JP2002373858A - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置の作製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属元素を用いる熱結晶化法によって得られ
る結晶質半導体膜の結晶粒の粒径を小さくすることで、
デバイスの活性領域における結晶粒の数を一様にする。 【解決手段】 本発明は、半導体膜を成膜する際の温度
および前記半導体膜の結晶化の際の温度よりも低温で作
製された絶縁膜上に形成された半導体膜に、金属元素を
利用した熱結晶化法を行なうことを特徴とする。半導体
膜の結晶化工程における熱処理によって、半導体膜に対
して前記絶縁膜に応力を働かせ、前記半導体膜に歪みを
生じさせる。前記歪みを生じさせることで、前記半導体
膜の表面エネルギーや化学ポテンシャルが変化し、自然
核の生成を促進する。そのため、結晶核の生成密度が増
加し、結晶粒の粒径を小さくする事が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は薄膜トランジスタ(以
下、TFTと言う)で構成された回路を有する半導体装
置の作製方法に関する。例えば、液晶表示装置に代表さ
れる電気光学装置、及び電気光学装置を部品として搭載
した電気機器の構成に関する。また、前記装置の作製方
法に関する。なお、本明細書中において半導体装置と
は、半導体特性を利用することで機能し得る装置全般を
指し、上記電気光学装置及び電気機器もその範疇にある
とする。
【0002】
【従来の技術】ガラス等の絶縁基板上に形成された非晶
質半導体膜に対し、熱アニール法、またはレーザアニー
ル法、または熱アニール法とレーザアニール法の両方を
行い、結晶化させて結晶質半導体膜を形成したり、結晶
性を向上させる技術が広く研究されている。上記半導体
膜には珪素膜がよく用いられる。なお、本明細書中にお
いて、結晶質半導体膜とは、結晶構造を有する半導体膜
のことを指す。
【0003】結晶質半導体膜は、非晶質半導体膜と比較
し、非常に高い移動度を有する。このため、結晶質半導
体膜を利用すると、例えば、従来の非晶質半導体膜を使
って作製した半導体装置では実現できなかったアクティ
ブマトリクス型の液晶表示装置(一枚の基板上に、画素
部用と駆動回路用の薄膜トランジスタ(TFT)を作製
した半導体装置)が作製できる。
【0004】しかしながら、プラズマCVD法やスパッ
タ法で形成した非晶質半導体膜に熱アニール法やレーザ
アニール法を行って結晶質半導体膜を形成すると、その
結晶方位は任意な方向に配向して制御不能である場合が
多い。そのため、前記結晶質半導体膜を用いてTFTを
作製すると、その電気的特性を制限する要因となってい
る。
【0005】結晶質半導体膜の表面の結晶方位を分析す
る手法として、EBSP(ElectronBackScatter diffra
ction Pattern:反射電子線回折パターン)法がある。
EBSP法は、結晶質半導体膜の表面の結晶方位を解析
する手法であり、各測定ポイントの結晶粒が表面に向け
ている結晶方位を色別に表したり、ある測定ポイントに
着目し、隣接するポイントにおいて、測定者の設定した
結晶方位のずれ角(許容ずれ角)の範囲内である領域を
区別して表すこともできる。前記許容ずれ角は測定者が
自由に設定することが可能であるが、本明細書中では、
前記許容ずれ角を15°と設定し、あるポイントに着目
したときに隣接するポイントの結晶方位のずれ角が15
°以下の範囲内である領域をグレインと呼ぶ。許容ずれ
角を15°としたのは、一般的な設定値が15°である
ためである。グレインは複数の結晶粒から形成されてい
るが、グレイン内における結晶方位の許容ずれ角が小さ
いため、巨視的には1つの結晶粒と見なすことができ
る。
【0006】また、非晶質半導体膜の結晶化法の1つと
して特開平7−183540号公報に記載されている方
法が挙げられる。ここで、前記方法を簡単に説明する。
まず、非晶質半導体膜にニッケルまたは、パラジウム、
または鉛等の金属元素を微量に添加する。添加の方法
は、プラズマ処理法や蒸着法、イオン注入法、スパッタ
法、溶液塗布法等を利用すればよい。前記添加の後、例
えば550℃の窒素雰囲気に4時間、非晶質半導体膜を
曝して結晶質半導体膜を形成するものである。このよう
な結晶質半導体膜でTFTを形成すると、電界効果移動
度の向上のみでなく、サブスレッショルド係数(S値)
が小さくなり、飛躍的に電気的特性を向上させることが
可能となっている。結晶化に最適な加熱温度や加熱時間
等は、前記金属元素の添加量や非晶質半導体膜の状態に
よる。また、この結晶化法を用いれば、結晶方位の配向
性を単一方向に高めることが可能であることが確認され
ている。
【0007】上記結晶化法を用いて形成したのが図16
(A)である。具体的には、合成石英ガラス基板上に、
LPCVD(Low Pressure CVD)装置により膜厚65
nmの非晶質珪素膜を形成した。その後、酢酸ニッケル
水溶液(重量換算濃度5ppm、体積10ml)を非晶
質珪素膜表面にスピンコートにて塗布して金属含有層を
形成し、熱処理(600℃、12時間)を行って、半導
体膜の結晶化を行った。そして、光学顕微鏡にてグレイ
ンの結晶方位や境界を観察するために、前記半導体膜を
0.5%フッ酸に30秒間浸して酸化膜除去し、さらに
KOH/IPA液に30秒間浸した。このような異方性
エッチングを行った後に、光学顕微鏡(明視野反射モー
ド、200倍)にてグレインを観察したのが図16
(A)である。また、図16(B)は図16(A)の模
式図である。
【0008】ところで、CVD法(化学的気相成長法)
やスパッタ法などの公知の成膜技術で作製される薄膜
は、内部応力があることが知られている。内部応力には
真性応力と、薄膜と基板との熱膨張係数の差に起因する
熱応力とが含まれている。
【0009】熱応力は、基板の材質やプロセス温度を考
慮することにより、その影響を無視することができる
が、真性応力の発生メカニズムは必ずしも明確にはされ
ておらず、むしろ膜の成長過程やその後の熱処理などに
よる相変化や組成変化が複雑に絡みあって発生している
ものと考えられていた。
【0010】一般的に内部応力は、引張応力と圧縮応力
とがある。図17(A)に示すように、基板402に対
して薄膜401が収縮しようとするときには、基板40
2はそれを妨げる方向に引っ張るため薄膜を内側にして
変形し、これを引張応力と呼んでいる。一方、図17
(B)に示すように、薄膜401が伸張しようとすると
きには、基板402は押し縮められ薄膜401を外側に
して形成するので、これを圧縮応力と呼んでいる。一般
に、引っ張り応力を+で示し、圧縮応力をーで示すこと
が多い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】結晶質半導体膜を用い
てTFTを作製する場合、素子分離のために前記結晶質
半導体膜をパターニングにより分離すると、個々のTF
Tの活性領域、特にチャネル形成領域において、グレイ
ンの粒界が多く存在するものと、ほとんど単一のグレイ
ンのみで形成されるものなどのばらつきが生じた。ま
た、結晶化を助長する金属元素を用いて半導体膜の結晶
化を行うと、金属元素を核として形成された結晶粒と、
自然核(本明細書中では、形成された結晶粒の核が金属
元素以外である場合を自然核と定義する。)が発生して
形成された結晶粒とが混在し、半導体膜の物性にばらつ
きを生じていた。なお、自然核は600℃以上の高温
や、結晶化に要する時間が長時間になると発生しやすく
なることが知られている。このようなばらつきは、電気
的特性のばらつきの原因や、各種半導体装置の表示部と
して用いたときの表示むらの原因となっていた。
【0012】そこで、グレインの粒径を小さくすること
で、個々のTFTの活性領域、特にチャネル形成領域に
おけるグレインの数のばらつきを抑える方法が考えられ
る。グレインの粒径を小さくするためには、結晶核の生
成密度を増加させればよい。つまり、半導体膜の表面エ
ネルギーを低下させたり、半導体膜の化学ポテンシャル
を増加させることで臨界核半径を減少させ、結晶核の生
成密度を増加させればよい。その方法の1つとして、半
導体膜に結晶化を助長する金属元素を多量に添加して、
前記半導体膜の表面エネルギーおよび化学ポテンシャル
を変化させる方法が挙げられる。この方法を用いれば、
前記金属元素による多数の結晶核が生成してグレインの
粒径を小さくする事ができる。しかしながら、前記方法
では前記金属元素が高抵抗領域(チャネル形成領域やオ
フセット領域)中に金属化合物として過剰に残留すると
言う問題がある。前記金属化合物は電流が流れやすいた
め、高抵抗領域であるべき領域の抵抗を下げることにな
り、TFTの電気的特性の安定性および信頼性を損なう
原因となる。
【0013】本発明はこのような問題を解決するための
技術であり、前記金属元素の使用量を増加することな
く、該金属元素を用いて得られる結晶質半導体膜のグレ
インの粒径を小さくすることで、個々のTFTの活性領
域、特にチャネル形成領域におけるグレインの数を平均
化するための技術であり、TFTを用いて作製するアク
ティブマトリクス型の液晶表示装置に代表される電気光
学装置ならびに半導体装置において、半導体装置の動作
特性および信頼性の向上を実現することを目的としてい
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体膜を成
膜する際の温度および前記半導体膜の結晶化工程の温度
よりも低温で作製された絶縁膜上に半導体膜を形成し
て、金属元素を利用した熱結晶化法を行うことを特徴と
する。
【0015】既に述べたように、何らかの方法により半
導体膜の表面エネルギーや化学ポテンシャルを変化させ
て臨界核半径を小さくすれば、結晶核の生成密度を増加
することができる。また、薄膜を一度ある温度に曝す
と、その温度より低い温度に曝しても応力は変化しない
が、高い温度に曝すと応力が増大する。そこで、本発明
は、半導体膜の結晶化工程における熱処理によって、半
導体膜に対して前記絶縁膜に応力を増大させ、前記半導
体膜に歪みを生じさせる。
【0016】本発明の作製工程は、第1の温度で絶縁膜
を形成し、前記絶縁膜上に第2の温度で半導体膜を形成
し、前記半導体膜に金属元素を添加し、前記金属元素が
添加された前記半導体膜に第3の温度で熱処理を行って
結晶質半導体膜を形成する半導体装置の作製方法であっ
て、前記第3の温度は前記第1の温度および前記第2の
温度より高いことを特徴とすることを特徴としている。
【0017】本発明の他の作製工程は、第1の温度で絶
縁膜を形成し、前記絶縁膜上に第2の温度で半導体膜を
形成し、前記半導体膜に金属元素を添加し、前記金属元
素が添加された前記半導体膜に第3の温度で熱処理を行
って結晶質半導体膜を形成する半導体装置の作製方法で
あって、前記第3の温度を、前記第1の温度および前記
第2の温度より高くすることにより、前記絶縁膜の応力
を増大させることを特徴としている。
【0018】本発明の他の作製工程は、第1の温度で絶
縁膜を形成し、前記絶縁膜上に第2の温度で半導体膜を
形成し、前記半導体膜に金属元素を添加し、前記金属元
素が添加された前記半導体膜に第3の温度で熱処理を行
うことにより、前記絶縁膜の応力を増大させて結晶核の
生成密度が増加された結晶質半導体膜を形成する半導体
装置の作製方法であって、前記第3の温度は、前記第1
の温度および前記第2の温度より高いことを特徴として
いる。
【0019】上記各作製工程において、前記第3の温度
は、前記第1の温度よりも高いことを特徴としている。
前記第1の温度で形成された前記絶縁膜は、該第1の温
度より高温である前記第3の温度に曝されると応力が増
大する。それに伴い、前記絶縁膜上に形成されている半
導体膜に歪みが生じる。前記歪みを生じさせることで、
前記半導体膜の表面エネルギーや化学ポテンシャルが変
化し、結晶核の生成を促進する。そのため、結晶核の生
成密度が増加し、グレインの粒径を小さくする事が可能
となる。本発明を実施すると、例えばグレインのサイズ
が100〜150μm程度であるものを60μm程度以
下(代表的には20〜60μm)にすることができる。
そのため、チャネル形成領域に含まれ得るグレインの数
が平均化されるので、TFTを作製したときの電気的特
性のばらつきを低減したり、表示部として用いたときに
表示むらを低減するなどの効果を奏する。
【0020】また、前記第3の温度は、前記第2の温度
よりも高いことを特徴としている。また、前記第2の温
度は、前記第1の温度より高くてもよい。薄膜はある温
度に一度曝されると、その温度より低い温度に曝されて
も応力が変化しないが、高い温度に曝されると応力が増
大する。そのため、第2の温度が第3の温度よりも低け
れば、前記絶縁膜が第3の温度に曝されたときに応力が
増大し、それに伴って前記半導体膜に歪みを生じさせる
ことができるからである。
【0021】また、上記各作製工程において、前記絶縁
膜は積層構造としてもよい。また、前記絶縁膜は、窒素
を含む膜とするのが望ましい。そして、前記絶縁膜を形
成するための基板として、ガラス基板、石英基板やシリ
コン基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス基
板、可撓性基板などを用いることができる。前記ガラス
基板として、バリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミ
ノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる基板が挙げら
れる。また、可撓性基板とは、PET、PES、PE
N、アクリルなどからなるフィルム状の基板のことであ
り、可撓性基板を用いて半導体装置を作製すれば、軽量
化が見込まれる。可撓性基板の表面、または表面および
裏面にアルミ膜(AlON、AlN、AlOなど)、炭
素膜(DLC(ダイヤモンドライクカーボン)など)、
SiNなどのバリア層を単層または多層にして形成すれ
ば、耐久性などが向上するので望ましい。
【0022】また、上記各作製工程において、前記半導
体膜としては、非晶質半導体膜や微結晶半導体膜などが
あり、非晶質珪素膜や、非晶質珪素ゲルマニウム膜など
の非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良
い。
【0023】また、上記各作製工程において、前記金属
元素は、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、
Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Sn、Sbから選ばれ
た一種または複数種の元素であるとする。
【0024】また、本発明の他の作製工程は、第1の温
度で第1の絶縁膜を形成し、前記第1の絶縁膜上に第2
の温度で第2の絶縁膜を形成し、前記第2の絶縁膜上に
第3の温度で半導体膜を形成し、前記半導体膜に金属元
素を添加し、前記金属元素が添加された前記半導体膜に
第4の温度で熱処理を行って結晶質半導体膜を形成する
半導体装置の作製方法であって、前記第1の温度は、前
記第4の温度より高く、前記第4の温度を、前記第2の
温度および前記第3の温度より高いことを特徴としてい
る。
【0025】また、本発明の他の作製工程は、第1の温
度で第1の絶縁膜を形成し、前記第1の絶縁膜上に第2
の温度で第2の絶縁膜を形成し、前記第2の絶縁膜上に
第3の温度で半導体膜を形成し、前記半導体膜に金属元
素を添加し、前記金属元素が添加された前記半導体膜に
第4の温度で熱処理を行って結晶質半導体膜を形成する
半導体装置の作製方法であって、前記第1の温度は、前
記第4の温度より高く、前記第4の温度を、前記第2の
温度および前記第3の温度より高くすることにより、前
記第2の絶縁膜の応力を増大させることを特徴としてい
る。
【0026】また、本発明の他の作製工程は、第1の温
度で第1の絶縁膜を形成し、前記第1の絶縁膜上に第2
の温度で第2の絶縁膜を形成し、前記第2の絶縁膜上に
第3の温度で半導体膜を形成し、前記半導体膜に金属元
素を添加し、前記金属元素が添加された前記半導体膜に
第4の温度で熱処理を行うことにより、前記第2の絶縁
膜の応力を増大させて結晶核の生成密度が増加された結
晶質半導体膜を形成する半導体装置の作製方法であっ
て、前記第1の温度は、前記第4の温度より高く、前記
第4の温度は、前記第2の温度および前記第3の温度よ
り高いことを特徴としている。
【0027】上記各作製工程において、前記第1の温度
は、前記第4の温度より高いことを特徴としている。薄
膜はある温度に一度曝されると、その温度より低い温度
に曝されても応力が変化しないが、高い温度に曝される
と応力が増大する。前記第4の温度に前記第1の絶縁膜
と前記第2の絶縁膜が曝されたときに、前記第1の絶縁
膜と前記第2の絶縁膜の両方に応力が増大すると、互い
に打ち消し合って前記半導体膜に歪みが生じない可能性
がある。そのため、前記第1の絶縁膜を予め前記第4の
温度より高い前記第1の温度で形成しておくと、前記第
4の温度に曝されたときに前記第2の絶縁膜に応力が増
大するため、前記半導体膜に歪みを生じさせるには特に
有効である。
【0028】また、上記各作製工程において、前記第4
の温度は、前記第2の温度よりも高いことを特徴として
いる。前記第2の温度で形成された前記第2の絶縁膜
は、前記第2の温度より高温である前記第4の温度に曝
されると応力が増大する。それに伴い、前記第2の絶縁
膜上に形成されている前記半導体膜に歪みが生じる。前
記歪みを生じさせることで、前記半導体膜の表面エネル
ギーや化学ポテンシャルが変化し、結晶核の生成を促進
する。そのため、結晶核の生成密度が増加し、グレイン
の粒径を小さくする事が可能となる。本発明を実施する
と、例えばグレインのサイズが100〜150μm程度
であるものを60μm程度以下(代表的には20〜60
μm)にすることができる。
【0029】また、前記第4の温度は、前記第3の温度
よりも高いことを特徴としている。また、前記第3の温
度は、前記第1の温度および前記第2の温度より高くて
もよい。薄膜はある温度に一度曝されると、その温度よ
り低い温度に曝されても応力が変化しないが、高い温度
に曝されると応力が増大する。そのため、前記第3の温
度が前記第4の温度よりも低ければ、前記第2の絶縁膜
が第4の温度に曝されたときに応力が増大し、それに伴
って前記半導体膜に歪みを生じさせることができるから
である。
【0030】また、上記各作製工程において、前記第2
の絶縁膜は、窒素を含む膜とするのが望ましい。そし
て、前記第1の絶縁膜を形成するための基板として、ガ
ラス基板、石英基板やシリコン基板、プラスチック基
板、金属基板、ステンレス基板、可撓性基板などを用い
ることができる。
【0031】また、上記各作製工程において、前記半導
体膜としては、非晶質半導体膜や微結晶半導体膜などが
あり、非晶質珪素膜や、非晶質珪素ゲルマニウム膜など
の非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良
い。
【0032】また、上記各作製工程において、前記金属
元素は、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、
Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Sn、Sbから選ばれ
た一種または複数種の元素であるとする。
【0033】以上のような本発明を適用することによ
り、半導体装置の性能を大幅に向上させうる。例えば、
TFTを例に挙げると、チャネル形成領域に含まれうる
グレインの数を平均化することができる。そのため、オ
ン電流値(TFTがオン状態にある時に流れるドレイン
電流値)、オフ電流値(TFTがオフ状態にある時に流
れるドレイン電流値)、しきい値電圧、S値及び電界効
果移動度のばらつきを低減することも可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について図1の
断面図を用いて説明する。
【0035】図1(A)において基板10には、合成石
英ガラス基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホ
ウケイ酸ガラスなどの無アルカリガラスと言ったガラス
基板を用いても良い。例えば、コーニング社製の705
9ガラスや1737ガラスなどを好適に用いることが出
来る。また、本実施形態の処理温度に耐えうる耐熱性が
有するプラスチック基板を用いてもよい。
【0036】前記基板10の上に下地絶縁膜11を公知
の手段(LPCVD法、プラズマCVD法等)により窒
化珪素膜、酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜などで後工
程で行う結晶化工程より低温で形成する。もちろん、下
地絶縁膜は単層ではなく、2層以上の積層構造としても
良いが、少なくとも半導体膜に接する下地絶縁膜を形成
するときの温度は、半導体膜の結晶化工程での温度より
低温であるとする。このようにすることで、下地絶縁膜
のうちの最上層(半導体膜に接する下地絶縁膜)におい
て増大する応力に伴い、半導体膜に歪みを形成すること
が可能となり、結晶核の生成密度を向上することが可能
となる。
【0037】次に、半導体膜12をプラズマCVD法や
スパッタ法などの公知の手段で10〜200nm(好ま
しくは30〜100nm)の厚さに形成する。前記半導
体膜12としては、非晶質半導体膜や微結晶半導体膜な
どがあり、非晶質珪素ゲルマニウム膜などの非晶質構造
を有する化合物半導体膜を適用しても良い。
【0038】その後、ニッケル等の金属元素を用いた熱
結晶化法により半導体膜を結晶化する。まず、結晶化を
助長するための金属元素を含む層(金属含有層13)を
形成する。前記金属元素としては、ニッケル、またはパ
ラジウム、または鉛等の金属元素があり、添加の方法
は、プラズマ処理法や蒸着法、イオン注入法、スパッタ
法、溶液塗布法等を利用すればよい。
【0039】そして、熱処理を行って、半導体膜の結晶
化を行う。この熱処理はファーネスアニール炉を用いる
熱アニール法で行う。熱アニール法としては、酸素濃度
が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰
囲気中で400〜700℃、代表的には500〜550
℃で、4〜12時間程度行えばよい。また、熱アニール
法の他の熱処理としてラピッドサーマルアニール法(R
TA法)等を用いてもよい。
【0040】また、半導体膜の結晶化には、金属元素を
用いた熱結晶化法以外の公知の結晶化法(レーザ結晶化
法等)と組み合わせて半導体膜の結晶化を行うこともで
きる。
【0041】熱処理は下地絶縁膜11が形成されるとき
の温度より高温で処理されるため、該下地絶縁膜11に
おける引っ張り応力が増加する。それに伴い、前記下地
絶縁膜11上に形成されている前記半導体膜12に歪み
が生じる。前記歪みが生じることで、半導体膜の表面エ
ネルギーや化学ポテンシャルが変化して結晶核の生成密
度が向上する。そのため、形成されるグレインの粒径は
小さくなる。
【0042】このようにして形成された結晶質半導体膜
14を用いてTFTを作製すると、活性領域、特にチャ
ネル形成領域に含まれうるグレインの数を平均化するこ
とができる。また、電気的特性のばらつきを低減し、各
種半導体装置の表示部として用いたときに、表示むらを
抑えることを可能とする。
【0043】以上の構成でなる本発明について、以下に
示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととす
る。
【0044】
【実施例】[実施例1]本実施例では、本発明の有効性
を確認するため、さまざまな下地絶縁膜を用いて熱処理
を行い、熱処理前後での応力の変化を調べた。
【0045】図1(A)において基板10として、合成
石英ガラス基板を適用し、前記基板10上に下地絶縁膜
11を形成する。下地絶縁膜として、プラズマCVD法
により400℃で膜厚50nmの窒化酸化珪素膜(組成
比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17
%)上に膜厚100nmの窒化酸化珪素膜(組成比Si
=32%、O=59%、N=7%、H=2%)を積層し
たもの(試料1)、LPCVD法により400℃で膜厚
200nm酸化珪素膜を形成したもの(試料2)、LP
CVD法により775℃で膜厚200nm窒化珪素膜を
形成したもの(試料3)、LPCVD法により800℃
で膜厚200nm酸化珪素膜を形成したもの(試料4)
の4種類を用意した。ここで、熱処理を行う前の試料1
〜試料4のそれぞれの下地絶縁膜11の応力を測定し
た。
【0046】続いて、ファーネスアニール炉を用い、窒
素雰囲気中にて600℃で8時間の熱処理を行った。そ
して、熱処理後の下地絶縁膜11の応力について測定し
た。前記熱処理の前後での応力の変化について、図15
に示す。ここで、−は半導体膜に対する下地絶縁膜の圧
縮応力を示し、+は引っ張り応力を示す。
【0047】図15において、試料1の応力は1.0×
109dyne/cm2から4.0×109dyne/c
2に変化しており、試料2は4.5×108dyne/
cm2から8.5×108dyne/cm2に変化してお
り、試料3は1.0×101 0dyne/cm2のままで
変化せず、試料4は−1.5×109dyne/cm2
ままで変化していない。このように図15から熱処理の
温度が下地絶縁膜を形成するときの温度より低い場合は
応力は変化しない。しかしながら、熱処理の温度が下地
絶縁膜を形成するときの温度より高い場合は、応力が増
加することが分かる。このような場合において、下地絶
縁膜上に半導体膜が形成されていれば、該下地絶縁膜に
おける応力の増加に伴って、前記半導体膜に歪みが生じ
ることは容易に推測できる。前記歪みが生じることで、
半導体膜の表面エネルギーや化学ポテンシャルが変化し
て結晶核の生成密度が向上する。そのため、形成される
グレインの粒径は小さくなる。
【0048】また、熱処理の温度が下地絶縁膜を形成す
るときの温度より低い場合は、前記下地絶縁膜の応力は
変化しないことから、このような下地絶縁膜を下層と
し、前記熱処理の温度が下地絶縁膜を形成するときの温
度より高い下地絶縁膜を上層とする積層構造の下地絶縁
膜を形成してもよい。
【0049】上記の試料においては、プラズマCVD法
により400℃で膜厚50nmの窒化酸化珪素膜上に膜
厚100nmの窒化酸化珪素膜を積層したもの(試料
1)、LPCVD法により400℃で膜厚200nm酸
化珪素膜を形成したもの(試料2)が熱処理後に応力が
著しく変化している。このため、これらの試料を下地絶
縁膜として用いれば、該下地絶縁膜上に形成される半導
体膜における結晶核の生成密度を増加させ、グレインの
大きさを揃えるのに非常に有効である。
【0050】特に窒素を含む膜(SiNxやSiNxO
y)は応力が引っ張り応力側に大きい傾向があり、熱処
理による応力の変化が大きくなる場合が多い。そのた
め、これらの膜の上に半導体膜を形成して熱処理を行う
と、結晶核の生成密度を十分に向上させることができ
る。
【0051】このようにして得られる結晶質半導体膜を
用いてTFTを作製すると、活性領域、特にチャネル形
成領域に含まれうるグレインの数を平均化することがで
きる。また、電気的特性のばらつきを低減し、各種半導
体装置の表示部として用いたときに、表示むらを抑える
ことを可能とする。
【0052】[実施例2]本発明の他の構成の実施例に
ついて図2の断面図を用いて説明する。
【0053】図2(A)において基板10には、合成石
英ガラス基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホ
ウケイ酸ガラスなどの無アルカリガラスと言ったガラス
基板を用いても良い。例えば、コーニング社製の705
9ガラスや1737ガラスなどを好適に用いることが出
来る。また、本実施形態の処理温度に耐えうる耐熱性が
有するプラスチック基板を用いてもよい。本実施例で
は、合成石英ガラス基板を適用する。
【0054】基板10上に導電膜を形成し、エッチング
を行って所望の形状の導電層31を形成する。導電層の
材料に特に限定はないが、耐熱性を有するものを用い、
Ta、W、Ti、Mo、Cu、Cr、Ndから選ばれた
元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは
化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元
素をドーピングした結晶質珪素膜に代表される半導体膜
を用いてもよい。また、AgPdCu合金を用いてもよ
い。もちろん、導電層は単層ではなく、積層としてもよ
い。本実施例では、スパッタ法により膜厚400nmの
W膜を形成した後、エッチングを行って導電層31を形
成する。
【0055】続いて、前記基板10および前記導電層3
1に接して、絶縁膜32を公知の手段(LPCVD法、
プラズマCVD法等)により窒化珪素膜、酸化窒化珪素
膜または酸化珪素膜などで形成する。本実施例におい
て、絶縁膜32として、350℃にて、膜厚150nm
の酸化窒化珪素膜を形成する。
【0056】次に、前記絶縁膜32上に半導体膜33を
プラズマCVD法やスパッタ法などの公知の手段で10
〜200nm(好ましくは30〜100nm)の厚さに
形成する。前記半導体膜33としては、非晶質半導体膜
や微結晶半導体膜などがあり、非晶質珪素ゲルマニウム
膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用して
も良い。本実施例では、スパッタ法を用い、150℃に
て、膜厚55nmの非晶質珪素膜を成膜する。
【0057】その後、ニッケル等の金属元素を用いた熱
結晶化法により半導体膜を結晶化する。まず、結晶化を
助長するための金属元素を含む層(金属含有層34)を
形成する。前記金属元素としては、ニッケル、またはパ
ラジウム、または鉛等の金属元素があり、添加の方法
は、プラズマ処理法や蒸着法、イオン注入法、スパッタ
法、溶液塗布法等を利用すればよい。本実施例では、酢
酸ニッケル水溶液(重量換算濃度5ppm、体積10m
l)を非晶質珪素膜表面にスピンコートにて塗布し、金
属含有層34を形成する。
【0058】そして、熱処理を行って、半導体膜の結晶
化を行う。この熱処理はファーネスアニール炉を用いる
熱アニール法で行う。熱アニール法としては、酸素濃度
が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰
囲気中で400〜700℃、代表的には500〜550
℃で、4〜12時間程度行えばよい。また、熱アニール
法の他の熱処理としてラピッドサーマルアニール法(R
TA法)等を用いてもよい。本実施例では、熱処理(5
80℃、8時間)を行い、結晶質珪素膜を形成する。
【0059】もちろん、半導体膜の結晶化には、金属元
素を用いた熱結晶化法以外の公知の結晶化法(レーザ結
晶化法等)と組み合わせて半導体膜の結晶化や、結晶性
の向上を行うこともできる。
【0060】熱処理は絶縁膜が形成されるときの温度よ
り高温で処理されるため、前記絶縁膜における応力が増
加する。それに伴い、前記絶縁膜上に形成されている前
記半導体膜に歪みが生じる。前記歪みが生じることで、
前記半導体膜の表面エネルギーや化学ポテンシャルが変
化して結晶核の生成密度が向上する。そのため、形成さ
れるグレインの粒径は小さくなる。
【0061】このようにして形成された結晶質半導体膜
を用いてTFTを作製すると、活性領域、特にチャネル
形成領域に含まれうるグレインの数を平均化することが
できる。また、電気的特性のばらつきを低減し、各種半
導体装置の表示部として用いたときに、表示むらを抑え
ることを可能とする。
【0062】[実施例3]本実施例ではアクティブマト
リクス基板の作製方法について図3〜図8を用いて説明
する。本明細書ではCMOS回路、及び駆動回路と、画
素TFT、保持容量とを有する画素部を同一基板上に形
成された基板を、便宜上アクティブマトリクス基板と呼
ぶ。
【0063】まず、本実施例ではコーニング社の#70
59ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウ
ムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラス
などのガラスからなる基板501を用いる。なお、基板
501としては、石英基板やシリコン基板、金属基板ま
たはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用
いても良い。また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱
性が有するプラスチック基板を用いてもよい。本実施例
では合成石英ガラス基板を用いる。
【0064】次いで、石英基板501上に下地膜502
を形成し、該下地膜502上に下部遮光膜503を形成
する。まず、酸化珪素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪
素膜などの絶縁膜から成る膜厚10〜150nm(好ま
しくは50〜100nm)の下地膜502を形成する。
そして、本実施例の処理温度に耐え得るTa、W、C
r、Mo等の導電性材料およびその積層構造により30
0nm程度の膜厚で下部遮光膜503を形成する。前記下
部遮光膜はゲート配線としての機能も有する。本実施例
では膜厚75nmの結晶質珪素膜を形成し、続いて膜厚
150nmのWSix(x=2.0〜2.8)を成膜し
た後、不要な部分をエッチングして下部遮光膜503を
形成する。なお、本実施例では、下部遮光膜503とし
て単層構造を用いるが積層でも良いし、前記下地膜にお
いても絶縁膜を2層以上積層させた構造を用いても良
い。
【0065】そして基板501および下部遮光膜503
上に酸化珪素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜など
の絶縁膜から成る膜厚10〜650nm(好ましくは5
0〜600nm)の下地膜504を形成する。本実施例
では下地膜504として単層構造を用いるが、前記絶縁
膜を2層以上積層させた構造を用いても良い。本実施例
では、下地膜504としては、プラズマCVD法を用
い、SiH4、NH3、及びN2Oを反応ガスとして成膜
される膜厚580nmの酸化窒化珪素膜504(組成比
Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)
を350℃にて形成する。
【0066】次いで、下地膜504上に半導体膜505
を形成する。半導体膜505は、非晶質構造を有する半
導体膜を公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、また
はプラズマCVD法等)により、10〜300nm、好
ましくは25〜80nm(代表的には30〜60nm)
の厚さで形成する。半導体膜の材料に限定はないが、好
ましくは珪素または珪素ゲルマニウム(SiGe)合金
などで形成すると良い。本実施例では、LPCVD法に
より、465℃にて膜厚55nmの非晶質珪素膜を形成
する。(図3(A))
【0067】そして、ニッケルなどの触媒を用いた熱結
晶化法を行って、半導体膜を結晶化する。また、ニッケ
ルなどの触媒を用いた熱結晶化法の他に、公知の結晶化
処理(レーザ結晶化法、熱結晶化法等)を組み合わせて
行ってもよい。本実施例では、酢酸ニッケル溶液(重量
換算濃度10ppm、体積5ml)をスピンコートによ
り膜上全面に塗布して金属含有層405を形成し、温度
600度の窒素雰囲気中に12時間曝す。(図3
(B))
【0068】また、レーザ結晶化法も適用する場合に
は、パルス発振型または連続発光型のYAGレーザ、Y
VO4レーザエキシマレーザを用い、レーザ発振器から
放射されたレーザビームを光学系で線状に集光し半導体
膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件は実施
者が適宣選択するものであるが、エキシマレーザを用い
る場合はパルス発振周波数300Hzとし、レーザーエ
ネルギー密度を100〜1500mJ/cm2、好ましくは1
00〜800mJ/cm2(代表的には200〜700
mJ/cm2)とする。また、YAGレーザを用いる場
合にはその第2高調波を用いパルス発振周波数1〜30
0Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜150
0mJ/cm2、好ましくは300〜1000mJ/c
2(代表的には350〜800mJ/cm2)とすると
良い。そして幅100〜1000μm、例えば400μ
mで線状に集光したレーザビームを基板全面に渡って照
射し、この時の線状レーザビームの重ね合わせ率(オー
バーラップ率)を50〜98%として行ってもよい。
【0069】このように、下地絶縁膜および半導体膜が
形成されるときの温度より高温で処理されることによ
り、前記下地絶縁膜に応力が増大し、それに伴い前記半
導体膜に歪みが生じる。そのため、結晶核の生成密度が
増加し、粒径の小さいグレインを有する結晶質半導体膜
を形成することができる。
【0070】続いて、活性領域となる半導体層から、結
晶化を助長するために用いた金属元素を除去または低減
するために、ゲッタリングを行う。(図3(C))ゲッ
タリングについては特開平10−270363号公報に
開示している方法を適用すればよい。本実施例では、マ
スクとして、膜厚50nmの酸化珪素膜を形成し、パタ
ーニングを行って、所望の形状の酸化珪素膜506a〜
506dを得る。そして、半導体膜に選択的にP(リ
ン)を注入し、熱処理を行うことで、半導体層から金属
元素を除去または半導体特性に影響しない程度にまで低
減することができる。このようにして作製した活性領域
を有するTFTはオフ電流値が下がり、結晶性が良いこ
とから高い電界効果移動度が得られ、良好な特性を達成
することができる。
【0071】そして、結晶質半導体膜にエッチングを行
って、半導体層507a〜510aを形成する。
【0072】次に、マスク506a〜506dを除去
し、新たに絶縁膜511aを形成して半導体膜の結晶性
を向上させるために熱処理を行って、半導体層の上部を
熱酸化させるのが望ましい。本実施例では、減圧CVD
装置で20nmの酸化珪素膜を成膜した後、ファーネス
アニール炉で熱処理を行う。(図4(A))この処理に
より、半導体層507a〜510aの上部は酸化され
る。そして、酸化珪素膜および半導体層の酸化した部分
をエッチングすると、結晶性の向上した半導体層507
b〜510bが得られる。
【0073】半導体層507b〜510bを形成した
後、TFTのしきい値を制御するために微量な不純物元
素(ボロンまたはリン)のドーピングを行ってもよい。
【0074】次いで、半導体層507b〜510bを覆
う第1のゲート絶縁膜511bを形成する。第1のゲー
ト絶縁膜511bはプラズマCVD法またはスパッタ法
を用い、厚さを20〜150nmとして珪素を含む絶縁
膜で形成する。(図4(B))本実施例では、プラズマ
CVD法により35nmの厚さで酸化窒化珪素膜(組成
比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で
形成した。もちろん、ゲート絶縁膜は酸化窒化珪素膜に
限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を用いて
も良い。
【0075】また、酸化珪素膜を用いる場合には、プラ
ズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)
とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜
400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.
5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができ
る。このようにして作製される酸化珪素膜は、その後4
00〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として
良好な特性を得ることができる。
【0076】そして、前記ゲート絶縁膜を部分的にエッ
チングして、保持容量の電極の一方となる半導体層51
0bを露出させ、該半導体層510bに不純物元素を導
入する。(図4(C))このとき、他の領域にはレジス
ト513(513a、513b)が形成されており、不
純物元素は導入されない。本実施例では、不純物元素と
してP(リン)を用い、加速電圧10keV、ドーズ量
5×1014/cm2としてドーピング処理を行う。この
ようにして、不純物領域514が形成される。
【0077】続いて、レジスト513(513a、51
3b)を除去し、第2のゲート絶縁膜512を形成す
る。第2のゲート絶縁膜512はプラズマCVD法また
はスパッタ法を用い、厚さを20〜150nmとして珪
素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマC
VD法により50nmの厚さで酸化窒化珪素膜(組成比
Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形
成した。もちろん、ゲート絶縁膜は酸化窒化珪素膜に限
定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を用いても
良い。
【0078】そして、下部遮光膜と接続するコンタクト
を形成した後、膜厚20〜100nmの第1の導電膜5
15と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜516
とを積層形成する。(図4(D))本実施例では、膜厚
30nmのTaN膜からなる第1の導電膜515と、膜
厚370nmのW膜からなる第2の導電膜516を積層
形成した。TaN膜はスパッタ法で形成し、Taのター
ゲットを用い、窒素を含む雰囲気内でスパッタする。ま
た、W膜は、Wのターゲットを用いたスパッタ法で形成
する。その他に6フッ化タングステン(WF6)を用い
る熱CVD法で形成することもできる。いずれにしても
ゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要
があり、W膜の抵抗率は20μΩcm以下にすることが
望ましい。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化
を図ることができるが、W膜中に酸素などの不純物元素
が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。従っ
て、本実施例では、高純度のW(純度99.9999
%)のターゲットを用いたスパッタ法で、さらに成膜時
に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮して
W膜を形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを
実現することができる。
【0079】なお、本実施例では、第1の導電膜515
をTaN、第2の導電膜516をWとしているが、特に
限定されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、C
u、Cr、Ndから選ばれた元素、または前記元素を主
成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよ
い。また、リン等の不純物元素をドーピングした結晶質
珪素膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、A
gPdCu合金を用いてもよい。また、第1の導電膜を
タンタル(Ta)膜で形成し、第2の導電膜をW膜とす
る組み合わせ、第1の導電膜を窒化チタン(TiN)膜
で形成し、第2の導電膜をW膜とする組み合わせ、第1
の導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2の
導電膜をAl膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化
タンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜をCu膜
とする組み合わせとしてもよい。
【0080】次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジ
ストからなるマスク(図示せず)を形成し、電極及び配
線を形成するためのエッチング処理を行う。本実施例で
はエッチング条件として、ICP(Inductively Couple
d Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、
エッチング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それ
ぞれのガス流量比を25:25:10(sccm)と
し、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.
56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチング
を行う。ここでは、松下電器産業(株)製のICPを用
いたドライエッチング装置(Model E645−□IC
P)を用いる。基板側(試料ステージ)にも150Wの
RF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイ
アス電圧を印加する。
【0081】そして、第3のドーピング処理を行い、半
導体層にn型を付与する不純物元素を導入する。(図5
(A))ドーピング処理はイオンドープ法、若しくはイ
オン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件は1×
1013〜5×1014/cm2とし、加速電圧を30〜8
0keVとして行う。本実施例ではドーズ量を1.5×
1013/cm2とし、加速電圧を60keVとして行
う。n型を付与する不純物元素として15族に属する元
素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いる
が、ここではリン(P)を用いる。この場合、導電層5
17〜521(517a〜521a、517b〜521
b)がn型を付与する不純物元素に対するマスクとな
り、自己整合的に低濃度不純物領域523〜524が形
成される。低濃度不純物領域523〜524には1×1
18〜1×1020/cm3の濃度範囲でn型を付与する
不純物元素を添加する。ここで、pチャネル型TFTを
形成する半導体層にはレジストによるマスク522が形
成されており、n型を付与する不純物元素は導入されな
い。
【0082】次いで、レジストからなるマスクを除去
し、新たにマスクを形成して、図5(B)に示すよう
に、第4のドーピング処理を行って、半導体層にn型を
付与する不純物元素を導入する。イオンドープ法の条件
はドーズ量を1×1013〜1×1015/cm2とし、加
速電圧を30〜120keVとして行う。このとき、p
チャネル型TFTを形成する半導体層にn型を付与する
不純物元素を導入しないためにマスク525bを形成
し、また、nチャネル型TFTを形成するための半導体
層に選択的に高濃度不純物領域を形成するためにマスク
525a、525cを形成する。本実施例ではドーズ量
を2×1015/cm2とし、加速電圧を50keVとし
て行う。こうして、高濃度不純物領域526、529が
形成される。また、527、530は低濃度不純物領域
であり、528、531は不純物元素が導入されない領
域である。
【0083】次いで、レジストからなるマスクを除去し
た後、新たにレジストからなるマスク532aおよび5
32bを形成して、図5(C)に示すように、第5のド
ーピング処理を行う。この第5のドーピング処理によ
り、pチャネル型TFTの活性層となる半導体層に前記
一導電型とは逆の導電型を付与する不純物元素が添加さ
れた不純物領域533を形成する。導電層518を不純
物元素に対するマスクとして用い、p型を付与する不純
物元素を添加して自己整合的に不純物領域を形成する。
本実施例では、不純物領域533はジボラン(B26
を用いたイオンドープ法で形成する。イオンドープ法の
条件はドーズ量を1×1013〜1×1014/cm2とし、加
速電圧を30〜120keVとして行う。この第5のド
ーピング処理の際には、nチャネル型TFTを形成する
半導体層はレジストからなるマスク532aおよび53
2bで覆われている。
【0084】次いで、レジストからなるマスクを除去
し、新たにマスクを形成して、図6(A)に示すよう
に、第6のドーピング処理を行って、半導体層にp型を
付与する不純物元素を導入する。イオンドープ法の条件
はドーズ量を1×1013〜1×1015/cm2とし、加
速電圧を20〜120keVとして行う。このとき、n
チャネル型TFTを形成する半導体層にp型を付与する
不純物元素を導入しないためにマスク534a、534
cを形成し、また、pチャネル型TFTを形成するため
の半導体層に選択的に高濃度不純物領域を形成するため
にマスク534bを形成する。本実施例ではドーズ量を
1×1015/cm2とし、加速電圧を40keVとして
行う。こうして、高濃度不純物領域535が形成され
る。また、536は低濃度不純物領域であり、537は
不純物元素が導入されない領域である。
【0085】以上までの工程で、それぞれの半導体層に
高濃度不純物領域および低濃度不純物領域が形成され
る。
【0086】次いで、レジストからなるマスク534を
除去して第1の層間絶縁膜538を形成する。この第1
の層間絶縁膜538としては、プラズマCVD法または
スパッタ法を用い、厚さを100〜200nmとして珪
素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマC
VD法により膜厚150nmの酸化窒化珪素膜を形成す
る。もちろん、第1の層間絶縁膜538は酸化窒化珪素
膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を単
層または積層構造として用いても良い。
【0087】次いで、図6(B)に示すように、熱処理
を行って、半導体層の結晶性の回復、それぞれの半導体
層に添加された不純物元素の活性化を行う。この熱処理
はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。
熱アニール法としては、酸素濃度が1ppm以下、好ま
しくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜70
0℃、代表的には500〜550℃で行えばよく、本実
施例では550℃、4時間の熱処理で活性化処理を行っ
た。なお、熱アニール法の他に、レーザアニール法、ま
たはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用す
ることができる。
【0088】また、第1の層間絶縁膜を形成する前に熱
処理を行っても良い。ただし、用いた配線材料が熱に弱
い場合には、本実施例のように配線等を保護するため層
間絶縁膜(珪素を主成分とする絶縁膜、例えば窒化珪素
膜)を形成した後で熱処理を行うことが好ましい。
【0089】そして、熱処理(300〜550℃で1〜
12時間の熱処理)を行うと水素化を行うことができ
る。この工程は第1の層間絶縁膜538に含まれる水素
により半導体層のダングリングボンドを終端する工程で
ある。もちろん、第1の層間絶縁膜の存在に関係なく半
導体層を水素化することもできる。水素化の他の手段と
して、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素
を用いる)や、3〜100%の水素を含む雰囲気中で3
00〜450℃で1〜12時間の熱処理を行っても良
い。
【0090】次いで、第1の層間絶縁膜538上に無機
絶縁膜材料または有機絶縁物材料から成る第2の層間絶
縁膜539を形成する。本実施例では、膜厚1μmの窒
化酸化珪素膜を形成する。
【0091】そして、駆動回路555において、各不純
物領域とそれぞれ電気的に接続する配線540〜542
を形成する。また、画素部556においては、ソース配
線543、545、ドレイン電極544を形成する。
(図6(C))なお、これらの配線は、膜厚50nmの
Ti膜と、膜厚500nmの合金膜(AlとTiとの合
金膜)との積層膜をパターニングして形成する。
【0092】図7にここまで作製された状態の上面図を
示す。なお、図3〜図6に対応する部分には同じ符号を
用いている。図6(C)中の鎖線A−A’は図7中の鎖
線A―A’で切断した断面図に対応している。また、図
6(C)中の鎖線B−B’は図7中の鎖線B―B’で切
断した断面図に対応している。
【0093】次いで、第2の層間絶縁膜539上に無機
絶縁膜材料または有機絶縁物材料から成る第3の層間絶
縁膜560を形成する。本実施例では、膜厚1.8μm
の窒化酸化珪素膜を形成する。
【0094】第3の層間絶縁膜539上にAl、Ti、
W、Cr、または黒色樹脂等の高い遮光性を持つ膜を所
望の形状にパターニングして遮光膜561、562を形
成する。この遮光膜561、562は画素の開口部以外
を遮光するように網目状に配置する。(図8(A))
【0095】さらに、この遮光膜561、562を覆う
ように第4の層間絶縁膜563を無機絶縁材料により形
成する。そして、接続配線544に通じるコンタクトホ
ールを形成し、ITO等の透明導電膜を100nm厚形成
し、所望の形状にパターニングすることで画素電極56
4、565を形成する。(図8(B))
【0096】以上の様にして、nチャネル型TFT55
1とpチャネル型TFT552を有する駆動回路555
と、画素TFT553、保持容量554とを有する画素
部556を同一基板上に形成することができる。こうし
て、アクティブマトリクス基板が完成する。
【0097】このようにして作製されるアクティブマト
リクス基板におけるTFTは、活性領域、特にチャネル
形成領域に含まれうるグレインの数が平均化されてい
る。そのため、電気的特性のばらつきを低減し、各種半
導体装置の表示部として用いたときに、表示むらを抑え
ることを可能とする。
【0098】なお、本実施例は実施例1または2と自由
に組み合わせることが可能である。
【0099】[実施例4]本実施例では、半導体膜の形
成方法を変えてグレインの大きさを振ってTFTを作製
し、グレインの大きさと、TFTの電気的特性との関係
について調べた。
【0100】実施例3にしたがって、下地絶縁膜を形成
した。続いて、LPCVD法により膜厚53nmの非晶
質珪素膜を形成したもの(試料A)、LPCVD法によ
り膜厚53nmの非晶質珪素膜を形成し、Arによるプ
ラズマ処理を5分間行なったもの(試料B)、プラズマ
CVD法により、膜厚55nmの非晶質珪素膜を形成し
たもの(試料C)の3種を用意し、それぞれ金属元素を
用いた結晶化を行なって結晶質珪素膜を得た。これらの
珪素膜の膜厚は異なっているが、結晶化を行なうとどの
試料においても50nmとなる。そして、それぞれの結
晶質珪素膜におけるグレインのEBSPで測定した時の
大きさは、試料Aは100μm、試料Bは5μm、試料
Cは2μmであった。続いて行なわれる結晶化工程以降
は実施例3に従い、TFTを作製した。
【0101】図18(A)にグレインの大きさとS値と
の関係を、図18(B)にグレインの大きさと電界効果
移動度との関係を示す。このときTFTのチャネル形成
領域の長さ/チャネル形成領域の幅=50/50(μ
m)のnチャネル型TFTについて測定した。図18よ
り、粒径が小さくなるにしたがって、それぞれの特性の
ばらつきが低減されていることがわかる。
【0102】画素部においては、特にオフ電流値(TF
Tがオフ状態にある時に流れるドレイン電流値)が低
く、電気的特性のばらつきが少ないTFTが要求され
る。また、電気的特性のばらつきが少ないTFTは、半
導体装置を作製したときの表示むらが低減されるため望
ましい。もちろん、駆動回路部においても、動作する上
で電気的特性のばらつきの少ないTFTが望まれている
ため、本発明を適用することは極めて有効であることが
わかる。
【0103】なお、本実施例においては、本発明とは異
なる方法で結晶核の生成密度を増加させてグレインの大
きさを小さくしている。しかしながら、本発明において
も結晶核の生成密度を増加させてグレインの大きさを小
さくする点では同様であり、本発明を適用してグレイン
の大きさを小さくしても同様のデータは得られるので、
本発明の有効性は明らかである。
【0104】[実施例5]本実施例では、実施例3で作
製したアクティブマトリクス基板から、反射型液晶表示
装置を作製する工程を以下に説明する。説明には図9を
用いる。なお、本実施例では本発明の記載がないが、実
施例3で作製されるアクティブマトリクス基板を用いて
いるため、本発明を適用していると言える。
【0105】まず、実施例3に従い、図8(B)の状態
のアクティブマトリクス基板を得た後、図9のアクティ
ブマトリクス基板上、少なくとも画素電極564、56
5上に配向膜567を形成しラビング処理を行う。な
お、本実施例では配向膜567を形成する前に、アクリ
ル樹脂膜等の有機樹脂膜をパターニングすることによっ
て基板間隔を保持するための柱状のスペーサを所望の位
置に形成する。また、柱状のスペーサに代えて、球状の
スペーサを基板全面に散布してもよい。
【0106】次いで、対向基板569を用意する。次い
で、対向基板569上に着色層570、平坦化膜573
を形成する。
【0107】次いで、平坦化膜573上に透明導電膜か
らなる対向電極576を少なくとも画素部に形成し、対
向基板の全面に配向膜574を形成し、ラビング処理を
施す。
【0108】そして、画素部と駆動回路が形成されたア
クティブマトリクス基板と対向基板とをシール材568
で貼り合わせる。シール材568にはフィラーが混入さ
れていて、このフィラーと柱状スペーサによって均一な
間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、
両基板の間に液晶材料575を注入し、封止剤(図示せ
ず)によって完全に封止する。液晶材料575には公知
の液晶材料を用いれば良い。このようにして図9に示す
反射型液晶表示装置が完成する。そして、必要があれ
ば、アクティブマトリクス基板または対向基板を所望の
形状に分断する。さらに、対向基板のみに偏光板(図示
しない)を貼りつけた。そして、公知の技術を用いてF
PCを貼りつけた。
【0109】以上のようにして作製される液晶表示パネ
ルは、活性領域、特にチャネル形成領域に含まれうるグ
レインの数が平均化されているTFTを用いて作製され
ている。そのため、電気的特性のばらつきを低減し、各
種半導体装置の表示部として用いたときに、表示むらを
抑えることを可能とする。
【0110】本実施例では、反射型液晶表示装置の作製
方法について説明したが、電極等の構成を変えれば、透
過型液晶表示装置を作製することも可能である。
【0111】なお、本実施例は実施例1乃至3のいずれ
か一と自由に組み合わせることが可能である。
【0112】[実施例6]本実施例では、本発明を用い
て発光装置を作製した例について説明する。なお、本実
施例では本発明の記載がないが、実施例3で作製される
アクティブマトリクス基板を用いているため、本発明を
適用していると言える。本明細書において、発光装置と
は、基板上に形成された発光素子を該基板とカバー材の
間に封入した表示用パネルおよび該表示用パネルにIC
(Integrated Circuit)を実装した表示用モジュールを
総称したものである。なお、発光素子は、電場を加える
ことで発生するルミネッセンス(Electro Luminescence
(EL))が得られる有機化合物を含む層(発光層)と陽極
層と、陰極層とを有する。また、有機化合物におけるル
ミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る
際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る
際の発光(リン光)があり、これらのうちどちらか、あ
るいは両方の発光を含む。
【0113】なお、本明細書中では、発光素子において
陽極と陰極の間に形成された全ての層を有機発光層と定
義する。有機発光層には具体的に、発光層、正孔注入
層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等が含まれ
る。基本的に発光素子は、陽極層、発光層、陰極層が順
に積層された構造を有しており、この構造に加えて、陽
極層、正孔注入層、発光層、陰極層や、陽極層、正孔注
入層、発光層、電子輸送層、陰極層等の順に積層した構
造を有していることもある。
【0114】図10は本実施例の発光装置の断面図であ
る。図10において、基板上に設けられたスイッチング
TFT603は図6(C)のnチャネル型TFT553
を用いて形成される。したがって、構造の説明はnチャ
ネル型TFT553の説明を参照すれば良い。
【0115】なお、本実施例ではチャネル形成領域が二
つ形成されるダブルゲート構造としているが、チャネル
形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造もしくは
三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。
【0116】基板700上に設けられた駆動回路807
は図6(C)のCMOS回路を用いて形成される。従っ
て、構造の説明はnチャネル型TFT551とpチャネ
ル型TFT552の説明を参照すれば良い。なお、本実
施例ではシングルゲート構造としているが、ダブルゲー
ト構造もしくはトリプルゲート構造であっても良い。
【0117】また、配線701、703はCMOS回路
のソース配線、702はドレイン配線として機能する。
また、配線704はスイッチングTFTのソース領域と
を電気的に接続する配線として機能し、配線705はス
イッチングTFTのドレイン領域とを電気的に接続する
配線として機能する。
【0118】なお、電流制御TFT604は図6(C)
のpチャネル型TFT552を用いて形成される。従っ
て、構造の説明はpチャネル型TFT552の説明を参
照すれば良い。なお、本実施例ではシングルゲート構造
としているが、ダブルゲート構造もしくはトリプルゲー
ト構造であっても良い。
【0119】また、配線706は電流制御TFTのソー
ス配線(電流供給線に相当する)であり、707は電流
制御TFTの画素電極711上に重ねることで画素電極
711と電気的に接続する電極である。
【0120】なお、711は、透明導電膜からなる画素
電極(発光素子の陽極)である。透明導電膜としては、
酸化インジウムと酸化スズとの化合物、酸化インジウム
と酸化亜鉛との化合物、酸化亜鉛、酸化スズまたは酸化
インジウムを用いることができる。また、前記透明導電
膜にガリウムを添加したものを用いても良い。画素電極
711は、上記配線を形成する前に平坦な層間絶縁膜7
10上に形成する。本実施例においては、樹脂からなる
平坦化膜710を用いてTFTによる段差を平坦化する
ことは非常に重要である。後に形成される発光層は非常
に薄いため、段差が存在することによって発光不良を起
こす場合がある。従って、発光層をできるだけ平坦面に
形成しうるように画素電極を形成する前に平坦化してお
くことが望ましい。
【0121】画素電極711を形成後、図10に示すよ
うにバンク712を形成する。バンク712は100〜
400nmの珪素を含む絶縁膜もしくは有機樹脂膜をパ
ターニングして形成すれば良い。
【0122】なお、バンク712は絶縁膜であるため、
成膜時における素子の静電破壊には注意が必要である。
本実施例ではバンク712の材料となる絶縁膜中にカー
ボン粒子や金属粒子を添加して抵抗率を下げ、静電気の
発生を抑制する。この際、抵抗率は1×106〜1×1
12Ωm(好ましくは1×108〜1×1010Ωm)と
なるようにカーボン粒子や金属粒子の添加量を調節すれ
ば良い。
【0123】画素電極711の上には発光層713が形
成される。なお、図10では一画素しか図示していない
が、本実施例ではR(赤)、G(緑)、B(青)の各色
に対応した発光層を作り分けている。また、本実施例で
は蒸着法により低分子系有機発光材料を形成している。
具体的には、正孔注入層として20nm厚の銅フタロシ
アニン(CuPc)膜を設け、その上に発光層として7
0nm厚のトリス−8−キノリノラトアルミニウム錯体
(Alq3)膜を設けた積層構造としている。Alq3
キナクリドン、ペリレンもしくはDCM1といった蛍光
色素を添加することで発光色を制御することができる。
【0124】但し、以上の例は発光層として用いること
のできる有機発光材料の一例であって、これに限定する
必要はまったくない。発光層、電荷輸送層または電荷注
入層を自由に組み合わせて発光層(発光及びそのための
キャリアの移動を行わせるための層)を形成すれば良
い。例えば、本実施形態では低分子系有機発光材料を発
光層として用いる例を示したが、中分子系有機発光材料
や高分子系有機発光材料を用いても良い。なお、本明細
書中において、昇華性を有さず、かつ、分子数が20以
下または連鎖する分子の長さが10μm以下の有機発光
材料を中分子系有機発光材料とする。また、高分子系有
機発光材料を用いる例として、正孔注入層として20n
mのポリチオフェン(PEDOT)膜をスピン塗布法に
より設け、その上に発光層として100nm程度のパラ
フェニレンビニレン(PPV)膜を設けた積層構造とし
ても良い。なお、PPVのπ共役系高分子を用いると、
赤色から青色まで発光波長を選択できる。また、電荷輸
送層や電荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用いる
ことも可能である。これらの有機発光材料や無機材料は
公知の材料を用いることができる。
【0125】次に、発光層713の上には導電膜からな
る陰極714が設けられる。本実施例の場合、導電膜と
してアルミニウムとリチウムとの合金膜を用いる。勿
論、公知のMgAg膜(マグネシウムと銀との合金膜)
を用いても良い。陰極材料としては、周期表の1族もし
くは2族に属する元素からなる導電膜もしくはそれらの
元素を添加した導電膜を用いれば良い。
【0126】この陰極714まで形成された時点で発光
素子715が完成する。なお、ここでいう発光素子71
5は、画素電極(陽極)711、発光層713及び陰極
714で形成されたダイオードを指す。
【0127】発光素子715を完全に覆うようにしてパ
ッシベーション膜716を設けることは有効である。パ
ッシベーション膜716としては、炭素膜、窒化珪素膜
もしくは窒化酸化珪素膜を含む絶縁膜からなり、該絶縁
膜を単層もしくは組み合わせた積層で用いる。
【0128】この際、カバレッジの良い膜をパッシベー
ション膜として用いることが好ましく、炭素膜、特にD
LC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を用いることは
有効である。DLC膜は室温から100℃以下の温度範
囲で成膜可能であるため、耐熱性の低い発光層713の
上方にも容易に成膜することができる。また、DLC膜
は酸素に対するブロッキング効果が高く、発光層713
の酸化を抑制することが可能である。そのため、この後
に続く封止工程を行う間に発光層713が酸化するとい
った問題を防止できる。
【0129】さらに、パッシベーション膜716上に封
止材907を設け、カバー材901を貼り合わせる。封
止材907としては紫外線硬化樹脂を用いれば良く、内
部に吸湿効果を有する物質もしくは酸化防止効果を有す
る物質を設けることは有効である。また、本実施例にお
いてカバー材901はガラス基板や石英基板やプラスチ
ック基板(プラスチックフィルムも含む)の両面に炭素
膜(好ましくはダイヤモンドライクカーボン膜)を形成
したものを用いる。
【0130】こうして図10に示すような構造の発光装
置が完成する。なお、バンク712を形成した後、パッ
シベーション膜716を形成するまでの工程をマルチチ
ャンバー方式(またはインライン方式)の成膜装置を用
いて、大気解放せずに連続的に処理することは有効であ
る。また、さらに発展させてカバー材901を貼り合わ
せる工程までを大気解放せずに連続的に処理することも
可能である。
【0131】こうして、基板にnチャネル型TFT60
1、pチャネル型TFT602、スイッチングTFT
(nチャネル型TFT)603および電流制御TFT
(pチャネル型TFT)604が形成される。ここまで
の製造工程で必要としたマスク数は、一般的なアクティ
ブマトリクス型発光装置よりも少ない。
【0132】即ち、TFTの製造工程が大幅に簡略化さ
れており、歩留まりの向上および製造コストの低減が実
現できる。
【0133】さらに、図10において、ゲート電極に絶
縁膜を介して重なる不純物領域を設ける場合には、ホッ
トキャリア効果に起因する劣化に強いnチャネル型TF
Tを形成することができる。そのため、信頼性の高い発
光装置を実現できる。
【0134】また、本実施例では画素部と駆動回路の構
成のみ示しているが、本実施例の製造工程に従えば、そ
の他にも信号分割回路、D/Aコンバータ、オペアン
プ、γ補正回路などの論理回路を同一の絶縁体上に形成
可能であり、さらにはメモリやマイクロプロセッサをも
形成しうる。
【0135】さらに、発光素子を保護するための封止
(または封入)工程まで行った後の本実施例の発光装置
について図11を用いて説明する。なお、必要に応じて
図10で用いた符号を引用する。
【0136】図11(A)は、発光素子の封止までを行
った状態を示す上面図、図11(B)は図11(A)を
C−C’で切断した断面図である。点線で示された80
1はソース側駆動回路、806は画素部、807はゲー
ト側駆動回路である。また、901はカバー材、902
は第1シール材、903は第2シール材であり、第1シ
ール材902で囲まれた内側には封止材907が設けら
れる。
【0137】なお、904はソース側駆動回路801及
びゲート側駆動回路807に入力される信号を伝送する
ための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキ
シブルプリントサーキット)905からビデオ信号やク
ロック信号を受け取る。なお、ここではFPCしか図示
されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(P
WB)が取り付けられていても良い。本明細書における
発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPC
もしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとす
る。
【0138】次に、断面構造について図11(B)を用
いて説明する。基板700の上方には画素部806、ゲ
ート側駆動回路807が形成されており、画素部806
は電流制御TFT604とそのドレインに電気的に接続
された画素電極711を含む複数の画素により形成され
る。また、ゲート側駆動回路807はnチャネル型TF
T601とpチャネル型TFT602とを組み合わせた
CMOS回路(図10参照)を用いて形成される。
【0139】画素電極711は発光素子の陽極として機
能する。また、画素電極711の両端にはバンク712
が形成され、画素電極711上には発光層713および
発光素子の陰極714が形成される。
【0140】陰極714は全画素に共通の配線としても
機能し、接続配線904を経由してFPC905に電気
的に接続されている。さらに、画素部806及びゲート
側駆動回路807に含まれる素子は全て陰極714およ
びパッシベーション膜716で覆われている。
【0141】また、第1シール材902によりカバー材
901が貼り合わされている。なお、カバー材901と
発光素子との間隔を確保するために樹脂膜からなるスペ
ーサを設けても良い。そして、第1シール材902の内
側には封止材907が充填されている。なお、第1シー
ル材902、封止材907としてはエポキシ系樹脂を用
いるのが好ましい。また、第1シール材902はできる
だけ水分や酸素を透過しない材料であることが望まし
い。さらに、封止材907の内部に吸湿効果をもつ物質
や酸化防止効果をもつ物質を含有させても良い。
【0142】発光素子を覆うようにして設けられた封止
材907はカバー材901を接着するための接着剤とし
ても機能する。また、本実施例ではカバー材901を構
成するプラスチック基板901の材料としてFRP(Fi
berglass-Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニル
フロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル
を用いることができる。
【0143】また、封止材907を用いてカバー材90
1を接着した後、封止材907の側面(露呈面)を覆う
ように第2シール材903を設ける。第2シール材90
3は第1シール材902と同じ材料を用いることができ
る。
【0144】以上のような構造で発光素子を封止材90
7に封入することにより、発光素子を外部から完全に遮
断することができ、外部から水分や酸素等の発光層の酸
化による劣化を促す物質が侵入することを防ぐことがで
きる。従って、信頼性の高い発光装置が得られる。
【0145】また、このようにして作製される発光装置
は、活性領域、特にチャネル形成領域に含まれうるグレ
インの数が平均化されているTFTを用いて作製されて
いる。そのため、電気的特性のばらつきを低減し、各種
半導体装置の表示部として用いたときに、表示むらを抑
えることを可能とする。
【0146】[実施例7]本発明を適用して、様々な電
気光学装置(アクティブマトリクス型液晶表示装置、ア
クティブマトリクス型発光装置、アクティブマトリクス
型EC表示装置)を作製することができる。即ち、それ
ら電気光学装置を表示部に組み込んだ電子機器全てに本
発明を実施できる。
【0147】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、プロジェクター、ヘッドマウント
ディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲ
ーション、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携
帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電
子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図12、
図13及び図14に示す。
【0148】図12(A)はパーソナルコンピュータで
あり、本体3001、画像入力部3002、表示部30
03、キーボード3004等を含む。本発明を表示部3
003に適用することができる。
【0149】図12(B)はビデオカメラであり、本体
3101、表示部3102、音声入力部3103、操作
スイッチ3104、バッテリー3105、受像部310
6等を含む。本発明を表示部3102に適用することが
できる。
【0150】図12(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体3201、カメラ部
3202、受像部2203、操作スイッチ3204、表
示部3205等を含む。本発明は表示部3205に適用
できる。
【0151】図12(D)はゴーグル型ディスプレイで
あり、本体3301、表示部3302、アーム部330
3等を含む。本発明は表示部3302に適用することが
できる。
【0152】図12(E)はプログラムを記録した記録
媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレイヤーであ
り、本体3401、表示部3402、スピーカ部340
3、記録媒体3404、操作スイッチ3405等を含
む。なお、このプレイヤーは記録媒体としてDVD(D
igtial Versatile Disc)、CD
等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネッ
トを行うことができる。本発明は表示部3402に適用
することができる。
【0153】図12(F)はデジタルカメラであり、本
体3501、表示部3502、接眼部3503、操作ス
イッチ3504、受像部(図示しない)等を含む。本発
明を表示部3502に適用することができる。
【0154】図13(A)はフロント型プロジェクター
であり、投射装置3601、スクリーン3602等を含
む。本発明は投射装置3601の一部を構成する液晶表
示装置3808やその他の駆動回路に適用することがで
きる。
【0155】図13(B)はリア型プロジェクターであ
り、本体3701、投射装置3702、ミラー370
3、スクリーン3704等を含む。本発明は投射装置3
702の一部を構成する液晶表示装置3808やその他
の駆動回路に適用することができる。
【0156】なお、図13(C)は、図13(A)及び
図13(B)中における投射装置3601、3702の
構造の一例を示した図である。投射装置3601、37
02は、光源光学系3801、ミラー3802、380
4〜3806、ダイクロイックミラー3803、プリズ
ム3807、液晶表示装置3808、位相差板380
9、投射光学系3810で構成される。投射光学系38
10は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施
例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単
板式であってもよい。また、図13(C)中において矢
印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機
能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィル
ム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0157】また、図13(D)は、図13(C)中に
おける光源光学系3801の構造の一例を示した図であ
る。本実施例では、光源光学系3801は、リフレクタ
ー3811、光源3812、レンズアレイ3813、3
814、偏光変換素子3815、集光レンズ3816で
構成される。なお、図13(D)に示した光源光学系は
一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に
実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィル
ムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光
学系を設けてもよい。
【0158】ただし、図13に示したプロジェクターに
おいては、透過型の電気光学装置を用いた場合を示して
おり、反射型の電気光学装置及び発光装置での適用例は
図示していない。
【0159】図14(A)は携帯電話であり、本体39
01、音声出力部3902、音声入力部3903、表示
部3904、操作スイッチ3905、アンテナ3906
等を含む。本発明を表示部3904に適用することがで
きる。
【0160】図14(B)は携帯書籍(電子書籍)であ
り、本体4001、表示部4002、4003、記憶媒
体4004、操作スイッチ4005、アンテナ4006
等を含む。本発明は表示部4002、4003に適用す
ることができる。
【0161】図14(C)はディスプレイであり、本体
4101、支持台4102、表示部4103等を含む。
本発明は表示部4103に適用することができる。本発
明のディスプレイは特に大画面化した場合において有利
であり、対角10インチ以上(特に30インチ以上)の
ディスプレイには有利である。
【0162】以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広
く、さまざまな分野の電子機器に適用することが可能で
ある。また、本実施例の電子機器は実施例1〜4または
5のどのような組み合わせからなる構成を用いても実現
することができる。
【0163】
【発明の効果】本発明の構成を採用することにより、以
下に示すような基本的有意性を得ることが出来る。 (a)従来のTFTの作製プロセスに適合した、簡単な
方法である。 (b)結晶核の生成密度を制御することができる。 (c)以上の利点を満たした上で、良好な結晶性を有す
る結晶質半導体膜を形成することができ、その結晶質半
導体膜を用いれば、電気的特性の優れたTFTを作製で
きる。また、各種半導体装置の表示部として用いれば、
表示むらを抑えることも可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が開示する構成の一例を示す図。
【図2】 本発明が開示する構成の一例を示す図。
【図3】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を
示す断面図。
【図4】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を
示す断面図。
【図5】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を
示す断面図。
【図6】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を
示す断面図。
【図7】 画素TFTの構成を示す上面図。
【図8】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を
示す断面図。
【図9】 アクティブマトリクス型液晶表示装置の作製
工程を示す断面図。
【図10】 発光装置の駆動回路及び画素部の断面構造
図。
【図11】 (A)発光装置の上面図。 (B)発光装置の駆動回路及び画素部の断面構造図。
【図12】 半導体装置の例を示す図。
【図13】 半導体装置の例を示す図。
【図14】 半導体装置の例を示す図。
【図15】 熱処理前後での応力の変化の例を示す図。
【図16】 金属元素を用いた結晶化法により形成され
るグレインの例を示す図。
【図17】 圧縮応力および引っ張り応力を説明する
図。
【図18】 (A)グレインの大きさとS値との関係の
例を示す図。 (B)グレインの大きさと移動度との関係の例を示す
図。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 JA24 JA28 JA34 JA49 KA04 KA05 KA10 MA07 MA27 NA01 NA11 NA13 NA21 NA24 NA29 5F052 AA02 AA17 AA24 BA02 BA07 BB02 BB07 CA07 DA02 DA03 DB02 DB03 DB07 EA12 EA15 EA16 FA06 JA01 5F110 AA30 BB02 BB04 CC02 DD01 DD02 DD03 DD05 DD11 DD12 DD13 DD14 DD15 DD17 EE01 EE02 EE03 EE04 EE06 EE09 EE14 EE28 EE30 EE44 EE45 FF02 FF04 FF09 FF28 FF30 FF36 GG01 GG02 GG13 GG16 GG25 GG32 GG43 GG45 GG47 GG60 HJ01 HJ04 HJ12 HJ13 HJ23 HL04 HL06 HL11 HM15 NN03 NN04 NN22 NN27 NN34 NN35 NN42 NN44 NN45 NN46 NN47 NN72 NN73 PP01 PP02 PP03 PP05 PP06 PP10 PP13 PP29 PP34 PP36 PP38 QQ11 QQ23 QQ24 QQ25 QQ28

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の温度で絶縁膜を形成し、前記絶縁
    膜上に第2の温度で半導体膜を形成し、前記半導体膜に
    金属元素を添加し、前記金属元素が添加された前記半導
    体膜に第3の温度で熱処理を行って結晶質半導体膜を形
    成する半導体装置の作製方法であって、前記第3の温度
    は前記第1の温度および前記第2の温度より高いことを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 【請求項2】 第1の温度で絶縁膜を形成し、前記絶縁
    膜上に第2の温度で半導体膜を形成し、前記半導体膜に
    金属元素を添加し、前記金属元素が添加された前記半導
    体膜に第3の温度で熱処理を行って結晶質半導体膜を形
    成する半導体装置の作製方法であって、前記第3の温度
    を、前記第1の温度および前記第2の温度より高くする
    ことにより、前記絶縁膜の応力を増大させることを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  3. 【請求項3】 第1の温度で絶縁膜を形成し、前記絶縁
    膜上に第2の温度で半導体膜を形成し、前記半導体膜に
    金属元素を添加し、前記金属元素が添加された前記半導
    体膜に第3の温度で熱処理を行うことにより、前記絶縁
    膜の応力を増大させて結晶核の生成密度が増加された結
    晶質半導体膜を形成する半導体装置の作製方法であっ
    て、前記第3の温度は、前記第1の温度および前記第2
    の温度より高いことを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
  4. 【請求項4】 第1の温度で第1の絶縁膜を形成し、前
    記第1の絶縁膜上に第2の温度で第2の絶縁膜を形成
    し、前記第2の絶縁膜上に第3の温度で半導体膜を形成
    し、前記半導体膜に金属元素を添加し、前記金属元素が
    添加された前記半導体膜に第4の温度で熱処理を行って
    結晶質半導体膜を形成する半導体装置の作製方法であっ
    て、前記第1の温度は、前記第4の温度より高く、前記
    第4の温度を、前記第2の温度および前記第3の温度よ
    り高いことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】 第1の温度で第1の絶縁膜を形成し、前
    記第1の絶縁膜上に第2の温度で第2の絶縁膜を形成
    し、前記第2の絶縁膜上に第3の温度で半導体膜を形成
    し、前記半導体膜に金属元素を添加し、前記金属元素が
    添加された前記半導体膜に第4の温度で熱処理を行って
    結晶質半導体膜を形成する半導体装置の作製方法であっ
    て、前記第1の温度は、前記第4の温度より高く、前記
    第4の温度を、前記第2の温度および前記第3の温度よ
    り高くすることにより、前記第2の絶縁膜の応力を増大
    させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】 第1の温度で第1の絶縁膜を形成し、前
    記第1の絶縁膜上に第2の温度で第2の絶縁膜を形成
    し、前記第2の絶縁膜上に第3の温度で半導体膜を形成
    し、前記半導体膜に金属元素を添加し、前記金属元素が
    添加された前記半導体膜に第4の温度で熱処理を行うこ
    とにより、前記第2の絶縁膜の応力を増大させて結晶核
    の生成密度が増加された結晶質半導体膜を形成する半導
    体装置の作製方法であって、前記第1の温度は、前記第
    4の温度より高く、前記第4の温度は、前記第2の温度
    および前記第3の温度より高いことを特徴とする半導体
    装置の作製方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか一項におい
    て、前記半導体膜は、珪素を主成分とすることを特徴と
    する半導体装置の作製方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか一項におい
    て、前記半導体膜は、LPCVD法により成膜すること
    を特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至6のいずれか一項におい
    て、前記結晶質半導体膜に形成されるグレインのサイズ
    は、20〜60μmとなることを特徴とする半導体装置
    の作製方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至3のいずれか一項におい
    て、前記絶縁膜は、窒素を含む膜とすることを特徴とす
    る半導体装置の作製方法。
  11. 【請求項11】 請求項4乃至6のいずれか一項におい
    て、前記第2の絶縁膜は、窒素を含む膜とすることを特
    徴とする半導体装置の作製方法。
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JP2016021503A (ja) * 2014-07-15 2016-02-04 独立行政法人国立高等専門学校機構 ゲルマニウム層付き基板の製造方法及びゲルマニウム層付き基板

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