JP2002504827A - プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ、これをコード化するdna、およびその阻害剤のためのスクリーニング方法 - Google Patents

プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ、これをコード化するdna、およびその阻害剤のためのスクリーニング方法

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Abstract

(57)【要約】 プレニル化したタンパク質のさらなる翻訳後修飾において含まれる、哺乳類のタンパク質、プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼを、クローニングし、特性を与え、非自生の細胞に発現させる。このような膜調製品を用いてプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ活性の阻害剤のためにスクリーニングする。

Description

【発明の詳細な説明】 プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ、 これをコード化するDNA、およびその阻害剤のためのスクリーニング方法 発明の背景 発明の技術分野 本発明は、タンパク質の翻訳後修飾の分野に関し、さらに特に、シグナル分子 のカルボキシルメチル化に触媒作用を及ぼす酵素およびそれをコード化するDNA に関する。本発明はまたカルボキシルメチル化の阻害剤のためのスクリーニング 方法に関し、阻害剤は炎症および癌の治療における治療剤として役立つ。関連する技術の説明 C末端システインのプレニル化(ファルネシル化またはゲラニルゲラニル化) によって翻訳後修飾されるタンパク質は、通常タンパク質分解及びα−カルボキ シルメチル化によってさらに修飾される。システイン残基にプレニル化されるタ ンパク質の主な種類は2つある。これらプレニル化タンパク質の第一の主な種類 は配列CysXaaXaaXaa(SEQ ID NO:6)を末端とするものであり、以後CXXXと呼称し 、一次翻訳生成物はC末端からのシステイン4残基をもつ。この種類のタンパク 質はCAAXタンパク質と呼ばれることが多く、A=脂肪族アミノ酸およびX=任意のア ミノ酸であり、大抵は、全部ではないが、このようなタンパク質は指示位置に脂 肪族残基をもつからである(Clarke,S.,1992)。 プレニル化のためのCXXXコンセンサス信号を末端とする大多数のタンパク質の 中には酵母交配フェロモン、核ラミン、GTPアーゼのRas上科のras及びRho科のも の、ヘテロトリメリックグアニンヌクレオチド結合調節(G)タンパク質のγサ ブユニットがある。 大抵の場合、CXXX配列の最後のアミノ酸は、一次翻訳生成物が2つの関連した (タイプI)しかし別個のプレニルトランスフェラーゼによってC末端システイン 残基にファルネシル化またはゲラニルゲラニル化されているかどうか決定する。 C末端の最後のアミノ酸がロイシンまたはフェニルアラニンであるならば、一次 翻訳生成物はゲラニルゲラニル化される(Finegold et al.,1991;Kinsella et al.,1992)。他のアミノ酸、例えばセリン、メチオニン、またはグルタミンは、 最後のアミノ酸の位置で、一次翻訳生成物をファルネシル化させる。したがって 、細胞質ゾルタイプIプレニルトランスフェラーゼはCXXX共通配列を認識し、シ ステイン残基へのチオエーテル結合を介して15−炭素ファルネシルまたは20 −炭素ゲラニルゲラニルポリイソプレン鎖の結合に触媒作用を及ぼす(Glomset e t al.,1990;Maltese,WA.,1990;Seabra et al.,1991)。 一旦プレニル化すると、これらタンパク質はプロテアーゼのための基質となり 、XXX配列(C末端での最後の3個のアミノ酸)を除去し、新しいC末端としてプ レニルシステインを残す。このC末端プレニルシステイン部分は、次にプレニル システインカルボキシルメチルトランスフェラーゼのための基質となり、α−カ ルボキシル基をメチルエステル化する(Clarke et al.,1988;Stephenson et al. ,1990)。しかし、プレニル化およびタンパク質分解とは異なり、カルボキシル メチル化は生理学的条件下に可逆的である(Venkatasubramanian et al.,1980;C helsky et al.,1985)。図1は1例としてRhoタンパク質を用いるC末端CXXX共通 配列をもつタンパク質の翻訳後修飾の系列を示す図である。 プレニル化タンパク質の他の主な種類は配列CysXaaCysまたはCysCysで終わるr as関連GTPアーゼのrab族である。C末端システイン残基の一方または両方は別個 のタイプIIゲラニルゲラニルトランスフェラーゼによってゲラニルゲラニル化さ れる。rabタンパク質のC末端ゲラニルゲラニル化システイン残基はまたプレニル システインカルボキシルメチルトランスフェラーゼのための基質である。 酵母交配フェロモンは無条件に受容体との相互作用のためのカルボキシルメチ ル化を要する。Saccharomyces cerevisiaeにおいて特徴づけられ配列される野生 型Ste14遺伝子の遺伝子生成物をファルネシルシステインC末端カルボキシルメチ ルトランスフェラーゼであると同定し、これは酵母a因子フェロモンとS.cerev isiaeのrasタンパク質のC末端メチル化を仲介する(Hrycyna et al.,1990及び19 91;Ashby et al.,1993)。ヒト好中球では、本発明者の研究室はRhoGTPアーゼの プレニルシステインカルボキシルメチル化は炎症性作用物質によって刺激され、 プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼをブ ロックする薬剤が好中球信号変換を阻害することを報告した(Philips et al.,1 993)。したがって、プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ の阻害剤は抗炎症剤として治療の役割を果たすことが期待される。 プレニル化するRasタンパク質の族は細胞成長の制御、および細胞サイクルお よび増殖を支配する制御シグナルの統合に中心的役割を演じる。哺乳類細胞のra s,H-ras,K-ras(エキソン4aおよび4b共に変異体を接合する),およびN-rasの4 個の対立遺伝子があることが知られている。これらras遺伝子の変異体は最初の 癌遺伝子の中にあり癌表現型へ細胞を変換する能力について同定され(Barbacid ,1987)、ras遺伝子の突然変異体(H-ras,K-ras,およびN.ras)は制御されな い細胞増殖と関連があることが示され、ヒト癌全体の約30%であることが見出さ れた(Rodenhuis,1992)。 正常および発癌性Rasタンパク質の作用は無条件に翻訳後修飾の系列に依存す る(図1参照)。実際、このような翻訳後修飾は膜標的および局在化の両方に必要 である。Ras因子はプラズマ膜への局在化およびプラズマ膜との結合に依存して おり、本質的に活性な変異体Rasタンパク質および複数の他のプレニル化Ras関連 GTPアーゼが細胞に形質転換を起こさせる能力をもつので、酵素による翻訳後修 飾の各段階が新しい薬剤の標的であることが認められた(Gibbs,1991)。翻訳後 修飾の最初の段階に触媒作用を及ぼし、Rasタンパク質の膜標的および局在化を ブロックする、プレニルトランスフェラーゼの阻害剤を開発する際に大いに活発 な動きがあった(koblan et al.,1996)。プレニルトランスフェラーゼの阻害剤 がRasタンパク質の成熟をブロックし、細胞培養における変異体ras遺伝子によっ て誘導される癌性形質転換を逆転すること、異常Rasタンパク質による新しい腫 瘍の形成が動物では妨げられることをテストは示した。さらに、ファルネシルト ランスフェラーゼ阻害剤は全く特異的であり正常細胞には影響を与えないらしい (Koblan et al.,1996;Gibbs et al.,1996:Ohff et al.,1996)。 プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼを標的にしブロッ クする阻害剤、翻訳後修飾の第三段階は、また癌治療並びに他の高増殖性疾患、 例えば乾癖、前癌等における治療に役立つことが期待される。しかし、プレニル システインカルボキシルメチルトランスフェラーゼは、活性状態で生物膜から抽 出できないので、生化学的精製が限られていた。したがって、従来はこのような 阻害剤を同定する際に有用な器具がなかった。 ここに参照する文献は、直接関係する従来技術であること、または本願の請求 の範囲の特許性を考慮したものであることを容認するものではない。文献はいず れも内容の記述や日付は出願時に出願人が入手できた情報に基づくものであり、 このような記述の正確性に関して容認するものではない。 発明の概要 本発明は、哺乳類のプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラー ゼ(pcCMT)に関し、特にヒトpcCMTに関し、これはヒト細胞および他のヒトタン パク質から活性状態で単離された最初の哺乳類pcCMTであり、またそれに対し特 異的な抗体に関するものである。本発明はまたヒトプレニルシステインカルボキ シルメチルトランスフェラーゼをコード化するヌクレオチド配列を含む組換えDN A分子、ならびにその発現ベクター、および発現ベクターで形質転換される宿主 細胞に関する。さらに本発明は哺乳類プレニルシステインカルボキシルメチルト ランスフェラーゼ活性の阻害剤のためのスクリーニング方法に関し、阻害剤は炎 症および癌のような高増殖性疾患の治療において治療剤として役立つことが期待 される。 図面の簡単な説明 図1はRho族Ras関連タンパク質の翻訳後処理を示す図。 図2はヒトpcCMT(SEQ ID NO:5)由来のアミノ酸配列、関連する遺伝子および 、マウス発現配列tag(EST)mh77d06.rl(SEQ ID NO:7)、Xenopus laevismam4(SEQ ID NO:8;Imai et al.,1997),NCBI GenBankデーターベースのサーチによって同 定された2つのC.elegans遺伝子、S.cerevisiae Ste14(SEQ ID NO:11;Ashby et al.,1993)およびS.pombe mam4(SEQ ID NO:12;Imai et al.,1997)の配列間のア ミノ酸配列の配列を示す。ヒトpcCMTと他の遺伝子生成物間のアミノ酸の同一物 は太い文字で示す。膜を広げるドメインを示すヒトpcCMTの疎水性伸長は実線で 示し、ヒトpcCMT(SEQ ID NO:5のアミノ酸残基1−66)およびヒトバンド3アニオ ン輸送体のアミノ酸750−821との間の36%同一領域は鎖線で示す。抗pcCMT抗血 清を上げるために使用される内部ペプチドは点 線で示す。ポテンシャルN-グリコシル化部位は矢印の頭で示す。 図3はヒトpcCMTのKyte-Doolittle疎水性プロットを示す。 図4A-GはpcCMT構造のプロット分析を示し、図4Aは親水性、図4Bは表面確率 、図4Cは屈折率、図4Dは抗原インデックス、図4Eは両親媒性ヘリックス、図 4Fは両親媒性シート、および図4Gは二次構造を示す。 図5Aおよび5Bは異所性ヒトpcCMTを発現するCOS−1細胞膜によるras関連GTP アーゼのカルボキシルメチル化を示す。図5Aでは、Rho-GDIでコンプレックス 形成したRho族タンパク質の混合物を含む好中性サイトソル(CS)(レーン2,3, 6,7,10,11)、またはCSから部分的に精製したRhoA-GDIコンプレックス(レー ン4,8,12)は、ヒトpcCMT(レーン5−8)またはベクター単独(レーン9−12) で瞬間的にトランスフェクションしたCOS−1細胞またはヒト好中球(レーン1 −4)の窒素キャビテーションから誘導した軽膜およびメチルドナ−S−アデノ シル−L−[メチル−3H]メチオニンでインキュベーションした。いくつかの反応 (レーン3,7,11)では、拮抗pcCMT阻害剤、AFCが含まれる。反応生成物はSDS-P AGEおよびフルオログラフィーで分析した。カルボキシルメチル化p21sの位置は 、pcCMTに関連のない酵素によってC末端ロイシンにメチル化されるタンパク質ホ スファターゼ2a(PP2a)の位置であるように示される(Lee et al.,1993)。図 5Bでは、図5Aでなされたような分析は、ヒトpcCMTを発現するCOS-1細胞膜によ って、部分的に精製したヒト好中球Rac2およびRhoAのカルボキシルメチル化のGT P依存(±10μM GTPγ5)を示すが、cdc42hsでは示さない。 図6Aおよび6BはpcCMT mRNAの発現のためのヒト組織のノーザン分析を示し、 図6Cは発現したpcCMTタンパク質の免疫ブロット分析を示す。図6Aでは、顆粒 球分化を誘導するため、ポリアデニル化mRNAを、5%DMSOなし(レーン1)また はあり(レーン2)で5日間DMEM+10%胎児牛血清中で成長させたHL60細胞から 調製した。膜を[32P]標識全長pcCMT cDNA(上パネル)でプローブし、ストリ ップし、βアクチンmRNAに対し再プローブした(下パネル)。示された結果は2つ の独立した実験を代表する。図6Bでは、指示したヒト組織からのポリアデニル 化mRNAを含む膜を、図6Aのように、 pcCMT mRNA(上パネル)、ついでβアクチンmRNA(下パネル)に対し、製造者の指 示(Clontech,Palo Alto,CA)に従って修飾した。図6Cでは、[35S]メチオニ ン/システインで代謝による標識付けをしたHL60細胞のライゼートを、pcCMTペ プチドで免疫にしたウサギからの前免疫(p)または免疫(i)血清を用いて免疫 沈殿させた(レーン2および3)。ヒト好中球(PMN)からの、およびpcCMT(CMT )またはベクター単独(VEC)でトランスフェクションしたCOS-1細胞(CMT)か らの膜を同じ血清で免疫ブロッティングした(レーン4および5)。 図7A−7IはヒトpcCMTの亜細胞局在性を示す。図7A−7Eでは、CHO細胞(図 7A−7C)およびCOS-1細胞(図7Dおよび7E)は一時的にGFP単独(図7A)ま たはGFP標識ヒトpcCMT(図7B−7E)でトランスフェクションし、固定化しない ものを調べた。図7Cおよび7Eでは、画像はERの明瞭な蛍光およびプラズマ膜蛍 光の不在を表すように作為的に露出過度にしている。矢印の頭は不明瞭なエンベ ロープ蛍光を示し、星印は強いゴルジ蛍光の核周囲領域を示す。図7Fでは、GFP 標識pcCMTでトランスフェクションしたCHO細胞を固定し、透過性にし、ERマー カーリボホリンI(Texas-Red)で染色し、黄色偽色が重なる場所を共焦顕微鏡( 0.4μM光学部)で調べた。図7Gでは、Myc標識ヒトpcCMTでトランスフェクショ ンしたCHO細胞を固定し、透過性にし、抗Myc抗体9E10(Texas-Red)で染色した 。図7Hおよび7Iでは、トランスフェクションしていないCOS-1細胞を前免疫血 清(図7H)または免疫抗ペプチド抗血清(図7I)で内因性pcCMTに対し染色し た。棒線は10μMを示す。 図8A−8CはNrasの亜細胞局在性のpcCMT阻害剤(AFC)の効果を示す。図8Aで は、COS-1細胞をGFP-Nrasで一時的にトランスフェクションし、エピ蛍光顕微鏡 によって24時間生存を観察し、表面膜(矢印の頭)と強い核周囲の(ゴルジ)蛍 光を示した。ヌクレアーゼの位置に印をつける(N)。図8BはGFP-NrasC186S、プ レニル化の欠けた変異体のサイトソル局在性を示す。図8Cは24時間トランスフ ェクション中に200μM AFCに曝した細胞中のGFP-Nrasの優勢なサイトソル局在性 を示す。棒線は10μMを示す。発明の詳細な説明 プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ(pcCMT)をコー ド化するヒト骨髄細胞で発現した遺伝子を同定し特性を与えたところ、遺伝子は 哺乳動物から単離される最初の遺伝子である。図2に示すように、ヒトpcCMTの 導き出された284アミノ酸配列(SEQ ID NO:5)は、Ste14(Ashby et al.,1993)と 命名されたS.cerevisiaeの前記pcCMTに対し31%同一性(アミノ酸残基60−277に 対し)をもつことが見出された。しかし、最初の60個のアミノ酸残基は酵母遺伝 子生成物との類似を示さなかったが、哺乳動物アニオン輸送体の11−12番目の膜 が広がる領域に一致することが見出された、バンド3。図3に示されるように、 ヒドロパシイ分析は、pcCMT活性のデタージェント不安定性および膜局在性と矛 盾がない6個の膜が広がる領域を示した。 持続した試みにも拘わらず、pcCMTが活性状態で生物学上の膜から抽出できな いので、プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼは以前には 生化学精製ができなかった。本発明によるヒトpcCMTをクローンとして発生させ 、この実施例に記載するように特性を与える前には、(交配欠失変異体の相補性 によって)分子レベルで特性を与えたpcCMTのみがS.cerevisiae Ste14遺伝子生 成物であった。Ste14に対する相同によって脊椎動物からのpcCMTをクローンとし て発生させる試みは失敗した。しかし、本発明によれば、cDNAコード化ヒトpcCM Tはついにクローン化され配列され、そのタンパク質はその導きだされたアミノ 酸配列から特性を与えた。本発明者の実験室でこのヒトpcCMTをクローン化し、 配列し、特性を与えた後に、Schizosaccharomyces pombe mam4変異体の相補性お よびトランス相補性によるS.pombe mam4遺伝子およびXenopus laevis mam4遺伝 子のクローニングが、それぞれ独立して報告されただけであった(Imai et al., 1997)。しかし、これらの配列でも、本発明の遺伝子およびタンパク質配列は自 明性を与えない。 本発明の関係では、“プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラ ーゼ”の語はまたここでは“pcCMT”と称されるが、哺乳類のpcCMTおよびSEQ ID NO:5のアミノ酸配列と少なくとも70%同一性を有する任意の天然産のその変異 体を包含するつもりである。この語はまた、ムテインのアミノ酸配列が SEQ ID No:5と少なくとも70%の同一性、例えば少なくとも85%の同一性、少な くとも90%の同一性または少なくとも95%の同一性をもつという条件で、SEQ ID NO:5の1またはそれ以上のアミノ酸残基を異なるアミン酸と置換し、削除し、 または加えたムテインを含むつもりである。本発明によるヒトpcCMTのムテイン または天然産の変異体であることは、SEQ ID NO:5のヒトpcCMTの同じカルボキシ ルメチルトランスフェラーゼ活性を有するか実質的に保有する必要がある。 この明細書および請求の範囲のために、特に述べなければ、2つの配列間の配 列同一性のパーセンテージは、(1)2つの配列間の局部類似性スコアを最大に するように整列させ、(2)(a)ゼロ(空所)を含む重なる領域の全長、または (b)さらに短い配列のオリジナルのパーセンテージとして、(a)または(b )のどちらかが大きくても、同一の配列したペアの数を表示することによって、 決定される。 この2つの配列は、精密な(線形計画法)に基く局部配列アルゴリズムによっ て配列されるべきであり、所定の配列のための全部の類似性のスコアは、各配列 したアミノ酸のペアについてペアをなす配列スコア、および配列に対し全部の相 同スコアを改善するように試みる際にいずれかの配列に導入された各空所に対し 空所ペナルテイを、合計することによって得られる。ペアをなす配列スコアはア ミノ酸に対し20×20のスコアマトリックスから引き出される。空所ペナルテイは 、所定の空所の最初のゼロに対し課された空所開始ペナルテイ、およびその空所 に加えられた各追加のゼロに対する空所伸長ペナルテイの線形組み合わせである 。内部空所のみがペナルテイを課せられる。アミノ酸配列を配列させるには、ス コアマトリックスはPAM250マトリックスであり、スコア範囲は+17から−8まで であり;空所開始ペナルテイは−12であり;空所伸長ペナルテイは−4である。 さらに、“単離した哺乳類のプレニルシステインカルボキシルメチルトランス フェラーゼ”は任意の哺乳類pcCMTを包含し、その固有細胞、固有細胞の画分、 および他の固有のタンパク質から単離されたものである。例えば、“単離した哺 乳類のプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ”は、これ に限られないが、非固有の宿主細胞に発現した哺乳類pcCMT、非固有細胞の膜調 製品の一部として得られた哺乳類pcCMT、非固有細胞の膜から抽出した哺乳類pcC MT、および燐脂質小胞/リポソームと結合した哺乳類pcCMTを含む。“膜”の語 によって、細胞の種々の膜を包含するだけでなく、任意の人工膜様構造、例えば 燐脂質小胞/リポソームを含むつもりである。 タンパク質はこの分野で認められた次の任意の手段によって修飾される。 (a)適当な宿主細胞において、修飾タンパク質をコード化する修飾遺伝子の 発現; (b)前駆体タンパク質を翻訳後修飾する宿主細胞における前駆体タンパク質 の生合成(例えば、システインの架橋;グリコシル化;プロリンのヒドロキシル 化;チロシンのホスホリル化;C末端のリピド化;開裂); (c)修飾アミノ酸を充填したtRNAを与えるように処理した宿主細胞におけ るタンパク質の生合成; (d)段階を追うアミノ酸の添加および/またはペプチド画分の縮合による修 飾タンパク質の非生物学的合成; (e)リンカーを使用しまたは使用しないで、前駆体タンパク質の化学的また は酵素による修飾; (f)前駆体タンパク質のフラグメント化、および任意に、追加のアミノ酸ま たはペプチドへの1またはそれ以上のフラグメントの結合;およびそれらの組み 合わせ。 便宜のために、修飾体を上記(a)によって得られるものに分け、これを“突 然変異体”と称し、分けないものを“誘導体”と称する。 通常の誘導体はリード分子を先ず合成し次にそれを誘導体に合成して調製され 、また誘導体は直接調製することもできる。しかし、“誘導化体”の語に内在す るものは、好適な製造法ではないとしても、リード分子の修飾によって誘導体を 得ることが技術的に可能なものである。 タンパク質の修飾は次のように分類される: 有利な−これらの修飾は特定の 用途につきタンパク質の有用性を高める。 中位の−これらの修飾は特定の用途につきタンパク質の有用性を高めずまた 減らしもしない。 有利でない−これらの修飾は特定の用途につきタンパク質の有用性を減らすが 、必ずしも排除はしない。 不活性−これらの修飾は特定の用途につきタンパク質の有用性を排除する。 許容できる−これらの修飾は有利な、中位の、または有利でないが、不活性で はない。 タンパク質は1以上の用途をもつことができるので、修飾は1つの用途につき 有利な、第二の用途につき有利でない、第三の用途につき中位、第4の用途につ き不活性であることが可能である。 一般に、特異的な用途につきタンパク質の適合性の修飾の効果を、さらに大き いまたは小さい程度まで、タンパク質のアミノ酸組成、分子量、または全体の物 理的性質にのみ依存するものよりはむしろ、タンパク質の特定構造について議論 する。 タンパク質は1またはそれ以上の次の目的を含めて、種々の理由により修飾す ることができる。 ・放射性同位元素を使って標識する、酵素標識した、および蛍光標識した誘導 体の場合のように、さらに検出できる分子を与えること; ・特定の物理学的、化学的、または生物学的薬剤、例えば熱、光、酸化剤、還 元剤、および酵素に対し一層安定な分子を与えること; ・例えば、その投与を容易にするため関係する溶媒にさらに可溶な、または、 例えば、その沈殿を容易にするため、あるいは他の分子を捕獲する際に使用 出来るように溶解性を小さくした分子を与えること; ・例えば、アミノ酸側鎖に保護基を置く際に分子が関係出来る反応の性質を制 限すること、または逆に、次のカップリング反応を容易にするため分子に反 応基を置き、可能な反応を広げること; ・免疫性の小さい(または大きい)分子を与えること; ・患者に投与した場合に特定の器官または組織に分子がとどまる時間を増加( または減少)すること、または特定の器官または組織に到達するのを早める (または遅くする)こと; ・1またはそれ以上のその生物学的または免疫学的活性を高めること(または 減少)、例えば、受容体に対するその親和性を増加または減少すること、ま たはその特異性を修飾すること;または ・先の活性を補足する新しい活性を与えること(例えば、毒素を抗腫瘍抗体に 結合する); ・または分子の好ましくない副作用を阻害すること。 タンパク質のたいていの残基はある程度の突然変異体に耐えることができる。 突然変異体は単一または複数の置換体、挿入体、または欠失体を形成できる。好 ましくは、挿入体または欠失体は分子の末端、または表面ループまたは中間領域 境界に割り当てられる。好ましくは、内部の挿入および欠失は5個以下の残基の ものであり、さらに大きい内部挿入またば欠失に耐えられる証拠はない(例えば 相同タンパク質の例)。 “添加”または“融合”の語がさらに適切である末端での挿入に関して好まし い最大値はない。発現を容易にするため1のタンパク質を他に融合すること、ま たはその成分の複合生物活性をもつ融合タンパク質を与えることは日常普通のこ とである。融合タンパク質は前駆体として有用であり、融合タンパク質自体が活 性を欠いていても、開裂して活性タンパク質を遊離する。 末端での欠失に関して、さらに“先端切断”の語が適切であり、その修飾の目 的は重要である。その免疫学的目的でのみ1個が挿入されるときタンパク質を広 範囲に先端を切ることは日常普通のことである。5個のアミノ酸と同じに小さい エピトーブをタンパク質から取り出すことができ、それ自体でT細胞応答を引き 出し、あるいはそれ自体のコピーまたは免疫源担体に共役させ、B細胞応答を引 き出すために使用することができる。保存しなければならない生物活性がある場 合、先端切断の限界はさらに厳しい。 好ましくは、置換体、任意の内部欠失体および挿入体を考慮した後、変異体は 元のタンパク質に次々と少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、最 も好ましくは少なくとも95%同一である。 さらに次の突然変異体に耐性があるらしい。 (a)挿入または欠失よりはむしろ置換体であるもの; (b)内部よりは末端での、または内部の場合にはループまたは中間領域のリ ンカーでの挿入または欠失; (c)内部残基よりはむしろ表面残基に作用するもの; (d)結合部位に対し末端分子の一部に作用するもの; (e)類似のサイズ、荷電、および/または疎水性の他のアミノ酸に1のアミ ノ酸を置換したもの;および (f)関心あるタンパク質が属している相同タンパク質の族の中で事実上の変 異を受けやすい部位にあるもの。 これらの考察を使用して機能的変異体を設計することができる。 好ましくは、フレームワーク残基につき、さらに好ましくは全鎖につき、修飾 したタンパク質の予言しまたは実験的に決定した3D構造は、主鎖(Cα炭素)コ ンホメーションをもち、もとのタンパク質の予言しまたは実験的に決定した3D 構造からの二乗平均偏差値は、好ましくは5Å以下、さらに好ましくは3Å以下 、さらにまた好ましくは2Å以下、最も好ましくは1Å以下である。 タンパク質構造の予測のための最も正確な方法は、配列分析から相同体として 同定された既知構造の1または複数のタンパク質からのモデル構築である。驚く べきことには、非常に小さい検出可能な配列の同一性をもつタンパク質は非常に 似ている構造に折り重ねることができる。 タンパク質構造のコーディネートはプロテインデータバンクまたはケンブリッ ジクリスタルストラクチャデータセンターから入手できる。配列データベースは Protein identification Resource(National Biomedical Research Foundation) 、GENBANK(Los Alamos National Laboratory)、EMBL(Europian Molecular Biolo gy Laboratory)およびSBASE(International Center for Genetic Engineering a nd Biotechnology)を含む。3D構造とアミノ酸配列が相関した否定された配列デ ータベースは、NRL-3D(U.S.Naval Research Lab)、HSSP(EMBL)、3D-ALI(EMBL)、 FSSP(EMBL)、およびOverigtonデータベース(J.P.Overington,Pfizer Central Re search)を含む。住所はJohnson et al.(1994)の表2を参照。 基本的なアプローチは(1)関連がある配列と構造を同定し;(2)構造的に 同等の残基を同定し;(3)構造的に保存される領域(SCRs)を設計し;そして( 4)構造的に変化しやすい領域(SVRs)を設計することを含む。SCRsの設計は、 より大きいかまたは小さい程度まで、SVRsのモデリングにおいて制約として働く 。コア残基は通常表面残基よりも構造的に保存されるので、通常最初に設計され る。同じ理由で、ヘリックスと鎖は通常ループ前に設計される。一般に、主鎖( Cα原子)コンホメーションを最初に決定し、次いで側鎖コンホメーションを決 定する。モデリング段階は真正構造が連続的に改良した近似値に達するように繰 り返される。一般に、予言された構造はタンパク質ループよりもタンパク質コア に対して正確である。 1個以上の3D構造がモデル構築に利用できることは必要ではない。しかし、 2個またはそれ以上の相同のタンパク質の3D構造が知られている場合、モデル の正確さを改善できる。好ましくは、3D構造は関心のあるタンパク質に対する 相同のタンパク質の関連性を反映するように“加重”される。普通の計画は配列 同一性パーセントの二乗によって加重される。 さらに、非相同のタンパク質の相同サブ構造に関する情報を、相同のタンパク 質の3D構造に加えて、またはその代わりに使用することが出来る。異なるタン パク質から“スペアパーツ”を組み合わせるモデルの構築はJones et al.(1986) 、Unger et al.(1989)、Claesseus et al.(1989)、およびLevitt et al.(1992) を参照。 モデリングプロセスを自動化するいくつかのプログラムが存在するので、タン パク質モデリングの熟練者であることは、分子生物学者には必要がない。これら はCOMPOSER(Tripos Associates)を含む。 3D構造が結合パートナーならびに関心のある結合タンパク質に利用できる場 合、分子モデリングソフトウェアを用いて、部位への結合パートナーを“合体” することを試みて、ポテンシャル結合部位を予言し、または結合部位の提案され た突然変異体の効果を予言することが出来る。例えばGumprasad et al.(1996) およびConstantino et al.(1996)を参照。 一般に、類似の配列および機能のタンパク質の族の中には、表面残基が内部残 基よりも変わりやすい。これはタンパク質の全体のコンホメーションを維持す る必要がある他の残基との相互作用に表面残基が影響を与えないためらしい。 いくつかの表面残基は直接結合残基に影響を与え、これによりタンパク質は特 定の結合活性を働かせる。このような残基の突然変異は結合に作用するらしい; しかし、このような突然変異体を作ることは必ずしも望ましくないことはない。 例えば、セリンプロテアーゼの結合部位の突然変異は、タンパク質を全く簡単に 不活性にするのとは異なり、結合されるものを変えることができる。 タンパク質の表面残基を同定する最も確かな方法はX線回折によってタンパク 質の3D構造を決定することである。不完全な3D構造でも変異体を設計する際に 使用することができる。高移動度をもつ残基は、平均よりも高い結晶学的熱因子 によって証明されるように、不安定にする突然変異体に最も影響されやすくない ものである。Alber et al.(1987)参照。 多くのアミノ酸置換体は不都合な影響のない表面位置に作られるが、内部位置 での置換体は非常に不安定にされやすい。相同のタンパク質族の中で、官能アミ ノ酸を除けば、最も保存される残基は埋もれているものである。 タンパク質フォールディングのフリーエネルギー、およびそれゆえタンパク質 安定性への主な寄与は、溶媒からそれらをシールドする内部の埋もれた疎水性の 側鎖から生じる。パッキング密度は一般に高い。一般に、コア残基の容量を変え る突然変異体を許容するタンパク質の能力は、さらに全コア残基容量の正味の変 化、ついで各残基容量変化の大きさに依存する。換言すると、1のコア位置の容 量の増加は他のコア位置の容量の減少を補うことができる。好ましくは、全コア 残基容量の正味の変化は10%よりも大きくなく、さらに好ましくは、5%よりも 大きくない。Lim et al.(1989)およびLim et al.(1992)を参照。 反対する根拠がない場合、内部残基として同定される全残基は単一コアの一部 であると仮定される。しかし、タンパク質が複数の別個のコアを形成するように 折りたたむことが適当である場合、上記容量の維持ルールは別々に各コアに当て る必要がある。 アミノ酸は埋もれた残基の性質によって異なる。次表は、各残基につき、埋も れた位置にあったパーセントは、関連のないタンパク質の3D構造の研究に基く 。 タンパク質の埋もれたコアの構成は、埋もれるように在る場合は、各アミノ酸 の性質のみならず、タンパク質中のそのアミノ酸の出現の全頻度に依存する。最 も共通に埋められた残基は、減少順に、Val,Gly,Leu,Ala,IleおよびSerであ る。 Lim et al(1992)はタンパク質コアにおける単一の疎水性アミノ酸(Leu,Val )を親水性アミノ酸(Asn,Gln)と置換すると、タンパク質の完全なフォールデ ィングを妨げ、生物活性を壊すことを報告している。 埋められたCys,(−S-S-型),Asp,Gly,His,Pro,およびTrpは70%以上が相 同のタンパク質において変化していないらしい。従って、これら残基が関心のあ るタンパク質において埋められた位置にある場合にはそれらを変化させないほう が好ましい。それらの保存は次の通り説明できるであろう:Cys(ジスルフィド 結合)、Asp(荷電されているが強固な側鎖)、Gly(鎖可撓性)、His(荷電お よび非荷電状態の両方が生理学的pHで得られる)、Pro(独特な鎖外形)、およ びTrp(最長側鎖)。 他の残基は、Metを除いて、埋められている場合に40−60%が変化しないまま であるらしい(Metはそのときの26%のみが変化しないが、Leuによって25% が置換されるようだ)。 次の埋められた残基の置換の確率は10%を越える。 これらの更なる置換は5−10%の範囲の確率である。 Overington et al.(1992),表5参照。 最も矛盾がない交換基は(Arg,Lys)、(Leu,Ile,Met,Val,Phe)、および(Se r,Thr,Ala)である。しかし、AlaおよびValはかなり不規則である。 一般に、したがって、変異している埋もれた残基を完全に避けることが好まし い。しかし、変異している場合、コアの容量の全体の変化を制限する必要があり 、最も好ましくは、1の残基を他の残基との置換に突然変異を制限し、置換確率 がゼロを越え、さらに好ましくは少なくとも5%、そして最も好ましくは少なく とも10%とする必要がある。埋められたCys(-S-S-),Asp,Gly,Hls,Proおよ びTrpの突然変異は、他の証拠による弁明はないが、避ける必要がある。最も安 全なコア突然変異体は1の疎水性アミノ酸を他のものと、およびArgをLysと(ま たは逆に)交換することである。 それでもなお、内部残基の賢明な突然変異を用いてタンパク質安定性を改善す ることができる。このような突然変異体は、元の構造と矛盾のない追加の安定化 相互作用(水素結合、イオン対)を導入し、またはさらに小さいアミノ酸とさら に大きいアミノ酸とを置換し、直線側鎖を分子鎖または芳香族と置換して、近く の相互作用する基の移動性を減らすことができる。Alber(1987)参照。 残基が安全にムテイン中で突然変異できることを決定するための最も有用な情 報は、pcCMTタンパク質の配列の理解にある。これら相同のpcCMTタンパク質の配 列を次に行い、保存しない残基はさらに安全に突然変異することができる。突然 変異への残基の耐性に関して有する信頼度は、タンパク質族の中の部位 でのアミノ酸タイプの変化度の関数であり、またその相違にも拘わらず、族中の タンパク質全体が所望の活性を保持する範囲の関数である。 相同タンパク質の研究は、それらの変異性によって、突然変異に耐えられる部 位を同定する際に有用であるが、強く保持されている部位は必ず不変であるとい う確信はない。ランダムな突然変異誘発の研究は、タンパク質が、構造的にまた 機能的に、天然産のものよりもはるかに多い突然変異体を提供できることを示し た。 同起源のタンパク質は、異なる種の器官に発現する相同タンパク質であり、関 心のあるタンパク質によって行われるものと同じ生物学的機能をするが、活性、 特異性、発現のタイミング等は異なる。他の哺乳類からのこのような同起源のpc CMTタンパク質は、関心のあるpcCMTタンパク質(“出発タンパク質”)をコード 化する最初に同定した哺乳類pcCMT遺伝子(“出発DNA”)として、ヒトpcCMT cD NAまたはゲノムDNAの占有時に得られ、同起源の哺乳類タンパク質の単離を大い に容易にする。 1の好適例では、ヒトpcCMT DNA、またはそのフラグメントは、ハイブリッド 形成プローブとして用いられ、全体の同起源のタンパク質、またはその認識でき るフラグメントのいずれかをコード化する挿入部を含むクローンに対しcDNAまた はゲノムDNAライブラリイをスクリーニングする。ハイブリッド形成プローブの 最小の長さは特異性に必要なものによって指図される。ライブラリイは好ましく は、比較的高いpcCMTの生産者である哺乳類細胞のゲノムDNAまたはmRNAから得ら れる。 問題の哺乳動物がヒトcDNAまたはゲノムDNAのそれとは実質的に異なるコドン 優先物をもつことが知られている場合、同じアミノ酸配列をコードするが、その コドンの利用は標的の哺乳動物のDNAのそれとさらに似ている、合成ハイブリッ ド形成プローブを使用できる。代わりに、合成プローブは、最も分岐しているら しいこれら塩基のための置換体としてイノシンを用いることができ、あるいはこ のプローブは標的の哺乳動物のための好ましいコドン(同じアミノ酸をコード化 する)と源DNAのためのコドンを混合する混合プローブであってもよい。 慣例の方法によって、出発DNAの完全二重らせんのTmを決定する。ついで 出発DNAから分岐する標的DNAに、出発DNA(または他のプローブ)のハイブリッ ド形成を行うことができるように、完全二重らせんTmよりも十分に低いハイブリ ッド形成温度を選択する。1%の配列ダイバージェンスは一般に二重らせんのTm を1−2℃下げ、異なる種の相同タンパク質をコードするDNAは一般に約50−80 %の配列同一性をもつ。好ましくは、ライブラリイは温度が少なくとも20℃、さ らに好ましくは少なくとも50℃で、完全二重らせんTm以下である条件下にスクリ ーニングされる。塩はTmを下げるので、通常低い塩ハイブリッド形成条件、例え ば<1M NaCl下に、相同タンパク質をコード化するDNAsをサーチする。 他の種における相同遺伝子を同定するためプローブを用いるために、例えば、 Schwinn et al.(1990)(ハムスター67bp cDNAプローブ対ヒト白血球ゲノムライ ブラリイ;ヒト0.32kb DNAプローブ対ウシ脳cDNAライブラリイ、共に42℃で6× SSCでハイブリッド形成);Jenkins et al.(1990)(チキン770bp cDNAプローブ対 ヒトゲノムライブラリイ;400Cで50%ホルムアミド中5×SSCでハイブリッド形 成);Murata et al.(1992)(1.2kbマウスcDNAプローブ対ヒト好酸球cDNAライブ ラリイ;65℃で6×SSCでハイブリッド形成);Guyer et al.(1990)(2.95kbヒ トゲノムDNAプローブ対ブタゲノムDNAライブラリイ;42℃で5×SSCでハイブリ ッド形成)を参照。 例えば、プローブ配列によってコード化されるアミノ酸配列(例えばSEQ ID N o:5)と少なくとも70%同じタンパク質をコード化する相同配列にハイブリッド 形成するためのハイブリッド形成条件は、当業者間で良く行われ、特にハイブリ ッド形成の参照テキストは多く、例えば、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology ,Chapter 6,John Wiley & Sons,Inc.(1987-1998)があ る。 ヒトpcCMTおよび同起源の哺乳動物タンパク質は免疫学的に交叉反応性である 場合、ヒトpcCMTに対し改善した抗体を第二のアプローチに使用し同起源の哺乳 動物タンパク質をコード化する遺伝子を同定することができる。このアプローチ では、ライブラリイはクローニングした挿入断片によってコード化したポリペプ チドを発現させ、発現生成物をヒトpcCMTに対し改善した抗体を用いてスクリー ニングする。タンパク質が交叉反応性である場合、同起源の哺乳類タンパ ク質を検出し、対応する遺伝子を回収することができる。 同起源のpcCMTタンパク質の配列から指標を引き出すために、各可能な配列に 対し相同または配列スコアを計算し、同起源のpcCMTタンパク質の各ペアに対し 最高のスコアを決定する。全体的な配列アルゴリズムは所定の配列のための類似 スコアを生じる際に共に完全な配列を考慮し、そして、一般に“空所化”を与え る。これらは、配列がその全長にわたって類似していることが知られまたは期待 されるときに最も適当である。局部配列アルゴリズムは、しかし、2つの配列の 類似のフラグメントにつきサーチし、一般に、空所を与えない。それらは、ある いは小さい類似性を共有する長い配列間で共通のサブ領域を配置する際に有用で ある。 結合部位はまたタンパク質を局部的に混乱させるように設計された突然変異誘 発戦略によって同定することもできる。1つのこのような戦略はアラニンスキャ ンニング突然変異誘発である。この技法では、タンパク質の(または結合部位を 含むことが期待されるタンパク質の領域の)全非アラニン残基が、一つずつ、ア ラニンと置換され、単一の置換変異体のコレクションを生成する。アラニンは( 1)タンパク質の中でもっとも普通のアミノ酸残基である、(2)小さい側鎖を もち、従って立体的に他の残基を妨害することがない、そして(3)その側鎖( −CH3)はHボンドを形成しないが、特に疎水性ではないという理由で用いられる 。CunninghamおよびWells(1989)は、hGHの残基2−19、54−74、および167−191 のAlaスキャンニング突然変異誘発の研究を行った。62Ala突然変異体の全部を生 成した。これらのうち、14個の変異体は親和力テストに充分な量で生成できなか った。たぶん、これらの変異体はタンパク質を全体的に不安定にし、タンパク質 分解を受けやすくする。改善が顕著であるかは不明であるが、11個の変異体は表 面上は結合を強める。残りの37個の変異体のうち、4個だけは10倍またはそれ以 上、9個だけは5倍またはそれ以上結合を減じる。一般にGenetech,WO90/04788 参照。 Alaスキャン突然変異誘発の他の使用については、Yu et al.(1995)(58残基タ ンパク質BPTIの単一ジスルフィド誘導体の完全スキャン);Anen et al.(1987)(め んどり卵白リソチームの残基52−61のAlaスキャン);Ruf et al.(1994)(Gly, ProおよびCysとは違う残基のAlaスキャン;多Ala変異体を最初に、次に単一Ala 変異体を調べた);Williams et al.(1995)((1)荷電アミノ酸、(2)芳香族残 基、および(3)プロリン、システイン、またはポテンシャルN結合グリコシル 化部位とは違う(1)または(2)に隣接した残基、のインシュリン受容体のAl aスキャン);KellyおよびO'Connell,Biochemistry,32:6828-35(抗体CDRのAla スキャン)を参照。Alaスキャンニング突然変異誘発はタンパク質の全残基に適用 でき、またはある合理的な根拠で選択された残基、例えばアミノ酸タイプ(例え ば、荷電した芳香族残基)に、相同タンパク質族における変異性の程度、または 相同スキャンニング突然変異誘発によって示されるような関数への関連において 、適用できる。 好ましくは、さらに突然変異体(特に、非保守的突然変異体)はアラニン置換 が20倍以上、さらに好ましくは、10倍以上、またさらに好ましくは、5倍以上、 さらになお好ましくは2倍以上、問題の活性を低下しない部位で作られる。最も 好ましくは、アラニン置換体が活性を改良する部位で突然変異体が作られる。 好ましくは、多重突然変異体が作られる場合、突然変異体の期待される(追加 の)効果は10倍以上、さらに好ましくは、5倍以上、さらになお好ましくは、2 倍以上、活性を低下しないことである。最も好ましくは、期待される効果は活性 を改善することである。保守的置換の期待される効果は、知られているならば単 一置換としての、またはそうでなければ中位のその突然変異の効果である。非保 守的置換の期待される効果は、知られているならば単一置換としてのその突然変 異の効果、またはそうでなければ、もしも知られているならば、実際の置換残基 と同じ交換基の異なる残基の単一置換の効果、またはさもなければ単一のAla置 換の効果である。 他のアプローチは相同スキャンニング突然変異誘発である。これは問題のタン パク質から活性アッセイにおいて区別できる相同体を同定すること、および相同 体の対応するセグメントによって問題のタンパク質のセグメントが置換される変 異体をスクリーニングすることを含む(または逆)。置換が修飾したタンパク質 の活性を変える場合、問題のセグメントは、問題のタンパク質と相同タンパク質 との間の活性の観察される差違に多分寄与し、交換されたセグメントの比較は その活性に含まれた結合部位の特性を説明するために役立つ。例えば、GH受容体 に結合しないプロラクチンのセグメントを用いて、結合する成長ホルモンのセグ メントを置換した。置換がGH結合を破壊する場合、置換したセグメントはGH受容 体結合部位の一部分であったことを意味し、そのときは置換したセグメントと、 置換しつつあるセグメントの違いがどのようであるかに焦点を合わせることがで きる。WO90/04788参照。 残基が結合部位の一部であると決定されると、その部位の単一置換変異体の可 能なものすべてを用意できる。 2またはそれ以上の許容できる突然変異体をタンパク質に組み込むことが可能 である。 一般に言えば、最初の近似として、2個の突然変異体の効果が事実上付加的で あると仮定することが妥当である。Wens(1990);SandbergおよびTerwillinger(19 93);GregoretおよびSauer(1993);SchreiberおよびFersht(1995);Lowmanおよ びWells(1993);Lawman et al.(1991);Lin et al.(1994);Venkatachalam et al.(1994);Akasako et al.(1995);Behravar et al.(1991);Lin et al.( 1994);Zuckerman et al.(1992)を参照。 非加算的効果はさらに各他の残基とのファンデルワールス接触にある残基間に 生じるらしい。SanbergおよびTerwillinger(1993)参照。SchreiberおよびFersht (1995)によれば、非加算的効果はさらに7Å以下離れた残基間で生じるらしい( 荷電した残基では10Å)。最初の突然変異体に対する第二の突然変異体の効果は 相互依存的、付加的、部分付加的、中位、拮抗、または抑制的である。長い範囲 であるが低い尺度の付加からのずれは、適度にしばしば生じる、LiCataおよびAc kers(1995)参照、しかしタンパク質工学における多重突然変異の価値を暗示して はいない。 Gregoret et al.(1993)は、選択的条件下に、活性変異体における突然変異体 の発生の頻度を、変異体が耐性を与えるかどうかの指標であると仮定し、(一対 の単一Ala置換変異体の突然変異頻度を増加する)追加のモデルが、二名法(多A la置換)変異体の活性クラスを予言する際に約90%有効であることを見出した。 突然変異体を一緒にする最も普通の理由は、一緒にする際にそれらの付加また は相乗作用の効果から利益を得ることである。例えば、突然変異体が有利なおよ び不利な活性をもつ場合、最初の突然変異体の不利な活性を中和する第二の突然 変異体と一緒にすることが出来る。 多重突然変異体の使用は、それぞれが小さいが有利な活性の効果をもつ突然変 異体を組み合わせて、活性がさらに改善された変異体を得るためである。必ずし も、突然変異体が厳密に付加的であることはなく、有利である組み合わせに少な くとも部分的に付加的であることで充分である。Blacklow et al.(1991)(改良 されたトリオースホスフェートイソメラーゼの触媒有効性)参照;Akasako et al. (1995)(リボヌクレアーゼHIにおける多重熱安定化突然変異体);Lowman et al. (1991)(“適度に付加”効果をもつ5個の同時に存在する突然変異体によって 約500倍改良されたヒト胎盤ラクトゲンのHGH受容体結合の性質);LowmanおよびW ells(1993)(15個の置換体の組み合わせによって約400倍改良されたHGHのHGH受 容体結合の性質)。SandbergおよびTerwillinge(1993)はDNA結合タンパク質安定 性の変化とDNA結合親和性の変化との間に弱い相互関係のみがあり、従って突然 変異体を一緒にして他の性質を変えずに1の性質を選択的に変えるようにするこ とを報告した。 Watanabe et al.(1994)はプロリン残基の数の増加は、特にアルファらせんの Nキャップおよびベータターンの第二部位で、付加的方法でタンパク質の熱安定 性を増加することを示唆している。 Gloss et al.(1992)はタンパク質の全システインをアラニンに変えた。かれ らはこのシステインを含まない変異体は唯一配置したシステイン残基を処理する プラットフォームを与え、これによりチオール基の独特の反応性の取り込みによ って異常なアミノ酸の導入を可能にする。 2個の残基の相互活性は一般に単一の置換変異体ならびに二重置換変異体を調 製し、効果が付加的であるかどうかを決定して、決定される。したがって、単一 のAla置換が有利にまたは不利に活性に影響することが示されたならば、二重Ala 変異体を調製しその活性を単一の置換変異体のそれと比較することができる。確 かに、それ自体で、活性に影響を与えない2個の突然変異体は一緒にすると きそうすることができるが、特に部位が互いに接近していない場合には好ましく ない。 理論では全部の可能な二重Ala変異体を調製できるが、これはN(N-1)変異体の 調製を意味し、その場合、Nはプロテインの非Ala残基の数であった。一般には、 活性にかなり影響することが知られている部位に二重置換研究を制限する。多分 、また大きく不利な(拮抗する相互作用を期待するため)部位を考慮するだろう 。 他のアプローチは二項式Alaスキャンニング突然変異誘発である。ここでは、 所定のタンパク質分子の問題の各位置で、残基がランダムに元の残基かまたはAl aのいずれかであるライブラリイを構成する。GregoretおよびSauer(1993)参照 。1010変異体のライブラリイをスクリーニングできる場合、30個までの異なるAl a置換体(227〜1010)を一緒にした結合効果を1の実験で研究することができる 。各位置でのAla−非Ala比が、必要ではないが等しいことは注目される。この比 のために行われた選択は、二項分布に従って、優勢である置換の程度を決定する 。 タンパク質が、単一の実験で二項式Alaスキャンニング突然変異誘発によって サンプリングすべき問題の部位すべてに対し大きすぎる場合、このタンパク質を セグメントに分け、各セグメントを順番にこのような突然変異誘発にかけ、次い で、交叉チェックとして、同様に1の残基を各セグメントから突然変異させる。 突然変異が効果において付加的でないときでも、これは必ずしも望ましくなく はない。GreenおよびShortle(1993)は、それぞれ安定性を減じた突然変異体が 、それらの効果において付加的でないとき、ほとんど排他的にサブ付加的であつ たことを報告した。すなわち、安定性の縮小は各非安定化を合計して期待される ものよりも少なかった。これは2個の突然変異体を囲む“摂動の範囲”の重なり に帰する。Ballinger et al.(1995)は組み合わせサブチリシンBPNの変異体は二 塩基性基質に対し特異性において追加のシフトよりも大きく、これは望ましい変 化であることを報告した。 いくつかの多重突然変異体は特定のコメントに値する。 一次シフト:一次シフトでは位置nでの残基は位置n +sでの置換アミノ酸、 または逆になる。例えば、30でのCysの代わりに、31でのCysをもつ。その結果は 、ロスというよりは、問題のアミノ酸の単なる置換である。一次シフトでは、s (シフト距離)はもっともしばしば1に等しいが、2、3またはそれ以上でもよ い。sの値が大きいほど、シフトは通常の二重突然変異に似る。 一次転移:一次転移では、一次アミノ酸配列のnn +sの位置での残基は交換 される。このような交換は、単独に調べた各置換体が示唆するよりはタンパク質 をあまり摂動しないようだ。一次転移は、事実上、2個の相補的シフトの組み合 わせである。 二次転移:ここでは、タンパク質の折り畳みの結果として相互作用する2個の アミノ酸が交換される。古典的な例は塩架橋のメンバーである。1のセグメント のAspが他のセグメントのLysと塩架橋を形成する場合、AspとLysは交換でき、塩 架橋はなおも形成できる。 同調置換:ここでは、残基xの置換は残基yの置換と調整される。従って、1個 のcysの置換は第二のCysの置換と同調でき、それとさもなければジスルフィド結 合を形成し、そして塩架橋を形成するペアの1個のアミノ酸が荷電していないア ミノ酸と置換されるならば、他のものが同様に置換される。 相同のタンパク質の族において同調したアミノ酸変化を検出する技術はAltsch uh et al.(1988)に議論されている。 一次シフト、一次置換、二次置換と同調置換はさらに同様に同じ各アミノ酸変 化を含む他の多重突然変異よりも寛容であるようだ。 ヒトpcCMTの推論するアミノ酸配列と、関連する遺伝子と配列との間の相同性 に対するアミノ酸配列の整合は図2に示される。図2のヒトpcCMTと他の遺伝子 生成物との間のアミノ酸同定は、太字で示される。図2のアミノ酸配列の整合を 認める当業者は、アミノ酸の置換、欠失、付加がもとの酵素の酵素活性の保持を 最高に期待して行われる位置を理解するであろう。例えば、太文字の領域が図2 の太文字でない領域と混ざったアミノ酸位置で見られ、または太文字でないとこ ろでは、保守的アミノ酸置換体がヒトpcCMTのカルボキシルメチルトランスフェ ラーゼ活性を実質的にまだ保持することを予言でき、特にタンパク質構造におい て同様の性質をもつ保存残基位置で太文字でない領域に示される代替アミ ノ酸のある場所を予言できる。太文字でない位置でのアミノ酸残基はコンサベー ションを示さず、(例えば、同一性、相同性)、そしてアミノ酸残基の荷電、疎 水性、立体性等がpcCMTの酵素による活性およびタンパク質構造に実質的に影響 することがないことを予言し、事実上普通のアミノ酸のいずれかと置換できる。 Chou-Fasman分析または他の類似の分析によって日常的に得られるような二次構 造予言(図4G)、および図4A-4Fに示される他の構造的予言は、さらに情報をも つ当業者に、どのアミノ酸が特定の残基位置で適当な置換体であるかを提供する 。 好ましくは、SEQ ID NO:5のムテインはSEQ ID NO:5と少なくとも85%、さらに 好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95%の同一性をも つが、SEQ ID NO:5のヒトpcCMTのカルボキシルメチルトランスフェラーゼを実質 的に保持する。 本発明において使用するためのヒトpcCMTのムテインを得るために使用できる タンパク質中のアミノ酸置換体の製造例は任意の既知の方法工程を含み、例えば 、米国特許RE33,653、4,959,314、4,588,585および4,737,462、Mark et al.;5, 116,943 Koths et al.;4,965,195 Namen et al.;4,879,111 Chong et al.;5, 017,691 Lee et al.;および米国特許4,904,584(Shaw et al.)に示されたリシン 置換タンパク質がある。 遺伝レベルでは、これらのムテインは一般にヒトpcCMTをコード化するDNAにお いてヌクレオチドの部位指向突然変異誘発により調製され、これによりムテイン をコード化するDNAを製造し、その後にそのDNAを合成し、組換え細胞培養でポリ ペプチドを発現する。一般にムテインは天然産のタンパク質と同じかまたは増加 した質的な生物活性を示す、Ausubel et al.(1987-1997);Sambrook et al.(198 9)。 これに従うヒトpcCMTムテインの調製、または同じポリペプチドをコード化す るが、遺伝コードの既知の縮重により可能な変化によって自然の配列とは異なる 代替のヌクレオチド配列は、DNAの部位特異的突然変異誘発によって達成できる 。部位特異的突然変異誘発は、所望の突然変異のDNA配列をコード化する特異的 オリゴヌクレオチド配列の使用によってムテインの生産を可能にし、充分 な数の隣接ヌクレオチドは、充分な大きさと配列の複雑さの一次配列を与えて、 考察される欠失結合の両側に安定な二重らせんを形成する。代表的には、長さが 約20ないし25のヌクレオチドのプライマーが好ましく、変更される配列の各側に 約5ないし10の補足するヌクレオチドをもつ。一般に、部位特異的突然変異誘発 の技法はこの分野では良く知られており、Adelman et al.(1983)のような刊行物 によって例示され、その開示はここに参考文献として組み込まれる。 正しく認識されるように、部位特異的突然変異誘発技法は一般に一本鎖または 二本鎖形態の両方に存在するファージベクターを用いる。部位指向突然変異誘発 に有用な代表的ベクターはM13ファージのようなベクターを含み、例えばMessing et al.(1981)によって開示されており、その開示はここに参考文献として組み 込まれる。これらのファージは容易に市販品として入手でき、それらの使用は一 般に当業者には良く知られている。代わりに、複製の一本鎖ファージ起源を含む プラスミドベクター(Veira et al.,1987)を用いて一本鎖DNAを得ることがで きる。 一般に、これに従う部位指向突然変異誘発は、関連したポリペプチドをコード 化するDNA配列をその配列中に含む。所望の突然変異した配列をもつオリゴヌク レオチドプライマーは自動化DNA/オリゴヌクレオチド合成によって合成により 調製される。このプライマーは次いで一本鎖DNA配列を含むベクターでアニーリ ングされ、E.coliポリメラーゼIクレノウフラグメントのようなDNA重合化酵素で 処理し、突然変異を伝える鎖の合成を完成する。したがって、突然変異した配列 および第二の鎖は所望の突然変異を伝える。このヘテロ二本鎖ベクターを次に用 いてE.coli JM101細胞のような適当な細胞を形質転換し、突然変異した配列の配 置を伝える組換えベクターを含むクローンを選択する。 このようなクローンを選択した後、突然変異したヒトpcCMTを除去し適当なベ クター、一般に適当な宿主のトランスフェクションに用いることができるタイプ の転移または発現ベクターに置く。 本発明による哺乳類pcCMTをコード化する組換えDNA分子は、出発DNAとして特 性を与えるヒトpcCMT遺伝子を用いて、同起源の哺乳類タンパク質の議論におい て上記したような同起源の哺乳類pcCMTを単離する、cDNAクロー ニングによって得られる。この組換えDNAは次いで受容体宿主細胞において自律 性の複製または染色体統合の可能なプラスミドのような複製できる発現ベクター に組み込まれる。組換えDNA技法の一般原理を示す標準照合作業はAusbel et al .(1987-1997)、Watson et al.(1987);Darnell et al.(1986);Lewin(1985) ;Old et al.(1981);およびSambrook et al.(1989)を含む。これらの参考文 献は参照のためここに組み込まれる。 哺乳類pcCMTを発現できるため、発現ベクターは、遺伝子発現およびタンパク 質の生産を可能にするような方法で、哺乳類pcCMTのためにコードするDNAにリン クする転写および翻訳調節情報を含む特異的ヌクレオチド配列をもつ必要がある 。先ず、転写されるべき遺伝子のため順に、ポリメラーゼが結合し、従って転写 工程を開始するRNAポリメラーゼによって認識できるプロモーターにより先行さ れなければならない。 転写および翻訳調節情報を含むヌクレオチド配列を含み、そしてこのような配 列がポリペプチドをコード化するヌクレオチド配列に“実施可能に結合”する場 合、DNAはpcCMTのようなポリペプチドを“発現できる”と言える。実施可能な結 合は、調節DNA配列、および発現されるように調べられたDNA配列が遺伝子発現を 可能にするように接合する結合である。一般に遺伝子発現に必要な調節領域はプ ロモーター領域ならびにDNA配列を含み、RNAに転写されるとき、タンパク質合成 の開始を信号で送る。このような領域は通常、転写および翻訳の開始を含む5' −非コード配列を含む。哺乳類および昆虫の細胞系において高レベルのタンパク 質発現に常用する種々のプロモーターがある。 本発明の哺乳類pcCMTをコードするヌクレオチド配列を含むDNA分子、および実 施可能に結合した転写および翻訳調節信号は、宿主細胞において哺乳類pcCMTを 瞬間的に発現するかまたは設計した遺伝子配列を宿主細胞染色体に統合できるベ クターに挿入できる。導入されたDNAをそれらの染色体に安定に統合した細胞を 選択できるために、発現ベクターを含む宿主細胞の選択が可能な1またはそれ以 上のマーカーを用いる。マーカーは栄養要求性宿主へのプロトトロピイ、生物致 死剤耐性、例えば抗生物質、または銅のような重金属等に耐性を与える。選択で きるマーカー遺伝子は発現されるべきDNA遺伝子配列に直接結合 できるか、またはコトランスフェクションによって同じ細胞に導入できる。追加 の要素はまたmRNAの最適合成に必要である。これらの要素はスプライス信号、な らびに転写プロモーター、エンハンサー、および終結信号を含む。このような要 素を組み込むcDNA発現ベクターはOkayama(1983)によって記載されたものを含 む。 真核生物宿主細胞にトランスフェクションするとき高レベルの所望のタンパク 質を遷移的に発現できる発現ベクターは、当分野で良く知られており、一般に公 に入手できるかまたは分子生物学の供給者から市販品として入手できる(例えば 、プラスミドpcCMTは、インビトロゲン、サンジエゴ、CAから入手できる)。構 成物を含むベクターまたはDNA配列が一旦発現のために用意されると、発現ベク ターは任意の種々の適当な手段、例えば形質転換、トランスフェクション、リポ フェクション、共役、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、燐酸カル シウム沈殿、直接マイクロ注入等によって適当な宿主細胞に導入できる。 真核宿主細胞は哺乳類細胞、例えば、ヒト細胞、モンキー(COS細胞)、マウ スおよびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞であり、それらは、正しい折 り畳み、正しいジスルフィド結合形成並びに正しい部位でのグリコシル化を含む タンパク質分子への翻訳後修飾を与えるからである。しかし、昆虫細胞、例えば 、バキュロウイルスはポリペプチドを過剰生産し、またグリコシル化を含む翻訳 後ペプチド修飾を行うことができる。COS、CHOおよび昆虫細胞での異所性タンパ ク質発現は、当業者およびプロトコルで良く知られており、例えばAusubel et a l.(1987-1997)、セクション16.9−16.14で、バキュロウイルスベクターを用い る昆虫細胞および哺乳類細胞のタンパク質の発現を適当に用いることができる。 哺乳類pcCMTを発現するトランスフェクションした宿主細胞を収集して、Philips et al.(1995b)に記載されているようなカルボキシルメチルトランスフェラーゼ 活性を決定するために膜調製品を得る。 本発明による治療上の増殖抑制剤および抗炎症剤としてpcCMTの抑制剤をスク リーニングする方法は、膜調製を行い、ポテンシャルpcCMT阻害剤の存在または 不在(コントロール)でPhilips et al.(1995b)に記載されているような基質を 用いて膜調製品をインキュベートし、カルボキシルメチルトランスフェラー ゼ活性のレベルがコントロールに関してポテンシャル阻害剤によってブロック/ 阻害されるかどうかを決定することを含む。高レベルの異所性タンパク質発現と 関連した細胞の膜調製品の使用は、これら膜調製品に内生的に存在する低レベル のカルボキシルメチルトランスフェラーゼに関して、これら膜調製品における高 い発現と活性レベルの利点を提供するが、内生的レベルの膜調製品も用いること ができる。一般に、膜調製におけるpcCMT活性の低い内生的レベルを除いて、本 発明方法によるpcCMT阻害剤をスクリーニングするために用いられる膜調製品に 存在するプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼは、膜調製 品の源本来のものではない。 ポテンシャルプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ(pcC MT)は少なくとも2つの方法で阻害する。第一の方法では、pcCMTを含む細胞膜ま たは人工リポソームを酵素源として用い、N-アセチル-S−トランス−ファルネシ ル-L-システイン(AFC)のような小さい分子、プレニルシステイン残基の末端のペ プチド、またはプレニル化タンパク質(例えばrhoA)は基質として役立ち、メチ ル基に放射性同位元素による標識を付けたS-アデノシル-L-メチオニン(SAM)は メチルドナーとして加える。PcCMT酵素活性は次に直接、基質へ放射性同位元素 による標識を付けたメチル基の転移を測定して決定される。候補のpcCMT阻害剤 は反応および測定した阻害範囲に含められる。このアッセイに基く高いスループ ットシステムを設計して、ポテンシャル阻害剤のために大多数の化合物をスクリ ーニングすることができる(例えば、ミクロタイタープレートアッセイシステム) 。内生的pcCMT(例えば、HL60細胞から単離した膜)は、基本的に、このアッセ イにおいて酵素源として用いられるが、組換えヒトpcCMTの使用は、いくつかの 利点を提供する。最も重要なのは、(Dai et al.に示されるような)CHOまたはC OSのような哺乳類細胞において、またはトランスフェクションした細胞から収集 した膜が著しく豊かな、同質の、再生成可能な、補給可能な酵素源を与えるよう なsf9のような昆虫細胞において、異所的に組換え酵素を過剰発現する能力であ る。さらに、1以上の酵素を示すことができる内生的活性とは異なり、過剰発現 した組換え酵素は完全に分子レベルで特性を表し、従って、合理的な薬剤設計に 有用な突然変異の分析に役立つ。 第二の方法は、モデルの遺伝子生物、S.cerevisiaeの生態学を利用する。生 化学活性を直接あてにする上記阻害剤スクリーンとは対照的に、S.cerevisiaeス クリーンは生物学上の読み出しをもつ:交配受容能の抑制。MATa株と交配するS .cerevisiaeのMATa株の能力は、絶対的にMATa株からの生化学的に活性なa因子 の生産に依存する。官能pcCMTを欠くS.cerevisiaeのMATa株、すなわちste14変 異体は、それらが生産するa因子がプレニルシステインにカルボキシルメチル化 できないので、生物活性を要する修飾体を交配することができない(無効)。本 発明者の実験室は(Dai et al.)ヒトpcCMT遺伝子が機能的にS.cerevisiae STE 14遺伝子を置換できることを示した(相補性)。従って、ヒトpcCMTの阻害剤に スクリーニングする方法として、内生的STE14位置に対し置換されるヒトpcCMT遺 伝子をもつMATa S.cerevisiaeの株は、標準技法で構築できる(R.Rothstein,Me thods in Enzymology 194:281-301,1991)。この株は次にMATa細胞と交配するた めに適任である。標準の交配アッセイは(G.F.Sprague,Jr.,Methods in Enzymo logy 194:77-93,1991)、次にpcCMTのポテンシャル阻害剤の存在または不在で 用いられる。ポテンシャルpcCMT阻害剤は次にMATαテスター株を用いてヒトpcCM T遺伝子を含むように処理したMATa株の交配をブロックした化合物として記録さ れる。交配受容能のための標準アッセイはハロアッセイのようなa因子活性のア ッセイまたは半数体株のいずれかに複製を許容しない媒体での二倍体のプロトト ロフの成長を含み、これによりMATa細胞のパッチによって生成したa因子は菌叢 として広げた近くのMATαテスター細胞の成長を阻害する。このスクリーンの利 点はきわめて安く簡単であり従って高処理量スクリーニングに完全に適合するこ とである。S.cerevisiae交配スクリーンによって同定した任意のポテンシャル 阻害剤の抗pcCMT活性は次に上記生化学アッセイを用いて確かめられる。本発明 による膜調製品を用いるpcCMTの阻害剤のためのスクリーニング方法の好適例は 実施例2に記載され、pcCMTのためのビオチニル化およびプレニル化ペプチド基 質、標識をつけた共同因子、およびpcCMTを含む膜調製品は、共にアビジンコー ティングまたはストレプトアビジンコーティング多穴皿にインキュベーションす る。ビオチニル化基質はアビジンコーティングに結合し、標識をつけた共同因子 の存 在で基質のカルボキシルメチルトランスフェラーゼ活性の作用は、標識をつけた 共同因子から洗浄により分離できる放射線同位元素で標識をつけた生成物を生成 する。標識をつけた生成物の量を次に検出し、例えば、アビジンまたはストレプ トアビジンコーティングウェル中の放射線同位元素で標識をつけた生成物のレベ ルはコントロールに対し、cpmを測定して決定される。この形式はpcCMT阻害剤の ための速い高処理量スクリーニングを可能にする。酵素阻害剤をスクリーニング する先行文献の方法は、試験管の使用を含み、生成物をヘプタンに抽出し、冗長 な脱メチル化法のあとで測定する(Pillinger et al.,1994;Shi et al.,1992 )。 先に述べたように、pcCMTを含む膜調製品が人工膜調製品、例えばホスホリピ ド小胞/リポソームを含み、pcCMTを抽出した膜を再構成するつもりである。抽 出したpcCMTをリポソームに再構成する好適な方法はPhilips et al.(1995b)に 記載され、デタージェントで膜から抽出されたpcCMTはジアシルホスファチジル コリンおよびアニオンホスホリピドの存在で再構成された。試料中の残りのデタ ージェントはExtractigel(商品名、Pierce)、デタージェント除去ゲルで除去し た。 小さいプレニルシステイン類似体、例えばN-アセチル-S-トランス,トランス −ファルネシル-L-システイン(AFC)およびN-アセチル-S-全トランスゲラニル ゲラニル-L-システイン(AGGC)は、pcCMT並びにpcCMTのカルボキシルメチル化 活性の阻害剤のための基質であることが知られている(Volker et al.1995)。 他のポテンシャル抑制化合物は本発明の方法に従って、高レベルの異所的に発現 したpcCMTが配置された膜調製品中で容易に信頼性のあるスクリーニングができ る。 一旦pcCMT阻害剤が本発明方法に従って同定され単離されると、薬剤開発で製 薬会社によって普通に用いられる既知の技法を使用して、例えばファルネシルタ ンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の開発ラインに沿って、安定性を与え、細胞 浸透力、デザインペプチドミメティック阻害剤等を高める(Gibbs et al.,1996 ;Koblan et al.,1996)。またpcCMTのフラグメントまたはペプチドはRasのよう な膜タンパク質の局在化および作用において、細胞中に過剰発現するとき、カル ボキシルメチル化の阻害剤として働くことができることが予期される。サイ トゾル中のこのようなペプチドの存在はアンタゴニストとして働きカルボキシル メチル化を妨げることができる。pcCMTのフラグメントまたはペプチドは、pcCMT のN末端またはC末端のいずれかまたは両方から、またはポリペプチドの酵素によ るまたは化学的開裂によって得られるペプチドから、連続する残基を除去して容 易にスクリーニングのために生成させることができる。 本発明のpcCMTのもっとも重要な用途は、炎症または癌のような超増殖疾患の 治療に用いられる阻害剤のためのサーチにおける道具としてであるが、上記のよ うに、このようなタンパク質の他の用途は容易に明らかとなろう。例えば、タン パク質は酵素活性をもつので、適当な基質のカルボキシルメチル化が望ましい化 学プロセスに用いられる。PcCMTを含む膜の調製品は、本発明によれば、特にpcC MTの異所性発現からの高レベルのカルボキシルメチルトランスフェラーゼ活性が 膜調製品に存在するとき、天然タンパク質基質のカルボキシルメチル化に使用で きる。例えば、pcCMTのための基質であるタンパク質、すなわち、Rasタンパク質 、核ラミン、Gタンパク質等は、C末端でプレニルシステイン残基をもつ。このよ うな基質は官能pcCMTによってα−カルボキシル基にてメチルエステル化されて 官能的に活性な形態を生じることができる。従って、高レベルの哺乳類pcCMT活 性を含む膜調製品は、他のもののなかで、市販品として入手できる大量の官能Ra sタンパク質を供給するために良く適合する。超増殖性および炎症性疾患の治療 には、冒された部位、例えば腫瘍での遺伝子治療は、優性のネガティブな対立遺 伝子か同定されるように働くpcCMTの変異型を一回だけ使用できる。 本発明のタンパク質はまた、当該分野で良く知られている技法によってポリク ローナルまたはモノクローナル抗体を高めるために有効であり、その1つは、次 の実施例に記載する。このような抗体はリサーチ道具として、例えば、亜細胞pc CMTの局在化に、または別な方法でインシトゥまたはインヴィトロのタンパク質 の存在の同定に有用である。 哺乳類pcCMTへの、および特にヒトpcCMTへの抗体も使用でき、pcCMTの作用を 中断させ、これにより炎症または超増殖性と関連した疾患を治療する。さらに、 pcCMTに特異的な抗体は細胞または細胞抽出物中のpcCMTの存在ま たは量を検出する方法に使用できる。 “抗体”の語を抗pcCMT抗体に関して用いるとき、これはポリクローナル抗体 またはモノクローナル抗体(mAbs)のような完全な抗体、並びにFabまたはF(ab' )2フラグメントのようなそのタンパク質分解のフラグメントを含むつもりである 。さらに、抗体の可変領域をコード化するDNAを他の抗体に挿入し、キメラ抗体 を生成する(例えば、米国特許4,816,567参照)かまたはT細胞受容体に挿入して 同じ広い特異性をもつT細胞を生成する(Eshhar et al.1990;Gross et al.,1989 参照)ことができる。一本鎖抗体もまた生成し用いられる。一本鎖抗体は、抗原 結合能をもち、イムノグロブリン軽および重鎖の可変領域(結合したVH-VLまた は一本鎖FV)に相同かまたは類似の一対のアミノ酸配列からなる、一本鎖複合ポ リペプチドであることができる。VHおよびVLの双方は天然モノクローナル抗体配 列をコピイでき、または鎖の片方または両方は米国特許5,091,513(その全体を ここに参考文献として組み込む)に記載されたタイプのCDR-FR構成からなる。軽 および重鎖の可変領域に類似の分離ポリペプチドはともにポリペプチドリンカー によって保持される。このような一本鎖抗体の製造法は、特にVHおよびVL鎖のポ リペプチド構造をコード化するDNAが知られている場合、例えば、米国特許4,946 ,778、5,091,513および5,096,815に記載された方法に従って行うことができ、こ れら特許の内容はすべて参考文献としてここに組み込む。 “抗体の抗原結合部分を含む分子”は、任意のアイソタイプの、動物細胞系ま たは微生物によって発生した、完全なイムノグロブリン分子だけでなく、Fabフ ラグメント、Fab'フラグメント、F(ab')2フラグメント、その重いおよび/また は軽い鎖の可変部分、およびこのような反応性画分を組み込むキメラまたは一本 鎖抗体、並びにこのような抗体反応性画分が物理的に挿入されている任意の他の タイプの分子または細胞、例えばキメラT細胞受容体またはこのような受容体を もつT細胞、またはこのような反応性画分を含む分子の一部によって治療部分を 供給するために開発された分子、を含むが、これらに限られない抗原結合反応性 画分を含むつもりである。このような分子は、酵素開裂、ペプチド合成、または 組換え技術を含み、これらに限られないが、任意の既知の技法によって与 えられる。 抗体は、分子を抗体に結合する分子と、特異的に反応できるならば、分子を“ 結合できる”と言われる。“エピトープ”は、また抗体によって認識されるその 抗体によって結合できる任意の分子の一部を指す語である。エピトープまたは“ 抗原決定因子”は通常、アミノ酸または糖側鎖のような分子の化学的に活性な表 面群からなり、特異的な3次元構造特性ならびに特異的荷電特性をもつ。 “抗原”は抗原のエピトープに結合できる抗体を生成するように動物をさらに 誘発することができる抗体によって結合できる分子または部分である。抗原は1 またはそれ以上のエピトープをもつ。上述の特異的反応は、大いに選択的な方法 で、抗原が、その対応する抗体と反応し、他の抗原によって引き起こされる多数 の他の抗体とは反応しないことを示すものである。 PcCMTに存在する抗原エピトープを予言するため、pcCMTのcDNAから得られるア ミノ酸配列は視覚により調べまたは、例えばPEPTIDESTRUCTURE(Jameson et al. ,1988)のプログラムを用いてコンピューターにより分析できる。このプログラ ムはhydropathicity値の決定を可能にし、次いで全体のタンパク質配列内のどの ペプチド配列がそれらのポテンシャルの二次構造に基き最も免疫原であるらしい かを決定する。このようなペプチドは化学的に合成でき、または代わりに、好ま しくは、組換えDNA法によって合成できる。 ポリクロナール抗体は抗原で免疫にした動物の血清から誘導した抗体分子の異 種の個体群である。 モノクローナル抗体(mAbs)は特異的抗原に実質的に同質の抗体個体群である 。MAbsは当業者に知られている方法で得られる。例えば、KohlerおよびMilstein (1975);米国特許第4,376,110号;Ausbel et al.(1988);およびColligan et al.(1 993)を参照、これら文献の内容はここに全体を参考文献として組み込む。このよ うな抗体はIgG,IgM,IgE,IgA,GILDおよび任意のサブクラスのものを含む任意 のイムノグロブリンクラスのものである。本発明のmAbsを生成するハイブリドー マをインヴィトロ(実施例3参照)またはインヴィヴォで培養する。高力価のmA bsがインヴィヴォ生産で得られ、各ハイブリドーマからの細胞はプリスタン感作 Balb/cマウスに腹膜内注入し、所望のmAbsを高濃度に含む腹 水液を生成する。イソタイプIgMまたはIgGのMAbsはそのような腹水液から、また は培養上澄み液から、当業者には良く知られているカラムクロマトグラフィ法で 精製される。 キメラ抗体は分子であり、その異なる部分は異なる動物種から誘導され、例え ばネズミmAbおよびヒトイムノグロブリン定常部から誘導された可変領域をもつ ものである。ヒト/ネズミキメラmAbsを使用するような、例えば、ネズミmAbsは ハイブリドーマから高収率をもつがヒトでは高免疫原性をもつ場合に、キメラ抗 体は主として応用において免疫原性を減らし、生産量を増加するために使用され る。キメラ抗体およびその製造法は当該分野では知られている(Cabilly et al .1984;Morrison et al.1984;Bouhanne et al.1984;Cabilly et al.ヨー ロッパ特許出願125.023(1984年11月14日刊行);Neuberger et al.1985;Taniguc hi et al.、ヨーロッパ特許出願171496(1985年2月19日刊行);Morrison et a l.、ヨーロッパ特許出願173494(1986年3月5日刊行);Neuberger et al.,PC T出願WO 8601533(1986年3月13日刊行);Kudo et al.,ヨーロッパ特許出願1841 87(1986年6月11日刊行);Morrison et al.,ヨーロッパ特許出願173494(198 6年3月5日刊行);Sahagan et al.(1986);Robinson et al.,国際特許公 報WO 9702671(1987年5月7日刊行);Liu et al.(1987);Sun et al.1987; Better et al.1988;HarlowおよびLane、同上)。これらの参考文献はここに参 照のために組み込まれる。 抗イディオタイプ(抗Id)抗体は、抗体の抗原結合部位と一般に結合した独特 の決定因子を認識する抗体である。Id抗体は、抗Idが調製されているmAbを用い てmAb源と同じ種および遺伝子タイプ(マウス株)の動物を免疫にして調製され る。免疫にした動物は、これらイディオタイプの決定因子への抗体(抗Id抗体) を生成することによって、免疫抗体のイディオタイプの決定因子を認識し応答す る。例えば、米国特許第4,699,880号参照、ここに参考文献として組み込む。 また抗Id抗体は“免疫原”として用い、さらに他の動物中に免疫応答を誘発し 、いわゆる抗−抗−Id抗体を生成する。抗一抗−Idは、抗−Idを誘発した元のmA bに似た構造を伝えることができる。従って、mAbのイディオタイプ決 定因子に抗体を使用して、同一の特異性の抗体を発現する他のクローンを同定す ることができる。 従って、本発明のpcCMTタンパク質に対して発生したmAbsを使用して、適当な 動物、例えばBalb/cマウス中に抗−Id抗体を誘発することができる。このような 免疫にしたマウスからの脾臓細胞を使用して抗−Id mAbsを分泌する抗−Idハイ ブリドーマを生成する。さらに、抗−Id mAbsをキイホールリンペットヘモシア ニン(KLH)のような担体にカップリングし、追加のBalb/cマウスを免疫にする ため用いることができる。これらマウスからの血清は、pcCMTタンパク質エピト ープに特異的な元のmAbの結合性質をもつ抗−抗−Id抗体を含む。 上記のように、“抗体”の語はまた、完全な分子並びにそのフラグメント、例 えば、抗原を結合できるFabおよびF(ab')2の両方を含むことを意味する。Fabお よびF(ab')2フラグメントは元の抗体のFcフラグメントを欠き、さらに迅速に循 環から離れ、元の抗体よりも非特異的組織結合が少ない(Wahl et al.,1983)。 本発明に有用な抗体のFabおよびF(ab')2および他のフラグメントを元の抗体分 子に対しここに開示した方法に従い、pcCMTタンパク質の検出および定量のため に用いることができる。このようなフラグメントは一般にタンパク質分解の開裂 によって生成し、パパイン(Fabフラグメントを生成する)またはペプシン(F(a b')2フラグメントを生成する)のような酵素を用いる。 本発明の抗体、または抗体のフラグメントを用いて、pcCMTタンパク質を発現 する細胞の存在を質的にまたは量的に検出することができる。これは免疫蛍光法 によって行われ、光学顕微鏡、流動血球計算、または蛍光定量検出を用いてカッ プリングした蛍光による標識をつけた抗体(下記)を用いる。 膜調製品のような生物試料は、固相支持体または担体(これらの語はここでは 互換性がある)、例えばニトロセルロース、または細胞、細胞粒子または溶解す るタンパク質を免疫することができる他の個体支持体を用いて処理できる。次に 支持体を適当な緩衝液で洗浄し、検出できる標識をつけたpcCMT特異的抗体を用 いて処理できる。次いで固相支持体を二回緩衝液で洗浄し結合していない抗体を 除去する。前記固体支持体に結合した標識の量は常法により検出できる。 “固相支持体または担体”は抗原または抗体を結合できる任意の支持体を意味 する。既知の支持体、または担体は、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、 ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然および改変セルロー ス、ポリアクリルアミド、斑れい岩、および磁鉄鉱を含む。担体の性質は本発明 のためにある程度まで可溶性かまたは不溶性である。支持体材料は、結合した分 子が抗原または抗体に結合できる限り、任意の可能な構造外形をもつことができ る。従って、支持体外形は、ビーズのように球形、または試験管の内面、または 棒の外面のように円筒形である。あるいは、表面はシート、テスト小板等のよう に平らである、当業者は抗体または抗原を結合するための多くの他の適当な担体 を知っているか、または日常の実験を用いてこれを確かめることができる。 抗−PcCMT抗体の所定のロットの結合活性は既知の方法により決定できる。当 業者は日常の実験を用いて各決定のための操作しやすい最適なアッセイ条件を決 定できる。 他のこのようなステップ、特定の状況に必要なまたは習慣的であるような例え ば洗浄、振動、濾過等をアッセイに加える。 PcCMT特異的抗体を検出できる標識をつけることができる1つの方法は酵素に この抗体を結合し、酵素免疫アッセイ(EIA)に用いることである。この酵素は 、順に、適当な基質に後でさらすとき、例えば、分光光度計、蛍光計または視覚 によって、検出できる化学部分を生成するような方法で基質と反応する。抗体を 検出できる標識をつけて用いられる酵素は、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、スタフ ィロコッカルヌクレアーゼ、デルタ−5−ステロイドイソメラーゼ、イーストア ルコールデヒドロケナーゼ、アルファ−グリセロホスフェートデヒドロゲナーゼ 、トリオースホスフェートイソメラーゼ、セイヨウワサビパーオキシダーゼ、ア ルカリ性ホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、ベータ ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース− 6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよびアセチルコリンエ ステラーゼを含むが、これらに限らない。検出は酵素用色素源基質を用いる比色 法で行うことが出来る。また検出は同じように調製した標準と比較して基質の酵 素反応の程度を目による比較で行うことも出来る。 任意の種々の他の免疫アッセイを用いて検出を行うことができる。例えば、抗 体または抗体フラグメントを放射能による標識をつけて、ラジオイムノアッセイ (RIA)を使用してpcCMTタンパク質を検出できる(Chard,T.,1978,ここに参考 文献として組み込む)。放射性アイソトープはガンマカウンターまたは液体シン チレーションカウンターの使用のような手段によって、またはオートラジオグラ フィによって検出できる。放射能による標識をつけた抗体または抗体フラグメン トはまた、そのような抗体によって結合した細胞、またはそのような抗体から放 射線に暴露される隣接付近の細胞を殺す能力を用いることができる。 また、蛍光化合物を用いて抗体に標識をつけることもできる。蛍光による標識 をつけた抗体は適当な波長の光に曝すとき、その存在は蛍光のため検出できる。 最も普通に用いられる蛍光標識化合物はフルオレセインイソチオシアネート、ロ ーダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタ ルアルデヒドおよびフルオレスカミンである。 抗体はまた152Eu、または他のランタニド系のような蛍光放射金属を用いて検 出できる標識をつけることもできる。これらの金属はジエチルトリアミン五酢酸 (DTPA)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)のような金属キレート基を用い る抗体に結合できる。 また抗体はこれを化学発光化合物に結合させて検出できる標識を付けることも できる。化学発光の標識をつけた抗体は次に、化学反応過程の間に生じる蛍光の 存在で決定される。特に有用な化学発光標識化合物の例は、ルミノール、イソル ミノール、theromaticアクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム 塩および蓚酸エステルである。 同様に、生物発光化合物を用いて本発明の抗体に標識をつけることができる。 生物発光は生物系に見出される化学発光のタイプであり、触媒タンパク質は化学 発光反応の効率を増加する。生物発光タンパク質の存在は蛍光の存在を検出して 決定される。標識をつけるための重要な生物発光化合物はルシフェリン、ルシフ ェラーゼおよびエクオリンである。 本発明の抗体分子は免疫測定アッセイに用いるために採用され、また“二側” または“サンドウィッチ”アッセイとして知られている。代表的免疫測定アッ セイでは、一定量の標識をつけない抗体(または抗体のフラグメント)は固体支 持体に結合し、一定量の検出できる標識をつけた可溶性抗体を添加して、固相抗 体、抗原、および標識をつけた抗体間に形成された三元コンプレックスの検出お よび/または定量をおこなう。 代表的な、そして好ましい免疫測定アッセイは“前進”アツセイを含み、固相 に結合した抗体は先ず試験される試料と接触し、一対の固相抗体−抗原コンプレ ックスの形成によって試料から抗原を“抽出”する。適当なインキュベーション 期間の後、固体支持体を洗浄して、未反応抗原を含めて液体試料の残りを除去し 、必要なら、つぎに標識をつけた抗体(“レポーター分子”として働く)の未知 量を含む溶液と接触させる。標識をつけていない抗体によって固体支持体に結合 した抗原と標識を付けた抗体を結合できる第二のインキュベーション期間の後、 固体支持体は二回洗浄し未反応の標識を付けた抗体を除去する。 本発明の抗原を用いて有用な他のタイプの“サンドウィッチ”アッセイでは、 いわゆる“同時”および“逆転”アッセイを用いる。同時アッセイは、固体支持 体に結合した抗体と標識をつけた抗体が共に同時に試験される試料に添加される ので、単一のインキュベーションステップを含む。インキュベーションが完了し た後、固体支持体を洗浄し、液体試料の残りと結合していない標識をつけた抗体 とを除去する。固体支持体と結合した標識を付けた抗体の存在は、次に従来の“ 前進”サンドウィッチアッセイにあるように決定される。 “逆転”アッセイでは、順に液体試料に標識を付けた抗体の溶液を最初に添加 し、次いで適当なインキュベーション期間の後、固体支持体に結合した標識を付 けていない抗体を添加する工程が用いられる。第二のインキュベーションの後、 試験される試料の残りおよび反応していない標識を付けた抗体の溶液を除くよう に、従来のやり方で固相を洗浄する。次に固体支持体と結合した標識を付けた抗 体の決定は、“同時”および“前進”アッセイのように決定される。 抗体または抗体の抗原結合部分を含む他の分子はまたpcCMTの単離および精製 に用いられる。従って、例えば、pcCMTに特異的な抗体は固相支持体または担体 で固定化することができ、膜抽出物のようなpcCMTを含む不純溶液を接触させる 。PcCMTは抗体に結合し、順に支持体に結合し、その間に汚染物の全部 が洗い流される。純pcCMTは次に支持体から本分野で良く知られている方法によ って溶出することができる。 例えば、発ガン性ras遺伝子の作用機構に研究を援助する道具のような他の有 用性は当業者には容易に明らかであろう。 本発明を一般的に記述したが、実例により与えられる以下の実施例によってさ らに容易に理解されるだろうが、これらは本発明を制限するものではない。 実施例1 この実施例では、本発明者らは最初の哺乳動物(ヒト骨髄)pcCMTの分子特性 化および亜細胞局在化を報告する。異所的に発現した組換えpcCMTは、好中球膜 に観察されるものと同一の酵素活性をもつことを示した。本発明者らが思いがけ なく発見したことは、C末端CAAXモチーフを翻訳後修飾しこれによってCAAXタン パク質をプラズマ膜に対し目標にする3個の酵素の第三番目である哺乳動物pcCM Tが、プラズマ膜で発現しないがむしろ小胞体に制限されることであった。緑色 蛍光タンパク質(GFP)を用いて標識を付けたpcCMTを用いると、本発明者らは、 pcCMTが小胞体に発現されるが、Rasを含む多くのCAAXタンパク質の標的であるプ ラズマ膜から除外されることを以下に示した。従って、CAAXモチーフを修飾する 酵素の配列における最終酵素は、驚くべきことにCAAXタンパク質標的膜から位相 的に除去された膜中に位置している。 この実施例で用いた実験法は次の通りである: ノーザンブロッティング:5日間1.25%ジメチルスルフォキサイド(Me2SO) を用いてまたは用いずに成長させた、HL60細胞からの全RNA(40μg)を、1.2%変 性ホルムアルデヒドアガロースゲルに分画し、ナイロンフイルターに移し、Expr ess Hybridization溶液(Clontech,Palo Alto,CA)中、[32P]d ATP−標識全長 HL60 pcCMT cDNAを用いて68℃でハイブリッド形成した。ヒト多重組織ノーザン ブロット(Clontech)を製造元の指示に従って同じプローブを用いてハイブリッ ド形成した。同じフイルターをはがしてβ−アクチンプローブを用いてハイブリ ッド形成した。 抗血清:SEQ ID No:5(HL60 pcCMT)起源のアミノ酸185−201に相当するペプ チドを合成し、キイホールカサガイヘモシアニンに結合し、ウサギを免 疫にするため用いた。得られた抗血清を用いて、窒素空洞法および不連続スクロ ース密度沈降(Philip et al.,1991)によって調製された好中球軽膜を免疫ブ ロッティングし、L-[35S]メイオニンで代謝的に標識を付けたHL60細胞の溶解物 を免疫沈殿し、COS-1細胞を間接免疫蛍光させた。 組換えpcCMTの発現:全長3.6kbのHL60 pcCMT cDNA、およびORFからなる852bp cDNAフラグメントを、真核発現ベクターpCDM8およびpcDNA3.1にサブクローニン グした(Invitrogen,Carlsbad,CA)。モノクローナル抗体9E10によって認識され るc−Mycの10アミノ酸エピトープをコード化する配列を、パッチPCRを用いおよ びpcDNA3.1にサブクローニングして、pcCMTのC末端に加えて、Myc標識pcCMTを作 った。GFPでC末端に標識を付けたpcCMTは発現ベクターpGFP-N3(Clontech)にpcCM T ORFをサブクローニングすることによって生成した。pcCMT酵素アッセイのため に、COS−1細胞は10cm皿で成長し、記載されているように(Aruffo et al.,198 7)DEAE−デキストランを用いpcCMTでトランスフェクションした。蛍光顕微鏡に は、指数的に成長するCOS-1、CHO、およびNIH3T3細胞をトランスフェクションの 前日に50−60%の集合で培養し、製造元の指示に従ってLipofectAMINE(Life Tec hnoloies,Inc.,Gaithersburg,MD)を用いて2μgのDNAでトランスフェクショ ンした。細胞はトランスフェクションの24時間および48時間後に観察した。 プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼアッセイ:HL60 p cCMTまたはベクター単独でトランスフェクションしたCOS-1細胞を48時間5mM EDT Aで採取し、ヒト好中球と平行して、記載されている(Philips et al.,1991) ように窒素活性化および不連続スクロース密度遠心分離を行った。軽膜は、好中 球サイトゾルから部分的に精製したRho GTPアーゼのS−アデノシル−L−[メチ ル−3H]メチオニン標識(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動および蛍光光 度法)によって定性的に、および記載されている(Philips et al.,1995)よう にN−アセチル−S−トランス,トランス−ファルネシル−L−システイン(AFC) のカルボキシルメチル化によって定量的に(ヘプタン分配、アルカリ性加水分解 、および蒸気相[3H]メタノールの測定)、pcCMT活性をアッ セイした。 S.cerevisiae株、成長、およびste14相補性:完全(YEPD)、合成(SD)、および 合成ドロップアウト媒体を、ドロップアウト媒体がシステインを欠いていたこと を除いて、先に記載された(Michaelis et al.,1988)ように調製した。全実験 は30℃で行った。酵母形質転換を酢酸リチウム法(Ito et al.,1983)またはエル ブル法(Elble,1992)のいずれかにより行った。用いたste14欠失株はSM1188(M ATαΔste14−3::TRP1 trp1 leu2 ura3 his4 can1)およびSM1639(MATαでste14 −4::URA3 trp1 leu2 his4 can1)である(Sapperstein et al.,1994)。STE14タ ンパク質のプラスミド発現はpSM1237(CEN URA3 STE14)によって完成した。ヒ トpcCMTはGPDプロモーターおよびPGK転写ターミネターおよびポリアデニル化信 号を用いる酵母発現プラスミドpG1(2μTRP1)のBamHI SalI部位にHL60 pcCMT ORFをサブクローニングして酵母中に発現させた(Schena et al.,1991)。得られ た構成体はpG1−hCMT(2μTRP1 hCMTと称した。パッチ交配テストは本質的に先 に記載されているように行った(Michaelis et al.,1988)。簡単には、選択媒体 に成長したMATα細胞のパッチは、SDプレートに広げたMATα交配テスター、SM10 68(lys1)のローンにレプリカ平板法を行った。平板を30℃で3日間インキュベ ーションした。プロトトロフ二倍体の成長は交配を示した。 蛍光顕微鏡:生体細胞は、pcCMT−GFPでトランスフェクションし、固定し/透 過した(4℃で2%パラホルムアルデヒド/0.2%トリトンX-100または−20℃でメ タノール)細胞は9E10抗−Myc抗体(Santa Cruz Biotechnology,Santa Cruz,CA) 、C6抗−リボホリンI抗血清(Dr.Gert Kriebich,NYUによって提供された)、ま たは上記の抗−pcCMT抗血清を用いて、次にテキサスレッド共役二次抗血清によ って染色し、プリンストンインスツルメンツの冷却CCDカメラおよびKAF1400チッ プを備えたツァイスアキシオスコープ、またはアルゴンレーザーを備えたモレキ ュラーダイナミックス共焦顕微鏡を用いて像を映した。 ヒトプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ(pcCMT)の クローニング この作業を行ったとき、分子レベルで特徴付けられる唯一のS−イソプレニル システインメチルトランスフェラーゼはS.cerevisiaeのSte14遺伝子であった。S te14のアミノ酸配列に基く縮重オリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRによ ってヒトDNAからの相同遺伝子をクローニングする際、本発明者の実験室での試 みは、成功しなかった。従って、Ste14に関係した哺乳動物の配列に対してNatio nal Center for Biotechnology Information(NCBI)(http://www2.ncbi.nlm.nih .gov/dbST/dbest_query.html)のExpressed Sequence Tag(EST)DatabaseのGenBa nkのサーチは、テキストストリング“イソプレニルシステイン”を用いて行った 。このサーチは、Ste14に相同のアミノ酸配列をもつことに注目したネズミ胎盤c DNAライブラリィ(EST名:mh77d06.rl;GenBank Acc:AA022288;GenBank gi:14 86061)からの発現配列標識として426bp部分cDNAを同定した。次の計略は、cDNA プローブを生成しこれを用いてpcCMT遺伝子に対しヒトcDNAライブラリィをスク リーニングすることであった。 HL60細胞から調製された膜(American Type Culture Conection,Rockville, MDから得られたヒト前骨髄球白血病細胞ライン)はまた、pcCMT酵素活性を発現 することが報告され、そして、従って、全RNAはHL60細胞から調製され、第一鎖c DNAはオリゴ(dt)プライマーおよびMoloney Murine Leukemia Virusからの逆転写 酵素を用いて生成した。第一鎖cDNA合成の後、元のmRNA鋳型はRNase Hで処理し て、次いで第二鎖合成によって除去し、得られたcDNAのPCR増幅はTagDNAポリメ ラーゼおよび、EST mh77d06.rl配列に基き設計した一対のプライマー(前進プラ イマー:5'-GCCGGACTCAACGCGCTGCTGCTGCTACTCTA-3'(SEQ ID NO:1);逆プライマ ー:5'-CGTGTACTCCAGGCTGTGATTCAGGAGGAA-3'(SEQ ID NO:2))を用いて行った。3 5サイクルのPCRを、次の条件を用いて行った:1分間94℃で変性;50℃で1分間 アニーリング;72℃で2分間伸長。PCR生成物は1.5%アガロースゲルで分離し、 2本のバンドが観察され、過剰なものは予定サイズ(〜250bp)のDNAに相当して いた。 サイズが約250bpのさらに豊富なPCR反応生成物は、ゲル精製し、ジデオキシ法 で配列し、その結果218bp配列を示し(プライマーを数えない;SEQ ID NO:3)、これはネズミEST mh77d06.rl配列に非常に似ていた。この増幅cDNAをサ ブクローニングするため、増幅生成物をフェノール/クロロホルム抽出によって PCR反応から精製し、TAクローニングキット(Invitrogen,San Diego CA)を用い るpCR(登録商標)2.1に直接挿入した。E.coliは得られた組換えプラスミドで形 質転換し対数期まで成長させた。プラスミドをMini Prep Kit(Qiagen)で単離 し、挿入物をEcoRI消化で離した。得られた挿入物は、ランダムプライマー伸長 標識系(Ambion,Inc.,Austin,TX)を用いて[32P]d ATPで標識を付け、cDNA ライブラリィをスクリーニングするために用いてヒトpcCMT遺伝子を同定した。 スクリーニングしたライブラリィは、大きさで分離した一方向性のHL60 cDNAラ イブラリィであり、これはλ lambdaZAP(登録商標)系(Stratagene,La Joll,C A)で構成され,Laboratory of Host Defenses,National Institute of Allerg y and ImmunologyのDr.Philip Murphyによって提供された。スクリーニングはE. coli株XL1-ブルー(Stratagene)で行われた。ライブラリィのアリコートは2000 pfu/150-mmペトリ皿の密度で培養した。10個のペトリ皿の20,000プラークの全部 をスクリーニングした。ニトロセルロース膜を用いて2つの重複リフトを各ペト リ皿から作った。 リフトを上記のように[32P]d ATP標識218bp PCRフラグメント(SEQ ID NO:3) を用いてプローブした。5X SSPE、1Xデンハート溶液、および0.2% SDS中で56℃ にて終夜ハイブリッド形成を行った。フィルターを室温にて30分間0.2X SSC/0.1 % SDSで、および2回0.1X SSC/0.1% SDSで55℃にて40分間洗浄し、次いで乾燥 させた。フィルターのオートラジオグラムを分析し、重複フィルターのオートラ ジオグラムに現れた場合のみ、プラークをポジティブとして数えた。スクリーニ ングした最初の20,000プラークのひとつをこの基準によってポジティブであると 決定し、ハイブリッド形成するcDNA挿入断片を含む単一組換えファージを二次ス クリーニングで選択した。組換えファージの分析は3.6kb挿入断片を示し、そし て挿入断片(SEQ ID NO:4)の配列決定は読み取り枠(SEQ ID NO:4のヌクレオチ ド44ないし895)を示し、これは、Ste14遺伝子生成物に26%の同一性を示すSEQ ID NO:5のアミノ酸配列(30kDの分子量を導き出した)をもつ284アミノ酸タンパ ク質の合成を指示するように予 言される。ヒドロパシー分析は膜スパンニングドメイン(図3)を示す6個の疎水 性配列を示した。これはSte14タンパク質の5または6個の推定の膜スパンニン グドメインと矛盾がなく(Saperstein et al.,1994)、最近のデーターではSTE14 タンパク質は内在性膜タンパク質であり(Romano et al.,発表予定)、我々の観 察では活性pcCMTはデタージェントを用いて膜から抽出できないが、ホスホリピ ド小胞に一部再構成することができる(Pillinger et al.,1994)。ヒトpcCMTの 第一の65アミノ酸は、第一の2個の疎水性配列を含み、ヒトバンド3アニオン輸 送体のアミノ酸750−821に36%同一であり、これは14穴−特性を表した膜−スパ ンニングドメインの11番目と12番目を示し、さらにヒトpcCMTが多重膜−スパン ニングタンパク質であるという仮説を支持する。ヒトpcCMTとGenBankの全関連配 列の比較(図2)は、分子のN末端3番目において最高のダイバージェンスを示 し、これは触媒ドメインがC末端であることを示唆している。アスパルチルおよ びグルタミルタンパク質カルボキシルメチルトランスフェラーゼ(Volker et al .,1989)に記載されているS−アデノシルメチオニン結合領域に一致する配列は 明らかではなく、これらのカルボキシルメチルトランスフェラーゼへの進化リン クに対して論じている。 さらにcDNAの分析は、開始コドンがコザックコンセンサス配列によって迂回さ れること、そして上流終始コドンが見つからないことを示した。読む取り枠への ポリA配列3’は存在することが見出された。 ヒトプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼの発現 HL60 STE14タンパク質同族体がプレニルシステインカルボキシルメチルトラン スフェラーゼ活性を持つかどうかを決定するため、cDNAを哺乳類発現ベクターPC DM8(Invitrogen,San Diego,CA)にサブクローニングし、一時的にCOS-1細胞 に異所的に超発現させた。これらの細胞から調製した膜は組換え酵素源として用 いた。ファルネシル化したRas GTPアーゼは膜からの抽出のためにデタージェン トを要する。従って、ゲラニルゲラニル化好中球サイトゾルRho補助タンパク質 、グアニンヌクレオチド解離阻害剤(GDI)は、インヴィトロアッセイにおいて 内因性基質として用いた(図5Aおよび5B)。トランスフェクションしないCOS-1 細胞膜は、ヒト好中球から誘導した膜のそれと比べて、Rho タンパク質に対し殆どpcCMT活性を持たなかった(図5A)。HL60 cDNAを用いたト ランスフェクションはCOS-1膜のRho GTPアーゼに対してpcCMT活性を与え、そし てこの活性は、内因性好中球pcCMTに対するそれと同一のED50(10μM)を用い、 競合pcCMT阻害剤、AFCによってブロックされた。HL60 pcCMTトランスフェクショ ンCOS-1細胞膜によるRac2およびRhoAのカルボキシルメチル化は、グアノシン5 ’−3−O−(チオ)トリホスフェート(GTPγS)(図5B)によって高められ、 好中球膜(Philips et al.,1993)で観察される活性に似ていた。カルボキシル メチルトランスフェラーゼ活性は、規定された基質(Philips et al.,1995)と したプレニルシステイン同族体を用いてHL60pcCMTでトランスフェクションしたC OS-1細胞の膜において定量した。トランスフェクションしないCOS-1膜はAFCに対 し好中球膜のpcCMT特異的活性が23±10%(n=5)であった。HL60 pcCMTを用い たCOS-1細胞のトランスフェクションは、特異的AFCカルボキシルメチルトランス フェラーゼ活性において18−53倍の増加となった(表1;3.0±0.8ないし74.5±6 .8pmol/mg・min、n=5、p<0.0005)。 N−アセチル−S−全トランス−ケラニルゲラニル−L−システイン(AGGC) のカルボキシルメチル化はAFCのメチル化と平行に増加し(18対20倍の増加、n= 2)、単一活性はファルネシル化とゲラニルゲラニル化の両方の基質をカルボキ シルメチル化したことを示す先の研究と矛盾がなかった(Volker et al.,1991b) 。組換え酵素のミカエリス定数、AFCにはKm=7μM、AGGCには0.6μMが、内因性 好中球酵素に対するそれと似ていた(Pillingeretal.,1994)。従って、上記のcD NAは真正のヒト骨髄pcCMTをコード化する。 ヒトpcCMTがS.cerevisiae pcCMT、STE14タンパク質に対しインヴィヴォで置換 できるかどうかを決定するため、相補的分析が生物学的読み出しとして交配を用 いて行った。Δste14酵母株中のプラスミドから発現したHL60 pcCMT cDNAは交配 表現型を部分的に復帰させ、因子がヒトpcCMTによってカルボキシルメチル化す ることが出来たことを示した。従って、HL60 pcCMTはS.cerevisiae STE14タン パク質の機能的ヒト相同体である。 ヒトpcCMT遺伝子の発現はノーザン分析で調べた。HL60細胞は2つのpcCMT mRN ASを発現し、単離したcDNAと矛盾がない3.6kb転写物、および5kb転写物は、関連 した遺伝子または代わりに接合したメッセージを示した(図6A)。両転写物の発 現レベルは、Me2SOによって誘発したHL60細胞の顆粒球分化によって減少し、HL6 0膜が成熟末梢血液好中球の膜よりも特異的pcCMT活性が5倍大きいという我々の 観察と矛盾がない。両転写物はヒト組織で同時に発現した(図6B)。 内因性のpcCMTを特徴付けるために、ポリクローナル抗血清を内部HL60pcCMTペ プチド(SEQ ID NO:5のアミノ酸184−201)に対し検討した。この抗血清を用い るpcCMTトランスフェクションしたCOS-1細胞膜および好中球の免疫ブロットは33 −kDaタンパク質を示し(図6C)、これはHL60 pcCMT cDNAによってコード化され たタンパク質の予想された大きさに対応し、ORFの終結コドン5’を欠くこのcDN Aが、実際に、全長であることを確認した。同じ抗血清はHL60細胞からの33−kDa タンパク質を免疫沈殿した(図6C)。pcCMTを導き出したアミノ酸はポテンシャル N−グリコシル化部位(図2)を示し、これらデーターはグリコシル化に対し立 証する。 pcCMTの生物学研究および酵素の単離の両方のためにpcCMTを標識につけるため 、C-末端エピトープ標識(Myc、FLAG、およびGFP)をコード化する配列をpcCMT 遺伝子の3’末端にC−終端伸長として加えた。Mycは非常に充分な、市販されて いる9E10モノクローナル抗体によってによって認識された広く用いられる10−ア ミノ酸エピトープであり、FLAGはEastman Kodakから市販されている専売のモノ クローナルによって充分に認識される8−アミノ酸エピトープである。グリーン 蛍光タンパク質(GFP)は固有の蛍光性があるクラゲから誘導された27kDaタンパ ク質であり、従って、生体細胞で明視化できる蛍光エピトープを用いて分子を標 識に付けることができる。表2はCOS細胞膜に異所的に発現したヒトpcCMTの相対 的酵素活性のC末端エピトープ標識の効果で得られた結果を示す。COS細胞膜で異 所的に発現したとき、pcCMTのC末端伸長としてMycエピトープもFLAGエピトープ も、そのカルボキシルメチルトランスフェラーゼ活性に影響を及ぼさない。これ はエピトープ標識pcCMTが、免疫化学技法によって細胞内に容易に定量でき、酵 素の単離が、MycまたはFLAGの標識pcCMTが容易にアフィニティ精製でき、次にリ ポソームに酵素により再構成され、ポテンシャルpcCMTインヒビターをスクリー ニングするため生物化学的に規定された標識を与えるので、促進されることを示 す。GFP標識CMTのデータは決定的でなく、繰り返されるであろう。 Rasは本質的にカルボキシルメチル化され(Clarke et al.,1988)プラズマ膜 でその生物学活性に必要な局在化を発現する(Willingham et al.,1980)。全 CAAXタンパク質のように、Rasは信号ペプチドを欠き、サイトゾル中に合成され 、サイトゾルプレニルトランスフェラーゼによって直接翻訳後に修飾される(Cas ey et al.,199G)。プレニルシステインカルボキシルメチレーションは内因性膜 タンパク質によって触媒作用を及ぼされ、膜のためのRasの親和力を高めるCAAX システインの3つの翻訳後修飾の最後を示すので、標的にするプラズマ膜のもっ とも簡単なモデルは標的膜のpcCMT発現を子言する。しかし、プレニル化タンパ ク質の更なる処理と関連した活量は、pcCMT(Stephenson et al.,1992)、S−イ ソプロペニル−CAAX高親和性結合(Thissen et al.,1993)、S−イソプレニル−C AAXプロテアーゼ(Hancock et al.,1991;Ma et al.,1992)、およびパルミトイ ルトランスフェラーゼ(Kasinathan et al.,1990)の活性体を含めて、すべて ミクロソーム画分で報告された。さらに、酵母で最近同定された2つのS−イソ プレニル−CAAXプロテアーゼの一つは推定のER保持配列をもち(Boyartchuk et al.,1997;Fujimura-Kamada et al.,1997)、これら遺伝子の二重欠失は内部膜 およびサイトゾルへの酵母Ras2pの誤局在化に導いた(Boyartchuk et al.,1997) 。にもかかわらず、これらの研究はいずれもプラズマ膜からプレニルシステイン −修飾活性体の発現を排除していない。実際に、本発明者らは表面膜に豊富な好 中球亜細胞画分においてpcCMT活性を報告した(Pilliger et al.,1994)。 PcCMTの亜細胞局在化を決定するため、GFPを用いてC末端で標識に付けた組換 えpcCMTを構成した。CHO(図7A-7C)、COS-1(図7Dおよび7E)、およびHIH3T3( 図には示していない)の細胞において、CMT-GFPはER,Golgi、および核膜で視覚化 したが、プラズマ膜では見えなかった。このアッセイは、細胞の周囲に伸びる各 ER細管(図7Cおよび7D)の視覚化を可能にする感度および分解能を与え、そし て、従ってプラズマ膜における発現を排除する際に明確であった。ER発現はER マーカーリボホリンI(図7F)を用いて相互局在化によって確認され、グリコシ ルトランスフェラーゼコンプレックスの成分はERに限定された。pcCMTのC末端に 添加した27−kDa GFPはその元の亜細胞局在化を変えるので、CMT-GFP局在化は10 −アミノ酸Mycエピトープを用いてC末端で標識に付けたpcCMTで確認された(図7 G)。最後に、pcCMTと反応 する抗ペプチド抗血清を用いて、COS-1細胞における核膜とERへ内因性pcCMTを局 在化してこれらデーターを確認した(図7Hおよび7I)。内因性pcCMTのために染 色するGolgiの不在は、異所的に発現したpcCMTのゴルジ局在化が遺伝子超発現の 結果であることを示唆している。 これらのデーターは、哺乳類pcCMTがプラズマ膜から位相的に除去した区画に 局在化された固有の膜タンパク質であることを示し、そして、信号を送る事象に 参加するプラズマ膜の細胞質面に標的をもつRas関連のGTPアーゼとGγが、ERに おいて翻訳後処理を完成することを示していることを証明した。 Rasを標的にする膜のカルボキシルメチル化の役割を決定するために、それら のN末端で固有の蛍光タンパク質、グリーン蛍光タンパク質(GFP)を用いて標識 に付けたRas分子を構成した。予言されたように、GFP-Nrasはプラズマ膜に局在 化した(図8A)。若干驚いたことは、なおゴルジの膜におけるGFP-Nrasの局在化 であった。対照的に、ファルネシル化できない修飾したCAAXモチーフをもつRas 突然変異体(NrasC186S)をGFPで標識に付けるとき、GFP-Nras(図8B)の全部 はサイトゾルに残存し、ファルネシル化がプラズマ膜局在化に必要であることを 確認した。ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤は、従って、サイトゾルにお いてGFP-Nrasを保持することになることが期待される。カルボキシルメチルトラ ンスフェラーゼ阻害剤、AFCが、この系に応用されるとき、GFP-Nrasの適当な膜 局在化がブロックされ、分子の大部分がサイトゾルのままであり(図8C)、ファ ルネシル化のレベルでブロックされたGFP-Nrasに似ている。ファルネシル化とカ ルボキシルメチル化は逐次生化学プロセスで独特のステップであるから、これら 酵素の阻害剤が相乗的効果を持つことが期待される。 驚くべきはリボソームなしで合成され、サイトゾルでプレニル化され、プラズ マ膜の細胞質のリーフレットになることを予定されたRasのようなタンパク質が 、処理のためのERに転用されることである。さらに、pcCMTのER制限は、特性を 与えない輸送経路が内部膜から細胞表面まで完全に処理されたGTPアーゼの移動 を媒介しなければならないことを示唆している。このような経路は、分泌小胞の 細胞質表面、GDIに似たサイトゾルアクセサリイ分子、または新規 な輸送システムを用いることができる。 実施例2 ストレプトアヴィジン結合ビオチニル化基質を用いるカルボキシルメチルトラ ンスフェラーゼアッセイ 96多穴フォーマットにおいて、アッセイはpcCMT活性の阻害剤として、コント ロールと共に、4通りの5化合物をテストするための容量を持っている。100μl の最終アッセイ容量に対し、N末端でもまたビオチニル化されているプレニル化 (ファルネシル化またはゲラニルゲラニル化)ペプチド基質(約2μモルのGlyG lyTyrGlnLysArgAlaCysペプチド)の混合物を、試験化合物の溶液と混合する。こ の混合物45μl容量を96穴REACTI-BINDプレート(Pierce)中の各穴に移し、pcCM T活性を含む膜調製品3.6mlとS−アデノシル−L−[3H]−メチオニン(1μCi/ 10μlの特異的活性56.1Ci/mmol)の40μl/穴混合物を移す。完全反応混合物を次 に37℃で1時間インキュベーションする。洗浄緩衝液で洗浄後、100μlのWALLAC OYシンチレーション液(Wallac)を全部の穴に添加し、45-60分放置し、全部の 穴からシンチレーション液をWALLAC OYプレートに移す前に、1分当たりのカウ ント(cpm)を測定した。 本発明を詳細に説明したが、当業者には広範囲の同等のパラメーター、濃度、 本発明の精神と範囲から逸脱することなく過度の実験をすることのない状態で、 行うことができることは高く評価されるだろう。 本発明はその特定例に関連して説明したが、さらに改変できることは理解され るであろう。この出願は任意の修飾、用途、または一般に、本発明が属する分野 内の既知の通例の実施内にあるような、そして次の請求の範囲に従って示される 上文の基本的特徴に応用できるような本開示から発展するものを含めて、本発明 の翻案をカバーするものである。 ここに引用した全参考文献は、定期刊行物または要約書、刊行または非刊行の 米国または外国の特許出願、発行された米国または外国の特許、または任意の他 の参考文献は、全データー、表、図面、および引用文献にあるテキストを含めて 、ここに参考文献として完全に組み込まれる。さらに、ここに引用された文献内 に引用された文献の全内容もまた完全に参考文献として組み込まれる。 既知の方法の工程、従来法の工程、既知の方法または従来法の参照は、本発明 の任意の解釈、記述または好適例が関連分野で開示され、教示されまたは示唆さ れることを承認するものではない。 特定例の上記記述は、他の者が過度の実験をすることなく、本発明の一般的概 念から離れることなく、当業者の知識を応用して(ここに引用した参考文献の内 容を含めて)、特定の好適例を種々の応用のために容易に改変しおよび/または 適合させることができる本発明の一般的性質を完全に示す。従って、このような 適合および改変は、ここに示された教示およびガイダンスに基き、開示された好 適例の同等の意味および範囲内にある。ここでの述語または用語は記述を目的と しこれに制限されるものではなく、本明細書の用語または述語は、当業者の知識 と組み合わさって、ここに示された教示およびガイダンスに照らして当業者によ って解釈されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12P 21/08 9/10 C12Q 1/48 Z C12P 21/08 (C12P 21/08 C12Q 1/48 C12R 1:91) //(C12P 21/08 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:91) 5/00 A

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.SEQ ID NO:5およびそのフラグメントに少なくとも70%の同一性を有する 配列からなる群から選択されたアミノ酸配列からなり、プレニルシステインカル ボキシルメチルトランスフェラーゼ分子が単離されるときまたは膜結合するとき プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ活性を有する、単離 されたプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ分子。 2.SEQ ID NO:5またはそのフラグメントに少なくとも85%の同一性を有する 配列からなる、請求項1記載の単離されたプレニルシステインカルボキシルメチ ルトランスフェラーゼ分子。 3.SEQ ID NO:5またはそのフラグメントに少なくとも90%の同一性を有する 配列からなる、請求項1記載の単離されたプレニルシステインカルボキシルメチ ルトランスフェラーゼ分子。 4.SEQ ID NO:5またはそのフラグメントに少なくとも95%の同一性を有する 配列からなる、請求項1記載の単離されたプレニルシステインカルボキシルメチ ルトランスフェラーゼ分子。 5.SEQ ID NO:5またはそのフラグメントのアミノ酸配列からなる、請求項1 記載の単離されたプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ分 子。 6.SEQ ID NO:5に少なくとも85%の同一性を有する配列からなる、請求項1 記載の単離されたプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ分 子。 7.SEQ ID NO:5に少なくとも90%の同一性を有する配列からなる、請求項1 記載の単離されたプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ分 子。 8.SEQ ID NO:5に少なくとも95%の同一性を有する配列からなる、請求項1 記載の単離されたプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ分 子。 9.SEQ ID NO:5のアミノ酸配列からなる、請求項1記載の単離されたプレニ ルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ分子。 10.請求項1記載のプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラ ーゼをコード化するヌクレオチド配列からなる組換えDNA分子。 11.ヌクレオチド配列がSEQ ID NO:5のアミノ酸配列をコード化する、請求 項10記載の組換えDNA分子。 12.ヌクレオチド配列がSEQ ID NO:5のヌクレオチド44ないし895からなる、 請求項11記載の組換えDNA分子。 13.請求項10の組換えDNA分子からなる発現ベクター。 14.請求項13の発現ベクターを用いて形質転換した宿主。 15.単離されるかまたは膜結合するときプレニルシステインカルボキシルメ チルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコード化するヌクレオチド配 列からなり、前記ヌクレオチド配列が50%ホルムアミドおよび5×SSCで40℃に てSEQ ID NO:4のヌクレオチド44ないし895の補体にハイブリッド形成する、組換 えDNA分子。 16.請求項15記載の組換えDNA分子からなる発現ベクター。 17.請求項16記載の組換えDNA分子からなる発現ベクター。 18.請求項1記載のプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラ ーゼに特異的な抗体の抗原結合部位を含む分子。 19.前記分子がポリクローナル抗体である、請求項18記載の分子。 20.前記分子がモノクローナル抗体である、請求項18記載の分子。 21.プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ分子が存在 する膜調製品を準備し; 単離したプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼの基質と 、プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼのポテンシャル阻 害剤を用いてまたは用いずに、膜調製品をインキュベーションし; ポテンシャル阻害剤の不在でのプレニルシステインカルボキシルメチルトラン スフェラーゼのレベルに関して、ポテンシャル阻害剤の存在でのプレニルシステ インカルボキシルメチルトランスフェラーゼ活性のレベルを決定し; そして 前記ポテンシャル阻害剤の存在でのプレニルシステインカルボキシルメチル トランスフェラーゼ活性のレベルが前記ポテンシャル阻害剤の不在でのそれより も実質的に小さいことを、前記決定の工程が決定するための、任意の前記ポテン シャル阻害剤を阻害剤として単離する 各工程からなる、プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ の阻害剤を単離するスクリーニング方法。 22.プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼが膜調製品 の供給源本来のものではない、請求項21記載の方法。 23.プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼが、SEQ ID NO:5またはそのフラグメントに少なくとも70%の同一性を有する配列からなる 群から選択されたアミノ酸配列からなる単離されたプレニルシステインカルボキ シルメチルトランスフェラーゼ分子であり、前記分子が単離されるときまたは膜 結合するときプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ活性を 有する、請求項21記載の方法。 24.交配受容能のためのプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフ ェラーゼを異所的に発現するように、プレニルシステインカルボキシルメチルト ランスフェラーゼをコード化する組換えDNA分子を用いて、官能プレニルシステ インカルボキシルメチルトランスフェラーゼを欠く無菌株から安定に形質転換し た交配受容能の酵母Mata株を準備し; プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼのポテンシャル阻 害剤の存在または不在で酵母Mata株をインキュベーションし; ポテンシャル阻害剤の不在でインキュベーションした酵母株に関して、交配受 容能のためのポテンシャル阻害剤の存在でインキュベーションした酵母株をアッ セイし;そして アッセイ工程が、ポテンシャル阻害剤の存在での酵母株の交配受容能がポテン シャル阻害剤の不在でのそれよりも実質的に小さいことを決定するための、任意 のポテンシャル阻害剤を阻害剤として単離する 各工程からなる、プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ 分子の阻害剤を単離するスクリーニング方法。 25.プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼが膜調製 品の供給源本来のものではない、請求項24記載の方法。 26.プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼが、SEQ ID NO:5およびそのフラグメントに少なくとも70%の同一性を有する配列からなる 群から選択されたアミノ酸配列からなる単離されたプレニルシステインカルボキ シルメチルトランスフェラーゼ分子であり、前記分子が単離されるときまたは膜 結合するときプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ活性を 有する、請求項24記載の方法。
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