JP2002500887A - Acpldnaおよびポリペプチド - Google Patents

Acpldnaおよびポリペプチド

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、精製されそして単離されている新規ACPLポリペプチド、こうしたポリペプチドをコードする核酸、こうしたポリペプチドの組換え型を産生するための方法、これらのポリペプチドに対し生成された抗体、これらのポリペプチド由来の断片化ペプチド、および上記の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、精製されそして単離されているACPLポリペプチド、こうしたポ
リペプチドをコードする核酸、こうしたポリペプチドの組換え型を産生するため
の方法、これらのポリペプチドに対し生成された抗体、これらのポリペプチドに
由来する断片化ペプチド、こうしたポリペプチドおよび断片化ペプチドの分子量
マーカーとしての使用、こうしたポリペプチドおよび断片化ペプチドの、ペプチ
ド断片化に関するコントロールとしての使用、並びにこれらの試薬を含むキット
に関する。本発明はさらに、IL−18刺激に反応する細胞情報伝達、および細
胞情報伝達におけるACPLポリペプチドの関与に基づく誘導性タンパク質発現
系の研究における、ACPLポリペプチド、こうしたポリペプチドをコードする
核酸、およびこれらのポリペプチドに対し生成された抗体の使用に関する。
【0002】 関連技術の説明 IL−1 I型受容体(IL−1R)は、IL−1の生物学的影響を仲介する
。IL−1αおよびIL−1βに起因すると考えられる活性には、炎症性サイト
カインの誘導、並びにプロスタグランジン、メタロプロテイナーゼ、接着分子、
急性期タンパク質、造血、発熱、骨吸収、およびTh2細胞増殖および分化を含
む、他の炎症性反応の誘導が含まれる。
【0003】 IL−1は、慢性関節リウマチおよび炎症性腸疾患などの慢性の炎症性疾患と
関連付けられてきている。IL−1が骨粗鬆症で役割を果たしている証拠が増え
つつある。これらの働きはすべて、I型IL−1Rの細胞質部分の情報伝達機能
により開始される。IL−1raは、I型IL−1受容体に結合し、それにより
IL−1αおよびIL−1βへの接近を遮断するが、それ自体いかなる生物学的
反応も引き出さないことによりIL−1の活性を阻害する。
【0004】 IL−18はIL−1αおよびIL−1βの相同体(homolog)であり
、そしてIL−1Rに相同な受容体、IL−1受容体関連タンパク質1(IL−
1RrpI)(Parnetら, J. Biol. Chem 271:39
67, 1996およびTorigoeら, J. Biol. Chem 2
72:25737, 1997を参照されたい)を介しその働きを仲介する可能
性がある。IL−18は、Th1細胞増殖および分化の刺激因子として作用し、
そしてTh1細胞からのインターフェロン産生の強力な誘導因子である。IL−
18はNK細胞殺傷活性を亢進し、そして敗血症性ショック、肝臓破壊、および
糖尿病に関連付けられてきている。さらに、IL−18は、マウスで免疫学的に
仲介されるin vivo抗腫瘍効果を示す(Micallefら, Canc
er Immunol. Immunother. 43:361, 1997
)。
【0005】 タンパク質の発見および同定は、現代分子生物学および生化学の最先端である
【0006】 試料タンパク質の一次構造、または配列の同定は、実験の困難な過程が成就し
た結果である。未知の試料タンパク質を同定するため、研究者は、当業者に知ら
れる多様な技術を用い、未知の試料タンパク質の既知のペプチドへの比較に頼る
ことが可能である。例えば、タンパク質は、電気泳動、沈降、クロマトグラフィ
ー、および質量分析などの技術を用い、日常的に解析される。
【0007】 未知のタンパク質試料を既知の分子量と比較することにより、未知のタンパク
質試料の見かけの分子量を決定することが可能になる(T.D. Brockお
よびM.T. Madigan, Biology of Microorga
nisms 76−77(Prentice Hall, 第6版, 1991
))。タンパク質分子量標準は、未知のタンパク質試料の分子量概算を援助する
ため、商業的に入手可能である(New England Biolabs I
nc.カタログ:130−131, 1995;J.L. Hartley、米
国特許第5,449,758号)。しかし、分子量標準は、見かけの分子量の正
確な概算を可能にするには、未知の試料タンパク質に十分近い大きさに相当しな
い可能性がある。
【0008】 化学的または酵素的手段により断片化にさらされるタンパク質の場合、分子量
概算における困難の度合いが増す(A.L. Lehninger, Bioc
hemistry 106−108(Worth Books, 第2版, 1
981))。化学的断片化は、メチオニン残基のカルボキシル側のペプチド結合
切断を導く臭化シアンなどの化学薬品とタンパク質をインキュベーションするこ
とにより、達成することが可能である(E. Gross, Methods
in Enz. 11:238−255, 1967)。タンパク質の酵素的断
片化は、多数のアミノ酸残基で切断するプロテアーゼとタンパク質をインキュベ
ーションすることにより、達成することが可能である(D.W. Clevel
andら, J. Biol. Chem. 252:1102−1106,
1977)。タンパク質の酵素的断片化はまた、リジン残基のカルボキシル側の
ペプチド結合切断を導くアクロモバクター(Achromobacter)プロ
テアーゼI(F. SakiyamaおよびA. Nakata、米国特許第5
,248,599号;T. Masakiら, Biochim. Bioph
ys. Acta 660:44−50, 1981;T. Masakiら,
Biochim. Biophys. Acta 660:51−55, 1
981)などのプロテアーゼとタンパク質をインキュベーションすることにより
、達成することも可能である。断片化ペプチドの分子量は、広い範囲の分子量に
及ぶ可能性があり、そして該ペプチドは非常に多い可能性がある。断片化の度合
いの変動もまた、達成することが可能である(D.W. Clevelandら
, J. Biol. Chem. 252:1102−1106, 1977
)。
【0009】 特定のアミノ酸構成要素に関するタンパク質組成の特有の性質は、タンパク質
内の切断部位の特有の配置を生じる。化学的または酵素的切断によるタンパク質
の特定の断片化は、特有の「ペプチドフィンガープリント」を生じる(D.W.
Clevelandら, J. Biol. Chem. 252:1102
−1106, 1977;M. Brownら, J. Gen. Virol
. 50:309−316, 1980)。その結果、特定の部位での切断は、
既定のタンパク質の、正確な分子量のペプチドへの、再現可能な断片化を生じる
。さらに、これらのペプチドは、該ペプチドの等電点pHを決定する特有の電荷
特性を持つ。これらの特有の特性は、多様な電気泳動および他の技術を用い、利
用することが可能である(T.D. BrockおよびM.T. Madiga
n, Biology of Microorganisms 76−77(P
rentice Hall, 第6版, 1991))。
【0010】 未知のタンパク質のペプチドフィンガープリントが得られたならば、この未知
のタンパク質の同定を援助するため、既知のタンパク質のデータベースに比較し
てもよい(W.J. Henzelら, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 90:5011−5015, 1993;B. Thie
deら, Electrophoresis 1996, 17:588−59
9, 1996)。多様なコンピューターソフトウェアプログラム、例えばMu
ltiIdent(インターネットサイト:www.expasy.ch/sp
rot/multiident.html)、PeptideSearch(イ
ンターネットサイト:www.mann.embl−heiedelberg.
de...deSearch/FR_PeptideSearchForm.h
tml)、およびProFound(インターネットサイト:www.chai
t−sgi.rockefeller.edu/cgi−bin/prot−i
d−frag.html)などが、こうした比較を容易にするため、インターネ
ットを介し、当業者に利用可能である。これらのプログラムは、使用者が切断剤
および指示された許容範囲の断片化ペプチドの分子量を特定するのを可能にする
。該プログラムは、試料タンパク質の同定の解明を補助するため、これらの分子
量をタンパク質データベースと比較する。正確な同定には、断片化ペプチドの数
およびこれらのペプチドの正確な分子量に関する正確な情報が必要である。した
がって、断片化ペプチドの数およびこれらのペプチドの正確な分子量の決定の正
確さが増せば、未知のタンパク質の同定における成功は高まるはずである。
【0011】 タンパク質の断片化はさらに、アミノ酸組成解析およびタンパク質配列決定の
ための断片の産生(P. Matsudiara, J. Biol. Che
m. 262:10035−10038, 1987;C. Eckersko
rnら, Electrophoresis 1988, 9:830−838
, 1988)、特に「遮断(blocked)」N−末端を持つタンパク質か
らの断片の産生に使用される。さらに、タンパク質の断片化は、質量分析のため
のペプチドの調製(W. J. Henzelら, Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 90:5011−5015, 1993;B.
Thiedeら, Electrophoresis 1996, 17:5
88−599, 1996)、免疫感作、アフィニティー選択(R. A. B
rown、米国特許第5,151,412号)、修飾部位(例えばリン酸化)の
決定、活性生物学的化合物の生成(T. D. BrockおよびM. T.
Madigan, Biology of Microorganisms 3
00−301(Prentice Hall, 第6版, 1991))、およ
び相同タンパク質の識別(M. Brownら, J. Gen. Virol
. 50:309−316, 1980)に用いてもよい。
【0012】 タンパク質研究並びにタンパク質構造および特性の解明における関心が続いて
いるため、当該分野には、ペプチド断片化研究および分子量測定に用いるのに適
切なポリペプチドに対する必要性が存在する。
【0013】 発明の概要 本発明は、配列番号1、配列番号3のDNA配列、配列番号6のコード領域を
含む単離核酸分子、並びに配列番号2および配列番号7のアミノ酸配列をコード
する単離核酸分子を含む。本発明はまた、これらの配列に相補的な核酸分子も含
む。こうしたものとして、本発明は、配列番号1のDNA配列および配列番号6
のコード領域並びに配列番号2および配列番号7のアミノ酸配列をコードする単
離核酸分子を含む、二本鎖核酸分子を含む。一本鎖および二本鎖両方のRNAお
よびDNA ACPL核酸分子が本発明に含まれる。これらの分子を用い、本発
明に含まれるACPLの一本鎖および二本鎖両方のRNAおよびDNA変異体(
variant)を検出することが可能である。二本鎖DNAプローブにより、
核酸分子のどちらかの鎖に同等な(equivalent)核酸分子を検出する
ことが可能になる。配列番号1または配列番号6のDNA配列、あるいは配列番
号2または配列番号7のアミノ酸配列をコードする単離核酸分子を含む、変性二
本鎖DNAに、60℃、0.5 X SSC、0.1% SDSの洗浄条件を伴
う、50%ホルムアミドおよび6 X SSC、42℃における中程度にストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズする単離核酸分子が、本発明に含まれる。
【0014】 本発明はさらに、in vitro突然変異誘発により配列番号1または配列
番号6から得られる単離核酸分子を含む。in vitro突然変異誘発は、限
定されるわけではないが、部位特異的突然変異誘発、無作為突然変異誘発、およ
びin vitro核酸合成を含む、当業に知られる多くの技術を含むであろう
。本発明はまた、遺伝暗号の結果として、配列番号1および配列番号6から縮重
している単離核酸分子;ヒトACPL DNAの対立遺伝子変異体である単離核
酸分子、またはACPL DNAの種相同体も含む。本発明はまた、これらの核
酸分子の発現を指示する組換えベクターおよびこれらのベクターで形質転換また
はトランスフェクションされている宿主細胞も含む。
【0015】 本発明はまた、SDS−PAGEにより決定されるような、およそ70 kD
の分子量を有する単離ポリペプチドおよび非糖鎖付加型の単離ポリペプチドを含
む、これらの核酸分子にコードされる単離ポリペプチドも含む。これらのポリペ
プチドに結合する単離ポリクローナルまたはモノクローナル抗体が本発明に含ま
れる。本発明はさらに、宿主細胞を、発現を促進する条件下で培養し、そして培
地からポリペプチドを回収することを含む、ACPLポリペプチド産生のための
方法を含む。特に、細菌、酵母、植物、および動物細胞におけるACPLポリペ
プチドの発現が、本発明に含まれる。
【0016】 さらに、ACPLポリペプチドを利用し、ACPLポリペプチド対構造(co
unter−structure)分子またはACPL結合タンパク質に関連す
る活性の潜在的な阻害剤をスクリーニングするアッセイ、およびACPLポリペ
プチド対構造分子または結合タンパク質により仲介される疾患の治療のための治
療剤として、ACPLポリペプチドを用いる方法が、本発明に含まれる。さらに
ACPLポリペプチドを、その阻害剤の設計に用いる方法もまた、本発明の側面
である。
【0017】 本発明はさらに、化学的または酵素的処理により、ACPLポリペプチドから
産生される断片化ペプチドを含む。さらに、ACPLポリペプチド分子量マーカ
ーおよびその断片化ペプチドの型であって、化学的または酵素的手段による断片
化に必要な部位が少なくとも1つ突然変異している前記型も、本発明の側面であ る。
【0018】 本発明はまた、電気泳動を用い、ACPLポリペプチド分子量マーカーおよび
その断片化ペプチドを視覚化するための方法も含む。本発明はさらに、タンパク
質または断片化タンパク質試料の分子量概算を可能にする分子量マーカーとして
、ACPLポリペプチド分子量マーカーおよびその断片化ペプチドを用いるため
の方法を含む。本発明はさらに、試料タンパク質の等電点の決定を援助するマー
カーとして、ACPLポリペプチドおよびその断片化ペプチドを用いるための方
法を含む。本発明はまた、タンパク質試料の断片化の程度を確かめるためのコン
トロールとして、ACPLポリペプチドおよびその断片化ペプチドを用いるため
の方法も含む。
【0019】 本発明にさらに含まれるのは、ACPLポリペプチド分子量マーカー、その断
片化ペプチド、および化学的または酵素的手段による断片化に必要な部位が少な
くとも1つ突然変異しているACPLポリペプチド分子量マーカーを利用し、試 料タンパク質の分子量決定を援助するキットである。
【0020】 やはり本発明に含まれるのは、ACPL依存誘導に基づく誘導性タンパク質発
現系に関連する過程である。こうした系には、限定されるわけではないが、IL
−18刺激に反応するNFκB仲介情報伝達およびIL−18刺激に反応するA
p−1仲介情報伝達のACPL依存誘導が含まれる。本発明にさらに含まれるの
は、MAPキナーゼファミリー、キナーゼJNKおよびp38のIL−18誘導
に対する反応に関連する過程である。
【0021】 発明の詳細な説明 マウスおよびヒトACPLポリペプチドをコードするcDNAが単離されそし
て配列番号1、配列番号3、配列番号4および配列番号6に開示される。ACP
LポリペプチドをコードするcDNAのこの発見により、ACPLポリペプチド
およびACPLポリペプチド断片をコードする核酸配列を含む発現ベクターの構
築;発現ベクターでトランスフェクションまたは形質転換されている宿主細胞の
構築;単離されそして精製されているタンパク質としての、生物学的に活性があ
るACPLポリペプチドおよびACPL分子量マーカーの構築;並びにACPL
ポリペプチドに免疫反応性である抗体の調製が可能になる。
【0022】 ACPLヌクレオチドおよびポリペプチドは以下のように得られた。マウス胸
腺由来のEST配列AA203986のIMAGEクローンを得てそして配列決
定した。本配列情報を用い、マウスT細胞(EL4)由来のcDNAライブラリ
ーをスクリーニングし、そしてACPL DNAの全長ネズミクローンを単離し
、そして配列決定した。該ACPL配列は、全読み枠に渡る少なくとも3つの別
個の単離体(isolate)由来の配列を代表する。マウスACPL DNA
のコード領域配列は、配列番号1に示す。配列番号1にコードされるアミノ酸配
列は、配列番号2に示す。配列番号1にコードされるマウスACPLは、14ア
ミノ酸のシグナルペプチド(配列番号2のN−からC−末端の残基1−14)を
含む、356アミノ酸の細胞外ドメイン(配列番号2の残基1−356);24
アミノ酸の膜貫通領域(配列番号2の残基357−380)およびアミノ酸の細
胞質ドメイン(配列番号2の残基381−614)を含む。
【0023】 本クローンの配列は、IL−1受容体ファミリーのメンバーの配列と類似性を
示し、それによりマウスACPL DNA(配列番号1)が、IL−1受容体フ
ァミリーのメンバーである受容体(配列番号2)をコードすることが示される。
【0024】 ヒトNK細胞ライブラリー由来のクローン、QQ1352は、マウスACPL
DNAのヒト相同体として同定された。クローンQQ1352は、一部スプラ
イシングされたmRNAクローンに相当し、そして本配列の一部は、Genba
nkに寄託番号B64403にて寄託された、BAC由来のゲノムDNAクロー
ン内に見られるエクソンの配列と同一である。さらに、本配列(配列番号5のヌ
クレオチド179−244)は、ヒトI型IL−1Rのエクソン7の位に対応し
、そしてACPLポリペプチドが炎症性反応の仲介に関与していることが示され
る。
【0025】 QQ1352クローンにコードされるアミノ酸配列を、マウスACPLポリペ
プチド配列と比較した。マウスACPLポリペプチド配列と、ヌクレオチド52
2から始まる、QQ1352の3つの異なる読み枠での翻訳物との最適合(be
stfit)比較を行った。これらの並列から、配列の位に応じ、3つの読み枠
すべてで、マウスおよびヒト配列間の有意な相同性につながる、少なくとも2つ
のフレームシフトがあることが明らかであり、QQ1352がヒトACPLの一
部を含むことが立証された。
【0026】 全長ヒトACPLを得るため、ヒトcDNAクローン、QQ1352を用い、
PBL、PBTおよびNK cDNAライブラリーからクローンを探査(pro
be)した。プローブとして用いたクローンQQ1352の領域は、ネズミAC
PLヌクレオチド1196から1753に相同であった。全長クローンは、これ
らのライブラリーのいずれからも得られなかったため、ベクター固定(vect
or−anchored)PCRを各ライブラリーで行い、読み枠の5’末端を
得た。ヒトACPLの全長DNA配列は、配列番号6に開示する。配列番号6に
コードされるアミノ酸配列は、配列番号7に示す。配列番号6にコードされるA
CPLは、14アミノ酸のシグナルペプチド(配列番号7のN−からC−末端の
残基1−14)を含む、356アミノ酸の細胞外ドメイン(配列番号7の残基1
−356);25アミノ酸の膜貫通領域(配列番号7の残基357−381)お
よびアミノ酸の細胞質ドメイン(配列番号7の残基382−599)を含む。
【0027】 ACPLおよびIL−1Rrp1の同時発現は、IL−18で刺激された細胞
においてNFκB活性の劇的な亢進を生じる。対照的に、ACPLまたはIL−
1Rrp1単独の発現はIL−18反応性を生じない。したがって、ACPLは
IL−18反応を仲介するのに役割を果たし、そしてIL−18受容体複合体の
構成要素である可能性がある。さらに、IL−18の受容体を、IL−18が誘
導する炎症性反応の阻害剤として用いることが可能である。したがって、本発明
の態様は、細胞外部分を含む。
【0028】 本発明の好ましいDNAおよびアミノ酸態様には、配列番号1および配列番号
6のコード領域、並びにそれぞれ配列番号2および配列番号7に示される、配列
番号1および配列番号6にコードされるアミノ酸が含まれる。さらなる好ましい
態様は、ACPLアミノ酸配列のドメインおよび該ドメインをコードするヌクレ
オチド配列である。配列番号7に関しては、該ドメインは:14アミノ酸のシグ
ナルペプチド(配列番号7のN−からC−末端の残基1−14)を含む、356
アミノ酸の細胞外ドメイン(配列番号7の残基1−356);25アミノ酸の膜
貫通領域(配列番号7の残基357−381)およびアミノ酸の細胞質ドメイン
(配列番号7の残基382−599)を含む。配列番号2に関しては、本発明の
ACPLアミノ酸配列ドメインは:14アミノ酸のシグナルペプチド(配列番号
2のN−からC−末端の残基1−14)を含む、356アミノ酸の細胞外ドメイ
ン(配列番号2の残基1−356);24アミノ酸の膜貫通領域(配列番号2の
残基357−380)およびアミノ酸の細胞質ドメイン(配列番号2の残基38
1−614)を含む。
【0029】 本発明の核酸の発見により、ポリペプチドをコードする核酸配列を含む発現ベ
クターの構築;該発現ベクターでトランスフェクションまたは形質転換されてい
る宿主細胞の構築;および単離されそして精製されている生物学的に活性がある
ポリペプチドおよびその断片の構築が可能になる。さらに、開示される核酸、お
よびその断片またはオリゴヌクレオチドの発見により、IL−1と相同性を有す
るタンパク質をコードする核酸を同定し、そしてIL−18仲介反応において役
割を有するタンパク質をコードする核酸を同定するためのプローブとしてそれら
を使用することが可能になる。さらに、本発明の核酸およびオリゴヌクレオチド
は、ヒト染色体2q上のDNAをマッピングし、そしてヒト染色体第2q番に関
連する特定の疾患、症候群または他のヒト異常に関連する遺伝子を同定するのに
使用を見出す。以下の表は、いくつかのこうした疾患、症候群、または異常を確
認する。
【0030】
【表1】
【0031】
【0032】 本発明の核酸により、ACPL遺伝子にコードされるポリヌクレオチドの発現
を阻害するための、該核酸由来の一本鎖センスまたはアンチセンスオリゴヌクレ
オチドの使用が可能になる。本発明のポリペプチドおよび可溶性断片(例えば配
列番号2および配列番号7の細胞外ドメイン並びにその活性断片)を用い、IL
−18仲介反応を阻害し、そしてACPL依存誘導に基づく誘導性タンパク質発
現系に関連する過程を研究してもよい。こうした系には、限定されるわけではな
いが、IL−18刺激に反応するNFκB仲介情報伝達およびIL−18刺激に
反応するAp−1仲介情報伝達のACPL依存誘導が含まれる。同様にこうした
過程には、MAPキナーゼファミリー、キナーゼJNKおよびp38のIL−1
8誘導に対する反応に関連するものが含まれる。
【0033】 本発明のポリペプチドおよびその断片化ペプチドは、さらに、分子量マーカー
としての使用、ペプチド断片化のコントロール試薬としての使用、そしてこれら
の試薬を含むキットの構成要素としての使用を見出す。さらに、本発明のポリペ
プチドおよびポリペプチド断片は、抗体の生成に有用である。こうして生成され
る抗体は、本発明に含まれ、そして治療剤として、および本発明のポリペプチド
およびポリペプチド断片を精製するための方法において、有用である。
【0034】 核酸 1つの態様において、本発明は内因性成分の汚染がない、特定の単離ヌクレオ
チド配列に関する。「ヌクレオチド配列」は、別個の断片の形の、またはより大
きな核酸構築物の構成要素としてのポリヌクレオチド分子を指す。核酸分子は、
実質的に純粋な型で、そして標準的生化学的方法(例えば、Sambrookら
, Molecular Cloning: A Laboratory Ma
nual, 第2版, Cold Spring Harbor Labora
tory, ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1989)に略述さ
れているものなど)によるその構成要素ヌクレオチド配列の同定、操作、および
回収を可能にする量または濃度で、少なくとも1度単離されているDNAまたは
RNAから由来している。好ましくは、こうした配列は、真核遺伝子に典型的に
存在する、内部非翻訳配列、またはイントロンにより中断されない読み枠の形で
提供されおよび/または構築される。非翻訳DNA配列は、該DNA配列がコー ド領域の操作または発現に干渉しない、読み枠の5’または3’に存在していて
もよい。
【0035】 本発明の核酸分子は、一本鎖および二本鎖型両方のDNAと共に、そのRNA
相補体(complement)も含む。DNAには、例えばcDNA、ゲノム
DNA、化学的に合成されたDNA、PCRにより増幅されたDNA、およびそ
れらの組み合わせが含まれる。ゲノムDNAは、例えば、配列番号1、配列番号
3、配列番号6、または適切なその断片をプローブとして用い、慣用技術により
単離してもよい。
【0036】 本発明のDNA分子は、全長遺伝子と共にポリヌクレオチドおよびその断片を
含む。全長遺伝子は、N−末端シグナルペプチドを含んでもよい。他の態様は、
可溶性型をコードする、例えばシグナルペプチドを含むまたは含まない、該タン
パク質の細胞外ドメインをコードするDNAを含む。
【0037】 本発明の核酸は、好ましくは、ヒト供給源から由来するが、本発明は、非ヒト
種由来のものもまた含む。
【0038】 1つ以上のコドンが同一のアミノ酸をコードする可能性がある、遺伝暗号の既
知の縮重のため、DNA配列は配列番号1、配列番号3および配列番号6に示さ
れるものと異なり、そしてなお配列番号2および配列番号7のアミノ酸配列を有
するポリペプチドをコードする可能性がある。こうした変異体DNA配列は、沈
黙(silent)突然変異(例えば、PCR増幅中に発生する)から生じても
よいし、または天然配列の意図的な突然変異誘発の産物であってもよい。
【0039】 したがって、本発明は、本発明のポリペプチドをコードする単離DNA配列で
あって:(a)配列番号1、配列番号3および配列番号6のヌクレオチド配列を
含むDNA;(b)配列番号2および配列番号7のポリペプチドをコードするD
NA;(c)中程度にストリンジェントな条件下で(a)または(b)のDNA
にハイブリダイズすることが可能であり、そしてACPL活性を有するポリペプ
チドをコードするDNA;(d)非常にストリンジェントな条件下で、(a)ま
たは(b)のDNAにハイブリダイズすることが可能であり、そして本発明のポ
リペプチドをコードするDNA;および(e)(a)、(b)、(c)、または
(d)に定義されるDNAに対し遺伝暗号の結果として縮重しており、そして本
発明のポリペプチドをコードするDNAより選択される、前記単離DNA配列を
提供する。もちろん、こうしたDNA配列にコードされるポリペプチドが本発明
に含まれる。
【0040】 本明細書において、中程度にストリンジェントな条件は、例えば、DNAの長
さに基づき、一般の技術を有する当業者により、容易に決定することが可能であ
る。基本的な条件は、Sambrookら, Molecular Cloni
ng:A Laboratory Manual,第2版, Vol. 1,
pp.1.101−104, Cold Spring Harbor Lab
oratory Press,(1989)に示され、そしてニトロセルロース
フィルターに関し、5 X SSC、0.5% SDS、1.0 mM EDT
A(pH 8.0)の前洗浄溶液、および約42℃での、約50%ホルムアミド
、6 X SSC(または約42℃での約50%ホルムアミド中の、例えばスタ
ーク溶液(Stark’s solution)などの他の同様のハイブリダイ
ゼーション溶液)のハイブリダイゼーション条件、および約60℃、0.5 X
SSC、0.1% SDSの洗浄条件の使用が含まれる。非常にストリンジェ
ントな条件もまた、例えばDNAの長さに基づき、当業者により、容易に決定す
ることが可能である。一般的に、こうした条件は、上記のようなハイブリダイゼ
ーション条件、およびおよそ68℃、0.2 X SSC、0.1% SDSの
洗浄を伴うと定義される。当業者は温度および洗浄溶液塩濃度は、プローブの長
さなどの要因にしたがい、必要に応じ調整してもよいことを認識するであろう。
【0041】 本発明の態様としてやはり含まれるのは、以下に記載されるような、不活性化
N−糖鎖付加部位、不活性化プロテアーゼプロセシング部位、または保存的アミ
ノ酸置換を含む、ポリペプチド断片およびポリペプチドをコードするDNAであ
る。
【0042】 別の態様において、本発明の核酸分子はまた、天然配列に少なくとも80%同
一であるヌクレオチド配列も含む。やはり意図されるのは、核酸分子が、天然配
列に少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも98%同一、少
なくとも99%同一、または少なくとも99.9%同一である配列を含む、態様
である。
【0043】 同一性パーセントは、視覚的検査および数学的計算により決定してもよい。あ
るいは、2つの核酸配列の同一性パーセントは、Devereuxら(Nucl
. Acids Res. 12:387, 1984)に記載され、そしてウ
ィスコンシン大学遺伝学コンピューターグループ(UWGCG)より入手可能な
GAPコンピュータープログラム、バージョン6.0を用い配列情報を比較する
ことにより、決定してもよい。GAPプログラムの好ましいデフォルトパラメー
ターには:(1)ヌクレオチドに関する単一(unary)比較マトリックス(
同一に対し1および非同一に対し0の値を含む)、およびSchwartzおよ
びDayhoff監修,Atlas of Protein Sequence
and Structure, National Biomedical
Research Foundation,pp.353−358, 1979
に記載されるような、GribskovおよびBurgess, Nucl.
Acids Res. 14:6745, 1986の加重比較マトリックス;
(2)各ギャップに対する3.0のペナルティおよび各ギャップ中の各記号に対
しさらに0.10のペナルティ;および(3)末端ギャップに対するペナルティ
なし、が含まれる。当業者に用いられる、配列比較の他のプログラムもまた、用
いてもよい。
【0044】 本発明はまた、ポリペプチドの産生に有用な単離核酸も提供する。こうしたポ
リペプチドは、いくつかの慣用技術のいずれにより調製してもよい。ACPLポ
リペプチド、または望ましいその断片をコードするDNA配列を、該ポリペプチ
ドまたは断片を産生するための発現ベクター内にサブクローンしてもよい。DN
A配列は、好都合に、適切なリーダーまたはシグナルペプチドをコードする配列
に融合させる。あるいは、既知の技術を用い、望ましい断片を化学的に合成して
もよい。DNA断片はまた、全長クローン化DNA配列の制限エンドヌクレアー
ゼ消化により産生し、そしてアガロースゲル上の電気泳動により単離してもよい
。必要であれば、望ましい点まで5’または3’末端を再構築したオリゴヌクレ
オチドを、制限酵素消化により生成されたDNA断片に連結してもよい。こうし
たオリゴヌクレオチドはさらに、望ましいコード配列、およびコード配列のN−
末端の開始コドン(ATG)位の上流に、制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含
んでもよい。
【0045】 周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法もまた、望ましいタンパク質断片を
コードするDNA配列を単離しそして増幅するのに使用してもよい。DNA断片
の望ましい末端を定めるオリゴヌクレオチドを、5’および3’プライマーとし
て使用する。該オリゴヌクレオチドはさらに、発現ベクターへの増幅DNA断片
の挿入を容易にするため、制限エンドヌクレアーゼの認識部位を含んでもよい。
PCR技術は、Saikiら, Science 239:487(1988)
;Recombinant DNA Methodology, Wuら監修,
Academic Press, Inc.,サンディエゴ(1989);p
p.189−196;およびPCR Protocols: A Guide
to Methods and Applications, Innisら監
修, Academic Press, Inc.(1990)に記載される。
【0046】 ポリペプチドおよびその断片 本発明は、ポリペプチドおよび多様な型のその断片を含み、天然発生である、
または組換えDNA技術を伴う方法などの多様な技術を通じ産生されるものを含
む。こうした型には、限定されるわけではないが、誘導体、変異体、およびオリ
ゴマーと共に、融合タンパク質またはその断片が含まれる。
【0047】 当業者は、上述のACPLポリペプチドドメイン(例えば細胞外ドメイン、シ
グナルペプチド、膜貫通領域および細胞質ドメイン)の境界はおよそのものであ
り、そして膜貫通領域およびシグナルペプチド(本目的のため利用可能であるコ
ンピュータープログラムを用いることにより予測することが可能である)境界は
上述のものと異なる可能性があることを認識するであろう。
【0048】 本発明のポリペプチドは、膜に結合していても、または分泌されそしてしたが
って可溶性であってもよい。可溶性ポリペプチドは、発現される細胞から分泌さ
れることが可能である。一般的に、可溶性ポリペプチドは、例えば遠心分離など
により、望ましいポリペプチドを発現する損なわれていない(intact)細
胞を培地から分離し、そして望ましいポリペプチドの存在に関し培地(上清)を
アッセイすることにより、同定する(そして非可溶性膜結合対応物と区別する)
ことが可能である。培地中にポリペプチドが存在することにより、該ポリペプチ
ドが細胞から分泌され、そしてしたがって該タンパク質の可溶性型であることが
示される。
【0049】 1つの態様において、可溶性ポリペプチドおよびその断片は、細胞外ドメイン
のすべてまたは一部を含むが、細胞膜へのポリペプチドの保持を生じるであろう
膜貫通領域を欠く。可溶性ポリペプチドは、該ポリペプチドが産生細胞から分泌
される限り、細胞質ドメイン、またはその一部を含んでもよい。可溶性ポリペプ
チドのさらなる例は、細胞質ドメインおよび膜貫通領域だけでなく、上述のスペ
ーサー領域のすべてまたは一部も欠いているものである。
【0050】 一般的に、可溶性型の使用は特定の適用に有益である。可溶性ポリペプチドは
宿主細胞から分泌されるため、組換え宿主細胞からのポリペプチドの精製が容易
になる。可溶性ポリペプチドは、一般的に、静脈内投与に、より適している。さ
らに、可溶性ポリペプチドは、ACPL結合タンパク質に関連する活性を阻害す
るのに有用である可能性がある。
【0051】 本発明はまた、ACPLポリペプチド、および望ましい生物学的活性を保持す
るその断片(例えば細胞外ドメイン)も提供する。特定の態様は、ACPL結合
タンパク質または結合パートナーに結合する能力を保持するポリペプチド断片に
関する。こうした断片は、上述のように可溶性ポリペプチドであってもよい。別
の態様において、ポリペプチドおよび断片は、好都合に、上述のようなIL−1
受容体ファミリーに保存される領域を含む。
【0052】 本明細書にやはり提供されるのは、配列番号2または配列番号7の配列の隣接
アミノ酸を少なくとも20、または少なくとも30含むポリペプチド断片である
。細胞質ドメイン由来の断片は、情報伝達研究において、そして生物学的情報の
伝達に関連する細胞過程の制御において、使用を見出す。ポリペプチド断片はま
た、抗体を産生する際の免疫原として使用してもよい。
【0053】 変異体 天然発生変異体と共に、ポリペプチドおよび断片由来変異体が本明細書に提供
される。
【0054】 変異体は、少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を示してもよい。やはり
意図されるのは、ポリペプチドまたは断片が、好ましいポリペプチドまたはその
断片に、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも98%同一
、少なくとも99%同一、または少なくとも99.9%同一であるアミノ酸配列
を含む、態様である。同一性パーセントは、視覚的検査および数学的計算により
決定してもよい。あるいは、2つのタンパク質配列の同一性パーセントは、Ne
edlemanおよびWunsch(J. Mol. Bio. 48:443
, 1970)のアルゴリズムに基づき、そしてウィスコンシン大学遺伝学コン
ピューターグループ(UWGCG)より入手可能なGAPコンピュータープログ
ラムを用い配列情報を比較することにより、決定してもよい。GAPプログラム
の好ましいデフォルトパラメーターには:(1)HenikoffおよびHen
ikoff(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:
10915, 1992)に記載されるような、スコアリング・マトリックス、
blosum62;(2)12のギャップ加重;(3)4のギャップ長加重;お
よび(4)末端ギャップに対するペナルティなし、が含まれる。当業者に用いら
れる、配列比較の他のプログラムもまた、用いてもよい。
【0055】 本発明の変異体には、例えば、選択的mRNAスプライシング事象またはタン
パク質分解切断から生じるものが含まれる。mRNAの選択的スプライシングは
、例えば、一部切除されている(truncated)が生物学的に活性がある
タンパク質を生じる可能性があり、例えば該タンパク質の天然発生可溶性型など
がある。タンパク質分解に起因すると考えられる変動には、例えば、異なる種類
の宿主細胞における発現に際しての、該タンパク質からの1つまたはそれ以上の
末端アミノ酸(一般的に1−5末端アミノ酸)のタンパク質分解的除去によるN
−またはC−末端の相違が含まれる。アミノ酸配列の相違を遺伝的多型性(該タ
ンパク質を産生する個体の間の対立遺伝子変動)に起因しうるタンパク質もまた
、本発明に意図される。
【0056】 本発明の範囲内のさらなる変異体には、他の化学部分、例えばグリコシル基、
脂質、リン酸、アセチル基およびそれらに匹敵するものと共有または凝集結合体
を形成することにより、修飾され、誘導体を生成する可能性があるポリペプチド
が含まれる。共有誘導体は、アミノ酸側鎖上の、あるいはポリペプチドのN−末
端またはC−末端の、官能基上に、化学部分を連結することにより、調製しても
よい。以下により詳細に記載されるような、結合している診断用剤(検出可能)
または治療剤を含む結合体が本発明に意図される。
【0057】 他の誘導体には、例えばN−末端またはC−末端融合体として組換え培養にお
いて合成されることによる、該ポリペプチドと他のタンパク質またはポリペプチ
ドとの共有または凝集結合体が含まれる。融合タンパク質の例は、オリゴマーと
関連し、以下に論じられる。さらに、融合タンパク質は精製および同定を容易に
するため添加されるペプチドを含んでもよい。こうしたペプチドには、例えば、
ポリHisまたは米国特許第5,011,912号およびHoppら, Bio
/Technology 6:1204, 1988に記載される抗原性同定ペ
プチドが含まれる。こうしたペプチドの1つはFLAG(登録商標)ペプチド、
Asp−Tyr−Lys−Asp−Asp−Asp−Asp−Lysであり、該
ペプチドは抗原性が高く、そして特異的なモノクローナル抗体が可逆的に結合す
るエピトープを提供し、発現された組換えタンパク質の迅速なアッセイおよび容
易な精製を可能にする。4E11と称されるネズミハイブリドーマは、本明細書
に援用される米国特許第5,011,912号に記載されるように、特定の二価
金属陽イオンの存在下でFLAG(登録商標)ペプチドに結合するモノクローナ
ル抗体を産生する。4E11ハイブリドーマ細胞株は、寄託番号第HB 925
9号下に、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American
Type Culture Collection)に寄託されている。FL
AG(登録商標)に結合するモノクローナル抗体は、Eastman Koda
k Co., Scientific Imaging Systems Di
vision、コネチカット州ニューヘブンより入手可能である。
【0058】 本明細書に提供される変異体ポリペプチドの中に、天然の生物学的活性を保持
する天然ポリペプチドの変異体または実質的なその同等物(equivalen
t)がある。1つの例は、天然型と本質的に同一の結合親和性でその結合タンパ
ク質または結合パートナーに結合する変異体である。結合親和性は、例えば米国
特許第5,512,457号に記載されるように、そして以下に示されるように
、簡便な方法により測定することが可能である。
【0059】 変異体には、実質的に天然型と相同であるが、1つまたはそれ以上の欠失、挿 入または置換のため、天然型と異なるアミノ酸配列を有する、ポリペプチドが含
まれる。特定の態様には、限定されるわけではないが、天然配列と比較して、ア
ミノ酸残基の1ないし10の欠失、挿入または置換を含むポリペプチドが含まれ
る。
【0060】 既定のアミノ酸を、例えば同様の物理化学的特性を有する残基により置換して
もよい。こうした保存的置換の例には、1つの脂肪族残基を互いに、例えばIl
e、Val、Leu、またはAlaを互いに置換するもの;LysおよびArg
;GluおよびAsp;またはGlnおよびAsn間といった、1つの極性残基
から別のものへの置換;あるいは芳香族残基の別のものでの置換、例えばPhe
、Trp、またはTyrを互いに置換するものが含まれる。他の保存的置換、例
えば、同様の疎水性特性を有する領域全体の置換が、周知である。
【0061】 同様に、本発明のDNAには、1つまたはそれ以上の欠失、挿入または置換の
ため、天然DNA配列とは異なるが、生物学的に活性があるポリペプチドをコー
ドする変異体が含まれる。
【0062】 本発明はさらに、結合する天然パターン糖鎖付加を含むまたは含まないポリペ
プチドを含む。酵母または哺乳動物発現系(例えばCOS−1またはCOS−7
細胞)で発現されたポリペプチドは、発現系の選択に応じ、分子量および糖鎖付
加パターンにおいて、天然ポリペプチドと同様である可能性も、または有意に異
なる可能性もある。細菌発現系、例えば大腸菌(E. coli)での本発明の
ポリペプチドの発現は、非糖鎖付加分子を提供する。さらに、既定の調製は、多
数の異なって糖鎖付加されたタンパク質種を含む可能性がある。グリコシル基は
、慣用的な方法、特にグリコペプチダーゼを利用するものを通じ、除去してもよ
い。一般的に、本発明の糖鎖付加ポリペプチドを、モル過剰のグリコペプチダー
ゼ(Boehringer Mannheim)とインキュベーションしてもよ
い。
【0063】 これに対応して、アミノ酸残基または配列の多様な付加または置換、あるいは
末端または内部の残基または配列の欠失をコードする同様のDNA構築物が、本
発明に含まれる。例えば、ポリペプチド細胞外ドメインのN−糖鎖付加部位を修
飾し、糖鎖付加を妨げてもよく、これにより哺乳動物および酵母発現系における
炭水化物減少類似体(analog)の発現が可能になる。真核ポリペプチドの
N−糖鎖付加部位はアミノ酸トリプレットAsn−X−Yにより特徴付けられ、
ここでXはPro以外のいかなるアミノ酸でもよく、そしてYはSerまたはT
hrである。これらのトリプレットをコードするヌクレオチド配列に対する適切
な置換、付加または欠失は、Asn側鎖での炭水化物残基の結合の防止を生じる
であろう。例えば、Asnが異なるアミノ酸により置換されるように選択される
、単一のヌクレオチドの改変は、N−糖鎖付加部位を不活性化するのに十分であ
る。あるいは、SerまたはThrを別のアミノ酸、例えばAlaで置換しても
よい。タンパク質のN−糖鎖付加部位を不活性化するための既知の方法には、本
明細書に援用される、米国特許第5,071,972号およびEP 276,8
46に記載されるものが含まれる。
【0064】 変異体の別の例において、生物学的活性に必須でないCys残基をコードする
配列を改変し、Cys残基が欠失され、または他のアミノ酸で置換されるように
し、フォールディングまたは再生の際、誤った分子内ジスルフィド架橋が形成さ
れるのを妨げてもよい。
【0065】 他の変異体は、KEX2プロテアーゼ活性が存在する酵母系における発現を亢
進させるため、隣接する二塩基性アミノ酸残基を修飾することにより調製される
。EP 212,914は、タンパク質のKEX2プロテアーゼプロセシング部
位を不活性化するための部位特異的突然変異誘発の使用を開示する。KEX2プ
ロテアーゼプロセシング部位は、Arg−Arg、Arg−Lys、およびLy
s−Arg対を改変し、これらの隣接する塩基性残基の発生を除去するため、残
基を欠失、付加、または置換することにより、不活性化される。Lys−Lys
対はKEX2切断にかなり感受性が低く、そしてArg−LysまたはLys−
ArgのLys−Lysへの変換は、KEX2部位を不活性化する保存的なそし
て好ましいアプローチを代表する。
【0066】 オリゴマー 本発明に含まれるのは、ACPLポリペプチドを含むオリゴマーまたは融合タ
ンパク質である。こうしたオリゴマーは、二量体、三量体、またはより高次のオ
リゴマーを含む、共有結合または非共有結合多量体型であってもよい。上述のよ
うに、好ましいポリペプチドは可溶性であり、そしてしたがってこれらのオリゴ
マーは可溶性ポリペプチドを含んでもよい。本発明の1つの側面において、オリ
ゴマーはポリペプチド構成要素の結合能を維持し、そしてしたがって、二価、三
価などの結合部位を提供する。
【0067】 本発明の1つの態様は、ポリペプチドに融合しているペプチド部分間の共有ま
たは非共有相互作用を介し結合している多数のポリペプチドを含むオリゴマーに
関する。こうしたペプチドは、ペプチドリンカー(スペーサー)であってもよく
、またはオリゴマー化を促進する特性を有するペプチドであってもよい。以下に
より詳細に記載されるように、ロイシンジッパーおよび抗体由来の特定のポリペ
プチドが、結合するポリペプチドのオリゴマー化を促進することが可能なペプチ
ドに含まれる。
【0068】 免疫グロブリンに基づくオリゴマー 1つの代替物として、免疫グロブリンに由来するポリペプチドを用い、オリゴ
マーを調製する。抗体由来ポリペプチドの多様な部分(Fcドメインを含む)に
融合している特定の異種性ポリペプチドを含む融合タンパク質の調製は、例えば
、Ashkenaziら(PNAS USA 88:10535, 1991)
;Byrnら(Nature 344:677, 1990);並びにHoll
enbaughおよびAruffo(Current Protocols i
n Immunology中, “Construction of Immu
noglobulin Fusion Proteins”, Suppl.4
, 10.19.1−10.19.11, 1992)に記載されている。
【0069】 本発明の1つの態様は、本発明のポリペプチドを抗体由来のFcポリペプチド
に融合させることにより生成される2つの融合タンパク質を含む二量体に関する
。ポリペプチド/Fc融合タンパク質をコードする遺伝子融合体を適切な発現ベ
クターに挿入する。該組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞でポリペプ
チド/Fc融合タンパク質を発現し、そして抗体分子によく似た形で集合させ、
その結果、鎖間ジスルフィド結合がFc部分間に形成され、二価分子を生じる。
【0070】 本明細書において、「Fcポリペプチド」という用語は、Fc領域のCHドメ
インのいずれかまたはすべてを含む抗体のFc領域から構成される天然および突
然変異タンパク質(mutein)型ポリペプチドを含む。二量体化を促進する
ヒンジ領域を含むこうしたポリペプチドの一部切除型もまた含まれる。好ましい
ポリペプチドはヒトIgG1抗体由来のFcポリペプチドを含む。
【0071】 PCT出願第WO 93/10151号(本明細書に援用される)に記載され
る1つの適切なFcポリペプチドは、ヒトIgG1抗体のFc領域のN−末端ヒ
ンジ領域から天然C−末端に渡る一本鎖ポリペプチドである。別の有用なFcポ
リペプチドは、本明細書に援用される米国特許第5,457,035号およびB
aumら(EMBO J. 13:3992−4001, 1994)に記載さ
れるFc突然変異タンパク質である。本突然変異タンパク質のアミノ酸配列は、
アミノ酸19がLeuからAlaに変化し、アミノ酸20がLeuからGluに
変化し、そしてアミノ酸22がGlyからAlaに変化していることを除けば、
WO 93/10151に示される天然Fc配列のものと同一である。該突然変
異タンパク質は、Fc受容体に対し、減少した親和性を示す。
【0072】 Fc部分を含む上述の融合タンパク質(およびそれから形成されるオリゴマー
)は、プロテインAまたはプロテインGカラム上のアフィニティークロマトグラ
フィーによる容易な精製という利点を提供する。
【0073】 他の態様において、本発明のポリペプチドを、抗体重鎖または軽鎖の可変部に
関し置換してもよい。融合タンパク質が抗体の重鎖および軽鎖両方で作成されて
いる場合、4つものACPL細胞外領域を持つオリゴマーを形成することが可能
である。あるいは、ACPLまたはACPLの可溶性断片、例えば細胞外領域、
およびIL−1Rrp1またはIL−1Rrp1の可溶性断片、例えば細胞外領
域が、抗体重鎖または軽鎖の可変部に関し置換されるように、融合タンパク質を
調製してもよい。
【0074】 ペプチドリンカーに基づくオリゴマー あるいは、オリゴマーはペプチドリンカー(スペーサーペプチド)を含むまた
は含まない多数のポリペプチドを含む融合タンパク質である。適切なペプチドリ
ンカーの中に、本明細書に援用される米国特許第4,751,180号および第
4,935,233号に記載されるものがある。望ましいペプチドリンカーをコ
ードするDNA配列は、いかなる適切な慣用的技術を用い、本発明のDNA配列
の間に、そして該DNA配列と同じ読み枠で挿入してもよい。例えば、リンカー
をコードする化学的に合成されたオリゴヌクレオチドを、配列間に連結してもよ
い。特定の態様において、融合タンパク質は、ペプチドリンカーにより分離され
た、2ないし4つの可溶性ACPLポリペプチドを含む。同様に、上述のように
、融合タンパク質は、2つのACPLポリペプチドまたは断片および2つのIL
−1Rrp1ポリペプチドまたは断片を含んでもよい。
【0075】 ロイシンジッパー 本発明のオリゴマーを調製するための別の方法は、ロイシンジッパーの使用を
伴う。ロイシンジッパードメインは、該ドメインが見られるタンパク質のオリゴ
マー化を促進するペプチドである。ロイシンジッパーは、元々、いくつかのDN
A結合タンパク質で同定され(Landschulzら, Science 2
40:1759, 1988)、そして以来、多様な異なるタンパク質で見出さ
れてきている。既知のロイシンジッパーの中に、二量体化または三量体化する天
然発生ペプチドおよびその誘導体がある。
【0076】 ジッパードメイン(本明細書において、オリゴマー化、またはオリゴマー形成
ドメインとも呼ばれる)は、繰り返される7残基反復が含まれ、しばしば4つま
たは5つのロイシン残基が、他のアミノ酸に点在する。ジッパードメインの例に
は、酵母転写因子GCN4およびラット肝臓に見られる熱安定性DNA結合タン
パク質(C/EBP; Landschulzら, Science 243:
1681, 1989)がある。2つの核トランスフォーミングタンパク質、f
osおよびjunもまた、ネズミプロトオンコジーンc−mycの遺伝子産物同
様、ジッパードメインを示す(Landschulzら, Science 2
40:1759, 1988)。核発癌遺伝子、fosおよびjunの産物は、
ヘテロ二量体を優先して形成するジッパードメインを含む(O'Sheaら, Science 245;646, 1989;TurnerおよびTijan
, Science 243:1689, 1989)。ジッパードメインは、
これらのタンパク質の生物学的活性(DNA結合)に必要である。
【0077】 パラミクソウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルスおよび多くのレトロウイ
ルスを含む、いくつかの異なるウイルスの融合体形成性(fusogenic)
タンパク質もまた、ジッパードメインを所有する(BucklandおよびWi
ld, Nature 338:547, 1989;Britton, Na
ture 353:394, 1991;DelwartおよびMosialo
s, AIDS Research and Human Retroviru
ses 6:703, 1990)。これらの融合体形成性ウイルスタンパク質
のジッパードメインは、該タンパク質の膜貫通領域の近くにあり;ジッパードメ
インが、該融合体形成性タンパク質のオリゴマー構造に寄与する可能性が示唆さ
れてきている。融合体形成性ウイルスタンパク質のオリゴマー化は、融合孔(f
usion pore)形成に関与している(Spruceら, Proc.
Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88:3523, 199
1)。ジッパードメインはまた、最近、熱ショック転写因子のオリゴマー化に役
割を果たしているとも報告されてきている(Rabindranら, Scie
nce 259:230, 1993)。
【0078】 ジッパードメインは、短い、平行コイルドコイル(parallel coi
led coil)として折りたたまれている(O'Sheaら, Scien ce 254:539, 1991)。平行コイルドコイルの一般的構造は、C
rickにより1953年に提唱されたような「ノブを穴へ(knobs−in
to−holes)」パッキング(Acta Crystallogr. 6:
689)により、よく特徴付けられている。ジッパードメインにより形成された
二量体は、McLachlanおよびStewert(J. Mol. Bio
l. 98:293; 1975)の表記にしたがい、(abcdefg)nと 表される、7残基反復により安定化される。ここでaおよびdは一般的に疎水性
残基であり、dはロイシンであり、これらはらせんの同じ面に並ぶ。逆に荷電し
た残基は普通、gおよびe位にある。したがって、2つのらせん状ジッパードメ
インから形成される平行コイルドコイルにおいて、第一のらせんの疎水性側鎖に
より形成された「ノブ」は、第二のらせんの側鎖間に形成された「穴」にパッキ
ングされる。
【0079】 d位の残基(しばしばロイシン)は、巨大な疎水性安定化エネルギーに寄与し
、そしてオリゴマー形成に重要である(Krystekら, Int. J.
Peptide Res. 38:229, 1991)。Lovejoyら(
Science 259:1288, 1993)は最近、らせんが上−上−下
に走る、三重鎖αらせん束合成を報告した。彼らの研究により、疎水性安定化エ
ネルギーが、らせん単量体からのコイルドコイルの形成のための主要な原動力を
提供していることが裏付けられた。これらの研究はまた、静電相互作用がコイル
ドコイルの化学量論および形状に寄与していることも示している。ロイシンジッ
パーの構造のさらなる議論は、Harburyら(Science 262:1
401, 26 November 1993)に見られる。
【0080】 可溶性オリゴマータンパク質を産生するのに適したロイシンジッパードメイン
の例は、PCT出願第WO 94/10308号に記載されると共に、本明細書
に援用されるHoppeら(FEBS Letters 344:191, 1
994)に記載される肺界面活性物質プロテインD(SPD)由来のロイシンジ
ッパードメインも一例である。修飾ロイシンジッパーに融合している異種性タン
パク質の安定した三量体化を可能にする、該修飾ロイシンジッパーの使用が、F
anslowら(Semin. Immunol. 6:267−278, 1
994)に記載されている。ロイシンジッパーペプチドに融合している可溶性ポ
リペプチドを含む組換え融合タンパク質を適切な宿主細胞で発現し、そして形成
される可溶性オリゴマーを培養上清から回収する。
【0081】 特定のロイシンジッパー部分は、優先的に三量体を形成する。1つの例は、本
明細書に完全に援用されるHoppeら(FEBS Letters 344:
191, 1994)および米国特許第5,716,805号に記載されるよう
な、上述の肺界面活性物質プロテインD(SPD)由来のロイシンジッパーであ
る。本肺SPD由来ロイシンジッパーペプチドは、アミノ酸配列Pro Asp
Val Ala Ser Leu Arg Gln Gln Val Glu
Ala Leu Gln Gly Gln Val Gln His Leu
Gln Ala Ala Phe Ser Gln Tyrを含む。
【0082】 三量体化を促進するロイシンジッパーの別の例は、米国特許第5,716,8
05号に記載されるような、アミノ酸配列Arg Met Lys Gln I
le Glu Asp Lys Ile Glu Glu Ile Leu S
er Lys Ile Tyr His Ile Glu Asn Glu I
le Ala Arg Ile Lys Lys Leu Ile Gly G
lu Argを含むペプチドである。1つの別の態様において、N−末端Asp
残基が添加され;別の態様では、該ペプチドはN−末端Arg残基が欠けている
【0083】 オリゴマー化を促進する特性を保持する、前述のジッパーペプチドの断片もま
た、使用してもよい。こうした断片の例には、限定されるわけではないが、前述
のアミノ酸配列に示される1つまたは2つのN−末端またはC−末端残基を欠く
ペプチドが含まれる。ロイシンジッパーは、天然発生ロイシンジッパーから、例
えばオリゴマー化を促進するペプチドの能力が保持されるように、天然アミノ酸
配列の保存的置換を介し、得てもよい。
【0084】 天然発生三量体タンパク質由来の他のペプチドを、三量体ACPLを含むオリ
ゴマーACPLを調製するのに使用してもよい。あるいは、オリゴマー化を促進
する合成ペプチドを使用してもよい。特定の態様において、ロイシンジッパー部
分のロイシン残基を、イソロイシン残基により置換してもよい。イソロイシンを
含むこうしたペプチドは、イソロイシンジッパーと呼んでもよいが、本明細書に
おいて「ロイシンジッパー」という用語に含まれる。
【0085】 ポリペプチドおよびその断片の産生 本発明のポリペプチドおよび断片の単離および精製は、いかなる適切な技術に
より達成してもよく、限定されるわけではないが以下を含む: 発現系 本発明はまた、DNAを含む組換えクローニング用および発現ベクターと共に
、該組換えベクターを含む宿主細胞も提供する。DNAを含む発現ベクターを用
い、該DNAにコードされる本発明のポリペプチドまたは断片を調製してもよい
。ポリペプチドを産生するための方法は、ポリペプチドをコードする組換え発現
ベクターで形質転換されている宿主細胞を、該ポリペプチドの発現を促進する条
件下で培養し、その後培養から発現ポリペプチドを回収することを含む。当業者
は、発現ポリペプチドを精製するための方法は使用する宿主細胞の種類、および
該ポリペプチドが膜に結合しているかまたは宿主細胞から分泌される可溶性型か
などの要因にしたがい、多様であろうことを認識するであろう。
【0086】 いかなる適切な発現系を使用してもよい。ベクターは、例えば、哺乳動物、微
生物、ウイルス、または昆虫遺伝子由来の適切な転写または翻訳制御ヌクレオチ
ド配列に、機能可能であるように連結されている、本発明のポリペプチドまたは
断片をコードするDNAを含む。制御配列の例には、転写プロモーター、オペレ
ーター、またはエンハンサー、mRNAリボソーム結合部位、および転写および
翻訳開始および終結を調節する適切な配列が含まれる。ヌクレオチド配列は、制
御配列が該DNA配列に機能的に関連しているとき、機能可能であるように連結
されている。したがって、プロモーターヌクレオチド配列は、該プロモーターヌ
クレオチド配列がDNA配列の転写を調節するならば、DNA配列に、機能可能
であるように連結されている。望ましい宿主細胞において複製する能力を与える
複製起点、および形質転換体を同定する選択遺伝子が、一般的に発現ベクターに
取り込まれている。
【0087】 さらに、適切なシグナルペプチド(天然または異種性)をコードする配列を、
発現ベクターに取り込んでもよい。シグナルペプチド(分泌リーダー)のDNA
配列を、インフレームで本発明の核酸配列に融合させ、DNAがまず転写され、
そしてmRNAがシグナルペプチドを含む融合タンパク質に翻訳されるようにし
てもよい。意図される宿主細胞で機能するシグナルペプチドは、ポリペプチドの
細胞外分泌を促進する。シグナルペプチドは、ポリペプチドの細胞からの分泌に
際し、ポリペプチドから切断される。
【0088】 当業者はまた、シグナルペプチドが切断される位は、コンピュータープログラ
ムに予測されるものと異なる可能性があり、そして組換えポリペプチドを発現す
るのに使用される宿主細胞の種類などの要因にしたがい、多様である可能性があ
ることも認識するであろう。タンパク質調製は、1つ以上の部位でのシグナルペ
プチドの切断から生じる、異なるN−末端アミノ酸を有するタンパク質分子の混
合物を含んでもよい。
【0089】 ポリペプチドの発現に適した宿主細胞には、原核、酵母またはより高次の真核
細胞が含まれる。宿主細胞としての使用には、哺乳動物または昆虫細胞が一般的
に好ましい。細菌、真菌、酵母、および哺乳動物細胞宿主に適したクローニング
用および発現ベクターは、例えば、Pouwelsら, Cloning Ve
ctors: A Laboratory Manual, ニューヨーク州エ
ルセビア(1985)に記載されている。細胞不含翻訳系もまた、本明細書に開
示されるDNA構築物由来のRNAを用い、ポリペプチドを産生するのに使用し
てもよい。
【0090】 原核発現系 原核生物には、グラム陰性またはグラム陽性生物が含まれる。形質転換に適し
た原核宿主細胞には、例えば、大腸菌(E. coli)、枯草菌(Bacil
lus subtilis)、ネズミチフス菌(Salmonella typ
himurium)、並びにシュードモナス属(Pseudomonas)、ス
トレプトミセス属(Streptomyces)、およびブドウ球菌属(Sta
phylococcus)内の多様な他の種が含まれる。大腸菌などの原核宿主
細胞において、組換えポリペプチドの該原核宿主細胞における発現を容易にする
ため、ポリペプチドはN−末端メチオニン残基を含んでもよい。N−末端Met
は、発現された組換えポリペプチドから切断してもよい。
【0091】 原核宿主細胞に用いるための発現ベクターは、一般的に、1つまたはそれ以上
の表現型選択可能マーカー遺伝子を含む。表現型選択可能マーカー遺伝子は、例
えば、抗生物質耐性を与える、または独立栄養必要条件を供給するタンパク質を
コードする遺伝子である。原核宿主細胞に有用な発現ベクターの例には、クロー
ニングベクターpBR322(ATCC 37017)など、商業的に入手可能
なプラスミド由来のものが含まれる。pBR322は、アンピシリンおよびテト
ラサイクリン耐性遺伝子を含み、そしてしたがって、形質転換細胞を同定する簡
単な手段を提供する。適切なプロモーターおよびDNA配列をpBR322ベク
ター中に挿入する。他の商業的に入手可能なベクターには、例えば、pKK22
3−3(Pharmacia Fine Chemicals、スウェーデン・
ウプサラ)およびpGEM1(Promega Biotec、米国ウィスコン
シン州マディソン)が含まれる。
【0092】 組換え原核宿主細胞発現ベクターに通常用いられるプロモーター配列には、β
−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター系(Changら
, Nature 275:615, 1978; およびGoeddelら,
Nature 281:544, 1979)、トリプトファン(trp)プ
ロモーター系(Goeddelら, Nucl. Acids Res. 8:
4057, 1980; およびEP−A−36776)およびtacプロモー
ター(Maniatis, Molecular Cloning: A La
boratory Manual, Cold Spring Harbor
Laboratory, p.412, 1982)が含まれる。特に有用な原
核宿主細胞発現系は、ファージλPLプロモーターおよびcI857ts熱不安 定性リプレッサー配列を使用する。アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクシ
ョンから入手可能な、λPLプロモーターの誘導体を組み込んだプラスミドベク ターには、プラスミドpHUB2(大腸菌株JMB9、ATCC 37092に
常住)およびpPLc28(大腸菌RR1、ATCC 53082に常住)が含
まれる。
【0093】 酵母系 あるいは、ポリペプチドは、好ましくはサッカロミセス(Saccharom
yces)属(例えば、S.セレビシエ(S. cerevisiae))由来
の酵母宿主細胞において発現されてもよい。酵母の他の属、例えばピキア属(P
ichia)またはクロイベロミセス属(Kluyveromyces)もまた
使用してもよい。酵母ベクターは、しばしば、2μ酵母プラスミド由来の複製起
点配列、自律複製配列(ARS)、プロモーター領域、ポリアデニル化のための
配列、転写終結のための配列、および選択可能マーカー遺伝子を含むであろう。
酵母ベクターに適したプロモーター配列には、とりわけ、メタロチオネイン、3
−ホスホグリセリン酸キナーゼ(Hitzemanら, J. Biol. C
hem. 255:2073, 1980)または、エノラーゼ、グリセルアル
デヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキ
シラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3
−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメ
ラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼなどの他の解糖
酵素(Hessら, J. Adv. Enzyme Reg. 7:149,
1968;およびHollandら, Biochem. 17:4900,
1978)のプロモーターが含まれる。酵母発現に用いるのに適した他のベク
ターおよびプロモーターはHitzeman, EPA−73,657にさらに
記載されている。他の代替物は、Russellら(J. Biol. Che
m. 258:2674, 1982)およびBeierら(Nature 3
00:724, 1982)に記載されるグルコース抑制可能ADH2プロモー
ターである。酵母および大腸菌両方において複製可能なシャトルベクターは、大
腸菌での選択および複製のため、pBR322由来のDNA配列(Ampr遺伝 子および複製起点)を上述の酵母ベクターに挿入することにより、構築してもよ
い。
【0094】 酵母α−因子リーダー配列を使用し、ポリペプチドを直接分泌させてもよい。
α−因子リーダー配列は、しばしば、プロモーター配列および構造遺伝子配列の
間に挿入される。例えば、Kurjanら, Cell 30:933, 19
82およびBitterら, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 81:5330, 1984を参照されたい。酵母宿主からの組換え
ポリペプチドの分泌を容易にするのに適した他のリーダー配列が当業者に知られ
る。リーダー配列を、その3’端近傍に、1つまたはそれ以上の制限部位を含む
よう修飾してもよい。これは、リーダー配列が構造遺伝子に融合するのを容易に
するであろう。
【0095】 酵母形質転換プロトコルが当業者に知られる。こうしたプロトコルの1つがH
innenら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 7
5:1929, 1978に記載される。Hinnenらのプロトコルは、Tr
+形質転換体を選択培地中で選択し、ここで該選択培地は0.67%酵母窒素 基剤、0.5%カザミノ酸、2%グルコース、10mg/mlアデニンおよび2
0mg/mlウラシルからなる。
【0096】 ADH2プロモーター配列を含むベクターにより形質転換された酵母宿主細胞
は、発現を誘導するため「リッチ」培地中で増殖させてもよい。リッチ培地の例
は、80mg/mlアデニンおよび80mg/mlウラシルを補った、1%酵母
エキス、2%ペプトン、および1%グルコースからなるものである。ADH2プ
ロモーターの抑制解除(derepression)は、培地からグルコースが
枯渇したとき起こる。
【0097】 哺乳動物または昆虫系 哺乳動物または昆虫宿主細胞培養系もまた、組換えACPLポリペプチドを発
現するのに使用してもよい。昆虫細胞において異種性タンパク質を産生するため
のバキュロウイルス系がLuckowおよびSummers, Bio/Tec
hnology 6:47(1988)に概説されている。哺乳動物起源の樹立
細胞株もまた、使用してもよい。適切な哺乳動物宿主細胞株の例には、サル腎臓
細胞のCOS−7株(ATCC CRL 1651)(Gluzmanら, C
ell 23:175, 1981)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(A
TCC CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、He
La細胞、BHK(ATCC CRL 10)細胞、およびMcMahanら(
EMBO J. 10:2821, 1991)に記載されるようなアフリカミ
ドリザル(African green monkey)腎臓細胞株CV1(A
TCC CCL 70)由来であるCV1/EBNA細胞株が含まれる。
【0098】 哺乳動物細胞内にDNAを導入するための確立された方法が記載されてきてい
る(Kaufman, R.J., Large Scale Mammali
an Cell Culture, 1990, pp.15−69)。商業的
に入手可能な試薬、例えばLipofectamine脂質試薬(Gibco/
BRL)またはLipofectamine−Plus脂質試薬を用いた、さら
なるプロトコルを用い、細胞をトランスフェクションしてもよい(Felgne
rら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:74
13−7417, 1987)。さらに、エレクトロポレーションを用い、Sa
mbrookら(Molecular Cloning: A Laborat
ory Manual, 第2版. Vol.1−3, Cold Sprin
g Harbor Laboratory Press, 1989)における
もののような、慣用的な方法を用い、哺乳動物細胞をトランスフェクションして
もよい。安定形質転換体の選択は、例えば細胞毒性薬剤に対する耐性など、当業
に知られる方法を用い、行ってもよい。Kaufmanら, Meth. in
Enzymology 185:487−511, 1990は、いくつかの
選択計画、例えばジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)耐性などを記載する。
DHFR選択に適した宿主株は、DHFR不全であるCHO株DX−B11であ
ってもよい(UrlaubおよびChasin, Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 77:4216−4220, 1980)。DH
FR cDNAを発現しているプラスミドをDX−B11株に導入してもよく、
そしてプラスミドを含む細胞のみを適切な選択培地中で増殖させてもよい。発現
ベクターに組み込んでもよい選択可能マーカーの他の例には、G418およびハ
イグロマイシンBなどの抗生物質に対する耐性を与えるcDNAが含まれる。該
ベクターを宿する細胞を、これらの化合物に対する耐性に基づき選択してもよい
【0099】 哺乳動物宿主細胞発現ベクターのための転写および翻訳調節配列は、ウイルス
ゲノムより切り出されてもよい。通常用いられるプロモーター配列およびエンハ
ンサー配列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、シミアンウイルス40
(SV40)、およびヒト・サイトメガロウイルス由来である。SV40ウイル
スゲノム由来のDNA配列、例えばSV40起点、初期および後期プロモーター
、エンハンサー、スプライシング、およびポリアデニル化部位を用い、哺乳動物
宿主細胞における構造遺伝子配列の発現のための他の遺伝要素を提供してもよい
。ウイルス初期および後期プロモーターは、どちらもウイルス複製起点をも含む
可能性がある断片として容易にウイルスゲノムから得られるため、特に有用であ
る(Fiersら, Nature 273:113, 1978;Kaufm
an, Meth. in Enzymology, 1990)。SV40ウ
イルス複製起点部位に位置するHind III部位からBgl I部位に渡る
およそ250 bpの配列が含まれていれば、より小さいまたはより大きいSV
40断片もまた用いてもよい。
【0100】 哺乳動物発現ベクターからの異種性遺伝子の発現を改善することが示されたさ
らなる調節配列には、CHO細胞由来の発現増大配列要素(EASE)(Mor
risら, Animal Cell Technology, 1997,
pp.529−534およびPCT出願第WO 97/25420号)並びにア
デノウイルス2由来の三分割(tripartite)リーダー(TPL)およ
びVA遺伝子RNA(Gingerasら, J. Biol. Chem.
257:13475−13491, 1982)などの要素が含まれる。ウイル
ス起源の内部リボソーム進入部位(IRES)配列により、二シストロン性mR
NAが効率的に翻訳されることが可能になる(OhおよびSarnow, Cu
rrent Opinion in Genetics and Develo
pment 3:295−300, 1993;Rameshら, Nucle
ic Acids Research 24:2697−2700, 1996
)。選択可能マーカー(例えばDHFR)遺伝子が続く、二シストロン性mRN
Aの一部としての異種性cDNAの発現は、宿主のトランスフェクション可能性
および異種性cDNAの発現を改善することが示されてきている(Kaufma
n, Meth. in Enzymology, 1990)。二シストロン
性mRNAを使用する典型的な発現ベクターは、Mosserら, Biote
chniques 22:150−161, 1997に記載されるpTR−D
C/GFP、およびMorrisら, Animal Cell Techno
logy, 1997, pp.529−534に記載されるp2A5Iである
【0101】 有用な高発現ベクター、pCAVNOTがMosleyら, Cell 59
:335−348, 1989に記載されてきている。哺乳動物宿主細胞におい
て用いるための他の発現ベクターは、OkayamaおよびBerg(Mol.
Cell. Biol. 3:280, 1983)に開示されるように構築
してもよい。C127ネズミ乳腺上皮細胞における哺乳動物cDNAの安定した
高レベル発現に有用な系を、実質的にCosmanら(Mol. Immuno
l. 23:935, 1986)に記載されるように構築してもよい。Cos
manら, Nature 312:768, 1984に記載される有用な高
発現ベクター、PMLSV N1/N4はATCC 39890として寄託され
ている。さらなる有用な哺乳動物発現ベクターは、本明細書に援用される、EP
−A−0367566およびWO 91/18982に記載されている。さらに
別の代替物として、ベクターは、レトロウイルス由来であってもよい。
【0102】 さらなる有用な発現ベクター、pFLAG(登録商標)およびpDC311も
また用いてもよい。FLAG(登録商標)技術は、低分子量(1kD)疎水性F
LAG(登録商標)マーカーペプチドを、pFLAG(登録商標)により発現さ
れる組換えタンパク質のN−末端に融合させることを中心とする。pDC311
は、CHO細胞でタンパク質を発現させるために用いる、別の特殊化ベクターで
ある。pDC311は、目的の遺伝子およびジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHF
R)遺伝子を、DHFR翻訳のための内部リボソーム結合部位、発現増大配列要
素(EASE)、ヒトCMVプロモーター、三分割リーダー配列、およびポリア
デニル化部位と共に含む、二シストロン性配列により特徴付けられる。
【0103】 使用してもよいシグナルペプチドに関し、望ましいならば、天然シグナルペプ
チドを異種シグナルペプチドまたはリーダー配列に置き換えてもよい。シグナル
ペプチドまたはリーダーの選択は、組換えポリペプチドが産生されるべき宿主細
胞の種類などの要因に依存する可能性がある。例えば、哺乳動物宿主細胞で機能
する異種シグナルペプチドの例には、米国特許第4,965,195号に記載さ
れるインターロイキン−7(IL−7)のシグナル配列;Cosmanら, N
ature 312:768(1984)に記載されるインターロイキン−2受
容体のシグナル配列;EP 367,566に記載されるインターロイキン−4
受容体シグナルペプチド;米国特許第4,968,607号に記載されるI型イ
ンターロイキン−1受容体シグナルペプチド;およびEP 460,846に記
載されるII型インターロイキン−1受容体シグナルペプチドが含まれる。
【0104】 単離および精製 本発明はまた、ACPLポリペプチドおよびその断片を単離しそして精製する
方法も含む。
【0105】 本発明に含まれる「単離」ポリペプチドまたはその断片は、天然に見られる可
能性がある環境と同一でない環境にあるACPLポリペプチドまたは断片である
。本発明に含まれる「精製」ポリペプチドまたはその断片は、例えば上述のよう
な組換え発現系の精製産物のように、または天然発生細胞および/または組織な
どの非組換え供給源からの精製産物のように、他のタンパク質またはポリペプチ
ドとの結合を本質的に含まない。
【0106】 1つの好ましい態様において、組換えポリペプチドまたは断片の精製は、本発
明のポリペプチドまたは断片の、本発明のポリペプチドまたは断片の精製を補助
する別のポリペプチドへの融合を用い、達成してもよい。こうした融合パートナ
ーは、上述のようなポリ−Hisまたは他の抗原性同定ペプチドと共に先に記載
されるFc部分を含んでもよい。
【0107】 いかなる種類の宿主細胞に関しても、当業者に知られるように、組換えポリペ
プチドまたは断片を精製するための方法は、使用する宿主細胞の種類および組換
えポリペプチドまたは断片が培地に分泌されるかどうかなどの要因にしたがい、
多様であろう。
【0108】 一般的に、組換えACPLポリペプチドまたは断片は、分泌されない場合、宿
主細胞から、あるいは可溶性でありそして分泌される場合、培地または上清から
単離してもよく、その後1つまたはそれ以上の濃縮、塩析、イオン交換、疎水性
相互作用、アフィニティー精製またはサイズ排除クロマトグラフィー段階が続く
。これらの段階を達成する特定の方法については、培地をまず、商業的に入手可
能なタンパク質濃縮フィルター、例えば、AmiconまたはMillipor
e Pellicon限外濾過装置を用い、濃縮してもよい。濃縮段階に続き、
濃縮物をゲル濾過媒体などの精製マトリックスに適用してもよい。あるいは、陰
イオン交換樹脂、例えばジエチルアミノエチル(DEAE)側鎖を有するマトリ
ックスまたは支持体を使用してもよい。マトリックスは、アクリルアミド、アガ
ロース、デキストラン、セルロースまたはタンパク質精製に通常使用される他の
種類であってもよい。あるいは、陽イオン交換段階を使用してもよい。適切な陽
イオン交換体には、スルホプロピルまたはカルボキシメチル基を含む多様な不溶
性マトリックスが含まれる。さらに、クロマトフォーカシング段階を使用しても
よい。あるいは疎水性相互作用クロマトグラフィー段階を使用してもよい。適切
なマトリックスは、樹脂に結合しているフェニルまたはオクチル部分であっても
よい。さらに、組換えタンパク質に選択的に結合するマトリックスを用いるアフ
ィニティークロマトグラフィーを使用してもよい。使用されるこうした樹脂の例
は、レクチンカラム、色素カラム、および金属キレートカラムである。最後に、
疎水性逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)媒体(例えば、側
鎖メチル、オクチル、オクチルデシルまたは他の脂肪族基を有するシリカゲルま
たはポリマー樹脂)を使用する1つまたはそれ以上の逆相高性能液体クロマトグ
ラフィー(RP−HPLC)段階を使用し、さらにポリペプチドを精製してもよ
い。多様な組み合わせの前記の精製段階のいくつかまたはすべてが周知であり、
そして単離されそして精製されている組換えタンパク質を提供するのに使用して
もよい。
【0109】 ACPLポリペプチド結合タンパク質、例えばACPLポリペプチドまたはそ
の断片に対し生成されたモノクローナル抗体などを含むアフィニティーカラムを
利用し、発現されたポリペプチドをアフィニティー精製することもまた、可能で
ある。これらの精製ACPLポリペプチドは、慣用的技術を用い、例えば、高塩
溶出緩衝液中、そしてその後、使用のためより低塩緩衝液中に透析することによ
って、あるいは利用されたアフィニティーマトリックスに応じて、pHまたは他
の構成要素を変化させることによって、あるいは親和性部分の天然発生基質、例
えば本発明由来のポリペプチドを用い、競合的に除去することによって、アフィ
ニティーカラムから除去してもよい。
【0110】 本発明の本側面において、ACPLポリペプチド結合タンパク質、例えば本発
明の抗ポリペプチド抗体またはACPLポリペプチドと相互作用する可能性があ
る他のタンパク質を、その表面に本発明のポリペプチドを発現する細胞を同定し
、分離し、または精製するのに適したカラムクロマトグラフィーマトリックスま
たは同様の支持体などの固相支持体に結合させてもよい。固相接触表面へのAC
PLポリペプチド結合タンパク質の結合は、いかなる手段により達成してもよく
、例えば磁気微小球体をこれらのポリペプチド結合タンパク質で被覆し、そして
磁気場を通じインキュベーション容器に保持してもよい。細胞混合物の懸濁物を
、上にこうしたポリペプチド結合タンパク質を有する固相と接触させる。ACP
Lポリペプチドを表面上に有する細胞が固定ポリペプチド結合タンパク質に結合
し、そしてその後非結合細胞を洗い流す。本親和性結合法は、溶液からこうした
ポリペプチド発現細胞を精製し、スクリーニングし、または分離するのに有用で
ある。固相から陽性に選択された細胞を遊離させる方法は当業に知られ、そして
例えば酵素の使用を含む。こうした酵素は好ましくは細胞に対し非毒性および非
傷害性であり、そして好ましくは細胞表面結合パートナーを切断するよう、指示
される。
【0111】 あるいは、ACPLポリペプチド発現細胞を含むと疑われる細胞混合物をまず
、ビオチン化ACPLポリペプチド結合タンパク質とインキュベーションしても
よい。インキュベーション時間は、十分な結合を確実にするため、典型的には少
なくとも連続1時間である。生じた混合物をその後、アビジン被覆ビーズを充填
したカラムに通過させ、それによりアビジンに対するビオチンの強い親和性が、
ポリペプチド結合細胞のビーズへの結合を提供する。アビジン被覆ビーズの使用
は当業に知られる。Berensonら, J. Cell. Biochem
., 10D:239(1986)を参照されたい。非結合成分を除去するため
のの洗浄および結合細胞の遊離は、慣用法を用い行う。
【0112】 望ましい純度は、タンパク質の意図される使用に依存する。例えば、タンパク
質がin vivoで投与されるとき、比較的高い純度が望ましい。こうした場
合、ポリペプチドは、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PA
GE)による解析に際し、他のタンパク質に対応するタンパク質バンドが検出不
能であるように精製される。当業者は、異なる糖鎖付加、異なる翻訳後プロセシ
ング、およびそれらに匹敵するもののため、該ポリペプチドに対応する多数のバ
ンドがSDS−PAGEにより視覚化される可能性があることを認識するであろ
う。最も好ましくは、本発明のポリペプチドは、SDS−PAGEによる解析の
際、単一のタンパク質バンドにより示されるように、実質的に均一に精製される
。タンパク質バンドは銀染色、クーマシーブルー染色により、または(タンパク
質が放射標識されている場合は)オートラジオグラフィーにより、視覚化しても
よい。
【0113】 アッセイ 本発明の精製ポリペプチド(タンパク質、ポリペプチド、断片、変異体、オリ
ゴマー、および他の型を含む)を、慣用的な結合アッセイなど、いかなる適切な
アッセイにおいて、結合能に関し試験してもよい。例として、ポリペプチドを検
出可能試薬(例えば、放射性核種、発色団、比色もしくは蛍光分光反応を触媒す
る酵素、およびそれらに匹敵するもの)で標識してもよい。標識ポリペプチドを
、適切なACPL結合タンパク質、例えば抗ACPL抗体を発現している細胞と
接触させる。細胞をその後、洗浄し、非結合標識ポリペプチドを除去し、そして
細胞に結合している標識の存在を、標識の性質にしたがい選択される適切な技術
により、決定してもよい。
【0114】 結合アッセイ法の1つの例は以下の通りである。ACPL結合タンパク質cD
NAを含む組換え発現ベクターを構築する。10 cm2プレート中のCV1− EBNA−1細胞を該組換え発現ベクターでトランスフェクションする。CV−
1/EBNA−1細胞(ATCC CRL 10478)は、CMV極初期エン
ハンサー/プロモーターからドライブされるEBV核抗原1を恒常的に発現する
。CV1−EBNA−1は、McMahanら(EMBO J. 10:282
1, 1991)に記載されるように、アフリカミドリザル腎臓細胞株CV−1
(ATCC CCL 70)由来であった。
【0115】 トランスフェクション細胞を24時間培養し、そして各プレート中の細胞をそ
の後、24ウェルプレートに分ける。さらに48時間培養した後、トランスフェ
クション細胞(約4 x 104細胞/ウェル)をBM−NFDMで洗浄する。 BM−NFDMは50 mg/ml脱脂粉乳が添加されている結合培地(25
mg/mlウシ血清アルブミン、2 mg/mlアジ化ナトリウム、20 mM
Hepes pH 7.2を含むRPMI 1640)である。該細胞をその
後、多様な濃度の、例えば上述のように作成された可溶性ポリペプチド/Fc融
合タンパク質と、37℃で1時間インキュベーションする。細胞をその後、洗浄
し、そして結合培地中で、125Iマウス抗ヒトIgGの一定の飽和濃度で、穏や かに攪拌しながら37℃で1時間インキュベーションする。徹底した洗浄の後、
トリプシン処理を介し細胞を遊離させる。
【0116】 上記のマウス抗ヒトIgGは、ヒトIgGのFc領域に対して向けられ、そし
てJackson Immunoresearch Laboratories
, Inc.、ペンシルバニア州ウェストグローブから得ることが可能である。
抗体は標準的クロラミン−T法を用い、放射ヨウ素標識される。該抗体は、細胞
に結合しているいかなるポリペプチド/Fcタンパク質のFc部分にも結合する
であろう。すべてのアッセイにおいて、125I抗体の非特異的結合をFc融合タ ンパク質/Fcの非存在下でアッセイすると共に、Fc融合タンパク質および2
00倍のモル過剰の非標識マウス抗ヒトIgG抗体の存在下でもアッセイする。
【0117】 細胞結合125I抗体は、Packard Autogammaカウンターで定 量化する。親和性計算(Scatchard, Ann. N. Y. Aca
d. Sci. 51:660, 1949)はMicrovaxコンピュータ
ー上で実行されるRS/1(BBN Software、マサチューセッツ州ボ
ストン)上で生み出される。
【0118】 別の種類の適切な結合アッセイは、競合結合アッセイである。例えば、ACP
L変異体の生物学的活性は、該変異体が、ACPL結合タンパク質への結合に関
し、天然タンパク質と競合する能力をアッセイすることにより、決定してもよい
【0119】 競合結合アッセイは、慣用的方法論により行ってもよい。競合結合アッセイに
使用してもよい試薬には、放射標識ACPL、およびACPL結合タンパク質(
内因性または組換え)を細胞表面に発現している損なわれていない細胞が含まれ
る。例えば、放射標識可溶性ACPL断片を用い、細胞表面ACPL結合タンパ
ク質への結合に関し、可溶性ACPL変異体と競合させてもよい。損なわれてい
ない細胞の代わりに、(固相上の)プロテインAまたはプロテインGのFc部分
との相互作用を通じ固相に結合している可溶性ACPL可溶性タンパク質/Fc
融合タンパク質で代用してもよい。プロテインAおよびプロテインGを含むクロ
マトグラフィーカラムには、Pharmacia Biotech, Inc.
、ニュージャージー州ピスカタウェイより入手可能なものが含まれる。
【0120】 別の種類の競合結合アッセイは、放射標識可溶性ACPL結合タンパク質、例
えばACPL結合タンパク質/Fc融合タンパク質、およびACPLを発現する
損なわれていない細胞を利用する。定性的結果は、競合オートラジオグラフプレ
ート結合アッセイにより得てもよく、一方、定量的結果を生成するのにScat
chardプロット(Scatchard, Ann. N. Y. Acad
. Sci. 51:660, 1949)を利用してもよい。
【0121】 ACPL核酸またはオリゴヌクレオチドの使用 上述のように、ポリペプチドを発現するのに用いられるほか、DNAを含む本
発明の核酸およびそのオリゴヌクレオチドを以下に用いてもよい: ヒト染色体第2q番を同定するため ヒト染色体第2q番上の遺伝子をマッピングするため ヒト染色体第2q番と関連する、特定の疾患、症候群、または他の異常に関連
する遺伝子を同定するため; 一本鎖センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドとして、ACPL遺伝子
にコードされるポリペプチドの発現を阻害するため; 個体において不全遺伝子を検出するのを補助するため;および 遺伝子治療のため。
【0122】 プローブ 本発明の核酸の使用の中に、プローブまたはプライマーとしての断片の使用が
ある。こうした断片は、一般的に、DNA配列の少なくとも約17の隣接するヌ
クレオチドを含む。他の態様において、DNA断片は、DNA配列の少なくとも
30、または少なくとも60の隣接するヌクレオチドを含む。
【0123】 配列番号1、配列番号3および配列番号4および配列番号6の、他の哺乳動物
種由来の相同体が本明細書に意図されるため、配列番号1、配列番号3、配列番
号4および配列番号6のDNA配列に基づくプローブを用い、慣用的な種間(c
ross−species)ハイブリダイゼーション技術を用い、他の哺乳動物
種由来のcDNAライブラリーをスクリーニングしてもよい。
【0124】 遺伝暗号の知識を、上に示されるアミノ酸配列と組み合わせて用い、縮重オリ
ゴヌクレオチドの組を調製してもよい。こうしたオリゴヌクレオチドは、例えば
DNA断片を単離しそして増幅するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において、
プライマーとして有用である。
【0125】 染色体マッピング 配列番号1、配列番号3、および配列番号6の核酸のすべてまたは一部は、オ
リゴヌクレオチドを含め、当業者により、周知の技術を用いる、ヒト2q、並び
にIL−1受容体IおよびII、ST2およびIL−1Rrp1を含む、IL−
1RファミリーメンバーのDNAを含む、特定のその遺伝子座を同定するのに用
いてもよい。有用な技術には、限定されるわけではないが、放射ハイブリッド(
radiation hybrid)マッピング(高解像度)、染色体伸展(s
pread)に対するin situハイブリダイゼーション(中程度の解像度
)、および個々のヒト染色体を含むハイブリッド細胞株に対するサザンブロット
ハイブリダイゼーション(低解像度)などの、多様な周知の技術におけるプロー
ブとして、オリゴヌクレオチドを含む配列または部分を使用することを含む。
【0126】 例えば、染色体は放射ハイブリダイゼーションによりマッピングしてもよい。
第一に、93の放射ハイブリッドのWhitehead Institute/
MIT Center for Genome Research Geneb
ridge4パネルを用い、PCRを行う(http://www−genom
e.wi.mit.edu/ftp/distribution/human_
STS_releases/july97/rhmap/genebridge
4.html)。目的の遺伝子の推定上のエクソン内にあり、そしてヒトゲノム
DNAから産物を増幅するが、ハムスターゲノムDNAを増幅しないプライマー
を用いる。PCRの結果をデータベクトルに変換し、インターネット上のWhi
tehead/MIT放射マッピングサイト(http://www−seq.
wi.mit.edu)に提出する。該データをスコア化し、そして放射ハイブ
リッドマップ上の既知の配列タグ部位(STS)マーカーに比べた割り当ておよ
び配置が提供される。以下のウェブサイトは、放射ハイブリッドマッピングに関
し、さらなる情報を提供する: http://www−genome.wi.mit.edu/ftp/dis
tribution/human_STS_releases/july97/
07−97.INTRO.html。
【0127】 関連する疾患の同定 下に示すように、配列番号6のDNAは染色体2qにマッピングされている。
該領域は、限定されるわけではないが、上記の表1に同定されるものを含む特定
の疾患に関連している。したがって、当業者は、周知の技術を用い、染色体2q
にマッピングされる遺伝子に関連する異常を解析するのに、配列番号6の核酸ま
たはその断片を用いてもよい。これにより本マーカーが再配置または欠失されて
いる状態を識別することが可能になる。さらに、配列番号6のヌクレオチドまた
はその断片は、未知の位置の他の遺伝子をマッピングする、位置マーカーとして
用いてもよい。
【0128】 本発明の核酸に相当する遺伝子の不全または不十分な量により(直接または間
接的に)仲介されるいかなる障害に対する治療を開発するのに、該DNAを用い
てもよい。天然ヌクレオチド配列の本明細書の開示により、不全遺伝子の検出、
および正常遺伝子でのその置換が可能になる。不全遺伝子は、in vitro
診断アッセイにおいて、そして本明細書に開示される天然ヌクレオチド配列と、
本遺伝子に不全を宿すると疑われるヒト由来の遺伝子のものとを比較することに
より、検出してもよい。
【0129】 センス−アンチセンス 核酸の他の有用な断片には、標的mRNA(センス)またはDNA(アンチセ
ンス)配列に結合することが可能な一本鎖核酸配列(RNAまたはDNAいずれ
か)を含む、アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。本発明
のアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1、配列番号3、
または配列番号6のDNAの断片を含む。こうした断片は一般的に、少なくとも
約14ヌクレオチド、好ましくは約14ないし約30ヌクレオチドを含む。既定
のタンパク質をコードするcDNA配列に基づき、アンチセンスまたはセンスオ
リゴヌクレオチドを得る能力は、例えば、SteinおよびCohen(Can
cer Res. 48:2659, 1988)およびvan der Kr
olら(BioTechniques 6:958, 1988)に記載されて
いる。
【0130】 アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への結合は、R
NAseHによるmRNA分解の亢進、スプライシングの阻害、転写または翻訳
の未成熟な終結、あるいは他の手段によるものを含む、いくつかの手段の1つに
より、タンパク質発現を遮断するまたは阻害する二重鎖の形成を生じる。このよ
うに、アンチセンスオリゴヌクレオチドを用い、タンパク質の発現を遮断しても
よい。アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドはさらに、修飾糖−ホスホ
ジエステル骨格(または、WO 91/06629に記載されるものなど、他の
糖結合)を有するオリゴヌクレオチドを含み、そしてこのような糖結合は内因性
ヌクレアーゼに耐性である。こうした耐性糖結合を持つオリゴヌクレオチドは、
in vivoで安定である(すなわち酵素分解に抵抗することが可能である)
が、標的ヌクレオチド配列に結合することが可能な配列特異性を保持する。
【0131】 センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例には、WO 90/1
0448に記載されるものなどの有機部分、およびポリ(L−リジン)などの標
的核酸配列に対するオリゴヌクレオチドの親和性を増加させる他の部分に共有結
合するオリゴヌクレオチドが含まれる。さらに、エリプチシンなどの挿入剤、お
よびアルキル化剤または金属錯体がセンスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドに結合し、標的ヌクレオチド配列へのアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレ
オチドの結合特異性を修飾してもよい。
【0132】 アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、リポフェクション
、CaPO4仲介DNAトランスフェクション、エレクトロポレーションを含む 、いかなる遺伝子トランスファー法により、あるいはエプスタイン・バーウイル
スなどの遺伝子トランスファーベクターを用いることにより、標的核酸配列を含
む細胞に導入してもよい。
【0133】 センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、WO 91/0475
3に記載されるように、リガンド結合分子との結合体の形成により、標的ヌクレ
オチド配列を含む細胞に導入してもよい。適切なリガンド結合分子には、限定さ
れるわけではないが、細胞表面受容体、増殖因子、他のサイトカイン、または細
胞表面受容体に結合する他のリガンドが含まれる。好ましくは、リガンド結合分
子の結合体化は、実質的にリガンド結合分子がその対応する分子または受容体に
結合する能力に干渉せず、あるいはセンスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドまたはその結合体型が細胞内に入るのを遮断しない。
【0134】 あるいは、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、WO 90/1
0448に記載されるように、オリゴヌクレオチド−脂質複合体の形成により、
標的核酸配列を含む細胞に導入してもよい。センスまたはアンチセンスオリゴヌ
クレオチド−脂質複合体は、好ましくは、内因性リパーゼにより、細胞内で分離
される。
【0135】 ポリペプチドおよび断片化ポリペプチドの使用 使用には、限定されるわけではないが、以下が含まれる: タンパク質の精製およびその活性の測定 搬送剤 治療および研究用試薬 分子量および等電点電気泳動マーカー ペプチド断片化のコントロール 未知のタンパク質の同定 抗体の調製。
【0136】 精製試薬 本発明のポリペプチドは、タンパク質精製試薬として使用を見出す。例えば、
ACPLポリペプチドを固体支持体成分に結合させ、そしてアフィニティークロ
マトグラフィーによりACPL結合タンパク質を精製するのに用いてもよい。特
定の態様において、ポリペプチド(ACPL結合タンパク質に結合することが可
能な、本明細書に記載されるいかなる型でもよい)を、慣用的方法により固体支
持体に結合させる。1つの例として、タンパク質のアミノ酸側鎖上の官能基と反
応するであろう官能基を含む、クロマトグラフィーカラムが入手可能である(P
harmacia Biotech, Inc.、ニュージャージー州ピスカタ
ウェイ)。あるいは、ポリペプチド/Fcタンパク質(上述のようなもの)を、
Fc部分との相互作用を通じ、プロテインAまたはプロテインG含有クロマトグ
ラフィーカラムに結合させる。
【0137】 該ポリペプチドはまた、細胞表面上にACPL結合タンパク質を発現する細胞
を精製する、または同定するのに使用を見出す。ポリペプチドを、カラムクロマ
トグラフィーマトリックスまたは同様の適切な支持体などの固相に結合させる。
例えば、磁気微小球体をポリペプチドで被覆し、そして磁気場を通じインキュベ
ーション容器に保持してもよい。ACPL結合タンパク質発現細胞を含む細胞混
合物の懸濁物を、ポリペプチドをその上に有する固相と接触させる。細胞表面上
にACPL結合タンパク質を発現する細胞が固定ポリペプチドに結合し、そして
その後非結合細胞を洗い流す。
【0138】 あるいは、ポリペプチドを検出可能な部分に結合させ、その後、結合タンパク
質発現に関し試験すべき細胞とインキュベーションしてもよい。インキュベーシ
ョン後、非結合標識成分を除去し、そして細胞上の検出可能部分の存在または非
存在を測定する。
【0139】 さらに別の代替物において、ACPL結合タンパク質細胞を含むと疑われる細
胞混合物をビオチン化ポリペプチドとインキュベーションする。インキュベーシ
ョン時間は、十分な結合を確実にするため、典型的には少なくとも連続1時間で
ある。生じた混合物をその後、アビジン被覆ビーズを装填したカラムに通過させ
、これによりビオチンのアビジンに対する高い親和性が、望ましい細胞のビーズ
への結合を提供する。アビジン被覆ビーズを用いる方法が知られる(Beren
sonら, J. Cell. Biochem., 10D:239, 19
86を参照されたい)。非結合成分を除去するための洗浄、および結合細胞の遊
離は、慣用法を用い行う。
【0140】 活性測定 ポリペプチドはまた、その結合親和性に関しACPL結合タンパク質の生物学
的活性を測定するのにも使用を見出す。したがって、ポリペプチドは、例えば異
なる条件下でのタンパク質の貯蔵寿命および安定性をモニターするための、「品
質保証」研究を行うものにより、使用してもよい。例えば、ポリペプチドを結合
親和性研究に使用し、異なる温度で保存されている、または異なる細胞種で産生
されたACPL結合タンパク質の生物学的活性を測定してもよい。該タンパク質
はまた、ACPL結合タンパク質の修飾(例えば、化学的修飾、一部切除、突然
変異など)後、生物学的活性が保持されているかどうか決定するのにも用いても
よい。修飾ACPL結合タンパク質の結合親和性を、非修飾ACPL結合タンパ
ク質のものと比較し、ACPL結合タンパク質の生物学的活性に対する該修飾の
いかなる不利な影響も検出する。したがって、例えばACPL結合タンパク質の
生物学的活性を、調査研究において用いる前に確認することが可能である。
【0141】 搬送剤 該ポリペプチドはまた、結合する剤を、ACPL結合タンパク質を発現してい
る細胞に搬送するためのキャリアーとしての使用も見出す。したがって、該ポリ
ペプチドを用い、in vitroまたはin vivo法において、診断用剤
または治療剤をこうした細胞に(または細胞表面上にACPL結合タンパク質を
発現することが見出されている他の細胞種に)搬送してもよい。
【0142】 ポリペプチドに結合させてもよい検出可能な剤(診断用剤)および治療剤には
、限定されるわけではないが、毒素、他の細胞毒性剤、薬剤、放射性核種、発色
団、比色もしくは蛍光分光反応を触媒する酵素、およびそれらに匹敵するものが
、意図される適用にしたがって選択される特定の剤と共に含まれる。毒素の中に
は、リシン、アブリン、ジフテリア毒素、緑膿菌(Pseudomonas a
eruginosa)外毒素A、リボソーム不活性化タンパク質、トリコセセン
などのマイコトキシン、並びにそれらの誘導体および断片(例えば一本鎖)があ
る。診断使用に適した放射性核種には、限定されるわけではないが、123I、131 I、99mTc、111In、および76Brがある。治療使用に適した放射性核種には
131I、211At、77Br、186Re、188Re、212Pb、212Bi、109Pd、6 4 Cu、および67Cuがある。
【0143】 こうした剤は、いかなる適切な慣用法により、ポリペプチドに結合させてもよ
い。ポリペプチドは、例えば、望ましい剤上の官能基と反応し、共有結合を形成
することが可能である、アミノ酸側鎖上の官能基を含む。あるいは、タンパク質
または剤を誘導体化し、望ましい反応性官能基を生成し、または結合させてもよ
い。誘導体化には、多様な分子をタンパク質に結合させるのに利用可能である、
二官能性カップリング試薬(Pierce Chemical Company
、イリノイ州ロックフォード)の1つの結合を伴ってもよい。タンパク質を放射
標識するためのいくつかの技術が知られる。放射性核種金属を、例えば適切な二
官能性キレート剤を用いることにより、受容体に結合させてもよい。
【0144】 ポリペプチドおよび適切な診断用剤または治療剤を含む(好ましくは共有結合
している)結合体をこのように調製する。該結合体を投与し、またはそうでなけ
れば特定の適用に適した量で使用してもよい。
【0145】 治療剤 本発明のポリペプチドを、ACPL、またはILポリペプチドを含む、いかな
る結合パートナーの不全、過剰または不十分な量により(直接または間接的に)
仲介されるいかなる障害に対する治療を開発するのに用いてもよい。単離されそ
して精製されているACPLポリペプチドまたはその断片はまた、それ自体IL
−1およびTNF情報伝達を阻害する治療剤として有用である可能性もある。A
CPLのこうした治療的使用は、周知の手段による、ACPLポリペプチドまた
は断片を細胞内環境へ指示することによる、その投与を伴う可能性がある。こう
した手段の1つは、該タンパク質をリポソームに入れる、または該タンパク質を
特定の細胞種に標的化されているモノクローナル抗体にカップリングさせること
による。
【0146】 ポリペプチドはまた、in vitroまたはin vivo法において、A
CPL結合タンパク質の生物学的活性を阻害するのにも使用してもよい。例えば
、ACPL精製ポリペプチドまたはその可溶性断片を用い、内因性細胞表面AC
PL結合パートナーへのACPL結合タンパク質の結合を阻害してもよい。こう
して、内因性受容体への結合パートナーの結合から生じる生物学的影響を阻害す
る。
【0147】 さらに、ACPLポリペプチドを哺乳動物に投与し、ACPL結合パートナー
が仲介する障害を治療してもよい。こうした結合パートナー仲介障害には、該結
合パートナーにより(直接または間接的に)引き起こされるあるいは悪化される
異常が含まれる。
【0148】 本発明の組成物は、本明細書に記載されるいかなる型のポリペプチド、例えば
天然タンパク質、変異体、誘導体、オリゴマー、および生物学的に活性がある断
片を含んでもよい。特定の態様において、該組成物は、可溶性ポリペプチド、ま
たは可溶性ACPLポリペプチドを含むオリゴマー、例えば結合パートナーに結
合するACPLの細胞外ドメインまたは生物学的に活性があるその断片を含む。
【0149】 本発明のACPLポリペプチドまたはその断片の有効量を、生理学的に許容し
うる希釈剤、キャリアー、または賦形剤(excipient)などの他の構成
要素と組み合わせて含む組成物が、本明細書に提供される。ポリペプチドを、薬
学的に有用な組成物を調製するのに用いられる既知の方法にしたがい処方しても
よい。これらは、単一の活性成分として、または既定の徴候に適した他の既知の
活性成分と共に、薬学的に許容しうる希釈剤(例えば、塩水、Tris−HCl
、酢酸、およびリン酸緩衝液)、保存剤(例えば、チメロサル、ベンジルアルコ
ール、パラベン類)、乳化剤、可溶化剤、アジュバントおよび/またはキャリア
ーと混合して組み合わせてもよい。薬剤組成物に適した処方には、Reming
ton's Pharmaceutical Sciences, 第16版, 1980, Mack Publishing Company、ペンシルバ
ニア州イーストンに記載されるものが含まれる。
【0150】 さらに、こうした組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)、金属イオン
と複合体化している、またはポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル、デキス
トランなどのポリマー化合物に取り込まれている、またはリポソーム、微小乳剤
、ミセル、単層もしくは多層小胞、赤血球ゴーストもしくはスフェロブラストに
取り込まれていてもよい。こうした組成物は、物理的状態、可溶性、安定性、i
n vivo放出速度、およびin vivoクリアランス速度に影響するであ
ろうし、そしてしたがって意図される適用にしたがい、選択される。
【0151】 本発明の組成物は、例えば局所、非経口、または吸入によるなど、いかなる適
切な方式で、投与してもよい。「非経口」という用語には、例えば皮下、静脈内
、細胞内または筋内経路による注射が含まれ、また例えば疾患または損傷の部位
での局所化投与も含まれる。移植物からの持続放出もまた、意図される。当業者
は、適切な投薬量が、治療すべき障害の性質、患者の体重、年齢および全身状態
、並びに投与経路などの要因に応じ、多様であろうことを認識するであろう。予
備的用量は動物試験にしたがい決定してもよく、そしてヒト投与のための投薬量
の見積もりを、当業に認められる実施にしたがい、行う。
【0152】 生理学的に許容しうる処方中の核酸を含む組成物もまた、意図される。DNA
は、例えば注射のため処方してもよい。
【0153】 研究用剤 本発明のポリペプチドの別の使用は、異なる細胞種上のACPL結合パートナ
ー/ACPL相互作用を阻害することから生じる生物学的影響を研究するための
研究ツールとしてである。ポリペプチドはまた、ACPL結合パートナーまたは
ACPLあるいはそれらの相互作用を検出するためのin vitroアッセイ
に使用してもよい。
【0154】 ACPLポリペプチド、およびACPLポリペプチドに対する抗体を、多様な
研究プロトコルにおける試薬として用いてもよい。こうした研究プロトコルの実
例は、Sambrookら, Molecular Cloning:A La
boratory Manual,第2版, Vol. 1−3, Cold
Spring Harbor Laboratory Press,(1989
)に提供される。例えば、これらの試薬は、RNAまたはタンパク質の細胞特異
的または組織特異的発現のマーカーとして利用することが可能である。同様にこ
れらの試薬を用い、ACPL RNAまたはポリペプチドの恒常的または一過的
発現を調べてもよい。ACPL DNAを用い、ACPL DNAの染色体位置
を決定し、そして本染色体位置に関連して遺伝子をマッピングしてもよい。AC
PL DNAはまた、遺伝的フィンガープリンティングなどの技術の使用を通じ
、遺伝的不均一性および遺伝形質を調べると共に、遺伝的障害に関連する危険性
を同定するのに用いてもよい。ACPL DNAはさらに、ACPL DNAに
関連するさらなる遺伝子を同定するのに、そして配列比較に基づく、進化系統樹
を確立するのに用いてもよい。ACPL DNAおよびポリペプチドを用い、サ
ザンブロッティングおよびイムノブロッティングなどの陽性スクリーニング法を
通じ、そしてサブトラクション(subtraction)などの陰性スクリー
ニング法を通じ、ACPL DNAまたはポリペプチドに相同な遺伝子またはタ
ンパク質を選択してもよい。
【0155】 ACPLポリペプチドはまた、(a)ACPLポリペプチドが制御するいかな
るタンパク質も同定する、そして(b)ACPLポリペプチドが相互作用する可
能性がある他のタンパク質を同定する試薬としても用いてもよい。ACPLポリ
ペプチドは、組換えタンパク質をアフィニティーマトリックスにカップリングさ
せることにより、またはACPLポリペプチドを2−ハイブリッド系のおとり(
bait)として用いることにより、用いてもよい。ACPLポリペプチドおよ
びその断片を、IL−1Rファミリーの受容体により用いられる情報伝達経路の
研究における試薬として、そしてIL−18およびIL−1ファミリーの他のリ
ガンドの可能性があるものによる情報伝達を遮断するのに用いてもよい。
【0156】 本発明の別の態様は、細胞情報伝達を研究するACPLの使用に関する。AC
PLポリペプチドは、細胞情報伝達を含む免疫反応において役割を果たす。こう
したものとして、ACPLの発現および/または活性の改変は、多くの細胞過程
に激しい影響を有する可能性がある。クローン化されたACPLの発現、ACP
Lの機能的に不活性である突然変異体を用い、特定のタンパク質が特定の情報伝
達事象仲介において果たす役割を同定してもよい。
【0157】 細胞情報伝達は、しばしば、分子活性化カスケードを伴い、該カスケード中、
受容体が、標的基質をリン酸化する細胞内キナーゼを特異的に活性化することに
より、リガンド−受容体仲介シグナルを伝播する。これらの基質は、それ自体キ
ナーゼであってもよく、該基質がリン酸化後活性化されてもよい。あるいは、該
基質は、リン酸化後、タンパク質−タンパク質相互作用を通じ、下流情報伝達を
容易にするアダプター分子であってもよい。基質分子の性質に関係なく、発現さ
れたACPLの機能的に活性である型は、酵母2−ハイブリッドアッセイなどの
アッセイに用い、ACPL結合パートナーにより、どの基質が認識されそして活
性化されるか同定してもよい。このように、これらの新規ACPLは、情報伝達
経路に関与する新規分子を同定する試薬として用いてもよい。
【0158】 さらに、ACPLポリペプチドおよびその断片は、IL−18情報伝達を遮断
する試薬として、IL−18情報伝達経路の研究に、試薬として用いてもよい。
ACPLポリペプチドがNFκB情報伝達に役割を果たしているという発見によ
り、NFκB情報伝達の、特にIL−18によるNFκB情報伝達の誘導に関す
る研究にACPLポリペプチドを使用することが可能になる。ACPLポリペプ
チドおよびNFκB情報伝達におけるその役割の発見により、細胞情報伝達にお
けるIL−1Rrp1およびIL−18の役割を解明する研究プロトコルにおけ
る試薬として使用することが可能になる。
【0159】 IL−18は多くのさらなる情報伝達反応を誘導する。こうした情報伝達反応
の中に、MAPキナーゼファミリー、キナーゼJNKおよびp38の誘導がある
。したがって、ACPLポリペプチドおよびその断片は、IL−18が誘導する
、MAPキナーゼファミリー、キナーゼJNKおよびp38の情報伝達反応の研
究における試薬として用いてもよい。
【0160】 ACPLポリペプチドがIL−18に反応し特定のタンパク質産生を刺激する
という発見により、誘導性タンパク質発現系の生成が可能になる。1つの態様に
おいて、目的のタンパク質の発現を仲介する3つのNFκB部位を含むベクター
内に、該タンパク質をコードする遺伝子を配置してもよい。当業者は、発現が望
ましい細胞の種類に応じ、NFκB発現に連結した(linked)発現を達成
するのに、多くの異なるベクターを用いてもよいことを認識する。例として、N
FκB連結発現ベクター40μg並びにネズミAPCLポリペプチドおよびネズ
ミIL−1R−Rp1をコードする発現ベクター20μgで、960μFおよび
320Vで、107のS49.1細胞を0.7 ml中でエレクトロポレーショ ンによりトランスフェクションしてもよい。細胞を2日間培養してもよく、そし
てその後、40 ng/mlのネズミIL−18(PeproTech)で刺激
してもよい。IL−18添加は、NFκB連結遺伝子発現を300倍誘導するこ
とが可能である。ACPLポリペプチドおよびIL−18刺激を用い、タンパク
質発現誘導を達成するのに、多くの異なるアプローチを用いてもよく、そして本
態様はいかなる点でも本発明の範囲を限定しないことが理解される。
【0161】 NFκB連結タンパク質の産生が制御されているため、細胞内の本タンパク質
のレベルは、IL−18の刺激にしたがい、調節することが可能である。ルシフ
ェラーゼなどのマーカー遺伝子の使用により、IL−18刺激NFκB情報伝達
の阻害因子および制御因子の解明が可能になる。さらに、タンパク質発現のレベ
ルおよびタイミングの調節により、当業者が、目的のタンパク質の一時的な影響
および累積的な影響両方を調べることが可能になる。ACPLポリペプチドに対
する抗体はさらに、これらの実験におけるIL−18刺激NFκB情報伝達を阻
害するのに用いてもよく、NFκB情報伝達に伴われる段階のより詳細な解析が
可能になる。
【0162】 本発明にしたがった精製ACPLポリペプチドは、ACPLポリペプチドの阻
害剤の発見を容易にするであろう。精製ACPLポリペプチドを、その潜在的な
阻害剤をスクリーニングするのに使用することは重要であり、そして汚染物質と
の干渉性反応の可能性を除くまたは減少させる可能性がある。
【0163】 さらに、ACPLポリペプチドを、ACPLポリペプチド−阻害剤の構造に基
づく設計のため、用いてもよい。こうした構造に基づく設計は「合理的薬剤設計
」としても知られる。ACPLポリペプチドを、例えば、すべて周知の方法であ
る、X線結晶学、核磁気共鳴または相同性モデリングにより、三次元的に解析し
てもよい。分子モデリングソフトウェア系におけるACPLポリペプチド構造情
報を、阻害剤設計および阻害剤−ACPLポリペプチド相互作用を補助するのに
使用することもまた、本発明に含まれる。こうしたコンピューター補助モデリン
グおよび薬剤設計は、化学的コンホメーション解析、分子の静電位、タンパク質
フォールディングなどの情報を利用することが可能である。例えば、メタロプロ
テアーゼのクラス特異的阻害剤の設計の大部分は、触媒性亜鉛原子をキレートす
るまたは該原子に結合する試みに重点を置いてきている。合成阻害剤は、通常、
陰性荷電部分を含むよう設計され、該部分に、特定のプロテアーゼの特異性ポケ
ットに適合するよう設計された、一連の他の基が結合している。本発明の特定の
方法は、ACPLポリペプチドの三次元構造を、基質の結合部位である可能性が
ある部位に関し解析し、予測される反応性部位を含む新規分子を合成し、そして
新規分子を上述のようにアッセイすることを含む。
【0164】 分子量、等電点マーカー 本発明はさらに、ゲル電気泳動により試料タンパク質の見かけの分子量を概算
する分子量マーカーとしてACPLポリペプチドを利用する方法を含む。本発明
にしたがい、単離されそして精製されているマウスACPLポリペプチド分子量
マーカーは、糖鎖付加がなければ、およそ70,048ダルトンの分子量を有す
る。ACPLポリペプチドは、試料タンパク質と共に、慣用的手段による変性ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動(U.K. Laemmli, Nature
227:680−685, 1970)により、ドデシル硫酸ナトリウムおよび
6−20%の間の濃度のアクリルアミドを含むゲルの2つの別個のレーンにおい
て分離してもよい。ゲル上のタンパク質は、慣用的染色法を用い、視覚化しても
よい。ACPLポリペプチド分子量マーカーは、試料タンパク質の見かけの分子
量の概算において、分子量マーカーとして用いてもよい。マウスACPLの特有
のアミノ酸配列(配列番号2)は、およそ70,048ダルトンの分子量を特定
する。したがって、ACPLポリペプチド分子量マーカーは、70,048ダル
トンに近い見かけの分子量を有する試料タンパク質の見かけの分子量概算のため
の分子量マーカーとして特によく働く。本ポリペプチド分子量マーカーの使用に
より、70,048ダルトンに近い見かけの分子量を有するタンパク質の見かけ
の分子量測定の正確さを増加させることが可能になる。同様に、ヒトACPLポ
リペプチド(配列番号7)を、試料タンパク質の見かけの分子量概算のための分
子量マーカーとして用いてもよい。もちろん、ACPLポリペプチドを用いた試
料タンパク質の分子量測定に、多くの異なる技術を用いてもよく、そして本態様
はいかなる点でも本発明の範囲を限定しないことが理解される。
【0165】 本発明の別の好ましい態様は、ACPLポリペプチドの化学的断片化により生
成されるACPL断片化ペプチド分子量マーカーの、ゲル電気泳動により試料タ
ンパク質の見かけの分子量を概算するための分子量マーカーとしての使用である
。単離されそして精製されているACPLポリペプチドを、ACPLポリペプチ
ド内のメチオニン残基のカルボキシル側での特異的な加水分解により、ACPL
ポリペプチド分子量マーカーの断片化を生じる慣用的条件下で、臭化シアンで処
理してもよい(E. Gross, Methods in Enz. 11:
238−255, 1967)。ACPLポリペプチドの特有のアミノ酸配列に
より、ACPLポリペプチド分子量マーカーの臭化シアンでの断片化は、ACP
L断片化ペプチド分子量マーカーの特有の組を生成する。例えば、ヒトおよびマ
ウスACPLポリペプチドは、各々、ACPL断片化ペプチド分子量マーカーの
特有の組を生成するであろう。これらの分子量マーカーの大きさは、利用可能な
コンピュータープログラムを用い、予測することが可能である。メチオニン残基
の分布(distribution)が各ペプチドにおけるアミノ酸の数を決定
し、そして各ペプチドの特有のアミノ酸組成がその分子量を決定する。
【0166】 マウスACPLポリペプチドの臭化シアンでの処理により生成されるACPL
断片化ペプチド分子量マーカーの特有の組は、大きさが少なくとも10アミノ酸
の10の断片化ペプチドを含む。配列番号2のアミノ酸2−87にコードされる
ペプチドは、およそ9,724ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ
酸88−105にコードされるペプチドは、およそ2,020ダルトンの分子量
を有する。配列番号2のアミノ酸111−136にコードされるペプチドは、お
よそ3,094ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸137−18
8にコードされるペプチドは、およそ5,502ダルトンの分子量を有する。配
列番号2のアミノ酸189−207にコードされるペプチドは、およそ2,35
4ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸208−299にコードさ
れるペプチドは、およそ10,617ダルトンの分子量を有する。配列番号2の
アミノ酸300−369にコードされるペプチドは、およそ8,293ダルトン
の分子量を有する。配列番号2のアミノ酸370−558にコードされるペプチ
ドは、およそ21,559ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸5
68−593にコードされるペプチドは、およそ2,963ダルトンの分子量を
有する。配列番号2のアミノ酸594−614にコードされるペプチドは、およ
そ2,343ダルトンの分子量を有する。
【0167】 したがって、マウスACPLポリペプチドの臭化シアンでの化学的処理による
切断は、ACPL断片化ペプチド分子量マーカーの特有の組を生成する。これら
のACPL断片化ペプチドの特有でそして既知のアミノ酸配列により、これらの
ACPL断片化ペプチド分子量マーカーの分子量決定が可能になる。この特定の
場合、ACPL断片化ペプチド分子量マーカーは、およそ9,724;2,02
0;3,094;5,502;2,354;10,617;8,293;21,
559;2,963;および2,343ダルトンの分子量を有する。
【0168】 ACPL断片化ペプチド分子量マーカーは、試料タンパク質と共に、慣用的手
段による変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、ドデシル硫酸ナトリウム
および10−20%の間の濃度のアクリルアミドを含むゲルの2つの別個のレー
ンにおいて分離してもよい。ゲル上のタンパク質は、慣用的染色法を用い、視覚
化してもよい。ACPL断片化ペプチド分子量マーカーは、試料タンパク質の見
かけの分子量の概算において、分子量マーカーとして用いてもよい。マウスAC
PLの特有のアミノ酸配列は、該ACPL断片化ペプチド分子量マーカーに関し
、およそ9,724;2,020;3,094;5,502;2,354;10
,617;8,293;21,559;2,963;および2,343ダルトン
の分子量を特定する。したがって、該ACPL断片化ペプチド分子量マーカーは
、9,724;2,020;3,094;5,502;2,354;10,61
7;8,293;21,559;2,963;または2,343ダルトンに近い
見かけの分子量を有する試料タンパク質の見かけの分子量概算のための分子量マ
ーカーとして特によく働く。その結果、これらの断片化ペプチド分子量マーカー
の使用により、9,724;2,020;3,094;5,502;2,354
;10,617;8,293;21,559;2,963;または2,343ダ
ルトンに近い見かけの分子量を有するタンパク質の見かけの分子量測定の正確さ
を増加させることが可能になる。もちろん、ヒトACPLポリペプチドの特有の
アミノ酸配列(配列番号13)を同様に用い、ヒトACPL断片化ペプチド分子
量マーカーの特有の組を生成してもよい。断片の大きさは、利用可能なコンピュ
ータープログラムを用い、容易に決定することが可能である。
【0169】 さらなる態様において、試料タンパク質およびACPLポリペプチドを同時に
しかし別個に、試料タンパク質およびACPLポリペプチド内のメチオニン残基
のカルボキシル側での特異的な加水分解により、試料タンパク質およびACPL
ポリペプチドの断片化を生じる慣用的条件下で、臭化シアンで処理してもよい。
上述のように、ACPLポリペプチドの臭化シアンでの切断により生成されるA
CPL断片化ペプチド分子量マーカーは、およそ9,724;2,020;3,
094;5,502;2,354;10,617;8,293;21,559;
2,963;および2,343ダルトンの分子量を有する。
【0170】 ACPLポリペプチドおよび試料タンパク質両方由来の断片化ペプチドを、慣
用的手段による変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、ドデシル硫酸ナト
リウムおよび10−20%の間の濃度のアクリルアミドを含むゲルの2つの別個
のレーンにおいて分離してもよい。ゲル上の断片化ペプチドは、慣用的染色法を
用い、視覚化してもよい。ACPL断片化ペプチド分子量マーカーは、試料タン
パク質由来の断片化タンパク質の見かけの分子量の概算において、分子量マーカ
ーとして用いてもよい。上に論じられるように、該ACPL断片化ペプチド分子
量マーカーは、9,724;2,020;3,094;5,502;2,354
;10,617;8,293;21,559;2,963;または2,343ダ
ルトンに近い見かけの分子量を有する断片化ペプチドの見かけの分子量概算のた
めの分子量マーカーとして特によく働く。その結果、これらのACPL断片化ペ
プチド分子量マーカーの使用により、9,724;2,020;3,094;5
,502;2,354;10,617;8,293;21,559;2,963
;または2,343ダルトンに近い見かけの分子量を有する断片化ペプチドの見
かけの分子量測定の正確さを増加させることが可能になる。ACPLポリペプチ
ドの断片化の度合いをさらに、試料タンパク質の完全な断片化が期待される条件
を決定するコントロールとして用いる。もちろん、ACPLポリペプチドを断片
化するのに多くの化学薬品を用いてもよく、そして本態様はいかなる点でも本発
明の範囲を限定しないことが理解される。
【0171】 別の態様において、ACPL断片化ペプチド分子量マーカーの特有の組を、特
定のアミノ酸残基でポリペプチドを切断する酵素を用い、ACPLポリペプチド
から生成してもよい。ACPLポリペプチドのアミノ酸配列の特有の性質により
、異なるアミノ酸残基での切断は、断片化ペプチド分子量マーカーの異なる組を
生成するであろう。
【0172】 単離されそして精製されているACPLポリペプチドを、ACPLポリペプチ
ド内のリジン残基のカルボキシル側での特異的な加水分解により、ACPLポリ
ペプチドの断片化を生じる慣用的条件下で、アクロモバクター・プロテアーゼI
で処理してもよい(T. Masakiら, Biochim. Biophy
s. Acta 660:44−50, 1981;T. Masakiら,
Biochim. Biophys. Acta 660:51−55, 19
81)。ACPLポリペプチドの特有のアミノ酸配列により、ACPLポリペプ
チド分子量マーカーのアクロモバクター・プロテアーゼIでの断片化は、ACP
L断片化ペプチド分子量マーカーの特有の組を生成する。リジン残基の分布が各
ペプチドにおけるアミノ酸の数を決定し、そして各ペプチドの特有のアミノ酸組
成がその分子量を決定する。
【0173】 マウスACPLポリペプチドのアクロモバクター・プロテアーゼIでの処理に
より生成されるACPL断片化ペプチド分子量マーカーの特有の組は、大きさが
少なくとも10アミノ酸の20の断片化ペプチドを含む。ACPLポリペプチド
の臭化シアン処理での10の断片化ペプチドの生成に比べ、ACPLポリペプチ
ドの本酵素処理での20の断片化ペプチドの生成は、断片化ペプチド分子量マー
カーの大きさが、ACPLポリペプチドを断片化するのに利用する断片化処理に
応じ、多様であろうことを、明らかに例示する。これらの断片の大きさおよび数
は、共に、ACPLポリペプチドのアミノ酸配列により決定される。その結果、
断片化ペプチドの数もまた、ACPLポリペプチドを断片化するのに利用する断
片化処理に応じ、多様であろう。さらに、ヒトACPLポリペプチド(配列番号
7)の断片化は、該ACPLポリペプチドのアミノ酸配列に決定される、断片化
ペプチドの特有の組を生じるであろう。
【0174】 配列番号2のアミノ酸1−16にコードされるペプチドは、およそ1,897
ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸17−28にコードされるペ
プチドは、およそ1,236ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸
30−55にコードされるペプチドは、およそ3,100ダルトンの分子量を有
する。配列番号2のアミノ酸56−71にコードされるペプチドは、およそ1,
721ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸79−141にコード
されるペプチドは、およそ7,285ダルトンの分子量を有する。配列番号2の
アミノ酸148−192にコードされるペプチドは、およそ4,893ダルトン
の分子量を有する。配列番号2のアミノ酸203−238にコードされるペプチ
ドは、およそ4,123ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸25
0−266にコードされるペプチドは、およそ1,866ダルトンの分子量を有
する。配列番号2のアミノ酸267−283にコードされるペプチドは、およそ
1,989ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸292−305に
コードされるペプチドは、およそ1,757ダルトンの分子量を有する。配列番
号2のアミノ酸313−333にコードされるペプチドは、およそ2,601ダ
ルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸334−353にコードされる
ペプチドは、およそ2,324ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ
酸355−395にコードされるペプチドは、およそ4,765ダルトンの分子
量を有する。配列番号2のアミノ酸406−471にコードされるペプチドは、
およそ7,339ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸473−5
07にコードされるペプチドは、およそ3,885ダルトンの分子量を有する。
配列番号2のアミノ酸513−527にコードされるペプチドは、およそ1,7
85ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸529−539にコード
されるペプチドは、およそ1,282ダルトンの分子量を有する。配列番号2の
アミノ酸543−561にコードされるペプチドは、およそ2,329ダルトン
の分子量を有する。配列番号2のアミノ酸562−576にコードされるペプチ
ドは、およそ1,855ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸59
6−612にコードされるペプチドは、およそ1,858ダルトンの分子量を有
する。
【0175】 したがって、マウスACPLポリペプチドのアクロモバクター・プロテアーゼ
Iでの酵素的処理による切断は、ACPL断片化ペプチド分子量マーカーの特有
の組を生成する。これらの断片化ペプチドの特有でそして既知のアミノ酸配列に
より、これらのACPL断片化ペプチド分子量マーカーの分子量決定が可能にな
る。この特定の場合、これらのACPL断片化ペプチド分子量マーカーは、およ
そ1,897;1,236;3,100;1,721;7,285;4,893
;4,123;1,866;1,989;1,757;2,601;2,324
;4,765;7,339;3,885;1,785;1,282;2,329
;1,855;および1,858ダルトンの分子量を有する。
【0176】 再び、ACPL断片化ペプチド分子量マーカーは、試料タンパク質と共に、慣
用的手段による変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、ドデシル硫酸ナト
リウムおよび10−20%の間の濃度のアクリルアミドを含むゲルの2つの別個
のレーンにおいて分離してもよい。ゲル上のタンパク質は、慣用的染色法を用い
、視覚化してもよい。ACPL断片化ペプチド分子量マーカーは、試料タンパク
質の見かけの分子量の概算において、分子量マーカーとして用いてもよい。AC
PL断片化ペプチド分子量マーカーは、1,897;1,236;3,100;
1,721;7,285;4,893;4,123;1,866;1,989;
1,757;2,601;2,324;4,765;7,339;3,885;
1,785;1,282;2,329;1,855;または1,858ダルトン
に近い見かけの分子量を有するタンパク質の見かけの分子量概算のための分子量
マーカーとして特によく働く。これらの断片化ペプチド分子量マーカーの使用に
より、1,897;1,236;3,100;1,721;7,285;4,8
93;4,123;1,866;1,989;1,757;2,601;2,3
24;4,765;7,339;3,885;1,785;1,282;2,3
29;1,855;または1,858ダルトンに近い見かけの分子量を有するタ
ンパク質の見かけの分子量測定の正確さを増加させることが可能になる。もちろ
ん、ヒトACPLポリペプチドの特有のアミノ酸配列(配列番号13)を同様に
用い、断片化ペプチド分子量マーカーの特有の組を生成してもよい。断片の大き
さは、利用可能なコンピュータープログラムを用い、容易に決定することが可能
である。
【0177】 別の態様において、試料タンパク質およびACPLポリペプチドを同時にしか
し別個に、試料タンパク質およびACPLポリペプチド内のリジン残基のカルボ
キシル側での特異的な加水分解により、試料タンパク質およびACPLポリペプ
チドの断片化を生じる慣用的条件下で、アクロモバクター・プロテアーゼIで処
理してもよい。ACPL断片化ペプチド分子量マーカーおよび試料タンパク質由
来の断片化ペプチドを、慣用的手段による変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により、ドデシル硫酸ナトリウムおよび10−20%の間の濃度のアクリルアミ
ドを含むゲルの2つの別個のレーンにおいて分離する。ゲル上の断片化ペプチド
は、慣用的染色法を用い、視覚化してもよい。ACPL断片化ペプチド分子量マ
ーカーは、試料タンパク質の見かけの分子量の概算において、分子量マーカーと
して用いてもよい。該ACPL断片化ペプチド分子量マーカーは、1,897;
1,236;3,100;1,721;7,285;4,893;4,123;
1,866;1,989;1,757;2,601;2,324;4,765;
7,339;3,885;1,785;1,282;2,329;1,855;
または1,858ダルトンに近い見かけの分子量を有する断片化ペプチドの見か
けの分子量概算のための分子量マーカーとして特によく働く。これらのACPL
断片化ペプチド分子量マーカーの使用により、1,897;1,236;3,1
00;1,721;7,285;4,893;4,123;1,866;1,9
89;1,757;2,601;2,324;4,765;7,339;3,8
85;1,785;1,282;2,329;1,855;または1,858ダ
ルトンに近い見かけの分子量を有する断片化ペプチドの見かけの分子量測定の正
確さを増加させることが可能になる。ACPLポリペプチドの断片化の度合いを
さらに、試料タンパク質の完全な断片化が期待される条件を決定するコントロー
ルとして用いる。もちろん、ACPLポリペプチドを断片化するのに多くの酵素
を用いてもよく、そして本態様はいかなる点でも本発明の範囲を限定しないこと
が理解される。
【0178】 別の態様において、ACPLポリペプチドに対するモノクローナルおよびポリ
クローナル抗体を生成してもよい。Balb/cマウスに、RIBIアジュバン
ト(RIBI Corp.、モンタナ州ハミルトン)の存在下で、単離されそし
て生成されているACPLポリペプチドまたはACPLポリペプチドのアミノ酸
配列に基づくペプチド10μgを、3週間間隔で2回、腹腔内注射してもよい。
その後、慣用的ドットブロット技術または抗体捕捉(ABC)によりマウス血清
をアッセイし、どの動物のものを融合させるのが最適か決定する。3週間後、マ
ウスに、無菌PBS中に懸濁されているACPLポリペプチドまたはペプチド3
μgを静脈内追加投与する。3日後、マウスを屠殺し、そして確立されたプロト
コルにしたがい、Ag8.653骨髄腫細胞(ATCC)と脾臓細胞を融合させ
る。簡潔には、Ag8.653細胞を血清不含培地で数回洗浄し、そして骨髄腫
細胞1に対し脾臓細胞3の割合で、マウス脾臓細胞に融合させる。融合剤は、5
0% PEG:10% DMSO(Sigma)である。融合物を、HAT補足
DMEM培地を含む20の96ウェル平底プレート(Corning)に蒔き、
そして8日間増殖させる。生じたハイブリドーマから上清を集め、そしてまずヤ
ギ抗マウスIgで被覆されている96ウェルプレートに60分間添加する。洗浄
後、125I−ACPLポリペプチドまたはペプチドを各ウェルに添加し、室温で 60分間インキュベーションし、そして4回洗浄する。陽性ウェルは続いて、K
odak X−Omat Sフィルムを用いた−70℃でのオートラジオグラフ
ィーにより、検出することが可能である。陽性クローンをバルク培養で増殖させ
てもよく、そして続いて上清をプロテインAカラム(Pharmacia)上で
精製する。もちろん、ACPLポリペプチドおよび断片化ペプチドに対する抗体
を生成するのに多くの技術を用いてもよく、そして本態様はいかなる点でも本発
明の範囲を限定しないことが理解される。
【0179】 別の態様において、ACPLポリペプチドおよびその断片化ペプチドに対し生
成された抗体を、ACPLポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーと
組み合わせて用い、試料タンパク質の見かけの分子量および等電点を決定するこ
れらの分子量マーカーの使用における正確さを亢進してもよい。ACPLポリペ
プチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーを、モル過剰の試料タンパク質と混
合し、そして混合物を、慣用的手段による2次元電気泳動により、分離してもよ
い。ポリペプチドを、慣用的手段により、ニトロセルロースなどの適切なタンパ
ク質結合膜に移してもよい。
【0180】 膜上のポリペプチドは、試料タンパク質および分子量マーカー間の区別を可能
にする2つの異なる方法を用い、視覚化してもよい。ACPLポリペプチドまた
は断片化ペプチド分子量マーカーは、これらのマーカーに対して生成された抗体
および慣用的なイムノブロッティング技術を用い、視覚化してもよい。本検出は
、試料タンパク質の検出を生じない慣用的な条件下で行われる。小さなペプチド
は免疫原性エピトープを含まない可能性があるため、すべてのACPLポリペプ
チド断片に対する抗体を生成することは不可能である可能性があることが理解さ
れる。さらに、本アッセイにおいて、すべての抗体が働くわけではないであろう
ことが理解される;しかしながら、ACPLポリペプチドおよび断片に結合する
ことが可能な抗体は、慣用的技術を用い、容易に決定することが可能である。
【0181】 試料タンパク質を、慣用的染色法を用い、視覚化する。ACPLポリペプチド
または断片ペプチド分子量マーカーに対する試料タンパク質のモル過剰は、慣用
的な染色法が、主に試料タンパク質を検出する程度である。ACPLポリペプチ
ドまたは断片化ペプチド分子量マーカーレベルは、慣用的染色法により、これら
のマーカーがほとんどまたはまったく検出されない程度である。ACPLポリペ
プチド分子量マーカーに対する試料タンパク質の好ましいモル過剰は、2および
100,000倍の間である。より好ましくは、ACPLポリペプチド分子量マ
ーカーに対する試料タンパク質の好ましいモル過剰は、10および10,000
倍の間であり、そして特に100および1,000倍の間である。
【0182】 ACPLポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーを、試料タンパク
質の見かけの分子量および等電点の概算において、分子量および等電点マーカー
として用いてもよい。ACPLポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカ
ーは、ACPLポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーのものに近い
見かけの分子量および等電点を有する試料タンパク質の見かけの分子量および等
電点概算のための分子量および等電点マーカーとして、特によく働く。ACPL
ポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーおよび試料タンパク質を、同
一の条件下で同時に分離する能力により、試料タンパク質の見かけの分子量およ
び等電点測定の正確さを増加させることが可能になる。これは、方法の性質が、
いかなるマーカーも試料タンパク質と同時に分離されることを指令する、二次元
電気泳動などの技術に特有の目的である。
【0183】 別の態様において、ACPLポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカ
ーを、切断剤で試料タンパク質を処理することにより得られる断片化ペプチドの
見かけの分子量および等電点の概算において、分子量および等電点マーカーとし
て用いてもよい。ACPLポリペプチド分子量マーカーおよびそのペプチド断片
を用いた、試料タンパク質およびその断片化ペプチドの分子量および等電点測定
に、多くの技術を用いることができ、そして本態様はいかなる点でも本発明の範
囲を限定しないことが理解される。
【0184】 本発明に含まれるACPLポリペプチド分子量マーカーは、該マーカーが発現
される宿主細胞に応じ、多様な分子量を有する可能性がある。多様な細胞種にお
けるACPLポリペプチド分子量マーカーおよびペプチド断片の糖鎖付加は、修
飾の度合いに応じ、これらのマーカーの分子量の変動を生じる可能性がある。A
CPLポリペプチド分子量マーカーの大きさは、該ポリペプチドの細胞外部分由
来のACPLポリペプチド断片で最も雑多である可能性がある。一貫した分子量
マーカーは、完全に膜貫通および細胞質領域由来のポリペプチドを用いること、
N−グリカナーゼで前処理し、糖鎖付加を除くこと、または細菌宿主でポリペプ
チドを発現させることにより、得ることが可能である。
【0185】 本発明のポリペプチドは、化学的および酵素的手段により、より小さいペプチ
ドへの断片化にさらされてもよく、そしてこうして産生されるペプチド断片を、
他のタンパク質またはポリペプチドの解析に用いてもよい。例えば、こうしたペ
プチド断片を、ペプチド分子量マーカーとして、ペプチド等電点マーカーとして
、またはペプチド断片化の度合いの解析において、用いてもよい。したがって、
本発明はまた、これらのポリペプチドまたはペプチド断片と共に、未知のタンパ
ク質の見かけの分子量および等電点決定を補助するキット並びに未知のタンパク
質の断片化の度合いを評価するキットも含む。
【0186】 もちろん、本発明のペプチドおよびポリペプチドの断片はまた、当業に周知の
慣用的な組換え法および合成法により産生してもよい。組換え法に関し、本発明
に含まれるポリペプチドおよびペプチド断片は、これらが発現される宿主細胞に
応じ、多様な分子量を有する可能性がある。多様な細胞種における本発明のポリ
ペプチドおよびペプチド断片の糖鎖付加は、修飾の度合いに応じ、これらの片(
piece)の分子量の変動を生じる可能性がある。これらの片の大きさは、該
ポリペプチドの細胞外部分由来のポリペプチド断片で最も雑多である可能性があ
る。一貫したポリペプチドおよびペプチド断片は、完全に膜貫通および細胞質領
域由来のポリペプチドを用いること、N−グリカナーゼで前処理し、糖鎖付加を
除くこと、または細菌宿主でポリペプチドを発現させることにより、得ることが
可能である。
【0187】 これらのポリペプチドの分子量はまた、本発明のポリペプチドのアミノおよび
カルボキシル末端両方に、さらなるペプチド配列を融合させることにより、変化
させてもよい。本発明のポリペプチドのアミノおよびカルボキシル末端でのさら
なるペプチド配列の融合を用い、これらのポリペプチドの発現を亢進し、または
該タンパク質の精製を補助してもよい。さらに、本発明のポリペプチドのアミノ
およびカルボキシル末端でのさらなるペプチド配列の融合は、酵素的または化学
的処理により生成されるポリペプチドの断片化ペプチドを、通常すべてではない
がいくつか、改変するであろう。もちろん、分子生物学の日常的でそして既知の
技術を用い、本発明のポリペプチドに、突然変異を導入してもよい。例えば、特
定の酵素によるタンパク質分解切断部位または特定の化学的に誘導される断片化
法による切断部位を除去するように、突然変異を設計してもよい。該部位の除去
は、特定の酵素または化学的方法での断片化に際し、本発明のポリペプチドのペ
プチドフィンガープリントを改変するであろう。
【0188】 ポリペプチドおよび生じた断片化ペプチドは、沈降、電気泳動、クロマトグラ
フィー、および質量分析を含む方法により解析し、それらの分子量を決定しても
よい。各片の特有のアミノ酸配列が分子量を特定するため、これらの片はその後
、未知のタンパク質、ポリペプチドまたはその断片の分子量決定を補助するこう
した解析技術を用い、分子量マーカーとして利用することが可能である。本発明
の分子量マーカーは、同様の見かけの分子量を有するタンパク質の見かけの分子
量概算のための分子量マーカーとして特によく働き、そしてその結果、タンパク
質の見かけの分子量測定の正確さを増加させることが可能になる。
【0189】 本発明が断片化ペプチド分子量マーカーの使用に関する場合、これらのマーカ
ーは、好ましくは大きさが少なくとも10アミノ酸である。より好ましくは、こ
れらの断片化ペプチド分子量マーカーは、大きさが10および100アミノ酸の
間である。さらにより好ましいのは、大きさが10および50アミノ酸の間の断
片化ペプチド分子量マーカーであり、そして特に大きさが10および35アミノ
酸の間のものである。最も好ましいのは、大きさが10および20アミノ酸の間
の断片化ペプチド分子量マーカーである。
【0190】 分子量測定法の中に、沈降、ゲル電気泳動、クロマトグラフィー、および質量
分析がある。特に好ましい態様は、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(U.
K. Laemmli, Nature 227:680−685, 1970
)である。慣用的には、該方法は、ドデシル硫酸ナトリウムおよび6−20%の
間の濃度のアクリルアミドを含むゲルの2つの別個のレーンを用いる。マーカー
および試料を、同一の条件下で同時に分解する能力により、正確さを増加させる
ことが可能になる。もちろん、本発明のポリペプチドを用いた未知のタンパク質
の分子量測定には、多くの異なる技術を用いてもよく、そして本態様はいかなる
点でも本発明の範囲を限定しないことが理解される。
【0191】 各非糖鎖付加ポリペプチドまたはその断片は、その特有のアミノ酸配列により
本質的に決定されるpIを有する(このpIは、当業者により、現在利用可能な
pI値を予測するよう設計されたいかなるコンピュータープログラムを用い概算
しても、いかなる周知のアミノ酸pKa表を用い計算しても、または実験により
測定してもよい)。したがって、これらのポリペプチドおよびその断片は、等電
点電気泳動などの技術を用い、未知のタンパク質、ポリペプチド、または断片化
ペプチドの等電点測定を補助する、特定のマーカーとして利用することが可能で
ある。これらのポリペプチドまたは断片化ペプチドマーカーは、本発明のポリペ
プチドまたは断片化ペプチドマーカーのものと近い見かけの等電点を有する未知
のタンパク質の見かけの等電点概算に、特によく働く。
【0192】 等電点電気泳動技術は、さらに、ゲル電気泳動などの他の技術と組み合わせ、
分子量および電荷に基づき、タンパク質を同時に分離してもよい。これらのポリ
ペプチドまたは断片化ペプチドマーカーおよび未知のタンパク質を、同一の条件
下で同時に分離する能力により、未知のタンパク質の見かけの等電点測定の正確
さを増加させることが可能になる。これは、方法の性質が、いかなるマーカーも
未知のタンパク質と同時に分離されることを指令する、二次元電気泳動(T.D
. BrockおよびM.T. Madigan, Biology of M
icroorganisms 76−77(Prentice Hall, 第
6版, 1991))などの技術に特有の目的である。さらに、こうした方法を
用い、これらのポリペプチドおよびその断片化ペプチドは、未知のタンパク質ま
たは断片化ペプチドの等電点および分子量両方の測定を補助することが可能であ
る。
【0193】 ポリペプチドおよび断片化ペプチドは、未知のタンパク質および分子量マーカ
ー間の区別を可能にする2つの異なる方法を用い、視覚化してもよい。1つの態
様において、本発明のポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーは、こ
れらのマーカーに対して生成された抗体および慣用的なイムノブロッティング技
術を用い、視覚化してもよい。本検出は、未知のタンパク質の検出を生じない慣
用的な条件下で行われる。小さなペプチドは免疫原性エピトープを含まない可能
性があるため、本発明のすべてのポリペプチド断片に対する抗体を生成すること
は不可能である可能性があることが理解される。さらに、本アッセイにおいて、
すべての抗体が働くわけではないであろうことが理解される;が、本発明のポリ
ペプチドおよび断片に結合することが可能な抗体は、慣用的技術を用い、容易に
決定することが可能である。
【0194】 未知のタンパク質もまた、慣用的染色法を用い、視覚化する。本発明のポリペ
プチドまたは断片ペプチド分子量マーカーに対する未知のタンパク質のモル過剰
は、慣用的な染色法が、主に未知のタンパク質を検出する程度である。これらの
ポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーレベルは、慣用的染色法によ
り、これらのマーカーがほとんどまたはまったく検出されない程度である。本発
明のポリペプチド分子量マーカーに対する未知のタンパク質の好ましいモル過剰
は、2および100,000倍の間である。より好ましくは、これらのポリペプ
チド分子量マーカーに対する未知のタンパク質の好ましいモル過剰は、10およ
び10,000倍の間であり、そして特に100および1,000倍の間である
【0195】 もちろん、これらのポリペプチド分子量マーカーおよびそのペプチド断片を用
いた未知のタンパク質、ポリペプチド、およびその断片化ペプチドの分子量およ
び等電点の測定および検出に、多くの技術を用いてもよく、そしてこれらの態様
はいかなる点でも本発明の範囲を限定しないことが理解される。
【0196】 別の態様において、例えば断片化反応の時間または温度を改変することによる
、本発明のポリペプチドの特定のペプチドへの進行性断片化(D.W. Cle
velandら, J. Biol. Chem. 252:1102−110
6, 1977)の解析は、未知のタンパク質の切断の度合いのコントロールと
して用いてもよい。例えば、同量のポリペプチドおよび未知のタンパク質の、同
一の条件下での切断により、断片化の度合いの直接比較が可能になる。ポリペプ
チドの完全な断片化を生じる条件はまた、未知のタンパク質の完全な断片化をも
生じる可能性がある。
【0197】 最後に、本発明に含まれるキットに関しては、こうしたキットの構成要素は、
多様である可能性があるが、典型的には、ポリペプチドおよび断片化ペプチド分
子量マーカーを含む。また、こうしたキットは、断片化に必要な部位が除去され
ているポリペプチドを含んでもよい。さらに、キットは、ポリペプチドおよび未
知のタンパク質の化学的または酵素的切断による、特異的切断のための試薬を含
んでもよい。キットはさらに、本発明のポリペプチドまたはその断片に対して向
けられる抗体を含んでもよい。
【0198】 未知のタンパク質の同定 上述のように、ポリペプチドまたはペプチドフィンガープリントを、既知のタ
ンパク質のデータベースに入力しまたは該データベースと比較し、質量分析を用
いた未知のタンパク質の同定を補助してもよい(W.J. Henzelら,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5011−5
015, 1993;D. Fenyoら, Electrophoresis
19:998−1005, 1998)。これらの比較を容易にする多様なコ
ンピューターソフトウェアプログラム、例えばProtein Prospec
tor(インターネットサイト:prospector.uscf.edu)、
MultiIdent(インターネットサイト:www.expasy.ch/
sprot/multiident.html)、PeptideSearch
(インターネットサイト:www.mann.embl−heiedelber
g.de...deSearch/FR_PeptideSearch For
m.html)、およびProFound(インターネットサイト:www.c
hait−sgi.rockefeller.edu/cgi−bin/pro
t−id−frag.html)などが、インターネットを介し利用可能である
。これらのプログラムは、使用者が切断剤および指示された許容範囲の断片化ペ
プチドの分子量を特定するのを可能にする。該プログラムは、未知のタンパク質
の同定の決定を補助するため、観察された分子量を配列データベース由来の予測
されるペプチド分子量と比較する。
【0199】 さらに、タンデム型質量分析計(MS/MS)を用い、ポリペプチドまたはペ
プチド消化物を配列決定し、そして生じた配列をデータベースに対し検索しても
よい(J.K. Engら, J. Am. Soc. Mass Spec.
5:976−989(1994);M. MannおよびM. Wilm,
Anal. Chem. 66:4390−4399(1994);J.A.
TaylorおよびR.S. Johnson, Rapid Comm. M
ass Spec. 11:1067−1075(1997))。本方法に用い
てもよい検索プログラムは、Lutefisk 97(インターネットサイト:
www.lsbc.com:70/Lutefisk97.html)、並びに
上述のProtein Prospector、Peptide Search
およびProFoundなど、インターネット上に存在する。
【0200】 したがって、遺伝子配列並びにその予測されるタンパク質配列およびペプチド
断片を配列データベースに添加することにより、質量分析を用いた未知のタンパ
ク質の同定を補助することが可能である。
【0201】 抗体 本発明のポリペプチドに免疫反応性である抗体が本明細書に提供される。こう
した抗体は、(非特異的結合と対照的に)抗体の抗原結合部位を介し、該ポリペ
プチドに特異的に結合する。したがって、上述のようなポリペプチド、断片、変
異体、融合タンパク質などを、それと免疫反応性である抗体を産生する際の「免
疫原」として使用してもよい。より詳細には、ポリペプチド、断片、変異体、融
合タンパク質などは、抗体形成を引き出す抗原決定基またはエピトープを含む。
【0202】 これらの抗原決定基またはエピトープは、直鎖でもコンホメーション性(co
nformational)(断続的)でもどちらでもよい。直鎖エピトープは
、該ポリペプチドのアミノ酸の単一の部分から構成されるが、コンホメーション
性または断続的エピトープは、タンパク質フォールディングに際し、ごく接近す
るポリペプチド鎖の異なる領域由来のアミノ酸部分から構成される(C.A.
Janeway, Jr.およびP. Travers, Immuno Bi
ology 3:9(Garland Publishing Inc., 第
2版, 1996))。フォールディングされたタンパク質は、複雑な表面を有
するため、利用可能なエピトープの数は非常に数多い;が、タンパク質のコンホ
メーションおよび立体障害のため、実際にエピトープに結合する抗体の数は、利
用可能なエピトープの数より少ない(C.A. Janeway, Jr.およ
びP. Travers, Immuno Biology 2:14(Gar
land Publishing Inc., 第2版, 1996))。エピ
トープは、当業に知られるいかなる手段により同定してもよい。
【0203】 したがって、本発明の1つの側面は、本発明のポリペプチドの抗原性エピトー
プに関する。こうしたエピトープは、以下により詳細に記載されるように、抗体
、特にモノクローナル抗体を作成するのに有用である。さらに、本発明のポリペ
プチド由来のエピトープは、アッセイにおいて、そしてポリクローナル血清また
は培養ハイブリドーマ由来の上清などの材料から特異的に結合する抗体を精製す
る研究試薬として用いてもよい。こうしたエピトープまたはその変異体は、固相
合成、ポリペプチドの化学的または酵素的切断などの当業に周知の技術を用い、
あるいは組換えDNA技術を用い、産生してもよい。
【0204】 本発明のポリペプチドのエピトープにより引き出される可能性がある抗体に関
しては、エピトープが単離されていてもまたはポリペプチドの一部のままであっ
ても、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体はどちらも、慣用的技術により
調製することが可能である。例えば、Monoclonal Antibodi
es, Hybridomas: A New Dimension in B
iological Analyses. Kennetら(監修), Ple
num Press, ニューヨーク(1980); およびAntibodi
es: A Laboratory Manual, HarlowおよびLa
nd(監修), Cold Spring Harbor Laborator
y Press, ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1988)を
参照されたい。
【0205】 本発明のポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マ細胞株もまた、本明細書に意図される。こうしたハイブリドーマは、慣用的技
術により産生しそして同定してもよい。こうしたハイブリドーマ細胞株を産生す
るための1つの方法は、動物をポリペプチドで免疫感作し;免疫感作された動物
から脾臓細胞を採取し;前記脾臓細胞を骨髄腫細胞株に融合させ、それによりハ
イブリドーマ細胞を生成し;そして該ポリペプチドに結合するモノクローナル抗
体を産生するハイブリドーマ細胞株を同定することを含む。モノクローナル抗体
は、慣用的技術により回収してもよい。
【0206】 本発明のモノクローナル抗体には、キメラ抗体、例えば、ネズミモノクローナ
ル抗体のヒト化(humanized)型が含まれる。こうしたヒト化抗体を既
知の技術により調製し、そして抗体がヒトに投与されるとき、免疫原性の減少と
いう利点を提供してもよい。1つの態様において、ヒト化モノクローナル抗体は
、ネズミ抗体の可変部(またはその抗原結合部位のみ)およびヒト抗体由来の定
常部を含む。あるいは、ヒト化抗体断片は、ネズミモノクローナル抗体の抗原結
合部位およびヒト抗体由来の可変部断片(抗原結合部位を欠く)を含んでもよい
。キメラおよび工学技術で作成されるさらなるモノクローナル抗体の産生法には
、Riechmannら(Nature 332:323, 1988)、 L
iuら(PNAS 84:3439, 1987)、Larrickら(Bio
/Technology 7:934, 1989)、およびWinterおよ
びHarris(TIPS 14:139, May, 1993)に記載され
るものが含まれる。導入遺伝子的に抗体を生成する方法は、GB 2,272,
440、米国特許第5,569,825号および5,545,806号並びにそ
れらから優先権を請求する関連特許に見ることが可能であり、該特許はすべて本
明細書に援用される。
【0207】 慣用的技術により産生されてもよい、抗体の抗原結合断片もまた、本発明に含
まれる。こうした断片の例には、限定されるわけではないが、FabおよびF(
ab’)2断片が含まれる。遺伝子工学技術により産生される抗体断片および誘 導体もまた提供される。
【0208】 1つの態様において、抗体は本発明のポリペプチドに特異的であり、そして他
のタンパク質と交差反応しない。こうした抗体を同定することが可能なスクリー
ニング法が周知であり、そして例えば、免疫アフィニティクロマトグラフィーを
伴ってもよい。
【0209】 抗体の使用 本発明の抗体を、in vitroまたはin vivoで、本発明のポリペ
プチドまたは断片の存在を検出するアッセイにおいて用いてもよい。抗体はまた
、免疫アフィニティークロマトグラフィーにより本発明のポリペプチドまたは断
片を精製するのに使用してもよい。
【0210】 さらに、本発明のポリペプチドの、その結合パートナーへの結合を遮断するこ
とが可能な抗体を用い、こうした結合から生じる生物学的活性を阻害してもよい
。こうした遮断抗体は、結合パートナーを発現している特定の細胞へのACPL
の結合を阻害する能力に関し、抗体を試験することによるなど、いかなる適切な
アッセイ法を用い、同定してもよい。あるいは、遮断抗体は、ACPL結合パー
トナーの標的細胞への結合から生じる生物学的影響を阻害する能力に関するアッ
セイにおいて同定してもよい。抗体は、結合パートナー仲介活性を阻害する能力
に関しアッセイしてもよい。
【0211】 こうした抗体を、in vitro法で使用し、またはin vivoで投与
し、抗体を生成した実体により仲介される生物学的活性を阻害してもよい。この
ように、ACPL結合パートナーと細胞表面結合パートナー受容体との相互作用
により、(直接または間接的に)引き起こされるまたは悪化される障害を治療し
てもよい。治療法は、結合パートナー仲介生物学的活性を阻害するのに有効な量
の遮断抗体を、哺乳動物にin vivo投与することを伴う。一般的に、こう
した治療法の使用には、モノクローナル抗体が好ましい。1つの態様において、
抗原結合抗体断片が使用される。
【0212】 抗体は、アゴニスト性(すなわちリガンド模倣性)特性に関しスクリーニング
してもよい。こうした抗体は、細胞表面結合パートナーへの結合に際し、ACP
L結合パートナーが細胞表面ACPLに結合する際に誘導される生物学的影響と
同様の生物学的影響(例えば生物学的情報の伝達)を誘導する。アゴニスト性抗
体を用い、IL−18仲介活性を誘導してもよい。
【0213】 ACPLに対して向けられる抗体、および生理学的に許容しうる希釈剤、賦形
剤、またはキャリアーを含む組成物が、本明細書に提供される。こうした組成物
の適切な構成要素は、ACPLタンパク質を含む組成物に関し、上述された通り
である。
【0214】 やはり本明細書に提供されるのは、抗体に結合している検出可能(例えば診断
用剤)または治療剤を含む結合体である。こうした剤の例は、上に示される。該
結合体は、in vitroまたはin vivo法に使用を見出す。
【0215】 以下の実施例は、本発明の特定の態様を例示するため提供され、そして本発明
の範囲を限定すると解釈してはならない。本明細書は、本明細書に引用される参
考文献の教える内容を考慮に入れると最も完全に理解され、該参考文献は本明細
書に援用される。本明細書中の態様および以下の実施例は、本発明の態様を例示
するため提供され、そして本発明の範囲を限定すると解釈してはならない。当業
者は、多くの他の態様が、請求される発明に含まれることを認識する。以下の実
施例において、記載されるすべての方法は、他に特定されない限り、慣用的であ
る。
【0216】
【実施例】
実施例1:マウス核酸の単離 発現配列標識タグデータベースを検索し、IMAGEクローン640615(
GenBank寄託番号第AA203097号)がIL−1RAcPに対し相同
性を有することを発見することにより、マウスACPL cDNAを単離した。
IMAGEクローン640615を得て、ランダムプライム化により32Pで標識
し、そしてEL46.1(マウス胸腺細胞)cDNAライブラリーを探査する(
probe)のに用いた。ハイブリダイゼーションは、50%ホルムアミドを含
むハイブリダイゼーション溶液中で、42℃で行った。EL46.1cDNAク
ローンにより全長読み枠を定めた後、PCR増幅を用い、7B9(マウスT細胞
)およびLDA11(マウス骨髄ストローマ性)cDNAライブラリー由来の別
個の単離体を得ることにより、該読み枠を確認した。プライマーは、マウスAC
PLヌクレオチド配列の(+1ないし+3である開始ATGに対し)ヌクレオチ
ド−15ないし+13およびヌクレオチド1892ないし1916に対応した。
【0217】 実施例2:ヒトACPL核酸配列の単離 NK細胞ライブラリーの無作為配列決定により得られたQQ1352と称され
るヒトcDNAクローンは、実施例1に記載されるように単離されたネズミAC
PLに対し高い度合いの相同性を有することが見出された。該クローンをプロー
ブとして用い、末梢血リンパ球、末梢血T細胞、およびNK cDNAライブラ
リーからヒトACPLクローンを単離した。プローブとして用いたクローンQQ
1352の領域は、マウスACPLヌクレオチド1196−11753に対し相
同であった。全長クローンは、いずれのライブラリーからも得られず、そのため
、各ライブラリーでベクター固定PCRを行い、読み枠(配列番号6)の5’末
端を得た。
【0218】 実施例3:染色体マップ位の決定 ヒトACPLの染色体マップ位は、Stanford G3放射ハイブリッド
パネル(Research Genetics)を用い、放射ハイブリッドマッ
ピングにより決定した。プライマーは、IL−1Rに対する相同性に関して選択
した。標準的PCR条件下で、40サイクル、増幅を行った。
【0219】 結果により、ヒトACPLは、染色体2上に配置され、12.72の確率スコ
ア対数で、AFM316tg5に最も近く連鎖した。これは、染色体2の、IL
−1R I型、IL−1R II型、IL−1R−rp1、およびT1/ST2
がマッピングされているのと同じ領域である。
【0220】 実施例4:ノーザンブロット解析 ヒト多数組織ブロットをCLONTECH laboratories, I
nc.より購入し、そして該ブロットは、正常ヒト脾臓、胸腺、前立腺、精巣、
卵巣、小腸、結腸、および末梢血リンパ球由来のmRNA 2μgを含んだ。該
ブロットを、50%ホルムアミドを含むハイブリダイゼーション緩衝液中で、3
2P標識アンチセンスヒトACPLリボプローブと、63℃で一晩ハイブリダイ
ズさせ、そしてその後、0.1XSSC/0.1%SDS中で68℃で洗浄した
。曝露後、標準化のため、β−アクチンに対するランダムプライム標識化プロー
ブで、該ブロットを再ハイブリダイズした。
【0221】 結果により、ヒトACPLは末梢血リンパ球および脾臓で強く発現されている
ことが立証された。ヒトACPLは、より低い度合いで、結腸で発現している。
結果によりさらに、ヒトACPLは前立腺および小腸mRNAで弱く発現してい
ることが立証された。主なmRNA産物は、およそ3.8キロ塩基であり、およ
そ2.6および8.0キロ塩基の弱いバンドが見られた。発現はまた、ノーザン
解析により、肺mRNAでも検出された。
【0222】 実施例5:ACPLポリペプチドおよびACPL:FC融合体の発現 マウスおよびヒトACPLポリペプチドを発現させるため、全長マウスおよび
ヒトACPLヌクレオチド配列を、PCRにより生成し、そしてpDC302の
変異体であるpDC304にクローン化した。ヒトACPL:Fc融合タンパク
質を発現させるため、Baumら, EMBO J. 13:3992−400
1(1994)に記載されるように、ヒトACPL発現ベクターの細胞外部分(
アミノ酸1−356)をヒトIgG1のCH2およびCH3ドメインに連結し、
そして生成した。
【0223】 実施例6:COSおよびS49細胞におけるACPLポリペプチドを通じたN FκBの誘導 マウスACPLポリペプチド(配列番号2)がIL−18情報伝達に関与する
受容体であるか決定するため、ACPLポリペプチドをCOS細胞およびS49
.1細胞で過剰発現し、そしてNFκB活性化に対するIL−18刺激の影響を
評価した。12ウェル形式で、COS−7細胞をDEAE/デキストラン法によ
りトランスフェクションした。受容体をコードする発現ベクター総量200ng
、およびルシフェラーゼ発現を仲介する3つのNFκB部位を含むNFκB−L
ucレポータープラスミド800ngで、各ウェルをトランスフェクションした
。およそ107のS49.1細胞を、NFκB−Lucレポータープラスミド4 0μg、および受容体をコードする発現ベクター総量20μgで、0.7 ml
中で、エレクトロポレーションにより、トランスフェクションした。エレクトロ
ポレーションは、960μFおよび320Vで行った。
【0224】 細胞を2日間インキュベーションし、そしてその後40ng/mlのネズミI
L−18(PeproTech)で4時間刺激した。細胞を洗浄し、溶解し、そ
して製造者の指示にしたがい、ルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega
Corp.)を用い、ルシフェラーゼ活性に関しアッセイした。
【0225】 ベクターのみ、IL−1Rrp1をコードする発現ベクターのみ、またはAC
PLポリペプチドをコードする発現ベクターのみでトランスフェクションした細
胞は、IL−18刺激に反応性ではなかった。さらに、受容体をコードする発現
ベクターを単独で、あるいはIL−1R I型またはIL−1RAcPをコード
する発現ベクターと組み合わせてトランスフェクションした場合、IL−1情報
伝達においてACPLのいかなる機能も検出されなかった。しかし、IL−1R
rp1およびACPLポリペプチドをコードする発現ベクターで共トランスフェ
クションした細胞にIL−18を添加すると、COS細胞において10倍、そし
てS49細胞において300倍、NFκB連結遺伝子の発現が誘導された。NF
κB活性のこの劇的な刺激は、ACPLポリペプチドが、IL−1Rrp1と共
同作用するIL−18受容体の構成要素であり、IL−18刺激に反応してNF
κB情報伝達を誘導することを示す。
【0226】 実施例7:JNK活性の活性化 JNK活性の誘導は、IL−1経路の下流情報伝達事象である。上述のNFκ
B誘導実験と同様、ACPLのみで、またはIL−1Rrp1と組み合わせて、
IL−18によるJNK活性の誘導を仲介することが可能であるか調べた。JN
K活性の活性化はBirdら, J. Biol. Chem. 269:31
836−31844, 1994に記載されるように評価した。トランスフェク
ション2日後、COS7細胞をIL−18で15分間刺激し、溶解し、そして2
つの抗JNK抗体(c−17およびFL、Santa Cruz Biotae
chnology, Inc.)の組み合わせで免疫沈降した。キナーゼ緩衝液
中で、グルタチオンS−トランスフェラーゼ−c−Jun(Upstate B
iotechnology, Inc.)および[γ−32]ATPを添加するこ
とにより、この免疫複合体を活性に関しアッセイした。反応を室温で30分間進
め、その後Laemmli装填緩衝液を添加し反応を停止し、そして産物を4−
20%アクリルアミドゲル上で電気泳動し、染色し、乾燥し、そしてPhosp
hoImager上で解析した。
【0227】 NFκBの活性化に関し得られた結果同様、JNK活性は、IL−1R−Rp
1およびACPLが共発現された際のみ、COS7細胞においてIL−18によ
り誘導された。
【配列表】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年2月10日(2000.2.10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AU,BA,BB,BG,BR,CA,CN, CU,CZ,EE,GE,HR,HU,ID,IL,I S,JP,KP,KR,LC,LK,LR,LT,LV ,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO, SG,SI,SK,SL,TR,TT,UA,US,U Z,VN,YU Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA63 BA80 CA04 CA07 CA09 CA20 DA02 EA04 GA11 HA13 HA14 4B065 AA90X AA91Y AA93Y AB01 AC14 BA02 BD50 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA51 DA75 EA20 EA50 FA71 FA74

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号1のコード領域; (b)配列番号6のコード領域; (c)配列番号3; (d)配列番号4;および (e)中程度にストリンジェントな(stringent)条件下で、(a)お
    よび(b)のDNAにハイブリダイズすることが可能なDNA、ここで中程度に
    ストリンジェントな条件は、60℃、0.5XSSC、0.1% SDSの洗浄
    条件を伴う、50%ホルムアミドおよび6XSSC、42℃を含む からなる群より選択されるDNA配列を含む、単離核酸分子。
  2. 【請求項2】 ポリペプチドをコードする単離核酸分子であって、前記ポ
    リペプチドが配列番号2および配列番号7からなる群より選択されるアミノ酸配
    列に、少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、前記単離核酸分子。
  3. 【請求項3】 配列番号2および配列番号7からなる群より選択されるア
    ミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする単離核酸分子。
  4. 【請求項4】 配列番号1または配列番号6からin vitro突然変
    異誘発により得られる、請求項3の単離核酸分子。
  5. 【請求項5】 遺伝暗号の結果として、配列番号1または配列番号6から
    なる群より選択されるDNAから縮重している、単離核酸分子。
  6. 【請求項6】 可溶性ポリペプチドをコードする単離核酸であって、前記
    可溶性ポリペプチドが: (a)配列番号2のアミノ酸x1ないし356、ここでx1はアミノ酸1または1
    5である;および (b)配列番号7のアミノ酸x1ないし356、ここでx1はアミノ酸1または1
    5である からなる群より選択される配列に、少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を
    含む、前記単離核酸。
  7. 【請求項7】 (a)配列番号2のアミノ酸x1ないし356、ここでx1 はアミノ酸1または15である;および (b)配列番号7のアミノ酸x1ないし356、ここでx1はアミノ酸1または1
    5である からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む可溶性ポリペプチドをコードする
    単離核酸。
  8. 【請求項8】 (a)配列番号2; (b)配列番号7;および (c)生物学的に活性がある(a)および(b)の断片 からなる群より選択される配列に、少なくとも80%同一であるアミノ酸を含む
    ポリペプチド。
  9. 【請求項9】 (a)配列番号2; (b)配列番号7;および (c)生物学的に活性がある(a)および(b)の断片 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  10. 【請求項10】 (a)配列番号1のコード領域; (b)配列番号6のコード領域;および (c)中程度にストリンジェントな条件下で、(a)および(b)のDNAにハ
    イブリダイズすることが可能なDNA からなる群より選択されるDNAにコードされるポリペプチド。
  11. 【請求項11】 (a)配列番号2のアミノ酸x1ないし356、ここで x1はアミノ酸1または15である; (b)配列番号7のアミノ酸x1ないし356、ここでx1はアミノ酸1または1
    5である;および (c)生物学的に活性がある(a)および(b)のポリペプチドの断片 からなる群より選択される配列に、少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を
    含むポリペプチド。
  12. 【請求項12】 (a)配列番号2のアミノ酸x1ないし356、ここで x1はアミノ酸1または15である; (b)配列番号7のアミノ酸x1ないし356、ここでx1はアミノ酸1または1
    5である;および (c)生物学的に活性がある(a)および(b)のポリペプチドの断片 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項11のポリペプチドおよびIgのFc領域を含む
    、融合タンパク質。
  14. 【請求項14】 請求項2のDNAを含む、組換え発現ベクター。
  15. 【請求項15】 請求項14の発現ベクターで形質転換されている宿主細
    胞を、ポリペプチドの発現を促進する条件下で培養することを含む、ポリペプチ
    ドを調製するための方法。
  16. 【請求項16】 請求項14の発現ベクターで形質転換またはトランスフ
    ェクションされている宿主細胞。
  17. 【請求項17】 請求項8のポリペプチドに免疫反応性である抗体。
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