JP2002502011A - タンク輸送圧力逃し弁組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確な予め設定された圧力より上で高い排出率で流体を放出する圧力逃し弁組立体を提供すること。 【解決手段】 鉄道タンク車、タンクトラック、及び類似の容器の弁（Ｖ）を介して流体を放出するための圧力逃し弁組立体（１０）である。弁座（１４）の周囲に対称に配置された直立アングルブラケット（３６）に支持されるドラム（３２）上の積層状鋼テープ（３０ａ）の複数の定力ばね（３０）弁ディスク（１６）は通常閉位置に付勢されている。弁が開く圧力は、所与のばね（３０）の数、ばね（３０）ごとの積層テープ、各テープ（３０ａ）の回復力により決定される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は、概ね圧力逃がし弁に、そして、特に鉄道タンク車、タンク・トラッ
クおよび類似したコンテナに収容される広がる（膨張する）流体を排出するため
の圧力逃し弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】

鉄道タンク車またはタンク・トラックにおいて輸送される特定の流体およびガ
スは、特に危険で、高い温度でタンク内で広がって、内圧を危険なレベルに増加
させる。したがって、政府系規制機関は、これらの車両のオペレータに、特定の
圧力レベルより上で自動的に開き、特定の割合（レート）で排出するようにセッ
トされている安全圧力逃がし弁を設置すること要求している。

【０００３】 現在使用されている圧力逃し弁は、概ね、コイルばねまたは定力ばね等により
閉位置に付勢される。通常、コイルばね弁は最大排出容量に達するために、タン
ク内の圧力が初期開口圧力（opening pressure）を越えて増加し続けることを必
要とする。他方、定力ばね弁は、圧力のいかなる更なる増加なしに、初期開口圧
力で直ちに最大排出容量に開くという長所がある。この長所にもかかわらず、サ
イズ、複雑さおよび定力ばね弁のコストにより、それらを産業界が広く受けいれ
るまでには至っていない。また、スペース制限および設計制約から、ばねの数を
ほんの２、３に制限され、弁を正確な初期開口圧力に「チューン」（調整）する
こと、もしくは、積極的に閉じるために弁要素を弁座に整合させて維持すること
、を困難にする。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】

したがって、正確に予め設定された圧力より上で高い排出率で流体を放出する
タンク車、タンク・トラック及び類似したコンテナに使用することに適した高い
容量の定力ばね圧力逃し弁を提供することが本発明の目的である。

【０００５】 他の目的は、信頼でき、コンパクトで、構造および作動が比較的単純である定
力ばね圧力逃し弁を提供することである。

【０００６】 さらに他の目的は、予め設定された圧力より低い場合には積極的な遮断を維持
するため、弁要素が弁座と常に整合が維持される定力ばね圧力逃し弁を提供する
ことである。

【０００７】 更なる本発明の目的は、予め定められた初期圧力より高い場合、内容物を排出
するように正確に設定することができる圧力逃し弁を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本発明のこれらの、そしてまた他の目的および利点は、流体貯蔵タンクの排出
開口に連通し装着されることに適している孔まわりの弁座を有する弁本体から成
っている圧力逃し弁組立体によって達成される。弁ディスク（弁体）は、弁座ま
わりに配置される直立したアングル・ブラケットの間で回転可能に支持され、ス
プール上に巻回される積層鋼帯（スティールテープ）の定力ばねにより弁座上の
閉位置に通常付勢される。タンクの流体が予め定められた圧力を越えると、弁体
は、スプリングの力に抗して完全に開いた位置に動く。ブラケットは、弁体が弁
座と同軸に整合して維持されるように、弁体へ非常に近接して弁本体に固定され
る。スプリングの数、スプリング毎の積層テープの数および各テープの回復力は
、必要な弁開放圧力を満たすように選ばれる。スプリングの下のブラケット間で
、弁本体に固定されるそらせ板（deflector ）は、弁組立体が排出される流体に
さらされることを遮断する。

【０００９】

【好ましい実施例の説明】

前述の、そして他の目的、新しい特徴および本発明の効果は、添付の図面を参
照しながら、以下の説明からより明らかになる。

【００１０】 図面を通して、同じ参照番号及び参照文字は、同じおよび関連する部分を指し
、流体貯蔵タンクＴへ据え付けることに適している通常閉位置にある圧力逃し弁
組立体10（図２ではアウトラインが想像線で示されている）が示される。

【００１１】 弁組立体10は、排出開口Ｖ（図２）介してタンクの内部と連通する円形孔12ａ
のまわりの弁座14を備える弁ボディ12と、孔１２ａに対して移動可能で同軸に整
合する円形ディスク16とを含む。弁座14はディスク16の平らな表面に接着される
ラバーもしくは類似した材料の弾力性パッド１８に密封して係合する孔12ａの上
縁まわりに環状リップを画成する。弁茎20は、ディスク16から同軸上方に延在し
、正方形プレート24の中央および隣接する補強部材26に固定されるナット22に螺
合する。プレート24は、茎20の長手方向に垂直な面に配置され、その4つの縁か らほぼ上方へ伸びているフランジ24ａを含む。

【００１２】 各フランジ24ａは、積層鋼帯（スティールテープ）30ａ（図２の拡大図を参照
）の一対の定力ばね30の遠位端で、締めつけ具28によって接続される。テープは
、共通スピンドル34上で独立して回転可能であるドラム32に巻回され、スピンド
ル34に対するプレート24の移動に関係なく定常の回復力を提供する。

【００１３】 隣接する対のスプリング30間の弁本体12におのおの固定される直立した直角の
アングル・ブラケット36は、スピンドル34の端が支持される、相互に対向する側
面を有する。図４によく示されるように、各ブラケット36は、弁ディスク16が弁
座１４に対して同軸に整合を維持するように弁ディスク１６の周囲１６ａに非常
に近接する内部のコーナー36ａを画成する。

【００１４】 スプリング30の各対の下には、ブラケット36の隣接し相互に対向する側面それ
ぞれに配置され、弁座部材１２に固定される平行な側面38ａを有する偏向シール
ド38がある。上方部材38bは、シールド38の側部部材38ａの頂部に架設され、弁 組立体10から外方に排出された流体を完全に偏向するために内方に伸びる。

【００１５】 保護ドーム40は、完全に弁組立体10のスプリング・メカニズムを覆う。締め付
けネジ42は、ドーム40の周縁部のまわりで内方に伸びて、各アングル・ブラケッ
ト36の対向する直角な側面に対して円筒部品（fitting ）44を半径方向に圧縮す
る。

【００１６】 弁組立体10の開く圧力は、組み合わされた4つのスプリング30の回復力により 決定される。そして、スプリングはテープ30ａの数およびそれらの各回復力によ
って、確定される。例えば、上記実施例に限定されるものではないが、以下のよ
うに仮定する：

【００１７】 要求される開放圧力Ｐは75 psi； 弁孔の直径dは３ 7/8（3.875）インチ；（面積＝11.80 in²） 総開放圧力Ｆ＝884 lbs. テープ毎の定常回復力ｆは28.5l lbs（ポンド）である。 テープの要求される数Nは、Ｆ/ｆ＝ 884/28.5 ＝ 31個のテープである。 ３１個テープが、７つのスプリングの各々に４つの積層テープを備え、残
りのスプリング30に３つの積層テープを備える、８つのスプリング30にほぼ均一
に配置できる。

【００１８】 よって、本発明の特徴の多くの効果および新規な特徴のいくつかは、容易に明
らかである。例えば、タンク車、タンク・トラックおよび類似するコンテナに使
用され、正確に予め設定される圧力で高い排出率において流体を放出することが
できる高容量の定力ばね圧力逃し弁が提供される。弁は、構造および作動におい
て比較的単純で、比較的ほとんどスペースを占めない。本発明において利用され
る弁ディスクは、予め設定された圧力より低い場合には、積極的なシャットオフ
を保証するように弁座に常に整合するよう維持される。

【００１９】 前述の実施例は4対の定力ばねの対称構成を採用し、各対は四角形の弁作動プ レートの4つの側面に平行に作用するものであるが、他の構成が開示された基本 的な発明の概念から逸脱することなく熟慮される。たとえば、弁ディスクに回復
力が均一に分配される限り、スプリングおよび積層の数は、その弁座に対する対
称性と同様に、変更することができる。過剰な液圧を避けなければならない多く
のタイプの容器に本弁を使用することができる。

【００２０】 もちろん、詳細、材料、ステップおよび部品構成は、本発明の性質を説明する
ために本願明細書において図と共に説明されたものであるが、それらの多様な他
の変更が、添付の請求の範囲において表現されるような本発明の原理と範囲内で
当業者によって行うことができることが理解される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 部分的に切断された弁の保護ドームを備える本発明による圧力逃し弁の平面図
である。

【図２】 弁に使用される定荷重スプリングを縁方向に拡大図を有し、図１の線２−２に
沿った垂直面における圧力逃し弁の横断面図である。

【図３】 図１の線３−３に沿った垂直面における圧力逃し弁の横断面図である。

【図４】 図２の線４−４に沿った水平面における圧力逃し弁の横断面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ， ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，Ｌ Ｔ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ， ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，Ｕ Ａ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ Ｆターム(参考） 3E072 AA03 GA30 3H058 AA03 BB02 BB03 BB22 BB32 CC11 CD03 DD06 EE05 EE12 EE18 3H059 AA05 BB02 BB04 BB05 BB06 BB35 CC11 CD03 EE01 FF05 FF16

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排出開口（Ｖ）を介して貯蔵タンク（Ｔ）内の流体を予め定
   められた圧力より上で放出するための弁組立体（10）であって、 該排出開口（Ｖ）に連通するための、タンク（Ｔ）に載置することができる弁
   座（14）と、 該排出開口（Ｖ）を開閉するための、前記弁座（14）に対して相互的な弁ディ
   スク（16）と、 前記弁ディスク（16）に非常に近接する前記弁座（14）に、対称かつ直立して
   固定される複数のアングル・ブラケット（36）と、隣接する前記ブラケット（36
   ）が平行に相互に対向する側面を有し、 前記ブラケット（36）の長手方向に沿った前記弁ディスク（16）と移動でき、
   前記弁ディスク（16）に接続しているプレート（24）と、 各前記対向する側面の間でその該側面に垂直な軸上に、回転可能に取り付けら
   れる近位端および前記弁ディスク（16）を閉位置に付勢するための前記プレート
   （24）に接続される遠位端を有する、少なくとも一つの定力ばね手段（30）と、
   の組合せからなる弁組立体。
2. 【請求項２】 前記ばね手段（30）は、スプール（32）に巻回されるスプリ
   ング・メタル・テープ（30ａ）の積層を含む請求項1に記載の弁組立体（10）。
3. 【請求項３】 前記ばね手段（30）は、隣接する前記アングル・ブラケット
   （36）の前記側面の間で支持される共通のスピンドル（34）に独立して回転可能
   な前記スプール（32）を少なくとも2つ含む請求項2に記載の弁組立体（10）。
4. 【請求項４】 前記テープ（30ａ）は、均一な回復力を有し、各前記ばね手
   段（30）にほぼ等しく配置される請求項3に記載の弁組立体（10）。
5. 【請求項５】 ばね手段（30）の数、ばね（30）毎のテープ（30ａ）の数、
   および各テープ（30ａ）の該回復力は、前記弁ディスク（16）が排出開口（Ｖ）
   を開く圧力を決定する請求項4に記載の弁組立体（10）。
6. 【請求項６】 前記プレート（24）が対称な多角形を形成する縁を有し、前
   記ばね手段（30）の前記遠位端が各前記縁にそって接続される請求項1に記載の 弁組立体（10）。
7. 【請求項７】 前記多角形が正方形である請求項4に記載の弁組立体（10） 。
8. 【請求項８】 外部に排出開口（Ｖ）からタンク（Ｔ）内の圧力を軽減する
   ための弁組立体（10）であって、 前記タンク（Ｔ）の外部に前記排出開口（Ｖ）を横断して装着でき、前記排出
   開口（Ｖ）に流体連通するポート（12ａ）を囲んでいる弁座（14）を有する、弁
   座プレート（24）と、 前記排出開口（Ｖ）を介する流れを遮断する閉弁位置に前記弁座（14）を横断
   し配置される表面を有する弁ディスク（16）と、 前記弁座（14）に向かい、そして離れるように案内される直線状運動のための
   前記弁ディスク（16）を取り付ける前記弁座プレート（24）の外部で上方に突出
   しているフレームと、 前記弁座（14）に対して通常の閉位置に前記ディスク（16）を付勢するため、
   前記フレームおよび前記弁ディスク（16）の間で動作的に接続される複数の定力
   ばね（30）と、を有し、 該弁およびその弁作動機構は、該タンク（Ｔ）の外部に配置され、該弁が開く
   まで、タンク（Ｔ）の中身との接触から保護されている弁組立体。