JP2002373567A - ヒューズおよびヒューズホルダ - Google Patents

ヒューズおよびヒューズホルダ

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JP2002373567A JP2001180469A JP2001180469A JP2002373567A JP 2002373567 A JP2002373567 A JP 2002373567A JP 2001180469 A JP2001180469 A JP 2001180469A JP 2001180469 A JP2001180469 A JP 2001180469A JP 2002373567 A JP2002373567 A JP 2002373567A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車などの電気配線に接続されたヒューズ
を保護し、水などの浸入に起因される誤作動の発生を起
こり難くし、ヒューズの点検または交換時にショート発
生の危険性を減らす。 【解決手段】 ヒューズ10において、ヒューズ本体の略
中間部に水切り用の絶縁部20を設けた。ヒューズ10が取
付けられるための収容部および開口部が形成されたホル
ダ本体300Dと、ホルダ本体300Dに対応し開口部を閉じて
ヒューズ10を保護するためのカバー400Dとを備えるヒュ
ーズホルダ200Dに次の工夫を施した。ホルダ本体300Dの
収容部内に、水によるヒューズの誤作動を防止し且つ金
属製工具による電気的な短絡を防止するためのリブ327D
を設けた。ホルダ本体300Dに一対の電線導入部330Dを設
け、一対の電線導入部330Dに水切り用リブ344 と水抜き
孔347 とを設けた。ホルダ本体300Dの底壁312Dに水抜き
孔328Dを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に自動車などに
用いられるヒューズを保護し、ヒューズに誤作動などが
発生し難いように改良されたヒューズホルダに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】大電流用のヒューズボックスとして、図
19および図20に示すものが知られている。図19
は、従来のヒューズボックスを示す斜視図であり、図2
0は、従来のヒューズボックスにヒューズを組込んだ状
態を示した斜視図である。
【0003】図19および図20において、符号300
Xは上面が開口した長方形状のボックス本体を示したも
のである。図20の如く、このボックス本体300Xの
内部に、200アンペア(A)級の大電流用のヒューズ
10Xが収容される。大電流用のヒューズ10Xは、太
い棒状の本体12Xの両端に、板状の矩形の端子(以
下、ヒューズ端子という)30X、30Xが形成された
ものであり、各端子30Xにボルト通し孔が設けられて
いる。
【0004】ボックス本体300Xの内部には、ヒュー
ズ10Xを略水平な姿勢でボックス本体300X内に収
容した際に、両端のヒューズ端子30X、30Xを受け
る受台350Xが一対ほど設けられている。受台350
Xはボックス本体300Xの底面から立設され、ヒュー
ズ10Xをある高さに保持できるように形成されたもの
である。また、受台350Xは、ボックス本体300X
の長手方向に所定の間隔すなわちヒューズ10Xの本体
12Xを収容できるスペースをおいて配置されている。
ヒューズ10Xと略平行な関係にあるボックス本体30
0Xの側壁323Xに、受台350Xの上面部分に対応
した2つの横孔340Xが設けられている。これら横孔
340Xは、受台350X上に載せたヒューズ10Xの
端子30Xに接続する電線端子40Xを挿入するための
ものである。また、受台350Xには、上向きにネジ部
を立設させた状態で、ボルト70Xがインサート成形さ
れている。
【0005】このヒューズボックスにおいてヒューズ1
0Xと電線50Xとを接続する場合は、図20の如く、
ヒューズ10Xをボックス本体300X内に収容し、ヒ
ューズ端子30Xのボルト通し孔をボルト70Xに嵌め
て、受台350X上にヒューズ端子30Xを載せる。次
いで、電線50Xの先端に加締められた丸形端子40X
すなわち電線端子40Xを、ボックス本体300Xの横
孔340Xからボックス本体300X内に挿入する。そ
して、電線端子40Xの孔をボルト70Xに嵌めて、電
線端子40Xをヒューズ端子30Xの上に重ねるように
して置く。このような状態で、図20の如く、座金90
Xを介してナット100Xをボルト70Xに締め付け
る。これにより、ボルト70Xによってヒューズ端子3
0Xと電線端子40Xが相互に結合され、且つ、これら
がボックス本体300Xに固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ヒューズボックスにあっては、図20の如く、電線50
Xを伝わって水がヒューズボックス本体300X内に浸
入すると、浸入した水は、ヒューズ10Xの一方の端子
30Xに伝わり、さらにヒューズ10Xのエレメント部
に関係したガラス管から他方の端子30Xにかけて、浸
入した水がヒューズ10Xの本体12Xの表面に付くこ
とが心配されていた。
【0007】このように、ヒューズ10Xの一方の端子
30Xから他方の端子30Xにかけて、ヒューズ10X
の本体12Xを介して連続した薄い水の層が形成される
と、ヒューズ10Xを構成する一方の端子30Xと他方
の端子30Xとの間は、前記薄い水の層を介して導通状
態となる。
【0008】このような導通状態になると異常電流が電
気回路(図示せず)に流れ、このような異常電流によっ
て、ヒューズ10Xが作動すると共にヒューズ10Xは
切れて、各種電気回路(図示せず)は異常電流から保護
されるように設計されている。
【0009】しかし、電線50Xを伝わって、ヒューズ
ボックス本体300X内に浸入した水が、切れたヒュー
ズ10Xの一方の端子30Xから他方の端子30Xにか
けて、切れたヒューズ10Xの本体12Xを介して、な
おも連続した薄い層として存在する限り、ヒューズ10
Xを構成する一方の端子30Xと他方の端子30Xとの
間は、前記薄い水の層を介して導通状態が続き、これに
起因したショート電流が各種電気回路に発生することと
なる。このようなショート電流は、図示しない各種電気
回路、電気部品、電気装置に悪影響を及ぼすこととな
り、これが問題となっていた。
【0010】また、図20の如く、ヒューズ切れが発生
した後に、切れたヒューズ10Xを新品のヒューズ10
Xに交換するためのメンテナンスを行う際に、スパナO
ESやドライバなどの金属製工具が、不用意に両方の電
線端子40Xに接触された場合、この金属製工具を介し
て一方の電線50Xから他方の電線50Xにかけて短絡
されたこととなり、これによりショート電流が流れ、ヒ
ューズボックスや、各種電気回路に電気的なショートが
発生することが問題となっていた。
【0011】本発明は、上記した点に鑑み、自動車など
の電気配線に接続されたヒューズを保護し、水などの浸
入に起因される誤作動の発生を起こり難くし、ヒューズ
の点検もしくは交換時に、ショート発生の危険性を減ら
したヒューズホルダおよびヒューズを提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載のヒューズは、端子と接触さ
れる一対の電気接触部と、一対の該電気接触部の間に形
成され、且つ、一対の該電気接触部間を絶縁するヒュー
ズ本体とから構成されるヒューズにおいて、前記ヒュー
ズ本体の略中間部に水切り用の絶縁部を設けたことを特
徴とする。上記構成により、ヒューズを構成する一対の
電気接触部よりヒューズ本体を介して水が伝わってきて
も、水切り用の絶縁部で水は下方に落ち易くなり、ヒュ
ーズの電気接触部間において、水に起因した電気的ショ
ートの発生は未然に防止されることとなる。また、ヒュ
ーズを構成する一対の電気接触部よりヒューズ本体を介
して水が伝わり、これによりヒューズが作動し、これが
切れた後であっても、水は絶縁部を伝わって下方に落ち
るから、ヒューズの電気接触部間でリーク電流が流れる
といった不具合の発生も未然に防止されることとなる。
これに伴って、ヒューズが接続された電気回路の誤作動
が無くなり、確実なヒューズ機能が発揮されることとな
る。また、ヒューズを構成するヒューズ本体の略中間部
に、水切り用の絶縁部が設けられたことにより、ヒュー
ズを構成する一対の電気接触部間の沿面距離が増加さ
れ、このことからも、放電などに関係した電気的ショー
トの発生は、一層、防止されることとなる。
【0013】また、請求項2記載のヒューズは、請求項
1記載のヒューズにおいて、前記絶縁部が、前記ヒュー
ズを構成する前記ヒューズ本体と別体の絶縁材料から形
成された円環状絶縁体であり、該円環状絶縁体の内径部
が該ヒューズ本体の外径部に圧入嵌合されて、該円環状
絶縁体は該ヒューズに取付けられたことを特徴とする。
上記構成により、円環状絶縁体はヒューズ本体に容易で
確実に取付けられることとなる。
【0014】また、請求項3記載のヒューズは、請求項
1又は2記載のヒューズにおいて、前記ヒューズを構成
する前記ヒューズ本体の両端に形成された一対の前記電
気接触部に対応して、該ヒューズを保持すると共に該ヒ
ューズをヒューズホルダに取付けるための一対の前記端
子が、該ヒューズに形成された一対の該電気接触部に取
付けられたことを特徴とする。上記構成により、ヒュー
ズはヒューズホルダ内に容易で迅速に組付け可能とな
る。
【0015】請求項4記載のヒューズホルダは、ヒュー
ズが取付けられるための収容部および開口部が形成され
たホルダ本体と、該ホルダ本体に対応し該開口部を閉じ
て該ヒューズを保護するためのカバーとを備え、該ホル
ダ本体の該収容部内に該ヒューズを固定するための一方
の取付部と他方の取付部とを設け、該一方の取付部と該
他方の取付部との間に、水による該ヒューズの誤作動を
防止し且つ金属製工具による電気的な短絡を防止するた
めのリブを設けたことを特徴とする。上記構成により、
ヒューズホルダ内に水が浸入しヒューズを介して水が伝
わってきても、リブにより水は下方に落ち易くなり、こ
のことから、水に起因したヒューズの電気的ショートの
発生は未然に防止されることとなる。また、ヒューズの
表面を介して水が伝わり、これによりヒューズが誤作動
し、これが切れた後であっても、水はリブを伝わって下
方に落ちるから、ヒューズの表面にリーク電流が流れる
といった不具合の発生も未然に防止されることとなる。
これに伴って、ヒューズが接続された電気回路の誤作動
が無くなり、確実なヒューズ機能が発揮されることとな
る。また、ヒューズ切れが発生した後に、切れたヒュー
ズを新品のヒューズに交換するためのメンテナンスを行
う際に、スパナやドライバなどの金属製工具が不用意に
正負の電極に接触された場合、その瞬間に金属製工具を
介して正負の電極は短絡されたこととなり、これにより
ショート電流が流れ、ヒューズボックスや、各種電気回
路に電気的なショートが発生することとなるが、ヒュー
ズホルダの所定部に電気的な短絡を防止するリブが設け
られてあるから、前記電気的なショートの発生は未然に
防止されることとなる。従って、ヒューズ交換を行うと
いったメンテナンスの際に、不用意に電気ショートが発
生されることはなく、ヒューズの取替え作業は安全に行
われることとなる。
【0016】また、請求項5記載のヒューズホルダは、
請求項4記載のヒューズホルダにおいて、前記ヒューズ
は筒形ヒューズであり、該筒形ヒューズに対応して、前
記ホルダ本体の前記リブにU字溝が形成されたことを特
徴とする。上記構成により、ヒューズホルダ内に浸入し
ヒューズの表面を伝わってきた水は、より一層、リブを
伝わって速やかに下方に流れ落ちることとなる。従っ
て、水に起因したヒューズの電気的ショートの発生や、
ヒューズの表面にリーク電流が流れるといった不具合の
発生は、一層、防止されることとなる。これにより、ヒ
ューズが接続された電気回路の誤作動が無くなり、確実
なヒューズ機能が発揮されることとなる。
【0017】また、請求項6記載のヒューズホルダは、
請求項4又は5記載のヒューズホルダにおいて、前記ホ
ルダ本体の前記リブは、該ホルダ本体の前記収容部内か
ら前記開口部を経て、該開口部よりも該ホルダ本体の外
側に向けて突出して形成されたことを特徴とする。上記
構成により、ヒューズ切れが発生した後に、切れたヒュ
ーズを新品のヒューズに交換するためのメンテナンスを
行う際に、例えば、ヒューズホルダの収容部内もしくは
開口部にスパナやドライバなどの金属製工具が不用意に
置かれて、金属製工具が電極に接触されるようなことが
あっても、リブがヒューズホルダのホルダ本体の収容部
内から開口部を経て、開口部よりもホルダ本体の外側に
向けて突出して形成されてあるから、金属製工具の一部
はリブによってヒューズホルダ上に支持されることとな
る。従って、金属製工具が正負の電極に接触して、その
瞬間に電気的なショートが発生してしまうといった不具
合の発生は未然に防止されることとなる。
【0018】請求項7記載のヒューズホルダは、ヒュー
ズが取付けられるための収容部および開口部が形成され
たホルダ本体と、該ホルダ本体に対応し該開口部を閉じ
て該ヒューズを保護するためのカバーとを備え、該ホル
ダ本体に一対の電線導入部を設け、一対の該電線導入部
に水切り用リブと水抜き孔とを設けたことを特徴とす
る。上記構成により、ヒューズホルダの電線導入部内に
浸入した水は、水切り用リブで遮られて、ヒューズホル
ダの収容部の奥まで入り難くなる。また、ヒューズホル
ダの電線導入部内に浸入した水は、水抜き孔を通ってヒ
ューズホルダの外部へと速やかに排出されることとな
り、ヒューズホルダ内に水が滞留されなくなる。これに
より、ヒューズが切れた後であっても、ヒューズホルダ
内に滞留した水によってヒューズの表面が水に濡れ、こ
のことから、ヒューズの表面にリーク電流が流れるとい
った不具合の発生は未然に防止されることとなる。これ
に伴って、ヒューズが接続された電気回路の誤作動が無
くなり、確実なヒューズ機能が発揮されることとなる。
また、ヒューズホルダに防水用のゴム部品やシール部材
などの密封部材を設ける必要性も無くなり、ヒューズホ
ルダの部品点数の削減化が達成され、結果としてヒュー
ズホルダのコストダウンが図られることとなる。
【0019】また、請求項8記載のヒューズホルダは、
請求項7記載のヒューズホルダにおいて、前記電線導入
部に圧着端子が加締められて取付けられた電線が備えら
れ、該圧着端子の電線接続部に対応して、該電線導入部
の前記水切り用リブにU字溝が形成されたことを特徴と
する。上記構成により、ヒューズホルダの電線導入部内
に浸入した水は、水切り用リブで遮られると共に速やか
に水切り用リブを伝わって下方に流れ落ちることとな
り、これにより水は、より一層、ヒューズホルダの収容
部の奥まで入り難くなる。そして、ヒューズホルダの電
線導入部内に電線を伝わって浸入した水は、水抜き孔を
通ってヒューズホルダの外部へと速やかに排出されるか
ら、ヒューズホルダ内に水が滞留され、これにより、ヒ
ューズホルダ内で電気的なショートの発生や、リーク電
流が流れるといった不具合の発生は未然に回避されるこ
ととなる。
【0020】また、請求項9記載のヒューズホルダは、
請求項7又は8記載のヒューズホルダにおいて、前記ホ
ルダ本体の前記水切り用リブに対応して、前記カバーの
内側に他の水切り用リブを設けたことを特徴とする。上
記構成により、ヒューズホルダの電線導入部内に浸入し
た水は、カバーの内側に設けられた他の水切り用リブに
よっても遮られることとなるから、より一層、ヒューズ
ホルダの収容部の奥にまで水は入り難くなる。従って、
ヒューズが接続された電気回路の誤作動が無くなり、確
実なヒューズ機能が発揮されることとなる。
【0021】請求項10記載のヒューズホルダは、ヒュ
ーズが取付けられるための収容部および開口部が形成さ
れたホルダ本体と、該ホルダ本体に対応し該開口部を閉
じて該ヒューズを保護するためのカバーとを備え、該ホ
ルダ本体の底壁に水抜き孔を設けたことを特徴とする。
上記構成により、ヒューズホルダの収容部の奥まで浸入
してきた水は、ヒューズホルダを構成するホルダ本体の
底壁に設けられた水抜き孔を通って、ヒューズホルダの
外部へと速やかに排出されることとなり、ヒューズホル
ダ内に水が滞留されなくなる。これにより、ヒューズが
切れた後であっても、ヒューズホルダ内に滞留した水に
よってヒューズの表面が水に濡れ、このことから、ヒュ
ーズの表面にリーク電流が流れるといった不具合の発生
は未然に防止されることとなる。これに伴って、ヒュー
ズが接続された電気回路の誤作動が無くなり、確実なヒ
ューズ機能が発揮されることとなる。また、ヒューズホ
ルダに防水用のゴム部品やシール部材などの密封部材を
設ける必要性も無くなり、ヒューズホルダの部品点数の
削減化が達成され、結果としてヒューズホルダのコスト
ダウンが図られることとなる。
【0022】また、請求項11記載のヒューズホルダ
は、請求項10記載のヒューズホルダにおいて、請求項
4〜9の何れか記載の構成を含むことを特徴とする。ま
た、請求項12記載のヒューズホルダは、請求項4〜1
1の何れか記載のヒューズホルダにおいて、請求項1〜
3の何れか記載のヒューズを組付けたことを特徴とす
る。上記構成により、ヒューズホルダ内に浸入した水に
よって、ヒューズに電気的なショートが生じたりリーク
電流が流れるといった不具合に対し、改良されたヒュー
ズホルダが提供されることとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係るヒューズおよ
びヒューズホルダの一実施形態について図面を用いて詳
細に説明する。
【0024】図1は、本発明に係るヒューズがヒューズ
ホルダに組付けられる際の一実施形態を示す分解斜視
図、図2は、ヒューズホルダを示す斜視図、図3は、図
1のA−A断面図である。また、図4(a)は、端子を
示す斜視図、図4(b)は、ヒューズを示す斜視図、図
4(c)は、円環状絶縁体を示す斜視図、図4(d)
は、絶縁部を備えるヒューズに端子が取付けられた状態
を示す斜視図である。また、図5(a)は、第1止具を
示す斜視図、図5(b)は、電線および電線端子を示す
斜視図、図5(c)は、第2止具を示す斜視図である。
【0025】図6は、本発明に係るヒューズホルダの第
1の実施形態を示す分解斜視図、図7は、同じくヒュー
ズホルダを示す斜視図、図8は、図6のB−B断面図、
図9は、ヒューズが組付けられたホルダ本体を示す縦断
面図、図10は、同じくヒューズが組付けられたホルダ
本体を示す縦断面図であり参考例である。
【0026】図11は、本発明に係るヒューズホルダの
第2の実施形態を示す分解斜視図、図12は、同じくヒ
ューズホルダを示す斜視図、図13は、図11のC−C
断面図である。図14は、図11のE−E断面図であ
り、便宜上、図16において、図11のE−E断面と同
位置の断面を示す説明図を兼ねたものである。また、図
15(a)は、ホルダ本体の電線導入部を示す拡大斜視
図、図15(b)は、カバーの電線導入部を示す拡大斜
視図である。
【0027】また、図16は、本発明に係るヒューズホ
ルダの第3の実施形態を示す分解斜視図、図17は、同
じくヒューズホルダを示す斜視図、図18は、図16の
D−D断面図である。
【0028】各図を基にヒューズホルダおよびヒューズ
の各方向について説明する。まず「上下」の定義につい
ては、図2,図7,図12,図17の如く、ヒューズホ
ルダ200A〜200Dを構成するホルダ本体300A
〜300Dの開口部311A〜311D側を上側とす
る。一方、図3,図8,図13,図18の如く、ヒュー
ズホルダ200A〜200Dを構成するホルダ本体30
0A〜300Dの底壁312A〜312D側を下側とす
る。この明細書中の「上下」とは、図3,図8,図1
3,図18に示される水平に配置されたヒューズホルダ
200A〜200Dの高さ方向を意味する。
【0029】また「前後」の定義は、図1,図6,図1
1,図16の如く、ヒューズホルダ200A〜200D
を構成するホルダ本体300A〜300Dに関し、一対
の電線導入部330A〜330Dが突出して形成された
側を前側もしくは手前側とする。一方、その反対側とし
て、図2,図7,図12,図17の如く、ヒューズホル
ダ200A〜200Dが他の基体(図示せず)へ取付け
られるために、ヒューズホルダ200A〜200Dを構
成するホルダ本体300A〜300Dに関し、固定部3
14が設けられた側を後側とする。
【0030】また「左右」の定義は、前記「上下」およ
び前記「前後」の定義に従い自ずと決定される。この明
細書中の「左右」とは、図1,図6,図11,図16の
如く、水平に配置されたヒューズホルダ200A〜20
0Dを構成するホルダ本体300A〜300Dに関し、
一方の電線導入部330A〜330Dから他方の電線導
入部330A〜330Dに向けた方向を指し、ヒューズ
ホルダ200A〜200Dの幅方向を意味する。
【0031】なお、この明細書における「上下」、「前
後」、「左右」の定義は、各部を説明する上で、便宜
上、定義されたものであり、必ずしもヒューズホルダ2
00A〜200Dもしくはヒューズ10の実使用時の方
向と一致するものではない。
【0032】ヒューズについて説明すると、ヒューズは
配線回路中に取付けられ、過大電流が流れた場合に速や
かに溶断されて機器の損傷を防ぐ回路保護部品であり、
一般に、大電流回路に使用されるものと、小電流回路に
使用されるものとに分けられる。
【0033】ヒューズの種類として、例えば、大電流ヒ
ューズ(20A〜120A)、ブレード型ヒューズ(3
0A以下)というように分類されたものが挙げられる。
また、大電流ヒューズの中で30A〜40A前後のもの
は、中電流ヒューズと呼ばれることもある。このような
中電流用ヒューズは、従来の大電流ヒューズよりも小型
化をねらったヒュージブルリンクである。ヒューズの種
類について具体的に説明すると、大電流用の刃形端子付
き筒形ヒューズ、栓形ヒューズ、小電流用の筒形ヒュー
ズ、管形ヒューズ、つめ付きヒューズ、その他の特殊な
ヒューズなど、異なる仕様・用途により各種のものが挙
げられる。
【0034】ヒューズは電気抵抗の熱によって溶断され
るものであるから、ヒューズ内に設けられた導体部分
は、所定の電流が流れる際には溶断されずに通電され、
過大電流が流れた際に溶ける材料が用いられる。そのよ
うな材料として、亜鉛、鉛、すず、これらを主成分とす
る合金などが挙げられる。
【0035】また、筒形ヒューズとして配線用筒形ヒュ
ーズが挙げられ、配線用筒形ヒューズは、JIS C
8314,JIS C 8352などにより各仕様が定
められたものである。そのような配線用筒形ヒューズの
種類を列記すると、CF形,CK形,CHK形,CB
形,CBE形,CL形,CLE形,CKD形ヒューズリ
ンクなどが挙げられる。
【0036】以下に、ヒューズホルダ200A〜200
Dに組付けられるヒューズ10について説明する。図4
の如く、本発明に用いられる一実施形態の配線用筒形ヒ
ューズ10は、筒形ヒューズ10を保持するために用い
られるヒューズ端子30と接触されるための一対の電気
接触部11と、この一対の電気接触部11の間に形成さ
れ、且つ、一対の電気接触部11間を絶縁するガラス製
のヒューズ本体12とから構成された管ヒューズ10で
ある。そして、このような管ヒューズ10において、ヒ
ューズ本体12の略中間部に水切り用の絶縁部20が設
けられている。この絶縁部20はヒューズ本体12に一
体に形成された水切り用リブであってもよい。
【0037】このように、筒形ヒューズ10を構成する
ヒューズ本体12の略中間部に水切り用の絶縁部20が
設けられてあれば、筒形ヒューズ10を構成する一対の
電気接触部11よりヒューズ本体12を介して水が伝わ
ってきても、水切り用の絶縁部20で水は下方に落ち易
くなり、筒形ヒューズ10の電気接触部11間におい
て、水に起因した電気的ショートの発生は未然に防止さ
れることとなる。
【0038】また、筒形ヒューズ10を構成する一対の
電気接触部11よりヒューズ本体12を介して水が伝わ
り、これにより筒形ヒューズ10が作動して、この筒形
ヒューズ10が切れた後であっても、水はヒューズ本体
12の略中間部に設けられた絶縁部20を伝わって下方
に落ちるから、筒形ヒューズ10の電気接触部11間で
リーク電流が流れるといった不具合の発生も未然に防止
されることとなる。そして筒形ヒューズ10が接続され
た電気回路の誤作動が無くなり、確実なヒューズ機能が
発揮されることとなる。
【0039】また、筒形ヒューズ10を構成するヒュー
ズ本体12の略中間部に、水切り用の絶縁部20が設け
られたことにより、筒形ヒューズ10を構成する一対の
電気接触部11間の沿面距離が増加され、このことから
も、放電などに関係した電気的ショートの発生は、一
層、防止されることとなる。
【0040】前述した筒形ヒューズ10の絶縁部20に
ついて詳しく説明する。図4(c)の如く、この絶縁部
20は、筒形ヒューズ10を構成するヒューズ本体12
と別体の絶縁材料から形成された円環状絶縁体20とな
っている。
【0041】この円環状絶縁体20は、内径部23と、
外径部22と、前記内径部23と前記外径部22とを結
ぶ2つの側面部21とから形成された終端部の存在しな
いエンドレスリングとなっている。円環状絶縁体20と
して具体的なものを例示すると、ゴム製Oリング、樹脂
製リングなどが挙げられる。
【0042】このような円環状絶縁体20の内径部23
が、筒形ヒューズ10を構成するヒューズ本体12の外
径部13に圧入嵌合されて、円環状絶縁体20は筒形ヒ
ューズ10に取付けられている。このようにすれば、円
環状絶縁体20を筒形ヒューズ10のヒューズ本体12
に、容易で確実に取付けることができる。
【0043】前記筒形ヒューズ10の両端に取付けられ
るヒューズ端子30について、図4(a)および図4
(d)を用いて説明する。ヒューズ端子30は、まず、
金属製板材に打抜き加工が施されて端子金具素材が形成
され、次に、この端子金具素材に折曲げ加工が施される
ことにより、所定の形状をしたヒューズ端子30として
形成される。このようにして各プレス加工が施されて形
成されたヒューズ端子30は、ヒューズ保持部31すな
わちヒューズ側接触部31と、電線端子側接触部35
と、前記ヒューズ側接触部31と前記電線端子側接触部
35とを結ぶ連結部38とから形成されている。
【0044】ヒューズ端子30のヒューズ側接触部31
は、一端に開口32が設けられ他端に側板部34が設け
られた筒状部33から形成されている。なお、ヒューズ
保持部31の符号34の部分は、側板が省略された他の
開口となっていてもよい。電線端子側接触部35は、平
板部36と、この平板部36に設けられた長孔形状の取
付孔37から形成されている。
【0045】ヒューズ側接触部31の一端に折曲げ部3
9aが設けられると共に金属製板材は連結片38へと続
き、電線端子側接触部35の一端に折曲げ部39bが設
けられると共に金属製板材は連結片38へと続いてい
る。このようにして、前記ヒューズ側接触部31と前記
電線端子側接触部35との間は、両者を結ぶように垂設
された連結片38により一体に繋げられてヒューズ端子
30が形成されている。
【0046】そして、図4の如く、筒形ヒューズ10を
構成するヒューズ本体12の両端に形成された一対の電
気接触部11に対応して、筒形ヒューズ10を保持する
と共に筒形ヒューズ10をヒューズホルダに取付けるた
めの一対の端子30すなわちヒューズ端子30が、筒形
ヒューズ10に形成された一対の電気接触部11に取付
けられる。このようにすれば、図1,図6,図11,図
16の如く、筒形ヒューズ10はヒューズホルダ200
A〜200Dに容易で迅速に組付け可能となる。
【0047】また、図4の如く、ヒューズ端子30の平
板部36に設けられた取付孔37を長孔形状とすること
で、図1,図6,図11,図16の如く、一対のヒュー
ズ端子30が両端に取付けられた筒形ヒューズ10を、
ヒューズホルダ200A,200B,200C,200
Dに組付ける際に、各部の寸法誤差や取付誤差などは長
孔形状をした取付孔37で吸収されることとなり、これ
により、筒形ヒューズ10はヒューズホルダ200A,
200B,200C,200D内に、より容易で迅速に
組付けられることとなる。
【0048】前記ヒューズ端子30と通電可能に接続さ
れる電線端子40について、図5(b)を用いて説明す
る。電線端子40は、まず、金属製板材に打抜き加工が
施されて端子金具素材が形成され、次に、この端子金具
素材に折曲げ加工が施されることにより、所定の形状を
した丸型端子40として形成される。このようにして各
プレス加工が施されて形成された丸型端子40は、取付
孔41が設けられた電気接触部42と、一対の導体圧着
片44および一対の被覆圧着片45とから形成された電
線接続部43とからなるものである。
【0049】上述したヒューズ端子30や圧着端子40
などの端子類の材質として、例えば、青銅、銅合金など
の銅系材料、アルミニウム合金などが挙げられる。本発
明に用いられるヒューズ端子30や圧着端子40などの
端子類として、通電機能を有する金属材料、その他に電
気を良好に通すことのできる導体であればいかなる材質
であってもよい。
【0050】また、耐食性を向上させるために、前記材
質にメッキなどの表面保護処理が施されたものであって
もよい。しかし通常使用される条件下で十分に性能を維
持できるのであれば、価格低減化の観点からも、そのよ
うな表面保護処理は省略されたものであることが好まし
い。このように、本発明のヒューズおよびヒューズホル
ダに用いられる端子類は、いかなる形態のものであって
もよい。
【0051】前記電線端子40が取付けられるケーブル
50などの電線50について、図5(b)を用いて詳し
く説明する。この明細書でいう電線とは、絶縁被覆体や
エナメル材などで保護された導体や、導体だけで他に被
覆されていない状態のものを含め、これらを総称して指
す。ケーブルについて簡単に説明すると、ケーブルは芯
線とも呼ばれ、図5(b)の如く、ケーブル50は絶縁
被覆体52やエナメル材などで保護された1本の導体5
1、又は、絶縁被覆体52やエナメル材などで保護され
た複数の導体51からなる。
【0052】ケーブル50などの絶縁被覆体52の材質
として、例えば軟質樹脂、ゴムなどが挙げられる。ワイ
ヤハーネスなどの組電線もしくは組配線は、主に、導体
51と絶縁被覆体52とから構成されるケーブル50
と、これを束ねるテープと、コネクタと、グロメットな
どを備え、自動車などに取付けられる際に必要な部位が
折曲げられて使用されるものである。
【0053】そのため導体51の材質は、通電性が良好
であるばかりでなく繰返しの折曲げにも耐えうるように
可撓性を有するものが好ましく、そのような金属線とし
て軟銅線などの銅系電線などが挙げられる。また、ケー
ブル50は複数の導体51が束ねられると共に適度にね
じられて、強度などに優れた芯線の状態となっている。
さらに、細いサイズが維持されつつ銅線などの金属線か
らなる導体の表面の絶縁性をより高くするために、エナ
メル材の被覆された導体がケーブルなどの電線に用いら
れてもよい。
【0054】そして、導体51を保護する絶縁被覆体5
2もまた、前記で説明したように繰返しの折曲げに耐え
うる性質を有する絶縁材料で形成されることが好まし
く、例えば可撓性の絶縁材料であることが望ましい。そ
のような材質として、例えば、塩化ビニル系ポリマー、
ポリエチレン系ポリマーなどの熱可塑性樹脂材もしくは
軟質樹脂材、ゴム材、又はこれらの混合材などが挙げら
れる。また必要に応じて絶縁材料に各種の充填材が添加
されてあってもよい。
【0055】これらの絶縁被覆材が例えば押出成形され
る際に、これと共にダイの押出孔の部分に銅線などの前
記導体が通されることにより、絶縁被覆体52と導体5
1とが複合化されてケーブル50などの電線50が構成
される。
【0056】図5(b)に示される如く、圧着端子40
の電線接続部43は、一対の導体圧着片44と、一対の
被覆圧着片45とから形成されている。そして、ケーブ
ル50等の電線50のうち、軟銅線などの銅系材料で形
成された導体51が圧着端子40に設けられた一対の導
体圧着片44によって加締められ、これにより圧着端子
40とケーブル50とは通電可能に接続されている。
又、ケーブル50を構成し、軟質樹脂材、ゴム材、又は
これらの混合材などから形成された絶縁被覆体52が、
圧着端子40に設けられた一対の被覆圧着片45によっ
て加締められている。このようにして丸型端子40は電
線50に確実に取付けられている。
【0057】前記ヒューズ端子30と電線端子40とを
固定するために用いられる第1止具60と、第2止具1
00とについて、図5(a)および図5(c)を用いて
詳しく説明する。図5(a)に示される第1止具60に
対応して、図5(c)の如く、第2止具100すなわち
雌ねじ100が用いられる。この第1止具60を構成す
るねじ70の雄ねじ部71に対応して、第2止具100
すなわち直方体をした角ナット100の本体102に雌
ねじ孔101が設けられている。第1止具60の雄ねじ
部71と、第2止具100の雌ねじ部101とが互いに
螺合されて両者は締結される。
【0058】また、図5(a)に示される如く、雄ねじ
70に、ばね座金80と、平座金90とが組付けられ
て、第1止具60が構成されている。ばね座金80の内
径寸法と、平座金90の内径寸法とは、ねじ70を形成
する雄ねじ部71の最大外径よりも小さい寸法に形成さ
れている。
【0059】このような寸法に設定すれば、ばね座金8
0もしくは平座金90の何れか一方、又は、ばね座金8
0と平座金90との両方が、雄ねじ70から分離されて
見失われてしまうといった不具合は発生しない。また、
第1止具60と第2止具100とを螺合して両者を締結
させる際に、ばね座金80と平座金90とが雄ねじ70
から分離されないから、ねじの締付け時に気をつかうこ
となく、容易で迅速にねじの締付作業を行うことができ
る。従って取扱いに優れた螺合部品とすることができ
る。
【0060】雄ねじ70の頭部72は、スパナもしくは
レンチなどの工具が用いられて、ナット100に対し
て、ねじ70が容易に締付けられたり緩められたりでき
るようにするために、角部に面取り部が設けられた六角
形状に形成されている。また、六角頭部72から雄ねじ
部71が突出して形成されたねじ70は、十字ねじ回
し、いわゆるプラスドライバなどの締付工具を用いて容
易に回せるようにするために、雄ねじ部71が突出され
た側と反対側の六角頭部72の平面部に十字穴73が形
成されている。
【0061】このように、雄ねじ70の頭部72を六角
形状とすると共に六角頭部72の平面部に十字穴73が
形成されてあれば、例えば、ヒューズを点検・交換する
作業者が、スパナもしくはレンチといった工具または十
字ねじ回しといった工具のうち、何れか一方の工具だけ
しか手持ちになく、このことから前記何れか一方の工具
だけを準備してヒューズの点検・交換作業に臨んだ場
合、不足の工具を探すようなこともなく、迅速に雄ねじ
70の緩め作業および締付作業を行うことができる。従
って、効率よく迅速にヒューズホルダに組付けられたヒ
ューズの点検・交換作業を行うことができる。
【0062】また、第1止具60を構成するばね座金8
0は、通し孔が設けられた本体81に切割り部82が形
成されると共に、この切割り部82は段違い形状となっ
ている。このばね座金80は、これの段違い部が押し潰
された際に、ばね座金80を形成する材料自身に復元弾
性力を発現するものである。
【0063】また、第1止具60を構成する平座金90
は、通し孔が設けられた円板状の平ワッシャ90であ
る。この平座金90は、第1止具60を第2止具100
に締め込む際に、締込作業が円滑に行われるようにする
ために第1止具に備えられたものである。また、第1止
具60を第2止具100に締め込む際に、前記ばね座金
80の段違い形状の切割り部82によって、電線端子4
0の電気接触部42が傷つけられ、電気的な接触不良な
どの不具合発生を未然に防止するために、平座金90は
第1止具に備えられている。
【0064】図3,図8,図13,図18の如く、第1
止具60と第2止具100との間に、ヒューズ端子30
と電線端子40とが挟み込まれて締結されることで、ヒ
ューズ端子30と電線端子40は確実に固定されると共
に通電可能に接続される。また、第1止具60と第2止
具100とは、互いに螺合され両者は完全に締付けられ
た状態となっている。
【0065】そのような状態について詳しく説明する
と、前記ばね座金80の切割り部82の段違い部が完全
に押し潰されてあるから、ばね座金80自身に復元弾性
力が発現され、この復元弾性力が、第1止具60の雄ね
じ部71と、第2止具100の雌ねじ部101とに作用
して両者は強く締結されることとなる。
【0066】これにより、ヒューズ端子30と電線端子
40とは、第1止具60と第2止具100とによって確
実に固定されることとなる。また、第1止具60と第2
止具100とが強く締結され続けるから、例えば、激し
い振動などによって、第1止具60が第2止具100に
対して緩んでしまい、このことからヒューズ端子30と
電線端子40とに電気的な接触不良が生じてしまうとい
った不具合の発生は未然に防止され、ヒューズ端子30
と電線端子40とは、第1止具60と第2止具100と
により長期に亘って確実に接続される。
【0067】前記ヒューズ端子30が取付けられた前記
ヒューズ10と、前記電線50が接続された前記圧着端
子40と、これらを固定するために用いられる前記第1
止具60および前記第2止具100とが組付けられるヒ
ューズホルダ200A〜200Dについて、図1〜図3
と、図6〜図18とを用いて詳しく説明する。
【0068】また、各種ヒューズホルダ200A〜20
0Dの各部を示す符号について、同じ呼び名の符号に関
しては、それらに関する形状や構造に若干の違いがあっ
ても、ここでは便宜上、併せて説明されている。なお、
この明細書において、ヒューズホルダは、ヒューズボッ
クス、ヒューズブロック、ヒューズケースなどと呼んで
もよい。
【0069】図1〜図3と、図6〜図9と、図11〜図
18の如く、ヒューズホルダ200A〜200Dは、ヒ
ューズ10を雨水などから保護するためにヒューズ10
を収容するホルダ本体300A〜300Dと、このホル
ダ本体300A〜300Dに被せられて雨水などからヒ
ューズ10を保護する蓋400A〜400Dすなわちカ
バー400A〜400Dと、ホルダ本体300A〜30
0Dとカバー400A〜400Dとを一体に繋げる一対
の可撓連結片500とから形成されている。
【0070】ヒューズホルダ200A〜200Dを構成
するホルダ本体300A〜300Dについて説明する。
図2,図7,図12,図17に示されるヒューズ収容室
320A〜320Dと取付部350A〜350Dとの下
方に、図3,図8,図13,図18の如く、前記それぞ
れに対応した底壁322A〜322D,底壁354A〜
354Dが設けられている。これらの底壁322A〜3
22D,354A〜354Dは一体化されて、ヒューズ
ホルダ200A〜200Dを構成するホルダ本体300
A〜300Dの底壁312A〜312Dが形成されてい
る。
【0071】また、図2,図7,図12,図17に示さ
れる周壁313A〜313Dについて簡単に説明する
と、この周壁313A〜313Dは、前部側壁323A
〜323Dと、後部側壁325A〜325D,326A
〜326Dと、この後部側壁325A〜325D,32
6A〜326Dに挟まれ、固定部314に対応してヒュ
ーズ収容室320A〜320D内に向けて凹状に突出し
て形成された後部中央側壁324A〜324Dと、電線
導入部330A〜330Dを形成する各壁と、取付部3
50A〜350Dを形成する各壁(図3,図8,図1
3,図18)とから形成されたものである。
【0072】図2,図7,図12,図17の如く、ホル
ダ本体300A〜300Dを形成する周壁313A〜3
13Dの外側に、ヒューズホルダ200A〜200Dを
車輌などの他の基体(図示せず)に取付けるための固定
片314と、カバー400A〜400Dをホルダ本体3
00A〜300Dに取付ける際に用いられるヒンジ37
0と、カバー400A〜400Dとホルダ本体300A
〜300Dとが、容易で確実に開閉可能とされるために
用いられる雄ロック380とが設けられている。
【0073】固定片314の本体の後側に2段形状をし
た取付溝315が形成されている。また、ヒンジ370
は、側壁339から水平に突出されると共に直ぐに下側
に向けて形成された湾曲部371からなる。また、雄ロ
ック380として可撓係合片収容凹部381が形成さ
れ、この可撓係合片収容凹部381に係止突起(図示せ
ず)が設けられている。
【0074】また、ホルダ本体300A〜300Dの内
側に、ヒューズ収容部320A〜320Dと、一対の電
線導入部330A〜330Dと、一対の取付部350A
〜350Dとが形成された収容部310A〜310Dが
設けられている。この収容部310A〜310Dは、底
壁312A〜312D(図3,図8,図13,図18)
と、周壁313A〜313D(図2,図7,図12,図
17)とから形成されている。
【0075】また、図1,図6,図11,図16の如
く、ヒューズ端子30が取付けられたヒューズ10と、
電線50が接続された圧着端子40と、これらを固定す
るために用いられる第1止具60および第2止具100
とが、ホルダ本体300A〜300D内に容易に組付け
られるようにするために、ホルダ本体300A〜300
Dの収容部310A〜310Dの上側に、開口部311
A〜311Dが設けられている(図2,図7,図12,
図17)。
【0076】ヒューズホルダ200A〜200Dのホル
ダ本体300A〜300Dに形成された電線導入部33
0A〜330Dは、下壁332,333と、前部側壁3
34,335と、側壁336〜339とから、電線収容
部331A〜331Dが形成されたものである。
【0077】また、前部側壁334,335に略半円状
をした電線用開口部340が設けられている。ホルダ本
体300A〜300Dの電線導入部330A〜330D
を形成する前部側壁334,335に設けられた略半円
状の電線用開口部340は、カバー400A〜400D
の電線導入部430A〜430Dを形成する前部側壁4
34,435に設けられた略半円状の電線用開口部44
0に対応するものであり、2つの電線用開口部340,
440が合せられることで、略円筒状をした電線開口部
が構成される。
【0078】また、図2または図7の如く、ホルダ本体
300A,300Bの電線導入部330A,330Bを
形成する側壁336〜339の内側に、位置合せ用突出
部341,342が設けられている。この位置合せ用突
出部341,342は、ホルダ本体300A,300B
にカバー400A,400Bが被せられてヒューズホル
ダ200A,200Bが閉じられる際に、容易に両者の
位置合せが行われるようにするために形成されたもので
ある。
【0079】また、ホルダ本体300A,300B側の
電線導入部330A,330Bを形成する側壁337,
338に設けられた位置合せ用突出部342の間、すな
わち位置合せ用凹部343に、カバー400A,400
B側の電線導入部430A,430Bを形成する側壁4
37,438に設けられた位置合せ用突出部443が嵌
め合わされて、ホルダ本体300A,300Bにカバー
400A,400Bが正確に被せられる。このようにし
てヒューズホルダ200A,200Bはフィーリングよ
く確実に閉じられる。
【0080】また、図2,図7,図12,図17の如
く、ヒューズホルダ200A〜200Dを形成するホル
ダ本体300A〜300Dの収容部310A〜310D
内に、前記第1止具60および前記第2止具100(共
に図5参照)に対応した一対の取付部350A〜350
Dが形成されている。この取付部350A〜350D
は、図3,図8,図13,図18の如く、ヒューズ10
を保持する一対のヒューズ端子30の受台350A〜3
50Dを兼ねたものである。
【0081】図3,図8,図13,図18の如く、この
受台350A〜350Dすなわち取付部350A〜35
0Dは、底壁354A〜354Dと、隔壁355A〜3
55Dと、側壁356A〜356Dと、後部側壁358
A〜358Dと、前部側壁357A〜357D(図2,
図7,図12,図17)とに囲まれて、止具収容部35
1A〜351Dが形成され、止具収容部351A〜35
1Dの上側に開口部351A〜351Dが設けられてい
る。ここでは、便宜上、止具収容部351A〜351D
の符号と、開口部351A〜351Dの符号とを兼ねた
ものとして表示されている。
【0082】止具収容部351A〜351Dを形成する
底壁354A〜354Dは、ホルダ本体300A〜30
0Dの底壁312A〜312Dを兼ねたものである。ま
た、隔壁355A〜355Dは、ヒューズ収容部320
A〜320Dと止具収容部351A〜351Dとを区分
けするために設けられている。
【0083】また、図3,図8,図13,図18に示さ
れる側壁356A〜356Dと、後部側壁358A〜3
58Dと、前部側壁357A〜357D(図2,図7,
図12,図17)は、ホルダ本体300A〜300Dの
周壁313A〜313D(図2,図7,図12,図1
7)を兼ねたものである。
【0084】止具収容部351A〜351Dは、上側止
具収容部352A〜352Dと、下側止具収容部353
A〜353Dとからなる。上側止具収容部352A〜3
52Dは、直方体をした前記角ナット100の本体10
2(図5(c))に対応した形状をしたものであり、図
3,図8,図13,図18に示される如く、上側止具収
容部352A〜352Dに角ナット100が嵌め込まれ
る。
【0085】なお、ヒューズホルダ200A〜200D
を形成する際に、例えば射出成形法が用いられて、受台
350A〜350Dの上側止具収容部352A〜352
Dに角ナット100がインサート成形されて、ヒューズ
ホルダ200A〜200Dのホルダ本体300A〜30
0Dと角ナット100とが一体化されたものであっても
よい。
【0086】また、下側止具収容部353A〜353D
内において、前記角ナット100が載置される止具支持
用リブ362A〜362Dが、1ヶ所の下側止具収容部
353A〜353D内につき対向して一対ほど設けられ
ている。この下側止具収容部353A〜353D内に、
ねじ70を形成する雄ねじ部71(図5(a))が余裕
をもって入り込む(図3,図8,図13,図18)。
【0087】図2,図7,図12,図17の如く、受台
350A〜350Dの上側の後部側壁325A〜325
D,326A〜326D側に、端子案内・規制用突出部
361A〜361Dが設けられている。また、一対の受
台350A〜350Dよりも、ヒューズ収容室320A
〜320D側の後部側壁325A〜325D,326A
〜326Dに、段付の端子案内用突出部360A〜36
0Dが設けられている。
【0088】さらに、ヒューズ収容室320A〜320
D内において、後部側壁325A〜325D,326A
〜326Dに設けられた前記段付の端子案内用突出部3
60A〜360Dに対向して、前部側壁323A〜32
3Dの内側にも同形状をした段付の端子案内用突出部
(図示せず)が設けられている。
【0089】このように、端子案内用突出部360A〜
360Dまたは端子案内・規制用突出部361A〜36
1Dが、ホルダ本体300A〜300Dの前部側壁32
3A〜323Dおよび後部側壁325A〜325D,3
26A〜326Dの収容室310A〜310D側に設け
られてあるから、図1,図6,図11,図16の如く、
ヒューズ端子30が取付けられたヒューズ10をホルダ
本体300A〜300D内に組付ける際に、ヒューズ端
子30は、端子案内用突出部360A〜360Dまたは
端子案内・規制用突出部361A〜361Dにガイドさ
れつつ、受台350A〜350Dに組付けられた角ナッ
ト100の上に載置されることとなる。このようにし
て、ヒューズ端子30が取付けられたヒューズ10は、
ホルダ本体300A〜300D内に容易で迅速に位置決
めされつつ組付けられることとなる。
【0090】詳しく説明すると、ヒューズ端子30が取
付けられたヒューズ10をホルダ本体300A〜300
D内にセットするだけで、図4(a)に示されるヒュー
ズ端子30の取付孔37の中心と、図5(c)に示され
る角ナット100の雌ねじ孔101との中心が略一致さ
れる。従って、ヒューズ端子30と電線端子40とを、
第1止具60と第2止具100とを用いて接続すると共
にホルダ本体300A〜300Dに固定する際に、この
ような接続および固定作業は容易で迅速にしかも正確に
行われることとなる。
【0091】また、端子案内・規制用突出部361A〜
361Dは、図1,図6,図11,図16の如く、ヒュ
ーズ10を保持するヒューズ端子30が、ホルダ本体3
00A〜300D内に取付けられた角ナット100の上
に載置された後に、ヒューズ端子30の上にケーブル5
0が接続された電線端子40をセットするに際し、略中
空円板状に形成された電線端子40の電気接触部42
(図5(b))の円環状端部を、前記端子案内・規制用
突出部361A〜361D(図2,図7,図12,図1
7)に当接させつつ、ヒューズ端子30の上に前記電線
端子40をセットすれば、図5(b)に示される丸型端
子40の電気接触部42に設けられた取付孔41の中心
と、図5(c)に示される角ナット100の雌ねじ孔1
01との中心、及び、図4(a)に示されるヒューズ端
子30の取付孔37の中心とが略一致されることとな
る。
【0092】従って、ヒューズ端子30と電線端子40
とを、第1止具60と第2止具100とを用いて接続す
ると共にホルダ本体300A〜300Dに固定するに際
し、このような接続および固定作業は容易で迅速にしか
も正確に行われることとなる。
【0093】ヒューズホルダ200A〜200Dを構成
するカバー400A〜400Dについて説明する。図
2,図7,図12,図17に示される如く、カバー40
0A〜400Dは、天壁412A〜412Dと、周壁4
13A〜413Dとから収容部410A〜410Dが形
成されたものである。
【0094】周壁413A〜413Dについて簡単に説
明すると、この周壁413A〜413Dは、前部側壁4
23と、後部側壁425,426と、この後部側壁42
5,426に挟まれ、収容部410A〜410D内に向
けて凹状に突出して形成された後部中央側壁424と、
電線導入部430A〜430Dを形成する前部側壁43
4,435および各側壁436〜439とから形成され
たものである。
【0095】詳しく説明すると、ホルダ本体300A〜
300Dの後部中央側壁324A〜324Dの外側に設
けられた固定部314に対応して、カバー400A〜4
00Dの後部中央側壁424は略凹状に形成されると共
に、固定部用逃し溝414が設けられている。
【0096】また、ホルダ本体300A〜300Dの前
側に突出して設けられた一対の電線導入部330A〜3
30Dに対応して、カバー400A〜400Dの前側に
一対の電線導入部430A〜430Dが突出して設けら
れている。電線導入部430A〜430Dを形成する前
部側壁434,435に、略半円状をした電線用開口部
440が設けられている。
【0097】また、図2および図7と、図12および図
17に示される電線導入部330C,330D,430
C,430Dの拡大斜視図として示された図15の如
く、カバー400A〜400Dの電線導入部430A〜
430Dを形成する側壁437,438の内側に、位置
合せ用突出部443が設けられている。この位置合せ用
突出部443は、ホルダ本体300A〜300Dにカバ
ー400A〜400Dが被せられてヒューズホルダ20
0A〜200Dが閉じられる際に、容易に両者の位置合
せが行われるようにするために形成されたものである。
【0098】このように、カバー400A〜400Dの
電線導入部430A〜430Dを形成する側壁437,
438の内側に、一対の位置合せ用突出部443が設け
られてあれば、ヒューズホルダ200A,200Bはフ
ィーリングよく正確で迅速に閉じられることとなる。
【0099】また、カバー400A〜400Dの前部側
壁423の内側に、前部側壁423と平行であって、且
つ、カバー400A〜400Dの収容部410A〜41
0D内から、この収容部410A〜410Dよりも外側
に向けて、突出した前部案内用鍔461が設けられてい
る。
【0100】また、カバー400A〜400Dを形成す
る各側壁に関し、側壁436の雌ロック480近傍か
ら、後部側壁425および後部中央側壁424とを経
て、もう一方の後部側壁426に至るまで、これらの側
壁の内側に連続した後部案内用鍔460が設けられてい
る。
【0101】このように連続して形成された後部案内用
鍔460は、周壁413A〜413Dと平行であって、
且つ、カバー400A〜400Dの収容部410A〜4
10D内から、この収容部410A〜410Dよりも外
側に向けて突出して形成されたものである。
【0102】また、カバー400A〜400Dに設けら
れた前部案内用鍔461の突出高さと、後部案内用鍔4
60の突出高さと、前記一対の位置合せ用突出部443
の突出高さと、ホルダ本体300A,300Bに設けら
れた位置合せ用突出部341,342の突出高さとは、
略同じ寸法に設定されている。
【0103】このように、カバー400A〜400Dを
形成する周壁413A〜413Dの各部に、前部案内用
鍔461と、後部案内用鍔460とが設けられてあれ
ば、前述した位置合せ用突出部341,342,443
の効果も相俟って、ホルダ本体300A〜300Dやカ
バー400A〜400Dに成形によるソリや歪みなどと
いった多少の寸法狂いがあったとしても、ホルダ本体3
00A〜300Dにカバー400A〜400Dを簡単に
嵌め合せることが可能となる。これにより、ヒューズホ
ルダ200A,200Bはフィーリングよく正確で迅速
に閉じられることとなり、ヒューズの点検・交換作業
は、素早く簡単に行われることとなる。
【0104】また、ホルダ本体300A〜300Dの収
容部310A〜310D内に設けられた一対の取付部3
50A〜350Dに対応して、カバー400A〜400
Dの天壁412A〜412Dの内側に、肉盗み凹部45
1が設けられた円板状の止具検知部450が形成されて
いる。
【0105】この止具検知部450について詳しく説明
する。例えば、ヒューズホルダが開けられてヒューズの
取付・交換作業が行われる際に、図9または図10にお
いて、第1止具60が第2止具100に対して確実に螺
合されずに、甚だしく中途半端な状態で螺合された場
合、第1止具60は図示された位置よりも上側に位置す
ることとなる。
【0106】そのような中途半端なねじの締付状態でヒ
ューズ端子30と電線端子40とが接触され続けると、
振動などにより、ヒューズ端子30と電線端子40とが
確実に接触されずに、両者の間に電気的な接触不良が発
生されるものと懸念されていた。
【0107】例えば、図3,図8,図13,図14,図
18において、第1止具60が第2止具100に対して
確実に螺合されずに、甚だしく中途半端な状態で螺合さ
れた場合、第1止具60は図示された位置よりも上側に
位置することとなるが、そのような状態で、ホルダ本体
300A〜300Dにカバー400A〜400Dが被せ
られて、ヒューズホルダ200A〜200Dが閉じられ
ようとしても、中途半端に雌ねじ100と螺合された雄
ねじ70の頭部72(図5(a))の上面と、カバー4
00A〜400Dの天壁412A〜412Dの内側に設
けられた止具検知部450とが互いに当接されることと
なる(図3,図8,図13,図14,図18)。
【0108】これにより、ホルダ本体300A〜300
Dにカバー400A〜400Dが被せられて、ヒューズ
ホルダ200A〜200Dが閉じられようとしても、中
途半端に雌ねじ100と螺合された雄ねじ70の頭部の
上面と、カバー400A〜400Dの天壁412A〜4
12Dの内側に設けられた止具検知部450とがぶつか
り合って、ホルダ本体300A〜300Dにカバー40
0A〜400Dが取付けられない状態となる。
【0109】従って、雄ねじ70と雌ねじ100とが完
全に締結されていないことが判明され、ヒューズ10を
点検もしくは交換した作業者は、自発的に、再度、確実
に雄ねじ70を雌ねじ100に締め込む作業を行うこと
となる。
【0110】また、ヒューズ10の点検・交換作業が終
了されて、ヒューズホルダ200A〜200Dが完全に
閉じられた後に、激しい振動などによって、雌ねじ10
0と螺合された雄ねじ70が次第に緩み始めたとして
も、雄ねじ70の頭部の上面と、これに対応してカバー
400A〜400Dの天壁412A〜412Dの内側に
設けられた止具検知部450、すなわち止具緩み防止部
450とが当接されるから、雌ねじ100に対する雄ね
じ70の緩みの進行は、その時点で停止されることとな
る。
【0111】なお、そのような状態となっても、第1止
具60にスプリングワッシャ80(図5(a))が備え
られてあるから、このスプリングワッシャ80に設けら
れた切割り部82の段差高さの範囲内において、スプリ
ングワッシャ80自身に復元弾性力が働き続け、これに
より、ヒューズ端子30と電線端子40とは接触され続
けて、電気的な接触不良の発生は少しでも回避される。
【0112】そのような状態にも対応できるようにする
ために、図5(a)に示される第1止具60に備えられ
たスプリングワッシャ80の切割り部82における段差
高さと、図3,図8,図13,図18に示される如く、
雌ねじ100と完全に螺合された状態の雄ねじ70の頭
部72(図5(a))の上面と、カバー400A〜40
0Dの天壁412A〜412Dの内側に設けられた止具
検知部450との隙間との関係において、前記段差高さ
は、前記隙間よりも大きな寸法となるように設定されて
いる。
【0113】ホルダ本体300A〜300Dを形成する
周壁313A〜313Dの外側に設けられた雄ヒンジ3
70に対応して、カバー400A〜400Dを形成する
周壁413A〜413Dの外側に、カバー400A〜4
00Dをホルダ本体300A〜300Dに取付ける際に
用いられる雌ヒンジ470が設けられている。
【0114】この雌ヒンジ470は、側壁439の外面
からこの側壁439と平行に突出して形成されている。
詳しく説明すると、雌ヒンジ470は、カバー400A
〜400Dがホルダ本体300A〜300Dに被せられ
る際に、カバー400A〜400Dを形成する側壁43
9の外面から、この側壁439に対して平行であって、
且つ、下側に向けて突出されるようにして形成されたも
のである。また、雌ヒンジ470に雄ヒンジ370が容
易に引掛けられるようにするために、雌ヒンジ470に
は雄ヒンジ370に対応した挿通部471が形成されて
いる。
【0115】また、ホルダ本体300A〜300Dを形
成する周壁313A〜313Dの外側に設けられた雄ロ
ック380に対応して、カバー400A〜400Dとホ
ルダ本体300A〜300Dとが、容易で確実に開閉可
能とされるために用いられる雌ロック480が設けられ
ている。雌ロック480は、可撓係合片481に係止突
起収容孔482が設けられたものである。
【0116】図1〜図3,図6〜図18の如く、ホルダ
本体300A〜300Dもしくはカバー400A〜40
0Dの各角部は、必要に応じて面取り形状となってい
る。「面取り」とは、1つの面と他の面との交わりの角
(かど)に斜面または丸みがつけられている状態をい
う。C面取りは斜面の形状をした面取りであり、R面取
りは丸みをおびた形状の面取りである。
【0117】このような面取り部分を設ける目的は、角
部に応力が集中されることを緩和させると共に、ヒュー
ズホルダ200A〜200Dを取り扱う作業者が、角部
によって手などに怪我をしてしまうといった障害の発生
を予防するためでもある。小さな面取りは、例えばタン
ブリング処理などによって形成される。このように各角
部に面取りが設けられてあると、作業者は怪我などに対
して気にしなくともよくなるから、作業性に優れ取扱い
易いヒューズホルダ200A〜200Dが提供されるこ
ととなる。
【0118】図1〜図3と、図6〜図9と、図11〜図
18の如く、ホルダ本体300A〜300Dと、カバー
400A〜400Dと、これら両者を一体に繋げる一対
の可撓連結片500とから形成されるヒューズホルダ2
00A〜200Dは、複雑な形状をしたものである。こ
のような複雑な形状をしたヒューズホルダ200A〜2
00Dであっても、効率よくヒューズホルダ200A〜
200Dを製造できるようにするために、ヒューズホル
ダ200A〜200Dは大量生産に適した材料で成形さ
れることが好ましく、例えば、射出成形が可能な合成樹
脂であって熱可塑性的な性質を有する合成樹脂で、前記
ヒューズホルダ200A〜200Dは形成されるとよ
い。
【0119】図6〜図8に示されるヒューズホルダ20
0Bの特徴部分と、図16〜図18に示されるヒューズ
ホルダ200Dの特徴部分とに関し、両者の共通した特
徴部分について併せて説明する。
【0120】図示された如く、ヒューズホルダ200
B,200Dは、底壁312B,312Dおよび周壁3
13B,313Dから、筒形ヒューズ10が取付けられ
るための収容部310B,310Dおよび開口部311
B,311Dが形成されたホルダ本体300B,300
Dと、ホルダ本体300B,300Dに対応し開口部3
11B,311Dを閉じて筒形ヒューズ10を保護する
ために、天壁412B,412Dおよび周壁413B,
413Dから収容部410B,410Dが形成されたカ
バー400B,400Dとが、一対の可撓連結片500
を介して一体に形成されたものである。
【0121】そして、ヒューズホルダ200B,200
Dを形成するホルダ本体300B,300Dの収容部3
10B,310D内に、筒形ヒューズ10を固定するた
めの一方の受台350B,350Dと他方の受台350
B,350Dとが設けられている。
【0122】さらに、一方の受台350B,350Dと
他方の受台350B,350Dとの間に、水による筒形
ヒューズ10の誤作動を防止し且つ金属製工具による電
気的な短絡を防止するためのリブ327B,327D
が、ホルダ本体300B,300Dの底壁312B,3
12Dからヒューズ収容部320B,320D内に向け
て立設されている。
【0123】詳しく説明すると、図10の参考例に示さ
れる如く、ドライバSDなどの金属製工具による電線端
子40間の電気的な短絡事故を防止するために、図9に
示す如く、リブ327Bが、ホルダ本体300Bの底壁
312Bからヒューズ収容部320B内に向けて立設さ
れている。
【0124】このようなリブ327B,327Dが、ヒ
ューズホルダ200B,200Dを構成するホルダ本体
300B,300Dの底壁312B,312Dから、ヒ
ューズ収容部320B,320D内に向けて立設されて
あれば、ヒューズホルダ200B,200D内に水が浸
入し筒形ヒューズ10の表面を介して水が伝わってきて
も、リブ327B,327Dを伝わって水は下方に落ち
易くなり、このことから、水に起因した筒形ヒューズ1
0の電気的ショートの発生は未然に防止されることとな
る。
【0125】また、筒形ヒューズ10の表面を介して水
が伝わり、これにより筒形ヒューズ10が誤作動してし
まい、筒形ヒューズ10が切れた後であっても、水はリ
ブ327B,327Dを伝わって下方に落ちるから、筒
形ヒューズ10の表面にリーク電流が流れるといった不
具合の発生も未然に防止されることとなる。そして筒形
ヒューズ10が接続された電気回路の誤作動が無くな
り、確実なヒューズ機能が発揮されることとなる。
【0126】また、ヒューズ切れが発生した後に、切れ
たヒューズを新品のヒューズに交換するためのメンテナ
ンスを行う際に、図10または図20に示される如く、
スパナOESやドライバSDなどの金属製工具が不用意
に正負の電極に接触された場合、その瞬間に金属製工具
を介して正負の電極は短絡されたこととなり、これによ
りショート電流が流れ、ヒューズケース内や各種電気回
路に電気的なショートが発生することとなる。
【0127】しかしながら、図7および図8、又は、図
17および図18に示される如く、ヒューズホルダ20
0B,200Dを構成するホルダ本体300B,300
Dにおいて、ヒューズ10を取付けるための一方の受台
350B,350Dと他方の受台350B,350Dと
の間に、電気的な短絡を防止するリブ327B,327
Dが設けられ、このリブ327B,327Dは、ホルダ
本体300B,300Dの底壁312B,312Dから
ヒューズ収容部320B,320D内に向けて立設され
ているから、図9に示されるように、例えば、ドライバ
SDなどの金属製工具が不用意にヒューズホルダ上に置
かれるなどされても、前述した電気的なショートの発生
は未然に防止されることとなる。従って、ヒューズ交換
を行うといったメンテナンス作業の際に、不用意に電気
ショートが発生されることはなく、筒形ヒューズ10の
取替え作業は安全に行われることとなる。
【0128】また、ヒューズホルダ200B,200D
に組付けられる管ヒューズ10は、図4(b)に示され
る如く、円筒状のガラス管からなるヒューズ本体12を
備える配線用筒形ヒューズ10である。このような円筒
形状をした管ヒューズ10の本体12の外径部13に対
応して、図7および図8、又は、図17および図18の
如く、ホルダ本体300B,300Dの底壁312B,
312Dから、ヒューズ収容部320B,320D内に
向けて立設されたリブ327B,327Dの本体327
E(図17)に、U字溝327F(図17)が形成され
ている。
【0129】このように、ホルダ本体300B,300
Dの底壁312B,312Dから、ヒューズ収容部32
0B,320D内に向けて立設されたリブ327B,3
27Dの本体に前述したU字溝が形成されてあれば、ヒ
ューズホルダ200B,200D内に浸入し円筒形状を
した管ヒューズ10の本体表面を伝わってきた水は、よ
り一層、リブ327B,327Dを伝わって速やかに下
方に流れ落ちることとなる。従って、水に起因した筒形
ヒューズ10の電気的ショートの発生や、管ヒューズ1
0の表面にリーク電流が流れるといった不具合の発生
は、より一層、防止されることとなる。これにより管ヒ
ューズ10が接続された電気回路の誤作動が無くなり、
確実なヒューズ機能が発揮されることとなる。
【0130】また、図8または図18の如く、管ヒュー
ズ10に対応して形成されたリブ327B,327D
に、管ヒューズ10の本体12が当接されるように設定
すれば、ヒューズホルダ200B,200D内に浸入
し、管ヒューズ10を保持する一対の端子30を介し
て、管ヒューズ10の両端からヒューズ本体12の表面
を伝わってきた水は、管ヒューズ10の本体12と当接
した前記リブ327B,327Dを伝わって下側へ流れ
落ちることとなる。なお、仕様・条件などにより、管ヒ
ューズ10の本体12が前記リブ327B,327Dに
当接されないようにしてもよい。
【0131】また、図7〜図9と、図17および図18
の如く、ホルダ本体300B,300Dの底壁312
B,312Dから、ヒューズ収容部320B,320D
内に向けて立設されたリブ327B,327Dの本体
は、このホルダ本体300B,300Dの収容部310
B,310D内から開口部311B,311Dを経て、
開口部311B,311Dよりもホルダ本体300B,
300Dの外側に向けて突出して形成されたものであ
る。
【0132】このようにホルダ本体300B,300D
の底壁312B,312Dに立設されたリブ327B,
327Dを形成すれば、ヒューズ切れが発生した後に、
切れた筒形ヒューズ10を新品の筒形ヒューズ10に交
換するためのメンテナンスを行う際に、例えば、ヒュー
ズホルダ200B,200Dの収容部310B,310
D内もしくは開口部311B,311Dにスパナやドラ
イバなどの金属製工具が不用意に置かれて、金属製工具
が電極に接触されるようなことがあっても、リブ327
B,327Dがヒューズホルダ200B,200Dのホ
ルダ本体300B,300Dの収容部310B,310
D内から開口部311B,311Dを経て、開口部31
1B,311Dよりもホルダ本体300B,300Dの
外側に向けて突出して形成されてあるから、金属製工具
の一部はリブ327B,327Dによってヒューズホル
ダ200B,200D上に支持されることとなる(図
9)。
【0133】従って、図10または図20に示される如
く、ヒューズ切れが発生した後に、切れたヒューズを新
品のヒューズに交換するためのメンテナンス作業を行う
際に、スパナOESやドライバSDなどの金属製工具が
不用意に正負の電極に接触され、その瞬間に金属製工具
を介して正負の電極は短絡され、これによりショート電
流が流れて、ヒューズケース内や各種電気回路に電気的
なショートが発生してしまうといった不具合の発生は未
然に防止されることとなる(図9)。
【0134】また、図6〜図8、又は、図16〜図18
の如く、ヒューズホルダ200B,200Dを構成する
ホルダ本体300B,300Dのリブ327B,327
Dに対応して、カバー400B,400Dの内側に他の
リブ427が立設されている。図17の如く、リブ42
7の本体428の一端に湾曲状凹部429が形成されて
いる。この湾曲状凹部429は、図4(b)に示される
円筒形状をした管ヒューズ10の本体12の外径部13
に対応して形成されたものである。
【0135】図11および図12に示されるヒューズホ
ルダ200Cの特徴部分と、図16および図17に示さ
れるヒューズホルダ200Dの特徴部分とに関し、両者
の共通した特徴部分について、図14および図15と共
に併せて説明する。
【0136】図11および図12、又は、図16および
図17の如く、ヒューズホルダ200C,200Dは、
底壁312C,312Dおよび周壁313C,313D
から、筒形ヒューズ10が取付けられるための収容部3
10C,310Dおよび開口部311C,311Dが形
成されたホルダ本体300C,300Dと、ホルダ本体
300C,300Dに対応し開口部311C,311D
を閉じて筒形ヒューズ10を保護するために、天壁41
2C,412Dおよび周壁413C,413Dから収容
部410C,410Dが形成されたカバー400C,4
00Dとが、一対の可撓連結片500を介して一体に形
成されたものである。
【0137】そして、ヒューズホルダ200C,200
Dを形成するホルダ本体300C,300Dの前側に、
一対の電線導入部330C,330Dが手前側に向けて
突出して設けられている。また、同じくヒューズホルダ
200C,200Dを形成するカバー400C,400
Dの前側に、一対の電線導入部430C,430Dが手
前側に向けて突出して設けられている。
【0138】図11および図16に示されるホルダ本体
300C,300Dに設けられた一対の電線導入部33
0C,330Dの各部について、図15(a)と共にま
とめて詳しく説明する。図15(a)の如く、一対の電
線導入部330C,330Dを形成する下壁332から
上に向けて水切り用リブ344が立設され、且つ、この
水切り用リブ344よりも手前側すなわち電線用開口部
340側の下壁332の略中央に、L字形突出部348
が電線収容室331C,331D内に向けて形成される
と共に、水抜き孔347すなわち排出口347が設けら
れている。前記水切り用リブ344と前記水抜き孔34
7とは、1つの電線導入部330C,330Dにつき、
それぞれ併設されている。
【0139】このように、ホルダ本体300C,300
Dに設けられた一対の電線導入部330C,330Dに
おいて、水切り用リブ344と水抜き孔347とが、1
つの電線導入部330C,330Dにつき、それぞれ併
設されてあれば、ヒューズホルダ200C,200Dの
電線導入部330C,330D,430C,430D内
に浸入した水は、水切り用リブ344で遮られて、ヒュ
ーズホルダ200C,200Dの収容部310C,31
0Dの奥まで入り難くなる(図14)。
【0140】また、ヒューズホルダ200C,200D
の電線導入部330C,330D,430C,430D
内に浸入した水は、水抜き孔347を通ってヒューズホ
ルダ200C,200Dの外部へと速やかに排出される
こととなり、ヒューズホルダ200C,200D内に水
は滞留されなくなる(図14)。
【0141】これにより、筒形ヒューズ10が切れた後
であっても、ヒューズホルダ200C,200D内に滞
留した水によって筒形ヒューズ10の表面が水に濡れ、
このことから筒形ヒューズ10の表面にリーク電流が流
れるといった不具合の発生は未然に防止されることとな
る。そして筒形ヒューズ10が接続された電気回路の誤
作動が無くなり、確実なヒューズ機能が発揮されること
となる。
【0142】また、ヒューズホルダ200C,200D
に防水用のゴム部品やシール部材などの密封部材を設け
る必要性も無くなり、ヒューズホルダ200C,200
Dの部品点数の削減化が達成され、結果としてヒューズ
ホルダ200C,200Dのコストダウンが図られるこ
ととなる。
【0143】なお、図12,図14,図15,図17の
如く、ホルダ本体300C,300Dに設けられた一対
の電線導入部330C,330Dにおいて、この部分に
設けられた水抜き孔347に対応して、水抜き孔347
の上側にL字形突出部348が近接して設けられてあれ
ば、ヒューズホルダ200C,200Dの電線導入部3
30C,330D,430C,430D内に比較的大き
な異物が入り難くなり、異物に起因したヒューズホルダ
200C,200D内における不具合の発生は少しでも
防止されるものとなる。
【0144】また、図11または図16の如く、ヒュー
ズホルダ200C,200Dのホルダ本体300C,3
00Dを形成する電線導入部330C,330Dに、圧
着端子40が加締められて取付けられた電線50が備え
られる。そして、図5に示される圧着端子40の電線接
続部43に対応して、図15に示される如く、電線導入
部330C,330Dの水切り用リブ344の本体34
5にU字溝346が形成されている。
【0145】このように、圧着端子40の電線接続部4
3に対応して、電線導入部330C,330Dの水切り
用リブ344の本体345にU字溝346が形成されて
あれば、ヒューズホルダ200C,200Dの電線導入
部330C,330D内に、電線50を伝わって浸入し
た水は、水切り用リブ344で遮られると共に速やかに
水切り用リブ344を伝わって下方に流れ落ちることと
なる。これにより、水は、より一層、ヒューズホルダ2
00C,200Dの収容部310C,310Dの奥まで
入り難くなる。
【0146】そして、ヒューズホルダ200C,200
Dの電線導入部330C,330D内に電線50を伝わ
って浸入した水は、水切り用リブ344で遮られて下方
に流れ落ちた後に、水抜き孔347を通ってヒューズホ
ルダ200C,200Dの外部へと速やかに排出される
から、ヒューズホルダ200C,200D内に水が滞留
され、これにより、ヒューズホルダ200C,200D
内で電気的なショートの発生や、リーク電流が流れると
いった不具合の発生は未然に回避されることとなる。
【0147】また、図11および図12と、図15〜図
17の如く、ヒューズホルダ200C,200Dのホル
ダ本体300C,300Dを形成する電線導入部330
C,330Dに設けられた水切り用リブ344に対応し
て、カバー400C,400Dを形成する電線導入部4
30C,430Dの内側に、他の水切り用リブ444が
設けられている。図15(b)の如く、この水切り用リ
ブ444は、本体445に湾曲状凹部446が形成され
たものである。
【0148】このように、カバー400C,400Dを
形成する電線導入部430C,430Dの内側に、前記
形状をした他の水切り用リブ444が設けられてあれ
ば、ヒューズホルダ200C,200Dの電線導入部3
30C,330D,430C,430D内に浸入した水
は、カバー400C,400Dの内側に設けられた他の
水切り用リブ444によっても遮られることとなるか
ら、より一層、ヒューズホルダ200C,200Dの収
容部310C,310Dの奥にまで水は入り難くなる。
従って、筒形ヒューズ10が接続された電気回路の誤作
動が無くなり、確実なヒューズ機能が発揮されることと
なる。
【0149】図13に示されるヒューズホルダ200C
の特徴部分と、図18に示されるヒューズホルダ200
Dの特徴部分とに関し、両者の共通した特徴部分につい
て併せて説明する。
【0150】図12および図13、又は、図17および
図18の如く、ヒューズホルダ200C,200Dは、
底壁312C,312Dおよび周壁313C,313D
から、筒形ヒューズ10が取付けられるための収容部3
10C,310Dおよび開口部311C,311Dが形
成されたホルダ本体300C,300Dと、ホルダ本体
300C,300Dに対応し開口部311C,311D
を閉じて筒形ヒューズ10を保護するために、天壁41
2C,412Dおよび周壁413C,413Dから収容
部410C,410Dが形成されたカバー400C,4
00Dとが、一対の可撓連結片500を介して一体に形
成されたものである。
【0151】そして、ヒューズホルダ200C,200
Dを形成するホルダ本体300C,300Dの収容部3
10C,310D内に、筒形ヒューズ10を固定するた
めの一方の取付部350C,350Dと他方の取付部3
50C,350Dとが設けられている。
【0152】そして、ヒューズホルダ200C,200
Dを形成するホルダ本体300C,300Dの底壁31
2C,312Dの略中央、すなわち、筒形ヒューズ10
を固定するための一方の取付部350C,350Dと他
方の取付部350C,350Dとの間の底壁312C,
312Dに、L字形突出部329C,329Dがヒュー
ズホルダ200C,200Dのヒューズ収容室320
C,320D内に向けて形成されると共に、水抜き孔3
28C,328Dすなわち排出口328C,328Dが
設けられている(図13,図18)。
【0153】このように、ヒューズホルダ200C,2
00Dを形成するホルダ本体300C,300Dの底壁
312C,312Dの略中央に、水抜き孔328C,3
28Dが設けられてあれば、ヒューズホルダ200C,
200Dの収容部310C,310Dの奥まで浸入して
きた水は、ヒューズホルダ200C,200Dを構成す
るホルダ本体300C,300Dの底壁312C,31
2Dに設けられた水抜き孔328C,328Dを通っ
て、ヒューズホルダ200C,200Dの外部へと速や
かに排出されることとなり、ヒューズホルダ200C,
200D内に水は滞留されなくなる。
【0154】これにより、筒形ヒューズ10が切れた後
であっても、ヒューズホルダ200C,200D内に滞
留した水によって筒形ヒューズ10の表面が水に濡れ、
このことから筒形ヒューズ10の表面にリーク電流が流
れるといった不具合の発生は未然に防止されることとな
る。そして筒形ヒューズ10が接続された電気回路の誤
作動が無くなり、確実なヒューズ機能が発揮されること
となる。
【0155】また、ヒューズホルダ200C,200D
に防水用のゴム部品やシール部材などの密封部材を設け
る必要性も無くなり、ヒューズホルダ200C,200
Dの部品点数の削減化が達成され、結果としてヒューズ
ホルダ200C,200Dのコストダウンが図られるこ
ととなる。
【0156】なお、図13,図18の如く、ホルダ本体
300C,300Dの底壁312C,312Dに設けら
れた水抜き孔328C,328Dに対応して、水抜き孔
328C,328Dの上側にL字形突出部329C,3
29Dが近接して設けられてあれば、ヒューズホルダ2
00C,200Dの収容部310C,310D,410
C,410D内に比較的大きな異物が入り難くなり、異
物に起因したヒューズホルダ200C,200D内にお
ける不具合の発生は少しでも防止されるものとなる。
【0157】図16〜図18に示されるヒューズホルダ
200Dは、上記水切り用リブ344と、上記水抜き孔
347と、上記水によるヒューズ10の誤作動を防止し
且つ金属製工具による電気的な短絡を防止するためのリ
ブ327Dとを、全て兼ね備えたヒューズホルダ200
Dである。
【0158】このようにすれば、ヒューズホルダ200
D内に浸入した水によって、筒形ヒューズ10に電気的
なショートが生じたりリーク電流が流れるといった不具
合に対し、より改良されたヒューズホルダ200Dが提
供されることとなる。
【0159】また、図1および図3と、図6および図8
および図9と、図11および図13と、図16および図
18とに示される如く、上記ヒューズホルダ200A〜
200Dに、図4に示されるようなヒューズ本体12に
絶縁部20が設けられ両端に端子30が取付けられたヒ
ューズ10が組付けられてもよい。
【0160】また、前記ヒューズ10がヒューズホルダ
200A〜200Dのホルダ本体300A〜300D内
に組付けられた状態において、ヒューズ10に設けられ
た絶縁部20は、ホルダ本体300A〜300Dの底壁
312A(図3),312B(図8)、又は、リブ32
7B(図8),427,327D(図18),427、
又は、底壁312C,312Dに設けられたL字形突出
部329C(図13),329D(図18)のうちの少
なくとも1ヶ所以上に当接されてある。
【0161】このようにすれば、ヒューズホルダ200
A〜200D内に浸入し、ヒューズ10を保持する一対
の端子30を介して、ヒューズ10の両端からヒューズ
本体12の表面を伝わってきた水は、ヒューズ本体12
の略中間部に設けられた絶縁部20から、この絶縁部2
0が当接する相手部材へと伝わって流れ落ちることとな
る。
【0162】従って、ヒューズホルダ200A〜200
D内に浸入した水により、筒形ヒューズ10に電気的な
ショートが生じたりリーク電流が流れるといった不具合
に対し、より一層、改良されたヒューズ取付済みのヒュ
ーズホルダ200A〜200Dが提供されることとな
る。
【0163】なお、仕様・条件などによっては、ヒュー
ズ10に設けられた絶縁部20は他の部材に当接されな
いように設定されてもよい。また、仕様・条件などによ
り、図6および図8〜図10と、図11および図13
と、図16および図18に示されるヒューズホルダ20
0B〜200Dにおいて、これらのヒューズホルダ20
0B〜200D内に組付けられるヒューズ10に関して
は、仮想線で示された円環状絶縁体20などの絶縁部2
0がヒューズ10に設けられずに省略されてあってもよ
い。
【0164】ヒューズホルダ200A〜200Dの開閉
動作に関し、ホルダ本体300A〜300Dおよびカバ
ー400A〜400Dと共に、以下に詳しく説明する。
ヒューズの点検・交換・取付作業などが終えられて、図
2,図7,図12,図17に示されるヒューズホルダ2
00A〜200Dのホルダ本体300A〜300Dに、
カバー400A〜400Dを被せて、ヒューズホルダ2
00A〜200Dを閉じる際に、まず、カバー400A
〜400Dに設けられた雌ヒンジ470の挿通部471
に、ホルダ本体300A〜300Dに設けられた雄ヒン
ジ370の湾曲部371を嵌め込む。その際に、一対の
可撓連結片500は適度に撓まれる。
【0165】次に、互いに組合された前記ヒンジ37
0,470を中心に、図示されたカバー400A〜40
0Dを約180°ほど回動させると、図3,図8,図1
3,図18の如く、ホルダ本体300A〜300Dの上
にカバー400A〜400Dが取付けられる。その際
に、一対の可撓連結片500は大きく撓まれることとな
る。
【0166】このようなことから、ホルダ本体300A
〜300Dと、カバー400A〜400Dと、これら両
者を一体に繋げる一対の可撓連結片500とが、一体に
形成されたヒューズホルダ200A〜200Dは、可撓
性を有する合成樹脂で形成されることが好ましい。
【0167】ホルダ本体300A〜300Dとカバー4
00A〜400Dとが、一対の可撓連結片500を介し
て一体に繋げられてあるから、ヒューズの点検・交換・
取付の際に、ホルダ本体300A〜300Dに対応し
て、これに取付けられるカバー400A〜400Dが不
用意に見失われてしまうといった不具合の発生は、未然
に防止されることとなる。
【0168】また、ヒューズホルダ200A〜200D
の開閉動作が行われる際に、フィーリングよく確実な開
閉動作が行われるようにするために、図2,図7,図1
2,図17の如く、カバー400A〜400Dを形成す
る側壁436に雌ロック480が設けられ、これに対応
して、ホルダ本体300A〜300Dを形成する側壁3
56A〜356Dに雄ロック380が設けられている。
【0169】カバー400A〜400Dに設けられた雌
ロック480について説明すると、この雌ロック480
は、凹形形状をした可撓係合片481と、係止突起収容
孔482とから形成されたものである。
【0170】ホルダ本体300A〜300Dに設けられ
た雄ロック380について説明すると、この雄ロック3
80は、カバー400A〜400Dに設けられた雌ロッ
ク480の可撓係合片481に対応した可撓係合片収容
凹部381と、カバー400A〜400Dに設けられた
雌ロック480の係止突起収容孔482に対応した係止
突起(図示せず)とから形成されたものである。
【0171】このように、互いに対応した雌ロック48
0と雄ロック380とが、ヒューズホルダ200A〜2
00Dに設けられてあれば、ヒューズホルダ200A〜
200Dのホルダ本体300A〜300Dに、カバー4
00A〜400Dを被せて、ヒューズホルダ200A〜
200Dを閉じる際に、カバー400A〜400Dに設
けられた雌ロック480の可撓係合片481が、ホルダ
本体300A〜300Dに設けられた雄ロック380の
係止突起(図示せず)を乗越え、これと共に雌ロック4
80の可撓係合片481は、ヒューズホルダ200A〜
200Dの外側に向けて撓まれた後に、雌ロック480
の係止突起収容孔482に雄ロック380の係止突起が
嵌り込む。
【0172】このようにして、ホルダ本体300A〜3
00Dとカバー400A〜400Dとは、前記雌ロック
480と前記雄ロック380との嵌合によりフィーリン
グよく確実に嵌め合わされて、ヒューズホルダ200A
〜200Dが閉じられることとなる。しかも、前記雌ロ
ック480と前記雄ロック380との嵌合によって、ヒ
ューズホルダ200A〜200Dが不用意に開いてしま
うこともない。
【0173】また、ヒューズホルダ200A〜200D
を開ける際には、カバー400A〜400Dに設けられ
た雌ロック480の可撓係合片481を、指などでヒュ
ーズホルダ200A〜200Dの外側に向けて撓ませれ
ば、雌ロック480の係止突起収容孔482に嵌まり込
んでいた雄ロック380の係止突起は解除されることと
なる。これにより、ホルダ本体300A〜300Dから
カバー400A〜400Dを容易で迅速に取外して、ヒ
ューズホルダ200A〜200D内に組付けられたヒュ
ーズ10の点検・交換などといったメンテナンスは、円
滑に行われることとなる。
【0174】このようなことからも、ホルダ本体300
A〜300Dと、カバー400A〜400Dとから構成
されるヒューズホルダ200A〜200Dは、可撓性を
有する合成樹脂で形成されることが好ましい。
【0175】上述したような射出成形が可能な合成樹脂
であって、熱可塑性的な性質を有する合成樹脂であり、
さらに可撓性を有する合成樹脂として、例えば、ポリブ
チレンテレフタレート樹脂(PBTと略称する)、アク
リロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABSと略称す
る)、ポリアミド樹脂(PAと略称する)、ポリプロピ
レン樹脂(PPと略称する)などが挙げられ、必要に応
じて合成樹脂に各種の充填材が添加されてあってもよ
い。
【0176】本発明の実施形態の一例で用いられるヒュ
ーズホルダ200A〜200Dは、ポリブチレンテレフ
タレート樹脂(PBT)から形成され、寸法安定性、強
度の安定性、電気的特性などの点で優れたものとなって
いる。ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)とし
て、例えばPBT−H01などが挙げられる。
【0177】また、ヒューズホルダ200A〜200D
などの成形体は、必要に応じてタンブリング処理いわゆ
るたる研磨処理が施され、このようにして金型から取出
された後に、成形体に残されたバリが取去られるように
してもよい。そのようにすれば、より一層、作業性に優
れ取扱い易いヒューズホルダ200A〜200Dが提供
されることとなる。
【0178】また、ヒューズ、電線などの電気関連部品
からの漏電などに対応するために、ホルダ本体300A
〜300Dと、カバー400A〜400Dとから構成さ
れるヒューズホルダ200A〜200Dは、電気絶縁性
に優れた材料で形成されることか好ましい。このような
ことから、ホルダ本体300A〜300Dと、カバー4
00A〜400Dとから構成されるヒューズホルダ20
0A〜200Dは、電気絶縁性に優れた上記合成樹脂で
形成されることが好ましく、具体的には、上に列記され
た各種合成樹脂で前記ヒューズホルダ200A〜200
Dが形成されることが好適である。
【0179】
【発明の効果】以上の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、ヒューズを構成する一対の電気接触部よりヒューズ
本体を介して水が伝わってきても、水切り用の絶縁部で
水は下方に落ち易くなり、ヒューズの電気接触部間にお
いて、水に起因した電気的ショートの発生を未然に防止
することができる。また、ヒューズを構成する一対の電
気接触部よりヒューズ本体を介して水が伝わり、これに
よりヒューズが作動し、これが切れた後であっても、水
は絶縁部を伝わって下方に落ちるから、ヒューズの電気
接触部間でリーク電流が流れるといった不具合の発生も
未然に防止することができる。これにより、ヒューズが
接続された電気回路の誤作動が無くなり、確実なヒュー
ズ機能が発揮される。また、ヒューズを構成するヒュー
ズ本体の略中間部に、水切り用の絶縁部が設けられたこ
とにより、ヒューズを構成する一対の電気接触部間の沿
面距離が増加され、このことからも、放電などに関係し
た電気的ショートの発生を防止することができる。ま
た、請求項2記載の発明によれば、ヒューズ本体に円環
状絶縁体を容易で確実に取付けることができる。また、
請求項3記載の発明によれば、ヒューズホルダ内にヒュ
ーズを容易で迅速に組付けられるようになる。
【0180】また、請求項4記載の発明によれば、ヒュ
ーズホルダ内に水が浸入しヒューズを介して水が伝わっ
てきても、リブにより水は下方に落ち易くなり、このこ
とから、水に起因したヒューズの電気的ショートの発生
を未然に防止することができる。また、ヒューズの表面
を介して水が伝わり、これによりヒューズが誤作動し、
これが切れた後であっても、水はリブを伝わって下方に
落ちるから、ヒューズの表面にリーク電流が流れるとい
った不具合の発生も未然に防止することができる。これ
に伴って、ヒューズが接続された電気回路の誤作動が無
くなり、確実なヒューズ機能が発揮される。また、ヒュ
ーズ切れが発生した後に、切れたヒューズを新品のヒュ
ーズに交換するためのメンテナンスを行う際に、スパナ
やドライバなどの金属製工具が不用意に正負の電極に接
触された場合、その瞬間に金属製工具を介して正負の電
極は短絡されたこととなり、これによりショート電流が
流れ、ヒューズボックスや、各種電気回路に電気的なシ
ョートが発生することとなる。しかしながら、ヒューズ
ホルダの所定部に電気的な短絡を防止するリブが設けら
れてあるから、前記電気的なショートの発生を未然に防
止することができる。従って、ヒューズ交換を行うとい
ったメンテナンスの際に、不用意に電気ショートが発生
されることはなく、ヒューズの取替え作業を安全に行う
ことができる。
【0181】また、請求項5記載の発明によれば、ヒュ
ーズホルダ内に浸入しヒューズの表面を伝わってきた水
は、より一層、リブを伝わって速やかに下方に流れ落ち
ることとなる。従って、水に起因したヒューズの電気的
ショートの発生や、ヒューズの表面にリーク電流が流れ
るといった不具合の発生を、一層、防止することができ
る。これにより、ヒューズが接続された電気回路の誤作
動が無くなり、確実なヒューズ機能が発揮されることと
なる。
【0182】また、請求項6記載の発明によれば、ヒュ
ーズ切れが発生した後に、切れたヒューズを新品のヒュ
ーズに交換するためのメンテナンスを行う際に、例え
ば、ヒューズホルダの収容部内もしくは開口部にスパナ
やドライバなどの金属製工具が不用意に置かれて、金属
製工具が電極に接触されるようなことがあっても、リブ
がヒューズホルダのホルダ本体の収容部内から開口部を
経て、開口部よりもホルダ本体の外側に向けて突出して
形成されてあるから、金属製工具の一部はリブによって
ヒューズホルダ上に支持されることとなる。従って、金
属製工具が正負の電極に接触して、その瞬間に電気的な
ショートが発生してしまうといった不具合の発生を未然
に防止することができる。
【0183】また、請求項7記載の発明によれば、ヒュ
ーズホルダの電線導入部内に浸入した水は、水切り用リ
ブで遮られて、ヒューズホルダの収容部の奥まで入り難
くなる。また、ヒューズホルダの電線導入部内に浸入し
た水は、水抜き孔を通ってヒューズホルダの外部へと速
やかに排出されるから、水はヒューズホルダ内に滞留さ
れなくなる。これにより、ヒューズが切れた後であって
も、ヒューズホルダ内に滞留した水によってヒューズの
表面が水に濡れ、このことから、ヒューズの表面にリー
ク電流が流れるといった不具合の発生を未然に防止する
ことができる。これに伴って、ヒューズが接続された電
気回路の誤作動が無くなり、確実なヒューズ機能が発揮
される。また、ヒューズホルダに防水用のゴム部品やシ
ール部材などの密封部材を設ける必要性も無くなるか
ら、ヒューズホルダの部品点数を削減することができ、
これに伴ってヒューズホルダのコストダウンを図ること
ができる。
【0184】また、請求項8記載の発明によれば、ヒュ
ーズホルダの電線導入部内に浸入した水は、水切り用リ
ブで遮られると共に速やかに水切り用リブを伝わって下
方に流れ落ちることとなり、これにより水は、より一
層、ヒューズホルダの収容部の奥まで入り難くなる。そ
して、ヒューズホルダの電線導入部内に電線を伝わって
浸入した水は、水抜き孔を通ってヒューズホルダの外部
へと速やかに排出されるから、ヒューズホルダ内に水が
滞留され、これにより、ヒューズホルダ内で電気的なシ
ョートの発生や、リーク電流が流れるといった不具合の
発生を未然に回避することができる。
【0185】また、請求項9記載の発明によれば、ヒュ
ーズホルダの電線導入部内に浸入した水は、カバーの内
側に設けられた他の水切り用リブによっても遮られるか
ら、より一層、ヒューズホルダの収容部の奥にまで水は
入り難くなる。従って、ヒューズが接続された電気回路
の誤作動が無くなり、確実なヒューズ機能が発揮され
る。
【0186】また、請求項10記載の発明によれば、ヒ
ューズホルダの収容部の奥まで浸入してきた水は、ヒュ
ーズホルダを構成するホルダ本体の底壁に設けられた水
抜き孔を通って、ヒューズホルダの外部へと速やかに排
出されるから、ヒューズホルダ内に水が滞留されなくな
る。これにより、ヒューズが切れた後であっても、ヒュ
ーズホルダ内に滞留した水によってヒューズの表面が水
に濡れ、このことから、ヒューズの表面にリーク電流が
流れるといった不具合の発生を未然に防止することがで
きる。これに伴って、ヒューズが接続された電気回路の
誤作動が無くなり、確実なヒューズ機能が発揮される。
また、ヒューズホルダに防水用のゴム部品やシール部材
などの密封部材を設ける必要性も無くなるから、ヒュー
ズホルダの部品点数を削減することができ、これに伴っ
てヒューズホルダのコストダウンを図ることができる。
【0187】また、請求項11又は請求項12記載の発
明によれば、ヒューズホルダ内に浸入した水によって、
ヒューズに電気的なショートが生じたりリーク電流が流
れるといった不具合に対し、改良されたヒューズホルダ
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヒューズがヒューズホルダに組付
けられる際の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】ヒューズホルダを示す斜視図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】(a)は端子を示す斜視図、(b)はヒューズ
を示す斜視図、(c)は円環状絶縁体を示す斜視図、
(d)は絶縁部を備えるヒューズに端子が取付けられた
状態を示す斜視図である。
【図5】(a)は第1止具を示す斜視図、(b)は電線
および電線端子を示す斜視図、(c)は第2止具を示す
斜視図である。
【図6】本発明に係るヒューズホルダの第1の実施形態
を示す分解斜視図である。
【図7】同じくヒューズホルダを示す斜視図である。
【図8】図6のB−B断面図である。
【図9】ヒューズが組付けられたホルダ本体を示す縦断
面図である。
【図10】同じくヒューズが組付けられたホルダ本体を
示す縦断面図である。
【図11】本発明に係るヒューズホルダの第2の実施形
態を示す分解斜視図である。
【図12】同じくヒューズホルダを示す斜視図である。
【図13】図11のC−C断面図である。
【図14】図11のE−E断面図である。
【図15】(a)はホルダ本体の電線導入部を示す拡大
斜視図、(b)はカバーの電線導入部を示す拡大斜視図
である。
【図16】本発明に係るヒューズホルダの第3の実施形
態を示す分解斜視図である。
【図17】同じくヒューズホルダを示す斜視図である。
【図18】図16のD−D断面図である。
【図19】従来のヒューズボックスを示す斜視図であ
る。
【図20】従来のヒューズボックスにヒューズを組込ん
だ状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ヒューズ(筒形ヒューズ、配線用
筒形ヒューズ、管ヒューズ) 11 電気接触部 12 本体(ヒューズ本体) 13 外径部 20 絶縁部(円環状絶縁体) 23 内径部 30 端子(ヒューズ端子) 40 圧着端子(丸型端子、電線端子) 43 電線接続部 50 電線(ケーブル) 200A〜200D ヒューズホルダ 300A〜300D ホルダ本体 310A〜310D 収容部(収容室) 311A〜311D 開口部 312A〜312D 底壁 327B,327D リブ 327F U字溝 328C,328D 水抜き孔(排出口) 330A〜330D 電線導入部 344 リブ(水切り用リブ) 347 水抜き孔(排出口) 350A〜350D 取付部(受台) 400A〜400D カバー(蓋) 427 リブ(他のリブ) 444 リブ(水切り用リブ、他の水切り
用リブ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 境 静岡県榛原郡榛原町布引原206−1 矢崎 部品株式会社内 (72)発明者 水谷 浩市 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5G502 AA14 BA02 BC04 BD03 CC03 CC15 CC26

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端子と接触される一対の電気接触部と、
    一対の該電気接触部の間に形成され、且つ、一対の該電
    気接触部間を絶縁するヒューズ本体とから構成されるヒ
    ューズにおいて、前記ヒューズ本体の略中間部に水切り
    用の絶縁部を設けたことを特徴とするヒューズ。
  2. 【請求項2】 前記絶縁部が、前記ヒューズを構成する
    前記ヒューズ本体と別体の絶縁材料から形成された円環
    状絶縁体であり、該円環状絶縁体の内径部が該ヒューズ
    本体の外径部に圧入嵌合されて、該円環状絶縁体は該ヒ
    ューズに取付けられたことを特徴とする請求項1記載の
    ヒューズ。
  3. 【請求項3】 前記ヒューズを構成する前記ヒューズ本
    体の両端に形成された一対の前記電気接触部に対応し
    て、該ヒューズを保持すると共に該ヒューズをヒューズ
    ホルダに取付けるための一対の前記端子が、該ヒューズ
    に形成された一対の該電気接触部に取付けられたことを
    特徴とする請求項1又は2記載のヒューズ。
  4. 【請求項4】 ヒューズが取付けられるための収容部お
    よび開口部が形成されたホルダ本体と、該ホルダ本体に
    対応し該開口部を閉じて該ヒューズを保護するためのカ
    バーとを備え、該ホルダ本体の該収容部内に該ヒューズ
    を固定するための一方の取付部と他方の取付部とを設
    け、該一方の取付部と該他方の取付部との間に、水によ
    る該ヒューズの誤作動を防止し且つ金属製工具による電
    気的な短絡を防止するためのリブを設けたことを特徴と
    するヒューズホルダ。
  5. 【請求項5】 前記ヒューズは筒形ヒューズであり、該
    筒形ヒューズに対応して、前記ホルダ本体の前記リブに
    U字溝が形成されたことを特徴とする請求項4記載のヒ
    ューズホルダ。
  6. 【請求項6】 前記ホルダ本体の前記リブは、該ホルダ
    本体の前記収容部内から前記開口部を経て、該開口部よ
    りも該ホルダ本体の外側に向けて突出して形成されたこ
    とを特徴とする請求項4又は5記載のヒューズホルダ。
  7. 【請求項7】 ヒューズが取付けられるための収容部お
    よび開口部が形成されたホルダ本体と、該ホルダ本体に
    対応し該開口部を閉じて該ヒューズを保護するためのカ
    バーとを備え、該ホルダ本体に一対の電線導入部を設
    け、一対の該電線導入部に水切り用リブと水抜き孔とを
    設けたことを特徴とするヒューズホルダ。
  8. 【請求項8】 前記電線導入部に圧着端子が加締められ
    て取付けられた電線が備えられ、該圧着端子の電線接続
    部に対応して、該電線導入部の前記水切り用リブにU字
    溝が形成されたことを特徴とする請求項7記載のヒュー
    ズホルダ。
  9. 【請求項9】 前記ホルダ本体の前記水切り用リブに対
    応して、前記カバーの内側に他の水切り用リブを設けた
    ことを特徴とする請求項7又は8記載のヒューズホル
    ダ。
  10. 【請求項10】 ヒューズが取付けられるための収容部
    および開口部が形成されたホルダ本体と、該ホルダ本体
    に対応し該開口部を閉じて該ヒューズを保護するための
    カバーとを備え、該ホルダ本体の底壁に水抜き孔を設け
    たことを特徴とするヒューズホルダ。
  11. 【請求項11】 請求項4〜9の何れか記載の構成を含
    むことを特徴とする請求項10記載のヒューズホルダ。
  12. 【請求項12】 請求項1〜3の何れか記載のヒューズ
    を組付けたことを特徴とする請求項4〜11の何れか記
    載のヒューズホルダ。
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