種または二種以上のパピローマウイルスの少
    なくとも一つの初期タンパク質(Eタンパク質)、ならびに濃度約0.3から約
    4M、好ましくは約0.4から約2.5〜3M、具体的には約0.4〜0.5M
    から1〜2M特に約1から2Mの塩を、pH約7.3から約7.45好ましくは
    約7.4で含み、さらに任意に適切な添加剤および/または賦形剤を含む配合物
  2. 【請求項2】 塩が、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、好ましくはハロゲン化物ま
    たはリン酸塩、具体的にはアルカリ金属ハロゲン化物特にNaClまたはKCl
    であることを特徴とする、請求項1記載の配合物。
  3. 【請求項3】 pHを、緩衝剤好ましくはリン酸塩緩衝剤、トリス緩衝剤、HEPES緩衝剤
    またはMOPS緩衝剤を用いて調整することを特徴とする、請求項1または2記
    載の配合物。
  4. 【請求項4】 上記タンパク質またはタンパク質類が、パピローマウイルス非特異的エピトー
    プを含まないことを特徴とする、請求項1から3のいずか1項記載の配合物。
  5. 【請求項5】 Lタンパク質が、欠失Lタンパク質好ましくは欠失L1 および/またはL2 タ
    ンパク質であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項記載の配合物
  6. 【請求項6】 Lタンパク質が、C末端欠失Lタンパク質具体的にはC末端欠失L1 タンパク
    質であることを特徴とする、請求項5記載の配合物。
  7. 【請求項7】 約35アミノ酸まで、好ましくは約25から約35アミノ酸、具体的には約3
    2から約34アミノ酸がLタンパク質から欠失されることを特徴とする、請求項
    5または6記載の配合物。
  8. 【請求項8】 Eタンパク質が、欠失Eタンパク質特に欠失E6 および/または欠失E7 タン
    パク質であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項記載の配合物。
  9. 【請求項9】 欠失Eタンパク質がC末端欠失Eタンパク質好ましくはC末端欠失E7 タンパ
    ク質であることを特徴とする、請求項8記載の配合物。
  10. 【請求項10】 約55アミノ酸まで、好ましくは約5から約55アミノ酸、具体的には約38
    から約43アミノ酸が欠失されてなることを特徴とする、請求項8または9記載
    の配合物。
  11. 【請求項11】 Lタンパク質がEタンパク質に結合、好ましくはEタンパク質に融合してなる
    、請求項1から10のいずれか1項記載の配合物。
  12. 【請求項12】 上記タンパク質がキヤプシッドおよび/またはキヤプソマーの形態で存在する
    ことを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項記載の配合物。
  13. 【請求項13】 パピローマウイルスがヒトパピローマウイルス(HPV)であることを特徴と
    する、請求項1から12のいずれか1項記載の配合物。
  14. 【請求項14】 HPVが、HPV−6、HPV−11、HPV−16、HPV−18、HPV
    −31、HPV−33、HPV−35、HPV−39、HPV−42、HPV−
    45、HPV−52および/またはHPV−58から選択されることを特徴とす
    る、請求項13記載の配合物。
  15. 【請求項15】 添加剤および/または賦形剤が一種または二種以上の洗剤、ポリオールおよび
    /または双性イオン化合物であることを特徴とする、請求項1から14のいずれ
    か1項記載の配合物。
  16. 【請求項16】 上記タンパク質を、濃度約0.3から約4M、好ましくは約0.4から約2.
    5〜3M、具体的には約0.4〜0.5Mから約1〜2M特に約1から約2Mの
    塩をpH約7.3から約7.45好ましくは約7.4で含む溶液中に均一混合お
    よび/または上記溶液に対して透析することを特徴とする、請求項1から15の
    いずれか1項記載の配合物。
  17. 【請求項17】 医薬または診断約としての、請求項1から15のいずれか1項記載の配合物の
    使用。
  18. 【請求項18】 配合物がアジュバントを含有しないとを特徴とする、請求項17記載の使用。
  19. 【請求項19】 この医薬が、パピローマウイルス特異的腫瘍の回避用または治療用として役立
    つことを特徴とする、請求項17または18記載の使用。
  20. 【請求項20】 腫瘍が、喉頭、頚部、陰茎、外陰または肛門における上皮組織悪性腫瘍である
    ことを特徴とする、請求項19記載の使用。
  21. 【請求項21】 上記配合物を、注射溶液または点滴溶液としてとして使用することを特徴とす
    る、請求項17から20のいずれか1項記載の使用。
  22. 【請求項22】 診断薬が、一種または二種以上のパピローマウイルス感染の診断用に役立つこ
    とを特徴とする、請求項17記載の使用。
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