JP2002500744A - 窒素酸化物生成量の少ない平面火炎バーナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 バーナータイルに燃料と空気とを供給する流路（３２，４２）を備えた平面火炎バーナーが開示されている。旋回流を発生させる機構（３４）を設けることにより、バーナータイル（３６）が末広がり形状となっていることと相まって、軸方向成分が非常に小さく、半径方向に拡散する火炎面が形成され、炉内の不活性な燃焼生成物が火炎内に効率よく取り込まれる。燃焼率を抑制するために、燃料の一部は炉内から取り込まれた生成物中に供給され、その結果、超低ＮＯxの平面火炎が形成される。本発明によれば、従来の平面火炎バーナーに比べて、多機能化と使い勝手を大きく改善することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】 窒素酸化物生成量の少ない平面火炎バーナー発明の背景 本発明は、大量の輻射熱が必要な用途に使用され、炎が表面に沿って広く拡散 するタイプの平面火炎バーナーの分野に関する。図１Ａに従来の典型的な平面火 炎バーナー１０を示す。一般に空気などの第一の反応物が、第一流路１２に流さ れる。公知の種々の旋回流発生器を適用することによって、第一流路１２内には 旋回流が発生する。例えば、第一流路１２の本体を、旋回流を発生させるような 形状とすることができる。また、保炎器１４等の独立した装置を単独で、あるい は通路本体の設計と組み合わせて旋回流を発生させることもできる。オフセット エアコネクタ、半月形状の吸気回転器、スラール生成器等の公知のタイプの独立 した装置を使用することもできる。図１Ｂに示すように、保炎器１４は強い旋回 流を発生するよう、特に選択された形状の孔を複数有する板である。 一般に燃料などの第二の反応物は、第二の流路１８を通ってインジェクション ポート１６において空気流と混合される。その結果生じた燃料／空気の混合気は 、保炎器１４の下流、バーナータイル２０の近傍で燃焼する。バーナータイル２ ０の側面は、双曲面に代表されるような拡散形状となっている。旋回流はバーナ ー中心軸から半径方向に双曲面状のバーナータイル２０に沿って拡散する。燃焼 によって半径方向への拡散が促進され、、軸成分が非常に小さく、半径方向に広 がる火炎面が形成される。 半径方向に拡散する炎は、一般に厚さ１０インチ以下の薄い、平坦な火炎面を 生成し、末広がり形状のバーナータイル２０の表面に沿って広がる。これにより 、平面火炎は炎からエネルギーを輻射する大きな表面積を有し、炎に接触させる ことなくワークを加熱することができる。半径方向に拡散する炎は、中央部の再 循環領域２２をバーナー軸付近に生じさせ、燃焼によって生じた不活性な生成物 を炉内雰囲気から炎の外周部分に導入する。火炎面はバーナータイルの表面に近 接しているため、バーナー軸付近の中央領域の方が外周領域よりも温度が低くな る。 窒素酸化物、すなわちＮＯx生成物は、局所的な高温領域内に窒素と酸素が存 在するような燃焼システムにより発生する。ＮＯxは、窒素酸化物の化合形態で あるＮＯとＮＯ2の総称である。これらの放出は、人体に有害な危険性を大気に もたらすだけでなく、環境に悪影響を及ぼす。世界中の工業地帯において、ＮＯ xの排出に起因する光化学スモッグや酸性雨といった深刻な問題が発生している 。不活性な燃焼生成物の再循環率が高いため比較的低温の燃焼反応となることか ら、平面火炎バーナーは本質的にＮＯxの発生は少ないと言える。しかし、ＮＯx 生成レベルが比較的低いにもかかわらず、規制機関からの環境に関する締め付け は厳しく、超低ＮＯx平面火炎バーナーが必要とされているのが現状である。平 炉式のアルミ溶融器、鋼の再熱炉等の利用分野においては、予熱空気を利用し、 ＮＯx排出レベルが１００ｐｐｍｖを下回る平面火炎バーナーが求められている 。従来の平面火炎バーナーのいくつかは、燃料ガスにバーナーをバイパスさせて 炎の温度を抑制することで、ＮＯxの発生を減少させる設計となっている。しか し、そのような設計は非常に複雑かつ高価であり、多くのハードウエアが必要と なる。またそのような設計では、燃焼能力や熱発生量が減少してしまうため、性 能の低下を招くことになる。発明の簡単な説明 上述した見地から、ＮＯx生成の少ない平面火炎バーナーが必要となる。 また、より簡単な構造の低ＮＯx平面火炎バーナーが必要となる。 更には、より安価に生産できる低ＮＯx平面火炎バーナーが必要となる。 また、燃焼能力や発生熱量を減少させることのない低ＮＯx平面火炎バーナー が必要となる。 本発明の平面火炎バーナーによれば、これら課題を含めた多くの課題を解決す ることが可能である。本発明の平面火炎バーナーでは、可燃性混合気はバーナー タイル上で炎を形成する。バーナータイルは末広がり形状の排出口を有している 。第一の反応物は第一の流路からバーナータイル内へと流入する。第一の反応物 の流れの中には、第二の反応物の一部が第二の流路から添加され、可燃性の第一 の混合気が形成される。第一の混合気に旋回流を発生させるために、第一の流路 内に旋回流発生器が設けられている。この旋回流は、末広がりのバーナータイル の表面形状と相まって、半径方向に拡散する炎を排気口内に形成する。この旋回 流は、炉の雰囲気ガスから不活性なガスをバーナー内に取り込む働きをする。第 二の流路には、副インジェクタも設けられていて、副インジェクタから第二の反 応物が、副インジェクタは取り込まれた不活性ガス中に供給される。 後述するように、本発明はその他の異なった実施形態も可能であり、本発明か ら逸脱することなく、そのいくつかの詳細において様々な点での変更が可能であ る。従って図面および説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものでは ないと認識すべきである図面の簡単な説明 添付の図面を参照しながら、単なる例示として本発明の実施例を説明する。図 面において部材は類似した参照番号が付されている。 図１Ａおよび図１Ｂはそれぞれ、従来の平面火炎バーナーの構造および作用を 示す、横断面図および平面図である。 図２は、本発明の平面火炎バーナーを示した横断面図である。 図３は、本平面火炎バーナーの構造および作用を示した横断面図である。 図４は、本発明の第二のインジェクタ周りの混入および混合を示した斜視図で ある。発明の詳細な説明 図２および図３は、本発明の平面火炎バーナー３０の構造および作用を示す説 明図である。図示するように、エアプライマリ、すなわち第一の反応物が空気で あることが望ましい。本バーナーは、第一の反応物が流れる第一の流路を備えて おり、流路に供給する燃焼空気を外部から取り込む燃焼空気溜まり３２を備えて いる。空気流に旋回流を発生させるための旋回機構も設けられている。例えば、 旋回機構は本体の設計自体に盛り込むこともできるし、またオフセットエアコネ クタや、半月形状の吸気旋回器、スワール生成器、または保炎器３４（図を参照 ）等の独立した要素と組合せて用いることもできる。末広がりの、より好ましく は双曲面形状のバーナータイル３６も設けられている。しかし、バーナータイル ３６の形状は、円錐部または円錐曲線部の断面形状の一部が、直線、曲線、また は不連続であってもよい。旋回流は、バーナータイル３６の末広がり形状と相ま って、半径方向に拡散する流れパターンを形成する。空気は、燃焼空気導入口３ ８から空気溜まり３２に供給される。燃焼空気導入口３８は、空気の供給を制御 する部材に接続されている。 ここに図示したように、第二の反応物（好ましくは炭化水素ガス燃料）は、空 気流に二段階で供給される。ただし本発明から逸脱しない範囲で、液体燃料を使 用することも可能である。燃料を供給する第二の流路は、第一の燃料流路４０と 副燃料流路４２とから構成されており、また、好ましくは第一の燃料流路４０と 副燃料流路４２とはバーナー軸に沿って同心状に構成されている。本実施例にお けるバーナーはエアプライマリとなっているが、本発明から逸脱しない範囲で本 発明のバーナーを燃料プライマリとすることも可能である。第一の燃料流路４０ は、バーナータイル３６の上流位置において、第一の流路内の燃焼空気に第一の ガスインジェクタ４４から燃料を供給する。第一のインジェクタ４４は少なくと も１個の孔を有している。より好ましくは、第一のガスインジェクションポート ４６を複数含んでいる。しかしこの孔を、連続した環状とすることもできる。第 二のガス流路４２は、第二のガスインジェクタ４８から、バーナー排出口の近傍 で燃料を供給する。第二のガスインジェタタ４８には、複数の（好ましくは４個 の）第二のガスインジェクションポート５０が設けられている。燃料は、第一の ガス溜まり５２、第二のガス溜まり５４のそれぞれから各燃料流路に供給される 。第一のガス溜まり５２、第二のガス溜まり５４には、それぞれ燃料導入口５６ ，５８から燃料が供給される。 本バーナー３０の作動中は、空気溜まり３２を介して燃焼空気がバーナータイ ル３６に供給される。通常のバーナーと同様に、燃焼空気は周囲温度のまま、あ るいは予熱して供給することができる。始動時は、第一のガス流路４０および第 二のガス流路４２から、好ましくはほぼ等量の燃料を供給する（すなわち、それ ぞれの流路には全燃料の５０％を供給）。第一のインジェクタ４４の位置の燃料 ／空気混合気に点火するため、点火ポート６０を介して火種を供給する。火種は 、永続式、間欠式、および断続式の周知の技術を適用して供給することができる 。始動時のような低温での炎を安定化するために、第１段階においては可燃混合 気がリーン（空気が過剰）となるように、第一のインジェクタ４４で燃料と空気 との供給比率を制御する。第二段階で燃焼させることで概ね理論混合比となるよ うに、第二のインジェクタ４８から第二のガスを第一段階の燃焼生成物中に供給 する。この二段階作動モードでは、ＮＯxレベルは約８０から１００ｐｐｍｖに 低減される。本バーナーは、高温の炉内環境で使用されることが好ましい。燃焼 が自ずから持続するような、燃料の自己点火温度を越える作動温度では、第一の インジェクタ４４を使用する必要はなく、燃料の１００％を第二のインジェクタ ４８から供給することができる。この作動モードでは、ＮＯxレベルは約３０ｐ ｐｍｖまで低減される。 第二のインジェクタ４８で点火することによって、ＮＯxの発生を大幅に抑制 することができる。第二のインジェクタ４８から供給した燃料は、再循環領域に 取り込まれた不活性な炉内の物質と混ざり合い、結果的に、バーナータイル３６ から拡散する燃焼空気の流れと混ざり合う前に、不活性物質で希釈されることに なる。これら不活性物質が存在しているために、局所的な酸素濃度が減少し、燃 焼反応速度が低下し、燃焼反応温度が低くなる。つまり不活性物質を反応温度ま で加熱しなければならないため温度が低くなり、ＮＯx発生が抑制されるのであ る。 第二のインジェクタ４８に形成された孔の形状も、ＮＯx発生率の抑制に一定 の寄与がある。発明者らは、ポート５０の数が少ないほどＮＯxレベルが低くな るという新しい事実を得た。ポートの数が多くなると、バーナーによって再循環 された不活性炉内物質の取り込みが悪くなる。発明者らは、インジェクタ４８に ８個のポートを設けるとＮＯxレベルは約１００ｐｐｍｖとなり、４個のポート を設けるとＮＯxレベルが約３０ｐｐｍｖになることを見出した。図３および図 ４からわかるように、ポートを４個にして間隔を設けることで、不活性物質の混 入が促進され、各燃料ジェットと燃焼空気流との間に不活性炉生成物が適切に取 り込まれるようになる。そのように間隔を設けることにより、第一段階の燃焼生 成物と取り込まれた不活性物質との混合が、第二のガスの噴流の全周で促進され る。取り込まれたガスはポート５０の面上を横切って、噴流全周での混合をさら に促進させる。しかし、ポート数が４個より少なくなると、燃料と空気流との混 合がかなり遅くなって、良好な形の炎が形成されなくなる。本発明はポートの数 に限定されるものではないが、現状でもっとも良好な結果が得られるのは、ポー トの数が４個のときである。 本発明には、ＮＯx発生の低減だけでなく他の利点もある。第二のインジェク タ４８が炎の直径を拡大するため、炉の壁や屋根からの単位表面積当たりの熱流 束が小さくなる。燃焼率および他の条件が同等なら、炉の壁および屋根全体が、 より均一に加熱される。また、第一のインジェクタと第二のインジェクタ間で流 量を変化させて、ＮＯx排出レベルと壁／屋根での熱流束率とが最適なバランス となるように調整することができ、それにより、従来の平面火炎バーナーと比べ て非常に柔軟性に富んだ使い方ができる。 第二のインジェクタ４８は、第二の反応物に対して屋根と平行にエネルギーを 供給し、すべての平面火炎バーナーで困難とされている、前方への点火の可能性 を低減する。 上述したように、本発明は従来の平面火炎バーナーに関する多くの問題を解決 するとともに、排出物質を低減しまた操作性を改善する。もとより、本明細書に 記載され説明された詳細、材料、部品の配置に関して、請求の範囲に記載された 発明の原理および趣旨の範囲内で、当業者が様々な変更を加えうることは言うま でもない。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年５月４日（１９９９．５．４） 【補正内容】 請求の範囲 ２．請求項１に記載の平面火炎バーナーであって、 前記第一の流路（３２）は概ね円筒形であり、前記第二の流路（４０，４２） は該第一の流路（３２）と概ね同軸に設けられた管である平面火炎バーナー。 ３．拡散表面の少なくとも一部が円錐形である請求項１記載の平面火炎バーナ ー。 ４．前記バーナータイル（３６）の拡散表面の少なくとも一部が湾曲している 請求項１記載の平面火炎バーナー。 ５．前記バーナータイル（３６）の拡散表面の少なくとも一部が円錐曲線であ る請求項４記載の平面火炎バーナー。 ６．前記バーナータイル（３６）の拡散表面の少なくとも一部が双曲面状であ る請求項５記載の平面火炎バーナー。 ７．前記第二のインジェクタ（４８）が複数のインジェクションポート（５０ ）を有する請求項１記載の平面火炎バーナー。 ８．前記第二のインジェクタ（４８）が４個のインジェクションポート（５０ ）を有する請求項７記載の平面火炎バーナー。 ９．前記第一の反応物が空気であり、前記第二の反応物が気体燃料である請求 項１記載の平面火炎バーナー。 １０．請求項１ないし請求項９のいずれかに記載のバーナーを用いた窒素酸化 物生成量の少ない平面火炎の生成方法であって、 半径方向に末広がり形状の排気口を有するとともに、可燃性混合気を反応させ て火炎を生成するためのバーナータイル（３６）を設けるステップと、 該バーナータイル（３６）に第一の反応物を供給するステップと、 可燃性混合気を生成するために、前記第一の反応物の流れの中に、第二の反応 物の第一の流れを添加するステップと、 半径方向に末広がり形状のバーナータイルと相まって排気口において半径方向 に拡散する流れを形成するとともに、バーナーの周辺環境から不活性ガスを取り 込む旋回流を、前記第一の反応物の流れの中に発生させるステップと を含み、 前記第二の反応物の第二の流れを、前記取り込まれた不活性ガスに添加して半 径方向に拡散する流れの中で燃焼させることによって、窒素酸化物生成量の少な い燃焼反応を実現する平面火炎の生成方法。 １１．炉内の温度が所定温度に達すると、前記第二の反応物の第一の流れを中 断して、前記第二の反応物の第二の流れによって窒素酸化物生成量の少ない燃焼 反応を維持する請求項１０記載の方法。 １２．前記第一の反応物が空気であり、前記第二の反応物が気体燃料である請 求項１０記載の方法。 【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年６月２５日（１９９９．６．２５） 【補正内容】図面の簡単な説明 添付の図面を参照しながら、単なる例示として本発明の実施例を説明する。図 面において部材は類似した参照番号が付されている。 図１Ａおよび図１Ｂはそれぞれ、従来の平面火炎バーナーの構造および作用を 示す、横断面図および平面図である。 図２は、本発明の平面火炎バーナーを示した横断面図である。 図３は、本平面火炎バーナーの構造および作用を示した横断面図である。 図４は、本発明の第二のインジェクタ周りの混入および混合を示した斜視図で ある。発明の詳細な説明 図２および図３は、本発明の平面火炎バーナー３０の構造および作用を示す説 明図である。図示するように、エアプライマリ、すなわち第一の反応物が空気で あることが望ましい。本バーナーは、第一の反応物が流れる第一の流路を備えて おり、流路に供給する燃焼空気を外部から取り込む燃焼空気溜まり３２を備えて いる。空気流に旋回流を発生させるための旋回機構も設けられている。例えば、 旋回機構は本体の設計自体に盛り込むこともできるし、またオフセットエアコネ クタや、半月形状の吸気旋回器、スワール生成器、または保炎器３４（図を参照 ）等の独立した要素と組合せて用いることもできる。末広がりの、より好ましく は双曲面形状のバーナータイル３６も設けられている。ここに、双曲面の形状は 端面が、バーナータイル３６の排気口の出口端面６２となるような形状である。 しかし、バーナータイル３６の形状は、円錐部または円錐曲線部の断面形状の一 部が、直線、曲線、または不連続であってもよい。旋回流は、バーナータイル３ ６の末広がり形状と相まって、半径方向に拡散する流れパターンを形成する。空 気は、燃焼空気導入口３８から空気溜まり３２に供給される。燃焼空気導入口３ ８は、空気の供給を制御する部材に接続されている。 ここに図示したように、第二の反応物（好ましくは炭化水素ガス燃料）は、空 気流に二段階で供給される。ただし本発明から逸脱しない範囲で、液体燃料を使 用することも可能である。燃料を供給する第二の流路は、第一の燃料流路４０と 副燃料流路４２とから構成されており、また、好ましくは第一の燃料流路４０と 副燃料流路４２とはバーナー軸に沿って同心状に構成されている。本実施例にお けるバーナーはエアプライマリとなっているが、本発明から逸脱しない範囲で本 発明のバーナーを燃料プライマリとすることも可能である。第一の燃料流路４０ は、バーナータイル３６の下流位置において、第一の流路内の燃焼空気に第一の ガスインジェクタ４４から燃料を供給する。第一のインジェクタ４４は少なくと も１個の孔を有している。より好ましくは、第一のガスインジェクションポート ４６を複数含んでいる。しかしこの孔を、連続した環状とすることもできる。第 二のガス流路４２は、第二のガスインジェクタ４８から、バーナー排出口の近傍 で燃料を供給する。第二のガスインジェクタ４８はバーナータイル３６の排気口 の出口端面６２の位置に設けられていて、複数の（好ましくは４個の）第二のガ スインジェクションポート５０が設けられている。燃料は、第一のガス溜まり５ ２、第二のガス溜まり５４のそれぞれから各燃料流路に供給される。第一のガス 溜まり５２、第二のガス溜まり５４には、それぞれ燃料導入口５６，５８から燃 料が供給される。 本バーナー３０の作動中は、空気溜まり３２を介して燃焼空気がバーナータイ ル３６に供給される。通常のバーナーと同様に、燃焼空気は周囲温度のまま、あ るいは予熱して供給することができる。始動時は、第一のガス流路４０および第 二のガス流路４２から、好ましくはほぼ等量の燃料を供給する（すなわち、それ ぞれの流路には全燃料の５０％を供給）。第一のインジェクタ４４の位置の燃料 ／空気混合気に点火するため、点火ポート６０を介して火種を供給する。 請求の範囲 １．平面火炎バーナーであって、 半径方向に末広がりの形状が出口端面（６２）まで続く排気口を有するととも に、可燃性混合気を反応させて火炎を生成するためのバーナータイル（３６）と 、 該バーナータイル（３６）に第一の反応物を供給するための第一の流路（３２ ）と、 前記可燃性混合気を生成するために、前記第一の反応物の流れの中に、第二の 反応物の第一の流れを添加する第一のインジェクタ（４４）を備えた第二の流路 （４０，４２）と、 前記第一の流路（３２）内に設けられ、前記第一の反応物の流れに旋回流を発 生させて、半径方向に末広がりのバーナータイル（３６）の形状と相まって前記 排気口において半径方向に拡散する火炎を形成するとともに、前記旋回流によっ てバーナーの周辺環境から不活性ガスを取り込む旋回流を発生させる旋回流発生 手段（３４）と を備え、 前記第二の流路（４０，４２）は、前記第二の反応物の第二の流れを、前記取 り込まれた不活性ガス中に添加する第二のインジェクタ（４８）が設けられてい る流路であり、 前記第二のインジェクタ（４８）は、前記出口端面位置に設けられており、前 記バーナータイル（３６）の排気口近傍で前記第二の反応物の前記第二の流れを 供給することによって、該供給した第二の反応物を前記取り込んだ不活性物質と 混合させ、その結果として、該第二の反応物が、バーナータイル（３６）から拡 散してきた反応物質の流れと混合する前に、該第二の反応物の第二の流れを実質 的に希釈するインジェクタである平面火炎バーナー。 【図２】【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年７月５日（１９９９．７．５） 【補正内容】 半径方向に拡散する炎は、中央の再循環領域22をバーナー軸付近に生じさせ、燃 焼によって生じた不活性な生成物を炉内雰囲気から炎の外周部分に導入する。火 炎面はバーナータイルの表面に近接しているため、バーナー軸付近の中央領域の 方が外周領域よりも温度が低くなる。 ＥＰ−Ａ−０５９２０８１は、二段階で気体燃料を燃焼させて、超低ＮＯxの 燃焼ガスを発生させる平面火炎バーナーに関する技術を開示している。特にＥＰ −Ａ−０５９２０８１では、ほぼ予混合状態となった燃焼ガスを、独立に形成し た通路に沿って燃焼反応に供給し、ほぼ予混合状態の燃焼ガスをそれぞれの通路 から燃焼領域に供給することが有効であるとしている。 請求項１のプリアンブルに記載された平面火炎バーナーは、ＥＰ−Ａ−５９２ ０８１に開示されたものである。 窒素酸化物、すなわちＮＯx生成物は、局所的な高温領域内に窒素と酸素が存 在するような燃焼システムにより発生する。ＮＯxは、窒素酸化物の化合形態で あるＮＯとＮＯ2の総称である。これらの放出は、人体に有害な危険性を大気に もたらすだけでなく、環境に悪影響を及ぼす。世界中の工業地帯において、ＮＯ xの排出に起因する光化学スモッグや酸性雨といった深刻な問題が発生している 。不活性な燃焼生成物の再循環率が高いため比較的低温の燃焼反応となることか ら、平面火炎バーナーは本質的にＮＯxの発生は少ないと言える。しかし、ＮＯx 生成レベルが比較的低いにもかかわらず、規制機関からの環境に関する締め付け は厳しく、超低ＮＯx平面火炎バーナーが必要とされているのが現状である。平 炉式のアルミ溶融器、鋼の再熱炉等の利用分野においては、予熱空気を利用し、 ＮＯx排出レベルが１００ｐｐｍｖを下回る平面火炎バーナーが求められている 。従来の平面火炎バーナーのいくつかは、燃料ガスにバーナーをバイパスさせて 炎の温度を抑制することで、ＮＯxの発生を減少させる設計となっている。しか し、そのような設計は非常に複雑かつ高価であり、多くのハードウエアが必要と なる。またそのような設計では、燃焼能力や熱発生量が減少してしまうため、性 能の低下を招くことになる。発明の簡単な説明 上述した見地から、ＮＯx生成の少ない平面火炎バーナーが必要となる。 また、より簡単な構造の低ＮＯx平面火炎バーナーが必要となる。 更には、より安価に生産できる低ＮＯx平面火炎バーナーが必要となる。 また、燃焼能力や発生熱量を減少させることのない低ＮＯx平面火炎バーナー が必要となる。 請求の範囲に記載された特徴を有する平面火炎バーナーによって、これら課題 を含めた多くの課題を解決することが可能である。 後述するように、本発明はその他の異なった実施形態も可能であり、請求の範 囲に記載された本発明から逸脱することなく、そのいくつかの詳細において様々 な点での変更が可能である。従って図面および説明は、本質的に例示的なもので あり、限定的なものではないと認識すべきである

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シャノン・ロバート・エイ. アメリカ合衆国 オハイオ州44012 エイ ボン・レイク，エレクトリック・ブルバー ド，32546 (72)発明者 ニースズツアー・キース・ジェイ. アメリカ合衆国 オハイオ州44131 セブ ン・ヒルズ，イースト・リッジウッド・ド ライブ，2525

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．平面火炎バーナーであって、 半径方向に末広がり形状の排気口を有するとともに、可燃性混合気を反応させ て火炎を生成するためのバーナータイルと、 該バーナータイルに第一の反応物を供給するための第一の流路と、 前記可燃性混合気を生成するために、前記第一の反応物の流れの中に、第二の 反応物の第一の流れを添加する第一のインジェクタを備えた第二の流路と、 前記第一の流路内に設けられ、前記第一の反応物の流れに旋回流を発生させて 、半径方向に末広がりのバーナータイル形状と相まって前記排気口において半径 方向に拡散する火炎を形成するとともに、前記旋回流によってバーナーの周辺環 境から不活性ガスを取り込む旋回流を発生させる旋回流発生手段と を備え、 前記第二の流路は、前記第二の反応物の第二の流れを、前記取り込まれた不活 性ガス中に添加する第二のインジェクタが設けられている流路である平面火炎バ ーナー。 ２．請求項１に記載の平面火炎バーナーであって、 前記第一の流路は概ね円筒形であり、前記第二の流路は該第一の流路と概ね同 軸に設けられた管である平面火炎バーナー。 ３．拡散表面の少なくとも一部が円錐形である請求項１記載の平面火炎バーナ ー。 ４．前記バーナータイルの拡散表面の少なくとも一部が湾曲している請求項１ 記載の平面火炎バーナー。 ５．前記バーナータイルの拡散表面の少なくとも一部が円錐曲線である請求項 ４記載の平面火炎バーナー。 ６．前記バーナータイルの拡散表面の少なくとも一部が双曲面状である請求項 ５記載の平面火炎バーナー。 ７．前記第二のインジェクタが複数のインジェクションポートを有する請求項 １記載の平面火炎バーナー。 ８．前記第二のインジェタタが４個のインジェクションポートを有する請求項 ７記載の平面火炎バーナー。 ９．前記第一の反応物が空気であり、前記第二の反応物が気体燃料である請求 項１記載の平面火炎バーナー。 １０．窒素酸化物生成量の少ない平面火炎の生成方法であって、 半径方向に末広がり形状の排気口を有するとともに、可燃性混合気を反応させ て火炎を生成するためのバーナータイルを設けるステップと、 該バーナータイルに第一の反応物を供給するステップと、 可燃性混合気を生成するために、前記第一の反応物の流れの中に、第二の反応 物の第一の流れを添加するステップと、 半径方向に末広がり形状のバーナータイルと相まって排気口において半径方向 に拡散する流れを形成するとともに、バーナーの周辺環境から不活性ガスを取り 込む旋回流を、前記第一の反応物の流れの中に発生させるステップと を含み、 前記第二の反応物の第二の流れを、前記取り込まれた不活性ガスに添加して半 径方向に拡散する流れの中で燃焼させることによって、窒素酸化物生成量の少な い燃焼反応を実現する平面火炎の生成方法。 １１．炉内の温度が所定温度に達すると、前記第二の反応物の第一の流れを中 断して、前記第二の反応物の第二の流れによって窒素酸化物生成量の少ない燃焼 反応を維持する請求項１０記載の方法。 １２．前記第一の反応物が空気であり、前記第二の反応物が気体燃料である請 求項１０記載の方法。