JP2002504489A - トール油ピッチからフィトステロールを調製するための方法 - Google Patents
トール油ピッチからフィトステロールを調製するための方法Info
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Abstract
Description
り高純度のフィトステロールを生成することができ、水を含みうるフィトステロ
ール濃縮物を分離するための蒸留手法を使用することを含む、トール油ピッチか
らフィトステロールを調製する方法に関する。
トプロセスから得られる。黒色液は、代表的には濃縮し、沈降させて、脂肪酸の
ナトリウム塩、樹脂酸のナトリウム塩及び不けん化物を含むセッケンスキミング
を生じさせる。後者の物質群は、脂肪アルコール、遊離ステロール、ステリルエ
ステル及び脂肪酸エステルを含む。クラフトパルプミルにおいて、採集したセッ
ケンを硫酸のような鉱酸で常套的に酸性にして、油相と水相を生成する。油相は
遊離脂肪酸、樹脂酸及び不けん化物を含む;これは一般的にトール原油として知
られる。代表的には、不けん化物の量は、使用する針葉樹材の種類と質に依存し
てトール原油の10から35重量%の範囲をとりうる。硫酸ナトリウムと最初の
セッケン中でエントレインした(entrained)リグニンを含む水相は、
通常パルプミル化学回収系に戻して再利用する。その後の所望する脂肪酸と樹脂
酸の回収においては、代表的には低圧条件下でトール原油を蒸発させ、主として
脂肪酸と樹脂を含む、脱ピッチトール油として知られる軽相と、小量の脂肪酸と
ロジン(松ヤニ)酸及び実質的な量の最初の不けん化物を含む、トール油ピッチ
として知られる重相を生成する。
れる)あるいはトール油ピッチのいずれかから分離することができる。トール油
セッケンからのステロールの製造は、1981年からOy Kaukas AB
,Lappeenranta,Finlandによって商業的に実施されてきた
。そのテクノロジーは、低分子量ケトン、アルコール及び炭化水素の組合せによ
るトール油セッケンの精製に基づく;例えば1976年6月22日に特許された
米国特許第3,965,085号の中でHolmbomらによって開示されてい
る。次に、例えばJohanssonらにより1977年8月23日に特許され
た米国特許第4,044,031号において、及びHamunenにより198
3年12月27日に特許された米国特許第4,422,974号において教示さ
れているように、極性と非極性溶媒の組合せを使用して精製トール油セッケンを
抽出し、結晶化する。純粋なトール油ステロールの製造方法は、比較的エントレ
イン黒色液を含まないセッケンスキミングと、いくつかの別個の溶媒回収系を要
する多数の溶媒の使用を必要とする。各々の加工処理段階に合わせて至適操作を
維持するための厳密な溶媒組成の調節は複雑である。1979年5月8日に特許
された米国特許第4,153,622号の中でLamminkariらは、アセ
トンと活性炭素を使用したトール油セッケンからのステロールの抽出を開示して
おり、その後アセトン抽出物を蒸発させてエタノールに溶解し、最終的にステロ
ールを回収する。
国特許第2,715,638号の中でAlbrechtらは、トール油ピッチ中
の脂肪酸とロジン酸を中和するが、ステロールエステルはけん化する量の希薄ア
ルカリ溶液の使用を教示している。次に残りの有機相をアルコール性アルカリ溶
液で分離し、けん化して、ステリルエステルを遊離ステロールに変換し、その後
熱水中で希釈し、冷却してステロールを沈澱させる。生成物の純度は83%の範
囲内であると指摘されている。米国特許第3,691,211号と同第3,84
0,570号においてJulianは、アルコール、水及び炭化水素の混合物を
使用してトール油ピッチを抽出し、次いで炭化水素相をアルカリ金属塩基でけん
化して、最後にけん化物質を極性溶媒に溶解してフィトステロールを回収するこ
とを教示している。その手順は、種々の極性及び非極性溶媒による数段階の溶媒
抽出ステップを含むため面倒である。少なくとも極性と非極性溶媒に関する溶媒
回収系は複雑である。
Thiesらは、高温・高圧での水抽出によるトール原油からステロールを分離
するための方法を開示している。
eは、水溶性陽イオンアミンをアルカリと共に使用する、トール油ピッチをけん
化するための工程を開示している。1985年6月18日に特許された米国特許
第4,524,024号においてHughesは、トール油ピッチを高温で加水
分解して、トール油ピッチからの脂肪酸の回収率を高めることを教示している。
1975年6月3日に特許された米国特許第3,887,537号でHarad
aらは、最初にアルカリ金属塩基と低分子量アルコールでトール油ピッチをけん
化し、次いで反応させた混合物を薄膜蒸発器に入れて水、アルコール及び軽質不
けん化物のような低沸点物質を除去する、トール油ピッチからの脂肪酸とロジン
酸の回収を開示している。その後、最初の蒸発器からの底画分を第二の薄膜蒸発
器に入れて、ステロールを含む不けん化物を軽質分として除去し、融解セッケン
を底画分として回収する。慣例的に鉱酸で酸性化することによって融解セッケン
画分から脂肪酸とロジン酸を回収する。1975年12月16日に特許された米
国特許第3,926,936号でLehtinenは、トール油ピッチを200
から300℃でトール油ピッチの5から25%の量のアルカリと反応させ、その
後加熱した混合物を真空蒸留して、留出画分から脂肪酸とロジン酸を回収するこ
とによる、トール油ピッチからの脂肪酸とロジン酸の回収を教示している。
ピッチからフィトステロールを調製する新しい改善された方法を提供する: (a)ステリルエステルをピッチ中で遊離フィトステロールに変換して、遊離フ
ィトステロールを含む改変ピッチを生成する; (b)蒸発によって改変ピッチから軽質分を除去し、遊離フィトステロールを含
む底画分を生成する; (c)底画分を蒸発させて遊離フィトステロールを含む軽相留出物を生成する;
(d)アルコールを含む溶媒に留出物を溶解し、遊離フィトステロールを含む溶
液を生成する; (e)溶液を冷却し、スラリー中に結晶化した遊離フィトステロールを含むスラ
リーを生成する;そして (f)スラリーを洗浄し、濾過して、結晶化したフィトステロールを分離する。
ール油ピッチをアルカリ金属塩基でけん化し、けん化したピッチを酸で中和して
、さらに中和したピッチを加熱して水を除去する段階を含む。そのような水を除
去して得られたピッチが改変ピッチである。
ッチ中に存在するステリルエステルをピッチ中で遊離フィトステロールに変換す
ることを必要とする。その結果が遊離フィトステロールを含む改変ピッチである
。
ック30(点線の外枠で示されている)に示されており、ここでは注入された供
給材料であるトール油ピッチ1を受け入れ、産出物として改変ピッチ11を生成
する。現時点での変換の好ましい方法はアルカリ塩基処理の使用を含むものであ
り、ブロック30内に含まれる要素で示されている。
応器3に加える。トール油ピッチに対するアルカリ金属塩基の量は、好ましくは
トール油ピッチの実質的に完全なけん化を促進するのに十分な量とすべきである
。
はその組合せのようなアルカリ金属塩基の水溶液の使用が有利である。これらの
化合物あるいは組合せは、比較的妥当なコストで比較的高いアルカリ度を提供す
る。そのような化合物あるいは組合せを使用する場合、理論上完全な変換を達成
するのに必要なアルカリ金属塩基2対トール油ピッチ1の化学量論比は、代表的
には約1重量%に近いと考えられる。もちろん、厳密な量はトール油ピッチ1の
個々の特性に依存し、これらの特性は供給材料あるいはソースの1バッチごとに
異なりうる。同様に、やはりトール油ピッチ1の個々の特性に依存して、重要な
割合のアルカリ金属塩基2がステリルエステル以外のピッチ1の成分との反応に
よって消費されると考えられる。従って、反応のための強力な推進力を提供し、
存在するステリルエステルの効率的な変換をより確実に行うためには、トール油
ピッチ1に対して有意により高い比率のアルカリ金属塩基2が望ましいと考えら
れる。代表的には、この比率は5から15重量%の範囲であろう。
おいて混合を続ける。代表的には、60分(より高温)から300分(より低温
)の範囲の期間で100から250℃の範囲の操作温度が所望するけん化を促進
するのに十分であろう。
5も反応器6に加える。
さらに、酸5は硫酸、塩酸又はリン酸のような鉱酸でもよい。これらは比較的強
い鉱酸であり、ホウ酸のような弱酸よりも好ましい。硝酸も可能である。しかし
、望ましくないニトロ化が起こりうると考えられる。
を反応器6に加える。添加工程の間混合物を監視すべきであるが、後者は代表的
には、酸の量がけん化ピッチ4に存在する残留アルカリ金属塩基の中和に必要な
化学量論的量よりも約20%過剰である時に実現される。
り低温)の範囲の期間で10から100℃の範囲の操作温度が、代表的に所望す
る中和を促進するのに十分であろう。次に、静かな撹拌を続けながら、反応器6
中の混合物を約120分間約95℃の温度に保持し、有機相から水をバルク遊離
させる。過剰の水7を排出し、生じた中和ピッチ8をさらなる処理のため第三の
反応器9に導入する。
する。混合物8を反応器9において、好ましくは真空条件下で加熱することによ
り、水分10をさらに除去して、遊離フィトステロールと好ましくは1重量%未
満の水を含む改変ピッチ11を生成する。
、160から280℃の範囲の温度で操作する超低圧蒸発器12に改変ピッチ1
1を導入し、改変ピッチ中の軽質分13の1から15%を除去する。これらの軽
質分は最初のトール油ピッチ1中に認められる脂肪酸及び樹脂酸の高い比率を含
む。
2から取り出して第二の超低圧ワイプ膜(wiped film)蒸発器15に
導入する。蒸発器15は画分14中に存在する遊離フィトステロールを軽相留出
物16へと蒸留する働きをする。これを効率的に行うためには、好ましくは0.
01から1.0ミリバールの範囲の圧、180から300℃の範囲の温度で操作
する。留出物16は同時に脂肪アルコール、脂肪酸、ロジン酸及び高分子量ろう
エステルも含む。底画分17を廃棄し、廃物燃料あるいは他の産業のための供給
材料として使用することができる。
・撹拌する。溶媒21はアルコール、好ましくはメタノール、エタノールあるい
は2‐プロパノールのような低分子量一価アルコール、あるいはそのようなアル
コールの組合せを含む。同様に、溶媒は水も含みうる。
他の温度ももちろん使用できるが、温度が低くなるほどフィトステロールの溶解
度が低下することに留意しなければならない。
し、スラリー中に結晶化したフィトステロールを含むスラリー19を生成する。
代表的には、結晶化が起こる温度は0から35℃の範囲と考えられる。
21を加えて濾過装置20で濾過乾燥する。その結果、高純度のフィトステロー
ル結晶22と廃溶媒濾液23が生成され、後者はリサイクル及び再使用のために
回収することができる。
2.0%濃度溶液のNaOH 1,325kgでけん化した。水酸化ナトリウム
(乾燥ベース)対トール油ピッチの重量比は0.138であった。次に反応混合
物を85%濃度のリン酸1,188kgで中和した。210分間、静かに撹拌し
ながら146℃で継続的に加熱したあと、水6,600kgを反応器の底部から
排出した。反応器底部の水のpHは6.4であった。約37.5%の水を含む部
分的に脱水した混合物を第二の反応器に移し、残留水分を真空ストリッピングし
た。真空反応器は149℃、300mmHgの平均圧で操作した。300分間で
反応を完了させた。乾燥してけん化し、中和したトール油ピッチは0.4重量%
の水分含量を有していた。
ーセンテージをまとめたものである。
ピッチから分離できる状態にある。
、脱水した。改変トールピッチ油は、遊離フィトステロール141mg/g及び
総フィトステロール164mg/gの組成を持つことが認められた。改変トール
油ピッチを約100℃で前加熱したあと、一連の0.1m2のワイプ蒸発器(U IC GmbH,Germany製造)に供給した。各蒸発段階からの留出物を
回収して、気‐液クロマトグラフィー(GLC)による遊離フィトステロールの
分析に供した。
A2、A3及びA4)に関する遊離フィトステロールの生産結果をまとめたもの
である。
加熱することにより実験室ジャーテストにおいて結晶化させた。混合物を30か
ら35℃に冷却して、所望するフィトステロール結晶を含むスラリーを生成した
。有機溶媒対留出物の重量比は1.5:1.0であった。次に冷却したスラリー
を真空下で50マイクロメーターの濾紙で濾過した。濾過したケークを結晶化に
使用した留出物サンプルの重量の1.5倍に等しい量の溶媒で2回洗浄した。洗
浄溶媒は結晶化に使用したものと同じ組成であった。ケークの洗浄は室温で実施
した。次に洗浄したケークを90℃で60分間乾燥したあと、計量してGLC分
析に供した。
ノールの混合物を溶媒として使用した、A1、A2、A3及びA4のテストラン
に関する結晶の純度と結晶収率を比較してまとめたものである。
蒸留した。留出物供給材料は、遊離フィトステロール262mg/g及び総フィ
トステロール264mg/gの組成を有していた。供給材料を約100℃に前加
熱したあと、0.1m2のワイプ膜蒸発器(UIC GmbH,Germany 製造)に供給した。留出物サンプルを回収し、気‐液クロマトグラフィー(GL
C)による遊離フィトステロールの分析に供した。
B2、B3及びB4)に関する遊離フィトステロールの生産結果をまとめたもの
である。
スケールでの結晶化のために採集した。使用した溶媒は100%メタノールであ
った。表5は、B1、B2、B3及びB4のテストランに関する結晶の純度と結
晶収率をまとめたものである。
ルコールと水を用いて結晶化させた。試験手順は実施例3で述べたのと同じであ
った。被験留出物の遊離フィトステロール含量は266mg/gであった。
晶収率を比較してまとめたものである。
び結晶化させ、試験手順は、結晶化を0℃で実施したことを除いて、やはり実施
例3で述べたのと同じであった。有機溶媒対留出物の重量比は変化させた。洗浄
溶媒は室温に保持した。被験留出物の遊離フィトステロール含量は266mg/
gであった。
した、D1とD2の2回のテストランに関する結晶純度と結晶収率を比較してま
とめたものである。
での遊離フィトステロールへの変換は様々な方法によって実現できると考えられ
る。上述した方法はアルカリ塩基処理の使用を含むものである。実験が必要であ
り、困難を伴うかもしれないが、試みうる他の方法は、トール油ピッチの水加水
分解処理及び酸加水分解処理を含む。
晶の調製に関する図式的フローチャートを示す。
又は24に記載の工程: (a)メタノール; (b)エタノール; (c)2‐プロパノール; (d)メタノール、エタノール及び2‐プロパノールのうちの2又はそれ以上を
含むアルコールの組合せ。
eは、水溶性陽イオンアミンをアルカリと共に使用する、トール油ピッチをけん
化するための工程を開示している。1985年6月18日に特許された米国特許
第4,524,024号においてHughesは、トール油ピッチを高温で加水
分解して、トール油ピッチからの脂肪酸の回収率を高めることを教示している。
1975年6月3日に特許された米国特許第3,887,537号でHarad
aらは、最初にアルカリ金属塩基と低分子量アルコールでトール油ピッチをけん
化し、次いで反応させた混合物を薄膜蒸発器に入れて水、アルコール及び軽質不
けん化物のような低沸点物質を除去する、トール油ピッチからの脂肪酸とロジン
酸の回収を開示している。その後、最初の蒸発器からの底画分を第二の薄膜蒸発
器に入れて、ステロールを含む不けん化物を軽質分として除去し、融解セッケン
を底画分として回収する。慣例的に鉱酸で酸性化することによって融解セッケン
画分から脂肪酸とロジン酸を回収する。1975年12月16日に特許された米
国特許第3,926,936号でLehtinenは、トール油ピッチを200
から300℃でトール油ピッチの5から25%の量のアルカリと反応させ、その
後加熱した混合物を真空蒸留して、留出画分から脂肪酸とロジン酸を回収するこ
とによる、トール油ピッチからの脂肪酸とロジン酸の回収を教示している。 Chemical Abstracts、112巻、20号、1990年5月
14日、Columbus,Ohio US;抄録番号181758、MALI
K,Lubomirら:“Isolation of phytosterol
s from tall‐oil rosin”,XP002104877&C
S 256 092A(Czech)も参照できる。Malikらは、4つの蒸
留段階の使用を含むフィトステロール抽出のための工程を開示している。生成物
の流れは、最初の蒸留段階で2つの平行する蒸留経路に分けられ、各平行経路で
のさらなる蒸留後、最終蒸留段階の前に部分的に再合流する。高純度のフィトス
テロールを得るために、最終蒸留段階からの産出物を、比較的大量の溶媒を使用
する2段階の結晶化に供する。
ピッチからフィトステロールを調製する新しい改善された方法を提供する: (a)ステリルエステルをピッチ中で遊離フィトステロールに変換して、遊離フ
ィトステロールを含む改変ピッチを生成する; (b)第一蒸発器で改変ピッチを蒸留して改変ピッチから軽質分を除去し、遊離
フィトステロールを含む底画分を生成する; (c)第二蒸発器で底画分だけを蒸留し、遊離フィトステロールを含む軽相留出
物を生成する; (d)アルコールを含む溶媒に軽相留出物だけを溶解し、遊離フィトステロール
を含む溶液を生成する; (e)溶液を冷却し、スラリー中に結晶化した遊離フィトステロールを含むスラ
リーを生成する;そして (f)スラリーを洗浄し、濾過して、結晶化したフィトステロールを分離する。
ール油ピッチをアルカリ金属塩基でけん化し、けん化したピッチを酸で中和して
、さらに中和したピッチを加熱して水を除去する段階を含む。そのような水を除
去して得られたピッチが改変ピッチである。 Malikらの工程と異なって、前記の工程は、2つの蒸留段階と1つの結晶
化段階だけで、また比較的小量の溶媒を使用して、トール油ピッチから高純度フ
ィトステロール結晶を調製することを可能にする。それにもかかわらず、一部の
場合には、さらに高い結晶純度でフィトステロール生成を実現することが望まし
いと考えられるであろう。本発明のもうひとつの実施態様に従って、次のように
して限界的な改善が達成される: (a)前記(a)から(c)段階で述べたようにして遊離フィトステロールを含
む軽相留出物を生成する; (b)そのようにして生成した軽相留出物だけを再蒸留して、軽相留出物中の遊
離フィトステロールの濃度を高める; (c)アルコールを含む溶媒に再蒸留した軽相留出物だけを溶解し、遊離フィト
ステロールを含む溶液を生成する;そして (d)前記(d)及び(f)段階におけるような手順を続けて、結晶化したフィ
トステロールを分離する。 この手順は追加蒸留段階を含むが、結晶化段階で必要とされるアルコールの量
は、Malikらの場合に比べて少ないままである。
Claims (25)
- 【請求項1】 次の段階を含む、ステリルエステルを含むトール油ピッチか
らフィトステロールを調製する方法: (a)当該ステリルエステルを当該ピッチ中で遊離フィトステロールに変換して
、かかる遊離フィトステロールを含む改変ピッチを生成する; (b)蒸発によって当該改変ピッチから軽質分を除去し、当該遊離フィトステロ
ールを含む底画分を生成する; (c)当該底画分を蒸発させて当該遊離フィトステロールを含む軽相留出物を生
成する; (d)アルコールを含む溶媒に当該軽相留出物を溶解し、当該遊離フィトステロ
ールを含む溶液を生成する; (e)当該溶液を冷却し、当該スラリー中に結晶化した当該遊離フィトステロー
ルを含むスラリーを生成する;そして (f)当該スラリーを洗浄し、濾過して、結晶化した当該フィトステロールを分
離する。 - 【請求項2】 当該改変ピッチが1重量%未満の水を含む、請求項1に記載
の方法。 - 【請求項3】 当該溶媒が低分子量一価アルコールを含む、請求項1又は2
に記載の方法。 - 【請求項4】 当該溶媒が低分子量一価アルコールと水を含む、請求項1又
は2に記載の方法。 - 【請求項5】 当該軽相留出物を溶解するために使用した溶媒のような溶媒
を用いて当該スラリーを洗浄し、濾過する、請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項6】 当該ステリルエステルを遊離フィトステロールに変換する当
該段階が次の段階を含む、請求項1に記載の方法: (a)当該トール油ピッチをアルカリ金属塩基でけん化する; (b)当該けん化ピッチを酸で中和する;そして (c)当該中和ピッチを加熱して水を除去すると、かかる水を除去して生じたピ
ッチが当該改変ピッチである。 - 【請求項7】 当該アルカリ金属塩基が次のものから成る群から選択される
、請求項6に記載の方法: (a)水酸化ナトリウム; (b)水酸化カリウム; (c)水酸化ナトリウムと水酸化カリウム。 - 【請求項8】 トール油ピッチに対するアルカリ金属塩基の重量パーセンテ
ージが1%から15%の範囲内である、請求項7に記載の方法。 - 【請求項9】 当該けん化を100から250℃の範囲の温度で60から3
00分の範囲の期間実施する、請求項7に記載の方法。 - 【請求項10】 当該酸が有機酸である、請求項6に記載の方法。
- 【請求項11】 当該酸が鉱酸である、請求項6に記載の方法。
- 【請求項12】 当該鉱酸が次のものから成る群から選択される、請求項1
1に記載の方法: (a)硫酸; (b)塩酸; (c)リン酸; (d)硫酸、塩酸及びリン酸のうち2又はそれ以上を含む酸の組合せ。 - 【請求項13】 当該中和を10から100℃の範囲の温度で1から10時
間の範囲の期間実施する、請求項6に記載の方法。 - 【請求項14】 当該中和ピッチが4から7の範囲の水相pHを持つ、請求
項6に記載の方法。 - 【請求項15】 当該加熱段階が、有機相から水をバルク遊離させるのに十
分な期間、90から100℃の範囲の温度で加熱することを含む、請求項6に記
載の方法。 - 【請求項16】 当該加熱段階が、当該改変ピッチが1重量%未満の水を含
むように真空下で加熱することをさらに含む、請求項15に記載の方法。 - 【請求項17】 当該軽質分を、0.1から10ミリバールの範囲の圧と1
60から280℃の範囲の温度で操作するワイプ膜蒸発器において除去する、請
求項1又は6に記載の方法。 - 【請求項18】 当該底画分を、0.01から1.0ミリバールの範囲の圧
と180から300℃の範囲の温度で操作するワイプ膜蒸発器において蒸発させ
る、請求項1又は6に記載の方法。 - 【請求項19】 当該溶媒が低分子量一価アルコールを含む、請求項6に記
載の方法。 - 【請求項20】 当該溶媒が低分子量一価アルコールと水を含む、請求項6
に記載の方法。 - 【請求項21】 フィトステロールの結晶化を0から35℃の範囲の温度で
行う、請求項1又は6に記載の方法。 - 【請求項22】 当該軽相留出物中の遊離フィトステロールの濃度を高める
ために、(c)段階のあと(d)段階の前に当該軽相留出物を蒸発させる段階を
さらに含む、請求項1に記載の方法。 - 【請求項23】 有機溶媒相に対して35重量%までの割合で(d)段階に
水を加える、請求項22に記載の方法。 - 【請求項24】 溶媒対留出物の重量比が0.3から2.0である、請求項
23に記載の方法。 - 【請求項25】 アルコールが次のものから選択される、請求項19、20
又は24に記載の工程: (a)メタノール; (b)エタノール; (c)2‐プロパノール; (d)メタノール、エタノール及び2‐プロパノールのうちの2又はそれ以上を
含むアルコールの組合せ。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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