【発明の詳細な説明】
取外し可能なドライブキャリアのためのカム補助式取出しハンドル
発明の背景 技術分野
この発明は、コンピュータまたはワークステーションのためのポータブルドラ
イブキャリアに取付けられ、コンピュータまたはワークステーションの既存のド
ライブベイにおいて一般的に装着されるU字型収容フレームからのキャリアの脱
離および取出しを補助する回転可能なハンドルに関する。
背景技術
記憶装置(たとえばハードドライブ)のためのポータブルキャリアはこれまで
コンピュータおよびワークステーションに関連付けられてきた。たとえば、記憶
装置にストアされるデータは機密または極秘のものであり得る。この場合、一日
の終わりにキャリアを取外して安全な場所に移動し、許可を受けていない人物に
よるデータへのアクセスができないようにすることが望ましい。さらなる例によ
れば、キャリアをある場所にあるコンピュータから遠隔の場所に運搬してその遠
隔の場所で別のコンピュータにキャリアを戻すことができるようにすることも望
ましいであろう。
これらの例の各々において、通常、キャリアのハンドルを掴んでキャリアをそ
の収容フレームから取外すのに十分な力を発揮するよう引張る。ときにはキャリ
アがその収容フレームに堅く接続されておりキャリアを取外すのが困難であるこ
ともある。前述したことから、キャリアハンドルに余分な引張力を加えなければ
ならないことがある。この点で、キャリアの取出し機構またはその収容フレーム
が壊れることがあり、この結果キャリアをそのコンピュータまたはワークステー
ションに戻すのが困難となる。そうでなければ、取出し機構を修理することはキ
ャリアまたはコンピュータが使用できなくなってしまうことを意味し、このこと
から時間および装置の使用効率が悪くなってしまうことがある。
したがって、余分な引張力を必要とすることなく、またはキャリアのハンドル
に加えられる引張力に対して取出し機構が破壊されるという可能性のない状態で
、キャリアのその収容フレームからの取出しおよび取外しを容易に行なえるよう
にするのが望ましい。
発明の概要
簡単には、回転可能な取出しハンドルおよび1対のハンドルカムは互いに共働
して記憶装置(たとえばハードドライブ)のためのキャリアを、コンピュータま
たはワークステーションの既存のドライブベイにおいて一般的に見られろ種類の
U字型収容フレームから素早くかつ容易に取出し取外すことができるようにする
。ハンドルカムはキャリアのそれぞれの側に結合され、それに対して動くよう適
合される。各ハンドルカムは、その一方端から外側に突出する力受けアームとそ
の反対の端部に沿って走るストップバーとを有するほぼG字型本体を含む。キャ
リアのそれぞれの側の前方端には底部、中央および頂部ガイドタブがあり、これ
らは重なり合うように並行に整列して配置され、ハンドルカムがそこに沿って双
方向に滑ることができるようにする。最も下のガイドタブはそこから突出するス
トップを有し、最初にハンドルカムがこれに接して置かれており、ハンドルカム
の前方向移動が制限される。中央ガイドタブはハンドルカムの本体におけるタブ
収容チャネルを介して収容され、ハンドルカムが確実にキャリアのそれぞれの側
に沿って滑らかにかつ連続的に運動するようにする。常態において緩和している
従来のコイルばねが、各ハンドルカムとキャリアの側部との間でそれぞれの軸方
向に整列したばね保持ピンから延びる。
取出しハンドルはキャリアの対向する側部に旋回可能に結合される1対の並行
整列アームを有する。取出しハンドルの各アームの下にカムを設けた力伝達面が
形成され、ハンドルによって生じた回転力をリニア押付け力に変換して、これを
ハンドルカムに伝達する。
初めに、取出しハンドルはキャリアの前部に対して垂直に配置され、ハンドル
カムは最も下のガイドタブから突出するストップに接して置かれる。ハンドルカ
ムの力受けアームは初めは取出しハンドルのカムを設けた力受け面に対して置か
れる。キャリアをその支持フレームから取出し取外すためには、取出しハンドル
をキャリアに対して垂直位置から水平位置への90度の弧にわたって回転させる
。取出しハンドルのこの回転の間、そのカムを設けた力伝達面はハンドルカムの
力受けアームのまわりに対応して回転し、これによってハンドルカムに対して押
付け力を加え、コイルばねを圧縮させる。これに従い、ハンドルカムはキャリア
のそれぞれの側のガイドタブに沿って後方向に滑り、ハンドルカムのストップバ
ーが、U字型収容フレームの対向する側部の中に成形されかつそこから内側へ突
出するそれぞれ対応のリブに係合するまで滑る。ストップバーが収容フレームの
リブに対して後方向に押付けられると、キャリアは前方向に強いられ、その収容
フレームから接続解除される。取出しハンドルの垂直方向から水平方向への回転
が完了すると、ハンドルの力伝達面はハンドルカムの力受けアームを過ぎてかつ
係合が外れるまで回転し、そこでハンドルカムにそれまで加わっていた押付け力
が止む。この時点で、ばねは伸張することができ、自動的にハンドルカムをキャ
リアの側部におけるガイドタブに沿って前方向に滑らせ、再び最も下のガイドタ
ブがら突出するストップに接して置かれるようにする。取出しハンドルが垂直位
置にある状態で、ハンドルを掴んで引張り、キャリアをその収容フレームから素
早くかつ簡単に取出すことができる。
キャリアを同じまたは別の収容フレームに戻し接続する際には、取出しハンド
ルをキャリアに対して水平位置から垂直位置へさらに90度の弧にわたって回転
させる。この場合、取出しハンドルのアームはハンドルカムの力受けアームに係
合しこれを押し上げ、そこで力受けアームは、ハンドルが垂直方向から水平方向
に回転される場合のように後方向に押されるのではなく上方向に回転する。これ
に従い、取出しハンドルにより生じる回転力は上方向に回転する力受けアームに
より吸収されるため、ハンドルカムはキャリアの側部に沿って後方向に移動する
ことがなく、キャリアはその収容フレームに接続されたままとなる。ハンドルカ
ムの力受けアームは再び、取出しハンドルのそれぞれのカムを設けた力伝達面に
接して位置付けられ、ハンドルの次の回転を待つ間、取出しハンドルをキャリア
に対して垂直方向に掛けるようにする。
図面の簡単な説明
図1は、U字型収容フレームに脱離可能に接続されかつその中に保持されるポ
ータブルデータキャリアを示す斜視図である。
図2は、キャリアのその収容フレームへの咬合係合を示す断面図である。
図3は、キャリアがその収容フレームに接続されかつその中に保持される状態
にある、静止の垂直位置でのこの発明を形成するキャリアの回転可能な取出しハ
ンドルを示す。
図4および図5は、活性状態の水平位置に回転され、キャリアをその収容フレ
ームから取出するようにするキャリアの回転可能な取出しハンドルを示す。
図6は、キャリアが外側に引張られその収容フレームから分離されている状態
にある、水平位置におけるキャリアの回転可能なハンドルを示す。
図7は、キャリアの取出しハンドルが活性状態の水平位置から静止の垂直位置
まで回転された状態で、収容フレームに戻されたキャリアを示す。
図8は、キャリアのそれぞれの側に結合され、取出しハンドルの回転に対して
キャリアのそれぞれの側に沿って滑るよう適合される、この発明を形成するハン
ドルカムを示す分解図である。
図9は、図8のハンドルカムの正面図である。
詳細な説明
初めに、図面の図1を参照して、ポータブルコンピュータ記憶ユニットのため
のキャリア1が示される。キャリア1はほぼU字型のロッキングチャネルまたは
収容フレーム2の中に収容され、これによって囲まれている。キャリア1の記憶
ユニットはそれ自体が従来のものであり、この発明を形成するものではない。し
かしながら、簡単に触れると、キャリア1の記憶ユニットは、パーソナルコンピ
ュータ、ワークステーションなどに一般的に関連付けられる記憶装置(たとえば
ハードドライブ)である。キャリア1はU字型収容フレーム2内に摺動可能にか
つ取外し可能に挿入されるよう適合される。収容フレーム2は典型的に前述のパ
ーソナルコンピュータ、ワークステーションなどの既存のドライブ収容ベイに装
着される。キャリア1がその収容フレーム2内に位置付けられる際には、キャリ
ア1の後部から外側に突出する少なくとも1つの雄電気コネクタ(図3から図7
において4で示される)が、収容フレーム2から内側に突出する対応の雌電気コ
ネクタ(図3から図7において6で示される)と咬合され、これにより、キャリ
ア1は収容フレーム2に電気的かつ機械的に結合される。収容フレーム2はコン
ピュータ(図示せず)に電気的に接続され、ここで収容フレーム2はフレーム2
の後部から外側に突出する外部コネクタ7によって配置される。
以下にさらに詳しく説明するように、キャリア1は取出しハンドル8を有し、
取出しハンドル8は1対の留め具によってキャリア1の前部に旋回可能に結合さ
れており、ハンドル8は静止位置と活性位置との間で90度の弧にわたって回転
されるよう適合される。取出しハンドル8は通常の1対の並行整列アーム9を有
し、通常の態様でキャリア1をその収容フレーム2の中へおよび収容フレーム2
から外へ強いるの用いられ、また、そのコンピュータ記憶ユニットを別のコンピ
ュータに移動するかまたは安全な場所に置いて守るようにする際にキャリア1を
運搬するのに用いられる。しかしながら、重要なさらなる利点として、取出しハ
ンドル8はキャリア1をその収容フレーム2から脱離および分離する際に自動的
に補助する。
前述のキャリア1の脱離を容易にするため、図2から図7に示されるように、
キャリアにはキャリア1の各々の側部に成形され長さ方向に走る細長いガイドチ
ャネル10が設けられる。図面の図8に最もよく示されるように、各ガイドチャ
ネル10の前方端(すなわちキャリア1の前部において取出しハンドル8のすぐ
後ろにある端部)は一連のほぼ矩形のガイドタブ12、14および16のところ
で終わり、ガイドタブ12、14および16はに間隔のおかれた並行整列におい
て重なり合うように配置される。最も下のガイドタブ12はそこから外側に突出
するフィンガまたはストップ18を有する。短いばね保持ピン20は最も下のガ
イドタブ12と中央ガイドタブ14との間でガイドチャネル10から前方向に延
びる。長さ方向に延在するスロット22は、最も上のガイドタブ16の位置より
上方でかつわずかに外側においてキャリア1の頂部を通って形成される。
この発明の改善によれば、ハンドルカム25はキャリア1のそれぞれの側にお
いてガイドタブ12、14および16と接続され、取出しハンドル8の回転運動
を収容フレーム2に対するキャリア1の軸方向の(すなわち縦の)運動に変換す
る。図8および図9に最もよく示されるように、ハンドルカム25の各々は、ほ
ぼG字型の本体と、一体接合部30によって本体26の上方かつわずかに前方に
保持される力受けアーム28とを含む。ハンドルカム25は好ましくは硬質だが
柔軟性のあるプラスチック材料で製造される。このため、一体接合部30は、取
出しハンドル8によってアーム28に加えられる上方向の押付け力に対して力受
けアーム28が上方向にかつ本体26から離れるように旋回できるようにする(
図7に最もよく示される)。
各ハンドルカム25の後部に位置付けられそのG字型本体26の後端縁に沿っ
て外側に突出しているのはストップバー32である。タブ収容チャネル34はハ
ンドルカム28の全長にわたって延在し、本体26の前部から始まってその頂部
にわたって走る。ハンドルカム25のG字型本体26の前部は短い接続片36に
よって閉鎖される。接続片36から後方向に突出しているのは第2のばね保持ピ
ン38である。ばね保持ピン38は、ばね収容通路40の前方に間隔をあけてお
かれ、ばね収容通路40に軸方向に整列されている。ばね収容通路40はハンド
ルカム25の本体26の背面を完全に貫通して延在する。
キャリア1がその収容フレーム2の内側に挿入されこれに取付けられている、
図3の組立てられた静止状態において、図8および図9の各ハンドルカム25は
以下に説明する態様でキャリア1に結合される。キャリア1のそれぞれの側にお
いてガイドチャネル10から前方向に突出する中央ガイドタブ14は、ハンドル
カム25の全体を通って延在するタブ収容チャネル34内に収容され、カム25
は中央ガイドタブ14に沿って双方向に滑るよう適合される。一体接合部30に
よってハンドル25の本体26の上方に保持される力受けアーム28は、面と面
が向かい合って整列するように最も上のガイドタブ16に対して同じ高さに配置
され、最も上のガイドタブ16の上に双方向に滑るよう適合される。この静止状
態において力受けアーム28は最も上のガイドタブ16より十分前方に延在して
おり、次に説明する取出しハンドル8のカムを設けた力伝達面44と接触するこ
とに注目することが重要である。このため、ハンドル8が図3のその静止状態か
ら回転される際に力受けアーム28に加えられる押付け力は、一体接合部30を
介してハンドルカム25の本体26に伝達され、力受けアーム28が最も上のガ
イドタブ16および本体26に沿って後方向に滑らされ、中央ガイドタブ14の
上に乗る。
同様に、ハンドルカム25のG字型本体26の底部はガイドチャネル10の短
いレッジ11上に置かれ、最も下のガイドタブ12に対して、面と面が向かい合
って整列するように同じ高さに配置され、それに沿って双方向に移動する態様で
乗るようにする。ハンドルカム25の静止位置において、ハンドルカム25の接
続片36は最も下のガイドタブ12から突出するストップ18に接して置かれ、
ガイドタブ12、14および16に沿ったハンドルカム25の逆方向の運動の間
ハンドルカム25の前方向移動を制限するようにする。
ハンドルカム25が上述の態様でガイドタブ12、14および16に沿って乗
るよう結合され適合された状態では、従来の設計の金属コイルばね42が、(最
も下のガイドタブ12と中央ガイドタブ14との間の)キャリア1から突出する
ばね保持ピン20と、ハンドルカム25の接続片36から突出するばね保持ピン
38との間でハンドルカム25のばね収容通路40を介して延在する。ばね保持
ピン20および38は間隔がおかれ対向する態様で整列して配置され、コイルば
ね42の前方および後方端部を収容し支持する。
取出しハンドル8の静止状態において、キャリア1がその収容フレーム2内に
正しく設置され接続される状態では、コイルばね42は伸張し緩和した状態にあ
る。しかしながら、次に説明するように、取出しハンドル8を回転してキャリア
1を収容フレーム2から脱離し取外す際には、ハンドルカム25がガイドタブ1
2、14および16に沿って後方向に滑り、ばね42が応力を受けエネルギを蓄
えるよう圧縮されるようにする。一旦取出しハンドル8が完全に回転されると、
ばねは伸張しその蓄えられたエネルギを解放して、自動的にハンドルカム25を
ガイドタブ12、14および16に沿って前方向に滑らせ、最も下のガイドタブ
12から突出するストップ18に向かってこれに接触するようにさせる。
この目的のため、またこの発明のさらなる重要な詳細点として、取出しハンド
ル8にはカムを設けた1対の力伝達面44(図3から図7に最もよく示される)
が設けられる。より特定的には、カムを設けた力伝達面44はハンドル8のアー
ム9の各々の下に形成され、初めはキャリア1の対向する側部においてガイドタ
ブ12、14および16に担持されかつこれらに沿って摺動可能であるハンドル
カム25の力受けアーム28に接触した状態で置かれるようにする。取出しハン
ドル8がその静止位置(図1および図3に示される)からその活性状態位置(図
5および図6に示される)まで回転されると、カムを設けた力伝達面44はこれ
に対応してそれぞれ対応の力伝達アーム28のまわりに回転し、取出しハンドル
8によって生じる回転力が各ハンドルカム25に伝達され、ハンドルカム25を
ガイドタブ12、14および16に沿ってリニアにかつ後方向に滑らせる。
U字型収容フレーム2によってキャリア1を取外し可能に収容することを容易
にするため、1組の内側に突出するリブ50が収容フレーム2の側部に成形され
る(図2に最もよく示される)。リブ50(図3から図5に破線で示される)は
互いに対向して整列する態様で配置され、キャリア1の対向する側部に形成され
るそれぞれ対応のガイドチャネル10内に収容されかつその中を乗って通って移
動するような大きさにされる。このため、キャリア1がその収容フレーム2に対
して移動するにつれ、キャリア1のガイドチャネル10は収容フレーム2のリブ
50に沿って滑り、フレーム2の中への、またフレーム2から外へのキャリア1
の移動が滑らかでかつ連続的に行なわれることを確実にする。
次に、キャリア1をそのU字型収容フレーム2から簡単にかつ確実に脱離し取
出す、1対のハンドルカム25と組合された取出しハンドル8の動作を開示する
。図3に最もよく示されるように、取出しハンドル8および各ハンドルカム25
は初めは静止状態であり、キャリア1は収容フレーム2内に収容され収容フレー
ム2に咬合されており、キャリア1の後部にある雄コネクタ4がフレーム2の雌
コネクタ6と電気的に接続されている。この静止状態の位置において、取出しハ
ンドル8はキャリア1の前部に対して縦にかつ下方向に延在する。さらに、各ハ
ンドルカム25はガイドタブ12、14および16に沿って前方向に配置され、
ストップ18に接して置かれるようにする。キャリア1とハンドルカム25の各
々との間に(それぞれ対応のばね保持ピン20および38において)延在するコ
イルばね42は伸張し緩和している。
キャリア1をその収容フレーム2から脱離させ分離させるため、取出しハンド
ル8を図3に示される下方向の垂直位置から図5に示される外側の水平位置まで
90度の弧にわたって回転させる。取出しハンドル8が垂直位置から水平位置に
回転するにつれ、その回転力はハンドル8の対向するアーム9におけるカムを設
けた力伝達面44からリニアの押付け力として(図4に最もよく示される)キャ
リア1の側部におけるハンドルカム25の力受けアーム28に対して伝達され、
各ハンドルカム25をキャリア1に対して後方向に滑らせるようにする。すなわ
ち、各ハンドルカム25の力受けアーム28は最も上のガイドタブ16に対して
滑り、各ハンドルカム25の本体26は最も下のガイドタブ12に沿ってストッ
プ18から離れるように移動し、中央ガイドタブ14はタブ収容チャネル34を
通って摺動可能に収容される。
ハンドルカム25がキャリア1に対して後方向に移動するにつれ、それぞれ対
応のばね42(その前端部はカム25に結合される)が圧縮されエネルギを蓄え
る。ハンドルカム25のストップバー32は、ついには収容フレーム2の対向す
る側部から内側に突出するリブ50と係合するよう押付けられる。ストップバー
32はそれらのハンドルカム25とともに後方向に移動し収容フレーム2のリブ
50に押付けられ続け、キャリア1の雄コネクタ4がフレーム2の雌コネクタ6
から引き出される際にキャリア1がその収容フレーム2から脱離するまで押付ら
れる。換言すると、ストップバー32がリブ50に対して加える後方向の押付け
力により、反対の前方向の運動が生じ、またはキャリア1が収容フレーム2に対
してわずかに取出される。
上述のことから、キャリア1はそこで収容フレーム2から外側に短い距離だけ
前進させられ、取出しハンドル8が水平位置(図5に示される)まで完全に回転
した後にキャリア1を収容フレーム2から簡単に分離できるようになり、この水
平位置においてハンドル8を掴み(図6の参照の矢印52の方向に)引張ってキ
ャリア1を取外すことができる。図6に最もよく示されるように、キャリア1が
そのU字型収容フレーム2がら取外される際に、キャリア1の側部におけるガイ
ドチャネル10は収容フレーム2のそれぞれの内側に突出するリブ50にわたっ
てこれらを過ぎて滑る。
この点で、取出しハンドル8が図3の静止状態の垂直位置から図5および図6
の活性状態の水平位置までの完全な90度の回転を終えると、取出しハンドル8
のアーム9における力伝達面44はこれに対応してハンドルカム25の力受けア
ーム28を過ぎて力受けアーム28との係合が外れるまで回転される。このよう
に、力伝達面44によって力受けアーム28にそれまで加えられていた抑付け力
が止み、このことで取出しハンドル8の回転の前にばね42がその蓄えられたエ
ネルギを解放しその静止状態に向かって伸張することができる。これに従い、伸
張するばね42(その後方端部はキャリア1に結合される)はハンドルカム25
を強いて自動的にキャリア1に対して前方向に移動させ、ガイドタブ12、14
および16に沿ってその元の静止状態に向かって滑らせ、ハンドルカム25の本
体26は再び、最も下のガイドタブ12から突出するストップ18に接して置か
れる。
図面の図7では、同じまたは別のU字型収容フレーム2に戻された後のキャリ
ア1が示される。キャリア1がその収容フレーム2に設置され、電気コネクタ4
および6が互いに押付けられてキャリア1が再びフレーム2に電気的かつ機械的
に結合された後、ハンドル8を掴んでキャリア1を収容フレーム2の内側に押付
けることができる活性状態の水平位置から(図7の破線により示される)静止状
態の垂直位置まで、取出しハンドル8をさらに90度の弧にわたって回転させる
。
水平位置から垂直位置へ取出しハンドルが回転する間、取出しハンドル8のア
ーム9の頂部(カムを設けた力伝達面44の位置の反対側)はハンドルカム25
の力受けアーム28に係合しこれを押し上げる。このため、力受けアーム28は
上方向に回転し、キャリア1の頂部を通って延在する(図8において最もよく示
され、22で示される)スロットの中まで回転する。この場合、各ハンドルカム
25の力受けアーム28が上方向にスロット22の中へ回転する際、取出しハン
ドル8により生じる回転力はハンドルカム25に伝達されず、実質的に散逸する
ことを理解されたい。このように、取出しハンドル8を静止状態の垂直位置から
活性状態の水平位置へ回転させてキャリア1を収容フレーム2から脱離させる場
合とは異なり、ハンドル8によって生じる回転力は実質的に全くハンドルカム2
5に伝達されず、このためハンドルカム25はキャリア1に対して外れることが
ない。取出しハンドル8からハンドルカム25に軸方向の押付け力が全く加えら
れないため、キャリア1はその収容フレームに固定されて取付けられたままであ
り、パーソナルコンピュータ、ワークステーションなどと通常の態様で用いられ
る。さらに、取出しハンドルがその静止した垂直位置に戻されると、ハンドルカ
ム25の力受けアーム28は再び取出しハンドル8のそれぞれのカムを設けた力
伝達面44に接して位置付けられ、ハンドル8をキャリア1に対して垂直位置に
おいて保持ししっかり留めるようにしてハンドルの次の回転を待つ。
この発明の好ましい実施例を示し説明したが、その真の精神および範囲から逸
脱することなくさまざまな変更を行なうことができるのが理解されるであろう。
以上、好ましい実施例を提示した。