JP2002505430A - 大気汚染物質測定用環境バイオセンサ - Google Patents

大気汚染物質測定用環境バイオセンサ

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JP2002505430A
JP2002505430A JP2000533758A JP2000533758A JP2002505430A JP 2002505430 A JP2002505430 A JP 2002505430A JP 2000533758 A JP2000533758 A JP 2000533758A JP 2000533758 A JP2000533758 A JP 2000533758A JP 2002505430 A JP2002505430 A JP 2002505430A
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ラバル−ジリー,フイリツプ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、前記大気汚染物質に敏感な肺胞単球やマクロファージなどの人体有機体の免疫防御のための細胞の培養の源15と、汚染大気を代表する使用試料を引き込み31、32、制御された流量でガス流の形でその試料を送出するプローブと、ガス流が通過し、透光性物質よりなるベース2が前記ガス流に接触する液体シート9の形で前記培養を受ける密封チャンバ7を定める暴露セル1と、前記暴露セルベース2を洗浄する42、45手段と、セルベースを調査および表示して、単球およびマクロファージの挙動変化、例えばこの目的で前記ベース2に付着させた誘引化学物質に向かうそれらの動きに関する挙動変化を表す画像を作成するシステム3、4、5、46、47、48、39とを含むバイオセンサに関する。本発明は、人体の健康に対する大気汚染物質の有害性を迅速かつ正確に特性づけるのに有益である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、大気汚染物質の存在下で人体の呼吸器官を防御するための単球およ
びマクロファージの挙動変化の特性パラメータを測定することによる当該大気汚
染物質の測定に関する。
【0002】 本明細書に取り上げられている単球およびマクロファージは、肺胞の空気と液
体の界面において肺胞の上皮を自由に移動し、呼吸によって吸い込まれ大気汚染
によって生じる粒子、微生物または他の汚染物質を呼吸器官の粘膜から絶えず排
除する免疫防御用食細胞である。
【0003】 増加する大気汚染を抑えるための然るべき手段を講じるためには、現代の大気
汚染物質の人体における攻撃力を公衆衛生上の問題という観点から定量化するこ
とが必要不可欠になっている。大気汚染物質のなかでも、本明細書が対象とする
大気汚染物質は、第1に、微小サイズ(3μm未満)であるために呼吸器官の上
部(鼻腔、口、上咽頭)および中部(気管支の粘性繊毛体)の濾過性防御障壁を
越え、深肺に達して、そこで肺胞単球および肺胞マクロファージが用いる不特定
細胞免疫の食菌作用メカニズムによりこの最終段階においてはじめて除去しうる
微小の粒子状汚染物質である。シリカまたはアスベストの粉塵だけでなく、鉛、
カドミウムまたはセレニウムなどの重金属の酸化物の粉塵が挙げられ、さらにそ
のどれもが肺胞マクロファージの数およびそれらの防御作用の効率性に対して抑
圧的な作用を及ぼす。
【0004】 これらの微粒子はそれ自体が有害であるばかりでなく、大気によって運ばれる
微生物、ブドウ球菌、連鎖球菌、アスペルギルス、微小菌類の胞子などの通常の
病原体を除去するマクロファージの能力を阻害するため、本発明が考慮するのは
まさにこの抑圧的な作用である。
【0005】 ここで、マクロファージおよび単球の食菌作用を阻害する粉塵以外の深肺の大
気汚染物質、すなわち特に都市または工業に起因する気体汚染物質も存在するこ
とに留意されたい。これらは、特に輸送車両用燃料などの化石燃料または誘導体
の不完全燃焼によって生じる炭化水素、あるいは化学工業用溶剤および酸化性の
気体である。例えば、DMBA(7,12−ジメチルベンゼンアントラセン)を
含むPAH(多環式芳香族炭化水素)、または単球およびマクロファージの食菌
作用に対して制限的作用をおよぼすことを証明することが可能になったベンゼン
そのもの、ならびに窒素酸化物(NO)またはオゾンなどが挙げられる。
【0006】 これまでは、大気汚染を評価する方法には、関与する分子の物理化学的特性を
考慮することが含まれていた。さらに、一方で、人体細胞の化学作用またはその
寿命に対するいくつかの大気汚染物質の作用が研究されている。この点について
は、1970年代の終わりに特に公報(Bulletin)europeen
de physiologie respiratoire(1977年第13
巻のp.137から144、またはp.69から82;1979年第54巻のp
.416から419)に発表されたC.Voisinのチームによる研究が挙げ
られる。出願人の知る限りでは、大気汚染の評価と特定の汚染物質の人体に対す
る定量化された影響との直接的な関係を確立することを可能にする測定手段はま
だ存在していない。
【0007】 本発明の目的は、敏感で十分な耐久力を有し、実験室と自然地における日常的
な処理の両方において操作することができるとともに、信頼できる方法によって
実用的な範囲内で即座に情報を提供することができるように自動化された装置を
提供することである。
【0008】 この趣意で、本発明の主題は、 呼吸器官の肺胞単球やマクロファージなどの人(一般的には動物の)の体の
免疫防御のための細胞の培養の源と、 制御された流量でガス流の形で汚染大気から分析用試料を収集するラインと
、 ガス流が通過するようになされ、光透過性物質から作られたその基部が再生
可能な液層で被覆されて前記ガス流に接触せしめられるチャンバを定める暴露セ
ルであって、一方では、そのチャンバを通過するガス流を確立するための入口/
出口が設けられ、前記ガス流が分析される大気試料となるように大気試料採取用
プローブにその入口が接続されており、他方では、基部の液層を確立するための
入口/出口が設けられ、培養の源が前記層を形成するようにその入口が培養の前
記源に接続された暴露セルと、 暴露セルの基部を洗浄する手段と、 セルの基部を観察するシステムであって、ビデオカメラと組み合わせた顕微
鏡などの拡大光学機器と、カメラによって生成された原画像信号を獲得する手段
と、マクロファージを含む液層に接触する気体状大気試料の影響による前記マク
ロファージの挙動変化を表すことができる処理画像を作成するためにこれらの原
画像を処理する手段と、前記処理画像を視覚化する手段を備えたシステムとを含
む大気汚染物質測定用環境バイオセンサである。
【0009】 好ましい実施形態によれば、カメラによって提供された原画像を処理する手段
は、分析される気体状大気試料の影響を受ける単球およびマクロファージに対す
る化学的誘引剤が到来する方向における移動性の変化を表すことができる手段で
あり、本発明のバイオセンサは、さらにその趣意で、マクロファージに対する化
学的誘引剤の源、ならびにこの物質源に接続され、好ましくはマクロファージの
投入部から離れた部位に配置される前記物質の到来のための暴露セルへの入口を
含む。
【0010】 したがって、明らかなように、本発明はその基本的な特徴において、例えばあ
るターゲット(化学的誘引剤)の方向における移動速度に関する移動性などの単
球およびマクロファージの挙動を表すパラメータの変化、またはそれらの色の変
化、またはそれらが大気によって運ばれる好ましくない外部物質の存在に反応し
なければならない状況におかれているときのそれらの形態的変化を測定するため
に、実験室の顕微鏡分析と電子画像分析とを組み合わせることにある。
【0011】 このような背景において、本発明の主題は、上記に定めたバイオセンサのなか
でも、単球およびマクロファージに対する化学的誘引剤を暴露セルに送り込むこ
れら化学的誘引剤の源を備えたタイプのバイオセンサを使用する方法において、
肺胞単球およびマクロファージの挙動に対する大気汚染の直接的な影響を定量化
することを目的に、前記センサを使用して、これら単球およびマクロファージが
上置された汚染大気からの試料に接触する検査セルの基部の層の中にあるときに
、それらがこれら化学的誘引剤によって形成されたターゲットの方向に移動する
速度の変化を表す方法でもある。
【0012】 添付の図面を参照しながら以下のバイオセンサの例示的な実施形態についての
説明に照らせば、本発明が明確に理解され、他の態様および利点も明らかになる
であろう。
【0013】 開示内容をわかりやすくするために、以下の文章では、「単球およびマクロフ
ァージ」の組合せを、簡略化した用語「マクロファージ」で表すことにする。
【0014】 最初に図1および2を参照すると、暴露セル1を含むバイオセンサは、ポリプ
ロピレンなどの透光性物質から作られたその基部2が顕微鏡4に結合されて目的
の役割を果たすビデオカメラ3の視野に配置されていることがわかる。カメラの
出口は、観察時にセル1の基部2で生じた事象の過程を定量的に表す画像を表示
する視覚化モニタ5につながる処理チェーンに接続されている。
【0015】 平坦なキュベットの輪郭を有する基部2は、ともに漏出防止セル1を定めるよ
うに、突き合わせカバー6で覆われている。セル1の内チャンバ7は、以下に列
記するいくつかの流体通過用の孔を介して外部に通じている。
【0016】 基部2の近傍であいており、液体をチャンバ7に導入するために制御された
回転ポンプ11と次いでそれを排出するために制御された回転ポンプ11’を利
用して好きなときに再生できる液層9によって被覆することを可能にすることを
目的とした水平スリットとして形成されることが好ましい第1の入口/出口ペア
8、8’。
【0017】 ドラフトファン12によって誘導されたガス流を調節可能な通過量でチャン
バ7に流し込むための第2の入口/出口ペア10、10’。チャンバ7における
気体の圧力は、出口通路10’に取りつけられた可変頭損失用部材13(例えば
サッシゲートなど)を利用して調節される。
【0018】 後に説明する理由により好ましくは進入口8の反対側に位置する部位におい
て、基部に調節された量の液体、固体またはペースト状の物質を堆積させるため
の追加的な入口13。
【0019】 入口8は、ポンプ11が設けられた導管14により、恒温チャンバ17に収容
されたタンク16よりなる生物学的反応器15に接続されており、全体がタンク
の内容物の均質化のための攪拌を確保するモータ19による運動の影響を受ける
ベース18上に配置されている。恒温チャンバ17の内部の温度を示す温度計2
3に接続されたレギュレータ22によって制御される放射部品21を利用して温
度の調節が行われる。
【0020】 タンク16は、考慮される例にあっては、人体の肺胞の中に見い出されるマク
ロファージの維持培養から構成される液体20で満たされている。タンク16の
液量は一定レベル20に維持されるのが好ましい。したがって、導管14からの
培養の流出量は、ポンプ24と導入パイプ36の併用により補充タンク25から
誘導される「新鮮な」供給物によって必要なだけ補償される。また、反応器15
は、小さな液中パイプ27を介して、マクロファージが生存するのに十分なレベ
ルの酸化を確保する一定量の泡を培養20に送り込む圧力26を受けるCO
が供給される。時折培養基20の分析を実施するために、サンプリングプローブ
28が有利に設けられる。
【0021】 本発明のセンサには、セルの基部を洗浄する手段も設けられる。当該洗浄は、
次の測定をゆがめたり、または妨害することのない非常に清潔な基部2の上に新
鮮な層を導入できるように、「使用済みの」層9の排出後に実施するのが必然的
に望ましいものである。図1に見られるように、これらの洗浄手段は、単純に適
切な洗浄液を含むタンク42、およびポンプ11の下流に配置された接続ピース
45を介して入口8に供給するための導管14にこのタンクを接続するポンプ4
3を設けた導管44から構成される。
【0022】 図1では、放射部品21はコイルと観察セルの入口10の間に配置されたファ
ン12によって、シェルタ付大気吸入口30から吸引された空気が内側を流れる
コイル29を加熱する役割をも果たすことが理解できる。
【0023】 吸入口30から吸引される一定かつ制御された流量の空気流は、本発明による
バイオセンサによって分析される大気試料をなす。
【0024】 外部吸入口30から空気が吸引されるや否や、紛れ込んできた昆虫を抑留した
り妨害的な作用からサンプリングラインを保護するために、吸引された空気が3
1において部分的に濾過される。その空気は次いでコンデンサ32を通過して乾
燥された後に、コイル29で分析用の温度(35℃と40℃の間の温度)まで加
熱され、ファン12を利用して入口スリット8によりセル1のチャンバ7に吹き
込まれる。これまでにリストされ、記載の順序で互いに関連し合う要素から構成
される全体構造は、暴露セル1のなかの層9に存在するマクロファージの移動性
に対する汚染大気試料の影響を測定することによって分析される「汚染大気試料
を収集するためのライン」をなす。
【0025】 この趣意で、マクロファージによって認識可能なターゲットとしての役割を果
たす測定された量の化学的誘引剤を基部2に位置する部位において送り出すこと
を可能にする流量調節ポンプ34を介して、マクロファージに対する前記化学的
誘引剤の源33に吸入導管13が接続されている。既に示したように、この部位
がマクロファージを含む液体の進入口8の部位から離れているために、マクロフ
ァージがターゲットに対する移動を止める前にターゲットに誘引されるマクロフ
ァージの移動性を観察するための時間を十分に確保できることが好ましい。ター
ゲットとしての役割を果たしうる化学物質はよく知られており、例えばリポ多糖
類(またはLPS)やn−フォルミルメチオニンロイシンフェニルアラニン(ま
たはfMLP)などがある。
【0026】 ここに見られるように、基部2を通じてカメラ3により層9を観察するための
条件を光のコントラストによって高めるために、照明35がセル1のレベルに有
利に設けられる。図1に示されているように、この照明は直接的なものでもよく
、その場合はカバー6も透光性物質から作られている必要があり、顕微鏡4に反
射防止入口フィルタを備えることができる。照明は「間接的な」タイプであって
もよく、照明部材は、セル1の基部と相対的にカメラと同じ側に置かれる。
【0027】 図2のくぼみ37によって示されているように、いずれの場合にも、基部2の
顕微鏡4が設置される部位を薄くすることが有利である。この場合、基部2は、
内部スリットを備えたチャンバの形の入口−出口8、8’、ならびに必要ならば
層9を一定の温度、好ましくは37℃またはそれに近い温度に維持するための図
示しない加熱素子を受け入れるため、特に中実である。同様に、カバー6は、照
明部材35を照明すべき層9に可能な限り近づけるために、その部材を収容する
ようになされた中央くぼみ38を有する。
【0028】 顕微鏡4の視野のなかに存在する層9の部分(したがってビデオカメラ3によ
り常に撮影される部分)は、カメラ3の出口において、マクロファージがセル1
のなかで分析される汚染大気流に接触せしめられるか否かに応じて、マクロファ
ージの相対的移動性を表す最終的なオブジェクト画像をマイクロコンピュータ3
9のモニタ5上で復元するまでの一連の電子画像処理によって処理すべき原画像
になる。この画像処理ラインを時系列的な処理順序で整理すると以下のようにな
る。
【0029】 a)10秒間の取得時間を含めて約15分間にわたって実施される原画像のデ
ジタル化46。
【0030】 b)最終的なオブジェクト画像を明確化するために、死んだマクロファージ細
胞および不動粒子を識別し、残りの細胞および粒子からそれらを隔離することを
可能にする前処理段階47が続く。そのために、最初の約20の画像が処理され
、マスクの構成のために相互比較される。
【0031】 c)マクロファージの移動性(平均移動速度および方向)、マクロファージの
サイズ、色などの、大気汚染物質の影響下でマクロファージに対する所望の測定
手段を表すパラメータを抽出する実処理48のための段階。この段階では、暗色
の基部41’から分離される白色ドット40’の形でマクロファージ40のシル
エットを形成するために(図3b)、a)におけるデジタル化画像がグレーの形
態的処理および閾値処理を受ける。b)において得られたマスクとの比較を行う
操作によって、生きたマクロファージだけを維持するように、死んだ細胞や不動
粒子を画像から除去することが可能になり、全ての原画像のコンパイルは、次い
で対象となる観察時間中の各マクロファージの移動時に各マクロファージが生成
するそのトレースに従って各マクロファージを映し出す最終的なオブジェクト画
像3Cになる。各トレースの向きおよび長さは、影響を受けたマクロファージの
移動性をじかに表現している。このように処理された様々な画像の数学的編集は
、モニタされたパラメータを定量化し、例えば画面5に図4の移動性曲線を表示
することを可能にする。
【0032】 d)分析のトレーサビリティを確保するためにコンピュータ39のメモリにデ
ータを記録することで、これは上述したモニタ5上への結果の表示のために必要
不可欠なことである。
【0033】 センサの「マクロファージの移動性」の応用において図1に示されている本発
明のセンサの動作原理は、以下のように要約することができる。
【0034】 1)手動または自動制御に応じて、ポンプ11が、わずか数十ミリメートルの
均一な厚さを有する層9を基部2の上に形成するように調節された特定量の培養
基20を進入口8に供給する。次いで、出口8’が閉鎖され、吐出ポンプ11’
が不活性の状態になる。培養基20は、層9が小さすぎることも大きすぎること
もない数のマクロファージ、例えば表面積が約0.1dmの層9につき約10
のマクロファージを含むように、補充タンク25との連携を保ちながら反応器の
なかで管理される。
【0035】 2)層9が設けられると、タンク33に含まれる化学的誘引剤の数滴が導管1
3のなかに流し込まれ、重力により出口スリット8’の近傍で層9に落下する。
【0036】 3)次いで、カメラ3による基部の画像の取り込み、ならびに上述の処理順序
46、47および48に従ったそれらの処理を実行することができる。予備調節
の段階は、生きたマクロファージだけを選択して結果を復元するために、層9に
おいて死んだマクロファージを突きとめることである(実質的には避けられない
ものもある)。例えばマクロファージが生きているものとして分類されうるため
にこの時間中に通過しなければならない基部上の最小表面積を表す自由に選択さ
れた所定の限界値によって、それに関連する通過表面積がこの限界値より大きな
生きたマクロファージが他のマクロファージから区別される。モニタ5によって
復元される最終画像を不必要に妨害しないように、「マスキング」技術を利用し
て他のマクロファージを除去する。この操作によって、培養基20のなかに存在
しうる大きな粒子を画像から除去することもできる。
【0037】 4)さらに、例えば暗色の背景上に明色の生きたマクロファージが映し出され
るように、カメラ3によって取り込まれた原画像のグレーに対する閾値処理47
によって画面5に復元される画像のコントラストを高めることも可能である。こ
のコントラスト処理は図3によって示されており、そこでは3aにおいて、サン
プラ46によって抽出され約10秒間の観察時間を経て導かれた原画像を見るこ
とができ、それによりマスクの適用後、マクロファージのための培養基を表すグ
レーの背景41上で、それ自体がややグレーを帯び、この場合はどれもが生きた
肺胞マクロファージである類似サイズの円形オブジェクト40を区別することが
可能である。グレーの閾値処理の後に、画像3bが得られ、マクロファージは、
この場合は暗色の度合いが非常に強くなった残り41’から極めてはっきりと区
別されるようになる白色スポット40’として映し出される。これらは、化学的
に誘引するターゲットに向かって移動し、処理48によって明らかになった白色
のトレースを徐々に形成することになるマクロファージ40’である。これらの
トレースは図3cにおいてはっきりと見ることができ、それは、カメラによる2
0分間の観察時間を通じての画像3bの進行に起因するものである。マクロファ
ージの移動性を考慮すると、閾値処理に必要な観察時間(約10秒)は十分に短
いため、誘引剤を既にセル1に仕込んでおきながらこのコントラスト処理を実施
できることに留意されたい。
【0038】 画面5上に復元された最終オブジェクト画像は図3aの画像に類似している。
次いで、汚染物質の性質に応じて、それらの影響下におかれたマクロファージの
移動性の低下を推定し、それによってそれらの人体に対する有害性のレベルを特
徴づけるために、暴露の継続時間は定められた、または同一であるが、暴露セル
1に流れ込む汚染大気の空気流が存在しない場合および存在する場合において生
成された2つのオブジェクト画像上に得られたマクロファージのトレース40’
を互いに比較する。そのような特徴づけは、分析が厳密に把握されて安定してお
り、センサによって得られた移動性の測定値から有害性をじかに読み取るための
チャートを作成するためにマクロファージの移動性に対するその各々の影響が測
定される汚染空気の標準試料を利用して、あらかじめセンサの補正を確立するこ
とが想定されていれば、よういに定量化できるであろう。
【0039】 処理が完了したら、添加された化学的誘引剤とともに層9を基部2から除去す
るために吐出ポンプ11’を作動させる。次いで、タンク42から導管44を介
して供給される生物的洗浄液によって基部2を洗浄する。この段階では、新たな
分析に向けて新しい層9を設ける前に、セル1の基部に対する厳密な洗浄を保証
するために2つのポンプ12および11’が同時に作動する。
【0040】 言うまでもなく、本発明のセンサは、移動性の低下という形でのクリチカルな
しきい値を越えた場合の警報方式のみならず、新規な、またはまだ識別されてい
ない汚染物質の影響を調べるための調査ツールとしても役立つ。図4は、この点
においてセンサから期待できるものを明確に示したモニタ5上に復元されたオブ
ジェクト画像を示す図である。x軸上には観察時間Δt(分)が示され、y軸は
画面5のピクセルの数として表される、マクロファージによる跡の表面積を与
える。図4は、各々が、性質または濃度が異なる含有大気汚染物質によって他の
試料と区別することが可能な所与の分析試料を代表する約30の曲線を含む。こ
こに見られるように、実際に各曲線は、平均で10分間における約2000ピク
セルの跡の増加に相当する平均勾配を有する実質的に直線形のトレースである
。しかし、1つの試料はこの所見から逸脱しており、始点における縦軸の値が大
きい(2000ピクセルを上回る)ことによってこの試料も他の試料から区別
することができ、これは、この試料について実質的に多量のマクロファージ細胞
が分析されたことを示唆している。
【0041】 本発明はここに記載されている実施態様の例およびセンサの使用例に限定され
るものではなく、付属の請求項に定められたセンサの定義に従う限り、数多くの
変形態様および同等態様に適用されることは言うまでもない。
【0042】 特に、大気汚染物質に応答するマクロファージの移動性以外の挙動特性を定量
化することができる。本明細書の冒頭には、この点に関する色の変化が引用され
ているが、形態学的または生理学的変化を加えることが可能である。同様に、そ
のセンサは専ら大気汚染物質を対象とした測定上の目的で設計されたものである
が、言うまでもなく、呼吸によって吸い込まれうる大気中に存在する汚染物質以
外の汚染物質、例えば様々な工業活動によって排出される液体流出物のなかに存
在する汚染物質に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 完全な実施形態における本発明のバイオセンサおよびその動作方式を示すアッ
センブリの概略図である。
【図2】 好ましい実施形態による暴露セルの鉛直断面図である。
【図3】 ターゲットの方向における肺胞単球およびマクロファージの移動性に基づいて
人体における大気汚染物質の有害性を分析する方法の原理を示す図である。
【図4】 基部を通過した表面積として、観察細胞内に同時に存在するマクロファージお
よび単球の個体数sと時間の関数で表される、単球およびマクロファージの基部
におけるトレースの測定値よりなる単球およびマクロファージの移動性の指標を
利用することによって、この有害性の定量について得られた生の結果を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AU,BR,B Y,CA,CN,CZ,HU,ID,IL,IN,JP ,KR,MX,NO,PL,RO,RU,SG,SI, SK,TR,UA,US (72)発明者 アンリヨン・ミシエル フランス国、エフ−54920・モルフオンテ ーヌ、リユ・アルベール・ルブリユン、 1・ビス Fターム(参考) 2G045 AA02 AA24 AA40 BB14 BB20 CA11 CA20 CB26 CB30 FA11 FA16 FA19 FB03 GB10 HA06 HA09 HA14 JA01 JA07 JA11 4B029 AA02 AA07 BB11 CC01 CC02 CC08 DA03 DB01 DB11 DD06 DF05 DG06 DG08 FA15 4B065 AA94X AC20 BC01 BC03 BC07 BC08 BC20 BD50 CA46 CA54

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気汚染物質に敏感な肺胞単球や肺胞マクロファージなどの
    人体の免疫防御のための細胞の培養の源(15)と、 汚染大気を代表する分析試料をサンプリングし、制御された流量でガス流の形
    で当該試料を送出することが可能なプローブ(30、12)と、 ガス流が通過するようになされ、透光性物質から作られたその基部(2)が前
    記ガス流に接触する液層(9)で被覆されるように設計された漏出防止チャンバ
    (7)を定める暴露セル(1)であって、一方では、当該チャンバ(7)を通過
    するガス流を確立するための入口/出口(10、10’)が設けられ、当該入口
    (10)が大気をサンプリングするためのプローブ(30、12)に接続されて
    おり、他方では、基部(2)に液層(9)を確立するための入口/出口(8、8
    ’)が設けられ、培養(20)の源(15)が前記層を形成するように当該入口
    (8)が培養(20)の源(15)に接続された暴露セル(1)と、 前記暴露セルの基部(2)を洗浄する手段(42、45)と、 暴露セルの基部(2)を検査するシステムであって、カメラ(3)と組み合わ
    せた拡大光学機器(4)と、カメラによって生成された原画像信号を獲得する手
    段と、免疫防御細胞の挙動変化を表すことが可能な処理画像を作成するために前
    記信号を処理する手段(46、47、48、39)と、前記処理画像を視覚化す
    る手段(5)を備えたシステムとを含むことを特徴とする大気汚染物質測定用環
    境バイオセンサ。
  2. 【請求項2】 前記源(15)が人体の呼吸器官の肺胞単球および肺胞マク
    ロファージの培養を含むことを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
  3. 【請求項3】 防御細胞に対する化学的誘引剤(33)の源、ならびにこの
    源に接続されており、前記化学的誘引剤の進入のための暴露セル(1)の入口(
    13)をさらに含み、カメラ(3)によって提供された原画像を処理する手段(
    46、47)が、分析される気体状大気試料の影響を受ける防御細胞についての
    化学的誘引剤の基部(2)上の進入部の方向における移動性の変化を明らかにす
    ることが可能な手段であることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
  4. 【請求項4】 観察セル(1)の基部(2)を照明する手段(35)を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
  5. 【請求項5】 暴露セル(1)の基部(2)を洗浄する手段が液層(9)の
    入口(8)に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
JP2000533758A 1998-02-27 1999-02-22 大気汚染物質測定用環境バイオセンサ Withdrawn JP2002505430A (ja)

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FR9802376A FR2775522B1 (fr) 1998-02-27 1998-02-27 Bio-capteur environnemental de metrologie d'aerocontaminants
FR98/02376 1998-02-27
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