JP2002370638A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JP2002370638A
JP2002370638A JP2001180589A JP2001180589A JP2002370638A JP 2002370638 A JP2002370638 A JP 2002370638A JP 2001180589 A JP2001180589 A JP 2001180589A JP 2001180589 A JP2001180589 A JP 2001180589A JP 2002370638 A JP2002370638 A JP 2002370638A
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pressure
control
wheel
braking force
wheel cylinder
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JP2001180589A
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English (en)
Inventor
Masahiro Hara
雅宏 原
Toshihisa Nihei
寿久 二瓶
Nariyuki Matsui
成幸 松井
Masahiro Matsuura
正裕 松浦
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Denso Corp
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動系に差動装置を有している場合に、安定
した制動作動を確保するとともに十分な減速度を得るこ
とが可能なアンチスキッド制御装置を提供する。 【解決手段】 アンチスキッド制御装置を構成するブレ
ーキECU1は、アンチスキッド制御中に、差動装置6
で連結されている駆動輪15FR、15FLの一方のホイル
シリンダ(例えば31FR)の圧力を増圧制御中の場合に
は、他方のホイルシリンダ(例えば31FL)減圧制御を
抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンチスキッド装
置に関し、特に、運転者のブレーキ操作量に応じてブレ
ーキ圧を制御する機能を有するブレーキ系統におけるア
ンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブレーキ操作時に車輪ロックに起因する
スリップを防止するため、各車輪に付与される制動力
(ブレーキ液圧)をスリップ量に応じて制御するアンチ
スキッド制御装置が知られている。こうした装置の一つ
として特開平8−34331号公報に開示されている技
術がある。
【0003】この技術は、車輪の各々に設置したホイー
ルシリンダにより制動力を独立して付与するブレーキ系
統を備え、差動装置で連結されている2つの駆動輪のう
ち一方のホイールシリンダへの供給液圧が減圧中である
場合には、他方のホイールシリンダへの増圧を遅延させ
るものであり、駆動輪間におけるトルクの相互干渉によ
る振動の発生を防止して、安定した制動作動を確保する
ことができると記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この技
術では、車輪のロック傾向を防止することはできるが、
増圧抑制制御を行うため減速度が不足する場合があり、
制動距離がのびてしまうおそれがある。
【0005】そこで本発明は駆動系に差動装置を有して
いる場合に、安定した制動作動を確保するとともに十分
な減速度を得ることが可能なアンチスキッド制御装置を
提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明に係るアンチスキッド制御装置は、各車輪に対し
て独立に制動力を付与する制動力付与手段と、各車輪の
車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、検出された車
輪速度を基にして各車輪のスリップ量に応じて前記制動
力付与手段により付与される制動力を制御する制御手段
とを備えるアンチスキッド制御装置において、複数の駆
動輪が差動装置で連結されており、制御手段は、任意の
駆動輪の制動力を低下させる必要があると判定した場合
でも、他のいずれかの駆動輪の制動力を増加中である場
合には、他の場合に比べて制動力の低下量を抑制する制
御を行うことを特徴とする。
【0007】差動装置で連結されている複数の駆動輪の
うち少なくともいずれか一つの制動力を増圧している場
合には、この駆動輪の車輪速低下に伴い、他の駆動輪へ
伝達される加速側のトルクは増大する。このとき、この
他の駆動輪に付与される制動力を低下させると、車輪速
がさらに増大することになり、減速度が低下して減速度
抜けが発生してしまう。
【0008】本発明では、制動力低下制御を行う場合で
も他の駆動輪の制動力が増加中である場合には、制動力
の低下量を抑制することにより、トルクの増大分に伴っ
て過剰な減速度低下の発生を抑制して、必要な減速度を
確保する。また、トルクの相互干渉による振動の発生も
効果的に抑制できる。
【0009】ここで、制動力の低下幅抑制制御時は制動
力を低下させずに制動力を保持するものでもよい。制動
力を低下させずに保持する場合でも、トルクの増大に伴
って得られる減速度は小さくなるので、制動力を低下さ
せるのと同じ効果が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理
解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に
対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説
明は省略する。
【0011】図1は本発明に係るアンチスキッド装置の
実施形態を説明するブロック図であり、図2はこれを搭
載する車両の概略構成図であり、図3はそのブレーキ系
統を説明する概略構成図である。
【0012】図1〜図3に示されるように、本発明に係
るアンチスキッド装置は、各車輪15FL〜15RRに設け
られたブレーキのホイルシリンダ31FL〜31RRへの供
給油圧をブレーキECU1が制御する構成を採る。各ホ
イルシリンダへ供給する油圧を生成するハイドロブース
タ2とブレーキECU1からの指示に基づいて供給油圧
を制御するブレーキアクチュエータ3とを備えている。
そして、この車両は、前輪駆動式であり、エンジン5の
出力はトランスアクスル51、差動装置6、ドライブシ
ャフト61を介して前輪15FL、15FRへと伝達される
構成となっている。
【0013】ブレーキECU1にはマスタ圧センサ3
2、33、ホイルシリンダ圧センサ34FL〜34RR、ア
キュムレータ圧センサ26、27の各油圧センサと各車
輪に設けられている車輪速センサ16FL〜16RRの各出
力値が入力されるとともに、アクチュエータ3内の各ソ
レノイド弁35FL〜35RR、36FL〜36RR、37〜4
0およびポンプ24の動作を制御する機能を有してい
る。
【0014】ハイドロブースタ2は、ブレーキペダル1
1に接続され、ブレーキ踏力に応じた油圧を生成すると
ともに、この油圧を増圧するブースタ機能を併せ持つマ
スタシリンダ21を中心に構成され、作動油であるブレ
ーキフルードを貯留するリザーバ22と、リザーバ22
から供給されるブレーキフルードの油圧を高める電動式
のポンプ24とこのポンプで発生した高圧を蓄えるアキ
ュムレータ23と、ブレーキフルードをポンプ24で生
成された圧力が所定以上の高圧に達したときにブレーキ
フルードをリザーバ22に返送するためのリリーフ弁2
5とを備えている。そしてアキュムレータ23とブレー
キアクチュエータ3との間にアキュムレータ圧センサ2
7、28が配置されている。アキュムレータ圧センサ2
7と28は異なる測定レンジを有している。
【0015】ブレーキアクチュエータ3は、各ホイルシ
リンダ31FL〜31RRへの供給油圧を制御するものであ
って、各ホイルシリンダ31FL〜31RRに対応して増圧
用のリニアソレノイド弁35FL〜35RRと減圧用のリニ
アソレノイド弁36FL〜36 RRとホイルシリンダ圧検出
用のホイルシリンダ圧センサ34FL〜34RRとを備えて
いる。また、システムフェイル時にマスタシリンダ21
からの増圧油圧を供給するための切替ソレノイド弁37
〜40と、マスタシリンダ圧を検出するマスタ圧センサ
32、33とを備えている。
【0016】増圧用のリニアソレノイド弁35FL〜35
RRと減圧用のリニアソレノイド弁36FL〜36RRはいず
れも対応するソレノイド弁同士が直列に接続され、その
中間から分岐された配管が対応するホイルシリンダ31
FL〜31RRへと接続されている。これらの配管上にはそ
れぞれホイルシリンダ圧センサ34FL〜34RRが配置さ
れている。これらの増圧用のリニアソレノイド弁35FL
〜35RRと減圧用のリニアソレノイド弁36FL〜36RR
の両端がそれぞれアキュムレータ23とリザーバ22と
の間に並列に接続されている。
【0017】またマスタシリンダ21から延びる2本の
配管にはそれぞれマスタ圧センサ32、33が配置さ
れ、切替ソレノイド弁37、38を介してホイルシリン
ダ31 FR、31RRへと延びる配管に接続されている。さ
らに、前輪のホイルシリンダ31FRと31FLとは切替ソ
レノイド弁39を介して、後輪のホイルシリンダ31RR
と31RLとは切替ソレノイド弁40を介してそれぞれ接
続されている。
【0018】ここで、リニアソレノイド弁35FL〜35
RR、36FL〜36RRはいずれもOFF時に閉止、ON時
にはその制御電流に比例して流量を制御するものであ
り、切替ソレノイド弁37〜40はいずれもOFF時に
は開、ON時には閉止動作を行うものである。
【0019】したがって、システムフェイル時には、リ
ニアソレノイド弁35FL〜35RR、36FL〜36RRはい
ずれも閉止しているが、切替ソレノイド弁37〜40は
いずれも開放しているので、マスタシリンダ2により増
圧された油圧が各ホイルシリンダ31FL〜31RRへと直
接供給されることで、必要な制動力を確保することが可
能な構成となっている。
【0020】通常時においては、ブレーキECU1は、
各ホイルシリンダ31FL〜31RRに付与される油圧
がそれぞれ設定した制御油圧Pcになるようホイルシリ
ンダ圧センサ34FL〜34RRの検出値を参照してリニア
ソレノイド弁35FL〜35RRと36FL〜36RRおよびポ
ンプモータ24の作動を制御する。
【0021】具体的に右前輪15FRの場合を例に説明す
ると、現在のホイルシリンダ圧Pmが制御油圧Pcより
低い場合、すなわち増圧が必要な場合(以下、増圧モー
ドと呼ぶ)には、減圧用のリニアソレノイド弁36FL
閉じ、増圧用のリニアソレノイド弁35FRを開くこと
で、アキュムレータ23側の高圧のブレーキフルードを
ホイルシリンダ31FRへと供給することでその圧力を増
加せしめる。
【0022】また、現在のホイルシリンダ圧Pmが制御
油圧Pcに一致し、保持する必要がある場合(以下、保
持モードと呼ぶ)には、各リニアソレノイド弁35FL
36 FRを閉じることでブレーキフルードがホイルシリン
ダ31FR側から抜けないように保持してその圧力を保持
する。
【0023】そして、現在のホイルシリンダ圧Pmが制
御油圧Pcより高い場合、すなわち減圧が必要な場合
(以下、減圧モードと呼ぶ)には、減圧用のリニアソレ
ノイド弁36FLを開き、増圧用のリニアソレノイド弁3
FRを閉じることで、ホイルシリンダ31側からブレー
キフルードの一部をリザーバ22へと返送することでそ
の圧力を低下せしめる。
【0024】本実施形態では、増圧用、減圧用に切替ソ
レノイド弁ではなく、リニアソレノイド弁を用いること
で増圧モード、減圧モードにおいてホイルシリンダ圧力
を制御油圧Pcに容易かつ確実に一致させることがで
き、制御性が向上する。もちろん、切替ソレノイド弁を
用いてデューティ制御等により制御油圧への制御を行う
ことも可能である。
【0025】次に、本発明に係るアンチスキッド装置の
通常時の動作を図4を参照して説明する。図4は本制御
のフローチャートである。この制御はブレーキECU1
によって行われるものであり、車両の電源がONになっ
てからタイムステップΔtごとに繰り返し実行される。
ここでは車輪ごとに区分して説明しないが、実際の制御
(ステップS4以降)は各輪ごとに実行される。
【0026】まずステップS1では、アキュムレータ圧
センサ27、28、マスタ圧センサ32、33、ホイル
シリンダ圧センサ34FL〜34RR、車輪速センサ16FL
〜16RRのそれぞれの出力値が読み込まれる。
【0027】続くステップS2では、運転者が要求して
いる制動力、すなわち目標減速度を演算する。運転者が
ブレーキペダル11を踏み込むと、マスタシリンダ21
は踏力に応じてこれを増圧した油圧を出力する。通常時
においては、切替ソレノイド弁36、37が閉じられて
いるため、この圧力が直接ホイルシリンダ31FL〜31
RRへと送られることはない。しかし、マスタ圧センサ3
2、33で検出されるマスタシリンダ圧は運転者のブレ
ーキ操作量に応じている。したがって、このマスタシリ
ンダ圧から算出される運転者のブレーキ操作量と車輪速
センサ16FL〜16RRから得られる車速情報を基にして
目標減速度を演算することができる。
【0028】ステップS3ではこうして設定した目標減
速度から各輪の制動力配分を設定してこの制動力が得ら
れる目標ホイルシリンダ圧Ptを設定する。
【0029】ステップS4では、アンチスキッド制御中
(以下、ABS制御中と称する)であるか否かを判定す
る。この判定はABS制御フラグがONになっているか
否かによって行われる。ABS制御中であればステップ
S5へと移行し、ABS制御中でない場合にはステップ
S20へと移行する。
【0030】ステップS20では、ABS開始条件が満
たされているか否かを判定する。このABS開始条件と
は、例えば、車輪減速度が所定値以上でかつスリップ率
が所定値以上の場合である。ABS開始条件が満たされ
ている、すなわち、車輪がロックしつつあると判定した
場合には、ステップS22へと移行してABS制御フラ
グをONにし、再増圧モードフラグをOFFにするとと
もに、現在の時刻tを変数tstart0に格納する。そし
て、車体減速度に応じてABS制御の減圧モードにおけ
る減圧勾配aとその持続時間taを設定する。そして、
ステップS24では、設定した減圧勾配aに基づいてホ
イルシリンダの制御油圧Pcの更新を行う。すなわち、
前回のタイムステップにおける制御油圧Pcからa×Δ
tだけ減少させた値を新しい制御油圧Pcとして設定す
る。その後、ステップS12へと移行して減圧モード制
御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧Pcに調整
する。
【0031】ステップS20でABS開始条件が満たさ
れていない場合、すなわち、車輪がロックされていない
と判定された場合には、ステップS21へと移行してホ
イルシリンダの制御油圧Pcを目標油圧Ptに設定して
ステップS12へと移行し、ホイルシリンダ圧Pmが目
標油圧Ptになるよう制御する。すなわち、Pm>Pt
ならば減圧モード、Pm<Ptならば増圧モード、Pm
=Ptならば保持モードとして制御が行われる。
【0032】ステップS4でABS制御中であると判定
した場合には、ステップS5へと移行してABS制御の
終了条件が満たされているか否かを判定する。例えば、
再増圧モードフラグがONでかつ、今回の目標ホイルシ
リンダ圧Ptと前回のタイムステップにおけるホイルシ
リンダの制御油圧Pcとの差が所定値以下である場合に
はABS制御の終了条件を満たしていると判定する。
【0033】ステップS5でABS制御の終了条件を満
たしていると判定した場合には、ステップS30へと移
行し、ABS制御フラグをOFFにした後、ステップS
31へと移行してホイルシリンダの制御油圧Pcを目標
油圧Ptに設定してからステップS12へと移行し、ホ
イルシリンダ圧Pmが目標油圧Ptになるよう制御す
る。すなわち、Pm>Ptならば減圧モード、Pm<P
tならば増圧モード、Pm=Ptならば保持モードとし
て制御が行われる。
【0034】一方、ステップS5でABS制御終了条件
が満たされていないと判定された場合には、ステップS
6へと移行してステップS22で設定されたtstart0か
らの経過時間がステップS23で設定したta時間未満
であるか否かを判定する。
【0035】経過時間がta時間未満の場合には、ステ
ップS24へと移行して、設定されている減圧勾配aに
基づいてホイルシリンダの制御油圧Pcの更新を行う。
すなわち、前回のタイムステップにおける制御油圧Pc
からa×Δtだけ減少させた値を新しい制御油圧Pcと
して設定する。その後、ステップS12へと移行して減
圧モード制御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧
Pcに調整する。
【0036】一方、経過時間がta時間以上であった場
合には、ステップS7へと移行して再増圧モード中か否
かを判定する。具体的には、再増圧モードフラグがON
の場合のみに再増圧モード中であると判定する。
【0037】再増圧モード中でないと判定した場合に
は、ステップS8へと移行して再増圧条件が満たされて
いるか否かの判定を行う。この再増圧条件とは、スリッ
プ率が所定値以下の場合であり、ステップS20のAB
S開始条件の所定値より小さい値であってもよい。再増
圧条件が満たされていないとして減圧が十分ではないと
判定された場合には、ステップS40へと移行して、緩
減圧モードの制御を行う。
【0038】まず、ステップS40では、その車輪が駆
動輪であり、かつ、差動装置6で連結されている他の駆
動輪が増圧中であるか否かを判定する。その車輪が駆動
輪でないか、他の駆動輪も減圧中である場合には、トル
ク干渉が発生しないので、減圧勾配a’(ここで、a’
<a)に基づいてホイルシリンダの制御油圧Pcの更新
を行う。すなわち、前回のタイムステップにおける制御
油圧Pcからa’×Δtだけ減少させた値を新しい制御
油圧Pcとして設定する。その後、ステップS12へと
移行して減圧モード制御(a”=0としてステップS)
を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧Pcに調整す
る。
【0039】一方、その車輪が駆動輪であり、かつ、他
の駆動輪が増圧中の場合は、ホイルシリンダ圧を減圧し
なくともトルクが増大する効果によって車輪速度が増大
する同様の効果が得られるので、ホイルシリンダ圧を保
持若しくはその減圧を抑制するため、減圧勾配として前
述のa’より小さいa”(ホイルシリンダ圧を保持する
場合にはa”=0となる)を用いて、ホイルシリンダの
制御油圧Pcの更新を行う。すなわち、前回のタイムス
テップにおける制御油圧Pcからa”×Δtだけ減少さ
せた値を新しい制御油圧Pcとして設定する。その後、
ステップS12へと移行して減圧モード制御(a”=0
の場合は保持モード制御)を行い、ホイルシリンダ圧P
mを制御油圧Pcに調整する。
【0040】ステップS8で再増圧条件が満たされたと
判定された場合には、ステップS9へと移行して再増圧
モードフラグをONにし、現在の時刻tを変数tstart1
に格納する。次に、ステップS10では、現在の減速度
等を基にして再増圧勾配bおよびその持続時間tbを設
定する。
【0041】続くステップS11では、設定された再増
圧勾配bに基づいてホイルシリンダの制御油圧Pcの更
新を行う。すなわち、前回のタイムステップにおける制
御油圧Pcをb×Δtだけ増加させた値を新しい制御油
圧Pcとして設定する。その後、ステップS12へと移
行して増圧モード制御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを
制御油圧Pcに調整する。
【0042】ステップS7において再増圧モード中であ
ると判定された場合には、ステップS50へと移行して
ABS開始条件が再度満たされていないかを判定する。
この時の判定条件はステップS20の判定条件と同一で
ある。ABS開始条件が再度満たされたと判定された場
合には、ステップS22へと移行してABS制御の減圧
モードへと移行する。これにより、再増圧中に再度車輪
がロックされた場合には、速やかにABS制御の減圧モ
ードに移行することにより、車輪のロックを抑制して、
制動力を確保し、制動距離を短縮することが可能とな
る。
【0043】ABS開始条件が満たされていないと判定
された場合には、ステップS51へと移行してステップ
S9で設定されたtstart1からの経過時間がステップS
23で設定したtb時間未満であるか否かを判定する。
【0044】経過時間がtb時間未満の場合には、ステ
ップS11へと移行して、設定されている再増圧勾配b
に基づいてホイルシリンダの制御油圧Pcの更新を行
う。すなわち、前回のタイムステップにおける制御油圧
Pcをb×Δtだけ増加させた値を新しい制御油圧Pc
として設定する。その後、ステップS12へと移行して
増圧モード制御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油
圧Pcに調整する。
【0045】一方、経過時間がtb時間以上であった場
合には、ステップS52へと移行して緩増圧モードへと
移行する。すなわち、前回のタイムステップにおける制
御油圧Pcをb’×Δtだけ増加させた値(ここで、
b’<bである)を新しい制御油圧Pcとして設定す
る。その後、ステップS12へと移行して増圧モード制
御を行い、ホイルシリンダ圧Pmを制御油圧Pcに調整
する。
【0046】図5は、上記制御による両駆動輪のホイル
シリンダ圧の時間変化の一例を示したグラフである。図
に示されるように他方の駆動輪のホイルシリンダ圧が増
圧制御中の場合には、緩減圧モードを行う条件が満たさ
れている場合でも保持モードで制御を行う。一方の駆動
輪のホイルシリンダ圧を増圧制御すると、保持モードに
ある他方の駆動輪に伝達されるトルクが増大するため、
車輪速度が増大し、トルク変動がない場合にホイルシリ
ンダ圧を減圧制御した場合と同様の効果が得られる。減
圧制御を抑制することで、過度の減圧制御による車輪速
度の増大とそれによる減速度の低下を抑えることができ
るので、ABS制御状態によって駆動輪のトルク配分の
影響を低減することができる。この結果、安定した制動
作動と制動距離の短縮を両立させることができる。
【0047】以上の説明では、ホイルシリンダ圧の減圧
制御の際にのみ他の駆動輪の制御状態を参照する例を説
明してきたが、増圧制御の際に他の駆動輪のホイルシリ
ンダ圧が減圧制御状態にある場合には、増圧制御を抑制
する制御を組み合わせてもよい。このようにすると、A
BS制御状態による駆動輪間でのトルク配分の変動を抑
制することができ、好ましい。
【0048】以上の説明では、減圧モード、増圧モード
でそれぞれ緩減圧、緩増圧モードを有する場合を例に説
明したが、いずれかまたは両方を有しない制御であって
もよい。
【0049】また、各ホイルシリンダ圧を監視して、制
御する実施形態について説明してきたが、ブレーキ系統
はこれに限られるものではなく、制動力を各輪ごとに制
御可能な形態であれば各種のブレーキ系統に適用するこ
とが可能である。
【0050】ここでは、前輪駆動車を例に説明したが、
後輪駆動車、四輪駆動車についても本発明は同様に適用
可能である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、他
の駆動輪のいずれかが制動力増加中である場合には、制
動力を低下させる必要があると判定した場合でもその低
下量を抑制する制御を行うことで、過剰な減速度低下を
抑制して必要な制動力を確保するとともに、トルク干渉
に起因する振動の発生を防止して、安定した制動作動を
確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンチスキッド制御装置のブロッ
ク構成図である。
【図2】図1の装置を搭載する車両の全体構成図であ
る。
【図3】図1の装置におけるブレーキ系統の構成図であ
る。
【図4】図1の装置による制御を示すフローチャートで
ある。
【図5】図4の制御による制御例を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ブレーキECU、2…ハイドロブースタ、3…ブレ
ーキアクチュエータ、5…エンジン、6…差動装置、1
1…ブレーキペダル、12…ブレーキストロークセン
サ、15FL〜15RR…車輪、16FL〜16RR…車輪速セ
ンサ、21…マスタシリンダ、22…リザーバ、23…
アキュムレータ、24…ポンプ、25…リリーフ弁、2
6、27…アキュムレータ圧センサ、31FL〜31RR
ホイルシリンダ、32、33…マスタ圧センサ、34FL
〜34RR…ホイルシリンダ圧センサ、35FL〜35RR
36FL〜36RR…リニアソレノイド弁、37〜40…切
替ソレノイド弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二瓶 寿久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松井 成幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松浦 正裕 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3D046 BB07 BB28 FF09 HH16 HH36 JJ11 LL23

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪に対して独立に制動力を付与する
    制動力付与手段と、各車輪の車輪速度を検出する車輪速
    度検出手段と、検出された車輪速度を基にして各車輪の
    スリップ量に応じて前記制動力付与手段により付与され
    る制動力を制御する制御手段とを備えるアンチスキッド
    制御装置において、 複数の駆動輪が差動装置で連結されており、前記制御手
    段は、任意の駆動輪の制動力を低下させる必要があると
    判定した場合でも、他のいずれかの駆動輪の制動力を増
    加中である場合には、他の場合に比べて制動力の低下量
    を抑制する制御を行うことを特徴とするアンチスキッド
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制動力の低下幅抑制制御時は制動力
    を低下させずに制動力を保持することを特徴とする請求
    項1記載のアンチスキッド制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000159085A (ja) * 1998-11-27 2000-06-13 Akebono Brake Ind Co Ltd アンチロック制御方法

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