JP2002501743A - チオレドキシン遺伝子またはチオレドキシンレダクターゼ遺伝子に相補的なオリゴヌクレオチド配列ならびに細胞増殖を調節するためのその使用方法 - Google Patents

チオレドキシン遺伝子またはチオレドキシンレダクターゼ遺伝子に相補的なオリゴヌクレオチド配列ならびに細胞増殖を調節するためのその使用方法

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JP2002501743A JP2000529423A JP2000529423A JP2002501743A JP 2002501743 A JP2002501743 A JP 2002501743A JP 2000529423 A JP2000529423 A JP 2000529423A JP 2000529423 A JP2000529423 A JP 2000529423A JP 2002501743 A JP2002501743 A JP 2002501743A
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    • C12N2310/30Chemical structure
    • C12N2310/31Chemical structure of the backbone
    • C12N2310/315Phosphorothioates

Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を調節するチオレドキシン遺伝子およびチオレドキシンレダクターゼ遺伝子に相補的なオリゴヌクレオチドに関する。本発明はまた、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を阻害する際にこのような化合物を使用する方法に関する。本発明はまた、薬学的に受容可能な賦形剤および有効量の本発明の化合物を含む薬学的組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の参照) 本出願は、1998年1月30日に出願された米国特許仮出願シリアル番号6
0/073,196に対して優先権を主張し、この出願は、その全体において本
明細書中で参考として援用される。
【0002】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、哺乳動物における腫瘍細胞の増殖を調節するチオレドキシンおよび
チオレドキシンレダクターゼ遺伝子に相補的なオリゴヌクレオチドに関する。本
発明はまた、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を阻害する際にこのような化合物 を使用する方法に関する。本発明はまた、薬学的に受容可能な賦形剤および有効
量の本発明の化合物を含む、薬学的組成物に関する。
【0003】 (参考文献) 以下の全ての刊行物、特許出願および特許は、上付き番号として本出願中で引
用される:
【0004】
【数1】 全ての上記の刊行物、特許出願および特許は、各々の個々の刊行物、特許出願
または特許がその全体において参考として援用されることを具体的かつ個別に示
されるのと同じ程度にその全体において本明細書中で参考として援用される。
【0005】 (技術水準) チオレドキシンは、DNA合成に不可欠であるリボヌクレオチドレダクターゼ
に対する還元補因子としてもともとは同定された広範に存在する小さいレドック
スタンパク質である1。チオレドキシンおよびチオレドキシンレダクターゼは、 このチオレドキシン系を含む。チオレドキシンレダクターゼは、セレノシステイ
ン含有フラボ酵素であり、このフラボ酵素は、プロトンドナーとしてNADPH
を使用してチオレドキシンを還元し、次いでこのチオレドキシンは、他のタンパ
ク質を還元し、それによってそれらの機能に影響する。
【0006】 近年、哺乳動物チオレドキシンが、種々の他の生化学経路に関与しているとみ
なされている。例えば、それは、ジチオールジスルフィド交換により転写因子の
レドックス特性を調節し、それらのDNA結合特徴を変更する。転写因子(例え
ば、NF−κB3、BZLFI4およびTFIIIC5)は、直接的に調節される が、AP−1活性化は、チオレドキシンによりさらに還元される核レドックス因
子Ref−1を通じて間接的に媒介される6。さらに、チオレドキシンは、ジス ルフィド含有タンパク質の再折り畳み(refolding)を容易にし、グル
ココルチコイドレセプターまたはインターロイキン−2レセプターを活性化し、
マクロファージ中でのヒト免疫不全ウイルス発現を阻害し、H22スカベンジ遊
離ラジカルを還元し、酸化ストレスに対して細胞を保護し、そして初期妊娠因子
であることが示されている。
【0007】 クローン化ヒトチオレドキシンは、HTLV−1形質転換T細胞により放出さ
れる、成人T細胞白血病由来因子と呼ばれる増殖因子に類似することが示されて
いる7。それは、分泌の経路を利用する。細胞外に発現したチオレドキシンは、 正常な線維芽細胞、リンパ球系細胞および多数のヒト固形腫瘍細胞株の増殖を刺
激する8オヨヒ゛9。レドックス不活性型は、この増殖刺激がチオレドキシンのレドッ クス活性を必要とすることを示すために使用されている9。チオレドキシンによ る増殖刺激は、他の増殖因子に対して感受性の細胞を通じて間接的に誘導される
ようである10。続いて、チオレドキシンは、いくつかの原発性腫瘍(例えば、肺
、結腸、頸部および肝細胞癌において過剰に発現されることが報告されている1114。さらに、野生型チオレドキシンcDNAを用いてトランスフェクトされた
ヒト乳癌細胞は、腫瘍増殖を増加すること15、インビボでの自発的なアポトーシ
スを減少すること16および種々の抗癌治療化合物により誘導されるアポトーシス
に対する感受性を減少すること16を示した。一方、ドミナント−ネガティブなレ
ドックス不活性化変異チオレドキシンを用いてトランスフェクトされた細胞は、
インビトロでの固定化独立(anchorage−independent)増
殖およびインビボでの腫瘍増殖の阻害の減少を示した15
【0008】 チオレドキシンレダクターゼは、多数のヒト腫瘍により過剰発現されることが
示されている12。抗腫瘍のキノン17オヨヒ゛18ニトロソウレア19および13−シス− レチノイン酸20による細胞チオレドキシンレダクターゼの阻害は、チオレドキシ
ン系の活性の減少および結果として増殖阻害活性の寄与を導く。
【0009】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的mRNAに対して配列特異的なハイ
ブリダイゼーションにより標的特異的な様式で、遺伝子発現を阻害するために利
用されている2。癌遺伝子のアンチセンスオリゴヌクレオチド媒介性抑制は、こ れらの化合物が癌遺伝子を支配する機構の同定のために有用であり得21、そして
また、癌の処置のための新規な治療化合物として見込まれ得る22ことを明らかに
した。従って、チオレドキシンおよびチオレドキシンレダクターゼに対して指向
されるアンチセンスオリゴヌクレオチドを同定することが望ましく、これらは、
より高い特異性を有しそしてより低い毒性を有するチオレドキシンまたはチオレ
ドキシンレダクターゼの発現を阻害するように作用する。
【0010】 (発明の要旨) 本発明は、哺乳動物における腫瘍細胞中のチオレドキシンおよびチオレドキシ
ンレダクターゼの発現を調節するアンチセンスオリゴヌクレオチド、ならびにこ
のようなアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む薬学的組成物に関する。本発明
はまた、哺乳動物における腫瘍細胞の増殖および転移を阻害するためのこのよう
なアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用する方法に関する。
【0011】 従って、その組成物の1つの局面において、本発明は、アンチセンスオリゴヌ
クレオチドに関し、このオリゴヌクレオチドは、約3〜約50のヌクレオチドを
含み、このヌクレオチドは、哺乳動物のチオレドキシンmRNAまたはチオレド
キシンレダクターゼmRNAに相補的である。このアンチセンスオリゴヌクレオ
チドは、ヌクレアーゼ抵抗性であり得、そして1つ以上のホスホロチオエートヌ
クレオチド間結合を有し得る。このアンチセンスオリゴヌクレオチドはさらに、
チオレドキシンmRNAまたはチオレドキシンレダクターゼmRNAに相補的で
ない、さらなるヌクレオチドを含み得る。
【0012】 その組成物の別の局面において、本発明は、約17〜約50のヌクレオチドを
含むアンチセンスオリゴヌクレオチドに関し、ここでこのオリゴヌクレオチドは
、表1に示される配列2601〜2626(配列番号1〜26)からなる群から
選択される配列を含む。
【0013】 その組成物の別の局面において、本発明は、約20〜約50のヌクレオチドを
含むアンチセンスオリゴヌクレオチドに関し、ここでこのオリゴヌクレオチドは
、表1に示される配列3001〜3040(配列番号27〜66)からなる群か
ら選択される配列を含む。
【0014】 その組成物のなお別の局面において、本発明は、薬学的に受容可能な賦形剤お
よび有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む薬学的組成物に関し、この
オリゴヌクレオチドは、約3〜約50のヌクレオチドを含み、このヌクレオチド
は、哺乳動物のチオレドキシン遺伝子またはチオレドキシンレダクターゼ遺伝子
に相補的である。
【0015】 その組成物のなお別の局面において、本発明は、薬学的に受容可能な賦形剤お
よび約17〜約50のヌクレオチドを含む有効量のアンチセンスオリゴヌクレオ
チドを含む薬学的組成物に関し、このオリゴヌクレオチドは、表1に示される配
列2601〜2626(配列番号1〜26)からなる群から選択される配列を含
む。
【0016】 その組成物のなお別の局面において、本発明は、薬学的に受容可能な賦形剤お
よび約20〜約50のヌクレオチドを含む有効量のアンチセンスオリゴヌクレオ
チドを含む薬学的組成物に関し、このオリゴヌクレオチドは、表2に示される配
列3001〜3040(配列番号27〜66)からなる群から選択される配列を
含む。
【0017】 その方法の1つの局面において、本発明は、腫瘍を有する疑いのある哺乳動物
に、哺乳動物のチオレドキシン遺伝子に相補的である約3ヌクレオチド〜約50
のヌクレオチドを含む有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、この腫瘍の
増殖が阻害されるような条件下で投与する工程を包含する、哺乳動物の腫瘍の増
殖を阻害するための方法に関する。このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、化
学療法剤とともに投与され得る。
【0018】 その方法の別の局面において、本発明は、腫瘍を有する疑いのある哺乳動物に
、哺乳動物のチオレドキシンレダクターゼ遺伝子に相補的である約3ヌクレオチ
ド〜約50のヌクレオチドを含む有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、
この腫瘍の増殖が阻害されるような条件下で投与する工程を包含する、哺乳動物
の腫瘍の増殖を阻害するための方法に関する。このアンチセンスオリゴヌクレオ
チドは、化学療法剤とともに投与され得る。
【0019】 その方法の別の局面において、本発明は、転移性腫瘍を有する疑いのある哺乳
動物に、哺乳動物のチオレドキシン遺伝子に相補的な約3ヌクレオチドから約5
0ヌクレオチドを含む有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、この腫瘍の
転移が阻害されるような条件下で投与する工程を包含する、哺乳動物の腫瘍の転
移を阻害するための方法に関する。このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、化
学療法剤とともに投与され得る。
【0020】 その方法の別の局面において、本発明は、腫瘍を有する疑いのある哺乳動物に
、哺乳動物のチオレドキシンレダクターゼ遺伝子に相補的な約3ヌクレオチドか
ら約50ヌクレオチドを含む有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、この
腫瘍の転移が阻害されるような条件下で投与する工程を包含する、哺乳動物の腫
瘍の転移を阻害するための方法に関する。このアンチセンスオリゴヌクレオチド
は、化学療法剤とともに投与され得る。
【0021】 (発明の詳細な説明) (定義) 本明細書中で使用される場合、以下の用語は、以下の意味を有する: 用語「アンチセンスオリゴヌクレオチド」とは、本明細書中で使用される場合
、所望のmRNAに相補的であるヌクレオチド配列を意味する。好ましくは、こ
のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、チオレドキシンmRNAか、またはチオ
レドキシンレダクターゼmRNAに相補的である。このアンチセンスオリゴヌク
レオチドは、mRNAの5’非翻訳領域、コード領域、またはmRNAの3’非
翻訳領域のいずれにも相補的であり得ることが意図される。
【0022】 用語「オリゴヌクレオチド」とは、天然に存在する塩基、糖、および糖間(バ
ックボーン)結合からなる、ヌクレオチドのオリゴマー、またはヌクレオチドの
ポリマー、あるいはヌクレオシドモノマーをいう。この用語はまた、同様に機能
する、天然に存在しないモノマーまたはその部分を含む、改変型あるいは置換型
オリゴマーを含む。このような改変型または置換型オリゴマーは、その特性(例
えば、細胞の取り込みの増加、またはヌクレアーゼの存在下における安定性の増
加)ゆえに、天然に存在する形態よりも好まれ得る。この用語はまた、2つ以上
のキメラ的に別個の領域を含むキメラオリゴヌクレオチドを含む。例えば、キメ
ラオリゴヌクレオチドは、有益な特性(例えば、ヌクレアーゼ抵抗性の増加、細
胞への取り込みの増加)を付与する改変型ヌクレオチドの少なくとも1つの領域
を含み得るか、または本発明の2つ以上のオリゴヌクレオチドが組み合わされて
、キメラオリゴヌクレオチドを形成し得る。
【0023】 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、リボ核酸かデオキシリボ核酸で
あり得、そして天然に存在するモノマー塩基かまたは合成モノマー塩基(アデニ
ン、グアニン、シトシン、チミン、およびウラシルを含む)を含み得る。このオ
リゴヌクレオチドはまた、改変型塩基(例えば、キサンチン、ヒポキサンチン、
2−アミノアデニン、6−メチルアデニン、2−プロピルアデニン、および他の
アルキルアデニン、5−ハロウラシル、5−ハロシトシン、6−アザウラシル、
6−アザシトシン、および6−アザチミン、シュードウラシル、4−チオウラシ
ル、8−ハロアデニン、8−アミノアデニン、8−チオールアデニン、8−チオ
ールアルキルアデニン、8−ヒドロキシルアデニン、および他の8−置換型アデ
ニン、8−ハログアニン、8−アミノグアニン、8−チオールグアニン、8−チ
オアルキルグアニン、8−ヒドロキシルグアニン、および他の8−置換型グアニ
ン、他のアザウラシル、他のアザチミジン、他のアザシトシンまたは他のアザグ
アニン、および他のデアザウラシル、他のデアザチミジン、他のデアザシトシン
または他のデアザグアニン、5−トリフルオロメチルウラシル、および5−トリ
フルオロシトシン)を含み得る。この改変はまた、このオリゴヌクレオチドの種
々の部分(例えば、糖、塩基、またはバックボーン構成成分を含む)に対する他
の化学基(例えば、メチル、エチル、プロピル基)の付加を含み得る。
【0024】 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、ホスフェートバックボーン
、短鎖アルキル糖間結合または短鎖シクロアルキル糖間結合、あるいは短鎖ヘテ
ロ原子糖間結合またはヘテロサイクリック糖間結合において、改変型リン酸素へ
テロ原子を含み得る。例えば、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、メチル
ホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステ
ル、およびモルホリノオリゴマーを含み得る。本発明の1つの実施態様において
、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、4〜6個の3’末端ヌクレオチド間
を結ぶ、ホスホロチオエート結合を含む。別の実施態様において、このホスホロ
チオエート結合は、全てのヌクレオチドを結合する。このアンチセンスオリゴヌ
クレオチドはまた、糖模倣物を有し得る。
【0025】 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、ヌクレオチドの構造が基本
的に変えられる場合、ヌクレオチドアナログを含み得る。このようなオリゴヌク
レオチドアナログの例は、ペプチド核酸(PNA)であり、ここで、DNA(ま
たはRNA)中のデオキシリボース(またはリボース)ホスフェートバックボー
ンは、ペプチド中に見出されるものと類似のポリアミドバックボーンと置換され
る(Nielsenら29;GoodおよびNielsen30;Buchardt
(故人)ら31、米国特許第5,766,855号;Buchardt(故人)ら 32 、米国特許第5,719,262号)。PNAアナログは、酵素による分解に
抵抗性があり、そしてインビボおよびインビトロで伸長した寿命を有することが
示された。PNAはまた、PNA鎖とDNA鎖との間の電荷による反発がないこ
とに起因して、天然に存在する核酸分子によりも、相補的DNA配列により強く
結合する。
【0026】 本発明のオリゴヌクレオチドはまた、ポリマーバックボーン、環状バックボー
ン、または非環状バックボーンを含む他のヌクレオチドを含み得る。例えば、こ
のヌクレオチドは、モルホリノバックボーン構造を含み得る(米国特許第5,0
34,506号33)。
【0027】 本発明のオリゴヌクレオチドは、DNAヌクレアーゼおよびRNAヌクレアー
ゼによる分解に感受性でないようにか、あるいはそれ自体が、DNAヌクレアー
ゼまたはRNAヌクレアーゼからオリゴヌクレオチドを保護する送達ビヒクル中
に配置されるようにかのいずれかに改変される場合に、「ヌクレアーゼ抵抗性」
である。ヌクレアーゼ抵抗性オリゴヌクレオチドは、例えば、メチルホスホネー
ト、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロトリエステル、およ
びモルホリノオリゴマーを含む。ヌクレアーゼ抵抗性を付与するための適切な送
達ビヒクルは、例えば、リポソームを含む。
【0028】 本発明のオリゴヌクレオチドはまた、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性
を改良するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改良するため
の基のような基を含み得る。好ましくは、このオリゴヌクレオチドは、レポータ
ー基、または標識(例えば、蛍光色素または放射性標識)を含まない。
【0029】 このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、好ましくは、その配列が二重鎖形成
、ヘアピン形成およびホモオリゴマー/配列反復を示す見込みが最も少ないが、
チオレドキシン遺伝子配列またはチオレドキシンレダクターゼ遺伝子配列に結合
する高〜中程度の可能性を有するように、チオレドキシン遺伝子またはチオレド
キシンレダクターゼ遺伝子に相補的な配列から選択される。これらの特性は、コ
ンピューターモデル化プログラムであるOLIGO Primer Analy
sis Software、Version 5.0(National Bi
osciences、Inc.、Plymouth、MNにより配布される)を
使用して決定され得る。このコンピュータープログラムは、これらの5つのパラ
メーターの定性的評価の決定を可能にする。
【0030】 あるいは、このアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、この配列が、2つ以
上の哺乳動物種間で、チオレドキシン遺伝子かまたはチオレドキシンレダクター
ゼ遺伝子のいずれかについて高度に保存されることに基づいて、選択され得る。
これらの特性は、University of Wisconsin Comp
uterグループ(GCG)ソフトウェアのBLASTNプログラム(Alts
chulら34)とNational Center for Biotechn
ology Information(NCBI)データベースを使用して、決
定され得る(Devereux J.ら35)。
【0031】 このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、置換、挿入、および欠失のような変
異を含み得る。好ましくは、変異を有する配列の10%よりも少ない。
【0032】 このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、一般に、少なくとも約3ヌクレオチ
ドまたは約3ヌクレオチドアナログを含み、好ましくは約3〜約100ヌクレオ
チドまたは約3〜約100ヌクレオチドアナログ、より好ましくは、約3〜約5
0ヌクレオチドまたは約3〜約50ヌクレオチドアナログ、最も好ましくは、約
17〜約35ヌクレオチドまたは約17〜約35ヌクレオチドアナログを含む。
【0033】 好ましくは、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、表1および表2(以下
)に示される配列を含む。 表1 ヒトチオレドキシンmRNAに相補的な配列を有するアンチセンスオリゴヌクレ
オチド
【0034】
【表1】 表2 ヒトチオレドキシンレダクターゼmRNAの配列に相補的な配列を有するアンチ
センスオリゴヌクレオチド
【0035】
【表2】 表1および表2において、「Tm」とは、最近接(nearest neib
our)の熱力学的値に従って計算されるオリゴヌクレオチド二重鎖の融解温度
である。この温度では、核酸分子の50%が二重鎖であり、そして50%が変性
されている。「ΔG」とは、そのオリゴヌクレオチドの自由エネルギーであり、
これはオリゴヌクレオチド二重鎖の安定性の大きさである。
【0036】 用語「アルキル」とは、好ましくは1〜20の炭素原子を有し、そしてより好
ましくは1〜6の炭素原子を有する、1価アルキル基をいう。この用語は、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキ
シルなどのような基により例示される。
【0037】 用語「アリール」とは、単環(例えば、フェニル)かまたは多縮合(融合)環
(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する6〜14の炭素原子の不飽和芳
香族炭素環基をいう。好ましいアリールは、フェニル、ナフチルなどを含む。
【0038】 用語「シクロアルキル」とは、単環または多縮合環を有する3〜20の炭素原
子の環状アルキル基をいう。このようなシクロアルキル基には、例示目的のため
に、単環構造(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロオクチルなど)かまたは多環構造(例えば、アダマンタニルなど)が挙げられ
る。
【0039】 用語「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨ
ードをいい、そして好ましくは、フルオロまたはクロロのいずれかである。
【0040】 用語「チオール」とは、−SH基をいう。
【0041】 1つ以上の置換基を含む任意の上記の基に関して、もちろん、このような基は
、立体的に実行不可能であり、かつ/または合成により実現不可能である任意の
置換、あるいは置換パターンを含まないことが理解される。さらに、本発明の化
合物は、これらの化合物の置換から生じる全ての立体化学異性体を含む。
【0042】 用語「薬学的に受容可能な塩」とは、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドの生物学的有効性および特性を保持し、そして生物学的かまたは他の点では所
望でなくはない、塩をいう。多くの場合、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオ
チドは、アミノ基および/もしくはカルボキシル基、またはそれらに類似の基の
存在によって、酸塩および/あるいは塩基塩を形成し得る。
【0043】 薬学的に受容可能な塩基付加塩は、無機塩および有機塩から調製され得る。無
機塩から派生する塩には、例示目的のためのみに、ナトリウム塩、カリウム塩、
リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩が挙げられ
る。有機塩から派生する塩は、1級アミン、2級アミン、および3級アミン(例
えば、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換型アルキ
ルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニ
ルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換型アルケニルアミ
ン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアル
キルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置
換型シクロアルキルアミン、二置換型シクロアルキルアミン、三置換型シクロア
ルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ
(シクロアルケニル)アミン、置換型シクロアルケニルアミン、二置換型シクロ
アルケニルアミン、三置換型シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリ
ールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールア
ミン、トリヘテロアリールアミン、ヘテロサイクリックアミン、ジヘテロサイク
リックアミン、トリヘテロサイクリックアミン、混合型ジ−アミンおよび混合型
トリ−アミン)の塩を含むが、これらに限定されず、ここで、このアミン上の少
なくとも2つの置換基が異なり、そして以下からなる基から選択される:アルキ
ル、置換型アルキル、アルケニル、置換型アルケニル、シクロアルキル、置換型
シクロアルキル、シクロアルケニル、置換型シクロアルケニル、アリール、ヘテ
ロアリール、ヘテロサイクリックなど。2つまたは3つの置換基が、アミノの窒
素とともに、ヘテロサイクリック基、またはヘテロアリール基を形成するアミン
もまた、含まれる。
【0044】 適切なアミンの例には、例示目的のためのみに、イソプロピルアミン、トリメ
チルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソプロピル)アミン、トリ(n−プロピ
ル)アミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン
、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、
コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N−アルキルグルカミン
、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N−エチルピ
ペリジンなどが挙げられる。他のカルボン酸誘導体(例えば、カルボキサミド、
低級アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミドなどを含む、カルボン
酸アミド)が、本発明の実施に有用であることもまた、理解されるべきである。
【0045】 薬学的に受容可能な酸付加塩は、無機酸および有機酸から調製され得る。無機
酸から派生する塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられ
る。有機酸から派生する塩には、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン
酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸
、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げらる。
【0046】 用語「チオレドキシン遺伝子」とは、リボヌクレオチドレダクターゼまたはメ
チオニンスルホキシドレダクターゼに対する水素供与体として作用し得るタンパ
ク質をコードする任意の遺伝子をいう。好ましくは、このチオレドキシン遺伝子
は、転写因子(例えば、NF−κB、BZLF1、TFIIICおよびAP−1
)のレドックス特性を調節し得るタンパク質をコードし、そしてそのDNA結合
特徴を変化させる。このタンパク質が有し得る他の機能は、ジスルフィドを有す
るタンパク質の再折り畳みを容易にする能力、グルココルチコイドレセプターま
たはインターロイキン−2レセプターを活性化する能力、あるいはマクロファー
ジにおいて免疫不全ウイルス発現を阻害する能力、細胞内H2Oを還元する能力 、遊離ラジカルを除去する能力、酸化ストレスに対して細胞を保護する能力、お
よび初期妊娠因子の基本的構成成分として作用する能力が挙げられるが、これら
に限定されない。好ましくは、このチオレドキシン遺伝子は、正常な線維芽細胞
、リンパ球系細胞、および多くのヒト固形腫瘍細胞系の増殖を刺激し得、かつヒ
ト腫瘍において過剰発現した場合に、腫瘍の増殖を刺激しアポトーシスを減少し
得るタンパク質をコードする。
【0047】 用語「チオレドキシンレダクターゼ遺伝子」は、チオレドキシンのNADPH
依存性還元を触媒し得るタンパク質をコードする任意の遺伝子をいう。
【0048】 用語「相補的」は、アンチセンスオリゴヌクレオチド配列が標的配列(すなわ
ち、チオレドキシン遺伝子(またはmRNA)またはチオレドキシンレダクター
ゼ遺伝子(またはmRNA))に結合し得ることを意味する。好ましくは、アン
チセンスオリゴヌクレオチド配列は、標的配列と少なくとも約75%同一性、好
ましくはいくつかの塩基のギャップまたはミスマッチを許容して、標的配列と少
なくとも約90%同一性、最も好ましくは少なくとも約95%同一性を有する。
同一性は、例えば、University of Wisconsin Com
puter Group(GCG)ソフトウェアのBLASTNプログラムを使
用することによって決定され得る。好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチ
ド配列は、本明細書中に記載されるOLIGOプログラムによって決定する場合
、少なくとも45℃、より好ましくは少なくとも約50℃、最も好ましくは少な
くとも約55℃の融解温度を有する、チオレドキシンmRNAまたはチオレドキ
シンレダクターゼmRNAにハイブリダイズする。
【0049】 用語「増殖を阻害する」は、少なくとも10%、より好ましくは少なくとも5
0%、最も好ましくは少なくとも75%の、少なくとも1つの腫瘍細胞型の増殖
における減少を意味する。増殖における減少は、ヌードマウスにおける腫瘍のサ
イズ、または腫瘍細胞がインビトロでコロニーを形成することの不可能性を測定
することによって、腫瘍細胞について決定され得る。
【0050】 用語「哺乳動物(mammal)」または「哺乳動物(mammalian)
」は、ヒト、ヒツジ、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ、およびマウスなどを含む
、すべての哺乳動物を意味する。
【0051】 「腫瘍を有すると疑われる哺乳動物」は、その哺乳動物が、増殖性の障害もし
くは腫瘍を有し得るか、または増殖性の障害もしくは腫瘍と診断されているか、
または増殖性の障害もしくは腫瘍と以前に診断されたことがあり、その腫瘍が外
科的に切除されており、そしてその哺乳動物がいくつかの残留腫瘍細胞を有する
と疑われていることを意味する。
【0052】 (アンチセンスオリゴヌクレオチドの調製) 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、従来技術および周知技術によっ
て調製され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、固相合成を用いて、特に市販
の装置(例えば、Applied Biosystems Canada In
c.、Mississauga、Canadaから入手可能な装置)を用いて調
製され得る。このオリゴヌクレオチドはまた、当該分野において公知の方法によ
って、天然に存在するチオレドキシン遺伝子またはチオレドキシンレダクターゼ
遺伝子の酵素消化によって調製され得る。
【0053】 (アンチセンスオリゴヌクレオチドの単離および精製) 所望される場合、本明細書中に記載されるアンチセンスオリゴヌクレオチドの
単離および精製は、例えば濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄
層クロマトグラフィー、厚層(thick layer)クロマトグラフィー、
分取低速液体クロマトグラフィー(preparative low−pres
sure liquid chromatography)もしくは分取高速液
体クロマトグラフィー、またはこれらの手順の組み合わせのような任意の適切な
分離または精製によってもたらされ得る。しかし、当然のことながら他の等価な
分離または単離手順もまた使用され得る。
【0054】 このアンチセンスオリゴヌクレオチド配列を含む発現ベクターは、オリゴヌク
レオチドの配列を考慮し、そして当該分野において公知の手順を使用して構築さ
れ得る。
【0055】 ベクターは、アンチセンスオリゴヌクレオチド配列の所望の転写を達成するた
めに必要とされる発現エレメントのすべてを含むように、当業者によって構築さ
れ得る。したがって、本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドをコードする
配列に作動可能に連結された転写制御配列を含むベクターを提供する。適切な転
写および翻訳エレメントは、種々の供給源(細菌遺伝子、真菌遺伝子、ウイルス
遺伝子、哺乳動物遺伝子、または昆虫遺伝子を含む)に由来し得る。適切なエレ
メントの選択は、選択される宿主細胞に依存する。
【0056】 レポーター遺伝子は、ベクターに含まれ得る。適切なレポーター遺伝子には、
β−ガラクトシダーゼ(例えば、lacZ)、クロラムフェニコール、アセチル
−トランスフェラーゼ、ホタルルシフェラーゼ、あるいは免疫グロブリン、また
はその部分が挙げられる。アンチセンスオリゴヌクレオチドの転写は、レポータ
ー遺伝子の発現についてのモニタリングによってモニタリングされ得る。
【0057】 このベクターは、当該分野において公知の種々の方法のうちのいずれか1つに
よって、細胞または組織に導入され得る。そのような方法は、Sambrood
24;Ausubelら25;Changら36;Vegaら37;およびVecto
rs:A Survey of Molecular Cloning Vec
tors and Their Uses38において一般に記載されているのが
見出され得、そして例えば安定なトランスフェクションまたは一過性トランスフ
ェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、および組換えウイル
スベクターでの感染を含む。
【0058】 感染による核酸の導入は、いくつかの利点を提供する。より高い効率性および
組織型についての特異性が入手され得る。ウイルスは、代表的には特定の細胞型
に感染し、そしてその中で増殖する。したがって、ウイルスの特異性を用いて、
インビボ、または組織もしくは細胞の混合された培養物内で、特定の細胞型にベ
クターを標的化し得る。ウイルス性ベクターはまた、レセプター媒介事象を介し
て標的特異性を変更するように、特定のレセプターまたはリガンドで改変され得
る。
【0059】 本発明のオリゴヌクレオチドは、不溶化され得る。例えば、このオリゴヌクレ
オチドは、適切なキャリアに結合され得る。適切なキャリアの例は、アガロース
、セルロース、デキストラン、Sephadex、Sepharose、カルボ
キシメチルセルロースポリスチレン、濾紙、イオン交換樹脂、プラスチックフィ
ルム、プラスチックチューブ、ガラスビーズ、ポリアミン−メチルビニル−エー
テル−マレイン酸コポリマー、アミノ酸コポリマー、エチレン−マレイン酸コポ
リマー、ナイロン、シルクなどである。キャリアは、例えば、チューブ、試験プ
レート、ビーズディスク、球体などの形状であり得る。
【0060】 不溶化されたオリゴヌクレオチドは、公知の化学的方法または物理学的方法(
例えば、臭化シアンカップリング)を用いて、オリゴヌクレオチドを適切な不溶
性キャリアと反応させることによって調製され得る。
【0061】 本発明のオリゴヌクレオチドは、mRNAを切断するリボザイムであり得るこ
とが意図される。好ましくは、リボザイムは、本発明のオリゴヌクレオチドの配
列に相同な配列、およびmRNAを切断するために必要な触媒中心を有する。例
えば、チオレドキシンまたはチオレドキシンレダクターゼmRNAを破壊する相
同なリボザイム配列が選択され得る。本発明において利用されるリボザイム型は
、当該分野において公知の型から選択され得る。いくつかのリボザイム構造ファ
ミリーが同定されており、これにはI型イントロン、RNase P、δ型肝炎
ウイルスリボザイム、ハンマーヘッドリボザイム、およびタバコリングスポット
ウイルスサテライトRNA(sTRSV)の負鎖に元々は由来するヘアピンリボ
ザイムが挙げられる(Sullivan 1994,米国特許第5,225,3
47号39)。ハンマーヘッドおよびヘアピンリボザイムモチーフは、遺伝子治療
のためのmRNAのトランス切断に最も一般的に適合される(Sullivan
1994)。本発明において、好ましくはヘアピンリボザイムが使用される。
一般に、リボザイムは、30〜100ヌクレオチド長である。
【0062】 (薬学的処方物) 薬剤として使用される場合、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、通常、
薬学的組成物の形態で投与される。これらの化合物は、経口、直腸、経皮、皮下
、静脈内、筋肉内、および鼻内を含む、種々の経路によって投与され得る。これ
らの化合物は、注射用組成物および経口組成物の両方として有効である。そのよ
うな組成物は、薬学分野において周知の様式で調製され、そして少なくとも1つ
の活性化合物を含む。例えば、この薬学的組成物は、静脈内に投与される。この
薬学的組成物は、処置されるべき腫瘍に直接投与され得ることが意図される。
【0063】 本発明はまた、薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と組み合わせて、活
性成分として1つ以上のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む薬学的組成物を
含む。本発明の組成物を作製する際に、活性成分は、通常、賦形剤と混合され、
賦形剤によって希釈されるか、またはカプセル、少量入りの袋(sachet)
、紙、または他の容器の形態であり得るキャリア内に封入される。賦形剤が希釈
剤として作用する場合、賦形剤は、固体物質、半固体物質、または液体物質であ
り得、これは、活性成分のビヒクル、キャリア、または媒体として作用する。し
たがって、この組成物は、錠剤、丸剤、粉末、口内錠、少量入りの袋(sach
et)、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ、エ
アロゾル(固体として、または液体媒体中で)、例えば10重量%までの活性化
合物を含む軟膏、軟ゼラチンカプセルおよび硬ゼラチンカプセル、坐剤、滅菌の
注射用液、および滅菌のパックされた粉末の形態であり得る。
【0064】 処方物の調製において、他の成分と組み合わせる前に適切な粒子サイズを提供
するために、活性化合物を粉末にすることが必要であり得る。活性化合物が実質
的に不溶性である場合、活性化合物は、通常200メッシュ未満の粒子サイズま
で粉末化される。活性化合物が実質的に水溶性である場合、粒子サイズは、通常
、処方物中の実質的に一定の分布を提供するように粉末化(例えば、約40メッ
シュ)することによって調節される。
【0065】 適切な賦形剤のいくつかの例には、ラクトース、デキストロース、スクロース
、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、
アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロー
ス、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセル
ロースが挙げられる。処方物はさらに、以下を含み得る:タルク、ステアリン酸
マグネシウム、および鉱油のような潤滑剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;メチ
ルベンゾエートおよびプロピルヒドロキシベンゾエートのような保存剤;甘味剤
;および香味剤。本発明の組成物は、当該分野において公知の手順を使用するこ
とによる患者への投与の後の、活性成分の、迅速な放出、徐放、または遅延性放
出を提供するように、処方され得る。
【0066】 組成物は、好ましくは、単位投薬形態で処方され、各々の投薬量は、約3mg
から約3g、より通常には約10mgから約1.5gの活性成分を含む。用語「
単位投薬形態」は、ヒト被験体および他の哺乳動物についての単位投薬量として
適切な物理的に個々の単位をいい、各単位は、適切な薬学的賦形剤と組み合わせ
て、所望の治療効果を生じるように計算された活性な物質の所定の量を含む。
【0067】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、広い投薬量範囲で有効であり、そして一
般に、薬学的に有効な量で投与される。有効な量は、投与された場合に症状を軽
減する量である。好ましくは、有効な量は、腫瘍細胞増殖を阻害し得る量である
。好ましくは、有効な量は、約0.1mg/kg体重〜約20mg/kg体重で
ある。しかし、実際に投与されるアンチセンスオリゴヌクレオチドの量は、関連
する状況(処置される状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物、個
々の患者の年齢、体重、および応答、患者の症状の重篤度などを含む)を考慮し
て、医師によって決定される。治療過程は、数日から数ヶ月、または疾患の軽減
が達成されるまで継続され得る。
【0068】 錠剤のような固体組成物を調製するために、主な活性成分/アンチセンスオリ
ゴヌクレオチドを薬学的賦形剤と混合し、本発明の化合物の均質な混合物を含む
固体の予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物を均質という場合、
活性な成分は、組成物中に均等に分散され、その結果組成物は、錠剤、丸剤、お
よびカプセルのような等価的に有効な単位投薬形態に容易に細分割され得ること
を意味する。
【0069】 本発明の錠剤または丸剤は、長期の作用という利点を与える投薬形態を提供す
るように、コートされ得るか、またはその他の様式で調合され得る。例えば、錠
剤または丸剤は、内側投薬成分および外側投薬成分を含み得、外側投薬成分は、
内側投薬成分を覆う包みの形態である。2つの成分は、胃中での崩壊に耐え、そ
して内側成分がインタクトに十二指腸に入るか、または放出が遅延されるのを可
能にするように作用する腸溶解性の層によって分離され得る。そのような腸溶解
性の層またはコーティングのために、種々の物質(例えば、多くのポリマー状酸
(polymeric acid)、ならびにセラック、セチルアルコール、お
よび酢酸セルロースのような物質とのポリマー状酸の混合物を含む)が使用され
得る。
【0070】 本発明の新規な組成物が経口投与、または注射による投与のために組み込まれ
得る液体形態には、水溶液、適切に香味付けされたシロップ、水性懸濁液または
油性懸濁液、および、トウモロコシ油、綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、または
ピーナッツ油のような食用油との香味付けされたエマルジョン、ならびにエリキ
シル剤、および類似の薬学的ビヒクルが挙げられる。
【0071】 吸入またはガス吸入のための組成物には、薬学的に受容可能な水性溶媒もしく
は有機溶媒、またはその混合物中の溶液および懸濁液、ならびに粉末が挙げられ
る。液体組成物または固体組成物は、本明細書中に記載されるような適切な薬学
的に受容可能な賦形剤を含み得る。好ましくは、この組成物は、局所効果または
全身性効果のための経口または経鼻の呼吸経路によって投与される。好ましく薬
学的に受容可能な溶媒中の組成物は、不活性ガスによって霧状にされ得る。霧状
にされた溶液は、霧状化デバイスから直接的に吸入され得るか、または霧状化デ
バイスは、フェイスマスクテント、または間欠的陽圧呼吸装置に取り付けられ得
る。溶液、懸濁液、または粉末組成物は、適切な様式で処方物を送達するデバイ
スから、好ましくは経口的または経鼻的に投与され得る。
【0072】 本発明の方法において使用される別の好ましい処方物は、経皮送達デバイス(
「パッチ」)を使用する。そのような経皮パッチを使用して、制御された量の本
発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドの連続的または不連続的注入を提供し得
る。薬剤の送達のための経皮パッチの構築および使用は、当該分野において周知
である。例えば、米国特許第5,023,252号40(本明細書中において参考
として援用される)を参照のこと。そのようなパッチは、薬剤の連続的送達、拍
動性送達、または必要があり次第の送達のために構築され得る。
【0073】 送達の別の好ましい方法は、皮膚層を通るネイキッドアンチセンスオリゴヌク
レオチドの「ショットガン」送達を含む。「ネイキッド」アンチセンスオリゴヌ
クレオチドの送達は当該分野において周知である。例えば、Felgnerら、
米国特許第5,580,859号41を参照のこと。アンチセンスオリゴヌクレオ
チドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドの「ショットガン」送達の前に脂質小
胞中に封入され得ることが意図される。
【0074】 以下の処方例は、本発明の代表的な薬学的組成物を例示する。
【0075】 (処方例1) 以下の成分を含む硬ゼラチンカプセルを調製する:
【0076】
【表3】 上記成分を混合し、340mg量で硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0077】 (処方例2) 錠剤処方は、以下の成分を用いて調製する:
【0078】
【表4】 成分を混合し、そして圧縮して錠剤を形成する(各々、240mgの重量であ
る)。
【0079】 (処方例3) 以下の成分を含む乾燥粉末呼吸器処方物を調製する:
【0080】
【表5】 活性成分をラクトースと混合し、そしてその混合物を乾燥粉末吸入器に添加す
る。
【0081】 (処方例4) 各々30mgの活性成分を含む錠剤を、以下のように調製する:
【0082】
【表6】 活性な成分であるデンプンおよびセルロースをNo.20のU.S.メッシュ
ふるいを通過させ、そして徹底的に混合する。ポリビニルピロリドンの溶液を、
得られた粉末と混合し、次いでこれを16のU.S.メッシュふるいを通過させ
る。このように作製した顆粒を50℃〜60℃で乾燥し、そして16のU.S.
メッシュふるいを通過させる。次いで、事前にNo.30のU.S.メッシュふ
るいを通過したカルボキシメチルナトリウムデンプン、ステアリン酸マグネシウ
ムおよび滑石を顆粒に添加し、その混合後、これらを錠剤機で圧縮し、それぞれ
120mgの重量の錠剤を作製する。
【0083】 (製剤の実施例5) それぞれ40mgの医薬を含有するカプセルを以下のように作製する: 成分 量(mg/カプセル) 活性成分 40.0mg デンプン 109.0mg ステアリン酸マグネシウム 1.0mg 合計 150.0mg。
【0084】 活性成分、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、No.20の
U.S.メッシュふるいを通し、そして150mgの量を硬質のゼラチンカプセ
ルに充填した。
【0085】 (製剤の実施例6) それぞれ25mgの活性成分を含有する座剤を以下のように作製する: 成分 量 活性成分 25mg 飽和脂肪酸グリセリド 〜2,000mg。
【0086】 活性成分を、No.60のU.S.メッシュふるいに通し、そして必要最小限
の熱を使用して事前に融解した飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次いで、混合
物を名目上2.0g容積の座薬の鋳型に流し込み、そして冷却させる。
【0087】 (製剤の実施例7) 5.0mLの用量あたりそれぞれ50mgの医薬を含有する懸濁液を、以下の
ように作製する: 成分 量 活性成分 50.0mg キサンタンガム 4.0mg カルボキシメチルセルロースナトリウム(11%) 微結晶性セルロース(89%) 50.0mg ショ糖 1.75g 安息香酸ナトリウム 10.0mg 香料および色素 任意 精製水 〜5.0mL。
【0088】 活性成分、ショ糖、およびキサンタンガムを混合し、No.10のU.S.メ
ッシュふるいを通し、次いで微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロ
ースナトリウムの水中に事前に作製した溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、
香料、および色素をいくらかの水で希釈し、そして撹拌しながら添加する。次い
で、十分な水を添加し必要な容量を作製する。
【0089】 (製剤の実施例8) 成分 量(mg/カプセル) 活性成分 15.0mg デンプン 407.0mg ステアリン酸マグネシウム 3.0mg 合計 425.0mg。
【0090】 活性成分、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、No.20の
U.S.メッシュふるいを通し、そして425.0mgの量を硬質のゼラチンカ
プセルに充填した。
【0091】 (製剤の実施例9) 製剤は以下のように調製され得る: 成分 量 活性成分 5.0mg トウモロコシ油 1.0mL。
【0092】 (製剤の実施例10) 局所用製剤は、以下のように調製され得る: 成分 量 活性成分 1〜10g 乳化ワックス 30g 液体パラフィン 20g 白色軟性パラフィン 〜100g。
【0093】 白色軟性パラフィンを溶解するまで加熱する。液体パラフィンおよび乳化ワッ
クスを混合し、そして溶解するまで撹拌する。活性成分を添加し、そして分散さ
れるまで撹拌を続ける。次いで、混合物を固まるまで冷却する。
【0094】 本発明において用いるために適切な他の製剤は、Remington’s P
harmaceutical Sciences23に見出され得る。
【0095】 アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドを含
む薬学的組成物は、適切な容器に包装された必要な物質を提供する便利なキット
に包装され得る。
【0096】 本発明のオリゴヌクレオチドおよびリボザイムは、腫瘍細胞の増殖を調節する
。従って、哺乳動物における腫瘍細胞の増殖を干渉または阻害するための方法が
提供される。この方法は、腫瘍または腫瘍細胞を本発明のアンチセンスオリゴヌ
クレオチドと接触させる工程を含む。
【0097】 用語「接触」は、オリゴヌクレオチド、リボザイムなどを細胞懸濁液もしくは
組織サンプルに添加する工程、またはオリゴヌクレオチドなどを直接もしくは間
接的に動物内の細胞もしくは組織に投与する工程をいう。
【0098】 この方法は、白血病、リンパ腫(ホジキンおよび非ホジキン)、肉腫、黒色腫
、腺腫、固体組織の癌腫、低酸素腫瘍、口、咽頭、喉頭および肺の扁平上皮癌、
頸部癌および膀胱癌のような尿生殖器の癌、造血器官の癌、結腸癌、乳癌、膵臓
癌、腎臓癌、脳の癌、皮膚癌、肝臓癌、頭頸部の癌、ならびに神経系の癌のよう
な種々の癌の形態、ならびに乳頭腫のような良性病変を含む増殖性の障害を処置
するために用いられ得る。乾癬のような他の増殖傷害ならびに関節硬化症、血管
形成、およびウイルス感染を含む他の増殖傷害もまた含まれる。
【0099】 本発明のオリゴヌクレオチドはまた、薬物耐性の腫瘍を処置するために用いら
れ得る。薬物耐性腫瘍の例は、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、メト
トレキサートまたはヒドロキシ尿素のような化学療法剤に対して耐性の腫瘍、な
らびにコルヒチン、ビンブラスチンおよびドキソルビシンのような複数の抗癌薬
に対して抵抗性を与えることが公知であるP−糖タンパク質を高レベル発現する
腫瘍;またはDreeleyら43によって記載されるように多剤耐性のタンパク
質を発現する腫瘍である。従って、本発明のオリゴヌクレオチドが、公知の抗癌
化合物または化学療法剤と組み合わせてまたはこれに追加して投与され得ること
が意図される。化学療法剤は、腫瘍の増殖を阻害し得る化合物である。このよう
な化合物としては、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、メトトレキサー
トおよびヒドロキシ尿素が挙げられるがこれらに限定されない。化学療法剤の量
が有効量(すなわち、腫瘍の増殖を阻害するのに十分な量)または有効量未満の
いずれかであり得ることが意図される。
【0100】 本発明のオリゴヌクレオチドは、MDA−MB−231乳腺癌、HT−29結
腸腺癌、A549肺癌腫およびA2058黒色腫癌細胞のような転移性である腫
瘍の増殖を減弱することが見出されている。本発明の実施態様において、哺乳動
物における転移性腫瘍の増殖を減弱する方法が提供される。この方法は、チオレ
ドキシンmRNAもしくはチオレドキシンリダクターゼmRNAに相補的な一定
量のオリゴヌクレオチド、または表1および2に示される一定量のオリゴヌクレ
オチドを投与する工程を含む。
【0101】 オリゴヌクレオチドは、ウイルスまたは非ウイルスベクターを用いて送達され
得る。配列は、本発明のオリゴヌクレオチドが細胞において発現されるようにカ
セットまたは構築物に組み込まれ得る。好ましくは、この構築物は、オリゴヌク
レオチドが細胞において転写されることを可能にする適切な転写調節領域を含む
【0102】 従って、本発明は、本発明のオリゴヌクレオチドをコードする配列に作動可能
に連結された転写調節配列を含むベクターを提供する。本発明は、さらに、これ
らのベクターで形質転換される適切な真核生物細胞および原核生物細胞から選択
される宿主細胞を提供する。
【0103】 適切なベクターが公知であり、そして好ましくは配列の所望の転写を得るため
に必要な発現エレメントの全てを含む。ファージミドは、このような有利なベク
ターの特定の例である。なぜならファージミドは、プラスミドとしてか、または
バクテリオファージベクターとしてのいずれかで用いられ得るからである。ベク
ターの例としては、バクテリオファージ、バキュロウイルス、レトロウイルス、
DNAウイルス、リポソームおよび他の組換えベクターのようなベクターが挙げ
られる。ベクターはまた、原核生物宿主系または真核生物宿主系のいずれかにお
いて用いるためのエレメントを含み得る。当業者は、どの宿主系が特定のベクタ
ーに適合性であるかを公知である。
【0104】 ベクターは、安定なまたは一時的なトランスフェクション、リポフェクション
、エレクトロポレーションおよび組換えウイルスベクターでの感染により細胞に
導入され得る。
【0105】 さらなる特徴が、ベクターの安全性を保証するためおよび/またはベクターの
治療的有効性を増強するためにベクターに追加され得る。このような特徴として
は、例えば、組換えウイルスに感染した細胞に対してネガティブ選択するために
用いられ得るマーカーが挙げられる。このようなネガティブ選択マーカーの例は
、抗ウイルスガンシクロビルに対して選択性を与えるTK遺伝子である。特定の
細胞型に対する発現を制限する特徴もまた、含まれ得る。このような特徴として
は、例えば、所望の細胞型に特異的なプロモーターおよび調節エレメントが挙げ
られる。
【0106】 レトロウイルスベクターは、所望の核酸のインビボ導入のために有用なベクタ
ーの別の例である。なぜなら、このベクターは、隣接感染(lateral i
nfection)および標的特異性のような利点を提供するからである。隣接
感染は、単回感染した細胞が、隣接する細胞に感染する多くの子孫ビリオンを産
生する過程である。この結果、大領域が迅速に感染する。
【0107】 本発明の方法において用いられるべきベクターは、標的化されるべき所望の細
胞型に依存して選択され得る。例えば、乳癌が処置されるべき場合には、上皮細
胞に特異的なベクターが用いられ得る。同様に、造血系の細胞が処置されるべき
場合には、血液細胞に特異的なウイルスベクターが好ましい。
【0108】 (有用性) 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、種々の目的のために用いられ得
る。それらは、哺乳動物細胞においてチオレドキシン遺伝子の発現を阻害するた
めに用いられ得、その細胞の増殖を阻害する。それらは、哺乳動物細胞において
チオレドキシンリダクターゼ遺伝子の発現を阻害するために用いられ得、その細
胞の増殖を阻害する。オリゴヌクレオチドは、哺乳動物細胞におけるチオレドキ
シンのmRNAまたはチオレドキシンリダクターゼのmRNAの存在を検出する
ためのハイブリダイゼーションプローブとして用いられ得る。そのように用いる
場合、オリゴヌクレオチドは、適切な検出可能基(例えば、放射性同位体、リガ
ンド、特異的結合対の別のメンバー、例えばビオチン)で標識され得る。最後に
、オリゴヌクレオチドは、分子量マーカーとして用いられ得る。
【0109】 本発明およびその利点をさらに例証するため、以下の特定の実施例を提供する
が、どのような方法でも請求の範囲を制限することは意図しない。
【0110】 (実施例) 以下の実施例において、すべての温度は、摂氏温度(他に示さない限り)であ
り、そして全てのパーセンテージは、重量パーセンテージ(これも、他に示さな
い限り)である。
【0111】 以下の実施例において、以下の略語は、以下の意味を有する。略語を規定しな
い場合には、一般的に受容される意味を有する: μM=マイクロモル濃度 mM=ミリモル濃度 M=モル濃度 ml=ミリリットル μl=マイクロリットル mg=ミリグラム μg=マイクログラム PAGE=ポリアクリルアミドゲル電気泳動 rpm=1分あたりの回転 △G=自由エネルギー、オリゴヌクレオチド二本鎖安定性の測定 kcal=キロカロリー FBS=胎仔ウシ血清 DTT=ジチオトレイトール SDS=ドデシル硫酸ナトリウム PBS=リン酸緩衝化生理食塩水 PMSF=フッ化フェニルメチルスルホニル。
【0112】 (分子生物学の一般的方法:) 当該分野で公知であり、そして詳細に記載されていない標準的な分子生物学の
技術は、一般的に、Sambrookら24;Ausubelら25;およびPer
bal26に従った。
【0113】 (オリゴヌクレオチド) アンチセンスオリゴヌクレオチドを、配列が二重鎖形成、ヘアピン形成、およ
びホモオリゴマー/配列の反復を示す可能性が最も低いが、それぞれ、チオレド
キシンmRNA配列またはチオレドキシンリダクターゼmRNA配列に高い結合
能力を有するように、チオレドキシンのmRNAまたはチオレドキシンリダクタ
ーゼのmRNAに相補的な配列から選択した。さらに、ヒトおよびマウスにおけ
る、他の頻繁に生じる配列または反復配列に対する偽のプライミングを排除した
。これらの特性を、コンピューターモデリングプログラム(OLIGO(登録商
標)プライマー分析ソフトウエア、バージョン5.0、Internation
al Biosciences,Inc.Plymouth MN)を用いて決
定した。チオレドキシンに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドに関しては、
5オリゴヌクレオチド(2601〜2605)を、5’非翻訳領域に標的化する
ために選択し、2オリゴヌクレオチド(2606〜2607)は、翻訳開始部位
の周囲を標的化し、12オリゴヌクレオチド(2608〜2619)は、コード
領域を標的化し、一方、7オリゴヌクレオチド(2620〜2626)は、3’
非翻訳領域にハイブリダイズした。66の異なるアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドの全てを、設計し、次いでDalton Chemical Laborat
ories Inc.(North York,Canada)またはTriL
ink Biotechnologies,Inc.(San Diego,C
A.)のいずれかから購入した。
【0114】 (細胞株) ヒト正常胚性肺細胞株WI−38、および線維肉腫(HT−1080)、肺癌
腫(A549)、卵巣腺癌(SK−OV−3)、肝細胞癌(Hep G2)、黒
色腫(C8161)、乳房腺癌(MDA−MB−231)、転移性膵臓腺癌(A
sPC−1)、結腸腺癌(HT−29)、頸部癌(HeLa S3)、ヒト黒色
腫細胞株A2058、ヒト膵臓癌SU.86.86を含む10の異なるヒト癌細
胞株をアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から入手した。こ
の細胞株を、10%の胎仔ウシ血清(FBS)を補充したα−MEM培地(Gi
bco BRL,Gaithersburg、MD)中で維持した。
【0115】 (実施例1 ヒト癌細胞株におけるチオレドキシンの過剰発現) 異なる細胞株由来の細胞懸濁液のアリコートを組織培養皿に加え、サブコンフ
ルエント(70−80%)まで増殖させた。チオレドキシンのmRNAまたはタ
ンパク質のレベルをノーザンブロット分析またはウェスタンブロット分析によっ
てそれぞれ決定した。
【0116】 ノーザンブロット分析を先に記載したように(HurtaおよびWright 23 )若干の改変を伴って行った。手短に言えば、細胞の全RNAをTRIzol
試薬(Gibco BRL,Gaithersburg MD)を使用して、指
示された時間で細胞から調製した。RNA(10〜20μg)を1.5%ホルム
アルデヒドゲル上で分画し、そしてナイロン膜に転写した。このブロットを、テ
ンプレートとして、順方向プライマー(配列番号69)(5’−CAG ATC
GAG AGC AAG ACT G−3’)、逆方向プライマー(配列番号
70)(5’−TTC ATT AAT GGT GGC TTC AA−3’
)およびヒト肝臓5’−伸長およびcDNAライブラリー(Clontech,
Palo Alto,CA)を使用して合成された32P標識の300bpのPC
Rフラグメントとハイブリダイズした。チオレドキシンヌクレオチド配列情報を
GenBank登録番号X77585から入手した。ヒトチオレドキシンmRN
Aを520bp転写物(Tagayaら28)として発現させ、そしてオートラジ
オグラフィーまたはphosphorImager(Molecular Dy
namics,Sunnyvale,CA)を使用して可視化および定量化した
【0117】 グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)mRNAを
、RNAローディングコントロールのために同時にプローブした。再びPCRを
用いて、上記に記載した同じcDNAライブラリーから、順方向プライマー(配
列番号71)(5’−CGC GGG GCT CTC CAG AAC AT
−3’)および逆方向プライマー(配列番号72)(5’−GCA ATG C
CA GCC CCA GCG TC−3’)を使用して308bpのGAPD
H DNAプローブを生成した。
【0118】 図1に明確に記載されるように、チオレドキシンのmRNAは、9の異なる全
ての腫瘍細胞株において、正常な細胞と比較して有意により高い発現レベルを示
した。しかし、発現の程度は異なる細胞株間で変化し、そして過剰発現の約1.
5〜5.6倍の範囲を示した。
【0119】 全細胞タンパク質抽出物を、50〜150μlの2×サンプルローディング緩
衝液(100mM Tris−HCl,pH6.8,0.2M DTT,4%
SDS,20%グリセロールおよび0.015%ブロモフェノールブルー)中に
調製した。ウェスタンブロッティング分析を先に記載したように(Choyら29 およびFanら30)若干の改変を伴って行った。タンパク質抽出物(10〜20
μg)を15% SDS−PAGEゲル上で分画し、ニトロセルロース膜に転写
し、そしてインドインク染色によって可視化した。チオレドキシンの発現を、抗
チオレドキシン抗体(0.2〜1μg/ml)(American Diagn
ostica Inc.,Greenwich,CT)、続いて、1:8,00
0の希釈の西洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗ヤギIgG(Sigma,St.
Louis,MO)で検出した。約12kDaのタンパク質をELC(Amer
sham,Arlington Heights,IL)によって可視化した。
【0120】 図1Bに示されるように、mRNA発現パターンにおいて認められた変化の程
度に酷似するタンパク質発現パターンとして、チオレドキシンのmRNAとタン
パク質のレベルの間に優位な相関関係が存在した。図1Bの下位のパネルは、全
タンパク質ローディングがパネルを超えて一致したことを示す。
【0121】 (実施例2.チオレドキシンに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドによ
る癌細胞株の増殖阻害) 26の異なるアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理された癌細胞株のコロニ
ー形成能力を、先に記載した方法(Choyら29)を用いて推定した。詳細には
、腫瘍細胞懸濁液のアリコートを約1×104の密度で組織培養皿に播種し、そ して10% FBSを補充したα−MEM培地にて37℃で一晩インキュベート
した。細胞を5mlのPBSで1回洗浄し、そして0.2μMの指示されたアア
ンチセンスオリゴヌクレオチドで、陽イオン性脂質(リポフェクチン試薬,最終
濃度5μg/ml,Gibco−BRL,Gaithersburg,MD)の
存在下で4時間処理した。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、細胞をPBSで
1回洗浄することによって除去し、そして細胞を増殖培地(10% FBSを補
充したα−MEM培地)にて7〜10日間37℃で培養した。コロニーをメチレ
ンブルーで染色し、そして記載されるように(Choyら29ならびにHuang
およびWright31)直接的に計数することによって評価した。パーセント阻
害を、アンチセンスオリゴヌクレオチドの非存在下で増殖させた培養物中に存在
するコロニーの数と比較することによって計算した。全ての実験を4連で行った
【0122】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ヒト腫瘍細胞株のコロニー形成能力に対
して阻害効果を及ぼした。各アンチセンスオリゴヌクレオチドのパーセント阻害
を、ヒト結腸細胞株HT−29については図3A;ヒト乳癌細胞株MDA−MB
−231については図3B;ヒト肝臓癌細胞株HepG2については図3C;ヒ
ト黒色腫細胞株A2058については図3D;ヒト卵巣癌細胞株SK−OV−3
については図3E;およびヒト肺癌細胞株A549については図3Fに示す。
【0123】 (実施例3.チオレドキシンに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドでの
処理後に減少するmRNAレベル) ヒトの肝臓癌細胞(Hep G2)または乳癌細胞(MDA−MB−231)
をサブコンフルエント(70〜80%)まで増殖させ、そしてチオレドキシンに
相補的な0.2μMのホスホロチオネートアンチセンスオリゴヌクレオチドで、
陽イオン性脂質(リポフェクチン試薬,最終濃度5μg/ml,Gibco−B
RL)およびOpti−MEM(Gibco−BRL)の存在下で4時間処置し
た。細胞をPBSで1回洗浄し、そして細胞を10% FBSを含むα−MEM
培地(Gibco−BRL)にて16時間インキュベートした。全RNAをTR
Izol試薬(Gibco−BRL)に調製し、そしてノーザンブロット分析を
以前に記載したように行った。ヒトチオレドキシンのmRNAレベルを定量化し
、そしてGAPDHのmRNAレベルに規準化し、そして未処理細胞から得られ
たチオレドキシンのmRNAレベルのパーセントとして例示した。図4Aおよび
図4Bは、アンチセンスオリゴヌクレオチドが、チオレドキシンのmRNAレベ
ルをコントロール細胞の少なくとも50%まで減少させることを示す。
【0124】 (実施例4.チオレドキシンに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドでの
処置後の種々の細胞株におけるチオレドキシンタンパク質発現の減少) 種々の細胞株をサブコンフルエント(70〜80%)まで増殖させ、そして0
.2μMのホスホロチオネートアンチセンスオリゴヌクレオチドで、陽イオン性
脂質(リポフェクチン試薬,最終濃度5μg/ml,Gibco−BRL)およ
びOpti−MEM(Gibco−BRL)の存在下で4時間処理した。細胞を
PBSで1回洗浄し、そして細胞を10% FBSを含むα−MEM培地(Gi
bco−BRL)にて20時間インキュベートした。次いで、処理およびインキ
ュベーションを、全細胞タンパク質抽出物を2×サンプルローディング緩衝液(
100mM Tris−HCl,pH6.8,0.2M DTT,4% SDS
,20%グリセロールおよび0.015%ブロモフェノールブルー)中に調製す
る前に再度繰り返し、そしてウェスタンブロット分析を先に記載したように(C
hoyら29およびFanら30)若干の改変を伴って行った。チオレドキシンの発
現を、抗チオレドキシン抗体(0.2〜1μg/ml)(American D
iagnostica Inc.,Greenwich,CT)、続いて、1:
8,000の希釈の西洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗ヤギIgG(Sigma
,St.Louis,MO)で検出した。約12kDaのタンパク質をELC(
Amersham,Arlington Heights,IL)によって可視
化した。
【0125】 試験された細胞株は、ヒト結腸癌細胞HT−29(図5A)およびMDA−M
B−231ヒト乳癌細胞(図5B)であった。タンパク質レベルは、指示された
アンチセンスオリゴヌクレオチドでの処置によって減少された。
【0126】 3の異なるヒト腫瘍細胞株(結腸癌、乳癌および肝臓癌について、それぞれ、
HT−29、MDA−MB−231およびHepG2)を、上記に示される0.
2μMのオリゴヌクレオチド2601(配列番号1)で処置した。図5Cは、ア
ンチセンスオリゴヌクレオチドによる、各細胞株におけるチオレドキシンタンパ
ク質発現の阻害を示す。下位のパネルは、タンパク質ローディングがパネルを超
えて一致したことを示す。
【0127】 (実施例5.マウスにおけるチオレドキシンに相補的なアンチセンスオリゴヌ
クレオチドでの静脈内処置によるヒト腫瘍細胞増殖の阻害) CD−1胸腺欠損ヌードマウスをCharles River Labora
tories(Montreal Canada)から購入した。HT−29ヒ
ト結腸癌細胞(代表的に、100μlのPBS中に3×106細胞)を、6〜7 週齢のCD−1胸腺欠損雌ヌードマウス右側腹部に皮下注射した。各実験群は5
匹のマウスを含んだ。腫瘍のサイズが約100mm3の容積に達した後(代表的 には腫瘍細胞注射後5日後)、異なるアンチセンスオリゴヌクレオチドを、尾静
脈にボーラス注入によって1日おきに10mg/kgで投与した。コントロール
動物は、同じ期間、生理食塩水のみを受ける。処置は、代表的に、その後10日
間続いた。
【0128】 図6Aは、CD−1ヌードマウスにおけるHT−29腫瘍増殖に対するアンチ
センスオリゴヌクレオチドの効果を示す。抗腫瘍活性を腫瘍容積の阻害によって
推定した。これは、キャリパを用いて9日間にわたり2日間隔の平均で測定した
。図の各ポイントは、実験群あたり5匹の動物から算定された平均腫瘍容積を示
す。共分散分析を使用して、各処置群における時間にわたるマウスの回帰曲線を
比較した。勾配が等しい場合、傾きの同等性、または切片の同等性の特定の仮説
は、この分析に由来する。全ての分析はSAS(Statistical An
alysis System)バージョン6.12を使用した。生理食塩水コン
トロールと比較した場合、図6Aに示される各アンチセンスオリゴヌクレオチド
は、腫瘍の増殖を阻害(p値≦0.0001)した。
【0129】 この処置の最後(通常、最後の処置の24時間後)で動物を屠殺し、そして腫
瘍の重量を測定した。図6Bは腫瘍の平均重量を示す。アンチセンスオリゴヌク
レオチドは、腫瘍増殖に対して有意な阻害効果を示した。一元分散分析を使用し
て、処置群の平均値を比較した。群全体の効果が有意である場合、最小平方平均
を用いる経験的な多重比較を使用して、有意に異なる処置群の対を見出した。腫
瘍重量を比較した場合、各アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、生理食塩水
コントロールと比較すると統計的に有意な阻害(p値≦0.0198)を示した
(図6B)。
【0130】 HT−29ヒト結腸癌細胞を、6〜7週齢のCD−1無胸腺雌性ヌードマウス
の右側腹部に皮下注射した。腫瘍の大きさが約100mm3の体積に達した後( 代表的には腫瘍細胞注射後5日)、異なるアンチセンスオリゴヌクレオチドを、
隔日で10mg/kg、尾静脈中へのボーラス注入によって投与した。コントロ
ール動物に、生理食塩水のみを同一期間投与した。マウスを、8回の注射後に屠
殺し、そして類似した大きさの切除した腫瘍フラグメントを、RIPA抽出緩衝
液(50mM Tris−HCl、pH7.5、150mM NaCl、1%
NP−40、0.5%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%SDS、0.02
% NaN3、1mM PMSFおよび10μMロイペプチン)に速やかに収集 し、そしてタンパク質調製のために迅速にホモジナイズした。アンチセンスオリ
ゴヌクレオチドのチオレドキシンタンパク質レベルへの効果を測定するために、
ウェスタンブロット分析を、いくつかの改変を加えて以前に記載されたように行
った(Choyら29およびFanら30)。このタンパク質抽出物(10〜20μ
g)を、12%SDS−PAGEゲルで分画し、ニトロセルロースメンブランに
転写し、そして墨(India ink)染色によって可視化した。チオレドキ
シンの発現を、抗チオレドキシン抗体(0.2〜1μg/ml)(Americ
an Diagnostica Inc.,Greewich,CT)に続いて
1:8,000の希釈度の西洋ワサビペルオキシダーゼ結合化抗ヤギIgG(S
igma,St.Louis,MO)を用いて検出した。約50kDaのタンパ
ク質を、ECL(Amersham,Arlington Heights,I
L)によって可視化した。各レーンに充填するタンパク質は、ほぼ同じであった
。墨で染色したブロットの一部分を、各レーンにおける均等な充填を実証するた
めに下に示した。チオレドキシンの発現が、生理食塩水で処理したマウスから得
たコントロール腫瘍組織と比較して、チオレドキシンを標的とするアンチセンス
オリゴヌクレオチドを用いて処理したマウスから得た腫瘍組織において減少する
ことは、図6Cから明らかである。
【0131】 (実施例6 ヒト腫瘍細胞株におけるチオレドキシンレダクターゼの過剰発現
) 異なる細胞株由来の細胞懸濁液のアリコートを、組織培養ペトリ皿に添加し、
そしてサブコンフルエンシー(70〜80%)まで増殖した。チオレドキシンレ
ダクターゼmRNAのレベルを、ノーザンブロット分析によって決定した。
【0132】 ノーザンブロット分析を、わずかな改変を加えて以前に記載されたように行っ
た(HurtaおよびWright27)。手短に言えば、細胞の総RNAをTR
Izol試薬(Gibco−BRL,Gaithersburg MD)を用い
て、指示された時間に細胞から調製した。RNA(10〜20μg)を、1.5
%ホルムアルデヒドゲルで分画し、そしてナイロンメンブランに転写した。この
ブロットを、正方向プライマー[配列番号73](5’−TTG GCT TA
G AAA CCG TAG GG−3’)、逆方向プライマー[配列番号74
](5’−CCA ATG GCC AAA AGT AAC TA−3’)、
ならびに鋳型としてヒト肝臓5’−ストレッチ(stretch)およびcDN
Aライブラリー(Clontech,Palo Alto,CA)を用いて合成
した32P標識化330bp PCRフラグメントとハイブリダイズさせた。ヒト
チオレドキシンレダクターゼmRNAを、3826ヌクレオチド転写物(Gas
daskaら32)として発現させ、そしてオートラジオグラフィーまたはホスホ
ルイメージャー(Molecular Dynamics,Sunnyvale
CA)を用いて可視化および定量化した。
【0133】 グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)mRNAを
RNA充填コントロールに対して同時にプローブ化した。再び、PCRを用い、
上記と同じcDNAライブラリー由来の正方向プライマー[配列番号71](5
’−CGC GGG GCT CTC CAG AAC AT−3’)、および
逆方向プライマー[配列番号72](5’−GCA ATG CCA GCC
CCA GCG TC−3’)を使用して308bp GAPDH DNAプロ
ーブを生成した。
【0134】 図7に明らかに示されるように、9個の異なる腫瘍細胞株の全てにおけるチオ
レドキシンレダクターゼmRNAは、正常な細胞株と比較して有意により高いレ
ベルの発現を示した。
【0135】 (実施例7.チオレドキシンレダクターゼに相補的なアンチセンスオリゴヌク
レオチドによる癌細胞株の増殖の阻害) 40個の異なるアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理した癌細胞株のコロニ
ーを形成する能力を、以前に記載された方法(Choyら29)を用いて評価した
。詳細には、腫瘍細胞懸濁液のアリコートを、約1×104の密度で組織培養デ ィッシュに添加し、そして10%FBSを補充したα−MEM培地に37℃で一
晩インキュベートした。細胞を、5mlのPBSで一回洗浄し、そしてカチオン
性脂質(リポフェクチン試薬、最終濃度、5μg/ml、Gibco−BRL,
Gaithersburg MD)の存在下で0.2μMの指示されたアンチセ
ンスオリゴヌクレオチドで4時間処理した。このアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドを、PBSで一回、細胞を洗浄することによって取り除き、そしてこの細胞を
増殖培地(10%FBSを補充したα−MEM培地)で37℃で7〜10日間培
養した。コロニーをメチレンブルーで染色し、そして記載されたように(Cho
yら29、ならびにHuangおよびWright31)直接計数することによって
記録した。阻害の割合を、アンチセンスオリゴヌクレオチドの非存在下で増殖し
た培養物中に存在するコロニーの数と比較することによって計算した。全ての実
験を4重に行った。
【0136】 アンチセンスオリゴヌクレオチドの大多数は、ヒト腫瘍細胞株のコロニーを形
成する能力に対して中程度の阻害効果を発揮した。各アンチセンスオリゴヌクレ
オチドの阻害の割合を、ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231について図8Aに
;ヒト黒色腫細胞株A2058について図8Bに;ヒト肝臓癌細胞株HepG2
について図8Cに;およびヒト膵臓癌細胞株SU.86.86について図8Dに
示す。
【0137】 (実施例8 チオレドキシンレダクターゼに相補的なアンチセンスオリゴヌク
レオチドオで処理した後のmRNAレベルの低下) ヒト結腸癌細胞(HT−29)または乳癌細胞(MDA−MB−231)を、
サブコンフルエンシー(70〜80%)まで増殖させ、そしてカチオン性脂質(
リポフェクチン試薬、最終濃度、5μg/ml、GIBCO−BRL)およびO
pti−MEM(Gibco−BRL)の存在下でチオレドキシンレダクターゼ
に相補的な0.2μMのホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドで
4時間処理した。細胞をPBSで一回洗浄し、そして10%FBSを含むα−M
EM培地(Gibco−BRL)中で16時間インキュベートした。総RNAを
TRIzol試薬(Gibco−BRL)で調製し、そしてノーザンブロット分
析を初めの方に記載したように行った。ヒトチオレドキシンレダクターゼmRN
Aレベルを、GAPDH mRNAレベルに対して定量化および標準化し、そし
て非処理化細胞から得られたチオレドキシンレダクターゼmRNAレベルの割合
として図示した。図9Aおよび図9Bは、アンチセンスオリゴヌクレオチドが、
チオレドキシンレダクターゼmRNAレベルをコントロール細胞レベルの50%
未満に低下させたことを示す。
【0138】 (実施例9 アンチセンスオリゴヌクレオチドでの処理後の細胞におけるチオ
レドキシンレダクターゼタンパク質発現の減少) AsPC−1ヒト膵臓癌細胞を、サブコンフルエンシー(70〜80%)まで
増殖させ、そしてカチオン性脂質(リポフェクチン試薬、最終濃度、5μg/m
l、GIBCO−BRL)およびOpti−MEM(Gibco−BRL)の存
在下で0.2μMのホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチド301
4[配列番号40]および3037[配列番号63]で4時間処理した。細胞を
PBSで一回洗浄し、そして10%FBSを含むα−MEM培地(Gibco−
BRL)中で20時間インキュベートした。次いで、全ての細胞タンパク質抽出
物を2×サンプル充填緩衝液(100mM Tris−HCl、pH6.8、0
.2M DTT、4%SDS、20%グリセロール、および0.015%ブロモ
フェノールブルー)中に調製する前に、この処置およびインキュベーションを、
もう一度繰り返し、そしてウェスタンブロット分析を、いくつかの改変を加えて
以前に記載されたように行った(Choyら29およびFanら30)。チオレドキ
シンレダクターゼの発現を、抗チオレドキシンレダクターゼ抗体(0.2〜1μ
g/ml)(Research Genetics,Inc.,Huntsvi
le AL)に続いて1:8,000の希釈度の西洋ワサビペルオキシダーゼ結
合化抗ヤギIgG(Sigma,St.Louis,MO)を用いて検出した。
約50kDaのタンパク質を、ECL(Amersham,Arlington
Heights,IL)によって可視化した。図10を参照のこと。
【0139】 (実施例10 アンチセンスオリゴヌクレオチド処理によるマウスにおける腫
瘍細胞増殖の阻害) HT−29ヒト結腸癌細胞(代表的には100μlのPBS中3×106個の 細胞)を6〜7週齢のCD−1無胸腺雌性ヌードマウスの右側腹部に皮下注射し
た。腫瘍の大きさが約100mm3の体積に達した後(代表的には腫瘍細胞注射 後5日)、異なるアンチセンスオリゴヌクレオチドを、隔日で10mg/kg、
尾静脈中にボーラス注入によって投与した。コントロール動物に、生理食塩水の
みを同一期間投与した。処置は、代表的には、その後10日続けた。
【0140】 図11Aは、チオレドキシンレダクターゼに相補的なアンチセンスオリゴヌク
レオチドのCD−1ヌードマウスにおけるHT−29腫瘍増殖への効果を示す。
抗腫瘍活性を、腫瘍体積の阻害によって評価した。腫瘍体積を、平均2日間隔で
9日間にわたって、キャリパ−で計測した。図における各点は、1実験群当たり
5匹の動物から算出した腫瘍体積の平均を表す。処置の終わりに(通常、最後の
処置後24時間)この動物を屠殺し、そして腫瘍重量を計測した。図11Bは、
この腫瘍の重量の平均を示す。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、腫瘍増殖に
対して有意な阻害効果を示した。生理食塩水コントロールと比較した場合、図1
1Aに示される各アンチセンスオリゴヌクレオチドは、0.0001以下のp値
で腫瘍の増殖を阻止した。腫瘍の重量を比較した場合、それぞれのアンチセンス
オリゴヌクレオチドはまた、生理食塩水コントロールと比較した場合、0.01
41以下のp値で統計学的に有意な阻害を示した(図11B)。
【0141】 (実施例11.アンチセンスオリゴヌクレオチドで静脈注射処置することによ
る、マウスにおけるヒト腫瘍のチオレドキシンレダクターゼタンパク質レベルの
低下) HT−29ヒト結腸癌細胞(代表的には100μlのPBS中3×106個の 細胞)を6〜7週齢のCD−1無胸腺雌性ヌードマウスの右側腹部に皮下注射し
た。腫瘍の大きさが約100mm3の体積に達した後(代表的には腫瘍細胞注射 後5日)、異なるアンチセンスオリゴヌクレオチドを、隔日で10mg/kg、
尾静脈中にボーラス注入によって投与した。コントロール動物に、生理食塩水の
みを同一期間投与した。マウスを、8回の注射後に屠殺し、そして切除した同様
の大きさの腫瘍フラグメントを、RIPA抽出緩衝液(50mM Tris−H
Cl、pH7.5、150mM NaCl、1% NP−40、0.5%デオキ
シコール酸ナトリウム、0.1%SDS、0.02% NaN3、1mM PM SFおよび10μMロイペプチン)に直ちに収集し、そしてタンパク質調製のた
めに迅速にホモジナイズした。アンチセンスオリゴヌクレオチドのチオレドキシ
ンレダクターゼタンパク質レベルへの効果を測定するために、ウェスタンブロッ
ト分析を、いくつかの改変を加えて以前に記載されたように行った(Choyら 29 およびFanら30)。このタンパク質抽出物(10〜20μg)を、12%S
DS−PAGEゲルで分画し、ニトロセルロースメンブランに転写し、そして墨
(India ink)染色によって可視化した。チオレドキシンレダクターゼ
の発現を、抗チオレドキシンレダクターゼ抗体(0.2〜1μg/ml)(Re
search Genetics,Inc.,Huntsville AL)に
続いて1:8,000の希釈度の西洋ワサビペルオキシダーゼ結合化抗ヤギIg
G(Sigma,St.Louis,MO)を用いて検出した。約50kDaの
タンパク質を、ECL(Amersham,Arlington Height
s,IL)によって可視化した。各レーンに充填するタンパク質は、ほぼ同じで
あった。図12を参照のこと。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは、種々の細胞株におけるチオレドキシンmRNAのノーザンブロット
のオートラジオグラフである:ヒト正常胚性肺細胞株(WI−38)、繊維肉腫
(HT−1080)、肺癌腫(A549)、卵巣腺癌(SK−OV−3)、肝細
胞癌腫(Hep G2)、黒色腫(C8161)、乳房腺腫(MDA−MB−2
31)、転移性膵腺癌(AsPC−1)結腸腺癌(HT−29)、頸部癌腫(H
eLa S3)。 図1Bは、種々の細胞株において発現されるチオレドキシンタンパク質のウエ
スタンブロットの写真である。より低いパネルは、各レーンに充填された総タン
パク質を示す。
【図2】 図2は、チオレドキシンのcDNA配列(配列番号67および68)である。
26の異なるアンチセンスオリゴヌクレオチドがアニールするハイブリダイゼー
ション部位を示す。
【図3A】 図3Aは、チオレドキシンcDNAに相補的な26の異なるアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドを用いて処理した後の、種々のヒト癌細胞株のコロニー形成能力
の阻害パーセントを示す図である。試験された細胞株は、ヒト結腸癌TH−29
である(図3A)。
【図3B】 図3Bは、チオレドキシンcDNAに相補的な26の異なるアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドを用いて処理した後の、種々のヒト癌細胞株のコロニー形成能力
の阻害パーセントを示す図である。試験された細胞株は、ヒト乳癌細胞株MDA
−MB−231である(図3B)。
【図3C】 図3Cは、チオレドキシンcDNAに相補的な26の異なるアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドを用いて処理した後の、種々のヒト癌細胞株のコロニー形成能力
の阻害パーセントを示す図である。試験された細胞株は、ヒト肝癌細胞株Hep
G2である(図3C)。
【図3D】 図3Dは、チオレドキシンcDNAに相補的な26の異なるアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドを用いて処理した後の、種々のヒト癌細胞株のコロニー形成能力
の阻害パーセントを示す図である。試験された細胞株は、ヒト黒色腫細胞株A2
058である(図3D)。
【図3E】 図3Eは、チオレドキシンcDNAに相補的な26の異なるアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドを用いて処理した後の、種々のヒト癌細胞株のコロニー形成能力
の阻害パーセントを示す図である。試験された細胞株は、ヒト卵巣癌細胞株SK
−OV−3である(図3E)。
【図3F】 図3Fは、チオレドキシンcDNAに相補的な26の異なるアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドを用いて処理した後の、種々のヒト癌細胞株のコロニー形成能力
の阻害パーセントを示す図である。試験された細胞株は、ヒト肺癌細胞株A54
9である(図3F)。
【図4】 図4Aは、チオレドキシンmRNAに相補的な6つのアンチセンスオリゴヌク
レオチドを用いて処理した後の、ヒト肝臓癌細胞株HepG2におけるチオレド
キシンmRNAレベルの減少を、未処理細胞株におけるmRNAレベルのパーセ
ンテージとして示す図である。 図4Bは、チオレドキシンmRNAに相補的な6つのアンチセンスオリゴヌク
レオチドを用いて処理した後の、ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231における
チオレドキシンmRNAレベルの減少を、未処理細胞株におけるmRNAレベル
のパーセンテージとして示す図である。
【図5A】 図5Aは、示されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて処理した後の、
ヒト結腸癌細胞株HT−29において発現されたチオレドキシンタンパク質のレ
ベルを示すウエスタンブロットの写真である。
【図5B】 図5Bは、示されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて処理した後の、
ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231において発現されたチオレドキシンタンパ
ク質のレベルを示すウエスタンブロットの写真である。
【図5C】 図5Cは、アンチセンスオリゴヌクレオチド2601(配列番号1)を用いて
処理した後の、ヒト結腸癌細胞株HT−29、ヒト乳癌細胞株MDA−MB−2
31、およびヒト肝臓癌細胞株HepG2において発現されたチオレドキシンタ
ンパク質のレベルを示すウエスタンブロットの写真である。より低いパネルは、
タンパク質充填がこのパネルにわたって一貫したことを示す。
【図6A】 図6Aは、示されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた一日おきのマウ
スの静脈内処理の後の、ヌードマウスにおける腫瘍のサイズの経時的な図表であ
る。
【図6B】 図6Bは、示されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた一日おきのマウ
スの静脈内処理の約10日後、ヌードマウスから取り出した腫瘍の重量のグラフ
である。
【図6C】 図6Cは、示されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた一日おきのマウ
スの静脈内処理の約10日後にヌードマウスから切り出したヒト結腸癌HT−2
9腫瘍におけるチオレドキシンタンパク質発現のレベルを示す、ウエスタンブロ
ットの写真である。墨(India ink)で染色されたブロットの一部を、
タンパク質充填を実証するために示す。
【図7】 図7は、示された腫瘍細胞株において発現されたチオレドキシンレダクターゼ
mRNAのレベルを示すノーザンブロットのオートラジオグラフである
【図8A】 図8Aは、チオレドキシンレダクターゼmRNAに相補的な40の異なるアン
チセンスオリゴヌクレオチドを用いて処理した後の、種々のヒト癌細胞株のコロ
ニー形成能力の阻害パーセンテージを示すグラフである。試験された細胞株は、
ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231である(図8A)。
【図8B】 図8Bは、チオレドキシンレダクターゼmRNAに相補的な40の異なるアン
チセンスオリゴヌクレオチドを用いて処理した後の、種々のヒト癌細胞株のコロ
ニー形成能力の阻害パーセンテージを示すグラフである。試験された細胞株は、
ヒト黒色腫A2058である(図8B)。
【図8C】 図8Cは、チオレドキシンレダクターゼmRNAに相補的な40の異なるアン
チセンスオリゴヌクレオチドを用いて処理した後の、種々のヒト癌細胞株のコロ
ニー形成能力の阻害パーセンテージを示すグラフである。試験された細胞株は、
ヒト肝臓癌細胞株HepG2である(図8C)。
【図8D】 図8Dは、チオレドキシンレダクターゼmRNAに相補的な40の異なるアン
チセンスオリゴヌクレオチドを用いて処理した後の、種々のヒト癌細胞株のコロ
ニー形成能力の阻害パーセントを示すグラフである。試験された細胞株は、ヒト
膵臓癌SU.86.86である(図8D)。
【図9】 図9Aは、示されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて処理した後の、
細胞株におけるチオレドキシンレダクターゼmRNAレベルの発現のレベルを、
未処理細胞株におけるmRNAレベルのパーセンテージとして示す図である。図
9Aは、ヒト結腸癌細胞株HT−29である。 図9Bは、示されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて処理した後の、
細胞株におけるチオレドキシンレダクターゼmRNAレベルの発現のレベルを、
未処理細胞株におけるmRNAレベルのパーセンテージとして示す図である。図
9Bは、ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231である。
【図10】 図10は、アンチセンスオリゴヌクレオチド3014および3037(配列番
号40および63)を用いて処理した後の、ヒト膵臓癌細胞株AsPC−1にお
けるチオレドキシンレダクターゼタンパク質発現のレベルを示すウエスタンブロ
ットの写真である。
【図11A】 図11Aは、示されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた一日おきのマ
ウスの静脈内処理の後の、ヌードマウスにおけるヒト腫瘍のサイズの経時的な図
表である。
【図11B】 図11Bは、示されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた一日おきのマ
ウスの静脈内処理の約10日後、マウスから取り出したヒト腫瘍の重量の図であ
る。
【図12】 図12は、示されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて一日おきにマウ
スの静脈内処理の約10日後にヌードマウスから切り出したヒト結腸癌HT−2
9腫瘍におけるチオレドキシンレダクターゼタンパク質発現のレベルを示す、ウ
エスタンブロットの写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07H 21/04 (A61K 31/711 //(A61K 31/711 45:00) 45:00) (A61K 48/00 (A61K 48/00 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ヤング, エイピング エイチ. カナダ国 エム2アール 1ピー3 オン タリオ, ノース ヨーク, センラック ロード 201 (72)発明者 リー, ヨーン エス. カナダ国 エル5エイ 2エル7 オンタ リオ, ミシサウガ, コルサー ロード 2219 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA08 CA12 EA02 GA13 GA14 HA12 4C057 BB02 DD01 MM02 4C084 AA02 AA06 AA17 BA35 NA14 ZB262 ZC202 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA01 MA04 NA14 ZB26

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 約17〜約50ヌクレオチドを含むアンチセンスオリゴヌク
    レオチドであって、ここで該オリゴヌクレオチドが表1に示されるような配列2
    601〜2626(配列番号1〜26)からなる群から選択される配列を含む、
    アンチセンスオリゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 1つ以上のホスホロチオエートヌクレオチド間連結をさらに
    含む、請求項1に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 チオレドキシンmRNAに相補的でないさらなるヌクレオチ
    ドをさらに含む、請求項1に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 前記オリゴヌクレオチドが表2に示されるような配列300
    1〜3040(配列番号27〜66)からなる群から選択される配列を含む、約
    17〜約50ヌクレオチドを含む、アンチセンスオリゴヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 1つ以上のホスホロチオエートヌクレオチド間連結をさらに
    含む、請求項4に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 チオレドキシンレダクターゼmRNAに相補的でないさらな
    るヌクレオチドをさらに含む、請求項4に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチ
    ド。
  7. 【請求項7】 ヌクレオチドが、哺乳動物の前記チオレドキシンmRNAま
    たは前記チオレドキシンレダクターゼmRNAに相補的である、約3〜50ヌク
    レオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む、ベクター。
  8. 【請求項8】 薬学的組成物であって、薬学的に受容可能な賦形剤および約
    3〜50ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を含む有効量のアンチセン
    スオリゴヌクレオチドを含み、ヌクレオチドが哺乳動物の前記チオレドキシンm
    RNAまたは前記チオレドキシンレダクターゼmRNAに相補的である、薬学的
    組成物。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の薬学的組成物であって、ここで前記アンチ
    センスオリゴヌクレオチドが約17〜約50ヌクレオチドを含み、そして表1に
    示されるような配列2601〜2626(配列番号1〜26)からなる群から選
    択される配列を含む、薬学的組成物。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の薬学的組成物であって、ここで前記アン
    チセンスオリゴヌクレオチドが約17〜約50ヌクレオチドを含み、そして表2
    に示されるような配列3001〜3040(配列番号27〜66)からなる群か
    ら選択される配列を含む、薬学的組成物。
  11. 【請求項11】 哺乳動物の腫瘍の増殖を阻害するための方法であって、腫
    瘍を有していることが疑われる哺乳動物に、哺乳動物の前記チオレドキシンmR
    NAに相補的である約3〜約50ヌクレオチドを含む有効量のアンチセンスオリ
    ゴヌクレオチドを、腫瘍の増殖が阻害されるような条件下で投与する工程を含む
    、方法。
  12. 【請求項12】 哺乳動物に化学療法剤を投与する工程をさらに含む、請求
    項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記オリゴヌクレオチドが表1に示されるような配列26
    01〜2626(配列番号1〜26)からなる群から選択される配列を含む、請
    求項11に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記オリゴヌクレオチドがヌクレアーゼ抵抗性である、請
    求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】 哺乳動物の腫瘍の増殖を阻害するための方法であって、腫
    瘍を有していることが疑われる哺乳動物に、哺乳動物のチオレドキシンレダクタ
    ーゼ遺伝子に相補的である少なくとも約3〜約50ヌクレオチドを含む有効量の
    アンチセンスオリゴヌクレオチドを、腫瘍の増殖が阻害されるような条件下で投
    与する工程を含む、方法。
  16. 【請求項16】 前記哺乳動物に化学療法剤を投与する工程をさらに含む、
    請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記オリゴヌクレオチドがヌクレアーゼ抵抗性である、請
    求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記オリゴヌクレオチドが表2に示されるような配列30
    01〜3040(配列番号27〜66)からなる群から選択される配列を含む、
    請求項15に記載の方法。
  19. 【請求項19】 哺乳動物の腫瘍の転移を阻害するための方法であって、転
    移性腫瘍を有していることが疑われる哺乳動物に、哺乳動物のチオレドキシン遺
    伝子に相補的である約3ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドを含む有効量のアン
    チセンスオリゴヌクレオチドを、腫瘍の転移が阻害されるような条件下で投与す
    る工程を含む、方法。
  20. 【請求項20】 前記哺乳動物に化学療法剤を投与する工程をさらに含む、
    請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 哺乳動物の腫瘍の転移を阻害するための方法であって、転
    移性の腫瘍を有していることが疑われる哺乳動物に、哺乳動物のチオレドキシン
    レダクターゼ遺伝子に相補的である約3ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドを含
    む有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、腫瘍の転移が阻害されるような
    条件下で投与する工程を含む、方法。
  22. 【請求項22】 前記哺乳動物に化学療法剤を投与する工程をさらに含む、
    請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 腫瘍細胞の増殖を阻害するための、約3〜約50ヌクレオ
    チドを含むオリゴヌクレオチドの使用であって、ヌクレオチドが、哺乳動物の前
    記チオレドキシンmRNAまたは前記チオレドキシンレダクターゼmRNAと相
    補的である、使用。
  24. 【請求項24】 転移を阻害するための、約3〜約50ヌクレオチドを含む
    オリゴヌクレオチドの使用であって、ヌクレオチドが、哺乳動物の前記チオレド
    キシンmRNAまたは前記チオレドキシンレダクターゼmRNAと相補的である
    、使用。
  25. 【請求項25】 腫瘍細胞の増殖を阻害するために医薬を調製するための、
    約3〜約50ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの使用であって、ヌクレオ
    チドが、哺乳動物の前記チオレドキシンmRNAまたは前記チオレドキシンレダ
    クターゼmRNAと相補的である、使用。
  26. 【請求項26】 転移を阻害するために医薬を調製するための、約3〜約5
    0ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの使用であって、ヌクレオチドが、哺
    乳動物の前記チオレドキシンmRNAまたは前記チオレドキシンレダクターゼm
    RNAと相補的である、使用。
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