JP2002506647A - インターフェロンαプラスミドおよび送達システム、およびこれを作製しそして使用する方法 - Google Patents

インターフェロンαプラスミドおよび送達システム、およびこれを作製しそして使用する方法

Info

Publication number
JP2002506647A
JP2002506647A JP2000536861A JP2000536861A JP2002506647A JP 2002506647 A JP2002506647 A JP 2002506647A JP 2000536861 A JP2000536861 A JP 2000536861A JP 2000536861 A JP2000536861 A JP 2000536861A JP 2002506647 A JP2002506647 A JP 2002506647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasmid
sequence
coding sequence
composition
dna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000536861A
Other languages
English (en)
Inventor
ノードストロム,ジェフ
ペリクル,フェデリカ
ローラン,アラン
ラルストン,ロバート
Original Assignee
バレンティス・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by バレンティス・インコーポレーテッド filed Critical バレンティス・インコーポレーテッド
Publication of JP2002506647A publication Critical patent/JP2002506647A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/52Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • C07K14/54Interleukins [IL]
    • C07K14/5434IL-12
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/52Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • C07K14/555Interferons [IFN]
    • C07K14/56IFN-alpha
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/85Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for animal cells
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2830/00Vector systems having a special element relevant for transcription
    • C12N2830/42Vector systems having a special element relevant for transcription being an intron or intervening sequence for splicing and/or stability of RNA
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2840/00Vectors comprising a special translation-regulating system
    • C12N2840/20Vectors comprising a special translation-regulating system translation of more than one cistron

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、遺伝子送達および遺伝子治療に関し、そしてほ乳動物中におけるインターフェロンαの発現のための新規な核酸構築物、発現のために核酸構築物を組み込んだ送達のための製剤、およびこのような構築物および製剤を調製しそして使用するための方法を提供する。特に、本発明は、腫瘍活性を調節するために治療的なインターフェロンαコード核酸を細胞に送達するためのプラスミド構築物、それらの構築物を使用する方法(その他の剤、例えばサイトカイン、好ましくはIL-12との組合せ療法を含む)、それとともにその構築物を調製する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願 本出願は1997年10月10日に出願された米国特許出願第08/949,
160号および 1997年10月10日に出願された国際特許出願第PCT/
US97/18779号(各々Lyon & Lyon書類番号226/285
USおよびPCT)に関連しており、これらは両方とも1996年10月18日
に出願された米国特許出願第60/028,676号(Lyon & Lyon
書類番号222/086 US)に関連しており、これら三つすべてが”IL−
12遺伝子発現および送達系および使用”と題している(Nordstromら
による)。
【0002】 本出願はまた、1997年2月11日に出願された米国特許出願第08/94
9,160号(Lyon & Lyon書類番号224/084 US)および
1995年12月28日に出願された国際特許出願第PCT/US95/170
38号(Lyon & Lyon書類番号210/190 PCT)に関連して
おり、これらは両方とも1995年1月13日に出願された米国特許出願第08
/372,213号(Lyon & Lyon書類番号222/086 US)
に関連しており、これら三つすべてが”処方された核酸組成物および遺伝子治療
のためのその投与方法”と題している(Mumper Rollandによる)
【0003】 前記出願の各々は図を含む全文が本明細書において援用される。 技術分野 本発明は遺伝子送達および遺伝子治療に関しており、哺乳動物におけるインタ
ーフェロンα発現のための新規核酸構築物、発現のための核酸構築物を組み込ん
だ送達のための製剤、およびそのような構築物および製剤を製造および使用する
ための方法を提供する。特に、本発明は腫瘍活性を調節するため、細胞へ治療的
インターフェロンαコード化核酸を送達するためのプラスミド構築物、これらの
構築物の使用法(サイトカイン、好適にはIL−12のような他の薬剤との組み
合わせ治療を含んで)、ならびにそのような構築物を製造するための方法に関し
ている。
【0004】 背景技術 背景技術および本発明に関する以下の説明は、単に本発明の理解のために提供
されるものであり、本発明に対する従来の技術を記述または構成すると認めるも
のではない。
【0005】 プラスミドは遺伝子工学および遺伝子治療において重要な要素である。プラス
ミドは通常、形質転換により細菌細胞内へ導入でき、細胞中で自律的に複製する
環状DNA分子である。プラスミドは典型的にはクローン化DNAの増幅を可能
にしている。いくつかのプラスミドは細胞増殖中に20から50コピーで存在し
、タンパク質合成停止後には細胞当たり1000コピーより多くのプラスミドを
発生させることができる。Suzuiki et al.,Genetic A nalysis ,p404,(1989)。
【0006】 ヒト遺伝子治療に対する現在の非ウイルス法は、可能性を持つ治療的遺伝子が
プラスミド内へクローン化されることを必要としている。プラスミドを含む多量
の細菌宿主を発酵させ、続いての使用のためにプラスミドDNAが精製される。
プラスミドを使用する現在のヒト臨床試験はこの方法を利用している。(組換え
体DNA諮問委員会データ管理レポート、1994年12月、Human Ge ne Therapy 6:535−548)。遺伝子治療プラスミドを設計お
よび構築する場合、通常は治療的遺伝子および患者においてその発現を調節する
要素に焦点が当てられる。一般的に、治療的遺伝子および調節要素は都合がよく
および容易に利用可能な、現存するクローニングベクター内へ単に挿入される。
【0007】 プラスミド設計および構築はいくつかの鍵となる因子を利用している。第一に
、プラスミド複製起点がプラスミドコピー数を決定し、それは生成収率に影響す
る。高コピー数で複製するプラスミドは与えられた容量の培養物からのプラスミ
ド収率を増加させることができるが、過度のコピー数は細菌には有害であること
があり、望ましくない影響を与える(Fitzwater,et al.,Em bo J .7:3289−3297(1988);Urlin,et al., Mol.Gen.Genet .165:167−179(1979))。人工的
に構築されたプラスミドはしばしばその保持が不安定であり、プラスミドを持た
ない細胞の蓄積および生成収率の低下を導く。
【0008】 プラスミドを持たない細胞の問題を克服するため、抗生物質耐性表現型をコー
ドする遺伝子をプラスミドに含ませ、プラスミドを持たない細胞を殺すまたは阻
害するために抗生物質が加えられる。ほとんどの一般的目的のクローニングベク
ターはアンピシリン耐性(β−ラクタマーゼ、またはbla)遺伝子を含んでい
る。しかしながら、アンピシリンの使用には問題があり、精製されたDNA中に
残存する抗生物質は処置された患者においてアレルギー性反応を起こすことがあ
る。加えて、β−ラクタム抗生物質は疾患処置のために臨床的に重要なものであ
る。抗生物質耐性遺伝子を含んだプラスミドが使用された場合、抗生物質耐性遺
伝子の病原体への転移が起こる可能性がある。
【0009】 他の研究では、細菌トランスポゾンTn5由来のneo遺伝子を使用してきた
。neo遺伝子はカナマイシンおよびネオマイシンの耐性をコードしている(S
mith,Vaccine 12:1515−1519(1994))。この遺
伝子はいくつかのヒト臨床試験(組換え体DNA諮問委員会データ管理レポート
、1994年12月、Human Gene Therapy 6:535−5
48)を含む多くの遺伝子治療研究に使用されてきた。耐性が授けられるその機
構のため、残存抗生物質および病原体への遺伝子の伝播はβ−ラクタムよりも問
題が少ないであろう。
【0010】 宿主細菌(大腸菌のような)内でプラスミドの挙動に影響する要素に加え、プ
ラスミドベクターは真核細胞中のトランスフェクションおよび発現に影響するこ
とも示されている。ある種のプラスミド配列は、シスで運ばれる場合、真核細胞
中で真核生物遺伝子の発現を減少させることが示されている(Peterson
,et al.,Mol.Cell.Biol.7:1563−1567(19
87);Yoder and Ganesan,Mol.Cell.Biol
3:956−959(1983);Lusky and Botchan,Na ture 293:79−81(1981);およびLeite,et al.
Gene 82:351−356(1989))。プラスミド配列はまた、思
いがけなく転写調節タンパク質の結合部位を含んでいることも示されている(G
hersa,et al.,Gene 151:331−332(1994);
Tully and Cidlowski,Biochem.Biophys. Res.Comm .144:1−10(1987);およびKushner,e
t al.,Mol.Endocrinol.8:405−407(1994)
)。このことは処置される患者における不適切なレベルの遺伝子発現を起こし得
る。
【0011】 インターフェロンαは単独でまたは他の薬剤と組み合わせて、特に癌を含むあ
る種の疾患処置のための異なった送達系での使用が提案されている遺伝子産物で
ある。1997年1月3日に公開された国際特許公開WO/97/00085号
はインターフェロンαおよびIL−12のような別の免疫調節分子による腫瘍細
胞の生体外トランスフェクションを提案している。従来提案された処置はどれも
、一部の高い費用および生体外法に含まれる技術的困難性のために完全に満足す
るものではなかった。従って、本分野ではインターフェロンαをコード化してい
る改良されたプラスミドおよび改良された処置プロトコールおよび技術に対する
要求が未だに残されている。
【0012】 要約 本発明は遺伝子送達および遺伝子治療に関しており、哺乳動物におけるインタ
ーフェロンの発現のための新規核酸構築物、発現のための核酸構築物を取り込ん
だ送達のための製剤、およびそのような構築物および製剤を製造および使用する
ための方法を提供する。特に、本発明は腫瘍活性を調節するため、細胞へ治療的
インターフェロンαコード化核酸を送達するためのプラスミド構築物、これらの
構築物の使用法(サイトカイン、好適にはIL−12のような他の薬剤との組み
合わせ治療を含んで)、ならびにそのような構築物を製造するための方法に関し
ている。本明細書に示された医薬的に許容可能な、費用が安く、および高度に有
効な送達系は本分野では予期されなかった改良を示している。
【0013】 第一の態様において、本発明はCMVプロモーターおよび場合によりインター
フェロンαコード配列に転写可能に連結された合成5’イントロンおよび3’非
翻訳領域(UTR)を含むプラスミドを特色としている。好適には、3’UTR
は3’成長ホルモンUTRである。
【0014】 本明細書で使用される場合、用語”プラスミド”とは遺伝物質(即ち、核酸)
で作製された構築物を意味している。それは挿入されたコード配列が真核細胞中
で転写できるように配置された遺伝子要素を含んでいる。また、プラスミドはウ
イルス核酸からの配列を含んでいてもよいが、そのようなウイルス配列はウイル
ス粒子内へのプラスミドの取り込みを起こさず、従ってプラスミドは非ウイルス
ベクターである。好適には、プラスミドは閉環DNA分子である。
【0015】 ”サイトメガロウイルスプロモーター”とは転写プロモーターおよび上流エン
ハンサー配列として真核細胞中で機能的であるサイトメガロウイルス由来の一つ
またはそれ以上の配列を意味している。エンハンサー配列は付随するプロモータ
ーからのより高頻度の転写を起こすことを可能にする。
【0016】 本明細書の文脈において、”転写可能に連結された”とは、転写に適した系に
おいて、転写は調節配列の指示下で開始され、その調節配列に転写可能に連結さ
れている配列によって進行するであろうことを意味している。好適には、生じる
転写物において、得られる翻訳産物を変化させるであろう突然変異は起こらない
【0017】 用語”コード領域”または”コード配列”とは、正常の塩基対形成およびコド
ン利用関係に従って、発現が望まれる特定の遺伝子産物をコード化している核酸
配列を指している。それ故、コード配列は機能的な所望の生成物が産生されるた
めに、適切な長さの転写体が生成されおよび適切な読み枠内で翻訳が行われるよ
うな関係で転写調節配列(できるなら調節要素および翻訳開始および終止コドン
を含む)に対して位置していなければならない。
【0018】 好適な態様において、インターフェロンαコード配列はヒトインターフェロン
αのためのものであり、好適には、SEQ ID NO:11のヌクレオチド配列のような最
適コドン利用を有する合成配列、またはSEQ ID NO:12のヌクレオチド配列のよう
な準最適コドン利用をを有する合成配列である。
【0019】 本発明のプラスミドでの使用に適したコード領域の特別の例はヒトインターフ
ェロンαをコードしている天然配列である。それ故、好適な態様において、コー
ド領域はヒトインターフェロンαをコード化している天然ヌクレオチド配列であ
るSEQ ID NO:10と同一のヌクレオチド配列を持っている。しかしながら、合成コ
ード配列であるインターフェロンαコード配列を持つのが好ましいであろう。好
適な態様において、インターフェロンαコード配列は最適または準最適コドン利
用を利用している合成配列、好適にはSEQ ID NO:11またはSEQ ID NO:12に示した
配列である。
【0020】 従って、”ヒトインターフェロンαをコードする配列”または”ヒトインター
フェロンαコード配列”とは、通常の塩基対形成および翻訳コドン利用関係に基
づいてヒトインターフェロンαのアミノ酸配列をコード化している核酸配列であ
る。コード配列は正確な天然のヒトインターフェロンの完全アミノ酸配列をコー
ド化していることが望ましいが、それは必須ではない。ポリペプチドがインター
フェロンα活性を保持している限り、コード化されたポリペプチドは天然ヒトイ
ンターフェロンαと異なっていてもよく、好適にはポリペプチドは天然ヒトイン
ターフェロンα活性の少なくとも50%、75%、90%または97%の、より
好適には天然ヒトインターフェロンαと完全に同じ活性である。従って、インタ
ーフェロンαコード配列によりコード化されているポリペプチドは天然ヒトイン
ターフェロンαポリペプチドと少し異なっていてもよく、好適には15%、10
%、5%または1%未満の変化である。そのような変化は一つまたはそれ以上の
アミノ酸の欠失、付加または置換のような多数の異なった型の一つであろう。
【0021】 用語”転写調節配列”とは、転写可能に連結されたコード領域の転写速度を調
節する配列を意味している。それ故、本用語はプロモーター、オペレーターおよ
びエンハンサーのような要素を含むことができる。特定の転写ユニットについて
、転写調節配列は少なくともプロモーター配列を含んでいるであろう。
【0022】 ”成長ホルモン3’非翻訳領域”は材料ポリペプチドをコード化している領域
の下流(即ち、3’)に位置している配列であり、成長ホルモン遺伝子、好適に
はヒト成長ホルモン遺伝子からの天然3’UTR/ポリ(A)シグナルの少なく
とも一部の配列を含んでいる。この領域は一般的に転写されるが翻訳されない。
真核細胞での発現には、一般的にポリA尾部の付加の信号を出す配列を含んでい
ることが好適である。他の合成遺伝子要素と同様に、合成3’UTR/ポリ(A
)シグナルは天然に存在するUTR要素と異なった配列を持っている。
【0023】 本配列は、例えば、ALU反復配列の欠損により修飾されていてもよい。その
ようなALU反復配列の欠失はトランスフェクトされた細胞中での発現カセット
および遺伝物質間の相同的組換えの可能性を減少させるように働く。
【0024】 プラスミドは好適にはプロモーター、TATAボックス、キャップ部位および
第一のイントロンおよびコード配列発現に適切な関係にあるイントロン/エキソ
ン境界を含んでいる。プラスミドはまたプロモーターおよびコード配列間、およ
び/またはトリ骨格α−アクチン遺伝子からのイントロン/5’UTRに挿入さ
れた5’mRNAリーダー配列も含んでいるであろう。また、プラスミドは図5
に示されたような、プラスミドpIF0921のヌクレオチド配列と同一である
ヌクレオチド配列を持っていてもよい。
【0025】 プラスミドはまた:(a)第一の5’非翻訳領域に転写可能に連結された第一
の転写調節配列、第一のイントロン、第一のコード配列および第一の3’非翻訳
領域/ポリ(A)シグナルを含有し、ここで第一のイントロンは調節配列と第一
のコード配列との間に位置する、第一の転写ユニット;および第二の5’非翻訳
領域に転写可能に連結された第二の転写調節配列、第二のイントロン、第二のコ
ード配列および第二の3’非翻訳領域/ポリ(A)シグナルを含有し、ここで第
二のイントロンは調節配列および第二のコード配列の間に存在する、第二の転写
ユニット;ここで第一および第二のコード配列はヒトIL−12 p40サブユ
ニットをコードしているSEQ ID NO:2、3、4または25の配列、およびヒトIL− 12 p35サブユニットをコードしているSEQ ID NO:6、7、8または24の配列 を含んでいる。
【0026】 用語”転写ユニット”または”発現カセット”とは、転写の開始および終止を
指示する配列要素とともに少なくとも一つのコード配列を含むヌクレオチド配列
を意味している。しかしながら、転写ユニットは追加の配列を含んでいてもよく
、それらには転写後または翻訳後プロセシングに関する配列が含まれるであろう
。好適な態様において、第一の転写調節配列または第二の転写調節配列は、一つ
またはそれ以上のサイトメガロウイルスプロモーター配列を含んでいる。第一の
または第二の転写調節配列は同じでも異なっていてもよい。
【0027】 ”5’非翻訳領域”または”5’UTR”とはプロモーター領域の3’および
コード領域下流の5’側に位置している配列を意味している。従って、転写され
るうち、そのような配列は翻訳開始コドンの上流になり、ポリペプチド生成物の
一部として翻訳されない。
【0028】 本明細書に記載されているプラスミドについては、一つまたはそれ以上のプロ
モーター、5’非翻訳領域(5’UTR)、3’UTR/ポリ(A)シグナルお
よびイントロンは、合成配列であってもよい。本発明の文脈において、用語”合
成の”とは、配列がその型の天然に存在する遺伝子要素の配列から直接的に提供
されるのではなく、むしろ人工的に作製された配列(即ち、分子生物的方法によ
りヒトにより作製された)であることを意味している。そのような合成配列の一
つまたはそれ以上の部分は天然に存在する配列の部分と同じであるかもしれない
が、特定の遺伝子要素の全配列はその型の天然に存在する遺伝子要素とは異なっ
ている。そのような合成遺伝子要素の使用は、その要素の機能的特性が所望の機
能のために適切に設計されていることを可能にする。
【0029】 従って、”合成イントロン”とは、天然に存在するイントロン配列ではないが
、正常の翻訳後プロセシングの間にRNA転写体から除去されるであろう配列に
適用される。そのようなイントロンは種々の異なった特性を持つように設計でき
、特にそのようなイントロンは所望のスプライス部位強度を持つように設計でき
る。
【0030】 治療的分子の”サブユニット”は、一つまたはそれ以上の他の分子と結合して
適切な薬理学的活性を持っている複合体を形成する、ポリペプチドまたはRNA
分子である。そのような複合体の例には、ホモダイマーおよびヘテロダイマーな
らびにより多数のサブユニットを持っている複合体が含まれる。ヘテロダイマー
の特別の例は、p40およびp35サブユニットを持っているIL−12である
【0031】 ”p40サブユニット”はIL−12ヘテロダイマーの二つのサブユニットの
大きな方である。従って、それはp35サブユニットと会合できてIL−12に
特徴的な活性を持っている分子を形成する。ヒトp40はSEQ ID NO:1のアミノ 酸配列を持っている。当業者は本分子が、欠失、挿入または一つまたは数個のア
ミノ酸の変更のように、配列に多数の変形を有しうること、一方で、p35と会
合した場合には未だにIL−12活性を保持していることを認識するであろう。
そのような活性な変形分子もまたp40とみなされる。
【0032】 逆に、”p35サブユニット”はIL−12ヘテロダイマーの二つのサブユニ
ットの小さい方である。ヒトについて、p35はSEQ ID NO:5のアミノ酸配列を 持っている。p40のように、p35はその配列からの低レベルの変形を有しう
るが、依然としてp35とみなされる。
【0033】 本発明のプラスミドでの使用に適したコード領域の特別な例はヒトIL−12
のp40およびp35サブユニットをコードしている天然配列である。従って、
好適な態様において、第一および第二のコード領域はこれらの配列のコード領域
であり、好適には、5’から3’の方向にp40続いてp35の順である。
【0034】 従って、”ヒトIL−12のp40サブユニットをコードしている配列”とは
正常の塩基対形成および翻訳コドン利用関係に基づき、上記のようなヒトp40
サブユニットをコードしている核酸配列である。ヒトIL−12のp35サブユ
ニットをコードしている配列も同様に定義される。
【0035】 好適な態様において、ヒトIL−12のp40サブユニットをコードしている
配列はヒトIL−12のp35サブユニットをコードしている配列の5’側であ
る。当業者はインターフェロンα、p35サブユニットおよびp40サブユニッ
トはすべて単一の転写ユニット上にあってもよいこと、三つすべてが別々の転写
ユニット上にあってもよいこと、または二つのコード配列が一つの転写ユニット
上におよび他のコード配列が別の転写ユニット上にあってもよいことを理解する
であろう。
【0036】 プラスミドはまた可変的スプライシングを持っているイントロン、第一のコー
ド配列および第二のコード配列を含んでいてもよく、ここで第一および第二のコ
ード配列はヒトIL−12 p40サブユニットをコードしているSEQ ID NO:2 、3、4たは25列、およびヒトIL−12 p35サブユニットをコードしている
SEQ ID NO:6、7、8または24の配列を含んでいる。
【0037】 好適な態様において、プラスミドはまた:(a)第一のコード配列および第二
のコード配列に転写可能に連結されている転写調節配列;(b)5’非翻訳領域
;(c)第一のコード配列の5’側のイントロン;(d)第一のコード配列の3
’側および第二のコード配列の5’側に位置する選択的スプライス部位;および
(e)3’非翻訳領域/ポリ(A)シグナルを持っている。転写調節配列は好適
にはサイトメガロウイルスプロモーター配列を含んでいる。
【0038】 好適な態様において、プラスミドはまた:(a)第一のコード配列、IRES
配列、第二コード配列、そして3’−非翻訳領域/ポリ(A)シグナルと転写可
能に連結している転写調節配列であって、前記IRES配列は前記第一コード配
列と前記第二コード配列との間にあり;そして(b)前記プロモーターと前記第
一コード配列との間にあるイントロン;を有しており、ここで前記第一および第
二コード配列が、ヒトIL−12 p40サブユニットをコードするSEQ ID NO:
2、3、4または25の配列、そしてヒトIL−12 p35サブユニットをコード するSEQ ID NO:6、7、8または24の配列を有する。転写調節配列は好適にはサイ トメガロウイルスプロモーター配列を含んでおり、およびIRES配列は好適に
は脳心筋炎ウイルス由来である。
【0039】 遺伝子発現のためのコード配列の送達には、核酸配列に加えて1またはそれ以
上のその他の構成要素を含む、送達組成物を提供するのが一般的に有用である。
そのような組成物は、例えば、DNAの完全性の維持および/またはDNAの細
胞取り込みの促進を助けることができ、および/またはそれ自身で免疫促進効果
を持っているような非DNA成分によるように、免疫原生促進剤として作用する
【0040】 それ故、別の態様において、本発明は前記のようなプラスミドおよび保護的で
相互作用的な非縮合化合物(PINC)を含んでいる組成物を特色とする。 PINCはin vivoで哺乳動物細胞への核酸分子送達を促進し、および
好適には核酸分子は細胞内で発現されるべき遺伝子産物のためのコード配列を含
んでいる。多くの場合、適切な遺伝子産物はポリペプチドまたはタンパク質であ
る。好適には、PINCがゲルを形成しないような条件下、または投与時にゲル
形が存在しないように30−40℃でPINCが使用される。従って、これらの
組成物において、PINCは30%(w/v)未満の濃度で存在している。いく
つかの好適な態様において、PINC濃度はさらに少ない、例えば、20%未満
、10%未満、5%未満または1%未満である。それ故、これらの組成物は、例
えば、植物プロトプラストのエチレングリコール媒介トランスフェクション、ま
たは薬剤または核酸送達のためのゲル形成において、化合物が高濃度で使用され
ているこれらのまたは類似の化合物の使用とは化合物濃度および機能的効果が異
なっている。一般に、PINCとして使用される条件下ではPINCはゲル形で
はないが、ある種の化合物はいくつかの条件下でゲルを形成してもよい。
【0041】 本発明の化合物および組成物に関連し、用語”保護する”または”保護的”と
は、核酸の分解速度が特定の環境で減少するような、化合物および核酸間の相互
作用の効果を意味している。そのような分解は、特には、ヌクレアーゼの酵素的
作用が含まれる、種々の異なった因子によるものである。保護的作用は、例えば
、ヌクレアーゼ分子の排除により、または水の排除により、複数の異なった方法
で提供される。
【0042】 核酸を保護しおよび/または核酸の生物学的利用能を長くするいくつかの化合
物はまた、分子間力および/またはファンデルワールス力、イオン−双極子相互
作用、イオン誘導双極子相互作用、水素結合、イオン結合のような原子価結合に
より核酸と相互作用または会合するであろう。これらの相互作用は以下のように
機能して働くであろう:(1)遮蔽により立体選択的にヌクレアーゼから核酸を
保護する;(2)”ピギーバックエンドサイトーシス”により核酸の細胞取り込
みを容易にする。ピギーバックエンドサイトーシスとはエンドサイトーシスによ
り取り込まれる担体へ複合体化された薬剤または他の分子の細胞取り込みである
(本明細書において援用される、CV Uglea and C Dumitr
iu−Medvichu,Medical Applications of
Synthetic Oligomers,Polymeric Biomat erials ,Severian Dumitriu ed.,Marcel
Dekker,Inc.,1993)。
【0043】 示された望まれる効果を達成するには、核酸を保護しおよび/または核酸の生
物学的利用能を長くする化合物は両親媒性特性を持っている;即ち、親水性およ
び疎水性領域の両方を持っていることが望ましいが、しかし必須ではない。化合
物の親水性領域は主として核酸のイオン性および親水性領域と会合し、一方、化
合物の疎水性領域は核酸の拡散を遅くし、ヌクレアーゼから核酸を保護するよう
に働きうる。
【0044】 さらに、疎水性領域は特に細胞膜と相互作用し、ことによると化合物およびそ
れにより化合物と会合している核酸のエンドサイトーシスも容易にする。この過
程は核酸の細胞周辺濃度を増加させるであろう。
【0045】 両親媒性特性を持っており、および医薬的に許容可能であると一般的に考えら
れている試薬は以下のものである:ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコー
ル;ポリビニルアセテート;プロピレングリコール;ポリエチレングリコール;
ポロキサマー(プルロニックス);ポロキサミン(テトロニックス);エチレン
ビニルアセテート;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース;ヘテロポリサッカライド(ペクチン);キトサ
ン;ホスファチジルコリン(レシチン);ミグリオール;ポリアクチ酸;ポリヒ
ドロキシ酪酸;キサンタンガム。また、ポリエチレングリコール−ポリアクチ酸
(PEG−PLA)、ポリエチレングリコール−ポリヒドロキシ酪酸(PEG−
PHB)、ポリビニルピロリドン−ポリビニルアルコール(PEG−PVA)の
ような共重合体系およびN−ビニルプリン(またはピリミジン)誘導体およびN
−ビニルピロリドンの共重合体のような誘導体化共重合体。しかしながら、以下
に説明するように前記の化合物のすべてが保護的で相互作用的な非縮合化合物で
はない。
【0046】 これらの組成物の保護的で相互作用的な非縮合化合物に関して、用語”非縮合
”とは会合した核酸分子が、組成物で使用される濃度においてPINCとの相互
作用により縮合または崩壊されないことを意味している。従って、PINCは縮
合多量体とは型および/または使用濃度が異なっている。通常使用される縮合多
量体の例にはポリリジンおよびカスケード多量体(球形ポリカチオン)が含まれ
る。
【0047】 またそのような化合物および会合核酸分子に関して、用語”送達を促進する”
とは、少なくともPINCおよび核酸の量が最適化され、食塩水での核酸の送達
と比較してより大きな生物学的効果が得られるような状態を意味している。従っ
て、核酸分子によりコード化されている遺伝子産物の発現が望まれる場合、特定
のPINC/コード配列の組み合わせに適した方法による送達においては、PI
NC:核酸組成物で得られる発現レベルが食塩水中の同量の核酸で得られる発現
よりも高くなる。
【0048】 前記組成物の好適な態様において、PINCはポリビニルピロリドン(PVP
)、ポリビニルアルコール(PVA)、PVP−PVA共重合体、N−メチル−
2−ピロリドン(NM2P)、エチレングリコールまたはポリエチレングリコー
ルである。組成物にポロキサマー(プルロニックス)が使用される場合、核酸は
好適にはウイルスベクターではない、即ち、核酸は非ウイルスベクターである。
【0049】 別の好適な態様において、PINCは標的化リガンドに結合されている。その
ような標的化リガンドはガラクトシル残基、フコサル残基、マンノシル残基、カ
ルニチン誘導体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ペプチドリガンド
およびDNA結合タンパク質を含む(しかしこれらに制限されるわけではない)
種々の異なった型であろう。標的化リガンドは抗原提示細胞、肝細胞、筋細胞、
上皮細胞、内皮細胞および癌細胞のような細胞上のレセプターと結合する。
【0050】 標的化リガンドおよびPINCの会合に関連して、用語”結合した”とは、物
理的会合が熱力学的に好まれ、少なくともその会合に対する自由エネルギー関数
が局所的に最小を示しているように、一部がお互いに相互作用することを意味し
ている。そのような相互作用には共有結合またはイオン性、水素結合、ファンデ
ルワールス相互作用、疎水性相互作用およびそのような相互作用の組み合わせの
ような非共有結合相互作用が含まれる。
【0051】 標的化リガンドは種々の型であろうが、一つの態様においてリガンドは抗体で
ある。モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体の両方が利用される。 核酸もまた種々の形で存在する。好適には、核酸は物理的形を変える化合物と
は会合しないが、別の態様において核酸は縮合され(縮合多量体によるように)
、陽イオン性脂質で処方され、ペプチドと処方され、または陽イオン性多量体で
処方される。
【0052】 好適な態様において、保護的で相互作用的な非縮合化合物はポリビニルピロリ
ドンであり、および/またはプラスミドは0.5%から50%の間のPVP、好
適には約5%のPVPを含む溶液に存在している。DNAは好適には少なくとも
約80%がスーパーコイル型、より好適には少なくとも約90%がスーパーコイ
ル型、最も好適には少なくとも約95%がスーパーコイル型である。
【0053】 本発明の別の態様は、保護的で相互作用的な非縮合化合物を含んでいる組成物
およびインターフェロンαコード配列を含んでいるプラスミドを特徴としている
【0054】 さらに別の態様において、本発明は本発明のプラスミド(またはインターフェ
ロンαコード配列を含んでいるプラスミド)および中性共脂質を伴う陽イオン性
脂質を含んでいる組成物を提供する。
【0055】 好適には、陽イオン性脂質はDOTMAであり、中性共脂質はコレステロール
(chol)である。DOTMAは1,2−ジ−O−オクタデセニル−3−トリ
メチルアンモニウムプロパンであり、それは本明細書において援用される199
0年1月30日に発行されたEppsteinらによる米国特許第4,897,
355号に開示および説明されている。しかしながら、他の脂質および脂質組み
合わせが別の態様で使用される。種々のそのような脂質は本明細書において援用
されるGao&Huang(1995,Gene Therapy 2:710
−722)に説明されている。
【0056】 陽イオン性脂質およびDNAの電荷比もまた重要な因子であり、好適な態様に
おいて、DNAおよび陽イオン性脂質は負電荷対正電荷比が約1:3になるよう
な量で存在している。好適ではあるが、比は必ずしも1:3である必要はない。
従って、組成物の電荷比は好適には約1:1から1:10、より好適には約1:
2から1:5の間である。
【0057】 用語”陽イオン性脂質”とは生理学的pHで正味の正電荷を持ち、好適にはそ
のようなpHでは負電荷を持っていない脂質を意味している。そのような脂質の
例はDOTMAである。同様に、”中性共脂質”とは生理学的pHで通常は荷電
されていない脂質を意味している。そのような脂質の例はコレステロールである
【0058】 従って、DNAおよび陽イオン性脂質における”負電荷対正電荷比”とは陽イ
オン性脂質上の正味正電荷と比較したDNA上の正味負電荷間の比を意味してい
る。
【0059】 DNAの形は発現効率に影響するので、DNAは好適には少なくとも約80%
がスーパーコイル型、より好適には少なくとも約90%がスーパーコイル型、最
も好適には少なくとも約95%がスーパーコイル型である。組成物は好適には、
約10%ラクトースから本質的に成る等張炭水化物溶液のような等張炭水化物溶
液を含んでいる。好適な態様において、陽イオン性脂質および中性共脂質の組成
物は約800ナノメーターの射出サイズを持っているリポソームとして製造され
る。好適にはリポソームは約20から800nmの間、より好適には約50から
400nmの間、さらにより好適には約75から200nmの間、および最も好
適には約100nmの平均直径を持つように製造される。微流動化がリポソーム
の製造の好適な方法である。
【0060】 本発明の別の態様は(a)インターフェロンαコード配列を含んでいるプラス
ミドおよび中性共脂質を伴う陽イオン性脂質を持っている第一の成分、ここで陽
イオン性脂質はDOTMAでありおよび中性共脂質はコレステロールであり、こ
こでプラスミド中のDNAおよび陽イオン性脂質は負電荷対正電荷比が約1:3
になるような量で存在している;および(b)保護的で相互作用的な非縮合化合
物を含んでいる第二の成分を含み、ここで第一の成分は第二の成分内に存在して
いる;の組成物を特徴としている。
【0061】 別の態様において、本発明は保護的で相互作用的な非縮合化合物、インターフ
ェロンαコード配列を含んでいる第一のプラスミド、および独立してIL−12
p35またはIL−12 p40サブユニットコード配列を持っている一つま
たはそれ以上の別のプラスミドを持っている組成物を提供する。
【0062】 別の態様において、本発明はプラスミド内へインターフェロンαコード配列に
転写可能に連結されたCMVプロモーター、および成長ホルモン3’非翻訳領域
を挿入することにより前記のいずれかのプラスミドを作製する方法を特徴として
いる。 本発明はまた前記の組成物を作製する方法も提供する。本方法は(a)
転写ユニットを持っているDNA分子を製造し、ここで転写ユニットはインター
フェロンαコード配列を含んでいる;(b)保護的で相互作用的な非縮合化合物
を製造し;および(c)哺乳動物へインターフェロンαコード配列の治療的有効
量を送達できる組成物が形成されるような条件下で保護的で相互作用的な非縮合
化合物とDNAを混合することを含みうる。
【0063】 好適にはDNA分子はプラスミドであり、プラスミドはインターフェロンαコ
ード配列に転写可能に連結されたCMVプロモーター、およびヒト成長ホルモン
3’非翻訳領域/ポリ(A)シグナルを含んでいる。
【0064】 本方法は以下の工程を含んでいる:(a)インターフェロンαコード配列を持
っているDNAを製造し;(b)陽イオン性脂質および中性共脂質の混合物を製
造し、ここで陽イオン性脂質はDOTMAでありおよび中性共脂質はコレステロ
ールである;および(c)負電荷対正電荷比が約1:3になるように陽イオン性
脂質およびDNAが存在するような量で混合物とDNAを混合する。
【0065】 別の態様において、本方法は以下の工程を含んでいる:(a)インターフェロ
ンαコード配列を含んでいるプラスミドおよび中性共脂質を伴う陽イオン性脂質
を持っている第一の成分を製造し、ここで陽イオン性脂質はDOTMAでありお
よび中性共脂質はコレステロールであり、ここでプラスミド中のDNAおよび陽
イオン性脂質は負電荷対正電荷比が約1:3になるような量で存在している;(
b)保護的で相互作用的な非縮合化合物を持っている第二の成分を製造し;およ
び(c)生じる組成物が第二の成分内に第一の成分を含むように第一および第二
の成分を混合する。
【0066】 別の態様において、本方法は以下の工程を含んでいる:(a)保護的で相互作
用的な非縮合化合物を製造し、(b)インターフェロンαコード配列を持ってい
る第一のプラスミドを製造し、(c)独立してIL−12 p35またはIL−
12 p40サブユニットコード配列を持っている一つまたはそれ以上の別のプ
ラスミドを製造し、および(d)保護的で相互作用的な非縮合化合物、インター
フェロンαコード配列を持っている第一のプラスミドおよび別のプラスミド混合
する。
【0067】 別の態様において、本方法は症状または疾患を患っている哺乳動物に治療的に
有効量の本明細書中に記載のプラスミドを投与することによる、哺乳動物の症状
または疾患の処置のための方法を提供する。
【0068】 組成物の”治療的に有効量”とは疾患または症状の徴候または指標の少なくと
も一時的な軽減または改善を起こすのに十分な量である。従って、この量はまた
薬理学的効果を起こすのにも十分である。組成物のこの量は永続的な改善または
すべての徴候または指標の改善を起こす必要はない。癌治療の治療的有効量は転
移性疾患の場合、総合的な腫瘍の負荷(即ち、転移の数またはそれらのサイズ)
を減少させるような量または局在化癌においては腫瘍の腫瘤を減少させるような
量であろう。
【0069】 症状または疾患とは好適にはアデノーマおよびアデノカルチノーマを含む上皮
腺癌(epithelial grandular cancer);ポリープ
、乳頭腫、扁平上皮および移行上皮癌を含む扁平上皮癌および移行性癌;組織型
陽性、肉腫およびその他(腫瘤)を含む結合組織癌;リンパ腫、白血病およびホ
ジキン病を含む造血およびリンパ性網皮細胞癌;神経腫、肉腫、神経線維腫およ
び芽腫を含む神経組織癌;奇形種および奇形癌を含む起源癌の混合組織のような
癌である。処置のために応用できる他の癌性状態には、以下の癌が含まれる:副
腎、肛門、胆管、膀胱、脳腫瘍:成人、乳腺、未知の原発部位の癌、胃腸管の癌
様腫、子宮頚、小児癌、結腸および直腸、食道、胆嚢、頭部および頚部、島細胞
および他の膵臓癌、カポジ肉腫、腎臓、白血病、肝臓、肺:非小細胞、肺:小細
胞、リンパ腫:AIDS関連、リンパ腫:ホジキン病、リンパ腫:非ホジキン病
、黒色腫、中皮腫、転移性癌、多発性骨髄腫、卵巣、卵巣生殖細胞腫瘍、膵臓、
副甲状腺、陰茎、脳下垂体、前立腺、骨および軟組織の肉腫、皮膚、小腸、胃、
精巣、胸腺、甲状腺、絨毛性疾患、子宮:子宮内膜癌、子宮:子宮肉腫、膣、ま
たは外陰部。ex vivoでも本方法は実施することができるが、組成物は好
適には注射により投与される。
【0070】 別の態様において本発明は、細胞をトランスフェクトするのに十分な時間、細
胞と本明細書に記載したプラスミドを接触させることによるin vivo位置
での細胞へのトランスフェクション(即ち、細胞への遺伝子の送達および発現)
のための方法を提供する。細胞のトランスフェクションは好適にはin viv
oで行われ、そして接触は好適には約5%PVP溶液存在下で実施される。
【0071】 別の態様において本発明は、(a)本発明のプラスミドまたは組成物で多数の
細胞をトランスフェクトし;および(b)ベクター中のインターフェロンαをコ
ード化している核酸配列の発現を可能にする条件下で多数の細胞をインキュベー
トすることにより、多数の細胞中でインターフェロンα遺伝子を送達および発現
する方法を特徴としている。
【0072】 好適な態様において、インターフェロンαはヒトインターフェロンαであり、
細胞はヒト細胞ありおよび/または接触は約5%PVP溶液存在下で実施される
【0073】 別の態様において本発明は、本発明のプラスミドまたは組成物で細胞をin
situでトランスフェクトすることにより、疾患または症状を処置するための
方法を特徴としている。疾患または症状は局在化している疾患または症状でもま
たは全身的疾患または症状でもよい。
【0074】 別の態様において本発明は、本発明のプラスミドまたは組成物でトランスフェ
クトされた細胞を特徴としている。 さらに別の態様において本発明は、症状または疾患を患っている哺乳動物に治
療的に有効量の本明細書に記載した組成物を投与することにより、哺乳動物の症
状または疾患を処置するための方法を特徴としている。
【0075】 組成物はin vivoで細胞への核酸分子を送達するのに有用であるので、
本発明の関連する態様は、in vivo部位投与で組成物を提供する。特に、
これには哺乳動物におけるin vivo部位が含まれる。
【0076】 好適な態様において、核酸分子は遺伝子産物をコード化している配列を含んで
いる。また好適な態様において、投与部位は動物、特に哺乳動物の間質腔または
組織である。
【0077】 本発明はまた、前記組成物を使用するための方法も提供する。従って、さらに
関連する態様において、組成物の投与法が提供され、組成物は哺乳動物内へ、好
適には組織または間質腔内へ導入される。
【0078】 本分野で知られている種々の送達法が利用されるが、好適な態様においては、
組成物は注射により組織または間質腔内へ導入される。組成物はまた種々の異な
った組織へ送達されるであろうが、好適な態様において、組織とは筋肉または腫
瘍である。
【0079】 別の関連する態様において本発明は、治療的に有効量の前記の組成物を投与す
ることにより哺乳動物の症状または疾患を処置するための方法を提供する。好適
な態様において、疾患または症状は癌である。
【0080】 上に記載した本発明の要約は制限的なものではなく、本発明の他の特色および
利点は以下の好適な態様の詳細な説明から、ならびに特許請求の範囲から明らか
になるであろう。
【0081】 好ましい態様の詳細な説明 本発明は、遺伝子送達および遺伝子療法に関し、そしてほ乳動物中でインター
フェロンαを発現するための新規核酸構築物、発現するための核酸構築を混合す
る送達のための製剤、そしてこれらの構築物および製剤を調製しそして使用する
ための方法を提供する。特に、本発明は、腫瘍活性を調節するために細胞に対し
て治療的なインターフェロンαをコードする核酸を送達するためのプラスミド構
築物、そのような構築物を使用する方法(サイトカイン、好ましくはIL-12など のその他の薬剤を伴う組合せ療法を含む)、そしてこれらの構築物を調製する方
法に関する。
【0082】 I. 一般 記載したように、本発明は、ほ乳動物細胞中にインターフェロンαをコードす
る配列を送達しそして発現させる発現系、そしてそのような発現系またはその他
の発現系をほ乳動物に送達するための製剤および方法に関連する。
【0083】 したがって、インターフェロンα、好ましくはヒトインターフェロンαをコー
ドするヌクレオチド配列を含む、特定の遺伝子構築物について記載する。このよ
うな構築物は、本発明の発現系を利用して、本明細書中に記載するように、有益
に製剤化しそして投与することができる。
【0084】 このようなプラスミドの都合のよい調製を可能にするために、プラスミドを細
胞中で複製して、高コピー数にすることができることが一般的には好ましい。一
般的には、このような調製は、原核細胞中、特に大腸菌細胞(E. coli)を含む ものの中で行われる。このように、プラスミドは好ましくは、原核細胞中で機能
する複製開始点を含み、そして好ましくは、複製開始点は複製を指示して高コピ
ー数にしうるものである。
【0085】 プラスミド構築物中の合成遺伝子要素を利用することも可能である。 以下に記載するように、これらの要素は、真核細胞システム中での後転写プロ
セッシングに影響を与える。したがって、合成配列を使用することにより、特定
の用途に対して望まれるようなプロセッシング特性の設計が可能になる。一般的
に要素は、迅速かつ正確なプロセッシングを提供するように設計することができ
る。
【0086】 所望の発現生成物をコードするDNAをほ乳動物システムに送達するために、通 常は送達システムを使用することが好ましい。このようなシステムは、複数の利
点を提供することができ、特に、DNAの融合を保護するための安定性を提供する だけでなく、細胞取り込みを補助する。
【0087】 さらに、製剤の非DNA構成要素は、免疫系亢進または活性化に寄与することが できる。その結果、送達システムの構成要素を特定の遺伝子生成物との組合せと
して選択して、免疫刺激作用を亢進させたりまたは最小にすることができる。
【0088】 プラスミドは、IL-12または1またはそれ以上のそのサブユニットを発現させる
ための要素を含んでいてもよい。同様に、治療には、単一プラスミドまたは別個
のプラスミド上のいずれかにある、インターフェロンαコード配列および1また はそれ以上のIL-12コード配列を投与することに関していてもよい。このような プラスミドは、防護的で相互作用的な非縮合化合物であるカチオン性脂質および
中性共脂質、またはその両方を有する組成物中に組み込んでもよい。
【0089】 これらは具体的な有効な実施例であるが、他の構成要素を本発明のインターフ
ェロンαの発現ベクターを含む製剤中に利用して、インターフェロンαの、また
は免疫系構成要素の活性化を操作することが望まれる他のコード配列とともに、
効果的な送達および発現を提供することができる。
【0090】 送達システム構成成分の選択およびコード配列の選択と関連した調製方法は、
コードされた遺伝子生成物の特異的作用と包括的な送達システム組成物の免疫シ
ステムの作用とのバランスを取る能力を提供する。送達システム製剤の投与の生
物学的作用を調節するこの能力により、インターフェロンαコード構築物および
送達システムの特異的な製剤に加えて、本発明の観点が示される。コードされる
遺伝子生成物および送達システムの構成要素とパラメータの共選択により、単に
高レベルの遺伝子発現が提供されるというのではなく、亢進された所望の作用が
提供される。特に、このような亢進は、典型的なPVP含有組成物の抗腫瘍作用に 関して以下に記載されている。
【0091】 IL-12も投与されるシステムについては、抗腫瘍作用が単に追加的である以上 に大きい(すなわち、インターフェロン単独およびIL-12単独での抗腫瘍作用の 単なる和よりも大きい)。免疫刺激作用の亢進もまた、他の文脈、例えばワクチ
ン応用の場合にも望ましい。
【0092】 対照的に、特定の用途については、免疫システム作用を最小にする送達システ
ムを選択することが好ましい。例えば、肺に送達させるべき組成物については、
肺の組織腫脹を最小にするために免疫システムの活性化を最小にすることがしば
しば好ましい。
【0093】 特定のコード配列に関する送達システム構成要素および調製手法の選択のため
の有用なアプローチは、以下のように行うことができるが、これらの工程には限
定されずまたは工程の順番には限定されない。 1.in vitroにおける適切な発現を提供する特定の遺伝子構築物を選択すること
。 2.所望の免疫刺激性作用および/またはin vivo生理学的作用に基づく送達シ ステム構成要素を選択すること。このような作用は、in vivoモデル系において 試験されまたは立証することができる。 3.所望の免疫刺激性作用と一致したおよび/または所望のin vivo生理学的作 用を亢進させることと一致した、他の送達システムパラメータを選択すること。
このようなパラメータは、例えば、DNAの1またはそれ以上の他の組成物構成要素
に対する比率、非DNA組成物構成要素の相対量、送達システム製剤粒子のサイズ 、環状dsDNAベクターのためのスーパーコイル状DNAのパーセント、そして送達シ
ステム製剤粒子の調製のための具体的方法を含む。製剤の具体的な型と関連する
特定のパラメータは、試験により明らかであるかまたは容易に決定することがで
きる。
【0094】 以下の記載は、インターフェロンαコード構築物の文脈において構成要素およ
びパラメータを選択することについて示す。しかしながら、アプローチは、様々
な他のコード配列を含有する構築物に対して適用することができることは、理解
されるべきである。
【0095】 II. プラスミド構築物発現系 A.プラスミド設計および構築 本発明の方法および構築物のために、インターフェロンαをコードする配列の
送達および発現のために有用な、多くの異なるプラスミドを構築した。したがっ
て、これらのプラスミドは、インターフェロンαについてのコード領域を、その
ようなコード領域の発現のために必要であるかまたは有用である遺伝子要素とと
もに含有する。
【0096】 これらの態様では特定の供給源由来のインターフェロンαのcDNAクローンある
いは部分ゲノム配列を利用したが、当業者であれば、その他の供給源由来のイン
ターフェロンαコード配列を容易に得ることができるか、または刊行物に記載さ
れたインターフェロンαコード配列および/またはインターフェロンα隣接配列
に基づくプローブを使用してライブラリー中のcDNAクローンを同定することによ
りコード配列を容易に得ることができる。このことはまた、本明細書中に記載さ
れた態様中で利用されるIL-12コード配列に対しても適用される。
【0097】 インターフェロンαについてのコード配列を、真核および細菌の遺伝子要素を
含有する発現プラスミド中に組み込んだ。真核遺伝子要素には、CMVの即時型初 期プロモータおよび5'UTR、そしてヒト成長ホルモン3'UTR/ポリ(a)シグナル が含まれ、これらは正確でかつ効率のいいRNAプロセッシング、mRNA安定性およ び翻訳を調節することにより、遺伝子発現に影響を与える。
【0098】 ヒト成長ホルモン3'UTRは、ヒト成長ホルモン遺伝子に由来し、そして好まし くはポリ(a)シグナルを含む。この配列は、cDNA配列に対する、ゲノム配列に 対する、改変遺伝子配列に対する、またはインターフェロンαをコードする合成
配列に対する、天然の翻訳終止コドンの直後に連結することができる。
【0099】 ヒト成長ホルモンの3'UTR/ポリ(a)シグナルの例は、ヒト成長ホルモン3'UT
R(ヌクレオチド1〜100)、そして以下の3'隣接配列(ヌクレオチド101〜191;G
enBank受託番号#J03071、HUMGHCSA)(SEQ ID NO:13)により示される。
【0100】
【化1】
【0101】 5'および3'UTRおよび隣接領域は、日常的な方法論、例えば欠失解析、変異解 析またはそれらと同等の方法により、さらにそしてより正確に明確にすることが
でき、そして改変して適切な転写機能および翻訳機能を有するその他の配列を提
供することができる。
【0102】 1.プラスミドの構築:プラスミド骨格、ヒトインターフェロンαcDNA、最終
構築物 典型的な構築物の作成に関与するPCR生成物およびプラスミドの図表表示を、 以下の図8中に示す。
【0103】 プラスミドpIF0921は、商業的に利用可能なプラスミドから構築し、そしてカ ナマイシン耐性遺伝子をコードするTN5遺伝子、pUCの複製開始点、CMVエンハン サーおよびプロモータから塩基+112まで、IVS8と呼ばれる合成イントロン、ヒト
IFN-α2b遺伝子、そしてヒト成長ホルモン3'UTRを含有する。pIL0697への子孫系
統プラスミド構築物を図8中に示す。pIL0697をBamHIおよびXbaIで切断し、そし てBamHIおよびXbaI末端でヒトゲノムDNAから増幅されたものであるhIFN-a2b PCR
生成物をpIL0697骨格中にIL-2コード領域の代わりにクローニングした。できた プラスミドはpIF0863であった。pIF0863をNcoIで切断し、pCT0828由来のイント ロンIVS8をクローニングした。できたプラスミドはpIF0890であった。pIF0890を
NdeIおよびPacIで切断し、CMVの5'UTR領域から塩基+112までの追加の領域をプラ
スミドpLC0888由来のものの中にクローニングした。
【0104】 B.合成遺伝子要素 いくつかの態様において、合成オリゴヌクレオチドに由来するいくつかまたは
すべての遺伝子要素を合成することができ、そしてしたがってこれらは天然遺伝
子配列から直接得られない。これらの合成要素は、多くの異なる発現ベクター中
で使用するために適切である。
【0105】 RNAスプライシングが正確かつ効率的であることを確実にするように、スプラ イス部位を含む合成イントロンを設計する。mRNAの3'末端形成およびmRNA安定性
を容易にするように、合成3'UTR/ポリ(A)シグナルを設計する。翻訳の開始を
容易にするように、合成5'UTRを設計する。典型的な合成要素の設計は、以下に より詳細に記載する。
【0106】 1.合成要素の特徴の概要 典型的な合成5'UTR、イントロン、そして3'UTR/ポリ(A)シグナルは、以下 に示す一般的特徴を有する: 5'UTR 短い 二次構造の欠損 コザック配列 イントロン挿入のための部位 イントロン 5'スプライス部位配列がコンセンサス配列にマッチする 5'スプライス部位配列はU1 snRNAの5'末端に完全に相補的である 分岐点(branch point)配列はコンセンサス配列にマッチする 分岐点配列はU2 snRNAに対して相補的である 3'スプライス部位は、コンセンサスにマッチする ポリピリミジントラクト(tract)は、長さにして16塩基でありそして7つ
の連続したTを含有する(トラクトは好ましくは少なくとも5つの連続したTを含 有する) 内部制限酵素部位を含有する BbsIは5'ssで切断し、EarIは3'ssで切断する 3'UTR/ポリ(A) ウサギβグロビン3'UTR/ポリ(A)シグナルに基づく タンデム状の2つのポリ(A)シグナルから構成される。
【0107】 2.合成5'UTR(UT6)の特徴 5'非翻訳領域(5'UTR)は、メッセンジャーRNAの翻訳効率に影響を与え、そし
てしたがって真核遺伝子発現の重要な決定因子である。治療目的の遺伝子を発現
するベクターによりコードされるmRNAの翻訳効率を最大限にするために、合成5'
UTR配列(UT6)を設計した。
【0108】 合成5'UTR(UT6)の配列は、以下に示す。コザック配列を太字で、そして開始
コドンに二重下線を付した。イントロンの位置(残基48および49のあいだ)を黒
い三角形により示し、そしてコンセンサスのスプライス部位のエクソン部分を形
成する配列に一本下線を付した。HindIIIおよびNcoIについての制限酵素部位の 上部に線を付す(SEQ ID NO:14)。
【0109】
【化2】
【0110】 キャップ部位(CAP)および開始コドンの間に位置する5'非翻訳領域(5'UTR)
は、mRNAの翻訳効率に影響を与えることが知られている。5'キャップ構造の開始
因子に対する接近可能性、43S前開始複合体の結合およびそれに続く移動、また は開始コドンの認識に影響を与えるいずれかの特徴は、mRNAの翻訳可能性に影響
を与えるだろう。5'UTRの効率は、長さが適度であり、二次構造が全くなく、上 流開始コドンが全くなく、そして最適な局所の文脈中にAUGを有する様なものが 期待される(Kozak, 1994, Biochimie 76:815-821; Jansen et al., 1994)。こ
れらの特性を有する5'UTRは、5'キャップ構造の効率的な認識を可能にし、その 後リボソームによる迅速かつ妨害されないリボソームスキャニングが続き、それ
により翻訳開始処理が容易になる。
【0111】 合成5'UTRの配列は、長さが適度であるように(54ヌクレオチド(nts))、G
を欠損しているがCおよびA残基は豊富であるように、上流ATGを欠損し、意図す るATGを最適なKozak配列(CCACCATGG)の文脈中に位置させ、そして潜在的二次 構造を欠損する様に、設計されている。合成5'UTR配列はまた、細胞質中で迅速 に分解されるべきmRNAを標的とするAUリッチな配列を欠損するように設計された
【0112】 イントロンは、cDNAベクター由来の遺伝子発現を増大させ、そして5'UTR中に 位置するイントロンは3'UTR中に位置するイントロンよりもより効果的であるこ とが、実験により示された(Huang and Gorman, 1990, Mol. Cell. Biol. 10:18
05-1810; Evans and Scarpulla, 1989, Gene 84:135-142; Brinster et al., 19
88, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:836-840; Palmiter et al., 1991, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 88:478-482; Choi et al., 1991, Mol. Cell. Biol. 11:
3070-3074)。したがって、イントロンがコンセンサススプライス部位配列を提 供するように、合成5'UTR配列を設計した。例えば、イントロンは、残基48およ び49の間に位置することができる(以下のイントロン配列構造を参照)。位置46
〜48のCAGは、コンセンサス5'スプライス部位のエクソン部分である。位置49のG
は、コンセンサス3'スプライス部位のエクソン部分である。
【0113】 クローニング操作を容易にするために、合成5'UTR配列をHindIII部位で始まり
NcoI部位で終止するように設計した。 3.合成イントロンの特徴 RNAスプライシングは、ほとんどの真核細胞遺伝子の発現のために必要である 。最適な遺伝子発現のため、RNAスプライシングは、高度に効率的で正確でなけ ればならない。最大限に効率的にそして正確にするために、OPTIVS8Bと名付けら
れた合成イントロンを設計した。
【0114】 具体的な合成イントロン、OPTIVS8Bの構造は、以下に示す。5'スプライス部位
(5'ss)についての配列、分岐部位(bp)、そして3'スプライス部位(3'ss)を
、二重下線で示す。制限酵素BbsIおよびEarIに関する認識配列の上部に線を付す
。BbsIに対する切断部位は、5'ssに相当し、そしてEarIの切断部位は3'ssに相当
する。
【0115】
【化3】
【0116】 5'スプライス部位(5'ss)配列は、確立されたコンセンサス配列である、MAG
GTRAGTとマッチし、ここでM=CまたはAであり、そしてR=GまたはAである。ス プライシングの機構としてプレmRNAの5'ssとU1 snRNAとの間の相互作用が関与し
ているため、OPTIVS8Bの5'ss配列をU1 snRNAの5'末端と正確に相補的であるよう
に選択した。
【0117】
【化4】
【0118】 ほ乳動物において、分岐部位についてのコンセンサス配列(YNYTRAY、式中、Y
=CまたはTであり、R=AまたはGであり、N=いずれかの塩基であり、そして下線
を引いたA残基は、実際の分岐部位である)は、非常に不明瞭である。スプライ シングの機構としてプレmRNAの分岐部位(bp)とU2 snRNAとの間の相互作用が関
与しているため、OPTIVS8Bの分岐部位配列をこの相互作用を最大にする用に選択
した。(分岐部位自体は膨らんでいることに留意。)選択された配列はまた、酵
母におけるプレmRNAスプライシングのために必須であることが知られている分岐
部位配列と、マッチしている。分岐部位は、具体的には、3'スプライス部位の18
〜38 nts上流に位置している。OPTIVS8Bにおいて、分岐部位は、3'スプライス部
位から24 nts上流に位置している。
【0119】
【化5】
【0120】 3'スプライス部位(3'ss)の配列は、確立されたコンセンサス配列である、Y1 1 NYAG↓Gにマッチし、式中、Y=CまたはTであり、そしてN=いずれかの塩基であ
る。3'スプライス部位において、ポリピリミジントラクト(Y11)は、スプライ ス部位の強度の主要な決定要因である。OPTIVS8B中の最適なスプライス部位機能
のため、ポリピリミジントラクトの長さを16塩基まで伸長し、そしてその配列を
7つの連続したT残基を含むように調整した。Roscignoら(1993)が最適なスプラ
イシングのためにはポリピリミジントラクト中に少なくとも5つの連続したT残基
が必要であることを示したため、この特徴が含まれた。
【0121】 in vitroでのスプライシングは、一般的に、イントロンが>80 ntsの長さであ
る場合に最適である(Wieringa, et al., 1984; Ulfendahl et al., 1985, Nucl
. Acid. Res. 13:6299-6315)。多くのイントロンが長さにして数千塩基であり 得るが、ほとんどの天然に生じるイントロンは、長さにして90-200 ntである(H
awkins, 1988, Nucl. Acid. Res. 16:9893-9908)。合成イントロンの長さ(118
nts)は、この後者の範囲内に含まれる。
【0122】 OPTIVS8Bは、3つの内部制限酵素部位である、BbsI、NheIおよびEarIを有する ように設計された。これらの制限部位により、スクリーニングが容易になり、お
よび合成イントロン配列を含む遺伝子の同定が容易になる。さらに、それらの切
断部位が5'ss(BbsI)または3'ss(EarI)に正確に対応するように、BbsIおよび
EarI部位を配置した。ポリピリミジントラクトの配列は、EarI制限部位を提供す
る様に特異的に設計した。BbsIおよびEarI部位をこれらの位置に含むことは、そ
れらによりイントロンが遺伝子から正確に削除されるようにするため、有用であ
る。それらにより、遺伝子中のその他の位置に挿入することができる“イントロ
ンカセット”の生成が可能になる。
【0123】 BbsI部位と分岐部位配列との間の77塩基は、NheI制限部位を含むこと以外は、
配列としてランダムである。 4.合成3'UTR/ポリ(A)シグナルの特徴: 真核mRNAの3'末端は、ポリアデニル化の工程により形成される。この工程は、
部位特異的部位RNA切断に関連し、その後ポリ(A)尾部の追加が起こる。ポリ(
A)尾部を欠損するRNAは、非常に不安定である。したがって、切断/ポリアデニ
ル化の効率は、mRNAレベルについての主要な決定要因であり、そしてそれにより
、遺伝子発現レベルの主要な決定要因である。2XPA1は、2つの効率的なポリ(A )シグナルを含む合成配列であり、ポリアデニル化において最大に効果的にする
ように設計されている。
【0124】 ほとんどの真核細胞mRNAの3'末端の形成に対しては、一つのポリ(A)シグナ ルが必要とされる。シグナルは、2種のRNAプロセッシング反応を指向する:RNA 転写物の部位特異的エンドヌクレアーゼ切断、およびポリ(A)尾部を形成する ための、新規に生成された3'末端に対するアデニル酸(およそ250)の段階的付 加である。ポリ(A)シグナルは、3つの部分を有する:ヘキサヌクレオチド、切
断部位、および下流要素である。ヘキサヌクレオチドは、具体的にはAAUAAAであ
り、そして切断部位は最もしばしば、ジヌクレオチドCAの3'末端側である(Shee
ts et al., 1987)。下流要素は、最適ポリ(A)シグナル機能のために必要であ
り、そして切断部位の下流に位置する。下流要素に対する配列必要条件は未だ完
全には確立していないが、一般的にはUG-またはU-リッチな配列として概観され る(Wichens, 1990; Proudfoot, 1991, Cell 64:671-674; Wahle, 1992, Bioass
ays 14:113-118; Chen and Nordstrom, 1992, Nucl. Acids Res. 20:2565-2572 )。
【0125】 天然に生じるポリ(A)シグナルは、その有効性において高度に可変である(P
eterson, 1992)。特定のポリ(A)シグナルの有効性は、主として、下流要素の
質により決定される(Wahle, 1992)。治療目的の遺伝子を発現させるように設 計された発現ベクターにおいては、可能な限り効率的なポリ(A)シグナルを有 することが重要である。
【0126】 切断およびポリアデニル化をすることができない転写物は核区画中で迅速に分
解されるため、ポリ(A)の効率は、遺伝子発現にとって重要である。実際、非 ポリアデニル化RNAが非常に不安定であるため、生きている細胞中でのポリアデ ニル化の効率を測定することは困難である。mRNA安定性のために必要とされるこ
とに加えて、ポリ(A)尾部は、mRNAの翻訳可能性に寄与し、そしてスプライシ ングやRNA輸送等のその他のRNAプロセッシング反応に影響を与えることができる
(Jackson and Standart, 1990, Cell 62:15-24; Wahle, 1992)。
【0127】 いくつかの真核細胞遺伝子は、ポリ(A)部位を1つ以上有し、このことは、最
初の部位で切断/ポリアデニル化反応が生じなかった場合でもその後の部位のう
ちの一つで生じうることを示している。COS細胞トランスフェクション実験にお いて、2つの強力なポリ(A)部位を有する遺伝子では、1つの強力なポリ(A)部
位を有する遺伝子に比べて、ほぼ2倍多いmRNAが得られた(Bordonaro, 1995)。
これらのデータから、転写物の有意な画分は、1つの“効率的な”ポリ(A)シグ
ナルを有する場合であっても未処理のままであることが示唆される。したがって
、1つ以上のポリ(A)部位を有することが好ましいだろう。
【0128】 具体的な合成ポリ(A)シグナルの配列を以下に示す。配列は、2XPAと呼ばれ る。ヘキサヌクレオチド配列および下流要素配列を二重下線で示し、そして2つ のポリ(A)部位をpA#1およびpA#2と表示する。都合のよい制限部位の上部に線 を付す。完全な2XPAユニットは、クローニング実験の際に、XbaI-KpnI断片とし て転移することができる。内部BspHI断片を削除すると、結果として1XPAユニッ トを形成する(SEQ ID NO:17)。
【0129】
【化6】
【0130】 上記に示した合成ポリ(A)部位の配列は、ウサギβ-グロビンのポリ(A)シ グナルの配列に基づいており、このシグナルは強力なものとして文献中で特性決
定されている(Gil and Proudfoot, 1987, Cell 49:399-406; Gil and Proudfoo
t, 1984, Nature 312:473-474)。その鍵となる特徴の一つは、UG-およびU-リッ
チドメインの両方を含むその下流要素の配列の構造である。
【0131】 1XPA配列に相当する二本鎖DNA配列は、合成オリゴヌクレオチドから構築した 。その後、2コピーの1XPA配列を結合し、2XPA配列を形成する。配列をそのよう に結合させて、断片を含む第一のポリ(A)シグナルの5'末端に独特のXbaI部位 を有し、そして断片を含む第二のポリ(A)シグナルの3'末端に独特のKpnI部位 を有する。
【0132】 C.インターフェロンαおよびIL-12コード配列 天然のヒトインターフェロンαコード配列のヌクレオチド配列は、既知であり
、ヒトインターフェロンαをやはりコードする合成配列とともに、以下に提供さ
れる。IL-12コード配列に関しても同様に適用される。
【0133】 インターフェロンαをコードする天然の配列にもかかわらず、いくつかのケー
スにおいては、インターフェロンαをコードする合成配列を利用する方が有利で
ある。このような合成配列は、天然配列とは異なるコドン利用を有し、そしてし
たがって、天然配列とは劇的に異なるヌクレオチド配列を有する。特に、ヒトに
おいて発現するために少なくとも部分的には最適化したコドン利用を有する合成
配列を使用することができる。天然の配列は、このような最適のコドン利用を有
さない。好ましくは、実質的にすべてのコドンが最適化される。
【0134】 ヒトにおける最適なコドン利用は、図3に示されるように、高度に発現される
ヒト遺伝子についてのコドン利用頻度により示される。コドン利用チャートは、
Wisconsin Sequence Analysis Package、バージョン8.1(Genetic Computer Gro
up, Madison, WI)から入手したプログラム“Human High.cod”から得る。高度 に発現されるヒト遺伝子において最も頻繁に使用されるコドンは、おそらくはヒ
ト宿主細胞中での発現に対して最適なコドンであり、そしてしたがって合成コー
ド配列を構築するための基礎を形成する。合成インターフェロンαコード配列の
例は、以下の表中の下部配列として示される。
【0135】 しかしながら、完全に最適化されたコドン利用を有する配列よりもむしろ、同
一のアミノ酸が非常に近接しまたは豊富にありすぎて、均質な最適コドン利用が
できない場所を除いて、最適化されたコドン利用を有するインターフェロンαコ
ード配列を利用することが望ましい。
【0136】 さらに、例えば、天然のコード配列と比較して少なくとも50%、70%、80%ま
たは90%最適化された、最適化されたコドン利用の実質的な部分を有する、その
他の合成配列を使用することができる。インターフェロンαのためのその他の特
定の合成配列は、図3中のコドン利用チャートを参照することにより、選択する
ことができる。配列は、ポリペプチド配列のそれぞれのアミノ酸に対するコドン
を選ぶことにより、選択することができる。それぞれのポリペプチドに相当する
DNA分子は、その後、日常的な化学的合成方法により構築することができる。例 えば、より短いオリゴヌクレオチドを合成し、そしてその後適切な関係でライゲ
ーションして完全長コード配列を構築することができる。
【0137】 以下の配列は、本明細書中の配列表中に提供される:インターフェロンαアミ
ノ酸配列、SEQ ID NO:9;インターフェロンα野生型核酸配列、SEQ ID NO:10; 最適化されたコドン利用を有するインターフェロンα合成核酸配列、SEQ ID NO:
11;追加の/準最適化されたコドン利用を有するインターフェロンα核酸配列、
SEQ ID NO:12;IL-12 p40サブユニットアミノ酸配列、SEQ ID NO:1;IL-12 p40 野生型核酸配列、SEQ ID NO:2;すべてのコドンを最適化したIL-12 p40合成核酸
配列、SEQ ID NO:3;同一の核酸が近すぎる/豊富すぎる場合を除きすべてのコ ドンを最適化したIL-12 p40サブユニット核酸配列、SEQ ID NO:4;IL-12 p35ア ミノ酸配列、SEQ ID NO:5;IL-12 p35野生型核酸配列、SEQ ID NO:6;すべての コドンを最適化したIL-12 p35合成核酸配列、SEQ ID NO:7;同一の核酸が近すぎ
る/豊富すぎる場合を除きすべてのコドンを最適化したIL-12 p35サブユニット 核酸配列、SEQ ID NO:8。当業者であれば、例えば以下に示す様々な組合せに基 づいて、最適化されたコドン利用を有する様々な核酸配列を構築することができ
、その中でそれぞれのコドンに対する最適な利用は、以下に、IL-12 p35およびp
40サブユニット野生型配列およびインターフェロンα野生型配列について示す。
【0138】 ヒトIL-12 p35をコードする配列 第1列=天然配列(SEQ ID NO:6) 第2列=すべてのコドンを最適化(SEQ ID NO:7) 第3列=同一の核酸が近すぎる/豊富すぎる場合を除き、すべてのコドンを最 適化(第2列と第3列との間での変化を太字にした)(SEQ ID NO:8)
【0139】
【化7】
【0140】 IL-12 p35サブユニットをコードする追加の最適化された配列(第2列=SEQ ID NO:24)
【0141】
【化8】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】 ヒトIL-12 p40をコードする配列 第1列=天然配列(SEQ ID NO:2) 第2列=すべてのコドンを最適化(SEQ ID NO:3) 第3列=同一の核酸が近すぎる/豊富すぎる場合を除き、すべてのコドンを最 適化(第2列と第3列との間での変化を太字にした)(SEQ ID NO:4)
【0146】
【化9】
【0147】
【0148】 IL-12 p40サブユニットをコードする追加の最適化された配列(第2列=SEQ ID NO:25)
【0149】
【化10】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】 インターフェロンαをコードする野生型配列
【0156】
【化11】
【0157】
【0158】 すべてのコドンを最適化したインターフェロンαコード配列
【0159】
【化12】
【0160】 インターフェロンαをコードする追加の/準最適化された配列
【0161】
【化13】
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】 生物の構成要素、例えばヌクレアーゼ等により核酸が分解するため、多くの製
剤における核酸の送達および発現は限定的である。したがって、in vivoに送達 された場合に核酸を保護することにより、結果としての発現を飛躍的に向上する
ことができ、それにより所望の薬理学的効果または治療効果を向上することがで
きる。溶液中の核酸(例えばDNA)と相互作用するが核酸を濃縮させない特定の 型の化合物が、核酸に対するin vivo保護を提供し、そして対応してコードされ た遺伝子産物の発現を向上する、ということが見出された。
【0166】 我々は、プラスミドと相互作用し、そして迅速な細胞外ヌクレアーゼ分解から
プラスミドを保護するように設計された送達システムを使用することを記載した
(Mumper, R.J., et al., 1996, Pharm. Res. 13:701-709; Mumper, R.J., et a
l., 1997. Gene Therapyに投稿中)。PINCシステムの特徴は、プラスミドが柔軟
性を維持することができ、そしてヌクレアーゼ分解から保護されている間筋肉全
体に自由に分散することができる、非濃縮システムであることである。PINCシス
テムは主として以下に議論されるようなものであるが、カチオン性脂質を基礎と
したシステムおよびPINCSおよびカチオン性脂質の両方を利用するシステムもま た、本発明の範囲内である。
【0167】 PINCシステムの一般的な構造的構成要素は、親水性部分と疎水性部分の両方を
有する両親媒性の分子であることである。PINCの親水性部分は、水素結合(水素
結合アクセプターまたはドナー基を介して)、Van der Waals相互作用、または /およびイオン性相互作用により、プラスミドと相互作用することを意味する。
例えば、PVPおよびN-メチル-2-ピロリドン(NM2P)は、水素結合アクセプターで
あり、一方PVAおよびPGは水素結合ドナーである。
【0168】 全4分子は、様々な(ポリ)アニオン性分子と複合体を形成することが報告さ れている(Buhler V., BASF Aktiengescellschaft Feinchemie, Ludwigshafen,
pp 39-42; Galaev Y, et al., J. Chrom. A. 684:45-54 (1994); Tarantino R,
et al., J. Pharm. Sci. 83:1213-1216 (1994); Zia, H., et al., Pharma. Res
. 8:502-504 (1991))。PINCシステムの疎水性部分は、結果として、その表面を
より疎水性にするプラスミド上のコーティングを生じるように設計する。Kabano
vらは以前に、プラスミド疎水性を増大し、プラスミドをヌクレアーゼ分解から 保護し、そしてその生物学的膜に対する親和性を増大するように設計された、プ
ラスミド濃縮のためのカチオン性ポリビニル誘導体の使用について記載した(Ka
banov, A.V., and Kabanov, V.A., 1995, Bioconj, Chem. 6:7-20; Kabanov, A.
V., et al., 1991, Biopolymers 31:1437-1443; Yaroslavov, A.A., et al., 19
96, FEBS Letters 384:177-180)。
【0169】 実質的な保護作用が観察される;これらの典型的なPINCシステムにより、塩類
溶液中にて製剤化されたプラスミドと比較して、ラット筋肉中において遺伝子発
現の少なくとも1対数までの増大が示された。我々はまた、PINCシステムととも に複合体化したプラスミドを使用する筋肉中のレポーター遺伝子の発現が、プラ
スミドを塩類溶液中にて製剤化した場合と比較して、より再現性であることも見
出した。例えば、塩類溶液中で製剤化したプラスミドを使用する、筋肉中でのレ
ポーター遺伝子の発現についての変異係数は96±35%(n=20研究;8〜12筋肉/
研究)であり、一方、PINCシステムと複合体化したプラスミドによる変異係数は
40±19%(n=30研究;8〜12筋肉/研究)であった。塩類溶液中で製剤化したプ
ラスミドによるレポーター遺伝子発現についての高い変異係数が以前に記載され
た(Davis, H.L., et al., 1993, Hum. Gene Ther. 4:151-9)。さらに、DNA: 塩類溶液に対する結果とは対照的に、異なるトポロジーを有するプラスミドをポ
リビニルピロリドン(PVP)と複合体化した場合に、筋肉中での遺伝子発現には 顕著な相違は見られなかった。このことから、PVPは、すべての形状のプラスミ ドを迅速なヌクレアーゼ分解から保護することができることが示唆される。
【0170】 1.PINCポリマー(PVP)およびプラスミド間の相互作用の概要 典型的なPINCポリマーであるPVPが、プラスミドの主溝(major groove)内部 でその塩基対と水素結合を形成すること、そして結果としてPVPのビニル骨格の ためにプラスミド上に疎水性表面を生じることを、分子モデリングを使用して証
明した。これらの相互作用は、PVPによるプラスミドゼータポテンシャルの調節 だけでなく、複合体化プラスミド中へのエチジウムブロマイド挿入を阻害するこ
とによっても、支持される。PVPとプラスミド間の見た目結合と、pHおよび塩濃 度とを相互に関連づけ、そしてプラスミド/PVP複合体を筋肉内注射した後に、 β-gal発現に対するこれらのパラメータの作用を示した(Mumper, R.J., et al.
, 1997, Gene Therapy誌に受理)。プラスミド/PVP複合体の物理化学的特性に 概要を、以下の表I中に列挙する。
【0171】
【表1】
【0172】 2.筋肉中における発現の組織学 スライドスキャニング技術を利用するβ-galに対する免疫組織化学から、β-g
al発現部位がラット脛骨(tibialis)筋の全横断切片を通して均質に分布してい
ることが示された。CMV-β-galプラスミドを塩類溶液中で処方した場合に、非常
に局所的な範囲がβ-galについて陽性に染色された。β-gal陽性細胞は、プラス
ミドを塩類溶液中で注射した場合に、針路(needle tract)周辺に限定的に観察
された。このことは、以前に発行された結果と一致する(Wolff, J.A., et al.,
1990, Science 247:1465-68; Davis, H.L., et al., 1993, Hum. Gene Ther. 4
:151-9; Davis, H.L., et al., 1993, Hum. Gene Ther. 4:733-40)。
【0173】 比較として、150 mM Na Cl中CMV-β-galプラスミド/PVP複合体(1:17 w/w)
を筋肉注射した後、β-galに対する免疫反応性を、筋肉組織の幅広い範囲で観察
した。陽性の筋繊維の大多数は、筋束(muscle bundles)の縁に局在した様であ
る。したがって、ラット筋肉中におけるβ-galについての染色により、プラスミ
ド/PVP複合体を使用することにより、β-galについて陽性に染色される多数の 筋繊維は、塩類溶液製剤を使用する場合に見いだされるものよりも、約8倍多か った。陽性に染色される筋繊維はまた、プラスミド/PVP複合体を使用する場合 に、筋肉組織内の非常に大きな範囲にわたって観察され、このことにより注射さ
れたプラスミドが筋肉内注射の後幅広く分散されたことを示す事実が提供される
【0174】 プラスミド分布の拡大およびラット骨格筋における発現の拡大は、複合体化に
より細胞外ヌクレアーゼ消化からの保護、そしてプラスミド/PVP複合体の高度 浸透性作用の両方の結果であった。しかしながら、DawtyおよびWolffらは、2倍 の生理学的浸透度までの浸透度が、筋肉中での遺伝子発現に重大に作用しなかっ
たことを示した(Dawty, M.E., and Wolff, J.A. In: J.A. Wolff (Ed.), 1994,
Gene Therapeutics: Methods and Applications of Direct Gene Transfer. Bi
rkhause, Boston, pp.82-98)。このことから、PVP複合体によるプラスミドの発
現の増大は、最もヌクレアーゼ保護によるようであり、そして浸透度の作用はそ
れほどでもない。さらに、PVPによるプラスミドの表面変化(例えば、疎水性の 増加、負の表面荷電の減少)は、筋肉細胞によるプラスミドの取り込みを容易に
もする。
【0175】 3.PINCポリマーの構造-活性関係 ビニルピロリドンおよびビニルアセテートの一連のコポリマーの構造と、ラッ
ト筋肉中での遺伝子発現レベルとの間で、直線的な関係があることを、我々は見
出した。我々は、PVP中のいくつかのビニルピロリドンモノマーをビニルアセテ ートモノマーに置換することにより、結果としてプラスミドとの水素結合を形成
する能力が減少したコポリマーとなることを見出した。相互作用の減少は、引き
続いて筋肉内注射後のラット筋肉中での遺伝子発現のレベルの低下を誘導する。
β-galの発現は、コポリマー中のビニルピロリドンモノマー(VPM)含量の程度 が減少するにしたがって、直線的に減少した(R=0.97)。
【0176】 これらの値はすべての複合体について等価であるため、pHおよび粘性(viscos
ity)は、筋肉細胞に対するプラスミドの送達を有効にする最も重要なパラメー タではないことが、これらのデータから示される。これらのデータから、PINCポ
リマーのプラスミドに対する結合の増大は、結果として筋肉中のプラスミドの保
護と生物学的利用能の増大を引き起こす。
【0177】 4.追加のPINCシステム 上述した構造-活性関係を使用して、プラスミドとの相互作用を増大させるで あろう新規のコポリマーを設計することができる。“機会の対話式ウィンドウ(
an interactive window of opportunity)”があり、それにより、ヌクレアーゼ
分解からのより拡張的なプラスミドの保護により、PINCシステムの結合親和性の
増大が結果として、それらを筋肉内注射した後に、遺伝子発現のさらなる増大を
生じることが予想される。そのいずれかが、筋肉中の生物学的利用能を結果とし
て減少させ、そして結果的に遺伝子発現を減少させることができる、プラスミド
の濃縮または“三重鎖”型の形成のいずれかが生じる以上に、最適な相互作用と
なりうることが予想される。上述したように、PINC化合物は一般的に、疎水性部
分および親水性部分の両方を有する両親媒性の化合物である。多くの場合に、親
水性部分は極性基により提供される。当該技術分野においては、このような極性
基は、例えば、ピロリドン、アルコール、アセテート、アミン、または例えばCR
C Handbook of Chemistry and Physics(72nd Edition)(David R. Lide. edit
or)のpp.2-73〜2-74(本明細書中に参考文献として援用される)に示される様 なヘテロ環式基、例えばピロール類、ピラゾール類、イミダゾール類、トリアゾ
ール類、ジチオール類、オキサゾール類、(イソ)チアゾール類、オキサジアゾ
ール類、オキサトリアゾール類、ジアオキサゾール類、オキサチオール類、ピロ
ン類、ジオキシン類、ピリジン類、ピリダジン類、ピリミジン類、ピラジン類、
ピペラジン類、(イソ)オキサジン類、インドール類、インダゾール類、カルパ
ゾール類、およびプリン類、およびこれらの基の誘導体が含まれる基により提供
されうるが、これらのものには限定されない。
【0178】 化合物はまた、ポリマーの場合において、典型的には分子の骨格中に含まれる
が、しかし非ポリマー性分子の一部でもあり得る、疎水性基を包含する。このよ
うな疎水性骨格基の例には、ビニル類、エチル類、アクリレート類、アクリルア
ミド類、エステル類、セルロース類、アミド類、ハイドライド類、エーテル類、
カーボネート類、ホスファゼン類、スルホン類、プロピレン類、そしてこれらの
基の誘導体が含まれるが、これらには限定されない。様々な基の極性特性は、例
えば、いずれかの序説的な有機化学テキストにおける極性の検討により示される
ように、企図された技術分野における当業者には極めてよく知られている。
【0179】 このような分子が核酸と相互作用する能力もまた、当業者に理解されており、
そしてそのような分子間相互作用をモデリングするコンピュータプログラムを使
用することにより、予想することができる。このようなモデリングに代えて、あ
るいは加えて、1)ヌクレアーゼ消化速度の阻害の決定、2)DNAのコーティングを 示すDNAのゼータポテンシャルの変化、あるいは3)例えば、DNAに挿入されるエチ
ジウムブロマイドなどの挿入試薬(intercalating agents)の能力の阻害、など
の1またはそれ以上の試験を使用して、効果的な化合物を容易に同定することが できる。
【0180】 5.標的化リガンド 核酸配列の送達および発現についての上述した核酸/PINC複合体に加えて、特
定の態様において、特定の組織、細胞、または細胞領域または構成要素中で優先
的に発現を得るために、標的化リガンドを提供することも有用である。
【0181】 このような標的化されたPINC複合体には、プラスミド(またはその他の核酸分
子)と複合体化されたPINCシステム(モノマーPINC化合物またはポリマーPINC化
合物)が含まれる。PINCシステムは、リガンドに対する親和性を有する受容体に
結合する標的化リガンド(TL)に、共有的または非共有的に付着(結合)する。
このような受容体は、細胞の構成要素表面または内部に存在しうる。このような
標的化により、核酸の取り込みの増大または細胞内トラフィックの増大を提供す
る。
【0182】 標的化リガンドには、ガラクトシル残基、フコシル残基、マンノシル残基、カ
ルニチン誘導体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ペプチドリガンド
、そしてDNA結合タンパク質が含まれるが、これらには限定されない。有用にも 標的化し得る細胞の例としては、抗原提示細胞、肝細胞、筋細胞、上皮細胞、内
皮細胞、および癌細胞が含まれるが、これらには限定されない。
【0183】 このような標的化複合体の形成は、PINCシステムに共有結合された標的化リガ
ンド(TL)の以下の例により示される: TL-PINC+プラスミド→TL-PINC::::::プラスミド。
【0184】 このような標的化複合体の形成もまた、PINCシステムに非共有結合された標的
化リガンド(TL)の以下の例により示される: TL::::::PINC+プラスミド→TL::::::PINC::::::プラスミド、 もしくはあるいは PINC+プラスミド→PINC:::::::プラスミド+TL→TL::::::PINC:::::::プラス
ミド。これらの例中、::::::::は、イオン性、水素結合、Van der Waals相互作 用、疎水性相互作用、またはこれらの相互作用の組合せなどの、非共有的相互作
用である。
【0185】 細胞傷害性試薬に対する標的化方法は、本明細書中で参考文献として援用する
、Subramanianらの国際出願PCT/US96/08852、国際公開WO96/39124に記載されて いる。この出願は、zipポリマー、すなわち相互作用性の複数対のポリマーが関 与する2工程標的化方法を使用して、標的化細胞傷害性材料についてポリマー親 和性システムを使用することについて記載している。相互作用性ポリマーの1つ に結合する抗体は、細胞性標的に結合する。そのポリマーは、次いで、細胞傷害
性試薬に結合する第2のポリマーに対する標的として作用する。Subramanianらに
おいて参照されたように、毒性試薬の送達のためのその他の2工程(または複数 工程)システムもまた記載されている。
【0186】 その他の観点において、PINCシステムに対する非天然の標的またはPINC-標的 化リガンド複合体を含む、2工程標的化アプローチを使用して、核酸コード配列 を送達しそして発現することができる。このように、例えば、PINC-プラスミド 複合体は、細胞性標的(例えばMAB)に結合するリガンドに対してそれ自体結合 する結合対メンバーを標的化することができる。特定の化合物に対する結合対は
、Subramanianらにおいて同定されたように、PINC化合物として本明細書中で同 定された。あるいは、PINCは、標的リガンド、例えば抗体と複合体を形成するこ
とができる。その抗体は、例えば第2の抗体と結合する非天然の標的を標的とす ることができる。
【0187】 III.インターフェロンα構築物および製剤の評価のためのモデルシステム 抗癌治療においてインターフェロンα発現プラスミド構築物および製剤を使用
する概念にしたがって、マウス腫瘍細胞株に基づいてマウスモデルシステムを利
用した。主として使用した株は、S.C. VII/SFであり、これはマウス扁平上皮癌 腫(S.C.)に由来する細胞株である。
【0188】 頭部および頚部の扁平上皮癌腫は、口腔および咽頭腔(pharyngeal cavity) の表面に並ぶ細胞により始まる。臨床的疾患は、裏打ちする組織およびリンパへ
の浸潤および展開を介して進行する。未分化のin vivoにおいて継代した腫瘍株 、S.C. VII/SFは、この典型的な成長パターンを示す。さらに、その急速な生長 速度により、個々の実験について比較的短い試験期間を提供することができる。
その他のマウス腫瘍細胞株には、その他のSCC株であるKLN-205、ケラチン生成細
胞株であるI-7、および結腸腺癌(adenocarcinoma)株であるMC-38が含まれる。
【0189】 最適なモデルシステムは、好ましくは、in vivo腫瘍成長速度(すなわち、腫 瘍が移植後4〜10日で治療のために準備される)、浸潤性、そして臨床疾患にお いて観察されるのと同様な局所展開を有すること、そして実験的治療のための利
用可能性を提供すること、に基づく基準を満足する。示されたように、SCC VII/
SF細胞株は、初代モデルシステム細胞株として利用された。この細胞株は、概し
て急速に成長し、結果として腫瘍細胞移植の後14〜17日後の未処理純系マウスの
死を引き起こす。
【0190】 この細胞株を様々な様式で利用し、様々な別個の試験に適したモデルシステム
を提供する。4種のそのような可能性を以下に記載する。 第一に、SCCVII細胞を細胞培養中で利用し、インターフェロンα発現構築物お
よび製剤の特性についてin vitro評価、例えば発現レベルや細胞毒性などを提供
することができる。
【0191】 第二に、細胞をマウスの皮下に移植することができる。移植部位の接近可能性
が有益である試験において、このシステムを利用することができる。例として、
この方法をクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)の発現に 基づく発現効率の評価において利用した。
【0192】 第三に、細胞を顎二腹筋の筋膜(the fascia of digastric muscle)中に経皮
的に移植することができる。 第四に、細胞を顎二腹筋/顎舌骨筋(mylohyoid muscle)中に、経皮的に移植
することができる。モデル3および4の重要な特徴は、以下の表に示した。
【0193】
【表2】
【0194】 マウスモデルにおいて治療された腫瘍サイズは、一般的には20〜50 mm3である
。50 mm3のマウス腫瘍は、およそ約6.6 cmの平均径を有する150 cc3のヒト腫瘍 と等価である。この腫瘍サイズは、第I相臨床試験において治療すべきことが推 奨されるサイズのおよそ10倍の大きさである。このことから、マウスモデルは、
ヒト患者における予想される腫瘍の苦しみを評価する以上の方向に強力に偏って
いることが示される。
【0195】 IV.in vivo送達のための製剤 A.一般 適切な場所に送達した場合に上述したような発現系により発現の可能性が提供
される一方、構築物の送達および細胞取り込みの両方を補助することができる送
達システム中で、(1または複数の)発現系構築物を提供することが有益である 。したがって、本発明はまた、1またはそれ以上の発現系構築物(例えば、上述 したようなDNAプラスミド)および保護的で相互作用的な非縮合化合物を含む、 具体的な製剤も提供する。
【0196】 プラスミド構築物に関連する追加の重要な因子は、開環型(OC)よりもむしろ
、スーパーコイル型(SC)であるプラスミドのパーセントである。 B.送達および発現 様々な送達方法を上述した構築物および製剤とともに使用することができ、特
に腫瘍部位に注射することによる送達を使用することができる。下顎骨下腫瘍モ
デルは、治療される腫瘍の4つの1/4部分中への注射を利用する。
【0197】 C.ヒトインターフェロンα製剤の抗癌効率 上述したインターフェロンα製剤の投与の効果を、S.C. VIIマウス腫瘍モデル
を使用して評価した。上述したプラスミド構築物を、送達製剤中に混合した。製
剤は、注射により送達した。
【0198】 D.インターフェロンαプラスミドおよびIL-12プラスミドの相乗作用および ヒトインターフェロンα製剤投与の第二次サイトカインの産生に対する効果 腫瘍細胞中での人インターフェロンαプラスミドの発現の、マウス腫瘍の進行
に対する効果から、このようなインターフェロンαの発現がこのような腫瘍に対
して効果的であることが証明される。しかしながら、IL-12はインターフェロン α発現と相乗的に作用して、抗腫瘍効果を発揮することも示されている(図9を
参照)。
【0199】 E.典型的な製剤の毒性評価 典型的な製剤は、試験された濃度では高い細胞毒性は示さないことから、製剤
はin vivoにおいて直接的な毒性作用により顕著に細胞を殺すことはないことが 示唆される。さらに、IFNα遺伝子療法により誘導される抗腫瘍活性は、免疫系 の活性化に依存しており、その免疫系の活性はin vivoでの涸渇研究により示さ れる。特定のTリンパ球集団(CD8+)の除去は、IFNα遺伝子療法により顕在化さ
れた抗腫瘍効果を排除する。
【0200】 V.投与 本明細書中で使用される投与は、プラスミドまたはDNAのキャリアーを体内に 導入するための経路について言及する。さらに、上述した送達方法に加えて、発
現系構築物、そして送達システム製剤は、様々な種類の方法により投与すること
ができる。
【0201】 投与は、直接的に標的組織に対して行ってもよく、または全身投与をした後に
標的組織に対する標的化送達をしてもよい。特に、遺伝子療法に有用な一定のレ
ベルでの、いずれかの特定の核酸配列の組織内部での持続的発現を達成して、体
に対して発現系または製剤を投与することにより疾患を治療するために、本発明
を使用することができる。
【0202】 ベクター(プラスミド)の投与および送達のための製剤の使用のための好まし
い手段は、上述の通りである。好ましい態様は、針注入を用いて直接的に注入す
ることによるものである。
【0203】 いずれかの選択されたベクター構築物の投与経路は、発現ベクターについての
特定の用途に依存しうる。一般的には、使用されるそれぞれのベクター構築物に
ついての特定の製剤は、特定の標的化組織に関するベクターの取り込みと、その
後の効率の立証に焦点が当てられるだろう。取り込みの研究には、ベクターの細
胞取り込みおよび選択されたDNAの発現を評価するための取り込みアッセイを含 みうる。このようなアッセイにより、取り込みの後の標的DNAの局在を決定する こともでき、そして発現されたタンパク質の定常状態濃度を維持するための必要
条件を確立することもできる。その後、効率および細胞傷害性を試験することが
できる。毒性は細胞生存率だけでなく、細胞機能も含みうる。
【0204】 筋肉細胞は、溶液、懸濁液またはコロイドとして筋肉中にDNA粒子を単回注射 した後、細胞外スペースからDNAを取り込むという独特の能力を有する。この方 法によるDNAの発現は、数ヶ月間持続することができる。
【0205】 製剤化されたDNAベクターの送達には、標的細胞によるエンドサイトーシスに 耐える高分子複合体中にDNAを混合することが関連する。このような複合体には 、脂質、タンパク質、炭水化物、合成有機化合物、または無機化合物が含まれう
る。好ましくは、複合体は、DNA、カチオン性脂質、および中性脂質を特定の比 率で含む。ベクターにより形成された複合体の特性(サイズ、電荷、表面特性、
組成)は、体内でのベクターの生物学的適合性を決定する。製剤のその他の要素
は、細胞の表面または内部の特異的受容体と相互作用をするリガンドとして機能
する。製剤のその他の要素は、細胞中への侵入、エンドソームからの放出、そし
て核への侵入を亢進するために機能する。
【0206】 送達は、DNAトランスポーターを使用することを介しても可能である。DNAトラ
ンスポーターとは、DNAベクターに結合し、そして上皮細胞による取り込みを可 能にする分子のことをいう。DNAトランスポーターは、DNAと非共有結合すること
ができ、そして細胞膜を通じてDNAを効率的に輸送することができる、分子複合 体を包含する。トランスポーターはまた、核膜を介してDNAも輸送することが好 ましい。例えば、以下の出願を参照、これらはすべて(図面を含めて)本明細書
中に参考文献として援用される):(1)1992年3月20日に出願され現在は放棄さ
れている、“A DNA Transporter System and Method of Use”という題名のWoo らによるU.S.シリアルNo.07/855,389;(2)1993年3月19日に出願された、“A D
NA Transporter System and Method of Use”という題名の、WooらによるPCT/US
93/02725、国際公開番号WO93/18759(米国その他の国を指定している);(3)1
993年12月14日に出願された、“Nucleic Acid Transporter Systems and Method
s of Use”という題名の、Wooらによる、一部継続出願U.S.シリアルNo.08/167,6
41;(4)1992年7月14日に出願された、“Self-Assembling Polynucleotide Del
ivery System”という題名の、SzokaらによるU.S.シリアルNo.07/913,669;およ
び(5)“Self-Assembling Polynucleotide Delivary System”という題名の、S
zokaらによるPCT/US93/03406、国際公開番号WO93/19768(米国その他の国を指定
している)。DNAトランスポーターシステムは、DNAとは独立しかつ非共有結合し
ているいくつかの要素を含む粒子からなっていてもよい。それぞれの要素は、リ
ガンドは特定の受容体またはDNAに結合するカチオン基と複合体を形成するタン パク質などのその他の官能基を認識するリガンドから構成される。使用すること
ができるカチオンの例は、スペルミン、スペルミン誘導体、ヒストン、カチオン
性ペプチド、および/またはポリリジンである。1つの要素は、DNAベクターと標
的細胞の細胞表面受容体の両方に結合することができる。このような要素の例は
、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用する有機化合物、葉酸受容体、マンノ
ース-6-ホスフェート受容体、またはカルニチン受容体である。第2要素は、DNA ベクターと核膜上の受容体の両方と結合することができる。核リガンドは、核膜
を介してトランスポーターシステムを認識し、輸送することができる。このよう
なリガンドの例は、SV40ラージT抗原またはヒストン由来の核標的化配列である 。第3要素は、DNAベクターとエピソーム性溶解を誘導する要素の両方と結合する
ことができる。アデノウィルス、インフルエンザウィルス血球凝集素(hemagglu
tinin)関連ペプチド、または上記で引用したSzokaの特許中に記載されるGALAペ
プチドなどの、不活化ウィルス粒子を含む。
【0207】 腫瘍中に直接的に遺伝子を輸送することは、非常に効果的である。腫瘍細胞中
へのDNAの直接注射による投与により、注射領域中での遺伝子の発現が結果とし て起こることが、実験により示される。ヒトインターフェロンαを含有するプラ
スミドの注入は、1回の腫瘍内注射の後、結果として5日間の遺伝子発現を引き起
こす。ヒトIFNα産生は、腫瘍注入後1日後に採取した腫瘍中で最も高く、その後
は徐々に減少した。注入されたDNAは、融合されない染色体外状態で存続する様 である。この輸送手段は、好ましい態様である。
【0208】 投与には、上述の好ましい態様に記載したように、脂質を含んでいてもよい。
脂質は、単層、二重層、または複数層様式にアレンジされた脂質と、DNAなどの 水溶性化合物を捕捉するための内部水性空間から構成される、直径0.05〜数ミク
ロンの範囲のサイズを有する中空の球状小胞であるリポソームを形成してもよい
。脂質は、リポソームを形成することなく有用でもある。具体例としては、カチ
オン性脂質、そしてDNAおよび標的細胞の膜と相互作用して細胞中へのDNAの侵入
を容易にするDOPEを含有する複合体を使用することが含まれる。
【0209】 遺伝子送達は、遺伝子操作した細胞を移植することによっても行うことができ
る。例えば、筋芽細胞(myoblast)と呼ばれる未成熟の筋肉細胞を使用して、筋
繊維中に遺伝子を運搬することができる。組換えヒト成長ホルモンを発現するよ
うに遺伝子操作された筋芽細胞は、動物の血液中へ成長ホルモンを分泌すること
ができる。取り込んだ遺伝子の分泌は、3ヶ月までの期間を超えて持続すること ができる。
【0210】 筋芽細胞は、実際に分化し、そして既存の筋肉組織と融合する。細胞が既存の
構造中に取り込まれるため、ただ寛容になるのではなく、栄養補給される。筋芽
細胞は、遺伝子治療の必要がある個体から筋肉組織を採取することにより容易に
得ることができ、そして遺伝子操作した細胞を患者の筋肉に対して損傷を引き起
こすことなく容易に戻すこともできる。同様に、ケラチン生成細胞を使用して、
遺伝子を組織に送達することができる。多数のケラチン生成細胞を少量のバイオ
プシーを培養することにより生成することができる。培養物は、層状のシートと
して調製することができ、ヒトに移植する場合には、多数年にわたって組織特有
の性質を改善し続ける表皮を生成することができる。ケラチン生成細胞に適切な
ベクターをトランスフェクトすることにより、ケラチン生成細胞を培養中にて遺
伝子的に操作する。表皮を真皮から分離している基底膜により、ケラチン生成細
胞は循環系から分離されているが、ヒトケラチン生成細胞は、生成したタンパク
質を循環系に分泌する。
【0211】 選択された送達方法は、結果として適切な生物学的効果を引き起こすレベルで
核酸カセット内にコードされる遺伝子産物の発現を引き起こす。発現速度は、疾
患、ベクターおよび遺伝子産物の薬物動態学、および投与経路に依存するが、し
かし0.001〜100 mg/体重kg/日の範囲内であるべきであり、好ましくは0.01〜10
mg/体重kg/日である。このレベルは、標準的な方法により容易に決定することが
できる。これは、多かれ少なかれ、最適容量に依存する。治療期間は、疾患症候
の経過を通して、可能であれば継続的に拡張しうる。容量の回数は、疾患、送達
ビヒクル、そして臨床試験からの効率データに依存しうる。
【0212】
【実施例】
本発明を以下の具体的な実施例によってより詳細に述べるが、このことはいか
なる場合も本発明の範囲を限定をするものとして解釈されてはならない。以下に
示す通り、mIFN−遺伝子医薬は、同系マウス腫瘍モデルにおいて腫瘍成長を
減弱させる。mIFN−遺伝子医薬の脂質製剤は、SCC−VII腫瘍モデルお
よびMC−38腫瘍モデルのいずれにおいても抗腫瘍活性を発揮する。mIFN
−遺伝子医薬のPINCおよびペプチド製剤は、MC−38腫瘍モデルにおいて
抗腫瘍効果を発揮する。mIFN−遺伝子医薬の抗腫瘍効果は、用量依存性であ
る。さらに、IFNαおよびIL−12の組み合わせによる腫瘍の処置は、PI
NC又は脂質製剤のいずれかを使用した場合に付加的(相乗的)抗腫瘍活性を超
える予期しない抗腫瘍活性を与えるものであることを、実施例は示している。
【0213】 実施例1 マウスIFNα4をコードし、ポリマー性送達系において処方された、プラス
ミド発現系が、免疫原性マウス腎細胞癌腫(renal cell carci
noma)であるRenca、および非免疫原性乳腺癌(mammary ad
enocarcinoma)であるTS/A に対するin vivoの免疫療 法的活性に使用された。樹立腫瘍を保有するマウスが、IFNα/ポリビニルピ
ロリドン(PVP)発現複合体を用いて、直接腫瘍内注射により処置された。1
00%に至る腫瘍成長の阻害が、処置されたマウスにおいて認められた。Ren
caの処置に対しては96μg、TS/Aの処置に対しては48μgである処方
されたIFN−αプラスミドの最適用量をそれぞれ用いることにより、処置され
た動物の30%(Renca)および10%(TS/A)が腫瘍なしとなった。
腫瘍の阻害は免疫系の活性化に依存していた。CD8+T細胞が選択的に涸渇さ れたマウスの場合、INF−α遺伝子治療により顕在化する抗腫瘍活性は排除さ
れた。これに対し、CD4+の除去は、結果としてINF−α/PVP処置後の 腫瘍拒絶を増加させた。最終的に、INF−α遺伝子治療後の腫瘍なしとなった
マウスは、その後の腫瘍のチャレンジに対して免疫抵抗を発揮した。これらのデ
ータは、非ウイルス性IFN−α遺伝子治療を用いて、効率的な抗腫瘍応答と誘
導することができるという証拠を提供するものである。
【0214】 腫瘍中におけるサイトカインの局在は免疫応答を活性化でき、いくつかの事例
では特異的な持続性の抗腫瘍免疫の誘導を導く。マウスIFNα4をコードしポ
リマー性送達系において処方されたプラスミドの直接腫瘍内注射により、腫瘍を
保有するマウスは、腫瘍の阻害および根絶を導く免疫応答を発達させる。INF
−αにより誘導される免疫応答は主としてCD8−媒介性であり、この処置は結
果としてマウスにおける腫瘍の完全な退縮を示す長期免疫となるということを、
我々はin vivoでの涸渇についての研究により示した。従って、非ウイル
ス性INF−α遺伝子治療は、ヒトの癌に対するINF−αタンパク質治療の有
効な代替方法となり得る。
【0215】 サイトカイン遺伝子による腫瘍細胞の形質転換は、サイトカイン−媒介性抗腫
瘍免疫を誘導するための非常に有効な技術であることが証明されている。実験モ
デルにおいて、IL−2、IL−1、IL−4、IL−6、IL−7、IF−1
2、IFN類、CSF類(即ち GM−CSF)の腫瘍部位での局在は、結果と して重要な腫瘍成長阻害となり得る(Colombo et al.,“Loc
al Cytokine Availability Elicits Tum
or Rejection and Systemic Immunity T
hrough Granulocyte−T−Lymphocyte Cros
s−Talk”, Cancer Research, 52, 4853−4
857(1992))。これらの系において、サイトカインは直接的には腫瘍増
殖に対して限られた効果を有するものであるが、腫瘍進行を妨げる迅速かつ強力
な抗腫瘍免疫応答を活性化することができる。しかしながら、ワクチン接種の効
率が腫瘍の大きさ、成長速度、侵入性に高依存性であるため、樹立された親腫瘍
(established parental tumors)をex viv
oにてサイトカインで形質導入された腫瘍細胞を用いて根絶することは困難であ
る。
【0216】 これらの課題を克服するため、局所的にトランスジェニックサイトカインを送
達でき抗腫瘍免疫応答を誘導できるサイトカイン−ベースの遺伝子治療法が近年
多くの研究者により評価されてきた(Forni et al., “Cyto
kine−Induced Immunogenicity: From Ex ogeneous Cytokines to Gene Therapy”,
Journal of Immunotherapy, 14, 253−2
57, (1993); Pericle et al., “An Effi cient Th2−type Memory Follows Cd8+ L
ympocyte−driven and Eosinophil−media
ted Rejection of a Spontaneous Mouse
Mammary Adenocarcinoma Engineered t
o Release Il−4”, The Journal of Immu nology , 153, 5660−5673. (1994); Pard
oll et al., “Gene Modified Tumor Vac
cines, In Cytokine−Induced Tumor Imm
unogenicity”, eds. Academic Press,
ondon, p. 71−86. (1994); and Musiani
et al., “Cytokines, Tumor−cell Deat
h and Immunogenicity: A Question of
Choice”, Immunology Today. 1, 32−36
(1997))。アデノウイルス、レトロウイルス、およびリポソーム性ベクタ
ーを用いる遺伝子治療における技術的な進展が、特異的なサイトカインメディエ
ーターの生物学的効果についての研究、並びに新規な臨床的に利用可能な抗腫瘍
免疫療法の開発のための、強力な手段を提供している(Pardoll, “P
aracrine Cytokine Adjuvants in Cance
r Immunotherapy”, Annu. Rev. Immunol . 13, 399−415 (1995); Bramson et al.
, “Derect Intratumoral Injection of
an Adenovirus Expressing Interleukin
−12 Induces Regression and Long−last
ing Immunity That Is Associated with
Highly Localized Expression of Inte
rleulin−12”, Hum. Gene Ther., 7, 199
5−2002 (1996); Rao et. al., “Il−12 I
s an Effective Adjuvant to Recombina
nt Vaccinia Virus−based Tumor Vaccin
es”, J. Immunol. 156, 3357−3365. 199
6; Rakhmilevich et al., “Gene Gun−me
diated Skin Transfection with Interl
eukin 12 Gene Results in Regression
of Established Primary and Metastati
c Murine Tumors”, Proc. Natl. Acad. Sci. USA . 93, 6291−6296 (1996); and
Rakhmilevich et al., “Cytokine Gene
Therapy of Cancer Using Gene Gun Tec
hnology: Superior Antitumor Activity
of Interleukin−12”, Hum. Gene Ther
8, 1303−1311,(1997))。
【0217】 プラスミドDNA(pDNA)をヌクレアーゼから保護し、pDNAの筋肉細
胞中での分散および保持を調節することによりタンパク質発現を増加させるとい
う、相互作用的ポリマー性遺伝子送達系を使用した遺伝子治療法が、1996年
にMumperらによって記載されている。これらの、ポリマー性相互作用的非
濃縮(PINC)系は、塩類溶液中の非処方プラスミドの送達と比較して、組織
から大量の遺伝子発現を日常的にもたらす(Mumper et al., 1
996)。ヒトインスリン成長因子−1(hIGF−1)をコードし、PINC
複合体として処方されたプラスミドを用いることにより、筋肉内注射後にin
vivoにおいて生物学的に活性なhIGF−1産生されることが示されている
(Alila et al., “Expression of Biolog
ically Active Human Insline−Like Gro
wth Factor−1 Following Intramuscular
Injection of a Formulated Plasmid i
n Rats” Human Gene Therapy, 8, 1785−
1795 (1997))。この研究の具体的な目的は、マウスINFα4をコ
ードしPVPとの複合体として処方されてたプラスミド発現系が、皮下のマウス
腫瘍に直接注射した後に抗腫瘍免疫応答を誘導できるかを測定することであった
【0218】 IFNファミリーは3種の主要な糖タンパク質、即ちIFNα、IFNβ、お
よびINFγ、から構成される。IFN類は当初抗ウイルス剤として開発してき
たものであるが、現在では、IFN類は細胞成長および分化を調節し、また宿主
免疫の種々の態様を調整することが明らかになっている(Gresser et
al., “Antitumor effects of interfer
on”, Acta Oncol. 28, 347−353 (1989))
。IFNαの全身への長期投与は、カポジ肉種、肺血管腫症、血管腫を含む血管
の腫瘍の退縮を引き起こすことが、臨床データより結論づけられた(Singh
et al., “Interferons A and B Down−r
egulate the Expression of Basic Fibr
oblast Growth Factor in Human Carcin
omas”, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 9
2, 4562−4566 (1995))。IFNαは、臨床試験に使われた
最初のサイトカインであり、ヒトの癌のある種のタイプに対して有効であること
を証明したが、このサイトカインは遺伝子治療のための候補として考えられたの
は、つい最近のことである(Ogura et al., 1993, Bel
ldegrum et al., “Human Renal Carcino
ma Line Transfected With Interleukin
−2 and/or Interferon α Gene(s): Impl
ications for Live Cancer Vaccines”, Journal of the National Cancer Insti tute , 85, 207−216 (1993) )。
【0219】 初期の研究は、IFNαを産生する遺伝子的に修飾された腫瘍細胞を同系マウス へ注射することにより、腫瘍成長阻害を誘導しおよび腫瘍特異的免疫記憶を顕在
化するものであることを示している(Ferrantini et al.,
interferon−Alpha−1−Interferon Gene T
ransfer into Metastatic Friend Lukem
ia Cells Abrogated Tumorigenicity in
Immunocompetent Mice:Antitumor Ther
apy by Means of Interferon−Producing
Cells; Cancer Res. 53, 1107−4615 (1
993); Ferrantini et al., “Ifn−α1 Gen
e Expression into a Metastatic Murin
e Adenocarcicoma (Ts/a) Results in C
d8+ T Cell−Mediated Tumor Rejection
and Development of Antitumor Immunit
y: Comparative Studies with Ifn−γ−pr
oducing Ts/a cells” Journal of Immun
ology, 153, 4604−4615, (1994); Musia
ni et al., 1997 )。しかしながら、樹立腫瘍の退縮を誘導す
る際の、このワクチンの可能性のある態様の真の価値は、いまだ証明されるべき
状態にある。
【0220】 この研究において、皮下のマウス腫瘍へのPVP中で処方されたIFNαプラ
スミドの直接注射が、結果として、主としてCD8+T細胞により媒介され、そ してその後の腫瘍の再チャレンジに対して保護的な免疫を顕在化するという、宿
主依存性の腫瘍拒絶をもたらすという証拠を、我々は提供する。
【0221】 材料および方法 プラスミド構築物および製剤 mIFN1α4についての発現カセットを含むプラスミドの発現系は、以下の
ように構築された。マウスIFN−α4遺伝子のコード配列(Genebank
X01973 M15456 M23830 X01967)が、マウスゲノ
ムDNAからPCRにより増幅された。増幅されたmIFN−α4配列はその後
、プラスミド骨格中にサブクローン化され、配列適合度は、DNA配列分析によ
り確認された(データは示されていない)。mIFN−α4のコード配列を、そ
の後、発現プラスミドpIL0697中にXbaI−BamH1フラグメントと
してサブクローン化して、mINF−α4発現系pIF0836を作製した。プ
ラスミドpVC0612(空のプラスミド:EP)は、サイトメガロウイルス即
時性初期プロモーター、およびAlilaら(1997年)に記載されたpVC
0289骨格中のウシ成長遺伝子3’UTR/poly(A)シグナルを含む発
現要素を含有する。プラスミドpVC0612は、全てのin vivo実験に
おいてコントロールプラスミドとして用いられた。腫瘍内注射のためのプラスミ
ドは、E.Coli宿主株DH5α中でカナマイシン選択下で培養され、従来の
アルカリ分解およびクロマトグラフ法を用いて精製された。腫瘍内注射として使
用しされる精製されたプラスミドは下記の明細を有する: エンドトキシン(<
500Eu/mg プラスミド);タンパク質(<1%);染色体DNA(<2
0%)。精製pIF0836とコントロールプラスミドは注射の日に、5% w
/v ポリビニル−ピロリドン(Plasdone C−30, ISP Te
chnologies, Wayne, NJ)150mM NaCl中で濃度
3mg DNA/mlとして、先に記載されていた通りに製剤化された(Mu mper et al., 1996)。
【0222】 mIFNαのウェスタンブロット分析およびバイオアッセイ HeLa細胞が、1ウェルあたり3×105細胞として6穴プレートに蒔かれ 、血清不含DMEM中1αμgのマウスIFNα4プラスミドpIF0836C
および3μgのリポフェクタミン(Life Thechnologies,
Inc. Gaithersburg, MD)を用て、トランスフェクトした
。上記の上清は24時間後に採集し、抗マウスインターフェロン α/βポリク
ローナル抗体(BioSource International,Camar
illo, CA)およびプロテインAおよびGアガロース(Boehring
er Mannheim, Indianapolis, IN)を用いて免疫
沈降した。サンプルは、12%Trisグリシンゲル上に流され、Millip
ore社のPVDF膜にエレクトロブロットされた。抗マウスインターフェロン
α/βポリクローナル抗体は1:1000で用いられ、続いての抗ヒツジIg HRP(Boehringer Mannheim)を1:1000で用いた。
ビオチニル化分子量マーカーを、ストレプトアビジン−HRP(Amersha
m, Arlington Heights, IL)を用いて検出した。検出
はAmersham ECL キットを用いて行われた。上清は、NIHマウス
IFNα参照試薬(Access Biomedical,San Diego , CA)と平行して、脳心筋炎ウイルスで処置されたL929細胞を用いて、
IFNα生物学的活性についても調べられた。
【0223】 動物 正常な生後8週の雌のBALB/cマウスを、テキサス州ヒューストンのHa
rlan Laboratoriesから購入した。マウスは、ゲッ歯類用飼料
および水を無制限に与え、23℃、湿度40%、12時間/12時間の明暗サイ
クルで維持した。動物は、研究開始の少なくとも4日前には環境に順応させた。
【0224】 腫瘍 3種の樹立マウス腫瘍モデルがこの研究では用いられた。TS/Aは、イタリ
ア国ボローニャ大学のDr.P.Nannniによる、BALB/cマウスに自
然に発生した適度に分化した乳腺癌の最初のin vivo移植組織に由来する
樹立された腫瘍細胞系である(Nanni et al.,1983)。多くの
前免疫化チャレンジ実験から、TS/Aは持続性の抗腫瘍免疫を顕在化しないと
いうことが示唆される(Forni et al.,1987)。TS/Aは、
イタリア国ツリン大学のDr.Guido Forniにより寛大にも提供され
た。自然に発生するマウスの腎細胞癌種であるRenca、および結腸腺癌であ
るCT26は、メリーランド州ボルチモア、ジョン ホプキンス病院のDr.D
rew M.Pardollより寛大にも提供された。腫瘍細胞培養は、Cor
ning製(Corning,NY)の無菌の使い捨てフラスコ中で、加湿され
た5%CO2雰囲気中37℃で、10% FBS、100U/mlのペニシリン 、100U/mlのストレプトマイシン、および50μg/mlのゲンタマイシ
ンを添加したRPMI 1640(全てLife Techenologies 製)を用いて維持された。
【0225】 腫瘍成長および処置のin vivo評価 BALB/cマウスは、明示された細胞数を含む単一細胞懸濁液30μlで、
左横腹中央をs.c.でチャレンジされた。7日後、腫瘍の大きさが約10mm 3 に達した時に、IFNα/PVP又はEP/PVPによる処置を開始し、1〜 2日間隔で2週間(計8処置:4/週)繰り返した。腫瘍の体積は、2方向の垂
直線の直径および深さを、電子カリパスで測定することにより求めた。腫瘍の大
きさ(mm3)の測定は、2週に1度40〜50日間実施された。1cm3を超え
た腫瘍の塊を保有する全てのマウスは、人道的理由から犠死させた。In vi
voでの免疫適格細胞の涸渇が必要とされるときは、マウスのクループに、α−
CD4(GK1.5 ハイブリドーマ,207−TIB,ATCC,Rocvi
lle,MD)、0.5ml腹水(1:10)、又はα−CD8(2.43 ハ
イブリドーマ,210−TIB,ATCC)腹水(1:100)を静脈内に(i
.v.)、又は100μg α−GR1(RB6−8C5 ハイブリドーマ,P
harmingen,San Diego,CA)を腹腔内に(i.p.)与え
た。コントロールマウスには、0.5mlアイソタイプコントロールIgG(P
harmingen)を静脈内にて(i.v.)与えた。抗体による処置は2度
実施され、1回目の注射は遺伝子治療処置の開始される1日前、2回目の注射(
同用量を腹腔内(i.p.))は7日後であった。
【0226】 CTLアッセイ 標準6時間51−クロム(51Cr)−放出アッセイが、in vitroのエ
フェクター細胞刺激の5日後に実施された。腫瘍チャレンジの3週間後に、脾臓
をRPMI1640培地(Life Technologies)中ですり潰し
、70μmナイロンメッシュ細胞濾過器(Falcon,Becton Dic
kinson製、Lincoln Park,NJ)に細胞を通して50ml遠
心分離管(Falcon)へ入れることにより、脾細胞の単一細胞懸濁液が調製
された。遠心分離後、赤血球細胞はACK溶解バッファ(Biofluids,
Inc.,Rockville,MD)により溶解し、脾細胞はRPMIにより
2度洗浄された。In vitroの刺激培養は、1mlあたり3×106個の 脾細胞/エフェクターを、1mlあたり6×105個のマイトマイシン−C−処 理をしたRenca/刺激細胞、および1mlあたり10ユニットの組み換え体
マウスIL−2(Genzyme,Cambridge,MA)を、10%FB
S、22mMのHEPESバッファ(Research Organics I
nc.,Cleaveland,OH)、ペニシリン−ストレプトマイシン、5
×10-5M 2−β−メルカプト−エタノール(Life Trechnolo
gy)、OPI培地添加物(Sigma,St.Louis,MO)、必須アミ
ノ酸および非必須アミノ酸(Life Technologies)を含むRP
MI中に含有していた(応答細胞:刺激細胞比 5:1)。刺激細胞は、1ml
あたり3×107のRenca細胞を、1mlあたり30μgのマイトマイシン −Cを含むPRMI中において37℃で60分間インキュベートすることにより
調製され、その後2.5%FBSを含むHBSS中で4回洗浄された。37℃で
5日経過後、エフェクター細胞はペレット化され、完全RPMI中での再懸濁、
計数の後、96ウェルV−底プレート(Costar/Corning,Cam
bridge,MA)中で51Cr−標識されたターゲットと混合された。Ren
caおよびCT26のターゲットは、1mlあたり2×106個のこれらの細胞 を、150 uCi 51Cr(Amersham)を含む完全RPMI中で2.
5時間インキュベートすることにより標識した。ターゲットは、アッセイに先立
ち、2.5%FBSを含むHBSS中で3回の洗浄および完全RPMI中での再
懸濁がなされた。エフェクターとターゲットを3個のウェル中で混合し、そして
単時間ペレット化した後、プレートは37℃で6時間静置された。その後、上清
の約90%がSkatron Harvesting PressおよびSup
ernatant Collection System(Skatron I
nstruments,Norway)により、それぞれのウェルから採集され
た。51Cr放出はWALLAC1470 Wizard自動ガンマカウンター(
WALLAC Inc.,Gaithersburg MD)を用いて検出した
。特異的放出は次式により決定された:(実験によるcpm−自然のcpm)/
(合計cmp−自然のcpm)×100。ターゲットからの自然放出は18%よ
り少なく、トリプリケート実験 のカウントの標準誤差は14%より少なかった 。
【0227】 統計的分析 腫瘍成長に対するmIFN−α遺伝子治療の効果についてのデータは、反復測
定解析により分析された。主たる効果が有意である場合は、個々の処置手段はD
uncanの多重範囲試験(Duncan’s multiple range
test)を用いて比較された。腫瘍拒絶に対するmIFN−α遺伝子治療の
効果についてのデータは、ANOVAによって分析された。全ての事例において
、0.05より少ないp値は、統計的に有意であると判断された。
【0228】 結果 mIFN−αの発現 マウスIFN−α発現プラスミド(pIF0836)を、Cos−1細胞にト
ランスフェクトし、結果として調整培地(Conditioned media
)を、ウェスタンブロットおよびバイオアッセイによってINF−αについてア
ッセイした。調整培地のウェスタンブロット分析により、pIF0836テンプ
レートから発現された組み換えmINF−αは、23kDaの近似分子量の単一
バンドとして存在することが示された。このバンドは、模擬トランスフェクトさ
れた(mock−transfeced)細胞からの調整培地中では認められず
、おそらくはmINF−αのグリコシル化体を表している。組み換え体mIFN
−αは18kDAの近似分子量で動き、これは非グリコシル化mIFN−αの予
想される分子量に対応する。mIFN−αに対する抗ウイルスバイオアッセイを
用いた調整倍地のアッセイにより、約175×103IU/mlのmIFN−α が存在していることが示された。
【0229】 IFN−α遺伝子治療の抗腫瘍活性。PVPとの複合体として処方されたマウ
スIFNα4プラスミド(IFNα/PVP)の抗腫瘍効果が、同系マウス腎細
胞癌腫(Renca)および乳線癌(TS/A)腫瘍モデル中で調べられた。B
ALB/cマウスの皮下に、Renca細胞7×105個又はCT26細胞1× 105個をチャレンジし、7日後に腫瘍が約10mm3の大きさに達したときに、
IFNα/PVP注射を開始した。スカラー用量(12から96μg/マウス)
のIFNα/PVP、又はEP/PVP(96μg/マウス)が、1〜2日の間
隔でマウスのそれぞれのグループに8回処置され(4注射/週)、コントロール
(ctrl)に対しては処置を行わなかった。EP/PVP(Renca,TS
/A)、又は低用量のIFNα/PVP(TS/A)を注射されたマウスでは、
腫瘍の大きさが徐々に増大したが、各々の用量のIFNα/PVP(Renca
)、又は高用量のIFNα/PVP(TS/Aで)を注射されたマウスの腫瘍で
は、著しい腫瘍成長阻害が現れた。
【0230】 腫瘍成長阻害は全身の免疫応答が関連する Renca腫瘍については96μg/マウス、TS/A腫瘍については48μ
g/マウスのIFNα/PVPでそれぞれ処置することにより、Rencaでは
20匹中6匹、TS/Aでは20匹中2匹のチャレンジされたマウスにおいて、
完全な退縮が誘導された。これらの腫瘍についての拒絶が特異的な免疫記憶を導
くかについて調べるために、IFN処置後40〜50日の間腫瘍のないマウスに
ついて、右脇腹を大量の腫瘍で再チャレンジした。最初の腫瘍を拒絶した全ての
マウスが、2度目の腫瘍チャレンジに対して防御することを示したが、一方、コ
ーントロールグループとして用いられ、同量の腫瘍細胞(1×106 Renc a又は2×105 TS/A)を始めて注射されたマウスでは、腫瘍が発達した 。
【0231】 抗腫瘍免疫記憶の誘導についての必要条件を評価するために、抗−CD4、抗
−CD8、又は抗−多形核細胞(PMN)を用いて放置することにより免疫抑制
されたBALB/cに、Renca又はTS/Aを注射した。CD8+T細胞の 涸渇により、IFNα/PVP処置後の全ての動物において、Rencaおよび
TS/A双方の成長が可能となり、このことからこの細胞集団が、IFNα遺伝
子治療によって誘導される免疫応答にとって重要であることが示された。抗−P
MN(α−GR1)モノクローナルAb(mAb)で処置したマウスにおいては
、腫瘍成長の増大は見られなかった。CD4+T細胞を涸渇させ、IFNα/P VPで処置したマウスでは、腫瘍拒絶の増大が認められることから、CD4+T 細胞の涸渇は、IFNα遺伝子治療の抗腫瘍効果を増強することができるもので
あることが示唆される。
【0232】 腫瘍内のIFNαの発現は、CTL応答を誘導する。CD8+腫瘍特異的CT
LがINFα/PVP処置によりin vivoで誘導されるかを評価するため
に、Renca腫瘍をチャレンジしたマウスからの脾細胞をINF遺伝子治療後
の細胞障害活性について調べた。Rencaに対する細胞障害活性を有し、およ
び腫瘍特異性についてのコントロールとして用いられたCT26細胞に対しては
細胞障害活性を有さないことが、IFNα遺伝子治療を受けたマウスの4匹中2
匹にて見出された。さらに、CD4+を涸渇させ、IFNα/PVPで処置した
マウスからの脾細胞は、Renca細胞に対して強いCTL活性を発揮した。こ
れに対して、EP/PVPで処置されたマウスから分離された脾細胞からは、R
encaに対してほとんどCTL活性を示さないことが明らかとなった。
【0233】 検討 本明細書で報告されているデータは、ポリマー性送達系中で処方されたINF
α遺伝子を皮下の腎細胞癌腫および乳腺癌中へ直接投与することにより、腫瘍成
長を阻害し、二次的な腫瘍チャレンジに対して持続性免疫を誘導することを証明
している。ヒトにおいて自然発生する多数の腫瘍と類似した表現型である免疫原
性癌腫及びより攻撃的で免疫原性の低い腺癌の双方に対して、抗腫瘍応答が認め
られるという事実は、かなり重要である。
【0234】 腫瘍性形質転換および悪性腫瘍の一因となる種々の遺伝的異常がヒトの癌にお
いて発生する。癌についての分子的基礎について理解が高まっているにもかかわ
らず、多くの悪性腫瘍は確立した治療形態に対して耐性を示す。さらに近年では
、分子遺伝学的治療が、免疫療法の効能を向上させる目的で企画されてきている
。サイトカイン遺伝子をex vivoで形質導入した腫瘍細胞を用いたマウス
モデルにおいて多数の実験的研究が実施されてきているが、大規模なヒト腫瘍ワ
クチン治療へこの方策を移行することにおける主な制限は、労働集約性(lab
or intensity)、および各々の腫瘍細胞を培養物中に樹立し、およ
び適切なベクター(即ちレトロウイルス)を用いて腫瘍細胞に形質導入すること
の不定性である。この課題についての我々の解決策は、非ウイルス性の送達系を
用いてサイトカインcDNAによりin vivoで腫瘍細胞を修飾することに
より、腫瘍細胞が、腫瘍中に存在する抗腫瘍応答細胞に対して、目的とするサイ
トカインをパラクライン様式で供給することができる、というものである。
【0235】 INFα4遺伝子を含有しPVP中で処方されたプラスミドを用いることで、
このDNA−PINC複合体を腫瘍内注射することにより、100%腫瘍成長阻
害という全体としての応答率とともに、Rencaモデル中の30%の事例にお
いて完全な腫瘍退縮を導くことができることを、我々は示した。これらの結果は
、マウスINF−α1を産生する遺伝的に修飾されたTS/A細胞により、抗腫
瘍活性が顕在化したと述べる近年の研究と一致している(Ferrantini
et al., 1994)。サイトカイン遺伝子を形質導入した腫瘍細胞を
用いるIFNαの抗腫瘍効果は記載されているが(Scarpa et al.
, “Extracellular Matrix Remodelling
in a Murine Mammary Adenocarcinoma T
ransfected with the Interferon−alpha
1 Gene”, Journal of Pathology. 181,
116−123 1997)、進行した腫瘍を阻止又は阻害する際のIFNα遺
伝子治療の真の価値は、探求されるべきままである。非ウイルス性INFα遺伝
子送達系を用いることのレトロウイルス用いることに勝る利点は、in vit
roでの最初の樹立腫瘍細胞を必要とせず、腫瘍細胞をin vivoにおいて
直接形質導入できることである。さらに、IFNαは、ウイルス性ベクターと組
み合わせたこの遺伝子の使用を制限する強い抗ウイルス活性を有している。
【0236】 類似の相互作用PVP−ベース送達系を用いて、IGF−Iについての治療レ
ベルの遺伝子発現をすることが、以前より述べられていた(Alila et
al., 1997)。IFNα遺伝子との複合体と同一のPINC送達系を直
接腫瘍内注射することにより、INFα−特異性抗腫瘍活性を誘導するターゲッ
ト細胞中への、プラスミドのin vivoでの拡散を生じた。INFαコード
領域を欠く以外は同一のプラスミドであって、PVPとの複合体として処方され
たもので処置された腫瘍は、この処置に応答せず、処置されていない腫瘍と同じ
ような速度で成長した。INFα/PVPの最適用量を用いることによって、腫
瘍を保有するマウスは、特異的な持続性腫瘍免疫を備えることで、腫瘍を拒絶す
ることができた。2回目の腫瘍チャレンジを拒絶するマウスの個体数は低かった
が、この観察結果は、樹立腫瘍の拒絶を誘導するIFNαの活性のかなりの部分
は、抗脈管形成性又は抗増殖性ではなく免疫刺激性であるということを示唆して
いる。進行した腫瘍のIFNα誘導性の退縮が、in vivoにおける抗CD
8mAbの投与により妨げられるとういうことを、我々の結果は証明しており、
この結果により、IFNαの抗腫瘍効果におけるCD8+T細胞の重要な役割に ついての直接の証拠が提供される。
【0237】 INFα遺伝子治療で処置された腫瘍を保有するマウスにおけるCD4+T細 胞の涸渇は、IFNαの治療上の効果を著しく増強し、この結果、処置されたマ
ウスの80%までが腫瘍の退縮および延命を生じた。腫瘍発達中のCD4媒介性
の抑制は、以前より報告されており、腫瘍を有するマウスにおけるCD4+の涸 渇は、IL−2又はIL−12のいずれかを用いる抗腫瘍治療の増加をもたらす
ことについても示されていた(Rackmilevich et al., 1
994 and Martinotti et. al., “Cd4 T C
ells Inhibit InVivo the Cd8−mediated
Immune Response Against Murine Colo
n Carcinoma Cells Transduced with In
terleukin−12 Genes”, Eur. J. Immunol , 25, 137−146.(1995))。処置をしない場合における、腫
瘍を保有するマウス中のCD4+T細胞の涸渇は、腫瘍自体の成長には作用して おらず、そのことにより、CD4+T細胞の除去は成長因子を腫瘍から奪わない ということが示唆されるということを、彼らは示していた(Rackmilev
ich et al., 1994)。この現象についての考えられる説明は、
腫瘍を有するマウスからのCD4+T細胞の涸渇は、免疫抑制からCD8+T細胞
を解放することにより、IFNα活性化CD8+T細胞の抗腫瘍効果を増大させ るということである。Th2タイプのサイトカインが、直接又はB細胞活性化を
通じて、細胞性免疫を阻害しうるが、CD4抑制を駆動する機構は、詳しくは判
っていない(Mossman et al.,1989;Powrie et
al.,Eur−J−Immunol,23(11):3043−9(1993
))。CTLは、CD4−涸渇および非−涸渇のマウスの双方において、マイト
マイシン処理したRenca細胞およびrIL−2を用いてin vitroで
再刺激(re−stimulation)することにより脾臓から得られるリン
パ球から生成し得る。従って、CD4媒介性の抑制が、CD8拡大(expan
sion)を発揮させるものであり、初回免疫刺激(priming)ではない
と考えられる。in vivoの結果によれば、CD4を涸渇させIFNα/P
VP処置をしたマウスで、より強力なCTL活性が認められ、このことにより、
in vivoでのINFα−媒介性CD8+T細胞の応答を、CD4+T細胞が
阻害しているということが示唆される。悪性腫瘍の成長を抑制するということが
発見されたINFα遺伝子のようなサイトカイン遺伝子を腫瘍内へ直接投与する
ことにより、ヒトの癌の治療に対して新たな治療上の選択肢を提供するものであ
ることを、この研究は示唆している。
【0238】 実施例2: mIFNの薬理学 − 同系腫瘍モデルにおける遺伝子医薬 mIFN−2又はmIFN−4のいずれかをコードする遺伝子発現系が、陽イ
オン性脂質、ペプチド、又はPINC送達系のいずれかで処方され、皮下の扁平
上皮細胞癌腫(SSC−VII)腫瘍又は腺癌(MC−38)腫瘍中に腫瘍内注
射された場合の抗腫瘍活性について調べられた。
【0239】 実験の計画および処置法 mIFN遺伝子医薬の抗腫瘍活性を調べるための実験が、SCC−VII腫瘍
モデル又はMC−38腫瘍モデルのいずれかで行われた。腫瘍細胞(4×105 )を、マウスの脇腹部位に皮下注射し、腫瘍の体積が約50mm3に達したとき に処置を始めた。処置は、腫瘍導入後、SCC−VII腫瘍では約6日、MC− 38腫瘍では約10日で開始され、3〜5日の間隔で繰り返された。
【0240】 mIFNα遺伝子医薬の全ての製剤は50μlの用量で投与された。成長の早
いSCC−VII腫瘍は概ね3回の処置を受け、一方、比較的成長の遅いMC−
38腫瘍は概ね4回の処置を受けた。実験は、ラクト−スビヒクルコントロール
腫瘍が、約1000mm3に達したときに終了された。
【0241】 マウスIFN遺伝子医薬(IFNα/PVP)の抗腫瘍効果が、同系マウスの
腎細胞癌腫Renca)および乳腺癌(TS/A)において調べられた。BAL
B/cマウスが、7×105又は1×105のCT26によって、皮下にチャレン
ジされ、IFNα/PVP注射が、7日後に、腫瘍が約10mm3の大きさに達 したときに始められた。スカラー用量(12〜96μg/マウス)のIFNα/
PVP、又はEP/PVP(96μg/マウス)が、マウスのそれぞれのグルー
プに8回処置され(4注射を2週間)、コントロール(ctrl)に対しては処
置を行わなかった。EP/PVPを2週間(Renca,TS/A)、又は低用
量のIFNα/PVP(TS/A)を注射されたマウスでは、腫瘍の大きさが発
達的に増大したが、各々の用量のIFNα/PVP(Renca)、又は高用量
のIFNα/PVP(TS/A)を注射されたマウスでは、著しい腫瘍成長阻害
が現れた。
【0242】 実施例3: 陽イオン性脂質中で処方されたmIFN遺伝子医薬によるSCC −VII腫瘍成長の減少 前述の実施例にて記載されたように、SCC−VII腫瘍モデルにおいて実験
を行った。陽イオン性脂質、ペプチド、およびPINC送達系で処方されたmI
FN遺伝子医薬が調べられた。ラクト−スビヒクルの注射された腫瘍および陽イ
オン性脂質中で処方されたコントロールプラスミド(コードされていないもの)
を注射した腫瘍の双方と比較して、陽イオン性脂質製剤が著しくSCC−VII
の成長を減少させるものであることを、実験結果は示している。陽イオン性脂質
中で処方されたmIFN遺伝子医薬の効果は用量依存性であり、PVA中で処方
された場合はmIFN遺伝子医薬の効果はなかった。さらに、免疫組織化学的方
法を用いたこの実験に基づく腫瘍の分析では、陽イオン性脂質製剤が注射された
腫瘍中におけるCD8+白血球の侵潤が明らかになったが、PVA製剤が注射さ れた腫瘍中ではそのような事実はなかった。
【0243】 mIFN遺伝子医薬は、コントロールプラスミドを注射した腫瘍又はラクト−
スを注射した腫瘍と比較して、SCC−VII腫瘍の成長を著しく減少させる。
コントロールプラスミドとmIFNプラスミド間の相違は、製剤全種に亘って一
貫していた。プラスミドの用量は46μg/処置であった。コントロールプラス
ミドを注射された腫瘍の成長は、反復測定分析を用いて、mIFN遺伝子医薬を
注射された腫瘍の成長と比較した。mIFNは、コントロールプラスミド(p=
.035)と比較してSCC−VII腫瘍の成長を減少させていた。
【0244】 実施例4: mIFN遺伝子医薬によるMC−38腫瘍成長の減少 前述の実施例にて記載されたように実験を行った。mIFN遺伝子医薬の種々
の試作製剤の、皮下のMC−38腫瘍に及ぼす効果が比較された。調べられた全
ての製剤(陽イオン性脂質、ペプチド、およびPINC)において、mIFN遺
伝子医薬は腫瘍成長の減少を顕在化させた。MC−38腫瘍モデルにおいて続い
て行われた実験も、同様の結果を示した。
【0245】 実施例5: 用量応答(Dose Response) mIFN遺伝子の抗腫瘍効果の証明後、これらの効果についての用量応答(D
ose Response)が、MC−38腫瘍モデルにおいて調査された。陽
イオン性脂質(DOTMA:Chol)およびPINC(PVA)の双方の送達
系において評価がなされた。mIFN遺伝子医薬は腫瘍成長において用量依存性
の減少を導いていることを、実験結果は明らかに示している。4回の処置後、こ
の実験における腫瘍の体積は、最大に減少しmIFN−/DOTMA:Chol
では約50%、mIFN−/PVAでは約60%となった。腫瘍体積における最
大の減少は、約50μg/処置(約200μgの累積用量)のプラスミド用量で
認められた。これらの実験は、MC−38腫瘍モデルはSCC−VIIモデルよ
りも広範囲の処置手段を提供するとの理由から、主としてMC−38腫瘍モデル
において行われるものである。
【0246】 実施例6: INF−α 製剤 INF−αの製剤は、(1)PVP4バイアル、(2)PVP3バイアル、(
3)PVP2バイアル、である。詳細を以下に示す。
【0247】 PVP4バイアル 試料: 25%PVP(50kDa)ストック溶液、プラスミドストック溶液
、5M NaClストック溶液、水。
【0248】 方法: 水、プラスミド、25%PVP、そして5M NaClの順でバイア
ル中に加え、プラスミドの5%PVP塩類溶液製剤を調製する。PVPとNaC
lの最終濃度を固定し(5%および150mM)、プラスミド濃度を変化させる
ことができる(但し、IGF−1のデータに基づけば、5%PVP塩類溶液中で
3mg DNA/mlが最適な製剤であろう)。製剤の品質は、pH、DNA濃
度、オスモル濃度、ゲル電気泳動により特性決定される。DNA濃度は、0.1
−5mg/mlと変化させることができる。pHは3−5と変化させてよく、オ
スモル濃度は250−400mOsmとしてよい。
【0249】 3バイアル 試料: 凍結乾燥PVP、プラスミドストック溶液(4mg/ml)、115
mM Na−クエン酸塩/5%NaClストックバッファ(pH=4)。
【0250】 方法: 最終的に、25mM クエン酸塩/塩類溶液バッファ(pH=4)中
の、5%PVP中で、3mg DNA/mlとなるように、プラスミドおよびバ
ッファの順にPVP中に加える。DNA発現は、クエン酸バッファ中よりも塩類
溶液中の方が高い。
【0251】 2バイアル 試料: プラスミドとPVPの共凍結乾燥物(co−lyophilized
)。最終的に、塩類溶液中の5%PVP中において、DNA 3mg/mlとな
るように、共凍結乾燥したDNAおよびPVP中に塩類溶液を加える。
【0252】 最終的な製剤は、シングルバイアルとして、DNA 3mg/mL、5%PV
Pである。製剤は、PVP(5%)をDNA(4mg/mL)に加え、2つの構
成成分を一定時間攪拌することにより調製する(スタティックミキサーを使用)
。その後、塩類溶液中、5%PVP、3mg/mLの最終的な組成物を得るため
に、製剤は凍結乾燥および0.9%塩化ナトリウムで再水和される。
【0253】 実施例7: ヒト腫瘍の処置 マウスの研究は、配列ID番号:10、11、または12で表されるようなヒ
トINFα遺伝子配列をコードするプラスミド構築物を用いる治療に対して、ヒ
ト腫瘍が応答することを示している。抗癌治療が必要な患者には、3mg迄のプ
ラスミド製剤が毎日注射される。プラスミド製剤はINFαプラスミドを単独で
含んでもよいし、場合によってはINFαコーディングプラスミドとサイトカイ
ンをコードする追加のプラスミドとの混合物を含んでいてもよい。好ましいサイ
トカインはIL−12である。抗腫瘍化学療法に対して通常行なわれるように、
治療は続けられ患者はモニターされる。
【0254】 当業者は、本発明は本明細書に固有なものはもちろん、目的を達成し、そして
説明された目的および利点を得る為に柔軟に改変されることを認識するであろう
。本明細書に記載された分子からなる複合体およびその方法、手順、処置、分子
、特定の化合物は、好適な実施態様として現在代表的なものであり、典型的であ
り、そして本発明の範囲を限定することは意図したものではない。その変形およ
び他の使用は当業者により行われるものであり、それらは請求の範囲により定義
されている本発明の精神に含有されている。
【0255】 本明細書で開示される発明に対して、本発明の範囲および精神から離れること
なく、種々の置換および修正がなされるであろうことは、当業者にとっては自明
のことであろう。
【0256】 明細書に記載された全ての特許および出版物は、本発明の属する分野の当業者
の水準を示すものである。本明細書中の全ての特許および出版物は、個々の出版
物の各々が特別におよび個々に本発明で参考文献として援用されるのと同じ程度
で、本明細書において参考文献として援用される。
【0257】 本明細書中で明確に開示されていない要素または限定はない条件下で、本明細
書中に例証して記載された発明は適切に実施されよう。従って、例えば、本明細
書中のいずれの例においても、「含んでいる(comprising)」「本質
的に構成している(consisting essentially of)」
「構成している(consisting of)」のいずれかの語と、他の2つ
の語のいずれかとを置き換えてもよい。採用されている用語および表現は、説明
ための用語として用いられるものであり、限定のためとして用いられるものでは
なく、またこのような用語および表現の使用においては、表示され又は記載され
た特徴又はそれらの部分と同等のものを除外するとの意図はないが、請求項に係
る発明中での種々の変更修正が可能であることは認められる。従って、本発明は
好適な実施態様および選択可能な特徴により具体的に開示されており、当業者に
よって本明細中で開示されている発明の概念の改良や変化はなされ得るが、その
ような改良や変化は請求項によって定義される本発明の範囲に含まれるものと、
理解されるべきである。
【0258】 さらに、本発明の特徴又は態様がマーカッシュグループで記載されている場合
には、本発明は、個々の選択肢又はマーカッシュグループ中の選択肢のサブグル
ープのいずれの点からも記載されるものであると当業者は認識するであろう。例
えば、もしXが臭素、塩素、ヨウ素から構成されるグループから選択されると記
載されている場合、Xが臭素である請求項およびXが臭素および塩素である請求
項は、完全に記載されていることになる。
【0259】 他の態様は請求の範囲中にある。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、2種の癌モデルにおけるインターフェロンαの作用を示 す。
【図2】 図2は、本発明の典型的なIL-12プラスミドについての、プラス ミドマップおよび配列(SEQ ID NO:18)を示す。
【図3】 図3は、高度に発現しているヒト遺伝子についての最適なコドン
利用を示す。
【図4】 図4は、本発明の典型的なインターフェロンαプラスミドである
プラスミドpIF0836についての、プラスミドマップおよび配列(SEQ ID NO:19) を示す。
【図5】 図5は、本発明で使用することができる典型的なIL-12プラスミ ドであるpIN096についての、プラスミドマップおよび配列(SEQ ID NO:20)を示
す。
【図6】 図6は、本発明の典型的なインターフェロンαプラスミドである
プラスミドpIF0921の核酸配列(SEQ ID NO:21)を示す。
【図7】 図7Aおよび7Bは、プラスミドpIF0921についてのプラスミドマ ップおよび配列(SEQ ID NO:22)を示す。
【図8】 図8は、pIF0921プラスミドを合成するために使用することがで きるストラテジーの概略を示す。
【図9】 図9は、RencaモデルにおけるインターフェロンαおよびIL-12遺
伝子医薬(組合せ療法)を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月29日(2001.3.29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/56 C12N 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 A61K 9/127 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 A61K 37/66 Z // A61K 9/127 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z W (72)発明者 ローラン,アラン アメリカ合衆国テキサス州77381,ザ・ウ ッドランズ,ドリフトオーク・サークル 22 (72)発明者 ラルストン,ロバート アメリカ合衆国テキサス州77381,ザ・ウ ッドランズ,レイク・リーフ・プレイス 6 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA04 DA02 EA04 FA01 GA11 HA17 4B065 AA01X AA57X AA90X AA90Y AB01 BA02 CA44 4C076 AA19 BB11 CC27 DD67 DD70 EE13 EE51 FF36 FF67 FF68 GG45 4C084 AA02 AA13 CA53 DA21 MA24 NA05 ZB261 4H045 AA30 CA40 DA02 DA16 EA20 FA72 FA74

Claims (69)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インターフェロンαコード配列と転写可能に連結しているCM
    Vプロモーター、および成長ホルモン3'-非翻訳領域を含む、プラスミド。
  2. 【請求項2】 前記インターフェロンαがヒトインターフェロンαである、
    請求項1に記載のプラスミド。
  3. 【請求項3】 前記ヒトインターフェロンαのコード配列が最適コドン利用
    を有する合成配列である、請求項2に記載のプラスミド。
  4. 【請求項4】 前記インターフェロンαコード配列がSEQ ID NO:10、11また
    は12のヌクレオチド配列を有する、請求項3に記載のプラスミド。
  5. 【請求項5】 前記成長ホルモン3'-非翻訳領域がヒト成長ホルモン遺伝子 に由来する、請求項1に記載のプラスミド。
  6. 【請求項6】 ALUリピートまたはALUリピート様配列が前記3'-非翻訳領域 から削除されている、請求項5に記載のプラスミド。
  7. 【請求項7】 前記プラスミドが、プロモーター、TATAボックス、CAP部位 および前記コード配列の発現のための適切な関係にある第一イントロンとイント
    ロン/エクソン境界、とを含む、請求項1に記載のプラスミド。
  8. 【請求項8】 前記プラスミドが、前記プロモーターと前記コード配列との
    間に挿入される5' mRNAリーダー配列をさらに含む、請求項7に記載のプラスミ ド。
  9. 【請求項9】 前記プラスミドが、トリ骨格α-アクチン遺伝子由来のイン トロン/5' UTRをさらに含む、請求項1に記載のプラスミド。
  10. 【請求項10】 前記プラスミドが、プラスミドpIF0921のヌクレオチド配 列と同一のヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載のプラスミド。
  11. 【請求項11】 以下のもの: 第一の5'-非翻訳領域と転写可能に連結された第一転写調節配列、第一イント ロン、第一コード配列、そして第一3'-非翻訳領域/ポリ(A)シグナルを含み、
    ここで前記第一イントロンが前記調節配列と前記第一コード配列との間に存在す
    る、第一の転写ユニット;そして 第二の5'-非翻訳領域と転写可能に連結された第二転写調節配列、第二イント ロン、第二コード配列、そして第二3'-非翻訳領域/ポリ(A)シグナルを含み、
    ここで前記第二イントロンが前記調節配列と前記第二コード配列との間に存在す
    る、第二の転写ユニット; をさらに含み、ここで前記第一および第二のコード配列が、ヒトIL-12 p40サブ ユニットをコードするSEQ ID NO:2、3、4または25の配列を有する配列、および ヒトIL-12 p35サブユニットをコードするSEQ ID NO:6、7、8または24の配列を有
    する配列を含むものである、請求項1に記載のプラスミド。
  12. 【請求項12】 前記第一転写調節配列または前記第二転写調節配列が1ま たはそれ以上のサイトメガロウィルスプロモーター配列を有する、請求項11に
    記載のプラスミド。
  13. 【請求項13】 前記第一および第二転写調節配列が同一物である、請求項
    11に記載のプラスミド。
  14. 【請求項14】 前記第一および第二転写調節配列が別物である、請求項1
    1に記載のプラスミド。
  15. 【請求項15】 ヒトIL-12のp40サブユニットをコードする前記配列が、ヒ
    トIL-12のp35サブユニットをコードする前記配列の5'に位置する、請求項14に
    記載のプラスミド。
  16. 【請求項16】 可変スプライシングを有する第一イントロン、第一コード
    配列そして第二コード配列をさらに含み、ここで第一および第二コード配列がヒ
    トIL-12 p40サブユニットをコードするSEQ ID NO:2、3、4または25の配列、およ
    びヒトIL-12 p35サブユニットをコードするSEQ ID NO:6、7、8または24の配列を
    有する配列を含むものである、請求項1に記載のプラスミド。
  17. 【請求項17】 以下のもの: 第一コード配列および第二コード配列と転写可能に連結している転写調節配列
    ; 5'-非翻訳領域; 前記第一コード配列の5'側のイントロン; 前記第一コード配列の3'側で、前記第二コード配列の5'側にある選択的スプラ
    イシング部位;そして 3'-非翻訳領域/ポリ(A)シグナル; をさらに含む、請求項16に記載のプラスミド。
  18. 【請求項18】 前記転写調節配列がサイトメガロウィルスプロモーター配
    列を含む、請求項17に記載のプラスミド。
  19. 【請求項19】 以下のもの: 第一のコード配列、IRES配列、第二コード配列、そして3'-非翻訳領域/ポリ (A)シグナルと転写可能に連結している転写調節配列であって、前記IRES配列 は前記第一コード配列と前記第二コード配列との間にあるもの;そして 前記プロモーターと前記第一コード配列との間にあるイントロン; をさらに含み、ここで前記第一および第二コード配列が、ヒトIL-12 p40サブユ ニットをコードするSEQ ID NO:2、3、4または25の配列、そしてヒトIL-12 p35サ
    ブユニットをコードするSEQ ID NO:6、7、8または24の配列を有する配列を含む 、請求項1に記載のプラスミド。
  20. 【請求項20】 前記転写調節配列がサイトメガロウィルスのプロモーター
    配列を含む、請求項19に記載のプラスミド。
  21. 【請求項21】 前記IRES配列が、脳心筋炎ウィルス由来である、請求項1
    9に記載のプラスミド。
  22. 【請求項22】 請求項1〜21のいずれか1項に記載のプラスミドおよび
    保護的で相互作用的である非縮合化合物とを含む、組成物。
  23. 【請求項23】 前記保護的で相互作用的である非縮合化合物がポリビニル
    ピロリドンである、請求項22に記載の組成物。
  24. 【請求項24】 前記プラスミドが0.5%から50%PVPを有する溶液中に存在
    する、請求項22に記載の組成物。
  25. 【請求項25】 前記溶液が約5%のPVPを含む、請求項24に記載の組成物
  26. 【請求項26】 少なくとも約80%の前記DNAがスーパーコイル型である、 請求項22に記載の組成物。
  27. 【請求項27】 少なくとも約90%の前記DNAがスーパーコイル型である、 請求項26に記載の組成物。
  28. 【請求項28】 少なくとも約95%の前記DNAがスーパーコイル型である、 請求項27に記載の組成物。
  29. 【請求項29】 保護的で相互作用的である非縮合化合物と、インターフェ
    ロンαコード配列を含むプラスミドを含む、組成物。
  30. 【請求項30】 請求項1〜21のいずれか1項に記載のプラスミドと、中
    性共脂質(co-lipid)を伴うカチオン性脂質を含む、組成物。
  31. 【請求項31】 前記カチオン性脂質が、DOTMAである、請求項30に記載 の組成物。
  32. 【請求項32】 前記中性共脂質がコレステロールである、請求項30に記
    載の組成物。
  33. 【請求項33】 前記プラスミド中のDNAおよび前記カチオン性脂質が、負 電荷対正電荷比が約1:3であるような量で存在する、請求項30に記載の組成物
  34. 【請求項34】 少なくとも約80%の前記DNAがスーパーコイル型である、 請求項30に記載の組成物。
  35. 【請求項35】 少なくとも約90%の前記DNAがスーパーコイル型である、 請求項34に記載の組成物。
  36. 【請求項36】 少なくとも約95%の前記DNAがスーパーコイル型である、 請求項35に記載の組成物。
  37. 【請求項37】 等張性炭水化物溶液をさらに含む、請求項30に記載の組
    成物。
  38. 【請求項38】 前記等張性炭水化物溶液が、本質的に約10%のラクトース
    からなる、請求項37に記載の組成物。
  39. 【請求項39】 前記カチオン性脂質および前記中性共脂質が、約800ナノ メーターの射出サイズを有するリポソームとして調製される、請求項30に記載
    の組成物。
  40. 【請求項40】 以下のもの: インターフェロンαコード配列および中性共脂質を伴うカチオン性脂質を含む
    プラスミドを含む第一要素であって、前記カチオン性脂質はDOTMAであり、そし て前記中性共脂質はコレステロールであり、前記プラスミド中のDNAおよび前記 カチオン性脂質は、負電荷対正電荷比が約1:3となるような量で存在しているも
    の;そして 保護的で相互作用的な非縮合化合物を含む第二要素であって、当該第二要素中
    に前記第一要素を含むもの; を含む、組成物。
  41. 【請求項41】 保護的で相互作用的な非縮合化合物、インターフェロンα
    コード配列を含む第一プラスミド、そして独立してIL-12またはIL-12サブユニッ
    トコード配列を含む1またはそれ以上のその他のプラスミドを含む、組成物。
  42. 【請求項42】 インターフェロンαコード配列および中性共脂質を伴うカ
    チオン性脂質を含む、組成物。
  43. 【請求項43】 インターフェロンαコード配列と転写可能に連結したCMV プロモーター、および成長ホルモン3'-非翻訳領域を、プラスミド中に挿入する 工程を含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載のプラスミドの調製方法。
  44. 【請求項44】 以下の工程: a. 転写ユニットを含むDNA分子であって、前記転写ユニットがインターフェ ロンαコード配列を含むものを調製すること; b. 保護的で相互作用的な非縮合化合物を調製すること;そして c. 治療上有効量のインターフェロンαコード配列をほ乳動物に送達すること
    ができる組成物を形成するような条件下で、前記保護的で相互作用的な非縮合化
    合物と前記DNAとを組み合わせること; を含む、請求項29に記載の組成物を調製する方法。
  45. 【請求項45】 前記DNA分子がプラスミドであり、前記プラスミドがイン ターフェロンαコード配列と転写可能に連結されたCMVプロモーター、そして成 長ホルモン3'-非翻訳領域/ポリ(A)シグナルを含む、請求項44に記載の方法
  46. 【請求項46】 以下の工程: a. インターフェロンαコード配列を含むDNAを調製すること; b. カチオン性脂質と中性共脂質との混合物を調製し、ここで前記カチオン性
    脂質がDOTMAでありそして前記中性共脂質がコレステロールであること;そして c. 前記DNAと前記混合物とを、前記カチオン性脂質と前記DNAとが負電荷対正
    電荷比にして約1:3で存在するような量で混合すること; を含む、請求項30に記載の組成物を調製する方法。
  47. 【請求項47】 以下の工程: a. インターフェロンαコード配列を含むプラスミドと中性共脂質を伴うカチ
    オン性脂質とを含む第一要素を調製し、ここで前記カチオン性脂質がDOTMAであ りそして前記中性共脂質がコレステロールであり、前記プラスミド中のDNAおよ び前記カチオン性脂質が負電荷対正電荷比にして約1:3であるような量で存在す
    ること; b. 保護的で相互作用的な非縮合化合物を含む第二要素を調製すること;そし
    て c. 前記第一および第二要素を、生成組成物が前記第二化合物中に前記第一化
    合物を含むように組み合わせること; を含む、請求項40に記載の組成物を調製する方法。
  48. 【請求項48】 以下の工程: a. 保護的で相互作用的な非縮合化合物を調製すること; b. インターフェロンαコード配列を含む第一プラスミドを調製すること; c. IL-12 p35サブユニットコード配列またはIL-12 p40サブユニットコード配
    列を独立に含む1またはそれ以上のその他のプラスミドを調製すること;そして d. 前記保護的で相互作用的な非縮合化合物、前記インターフェロンαコード
    配列を含む前記プラスミド、そして前記その他のプラスミド、を組み合わせるこ
    と; を含む、請求項41に記載の組成物を調製するための方法。
  49. 【請求項49】 インターフェロンαコード配列と中性共脂質を伴うカチオ
    ン性脂質とを組み合わせることを含む、請求項42に記載の化合物を調製する方
    法。
  50. 【請求項50】 ほ乳動物の症状または疾患を治療するための方法であって
    、前記症状または疾患を患っているほ乳動物に対して、治療上有効量の請求項1
    〜21のいずれか1項に記載のプラスミドを投与することを含む、前記方法。
  51. 【請求項51】 前記症状または疾患が癌である、請求項50に記載の方法
  52. 【請求項52】 前記組成物を注射により投与する、請求項50に記載の方
    法。
  53. 【請求項53】 細胞をin situにてトランスフェクトする方法であって、 前記細胞をトランスフェクトするのに十分な時間、前記細胞と請求項1〜21の
    いずれか1項に記載のプラスミドとを接触させる工程を含む、前記工程。
  54. 【請求項54】 前記細胞のトランスフェクションをin vivoにて行う、請 求項53に記載の方法。
  55. 【請求項55】 前記接触を約5%PVP溶液の存在下において行う、請求項5
    3に記載の方法。
  56. 【請求項56】 多数の細胞中でインターフェロンα遺伝子を送達および発
    現するための方法であって、以下の工程: (a) 前記多数の細胞を請求項1〜21のいずれか1項に記載のプラスミド を用いてトランスフェクトすること;そして (b) 前記ベクター中のインターフェロンαをコードする核酸配列の発現を 可能にする条件下で前記多数の細胞をインキュベーションすること; を含む、前記方法。
  57. 【請求項57】 前記インターフェロンαがヒトインターフェロンαであり
    、そして前記細胞がヒト細胞である、請求項56に記載の方法。
  58. 【請求項58】 前記接触を約5%PVP溶液の存在下において行う、請求項5
    6に記載の方法。
  59. 【請求項59】 疾患または症状を治療する方法であって、細胞にin situ において請求項1〜21のいずれか1項に記載のプラスミドをトランスフェクト
    する工程を含む、前記方法。
  60. 【請求項60】 前記疾患または症状が局所的な疾患または症状である、請
    求項59に記載の方法。
  61. 【請求項61】 前記疾患または症状が全身的疾患または症状である、請求
    項59に記載の方法。
  62. 【請求項62】 請求項1〜21のいずれか1項に記載のプラスミドでトラ
    ンスフェクトされた細胞。
  63. 【請求項63】 哺乳動物の症状または疾患を治療する方法であって、前記
    症状または疾患を患っている哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項22に記
    載の組成物を投与することを含む、前記方法。
  64. 【請求項64】 哺乳動物の症状または疾患を治療する方法であって、前記
    症状または疾患を患っている哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項29に記
    載の組成物を投与することを含む、前記方法。
  65. 【請求項65】 哺乳動物の症状または疾患を治療する方法であって、前記
    症状または疾患を患っている哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項30に記
    載の組成物を投与することを含む、前記方法。
  66. 【請求項66】 哺乳動物の症状または疾患を治療する方法であって、前記
    症状または疾患を患っている哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項40に記
    載の組成物を投与することを含む、前記方法。
  67. 【請求項67】 哺乳動物の症状または疾患を治療する方法であって、前記
    症状または疾患を患っている哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項41に記
    載の組成物を投与することを含む、前記方法。
  68. 【請求項68】 哺乳動物の症状または疾患を治療する方法であって、前記
    症状または疾患を患っている哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項42に記
    載の組成物を投与することを含む、前記方法。
  69. 【請求項69】 哺乳動物の症状または疾患を治療する方法であって、前記
    症状または疾患を患っている哺乳動物に対して、治療上有効量のインターフェロ
    ンαコード配列を含む第一プラスミドとIL-12コード配列を含む第二プラスミド との組成物を投与することを含む、前記方法。
JP2000536861A 1998-03-19 1999-03-12 インターフェロンαプラスミドおよび送達システム、およびこれを作製しそして使用する方法 Pending JP2002506647A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US7865498P 1998-03-19 1998-03-19
US60/078,654 1998-03-19
PCT/US1999/005394 WO1999047678A2 (en) 1998-03-19 1999-03-12 Interferon alpha plasmids and delivery systems, and methods of making and using the same

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002506647A true JP2002506647A (ja) 2002-03-05

Family

ID=22145430

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000536861A Pending JP2002506647A (ja) 1998-03-19 1999-03-12 インターフェロンαプラスミドおよび送達システム、およびこれを作製しそして使用する方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1064383A2 (ja)
JP (1) JP2002506647A (ja)
AU (1) AU3000399A (ja)
CA (1) CA2323604A1 (ja)
WO (1) WO1999047678A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101449587B1 (ko) * 2006-09-14 2014-10-10 메드제닉스 메디칼 이스라엘 리미티드 장기 지속형 약물 제형
JP2015501840A (ja) * 2011-12-12 2015-01-19 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア 改善されたil−12遺伝子構築物を含む組成物、及びそれを用いたワクチン、免疫治療剤及び方法

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001079289A2 (en) * 2000-04-14 2001-10-25 Zymogenetics, Inc. Human interferon, zinf2
US8022270B2 (en) 2000-07-31 2011-09-20 Biolex Therapeutics, Inc. Expression of biologically active polypeptides in duckweed
US7632983B2 (en) 2000-07-31 2009-12-15 Biolex Therapeutics, Inc. Expression of monoclonal antibodies in duckweed
CN101676400A (zh) 2000-07-31 2010-03-24 比洛克西治疗公司 在浮萍中表达生物活性多肽
EP1195436A1 (en) * 2000-10-04 2002-04-10 BOEHRINGER INGELHEIM INTERNATIONAL GmbH Expression vectors with modified ColE1 origin of replication for control of plasmid copy number
US7468242B2 (en) 2001-11-05 2008-12-23 Medgenics, Inc. Dermal micro organs, methods and apparatuses for producing and using the same
US8501396B2 (en) 2001-11-05 2013-08-06 Medgenics Medical Israel Ltd. Dermal micro-organs, methods and apparatuses for producing and using the same
CN1816280B (zh) 2003-05-01 2012-07-04 迈德詹尼克斯公司 真皮微器官和产生及应用该真皮微器官的方法和装置
WO2007084364A2 (en) * 2006-01-13 2007-07-26 The Government Of The United States, As Represented By The Secretary Of Health And Human Services, National Institutes Of Health Improved il-12 for expression in mammalian cells
US8454948B2 (en) 2006-09-14 2013-06-04 Medgenics Medical Israel Ltd. Long lasting drug formulations
WO2009140206A1 (en) * 2008-05-11 2009-11-19 The Gov. Of The U. S. A., As Represented By The Secretary Of The Dept. Of Health And Human Services Improved expression of il-12 family heterodimers
EP2582396A4 (en) 2010-06-15 2014-01-01 Medgenics Medical Israel Ltd REMEDY FORMULATIONS WITH LONG-TERM EFFECT
US20200038487A1 (en) * 2017-03-31 2020-02-06 Accanis Biotech F&E Gmbh & Co Kg Prevention and treatment of non-melanoma skin cancer (nmsc)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5641665A (en) * 1994-11-28 1997-06-24 Vical Incorporated Plasmids suitable for IL-2 expression
US6040295A (en) * 1995-01-13 2000-03-21 Genemedicine, Inc. Formulated nucleic acid compositions and methods of administering the same for gene therapy
WO1997000321A1 (en) * 1995-06-14 1997-01-03 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Immune response modulators and uses therefor
AU6282896A (en) * 1995-06-19 1997-01-15 University Of Medicine And Dentistry Of New Jersey Gene therapy of solid tumors with interferons alone or with other immuno-effector proteins
WO1997033998A1 (en) * 1996-03-14 1997-09-18 The Immune Response Corporation Targeted delivery of genes encoding interferon
JP2001503257A (ja) * 1996-10-18 2001-03-13 バレンティス・インコーポレーテッド Il―12遺伝子発現および送達系および使用
US6034072A (en) * 1997-02-10 2000-03-07 Genemedicine, Inc. IL-2 gene expression and delivery systems and uses

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101449587B1 (ko) * 2006-09-14 2014-10-10 메드제닉스 메디칼 이스라엘 리미티드 장기 지속형 약물 제형
KR101470472B1 (ko) * 2006-09-14 2014-12-09 메드제닉스 메디칼 이스라엘 리미티드 장기 지속형 약물 제형
JP2015501840A (ja) * 2011-12-12 2015-01-19 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア 改善されたil−12遺伝子構築物を含む組成物、及びそれを用いたワクチン、免疫治療剤及び方法
JP2018134100A (ja) * 2011-12-12 2018-08-30 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア 改善されたil−12遺伝子構築物を含む組成物、及びそれを用いたワクチン、免疫治療剤及び方法
JP2021042245A (ja) * 2011-12-12 2021-03-18 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア 改善されたil−12遺伝子構築物を含む組成物、及びそれを用いたワクチン、免疫治療剤及び方法
JP7129106B2 (ja) 2011-12-12 2022-09-01 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア 改善されたil-12遺伝子構築物を含む組成物、及びそれを用いたワクチン、免疫治療剤及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO1999047678A9 (en) 2000-11-09
CA2323604A1 (en) 1999-09-23
WO1999047678A3 (en) 1999-12-09
WO1999047678A2 (en) 1999-09-23
AU3000399A (en) 1999-10-11
EP1064383A2 (en) 2001-01-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE69434447T2 (de) Für die gentherapie verwendbare plasmide
EP0615453B1 (en) Anti-cancer immunotherapeutic vector constructs
US6399588B1 (en) Cancer treatment method utilizing plasmids suitable for IL-2 expression
EP0551401B1 (en) Methods and compositions for genetic therapy and potentiation of anti-tumor immunity
Karp et al. Cytokine secretion by genetically modified nonimmunogenic murine fibrosarcoma. Tumor inhibition by IL-2 but not tumor necrosis factor.
JP2002506647A (ja) インターフェロンαプラスミドおよび送達システム、およびこれを作製しそして使用する方法
US6034072A (en) IL-2 gene expression and delivery systems and uses
JP2000506865A (ja) インターフェロンをコードする遺伝子の標的を定めた送達
US20220211803A1 (en) Protein molecule and use thereof
WO1998034952A9 (en) Il-2 gene expression and delivery systems and uses
JP2003508016A (ja) Cd40/cd40lキメラポリペプチドをコードする核酸、それらの生成方法及びそれらの使用
Herrmann Cancer gene therapy: principles, problems, and perspectives
JP2002524036A (ja) 抗血管形成プラスミドおよび送達システムならびにその作製および使用方法
CN100543036C (zh) 递送治疗或诊断试剂的导向蛋白质
US20220213160A1 (en) Protein heterodimer and use thereof
JP2002528519A (ja) 抗腫瘍効果を有する、抗原性タンパク質をコードしているdnaを含む医薬組成物
ZA200506548B (en) Vaccines derived from epithelial cell mucin MUC-1
KR20240013750A (ko) Ras 돌연변이를 표적으로 하는 t 세포 수용체 및 그의 용도
Whartenby et al. Gene-modified cells for the treatment of cancer
AU659812C (en) Methods and compositions for genetic therapy and potentiation of anti-tumor immunity
JP2021514678A (ja) 核酸分子およびそれを使用する方法
Li Establishment of a cytoplasmic T7 non-viral expression system and its application in cancer gene therapy
WHARTENBY et al. CELLS FOR THE TREATMENT OF CANCER
JP2003511394A (ja) 腫瘍免疫−遺伝子治療のための可溶性補助刺激因子の使用